JP2018044809A - 線状縞模様除去方法、タイヤ内面検査方法、及びタイヤ内面検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】線状縞模様を有するタイヤ内面の検査画像をコンピュータが取得した後、コンピュータが、予め設定した処理対象領域の線状縞模様に最も近似する近似領域を、予め設定した検査画像の探索範囲から抽出して、前記処理対象領域の画像を前記近似領域の画像に置換する処理を、前記処理対象領域を移動させながら繰り返し行うことにより、前記検査画像を近似領域の画像に置換した合成画像を作成する。さらに、コンピュータが、前記検査画像の各画素の値から前記合成画像の対応する画素の値を差し引くことにより、前記線状縞模様が除去された処理検査画像を作成する。
【選択図】 図2
Description
線状縞模様は比較的周期的にタイヤ内面に形成されているので、この周期性を利用して線状縞模様を抽出することができる。
しかし、この方法では、線状縞模様の周期が一定でない場合や、縞模様の端部が蛇行する場合や、線状部分の長手方向に沿った縁部が微小凹凸を成している場合、線状縞模様の周期性を利用しても、十分に線状縞模様を除去することはできず、欠陥として誤判定される場合があった。
具体的には、上記方法では、タイヤ回転方向に直交する方向のラインごとに、取込画像の各画素の濃度を、各画素が含まれるライン上の平均濃度に変換して、濃度射影変換する。濃度射影変換が行われた画像に対して、タイヤの回転方向のラインのうちの1つのライン上の画素について、フーリエ展開する。フーリエ展開された周波数成分から、算出されたブラダーグルーブの本数で決まる周波数成分を除去し、残余の周波数成分を逆フーリエ展開し、逆フーリエ展開された画像に基づいて欠陥検出処理を行う。
ブラダー溝の線状縞模様を有するタイヤ内面の検査画像をコンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記検査画像中の前記線状縞模様を除去しようとする処理対象領域と、前記処理対象領域と異なる前記処理対象領域より大きな探索範囲と、を設定するステップと、
前記コンピュータが、前記処理対象領域の前記線状縞模様に最も近似する近似領域を前記探索範囲から抽出して、前記処理対象領域の画像を前記近似領域の画像に置換する処理を、前記処理対象領域を移動させながら繰り返し行うことにより、前記検査画像を近似領域の画像に置換した合成画像を作成するステップと、
前記コンピュータが、前記検査画像の各画素の値から前記合成画像の対応する画素の値を差し引くことにより、前記線状縞模様が除去された処理検査画像を作成するステップと、を有する。
前記探索範囲のタイヤ幅方向の画素数の、前記処理対象領域のタイヤ幅方向の画素数に対するタイヤ幅方向比率は、1〜10であり、前記探索範囲のタイヤ周方向の画素数の、前記処理対象領域のタイヤ周方向の画素数に対するタイヤ周方向比率は、1〜100倍である、ことが好ましい。
コンピュータが、前記線状縞模様除去方法により前記処理検査画像を作成するステップと、
前記コンピュータが、前記処理検査画像から、タイヤ内面の欠陥を特定するステップと、を有する。
タイヤ内面を計測する計測ユニットと、
計測して得られるタイヤ内面の検査画像を画像処理して処理検査画像を得る画像処理部と、
前記処理検査画像から、タイヤ内面の欠陥を特定する欠陥検査部と、を含む。
前記画像処理部は、
前記検査画像中の前記線状縞模様を除去しようとする処理対象領域と、前記処理対象領域と異なる前記処理対象領域より大きな探索範囲と、を設定する設定部と、
前記処理対象領域の前記線状縞模様に最も近似する近似領域を前記探索範囲から抽出して、前記処理対象領域の画像を前記近似領域の画像に置換する処理を、前記処理対象領域を移動させながら繰り返し行うことにより、前記検査画像を近似領域の画像に置換した合成画像を作成する合成処理部と、
前記検査画像の各画素の値から前記合成画像の対応する画素の値を差し引くことにより、前記線状縞模様が除去された前記処理検査画像を作成する処理検査画像作成部と、を含む。
図1は、本実施形態の線状縞模様除去方法及びタイヤ内面検査方法を行うタイヤ内面検査装置10を説明する図である。図2は、本実施形態のタイヤ内面検査方法を行うタイヤ内面検査装置10の構成を示す図である。
検査画像は、タイヤ内面のトレッド部に対応するトレッド部内面、サイド部に対応するサイド部内面、及びビード部に対応するビード部内面の画像を含む。トレッド部内面とビード部内面を同時に取得できない場合、光源12、ミラー14、及びカメラ16とは別の光源、ミラー、及びカメラの組を用いて別々の検査画像を取得したのち、後述する画像処理部で1つの画像として合成してもよい。
画像処理部24は、計測ユニット11で計測したタイヤ内面の検査画像を取得し、この検査画像を画像処理して処理検査画像を得る部分である。
設定部24aは、取得した検査画像中の線状縞模様を除去しようとする処理対象領域と、処理対象領域と異なる処理対象領域より大きな探索範囲と、を設定する部分である。
設定部24aは、処理対象領域については、予め定めたサイズの領域を検査画像中で定め、この処理対象領域を、重なることなく線状縞模様を備えるタイヤ内面の領域をカバーするように設定する。探索範囲についても、設定部24aは、処理対象領域の近傍に予め定めたサイズの領域を定める。このような領域の設定は、ディスプレイ30に表示された検査画像をオペレータが見ながら、行うことができる。処理対象領域及び探査範囲の領域の設定は、オペレータがサイズと位置をそれぞれ入力して指定してもよいが、領域のサイズをオペレータが入力した後、設定部24aが自動的に領域の位置を設定してもよい。
処理検査画像作成部24cは、検査画像の各画素の値から合成画像の対応する画素の値を差し引くことにより、線状縞模様が除去された処理検査画像を作成する部分である。
合成処理部24b及び処理検査画像作成部24cの行う処理内容の詳細については、後述する。
ディスプレイ30は、画像処理部24及び欠陥検査部26で取得した検査画像や処理中あるいは処理の完了した画像を表示する。
図3(a),(b)は、合成処理部24bが行う処理を説明する図である。
図3(a)には、検査画像I中に、設定部24aで設定された処理対象領域Rと、探査範囲Aが示されている。図3(a),(b)に示す検査画像Iでは、線状縞模様は図示されていない。合成処理部24bは、まず、処理対象領域Rの線状縞模様に最も近似する近似領域を、探索範囲Aから抽出する。このとき、近似領域の抽出は、特に制限されないが、以下の抽出が好適に例示される。処理対象領域Rと同じサイズの走査領域の位置を探索範囲Aの中で変えながら、走査領域における画像の画素の値と処理対象領域Rの対応する画素の値との差分の絶対値の総和を算出する。算出した総和の中で、走査領域の画像の画素の値と処理対象領域Rの対応する画素の値との差分の絶対値の総和が最小となるときの走査領域を、近似領域として抽出する。より具体的には、合成処理部24bは、処理対象領域Rと同じサイズの走査領域を探査範囲A内に定め、この走査領域の画素の値と処理対象領域Rの対応する画素の値との差分の絶対値の総和を算出し、この走査領域を一画素ずつずらしながら絶対値の総和が探索範囲Aの中で最小となる走査領域を近似領域として抽出する。図3(a)では、近似領域Sが抽出されたことを示している。
合成処理部24bは、このような処理を、処理対象領域Rを検査画像の位置を移動させながら繰り返し行うことにより、線状縞模様を備える検査画像の領域全体を近似領域Sの画像に置換した合成画像を作成する。勿論、線状縞模様のない検査画像の領域にも、上記処理を行って、検査画像全体に対応する合成画像を作成してもよい。これにより、一部分が欠落した線状縞模様(例えばジグザグ状に蛇行した線状縞模様、あるいは両側の縁が微小凹凸形状となった線状縞模様)を修正した画像を得ることができる。しかも、線状縞模様に、一定の周期から外れている部分(縞模様の間隔が等間隔でない部分)があっても、その部分の非周期の線状縞模様を再現することができる。
この後、処理検査画像作成部24cは、検査画像の各画素の値から合成画像の対応する画素の値を差し引くことにより、線状縞模様が除去された処理検査画像を作成する。
計測ユニット11が得る画像の表面凹凸に関する高さ情報には、トレッド部対応内面及びサイド部対応内面の領域を含む検査画像の場合、トレッド部対応内面及びサイド部対応内面のタイヤ形状に依存した凹凸も含まれている。このため、計測ユニット11で得られた画像から、トレッド部対応内面及びサイド部対応内面のタイヤ形状に依存した凹凸を除去した画像を作成する。タイヤ形状に依存した凹凸の除去には、公知の方法が用いられる。この画像を検査画像とする。図6(a)は、検査画像の一例を示している。この検査画像には、ブラダーグルーブに起因した線状縞模様が存在している(傾斜した白い線)。図6(b)は、図6(a)に示す検査画像に、フィルタ処理を施して検査画像から得られる低周波のうねり成分の画像を示している。図6(b)中に一部白い領域があり、この領域でうねっている。図6(c)は、図6(a)に示す検査画像に対して、上述した線状縞模様除去を行うことにより作成された合成画像の例を示している。図6(d)は、図6(a)に示す検査画像の各画素の値から、図6(b)に示すうねり成分の画像の対応する画素を差し引き、さらに、図5(c)に示す合成画像の対応する画素の値を差し引くことにより作成される処理検査画像の例を示す。図6(d)に示す例では、欠陥は見られない。
周期性を利用して線状縞模様を除去する従来の処理では、具体的には、画像を短冊状に区切り、短冊状の各領域において、フーリエ変換とその逆変換を行って線状縞模様の除去処理を行った。図7(b)に示すように、線状縞模様が完全に除去できない(図7(b)の画像には、複数の線が残る)。このため、この画像に対して欠陥検査を行うと、欠陥の誤検出が多数発生し易い。これに対して、図7(c)に示す本実施形態の処理検査画像では、線状縞模様が完全に除去されている。このため、本実施形態の処理検査画像を用いて欠陥検査を行っても、誤検出は極めて少ない。
なお、処理対象領域Rを移動させるたびに、探索範囲Aも再設定されることが好ましい。探索範囲Aを処理対象領域Rの近傍に再設定することにより、処理対象領域Rの画像をより近似した近似領域Sの画像に置換することができる。
4 開口部
10 タイヤ内面検査装置
11 計測ユニット
12 光源
14 ミラー
16 カメラ
18 処理ユニット
20 CPU
22 記憶部
24 画像処理部
24a 設定部
24b 合成処理部
24c 処理検査画像作成部
26 欠陥検査部
28 制御部
30 ディスプレイ
Claims (8)
- コンピュータが、タイヤ内面の検査画像から、タイヤ製造時に使用するブラダーのブラダー溝が転写されたタイヤ内面の線状縞模様を除去する方法であって、
ブラダー溝の線状縞模様を有するタイヤ内面の検査画像をコンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記検査画像中の前記線状縞模様を除去しようとする処理対象領域と、前記処理対象領域と異なる前記処理対象領域より大きな探索範囲と、を設定するステップと、
前記コンピュータが、前記処理対象領域の前記線状縞模様に最も近似する近似領域を前記探索範囲から抽出して、前記処理対象領域の画像を前記近似領域の画像に置換する処理を、前記処理対象領域を移動させながら繰り返し行うことにより、前記検査画像を近似領域の画像に置換した合成画像を作成するステップと、
前記コンピュータが、前記検査画像の各画素の値から前記合成画像の対応する画素の値を差し引くことにより、前記線状縞模様が除去された処理検査画像を作成するステップと、を有することを特徴とする線状縞模様除去方法。 - 前記検査画像は、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向に沿って画素が配列した画像であり、
前記探索範囲のタイヤ幅方向の画素数の、前記処理対象領域のタイヤ幅方向の画素数に対するタイヤ幅方向比率は、1〜10であり、前記探索範囲のタイヤ周方向の画素数の、前記処理対象領域のタイヤ周方向の画素数に対するタイヤ周方向比率は、1〜100倍である、請求項1に記載の線状縞模様除去方法。 - 前記探索範囲と前記処理対象領域との間のタイヤ周方向の離間距離は、前記処理対象領域のタイヤ周方向の画素数に対応する距離以下である、請求項2に記載の線状縞模様除去方法。
- 前記探索範囲と前記処理対象領域の位置は、タイヤ幅方向に関して部分的に重なっている、請求項2または3に記載の線状縞模様除去方法。
- 前記処理対象領域と同じサイズの走査領域の位置を前記探索範囲の中で変えながら、前期走査領域における画像の画素の値と前記処理対象領域の対応する画素の値との差分の絶対値の総和を算出した時、算出した前記総和の中で、前記近似領域の画像の画素の値と前記処理対象領域の対応する画素の値との差分の絶対値の総和は最小である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の線状縞模様除去方法。
- 前記処理対象領域を移動させるたびに、前記探索範囲も再設定される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の線状縞模様除去方法。
- コンピュータが、タイヤ内面の検査画像から、タイヤ内面の検査を行う検査方法であって、
コンピュータが、請求項1〜6のいずれか1項に記載の線状縞模様除去方法により前記処理検査画像を作成するステップと、
前記コンピュータが、前記処理検査画像から、タイヤ内面の欠陥を特定するステップと、を有する、ことを特徴とするタイヤ内面検査方法。 - タイヤ内面の検査画像から、タイヤ内面の検査を行うタイヤ内面検査装置であって、
タイヤ内面を計測する計測ユニットと、
計測して得られるタイヤ内面の検査画像を画像処理して処理検査画像を得る画像処理部と、
前記処理検査画像から、タイヤ内面の欠陥を特定する欠陥検査部と、を含み、
前記画像処理部は、
前記検査画像中の前記線状縞模様を除去しようとする処理対象領域と、前記処理対象領域と異なる前記処理対象領域より大きな探索範囲と、を設定する設定部と、
前記処理対象領域の前記線状縞模様に最も近似する近似領域を前記探索範囲から抽出して、前記処理対象領域の画像を前記近似領域の画像に置換する処理を、前記処理対象領域を移動させながら繰り返し行うことにより、前記検査画像を近似領域の画像に置換した合成画像を作成する合成処理部と、
前記検査画像の各画素の値から前記合成画像の対応する画素の値を差し引くことにより、前記線状縞模様が除去された前記処理検査画像を作成する処理検査画像作成部と、を含む、ことを特徴とするタイヤ内面検査装置。
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