以下に、本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.第1の実施形態に係る判定処理の一例〕
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る判定処理の一例について説明する。図1は、第1の実施形態に係る判定処理の一例を示す図である。図1では、判定装置100によって、所定の金融サービスをユーザが利用する場合のユーザに関する信用情報を判定する処理が行われる一例を示す。
図1に示す判定装置100は、端末から送信される情報を取得し、取得した情報に基づいて信用情報を判定するサーバ装置である。判定装置100が取得する情報とは、例えば、端末内のセンサ等によって取得される端末の位置情報等が含まれる。
図1に示すユーザ端末10は、ユーザU01によって利用される情報処理端末である。例えば、ユーザ端末10は、スマートフォンやタブレット端末等によって実現される。ユーザ端末10は、例えばGPS(Global Positioning System)を利用して、自装置が存在する位置を示す情報である位置情報を取得する。そして、ユーザ端末10は、例えば判定装置100の要求に従い、検出した位置情報を判定装置100に継続的に送信する。なお、以下の説明では、ユーザ端末10をユーザU01と言い換えて表記する場合がある。
第1の実施形態において、判定装置100は、所定の金融サービスをユーザU01が利用しようとする場合に、ユーザU01に関する信用情報を判定する処理を行う。図1の例では、判定装置100は、金融サービスの例として、クレジットカードの新規発行をユーザU01が申し込む場合のユーザU01に関する信用情報を判定するものとする。
一般に、金融サービスを利用する事業者等は、ユーザU01から受け付けた情報に基づいてユーザU01の信用情報を審査し、ユーザU01に対してサービスを提供するか否か(例えば、ユーザU01に対してクレジットカードの発行を許可するか否か)を判定する。例えば、事業者は、ユーザU01の名前や性別や年齢、また、職業や勤務先や資産情報等の情報を受け付けて、ユーザU01に対する審査を行う。
しかし、ユーザU01から受け付ける情報の中には、虚偽の情報や、ユーザU01自身が誤って申告した情報が混在している可能性もある。また、公的な証明書でユーザU01のユーザ情報等を確認しようとしても、古い公的な証明書をユーザU01が提示した場合には、事業者は、情報の真偽を確認することが困難である。また、事業者は、ユーザU01が属する会社に電話確認等を行うこと等によってユーザU01が会社に属しているか否かを確認することも可能であるが、必ずしもユーザU01と連絡がとれるとも限らず、電話を何度も掛けるような手間が発生する場合もある。
そこで、判定装置100は、以下に説明するように、ユーザU01から受け付けたユーザ情報と、ユーザ端末10から検出される位置情報又は位置情報から推定される情報とを比較することで、ユーザU01の信用情報を判定する。これにより、判定装置100は、ユーザU01が金融サービスを利用しようとする際のユーザU01に関する情報を精度よく捉えることができるため、ユーザU01の信用情報を的確に判定することができる。以下、かかる判定処理について、図1を用いて流れに沿って説明する。なお、図1の例では、説明を簡単にするため、判定装置100自身が金融サービスを提供する事業者であるものとして説明する。
まず、判定装置100は、ユーザ端末10の位置情報を取得する(ステップS01)。例えば、判定装置100は、ユーザ端末10が金融サービスに関するウェブサイトを利用した際のクッキー(Cookie)情報等によってユーザ端末10を特定する。そして、判定装置100は、特定したユーザ端末10から位置情報を継続的に取得する。例えば、判定装置100は、所定時間おき(例えば1時間など)にユーザ端末10の位置情報を取得する。判定装置100は、取得した位置情報と、位置情報を取得した日時や曜日等の情報を対応付けて所定の記憶部に蓄積する。
そして、判定装置100は、取得した位置情報に基づいて、ユーザU01の生活圏を推定する。例えば、判定装置100は、平日の早朝や夜におけるユーザ端末10の位置情報に基づいて、ユーザU01の自宅があると推定される地域を推定する。また、判定装置100は、平日の昼間におけるユーザ端末10の位置情報に基づいて、ユーザU01が定期的に通う地域、例えばユーザU01の職場と推定される範囲を推定する。また、判定装置100は、平日の昼間におけるユーザ端末10の位置情報の推移に基づいて、ユーザU01が定職に就いているか否か等のユーザに関する情報を推定してもよい。
判定装置100は、例えば図1に示すように、位置情報と照らして、ユーザ端末10が存在する所定範囲を座標にマッピングする。図1の例では、ユーザ端末10の位置情報が分布する確率の比較的高い範囲について、座標によってマッピングした例である。例えば、図1の地図50において、地図50の左上の基点から数えて縦に1、横に1の座標によって示される範囲を位置情報P11とする。同様に、地図50の基点から数えて縦に2、横に1の座標によって示される範囲を位置情報P12、地図50の左上の基点から数えて縦に3、横に1の座標によって示される範囲を位置情報P13とする。
地図50では、ユーザ端末10から取得される位置情報において、ユーザ端末10が所在する確率の高い(すなわち、確率分布の高い)範囲をハッチングで示すものとする。なお、確率分布は、ユーザU01に関して取得された位置情報の全情報における確率を示すものであってもよいし、特定の時間帯や曜日に絞った場合に、ユーザU01が所定範囲に所在する確率を示すものであってもよい。
図1に示す例では、位置情報P47が、比較的濃いハッチングで示される。これは、ユーザ端末10が、位置情報P47が示す範囲内に比較的長い時間所在していることを示す。例えば、位置情報P47は、地図50に示される範囲におけるユーザ端末10が所在する確率を示す確率分布において、所定の閾値を超える分布の値を示す範囲に対応する位置情報であることを示す。また、図1に示すように、地図50において、位置情報P55が示す範囲についても比較的濃いハッチングで示される。これも、ユーザ端末10が、位置情報P55が示す範囲内に比較的長い時間所在していることを示す。
さらに、判定装置100は、ユーザ端末10が平日の早朝や夜、休日等に、位置情報P47が示す範囲に比較的多く所在するという情報を取得する。具体的には、判定装置100は、ユーザ端末10から取得した位置を示す情報(例えば、GPSによって取得された経度及び緯度情報)が、比較的多く、位置情報P47が示す範囲に分布するという情報を取得する。この場合、判定装置100は、位置情報P47が示す範囲が、ユーザU01の自宅住所が存在する範囲、すなわち、ユーザU01の居住地付近における生活圏であると推定する。また、判定装置100は、ユーザ端末10が平日の昼間に、位置情報P55が示す範囲に比較的多く所在するという情報を取得する。この場合、判定装置100は、位置情報P55が示す範囲が、ユーザU01の勤務先が存在する範囲と推定する。
例えば、判定装置100は、このような推定を行うための設定を予め受け付けておき、受け付けた設定と位置情報とを照合することにより、上記の推定処理を実行する。具体的には、判定装置100は、所定範囲の確率分布が所定の閾値を超える場合に、当該範囲にユーザU01の住所又は勤務先が存在すると推定する。一例としては、判定装置100は、統計した位置情報(例えば、期間を1週間として、朝6時から朝8時までの時間帯に絞って取得されたユーザU01の位置情報)のうち、所定範囲にユーザU01が所在する確率を示す確率分布が「0.5(50%)」を超える場合に、当該範囲にユーザU01の住所が存在すると推定する。あるいは、判定装置100は、統計した位置情報(例えば、期間を1週間として、朝10時から夕方18時までの時間帯に絞って取得されたユーザU01の位置情報)のうち、所定範囲にユーザU01が所在する確率を示す確率分布が「0.5(50%)」を超える場合に、当該範囲にユーザU01の勤務先が存在すると推定する。
その後、判定装置100は、ユーザU01から金融サービスの利用の申し出を受け付けるものとする。図1の例では、判定装置100は、クレジットカードの新規発行の申し込みを受け付ける(ステップS02)。なお、実際にクレジットカードの新規発行の申し込みを受け付ける装置は、判定装置100ではなく、金融サービスを提供する外部のウェブサーバ等であってもよい。
この場合、判定装置100は、金融サービスにおいて利用される情報であって、ユーザU01に関する情報であるユーザ情報の入力をユーザ端末10から受け付ける。例えば、判定装置100は、金融サービスを提供するウェブサイトにおける申込みページ等を介して、カード発行の申し込みを行う際にユーザU01が入力するユーザU01自身の情報を受け付ける。
例えば、判定装置100は、ユーザ情報として、ユーザU01の氏名や年齢や家族構成等の属性情報や、ユーザU01の住所や職業や勤務先や、ユーザU01の年収や借金の額等の情報を受け付ける。
上記のように、ユーザU01から受け付ける情報は、情報の真偽が定かでない情報が含まれる場合がある。そこで、判定装置100は、ユーザU01から入力された情報と、ユーザ端末10から取得した位置情報とを比較する処理を行う(ステップS03)。
具体的には、判定装置100は、ユーザU01から受け付けたユーザ情報と、取得した位置情報から推定されるユーザ情報との比較に基づいて、ユーザU01の信用情報を判定する。例えば、判定装置100は、ユーザU01から受け付けた住所が、位置情報P47によって示される、ユーザU01の生活圏に含まれるかを判定する。そして、判定装置100は、受け付けた住所が生活圏に含まれる場合には、ユーザU01から受け付けた情報を真と判定する。また、判定装置100は、ユーザU01が所属すると申告した会社の所在地が、ユーザ端末10が平日の昼間に比較的多く位置する位置情報P55の範囲に含まれるかを判定する。そして、判定装置100は、申告された会社の所在地が位置情報P55の示す範囲に含まれる場合には、ユーザU01から受け付けた情報を真と判定する。
このように、判定装置100は、継続的に取得した位置情報に基づいて推定される情報とユーザU01から受け付けたユーザ情報との間に齟齬が生じるか否かを判定する。そして、判定装置100は、入力された情報と位置情報から推定される情報との間に齟齬が生じない場合、ユーザU01から入力された情報が真であるものとして、入力された情報を用いて信用情報を判定する。あるいは、判定装置100は、入力されたユーザ情報と位置情報から推定される情報とに齟齬が生じる場合、ユーザU01に対して確認を行ったり、ユーザU01の信用情報を下げる処理を行ったりしてもよい。
すなわち、判定装置100は、ユーザU01が自己申告したユーザ情報について位置情報に基づいて真偽を確認した後にユーザU01の信用情報を判定することで、信用情報の判定の精度を向上させる。
そして、判定装置100は、ユーザU01に対して判定した信用情報に基づいて、カード発行の可否を審査する。続いて、判定装置100は、審査情報をユーザ端末10に送信する(ステップS04)。例えば、判定装置100は、ユーザU01に対してカード発行を許可する旨の通知をユーザ端末10に送信する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、所定の金融サービスにおいて利用される情報であって、ユーザU01に関する情報であるユーザ情報の入力をユーザU01から受け付ける。そして、判定装置100は、受け付けられたユーザ情報と、ユーザU01が利用するユーザ端末10の位置情報から推定される情報との比較に基づいて、ユーザU01に関する信用情報を判定する。
例えば、第1の実施形態に係る判定装置100は、位置情報に基づいて推定される情報とユーザU01から受け付けたユーザ情報との間に齟齬が生じるか否かを判定する。そして、判定装置100は、例えばユーザU01が申告した情報のうち、虚偽の情報や誤っている情報を排除し、実際のユーザU01の生活に即した情報を利用して、ユーザU01に対する信用情報を判定することができる。これにより、判定装置100は、事業者と違って店舗の運営データなどの正確なデータを得ることが難しい個人を対象とする金融サービスにおいて、個人を対象とした信用情報の判定を精度よく行うことができる。
なお、上記の図1の例において、判定装置100は、ユーザ端末10が検出した位置情報をユーザ端末10から取得することを示した。しかし、判定装置100は、ユーザ端末10からの送信によらず、所定時間おきにユーザ端末10をクロール(crawl)することにより、位置情報を取得するようにしてもよい。また、判定装置100は、ユーザ端末10にインストールされたプログラム(例えば、スマートフォン専用のアプリ)を介して、位置情報を継続的に取得するようにしてもよい。この場合、判定装置100は、必ずしもユーザ端末10自身が検知した位置情報を取得するのではなく、判定装置100がユーザ端末10から検出された情報に基づいてユーザ端末10の位置を特定し、特定した情報をユーザ端末10の位置情報としてもよい。
〔2.判定システムの構成〕
次に、図2を用いて、第1の実施形態に係る判定装置100が含まれる判定システム1の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る判定システム1の構成例を示す図である。図2に例示するように、第1の実施形態に係る判定システム1には、ユーザ端末10と、ウェブサーバ30と、判定装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。また、図2に示す判定システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、判定システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台のウェブサーバ30が含まれてもよい。
ユーザ端末10は、上述のように、スマートフォンを含む携帯電話機や、タブレット端末や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理端末である。また、ユーザ端末10には、眼鏡型や時計型の情報処理端末であるウェアラブルデバイス(wearable device)も含まれる。さらに、ユーザ端末10には、位置情報を取得するための情報処理機能を有する種々のスマート機器が含まれてもよい。例えば、ユーザ端末10には、TV(Television)や冷蔵庫、掃除機などのスマート家電や、自動車などのスマートビークル(Smart vehicle)や、ドローン(drone)、家庭用ロボットなどが含まれてもよい。
ユーザ端末10は、ユーザによる操作や、ユーザ端末10が有する機能に応じて、自装置の位置情報を取得し、記憶する。例えば、ユーザ端末10は、上述したGPSシステムなどの外部システムと通信を行うことによって位置情報を取得する。そして、ユーザ端末10は、取得した位置情報を判定装置100に送信する。
ウェブサーバ30は、各種サービスを提供するウェブサイトが含むサービスページ(ウェブページ)をユーザ端末10に配信するサーバ装置である。例えば、ウェブサーバ30は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関連する各種情報を含むウェブページをユーザ端末10に配信する。
第1の実施形態においては、ウェブサーバ30は、例えば金融サービスサイトに関連する各種情報を含むウェブページをユーザ端末10に配信するものとする。この場合、ウェブサーバ30は、ウェブページを介して、ユーザからクレジットカードの新規申し込みを受け付けたり、ユーザからユーザ情報の入力を受け付けたりする。なお、図1の例で示したように、金融サービスを提供するウェブサーバ30と判定装置100とは一体であってもよい。
判定装置100は、上述のように、ユーザ端末10の位置情報から推定される情報と、ユーザから受け付けたユーザ情報との比較に基づいて、ユーザの信用情報を判定するサーバ装置である。
〔3.ユーザ端末の構成〕
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示す図である。図3に示すように、ユーザ端末10は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、検知部14と、制御部15とを有する。
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、判定装置100やウェブサーバ30との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部12は、ユーザ端末10に備えられた操作キー等によって実現される。表示部13は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、表示部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、ユーザ端末10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12の一部と表示部13とは一体化される。
検知部14は、ユーザ端末10に関する各種情報を検知する。具体的には、検知部14は、ユーザ端末10の物理的な状態を検知する。図3に示した例では、検知部14は、位置検知部14aを有する。
位置検知部14aは、ユーザ端末10の現在位置を検知する。具体的には、位置検知部14aは、GPS衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいてユーザ端末10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を検知する。なお、位置検知部14aは、異なる手法により位置情報を取得してもよい。例えば、ユーザ端末10が駅改札や商店等で使用される非接触型ICカードと同等の機能を備えている場合(もしくは、ユーザ端末10が非接触型ICカードの履歴を読み取る機能を備えている場合)、ユーザ端末10によって駅での乗車料金の決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。位置検知部14aは、この情報を検知し、位置情報として取得する。また、位置検知部14aは、ユーザ端末10が特定のアクセスポイントと通信を行う際に、アクセスポイントから取得可能な位置情報を検知してもよい。また、位置検知部14aは、ユーザ端末10がインターネットに接続された際の識別情報(IPアドレス等)に基づいて、ユーザ端末10が所在すると推定される位置を検知してもよい。
なお、検知部14は、位置検知部14aに限られず、ユーザ端末10の種々の状態を検知する各種機器を有してもよい。例えば、検知部14は、ユーザ端末10の周囲の音を収集するマイクロフォンや、ユーザ端末10の周囲の照度を検知する照度センサや、ユーザ端末10の物理的な動きを検知する加速度センサ(又は、ジャイロセンサなど)や、ユーザ端末10の周囲の湿度を検知する湿度センサや、ユーザ端末10の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等を有してもよい。また、検知部14は、センサの機能を用いて、種々の情報を検知するようにしてもよい。例えば、検知部14は、加速度センサの機能を用いて、ユーザ端末10を利用するユーザの歩行数を検知してもよい。また、検知部14は、加速度センサの機能を用いて、ユーザ端末10が動作しているか、静止しているか、などを示す動作情報を一定時間間隔ごとや、ユーザ端末10が動作したタイミングごとに検知してもよい。
制御部15は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、ユーザ端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部15は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
制御部15は、判定装置100にユーザ端末10の位置情報を提供する処理を制御する。例えば、制御部15は、ユーザ端末10の位置情報の提供処理を実現するためのプログラム(アプリケーション)を実行制御する。プログラムは、予めユーザ端末10にインストールされていてもよいし、ユーザ端末10を有するユーザU01による操作に従ってサーバ装置(判定装置100、又は、各種プログラムを提供する外部サーバ)からダウンロードされ、ユーザ端末10にインストールされてもよい。
図3に示すように、制御部15は、取得部16と、送信部17とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。例えば、制御部15は、RAMを作業領域として上述したプログラムを実行することにより、取得部16及び送信部17を実現する。なお、制御部15の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部15が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
取得部16は、位置情報を取得する。具体的には、取得部16は、検知部14を制御することにより、検知部14によって検知される各種情報を位置情報として取得する。例えば、取得部16は、位置検知部14aを制御することにより、位置情報として、ユーザ端末10の位置情報と、位置情報が検知された時間に対応する時間情報を取得する。
また、取得部16は、位置情報として、通信部11が行う通信の状況に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部16は、ユーザ端末10と所定のアクセスポイントにおける相互の通信状況を取得してもよい。また、取得部16は、ユーザ端末10が通話機能を有する場合には、通話が行われた時間や、通話先や、通話時間などの情報を取得してもよい。また、取得部16は、ユーザ端末10が撮影機能を有する場合には、撮影が行われた時間や、撮影が行われた位置情報や、撮影時間などの情報を取得してもよい。そして、取得部16は、これらの情報に基づいて、ユーザ端末10の位置情報を取得してもよい。
また、取得部16が位置情報を取得するタイミングは、制御部15によって予め決められていてもよい。例えば、取得部16は、定期的(1分毎、3分毎、5分毎、1時間毎など)に位置情報を取得する。また、取得部16が位置情報を取得するタイミングは、判定装置100によって設定されてもよい。また、取得部16は、所定のイベントが発生するタイミングで位置情報を取得するようにしてもよい。例えば、取得部16は、所定のイベントとして、上述した非接触型ICカード機能が利用されたときや、カメラ撮影が行われたときなどに応じて、位置情報を取得する。
送信部17は、取得部16によって取得された位置情報を判定装置100に送信する。例えば、送信部17は、ユーザ端末10を識別するための識別情報と、取得部16によって取得された位置情報と、かかる位置情報が取得部16によって取得された取得日時とを判定装置100に送信する。このとき、送信部17は、取得部16によって位置情報が取得されるたびに位置情報等を判定装置100に送信してもよいし、所定の期間毎に位置情報等を判定装置100に送信してもよい。例えば、送信部17は、定期的(1分毎、3分毎、5分毎、1時間毎など)に、位置情報を判定装置100に送信する。また、送信部17が位置情報を取得するタイミングは、判定装置100によって設定されてもよい。
〔4.第1の実施形態に係る判定装置の構成〕
次に、図4を用いて、第1の実施形態に係る判定装置100の構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る判定装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、判定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、判定装置100は、判定装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10やウェブサーバ30との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、位置情報記憶部121と、ユーザ情報記憶部122とを有する。
(位置情報記憶部121について)
位置情報記憶部121は、ユーザ端末10の位置情報に関する情報を記憶する。ここで、図5に、第1の実施形態に係る位置情報記憶部121の一例を示す。図5は、第1の実施形態に係る位置情報記憶部121の一例を示す図である。図5に示した例では、位置情報記憶部121は、「端末ID」、「ユーザID」、「取得日時」、「位置情報」といった項目を有する。
「端末ID」は、ユーザ端末10を識別する識別情報を示す。「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報を示す。なお、実施形態において、識別情報は、説明に用いる参照符号と一致するものとする。例えば、端末ID「10」で識別される端末は、ユーザ端末10を示す。また、ユーザID「U01」で識別されるユーザは、ユーザU01を示す。
「取得日時」は、位置情報がユーザ端末10又は判定装置100によって取得された日時を示す。なお、図5では、位置情報を4時間ごとや一日ごとに記憶している例を示しているが、実際には、より詳細な間隔(例えば、5分間隔)で位置情報が取得されてもよい。「位置情報」は、ユーザ端末10の位置情報を示す。図5では、「位置情報」として「P47」といった図1で示したマッピングに関する情報が格納される例を示したが、位置情報は、経度及び緯度などの実測値や、アクセスポイントの位置情報や、駅改札の位置などによって示されてもよい。
すなわち、図5では、端末ID「10」で識別されるユーザ端末10は、ユーザID「U01」で識別されるユーザU01に利用される端末装置であることを示している。また、位置情報の一例として、「2016年10月1日 8:00」に取得された位置情報は、位置情報「P47」が示す範囲にユーザ端末10が所在することを示している。また、位置情報の他の一例として、「2016年10月1日 12:00」に取得された位置情報は、位置情報「P55」が示す範囲にユーザ端末10が所在することを示している。
(ユーザ情報記憶部122について)
ユーザ情報記憶部122は、ユーザに関する情報を記憶する。ここで、図6に、第1の実施形態に係るユーザ情報記憶部122の一例を示す。図6は、第1の実施形態に係るユーザ情報記憶部122の一例を示す図である。図6に示すように、ユーザ情報記憶部122は、「ユーザID」、「申込み日」、「住所」、「職業」、「年収」、「年齢」、「信用情報」といった項目を有する。
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報を示す。「サービスID」は、所定の金融サービスを識別する識別情報を示す。「申込み日」は、ユーザが所定の金融サービスの利用を申し込んだ日を示す。
「住所」は、所定の金融サービスの利用の申し込みに際して、ユーザから入力された情報のうち、住所を示す。「職業」は、ユーザから入力された情報のうち、職業を示す。なお、職業の項目には、勤務する会社名や、勤続年数等の情報が含まれてもよい。「年収」は、ユーザから入力された情報のうち、年収を示す。「年齢」は、ユーザから入力された情報のうち、年齢を示す。なお、ユーザ情報の各項目は、「A01」のような概念で示しているが、実際には、各項目を示す具体的な情報によって示される。例えば、住所の項目は、ユーザU01の住所である都道府県名や区市町村名等によって示される。
「信用情報」は、ユーザが申し込んだ所定の金融サービスにおける信用情報であって、後述する判定部133によって判定された信用情報を示す。図6に示す例では、信用情報を「E01」といった概念で示しているが、実際には、信用情報は、サービスごとに算出される指標値(例えば、1〜100の数値で示される指標値)等によって示されてもよい。
すなわち、図6では、ユーザID「U01」によって示されるユーザU01が、サービスID「X01」で識別される金融サービスに「2016年10月5日」に申し込んだ例を示している。このとき、ユーザU01から受け付けたユーザ情報のうち、住所は「A01」であり、職業は「B01」であり、年収は「C01」であり、年齢は「D01」であることを示している。また、当該サービスにおいて、ユーザU01の信用情報は「E01」であることを示している。
(制御部130について)
制御部130は、例えば、コントローラであり、CPUやMPU等によって、判定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(判定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、受付部132と、判定部133と、送信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザによって利用されるユーザ端末10から、ユーザ端末10の位置情報を取得する。具体的には、取得部131は、位置情報として、ユーザ端末10によって検知されたり、取得されたりした各種情報を取得する。取得部131は、所定の時間間隔でユーザ端末10から位置情報を取得し、取得した位置情報を位置情報記憶部121に格納する。
なお、取得部131は、後述する各処理部が利用する位置情報そのものを取得することを要しない。例えば、取得部131は、ユーザによって利用されるユーザ端末10から検出される情報に基づいて、ユーザ端末10の位置情報を取得するようにしてもよい。具体的には、判定部133が図1に示した位置情報P47のような所定範囲を示す情報を処理に利用する場合であっても、取得部131は、ユーザ端末10から位置情報P47そのものを取得することを要しない。すなわち、取得部131は、ユーザ端末10からは経度及び緯度によって示される位置情報を取得し、取得した経度及び緯度から検出される情報を位置情報P47のような所定範囲を示す情報に変換し、変換した情報を位置情報記憶部121に格納するようにしてもよい。
また、取得部131は、曜日情報を含めた日時情報とともに位置情報を取得するようにしてもよい。上述のように、判定処理は、例えば、ユーザが平日の早朝に所在する位置や、平日の昼間に所在する位置や、休日に所在する位置など、日時や曜日との関係性によって行われる場合がある。このため、取得部131は、曜日情報を含めた日時情報とともに位置情報を取得することで取得する位置情報の情報量を高め、より精度の高い判定処理が行われるようにしてもよい。
また、取得部131は、必ずしもユーザ端末10が位置情報を取得した時間と同じ時間に位置情報を取得しなくてもよい。すなわち、取得部131は、リアルタイムに位置情報を取得するのではなく、処理に利用する際に、ユーザ端末10の記憶部に記憶されている位置情報を取得するようにしてもよい。具体的には、取得部131は、判定処理が試みられた時点と対応する所定の時間における位置情報をさらに取得してもよい。例えば、取得部131は、判定処理が試みられた時点が「月曜日」の「8時00分」である場合には、その一週間前の「月曜日」の「8時00分」における、ユーザ端末10の位置情報を新たに取得してもよい。このように、取得部131が、対応する時間帯同士の位置情報を取得することにより、後述する判定部133は、対応する時間帯同士で位置情報の比較を行うといった判定処理を行うことが可能となる。
また、取得部131は、位置情報として、ユーザ端末10と他の装置における通信の状況を取得してもよい。具体的には、取得部131は、ユーザ端末10がアクセスポイントを介してインターネットなどにアクセスしている通信状況を取得する。この場合、取得部131は、アクセスポイントとの通信状況から検出される情報を位置情報として取得する。具体的には、取得部131は、ユーザ端末10と通信中のアクセスポイントの設置位置を割り出し、割り出したアクセスポイントの設置位置を、ユーザ端末10の位置情報として取得するようにしてもよい。また、取得部131は、上述のように、駅改札の装置とユーザ端末10との通信を検出することでユーザ端末10の位置情報を取得したり、ユーザ端末10のIPアドレスに基づいて位置情報を取得したりしてもよい。
(受付部132について)
受付部132は、各種情報を受け付ける。例えば、受付部132は、所定の金融サービスにおいて利用される情報であって、ユーザに関する情報であるユーザ情報の入力をユーザから受け付ける。具体的には、受付部132は、ユーザ端末10を介して、ユーザの属性情報や金融サービスの審査に利用されるユーザの資産情報等をユーザ情報として受け付ける。
受付部132は、例えば、ユーザの住所や性別や年齢などの属性、また、ユーザの年収や職業などの情報を受け付ける。さらに、受付部132は、ユーザが定職に就いているか否か、また、ユーザの資産や負債に関する情報等をユーザ情報として受け付けてもよい。受付部132は、受け付けた情報を、適宜、ユーザ情報記憶部122に格納する。
(判定部133について)
判定部133は、受付部132によって受け付けられたユーザ情報と、ユーザが利用するユーザ端末10から検出される位置情報との比較に基づいて、ユーザに関する信用情報を判定する。例えば、判定部133は、ユーザ情報と、位置情報から推定される情報であってユーザ情報に対応する情報とを比較することにより信用情報を判定する。
具体的には、判定部133は、ユーザ情報として受け付けたユーザの住所と、位置情報から推定されるユーザの住所との比較に基づいて、信用情報を判定する。また、判定部133は、ユーザ情報として受け付けたユーザの職業に関する情報と、位置情報から推定されるユーザの職業に関する情報との比較に基づいて、信用情報を判定してもよい。この場合、職業とは、職業自体の情報のみならず、勤務先の会社名や、勤務形態、勤務場所の情報等が含まれてもよい。
例えば、判定部133は、ユーザ情報と位置情報から推定される情報とに齟齬が生じる場合には、ユーザに対する信用情報を比較的低く判定するような処理を行う。また、判定部133は、位置情報に基づいて真と判定されたユーザ情報に応じて、ユーザの信用情報を判定してもよい。例えば、判定部133は、真と判定されたユーザ情報のユーザの住所が比較的高額所得者の多い地域に属するとか、勤務先が一部上場企業であるなどに応じて、ユーザの信用情報を高く判定してもよい。なお、このような信用情報の判定は、既知の信用情報の判定手法を適宜用いるようにしてもよい。
例えば、判定部133は、位置情報に応じて所定範囲(例えば、図1に示した位置情報P47等で示される範囲)を設定し、所定範囲のうちユーザが所在する確率を示す分布である確率分布に基づいて、ユーザ情報に対応する情報を推定してもよい。
より具体的には、判定部133は、一日の時間帯ごとの確率分布、曜日ごとの確率分布、又は、平日もしくは休日ごとの確率分布に基づいて、ユーザ情報に対応する情報を推定する。また、判定部133は、設定された所定範囲のうち、確率分布が所定の閾値を超える所定範囲をユーザの住所又は勤務先と推定するようにしてもよい。
例えば、判定部133は、一日の時間帯のうち、早朝(例えば朝8時まで)の時点でユーザが所在する所定範囲と、夜(例えば、夜8時以降)の時点でユーザが所在する所定範囲との確率分布が最も高い範囲を、ユーザの住所と推定する。あるいは、判定部133は、一日の時間帯のうち、早朝と夜以外の時間帯においてユーザが所在する所定範囲の確率分布が最も高い範囲を、ユーザの勤務先と推定する。
なお、判定部133は、ユーザの勤務先を推定する場合には、所定のデータベースを参照するようにしてもよい。例えば、判定部133は、ユーザから受け付けた勤務先が、位置情報から推定される位置に実際に所在しているか否かについて、会社情報が記録されたデータベースを参照し、ユーザ情報と位置情報から推定される情報とを照合するようにしてもよい。
(送信部134について)
送信部134は、各種情報を送信する。例えば、送信部134は、判定の要求が行われた旨を送信した送信元であるユーザ端末10に対して、判定部133が行った判定処理の結果を送信する。
具体的には、送信部134は、位置情報に基づいて推定される情報、又は、判定部133によって判定された信用情報に基づいて、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信する。例えば、送信部134は、位置情報に基づいて推定されるユーザの住所や勤務先と、受付部132によって受け付けられた住所や勤務先とに齟齬が生じている場合には、あらためてユーザに住所や勤務先の入力を促す通知や、住所や勤務先の真偽を確認するための通知を送信する。例えば、送信部134は、メールやプッシュ通知などの機能を利用して、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信する。
また、送信部134は、判定部133によって判定された信用情報に基づいて、ユーザから受け付けたユーザ情報が一定の信頼性を有すると判定される場合には、当該信頼性に応じた内容で、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信するようにしてもよい。
例えば、判定部133が、ユーザから受け付けたユーザ情報と位置情報から推定されたユーザ情報に対応する情報とに、齟齬がないと判定したとする。この場合、判定部133は、当該ユーザに対して通常よりも高い信用情報を判定する。そして、送信部134は、信用情報の値に基づいて、ユーザ情報が一定の信頼性を有すると判定される場合には、例えば、金融サービスを利用する際の優待に関する情報を送信する。
具体的には、送信部134は、クレジットカードの申し込みをユーザが行っている場合には、通常よりも限度額を引き上げたり、優遇した金利を提示したりする情報をユーザに送信する。また、送信部134は、融資の申し入れをユーザが行っている場合には、通常より融資額を増額してもよい。
なお、送信部134は、例えば、ユーザの居住している地域が比較的高額所得者の多い地域であるとか、勤務先が一部上場企業であるなど、具体的な情報に応じて、ユーザ情報の信頼性を判定してもよい。この場合も、送信部134は、適宜、限度額の引き上げや融資の増額等の情報をユーザに送信する。なお、このような限度額の引き上げの数値等は、予め判定装置100の管理者等により設定され、記憶部120内に格納されていてもよい。
また、送信部134は、位置情報に基づいて推定される情報に応じて、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信するタイミングを決定し、決定されたタイミングで所定の金融サービスに関する情報を送信するようにしてもよい。
例えば、送信部134は、取得部131によって取得される位置情報に基づいて、ユーザが自宅にいると推定されるタイミングや、ユーザが会社にいると推定されるタイミングを学習する。具体的には、送信部134は、所定のユーザに関しては、平日の朝8時までは自宅にいることが多く、平日の朝9時以降は会社にいることが多い、といったユーザの状況を学習する。そして、送信部134は、学習結果に基づき、送信に対してユーザから返信される確率が高い時間帯や場所にユーザがいるタイミングで、金融サービスに関する情報を送信する。これにより、送信部134は、ユーザに送信した情報がユーザから確認される確率や、ユーザから返信される確率を高めることができるため、円滑な情報伝達を行うことができる。
〔5.第1の実施形態に係る処理手順〕
次に、図7を用いて、第1の実施形態に係る判定装置100による処理の手順について説明する。図7は、第1の実施形態に係る判定処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、取得部131は、ユーザ端末10から位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。取得部131は、位置情報を取得していない場合(ステップS101;No)、取得するまで待機する。
一方、位置情報を取得した場合(ステップS101;Yes)、取得部131は、取得した位置情報を位置情報記憶部121に格納し、蓄積する(ステップS102)。
その後、受付部132は、ユーザからユーザ情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。言い換えれば、受付部132は、ユーザから所定の金融サービスに関する申込みを受け付けたか否かを判定する。受付部132は、ユーザ情報の入力を受け付けていない場合(ステップS103;No)、位置情報の取得処理に処理を戻す。
一方、ユーザ情報の入力を受け付けた場合(ステップS103;Yes)、判定部133は、入力されたユーザ情報と位置情報とを比較する(ステップS104)。さらに、判定部133は、比較した情報に基づいて、ユーザの信用情報を判定する(ステップS105)。送信部134は、判定結果に基づく情報をユーザ端末10に送信する(ステップS106)。
〔6.第1の実施形態の効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る判定装置100は、判定部133を有する。判定部133は、判定部133は、所定の金融サービスにおいて利用される情報であって、当該所定の金融サービスを利用するユーザに関する情報であるユーザ情報と、ユーザが利用するユーザ端末10の位置情報から推定される情報との比較に基づいて、当該ユーザに関する信用情報を判定する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、ユーザに関する情報であるユーザ情報と、ユーザ端末10から検出される位置情報との比較に基づいて、ユーザの信用情報を判定する。これにより、判定装置100は、ユーザ情報の真偽を判定したり誤りを検出できたりするため、信頼のあるデータに基づいて、個人を対象とした信用情報の判定を行うことができる。
また、第1の実施形態に係る判定装置100は、ユーザ情報をユーザから受け付ける受付部132をさらに有する。判定部133は、ユーザ情報として受け付けたユーザの住所と、位置情報から推定されるユーザの住所との比較に基づいて、信用情報を判定する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、位置情報からユーザの住所を推定し、かかる情報と受け付けた情報とを比較する。これにより、判定装置100は、ユーザから申告された住所に、本当にユーザが居住しているか否かといって検証を行うことができるため、ユーザの信用情報を精度よく判定することができる。
また、判定部133は、ユーザ情報として受け付けたユーザの職業に関する情報と、位置情報から推定されるユーザの職業に関する情報との比較に基づいて、信用情報を判定する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、位置情報からユーザの職業に関する情報を推定し、かかる情報と受け付けた情報とを比較する。これにより、判定装置100は、ユーザから申告された勤務先が真であるか否か、また、ユーザが定職に就いているかといった情報を検証できるため、ユーザの信用情報を精度よく判定することができる。
また、判定部133は、位置情報に応じて所定範囲を設定し、所定範囲のうちユーザが所在する確率を示す分布である確率分布に基づいて、ユーザ情報に対応する情報を推定する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、ユーザ端末10から取得する位置情報(例えば、経度及び緯度の情報)を用いるのみならず、所定範囲を設定し、所定範囲内にユーザが所在する確率を求めることで、ユーザ情報に対応する情報を推定する。これにより、判定装置100は、ある程度の幅を持たせた情報を用いてユーザの所在を検証することができるため、実状に即したユーザ情報の推定処理を行うことができる。
また、判定部133は、一日の時間帯ごとの確率分布、曜日ごとの確率分布、又は、平日もしくは休日ごとの確率分布に基づいて、ユーザ情報に対応する情報を推定する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、時間帯や曜日などの概念を用いてユーザの所在する確率分布を生成し、生成した確率分布に基づいてユーザ情報を推定する。これにより、判定装置100は、ユーザの現実の動きをより正確に捉えることができるため、精度よくユーザ情報を推定することができる。
また、判定部133は、設定された所定範囲のうち、確率分布が所定の閾値を超える所定範囲を、ユーザの住所又は勤務先と推定する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、確率分布に基づいてユーザの住所や勤務先を推定する。一般に、住所や勤務先を示す位置は、ユーザが所在する確率分布が高くなると想定される。このため、判定装置100は、確率分布に所定の閾値を設けることで、ユーザの住所や勤務先を的確に推定することができる。
また、第1の実施形態に係る判定装置100は、位置情報に基づいて推定される情報、又は、判定部133によって判定された信用情報に基づいて、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信する送信部134をさらに備える。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、ユーザに所定の情報を送信するようにしてもよい。これにより、判定装置100は、判定した信用情報に基づいてユーザに種々の情報を通知することができるため、例えば、金融サービスの申し込み等において、円滑な情報伝達を行うことができる。
また、送信部134は、位置情報に基づいて推定される情報に応じて、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信するタイミングを決定し、決定されたタイミングで所定の金融サービスに関する情報を送信する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、位置情報に基づいて、ユーザに情報を送信するタイミングについても決定することができる。これにより、判定装置100は、ユーザが情報を受け取りやすいタイミングなどで情報を送信できるので、ユーザから閲覧されたり返信されたりする確率を高め、サービス側との情報の伝達を円滑に行うことができる。
また、送信部134は、信用情報に基づいてユーザから受け付けたユーザ情報が一定の信頼性を有すると判定される場合には、信頼性に応じた内容で、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信する。
このように、第1の実施形態に係る判定装置100は、例えば、ユーザから受け付けたユーザ情報と位置情報から推定されたユーザ情報に対応する情報とに齟齬がないユーザに関しては、優遇した金融サービスを提供するなど、柔軟なサービスを提供することができる。
〔7.第2の実施形態〕
上記第1の実施形態では、ユーザ端末10の位置情報に基づいて、所定の金融サービスの申し込みに関するユーザの信用情報を判定する処理が行われる例を示した。ここで、本願に係る判定装置は、ユーザ端末10の位置情報に基づいて、所定の金融サービスが利用された後の情報の変化を検知する処理を行ってもよい。この点について、第2の実施形態として説明する。なお、第1の実施形態と共通する事項については、説明を省略する。
〔8.第2の実施形態に係る判定処理の一例〕
図8を用いて、第2の実施形態に係る判定処理の一例について説明する。図8は、第2の実施形態に係る判定処理の一例を示す図である。図8では、第2の実施形態に係る判定装置200によって、ユーザ端末10から検出される位置情報の変化を検知し、検知した情報の変化に基づいて、ユーザ情報の変化を判定する処理が行われる一例を示す。
図8に示す例において、ユーザU01は、所定の金融サービスを利用中のユーザであるものとする。例えば、ユーザU01は、判定装置200が提供する金融サービスにおけるクレジットカードを契約したユーザであるものとする。この場合、ユーザU01は、クレジットカードの申し込み時点において、自身の情報を判定装置200に送信しているものとする。すなわち、ユーザU01は、金融サービスに自身のユーザ情報を登録しているものとする。
かかる状況において、判定装置200は、ユーザ端末10から取得する位置情報に基づいて、既に申込みを受けたユーザU01のユーザ情報の変化を検知する。ここで、クレジットカードの申し込みを終えたユーザは、クレジットカードの利用中に既に登録されているユーザ情報が変更されたとしても、情報を更新することを怠ったり、更新を忘れたりする場合がある。例えば、ユーザは、クレジットカードを申し込んだ後に転職したり、無職になったりする場合がある。この場合、ユーザの年収や資産情報が変化することによって、ユーザの信用情報が変化することが想定されるものの、クレジットカードを発行する事業者としては、ユーザから申請がない限り、かかる情報を捕捉することが難しい。例えば、事業者は、一旦カードを発行してしまった後では、ユーザの勤務先の情報等が変更されたとしても、ユーザからの申し出がない限り、かかる情報を捕捉することができない。
そこで、判定装置200は、以下に説明する処理によって、現時点で金融サービスを利用しているユーザのユーザ情報の変化を検知する。これにより、判定装置200は、ユーザから申請がない場合や、虚偽の申請がされた場合であっても、現時点でのユーザ情報を正確に捉えることができる。このため、判定装置200によれば、現時点でのユーザの信用情報を正確に判定することができる。以下、図8を用いて、判定装置200による処理の流れについて説明する。
図8に示すように、判定装置200は、ユーザU01が利用するユーザ端末10から位置情報を取得する(ステップS11)。そして、判定装置200は、取得した位置情報に基づいてユーザ情報の変化を検知する(ステップS12)。例えば、判定装置200は、図1で取得した位置情報と比較して、位置情報P55にユーザ端末10が所在することを示す情報が減少したことを検知する。より具体的には、判定装置200は、平日の昼間に取得される位置情報において、位置情報P55が示す範囲内に、ユーザ端末10が所在することを示す情報が減少したことを検知する。この場合、判定装置200は、ユーザU01から受け付けていたユーザ情報に何らかの変化が生じたことを検知する。
この処理について、図9を用いて具体的に説明する。図9は、第2の実施形態に係る判定処理を説明するための図である。図9では、図8に示した地図50を拡大した拡大図51及び拡大図52を示す。
例えば、判定装置200は、ユーザ端末10から取得する位置情報に基づいて、ユーザ端末10の所在する範囲の確率分布を生成しているものとする。図9に示す例では、拡大図51は、ユーザU01がサービスを申し込む時点で取得された位置情報によって示された確率分布を示す。また、拡大図52は、ユーザU01がサービスの利用を開始してから所定期間が経過した後に取得された位置情報によって示された確率分布を示す。なお、判定装置200は、所定期間(例えば1週間)に渡って継続的に取得された位置情報に基づいて、確率分布を生成するものとする。
図9に示す拡大図51では、ユーザ端末10から取得された位置情報は、位置情報P47が示す範囲にユーザ端末10が「0.5(50%)」の分布で所在していたことを示している。また、拡大図51では、位置情報P55が示す範囲にユーザ端末10が「0.3(30%)」の分布で所在していたことを示している。また、拡大図51では、位置情報P56が示す範囲にユーザ端末10が「0.03(3%)」、位置情報P57が示す範囲にユーザ端末10が「0.02(2%)」の分布で所在していたことを示している。
拡大図51で示したような位置情報が取得された場合には、図1で説明したように、ユーザU01が位置情報P47で示す範囲に居住し、また、位置情報P55で示す範囲に勤務先を有しているといったことが推定されることを示した。
一方、判定装置200は、ユーザU01がサービスの利用を開始してから所定期間が経過した後に取得された位置情報に基づいて、拡大図52に示すような確率分布を生成したものとする。
図9に示す拡大図52では、ユーザ端末10から取得された位置情報は、位置情報P47が示す範囲にユーザ端末10が「0.7(70%)」の分布で所在していることを示している。また、拡大図52では、位置情報P55が示す範囲にユーザ端末10が「0.03(3%)」の分布で所在していることを示している。また、拡大図52では、位置情報P56が示す範囲にユーザ端末10が「0.03(3%)」、位置情報P57が示す範囲にユーザ端末10が「0.02(2%)」の分布で所在していることを示している。
このとき、判定装置200は、例えば、下記式(1)に示すような算出式によって、ユーザU01に関する位置情報が変化したか否かを判定する。
上記式(1)において、「Pi(iは座標に対応する)」は、変化前の位置情報における確率分布を示す。「P´i」は、変化後の位置情報における確率分布を示す。また、「diff(differenceの意)」は、位置情報の確率分布の変化量を示す。すなわち、判定装置200は、位置情報ごとの確率分布の変化を合計し、所定の閾値を超えた値が算出された場合に、ユーザU01の位置情報に変化が生じたと判定する。
判定装置200は、拡大図51に示す状況と拡大図52に示す情報とでは、上記式(1)に基づいて値を算出した場合にユーザU01の位置情報に変化が生じたと判定したものとする。この場合、判定装置200は、位置情報の変化に基づいて、ユーザU01に生じた変化を検知する。
例えば、判定装置200は、平日の昼間に取得されるユーザ端末10の位置情報から、サービス申込み時点と比較して、位置情報P55が示す範囲にユーザ端末10が所在しなくなったことを検知する。そして、判定装置200は、第1の実施形態で説明した推定処理に基づいて、現時点においてユーザU01が勤務する会社が位置情報P55の示す範囲に所在しないことを検知する。言い換えれば、判定装置200は、サービス申込み時点と現時点とで、ユーザU01の勤務先が変化していることを検知する。
そして、判定装置200は、ユーザ情報が変更されたと推定される場合には、情報の変更をユーザU01に要求する(ステップS13)。例えば、判定装置200は、ユーザ端末10に対して、ユーザ情報の更新を促す通知を送信する。具体的には、判定装置200は、ユーザ情報の更新を促すプッシュ通知をユーザ端末10の画面に表示させたり、ユーザ端末10宛てのメールを自動送信したりすることで、ユーザU01による情報の更新を促す。
なお、判定装置200は、ユーザ情報が変化したと推定したことによって、金融サービスに関する所定の処理を行ってもよい。例えば、判定装置200は、当該金融サービスにおいて、ユーザU01の信用情報を低下させるなどの処理を行ってもよい。具体的には、判定装置200は、ユーザU01が利用しているクレジットカードの限度額を一時的に引き下げるなどの処理を行ってもよい。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、所定の金融サービスにおいて利用される情報であって、ユーザU01に関する情報であるユーザ情報を取得する。そして、判定装置200は、ユーザU01が利用するユーザ端末10から検出される位置情報の変化を検知する。さらに、判定装置200は、検知された位置情報の変化に基づいて、取得されたユーザ情報の変化を判定する。
すなわち、第2の実施形態に係る判定装置200は、第1の実施形態で説明したように、サービスの審査段階で位置情報を利用するのみならず、サービスの利用中においても位置情報を利用する。そして、判定装置200は、位置情報が変化した、すなわち、ユーザU01における生活圏が変化したという状況を検知する。この場合、判定装置200は、例えばユーザ情報の変更を促す通知をユーザU01に送信する。このように、判定装置200によれば、サービスの申し込み後のユーザ情報の変化を捕捉することができるため、ユーザ情報の変化をいち早く捉えたり、情報を更新しないユーザを検出したりすることができる。金融サービスにおいては、ユーザ情報であるユーザの定職や資産情報や居住地が変化することで、ユーザの信用情報が変化する場合がある。このため、判定装置200は、上記の判定処理を行ってユーザ情報の変化を検知することにより、個人を対象とした信用情報の判定をより正確に行うことができる。
〔9.第2の実施形態に係る判定装置の構成〕
次に、図10を用いて、第2の実施形態に係る判定装置200の構成について説明する。図10は、第2の実施形態に係る判定装置200の構成例を示す図である。図10に示すように、判定装置200は、第1の実施形態に係る判定装置100に対して、検知部135をさらに有する。なお、第1の実施形態で既に記載した各処理部の記載はここでは記載を省略するが、各処理部は、第1の実施形態で記載した処理についても適宜実行してもよい。また、図10では、受付部132の記載を省略しているが、判定装置200は受付部132を備えてもよい。
(位置情報記憶部121について)
図11に、第2の実施形態に係る位置情報記憶部121の一例を示す。図11は、第2の実施形態に係る位置情報記憶部121の一例を示す図である。図11では、第1の実施形態と比較して、記憶された情報に変化が生じた位置情報記憶部121の一例を示している。
すなわち、図11では、「2016年10月3日 12:00」、「2016年10月4日 12:00」及び「2016年10月5日 12:00」に取得された位置情報は、位置情報「P55」が示す範囲にユーザ端末10が所在することを示している。一方で、「2016年12月5日 12:00」、「2016年12月6日 12:00」、「2016年12月7日 12:00」及び「2016年12月19日 12:00」に取得された位置情報は、位置情報「P47」が示す範囲にユーザ端末10が所在することを示している。
これは、2016年10月3日頃の昼間には、継続的に、位置情報P55が示す範囲にユーザ端末10が所在していたのに対して、2016年12月5日頃の昼間には、継続的に、位置情報P47が示す範囲にユーザ端末10が所在していることを示している。すなわち、図11に示した位置情報からは、ある時点を境にユーザU01の生活圏(例えば、勤務先の住所など)が変化したことが推定される。
(取得部131について)
第2の実施形態に係る取得部131は、所定の金融サービスにおいて利用される情報であって、ユーザに関する情報であるユーザ情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザ情報が格納されているユーザ情報記憶部122を参照し、ユーザが金融サービスを申し込んだ時点で申告されたユーザ情報、すなわち、受付部132によって受け付けられたユーザ情報を取得する。また、取得部131は、金融サービスに現時点で登録されているユーザ情報、すなわち、所定の時点で更新されたユーザ情報を取得してもよい。
なお、取得部131は、金融サービスがウェブサーバ30から提供されている場合には、ウェブサーバ30にアクセスすることにより、当該金融サービスに関して登録されているユーザ情報を取得するようにしてもよい。また、取得部131は、第1の実施形態と同様の手法により、ユーザ端末10の位置情報を取得する。
(検知部135について)
検知部135は、ユーザが利用するユーザ端末10から検出される位置情報の変化を検知する。例えば、判定部133は、取得部131によって取得された位置情報と、過去にユーザが所定の金融サービスに登録したユーザ情報に関する位置情報との変化を検知する。一例として、検知部135は、位置情報に応じて所定範囲を設定し、所定範囲のうちユーザが所在する確率を示す分布である確率分布を用いて、確率分布の時間的な変化に基づいて、位置情報の変化を検知する。具体的には、検知部135は、図9の説明において示した上記式(1)のような判定式を用いて、確率分布の変化を算出する。そして、検知部135は、確率分布の変化を示す数値が所定の閾値を超える場合に、位置情報に変化が生じたことを検知する。言い換えれば、検知部135は、ユーザ情報に関する位置情報として、ユーザの住所や勤務先等を含め、ユーザの生活圏が変化したことを検知する。
例えば、検知部135は、一日の時間帯ごとの確率分布、曜日ごとの確率分布、又は、平日もしくは休日ごとの確率分布を用いて、位置情報の変化を検知する。具体的には、検知部135は、所定のユーザに関して、一日の時間帯のうち朝6時から朝10時の間に取得される位置情報が示す確率分布について、サービスの申込み前後の時点における確率分布と、現時点における確率分布との変化を算出する。これにより、検知部135は、対応する時間帯や曜日ごとにユーザの確率分布の変化を捉えることができるため、精度よくユーザの生活圏の変化を検知することができる。
(判定部133について)
第2の実施形態に係る判定部133は、検知部135によって検知された位置情報の変化に基づいて、過去に取得部131によって取得されていたユーザ情報の変化を判定する。例えば、判定部133は、所定の金融サービスにユーザが申し込んだ時点のユーザ情報と、検知部135によって位置情報の変化が検知された時点のユーザ情報との変化を判定する。
具体的には、判定部133は、ユーザ情報として受け付けたユーザの住所と、位置情報から推定されるユーザの住所との比較に基づいて、ユーザ情報の変化を判定する。また、判定部133は、ユーザ情報として受け付けたユーザの職業に関する情報と、位置情報から推定されるユーザの職業に関する情報との比較に基づいて、ユーザ情報の変化を判定してもよい。
例えば、判定部133は、位置情報が示す確率分布の変化に基づいて、取得部131によって取得されたユーザ情報が含むユーザの住所又は勤務先と、検知部135によって位置情報が変化したと検知された時点におけるユーザの住所又は勤務先とが変化したと判定する。すなわち、判定部133は、位置情報の変化が検知された場合には、ユーザ端末10から検出される位置情報から推定される情報が、金融サービスに登録されている住所や勤務先と変化が生じたと判定する。例えば、判定部133は、位置情報の変化に基づいて、ユーザが勤務先を変更したことや、ユーザが無職になった(平日の昼間も自宅にいるようになった)といった、ユーザ情報の変化を判定する。
(送信部134について)
第2の実施形態に係る送信部134は、判定部133によってユーザ情報が変化したと判定された場合に、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信する。
例えば、送信部134は、所定の金融サービスに関する情報として、所定の金融サービスに登録されているユーザ情報の更新を促す通知をユーザに送信する。例えば、送信部134は、住所や勤務先が変更された可能性の高いユーザに対して、金融サービスに登録している住所や勤務先の変更を促す通知をユーザに送信する。
また、送信部134は、所定の金融サービスに関する情報として、所定の金融サービスに登録されているユーザ情報と、検知部135によって検知された位置情報から推定される情報との比較に基づいて、所定の金融サービスに関する契約内容の変更を送信してもよい。例えば、送信部134は、所定の金融サービスに関する契約内容の変更として、ユーザに対する所定の金融サービスからの融資額の変更を通知する。
具体的には、送信部134は、ユーザが勤務先を変更したことにより、ユーザの信用情報が低下したと判定される場合には、ユーザが契約しているクレジットカードの限度額を引き下げたり、融資額を減額したりするなど、契約内容の変更を送信する。あるいは、送信部134は、比較的高額な所得者が居住している地域にユーザが引っ越したと判定される場合には、クレジットカードの限度額を引き上げたり、融資額を増額したりするなど、契約内容の変更を送信してもよい。
〔10.第2の実施形態に係る処理手順〕
次に、図12を用いて、第2の実施形態に係る判定装置200による処理の手順について説明する。図12は、第2の実施形態に係る判定処理手順を示すフローチャートである。
図12に示すように、取得部131は、ユーザ端末10から位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS201)。取得部131は、位置情報を取得していない場合(ステップS201;No)、取得するまで待機する。
一方、位置情報を取得した場合(ステップS201;Yes)、取得部131は、取得した位置情報を位置情報記憶部121に格納し、蓄積する(ステップS202)。
その後、検知部135は、取得した情報の変化を検知したか否かを判定する(ステップS203)。変化を検知しない場合(ステップS203;No)、取得部131は、ユーザ端末10の位置情報を取得する処理を継続する。
一方、変化を検知した場合(ステップS203;Yes)、判定部133は、位置情報の変化に基づいて、ユーザ情報が変化したか否かを判定する(ステップS204)。ユーザ情報が変化していないと判定する場合(ステップS204;No)、取得部131は、ユーザ端末10の位置情報を取得する処理を継続する。
一方、ユーザ情報が変化したと判定した場合(ステップS204;Yes)、送信部134は、判定結果に基づく情報をユーザ端末10に送信する(ステップS205)。
〔11.第2の実施形態の効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る判定装置200は、取得部131と、検知部135と、判定部133とを有する。取得部131は、ユーザが利用するユーザ端末10の位置情報を取得する。検知部135は、取得部131によって取得された位置情報と、過去にユーザが所定の金融サービスに登録した当該ユーザに関する情報であるユーザ情報に関する位置情報との変化を検知する。判定部133は、検知部135によって検知された位置情報の変化に基づいて、ユーザ情報の変化を判定する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、金融サービスの利用中におけるユーザ端末10の位置情報を利用し、位置情報の変化に基づいて、例えばユーザの生活圏が変化したという状況を検知する。これにより、判定装置200は、ユーザが金融サービスに登録しているユーザ情報の変化を、ユーザから申告を受けずとも検知することができる。一般に、金融サービスにおける個人ユーザに関しては、ユーザ情報の変化を継続的に捕捉することが難しい。一方、判定装置200によれば、ユーザに関する現時点の情報に基づいてユーザを判定することができるため、個人を対象とした信用情報の判定をより正確に行うことができる。
また、判定部133は、所定の金融サービスにユーザが申し込んだ時点のユーザ情報と、検知部135によって位置情報の変化が検知された時点のユーザ情報との変化を判定する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、ユーザが申し込んだ時点のユーザ情報と現時点のユーザ情報の変化を検知する。これにより、判定装置200は、金融サービスに申込みを行った個人ユーザであって、情報を更新していない個人ユーザに関して、ユーザ情報の捕捉を行うことができる。
また、判定部133は、ユーザ情報として登録されているユーザの住所と、位置情報から推定されるユーザの住所との比較に基づいて、ユーザ情報の変化を判定する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、位置情報の変化を検知することで、ユーザの住所が変更されたと判定することができる。これにより、判定装置200は、現時点におけるユーザの正確な住所を取得したり、ユーザに住所変更を促す通知を行ったりするなど、充実したサービスを提供することができる。
また、判定部133は、ユーザ情報として登録されているユーザの職業に関する情報と、位置情報から推定されるユーザの職業に関する情報との比較に基づいて、ユーザ情報の変化を判定する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、位置情報の変化を検知することで、ユーザの職業に関する情報(例えば勤務先など)が変更されたと判定することができる。一般に、ユーザの職業に関する情報は、ユーザの信用情報を判定するうえで重要な要素となりうる。このため、判定装置200によれば、より正確にユーザの信用情報を判定し、更新することができる。
また、検知部135は、位置情報に応じて所定範囲を設定し、所定範囲のうちユーザが所在する確率を示す分布である確率分布を用いて、確率分布の時間的な変化に基づいて、位置情報の変化を検知する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、複数の所定範囲を設定したうえで、各所定範囲における確率分布の差を算出することで、ユーザにおける位置情報の変化、すなわち、ユーザの生活圏の変化を捉える。これにより、判定装置200は、ユーザの生活圏の変化を精度よく検知することができる。
また、検知部135は、一日の時間帯ごとの確率分布、曜日ごとの確率分布、又は、平日もしくは休日ごとの確率分布を用いて、位置情報の変化を検知する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、対応する時間帯や曜日を用いて確率分布を比較する。これにより、判定装置200は、より正確にユーザの生活圏の変化を検知することができる。
また、判定部133は、確率分布の変化に基づいて、所定の金融サービスに登録されているユーザ情報が含むユーザの住所又は勤務先に対して、検知部135によって位置情報が変化したと検知された時点におけるユーザの住所又は勤務先が変化したことを判定する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、確率分布に基づいてユーザの住所や勤務先の変更を判定する。確率分布は、観測時間においてユーザが所在する範囲の分布を示す。すなわち、判定装置200は、ユーザがある範囲に所在する時間に応じて住所や勤務先を推定する処理を行うことで、推定を精度よく行うことができる。
また、第2の実施形態に係る判定装置200は、判定部133によってユーザ情報が変化したと判定された場合に、所定の金融サービスに関する情報をユーザに送信する送信部134をさらに備える。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、ユーザ情報の変化に応じた情報をユーザに送信する。これにより、判定装置200は、情報が変化したユーザを一早く捕捉することができるため、サービスの運営を円滑に進めることができる。
また、送信部134は、所定の金融サービスに関する情報として、所定の金融サービスに登録されているユーザ情報の更新を促す通知をユーザに送信する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、サービスに登録されている情報が変化したと推定されるユーザに対して情報の更新を求める通知を送信することで、サービスの運営を円滑に進めることができる。
また、送信部134は、所定の金融サービスに関する情報として、所定の金融サービスに登録されているユーザ情報と、検知部135によって検知された位置情報から推定される情報との比較に基づいて、所定の金融サービスに関する契約内容の変更を送信する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、ユーザ情報の変化に応じて、サービスに関する契約内容の変更を行ってもよい。これにより、判定装置200は、真のユーザ情報に応じた内容のサービスをユーザに提供することができる。
また、送信部134は、所定の金融サービスに関する契約内容の変更として、ユーザに対する所定の金融サービスからの融資額の変更を通知する。
このように、第2の実施形態に係る判定装置200は、サービスに関する契約内容の変更として、融資額の変更を行ってもよい。これにより、判定装置200は、例えば契約時と異なる職業に就いているユーザに対して、現時点における職業に対応する限度額の設定を行うため、現時点におけるユーザ情報に応じた適切な限度額の設定を行うことができる。
〔12.変形例〕
上述した判定装置100(判定装置200も同様)は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
〔12−1.位置情報〕
上記実施形態では、位置情報は、ユーザ端末10が取得するGPS情報や、アクセスポイント等から取得することを説明した。しかし、判定装置100は、異なる情報からユーザ端末10の位置情報を取得してもよい。
例えば、判定装置100は、ユーザ端末10がウェブサーバ30から提供される各種サービスを利用した履歴に基づいて、ユーザ端末10の位置情報を取得してもよい。具体的には、判定装置100は、路線検索サービスにおいて頻繁にユーザ端末10から入力される駅を、ユーザの最寄り駅と推定する。そして、判定装置100は、最寄り駅を含む所定範囲をユーザ端末10が所在する地域として取得してもよい。かかる処理によれば、判定装置100は、ユーザ端末10が位置情報を取得する機能を有していない場合であっても、ユーザ端末10の位置情報を取得することができる。
〔12−2.処理の省略〕
判定装置100は、位置情報から推定される情報に基づいて、ユーザから受け付ける情報の確認を一部省略する判定等を行ってもよい。例えば、金融サービスにおいては、申込み時点でユーザから申告された勤務先について、オペレータが勤務先に電話を掛けるなどしてユーザの勤務先情報の確認を行う場合がある。ここで、判定装置100によれば、ユーザが平日の昼間に定期的に所在する位置が取得できるため、ユーザの勤務先を推定できる。この場合、判定装置100は、金融サービスのオペレータ等に、位置情報に基づいて会社の存在が確認できたことにより人為的な電話確認を省略すること等を通知してもよい。これにより、判定装置100は、サービスにおける審査の負担を軽減させることができる。
〔12−3.管理者へのアラート〕
また、判定装置200は、ユーザ情報が変更されたと判定した場合には、ユーザに情報を送信するのみならず、判定装置200の管理者や金融サービスの事業者に対して、アラートを出すようにしてもよい。例えば、判定装置200は、ユーザ情報が変化したと推定されるユーザを識別する情報を判定装置200の管理者や金融サービスの事業者に通知する。これにより、判定装置200の管理者や金融サービスの事業者は、ユーザ情報の変更の申し出のないユーザ等を迅速に検出することができる。
〔12−4.ユーザ端末の構成〕
上記実施形態では、ユーザ端末10の構成例について図3を用いて説明した。しかし、ユーザ端末10は、図3で例示した全ての処理部を備えることを必ずしも要しない。例えば、ユーザ端末10は、表示部13や位置検知部14aを必ずしも備えていなくてもよい。また、ユーザ端末10は、2以上の機器に分離されて図3を示す構成が実現されてもよい。例えば、ユーザ端末10は、少なくとも検知部14と取得部16とを有する検知装置と、少なくとも通信部11を有する通信装置とが分離された構成を有する、2台以上の機器により実現されてもよい。
〔13.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る判定装置100(判定装置200も同様)やユーザ端末10は、例えば図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、判定装置100を例に挙げて説明する。図13は、判定装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る判定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔14.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図4に示した取得部131と、受付部132とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部120に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた記憶装置に記憶されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、判定装置100が、ユーザ端末10の位置情報を取得する取得処理と、信用情報を判定する判定処理とを行う例を示した。しかし、上述した判定装置100は、取得処理を行う取得装置と、判定処理を行う判定装置とに分離されてもよい。この場合、取得装置は、取得部131を少なくとも有する。判定装置は、判定部133を少なくとも有する。この場合、第1の実施形態に係る判定装置100による処理は、取得装置と、判定装置といった各装置を含む判定システム1によって実現される。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。