以下に、第1の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
図1は、第1の実施形態に係る三次元プリンタ1を概略的に示す図である。三次元プリンタ1は、積層造形装置の一例である。積層造形装置は、三次元プリンタに限らず、積層造形法(Additive Manufacturing)により造形物を造形する他の装置であっても良い。三次元プリンタ1は、材料3による層MLの形成と、材料3の層MLの固化と、を繰り返すことで、三次元形状の造形物5を造形する。図1は、造形途中の造形物5を示す。
本実施形態において、材料3は、流動可能な懸濁液(スラリー)である。材料3は、例えば、液体と、当該液体中に分散したセラミック及び紫外線硬化性樹脂の粒子とを有する。材料3は、これに限らず、例えば、粘度の高い液体又は粉体のような、他の材料であっても良い。
図1に示すように、三次元プリンタ1は、ステージ11と、材料供給装置12と、カウンターブロック13と、光学装置14と、制御部15とを有する。ステージ11は、例えば、台、造形領域、又は塗布領域とも称され得る。材料供給装置12は、例えば、塗布装置、リコータ、又はブレードとも称され得る。カウンターブロック13は、部材の一例である。光学装置14は、造形部の一例であり、例えば、形成部、固化部、又は結合部とも称され得る。
図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。本明細書において、X軸は材料供給装置12の幅に沿い、Y軸は材料供給装置12の奥行き(長さ)に沿い、Z軸は材料供給装置12の高さに沿う。
図2は、第1の実施形態のステージ11の一部及び材料供給装置12の一部を概略的に示す斜視図である。図2に示すように、ステージ11は、載置台21と、周壁22とを有する。
載置台21は、例えば、正方形の板材である。なお、載置台21の形状はこれに限らず、矩形のような他の四角形(四辺形)、多角形、円、及び幾何学形状のような他の形状を呈する部材であっても良い。
図1に示すように、載置台21は、上面21aと、四つの端面21bとを有する。上面21aは、Z軸に沿う正方向(Z軸の矢印が示す方向、上方向)に向く略四角形の平坦な面である。なお、上面21aの形状はこれに限らない。端面21bは、上面21aとそれぞれ直交する面である。
周壁22は、Z軸に沿う方向に延びるとともに、載置台21を囲む四角形の筒状に形成される。載置台21の四つの端面21bは、周壁22の内面にそれぞれ接する。周壁22は、四角形の枠状に形成され、開放された上端22aを有する。上端22aは、Z軸に沿う正方向に向く略四角形の枠状の面である。
載置台21は、油圧昇降機のような種々の装置によって、周壁22の内部をZ軸に沿う方向に移動可能である。載置台21が最も上方に移動した場合、載置台21の上面21aと、周壁22の上端22aとは、略同一平面を形成する。
図1に示すように、材料供給装置12は、供給部31と、温度調整部32と、移動部33と、圧力調整部34と、を有する。供給部31は、例えば、塗布部、タンク、リコータ、又はブレードとも称され得る。移動部33は、例えば、変位部又は搬送部とも称され得る。圧力調整部34は、例えば、加圧部又は吐出制御部とも称され得る。
図3は、第1の実施形態の供給部31を示す断面図である。図3に示す供給部31は、例えば、金属によって作られる。なお、供給部31は、合成樹脂のような他の材料によって作られても良い。供給部31は、底壁41と、上壁42と、側壁43とを有する。
底壁41は、X‐Y平面上に広がる板状に形成され、Y軸に沿う方向に延びる。底壁41は、底面41aを有する。底面41aは、第1の面の一例である。底面41aは、供給部31の外面の一部であり、Z軸に沿う負方向(Z軸の矢印の反対方向、下方向)に向くとともに略平坦に形成される。底面41aは、例えば、載置台21の上面21a、又は周壁22の上端22aに向く。
上壁42は、X‐Y平面上に広がる板状に形成され、Y軸に沿う方向に延びる。上壁42は、上面42aを有する。上面42aは、供給部31の外面の一部であり、上方向に向くとともに略平坦に形成される。
側壁43は、底壁41の縁と、上壁42の縁とを接続する。これにより、供給部31は、中空の略直方体の箱状に形成される。供給部31の内部に、底壁41、上壁42、及び側壁43によって囲まれた収容部51が設けられる。収容部51は、供給部の内部の一例である。
収容部51は、Z軸に沿う方向において、底壁41と上壁42との間に位置する。収容部51は、材料3を収容する。このため、底壁41は、収容部51に収容された材料3を支持する。
供給部31の底壁41に、第1の開口52が設けられる。第1の開口52は、底面41aと収容部51とに連通する。言い換えると、第1の開口52は、底壁41を貫通し、底面41aに開口する。
第1の開口52は、例えば、Y軸に沿う方向に延びるスリットである。なお、第1の開口52はこれに限らない。例えば、底壁41の底面41aに、Y軸に沿う方向に並べられる複数の第1の開口52が設けられても良い。
第1の開口52は、収容部51から、X軸に沿う正方向(X軸の矢印が示す方向)且つZ軸に沿う負方向に斜めに延びる。X軸に沿う正方向は、第2の方向の一例である。第1の開口52は、例えば、Z軸に沿う方向のような他の方向に延びても良い。
供給部31に、第1の塗布部55が設けられる。第1の塗布部55は、第1のブレード56を有する。第1のブレード56は、第1の壁の一例である。第1のブレード56は、供給部31と一体に形成される。なお、第1のブレード56は、供給部31とは別個の部品であっても良い。
第1のブレード56は、供給部31の底壁41から、大よそZ軸に沿う負方向に延びる。第1のブレード56は、Y軸に沿う方向に延びる略三角柱状に形成される。なお、第1のブレード56は、他の形状に形成されても良い。Y軸に沿う方向における第1のブレード56の長さは、Y軸に沿う方向における載置台21の上面21aの長さと実質的に等しい。
第1のブレード56は、第1の開口52に対してX軸に沿う負方向(X軸の矢印の反対方向)に位置する。X軸に沿う負方向は、第2の方向の反対方向の一例である。第1のブレード56は、前面56aと、後面56bと、端面56cとを有する。前面56aは、第1の塗布部55が設けられた供給部31の一部であり、面とも称され得る。なお、前面56a及び後面56bは、説明の便宜上の名称であり、前面56a及び後面56bの位置及び向きを限定しない。
前面56aは、大よそX軸に沿う正方向に向く略平坦な面である。具体的に述べると、前面56aは、X軸に沿う正方向且つZ軸に沿う負方向に斜めに向く。前面56aは、底壁41の底面41aのX軸に沿う負方向の端に接続される。前面56aは、第1の開口52に対してX軸に沿う負方向に位置する。第1のブレード56の前面56aは、底壁41の底面41aとなす角度が90度以上であり、180度未満である。
後面56bは、前面56aの反対側に位置する。後面56bは、大よそX軸に沿う負方向に向く。端面56cは、前面56aと後面56bとのZ軸に沿う負方向の端部を接続する。端面56cは、第1のブレード56のZ軸に沿う負方向の端部であり、大よそZ軸に沿う負方向に向く。Z軸に沿う方向において、端面56cの位置は、ステージ11の周壁22の上端22aの位置と実質的に等しい。
前面56a及び端面56cは、材料3を弾く性質を有する。例えば、前面56a及び端面56cは、撥水膜によって覆われる。なお、供給部31が全体的に撥水性を有しても良い。
供給部31の第1のブレード56に、第2の開口58が設けられる。第2の開口58は、第1のブレード56の前面56aと、収容部51とに連通する。言い換えると、第2の開口58は、前面56aに開口する。
第2の開口58は、例えば、Y軸に沿う方向に延びるスリットである。なお、第2の開口58はこれに限らない。例えば、第1のブレード56の前面56aに、Y軸に沿う方向に並べられる複数の第2の開口58が設けられても良い。
第2の開口58は、第1の部分58aと、第2の部分58bとを有する。第1の部分58aは、X軸に沿う方向に延びるとともに、第1のブレード56の前面56aに開口する。第1の部分58aは、他の方向に延びても良い。第2の部分58bは、第1の部分58aと収容部51とを連通する。
上壁42に、第1の接続口59が設けられる。第1の接続口59は、上壁42の上面42aと収容部51とを連通する。なお、第1の接続口59は、底壁41又は側壁43のような供給部31の他の部分に設けられても良い。
温度調整部32は、例えば、供給部31の外部から、側壁43に取り付けられる。温度調整部32は、他の場所に設けられても良い。温度調整部32は、例えば、ヒータと温度センサとを有する。
温度調整部32は、例えば、側壁43を介して、収容部51に収容された材料3を加熱することが可能である。言い換えると、温度調整部32は、収容部51の温度を変更可能である。さらに、温度調整部32は、温度センサにより側壁43及び収容部51の中の材料3の温度を検知し、材料3を所定の温度に保つよう動作し得る。
図1に示すように、移動部33は、二つのレール61と、二つの移動機構62とを有する。図1は、二つのレール61のうち一つと、二つの移動機構62のうち一つとを示す。移動機構62は、回転部の一例である。二つのレール61は、X軸に沿う方向に平行に延び、互いに対向する。Y軸に沿う方向において、二つのレール61の間に載置台21が位置する。
図2に示すように、二つの移動機構62は、供給部31に取り付けられる。図2において、二つの移動機構62は、模式的に供給部31から離間した位置で示される。Y軸に沿う方向において、二つの移動機構62の間に供給部31が保持される。移動機構62は、レール61に、X軸に沿う方向に移動可能に取り付けられる。
移動機構62は、モータ、ローラ、及びアクチュエータのような種々の部品を有する。移動機構62は、供給部31を、レール61に沿って平行移動させることが可能である。言い換えると、移動機構62は、供給部31をX軸に沿う方向に移動させる。X軸に沿う方向は、X軸に沿う正方向と、X軸に沿う負方向とを含む。
さらに、移動機構62は、供給部31をZ軸に沿う方向に移動させるとともに、供給部31をY軸まわりに回転させることが可能である。すなわち、移動機構62は、供給部31とともに第1の塗布部55の第1のブレード56を回転させることが可能である。
以上のように、移動部33は、ステージ11に対する供給部31の相対的な位置を変化させる。なお、移動部33は、例えば、供給部31に対してステージ11を移動させても良い。
図4は、第1の実施形態の供給部31及びカウンターブロック13を示す断面図である。移動部33は、供給部31を、図2に示す第1の位置P1と、図1に示す第2の位置P2と、図4に示す第3の位置P3と、の間で移動させる。移動部33は、供給部31を他の位置に配置可能であっても良い。
図2に示すように、X軸に沿う方向において、第1の位置P1にある供給部31の第1のブレード56の端面56cは、載置台21に対してX軸に沿う負方向に位置する。言い換えると、第1の位置P1において、第1のブレード56の端面56cは、載置台21の外に位置する。
図3に示すように、X軸に沿う方向において、第2の位置P2にある供給部31の第1のブレード56の端面56cは、載置台21の上面21aに向く。言い換えると、第2の位置P2において、第1のブレード56の端面56cは、載置台21の上方向に位置する。
図4に示すように、X軸に沿う方向において、第3の位置P3にある供給部31の第1のブレード56の端面56cは、載置台21に対してX軸に沿う正方向に位置する。言い換えると、第3の位置P3において、第1のブレード56の端面56cは、載置台21の外に位置する。なお、第3の位置P3において、第1のブレード56の端面56cの一部が、載置台21の上方向に位置しても良い。
第2の位置P2は、単一の位置ではなく、第1の位置P1と第3の位置P3との間の複数の位置を含む。すなわち、移動部33が供給部31を第1の位置P1から第3の位置P3へ向かって移動させる間の、供給部31の各位置が、本実施形態における第2の位置P2である。
移動機構62は、供給部31を、Y軸に沿う方向のような他の方向に移動可能であっても良い。さらに、移動部33は、他の手段によって供給部31を移動させても良い。例えば、移動部33は、レール61及び移動機構62の代わりに、供給部31を移動させる搬送アームを有しても良い。
図1に示すように、圧力調整部34は、例えば、ポンプ65を有する。ポンプ65は、可撓性のチューブ66によって、供給部31の第1の接続口59に接続される。チューブ66の端部は、第1の接続口59に取り外し可能に接続される。
ポンプ65は、チューブ66を介して、第1の接続口59から供給部31の収容部51に圧縮空気を供給可能である。言い換えると、ポンプ65は、収容部51の圧力を変更可能である。
ポンプ65は、二系統のポンプ、又は二方向に運転可能なポンプを含む。このため、ポンプ65は、収容部51に圧縮空気を供給するのみならず、収容部51の空気及び材料3を吸引することができる。すなわち、ポンプ65は、収容部51の圧力を増加及び低減させることができる。
第1の接続口59からチューブ66が取り外されたとき、例えば、第1の接続口59から収容部51に材料3が補充され得る。なお、チューブ66が接続される第1の接続口59とは別に、材料3を補充するための開口が供給部31に設けられても良い。
図4に示すように、カウンターブロック13は、ステージ11の周壁22の上端22aに配置される。カウンターブロック13は、載置台21に対してX軸に沿う正方向に配置される。さらに、カウンターブロック13は、供給部31に対してX軸に沿う正方向に位置する。カウンターブロック13は、少なくとも、供給部31の一部に対してX軸に沿う正方向に位置すれば良い。
カウンターブロック13は、例えば、金属によって作られる。カウンターブロック13は、他の材料によって作られても良い。カウンターブロック13は、供給部31の第1のブレード56よりも柔らかい。例えば、カウンターブロック13は、第1のブレード56よりもビッカーズ硬度が低い。なお、カウンターブロック13はこれに限らない。
カウンターブロック13は、略台形状の断面を有し、Y軸に沿う方向に延びる棒状に形成される。カウンターブロック13は、他の形状に形成されても良い。カウンターブロック13は、側面71と、上面72と、二つの凸壁73とを有する。凸壁73は、第2の壁の一例である。図4は、二つの凸壁73のうち一つを示す。
側面71は、大よそX軸に沿う負方向に向く、カウンターブロック13の表面である。具体的に述べると、側面71は、X軸に沿う負方向且つZ軸に沿う正方向に斜めに向く。側面71は略平坦に形成されるが、曲面であっても良い。
上面72は、Z軸に沿う正方向に向くカウンターブロック13の表面であり、略平坦に形成される。Z軸に沿う方向において、上面72の位置と、供給部31の底面41aの位置とは、実質的に等しい。上面72に、複数の溝72aが設けられる。溝72aは、流路の一例である。溝72aは、上方向に開放された凹部であり、側面71からX軸に沿う方向に延びる。
二つの凸壁73は、カウンターブロック13の、Y軸に沿う両端部に設けられる。二つの凸壁73の間の距離は、Y軸に沿う方向における供給部31の第1のブレード56の長さと実質的に等しい。凸壁73は、側面71から、X軸に沿う負方向に突出する。
図1に示すように、光学装置14は、例えば、発振素子を有して紫外域のレーザ光Lを出射する紫外光源、レーザ光Lを平行光に変換する変換レンズ、レーザ光Lを収束させる収束レンズ、及びレーザ光Lの照射位置を移動させるガルバノミラーのような、種々の部品を有する。すなわち、光学装置14は、紫外線(レーザ光L)を出射可能である。光学装置14は、レーザ光Lのパワー密度を変更可能である。
光学装置14は、ステージ11の上方に位置する。なお、光学装置14は他の場所に配置されても良い。光学装置14は、前記紫外光源が出射したレーザ光Lを、前記変換レンズによって平行光に変換する。光学装置14は、傾斜角度を変更可能な前記ガルバノミラーにレーザ光Lを反射させ、前記収束レンズによってレーザ光Lを収束させることで、紫外域のレーザ光Lを所望の位置に照射する。
制御部15は、ステージ11、光学装置14、温度調整部32、移動部33、及び圧力調整部34に、電気的に接続される。制御部15は、例えば、CPU、ROM、及びRAMのような種々の電子部品を有する。
制御部15は、前記ROM、又は他の記憶装置に格納されたプログラムを読み出し実行することで、ステージ11、光学装置14、温度調整部32、移動部33、及び圧力調整部34を制御する。三次元プリンタ1は、制御部15の制御(プログラム)に基づき、造形物5を造形する。
以下、三次元プリンタ1が材料3から造形物5を造形する手順の一例について説明する。なお、三次元プリンタ1が造形物5を造形する方法は、以下に説明されるものに限らない。
まず、図1の三次元プリンタ1の制御部15に、例えば外部のパーソナルコンピュータから、造形物5の三次元形状のデータが入力される。当該三次元形状のデータは、例えばCADのデータであるが、他のデータであっても良い。
次に、制御部15は、取得した上記データの三次元形状を、複数の層に分割する(スライス)。制御部15は、スライスされた三次元形状を、例えば複数の点や直方体(ピクセル)の集まりに変換する(ラスタライズ、ピクセル化)。このように、制御部15は、取得した造形物5の三次元形状のデータから、複数の二次元形状の層のデータを生成する。生成されたデータは、例えば、制御部15のRAM又は記憶装置に記憶される。
次に、材料供給装置12の移動部33は、供給部31を、第1の位置P1から第3の位置P3に向かってX軸に沿う正方向に移動させる。供給部31が第1の位置P1から第3の位置P3に向かって移動し、第2の位置P2に位置するとき、材料供給装置12は、以下のようにステージ11の上に材料3を供給する。
最初、ステージ11の載置台21は、Z軸に沿う方向における載置台21の上面21aと周壁22の上端22aとの間の距離が所定の距離になるように配置される。載置台21の上面21aは、供給領域Rを形成する。供給領域Rは、材料が供給されるよう構成された領域の一例である。なお、供給領域Rは、後述するように、載置台21の上に積層される材料3の層MLによっても形成される。
供給領域Rは、載置台21の上面21aと実質的に同一の面積を有する、X‐Y平面上に広がる四角形の略平坦な面である。なお、供給領域Rの形状は、載置台21の上面21aの形状と異なっても良い。供給領域Rは、周壁22によって囲まれる。
図2に示すように、まず供給部31は、第1の位置P1に配置される。第1の位置P1において、第1のブレード56の端面56cは、供給領域Rの外に位置する。一方、底壁41の底面41aは、供給領域Rと重なる位置に配置される。なお、底面41aも、供給領域Rの外に配置されても良い。
供給部31が第1の位置P1にあるとき、圧力調整部34のポンプ65は、収容部51の圧力を陰圧に保っても良い。これにより、収容部51に収容された材料3が収容部51の内部に保たれ、材料3が第1の開口52及び第2の開口58から漏れることが抑制される。
移動部33が供給部31を第1の位置P1から第3の位置P3に向かって移動させるとき、ポンプ65は、収容部51に圧縮空気を供給する。これにより、収容部51の圧力が上昇し、収容部51の材料3が、第1の開口52及び第2の開口58から吐出される。
図3に示すように、供給部31は、第1の位置P1から第3の位置P3に移動するとき、第2の位置P2に位置する。供給部31が第2の位置P2に位置するとき、底壁41の底面41aは、供給領域RからZ軸に沿う正方向に離間した位置において、供給領域Rに向く。Z軸に沿う正方向は、X‐Y平面上に広がる供給領域Rと交差(直交)する方向であり、第1の方向の一例である。
ポンプ65が収容部51の圧力を上昇させると、収容部51の材料3は、第1の開口52から吐出される。言い換えると、第1の開口52は、底面41aと供給領域Rとの間の空間Sに、材料3を供給する。
第1の開口52は、材料3を、X軸に沿う正方向且つZ軸に沿う負方向に斜めに供給する。X軸に沿う正方向且つZ軸に沿う負方向は、領域に向く方向の一例である。このため、図3のようにY軸に沿う方向に見たとき、第1の開口52から材料3が供給される方向とX軸に沿う正方向との間の角度は、Z軸に沿う正方向とX軸に沿う正方向との間の角度(90度)よりも小さい。別の表現によれば、第1の開口52から材料3が供給される方向と供給領域Rとの間の角度は、0度より大きく且つ90度より小さい。
Y軸に沿う方向は、領域に沿い且つ第2の方向に直交する方向の一例である。上述のように第2の方向の一例であるX軸に沿う正方向は、供給領域Rに沿う供給部31の進行方向である。
底面41aと供給領域Rとの間の空間Sは、底壁41の底面41aと、供給領域Rと、第1のブレード56の前面56aとによって囲まれる。すなわち、底面41aと、供給領域Rと、前面56aとは、空間Sに向く。空間Sは、X軸に沿う正方向に開放される。
さらに、収容部51の材料3は、第2の開口58から吐出される。言い換えると、第2の開口58は、底面41aと供給領域Rとの間の空間Sに、材料3を供給する。このように、供給部31は、第1の開口52と第2の開口58とから、並行して材料3を空間Sに供給する。第1の開口52から供給される材料3の量(単位時間当たりの体積)は、第2の開口58から供給される材料3の量よりも多い。
第2の開口58は、材料3を、X軸に沿う正方向に吐出する。このため、図3のようにY軸に沿う方向に見たとき、第2の開口58から材料3が供給される方向とX軸に沿う正方向との間の角度(0度)は、第1の開口52から材料3が供給される方向とX軸に沿う正方向との間の角度よりも小さい。
別の表現により説明すれば、第2の開口58は、第1の開口52から材料3が供給される方向と交差し且つZ軸に沿う正方向よりもX軸に沿う正方向に近い方向に材料3を供給する。第1の開口52から材料3が供給される方向と底壁41の底面41aとの間の角度は、第2の開口58から材料3が供給される方向と底面41aとの間の角度(0度)より大きい。
第1の開口52から供給される材料3は、重力によって斜め下方向に移動しようとする。一方、第2の開口58は、第1の開口52に対してX軸に沿う正方向の反対側に位置する。別の表現によれば、第2の開口58は、第1の開口52に対して、移動部33が供給部31を移動させる方向の下流側に位置する。第1の開口52から供給される材料3は、このように配置された第2の開口58からX軸に沿う正方向に供給される材料3により、X軸に沿う正方向に押される。このため、第1の開口52及び第2の開口58から供給された材料3は、図3の矢印で示す回転運動をするように、空間Sで流動する。
詳しく説明すると、第1の開口52及び第2の開口58から供給された材料3は、X軸に沿う正方向に進みながら、重力によってZ軸に沿う負方向に落下する。このように、底壁41の底面41aの近傍において、材料3は、大よそX軸に沿う正方向に移動する。このため、空間Sに供給された材料3が、X軸に沿う正方向に向かう供給部31の移動を妨げることが抑制される。
供給部31が移動部33によってX軸に沿う正方向に移動するため、材料3は、Z軸に沿う負方向に落下しながら、供給部31に対してX軸に沿う負方向に移動する。このため、材料3は、供給領域Rの近傍において、供給部31に対して相対的に、X軸に沿う負方向に移動する。
第1のブレード56は、底壁41の底面41aから供給領域Rに向かって延びる。第1のブレード56の端面56cは、供給領域Rから僅かに離間する。Z軸に沿う方向において、第1のブレード56の端面56cと供給領域Rとの間の距離は、供給領域R(載置台21の上面21a)と周壁22の上端22aとの間の距離と実質的に等しい。
上述のように、移動部33は、供給領域Rに対して、供給部31をX軸に沿う正方向に相対的に移動させる。このとき、第1の開口52及び第2の開口58は、空間Sに材料3を供給する。材料3は、重力によって落下し、供給領域Rに付着する。すなわち、材料3は、供給領域Rに供給される。
第1のブレード56は、第1の開口52に対してX軸に沿う正方向の反対側に位置する。言い換えると、第1のブレード56は、第1の開口52に対して、移動部33が供給部31を移動させる方向の下流側に位置する。このため、第1のブレード56は、第1の開口52及び第2の開口58から空間Sに材料3が供給されている間に、第1の開口52及び第2の開口58から空間Sに供給された材料3を、供給領域Rに塗布する。
詳しく説明すると、Z軸に沿う方向において、空間Sに供給された材料3の厚さは、第1のブレード56の端面56cと供給領域Rとの間の距離よりも大きい。例えば、材料3が空間Sに溜まることで、空間Sに供給された材料3の厚さは、底壁41の底面41aと供給領域Rとの間の距離に実質的に等しくなる。
移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動させられるとき、第1のブレード56の前面56a及び端面56cは、空間Sの材料3を供給領域Rに向かって、Z軸に沿う負方向に押し付ける。さらに、第1のブレード56の端面56cは、材料3を均す。これにより、材料3は供給領域Rに塗布される。
Y軸に沿う方向において、第1の開口52の長さと、供給領域Rの長さとは、実質的に等しい。さらに、Y軸に沿う方向において、第2の開口58の長さと、供給領域Rの長さとは、実質的に等しい。これにより、Y軸に沿う方向において、供給領域Rの全域に材料3が供給される。
第1のブレード56の前面56a及び端面56cは、撥水膜によって覆われ、供給領域Rを形成する載置台21の上面21aよりも材料3に付着しにくい。このため、材料3は、前面56a及び端面56cの上を滑り、供給領域Rに塗布されやすい。
制御部15は、例えば、材料3の種類に応じ、温度調整部32を制御して収容部51の温度を調整する。材料3の種類に係る情報は、例えば、造形物5の三次元形状のデータに含まれる。
材料3の温度が変化することによって、材料3の流動性(粘度)が変化する。温度調整部32は、収容部51の材料3の温度を、材料3が供給領域Rに塗布されやすい温度に設定する。
制御部15のROM又は記憶装置に、例えば、材料3の種類に応じた収容部51の温度(設定温度)が記憶される。制御部15は、造形物5の三次元形状のデータから材料3の種類に係る情報を取得すると、上記設定温度を読み出す。制御部15は、収容部51の温度が上記設定温度となるように、温度調整部32を制御する。
図5は、第1の実施形態の回転させられた供給部31を示す断面図である。図5は、回転させられた供給部31を実線で示し、回転させられる前の供給部31を二点鎖線で示す。制御部15は、例えば、材料3の種類に応じ、移動機構62を制御して供給部31を回転させる。
第1のブレード56の前面56aと供給領域Rとの間の角度によって、材料3は、供給領域Rに塗布されやすく、又は塗布され難くなる。移動機構62は、第1のブレード56の前面56aと供給領域Rとの間の角度を、材料3が供給領域Rに塗布されやすい角度に設定する。前面56aと供給領域Rとの間の角度は、例えば、90度以下に設定される。
制御部15のROM又は記憶装置に、例えば、材料3の種類に応じた第1のブレード56の前面56aと供給領域Rとの間の角度(設定角度)が記憶される。制御部15は、造形物5の三次元形状のデータから材料3の種類に係る情報を取得すると、上記設定角度を読み出す。制御部15は、第1のブレード56の前面56aと供給領域Rとの間の角度が上記設定角度となるように、移動機構62を制御する。
移動機構62は、供給部31を回転させるとともに、供給部31をZ軸に沿う方向に移動させる。このため、Z軸に沿う方向における第1のブレード56と供給領域Rとの間の距離は、一定に保たれる。
図4に示すように、供給部31が第1の位置P1から第3の位置P3に移動することで、供給部31の第1のブレード56は、供給領域Rの全域に材料3を塗布する。これにより、供給領域Rに材料3が略均等に供給され、供給領域Rに材料3の層MLが積層される。層MLの表面は、周壁22の上端22aと略同一平面を形成する。
層MLを形成する材料3の体積と、供給部31が第1の位置P1から第3の位置P3に移動するまでの間に第1の開口52及び第2の開口58が供給した材料3の体積とは、大よそ同一である。制御部15は、ポンプ65を制御し、単位時間あたりに供給領域Rに塗布される材料3の体積と、単位時間あたりに第1の開口52及び第2の開口58から吐出される材料3の体積とが略同一となるよう、収容部51の圧力を調整する。
供給部31が第3の位置P3に到達すると、第1のブレード56の前面56aがカウンターブロック13に接触する。すなわち、第1のブレード56は、供給領域Rの外に移動させられることで、供給領域Rの外に配置されたカウンターブロック13に接触する。
供給領域Rの外において、供給部31がカウンターブロック13に近づくとき、カウンターブロック13が空間Sに溜まった材料3に接触する。移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動させられることで、空間Sが狭まり、空間Sに供給された材料3は、第1のブレード56の前面56aとカウンターブロック13の側面71とによって押される。
第1のブレード56とカウンターブロック13とに押された空間Sの材料3は、第1の開口52及び第2の開口58を通って、収容部51に移動させられる。このとき、ポンプ65は、収容部51の圧力を低下させることで、材料3を第1の開口52及び第2の開口58から吸引する。
供給部31が第3の位置P3に到達すると、第1のブレード56の前面56aが、カウンターブロック13の側面71に接触する。これにより、供給部31がさらにX軸に沿う方向に移動することが制限される。
第1のブレード56の前面56aの形状(傾斜角度)と、カウンターブロック13の側面71の形状(傾斜角度)とは互いに異なる。このため、供給部31が第3の位置P3にあるとき、第1の塗布部とカウンターブロック13との間に空間Sが残る。言い換えると、供給部31が第3の位置P3にあるとき、第1の塗布部55の第1のブレード56とカウンターブロック13との間に空間Sが形成される。さらに、第1の開口52は、カウンターブロック13によって塞がれず、空間Sに連通する。なお、第1の開口52がカウンターブロック13によって塞がれても良い。この場合、第2の開口58が空間Sに連通するため、材料3は第2の開口58を通って収容部51に移動させられる。
第1のブレード56とカウンターブロック13とによって材料3が押されるとき、カウンターブロック13の凸壁73は、Y軸に沿う方向から空間Sを塞ぐ。Y軸に沿う方向は、領域に沿い且つ第2の方向と直交する方向の一例である。このため、第1のブレード56とカウンターブロック13とによって押される材料3は、Y軸に沿う方向に漏れ出さず、第1の開口52及び第2の開口58を通って収容部51に移動させられる。
第1のブレード56とカウンターブロック13とによって材料3が押されるとき、カウンターブロック13の上面72と、底壁41の底面41aとは、互いに接触する。このため、第1のブレード56とカウンターブロック13とによって押される材料3は、カウンターブロック13の上面72と底壁41の底面41aとの間から漏れ出さず、第1の開口52及び第2の開口58を通って収容部51に移動させられる。
第1のブレード56とカウンターブロック13とによって材料3が押されるとき、カウンターブロック13の上面72の溝72aは、底壁41によって上方向から塞がれるとともに、空間Sの内部と、空間Sの外部とを連通する。溝72aの断面積は、スラリーである材料3が通過し難く、且つ気体が通過可能な大きさに設定される。このため、第1のブレード56とカウンターブロック13とによって材料3が押されるとき、空間Sの気体が溝72aを通って空間Sの外部に放出される。一方、空間Sの材料3は、溝72aを通らず、第1の開口52及び第2の開口58を通って収容部51に移動させられる。
空間Sの材料3が収容部51に移動させられると、移動部33は、供給部31を第1の位置P1に移動させる。このとき、供給部31の第1のブレード56は、材料3の層MLからZ軸に沿う方向に離間させられる。なお、供給部31が第1の位置P1に向かって移動するとき、第1のブレード56が層MLの表面を均しても良い。
次に、図1に示すように、制御部15は、光学装置14を制御することで、光学装置14の紫外域のレーザ光Lを、層MLを形成する材料3に照射させる。制御部15は、入力された造形物5の三次元形状のデータに基づき、レーザ光Lの照射位置を定める。
材料3の層MLの、レーザ光Lが照射された部分は、紫外線硬化性樹脂の硬化作用により固められる。すなわち、光学装置14は、供給領域Rに塗布された材料3を少なくとも部分的に固める。これにより、材料3の層MLに、造形物5の一部(一層分)が形成される。なお、形成される造形物5の一部は、制御部15が生成した二次元形状の層のデータに対応する。
光学装置14が層MLの材料3にレーザ光Lを照射し終えると、載置台21は、下方向に所定の距離を移動する。載置台21が移動する距離は、層MLの厚さに実質的に等しい。これにより、層MLの表面と、周壁22の上端22aとの間の距離は、層MLの厚さと実質的に等しくなる。
層MLを形成する材料3の表面と、層MLに形成された造形物5の一部の表面とは、新たな供給領域Rを形成する。移動部33は、供給部31を、再び第1の位置P1から第3の位置P3に向かって移動させる。これにより、供給部31は、層MLが形成する供給領域Rに材料3を供給する。
第1のブレード56は、材料3の層MLが形成する供給領域Rに、材料3を塗布する。第1のブレード56の前面56a及び端面56cは、材料3の層MLが形成する供給領域Rよりも材料3に付着しにくい。
材料供給装置12は、以上の説明と同様に、材料3を供給領域Rに塗布し、図1のような材料3の複数の層MLを順次形成する。図1において、複数の層MLは、二点鎖線によって区切られる。光学装置14は、層MLが形成される毎に、当該層MLの材料3を部分的に固め、造形物5の一部を形成する。
三次元プリンタ1は、このような材料供給装置12による材料3の層MLの形成と、光学装置14による材料3の固化と、を繰り返すことにより、三次元形状の造形物5を造形する。
制御部15が生成した全ての二次元形状の層のデータに対応する造形物5の各部分(各層)が形成されると、造形物5の周りの材料3が除去される。造形物5の周りの材料3はスラリーであるため、容易に除去され得る。
紫外域のレーザ光Lによって固められた造形物5は、例えば、炉に搬送され、当該炉において加熱される。これにより、造形物5の液体及び紫外線硬化性樹脂が蒸発するとともに、材料3のセラミックが焼成される。以上により、セラミックによって作られた造形物5の造形が完了する。
以上説明された第1の実施形態に係る三次元プリンタ1において、材料3が供給される供給領域Rに向く底面41aに、第1の開口52が連通する。第1の開口52は、収容部51に収容された材料3を供給領域Rに向く方向に供給する。このため、第1の開口52によって供給される材料3は、既に供給された材料3を供給領域Rに向かって押す。第1の塗布部55は、第1の開口52から底面41aと供給領域Rとの間に材料3が供給されている間に、第1の開口52から供給された材料3を供給領域Rに塗布する。材料3は、第1の開口52から新たに供給される材料3によって押されるため、第1の塗布部55に付着するよりも供給領域Rに付着しやすい。これにより、材料3が第1の塗布部55に付着することが抑制される。さらに、第1の塗布部55が材料3を塗布する際に第1の開口52から材料3が供給されるため、第1の塗布部55によって塗布される材料3が不足することが抑制される。従って、第1の塗布部55によって材料3がより確実に供給領域Rに塗布され、三次元プリンタ1によって造形物5がより確実に造形され得る。さらに、例えば、材料3をディスペンサによって供給領域Rに予め供給する工程が不要となり、造形物5の造形時間がより短くなる。
第1の塗布部55は、第1の開口52に対してX軸に沿う正方向の反対側に位置し、供給部31から供給領域Rに向かって延びる第1のブレード56を有する。これにより、移動部33によって供給部31を移動することで、第1の開口52によって底面41aと供給領域Rとの間に供給された材料3を容易に供給領域Rに塗布することが可能となる。さらに、第1のブレード56が第1の開口52から離間することで、第1の開口52から供給された材料3が第1のブレード56に付着することが抑制される。
圧力調整部34は、収容部51の圧力を変更可能である。このため、圧力調整部34が収容部51の圧力をより高くすることにより、第1の開口52から材料3がより多く供給される。一方、圧力調整部34が収容部51の圧力をより低くすることにより、第1の開口52から供給される材料3の量が低減される。これにより、供給領域Rに供給される材料3が不足することが抑制され、供給領域Rに材料3がより確実に塗布され得る。
供給部31に、第1の開口52から材料3が供給される方向と交差し且つZ軸に沿う正方向よりもX軸に沿う正方向に近い方向に材料3を供給する第2の開口58が設けられる。第2の開口58は、第1の開口52bに対してX軸に沿う正方向の反対側に位置する。第1の開口52から材料3が供給される方向と底面41aとの間の角度は、第2の開口58から材料3が供給される方向と底面41aとの間の角度より大きい。このため、第2の開口58からX軸に沿う正方向に近い方向に供給された材料3は、第1の開口52から供給された材料3により、供給領域Rに向かって押される。このため、材料3は、底面41aと供給領域Rとの間で、供給領域Rに沿って第1の塗布部55と供給領域Rとの間の隙間に向かうような略回転運動をする。これにより、材料3がより確実に供給領域Rに塗布され得る。
第1の開口52から供給される材料3の量は、第2の開口58から供給される材料3の量よりも多い。これにより、略回転運動する材料3がより供給領域Rに向かって押され、当該材料3がより確実に供給領域Rに塗布され得る。
第1の開口52から材料3が供給される方向と底面41aとの間の角度は、0度より大きく且つ90度より小さい。第1の開口52から供給領域Rに向かって供給される材料3は、新たに第1の開口52から供給される材料3によって、X軸に沿う正方向に近い方向に押される。このため、材料3は、底面41aと供給領域Rとの間で、供給領域Rに沿って第1の塗布部55と供給領域Rとの間の隙間に向かうような略回転運動をする。これにより、材料3がより確実に供給領域Rに塗布され得る。
移動機構62が第1の塗布部55の第1のブレード56を回転させる。これにより、材料3の粘性のような種々の条件に応じて第1のブレード56と供給領域Rとの間の角度を設定することが可能となり、供給領域Rに材料3がより確実に塗布され得る。
温度調整部32は、収容部51の温度を変更可能である。材料3の流動性は、温度によって変化する。すなわち、温度調整部32は、収容部51に収容された材料3の流動性を変化させる。従って、温度調整部32によって、材料3が所望の流動性を有する温度に設定されることで、材料3がより確実に供給領域Rに塗布され得る。
第1の塗布部55は、供給領域Rよりも材料3に付着しにくい。これにより、材料3が第1の塗布部55に付着することが抑制され、第1の塗布部55によって材料3がより確実に供給領域Rに塗布され得る。
供給領域Rの外において、底面41aと供給領域Rとの間に供給された材料3は、移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動することで、第1の塗布部55とカウンターブロック13とによって押され、第1の開口52を通って収容部51に移動させられる。これにより、底面41aと供給領域Rとの間に供給された材料3が再利用可能となる。
凸壁73は、Y軸に沿う方向から、第1の塗布部55とカウンターブロック13との間の空間Sを塞ぐ。これにより、第1の塗布部55とカウンターブロック13とによって押された材料3は、外部に漏れ出すことが抑制されるとともに、より確実に第1の開口52を通って収容部51に移動させられる。
カウンターブロック13の溝72aは、第1の塗布部55とカウンターブロック13とによって材料3が押されるとき、第1の塗布部55とカウンターブロック13との間の空間Sと、当該空間Sの外部と、を連通する。これにより、第1の塗布部55とカウンターブロック13との間の空間Sに存在する気体が、溝72aを通って当該空間Sの外部に抜ける。従って、材料3と共に気体が収容部51に移動してしまうことが抑制される。
以下に、第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図6は、第2の実施形態に係る供給部31を示す断面図である。図6に示すように、第2の実施形態の三次元プリンタ1において、供給部31と第1のブレード56とは互いに別個に設けられる。
材料供給装置12は、ヒンジ部81を有する。ヒンジ部81は、回転部の一例である。ヒンジ部81は、第1の開口52に対してX軸に沿う負方向に位置する。ヒンジ部81は、第1のブレード56を、Y軸まわりに回転可能に供給部31に接続する。
ヒンジ部81は、第1のブレード56を、供給部31に対して回転させる。制御部15は、第1のブレード56の前面56aと供給領域Rとの間の角度が上述した設定角度となるように、ヒンジ部81を制御する。
移動機構62は、第1のブレード56が回転すると、供給部31をZ軸に沿う方向に移動させる。このため、Z軸に沿う方向における第1のブレード56と供給領域Rとの間の距離は、一定に保たれる。
図7は、第2の実施形態の供給部31及びカウンターブロック13を示す断面図である。図7に示すように、供給部31が第3の位置P3に到達すると、供給部31がカウンターブロック13に接触する。
第2の実施形態のカウンターブロック13の側面71は、X軸に沿う正方向に凸に窪んだ曲面である。これにより、Z軸に沿う方向における供給部31の位置にかかわらず、供給部31がカウンターブロック13の側面71に接触する。なお、側面71は、他の形状に形成されても良い。
さらに、ヒンジ部81は、第1のブレード56を、カウンターブロック13に近づくように回転させる。これにより、第1のブレード56も、カウンターブロック13の側面71に接触する。
第1のブレード56がカウンターブロック13に近づくように回転させられることで、空間Sが狭まり、空間Sに供給された材料3は、第1のブレード56とカウンターブロック13の側面71とによって押される。第1のブレード56とカウンターブロック13とに押された空間Sの材料3は、第1の開口52を通って収容部51に移動させられる。
以上説明された第2の実施形態の三次元プリンタ1において、第1のブレード56は、カウンターブロック13に近づくように回転させられることで、空間Sの材料3を押す。これにより、空間Sの材料3が第1の開口52を通って収容部51に移動しやすい。
以下に、第3の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、第3の実施形態に係る供給部31を示す断面図である。図8に示すように、第3の実施形態の供給部31に、第3の開口85と、第2の接続口86と、吸引路87とが設けられる。
第3の開口85は、第1のブレード56の前面56aに設けられる。このため、第3の開口85は、第1の開口52に対してX軸に沿う正方向の反対側に位置する。別の表現によれば、第3の開口85は、移動部33が供給部31を移動させる方向の下流側に位置する。第3の開口85は、例えば、Y軸に沿う方向に延びるスリットである。なお、第3の開口85はこれに限らない。例えば、第1のブレード56に、Y軸に沿う方向に並べられる複数の第3の開口85が設けられても良い。
第2の接続口86は、上壁42の上面42aに開口する。なお、第2の接続口86は、底壁41又は側壁43のような供給部31の他の部分に設けられても良い。吸引路87は、供給部31の内部に設けられ、第3の開口85と第2の接続口86とを連通する。
第3の実施形態において、材料供給装置12は、吸引ポンプ88をさらに有する。吸引ポンプ88は、吸引部の一例である。吸引ポンプ88は、可撓性のチューブ89によって、供給部31の第2の接続口86に接続される。これにより、吸引ポンプ88は、チューブ89、第2の接続口86、及び吸引路87を介して、第3の開口85に接続される。
移動部33が供給部31を第1の位置P1から第3の位置P3に向かって移動させるとき、ポンプ65は、収容部51に圧縮空気を供給する。これにより、第1の開口52は、底面41aと供給領域Rとの間の空間Sに、材料3を供給する。
一方、吸引ポンプ88は、チューブ89及び第2の接続口86を通じて、吸引路87を減圧する。これにより、空間Sの材料3は、第3の開口85から吸引路87に吸引される。言い換えると、吸引ポンプ88は、第1の開口52から空間Sに供給された材料3を、第3の開口85を通じて吸引する。
第1の開口52から供給される材料3は、重力によって斜め下方向に移動しようとする。さらに、第1の開口52から供給される材料3は、第3の開口85によってX軸に沿う負方向に吸引される。このため、第1の開口52から供給された材料3は、図8の矢印で示す回転運動をするように、空間Sで流動する。
詳しく説明すると、第1の開口52から供給された材料3は、X軸に沿う正方向に進みながら、重力によってZ軸に沿う負方向に落下する。供給部31が移動部33によってX軸に沿う正方向に移動するとともに、第3の開口85が材料3を吸引するため、材料3は、Z軸に沿う負方向に落下しながら、供給部31に対してX軸に沿う負方向に移動する。このため、材料3は、供給領域Rの近傍において、供給部31に対して相対的に、X軸に沿う負方向に移動する。
例えば、第3の開口85の近傍に位置する材料3は、第3の開口85を通じて、吸引ポンプ88に吸引される。一方、第3の開口85から離間した材料3は、第3の開口85によりX軸に沿う負方向に加速されるため、第1のブレード56と供給領域Rとの間の隙間に向かって移動しやすい。第1のブレード56と供給領域Rとの間の隙間に向かって移動する材料3は、第1のブレード56によって供給領域Rに塗布される。
吸引ポンプ88によって吸引された材料3は、例えば、タンクに蓄えられる。当該タンクの材料3は、造形物5の造形が完了すると、作業者によって第1の接続口59から収容部51に戻される。すなわち、吸引ポンプ88によって吸引された材料3は、再利用される。
以上説明された第3の実施形態の三次元プリンタ1において、吸引ポンプ88は、第1の開口52に対してX軸に沿う正方向の反対側に位置する第3の開口85を通じて、第1の開口52から供給された材料3を吸引する。これにより、第1の開口52から供給された材料3が、第3の開口85によりX軸に沿う負方向に引っ張られる。材料3が第3の開口85により引っ張られることで、移動部33により移動させられる供給部31及び第1の塗布部55に対する、材料3の相対的な速度がより高くなる。これにより、材料3がより確実に供給領域Rに塗布され得る。さらに、第1の開口52から供給された材料3が、底面41aと供給領域Rとの間の空間Sに溜まり、当該空間Sから溢れることが抑制される。
以下に、第4の実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、第4の実施形態に係る供給部31を示す断面図である。図9に示すように、第4の実施形態の材料供給装置12は、第2の塗布部91をさらに有する。
第2の塗布部91は、第1の塗布部55と同じく、供給部31に設けられる。第2の塗布部91は、第2のブレード92を有する。第2のブレード92は、供給部31と一体に形成される。なお、第2のブレード92は、供給部31とは別個の部品であっても良い。
第2のブレード92は、供給部31の底壁41から、供給領域Rに向かって、大よそZ軸に沿う負方向に延びる。Y軸に沿う方向における第2のブレード92の長さは、Y軸に沿う方向における供給領域Rの長さと実質的に等しい。
第2のブレード92は、第1の開口52に対してX軸に沿う負方向に位置する。さらに、第2のブレード92は、第1のブレード56に対してX軸に沿う負方向に位置する。すなわち、X軸に沿う方向において、第1のブレード56は、第1の開口52と第2のブレード92との間に位置する。
第2のブレード92は、前面92aと、先端92bとを有する。なお、前面92aは、説明の便宜上の名称であり、前面92aの位置及び向きを限定しない。前面92a及び先端92bは、材料3を弾く性質を有する。例えば、前面92a及び先端92bは、撥水膜によって覆われる。
前面92aは、大よそX軸に沿う正方向に向く略平坦な面である。具体的に述べると、前面92aは、X軸に沿う正方向且つZ軸に沿う負方向に斜めに向く。第1のブレード56の後面56bは、第2のブレード92の前面92aから離間した位置で、当該前面92aに向く。
先端92bは、Z軸に沿う負方向における第2のブレード92の端部である。Z軸に沿う方向において、先端92bの位置は、ステージ11の周壁22の上端22aの位置と実質的に等しい。
第4の実施形態において、第1のブレード56は、曲面56dをさらに有する。曲面56dは、前面56aと端面56cとの間に介在する。曲面56dは、X軸に沿う負方向に凸に形成される。
第4の実施形態の第1のブレード56は、第2のブレード92よりも短い。このため、Z軸に沿う方向において、第1のブレード56の端面56cの位置は、ステージ11の周壁22の上端22aの位置よりも、Z軸に沿う正方向に位置する。すなわち、第1のブレード56の端面56cと供給領域Rとの間の距離は、第2のブレード92の先端92bと供給領域Rとの間の距離よりも長い。
供給部31に、第3の実施形態と同じく、第3の開口85と、第2の接続口86と、吸引路87とが設けられる。第4の実施形態において、第3の開口85は、底壁41の底面41aに設けられる。X軸に沿う方向において、第3の開口85は、第1のブレード56と第2のブレード92との間に位置する。
移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動させられるとき、第1の塗布部55の第1のブレード56は、第1の開口52から空間Sに供給された材料3を、供給領域Rに塗布する。曲面56dは、空間Sの材料3を供給領域Rに向かって、Z軸に沿う負方向に押し付ける。一方、第2の塗布部91の第2のブレード92は、第1の塗布部55によって供給領域Rに塗布された材料3を均す。
詳しく説明すると、Z軸に沿う方向において、第1の塗布部55によって供給領域Rに塗布された材料3の厚さT1は、第2のブレード92の先端92bと供給領域Rとの間の距離よりも大きい。このため、第1の塗布部55によって供給領域Rに塗布された材料3は、第2のブレード92に接触する。
移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動させられるとき、第2のブレード92の前面92a及び先端92bは、供給領域Rに塗布された材料3の一部を掻き取る(削り取る)。これにより、第2のブレード92は、供給領域Rに塗布された材料3を均す。
第2の塗布部91によって均された材料3の厚さT2は、Z軸に沿う方向における供給領域Rと周壁22の上端22aとの間の距離と実質的に等しい。すなわち、第2の塗布部91によって均された材料3の厚さT2は、材料3の層MLの所定の厚さと実質的に等しい。
第2のブレード92が材料3を掻き取るとき、第2のブレード92の前面92a及び先端92bは、材料3を供給領域Rに向かって、Z軸に沿う負方向に押し付ける。このため、第2のブレード92は、材料3を供給領域Rに略均一に塗布する。第2のブレード92によって材料3が押される力は、第1のブレード56によって材料3が押される力よりも小さい。
上述のように、第1の塗布部55によって供給領域Rに塗布された材料3の厚さT1は、第2の塗布部91によって均された材料3の厚さT2よりも厚い。供給領域Rに塗布される材料3の厚さが大きいほど、第1のブレード56によって材料3が押される力は小さくなり、材料3が供給領域Rにより確実に塗布される。すなわち、第4実施形態の材料供給装置12は、第1の塗布部55によって暫定的に材料3を供給領域Rに塗布した後、第2の塗布部91によって材料3の所望の厚さを得る。
第2のブレード92によって掻き取られた材料3は、第2のブレード92の前面92aを伝って、第3の開口85に向かって移動する。吸引ポンプ88は、第3の開口85を通じて、材料3を吸引する。
図10は、第4の実施形態の変形例に係る供給部31を示す断面図である。図10に示すように、第1の塗布部55は、第1のブレード56の代わりに、第1のローラ95を有しても良い。
第1のローラ95は、Y軸まわりに回転可能に供給部31に設けられる。第1のローラ95は、底壁41の底面41aと供給領域Rとの間に位置し、第1の開口52に面する外周面95aを有する。すなわち、第1のローラ95は、空間Sに設けられる。外周面95aは、例えば、撥水膜によって覆われる。
第1の開口52は、第1のローラ95の外周面95aに向かって材料3を供給する。言い換えると、第1の開口52は、底壁41の底面41aと、第1のローラ95の外周面95aとの間に材料3を供給する。
移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動させられるとき、第1のローラ95は、Y軸まわりに回転する。第1のローラ95の外周面95aに供給された材料3は、第1のローラ95が回転することにより供給領域Rに塗布される。第2のブレード92は、第1のローラ95によって供給領域Rに塗布された材料3を均す。
温度調整部32は、第1のローラ95に設けられる。温度調整部32は、例えば、第1のローラ95を加熱することにより、第1のローラ95の外周面95aに供給された材料3の温度を調整する。
以上説明された第4の実施形態の三次元プリンタ1において、第2の塗布部91は、移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動させられるときに、第1の塗布部55によって供給領域Rに塗布された材料3を均すように構成される。第1の塗布部55によって供給領域Rに塗布された材料3の厚さT1は、第2の塗布部91によって均された材料3の厚さT2よりも厚い。このような第2の塗布部91により、供給領域Rに塗布される材料3の厚さをより正確に設定できる。さらに、第1の塗布部55によって比較的厚く材料3を塗布することで、材料3が第1の塗布部55に付着することが抑制され、第1の塗布部55によって材料3がより確実に供給領域Rに塗布され得る。また、第1の塗布部55によって材料3が先に塗布されるため、第2の塗布部91が材料3を均すときに、供給領域Rに作用する力が大きくなることが抑制される。
以下に、第5の実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、第5の実施形態に係る供給部31を示す断面図である。図11に示すように、第5の実施形態の供給部31に、第3の塗布部101が設けられる。
第3の塗布部101は、第3のブレード103を有する。第3のブレード103は、供給部31と一体に形成される。なお、第3のブレード103は、供給部31とは別個の部品であっても良い。
第3のブレード103は、供給部31の底壁41から、大よそZ軸に沿う負方向に延びる。Y軸に沿う方向における第3のブレード103の長さは、Y軸に沿う方向における載置台21の上面21aの長さと実質的に等しい。
第3のブレード103は、第1の開口52に対してX軸に沿う正方向に位置する。第3のブレード103は、前面103aと、端面103bとを有する。なお、前面103aは、説明の便宜上の名称であり、前面103aの位置及び向きを限定しない。
前面103aは、大よそX軸に沿う負方向に向く略平坦な面である。前面103aは、底壁41の底面41aのX軸に沿う正方向の端に接続される。前面103aは、第1の開口52に対してX軸に沿う正方向に位置する。端面103bは、Z軸に沿う負方向における第3のブレード103の端部である。前面103a及び端面103bは、材料3を弾く性質を有する。例えば、前面103a及び端面103bは、撥水膜によって覆われる。
第5の実施形態において、第2の開口58は、第3のブレード103の前面103aに設けられる。第2の開口58は、前面103aと、収容部51とを連通する。第2の開口58は、例えば、Y軸に沿う方向に延びるスリットである。
第1の塗布部55は、第1のブレード56の代わりに、第2のローラ105を有する。第2のローラ105は、ローラの一例である。第2のローラ105は、Y軸まわりに回転可能に供給部31に設けられる。
第2のローラ105は、底壁41の底面41aと供給領域Rとの間に位置し、第1の開口52に面する外周面105aを有する。すなわち、第2のローラ105は、底面41aと供給領域Rとの間の空間Sに設けられる。外周面105aは、例えば、撥水膜によって覆われる。第3のブレード103の端面103bは、第2のローラ105の外周面105aから離間した位置で、外周面105aに向く。
第1の開口52は、第2のローラ105の外周面105aに向かって材料3を供給する。言い換えると、第1の開口52は、底壁41の底面41aと、第2のローラ105の外周面105aとの間に材料3を供給する。
移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動させられるとき、第2のローラ105は、Y軸まわりに回転する。第2のローラ105は、外周面105aの、底壁41の底面41aと対向する部分(外周面105aの上半分)が、X軸に沿う正方向に移動するように回転する。第2のローラ105の外周面105aに供給された材料3は、第2のローラ105が回転することにより第3のブレード103に向かって移動させられる。第3のブレード103は、第1の開口52から底壁41の底面41aと第2のローラ105の外周面105aとの間に供給された材料3を、第2のローラ105の外周面105aに塗布する。
詳しく説明すると、底壁41の底面41aと第2のローラ105の外周面105aとの間に供給された材料3の厚さは、第3のブレード103の端面103bと第2のローラ105の外周面105aとの間の距離よりも大きい。第2のローラ105が回転するとき、第3のブレード103の前面103a及び端面103bは、材料3を第2のローラ105の外周面105aに向かって押し付ける。さらに、第3のブレード103の端面103bは、材料3を均す。これにより、材料3は第2のローラ105の外周面105aに塗布される。
第2のローラ105は、第3の塗布部101によって外周面105aに塗布された材料3を、供給領域Rに塗布する。すなわち、第2のローラ105は、第3の塗布部101によって塗布された材料3を、供給領域Rに転写する。第3の塗布部101によって第2のローラ105の外周面105aに塗布された材料3の厚さは、供給領域Rに塗布される材料3の厚さと実質的に等しい。
温度調整部32は、第2のローラ105に設けられる。温度調整部32は、例えば、第2のローラ105を加熱することにより、第2のローラ105の外周面105aに塗布された材料3の温度を調整する。
材料供給装置12は、定着部108をさらに有する。定着部108は、例えば、ナイフエッジである。定着部108は、第2のローラ105によって供給領域Rに塗布された材料3を、供給領域Rに向かって押す。これにより、材料3がより確実に供給領域Rに塗布される。定着部108は、供給領域Rに塗布された材料3に空気を吹き付けることで、当該材料3を供給領域Rに向かって押しても良い。
以上説明された第5の実施形態の三次元プリンタ1において、第3の塗布部101は、移動部33によって供給部31がX軸に沿う正方向に移動させられるときに、第1の開口52から底面41aと第2のローラ105の外周面105aとの間に供給された材料3を第2のローラ105の外周面105aに塗布する。第2のローラ105は、第3の塗布部101によって外周面105aに塗布された材料3を、供給領域Rに塗布する。材料3がより薄く塗布されるとき、材料3が塗布される対象に、材料3を押し付ける圧力がより大きく作用する。例えば、第2のローラ105が比較的硬い材料によって作られることで、第3の塗布部101が第2のローラ105に材料3をより薄く塗布したとしても、第2のローラ105が変形することが抑制される。第2のローラ105は、より薄く塗布された材料3を、より薄く供給領域Rに塗布する。このように、第2のローラ105を介して材料3が供給領域Rに塗布されることで、供給領域Rに材料3をより薄く塗布することが可能となる。
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、第1の塗布部は、第1の開口から供給された材料を領域に塗布する。材料は、第1の開口から新たに供給される材料によって押されるため、第1の塗布部よりも領域に付着しやすい。これにより、材料が、第1の塗布部に付着することが抑制され、より確実に領域に塗布される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。