JP2018050526A - 腸内環境改善組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、腸内環境を改善することができる組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の腸内環境改善組成物は、有効成分としてβ−グルカン、レジスタントスターチ及びフルクタンを合計で0.25〜100重量%含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、腸内環境改善組成物及びそれを用いた飲食品に関するものである。
腸内環境を整えることは疾病予防・健康維持において重要である。特に「大腸の奥(下行結腸、S字結腸及び直腸)」は腸内細菌が多く存在する重要な場所である。「大腸の奥」はアルカリ性になりやすく、悪玉菌が優勢な環境であり、悪玉菌が産生する毒素(インドール、スカトール)が蓄積し炎症が起こり、様々な疾病を引き起こす。大腸がんや潰瘍性大腸炎が「大腸の奥」で多いこともこの毒素と炎症が関係している。
「大腸の奥」の炎症を抑えるには短鎖脂肪酸(特に酪酸)が重要となる。短鎖脂肪酸は、腸内環境を酸性にすることで善玉菌が優勢な環境となり炎症を抑える。短鎖脂肪酸を産生するには食物繊維、レジスタントスターチが重要である。
本発明は、腸内環境を改善することができる組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、β−グルカン、レジスタントスターチ及びフルクタンの3成分を含む組成物が腸内の環境を好適に改善することを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]有効成分としてβ−グルカン、レジスタントスターチ及びフルクタンを合計で0.25〜100重量%含む腸内環境改善組成物。
[2]β−グルカンの含有量が0.1〜12重量%、レジスタントスターチの含有量が0.05〜10重量%及びフルクタンの含有量が0.1〜15重量%である、[1]に記載の腸内環境改善組成物。
[3]バクテロイデス菌を増殖させる、[1]又は[2]に記載の腸内環境改善組成物。
[4]さらに、クロストリジウム菌を減少させる、[3]に記載の腸内環境改善組成物。
[5]酢酸、プロピオン酸及び酪酸からなる群より選択される少なくとも1種以上の短鎖脂肪酸を増加させる、[1]又は[2]に記載の腸内環境改善組成物。
[6][1]〜[4]のいずれかに記載の組成物を用いる、腸内細菌を増減させる方法。
[7][5]に記載の組成物を用いる、酢酸、プロピオン酸及び酪酸からなる群より選択される少なくとも1種以上の短鎖脂肪酸を増加させる方法。
[8][1]〜[5]のいずれかに記載の組成物を含む飲食品。
本発明によると、従来の腸内環境改善組成物では得られない腸内環境改善効果が得られる。
実施例における試験スケジュールを示した図である。 実施例1における排便回数(各水準内群内前後比較)を示した図である。 実施例1における排便回数(全体前後比較)を示した図である。 実施例2における排便量(各水準内群内前後比較)を示した図である。 実施例2における排便量(全体前後比較)を示した図である。 実施例4における糞便中の短鎖脂肪酸の割合を示した図である。 実施例5における糞便のpHを示した図である。 実施例7における腸内フローラの分布割合を示した図である。
[腸内環境改善組成物]
本発明の腸内環境改善組成物は、有効成分としてβ−グルカン、レジスタントスターチ及びフルクタンを合計で0.25〜100重量%含む。0.25重量%未満の場合は、十分な整腸効果を発現するために多量に摂取をする必要がある。また、有効成分量は多い方が好ましいが、工程上、経済上、対効果の観点から0.25〜30重量%が好ましい。より好ましくは、2.5〜30重量%含む。
本発明において「腸内環境改善」とは、便通を促進させること、便秘の症状を緩和すること、大腸の菌に有用な短鎖脂肪酸量を増加させること、腸内フローラのバランスを改善することを意味する。一般的に、健康な人の腸内はいわゆる善玉菌:悪玉菌:日和見菌が2:1:7の状態になっていると考えられており、腸内フローラのバランスを維持することが重要である。善玉菌としては例えば、ラクトバチルス属(Lactobacillus)やビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)が、悪玉菌としてはクロストリジウム属(Clostridium)が、日和見菌としてはプレボテラ属(Prevotella)やバクテロイデス属(Bacteroides)が挙げられる。本発明の腸内環境改善組成物を用いると、バクテロイデス菌を有意に増加させ、クロストリジウム菌を減少させることができる。
大腸に有用な短鎖脂肪酸としては、吉草酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、ギ酸、乳酸等が挙げられる。本発明の腸内環境改善組成物を用いると、酢酸、プロピオン酸、酪酸のうち1種以上の短鎖脂肪酸を有意に増加させることができる。
本発明において「β−グルカン」とは、グルコースが1−3結合と1−4結合で結合してできた多糖((1−3),(1−4)−β−D−グルカン)であり、食物繊維の一種である。本発明においてβ−グルカンの重量平均分子量は数万から数百万を有してもよい。本発明の腸内環境改善組成物において、β−グルカンの含有量は、通常0.1〜12重量%であり、好ましくは1〜12重量%であり、より好ましくは5〜12重量%である。
本発明において「レジスタントスターチ」とは、穀物等に含まれるデンプンのうち消化酵素に対して難消化性の画分を意味する。レジスタントスターチは、その消化抵抗性の機構の違いより、RS1〜RS4に分類され、RS1は、豆類や未粉砕の全粒穀類のデンプンなど物理的に消化酵素が接触できないもの、RS2は、生のジャガイモ、未熟なバナナ、又はハイアミロースコーン等のデンプン、RS3は、老化デンプン(一旦糊化(α化)したデンプンが再結晶化(β化)したもの)、RS4は、加工デンプン(架橋デンプンなど化学修飾されたもの)として分類される。本発明において、レジスタントスターチはRS1〜RS4のいずれであってもよいが、食品として簡便に摂取でき、また、下行結腸やS字結腸、直腸により到達しやすいRS1型のレジスタントスターチが好ましく、より好ましくは大麦品種BARLEYmax(登録商標)1に含まれるレジスタントスターチである。本発明の腸内環境改善組成物において、レジスタントスターチの含有量は、通常0.05〜10重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。
本発明において「フルクタン」とは、フラクトオリゴ糖等を含むフルクトース多糖を意味する。フルクタンには、フルクトースのみが重合したホモ多糖のほか、スクロースにフルクトースが重合した多糖も包含される。多糖とは、3以上の糖が重合してなるオリゴマーを意味する。フルクタンは、天然には、主に微生物や植物内に存在している。フルクタンとしては、禾本科植物の葉や茎等に存在し、細菌の作用により蔗糖から生成される細菌分泌多糖であるレバン(D−フルクトフラノースがβ2→6結合)、キク科、ユリ科、アヤメ科、ラン科等の植物の根、根茎、穀物等に存在するイヌリン(D−フルクトフラノースがβ2→1結合)、ラッキョウ、ニンニク、タマネギ等のネギ属植物の球根(鱗茎)に含まれるフルクタン(β2→6結合及びβ2→1結合の両方を含む、特許第3111378号公報参照)等が知られている。本発明において、フルクタンには、レバン、イヌリン及びネギ属植物由来のフルクタンのいずれもが包含されるが、直鎖状及び/又は分岐鎖状のイヌリンが好ましい。また、本発明において、フルクタンには、微生物や植物から抽出されたフルクタンの加水分解物をも包含される。フルクタンを加水分解する方法としては、イヌリナーゼ等の加水分解酵素でフルクタンを限定分解する方法等が挙げられる。本発明で用いるフルクタンは、合成物、天然物の何れであってもよく、天然物の場合、微生物、植物等由来のものが用いられる。本発明の腸内環境改善組成物において、フルクタンの含有量は、通常0.1〜15重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは7〜15重量%である。
本発明の腸内環境改善組成物を調製するためには、所定の方法により分離・抽出・精製されたβ−グルカン、レジスタントスターチ、フルクタンを使用してもよいし、それらの成分を含有する食品をそのまま使用してもよい。該食品としては、シイタケやマイタケ等のキノコ類、大麦やオーツ麦等の穀物が挙げられ、好ましくは大麦であり、より好ましくは大麦品種BARLEYmax(登録商標)1による大麦又はそれを用いた大麦食品である。また、本発明の腸内環境改善組成物は、上記の数値範囲で各有効成分を含めば、食品で用いられる各種材料を含んでいてもよく、該食品材料としては、小麦粉、米粉、マーガリン、生クリーム、全卵、砂糖、グラニュー糖、塩等を挙げることができる。
本発明の腸内環境改善組成物は、配合物をそのまま経口組成物として使用してもよいし、また必要に応じて、錠剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、散剤(粉末剤)、及び顆粒剤(ドライシロップを含む)等の各種の固形製剤、又は内服用液剤(液剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)などの液状製剤等の、通常の剤型にすることができる。各成分の安定性から、好ましくは固形製剤の形態(剤型)である。製剤化は、医薬や食品(特にサプリメント)の分野で採用されている通常の製剤化手法を適用することができる。例えば、錠剤は、各成分を処方に従って添加配合し、粉砕、造粒、乾燥、整粒及び混合を行い、得られた調製混合物を打錠することによって調製することができる。さらに、必要に応じて、製剤化のための添加物、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、分散剤、湿潤剤、防腐剤、粘稠剤、pH調整剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、溶解補助剤などを配合することができ、また、コーティング剤を用いてコーティング錠剤にすることもできる。
本発明の腸内環境組成物の摂取量としては、有効成分を1日あたりβ−グルカン、レジスタントスターチ及びフルクタンを合計で2.2g(0.038g/kg)以上摂取すると十分な整腸効果が得られ、好ましくは4.4g(0.076g/kg)以上であり、より好ましくは8.8g(0.152g/kg)以上である。摂取期間としては、上記の摂取量を4週間摂取すると好適である。
[飲食品]
本発明において「飲食品」とは、一般に、飲料品又は食料品を意味し、特に限定されないが、例えば、飯類(例えば、おにぎり、弁当のご飯)、菓子類(例えば、アイス、ポテトチップス及び他のスナック類)、ベーカリー類(例えば、パン、パイ、ケーキ、クッキー、ビスケット、クラッカー)、麺類(例えば、うどん、そば、ラーメン)、冷凍・冷蔵流通の加工食品、離乳食、ベビーフード、ペットフード、動物用飼料、飲料(例えば、果汁飲料、清涼飲料、アルコール飲料、茶、スポーツ飲料)、薬用酒等の醗酵食品、みりん、食酢、醤油、味噌、スポーツ食品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品(丸剤、錠剤、ゼリー剤又はカプセル剤等の形態を有するサプリメント、グラノーラ様シリアル、グラノーラ様スネークバー、シリアルバー)が挙げられる。飯類、スナック菓子類、ベーカリー類、麺類及び栄養補助食品は、本発明の対象として好ましい食品の例であり、より好ましくは、クッキー様ショートバー、クッキーである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。本試験は「ヘルシンキ宣言」及び「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に準拠し、被験者の人権保護に配慮し、試験審査委員会の承認を得て医師の管理下にて実施した。
[試験概要]
試験概要は以下の通りである。
[本試験に使用した大麦の組成]
本試験に使用した大麦(オーストラリア連邦科学産業研究機構より購入。大麦品種BARLEYmax(登録商標)1。本明細書において、本大麦原料を「BARLEYmax大麦」とも記載する)の組成は以下の表2の通りである。
[本試験のショートバーの調製方法]
本試験のショートバーは、ショートバー1枚あたりに対して以下の表3の通りに各原料を計量し、攪拌機に投入し、生地を仕込んだ。十分に攪拌した後、得られた生地を0℃以下で約1時間静置し、所定の大きさに成形した。その後、トンネル焼成(165℃(上)、130℃(下))にて48分間焼成した後、放冷し、本試験のショートバーを得た。なお、各ショートバーに含有される各有効成分量は、低用量の場合、レジスタントスターチが0.36重量%、β−グルカンが0.76重量%、フルクタンが1.1重量%含まれ(合計2.2重量%)、中用量の場合、レジスタントスターチが0.73重量%、β−グルカンが1.5重量%、フルクタンが2.2重量%含まれ(合計4.4重量%)、高用量の場合、レジスタントスターチが1.2重量%、β−グルカンが2.5重量%、フルクタンが3.5重量%含まれる(合計7.1重量%)。
[本試験のクッキーの調製方法]
本試験のクッキーは、クッキー1枚あたりに対して以下の表4の通りに各原料を計量し、攪拌機に投入し、生地を仕込んだ。十分に攪拌した後、得られた生地を約20分静置した後、生地を延ばして、所定の大きさに成形して、170/140℃、20minで焼成した後、室温で20分間冷却し、本試験のクッキーを得た。なお、各クッキーに含有される各有効成分量は、低用量の場合、レジスタントスターチが0.30重量%、β−グルカンが0.63重量%、フルクタンが0.90重量%含まれ(合計1.8重量%)、中用量の場合、レジスタントスターチが0.60重量%、β−グルカンが1.26重量%、フルクタンが2.20重量%含まれ(合計3.7重量%)、高用量の場合、レジスタントスターチが1.2重量%、β−グルカンが2.52重量%、フルクタンが4.4重量%含まれる(合計7.3重量%)。
[試験スケジュール]
試験スケジュールは図1の通り行った。具体的には、1日3回毎の食前に、ショートバー1本又はクッキー2枚を交互に摂取する生活を4週間行うこととし、低用量群、中用量群、高用量群について、前観察期間を2週間、摂取期間を4週間、後観察期間を2週間設けた。前観察期間開始1週間後に血液採取を行い、続いて更に1週間後に糞便採取を行った。その後、摂取期間開始2週間後に糞便採取を再び行い、続いて更に2週間後に糞便採取を行った。次に、後観察期間開始2週間後に糞便採取及び血液採取を行い、試験を終了した。
[有用短鎖脂肪酸の評価方法]
糞便中の有用短鎖脂肪酸の評価は、上記スケジュールに従って得た糞便について、株式会社テクノスルガ・ラボに糞便理化学分析(水素炎イオン化検出器を用いたガスクロマトグラフィー)を依頼し、各種短鎖脂肪酸の割合を測定して行った。具体的には、所定量の試料をビーズチューブに精秤し、9倍量の抽出溶液(3%フェノール含有0.1mM過塩素酸溶液)で懸濁後に熱処理(85℃,15分)した。続いて、試料をFastPrepで破砕した後、14,000rpmで10分間遠心し、上清を孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、試料溶液とした。測定装置・条件は以下の通りである。
<測定条件>
・システム:島津有機酸分析システム(Shimadzu,Japan)
・カラム:Shim−pack SCR−102(H),300mm×8mmID,2本直列で使用
・ガードカラム:Shim−pack SCR−102(H),50mm×6mmID
・溶離液:5mmol/L p−トルエンスルホン酸
・反応液:5 mmol/L p−トルエンスルホン酸,100μmol/L EDTA,20mmol/L Bis−Tris
・流速:0.8mL/min
・オーブン温度:45℃
・検出器:電気伝導度検出器 CDD−10A
[腸内菌の評価方法]
糞便中の腸内菌の評価は、上記スケジュールに従って得た糞便について、株式会社テクノスルガ・ラボにT−RFLP(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism)フローラ解析(腸内)を依頼し、各種腸内菌の割合を測定して行った。具体的には、DNAの抽出は、所定の方法(Takahashi S, et al. PLoS One 9, e105592 (2014))に従って行った。続いて、20mgの試料を含む抽出バッファーをジルコニア入りのビーズチューブに移しFastPrep FP100A instrument(MP Biomedicals,USA)を用いて破砕した。抽出したDNAの精製には、Magtration System 12GCとGC series MagDEA DNA200(Precision System Science,Japan)を用いた。T−RFLP解析は、所定の方法(Nagashima K, et al. Appl Environ Microbiol 69, 1251-1262 (2003)等)に基づき行った。なお、フラグメント解析にはABI PRISM 3130xl DNA Sequencer(Applied Biosystems,CA,USA)及びGeneMapper(Applied Biosystems,CA,USA)を使用した。各フラグメントの長さはoperational taxonomic unitで判断した。クラスター解析は、解析ソフトGene Maths(Applied Maths, Belgium)を使用した。クラスタリングの方法はpearson correlation、UPGMAを選択した。
[実施例1]排便回数の比較
上記の通り試験を行い、1日あたりの排便回数を測定したところ、図2及び図3の結果が得られた。排便が無かった日は排便回数をゼロとした。本結果から、排便回数(各水準内群内前後比較)については、前観察期間と比較し有意な変動は認められなかったが、排便回数(全体前後比較)については、前観察期間と比較し0〜2週目、2〜4週目で有意に改善されたことから、本試験サンプルによる整腸効果が確認された。
[実施例2]排便量の比較
上記の通り試験を行い、排便量を、鶏卵Mサイズ1個を目安として、被験者の目測により排便量を測定したところ、図4及び図5の結果が得られた。鶏卵1個で割り切れない場合は、例えば0.5個、1.5個とカウントした。本結果から、各水準内群内前後比較において、排便量平均値の上昇が確認され、全体前後比較でも、排便量は、前観察期間と比較して0〜2週目で有意に改善、2〜4週目で改善傾向が確認された。また、低用量(BARLEYmax大麦12g/日)の摂取量でも排便改善効果は有効であることが確認された。
[実施例3]糞便中の短鎖脂肪酸量の比較(全体前後比較)
上記の通り試験を行い、糞便中の短鎖脂肪酸量を測定したところ、以下の表5の結果が得られた。表中の単位はmg/gである。
本結果より、2週目においてコハク酸、乳酸、ギ酸の増加傾向が見られ、4週目において、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸の増加傾向が見られた。これらの結果より、BARLEYmax大麦の摂取によって、有用短鎖脂肪酸が増加することが確認された。
[実施例4]各種短鎖脂肪酸の割合の比較
上記の通り試験を行い、短鎖脂肪酸の各週の分布割合(全体前後比較)を測定したところ、図6の結果が得られた。本結果より、短鎖脂肪酸分布は2週目で大きく変化し、4週目で試験前の安定した分布となり、6週目まで維持されていることが確認された。これは、2週間のBARLEYmax大麦の摂取によって、腸内フローラの活動が変化し、4週目まで安定的に活動が維持されたことを示唆している。
[実施例5]糞便pHの比較(全体前後比較)
上記の通り採取した糞便のpHをpHメーターで測定したところ、図7の結果が得られた。本結果より、2週目、4週目にて糞便pHの平均値が低下したことから、腸内のpHがアルカリ性から酸性へと改善したことが確認された。
[実施例6]腸内フローラの分布割合の比較(全体前後比較)
上記の通り試験を行い、腸内フローラについて、T−RFLPフローラ解析を行ったところ、以下の表6の結果が得られた。
本結果より、Bacteroidesは2週目で増加傾向を示し、4週目においては有意に増加し、試験終了後減少することが確認された。また、Clostridium subcluster XIVaは2、4、6週目で有意に低下し、試験終了後も有意に低下した。Prevotellaは、4週目での増加傾向が確認された。Clostridium subcluster XIVaの低下は2週目以降、摂食終了後(6週目)も保持され、BARLEYmax大麦の持続的な関与が示唆された。食物繊維摂取後の血糖値改善などに関与することが報告されているPrevotellaの増加傾向については、BARLEYmax大麦に含まれるレジスタントスターチをはじめとした豊富な食物繊維が関与していると考えられる。
[実施例7]腸内フローラの分布割合の比較(全体前後比較)
上記の通り試験を行い、実施例6で得られた結果を分布割合で表した結果を図8に示す。本結果より、摂食期間中、 Bacteroidesの分布比率が増加し、またClostridium subcluster XIVaの分布比率が減少することが確認された。また、2週目でのBifidobacteriumの分布比率が増加していた。Bacteroidesは、産生する有用短鎖脂肪酸と、メタボ・肥満、腸管免疫(IgA産生誘導能)等との関係が報告されており、BARLEYmax大麦の摂取による臨床効果の可能性が示唆された。

Claims (8)

  1. 有効成分としてβ−グルカン、レジスタントスターチ及びフルクタンを合計で0.25〜100重量%含む腸内環境改善組成物。
  2. β−グルカンの含有量が0.1〜12重量%、レジスタントスターチの含有量が0.05〜10重量%及びフルクタンの含有量が0.1〜15重量%である、請求項1に記載の腸内環境改善組成物。
  3. バクテロイデス菌を増殖させる、請求項1又は2に記載の腸内環境改善組成物。
  4. さらに、クロストリジウム菌を減少させる、請求項3に記載の腸内環境改善組成物。
  5. 酢酸、プロピオン酸及び酪酸からなる群より選択される少なくとも1種以上の短鎖脂肪酸を増加させる、請求項1又は2に記載の腸内環境改善組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物を用いる、腸内細菌を増減させる方法。
  7. 請求項5に記載の組成物を用いる、酢酸、プロピオン酸及び酪酸からなる群より選択される少なくとも1種以上の短鎖脂肪酸を増加させる方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物を含む飲食品。
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