JP2018050925A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】折り返しの発生の有無を精度よく判定し、折り返しが発生している場合にはその影響を好適に補正することができる超音波診断装置を提供する。【解決手段】折り返し判定部105は、最新のフレームの血流速度データVcurrentと、最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1と、に加えて、最新より以前のフレームにおいて判定された、当該フレームにおいて残像処理された血流速度データの折り返し判定結果Raliasing−1に基づいて折り返し判定を行う。パーシスタンス演算部108は、折り返しが発生した血流速度データに対して補正を行ってからパーシスタンス演算を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフローマッピング時の残像処理を行う超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波を被検体に送信し、その反射エコーに含まれる情報を解析することにより、被検体内の画像を作成する。カラーフローマッピング(Color Flow Mapping、以下CFMと略す場合がある)と呼ばれる手法によって、被検体内の血流を画像化することが可能であり、医療分野全般において、血流状態を表示することのできる超音波診断装置が広く利用されている。
カラーフローマッピングはカラードップライメージング(Color Doppler Imaging、CDI)とも呼ばれ、ドップラ効果を利用する手法である。超音波が血流を照射すると、ドップラ効果により反射エコーに血流速度に応じたドップラ偏移が生じる。このドップラ偏移の情報を直交検波によって検出し、MTI(Moving Target Indicator)フィルタと呼ばれるハイパスフィルタ処理、自己相関処理およびノイズカット処理を施すことによって、血流速度に関する情報が得られる。得られた血流速度の情報を色情報に変換し、二次元的にBモード断層画像(エコーの振幅を輝度として表した画像)に重畳することによって、被検体内の血流状態を好適に表示することができる。
血流から得られる反射エコーによる受信信号強度は、Bモード断層画像の生成に用いられる組織散乱体および組織境界から得られる反射エコーの受信信号強度と比較して小さい。このため、カラーフローマッピングにおける信号処理によって得られる血流速度および血流パワー(移動する血流量)は不安定になりやすい。
特に、観察したい部分の血流速度が遅い場合、あるいは、観察したい部分が末梢血管である場合、血流パワーが小さくなるため、本来、システムノイズおよび音響ノイズのみをカットするべきノイズカット処理において、血流速度あるいは血流パワーに関する情報が除去されてしまいやすい。その結果、血流画像において本来血流として表示される部分が黒く抜けてしまう現象が発生する。具体的には、例えば、1秒間に数フレームから数十フレームの割合で、被検体内の血流を画像化する場合、そのうちのいくつかのフレームにおいて、血流部分が黒く表示されてしまう。このため、断層画像中の血流部分が突然消滅し、画像が滑らかでなくなったり、違和感のあるものとなったりする。
このような問題を解決した超音波診断装置として、信号処理後段においてパーシスタンス処理(残像処理)と呼ばれる時間方向補間を行う超音波診断装置が例えば特許文献1に開示されている。以下では、パーシスタンス処理を行う超音波診断装置の具体的な構成例について簡単に説明する。
図8に示す従来の超音波診断装置において、超音波送受信部402は、探触子401を駆動し、超音波を被検体へ送信する。また、探触子401によって被検体で生じる反射エコーを受信し、受信信号を生成する。Bモード断層画像を生成する場合、超音波送受信部402は、Bモード断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号を断層画像信号処理部409へ出力する。カラーフローマッピング断層画像を生成する場合は、カラーフローマッピング断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号をカラーフローマッピング処理部403(以下、CFM信号処理部と略す)へ出力する。一般的に、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、安定したカラーフローマッピング断層画像を得るために、超音波送受信部402は、同じ音響線上において超音波の送受信を複数回行う。
CFM信号処理部403は、受信信号に対して直交検波処理、MTIフィルタ処理および自己相関処理を行い、血流速度および血流パワーを算出したのち、システムあるいは音響ノイズを排除するノイズカット処理を行い、フレームメモリ部404に血流速度および血流パワーを出力する。
フレームメモリ部404は、リングバッファで構成されており、現在の走査フレームからNフレーム前(Nは、1以上の整数)までの血流速度および血流パワーをフレーム単位で保存している。ここで、フレームとは、1画面のCFM断層画像を構成する血流速度データおよび血流パワーデータ群を示す。
フレームメモリ選択部405は、フレームメモリ部404から、あらかじめ設定された複数のCFMフレームデータを選択し、パーシスタンス演算部407へ出力するようフレームメモリ部404に指令を出力する。パーシスタンス演算部407は、フレームメモリ部404から読み出されたCFMフレームデータとパーシスタンス係数設定部406から出力されるパーシスタンス係数に基づいてパーシスタンス演算を実施し、CFM DSC(Digital Scan Converter)部408に出力する。パーシスタンス演算は、単純な重み付け演算であり、パーシスタンス係数設定部406から出力されるパーシスタンス係数は、あらかじめシステムから設定された固定係数である。パーシスタンス演算とは、現在およびそれに連続する複数フレームの画像に対し重み付け加算を行い、その結果を表示に利用することによって、残像効果を与える演算である。
CFM DSC部408は、パーシスタンス演算部407から出力されるCFMフレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
断層画像信号処理部409は受信信号に対してダイナミックフィルタ処理を施すことにより、不要なノイズをカットしたのち、包絡線検波処理およびダイナミックレンジ圧縮処理を施して断層画像DSC部410に断層画像フレームデータを出力する。断層画像DSC部410は、断層画像信号処理部409からの断層画像フレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
画像合成部411は、CFM DSC部408および断層画像DSC部410から出力される各フレームデータを画素ごとに合成し、合成画像フレームデータを生成する。具体的には、血流速度がゼロである場合は、断層画像フレームデータを表示し、そうでない場合は、CFMフレームデータを表示するように2つのデータを画素ごと、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成する。また、血流速度や血流の方向に応じてデータを色情報に変換し、表示部412に出力する。表示部412は、画像合成部411から受け取ったデータを表示する。
特開平2−286140号公報 特許第5652395号公報
ところで、ドップラ偏移によって計測できる血流速度はパルス繰り返し周波数(PRF)による制限を受ける。その結果、±PRF/2を超える周波数変化に対応する血流速度が、反対向きの血流速度として観測される現象である折り返しが発生し、血流速度を正確に評価することが困難となる。
このように折り返しが発生する場合には、良好な画像を得るために、折り返しが発生しているか否かを判定し、その影響を補正する必要がある。折り返しの発生を検出し、補正を行う技術として、例えば特許文献2に開示された技術がある。特許文献2には、血流速度および折り返しの状態に基づいてパーシスタンス処理に用いるパーシスタンス係数を動的に決定した後にCFMフレームデータに対してパーシスタンス演算を行うことにより、折り返しの影響を補正する技術が開示されている。しかしながら、折り返しが発生しているか否かを判定する精度をより向上させたいという要望がある。
本発明は、折り返しの発生の有無を精度よく判定し、折り返しが発生している場合にはその影響を好適に補正することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、探触子を繰り返し駆動し、前記探触子の駆動により送信された超音波が被検体において反射された反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、を備え、前記残像処理部は、最新のフレームの血流速度データである第1血流速度データと、最新より以前のフレームにおいて残像処理された血流速度データである第2血流速度データと、最新より以前のフレームにおいて判定された、当該フレームにおいて残像処理された血流速度データの折り返しの有無を示す第1折り返し判定結果と、に基づいて、前記第1血流速度データと前記第2血流速度データに折り返しが発生したか否かの判定を行い、前記第1血流速度データの折り返し判定の結果である第2折り返し判定結果と、第2血流速度データの折り返し判定の結果である第3折り返し判定結果と、を出力する折り返し判定部と、前記第2および第3折り返し判定結果と、残像効果を調整するための所定のパーシスタンス係数と、に基づいて、前記第1血流速度データおよび前記第2血流速度データを用いてパーシスタンス演算を行い、前記パーシスタンス演算の結果を最新のフレームにおいて残像処理された血流速度データである第3血流速度データとして出力し、かつ、前記第3血流速度データに折り返しが発生したか否かの判定を行い、その結果である第4折り返し判定結果を出力するパーシスタンス演算部と、を備える。
本発明によれば、折り返しの発生の有無を精度よく判定し、折り返しが発生している場合にはその影響を好適に補正することができる超音波診断装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図 ドップラ効果に基づいて得られる血流の速度と血流の方向とを図示した概要図 条件(10)のVcurrentおよびVout−1を複素平面上に示した図 条件(11)のVcurrentおよびVout−1を複素平面上に示した図 条件(12)のVcurrentおよびVout−1を複素平面上に示した図 条件(13)のVcurrentおよびVout−1を複素平面上に示した図 条件(14)のVcurrentおよびVout−1を複素平面上に示した図 条件(15)のVcurrentおよびVout−1を複素平面上に示した図 参照インデックスとパーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフ 本発明の第2の実施の形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図 第1参照インデックスと第1パーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフ 第2参照インデックスと第2パーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフ 本発明の第3実施の形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図 従来の超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図
(第1の実施の形態)
<超音波診断装置の構成例>
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す超音波診断装置11は、探触子101と、超音波送受信部102と、CFM信号処理部103と、残像処理部115と、断層画像信号処理部111と、CFM DSC部110と、断層画像DSC部112と、画像合成部113と、表示部114とを備える。これらの構成のうち、探触子101および表示部114には汎用の探触子および表示装置を用いることが可能であり、超音波診断装置11は、探触子101および表示部114を備えていなくてもよい。
超音波送受信部102は、探触子101を駆動する駆動信号を生成して探触子101へ出力する。これに応じて、探触子101は被検体に向けて超音波を送信する。また、探触子101は送信された超音波が被検体において反射することによって得られた反射エコーを受信し、受信信号を生成する。超音波送受信部102は、本発明の送受信部に対応する。
より具体的には、探触子101は複数の圧電素子を含み、各圧電素子から超音波が送信される。複数の圧電素子から送信された超音波により超音波ビームが構成される。超音波送受信部102は、被検体を複数の超音波ビームによって走査するように、各圧電素子の遅延制御を行いながら探触子101を駆動する。
被検体による反射エコーは各圧電素子によって受信される。超音波送受信部102は、各圧電素子の遅延制御を行うことにより、送信された超音波ビームに対応する受信信号を探触子101に生成させる。超音波ビームが被検体を1回走査すると、1フレーム分のデータが得られる。探触子101は、1秒間に数回〜数十回繰り返して被検体を走査することにより、毎秒数フレームから数十フレームの受信信号を逐次生成することができる。
本第1の実施の形態に係る超音波診断装置11は、Bモード断層画像とカラーフローマッピング画像と生成し、これらを合成して表示部114に表示する。このため、超音波送受信部102の上述した超音波の送受信は、Bモード断層画像の生成およびカラーフローマッピング画像の生成のそれぞれについて行われる。Bモード断層画像の1秒当たりのフレーム数およびカラーフローマッピング画像の1秒当たりのフレーム数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。フレーム数が同じである場合には、Bモード断層画像生成のための超音波の送受信およびカラーフローマッピング画像生成のための超音波の送受信を交互に繰り返し行ってもよい。
Bモード断層画像を生成する場合、超音波送受信部102は、Bモード断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号を断層画像信号処理部111へ出力する。一方、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、超音波送受信部102は、カラーフローマッピング断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号をCFM信号処理部103へ出力する。一般的に、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、安定したカラーフローマッピング断層画像を得るために、超音波送受信部102は、同じ音響線上において超音波の送受信を複数回行う。
CFM信号処理部103は、受信信号に対して直交検波処理、MTIフィルタ処理および自己相関処理を行った後、血流速度および血流パワーを算出したのち、システムあるいは音響ノイズを排除するノイズカット処理を行ってCFMフレームデータを生成する。CFMフレームデータは少なくとも血流速度データを含んでおり、その他に血流パワーデータや血流速度の分散データを含んでいてもよい。CFM信号処理部103はこの処理を、各フレームを構成する受信信号ごとに逐次繰り返して行う。CFM信号処理部103が生成したCFMフレームデータは、フレームごとに残像処理部115へ出力される。CFM信号処理部103は、本発明のカラーフローマッピング信号処理部に対応する。
残像処理部115は、パーシスタンス係数を用いて、フレームごとにCFMフレームデータに対して残像処理を行う。本第1の実施の形態に係る超音波診断装置11では、残像処理部115は、最新のフレームの血流速度に応じてパーシスタンス係数を決定する。つまり、パーシスタンス係数は一定ではなく、最新のフレームの血流速度に基づく動的な値である。これにより、血流速度に応じてパーシスタンス係数を変化させ、残像効果を調整することができる。ただし、ドップラ偏移によって計測できる血流速度はパルス繰り返し周波数(PRF)による制限を受ける。その結果、±PRF/2を超える周波数変化に対応する血流速度が、反対向きの血流速度として観測される現象である折り返しが発生し、血流速度を正確に評価することが困難となる。このため、残像処理部115は、折り返しが発生しているか否かを判定し、折り返しが発生していると判定した場合には、血流速度データに対して補正を行い、折り返しの影響をキャンセルする。これにより、本第1の実施の形態に係る超音波診断装置11では、折り返しの発生に拘わらず正確な血流速度を評価することができる。
本第1の実施の形態に係る超音波診断装置11では、残像処理部115は、最新のフレームの血流速度データと、1つ前のフレームの血流速度データと、を用いて、折り返しが生じているか否かを判定する。このような処理を行うための構成として、残像処理部115は、フレームメモリ部(第1メモリ部)104と、折り返し判定部105と、パーシスタンス係数決定部106と、パーシスタンス係数参照メモリ部(第3メモリ部)107と、パーシスタンス演算部108と、パーシスタンスメモリ部(第2メモリ部)109と、を有する。
フレームメモリ部104は、最新の(現在走査中の)フレームのCFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109は、最新より1つ前のフレームのパーシスタンス演算部108の出力結果であるCFMフレームデータと、パーシスタンス演算部108から出力された、最新より1つ前のフレームの折り返し判定結果と、を記憶する。パーシスタンスメモリ部109に記憶されるCFMフレームデータには、パーシスタンス演算、すなわち残像処理が施されている。以下では、フレームメモリ部104に記憶されたCFMフレームデータのうちの血流速度データをVcurrent、パーシスタンスメモリ部109に記憶されたCFMフレームデータのうちの血流速度データをVout−1、パーシスタンスメモリ部109に記憶された、最新より1つ前のフレームの折り返し判定結果をRaliasing−1と呼ぶ。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104からCFMフレームデータのうちの血流速度データVcurrentを、パーシスタンスメモリ部109からCFMフレームデータのうちの血流速度データVout−1をそれぞれ読み出し、それぞれの血流速度データに対して折り返し判定を行う。より具体的には、折り返し判定部105は、血流速度データVcurrentおよび血流速度データVout−1と複数のしきい値とを比較することによって、最新フレームの血流速度データVcurrentと、最新より1つ前の血流速度データVout−1のそれぞれに対して折り返しが発生しているか否かを判定し、判定結果をパーシスタンス係数決定部106およびパーシスタンス演算部108に出力する。
パーシスタンス係数決定部106は、折り返し判定部105からの2つの判定結果(Vcurrentの判定結果とVout−1の判定結果)と、フレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentと、に基づいて、パーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。また、パーシスタンス係数決定部106は、パーシスタンス係数参照メモリ部107にアクセスし、参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数を読み出して、パーシスタンス演算部108に設定する。パーシスタンス係数参照メモリ部107には、あらかじめ血流速度の値に対応付けられたパーシスタンス係数の参照テーブルが記憶されている。この参照テーブルは、血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む。
パーシスタンス演算部108は、パーシスタンス係数決定部106から設定されたパーシスタンス係数と、折り返し判定部105からの2つの判定結果と、に基づいて、最新の血流速度データVcurrentに対してパーシスタンス演算を行う。パーシスタンス演算とは、現在およびそれに連続する複数フレームの画像に対し重み付け加算を行い、その結果を表示に利用することによって、残像効果を与える演算である。
なお、残像処理部115における、折り返し判定部105、パーシスタンス係数決定部106、およびパーシスタンス演算部108が行う処理の詳細は後述する。
CFM DSC部110は、パーシスタンス演算部108から出力される血流速度データの座標を変換し、画像合成部113へ出力する。
断層画像信号処理部111は、受信信号に対してダイナミックフィルタ処理を施すことにより、不要なノイズをカットしたのち、包絡線検波処理およびダイナミックレンジ圧縮処理を施して断層画像DSC部112に断層画像フレームデータを出力する。断層画像DSC部112は、断層画像信号処理部111からの断層画像フレームデータの座標を変換し、画像合成部113へ出力する。
画像合成部113は、CFM DSC部110および断層画像DSC部112から出力される各フレームデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成し、合成画像フレームデータを生成する。具体的には、血流速度がゼロである場合は、断層画像フレームデータを表示し、そうでない場合は、CFMフレームデータを表示するように2つのデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成する。また、血流速度や血流の方向に応じてデータを色情報に変換し、表示部114に出力する。表示部114は、画像合成部113から受け取ったデータを表示する。
<折り返し判定部の処理>
次に、折り返し判定部105における折り返し判定方法と、パーシスタンス係数決定部106におけるパーシスタンス係数の決定方法と、について、より詳細に説明する。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104から最新のフレームのCFMフレームデータに含まれる血流速度データVcurrentを読み出し、パーシスタンスメモリ部109から最新の1フレーム前における残像処理された血流速度データVout−1を読み出す。そして、折り返し判定部105は、読み出したVcurrentおよびVout−1の値を用いて、Vcurrentに折り返しが発生しているかの判定と、Vout−1に折り返しが発生しているかの判定と、を行う。
図2は、ドップラ効果に基づいて得られる血流の速度と血流の方向とを図示した概要図である。図2は複素平面を示した図であって、血流速度は複素平面上において位相角を有するベクトルとして表すことができる。すなわち、血流速度が増減するということは、図2に示す複素平面上において血流速度に対応するベクトルが原点を中心に回転することを意味する。
図2に示すベクトルVcurrentおよびVout−1は、CFM信号処理部103が生成した、あるフレームにおけるCFMフレームデータに含まれる血流速度データVcurrentおよびVout−1が複素平面上に表されたものである。上述したように、図2に示す複素平面において、血流速度データVcurrentおよびVout−1の大きさは、+X軸からの回転角(すなわち位相角)に対応している。
図2に示す複素平面において、血流速度が正の値である場合、その血流速度に対応するベクトルは第1象限または第2象限に位置し、血流速度が負の値である場合、その血流速度に対応するベクトルは第3象限または第4象限に位置することになる。なお、血流速度が正の値であるとは、血流が探触子101に近づく方向に移動していることを意味し、血流速度が負の値であるとは、血流が探触子101から遠ざかる方向に移動していることを意味する。
複素平面において、ある血流速度に対応する速度ベクトルの大きさが0から徐々に増大すると、血流速度データに対応するベクトルは、+X軸からの回転角が大きくなる方向に移動する。具体的には、+X軸から−X軸に向かって第1象限、第2象限の順に移動する。そして、血流速度が所定の値+Vmaxまたは−Vmax(±PRF/2に相当する周波数変化に対応する速度)を超え、−X軸を超えて第2象限から第3象限へ移動すると、折り返しが生じ、正の値であるはずの血流速度が負の値として測定されてしまう。なお、速度ベクトルの大きさが0から徐々に減少する場合は、血流速度データに対応するベクトルは、上記と反対の方向に移動する。
以上のことを踏まえて、折り返し判定部105は、以下のように最新のフレームの血流速度データVcurrentの大きさと、最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1の大きさと、所定のしきい値Vthを比較することで、VcurrentおよびVout−1に折り返しが発生しているか否かを判定する。
ここで、まず折り返し判定の方法として、上記した特許文献2に開示されている方法について説明し、その方法において改良すべき点(要改良点)を挙げた後、本発明が採用する折り返し判定の方法について説明する。
[従来の折り返し判定方法(特許文献2に開示された方法)]
以下の表1は、従来の折り返し方法を用いた場合の折り返し判定結果を示している。なお、表1において、しきい値Vthは、隣接するフレームの時間間隔において想定される血流速度の変化の最大値である。
Figure 2018050925
表1の条件(0)に示すように、最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1が正であり、かつ、最新のフレームの血流速度データVcurrentが−Vthよりも小さい場合、仮に折り返しが発生していないとすると、最新より1つ前のフレームでは正方向(探触子101に近づく方向)であった血流が、最新のフレームでは逆の負方向(探触子101から遠ざかる方向)の高速な血流に急激に変化したことになるため不自然である。すなわち、最新より1つ前のフレームで正方向であった血流の速度が最新のフレームで大きくなり、+PRF/2に対応する血流速度、すなわち折り返しが発生する血流速度よりも大きな値となっていると推定される。このため、条件(0)が満たされるとき、Vcurrentに折り返しが発生していると判定される。条件(1)は、条件(0)の符号が逆転した場合である。なお、以下では、折り返しが発生する血流速度をVmaxまたは−Vmaxと記載する。
条件(2)に示すように、Vout−1が−Vthより小さい場合、Vcurrentが正の値となったとすると、仮に折り返しが発生していないとすると、最新より1つ前のフレームでは負方向であった高速な血流が、最新のフレームでは逆の正方向の血流に急激に変化したことになるため不自然である。すなわち、Vout−1は折り返しが発生していて正方向の+PRF/2より大きな値であり、最新のフレームでは同じ正方向で血流の速度が遅くなったと推定される。従って、折り返しが発生していると判定される。条件(3)は、条件(2)の符号が逆転した場合である。
条件(0)から(3)のいずれも満たさない場合には、折り返しが発生していないと判定される。
[従来の折り返し判定方法の要改良点]
しかしながら、上記した従来の折り返し判定方法には、以下のような要改良点が存在する。第1の要改良点は、折り返しが発生していると判定したとしても、VcurrentとVout−1のどちらに折り返しが発生しているのかが特定されない、という点である。
具体的には、例えばVout−1>VthかつVcurrent<−Vthである場合、表1では、条件(0)または条件(3)に該当し、折り返しが発生していると判定されるが、VcurrentとVout−1のどちらが折り返しているのかを特定することができない場合がある。すなわち、条件(0)ならVcurrentに折り返しが発生していることになり、条件(3)ならVout−1に折り返しが発生していることになり、どちらが折り返しているのかを特定することができない。また、Vout−1<−VthかつVcurrent<Vthである場合も、条件(1)または条件(2)に該当し、同様にどちらが折り返しているのかを特定することができない場合がある。
第2の要改良点は、折り返しが発生していないと判定されたとしても、実際には折り返しが発生している場合がある、という点である。具体的には、例えばVout−1<−VthかつVcurrent<−Vthである場合、上記表1では条件(4)に該当し、折り返しが発生していないと判定されるが、実際には、VcurrentとVout−1の両方に折り返しが発生している場合にもVout−1<−VthかつVcurrent<−Vthが満たされうる。Vout−1>VthかつVcurrent>Vthである場合も同様である。
以下説明する本発明の折り返し判定方法は、このような従来の折り返し判定方法を改良するものである。
[本発明の折り返し判定部による折り返し判定方法]
本発明においては、折り返し判定部105は、最新のフレームの血流速度データVcurrentの大きさと、最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1の大きさと、最新より1つ前のフレームの折り返し判定結果Raliasing−1と、に基づいて、折り返し判定を行う。以下の表2は、折り返し判定部105による折り返し判定結果を示している。なお、表2において、「折り返し有り」とは、最新より1つ前のフレームの折り返し判定結果Raliasing−1が、折り返しがあったという判定結果であることを意味し、「折り返し無し」とは、最新より1つ前のフレームの折り返し判定結果Raliasing−1が、折り返しがなかったという判定結果であることを意味する。
Figure 2018050925
表2の条件(10)に示すように、Vout−1<−VthかつVcurrent<−Vthである場合、上記したように、実際には、VcurrentとVout−1の両方に折り返しが発生していない、あるいは、両方に折り返しが発生している。このため、折り返し判定部105は、Raliasing−1を参照し、最新より1フレーム前の折り返し判定結果Raliasing−1が条件(10)に示すように「折り返し有り」であった場合には、VcurrentとVout−1にも折り返しが発生したと判定する。その理由は以下の通りである。最新より1フレーム前の折り返し判定結果Raliasing−1が「折り返し有り」ということはVout−1に折り返しが発生しているということを意味するため、Vout−1は+PRF/2より大きな値である。このとき、仮にVcurrentに折り返しが発生していないとすると、最新より1つ前のフレームでは正方向の+PRF/2に相当する速度を超える非常に高速であった血流が、最新のフレームでは逆の負方向の高速な血流に急激に変化したことになるため不自然である。このため、最新のフレームでも正方向の+PRF/2に相当する速度を超える非常に高速な血流のままと推定される。条件(11)に示す、Vout−1<−VthかつVcurrent<−Vthである場合も同様である。
図3Aは、条件(10)のVcurrentおよびVout−1を図2と同様の複素平面上に示した図である。また、図3Bは、条件(11)のVcurrentおよびVout−1を図2と同様の複素平面上に示した図である。
また、条件(12)に示すように、Vout−1>0かつVcurrent<−Vthで、さらに折り返し判定結果Raliasing−1が「折り返し無し」であった場合には、Vout−1に折り返しが発生していないということであるから、表1の条件(0)と同様の理由によって、折り返し判定部105は、Vcurrentに折り返しが発生しており、Vout−1には折り返しが発生していないと判定する。条件(13)は条件(12)の符号が逆転した場合である。
図3Cは、条件(12)のVcurrentおよびVout−1を図2と同様の複素平面上に示した図である。また、図3Dは、条件(13)のVcurrentおよびVout−1を図2と同様の複素平面上に示した図である。
条件(14)に示すように、Vout−1が−Vthより小さい場合に、Vcurrentが正の値となり、かつ、折り返し判定結果Raliasing−1が「折り返し有り」であった場合には、Vout−1に折り返しが発生しているということであるから、表1の条件(2)と同様の理由によって、折り返し判定部105は、Vcurrentに折り返しが発生しておらず、Vout−1に折り返しが発生していると判定する。条件(15)は条件(14)の符号が逆転した場合である。
図3Eは、条件(14)のVcurrentおよびVout−1を図2と同様の複素平面上に示した図である。また、図3Fは、条件(15)のVcurrentおよびVout−1を図2と同様の複素平面上に示した図である。
ここで、Vout−1>VthかつVcurrent<−Vthである場合、折り返し判定結果Raliasing−1が「折り返し無し」であれば条件(12)に該当し、折り返し判定結果Raliasing−1が「折り返し有り」であれば条件(15)に該当するから、それぞれVcurrentおよびVout−1の折り返しの有無を特定することができる。また、Vout−1<−VthかつVcurrent>Vthである場合も、同様に条件(13)または条件(14)に該当し、VcurrentおよびVout−1の折り返しの有無を特定することができる。
そして、条件(10)から(15)のいずれも満たさない場合には、折り返し判定部105は、折り返しが発生していないと判定する(条件(16))。
このように、本発明の折り返し判定部105による折り返し判定方法によれば、従来の折り返し判定方法では折り返しが発生しているか否かを正確に判定できない場合でも、折り返しが発生しているか否かを正確に判定することができる。
<パーシスタンス係数決定部の処理>
次に、パーシスタンス係数決定部106がパーシスタンス計数をパーシスタンス演算部108に設定する方法について説明する。
パーシスタンス係数決定部106は、折り返し判定部105から出力された、最新のフレームの血流速度データVcurrentの折り返し判定結果と、最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1の折り返し判定結果と、フレームメモリ部104から読み出したVcurrentの絶対値と、に基づいて、パーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。以下の表3は、パーシスタンス係数決定部106が作成される参照インデックスを示す。
Figure 2018050925
currentに折り返しが発生している場合、血流速度データVcurrentの大きさは、実際には、Vmaxまたは−Vmaxを超える絶対値の大きな値と考えられる。このため、参照インデックスはVmaxとなる。その他の場合には、Vcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる。
パーシスタンス係数参照メモリ部107には、参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数によって構成される参照テーブルが記憶されている。パーシスタンス係数決定部106は、パーシスタンス係数参照メモリ部107にアクセスし、作成された参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数を読み出し、パーシスタンス演算部108へ出力する。
図4は、参照インデックスとパーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図4において、横軸は参照インデックスを示し、縦軸は、パーシスタンス係数を示している。表3に示したように、参照インデックスは、VmaxまたはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)である。Vcurrentの絶対値がしきい値Vth以下である場合には、Vcurrentの増大にともなって単調に減少するパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vcurrentの絶対値がしきい値Vth以下である場合には、最新のフレームの血流速度データVcurrentの大きさに応じて異なるパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。
上記したように、パーシスタンス演算とは、現在およびそれに連続する複数フレームの画像に対し重み付け加算を行い、その結果を表示に利用することによって、残像効果を与える演算である。パーシスタンス演算の詳細については後述する。
<パーシスタンス演算部108の処理>
パーシスタンス演算部108は、パーシスタンス係数決定部106から設定されたパーシスタンス係数と、折り返し判定部105からの2つの判定結果と、に基づいて、最新の血流速度データVcurrentに対してパーシスタンス演算を行う。
折り返し判定部105からの判定結果のうち、Vcurrentの判定結果が真であった場合、すなわち、Vcurrentに折り返しが発生していると判定された場合、パーシスタンス演算部108は、パーシスタンス演算を行う前に、Vcurrentに対して以下の補正を行う。具体的には、パーシスタンス演算部108は、Vcurrent<0の場合はVcurrentに繰り返し周波数PRFを加えてVcurrent+PRFに補正し、Vcurrent>0の場合はVcurrentからPRFを減じてVcurrent−PRFに補正する。
同様に、折り返し判定部105からの判定結果のうち、Vout−1の判定結果が真であった場合、すなわち、Vout−1に折り返しが発生していると判定された場合、パーシスタンス演算部108は、パーシスタンス演算を行う前に、Vout−1に対して上記Vcurrentと同様の補正を行う。具体的には、パーシスタンス演算部108は、Vout−1<0の場合はVout−1をVout−1+PRFに補正する。また、パーシスタンス演算部108は、Vout−1>0の場合はVout−1をVout−1−PRFに補正する。
そして、パーシスタンス演算部108は、血流速度データVcurrentおよびVout−1を用いて、以下の式(1)を用いてパーシスタンス演算を行う。
out=(1−Cpersistence)×Vcurrent+Cpersistence×Vout−1・・(1)
式(1)において、Voutは最新のフレームにおける、パーシスタンス演算された(残像処理された)血流速度データであり、Cpersistence(0≦Cpersistence≦1)は、パーシスタンス係数決定部106により設定されるパーシスタンス係数である。
さらに、パーシスタンス演算部108は、上記したように式(1)を用いてパーシスタンス演算を行った結果、Vout>+PRF/2となった場合は、VoutをVout−PRFに補正し、Vout<−PRF/2となった場合は、VoutをVout+PRFに補正する。そして、パーシスタンス演算部108は、補正したVoutをCFM DSC部110およびパーシスタンスメモリ部109に出力する。
このような処理により、Vcurrent、Vout−1、あるいはVoutに折り返しが発生していたとしても、折り返しの影響をキャンセルしたVoutを算出することができる。
なお、上記説明したパーシスタンス演算部108によるパーシスタンス演算は、1フレーム分の血流速度データ(CFMフレームデータ)の各画素または測定点ごとに行われる。
このようにパーシスタンス係数決定部106が決定したパーシスタンス係数を用いて、パーシスタンス演算部108がパーシスタンス演算を行うことにより、以下のような効果が得られる。
すなわち、最新のフレームの血流速度データVcurrentの大きさが小さい場合には、パーシスタンス係数決定部106が決定するパーシスタンス係数Cpersistenceは大きくなるため、パーシスタンス演算部108が式(1)のようなパーシスタンス演算を行うと、1つ前のフレームの血流速度データVout−1の重みが大きくなる。その結果、Vcurrentが小さい場合には、Vout−1を大きく反映させたパーシスタンス演算の結果であるVoutが算出される。このため、Voutを用いてCFM DSC部110および画像合成部113が生成したカラーフローマッピング画像の変化が滑らかとなり、黒抜けが生じにくくなる。
また、Vcurrentが大きい場合には、パーシスタンス係数決定部106が決定するパーシスタンス係数Cpersistenceは小さくなるため、パーシスタンス演算部108が式(1)のようなパーシスタンス演算を行うと、Vout−1の重みが小さくなる。その結果、Vcurrentが大きい場合には、Vout−1の影響が小さいVoutが算出され、急激な血流速度の増大をリアルタイムで反映させたカラーフローマッピング画像を実現できる。
また、パーシスタンス係数決定部106は、Vcurrentの増大にともなってパーシスタンス係数Cpersistenceを単調に減少させる。このため、時間の経過とともに血流速度が増大するような場合には、パーシスタンス係数決定部106は、時間の経過とともにパーシスタンス係数Cpersistenceを減少させるので、パーシスタンス演算部108によるパーシスタンス演算の残像効果が小さくなり、カラーフローマッピング画像の変化が急激になる。反対に、時間の経過とともに血流速度が減少する場合には、パーシスタンス係数決定部106は、時間の経過とともにパーシスタンス係数Cpersistenceを増大させるので、パーシスタンス演算部108によるパーシスタンス演算の残像効果が大きくなり、カラーフローマッピング画像の変化が緩やかになる。
パーシスタンス演算部108の処理の説明に戻る。パーシスタンス演算部108は、式(1)を用いてパーシスタンス演算を行った後、パーシスタンス演算の結果Voutを用いて、最新のフレームにおける、残像処理された血流速度データVoutに折り返しがあるか否かの判定を行う。ここで、パーシスタンス演算部108は、Vout>+PRF/2またはVout<−PRF/2となった場合はVoutに折り返し有りと判定し、それ以外(−PRF/2≦Vout≦PRF/2)の場合は折り返し無しと判定する。
そして、パーシスタンス演算部108は、最新のフレームにおける血流速度データVoutの折り返し判定結果Raliasingをパーシスタンスメモリ部109に出力する。パーシスタンス演算部108から出力された折り返し判定結果Raliasingは、パーシスタンスメモリ部109に記憶され、次のフレームにおける処理の際に、最新より1つ前のフレームの折り返し判定結果Raliasing−1として折り返し判定部105に出力される。
<作用・効果>
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置11では、折り返し判定部105が、最新のフレームの血流速度データVcurrentと、最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1と、に加えて、最新より以前のフレームにおいて判定された、当該フレームにおいて残像処理された血流速度データの折り返し判定結果Raliasing−1に基づいて折り返し判定を行う。このため、最新のフレームの血流速度データVcurrentと、最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1と、に折り返しが発生したか否かを正確に判定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置11では、このような折り返し判定方法による折り返し判定の結果に基づいて、パーシスタンス演算部108が、VcurrentおよびVout−1を用いてパーシスタンス演算を行い、その結果を出力する。このため、血流速度を正確に反映した断層画像を生成して表示することができる。
さらに、本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置11では、パーシスタンス演算の結果である、最新のフレームにおいて残像処理された血流速度データVoutに基づいて、パーシスタンス演算部108がVoutに折り返しが発生しているか否かの判定を行い、その結果であるRaliasingをパーシスタンスメモリ部109に出力する。そして、次のフレームの処理において、パーシスタンスメモリ部109は、前のフレームの処理において入力されたVoutを次のフレームにおけるVout−1として、前のフレームの処理において入力されたRaliasingをRaliasing−1として、それぞれ出力する。
そして、本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置11では、最新のフレームの血流速度データVcurrentあるいは最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1に折り返しが発生していると判定された場合、パーシスタンス演算部108は、パーシスタンス演算を行う前に、折り返しが発生した血流速度データに対して補正を行う。さらに、パーシスタンス演算部108は、パーシスタンス演算を行った結果である、最新のフレームにおいて残像処理された血流速度データVoutに折り返しが発生しているか否かを判定し、折り返しが発生していると判定した場合は、Voutに対して補正を行う。このため、Vcurrent、Vout−1、あるいはVoutに折り返しが発生していたとしても、折り返しの影響をキャンセルしたVoutを算出することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る超音波診断装置12について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示す超音波診断装置12は、残像処理部がパーシスタンス係数決定部、パーシスタンス係数参照メモリ部、パーシスタンス演算部を2つずつ有する点において上記第1の実施の形態の超音波診断装置11と異なっている。以下では、第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
図5に示すように、残像処理部115’は、フレームメモリ部104と、折り返し判定部105と、第1パーシスタンス係数決定部106Aと、第2パーシスタンス係数決定部106Bと、第1パーシスタンス係数参照メモリ部107Aと、第2パーシスタンス係数参照メモリ部107Bと、第1パーシスタンス演算部108Aと、第2パーシスタンス演算部108Bと、パーシスタンスメモリ部109と、を有する。
第1パーシスタンス係数決定部106Aは、折り返し判定部105から出力された2つの折り返し判定結果と、フレームメモリ部104から読み出したVcurrentの絶対値と、に基づいて、第1パーシスタンス係数参照メモリ部107Aへの第1参照インデックスを作成する。第1参照インデックスの作成については後述する。
また、第1パーシスタンス係数決定部106Aは、第1パーシスタンス係数参照メモリ部107Aにアクセスし、第1参照インデックスに対応付けられた第1パーシスタンス係数を読み出し、第1パーシスタンス演算部108Aに設定する。第1パーシスタンス係数参照メモリ部107Aには、あらかじめ血流速度データの大きさに対応付けられた第1パーシスタンス係数を含む第1参照テーブルが記憶されている。この第1参照テーブルは、血流速度データの大きさに対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む。
これに対し、第2パーシスタンス係数決定部106Bは、折り返し判定部105から出力された2つの折り返し判定結果と、パーシスタンスメモリ部109から読み出したVout−1の絶対値と、に基づいて、第2パーシスタンス係数参照メモリ部107Bへの第2参照インデックスを作成する。第2パーシスタンス係数決定部106Bにおける第2参照インデックスの作成については後述する。
また、第2パーシスタンス係数決定部106Bは、第2パーシスタンス係数参照メモリ部107Bにアクセスし、第2参照インデックスに対応付けられた第2パーシスタンス係数を読み出し、第2パーシスタンス演算部108Bに設定する。第2パーシスタンス係数参照メモリ部107Bには、あらかじめ血流速度データの大きさに対応付けられた第2パーシスタンス係数を含む第2参照テーブルが記憶されている。第2参照テーブルも、血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含むが、以下において詳細に説明するように、同じ血流速度値に対して対応付けられる第1パーシスタンス係数と第2パーシスタンス係数とは値が異なっている。
第1パーシスタンス演算部108Aは、第1パーシスタンス係数決定部106Aから設定されたパーシスタンス係数と、折り返し判定部105からの2つの判定結果と、に基づいて、第1の実施の形態のパーシスタンス演算部108と同様に、折り返しの補正を行ってから、式(1)を用いてVcurrentおよびVout−1に対してパーシスタンス演算を行う。
同様に、第2パーシスタンス演算部108Bも、第2パーシスタンス係数決定部106Bから設定されたパーシスタンス係数と折り返し判定部105からの2つの判定結果と、に基づいて、第1の実施の形態のパーシスタンス演算部108と同様に、折り返しの補正を行ってから、式(1)を用いてVcurrentおよびVout−1に対してパーシスタンス演算を行う。
第1パーシスタンス演算部108Aおよび第2パーシスタンス演算部108Bにおける演算は、設定されたパーシスタンス係数が異なる点を除いて同じである。
第1パーシスタンス演算部108Aおよび第2パーシスタンス演算部108Bは、パーシスタンス演算の結果をそれぞれ最大値選択部116に出力する。
最大値選択部116は、第1パーシスタンス演算部108Aおよび第2パーシスタンス演算部108Bからそれぞれ入力されたパーシスタンス演算の結果に基づいて、画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとにパーシスタンス演算の結果である血流速度データの絶対値を比較し、大きい方を選択して、最新のフレームにおいて残像処理された血流速度データVoutを生成する。
また、最大値選択部116は、第1の実施の形態のパーシスタンス演算部108が行ったように、Voutに対して折り返しの補正を行う。
そして、最大値選択部116は、補正を行った補正したVoutをCFM DSC部110およびパーシスタンスメモリ部109に出力する。
さらに、最大値選択部116は、第1の実施の形態のパーシスタンス演算部108が行ったように、最新のフレームにおける、残像処理された血流速度データVoutに折り返しがあるか否かの判定を行う。そして、最大値選択部116は、最新のフレームにおける血流速度データVoutの折り返し判定結果Raliasingをパーシスタンスメモリ部109に出力する。
次に、第1および第2パーシスタンス係数の決定方法について詳細に説明する。上述したように、第1パーシスタンス係数決定部106Aは、折り返し判定部105から出力された2つの折り返し判定結果と、フレームメモリ部104から読み出したVcurrentの絶対値と、に基づいて、第1パーシスタンス係数参照メモリ部107Aへの第1参照インデックスを作成する。
表4に作成される第1参照インデックスを示す。
Figure 2018050925
currentに折り返しが発生している場合、Vcurrentは、実際には、Vmaxまたは−Vmaxを超える絶対値の大きな値であると考えられる。このため、Vcurrentに折り返しが発生している場合の第1参照インデックスはVmaxとなる。その他の場合には、Vcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる。
図6Aは、第1参照インデックスと第1パーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図6Aにおいて、横軸は第1参照インデックスを示し、縦軸は、第1パーシスタンス係数を示している。表4に示すように、第1参照インデックスは、VmaxまたはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)である。Vcurrentの絶対値がしきい値Vth以下である場合には、Vcurrentの増大にともなって単調に減少する第1パーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vcurrentの絶対値がしきい値Vth以下である場合には、最新のフレームの血流速度データVcurrentの大きさに応じて異なるパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。
一方、第2パーシスタンス係数決定部106Bは、折り返し判定部105から出力された2つの折り返し判定結果と、パーシスタンスメモリ部109から読み出したVout−1の絶対値と、に基づいて、第2パーシスタンス係数参照メモリ部107Bへの第2参照インデックスを作成する。第2参照インデックスについても、表4に示す。
out−1に折り返しが発生している場合、Vout−1は、実際には、Vmaxまたは−Vmaxを超える絶対値の大きな値であると考えられる。このため、Vout−1に折り返しが発生している場合の第2参照インデックスはVmaxとなる。その他の場合には、Vout−1の絶対値Abs(Vout−1)となる。
図6Bは、第2参照インデックスと第2パーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図6Bにおいて、横軸は第2参照インデックスを示し、縦軸は、第2パーシスタンス係数を示している。表4に示すように、第2参照インデックスは、VmaxまたはVout−1の絶対値Abs(Vout−1)である。Vout−1の絶対値がしきい値Vth以下である場合には、Vout−1の増大にともなって単調に増加する第2パーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vout−1の絶対値がしきい値Vth以下である場合には、最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1に応じて異なるパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。
図6Aおよび図6Bに示すように、第1パーシスタンス係数は、最新のフレームの血流速度Vcurrentに対応付けられ、かつ、Vcurrentの絶対値が大きいほど小さな値である。第1パーシスタンス係数が大きくなれば、1つ前のフレームの血流速度をより考慮した演算となるため、第1パーシスタンス演算部108Aは、残像効果を抑制し、すみやかに血流速度を変化させる演算を行う。これに対し、第2パーシスタンス係数は、1つ前のフレームの血流速度Vout−1に対応付けられ、かつ、Vout−1の絶対値が大きいほど大きな値であるため、第2パーシスタンス演算部108Bは、残像効果を高め、血流速度の変化を抑制する演算を行う。
また、上述したように第1パーシスタンス演算部108Aは、残像効果を抑制し、すみやかに血流速度を変化させる演算を行うため、第1参照インデックスが増加するにつれて第1パーシスタンス係数を単調に減少させ、血流速度が高くなるにつれて急激な血流速度の増大をリアルタイムで反映させたカラーフローマッピング画像を実現できる。
また、第2パーシスタンス演算部108Bは、残像効果を高めた画像表示を行うため、血流速度が高くなるにつれて、血流画像に色調あるいは諧調の色付けを行っていると、血流速度が低い場合には、暗めの表示が必要以上に長い時間残像として表示されてしまう。例えば、探触子を動かした場合に、血流表示が尾引く印象を与えてしまう。このため、第2参照インデックスが増加するにつれて第2パーシスタンス係数を単調に増加させ、血流速度が低くなるにつれて残像効果を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態に係る超音波診断装置13について説明する。図7は、本発明の第3実施の形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7に示す超音波診断装置13は、残像処理部が2つのパーシスタンス係数決定部、2つのパーシスタンス係数参照メモリ部を2つずつ有し、2つのパーシスタンス係数決定部が決定したパーシスタンス係数のうちいずれかを選択するパーシスタンス係数選択部を有する点において上記第1の実施の形態の超音波診断装置11と異なっている。以下では、第1および第2の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
図7に示すように、残像処理部115’’は、フレームメモリ部104と、折り返し判定部105と、第1パーシスタンス係数決定部106Aと、第2パーシスタンス係数決定部106Bと、パーシスタンス係数選択部117と、第1パーシスタンス係数参照メモリ部107Aと、第2パーシスタンス係数参照メモリ部107Bと、パーシスタンス演算部108と、パーシスタンスメモリ部109と、を有する。
パーシスタンス係数選択部117は、フレームメモリ部104から最新のフレームの血流速度データVcurrentを、パーシスタンスメモリ部109から最新より1つ前のフレームの血流速度データVout−1を、それぞれ読み出し、Vcurrentの絶対値とVout−1の絶対値とを比較して、比較結果に基づいて、第1パーシスタンス係数決定部106Aが決定した第1パーシスタンス係数と、第2パーシスタンス係数決定部106Bが決定した第2パーシスタンス係数のいずれをパーシスタンス演算部108に設定するかを選択する。
具体的には、パーシスタンス係数選択部117は、Vcurrentの絶対値の方がVout−1の絶対値より大きい場合は、第1パーシスタンス係数を選択し、そうでない場合は第2パーシスタンス係数を選択する。
従って、第2の実施の形態と同様に、第1パーシスタンス係数は、最新のフレームの血流速度Vcurrentに対応付けられ、かつ、Vcurrentの絶対値が大きいほど小さな値となる。第1パーシスタンス係数が大きくなれば、1つ前のフレームの血流速度をより考慮した演算となるため、第1パーシスタンス係数を用いた場合のパーシスタンス演算部108は、残像効果を抑制し、すみやかに血流速度を変化させる演算を行うことができる。これに対し、第2パーシスタンス係数は、1つ前のフレームの血流速度Vout−1に対応付けられ、かつ、Vout−1の絶対値が大きいほど大きな値であるため、第2パーシスタンス係数を用いた場合のパーシスタンス演算部108は、残像効果を高め、血流速度の変化を抑制する演算を行うことができる。
以上、図面を参照しながら各種実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。特許請求の範囲の記載範囲内において、当業者が想到できる各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記実施の形態では、CFMフレームデータに含まれる血流速度データを用いて処理を行っていたが、CFMフレームデータに血流速度データVcurrentあるいはVout−1以外のデータ(血流パワーデータや血流速度の分散データ等)が含まれる場合には、パーシスタンス演算部108は、血流速度データ以外のデータに対しても、血流速度データと同様に最新のフレームのデータおよび最新より1つ前のフレームのデータと求めたパーシスタンス係数Cpersistenceを用いて上記式(1)と同様のパーシスタンス演算を行い、残像処理されたデータを得るようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、最新のフレームおよび1つ前のフレームの血流速度データを用いてパーシスタンス処理を行っていたが、2つ前、あるいは3つ以上前のフレームの血流速度データも用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。また、式(1)に限られず、他の演算式を用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には、入力端子および出力端子を有する集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続または設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。
本発明は、血流速度を表示することができる超音波診断装置に好適である。
11,12,13 超音波診断装置
101 探触子
102 超音波送受信部
103 CFM信号処理部
104 フレームメモリ部
105 折り返し判定部
106 パーシスタンス係数決定部
106A 第1パーシスタンス係数決定部
106B 第2パーシスタンス係数決定部
107 パーシスタンス係数参照メモリ部
107A 第1パーシスタンス係数参照メモリ部
107B 第2パーシスタンス係数参照メモリ部
108 パーシスタンス演算部
108A 第1パーシスタンス演算部
108B 第2パーシスタンス演算部
109 パーシスタンスメモリ部
110 CFM DSC部
111 断層画像信号処理部
112 断層画像DSC部
113 画像合成部
114 表示部
115,115’,115’’ 残像処理部
116 最大値選択部
117 パーシスタンス係数選択部
401 探触子
402 超音波送受信部
403 カラーフローマッピング処理部
403 CFM信号処理部
404 フレームメモリ部
405 フレームメモリ選択部
406 パーシスタンス係数設定部
407 パーシスタンス演算部
408 CFM DSC部
409 断層画像信号処理部
410 断層画像DSC部
411 画像合成部
412 表示部

Claims (7)

  1. 探触子を繰り返し駆動し、前記探触子の駆動により送信された超音波が被検体において反射された反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、
    前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、
    前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、
    を備え、
    前記残像処理部は、
    最新のフレームの血流速度データである第1血流速度データと、最新より以前のフレームにおいて残像処理された血流速度データである第2血流速度データと、最新より以前のフレームにおいて判定された、当該フレームにおいて残像処理された血流速度データの折り返しの有無を示す第1折り返し判定結果と、に基づいて、前記第1血流速度データと前記第2血流速度データに折り返しが発生したか否かの判定を行い、前記第1血流速度データの折り返し判定の結果である第2折り返し判定結果と、第2血流速度データの折り返し判定の結果である第3折り返し判定結果と、を出力する折り返し判定部と、
    前記第2および第3折り返し判定結果と、残像効果を調整するための所定のパーシスタンス係数と、に基づいて、前記第1血流速度データおよび前記第2血流速度データを用いてパーシスタンス演算を行い、前記パーシスタンス演算の結果を最新のフレームにおいて残像処理された血流速度データである第3血流速度データとして出力し、かつ、前記第3血流速度データに折り返しが発生したか否かの判定を行い、その結果である第4折り返し判定結果を出力するパーシスタンス演算部と、
    を備える、超音波診断装置。
  2. 前記パーシスタンス演算部は、
    前記第2および第3折り返し判定結果に基づいて、前記最新のフレームの血流速度データと前記最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データを補正した後、前記パーシスタンス演算を行う、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記残像処理部は、
    前記第2および第3折り返し判定結果と、前記第1血流速度データと、に基づいて、前記パーシスタンス係数を決定するパーシスタンス係数決定部、
    をさらに備える、
    請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記残像処理部は、
    前記第1血流速度データを記憶する第1メモリ部と、
    前記第2血流速度データと、前記第1折り返し判定結果と、を記憶する第2メモリ部と、
    をさらに備え、
    前記折り返し判定部は、前記第1メモリ部および前記第2メモリ部から、前記第1血流速度データと、前記第2血流速度データと、前記第1折り返し判定結果と、をそれぞれ読み出して前記折り返しの判定を行い、
    前記パーシスタンス演算部は、前記第1メモリ部から前記第1血流速度データを、前記第2メモリ部から前記第2血流速度データと、前記第1折り返し判定結果と、を読み出して前記パーシスタンス演算を行い、前記パーシスタンス演算の結果である前記第3血流速度データと、前記第4折り返し判定結果と、を前記第2メモリ部に出力する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  5. 前記折り返し判定部は、前記第1血流速度データの大きさと、前記第2血流速度データの大きさと、所定のしきい値と、を比較した結果、および、前記第1折り返し判定結果に基づいて、前記第1血流速度データと前記第2血流速度データに折り返しが発生したか否かの判定を行う、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記残像処理部は、
    前記第2および第3の折り返し判定結果と、前記第1血流速度データに基づいて第1パーシスタンス係数を決定する第1パーシスタンス係数決定部と、
    前記第2および第3の折り返し判定結果と、前記第2血流速度データに基づいて第2パーシスタンス係数を決定する第2パーシスタンス係数決定部と、
    前記第2および第3折り返し判定結果と、前記第1パーシスタンス係数と、に基づいて、前記第1血流速度データおよび前記第2血流速度データを用いてパーシスタンス演算を行う第1パーシスタンス演算部と、
    前記第2および第3折り返し判定結果と、前記第2パーシスタンス係数と、に基づいて、前記第1血流速度データおよび前記第2血流速度データを用いてパーシスタンス演算を行う第2パーシスタンス演算部と、
    前記第1パーシスタンス演算部から出力される演算結果の絶対値および前記第2パーシスタンス演算部から出力される演算結果の絶対値を比較し、大きい方の演算結果を前記第3の血流速度データとして出力し、かつ、前記第3血流速度データに折り返しが発生したか否かの判定を行い、その結果である第4折り返し判定結果を出力する最大値選択部と、
    をさらに有する、請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  7. 前記残像処理部は、
    前記第2および第3の折り返し判定結果と、前記第1血流速度データに基づいて第1パーシスタンス係数を決定する第1パーシスタンス係数決定部と、
    前記第2および第3の折り返し判定結果と、前記第2血流速度データに基づいて第2パーシスタンス係数を決定する第2パーシスタンス係数決定部と、
    前記第1血流速度データの絶対値と前記第2血流速度データの絶対値とを比較し、前記第1血流速度データの絶対値の方が大きい場合は前記第1パーシスタンス係数を、そうでない場合は前記第2パーシスタンス係数を選択するパーシスタンス係数選択部と、
    をさらに有し、
    前記パーシスタンス演算部は、前記第2および第3折り返し判定結果と、前記選択されたパーシスタンス係数と、に基づいて、前記第1血流速度データおよび前記第2血流速度データを用いてパーシスタンス演算を行う、
    請求項1または2に記載の超音波診断装置。
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