次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下の実施例では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用したものについて説明する。具体的には、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
尚、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面側のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1乃至図3に示すように、本実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、演出表示手段の一態様である画像表示装置7が設けられている。本実施例の画像表示装置7は液晶表示装置からなるもので、その表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)と、表示画面7aの背景を構成する背景画像が表示される背景表示領域7cとが設けられている。演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様があり、本実施例では、原則、上下方向にスクロール表示する。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の表示結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の表示結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している演出図柄8L,8C,8Rの停止順序を、原則、「左→右→中」としている。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということがある。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
ここで、演出図柄の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」や「特定表示結果」等ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」や「非特定表示結果」等ということがある。また、特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に対応する停止表示態様のことを「小当り態様」や「所定表示結果」等ということがある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の様々な演出画像も表示される。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4を参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、遊技状態に応じて、後述の左打ち指示画像70を表示する左打ち表示領域70c(左打ち指示画像表示部)、および、後述の右打ち指示画像71を表示する右打ち表示領域71c(右打ち指示画像表示部)が設けられている。尚、左打ち指示画像70と右打ち指示画像71を総じて「発射指示画像」ともいう。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。このような確変作動口としての特定領域39(V領域)を備える第2大入賞口35(第2大入賞装置36)のことを「Vアタッカー」ともいう。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「4」、第2始動口21の賞球数は「2」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と、右側の右遊技領域3B(第2領域)と、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示部41」ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示部43」ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当り図柄や小当り図柄等の当り態様である場合には、停止表示された当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「15R第1大当り」、「15R第2大当り」、「5R第3大当り」および「2R第4大当り」の4種類の大当りと、第1小当りが設けられており(図6、図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら大当り及び小当りの各々に応じた表示態様を採ることが可能となっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯する(15R第1大当り図柄)。また、第2大当り(15R大当り)となった場合には、「ijk」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第2大当り図柄)。また、第3大当り(15R大当り)となった場合には、「ijl」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第3大当り図柄)。また、第4大当り(2R大当り)となった場合には、「jnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第4大当り図柄)。また、第1小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「15R第5大当り」と「15R第6大当り」の2種類の大当りとが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら大当りの各々に応じた表示態様を採ることが可能となっている。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が、第5大当り(15R大当り)となった場合には、「abd」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第5大当り図柄)。また、第6大当り(15R大当り)となった場合には、「abc」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第6大当り図柄)。また、第2小当りとなった場合には、「cdeh」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(第2小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留(第1取得情報)として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留(第2取得情報)として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域(図示せず)に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域を通過した遊技球(つまり、特定領域39を通過しなかった遊技球)を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(図1を参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また、図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる制御を行う演出制御手段(演出実行手段)として機能するものである。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部または全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。特別図柄当否判定の結果が「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」といい、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」という。
当りには複数の種別がある。図6に示すように大当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「15R第3大当り」、「2R第4大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」がある。「15R第1大当り」および「15R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過(V通過)が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過を狙うラウンドを「Vラウンド」や「チャンスラウンド」ともいう。
「15R第2大当り」、「15R第3大当り」および「15R第6大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のVラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、これらの大当りは、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させることのない大当りであるといえる。
「2R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、Vラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域への遊技球の通過可能性が低いものとなっている。
本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が15R第1大当りまたは15R第5大当りとなった場合には、特定領域39への遊技球の通過可能性が極めて高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。また、特別図柄当否判定の結果が2R第4大当りとなった場合には、15R第1大当りや15R第5大当りほどではないものの特定領域39への遊技球の通過可能性がある態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができれば、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。
これに対して、特別図柄当否判定の結果が15R第2大当り、15R第3大当り又は15R第6大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドの開放時間が各0.1秒であるので、第2大入賞口へ遊技球を入球させるのが非常に困難であるので、当該大当り遊技の実行中における特定領域39への遊技球の通過可能性は極めて低くなり(実質的に不可能となり)、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
一方、小当り(第1小当り、第2小当り)は、見かけ上2R第4大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったとしても、小当り遊技の実行後の遊技状態は小当り遊技の実行前から変化しないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第4大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が「2R第4大当り」になったのか「小当り」になったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第4大当りとしての特別遊技中(大当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中(小当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合および2R第4大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数をラウンド数とはいわず、単に開放回数という。
本実施例のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)および15R第5大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第5大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rでは第2大入賞口35を最大28秒開放させ、3R〜15Rでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中(Vラウンド中)に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いものとなっている。
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)と、15R第3大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第3大当り図柄が停止表示された場合)と、15R第6大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第6大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rでは第2大入賞口35を最大0.1秒開放させ、3R〜15Rでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中(Vラウンド中)に遊技球が特定領域39を通過することはほぼ不可能となっている。
このように、本実施例では、15R第2,第3,第6大当り用の開放パターンと、15R第1,第5大当り用の開放パターンと比べて第1ラウンドおよび第2ラウンド(Vラウンド)とでは、開放態様が異なっている。そして、15R第1,第5大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、当該Vラウンドでは、球詰まりや遊技球発射系のトラブル等が発生しない限り、略確実に遊技球が第2大入賞口35に入球して、高い確率で特定領域39を通過することとなる。これに対して、15R第2,第3,第6大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、第2大入賞口35に遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2,第3,第6大当りに係る大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は、15R第1,第5大当りと比してかなり低くなっており、実質的には通過不可能といってもよい。
尚、特定領域39への遊技球の通過可能性(V通過可能性)が極めて高い態様でVラウンドが実行される大当りのことを「V通過予定大当り」ともいい、V通過可能性が極めて低い態様でVラウンドが実行される大当りのことを「V非通過予定大当り」ともいう。
また、図6に示すように、2R第4大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに2R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまで第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目の第2大入賞口35の開放時間の合計が最大で1.8秒となるため、そのラウンド中に遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。本実施例の本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で1個の遊技球が発射されるようになっているので、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させて特定領域39への遊技球の通過を狙うことは十分に可能である。但し、2R第4大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)と、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35の最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第4大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。しかし、前述の通り、小当り遊技にて特定領域39への通過があっても、小当り遊技の前後で遊技状態の変化はない。また、小当り遊技では、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第4大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼ無いもの(入球による賞球のみ)となっている。
本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第5大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り、15R第3大当り、15R第6大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第4大当り)、を有するものとすることができる。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過した場合であっても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとすることができる。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている(図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における大当りは、15R第5大当りが80%、15R第6大当りが20%となっている(図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。この振分確率は、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性、すなわち高確率状態となる確率を表しているものといえ、また、後述の開放延長機能が作動する高ベース状態となる確率を表しているものといえる。
すなわち、高確率状態となる確率については、第1始動口20への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は少なくとも40%となっており、2R第4大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する場合を含めると、その確率は50%となっている。一方、第2始動口21への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は80%となっている。
また、高ベース状態となる確率については、開放延長機能が作動していない遊技状態(低ベース状態)において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は60%となっており、高ベース状態において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合の2R第4大当りを含めると、その確率は70%となっている。一方、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は100%となっている。そして、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合には、第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合に発生し得る2R大当りが発生することはなく、必ず15R大当りとなる。
このように本実施例のパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、高確率状態になる確率や高ベース状態になる確率、さらには15R分の賞球を獲得できる可能性が高くなっている。つまり、第2特別図柄当否判定で大当りとなる場合の方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されており、第2特別図柄を変動表示させた方が、第1特別図柄を変動表示させるよりも遊技者にとって有利に働く可能性が高いものとなっている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行うこととなる。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中(高ベース状態)においては顕著である。尚、前述の振分確率は一例であり、遊技性やスペック等を考慮して任意に設定することができる。
また、本実施例では、第2特別図柄を第1特別図柄に比して優位にしていることから、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示が共に実行可能な場合、すなわち、第1特図保留と第2特図保留が共に「1」以上存在する場合には、第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)を第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)に優先して行うものとしている。これにより、第2始動口21への入球頻度が高まる高ベース状態は、第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まるので、遊技者にとって有利に遊技を進めることが可能な状態といえる。にもかかわらず、高ベース状態で第1特別図柄の変動表示が行われることは、遊技者にとっては、せっかくの有利な状態(高ベース状態)での遊技に水を差されることとなり、第1特別図柄の変動表示は第2特別図柄の変動表示に比べ不利に働く可能性もあることから、高ベース状態での第1特別図柄の変動表示は、遊技者にとって望ましいことではないといえる。
ここで、特別図柄の停止表示の態様として、大当り図柄のことを「特定表示結果」ともいい、小当り図柄のことを「所定表示結果」ともいい、外れ図柄のことを「所定態様」や「非特定表示結果」ともいう。また、高ベース状態の設定契機とならない大当り図柄(15R第3大当り図柄、低ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第1特定表示結果」ともいい、高ベース状態の設定契機となる大当り図柄(15R第1,第2,第5,第6大当り図柄、高ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第2特定表示結果」ともいう。また、特別図柄が変動表示する際の遊技状態として、開放延長機能が作動しない遊技状態(低ベース状態)のことを「第1遊技状態」ともいい、開放延長機能が作動する遊技状態(高ベース状態)のことを「第2遊技状態」ともいう。
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄に対する確率変動機能、普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行い、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が通常状態よりも多い高確率状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなる。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能は同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。つまり、普通図柄についての確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の表示結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21への遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、15R第1,第5大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
また、15R第2,第6大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であることから特別図柄の通常状態となり、これに加えて特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当りに当選して当該大当りに係る特別遊技(大当り遊技)が実行されることにより終了する。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第2,第6大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は「高確高ベース状態」となる。また、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第1,第5大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は「低確高ベース状態」となる。
また、15R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いことから、特別図柄の通常状態となり、これに加えて特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態は、本パチンコ遊技機1において基本となる遊技状態、すなわち初期の遊技状態である。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第3大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は、後述の「高確低ベース状態」となる。
また、低確低ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
また、高ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば「高確高ベース状態」となる(図6を参照)。すなわち、特別図柄の時短機能およびベース状態については、大当り遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、高ベース状態では、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行うことで、左打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行うことで、右打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
また、本実施例では、遊技領域3のうち左遊技領域3Aと右遊技領域3Bの何れに向けて遊技球を発射するかを指示する発射指示報知を、発射方向表示器47におけるLEDの表示態様だけでなく、画像表示装置7(表示画面7a)における発射指示画像(左打ち指示画像70、右打ち指示画像71)の表示によっても行うこととしている。一般に、遊技者にしてみれば、発射方向表示器47に比べ画像表示装置7(表示画面7a)の方が、表示内容を視認しやすく把握(理解)しやすいといえる。したがって、遊技者は、一般的には、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される発射指示画像を見て、「左打ち」と「右打ち」の何れを行うべきなのか、つまり、現在の遊技状態が左打ちを行う「左打ち遊技状態」なのか、右打ちを行う「右打ち遊技状態」なのかを把握する。
尚、本実施例では、前述のように、遊技状態が特別遊技状態(大当り遊技状態)や高ベース状態(高確高ベース状態、低確低ベース状態)にあるときに「右打ち」を行うことから、「右打ち遊技状態」は特別遊技状態や高ベース状態を指す。この「右打ち遊技状態」のことを「所定遊技状態」ともいい、「特別遊技状態」のことを「第1所定遊技状態」ともいい、「高ベース状態」のことを「第2所定遊技状態」ともいう。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、小当り遊技や大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。
そして、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口32、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
また、小当り遊技は、大当り遊技ほどではないものの、大入賞口(第1大入賞口32、第2大入賞口35)への遊技球の入球により賞球を得ることは可能なので、一応は、通常遊技に比べ遊技者に有利な遊技といえる。よって、小当り遊技も「特別遊技」として捉えることができ、当該小当り遊技が行われる遊技状態も「特別遊技状態」として捉えることができる。尚、大当り遊技としての特別遊技と、小当り遊技としての特別遊技を区別するため、小当り遊技としての特別遊技を「小利益特別遊技」として捉えることもできる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図38に基づいて、遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、第1始動口センサ20aや第2始動口センサ21aが遊技球を検知した場合、後述の始動入球時処理(S205)により、各始動口に対応する始動入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、特定領域センサ検知処理(S208)、保留球数処理(S209)および電源断監視処理(S210)を実行する。この他、遊技を進行させる上で必要な「その他の処理」を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまで主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終え、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には処理を終え、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317の処理は、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
ここで、高ベース状態では、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このことから、本実施例では、特図1保留に係る事前判定(特図1事前判定)を、第1特別図柄の変動表示が主として行われる低ベース状態にて行うこととし、特図2保留に係る事前判定(特図2事前判定)については、低ベース状態であるか高ベース状態であるかを問わず行うこととしている。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、後述するように、大当り遊技中は低確低ベース状態に制御されるが、大当り遊技中に遊技球が第1始動口20に入球して特図1保留球数が「1」増加したとしても、S321〜S323の処理(特図1事前判定処理)は行わないものとなっている。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球遊技処理(S206)に次いで、図14に示す普図動作処理(S207)を行う。普図動作処理(S207)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1デクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。図21に示すように、特図動作処理(S207)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、特図動作ステータスが「1」である場合(S1101でYES)には特別図柄待機処理(S1102)、特図動作ステータスが「2」である場合(S1101でNO、S1103でYES)には特別図柄変動中処理(S1104)、特図動作ステータスが「3」である場合(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)には特別図柄確定処理(S1106)、特図動作ステータスが「4」である場合(S1101,S1103,S1105で共にNO、S1107でYES)には大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)、特図動作ステータスが「5」である場合(S1101,S1103,S1105,S1107の全てがNO)には小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)、をそれぞれ行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、特図2保留球数が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして、本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、当り判定テーブル(図8(A)を参照)のうち通常状態用の当り判定テーブル(大当り判定値が「3」、「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、当り判定テーブル(図8(A)を参照)のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1309)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値が「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。そして、第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのうち何れかとされ、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第5大当りまたは15R第6大当りとされる(図8(B)を参照)。
このことに対応して、本実施例では、大当りフラグとして、大当りの種別が15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り、15R第5大当り又は15R第6大当りであった場合にONにする長当りフラグと、2R第4大当りであった場合にONにする短当りフラグと設けている。そして、2R第4大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第4大当り図柄が確定表示するタイミングで、ラウンド表示器45の2R用ランプ(図4を参照)の方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1〜第3大当り、15R第5大当り及び15R第6大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプ(図4を参照)の方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
一方、当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、小当りであるか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が、小当り判定値である「101」〜「105」の何れかと一致するか否かを判定する(図8(A)を参照)。そして、「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合は、その結果は「外れ」となる。一方、小当り判定(S1305)の結果が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1307)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONであるか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、本実施例では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている(図9を参照)。しかし、本処理は、特図2についての変動パターン選択処理であり、特図2の抽選にて当選する大当りには15R第5大当り(長当り)しか存在しない(図6を参照)。したがって、本処理にて参照される箇所は、常に長当りの箇所となり、変動パターンP1またはP2が選択される。尚、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例では必ず変動パターンP4が選択される。
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、大当りでもなく小当りでもない外れということになり、この場合、第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1406)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1406で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1406でYES)、非時短状態中第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP5乃至P8の何れかが選択される。
一方、S1406で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1406でNO)、非時短状態中第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。本実施例では、変動パターンP9乃至P12の何れかが選択される。ここで、非時短状態中の第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最短の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。つまり、外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっており、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「1」又は「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
また、前述のS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(図25のS1410)。そして、大当りフラグがONであると判定した場合(S1410でYES)、時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。前述したように、本処理は、特図2についての変動パターン選択処理であり、特図2の抽選にて当選する大当りには15R第5大当り(長当り)しか存在しないことから(図6を参照)、S1411では、長当りに対応する変動パターンP13またはP14が選択される。
一方、S1410で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1410でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1412)。そして、小当りフラグがONであれば(S1412でYES)、時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1416)。具体的には、本実施例では必ず変動パターンP16が選択される。
また、S1412で小当りフラグがONでないと判定した場合(S1412でNO)、すなわち外れの場合、第2特別図柄の保留数が「1」であるか否かを判定する(S1413)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。そして、保留数が「1」であると判定した場合(S1413でYES)、時短状態中第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。本実施例では、変動パターンP17乃至P20の何れかが選択される。一方、S1413で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1413でNO)、時短状態中第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1415)。本実施例では、変動パターンP21乃至P24の何れかが選択される。
このように、時短状態中の変動パターンテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が、保留球数「2」〜「4」のときに働く。また、大当りのうち長当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。これにより、時短状態においては、非時短状態(通常状態)に比して、特図保留の消化スピードが早まる(時短中の遊技が迅速に進行していく)ものとなっている。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理(S1404)を行って、本処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特図2対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1デクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特別図柄待機処理(S1102)の中の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
また、図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1612)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す。またS1610における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのいずれとも判定される可能性がある(図8(B))。図8(B)の第1特別図柄(特図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り、15R第2大当り及び15R第3大当りの何れかと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第4大当りと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701〜S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1702(図28)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1703)。そして、15R大当り(長当り)である場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1またはP2が選択される。
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、即ち2R第4大当り(短当り)である場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
また、この特図1変動パターン選択処理では、S1712(図29)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当り(長当り)である場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP13またはP14が選択される。
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、即ち2R第4大当り(短当り)である場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP15が選択される。
この特図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択を行った後は、その他の処理(S1705、図28)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特図1対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1デクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。そして、変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、または確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、または時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15第3大当り及び15R第5大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S2002)。そして、15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉鎖まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして(図6を参照)、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターン、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターン、15R第3大当りであれば15R第3大当り用の開放パターン、15R第5大当りであれば15R第5大当り用の開放パターン、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンを、それぞれセットする(S2003)。
一方、S2002において15R大当りでないと判定した場合(すなわち短当りフラグがONである場合)、大当り種別は2R第4大当りということになるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして、2R第4大当り用の開放パターン(図6を参照)をセットする(S2004)。
S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。その結果、小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(図6を参照)をセットする(S2009)。そして、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONと判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低確低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであれば、実行されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否か、すなわち、Vラウンドであるか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。実行されるラウンドがVラウンドでない場合(S2108でNO)、すなわち、3〜15ラウンドの何れかである場合、S2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。一方、実行されるラウンドがVラウンド(1ラウンド目又は2ラウンド目)であると判定した場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6を参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく、第2大入賞装置36を作動させる。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放する際、すなわちラウンドを開始する際には、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドをセットする。セットしたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
V有効期間設定処理(S2109)では、Vラウンド(本実施例では1ラウンド又は2ラウンド)における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。尚、本実施例ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検知処理のS2401〜S2403を参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONにしないということである。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(S208)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
また、大当り遊技のVラウンド(1R目または2R目)でV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も通常状態とし、小当り遊技前の遊技状態が高確率状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も高確率状態とする。つまり、小当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
尚、本実施例では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2,第3大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2,第3大当りの場合は、Vラウンドにおいて第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2,第3大当りの場合はVラウンドを第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2,第3大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグがONになることはない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では1ラウンドと2ラウンドをVラウンドとし、当該Vラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、Vラウンドの場所はこれに限らなくてもよい。
S2106において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6を参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1デクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する際、すなわちラウンドを終了する際には、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドをセットする。このセットしたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。尚、ラウンド終了コマンドは、大当り遊技の最終ラウンドを除くラウンドの終了の際、すなわち、S2115でラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合に送信される。例えば、実行する大当り遊技のラウンド数が15R大当り遊技であれば、14Rの終了まではラウンド終了コマンドが送信されるが、15Rの終了に際しては送信されない。最終ラウンドの終了に際しては、後述するS2116の処理でセットするエンディングコマンドが送信されるからである。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
また、S2105において大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。以上の特別電動役物処理1(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(図36)にてONされるフラグである。そして、VフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「100」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、S2205の処理に進む。一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであるか否かを判定する。そして、15R大当りであると判定した場合(S2205でYES)、その15R大当りが15R第3大当りであるか否かを判定し(S2206)、15R第3大当りであれば(S2206でYES)、そのまま処理を終え、15R第3大当りでない、すなわち、15R第1,第2,第5大当りの何れかであれば(S2206でNO)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。ここで、今回の大当り遊技が15R第1大当り又は15R第5大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中に遊技球が特定領域39(V通過)を通過してVフラグがONになっている筈なので(S2201でYES)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第2大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第3大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態になる。
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りでない、すなわち、2R第4大当りであると判定した場合(S2205でNO)、今回の大当り遊技開始前の遊技状態、すなわち2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったか否かを判定し(S2209)、時短状態でなかったと判定した場合(S2209でNO)、時短フラグをONにすることなく、そのまま処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確低ベース状態となる。
一方、S2209で、2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2209でYES)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態となる。
尚、高確高ベース状態、低確高ベース状態および高確低ベース状態は、いずれも、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
また、2R第4大当りに係る大当り遊技開始前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2209)を行うのは、当該大当り遊技前後の時短機能および高ベース機能の作動状態を、小当りが発生した場合の状態(条件)と同じにするためである。これらの作動状態が2R第4大当りの場合と小当りの場合とで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識し難くしたとしても、その後の遊技状態(時短機能および高ベース機能の作動状態)によって、何れの当りかが容易に判別可能となってしまうからである。これにより、2R第4大当りと小当りとを大入賞口の開放パターンによって判別し難くすると共に、その後の時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別し難くするものとしている。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図35に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。S2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2303の判定結果がYESであれば、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させる。
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。尚、Vタイマが「0」か否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットする即ち有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技開始前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態に移行しないようになる。尚、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
S2302において第2大入賞口35の開放中であれば、(S2302でYES)、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
これに対して、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2306でYES)、第2大入賞口35を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、第2大入賞口35の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1デクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2310)。S2310で「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。
一方、S2310で「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になる。
S2301において、小当り終了フラグがONであれば(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、図36)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。以上の特別電動役物処理2(S1109)を実行する遊技制御用マイコン81は「小利益特別遊技実行手段」として機能するといえる。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで特定領域センサ検知処理(S208)を行う。図36に示すように、特定領域センサ検知処理(S208)では、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し(S2401)、検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了する。一方、S2401で検知があると判定した場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(S1108)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。本実施例では、V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第4大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定した場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定した場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S208)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S208)に次いで保留球数処理(S209)を行う。図37に示すように、保留球数処理(S209)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。
この保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを消去するか、または、図示しない当該変動保留表示領域に移動して表示し、これに伴って、第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。一方、第2演出保留9b(第2特図保留)についても、第1演出保留9a(第1特図保留)と同様に表示内容を更新することができる。
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。図38に示すように、電源断監視処理(S210)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図39〜図48に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図39に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4302)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4405の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、演出保留情報記憶処理(S4402)を行い、後述する事前予告判定処理(S4403)を行って、S4405の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4402)は、S4401で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値、変動パターン情報等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。
例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。このサブ制御基板(サブ制御部)において取得情報に基づく判定を行う手段を「判定実行手段」ともいう。
また、事前予告判定処理(S4403)は、各種事前予告(事前演出、先読み演出)を行うかどうかを判定したり、連続予告(「連続予告演出」や「連続事前予告」や「連続事前演出」ともいう)を行うと判定した場合に当該連続予告を適切に実行するためのカウンタ(連続予告カウンタ)の設定処理を行ったりする処理である。また、この他にも、連続予告を実行することを決定した変動表示(取得情報)に対して、新たな連続予告(の実行)の決定を禁止するための禁止カウンタを有してもよい。
また、この「連続予告」とは、特定の特別図柄(演出図柄)の変動表示(対象変動)の結果(判定結果等)を、当該特定の特別図柄(演出図柄)の変動表示よりも前の変動表示、及び、当該特定の特別図柄(演出図柄)の変動表示、を合わせた複数の変動表示を用いて、遊技者に示すことが可能な遊技演出(予告演出)である。つまり、連続する複数回の特別図柄(演出図柄)の変動表示に亘って(跨って)、複数回の予告演出を実行する遊技演出である。また、この遊技演出は、連続予告によって判定結果等が報知される特定の特別図柄(演出図柄)の変動表示(「対象変動」)を開始する前に、演出を開始する場合があることから、「先読み演出」や「事前演出」や「連続事前演出」ともいう。尚、連続予告演出は、連続する複数の変動表示を用いて実行可能とされており、1回の変動表示(対象変動)においてのみ実行される場合もある。これらを含めて連続予告演出(連続事前演出)という。また、1回の変動表示(対象変動や対象変動より前の変動)においてのみ実行される場合の連続予告演出も連続事前演出に含むものとする。また、この「連続事前演出」を実行するサブ制御部を「連続事前演出実行手段」ともいう。
次に、S4405では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4405)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4405でYES)、後述する変動演出開始処理(S4406)を行って、S4407の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4405でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4407の処理に移行する。S4407では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4407)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4407でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4408)。変動演出終了処理(S4408)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4407で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4407でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4409の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4409では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4409)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド等が該当する。S4409では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4409でNO)、S4411の処理に移行し、受信していれば(S4409でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4410)。
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4411の処理を行い、本処理を終える。S4411では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4411)。
[事前予告判定処理]
次に、図44を用いて、サブ制御部90が主制御部80から始動入球コマンドを受信した際に実行する事前予告判定処理(S4403)について説明する。この事前予告判定処理(S4403)は、始動入球がある毎に(始動入球を契機として)実行される処理である。事前予告判定処理(S4403)ではまず、連続予告(後述するキャラクタ連続予告、後述するモード突入連続予告)を含む各種事前予告を実行するかどうかの判定に用いる事前予告判定用乱数の値を取得するための事前予告判定用乱数取得処理を行う(S4501)。次いで、連続予告の実行中かどうかを判定する(S4502)。連続予告を実行中かどうかは、後述するモード突入連続予告実行フラグ及びキャラクタ連続予告実行フラグの少なくとも何れか一方がONになっているかどうかで判定する。何れかがONになっている場合には、既に連続予告を実行中であるか、連続予告の実行が決定されている状態であると判断する。
S4502で、連続予告(キャラクタ連続予告又はモード突入連続予告)の実行中であると判定した場合(S4502でYES)、新たな連続予告の実行を決定することなく、S4517の処理に移行する。すなわち、連続予告の実行が決定された場合には、当該連続予告が終了するまで、新たな連続予告の実行は決定されない。これにより、一端開始された連続予告が、新たな連続予告によって中止される等して、遊技興趣が低下するのを防止する。ここで、前述した禁止カウンタを設け、禁止カウンタに所定の値(例えば、4、3、2、1)が設定されている場合、すなわち、既に連続予告(連続予告演出)が実行中であるか、既に連続予告(連続予告演出)の実行が決定されているか、又は、連続予告は実行しないが連続予告の禁止期間中である場合には、新たな連続予告の決定を禁止してもよい。また、この禁止カウンタに所定の値が設定されている場合、この値は、サブ制御部90が主制御部80から変動開始コマンドを受信する毎に(すなわち、演出図柄の変動表示を行う毎に)、「0(特定値)」に近づくように減算する。
一方、S4502で、連続予告の実行中でない、すなわち、モード突入連続予告実行フラグ及びキャラクタ連続予告実行フラグは何れもOFFであると判定した場合(S4502でNO)、次いで、遊技状態が高ベース状態かどうかを判定し(S4503)、高ベース状態でない、すなわち、低ベース状態であると判定した場合(S4503でNO)、次いで、受信した始動入球コマンドが特図1始動入球コマンドかどうかを判定する(S4504)。S4504で、受信したコマンドが特図1始動入球コマンドでないと判定した場合(S4504でNO)、連続予告を実行するかどうかの判定等を行うことなく、処理を終える。すなわち、本実施例では、低ベース状態においては、第2始動口への入球に係る特図2始動入球コマンドに対しては連続予告(その他の事前予告も同様)を実行せず、第1始動口への入球に係る特図1始動入球コマンドを対象として連続予告を実行するものとしている。これは、本実施例において低ベース状態では、第1始動口への入球、すなわち、第1特別図柄の変動表示を主体として行う遊技としているからである。
一方、S4504で、受信したのが特図1始動入球コマンドであると判定した場合(S4503でYES)、次いで、連続予告を実行するかどうかの連続予告実行判定を行い(S4505)、S4506の処理に移行する。ここで、連続予告実行判定(S4504)では、前述した事前予告判定用乱数取得処理で取得した事前予告判定用乱数値(取得情報)と、演出保留情報記憶処理(S4402)で記憶した始動入球コマンドに含まれる情報(変動パターンを特定可能な変動パターン情報)と、に基づいて図示しない連続予告決定テーブル(低ベース用連続予告決定テーブル)に従って、連続予告を実行するかどうか、どの種別の連続予告を実行するか等を決定する。ここで、事前予告判定用乱数として、連続予告判定用乱数を有している。連続予告判定用乱数は0〜99の値で構成されており、主制御部80から始動入球コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、連続予告判定用乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、連続予告を実行するかどうかを決定する。
連続予告の種別として、キャラクタ連続予告と、モード突入連続予告と、を有し、更に、これらキャラクタ連続予告及びモード突入連続予告にも、夫々連続回数や表示態様(キャラクタAの模様や襖の絵柄等)の異なる複数の実行態様が設定されている。これらのうち何れの種別の連続予告が実行されるかによって、遊技者に報知する大当り信頼度が異なる。例えば、始動入球コマンドに含まれる変動パターン情報から特定される変動パターンがP1又はP12(図9参照)である場合、すなわち、大当りの場合であって、変動時間として最も長い時間(75000ms)が選択される場合、すなわち、大当りとなる可能性の高い遊技演出(キャラクタ演出やストーリー演出やスーパーリーチ等という)が実行される場合には、他の場合(外れの場合や変動時間が短い場合等)と比較して高い確率で、大当り信頼度の高い連続予告を実行すると判定する。また、大当りとなる可能性が高い遊技演出(大当り信頼度の高い遊技演出)の方が、大当りとなる可能性が低い遊技演出(大当り信頼度の低い遊技演出)を実行する場合よりも、高い確率で連続予告が実行するものとしている。
つづいて、S4506で、S4505における連続予告実行判定の結果、連続予告を実行しないと判定した場合(S4506でNO)、S4517の処理に移行する。一方、S4506で、連続予告を実行すると判定した場合(S4506でYES)、連続予告カウンタに、現在の第1特別図柄保留数、すなわち、第1特別図柄に係る未消化の取得情報の数をセットし(S4507)、S4512の処理に移行する。ここで、「連続予告カウンタ」とは、連続予告によって報知対象となる保留(取得情報)を特定するためのカウンタである。すなわち、始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド)を受信した際に連続予告を実行するかどうかを決定し、実行すると決定した場合には、そのときの保留数(第1特別図柄保留数)を「連続予告対象カウンタ」にセットすることで、何れの保留(取得情報)に対する予告演出(連続予告、事前演出)であるかを特定することを可能としている。また、この連続予告対象カウンタの値は、演出図柄の変動表示を実行する(開始する)毎に、減算するため、連続予告対象カウンタの値が「0」になった時に開始する演出図柄の変動表示が、連続予告によってその内容(判定結果や実行する遊技演出等)を報知する対象の変動表示である。この連続予告によってその内容を報知する対象となる変動表示を「対象変動」ともいう。
S4503で、遊技状態が高ベース状態であると判定した場合(S4503でYES)、次いで、受信した始動入球コマンドが特図2始動入球コマンドかどうかを判定する(S4508)。S4508で、受信したコマンドが特図2始動入球コマンドでないと判定した場合(S4508でNO)、連続予告を実行するかどうかの判定等を行うことなく、処理を終える。すなわち、本実施例では、高ベース状態においては、第1始動口への入球に係る特図1始動入球コマンドに対しては連続予告(他の事前演出を含む)を実行せず、第2始動口への入球に係る特図2始動入球コマンドを対象として連続予告を実行するものとしている。これは、本実施例において高ベース状態では、第2始動口への入球、すなわち、第2特別図柄の変動表示を主体として行う遊技としているからである。
一方、S4508で、受信したのが特図2始動入球コマンドであると判定した場合(S4508でYES)、次いで、連続予告を実行するかどうかの連続予告実行判定を行い(S4509)、S4510の処理に移行する。ここで、連続予告実行判定(S4509)は、前述した連続予告実行判定(S4505)と同様であり、事前予告判定用乱数取得処理で取得した連続予告判定用乱数値(取得情報)と、演出保留情報記憶処理(S4402)で記憶した始動入球コマンドに含まれる情報(変動パターンを特定可能な変動パターン情報)と、に基づいて図示しない連続予告決定テーブル(高ベース用連続予告決定テーブル)に従って、連続予告を実行するかどうか等を決定する。
S4510で、連続予告を実行しないと判定した場合(S4510でNO)、S4517の処理に移行する。一方、S4510で、連続予告を実行すると判定した場合(S4510でYES)、連続予告カウンタに、現在の第2特別図柄保留数、すなわち、第2特別図柄に係る未消化の取得情報の数(記憶数、保留数)をセットし(S4511)、S4512の処理に移行する。これにより、連続予告を実行すると判定した場合には、決定した表示態様(演出態様)の連続予告を、可能な限り多くの変動表示において(可能な限り多くの回数の)実行するものとしている。
S4512では、実行すると判定した連続予告の種類が後述するキャラクタ連続予告かどうかを判定し(S4512)、キャラクタ連続予告であると判定した場合(S4512でYES)、キャラクタ連続予告の実行が決定した(又は、キャラクタ連続予告の実行中である)ことを示すキャラクタ連続予告実行フラグ(第1連続予告実行フラグ)をONにし(S4513)、決定した演出態様(キャラクタAの柄等)のキャラクタ連続予告をセットし(S4514)、S4517の処理に移行する。一方、S4512で、実行すると判定した連続予告の種類はキャラクタ連続予告でない、すなわち、モード突入連続予告であると判定した場合(S4512でNO)、モード突入連続予告の実行が決定した(又は、モード突入連続予告の実行中である)ことを示すモード突入連続予告実行フラグ(第2連続予告実行フラグ)をONにし(S4515)、決定した演出態様(襖の絵柄等)のモード突入連続予告をセットし、S4517の処理に移行する。
S4517では、連続予告(キャラクタ連続予告及びモード突入連続予告)以外の事前予告を実行するかどうかを判定し、実行する場合にはその種別(表示態様)を判定するその他の事前の予告判定処理を実行し(S4517)、処理を終える。尚、本実施例では、事前予告として、キャラクタ連続予告及びモード突入連続予告以外に、始動入球時に、演出保留9a、9bを表示すると共に、大当り信頼度によってその表示態様を異ならせる(変化させる)保留変化事前予告を有している。詳細な説明は省略する。
[キャラクタ連続予告]
ここで、図49乃至図51を用いて、連続予告の演出態様の一つであるキャラクタ連続予告について説明する。キャラクタ連続予告は、特定の特別図柄(演出図柄)の変動表示(特定変動)の結果(当否判定結果)を、当該特定変動及び当該特定変動より前に実行される特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って実行する遊技演出である。また、キャラクタ連続予告は、これら複数回の各特別図柄(演出図柄)の変動表示において、特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミング(特定タイミング)で、キャラクタAを所定期間表示する遊技演出である。
具体的に、図49(a)乃至(f)を用いて、キャラクタ連続予告の実行態様(演出態様)について説明する。図49(a)は、高ベース状態における所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示が終了し、演出図柄が[337]で確定停止表示した場面を示す。また、この所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示中に、第2始動口に遊技球が入球して4個目の取得情報が保留記憶され、当該取得情報(図49(a)等に斜線で示す第2演出保留9b)についてキャラクタ連続予告を実行することが決定されている。すなわち、この図49(a)に示す第2特別図柄の保留4に係る特別図柄(演出図柄)の変動表示が、これから実行されるキャラクタ連続予告の「対象変動」となる
図49(b)は、図49(a)の次の変動表示が開始した後の所定時期を示す場面である。図49(b)に示す通り、対象変動に係る第2演出保留が保留3に移行している。また、対象変動より前に実行される特別図柄(演出図柄)の変動表示(「事前変動」ともいう)中の所定タイミングで、表示画面7aの略中央にキャラクタA201が表示され、事前予告(事前連続予告)であるキャラクタ連続予告が開始されたことを示す。また、図49(b)で示すキャラクタA201は、事前変動において実行される事前演出であるため、このキャラクタAを、「事前予告キャラクタA201a」や「先読み演出」や「事前演出」ともいう。また、遊技者はこのキャラクタAが表示されたのをみて、キャラクタ連続予告(又は、キャラクタ予告)が開始されたことを確認することが可能となる。
図49(c)は、図49(b)の次の変動表示が開始した後の所定時期を示す場面である。図49(c)に示す通り、対象変動に係る第2演出保留が保留2に移行している。また、対象変動より前に実行される特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミングで、表示画面7aの略中央にキャラクタA201が表示され、キャラクタ連続予告が2回の変動表示に亘って連続的に実行されたことを示す。尚、本キャラクタAも事前変動において実行される事前演出であるため、このキャラクタAは、「事前予告キャラクタA201a」である。
図49(d)は、図49(c)の次の変動表示が開始した後の所定時期を示す場面である。図49(d)に示す通り、対象変動に係る第2演出保留が保留1に移行している。また、対象変動より前に実行される事前変動中の所定タイミングで、表示画面7aの略中央にキャラクタA201が表示され、キャラクタ連続予告が3回の変動表示に亘って連続的に実行されたことを示す。尚、本キャラクタAも事前変動において実行される事前演出であるため、このキャラクタAは、「事前予告キャラクタA201a」である。
図49(e)は、図49(d)の次の変動表示(対象変動)が開始した後の所定時期を示す場面である。図49(e)に示す通り、本特別図柄(演出図柄)の変動表示は、対象変動である。また、前述した事前変動と同様に、対象変動の実行中の所定タイミングで、表示画面7aの略中央にキャラクタA201が表示され、キャラクタ連続予告が4回の変動表示に亘って連続的に実行されたことを示す。尚、本キャラクタAは、実行中のキャラクタ連続予告に係る対象変動において実行される演出であるため、このキャラクタAは、「当該予告キャラクタA201b」である。尚、「当該予告」とは、対象変動の実行中に表示を開始した(表示された)予告演出をいう。また、図49(e)に示すキャラクタA201は、この場面を抜き取ってみれば「当該予告」であるが、対象変動より前の事前変動において開始したキャラクタ連続予告の一連の演出の一部であるため、そういう意味では、「事前予告」ともいう。
図49(f)は、図49(e)と同じ変動表示において所定時間経過した場面を示す。図49(e)では、左右の演出図柄8が同じ図柄(「5」)で停止表示するリーチ演出を実行中の場面を示している。このリーチ演出の結果、変動中の中演出図柄8が左右の演出図柄8と同じ図柄(「5」)で停止表示し、大当り(「555」)となる可能性(大当り信頼度)は、それまでに実行されたキャラクタ連続予告によって報知されている。この大当り信頼度は、後述するキャラクタAの色等によって報知される。また、キャラクタ連続予告の実行回数(本例では4回)が多いほど、大当り信頼度が高いものとしてもよい。このようにすることで、実行されたキャラクタ連続予告の態様によって、その後に実行される遊技演出(リーチ演出)の結果が大当りとなることへの期待感を異ならせ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例では、キャラクタ連続予告の実行態様(演出態様)である、特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミングで、表示画面7aの略中央にキャラクタA201が表示される演出態様を、事前演出であるキャラクタ連続予告で実行するだけでなく、当該予告(「特定演出」ともいう)であるキャラクタ予告(「特定演出」ともいう)としても実行可能としている。
具体的に、図49(g)は、高ベース状態における所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示が終了し、演出図柄が[545]で確定停止表示した場面を示す。また、この所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示中に、第2始動口に遊技球が入球して1個の取得情報が保留記憶されている場面を示している。図49(h)は、図49(g)の次の変動表示(対象変動)であって、図49(g)に示す第2演出保留9bに係る変動表示が開始した後の所定時期を示す場面である。図49(h)に示すキャラクタAは、事前演出ではなく、実行中の特別図柄(演出図柄)の変動表示(対象変動)の結果を示す予告演出(当該予告)である。すなわち、本キャラクタAは、当該予告キャラクタA201bである。当該予告とは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の開始時に実行が決定される遊技演出であって、当該特別図柄(演出図柄)の変動表示の結果を報知する遊技演出である。
このように、本実施例では、キャラクタA201を表示する予告演出は、事前演出(キャラクタ連続予告)としても実行され、当該予告(キャラクタ予告)としても実行される。また、キャラクタ連続予告は、キャラクタ予告よりも大当り信頼度を高く設定されている。従って、対象変動1回のみでキャラクタAの表示が実行されるよりも、対象変動を含む連続する複数回の変動表示でキャラクタAの表示が実行される場合の方が、対象変動の結果が大当りとなる場合が多い。従って、遊技者は、このキャラクタAの表示が、当該予告として実行されているのか、事前予告(キャラクタ連続予告)として実行されているのかに、注目し、遊技興趣を高める。すなわち、遊技者は、キャラクタAの実行が、事前予告(キャラクタ連続予告)であることに期待して遊技を行う。
一方で、図49(a)乃至(f)で示す事前予告(キャラクタ連続予告)の演出態様と、図49(g)及び(h)で示す当該予告(キャラクタ予告)の演出態様をみてもわかるように、1回の表示態様は同様であるため、次の変動表示でキャラクタAが表示されるかどうかを見るまで、表示されたキャラクタAが事前予告であったのか、当該予告であったのかを、区別するのが困難であり、少なくとも、容易には区別できない。これにより、遊技興趣を低下させる虞がある。
そこで、図51に示すように、本実施例では、キャラクタAの表示態様(色)を複数設け、その表示態様によって予告演出の大当り信頼度や確定事項(ルール)を異ならせている。具体的に、キャラクタAの色が青色(第1特定予告演出)である場合、大当り信頼度は最も低い「1」とされ(例えば、大当りとなる可能性1%)、確定演出も設定されていない。ここで、確定演出が設定されていないとは、青色のキャラクタAを表示する事前予告(キャラクタ連続予告)や当該予告(キャラクタ予告)が実行された場合、対象変動において、リーチ演出が実行されるときもあれば実行されないときもあり、大当りになるときもあれば外れになるときもあることを意味する。
また、キャラクタAの色が緑(第1特定予告演出)である場合、大当り信頼度は青よりも高い「2」とされ(例えば、大当りとなる可能性3%)、確定演出も設定されていない。また、キャラクタAの色が赤(第2特定予告演出)である場合、大当り信頼度は緑よりも高い「3」とされ(例えば、大当りとなる可能性6%)、確定演出として「リーチ演出」が規定されている。すなわち、赤色のキャラクタAを表示する事前予告(キャラクタ連続予告)や当該予告(キャラクタ予告)が実行された場合、対象変動において、必ずリーチ演出が実行されることを意味する。
また、キャラクタAの色が金(第2特定予告演出)である場合、大当り信頼度は赤よりも高い「4」とされ(例えば、大当りとなる可能性20%)、赤色と同様に、確定演出として「リーチ演出」が規定されている。また、キャラクタAの色が虹色である場合、大当り信頼度は金よりも高い「5」とされ、大当り確定演出とされている。すなわち、虹色のキャラクタAを表示する事前予告(キャラクタ連続予告)や当該予告(キャラクタ予告)が実行された場合、対象変動において、必ず大当りとなることを意味する。
このようなキャラクタAの演出態様(色や模様)によって、確定演出を設定したため、例えば、金色のキャラクタAが表示されたにもかかわらず、当該金色のキャラクタAが表示された特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴ってリーチ演出が実行されない場合、当該変動表示は対象変動でなく、当該金色のキャラクタAは事前予告であることを意味する(が確定する)。従って、遊技者は、赤色のキャラクタAや金色のキャラクタAが表示された場合には、当該赤色のキャラクタA(又は、金色のキャラクタA)に続いて、リーチ演出が実行されるかどうかに注目し、当該赤色のキャラクタA(又は、金色のキャラクタA)が表示された同じ変動表示中に、リーチ演出が実行されなかった場合には、当該赤色のキャラクタA(又は、金色のキャラクタA)は事前予告(キャラクタ連続予告)であると判断することが可能となる。また、このような場合において、事前予告は当該予告よりも大当り信頼度が高いうえ、比較的大当り信頼度の高い赤色のキャラクタA(又は、金色のキャラクタA)が表示されるため、その後の対象変動において、大当りが発生することへの期待感を顕著に高めることが可能となる。
また、キャラクタ連続予告の連続実行回数によって、回数が多いほど大当り信頼度が高く設定されている場合にも、赤色のキャラクタA(又は、金色のキャラクタA)に続いてリーチ演出が実行されない変動表示が続くほど、連続予告の実行回数の増加が確定するため、これによっても遊技興趣高めることが可能となる。
次に、図50を用いて、赤色のキャラクタAが表示される事前予告(キャラクタ連続予告)や当該予告(キャラクタ予告)について説明する。図50(a)乃至(f)が、キャラクタ連続予告の実行態様を示している。図50(a)、は所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定時期に赤色のキャラクタA201が表示された場面を示す。続いて、図50(b)は、図50(a)で示す特別図柄(演出図柄)の変動表示が、リーチ演出を実行することなく、外れ図柄(「456」)で確定停止表示した場面を示している。すなわち、これにより、図50(a)で表示したキャラクタ201(201a)が、事前予告に係るキャラクタ連続予告であることを認識する。尚、リーチ演出が実行されるかどうかは、全ての図柄が停止表示するのを待つまでもなく、左右の2図柄(1個目と2個目の停止図柄)が一致する図柄で停止表示するかどうかによって把握することが可能となる。
図50(c)は、図50(b)の次の変動表示であって、変動表示中の所定時期にキャラクタ連続予告の2回目となる赤色のキャラクタAが表示された場面を示す。図50(d)は、図50(c)で示す特別図柄(演出図柄)の変動表示が、リーチ演出を実行することなく、外れ図柄(「345」)で確定停止表示した場面を示している。すなわち、これにより、図50(a)及び(c)で表示したキャラクタ201(201a)が、事前予告に係るキャラクタ連続予告であることを認識する。
図50(c)は、図50(d)の次の変動表示であって、変動表示中の所定時期にキャラクタ連続予告の3回目となる赤色のキャラクタAが表示された場面を示す。図50(f)は、図50(e)で示す特別図柄(演出図柄)の変動表示において、リーチ演出(「7↓7」)が実行された場面を示している。これにより、図50(e)及び(f)で示す変動表示が対象変動であることを認識する。そして、3回のキャラクタ連続予告が実行された後のリーチ演出に対して、大当りへの期待感を高めることが可能となる。
一方で、図50(g)は、所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定時期に、赤色のキャラクタA201が表示された場面を示す。続いて、図50(h)は、図50(g)で示す特別図柄(演出図柄)の変動表示において、リーチ演出(「7↓7」)が実行された場面を示している。これにより、図50(g)及び(h)で示す変動表示が対象変動であることを認識する。そして、図50(g)で示すキャラクタA201(201b)は、青色や緑色のキャラクタA201(201b)よりは大当り信頼度が高いものの、事前予告(キャラクタ連続予告)に係る赤色のキャラクタAよりは大当り信頼度が低いため、大当りへの期待感をそれほど高めることなく、遊技をおこなうこととなる。
尚、図50(a)乃至(f)に示す実行態様等では、対象変動に係る第2演出保留を、他の第2演出保留とは異なる保留変化(斜線で示す)態様で表示することで、連続予告が実行された場合の対象変動が何れであるかを、遊技者にわかりやすく示している。本実施例では、このような保留変化による報知に加え、連続予告の実行態様(赤色のキャラクタAとリーチ演出の実行時期との組合せ)によっても、対象変動が何れであるかを把握可能としている。また、表示画面7a下方に設けた比較的小さな表示部(演出保留表示部)で行う演出態様(保留変化)よりも、表示画面7a略中央部に設けた比較的大きい表示部(演出図柄表示部)で行う演出態様(キャラクタ連続予告)を見た方が、遊技者は、その演出態様を容易に把握することが可能となる。これにより、遊技者に予告演出の示唆する内容を容易に把握させ、遊技演出の理解を容易に深めることが可能となる。
以上、本実施例のように事前予告を当該予告よりも大当り信頼度を高く設定したり、事前予告の連続回数が多いほど大当り信頼度を高く設定したりした場合において、事前演出と当該予告とで、共通の第1遊技演出(例えば、赤色のキャラクタA)を実行することを可能とする。そして、この第1遊技演出が実行されると、その後、(対象変動において)必ず第2遊技演出を実行するものとしている。これにより、第1遊技演出が実行された場合にその変動表示中に第2遊技演出が実行されなければ、当該第1遊技演出は事前予告であり、次の変動表示でも予告が継続することが確定し、大当りへの期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。またこれにより、同じ第1遊技演出(例えば、赤色のキャラクタA)を実行する場合であっても、第2遊技演出(例えば、リーチ演出)との組合せや、第2遊技演出の実行時期との組合せ等によって、異なる大当り信頼度を報知することが可能となり、演出態様(信頼度報知態様)の多様化を図ることが可能となる。
[モード突入連続予告]
次に、図52乃至図56を用いて、本実施例の他の連続予告の演出態様であるモード突入連続予告、及び、当該予告の演出態様の一つであるモード突入予告について説明する。図54に示すモード突入連続予告は、特定の特別図柄(演出図柄)の変動表示(特定変動)の結果(当否判定結果)を、当該特定変動及び当該特定変動より前に実行される特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って実行する遊技演出である。また、モード突入連続予告は、前述したキャラクタ連続予告と異なり、特別図柄(演出図柄)の変動表示が進行する毎に、異なる絵柄が表示される。
具体的に、図54(a)乃至(h)を用いて、モード突入連続予告204の実行態様(演出態様)について説明する。図50(a)は、高ベース状態における所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示において、モード突入連続予告204を開始した場面を示している。図54(a)に示す第2特別図柄の保留2に係る特別図柄(演出図柄)の変動表示(第2演出保留9b)が、本モード突入連続予告の「対象変動」となる。
図54(a)に示すように、表示画面7aの略中央部に、複数の木に囲まれた家を模した絵柄の連続予告キャラクタA204aが表示されている。この連続予告キャラクタAが表示されることで、遊技者はモード突入連続予告204の実行を把握することが可能となる。図54(b)は、図54(a)の次の変動表示において、モード突入連続予告204が前回から次の段階に進んだことを示すため、拡大された家を模した絵柄の連続予告キャラクタB204bが表示された場面を示す。また、対象変動に係る第2演出保留9bは、保留1に移行したことを示す。
図54(c)は、図54(b)の次の変動表示において、モード突入連続予告204が前回から次の段階に進んだことを示すため、襖を模した絵柄(襖絵柄202)の連続予告キャラクタC204cが表示された場面を示す。また、襖絵柄202(連続予告キャラクタC204c)が表示される演出態様の変動表示は、モード突入連続予告204に係る「対象変動」とされている。すなわち、襖絵柄202を閉状態から開状態として特殊モードに突入するかどうかを示す演出(連続予告キャラクタC)は、必ず「対象変動」において実行される。そのため、この「連続予告キャラクタC204c」を、「当該演出」や「当該予告」や「特定演出」ともいう。この対象変動において、襖絵柄202が開き、図54(d)に示すように、[特殊モード]の実行を示す絵柄(モード突入成功絵柄203a)が表示されれば、特殊モードに移行する。一方で、図54(e)に示すように、[特殊モード]に移行しないことを示す煙を模した絵柄(モード突入失敗演出203b)が表示されれば特殊モードに移行しない。
ここで、図54(c)、(d)、(f)、(g)は、モード突入連続予告に係る対象変動の変動表示において特殊モードに突入した場合の一連の演出態様を示すものである。対象変動において特殊モードに移行した場合は、当該対象変動における大当り信頼度(期待度)が大幅に向上したことを遊技者に報知する遊技演出である。すなわち、モード突入演出203において、特殊モードに突入(移行)する場合の方が、特殊モードに突入しない場合よりも、大当りとなる可能性(特別遊技実行可能性)が高いものとされる。特殊モードに突入した場合には、表示画面7aの上部にモード報知部205を設け、特殊モードに突入し、特殊モードの実行中である(滞在中である)ことが遊技者に報知される。尚、対象変動において突入した特殊モードは、対象変動の終了に伴って終了してもよいし、対象変動終了後も所定の終了条件(特別図柄の変動回数や、所定乱数に当選等)が成立するまで継続してもよい。
また、図54(c)、(e)、(h)は、モード突入連続予告に係る対象変動の変動表示において特殊モードに突入しなかった場合の一連の演出態様を示すものである。対象変動において、モード突入失敗演出203bが実行され、特殊モードに突入しなかった場合には、特殊モードを示すモード報知部が表示されない。また、モード突入失敗演出203bが実行された場合には、当否判定の結果が外れになるものとしてもよい。
また、図55に示すように、モード突入連続予告は、連続予告キャラクタ204の少なくとも一部の絵柄(表示態様)を異ならせることで、大当り信頼度を異ならせている。本実施例では、モード突入連続予告を構成する連続予告キャラクタのうち、対象変動で実行される連続予告キャラクタC204cの襖絵柄202の色又は/及び絵柄の表示態様を異ならせることで、異なる大当り信頼度(特別遊技実行可能性)を遊技者に報知している。
具体的に、図56に示すように、モード突入連続予告を構成する襖絵柄202の色又は/及び絵柄の表示態様を複数設け、その表示態様によって予告演出(モード突入連続予告)の大当り信頼度や確定事項(ルール)を異ならせている。具体的に、襖の色が青色(第1特定予告演出)である場合、特殊モード突入信頼度は最も低い「1」とされ(モード突入確率30%)、大当り信頼度は最も低い「1」とされ(例えば、大当りとなる可能性1%)、確定演出は設定されていない。ここで、確定演出が設定されていないとは、青色の襖を表示する事前予告(モード突入連続予告)が実行された場合、対象変動において、特殊モードに突入するときもあれば突入しないこともあり、リーチ演出が実行されるときもあれば実行されないときもあり、大当りになるときもあれば外れになるときもあることを意味する。
また、襖の色が赤(第2特定予告演出)である場合、特殊モード突入信頼度は「5」とされ(すなわち、特殊モードへの突入が確定し)、大当り信頼度は青よりも高い「2」とされ(例えば、大当りとなる可能性10%)、対象変動での特殊モードへの突入が確定となる。また、襖の色が赤、且つ、炎絵柄(第2特定予告演出)である場合、特殊モード突入信頼度は「5」とされ(すなわち、特殊モードへの突入が確定し)、大当り信頼度は赤よりも高い「3」とされ(例えば、大当りとなる可能性30%)、特殊モードへの突入が確定となる。また、襖の色が金、且つ、炎絵柄(第2特定予告演出)である場合、特殊モード突入信頼度は「5」とされ(すなわち、特殊モードへの突入が確定し)、大当り信頼度は赤且つ炎絵柄よりも高い「5」とされ(例えば、大当りとなる可能性50%)、特殊モードへの突入が確定、且つ、対象変動において必ず大当りとなることを意味する。これにより、遊技者は、より特殊モードへの突入信頼度の高いモード突入連続予告、より大当り信頼度の高いモード突入連続予告が実行されることに期待し、遊技興趣を高める。
また、図55は、モード突入連続予告を構成する連続予告キャラクタC204cの襖の絵柄が赤且つ炎柄の場合の実行態様を示している。図55(a)は、所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って、モード突入連続予告の実行中であることを示す連続予告キャラクタA204aが表示される場面を示している。また、図54(b)は、図54(a)の次の変動表示において、モード突入連続予告204が前回から次の段階に進んだことを示す連続予告キャラクタB204bが表示された場面を示す。図54(c)は、図54(b)の次の変動表示において、モード突入連続予告204が前回から次の段階に進んだことを示す連続予告キャラクタC204cが表示された場面を示す。尚、前述した通り、図54(c)に示す、襖絵柄が表示される連続予告キャラクタC204cは対象変動において実行されるため、図54(c)に示す変動表示は対象変動である。
図55(d)は、図54(c)と同じ対象変動であって、特殊モードに突入するかどうかを示すモード突入演出が実行され、モード突入成功演出203aが実行された場面を示す。ここで、図55(c)に示される襖絵柄は、赤且つ炎絵柄であるため、必ずモード突入成功演出203aが実行される。すなわち、モード突入失敗演出203bは実行されない。そして、本例では、図55(f)乃至(h)に示すように、対象変動において演出図柄の変動表示及びリーチ演出が実行され、大当りとなることを示す大当り図柄(「333」)が停止表示する。すなわち、本例における対象変動の当否判定の結果は、大当りである。
次に、前述したモード突入連続予告に係る襖絵柄の連続予告キャラクタCと同様の表示態様(演出態様)であって、当該予告に係るモード突入予告(モード突入演出203)について説明する。本モード突入演出203は、所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示の内容(判定結果や実行する遊技演出)を、当該所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って実行するものであり、演出の開始時期が、当該所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示中(対象変動の実行中)となる。また、モード突入予告を実行するかどうかの判定は、当該所定の特別図柄(演出図柄)の変動表示を開始する際に行われる。
図52及び図53を用いて、当該予告に係るモード突入予告203の実行態様(演出態様)について説明する。図52(a)、(b)、(d)、(e)、(f)は、同じ特別図柄(演出図柄)の変動表示において実行されるモード突入予告の実行態様(演出態様)であって、モード突入成功演出203aが実行されるパターンを示している。一方。図52(a)、(c)、(g)は、同じ特別図柄(演出図柄)の変動表示において実行されるモード突入予告の実行態様(演出態様)であって、モード突入失敗演出203bが実行されるパターンを示している。
図52に示す当該予告として実行されるモード突入予告の実行態様は、前述した図54に示すモード突入連続予告に係る対象変動において実行される実行態様と同様であるので、詳細な説明を省略する。また、図53に示す当該予告として実行されるモード突入予告の実行態様は、前述した図54に示すモード突入連続予告に係る対象変動において実行される実行態様と同様であるので、詳細な説明を省略する。
また、当該予告に係るモード突入予告と、事前予告に係るモード突入連続予告とは、何れも1回の変動表示中に、襖絵柄202を用いて特殊モードに突入するかどうかを示す共通の「モード突入演出」を実行する点で一致している。一方で、事前予告に係るモード突入連続予告は、モード突入演出を実行する対象変動より前の変動表示に伴って連続予告キャラクタAや連続予告キャラクタBを表示する事前演出を実行するのに対して、当該予告に係るモード突入予告では、このような事前演出を実行しない点で相違する。すなわち、当該予告に係るモード突入予告では、判定結果や演出内容(例えば、特殊モードに突入するかどうかを示す演出)を示す当該変動においてのみ予告演出を実行する。
また、当該予告に係るモード突入予告も、事前予告に係るモード突入連続予告と同様に、図56に示す4種類の襖絵柄の色(模様)が設定されており、何れの絵柄によってモード突入予告が実行されるかによって、特殊モードへの突入信頼度(可能性)及び大当り信頼度(可能性)が異なるものとされている。また、前述したキャラクタ連続予告と同様に、モード突入連続予告の方が、モード突入予告よりも大当り信頼度が高く設定されている。すなわち、連続予告キャラクタAや連続予告キャラクタB等の事前予告を経て(介したうえで)モード突入演出が実行される場合の方が、事前予告を経ることなくモード突入演出が実行される場合よりも、当該モード突入演出が報知する大当り信頼度(大当り期待度、特別遊技実行可能性)が高いものとされる。
尚、同ランク(襖絵柄の色が同じ)のモード突入予告又はモード突入連続予告が実行された場合に、モード突入連続予告が実行される場合の方が、モード突入予告が実行される場合よりも、大当りとなる可能性が高い(特別遊技実行可能性として高い可能性を報知する)ものとする。すなわち、モード突入連続予告が実行される場合の方が、モード突入予告が実行される場合よりも、大当りとなる場合が多い。ここで、モード突入予告における大当り信頼度は、襖の色が青色である場合、大当り信頼度は最も低い「0.5」とされる(例えば、大当りとなる可能性0.5%)。また、襖の色が赤である場合、大当り信頼度は青よりも高い「1.5」とされる(例えば、大当りとなる可能性8%)。また、襖の色が赤、且つ、炎絵柄である場合、大当り信頼度は赤よりも高い「2.5」とされる(例えば、大当りとなる可能性25%)。また、襖の色が金、且つ、炎絵柄である場合、大当り信頼度は赤且つ炎絵柄よりも高い「5」とされる(例えば、大当りとなる可能性50%)。
本実施例では、モード突入信頼度及び確定演出については、モード突入予告とモード突入連続予告とで共通としている。このような態様に変えて、モード突入信頼度及び確定演出もモード突入予告とモード突入連続予告とで異ならせてもよい。この場合、モード突入信頼度もモード突入連続予告の方がモード突入予告よりも高いものとしてもよい。逆に、モード突入信頼度は、モード突入連続予告の方がモード突入予告よりも低いものとしてもよい。
以上説明したように、同じ演出態様であるモード突入演出であっても、事前演出を経て実行するか事前演出を経ることなく実行するかによって、遊技者に報知する大当り信頼度が異なる。そのため、例えば、大当り信頼度の高いモード突入連続予告が実行されて対象変動の結果が外れとなった直後に、当該モード突入連続予告よりも大当り信頼度の低いモード突入予告が実行された場合、遊技者は当該モード突入予告におけるモード突入演出や大当りの発生に対して期待感を高めることが困難である。また、モード突入予告が実行された結果、予想通り外れとなったり、モード突入しなかったりした場合には、遊技興趣を低下させる虞もある。このような事態の発生を極力防止するため、本実施例では、モード突入連続予告が実行された後の所定期間、(当該モード突入連続予告よりも大当り信頼度の低い)モード突入予告の実行(実行判定)を制限する。これにより、モード突入連続予告終了直後に、モード突入予告が実行されるのを制限し、遊技興趣が低下するのを極力防止することが可能となる。この制限制御について、詳しくは後述する。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)にて実行される変動演出開始処理(S4406)について説明する。図45に示すように、変動演出開始処理(S4406)ではまず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数取得処理(S4551)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4506の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様(予告演出の有無を含む)、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4552では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4552)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターン指定コマンドには、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4553では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4553)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。本実施例では、演出モードA,Bは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかに制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードがDまたはEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。
次いで、S4554では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行うものであって、サブ制御部90が主体となって制御する変動演出のパターン(変動演出パターン、演出図柄遊技演出)を決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示を省略)及び予告演出決定テーブル(図示を省略)をセットする(S4504)。具体的には、S4553で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブル、及び、予告演出決定テーブルをセットする。すなわち、複数の変動演出パターン決定テーブル、及び、複数の予告演出決定テーブルを備えており、それらから遊技状態(演出モード)等に基づいて、所定の変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4554では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4553で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4555では、S4551において取得した変動演出決定用乱数およびS4554においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4555)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄(同じ演出図柄)で停止表示(仮停止表示)され、残り1個が変動表示(スクロール表示)を続けている状態で、当該残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄(3個の同じ演出図柄)で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。この際、演出図柄の変動表示に伴って所定のキャラクタを用いて遊技演出を実行し、演出図柄が大当り態様で停止表示されるかどうかを、当該所定のキャラクタが所定の目的を達成するかどうかの演出で示すことも可能である。このような遊技演出(後述するリーチ演出やキャラクタ演出)を、ストーリー演出(特定遊技演出)や目的演出(特定遊技演出)ということもできる。これにより、遊技者の大当りへの期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、S4555では、S4551において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、16R第1大当り及び16R第6大当りの何れかの場合は「777」のゾロ目とされ、6R第2〜第5大当り及び16R第11大当りの何れかの場合は「777」以外の奇数図柄のゾロ目または「666」等の偶数図柄のゾロ目とされ、RUBに相当する大当りの場合は「3★3」等のRUB専用出目(専用図柄)とされる。また、2R大当りの場合は、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L、8C、8Rを停止表示するものとしている。但し、2R大当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目を停止表示してもよい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン、演出図柄遊技演出)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4555で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。また、変動時間が30000ms未満の変動パターンは、リーチ演出やキャラクタ演出やストーリー演出を行わないノーマル変動(ノーマル演出)という。このノーマル演出はリーチ演出等と比較して、大当りとなる可能性が低い遊技演出とされる。
また、S4556では、後述する予告演出設定処理を行う(S4556)。予告演出設定処理では、変動演出パターン(演出図柄遊技演出)に伴って実行される予告演出であって、前述したモード突入予告やキャラクタ予告等を含む当該予告の実行有無及び種別を決定する。次いで、S4557では、後述する連続予告演出設定処理を行う(S4557)。連続予告演出設定処理では、変動演出パターン(演出図柄遊技演出)に伴って実行される予告演出であって、前述したモード突入連続予告やキャラクタ連続予告等を含む事前予告の実行有無及び種別を決定する。
また、この実行される予告演出(当該予告、事前予告)を含めて演出図柄遊技演出ともいう。この予告演出は、実行中の演出図柄遊技演出の結果が大当り態様で停止表示する可能性や、特定の遊技演出(特定リーチ演出や特定遊技モード等)が実行される可能性を、演出図柄の変動表示の開始後であって、演出図柄が停止表示(確定停止表示)する前(演出図柄の変動表示中)に示す演出(事前報知演出)である。また、S4556及びS4557では、S4551において取得した予告演出決定用乱数およびS4554においてセットした予告演出決定テーブルに基づいて、指定された変動パターン及び決定された変動演出パターンに適合した予告演出を選択し、これを設定する(S4556、S4557)。
本実施例1では、表示態様(実行態様)が異なる複数の予告演出を有しており、これらに対応する予告演出決定用乱数として、複数の予告演出決定用乱数を有している。具体的に、モード突入予告決定用乱数、カウント予告決定用乱数、キャラクタ予告決定用乱数、会話予告決定用乱数、ステップアップ予告決定用乱数、モード突入連続予告決定用乱数、キャラクタ連続予告決定用乱数、保留変化決定用乱数等を有しており、これらの予告演出決定用乱数の取得値と各予告演出決定テーブルとを用いて、実行する予告演出を決定する。また、各予告演出決定用乱数は、変動演出開始処理(S4406)における演出決定用乱数取得処理(S4551)により所定の値が取得される。
S4558では、S4555、S4556、S4557において設定した変動演出パターン及び予告演出(事前演出を含む)に基づいて、演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4558)、変動演出開始処理を終了する。S4558でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4555で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
[予告演出設定処理]
次に、図46を用いて、特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って実行する予告演出(当該予告)を決定するための予告演出設定処理(S4556)について説明する。予告演出設定処理(S4556)ではまず、連続予告の実行中かどうかを判定する(S4601)。連続予告を実行中かどうかは、後述するキャラクタ連続予告実行フラグ及びモード突入連続予告実行フラグがONかどうかを判定することで判断する。S4601で。連続予告の実行中であると判定した場合(S4601でYES)、モード突入予告及びキャラクタ予告の実行判定をすることなく、S4613の処理に移行する。
連続予告(キャラクタ連続予告又はモード突入連続予告)の実行が決定している場合、又は、連続予告を既に実行中の場合、特定の予告(当該予告)の実行判定を行わない。この実行が制限される特定の予告は、同様のキャラクタが表示される等、演出態様(演出内容)が連続予告と関連する予告である。連続予告の実行中にこれらの予告を実行すると、連続予告の実行回数や実行態様が不明確となり、遊技興趣を低下させる虞があるからである。
一方、S4601で、連続予告の実行中でない(連続予告の実行が決定されていない)と判定した場合(S4601でNO)、次いで、制限カウンタの値が「0」より大きいかどうかを判定する(S4602)。ここで、「制限カウンタ」とは、所定のモード突入予告の実行を制限するためのカウンタで、このカウンタの値が1以上の場合には制限され、0の場合は制限されない。尚、制限カウンタに値をセットする制御処理については後述する。
S4602で、制限カウンタの値が0より大きくない、すなわち、制限カウンタの値が「0」であると判定した場合(S4602でNO)、第1モード突入予告実行判定を行い(S4603)、S4608の処理に移行する。第1モード突入予告実行判定では、通常の場合(モード突入予告の制限がない非制限期間、「第1期間」ともいう)に用いる第1モード突入予告決定テーブル(図48参照)に基づいて、モード突入予告を実行するかどうか、及び、どの種類(演出態様)のモード突入予告を実行するかを判定する。一方、S4602で、制限カウンタの値が0より大きい、すなわち、モード突入予告の制限期間(「第2期間」ともいう)中であると判定した場合(S4602でYES)、第2モード突入予告実行判定を行い(S4604)、S4605の処理に移行する。
第2モード突入予告実行判定では、制限期間の場合(モード突入予告の制限期間)に用いる第2モード突入予告決定テーブル(図48参照)に基づいて、モード突入予告を実行するかどうか、及び、どの種類(演出態様)のモード突入予告を実行するかを判定する。ここで、図48に示す通り、第1モード突入予告決定テーブルと第2モード突入予告決定テーブルとは、非制限期間用の第1モード突入予告決定テーブルで決定可能なモード突入予告は、4種類(青、赤、赤+炎柄、金+炎柄)であるところ、制限期間用の第2モード突入予告決定テーブルで決定可能なモード突入予告は、3種類(赤、赤+炎柄、金+炎柄)である点で相違する。
また、本実施例では、第1モード突入予告決定テーブルと第2モード突入予告決定テーブルとで、共通して実行可能な3種類(赤、赤+炎柄、金+炎柄)のモード突入予告については、夫々の実行確率は同じ確率に設定される。また、第2モード突入予告決定テーブルは、モード突入予告のうち最も大当り信頼度の低い「青」の実行パターンを実行しない(制限する)ものとし、その分、モード突入予告の非実行確率を高めている。またこれにより、第2モード突入予告決定テーブルで判定する場合よりも、第1モード突入予告決定テーブルで判定する場合の方が、モード突入予告の実行確率が高いものとされる。
S4604で、第2モード突入予告実行判定を行った後(S4604)、次いで、制限カウンタの値を「1」減算し(S4605)、減算後の制限カウンタの値が「0」かどうかを判定する(S4606)。S4606で、制限カウンタの値が「0」でない、すなわち、制限期間を継続すると判定した場合(S4606でNO)、S4608の処理に移行する。一方、制限カウンタの値が「0」である、すなわち、本変動表示をもって、制限期間を終了すると判定した場合(S4606でYES)、制限期間を制御するための制限フラグをOFFにし(S4607)、S4608の処理に移行する。
S4608では、S4603又はS4604の判定の結果がモード突入予告を実行するかどうかを判定し(S4608)、モード突入予告を実行すると判定した場合(S4608でYES)、決定した予告種別(実行態様)のモード突入予告をセットし(S4609)、S4610の処理に移行する。一方、S4608、S4603又はS4604の判定の結果がモード突入予告を実行しないと判定した場合(S4608でNO)、モード突入予告の設定をすることなくS4610の処理に移行する。S4610では、前述したキャラクタ予告(当該予告)を実行するかどうかを判定するキャラクタ予告実行判定を行い(S4610)、S4611の処理に移行する。キャラクタ予告実行判定では、キャラクタ予告決定用乱数と図示しないキャラクタ予告決定用テーブルとに基づいて、キャラクタ予告を実行するかどうか、実行する場合にはどの予告種別のキャラクタ予告を実行するかについて判定する。
S4611では、S4611の判定の結果がキャラクタ予告を実行するかどうかを判定し(S4611)、キャラクタ予告を実行すると判定した場合(S4611でYES)、決定した予告種別(実行態様)のキャラクタ予告(図51参照)をセットし(S4612)、S4613の処理に移行する。一方、キャラクタ予告を実行しないと判定した場合(S4611でNO)、キャラクタ予告の設定をすることなくS4613の処理に移行する。S4613では、カットイン予告や疑似連予告等、その他の予告演出を判定・設定する予告演出設定処理を実行し(S4613)、処理を終える。
[連続予告演出設定処理]
次に、図47を用いて、特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って実行する事前予告演出(事前演出、連続予告)を設定するための連続予告演出設定処理(S4556)について説明する。尚、連続予告等(モード突入連続予告、キャラクタ連続予告)の事前演出は、特別図柄(演出図柄)の変動表示の開始に伴って実行されるため、変動演出開始処理において、実行する予告態様を設定する。しかしながら、連続予告等の事前演出を実行するかどうかの判定については、始動入球を契機に実行されるため、前述した事前予告判定処理において行われる。すなわち、始動入球時に実行される事前予告判定処理において実行するかどうか等を判定した連続予告(事前予告)の実行態様を、変動開始時に実行される連続予告設定処理において設定する。
連続予告演出設定処理(S4557)ではまず、連続予告カウンタの値が「0」より大きいかどうかを判定する(S4701)。ここで、連続予告カウンタには、これから実行する未実行の連続予告の実行回数がセットされており、連続予告カウンタの値が「0」より大きい場合にはその値に応じた(残り回数に応じた)所定の実行態様の連続予告を実行することとなる。また、連続予告カウンタの値が「0」の場合には、未実行の連続予告はなく、すなわち、今回の変動表示に伴って、連続予告は実行されない。
S4701で、連続予告カウンタの値が「0」より大きくない、すなわち「0」であると判定した場合(S4701でNO)、連続予告を設定することなく、S4712の処理に移行する。一方、S4701で、連続予告カウンタの値が「0」より大きいと判定した場合(S4701でYES)、次いで、遊技状態が高ベース状態かどうかを判定する(S4702)。S4702で、高ベース状態でない、すなわち、低ベース状態であると判定した場合(S4702でNO)、次いで、変動表示を開始するのが第1特別図柄かどうかを判定し(S4703)、変動表示を開始するのは第2特別図柄であると判定した場合(S4703でNO)、S4712の処理に移行する。すなわち、低ベース状態においては、連続予告カウンタの値が「0」より大きい場合であっても、第2特別図柄が変動表示する場合、当該変動表示に伴って連続予告を実行しないものとする。低ベース状態においては、第1特別図柄の変動表示を主体として遊技を行うからである。
S4703で、変動表示を開始するのが第1特別図柄であると判定した場合(S4703でYES)、連続予告を設定するためのS4705に移行する。一方、S4702で、遊技状態が高ベース状態であると判定した場合(S4702でYES)、値で、変動表示を開始するのが第2特別図柄かどうかを判定し(S4704)、変動表示を開始するのは第1特別図柄であると判定した場合(S4704でNO)、S4712の処理に移行する。すなわち、高ベース状態においては、連続予告カウンタの値が「0」より大きい場合であっても、第1特別図柄が変動表示する場合、当該変動表示に伴って連続予告を実行しないものとする。高ベース状態においては、第2特別図柄の変動表示を主体として遊技を行うからである。
一方、S4704で、変動表示を開始するのが第2特別図柄であると判定した場合(S4704でYES)、S4705に移行する。S4705では、セットされた連続予告種と、連続予告カウンタの値とから、対応する連続予告演出をセットし(S4705)、連続予告の実行回数を制御するための連続予告カウンタの値を「1」減算し(S4706)、S4707の処理に移行する。ここで、図54に示す態様の予告種別(青襖)を実行する場合において、連続予告カウンタの値が「4」の場合は、図示しない山を模した絵柄の連続予告キャラクタがセットされ、連続予告カウンタの値が「3」の場合は、図54(a)に示す木に囲まれた家を模した絵柄の連続予告キャラクタA204aがセットされ、連続予告カウンタの値が「2」の場合は、図54(b)に示す家を模した絵柄の連続予告キャラクタB204bがセットされ、連続予告カウンタの値が「1」の場合(対象変動)は、図54(c)に示す家の中の襖を模した絵柄の連続予告キャラクタC204cがセットされる。
S4707では、連続予告カウンタの値が「0」になったかどうかを判定し(S4707)、「0」でない、すなわち、次変動以降も連続予告を継続すると判定した場合(S4707でNO)、S4712の処理に移行する。一方、S4707で、連続予告カウンタの値が「0」である、すなわち、今回の変動表示で連続予告を終了する(今回の変動表示が連続予告に係る対象変動である)と判定した場合(S4707でYES)、キャラクタ連続予告実行フラグをOFFにし(S4708)、モード突入連続予告実行フラグをOFFにし(S4709)、制限フラグをONにし(S4710)、制限カウンタに「4」をセットし(S4711)、S4712の処理に移行する。これにより、連続予告終了後の期間が所定の連続予告の実行を制限する制限期間に設定される。また、本実施例では、制限期間の設定時に制限カウンタに「4」を設定することで、連続予告(モード突入連続予告)終了後の4変動の期間を制限期間に設定することが可能となる。
これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の保留上限数と同じ値に設定することで、制限期間突入時に、少なくとも記憶されている保留に関しては、全て制限対象としている。これにより、適切な長さの期間を制限期間として設定し、比較的信頼度の高いモード突入連続予告(連続予告)が実行された直後に、当該モード突入連続予告の少なくとも一部を構成するモード突入演出(第1遊技演出)が、当該予告に係るモード突入予告として実行されるのを制限することが可能となる。S4712では、その他の事前演出(例えば、保留変化事前予告や音声事前予告等)をセットし(S4712)、処理を終える。
[右打ち指示画像表示処理]
次に、受信コマンド解析処理における大当り遊技関連処理のサブルーチンとして実行される右打ち指示画像表示処理(S4600)について説明する。図57に示すように、右打ち指示画像表示処理(S4600)では、まず、右打ち表示フラグがOFFであるか否かを判定する(S4651)。ここで、右打ち表示フラグとは、右打ち指示画像71を画像表示装置7の表示画面7a(右打ち表示領域71c)に表示中であるか否かを示す(判別する)ためのフラグであり、OFFの場合は表示していないことを示し、ONの場合は表示中であることを示す。S4601にて右打ち表示フラグがOFFでないと判定した場合(S4651でNO)、すなわち、右打ち表示フラグがONである場合には、右打ち指示画像71を表示中であるため、S4652以降の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S4651にて右打ち表示フラグがOFFであると判定した場合(S4651でYES)、先のS4410で受信した大当り遊技関連コマンドが1R開始コマンドであるか否かを判定する(S4652)。大当り遊技関連処理(S4411)は、前述のように大当り遊技関連コマンドの受信(S4410でYES)を契機として実行されるので、S4652では、そのS4411の処理の実行契機となった大当り遊技関連コマンドが1R開始コマンドであるか否かを判定する。その結果、1R開始コマンドでない場合は(S4652でNO)、S4653以降の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S4652にて1R開始コマンドであると判定した場合(S4652でYES)、右打ち指示画像表示開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4653)、右打ち表示フラグをONにして(S4654)、本処理を終える。S4653でセットした右打ち指示画像表示開始コマンドは、1R開始コマンドの受信に基づくS4411の処理でサブ出力バッファにセットされる1R開始演出コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これにより、画像表示装置7の表示画面7aでは、図58(a)に示すように、画面略全体でラウンド演出表示が行われるとともに、画面左上に設けられるラウンド数表示領域72aに現在のラウンド数を示すラウンド数画像72(ここでは「1R」)が表示され、画面右上に設けられる右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71が表示される。ここで、本実施例の右打ち指示画像71は、図58(a),(b)に示すように、「右打ち」の文字を表す右打ち文字画像71aと、右打ち文字画像71aの下方に位置する1つの右矢印画像71bとからなる。この右打ち指示画像71は、前述した初当り用右打ち指示報知の動画像表示や左打ち指示画像70に比して表示サイズが小さいものとなっている。
また、本実施例の右打ち指示画像71は、前述のS4652およびS4653の処理により、大当り遊技の1ラウンド目の開始に伴って表示が開始された後、S4654の処理でONとなった右打ち表示フラグがOFFになるまで、その表示が継続される。右打ち表示フラグは、前述したように、高ベース状態にて特別図柄の変動表示が行われるなか、当該高ベース状態が終了することとなる回数の特別図柄の変動表示(例えば時短遊技状態での100回の変動表示)が行われ、遊技状態が低ベース状態(低確低ベース状態)となって最初の特別図柄の変動表示が開始されるタイミングでOFFとなる。したがって、本実施例における右打ち指示画像71の表示(画像表示装置7による右打ち指示報知)は、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始から、その後に高ベース状態が所定回数の特別図柄の変動表示の実行に基づき終了するまで、表示画面7a上の右打ち表示領域71cにて行われる。本実施例では、大当り遊技後の遊技状態は、その大当りが確変大当りであれば確変遊技状態となり、非確変大当り(通常大当り)であれば時短遊技状態となるので、結局のところ、大当り遊技後は必ず高ベース状態となる。よって、初当り後、高ベース状態にて大当りが発生することなく高ベース状態が終了するまでは、右打ち指示画像71の表示(画像表示装置7による右打ち指示報知)が右打ち表示領域71cにて継続的に行われる。
具体的には、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始に伴って右打ち表示領域71cにて右打ち指示画像71の表示が開始されると(図58(a)を参照)、この右打ち指示画像71の表示は、大当り遊技後の高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)においても継続される(図58(b)を参照)。その後、例えば、高ベース状態で大当り(つまり「連チャン」)となった場合、初当りに係る1ラウンド目から継続中の右打ち指示画像71の表示は、連チャンに係る大当り遊技のファンファーレ演出、ラウンド演出およびエンディング演出が画像表示装置7(表示画面7a)で実行される間も継続され、その後の高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)においても継続される。また、高ベース状態で大当りが発生することなく、高ベース状態の終了条件が成立した場合、例えば、高ベース状態が時短遊技状態(低確高ベース状態)であって該時短遊技状態にて特別図柄の変動表示が100回行われた場合、次の変動表示の開始に伴い右打ち指示画像71の表示が終了する(右打ち指示画像71が消去される)とともに、左打ち表示領域70cにて左打ち指示画像70の表示(画像表示装置7による左打ち指示報知)が行われる(図58(c)を参照)。
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技領域3のうち右遊技領域3B(所定の領域)に向けて遊技球を発射(右打ち)して遊技を行う右打ち遊技状態(所定遊技状態)として、少なくとも、特別遊技状態(第1所定遊技状態)と高ベース状態(第2所定遊技状態)とを備えるものとなっている。また、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射することを指示する右打ち指示報知(所定指示報知)を、特別遊技状態(大当り遊技)と高ベース状態(確変遊技状態、時短遊技状態)とで、同様の態様で実行することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、特別遊技状態と高ベース状態とで遊技状態は異なるものの、右打ち指示報知が同様の態様で実行されるので、特別遊技状態と高ベース状態の何れの遊技状態であっても、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。
特に、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技の1ラウンド目開始に伴って、画像表示装置7(表示画面7a)の右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示し、右打ち指示報知を開始(実行)するものとなっている。そして、当該右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)を、大当り遊技が終了するまで(本例ではエンディング演出が終了するまで)継続して実行するとともに、大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)に移行した後も、継続して実行するものとなっている。つまり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する態様(所定の態様)の右打ち指示報知を、大当り遊技の開始(1ラウンド目)から高ベース状態中にかけて継続的に実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が特別遊技状態から高ベース状態に移行したとしても、その移行前後で右打ち指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。特に、特別遊技状態と高ベース状態とで、同じ右打ち指示画像71が同じ表示位置(右打ち表示領域71c)に表示されるので、右打ち指示報知の認識のし易さは、より顕著なものとなる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、高ベース状態にて大当り(連チャン)となり、当該大当り(連チャン)に係る大当り遊技の実行に際し、高ベース状態中に行っていた右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)を、その連チャンに係る大当り遊技においても継続して実行するものとなっている。つまり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する態様(所定の態様)の右打ち指示報知を、高ベース状態から大当り遊技中にかけて継続的に実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が高ベース状態から特別遊技状態に移行したとしても、その移行前後で右打ち指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。特に、高ベース状態と特別遊技状態とで、同じ右打ち指示画像71が同じ表示位置(右打ち表示領域71c)に表示されるので、右打ち指示報知の認識のし易さは、より顕著なものとなる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、低確低ベース状態にて大当り(初当り)となった場合のオープニング演出として、初当り用右打ち指示報知を含む初当りオープニング演出を行うものとなっている。初当り用右打ち指示報知は、右遊技領域3Bの下部に位置する大入賞口30に遊技球が入球する様子を描いた動画像を表示画面7aの略中央に表示するものであり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する右打ち指示報知に比して目立つ態様となっている。このため、低ベース状態で左打ちを行って遊技を進めてきた遊技者に対しは、大当り遊技の開始に際して右打ちを行うことを、積極的に促すことが可能となる。
一方、高ベース状態にて大当り(連チャン)となった場合のオープニング演出(連チャンオープニング演出)では、初当りオープニング演出のような初当り用右打ち指示報知(画面略中央での右打ちを促す動画像表示)を行わず、高ベース状態中に行っていた右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)をそのまま行うものとなっている。これにより、連チャンを繰り返すことで大袈裟な右打ち指示報知が何度も行われることを回避して、遊技者に煩わしさを感じさせないようにすることが可能となる。特に、高ベース状態中の右打ち指示報知は、その高ベース状態に移行する前の特別遊技状態(大当り遊技時)から同じ態様(同じ画像、同じ表示位置)で継続して実行されているものなので、遊技者にしてみれば、連チャンが発生した時点では、右打ちを行うことを十分に認識している状況にあるといえる。このことからも、連チャンオープニング演出にて、初当りオープニング演出と同様な右打ち指示報知を行うことなく、高ベース状態中の右打ち指示報知をそのまま行うことは、遊技者心理を考慮した有効な指示報知であるといえる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、初当りに係る大当り遊技の開始を契機として、その1ラウンド目の開始から、その後の高ベース状態が所定回数の特別図柄の変動表示の実行に基づき終了するまで、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示し続けるものとなっている。つまり、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目開始から連チャン期間の終了まで一貫して、表示画面7aの隅の方(本例では画面右上)に右打ち指示画像を画面サイズに比して小さく表示して、右打ち指示報知を目立ち過ぎない態様で行うものとなっている。これにより、画像表示装置7の表示画面7aで実行される大当り遊技演出や高ベース状態中の演出図柄遊技演出等の妨げになることを回避しつつ、遊技者に右打ちを行う遊技状態であることを十分に認識させる(印象付ける)ことが可能となる。
次に、本発明の実施例3のパチンコ遊技機1について説明する。本実施例(実施例3)は、前述した実施例に対し、大当り遊技中に右打ち指示画像71の表示態様が変化し得る構成を付加したものである。以下では、実施例1,2と異なる点(構成、作用効果等)を中心に説明し、実施例1,2と共通する点(構成、作用効果等)についての説明は省略する。
本実施例では、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91が、図60に示す右打ち指示画像変更処理(S4800)を実行するものとなっている。この右打ち指示画像変更処理(S4800)は、図43に示した受信コマンド解析処理(S4302)における大当り遊技関連処理(S4410)のサブルーチンとして実行する処理である。
図60に示すように、本実施例の右打ち指示画像変更処理(S4800)では、まず、右打ち表示変更フラグがONであるか否かを判定し(S4801)、ONでない(OFFである)場合には(S4801でNO)、S4802以降の処理を行うことなく本処理を終える。本実施例では、前述の実施例3で説明したように、高ベース状態中に右打ち指示報知の態様(右打ち指示画像71の表示態様)を変更した場合に、その変更後の右打ち指示報知の態様を、同じ高ベース状態での大当り(連チャン)に係る大当り遊技中の所定時期に再度変更可能となっている。このことから、S4801では、前述のS4754でONされ得る右打ち表示変更フラグを参照し、右打ち表示変更フラグがONでない(OFFである)場合には、右打ち指示報知の態様(右打ち指示画像71の表示態様)が高ベース状態中に変更されてないこととなるため、S4802以降の処理を行うことなく本処理を終えるのである。
一方、右打ち表示変更フラグがONである場合(S4801でYES)、前述のS4410で受信した大当り遊技関連コマンドが2R開始コマンドであるか否かを判定し(S4802)、2R開始コマンドでない場合には(S4802でNO)、S4803以降の処理を行うことなく本処理を終える。これに対し、2R開始コマンドである場合には(S4802でYES)、右打ち文字画像表示コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4803)、右打ち表示変更フラグをOFFにして(S4804)、本処理を終える。
S4803でセットした右打ち文字画像表示コマンドは、2R開始コマンドの受信に基づくS4410の処理(図43を参照)でサブ出力バッファにセットされる2R開始演出コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これにより、画像表示装置7の表示画面7aでは、2ラウンド目のラウンド演出表示が行われるとともに、右打ち表示領域71cに表示中の右矢印画像71bの上方に右打ち文字画像71aが追加して表示される。したがって、本実施例では、高ベース状態にて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば50回)行われ、これを契機に右打ち文字画像71aが消去された後、当該高ベース状態にて大当り(連チャン)となった場合に、大当り遊技の2ラウンド目の開始に伴い、再度、右打ち文字画像71aが右打ち表示領域71cに表示されることとなる。つまり、「右矢印画像だけ」となった右打ち指示報知の態様が、もとの「右打ち文字画像と右矢印画像との組合せ」に変化(復帰)する。
[実施例3の作用効果]
以上に説明した本実施例(実施例3)のパチンコ遊技機1によれば、高ベース状態中の右打ち文字画像71aの消去により右矢印画像71aだけとなった右打ち指示報知の態様が、当該高ベース状態に続く特別遊技状態中の所定時期に変化し得るものとなっている。具体的には、高ベース状態にて、右打ち文字画像71aの消去により右矢印画像71bだけを右打ち表示領域71cに表示する状況となった後、当該高ベース状態にて大当り(連チャン)となった場合に、これに係る大当り遊技の2ラウンド目の開始に伴い、先に消去された右打ち文字画像71aが、右矢印画像71bだけを表示している右打ち表示領域71cの元の位置に表示されるものとなっている。これにより、高ベース状態から特別遊技状態に移行した後の当該特別遊技状態でのラウンド遊技の進行に応じて、右打ち指示報知の態様が変化し得る(復帰し得る)ものとなるので、遊技者を右打ち指示報知に注目させることが可能となる。
特に、本実施例では、表示画面7aの隅の方(本例では画面右上)に小さく表示される右打ち指示画像71に含まれる右打ち文字画像71aを高ベース状態中に消去した後、その右打ち文字画像71aを特別遊技状態中に元の位置に表示することが可能となっている。これにより、高ベース状態中に一度は変化した右打ち指示報知の態様の更なる変化(本例では復帰)に気付かせるといった興趣を付加することが可能となる。
尚、高ベース状態に続く特別遊技状態での右打ち指示報知の態様の変化(変更)は、本実施例で示した再度の右打ち文字画像71aの表示に限定されるものではない。例えば、右打ち文字画像71aの消去後も継続して表示している右矢印画像71bの表示サイズの変化(拡大または縮小)、色の変化、表示位置(表示箇所)の変化、デザインの変化等であってもよい。また、先の高ベース状態における右打ち指示報知の態様の変化とは無関係に、高ベース状態から継続して実行している右打ち指示報知の態様を、特別遊技状態中の所定時期に変化させる(変更する)ように構成してもよい。
さらに、特別遊技状態にて右打ち指示報知の態様を変更する時期(変化させる時期)は、本実施例で示した大当り遊技の2ラウンド目の開始タイミング(2R開始コマンド受信契機)に限定されるものではない。例えば、1ラウンド目もしくは3ラウンド目以降の所定ラウンドの開始タイミング、ラウンド遊技の実行中、所定ラウンドの終了タイミング(ラウンド終了コマンド受信契機)、オープニング演出の開始タイミング(オープニングコマンド受信契機)、オープニング演出の実行中、オープニング演出の終了タイミング(1R開始コマンド受信契機)、エンディング演出の開始タイミング(エンディングコマンド受信契機)、エンディング演出の実行中、エンディング演出の終了タイミング等、特別遊技状態の開始から終了までのあらゆる時期を、変更時期として定めることが可能である。また、特別遊技状態に移行してからの経過時間に基づき変更時期を定めることも可能である。
以上、本発明の実施形態として実施例および他の態様を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
[他の態様]
前述した本実施例では、連続予告を実行すると判定した場合、その時点の保留数を連続予告カウンタにセットし、当該セットした回数の連続予告を実行するものとした。このような態様に変えて、連続予告カウンタのにセットした回数(すなわち、その時点の保留数)を上限として、対象変動の変動パターンに応じて、すなわち、実行する変動パターンの大当り信頼度に応じて、連続予告の回数を設定してもよい。これにより、大当りの可能性の高い遊技演出(リーチ演出や予告演出)が実行されるほど、回数の多い連続予告を実行するように設定することができる。これにより、連続予告の実行態様によりメリハリをもつことが可能となる。尚、連続予告の実行回数は、連続予告カウンタにセットされた回数の範囲内で、連続予告を実行すると決定した際の保留数(第1特別図柄保留数又は第2特別図柄保留数)、及び、始動入球コマンドに含まれる変動パターン情報(実行される遊技演出、変動時間や判定結果)によって、決定される。また、決定された回数の連続予告は、対象変動及び対象変動に連続する対象変動より前の変動表示において実行されるものとする。
また、前述した実施例では、所定の予告演出の実行を制限する制限期間として、第1特別図柄又は第2特別図柄の保留上限数である「4」回の特別図柄(演出図柄)の変動表示期間を設定したが、このような態様に限らない。制限期間を、4回未満の回数の変動表示期間に設定してもよいし(例えば、1回や2回)、5回以上(例えば、10回)の回数の変動表示期間に設定してもよい。また、遊技時間(発射ハンドルで検知等)や経過時間(遊技、非遊技問わず)で設定してもよいし、遊技球の発射球数を検知する検知手段を備え、発射球数(例えば、200球検知まで制限)によって設定してもよい。また、特定条件(所定の判定の当選)が成立するまでや特定条件が所定回数成立するまで等で設定してもよい。
また、前述した実施例では、モード突入連続予告実行後に設定される制限期間において、モード突入予告(当該予告)の種別のうち、最も信頼度(モード突入信頼度、大当り信頼度)の低い実行態様(演出態様)の予告種別の実行を制限(禁止)している。これにより、制限期間において、低信頼度のモード突入予告(当該予告)が実行されないようにした(第2モード突入予告決定テーブルを参照)。このような態様に替えて、制限期間において、最も信頼度の低い実行態様(青)に加えて、次に信頼度の低い実行態様(赤)を含めた、複数の実行態様の予告種別の実行を制限(禁止)してもよい。また、これら制限対象の予告種別を完全に禁止するのではなく、実行確率を低下させる態様としてもよい。
また、制限期間において、比較的高信頼度の実行態様(金+炎柄、赤+炎柄、赤の少なくとも一つ)の実行確率を向上させる態様としてもよい。また、比較的高信頼度の実行態様(金+炎柄、赤+炎柄、赤の少なくとも一つ)の実行確率を向上させ、且つ、比較的低信頼度の実行態様(青)の実行確率を低下させてもよい。このようにすれば、非制限期間では実行され難い実行態様のモード突入予告が、制限期間には実行され易くなるため、制限期間における遊技興趣を高めることが可能となる。
また、制限期間は、非制限期間に実行可能なモード突入予告の予告種別の一部(青)を減少させるものとした。このような態様に変えて、制限期間は、予告種別を問わずモード突入予告(当該予告)の全ての実行を禁止(制限)するものとしてもよい。また、非制限期間に実行可能なモード突入予告の予告種別の少なくとも一部を制限する代わりに、制限期間でのみ実行可能な実行態様の予告種別を設け(例えば、青と赤の縞模様等)、当該予告種別を制限期間においてのみ実行可能としてもよい。これにより、制限期間における遊技興趣を高めることが可能となる。
また、前述の実施例では、右打ち指示画像71を、「右打ち」の文字を表す右打ち文字画像71aと、その上方に位置する1つの右矢印画像71bとからなるものとしていたが、右打ち指示画像71の態様はこれに限定されるものではなく、右打ち文字画像だけで構成したり、あるいは右矢印画像だけで構成したりすることも可能である。この場合、前述の実施例2,3における表示態様の変更(変化)は、右打ち指示報知を構成する一部画像の消去ではなく、表示中の画像そのものの態様(サイズ、色、形状、表示位置等)を変更する(変化させる)ものとすればよい。また、前述の実施例では、右打ち指示画像71の表示位置を表示画面7aの右上(右打ち表示領域71c)としていたが、右打ち指示画像71の表示位置はこれに限定されるものではなく、表示画面7a上の所定位置とすることが可能である。但し、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出(ラウンド演出等)の妨げになるのを回避すべく、表示画面7aのうち外周寄り(画面周縁側)に表示するのが望ましい。さらに、液晶表示装置等の表示装置を複数備える場合には、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出が行われる表示装置とは別の表示装置に、右打ち指示画像を表示するようにしてもよい。
また、前述の実施例では、左打ち指示画像70を、「左打ちに戻してください」の文字を表す左打ち文字画像70aと、その上方に位置する3つの左矢印画像70bとからなるものとしていたが、左打ち指示画像70の態様はこれに限定されるものではなく、前述の右打ち指示画像71と同様に、種々の態様を採ることが可能である。尚、左打ち指示画像70の表示(左打ち指示報知)は、高ベース状態(右打ち遊技状態)が終了して低ベース状態(左打ち遊技状態)に移行すること、すなわち、遊技球の発射を「右打ち」から「左打ち」に変更する(戻す)ことを、遊技者に分かり易く積極的に示す必要があることから、右打ち指示画像71の表示(右打ち指示報知)に比べ、表示サイズを大きくしたり表示位置を画面中央寄りにしたりする等、遊技者がより認識し易い態様(目立つ態様)で行うのが望ましい。
また、前述の実施例では、右打ち表示領域71cにおける右打ち指示画像71の表示を、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始から、その後の高ベース状態の終了(大当り遊技の実行に伴う終了を除く)まで継続して実行するものとなっており、その間の連チャンに係る大当り遊技が行われる場合にも、ファンファーレ演出、ラウンド演出およびエンディング演出の各演出の実行中を含め、継続して実行するものとなっていた。これに対し、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目から継続する右打ち指示画像71の表示を、その後の連チャンに係る大当り遊技でのファンファーレ演出やエンディング演出が行われる時期、すなわち、遊技状態が特別遊技状態に移行する時期や特別遊技後の高ベース状態に移行する時期に中断(一時的に消去)し、ファンファーレ演出やエンディング演出が終了したら、右打ち指示画像71の表示を同じ表示位置で再開するようにしてもよい。このように右打ち指示画像71の表示を一時的に中断したとしても、連チャン期間中の右打ち指示報知が遊技者にとって認識し難いものとなる可能性は極めて低く(可能性は無く)、前述した実施例と同様の効果を奏することは可能である。
また、事前演出(連続事前演出)は、連続する複数の変動表示を用いて実行可能とされており、1回の変動表示(対象変動)においてのみ実行される場合もある。これらを含めて事前演出(連続事前演出)という。また、1回の変動表示(対象変動)においてのみ実行される場合の事前演出も連続事前演出に含むものとする。また、この「事前演出」を実行するサブ制御部を「事前演出実行手段」ともいう。
また、前述した実施例等では、大当り遊技のラウンド数として「2R」と「15R」の2種類を有するものとしていたが、ラウンド数はこれに限定されるものではなく、ラウンド数の種類を3種類以上としてもよく、あるいは1種類だけとしてもよい。さらに、第1大入賞口30および第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンも前述の実施例に限定されるものではなく、例えば、1ラウンドあたりの開放時間や開放回数等は、種々の態様を採ることが可能である。
また、前述した実施例等では、Vラウンドにおける第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放時間の長短によって、V通過可能性が高くなる(容易となる)場合と、低くなる(実質的に不可能となる)場合とを設定していた。すなわち、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放時間が相対的に長い場合には、当該第2大入賞口35への遊技球の入球が容易となって、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がほぼ確実に特定領域39を通過するものとし、一方、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放時間が相対的に短い場合には、当該第2大入賞口35への遊技球の入球が困難(実質的に不可能)となり、これにより遊技球が特定領域39を通過しないものとしていた。これに代えて、特定領域を開閉する可動片を設け、Vラウンドでの第2大入賞口35への入球数(入球数計数手段による計数値)に基づいて可動片を動作させることとし、その動作態様によってV通過可能性が異なるようにしてもよい。
例えば、Vラウンドでの第2大入賞口35への第1所定数(例えば1個目)の入球に基づいて可動片を動作させる場合には、その可動片の動作態様をV通過可能性が低くなる(実質的に不可能となる)態様とし、第2所定数(例えば2個目〜規定数の何れか)の入球に基づいて可動片を動作させる場合には、その可動片の動作態様をV通過可能性が高くなる態様とする。そして、Vラウンドにて可動片がV通過可能性の低い態様でしか動作しない大当り、すなわち、第2大入賞口35への第1所定数の入球に基づいてのみ可動片が動作する大当りを「V非通過予定大当り」とし、V通過可能性の低い態様で動作する場合とV通過可能性の高い態様で動作する場合とがある大当り、すなわち、第2大入賞口35への第1所定数の入球と第2所定数の入球とに基づいて可動片が動作する大当りを「V通過予定大当り」とすればよい。このような構成によっても、前述した実施例等と同様に、特定領域への遊技球の通過有無に基づき確率変動機能の作動有無(高確率状態の発生有無)を決定することが可能となる。
また、前述した実施例等では、大当り遊技中(特別遊技中)のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。
また、前述した実施例では、確変作動口としての特定領域39を有するパチンコ(所謂「V確機」)に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)に基づいて高確率状態を付与するか否かを決定するタイプの遊技機(所謂「図柄確変機」)においても、本発明は適用可能である。あるいは、確率変動機能を備えていないタイプの遊技機にも本発明は適用可能である。また、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また、前述した実施例では、第2特図保留(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留(第1特別図柄の変動表示)に優先して消化する制御処理(いわゆる特図2優先変動)を採用していたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理(いわゆる特図1優先変動)としてもよい。あるいは、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留および第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(いわゆる入球順(記憶順)変動)の制御処理としてもよい。また、前述の実施例における特図2優先変動に代えて、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化と第2特図保留の消化)とを並行して実行する制御処理(いわゆる特図1,2同時変動)を採用してもよい。
[その他]
また前述した遊技機の参考発明として、以下のようにしてもよい。
(参考発明1)
前述の課題を解決するための参考発明1−1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて、識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報の変動表示に伴って所定の遊技演出を実行可能な遊技演出実行手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となると前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
を備えた遊技機であって、
特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って実行される事前演出と、
前記特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示に伴って実行される特定演出と、を有し、
前記遊技演出として、第1遊技演出と、第2遊技演出と、を有し、
所定の識別情報の変動表示に伴って前記第1遊技演出が実行された場合において、当該所定の識別情報の変動表示中に前記第2遊技演出が実行されない場合、当該第1遊技演出は、前記事前演出であり、
所定の識別情報の変動表示に伴って前記第1遊技演出が実行された場合において、当該所定の識別情報の変動表示中に前記第2遊技演出が実行される場合、当該第1遊技演出は、前記特定演出である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示に伴って所定の遊技演出を実行可能な遊技演出実行手段を備え、遊技演出として第1遊技演出と第2遊技演出とを有している。また、特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って実行される事前演出と、特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示に伴って実行される特定演出と、を有している。そして、第1遊技演出が実行された所定の識別情報の変動表示中に第2遊技演出が実行されない場合、当該第1遊技演出は事前演出として実行され、第1遊技演出が実行された所定の識別情報の変動表示中に第2遊技演出が実行される場合、当該第1遊技演出は特定演出として実行される。
これにより、第1遊技演出の実行に伴って第2遊技演出が実行されるかどうかに注目させ、第2遊技演出が実行された場合は実行中の識別情報の変動表示の結果に対する期待感を高め、第2遊技演出が実行されなかった場合は次回以降に実行される識別情報の変動表示の結果に対する期待感を高める。またこれにより、遊技演出を多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
ここで、「事前演出」は、特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って実行可能であるから、特定の識別情報の変動表示に伴って実行可能としてもよい。また、「識別情報の変動表示の内容」とは、識別情報の変動表示の結果や、識別情報の変動表示中に実行される遊技演出(リーチ種や予告種)や、識別情報の変動表示の結果、特別遊技が実行される可能性等をいう。また、「所定条件の成立に基づいて判定を行う判定手段(当否判定手段)と、判定手段の判定結果に基づいて、識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、特定の識別情報の変動表示の結果を、判定手段による判定を行うより前に、事前判定する事前判定手段と、事前判定手段の事前判定結果に基づいて、特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って、事前演出を実行可能な事前演出実行手段と、を備える」ものとしてもよい。
また、「所定条件の成立に基づいて取得情報を取得して所定個数(複数個)記憶可能な取得情報記憶手段と、取得情報記憶手段に記憶した取得情報を判定する判定手段を備える」ものとしてもよい。また、「特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って実行される事前演出」は事前判定手段の事前判定の結果に基づいて実行されるものとしてもよい。また、「特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示に伴って実行される特定演出」は事前判定手段の事前判定結果、又は/及び、当否判定手段の判定結果に基づいて実行されるものとしてもよい。
また、第1遊技演出は事前演出として実行される場合と、特定演出として実行される場合とがあるものとされ、第2遊技演出は特定演出として実行される(事前演出としては実行されない)ものとしてもよい。また、所定の識別情報の変動表示に伴って第1遊技演出が実行された場合において、当該所定の識別情報の変動表示中に第2遊技演出が実行されない場合、当該第1遊技演出は、事前演出であり、次回以降の識別情報の変動表示に伴って第2遊技演出が実行されるものとしてもよい。また、所定の識別情報の変動表示に伴って第1遊技演出が実行された場合において、当該所定の識別情報の変動表示中に第2遊技演出が実行されない場合、次回以降の識別情報の変動表示に伴って第2遊技演出が実行される場合と、実行されない場合とがあるものとしてもよい。
また、参考発明1−2発明の遊技機は、参考発明1−1の遊技機において、
前記第1遊技演出及び前記第2遊技演出は、前記特別遊技の実行可能性を示す遊技演出であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1遊技演出及び第2遊技演出は、何れも特別遊技の実行可能性を示す遊技演出とされる。これにより、第1遊技演出や第2遊技演出が実行されることで、特別遊技実行への期待感を高めることが可能となる。
また、参考発明1−3の遊技機は、参考発明1−1又は参考発明1−2の遊技機において、
前記識別情報として演出図柄を有し、
前記遊技演出として、3個の前記演出図柄のうち、2個が一致し、1個が変動表示するリーチ演出を有し、
前記リーチ演出の後、3個の前記演出図柄が一致する組合せで停止表示し、その後、前記特別遊技が実行されるものとされ、
前記第2遊技演出は、前記リーチ演出であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報として演出図柄を有し、遊技演出としてリーチ演出を有している。また、リーチ演出の後に3個の演出図柄が一致する組合せで停止表示することで特別遊技が実行されるものとされ、第2遊技演出はリーチ演出としている。これにより、第1遊技演出に伴ってリーチ演出が実行されるかどうかに注目させ、リーチ演出が実行された場合は実行中の識別情報の変動表示の結果に対する期待感を高め、リーチ演出が実行されなかった場合は次回以降に実行される識別情報の変動表示の結果に対する期待感を高める。またこれにより、遊技演出を多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
ここで、「演出図柄が一致する組合せで停止表示」とは、3個(3桁)の識別情報(演出図柄)を同一の図柄で停止表示したり、3個(3桁)の識別情報(演出図柄)を同一を示す図柄(絵柄は完全同一ではないが同じ(一致する)図柄であることを意味する図柄)で停止表示したり、3個(3桁)の識別情報(演出図柄)を対応する図柄(予め定められた組合せで、例えば、「135」や「9★9」や「松竹梅」等)で停止表示したりする場合等をいう。
また、参考発明1−4の遊技機は、参考発明1−1乃至参考発明1−3の遊技機において、
前記特別遊技の実行可能性を示す特定予告演出を備え、
前記特定予告演出として、第1特定予告演出と、前記特別遊技の実行可能性として前記第1特定予告演出よりも高い可能性を示す第2特定予告演出と、を有し、
前記第1遊技演出は、前記第2特定予告演出であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別遊技の実行可能性を示す特定予告演出として、第1特定予告演出と、第1特定予告演出よりも高い実行可能性を示す第2特定予告演出と、を有している。そして、第1遊技演出を、高い実行可能性を示す第2特定予告演出としている。ここで、特定予告演出として、相対的に高い信頼度(高い特別遊技実行可能性)を示す予告演出(第2特定予告演出)と、相対的に低い信頼度(低い特別遊技実行可能性)を示す予行演出(第1特定予告演出)と、がある。そして、この第1遊技演出を、高い信頼度を示す予告演出(高信頼度予告演出、第2特定予告演出)としている。
これにより、高い特別遊技実行可能性(信頼度)を示す第1遊技演出が実行されたにもかかわらず、第2遊技演出(例えば、リーチ演出)が実行されない場合、当該第1遊技演出は次の識別情報の変動表示においても演出を継続可能な(次回以降のの識別情報の変動表示に係る信頼度を示す)事前演出とされる。これにより、特別遊技への期待感を長期間維持し、遊技興趣を高める。また、高い特別遊技実行可能性を示す第1遊技演出が実行され、同じ識別情報の変動表示中に、当該第1遊技演出に伴って第2遊技演出(例えば、リーチ演出)が実行された場合、当該第1遊技演出は実行中の識別情報の変動表示に係る特別遊技実行可能性を示す特定演出(当該演出)とされる。これにより、実行中の識別情報の変動表示における特別遊技実行への期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、参考発明1−5の遊技機は、参考発明1−4の遊技機において、
所定の識別情報の変動表示に伴って前記第1特定予告演出が実行された場合において、当該所定の識別情報の変動表示中に前記第2遊技演出が実行されない場合、
当該第1特定予告演出は、前記特定演出として実行されるときと、前記事前演出として実行されるときとがあることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1特定予告演出が実行された識別情報の変動表示の実行中に第2遊技演出が実行されない場合、当該第1特定予告演出は、特定演出として実行されるときと、事前演出として実行されるときとがある。これにより、高い特別遊技実行可能性(信頼度)を示す第2特定予告演出と異なり、低い特別遊技実行可能性を示す第1特定予告演出が実行された場合には、その後に第2遊技演出が実行されないときも、特定演出として実行されることもある。これにより、報知する特別遊技実行可能性が異なる予告演出によって、遊技にメリハリをつけることが可能となる。またこれにより、第2特定予告演出が実行された場合の遊技興趣を顕著に高めることが可能となる。
また、第1遊技演出は、事前演出として実行される場合と、特定演出として実行される場合とがあってもよい。すなわち、事前演出と特定演出とで共通の遊技演出(予告演出)を有するものとすることができる。また、第1予告演出及び第2予告演出の何れも、事前演出として実行される場合と、特定演出として実行される場合とがあってもよい。
(参考発明2)
前述の課題を解決するための参考発明2−1発明の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて、識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報の変動表示に伴って所定の遊技演出を実行可能な遊技演出実行手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となると前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
を備えた遊技機であって、
特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って開始する事前演出と、
前記特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示に伴って開始する特定演出と、を有し、
前記遊技演出として、第1遊技演出を有し、
前記第1遊技演出は、前記事前演出及び前記特定演出の何れとしても実行可能とされると共に、前記事前演出として実行される場合の方が、前記特定演出として実行される場合よりも、前記特別遊技の実行可能性として高い可能性を示すことが多い
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って開始する事前演出と、特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示に伴って開始する特定演出と、を有している。また、遊技演出の一つである第1遊技演出は、事前演出及び特定演出の何れとしても実行可能とされており、事前演出として実行される場合の方が、特定演出として実行される場合よりも、特別遊技実行可能性として高い可能性を示すことが多いものとされている。
これにより、同様の演出態様を事前演出として実行するか、特定演出として実行するかによって、遊技者に報知する特別遊技実行可能性を異ならせ、遊技演出を多様化することが可能となる。またこれにより、第1遊技演出が実行されたことだけでなく、事前演出か特定演出か何れとして実行されたかに注目させ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、「事前演出」は、特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って実行可能であるから、特定の識別情報の変動表示に伴って実行可能としてもよい。また、連続する複数の識別情報の変動表示に亘って(跨って)実行されるものとすることができる(「連続演出」や「連続事前演出」ともいう)。また、「識別情報の変動表示の内容」とは、識別情報の変動表示の結果や、識別情報の変動表示中に実行される遊技演出(リーチ種や予告種)や、識別情報の変動表示の結果、特別遊技が実行される可能性等をいう。
また、「所定条件の成立に基づいて判定を行う判定手段(当否判定手段)と、判定手段の判定結果に基づいて、識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、特定の識別情報の変動表示の結果を、判定手段による判定を行うより前に、事前判定する事前判定手段と、事前判定手段の事前判定結果に基づいて、特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って、事前演出を実行可能な事前演出実行手段と、を備える」ものとしてもよい。また、「所定条件の成立に基づいて取得情報を取得して所定個数(複数個)記憶可能な取得情報記憶手段と、取得情報記憶手段に記憶した取得情報を判定する判定手段を備える」ものとしてもよい。
また、「特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って開始(実行)される事前演出」は事前判定手段の事前判定の結果に基づいて実行されるものとしてもよい。また、「特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示に伴って開始(実行)される特定演出」は事前判定手段の事前判定結果、又は/及び、当否判定手段の判定結果に基づいて実行されるものとしてもよい。
また、参考発明2−2の遊技機は、参考発明2−1の遊技機において、
前記第1遊技演出が前記事前演出として実行された場合、当該事前演出に係る前記特定の識別情報の変動表示の終了後の所定期間、前記第1遊技演出が前記特定演出として実行されるのを制限することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1遊技演出が事前演出として実行された場合には、当該事前演出に係る識別情報の変動表示の終了後の所定期間、第1遊技演出が特定演出として実行されることを制限する。これにより、比較的高い特別遊技実行可能性を示す事前演出としての第1遊技演出が実行された直後に、同様の演出態様であるにも関わらず、低い特別遊技実行可能性を示す特定演出としての第1遊技演出が実行されることを制限することが可能となる。またこれにより、実行される遊技演出に期待感を持つことができず、遊技興趣が低下してしまうのを防止することが可能となる。
ここで、「制限する」とは、実行不能と(実行を禁止)してもよいし、実行頻度(実行確率)を低下させてもよい。また、「所定期間」とは、識別情報の変動表示の回数で規定してもよいし、時間で規定してもよいし、特定条件(所定の判定に当選等)の成立回数(1又は複数)で規定してもよい。
また、参考発明2−3の遊技機は、参考発明2−2の遊技機において、
前記遊技演出として、第2遊技演出を有し、
前記特定演出として実行される前記第2遊技演出は、前記特定演出として実行される前記第1遊技演出よりも、前記特別遊技の実行可能性として高い可能性を示すものとされ、
前記第2遊技演出は、前記所定期間においてのみ前記特定演出として実行可能であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技演出として、第1遊技演出と第2遊技演出とを有している。そして、第1遊技演出及び第2遊技演出は、特定演出として実行される場合、第2遊技演出の方が第1遊技演出よりも、特別遊技の実行可能性として高い可能性を示すものとされる。また、この第2遊技演出を、所定期間においてのみ特定演出として実行可能としている。これにより、所定期間において、第1遊技演出よりも高い特別遊技実行可能性を示す第2遊技演出を実行可能とし、所定期間における遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
所定期間では、第1遊技演出が特定演出として実行されるのを制限する(例えば、禁止したり、頻度低下したり)変わりに、特定演出として第1遊技演出よりも大当り信頼度の高い第2遊技演出の実行を可能とする。これにより、事前演出として第1遊技演出が実行された直後の期間において、特定演出として第1遊技演出が実行されて遊技興趣が低下するのを防止すると共に、特定演出として第1遊技演出よりも期待感の高い第2遊技演出を実行することで遊技興趣を向上させることを可能としている。これにより、所定期間における遊技興趣を顕著に高めることが可能となる。
尚、第2遊技演出は、所定期間においてのみ、且つ、特定演出としてのみ、実行可能な遊技演出としてもよい。また、特定演出としての第2遊技演出の実行は所定期間に限られるが、事前演出としての第2遊技演出は特定期間以外でも実行するようにしてもよい。
また、参考発明2−4の遊技機は、参考発明2−2の遊技機において、
前記遊技演出として、第2遊技演出を有し、
前記特定演出として実行される前記第2遊技演出は、前記特定演出として実行される前記第1遊技演出よりも、前記特別遊技の実行可能性として高い可能性を示すものとされ、
前記所定期間において前記第2遊技演出が前記特定演出として実行される可能性は、前記所定期間経過後に前記第2遊技演出が前記特定演出として実行される可能性よりも高いことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技演出として、第1遊技演出と第2遊技演出とを有している。そして、第1遊技演出及び第2遊技演出は、特定演出として実行される場合、第2遊技演出の方が第1遊技演出よりも、特別遊技の実行可能性として高い可能性を示すものとされる。また、この第2遊技演出が特定演出として実行される可能性を、所定期間経過後よりも所定期間において高くしている。これにより、所定期間において、第1遊技演出よりも高い特別遊技実行可能性を示す第2遊技演出を、高い可能性で実行可能とし、所定期間における遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、参考発明2−5の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて、識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報の変動表示に伴って所定の遊技演出を実行可能な遊技演出実行手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となると前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
を備えた遊技機であって、
特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って開始する事前演出と、
前記特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示に伴って開始する特定演出と、を有し、
前記遊技演出として、第1特定予告演出と、前記特別遊技の実行可能性として前記第1予告演出よりも高い可能性を示す第2特定予告演出と、を有し、
前記第1特定予告演出及び前記第2特定予告演出は、前記事前演出及び前記特定演出の何れとしても実行可能とされ、
前記第1特定予告演出が前記事前演出として実行される場合の方が、前記第1特定予告演出が前記特定演出として実行される場合よりも、前記特別遊技の実行可能性として高い可能性を示すことが多いものとされ、
前記第1特定予告演出又は前記第2特定予告演出が前記事前演出として実行された場合、当該事前演出に係る前記特定の識別情報の変動表示の終了後の所定期間、前記第1特定予告演出が前記特定演出として実行されるのを制限する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示より前の識別情報の変動表示に伴って開始する事前演出と、特定の識別情報の変動表示の内容を示す演出であって、当該特定の識別情報の変動表示に伴って開始する特定演出と、を有している。また、遊技演出として、第1特定予告演出と、第1特定予告演出よりも高い特別遊技実行可能性を示す第2特定予告演出と、を有し、第1特定予告演出及び第2特定予告演出は何れも、事前演出及び特定演出の何れとしても実行可能とされている。また、第1特定予告演出が事前演出として実行される場合の方が、第1特定予告演出が特定演出として実行される場合よりも、特別遊技実行可能性として高い可能性を示すことが多いものとされている。また、第1特定予告演出及び第2特定予告演出の少なくとも何れか一方が事前演出として実行された場合には、事前演出に係る特定の識別情報の変動表示の終了後の所定期間を、第1特定予告演出が特定演出として実行されるのを制限する制限期間とする。
これにより、同様の演出態様(第1特定予告演出及び第2特定予告演出)を事前演出として実行するか、特定演出として実行するかによって、遊技者に報知する特別遊技実行可能性を異ならせ、遊技演出を多様化することが可能となる。またこれにより、第1特定予告演出又は第2特定予告演出が実行されたことだけでなく、事前演出か特定演出か何れとして実行されたかに注目させ、遊技興趣を高めることが可能となる。
またこれにより、比較的高い特別遊技実行可能性を示す事前演出としての特定予告演出(第1特定予告演出又は第2特定予告演出)が実行された直後に、同様の演出態様であるにも関わらず、低い特別遊技実行可能性を示す特定演出としての第1特定予告演出が実行されることを制限することが可能となる。またこれにより、実行される遊技演出に期待感を持つことができず、遊技興趣が低下してしまうのを防止することが可能となる。
ここで、「制限する」とは、実行不能と(実行を禁止)してもよいし、実行頻度(実行確率)を低下させてもよいし、第1特定予告演出の実行頻度を低下させ第2特定予告演出の実行頻度を向上させてもよい。また、「所定期間」とは、識別情報の変動表示の回数で規定してもよいし、時間で規定してもよいし、特定条件(所定の判定に当選等)の成立回数(1又は複数)で規定してもよい。
また、「第1特定予告演出及び第2特定予告演出のうち、第2特定予告演出が事前演出として実行された場合、当該事前演出に係る特定の識別情報の変動表示の終了後の所定期間、第1特定予告演出が特定演出として実行されるのを制限する」ものとしてもよい。また、「第1特定予告演出及び第2特定予告演出のうち、第1特定予告演出が事前演出として実行された場合、当該事前演出に係る特定の識別情報の変動表示の終了後の所定期間、第1特定予告演出が特定演出として実行されるのを制限しない」ものとしてもよい。また、第1特定予告演出及び第2特定予告演出のうち、第2特定予告演出が事前演出として実行された場合、当該事前演出に係る特定の識別情報の変動表示の終了後の所定期間、第1特定予告演出及び第2特定予告演出の何れも、特定演出として実行されるのを制限する」ものとしてもよい。また、第1特定予告演出又は第2特定予告演出が事前演出として実行された場合、当該事前演出に係る特定の識別情報の変動表示の終了後の所定期間、第1特定予告演出及び第2特定予告演出の何れも、特定演出として実行されるのを制限する」ものとしてもよい。
(参考発明3)
また、参考発明3−1の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う遊技機であって、
遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
前記遊技領域のうち何れの領域に向けて遊技球を発射するかを指示する指示報知を実行可能な指示報知実行手段と、を備え、
前記遊技状態には、少なくとも、前記遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う所定遊技状態があり、
前記所定遊技状態には、少なくとも、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とがあり、
前記指示報知には、前記所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示報知があり、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、前記所定指示報知を同様の態様で実行可能である
ことを特徴とする。
上記参考発明3−1の遊技機では、遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う所定遊技状態として、少なくとも、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とを備えるものとなっている。また、遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示報知を、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同様の態様で実行することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態の何れの遊技状態であっても、所定指示報知を認識し易いものとなる。
(参考発明3−2)
前述した参考発明3−1の遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、遊技状態を前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に制御可能であり、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態にて前記所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に移行した後も前記第1所定遊技状態での前記所定指示報知を実行する
ことを特徴とする。
上記参考発明3−2の遊技機では、第1所定遊技状態にて所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行した場合には、当該移行後の第2所定遊技状態においても、移行前の第1所定遊技状態での所定指示報知を実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行したとしても、その移行前後で所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、所定指示報知を認識し易いものとなる。
(参考発明3−3)
前述した参考発明3−2の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、遊技状態が前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に移行した後の前記所定指示報知の態様を、前記第2所定遊技状態中の所定時期に変更可能である
ことを特徴とする。
上記参考発明3−3の遊技機では、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行した後も第1所定遊技状態での所定指示報知を実行する場合の当該所定指示報知の態様を、第2所定遊技状態中の所定時期に変更することが可能となっている。これにより、第1所定遊技状態から第2所定遊技状態への移行後に所定指示報知の態様が変化し得るものとなるので、遊技者を所定指示報知に注目させることが可能となる。
(参考発明3−4)
前述した参考発明3−1から参考発明3−3の何れか一つの遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、遊技状態を前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に制御可能であり、
前記指示報知実行手段は、前記第2所定遊技状態にて前記所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に移行した後も前記第2所定遊技状態での前記所定指示報知を実行する
ことを特徴とする。
上記参考発明3−4の遊技機では、第2所定遊技状態にて所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行した場合には、当該移行後の第1所定遊技状態においても、移行前の第1所定遊技状態での所定指示報知を実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行したとしても、その移行前後で所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、所定指示報知を認識し易いものとなる。
(参考発明3−5)
前述した参考発明3−4の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、遊技状態が前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に移行した後の前記所定指示報知の態様を、前記第1所定遊技状態中の所定時期に変更可能である
ことを特徴とする。
上記参考発明3−5の遊技機では、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行した後も第2所定遊技状態での所定指示報知を実行する場合の当該所定指示報知の態様を、第1所定遊技状態中の所定時期に変更することが可能となっている。これにより、第2所定遊技状態から第1所定遊技状態への移行後に所定指示報知の態様が変化し得るものとなるので、遊技者を所定指示報知に注目させることが可能となる。
(参考発明3−6)
前述した参考発明3−1から参考発明3−5の何れか一つの遊技機において、
前記指示報知実行手段は、前記所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示画像を所定の表示手段に表示することにより前記所定指示報知を実行可能であり、
前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、同一の前記所定指示画像を前記表示手段に表示可能である
ことを特徴とする。
上記参考発明3−6の遊技機では、所定の表示手段に所定指示画像を表示することにより、所定指示報知を実行することが可能となっている。そして、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同一の所定指示画像を表示することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示画像は同一となるので、所定指示画像の表示(所定指示報知)を認識し易いものとなる。
(参考発明3−7)
前述した参考発明3−6の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、同一の前記所定指示画像を前記表示手段の同一の表示部に表示可能である
ことを特徴とする。
上記参考発明3−7の遊技機では、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同一の所定指示画像を表示手段の同一の表示部に表示することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示画像およびその表示位置は共に同一となるので、所定指示画像の表示(所定指示報知)を認識し易いものとなる。