以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の実施形態としての遊技機1について説明する。
<第1実施形態>
[遊技機1の構成]
図1を参照しつつ、遊技機1の概略構成について説明する。図1は、遊技機1の概略正面図である。遊技機1は、1種タイプと呼ばれるパチンコ遊技機である。
図1に示されるように、遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤100と、遊技盤100を囲む枠部材101とを備えている。
枠部材101は、遊技盤100と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持するいわゆるガラス枠であり、このガラス板と遊技盤100とによって遊技球が流下可能な遊技領域102が形成されている。
枠部材101は、その上部中央に、演出などで発光する枠ランプ103を有している。枠ランプ103の左右両側に、スピーカ104を有している。また、枠部材101は、その下部が遊技者側へ突出させて構成されており、その突出部分の上面に、円形の演出ボタン105を有している。演出ボタン105の左側手前に、4つの押しボタンからなる演出キー106を有している。さらに、演出ボタン105の奥側には、遊技球を発射装置(不図示)へ案内する皿107が設けられている。枠部材101は、その右側下部に、ハンドル108を有している。ハンドル108には、レバー109が回転可能に取り付けられている。また、レバー109の回転にかかわらず、一時的に遊技球の発射を停止するための停止ボタン110が設けられている。なお、遊技盤100の端部には、表示器111が設けられている。
一方、ガラス板と共に遊技領域102を形成する遊技盤100は、その中央に、液晶表示装置121を有している。また、液晶表示装置121の上方に、演出などで発光する盤ランプ122を有している。また、遊技盤100は、入賞や判定に関する役物として、第1始動装置123、第2始動装置124、開閉部材125、ゲート126、大入賞装置127、及び、2つの一般入賞装置128を有している。
第1始動装置123及び第2始動装置124は、振分装置141に設けられている。振分装置141は透明な樹脂部材で構成されており、遊技領域102の中央で液晶表示装置121の下方に設けられている。
振分装置141は、その内部に、羽根142を有している。この羽根142によって、振分装置141に入球した遊技球は、左側通路又は右側通路へ振り分けられる。そして、左側通路の下方には第1始動装置123が設けられており、右側通路の下方には第2始動装置124が設けられている。振分装置141の第2始動装置124側には、開閉部材125が設けられている。
また、振分装置141の右側に、大入賞装置127が設けられている。大入賞装置127の上方に、ゲート126が設けられている。大入賞装置127の内部には、破線で示した遊技球通路150が設けられている。
一般入賞装置128は、左側下部に設けられており、遊技領域102の最下部には、入賞しなかった遊技球を排出する排出装置129が設けられている。
このような構成により、遊技者がハンドル108を握ってレバー109を時計方向に回転させると、皿107に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、レバー109の回転角度に応じた打球力で遊技領域102へと発射される。
遊技盤100には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域102における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤100に沿って落下する。なお、上述したように遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン110を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がハンドル108のレバー109を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印130に例示されるように遊技領域102における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー109を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印131に例示されるように遊技領域102における右側領域を流下する。したがって、ゲート126や大入賞装置127へ入賞させる際は「右打ち」が必要となってくる。
第1始動装置123及び第2始動装置124は常時開放されている始動装置であり、第1始動装置123及び第2始動装置124には、振分装置141の羽根142によって振り分けられた遊技球が入球する。羽根142は、実線で示すような第1姿勢と、二点鎖線で示すような第2姿勢とに変化可能となっている。第1姿勢にあっては、羽根142の左回りの回転が許容されている。これにより第1姿勢の状態で遊技球が振分装置141に入球すると、羽根142が左回りに第2姿勢となることで、第1始動装置123へ遊技球が入球する。一方、第2姿勢にあっては、羽根142の右回りの回転が許容されている。これにより第2姿勢の状態で遊技球が振分装置141に入球すると、羽根142が右回りに第1姿勢となることで、第2始動装置124へ遊技球が入球する。つまり、振分装置141へ入球した遊技球は、羽根142によって交互に、第1始動装置123及び第2始動装置124へ入球することになる。遊技球が第1始動装置123又は第2始動装置124へ入球した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かが判定され、その判定結果が表示器111に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動装置123を通過した遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」ということとし、第2始動装置124への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」ということとし、これらの判定を総称して「特別図柄判定」ということとする。
大入賞装置127は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この大入賞装置127の開口部には、大入賞装置127を開閉するプレートが設けられている。大入賞装置127は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器111に停止表示された場合、すなわち大当たりが発生した場合、上記プレートを作動させて大入賞装置127を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に「右打ち」を行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
大入賞装置127へ入球した遊技球は、遊技球通路150へ案内される。遊技球通路150の途中には、振分部材151が設けられている。振分部材151は、遊技球通路150へ案内された遊技球を、V領域となっている通路152又は通常領域となっている通路153のいずれかへ振り分ける。振分部材151は、破線で示すようにV領域を閉塞するV閉塞姿勢と、二点鎖線で示すようなV開放姿勢とで姿勢変化可能となっている。
開閉部材125は、振分装置141の右側の開口部からの遊技球の入球を可能にするものである。開閉部材125は、実線で示す閉塞姿勢と、二点鎖線で示す開放姿勢とで、姿勢変化可能となっている。
開閉部材125は、通常時は閉塞姿勢となっている。これに対し、ゲート126を遊技球が通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動装置124への開口部を開放するか否かが判定される。ここで、開放すると判定された場合、開閉部材125が規定時間だけ開放姿勢に変化する。これにより、遊技球が第2始動装置124へ入球し易い状態が作出される。
なお、以下の説明では、ゲート126への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
一般入賞装置128は、常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球がある入賞装置である。なお、第1始動装置123等とは異なり、一般入賞装置128に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[表示器111の構成]
図2は、図1における表示器111の拡大図である。表示器111は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図2に示されるように、第1特別図柄表示器201、第2特別図柄表示器202、第1特別図柄保留表示器203、第2特別図柄保留表示器204、普通図柄表示器205、及び、普通図柄保留表示器206を有している。
第1特別図柄表示器201は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器201には、第1特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器202は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器202には、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第1始動装置123に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機1は、第1始動装置123に遊技球が入賞しても即座に第1特別図柄判定を実行できない場合に、第1特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第1特別図柄保留表示器203は、このようにして保留された第1特別図柄判定の保留数を表示する。
同様に、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第2始動装置124に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機1は、第2始動装置124に遊技球が入賞しても即座に第2特別図柄判定を実行できない場合に、第2特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第2特別図柄保留表示器204は、このようにして保留された第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器205は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器205における図柄の変動表示中など、遊技球がゲート126を通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器206は、このようして保留された普通図柄判定の保留数を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器205に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[遊技機1の内部構成]
図3は、遊技機1のブロック図である。遊技機1は、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、画像制御基板330、ランプ制御基板340、発射制御基板350、及び電源基板360を備えている。
主制御基板300は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板300は、ワンチップマイコン301を備えており、ワンチップマイコン301は、メインCPU301a、メインROM301bおよびメインRAM301cを含んでいる。また、主制御基板300は、主制御用の入力ポート及び出力ポート(いずれも不図示)を備えている。
この主制御用の入力ポートには、一般入賞装置128に遊技球が入球したことを検知する一般入賞装置検出スイッチ302、普通図柄ゲート126に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ303、第1始動装置123に遊技球が入球したことを検知する第1始動装置検出スイッチ304、第2始動装置124に遊技球が入球したことを検知する第2始動装置検出スイッチ305、大入賞装置127に遊技球が入球したことを検知する大入賞装置検出スイッチ306、V領域を遊技球が通過したことを検知するV通過検出スイッチ371、及び、払出制御基板310が接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板300に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、開閉部材125を開閉動作させる始動装置開閉ソレノイド307、大入賞装置127を開閉するプレートを動作させる大入賞装置開閉ソレノイド308、振分部材151を姿勢変化させるV領域ソレノイド372,特別図柄及び普通図柄を表示する図柄表示器201,202,205、特別図柄判定の保留数及び普通図柄判定の保留数を表示する図柄保留表示器203,204,206、及び、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板309、払出制御基板310、及び、演出制御基板320が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
なお、遊技情報出力端子板309は、主制御基板300において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板309は主制御基板300と配線接続され、遊技情報出力端子板309には、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
主制御基板300のワンチップマイコン301において、メインCPU301aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づき、メインROM301bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
また、メインROM301bには、遊技制御用のプログラムや各種遊技に必要なテーブルが記憶されている。例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターンテーブル等が記憶されている。なお、ここに挙げたテーブルは一部に過ぎず、さらに多数のテーブルが設けられている。
さらにまた、メインRAM301cは、メインCPU301aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM301cには、普通図柄判定の保留数T、普通図柄乱数、特別図柄の保留数U1,U2、ラウンド数R、大入賞装置への入球数Y、確変遊技フラグ、時短遊技フラグなどが記憶される。なお、ここに挙げたものの他にも、多数の情報が記憶される。
払出制御基板310は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板310は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板300に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計測スイッチ311、扉開放スイッチ312、及び、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板300に送信する。また、払出制御基板310の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ313が接続されている。払出CPUは、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ313を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板320は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板320は、サブCPU320a、サブROM320b、サブRAM320cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から演出制御基板320への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU320aは、主制御基板300から送信されたコマンド、演出ボタン検出スイッチ321、演出キー検出スイッチ322、及び、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM320bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。サブRAM320cは、サブCPU320aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板320におけるサブCPU320aは、主制御基板300から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置121、音声出力装置331、演出用駆動装置341、演出用照明装置342に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。
演出制御基板320のサブROM320bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板300から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する装飾図柄の組み合わせを決定するための装飾図柄決定テーブル等がサブROM320bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板320のサブRAM320cは、複数の記憶領域を有している。これらの記憶領域には、遊技状態、演出モード、演出パターン、装飾図柄、計数カウンタ、発射操作情報等が記憶される。なお、この他にも多数の情報が記憶される。
画像制御基板330は、液晶表示装置121の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、制御ROM、制御RAM、CGROM、VRAM、VDPと、音声CPU、音声ROM、及び、音声RAMを備えている。この画像制御基板330は、演出制御基板320に双方向通信可能に接続されており、その出力側に液晶表示装置121および音声出力装置331が接続されている。
画像CPUは、演出制御基板320から受信したコマンドに基づいて、VDPに所定の画像を表示させる制御を行う。制御RAMは、画像CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROMから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、制御ROMには、画像CPUの制御処理のプログラムや、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報などが記憶されている。
CGROMには、液晶表示装置121に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板320から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、CGROMに格納された所定の画像データをVRAMに展開させ、VRAMに展開された画像データを液晶表示装置121に表示させる制御を行う。
また、音声ROMには、音声出力装置331から出力するための音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板320から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置331における音声出力制御を行う。
ランプ制御基板340は、遊技盤100に設けられた盤ランプ122を点灯制御したり、枠部材101に設けられた枠ランプ103を制御したりする。また、演出用駆動装置341を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板340は、演出制御基板320に接続されており、演出制御基板320から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
発射制御基板350は、タッチセンサ351からのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム352から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド353や玉送りソレノイド354に対する通電制御を行う。
タッチセンサ351は、遊技者がハンドル108に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者がハンドル108に触れたことを検知すると、発射制御基板350に発射用ソレノイド353の通電を許可するタッチ信号を出力する。
発射ボリューム352は、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム352に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板350へ供給する。
ここで、発射用ソレノイド353の回転速度は、発射制御基板350に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間に発射される遊技球の個数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
なお、タッチセンサ351からのタッチ信号及び発射ボリューム352からの電圧信号は、演出制御基板320へ入力されるようになっている。これにより、演出制御基板320において遊技球の発射を検出可能となる。
電源基板360は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給する。具体的には、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、発射制御基板350へ電源電圧を供給する。また、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板300に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU301aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU301aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
[各種テーブル]
図4〜図6を用い、メインROM301bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図4(A)及び(B)は、「大当たりの判定」に用いられる大当り判定テーブルを示している。図4(A)は、第1特別図柄の大当り判定テーブルであり、図4(B)は、第2特別図柄の大当り判定テーブルである。
大当り判定テーブルは、遊技状態及び取得された大当たり乱数に基づいて、「大当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。大当たり乱数は、「0」〜「598」のいずれかの数値として、第1始動装置123又は第2始動装置124への入球時に取得される。
ここで図4(A)及び(B)に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態においては、大当たりの判定に関する状態として「非確変遊技状態」と「確変遊技状態」とを有する。
「非確変遊技状態」というのは、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当たりとなる確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「確変遊技状態」というのは、上記大当たりとなる確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「確変遊技状態」では、「非確変遊技状態」よりも、大当たりに当選し易いこととなる。なお、この確変遊技状態のときには、後述する確変遊技フラグが「ON」にセットされており、非確変遊技状態のときには、確変遊技フラグが「OFF」になっている。また、非確変遊技状態から確変遊技状態に移行するのは、確変大当たり遊技を終了した後である。
なお、「大当たり」とは、大入賞装置127を開放させる特別遊技である。具体的には、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当りに当選したときに実行される遊技をいう。
「大当たり」においては、大入賞装置127が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における大入賞装置127の開放時間や開放回数は開放パターンで設定される。「大当たり」は、大入賞装置127に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能である。また、大入賞装置127は、遊技盤100の右側の下部に設けられていることから、「大当たり」のときには、ハンドル108のレバー109を大きく回転させる、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。
図4(A)に示す第1特別図柄の大当り判定テーブルによれば、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「7」又は「8」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の大当たり乱数が大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。
大当たり乱数の乱数範囲が「0」〜「598」であるから、非確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。
図4(B)に示す第2特別図柄の大当り判定テーブルも、第1特別図柄の大当たり判定テーブルと同様となっている。すなわち、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「7」又は「8」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の大当たり乱数が大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。
大当たり乱数の乱数範囲が「0」〜「598」であるから、非確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。
図4(C)は、「普通図柄の当たり判定」に用いられる当り判定テーブルを例示する説明図である。
当たり判定テーブルは、遊技状態及び取得された普通図柄乱数に基づいて、「当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。普通図柄乱数は、「0」〜「65535」のいずれかの数値として、ゲート126の通過時に取得される。
ここで図4(C)に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態では、開閉部材125に関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。上述した大当たりの判定に関する状態(非確変遊技状態、確変遊技状態)と開閉部材125に関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「非確変遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されている。「非確変遊技状態」かつ「非時短状態」を「通常遊技状態」ともいう。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、ゲート126を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が12秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動装置124への開口部の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、ゲート126を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示器205において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから12秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、開閉部材125の可動により第2始動装置124への開口部が約0.2秒間開放される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、ゲート126を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動装置124への開口部の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグが「ON」にセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグが「OFF」になっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、ゲート126を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動装置124への開口部が開放状態に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技の進行において遊技球の消費が抑えられる。
また、ゲート126が遊技盤100の右側に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、ハンドル108のレバー109を大きく回転させた、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。
なお、普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
図4(C)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「0」のときに当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「0」〜「65534」のいずれかであるときに当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
普通図柄乱数の範囲が「0」〜「65535」であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
図5は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを例示する説明図である。
図5(A)は、大当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図5(B)は、第1大当たりとなる確率を示す説明図であり、図5(C)は、ハズレのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
図5(A)では、「特別図柄」の種別(遊技球が第1始動装置123及び第2始動装置124のいずれに入球したか)と、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したときに取得される「大当たり図柄用乱数値」に基づいて、大当たりの「種別」及び停止図柄データが決定される。なお、大当たり図柄用乱数は、その範囲が「0」〜「99」に設定されている。
図5(A)に示すように、第1特別図柄において大当たりのときには大当たり図柄用乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「0」〜「49」のいずれかであれば、「第1大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「01」となる。
同様に、大当たり図柄用乱数が「50」〜「99」のいずれかであれば、「第2大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「02」となる。
第2特別図柄において大当たりのときにも大当たり用図柄乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「0」〜「74」のいずれかであれば、「第1大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「03」となる。
同様に、大当たり図柄用乱数が「75」〜「99」のいずれかであれば、「第2大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「04」となる。
図5(B)に示すように第1大当たりとなる割合は、第1特別図柄で大当たりとなった場合が50%であるのに対し、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、75%となっている。
図5(C)に示すように、第1特別図柄においても第2特別図柄においても判定結果がハズレのときには、停止図柄データは「00」となる。
なお、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態、大当たり態様が決定される。
[変動パターン決定テーブル]
図6は、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターンテーブルを例示する説明図である。本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動パターンテーブルは共通となっている。図6(A)は大当たりテーブルを例示しており、図6(B)は通常時テーブルを例示しており、図6(C)は確変時短テーブルを例示している。
図6(A)に例示されるように、判定結果が大当たりである場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。具体的には、変動パターン乱数が「0」〜「29」のときは、変動パターン1が選択される。このとき、変動時間は20秒であり、リーチAによって大当たりとなる。また、変動パターン乱数が「30」〜「99」のときは、変動パターン2が選択される。このとき、変動時間は30秒であり、リーチBによって大当たりとなる。なお、大当たり終了後に確変遊技状態で制御するか否かは、図5に示した大当たり図柄に基づいて判断される。
図6(B)に例示されるように、判定結果がハズレであって「非時短遊技状態」であるときは、保留球数、リーチ乱数、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。具体的には、保留球数が「0〜2」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン3,4,5のいずれかが選択される。変動パターン3は変動時間が10秒の通常変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
一方、保留球数が「3〜4」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン4,5,6のいずれかが選択される。変動パターン6は変動時間が5秒の短縮変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
図6(C)に例示されるように、判定結果がハズレであって「時短遊技状態」であるときは、保留球数、リーチ乱数、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。具体的には、保留球数が「0〜1」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン3,4,5のいずれかが選択される。変動パターン3は変動時間が10秒の通常変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
一方、保留球数が「2〜4」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン4,6,7のいずれかが選択される。変動パターン4は変動時間が5秒の短縮変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン7は変動時間が5秒でありリーチCでハズレとなる。変動パターン7は、リーチであるにもかかわらず、変動時間の短い変動パターンである。
[主制御基板のメイン処理]
図7を用いて、主制御基板300において実行されるメイン処理について説明する。ここで、図7は、主制御基板300において実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板300は、電源投入時に、このメイン処理を実行する。主制御基板300のメイン処理は、メインROM301bに記憶されているプログラムに基づいてメインCPU301aが実行するものである。
最初のS701では、メインRAM301cへのアクセスを許可する。この処理は、例えば電源投入後、演出制御基板320の起動に要する時間(例えば1000ms)を待機した後に行われる。
S702では、RAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判断する。ここでRAMクリアスイッチが「ON」であると判断された場合(S702:YES)、S711へ移行する。一方、RAMクリアスイッチが「ON」でないと判断された場合(S702:NO)、すなわちRAMクリアスイッチが「OFF」である場合には、S703へ移行する。
S703では、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判断する。バックアップフラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、遊技機1への電源が遮断された状態になるとセットされて「ON」となる。ここでバックアップフラグが「ON」であると判断された場合(S703:YES)、S704へ移行する。一方、バックアップフラグが「ON」でないと判断された場合(S703:NO)、すなわちバックアップフラグが「OFF」である場合には、S711へ移行する。
S704では、チェックサムが正常であるか否かを判断する。チェックサムとは、バックアップ情報に対して作成されるものであり、データの加算値が一致することでバックアップ情報の正当性を判断しようというものである。ここでチェックサムが正常であると判断された場合(S704:YES)、S705へ移行する。一方、チェックサムが正常でないと判断された場合(S704:NO)、S711へ移行する。
S705では、復旧処理を実行する。復旧処理の詳細については後述する。
S706では、CTC周期の設定を行う。この処理は、内蔵されているタイマカウンタであるCTCの周期を設定するものである。例えば4msに設定するという具合である。これにより、メインCPU301aは、CTCの周期で、後述するタイマ割込処理を実行する。
S707では、電断監視処理を実行する。電断監視処理の詳細については後述する。
S708では、割込禁止設定を行う。この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を禁止するものである。
S709では、乱数更新処理を行う。この処理は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
S710では、割込許可設定を行う。この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を許可するものである。そして、S710の処理終了後、S707からの処理を繰り返す。
S711には、S702で肯定判断された場合、S703で否定判断された場合、及び、S704で否定判断された場合に移行する。S711では、RAMクリアを行う。RAMクリアとは、主制御基板300が設定する各種フラグやカウント値を初期化するものである。例えば各種フラグには、確変フラグや時短フラグが挙げられる。カウント値には、時短変動回数Wなどが挙げられる。
S712では、周辺部初期設定を行う。この処理は、主制御基板300から払出制御基板310及び演出制御基板320へ初期設定コマンドを送信するものである。これにより、払出制御基板310及び演出制御基板320にて、初期設定が行われる。S712の処理終了後、上述したS706へ移行する。
[復旧処理]
図8を用い、主制御基板300において実行される復旧処理について説明する。この復旧処理は、図7のS705にて実行されるものである。
最初のS801では、作業領域を設定する。この処理は、作業領域は、復旧処理に用いられる領域であり、メインRAM301cに設定される。
S802では、復旧コマンドを作成する。この復旧コマンドには、遊技状態に関するコマンドが含まれる。すなわち、確変遊技フラグ及び時短遊技フラグなどである。また、これらフラグに関するカウンタのカウント値が含まれる。さらに、保留表示に関連する保留情報が含まれる。
S803では、復旧コマンドを送信する。この処理は、S802にて作成した復旧コマンドを演出制御基板320へ送信するものである。
S804ではバックアップフラグを「OFF」とし、その後、復旧処理を終了する。
[電断監視処理]
図9を用い、主制御基板300において実行される電断監視処理について説明する。この電断監視処理は、図7のS707にて実行されるものである。
最初のS901では、割込禁止設定を行う。この処理は、この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を禁止するものである。
S902では、電源が遮断されたか否かを判断する。この処理は、遊技機1への電源供給が遮断されたか否かを判断するものである。ここで電源が遮断されたと判断された場合(S902:YES)、S903へ移行する。一方、電源が遮断されていないと判断された場合(S902:NO)、S906へ移行する。
S903では、バックアップ情報を作成して格納する。バックアップ情報はメインRAM301cに格納される。このとき、チェックサムを作成しバックアップ情報とともに格納する。バックアップ情報は上述したように、復旧コマンドの作成に用いられる。
S904では、バックアップフラグを「ON」にする。バックアップフラグは、メインRAM301cに格納される。
S905ではRAMアクセスを禁止し、その後、メイン処理(図7参照)を終了する。
S906には、S902で電源が遮断されていないと判断された場合に移行する。S906では、割込許可設定を行う。この処理は、メインCPU301aのタイマ割込処理を許可するものである。S906の処理終了後、図7のS708へ移行する。
[タイマ割込処理]
図10を用いて、主制御基板300において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図10は、主制御基板300において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板300は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10以降のフローチャートに基づいて説明する主制御基板300の処理は、メインROM301bに記憶されているプログラムに基づいてメインCPU301aが実行するものである。
まず、S1001では、乱数更新処理を実行する。この処理は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
S1002では、スイッチ処理を行う。この処理は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に実行されるものである。なお、スイッチ処理の詳細については後述する。
S1003では、特別図柄処理を行う。この処理は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す停止図柄を停止表示させる処理等を含む。なお、特別図柄処理の詳細については後述する。
S1004では、普通図柄処理を行う。この処理は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器205に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む。この普通図柄処理の詳細については後述する。
S1005では、開閉部材処理を行う。この処理は、普通図柄判定を行った結果、第2始動装置124への開口部を開放すると判定した場合に、開閉部材125を作動させるものである。開閉部材処理の詳細については後述する。
S1006では、大入賞装置開放制御処理を行う。この処理は、S1003において大当たりであると判定した場合、大入賞装置開閉ソレノイド308を制御して大入賞装置127を開放するものである。大入賞装置開放制御処理の詳細については後述する。
S1007では、賞球処理を実行する。この処理は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御するものである。
S1008では、送信処理を実行する。この処理は、S1007以前の処理ステップにおいてメインRAM301cにセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板320に送信するものである。
[スイッチ処理]
図11は、図10のS1002におけるスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1101では、第1始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号の入力の有無を監視して、S1001の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第1始動装置スイッチ処理については、さらに後述する。
続くS1102では、第2始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号の入力の有無を監視して、S1001の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第2始動装置スイッチ処理についてはさらに後述する。
次のS1103では、ゲートスイッチ処理を実行する。この処理は、ゲート検出スイッチ303からの検知信号の入力の有無を監視して、S1001の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲート検出スイッチ303からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。ゲートスイッチ処理についてはさらに後述する。
[第1始動装置スイッチ処理]
図12は、図11のS1101における第1始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1201では、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったか否かを判定する。この処理は、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号(第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったか否かを判定するものである。ここで第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったと判定した場合(S1201:YES)、S1202へ移行する。一方、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になっていないと判定した場合(S1201:NO)、以降の処理を実行せず、第1始動装置スイッチ処理を終了する。
S1202では、保留数U1が最大保留数Umax1未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めメインROM301bに記憶されている最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここで、U1<Umax1であると判断された場合(S1202:YES)、S1203へ移行する。一方、U1≧Umax1であると判断された場合(S1202:NO)、以降の処理を実行せず、第1始動装置スイッチ処理を終了する。
S1203では、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する。
S1204〜S1207では、各種乱数を取得する。この処理は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM301cに格納するものである。
S1208では、事前判定を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。これらの処理は、後述する特別図柄処理で行われるものと同様のものである。したがって、詳細な処理については、後述する。
ここでは最初に、S1204にて取得した大当たり用乱数に基づいて大当たりであるか否かを判定する。
大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S1205にて取得した大当たり図柄乱数に基づいて大当たり図柄(停止図柄データ)を決定する。図5(A)に示したように、大当たり図柄乱数が「0〜49」のときは第1大当たりとなり、大当たり図柄乱数が「50〜99」のときは第2大当たりとなる。停止図柄データはそれぞれ「01」、「02」となる。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、ハズレ図柄(停止図柄データ)が選択される。ハズレのときの停止図柄データは「00」である。
また、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S1207にて取得した変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。具体的には、図6(A)に示したように、大当たりの場合には、変動パターン1又は変動パターン2が選択される。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、S1206にて取得したリーチ乱数、S1207にて取得した変動パターン乱数、遊技状態、及び、保留数に基づいて、変動パターンを選択する。この場合は、図6(B)及び(C)に示したように、変動パターン3〜変動パターン6のいずれかが選択される。
上述したように、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択は、後述する特別図柄処理で行われる。したがって、変動パターンは、特別図柄処理を実行する時点での保留数に応じて、変更されることがあり得る。
S1209では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U1)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
なお、S1209でセットされた保留コマンドは、図10のS1008にて演出制御基板320へ送信される。
[第2始動装置スイッチ処理]
図13は、図11のS1102における第2始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。第2始動装置スイッチ処理は、上述した第1始動装置スイッチ処理と同様のものである。
最初のS1301では、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったか否かを判定する。この処理は、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号(第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったか否かを判定するものである。ここで第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったと判定した場合(S1301:YES)、S1302へ移行する。一方、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になっていないと判定した場合(S1301:NO)、以降の処理を実行せず、第2始動装置スイッチ処理を終了する。
S1302では、保留数U2が最大保留数Umax2未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている第2特別図柄保留数U2が、予めメインROM301bに記憶されている最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここで、U2<Umax2であると判断された場合(S1302:YES)、S1303へ移行する。一方、U2≧Umax2であると判断された場合(S1302:NO)、以降の処理を実行せず、第2始動装置スイッチ処理を終了する。
S1303では、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する。
S1304〜S1307では、各種乱数を取得する。この処理は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM301cに格納するものである。
S1308では、事前判定を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。これらの処理は、後述する特別図柄処理で行われるものと同様のものである。したがって、詳細な処理については、後述する。
ここでは最初に、S1304にて取得した大当たり用乱数に基づいて大当たりであるか否かを判定する。
大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S1305にて取得した大当たり用図柄乱数に基づいて大当たり図柄(停止図柄データ)を決定する。図5(A)に示したように、大当たり用図柄乱数が「0〜74」のときは第1大当たりとなり、大当たり図柄乱数が「75〜99」のときは第2大当たりとなる。停止図柄データはそれぞれ「03」、「04」となる。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、ハズレ図柄(停止図柄データ)が選択される。ハズレのときの停止図柄データは「00」である。
また、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S1307にて取得した変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。具体的には、図6(A)に示したように、大当たりの場合には、変動パターン1又は変動パターン2が選択される。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、S1306にて取得したリーチ乱数、S1307にて取得した変動パターン乱数、遊技状態、及び、保留数に基づいて、変動パターンを選択する。このときは、図6(B)又は(C)に示したように、変動パターン3〜変動パターン6のいずれかが選択される。
上述したように、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択は、後述する特別図柄処理で行われる。したがって、変動パターンは、特別図柄処理を実行する時点での保留数に応じて、変更されることがあり得る。
S1309では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U2)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
なお、S1309でセットされた保留コマンド及び先読みコマンドは、図10のS1008にて演出制御基板320へ送信される。
[ゲートスイッチ処理]
図14は、図11のS1103におけるゲートスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1401では、ゲート検出スイッチ303が「ON」となったか否かを判断する。この処理は、ゲート検出スイッチ303からの検知信号(ゲート検出スイッチ303が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲート検出スイッチ303が「ON」になったか否かを判断するものである。ここでゲート検出スイッチ303が「ON」になったと判断された場合(S1401:YES)、S1402へ移行する。一方、ゲート検出スイッチ303が「ON」になっていないと判断された場合(S1401:NO)、以降の処理を実行せず、ゲートスイッチ処理を終了する。
S1402では、保留数Tが最大保留数Tmax未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている普通図柄判定の保留数Tが、メインROM301bに予め記憶されている普通図柄判定の最大保留数Tmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここでT<Tmaxであると判断された場合(S1402:YES)、S1403へ移行する。一方、T≧Tmaxであると判断された場合(S1402:NO)、以降の処理を実行せずに、ゲートスイッチ処理を終了する。
S1403では、保留数Tを「1」加算した値に更新する。続くS1404では、普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、メインRAM301cに格納する。
[特別図柄処理]
図15を用いて、主制御基板300によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。図15は、図10のS1003の特別図柄処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1501では、大当たり遊技中であるか否かを判断する。大当たり遊技中である場合には、メインRAM301cに記憶される大当たり遊技フラグが「ON」にされる。この処理は、メインRAM301cに記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断するものである。ここで大当たり遊技中であると判断された場合(S1501:YES)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。一方、大当たり遊技中でないと判断された場合(S1501:NO)、S1502へ移行する。
S1502では、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで特別図柄の変動表示中でないと判断された場合(S1502:NO)、S1503へ移行する。一方、特別図柄の変動表示中であると判断された場合(S1502:YES)、S1511へ移行する。
S1503では、第1特別図柄判定の保留数U1又は第2特別図柄判定の保留数U2のうちいずれか一方が「0」よりも大きいか否かを判断する。ここでU1>0又はU2>0であると判断された場合(S1503:YES)、S1504へ移行する。一方、U1=U2=0であると判断された場合(S1503:NO)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。
S1504では、U1又はU2のうち最も過去の入球に基づくものを「1」減算した値に更新する。すなわち、入球順に保留が消化される。
S1505では、記憶領域のシフト処理を行う。この処理は、メインRAM301cの記憶領域に対するシフト処理を実行するものである。具体的には、S1504で減算した第1又は第2特別図柄判定の大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの(最も古いもの)を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。
S1506では、大当たり判定処理を実行する。この処理は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行するものである。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果がメインRAM301cにセットされる。そして、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類を示す大当たり図柄(停止図柄データ)が決定される。大当たり判定処理の詳細については後述する。
S1507では、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、メインROM301bに予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、S1506における大当たり判定の判定結果、メインRAM301cにセットされた停止図柄データ、現在の遊技状態、特別図柄判定の保留数U1又はU2、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このS1507の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。変動パターン選択処理の詳細については後述する。
S1508では、変動開始コマンドをセットする。この処理は、S1506の処理で設定した停止図柄データ、S1507の処理で設定した変動パターンを示す変動パターンデータ、遊技機1の遊技状態を示す遊技状態データ等を含む変動開始コマンドをメインRAM301cにセットするものである。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、S1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
これに対して、演出制御基板320は、主制御基板300から受信した変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置121にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置331からどのような音を出力するか、枠ランプ103をどのような発光パターンで発光させるか等を決定し、決定した内容の演出を画像制御基板330及びランプ制御基板340に実行させる。
S1509では、変動表示を開始する。この処理は、S1508の処理でセットした変動開始コマンドに含まれているデータに基づいて、特別図柄の変動表示を開始するものである。なお、この特別図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202を用いて行われる。
S1510では、変動時間の計測を開始する。この処理は、変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始するものである。
次のS1511では、変動時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S1510における変動時間の計測開始から、S1507の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判断するものである。ここで、変動時間が経過していないと判断された場合(S1511:NO)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判断された場合(S1511:YES)、S1512へ移行する。
S1512では、図柄確定コマンドをセットする。この処理は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM301cにセットするものである。図柄確定コマンドは、S1008における送信処理によって演出制御基板320に送信される。これにより、液晶表示装置121に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
S1513では、変動表示を終了する。この処理は、S1509の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了するものである。その際、S1506の処理で設定した停止図柄データ(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器201,202に停止表示させる。具体的には、第1特別図柄表示器201において特別図柄が変動表示されていた場合には第1特別図柄表示器201に大当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示器202において特別図柄が変動表示されていた場合には第2特別図柄表示器202に大当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させる。
S1514では、計測した変動時間をリセットする。この処理は、S1510の処理で計測を開始した変動時間をリセットするものである。
続くS1515では、停止中処理を実行する。この処理は、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む。停止中処理の詳細については後述する。
[大当たり判定処理]
図16は、図15のS1506における大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1601では、大当たり判定を行う。ここで、第1始動装置123への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、メインROM301bに予め記憶されている第1特別図柄の大当たり判定テーブル(図4(A)参照)を用いる。一方、第2始動装置124への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、メインROM301bに予め記憶されている第2特別図柄の大当たり判定テーブル(図4(B)参照)を用いる。なお、本実施形態では、第1特別図柄の大当たり判定テーブルも第2特別図柄の大当たり判定テーブルも共通のものとなっている。
第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり判定テーブルには、大当たり乱数が記述されている。そこで、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり判定テーブルに記述されている値と一致するか否かで大当たりを判定する。一致しない場合はハズレと判定する。このとき、遊技状態が非確変遊技状態である場合、大当たり乱数は「7」又は「8」のいずれかであり、遊技状態が確変遊技状態である場合、大当たり乱数は「7」〜「26」のいずれかである。
続くS1602では、大当たりであるか否かを判断する。この処理は、S1601の判定結果に基づき、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合(S1602:YES)、S1603へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S1602:NO)、すなわちハズレである場合には、S1605にてハズレ図柄(停止図柄データ「00」)をセットし、大当たり判定処理を終了する。
S1603では、大当たりの種類を決定する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている大当たりにおける図柄判定テーブル(図5(A)参照)を用い、大当たりの種類を決定するものである。ここでは、判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数に基づき、第1大当たりか第2大当たりかを決定する。第1特別図柄の場合には、図5(A)の上段に示した値を用い、第2特別図柄の場合には、図5(A)の下段に示した値を用いる。これにより、図5(B)に示した大当たりの内訳を実現することが可能となる。
S1604では、大当たり図柄をセットする。この処理は、S1603の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄(停止図柄データ)をメインRAM301cにセットするものである。これにより、上述したS1513の処理の際、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に停止図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。S1604の処理終了後、大当たり判定処理を終了する。
[変動パターン選択処理]
図17は、図15のS1507における変動パターン選択処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1701では、大当たりか否かを判断する。この処理は、図16のS1601における大当たり判定に基づくものである。ここで大当たりであると判断された場合(S1701:YES)、S1702へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S1701:NO)、すなわちハズレである場合には、S1703へ移行する。
S1702では、大当たりテーブルをセットする。大当たりテーブルは、図6(A)に示したものである。S1702の処理終了後、S1706へ移行する。
S1703では、時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに格納されている時短遊技フラグに基づくものである。時短遊技フラグは、時短遊技状態である場合に「ON」となり、非時短遊技状態である場合に「OFF」となっている。ここで時短遊技状態であると判断された場合(S1703:YES)、S1704へ移行する。一方、時短遊技状態でないと判断された場合(S1703:NO)、すなわち非時短遊技状態である場合には、S1705へ移行する。
S1704では、確変時短テーブルをセットする。確変時短テーブルは、図6(C)に示したものである。S1704の処理終了後、S1706へ移行する。
S1705では、通常時テーブルをセットする。通常時テーブルは、図6(B)に示したものである。S1705の処理終了後、S1706へ移行する。
S1706へは、S1702、S1704及びS1705から移行する。S1706では、変動パターンを選択する。具体的には、大当たりテーブルがセットされている場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが選択される。また、確変時短テーブル又は通常時テーブルがセットされている場合、保留球数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが選択される。
なお、選択した変動パターンに係る変動パターンデータは、メインRAM301cにセットされる。変動パターンデータは、大当たり判定処理によって設定された図柄(停止図柄データ)と共に、図15中のS1508の処理でセットされる変動開始コマンドに含まれ、S1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
[停止中処理]
図18は、図15中のS1515における停止中処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1801では、大当たりか否かを判断する。この処理は、図16のS1601の判定結果に基づいて、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合(S1801:YES)、S1802にて大当たり遊技フラグを「ON」に設定し、その後、S1803へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S1801:NO)、S1806へ移行する。
S1803では、時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断するものである。時短遊技フラグは、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグであり、非時短遊技状態から時短遊技状態に移行する際に「ON」に設定され、時短遊技状態から非時短遊技状態に戻される際に「OFF」に設定される。ここで時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S1803:YES)、S1804にて時短遊技フラグを「OFF」に設定し、その後、S1805へ移行する。一方、時短遊技フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(S1803:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、S1804の処理を実行せず、S1805へ移行する。
S1805では、メインRAM301cに、オープニングコマンドをセットする。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置127が開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、これらのオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、S1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
S1805から移行する、又は、S1801にて大当たりでないと判定された場合に移行するS1806では、確変遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。確変遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、確変遊技状態となっている場合に「ON」とされ、非確変遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。ここで確変遊技フラグが「ON」となっていると判断された場合(S1806:YES)、以降の処理を実行せず、停止中処理を終了する。一方、確変遊技フラグが「OFF」となっていると判定された場合(S1806:NO)、S1807へ移行する。
S1807では、時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。時短遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、時短遊技状態となっている場合に「ON」とされ、非時短遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。ここで時短遊技フラグが「ON」となっていると判断された場合(S1807:YES)、S1808へ移行する。一方、時短遊技フラグが「OFF」となっていると判定された場合(S1807:NO)、以降の処理を実行せず、停止中処理を終了する。
S1808では、時短変動回数Wから「1」を減じ、時短変動回数Wを更新する。時短変動回数Wは、メインRAM301cに記憶される。
S1809では、時短変動回数Wが「0」であるか否かを判定する。ここでW=0であると判定された場合(S1809:YES)、S1810にて時短遊技フラグを「OFF」とし、その後、停止中処理を終了する。一方、W≠0である場合(S1809:NO)、S1810の処理を実行せず、停止中処理を終了する。
[普通図柄処理]
図19は、図10のS1004における普通図柄処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1901では、補助遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定するものである。補助遊技フラグは、開閉部材125が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ON」に設定され、補助遊技中でないときは「OFF」に設定される。ここで補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S1901:YES)、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。この場合、S1005の開閉部材処理へ移ることになる。一方、補助遊技フラグが「ON」でないと判断された場合(S1901:NO)、すなわち補助遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、S1902へ移行する。
S1902では、普通図柄が変動中であるか否かを判断する。この処理は、普通図柄表示器205における変動表示が行われているか否かを判断するものである。ここで普通図柄が変動中でないと判断された場合(S1902:NO)、S1903へ移行する。一方、普通図柄が変動中であると判断された場合(S1902:YES)、S1914へ移行する。
普通図柄が変動中でない場合に移行するS1903では、普通図柄判定の保留数Tが「1」以上であるか否かを判定する。ここで保留数Tが「1」以上であると判定された場合(S1903:YES)、S1904へ移行する。一方、保留数Tが「1」以上でないと判定された場合(S1903:NO)、すなわち保留数Tが「0」である場合には、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
S1904では、保留数Tを「1」減算した値に更新する。そして、S1905にて、当たり乱数判定処理を行う。この処理は、図14のS1404にてメインRAM301cに記憶された普通図柄乱数の中で最も古い普通図柄乱数が、予めメインROM301bに記憶されている普通図柄判定に係る当選値のいずれかと一致するか否かを判定するものである。
S1906では、当たりであるか否かを判断する。この処理は、S1905の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断するものである。ここで当たりであると判断された場合(S1906:YES)、S1907にて当たり図柄をメインRAM301cにセットし、その後、S1909へ移行する。一方、当たりでないと判定された場合(S1906:NO)、すなわちハズレである場合には、S1908にてハズレ図柄をメインRAM301cにセットし、その後、S1909へ移行する。
S1909では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、遊技機1の現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか否かを判定するものである。ここで非時短遊技状態であると判定された場合(S1909:YES)、S1910にて普通図柄変動時間を12秒にセットし、その後、S1912へ移行する。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合(S1909:NO)、すなわち時短遊技状態である場合には、普通図柄変動時間を3秒にセットし、その後、S1912へ移行する。普通図柄変動時間は、普通図柄表示器205に普通図柄を変動表示させる時間である。ここでセットされた普通図柄変動時間は、メインRAM301cに一時的に記憶される。
S1912では、普通図柄表示器205による普通図柄の変動を開始する。そして、S1913では、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する。
一方、普通図柄が変動中である場合に移行するS1914では、普通図柄の変動を終了させるか否かを判断する。具体的には、S1913の処理によって計測を開始した経過時間が、S1910又はS1911でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判断する。ここで普通図柄の変動を終了させると判断された場合(S1914:YES)、S1915にて普通図柄表示器205における普通図柄の変動表示を終了させ当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させて、その後、S1916へ移行する。一方、普通図柄の変動を終了させないと判断された場合(S1914:NO)、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
S1916では、経過時間をリセットする。この処理は、S1913の処理で計測を開始した経過時間をリセットするものである。
S1917では、S1906と同様、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断する。ここで当たりであると判断された場合(S1917:YES)、S1918に補助遊技フラグを「ON」に設定し、その後、普通図柄処理を終了する。一方、当たりでないと判断された場合(S1917:NO)、S1918の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
[開閉部材処理]
図20は、図10のS1005における開閉部材処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2001では、補助遊技フラグが「ON」になっているか否かを判断する。ここで補助遊技フラグが「ON」になっていると判断された場合(S2001:YES)、S2002へ移行する。一方、補助遊技フラグが「ON」になっていないと判断された場合(S2001:NO)、すなわち補助遊技フラグが「OFF」になっている場合には、以降の処理を実行せず、開閉部材処理を終了する。
S2002では、開閉部材125が動作中であるか否かを判断する。ここで開閉部材125が動作中であると判断された場合(S2002:YES)、S2007へ移行する。一方、開閉部材125が動作中でないと判断された場合(S2002:NO)、S2003へ移行する。
S2003では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、図19のS1909と同様のものである。ここで非時短遊技状態であると判断された場合(S2003:YES)、S2004にて動作パターンをセットし、その後、S2006へ移行する。S2004では、開閉部材125の動作パターンとして、第2始動装置124を0.1秒間開放する動作を2回行う動作パターンをメインRAM301cにセットする。これにより、合計0.2秒間の開放が実現される。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合(S2003:NO)、すなわち時短遊技状態である場合には、S2005にて動作パターンをセットし、その後、S2006へ移行する。S2005では、開閉部材125の動作パターンとして、第2始動装置124を0.5秒間開放する動作を7回行う動作パターンをメインRAM301cにセットする。これにより、合計3.5秒間の開放が実現される。
S2006では、開閉部材125の動作を開始する。この処理は、S2004又はS2005でセットした動作パターンで、開閉部材125の動作を開始させるものである。
S2007では、動作が完了したか否かを判断する。ここで開閉部材125の動作が完了したと判断された場合(S2007:YES)、S2008にて補助遊技フラグを「OFF」に設定し、その後、開閉部材処理を終了する。これにより、補助遊技が終了する。一方、開閉部材125の動作が完了していないと判断された場合(S2007:NO)、S2008の処理を実行せず、開閉部材処理を終了する。
[大入賞装置開放制御処理]
図21は、図10のステップS1006における大入賞装置開放制御処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2101では、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する。ここで大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S2101:YES)、S2102へ移行する。一方、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(S2101:NO)、すなわち大当たり遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2102では、オープニング中であるか否かを判断する。例えばS1805の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技のオープニング中であるか否かを判断するという具合である。ここでオープニング中であると判断された場合(S2102:YES)、S2103へ移行する。一方、オープニング中でないと判断された場合(S2102:NO)、S2111へ移行する。
S2103では、オープニング時間が経過したか否かを判断する。ここでオープニング時間が経過したと判断された場合(S2103:YES)、S2104へ移行する。一方、オープニング時間が経過していないと判断された場合(S2103:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2104では、開放パターン設定処理を実行する。この処理は、大入賞装置127の開放パターンを設定するものである。ここでは、ラウンド遊技における大入賞装置127の開放時間をはじめ、ラウンド遊技と次のラウンド遊技とのインターバル時間や、最終ラウンド終了後のエンディング時間など、大当たり遊技に関する各種時間も設定される。開放パターン設定処理の詳細については後述する。
S2105では、大入賞装置127への遊技球の入賞数Yを「0」としてリセットする。続くS2106では、メインRAM301cに記憶される大当たり中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する。ラウンド数Rは、大当たり開始前は「0」に設定されており、S2106の処理が実行される毎に「1」加算される。
S2107では、大入賞装置の開放制御を開始する。続くS2108では、S2107の開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する。次のS2109では、ラウンド開始コマンドをセットする。この処理は、ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインRAM301cにセットするものである。S2109の処理終了後、S2116へ移行する。
オープニング中でないと判定された場合に移行するS2111では、エンディング中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインRAM301cに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判断するものである。ここでエンディング中であると判断された場合(S2111:YES)、S2124へ移行する。一方、エンディング中でないと判断された場合(S2111:NO)、S2112へ移行する。
S2112では、インターバル中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインRAM301cに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中(ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間)であるか否かを判断するものである。ここでインターバル中であると判断された場合(S2112:YES)、S2113へ移行する。一方、インターバル中でないと判断した場合(S2112:NO)、S2114へ移行する。
S2113では、インターバル時間が経過したか否かを判断する。この処理は、前回のラウンド終了時に大入賞装置127が閉塞してから、S2104の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判断するものである。ここでインターバル時間が経過したと判断された場合(S2113:YES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、S2106へ移行する。一方、インターバル時間が経過していないと判断された場合(S2113:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2114では、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったか否かを判断する。大入賞装置検出スイッチ306は、大入賞装置への遊技球の入球を検出するスイッチである。この処理は、ラウンド中に大入賞装置検出スイッチ306からの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったか否かを判断するものである。ここで大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったと判断された場合(S2114:YES)、大入賞装置127に1個の遊技球が入賞したと判断して、S2115にて所定入賞判定処理を実行し、その後、S2116へ移行する。なお、所定入賞判定処理の詳細については後述する。一方、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になっていないと判断された場合(S2114:NO)、S2115の処理を実行せず、S2116へ移行する。
S2116では、開放動作終了か否かを判断する。この処理は、大入賞装置127の当該ラウンド遊技における動作が終了したか否かを判断するものである。ここで、開放動作が終了したと判断された場合(S2116:YES)、S2117の処理を実行せず、S2118へ移行する。一方、開放動作が終了していないと判断された場合(S2116:NO)、S2117へ移行する。
S2117では、入賞数Yが入賞上限数Ymaxとなったか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Yが、予めメインROM301bに記憶されている大入賞装置127の閉塞タイミングを規定する入賞上限数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判断するものである。ここでY=Ymaxであると判断された場合(S2117:YES)、S2118へ移行する。一方、Y≠Ymaxであると判断された場合(S2117:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2118では、大入賞装置127の開放制御を終了する。これにより、大入賞装置127が閉塞される。
S2119では、ラウンド数Rがラウンド上限数Rmaxとなったか否かを判断する。ここでR=Rmaxであると判断された場合(S2119:YES)、S2121へ移行する。一方、R≠Rmaxであると判断された場合(S2119:NO)、S2120にてインターバル時間の計測を開始し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。S2120の処理は、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞装置127が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始するものである。このインターバル時間は、S2113の処理に使用される。
S2121では、エンディング時間の計測を開始する。そして、S2122では、ラウンド数Rを「0」としてリセットする。さらに、S2123では、エンディングコマンドをメインRAM301cにセットする。このエンディングコマンドは、大入賞装置127の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、ステップS1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
S2124では、エンディング時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S2121の処理によって計測を開始したエンディング時間が、S2104の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判断するものである。ここでエンディング時間が経過したと判断された場合(S2124:YES)、S2125へ移行する。一方、エンディング時間が経過していないと判断された場合(S2124:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2125では、遊技状態設定処理を実行する。遊技状態設定処理は、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定するものである。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
S2126では大当たり遊技フラグを「OFF」し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。大当たり遊技フラグを「OFF」にすることで、大当たり遊技が終了することになる。
[開放パターン設定処理]
図22は、図21のS2104における開放パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2201では、大当たり図柄に基づいて大当たりの種類を判定する。この処理は、大当たりとなったときに決定される大当たり図柄(停止図柄データ)に基づいて大当たりの種類を判定するものである。
S2202では、第1大当たりであるか否かを判断する。この処理は、S2201の判定結果に基づき、第1大当たりであるか否かを判断するものである。ここで第1大当たりであると判断された場合(S2202:YES)、S2203へ移行する。一方、第1大当たりでないと判断された場合(S2202:NO)、S2204へ移行する。
第1大当たりであると判断された場合に移行するS2203では、開放パターン1を選択する。一方、第1大当たりでないと判断された場合に移行するS2204では、開放パターン2を選択する。以下、本実施形態における開放パターンについて説明を加える。
[確変遊技状態への移行条件]
最初に本実施形態における確変遊技状態への移行条件について説明する。後述するように本実施形態では、大入賞装置127へ所定数(本実施形態では、7個)の遊技球が入球すると、上述した振分部材151がV開放姿勢へ変化させられる。これにより、当該遊技球がV領域である通路152を通過する。そして、V領域の遊技球の通過によって大当たり遊技後の確変遊技状態への移行が確定される。そのため、第1大当たりにおける大入賞装置127の開放パターンは所定数の遊技球が大入賞装置127へ入球可能なパターンとなっており、第2大当たりにおける大入賞装置127の開放パターンは所定数の遊技球が大入賞装置127へ入球不可能なパターンとなっている。
[開放パターン2]
第2大当たりである場合に選択される開放パターン2は、図23に示すごとくとなっている。具体的には、1R〜15Rの全てのラウンド遊技で、大入賞装置127が2回開放されるものである。大入賞装置127の1回の開放時間は、1.2秒となっている。そして、ラウンド遊技中における大入賞装置127の閉塞時間(A)と、ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間の時間であるインターバル時間(B)とが、同一になっている。これにより、1R〜15Rのラウンド遊技を通して連続する演出(例えばアイドルグループのライブ映像)を行うことなどにより、遊技者は何ラウンドであるかを意識せずに大当たり遊技を行う可能性が高くなる。
そして、大入賞装置127の1回の開放時間を1.2秒と設定することにより、1回の開放によっておよそ2個の遊技球が大入賞装置127へ入球する。したがって、1回のラウンド遊技において大入賞装置127へ入球する遊技球の個数は平均4個となっており、ばらつきはあるものの、所定数(7個)の遊技球が大入賞装置127へ入球することはない。これにより、大当たり遊技の終了時に、確変遊技状態で遊技が制御されることはない。
[開放パターン1]
一方、第1大当たりである場合に選択される開放パターン1は、図24に例示するごとくである。図24(B)に示すように10Rのラウンド遊技において、大入賞装置127が6回開放されるようになっている。なお、1R〜9R、11R〜13Rは、開放パターン2と同様に、大入賞装置127が2回開放される。上述したように、大入賞装置127の1回の開放時間を1.2秒と設定することにより、1回の開放によっておおよそ2個の遊技球が大入賞装置127へ入球する。したがって、1R〜9R、11R〜13Rのラウンド遊技では、大入賞装置127へ入球する遊技球の個数は平均4個となっており、ばらつきはあるものの、所定数(7個)の遊技球が大入賞装置127へ入球することはない。しかしながら、10Rのラウンド遊技においては、規定数の9個まで遊技球が大入賞装置127へ入球する可能性が高い。これにより、7個目の遊技球が検出されることで振分部材151がV開放姿勢へと変化させられ、V領域を遊技球が通過する。その結果、大当たり遊技の終了時に、確変遊技状態で遊技が制御される。
なお、大入賞装置127の1.2秒の開放回数を開放パターン1と開放パターン2とで揃えて、獲得される遊技球数を同様にすることが考えられる。開放パターン2では、大入賞装置127の2回の開放が1R〜15Rの各ラウンド遊技で行われるため、2×15で大入賞装置127は30回開放される。これに対し、開放パターン1では、10Rのラウンド遊技において大入賞装置127が6回開放されるため、残りのラウンド遊技で大入賞装置127を24回開放するために、13Rまで1.2秒で2回の開放とする。そして、図24(C)に示すように、14R及び15Rのラウンド遊技は、例えば0.2秒のショート開放にしておく。すなわち、開放パターン1は、実質13Rということになる。
[所定入賞判定処理]
図25は、図21のS2115における所定入賞判定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2501では、入球数Yに「1」を加算して入球数Yを更新する。この処理は、大入賞装置検出スイッチ306からの信号に基づき、大入賞装置127への遊技球の入球数Yに「1」を加算するものである。
S2502では、入球数Yが所定数(7個)となったか否かを判断する。ここで入球数Yが所定数になったと判断された場合(S2502:YES)、S2503へ移行する。一方、Yが所定数になっていないと判断された場合(S2502:NO)、S2503の処理を実行せず、S2504へ移行する。
S2503では、V領域を開放する。この処理は、V領域ソレノイド372へ通電することで、振分部材151をV閉塞姿勢からV開放姿勢へ変化させるものである。これにより、遊技球通路150へ案内された遊技球は、V領域となっている通路152へ案内されることになる。
S2504では、V領域を遊技球が通過したか否かを判断する。この処理は、V通過検出スイッチ371からの信号に基づき、遊技球がV領域となっている通路152を通過したか否かを判断するものである。ここでV領域を遊技球が通過したと判断された場合(S2504:YES)、S2505へ移行する。一方、V領域を遊技球が通過していないと判断された場合(S2504:NO)、S2505及びS2506の処理を実行せず、S2507へ移行する。
S2505では、V通過フラグを「ON」にする。V通過フラグは、メインRAM301cに格納されている。
S2506では、V領域を閉塞する。この処理は、V領域ソレノイド372へ通電を停止することで、振分部材151をV開放姿勢からV閉塞姿勢へ変化させるものである。これにより、遊技球通路150へ案内された遊技球は、通常領域となっている通路153へ案内されることになる。
S2507では、入賞コマンドをセットする。入賞コマンドには、V通過フラグの情報が含まれる。ここでセットされた入賞コマンドは、図10のS1008の送信処理にて演出制御基板320へ送信される。これにより、演出制御基板320のCPU320aは、大入賞装置127への入球及び遊技球のV領域の通過を判定することが可能となる。
[遊技状態設定処理]
図26は、図21のS2125における遊技状態設定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2601では、V通過フラグが「ON」であるか否かを判断する。V通過フラグは、メインRAM301cに格納されており、遊技球がV領域を通過したときに「ON」とされる。ここでV通過フラグが「ON」であると判断された場合(S2601:YES)、S2602へ移行する。一方、V通過フラグが「ON」でないと判断された場合(S2601:NO)、すなわちV通過フラグが「OFF」である場合には、S2604へ移行する。
S2602では、確変遊技フラグを「ON」にする。確変遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、確変遊技状態となっている場合に「ON」とされ、非確変遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。
S2603では、時短遊技フラグを「ON」にする。時短遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、時短遊技状態となっている場合に「ON」とされ、非時短遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。S2604の処理終了後、遊技状態設定処理を終了する。
S2604では、確変遊技フラグを「OFF」にする。
S2605では、時短遊技フラグを「ON」とし、S2607で、時短変動回数Wに「100」をセットする。これにより、低確率状態における遊技球の減少を抑えた遊技(いわゆる時短遊技)が100回付与される。S2607の処理終了後、遊技状態設定処理を終了する。
[演出制御基板320のタイマ割込処理]
図27を用いて、演出制御基板320のタイマ割込み処理の内容について説明する。図27は、演出制御基板320のサブCPU320aによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、演出制御基板320に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、演出制御基板320の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期(例えば2ms)毎に繰り返し実行される。また、図27のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板320で行われる処理は、サブROM320bに記憶されているプログラムに基づいて実行される。さらにまた、本発明に関係しない処理について適宜省略して示す。
電源投入を契機にして、サブCPU320aは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、サブRAM320c)等の各ユニットの初期化等を行う。初期化が行われた後、サブROM320bに記憶されたプログラムがサブRAM320cに読み込まれ、サブCPU320aによって当該プログラムが実行される。
最初のS2701では、演出用乱数を更新する。この処理は、演出に用いる各種乱数を更新するものである。具体的には、各種乱数に「1」を加算して更新し、所定の値まで到達すると「0」にリセットする。なお、本実施形態では、「過程予告乱数」が含まれる。
「過程予告乱数」は、過程予告を行うか否かを決定するための乱数であり、「0〜99」の整数値をとるものとすることが例示される。
S2702では、コマンド処理を実行する。この処理は、各種コマンドに基づく演出を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板300から送信される変動開始コマンド、図柄確定コマンド、オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、及び、エンディングコマンドである。コマンド処理に詳細については、後述する。
S2703では、ラウンド入賞処理を実行する。この処理は、入賞コマンドに基づく演出表示を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板300から送信される入賞コマンドである。ラウンド入賞処理の詳細については後述する。
S2704では、保留関連処理を実行する。この処理は、保留コマンド等に基づく演出表示を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板300から送信される保留コマンド、及び、復旧コマンドである。保留関連処理の詳細については後述する。
S2705では、送信処理を行う。この処理は、S2704までの処理でセットされたコマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信するものである。
[コマンド処理]
図28は、図27のS2702で実行されるコマンド処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2801では、コマンドを受信したか否かを判断する。主制御基板300から送信されたコマンドは、演出制御基板320のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合(S2801:YES)、S2802へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合(S2801:NO)、以降の処理を実行せず、コマンド処理を終了する。
S2802では、変動開始コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2801で受信したと判断されたコマンドが変動開始コマンドであるか否かを判断するものである。変動開始コマンドは、図15のS1508でセットされる。ここで変動開始コマンドであると判断された場合(S2802:YES)、S2803にて変動処理を実行し、その後、コマンド処理を終了する。S2803の変動処理については後述する。一方、変動開始コマンドでないと判断された場合(S2802:NO)、S2804へ移行する。
S2804では、図柄確定コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2801で受信したと判断されたコマンドが図柄確定コマンドであるか否かを判断するものである。図柄確定コマンドは、図15のS1512でセットされる。ここで図柄確定コマンドであると判断された場合(S2804:YES)、S2805へ移行する。一方、図柄確定コマンドでないと判断された場合(S2804:NO)、S2806へ移行する。
S2805では、図柄確定処理を実行する。図柄確定コマンドは、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知するコマンドである。したがって、図柄確定処理では、液晶表示装置121に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等を行う。S2805の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S2806では、オープニングコマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2801で受信したと判断されたコマンドがオープニングコマンドであるか否かを判断するものである。ここでオープニングコマンドであると判断された場合(S2806:YES)、S2807へ移行する。一方、オープニングコマンドでないと判断された場合(S2806:NO)、S2808へ移行する。
S2807では、オープニング処理を実行する。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置127が開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、このオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、図18のS1805でセットされる。オープニング処理は、サブROM320bに予め記憶されている実写映像(例えばアイドルグループの映像)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該実写映像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音声データ(例えば「おめでとう」)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの音声出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S2807の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S2808では、ラウンド開始コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2801で受信したと判断されたコマンドがラウンド開始コマンドであるか否かを判断するものである。ここでラウンド開始コマンドであると判断された場合(S2808:YES)、S2809へ移行する。一方、ラウンド開始コマンドでないと判断された場合(S2808:NO)、S2810へ移行する。
S2809では、ラウンド処理を実行する。ラウンド開始コマンドは、ラウンド遊技が開始されたことを通知するコマンドであり、図21のS2109でセットされる。したがって、ラウンド処理は、サブROM320bに予め記憶されている実写ライブ映像(例えばアイドルグループのライブ映像)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該実写ライブ映像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音楽データ(例えば、ライブ映像に対応する楽曲データ)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの楽曲の出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S2809の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S2810では、エンディングコマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2801で受信したと判断されたコマンドがエンディングコマンドであるか否かを判断するものである。ここでエンディングコマンドであると判断された場合(S2810:YES)、S2811へ移行する。一方、エンディングコマンドでないと判断された場合(S2810:NO)、S2811の処理を実行せず、コマンド処理を終了する。
S2811では、エンディング処理を行う。エンディングコマンドは、大入賞装置127の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、図21のS2123でセットされる。したがって、エンディング処理は、サブROM320bに予め記憶されているメッセージ画像(例えばRUSHタイム突入やチャンスタイム突入)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該メッセージ画像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音声データ(例えば「RUSHタイム突入」や「チャンスタイム突入」)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの音声出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S2811の処理終了後、コマンド処理を終了する。
[変動処理]
図29は、図28のS2803で実行される変動処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2901では、保留領域をシフトする。保留領域は、保留表示のための情報を記憶する領域であり、サブRAM320cの記憶領域の一部に用意されている。保留領域は、第1特別図柄に係る保留領域として最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)、第2特別図柄に係る保留領域として最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)の合計8つの領域からなる。本実施形態では、第1特別図柄に係る保留と第2特別図柄に係る保留とが通常時は交互に保留されるため、保留領域は第1〜第8保留領域としてサブRAM320cに用意されている。また、現在の変動も保留表示と同様に表示されるようになっており、現在の変動表示のための情報を記憶する領域として、現変動領域がサブRAM320cに用意されている。
S2902では、演出決定処理を実行する。図28のS2801で受信される変動開始コマンドには、上述したように「停止図柄データ」、「変動パターンデータ」、及び、「遊技状態データ」が含まれる。これにより、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置121にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置331からどのような音を出力するか、枠ランプ103をどのような発光パターンで発光させるか等を決定することになる。さらに本実施形態では、過程予告演出を実行可能となっている。そこで、過程予告演出に係る演出決定処理の詳細について後述する。
S2903では、変動を実行する。具体的には、変動指定コマンドをサブRAM320cにセットする。この変動指定コマンドは、図27のS2705にて、S2902で決定した内容とともに、画像制御基板330及びランプ制御基板340に送信される。これによって、決定した内容の演出が実現される。
このように演出制御基板320から画像制御基板330及びランプ制御基板340への指定コマンドによって演出等が実行されるのであるが、以下では、説明を煩雑にしないように指定コマンドの送信については特に説明しない。
[演出決定処理]
図30は、図29のS2902で実行される演出決定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3001では、記憶領域のデータを取得する。ここでいう記憶領域は、上述の第1〜第8保留領域及び、直後に実行される次変動に係るデータが記憶された現変動領域である。現変動領域のデータは、変動開始コマンドにも含まれる。なお、変動開始コマンドに含まれるデータが現変動領域のデータと異なる場合は、変動開始コマンドに含まれるデータが優先的に使用される。
S3002では、大当たりか否かを判断する。大当たりであるか否かは、停止図柄データに基づいて判断する。ここでは、次変動を含め第1〜第8保留領域に大当たりが含まれるか否かを判断する。ここで大当たりであると判断された場合(S3002:YES)、S3004へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S3002:NO)、S3003へ移行する。
S3003では、リーチハズレであるか否かを判断する。リーチハズレであるか否かは、停止図柄データ及び変動パターンデータに基づいて判断する。ここでは、次変動を含め第1〜第8保留領域にリーチハズレが含まれるか否かを判断する。ここでリーチハズレであると判断された場合(S3003:YES)、S3008へ移行する。一方、リーチハズレでないと判断された場合(S3003:NO)、以降の処理を実行せず、演出決定処理を終了する。
なお、S3002及びS3003で肯定判断された場合、どの保留がそれに該当するのかを記憶しておく。2以上の保留に大当たりやリーチハズレがある場合、いずれか一つの保留について記憶してもよいし、全ての保留について記憶してもよい。
S3004へは、大当たりが含まれる場合に移行する。S3004では、当過程フラグが「ON」であるか否かを判断する。当過程フラグは、記憶領域の保留に「大当たり」が含まれる場合に「ON」とされる。ここで当過程フラグが「ON」である場合(S3004:YES)、S3008へ移行する。一方、当過程フラグが「ON」でない場合(S3004:NO)、すなわち当過程フラグが「OFF」である場合には、S3005へ移行する。
S3005では、当過程フラグを「ON」にする。
S3006では、過程表示回数HMが0よりも大きいか否かを判断する。過程表示回数HMは、過程予告を行うと判断された場合に設定されるものである。ここでHM>0である場合(S3006:YES)、S3007へ移行する。一方、HM≦0である場合(S3006:NO)、S3008へ移行する。
S3007では、過程表示回数HMに現在の保留数を設定する。この処理は、過程表示回数HMが0よりも大きい場合に、すなわち既に過程予告が実行されているときに、大当たりを引いたことに基づいて、過程予告を延長するためのものである。例えば大当たりを含まないガセの過程予告の実行が開始された後、過程表示回数HMが例えば「5」→「4」→「3」と減っていくのであるが、この間に保留が増加していくことで「大当たり」を引いたときに、現在の保留数を過程表示回数HMに設定するのである。S3007の処理終了後、S3008へ移行する。
S3008では、過程表示回数HMが0よりも大きいか否かを判断する。この処理は、S3005と同様のものである。ここでHM>0である場合(S3008:YES)、S3012へ移行する。一方、HM≦0である場合(S3008:NO)、S3009へ移行する。
S3009では、乱数を取得する。この処理は、過程予告乱数などの乱数を取得するものである。
S3010では、過程予告判定処理を実行する。過程予告判定処理は、過程予告乱数及び保留数に基づいて、過程予告を実行するか否かを判定するものである。過程予告判定処理の詳細については後述する。
S3011では、過程予告を実行するか否かを判断する。この判断は、S3010の過程予告判定処理の結果に基づくものである。ここで過程予告を実行すると判断された場合(S3011:YES)、S3012へ移行する。一方、過程予告を実行しないと判断された場合(S3011:NO)、以降の処理を実行せず、演出決定処理を終了する。
S3012では、過程表示回数HMから「1」を減じて過程表示回数HMを更新する。
S3013では、過程予告を実行する。これにより、液晶表示装置121に過程の表示が行われる。本実施形態では、停止表示された装飾図柄の組み合わせ(停止目)が、過程として、液晶表示装置121の所定領域に表示される。
[過程予告判定処理]
図31は、図30のS3010で実行される過程予告判定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3101では、保留数を取得する。過程予告を行うか否かの判定は、保留数及び過程予告乱数に基づいて行われる。したがって、ここで保留数を取得しておく。
S3102では、過程予告を行うか否かを判断する。この判断は、S3101で取得した保留数及び過程予告乱数に基づくものである。例えば、保留数が「5」以上のときに、過程予告乱数が「0〜5」のいずれか値を取るときに肯定判断するという具合である。ここで過程予告を行うと判断された場合(S3102:YES)、S3103へ移行する。一方、過程予告を行わないと判断された場合(S3102:NO)、S3103の処理を実行せず、過程予告判定処理を終了する。
S3103では、過程表示回数HMをセットする。この過程表示回数HMは、大当たりとなっている保留やリーチハズレとなっている保留までの保留消化数に基づいて設定する。
[過程予告の具体例]
ここでは最初に保留表示について説明を加え、その後、過程予告の具体例について説明する。
図32は、装飾図柄の変動表示と保留の消化とを示す説明図である。
図32(A)に示すように、液晶表示装置121では、装飾図柄の変動が行われる。このとき液晶表示装置121の下部に、保留表示が行われる。保留表示は、記号Aで示す保留表示領域にて行われる。ここでは、最大の保留数である8個の保留表示が行われている。また、現変動に対しても保留表示と同様の表示が行われる。現変動表示は、記号Bで示す現変動表示領域にて行われる。次変動では、これらの保留表示がシフトされて図32(B)に示すように、右方向へ移動する。
図33(A)において、5個目の保留を先読みした結果、大当たりであったものとする。具体的には、演出決定処理にて、記憶領域のデータを取得し(図30中のS3001)、大当たりか否かを判断する(S3002)。大当たりであると判断されると(S3002:YES)、当過程フラグが「ON」であるか否かが判断される。この段階では当過程フラグが「OFF」となっているため、当過程フラグを「ON」にする(S3005)。次に、過程表示回数HMは、設定されておらず「0」であるため(S3006:NO,S3008:NO)、各種乱数が取得される(S3009)。ここで過程予告判定処理を実行し(S3010)、保留数と過程予告乱数とに基づいて過程予告の実行が決定されたものとする(S3101,S3102)。このときは、過程表示回数HMがセットされる(S3103)。ここでは、過程表示回数HMに「5」がセットされたものとして説明を続ける。
続いて過程予告を実行すると判断され(S3011:YES)、過程表示回数HMから「1」を減じて過程表示回数HMが更新され(S3012)、過程予告が実行される(S3013)。過程予告は、現変動の停止時に、装飾図柄の組み合わせ(停止目)を過程として表示するものである。
具体的には、図33(A)では停止目が「2,6,10」となっているため、液晶表示装置121の上部に、この停止目が表示される。図33(B)に記号Cで示すように、停止目「2,6,10」が液晶表示装置121の上部に表示されて次変動が行われる。
次変動の演出決定処理では、大当たりが含まれているため当過程フラグが「ON」であるか否かが判断される(S3002:YES,S3004)。前回の変動において、当過程フラグは「ON」となっているため(S3004:YES)、次に過程表示回数HMが「0」よりも大きいか否かが判断される(S3008)。このとき過程表示回数HMは「4」であるため、過程表示回数HMから「1」を減算し(S3012)、過程予告を実行する(S3013)。
図33(B)の変動の停止目が「4,12,8」であるとすると、液晶表示装置121の上部に、この停止目が表示される。図33(C)に記号Dで示すように、停止目「4,12,8」が液晶表示装置121の上部に表示されて次変動が行われる。
同様に、過程表示回数HMから「1」を減算しつつ(S3012)、過程予告が実行される(S3013)。
図33(C)の変動の停止目が「1,11,5」であるとすると、液晶表示装置121の上部に、この停止目が表示される。図34(A)に記号Eで示すように、停止目「1,11,5」が液晶表示装置121の上部に表示されて次変動が行われる。
このような過程予告は、過程表示回数HMが「0」になるまで繰り返される。したがって、図34(A)の変動の停止目が「K,A,B」であるとすると、液晶表示装置121の上部に、この停止目が表示される。図34(B)に記号Fで示すように、停止目「K,A,B」が液晶表示装置121の上部に表示されて次変動が行われる。図34(B)の変動の停止目が「48,3,7」であるとすると、液晶表示装置121の上部に、この停止目が表示される。図34(C)に記号Gで示すように、停止目「48,3,7」が液晶表示装置121の上部に表示されて次変動が行われる。そして、次変動で「大当たり」になる。
なお、ここでは、停止目の過程としたが、次変動への期待を表すような例えば同一色の停止目であるチャンス目の場合、当該チャンス目の色情報を過程として表示してもよい。例えば、図33(A)に示した停止目「2,6,10」が「青」、図33(B)に示した停止目「4,12,8」が「青」、図33(C)に示した停止目「1,11,5」が「緑」、図34(A)に示した停止目「K,A,B」が「ピンク」、図34(B)に示した停止目「48,3,7」が「赤」となっている場合には、停止目の過程表示の代わりに、液晶表示装置121の上部に、「青」→「青」→「緑」→「ピンク」→「赤」という色情報を表示してもよい。
また、図33及び図34に示した例では途中で保留が増加することはなかったが、過程予告の実行中に保留が増加することがある。
最初にリーチハズレによって過程予告が実行された場合(S3003:YES,S3009〜S3013)、増加した保留の中に大当たりが含まれるときは(S3002:YES)、既に過程予告が実行されているため(S3006:YES)、過程表示回数HMに保留数が設定される(S3007)。これにより、増加した保留の中に大当たりが含まれる場合は、当該保留による大当たりまで過程予告が延長される。
[ラウンド入賞処理]
図35は、図27のS2703で実行されるラウンド入賞処理の詳細を示すフローチャートである。
本実施形態では、大入賞装置127への入球に基づき、宝玉を貯める宝玉演出を行う。そのため、以下のラウンド入賞処理を実行する。
最初のS3501では、コマンドを受信したか否かを判断する。主制御基板300から送信されたコマンドは、演出制御基板320のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合(S3501:YES)、S3502へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合(S3501:NO)、以降の処理を実行せず、ラウンド入賞処理を終了する。
S3502では、入賞コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3501で受信したと判断されたコマンドが入賞コマンドであるか否かを判断するものである。入賞コマンドは、図25のS2507でセットされる。ここで入賞コマンドであると判断された場合(S3502:YES)、S3503へ移行する。一方、入賞コマンドでないと判断された場合(S3502:NO)、以降の処理を実行せずに、ラウンド入賞処理を終了する。
S3503では、入賞コマンドを解析する。この処理は、入賞コマンドにV通過フラグの情報が含まれているか否かの解析を行うものである。
S3504では、V通過ありか否かを判断する。この処理は、S3503の解析結果に基づくものである。ここでV通過ありと判断された場合(S3504:YES)、S3505へ移行する。一方、V通過なしと判断された場合(S3504:NO)、S3505の処理を実行せず、S3506へ移行する。
S3505では、ミッション成功演出を実行する。遊技球がV領域を通過したことにより、宝玉演出における全ての宝玉が貯まり、ミッション成功の演出が実行される。
S3506では、達成数Zを取得する。達成数Zとは、現在の宝玉の数を表す数値であり、サブRAM320cに記憶されている。
S3507では、入球数Yが達成数Zを上回っているか否かを判断する。この処理は、大入賞装置127への入球数Yが現在貯まっている宝玉の数である達成数Zを上回っているか否かを判断するものである。ここでY>Zであると判断された場合(S3507:YES)、S3508へ移行する。一方、Y≦Zであると判断された場合(S3507:NO)、以降の処理を実行せず、ラウンド入賞処理を終了する。
S3508では、達成率表示演出を実行する。達成率表示演出は、いくつの宝玉が貯まっているかを液晶表示装置121に表示するものである。
S3509では、達成数Zをインクリメントする。この処理は、達成数Zが入球数Yを上回ったことにより、達成数Zを入球数Yとなるようにインクリメントするものである。
S3510では、達成数Zを格納する。達成数Zは、現在の宝玉の数を表す数値であり、サブRAM320cに記憶される。
[宝玉演出の具体例]
宝玉演出では、例えば、大当たり遊技において、液晶表示装置121に、図36(A)に示すような円形の画像を表示するという具合である。図36(A)に示すように、円形の画像の内側に、記号J1,J2,J3,J4,J5,J6,J7で示す7つの領域が設けられている。これらの領域は宝玉が貯まった様子を示すためのものであり、7つの宝玉が貯まることで確変遊技状態への移行が確定される。
上述したように本実施形態では、基本的には、ラウンド遊技において、大入賞装置127の1.2秒の開放が2回行われる。例えば図23(A)に示すごとくである。
そして、1.2秒の大入賞装置127の開放によって2個の遊技球が入球するものとすれば、1回のラウンド遊技では、平均して4個の宝玉が貯まることになる。
達成数Zは当初は「0」であるため、大入賞装置127への入球があると、達成率表示演出が実行される(S3506,S3507:YES,S3508)。大入賞装置127の1回の開放で2個の遊技球が入球したとすれば、ラウンド入賞処理が2回実行されることにより、2つの宝玉が貯まった様子が表示される。図36(B)に示すごとくである。この場合、記号J1,J2で示す領域に宝玉がはめ込まれた様子が表示されている。宝玉は、時計回りに領域J1→J2→J3→・・・→J7と貯まっていくものとする。
さらに、当該ラウンド遊技における2回目の大入賞装置127の開放にてさらに2個の遊技球が入球した場合、ラウンド入賞処理が2回実行されることにより、4つの宝玉が貯まった様子が表示される。図36(C)に示すごとくである。この場合、4つの宝玉が記号J1〜J4で示す領域にはめ込まれた様子が表示されている。
このとき、次のラウンド遊技が開始されると、既に達成数Zが「4」となっているため、入球数Yが達成数Zを越えなければ(S3507:NO)、達成率表示演出は実行されない。このため、例えば図36(C)の表示が続くことになる。
確変大当たりである場合には、図23(B)に示すように、所定のラウンド遊技において大入賞装置127が6回開放されるため、1回の大入賞装置127の開放で2個の遊技球が入球すれば、規定数の9個まで遊技球が入球する。これにより、例えば3回の大入賞装置127の開放によって6個の遊技球が入球すれば、図37(A)に示すように、記号J1〜J6で示した領域に宝玉がはめ込まれた様子が表示される。
そして、当該ラウンド遊技において7個目の遊技球が入球すると、図37(B)に示すように、円形の画像の真ん中に、周囲の宝玉よりも大きめの宝玉がはめ込まれた様子が表示される。
このときは、V通過ありと判断されて(S3504:YES)、ミッション成功演出が実行される(S3505)。例えば、図37(C)に示すように、画面上に大きな「V」の文字を表示して「キュイン、キュイン、キュイン」という音をスピーカ104から出力するという具合である。
[保留関連処理]
図38は、図27のS2704で実行される保留関連処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3801では、コマンドを受信したか否かを判断する。この処理は、図28のS2801と同様のものである。主制御基板300から送信されたコマンドは、演出制御基板320のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合(S3801:YES)、S3802へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合(S3801:NO)、以降の処理を実行せず、保留関連処理を終了する。
S3802では、保留コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3801で受信したと判断されたコマンドが保留コマンドであるか否かを判断するものである。保留コマンドは、図12のS1209又は図13のS1309でセットされる。ここで保留コマンドであると判断された場合(S3802:YES)、S3803にて保留処理を実行し、その後、保留関連処理を終了する。保留処理の詳細については後述する。一方、保留コマンドでないと判断された場合(S3802:NO)、S3804へ移行する。
S3804では、復旧コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3801で受信したと判断されたコマンドが復旧コマンドであるか否かを判断するものである。復旧コマンドは、図8のS803で送信される。ここで復旧コマンドであると判断された場合(S3804:YES)、S3805へ移行する。一方、復旧コマンドでないと判断された場合(S3804:NO)、S3805の処理を実行せず、保留関連処理を終了する。
S3805では、保留復旧処理を実行する。復旧コマンドは、上述したように、電源の遮断が起きたときに送信される。この復旧コマンドには保留情報が含まれているため、ここでは、保留情報に基づいて、保留表示などを電源遮断前の状態に戻す。S3805の処理実行後、保留関連処理を終了する。
[保留処理]
図39は、図38のS3803で実行される保留処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3901では、保留コマンドを解析する。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U1、U2)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
S3902では、保留画像を選択する。本実施形態では、第1特別図柄に係る保留も第2特別図柄に係る保留も保留画像を共通にしているが、異なるものとしてもよい。このときは、「始動装置データ」に基づいて保留画像を選択するようにすればよい。
S3903では、保留領域にデータを格納する。この処理は、「始動装置データ」に基づいて第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを特定し、また、「保留数データ」に基づいて何番目の保留であるかを特定し、第1〜第8保留領域のいずれかにデータを格納するものである。格納されるデータは、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」及び変動パターンを示す「変動パターンデータ」である。
S3904では、保留表示を実行する。具体的には保留表示指定コマンドが、図25のS2305の送信処理によって、画像制御基板330へ送信される。これによって、新たな保留に関する保留表示が実現される。S3904の処理実行後、保留処理を終了する。
[Vラウンドと非Vラウンド]
本実施形態では、規定数(例えば9個)の遊技球のうちの所定数(7個)の遊技球がラウンド遊技において入球した際、確変遊技状態への移行を確定するようにしていた。そのため、第2大当たりであるときは、大入賞装置127が2回開放されるラウンド遊技のみで構成される大当たり遊技とする。一方、第1大当たりであるときは、大当たり遊技に、大入賞装置127が6回開放されるラウンド遊技を含むようになっている。
つまり、図40(A)に示すように、1.2秒の大入賞装置127の開放を2回行うことにより、所定数(7個)の遊技球が入球困難となるラウンド遊技を作出している。このようなラウンド遊技は、「所定数入球不可能ラウンド」と言える。以下、これを「非Vラウンド(非VR)」という。
一方、図40(B)に示すように、1.2秒の大入賞装置127の開放を6回行うことにより、所定数7個の遊技球が入球容易となるラウンド遊技を作出している。このようなラウンド遊技は「所定数入球可能ラウンド」と言える。以下、これを「Vラウンド(VR)」という。
「非Vラウンド(非VR)」では、所定数の遊技球が入球しないようにすればよいため、大入賞装置127の開放回数は、1回の開放で2個の遊技球が入球するのであれば、1〜3回とすることが考えられる。ただし、入球数のばらつきが考えられるため、所定数を「7」とする場合は、1又は2回の開放とすることが好ましい。
もちろん、1回の開放でおよそ2個の遊技球が入球するというのは理論値であるため、大入賞装置127が1又は2回の開放であったとしても、所定数7個の遊技球が入球する可能性もある。
「Vラウンド(VR)」では、所定数の遊技球が入球するようにすればよいため、大入賞装置127の開放回数は、1回の開放で2個の遊技球が入球するのであれば、4以上の開放回数とすることが考えられる。ただし、入球数のばらつきが考えられるため、所定数を「7」とする場合は、5回以上の開放とすることが好ましい。
もちろん、大入賞装置127が5回以上開放されたとしても、遊技球を発射していなかったり、遊技球が入球しなかったりということで所定数7個の遊技球が入球しない可能性もある。
なお、大入賞装置127の開放時間(本実施形態では1.2秒)や確変遊技状態への移行が確定する遊技球の所定数(本実施形態では「7」個)も、適宜設計上定められるものであり、限定されるものではない。
したがって、第1大当たりのときの開放パターンを、例えば1R〜15Rまで規定数9個までの入賞が可能なように29.5秒のロング開放としてもよい。このようにすれば、遊技球の発射することでほぼ確実に確変遊技状態への移行を実現することができる。
また、本実施形態では、ラウンド遊技中の大入賞装置127の閉塞時間(図40(A)及び(B)の記号Aで示す時間)と、ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間のインターバル時間(記号Bで示す時間)とを同一にしているが、これも適宜設計上定められるものであり、限定されるものはない。
[チャンスラウンド(チャンスR)]
上述したように遊技球の入球数にばらつきが存在するため、例えば、大入賞装置127を4回開放するようなラウンド遊技を含む開放パターンを利用することも考えられる。この場合、1回の大入賞装置127の開放で2個の遊技球が入球するものとすると、8個の遊技球が入球することになる。ただし、ラウンド遊技の途中で遊技球が入球しにくい状況が生じると、所定数7個に満たない可能性もある。このように、所定数7個の遊技球が入球するか否かが微妙なチャンスラウンドを含む開放パターンも考えられる。このような開放パターンは、第1大当たりの開放パターンとしてもよいし、第2大当たりの開放パターンとしてもよい。
[開放パターンの選択の別例]
本実施形態では、図41(A)に示すように、非確変大当たりのときには、非VRのラウンド遊技のみで構成される開放パターンを選択し、図41(B)に示すように、確変大当たりのときには、非VRのラウンド遊技の中の一つのラウンドをVRのラウンド遊技として構成した開放パターンを選択していた。もちろん、2以上のラウンドをVRのラウンド遊技として構成するようにしてもよい。
また、図41(C)に示すように、全てのラウンドをVRのラウンド遊技で構成するようにしてもよい。この場合には、確変遊技状態への移行が最初のラウンド遊技で確定する可能性が高くなり、遊技者に安心感を与えることができる。
さらにまた、図41(D)に示すように、最終ラウンドをVRのラウンド遊技で構成するようにしてもよい。この場合には、大当たり遊技の最後まで確変遊技状態へ移行するか否かが分からないため、遊技者に期待感(ドキドキ感)を与えることができる。
<第2実施形態>
上記実施形態では、第1大当たりと第2大当たりを設けており、開放パターン1,2のいずれかが選択されるようになっていた。これに対し、現実的には、大当たりの種類及びそれに対応する開放パターンを増やし、遊技に幅を持たせることが考えられる。
本第2実施形態では、このような観点から、種々の開放パターンを有する遊技性について説明を加える。
図42は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを例示する説明図である。
図42(A)は、大当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図42(B)は、大当たり種類の割合を示す説明図であり、図42(C)は、ハズレのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
図42(A)では、「特別図柄」の種別(遊技球が第1始動装置123及び第2始動装置124のいずれに入球したか)と、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したときに取得される「大当たり図柄用乱数値」に基づいて、大当たりの「種別」及び停止図柄データが決定される。なお、大当たり図柄用乱数は、その範囲が「0」〜「99」に設定されている。
図42(A)に示すように、第1特別図柄において大当たりのときには大当たり図柄用乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「0」〜「19」のいずれかであれば、「第1大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「01」となる。
同様に、大当たり図柄用乱数が「20」〜「49」のいずれかであれば、「第2大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「02」となる。
また同様に、大当たり図柄用乱数が「50」〜「59」のいずれかであれば、「第3大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「03」となる。
同様に、大当たり図柄用乱数が「60」〜「99」のいずれかであれば、「第2大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「02」となる。
第2特別図柄において大当たりのときにも大当たり用図柄乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「0」〜「99」のいずれかであれば、「第1大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「01」となる。すなわち、第2特別図柄において大当たりのときには、常に「第1大当たり」となる。
図42(B)に示すように、第1特別図柄では、20%の確率で「第1大当たり」となり、30%の確率で「第2大当たり」となり、10%の確率で「第3大当たり」となり、40%の確率で「第4大当たり」となる。一方、第2特別図柄では、100%の確率で「第1大当たり」となる。
図42(C)に示すように、第1特別図柄においても第2特別図柄においても判定結果がハズレのときには、停止図柄データは「00」となる。
[開放パターン設定処理]
図43は、図21のS2104における開放パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS4301では、大当たり図柄に基づいて大当たりの種類を判定する。この処理は、大当たりとなったときに決定される大当たり図柄(停止図柄データ)に基づいて大当たりの種類を判定するものである。本第2実施形態では、大当たりの種類は、第1大当たり、第2大当たり、第3大当たり、第4大当たりとなっている。
S4302では、第1大当たりであるか否かを判断する。この処理は、S4301の判定結果に基づき、第1大当たりであるか否かを判断するものである。ここで第1大当たりであると判断された場合(S4302:YES)、S4303にて開放パターン1を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。一方、第1大当たりでないと判断された場合(S4302:NO)、S4304へ移行する。
S4304では、第2大当たりであるか否かを判断する。この処理は、S4301の判定結果に基づき、第2大当たりであるか否かを判断するものである。ここで第2大当たりであると判断された場合(S4304:YES)、S4305にて開放パターン2を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。一方、第2大当たりでないと判断された場合(S4304:NO)、S4306へ移行する。
S4306では、第3大当たりであるか否かを判断する。この処理は、S4301の判定結果に基づき、第3大当たりであるか否かを判断するものである。ここで第3大当たりであると判断された場合(S4306:YES)、S4307にて開放パターン3を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。一方、第3大当たりでないと判断された場合(S4306:NO)、すなわち第4大当たりである場合には、S4308にて開放パターン4を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。
[開放パターンの説明]
第2実施形態では、開放パターン1〜4を設けている。開放パターン1は、従来のウィッチタイプと呼ばれるものと同様の開放パターンとなっており、確変遊技状態への移行が確定的な開放パターンである。一方、開放パターン2〜4は、ラウンド毎の大入賞装置127の開放回数に違いがあり、いわゆるチャンスパターンとなっている。
[開放パターン1]
図44(A)は、開放パターン1を例示する説明図である。開放パターン1は、すべてのラウンド遊技において、大入賞装置127がロング開放される。ロング開放とは、規定数の遊技球が入球可能な29.5秒の開放をいう。したがって、開放パターン1では、遊技球の発射を継続していれば確実に確変遊技状態へ移行する。そして、この場合、各ラウンド遊技で規定数の遊技球の入球が見込めるため、多量の遊技球を獲得可能な開放パターンとなる。なお、本実施形態では、第2特別図柄での大当たりは全て開放パターン1(第1大当たり)となるため、確変遊技状態の継続回数は所定回数(例えば100回)に設定されているものとする。
[開放パターン2,3,4]
図44(B)〜(D)は、開放パターン2,3,4を例示する説明図である。開放パターン2〜4は、大入賞装置127の1回の開放を1.2秒として、大入賞装置127を合計30回開放する開放パターンである。上記実施形態と同様、ラウンド遊技中における大入賞装置127の閉鎖時間とラウンド間におけるインターバル時間とが同一になっている。したがって、ラウンド遊技に跨がる演出などを行うことで、遊技者が各ラウンドを意識する可能性は、小さくなる。さらに、開放パターン2〜4は、いずれも15Rとなっている。その結果、見かけ上、開放パターン2〜4のいずれであるかが分からないようになっている。
[開放パターン2]
開放パターン2は、1R〜4Rにおける大入賞装置127の開放回数が1回となっており、5〜14Rにおける大入賞装置127の開放回数が2回となっており、15Rにおける大入賞装置127の開放回数が6回となっている。つまり、1〜14Rまでは非VRとなっており、15RがVRとなっているのである。したがって、15Rにおいて、遊技球の発射を継続すれば、ほぼ確実に所定数(7個)の遊技球が大入賞装置127へ入球する。これにより、振分部材151がV開放姿勢へと変化させられ、V領域を遊技球が通過する。その結果、大当たり遊技の終了時に、確変遊技状態で遊技が制御される。
[開放パターン3]
開放パターン3は、1R、2Rにおける大入賞装置127の開放回数が1回となっており、3〜14Rにおける大入賞装置127の開放回数が2回となっており、15Rにおける大入賞装置127の開放回数が4回となっている。つまり、1〜14Rまでは非VRとなっている。15Rでは、大入賞装置127が4回開放されるため、1回の開放で2個の遊技球が入球すると仮定すると、所定数(7個)の遊技球が入球する可能性が高い。ただし、ばらつきがあるため、所定数の遊技球が入球しない可能性もある。すなわち運に左右されるチャンスパターンとなっている。所定数の遊技球が大入賞装置127へ入球すれば、開放パターン2と同様、振分部材151がV開放姿勢へと変化させられ、V領域を遊技球が通過する。その結果、大当たり遊技の終了時に、確変遊技状態で遊技が制御される。
[開放パターン4]
開放パターン4は、1R〜15Rにおける大入賞装置127の開放回数が2回となっている。つまり、非VRばかりで構成されている。したがって、所定数(7個)の遊技球が大入賞装置127へ入球する可能性は低い。その結果、大当たり遊技の終了時に、確変遊技状態で遊技が制御されることはほぼない。
[遊技性の説明]
図42(B)に示したように、第2特別図柄で大当たりとなったときは、すべて第1大当たりとなる。第1大当たりでは、15Rすべてがロング開放される開放パターン1が選択される。したがって、確変遊技状態にあっては、多くの遊技球が獲得できるチャンスとなる。
一方、第1特別図柄で大当たりとなったときは、開放パターン1が選択される第1大当たりになる確率は20%である。大当たりとなったとき遊技者は、多くの遊技球が獲得できる第1大当たりであることを期待する。
第2大当たり、第3大当たり、第4大当たりは、大入賞装置127の1.2秒の開放が30回行われる大当たりであるため、第1大当たりに比べて、獲得できる遊技球は少なくなる。第2大当たりでは、15Rにおいて大入賞装置127が6回開放されるため、確変遊技状態への移行が濃厚となる。第3大当たりでは、15Rにおいて大入賞装置127が4回開放されるため、確変遊技状態へ移行するか否かが微妙なところとなる。第4大当たりでは、すべてのラウンド遊技において大入賞装置127が2回ずつ開放されるため、確変遊技状態への移行を期待できない。したがって、遊技者は、第2大当たりであることを期待し、次に、第3大当たりであることを期待して遊技を行うことになる。
このとき、第2大当たり、第3大当たり、第4大当たりでは、見かけ上は、開放パターン2,3,4に差異がないため、しかも、大当たり遊技の最終ラウンドとなるまで確変遊技状態となるか否かが分からないため、遊技者は、期待をもって大当たり遊技を消化することになる。
[宝玉演出]
上記第1実施形態で説明した宝玉演出は、第1〜第4大当たりで実行するようにしてもよいが、確変遊技状態への移行が最終ラウンドまで分からない第2〜第4大当たりで実行するようにしてもよい。上述したように、第2〜第4大当たりについては、すべて15Rであり、ラウンド中における大入賞装置127の閉鎖時間とラウンド間のインターバル時間が同一になっていて、見分けがつかない。そのため、遊技者は最後まで期待を持って大当たり遊技を行うのであるが、宝玉演出において、その期待度を示唆する演出を行うようにしてもよい。
例えば貯まっていく宝玉の色を、期待度によって異なるものにしてもよい。例えば青→緑→ピンク→赤→レインボーという具合に期待度が高くなっていくという具合である。1R〜15Rを通じて最初に決定した宝玉の色を使用してもよいし、ラウンド遊技毎に宝玉の色を変化させてもよい。もちろん、宝玉自体の色を変えるだけでなく、宝玉が貯まっていく器の色を変化させるようにしてもよい。あるいは、宝玉演出の開始時に「宝玉を貯めろ」というメッセージを表示する前提の下、期待度が大きいときは、当該メッセージを赤文字、金文字、ゼブラ柄の文字とするなどで期待度を示唆するようにしてもよい。
[本実施形態の遊技機1が発揮する効果]
◆効果1
(1)従来、大当たり遊技において、1ラウンド〜12ラウンドまでは第1大入賞装置が開放され、最終ラウンド(13R)で特定のアタッカーである第2大入賞装置が開放されて第2大入賞装置内のV領域を遊技球が通過することによって確変遊技状態に移行させる遊技機があった。
しかしながら、この場合、特定のアタッカーへ入球すれば、必ずV領域を遊技球が通過するため、大当たり遊技終了後に確変遊技状態で制御されることが確定する。そのため、遊技が単調になっており、遊技性が乏しくなる虞がある。
この点、本実施形態では、大当たりとの判定がなされると複数のラウンド遊技からなる大当たり遊技を実行するのであるが、このラウンド遊技において、大入賞装置127への入球があると(図21中のS2114:YES)、所定入賞判定処理を実行する(S2115)。所定入賞判定処理では、大入賞装置127への入球数をカウントし(図25中のS2501)、所定数の遊技球が大入賞装置127へ入球すると(S2502:YES)、V領域を開放する(S2503)。そして、遊技球がV領域を通過すると(S2504:YES)、V通過フラグを「ON」にする(S2505)。これにより、遊技状態設定処理では、確変遊技フラグが「ON」となり(図26中のS2601:YES,S2602)、大当たり遊技の後、確変遊技状態で遊技が制御される。
すなわち、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて前記特別遊技を行うと判定されたときは、所定の入球装置を開閉作動させる複数のラウンド遊技からなる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記特別遊技実行手段にて実行される前記ラウンド遊技において、所定数の遊技球が前記入球装置に入球すると、前記入球装置の内部に設けられた特定領域を遊技球が通過可能となるように開放する特定領域開放制御手段と、前記特定領域開放制御手段にて開放された前記特定領域を遊技球が通過すると、前記特別遊技の終了後、遊技者に有利な遊技状態で遊技を制御する遊技状態制御手段と、を備える。
これにより、大入賞装置127への入球によって確変遊技状態への移行が確定するのであるが、所定数の入球があったときにはじめて確変遊技状態への移行が確定するため、従来の構成と比較して、遊技が単調になることを抑制することができる。つまり、大当たり遊技終了後の遊技状態の制御について大当たり遊技中に遊技者に期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで従来技術との比較した場合のメリットを述べる。
従来は、例えば最終ラウンドで第2大入賞装置を開放し、V領域の通過をもって確変遊技状態へ移行させていた。つまり、第2大入賞装置のロング開放が確変遊技状態への移行契機となっていた。
これに対し、本実施形態では遊技球の入球数でV領域を開放する構成としたため、開放パターンなどによっては様々な遊技性を付与することができ、遊技者に期待感を抱かせることができる。
具体的には、所定数の遊技球の入球でV領域を開放する構成としたため、従来のV領域通過を目的とした特別のラウンド遊技(第2大入賞装置のラウンド遊技)ではなく、通常のラウンド遊技(大入賞装置127のラウンド遊技)となっている。したがって、V領域の遊技球通過を期待しつつ、遊技球の獲得が実現できる。
また、例えば第2特別図柄に係る判定では高い割合で確変遊技状態を付与する構成とする場合、第2特別図柄で第1大当たりとなったときには、上述した大入賞装置127のロング開放を行うようにしてもよい。これにより、遊技者に安心感を与えることができる。反対に、第1特別図柄に係る判定では、第2大当たりの割合が高くなっているという前提の下、上述したチャンスラウンドを設けるようにしてもよい。これにより、たとえ第2大当たりであったときでも、確変遊技状態へ移行するのではないかという遊技者の期待感を増幅することができる。
(2)また、本実施形態では、大当たり遊技においてオープニング時間が経過すると(図21中のS2103:YES)、開放パターン設定処理を実行する(S2104)。開放パターン設定処理では、大当たり図柄に基づいて確変の有無を判定し(図22中のS2201)、確変大当たりである場合は開放パターン1を選択し(S2202:YES,S2203)、非確変大当たりである場合は開放パターン2を選択する(S2202:NO,S2204)。このとき、開放パターン1は所定数の遊技球が入球容易なラウンド遊技を含むものとなっており、開放パターン2は所定数の遊技球が入球困難なラウンド遊技のみで構成されるものとなっている(図23など参照)。
すなわち、前記特別遊技実行手段は、前記判定手段にて第1特別遊技を行うと判定されたときは、前記所定数の遊技球が入球困難となるよう前記入球装置の開閉作動を行う第1ラウンド遊技のみで構成される第1特別遊技を行い、前記判定手段にて第2特別遊技を行うと判定されたときは、前記所定数の遊技球が入球容易となるよう前記入球装置の開閉作動を行う第2ラウンド遊技を含む第2特別遊技を行う。
これにより、大当たり遊技終了後の遊技状態の制御について大当たり遊技中に遊技者に期待感を抱かせることができるという効果が際立つ。
(3)また、本実施形態では、図23(A)等に示したように、ラウンド遊技中における大入賞装置127の閉塞時間(A)と、ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間の時間であるインターバル時間(B)とが、同一になっている。
すなわち、前記入球装置の開閉作動における前記入球装置の閉塞時間と、前記ラウンド遊技間に設定されるインターバル時間とを、同一にした。
これにより、ラウンド遊技を通して連続する演出(例えばアイドルグループのライブ映像)を行うことなどにより、遊技者は何ラウンドであるかを意識せずに大当たり遊技を行う可能性が高くなる。つまり、大入賞装置127が2回開放されるラウンド遊技なのか6回開放されるラウンド遊技なのかが分からないのである。その結果、大当たり遊技終了後の遊技状態の制御について大当たり遊技中に遊技者に期待感を抱かせることができるという効果が際立つ。
◆効果2
(1)従来、大当たり遊技において、1ラウンド〜12ラウンドまでは第1大入賞装置が開放され、最終ラウンド(13R)で特定のアタッカーである第2大入賞装置が開放されて第2大入賞装置内のV領域を遊技球が通過することによって確変遊技状態に移行させる遊技機があった。
しかしながら、この場合、特定のアタッカーへ入球すれば、必ずV領域を遊技球が通過するため、大当たり遊技終了後に確変遊技状態で制御されることが確定する。そのため、遊技が単調になっており、遊技性が乏しくなる虞がある。
この点、本実施形態では、大当たりとの判定がなされると複数のラウンド遊技からなる大当たり遊技を実行するのであるが、このラウンド遊技において、大入賞装置127への入球があると(図21中のS2114:YES)、所定入賞判定処理を実行する(S2115)。所定入賞判定処理では、大入賞装置127への入球数をカウントし(図25中のS2501)、所定数の遊技球が大入賞装置127へ入球すると(S2502:YES)、V領域を開放する(S2503)。そして、遊技球がV領域を通過すると(S2504:YES)、V通過フラグを「ON」にし(S2505)、当該V通過フラグの情報を含めて入賞コマンドをセットする(S2506)。
演出制御基板320では、この入賞コマンドを受信すると(図35中のS3501:YES,S3502:YES)、大入賞装置127への入球数Yに基づく達成率表示演出を実行する(S3508、図36及び図37参照)。
すなわち、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて前記特別遊技を行うと判定されたときは、所定の入球装置を開閉作動させる複数のラウンド遊技からなる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記特別遊技実行手段にて実行される前記ラウンド遊技において、所定数の遊技球が前記入球装置に入球すると、前記入球装置の内部に設けられた特定領域を遊技球が通過可能となるように開放する特定領域開放制御手段と、前記特定領域開放制御手段にて開放された前記特定領域を遊技球が通過すると、前記特別遊技の終了後、遊技者に有利な遊技状態で遊技を制御する遊技状態制御手段と、前記ラウンド遊技において、前記遊技球の前記入球装置への入球数に基づき、前記特定領域の開放に関する開放示唆演出を行う演出制御手段と、を備えている。
これにより、大入賞装置127への入球によって確変遊技状態への移行が確定するのであるが、所定数の入球があったときに確変遊技状態への移行が確定し、しかも、特定領域であるV領域の開放に関する開放示唆演出(達成率表示演出)が実行されるため、従来の構成と比較して、遊技が単調になることを抑制することができる。つまり、大当たり遊技終了後の遊技状態の制御について大当たり遊技中に遊技者に期待感を抱かせることができる。その結果、大当たり中の遊技の興趣を向上させることができる。
(2)また、本実施形態では、演出制御基板320が入賞コマンドを受信したとき(図35中のS3501:YES,S3502:YES)、所定数の遊技球が大入賞装置127へ入球してV通過ありの情報が送信されてきた場合には(S3504:YES)、ミッション成功演出を実行する(S3505,図37(C)参照)。
すなわち、前記演出制御手段は、前記所定数の遊技球が前記入球装置に入球すると、前記遊技者に有利な遊技状態への移行を演出する。
これにより、遊技者に優越感と安心感とを抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
◆効果3
(1)従来、始動装置への入球時に図柄変動を保留し、これら保留に係る図柄変動に先立って当該保留に係る大当たり判定、いわゆる「先読み」を行うものがある。そして、このような「先読み」の結果に基づき、複数の変動に跨がる先読み演出を行うものもある。
しかしながら、複数変動に跨がるような連続演出では、例えば前々回の変動でどのようなチャンス目が停止したのかを忘れてしまうことが往々にして生じ得る。
この点、本実施形態では、演出決定処理において、各種乱数を取得し(図30中のS3009)、過程予告判定処理を実行する(S3010)。過程予告判定処理では、保留数及び過程予告乱数に基づいて過程予告を行うか否かを判断し(図31中のS3101,S3102)、過程予告を行うときには(S3102:YES)、過程表示回数HMをセットする(S3103)。これにより、過程表示回数HM分の変動に跨がって、過程予告が実行され停止目が過程として表示される(図30中のS3013、図33及び図34参照)。
すなわち、始動条件の成立により、遊技者に有利な特別遊技に係る判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報を記憶手段に記憶する記憶制御手段と、前記記憶手段に記憶された判定情報に基づき、所定の演出装置に判定結果に基づく図柄である判定図柄を変動させて停止させる図柄制御手段と、前記図柄制御手段にて停止させられた前記判定図柄に関する所定期間にわたる図柄関連過程を所定の表示装置に表示する。
これにより、図柄関連過程が所定期間にわたって表示装置に表示されるため、繰り返し行われる変動に跨がる演出を有効に機能させることができ、大当たり中の遊技の興趣を向上させることができる。
なお、所定の演出装置と所定の表示装置とは別のものとしてもよいし、同一の装置としてもよい。例えば別のものとするときは、演出装置を液晶表示装置121とし、表示装置をサブ液晶などとして構成することが考えられる。
(2)また、本実施形態では、事前判定を行い(図12中のS1208,図13中のS1308)、その事前判定の結果を含めて保留コマンドをセットして送信する(図12中のS1209,図13中のS1309)。これにより、記憶領域のデータを取得し(図31中のS3001)、事前判定の結果を踏まえて(図30中のS3002,S3003)、過程予告を行うか否かを判断し(図31中のS3101,S3102)、過程予告を行うときには(S3102:YES)、過程表示回数HMをセットする(S3103)。これにより、過程表示回数HM分の変動に跨がって、過程予告が実行され停止目が過程として表示される(図30中のS3013、図33及び図34参照)。
すなわち、前記記憶手段に記憶された判定情報に基づき、前記図柄制御手段による前記判定図柄の変動に先立つ事前判定を行う事前判定手段を備え、前記過程表示手段は、前記事前判定手段による判定結果に基づき、前記判定図柄の複数の変動に跨がって、前記図柄関連過程を表示する。
これにより、適切な期間にわたって図柄関連過程が表示されるため、繰り返し行われる変動に跨がる演出を有効に機能させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)また、本実施形態では、図33及び図34に示したように、停止目(チャンス目)の過程を表示する。
すなわち、前記過程表示手段は、前記図柄関連過程として前記図柄の組み合わせを表示する。
これにより、図柄関連過程が分かり易いものとなり、繰り返し行われる変動に跨がる演出を有効に機能させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4)さらにまた、停止目(チャンス目)が色情報などの期待度に基づく情報を有しているときは、当該期待度に基づく情報を図柄関連過程として表示するようにしてもよい。
すなわち、前記過程表示手段は、前記図柄関連過程として前記図柄の組み合わせに係る期待度情報を表示することとしてもよい。
このようにしても、図柄関連過程が分かり易いものとなり、繰り返し行われる変動に跨がる演出を有効に機能させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「図柄関連過程」は、停止図柄に関する情報を示すものであればよく、例えば第1始動装置123及び第2始動装置124に交互に入球する構成であるため、第1特別図柄に係るものであるか、又は第2特別図柄に係るものであるか、を図柄関連過程として表示するようにしてもよい。また、リーチとなった変動の連続した数、あるいは、リーチとならない変動の連続した数を、図柄関連過程として表示するようにしてもよい。
また、図柄関連過程の表示については、いわゆる「パチスロ」にも適用することが可能である。例えば、リール停止目を図柄関連過程として表示することが考えられる。また例えば、押し順ナビが表示されない場合など、自力で押し順を当てるような場合に、当該押し順が当たったか否かを図柄関連過程として表示することが考えられる。
以上、本発明は、上述した実施形態になんら限定されるものではなく、その技術範囲を逸脱しない限り、種々なる形態で実施可能である。
(イ)上記実施形態では宝玉を貯める宝玉演出を行うこととしたが、大入賞装置127への入球数Yに基づきV領域の開放を示唆する演出を行うという思想である。したがって、入球数Yに基づいてレベルゲージが貯まるような演出であってもよい。また、入球数Yに基づいて順にアイテムをゲットするような演出であってもよい。
(ロ)上記実施形態では、宝玉演出において前回までのラウンド遊技において貯まった宝玉はそのまま貯まっているものとして表示している。具体的には、ラウンド遊技毎の入球数Yは「1」から始まるのであるが、達成数Zは、大当たり遊技を通して保持されるようになっている。これに対し、毎回のラウンド遊技において、達成数Zも「0」にクリアしてラウンド遊技毎に宝玉を「1」から貯めていく演出としてもよい。
(ハ)上記実施形態では、図柄関連過程である停止目を液晶表示装置121の上部に表示する構成であった(図33,図34参照)。
これに対し、図45に示すように、液晶表示装置121の画面を2行4列に8分割し、当該変動を右下部で行い、その停止目を8分割した領域に順に表示するような態様としてもよい。停止目は矢印で示すように、分割された領域に向かって移動する。例えば図45(A)では停止目「1,11,5」が移動する様子を示している。そして、図45(B)に示すように次の変動においても移動した場所に表示される。例えば図45(B)では停止目「K,A,B」が移動する様子を示している。そして、図45(C)に示すように次の変動においても移動した場所に表示される。例えば図45(C)では停止目「43,3,7」が移動する様子を示している。
なお、領域を8分割しているため、保留が8個となった段階で現変動の停止目から8分割された領域に順次停止目を表示することにより、最後の8個目の保留に係る変動が行われる際、画面上には8つの停止目が表示されることになる。
(ニ)上記第2実施形態では、開放パターン1〜4を例示した。特に開放パターン2〜4では、最終ラウンドにおいて、大入賞装置127の開放回数がそれぞれ、6回、4回、2回となっていた。
これに対し、大当たり遊技の途中のラウンド遊技で、このような大入賞装置127の開放を行うようにしてもよい。最初の方のラウンド遊技で確変遊技状態への移行が確定すれば、遊技者に安心感を与えることができる。
なお、上記第2実施形態では、すべての大当たり遊技を15Rとし、しかも、大入賞装置127の開放時間及び閉塞時間を同一にすることで、第2〜第4大当たりの見分けがつかないようにしていたが、ラウンド数、開放回数、開放時間、インターバル時間などは適宜設定可能である。
(ホ)上記実施形態では、宝玉演出において、V領域を遊技球が通過したタイミングでV領域通過の報知をし、確変遊技状態への移行を示唆していた(S3504:YES,S3505,図37(C)参照)。
これに対して、確変遊技状態への移行の示唆演出は、どのタイミングで行っても構わない。例えば、大当たり遊技の終了後のエンディング演出で行うようにしてもよいし、最終ラウンドで行うようにしてもよい。
本発明の遊技機(1)は、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段(301a,S1201,S1204〜S1207,S1301,S1304〜S1307)と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、特別遊技を行うか否かを判定する判定手段(301a,S1601)と、前記判定手段にて前記特別遊技を行うと判定されたときは、所定の入球装置(127)を開閉作動させる複数のラウンド遊技からなる特別遊技を実行する特別遊技実行手段(301a)と、前記特別遊技実行手段にて実行される前記ラウンド遊技において、前記入賞装置の開放タイミングに関わらず、所定数の遊技球が前記入球装置に入球したことを条件として、前記入球装置の内部に設けられた所定領域(152)を遊技球が通過可能となるように開放する所定領域開放制御手段(301a)と、前記所定領域開放制御手段にて開放された前記所定領域を遊技球が通過すると、前記特別遊技の終了後、遊技者に有利な遊技状態で遊技を制御する遊技状態制御手段(301a)と、前記ラウンド遊技において、前記遊技球の前記入球装置への入球数に基づき、前記所定領域の開放に関する開放示唆演出(達成率表示演出)を行う演出制御手段(320a)と、を備えていることを特徴とする。