<第1実施形態>
1.遊技機の構造
図1〜図6に基づいて、本発明の一実施形態としての遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図である。図2は、遊技機枠50の分解斜視図である。図3は、遊技盤2の正面図である。図4は、第1大入賞装置31および第2大入賞装置36の拡大図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。遊技機1は、遊技機枠50と、遊技盤2とを備え、遊技機枠50の内側に遊技盤2が取り付けられている(図1〜図3参照)。遊技機枠50は、外枠51と、内枠52と、前枠53とを備えている(図2参照)。外枠(基枠部)51は、遊技機の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置される縦長方形状のユニットであり、中空の領域に遊技盤2が取り付けられる。前枠(前枠部)53は、外枠51および内枠52の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、遊技盤2を保護する。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている(図2参照)。このヒンジ部54によって、前枠53は、外枠51および内枠52のそれぞれに対して回動自在に構成されており、内枠52は、外枠51および前枠53のそれぞれに対して回動自在に構成されている。前枠53の中央には開口部53aが形成されており、この開口部53aには、透明のガラス板55が取付けられている。遊技者は、ガラス板55のうち、開口部53aの内側に位置する部分(窓部)を介して、遊技盤2の遊技領域3を視認することができる。なお、ガラス板55の代わりに透明な合成樹脂板等を用いてもよい。すなわち窓部は、前方から遊技領域3を視認可能であればよい。
前枠53は、ベース枠56と、上側装飾ユニット200と、左側装飾ユニット210と、右側装飾ユニット220と、操作機構ユニット230と、を備えている。ベース枠56は、表面側(前面側)において、上側装飾ユニット200、左側装飾ユニット210、右側装飾ユニット220、および、操作機構ユニット230のそれぞれを着脱可能に取付ける枠体である。図1に示すように、ベース枠56の左上方と右上方には、スピーカ67が設けられており、ベース枠56の左下方には、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61が設けられている。また、図2に示すように、ベース枠56の下端には遊技球を後述する遊技領域3へ打ち出すための打球発射機構57が設けられている。打球供給皿61はベース枠56に取り付けられているが、操作機構ユニット230と一体化(ユニット化)されている。なお、操作機構ユニット230は、内枠52に取り付けられて遊技機枠50の前面に臨んでいてもよい。
上側装飾ユニット200は、ベース枠56の上方側に配置され、すべてのユニット(上側装飾ユニット200、左側装飾ユニット210、右側装飾ユニット220、操作機構ユニット230)がベース枠56に取り付けられとき、最も前方に突出する。すなわち、上側装飾ユニット200は、ベース枠56に取付けられるすべてのユニットのうち、前後方向の寸法が最も長くなっている。これによって、前枠53は、上側装飾ユニット200が強調されるため、従来の前枠に比べてより大きなインパクトを与えることができる。上側装飾ユニット200は、左側装飾ユニット210および右側装飾ユニット220のベース枠56に対する取り付け状態に拘わらず、図示しないビスによって、独立して着脱可能に構成されている。このように、上側装飾ユニット200は、他の部材と連係(係合)せずに着脱可能であるため、故障や点検の際に容易に交換することが可能である。上側装飾ユニット200は、枠可動体600と、枠ランプ66と、を備えている。枠可動体600は、上側装飾ユニット200の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。枠可動体600は、上側装飾ユニット200の内部に格納されている格納状態(図1)から、上側装飾ユニット200の上方に突出する露出状態(図76)に変位可能に構成されている。枠ランプ66は、遊技者等から特に目立つように上側装飾ユニット200の前壁部に設けられ、左側から右側に向かって第1発光部341、第2発光部342、第3発光部343、第4発光部344が順に並んで構成されている。発光部341,342,343,344は、遊技の進行に伴って発光する。第1発光部341は正面視で「O」字状であり、第2発光部342は正面視で「A」字状であり、第3発光部343は正面視で「R」字状であり、第4発光部344は正面視で「O」字状である。発光部341,342,343,344によって、上側装飾ユニット200が「OARO」から成る一連の意味ある文字として発光する。ここでは、「OARO」は、遊技機1の機種名ロゴを意味している。なお、発光部341,342,343,344の形状は「OARO」以外の任意の形状とすることができる。
左側装飾ユニット210は、ベース枠56の左側に配置され、左側装飾部材211を備えている。右側装飾ユニット220は、ベース枠56の右側に配置され、右側装飾部材221と、剣部材222とを備えている。剣部材222は、剣の形を模した操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が下方向に押し込むことができる。
操作機構ユニット230は、ベース枠56の下側に配置され、ハンドル60と、余剰球受皿(下皿)62と、演出ボタン63と、セレクトボタン(十字キー)68と、を備えている。ハンドル60は、操作機構ユニット230の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。余剰球受皿(下皿)62は、ハンドル60の左側に配置され、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する。演出ボタン63およびセレクトボタン(十字キー)68は、操作機構ユニット230の上側に配置され、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作される。
図3に示すように、遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、盤ランプ5と、画像表示装置7と、センター装飾体10と、固定入賞装置(ヘソ)19と、普通可変入賞装置(電チュー)22と、ゲート(スルーチャッカー)28と、第1大入賞装置(第1アタッカー)31と、第2大入賞装置(第2アタッカー)36と、普通入賞口27と、アウト口16と、表示器類40と、を備えている。
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。盤ランプ5は、遊技領域3の背面側に配置され、遊技領域3の背面側から光を照射する。
画像表示装置7は、遊技領域3の中央付近に設けられ、表示画面7aを備えている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面7aは、演出図柄8L、8C、8Rが可変表示(変動表示ともいう)される演出図柄表示領域と、保留画像群9A、9Bが表示される保留画像表示領域と、保留消化画像9Cが表示される保留消化画像表示領域と、を有している。
演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示される。中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示される。右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「1」〜「8」までの数字を表した複数の図柄を有している。演出図柄8L、8C、8Rの可変表示は、後述する第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示と同期している。画像表示装置7は、左、中、右の図柄表示エリアに表示する演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bによって表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(大当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。遊技者は、大当たり抽選結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bのほか、画像表示装置7によって把握することができる。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様が例示できる。以後、演出図柄8L、8C、8Rを表示する演出を「演出図柄変動演出」、「装飾図柄変動演出」または、単に「変動演出」と呼ぶ。
画像表示装置7は、演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行しておこなわれる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示することができる。演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出画像も表示されてもよい。また、画像表示装置7は、演出図柄に加え、特別図柄が変動中であることを示唆したり、特別図柄の抽選結果を示唆したりすることが可能な識別表示(第四図柄、図示省略)を、表示画面7aに表示するようになっている。なお、識別表示(第四図柄)は、表示画面7aに表示する代わりに、表示画面7a外の遊技領域3に設けられたランプ(LED)などの発光器を所定の態様で制御することにより(例えば、特別図柄が変動中は点灯、停止中は消灯、第1特別図柄は青、第2特別図柄は赤)、その機能を持たせるようにしてもよい。この識別表示(第四図柄)は、常時遊技者に認識可能に表示され、例えば役物が動作した場合等で隠されないように設けられる。このような識別表示(第四図柄)を設けることにより、遊技者は現在の遊技状況を適正に判断することが可能になる。
保留画像表示領域は、後述の第1特図保留の記憶数に応じて保留画像群9Aを表示する第1保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて保留画像群9Bを表示する第2保留表示エリアとを含んでいる。保留画像群9A、9Bの表示によって、後述の第1特図保留表示器43aに表示される第1特図保留の記憶数と、第2特図保留表示器43bに表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像9Cは、表示画面7aで現在変動中の演出図柄(演出図柄8L、8C、8R)に対応する演出画像であって、保留消化画像表示領域は、保留消化画像9Cを表示する保留消化表示エリアを含んでいる。保留消化画像9Cの表示によって、第1特図保留または第2特図保留が消化(後述の「特図保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。
センター装飾体10は、遊技領域3の中央付近であって、画像表示装置7の前方に配置されている。センター装飾体10の下部には、ステージ部11が形成されている。ステージ部11は、ステージ部11の上面を転動する遊技球を後述の第1始動口20へと誘導可能な形状を有している。センター装飾体10の左下方には、ワープ部12が設けられている。ワープ部12は、遊技球が流入する入口部と遊技球が流出する出口部とを備え、入口部から流入した遊技球を出口部からステージ部11に流出させる。センター装飾体10の上部には、格納状態の盤可動体15が配置されている。
固定入賞装置(ヘソ)19は、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置され、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。言い換えれば、第1始動口20への遊技球の入賞は、大当たり乱数等の取得および大当たり判定等の契機となっている。
普通可変入賞装置(電チュー)22は、遊技領域3における第1始動口20の下方に配置され、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、第2始動口21の前方に可動部材23を備えており、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉する。可動部材23は、電チューソレノイド24(図7)によって駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態のとき遊技球が入球可能である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態のときの方が閉状態のときよりも第2始動口21への入球が容易であればよく、閉状態のときに第2始動口21への入球が可能であってもよい。
ゲート(スルーチャッカー)28は、遊技領域3における第1大入賞装置(第1アタッカー)31の上方に配置され、遊技球が通過可能に構成されている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決定する普通図柄抽選の契機となっている。言い換えれば、ゲート28への遊技球の通過は、普通図柄乱数(当たり乱数)の取得および当たり判定等の契機となっている。
ここで、「特別図柄の抽選」とは、第1始動口20または第2始動口21に遊技球が入賞したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当たり」に対応する値と比較することにより、大当たりか否かを判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示器41aまたは第2特別図柄表示器41bにおいて特別図柄の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当りの抽選結果に対応する特別図柄が停止後確定表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようになっている。また、画像表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームにより、より効果的に大当りの抽選結果が遊技者に報知される。
また、「普通図柄の抽選」とは、ゲート28を遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、ゲート28を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、後述の普通図柄表示器42(図6)において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止後確定表示(点灯または消灯)して、遊技者に抽選結果が報知されるようになっている。
第1大入賞装置(第1アタッカー、第1特別可変入賞装置)31は、遊技領域3における第1始動口20の右上方に配置され、台座13により遊技盤2に取り付けられている。第1大入賞装置31は、第1大入賞口(第1特別入賞口)30と、V領域39と、V開閉部材71とを備えている(図3、4)。第1大入賞口30は、前方において、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備えている。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5,7)によって駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態のとき遊技球が入球可能となる。また、図4に示す18は、V領域(特定領域)39の上方(V開閉部材71の略真上)に設けられ、V領域(特定領域)39があることを表示(示唆)するためのV領域(特定領域)表示部である。V領域(特定領域)表示部18は、図4に示すように、星形に形成され、印刷されたり貼付(シール)されたりすることにより遊技盤2表面に設けられる。なお、V領域(特定領域)表示部18は、星形でなくてもよく、またその位置は、V領域(特定領域)39の近傍であればよい。
第2大入賞装置(第2アタッカー、第2特別可変入賞装置)36は、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方に配置され、台座14により遊技盤2に取り付けられている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えている(図3、4、5)。第2大入賞口35は、前方において、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、羽根部材)37を備えている。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5,7)によって駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態のとき遊技球が入球可能となる。
普通入賞口27は、遊技領域3の下部に設けられている。なお、普通入賞口27は複数設けるようにしてもよい。アウト口16は、遊技領域3の下部に設けられており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外へ排出する。表示器類40は、遊技盤2の右側中央付近に配置されている。表示器類40の詳細については後述する。
遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼ぶ。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼ぶ。遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および、第2大入賞口35への入賞が狙うことができるように構成されている。
図5は、第1大入賞装置31の詳細を示す説明図である。第1大入賞装置31は内部に、V領域(特定領域)39と、V領域センサ39aと、非V領域(非特定領域)70と、非V領域センサ70aと、第1大入賞口センサ30aと、V開閉部材71と、V開閉部材ソレノイド73と、を備えている。V領域(特定領域)39および非V領域(非特定領域)70は、第1大入賞装置31の内部において、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。第1大入賞口センサ30aは、V領域39および非V領域70の上流に配置され、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する。V領域センサ39aは、V領域39に配置され、V領域39への遊技球の通過を検知する。非V領域センサ70aは、非V領域70に配置され、非V領域70への遊技球の通過を検知する。V開閉部材71は、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。V開閉部材71は、回転移動(遊技盤2に対して時計回りおよび反時計回り)するように構成され、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、原点位置から反時計回りに回転して遊技球をV領域39に振り分ける第1の状態(回動状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、原点に位置して遊技球を非V領域70に振り分ける第2の状態(停止状態)となる。なお、V開閉部材71は、回転移動に限らず、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける機能を有しておればよく、例えば、遊技盤2に対して左右方向に移動するように構成してもよい。すなわち、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、遊技球をV領域39に振り分ける退避状態(第1の状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非V領域70に振り分ける進出状態(第2の状態)となるように構成してもよい。
図5(A)は、V開閉部材ソレノイド73が通電時の状態を示している。V開閉部材ソレノイド73の通電時には、V開閉部材71はV領域39への遊技球の通過を許容する状態(第1の状態)となる。V開閉部材71が第1の状態のときには、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過した後、V領域39を通過する。この遊技球のルートを「第1のルート」と呼ぶ。図5(B)は、V開閉部材ソレノイド73が非通電時の状態を示している。V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、V開閉部材71はV領域39への遊技球の通過を妨げる状態(第2の状態)となる。V開閉部材71が第2の状態のときには、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過した後、V開閉部材71の上面を転動して非V領域70を通過する。この遊技球のルートを「第2のルート」と呼ぶ。なお、遊技機1では、V領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり、V領域39は、確変作動口となっている。一方、非V領域70は、確変作動口となっていない。本実施形態の第1大入賞装置31は、さらに、第1大入賞装置31から排出される遊技球数を計数する第1大入賞装置排出センサ(図示しない)を備えている。第1大入賞装置排出センサは、V領域39と非V領域70が下流で合流した地点に設けられており、V領域センサ39aまたは非V領域センサ70aを通過した遊技球数を計数する。
図5(A),(B)には、第2大入賞口35に入賞した遊技球が通過する経路(ルート)が示されている。この通過経路には、第2大入賞口センサ35aが配置され、この第2大入賞口センサ35aにより第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する。第2大入賞装置36は、内部に確変作動口としてのV領域を備えていない。すなわち、第2大入賞装置36は、内部に非V領域しか備えていない。なお、第2大入賞装置36は内部にV領域を備えていてもよい。本実施形態の第1大入賞装置31は、さらに、第2大入賞装置36から排出される遊技球数を計数する第2大入賞装置排出センサ(図示しない)を備えている。第2大入賞装置排出センサは、第2大入賞口センサ35aの下流に設けられており、第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球数を計数する。
図6は、表示器類40の拡大図である。表示器類40は、第1特別図柄表示器41aと、第2特別図柄表示器41bと、普通図柄表示器42と、第1特図保留表示器43aと、第2特図保留表示器43bと、普図保留表示器44と、を含んでいる。第1特別図柄表示器41aは、第1特別図柄を可変表示する。第2特別図柄表示器41bは、第2特別図柄を可変表示する。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示する。第1特図保留表示器43aは、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する。第2特図保留表示器43bは、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する。普図保留表示器44は、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する。第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。以下では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」とも呼ぶ。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示器41」とも呼ぶ。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示器43」とも呼ぶ。
特別図柄表示器41は、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによって第1始動口20または第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)がおこなわれる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、ハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。特別図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされる。変動表示の態様は、例えば、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶領域85(図11)に一旦記憶される。具体的には、第1始動口20への入賞であれば、第1特図保留として第1特図保留記憶領域85a(図11)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば、第2特図保留として第2特図保留記憶領域85b(図11)に記憶される。各々の特図保留記憶領域85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本実施形態における上限値はそれぞれ4個となっている。特図保留記憶領域85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。「特図保留の消化」とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐにおこなえない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができる。特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。特図保留表示器43は、例えば、4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることによって特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機としておこなわれる。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによってゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。普図停止図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
普通図柄表示器42は、2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされる。変動表示の態様は、例えば、両LEDが交互に点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶領域86(図11)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶領域86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。普図保留記憶領域86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐにおこなえない場合、すなわち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができる。普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。普図保留表示器44は、例えば、4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることによって普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
図7〜図9に基づいて、遊技機1の電気的構成について説明する。図7は、遊技機1の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。図8は、遊技機1のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。図9は、遊技機1の枠中継基板側の電気的な構成を示すブロック図である。遊技機1は、主制御基板80と、サブ制御基板90と、枠中継基板99と、画像制御基板100と、ランプ制御基板107と、音声制御基板106と、払出制御基板110と、を備えている。主制御基板80は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御をおこなう遊技制御基板であり、メイン制御部を構成する。サブ制御基板90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御をおこなう演出制御基板であり、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていれば構成可能である。
主制御基板80は、遊技制御用マイコン81と、入出力回路87と、RAMクリアスイッチ89と、を備えている(図7)。遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン81は、遊技の進行を制御するためのプログラムなどを記憶するメインROM83と、ワークメモリとして使用されるメインRAM84と、メインROM83に記憶されているプログラムを実行するメインCPU82と、を含んでいる。メインROM83に記憶されているデータの詳細、および、メインRAM84に設けられている記憶領域の詳細については後述する。メインROM83は外付けROMとして構成されていてもよい。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
RAMクリアスイッチ89は、RAMクリアスイッチ89の操作によって、メインRAM84から、遊技状態や未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報が消去(クリア)されるように構成されている。RAMクリアスイッチ89は、主制御基板80を保護する図示しない保護カバー(主基板ケース)から露出している。そのため、主制御基板80から保護カバーを外すことなく操作することができる。RAMクリアスイッチ89は、遊技機1の裏側(背面側)に配置されているため、表側と対面する遊技者は操作することができない。一方、ホール管理者は、遊技機1の前枠53および内枠52を外枠51から開放することで、RAMクリアスイッチ89を操作できるようになっている。このように、RAMクリアスイッチ89は、遊技者が操作できない位置であり、かつ、ホール管理者が操作可能な位置に配置されている。
主制御基板80には、入出力回路87および中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。主制御基板80は、各センサから出力された信号が入力するとともに、各ソレノイドに対して信号を出力する。中継基板88を介して接続されるセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、V領域センサ39a、非V領域センサ70a、および、普通入賞口センサ27a、が例示される。中継基板88を介して接続されるソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および、V開閉部材ソレノイド73が例示される。第1始動口センサ20aは、第1始動口20の内部に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ21aは、第2始動口21の内部に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28の内部に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30の内部に設けられ、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35の内部に設けられ、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。V領域センサ39aは、第1大入賞口30の内部のV領域39に設けられ、V領域39を通過した遊技球を検出する。非V領域センサ70aは、第1大入賞口30の内部の非V領域70に設けられ、非V領域70を通過した遊技球を検出する。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27の内部に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出する。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。V開閉部材ソレノイド73は、第1大入賞装置31のV開閉部材71を駆動する。
主制御基板80には、入出力回路87を介して表示器類40が接続されている。遊技制御用マイコン81は、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44についての表示制御おこなう。
主制御基板80には、入出力回路87を介して払出制御基板110が接続されている。主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120と、貸球払出装置130と、カードユニット135と、前枠開放スイッチ58と、内枠開放スイッチ59と、が接続され、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。賞球払出装置120は、賞球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しをおこなう。払い出される賞球は、計数のために賞球センサ122によって検知される。貸球払出装置130は、貸球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しをおこなう。払い出される貸球は、計数のために貸球センサ132によって検知される。カードユニット135は、遊技機1に隣接して配置され、挿入されたプリペイドカードなどの情報に基づいて球貸に関する情報を出力する。前枠開放スイッチ58は、前枠53の開放を検知する。前枠53が開放されると、前枠開放スイッチ58から出力された信号(前枠開放スイッチ58の「ON」状態を示す信号)が払出制御基板110を介して主制御基板80に入力され、さらに、主制御基板80からサブ制御基板90に入力される。内枠開放スイッチ59は、内枠52の開放を検知する。内枠52が開放されると、内枠開放スイッチ59から出力された信号(内枠開放スイッチ59の「ON」状態を示す信号)が払出制御基板110を介して主制御基板80に入力され、さらに、主制御基板80からサブ制御基板90に入力される。発射装置112は、ハンドル60(図1)と、発射モータ113と、タッチスイッチ114と、発射ボリューム115と、を備えている。発射装置112は、遊技者によるハンドル60の操作があった場合に、タッチスイッチ114によってハンドル60の接触を検知し、発射ボリューム115によってハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるように発射モータ113を駆動する。
主制御基板80には、入出力回路87を介してサブ制御基板90が接続されている。主制御基板80は、サブ制御基板90に対して各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図8に示すように、サブ制御基板90は、演出制御用マイコン91と、入出力回路95と、を備えている。演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン91は、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶するサブROM93と、ワークメモリとして使用されるサブRAM94と、サブROM93に記憶されているプログラムを実行するサブCPU92と、を含んでいる。サブROM93に記憶されているデータの詳細、および、サブRAM94に設けられている記憶領域の詳細については後述する。サブROM93は外付けROMとして構成されていてもよい。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。サブ制御基板90には、入出力回路95を介して、画像制御基板100と、音声制御基板106と、ランプ制御基板107と、枠中継基板99(図9)とが接続されている。
画像制御基板100は、画像制御用マイコン101と、入力回路105aと、出力回路105bとを備えている。画像制御用マイコン101は、画像制御基板100に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って画像表示装置7の表示制御をおこなう。画像制御用マイコン101は、CPU102と、ROM103と、RAM104とを含んでいる。ROM103には、表示制御をおこなうためのプログラムのほか、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。RAM104は、画像データを展開するためのメモリとして使用される。CPU102は、ROM103に記憶されているプログラムを実行する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御用マイコン101に画像表示装置7の表示制御をおこなわせる。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて表示制御をおこなう。
音声制御基板106には、スピーカ67が接続されており、スピーカ67を制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のサブROM93に格納されている。なお、音声制御基板106は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づく音声制御を実行させてもよい。さらに、音声制御基板106は、ROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらに、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
ランプ制御基板107には、枠ランプ66と、盤ランプ5と、盤可動体15と、が接続されており、これらを制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御をおこなう。つまり、演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のサブROM93に格納されているデータが用いられる。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、盤可動体15(図3)を動作させる。盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(ここでは上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(図3)から、その折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態に変位可能に構成されている。
図9に示すように、枠中継基板99には、入出力回路96を介して、演出ボタン検出スイッチ63aと、セレクトボタン検出スイッチ68aと、タッチセンサ321と、役物駆動用モータ641と、フォトセンサ531とが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1)が押下操作されたことを検出する。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aから、枠中継基板99を介してサブ制御基板90にスイッチ信号が出力される。セレクトボタン検出スイッチ68aは、セレクトボタン68(図1)が押下操作されたことを検出する。セレクトボタン68が押下されるとセレクトボタン検出スイッチ68aから、枠中継基板99を介してサブ制御基板90にスイッチ信号が出力される。タッチセンサ321は、前枠53に設けられており、人体が接触すると、枠中継基板99を介してサブ制御基板90に検出信号が出力される。役物駆動用モータ641は、枠可動体600(図1)を駆動させる。サブ制御基板90から枠中継基板99を介して役物駆動用モータ641に駆動信号が出力されると、役物駆動用モータ641が駆動する。フォトセンサ531は、枠可動体600の位置を検出する。フォトセンサ531の検出信号は、枠中継基板99を介してサブ制御基板90に出力される。
演出制御用マイコン91は、盤可動体15や枠可動体600の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15や枠可動体600の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づくランプの点灯制御を実行させてもよい。また、枠可動体600は、ランプ制御基板107に接続され、ランプ制御基板107に動作制御されてもよい。この場合、ランプ制御基板107はROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機のデータ構成
図10〜図13に基づいて、遊技機1のデータ構成について説明する。図10は、メインROM83に記憶されているテーブルを説明するための図である。図11は、メインRAM84に設けられている記憶領域を説明するための図である。図12は、サブROM93に記憶されているテーブルを説明するための図である。図13は、サブRAM94に設けられている記憶領域を説明するための図である。
メインROM83には、大当たり判定テーブルT1と、リーチ判定テーブルT2と、普通図柄当たり判定テーブルT3と、普通図柄変動パターン判定テーブルT4と、大当たり種別判定テーブルT5と、変動パターン判定テーブルT6と、電チュー開放パターン判定テーブルT7と、大入賞口開放パターン判定テーブルT8と、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9と、が格納されている。これらの判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が実行する主制御メイン処理(後述)において、遊技制御用マイコン81によって参照される。各判定テーブルの具体的な内容については後述する。
メインRAM84には、コマンドセット領域84aと、フラグセット領域84bと、カウンタセット領域84cと、特別動作ステータスセット領域84dと、特図保留記憶領域85と、普図保留記憶領域86とが設けられている。コマンドセット領域84aは、主制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側からサブ制御部側に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンド、RAMクリア報知コマンドなどがセットされる。フラグセット領域84bは、主制御メイン処理(後述)において、遊技機の状態や遊技状態を示すフラグがセットされる領域であり、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、Vフラグ、確変フラグ、時短フラグ、RAMクリア報知フラグ、電源断フラグ、第1入賞フラグ、第2入賞フラグ、リトライ終了フラグなどがセットされる。カウンタセット領域84cは、主制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、確変カウンタ、時短カウンタ、ラウンドカウンタ(不図示)などがセットされる。特別動作ステータスセット領域84dは、後述する特別動作処理におけるステータスがセットされる領域である。特図保留記憶領域85は、第1特図保留が記憶される第1特図保留記憶領域85aと、第2特図保留が記憶される第2特図保留記憶領域85bとを含んでいる。第1特図保留記憶領域85aには、第1特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する大当たり乱数等の乱数値群を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。第2特図保留記憶領域85bには、第2特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する乱数値群を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。普図保留記憶領域86は、普図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する普通図柄乱数(あたり乱数)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。なお、メインRAM84には、上記の領域の他に、特図停止図柄データがセットされる大当たり種別セットバッファや、枠可動体600を駆動させるための枠可動体駆動データがセットされる駆動データバッファが設けられている。
サブROM93には、停止図柄パターン決定テーブルT51と、オープニング演出パターン決定テーブルT52と、ラウンド演出パターン決定テーブルT53と、エンディング演出パターン決定テーブルT54と、客待ち演出パターン決定テーブルT55と、シナリオ情報決定テーブルT75と、大入賞口開放パターン判定テーブルT81と、V開閉部材開放パターン判定テーブルT82と、基幹演出パターン決定テーブルT100と、表示演出チャンスアップ決定テーブルT101と、音演出チャンスアップ決定テーブルT102と、可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103と、ランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104と、ボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105と、ゾーン演出パターン決定テーブルT106と、高確時短演出突入抽選テーブルT107と、煽り演出抽選テーブルT108とが格納されている。これらの決定テーブルは、演出制御用マイコン91が実行するサブ制御メイン処理(後述)において、演出制御用マイコン91によって参照される。各決定テーブルの具体的な内容については後述する。
サブRAM94には、コマンド記憶領域94aと、演出開始コマンドセット領域94bと、事前判定情報記憶領域94cと、カウンタセット領域94dと、フラグセット領域94eとが設けられている。コマンド記憶領域94aは、サブ制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側から入力されたコマンドが記憶される領域(入力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンド、RAMクリア報知コマンドなどが格納される。演出開始コマンドセット領域94bは、サブ制御メイン処理(後述)において、サブ制御基板90から画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106、枠中継基板99に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、変動演出開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンドなどがセットされる。事前判定情報記憶領域94cは、サブ制御メイン処理(後述)において、事前判定情報が記憶される。カウンタセット領域94dは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、時短回数カウンタ、回転数カウンタなどがセットされる。フラグセット領域94eは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるフラグがセットされる領域であり、時短演出変更フラグ、煽り演出フラグ、V通過フラグ、遊技状態フラグ(低確時短フラグ、高確時短フラグ)、時短演出フラグ(低確時短演出フラグ、高確時短演出フラグ)などがセットされる。
図14は、遊技機1において使用される各種の乱数を説明するための図である。図14(A)は、メイン制御部側の遊技制御用マイコン81が取得する乱数を示しており、図14(B)は、サブ制御部側の演出制御用マイコン91が取得する乱数を示している。遊技制御用マイコン81は、「大当たり乱数」と、「大当たり種別乱数」と、「リーチ乱数」と、「変動パターン乱数」と、「普通図柄乱数(当たり乱数)」とを後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「大当たり乱数」は、大当たりか否かの抽選(大当たり判定)に用いられる乱数であり、0〜65535までの範囲の値をとる。「大当たり種別乱数」は、当選した大当たりの種別の抽選(大当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。「リーチ乱数」は、大当たり判定がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば、「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で揺れているように表示されてもよい。「変動パターン乱数」は、変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、電チュー22を開放させる補助遊技をおこなうか否かの抽選(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲の値をとる。「大当たり乱数」、「大当たり種別乱数」、「リーチ乱数」、「変動パターン乱数」は、始動口(第1始動口20または第2始動口21)への入球に基づいて取得される。第1始動口20への入球に基づいて取得された乱数値群は第1特図保留記憶領域85aに記憶され、第2始動口21への入球に基づいて取得された乱数値群は第2特図保留記憶領域85bに記憶される。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、ゲート28の通過に基づいて取得される。取得された普通図柄乱数値は、普図保留記憶領域86に記憶される。
演出制御用マイコン91は、「チャンスアップ乱数」と、「シナリオ乱数」と、「ゾーン乱数」と、「高確時短演出突入乱数」と、「煽り演出決定乱数」と、を後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「チャンスアップ乱数」は、変動演出時のチャンスアップ演出を決定するために用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。「シナリオ乱数」は、保留表示の変化シナリオを決定するために用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。「ゾーン乱数」は、ゾーン演出を決定するために用いられる乱数であり、0〜127までの範囲の値をとる。「高確時短演出突入乱数」は、後述の「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(図16)後の高確時短状態(潜伏確変状態)において高確時短演出に突入するか否かを決定するために用いられる乱数であり、0〜99までの範囲の値をとる。「煽り演出決定乱数」は、後述の「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(図16)後の高確時短状態(潜伏確変状態)および「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(図16)後の低確時短状態において煽り演出を行うか否かを決定するために用いられる乱数であり、0〜99までの範囲の値をとる。「シナリオ乱数」、「ゾーン乱数」、「高確時短演出突入乱数」、「煽り演出決定乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に事前判定コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値群はサブRAM94に記憶される。「チャンスアップ乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に変動開始コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値群はサブRAM94に記憶される。
図15は、判定テーブルT1〜T4を説明するための図である。図15(A)には、大当たり判定テーブルT1を説明するための図が示され、図15(B)には、リーチ判定テーブルT2を説明するための図が示され、図15(C)には、普通図柄当たり判定テーブルT3を説明するための図が示され、図15(D)には、普通図柄変動パターン判定テーブルT4を説明するための図が示されている。
大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり乱数値(0〜65535のいずれか)が「大当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図15(A)では、「通常確率状態」において、大当たり乱数値が「0〜164」の場合には、「大当たり」と判定され、大当たり乱数値が「0〜164以外の数値(165〜65535)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「高確率状態」において、大当たり乱数値が「0〜649」の場合には、「大当たり」と判定され、大当たり乱数値が「0〜649以外の数値(650〜65535)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。「通常確率状態」および「高確率状態」の内容については後述する。
リーチ判定テーブルT2は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得したリーチ乱数値(0〜127のいずれか)が「リーチ有り」に該当するか「リーチ無し」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図15(B)では、「非時短状態」において、リーチ乱数値が「0〜13」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0〜13以外の数値(14〜127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、リーチ乱数値が「0〜5」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0〜5以外の数値(6〜127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。「時短状態」および「非時短状態」の内容については後述する。リーチ判定テーブルT2では、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されることで、特図保留の消化スピードを速めるためである。
普通図柄当たり判定テーブルT3は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄乱数値(0〜255のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図15(C)では、「非時短状態」において、普通図柄乱数値が「0〜2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0〜2以外の数値(3〜255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、普通図柄乱数値が「0〜254」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0〜254以外の数値(255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
普通図柄変動パターン判定テーブルT4は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、普通図柄の変動時間が何秒かを判定するために参照されるテーブルである。図15(D)では、「非時短状態」のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、「時短状態」のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定されることが示されている。
図16は、大当たり種別判定テーブルT5を説明するための図である。大当たり種別判定テーブルT5は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり種別乱数値(0〜127のいずれか)に応じて、「大当たりの種別」と「特別図柄の種類」を判定するために参照されるテーブルである。図16では、第1特別図柄(特図1)の抽選において当選したとき、大当たり種別乱数値が「0〜24」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特図1の停止図柄(特図停止図柄)が「大当たり図柄1」と判定される。大当たり種別乱数値が「25〜49」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄2」と判定される。大当たり種別乱数値が「50〜55」の場合には、大当たり種別が「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄3」と判定される。大当たり種別乱数値が「56〜59」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄4」と判定される。大当たり種別乱数値が「60〜63」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄5」と判定される。大当たり種別乱数値が「64〜67」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄6」と判定される。大当たり種別乱数値が「68〜127」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄7」と判定される。一方、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した場合、大当たり種別乱数値によらず(0〜127のいずれであっても)、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特図2の停止図柄(特図停止図柄)が「大当たり図柄1」と判定されることが示されている。なお、大当たり種別判定テーブルT5を参照することによって、特図停止図柄に対応する「特図停止図柄データ」、特別遊技の「オープニング(OP)コマンド」、「ラウンド指定コマンド」、「エンディング(ED)コマンド」も特定することができる。「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の具体的な内容については後述する。
図17は、非時短状態時の変動パターン判定テーブルT6を説明するための図である。図18は、時短状態時の変動パターン判定テーブルT6を説明するための図である。変動パターン判定テーブルT6は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した変動パターン乱数値(0〜127)に応じて、変動パターンを判定するために参照されるテーブルである。図17では、例えば、非時短状態において第1始動口20に入賞し、大当たり判定テーブルT1において「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルT2において「リーチ有り」と判定され、保留球数が「1〜2」であり、変動パターン乱数値が「0〜60」の場合には、変動パターンが「P7」と判定されることが示されている。図18では、例えば、時短状態において第2始動口21に入賞し、大当たり判定テーブルT1において「大当たり」と判定され、大当たり種別判定テーブルT5において「16RV通過予定大当たり」と判定され、変動パターン乱数値が「0〜10」の場合には、変動パターンが「P61」と判定されることが示されている。図17,18に示されるように、変動パターンが決定されれば、変動時間も決定される。また、リーチになる場合に、そのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決定される。また、スーパーリーチになる場合に、疑似連があるのか無いのかも決定される。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出である。ここでは、スーパーリーチは、ノーマルリーチを経て発展的に実行される。疑似連についての詳細は、後述する。
また、図17,18に示されるように、「ハズレ」と判定されたときにリーチになる場合、第1始動口20および第2始動口21では、共に、保留球数「1〜2」のときの方が保留球数「3〜4」のときよりもノーマルリーチとなる確率が低く、スーパーリーチとなる確率が高くなっている。つまり、「ハズレ」と判定されたときにリーチになる場合、保留球数の多いときの方が、ノーマルリーチの出現率が高く、スーパーリーチの出現率が低くなっている。さらに、この傾向は、第1始動口20よりも第2始動口21の方が顕著である。
また、図17,18に示されるように、「ハズレ」と判定されたときにリーチになる場合、第1始動口20および第2始動口21では、共に、保留球数「1〜2」のときの方が保留球数「3〜4」のときよりもノーマルリーチの変動時間が長くなっている。同様に、「ハズレ」と判定されたときにリーチにならない場合、第1始動口20および第2始動口21では、共に、保留球数「1〜2」のときの方が保留球数「3〜4」のときよりもリーチ無しハズレの変動時間が長くなっている。つまり、「ハズレ」と判定されたときのノーマルリーチおよびリーチ無しハズレの変動時間は、保留球数の多いときの方が短くなっている。ここで、第1始動口20と第2始動口21の対応するノーマルリーチおよびリーチ無しハズレの変動時間を比較すると、非時短状態(図17)および時短状態(図18)共に、第1始動口20よりも第2始動口21の方が短くなっている(P7>P24、P11>P28、P15>P32、P16>P33、P47>P64、P51>P68、P55>P72、P56>P73)。さらに、ノーマルリーチおよびリーチ無しハズレの変動時間は、第1始動口20では、非時短状態(図17)と時短状態(図18)とで同一となっている(P7=P47、P11=P51、P15=P55、P16=P56)が、第2始動口21では、非時短状態(図17)の方が時短状態(図18)よりも長くなっている(P24>P64、P28>P68、P32>P72、P33>P73)。
このように構成することにより、第1始動口20および第2始動口21において、保留球数が多いとき(所定数以上のとき)は、変動時間を短くして速やかに保留数を消化することができる。その結果、保留がオーバーフローしてしまうことを低減することができ、遊技性が向上する。また、「ハズレ」と判定された場合、第2始動口21は、第1始動口20よりも変動時間が相対的に短く、且つ、非時短状態よりも時短状態の方が変動時間が相対的に短くなっている。すなわち、第2始動口21は、第1始動口20よりも価値の高いものとなっている。その結果、特に時短状態で第2始動口21のハズレに係わる変動時間を短くして速やかに次の大当たりを狙うことができ、遊技性が向上する。なお、第1始動口20の変動時間は、非時短状態と時短状態とで同一としたが、第2始動口21に準じて、非時短状態の方を時短状態よりも長くするようにしてもよい。
図19は、電チュー開放パターン判定テーブルT7を説明するための図である。電チュー開放パターン判定テーブルT7は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、電チュー22の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。図19(A)では、「非時短状態」のとき、電チュー22の開放パターンは「開放パターン11」と判定され、「時短状態」のとき、開放パターンは「開放パターン12」と判定されることが示されている。図19(B)には、開放パターン11と開放パターン12の内容が示されている。開放パターン11では、開放回数1回、開放時間0.2秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン12では、開放回数が3回、1回あたりの開放時間2.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこなう。ただし、この電チュー22の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大10個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
図20は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8を説明するための図である。大入賞口開放パターン判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄データ(図16)に応じて、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。図20(A)では、特図停止図柄データが「11H」、「12H」、または、「21H」のとき、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンは「開放パターン21」と判定され、特図停止図柄データが「14H」、「15H」、「16H」、または、「17H」のとき、開放パターンは「開放パターン22」と判定され、特図停止図柄データが「13H」のとき、開放パターンは「開放パターン23」と判定されることが示されている。図20(B)には、開放パターン21、開放パターン22および開放パターン23の内容が示されている。開放パターン21では1〜13、15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14、16R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。開放パターン22では1〜13R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14、16R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第2大入賞口35の開放(ショート開放)をおこない、15R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第1大入賞口30の開放(ショート開放)をおこなう。開放パターン23では1〜13、15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第2大入賞口35の開放(ショート開放)をおこない、16R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。ただし、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大9個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
図21は、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9を説明するための図である。V開閉部材開放パターン判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄データ(図16)に応じて、V開閉部材71の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。図21(A)では、特図停止図柄データが「11H」、「12H」、または、「21H」のとき、V開閉部材71の開放パターンは「開放パターン31」と判定され、特図停止図柄データが「13H」のとき、開放パターンは「開放パターン32」と判定され、特図停止図柄データが「14H」のとき、開放パターンは「開放パターン33」と判定され、特図停止図柄データが「15H」のとき、開放パターンは「開放パターン34」と判定され、特図停止図柄データが「16H」のとき、開放パターンは「開放パターン35」と判定され、特図停止図柄データが「17H」のとき、開放パターンは「開放パターン36」と判定されることが示されている。図21(B)には、開放パターン31、開放パターン32、開放パターン33、開放パターン34、開放パターン35および開放パターン36の内容が示されている。開放パターン31では2、4、6、8R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放Aをおこなう。開放パターン32では2、4、6、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、8、10R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放Aをおこなう。開放パターン33では2R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、6個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放Bをおこない、4、8、10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、6R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放Aをおこなう。開放パターン34では2、6、10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、4R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、6個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放Bをおこない、8R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放Aをおこなう。開放パターン35では2、4、8、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、6R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、6個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放Bをおこない、10R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放Aをおこなう。開放パターン36では2、4、6、8、10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。
4.大当たり等の説明
遊技機1における大当たり等について説明する。遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果としての「大当たり」と「ハズレ」がある。「大当たり」の場合には、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OP)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(ED)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了、または、前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については、図16に示すとおりである。ここでは、大当たりの種別としては、大きく分けて「V通過予定大当たり」と「V非通過予定大当たり」の2つある。「V通過予定大当たり」は、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が可能な開放パターン(V通過予定開放パターン)で開閉部材32、開閉部材37およびV開閉部材71を作動させる大当たりである。ここでは、特図停止図柄データが11H〜16H,21Hの大当たりが「V通過予定大当たり」に該当する。図20に示す開閉部材32および開閉部材37の開放パターンと、図21に示すV開閉部材71の開放パターンとの組み合わせが(開放パターン21:開放パターン31)、(開放パターン22:開放パターン33〜35)、または(開放パターン23:開放パターン32)のとき、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が可能となる。「V非通過予定大当たり」は、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が不可能な開放パターン(V非通過予定開放パターン)で開閉部材32、開閉部材37およびV開閉部材71を作動させる大当たりである。ここでは、特図停止図柄データが17Hの大当たりが「V非通過予定大当たり」に該当する。図20に示す開閉部材32および開閉部材37の開放パターンと、図21に示すV開閉部材71の開放パターンとの組み合わせが(開放パターン22:開放パターン36)のとき、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が不可能となる。上記のように、開閉部材32および開閉部材37の開放パターン22は、V通過予定開放パターンとV非通過予定開放パターンとを兼ねている。
「V通過予定大当たり」は、「16RV通過予定大当たり」と、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と、を含んでいる。「16RV通過予定大当たり」は、実質的な総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する(図20:開閉部材32および開閉部材37の開放パターン21)。10Rおよび12Rでは、V開閉部材71がロング開放され(図21:V開閉部材71の開放パターン31)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(図20:開閉部材32および開閉部材37の開放パターン22)。従って、この「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、実質13Rの大当たりとなっている。2Rおよび6R、4Rおよび8R、または、6Rおよび10Rでは、V開閉部材71がロング開放され(図21:V開閉部材71の開放パターン33,34,35)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は15Rである。つまり、1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16Rでは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、14Rでは第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(図20:開閉部材32および開閉部材37の開放パターン23)。従って、この「16R(実質15R)V通過予定大当たり」では14Rは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、実質15Rの大当たりとなっている。8Rおよび10Rでは、V開閉部材71がロング開放され(図21:V開閉部材71の開放パターン32)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
「V非通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13となる開放パターン22の「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」である。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(図20:開閉部材32および開閉部材37の開放パターン22)。従って、この「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」では14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は実質13Rの大当たりとなっている。2R,4R,6R,8R,10Rおよび12Rでは、V開閉部材71は開放されるもののその開放はショート開放であり(図21:V開閉部材71の開放パターン36)、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
上記の説明から明らかなように、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とは、第1大入賞口30と第2大入賞口35(開閉部材32と開閉部材37)との開放パターンが同一(開放パターン22)であり、V開閉部材71の開放パターンのみが異なっている(開放パターン36と開放パターン33,34,35)。すなわち、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能になっており、当該大当たり後の遊技状態は低確時短状態(低確高ベース状態)となる。一方、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、第1大入賞口30内のV領域39への遊技球の通過が容易に可能になっており、当該大当たり後の遊技状態は高確時短状態(高確高ベース状態)となる。このことから、遊技者は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とを見分けることが困難になり、当該大当たり後の遊技状態が低確時短状態(低確高ベース状態)になるか高確時短状態(高確高ベース状態)になるかが判別し難くなる。すなわち、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」後の遊技状態は、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過した場合には、高確時短状態(高確高ベース状態)でありながら高確率になっていることが潜伏した状態(潜伏確変状態)となる。
また、図16に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、V通過予定大当たりが68/128(約53%)、V非通過予定大当たりが60/128(約47%)となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てV通過予定大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずV通過予定大当たりとなる。このように遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
5.遊技状態の説明
遊技機1の遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41に表示する特別図柄および普通図柄表示器42に表示する普通図柄に対して、それぞれ、「確率変動制御」と「変動時間短縮制御」とを実行可能である。ここでは、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して確率変動制御している状態を「高確率状態」と呼び、確率変動制御していない状態を単に「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、特別図柄の確率変動制御として、大当たりと判定される大当たり乱数値の数が通常確率状態よりも高確率状態の方が多い大当たり判定テーブル(図15(A))を用いた大当たり判定をおこなうことにより、高確率状態を実現する。従って、高確率状態は、通常確率状態よりも大当たりの確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御している状態を「時短状態」といい、変動時間短縮制御していない状態を単に「非時短状態」という。遊技制御用マイコン81は、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルT6(図17、図18)を用いた変動パターンの判定をおこなうことにより、時短状態を実現する。従って、時短状態は、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。なお、遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41の特別図柄に対して、確率変動制御と変動時間短縮制御とを同時に実行することもあるし、片方のみ実行することもある。
遊技制御用マイコン81は、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、特別図柄表示器41の特別図柄に対する変動時間短縮制御に同期して実行する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、時短状態の場合は実行し、非時短状態の場合には実行しない。遊技制御用マイコン81は、普通図柄の確率変動制御として、当たりと判定される普通図柄乱数値(当たり乱数値)の数が非時短状態よりも時短状態の方が多い普通図柄当たり判定テーブルT3(図15(C))を用いて、当たり判定(普通図柄の判定)をおこなう。従って、時短状態では、普通図柄通常確率状態よりも当たり確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が普通図柄表示器42の普通図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当たり図柄となる確率が高くなる。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。ここでは、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図15(D))。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図19)。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放時間延長制御を実行している。加えて、時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図19)。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放回数増加制御を実行している。遊技制御用マイコン81が、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御と変動時間短縮制御、および、電チュー22に対する開放時間延長制御と開放回数増加制御とを実行している状況下では、これらの制御を実行していない場合と比べて、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの制御が実行されている状態を「高ベース状態」といい、実行されていない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての制御を実行するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御、普通図柄表示器42の普通図柄に対する変動時間短縮制御、電チュー22に対する開放時間延長制御、および、電チュー22に対する開放回数増加制御のうち一つ以上の制御を実行することによって、その制御が実行されていないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
遊技機1では、V通過予定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にV領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」、または、「高確時短状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(ここでは160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、または、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。また、V非通過予定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にV領域39の通過がなされていなければ(なされることはほぼない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」、「低確時短状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(ここでは100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、または、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」、または、「低確非時短状態(単に、非時短状態とも呼ぶ)」、と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちによって右遊技領域3B(図3)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御によって、低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているためである。このことから、高ベース状態では、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちをおこなう。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技をおこなう。一方、低ベース状態では、左打ちによって左遊技領域3A(図3)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているためである。このことから、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちをおこなう。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
6.遊技制御用マイコン81の動作
図22〜図44に基づいて主制御基板80に設けられた遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はメインRAM84に設けられている。
[主制御メイン処理]
図22は、主制御メイン処理のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技機1の電源がオンされると、メインROM83から主制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、電源投入時処理をおこなう(ステップS001)。電源投入時処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。電源投入時処理の詳細については後述する。
電源投入時処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(ステップS003)をおこなう。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、遊技制御用マイコン81は、図14(A)で示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(ステップS005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理は、所定の周期(例えば、4msec周期)でメインCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば4msec周期)ごとに実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに、メインCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理はすぐには開始されず、割り込み許可がされてから開始される。
[電源投入時処理]
図23は、電源投入時処理(図22:ステップS001)のフローチャートである。電源投入時処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、メインCPU82に内蔵されたウォッチドックタイマを有効に設定する(ステップS011)。ウォッチドックタイマは、メインCPU82の動作を監視するためのものであり、メインCPU82から所定の信号の入力が一定期間ない場合に、メインCPU82にリセット信号を出力する。リセット信号によってメインCPU82にはリセットがかかる。
遊技制御用マイコン81は、主制御基板80のRAMクリアスイッチ89が操作されているか否かを判定する(ステップS012)。この判定は、RAMクリアスイッチ89の操作信号(検出信号)がメインCPU82に入力されているか否かによりおこなわれる。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ89が操作されていると判定し、入力されていないときにはRAMクリアスイッチ89が操作されていないと判定する。
RAMクリアスイッチ89の操作を検出した場合(ステップS012:YES)、遊技制御用マイコン81は、RAMクリア報知フラグをONにセットする(ステップS013)。一方、RAMクリアスイッチ89が操作を検出しない場合(ステップS012:NO)には、RAMクリア報知フラグをOFFにセットする(ステップS014)。このRAMクリア報知フラグ(図11)は、主制御基板80のメインRAM84に記憶されている遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するときに「ON」がセットされ、遊技情報を消去しないときに「OFF」がセットされる。RAMクリア報知フラグのON/OFFセット後、遊技制御用マイコン81は、メインRAM84へのアクセスを許可する設定をおこなう(ステップS015)。この設定によりメインRAM84へのアクセス、例えば遊技情報の書き込み、または、読み出しをおこなうことができるようになる。
RAMアクセスの許可設定後、遊技制御用マイコン81は、RAMクリア報知フラグがOFFか否かの判定をおこなう(ステップS016)。RAMクリア報知フラグがONと判定された場合(ステップS016:NO)、処理はステップS021に移行する。RAMクリア報知フラグがOFFと判定された場合(ステップS016:YES)、すなわち、遊技情報の消去をおこなわない場合には、遊技制御用マイコン81は、チェックサムの算出をおこなう(ステップS017)。チェックサムとは、データの信頼性を検査するために算出した値のことであり、ここでは、メインRAM84に記憶されている遊技情報のデータ列を整数値の列とみなしてその合計によって得られる。チェックサムの算出後、遊技制御用マイコン81は、算出したチェックサムの値が後述する電源断監視処理(図44)のステップS2802で記憶した電源断時のメインRAM84のデータにおけるチェックサムの値と一致しているか否かの判定をおこなう(ステップS018)。一致していない場合(ステップS018:NO)、処理はステップS021に移行する。一致している場合(ステップS018:YES)、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS019)。電源断フラグは、後述する電源断監視処理(図24:ステップS108)において、電源断信号の入力があった場合に「ON」がセットされ、電源断信号の入力がない場合に「OFF」がセットされる。電源断フラグがOFFの場合(ステップS019:NO)、処理はステップS021に移行する。電源断フラグがONの場合(ステップS019:YES)、遊技制御用マイコン81は、復電時としてメインRAM84の作業領域を設定する(ステップS020)。この設定は、電源断フラグをOFFにセットするほか、主制御基板80のメインROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報をメインRAM84の作業領域にセットする。ここでの「復電時」には、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電または瞬停状態から電力復旧した状態も含まれる。
ステップS021では、遊技制御用マイコン81は、メインRAM84の全領域のクリアをおこなう。クリア後、メインRAM84の作業領域の初期設定をおこなう(ステップS022)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、メインROM83から読み出した初期情報をメインRAM84の作業領域にセットする。メインRAM84の初期設定後、遊技制御用マイコン81は、RAMクリア報知コマンドの作成をおこなう(ステップS023)。遊技制御用マイコン81は、メインRAM84をクリアして初期設定をおこなった旨を、サブ制御基板90に報知するためのRAMクリア報知コマンドを作成し、送信情報としてコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセット(記憶)する。なお、本実施形態では、RAMクリア報知コマンドの入力に基づいて、演出制御用マイコン91が後述するRAMクリアの報知をおこなう。
[メイン側タイマ割り込み処理]
図24は、メイン側タイマ割り込み処理(図22:ステップS005)のフローチャートである。メイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、乱数更新処理をおこなう(ステップS101)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、普通図柄乱数(図14(A)参照)を更新する。この乱数更新処理は、上述した主制御メイン処理(図22)でおこなう普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。すなわち、各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方でおこなわれる。
乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、入力処理をおこなう(ステップS102)。入力処理では、遊技制御用マイコン81は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをメインRAM84の出力バッファにセットする。各種センサとは、例えば、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a(図7)である。
入力処理の後、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(ステップS103)、普通動作処理(ステップS104)、特別動作処理(ステップS105)、V領域センサ検出処理(ステップS106)、保留球数処理(ステップS107)、電源断監視処理(ステップS108)、を順に実行する。これらの処理の詳細については後述する。電源断監視処理の後、遊技制御用マイコン81は、出力処理を実行する。出力処理では、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90に出力する。
[始動口センサ検出処理]
図25は、始動口センサ検出処理(図24:ステップS103)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、ゲート28に遊技球が通過したか否かの判定をおこなう(ステップS201)。この判定は、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。ゲート28を遊技球が通過していない場合(ステップS201:NO)、処理はステップS205にスキップする。ゲート28を遊技球が通過した場合(ステップS201:YES)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数が4以上であるか否かの判定をおこなう(ステップS202)。普通図柄保留球数とは、普図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた普図保留の数をカウントするカウンタの値である。普通図柄保留球数が4以上であれば(ステップS202:YES)、処理はステップS205にスキップする。普通図柄保留球数が3以下の場合(ステップS202:NO)、普通図柄保留球数に「1」を加算した後(ステップS203)、普通図柄乱数取得処理をおこなう(ステップS204)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、普通図柄乱数カウンタの値(図14:ラベル−TRND−Hの値)を取得し、取得した乱数値をメインRAM84の普図保留記憶領域86の第1〜第4記憶領域のうち、現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、遊技制御用マイコン81は、第2始動口21に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(ステップS205:NO)、処理はステップS210にスキップする。遊技球が入賞した場合(ステップS205:YES)、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数が4(上限値)以上であるか否かの判定をおこなう(ステップS206)。特図2保留球数とは、第2特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特図2保留球数が4以上であれば(ステップS206:YES)、処理はステップS210にスキップする。特図2保留球数が3以下の場合(ステップS206:NO)、特図2保留球数に「1」を加算した後(ステップS207)、特図2関係乱数取得処理をおこなう(ステップS208)。ここでは、大当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。大当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値とは、それぞれ、図14のラベル−TRND−Aの値、ラベル−TRND−ASの値、ラベル−TRND−RCの値、ラベル−TRND−T1の値である。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群(大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値)を第2特図保留記憶領域85bの第1〜第4記憶領域うち、現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。遊技制御用マイコン81は、後述の特図2事前判定処理(図26)のために、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域85bとは異なるバッファ(事前判定用バッファ)にも一時的に記憶(保持)させる。特図2関係乱数取得処理の後、遊技制御用マイコン81は、特図2事前判定処理をおこなう(ステップS209)。特図2事前判定処理の詳細については後述する。
ステップS210では、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(ステップS210:NO)、本処理を終了する。第1始動口20に遊技球が入賞した場合(ステップS210:YES)、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数が4(上限値)以上であるか否かの判定をおこなう(ステップS211)。特図1保留球数とは、第1特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特図1保留球数が4以上であれば(ステップS211:YES)、本処理を終了する。特図1保留球数が3以下の場合(ステップS211:NO)、特図1保留球数に「1」を加算した後(ステップS212)、特図1関係乱数取得処理をおこなう(ステップS213)。ここでは、上述の特図2関係乱数取得処理(ステップS208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aの第1〜第4記憶領域うち、現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。遊技制御用マイコン81は、後述の特図1事前判定処理(図27)のために、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aとは異なるバッファ(事前判定用バッファ)にも一時的に記憶(保持)させる。特図1関係乱数取得処理の後、遊技制御用マイコン81は、特図1事前判定処理をおこなう(ステップS214)。特図1事前判定処理の詳細については後述する。
[特図2事前判定処理]
図26は、特図2事前判定処理(図25:ステップS209)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS301)。確変フラグがOFFの場合(ステップS301:NO)、本処理を終える。すなわち、確変フラグがOFFの場合には、事前判定はおこなわれない。一方、確変フラグがONの場合、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(図15)のうちの高確率状態用テーブルを参照して大当たり事前判定をおこなう(ステップS302)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2関係乱数取得処理(図25:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、参照する大当たり判定テーブルT1(図15)と大当たり乱数値とを用いて大当たりか否かの事前判定をおこなう。ここでは、高確率状態(確変フラグがON)であるため、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1のうち、高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「649」)を参照して大当たりか否かを事前判定する。すなわち、大当たり乱数値が「0」〜「649」のとき「大当たり」と事前判定し、それ以外の値のとき「ハズレ」と事前判定する。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理(図30,図31)で用いられる大当たり判定テーブルT1を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、大当たり判定テーブルT1とは異なる事前判定用の大当たり判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
大当たり事前判定の結果が「ハズレ」の場合(ステップS304:NO)、処理はステップS306にスキップする。一方、大当たり事前判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS304:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別事前判定をおこなう(ステップS305)。大当たり種別事前判定では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2関係乱数取得処理(図25:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり種別乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、取得した大当たり種別乱数値と大当たり種別判定テーブルT5(図16)に基づいて、大当たり種別の事前判定をおこなう。ここでは、大当たり種別乱数値が「0」〜「127」のいずれであっても「16RV通過予定大当たり」と事前判定する。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理(図30,図31)で用いられる大当たり種別判定テーブルT5を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、大当たり種別判定テーブルT5とは異なる事前判定用の大当たり種別判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
ステップS306では、遊技制御用マイコン81は、変動パターン事前判定をおこなう。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2関係乱数取得処理(図25:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての変動パターン乱数値、および、リーチ乱数値を取得する。次に、ここでは、時短状態(時短フラグがON)であるため、遊技制御用マイコン81は、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)を参照し、ステップS304の大当たり事前判定結果、リーチ乱数値から得られるリーチの有無事前判定結果、および、変動パターン乱数値から変動パターンを特定する。なお、図18の変動パターン判定テーブルT6では、保留球数の違いによって選択される変動パターンが異なる場合がある。ここでは、保留球数の違いによって選択される可能性のあるすべての変動パターンが選択されるものとする。例えば、大当たり事前判定結果、および、リーチ有無事前判定結果から、リーチ有りハズレが事前判定され、変動パターン乱数値が「60」の場合、遊技制御用マイコン81は、保留球数が「1〜2」であれば選択される変動パターン「P64」と、保留球数が「3〜4」であれば選択される変動パターン「P68」の2つを選択する。なお、本実施形態では、後述する変動パターン選択処理(図32、図33)で用いられる変動パターン判定テーブルT6を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、変動パターン判定テーブルT6とは異なる事前判定用の変動パターン判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
ステップS307では、遊技制御用マイコン81は、事前判定コマンドの作成をおこなう。事前判定コマンドには、大当たり事前判定結果、(当たりの場合には大当たり種別事前判定結果)、および、変動パターン事前判定結果が含まれる。遊技制御用マイコン81は、作成した事前判定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして(ステップS308)、本処理を終える。
[特図1事前判定処理]
図27は、特図1事前判定処理(図25:ステップS214)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS401)。上述の特図2事前判定処理とは反対に、確変フラグがONの場合(ステップS401:YES)、本処理を終える。すなわち、確変フラグがONの場合には、事前判定はおこなわれない。一方、確変フラグがOFFの場合(ステップS401:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(図15)のうちの通常確率状態用のテーブルを参照して大当たり事前判定をおこなう(ステップS402)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特図1関係乱数取得処理(図25:ステップS213)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり乱数値を取得する。次に、ここでは、通常確率状態(確変フラグがOFF)であるため、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1のうち、通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「164」)に基づいて大当たりか否かを事前判定する。すなわち、大当たり乱数値が「0」〜「164」のとき「大当たり」と事前判定し、それ以外の値のとき「ハズレ」と事前判定する。なお、大当たり事前判定は、大当たり判定テーブルT1とは異なる事前判定用の大当たり判定テーブルを用いてもよい。以降、ステップS404〜S408の処理は、上述の特図2事前判定処理(図26)のステップS304〜S308と同様であるため説明を省略する。
[普通動作処理]
図28は、普通動作処理(図24:ステップS104)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、電チュー22が作動中か否かの判定をおこなう(ステップS501)。電チュー22が作動中の場合(ステップS501:YES)、処理はステップS520に移行する。電チュー22が作動中ではない場合(ステップS501:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動中か否かの判定をおこなう(ステップS502)。普通図柄の変動中の場合(ステップS502:YES)、処理はステップS508にスキップする。普通図柄の変動中ではない場合(ステップS502:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の保留球数が「0」か否かの判定をおこなう(ステップS503)。保留球数が「0」の場合(ステップS503:YES)、本処理を終了する。保留球数が1以上ある場合(ステップS503:NO)、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(ステップS504)。従って、普通図柄の保留球数が「0」の状態でゲート28を遊技球が通過した場合、始動口センサ検出処理(図25)のステップS203において、一旦、普通図柄の保留球数が「1」になり、その後、本ステップS504において保留が消化され即座に普通図柄の保留球数が「0」になる。これは、特別図柄の保留球数についても同様である。すなわち、始動口センサ検出処理(図25)のステップS207およびステップS212において、一旦、特別図柄の保留数が「1」になり、その後、後述の特別図柄待機処理(図30)におけるステップS1404およびステップS1410において保留が消化され特別図柄の保留球数が「0」になる。次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄当たり判定テーブルT3(図15(C))を参照して当たり判定をおこなう(ステップS505)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、普図保留記憶領域86の第1記憶領域(普図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としての普通図柄乱数値(当たり乱数値)を読み出す。そして、普通図柄乱数値と、遊技状態(時短状態か否か)と、普通図柄当たり判定テーブルT3とを用いて当たりか否かを判定する。例えば、非時短状態において、普通図柄乱数値が「0」〜「2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値がそれ以外の場合には、「ハズレ」と判定される(図15(C)参照)。
次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン判定テーブルT4(図15(D))を参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS506)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態(時短状態か否か)の判定をおこない、遊技状態の判定結果と、普通図柄変動パターン判定テーブルT4とを用いて、普通図柄変動パターンとしての普通図柄の変動時間を選択する。ここでは、非時短状態のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、時短状態のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定される(図15(D)参照)。遊技制御用マイコン81は、選択した普通図柄変動パターンをセットすることで、普通図柄の変動表示を開始させる(ステップS507)。
ステップS508では、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう。普通図柄の変動時間とは、ステップS506で選択された変動時間である(図15(D)参照)。変動時間が終了していない場合(ステップS508:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。すなわち、普通図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS508:YES)、遊技制御用マイコン81は、変動表示を停止させ(ステップS509)、上述の当たり判定(ステップS505)において「ハズレ」の場合には(ステップS510:NO)、本処理を終える。一方、上述の当たり判定で「当たり」の場合には(ステップS510:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー開放パターンのセットをおこなう(ステップS511)。電チュー22の開放パターンは、電チュー開放パターン判定テーブルT7(図19(A))を参照して選択される。具体的には、遊技制御用マイコン81は、遊技状態(時短状態か否か)の判定をおこない、遊技状態の判定結果と、電チュー開放パターン判定テーブルT7とを用いて電チュー22の開放パターンを選択する。ここでは、非時短状態のとき、「開放パターン11」が選択され、時短状態のとき、「開放パターン12」が選択される(図19参照)。開放パターンの選択後、遊技制御用マイコン81は、選択した開放パターンに従うように電チュー作動を開始させ(ステップS512)、本処理を終える。
上述のステップS501において、電チュー22が作動中の場合(ステップS501:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS520)。ここでの閉鎖条件は、電チュー22への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば6個)に達したこと、または、電チュー22の作動時間が経過して電チュー22を閉鎖させる時間に至ったことのいずれかが満たされていることである。電チュー22の作動時間とは、ステップS511で選択された開放パターンに対応する作動時間である(図19参照)。電チュー22の閉鎖条件が成立していない場合(ステップS520:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、電チュー22の閉鎖条件が成立している場合(ステップS520:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22を閉鎖(閉塞)してその作動を停止し(ステップS521)、本処理を終える。
[特別動作処理]
図29は、特別動作処理(図24:ステップS105)のフローチャートである。ここでは、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特別動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1301:YES)、特別図柄待機処理をおこなう(ステップS1302)。特別図柄待機処理では、大当たり判定や変動パターン選択等が実行される。「特別動作ステータス」が「2」のときには(ステップS1301:NO、ステップS1303:YES)、特別図柄変動中処理をおこなう(ステップS1304)。特別図柄変動中処理では、変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。「特別動作ステータス」が「3」のときには(ステップS1301、S1303:NO、ステップS1305:YES)、特別図柄確定処理をおこなう(ステップS1306)。特別図柄確定処理では、大当たり時にオープニングコマンドの出力等が実行される。「特別動作ステータス」が「4」のときには(ステップS1301、S1303、S1305:NO、ステップS1307:YES)、特別電動役物処理をおこなう(ステップS1308)。特別電動役物処理では、大当たり遊技が実行される。「特別動作ステータス」が「5」のときには(ステップS1301、S1303、S1305、ステップS1307:NO)、不一致報知処理をおこなう(ステップS1309)。不一致報知処理は、ラウンド遊技中に大入賞口に入賞した遊技球数と入賞後に大入賞装置から排出される遊技球数とが一致しないとき(不一致発生時)に実行され、不一致を解消するためのV開閉部材71のリトライ動作やホールに不一致を伝えるための不一致報知がおこなわれる。上記の各処理の詳細については後述する。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図30は、特別図柄待機処理(図29:ステップS1302)のフローチャートである。特別図柄待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、第2始動口21の保留球数(特図2保留)が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1401)。特図2保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、第2特図保留記憶領域85bに、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1407に移行する。特図2保留球数が「1」以上である場合(ステップS1401:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1402)、および、変動パターン選択処理(ステップS1403)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。変動パターン選択処理の後、特図2保留球数を1つディクリメントする(ステップS1404)。次に、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留記憶領域85bの第1〜第4記憶領域に格納されている各種乱数値の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第2特図保留記憶領域85bにおける保留4個目に対応する場所(第4記憶領域)に格納されている各種乱数値をクリアする(ステップS1405)。上記ステップによって、第2特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に対応する保留画像群9Bのうち左端の保留画像が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第2特図保留記憶領域85bの第2〜第4記憶領域に対応する保留画像群9Bの保留画像(左中、右中、右端)がそれぞれ左側に1つシフトする(図3参照)。これにより、遊技者は、第2特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。次に、遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理をおこなう(ステップS1406)。特図2変動開始処理では、変動開始コマンドをセットして第2特別図柄の変動表示を開始させるとともに、特別動作ステータスを「2」にセットする。なお、特図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンド)には、大当たり判定処理(ステップS1402)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1403)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
ステップS1401において、特図2保留球数が「0」の場合(ステップS1401:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20の保留球数(特図1保留)が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1407)。特図1保留球数が「0」である場合(ステップS1407:YES)、すなわち、第1特図保留記憶領域85aに、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1413に移行する。特図1保留球数が「1」以上である場合(ステップS1407:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1408)、および、変動パターン選択処理(ステップS1409)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。変動パターン選択処理の後、特図1保留球数を1つディクリメントする(ステップS1410)。次に、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留記憶領域85aの第1〜第4記憶領域に格納されている各種乱数値の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第1特図保留記憶領域85aにおける保留4個目に対応する場所(第4記憶領域)に格納されている各種乱数値をクリアする(ステップS1411)。上記ステップによって、第1特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に対応する保留画像群9Aのうち右端の保留画像が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第1特図保留記憶領域85aの第2〜第4記憶領域に対応する保留画像群9Bの保留画像(右中、左中、左端)がそれぞれ右側に1つシフトする(図3参照)。これにより、遊技者は、第1特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。次に、遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理をおこなう(ステップS1412)。特図1変動開始処理では、変動開始コマンドをセットして第1特別図柄の変動表示を開始させるとともに、特別動作ステータスを「2」にセットする(ステップS1406)。なお、特図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド)には、大当たり判定処理(ステップS1408)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1409)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
ステップS1407において、特図1保留球数が「0」の場合(ステップS1407:YES)、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1413)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。待機画面である場合(ステップS1413:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1413:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機場面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットし(ステップS1414)、本処理を終える。上記のように、本実施形態の特別図柄待機処理によれば、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合に限って実行される。すなわち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。また、本実施形態の大当たり種別判定テーブルT5(図16)によれば、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも遊技者にとって利益の大きい大当たり(V通過予定大当たり)に当選しやすくなっている。
[大当たり判定処理]
図31は、大当たり判定処理(図30:ステップS1402、S1408)のフローチャートである。特図2の大当たり判定処理(ステップS1402)と特図1の大当たり判定処理(ステップS1408)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。大当たり判定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1501)。確変フラグがONの場合(ステップS1501:YES)、大当たり判定テーブルT1(図15(A))のうちの高確率状態用テーブルを参照して大当たり判定をおこなう(ステップS1502)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての大当たり乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特図2の大当たり判定処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されている大当たり乱数値を読み出す。特図1の大当たり判定処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている大当たり乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、参照する大当たり判定テーブルT1と大当たり乱数値とを用いて大当たりか否かを判定する。ここでは、高確率状態(確変フラグがON)であるため、大当たり判定テーブルT1のうち、高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「649」)に基づいて大当たりか否かを判定する。
ステップS1501において、確変フラグがOFFの場合(ステップS1501:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(図15)のうちの通常確率状態用のテーブルを参照して大当たり判定をおこなう(ステップS1504)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、ステップS1502と同様の方法によって大当たり乱数値の読み出しをおこなう。次に、ここでは、通常確率状態(確変フラグがOFF)であるため、大当たり判定テーブルT1のうち、通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「164」)に基づいて大当たりか否かを判定する。
大当たり判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS1503、S1505:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグをONにするとともに(ステップS1506)、大当たり種別の判定をおこなう(ステップS1507)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての大当たり種別乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特図2の大当たり判定処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数値を読み出す。特図1の大当たり判定処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、読み出した大当たり種別乱数値と大当たり種別判定テーブルT5(図16)に基づいて、大当たり種別の判定をおこなう。大当たり種別の判定後、特定された大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図16)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1520)、本処理を終了する。一方、ステップS1503またはステップS1505において、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1520)、本処理を終了する。
[変動パターン選択処理]
図32および図33は、変動パターン選択処理(図30:ステップS1403、S1409)のフローチャートである。特図2の変動パターン選択処理(ステップS1403)と特図1の変動パターン選択処理(ステップS1409)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。変動パターン選択処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、遊技状態が時短状態であるか否かの判定をおこなう(ステップS1600)。時短状態であるか否かの判定は、時短フラグがONか否かによっておこなわれる。時短状態である場合(ステップS1600:YES)、処理はステップS1612に移行する。時短状態でない場合(ステップS1600:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1602)。大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、処理はステップS1607に移行する。大当たりフラグがONの場合(ステップS1602:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりが特図2か否かの判定をおこなう(ステップS1603)。大当たりが特図2の場合(ステップS1603:YES)、大当たり種別が必ずV通過予定大当たりとなるため、処理はステップS1605にスキップする。大当たりが特図1の場合(ステップS1603:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別がV通過予定大当たりか否かの判定をおこなう(ステップS1604)、大当たり種別の判定は、メインRAM84にセットされている特図停止図柄データに基づいておこなわれる。
大当たり種別がV通過予定大当たりの場合(ステップS1604:YES)、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(図17)のうち、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1605)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての変動パターン乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特図2の変動パターン選択処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されている変動パターン乱数値を読み出す。特図1の変動パターン選択処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている変動パターン乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6と変動パターン乱数値とを用いて変動パターンを選択する。ここでは、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルとして、図17に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特図1では変動パターンが「P1」〜「P3」の部分、特図2では変動パターンが「P21」〜「P23」の部分)が参照される(アドレスがセットされる)。読み出した変動パターン乱数値から、特図1では変動パターンとして「P1」〜「P3」のいずれか、特図2では「P21」〜「P23」のいずれかが選択される。
大当たり種別がV非通過予定大当たりの場合(ステップS1604:NO)、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(図17)のうち、非時短状態V非通過予定大当たり用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1606)。ここでは、非時短状態V非通過予定大当たり用のテーブルとして、図17に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V非通過予定大当たりに該当する部分(「P4」〜「P6」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P4」〜「P6」のいずれかが選択される。
ステップS1602において、大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、遊技制御用マイコン81は、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値か否かの判定をおこなう(ステップS1607)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としてのリーチ乱数値の読み出しをおこなう。特図2の変動パターン選択処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されているリーチ乱数値を読み出す。特図1の変動パターン選択処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されているリーチ乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、リーチ判定テーブルT2(図15(B))と、リーチ乱数値とを用いてリーチの有無を判定する。ここでは、非時短状態であるため、リーチ判定テーブルT2のうち、非時短状態用のテーブル(リーチ有り判定値(リーチ成立乱数値)が「0」〜「13」の部分)に基づいてリーチの有無を判定する。
リーチ乱数値がリーチ成立乱数値である場合(ステップS1607:YES)、すなわち、リーチ有りハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(図17)のうち、非時短状態リーチ有りハズレ用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1608)。ここでは、非時短状態リーチ有りハズレ用のテーブルとして、図17に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、リーチ有りハズレに該当する部分(特図1では変動パターンが「P7」〜「P14」の部分、特図2では変動パターンが「P24」〜「P31」の部分)が参照される。特図1では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特図1保留球数(1〜4)から、変動パターンとして「P7」〜「P14」のいずれかが選択される。特図2では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特図2保留球数(1〜4)から、変動パターンとして「P24」〜「P31」のいずれかが選択される。保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特図1および特図2のいずれにおいても、保留球数が「3」〜「4」であるときは、保留球数が「1」〜「2」であるときに比べて変動時間の短い変動パターンがより多く選択されるようになっている。これにより、保留球数が多いときに特図保留の消化スピードを速めることができる。
リーチ乱数値がリーチ成立乱数値ではない場合(ステップS1607:NO)、すなわち、リーチ無しハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(図17)のうち、非時短状態リーチ無しハズレ用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1609)。ここでは、非時短状態リーチ無しハズレ用のテーブルとして、図17に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、リーチ無しハズレに該当する部分(特図1では変動パターンが「P15」〜「P16」の部分、特図2では変動パターンが「P32」〜「P33」の部分)が参照される。特図1では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特図1保留球数(1〜4)から、変動パターンとして「P15」、「P16」のいずれかが選択される。特図2では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特図2保留球数(1〜4)から、変動パターンとして「P32」、「P33」のいずれかが選択される。ここでも、保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。
ステップS1600において、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(図33:ステップS1612)。以後、ステップS1613〜S1619の処理は、以下の点を除いては上述のステップS1603〜S1609の処理と同様であるため説明を省略する。ステップS1613〜S1619の処理とステップS1603〜S1609の処理との違いは、ステップS1615、S1616、S1618、S1619において、参照される変動パターン判定テーブルT6の部分が既述のステップS1605、S1606、S1608、S1609と異なる。具体的には、S1605、S1606、S1608、S1609では、非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図17)が参照されるのに対して、ステップS1615、S1616、S1618、S1619では、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照される。例えば、ステップS1615の場合、すなわち、大当たり種別がV通過予定大当たりの場合、図18に示す時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特図1では変動パターンが「P41」〜「P43」の部分、特図2では変動パターンが「P61」〜「P63」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、特図1では変動パターンとして「P41」〜「P43」のいずれか、特図2では「P61」〜「P63」のいずれかが選択される。また、例えば、ステップS1616の場合、すなわち、大当たり種別がV非通過予定大当たりの場合、図18に示す時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V非通過予定大当たりに該当する部分(「P44」〜「P46」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P44」〜「P46」のいずれかが選択される。
上記のように変動パターンの選択をおこなった後、遊技制御用マイコン81は、選択した変動パターンをセットして(ステップS1630)本処理を終える。セットされた変動パターンの情報は変動開始コマンドに含められて、出力処理(図24:ステップS109)においてサブ制御基板90に送信される。これにより特別図柄の変動表示が開始される。
[特別図柄変動中処理]
図34は、特別図柄変動中処理(図29:ステップS1304)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、特別図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう(ステップS1701)。特別図柄の変動時間とは、上述の変動パターン選択処理(図32、図33)で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間である(図17、図18参照)。変動時間が終了していない場合(ステップS1701:NO)、本処理を終える。すなわち、特別図柄待機処理(図30)のステップS1406またはS1412において開始された特別図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS1701:YES)、変動停止コマンドをセットし(ステップS1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(ステップS1703)。また、遊技制御用マイコン81は、変動停止にともなうその他の処理をおこなう(ステップS1704)。例えば、遊技制御用マイコン81は、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる処理等をおこなう。その後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図35は、特別図柄確定処理(図29:ステップS1306)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態管理処理をおこなう(ステップS1801)。遊技状態管理処理とは、ST回数や時短回数を管理するための処理であり内容について後述する。遊技状態管理処理の後、大当たりフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1802)。大当たりフラグがOFFである場合(ステップS1802:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「1」にセットして(ステップS1808)、本処理を終了する。これにより、大当たり遊技は開始されず、再度、特別図柄待機処理(図30)に移行し、次の保留に対する大当たり判定等が実行される。
大当たりフラグがONの場合(ステップS1802:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口およびV開閉部材の開放パターンのセットをおこなう(ステップS1803)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8(図20)を参照して、特図停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。例えば、特図停止図柄データが「11H」の場合には、大入賞口の開放パターンとして「開放パターン21」がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9(図21)を参照して、特図停止図柄データからV開閉部材71の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。例えば、特図停止図柄データが「11H」の場合には、V開閉部材71の開放パターンとして「開放パターン31」がセットされる。大入賞口およびV開閉部材の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ラウンドカウンタとは、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするものである。ここでは、ラウンドカウンタには「16」がセットされる(図20(B))。
開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、遊技状態リセット処理をおこなう(ステップS1804)。遊技状態リセット処理とは、確変フラグや時短フラグをリセットする(OFFに戻す)ための処理であり内容について後述する。遊技状態リセット処理の後、大当たり遊技を開始するために、大当たりのオープニングコマンドをセットし(ステップS1805)、オープニングを開始する(ステップS1806)。その後、特別動作ステータスを「4」にセットして(ステップS1807)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]
図36は、遊技状態管理処理(図35:ステップS1801)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2001)。確変フラグがOFFの場合(ステップS2001:NO)、処理はステップS2005にスキップする。確変フラグがONの場合(ステップS2001:YES)、確変カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2002)。確変カウンタとは、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントするものである。ここでは、高確率状態への移行時に確変カウンタに「160」がセットされる。遊技制御用マイコン81は、確変カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2003)。確変カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2003:NO)、処理はステップS2005にスキップする。確変カウンタの値が「0」の場合(ステップS2003:YES)、確変フラグをOFFに切り替える(ステップS2004)。
ステップS2005では、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこなう。時短フラグがOFFの場合(ステップS2005:NO)、処理はステップS2009にスキップする。時短フラグがONの場合(ステップS2005:YES)、時短カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2006)。時短カウンタとは、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントするものである。ここでは、時短状態への移行時に、低確高ベース状態であれば時短カウンタに「100」がセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタに「160」がセットされる。遊技制御用マイコン81は、時短カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2007)。時短カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2007:NO)、処理はステップS2009にスキップする。時短カウンタの値が「0」の場合(ステップS2007:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS2008)。
ステップS2009では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、今設定した現在の遊技状態に関する情報(確変状態か否か、確変カウンタ値、時短状態か否か、時短カウンタ値など)が含まれている。
[遊技状態リセット処理]
図37は、遊技状態リセット処理(図35:ステップS1804)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2101)。確変フラグがOFFの場合(ステップS2101:NO)、処理はステップS2103にスキップする。確変フラグがONの場合(ステップS2101:YES)、確変フラグをOFFに切り替える(ステップS2102)。ステップS2103において、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこなう。時短フラグがOFFの場合(ステップS2103:NO)、本処理を終える。時短フラグがONの場合(ステップS2103:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態かつ非時短状態となる。遊技機1では、非時短状態時は常に低ベース状態となるため、大当たり遊技の実行中は低ベース状態となる。
[特別電動役物処理]
図38は、特別電動役物処理(図29:ステップS1308)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、大当たり終了フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2200)。「大当たり終了フラグ」とは、実行中の大当たり遊技において、開放パターンに基づく大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放がすべて終了したことを示すフラグである。大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、処理はステップS2230に移行する。大当たり終了フラグがOFFの場合(ステップS2200:NO)、V開閉部材71を作動させるためのV開閉部材動作処理をおこなう(ステップS2201)。本実施形態のV開閉部材71は、第1大入賞口30に所定個数の遊技球が入賞した時に作動するように構成されており、V開閉部材動作処理では、V開閉部材開放パターンT9に応じて所定番目の遊技球の入賞時にV開閉部材71を所定期間開放させる。V開閉部材動作処理の詳細については後述する。V開閉部材動作処理の後、遊技制御用マイコン81は、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)が開放中か否かの判定をおこなう(ステップS2202)。開放中の場合(ステップS2202:YES)、処理はステップS2210に移行する。
大入賞口が開放中ではない場合(ステップS2202:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を開放する時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2203)。大入賞口を開放する時間には、例えば、大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時期に至ったときや、開放後に一時的に閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して、再度の開放開始の時期に至ったときが含まれる。大入賞口を開放する時間ではない場合(ステップS2203:NO)、処理はステップS2220に移行する。
大入賞口を開放する時間(タイミング)である場合(ステップS2203:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理をおこなう(ステップS2207)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大当たりの種類に応じた開放パターン(図20)に従って大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放させる。大入賞口開放処理の後、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドのセットをおこなう(ステップS2208)。ラウンド指定コマンドには、実行中の大当たり遊技のラウンド数に関する情報が含まれており、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドをメインRAM84の出力バッファにセットする。なお、本実施形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることがない。しかし、他の実施形態として、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされる場合には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の開放が1回のラウンド中での初めての開放か否かを判定し、初めての開放の場合のみ、ラウンド指定コマンドをセットするようにしてもよい。ラウンド指定コマンドをセットした後、本処理を終える。
上述のステップS2202において、大入賞口の開放中の場合(ステップS2202:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2210)。ここでの閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば、1ラウンドあたり9個)に達したこと、または、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち、大入賞口を開放してから所定の開放時間(図20)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(ステップS2210:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合には(ステップS2210:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(ステップS2211)。
上述のステップS2203において、大入賞口を開放する時間(タイミング)ではない場合、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2220)。ここでは1回のラウンドは、大入賞口が閉鎖してから所定の時間(ここでは2秒)経過後に終了する。上述のように、ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれるためである。遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖してから所定のインターバル時間が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2220:NO)、遊技制御用マイコン81は本処理を終了する。
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2220:YES)、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値を1ディクリメンとし(ステップS2221)、不一致判定処理をおこなう(ステップS2222)。「不一致判定処理」とは、ラウンド遊技中に大入賞口に入賞した遊技球数と入賞後に大入賞装置から排出される遊技球数とが一致するか否かを判定する処理である。大入賞口に入賞した遊技球が大入賞装置の内部でスタックした場合等に不一致が発生する。第1大入賞口30に入賞した遊技球数は、第1大入賞口センサ30aによって計数される。第1大入賞装置31から排出される遊技球数は、図示しない第1大入賞装置排出センサによって算出される。第1大入賞装置排出センサは、V領域39と非V領域70が下流で合流した地点に設けられており、V領域センサ39aまたは非V領域センサ70aを通過した遊技球が計数される。第2大入賞口35に入賞した遊技球数は、第2大入賞口センサ35aによって計数される。第2大入賞装置36から排出される遊技球数は、図示しない第2大入賞装置排出センサによって算出される。第2大入賞装置排出センサは、第2大入賞口センサ35aの下流に設けられており、第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球が計数される。
不一致判定処理によって不一致が検出された場合(ステップS2223:YES)、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「5」にセットし(ステップS2225)、本処理を終える。これにより、次回の特別動作処理において、後述する不一致報知処理が実行される。「不一致報知処理」は、不一致を解消するためのV開閉部材71のリトライ動作やホールに不一致を伝えるための不一致報知をおこなう処理である。不一致報知処理の詳細については後述する。このように、ラウンド遊技終了後に不一致が検出された場合には、次ラウンド遊技に移行する前に、不一致報知処理が実行される。
不一致判定処理によって不一致が検出されなかった場合(ステップS2223:NO)、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS2226)。ラウンドカウンタの値が「0」でなはい場合(ステップS2226:NO)、すなわち、規定のラウンド遊技回数をまだ消化していない場合、次のラウンド遊技を開始するために本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」の場合、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(ステップS2227)、大当たりのエンディングを開始する(ステップS2228)。本実施形態では、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過があった場合のエンディング時間(例えば18秒)は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かった場合のエンディング時間と同じ長さになっている。これにより、遊技者に対して、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過があった場合であっても、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かったと認識させることができる。なお、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かった場合のエンディング時間もこれらと同じ長さになっている。大当たりのエンディングの開始後、大当たり終了フラグをONにセットして(ステップS2229)、本処理を終える。
上述のステップS2200において、大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、最終ラウンドが終了しているので、遊技制御用マイコン81は、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定する(ステップS2230)。エンディング時間が経過していない場合(ステップS2230:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過している場合(ステップS2230:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり終了フラグをOFFにするとともに(ステップS2231)、大当たりフラグをOFFにし(ステップS2232)、特別動作ステータスを「1」にセットする(ステップS2233)。これにより、次回の特別動作処理において、再び特別図柄待機処理(ステップS1302)が実行される。その後、後述の遊技状態設定処理(ステップS2234)を実行し本処理を終える。
[V開閉部材動作処理]
図39は、V開閉部材動作処理(図38:ステップS2201)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、現在のラウンド遊技(当該ラウンド)がV開閉部材71の開放ラウンドであるか否かの判定をおこなう(ステップS2501)。ここでは、第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,第8ラウンド,第10ラウンド,第12ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドに該当する。遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値が「15」,「13」,「11」,「9」,「7」,「5」のとき、開放ラウンドであると判定することができる。V開閉部材71の開放ラウンドではない場合(ステップS2501:NO)、本処理を終える。当該ラウンドにおいてV開閉部材71を作動させる必要がないためである。
V開閉部材71の開放ラウンドである場合(ステップS2501:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2502)。「第1入賞フラグ」とは、当該ラウンドにおいて、第1大入賞口30に1球目の入賞があったことを示すフラグである。第1入賞フラグがONの場合(ステップS2502:YES)、処理はステップS2520に移行する。第1入賞フラグがOFFの場合(ステップS2502:NO)、1球目の入賞を検出したか否かの判定をおこなう(ステップS2503)。1球目の入賞を検出していない場合(ステップS2503:NO)、本処理を終える。当該ラウンドにおいて第1大入賞口30への入賞がまだなく、V開閉部材71を作動させる必要がないためである。
1球目の入賞を検出した場合(ステップS2503:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71をショート開放させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2504)。V開閉部材71をショート開放させるのは、V開閉部材71の開放パターン(図21(B))では、「ショート開放」、「ロング開放A」、「ロング開放B」のいずれの場合であっても、1球目の入賞時にショート開放(ここでは0.1秒)を実行させるためである。なお、V開閉部材71のショート開放では、V開閉部材71の開放時間が非常に短いため、第1大入賞口30に入賞した1球目の遊技球は、V領域39を通過せずに非V領域70を通過するように構成されている。V有効期間設定処理では、V開閉部材71の開放中、および、V開閉部材71の閉鎖後の数秒間を、V領域センサ39aによる遊技球の検知を有効とするV有効期間に設定する。ここでは、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の開放パターン(図21(B))に従って、V開閉部材71をショート開放(ここでは0.1秒)させ、V開閉部材71の開放中および閉鎖後1秒間をV有効期間に設定する。遊技制御用マイコン81は、V有効期間以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、V領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで「V領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する」とは、V領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONにすることを意味する(後述のV領域センサ検出処理(図42)参照)。また、「V領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する」とは、V領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONにしないことを意味する。なお、V有効期間にV開閉部材71の閉鎖後の数秒間(球ハケ期間)を含めているのは、V開閉部材71とV領域センサ39aとの間には物理的な距離があるため、V開閉部材71の閉鎖直前にV領域39側に入球した遊技球がV領域センサ39aによって検知されるまでの期間を考慮したものである。すなわち、ここでは、V有効期間中のV通過(V領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図40)参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされ、高確率状態に設定されることのないようにしている。V開閉部材71のショート開放およびV有効期間設定処理の後、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグをONに切り替え(ステップS2505)、ステップS2540に移行する。
ステップS2502において、第1入賞フラグがONの場合、すなわち、既に1球目の入賞があった場合(ステップS2502:YES)、遊技制御用マイコン81は、第2入賞フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2520)。「第2入賞フラグ」とは、当該ラウンドのV開閉部材71の開放パターンがロング開放Aの場合には、第1大入賞口30に2球目の入賞があったことを示すフラグであり、当該ラウンドのV開閉部材71の開放パターンがロング開放Bの場合には、第1大入賞口30に6球目の入賞があったことを示すフラグである。第2入賞フラグがONの場合(ステップS2520:YES)、処理はステップS2540に移行する。第2入賞フラグがOFFの場合(ステップS2520:NO)、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンドにおけるV開閉部材71の開放パターンがロング開放Aか否かの判定をおこなう(ステップS2521)。ロング開放Aではない場合(ステップS2521:NO)、すなわち、ロング開放Bまたはショート開放である場合、処理はステップS2530に移行する。一方、ロング開放Aである場合(ステップS2521:YES)、遊技制御用マイコン81は、2球目の入賞を検出したか否かの判定をおこなう(ステップS2522)。2球目の入賞を検出していない場合(ステップS2522:NO)、処理はステップS2540に移行する。
2球目の入賞を検出した場合(ステップS2522:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71をロング開放させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2523)。V開閉部材71をロング開放させるのは、V開閉部材71の開放パターン(図21(B))では、「ロング開放A」の場合、2球目の入賞時にロング開放(ここでは最大31.5秒)を実行させるためである。なお、ここでは、1回のラウンド遊技時間は最長で31.5秒(大入賞口最大開放時間29.5秒+インターバル閉鎖時間2秒)となるため、一般的には、2球目の入賞時からラウンドの終了時までの時間は31.5秒よりも短くなる。後述のように、V開閉部材71は、当該ラウンドの終了時に強制的に閉鎖されるため、V開閉部材71のロング開放の開放時間は、31.5秒よりも短くなる。しかし、V開閉部材71のロング開放は、V開閉部材71の開放時間が比較的長いため、第1大入賞口30に入賞した2球目以降の遊技球の少なくとも一部は、V領域39を通過するように構成されている。V有効期間設定処理では、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の開放中をV有効期間に設定し、当該ラウンドの終了時にV開閉部材71の閉鎖とともにV無効期間を設定する。ただし、後述する不一致判定処理において、入出球数の不一致が発生した場合には、当該ラウンドの終了後の数秒間(ここでは1秒間)を球ハケ期間としてV有効期間に設定する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンドの終了後、不一致判定処理において、入出球数の不一致が発生した場合には、当該ラウンドと次ラウンドとの間に設けられる不一致報知処理期間(リトライ動作期間)において、所定の期間をV有効期間に設定する。V開閉部材71のロング開放およびV有効期間設定処理の後、遊技制御用マイコン81は、第2入賞フラグをONに切り替え(ステップS2524)、ステップS2540に移行する。
ステップS2521において、当該ラウンドにおけるV開閉部材71の開放パターンがロング開放Aではない場合(ステップS2521:NO)、すなわち、ロング開放Bまたはショート開放である場合、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンドにおけるV開閉部材71の開放パターンがロング開放Bであるか否かの判定をおこなう(ステップS2530)。ロング開放Bではない場合(ステップS2530:NO)、すなわち、ショート開放である場合、処理はステップS2540に移行する。一方、ロング開放Bである場合(ステップS2530:YES)、遊技制御用マイコン81は、6球目の入賞を検出したか否かの判定をおこなう(ステップS2531)。6球目の入賞を検出していない場合(ステップS2531:NO)、処理はステップS2540に移行する。一方、6球目の入賞を検出した場合(ステップS2531:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71をロング開放させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2532)。V開閉部材71をロング開放させるのは、V開閉部材71の開放パターン(図21(B))では、「ロング開放B」の場合、6球目の入賞時にロング開放(ここでは最大31.5秒)を実行させるためである。なお、ロング開放Aと同様の理由により、V開閉部材71のロング開放の開放時間は、一般的には、31.5秒よりも短くなる。また、ロング開放Aと同様に、V開閉部材71の開放時間が比較的長いため、第1大入賞口30に入賞した6球目以降の遊技球の少なくとも一部は、V領域39を通過するように構成されている。V有効期間設定処理では、ステップS2504と同様に、V開閉部材71の開放中、および、V開閉部材71の閉鎖後の数秒間(ここでは1秒間)を、V有効期間に設定する。V開閉部材71のロング開放およびV有効期間設定処理の後、遊技制御用マイコン81は、第2入賞フラグをONに切り替え(ステップS2533)、ステップS2540に移行する。
ステップS2540では、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が開放中か否かの判定をおこなう。V開閉部材71が開放中の場合(ステップS2540:YES)、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2550)。既述のように、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖してから所定のインターバル時間(ここでは2秒)が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2550:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグおよび第2入賞フラグをOFFに切り替え(ステップS2551)、V開閉部材閉鎖処理およびV無効期間設定処理をおこなう(ステップS2552)。ここでは、当該ラウンド遊技の終了時に遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71を強制的に閉鎖させ、V開閉部材71の閉鎖後数秒間(ここでは1秒間)経過後から、V無効期間に設定し、本処理を終える。
当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2550:NO)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2560)。V開閉部材71の閉鎖条件とは、例えば、ショート開放であれば、V開閉部材71の開放後に所定期間(例えば0.1秒)が経過していること等が例示できる。閉鎖条件が成立している場合(ステップS2560:YES)、V開閉部材閉鎖処理およびV無効期間設定処理をおこない(ステップS2552)、本処理を終える。閉鎖条件が成立していない場合(ステップS2560:NO)、V開閉部材71を開放状態、V有効期間を継続したまま本処理を終える。
ステップS2540において、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が閉鎖中と判定した場合(ステップS2540:NO)、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2571)。当該ラウンドが終了している場合(ステップS2571:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグおよび第2入賞フラグをOFFに切り替えて(ステップS2572)、本処理を終える。ラウンドが終了していない場合には(ステップS2571:NO)、そのまま本処理を終える。
[遊技状態設定処理]
図40は、遊技状態設定処理(図38:ステップS2234)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、VフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2301)。VフラグがOFFの場合(ステップS2301:NO)、時短フラグをONにし(ステップS2302)、時短カウンタに「100」をセットする(ステップS2303)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「非高確率状態」かつ「時短状態」かつ「高ベース状態」(すなわち、低確高ベース)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回おこなわれること、または、次の大当たりに当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。
一方、ステップS2301において、VフラグがONの場合(ステップS2301:YES)、遊技制御用マイコン81は、確変フラグをONにし(ステップS2304)、確変カウンタに「160」をセットし(ステップS2305)、VフラグをOFFにする(ステップS2306)。また、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONにし(ステップS2307)、時短カウンタに「160」をセットする(ステップS2308)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「高確率状態」かつ「時短状態」かつ「高ベース状態」(すなわち、高確高ベース)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が160回おこなわれること、または、次の大当たりに当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、今設定した遊技状態に関する情報が含まれている。
[不一致報知処理]
図41は、不一致報知処理(図29:ステップS1309)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、リトライ終了フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2401)。「リトライ終了フラグ」とは、不一致判定処理(図38:ステップS2222)によって入出球数の不一致が発生していると判定された後、リトライ動作が実行されたこと、または、リトライ動作が不要であることを示すフラグである。リトライ終了フラグがONの場合(ステップS2401:YES)、処理はステップS2420に移行する。一方、リトライ終了フラグがOFFの場合(ステップS2401:NO)、入出球数の不一致が発生した当該ラウンド中にV開閉部材71が作動したか否かの判定をおこなう(ステップS2402)。遊技制御用マイコン81は、当該ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドではない場合、すなわち、当該ラウンドが第1ラウンド,第3ラウンド,第5ラウンド,第7ラウンド,第9ラウンド,第11ラウンド、第13ラウンド、第15ラウンドの場合、当該ラウンド中にV開閉部材71が作動していないと判定する。上記以外のラウンド(V開閉部材71の開放ラウンド)の場合、V開閉部材71が作動したか否かの判定は、例えば、当該ラウンド中に第1大入賞口30に入賞があったか否か、V開閉部材ソレノイド73を駆動させたか否か、V有効期間を設定したか否か、等によっておこなってもよい。
V開閉部材71が作動していない場合(ステップS2402:NO)、リトライ終了フラグをONに切り替えて(ステップS2412)、本処理を終了する。すなわち、当該ラウンドにおいてV開閉部材71が作動していない場合には、V開閉部材71のリトライ動作はおこなわれない。これは、当該ラウンド中にV開閉部材71が作動していないにもかかわらず入出球数の不一致が発生した場合には、その原因がV開閉部材71の球詰まり(球噛み)である可能性は低く、V開閉部材71のリトライ動作をおこなっても不一致が解消しないと考えられるためである。
V開閉部材71が作動していた場合(ステップS2402:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が開放中か否かの判定をおこなう(ステップS2403)。V開閉部材71が閉鎖中の場合(ステップS2403:NO)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の開放時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2404)。V開閉部材71の開放時間か否かの判定は、V開閉部材71のリトライ動作用の開放パターンテーブルに基づいておこなわれる。ここでは、例えば、V開閉部材71のリトライ動作として、ラウンド終了後1.4秒間閉鎖し、その後0.8秒間開放し、その後1秒間閉鎖するように設定された開放パターンテーブルがメインROM83に格納されている。V開閉部材71の開放時間(タイミング)である場合(ステップS2404:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の開放処理をおこなった後(ステップS2405)、本処理を終える。一方、V開閉部材71の開放時間(タイミング)ではない場合(ステップS2404:NO)、そのまま本処理を終える。
ステップS2403において、V開閉部材71が開放中の場合(ステップS2403:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の閉鎖時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2410)。V開閉部材71の閉鎖時間か否かの判定は、上述の開放パターンテーブルに基づいておこなわれる。V開閉部材71の閉鎖時間(タイミング)である場合(ステップS2410:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の閉鎖処理をおこなった後(ステップS2411)、リトライ終了フラグをONに切り替えて(ステップS2412)、本処理を終える。一方、V開閉部材71の閉鎖時間(タイミング)ではない場合(ステップS2410:NO)、そのまま本処理を終える。ステップS2403〜S2405,S2410〜2411によるV開閉部材71のリトライ動作によって、V開閉部材71に球詰まりが発生している場合には、球詰まりを解消することができる。
ステップS2401において、リトライ終了フラグがONの場合(ステップS2401:YES)、遊技制御用マイコン81は、不一致監視タイマがON(不一致報知中)か否かの判定をおこなう(ステップS2420)。不一致監視タイマがON(不一致報知中)ではない場合(ステップS2420:NO)、遊技制御用マイコン81は、不一致監視タイマの不一致報知開始時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2421)。不一致報知開始時間か否かの判定は、不一致報知パターンテーブルに基づいておこなわれる。ここでは、例えば、不一致報知パターンとして、ラウンド終了後3.2秒間不一致報知をおこなわず(不一致監視タイマOFF)、その後1.2秒間不一致報知をおこない(不一致監視タイマON)、その後、不一致報知を停止させる(不一致監視タイマOFF)ように設定された不一致報知パターンテーブルがメインROM83に格納されている。不一致監視タイマの不一致報知開始時間(タイミング)である場合(ステップS2421:YES)、不一致監視タイマをONにする不一致報知開始処理をおこない(ステップS2422)、本処理を終える。一方、不一致報知開始時間(タイミング)ではない場合(ステップS2421:NO)、本処理を終える。
ステップS2420において、不一致監視タイマがON(不一致報知中)の場合(ステップS2420:YES)、遊技制御用マイコン81は、不一致報知停止時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2430)。不一致報知停止時間か否かの判定は、上述の不一致報知パターンテーブルに基づいておこなわれる。不一致監視タイマの不一致報知停止時間(タイミング)ではない場合(ステップS2430:NO)、本処理を終える。一方、不一致報知停止時間(タイミング)である場合(ステップS2430:YES)、不一致監視タイマをOFFにする不一致報知停止処理をおこない(ステップS2431)、リトライ終了フラグをOFFに切り替える(ステップS2432)。その後、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS2433)。ラウンドカウンタの値が「0」ではない場合、すなわち、規定のラウンド遊技回数をまだ消化していない場合(ステップS2433:NO)、次のラウンド遊技を開始するために特別動作ステータスを「4」にセットして(ステップS2437)、本処理を終える。この特別動作ステータスを「4」にセットすることは、不一致報知処理期間を終了させる不一致解除に相当する。一方、ラウンドカウンタの値が「0」の場合(ステップS2433:YES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(ステップS2434)、大当たりのエンディングを開始する(ステップS2435)。そして、大当たり終了フラグをONにセットし(ステップS2436)、特別動作ステータスを「4」にセット(不一致解除)して(ステップS2437)、本処理を終える。
[V領域センサ検出処理]
図42は、V領域センサ検出処理(図24:ステップS106)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かの判定をおこなう(ステップS2601)。V領域センサ39aによる遊技球の検知は、V開閉部材71が第1の状態(図5(A))に制御されているときのみなされる。V領域センサ39aによる遊技球の検知がない場合には(ステップS2601:NO)、本処理を終える。一方、検知がある場合には(ステップS2601:YES)、遊技制御用マイコン81は、V有効期間中か否かの判定をおこなう(ステップS2602)。V有効期間は、V開閉部材動作処理(図39)のV有効期間設定処理(ステップS2504,S2523,S2532)によって設定される期間である。V有効期間は、第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,第8ラウンド,第10ラウンド,第12ラウンド中のV開閉部材71の開放時や閉鎖後の数秒間(球ハケ期間)に設定される。V有効期間中ではない場合には(ステップS2602:NO)、本処理を終える。一方、V有効期間中である場合(ステップS2602:YES)、遊技制御用マイコン81は、VフラグをONするとともに(ステップS2603)、V通過コマンドをセットして(ステップS2604)、本処理を終える。
[保留球数処理]
図43は、保留球数処理(図24:ステップS107)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数、および、普通図柄保留球数の読み出しをおこなう(ステップS2701)。次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする(ステップS2702)。保留球数コマンドは、保留球数をサブ制御基板90に通知するためのコマンドであり、特図1保留球数、特図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報を含んでいる。保留球数コマンドのセット後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終了する。
[電源断監視処理]
図44は、電源断監視処理(図24:ステップS108)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、電源断信号の入力があったか否かの判定をおこなう(ステップS2801)。入力がない場合(ステップS2801:NO)、本処理を終える。入力がある場合(ステップS2801:YES)、遊技制御用マイコン81は、現在の状態に関するデータをメインRAM84に記憶する(ステップS2802)。このとき、遊技制御用マイコン81は、チェックサムを作成する。次に、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをONにし(ステップS2803)、その後、メイン側タイマ割り込み処理(図24)に戻ることなくループ処理をおこなう。
7.大当たり種別ごとの各ラウンド遊技の構成
図45〜図47を用いて、大当たり種別ごとの各ラウンド遊技の構成について説明する。図45は、「16RV通過予定大当たり」および「16R(実質15R)V通過予定大当たり」における各ラウンド遊技の構成を示す図である。図46は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり1,2」における各ラウンド遊技の構成を示す図である。図47は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり3」および「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」における各ラウンド遊技の構成を示す図である。図45〜図47には、ラウンド表示、大入賞口の種類、大入賞口の開放パターン、大入賞口の開閉時間、V開閉部材の開放パターンが示されている。
図45の16RV通過予定大当たり(特図停止図柄データ11H,12H,21H)では、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンとして開放パターン21(図20)がセットされ、V開閉部材71の開放パターンとして開放パターン31(図21)がセットされる。これにより、第1ラウンド〜第9ラウンド、第11ラウンド、第13ラウンド、第15ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放されるが、V開閉部材71はショート開放するか、または、開放しない。そのため、上記ラウンドでは、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができない。第10ラウンドおよび第12ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放され、V開閉部材71はロング開放(ロング開放A)される。そのため、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができる。第14ラウンドおよび第16ラウンドでは、第2大入賞口35がロング開放されるため、第2大入賞口35に入賞させることができる。
16R(実質15R)V通過予定大当たり(特図停止図柄データ13H)では、大入賞口の開放パターンとして開放パターン23(図20)がセットされ、V開閉部材71の開放パターンとして開放パターン32(図21)がセットされる。これにより、第1ラウンド〜第7ラウンド、第9ラウンド、第11ラウンド〜第13ラウンド、第15ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放されるが、V開閉部材71はショート開放するか、または、開放しない。そのため、上記ラウンドでは、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができない。第8ラウンドおよび第10ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放され、V開閉部材71はロング開放(ロング開放A)される。そのため、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができる。第14ラウンドでは、第2大入賞口35がショート開放されるため、第2大入賞口35に入賞させることができないが、第16ラウンドでは、第2大入賞口35がロング開放されるため、第2大入賞口35に入賞させることができる。
図46の16R(実質13R)V通過予定大当たり1(特図停止図柄データ14H)では、大入賞口の開放パターンとして開放パターン22(図20)がセットされ、V開閉部材71の開放パターンとして開放パターン33(図21)がセットされる。これにより、第1ラウンド、第3ラウンド〜第5ラウンド、第7ラウンド〜第13ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放されるが、V開閉部材71はショート開放するか、または、開放しない。そのため、上記ラウンドでは、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができない。第2ラウンドおよび第6ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放され、V開閉部材71はロング開放(第2ラウンド:ロング開放B、第6ラウンド:ロング開放A)される。そのため、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができる。第14ラウンドおよび第16ラウンドでは、第2大入賞口35がショート開放されるため、第2大入賞口35に入賞させることができない。第15ラウンドでは、第1大入賞口30がショート開放されるため、第1大入賞口30に入賞させることができない。
16R(実質13R)V通過予定大当たり2(特図停止図柄データ15H)では、大入賞口の開放パターンとして開放パターン22(図20)がセットされ、V開閉部材71の開放パターンとして開放パターン34(図21)がセットされる。これにより、第1ラウンド〜第3ラウンド、第5ラウンド〜第7ラウンド、第9ラウンド〜第13ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放されるが、V開閉部材71はショート開放するか、または、開放しない。そのため、上記ラウンドでは、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができない。第4ラウンドおよび第8ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放され、V開閉部材71はロング開放(第4ラウンド:ロング開放B、第8ラウンド:ロング開放A)される。そのため、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができる。第14ラウンド〜第16ラウンドは、16R(実質13R)V通過予定大当たり1の第14ラウンド〜第16ラウンドと同様である。
図47の16R(実質13R)V通過予定大当たり3(特図停止図柄データ16H)では、大入賞口の開放パターンとして開放パターン22(図20)がセットされ、V開閉部材71の開放パターンとして開放パターン35(図21)がセットされる。これにより、第1ラウンド〜第5ラウンド、第7ラウンド〜第9ラウンド、第11ラウンド〜第13ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放されるが、V開閉部材71はショート開放するか、または、開放しない。そのため、上記ラウンドでは、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができない。第6ラウンドおよび第10ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放され、V開閉部材71はロング開放(第6ラウンド:ロング開放B、第10ラウンド:ロング開放A)される。そのため、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができる。第14ラウンド〜第16ラウンドは、16R(実質13R)V通過予定大当たり1の第14ラウンド〜第16ラウンドと同様である。
16R(実質13R)V非通過予定大当たり(特図停止図柄データ17H)では、大入賞口の開放パターンとして開放パターン22(図20)がセットされ、V開閉部材71の開放パターンとして開放パターン36(図21)がセットされる。これにより、第1ラウンド〜第13ラウンドでは、第1大入賞口30はロング開放されるが、V開閉部材71はショート開放するか、または、開放しない。そのため、上記ラウンドでは、第1大入賞口30に入賞した遊技球はV領域39を通過することができない。第14ラウンド〜第16ラウンドは、16R(実質13R)V通過予定大当たり1の第14ラウンド〜第16ラウンドと同様である。
16R(実質13R)V通過予定大当たり1〜3および16R(実質13R)V非通過予定大当たりでは、大入賞口の開放パターンは同じ(開放パターン22)であるが、V開閉部材71の開放パターンが異なる。そのため、遊技者が何ラウンドにV開閉部材71が開放されるのかわかりにくくしている。また、何球目に開放するのかもわかりにくくしている。
8.特別電動役物等の動作の説明
図48〜図50を用いて、1回のラウンド遊技中における第1大入賞口30、V開閉部材71、および、不一致監視タイマ(ここでは、これらをまとめて「特別電動役物等」とも呼ぶ)の動作について説明する。図48は、V開閉部材71の開放ラウンド(第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,第8ラウンド,第10ラウンド,第12ラウンド)において、第1大入賞口30に1球目が入賞したときの特別電動役物等の動作を示したタイムチャートである。図48(A)は、ラウンド終了時の不一致判定処理において不一致が発生していない場合が示されており、図48(B)は、不一致が発生している場合が示されている。図48(A)および図48(B)では、ぞれぞれ、第1大入賞口30の作動/停止(開放/閉鎖)、V開閉部材ソレノイド73のON/OFF(V開閉部材開放/閉鎖)、V領域通過時の扱い(V有効期間/V無効期間)と、不一致監視タイマのON/OFF(報知の有無)が示されている。
V開閉部材の開放ラウンドでは、V開閉部材71の開放パターン(ショート開放、ロング開放A、または、ロング開放B)にかかわらず、第1大入賞口30の開放後、第1大入賞口30への1球目の入賞によって、V開閉部材ソレノイド73が0.1秒間ONに切り替わる。これにより、V開閉部材71が0.1秒間開放される。V開閉部材71の開放と同時にV有効期間が設定され、V開閉部材71の閉鎖後の1秒間(球ハケ期間)が経過するとV無効期間に切り替えられる。第1大入賞口30の閉鎖後インターバル時間(2秒)が経過するとラウンドが終了し、不一致判定処理が実行される。不一致が発生していない場合には、図48(A)に示すように、次ラウンドが開始される。一方、不一致が発生している場合には図48(B)に示すように、ラウンド終了後、次ラウンドまでの間に不一致報知処理期間(リトライ動作期間)が設定される。不一致報知処理では、V開閉部材71が1.4秒間の閉鎖後0.8秒間開放し、その後、1秒間閉鎖されるリトライ動作が実行される。また、リトライ動作後に1.2秒間不一致報知がおこなわれ、その後、不一致解除がなされる。この不一致解除によって次ラウンドが開始される。言い換えれば、不一致の発生時には、不一致解除までは次のラウンドに移行しない。
図49は、V開閉部材71の開放パターンがロング開放A(またはロング開放B)のときのV開閉部材71の開放ラウンドにおいて、第1大入賞口30に2球目(または6球目)が入賞したときの特別電動役物等の動作を示したタイムチャートである。図48(A)および図48(B)と同様に、図49(A)は、不一致判定処理において不一致が発生していない場合が示されており、図49(B)は、不一致が発生している場合が示されている。V開閉部材71の開放パターンがロング開放Aの場合、第1大入賞口30の開放後、第1大入賞口30への2球目の入賞によって、V開閉部材71が最大31.5秒間開放される。2球目の入賞によるV開閉部材71の開放はラウンドの終了時に開放残時間があったとしても閉鎖される。1回のラウンド遊技時間は最長で31.5秒となるため、2球目の入賞によるV開閉部材71の開放は必ずラウンド終了時に閉鎖される。2球目の入賞が1球目の入賞の開放時間内に発生した場合は、開放時間がオーバーラップする。第1大入賞口30の閉鎖後インターバル時間(2秒)に、2球目が入賞したときもV開閉部材71の開放およびV有効期間の設定が同様におこなわれる。V開閉部材71の開放パターンがロング開放Bの場合、第1大入賞口30への6球目の入賞によって同様の処理がおこなわれる。V有効期間は、V開閉部材71の開放と同時に設定され、ラウンド終了時の不一致判定処理において不一致が発生していない場合には、図49(A)に示すように、ラウンド終了時にV無効期間に切り替えられる。一方、不一致判定処理において不一致が発生している場合には、図49(B)に示すように、ラウンド終了後1秒間(球ハケ期間)が経過するとV無効期間に切り替えられる。すなわち、不一致が発生していない場合には、V有効領域の球ハケ期間は設定されない。
図50は、V開閉部材71が開放しないラウンド(第1ラウンド,第3ラウンド,第5ラウンド,第7ラウンド,第9ラウンド,第11ラウンド、第13ラウンド、第15ラウンド)における特別電動役物等の動作を示したタイムチャートである。図48(A)および図48(B)と同様に、図50(A)は、不一致判定処理において不一致が発生していない場合が示されており、図50(B)は、不一致が発生している場合が示されている。V開閉部材71が開放しないラウンドの場合、第1大入賞口30への入賞があってもV開閉部材71は開放されず、V有効期間の設定はおこなわれない。また、不一致判定処理において不一致が発生した場合、不一致報知処理期間に不一致報知はおこなわれるが、リトライ動作はおこなわれない。これは、V開閉部材71が開放しないラウンドでは、V開閉部材71は開放しないため、不一致の原因がV開閉部材71の球詰まり(球噛み)である可能性が低く、リトライ動作によっても不一致が解消しないと考えられるためである。
第2大入賞口35が開放されるラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)では、特別電動役物等の動作は図50と同様となる。すなわち、第2大入賞口35が開放されるラウンドでは、不一致判定処理において不一致が発生した場合、不一致報知処理期間に不一致報知のみがおこなわれる。なお、本実施形態では、第2大入賞口35が開放されるラウンドでも不一致判定処理がおこなわれるが、他の実施形態として、第2大入賞口35が開放されるラウンドでは不一致判定処理をおこなわないようにしてもよい。
9.演出制御用マイコン91の動作
図51〜図75に基づいてサブ制御基板90(図8)に設けられた演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はサブRAM94に設けられている。
[サブ制御メイン処理]
図51は、サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。サブ制御メイン処理は、遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91によってサブROM93から読み出されて実行される。ステップS4000では、演出制御用マイコン91は、CPU初期化処理を行う。CPU初期化処理では、サブCPU92に関する各種設定、および、カウンタおよびフラグのリセットをおこなう。カウンタおよびフラグは、サブRAM94のカウンタセット領域94dおよびフラグセット領域94eに記憶されている。
ステップS4005では、演出制御用マイコン91は、電源断フラグがONで、かつ、サブRAM94の内容が正常であるか否かの判断をおこなう。ここで否定判断された場合(ステップS4005:NO)、ステップS4010にてサブRAM94を初期化し、ステップS4015へ移行する。一方、肯定判断された場合(ステップS4005:YES)、ステップS4010の処理を実行せず、ステップS4015へ移行する。つまり、電源断フラグがONでない場合、又は、サブRAM94の内容が正常でない場合は、サブRAM94を初期化する。一方、電源断フラグがONとなっているときにサブRAM94の内容が正常であるならば、演出制御用マイコン91は、サブRAM94を初期化しない。サブRAM94を初期化すると、各種のカウンタおよびフラグはリセットされる。
ステップS4015では、演出制御用マイコン91は、割り込みを禁止する。ステップS4020では、演出制御用マイコン91は、乱数の更新をおこなう。ここでは、種々の乱数値を更新する。乱数には、チャンスアップ乱数、シナリオ乱数、ゾーン乱数、高確時短演出突入乱数、および、煽り演出決定乱数がある(図14参照)。乱数値は、1ずつ加算して更新される。乱数値は、上限値まで達すると「0」に戻される。なお、初期値は「0」以外の数であってもよく、ランダムに変更される数であってもよい。また、乱数値は、1ずつ加算する以外に、2以上を加算するようにしてもよい。
ステップS4025では、演出制御用マイコン91は、割り込みを許可する。割り込み許可中は、受信割り込み処理(ステップS4030)およびサブ側タイマ割り込み処理(ステップS4035)の実行が可能となる。その後、ステップS4015へ移行し、処理を繰り返す。つまり、割り込み許可中において、受信割り込み処理およびサブ側タイマ割り込み処理は、所定時間間隔で割り込みを試みる。
[受信割り込み処理]
図52は、受信割り込み処理(図51:ステップS4030)の詳細を示すフローチャートである。ステップS4100では、演出制御用マイコン91は、コマンド(主制御基板80から送信されてきた各種のコマンド)を受信したか否かを判断する。これは、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判断する処理である。ここで、コマンドを受信してない場合(ステップS4100:NO)、受信割り込み処理を終了する。一方、コマンドを受信した場合(ステップS4100:YES)、ステップS4105にて受信したコマンドをサブRAM94に格納し、その後、受信割り込み処理を終了する。
[サブ側タイマ割り込み処理]
図53は、サブ側タイマ割り込み処理(図51:ステップS4035)の詳細を示すフローチャートである。ステップS4300では、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理を実行する。受信コマンド解析処理の詳細については後述する。ステップS4305では、演出制御用マイコン91は、スイッチ処理を実行する。スイッチ処理の詳細については後述する。ステップS4310では、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理を実行する。コマンド送信処理では、受信コマンド解析処理等でサブRAM94の出力バッファにセットした各種コマンドを画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107に送信する。各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて、受信したコマンドに応じた表示演出を実行する。また、各種コマンドを受信した音声制御基板106は、受信したコマンドに応じて、スピーカから音声を出力する音声演出を実行する。各種コマンドを受信したランプ制御基板107は、受信したコマンドに応じて盤ランプ5や枠ランプ66の発光制御を行うランプ演出を実行する。
[変動演出の説明]
本実施形態では、特別図柄の変動中に行われる演出を、変動演出とも呼ぶ。変動演出は、後述する変動演出パターン決定処理(図66参照)において決定される変動演出パターンに基づいて実現される。変動演出は、基幹演出、表示演出チャンスアップ、音演出チャンスアップ、可動役物演出チャンスアップ、ランプ演出チャンスアップ、ボタン演出チャンスアップ、ゾーン演出、煽り演出、高確時短突入確定演出、高確時短演出、低確時短演出、非時短演出を含む。高確時短演出は、高確率状態を示唆している演出であり、詳しくは、高確時短状態の場合に実行される演出である。低確時短演出は、基本的には、低確時短状態の場合に実行される演出である。ただし、低確時短演出は、特定の高確時短状態の場合にも実行され得る。従って、本実施形態では、特定の高確時短状態のときに、低確時短演出から高確時短演出に移行する場合がある。非時短演出は、非時短状態の場合に実行される演出である。煽り演出は、低確時短演出中に実行される演出である。高確時短突入確定演出は、低確時短演出から高確時短演出に移行する際に繋ぎとして実行される演出である。高確時短演出、低確時短演出、および、非時短演出は、後述するように背景画像の色がそれぞれ異なる演出であり、これらの演出が複合することはない。なお、今まさに実行されている特別図柄の変動を「当該変動」とも呼ぶ。
[受信コマンド解析処理]
図54および図55は、受信コマンド解析処理(図53:ステップ4300)の詳細を示すフローチャートである。ステップS4400では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からRAMクリア報知コマンドを受信したか否か判断する。受信していれば(ステップS4400:YES)、演出制御用マイコン91は、ステップS4405にてRAMクリア報知を開始し、ステップS4410にてRAMクリア報知の報知期間を報知タイマにセットして、ステップS4415へ移行する。
ステップS4405のRAMクリア報知は、演出制御用マイコン91が音声制御基板106を制御することで実現される処理であり、スピーカ67から所定の音声(例えば「RAMクリアしました」などの音声)を報知する処理である。なお、RAMクリアの報知として、スピーカ67を用いた報知の他に、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66及び盤ランプ5を点灯させることによる報知や、画像制御基板100を介して画像表示装置7に所定の画像を表示する報知などが挙げられる。またこれらの報知を単独で実行しても組み合わせて実行してもよい。
ステップS4410では、演出制御用マイコン91は、報知期間に相当するタイマ値を正の整数でセットする。なお報知期間としては、作業者にRAMのクリアを十分に認識させることが可能な期間であればよく、但し長期間に及ぶとホールの営業に影響する場合(例えば、遊技機が開店時間を過ぎても上述した報知の態様のままである場合)も考慮すると、1〜300secが好ましく、さらには30〜120secがより好ましい。
ステップS4415では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から事前判定コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4415:YES)、ステップS4420へ移行する。一方、受信していなければ(ステップS4415:NO)、ステップS4420〜ステップS4440の処理を実行せず、ステップS4445へ移行する。
ステップS4420では、演出制御用マイコン91は、事前判定情報を書き換える。この書き換え処理についての詳細は、後述する。ステップS4425では、演出制御用マイコン91は、シナリオ情報決定処理を行う。シナリオ情報については、後述する。次に、ステップS4430では、演出制御用マイコン91は、ゾーン演出パターン決定処理を行う。ゾーン演出については後述する。
ステップS4435では、演出制御用マイコン91は、時短演出変更処理を行う。大当たり終了後の遊技状態として、低確時短遊技状態および高確時短遊技状態がある。そして、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(特図停止図柄データが14H〜16H)のときは、大当たり遊技終了後、高確時短遊技状態であるにもかかわらず、低確時短演出を行う。このときは、大当たり遊技終了後1回転〜100回転のどこかで、低確時短演出から高確時短演出への移行を行う。このような移行抽選を行うのが、時短演出変更処理である。時短演出変更処理については、後述する。
ステップS4440では、演出制御用マイコン91は、煽り演出抽選処理を行う。煽り演出とは、上述の高確時短演出への移行を煽る演出である。煽り演出は、高確時短演出への移行に先立って行われる。ただし、高確時短演出への移行に先立って必ずしも煽り演出が実行されるとは限らず(煽り演出が実行されずに高確時短演出へ移行する場合があり)、また、煽り演出が実行されても必ずしも高確時短演出へ移行するわけではない(ガセがあり得る)。この煽り演出は、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(特図停止図柄データが14H〜16H)のときと、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(特図停止図柄データが17H)のときに実行され得る。
ステップS4445では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4445:YES)、ステップS4450にて保留表示処理を行い、ステップS4455へ移行する。一方、受信していなければ(ステップS4445:NO)、ステップS4455へ移行する。ステップS4450の保留表示処理は、画像制御基板100を介して画像表示装置7に保留画像を表示するためのコマンドをセットする処理である。このときの保留画像は、上述したシナリオ情報がある場合には当該シナリオ情報に基づいて選択される。
ステップS4455では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4455:YES)、ステップS4460にて変動演出開始処理を実行し、その後、ステップS4465へ移行する。ステップS4460の変動演出開始処理の詳細については後述する。一方、受信していなければ(ステップS4455:NO)、ステップS4465へ移行する。
ステップS4465では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4465:YES)、ステップS4470にて変動演出終了処理を実行し、その後、ステップS4475へ移行する。変動演出終了処理は、演出図柄を確定停止させる処理である。一方、受信していなければ(ステップS4465:NO)、ステップS4475へ移行する。
ステップS4475では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4475:YES)、ステップS4480にてオープニング演出パターン決定処理を実行し、その後、ステップS4485へ移行する。ステップS4480のオープニング演出パターン決定処理の詳細については後述する。一方、受信していなければ(ステップS4475:NO)、ステップS4485へ移行する。
ステップS4485では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4485:YES)、ステップS4490にてラウンド演出パターン決定処理を実行し、その後、ステップS4495へ移行する。ステップS4490のラウンド演出パターン決定処理の詳細については後述する。一方、受信していなければ(ステップS4485:NO)、ステップS4495へ移行する。
ステップS4495では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4495:YES)、ステップS4500にてエンディング演出パターン決定処理を実行し、その後、ステップS4505へ移行する。ステップS4500のエンディング演出パターン決定処理の詳細については後述する。一方、受信していなければ(ステップS4495:NO)、ステップS4505へ移行する。
ステップS4505では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4505:YES)、ステップS4510にて遊技状態フラグを設定し、ステップS4515へ移行する。遊技状態フラグは、サブRAM94のフラグセット領域94eに設けられている。遊技状態フラグは、低確時短フラグおよび高確時短フラグの総称である。したがって、ステップS4510では、低確時短フラグおよび高確時短フラグをそれぞれ、遊技状態指定コマンドに基づき、ONまたはOFFに設定する。具体的には、高確時短遊技状態であれば、高確時短フラグをON、かつ、低確時短フラグをOFFに設定し、低確時短遊技状態であれば、高確時短フラグOFF、かつ、低確時短遊技フラグをONに設定する。通常遊技状態であれば、高確時短遊技フラグおよび低確時短遊技フラグを共にOFFにする。
ステップS4515では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4515:YES)、ステップS4520にてV通過フラグをONにし、その後、ステップS4525へ移行する。一方、受信していなければ(ステップS4515:NO)、ステップS4525へ移行する。
ステップS4525では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信したか否かを判断する。ここで受信していれば(ステップS4525:YES)、ステップS4530にて客待ち演出処理を実行し、その後、ステップS4535へ移行する。ステップS4530の客待ち演出処理では、画像表示装置7で客待ち用のデモ演出(客待ち演出ともいう)を実行するための客待ち演出コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。一方、受信していなければ(ステップS4525:NO)、ステップS4535へ移行する。
ステップS4535では、RAMクリア報知停止処理を実行する。これは、ステップS4405にて開始されたRAMクリア報知を停止するための処理である。RAMクリア報知停止処理の詳細については後述する。ステップS4535の処理終了後、受信コマンド解析処理を終了する。
[事前判定情報記憶領域]
図56は、事前判定情報記憶領域94cを示す説明図である。図56(B)は、図56(A)の事前判定情報記憶領域94cをシフト処理した様子を示す説明図である。事前判定情報記憶領域94cは、サブ制御基板90に備えられる演出制御用マイコン91のサブRAM94に設けられている(図13参照)。事前判定情報記憶領域94cは、主制御基板80から送信される事前判定コマンドに基づく、事前判定情報、先読み情報、および、演出変更情報が記憶される領域である。ここでは、事前判定情報には、大当たり判定情報と、大当たり種別情報と、変動パターン情報が含まれ、先読み情報には、ゾーン演出当選情報と、ゾーン演出実行情報とが含まれ、演出変更情報には、高確時短演出突入情報と、煽り演出実行情報とが含まれている。以後、事前判定情報、先読み情報、および、演出変更情報をまとめて「事前判定情報等」とも呼ぶ。
事前判定情報記憶領域94cには、第1特図保留および第2特図保留のそれぞれについて、1個目の特図保留に対応する事前判定情報等が格納される第1格納領域、2個目の特図保留に対応する事前判定情報等が格納される第2格納領域、3個目の特図保留に対応する事前判定情報等が格納される第3格納領域、4個目の特図保留に対応する事前判定情報等が格納される第4格納領域が設けられている。また、当該変動(今現在の変動)に対応する領域として、当該領域が設けられている。
事前判定情報記憶領域94cの第1〜第4格納領域には、それぞれ、大当たり判定情報を格納可能な大当たり判定情報欄と、大当たり種別情報を格納可能な大当たり種別情報欄と、変動パターン情報を格納可能な変動パターン情報欄と、ゾーン演出当選情報を格納可能なゾーン演出当選情報欄と、ゾーン演出実行情報を格納可能なゾーン演出実行情報欄と、高確時短演出突入情報を格納可能な高確時短演出突入情報欄と、煽り演出実行情報を格納可能な煽り演出実行情報欄とが設けられている。
演出制御用マイコン91は、事前判定コマンドに基づいて、事前判定情報として、大当たり事前判定の結果、大当たり種別事前判定の結果、および、変動パターン事前判定の結果を受信する。上述したS4420(図54)における事前判定情報の書き換え処理で、演出制御用マイコン91は、受信した事前判定コマンドに含まれる上記の事前判定結果を、事前判定情報記憶領域94cの対応する、大当たり判定情報欄、大当たり種別情報欄、および、変動パターン情報欄に格納する。例えば、4個目の第2特図保留発生時には、事前判定コマンドに含まれる、大当たり事前判定の結果、大当たり種別事前判定の結果、および、変動パターン事前判定の結果を、特図2の第4格納領域の、大当たり判定情報欄、大当たり種別情報欄、および、変動パターン情報欄に格納する。
すなわち、上述したS4420における事前判定情報の書き換え処理では、演出制御用マイコン91は、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たり事前判定の結果、大当たり種別事前判定の結果、および、変動パターン事前判定の結果を、事前判定情報記憶領域94cの複数の格納領域のうち、受信した事前判定コマンドに対応する保留の特別図柄種別(特図1or特図2)、その保留の保留順番(1個目or2個目or3個目or4個目)、事前判定コマンドに含まれる事前判定情報の種類(大当たり事前判定結果or大当たり種別判定結果or変動パターン事前判定結果)に応じた格納領域に格納する。例えば、4個目の第2特図保留発生時に事前判定コマンドが送信され、その事前判定コマンドに含まれる事前判定情報が、大当たり事前判定結果:「大当たり」、大当たり種別事前判定結果:「21H」、変動パターン事前判定結果:「P61」であった場合には、図56(A)のようにこれらの事前判定結果が格納される。以後、事前判定情報記憶領域94cの大当たり判定情報欄に格納されている大当たり事前判定結果を大当たり判定情報とも呼び、大当たり種別情報欄に格納されている大当たり種別事前判定結果を大当たり種別情報とも呼び、変動パターン情報欄に格納されている変動パターン事前判定結果を変動パターン情報とも呼ぶ。
図56では、ハズレを表す大当たり判定情報を「ハズレ」として示し、情報がない場合を「−」で示している。なお、これらの事前判定情報は、後述するよう変動開始とともにシフト処理される(図65:S5010、図56(A)、(B)参照)。具体的には、第2格納領域の情報が第1格納領域へ移動され、第3格納領域の情報が第2格納領域へ移動され、第4格納領域の情報が第3格納領域へ移動される。ただし、事前判定情報は当該領域へは移動されない。当該変動においては、変動開始コマンドを解析することにより、大当たり判定情報、大当たり種別情報、変動パターン情報を取得するためである。
そして、これらの事前判定情報を基に、先読み情報(シナリオ情報、ゾーン演出当選情報、および、ゾーン演出実行情報)が決定されて事前判定情報記憶領域94cに格納される。シナリオ情報、ゾーン演出当選情報、および、ゾーン演出実行情報についての詳細は、後述する。これら先読み情報は、事前判定情報と同様、シフト処理される(図65:S5010、図56(A)、(B)参照)。このときは、第1格納領域の情報が当該領域へ移動させられる。そして、当該変動における変動演出パターンの決定において、シナリオ情報、ゾーン演出実行情報が参照される。シナリオ情報は、上述したステップS4450の保留表示処理、後述する保留表示のシフト処理において参照される。
事前判定コマンドを受信した際には、ステップS4435の時短演出変更処理によって低確時短演出から高確時短演出への移行抽選が行われる。この高確時短演出への移行抽選に当選した場合、事前判定情報記憶領域94cに高確時短演出突入情報が格納される。また、ステップS4440では、煽り演出の抽選が行われる。この煽り演出の抽選に当選した場合、事前判定情報記憶領域94cに煽り演出実行情報が格納される。高確時短演出突入情報、および、煽り演出実行情報については後述する。
[シナリオ情報決定処理]
図57は、シナリオ情報決定処理(図54:ステップ4425)の詳細を示すフローチャートである。ステップS4600では、演出制御用マイコン91は、今回の事前判定コマンドに対応する保留が第2特図保留であるか否かを判断する。ここで第2特図保留であると判断された場合(ステップS4600:YES)、ステップS4605へ移行する。一方、第2特図保留でないと判断された場合(ステップS4600:NO)、すなわち、第1特図保留である場合には、ステップS4610へ移行する。
ステップS4605では、演出制御用マイコン91は、特図2に対応するシナリオ情報があるか否かを判断する。これは、特図2の第1〜第4格納領域、および、当該領域にシナリオ情報が既に記憶されているか否かを判断する処理である。ここで特図2に対応するシナリオ情報があると判断された場合(ステップS4605:YES)、以降の処理を実行せず、シナリオ情報決定処理を終了する。一方、特図2に対応するシナリオ情報がないと判断された場合(ステップS4605:NO)、ステップS4615へ移行する。
ステップS4610では、演出制御用マイコン91は、特図1に対応するシナリオ情報があるか否かを判断する。これは、特図1の第1〜第4格納領域、および、当該領域にシナリオ情報が既に記憶されているか否かを判断する処理である。ここで特図1に対応するシナリオ情報があると判断された場合(ステップS4610:YES)、以降の処理を実行せず、シナリオ情報決定処理を終了する。一方、特図1に対応するシナリオ情報がないと判断された場合(ステップS4610:NO)、ステップS4615へ移行する。
ステップS4615では、演出制御用マイコン91は、事前判定コマンドに含まれる事前判定情報から大当たり又はリーチハズレであるか否かを判断する。大当たりであるか否かは、大当たり判定情報を参照して判断する。リーチハズレであるか否かは、変動パターン情報を用いて判断する。変動パターン情報が2つある場合は、一方の変動パターン情報がリーチ有りを示し、他方の変動パターン情報がリーチ無しを示すことはない。そこで、変動パターン情報が2つある場合は、一方の変動パターン情報を用いて判断する。ここで大当たり又はリーチハズレであると判断された場合(ステップS4615:YES)、ステップS4620へ移行する。一方、大当たりおよびリーチハズレのいずれでもないと判断された場合(ステップS4615:NO)、以降の処理を実行せず、シナリオ情報決定処理を終了する。
ステップS4620では、演出制御用マイコン91は、シナリオ乱数を取得する。シナリオ乱数は、「0」〜「127」のいずれかの値をとる。ステップS4625では、演出制御用マイコン91は、シナリオ情報を決定する。シナリオ情報は、シナリオ乱数に基づき、後述するシナリオ情報決定テーブルT75を用いて決定される。ステップS4630では、演出制御用マイコン91は、シナリオ情報を格納する。今回の事前判定コマンドに対応する格納領域に格納される。例えば、今回の事前判定コマンドが4個目の第2特図保留発生時のものであれば、そのシナリオ情報は特図2の第4格納領域に格納される(図56(A)参照)。
[シナリオ情報決定テーブル]
図58は、シナリオ情報決定テーブルT75を示す図である。本実施形態では、特図保留発生時の保留個数によって参照されるシナリオ情報決定テーブルT75が異なるため、1〜4個目の特図保留発生時のそれぞれに対応する4つのシナリオ情報決定テーブルT75が存在する。以下では、このうちの2つを例に挙げて説明する。図58(A)は、4個目の特図保留発生時のシナリオ情報決定テーブルT75Aを示し、図58(B)は、3個目の特図保留発生時のシナリオ情報決定テーブルT75Bを示している。シナリオ情報は、シナリオ乱数に基づいて決定されるが、リーチハズレ時と、大当たり時とで振り分けが異なっている。
4個目の特図保留発生時の事前判定情報でリーチハズレの場合、シナリオ乱数が「0」〜「9」のいずれかであるときシナリオ情報「401」が決定され、シナリオ乱数が「10」〜「19」のいずれかであるときシナリオ情報「402」が決定され、シナリオ乱数が「20」〜「29」のいずれかであるときシナリオ情報「403」が決定され、シナリオ乱数が「30」〜「39」のいずれかであるときシナリオ情報「404」が決定され、シナリオ乱数が「40」〜「49」のいずれかであるときシナリオ情報「405」が決定され、シナリオ乱数が「50」〜「127」のいずれかであるときシナリオ情報「406」が決定される(図58(A)参照)。
4個目の特図保留発生時の事前判定情報で大当たりの場合、シナリオ乱数が「0」〜「19」のいずれかであるときシナリオ情報「401」が決定され、シナリオ乱数が「20」〜「39」のいずれかであるときシナリオ情報「402」が決定され、シナリオ乱数が「40」〜「59」のいずれかであるときシナリオ情報「403」が決定され、シナリオ乱数が「60」〜「79」のいずれかであるときシナリオ情報「404」が決定され、シナリオ乱数が「80」〜「109」のいずれかであるときシナリオ情報「405」が決定され、シナリオ乱数が「110」〜「127」のいずれかであるときシナリオ情報「406」が決定される(図58(A)参照)。
3個目の特図保留発生時の事前判定情報でリーチハズレの場合、シナリオ乱数が「0」〜「9」のいずれかであるときシナリオ情報「301」が決定され、シナリオ乱数が「10」〜「19」のいずれかであるときシナリオ情報「302」が決定され、シナリオ乱数が「20」〜「29」のいずれかであるときシナリオ情報「303」が決定され、シナリオ乱数が「30」〜「39」のいずれかであるときシナリオ情報「304」が決定され、シナリオ乱数が「40」〜「127」のいずれかであるときシナリオ情報「305」が決定される。(図58(B)参照)。
3個目の特図保留発生時の事前判定情報で大当たりの場合、シナリオ乱数が「0」〜「19」のいずれかであるときシナリオ情報「301」が決定され、シナリオ乱数が「20」〜「39」のいずれかであるときシナリオ情報「302」が決定され、シナリオ乱数が「40」〜「59」のいずれかであるときシナリオ情報「303」が決定され、シナリオ乱数が「60」〜「79」のいずれかであるときシナリオ情報「304」が決定され、シナリオ乱数が「80」〜「127」のいずれかであるときシナリオ情報「305」が決定される。(図58(B)参照)。
ここでシナリオ情報に基づく表示態様を説明する。シナリオ情報は、保留画像群9A、9Bの表示変化に関する情報である。以下、第1特図保留、第2特図保留のそれぞれについて、特図保留の1個目〜4個目に対応する保留画像をそれぞれ第1〜第4保留画像とも呼ぶ。表示される保留画像群9A、9Bの保留画像の個数は、第1特図保留表示器43aに表示される第1特図保留の記憶数、および、第2特図保留表示器43bに表示される第2特図保留の記憶数に対応している。例えば、第1特図保留の記憶数が4の場合には、特図1の第1〜第4保留画像が表示され、第1特図保留の記憶数が3の場合には、特図1の第1〜第3保留画像が表示され、第1特図保留の記憶数が2の場合には、特図1の第1〜第2保留画像が表示され、第1特図保留の記憶数が1の場合には、特図1の第1保留画像が表示され、第1特図保留の記憶数がゼロの場合には、特図1に関する保留画像は表示されない。特図2の保留画像についても同様に表示される。
特図保留の発生(始動口への入賞)に伴って保留球数コマンドが送信されてきた場合、保留画像が追加表示される(ステップS4450)。例えば、特図2の第1〜第3保留画像が表示されているときに、4個目の第2特図保留に対応する保留球数コマンドが送信されてくると、第3保留画像の横に第4保留画像が表示される。また、特図保留の消化に基づく変動が開始されることで、保留画像の数が1つ減る(ステップS5005)。例えば、特図2の第1〜第4保留画像が表示されている状態で、1個目の第2特図保留が消化されると、特図2の第4保留画像が消去される。この場合、第4保留画像に対応していた4個目の第2特図保留は、変動が行われるごとに(保留消化されるごとに)、3個目の第2特図保留→2個目の第2特図保留→1個目の第2特図保留となり、対応づけられる保留画像も、第3保留画像→第2保留画像→第1保留画像となる。当該変動は、保留消化画像に対応づけられている。このように、保留画像は、特図保留のシフトとともにシフト表示される。
本実施形態の保留画像は、白色と赤色とに設定可能となっている。赤色の保留画像が表示された場合は、白色の保留画像が表示された場合と比較して、大当たりの期待度が高くなるように設定されている。また、白色の保留画像を赤色の保留画像に変化させる表示を実行可能となっている。白色で表示されていた保留画像を赤色に表示することを保留変化とも呼ぶ。
シナリオ情報は、保留画像の色および保留変化のタイミングを示す情報である。例えばシナリオ情報「401」では、4個目の特図保留発生時の第4保留画像が赤色となり、その後にシフト処理されても、第3保留画像、第2保留画像、第1保留画像、当該変動に対応する保留消化画像がすべて赤色となることを示している。例えばシナリオ情報「403」では、4個目の特図保留発生時の第4保留画像が白色となり、次変動の第3保留画像も白色となる。そして、第2保留画像が赤色になり、第1保留画像、当該変動に対応する保留消化画像が赤色となる。
なお、シナリオ情報「406」、「305」では、白色のまま保留変化しない。この場合、シナリオ情報が決定されない場合と同様の保留表示となる。したがって、シナリオ情報が決定された場合を考えると、赤画像に保留変化する割合は、4個目の特図保留発生時においては、リーチハズレの場合、約39%となっており、大当たりの場合、約86%となっている。3個目の特図保留発生時においては、リーチハズレの場合、約31%となっており、大当たりの場合、約63%となっている。これにより、大当たりの場合は、リーチハズレの場合に比べ、赤画像への保留変化が起きやすくなっており、赤画像への保留変化によって大当たりへの期待が高まることとなる。
本実施形態では、白色と赤色の保留画像でシナリオ情報を構成したが、大当たりへの期待度に合わせ、青色の保留画像、緑色の保留画像、赤色の保留画像、金色の保留画像、虹色の保留画像という具合に3種類以上の保留画像でシナリオ情報を構成してもよい。また、玉の画像とは形の異なる保留画像を複数用意したり、キャラクタなどを模した保留画像を用意したりしてシナリオ情報を構成してもよい。
[ゾーン演出パターン決定処理]
図59は、ゾーン演出パターン決定処理(図54:ステップS4430)の詳細を示すフローチャートである。ステップS4700では、演出制御用マイコン91は、ゾーン演出当選情報があるか否かを判断する。これは、事前判定情報記憶領域94cにおいて、特図1、特図2の第1〜第4格納領域、および、当該領域に、ゾーン演出当選情報があるか否かを判断する処理である。ここでゾーン演出当選情報があると判断された場合(ステップS4700:YES)、以降の処理を実行せず、ゾーン演出パターン決定処理を終了する。一方、ゾーン演出当選情報がないと判断された場合(ステップS4700:NO)、ステップS4705へ移行する。
ステップS4705では、演出制御用マイコン91は、事前判定コマンドに含まれる事前判定情報から大当たり又はリーチハズレであるか否かを判断する。大当たりであるか否かは、大当たり判定情報を参照して判断する。リーチハズレであるか否かは、変動パターン情報を用いて判断する。変動パターン情報が2つある場合は、一方の変動パターン情報がリーチ有りを示し、他方の変動パターン情報がリーチ無しを示すことはない。そこで、変動パターン情報が2つある場合は、一方の変動パターン情報を用いて判断する。ここで大当たり又はリーチハズレであると判断された場合(ステップS4705:YES)、ステップS4710へ移行する。一方、大当たりおよびリーチハズレのいずれでもないと判断された場合(ステップS4705:NO)、以降の処理を実行せず、ゾーン演出パターン決定処理を終了する。
ステップS4710では、演出制御用マイコン91は、ゾーン乱数を取得する。ゾーン乱数は、「0」〜「127」のいずれかの値をとる。ステップS4715では、演出制御用マイコン91は、ゾーン演出パターンを決定する。ゾーン演出パターンは、ゾーン乱数に基づき、後述するゾーン演出パターン決定テーブルT106を用いて決定される。ステップS4720では、演出制御用マイコン91は、ゾーン演出当選情報およびゾーン演出実行情報を格納する。ゾーン演出当選情報は、今回の事前判定コマンドに対応する格納領域に格納される。例えば今回の事前判定コマンドが4個目の第2特図保留発生時のものであれば、そのゾーン演出当選情報は特図2の第4格納領域に格納される(図56(A)参照)。また、ゾーン演出実行情報は、今回の事前判定コマンドに対応する格納領域、および、今回より前の事前判定コマンドに対応する格納領域に格納される。例えば、今回の事前判定コマンドが4個目の第2特図保留発生時のものであれば、ゾーン演出実行情報は特図2の第1〜第4格納領域に格納される(図56(A)参照)。図中では、ゾーン演出実行情報が格納された様子を「○」で示した。また、例えば、3個目の第2特図保留発生時であれば、特図2の第1〜第3格納領域に格納される。
[ゾーン演出パターン決定テーブル]
図60は、ゾーン演出パターン決定テーブルT106を示す図である。ゾーン演出パターン(ゾーン演出種類)は、ゾーン乱数値に基づいて決定されるが、判定結果がリーチハズレの場合と、大当たりの場合とで振り分けが異なっている。
事前判定情報が大当たりの場合、ゾーン乱数値が「0」〜「40」のいずれかであるとき「ゾーン演出なし」が決定され、ゾーン乱数値が「41」〜「100」のいずれかであるとき「ゾーン演出Aパターン」が決定され、ゾーン乱数値が「101」〜「127」のいずれかであるとき「ゾーン演出Bパターン」が決定される(図60参照)。
事前判定情報がリーチハズレの場合、ゾーン乱数値が「0」〜「90」のいずれかであるとき「ゾーン演出なし」が決定され、ゾーン乱数値が「91」〜「120」のいずれかであるとき「ゾーン演出Aパターン」が決定され、ゾーン乱数値が「121」〜「127」のいずれかであるとき「ゾーン演出Bパターン」が決定される(図60参照)。
「ゾーン演出なし」が決定された場合、後述の基幹演出が実行される。また、「ゾーン演出なし」が決定された場合、事前判定情報記憶領域94cのゾーン演出実行情報の欄は「−」となる。ゾーン演出Aパターンに基づくゾーン演出Aと、ゾーン演出Bパターンに基づくゾーン演出Bとでは、所定の演出における背景画像の色が異なっている。
ゾーン演出なしは、大当たりの場合、約32%で決定され、リーチハズレの場合、約71%で決定される。したがって、ゾーン演出Aパターン、ゾーン演出Bパターンのいずれに基づくゾーン演出であっても、大当たりへの期待が持てる。また、ゾーン演出Bパターンは、リーチハズレの場合、約5%で決定されるのに対し、大当たりの場合、約21%で決定される。したがって、ゾーン演出Bパターンに基づいたゾーン演出が実行された場合は、大当たりへの一層の期待が持てる。なお、本実施形態では、ゾーン演出A、ゾーン演出Bの2種類としたが、3種類以上のゾーン演出を実行するよう構成してもよい。また、背景色を変える演出のほか、音声制御基板106を介してスピーカ67から所定の音を出力する演出としたり、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66及び盤ランプ5を点灯させる演出としたりすることが考えられる。またこれらの演出を単独で実行しても組み合わせて実行してもよい。
[時短演出変更処理]
図61は、時短演出変更処理(図54:ステップS4435)の詳細を示すフローチャートである。ステップS4800では、演出制御用マイコン91は、時短演出変更フラグがONであるか否かを判断する。時短演出変更フラグは、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(特図停止図柄データが14H、15H、16H)の場合に、後述するエンディング演出パターン決定処理においてONとなる。ここで時短演出変更フラグがONであると判断された場合(ステップS4800:YES)、ステップS4810へ移行する。一方、時短演出変更フラグがONでない場合(ステップS4800:NO)、すなわち時短演出変更フラグがOFFである場合には、以降の処理を実行せず、時短演出変更処理を終了する。
ステップS4810では、演出制御用マイコン91は、高確時短演出突入抽選を行う。高確時短演出突入抽選は、高確時短演出突入乱数値に基づき、後述する高確時短演出突入抽選テーブルT107を用いて行われる。ステップS4815では、演出制御用マイコン91は、高確時短演出突入抽選に当選したか否かを判断する。ここで当選したと判断された場合(ステップS4815:YES)、ステップS4820へ移行する。一方、当選していないと判断された場合(ステップS4815:NO)、以降の処理を実行せず、時短演出変更処理を終了する。
ステップS4820では、演出制御用マイコン91は、高確時短演出突入情報を格納する。高確時短演出突入情報は、高確時短演出突入欄に対応する格納領域のうち、今回の事前判定コマンドに対応する格納領域に格納される。例えば、今回の事前判定コマンドが4個目の第2特図保留発生時のものであれば、その高確時短演出突入情報は特図2の第4格納領域に格納される(図56(A)参照)。図中では「○」で示した。なお、高確時短遊技状態では第1特図保留発生時(第1始動口20への入賞時)に、事前判定コマンドが主制御基板80から送信されないようになっている。したがって、このときは、時短演出変更処理が実行されることはない。そのため、事前判定情報記憶領域94cには、特図1に対応する高確時短突入情報を記憶する領域が設定されていない(図56参照)。次に、ステップS4825では、演出制御用マイコン91は、時短演出変更フラグをOFFにする。
[高確時短演出突入抽選テーブル]
図62は、高確時短演出突入抽選テーブルT107を示す図である。高確時短演出突入抽選テーブルT107では、高確時短演出突入乱数値が「7」であるのときに当たりとなり、高確時短演出突入乱数値が「0」〜「6」,「8」〜「99」のいずれかであるときにハズレとなる。つまり、高確時短演出突入抽選には1/100の確率で当選する。
[煽り演出抽選処理]
図63は、煽り演出抽選処理(図54:ステップS4440)の詳細を示すフローチャートである。ステップS4900では、演出制御用マイコン91は、煽り演出フラグがONであるか否かを判断する。煽り演出フラグは、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(特図停止図柄データが14H、15H、16H)の場合、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(特図停止図柄データが17H)の場合に、後述するエンディング演出パターン決定処理においてONとなる。ここで煽り演出フラグがONであると判断された場合(ステップS4900:YES)、ステップS4905へ移行する。一方、煽り演出フラグがONでない場合(ステップS4900:NO)、すなわち煽り演出フラグがOFFである場合には、以降の処理を実行せず、煽り演出抽選処理を終了する。
ステップS4905では、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cに、高確時短演出突入情報があるか否かを判断する。これは、事前判定情報記憶領域94cにおいて、今回の事前判定コマンドに対応する格納領域に、高確時短演出突入情報があるか否かを判断する処理である。例えば、4個目の第2特図保留発生時の場合には、特図2の第4格納領域の高確時短演出突入情報欄に対応する格納領域に、高確時短演出突入情報があるか否かを判断する。
ここで高確時短演出突入情報があると判断された場合(ステップS4905:YES)、ステップS4910にて煽り演出フラグをOFFにし、ステップS4920へ移行する。一方、高確時短演出突入情報がないと判断された場合(ステップS4905:NO)、ステップS4915へ移行する。
ステップS4915では、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cに、煽り演出実行情報があるか否かを判断する。これは、事前判定情報記憶領域94cにおいて、今回の事前判定コマンドよりも前の事前判定コマンドに対応する格納領域に、煽り演出実行情報があるか否かを判断する処理である。ここで煽り演出実行情報があると判断された場合(ステップS4915:YES)、以降の処理を実行せず、煽り演出抽選処理を終了する。一方、煽り演出実行情報がないと判断された場合(ステップS4915:NO)、ステップS4920へ移行する。
ステップS4920では、演出制御用マイコン91は、煽り演出抽選を行う。煽り演出抽選は、煽り演出決定乱数値に基づき、後述する煽り演出抽選テーブルT108を用いて行われる。後述するように、煽り演出抽選テーブルT108は、第1煽り演出抽選テーブルT108Aと、第2煽り演出抽選テーブルT108Bとを含む。具体的には、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの高確時短演出突入情報欄に高確時短演出突入情報がある場合には、第2煽り演出抽選テーブルT108Bを用いて煽り演出抽選を実行し、事前判定情報記憶領域94cの高確時短演出突入情報欄に高確時短演出突入情報がない場合には、第1煽り演出抽選テーブルT108Aを用いて煽り演出抽選を実行する。
ステップS4925では、演出制御用マイコン91は、煽り演出抽選に当選したか否かを判断する。ここで当選したと判断された場合(ステップS4925:YES)、ステップS4930へ移行する。一方、当選していないと判断された場合(ステップS4925:NO)、以降の処理を実行せず、煽り演出抽選処理を終了する。
ステップS4930では、演出制御用マイコン91は、煽り演出実行情報を格納する。煽り演出実行情報は、煽り演出実行情報欄に対応する格納領域であって、今回の事前判定コマンドよりも前の事前判定コマンドに対応する格納領域に格納される。例えば今回の事前判定コマンドが4個目の第2特図保留発生時のものであれば、その煽り演出実行情報は特図2の第1〜第3格納領域に格納される(図56(A)参照)。図中では、煽り演出実行情報がある場合を「○」で示した。なお、高確時短遊技状態では第1特図保留発生時(第1始動口20の入賞時)、事前判定コマンドが主制御基板80から送信されないようになっている。したがって、このときは、煽り演出抽選処理が実行されることはない。そのため、事前判定情報記憶領域94cには、特図1に対応する煽り演出実行情報を記憶する領域が設定されていない(図56参照)。
[煽り演出抽選テーブル]
図64は、煽り演出抽選テーブルT108を示す図である。煽り演出抽選テーブルT108は、図64(A)に示す第1煽り演出抽選テーブルT108Aと、図64(B)に示す第2煽り演出抽選テーブルT108Bとを含む。第1煽り演出抽選テーブルT108Aでは、煽り演出決定乱数値が「3」であるのときに当たりとなり、煽り演出決定乱数値が「0」〜「2」,「4」〜「99」のいずれかであるときにハズレとなる。つまり、煽り演出抽選には1/100の確率で当選する。第2煽り演出抽選テーブルT108Bでは、煽り演出決定乱数値が「0」〜「89」であるのときに当たりとなり、煽り演出決定乱数値が「90」〜「99」のいずれかであるときにハズレとなる。つまり、煽り演出抽選には9/10の確率で当選する。
[変動演出開始処理]
図65は、変動演出開始処理(図54:ステップS4460)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5000では、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する。これは、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データ、および、変動パターンの情報をサブRAM94にセットする処理である。ステップS5005では、演出制御用マイコン91は、保留表示シフト処理を実行する。これは、画像表示装置7における保留画像を制御するための画像制御基板100へのコマンドをサブRAM94にセットする処理である。
ステップS5010では、演出制御用マイコン91は、事前判定情報シフト処理を実行する。これは、事前判定情報記憶領域94cの情報をシフトする処理である。すなわち、第1格納領域の情報(大当たり判定情報、大当たり種別情報、および、変動パターン情報を除く)を当該領域にシフトし、第2格納領域の情報を第1格納領域にシフトし、第3格納領域の情報を第2格納領域にシフトし、第4格納領域の情報を第3格納領域にシフトする(図56(A)および(B)参照)。
ところで、事前判定情報記憶領域94cにおいて、特図2に対応する情報が格納されておらず、特図1に対応する情報が格納されている場合には、特図1に対応する情報をシフトする。特図2に対応する情報が格納されており、特図1に対応する情報が格納されていない場合には、特図2に対応する情報をシフトする。特図1および特図2に対応する情報がそれぞれ格納されている場合には、特図2に対応する情報を優先的にシフトする。つまり、事前判定情報記憶領域94cにおける情報のシフトは、特図2に対応する情報が優先される。
ステップS5015では、演出制御用マイコン91は、変動演出パターン決定処理を実行する。変動演出パターン決定処理の詳細については後述する。ステップS5020では、演出制御用マイコン91は、ステップS5015にて決定された変動演出パターンに基づく変動演出が実現されるよう変動演出開始コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。ステップS5025では、演出制御用マイコン91は、時短回数カウンタをディクリメントする。時短回数カウンタは、カウンタセット領域94dに設けられ、後述のエンディング演出パターン決定処理にて、大当たり終了後の遊技状態が高確時短遊技状態に移行する場合は160がセットされ、低確時短遊技状態に移行する場合は100がセットされる。ここでは、この時短回数カウンタから「1」を減じる。なお、時短回数カウンタが「0」になった場合には、ディクリメントを終了する。
次に、ステップS5030では、演出制御用マイコン91は、回転数カウンタをインクリメントする。回転数カウンタは、カウンタセット領域94dに設けられ、後述のエンディング演出パターン決定処理にて、0がセットされる。ここでは、この回転数カウンタに「1」を加える。
[変動演出パターン決定処理]
図66は、変動演出パターン決定処理(図65:ステップS5015)を表すフローチャートである。まず、変動演出パターン決定処理のステップS5100では、演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定処理を実行する。この処理で、演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定テーブルT100に基づいて、基幹演出を実現するための基幹演出パターン(演出プログラム)を決定する。基幹演出パターン決定テーブルT100、および、基幹演出パターンに基づく基幹演出の例についての説明は後述する。
ステップS5105では、演出制御用マイコン91は、表示演出チャンスアップ決定処理を実行する。この処理で、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数と表示演出チャンスアップ決定テーブルT101に基づいて、画像表示装置7を用いた表示演出のチャンスアップ演出(単にチャンスアップとも呼ぶ)を決定し得る。チャンスアップとは、遊技者に大当たりの期待感を増幅させるための演出である。表示演出チャンスアップ決定テーブルT101、および、表示演出のチャンスアップの例については、後述する。
ステップS5110では、演出制御用マイコン91は、音演出チャンスアップ決定処理を実行する。この処理で、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数と音演出チャンスアップ決定テーブルT102に基づいて、スピーカ67を用いた音演出のチャンスアップを決定し得る。音演出チャンスアップ決定テーブルT102、および、音演出のチャンスアップの例については、後述する。
ステップS5115では、演出制御用マイコン91は、可動役物演出チャンスアップ決定処理を実行する。この処理で、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数と可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103に基づいて、枠可動体600を用いた可動役物演出のチャンスアップを決定し得る。可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103、および、可動役物演出パターンの例については、後述する。なお、本実施形態では、枠可動体600を用いた可動役物演出のチャンスアップを実行するようにしているが、これに限られず、盤可動体15を用いた可動役物演出のチャンスアップを実行するようにしてもよい。
ステップS5120では、演出制御用マイコン91は、ランプ演出チャンスアップ決定処理を実行する。この処理で、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数とランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104に基づいて、ランプ類(枠ランプ66と盤ランプ5等)を用いたランプ演出のチャンスアップを決定し得る。ランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104、および、ランプ演出のチャンスアップの例については、後述する。
ステップS5125では、演出制御用マイコン91は、ボタン演出チャンスアップ決定処理を実行する。この処理で、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数とボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105に基づいて、演出ボタン63を用いたボタン演出のチャンスアップを決定し得る。ボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105、および、ボタン演出パターンの例については、後述する。
ステップS5130では、演出制御用マイコン91は、ゾーン演出決定処理を実行する。この処理で、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応するゾーン演出実行情報欄を参照してゾーン演出を決定し得る。例えば、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応するゾーン演出実行情報欄において、ゾーン演出Aパターンが格納されている場合にはゾーン演出としてゾーン演出Aを実行することを決定し、ゾーン演出Bパターンが格納されている場合にはゾーン演出としてゾーン演出Bを実行することを決定する。ゾーン演出パターン決定テーブルT106、および、ゾーン演出の例については、後述する。なお、ゾーン演出パターンに基づいて実現されるゾーン演出は、チャンスアップの1つである。
ステップS5131では、時短回数が100回となったか否か、すなわち、回転数カウンタの値が100となったか否かを判断する。演出制御用マイコン91は、時短回数が100回となったと判断した場合(ステップS5131:YES)には、ステップS5132で、時短演出変更フラグがONか否かを判断する。演出制御用マイコン91は、時短演出変更フラグがONの場合(ステップS5132:YES)には、ステップS5133で、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する高確時短演出突入情報欄に、高確時短演出突入情報を格納する。
ステップS5134で、演出制御用マイコン91は、時短演出変更フラグをOFFにする。次に、ステップS5135で、演出制御用マイコン91は、煽り演出フラグをOFFにし、S5137の処理に移行する。
一方、演出制御用マイコン91は、時短回数が100回となっていない場合(ステップS5131:NO)、および、時短演出変更フラグがOFFの場合(ステップS5132:NO)には、ステップS5137の処理に移行する。
ステップS5137では、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する高確時短演出突入情報欄に、高確時短演出突入情報(図56では、「○」で示されている)が格納されているか否かを判断する。
演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する高確時短演出突入情報欄に、高確時短演出突入情報が格納されている場合には(ステップS5137:YES)、次に、ステップS5140で、高確時短突入確定演出の実行を決定し、ステップS5145で、低確時短演出フラグをOFFし、高確時短演出フラグをONし、ステップS5199の処理に移行する。
一方、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する高確時短演出突入情報欄に、高確時短演出突入情報が格納されていない場合には(ステップS5137:NO)、次に、ステップS5150で、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する煽り演出実行情報欄に煽り演出実行情報(図56では、「○」で示されている)が格納されているか否かを判断する。
演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する煽り演出実行情報欄に煽り演出実行情報が格納されている場合には(ステップS5150:YES)、ステップS5155で、煽り演出の実行を決定し、ステップS5160の処理に移行する。演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する煽り演出実行情報欄に煽り演出実行情報が格納されていない場合には(ステップS5150:NO)、ステップS5160の処理に移行する。
ステップS5160で、演出制御用マイコン91は、高確時短演出フラグがONか否かを判断する。演出制御用マイコン91は、高確時短演出フラグがONの場合には(ステップS5160:YES)、ステップS5165で、高確時短演出の実行を決定する。
なお、演出制御用マイコン91は、上述のステップS5130でゾーン演出の実行が決定され、S5165で高確時短演出の実行が決定された場合には、当該変動に係る変動演出で変動開始演出時のみゾーン演出を実行すると共に、その他の演出で高確時短演出を実行することを決定する。
ステップS5170で、演出制御用マイコン91は、時短回数カウンタが0になったか否か、すなわち、時短状態が終了したか否かを判断する。演出制御用マイコン91は、時短回数カウンタが0になった場合には(ステップS5170:YES)、ステップS5175で、高確時短演出フラグをOFFにし、ステップS5199の処理に移行する。演出制御用マイコン91は、時短回数カウンタが0になってない場合には(ステップS5170:NO)、ステップS5199の処理に移行する。
一方、演出制御用マイコン91は、高確時短演出フラグがONでない場合には(ステップS5160:NO)、ステップS5180で、低確時短演出フラグがONか否かを判断する。演出制御用マイコン91は、低確時短演出フラグがONの場合には(ステップS5180:YES)、ステップS5185で、低確時短演出の実行を決定する。
なお、演出制御用マイコン91は、上述のS5130でゾーン演出の実行が決定され、S5185で低確時短演出の実行が決定された場合には、当該変動係る変動演出で変動開始演出時のみゾーン演出を実行すると共に、その他の演出(例えば、スーパーリーチ発展演出等)で低確時短演出を実行することを決定する。
ステップS5190で、演出制御用マイコン91は、時短回数カウンタが0になったか否か、すなわち、時短状態が終了したか否かを判断する。演出制御用マイコン91は、時短回数カウンタが0になった場合には(ステップS5190:YES)、ステップS5195で、低確時短演出フラグをOFFして、ステップS5199の処理に移行する。演出制御用マイコン91は、時短回数カウンタが0になっていない場合には(ステップS5190:NO)、ステップS5199の処理に移行する。
一方、演出制御用マイコン91は、低確時短演出フラグがONでない場合には(ステップS5180:NO)、ステップS5197で、非時短演出の実行を決定し、ステップS5199の処理に移行する。
ステップS5199で、演出制御用マイコン91は、S5100で決定した基幹演出パターンに、ステップS5105〜S5130、S5140、S5155、S5165、S5185、または、ステップS5197で決定した演出情報(演出プログラム)を付加して、1つの変動演出パターンを作成させる。このようにして、変動演出パターンが決定される。この変動演出パターンに基づく演出は、基幹演出に加えて、ステップS5105〜S5130、S5140、S5155、S5165、S5185、または、ステップS5197で決定した演出を含む。演出制御用マイコン91は、ステップS5199の処理後、変動演出開始処理にリターンする。
[基幹演出パターン決定テーブル]
図67は、基幹演出パターン決定テーブルT100を表す図である。この基幹演出パターン決定テーブルT100は、変動パターン情報と、変動時間と、基幹演出パターンとが対応付けられている。本実施形態の基幹演出パターンは、大きく分けて、「SP1」、「SP2」、「ノーマルリーチ」、または、「リーチ無しハズレ」に区分される。これら基幹演出パターンは、それぞれ、画像表示装置7における背景画像の表示およびその切り換え、所定のキャラクタの表示およびその動作、スピーカ67を用いたメロディや効果音の出力、ランプ類(枠ランプ66、盤ランプ5等)の点灯制御などの予め決められた演出を実現するためのプログラムである。
「SP1」、または、「SP2」は、変動開始演出、リーチ形成演出後、いわゆる、スーパーリーチ演出を実現し、その後、スーパーリーチ発展演出、当たり演出(またはハズレ演出)を介して、変動中の演出図柄8L,8C,8Rを確定停止させる図柄停止演出を実現する基幹演出パターンである。SP1とSP2は、例えば、演出時間(変動時間)の長さと、スーパーリーチ演出またはスーパーリーチ発展演出などの演出内容とが異なる。
変動開始演出は、演出図柄8L,8C,8Rをそれぞれ変動表示させる演出である。リーチ形成演出は、演出図柄8Lと演出図柄8Rとを同じ図柄で仮停止表示させて、いわゆる、リーチ状態を形成する演出である。スーパーリーチ演出は、リーチ形成演出(リーチ状態)から発展する演出であり、例えば、所定のキャラクタが登場したり、所定のアクションを実行したり、背景を切り換えたりする演出である。スーパーリーチ発展演出は、スーパーリーチ演出からさらに発展する演出であり、例えば、スーパーリーチ演出とは異なるキャラクタが登場したり、スーパーリーチ演出とは異なるアクションを実行したり、スーパーリーチ演出とは異なる背景に切り換えたりする演出である。当たり演出は、演出図柄8L,8C,8Rを同じ文字で仮停止表示させる大当たり図柄配列を表示させつつ、例えば、所定のアクションを実行したり、背景を切り換えたりすることで、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを遊技者に報知する演出である。ハズレ演出は、演出図柄8L,8Rと演出図柄8Cとを異なる文字で仮停止表示させるハズレ図柄配列を表示させつつ、例えば、所定のアクションを実行したりすることでハズレであることを遊技者に報知する演出である。図柄停止演出は、当たり演出、または、ハズレ演出で仮停止表示した演出図柄8L,8C,8Rを確定表示させる演出である。これら変動開始演出、リーチ形成演出、スーパーリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、当たり演出、および、図柄停止演出についての例は後述する。
また、「SP1」には、擬似連演出を含まない「SP1(擬似無し)」と、擬似連演出を含む「SP1(疑似有り)」とに区分される。同様に、「SP2」も、擬似連演出を含まない「SP2(擬似無し)」と、擬似連演出を含む「SP2(疑似有り)」とに区分される。
擬似連演出とは、リーチ形成演出よりも前に実行される演出であって、「同様の演出」が繰り返し実行される演出である。この「同様の演出」とは、例えば、停止表示中、または、仮停止表示中の演出図柄を変動開始させる演出を含む。擬似連演出としては、例えば、変動開始演出後に、演出図柄を仮停止表示する仮停止表示演出を実行し、その後、再び演出図柄を変動開始する擬似変動開始演出を実行する。この擬似連演出例についての詳細は、後述する。なお、この擬似連演出例において、仮停止表示の際の演出図柄の図柄配列は、所定の規則性がないバラケ目(例えば、「147」)であってもいいし、所定の規則性があるチャンス目(例えば、「223」、「357」)であってもいいし、特定の図柄(チャンス図柄)を含んでいてもいい。また、仮停止表示の際に、一部の演出図柄のみを仮停止表示してもいいし、演出図柄を縮小させて変動させることで仮停止表示のように見せかけてもいい。
「ノーマルリーチ」は、リーチ形成演出を実現し、その後、スーパーリーチ演出を介さずに、図柄停止演出を実現する基幹演出パターンである。「リーチ無しハズレ」は、リーチ形成演出を介さずに、図柄停止演出を実現する基幹演出パターンである。この場合の図柄停止演出では、演出図柄8L,8C,8Rをハズレ図柄配列で確定停止表示させる。
演出制御用マイコン91は、図66のS5100において、例えば、主制御基板80から送信されてきた変動パターン情報が「P5」であった場合には、図67の基幹演出パターン決定テーブルT100に基づいて、変動時間が45000[ms]である「SP1(擬似有り)」を基幹演出パターンとして決定する。
[チャンスアップテーブルの説明]
図68および図69は、チャンスアップを決定するための各テーブルの例を説明するための図である。具体的には、図68(A)は、表示演出チャンスアップ決定テーブルT101の例を説明するための図であり、図68(B)は、音演出チャンスアップ決定テーブルT102の例を説明するための図であり、図68(C)は、可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103の例を説明するための図である。また、図69(A)は、ランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104の例を説明するための図であり、図69(B)は、ボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105の例を説明するための図である。なお、図68(A)〜(C)、図69(A)、(B)における各テーブルの右側部分に示される備考欄には、チャンスアップの有無が示されており、「○」の場合には、チャンスアップに該当することを示し、「×」の場合には、チャンスアップに該当しないことを示している。チャンスアップに該当しない場合を非チャンスアップとも呼ぶ。
[表示演出チャンスアップ決定テーブル]
表示演出のチャンスアップは、それぞれ基幹演出パターンごとに設定されている。従って、表示演出チャンスアップ決定テーブルT101は、基幹演出パターンごとに対応付けられた複数のチャンスアップテーブルから構成され、所定の基幹演出パターンが選択された場合には、表示演出チャンスアップ決定テーブルT101のうち、当該基幹演出パターンに対応するチャンスアップテーブルに基づいて、当該基幹演出パターンに対応する表示演出のチャンスアップが決定され得る。
図68(A)には、表示演出チャンスアップ決定テーブルT101の例として、基幹演出パターンが「SP1」の場合における表示演出チャンスアップ決定テーブルT101Aが示されている。この表示演出チャンスアップ決定テーブルT101Aは、チャンスアップのタイミングと、大当たり判定の判定結果と、表示演出におけるチャンスアップの種類と、表示演出に対応するチャンスアップ乱数の値(チャンスアップ乱数値とも呼ぶ)とが対応付けられている。図68(A)の例では、チャンスアップのタイミングは、所定のタイミングであるタイミング1とタイミング2とに区分されている。判定結果は、大当たりの場合と、ハズレの場合とで区分されている。
タイミング1に対応するチャンスアップの種類は、「鎧:銅色」、「鎧:銀色」、または、「鎧:金色」の3つのパターンに区分されている。これらは、タイミング1の際に出現する所定のキャラクタの鎧の色を表す。「鎧:銅色」の場合は、基幹演出通りとなり、非チャンスアップ(チャンスアップなし)に該当する。「鎧:銀色」、または、「鎧:金色」の場合は、タイミング1における基幹演出に代えて、これらの表示演出が実現されるので、チャンスアップに該当する。
また、タイミング2に対応するチャンスアップの種類は、「カットイン演出なし」と、「カットイン演出あり」との2つのパターンに区分されている。これらは、タイミング2の際に、カットイン演出を出現させるのか、カットイン演出を出現させないのかを表す。「カットイン演出なし」の場合は、基幹演出通りとなり、非チャンスアップに該当する。「カットイン演出あり」の場合は、タイミング2でカットイン演出が実現されるので、チャンスアップに該当する。
演出制御用マイコン91は、図66のS5105において、例えば、基幹演出パターンが「SP1」であり、大当たり判定の判定結果が大当たりであって、チャンスアップ乱数値が100の場合には、図68(A)に示す表示演出チャンスアップ決定テーブルT101Aに基づいて、タイミング1でのチャンスアップとして「鎧:金色」を選択し、タイミング2でのチャンスアップとしてカットイン演出を選択する。
[音演出チャンスアップ決定テーブル]
音演出のチャンスアップは、それぞれ基幹演出パターンごとに設定されている。従って、音演出チャンスアップ決定テーブルT102は、基幹演出パターンごとに対応付けられた複数のチャンスアップテーブルから構成され、所定の基幹演出パターンが選択された場合には、音演出チャンスアップ決定テーブルT102のうち、当該基幹演出パターンに対応するチャンスアップテーブルに基づいて、当該基幹演出パターンに対応する音演出のチャンスアップが決定され得る。
図68(B)には、音演出チャンスアップ決定テーブルT102の例として、基幹演出パターンが「SP1」の場合における音演出チャンスアップ決定テーブルT102Aが示されている。この音演出チャンスアップ決定テーブルT102Aは、チャンスアップのタイミングと、大当たり判定の判定結果と、音演出におけるチャンスアップの種類と、音演出に対応するチャンスアップ乱数値とが対応付けられている。図68(B)の例では、チャンスアップのタイミングは、所定のタイミングであるタイミング3と、演出全般とで区分されている。判定結果は、大当たりの場合と、ハズレの場合とで区分されている。
タイミング3に対応するチャンスアップの種類は、通常効果音、特殊効果音1、または、効果音2の3つのパターンに区分されている。これらの効果音は、タイミング3の際にスピーカ67から出力される効果音を表す。通常効果音、特殊効果音1、および、特殊効果音2はそれぞれ異なる。通常効果音の場合は、タイミング3における基幹演出通りとなり、非チャンスアップに該当する。特殊効果音1、または、特殊効果音2の場合は、タイミング3における基幹演出に代えて、これらの音演出が実現されるので、チャンスアップに該当する。
演出全般に対応するチャンスアップの種類は、通常メロディと特殊メロディとで区分されている。これらのメロディは、演出全般におけるスピーカ67から出力されるメロディを表す。通常メロディの場合は、基幹演出通りとなり、非チャンスアップに該当する。特殊メロディの場合は、基幹演出に代えて、演出全般において特殊メロディが実現されるので、チャンスアップに該当する。
演出制御用マイコン91は、図66のS5110において、例えば、基幹演出パターンが「SP1」であり、大当たり判定の判定結果がハズレであって、チャンスアップ乱数値が127の場合には、タイミング3でのチャンスアップとして特殊効果音2を選択し、演出全般でのチャンスアップとして特殊メロディを選択する。
[可動役物演出チャンスアップ決定テーブル]
可動役物演出のチャンスアップは、それぞれ基幹演出パターンごとに設定されている。従って、可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103は、基幹演出パターンごとに対応付けられた複数のチャンスアップテーブルから構成され、所定の基幹演出パターンが選択された場合には、可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103のうち、当該基幹演出パターンに対応するチャンスアップテーブルに基づいて、当該基幹演出パターンに対応する可動役物演出のチャンスアップが決定され得る。
図68(C)には、可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103の例として、基幹演出パターンが「SP1」の場合における可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103Aが示されている。この可動役物演出チャンスアップ決定テーブルT103Aは、チャンスアップのタイミングと、大当たり判定の判定結果と、可動役物演出におけるチャンスアップの種類と、可動役物演出に対応するチャンスアップ乱数値とが対応付けられている。図68(C)の例では、判定結果は、大当たりの場合と、ハズレの場合とで区分されている。チャンスアップの種類は、枠可動体600が作動しない「可動役物作動なし」と、枠可動体600が作動する「可動役物作動A」と、枠可動体600が作動する「可動役物作動B」の3つのパターンに区分されている。可動役物作動Aと可動役物作動Bは、枠可動体600の動作が異なる。「可動役物作動なし」の場合は、基幹演出通りとなり、非チャンスアップに該当する。可動役物作動A、または、可動役物作動Bの場合は、タイミング4でこれらの可動役物演出が実現されるので、チャンスアップに該当する。
演出制御用マイコン91は、図66のS5115において、例えば、基幹演出パターンが「SP1」であり、大当たり判定の判定結果がハズレであって、チャンスアップ乱数値が10の場合には、非チャンスアップとして「可動役物作動なし」を選択し、大当たり判定の判定結果が大当たりであって、チャンスアップ乱数値が101の場合には、タイミング4でのチャンスアップとして可動役物作動Bを選択する。
[ランプ演出チャンスアップ決定テーブル]
ランプ演出のチャンスアップは、それぞれ基幹演出パターンごとに設定されている。従って、ランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104は、基幹演出パターンごとに対応付けられた複数のチャンスアップテーブルから構成され、所定の基幹演出パターンが選択された場合には、ランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104のうち、当該基幹演出パターンに対応するチャンスアップテーブルに基づいて、当該基幹演出パターンに対応するランプ演出のチャンスアップが決定され得る。
図69(A)には、ランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104の例として、基幹演出パターンが「SP1」の場合におけるランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104Aが示されている。このランプ演出チャンスアップ決定テーブルT104Aは、チャンスアップのタイミングと、大当たり判定の判定結果と、ランプ演出におけるチャンスアップの種類と、ランプ演出に対応するチャンスアップ乱数値とが対応付けられている。図69(A)の例では、判定結果は、大当たりの場合と、ハズレの場合とで区分されている。チャンスアップの種類は、通常点灯、特殊点灯A、または、特殊点灯Bの3つのパターンに区分されている。これらのパターンは、演出全般におけるランプ類(枠ランプ66、盤ランプ5等)の点灯パターンを表す。通常点灯、特殊点灯A、および、特殊点灯Bは、それぞれ異なる。通常点灯の場合は、基幹演出通りとなり、非チャンスアップに該当する。特殊点灯A、または、特殊点灯Bの場合は、基幹演出に代えて、演出全般においてこれらのランプ演出が実現されるので、チャンスアップに該当する。
演出制御用マイコン91は、図66のS5120において、例えば、基幹演出パターンが「SP1」であり、大当たり判定の判定結果がハズレであって、チャンスアップ乱数値が100の場合には、演出全般で非チャンスアップとして通常点灯パターンを選択し、大当たり判定の判定結果が大当たりであって、チャンスアップ乱数値が100の場合には、演出全般でのチャンスアップとして特殊点灯Aを選択する。
[ボタン演出チャンスアップ決定テーブル]
ボタン演出のチャンスアップは、それぞれ基幹演出パターンごとに設定されている。従って、ボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105は、基幹演出パターンごとに対応付けられた複数のチャンスアップテーブルから構成され、所定の基幹演出パターンが選択された場合には、ボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105のうち、当該基幹演出パターンに対応するチャンスアップテーブルに基づいて、当該基幹演出パターンに対応するボタン演出のチャンスアップが決定され得る。
図69(B)には、ボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105の例として、基幹演出パターンが「SP1」の場合におけるボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105Aが示されている。このボタン演出チャンスアップ決定テーブルT105Aは、チャンスアップのタイミングと、大当たり判定の判定結果と、ボタン演出におけるチャンスアップの種類と、ボタン演出に対応するチャンスアップ乱数値とが対応付けられている。図69(B)の例では、判定結果は、大当たりの場合と、ハズレの場合とで区分されている。チャンスアップの種類は、ボタン演出を実行しない「ボタン演出なし」の場合と、ボタン演出を実行する「ボタン演出あり」の場合の2つのパターンに区分されている。「ボタン演出なし」の場合は、基幹演出通りとなり、非チャンスアップに該当する。「ボタン演出あり」の場合は、タイミング5でボタン演出が実現されるので、チャンスアップに該当する。
演出制御用マイコン91は、図66のS5125において、例えば、基幹演出パターンが「SP1」であり、大当たり判定の判定結果がハズレであって、チャンスアップ乱数値が100の場合には、非チャンスアップとして「ボタン演出なし」を選択し、大当たり判定の判定結果が大当たりであって、チャンスアップ乱数値が100の場合には、タイミング5でのチャンスアップとして「ボタン演出あり」を選択する。
[オープニング演出パターン決定処理]
図70は、オープニング演出パターン決定処理(図55:ステップS4480)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5200では、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析する。これは、オープニングコマンドに含まれるデータを取得する処理である。ステップS5205では、演出制御用マイコン91は、オープニング演出パターン決定処理を実行する。オープニング演出パターンは複数種類用意されており、オープニングコマンドに含まれるデータによりオープニング演出パターンが決定される。ステップS5210では、演出制御用マイコン91は、決定されたオープニング演出パターンでオープニング演出が実現されるようオープニング演出開始コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。
[ラウンド演出パターン決定処理]
図71は、ラウンド演出パターン決定処理(図55:ステップS4490)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5300では、演出制御用マイコン91は、ラウンド全体演出決定処理を実行する。これは、大当たり種別に従って、16Rにわたるラウンド演出の種別を決定する処理である。このラウンド全体演出決定処理についての詳細は後述する。
ステップS5305では、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンドを解析する。これはラウンド指定コマンドに含まれるデータ(例えば今回のラウンド数を示すデータ)を取得する処理である。
ステップS5310では、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンドの解析で得られたデータと、ステップS5300で決定されたラウンド全体演出とに基づいて、当該ラウンドに対応する基準ラウンド演出を決定する。
次のステップS5315では、演出制御用マイコン91は、特図停止図柄データが、11H、12H、13H、21Hのいずれかであるか否かを判断する。これらは、V通過予定の大当たりであり、V通過示唆演出を伴う大当たりである。ここで特図停止図柄データが、11H、12H、13H、21Hのいずれかであると判断された場合(ステップS5315:YES)、ステップS5320へ移行する。一方、特図停止図柄データが11H、12H、13H、21H以外であると判断された場合(ステップS5315:NO)、ステップS5340へ移行する。
ステップS5320では、演出制御用マイコン91は、第1特定ラウンドであるか否かを判断する。本実施形態では、V通過に関しての示唆演出を予定しているラウンドである第1特定ラウンドが予め設定されている。具体的には、第1特定ラウンドは、特図停止図柄データが11H、12H、21Hの場合は14R、特図停止図柄データが13Hの場合は16Rとなっている。ここでは、特図停止図柄データに応じて14Rまたは16Rであることを判断する。ここで第1特定ラウンドであると判断された場合(ステップS5320:YES)、ステップS5325へ移行する。一方、第1特定ラウンドでないと判断された場合(ステップS5320:NO)、ステップS5340へ移行する。
ステップS5325では、演出制御用マイコン91は、V通過フラグがONであるか否かを判断する。V通過フラグは、V通過コマンドを受信するとONになる(ステップS4515:YES,ステップS4520)。ここでV通過フラグがONであると判断された場合(ステップS5325:YES)、ステップS5330にてV通過示唆演出を決定し、ステップS5340へ移行する。一方、V通過フラグがONでないと判断された場合(ステップS5325:NO)、すなわちV通過フラグがOFFである場合には、ステップS5335にてV非通過示唆演出を決定し、ステップS5340へ移行する。
ステップS5340では、演出制御用マイコン91は、特図停止図柄データが17H以外か否かを判断する。特図停止図柄データが17HはV非通過予定の大当たりである。ここではV通過予定の大当たりである場合に肯定判断される。ここで特定停止図柄データが17H以外であると判断された場合(ステップS5340:YES)、すなわちV通過予定の大当たりである場合には、ステップS5345へ移行する。一方、特図停止図柄データが17Hであると判断された場合(ステップS5340:NO)、すなわちV非通過予定の大当たりである場合には、ステップS5360へ移行する。
ステップS5345では、演出制御用マイコン91は、第2特定ラウンドであるか否かを判断する。V通過予定の大当たりでは、2つのラウンドで、V開閉部材71のロング開放Aが行われる。ここで、第2特定ラウンドは、V開閉部材71のロング開放が行われる2回目のラウンドに対応する。
具体的に、「16RV通過予定大当たり(特図停止図柄データが11H、12H、21H)」の場合、第2特定ラウンドは12Rである。「16R(実質15R)V通過予定大当たり(特図停止図柄データが13H)」の場合、第2特定ラウンドは10Rである。「16R(実質13R)V通過予定大当たり」については、特図停止図柄データが14Hの場合、第2特定ラウンドは6Rであり、特図停止図柄データが15Hの場合、第2特定ラウンドは8Rであり、特図停止図柄データが16Hの場合、第2特定ラウンドは10Rである。ここで第2特定ラウンドであると判断された場合(ステップS5345:YES)、ステップS5350へ移行する。一方、第2特定ラウンドでないと判断された場合(ステップS5345:NO)、ステップS5360へ移行する。
ステップS5350では、演出制御用マイコン91は、V通過フラグがONであるか否かを判断する。V通過フラグは、V通過コマンドを受信するとONになる(ステップS4515:YES,ステップS4520)。ここでV通過フラグがONであると判断された場合(ステップS5350:YES)、ステップS5360へ移行する。一方、V通過フラグがONでないと判断された場合(ステップS5350:NO)、すなわちV通過フラグがOFFである場合には、ステップS5355にて右打ち報知演出を決定し、ステップS5360へ移行する。
V開閉部材71のロング開放が行われる1回目のラウンドでV非通過の場合、2回目のラウンドにおいてもV非通過であると、遊技者にとって不利益となる。そこで、1回目のラウンドでV非通過である場合に、2回目のラウンドでV通過を促進すべく、この右打ち報知演出を実行している。この右打ち報知演出についての詳細は、後述する。
ステップS5360では、演出制御用マイコン91は、ラウンド演出パターンを作成する。これは、当該ラウンドに対応する基準ラウンド演出に対し、ステップS5330、ステップS5335、ステップS5355で決定された演出があれば当該演出を実現するための演出情報を加えて、ラウンド演出パターンを作成する処理である。このようにしてラウンド演出パターンが決定される。ステップS5365では、演出制御用マイコン91は、ステップS5360で完成したラウンド演出パターンに基づくラウンド演出を実現するよう、ラウンド演出開始コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。
[ラウンド全体演出決定処理]
図72は、ラウンド全体演出決定処理(図71:ステップS5300)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5400では、演出制御用マイコン91は、最初のラウンドか否かを判断する。ここで最初のラウンドであると判断された場合(ステップS5400:YES)、ステップS5405へ移行する。一方、最初のラウンドでないと判断された場合(ステップS5400:NO)、以降の処理を実行せず、ラウンド全体演出決定処理を終了する。
ステップS5405では、演出制御用マイコン91は、特図停止図柄データが11Hまたは21Hであるか否かを判断する。特図停止図柄データが11H、21Hの場合「16RV通過予定大当たり」であり、特に金図柄での大当たりである。ここで特図停止図柄データが11Hまたは21Hであると判断された場合(ステップS5405:YES)、ステップS5410にて高確時短突入予定演出を決定し、ラウンド全体演出決定処理を終了する。一方、特図停止図柄データが11Hおよび21Hのいずれでもないと判断された場合(ステップS5405:NO)、ステップS5415へ移行する。
ステップS5415では、演出制御用マイコン91は、特図停止図柄データが12Hであるか否かを判断する。特図停止図柄データが12Hの場合「16RV通過予定大当たり」である。ここで特図停止図柄データが12Hであると判断された場合(ステップS5415:YES)、ステップS5420にてバトル勝利演出を決定し、ラウンド全体演出決定処理を終了する。一方、特図停止図柄データが12Hでないと判断された場合(ステップS5415:NO)、ステップS5425へ移行する。
ステップS5425では、演出制御用マイコン91は、特図停止図柄データが13Hであるか否かを判断する。特図停止図柄データが13Hの場合「16R(実質15R)V通過予定大当たり」である。ここで特図停止図柄データが13Hであると判断された場合(ステップS5425:YES)、ステップS5430にてバトル復活演出を決定し、ラウンド全体演出決定処理を終了する。一方、特図停止図柄データが13Hでないと判断された場合(ステップS5425:NO)、すなわち特図停止図柄データが14H〜17Hのいずれかである場合には、ステップS5435にてバトル敗北演出を決定し、ラウンド全体演出決定処理を終了する。
[エンディング演出パターン決定処理]
図73は、エンディング演出パターン決定処理(図55:ステップS4500)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5500では、演出制御用マイコン91は、エンディングコマンドを解析する。これはエンディングコマンドに含まれるデータを取得する処理である。ステップS5505では、演出制御用マイコン91は、エンディング演出パターン決定処理を実行する。エンディング演出パターンは複数種類用意されており、エンディングコマンドに含まれるデータによりエンディング演出パターンが決定される。ステップS5510では、演出制御用マイコン91は、決定されたエンディング演出パターンに基づくエンディング演出が実現されるようエンディング演出開始コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS5515では、演出制御用マイコン91は、特図停止図柄データが14H〜17Hのいずれかであるか否かを判断する。特図停止図柄データが14H〜16Hの場合は「16R(実質13R)V通過予定大当たり」であり、大当たり終了後に高確時短遊技状態となるものの、途中までは低確時短演出が行われる、いわゆる潜伏確変である。特図停止図柄データが17Hの場合は「「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」であり、大当たり終了後に低確時短遊技状態となる。ここで特図停止図柄データが14H〜17Hのいずれかであると判断された場合(ステップS5515:YES)、ステップS5520にて煽り演出フラグをONにし、ステップS5525へ移行する。一方、特図停止図柄データが14H〜17Hのいずれでもないと判断された場合(ステップS5515:NO)、ステップS5545へ移行する。
ステップS5525では、演出制御用マイコン91は、V通過フラグがONであるか否かを判断する。V通過フラグは、V通過コマンドを受信するとONになる(ステップS4515:YES,ステップS4520)。ここでV通過フラグがONであると判断された場合(ステップS5525:YES)、ステップS5530にて時短演出変更フラグをONにし、ステップS5535にて低確時短演出フラグをONにして、ステップS5540へ移行する。一方、V通過フラグがONでないと判断された場合(ステップS5525:NO)、すなわちV通過フラグがOFFである場合には、ステップS5535にて低確時短演出フラグをONにし、ステップS5540へ移行する。
ステップS5515にて否定判断された場合に移行するステップS5545では、V通過フラグがONであるか否かを判断する。V通過フラグは、V通過コマンドを受信するとONになる(ステップS4515:YES,ステップS4520)。ここでV通過フラグがONであると判断された場合(ステップS5545:YES)、ステップS5550にて高確時短演出フラグをONにして、ステップS5540へ移行する。一方、V通過フラグがONでないと判断された場合(ステップS5545:NO)、すなわちV通過フラグがOFFである場合には、ステップS5535にて低確時短演出フラグをONにし、ステップS5540へ移行する。
ステップS5540では、演出制御用マイコン91は、時短回数カウンタをセットする。時短回数カウンタは、V通過フラグがONとなっている場合は「160」がセットされ、V通過フラグがOFFとなっている場合は「100」がセットされる。ステップS5555では、演出制御用マイコン91は、回転数カウンタを「0」にセットする。次に、ステップS5560では、演出制御用マイコン91は、V通過フラグをOFFにする。
[スイッチ処理]
図74は、スイッチ処理(図53:ステップS4305)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5600では、演出制御用マイコン91は、スイッチ演出タイマ値が0よりも大きいか否かを判断する。スイッチ演出とは、演出ボタン63の操作による演出である。演出ボタン63の操作は、演出ボタン検出スイッチ63aにより検出される。ここでスイッチ演出タイマ値が0よりも大きいと判断された場合(ステップS5600:YES)、ステップS5605へ移行する。一方、スイッチ演出タイマ値が0であると判断された場合(ステップS5600:NO)、ステップS5625へ移行する。
ステップS5605では、演出制御用マイコン91は、スイッチが押されたか否かを判断する。これは、演出ボタン63の操作が演出ボタン検出スイッチ63aにより検出されたか否かを判断する処理である。ここでスイッチが押されたと判断された場合(ステップS5605:YES)、ステップS5610にてスイッチ情報をサブRAM94の所定領域に格納し、ステップS5615にてスイッチ演出タイマ値を「0」にして、スイッチ処理を終了する。一方、スイッチが押されていないと判断された場合(ステップS5605:NO)、ステップS5620にてスイッチ演出タイマ値を減算し、スイッチ処理を終了する。
ステップS5625では、演出制御用マイコン91は、スイッチ処理の開始タイミングであるか否かを判断する。ここでスイッチ処理開始タイミングであると判断された場合(ステップS5625:YES)、ステップS5630にてスイッチ演出タイマ値をセットし、スイッチ処理を終了する。一方、スイッチ処理開始タイミングでないと判断された場合(ステップS5625:NO)、ステップS5630の処理を実行せず、スイッチ処理を終了する。
[RAMクリア報知停止処理]
図75は、RAMクリア報知停止処理(図55:ステップS4535)の詳細を示すフローチャートである。ステップS5700では、演出制御用マイコン91は、報知タイマ値がセットされているか否かを判断する。RAMクリア報知が開始されると、報知タイマの値が正の整数でセットされる(ステップS4410)。ここで報知タイマ値がセットされていると判断された場合(ステップS5700:YES)、ステップS5705にて報知タイマ値を減算し、ステップS5710へ移行する。一方、報知タイマ値がセットされていないと判断された場合(ステップS5700:NO)、すなわち報知タイマ値が「0」である場合には、以降の処理を実行せず、RAMクリア報知停止処理を終了する。
ステップS5710では、演出制御用マイコン91は、報知タイマ値が「0」であるか否かを判断する。ここで報知タイマ値が0であると判断された場合(ステップS5710:YES)、ステップS5715にてRAMクリア報知を停止し、RAMクリア報知停止処理を終了する。一方、報知タイマ値が0よりも大きいと判断された場合(ステップS5710:NO)、ステップS5715の処理を実行せず、RAMクリア報知停止処理を終了する。
10.可動役物演出の具体例
図76は、可動役物演出の一例を示す説明図であり、枠可動体600が駆動された様子を示している。枠可動体600は、右側可動体600Rと、左側可動体600Lとに分かれている。右側可動体600Rは、図1に示す枠可動体600の上面中央に前後方向に設けられた軸(前後方向軸とも呼ぶ)を中心にして、正面視反時計回りに回転駆動され、左側可動体600Lは、前後方向軸を中心にして、正面視時計回りに回転駆動される。これにより、右側可動体600Rと左側可動体600Lとでキャラクタの頭部が構成される。枠可動体600の駆動は、演出制御用マイコン91が枠中継基板99を介して役物駆動用モータ641を制御することで実現される。
11.表示演出の具体例
[基幹演出のみの変動演出の例(チャンスアップなし)]
図77は、基幹演出のみの変動演出の例(チャンスアップなし)を示す図である。すなわち、図77は、基幹演出自体を示している。この表示演出は、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。図77(A)〜(F)に示す表示演出は、上述の変動パターンP61(大当たりとなる変動パターン)に対応する基幹演出パターン「SP1(疑似無し)」を含み、表示演出等のチャンスアップ情報を含まない変動演出パターンに基づく表示演出の例であり、一連の表示演出(変動開始演出、リーチ形成演出、スーパーリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、当たり演出、および、図柄停止演出)を時系列に示している。
図77(A)〜(F)に示す一連の表示演出では、まず、図77(A)に示すように、画像表示装置7において、演出図柄8L,8C,8Rが変動を開始する変動開始演出が実行される。次に、図77(B)に示すように、2つの演出図柄8L,8Rを仮停止表示させ、リーチを形成するリーチ形成演出が実行される。なお、図77(B)では、リーチ図柄として「7」が用いられている。
次に、図77(C)に示すように、リーチ形成演出からの発展演出としてスーパーリーチ演出が実行される。このスーパーリーチ演出では、背景画像が薄い色(例えば、水色)に設定され、演出図柄8L,8Rがリーチ形成演出時と比較してやや上方に移動し、小さく形成される。また、このスーパーリーチ演出では、図77(C)に示すように、タイミング1で鎧を着用した味方キャラクタCRAが登場する演出が実現される。このスーパーリーチ演出では、味方キャラクタCRAの鎧の色は、基幹演出に基づいて銅色となっている。
次に、図77(D)に示すように、スーパーリーチ演出からの発展演出としてスーパーリーチ発展演出が実行される。このスーパーリーチ発展演出では、演出図柄8L,8Rの位置および大きさはスーパーリーチ演出時と同じ状態であり、味方キャラクタCRAが変身する演出が実現される。なお、スーパーリーチ発展演出中のタイミング2において、基幹演出に基づいてカットイン演出は実現されない。また、スーパーリーチ発展演出中のタイミング3では、基幹演出に基づいて通常効果音がスピーカ67から出力される。
次に、図77(E)に示すように、当たり演出が実行される。この当たり演出では、味方キャラクタCRAによって大当たりを示唆する演出が実現される共に、演出図柄8L,8C,8Rが大当たりであることを示す大当たり図柄配列(本実施形態では、数字のゾロ目)で仮停止表示される。
次に、図77(F)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rを拡大表示し、大当たり図柄配列で確定停止する確定停止演出が実行される。なお、図77(A)〜(F)には、特図1の保留数を示す保留画像群9Aと、特図2の保留数を示す保留画像群9Bと、当該変動に関わる遊技情報を示す保留消化画像9Cとが示されている。保留画像群9A、および、保留画像群9Bでは、保留数を玉の数で表示する構成となっている。以下で説明する表示演出例において、保留表示と保留消化表示とが存在する場合には、同様の符号で示す。
[基幹演出とチャンスアップとに基づく変動演出例]
図78は、基幹演出とチャンスアップとに基づく変動演出の例を示す図である。この表示演出は、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。図78(A)〜(F)に示す表示演出は、上述の変動パターンP61(大当たりとなる変動パターン)に対応する基幹演出パターン「SP1(疑似無し)」と、表示演出に関わるチャンスアップ情報と、音演出に関わるチャンスアップ情報とを含む変動演出パターンに基づく表示演出の例であり、一連の表示演出(変動開始演出、リーチ形成演出、スーパーリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、当たり演出、および、図柄停止演出)を時系列に示している。
図78(A)〜(F)に示す一連の表示演出は、図77の表示演出と基幹演出が同じであり、すなわち、チャンスアップ以外の部分については図77に示す表示演出と同じであるので、同じ部分についての説明は省略する。具体的には、図78(A)の変動開始演出、(B)のリーチ形成演出、(E)の当たり演出、(F)の図柄停止演出についての説明は省略する。
このチャンスアップがある場合の表示演出例では、図78(C)に示すように、スーパーリーチ演出のタイミング1において、チャンスアップとして、金色の鎧を着用した味方キャラクタCRAが登場する演出が実現される。
次に、図78(D)に示すように、スーパーリーチ発展演出において、チャンスアップとして、タイミング2でカットイン画像CTINを表示するカットイン演出が実現される。カットイン画像CTINは、画像表示装置7の右下部分に表示され、大当たりの期待度を高める文言を含んでいる。また、スーパーリーチ発展演出において、チャンスアップとして、タイミング3で特殊効果音1がスピーカ67から出力される。
[ボタン演出例および可動役物演出例]
図79は、ボタン演出の例および可動役物演出の例を示す図である。このボタン演出は、表示演出に含まれる演出であり、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。可動役物演出は、演出制御用マイコン91によって枠可動体600が作動することで実行される。これらボタン演出および可動役物演出は、チャンスアップに該当する。
図79(A)〜(D)に示す表示演出は、上述の変動パターンP61(大当たりとなる変動パターン)に対応する基幹演出パターン「SP1(疑似無し)」と、ボタン演出に関わるチャンスアップ情報と、可動役物演出に関わるチャンスアップ情報とを含む変動演出パターンに基づく表示演出のうちのスーパーリーチ発展演出の例であり、このスーパーリーチ発展演出を時系列に示している。このスーパーリーチ発展演出では、まず、図79(A)に示すように、スーパーリーチ発展演出が開始され、次にタイミング4で、図79(B)に示すように、枠可動体600が遊技機1の上部から飛び出す可動役物演出が実行される。
次に、図79(C)に示すように、タイミング5になると、ボタン演出として、画像表示装置7にボタン画像BTNを表示するボタン表示演出が実行される。このボタン画像BTNは、演出ボタン63の押下を遊技者に促すための画像である。
次に、遊技者により、演出ボタン63が押下されると、図79(D)に示すように、ボタン演出として、画像表示装置7においてボタン画像BTNが表示されていた場所に吹き出し画像FDSを表示する吹き出し表示演出が実行される。本実施形態の吹き出し画像FDSは、遊技者に大当たりの期待度が高いことを示唆する文言である「激アツ」が示されている。なお、遊技者により、演出ボタン63が押下されなかった場合には、吹き出し表示演出を実行しないようにしてもよいし、所定時間経過してから、吹き出し表示演出を実行するようにしてもよい。
[ゾーン演出例]
図80は、ゾーン演出の例を示す図である。このゾーン演出は、表示演出に含まれ、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。このゾーン演出は、チャンスアップに該当する。このゾーン演出は、複数の変動で連続的に実行され得る演出であり、図80の例は、特定の1変動におけるゾーン演出を示している。
図80(A)〜(F)に示す表示演出は、上述の変動パターンP61(大当たりとなる変動パターン)に対応する基幹演出パターン「SP1(疑似無し)」と、ゾーン演出に関わるチャンスアップ情報とを含む変動演出パターンに基づく表示演出の例であり、一連の表示演出(変動開始演出、リーチ形成演出、スーパーリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、当たり演出、および、図柄停止演出)を時系列に示している。
図80(A)〜(F)に示す一連の表示演出は、図77の表示演出と基幹演出が同じであり、すなわち、チャンスアップ以外の部分については図77に示す表示演出と同じであるので、同じ部分についての説明は省略する。具体的には、図80(C)のスーパーリーチ演出、(D)のスーパーリーチ発展演出、(E)の当たり演出、(F)の図柄停止演出についての説明は省略する。このゾーン演出を含む表示演出では、図80(A)に示す変動開始演出、および、図80(B)に示すリーチ形成演出おいて、背景画像の色が、図77の場合(ゾーン演出が実行されない場合)と比較して、濃い色(例えば、赤色)に設定される。
[保留変化演出例]
図81は、保留変化演出の例を示す図である。この保留変化演出は、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。この保留変化演出は、チャンスアップに該当する。なお、図81(A)〜(E)に示す保留変化演出では、特図2に対応する追加の保留がない場合を示している。
図81(A)〜(E)に示す保留変化演出は、図57に示すシナリオ情報決定処理のシナリオ情報を格納する処理(ステップS4630)で、事前判定情報記憶領域94cにおいて特図2に対応する第4格納領域にシナリオ情報として「403」が格納されたことを契機として実行される演出であり、保留表示の変化を時系列に示している。
特図2に対応する保留画像群9Bは、それぞれ玉状の画像である、第1保留画像9B1と、第2保留画像9B2と、第3保留画像9B3と、第4保留画像9B4とを有し、上述したように、保留の数(保留数とも呼ぶ)をこれらの保留画像の数で示すことが可能となっている。例えば、特図2に対応する保留数が1つの場合には、図81(D)に示すように、保留画像群9Bのうち、第1保留画像9B1のみが表示される。例えば、特図2に対応する保留数が2つの場合には、図81(C)に示すように、保留画像群9Bのうち、第1保留画像9B1と第2保留画像9B2とが表示される。例えば、特図2に対応する保留数が3つの場合には、図81(B)に示すように、保留画像群9Bのうち、第1保留画像9B1〜第3保留画像9B3が表示される。例えば、特図2に対応する保留数が4つの場合には、図81(A)に示すように、保留画像群9Bのうち、第1保留画像9B1〜第4保留画像9B4が表示される。なお、第1保留画像9B1〜第4保留画像9B4は、横一列に並んで表示される。
事前判定情報記憶領域94cにおいて特図2に対応する第4格納領域にシナリオ情報として「403」が格納された後に、図54に示す受信コマンド解析処理の保留表示処理(ステップS4450)が実行されると、図81(A)に示すように、保留画像群9Bにおいて、第1保留画像9B1〜第3保留画像9B3に加えて、遊技制御用マイコン81側で特図2に対応する4つ目の保留が格納されたことを示す第4保留画像9B4が表示される。
図81(A)に示すように、この第4保留画像9B4の色は、事前判定情報記憶領域94c(図56(A)参照)、および、シナリオ情報決定テーブルT75(図58(A)参照)に基づいて、白色に設定される。この白色の第4保留画像9B4は、図中では白抜きで示されている。なお、事前判定情報記憶領域94cにおいて特図2に対応する第4格納領域にシナリオ情報として「403」が格納される場合は、事前判定情報記憶領域94cにおいて特図2に対応するシナリオ情報が元々なかった場合であるので(図57:S4610参照)、図81(A)では、第1保留画像9B1〜第3保留画像9B3の色についても同様に、白色に設定されている。
続いて、次の変動表示に移行する場合、すなわち、図65に示す変動演出開始処理の保留表示シフト処理(ステップS5005)を実行する場合には、図81(B)に示すように、第4保留画像9B4の表示を消滅させると共に、第3保留画像9B3の色を、事前判定情報記憶領域94c(図56(B)参照)、および、シナリオ情報決定テーブルT75(図58(A)参照)に基づいて、白色のままに設定する。
続いて、さらに次の変動表示に移行する場合、すなわち、次の保留表示シフト処理を実行する場合には、図81(C)に示すように、第3保留画像9B3の表示を消滅させると共に、第2保留画像9B2の色を、事前判定情報記憶領域94c、および、シナリオ情報決定テーブルT75(図58(A)参照)に基づいて、赤色に設定する。この場合、図81(C)では、赤色の第2保留画像9B2をハッチングで示している。
続いて、さらに次の変動表示に移行する場合、すなわち、次の保留表示シフト処理を実行する場合には、図81(D)に示すように、第2保留画像9B2の表示を消滅させると共に、第1保留画像9B1の色を、事前判定情報記憶領域94c、および、シナリオ情報決定テーブルT75(図58(A)参照)に基づいて、赤色に設定する。この場合、図81(D)では、赤色の第2保留画像9B1をハッチングで示している。
続いて、さらに次の変動表示に移行する場合、すなわち、次の保留表示シフト処理を実行する場合には、図81(E)に示すように、第1保留画像9B1の表示を消滅させると共に、保留消化画像9Cの色を、事前判定情報記憶領域94c、および、シナリオ情報決定テーブルT75(図58(A)参照)に基づいて、赤色に設定する。この場合、図81(E)では、赤色の保留消化画像9Cをハッチングで示している。
なお、上記した本実施形態の保留変化演出は、特図2に対応する保留画像群9Bに対して実行していたが、上記と同様にして特図1に対応する保留画像群9Aに対して実行するようにしてもよい。
[擬似連演出例]
図82は、擬似連演出の例を示す図である。この擬似連演出は、表示演出に含まれ、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。図82(A)〜(D)に示す表示演出は、上述の変動パターンP62(大当たりとなる変動パターン)に対応する基幹演出パターン「SP1(疑似有り)」を含む変動演出パターンに基づく表示演出の例である。詳しくは、当該表示演出のうちの擬似連演出に対応する部分を主体とした演出を示しており、リーチ形成演出よりも後の一連の演出(スーパーリーチ演出、スーパーリーチ発展演出、当たり演出、および、図柄停止演出)については、図77の表示演出と同様であるので説明を省略する。
この擬似連演出では、まず、図82(A)に示すように、変動開始演出が開始され、次に、図82(B)に示すように、仮停止演出が実行される。この仮停止演出では、2つの演出図柄8L,8Rを同様の図柄とすると共に、演出図柄8Cを所定のロゴ図柄として仮停止表示させる。次に、図82(C)に示すように、演出図柄を仮停止状態から再び変動させる擬似変動演出を実行する。その後、図82(D)に示すリーチ形成演出に移行する。図82(A)〜(C)に示す演出が擬似連演出に該当する。
[非時短演出の説明]
上記した図77〜図82の表示演出例は、非時短状態の際の表示演出であり、非時短演出に該当する(図66:S5197)。非時短演出では、ゾーン演出時を除いて、背景画像の色が同じ(例えば、水色)である。
[大当たり遊技状態および時短状態の表示演出の推移]
図83は、各特図停止図柄データに対応する大当たり遊技状態および時短状態の表示演出の推移を説明するための図である。
図83(A)に示すように、特図停止図柄データが11Hおよび21Hである場合(図45参照)には、大当たり遊技状態において、高確時短突入予定演出が実行され(図72:S5410参照)、大当たり遊技中にV通過フラグがONとなった場合には、その後の時短状態において、後述する高確時短演出が実行される(図66:S5165参照)。
図83(B)に示すように、特図停止図柄データが12Hである場合(図45参照)には、大当たり遊技状態において、後述するバトル勝利演出が実行され(図72:S5420参照)、大当たり遊技中にV通過フラグがONとなった場合には、その後の時短状態において、後述する高確時短演出が実行される(図66:S5165参照)。
図83(C)に示すように、特図停止図柄データが13Hである場合(図45参照)には、大当たり遊技状態において、バトル復活演出が実行され(図72:S5430参照)、大当たり遊技中にV通過フラグがONとなった場合には、その後の時短状態において、後述する高確時短演出が実行される(図66:S5165参照)。
図83(D)に示すように、特図停止図柄データが14H、15H、および、16Hである場合(図46、図47参照)には、大当たり遊技状態において、後述するバトル敗北演出が実行され(図72:S5435参照)、大当たり遊技中にV通過フラグがONとなった場合には、その後の時短状態において、後述する低確時短演出が実行され(図66:S5185)、その後、後述する高確時短演出が実行され得る(図66:S5165参照)。この低確時短演出中では、後述する煽り演出が実行される場合がある。また、低確時短演出から高確時短演出への移行時において、後述する高確時短突入確定演出が実行される。
図83(E)に示すように、特図停止図柄データが17Hである場合(図47参照)には、大当たり遊技状態において、後述するバトル敗北演出が実行され(図72:S5435参照)、大当たり遊技中にV通過フラグがONとならないため、その後の時短状態において、後述する低確時短演出が実行される(図66:S5185参照)。
[バトル勝利演出]
図84は、バトル勝利演出の例を示す図である。このバトル勝利演出は、特図停止図柄データが12Hだった場合の大当たり遊技状態において、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。バトル勝利演出では、ラウンド遊技が8R(8ラウンド)となると、図84(A)に示すように、味方キャラクタCRAと敵キャラクタCRBとの戦闘シーンを表す8R演出が実行される。ラウンド遊技が10R(10ラウンド)および12R(12ラウンド)のとき、V開閉部材71のロング開放Aがおこなわれる。一方、これらのラウンド(第10ラウンドおよび第12ラウンド)では、V開閉部材71が開放されても、遊技者に対してV領域39への入球が可能な状態であることを示唆するV開放示唆演出(例えば、図92(D))はおこなわれない。また、これらのラウンドでは、遊技球がV領域39を通過し、V通過フラグがONに切り替えられても、V領域39に遊技球が入球したことを遊技者に示唆するV通過示唆演出(例えば、図84(D))はおこなわれない。すなわち、演出制御用マイコン91は、V開閉部材71が開放状態のときにV開放示唆演出やV通過示唆演出をおこなわない。そのため、遊技者は、第1大入賞口30にV領域39が設けられていること、および、第10ラウンドと第12ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドであることを認識することが困難となる。なお、ラウンド遊技が12R(12ラウンド)では、図84(B)に示すように、戦闘の結果として、味方キャラクタCRAが敵キャラクタCRBを打ち負かすシーンを表す12R演出が実行される。ラウンド遊技が13R(13ラウンド)となると、図84(C)に示すように、味方キャラクタCRAが変身し、勝利宣言を行うシーンを表す13R演出が実行される。
ラウンド遊技が14R(14ラウンド)では、V通過フラグがONである場合には、図84(D)に示すように、13Rと比較して複数の星形の画像を有する華やかな背景画像に変更し、遊技者を祝福するための祝福画像SKFを表示する14R演出Aが実行される。この14R演出Aは、V領域39に遊技球が入球したことを示唆するV通過示唆演出に該当する(図71:S5330参照)。図84(D)の例では、祝福画像SKFは、「おめでとう」の文字を示している。すなわち、演出制御用マイコン91は、第2大入賞口35が開放され、V開閉部材71が開放されないラウンドにおいて、V通過示唆演出をおこなう。そのため、遊技者は、第2大入賞口35にV領域39が設けられていることと想到し、また、第14ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドであると想到する。よって、この構成によれば、遊技者に気がつかれることなく遊技状態を切り替えることができる。
なお、ラウンド遊技が14R(14ラウンド)において、V通過フラグがOFFである場合には、図84(E)に示すように、13Rから背景画像の変更をせず、味方キャラクタCRAが気落ちしている様子を示すと共に、遊技者に不運が生じたことを示唆するアンラッキー画像ULKを表示する14R演出Bが実行される。この14R演出Bは、V領域(V領域センサ39A)に遊技球が入球しなかったこと(V通過フラグがOFFであること)を示唆するV非通過示唆演出に該当する(図71:S5335参照)。図84(E)の例では、アンラッキー画像ULKは、「アンラッキー」の文字を示している。
[バトル敗北演出]
図85は、バトル敗北演出の例を示す図である。このバトル敗北演出は、特図停止図柄データが14H、15H、16H、および、17Hだった場合の大当たり遊技状態において、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。バトル敗北演出では、ラウンド遊技が8R(8ラウンド)となると、図85(A)に示すように、味方キャラクタCRAと敵キャラクタCRBとの戦闘シーンを表す8R演出が実行される。特図停止図柄データが14Hの場合、ラウンド遊技が2R(第2ラウンド)および6R(第6ラウンド)のとき、V開閉部材71のロング開放(ロング開放Aまたはロング開放B)がおこなわれる。また、特図停止図柄データが15Hの場合、ラウンド遊技が4R(第4ラウンド)および8R(第8ラウンド)のとき、V開閉部材71のロング開放がおこなわれる。また、特図停止図柄データが16Hの場合、ラウンド遊技が6R(第6ラウンド)および10R(第10ラウンド)のとき、V開閉部材71のロング開放がおこなわれる。一方、これらのV開放ラウンドでは、V開閉部材71が開放されても、遊技者に対してV領域39への入球が可能な状態であることを示唆するV開放示唆演出(例えば、図92(D))はおこなわれない。また、これらのラウンドでは、遊技球がV領域39を通過し、V通過フラグがONに切り替えられても、これらのラウンドではV領域39に遊技球が入球したことを遊技者に示唆するV通過示唆演出はおこなわれない。すなわち、演出制御用マイコン91は、V開閉部材71が開放状態のときにV開放示唆演出やV通過示唆演出をおこなわない。そのため、遊技者は、第1大入賞口30にV領域39が設けられていること、および、V開閉部材71の開放ラウンドがどのラウンドであるのかを認識することができない。また、これらのラウンドでV領域39に遊技球が入球しても、遊技者はまだV領域39に遊技球が入球していないことと想到する。
なお、ラウンド遊技が12R(12ラウンド)では、図85(B)に示すように、戦闘の結果として、味方キャラクタCRAが敵キャラクタCRBに打ち負かされるシーンを表す12R演出が実行される。次に、ラウンド遊技が13R(13ラウンド)では、図85(C)に示すように、味方キャラクタCRAが倒れて、敗北を示唆するシーンを表す13R演出が実行される。
上述のように上記バトル敗北演出では、V開閉部材71の開放ラウンドにおいて、V開放示唆演出やV通過示唆演出がおこなわれない。そのため、遊技者は、バトル敗北演出から「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」とを区別することができない。また、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は、大当たり遊技後ともに低確時短状態演出となる。これにより、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」後の高確時短状態を潜伏確変状態にすることができ、遊技者に対して意外性を与えることができる。
[バトル復活演出]
図86は、バトル復活演出の例を示す図である。このバトル復活演出は、特図停止図柄データが13Hだった場合の大当たり遊技状態において、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。このバトル復活演出は、図86(A)〜(C)に示す8R演出、12R演出、13R演出についてバトル敗北演出(図85(A)〜(C)参照)と同様である。すなわち、演出制御用マイコン91は、V開閉部材71の開放ラウンド(第8ラウンドおよび第10ラウンド)において、遊技球がV領域39を通過しても、V通過示唆演出をおこなわない。一方、第2大入賞口35が開放され、V開閉部材71が開放されないラウンド(第16ラウンド)において、V通過示唆演出をおこなう。そのため、この演出であっても、遊技者は、第2大入賞口35にV領域39が設けられていると想到し、また、第16ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドであることと想到する。よって、この構成によれば、遊技者に気がつかれることなく遊技状態を切り替えることができる。
ので、説明を省略する。
バトル復活演出では、図86(C)に示す13R演出(敗北を示唆するシーン)の後、ラウンド遊技が15R(15ラウンド)となると、図86(D)に示すように、大当たり遊技がまだ続くことを示唆する遊技継続示唆画像FKTを表示すると共に、味方キャラクタCRAが立ち上がって復活したことを示唆するシーンを表す15R演出が実行される。図86(D)の例では、遊技継続示唆画像FKTは、「復活だ!!」の文字を示している。
ラウンド遊技が16R(16ラウンド)において、V通過フラグがONである場合には、図86(E)に示すように、16R演出A(V通過示唆演出)が実行される。この16R演出Aは、図84(D)に示すバトル勝利演出の14R演出Aと同様の演出である。
一方、ラウンド遊技が16R(16ラウンド)において、V通過フラグがOFFである場合には、図86(F)に示すように、16R演出B(V非通過示唆演出)が実行される。この16R演出Bは、図84(E)に示すバトル勝利演出の14R演出Bと同様の演出である。
[低確時短演出例]
図87は、低確時短演出の例を示す図である。この低確時短演出は、特図停止図柄データが14H、15H、および、16Hだった場合の大当たり遊技状態後の時短状態開始時から、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。この低確時短演出は、図87(A)〜(F)に示すように、変動演出時の背景画像が非時短演出時やゾーン演出時とは異なる色(例えば、緑色)に設定される。なお、図87(A)〜(F)の表示演出は、図77(A)〜(F)の表示演出を採用している。
[高確時短演出例]
図88は、高確時短演出の例を示す図である。この高確時短演出は、特図停止図柄データが11H、12H、13H、および、21Hだった場合の大当たり遊技状態後の時短状態開始時から、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7上で実行される。また、高確時短演出は、特図停止図柄データが14H、15H、および、16Hだった場合の大当たり遊技状態後の時短状態の途中から実行され得る。
この高確時短演出は、図88(A)〜(F)に示すように、変動演出時の背景画像が非時短演出時、ゾーン演出時、または、低確時短演出時とは異なる色(例えば、ピンク色)に設定される。なお、図88(A)〜(F)の表示演出は、図77(A)〜(F)の表示演出を採用している。
[煽り演出例]
図89は、煽り演出の例を示す図である。この煽り演出は、演出制御用マイコン91によって変動演出中の変動開始演出中に画像表示装置7上で実行される。詳しくは、煽り演出は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する煽り演出実行情報欄に煽り演出実行情報が格納されている場合(図66のS5150:YES)に実行され、すなわち、特図停止図柄データが14H、15H、16H、および、17Hだった場合の大当たり遊技状態後に実行されている低確時短演出中に実行され得る。
煽り演出は、まず、図89(A)に示すように、ロゴ掴み演出が実行される。このロゴ掴み演出は、所定のキャラクタの手を表す手HNDが、ロゴRGOを掴もうとする演出である。ロゴRGOには、時短状態の終了までの仮想的な回数(以下では、時短残り仮想回数とも呼ぶ)が示されている。この時短残り仮想回数は、例えば、時短状態開始時に100にセットされ、時短回数が1増加する度に、1減算することにより求められる。次に、図89(B)に示すように、ロゴ掴み失敗演出Aが実行される。このロゴ掴み失敗演出Aは、手HNDが、ロゴRGOを掴み損ねたシーンを表す演出である。次に、図89(C)に示すように、ロゴ掴み失敗演出Bが実行される。このロゴ掴み失敗演出Bは、手HNDからロゴRGOが完全に遠ざかったシーンを表す演出である。
なお、上述したように、煽り演出は、変動演出の変動開始演出中に実行されるが、変動開始演出後(煽り演出終了後)の変動演出について、図89では省略している。煽り演出は、低確時短演出中に実行されるので、変動開始演出後(煽り演出終了後)の変動演出でも、背景画像が低確時短演出用の背景画像に設定される。
この煽り演出は、高確時短演出突入確定演出の前に実行される場合と、高確時短演出突入確定演出が実行されない場合に実行される場合がある。高確時短演出突入確定演出の前に実行される煽り演出は、高確時短演出突入への本前兆演出の役割を有する。なお、煽り演出は、低確時短演出中にのみ出現し得るので、図89では、背景画像が低確時短演出用の背景画像として示されている。
[高確時短突入確定演出例]
図90は、高確時短突入確定演出の例を示す図である。高確時短突入確定演出は、演出制御用マイコン91によって変動演出中の変動開始演出中に画像表示装置7で実行される。詳しくは、この高確時短突入確定演出は、時短演出変更フラグがONの状態で、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に対応する高確時短演出突入情報欄に高確時短突入情報が格納されている場合(図66のS5137:YES)に実行される。すなわち、高確時短突入確定演出は、特図停止図柄データが14H、15H、および、16Hだった場合の大当たり遊技状態後に実行されている低確時短演出に代わって、実行される。
高確時短突入確定演出は、まず、図90(A)に示すように、ロゴ掴み演出が実行される。このロゴ掴み演出は、図89(A)と同様に実行され、背景画像も低確時短演出用の背景画像(例えば、緑色)として示されている。
次に、図90(B)に示すように、ロゴ掴み成功演出が実行される。このロゴ掴み成功演出は、手HNDがロゴRGOを掴むことに成功したシーンを表す演出である。また、このロゴ掴み成功演出についても、背景画像が低確時短演出用の背景画像として示されている。
次に、図90(C)に示すように、ロゴホールド演出が実行される。このロゴホールド演出は、手HNDがロゴRGOを掴んだ状態で、それらが鎖KSRによってホールドされるシーンを表す演出である。また、このロゴホールド演出についても、背景画像が低確時短演出用の背景画像として示されている。なお、鎖KSRによってホールドされたロゴRGOをホールド状態ロゴHLDとも呼ぶ。
次に、図90(D)に示すように、高確時短突入示唆演出が実行される。この高確時短突入示唆演出は、高確時短示唆画像TNYを表示すると共に、背景画像を低確時短用の背景画像から高確時短演出用の背景画像(例えば、ピンク色)に変更することで、低確時短演出から高確時短演出へ切り替わることを示唆している。図90(D)の例では、高確時短示唆画像TNYは、「高確時短突入!!」の文字を示している。なお、高確時短突入示唆演出では、ホールド状態ロゴHLDも表示している。これにより、ロゴRGOに示されている時短残り仮想回数が減算されなくなり、高確時短状態であることを示唆することができる。
なお、図90では、高確時短突入示唆演出後の変動演出について省略している。高確時短突入示唆演出後の変動演出についても、高確時短突入確定演出が継続され、背景画像を高確時短演出用の背景画像に設定する演出が実行される。
[右打ち報知演出例]
図91は、右打ち報知演出の例を示す図である。この右打ち報知演出は、演出制御用マイコン91によって画像表示装置7で実行される。詳しくは、右打ち報知演出は、大当たり遊技状態において、第2特定ラウンドになった場合(図71のS5345:YES)であって、V通過フラグがONでない場合(ステップS5350:NO)に実行される演出である。以下では、特図停止図柄データが12Hであった場合の大当たり遊技状態の表示演出時(バトル勝利演出時)に実行される右打ち報知演出について説明する。なお、図91(A)〜(C)は、右打ち報知演出以外の表示演出について図84(A)〜(C)と同様であるので、その部分についての説明は省略する。
特図停止図柄データが12Hであった場合の大当たり遊技では、10RにおいてV開閉部材71がロング開放するが、この時に遊技球が右打ちされていなければ、V領域センサ39Aを遊技球が通過せず、すなわち、V通過フラグがONにならない。従って、再びV開閉部材71がロング開放する12Rにおいて、V通過フラグがONになっていなければ、図91(B)に示すように、右打ち報知演出が実行される。この右打ち報知演出では、遊技球の右打ちを推進するための右打ち推進画像MGTが表示される。図91(B)の例では、右打ち推進画像MGTは、「右打ちして!!」という文字と、遊技者が遊技球を打ち込む際の目標とすべき位置が遊技盤面の右側にあることを知らせるための矢印記号とから構成されている。
12.本実施形態の効果例
図92は、比較例としての従来の遊技機1Aにおける大当たり遊技時の演出の例を示す図である。比較例の遊技機1Aは、第1実施形態の遊技機1と同様に第1大入賞口と第2大入賞口を備えているが、第1実施形態の遊技機1と異なり、第2大入賞口内にV開閉部材が配置されている。また、比較例の遊技機1Aは、第1実施形態の遊技機1と異なり、V開閉部材が配置されている大入賞口への入球の有無にかかわらず、その大入賞口の開放から所定の時間(例えば3秒)経過後に一定期間開放させる。この比較例の遊技機1Aは、第14ラウンドと第16ラウンドにおいて、第2大入賞口の開放(ショート開放またはロング開放)から3秒後にV開閉部材を一定期間(例えば5秒)開放させる。比較例の遊技機1Aは、V領域への入球を許容する大当たり遊技と、許容しない大当たり遊技とを実行可能であり、V領域への入球を許容しない当たり遊技中は、第2大入賞口をショート開放(例えば0.1秒)させる。このショート開放では、遊技球はほぼ入賞しない。
比較例の遊技機1Aは、V領域への入球を許容する大当たり遊技では、第14ラウンドと第16ラウンドで第2大入賞口をロング開放(例えば29秒)させ、第2大入賞口に入賞した遊技球がV領域を通過することによって、大当たり遊技後の遊技状態を確変状態に切り替える。一方、V領域への入球を許容しない大当たり遊技では、V領域に通ずる第2大入賞口をほぼ開放しないため、この大当たり遊技では、V領域に通ずる第2大入賞口に入賞可能な遊技球数は第1大入賞口に入賞可能な入球数よりも少なくなる。そのため、遊技者は、入賞可能な遊技球数が相対的に少ない第2大入賞口に入賞した遊技球がV領域に入球すると認識し得る。従って、遊技者は、大当たり遊技中に、入賞可能な遊技球数が相対的に少ない第2大入賞口がほぼ開放しない場合には、大当たり遊技後に高確率状態への移行がないことと想到し、意外性がなく、遊技の興趣が低下する可能性があった。
[効果1]
一方、本実施形態の遊技機1によれば、第2大入賞口35よりも入賞可能な遊技球数が多い第1大入賞口30に入賞した遊技球がV領域39に入球可能に構成されているので、遊技者に気がつかれることなく大当たり後の遊技状態を高確率状態に切り替えることができる。そのため、大当たり遊技が終了してすぐに次の大当たりに当選するなどの遊技者にとって思いがけない事象が起こりやすくなり、遊技者に対して意外性を与えることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果2]
また、従来の遊技機1Aは、V領域への入球を許容しない大当たり遊技中には、V領域が設けられた第2大入賞口をほぼ開放しないため、V領域が設けられた第2大入賞口が遊技球の入賞を許容している期間は第1大入賞口よりも短くなる。そのため、遊技者は、入賞を許容している期間が相対的に短い第2の大入賞口に入賞した遊技球がV領域に入球すると認識している。従って、遊技者は、大当たり遊技中に、第2大入賞口がほぼ開放しない場合には、大当たり遊技後に高確率状態への移行がないことと想到し、意外性がなく、遊技の興趣が低下する可能性があった。一方、本実施形態の遊技機1によれば、第2大入賞口35よりも入賞を許容している期間が長い第1大入賞口30に入賞した遊技球がV領域39に入球するように構成されているので、遊技者に気がつかれることなく遊技球を特定領域に入球させて大当たり後の遊技状態を高確率状態に切り替えることができる。そのため、大当たり遊技が終了してすぐに次の大当たりに当選するなどの遊技者にとって思いがけない事象が起こりやすくなり、遊技者に対して意外性を与えることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果3]
本実施形態の遊技機1は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の大当たり遊技では、V領域39に遊技球を入球することが困難であり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技では、遊技球がV領域39に入球し得る。従って、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の大当たり遊技後の遊技状態は低確率状態となり得、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技後の遊技状態は高確率状態となり得る。一方、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」とで、大当たり遊技中における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンが同等(図20:開放パターン22)であるため、遊技者は、大入賞口の開放パターンから「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」とを区別することが困難である。よって、この構成によれば、遊技者から見て区別が困難な大当たりの大当たり遊技後、すなわち、実質ラウンド数が同じ大当たり(ここでは「実質13R」の大当たり)の大当たり遊技後において、遊技状態が、低確率状態となる場合だけではなく高確率状態となる場合もあり得る。従って、区別が困難な大当たりの大当たり遊技後において、遊技者が低確率状態であると認識していたにもかかわらず、高確率状態を体験し得るので、遊技者に対して意外性を与えることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果4]
本実施形態の遊技機1は、「16RV通過予定大当たり」および「16R(実質15R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技中における大入賞口の開放パターンが、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の大当たり遊技中における大入賞口の開放パターンと異なっている。この構成によれば、遊技者は、実質ラウンド数が15Rまたは16Rの大当たり遊技が実行された場合には、当該大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態となることを認識し得る。そのため、遊技者は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技のときに、大入賞口の開放パターンから、実質ラウンド数が15Rまたは16Rの大当たり遊技ではないことを認識すると、V領域39への遊技球の入球が抑制されて大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態とならないと考えて落胆し得るが、実際には、V領域39は第1大入賞口30に通じているのでV領域39への遊技球の入球が可能であり、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態になり得るため、遊技者に対して意外性を与えることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果5]
本実施形態の遊技機1は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の大当たり遊技では、第2大入賞口35への遊技球の入賞が「16RV通過予定大当たり」の大当たり遊技よりも困難となるように第2大入賞口35のV開閉部材37の制御を実行する。この構成によれば、遊技者は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技のとき、第2大入賞口35への遊技球の入賞が「16RV通過予定大当たり」の大当たり遊技よりも困難であることを認識すると、遊技球のV領域39への入球が困難であると考えて落胆し得るが、実際には、V領域39は第1大入賞口30に通じているので、V領域39への遊技球の入球が可能であり、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態になり得る。その結果、遊技者に対して意外性を与えることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果6]
本実施形態の遊技機1は、「16RV通過予定大当たり」および「16R(実質15R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技を実行し、当該大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に切り替えたときには、高確率状態を示唆する高確時短演出を実行する。また、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の大当たり遊技を実行し、当該大当たり遊技後の遊技状態を低確状態に切り替えたときには、低確時短演出を実行する。一方、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技を実行し、当該大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に切り替えたときには、遊技状態が高確率状態であるにもかかわらず、低確時短演出を実行し得る。この構成によれば、遊技者は、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」か「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」について、すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が低確率状態か高確率状態かを識別することが困難になる。よって、当たり遊技後に低確時短演出がおこなわれたとしても、実際は高確率状態である可能性を残すことができるので、遊技者の持つ大当たりへの期待感が減少することを抑制することができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果7]
従来の遊技機1Aは、第2大入賞口の開放後所定期間が経過したときにV開閉部材を制御して(V開閉部材をロング開放させて)、V領域への遊技球の入球を一定期間許容するように構成されている。しかしながら、このような遊技機では、遊技者は、第2大入賞口の開放期間の長さ(ロング開放かショート開放か)によって、V領域への遊技球の入球が可能か否かを容易に判別することができる可能性があった。一方、本実施形態の遊技機1によれば、「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技において、第1大入賞口30に入賞した遊技球を所定個数(2個または6個)検出したことに基づいて、V開閉部材71をロング開放する制御を実行する。この構成によれば、第1大入賞口30への遊技球の入賞を所定個数検出したときに、V領域39への遊技球の入球を許容することができるため、第1大入賞口30の開放期間の長さにかかわらず、V領域39への遊技球の入球を許容するか否かを設定できる。これにより、遊技者がV領域39への遊技球の入球が可能か否かを容易に判別できなくなり、遊技者に対して意外性を与えることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果8]
本実施形態の遊技機1は、「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技では、V領域39への遊技球の入球が検出されたラウンド遊技において、遊技者に対してV通過示唆演出(図84,図86)を実行せず、当該ラウンド遊技とは異なるラウンドにおいてV通過示唆演出を実行している。この構成によれば、遊技者は、第1大入賞口30と第2大入賞口35のどちらにV領域39が設けられているか判別すること、および、遊技球がV領域39に入球されたか否かを判別することが困難になる。よって、遊技者に気がつかれることなくV領域39に遊技球を入球させて遊技状態を高確率状態に切り替えることができる。その結果、遊技者に対して意外性を与えることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果9]
本実施形態の遊技機1は、「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技では、V領域39と通じていない第2大入賞口35の開閉部材37の開閉制御を実行しているラウンド遊技において、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検出したときに、V通過示唆演出(図84,図86)を実行するようにしている。この構成によれば、遊技者に対して、第2大入賞口35にV領域39が設けられていると想到させることができる。よって、遊技者により気がつかれることなく遊技球をV領域39に入球させて遊技状態を高確率状態に切り替えることができる。その結果、遊技者に対して意外性を与えることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[効果10]
本実施形態の遊技機1は、第1大入賞口30が開放されるラウンド遊技において、第1大入賞口30に入賞した遊技球の数と、第1大入賞口30から排出される遊技球の数とが一致しない不一致が発生したときには、不一致報知をおこない(図41)、不一致が発生したラウンド遊技においてV開閉部材71が開放されていた場合、V開閉部材71のリトライ動作をおこなっている。この構成によれば、大当たり遊技中に第1大入賞口30に入賞した遊技球が内部で球詰まりした場合であっても、遊技機1の管理者(ホールスタッフ等)に知らせることができるので球詰まり速やか解消することができる。また、V開閉部材71に球詰まりが発生した場合であっても、リトライ動作によって、球詰まりを解消することができる。
比較例の遊技機1Aは、V領域への入球を許容する大当たり遊技の第14ラウンドおよび第16ラウンドにおいて、V開閉部材が開放されてV領域への入球が可能な状態であることを遊技者に示唆するV開放示唆演出(図92(D))をおこなう。このV開放示唆演出によって、遊技者は、V領域が第2大入賞口の内部に配置されていることを認識でき、また、当該ラウンドがV開閉部材の開放ラウンドであることを認識することができる。一方、第1実施形態の遊技機1は、大当たり遊技におけるV開閉部材71の開放ラウンドにおいて、V開放示唆演出をおこなわない。そのため、遊技者は、V領域39が第1大入賞口30の内部に配置されていることを認識できず、また、当該ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドであることを認識することができない。よって、第1実施形態の遊技機1は、遊技者に気がつかれることなく遊技状態を通常状態から確変状態に切り替えることができ、遊技者に対して意外性を与えることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態の遊技機1は、高確時短突入確定演出時の変動時間が、低確時短演出時や高確時短演出時の変動時間と変わらない構成として説明した。すなわち、第1実施形態の遊技機1では、変動時に高確時短突入確定演出をおこなうか否かは、サブ側の演出制御用マイコン91が判断するように構成されており、メイン側の遊技制御用マイコン81は、変動時に低確時短演出や高確時短演出をおこなうときと、高確時短突入確定演出をおこなうときとを区別しておらず、いずれの場合であっても同じ変動パターン判定テーブルT6(図18)を参照する。一方、第2実施形態の遊技機1Bでは、高確時短突入確定演出時の変動時間が、低確時短演出時の変動時間や高確時短演出時の変動時間と異なるように構成されている。第2実施形態の遊技機1Bは、第1実施形態の遊技機1と比較して、メインROM83に高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6Bが追加されており、メインRAM84のフラグセット領域84bに「特殊変動フラグ」が追加され、カウンタセット領域84cに「特殊変動カウンタ」が追加されている。また、第2実施形態の遊技機1Bは、第1実施形態の遊技機1と比較して、メイン側タイマ割り込み処理のうちの特別動作処理の内容が一部異なる。第2実施形態の遊技機1Bは、サブ側において、高確時短演出突入抽選をおこなわない。そのため、第2実施形態の遊技機1Bは、サブROM93に高確時短演出突入抽選テーブルを備えておらず、サブRAMに時短演出フラグを備えておらず、高確時短演出突入乱数も備えていない。
図93は、高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6Bを説明するための図である。第2実施形態の遊技機1Bは、非時短状態時の変動パターン判定テーブルT6(図17)と、時短状態時の変動パターン判定テーブルT6(図18)のほかに、図93の高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6BがメインROM83に格納されている。第2実施形態の遊技機1Bは、メイン側の遊技制御用マイコン81が、サブ側の演出制御用マイコン91に対して、高確時短突入確定演出を実行させるか否かを判定し、高確時短突入確定演出を実行させる場合には、高確時短突入確定演出に対応する変動パターンを演出制御用マイコン91に送信する。すなわち、第2実施形態の遊技制御用マイコン81は、演出制御用マイコン91に高確時短突入確定演出を実行させる場合には、時短状態時の変動パターン判定テーブルT6(図18)を参照せず、高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6B(図93)を参照する。高確時短突入確定演出時の変動パターン判定テーブルT6Bは、高確時短時や低確時短時に参照される変動パターンテーブルT6と比較して、変動時間が長くなるように設定されている。なお、高確時短突入確定演出時の変動時間は、図93の内容に限定されず任意に設定することができる。
[大当たり判定処理]
図94は、第2実施形態の大当たり判定処理のフローチャートである。第1実施形態の大当たり判定処理(図31)と比較すると、ステップS1508〜S1511が追加されている点のみが異なる。それ以外の処理(ステップS1501〜S1507、S1520)については第1実施形態の大当たり判定処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS1508では、遊技制御用マイコン81は、ステップS1507において判定された大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」であるか否かの判定をおこなう。大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」ではない場合(ステップS1508:NO)、処理はステップS1520にスキップする。大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」である場合(ステップS1508:YES)、遊技制御用マイコン81は、特殊変動フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1509)。特殊変動フラグがONの場合(ステップS1509:YES)、処理はステップS1520にスキップする。特殊変動フラグがOFFの場合(ステップS1509:NO)、遊技制御用マイコン81は、特殊変動フラグをONに切り替え(ステップS1510)、特殊変動カウンタに所定値をセットし(ステップS1511)、その後ステップS1520を実行する。特殊変動カウンタとは、特殊変動フラグがONの状態で実行した特別図柄の変動回数をカウントするものである。ここでは、特殊変動カウンタにセットされる値は、ステップS1507において判定された「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の特図停止図柄データごとに異なる。ここでは、特図停止図柄データが14Hの場合、特殊変動カウンタに「30」がセットされ、特図停止図柄データが15Hの場合、特殊変動カウンタに「80」がセットされ、特図停止図柄データが16Hの場合、特殊変動カウンタに「100」がセットされる。なお、特図停止図柄データごとの特殊変動カウンタにセットされる値は、任意に設定することができる。
[変動パターン選択処理]
図95〜図97は、第2実施形態の変動パターン選択処理のフローチャートである。第1実施形態の変動パターン選択処理(図32、図33)と比較すると、図96のステップS1601、S1610およびS1611が追加され、図97のステップS1620〜S1628が追加されている点のみが異なる。それ以外の処理については第1実施形態の変動パターン選択処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS1601では、遊技制御用マイコン81は、特殊変動フラグがONか否かの判定をおこなう。特殊変動フラグがOFFの場合(ステップS1601:NO)、処理はステップS1612に移行する。特殊変動フラグがONの場合(ステップS1601:YES)、遊技制御用マイコン81は、特殊変動カウンタの値を1ディクリメントする。遊技制御用マイコン81は、特殊変動カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS1611)。特殊変動カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS1611:NO)、処理はステップS1612に移行する。特殊変動カウンタの値が「0」の場合(ステップS1611:YES)、処理はステップS1620(図97)に移行する。
ステップS1620では、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう。以後、ステップS1621〜S1627の処理は、以下の点を除いては上述のステップS1613〜S1619の処理と同様であるため説明を省略する。ステップS1621〜S1627の処理とステップS1613〜S1619の処理との違いは、ステップS1623、S1624、S1626、S1627において、参照される変動パターン判定テーブルT6の部分が既述のステップS1615、S1616、S1618、S1619と異なる。具体的には、S1615、S1616、S1618、S1619では、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照されるのに対して、ステップS1623、S1624、S1626、S1627では、高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6(図93)が参照される。例えば、ステップS1623の場合、すなわち、大当たり種別がV通過予定大当たりの場合、図93に示す高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特図1では変動パターンが「P141」〜「P143」の部分、特図2では変動パターンが「P161」〜「P163」の部分)が参照される。
以上のことから、第2実施形態では、特殊変動カウンタに「30」がセットされる特図停止図柄データ14Hの大当たりの場合、大当たり遊技後の高確時短状態での160回の変動において、最初の1〜29回目の変動パターンの判定には、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照される。そして、30回目の変動パターンの判定には、高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6B(図93)が参照される。そして、31〜160回目の変動パターンの判定には、再度、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照される。特殊変動カウンタに「80」がセットされる特図停止図柄データ15Hの大当たりの場合、大当たり遊技後の高確時短状態での160回の変動において、最初の1〜79回目の変動パターンの判定には、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照される。そして、80回目の変動パターンの判定には、高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6B(図93)が参照される。そして、81〜160回目の変動パターンの判定には、再度、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照される。特殊変動カウンタに「100」がセットされる特図停止図柄データ16Hの大当たりの場合、大当たり遊技後の高確時短状態での160回の変動において、最初の1〜99回目の変動パターンの判定には、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照される。そして、100回目の変動パターンの判定には、高確時短突入確定演出用の変動パターン判定テーブルT6B(図93)が参照される。そして、101〜160回目の変動パターンの判定には、再度、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照される。
サブ側の演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から送信された変動開始コマンドに含められている特図停止図柄データが14H,15H,16Hの場合、大当たり遊技後の高確時短状態での160回の変動において、1回目の変動から、高確時短突入確定演出をおこなうN回目(N=30or80or100)の変動までは、高確時短状態にもかかわらず、低確時短演出をおこなう潜伏確変状態にする。具体的には、特図停止図柄データが14H,15H,16Hの大当たり遊技後の高確時短状態において、遊技制御用マイコン81から送信された変動開始コマンドに含められている変動パターンが「P41」〜「P73」の場合(1回目〜N−1回目の場合)、演出制御用マイコン91は、高確時短状態にもかかわらず、低確時短演出をおこなう。そして、遊技制御用マイコン81から送信された変動開始コマンドに含められている変動パターンが「P141」〜「P173」となったとき(N回目となったとき)、演出制御用マイコン91は、高確時短突入確定演出をおこなう。その後、遊技制御用マイコン81から送信された変動開始コマンドに含められている変動パターンが「P41」〜「P73」の間(N+1回目〜160回目)、演出制御用マイコン91は、高確時短演出をおこなう。例えば、サブ側の演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から送信された変動開始コマンドに含められている特図停止図柄データが14Hの場合、大当たり遊技後の高確時短状態での1〜29回目の変動では、高確時短状態にもかかわらず、低確時短演出をおこなう。そして、30回目の変動では高確時短突入確定演出をおこなう。そして、31回目〜160回目の変動では、高確時短演出をおこなう。
図98は、第2実施形態の変動演出の流れを例示した説明図である。第2実施形態の遊技機1Bでは、特図停止図柄データが14H,15H,16Hの場合、1回目の変動から、高確時短突入確定演出をおこなうN回目(N=30or80or100)の変動までは、潜伏確変状態として低確時短演出をおこなう。これにより、遊技者は、低確時短演出時には遊技状態が確変状態となっていることに気がつかず、その後の高確時短突入確定演出によって、遊技状態が確変状態であることを知るため、遊技者に対して意外性を与えることができる。第2実施形態の遊技機1Bでは、高確時短突入確定演出を実行するために参照される変動パターン判定テーブルT6Bがそれ以外の時の時短状態において参照される変動パターン判定テーブルT6と異なるため、例えば、高確時短突入確定演出時の変動時間をそれ以外の高確時短時の変動演出時間よりも長くすることができる。これにより、高確時短突入確定演出をよりダイナミックにおこなうことができる。なお、高確時短突入確定演出後の変動演出(高確時短演出)は、特図停止図柄データが11H,12H,13H,21Hの大当たり遊技後の変動演出と同じ内容であってもよいし、異なる内容であってもよい。
<その他の変形例>
[変形例1]
第1実施形態では、「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では、大当たり遊技中に、V開閉部材71が開放されることによって、遊技球がV領域39に入球し、すぐに通過する構成となっているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技中に、V開閉部材71が開放されることによって、遊技球がV領域39に入球し、一旦保持されて、V領域39から排出される構成でもよい。
[変形例2]
第1実施形態では、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技では、14Rおよび16Rのラウンド遊技において第2大入賞口35の開閉部材37は、ショート開放されるので、当該ラウンド遊技中には、ほとんど第2大入賞口35に遊技球が入賞しない構成となっているが、本発明はこれに限られるものではない。「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技において、第1大入賞口30に入賞可能な遊技球数を超えない程度に、第2大入賞口35に遊技球を入賞させる構成としてもよい。例えば、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技の所定のラウンド遊技において、第2大入賞口35の開閉部材37をロング開放させて、第2大入賞口35に所定数の遊技球を入賞させる構成としてもよい。
[変形例3]
第1実施形態では、V領域39は、第1大入賞装置31内に設けられているが、本発明はこれに限られるものではなく、V領域39は、第1入賞装置31とは異なる位置(例えば、アウト口16近傍)に設けられていてもよい。この場合、V開閉部材71とV領域39とは所定の通路で連通し、V開閉部材71を通過した遊技球は、当該通路を経由してV領域39に入球可能である。また、第1実施形態では、第2大入賞口35に入球した遊技球は、V領域39に入球することができない構成となっているが、本発明はこれに限られるものではなく、第1大入賞口30のみならず第2大入賞口35に入賞した遊技球が、V領域39に入賞可能な構成としてもよい。この場合、第2大入賞口35とV開閉部材71とは所定の通路で連通しており、第2大入賞口35に入賞した遊技球が、当該通路を経由してV開閉部材71に到達し、V開閉部材71が開状態であればV領域39に入球可能である。
[変形例4]
第1実施形態では、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とは、大入賞口(第1大入賞口30と第2大入賞口35)の開放パターンが同一(開放パターン22)であり、V開閉部材71の開放パターンのみが異なっているものとして説明した。しかし、遊技者が見分けることが困難な程度であれば、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」のそれぞれの大入賞口の開放パターンは、互いに異なっていてもよい。例えば、大入賞口の開閉のタイミングが±2秒程度異なる場合や、開閉回数が±2回程度異なる場合であっても、遊技者が2つの開放パターンを見分けることは困難であるため、2つの開放パターンは実質的に同じ、すなわち同等といえる。すなわち、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」のそれぞれの大入賞口の開放パターンは、同等であればよい。
[変形例5]
第1実施形態では、大当たり種別として、「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」とがあるものとして説明した(図16)。しかし、遊技機1の大当たり種別は、上記に限定されず、上記大当たり種別の一部を備えていなくてもよいし、上記以外の大当たり種別を有していてもよい。例えば、遊技機1の大当たり種別は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の代わりに、実質ラウンド数が「13R」以外で共通するラウンド数のV通過予定大当たりとV非通過大当たり(例えば、実質12RV通過予定大当たりと実質12RV非通過大当たりなど)を有していてもよい。遊技機1の大当たり種別は、「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」の一方または両方を有していなくてもよい。すなわち、遊技機1の大当たり種別は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の2つのみでもよい。この場合であっても、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」とを備えていれば、遊技者に対して意外性を与えることができる。また、遊技機1の大当たり種別は、「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」の代わりに、実質ラウンド数が13R以外のV通過予定大当たり(例えば、実質13R未満のV通過予定大当たり)を有してもよい。この場合であっても、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」とを備えていれば、遊技者に対して意外性を与えることができる。
[変形例6]
第1実施形態において、「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技では、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の大当たり遊技でのV開閉部材71の開放パターン36(図21)よりも、第1大入賞口30に入賞した遊技球がV領域39に入球することが容易となる開放パターン31,32,33,34,35(図21)で、V開閉部材71を制御するようにしている。「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技では、第1大入賞口30に入賞した遊技球がV領域39へ入球することの容易性(以下、V領域入球容易性とも呼ぶ)が同等となるように、V開閉部材71の開放パターンが設定されている。しかし、本発明は第1実施形態の内容に限られず、これらの大当たり遊技では、V領域入球容易性が異なっていてもよい。例えば、「16RV通過予定大当たり」の大当たり遊技では、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」または「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技でのV開閉部材71の開放パターン32または開放パターン33,34,35よりもV領域入球容易性が高い開放パターンで、V開閉部材71を制御するようにしてもよい。なお、V領域入球容易性は、1回の大当たり遊技においてV開閉部材71が開放し得る開放時間の合計に比例している。「V領域入球容易性が同等となる」とは、1回の大当たり遊技においてV開閉部材71が開放し得る開放時間の合計(以下、V合計開放時間とも呼ぶ)が同程度の場合であり、例えば、V合計開放時間が±10秒の範囲で異なる場合も含む。例えば、「16RV通過予定大当たり」の大当たり遊技におけるV合計開放時間が、63.6秒であり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技におけるV合計開放時間が60秒である場合には、これらの大当たり遊技におけるV領域入球容易性は、同等であると言える。また、これに代えて、「V領域入球容易性が同等となる」とは、第1大入賞口30に入賞した遊技球が1つでもV領域39に入球する平均確率が同程度の場合であるとし、例えば、この平均確率が±10%の範囲で異なる場合も含むようにしてもよい。例えば、「16RV通過予定大当たり」の大当たり遊技においてV開閉部材71が制御されることにより、第1大入賞口30に入賞した遊技球が1つでもV領域39に入球する平均確率が99%であり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技において、V開閉部材71が制御されることにより、第1大入賞口30に入賞した遊技球が1つでもV領域39に入球する平均確率が95%である場合には、これらの大当たり遊技におけるV領域入球容易性は、同等であると言える。
[変形例7]
第1実施形態では、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とは、14Rと16Rのラウンド遊技で第2大入賞口35の開閉部材37をショート開放するようにしているが、本発明はこれに限られるものではなく、他のラウンド遊技で、第2大入賞口35の開閉部材37をショート開放するようにしてもよい。例えば、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とは、13R未満のラウンド遊技で、第2大入賞口35の開閉部材37をショート開放するようにしてもよい。
[変形例8]
第1実施形態では、特図停止図柄データが14H〜16Hの大当たりの場合、大当たり遊技後の1回目〜所定回目までの変動演出は、高確時短状態にもかかわらず低確時短演出をおこなうものとして説明した(図83(D))。しかし、高確時短演出の代わりにおこなわれる変動演出は低確時短演出に限定されない。例えば、遊技機1に、大当たり遊技後に低確時短状態を介さずに低確非時短状態となる大当たり種別(「18H」と呼ぶ)が設定されている場合には、特図停止図柄データ14H〜16Hの大当たり遊技後の高確時短状態において、高確時短演出の代わりに低確非時短演出をおこなってもよい。このようにすることによって、遊技者は、大当たり遊技後の変動演出から、大当たり種別が「14H〜16H」か「18H」かを区別することができない。これにより、遊技者に対して意外性を与えることができる。また、遊技機1は、高確非時短状態時に低確非時短演出をおこなうように構成されていてもよい。例えば、遊技機1に、大当たり遊技後に低確時短状態を介さずに低確非時短状態となる大当たり種別(「18H」と呼ぶ)と、大当たり遊技後に高確非時短状態となる大当たり種別(「19H」と呼ぶ)とが設定されている場合には、特図停止図柄データ19Hの大当たり遊技後の高確非時短状態において、高確非時短演出の代わりに低確非時短演出をおこなってもよい。このようにすることによって、遊技者は、大当たり遊技後の変動演出から、大当たり種別が「19H」か「18H」かを区別することができない。これにより、遊技者に対して意外性を与えることができる。
[変形例9]
第1実施形態では、「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技において、特定ラウンドになったときに、第1大入賞口センサ30aによって第1大入賞口30に入賞した遊技球が2つまたは6つ検出されたことに基づいて、V開閉部材71をロング開放する制御が実行されているが、本発明はこれに限られるものではない。特定ラウンドになったときに、第1大入賞口センサ30aによって第1大入賞口30に入賞した遊技球が所定数(例えば、1、3〜5、7〜9)検出されたことに基づいて、V開閉部材71をロング開放する制御を実行するようにしてもよい。また、特定ラウンドになったときに、第1大入賞口センサ30aによって第1大入賞口30に入賞した遊技球が所定数検出され、かつ、当該所定数の検出後に所定時間経過したことに基づいて、V開閉部材71をロング開放する制御を実行するようにしてもよい。
[変形例10]
第1実施形態では、16Rのラウンド遊技中に、V通過示唆演出(図84,図86)を実行しているが、本発明はこれに限られるものではない。V通過示唆演出は、V領域39への遊技球の入球が検出されたラウンド遊技とは異なるラウンド遊技中に実行すればよく、例えば、V通過示唆演出を、V領域39への遊技球の入球が検出されたラウンド遊技以降のラウンド遊技であって、特定の偶数ラウンドまたは奇数ラウンドに対応するラウンド遊技中に実行してもよいし、V領域39への遊技球の入球が検出されたラウンド遊技以降のラウンド遊技であって、遊技者に所定の遊技情報を報知するタイミングに合わせて実行してもよい。この所定の遊技情報とは、例えば、大当たり遊技によって遊技者に払い出された遊技球の数を表す大当たり出玉情報、特図保留内に大当たり判定の結果が大当たりとなる保留が存在する場合に当該大当たりを表す情報などを含む。
[変形例11]
第1実施形態では、ラウンド演出パターン決定処理(図71)に示すように、V通過フラグがONの場合に、第1特定ラウンドとなったときに、V通過示唆演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、V通過フラグがONの場合に、第1特定ラウンドとなり、さらに、第2大入賞口35に遊技球が所定個数(例えば、1個)入賞したときに、V通過示唆演出を実行するようにしてもよい。また、V通過フラグがONの場合に、第1特定ラウンドとなってから所定期間(例えば、2秒)経過したときに、V通過示唆演出を実行するようにしてもよい。さらに、V通過フラグがONの場合に、第1特定ラウンドとなり、第2大入賞口35に遊技球が所定個数(例えば、1個)入賞し、さらに、当該入賞後、所定期間(例えば、1秒)経過したときに、V通過示唆演出を実行するようにしてもよい。
[変形例12]
第1実施形態では、「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では、大当たり遊技中に、遊技球がV領域39に入球することで、当該大当たり遊技後に、遊技状態が確変状態に移行する構成となっていたが、本発明はこれに限られるものではなく、遊技状態が確変状態以外の遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、大当たり遊技中に、遊技球がV領域39に入球することで、当該大当たり遊技後に、遊技状態が時短状態に移行する構成としてもよい。
[変形例13]
第1実施形態では、時短演出変更処理(図61参照)において、時短演出変更フラグがONであると判断された場合(ステップS4800:YES)、すなわち大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(特図停止図柄データが14H、15H、16H)の大当たり遊技終了後には、毎変動で、高確時短演出突入抽選を行う(ステップS4810)。ここで高確時短演出突入抽選に当選すると(ステップS4815:YES)、高確時短演出突入情報を事前判定情報記憶領域94cに格納する(ステップS4820)。この高確時短演出突入抽選に当選することなく時短100回転目になり(図66、ステップS5131:YES),時短演出変更フラグがONである場合には(ステップS5132:YES)、高確時短演出突入情報を事前判定情報記憶領域94cに強制的に格納する(ステップS5133)。つまり、遅くとも100回転目から高確時短演出が行われるようになっていた。この場合、100回転目に実行される高確時短突入確定演出では、図90に示したロゴ掴み演出、ロゴ掴み成功演出、ロゴホールド演出などにおいて、ロゴRGOに示される時短残り仮想回数の表示が「残り0回」となる構成としていたが、本発明はこれに限られるものではない。100回転目に到達する前に高確時短演出突入情報を事前判定情報記憶領域94cに強制的に格納することで、ロゴ掴み演出、ロゴ掴み成功演出およびロゴホールド演出などにおいて、時短残り仮想回数の表示が「残り0回」となる前に、高確時短突入確定演出を実行するようにしてもよい。例えば、90回転目に高確時短演出突入情報を事前判定情報記憶領域94cに強制的に格納することで、ロゴRGOに示される時短残り仮想回数が10回となる場合に、高確時短突入確定演出を実行するようにしてもよい。また、高確時短演出突入抽選を毎変動で行う構成に代え(図61、ステップS4810)、エンディング演出中などに、高確時短突入確定演出を行う回転数を予め決定する構成としてもよい。さらに、高確時短演出突入抽選を毎変動で行う構成に代え(ステップS4810)、変動回数が所定数に到達する毎に、高確時短演出突入抽選を行う構成としてもよい。例えば、当該所定数が10(回)の場合には、大当たり終了後の10回転目、20回転目、30回転目、・・・という具合に、高確時短演出突入抽選が行われる構成となる。
[変形例14]
第1実施形態の遊技機1は、バトル復活演出において、図86(C)に示したように、13R演出(敗北を示唆するシーン)の後、ラウンド遊技が15R(15ラウンド)となると、図86(D)に示したように、大当たり遊技がまだ続くことを示唆する遊技継続示唆画像FKTを表示すると共に、味方キャラクタCRAが立ち上がって復活したことを示唆するシーンを表す15R演出を実行する。この後、ラウンド遊技が16R(16ラウンド)において、V通過フラグがOFFである場合には、図86(F)に示したように、16R演出B(V非通過示唆演出)を実行する。この場合、味方キャラクタCRAが立ち上がって復活したことを示唆するシーンを表す15R演出が実行されたにもかかわらず、16R演出B(V非通過示唆演出)が実行されることで遊技者を落胆させる虞がある。そこで、ラウンド遊技が15R(15ラウンド)において、V通過フラグがOFFである場合には、図86(D)に示した15R演出(遊技継続示唆画像FKTの表示および味方キャラクタCRAが立ち上がって復活したことを示唆するシーンを表す演出)を実行せず、13R演出(敗北を示唆するシーン)と同等の演出を実行するようにしてもよい。この場合、図86(F)に示した16R演出Bについては、実行してもよいし、実行しなくてもよい。
[変形例15]
第2実施形態では、低確時短演出時と高確時短演出時に同じ変動パターン判定テーブルT6(図18)が参照されるものとして説明した。しかし、低確時短演出時と高確時短演出時とで参照される変動パターン判定テーブルT6が異なっていてもよい。このようにすることで、例えば、高確時短演出を低確時短演出よりも長くしてよりダイナミックな演出をおこなうことができる。
[変形例16]
上記実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ遊技機に代えて、スロットマシン等の回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、または、雀球遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
[変形例17]
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。また、上述した複数の変形例のうち、2つ以上の変形例を組み合わせてもよい。さらに、遊技機1は、画像表示装置7の他にサブ表示装置を備えてもよい。この場合、上述した表示演出を当該サブ表示装置で実行するようにしてもよい。
[変形例18]
上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現することができる。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現することができる。さらに、上記実施形態で例示した表示演出等も単なる一例であって、他の表示演出を採用することができる。
[実施態様]
本実施形態の遊技機では、以下の態様を実現可能である。
◇[態様A−1]
遊技領域(3)に設けられた入球口(20、21)への遊技球の入球を検出する入球検出手段(20a、21a)と、前記入球検出手段による入球検出に基づいて当否判定をおこなう判定手段(81)と、前記遊技領域に設けられ、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第1の開閉部材(32)を有する第1の入賞口(30)と、前記第1の入賞口への遊技球の入賞を検出する第1の入賞検出手段(30a)と、前記第1の入賞検出手段よりも下流側に配置され、前記第1の入賞検出手段によって検出された遊技球が入球可能な特定領域(39)と、前記特定領域に遊技球が入球したことを検出する特定領域入球検出手段(39a)と、開閉動作により、前記第1の入賞口へ入賞した遊技球が前記特定領域に入球することを阻害または許容する特定領域開閉部材(71)と、前記遊技領域に設けられ、前記第1の入賞口とは異なる入賞口であって、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第2の開閉部材(37)を有する第2の入賞口(35)と、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材との動作を制御可能であり、前記判定手段による前記当否判定で当選と判定された場合に、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材とを開閉させる当たり遊技を実行し、前記当たり遊技において、前記第1の入賞口に入賞可能な遊技球数が、前記第2の入賞口に入賞可能な遊技球数よりも多くなるように前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御(図20)する当たり遊技実行手段(81)と、前記当たり遊技後の遊技状態であって、第1の遊技状態(低確状態)と、前記判定手段による前記当否判定の当選確率が前記第1の遊技状態よりも高い第2の遊技状態(高確率状態)と、を含む複数の遊技状態のうちの1つの遊技状態を実行可能であり、前記特定領域入球検出手段によって前記特定領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、前記当たり遊技後の遊技状態を前記第2の遊技状態とすることが可能な遊技状態制御手段(81)と、を備えることを特徴とする遊技機(1)。
◇[態様A−2]
前記当たり遊技実行手段(81)は、前記当たり遊技において、前記第1の入賞口への遊技球の入賞を許容している期間が、前記第2の入賞口への遊技球の入賞を許容している期間よりも長くなるように、前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御(図20)することを特徴とする態様A−1に記載の遊技機。
◇[態様A−3]
前記当たり遊技実行手段(81)は、第1の当たり遊技(13RV通過予定大当たり、潜伏確変大当たり)と、前記第1の当たり遊技とは異なる第2の当たり遊技(13RV非通過予定大当たり、通常大当たり)とを含む複数種類の当たり遊技のうちの1つの当たり遊技を実行可能であり、前記第1の当たり遊技では、第1の開放パターン(図20:開放パターン22)で、前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御し、前記第2の当たり遊技では、前記第1の開放パターンと同等の開放パターンである第2の開放パターン(図20:開放パターン22)で、前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御し、前記第1の当たり遊技では、前記第1の入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域に入球することが可能な第1の特定領域開放パターン(図21:開放パターン33,34,35)で前記特定領域開閉部材を制御する第1の入球制御を実行し、前記第2の当たり遊技では、前記第1の入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域に入球することが前記第1の特定領域開放パターンよりも困難な第2の特定領域開放パターン(図21:開放パターン36)で前記特定領域開閉部材を制御する第2の入球制御を実行し、前記遊技状態制御手段は、前記当たり遊技実行手段によって前記第1の当たり遊技において前記第1の入球制御が実行され、前記特定領域入球検出手段によって前記特定領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、前記第1の当たり遊技後の遊技状態を前記第2の遊技状態(高確率状態)とすることが可能であり、前記当たり遊技実行手段によって前記第2の当たり遊技において前記第2の入球制御が実行され、前記特定領域入球検出手段によって前記特定領域への遊技球の入球が検出されなかったことに基づいて、前記第1の当たり遊技後の遊技状態を前記第1の遊技状態(低確率状態)とすることが可能であることを特徴とする態様A−1または態様A−2に記載の遊技機。
◇[態様A−4]
前記当たり遊技実行手段(81)は、前記複数種類の当たり遊技のうちの1つの当たり遊技として、前記第1の当たり遊技および前記第2の当たり遊技とは異なる第3の当たり遊技(16RV通過予定大当たり、確変大当たり)を実行可能であり、前記第3の当たり遊技では、前記第1の開放パターンおよび前記第2の開放パターンとは異なる第3の開放パターン(図20:開放パターン21)で、前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御し、前記第1の入賞口に入賞した遊技球の前記特定領域への入球が前記第2の特定領域開放パターンで前記特定領域開閉部材を制御した場合よりも容易となるように前記特定領域開閉部材を制御する(図21:開放パターン31)ことを特徴とする態様A−3に記載の遊技機。
◇[態様A−5]
前記当たり遊技実行手段(81)は、前記第3の当たり遊技において、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の両方への遊技球の入賞が可能となるように、前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御し(図20:開放パターン21)、前記第1の当たり遊技および前記第2の当たり遊技において、前記第1の入賞口への遊技球の入賞が可能となるように前記第1の開閉部材を制御し、前記第2の入賞口への遊技球の入賞が前記第3の当たり遊技よりも困難となるように前記第2の開閉部材を制御(図20:開放パターン22)することを特徴とする態様A−4に記載の遊技機。
◇[態様A−6]
前記当たり遊技実行手段により実行された前記当たり遊技の種類と、前記遊技状態制御手段により実行される前記当たり遊技後の遊技状態とに基づいて、前記当たり遊技後に特定の演出(図87,図88)を実行可能な演出制御手段(91)であって、前記当たり遊技実行手段により前記第3の当たり遊技(16RV通過予定大当たり)が実行され、前記遊技状態制御手段により前記第3の当たり遊技後の遊技状態が前記第2の遊技状態(高確率状態)とされたときには、前記第3の当たり遊技後に第1の演出(図88:高確時短演出)を実行し、前記当たり遊技実行手段により前記第2の当たり遊技(13RV非通過予定大当たり、通常大当たり)が実行され、前記遊技状態制御手段により前記第2の当たり遊技後の遊技状態が前記第1の遊技状態(低確率状態)とされたときには、前記第2の当たり遊技後に前記第1の演出とは異なる第2の演出(図87:低確時短演出)を実行し、前記当たり遊技実行手段により第1の当たり遊技(13RV通過予定大当たり、潜伏確変大当たり)が実行され、前記遊技状態制御手段により前記第1の当たり遊技後の遊技状態が前記第2の遊技状態(高確率状態)とされたときには、遊技状態が前記第2の遊技状態にもかかわらず、前記第1の当たり遊技後に前記第2の演出(図87:低確時短演出)を実行する前記演出制御手段(91)を備えることを特徴とする態様A−4または態様A−5に記載の遊技機。
◇[態様A−7]
前記当たり遊技実行手段(81)は、前記第1の入賞検出手段が遊技球の入賞を所定個数検出したときに、前記特定領域への遊技球の入球を許容する(図39)ように前記特定領域開閉部材を制御することを特徴とする態様A−1から態様A−6までのいずれか一項に記載の遊技機。
◇[態様A−8]
遊技に関連する遊技情報の報知を実行可能な報知手段(91)を備え、前記当たり遊技実行手段(81)は、1回の前記当たり遊技において、前記第1の入賞口または第2の入賞口のいずれか一方を開放するラウンド遊技を複数回実行可能であり、前記報知手段は、前記特定領域入球検出手段が前記特定領域への遊技球の入球を検出したラウンド遊技において、遊技球が前記特定領域に入球したことを示唆する入球示唆報知(図84,図86:V通過示唆演出)をおこなわず、前記特定領域への遊技球の入球が検出されたラウンド遊技よりも後のラウンド遊技において、前記入球示唆報知を実行することを特徴とする態様A−1から態様A−7までのいずれか一項に記載の遊技機。
◇[態様A−9]
前記第2の入賞口への遊技球の入賞を検出する第2の入賞検出手段(35a)を備え、前記報知手段(91)は、前記当たり遊技実行手段によって前記第2の入賞口の前記第2の開閉部材が開放制御されるラウンド遊技において、第2の入賞検出手段が入賞を検出したことに基づいて前記入球示唆報知(図84,図86:V通過示唆演出)を実行することを特徴とする態様A−8に記載の遊技機。
◇[態様A−10]
前記報知部は、前記第1の入賞口が開放されるラウンド遊技において、前記第1の入賞口に入賞した遊技球の数と、前記第1の入賞口から排出される遊技球の数とが一致しない不一致が発生したときには、前記不一致の発生を示唆する不一致報知をおこない(図41)、前記不一致が発生した前記ラウンド遊技において前記特定領域開閉部材が開放されていた場合、前記特定領域開閉部材のリトライ動作をおこなう(図41)ことを特徴とする態様A−8または態様A−9に記載の遊技機。
さらに、本実施形態の遊技機は、以下の態様としてもよい。
[態様B−1]
遊技領域(3)に設けられた入球口(20、21)への遊技球の入球を検出する入球検出手段(20a、21a)と、前記入球検出手段による入球検出に基づいて当否判定をおこなう判定手段(81)と、前記遊技領域に設けられ、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第1の開閉部材(32)を有する第1の入賞口(30)と、前記第1の入賞口への遊技球の入賞を検出する第1の入賞検出手段(30a)と、前記第1の入賞検出手段よりも下流側に配置され、前記第1の入賞検出手段によって検出された遊技球が入球可能な特定領域(39)と、前記特定領域に遊技球が入球したことを検出する特定領域入球検出手段(39a)と、開閉動作により、前記第1の入賞口へ入賞した遊技球が前記特定領域に入球することを阻害または許容する特定領域開閉部材(71)と、前記遊技領域に設けられ、前記第1の入賞口とは異なる入賞口であって、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第2の開閉部材(37)を有する第2の入賞口(35)と、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材との動作を制御可能であり、前記判定手段による前記当否判定で当選と判定された場合に、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材とを開閉させる当たり遊技を実行し、前記当たり遊技において、前記第1の入賞口に入賞可能な遊技球数が、前記第2の入賞口に入賞可能な遊技球数よりも多くなるように前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御(図20)する当たり遊技実行手段(81)と、前記当たり遊技後の遊技状態であって、第1の遊技状態(低確率状態)と、前記判定手段による前記当否判定の当選確率が前記第1の遊技状態よりも高い第2の遊技状態(高確率状態)と、を含む複数の遊技状態のうちの1つの遊技状態を実行可能であり、前記特定領域入球検出手段によって前記特定領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、前記当たり遊技後の遊技状態を前記第2の遊技状態とすることが可能な遊技状態制御手段(81)と、前記当たり遊技実行手段により実行された前記当たり遊技の種類と、前記遊技状態制御手段により実行される前記当たり遊技後の遊技状態とに基づいて、前記当たり遊技後に特定の演出(図87,図88)を実行可能な演出制御手段(91)と、を備え、前記演出制御手段は、前記当たり遊技実行手段により第1の当たり遊技(16RV通過予定大当たり)が実行され、前記遊技状態制御手段により前記第1の当たり遊技後の遊技状態が前記第2の遊技状態(高確率状態)とされたときには、前記第1の当たり遊技後に第1の演出(図88:高確時短演出)を実行し、前記当たり遊技実行手段により前記第2の当たり遊技(13RV非通過予定大当たり、通常大当たり)が実行され、前記遊技状態制御手段により前記第2の当たり遊技後の遊技状態が前記第1の遊技状態(低確率状態)とされたときには、前記第2の当たり遊技後に前記第1の演出とは異なる第2の演出(図87:低確時短演出)を実行し、前記当たり遊技実行手段により第3の当たり遊技(13RV通過予定大当たり、潜伏確変大当たり)が実行され、前記遊技状態制御手段により前記第3の当たり遊技後の遊技状態が前記第2の遊技状態(高確率状態)とされたときには、遊技状態が前記第2の遊技状態にもかかわらず、前記第3の当たり遊技後に前記第2の演出(図87:低確時短演出)を実行することを特徴とする遊技機。
[態様C−1]
遊技領域(3)に設けられた入球口(20、21)への遊技球の入球を検出する入球検出手段(20a、21a)と、前記入球検出手段による入球検出に基づいて当否判定をおこなう判定手段(81)と、前記遊技領域に設けられ、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第1の開閉部材(32)を有する第1の入賞口(30)と、前記第1の入賞口への遊技球の入賞を検出する第1の入賞検出手段(30a)と、前記第1の入賞検出手段よりも下流側に配置され、前記第1の入賞検出手段によって検出された遊技球が入球可能な特定領域(39)と、前記特定領域に遊技球が入球したことを検出する特定領域入球検出手段(39a)と、開閉動作により、前記第1の入賞口へ入賞した遊技球が前記特定領域に入球することを阻害または許容する特定領域開閉部材(71)と、前記遊技領域に設けられ、前記第1の入賞口とは異なる入賞口であって、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第2の開閉部材(37)を有する第2の入賞口(35)と、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材との動作を制御可能であり、前記判定手段による前記当否判定で当選と判定された場合に、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材とを開閉させる当たり遊技を実行し、前記当たり遊技において、前記第1の入賞口への遊技球の入賞を許容している期間が、前記第2の入賞口への遊技球の入賞を許容している期間よりも長くなるように前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御(図20)する当たり遊技実行手段(81)と、前記当たり遊技後の遊技状態であって、第1の遊技状態(低確率状態)と、前記判定手段による前記当否判定の当選確率が前記第1の遊技状態よりも高い第2の遊技状態(高確率状態)と、を含む複数の遊技状態のうちの1つの遊技状態を実行可能であり、前記特定領域入球検出手段によって前記特定領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、前記当たり遊技後の遊技状態を前記第2の遊技状態とすることが可能な遊技状態制御手段(81)と、を備えることを特徴とする遊技機(1)。
[態様D−1]
遊技領域(3)に設けられた入球口(20、21)への遊技球の入球を検出する入球検出手段(20a、21a)と、前記入球検出手段による入球検出に基づいて当否判定をおこなう判定手段(81)と、前記遊技領域に設けられ、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第1の開閉部材(32)を有する第1の入賞口(30)と、前記第1の入賞口への遊技球の入賞を検出する第1の入賞検出手段(30a)と、前記第1の入賞検出手段よりも下流側に配置され、前記第1の入賞検出手段によって検出された遊技球が入球可能な特定領域(39)と、前記特定領域に遊技球が入球したことを検出する特定領域入球検出手段(39a)と、開閉動作により、前記第1の入賞口へ入賞した遊技球が前記特定領域に入球することを阻害または許容する特定領域開閉部材(71)と、前記遊技領域に設けられ、前記第1の入賞口とは異なる入賞口であって、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第2の開閉部材(37)を有する第2の入賞口(35)と、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材との動作を制御可能であり、前記判定手段による前記当否判定で当選と判定された場合に、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材とを開閉させる当たり遊技を実行し、前記当たり遊技において、前記第1の入賞口に入賞可能な遊技球数が、前記第2の入賞口に入賞可能な遊技球数よりも多くなるように前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御(図20)する当たり遊技実行手段(81)と、前記当たり遊技後の遊技状態であって、第1の遊技状態(低確率状態)と、前記判定手段による前記当否判定の当選確率が前記第1の遊技状態よりも高い第2の遊技状態(高確率状態)と、を含む複数の遊技状態のうちの1つの遊技状態を実行可能であり、前記特定領域入球検出手段によって前記特定領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、前記当たり遊技後の遊技状態を前記第2の遊技状態とすることが可能な遊技状態制御手段(81)と、遊技に関連する遊技情報の報知を実行可能な報知手段(91)と、を備え、前記当たり遊技実行手段(81)は、1回の前記当たり遊技において、前記第1の入賞口または第2の入賞口のいずれか一方を開放するラウンド遊技を複数回実行可能であり、前記報知手段は、前記特定領域入球検出手段が前記特定領域への遊技球の入球を検出したラウンド遊技において、遊技球が前記特定領域に入球したことを示唆する入球示唆報知(図84,図86:V通過示唆演出)をおこなわず、前記特定領域への遊技球の入球が検出されたラウンド遊技よりも後のラウンド遊技において、前記入球示唆報知を実行することを特徴とする遊技機(1)。
[態様F−1]
遊技領域(3)に設けられた入球口(20、21)への遊技球の入球を検出する入球検出手段(20a、21a)と、前記入球検出手段による入球検出に基づいて当否判定をおこなう判定手段(81)と、前記遊技領域に設けられ、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第1の開閉部材(32)を有する第1の入賞口(30)と、前記第1の入賞口への遊技球の入賞を検出する第1の入賞検出手段(30a)と、前記第1の入賞検出手段よりも下流側に配置され、前記第1の入賞検出手段によって検出された遊技球が入球可能な特定領域(39)と、前記特定領域に遊技球が入球したことを検出する特定領域入球検出手段(39a)と、開閉動作により、前記第1の入賞口へ入賞した遊技球が前記特定領域に入球することを阻害または許容する特定領域開閉部材(71)と、前記遊技領域に設けられ、前記第1の入賞口とは異なる入賞口であって、開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する第2の開閉部材(37)を有する第2の入賞口(35)と、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材との動作を制御可能であり、前記判定手段による前記当否判定で当選と判定された場合に、前記第1の開閉部材と前記第2の開閉部材と前記特定領域開閉部材とを開閉させる当たり遊技を実行し、前記当たり遊技において、前記第1の入賞口に入賞可能な遊技球数が、前記第2の入賞口に入賞可能な遊技球数よりも多くなるように前記第1の開閉部材および前記第2の開閉部材を制御(図20)し、前記第1の入賞検出手段が遊技球の入賞を所定個数検出したときに、前記特定領域への遊技球の入球を許容する(図39)ように前記特定領域開閉部材を制御する当たり遊技実行手段(81)と、
前記当たり遊技後の遊技状態であって、第1の遊技状態(低確率状態)と、前記判定手段による前記当否判定の当選確率が前記第1の遊技状態よりも高い第2の遊技状態(高確率状態)と、を含む複数の遊技状態のうちの1つの遊技状態を実行可能であり、前記特定領域入球検出手段によって前記特定領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、前記当たり遊技後の遊技状態を前記第2の遊技状態とすることが可能な遊技状態制御手段(81)と、を備えることを特徴とする遊技機(1)。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。