JP2018053211A - 低反射易引裂性フィルム及び鑑識用補助シート - Google Patents
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Abstract
Description
環状オレフィン系樹脂(a)がフィルム全体に対して1〜40重量%含まれ、かつ
表面に露出する層(以下、単に「表面層」ということがある)の少なくとも一つが、ポリエチレン系樹脂(b)と炭酸カルシウムの2成分を含み、該表面に露出する層全体に対して炭酸カルシウムが15〜60重量%含まれるフィルムにより低反射易引裂性フィルムが提供される。
表面に露出する層の少なくとも一つが、ポリエチレン系樹脂(b)と炭酸カルシウムの2成分を含み、該表面に露出する層全体に対して炭酸カルシウムが15〜60重量%含まれることにより、フィルム表面の低反射性に優れ、しかも横方向の易引裂性に優れる。
本発明の低反射易引裂性フィルムは、環状オレフィン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)と炭酸カルシウムとを含むことを特徴とする。
(1)環状オレフィン系樹脂(a)
本発明の低反射易引裂性フィルムに用いる環状オレフィン系樹脂(a)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα−オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。
さらにまた、エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることが好ましい。より好ましくは、ガラス転移点は70℃以上である。環状オレフィンの含有量が上記範囲を下回ると、ガラス転移点が前記範囲を下回るようになり、十分な剛性が得られず、易引裂性を低下させる等の恐れがある。一方、環状オレフィンの含有量が上記範囲を上回ると、ガラス転移点が高くなりすぎ、共重合体の溶融成形性やオレフィン系樹脂との接着性が低下する恐れがあり好ましくない。
また、環状オレフィン系樹脂(a)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
本発明の低反射易引裂性フィルムに用いるポリエチレン系樹脂(b)としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂(b−1)を構成する樹脂は、上述のLDPE、LLDPE、HDPE、EVA等の単独で構成されてもよいし、2種以上のブレンド物から構成されてもよい。なお、本発明で「ポリエチレン系樹脂」はポリエチレンが主成分である樹脂組成物を意味し、重量分率でポリエチレンが50重量%以上含まれる樹脂組成物を意味する。
本発明の低反射易引裂性フィルムに用いる炭酸カルシウムとしては、平均粒子径Dswが0.5〜5.0μmのものが好ましい。より好ましくは、平均粒子径Dswが1.0〜3μmである。平均粒子径Dswが0.5μ以下になると、光の散乱効果が低減するため、低反射性が悪化する恐れがある。また、平均粒子径Dswが5.0μmを超えると、ポリエチレン系樹脂との相溶性が悪化し、分散性が悪くなる恐れがある。
さらに、ポリエチレンとの分散性の観点から、表面処理された炭酸カルシウムが好ましい。表面処理に用いる処理薬品には、脂肪酸、ワックス等があるが、ポリエチレンとの分散性を向上させるためには脂肪酸により表面処理された炭酸カルシウムが好ましい。
本発明の低反射易引裂性フィルムは、前述したように、環状オレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂と、炭酸カルシウムから構成されるものである。
また、本発明の低反射易引裂性フィルムは、そのエルメンドルフ引裂強度が、横方向(TD)において25N/mm以下であることが好ましい。より好ましくは、15N/mm以下である。ここで本明細書におけるエルメンドルフ引裂強度は、JIS K7128−2に基づき測定した値である。
本発明の低反射易引裂性フィルムを用いて、鑑識用補助シートが得られる。鑑識用補助シートは、例えば共押出インフレーション成形法により、環状ポリオレフィンが含まれる層と炭酸カルシウムが含まれる層を、別々の押出機で加熱溶融させた後、炭酸カルシウムが含まれる層がインフレーションチューブ内側面に露出するように積層されたチューブ状フィルムにおいて、折りたたまれたインフレーションチューブの片側をスリット加工することにより得られる半切状の鑑識用補助シートが挙げられる。当該鑑識用補助シートは、折りたたまれた半切状シートの内側面に、炭酸カルシウムが含まれる層が露出し、その他の層に環状オレフィン系樹脂が含まれる層が含まれていればよく、前述した層以外の層における樹脂組成や、積層させる層の数は限定されない。
当該鑑識用補助シートは、鑑定対象を載せる際、コンタミネーションを防止するために半切状であることが好ましい。半切状であれば、折りたたまれたシート内側面は使用時まで外部からのコンタミネーションを防止できる。
また、鑑定対象物のサイズを計測することや、鑑定対象物のサイズに合わせたシートを切り取るために、半切状シート内側面において少なくとも一方のシート面にスケールを印刷することが好ましい。
なお、実施例における各種物性の測定は、下記要領に従った。
(1) 光沢度(グロス値)
JIS Z8741に基づき、下記装置、条件にて測定した。なお、測定前に黒色標準板(角度60°、光沢度92.4%)で校正を実施した。
装置:スガ試験機株式会社製 UGV−4D
入射光角度:60°
測定環境:温度23℃、湿度50%
(2) エルメンドルフ引裂強度
JIS K7128−2に基づき、以下の装置を用いてエルメンドルフ引裂強度を評価した。なお、TDは垂直方向(TD:Transverse Direction)の値である。
装置:デジタルエルメンドルフ引裂試験機 型式SA(株式会社東洋精機製作所製)
測定環境:温度23℃、湿度50%
(1)環状オレフィン系樹脂(a)
COC:TOPAS8007F−600(MVR=2cm3/10min@190℃−2.16kg, 密度=1010kg/m3) , ポリプラスチックス株式会社製
(2)ポリエチレン系樹脂(b)
LDPE−1:LF405M(MFR=2g/10min, 密度=0.919g/cm3),日本ポリエチレン株式会社製
LDPE−2:LF440B(MFR=2.8g/10min, 密度=0.925g/cm3), 日本ポリエチレン株式会社製
LLDPE−1:UF320(MFR=0.9g/10min, 密度=0.922g/cm3), 日本ポリエチレン株式会社製
LLDPE−2:UF421(MFR=0.9g/10min, 密度=0.926g/cm3), 日本ポリエチレン株式会社製
MB(1):炭酸カルシウム52重量%MB(MB(マスターバッチ):添加剤高濃度含有樹脂)
(実施例1〜3)
前述の特定の原料を用いて、3種3層インフレーション成形機により、厚み50μmのインフレーションフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1、2)
前述の特定の原料を用いて、3種3層インフレーション成形機により、厚み50μmのインフレーションフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例3、4)
前述の特定の原料を用いて、単層インフレーション成形機により、厚み50μmのインフレーションフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
Claims (5)
- 環状オレフィン系樹脂(a)、ポリエチレン系樹脂(b)及び炭酸カルシウムを含む単層又は多層フィルムであって、
環状オレフィン系樹脂(a)がフィルム全体に対して1〜40重量%含まれ、かつ
表面に露出する層の少なくとも一つが、ポリエチレン系樹脂(b)と炭酸カルシウムの2成分を含み、該表面に露出する層全体に対して炭酸カルシウムが15〜60重量%含まれる、低反射易引裂性フィルム。 - 環状オレフィン系樹脂(a)2〜60重量%とポリエチレン系樹脂(b−1)40〜98重量%からなる第1層、及び、ポリエチレン系樹脂(b−2)40〜85重量%と炭酸カルシウム15〜60重量%からなる第2層を含み、炭酸カルシウムが15〜60重量%含まれる第2層が前記表面に露出する層である、少なくとも2層以上の層からなることを特徴とする請求項1記載の低反射易引裂性フィルム。
- 少なくとも一方のフィルム表面において入射角60°におけるグロス値が10%以下であり、該フィルム全体のエルメンドルフ引裂強度が、横方向(TD)において25N/mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の低反射易引裂性フィルム。
- 顔料をさらに含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の低反射易引裂性フィルム。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の低反射易引裂性フィルムを含み、炭酸カルシウムを含む最表面層が、フィルムを二つ折りにした際に、内側に来る層であることを特徴とする、鑑識用補助シート。
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