JP2018052561A - 電子線滅菌設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】開口部を有する滅菌対象物の外面を十分に滅菌し得ると共に、高速化に対応し得る電子線滅菌設備を提供する。【解決手段】ペットボトル6(以下、容器6)の搬送装置2と、容器6の外面に電子線照射する装置3とを設けた設備1である。搬送装置2は、容器6の開口部7を内から保持する内保持具5と、容器6を外から保持する外保持具9と、保持具5,9の位置調整機構23と有する。位置調整機構23は、保持具5,9の位置を、容器6を搬送装置2が受け取る受取状態と、容器6の外面に電子線照射する外面被照射状態と、搬送装置2から容器6を受け渡す受渡状態とに切り換える。受取状態は、容器6を外保持具9で保持し、開口部7を内保持具5で保持しない状態である。外面被照射状態は、開口部7を内保持具5で保持の後、外保持具9での保持を解除した状態である。受渡状態は、容器6を外保持具9で保持の後、内保持具5での保持を解除した状態である。【選択図】図3
Description
本発明は、電子線滅菌設備に関するものである。
飲食品用または医療用の容器を取り扱う企業は、その容器の滅菌が不十分ゆえに食中毒または医療の事故を引き起こすと、社会からの信用が大きく失墜することになる。このため、これらの容器などには、安全性が重要視される先進諸国で、確実な滅菌が必要である。
現在では、容器を確実に滅菌するための設備として、容器に電子線を照射するものが採用されている。このような設備には、容器の外面および内面を確実に滅菌するために、容器の外面に電子線を照射する外面電子線照射装置と、容器の内面に電子線を照射する内面電子線照射装置とが設けられる。この外面電子線照射装置から照射される電子線の影が容器の外面に生じないようにするために、容器の開口部を内から保持する保持要素が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記特許文献1の保持要素が設けられている搬送スターホイールには、その段落[0044]に記載されているように、上流側に位置する引き入れスターホイールの把持要素から容器を受け取り、下流側に位置する送り出しスターホイールの把持要素に容器を受け渡す。ここで、引き入れスターホイールおよび送り出しスターホイールの把持要素はいずれも容器を外から保持するものである。このため、把持要素(外から保持)から保持要素(内から保持)への容器の受け取り、および保持要素(内から保持)から把持要素(外から保持)への容器の受け渡しには、時間を要することになる。
したがって、上記特許文献1に記載された設備では、電子線の影が容器の外面に生じないので当該容器の外面を十分に滅菌できるものの、容器の搬送は他のスターホイールとの受け取りおよび受け渡しの速度に合わせる必要があるので、全体として高速化に対応することができなかった。
そこで、本発明は、容器(開口部を有する滅菌対象物)の外面を十分に滅菌し得るとともに、高速化に対応し得る電子線滅菌設備を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、容器(開口部を有する滅菌対象物)の外面を十分に滅菌し得るとともに、高速化に対応し得る電子線滅菌設備を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の発明に係る電子線滅菌設備は、開口部を有する滅菌対象物の搬送装置と、この搬送装置に搬送されている滅菌対象物の外面に電子線を照射して滅菌する外面電子線照射装置とが設けられた電子線滅菌設備であって、
上記搬送装置が、上記滅菌対象物の開口部を内から保持する内保持具と、上記滅菌対象物を外から保持する外保持具と、上記内保持具および外保持具の位置を調整する位置調整機構と有し、
上記位置調整機構が、上記内保持具および外保持具の位置を、上流側から滅菌対象物を搬送装置に受け取らせる受取状態と、滅菌対象物の外面に外面電子線照射装置から電子線を照射させる外面被照射状態と、搬送装置から滅菌対象物を下流側に受け渡す受渡状態とに切り換えるものであり、
上記受取状態が、滅菌対象物を外から外保持具により保持するとともに、滅菌対象物の開口部を内から内保持具により保持しない状態であり、
上記外面被照射状態が、滅菌対象物の開口部を内から内保持具により保持した後に、外保持具による滅菌対象物の外からの保持を解除した状態であり、
上記受渡状態が、滅菌対象物を外から外保持具により保持した後に、内保持具による滅菌対象物の開口部の内からの保持を解除した状態である。
上記搬送装置が、上記滅菌対象物の開口部を内から保持する内保持具と、上記滅菌対象物を外から保持する外保持具と、上記内保持具および外保持具の位置を調整する位置調整機構と有し、
上記位置調整機構が、上記内保持具および外保持具の位置を、上流側から滅菌対象物を搬送装置に受け取らせる受取状態と、滅菌対象物の外面に外面電子線照射装置から電子線を照射させる外面被照射状態と、搬送装置から滅菌対象物を下流側に受け渡す受渡状態とに切り換えるものであり、
上記受取状態が、滅菌対象物を外から外保持具により保持するとともに、滅菌対象物の開口部を内から内保持具により保持しない状態であり、
上記外面被照射状態が、滅菌対象物の開口部を内から内保持具により保持した後に、外保持具による滅菌対象物の外からの保持を解除した状態であり、
上記受渡状態が、滅菌対象物を外から外保持具により保持した後に、内保持具による滅菌対象物の開口部の内からの保持を解除した状態である。
また、第2の発明に係る電子線滅菌設備は、第1の発明に係る電子線滅菌設備における位置調整機構が、当該位置調整機構と搬送装置に搬送されている滅菌対象物との距離を一定にするものである。
上記電子線滅菌設備によると、開口部を有する滅菌対象物の外面に外面電子線照射装置から照射される電子線の影が生じないので、滅菌対象物の外面を十分に滅菌できるとともに、滅菌対象物の受け取りおよび受け渡しが速やかなので、高速化に対応することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る電子線滅菌設備について図1〜図5に基づき説明する。
この電子線滅菌設備は、概略的に、図1に示す上流側の搬送装置14から滅菌対象物6を外保持具9が受け取り、そして図2から図3に示す滅菌対象物6を外保持具9から内保持具5に持ち替えた後、図3に示す外面電子線照射装置3により滅菌対象物6の外面を滅菌する。その後、上記電子線滅菌設備1は、図3から図5に示すように滅菌対象物6を内保持具5から外保持具9に持ち替えた後、図5に示す下流側の搬送装置4に滅菌対象物6を受け渡すものである。上記滅菌対象物6は開口部7が形成されたものであり、例えば、ペットボトルなどの容器、またはプリフォーム体などである。なお、プリフォーム体とは、ブロー成形によりペットボトルに成形される前の原料体であって試験管形状のものである。以下では、簡単のために、上記開口部7が形成された滅菌対象物6をペットボトル6として説明する。
上記電子線滅菌設備1は、図3に示すように、ペットボトル6の搬送装置2と、この搬送装置2に搬送されているペットボトル6の外面に電子線を照射して滅菌する外面電子線照射装置3とが設けられたものである。上記搬送装置2は、図1〜図5に示すように、上記ペットボトル6の開口部7を内から保持する内保持具5と、上記ペットボトル6の口部8を外から保持する外保持具9と、上記内保持具5および外保持具9の位置を調整する位置調整機構23と有する。この位置調整機構23は、上記内保持具5および外保持具9の位置を、上流側からペットボトル6を搬送装置2に受け取らせる受取状態(図1を参照)と、ペットボトル6の外面に外面電子線照射装置3から電子線を照射させる外面被照射状態(図3を参照)と、搬送装置2からペットボトル6を下流側に受け渡す受渡状態(図5を参照)とに切り換えるものである。上記受取状態は、図1に示すペットボトル6の口部8を外から外保持具9により保持するとともに、ペットボトル6の開口部7を内から内保持具5により保持しない状態である。上記外面被照射状態は、図2に示すペットボトル6の開口部7を内から内保持具5により保持した後に、図3に示す外保持具9によるペットボトル6の口部8の外からの保持を解除した状態である。上記受渡状態は、図4に示すペットボトル6の口部8を外から外保持具9により保持した後に、図5に示す内保持具5によるペットボトル6の開口部7の内からの保持を解除した状態である。
次に、上記電子線滅菌設備1の作用について説明する。
次に、上記電子線滅菌設備1の作用について説明する。
図1に示すように、受取状態として、上流側の搬送装置14からペットボトル6を外保持具9が受け取る。このペットボトル6は、外保持具9に保持されたまま搬送されるとともに、図2に示すように、その開口部7の内から内保持具5により保持される。その後、外保持具9による保持が解除された状態で、ペットボトル6が外面電子線照射装置3の近傍まで搬送されて、図3に示すように、被照射状態として、ペットボトル6の外面に外面電子線照射装置3から電子線が照射される。次に、ペットボトル6は、内保持具5に保持されたまま搬送されるとともに、図4に示すように、その口部8の外から外保持具9により保持される。その後、内保持具5による保持が解除された状態で、ペットボトル6が下流側の搬送装置4の近傍まで搬送されて、図5に示すように、受渡状態として、ペットボトル6が外保持具9から下流側の搬送装置4まで受け渡される。
上記電子線滅菌設備1の作用を簡潔に言えば、上記電子線滅菌設備1は、ペットボトル6に対する外からの保持と内からの保持との持ち替えを、受け取りおよび受け渡しの際に行うのではなく、ペットボトル6を搬送しながら行う。また、ペットボトル6の外面を滅菌する際には、ペットボトル6が内から保持される。したがって、ペットボトル6の外面に電子線を照射する際には、ペットボトル6が内保持具5により保持されているので、ペットボトル6の外面に外面電子線照射装置3から照射される電子線の影が生じない。一方で、ペットボトル6の受け取りおよび受け渡しの際には、ペットボトル6が外保持具9により保持されているので、これら受け取りおよび受け渡しが速やかになる。
このように、上記電子線滅菌設備1によると、ペットボトル6の外面に外面電子線照射装置3から照射される電子線の影が生じないので、ペットボトル6の外面を十分に滅菌できるとともに、ペットボトル6の受け取りおよび受け渡しが速やかなので、高速化に対応することができる。
以下、上記実施の形態をより具体的に示した実施例に係る電子線滅菌設備1について説明する。
以下、上記実施の形態をより具体的に示した実施例に係る電子線滅菌設備1について説明する。
本実施例に係る電子線滅菌設備1は、図6に示すように、上流側の搬送装置14(具体的には搬送用グリッパ15)から受け取ったペットボトル6を搬送しながら、当該ペットボトル6の外面を滅菌するための外面滅菌用搬送装置2が設けられる。この外面滅菌用搬送装置2は、外面が滅菌されたペットボトル6を内面滅菌用搬送装置4(下流側の搬送装置4の一例である)に受け渡すものでもある。この内面滅菌用搬送装置4は、外面滅菌用搬送装置2から受け渡されたペットボトル6を搬送しながら当該ペットボトル6の内面を滅菌するものである。上記電子線滅菌設備1は、さらに、外面電子線照射装置3、すなわち、上記外面滅菌用搬送装置2に搬送されているペットボトル6の外面に電子線を照射して滅菌する装置が設けられる。図6において、符号Aは外面滅菌用搬送装置2が上流側の搬送装置14からペットボトル6を受け取る位置を示し、符号Bはペットボトル6の外面が滅菌される位置を示し、符号Cは外面滅菌用搬送装置2からペットボトル6が内面滅菌用搬送装置4に受け渡される位置を示し、符号Dは内面滅菌用搬送装置4がペットボトル6を下流側に受け渡す位置を示す。ここで、図7〜図13は、ペットボトル6が搬送される経路上において上流側から下流側を見た側面図である。また、図7は符号Aでの位置を示し、図8は符号Aから符号Bまでの間の位置を示し、図9は符号Bでの位置を示し、図10および図11は符号Bから符号Cまでの間の位置を示し(図10が上流側で図11が下流側)、図12は符号Cでの位置を示し、図13は符号Cから符号Dまでの間の位置を示す。
[外面の滅菌に関する構成]
[外面の滅菌に関する構成]
上記外面滅菌用搬送装置2は、図6に示すように、平面視で時計回りに回転する円板状の外面滅菌用ターンテーブル20と、この外面滅菌用ターンテーブル20の外周部に等ピッチで多数配置されてペットボトル6を搬送するための外面滅菌用搬送ユニット21〜23とを有する。
上記外面滅菌用搬送ユニット21〜23は、それぞれ、ペットボトル6の開口部7を封止しながら内から保持する内封保持具21(内保持具5の一例である)と、ペットボトル6の口部8を外から保持する外面滅菌用グリッパ22(外保持具9の一例である)と、上記内封保持具21および外面滅菌用グリッパ22をそれぞれ適切な位置にする保持位置調整器23(位置調整機構23の一例である)とを有する。この保持位置調整器23は、図7に示すように、外面滅菌用ターンテーブル20の外方側で内封保持具21を出退および昇降させる出退昇降機構24と、外面滅菌用ターンテーブル20の外方側で外面滅菌用グリッパ22を出退させる出退機構25とを有する。
上記内封保持具21は、図7に示すように、出退昇降機構24から外面滅菌用ターンテーブル20の外方側に延びる水平バー31と、この水平バー31の先端部(外面滅菌用ターンテーブル20の外方側における先端部)で鉛直に配置されたピン32と、このピン32の下端部に配置された膨縮部33と、上記ピン32の上端部に配置された磁気ローラ34とを有する。また、上記内封保持具21は、図8〜図11に示すように、膨縮部33を膨張させることでペットボトル6の開口部7を内から封止しながら保持する一方、図12および図13に示すように、膨縮部33を縮小させることでペットボトル6の開口部7から抜き取り得る状態にするものである。さらに、上記内封保持具21は、上記ペットボトル6の内部における菌が上記開口部7から拡散しないようする機能を持つ部品から構成され、例えば、ゴムや樹脂などの弾性体を使用した保持具も含む。上記内封保持具21の膨縮部33は、自ら膨張および縮小するものに限られず、外力によって変形して開口部7を内から保持するものでもよい。上記内封保持具21は、図9および図12に示すように、磁気ローラ34が磁気ガイド16,36(詳しくは後述する)に沿って相対移動することで、当該磁気ローラ34とともにピン32および膨縮部33が鉛直軸Zの回りに自転するものである。これら磁気ローラ34が磁気ガイド16,36の代わりに、ギヤおよびラック、または、プーリおよびベルトなどがある。上記外面滅菌用グリッパ22は、図7〜図13に示すように、外面滅菌用ターンテーブル20の外方側に、つまりペットボトル6側にグリップアーム29を有し、このグリップアーム29によりペットボトル6の口部8を外から保持(つまり把持)する構成である。
上記出退昇降機構24は、水平バー31を、図7に示す外面滅菌用搬送装置2が上流側からペットボトル6を受け取る位置で退入および上昇させた状態(膨縮部33が開口部7を封止しない状態)にし、図8および図9に示すペットボトル6を搬送しながらその外面が滅菌される位置までに突出および下降させた状態(膨縮部33が開口部7を封止する状態)にし、図12に示す外面滅菌用搬送装置2からペットボトル6が内面滅菌用搬送装置4に受け渡される位置で再び退入および上昇させた状態(膨縮部33が開口部7を封止しない状態)にするものである。なお、図12に示すように、外面滅菌用搬送装置2からペットボトル6が内面滅菌用搬送装置4に受け渡される位置での水平バー31は、上記出退昇降機構24により、内面電子線照射装置43(詳しくは後述する)からの電子線が少なくとも膨縮部33にも照射される位置に調整される。一方で、上記出退機構25は、外面滅菌用グリッパ22を、図7に示す外面滅菌用搬送装置2が上流側からペットボトル6を受け取る位置で突出させた状態にし、図9に示すペットボトル6の外面が滅菌される位置で退入させた状態にし、図10から図12に示す外面滅菌用搬送装置2からペットボトル6が内面滅菌用搬送装置4に受け渡される位置までに再び突出させた状態にするものである。上記出退昇降機構24および出退機構25は、いずれも、所定の位置で水平バー31および外面滅菌用グリッパ22を出退および昇降させるので、例えば制御用のカムなどを有する。なお、上記外面滅菌用グリッパ22は、ペットボトル6の回転時に当該ペットボトル6との接触部において摺動が発生しない機能を有するものである。この機能を確実に有するようにするために、上記出退機構25に代えて、または上記出退機構25に加えて、上記外面滅菌用グリッパ22のグリップアーム29を開閉させる開閉機構を、上記保持位置調整器23が有してもよい。図9に示すように、外面電子線照射装置3から電子線がペットボトル6の外面に照射される位置には、電子線滅菌設備1の天面となる上面フレーム11から(床面となるベースプレート12からでもよい)支持具17を介して磁気ガイド16が設けられる。この磁気ガイド16は、外面電子線照射装置3から電子線がペットボトル6の外面に照射される際に、磁気ローラ34と面するように配置される。
[内面の滅菌に関する構成]
[内面の滅菌に関する構成]
上記内面滅菌用搬送装置4は、図6に示すように、平面視で反時計回りに回転する円板状の内面滅菌用下段ターンテーブル40と、この内面滅菌用下段ターンテーブル40の外周部に等ピッチで多数配置されてペットボトル6を搬送するための内面滅菌用搬送ユニット44〜46とを有する。また、上記内面滅菌用搬送装置4は、図11〜図13に示すように(図6では省略)、内面滅菌用下段ターンテーブル40の上方に、当該内面滅菌用下段ターンテーブル40と同心の内面滅菌用上段ターンテーブル41と、上記内面滅菌用下段ターンテーブル40および内面滅菌用上段ターンテーブル41の回転を同期させる柱体42と、この内面滅菌用上段ターンテーブル41の外周部に等ピッチで多数配置されてペットボトル6の内面に電子線を照射して滅菌する内面電子線照射装置43とを有する。この内面電子線照射装置43は、そのノズル43nの先端から電子線を照射するものであり、当該ノズル43nの先端を下方に向けて配置される。
上記内面滅菌用搬送ユニット44〜46は、図11〜図13に示すように、ペットボトル6の口部8を外から保持する内面滅菌用グリッパ44と、この内面滅菌用グリッパ44に取り付けられた鉛直バー45と、この鉛直バー45とともに内面滅菌用グリッパ44を昇降させる昇降装置46とを有する。上記内面滅菌用グリッパ44は、上記外面滅菌用グリッパ22と同様の構成であり、ペットボトル6側にグリップアーム49を有する。
上記内面滅菌用上段ターンテーブル41は、図11〜図13に示すように、上記内面電子線照射装置43を取り付ける固定具47を有する。上記固定具47は、図12および図13に示すように、内面滅菌用グリッパ44に把持されたペットボトル6の開口部7の直上方に内面電子線照射装置43が位置するように配置される。図12に示すように、ペットボトル6が搬送される経路上における、外面滅菌用搬送装置2からペットボトル6が内面滅菌用搬送装置4に受け渡される位置には、電子線滅菌設備1の天面となる上面フレーム11から(床面となるベースプレート12からでもよい)支持具37を介して磁気ガイド36が設けられる。この磁気ガイド36は、外面滅菌用搬送装置2(具体的には外面滅菌用グリッパ22)からペットボトル6が内面滅菌用搬送装置4(具体的には内面滅菌用グリッパ44)に受け渡される際に、磁気ローラ34と面するように配置される。
上記昇降装置46は、鉛直バー45を、外面滅菌用搬送装置2からペットボトル6が内面滅菌用搬送装置4に受け渡される位置で図12に示す下降させた状態にし、ペットボトル6の内面を滅菌する位置で図13に示すノズル43nが開口部7を介してペットボトル6の内部に入るまで上昇させた状態にし、内面滅菌用搬送装置4からペットボトル6を下流側に受け渡す位置で再び下降させた状態にするものである。また、上記昇降装置46は、所定の位置で鉛直バー45を昇降させるので、例えば制御用のカムなどを有する。
次に、上記電子線滅菌設備1の作用について説明する。
次に、上記電子線滅菌設備1の作用について説明する。
図6に示すように、符号Aの位置で上流側の搬送装置14からペットボトル6を外面滅菌用搬送装置2が受け取ると、外面滅菌用ターンテーブル20の回転に伴って、ペットボトル6が符号Bの位置を経て符号Cの位置まで時計回りに搬送される。符号Cの位置で外面滅菌用搬送装置2からペットボトル6が内面滅菌用搬送装置4に受け渡されると、内面滅菌用下段ターンテーブル40の回転に伴って、ペットボトル6が符号Dの位置まで反時計回りに搬送される。なお、符号Aの位置から符号Cの位置までは、外面滅菌用グリッパ22、内封保持具21および外面滅菌用グリッパ22の順にペットボトル6が持ち替えられるものの、保持位置調整器23はペットボトル6との距離を一定にする。このため、ペットボトル6が搬送される経路は、左右に振れることなく、滑らかな円弧状となる。
符号Aの位置では、上流側の搬送装置14の搬送用グリッパ15からペットボトル6を外面滅菌用グリッパ22が受け取るので、この受け取りは速やかである。このペットボトル6は符号Aの位置だと外面滅菌用グリッパ22に把持されるが、符号Bの位置までに、水平バー31が突出および下降することで、ペットボトル6が内封保持具21に保持された後、外面滅菌用グリッパ22が退入してペットボトル6の把持を解除する。すなわち、符号Aの位置から符号Bの位置までに、ペットボトル6が外面滅菌用グリッパ22から内封保持具21に持ち替えられる。その状態のまま、ペットボトル6は符号Bを通過することにより、図9に示すように、外面が滅菌される。この外面の滅菌では、ペットボトル6がその開口部7の内から内封保持具21により保持されているので、ペットボトル6の外面に外面電子線照射装置3からの電子線の影が生じない。さらに、磁気ガイド16により磁気ローラ34がピン32および膨縮部33とともに鉛直軸Zの回りに回転し、この回転により膨縮部33に保持されているペットボトル6も回転する。結果として、ペットボトル6の外面の全てに電子線が照射されて滅菌される。
符号Bの位置から符号Cの位置までに、外面滅菌用グリッパ22が突出してペットボトル6を把持する。すなわち、ペットボトル6は、図10に示すように、内封保持具21に保持されたまま、外面滅菌用グリッパ22に再び把持される。
符号Cの位置では、図11から図12に示すように、膨縮部33が縮小してペットボトル6の開口部7から抜き取られるが、この間、開口部7の直上方まで移動する内面電子線照射装置43のノズル43nから、開口部7に向けて電子線の照射が続けられる。これにより、ペットボトル6の開口部7から拡散しようとする菌が死滅する。なお、この際に、図12に示すように、回転するピン32および膨縮部33(これら32,33のうち少なくとも膨縮部33)が、内面電子線照射装置43からの電子線の照射により滅菌される。また、外面滅菌用グリッパ22からペットボトル6が内面滅菌用グリッパ44に受け渡されるので、この受け渡しは速やかである。
符号Cの位置から符号Dの位置までに、図13に示すように、昇降装置46によりペットボトル6が上昇し、開口部7を介してノズル43nがペットボトル6の内部に入る。この間、内面電子線照射装置43のノズル43nから、ペットボトル6の内面に向けて電子線の照射が続けられる。これにより、ペットボトル6の内面の全てに電子線が照射されて滅菌される。
符号Dの位置では、滅菌されたペットボトル6が下流側に受け渡される。
符号Dの位置では、滅菌されたペットボトル6が下流側に受け渡される。
このように、上記電子線滅菌設備1によると、ペットボトル6の外面に外面電子線照射装置3からの電子線の影が生じないので、ペットボトルの外面を十分に滅菌できるとともに、ペットボトル6の受け取りおよび受け渡しが速やかなので、高速化に対応することができる。
また、保持位置調整器23とペットボトル6との距離が一定であることから、ペットボトル6が搬送される経路は、左右に振れることなく、滑らかな円弧状となるので、より高速化に対応することができる。
ところで、上記実施例では、外面滅菌用搬送装置2からのペットボトル6の受け渡しの際に当該ペットボトル6を保持するものとして、外面滅菌用グリッパ22のようなグリッパについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ペットボトル6を外から保持するものであれば、内封保持具21で保持されたペットボトル6を固定部材などにより受け渡すような、グリッパを用いない構成でもよい。
1 電子線滅菌設備
2 搬送装置(外面滅菌用搬送装置)
3 外面電子線照射装置
5 内保持具
6 ペットボトル
7 開口部
9 外保持具
23 位置調整機構(保持位置調整器)
2 搬送装置(外面滅菌用搬送装置)
3 外面電子線照射装置
5 内保持具
6 ペットボトル
7 開口部
9 外保持具
23 位置調整機構(保持位置調整器)
Claims (2)
- 開口部を有する滅菌対象物の搬送装置と、この搬送装置に搬送されている滅菌対象物の外面に電子線を照射して滅菌する外面電子線照射装置とが設けられた電子線滅菌設備であって、
上記搬送装置が、上記滅菌対象物の開口部を内から保持する内保持具と、上記滅菌対象物を外から保持する外保持具と、上記内保持具および外保持具の位置を調整する位置調整機構と有し、
上記位置調整機構が、上記内保持具および外保持具の位置を、上流側から滅菌対象物を搬送装置に受け取らせる受取状態と、滅菌対象物の外面に外面電子線照射装置から電子線を照射させる外面被照射状態と、搬送装置から滅菌対象物を下流側に受け渡す受渡状態とに切り換えるものであり、
上記受取状態が、滅菌対象物を外から外保持具により保持するとともに、滅菌対象物の開口部を内から内保持具により保持しない状態であり、
上記外面被照射状態が、滅菌対象物の開口部を内から内保持具により保持した後に、外保持具による滅菌対象物の外からの保持を解除した状態であり、
上記受渡状態が、滅菌対象物を外から外保持具により保持した後に、内保持具による滅菌対象物の開口部の内からの保持を解除した状態であることを特徴とする電子線滅菌設備。 - 位置調整機構が、当該位置調整機構と搬送装置に搬送されている滅菌対象物との距離を一定にするものであることを特徴とする請求項1に記載の電子線滅菌設備。
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JP2016192387A Pending JP2018052561A (ja) | 2016-08-26 | 2016-09-30 | 電子線滅菌設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018052561A (ja) |
-
2016
- 2016-09-30 JP JP2016192387A patent/JP2018052561A/ja active Pending
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