JP2018047442A - 塗装作業用ピット - Google Patents

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利彦 田中
能生 鈴木
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Abstract

【課題】 ピット内で作業者が上向きに塗料ミスト噴霧作業を行う際に、被塗物の下面に付着しなかった残余の塗料ミストが作業者に降りかかる事態の発生が抑制された塗装作業用ピットを提供する。【解決手段】 塗装作業用ピットは、上向きに塗料ミストを噴霧する塗装作業者を収容するピットと、ピット底部に配設され多孔板で形成された床板を有する作業床と、作業床の床板とピット底面との間に形成された給気通路と、給気通路に空気を供給する給気装置とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は塗装作業用ピットに関するものである。
作業場床に形成され作業者を収容するピットが従来から車両点検整備工場で使用されている。
特許第5199051号公報
車両点検整備の際に車両床下面を防錆塗装する場合があり、またトラックや産業用車両等の新車完成車床下面を防錆塗装する場合がある。この場合、塗装ブース床に形成したピット内で作業者が上向きに塗料ミスト噴霧作業を行うことが考えられる。ピット内で作業者が上向きに塗料ミスト噴霧作業を行うと、車両床下面に付着しなかった残余の塗料ミストが作業者に降りかかることになる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ピット内で作業者が上向きに塗料ミスト噴霧作業を行う際に、被塗物下面に付着しなかった残余の塗料ミストが作業者に降りかかる事態の発生が抑制された塗装作業用ピットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、上向きに塗料ミストを噴霧する塗装作業者を収容するピットと、ピット底部に配設され多孔板で形成された床板を有する作業床と、作業床の床板とピット底面との間に形成された給気通路と、給気通路に空気を供給する給気装置とを備えることを特徴とする塗装作業用ピットを提供する。
本発明に係る塗装作業用ピットにおいては、作業床の床板とピット底面との間に形成された給気通路に供給された空気が、作業床の多孔板で形成された床板か上向きに吐出し、ピット内を上方へ流れ、被塗物下面に付着しなかった残余の塗料ミストを連行して、被塗物下面に沿ってピットから流出する。この結果、ピット内で作業者が上向きに塗料ミスト噴霧作業を行う際に、被塗物下面に付着しなかった残余の塗料ミストが作業者に降りかかる事態の発生が抑制される。
本発明の好ましい態様においては、多孔板の開口率が可変である。
多孔板の開口率を可変とすることにより、ピット内の上昇気流の流速を最適化することができる。
本発明の好ましい態様においては、相対位置可変の二枚重ねの多孔板で、作業床の床板が形成されている。
二枚重ねの多孔板の相対位置を変え、二段の孔の重畳具合を変えることにより、多孔板の開口率を可変制御できる。
本発明の好ましい態様においては、塗装作業用ピットは縦長に延在し、長手方向の一端部に於いて給気通路に給気装置から空気が供給され、多孔板の開口率は、前記長手方向の一端部近傍で高く、前記長手方向の他端部で低い。
塗装作業用ピットが縦長に延在する場合、給気ダクトの短縮の観点から長手方向の一端部に於いて給気通路に給気装置から空気を供給するのが望ましい。この場合、多孔板からの吐出空気の流速は、前記長手方向の一端部近傍で遅く、前記長手方向の他端部で速くなる。従って、多孔板の開口率を、前記長手方向の一端部近傍で高く、前記長手方向の他端部で低く設定して、多孔板からの吐出空気速度の長手方向分布を均一化するのが望ましい。
本発明の好ましい態様においては、多孔板が、前記長さ方向の一端部近傍と前記長さ方向の他端部近傍とにおいて、相対位置可変の二枚重ねの多孔板である。
二枚重ねの多孔板の相対位置を変え、二段の孔の重畳具合を変えて、多孔板の開口率を、前記長手方向の一端部近傍で高く、前記長手方向の他端部で低く設定することができる。
本発明の好ましい態様においては、塗装作業用ピットは縦長に延在し、床板は長手方向に整列配置された複数の多孔板で形成され、且つ各多孔板は、相対位置可変の二枚重ねの多孔板である。
床板を長手方向に整列配置された複数の多孔板で形成し、且つ各多孔板を、相対位置可変の二枚重ねの多孔板とすることにより、多孔板からの吐出空気速度の長手方向分布を任意に可変制御して、被塗物に合わせた最適な吐出空気速度の長手方向分布を実現できる。
本発明においては、前記何れかの塗装作業用ピットを備え、天井部から下向きに空気を吐出する給気装置と、塗装ブース内空気を吸引して外部環境へ排出する排気装置とを備えることを特徴とする塗装ブースを提供する。
塗装ブース内に、天井部から吐出した下向きの空気流があると、被塗物下面に付着しなかった残余の塗料ミストを連行して、被塗物下面に沿って塗装作業用ピットから流出した空気流が、天井部から吐出した下向きの空気流に速やかに合流し、排気装置を介して外部環境へ排出される。
本発明の好ましい態様においては、天井部から下向きに空気を吐出する給気装置とピットの給気通路に空気を供給する給気装置とが一体化されている。
天井部から下向きに空気を吐出する給気装置とピットの給気通路に空気を供給する給気装置とを一体化することにより、両者を互いに独立した別体とする場合に比べて部品数が低減する。
本発明の好ましい態様においては、塗装ブース床面の上方に被塗物を載せる通気性の載貨床が配設され、載貨床よりも下方の塗装ブース床面近傍高さに排気装置の吸気口が配設され、塗装作業用ピットは載貨床と塗装ブース床面の間に配設されている。
上記構成によれば、塗装ブースの天井部から吐出した下向きの空気流は、被塗物の側方を通過する際に、所定の流速を持った下向流を維持しているので、被塗物下面に沿って塗装作業用ピットから流出した空気流を、確実に連行することができる。
本発明の好ましい態様においては、塗装作業用ピットの側壁が載貨床の脚部を構成している。
塗装作業用ピットと載貨床とを一体化することにより、部材数が低減する。
本発明により、ピット内で作業者が上向きに塗料ミスト噴霧作業を行う際に、被塗物下面に付着しなかった残余の塗料ミストが作業者に降りかかる事態の発生が抑制された塗装作業用ピットが提供される。
本発明の実施例に係る塗装作業用ピットを備える塗装ブースの断面図である。 本発明の実施例に係る塗装作業用ピットを備える塗装ブースの給気系の構成を示す塗装ブースの平面図である。 本発明の実施例に係る塗装作業用ピットを備える塗装ブースの排気系の構成を示す塗装ブースの平面図である。
図1〜3に示すように、塗装ブース1は平面視略正方形の建屋2を備えている。建屋2の4枚の側壁中の1枚2aには、3枚の図示しないシャッターが設けられている。
塗装ブース1は、前記3枚のシャッターに正対して配設され、建屋の側壁2a近傍から側壁2aに対峙する建屋の側壁2b近傍まで延在する平面視長方形の、上向きに塗料ミストを噴霧する塗装作業者を収容する3列の塗装作業用ピット3を備えている。ピット3は、建屋2床面上に配設されている。ピット3は、側壁3aと、ピット底部に配設され多孔板で形成された床板3bを建屋2床面が形成するピット底面と平行に延在させた作業床3cと、作業床3cの床板3bとピット底面との間に形成された給気通路3dと、給気通路3dに空気を供給する給気装置4とを備えている。
給気装置4は、建屋2の側壁2aに対峙する側壁2bの外側に配設された、給気口4aと、図示しないフィルターを内蔵する給気フィルター室4bと、給気フィルター室4bから延びる3本の給気ダクト4cとを備えている。3本の給気ダクト4cは、建屋の側壁2bへ向けて延び、建屋2の天井部の全域に亙って配設されたプレナム室2cに接続している。建屋2の天井壁を形成するプレナム室2cの底壁2c’は多孔板で形成されている。
中央の給気ダクト4cから延びる分岐ダクト4dが、建屋の側壁2bを貫通して建屋のプレナム室2内へ延び、更に3本のダクト4eに分岐し、フレナム室の底壁2c'を貫通して側壁2bに沿って下方へ延び、ピットの給気通路3dの側壁2b側端部近傍部に接続している。各給気ダクト4c内に、給気ファン5が配設されている。
塗装ブース1は、排気装置6を備えている。排気装置6は、建屋2の床面上に配設され、互いに隣接する2本のピット3に挟まれてピット3と平行に延在する2本の平面視長方形の排気通路6aと、建屋2外で、建屋2の対向する2枚の側壁2dに沿って排気通路6aに平行に延在する2本の平面視長方形の排気通路6bとを備えている。排気通路6aの側壁と、建屋の側壁2dの排気通路6bの一部を構成する部分とはフィルター板6a’、6b’で構成されて、排気通路6a、6bの吸気口を形成している。当該吸気口は、建屋2の床面近傍高さで延在している。
排気通路6aの側壁2a側端部から延びる排気ダクト6cが、側壁2aに沿って上方へ延び、次いで側壁2aを貫通して建屋2外へ延びている。排気通路6aの側壁2b側端部から延びる排気ダクト6dが側壁2b貫通して建屋2外へ延び、側壁2bに沿って上方へ延びる排気ダクト6cに接続している。排気通路6bの両端近傍部から延びる排気ダクト6eが側壁2dに沿って上方へ延びている。排気ダクト6c、6eは、建屋2を取り巻く集合排気ダクト6fに接続している。集合排気ダクト6fの終端は、排気口6gを形成している。各排気ダクト6c、6e内に、排気ファン7が配設されている。
塗装ブース1は、建屋2の床面の上方に配設された、被塗物を載せるグレーチング等の通気性の床板を備える載貨床8を備えている。載貨床8に形成された平面視長方形の開口が、ピット3の上端開口部を形成している。ピット3の側壁が載貨床8の脚部を構成している。載貨床8は排気通路6a、6bの吸気口を形成するフィルター板6a’、6b’よりも上方に配設されている。
塗装ブース1と塗装作業用ピット3の作動を説明する。
建屋の側壁2aに設けられた図示しないシャッターが開放されて、点検整備を受けるトラックや産業用車両や、トラックや産業用車両の新車完成車である、車両100が、車両床下面の防錆塗装をするために、塗装ブース1内に進入し、載貨床8上を進んで、塗装作業用ピット3直上に停車する。建屋のシャッターが閉鎖される。
給気ファン5と排気ファン7とが作動する。給気口4aから吸引された外気が、給気フィルター室4bを通過して浄化され、給気ダクト4cを通ってプレナム室2cに流入し、多孔板で形成されたプレナム室体底壁2c’を通過して、建屋2の天井部から下向きに建屋2の作業空間に流入する。建屋2の作業空間に流入した清浄空気は、作業空間に浮遊する塵埃を連行しつつ下方へ流れ、フィルター板6a’、6b’を通過して浄化された後、排気通路6a、6bへ流入し、排気ダクト6c、6d、6e、6fを通って、排気口6gから外部環境へ排出される。
塗装作業者は、ピット3内で、作業床3c上に立ち、手に持った塗装ガンから上向きに塗料ミストを噴霧して、車両100床下面を防錆塗装する。給気ダクト4d、4eを通ってピット3の給気通路3dに流入した清浄空気が、多孔板で形成された作業床3cの床板3bを通過して、上向きにピット3内の塗装作業空間へ流入し、前記塗装作業空間を上昇し、車両100床下面に付着しなかった残余の塗料ミストを連行しつつ、車両100の床と載貨床8との間の隙間を通ってピット3から建屋2の作業空間へ流出する。ピット3から建屋2の作業空間へ流出した排気は、建屋2の天井部から下向きに吐出した下降空気流に連行されて下方へ流れ、フィルター板6a’、6b’を通過して塗料ミストが除去された後、排気通路6a、6bへ流入し、排気ダクト6c、6d、6e、6fを通って、排気口6gから外部環境へ排出される。
上記説明から分かるように、塗装作業用ピット3においては、作業床3cの床板3bとピット底面との間に形成された給気通路3dに供給された空気が、作業床3cの多孔板で形成された床板3bから上向きに吐出し、ピッ3ト内を上方へ流れ、車両100床下面に付着しなかった残余の塗料ミストを連行して、車両100の床下面に沿ってピット3から流出する。この結果、ピット3内で作業者が上向きに塗料ミスト噴霧作業を行う際に、車両100の床下面に付着しなかった残余の塗料ミストが作業者に降りかかる事態の発生が抑制される。
塗装ブース1においては、建屋2の天井部から吐出した下向きの空気流があるので、車両100床下面に付着しなかった残余の塗料ミストを連行して、車両100床下面に沿って塗装作業用ピット3から建屋2の作業空間へ流出した空気流が、建屋2の天井部から吐出した下向きの空気流に速やかに合流し、排気装置6を介して外部環境へ速やかに排出される。
塗装ブース1においては、建屋2天井部から下向きに空気を吐出する給気装置と、ピットの給気通路3dに空気を供給する給気装置とを一体化したので、両者を互いに独立した別体とする場合に比べて部品数が低減している。
塗装ブース1においては、建屋2床面の上方に被塗物である車両100を載せる通気性の載貨床が8配設され、載貨床8よりも下方の建屋2床面近傍高さに排気装置6の吸気口を形成するフィルター板6a’、6b’が配設され、塗装作業用ピット3は載貨床8と建屋2床面の間に配設されているので、建屋2の天井部から吐出した下向きの空気流は、車両100の側方を通過する際に、所定の流速を持った下向流を維持しており、車両100床下面に沿って塗装作業用ピット3から建屋2の作業空間へ流出した空気流を、確実に連行することができる。
塗装ブース1においては、ピット3の側壁が載貨床8の脚部を構成することにより、ピット3と載貨床8とが一体化している。この結果、両者が別体である場合に比べて部材数が低減している。
塗装ビット3において、床板3bを形成する多孔板の開口率を可変としても良い。
多孔板の開口率を可変とすることにより、ピット3内の上昇気流の流速を塗料や車両の種類に応じて最適化することができる。
塗装ビット3において、床板3bを形成する多孔板を、相対位置可変の二枚重ねの多孔板としても良い。
二枚重ねの多孔板の相対位置を変え、二段の孔の重畳具合を変えることにより、多孔板の開口率を可変制御できる。
トラック等の縦長の車両に対応するために塗装ビット3は縦長に延在しており、給気ダクト4eの短縮の観点から、給気通路3dの側壁2b側端部近傍部に於いて、給気通路3dに給気装置4から清浄空気を供給している。この結果、作業床3cの床板3bを形成する多孔板からの吐出空気の流速は、側壁2b側端部近傍部で遅く、側壁2a側端部近傍部で速くなる。従って、多孔板の開口率を、側壁2b側端部近傍部で高く、側壁2a側端部近傍部で低く設定して、多孔板からの吐出空気速度の長手方向分布を均一化するのが望ましい。
多孔板の開口率を、側壁2b側端部近傍部で高く、側壁2a側端部近傍部で低く設定する場合、多孔板を、側壁2b側端部近傍部と側壁2a側端部近傍部とにおいて、相対位置可変の二枚重ねの多孔板としても良い。
二枚重ねの多孔板の相対位置を変え、二段の孔の重畳具合を変えて、多孔板の開口率を、側壁2b側端部近傍部で高く、側壁2a側端部近傍部で低く設定することができる。
縦長に延在するピット3において、給気通路3dの作業床の床板3cを、長手方向に整列配置された複数の多孔板で形成し、且つ各多孔板を、相対位置可変の二枚重ねの多孔板としても良い。
給気通路3dの作業床の床板3cを長手方向に整列配置された複数の多孔板で形成し、且つ各多孔板を、相対位置可変の二枚重ねの多孔板とすることにより、多孔板からの吐出空気速度の長手方向分布を任意に可変制御して、被塗物である種々の車両に合わせた最適な吐出空気速度の長手方向分布を実現できる。
本発明は、塗装作業用ピットに広く利用可能である。

Claims (10)

  1. 上向きに塗料ミストを噴霧する塗装作業者を収容するピットと、ピット底部に配設され多孔板で形成された床板を有する作業床と、作業床の床板とピット底面との間に形成された給気通路と、給気通路に空気を供給する給気装置とを備えることを特徴とする塗装作業用ピット。
  2. 多孔板の開口率が可変であることを特徴とする請求項1に記載の塗装作業用ピット。
  3. 相対位置可変の二枚重ねの多孔板で、作業床の床板が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の塗装作業用ピット。。
  4. 縦長に延在し、長手方向の一端部に於いて給気通路に給気装置から空気が供給され、多孔板の開口率は、前記長手方向の一端部近傍で高く、前記長手方向の他端部で低いことを特徴とする請求項1に記載の塗装作業用ピット。
  5. 多孔板が、前記長さ方向の一端部近傍と前記長さ方向の他端部近傍とにおいて、相対位置可変の二枚重ねの多孔板であることを特徴とする請求項4に記載の塗装作業用ピット。
  6. 縦長に延在し、床板は長手方向に整列配置された複数の多孔板で形成され、且つ各多孔板は、相対位置可変の二枚重ねの多孔板であることを特徴とする請求項1に記載の塗装作業用ピット。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の塗装作業用ピットを備え、天井部から下向きに空気を吐出する給気装置と、塗装ブース内空気を吸引して外部環境へ排出する排気装置とを備えることを特徴とする塗装ブース。
  8. 天井部から下向きに空気を吐出する給気装置とピットの給気通路に空気を供給する給気装置とが一体化されていることを特徴とする請求項7に記載の塗装ブース。
  9. 塗装ブース床面の上方に被塗物を載せる通気性の載貨床が配設され、載貨床よりも下方の塗装ブース床面近傍高さに排気装置の吸気口が配設され、塗装作業用ピットは載貨床と塗装ブース床面の間に配設されていることを特徴とする請求項7に記載の塗装ブース。
  10. 塗装作業用ピットの側壁が載貨床の脚部を構成していることを特徴とする請求項9に記載の塗装ブース。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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