JP2018044933A - 癌患者の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査方法、及び、検査キット - Google Patents
癌患者の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査方法、及び、検査キット Download PDFInfo
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Abstract
Description
項1. (A)癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞に対してパパニコロウ染色を行う工程、及び/又は、 (B)癌が認められる内臓器官の漿膜面から採取された細胞におけるCEA及び/又はCK20の発現量を測定する工程を含む、癌患者の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査方法。
項2. 前記内臓器官が、消化器系、生殖系、又は泌尿器系の器官である、項1に記載の検査方法。
項3. 前記内臓器官が、胃である、項1又は2に記載の検査方法。
項4. 前記(A)工程が、癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞に対してパパニコロウ染色し、染色された細胞を観察して異型細胞又は異常細胞の存在の程度を確認する工程である、項1〜3のいずれかに記載の検査方法。
項5. 前記(B)工程が、癌が認められる内臓器官の漿膜面から擦過して採取された細胞からRNAを抽出し、CEA及び/又はCK20のmRNAの発現量を測定する工程である、項1〜4のいずれかに記載の検査方法。
項6. 前記CEA及び/又はCK20のmRNAの発現量をRT−PCRで測定する、項5に記載の検査方法。
項7. (a)癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞をパパニコロウ染色するための試薬、及び/又は、(b)癌が認められる内臓器官の漿膜面から採取された細胞におけるCEA及び/又はCK20の発現量を測定するための試薬を含むことを特徴とする、癌患者の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査キット。
項8. 前記CEA及び/又はCK20の発現量を測定するための試薬が、CEA及び/又はCK20のmRNAの発現量を測定するために使用されるプライマーを含む、項7に記載の検査キット。
本発明の癌患者の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査方法は、
(A)癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞に対してパパニコロウ染色を行う工程、及び/又は、
(B)癌が認められる内臓器官の漿膜面から採取された細胞におけるCEA及び/又はCK20の発現量を測定する工程
を含むことを特徴とする。
本発明の検査方法は、工程(A)、工程(B)の少なくとも一方で「陽性」と判断される場合、癌患者の腹膜播種転移の可能性が高いとして判定される。
本発明の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査方法は、(A)癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞に対してパパニコロウ染色を行う工程、を含む。
(判定基準)
ClassI:異型細胞あるいは異常細胞の認められない場合
ClassII:異型細胞を認めるが悪性の疑いのない場合
ClassIII:悪性の疑いのある異型細胞を認めるが悪性の断定のできない場合
ClassIV:悪性の疑いきわめて濃厚な異型細胞を少数認める場合
ClassV:悪性と断定できる高度の異型細胞を認める場合
本発明の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査方法はまた、癌が認められる内臓器官の漿膜面から採取された細胞におけるCEA及び/又はCK20の発現量を測定する工程、を含む。
本発明の検査方法では、工程(A)又は工程(B)の少なくとも一方で「陽性」と判断される場合、術後の予後が悪く、腹膜播種転移の可能性が高いと予測される。また、工程(B)で「強陽性」と判断される場合、術後の予後がより悪く、腹膜播種転移の可能性がより高いと予測される。本発明の検査方法では、工程(A)か工程(B)のいずれかを有することで、腹膜播種転移の可能性を判断することができるが、診断精度がより高い点では、工程(A)及び工程(B)の両方を行うことが好ましい。工程(A)及び工程(B)で「陽性」と判断される場合、術後の予後は悪く、腹膜播種転移の可能性が非常に高いと予測される。
また、工程(A)又は工程(B)のいずれか一方を行って「陰性」と判断される場合、もう一方の工程(B)又は(A)を更に行うことが好ましい。両工程を行うことで、偽陰性をより高い確率で排除することができる。工程(A)及び工程(B)においていずれも「陰性」と評価される場合、術後の予後は良好であると判断され、腹膜播種転移の可能性が低いと予測される。
本発明の検査キットは、(a)癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞をパパニコロウ染色するための試薬、及び/又は、(b)癌が認められる内臓器官の漿膜面から採取された細胞におけるCEA及び/又はCK20の発現量を測定するための試薬、を含むことを特徴とする。
すなわち、(a)の試薬を用いて、癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞をパパニコロウ染色し、染色された細胞を顕微鏡下で観察し、前述の「1.検査方法」の欄に記載の評価基準にて評価し、Class IV又はClassVに該当する場合は、「陽性」と判断し、腹膜播種転移の可能性が高いと予測することができる。
胃癌患者について、下記に記載の方法で、捺印細胞診、RT−PCRによるCEA又はCK20のmRNAの発現量の測定、腹腔洗浄細胞診を行い、それぞれの方法において「陽性」又は「陰性」を判定した。
切除胃の腫瘍部における漿膜面に滅菌したスライドガラスを捺印した後、ポリエチレングリコールおよびエタノール(White Fix, ユーアイ化成)にて細胞をスライドガラスに固定した。次いで、固定したスライドガラス上の細胞をパパニコロウ染色により染色した。パパニコロウ染色は、具体的には、下記の手順で行った。
まず、スライドガラス上に固定された細胞を、50%エタノールで1分間処理して親水化した後、水洗し、ギル・ヘマトキシリンV(2倍希釈、武藤化学社製)で2分間処理して核染色した。次いで、水洗し、70%エタノールで洗浄し、95%エタノールで脱水した後、OG−6で1分間処理して細胞質染色を行った。そして、95%エタノールで分別し、次いで、EA−50で2分間処理して細胞質染色を行った。その後、100%エタノールで脱水し、キシレンで透徹して、封入剤(マリノール、武藤化学社製)で細胞標本を封入した。得られた細胞標本を顕微鏡(倍率200倍、又は400倍)で観察し、パパニコロウ分類(Papanicolaou classification、1954年分類)に従って評価した。具体的な評価基準を下記に示す。なお、これらのうちClass I、Class II、Class IIIに該当したものを陰性と判定し、Class IV、Class Vに該当したものを陽性と判定した。
Class I:異型細胞または異常細胞の認められない場合
Class II:異型細胞を認めるが悪性の疑いのない場合
Class III:悪性の疑いのある異型細胞を認めるが悪性の断定のできない場合
Class IV:悪性の疑いがきわめて濃厚な異型細胞を少数認める場合
Class V:悪性と断定できる高度の異型細胞を認める場合
(RT−PCRによるCEA、CK20のmRNAの発現量の測定)
胃癌漿膜面を、滅菌した綿棒で擦過し、得られた擦過検体を、トリアゾール又はRNA later(Life technology社製)に溶解した。溶解した検体からRNAを抽出し、ReverTra Ace qRT Master Mix (Toyobo life science, Osaka, Japan)を用いて、RT−PCR(ABI Prism 70000、Applied Biosystems, Foster City, CA)により、CEA及びCK20のmRNA発現量を測定した。用いたプライマーとプローブは、表1の通りである。また、内部標準として、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を用い、同様にしてその発現量を測定した。GAPDHの発現量を測定するのに用いたプライマーとプローブは、表1の通りである。
カットオフ値を以下のようにして求めた。すなわち、正常な胃の漿膜から同様に採取した検体(n=10)におけるCK20、CEA、GAPDHのmRNAの発現量を前記と同様にRT−PCRにより測定した。そして、GAPDHに対するCEAのmRNAの発現量の比と、GAPDHに対するCK20のmRNAの発現量の比について平均値と標準偏差を求め、(平均+標準偏差)の値を境界値として設定した。具体的には、GAPDHに対するCEAのmRNAの発現量の比については平均が0.036、標準偏差が0.114であり、カットオフ値を0.15とした。また、GAPDHに対するCK20のmRNAの発現量の比については平均が0.57、標準偏差が0.80であり、カットオフ値を1.37とした。
胃癌患者の腹腔内を生理食塩水100mlにて洗浄し、洗浄した後の液を回収して遠心分離(200×g)し、上清を除去してペレット細胞を得た。得られたペレット細胞を前述の方法でパパニコロウ染色して「陽性」又は「陰性」を判定した。
Claims (8)
- (A)癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞に対してパパニコロウ染色を行う工程、及び/又は、
(B)癌が認められる内臓器官の漿膜面から採取された細胞におけるCEA及び/又はCK20の発現量を測定する工程
を含む、癌患者の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査方法。 - 前記内臓器官が、消化器系、生殖系、又は泌尿器系の器官である、請求項1に記載の検査方法。
- 前記内臓器官が、胃である、請求項1又は2に記載の検査方法。
- 前記(A)工程が、癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞に対してパパニコロウ染色し、染色された細胞を観察して異型細胞又は異常細胞の存在の程度を確認する工程である、請求項1〜3のいずれかに記載の検査方法。
- 前記(B)工程が、癌が認められる内臓器官の漿膜面から擦過して採取された細胞からRNAを抽出し、CEA及び/又はCK20のmRNAの発現量を測定する工程である、請求項1〜4のいずれかに記載の検査方法。
- 前記CEA及び/又はCK20のmRNAの発現量をRT−PCRで測定する、請求項5に記載の検査方法。
- (a)癌が認められる内臓器官の漿膜面から捺印された細胞をパパニコロウ染色するための試薬、
及び/又は、
(b)癌が認められる内臓器官の漿膜面から採取された細胞におけるCEA及び/又はCK20の発現量を測定するための試薬
を含むことを特徴とする、癌患者の腹膜播種転移の可能性を判定するための検査キット。 - 前記CEA及び/又はCK20の発現量を測定するための試薬が、CEA及び/又はCK20のmRNAの発現量を測定するために使用されるプライマーを含む、請求項7に記載の検査キット。
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JP7396640B2 (ja) | 2019-11-05 | 2023-12-12 | 日本メナード化粧品株式会社 | 角質細胞の成熟度を判定するための染色方法 |
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