JP2018048174A - 安定なIgG4に基づく結合剤の製剤 - Google Patents

安定なIgG4に基づく結合剤の製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】完全ヒトIgG4抗LIGHT(Tリンパ球により発現される受容体)抗体を含む安定な製剤の提供。
【解決手段】LIGHT抗体又は結合する結合剤及び緩衝剤としての4.5〜55mMクエン酸塩とポリソルベートを含み、製剤のpHがpH6以下である液体医薬品製剤及び凍結乾燥医薬品製剤。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、全体が参照によって本明細書に組み入れられる2012年3月26日に出願された米国仮特許出願第61/615,539号の優先権を主張するものである。
ヒトLIGHT抗原は、慢性炎症性自己免疫疾患のプロセスに関与してきた1つの潜在的なサイトカイン標的である。TNFスーパーファミリー(TNFSF)のリガンドのメンバーとして、LIGHTはTNFSF14またはCD258としても知られる。LIGHTは、厳密に調節される様式で活性化の際にT細胞の表面上に発現される。しかしながら、LIGHTはまた、未熟な樹状細胞の表面上ならびに腸のT細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞上に検出可能なレベルで構成的に存在する。LIGHTは、リンホトキシンβ受容体(LTβR)、ヘルペスウイルス進入メディエータ(HVEM)、およびデコイ受容体3(DcR3)などの3つのTNFスーパーファミリー受容体に結合することにより、その生物学的効果を媒介する。LIGHTを発現するリンパ球は、ヒトにおいてIBD様症状を誘導する可能性があり、LIGHT発現の増加は、活動性クローン病および移植片対宿主疾患のような他の炎症障害を有する患者において観察された。
パーキットリンパ腫受容体(BLR1)としても知られるCXCR5、CD185、MDR15、およびMGC117347は、CXCケモカイン受容体ファミリーのメンバーであるGタンパク質共役受容体である。プロセッシングされていないCXCR5前駆体は、372アミノ酸の長さであり、42KDの分子量を有する。CXCR5は、特定の解剖
学的区画内でのB細胞の移動および局在化における役割を有する。末梢リンパ節を欠くノックアウトマウスは、より少ないパイアー斑を有し、低下したB細胞レベルを有する。BLCとしても知られるCXCL13は、CXCR5のリガンドである。CXCL13は、B細胞の化学誘引物質である。
抗LIGHT結合剤および抗CXCR5結合剤はそれぞれ治療的に関連し、これらの結合剤のそれぞれを、炎症疾患の処置のために、対象、特に、ヒト対象に投与することができる医薬品に製剤化する必要がある。
静脈内または皮下投与にとって好適な抗LIGHT結合剤または抗CXCR5結合剤を含有する医薬製剤を開発するためには、結合剤を約20mg/mL以上、通常は約100〜150mg/mL、およびさらには最大で250mg/mLに濃縮しなければならない。そのような高濃度では、粘度の増加、pHのシフト、溶液の色の変化、ならびに眼に見える、および眼に見えない粒子の形成などの多くの合併症が生じ得る。
これらの結合剤の製剤化は、これらの薬剤がそのような高濃度では凝集する傾向が高いという事実によってさらに複雑化される。
IgG4抗体の製剤化は、IgG4抗体は溶液中では高濃度で半分子を形成する傾向があるという事実によってさらに複雑化される。しかしながら、IgG4抗体は、それらが低下したエフェクター機能を有するため、治療対象となる。
これらの必要性および他の必要性を満たすために、高度に安定なIgG4結合剤製剤が
本発明で提供される。高度に安定なIgG4結合剤製剤は、驚くべきことに、製剤のpHが約pH6以下かつ結合剤の等電点(pI)以下である、IgG4結合剤とクエン酸バッファーとを含む液体および凍結乾燥粉末の形態で見出された。これらの製剤は、製剤中の抗体などの結合剤の濃度を増加させる際に抗体などの結合剤の二量体化をもたらすことが多い従来の製剤化を向上させる。特に、本発明の製剤は、製剤中の成分である、凝集体、半分子、分解産物、低分子量タンパク質(LMWP)、高分子量タンパク質(HMWP)、ならびに抗体などの結合剤の酸性、塩基性、および中性アイソフォームの再構成を含む望ましくない副産物の量を減少させる。
ある態様において、本発明は、IgG4抗体のFc領域の少なくとも一部を含む結合剤;および緩衝剤としての約5〜約50mMのクエン酸塩を含む安定な製剤であって、製剤のpHが約pH6以下かつ結合剤のpI以下である、前記製剤を提供する。本発明のある実施形態においては、結合剤は抗体である。
本発明のある実施形態においては、結合剤または抗体がリンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、ヘルペスウイルス進入メディエータについてヘルペスウイルス糖タンパク質Dと競合する、リンパ球上で発現される受容体(LIGHT)に結合する。本発明の特定の実施形態においては、抗LIGHT結合剤または抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号1、2および3のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)を含み、軽鎖可変領域は配列番号4、5および6のアミノ酸配列を含むCDRを含む。本発明の他の特定の実施形態においては、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体である。
本発明のある実施形態においては、結合剤または抗体は、C−X−Cケモカイン受容体5型(CXCR5)に結合する。本発明の特定の実施形態においては、抗CXCR5結合剤または抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域は配列番号15、16および17のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)を含み、軽鎖可変領域は配列番号18、19および20のアミノ酸配列を含むCDRを含む。本発明の他の特定の実施形態においては、抗体は、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5抗体である。
本発明のある実施形態においては、抗体濃度は、約5〜約280mg/mLである。本発明のある特定の実施形態においては、抗体濃度は、約150mg/mLである。本発明の他の特定の実施形態においては、抗体濃度は、約50mg/mLである。本発明のさらに特定の実施形態においては、抗体濃度は、約20mg/mLである。本発明のまた、さらに特定の実施形態においては、抗体濃度は、約100mg/mLである。
本発明のある実施形態においては、クエン酸濃度は、約5〜約15mMである。本発明のいくつかの実施形態においては、クエン酸濃度は、約10mMである。本発明のいくつかの実施形態においては、クエン酸バッファーは、クエン酸ナトリウム二水和物である。
本発明のある実施形態においては、製剤のpHは、約pH5〜約pH6である。本発明の特定の実施形態においては、製剤のpHは、約pH5.0、約pH5.5、および約pH6.0からなる群から選択される。
本発明のある特定の実施形態においては、結合剤または抗体のpIは、約6.8〜約7.2である。本発明の代替的な特定の実施形態においては、結合剤または抗体のpIは、約7.6〜約8.4である。
本発明のある特定の実施形態においては、製剤は、界面活性剤をさらに含む。本発明のある特定の実施形態においては、界面活性剤の濃度は、約0.001%w/v〜約0.1%w/vである。本発明のある実施形態においては、界面活性剤はポリソルベートである。本発明のある特定の実施形態においては、ポリソルベートは、ポリソルベート20である。本発明のいくつかの特定の実施形態においては、ポリソルベート20の濃度は、約0.005%w/vである。本発明の代替的な特定の実施形態においては、ポリソルベート20の濃度は、約0.01%w/vである。本発明のさらに代替的な特定の実施形態においては、ポリソルベート20の濃度は、約0.02%w/vである。
本発明のある実施形態においては、製剤は、等張化剤(tonicity agent)をさらに含む。本発明のある特定の実施形態においては、等張化剤の濃度は、約0.1%w/v〜約10%w/vである。本発明のある特定の実施形態においては、等張化剤はサッカライドである。本発明のいくつかの特定の実施形態においては、サッカライドはマンニトールである。本発明の他の特定の実施形態においては、マンニトールの濃度は、約1%w/v〜約10%w/vである。本発明のまた、さらに他の特定の実施形態においては、マンニトールの濃度は約4%である。本発明の代替的な特定の実施形態においては、サッカライドはスクロースである。本発明のいくつかの特定の実施形態においては、スクロースの濃度は約1%w/v〜約10%w/vである。本発明のいくつかの特定の実施形態においては、スクロースの濃度は約5%w/vである。本発明の代替的な特定の実施形態においては、スクロースの濃度は約6%w/vである。本発明のまた、さらに他の特定の実施形態においては、スクロースの濃度は約4.5%w/vである。本発明のさらに特定の代替的な実施形態においては、等張化剤は塩化ナトリウムである。本発明のいくつかの特定の実施形態においては、塩化ナトリウムの濃度は、約0.01%〜約1%である。本発明のいくつかの特定の実施形態においては、塩化ナトリウムの濃度は約0.2%である。本発明の他の特定の実施形態においては、等張化剤は、スクロースと塩化ナトリウムとの組合せである。本発明の特定の実施形態においては、スクロースの濃度は約1%w/v〜約10%w/vである。本発明の他の特定の実施形態においては、塩化ナトリウムの濃度は約0.01%〜約1%である。本発明の代替的な特定の実施形態においては、スクロースの濃度は約6%w/vであり、塩化ナトリウムの濃度は約0.2%である。本発明のまた、さらに代替的な特定の実施形態においては、スクロースの濃度は約4.5%w/vであり、塩化ナトリウムの濃度は約0.2%である。
本発明のある実施形態においては、製剤はアミノ酸をさらに含む。本発明のある特定の実施形態においては、アミノ酸濃度は約0.1%w/v〜約5%w/vである。本発明のある特定の実施形態においては、アミノ酸はプロリンまたはアルギニンである。本発明の特定の実施形態においては、プロリンまたはアルギニン濃度は約1%w/v〜約2%w/vである。本発明の他の特定の実施形態においては、プロリン濃度は約1.5%w/vである。本発明の代替的な特定の実施形態においては、アルギニン濃度は約1%w/vである。
本発明のある実施形態においては、製剤は液体製剤である。本発明の他の特定の実施形態においては、製剤は凍結乾燥製剤である。
本発明のある実施形態においては、製剤は+5℃で少なくとも6カ月間安定である。本発明の代替的な実施形態においては、製剤は+5℃で少なくとも9カ月間安定である。
本発明のある実施形態においては、製剤は、pH7.3のリン酸緩衝生理食塩水中に抗LIGHT抗体を含む参照抗LIGHT製剤またはpH7.3のリン酸緩衝生理食塩水中に抗LIGHT抗体を含む参照抗CXCR5製剤と比較して、凝集体、半分子、分解産物
、低分子量タンパク質、高分子量タンパク質および抗体の酸性/塩基性/中性アイソフォームの再構成からなる群から選択される少なくとも1つの副産物の量の減少を示す。
本発明のある特定の実施形態においては、本発明は、
a)配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約150mg/mLの完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合する、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;
c)約0.005%のポリソルベート20;および
d)約4%のマンニトール
を含み、製剤のpHが約pH5.5である、皮下投与にとって好適な安定な液体抗体製剤を提供する。
本発明の他の特定の実施形態においては、本発明は、
a)配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約50mg/mLの完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合する、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;および
c)約0.01%のポリソルベート20;
を含み、製剤のpHが約pH5.5である、静脈内投与にとって好適な安定な液体抗体製剤を提供する。
本発明のまた、さらに他の特定の実施形態においては、本発明は、
a)配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約50mg/mLの完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合する、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;
c)約0.01%のポリソルベート20;
d)約5%のスクロース;および
e)約1.5%のプロリン;
を含み、製剤のpHが約pH5.5である、静脈内投与にとって好適な安定な凍結乾燥抗体製剤を提供する。
本発明の代替的な特定の実施形態においては、本発明は、
a)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約20mg/mLのヒト化IgG4抗CXCR5(C−X−Cケモカイン受容体型5)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;
c)約0.02%のポリソルベート20;
d)約6%のスクロース;および
e)約0.2%の塩化ナトリウム;
を含み、製剤のpHが約pH6.0である、安定な抗体製剤を提供する。
本発明のさらなる代替的な特定の実施形態においては、本発明は、
a)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約100mg/mLのヒト化IgG4抗CXCR5(C−X−Cケモカイン受容体型5)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;
c)約0.01%のポリソルベート20;
d)約4.5%のスクロース;
e)約0.2%の塩化ナトリウム;および
f)約1%のアルギニン;
を含み、製剤のpHが約pH6.0である、安定な抗体製剤を提供する。
本発明のある実施形態においては、本発明は、1)請求項のいずれか一項に記載の製剤、ならびに2)製剤の投与および使用に関するラベルまたは指示書を含む容器を含むキットを提供する。本発明のある実施形態においては、ラベルは、以下のもの:製剤の投与のための指示書、製剤の使用のための指示書、製剤の保存条件に関する指示書、製剤および/もしくはキットのロット番号およびバッチ番号に関する情報、製剤の組成に関する情報、安全性情報、製剤の投与と関連する、可能性のある有害反応、二次的効果、および/もしくは副作用に関する情報、または製剤の可能性のある適応症および/もしくは禁忌に関する情報のうちの1つまたは複数を含む。
本発明のある実施形態においては、本発明は、本発明の製剤を含むシリンジ、カートリッジ、バイアル、アンプル、またはオートインジェクターのような充填済みデバイスまたは充填済み容器を提供する。ある他の実施形態においては、本発明は、そのような充填済みシリンジ、カートリッジ、バイアル、アンプル、またはオートインジェクターを含むキットを提供する。
ある実施形態においては、本発明は、本発明の製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、炎症性腸疾患を処置するための方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、本発明の製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、関節リウマチを処置するための方法を提供する。
ある実施形態においては、本発明は、ヒトまたは動物の身体の診断または処置の方法における使用のための製剤を提供する。特定の実施形態においては、製剤は、炎症性腸疾患の処置において用いられる。代替的な実施形態においては、製剤は、関節リウマチの処置において用いられる。
本発明のある実施形態においては、本発明は、本発明の製剤を調製するための方法であって、製剤の成分を混合すること、およびpHを調整することを含み、調製が滅菌条件下で行われるか、または製剤が成分の混合およびpH調整もしくはその両方の後に滅菌される、前記方法を提供する。
本発明のある特定の実施形態においては、本発明は、a)抗LIGHT結合剤を用意すること;b)約5〜約50mMのクエン酸バッファー中に抗LIGHT結合剤を再懸濁すること;およびc)製剤のpHを約pH5.0〜約pH6.0に調整することを含む、安定な抗体製剤を調製するための方法を提供する。
5.5mg/mLの濃度でpH7.3のリン酸緩衝生理食塩水中に製剤化された、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体の等電点(pI)を決定するために用いられた変性等電点電気泳動実験の結果を示すゲルの写真である(「元の製剤」、「PBS製剤」、または「参照ロット」)。レーン1および5:IEF Calibration Kit High Range pI 5〜10.5;レーン2および4:参照ロットの第1のバッチ;レーン3および4:参照ロットの第2のバッチ。pI値は数値で示される。 還元および非還元条件下で異なる参照ロットバッチを比較したSDS−PAGEゲルの写真である。レーン1および10:Biorad Precision Plus Protein Standard;レーン5:空;レーン2:非還元条件下での参照ロットの第1のバッチ;レーン3および4:非還元条件下での参照ロットの第2のバッチ;レーン6:還元条件下での参照ロットの第1のバッチ;レーン7および8:還元条件下での参照ロットの第2のバッチ;ならびにレーン9:システム対照。サイズは行内の数値により示される。 参照ロットの第1および第2のバッチの抗原結合活性を決定するために用いられたELISAグラフを示す図である。 参照ロットの第1のバッチのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)のクロマトグラムを示す図である。図4に示されるように、SECは高分子量タンパク質(HMWP)、例えば、ダイマー/オリゴマー(RRT0.8)または凝集体、および低分子量タンパク質(LMWP)または分解産物を検出した。参照ロットバッチの第1のバッチは、97%の純度のモノマー含量を有していた。 参照ロットの第1のバッチに関する弱陽イオン交換クロマトグラムを示す図である。図5に示されるように、酸性、中性、および塩基性アイソフォームの再構成が安定性試験の間に起こった。参照ロットの第1のバッチは、42.3/55.6/1.9%の酸性/中性/塩基性アイソフォームの分布を有していた。 参照ロットの第1のバッチの示差走査熱量測定サーモグラムを示す図である。図6に示されるように、3つのドメインの抗体は、68℃、75℃および78℃で開裂した。 濾過されていない参照ロットの第1のバッチの動的光散乱パターンを示す図である。DLSを用いて、参照ロット抗体モノマーの第1のバッチおよび潜在的な可溶性凝集体の流体力学直径を決定した。 濾過された参照ロットの第1のバッチの動的光散乱パターンを示す図である。DLSを用いて、参照ロット抗体モノマーの第1のバッチおよび潜在的な可溶性凝集体の流体力学直径を決定した。 高い抗体濃度の製剤のための医薬品製造プロセスのフローダイアグラムである。 製剤14の動的光散乱パターンを示す図である。DLSを用いて、抗体モノマーおよび潜在的な可溶性凝集体の流体力学直径を決定した。 リードCXCR5抗体のpI(等電点)を決定するための等電点電気泳動の結果を示すゲルの写真である。レーン1、6:IEF Calibration High Range pI Kit;レーン2、4:参照標準リード抗体LP08031;およびレーン3、5:リード抗体原薬、RSN0151。 還元および非還元条件下で異なる原薬バッチを比較したSDS−PAGEゲルの写真である。また、ゲルを用いて、リードCXCR5抗体の分子量、および任意の凝集体の存在を決定した。 CXCR5抗原の28マーのペプチドへのリードCXCR5抗体の抗原結合活性を決定するために用いられたELISAグラフである。 ストレスを加えたリードCXCR5抗体のSECクロマトグラムである。SECは、高分子量タンパク質(HMWP)、例えば、ダイマー/オリゴマーまたは凝集体および低分子量タンパク質(LMWP)または分解産物を検出することができた。リードCXCR5抗体は、99%の純度のモノマー含量を有していた。 リードCXCR5抗体の酸性、中性、および塩基性アイソフォームを決定するために用いられたWCXクロマトグラムである。リードCXCR5抗体は、14/85/1%の酸性/中性/塩基性アイソフォームの分布を有していた。 抗体モノマーおよび潜在的な可溶性凝集体の流体力学直径を決定するために用いられたDLS測定である。 酢酸バッファーpH5.0(左)およびpH5.5(右)中;それぞれのv.WFI(注射用水)および熱ストレス後のリードCXCR5抗体の写真である。この図面は、酢酸塩が好適なバッファー系であることを示す。 ヒスチジンバッファーpH6.0(左)、pH5.5(中央)、およびpH5.0(右)中;それぞれのv.WFI(注射用水)および熱ストレス後のリードCXCR5抗体の写真である。この図面は、ヒスチジンが好適なバッファーであることを示す。 UF/DF(左)後および濾過(右)後;それぞれのv.WFI(注射用水)および熱ストレス後のTRISバッファーpH7.5中のリードCXCR5抗体の写真である。この図面は、TRISが不適合バッファー系であることを示す。 UF/DFおよび濾過後のクエン酸バッファーpH6.0中のリードCXCR5抗体の写真である。 UF/DFおよび濾過後の酢酸バッファーpH5.5中のリードCXCR5抗体の写真である。 UF/DFおよび濾過後のコハク酸バッファーpH5.0中のリードCXCR5抗体の写真である。 UF/DFおよび濾過後のヒスチジンバッファーpH5.0中のリードCXCR5抗体の写真である。 UF/DFおよび濾過後のアルギニンバッファーpH6.0中のリードCXCR5抗体の写真である。 機械的ストレス(350rpm、2.5h、RT)後の、異なる界面活性剤を含む(界面活性剤、ポリソルベート20、ポリソルベート80、Lutrol F68、Cremophor RH40、Solutol HS15、およびSDSを含まない)リードCXCR5抗体LA_09_016溶液の外観の写真である。 SECにより分析された、加速条件下でのダイマーの増加を示すグラフである。4つ全部のヒスチジン製剤中での3カ月の保存後に最大で10%のダイマー形成の増加を見ることができる。酢酸製剤は、最大で6%のダイマー含量の増加を示した。4つ全部のクエン酸製剤において、ダイマー濃度は、+40℃で3カ月後でも2%未満であった。 WCXにより分析された、加速条件下での塩基性アイソフォームの増加を示すグラフである。ヒスチジンは、加速条件下ではリードCXCR5抗体安定性に関してより悪い。4つ全部の酢酸製剤について、塩基性アイソフォームのわずかな増加を見ることができる。興味深いことに、4つのクエン酸製剤を識別することはできなかった。 WCXにより分析された、加速条件下での中性アイソフォームの減少を示すグラフである。この図面は、ヒスチジン製剤に関する中性アイソフォームの強力な減少を示す。わずかな減少が酢酸塩において見られた。クエン酸塩はほとんど影響されなかった。 加速条件下でのクエン酸バッファー中の4つ全部の製剤(A〜D)のデルタpHを示す図である。最もpHを安定化する製剤はクエン酸緩衝化されたものであり、特に、製剤BおよびDである。 加速条件下での酢酸バッファー中の4つ全部の製剤(A〜D)のデルタpHを示す図である。リードCXCR5抗体の酢酸緩衝溶液中では、pHはより高い値に向かってシフトした。 加速条件下でのヒスチジンバッファー中の4つ全部の製剤(A〜D)のデルタpHを示す図である。リードCXCR5抗体のヒスチジン緩衝溶液中では、pHはわずかに低下していた。 40℃で3カ月の保存後のCXCR5 LA_09_027 A〜Dの流体力学直径を示すグラフである。クエン酸緩衝製剤は、製剤Cにおいては3週間後に、および製剤Aにおいては保存の6週間後にほんのわずかな凝集体を示した。同様に、製剤Bにおいてもいくらかの凝集体を3カ月後に検出することができた。しかし、酢酸緩衝製剤と比較して、その量は非常に少なかった。 40℃で3カ月の保存後のCXCR5 LA_09_028 A〜Dの流体力学直径を示すグラフである。酢酸緩衝製剤Cは、3週間後に200nm未満のいくらかの凝集体を示した。製剤Aは、3カ月後にいくらかの凝集体を示した。 Z平均に対する、リードCXCR5抗体濃度の増加の効果を示すチャートである。リードCXCR5抗体は、抗体の濃度を増加させることにより、流体力学直径(Z平均)の有意な増加を示した。 熱ストレス後の100mg/mLのリードCXCR5抗体でのZ平均に対する異なる安定剤(添加剤)の効果を示すチャートである。熱ストレスの前後でZ平均を測定した。安定化効果は試験した全ての添加剤と同様であったが、Z平均の増加は、安定剤としてアミノ酸(アルギニン、リシン、またはグリシン)を用いることにより全体的に低下した。リシンは、ストレス後のより高い含量の凝集体のため排除された。アルギニンは、グリシンよりも良好な効果を示した。 機械的ストレス後の100mg/mLのリードCXCR5抗体でのZ平均に対する異なる安定剤の効果を示すチャートである。Z平均を、機械的ストレスの前後で測定した。Z平均の同じ低下が、アミノ酸の存在下で見られた。スクロースは、機械的ストレスに対する、トレハロースよりも良好な保護効果を有していた。アルギニンおよびグリシンは、NaClと共により良好に機能した。 機械的ストレスの前(A)および機械的ストレスの後(B)のpH6の10mMクエン酸バッファー中に製剤化されたリードCXCR5抗体の、DLSにより測定された、粒径分布を示すグラフのセットである。DSの機械的ストレスの後に、DLSによってより高分子量の種が測定された。 機械的ストレスの前(A)および後(B)のリードCXCR5抗体医薬品プロトタイプ製剤(A〜D;表111)の、DLSにより測定された、粒径分布を示すグラフのセットである。
A.定義
別途定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、本文が別途明確に記載しない限り、複数の参照も含むことが本明細書で指摘される。
用語「約」または「およそ」は、所与の値または範囲の5%以内(または1%以下)のような10%以内を意味する。
用語「投与する」または「投与」は、粘膜、皮内、静脈内、皮下、筋肉内送達および/または本明細書に記載されるか、もしくは当業界で公知の物理的送達の任意の他の方法などにより、体外に存在するような物質(例えば、本発明の製剤)を患者に注入するか、またはさもなければ物理的に送達する動作を指す。ある疾患、またはその症状を処置しようとする場合、物質の投与は、典型的には、疾患またはその症状の開始後に行われる。疾患またはその症状を予防しようとする場合、物質の投与は、典型的には、疾患またはその症状の開始前に行われる。
ポリペプチドの文脈において、用語「類似体」は、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドの断片、LIGHTもしくはCXCR5エピトープ、または抗LIGHTもしくは抗CXCR5抗体と類似するか、もしくは同一の機能を有するが、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド、LIGHTもし
くはCXCR5ポリペプチドの断片、LIGHTもしくはCXCR5エピトープ、または抗LIGHTもしくは抗CXCR5抗体の類似するか、もしくは同一のアミノ酸配列を含む必要はなく、またはLIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドの断片、LIGHTもしくはCXCR5エピトープ、または抗LIGHTもしくは抗CXCR5抗体の類似するか、もしくは同一の構造を有するポリペプチドを指す。類似するアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、以下のこと:(a)本明細書に記載のLIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド(例えば、それぞれ、配列番号9もしくは配列番号14)、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドの断片、LIGHTもしくはCXCR5エピトープ、または抗LIGHTもしくは抗CXCR5抗体のアミノ酸配列と少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)少なくとも5アミノ酸残基、少なくとも10アミノ酸残基、少なくとも15アミノ酸残基、少なくとも20アミノ酸残基、少なくとも25アミノ酸残基、少なくとも40アミノ酸残基、少なくとも50アミノ酸残基、少なくとも60アミノ酸残基、少なくとも70アミノ酸残基、少なくとも80アミノ酸残基、少なくとも90アミノ酸残基、少なくとも100アミノ酸残基、少なくとも125アミノ酸残基、もしくは少なくとも150アミノ酸残基の本明細書に記載のLIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドの断片、LIGHTもしくはCXCR5エピトープ、または抗LIGHTもしくは抗CXCR5抗体(またはそのVHもしくはVL領域)をコードするヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド(例えば、Sambrookら(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold
Spring Harbor、N.Y.;Maniatisら(1982)Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照されたい);および(c)本明細書に記載のLIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドの断片、LIGHTもしくはCXCR5エピトープ、または抗LIGHTもしくは抗CXCR5抗体(またはそのVHもしくはVL領域)をコードするヌクレオチド配列と少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド、のうちの少なくとも1つを満たすポリペプチドを指す。LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドの断片、LIGHTもしくはCXCR5エピトープ、または抗LIGHTもしくは抗CXCR5抗体と類似する構造を有するポリペプチドとは、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドの断片、LIGHTもしくはCXCR5エピトープ、または抗LIGHTもしくは抗CXCR5抗体の類似する二次、三次または四次構造を有するポリペプチドを指す。ポリペプチドの構造を、限定されるものではないが、X線結晶学、核磁気共鳴、および結晶電子顕微鏡などの当業者には公知の方法により決定することができる。
2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列の同一性パーセントを決定するために、配列を、最適な比較のために整列させる(例えば、第2のアミノ酸または核酸配列との最適なアラインメントのために第1のアミノ酸または核酸配列の配列中にギャップを導入することができる)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列中の位置が第2の配列中の対応する位置と同じ
アミノ酸残基またはヌクレオチドにより占有される場合、分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、配列により共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、同一性%=同一の重複する位置の数/全位置数X100%)。一実施形態においては、2つの配列は同じ長さである。
2つの配列(例えば、アミノ酸配列または核酸配列)間の同一性パーセントの決定を、数学的アルゴリズムを用いて達成することもできる。2つの配列の比較に用いられる数学的アルゴリズムの非限定例は、KarlinおよびAltschul、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:5873〜5877頁として改変された、KarlinおよびAltschul、1990、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87:2264〜2268頁のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、Altschulら、1990、J.Mol.Biol.215:403頁のNBLASTおよびXBLASTプログラム中に組込まれている。対象の核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得るために、BLASTヌクレオチド検索を、NBLASTヌクレオチドプログラムパラメータセット、例えば、スコア=100、ワード長=12を用いて実施することができる。対象のタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得るために、BLASTタンパク質検索を、XBLASTプログラムパラメータセット、例えば、スコア50、ワード長=3を用いて実施することができる。比較のためのギャップ付アラインメントを得るために、ギャップ付BLASTを、Altschulら、1997、Nucleic Acids Res.25:3389〜3402頁に記載のように用いることができる。あるいは、PSI BLASTを用いて、分子間の距離関係を検出する反復検索を実施することができる(同上)。BLAST、ギャップ付BLAST、およびPSI Blastプログラムを用いる場合、対応するプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを用いることができる(例えば、ncbi.nlm.nih.govのワールドワイドウェブ上のNational Center
for Biotechnology Information(NCBI)を参照されたい)。配列の比較に用いられる数学的アルゴリズムの別の非限定例は、MyersおよびMiller、1988、CABIOS 4:11〜17頁のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組込まれている。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを用いる場合、PAM120重み残基表(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティ、および4のギャップペナルティを用いることができる。
2つの配列間の同一性パーセントを、可能なギャップを用いるか、または用いずに、上記のものと類似する技術を用いて決定することができる。同一性パーセントを算出する際に、典型的には、正確な一致だけを計数する。
「アンタゴニスト」または「阻害剤」とは、標的分子の1つまたは複数の生物活性を阻害することができる分子を指す。アンタゴニストは、リガンドによる活性化された細胞を無力化するか、もしくは殺傷することにより、および/または受容体もしくはリガンド活性化(例えば、チロシンキナーゼ活性化)または受容体へのリガンド結合後のシグナル伝達を妨害することにより、受容体のリガンドへの結合およびその逆を妨害することができる。アンタゴニストは、受容体−リガンド相互作用を完全に遮断するか、またはそのような相互作用を実質的に低下させることができる。アンタゴニストによる介入の全てのそのような点を、本発明の目的にとって等価であると考えるべきである。
例えば、LIGHTの「アンタゴニスト」または「阻害剤」とは、LIGHTを発現する細胞中またはLIGHT受容体のようなLIGHTリガンドを発現する細胞中などにおける、LIGHTの1つまたは複数の生物活性を阻害するか、またはさもなければ減少さ
せることができる分子を指す。例えば、ある実施形態においては、本発明の抗体は、該抗体を、細胞表面に発現されるLIGHT受容体(例えば、HVEM、LTβRおよび/またはDcR3)を有する細胞と接触させた場合に、該細胞からのCCL20、IL−8、および/またはRANTESの分泌を阻害するか、またはさもなければ減少させるアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態においては、LIGHTのアンタゴニスト(例えば、本発明のアンタゴニスト抗体)は、例えば、LIGHT受容体を発現する細胞の活性化および/または細胞シグナリング経路を阻害するか、またはさもなければ減少させることにより作用し、それによって、アンタゴニストの非存在下でのLIGHT媒介性生物活性と比較して細胞のLIGHT媒介性生物活性を阻害することができる。本発明のある実施形態においては、抗LIGHT抗体は、完全ヒト、モノクローナル、アンタゴニスト抗LIGHT抗体のような、完全ヒト、アンタゴニスト抗LIGHT抗体である。
例えば、CXCR5の「アンタゴニスト」または「阻害剤」とは、CXCR5による、シグナリングのような1つまたは複数の生物活性を阻害することができる分子を指す。かくして、CXCR5、CXCL13もしくはCXCR5の他のリガンド、またはCXCR5と、CXCL13のようなそのリガンドとの複合体に結合するアンタゴニスト(例えば、中和抗体);CXCR5と、CXCL13のようなリガンドとの相互作用と拮抗するCXCR5またはCXCL13のアミノ酸配列変異体または誘導体;場合により、免疫グロブリン領域(例えば、イムノアドヘシン)のような異種分子に融合された可溶性CXCR5;別の受容体または生物分子と関連するCXCR5を含む複合体;CXCR5に結合する合成または天然の配列ペプチドなどが、本発明の範囲内に含まれる。
用語「抗体」、「免疫グロブリン」または「Ig」は、本明細書で互換的に用いることができる。用語、抗体は、限定されるものではないが、合成抗体、モノクローナル抗体、組換え産生された抗体、多特異的抗体(二特異的抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、イントラボディ、一本鎖Fv(scFv)(例えば、一特異的、二特異的などを含む)、ラクダ化抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、および上記のいずれかのエピトープ結合断片を含む。特に、抗体は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、LIGHT抗原(例えば、抗LIGHT抗体の1つまたは複数の相補性決定領域(CDR))またはCXCR5抗原(例えば、抗CXCR5抗体の1つまたは複数の相補性決定領域(CDR))に特異的に結合する抗原結合部位を含有する抗原結合ドメインまたは分子を含む。抗LIGHTまたは抗CXCR5抗体は、免疫グロブリン分子の任意の型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、任意のクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)、または任意のサブクラス(例えば、IgG2aおよびIgG2b)のものであってもよい。いくつかの実施形態においては、抗LIGHT抗体は、完全ヒトモノクローナル抗LIGHT抗体のような完全ヒト抗体である。ある実施形態においては、抗LIGHT抗体は、IgG抗体、ヒトIgG4抗体である。あるいは、いくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、ヒト化モノクローナル抗CXCR5抗体のようなヒト化抗体である。ある実施形態においては、抗CXCR5抗体は、IgG抗体、ヒト化IgG4抗体である。
本明細書で用いられる用語「抗LIGHT抗体」は、限定されるものではないが、LIGHTのそのリガンドへの結合を阻害するか、もしくは実質的に減少させるか、またはLIGHT活性を阻害する分子などの、本明細書に定義されるヒトLIGHTに特異的に結合する抗体またはそれに由来するポリペプチド(誘導体)を意味する。
本明細書で用いられる用語「抗CXCR5抗体」は、限定されるものではないが、CXCR5のそのリガンドへの結合を阻害するか、もしくは実質的に減少させるか、またはC
XCR5活性を阻害する分子などの、本明細書に定義されるヒトCXCR5に特異的に結合する抗体またはそれに由来するポリペプチド(誘導体)を意味する。
用語「B細胞活性」は、局部的であってよい、正常より高いB細胞活性、または抗体発現、Brutonのチロシンキナーゼの存在もしくは活性、CD19の発現もしくは存在、B細胞活性化因子の発現もしくは存在などのような、B細胞の生物学的顕在化もしくは機能の証拠を意味する。
用語「結合剤」は、LIGHTもしくはCXCR5、またはその変異体もしくは断片に結合するか、または特異的に結合する、抗体、siRNA、核酸、アプタマー、タンパク質、または低分子有機化合物のような任意の分子を意味する。
用語「副産物」は、所与の製剤中の、抗体のような治療的/予防的結合剤の割合を減少または縮小させる望ましくない生成物を含む。例えば、典型的な副産物としては、抗体の凝集体、例えば、脱アミド化もしくは加水分解による抗体の分解により産生された抗体の断片、またはその混合物が挙げられる。典型的には、凝集体は、モノマー抗体よりも大きい分子量を有する複合体である。抗体分解産物は、例えば、脱アミド化または加水分解によりもたらされた、例えば、抗体の断片を含んでもよい。典型的には、分解産物は、モノマー抗体よりも低い分子量を有する複合体である。IgG抗体の場合、そのような分解産物は、約150kD未満である。
用語「組成物」および「製剤」は、場合により、特定量の特定構成成分(例えば、抗LIGHT抗体または抗CXCR5抗体)を含有する生成物、ならびに場合により特定量の特定構成成分の組合せから直接または間接に生じる任意の生成物を包含することが意図される。
用語「定常領域」または「定常ドメイン」とは、抗体の抗原への結合には直接関与しないが、Fc受容体との相互作用のような様々なエフェクター機能を示す軽鎖および重鎖のカルボキシ末端部分を指す。この用語は、抗原結合部位を含有する、免疫グロブリンの他の部分、可変ドメインと比較して、より多くの保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のCH1、CH2およびCH3ドメインと、軽鎖のCHLドメインとを含有する。
用語「CXCR5」は、リンパ球、特に、B細胞、特に、ナイーブなB細胞上に見出される天然に存在する公知の分子;そのような細胞から単離されたそのような分子;公知の材料および手段を用いて、CXCR5をコードする核酸を用いて組換え的に製造されたそのような分子;ならびにCXCL13結合のような本発明の実施と関連する特徴および特性を保持する細胞外(EC)ドメインのようなCXCR5の部分に関する。可溶性CXCR5分子は、一般に、分子の最初の約60アミノ酸、すなわち、CXCR5のアミノ末端部分を含む、CXCR5のECドメインから本質的になってもよい。
CXCR5は、非無差別受容体である。CXCL13はCXCR5のリガンドであり、濾胞樹状細胞のような間質細胞上、およびリンパ組織中で構成的に発現される。CXCL13はB細胞およびB細胞濾胞性ヘルパーT細胞、TFHと呼ばれるT細胞の小サブセットを特異的に誘引する。免疫系におけるT細胞集団とB細胞集団との多くの相互作用を考慮すると、これは予想外のことではない。さらに、活性化T細胞は、CXCR5発現を誘導するか、または上方調節する。リンパ球の三次異所性胚中心(GC)への浸潤は、疾患重症度の増加およびそのような非定型リンパ節様構造と共に存在する特定の障害における寛容の破綻と良好に相関することがわかった。CXCR5−/−およびCXCL13−/−マウスのようなin vivoマウスモデルを用いた場合、受容体またはリガンドの非
存在は、TおよびB細胞局在化の変化、およびことによると相互作用のため、GCの微細な構造の変化をもたらす。これらのマウスはまた、発達中の重症コラーゲン誘導関節炎(CIA)に対しても保護される。CXCR5は、RAの発症と関連する成熟B細胞上で選択的に発現されるため、この受容体の遮断は罹患した個体における関節炎を発症させる応答を変調する。生物学的製剤(すなわち、抗TNFαおよび抗CD20抗体、リツキシマブ)を用いる関節リウマチの処置は、臨床的に有効であることを示した;特に、B細胞指向性療法にある患者は、臨床兆候および症状の長期間続く向上を示した。成熟B細胞およびB細胞ヘルパーT細胞上でのみ発現されるCXCR5の選択的標的化は、B細胞の発生に影響しないか、または患者を免疫不全にしない。リツキシマブと違って、本発明の抗CXCR5抗体は、細胞傷害性を媒介しない中和抗体である。
「CXCR5疾患」は、CXCL13もしくは他のCXCR5リガンドの過剰発現もしくはレベルの増加、B細胞レベルの増加、B細胞活性のレベルの増加、CXCR5レベルの増加、またはCXCR5の不適切な代謝および活性を特徴とするか、またはそれらにより引き起こされる、病気、障害、疾患、状態、異変などである。
用語「エピトープ」とは、抗体のような結合剤の1つまたは複数の抗原結合領域に結合することができ、免疫応答を惹起することができる、ヒトなどの哺乳動物のような動物における抗原性または免疫原性活性を有する、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド、またはLIGHTもしくはCXCR5ポリペプチド断片のような抗原の表面上の局在化された領域を指す。免疫原性活性を有するエピトープは、動物において抗体応答を惹起するポリペプチドの一部である。抗原性活性を有するエピトープは、例えば、免疫アッセイのような、当業界で周知の任意の方法により決定された場合、抗体が特異的に結合するポリペプチドの一部である。抗原性エピトープは、必ずしも免疫原性である必要はない。エピトープは通常、アミノ酸または糖側鎖のような化学的に活性な分子表面基からなり、特定の三次元構造特性、ならびに特定の電荷特性を有する。エピトープに寄与するポリペプチドの領域は、ポリペプチドの連続するアミノ酸であってもよく、またはエピトープはポリペプチドの2つ以上の非連続領域に由来してもよい。エピトープは、抗原の三次元表面特性であっても、またはなくてもよい。ある実施形態においては、LIGHTまたはCXCR5エピトープは、三次元表面特性のLIGHTまたはCXCR5ポリペプチド(例えば、トリマー形態のLIGHTポリペプチド)である。他の実施形態においては、LIGHTエピトープは、線状特性のLIGHTまたはCXCR5ポリペプチド(例えば、トリマー形態またはモノマー形態のLIGHTポリペプチド)である。抗LIGHTまたは抗CXCR5抗体は、モノマー(変性)形態のLIGHTもしくはCXCR5のエピトープ、トリマー(天然)形態のLIGHTもしくはCXCR5のエピトープ、またはモノマー(変性)形態およびトリマー(天然)形態の両方のLIGHTもしくはCXCR5に特異的に結合することができる。特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、トリマー形態のLIGHTのエピトープに特異的に結合するが、モノマー形態のLIGHTには特異的に結合しない。
用語「添加剤」とは、薬物のための、賦形剤、ビヒクル、保存剤、結合剤、安定化剤などとして一般的に用いられる不活性物質を指し、限定されるものではないが、タンパク質(例えば、血清アルブミンなど)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、グリシン、ヒスチジンなど)、脂肪酸およびリン脂質(例えば、スルホン酸アルキル、カプリレートなど)、界面活性剤(例えば、SDS、ポリソルベート、非イオン性界面活性剤など)、サッカライド(例えば、スクロース、マルトース、トレハロースなど)ならびにポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトールなど)が挙げられる。また、全体が参照により本明細書に組み入れられるRemington’s Pharmaceutical Sciences(1990)Mack Publishing Co.,Easton,Pa.も参照されたい。
ペプチドまたはポリペプチドの文脈において、用語「断片」とは、完全長より少ないアミノ酸配列を含むペプチドまたはポリペプチドを指す。そのような断片は、例えば、アミノ末端でのトランケーション、カルボキシ末端でのトランケーション、および/またはアミノ酸配列からの残基の内部的欠失から生じてもよい。断片は、例えば、代替的RNAスプライシングまたはin vivoでのプロテアーゼ活性から生じてもよい。ある実施形態においては、hLIGHTまたはhCXCR5断片は、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドまたはLIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドに特異的に結合する抗体のアミノ酸配列の少なくとも5個の連続するアミノ酸残基、少なくとも10個の連続するアミノ酸残基、少なくとも15個の連続するアミノ酸残基、少なくとも20個の連続するアミノ酸残基、少なくとも25個の連続するアミノ酸残基、少なくとも40個の連続するアミノ酸残基、少なくとも50個の連続するアミノ酸残基、少なくとも60個の連続するアミノ酸残基、少なくとも70個の連続するアミノ酸残基、少なくとも80個の連続するアミノ酸残基、少なくとも90個の連続するアミノ酸残基、少なくとも100個の連続するアミノ酸残基、少なくとも125個の連続するアミノ酸残基、少なくとも150個の連続するアミノ酸残基、少なくとも175個の連続するアミノ酸残基、少なくとも200個の連続するアミノ酸残基、または少なくとも250個の連続するアミノ酸残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。特定の実施形態においては、LIGHTもしくはCXCR5ポリペプチドまたはLIGHTもしくはCXCR5抗原に特異的に結合する抗体の断片は、ポリペプチドまたは抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つの機能を保持する。
用語「完全ヒト抗体」または「ヒト抗体」は本明細書で互換的に用いられ、ヒト可変領域と、ことによると、ヒト定常領域を含む抗体を指す。特定の実施形態においては、この用語は、ヒト起源の可変領域と定常領域とを含む抗体を指す。「完全ヒト」抗LIGHT抗体は、ある実施形態においては、LIGHTポリペプチドに結合し、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン核酸配列の天然に存在する体細胞変異体である核酸配列によりコードされる抗体も包含してもよい。特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、完全ヒト抗体である。用語「完全ヒト抗体」は、Kabatらにより記載されたヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に対応する可変および定常領域を有する抗体を含む(Kabatら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health
and Human Services、NIH Publication No.91−3242頁を参照されたい)。完全ヒト抗体を製造する方法は、当業界で公知である。
語句「組換えヒト抗体」は、宿主細胞中にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを用いて発現された抗体、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子に関してトランスジェニックおよび/もしくはトランスクロモソーマルである動物(例えば、マウスもしくはウシ)から単離された抗体(例えば、Taylor,L.D.ら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287〜6295頁を参照されたい)のような、組換え手段により調製、発現、作出、もしくは単離されたヒト抗体またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段により調製、発現、作出、もしくは単離された抗体を含む。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有してもよい(Kabat,E.A.ら(1991)Sequences
of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91−3242頁を参照されたい)。しかしながら、ある実施形態においては、そのような組換えヒト抗体を、in v
itro突然変異誘発(または、ヒトIg配列に関してトランスジェニックである動物を用いる場合、in vivo体細胞突然変異誘発)にかけ、かくして、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系列VHおよびVL配列に由来し、それと関連するが、in vivoではヒト抗体生殖細胞系列レパートリー中に自然には存在しなくてもよい。
「IgG4結合剤」または「IgG4 Fc領域の少なくとも一部を含む結合剤」は両方とも、IgG4 Fcの少なくとも断片を含む本明細書に記載の結合剤を指す。ある実施形態においては、断片は、IgG4 Fc領域の10、20、30、40、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210または220アミノ酸を含む。他の実施形態においては、断片は、IgG4 Fc領域の10〜50、50〜100、100〜150、または150〜200アミノ酸を含む。他の実施形態においては、IgG4 Fc領域の部分は、IgG4 Fc領域に対する特定の相同性を有してもよい。例えば、IgG4結合剤は、IgG4 Fc領域に対する50、60、70、80、90、93、95、96、97、98、99%より高い、または100%の相同性を有するタンパク質の一部を含んでもよい。IgG4の例示的なFc領域は、本明細書を通じて記載される。
用語「重鎖」は、抗体を参照して用いられる場合、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、アルファ(α)、デルタ(Δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)およびミュー(μ)と呼ばれる5つの異なる型を指す。これらの異なる型の重鎖は当業界で周知であり、それぞれ、IgGの4つのサブクラス、すなわち、IgG1、IgG1、IgG3、およびIgG4を含む、5つのクラスの抗体、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMを生じる。いくつかの実施形態においては、重鎖は、ヒト重鎖である。
「ヒト化」形態の非ヒト(例えば、マウス)抗体は、ヒト抗体と比較して、非ヒト免疫グロブリンに由来する配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはその断片(抗体のFv、Fab、Fab'、F(ab')2または他の標的結合サブ配列など)である。一般に、ヒト化抗体は、CDR領域の全部または実質的に全部が、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全部または実質的に全部が、ヒト免疫グロブリン鋳型配列のものである、1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全部を含む。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的には、選択されたヒ
ト免疫グロブリン鋳型のものを含んでもよい。一般に、目標は、ヒトにおける免疫原性が最小である抗体分子を有することである。かくして、1つまたは複数のCDR中の1つまたは複数のアミノ酸を、1つまたは複数のCDRの、CXCR5またはCXCL13への特異的結合機能を実質的に最小化することなく、ヒト宿主に対する免疫原性が低いものに変化させることもできる。あるいは、FRは、非ヒトであってもよいが、最も免疫原性であるこれらのアミノ酸を、免疫原性が低いものと置きかえる。それにも拘らず、上記で考察されたCDR移植は、ヒト化抗体を得るための唯一の方法ではない。例えば、CDR領域だけの改変はCDRループの三次元構造および抗体のそのリガンドに対する全体の親和性を決定する際に役割を果たすフレームワーク残基にとって一般的ではないため、CDR領域だけの改変では不十分であり得る。従って、非ヒト親抗体分子が、ヒトに対する免疫原性が低いものとなるように改変され、ヒト抗体との全体的配列同一性が常に必要ではないような任意の手段を実施することができる。従って、例えば、ごくわずかの残基、特に、抗体分子上に露出され、分子内に埋まらず、従って、宿主免疫系にとって容易に接近可能ではない残基のわずかな置換により、ヒト化を達成することもできる。そのような方法は、抗体分子上の「可動性」または「可撓性」残基の置換に関して本明細書で教示されており、その目標は、抗体のそのエピトープまたは決定基に対する特異性を含むことなく、得られる分子の免疫原性を低下させるか、または削ぐことである。例えば、Studnickaら、Prot Eng 7(6)805〜814頁、1994;Mol Imm
44:1986〜1988頁、2007;Simら、J Immunol 151:2296頁(1993);Chothiaら、J Mol Biol 196:901頁(1987);Carterら、Proc Natl Acad Sci USA 89:4285頁(1992);Prestaら、J Immunol 151:2623頁(1993)、WO2006/042333および米国特許第5,869,619号を参照されたい。
抗体のような、「単離された」または「精製された」結合剤は、結合剤が由来する細胞もしくは組織供給源に由来する細胞材料もしくは他の汚染タンパク質を実質的に含まないか、または化学的に合成された場合には化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。例えば、用語「細胞材料を実質的に含まない」は、抗体が、それが単離されるか、または組換え的に産生される細胞の細胞成分から分離される抗体の調製物を含む。かくして、細胞材料の実質的に含まない抗体は、約30%、20%、10%、または5%(乾燥重量で)未満の異種タンパク質(本明細書では「汚染タンパク質」とも呼ばれる)を有する抗体の調製物を含む。抗体が組換え産生される場合、それは培養培地を実質的に含まない、すなわち、培養培地がタンパク質調製物の約20%、10%、または5%未満の容量であるのも望ましい。抗体が化学的合成により産生される場合、いくつかの実施形態においては、それは化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない、すなわち、それはタンパク質の合成に関与する化学的前駆体または他の化学物質から分離される。従って、抗体のそのような調製物は、約30%、20%、10%、5%(乾燥重量で)未満の、対象の抗体以外の化学的前駆体または化合物を有する。いくつかの実施形態においては、抗LIGHTまたは抗CXCR5抗体は、単離または精製される。
用語「ヒトLIGHT」、「hLIGHT」または「hLIGHTポリペプチド」および同様の用語は、配列番号9のアミノ酸配列を含むポリペプチド(「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は本明細書では互換的に用いられる)およびそのSNP変異体を含む関連ポリペプチドを指す。関連ポリペプチドは、いくつかの実施形態においては、LIGHT活性を保持する、および/または抗LIGHT免疫応答を生成するのに十分である、対立遺伝子変異体(例えば、SNP変異体);スプライス変異体;断片;誘導体;置換、欠失、および挿入変異体;融合ポリペプチド;ならびに種間相同体を含む。また、抗LIGHT免疫応答を生成するのに十分である可溶性形態のLIGHTも包含される。当業者であれば理解できるように、エピトープは、順に、より大きいポリペプチドの一部である、より大きいポリペプチド断片の一部である、より大きい抗原の一部であるため、抗体のような抗LIGHT結合剤は、LIGHTポリペプチド、ポリペプチド断片、抗原および/またはエピトープに結合することができる。hLIGHTは、トリマー(天然)またはモノマー(変性)形態で存在してもよい。
用語「ヒトCXCR5」、「hCXCR5」または「hCXCR5ポリペプチド」および同様の用語は、配列番号14のアミノ酸配列を含むポリペプチド(「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は本明細書では互換的に用いられる)およびそのSNP変異体を含む関連ポリペプチドを指す。関連ポリペプチドは、いくつかの実施形態においては、CXCR5活性を保持する、および/または抗CXCR5免疫応答を生成するのに十分である、対立遺伝子変異体(例えば、SNP変異体);スプライス変異体;断片;誘導体;置換、欠失、および挿入変異体;融合ポリペプチド;ならびに種間相同体を含む。また、抗CXCR5免疫応答を生成するのに十分である可溶性形態のCXCR5も包含される。当業者であれば理解できるように、エピトープは、順に、より大きいポリペプチドの一部である、より大きいポリペプチド断片の一部である、より大きい抗原の一部であるため、抗体のような抗CXCR5結合剤は、CXCR5ポリペプチド、ポリペプチド断片、抗原および/またはエピトープに結合することができる。
用語「Kabat番号付け」および同様の用語は当業界で認識されており、抗体、またはその抗原結合部分の重鎖および軽鎖可変領域中の他のアミノ酸残基より可変性(すなわち、超可変性)であるアミノ酸残基の番号付けシステムを指す(Kabatら(1971)Ann.NY Acad.Sci.190:382〜391頁およびKabatら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health
and Human Services、NIH Publication No.91−3242頁)。重鎖可変領域については、超可変領域は、典型的には、CDR1のアミノ酸31位から35位、CDR2のアミノ酸50位〜65位、およびCDR3のアミノ酸95位〜102位の範囲である。軽鎖可変領域については、超可変領域は、典型的には、CDR1のアミノ酸24〜34位、CDR2のアミノ酸50〜56位、およびCDR3のアミノ酸89〜97位の範囲である。
抗体を参照して用いられる場合、用語「軽鎖」とは、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいてカッパ(κ)またはラムダ(λ)と呼ばれる2つの異なる型を指す。軽鎖アミノ酸配列は当業界で周知である。いくつかの実施形態においては、軽鎖はヒト軽鎖である。
用語「管理する」、「管理すること」および「管理」とは、感染の治癒をもたらさない、対象が治療(例えば、予防剤または治療剤)から導かれる有益な効果を指す。ある実施形態においては、対象は、疾患の進行または悪化を防止するために、LIGHT媒介性疾患(例えば、慢性腸疾患、IBD、クローン病、潰瘍性大腸炎、もしくはGVHD)またはCXCR5媒介性疾患(例えば、関節リウマチ)、その1つまたは複数の症状を「管理する」ための1つまたは複数の治療(例えば、本発明の製剤のような、予防剤または治療剤)を投与される。
用語「モノクローナル抗体」とは、同種または実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指し、それぞれのモノクローナル抗体は、典型的には、抗原上の単一のエピトープを認識する。いくつかの実施形態においては、「モノクローナル抗体」は、単一のハイブリドーマまたは他の細胞により産生される抗体である。用語「モノクローナル」は、抗体を作製するための任意の特定の方法に限定されない。例えば、モノクローナル抗体を、Kohlerら、Nature、256:495頁(1975)に記載のハイブリドーマ法により作製するか、またはファージライブラリーから単離することができる。クローン細胞系およびそれにより発現されるモノクローナル抗体の調製のための他の方法は、当業界で周知である(例えば、Short Protocols in Molecular Biology(2002)第5版;Ausubelら(編)、John Wiley and Sons、New Yorkの第11章を参照されたい)。
用語「薬学的に許容される」とは、連邦もしくは州政府の規制当局によって認可されるか、または米国薬局方、欧州薬局方もしくは動物、より特には、ヒトにおける使用のための他の一般的に認識される薬局方に列挙されることを意味する。
「薬学的に許容される添加剤」とは、同意できるか、または都合のよい剤形を調製するための、モノクローナル抗体のような活性分子と組合わされる任意の不活性物質を意味する。「薬学的に許容される添加剤」は、用いられる用量および濃度でレシピエントに対して非毒性的であり、モノクローナル抗体を含む製剤の他の構成成分と適合する添加剤である。
用語「防止する」、「防止すること」および「防止」とは、本明細書に提供される治療または治療の組合せ(例えば、本発明の製剤のような、予防剤または治療剤の組合せ)の投与の結果生じる、LIGHT媒介性もしくはCXCR5媒介性疾患および/またはそれ
と関連する症状の発生、再発、開始または拡散の全体的または部分的阻害を指す。
用語「予防剤」とは、対象におけるLIGHT媒介性もしくはCXCR5媒介性疾患および/またはそれと関連する症状の発生、再発、開始または拡散を全体的または部分的に阻害することができる任意の薬剤を指す。ある実施形態においては、用語「予防剤」とは、本発明の製剤を指す。ある他の実施形態においては、用語「予防剤」とは、本発明の製剤以外の薬剤を指す。いくつかの実施形態においては、予防剤は、LIGHT媒介性もしくはCXCR5媒介性疾患および/またはそれと関連する症状を防止するか、またはLIGHT媒介性もしくはCXCR5媒介性疾患および/またはそれと関連する症状の開始、発生、進行および/もしくは重症度を妨げるために有用であることが知られるか、または用いられてきたか、または現在用いられている薬剤である。特定の実施形態においては、予防剤は、完全ヒト抗LIGHTモノクローナル抗体のような完全ヒト抗LIGHT抗体、またはヒト化抗CXCR5モノクローナル抗体のようなヒト化抗CXCR5抗体である。
用語「LIGHT抗原」とは、抗体のような結合剤が特異的に結合するLIGHTポリペプチドの部分を指す。LIGHT抗原はまた、抗体のような結合剤が特異的に結合する、LIGHTポリペプチドの類似体もしくは誘導体またはその断片も指す。いくつかの実施形態においては、LIGHT抗原は、モノマーLIGHT抗原またはトリマーLIGHT抗原である。エピトープに寄与するLIGHTポリペプチドの領域は、ポリペプチドの連続するアミノ酸であってもよく、またはエピトープはポリペプチドの2つ以上の非連続的領域に由来してもよい。このエピトープは、抗原の三次元表面特性であってもよく、またはそうでなくてもよい。免疫応答を惹起することができるLIGHT抗原の表面上の局在化された領域は、LIGHTエピトープである。このエピトープは、抗原の三次元表面特性であってもよいか、またはそうでなくてもよい。
用語「CXCR5抗原」とは、抗体のような結合剤が特異的に結合するCXCR5ポリペプチドの部分を指す。CXCR5抗原はまた、抗体のような結合剤が特異的に結合するCXCR5ポリペプチドの類似体もしくは誘導体またはその断片も指す。エピトープに寄与するCXCR5ポリペプチドの領域は、ポリペプチドの連続するアミノ酸であってもよく、またはエピトープはポリペプチドの2つ以上の非連続的領域に由来してもよい。このエピトープは、抗原の三次元表面特性であってもよく、またはそうでなくてもよい。免疫応答を惹起することができるCXCR5抗原の表面上の局在化された領域は、CXCR5エピトープである。このエピトープは、抗原の三次元表面特性であってもよいか、またはそうでなくてもよい。
用語「LIGHT媒介性疾患」および「LIGHT媒介性障害」は、互換的に用いられ、LIGHTにより完全もしくは部分的に引き起こされるか、またはLIGHTの結果である任意の疾患を指す。ある実施形態においては、LIGHTは、細胞の表面上に異常(例えば、高度に)発現される。いくつかの実施形態においては、LIGHTは特別な細胞型上で異常に上方調節され得る。他の実施形態においては、LIGHTのLIGHTリガンドへの結合により、正常な、異常な、または過剰の細胞シグナリングが引き起こされる。ある実施形態においては、LIGHTリガンドは、例えば、結腸上皮細胞のような細胞の表面上に発現される、LIGHT受容体(例えば、HVEM、LTβR、またはDCR3)である。ある実施形態においては、LIGHT媒介性疾患は、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)のような、慢性腸疾患、炎症性腸疾患(IBD)である。他の実施形態においては、LIGHT媒介性疾患は、移植片対宿主疾患(GVHD)である。
用語「CXCR5媒介性疾患」および「CXCR5媒介性障害」は、互換的に用いられ、CXCR5により完全もしくは部分的に引き起こされるか、またはCXCR5の結果で
ある任意の疾患を指す。ある実施形態においては、CXCR5は、細胞の表面上に異常(例えば、高度に)発現される。いくつかの実施形態においては、CXCR5は特別な細胞型上で異常に上方調節され得る。他の実施形態においては、CXCR5のCXCR5リガンドへの結合により、正常な、異常な、または過剰の細胞シグナリングが引き起こされる。ある実施形態においては、CXCR5リガンドは、CXCL13である。ある実施形態においては、CXCR5媒介性疾患は、関節リウマチ(RA)である。
用語「サッカライド」とは、多価アルコールの誘導体である分子のクラスを指す。サッカライドは、一般的には炭水化物と呼ばれ、異なる量の糖(サッカライド)単位、例えば、モノサッカライド、ジサッカライド、およびポリサッカライドを含有してもよい。
用語「特異的に結合する」または「特異的に結合すること」とは、ある抗原またはその断片には特異的に結合するが、他の抗原には特異的に結合しないことを意味する。例えば、抗原に特異的に結合する抗体は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、BIACORE、または当業界で公知の他のアッセイにより決定された場合、より低い親和性で他のペプチドまたはポリペプチドに結合することができる。抗原に特異的に結合する抗体またはその変異体もしくは断片は、関連する抗原と交差反応性であってもよい。いくつかの実施形態においては、抗原に特異的に結合する抗体またはその変異体もしくは断片は、他の抗原と交差反応しない。LIGHTまたはCXCR5抗原に特異的に結合する抗体またはその変異体もしくは断片を、例えば、免疫アッセイ、BIAcore、または当業者には公知の他の技術により同定することができる。典型的には、特異的または選択的反応は、バックグラウンドシグナルまたはノイズの少なくとも2倍であり、より典型的には、バックグラウンドの10倍を超える。例えば、抗体特異性に関する考察については、Paul(編)、1989、Fundamental Immunology、第2版、Raven Press、New York、332〜336頁を参照されたい。
「安定な」または「安定化された」製剤は、その中の抗体のような結合剤が、保存時にその物理的安定性、同一性、完全性、および/または化学的安定性、同一性、完全性、および/または生物活性を本質的に保持するものである。タンパク質安定性を測定するための様々な分析技術が当業界で利用可能であり、例えば、Peptide and Protein Drug Delivery、247〜301頁、Vincent Lee(編)、Marcel Dekker,Inc.、New York、N.Y.、Pubs.(1991)およびJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29〜90頁(1993)に概説されている。安定性を、選択された期間にわたって、選択された温度および他の保存条件で測定することができる。安定性を、視覚的検査、SDS−PAGE、IEF、HPSEC、RFFIT、およびカッパ/ラムダELISAからなる群から選択される少なくとも1つの方法により決定することができる。例えば、抗体が、色および/もしくは透明度の視覚的検査の際に、またはUV光散乱、SDS−PAGE、もしくは(高速)サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)により測定された場合、凝集、沈降、および/または変性の兆候を示さない場合、それは医薬製剤中で「その物理的安定性を保持する」。いくつかの実施形態においては、本発明の製剤を用いる場合、HPSECまたは凝集形成を測定するための任意の他の好適な方法により測定された場合、5%以下、典型的には、4%以下、典型的には、3%以下、より典型的には、2%以下、および特に1%以下の抗体が凝集体を形成する。例えば、抗体モノマーが特定の製剤中、特定の保存条件下で特定の所定の期間後に、約90%、典型的には、約95%、特に、約98%の純度を有する場合、抗体は特定の製剤中で安定であると考えられる。化学的に変化した形態のタンパク質を検出および定量することにより、化学的安定性を評価することができる。化学的変化は、例えば、(HP)SEC、SDS−PAGE、および/またはマトリックス支援レーザー脱離イオン化/飛行時間質量分析(MALDI/T
OF MS)を用いて評価することができるサイズ改変(例えば、クリッピング)を含んでもよい。他の型の化学的変化としては、例えば、イオン交換クロマトグラフィーにより評価することができる電荷変化(例えば、脱アミド化の結果として起こる)が挙げられる。例えば、抗原結合アッセイまたはウイルス中和アッセイにおいて決定された場合、所与の時間での抗体の生物活性が、医薬製剤が調製された時間で示された生物活性の少なくとも約90%(アッセイの誤差の範囲内)である場合、抗体は所与の時間で医薬製剤中で「その生物活性を保持する」。
用語「対象」および「患者」は互換的に用いられる。本明細書で用いられる場合、対象は、典型的には、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)または霊長類(例えば、サルおよびヒト)、およびいくつかの実施形態においては、ヒトのような哺乳動物である。一実施形態においては、対象は、LIGHT媒介性またはCXCR5媒介性疾患を有する、ヒトのような哺乳動物である。別の実施形態においては、対象は、LIGHT媒介性またはCXCR5媒介性疾患を発症する危険性がある、ヒトのような哺乳動物である。
用語「治療上有効量」とは、所与の疾患および/またはそれと関連する症状の重症度および/または持続期間を軽減および/または改善するのに十分である治療(例えば、本発明の製剤)の量を指す。この用語はまた、所与の疾患の前進もしくは進行の軽減もしくは改善、所与の疾患の再発、発症もしくは開始の軽減もしくは改善、および/または別の治療(例えば、本発明の製剤以外の治療)の予防もしくは治療効果の改善もしくは増強にとって必要な量も包含する。いくつかの実施形態においては、本発明の抗体の治療上有効量は、約0.1mg/kg(対象の体重1kgあたりの抗体のmg)〜約100mg/kgである。ある実施形態においては、本明細書で提供される抗体の治療上有効量は、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kgまたは約100mg/kg(またはその中の範囲)である。いくつかの実施形態においては、本明細書で用いられる「治療上有効量」はまた、特殊な結果(例えば、細胞からのCCL20、IL−8、もしくはRANTESの分泌の阻害のような、細胞のLIGHT生物活性の阻害;またはCXCL13への結合のような、細胞のCXCR5生物活性の阻害)を達成する本発明の抗体の量も指す。
用語「治療剤」とは、LIGHT媒介性もしくはCXCR5媒介性疾患および/またはそれと関連する症状の処置、管理または改善において用いることができる任意の薬剤を指す。ある実施形態においては、用語「治療剤」とは、本発明の製剤を指す。ある他の実施形態においては、用語「治療剤」とは、本発明の製剤以外の薬剤を指す。いくつかの実施形態においては、治療剤は、LIGHT媒介性もしくはCXCR5媒介性疾患またはそれと関連する1つもしくは複数の症状の処置、管理または改善にとって有用であることが知られるか、またはそのために用いられてきた、またはそのために現在用いられている薬剤である。
用語「治療」とは、LIGHT媒介性疾患(例えば、IBDもしくはGVHD)またはCXCR5媒介性疾患(例えば、関節リウマチ)の防止、管理、処置、および/または改善において用いることができる任意のプロトコール、方法、および/または薬剤を指す。ある実施形態においては、用語「複数の治療」および「治療」とは、生物学的治療、支持的治療、および/または医療関係者のような当業者には公知のLIGHT媒介性もしくはCXCR5媒介性疾患の防止、管理、処置、および/もしくは改善において有用な他の治療を指す。
用語「処置する」、「処置」および「処置すること」とは、1つまたは複数の治療の投与(限定されるものではないが、本発明の製剤のような1つまたは複数の予防剤または治療剤の投与など)の結果生じる、LIGHT媒介性疾患(例えば、慢性腸疾患、IBDもしくはGVHD)またはCXCR5媒介性疾患(例えば、関節リウマチ)の進行、重症度、および/または持続期間の軽減または改善を指す。LIGHTに関する特定の実施形態においては、そのような用語は、LIGHTのHVEMへの結合の減少もしくは阻害、LIGHTのLTβRへの結合の減少もしくは阻害、LIGHTのDcR3への結合の減少もしくは阻害、対象のLIGHT受容体を発現する細胞からのCCL20の産生もしくは分泌の減少もしくは阻害、対象のLIGHT受容体を発現する細胞からのIL−8の産生もしくは分泌の減少もしくは阻害、対象のLIGHT受容体を発現する細胞からのRANTESの産生もしくは分泌の減少もしくは阻害、および/または慢性腸疾患、IBDもしくはGVHDのような、LIGHT媒介性疾患と関連する1つまたは複数の症状の阻害もしくは軽減を指す。CXCR5に関する特定の実施形態においては、そのような用語は、CXCR5のCXCL13への結合の減少もしくは阻害、および/または関節リウマチのような、CXCR5媒介性疾患と関連する1つまたは複数の症状の阻害もしくは軽減を指す。
用語「可変領域」または「可変ドメイン」とは、結合において用いられる抗体間で配列およびその特定の抗原に対するそれぞれの特定の抗体の特異性が大きく異なる、軽鎖および重鎖の一部、典型的には、重鎖中のアミノ末端の約120〜130アミノ酸および軽鎖中の約100〜110アミノ酸を指す。配列の変動性は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれるこれらの領域に集中するが、可変ドメイン中のより高度に保存された領域はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。軽鎖および重鎖のCDRは主に、抗体の抗原との相互作用を担う。アミノ酸位置の番号付けは、Kabatら(1991)Sequences
of proteins of immunological interest(U.S.Department of Health and Human Services、Washington,D.C.)第5版(「Kabatら」)に記載のようなEU指数によるものである。いくつかの実施形態においては、可変領域は、ヒト可変領域である。
B.製剤および製剤成分
以前に述べた通り、本発明の製剤は驚くべきことに、製剤のpHが約pH6以下かつ結合剤の等電点(pI)以下である、IgG4結合剤とクエン酸バッファーとを含む液体および凍結乾燥粉末の形態で見出された。本発明の製剤は、製剤中の結合剤の濃度を増加させる際に望ましくない副産物を形成する、従来のIgG4結合剤製剤(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)製剤)と比較して有意な改良を提供する。特に、本発明の製剤は、製剤中に減少した量の凝集体、半分子、分解産物、低分子量タンパク質(LMWP)、高分子量タンパク質(HMWP)、ならびに酸性、塩基性、および中性アイソフォームの結合剤の再構成を有する。
i.抗LIGHT結合剤、ならびにその変異体および断片
ある実施形態においては、本発明の製剤は、抗LIGHT結合剤を含む。結合剤は、LIGHT、またはその変異体もしくは断片に結合するか、または特異的に結合する、抗体、siRNA、核酸、アプタマー、タンパク質、または低分子有機化合物のような任意の分子であってもよい。いくつかの実施形態においては、結合剤は、抗LIGHT抗体、またはその変異体、またはその抗原結合断片である。抗LIGHT抗体は、LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合する、Tリンパ球により発現される受容体)タンパク質、ポリペプチド断片、またはエピトープに特異的に結合する。LIGHT分子は、任意の種に由来するものであってもよ
い。いくつかの実施形態においては、LIGHT分子は、本明細書で「hLIGHT」として知られる、ヒトに由来するものである。hLIGHTは以下のアミノ酸配列:
1 MEESVVRPSV FVVDGQTDIP FTRLGRSHRR QSCSVARVGL GLLLLLMGAG
51 LAVQGWFLLQ LHWRLGEMVT RLPDGPAGSW EQLTQERRSH EVNPAAHLTG
101 ANSSLTGSGG PLLWETQLGL AFLRGLSYHD GALVVTKAGY YYIYSKVQLG
150 GVGCPLGLAS TITHGLYKRT PRYPEELELL VSQQSPCGRA TSSSRVWWDS
200 SFLGGVVHLE AGEEVVVRVL DERLVRLRDG TRSYFGAFMV (配列番号9)
を有し、配列番号9として同定される。
ある例示的実施形態においては、抗LIGHT抗体は、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、またはその変異体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態においては、抗LIGHT抗体は、LIGHTのその受容体との結合を防止し、LIGHT生物活性(例えば、LIGHT受容体(例えば、HVEM、LTβR、および/またはDcR3)のようなLIGHTリガンドを発現する細胞からのCCL20、IL−8、またはRANTESのLIGHTにより媒介される産生または分泌)を阻害する。
ある特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、以下の相補性決定領域(CDR):
HCDR1−GYNWH(配列番号1);
HCDR2−EITHSGSTNYNPSLKS(配列番号2);または
HCDR3−EIAVAGTGYYGMDV(配列番号3)
のいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
他の特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、以下の相補性決定領域(CDR):
LCDR1−RASQGINSAFA(配列番号4);
LCDR2−DASSLES(配列番号5);または
LCDR3−QQFNSYPLT(配列番号6)
のいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
1つの特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号1、2および3のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
別の特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号4、5および6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
より特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号1、2および3のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;ならびに配列番号4、5および6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号7のアミノ酸配列:
1 QVQLQQWGAG LLKPSETLSL TCAVYGGSFS GYNWHWIRQP PGKGLEWIGE
51 ITHSGSTNYN PSLKSRVTIS VDTSKNQFSL KLSSVTAADT AVYYCVREIA
101 VAGTGYYGMD VWGQGTTVTV SSASTKGPSV FPLAPCSRST SESTAALGCL
151 VKDYFPEPVT VSWNSGALTS GVHTFPAVLQ SSGLYSLSSV VTVPSSSLGT
201 KTYTCNVDHK PSNTKVDKRV ESKYGPPCPP CPAPEFEGGP SVFLFPPKPK
251 DTLMISRTPE VTCVVVDVSQ EDPEVQFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQFNS
301 TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKGL PSSIEKTISK AKGQPREPQV
351 YTLPPSQEEM TKNQVSLTCL VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL
401 DSDGSFFLYS RLTVDKSRWQ EGNVFSCSVM HEALHNHYTQ KSLSLSLG (配列番号7)
を含む重鎖を含む。
1〜122位:重鎖の可変領域(VH)。CDR(Kabatの定義による相補性決定領域)に下線を付ける。
123〜448位:ヒトIgG4の定常領域(Kabatの番号付けによる、2つの突然変異S241PおよびL248Eを含む、SwissProt IGHG4_HUMAN)。
他の特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号8のアミノ酸配列:
1 AIQLTQSPSS LSASVGDRVT ITCRASQGIN SAFAWYQQKP GKAPKLLIYD
51 ASSLESGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ FNSYPLTFGG
101 GTKVEIKRTV AAPSVFIFPP SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV
151 DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT LSKADYEKHK VYACEVTHQG
201 LSSPVTKSFN RGEC (配列番号8)
を含む軽鎖を含む。
1〜107位:軽鎖の可変領域(VL)。CDR(Kabatの定義による相補性決定領域)に下線を付ける。
108〜214位:ヒトCκの定常領域。
さらなる実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
ある実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号11の核酸配列によりコードされていてもよい、配列番号10のアミノ酸配列に由来する重鎖を含む。
アミノ酸1〜19:シグナルペプチド
アミノ酸20〜141:124F19k2可変領域(VH)
アミノ酸142〜最後:hIgG4 PE定常領域
核酸1〜57:シグナルペプチドをコードする核酸
核酸58〜423:124F19k2可変領域(VH)をコードする核酸
核酸424〜最後:hIgG4 PE定常領域をコードする核酸。
代替的な特定の実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号13の核酸配列によりコードされていてもよい、配列番号12のアミノ酸配列に由来する軽鎖を含む。
アミノ酸1〜22:シグナルペプチド
アミノ酸23〜129:124F19k2可変領域(VL)
アミノ酸130〜最後:hカッパ定常領域
核酸1〜66:シグナルペプチドをコードする核酸
核酸67〜387:124F19k2可変領域(VL)をコードする核酸
核酸388〜最後:hカッパ定常領域をコードする核酸。
本発明の一実施形態においては、抗LIGHT抗体は完全ヒト抗体である。完全ヒト抗体アイソタイプの例としては、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが挙げられる。いくつかの実施形態においては、抗LIGHT抗体は、IgG抗体である。4つの形態のIgGが存在する。いくつかの実施形態においては、抗LIGHT抗体は、IgG4抗体である。本発明のいくつかの実施形態においては、抗LIGHT抗体は、完全ヒトIgG4抗体である。
いくつかの実施形態においては、抗LIGHT抗体は、定常領域、例えば、ヒトIgG定常領域をさらに含む。いくつかの実施形態においては、定常領域は、ヒトIgG4定常領域である。さらなる実施形態においては、定常領域は、改変されたヒトIgG4定常領域である。他の実施形態においては、定常領域は、ヒトCκ定常領域である。
本発明のいくつかの実施形態においては、抗LIGHT抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗L
IGHT抗体(「リードLIGHT抗体」)である。本発明の代替的な実施形態においては、抗LIGHT抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域が配列番号1、2および3のアミノ酸配列を含む3つの相補性決定領域(CDR)を含み、軽鎖可変領域が配列番号4、5および6のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体である。配列番号7を含む重鎖アミノ酸配列と、配列番号8を含む軽鎖アミノ酸配列とを含む抗LIGHT抗体などの、抗LIGHT抗体の同定、単離、調製、および特性評価は、参照により本明細書に組み入れられるPCT公開WO2008/027338に対応する、米国特許第8,058,402号に詳細に記載されている。
本発明の製剤のある実施形態は、抗体のような、抗LIGHT結合剤の変異体も含む。具体的には、本発明の製剤は、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体である抗LIGHT抗体の変異体を含む。抗LIGHT抗体の変異体は、その高い類似性に基づいて類似する物理化学的特性を有し、従って、本発明の範囲内にも含まれる。変異体は、抗LIGHT抗体と少なくとも95%、少なくとも97%、例えば、少なくとも98%または99%相同であり、LIGHTポリペプチド、LIGHTポリペプチド断片、またはLIGHTエピトープへの結合について競合することができるアミノ酸配列を有する抗体と定義される。いくつかの実施形態においては、変異体は、LIGHT生物活性(例えば、LIGHT受容体(例えば、HVEM、LTβR、および/またはDcR3)のようなLIGHTリガンドを発現する細胞からのCCL20、IL−8、またはRANTESのLIGHTにより媒介される産生または分泌)を改善する、中和する、またはさもなければ阻害する。結合に関する標的との競合の決定を、当業者には公知の日常的な方法により行うことができる。いくつかの実施形態においては、変異体はヒト抗体であり、いくつかの実施形態においては、IgG4分子である。いくつかの実施形態においては、変異体は、リード抗体とアミノ酸配列において少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一である。用語「変異体」とは、抗LIGHT抗体のアミノ酸配列と比較して1つまたは複数のアミノ酸により変化したアミノ酸配列を含む抗体を指す。変異体は、アミノ酸置換、改変、付加、および欠失などの保存的配列改変を有してもよい。
改変の例としては、限定されるものではないが、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/遮断基による誘導体化、タンパク質分解的切断、および細胞リガンドまたは他のタンパク質への連結が挙げられる。アミノ酸改変を、抗体をコードする核酸中での部位特異的突然変異誘発、分子クローニング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、および無作為PCR媒介性突然変異誘発のような、当業界で公知の標準的な技術により導入することができる。保存的アミノ酸置換としては、アミノ酸残基が類似する構造的または化学的特性を有するアミノ酸残基で置きかえられたものが挙げられる。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当業界で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ−分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン)が挙げられる。上記で用いられたもの以外のアミノ酸残基ファミリーの分類を用いることもできることが当業者には明らかであろう。さらに、変異体は、非保存的アミノ酸置換、例えば、あるアミノ酸の、異なる構造的または化学的特性を有するアミノ酸残基による置きかえを有してもよい。類似する小さい変異はまた、アミノ酸欠失もしくは挿入、またはその両方を含んでもよい。どのアミノ酸残基を、免疫学的活性を無効化することなく置換する、改変する、挿入する、または欠失させることができるかを
決定する際の指針を、当業界で周知のコンピュータプログラムを用いて見出すことができる。当業者には公知である、特にGapまたはBestfitのようなコンピュータアルゴリズムを用いて、比較しようとするアミノ酸配列を最適に整列させ、類似するか、または同一のアミノ酸残基を定義することができる。変異体は、抗LIGHT抗体と比較して、同じか、または異なる、より高いか、またはより低い結合親和性を有してもよいが、依然としてLIGHTに特異的に結合することができ、抗LIGHT抗体と同じであるか、より高いか、またはより低い生物活性を有してもよい。
本発明の実施形態はまた、抗体のような、抗LIGHT結合剤の抗原結合断片を含んでもよい。用語「抗原結合ドメイン」、「抗原結合領域」、「抗原結合断片」および同様の用語は、抗原と相互作用し、結合剤に、抗原に対するその特異性および親和性を付与するアミノ酸残基を含む抗体の部分(例えば、相補性決定領域(CDR))を指す。抗原結合領域は、げっ歯類(例えば、ウサギ、ラットまたはハムスター)およびヒトのような任意の動物種に由来することができる。いくつかの実施形態においては、抗原結合領域は、ヒト起源のものである。抗原結合断片の非限定例としては:Fab断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、一本鎖Fv(scFv)分子、dAb断片、および抗体の超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態においては、抗LIGHT結合剤(またはその変異体またはその抗原結合断片)は、in vivoでLIGHT生物活性(例えば、LIGHT受容体、例えば、HVEM、LTβR、および/またはDcR3を発現する細胞からのCCL20、IL−8、またはRANTESのLIGHTにより媒介される産生または分泌)を改善する、中和する、またはさもなければ阻害する。
本発明のいくつかの実施形態においては、抗LIGHT結合剤(またはその変異体またはその抗原結合断片)は、in vivoでLIGHT生物活性(例えば、LIGHT受容体(例えば、HVEM、LTβR、および/またはDcR3)のようなLIGHTリガンドを発現する細胞からのCCL20、IL−8、またはRANTESのLIGHTにより媒介される産生または分泌)を改善する、中和する、またはさもなければ阻害するアンタゴニスト結合剤である。
いくつかの実施形態においては、抗LIGHT結合剤(またはその変異体またはその抗原結合断片)は、約5mg/mL〜約280mg/mL、例えば、約5mg/mL〜約200mg/mL、約50mg/mL〜約250mg/mL、約100mg/mL〜約250mg/mL、約50mg/mL〜約200mg/mL、および約100mg/mL〜約200mg/mLの量で製剤中に存在する。例えば、抗LIGHT結合剤は、約5mg/mL、約10mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約35mg/mL、約40mg/mL、約45mg/mL、約50mg/mL、約55mg/mL、約60mg/mL、約65mg/mL、約70mg/mL、約75mg/mL、約80mg/mL、約85mg/mL、約90mg/mL、約95mg/mL、約100mg/mL、約105mg/mL、約110mg/mL、約115mg/mL、約120mg/mL、約125mg/mL、約130mg/mL、約135mg/mL、約140mg/mL、約145mg/mL、約150mg/mL、約155mg/mL、約160mg/mL、約165mg/mL、約170mg/mL、約175mg/mL、約180mg/mL、約185mg/mL、約190mg/mL、約195mg/mL、約200mg/mL、約205mg/mL、約210mg/mL、約215mg/mL、約220mg/mL、約225mg/mL、約230mg/mL、約235mg/mL、約240mg/mL、約245mg/mL、約250mg/mL、約255mg/mL、約260mg/mL、約265mg/mL、約270mg/mL、約275mg/mL、または約280mg/mLの量で製剤中に存在してもよい。
代替的な実施形態においては、抗LIGHT結合剤は、約5〜約25mg/mL、約26〜約50mg/mL、約51〜約75mg/mL、約76〜約100mg/mL、約101〜約125mg/mL、約126〜約150mg/mL、約151〜約175mg/mL、約176〜約200mg/mL、約201mg/mL〜約225mg/mL、約226mg/mL〜約250mg/mL、約251〜約280mg/mL、約5〜約10mg/mL、約40〜約60mg/mL、約75〜約85mg/mL、または約140〜約160mg/mLの量で製剤中に存在してもよい。
ある例示的実施形態においては、抗LIGHT結合剤は、約50mg/mL〜約170mg、約100mg/mL〜約160mg/mL、例えば、約150mg/mLの量で製剤中に存在する。あるいは、抗LIGHT結合剤は、約50mg/mLの量で存在する。別の例示的実施形態においては、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体は、約150mg/mLの量で製剤中に存在する。
ii.抗CXCR5結合剤、ならびにその変異体および断片
ある実施形態においては、本発明の製剤は、抗CXCR5結合剤を含む。結合剤は、CXCR5に結合するか、もしくは特異的に結合する、抗体、siRNA、核酸、アプタマー、タンパク質、もしくは低分子有機化合物、またはその変異体もしくは断片のような任意の分子であってもよい。いくつかの実施形態においては、結合剤は、抗CXCR5抗体、またはその変異体、またはその抗原結合断片である。抗CXCR5抗体は、CXCL13(BLCとしても知られる)タンパク質、ポリペプチド断片、またはエピトープに特異的に結合する。CXCR5分子は、任意の種に由来するものであってもよい。いくつかの実施形態においては、CXCR5分子は、本明細書で「hCXCR5」として知られる、ヒトに由来するものである。hCXCR5は、以下のアミノ酸配列:
MNYPLTLEMD LENLEDLFWE LDRLDNYNDT SLVENHLCPA TEGPLMASFK AVFVPVAYSL
IFLLGVIGNV LVLVILERHR QTRSSTETFL FHLAVADLLL VFILPFAVAE GSVGWVLGTF
LCKTVIALHK VNFYCSSLLL ACIAVDRYLA IVHAVHAYRH RRLLSIHITC GTIWLVGFLL
ALPEILFAKV SQGHHNNSLP RCTFSQENQA ETHAWFTSRF LYHVAGFLLP MLVMGWCYVG
VVHRLRQAQR RPQRQKAVRV AILVTSIFFL CWSPYHIVIF LDTLARLKAV DNTCKLNGSL
PVAITMCEFL GLAHCCLNPM LYTFAGVKFR SDLSRLLTKL GCTGPASLCQ LFPSWRRSSL
SESENATSLT TF (配列番号14)
を有し、配列番号14として同定される。
ある例示的実施形態においては、抗CXCR5抗体は、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、またはその変異体もしくはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、CXCR5のそのリガンドとの結合を防止し、CXCR5生物活性(例えば、CXCR5のCXCL13への結合)を阻害する。
ある特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、以下の相補性決定領域(CDR):
HCDR1−GFSLIDYGVN(配列番号15);
HCDR2−VIWGDGTTY(配列番号16);または
HCDR3−IVY(配列番号17)
のいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
他の特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、以下の相補性決定領域(CDR):
LCDR1−RSSKSLLHSSGKTYLY(配列番号18);
LCDR2−RLSSLA(配列番号19);または
LCDR3−MQHLEYPYT(配列番号20)
のいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
1つの特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号15、16および17のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
別の特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号18、19および20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
より特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号15、16および17のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;ならびに配列番号18、19および20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号21:
QVQLKESGPG LVAPSESLSI TCTVSGFSLI DYGVNWIRQP PGKGLEWLGV IWGDGTTYYN
PSLKSRLSIS KDNSKSQVFL KVTSLTTDDT AMYYCARIVY WGQGTLVTVS A (配列番号21)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
別の特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号22:
DIVMTQAAPS VAVTPGASVS ISCRSSKSLL HSSGKTYLYW FLQRPGQSPQ LLIYRLSSLA SGVPDRFSGS
GSGTAFTLRI SRVEAEDVGV YYCMQHLEYP YTFGGGTKLE IK (配列番号22)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
より特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、定常領域、例えば、ヒトIgG定常領域をさらに含む。いくつかの実施形態においては、定常領域は、ヒトIgG4定常領域である。さらなる実施形態においては、定常領域は、改変されたヒトIgG4定常領域である。いくつかの実施形態においては、ヒトIgG4定常領域は、以下の改変:S241P(配列番号23中、太字で以下に示される)、L248E(配列番号23中、太字で以下に示される)、および異種性を回避するための末端リシンの欠如を有する。いくつかの実施形態においては、IgG4定常領域は、配列番号23:
他の実施形態においては、定常領域は、ヒトCκ定常領域である。いくつかの実施形態においては、Cκ定常領域は、配列番号24:
RTVAAPSVFI FPPSDEQLKS GTASVVCLLN NFYPREAKVQ WKVDNALQSG NSQESVTEQD SKDSTYSLSS
TLTLSKADYE KHKVYACEVT HQGLSSPVTK SFNRGEC (配列番号24)
のアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号25:
のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
1〜111位:重鎖の可変領域(VH)。CDR(Kabatの定義による、相補性決定領域)に下線を付ける。
112〜432位:ヒトIgG4の定常領域(以下の改変:S241P、L248E、および異種性を回避するための末端リシンの欠如を含む、SwissProt IGHG4_HUMAN)。
他の特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号26:
DIVMTQAAPS VAVTPGASVS ISCRSSKSLL HSSGKTYLYW FLQRPGQSPQ LLIYRLSSLA SGVPDRFSGS
GSGTAFTLRI SRVEAEDVGV YYCMQHLEYP YTFGGGTKLE IKRTVAAPSV FIFPPSDEQL KSGTASVVCL
LNNFYPREAK VQWKVDNALQ SGNSQESVTE QDSKDSTYSL SSTLTLSKAD YEKHKVYACE VTHQGLSSPV
TKSFNRGEC (配列番号26)
のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
1〜112位:軽鎖の可変領域(VL)。CDR(Kabatの定義による、相補性決定領域)に下線を付ける。
113〜182位:ヒトCκの定常領域。
さらなる実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
いくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、リーダー配列をさらに含む。リーダー配列は、いくつかの実施形態においては、25〜25アミノ酸、典型的には、19アミノ酸のような、1〜30アミノ酸の長さのアミノ酸配列を含む。重鎖、軽鎖、または重鎖と軽鎖の両方が、リーダー配列を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、リーダー配列は、配列番号16:MGWSCIILFL VATATGVHS(配列番号27)のアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号28:
のアミノ酸配列に由来する重鎖を含む。
1〜19位:リーダー配列
20〜130位:重鎖の可変領域(VH)。CDR(Kabatの定義による、相補性決定領域)に下線を付ける。
131〜456位:ヒトIgG4の定常領域(以下の改変:S241P、L248E、および異種性を回避するための末端リシンの欠如を含む、SwissProt IGHG4_HUMAN)。
他の特定の実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号29:
MGWSCIILFL VATATGVHSD IVMTQAAPSV AVTPGASVSI SCRSSKSLLH SSGKTYLYWF LQRPGQSPQL
LIYRLSSLAS GVPDRFSGSG SGTAFTLRIS RVEAEDVGVY YCMQHLEYPY TFGGGTKLEI KRTVAAPSVF
IFPPSDEQLK SGTASVVCLL NNFYPREAKV QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS STLTLSKADY
EKHKVYACEV THQGLSSPVT KSFNRGEC (配列番号29)
のアミノ酸配列に由来する軽鎖を含む。
1〜19位:リーダー配列
20〜131位:軽鎖の可変領域(VL)。CDR(Kabatの定義による、相補性決定領域)に下線を付ける。
132〜238位:ヒトCκの定常領域。
さらなる実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号28のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号29のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
本発明のいくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、ヒト化または完全ヒト抗体である。ヒト化および完全ヒト抗体アイソタイプの例としては、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが挙げられる。いくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、IgG抗体である。4つの形態のIgGが存在する。いくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、IgG4抗体である。本発明のいくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、ヒト化IgG4抗体である。
本発明のいくつかの実施形態においては、抗CXCR5抗体は、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5抗体である(「リードCXCR5抗体」)。本発明の代替的な実施形態においては、抗CXCR5抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域が配列番号15、16および17のアミノ酸配列を含む3つの相補性決定領域(CDR)を含み、軽鎖可変領域が配列番号18、19および20のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、ヒト化IgG4抗CXCR5抗体である。配列番号25を含む重鎖アミノ酸配列と、配列番号26を含む軽鎖アミノ酸配列とを含む抗CXCR5抗体などの、抗CXCR5抗体の同定、単離、調製、および特性評価は、参照により本明細書に組み入れられるPCT公開WO2009/032661に詳細に記載されている。
本発明の製剤のある実施形態は、抗体のような抗CXCR5結合剤の変異体も含む。特に、本発明の製剤は、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5抗体である、抗CXCR5抗体の変異体を含んでもよい。抗CXCR5抗体の変異体は、その高い類似性に基づいて、類似する物理化学的特性を有してもよく、従って、これも本発明の範囲内に含まれる。変異体は、抗CXCR5抗体と少なくとも95%、少なくとも97%、例えば、少なくとも98%または99%相同であり、CXCR5ポリペプチド、CXCR5ポリペプチド断片、またはCXCR5エピトープへの結合について競合することができるアミノ酸配列を有する抗体と定義される。いくつかの実施形態においては、変異体は、CXCR5生物活性(例えば、CXCL13のCXCR5への結合)を改善する、中和する、またはさもなければ阻害する。標的への結合に関する競合の決定を、当業者には公知の日常的な方法により行うことができる。いくつかの実施形態においては、変異体は、ヒト抗体であり、いくつか
の実施形態においては、IgG4分子である。いくつかの実施形態においては、変異体は、リード抗体と、アミノ酸配列において少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%同一である。用語「変異体」は、抗CXCR5抗体のアミノ酸配列と比較して、1つまたは複数のアミノ酸により変化したアミノ酸配列を含む抗体を指す。変異体は、アミノ酸置換、改変、付加、および欠失などの、保存的配列改変を有してもよい。
改変の例としては、限定されるものではないが、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/遮断基による誘導体化、タンパク質分解的切断、および細胞リガンドまたは他のタンパク質への連結が挙げられる。アミノ酸改変を、抗体をコードする核酸における部位特異的突然変異誘発、分子クローニング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、および無作為PCR媒介性突然変異誘発などの、当業界で公知の標準的な技術により導入することができる。保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基が類似する構造的または化学的特性を有するアミノ酸残基で置きかえられたものを含む。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが当業界で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ−分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン)が挙げられる。上記で用いられたもの以外のアミノ酸残基ファミリーの分類を用いることもできることが当業者には明らかであろう。さらに、変異体は、非保存的アミノ酸置換、例えば、あるアミノ酸と、異なる構造的または化学的特性を有するアミノ酸残基との置きかえを有してもよい。類似する小さい変異はまた、アミノ酸欠失もしくは挿入、またはその両方を含んでもよい。どのアミノ酸残基を、免疫学的活性を無効化することなく置換する、改変する、挿入する、または欠失させることができるかを決定する際の指針を、当業界で周知のコンピュータプログラムを用いて見出すことができる。当業者には公知である、特にGapまたはBestfitのようなコンピュータアルゴリズムを用いて、比較しようとするアミノ酸配列を最適に整列させ、類似するか、または同一のアミノ酸残基を定義することができる。変異体は、抗CXCR5抗体と比較して、同じか、または異なる、より高いか、またはより低い結合親和性を有してもよいが、依然としてCXCR5に特異的に結合することができ、抗CXCR5抗体と同じであるか、より高いか、またはより低い生物活性を有してもよい。
本発明の実施形態は、抗体のような、抗CXCR5結合剤の抗原結合断片も含む。用語「抗原結合ドメイン」、「抗原結合領域」、「抗原結合断片」および同様の用語は、抗原と相互作用し、結合剤に、抗原に対するその特異性および親和性を付与するアミノ酸残基を含む抗体の部分を指す(例えば、相補性決定領域(CDR))。抗原結合領域を、げっ歯類(例えば、ウサギ、ラットまたはハムスター)およびヒトのような、任意の動物種に由来することができる。いくつかの実施形態においては、抗原結合領域は、ヒト起源のものである。抗原結合断片の非限定例としては:Fab断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、一本鎖Fv(scFv)分子、dAb断片、および抗体の超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態においては、抗CXCR5結合剤(またはその変異体もしくはその抗原結合断片)は、in vivoでCXCR5生物活性(例えば、CXCL13のCXCR5への結合)を改善する、中和する、またはさもなければ阻害する。
本発明のいくつかの実施形態においては、抗CXCR5結合剤(またはその変異体もし
くはその抗原結合断片)は、in vivoでCXCR5生物活性(例えば、CXCL13のCXCR5への結合)を改善する、中和する、またはさもなければ阻害するアンタゴニスト結合剤である。
いくつかの実施形態においては、抗CXCR5結合剤(またはその変異体もしくはその抗原結合断片)は、約5mg/mL〜約280mg/mL、例えば、約5mg/mL〜約200mg/mL、約5mg/mL〜約125mg/mL、約5mg/mL〜約75mg/mL、約5mg/mL〜約50mg/mL、および約5mg/mL〜約25mg/mLの量で製剤中に存在する。例えば、抗CXCR5結合剤は、約5mg/mL、約10mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約35mg/mL、約40mg/mL、約45mg/mL、約50mg/mL、約55mg/mL、約60mg/mL、約65mg/mL、約70mg/mL、約75mg/mL、約80mg/mL、約85mg/mL、約90mg/mL、約95mg/mL、約100mg/mL、約105mg/mL、約110mg/mL、約115mg/mL、約120mg/mL、約125mg/mL、約130mg/mL、約135mg/mL、約140mg/mL、約145mg/mL、約150mg/mL、約155mg/mL、約160mg/mL、約165mg/mL、約170mg/mL、約175mg/mL、約180mg/mL、約185mg/mL、約190mg/mL、約195mg/mL、約200mg/mL、約205mg/mL、約210mg/mL、約215mg/mL、約220mg/mL、約225mg/mL、約230mg/mL、約235mg/mL、約240mg/mL、約245mg/mL、約250mg/mL、約255mg/mL、約260mg/mL、約265mg/mL、約270mg/mL、約275mg/mL、または約280mg/mLの量で製剤中に存在してもよい。
代替的な実施形態においては、抗CXCR5結合剤は、約5〜約25mg/mL、約26〜約50mg/mL、約51〜約75mg/mL、約76〜約100mg/mL、約101〜約125mg/mL、約126〜約150mg/mL、約151〜約175mg/mL、約176〜約200mg/mL、約201mg/mL〜約225mg/mL、約226mg/mL〜約250mg/mL、約251〜約280mg/mL、約5〜約25mg/mL、約40〜約60mg/mL、約75〜約85mg/mL、または約90〜約110mg/mLの量で製剤中に存在してもよい。
ある例示的実施形態においては、抗CXCR5結合剤は、約20mg/mLの量で製剤中に存在する。あるいは、抗CXCR5結合剤は、約100mg/mLの量で存在する。別の例示的実施形態においては、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5抗体は、約20mg/mLまたは100mg/mLの量で製剤中に存在する。
iii.緩衝剤
本発明の製剤は、緩衝剤としてクエン酸バッファーを含む。緩衝剤は、生理的に好適なpHを維持する。さらに、緩衝剤は、製剤の等張性および化学的安定性を増強する。いくつかの実施形態においては、クエン酸バッファーは、約0.5mM〜約50mM、例えば、約5mM〜約15mMの濃度で製剤中に存在する。例えば、クエン酸バッファーは、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、約20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、約31mM、約32mM、約33mM、約34mM、約35mM、約36mM、約37mM、約38mM、約39mM、約40mM、約41mM、約42mM、約43mM、約44mM、約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM、および約50mMの濃度で製剤中に
存在してもよい。いくつかの実施形態においては、クエン酸バッファーは、約9mM〜約11mMのような、約7mM〜約13mMの濃度で製剤中に存在する。いくつかの実施形態においては、クエン酸バッファーは、約10mMの濃度で存在する。
ある実施形態においては、本発明の製剤は、pH6以下のpHを有する。いくつかの実施形態においては、製剤のpHは、約5.0〜約6.0の範囲である。例えば、製剤のpHは、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、および約6.0であってもよい。いくつかの実施形態においては、製剤のpHは、約5.5〜約6.0の範囲であってもよい。いくつかの実施形態においては、pHは約5.5または約6.0である。製剤のpHを、当業者には公知の任意の手段により測定することができる。pHを測定するための手段は、微小電極を含むpHメーターを用いることである。製剤のpHを、当業界で公知の任意の手段を用いて調整することができる。製剤のpHを変化させるための例示的化学物質は、塩酸(HCl)および水酸化ナトリウム(NaOH)である。
ある実施形態においては、本発明の製剤は、抗体のような、結合剤の等電点(pI)以下のpHを有する。等電点は、特定の分子または表面が正味の電荷を担持しないpHである。抗LIGHTまたは抗CXCR5結合剤のpIを、当業者には公知の任意の手段により決定することができる。いくつかの実施形態においては、抗LIGHTまたは抗CXCR5抗体のpIは、変性等電点電気泳動により決定される。図1に示されるように、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体のpIは、6.8〜7.2である。図11に示されるように、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5抗体のpIは、7.6〜8.4である。
iv.界面活性剤
本発明の製剤は、場合により、安定化剤としても知られる界面活性剤をさらに含んでもよい。界面活性剤/安定化剤は、製剤中の生物分子および/または一般的な医薬添加剤と相互作用し、これを安定化する化学化合物である。ある実施形態においては、界面活性剤を、より低い温度の保存と共に用いることができる。界面活性剤は一般に、空気/溶液境界面で誘導されるストレスおよび溶液/表面で誘導されるストレスから結合剤を保護し、そうでなければタンパク質凝集をもたらし得る。界面活性剤としては、限定されるものではないが、ポリソルベート、グリセリン、ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、フタル酸、およびその組合せが挙げられる。当業者であれば、それらが薬学的に許容される、すなわち、対象への投与にとって好適である限り、他の界面活性剤、例えば、非イオン性またはイオン性界面活性剤(detergent)を用いることができることを知っている。界面活性剤は、いくつかの実施形態においては、ポリソルベートである。ポリソルベートの例としては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、およびポリソルベート80が挙げられる。
例示的実施形態においては、界面活性剤は、約0.001%(w/v)〜約0.1%(w/v)の量で製剤中に存在する。例えば、界面活性剤は、約0.001%(w/v)、約0.002%(w/v)、約0.003%(w/v)、約0.004%(w/v)、約0.005%(w/v)、約0.006%(w/v)、約0.007%(w/v)、約0.008%(w/v)、約0.009%(w/v)、約0.01%(w/v)、約0.02%(w/v)、約0.03%(w/v)、約0.04%(w/v)、約0.05%(w/v)、約0.06%(w/v)、約0.07%(w/v)、約0.08%(w/v)、約0.09%(w/v)、および約0.1%(w/v)の量で製剤中に存在してもよい。特定の実施形態においては、界面活性剤は、約0.003%(w/v)〜約0.05%(w/v)、約0.004%(w/v)〜約0.025%(w/v)、または約0.005
%(w/v)〜約0.02%(w/v)、例えば、約0.005%(w/v)で製剤中に存在する。例えば、ポリソルベート20は、約0.001%(w/v)〜約0.1%(w/v)、約0.002%(w/v)〜約0.01%(w/v)、約0.003%(w/v)〜約0.008%(w/v)、および約0.004%(w/v)〜約0.006%(w/v)、例えば、約0.005%(w/v)で製剤中に存在してもよい。代替的な実施形態においては、ポリソルベート20は、約0.001%(w/v)〜約0.1%(w/v)、約0.005%(w/v)〜約0.05%(w/v)、および約0.0075%(w/v)〜約0.025%(w/v)、例えば、約0.01%(w/v)の量で存在する。さらに代替的な実施形態においては、ポリソルベート20は、約0.001%(w/v)〜約0.1%(w/v)、約0.005%(w/v)〜約0.05%(w/v)、および約0.01%(w/v)〜約0.03%(w/v)、例えば、約0.02%(w/v)の量で存在する。
v.等張化剤
本発明の製剤は、場合により、等張化剤をさらに含んでもよい。典型的には、等張化剤は、製剤のオスモル濃度を、血液または血漿のような体液の浸透圧に近いものにするために調整または維持するために用いられる。等張化剤はまた、製剤中の結合剤レベルを維持することもできる。部分的には、等張化剤は、製剤中に存在する治療上活性な結合剤のレベル、比率、または割合を保つのに寄与する。本明細書で用いられる用語「等張化(tonicity)」とは、流体環境または溶液中の生物学的成分の挙動を指す。等張溶液は、血漿と同じ浸透圧を有し、対象の血漿の浸透圧を変化させることなく、対象中に静脈内注入することができる。実際、本発明のある実施形態においては、等張化剤は、製剤を静脈内注入にとって好適なものにするのに十分な量で存在する。等張化剤はその上、増量剤または安定化剤としての役割も果たすことが多い。そのようなものとして、等張化剤により、結合剤は凍結および剪断のような様々なストレスを克服することができる。等張化剤としては、限定されるものではないが、サッカライド、糖、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、および他の無機塩が挙げられる。当業者であれば、それらが薬学的に許容される、すなわち、対象への投与にとって好適である限り、他の等張化剤を用いることができることを知っている。
ある実施形態においては、等張化剤は、約0.1%(w/v)〜10%(w/v)の量で製剤中に存在する。例えば、等張化剤は、約0.1%(w/v)、約0.2%(w/v)、約0.3%(w/v)、約0.4%(w/v)、約0.5%(w/v)、約0.6%(w/v)、約0.7%(w/v)、約0.8%(w/v)、約0.9%(w/v)、約1%(w/v)、約2%(w/v)、約3%(w/v)、約4%(w/v)、約4.5%(w/v)、約5%(w/v)、約5.5%(w/v)、約6%(w/v)、約7%(w/v)、約8%(w/v)、約9%(w/v)、および約10%(w/v)の量で製剤中に存在してもよい。あるいは、等張化剤は、約2%(w/v)〜約8%(w/v)、約3%(w/v)〜約7%(w/v)、および約4%(w/v)〜約6%(w/v)の量で製剤中に存在してもよい。さらに代替的な実施形態においては、等張化剤は、約0.1%〜約1%、約0.1%〜約0.5%、約0.1%〜約0.3%、および約0.2%の量で製剤中に存在してもよい。
ある例示的実施形態においては、等張化剤は、サッカライドである。サッカライドの例としては、グルコース、スクロース(サッカロースとしても知られる)、マルトース、トレハロース、デキストロース、キシリトール、フルクトースおよびマンニトールが挙げられる。例えば、マンニトールは、約1%(w/v)〜約10%(w/v)、約2%(w/v)〜約8%(w/v)、または約3%(w/v)〜約5%(w/v)、例えば、約4%(w/v)の量で存在してもよい。あるいは、スクロース(サッカロースとしても知られる)は、約1%(w/v)〜約10%(w/v)、約3%(w/v)〜約8%(w/v)
、または約4%(w/v)〜約6%(w/v)、例えば、約4.5、5、5.5または6%(w/v)の量で存在してもよい。
ある他の例示的実施形態においては、等張化剤は、塩化ナトリウムである。例えば、塩化ナトリウムは、約0.1%(w/v)、約0.2%(w/v)、約0.3%(w/v)、約0.4%(w/v)、約0.5%(w/v)、約0.6%(w/v)、約0.7%(w/v)、約0.8%(w/v)、約0.9%(w/v)、および約1%(w/v)の量で存在してもよい。あるいは、塩化ナトリウムは、約0.1%〜約1%、約0.1%〜約0.5%、約0.1%〜約0.3%、および約0.2%の量で製剤中に存在してもよい。
さらなる例示的実施形態においては、製剤は、1つまたは複数の等張化剤を含んでもよい。例えば、製剤は、上記濃度の1つまたは複数の上記等張化剤を含んでもよい。ある特定の実施形態においては、製剤はスクロースと塩化ナトリウムとを含んでもよく、スクロースと塩化ナトリウムのそれぞれの濃度は約0.1%(w/v)〜約10%(w/v)である。いくつかの実施形態においては、スクロース濃度は約6%であり、塩化ナトリウム濃度は約0.2%である。あるいは、スクロース濃度は約4.5%であり、塩化ナトリウム濃度は約0.2%である。
本発明のある実施形態においては、製剤のオスモル濃度は約200mOsm/kg〜約350mOsm/kg、約270mOsm/kg〜約330mOsm/kg、約280mOsm/kg〜約320mOsm/kg、または約290mOsm/kg〜約310mOsm/kgの範囲、例えば、約300mOsm/kgである。換言すれば、本発明の製剤は、いくつかの実施形態においては、ヒト血液と実質的に等張性である、すなわち、実質的に同じ浸透圧を有する。オスモル濃度を、蒸気圧または凍結型浸透圧計を用いるような、当業者には公知の任意の手段によって測定することができる。本発明の製剤のオスモル濃度を、例えば、本明細書に記載の1つまたは複数の等張化剤により調節することができる。
vi.アミノ酸
本発明の製剤は、場合により、アミノ酸をさらに含んでもよい。アミノ酸の例としては、限定されるものではないが、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、リシン、セリン、チロシン、システイン、グルタミン、メチオニン、アルギニン、およびプロリンが挙げられる。例示的実施形態においては、アミノ酸は、約0.1%(w/v)〜5%(w/v)の量で製剤中に存在する。例えば、アミノ酸は、約0.1%(w/v)、約0.2%(w/v)、約0.3%(w/v)、約0.4%(w/v)、約0.5%(w/v)、約0.6%(w/v)、約0.7%(w/v)、約0.8%(w/v)、約0.9%(w/v)、約1.0%(w/v)、約1.1%(w/v)、約1.2%(w/v)、約1.3%(w/v)、約1.4%(w/v)、約1.5%(w/v)、約1.6%(w/v)、約1.7%(w/v)、約1.8%(w/v)、約1.9%(w/v)、約2.0%(w/v)、約3%(w/v)、約4%(w/v)、および約5%(w/v)の量で製剤中に存在してもよい。あるいは、アミノ酸は、約1.3%(w/v)〜約1.8%(w/v)、または約1.4%(w/v)〜約1.6%(w/v)、例えば、約1.5%(w/v)の量で製剤中に存在する。さらに代替的な実施形態においては、アミノ酸は、約0.5%(w/v)〜約1.5%(w/v)、または約0.8%(w/v)〜約1.2%(w/v)、例えば、約1.0%(w/v)の量で製剤中に存在する。例示的なアミノ酸は、プロリンまたはアルギニンである。例えば、プロリンは、約1%(w/v)〜約2%(w/v)、約1.3%(w/v)〜約1.8%(w/v)、約1.4%(w/v)〜約1.6%(w/v)、例えば、1.5%(w/v)の量で製剤中に存在してもよい。あるいは、アルギニンは、約0.5%(w/v)〜約1.5%(w/v)、または約0.8%(w/v)〜約1.2%(w/v)、例えば、約1.0%(w/v)の量で製剤中に存在してもよい。
vii.他の添加剤
さらに、本発明の製剤は、限定されるものではないが、注射用水、賦形剤、可溶化剤、緩和剤、さらなるバッファー、無機または有機塩、酸化防止剤などの他の添加剤を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態においては、本発明の製剤は、上記のもの以外の他の添加剤を含まない。Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Osol,A.(編)(1980)に記載のもののような、他の薬学的に許容される担体、添加剤、または安定剤が製剤の所望の特性に有害に影響しないという条件で、それらを製剤中に含有させることができる。特定の実施形態においては、製剤は保存剤を実質的に含まないが、代替的な実施形態においては、必要に応じて保存剤を添加してもよい。例えば、凍結防止剤またはリオプロテクタントを、凍結乾燥製剤中に含有させることができる。
viii.液体または凍結乾燥製剤
本発明の製剤は、液体製剤または凍結乾燥製剤であってもよい。いくつかの実施形態においては、製剤は液体製剤である。いくつかの実施形態においては、液体製剤は、すぐに注射できる。あるいは、製剤は凍結乾燥粉末であってもよい。いくつかの実施形態においては、凍結乾燥粉末は、投与の直前に溶媒とすぐに混合される。
ix.製剤例
本発明の1つの例示的実施形態においては、本発明は、皮下投与にとって好適な安定な液体抗体製剤であって、
a)約80mg/mlを超える、例えば、約150mg/mlの、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合し、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;
c)約0.005%(w/v)のポリソルベート20;および
d)約4%(w/v)のマンニトール;
を含み、製剤のpHが約pH5.5である、前記製剤を提供する。
ある例示的実施形態においては、この製剤を、
a)注射用水に約10mMのクエン酸ナトリウム二水和物を溶解し、例えば、塩酸または水酸化ナトリウムを用いて、緩衝溶液のpHを約pH5.5に調整する工程;
b)約80mg/mlを超える、例えば、約150mg/mlの、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合し、Tリンパ球により発現される受容体)抗体、約4%(w/v)のマンニトール、および0.005%(w/v)のポリソルベート20を、完全に溶解されるまで不活性材料から作られたベッセル中で撹拌しながら、工程a)の緩衝溶液に添加した後、塩酸または水酸化ナトリウムを用いて、得られる製剤のpHを約pH5.5に調整した後、工程a)の緩衝溶液を添加して、得られる製剤の最終重量を調整する工程;
c)0.2μMの公称孔径を有する滅菌された適合性膜フィルターを用いて無菌条件下で工程b)の製剤を濾過した後、0.2μMの公称孔径を有する滅菌された適合性膜フィルターを用いて、不活性材料から作られる滅菌容器中に、無菌条件下での濾過により製剤を滅菌する工程;
d)ストッパおよびフランジを備えたフリップオフキャップで密閉される滅菌バイアル中に、無菌条件下で工程c)に由来する製剤を充填する工程;ならびに場合により、
e)粗い汚染物質、無傷の密封、および眼に見える粒子について、工程d)に由来する容器を検査する工程
により製造することができる。
本発明の別の例示的実施形態においては、本発明は、静脈内投与にとって好適な安定な液体抗体製剤であって、
a)約5〜約80mg/mL、例えば、約50mg/mLの、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合し、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;および
c)約0.01%(w/v)のポリソルベート20;
を含み、製剤のpHが約pH5.5である、前記製剤を提供する。
本発明の代替的な例示的実施形態においては、本発明は、静脈内投与にとって好適な安定な凍結乾燥抗体製剤であって、
a)約5〜約80mg/mL、例えば、約50mg/mLの、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合し、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;
c)約0.01%(w/v)のポリソルベート20;
d)約5%(w/v)のスクロース;および
e)約1.5%(w/v)のプロリン;
を含み、製剤のpHが約pH5.5である、前記製剤を提供する。
本発明の例示的実施形態においては、本発明は、
a)約20mg/mLの、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5(C−X−Cケモカイン受容体型5)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;
c)約0.02%のポリソルベート20;
d)約6%のスクロース;および
e)約0.2%の塩化ナトリウム;
を含み、製剤のpHが約pH6.0である、安定な抗体製剤を提供する。
本発明の代替的な例示的実施形態においては、本発明は、
a)約100mg/mLの、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5(C−X−Cケモカイン受容体型5)抗体;
b)約10mMのクエン酸バッファー;
c)約0.01%のポリソルベート20;
d)約4.5%のスクロース;
e)約0.2%の塩化ナトリウム;
f)約1%のアルギニン;
を含み、製剤のpHが約pH6.0である、安定な抗体製剤を提供する。
x.安定性
本発明の製剤は、5℃で、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月以上、典型的には、少なくとも約12、18または24カ月以上にわたって安定である。例示的実施形態においては、それらは5℃で、少なくとも約6カ月以上にわたって安定である。他の例示的実施形態においては、それらは5℃で、少なくとも
約9カ月にわたって安定である。さらなる例示的実施形態においては、それらは5℃で、少なくとも約1年以上、典型的には約2年にわたって安定である。
C.投与様式
本発明のある実施形態においては、製剤は、非経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮内投与、皮下投与、またはその組合せにとって好適である。本発明の製剤は、様々な技術による送達にとって好適である。
本発明のいくつかの実施形態においては、製剤は静脈内投与される。例えば、抗体のような、80mg/mL以下のIgG4結合剤を含有する製剤を静脈内投与するのが望ましい。従って、製剤は、典型的には滅菌される。無菌製剤を作製するための方法は当業界で周知であり、例えば、滅菌濾過膜を通す濾過または約120℃で約30分間の抗体を除く製剤の構成成分のオートクレーブが挙げられる。例えば、本発明は、静脈内投与にとって好適な安定な液体抗体製剤であって、a)約5〜約80mg/mL、例えば、約50mg/mLの、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合し、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;b)約10mMのクエン酸バッファー;およびc)約0.01%(w/v)のポリソルベート20を含み、製剤のpHが約pH5.5である、前記製剤を提供する。あるいは、本発明は、a)約20mg/mLの、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5(C−X−Cケモカイン受容体型5)抗体;b)約10mMのクエン酸バッファー;c)約0.02%のポリソルベート20;d)約6%のスクロース;およびe)約0.2%の塩化ナトリウムを含み、製剤のpHが約pH6.0である、安定な抗体製剤を提供する。
本発明のいくつかの実施形態においては、製剤は皮下投与される。例えば、抗体のような、80mg/mLを超えるIgG4結合剤を含有する製剤を皮下投与するのが望ましい。特定の実施形態においては、a)約150mg/mLの、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合し、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;b)約10mMのクエン酸バッファー;c)約0.005%(w/v)のポリソルベート20;d)約4%(w/v)のマンニトールを含み、製剤のpHが約pH5.5である、安定な液体抗体製剤を対象に皮下投与するのが望ましい。あるいは、本発明は、a)約100mg/mLの、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5(C−X−Cケモカイン受容体型5)抗体;b)約10mMのクエン酸バッファー;c)約0.01%のポリソルベート20;d)約4.5%のスクロース;e)約0.2%の塩化ナトリウム;およびf)約1%のアルギニンを含み、製剤のpHが約pH6.0である、安定な抗体製剤を提供する。
D.用量および剤形
本発明の製剤の有効用量は、投与手段、標的部位、対象の生理的状態、対象がヒトまたは動物であるかどうか、投与される他の薬剤、および処置が予防的なものであるか、または治療的なものであるかなどの、多くの様々な因子に応じて変化する。通常、対象はヒトであるが、トランスジェニック哺乳動物などの非ヒト哺乳動物を処置することもできる。処置用量は安全性および効能を最適化するために滴定する必要がある。
本発明の製剤を、複数回投与することができる。単回投与間の間隔は、1日、1週間、2週間、1カ月または1年であってもよい。間隔は不規則であってもよい。いくつかの方法においては、用量を、抗体のような結合剤の特定の血漿濃度を達成するために調整する
。用量および頻度は、対象中での、抗体のような、抗LIGHTまたは抗CXCR5結合剤の半減期に応じて変化するであろう。一般に、ヒト抗体は、最も長い半減期を示し、次いで、ヒト化抗体、キメラ抗体、および非ヒト抗体と続く。
さらなる実施形態においては、本発明は、対象への剤形の投与による対象における1つまたは複数の疾患の処置のための、治療上有効量の本発明の製剤を含む医薬単位剤形を提供する。いくつかの実施形態においては、対象はヒトである。ヒトは、成人または幼児であってもよい。用語「医薬単位剤形」とは、それぞれの単位が、必要とされるクエン酸バッファーおよびpHと関連して所望の治療/予防効果をもたらすと算出された所定量の活性化合物を含有する、処置しようとする対象のための単位用量として好適な物理的に別々の単位を指す。
単位剤形は、製剤を含む容器であってもよい。好適な容器としては、限定されるものではないが、密封されたアンプル、バイアル、ボトル、シリンジ、および試験管が挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックのような様々な材料から形成されたものであってよく、滅菌アクセスポートを有してもよい(例えば、容器は皮下注射針により貫通可能なストッパを有するバイアルであってもよい)。いくつかの実施形態においては、容器はバイアルである。一般に、容器は、製剤の無菌性および安定性を維持するべきである。
特定の実施形態においては、製剤は、透明な無色のI型ガラス製の2mLのバイアル中に包装され、フランジ(ポリプロピレン)を備えたフリップオフキャップで密封されたストッパ(フルオロポリマー被覆ブロモブチル)で密閉される。バイアルは、いくつかの実施形態においては、バイアルが、バイアルあたり約0.2mLの過充填容量、および1.0mLの抽出可能容量を有するように、1.2mLの製剤を充填される。例えば、これは、抗LIGHT抗体の用量強度(例えば、150mg/mL)が1mLの溶液中に含有されることを意味する。
特定の実施形態においては、製剤は、バイアルを光から保護するカードボードボックスのような容器中に二次的に包装される。
E.処置方法
対象に本発明の製剤を投与することを含む、LIGHT媒介性疾患または障害を処置するための方法が、本明細書でさらに提供される。本発明はさらに、LIGHT媒介性疾患または障害を処置するための本明細書に記載の方法における使用のための本発明の製剤に関する。ある実施形態においては、LIGHT媒介性疾患は、慢性腸疾患、またはクローン病(CD)もしくは潰瘍性大腸炎(UC)のような炎症性腸疾患(IBD)である。他の実施形態においては、LIGHT媒介性疾患は、移植片対宿主疾患(GVHD)である。
また、対象に本発明の製剤を投与することを含む、CXCR5媒介性疾患または障害を処置するための方法も本明細書で提供される。本発明はさらに、CXCR5媒介性疾患または障害を処置するための本明細書に記載の方法における使用のための本発明の製剤に関する。ある実施形態においては、抗CXCR5結合剤は、メトトレキサート(MTX)またはTNFαアンタゴニストのような、1つまたは複数の疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)に対して不十分に応答した、中程度から重篤な活動性関節リウマチ(RA)を有する成人患者における、兆候および症状の軽減、構造的損傷の進行の阻害、主要な臨床応答の誘導、および身体障害の防止のために用いられる。抗CXCR5結合剤を、DMARDまたは抗TNFαアゴニストと共に用いることができる。
ある実施形態においては、本発明の製剤を、1つまたは複数の治療(例えば、LIGH
T媒介性疾患またはCXCR5媒介性疾患を防止、処置、管理、および/または改善するために現在投与されている本発明の製剤ではない治療と共に投与することができる。用語「と共に」の使用は、治療を対象に投与する順序を限定するものではない。第1の治療を、LIGHT媒介性疾患またはCXCR5媒介性疾患を有していた、有する、またはそれが疑われる対象への第2の治療の投与の前(例えば、1分、45分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間)、それと同時、またはその後(例えば、1分、45分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間)に投与することができる。任意のさらなる治療を、他のさらなる治療と共に任意の順序で投与することができる。本発明の抗体と共に投与することができる治療の非限定例としては、米国薬局方および/または米医薬品便覧に列挙された認可された抗炎症剤が挙げられる。
F.キット
本発明のある実施形態は、本発明の製剤を含むキットを含む。キットは、薬学的に許容される添加剤を含む1つまたは複数の容器をさらに含んでもよく、商業的観点および使用者の観点から望ましい他の材料、例えば、フィルター、針およびシリンジなどを含んでもよい。例えば、適応症、使用、用量、製造、投与、禁忌、および/または治療用、予防用もしくは診断用製品の使用に関する警告に関する情報を含有する、治療用、予防用または診断用製品の商業的包装中に慣用的に含まれる指示書を、キットに添付してもよい。また、情報を含む任意の種類のデータ担体(例えば、リーフレット、ステッカー、チップ、プリントまたはバーコード)であってもよいラベルをキットに添付してもよい。ある実施形態においては、上記に列挙されたような指示書などは、ラベル中に、またはラベル上に含まれていてもよい。キットは、製剤の投与のためのデバイス、特に、製剤を含有するデバイス、すなわち、限定されるものではないが、充填済みシリンジまたは充填済みオートインジェクターのような、充填済みデバイスをさらに含んでもよい。キットはまた、製剤を含む容器、すなわち、充填済みバイアル、カルトゥーシュ、サチェット、またはアンプルのような、充填済み容器を含んでもよい。
G.異なる実施形態の組合せ
本発明の文脈においては、本明細書に記載される実施形態のいずれかを、逆に明示的に記述しない限り、1つまたは複数の他の本明細書に記載される実施形態と組み合わせることができる。特に、本明細書に記載の結合剤および抗体ならびに本明細書に記載のその製剤のいずれかを、キット、充填済みデバイスもしくは充填済み容器のいずれかと共に用いるか、または対応する抗体と共に本明細書に記載の処置または医学的使用の方法において用いることができる(例えば、抗LIGHT抗体または抗CXCR5抗体を含む安定な製剤を、本明細書に記載のキット、容器またはデバイスのいずれかと組み合わせることができる)。抗原に特異的に結合する本明細書に記載の結合剤のいずれか(例えば、LIGHTに特異的に結合する結合剤またはCXCR5に特異的に結合する結合剤)を、対応する抗体(すなわち、抗LIGHTまたは抗CXCR5)と共に本明細書に記載された処置の方法のいずれかにおいて用いることもでき、およびその逆も可能である。
本発明を例示するのを助けるために、以下の実施例が提供される。実施例は、いかなる意味でも本発明の範囲を制限することを意図するものではない。一般に、本発明の実施は、別途指摘しない限り、医薬製剤、化学、分子生物学、組換えDNA技術、抗体技術のような免疫学の従来の技術、ならびに例えば、Sambrook、FritschおよびManiatis、Molecular Cloning:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989);Antibody Eng
ineering Protocols(Methods in Molecular Biology)、第51巻、Paul S.(編)、Humana Press(1996);Antibody Engineering:A Practical Approach(Practical Approach Series、169)、McCafferty J.ら(編)、Humana Press(1996);Antibodies:A Laboratory Manual、HarlowおよびLane、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1999);およびCurrent Protocols in Molecular Biology、Ausubelら(編)、John Wiley & Sons(1992)に記載されたポリペプチド調製の標準的な技術を用いる。
抗LIGHT
最適な製剤化条件を決定するために、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体(「リードLIGHT抗体」)を実施例1〜9において用いた。
材料
原薬バッチ
5.5mg/mLの濃度および7.3のpHのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に製剤化されたリード抗体(「元の製剤」、「PBS製剤」または「参照ロット」)を、以下の実施例において用いた。
添加剤
表1は、親生成物における使用のためのその許容性/好適性に従って選択された、以下の実施例において用いた添加剤を示す。
方法
以下の方法を用いて、実験製剤およびリードLIGHT抗体を含有する本発明の製剤を製造した。
バッファーの製造および組成
全てのバッファーを、撹拌下で製造して、対応する添加剤を溶解した。pHを、0.1
M HClまたは0.1M NaOHを用いて調整した。全てのバッファーの一般的な濃度は10mMであった。
添加剤ストック溶液の製造および組成
全てのストック溶液を、撹拌しながら製造して、添加剤を溶解した。濃度は、重量/重量(w/w)として与えた。
試料の滅菌濾過
全ての試料、溶液、バッファーなどを、Sartopore−2膜を用いて滅菌濾過した(0.22μm)。試料をクリーンベンチの内部で無菌条件下で滅菌ボトルまたはバイアル中に濾過し、密閉して、微生物の汚染を防止した。
機械的ストレス試験
室温で2.5時間、350回/分の撹拌速度を用いる機械的ストレスを、26mm距離の水平実験室振とう器(Buhler Companyからの振とう器およびインキュベーションフード)を用いて実施した。2Rバイアルに、約2.5mLのヘッドスペースで溶液1mLを充填した。機械的ストレス試験を計画し、1回目の予備製剤化試験の間および界面活性剤選択のための関連試験の間に実施した。
熱ストレス試験
予備製剤化プログラムの全工程の間に、ストレス試験として熱ストレスを用いた。研究に応じて、試料を+40℃で24時間または7日間保存した。
製剤の充填および完了における分析方法
以下の実施例において、製剤の充填および完了においては以下の分析方法を用いた。
外観
抗体溶液の外観を、視覚的にチェックし、デジタルカメラで写真を撮影することによりさらに文書化した。
pH
全てのpH測定を、微小電極を有するpHメーターを用いて実施した。
UVを用いる濃度
全ての抗体溶液のタンパク質濃度を、NanoDrop ND1000を用いてバッファーに対して測定した。5mg/mLに近いか、またはそれより低いタンパク質濃度を1:3に希釈したが、20mg/mLに近いより高いタンパク質濃度は1:20に希釈し、215nmおよび280nmで吸光度を測定した。
動的光散乱(DLS)
分子の流体力学直径を、レーザー光散乱を用いて測定した。混濁が観察された場合、分析の前に試料を滅菌濾過し、かくして、可溶性凝集体のみを検出することができた。
示差走査熱量測定(DSC)
MicrocalからのVPCapillary DSCを用いるDSCにより、多くの予備製剤化試料のアリコートを試験し、2秒の濾過時間で90℃/時間で自動サンプリング機器中で走査した。試料400μlを96穴プレート中に入れ、アンフォールディング温度Tmについて分析した。
オスモル濃度
自動化Knaur Osmometerを用いて、オスモル濃度を測定した。
密度
製剤の密度を、落球粘度計DMA4500 Anton Paarを用いて測定した。
FFの生物分析における分析方法
以下の実施例において、充填および完了の生物分析においては以下の分析方法を用いた。
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
リード抗体の凝集体、ならびに分解産物を、サイズ排除GLクロマトグラフィーを用いて定量した。試験を、SUPERDEX 200 10/300カラムを用いるアイソクラチックHPLCにより実行した。
還元的および非還元的SDS−PAGE
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を用いて、分子完全性(例えば、半分子)および純度を分析した。この電気泳動分析を、還元的および非還元的条件下で4〜12%勾配のゲルを用いて実施した。電気泳動分離の後、クマシー染色によりタンパク質を可視化した。
弱陽イオン交換(WCX)
弱陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて、抗体の電荷不均一性をモニタリングした。塩基性、中性、および酸性アイソフォームの割合を報告した。ProPac WCX10カラムを用いる不連続高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、試験を実行した。
抗原−酵素結合免疫吸着アッセイ(抗原−ELISA)
抗原−ELISAを、抗体の機能を決定するために実施した。天然LIGHTタンパク質への結合特性を、現在の標準抗体と比較してモニタリングした。この効力を、相対的EC50として報告した。
等電点電気泳動(IEF)
IEFを実施した。等電点パターンは、リード抗体に特異的であり、同定試験として役立った。異なる電荷パターンにより、分解を見ることができた。
保存
別途言及しない限り、全てのバッファー溶液、添加剤溶液、および試料を、5℃(±3℃)で保存した。
調製および分析された全ての製剤の概要
以下の表2は、以下の実施例において調製および分析された全ての製剤の概要を示す。それぞれの製剤は、列挙された濃度のリードLIGHT抗体を含有していた。
〔実施例1〕
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)製剤の特性評価およびそれと関連する欠点
本実施例においては、参照ロットを特性評価した。上記の材料の節に記載されたように、参照ロットは、5.5mg/mLの濃度および7.3のpHのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に製剤化され、研究溶液Vitry(BioSCP)中で産生されたリードLIGHT抗体を含有する。
等電点電気泳動(IEF)を用いて、リード抗体の等電点(pI)を決定した。リードLIGHT抗体のpIは6.28と理論的に算出され、次いで、当業界で公知の標準的な
方法を用いる変性等電点電気泳動により測定された。図1に示されるように、主要バンドはリードLIGHT抗体のpIが6.8〜7.2であったことを示す。
SDS−PAGEを用いて、抗体モノマーの分子量、潜在的な凝集体、または半分子の存在を同定した。図2は、還元的および非還元的条件下で異なる参照ロットバッチを比較したSDS−PAGEゲルを示す。ELISAを用いて、リードLIGHT抗体の抗原結合活性を決定した。図3は、参照ロットの第1および第2のバッチの抗原結合活性を決定するのに用いられたELISAグラフを示す。
SECを用いて、参照ロットの第1のバッチの凝集体、ならびに分解産物の存在を決定した。図4に示されるように、サイズ排除クロマトグラフィーは、高分子量タンパク質(HMWP)、例えば、ダイマー/オリゴマー(RRT0.8)または凝集体、および低分子量タンパク質(LMWP)または分解産物を検出した。参照ロットの第1のバッチは、97%の純度のモノマー含量を有していた。
WCXを用いて、参照ロットの第1のバッチの電荷不均一性をモニタリングした。図5に示されるように、酸性、中性、および塩基性アイソフォームの再構成が安定性試験の間に起こった。参照ロットの第1のバッチは、42.3/55.6/1.9%の酸性/中性/塩基性アイソフォームの分布を有していた。
DSCを用いて、参照ロットの第1のバッチのアンフォールディング温度Tmを分析した。図6に示されるように、抗体の3つのドメインは、68℃、75℃、および78℃で開裂した。
DLSを用いて、抗体モノマーおよび潜在的な可溶性凝集体の流体力学直径を決定した。図7および8に示されるように、約10nmの流体力学直径が検出されたが、凝集体はPBS中に見られた。しかしながら、凝集体はクエン酸バッファー中には見られなかった(図10)。
〔実施例2〕
クエン酸緩衝製剤の開発、およびそれと関連する利点
元のバッファー、pH7.3のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)は、pHに関しては、リード抗体の等電点(pI)に非常に近かった(実施例1を参照されたい)。さらに、元の製剤は、凝集体;半分子;分解産物;低分子量タンパク質(LMWP);高分子量タンパク質(HMWP);ならびに酸性、塩基性、および中性抗体アイソフォームの再構成を示した(実施例1を参照されたい)。かくして、これらの欠点に患わされない改良された製剤が必要であった。
5、5.5および6のpHの、ポリソルベート20を含む、および含まない10mMクエン酸バッファーを含有するリードLIGHT抗体(配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体)の製剤を試験した。表3は、参照ロットの第1のバッチ、ならびに5.0および5.5および6.0のpHの、ポリソルベート20を含む、および含まない、クエン酸塩中に製剤化されたリードLIGHT抗体の様々な実験製剤の分析結果を示す。凝集体は、動的光散乱(DLS)測定において、参照ロットについては見出されたが、他の全ての試験した製剤中では見出されなかった。示差走査熱量測定(μDSC)により測定された場合、Tmは、pHが高くなるほど、熱力学的安定性が高くなると推測できることを示していた。しかし、高い抗体濃縮製剤については、pHを抗体のpI以下で選択しなければならなかった。
表4に示されるように、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)のデータは、参照ロット(pH7.3のリン酸バッファー)と比較して、クエン酸バッファー中のリードLIGHT抗体について有意に低下した量の高分子量タンパク質(HMWP)を示した。対照的に、SDS−PAGEを用いた場合には差異を検出することができなかった(表5)。
〔実施例3〕
高濃度抗体製剤の開発
実施例2のクエン酸緩衝抗体製剤による提供される改良を考慮して、クエン酸バッファー成分を、リードLIGHT抗体の濃度の増大のために最適化した。表6は、高濃度(約40mg/ml)の抗体製剤:7.3のpHの高リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(製剤2)またはポリソルベート20を含む5.5のpHのクエン酸塩(製剤4)の第1のバッチの分析結果を示す。
クエン酸バッファー中でタンパク質溶液を濃縮した後、モノマー含量のわずかな低下が観察された。さらに、ダイマー濃度は低下し、高分子量タンパク質(HMWP)も同様に有意に低下し得た(表7を参照されたい)。対照的に、これらの不純物および副産物は、リン酸バッファー中の濃度を増加させることにより増加した。SDS−PAGE分析を用いた場合には差異は検出することができなかった(表8)。
〔実施例4〕
凍結乾燥抗体製剤の開発
凍結乾燥の実現可能性を試験するために、様々な凍結乾燥実験製剤を製造し、安定性分析にかけた。リードLIGHT抗体の濃度は50mg/mLに増加した。
表9は、本実施例において用いられたフリーズドライプログラムを示す。
表10は、参照ロットの第1のバッチ、ならびにクエン酸バッファー、スクロース、ポリソルベート20、およびプロリンの様々な組合せ中に製剤化されたリードLIGHT抗体の様々な実験凍結乾燥製剤の分析結果を示す。
表11に示されるように、クエン酸バッファーを用いることにより、高分子量タンパク質(HMWP)を明確に減少させることができた。40℃での長時間の保存についてはダイマー含量の差異は見られなかった。フリーズドライ後に低分子量タンパク質(LMWP)の増加が観察された。前記のように、これらの差異はSDS−PAGE分析を用いた場合には検出することができなかった(表12)。

〔実施例5〕
加速安定性試験
クエン酸およびヒスチジンバッファーを用いて、加速安定性試験を実施した。表13は、参照ロットの第1のバッチ、ならびにクエン酸バッファーまたはヒスチジンバッファーの様々な組合せ中に製剤化されたリードLIGHT抗体の様々な実験製剤の分析結果を示す。注目すべきことに、本発明のクエン酸製剤は、全ての実験においてヒスチジンよりも良好に機能すると考えられた。特に、クエン酸製剤は、参照ロットバッチとヒスチジンの両方と比較して高いモノマー含量を有し(表13)、低分子量タンパク質(LMWP)および高分子量タンパク質(HMWP)の含量も有意に低かった(表14)。前記のように、これらの差異は、SDS−PAGE分析を用いた場合には検出することができなかった(表15)。

〔実施例6〕
皮下投与のための高抗体濃度製剤の開発
実施例2〜5のクエン酸緩衝製剤の結果の成功に基づいて、皮下投与にとって好適な高濃度(150mg/ml)抗体製剤を開発した。製剤開発を、+2〜+8℃で保存した場合の許容される保管可能期間を有する液体剤形を開発するためにリードLIGHT抗体に対して実施した。予備ストレス試験により、眼に見えない、および眼に見える粒子、高分子量種およびより塩基性の種の形成が示された。従って、これらのパラメータを、視覚的評価、動的光散乱、光遮蔽、サイズ排除クロマトグラフィー、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動、および弱陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて製剤候補のスクリーニング中にモニタリングした。様々な液体製剤を、臨床製剤の選択前に予備製剤化および製剤化試験において用いた。所見に従って、pH5.5に調整された10mMクエン酸バッファー中の製剤(製剤14)を、さらなる開発のために選択した。製剤のpHは、原薬の最適な物理的および化学的安定性ならびに許容される生理学的寛容性(例えば、オスモル濃度)の領域中にある。
表16に示されるように、製剤14は、注射用溶液であり、リードLIGHT抗体、クエン酸ナトリウム二水和物(緩衝剤)、ポリソルベート20(安定化剤)、およびマンニトール(等張化剤)を含有する水性滅菌透明溶液である。水酸化ナトリウム溶液および塩酸を用いて、pH5.5に調整した。
全ての添加剤は可溶性であり、非経口投与のための良好に許容される薬局方基準添加剤であり、Ph.Eur.およびUSPに列挙されたものであった。
〔実施例7〕
皮下抗体製剤のための製造方法
GMP順守製造プロセスを、実施例6の皮下高濃度抗体製剤(製剤14)のために開発した。製造手順は、溶解、pH調整、滅菌濾過、充填、および包装工程からなっていた。
原薬(リードLIGHT抗体)は、製剤バッファー(10mMクエン酸バッファーpH5.5)中の液体形態で提供される。添加剤は全て水溶性であり、製造中に製剤バッファーの最初の水性部分に溶解された。バルク原薬溶液を同じ製剤化バッファーでさらに希釈して、150mg/mLのリードLIGHT抗体の濃度を達成した。バルク溶液をよく混合して、溶解プロセスを容易にし、均一性を確保した。
濾過による滅菌を、0.2μmの公称孔径を有する細菌保持フィルターを用いて実行した(Ph.Eur.およびUSPによる)。「濾過による滅菌」の前にさらなる濾過手順を実施して、低いバイオバーデンを確保した。バイオバーデンのサンプリングを、予備濾過工程ならびに滅菌濾過工程の前に行った。
好適な容器中への滅菌溶液の調製および充填を、無菌条件下で行った。これは、濾過による滅菌およびその後の無菌プロセッシングを必要とする、薬局方モノグラフおよび関連する指針に従うものであった。「濾過による滅菌」工程後に生成物と接触される装備を、検証された方法(Ph.Eur./USPによる)を用いて熱または蒸気により滅菌した。
バイアルを約1.2mLまで充填して、1.0mLの抽出可能容量を確保した。2mLのバイアルは、透明な無色のI型ガラスから作られ、フランジ(ポリプロピレン)を備えたフリップオフキャップで密封されるストッパ(フルオロポリマー被覆ブロモブチル)で密閉された。一次包装材料は、Ph.Eur.およびUSPの要件を満たした。一次包装材料の好適性を、安定性試験の結果により立証した。用いられた一次包装材料に関する不適合性は観察されなかった。二次包装は光からの生成物の保護を提供する。
適用シリンジに関する適合性を、医薬品溶液上で3つの異なるシリンジサイズおよび針直径(25〜28ゲージ)を用いて評価した。生成物の品質に関する差異は得られなかった。適合性を、8時間にわたって証明した。
製剤14を5Lバッチ中で作製したが、その組成を表17に示す。しかしながら、バッチサイズは臨床要件に従って調整することができる。
製剤14の製造方法およびプロセス対照を、図9中のフローダイアグラムに示す。バッチ製造は、以下の工程を含んでいた:
I.完全に溶解するまで、不活性材料(例えば、ステンレススチールまたはガラス)から作られたベッセル中で撹拌しながら、クエン酸ナトリウム二水和物を注射用水に溶解した。必要に応じて、pH値を、希塩酸(例えば、0.1M塩酸)および/または水酸化ナトリウム溶液(例えば、0.1M水酸化ナトリウム)を用いて5.5に調整した。
II.リード抗体、マンニトール、およびポリソルベート20を、完全に溶解するまで、不活性材料(例えば、ステンレススチールまたはガラス)から作られたベッセル中で撹拌しながら、工程1からのバッファー溶液中に希釈した。必要に応じて、希塩酸(例えば、1M塩酸)または水酸化ナトリウム(例えば、1M水酸化ナトリウム)を用いてpH値を5.5に調整した。工程1からのバッファー溶液(残り)を添加して最終重量を調整した。
III.a)予備濾過:
工程IIからの溶液を、0.2μmの公称孔径を有する滅菌された適合性膜フィルター(例えば、ポリエーテルスルホンまたはポリビニリデンジフルオリド)を用いて無菌条件下で濾過した。
b)濾過による滅菌:
工程III.aからの溶液を、0.2μmの公称孔径を有する滅菌された適合性膜フィルター(例えば、ポリエーテルスルホンまたはポリビニリデンジフルオリド)を用いて、不活性材料(例えば、ステンレススチールまたはガラス)から作られた滅菌容器中、無菌条件下での濾過により滅菌した。
IV.工程III.bからの溶液を、ストッパおよびフランジを備えたフリップオフキャップで密閉された滅菌バイアル中に、無菌条件下で充填した。
V.工程IVからの容器を、粗汚染物質、無傷の密封、および眼に見える粒子について検査した。
VI.工程Vからの検査された容器を、好適な容器(例えば、カードボードボックス)
中にさらに包装した。
さらに、DLSを用いて、抗体モノマーおよび潜在的な可溶性凝集体の流体力学直径を決定した。図10に示されるように、凝集体はクエン酸バッファー中には見られなかった。しかしながら、図7および8に示されるように、PBS中では凝集体が見られた。より高い抗体濃度に起因して、PBS中の試料と比較して、28nmまでのZAveの増加が観察された。
〔実施例8〕
皮下抗体製剤の安定性プロファイル
実施例7の臨床バッチ(バッチ2)の安定性プロファイルを、ICHの指針に従う長期および加速試験条件下での保存について評価した。ストッパ(フルオロポリマー被覆ブロモブチル)およびフランジ(ポリプロピレン)を備えたフリップオフキャップで密閉される2mLの無色透明のバイアル(I型ガラス)中で試料を包装および保存した。
安定性の間に以下の試験:外観(透明度、色)、アッセイ(抗原ELISA、UV)、純度(SEC、還元および非還元条件下でのSDS−PAGE)、分子完全性(非還元条件下でのSDS−PAGE)、電荷不均一性(弱陽イオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動)、pH、無菌性、細菌内毒素、粒子状物質(眼に見える、および眼に見えない粒子)、および密閉完全性を実施した。
試料を、逆転させた、および直立した位置で保存した。逆転させた保存の結果を、よりストリンジェントな条件として提示した。−20℃、+5℃および+25℃での安定性データを、それぞれ、表18〜20に提示する。長期試験条件下での保存の物理的、化学的および生物学的特性に関する調査により、5℃での医薬品の良好な安定性が確認された(表19を参照されたい)。加速試験条件下(+25℃)では、サイズ排除クロマトグラフィーにより純度のほんのわずかな低下が検出された(表20を参照されたい)。従って、医薬品は光から保護して+2℃〜+8℃で保存するべきであると結論付けられた。
〔実施例9〕
皮下投与のための超高濃度抗体製剤の開発
実施例7における最大150mg/mLの抗体濃度に関するクエン酸緩衝製剤の結果の成功に基づいて、皮下投与にとって好適なより高濃度(最大250mg/ml)の抗体製剤を開発した。
予備データにより、150mg/mLを超える抗体濃度の製剤は、製剤の使用に影響するより高い粘度をもたらし得ることが示された。
表21に見られるように、粘度は抗体濃度の低下と共に減少するが、製剤14と共に製剤化されたより高い濃度でも依然として許容される範囲にある。他の全てのパラメータは、超高濃度によって影響されないか、またはほんのわずかに影響されると考えられた。
表22に示されるように、抗体濃度は、長期およびストレス条件での同一の1カ月安定性データにより示された、製剤の安定性に影響しなかった。
抗CXCR5(20mg/mL)予備製剤化試験
配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5抗体(「リードCXCR5抗体」)を実施例10〜1
2において用いて、20mg/mLの製剤に関する最適製剤化条件を決定した。
リード抗体は、ヒトCXCR5に特異的なヒト化モノクローナル抗体(mAb)であり、半分子(S241P)およびエフェクター機能(L248E)の減少を目的とする2個のアミノ酸置換を含有する遺伝子操作されたIgG4フレームワークを含む。リードCXCR5抗体タンパク質構造は、ジスルフィド架橋により連結された、それぞれ約24kDaの分子量を有する2つのカッパ軽鎖と、それぞれ約48kDaの分子量を有する2つのIgG4重鎖とから構成される。それぞれの軽鎖は219個のアミノ酸残基からなり、それぞれの重鎖は437個のアミノ酸残基からなる。
実施例10〜12のデータは、リードCXCR5抗体ならびに静脈内および皮下投与のためのその医薬品のための予備製剤化活動の間に収集されたものであった。リード抗体はIgG4サブクラスの抗体であり、凝集し、粒子を形成しやすいため、予備製剤化試験の目的は、リードCXCR5抗体の凝集挙動および半分子を形成するその傾向に特に重点を置いて、20mg/mLの標的濃度を有する緩衝化リードCXCR5抗体溶液の良好な安定性を提供することであった。
材料
原薬(DS)
リードCXCR5抗体バッチRSN0151を、5.13mg/mLの濃度でPBS pH7.2中に製剤化した。
添加剤
表23は、予備製剤化試験中に用いられた添加剤を示す。
方法
以下の方法を用いて、実験製剤およびリードCXCR5抗体を含有する本発明の製剤を製造した。
バッファーの製造および組成
全てのバッファーは、一定に撹拌して対応する添加剤を溶解することにより製造した。0.1M HClまたは0.1M NaOHを用いてpHを調整した。全てのバッファーの全体濃度は10mMであった。
添加剤ストック溶液の製造および組成
全てのストック溶液を、一定に撹拌して添加剤を溶解することにより製造した。濃度を、重量/重量(w/w)として与えた。
UF/DF−小規模
UF/DF実験を、リン酸バッファーを除去し、それを適切なバッファーで置きかえ、
濃度を増加させるために、Hydrosart膜および30kDaカットオフを備えたVivaspinユニット(Sartorius Stedim、Gottingen、Germany)を用いて実施した。これらのユニットを一般的な実験室用遠心分離機(Multifuge 3S、Haereus、Germany)に入れ、+5℃、2000rpm(860G、ローター半径192mm)で遠心分離した。
UF/DF−大規模
UF/DF実験を、リン酸バッファーを除去し、それを適切なバッファーで置きかえ、濃度を増加させるために、Hydrosart膜および30kDaカットオフを備えたVivaflowユニット(Sartorius Stedim、Gottingen、Germany)を用いて実施した。この装備を無菌条件下でクリーンベンチに入れ、室温でプロセスを実施した。
試料の滅菌濾過
全ての試料、溶液、バッファーなどを、Sartpore−2膜を用いて滅菌濾過(0.22μm)した。試料を滅菌ボトルまたはバイアル中に濾過し、クリーンベンチの内部で無菌条件下で密閉して、微生物汚染を防止した。
機械的ストレス試験
室温で2.5時間にわたる350rpm/minの撹拌速度での機械的ストレスを、26mm距離を有する水平実験室振とう器(Buhler Companyからの振とう器およびインキュベーションフード)を用いて実施した。2Rバイアルに、約2.5cm3
のヘッドスペースで溶液1mLを充填した。
機械的ストレス試験を計画し、1回目の予備製剤化試験の間に実施した。分析結果はバッファー選択またはpH選択の間に、熱ストレス試験と比較していかなる追加情報も示さなかったため、この試験は界面活性剤選択の間にのみ用いた。
熱ストレス試験
熱ストレスを、予備製剤化プログラムの全工程の間に加速ストレス試験として用いた。試験に応じて、試料を+40℃で24h、7日間、または3カ月間保存した。
製剤の充填および完了における分析方法
以下の分析方法を、以下の実施例において用いた。
外観
抗体溶液の外観を視覚的にチェックし、カメラで写真を撮影することによりさらに文書化した。
pH
全てのpH測定を、微小電極を有するpHメーターを用いて実施した。
UVを用いる濃度
全ての抗体溶液のタンパク質濃度を、Nanodrop ND1000を用いてバッファーに対して測定した。5mg/mLに近いか、またはそれより低いタンパク質濃度を1:3に希釈し、20mg/mLに近い、より高いタンパク質濃度を1:20に希釈した後、215nmおよび280nmで吸光度を測定した。
動的光散乱(DLS)
分子の流体力学直径を、レーザー光散乱を用いて測定した。混濁が観察された場合、分
析の前に試料を滅菌濾過したところ、可溶性凝集体のみを検出することができた。
チオフラビン−T試験
いくつかの予備製剤化試料の蛍光測定を、Tecan GENios Plus、XFLUOR4を用いて実行した。試料に機械的にストレスをかけた(Buhler Companyからの振とう器およびインキュベーターフード中、37℃で4h、撹拌速度300単位/分および26mm距離)。チオフラビン−T蛍光スペクトルを、室温で測定した。10μlのチオフラビン−T溶液(超純水中で10.1mM)を、製剤1mlに添加し、穏やかに混合した。次いで、混合物を黒色のEppendorf V型カップに分注した後、96穴プレート中に分注した(ウェルあたり100μL)。
チオフラビン−T試験を、予備製剤化活動の開始時に用いて、不溶性凝集体を検出した。しかし、これらの凝集体は溶液の混濁として視覚的に見ることができるため、この方法は全予備製剤化プログラムについて用いなかった。
示差走査熱量測定(DSC)
予備製剤化試料のアリコートを、MicrocalからのVPCapillary DSCを用いるDSCにより検査し、2secのフィルター時間を用いて90℃/hで自動サンプリング機器中で走査した。400μlの試料を96穴プレート中に入れ、アンフォールディング温度Tmについて分析した。
オスモル濃度
オスモル濃度を、自動化Knaur Osmometerを用いて測定した。
密度
製剤の密度を、落球粘度計DMA4500 Anton Paarを用いて測定した。
FFの生物分析における分析方法
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
抗体のオリゴマー/ダイマーを、サイズ排除クロマトグラフィーを用いることにより定量した。試験を、SUPERDEX200 10/300カラムを用いるアイソクラチックHPLCにより実行した。
還元的および非還元的SDS−PAGE
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を用いて、分子完全性(例えば、半分子)および分解産物の外観を分析した。この電気泳動分析を、還元的および非還元的条件下で15%均一ゲルを用いて実施した。タンパク質を、電気泳動分離後に銀染色を用いて可視化した。
WCX
弱陽イオン交換クロマトグラフィー(WCX)を用いて、抗体の電荷不均一性をモニタリングした。塩基性、中性、および酸性アイソフォームの割合を報告した。試験を、ProPac WCX10カラムを用いる不連続HPLCにより実行した。
抗原−ELISA
抗原−ELISAを実施して、抗体の機能を決定した。CXCR5抗原の28マーペプチドへの結合特性を、抗体の現在の基準と比較してモニタリングした。この効力を、相対的EC50として報告した。
等電点電気泳動(IEF)
IEFを実施した。
保存
別途記載しない限り、全てのバッファー溶液、添加剤溶液、および試料を+5℃で保存した。
調製および分析された全ての製剤の概要
以下の表24は、実施例10〜12において調製および分析された全ての製剤の概要を示す。それぞれの製剤は、リードCXCR5抗体を含有していた。PBSはリン酸緩衝生理食塩水を表す。PBはリン酸バッファーを表す。PSはポリソルベートを表す。LAはリードCXCR5抗体を表す。
〔実施例10〕
リン酸バッファー製剤
以下は、リン酸バッファー中のリードCXCR5抗体原薬の特性評価の結果に関する概説を与える。
IEF
リードCXCR5抗体のpI(等電点)は7.6と理論的に算出され、これを変性等電点電気泳動により確認した(7.6〜8.4のpI)。図11を参照されたい。
SDS−PAGE
SDS−PAGEを用いて、抗体モノマーの分子量、潜在的な凝集体、または半分子の存在を決定した。図12は、還元的および非還元的条件下で異なる原薬バッチを比較するためのSDS−PAGEゲルの例を示す。
ELISA
図13は、リード抗体の抗原結合活性を決定するためのELISAグラフの例を示す。
SEC
図14に示されるように、サイズ排除クロマトグラフィーは、高分子量タンパク質(HMWP)、例えば、ダイマー/オリゴマーまたは凝集体および低分子量タンパク質(LMWP)または分解産物を検出した。リードCXCR5抗体バッチは、99%の純度のモノマー含量を有していた。
WCX
図15に示されるリード抗体に関する弱陽イオン交換クロマトグラフィーは、電荷不均一性を示す。安定性試験の間に、酸性ピークの配置が変化し、塩基性アイソフォームの割合が増加した。リードCXCR5抗体は、14/85/1%の酸性/中性/塩基性アイソフォームの分布を有していた。
動的光散乱
図16に示されるように、DLSを用いて、抗体モノマーおよび潜在的な可溶性凝集体の流体力学直径を決定した。
結論として、リード抗体はPBS中で安定であり得るが、凝集体形成は剪断力または光ストレスによって容易に生成する。
さらに、PBSのpHは、リードCXCR5抗体のpIに近い。従って、製剤はpIよりも少なくとも1段階下のpHで製剤化するべきである。
表25は、リードCXCR5抗体に関する3カ月安定性試験の結果を示す。リード抗体を異なる温度で保存し、1および3カ月後に分析した。
PBS中で緩衝化されたリードCXCR5抗体に関する3カ月安定性データは、+5℃と−20℃での保存で関連する変化を示さなかった。加速条件(+25℃)で3カ月後、有意な変化を観察することができた。SDS−PAGEおよびウェスタンブロット分析により分析されたように、さらなるバンドは、塩基性アイソフォームの増加および酸性アイソフォームの減少を示し、これは分解産物を示唆する。
〔実施例11〕
バッファーおよびpHの最適化
PBS pH7.2は、凍結/解凍サイクル後および凍結保存後に凝集および分解を示した。かくして、別のバッファーおよびより良好なpH範囲を見つけることが必要であった。さらに、pHシフトが起こるため、PBSは溶液の凍結にとって好適ではない。
様々なpHを有する30種の異なるバッファーおよびバッファー系を用いて、最良のpH範囲を選択した。これらの実験を、非常に小規模で実行し、集中的に分析した。
最良のバッファーおよびpHの選択スクリーニング−小規模(収量5mL)
分析結果を、表40、表41、表42、および表43にまとめる。
図17および図18に、熱ストレス後の2つの好適なバッファー系(酢酸塩およびヒスチジン)の外観を示す。さらなる評価のために、酢酸塩においてはpH5.5およびヒスチジンにおいてはpH5.0を選択した。対照として、図19に、不適合バッファー系(TRISバッファー)の外観を示す。
以下のバッファーを選択して、より大規模なUF/DFにおいて試験した:
・クエン酸塩10mM、pH6
・酢酸塩10mM、pH5.5
・コハク酸塩10mM、pH5
・ヒスチジン10mM、pH5
・アルギニン10mM、pH6。
最良のバッファーおよびpHの選択スクリーニング−大規模(収量約20g)
最良のバッファーおよびpHを選択した後、それぞれのバッファー系中のより大量のリードCXCR5抗体を、Sartorius Vivaflowシステムを用いることにより調製した。それぞれのバッチを分析的に試験し、結果を以下に記載する。
クエン酸バッファー10mM、pH6(LA_09_016)
UF/DF工程は良好に機能し、ほんのわずかに濁った溶液が得られた;滅菌濾過中に困難に遭遇しなかった。DLSにより分析した場合、流体力学直径の増加は見られなかった。
分析結果は、リードCXCR5抗体バッチ材料と比較して、ダイマーの増加がなく、塩基性または酸性アイソフォームの変化がないことを示していた。表26および図20を参照されたい。
酢酸バッファー10mM、pH5.5(LA_09_017)
UF/DF工程は良好に機能したが、濁った溶液が得られた;滅菌濾過中にフィルターが遮断された。
分析結果は、リードCXCR5抗体バッチ材料と比較して、ダイマーの増加がなく、塩基性または酸性アイソフォームの変化がないことを示していた。表27および図21を参照されたい。
コハク酸バッファー10mM、pH5(LA_09_018)
フィルターの遮断のため、UF/DF後の滅菌濾過を実施することは困難であった。12gの収量は非常に少なかった。
分析結果は、リードCXCR5抗体バッチ材料と比較して、ダイマーがわずかに減少し、塩基性または酸性アイソフォームの変化がないことを示していた。機械的ストレス後に、ダイマー濃度はわずかに増加し、WCXにおける酸性アイソフォームのピークは塩基性アイソフォームが増加するにつれて減少した。表28および図22を参照されたい。
ヒスチジンバッファー10mM、pH5(LA_09_019)
フィルターの遮断のため、UF/DF後の滅菌濾過は実施することは困難であった。10.5gの収量は非常に少なかった。
分析結果は、リードCXCR5抗体バッチ材料と比較して、ダイマーがわずかに減少し、塩基性または酸性アイソフォームの変化がないことを示していた。機械的ストレス後に、ダイマー濃度はわずかに増加し、WCXにおける酸性アイソフォームのピークは塩基性アイソフォームが増加するにつれて減少した。表29および図23を参照されたい。
アルギニンバッファー10mM、pH6(LA_09_020)
UF/DF後の滅菌濾過は実施することが困難であった。DLSは、21.08nmの流体力学直径でもたらされたピークを示したが、これはダイマー形成を示し得る。
分析結果は、リードCXCR5抗体バッチ中の0.29%からアルギニン中の0.49%までのダイマーのわずかな増加を示した。機械的ストレス後、0.61%のダイマーが見出され、WCXにおける塩基性アイソフォームの増加が検出された。表30および図24を参照されたい。
結論として、5つのバッチのうちの3つが、20mg/ml濃度のリードCXCR5抗体と適合する:
・クエン酸塩pH6.0
・酢酸塩pH5.5
・ヒスチジンpH5.0。
これらのバッチを、適合性および安定性に関してより詳細に特性評価した。
〔実施例12〕
添加剤との適合性
上記のバッチの全部を、界面活性剤との適合性試験のために用いた。適合性試験を、リードCXCR5抗体および4つの選択されたバッファーを用いて実施した。コハク酸塩pH5.0およびアルギニンpH6.0は、リードCXCR5抗体と適合しないため、これらのバッファーは添加剤についてこれ以上試験しなかった。添加剤を以下のように分類した:
・界面活性剤
・糖
・塩
・その他(アミノ酸、保存剤)。
機械的ストレス(撹拌速度350/min、2.5h、室温)を適用して、界面活性剤の効果を試験し、熱ストレス(+40℃、1週間)を用いて他の全ての添加剤を試験した。
界面活性剤
界面活性剤の型(LA_08_001)および界面活性剤濃度(LA_09_003;0.01%、0.05%および0.1%)の選択に関する適合化試験は、眼に見える凝集体を防止するには0.01%の濃度で十分であることを示した。以下の界面活性剤:PVP K12およびK17は両方とも機械的ストレスを印加する前に混濁を示したため、リードCXCR5抗体にとって好適ではなかった。さらに、ドデシル硫酸ナトリウムのようなイオン性界面活性剤がリードCXCR5抗体タンパク質溶液と適合しないことが示された。
例として、図25は、機械的ストレス後の、および界面活性剤を含まない溶液と比較した、様々な界面活性剤を含む異なるクエン酸緩衝溶液の外観を示す。分析結果を、表44および表45にまとめる。
他の添加剤
+40℃で1週間の熱ストレスおよび分析決定の後、様々なバッファー系におけるリードCXCR5抗体と適合する添加剤の選択を得ることができた。
利用可能な試料容量がほんの少量であったため、いくつかの添加剤は4つのバッファー系の全部において試験することができなかった。
全ての分析データを再検討した後、表31中の添加剤はリードCXCR5抗体と適合すると同定された。これらの添加剤は、SECおよびWCXにより分析されたダイマー、HMWPまたは塩基性アイソフォームの有意な増加を示さなかった。
全ての流体力学直径測定は、鋭いモノマーピークを示しており、好適な添加剤のTmは対応するバッファー系中のリードCXCR5抗体と比較して低下していなかった。全ての分析データを、表46、表47、表48および表49にまとめた。
結論として、界面活性剤との適合性試験は、ポリソルベート20が、20mg/mLのリードCXCR5抗体と組み合わせた全ての選択されたバッファーにとって好適であることを明確に示す。界面活性剤は機械的ストレスの間、粒子の形成を防いだ。ほぼ全ての他の界面活性剤はHMWPの増加をもたらした。
以下の添加剤を選択して、異なるプロトタイプ製剤を製剤化した:NaCl、トレハロース(スクロースは安定性に関してトレハロースと多かれ少なかれ同等である)、およびアルギニン−HCl。
3カ月のプロトタイプ安定性試験
リードCXCR5抗体の製剤開発を支援するために、12種の異なるプロトタイプ製剤
を製造し、異なる条件(−20℃、+5℃および+40℃)で3カ月間、安定させた。
以前に記載のバッファー、pHおよび添加剤スクリーニングに基づいて、3つの異なるバッファー系を選択した。
クエン酸塩pH6.0(製剤番号LA_09_027)、酢酸塩pH5.5(LA_09_028)、およびヒスチジンpH5.0(LA_09_029)を、20mg/mLのリード抗体および4つの異なる添加剤の組合せを含む10mMバッファー溶液として用いた(表32)。
これらの4つの添加剤は、添加剤スクリーニング後に有望な結果を示した。必要に応じて、オスモル濃度を調整するために、NaClを選択し、等張化調整のために、および凍結乾燥選択肢のための糖を有するためにトレハロースを選択した。さらに、トレハロースは抗体を安定化させることができ、同様にアルギニン−HClを安定剤として選択した。ポリソルベート20は機械的ストレスの間の凝集を防止するのに役立つことがわかった。
以下の段落は、製剤開発のための最良のバッファー系および最良の添加剤を選択するための安定性試験の間にコンパイルされた選択されたデータを示す。表33に、全ての保存条件、時点および分析方法をまとめた。
不運にも、PBSバッファー中でのリードCXCR5抗体の3カ月安定性データは、バッチの差異のため、および異なる加速条件のため、プロトタイプの安定性と同等ではなかった。
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
図26において、4つ全部のヒスチジン製剤中で3カ月の保存後に最大10%のダイマー形成の増加を明確に見ることができる。酢酸製剤は、最大で6%のダイマー含量の増加を示した。4つ全部のクエン酸製剤において、ダイマー濃度は+40℃で3カ月後でも2%以下であった。
弱陽イオン交換クロマトグラフィー(WCX)
中性、塩基性および酸性アイソフォームの決定は様々な製剤の安定性に関する良好な指標であるため、これらの方法を用いてSECデータを修正した。
図27において、加速条件下ではリードCXCR5抗体安定性についてヒスチジンがより悪いことを再度見ることができる。4つ全ての酢酸製剤について塩基性アイソフォームのわずかな増加を見ることができるが、興味深いことに、クエン酸製剤については、4つの製剤間の識別はここでは不可能である。さらに、図28は、ヒスチジン製剤に関する中性アイソフォームの強力な減少、および酢酸製剤におけるわずかな減少を示す。再度、クエン酸塩中のリードCXCR5抗体はほとんど影響されない。
SDS−PAGE
SDS−PAGE測定の結果を、添付の結果表に見出すことができる。表37〜61を参照されたい。
アンフォールディング温度(Tm)
アンフォールディング温度を用いて、異なる製剤の安定性を予測することができ、本明細書ではMicrocalの装備を用いて測定した。Tmが高いほど、製剤はより有望であった。Tm測定の精度は+/−0.4℃であった。
クエン酸および酢酸製剤の間で、T0でのTm間の差異はほぼ見られなかった。さらに、製剤A、BおよびDは、Cと比較してわずかにより高いTmを有していた。製剤A、BおよびDは全てトレハロースを含有する。
ヒスチジン製剤は、全ての事例において有意により低いTmを有していた。
pH
pHは抗体溶液の安定性にとって主要な対象であり、重要であるため、pHをモニタリングした。以下の図面は、加速された保存条件でのT0、T1、T2およびT3間のデルタpHを示す。
多くのpH安定化製剤はクエン酸緩衝化されたもの、特に、製剤BおよびDである(図29)。リードCXCR5抗体の酢酸緩衝溶液中では、pHはより高い値に向かってシフトした(図30)。ヒスチジン緩衝溶液中では、pHはわずかに低下していた(図31)。
DLS
モノマーおよび潜在的な可溶性凝集体の流体力学直径を、動的光散乱を用いて測定した。
加速条件(+40℃)での保存後にのみ、200nm未満の可溶性凝集体を観察することができた。これらの凝集体は主に、保存の3週間後に、ヒスチジン緩衝化製剤LA_09_029A、C、Dにおいて生じた。
クエン酸緩衝製剤は、製剤C中で3週間後、および製剤A中での保存の6週間後に、ほんのわずかな凝集体を示した(図32)。同様に、製剤B中での保存の3カ月後に、いくらかの凝集体を検出することができた。しかし、酢酸緩衝製剤と比較して、その量は非常に少なかった。
酢酸緩衝製剤LA_09_028Cは、3週間後に、および同様に製剤A中では3カ月後に200nm未満のいくらかの凝集体を示した。図33を参照されたい。
UV
UV測定によりタンパク質濃度をモニタリングすることにより、全ての時点、試料、および製剤間の有意差は認められなかった。試料容量が非常に少なかったため、濃度をNanodrop装備を用いて測定した。その結果は、+/−5%で変化した。詳細な情報については、表50〜61を参照されたい。
外観
3カ月の保存期間後、全ての試料はヒスチジン中であっても、濁ることなく無色透明のままであった。この観察は、DLS中の全ての測定された凝集体が可溶性であったことを同様に示している。不溶性および眼に見えない凝集体を、HIACによる光遮断測定により検出することができた。
HIAC
T0で、および+5℃での保存の3週間後に、眼に見えない粒子が検出された。粒子の形成は酢酸バッファー中で主に観察されたことを表36中に明確に見ることができる。興味深いことに、ヒスチジンは、4つ全部の異なる製剤について良好な結果を示した。クエン酸製剤A、BおよびCにおいても同様に良好である。全ての製剤における10μmを超える、および25μmを超える粒子のレベルならびに値はPh.Eur.およびUSPに規定された限界よりもはるかに下であるため、粒子形成は関係がない。
オスモル濃度
実験を適合化させるのに利用できる試料容量がなかったため、オスモル濃度を調整するための添加剤の定量を、計算によって試料の製造前に行った。従って、オスモル濃度は、それがあるべきものよりも低かった(理想的には、280〜320mOsmol/kg)。表35。より良好な調整のためのさらなる試験を、製剤最適化試験の間に行う。
結論
結論として、クエン酸バッファー、酢酸バッファー、およびヒスチジンバッファーは、+5℃および−20℃での保存後に変化を示さず、酢酸バッファーに関しては3カ月後に分解産物のほんのわずかな増加が見られた。
加速条件下でのリードCXCR5抗体の保存は、DSの有意な変化をもたらした。クエン酸バッファー中では少しの変化が観察されたが、酢酸バッファーは分解産物および凝集産物の有意な増加ならびに酸性または塩基性アイソフォーム中の中性アイソフォームの減少を示した。
加速条件下でリードCXCR5抗体に対するとてつもない効果が観察された(最大29.6%の高分子量タンパク質および最大8.2%のダイマー/オリゴマーおよび最大1.3%の低分子量タンパク質)。また、陽イオン交換クロマトグラフィーにより、中性アイソフォームの50%への減少が示された。
全ての試験したバッファー、例えば、クエン酸、酢酸、およびヒスチジンバッファーについて、20mg/mLの標的濃度を達成することができた。
安定なDPのpH範囲は、pH5〜6.5と規定することができた。
3つの選択されたバッファーに関する2段階のスケールアップ(4mL〜100mL〜1000mL UF/DF)を上手く実施した。
機械的ストレス(撹拌速度350/min、2.5h、RT)後の全ての選択されたバッファー中での0.01%ポリソルベート20との凝集体形成の減少を評価し、分析的に確認した。
HMWPの非存在または減少を観察することができ、かくして、0.01%のポリソルベート20を添加することにより濾過可能性(0.22μm)の増加を達成することができた。
ダイマー/オリゴマーの量は、バッファーおよびpHに高度に依存し、SEC、SDS−PAGEおよびDLSを用いることにより分析した。
原薬の特性評価
リードCXCR5抗体分子は、分解または半分子形成に関して非常に安定しているが、予備製剤化活動の間に、pH7.2のPBSに溶解したリードCXCR5抗体は凝集傾向を有するということが分かった。従って、このバッファーは長期安定性にとって好適ではない。保存または凍結/解凍サイクル中の眼に見える、および眼に見えない粒子の形成を、製剤開発および安定性試験の間に注意深くモニタリングするべきである。
最良のバッファーおよびpHの選択
最良のバッファーおよびpHの選択の後、pH6.0のクエン酸バッファー10mMは、20mg/mLのリードCXCR5抗体溶液にとって好適であると同定された。10mMヒスチジンバッファーpH5または10mM酢酸バッファーpH5.5は、バックアップ選択肢として役立ち得る。
添加剤との適合性試験
プロトタイプ製剤のためには以下の添加剤が推奨される:
・ポリソルベート20
・トレハロース/スクロース
・NaCl
・アルギニン−HCl
開発のためには以下の添加剤が推奨されない:
・ベンジルアルコール
・マルトース
・マンニトール
・デキストラン
・リシン−HCl。
プロトタイプ製剤の3カ月安定性試験
クエン酸バッファーpH6.0、酢酸バッファーpH5.5、およびヒスチジンバッファーpH5.0中での20mg/mLのリードCXCR5抗体の優れた安定性が、+5℃および−20℃で3カ月の保存後に見られた。+40℃でのわずかな分解(モノマー含量の5%未満の低下)がクエン酸バッファーを用いた場合に観察されたが、酢酸バッファーは、低いが有意な、およびヒスチジンバッファーについては強力な人工物の増加を示した。
全ての試験した製剤は、PBS pH7.2中の一般的な探索製剤と比較して保存中の粒子形成の有意な減少を示した。
かくして、この予備製剤化試験の推奨は、リードCXCR5抗体のDSおよびDPのために10mMクエン酸バッファーpH6を用いることである。20mg/mLのリードCXCR5抗体を含む滅菌濾過緩衝溶液、および安定性を増加させる添加剤は、バイアル中、+5℃での保存推奨と共に実現可能であるべきである。
等張化調整のため、トレハロースおよびNaClを用いることができ、凝集体の形成を防止するためにポリソルベート20を用いるべきである。
バッファー系を変化させる、および/またはmAB濃度を5mg/mLから20mg/mLに増加させるためのUF/DF実験の実現可能性を、様々な規模で示すことができた。
機械的ストレス後に大きな差異は見られなかったため、試料LA_09_09〜15に機械的ストレスをかけなかった。
N/A、利用可能な試料容量があまりにも少なかったため、試料を分析的に試験しなかった。
添加剤およびリードCXCR5抗体(LA_09_022)
添加剤およびクエン酸緩衝化(LA_09_023)
添加剤および酢酸緩衝化(LA_09_024)
添加剤およびヒスチジン緩衝化(LA_09_025)
抗CXCR5(20mg/mL)製剤試験
実施例13〜16のデータを、静脈内および皮下投与のためのリードCXCR5抗体お
よびその医薬品について製剤化試験の間に収集した。製剤化試験の目的は、第I相のための注射のための、安定な、透明な、またはわずかに乳白色の、および無色またはわずかに黄色の、眼に見える粒子を含まないリードCXCR5抗体溶液を提供することであった。
材料
原薬(DS)
2つの原薬バッチを、これらの製剤化試験のために用いた。一方はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に製剤化されたものであり、他方はクエン酸バッファー中に製剤化されたものである。表62を参照されたい。
添加剤
表63は、製剤化試験中に用いられた添加剤を示す。
方法
試料の調製
Hydrosart膜および30kDaカットオフを備えたVivaSpinデバイスを用いて、小規模で限外濾過/ダイアフィルトレーションを実施した。RSN材料を5mg/mL〜20mg/mLまで濃縮し、リン酸(PBS)バッファーを10mMクエン酸バッファーpH6.0、酢酸バッファーpH5.5、またはヒスチジンバッファーpH5.0のいずれかに交換した。VivaSpinユニットを室温(RT)で一般的な実験室用遠心分離に入れ、2000rpmで遠心分離した。分析試験の前に、溶液を0.2μmのMinisart上で濾過した。全ての試料を+2℃〜+8℃で保存し、固く密閉し、
T0での分析試験まで、および+40℃での1週間の熱ストレスの後またはRTで2.5時間、300rpmの機械的ストレスの後、光から保護した(ポリソルベート20濃度の評価のためだけに)。
分析方法
以下の技術を試料分析のために用いた:
〔実施例13〕
さらなるpH最適化
予備製剤化試験により、10mMクエン酸バッファーpH6.0がリードCXCR5抗体凝集傾向が少ない最良のバッファーであると同定された。クエン酸バッファー中でのpHプロファイルを得るために、pH5.0〜7.0までの段階的pH依存的安定性を評価した。限られた原薬の利用可能性のため、綿密なpHスクリーニングは10mMクエン酸バッファーについてのみ行った。試料をT0で、および+40℃での1週間の熱ストレス後に取得した。表65〜69を参照されたい。
結論として、データは、予備製剤化試験中に既に生成された結果を確認する:pHの増加は、モノマー含量を減少させ、ダイマー率を増加させる。+40℃の試料は、pH6.0までのHMWにおけるpH値の低下および次いで、pH5.0までの増加を示した。
〔実施例14〕
さらなるバッファー最適化
次に、クエン酸、酢酸、およびヒスチジン(バックアップバッファーとして)バッファーを、選択されたpH値で5/10/25/50mMでスクリーニングした。表70〜84を参照されたい。
結論として、データは、予備製剤化試験中に生成された結果を確認する。緩衝剤としてクエン酸を用いた場合、モノマー含量は酢酸バッファーおよびヒスチジンバッファーよりもわずかに高い。ヒスチジンを用いた場合、T0でも高い凝集挙動が観察可能であり、分析試料の調製が困難である。試験したバッファー濃度間の有意差を測定することができず、従ってバッファー、クエン酸バッファー、ヒスチジンバッファー、および酢酸バッファーの3種全部を10mMの濃度で用いることができる。
〔実施例15〕
さらなる界面活性剤最適化
予備製剤化試験に基づいて、非イオン性界面活性剤ポリソルベート20(0.01%)の添加は、安定性に対する有益な効果を示し、従って、対応するバッファーに以下のポリソルベート20濃度:0.0025%/0.005%/0.01%/0.02%を添加することにより、その濃度のさらなる評価を行った。表85〜94を参照されたい。
結論として、様々なポリソルベート濃度を有する酢酸またはクエン酸バッファーを含有する試料における有意差は測定できなかった。150minよりも長時間にわたり行われた機械的ストレスに対するmAb防止を確保するために、ポリソルベート濃度を0.2mg/mLに設定した。この量は、予備製剤化試験に基づいても提唱された。
〔実施例16〕
さらなる等張性最適化
予備製剤化試験中に、NaCl、トレハロース、およびアルギニン−HClが、等張性および安定性のための添加物として同定された。次いで、mAb安定性効果が低いため、アルギニン−HClを脱落させた。バッファー濃度およびpH値に応じて、等張剤(isotonant)/安定剤の量を、Ph.Eur.に従って少なくとも240mOsmol/kgのオスモル濃度を達成するために合わせる。
トレハロースは公定添加剤ではなく、高価であるため、トレハロースの使用は課題であった。予備製剤化試験中に、スクロース(サッカロース)はわずかにより多い凝集を引き起こしたが、さらなる試験において追跡および検証されなかった。従って、+5℃、+25℃、および+40℃の保存温度の10mMクエン酸および酢酸バッファーの両方の中のトレハロースならびにサッカロースを含む、4週間にわたる新しい短期安定性試験を設計した。表95〜103を参照されたい。
少なくとも240mOsmol/kgのオスモル濃度の微調整を、NaClを用いて実施した。
結論として、クエン酸バッファーと酢酸バッファーとの有意差は測定されず、トレハロースとサッカロースとの加速条件での差異は見えなかった。サッカロースを含むクエン酸バッファーを、さらなる試験のために選択した。
DP製造プロセスパラメータの決定
クエン酸バッファー中のDSバッチを用いて、製造プロセスパラメータを決定した。予備製剤化試験により、DSが酸化を受けにくく、製造中の光保護または窒素重層またはパージが必要であることが示された。標準的なガラス装備ならびにシリコン管(SaniTech65)を用いた。
添加順序
添加剤の添加順序を評価する実験は、DSの小さい希釈容量のため限られていた。
DSをガラスボトル中で計量し、第1の添加剤としてのポリソルベート20、第2の添加剤としてのサッカロース、および第3の添加剤としてのNaClを添加し、クエン酸バッファー10mM pH6.0ですすぎ、DSの含量を20mg/mLに希釈した。
撹拌速度および時間
撹拌速度を100rpmに設定して、DSに対する機械的ストレスを軽減した。全ての添加剤は良好に水溶性であったという事実のため、撹拌時間を5分間に設定した。
モニタリングパラメータおよびIPC
外観、濁度、密度、および粘度のようなモニタリングパラメータ、ならびにpH値およびオスモル濃度のようなIPCを、以下の表104に従って試料製造中に日常的にチェックした:
製造中に問題は観察されなかった。オスモル濃度の限界を、測定されたデータに基づいて設定した。
濾過プロセス
予備製剤化試験によれば、ポリエーテルスルホンは滅菌濾過のための好適な膜であった(Sartorius、0.22μm)。濾過の速度および時間は水性溶液の濾過に関する標準値を示したため、濾過後の潜在的なpHシフトを観察することはできなかった。フィルター完全性試験を、問題なく日常的に実施した。
充填プロセス
充填ポンプおよび充填針のような、ステンレススチール製の標準的な投薬装備を調査した。また、持続時間および充填速度をモニタリングした。充填されたDPの抽出可能容量を決定した。1.5mLの抽出可能容量を確保するためには、0.2mLの過充填が必要であった。
材料適合性
全ての予備製剤化および製剤化試験を、GMP製造に用いられる装備のための推奨でもある、標準的な製造装備としてガラス中で実施した。
洗浄剤
製造装備の洗浄を、標準的な洗浄剤Neodisher(登録商標)を用いる皿洗い機を用いて、対応するSOPに従って実施した。注射用水を用いる手動での予備洗浄を、その前に日常的に行った。洗浄剤の有害な効果は観察されなかった。
リードCXCR5抗体(20mg/mL)のためのさらなる製剤化試験の概要
第I相リードCXCR5抗体DP製剤の選択のために、ヒスチジンおよび酢酸よりもクエン酸10mM、pH6.0をバッファーとして選択した。pH値の増加または減少はモノマー含量の減少を意味するため、溶液のpH値を6.0に設定した。バッファー濃度を10mMの媒体濃度に設定したが、5〜50mMの濃度間で有意差はなかった。
機械的ストレスに対してDSを安定化させるのに十分な、0.2mg/mL(0.02%)の界面活性剤としてポリソルベート20を選択した。
トレハロースを選ぶ熱ストレスに対する安定剤としてスクロース(サッカロース)を選択した。サッカロースの濃度を60mg/mL(6%)に設定した。
NaClを2.0mg/mL(0.2%)の濃度で等張剤として用いて、約300mOsmol/kgのDPのオスモル濃度を達成した。
抗CXCR5(100mg/mL)製剤化試験
実施例17〜21のデータを、静脈内および皮下投与のためのリードCXCR5抗体およびその医薬品のための製剤化試験の間に収集した。製剤化試験の目的は、第I相のための注射のための、安定な、透明またはわずかに乳白色の、および無色またはわずかに黄色の、眼に見える粒子を含まないリードCXCR5抗体溶液を提供することであった。
方法
試料調製
UF/DFを、Hydrosart膜および30kDaカットオフを備えたVivaSpinデバイスを用いて小規模で実施した。RSN材料を、約20mg/mL〜100mg/mLまで濃縮した。全ての溶液は既に最終製剤バッファー(10mMクエン酸バッファーpH6.0)中にあった。
VivaSpinユニットを、RTで一般的な実験室用遠心分離機に入れ、2000rpmで遠心分離した。分析試験の前に溶液を0.2μmのMinisart上で濾過した。
全ての試料を+2〜+8℃で保存し、固く密閉し、T0での分析試験まで、および+40℃での1週間の熱ストレス後または機械的ストレス後に、光から保護した。
分析方法
以下の技術を、試料分析のために用いた:
〔実施例17〕
添加剤スクリーニング
予備製剤化試験により、10mMクエン酸バッファーpH6.0がリードCXCR5抗体凝集傾向が少ない最良のバッファーであると同定された。20mg/mLでの以前の試験において、10mMクエン酸バッファー、60mg/mL(6%)スクロース、2mg/mL(0.2%)NaCl、および0.2mg/mL(0.02%)ポリソルベート20を含有する製剤を選択した。これらの添加剤およびいくつかの選択肢を試験して、より高濃度(100mg/mL)での選択された製剤の好適性を確認した。
様々な製剤に、40℃で7日間、熱ストレスを加え、100rpmで5h機械的にストレスを加えた。さらに、様々な製剤のアンフォールディング温度を、DSC(示差走査熱量測定)を用いて100mg/mLでスクリーニングした。
以下の添加剤を試験した:
スクロース→60mg/mL
トレハロース→60mg/mL
アルギニン→30mg/mL
リシン→30mg/mL
グリシン→30mg/mL。
NaClまたはマンニトールを等張剤として添加した。粘度低下(約2.1cP)のために塩は必要なかった。
T0およびT7日の結果を表106に示す。
熱ストレス
試料はいずれもストレスの前後で混濁を示さなかった。
リシンは、9.8へのpHシフト、非常に高い凝集傾向、SDS−PAGEにおける酸
性および塩基性アイソフォーム、ならびに高分子量バンドの非常に高い増加を示した。結果として、それはさらなる考慮から除外された。
マンニトールを含む製剤は、ストレス後にELISAアッセイにおいて不良な結合を示した。結果として、NaClが好ましい等張剤である。
スクロースは、トレハロースよりもわずかに良好な化学的安定性を示したが、ストレス後にSDS−PAGEにおいてさらなるバンドが見られた(両方について)。
アルギニン(特に、NaClの存在下)およびグリシンは、類似するSECプロファイルを有していたが、ストレス後にSDS−PAGEにおいてさらなるバンドが見られた。
動的光散乱(DLS)により測定されたタンパク質会合形成
リードCXCR5抗体は、濃度を増加させることにより、流体力学直径(Z平均)の有意な増加を示した(図34)。この挙動は、希釈時に完全に可逆性であった。この効果のさらなる調査のために、分析的超遠心分離(AUC)により様々なリードCXCR5抗体濃度を測定し、凝集体を排除した。AUC試験の結論は、この挙動がタンパク質会合の形成によるものであるということであった。
この挙動に対する上記で列挙された添加剤の効果を試験し、結果を図35に示す。Z平均を熱ストレスの前後で測定した。安定化効果は、全ての試験した添加剤と類似していたが、Z平均の増加は一般的には、安定剤としてアミノ酸(アルギニン、リシンまたはグリシン)を用いることにより減少した。リシンは、ストレス後の凝集体の含量がより高いため除外された。アルギニンは、グリシンよりも良好な効果を示した。両アミノ酸を、最良の添加剤の組合せを選択するための最終実験設計のために考慮した。
機械的ストレス
リシン製剤ならびにマンニトールを含有する全製剤を除外した。SECデータは、試験した試料に対するストレスの効果がないことを示した。表107を参照されたい。
アミノ酸の存在下でもZ平均の同じ減少が認められた。スクロースは機械的ストレスに対する、トレハロースよりも良好な保護効果を有していた。アルギニンおよびグリシンはNaClと組み合わせた場合、より良好に機能した。図36を参照されたい。
示差走査熱量測定(DSC)スクリーニング
リードCXCR5抗体のアンフォールディング温度を決定するためのスクリーニング試験を、示差走査熱量測定(DSC)を用いて実施した。スクロース、トレハロース、アルギニン、およびグリシンをスクリーニングした。
Tmの結果を表108に列挙する。
Tm1に基づいて、スクロースおよびトレハロースは最も高い値を示した。アルギニンはNaClと組み合わせた場合に良好に機能した。
結論として、収集されたデータは、最終リードCXCR5抗体100mg/ml製剤が、等張剤としてのNaClの存在下で糖(いくつかの実施形態においては、スクロース)とアミノ酸(いくつかの実施形態においては、アルギニンまたはグリシン)との組合せを含有することを示唆している。
〔実施例18〕
界面活性剤のスクリーニング
安定剤としてのポリソルベートを、熱ストレスと機械的ストレスの両方に対するリードCXCR5抗体の保護について評価した。
ポリソルベート20および80を、2つの異なる濃度:0.1および0.2mg/mlで試験した。
熱ストレス
DLSにより、熱ストレス後のポリソルベートの添加による効果がないことが示された。SECにより検出されたように、40℃で7日間の保存後にHMWおよび断片の形成が全試料において認められた。SDS−PAGEにおけるさらなるバンドは検出されなかった。熱ストレス後にわずかな変化が見られたが、PS20とPS80との間、ならびに2
つの濃度の間の差異は見られなかった(データは示さない)。
機械的ストレス
DLSにより、機械的ストレス後の変化は示されなかった。ポリソルベート20は、機械的ストレス後に凝集体を示さなかった。ポリソルベート80は、機械的ストレス後に凝集体形成を示した。SDS−PAGEにおけるさらなるバンドは見られなかった(データは示さない)。
結論として、ポリソルベート20は、リードCXCR5抗体の機械的安定化において優れているため、望ましい界面活性剤であった。
〔実施例19〕
DSCを用いるプロトタイプ製剤の予備選択
添加剤スクリーニングおよび界面活性剤スクリーニング試験に基づいて、12種の異なる添加剤の組合せが示唆された(表109および110を参照されたい)。
全ての製剤のアンフォールディング温度を、DSCを用いて決定し、それぞれの製剤に関する得られるTmならびにオスモル濃度を、表109および110に列挙する。
製剤はTmにおいては大きな差異を示さなかったが、オスモル濃度は大きく変化した。プロトタイプ製剤の予備選択を、Tmおよびオスモル濃度に基づいて行った。従って、それぞれの添加剤群(アルギニンおよびグリシン)において、最も高いTmを選択した(オスモル濃度とは無関係に)。さらに、等張領域における最も高いTmも選択した。
〔実施例20〕
プロトタイプ探査安定性試験
上記のプロトタイプ選択は4つのプロトタイプ製剤をもたらしたが、これらを表111に列挙する。これらの製剤を、機械的ストレス(100rpmで5時間)、5回の凍結/解凍サイクルならびに5、20および40℃での等温ストレスについて試験した。
機械的安定性
いずれの添加剤も添加しない、10mMクエン酸バッファーpH6中のリードCXCR5抗体(DS製剤)も、プロトタイプ製剤と平行してストレスを加えた。DSの機械的ストレス、機械的ストレス後に全ての試験した製剤において変化が見られなかったストレス
後にDLSによってより高分子量の種が測定された(図37)。機械的ストレス後の凝集体の形成を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定し、その結果を表112に示す。一般に、より多くのHMWが機械的ストレス後にSECにより見出される製剤Aを除いて、4つの製剤は機械的ストレスに対して同等に安定であった。図38を参照されたい。
凍結/解凍安定性
5回の凍結/解凍サイクル後にDSまたはDPに関して有意差は検出されなかった。従って、凍結および解凍による不安定性の問題はないはずである(データは示さない)。
探査プロトタイプ安定性試験
プロトタイプ製剤を、−20、5、20、および40℃で保存した。それらを試験の開始時、1カ月後、3カ月後、および6カ月後に分析した。3カ月後の結果に基づいて製剤を選択した(表113〜115)。その結果は、特に40℃で、SEC、WCX、および眼に見えない粒子に関して、製剤Bが最も良好に機能することを示していた。
結論として、試験は、製剤LA_10_102_Bに関するより良好な結果を示した。この製剤は、10mMクエン酸バッファーpH6中、100mg/mLのリードCXCR5抗体の濃度を有し、以下の添加剤:
スクロース 45mg/mL(4.5%);
アルギニン 10mg/mL(1%);
NaCl 2mg/mL(0.2%);および
ポリソルベート20 0.1mg/mL(0.01%)
を含有していた。
〔実施例21〕
100mg/mL製剤に関する安定性データの支援
実施例20で同定された100mg/mLのリードCXCR5抗体製剤に対してさらなる安定性試験を行った。さらなる試験を、−20、5、および25℃で実施した。結果を表116〜118に示す。

Claims (73)

  1. IgG4抗体のFc領域の少なくとも一部を含む結合剤;および緩衝剤としての約5〜約50mMクエン酸塩を含む安定な製剤であって、該製剤のpHが約pH6以下かつ結合剤のpI以下である、前記製剤。
  2. 結合剤が抗体である、請求項1に記載の製剤。
  3. 結合剤または抗体が、リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、ヘルペスウイルス進入メディエータについてヘルペスウイルス糖タンパク質Dと競合する、リンパ球上で発現される受容体(LIGHT)に結合する、請求項1または2に記載の製剤。
  4. 抗LIGHT結合剤または抗体が重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域が配列番号1、2および3のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)を含み、軽鎖可変領域が配列番号4、5および6のアミノ酸配列を含むCDRを含む、請求項3に記載の製剤。
  5. 抗体が配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む完全ヒトIgG4抗LIGHT抗体である、請求項3または4に記載の製剤。
  6. 結合剤または抗体がC−X−Cケモカイン受容体5型(CXCR5)に結合する、請求項2に記載の製剤。
  7. 抗CXCR5結合剤または抗体が重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、重鎖可変領域が配列番号15、16および17のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)を含み、軽鎖可変領域が配列番号18、19および20のアミノ酸配列を含むCDRを含む、請求項6に記載の製剤。
  8. 抗体が配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含むヒト化IgG4抗CXCR5抗体である、請求項6または7に記載の製剤。
  9. 抗体濃度が約5〜約280mg/mLである、請求項2〜8のいずれか1項に記載の製剤。
  10. 抗体濃度が約150mg/mLである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の製剤。
  11. 抗体濃度が約50mg/mLである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の製剤。
  12. 抗体濃度が約20mg/mLである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の製剤。
  13. 抗体濃度が約100mg/mLである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の製剤。
  14. クエン酸濃度が約5〜約15mMである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の製剤。
  15. クエン酸濃度が約10mMである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製剤。
  16. クエン酸バッファーがクエン酸ナトリウム二水和物である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製剤。
  17. 製剤のpHが約pH5〜約pH6である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の製剤。
  18. 製剤のpHが約pH5.0、約pH5.5、および約pH6.0からなる群から選択される、請求項17に記載の製剤。
  19. 結合剤または抗体のpIが約6.8〜約7.2である、請求項1〜5、9〜11、または14〜18のいずれか1項に記載の製剤。
  20. 結合剤または抗体のpIが約7.6〜約8.4である、請求項1〜2、6〜9、または12〜18のいずれか1項に記載の製剤。
  21. 界面活性剤をさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の製剤。
  22. 界面活性剤の濃度が約0.001%w/v〜約0.1%w/vである、請求項21に記載の製剤。
  23. 界面活性剤がポリソルベートである、請求項21または22に記載の製剤。
  24. ポリソルベートがポリソルベート20である、請求項23に記載の製剤。
  25. ポリソルベート20の濃度が約0.005%w/vである、請求項24に記載の製剤。
  26. ポリソルベート20の濃度が約0.01%w/vである、請求項24に記載の製剤。
  27. ポリソルベート20の濃度が約0.02%w/vである、請求項24に記載の製剤。
  28. 等張化剤をさらに含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の製剤。
  29. 等張化剤の濃度が約0.1%w/v〜約10%w/vである、請求項28に記載の製剤。
  30. 等張化剤がサッカライドである、請求項28または29に記載の製剤。
  31. サッカライドがマンニトールである、請求項30に記載の製剤。
  32. マンニトールの濃度が約1%w/v〜約10%w/vである、請求項31に記載の製剤。
  33. マンニトールの濃度が約4%である、請求項32に記載の製剤。
  34. サッカライドがスクロースである、請求項30に記載の製剤。
  35. スクロースの濃度が約1%w/v〜約10%w/vである、請求項34に記載の製剤。
  36. スクロースの濃度が約5%w/vである、請求項35に記載の製剤。
  37. スクロースの濃度が約6%w/vである、請求項35に記載の製剤。
  38. スクロースの濃度が約4.5%w/vである、請求項35に記載の製剤。
  39. 等張化剤が塩化ナトリウムである、請求項28または29に記載の製剤。
  40. 塩化ナトリウムの濃度が約0.01%〜約1%である、請求項39に記載の製剤。
  41. 塩化ナトリウムの濃度が約0.2%である、請求項40に記載の製剤。
  42. 等張化剤がスクロースと塩化ナトリウムの組合せである、請求項28または29に記載の製剤。
  43. スクロースの濃度が約1%w/v〜約10%w/vである、請求項42に記載の製剤。
  44. 塩化ナトリウムの濃度が約0.01%〜約1%である、請求項42に記載の製剤。
  45. スクロースの濃度が約6%w/vであり、塩化ナトリウムの濃度が約0.2%である、請求項42に記載の製剤。
  46. スクロースの濃度が約4.5%w/vであり、塩化ナトリウムの濃度が約0.2%である、請求項42に記載の製剤。
  47. アミノ酸をさらに含む、請求項1〜46のいずれか1項に記載の製剤。
  48. アミノ酸濃度が約0.1%w/v〜約5%w/vである、請求項47に記載の製剤。
  49. アミノ酸がプロリンまたはアルギニンである、請求項47または48に記載の製剤。
  50. プロリンまたはアルギニン濃度が約1%w/v〜約2%w/vである、請求項49に記載の製剤。
  51. プロリン濃度が約1.5%w/vである、請求項50に記載の製剤。
  52. アルギニン濃度が約1%w/vである、請求項50に記載の製剤。
  53. 液体製剤である、請求項1〜52のいずれか1項に記載の製剤。
  54. 凍結乾燥製剤である、請求項1〜52のいずれか1項に記載の製剤。
  55. +5℃で少なくとも6カ月間安定である、請求項1〜54のいずれか1項に記載の製剤。
  56. +5℃で少なくとも9カ月間安定である、請求項1〜55のいずれか1項に記載の製剤。
  57. pH7.3のリン酸緩衝生理食塩水中に抗LIGHT抗体を含む参照抗LIGHT製剤またはpH7.3のリン酸緩衝生理食塩水中に抗LIGHT抗体を含む参照抗CXCR5製剤と比較して、凝集体、半分子、分解産物、低分子量タンパク質、高分子量タンパク質、および抗体の酸性/塩基性/中性アイソフォームの再構成からなる群から選択される少なくとも1つの副産物の量の減少を示す、請求項1〜56のいずれか1項に記載の製剤。
  58. a)配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖と
    を含む、約150mg/mLの完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合する、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
    b)約10mMのクエン酸バッファー;
    c)約0.005%のポリソルベート20;および
    d)約4%のマンニトール
    を含み、製剤のpHが約pH5.5である、皮下投与にとって好適な安定な液体抗体製剤。
  59. a)配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約50mg/mLの完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合する、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
    b)約10mMのクエン酸バッファー;および
    c)約0.01%のポリソルベート20
    を含み、製剤のpHが約pH5.5である、静脈内投与にとって好適な安定な液体抗体製剤。
  60. a)配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約50mg/mLの完全ヒトIgG4抗LIGHT(リンホトキシン様であり、誘導的発現を示し、HVEMについてHSV糖タンパク質Dと競合する、Tリンパ球により発現される受容体)抗体;
    b)約10mMのクエン酸バッファー;
    c)約0.01%のポリソルベート20;
    d)約5%のスクロース;および
    e)約1.5%のプロリン
    を含み、製剤のpHが約pH5.5である、静脈内投与にとって好適な安定な凍結乾燥抗体製剤。
  61. a)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約20mg/mLのヒト化IgG4抗CXCR5(C−X−Cケモカイン受容体5型)抗体;
    b)約10mMのクエン酸バッファー;
    c)約0.02%のポリソルベート20;
    d)約6%のスクロース;および
    e)約0.2%の塩化ナトリウム
    を含み、製剤のpHが約pH6.0である、安定な抗体製剤。
  62. a)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、約100mg/mLのヒト化IgG4抗CXCR5(C−X−Cケモカイン受容体5型)抗体;
    b)約10mMのクエン酸バッファー;
    c)約0.01%のポリソルベート20;
    d)約4.5%のスクロース;
    e)約0.2%の塩化ナトリウム;および
    f)約1%のアルギニン
    を含み、製剤のpHが約pH6.0である、安定な抗体製剤。
  63. 1)請求項1〜62のいずれか1項に記載の製剤と、2)該製剤の投与および使用に関するラベルまたは指示書とを含む容器を含むキット。
  64. ラベルが以下:
    製剤の投与のための指示書、
    製剤の使用のための指示書、
    製剤の保存条件に関する指示書、
    製剤および/もしくはキットのロットおよびバッチ番号に関する情報、
    製剤の組成に関する情報、
    安全性情報、
    製剤の投与と関連する、可能性のある有害反応、二次的効果、および/もしくは副作用に関する情報、または
    製剤の可能性のある適応症および/もしくは禁忌に関する情報
    のうちの1つまたは複数を含む、請求項63に記載のキット。
  65. 請求項1〜62のいずれか1項に記載の製剤を含むシリンジ、カートリッジ、バイアル、アンプル、またはオートインジェクターのような充填済みデバイスまたは充填済み容器。
  66. 請求項65に記載の充填済みシリンジ、カートリッジ、バイアル、アンプル、またはオートインジェクターを含む、請求項63または64に記載のキット。
  67. 請求項1〜5、9〜11、14〜19、21〜26、28〜36、47〜51、53〜57、および58〜60のいずれか1項に記載の製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、炎症性腸疾患を処置するための方法。
  68. 請求項1〜2、6〜8、9、12〜13、14〜18、20、21〜27、28〜29、34〜35、37〜46、47〜50、52、53〜57、および61〜62のいずれか1項に記載の製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、関節リウマチを処置するための方法。
  69. ヒトまたは動物の身体の診断または処置の方法における使用のための請求項1〜62のいずれか1項に記載の製剤。
  70. 炎症性腸疾患の処置における使用のための請求項1〜5、9〜11、14〜19、21〜26、28〜36、47〜51、53〜57、および58〜60のいずれか1項に記載の製剤。
  71. 関節リウマチの処置における使用のための請求項1〜2、6〜8、9、12〜13、14〜18、20、21〜27、28〜29、34〜35、37〜46、47〜50、52、53〜57、および61〜62のいずれか1項に記載の製剤。
  72. 請求項1〜62のいずれか1項に記載の製剤を調製するための方法であって、該製剤の成分を混合すること、およびpHを調整することを含み、調製が滅菌条件下で行われるか、または製剤が成分の混合およびpH調整もしくはその両方の後に滅菌される、前記方法。
  73. a)抗LIGHT結合剤を用意すること;
    b)約5〜約50mMのクエン酸バッファー中に抗LIGHT結合剤を再懸濁すること;および
    c)製剤のpHを約pH5.0〜約pH6.0に調整すること
    を含む、安定な抗体製剤を調製するための方法。
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