JP2018043360A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の表面の質感が損ない難い印刷物を作製する。【解決手段】粘着性を有するプライマーインク6aが吐出される第1インクヘッド41は、第1の径L1の第1液滴A1のプライマーインク6a、および、第1の径L1よりも短い第2の径L2の第2液滴A2のプライマーインク6aを、第1インクヘッド41から吐出させる液滴調整機構60を有する。制御装置70は、記録媒体5における印刷領域に、第2液滴A2に対する第1液滴A1の割合が所定の割合になるように、第1液滴A1および第2液滴A2を吐出させるパターンである吐出パターンPTを作成する吐出パターン作成部82と、第1インクヘッド41が主走査方向Yに移動している間、吐出パターンPTに基づいて、記録媒体5の印刷領域に向かってプライマーインク6aを吐出させるように液滴調整機構60を制御する第1印刷部を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
従来から、インクジェットプリンタなどのプリンタは、様々な種類の記録媒体に対して印刷することがあり得る。例えば、アクリル、または、ガラスなどによって形成された記録媒体の場合、プロセスカラーインクが記録媒体に対して定着し難い。このように、プロセスカラーインクとの定着性が低い記録媒体に対して、プロセスカラーインクによる印刷を直接行う場合、所望なプロセスカラーインクによる印刷が行われないことがあった。
そこで、例えば、特許文献1に開示された装置では、記録媒体の一例である基材に、粘着性を有するプライマーインクを吐出することで、プライマー層を形成する。そして、プライマー層の上に、プロセスカラーインクなどのインクによるインク被膜を形成する。上記プライマー層によって、基材に対してインク被膜が定着し易くなる。よって、プロセスカラーインクとの定着性が低い基材であっても、プロセスカラーインクによる印刷を適切に行うことができる。
特開2013−52378号公報
ところで、記録媒体の表面の質感と、プライマー層の表面の質感とが異なることがあり得る。また、プライマー層には、プロセスカラーインクによる印刷が行われない部分があり得る。プロセスカラーインクによる印刷が行われないプライマー層の部分は、露出した状態となる。そのため、露出した状態のプライマー層の部分の表面の質感と、記録媒体の表面の質感が異なる際、例えば、記録媒体の表面の質感を生かした印刷物を作製したい場合であっても、記録媒体の表面の質感を生かした印刷物を作製することができないことがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体の表面の質感が損ない難い印刷物を作製することが可能なインクジェットプリンタを提供することである。
本願出願人は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、記録媒体に直接吐出するプライマーインクによって形成された層に凹凸を形成することで、記録媒体の表面の質感と、プライマーインクによって形成された層の質感とを類似させることができることを見出した。
本発明に係るインクジェットプリンタは、プラテンと、第1インクヘッドと、第2インクヘッドと、第1移動機構と、第2移動機構と、制御装置とを備えている。前記プラテンには、記録媒体が載置される。前記第1インクヘッドには、粘着性を有するプライマーインクが吐出される複数の第1ノズルが形成されている。前記第2インクヘッドには、画像形成用インクが吐出される複数の第2ノズルが形成されている。前記第1移動機構は、前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを前記プラテンに対して相対的に主走査方向へ移動させる。前記第2移動機構は、前記プラテンに載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に副走査方向へ移動させる。前記制御装置は、前記第1移動機構および前記第2移動機構とそれぞれ電気的に接続されている。前記第1インクヘッドは、前記制御装置と電気的に接続され、かつ、第1の径の長さの第1液滴の前記プライマーインク、および、前記第1の径よりも短い第2の径の長さの第2液滴の前記プライマーインクを、複数の前記第1ノズルから選択的に吐出させる液滴調整機構を有している。前記制御装置は、吐出パターン作成部と、第1移動制御部と、第1印刷部と、第2印刷部とを備えている。前記吐出パターン作成部は、前記記録媒体の印刷領域において、前記第2液滴に対する前記第1液滴の割合が所定の割合になるように、前記第1液滴および前記第2液滴を吐出させるパターンである吐出パターンを作成する。前記第1移動制御部は、前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを前記プラテンに対して相対的に前記主走査方向に移動させるように前記第1移動機構を制御し、かつ、前記プラテンに載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記副走査方向に移動させるように前記第2移動機構を制御する。前記第1印刷部は、前記第1移動制御部によって前記第1インクヘッドが前記主走査方向に移動している間、前記吐出パターンに基づいて、前記記録媒体の前記印刷領域に向かって前記プライマーインクの前記第1液滴および前記第2液滴のうち少なくとも一方の液滴を吐出させるように前記液滴調整機構を制御する。前記第2印刷部は、前記第1移動制御部によって前記第2インクヘッドが前記主走査方向に移動している間、前記第1印刷部によって前記プライマーインクが吐出された前記印刷領域に対して、前記第2インクヘッドから前記画像形成用インクを吐出させる。
前記インクジェットプリンタによれば、記録媒体の表面に、粘着性を有するプライマーインクによって形成された印刷の層(以下、プライマー層という。)が形成され、プライマー層の表面に画像形成用インクによる印刷が行われる。プライマー層は、径が異なる第1液滴と、第2液滴のプライマーインクとによって形成されているため、その表面は凸凹している。よって、例えば、記録媒体の表面の質感が、第2液滴に対する第1液滴の割合を所定の割合にしたときのプライマー層の表面の質感と類似している場合、記録媒体の表面の質感と、プライマー層の表面の質感とを類似させることができる。したがって、記録媒体の表面の質感が損ない難い印刷物を作製することができる。
本発明によれば、記録媒体の表面の質感が損ない難い印刷物を作製することができる。
第1実施形態に係るプリンタを示す斜視図である。 プリンタの内部構成を示す平面図である。 ヘッドの底面図である。 プリンタのブロック図である。 記録媒体に印刷を行った状態を示す記録媒体の断面図である。 第1インクヘッドの1つのノズル近傍における断面図である。 第1駆動パルスを示す図である。 第2駆動パルスを示す図である。 第3駆動パルスを示す図である。 プライマーインクの液滴を示す図である。 吐出パターンを示す概念図である。 第1−1プライマー吐出パターンを示す図である。 図10AのXB−XB断面における第1−1プライマー吐出パターンの断面図である。 第1−2プライマー吐出パターンを示す図である。 図11AのXIB−XIB断面における第1−2プライマー吐出パターンの断面図である。 第2−1プライマー吐出パターンを示す図である。 図12AのXIIB−XIIB断面における第2−1プライマー吐出パターンの断面図である。 プリンタが記録媒体に印刷を行う手順を示したフローチャートである。 第2実施形態に係るヘッドの底面図である。 第2実施形態において、プリンタが記録媒体に印刷を行う手順を示したフローチャートである。 第3実施形態に係るヘッドの底面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るプリンタ100を示す斜視図である。以下の説明において、前、後、左、右、上、下とは、プリンタ100を正面から見たときの前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味する。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ100の設置態様を何ら限定するものではない。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは、前後方向であり、主走査方向Yと平面視において直交している。なお、本実施形態において、副走査方向Xのうち後方(一方)から前方(他方)に向かう方向を第1方向X1と称する。副走査方向Xのうち前方から後方に向かう方向を第2方向X2と称する。ただし、主走査方向Yおよび副走査方向Xは、特に限定されず、プリンタ100の形態に応じて適宜に設定可能である。
図1に示すように、プリンタ100は、インクジェット式のプリンタである。プリンタ100は、記録媒体5に印刷を行うものである。記録媒体5を形成する材料は特に限定されない。本実施形態では、記録媒体5は、インクが定着し難い材料、または、インクが吸収し難い材料によって形成された媒体である。例えば、記録媒体5は、ステンレス、アルミニウム、黄銅などの金属、アクリル、または、ガラスによって形成されたシート状の媒体である。記録媒体5を形成する材料として、例えば、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、アクリル樹脂などの合成樹脂が使用されてもよい。アクリル樹脂の一例として、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)が挙げられる。また、記録媒体5の形状も特に限定されない。例えば、記録媒体5は、紙またはフィルムなどのように厚みが薄い媒体であってもよいし、スマートフォンケースなどの厚みが厚い立体的な媒体であってもよい。
本実施形態では、プリンタ100は、ケーシングを有する本体10と、本体10の下面に設けられた脚11と、ユーザが印刷に関する操作を行う操作機構12と、本体10の上部に設けられたカバー15を備えている。本実施形態では、操作機構12は、本体10の右部に設けられているが、操作機構12が配置される位置は特に限定されない。操作機構12は、表示画面12aと、操作部12bを備えている。表示画面12aには、モノクロ印刷またはカラー印刷、解像度、インクの吐出パターン、インクの濃さなどの印刷に関する情報が表示される。操作部12bは、印刷に関する情報をユーザが入力するためのものである。
ここでは、カバー15の下方であって、本体10の前側には、記録媒体5を排出するための排出口13が形成されている。排出口13の前方かつ下方の位置には、排出口13から排出された記録媒体5を案内するガイド14が設けられている。
図2は、プリンタ100の内部構成を示す平面図である。図3は、ヘッド40の底面図である。図4は、プリンタ100のブロック図である。図2に示すように、プリンタ100は、ガイドレール20と、プラテン25と、第1移動機構51と、第2移動機構52と、キャリッジ30と、ヘッド40(図3参照)と、紫外線照射装置55および56(図3参照)と、制御装置70(図4参照)と、を備えている。ガイドレール20は、カバー15(図1参照)の下方に配置されている。ガイドレール20は主走査方向Yに延びている。
プラテン25は、記録媒体5への印刷を行う際、記録媒体5を支持するものである。プラテン25には、記録媒体5が載置される。記録媒体5への印刷は、プラテン25上において行われる。本実施形態では、プラテン25は、主走査方向Yに延びており、ガイドレール20の中央部分の後部の下方に配置されている。プラテン25は、ガイド14(図1参照)と連なっている。
第1移動機構51は、プラテン25、および、プラテン25に載置された記録媒体5に対して、ヘッド40(図3参照)を主走査方向Yに相対的に移動させる機構である。本実施形態では、第1移動機構51は、プーリ21と、プーリ22と、無端状のベルト23と、モータ24を有している。プーリ21は、ガイドレール20の右端部分に設けられ、プーリ22は、ガイドレール20の左端部分に設けられている。ベルト23は、プーリ21とプーリ22とに巻き掛けられている。ここでは、モータ24は、プーリ21に接続されているが、プーリ22に接続されていてもよい。モータ24の駆動に伴いプーリ21が駆動することで、プーリ21とプーリ22との間においてベルト23が走行する。
第2移動機構52は、プラテン25に載置された記録媒体5を、ヘッド40(図3参照)に対して副走査方向X(例えば、第1方向X1および第2方向X2)に移動させる機構である。本実施形態では、第2移動機構52は、上下一対のローラ26と、モータ27を有している。なお、上下一対のローラ26において、図2では上側のローラ26が図示されており、下側のローラ26は省略されている。上下一対のローラ26は、プラテン25の左端部および右端部にそれぞれ配置されている。ただし、上下一対のローラ26の数および設置位置は特に限定されない。ここでは、上下一対のローラ26のうち、一方のローラ26は自ら回転する駆動ローラ(以下、グリッドローラともいう。)である。グリッドローラ26には、モータ27が接続されている。モータ27が駆動することで、グリッドローラ26は回転する。上下一対のローラ26のうち、他方のローラ26は、上記グリッドローラと共に記録媒体5を挟み込むためのピンチローラである。ピンチローラは、上下方向に移動可能に構成されている。
本実施形態では、キャリッジ30は、ベルト23に取り付けられている。図示は省略するが、キャリッジ30は、ガイドレール20に係合している。キャリッジ30は、第1移動機構51によって、ベルト23の走行に従ってガイドレール20に沿って主走査方向Yに移動する。
図5は、記録媒体5に印刷を行った状態を示す記録媒体5の断面図である。ところで、本実施形態では、上述のように、プリンタ100は、インクが定着し難い材料によって形成された記録媒体5(以下、定着性が低い記録媒体5という。)に印刷を行う。このように、定着性が低い記録媒体5に対して、直接印刷を行う場合、インクが記録媒体5に定着し難いため、所望な印刷が行われないことがある。そこで、本実施形態では、図5に示すように、記録媒体5の表面に、プライマーインク6aによって形成されたプライマー層、画像形成用インク6bによって形成された画像形成層が順に積層されている。具体的には、記録媒体5の表面に、プライマーインク6aが吐出され、プライマーインク6aの上に画像形成用インク6bが吐出される。
本実施形態では、プライマーインク6aとは、記録媒体5と画像形成用インク6bとの定着性を高めるためのインクである。プライマーインク6aは、粘着性を有する成分によって構成されている。記録媒体5と、画像形成用インク6bによって形成された画像形成層との間に、プライマーインク6aによって形成されたプライマー層が設けられていることで、記録媒体5に対する上記画像形成層の定着性が高まるため、記録媒体5に対して適切な印刷を行うことができる。ここでは、プライマーインク6aは、透明なインクであるが、プライマーインク6aの色は特に限定されない。
画像形成用インク6bとは、記録媒体5に印刷画像を形成するためのインクである。画像形成用インク6bとは、有色インクのことである。画像形成用インク6bは、例えば、プロセスカラーインクである。例えば、プロセスカラーインクには、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクなどが含まれている。なお、本実施形態では、プライマーインク6aおよび画像形成用インク6bは、それぞれ紫外線硬化インクである。紫外線硬化インクとは、紫外線が照射されると硬化するインクである。
次に、ヘッド40について説明する。図3に示すように、ヘッド40は、記録媒体5にインクの液滴を吐出するものである。以下、インクの液滴のことを単に「インク」ともいう。ヘッド40は、プラテン25に向かって下方にインクの液滴を吐出する。ヘッド40は、キャリッジ30に搭載されている。ヘッド40は、プラテン25(図2参照)よりも上方に配置されている。ヘッド40は、キャリッジ30を介してガイドレール20(図2参照)にスライド自在に係合している。ヘッド40は、第1移動機構51によってガイドレール20に沿って主走査方向Yに移動する。本実施形態では、ヘッド40は、第1インクヘッド41と、複数の第2インクヘッド42a〜42dを有している。各インクヘッド41および42a〜42dの底面には、それぞれ複数のノズル40aが形成されている。複数のノズル40aからインクが吐出される。例えば、1つのインクヘッド41の底面に形成された複数のノズル40aは、副走査方向Xに1列に並ぶように配置されている。本実施形態では、第1インクヘッド41の底面に形成された複数のノズル40aは、本発明の「第1ノズル」に対応し、複数の第2インクヘッド42a〜42dのそれぞれの底面に形成された複数のノズル40aは、本発明の「第2ノズル」に対応する。
本実施形態では、第1インクヘッド41は、プライマーインク6aを吐出する。第1インクヘッド41の数は、1つである。しかしながら、第1インクヘッド41の数は、特に限定されず、例えば、2つ以上であってもよい。仮に、第1インクヘッド41の数が2つである場合、2つの第1インクヘッド41のそれぞれから、成分が異なるプライマーインク6aが吐出されてもよい。
複数の第2インクヘッド42a〜42dは、それぞれ画像形成用インク6bの一例であるプロセスカラーインクを吐出する。ここでは、例えば、第2インクヘッド42aはシアンインクを吐出する。第2インクヘッド42bはマゼンタインクを吐出する。第2インクヘッド42cはイエローインクを吐出する。第2インクヘッド42dはブラックインクを吐出する。複数の第2インクヘッド42a〜42dは、第1インクヘッド41の右方に配置されているが、複数の第2インクヘッド42a〜42dが配置される位置は特に限定されない。本実施形態では、第2インクヘッド42a〜42dの数は、4つである。しかしながら、第2インクヘッド42a〜42dの数は特に限定されず、例えば、6つであってもよい。
次に、インクヘッド41および42a〜42dの構成について説明する。本実施形態では、インクヘッド41および42a〜42dはそれぞれ同じ構成である。そのため、ここでは、第1インクヘッド41の構成について説明し、第2インクヘッド42a〜42dのそれぞれの構成に関する説明は省略する。図6は、第1インクヘッド41の1つのノズル40a近傍における断面図である。図6に示すように、第1インクヘッド41は、液滴調整機構60を有している。なお、第2インクヘッド42a〜42dには、同様の液滴調整機構60が設けられている。
液滴調整機構60は、ノズル40aから吐出されるインクの液滴の大きさを調整する機構である。言い換えると、液滴調整機構60は、複数の大きさの液滴をノズル40aから選択的に吐出させる。ここで、「選択的に吐出させる」とは、複数の大きさの液滴から、1つの大きさを選択し、その1つの大きさの液滴をノズル40aから吐出させることをいう。液滴調整機構60の具体的な構成は特に限定されない。本実施形態では、液滴調整機構60は、ケース本体61と、振動板62とを備えている。ケース本体61は、開口61aを有する中空構造のケースである。振動板62は、開口61aを覆うようにケース本体61に取り付けられている。ここでは、ケース本体61と振動板62によって囲まれた領域が圧力室63である。振動板62は、圧力室63の一部を仕切っている。振動板62は、圧力室63の内側および外側に弾性変形可能なものである。なお、ここで、圧力室63の内側、外側とは、それぞれ図6の上側、下側のことである。
本実施形態では、第1インクヘッド41および第2インクヘッド42a〜42dには、それぞれインクカートリッジ45(図2参照)がそれぞれ接続されている。ここでは、第1インクヘッド41および第2インクヘッド42a〜42dと、インクカートリッジ45とは、チューブ46(図2参照)を介して互いに接続されている。インクカートリッジ45には、第1インクヘッド41および第2インクヘッド42a〜42dに供給するインク、すなわち、印刷に使用されるインクが収容されている。なお、インクカートリッジ45の設置位置は特に限定されない。例えば、図示は省略するが、インクカートリッジ45は、本体10の上面に取り外し可能に設けられている。
本実施形態では、図6に示すように、ケース本体61の一面(図6の左側の面)には、インク(例えば、第1インクヘッド41では、プライマーインク6a)が流入するインク流入口64が形成されている。このインク流入口64には、チューブ46(図2参照)を介してインクカートリッジ45(図2参照)が接続されている。なお、インク流入口64は圧力室63と繋がっていればよく、インク流入口64の位置は特に限定されない。ここでは、圧力室63には、インク流入口64を通じて、インクカートリッジ45のインクが供給され、一時的に所定量のインクが貯留される。ここでは、ケース本体61の下面61bには、インクを吐出するノズル40aが形成される。インクの液滴は、ノズル40aを通じて記録媒体5に向かって吐出される。
本実施形態では、振動板62における圧力室63と反対側の面には、圧電素子66が当接されている。圧電素子66の一端は、ケース本体61の内部に固定された固定部材69に固定されている。圧電素子66は、アクチュエータの一種である。圧電素子66は、フレキシブルケーブル67を介して制御装置70に接続されている。圧電素子66には、フレキシブルケーブル67を介して駆動信号などが供給される。本実施形態では、圧電素子66は、圧電材料と導電層を交互に積層した積層体である。圧電素子66は、供給された駆動信号に基づいて膨張および収縮し、振動板62を圧力室63の外側および内側に弾性変形させるように機能する。ここでは、圧電素子66として、縦振動モードのピエゾ素子(PZT)を採用している。縦振動モードのピエゾ素子は、上記積層方向に伸縮自在である。例えば、縦振動モードのピエゾ素子は、放電すると収縮し、充電すると伸長する。なお、圧電素子66の構成は特に限定されない。
第1インクヘッド41では、例えば、圧電素子66の電位の中間電位から降下させることによって、圧電素子66が収縮する。このとき、圧電素子66の収縮に追従して、振動板62が初期位置から圧力室63の外側に弾性変形し、圧力室63が膨張する。ここで、圧力室63が膨張するとは、振動板62の変形によって圧力室63の容積が大きくなることをいう。一方、圧電素子66の電位を上昇させることによって、圧電素子66が積層方向に伸長する。このことによって、振動板62が圧力室63の内側に弾性変形し、圧力室63が収縮する。ここで、圧力室63が収縮するとは、振動板62の変形によって圧力室63の容積が小さくなることをいう。このような圧力室63の膨張および収縮によって、圧力室63内の圧力が変動する。そして、圧力室63内の圧力の変動によって、圧力室63内のインクが加圧され、インクが液滴となってノズル40aから吐出される。その後、圧電素子66の電位を中間位置に戻すことによって、振動板62が初期位置に復帰し、圧力室63が膨張する。このとき、インク流入口64から圧力室63内にインクが流入する。
本実施形態では、圧電素子66に供給される駆動信号は、駆動パルスである。駆動パルスは、第1インクヘッド41のノズル40aから所定の大きさのプライマーインク6aの液滴を吐出させるためのパルス波形である。第1インクヘッド41は、駆動パルスに基づいてインクを吐出する。図7Aは、第1駆動パルスP1を示す図である。図7Bは、第2駆動パルスP2を示す図である。図7Cは、第3駆動パルスP3を示す図である。図7Bの第2駆動パルスP2は、最大電位が電位V2となるように、図7Aの第1駆動パルスP1を平行移動させたパルス波形である。また、図7Cの駆動パルスP3は、最大電位が電位V3となるように、図7Aの第1駆動パルスP1を平行移動させたパルスである。本実施形態では、駆動パルスには、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2および第3駆動パルスP3が含まれている。3つの駆動パルスP1〜P3のうち、第1駆動パルスP1の最大電位V1が最も高く、次いで、第2駆動パルスP2の最大電位V2が高く、第3駆動パルスP3の最大電位V3が最も低い。
本実施形態では、第1インクヘッド41は、圧電素子66に印加される電圧によって、径が異なるプライマーインク6aの液滴を吐出することが可能である。ここでは、3つの駆動パルスP1〜P3によって、第1インクヘッド41は、径が異なる3つのプライマーインク6aの液滴を吐出することが可能である。ただし、径が異なるプライマーインク6aの液滴の種類は、2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。図8は、プライマーインク6aの液滴A1〜A3を示す図である。ここでは、図8に示すように、第1インクヘッド41が吐出可能なプライマーインク6aの液滴A1〜A3の径は、それぞれ所定の第1の径L1、第2の径L2、および、第3の径L3である。詳しくは、第1駆動パルスP1に基づいて電圧が圧電素子66に印加されることによって、第1インクヘッド41は、第1の径L1の大きさの第1液滴A1のプライマーインク6aを吐出する。第2駆動パルスP2に基づいて電圧が圧電素子66に印加されることによって、第1インクヘッド41は、第2の径L2の大きさの第2液滴A2のプライマーインク6aを吐出する。また、第3駆動パルスP3に基づいて電圧が圧電素子66に印加されることによって、第1インクヘッド41は、第3の径L3の大きさの第3液滴A3のプライマーインク6aを吐出する。ここでは、第2の径L2は、第1の径L1よりも短い。第3の径L3は、第1の径L1および第2の径L2よりもそれぞれ短い。本実施形態では、第1の径L1の第1液滴A1が最も大きい液滴であり、次いで、第2の径L2の第2液滴A2が大きい。そして、第3の径L3の第3液滴A3が最も小さい液滴である。このように、本実施形態では、第1インクヘッド41は、径が異なるプライマーインク6aの液滴を吐出することができる。なお、本実施形態では、第2インクヘッド42a〜42dは、第1液滴A1、第2液滴A2および第3液滴A3の画像形成用インク6bを吐出する。
なお、ここでは、駆動パルスの電圧を変化させることによって、径が異なるプライマーインク6aの液滴を吐出することを可能としていた。しかしながら、駆動パルスの1パルスが要する時間を変化させることによって、径が異なるプライマーインク6aの液滴を吐出させてもよい。例えば、第1駆動パルスの1パルスが要する時間が所定の第1の時間であり、第2駆動パルスの1パルスが要する時間が上記第1の時間よりも短い第2の時間である。そして。第3駆動パルスの1パルスが要する時間が上記第1の時間および上記第2の時間よりも短い第3の時間である。この場合であっても、第1駆動パルスによって第1の径L1の第1液滴A1が吐出され、第2駆動パルスによって第2の径L2の第2液滴A2が吐出され、第3駆動パルスによって第3の径L3の第3液滴A3が吐出される。なお、このように、1パルスに要する時間を変化させることと、図7A〜図7Cのように、駆動パルスの電圧を変化させることを適宜組み合わせて、径が異なるプライマーインク6aの液滴を吐出させるようにしてもよい。
紫外線照射装置55および56は、プラテン25に載置された記録媒体5に対して、紫外線を照射する装置である。記録媒体5に吐出されたインクは、紫外線照射装置55および56から発せられた紫外線が照射されることで硬化する。本実施形態では、紫外線照射装置55、56の数は、2つであるが、特に限定されない。ここでは、紫外線照射装置55および56は、キャリッジ30に搭載されている。具体的には、紫外線照射装置55は、キャリッジ30の左部に設けられ、ヘッド40(第1インクヘッド41および第2インクヘッド42a〜42d)よりも左方に配置されている。紫外線照射装置56は、キャリッジ30の右部に設けられ、ヘッド40よりも右方に配置されている。紫外線照射装置55および56は、ヘッド40およびキャリッジ30と共に、主走査方向Yに移動可能である。
次に、制御装置70について説明する。図4に示すように、制御装置70は、記録媒体5への印刷を制御する装置である。制御装置70は、マイクロコンピュータからなっており、本体10の内部に設けられている。制御装置70は、中央処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムなどを格納したROMと、RAMなどを備えている。ここでは、マイクロコンピュータ内に保存されたプログラムを使用して、印刷に関する制御を行う。
制御装置70は、操作機構12と、第1移動機構51のモータ24と、第2移動機構52のモータ27と、第1インクヘッド41の液滴調整機構60と、複数の第2インクヘッド42a〜42dの液滴調整機構60と、紫外線照射装置55および56と電気的に接続しており、操作機構12、モータ24、モータ27、第1インクヘッド41の液滴調整機構60、第2インクヘッド42a〜42dの液滴調整機構60、紫外線照射装置55、56をそれぞれ制御する。制御装置70は、操作機構12から印刷に関する情報を受信する。例えば、制御装置70は、ユーザが操作部12bを操作することによって選択された、後述の吐出パターンPT(図9参照)に関する信号を受信する。制御装置70は、第1移動機構51のモータ24の駆動を制御することで、プーリ21の回転、および、ベルト23(図2参照)の走行を制御する。このことで、制御装置70は、第1インクヘッド41、第2インクヘッド42a〜42dおよび紫外線照射装置55、56の主走査方向Yへの移動を制御する。制御装置70は、第2移動機構52のモータ27の駆動を制御することで、グリッドローラ26の回転を制御する。このことで、制御装置70は、プラテン25に載置された記録媒体5における副走査方向X(ここでは、第1方向X1および第2方向X2)への移動を制御する。
制御装置70は、第1インクヘッド41の液滴調整機構60を制御することで、プライマーインク6aの液滴の大きさ、および、第1インクヘッド41のノズル40aからプライマーインク6aを吐出するタイミングを制御する。また、制御装置70は、第2インクヘッド42a〜42dの液滴調整機構60を制御することで、画像形成用インク6bの液滴の大きさ、および、第2インクヘッド42a〜42dの各ノズル40aから画像形成用インク6bを吐出するタイミングを制御する。制御装置70は、プラテン25に載置された記録媒体5に、紫外線照射装置55および56が紫外線を照射するタイミングなどを制御する。
制御装置70は、記憶部81と、吐出パターン作成部82と、第1移動制御部83と、第2移動制御部84と、第1印刷部85と、第2印刷部86とを備えている。なお、上述した各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。例えば、上述した各部は、プロセッサによって実行されるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
以上、本実施形態に係るプリンタ100の構成について説明した。本実施形態では、記録媒体5に吐出されたインクの液滴は、紫外線照射装置55および56から紫外線が照射されるまで、記録媒体5上で広がる。そして、紫外線が照射されることで、記録媒体5に吐出されたインクの液滴は、広がった状態を維持して硬化することになる。そのため、記録媒体5にインクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの時間が長い程(例えば、所定の第1の時間よりも長い場合)、インクの液滴は広がった状態で硬化する。記録媒体5にインクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの時間が長い程、インクの液滴によって形成された層の表面が滑らかになる。このように、層の表面が滑らかな印刷のことを「グロス調の印刷」という。一方、記録媒体5にインクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの時間が短い程(例えば、所定の第1の時間よりも短い場合)、インクの液滴はあまり広がることなく硬化する。記録媒体5にインクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの時間が短い程、グロス調の印刷に比べてインクの液滴の形状が維持されるため、インクの液滴によって形成された層の表面が凸凹となる。このように、層の表面が凸凹になるような印刷のことを「マット調の印刷」という。
ところで、記録媒体5の表面の質感と、プライマーインク6aによって形成されたプライマー層の表面の質感とが異なることがあり得る。そのため、記録媒体5の表面の質感を生かした印刷物を作製したい場合であっても、記録媒体5の種類によっては、記録媒体5の表面の質感を生かした印刷物を作製することができない場合があった。そこで、本願出願人は、プライマーインク6aによる印刷をマット調の印刷にし、マット調の印刷において、プライマーインク6aの液滴の大きさを一部で異ならせながら印刷することで、質感が異なるプライマー層を作製することができることを見出した。そして、記録媒体5の表面の質感と類似するようなプライマー層を作製することで、記録媒体5の表面の質感を生かした印刷物を作製することができることを見出した。
そこで、本実施形態では、印刷をする前において、プライマーインク6aの液滴の大きさが部分毎に異なる吐出パターンを複数用意する。そして、用意された上記吐出パターンから、印刷を行う記録媒体5の表面の質感と類似する吐出パターンをユーザが選択する。プリンタ100は、ユーザによって選択された吐出パターンに基づいて、プライマーインク6aによる印刷を行う。ここでは、プライマーインク6aの液滴の大きさが部分毎に異なる吐出パターンのことを「吐出パターン」と称している。本実施形態において、吐出パターンは、吐出パターン作成部82(図4参照)によって作成される。
次に、吐出パターンPTについて詳述する。図9は、吐出パターンPTを示す概念図である。図10Aは第1−1プライマー吐出パターンPT11を示す図であり、図10Bは図10AのXB−XB断面における第1−1プライマー吐出パターンPT11の断面図である。図11Aは第1−2プライマー吐出パターンPT12を示す図であり、図11Bは図11AのXIB−XIB断面における第1−2プライマー吐出パターンPT12の断面図である。図12Aは第2−1プライマー吐出パターンPT21を示す図であり、図12Bは図12AのXIIB−XIIB断面における第2−1プライマー吐出パターンPT21の断面図である。
本実施形態では、図9に示すように、吐出パターンPTは、複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55を有している。ここで、「プライマー吐出パターン」とは、プライマーインク6aを吐出する際に使用される吐出パターンのことである。プライマー吐出パターンの数は特に限定されない。例えば、ここでは、吐出パターンPTは、25種類のプライマー吐出パターンによって構成されている。ここでは、吐出パターンPTの複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55は、吐出パターン作成部82によって作成される。吐出パターン作成部82は、第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3を組み合わせることで、複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55を作成する。
本実施形態では、図9において、方向D1に沿って隣り合うプライマー吐出パターンは、第1液滴A1、第2液滴A2、第3液滴A3の何れかの割合が異なる。そして、方向D1に沿って隣り合うプライマー吐出パターンは、隣り合う液滴の中心C1の間の距離が同じである。例えば、図10Aに示す第1−1プライマー吐出パターンPT11と、図11Aに示す第1−2プライマー吐出パターンPT12は、第2液滴A2に対する第1液滴A1の割合が異なる。ここでは、第1−1プライマー吐出パターンPT11では、第2液滴A2に対する第1液滴A1の割合は、所定の第1の割合である。第1−2プライマー吐出パターンPT12では、第2液滴A2に対する第1液滴A1の割合は、所定の第2の割合である。第1−1プライマー吐出パターンPT11における隣り合う液滴の中心C1の間の距離と、第1−2プライマー吐出パターンPT12における隣り合う液滴の中心C1の間の距離とは、同じ距離DS1である。なお、本実施形態では、例えば、上記第1の割合および上記第2の割合を含めた割合が、本発明の「所定の割合」および「所定の他の割合」に対応する。
図9において、方向D2に沿って隣り合うプライマー吐出パターンは、第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3の各割合は同じであるが、隣り合う液滴の中心C1の間の距離が異なる。例えば、図10Aに示す第1−1プライマー吐出パターンPT11において、隣り合う液滴の中心C1の間の距離は、距離DS1である。図12Aに示す第2−1プライマー吐出パターンPT21において、隣り合う液滴の中心同士の距離は、距離DS1よりも長い距離DS2である。ここでは、距離DS1は、距離DS2よりも短い。本実施形態では、例えば、距離DS1が本発明の「第1の距離」に対応し、距離DS2が本発明の「第2の距離」に対応する。そして、距離DS1と距離DS2とを含めた距離が本発明の「所定の距離」に対応する。
以上のように、本実施形態では、吐出パターンPTの複数のプライマー吐出パターンは、それぞれ他のプライマー吐出パターンに何れかに対して、第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3の割合と、隣り合う液滴の中心C1の間の距離とのうち何れかが同じである。しかしながら、吐出パターンPTの複数のプライマー吐出パターンは、それぞれ他のプライマー吐出パターンに対して、第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3の割合の何れかが異なり、かつ、隣り合う液滴の中心C1の間の距離が異なっていてもよい。本実施形態では、図10Bおよび図11Bに示すように、第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3の割合のうち何れかが異なるようなプライマー吐出パターンPT11、PT12を吐出パターン作成部82が作成することで、表面の凸凹のパターンが異なるプライマー層、すなわち、質感が異なるプライマー層を作成することができる。また、図10Bおよび図12Bに示すように、隣り合う液滴の中心C1の間の距離がプライマー吐出パターンPT11、PT21毎に異なるようなプライマー吐出パターンPT11、PT21を吐出パターン作成部82が作成することで、表面の凸凹のパターンが異なるプライマー層、すなわち、質感が異なるプライマー層を作成することができる。なお、本実施形態では、例えば、図10Aの第1−1プライマー吐出パターンPT11は、本発明の「第1プライマー吐出パターン」および「第3プライマー吐出パターン」に対応する。また、図11Aの第1−2プライマー吐出パターンPT12は、本発明の「第2プライマー吐出パターン」に対応する。また、図12Aの第2−1プライマー吐出パターンPT21は、本発明の「第4プライマー吐出パターン」に対応する。
図13は、プリンタ100が記録媒体5に印刷を行う手順を示したフローチャートである。次に、プリンタ100が記録媒体5に印刷を行う手順について図13のフローチャートに沿って説明する。ここでは、図5に示すように、記録媒体5の上に、プライマーインク6aによって形成されたプライマー層、および、画像形成用インク6bによって形成された画像形成層が下方から順に積層されることによって印刷物が作製される。
本実施形態では、記録媒体5への印刷を行う前において、記録媒体5には、印刷領域が予め設定されている。この印刷領域とは、プライマーインク6aによる印刷、および、画像形成用インク6bによる印刷が行われる領域である。ここでは、記憶部81には、記録媒体5に印刷を行う印刷画像が予め記憶されている。また、記憶部81には、図9に示すように、吐出パターンPTが有する複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55が予め記憶されている。これらプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55は、吐出パターン作成部82(図4参照)によって、予め作成されたものである。そして、操作機構12の表示画面12a(図1参照)には、記憶部81に記憶された複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55が表示されている。なお、表示画面12aに表示される複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55は、例えば、各プライマー吐出パターンに基づいて、プライマーインク6aで印刷を行った際の印刷画像である。
まず、図13のステップS101では、ユーザは、表示画面12aに表示された図9の複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55の中から、プライマーインク6aによる印刷で使用するプライマー吐出パターンを選択する。ユーザは、印刷対象の記録媒体5の表面の質感と類似するようなプライマー吐出パターンを選択するとよい。ここでは、ユーザは、図10Aの第1−1プライマー吐出パターンPT11を選択したとする。例えば、ユーザは、操作部12bを操作することで、第1−1プライマー吐出パターンPT11を選択する。
次に、図13のステップS103では、印刷を開始する。ここでは、例えば、ユーザが操作部12bの印刷開始ボタン(図示せず)を押すことで印刷が開始される。本実施形態では、上記印刷開始ボタンが押されると、ステップS101において選択された第1−1プライマー吐出パターンPT11に関する情報の信号が制御装置70に送信される。
次に、図13のステップS105では、プライマーインク6aによる印刷が行われる。具体的には、図4に示すように、第1移動制御部83は、まず、主走査方向Yにヘッド40が移動するように、第1移動機構51のモータ24の駆動を制御する。このとき、記録媒体5の印刷領域上を第1インクヘッド41が通過する際、第1印刷部85は、プラテン25に載置された記録媒体5にプライマーインク6aを第1インクヘッド41から吐出させる。このとき、第1印刷部85は、ステップS101で選択された第1−1プライマー吐出パターンPT11(図10A)に基づいてプライマーインク6aの第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3が吐出されるように、液滴調整機構60を制御する。以上のようにして、1スキャン分のプライマーインク6aによる印刷が行われる。なお、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aの上方を、紫外線照射装置55および56が通過することで、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aに紫外線が照射される。そして、紫外線が照射されることで、吐出されたプライマーインク6aは硬化する。
次に、第1移動制御部83は、プラテン25に載置された記録媒体5を副走査方向Xの第1方向X1へ移動させるように第2移動機構52のモータ27の駆動を制御する。その後、第1移動制御部83によって、ヘッド40を主走査方向Yへ移動させながら、第1−1プライマー吐出パターンPT11に基づいて、プライマーインク6aの吐出が行われることで、次のスキャンにおける印刷が行われる。このように、ヘッド40の主走査方向Yへの移動、および、プラテン25に載置された記録媒体5の第1方向X1への移動を交互に行いながら、第1印刷部85によるプライマーインク6aの印刷が行われる。
プライマーインク6aによる印刷が行われた後、次に、図13のステップS107では、プラテン25に載置された記録媒体5を第2方向X2、すなわち、後方へ移動させる。具体的には、第2移動制御部84は、プラテン25に載置された記録媒体5が、印刷が開始された位置である開始位置へ戻るように、記録媒体5を第2方向X2へ移動させるように第2移動機構52のモータ27の駆動を制御する。
プラテン25に載置された記録媒体5が上記開始位置に位置した後、図13のステップS109では、画像形成用インク6bによる印刷が行われる。具体的には、第1移動制御部83は、最初のスキャンにおいて、主走査方向Yにヘッド40が移動するように、第1移動機構51のモータ24の駆動を制御する。このとき、記録媒体5の印刷領域上を第2インクヘッド42a〜42dが通過する際、第2印刷部86は、プラテン25に載置された記録媒体5に画像形成用インク6bを第2インクヘッド42a〜42dから吐出させることで、最初の1スキャン分の画像形成用インク6bによる印刷が行われる。なお、画像形成用インク6bは、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aの上に吐出される。第2インクヘッド42a〜42dから吐出される画像形成用インク6bの液滴の大きさは特に限定されない。第2印刷部86は、記憶部81に予め記憶された所定の吐出パターンに基づいて、第2インクヘッド42a〜42dの各液滴調整機構60を制御しながら、第2インクヘッド42a〜42dの各ノズル40aから画像形成用インク6bを吐出させてもよい。
その後、第1移動制御部83は、プラテン25に載置された記録媒体5を第1方向X1へ移動させるように第2移動機構52のモータ27の駆動を制御する。このように、ヘッド40の主走査方向Yへの移動、および、記録媒体5の第1方向X1への移動を交互に行いながら、第2印刷部86による画像形成用インク6bの印刷が行われる。画像形成用インク6bによる印刷が終了することによって、記憶部81に記憶された印刷画像の印刷が終了する。本実施形態では、まず、記録媒体5の第1方向X1への1回目の移動で、プライマーインク6aに関する印刷が行われる。その後、記録媒体5が第2方向X2へ搬送される。そして、記録媒体5の第1方向X1への2回目の移動で、画像形成用インク6bに関する印刷が行われる。
以上、本実施形態では、図5に示すように、記録媒体5の表面に、粘着性を有するプライマーインク6aによって形成されたプライマー層が形成され、プライマー層の表面に、画像形成用インク6bによる印刷が行われる。ここでは、プライマー層は、図8に示すように、径が異なる第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3のプライマーインク6aによって形成されている。よって、プライマー層の表面は、例えば、図10B、図11Bおよび図12Bに示すように凸凹している。よって、例えば、記録媒体5の表面の質感が、図10Aに示すような第1−1プライマー吐出パターンPT11に基づいて作成されたプライマー層の表面の質感と類似している場合、第1−1プライマー吐出パターンPT11に基づいてプライマー層を作製することで、記録媒体5の表面の質感と、プライマー層の表面の質感とを類似させることができる。よって、記録媒体5の表面の質感が損ない難い印刷物を作製することができる。
本実施形態では、吐出パターン作成部82は、第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3の3種類の液滴の大きさを組み合わせることで、複数のプライマー吐出パターンを作成している。このことによって、例えば、2種類の液滴の大きさを組み合わせて作成された複数のプライマー吐出パターンと比較して、様々な質感のプライマー層を作製することができる。したがって、記録媒体5の表面の質感と、プライマーインク6aによって形成されたプライマー層の表面の質感とを類似させ易い。
本実施形態では、吐出パターン作成部82は、図9に示すように、複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55を作成している。図9において、方向D1に沿って隣り合うプライマー吐出パターンは、第1液滴A1、第2液滴A2、第3液滴A3の何れかの割合が異なる。方向D2に沿って隣り合うプライマー吐出パターンは、第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3の各割合は同じであるが、隣り合う液滴の中心C1の間の距離が異なる。このように、第1液滴A1、第2液滴A2、第3液滴A3の何れかの割合が異なる、または、隣り合う液滴の中心C1の間の距離が異なるような複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55が用意されていることで、表面の質感が異なる様々な質感のプライマー層を作製することができる。よって、記録媒体5の表面の質感に類似したプライマー層を作製し易い。したがって、記録媒体5の表面の質感が損ない難い印刷物を作製し易い。
本実施形態では、操作機構12の表示画面12aには、吐出パターン作成部82によって作成された複数のプライマー吐出パターンPT11、PT12、・・・、PT21、PT22、・・・PT54、PT55が表示される。ユーザは、操作部12bを操作することで、プライマーインク6aによる印刷を行う際に使用するプライマー吐出パターン(例えば、図10Aの第1−1プライマー吐出パターンPT11)を選択する。第1印刷部85は、選択された第1−1プライマー吐出パターンPT11に基づいて、記録媒体5の印刷領域に向かってプライマーインク6aを吐出させるように液滴調整機構60を制御する。このことによって、ユーザは、記録媒体5の表面の質感を見ながら、記録媒体5の表面の質感と類似したプライマー吐出パターンを選択することができる。
本実施形態では、記録媒体5の第1方向X1への1回目の移動で、第1印刷部85は、プライマーインク6aによる印刷を行う。そして、第2移動制御部84によって、記録媒体5が第2方向X2へ移動された後、記録媒体5の第1方向X1への2回目の移動で、第2印刷部86は、画像形成用インク6bによる印刷を行う。このように、プライマーインク6aによる印刷と、画像形成用インク6bによる印刷を別々に行うことで、プライマーインク6aが吐出されてから硬化するまでの時間を確保することができる。したがって、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aが完全に硬化する前に、完全に硬化していないプライマーインク6a上に、画像形成用インク6bによる印刷が行われることを抑制することができる。
以上、第1実施形態に係るプリンタ100について説明した。本発明に係るプリンタは、第1実施形態に係るプリンタ100に限定されず、他の種々の形態で実施することができる。次に、他の実施形態について簡単に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した構成と同様の構成には同じ符号を使用し、その説明は適宜省略する。
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1インクヘッド41と、複数の第2インクヘッド42a〜42dとの位置関係が第1実施形態に係るプリンタ100と異なる。図14は、第2実施形態に係るヘッド40の底面図である。図14に示すように、本実施形態では、第2インクヘッド42a〜42dは、副走査方向Xにおいて同じ位置に配置されている。第1インクヘッド41は、第2インクヘッド42a〜42dよりも第2方向X2へ向かう側に配置されている。第1インクヘッド41は、第2インクヘッド42a〜42dよりも後方に設けられている。ここでは、第1インクヘッド41の前端は、第2インクヘッド42a〜42dのそれぞれの後端よりも後方に設けられている。本実施形態では、第1インクヘッド41の前端と、第2インクヘッド42a〜42dのそれぞれの後端とにおける副走査方向Xの距離D3は、所定の距離である。この所定の距離D3は特に限定されないが、例えば、所定の距離D3の下限値は、0より大きければよく、例えば、10dotである。
図15は、第2実施形態において、プリンタ200が記録媒体5に印刷を行う手順を示したフローチャートである。次に、本実施形態に係るプリンタ200が記録媒体5に印刷を行う手順について、図15のフローチャートに沿って説明する。なお、図15のステップS201の処理およびステップS203の処理は、それぞれ図13のステップS101の処理およびステップS103の処理と同じであるため、ステップS201の処理およびステップS203の処理の説明は省略する。なお、ステップS201において、ユーザは、図10Aの第1−1プライマー吐出パターンPT11を選択したものとする。
図15のステップS205では、プライマーインク6aによる印刷、および、画像形成用インク6bによる印刷が行われる。具体的には、図4に示すように、第1移動制御部83は、最初のスキャンにおいて、主走査方向Yにヘッド40が移動するように、第1移動機構51を制御する。このとき、印刷画像の位置に対応した記録媒体5の印刷領域上を第1インクヘッド41が通過する際、第1印刷部85は、記録媒体5に第1インクヘッド41からプライマーインク6aを吐出させる。このことで、最初の1スキャン分のプライマーインク6aによる印刷が行われる。このとき、第1印刷部85は、ステップS201において選択された図10Aの第1−1プライマー吐出パターンPT11に基づいて、プライマーインク6aが吐出されるように、液滴調整機構60を制御する。そして、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aの上に、紫外線照射装置55および56が通過することで、プライマーインク6aに紫外線が照射され、プライマーインク6aは硬化する。なお、このプライマーインク6aは、記録媒体5の表面に直接吐出される。その後、第1移動制御部83は、記録媒体5を第1方向X1へ移動させるように第2移動機構52を制御する。
次に、第1移動制御部83によって、ヘッド40は主走査方向Yへ移動される。このとき、記録媒体5の印刷領域上を第1インクヘッド41が通過する際、第1印刷部85は、記録媒体5に第1インクヘッド41からプライマーインク6aを吐出させる。同時に、記録媒体5の印刷領域上を第2インクヘッド42a〜42dが通過する際、第2印刷部86は、記録媒体5に画像形成用インク6bを第2インクヘッド42a〜42dから吐出させる。画像形成用インク6bによる印刷は、プライマーインク6aによる印刷が行われた後の記録媒体5の印刷領域であって、紫外線が照射されたことによって硬化したプライマーインク6a上の印刷領域に対して行われる。以上のように、本実施形態では、プライマーインク6aによる印刷と、画像形成用インク6bによる印刷が同時に行われることで、2回目以降のスキャンにおける印刷が行われる。ここでは、ヘッド40の主走査方向Yへの移動と、プラテン25に載置された記録媒体5の第1方向X1への移動を交互に行いながら、第1印刷部85によるプライマーインク6aによる印刷、および、第2印刷部86による画像形成用インク6bによる印刷が行われる。
以上、本実施形態では、図14に示すように、第1インクヘッド41は、第2インクヘッド42a〜42dよりも後方に設けられている。このことによって、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aの上に、画像形成用インク6bが吐出されるまでには、少なくとも1スキャン分の時間を要する。そのため、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aが硬化するまでの時間を確保することができる。よって、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aが完全に硬化する前に、完全に硬化していないプライマーインク6a上に、画像形成用インク6bによる印刷が行われることを抑制することができる。本実施形態では、記録媒体5の第1方向X1への1回の移動の際に、プライマーインク6aによる印刷、および、画像形成用インク6bによる印刷が行われる。よって、印刷に要する時間を短縮することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るプリンタ300について説明する。図16は、第3実施形態に係るヘッド40の底面図である。図16に示すように、本実施形態では、インクヘッド41および42a〜42dは、主走査方向Yに並ぶように配置されている。第1インクヘッド41および第2インクヘッド42a〜42dの各底面には、複数のノズル40aが形成されている。各インクヘッド41および42a〜42dの底面に形成された複数のノズル40aは、副走査方向Xに1列に並ぶように配置されている。ここでは、第1インクヘッド41の底面に形成された複数のノズル40aの列のことを、ノズル列43という。第2インクヘッド42a〜42dのぞれぞれの底面に形成された複数のノズル40aの列のことを、それぞれノズル列44a〜44dという。すなわち、第2インクヘッド42aにはノズル列44aが形成され、第2インクヘッド42bにはノズル列44bが形成され、第2インクヘッド42cにはノズル列44cが形成され、第2インクヘッド42dにはノズル列44dが形成されている。また、各ノズル列43および44a〜44dのうち、前部に配置されたノズル列をそれぞれ第1ノズル列43a1および44a1〜44d1と称する。そして、各ノズル列43および44a〜44dのうち、後部に配置されたノズル列をそれぞれ第2ノズル列43a2および44a2〜44d2と称する。
各第1ノズル列43a1および44a1〜44d1は、各第2ノズル列43a2および44a2〜44d2よりも前方に配置されている。各インクヘッド41および42a〜42dにおいて、各第2ノズル列43a2および44a2〜44d2の前端は、各第1ノズル列43a1および44a1〜44d1の後端よりも後方に配置されている。副走査方向Xにおいて、各第2ノズル列43a2および44a2〜44d2の前端と、各第1ノズル列43a1および44a1〜44d1の後端との間の距離D4は、所定の距離である。本実施形態における所定の距離D4の下限値は、0より大きい値であり、第2実施形態と同様に、例えば、10dotである。
なお、ここでは、複数のノズル40aのうち、第1ノズル列43a1および44a1〜44d1および第2ノズル列43a2および44a2〜44d2に属さないノズル40aが存在していてもよい。本実施形態では、各第1ノズル列43a1および44a1〜44d1におけるノズル40aの数は、第2ノズル列43a2および44a2〜44d2におけるノズル40aの数と同じである。しかしながら、各第1ノズル列43a1および44a1〜44d1におけるノズル40aの数は、各第2ノズル列43a2および44a2〜44d2におけるノズル40aの数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
本実施形態では、第1インクヘッド41の第2ノズル列43a2、および、第2インクヘッド42a〜42dのぞれぞれの第1ノズル列44a1〜44d1が使用される。そのため、第1インクヘッド41の第1ノズル列43a1、および、第2インクヘッド42a〜42dのそれぞれの第2ノズル列44a2〜44d2は省略されていてもよい。ここでは、第1インクヘッド41の第2ノズル列43a2を構成する複数のノズル40aからプライマーインク6aが吐出される。第2インクヘッド42a〜42dのそれぞれの第1ノズル列44a1〜44d1を構成する複数のノズル40aから画像形成用インク6bが吐出される。
次に、本実施形態に係るプリンタ300が記録媒体5に印刷を行う手順について、第2実施形態における図15のフローチャートに沿って説明する。なお、本実施形態では、ステップS201の処理、および、ステップS203の処理は、第2実施形態と同様であるため、ステップS201の処理、および、ステップS203の処理のそれぞれの説明は省略する。図15のステップS205では、プライマーインク6aによる印刷、および、画像形成用インク6bによる印刷が行われる。ここでは、第1移動制御部83は、最初のスキャンにおいて、主走査方向Yにヘッド40が移動するように、第1移動機構51を制御する。このとき、記録媒体5の印刷領域上を第1インクヘッド41が通過する際、第1印刷部85は、第1インクヘッド41の第2ノズル列43a2からプライマーインク6aを記録媒体5へ吐出させることで、最初の1スキャン分のプライマーインク6aによる印刷が行われる。このとき、第1印刷部85は、ステップS201において選択された図10Aの第1−1プライマー吐出パターンPT11に基づいて、プライマーインク6aが吐出されるように、液滴調整機構60を制御する。そして、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aの上に、紫外線照射装置55および56が通過することで、プライマーインク6aに紫外線が照射され、プライマーインク6aは硬化する。その後、第1移動制御部83は、記録媒体5を第1方向X1へ移動させるように第2移動機構52を制御する。
次に、第1移動制御部83によって、ヘッド40は主走査方向Yへ移動される。このとき、記録媒体5の印刷領域上を第1インクヘッド41が通過する際、第1印刷部85は、記録媒体5に第1インクヘッド41の第2ノズル列43a2からプライマーインク6aを吐出させる。同時に、記録媒体5の印刷領域上を第2インクヘッド42a〜42dが通過する際、第2印刷部86は、第2インクヘッド42a〜42dの各第1ノズル列44a1〜44d1から画像形成用インク6bを記録媒体5に向かって吐出させる。画像形成用インク6bによる印刷は、プライマーインク6aによる印刷が行われた後の記録媒体5の印刷領域であって、紫外線が照射されたことによって硬化したプライマーインク6a上の印刷領域に対して行われる。以上のように、本実施形態では、プライマーインク6aによる印刷と、画像形成用インク6bによる印刷が同時に行われることで、2回目以降のスキャンにおける印刷が行われる。
以上、本実施形態では、図16に示すように、プライマーインク6aを吐出する際に使用される第1インクヘッド41の第2ノズル列43a2を構成するノズル40aは、画像形成用インク6bを吐出する際に使用される第2インクヘッド42a〜42dのぞれぞれの第1ノズル列44a1〜44d1よりも第2方向X2側に位置している。このことによって、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aの上に、画像形成用インク6bが吐出されるまでには、少なくとも1スキャン分の時間を要するため、記録媒体5に吐出されたプライマーインク6aが硬化するまでの時間を確保することができる。したがって、本実施形態では、第2実施形態と同様の効果が得られる。
上記各実施形態では、第1印刷部85は、吐出パターンに基づいて、プライマーインク6aの第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3を吐出させるように液滴調整機構60を制御していた。しかしながら、第1印刷部85は、プライマーインク6aの第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3のうち何れか1つ以上の大きさの液滴を選択して吐出させるように液滴調整機構60を制御していてもよい。例えば、第1印刷部85は、プライマーインク6aの第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3のうち何れか1つの大きさの液滴を吐出させてもよいし、第1液滴A1、第2液滴A2、および、第3液滴A3のうち何れか2つの大きさの液滴を吐出させてもよい。なお、上記各実施形態に係るプリンタは、第1印刷部85によってプライマーインク6aを吐出させない非吐出機能を有していてもよい。この場合、プリンタは、第1印刷部85によってプライマーインク6aを吐出させるか否かを選択する選択機能を有していてもよい。
上記各実施形態では、記録媒体5は、プラテン25に載置されている。そして、プラテン25が本体10に固定された状態で、第1移動機構51は、プラテン25に載置された記録媒体5を、プラテン25に対して副走査方向Xに移動させることで、記録媒体5をヘッド40に対して相対的に副走査方向Xに移動させていた。しかしながら、第1移動機構51は、プラテン25を副走査方向Xに移動させることで、プラテン25の移動に伴って、プラテン25に載置された記録媒体5を副走査方向Xに移動させるように構成されていてもよい。すなわち、本発明に係るプリンタは、いわゆる、フラットベッドタイプのプリンタであってもよい。
上述したように、制御装置70の記憶部81、吐出パターン作成部82、第1移動制御部83、第2移動制御部84、第1印刷部85、および、第2印刷部86は、ソフトウェアによって構成されていてもよい。すなわち、上記各部は、コンピュータプログラムがコンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータによって実現されるようになっていてもよい。本発明には、コンピュータを上記各部として機能させるための印刷用のコンピュータプログラムが含まれる。また、本発明には、当該コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体が含まれる。また、上記各部は、制御装置70が備える1つのプロセッサによって、実現されるものであってもよいし、複数のプロセッサによって実現されるものであってもよい。また、本発明には、各部が実行するプログラムと同様の機能が実現された回路が含まれる。
5 記録媒体
6a プライマーインク
6b 画像形成用インク
25 プラテン
41 第1インクヘッド
42a〜42d 第2インクヘッド
51 第1移動機構
52 第2移動機構
70 制御装置
82 吐出パターン作成部
83 第1移動制御部
84 第2移動制御部
85 第1印刷部
86 第2印刷部
100、200、300 プリンタ(インクジェットプリンタ)

Claims (10)

  1. 記録媒体が載置されるプラテンと、
    粘着性を有するプライマーインクが吐出される複数の第1ノズルが形成された第1インクヘッドと、
    画像形成用インクが吐出される複数の第2ノズルが形成された第2インクヘッドと、
    前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを前記プラテンに対して相対的に主走査方向へ移動させる第1移動機構と、
    前記プラテンに載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に副走査方向へ移動させる第2移動機構と、
    前記第1移動機構および前記第2移動機構とそれぞれ電気的に接続された制御装置と、
    を備え、
    前記第1インクヘッドは、前記制御装置と電気的に接続され、かつ、第1の径の長さの第1液滴の前記プライマーインク、および、前記第1の径よりも短い第2の径の長さの第2液滴の前記プライマーインクを、複数の前記第1ノズルから選択的に吐出させる液滴調整機構を有し、
    前記制御装置は、
    前記記録媒体の印刷領域において、前記第2液滴に対する前記第1液滴の割合が所定の割合になるように、前記第1液滴および前記第2液滴を吐出させるパターンである吐出パターンを作成する吐出パターン作成部と、
    前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを前記プラテンに対して相対的に前記主走査方向に移動させるように前記第1移動機構を制御し、かつ、前記プラテンに載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記副走査方向に移動させるように前記第2移動機構を制御する第1移動制御部と、
    前記第1移動制御部によって前記第1インクヘッドが前記主走査方向に移動している間、前記吐出パターンに基づいて、前記記録媒体の前記印刷領域に向かって前記プライマーインクの前記第1液滴および前記第2液滴のうち少なくとも一方の液滴を吐出させるように前記液滴調整機構を制御する第1印刷部と、
    前記第1移動制御部によって前記第2インクヘッドが前記主走査方向に移動している間、前記第1印刷部によって前記プライマーインクが吐出された前記印刷領域に対して、前記第2インクヘッドから前記画像形成用インクを吐出させる第2印刷部と、
    を備えた、インクジェットプリンタ。
  2. 前記所定の割合は、所定の第1の割合と、前記第1の割合とは異なる所定の第2の割合とを有し、
    前記吐出パターンは、
    前記第2液滴に対する前記第1液滴の割合が前記第1の割合である第1プライマー吐出パターンと、
    前記第2液滴に対する前記第1液滴の割合が前記第2の割合である第2プライマー吐出パターンと、
    を有し、
    前記吐出パターン作成部は、前記第1プライマー吐出パターン、および、前記第2プライマー吐出パターンを作成し、
    前記第1印刷部は、前記吐出パターン作成部によって作成された何れかの前記吐出パターンに基づいて、前記印刷領域に向かって前記プライマーインクを吐出させるように前記液滴調整機構を制御する、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
  3. 前記吐出パターンが表示される表示画面と、前記表示画面に表示された前記吐出パターンから何れかのパターンをユーザが選択可能な操作部と、を有する操作機構を備え、
    前記制御装置は、前記操作機構と電気的に接続され、
    前記第1印刷部は、前記操作機構によって選択された前記吐出パターンに基づいて、前記印刷領域に向かって前記プライマーインクを吐出させるように前記液滴調整機構を制御する、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。
  4. 前記吐出パターン作成部は、前記印刷領域において隣接する液滴の中心の間の距離が所定の距離になるように、前記吐出パターンを作成する、請求項1から3までの何れか一つに記載されたインクジェットプリンタ。
  5. 前記所定の距離は、所定の第1の距離と、前記第1の距離とは異なる所定の第2の距離とを有し、
    前記吐出パターンは、
    前記印刷領域において隣接する液滴の中心の間の距離が前記第1の距離である第3プライマー吐出パターンと、
    前記印刷領域において隣接する液滴の中心の間の距離が前記第2の距離である第4プライマー吐出パターンと、
    を有し、
    前記吐出パターン作成部は、前記第3プライマー吐出パターン、および、前記第4プライマー吐出パターンを作成し、
    前記第1印刷部は、前記吐出パターン作成部によって作成された何れかの前記吐出パターンに基づいて、前記印刷領域に向かって前記プライマーインクを吐出させるように前記液滴調整機構を制御する、請求項4に記載されたインクジェットプリンタ。
  6. 前記液滴調整機構は、前記第1液滴、前記第2液滴、および、前記第2の径よりも短い第3の径の長さの第3液滴の前記プライマーインクを、複数の前記第1ノズルから選択的に吐出させ、
    前記吐出パターン作成部は、前記第1液滴と前記第2液滴と前記第3液滴との割合が所定の他の割合になるように、前記第1液滴、前記第2液滴、および、前記第3液滴を吐出させる前記吐出パターンを作成する、請求項1から5までの何れか一つに記載されたインクジェットプリンタ。
  7. 前記主走査方向に延びたガイドレールと、
    前記ガイドレールに摺動自在に係合し、前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドが設けられたキャリッジと、
    前記キャリッジに設けられ、前記プラテンに載置された前記記録媒体に向かって紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    を備えた、請求項1から6までの何れか一つに記載されたインクジェットプリンタ。
  8. 前記副走査方向のうち一方から他方に向かう方向を第1方向とし、かつ、前記第1方向とは逆の方向を第2方向としたとき、
    前記第1移動制御部は、前記プラテンに載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記第1方向に移動させるように前記第2移動機構を制御し、
    前記制御装置は、前記第1印刷部による印刷が終了した後、前記プラテンに載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記第2方向へ移動させるように前記第2移動機構を制御する第2移動制御部を備え、
    前記第2印刷部は、前記第2移動制御部による移動が終了した後、前記第1印刷部によって前記プライマーインクが吐出された前記印刷領域に対して、前記第2インクヘッドから前記画像形成用インクを吐出させる、請求項7に記載されたインクジェットプリンタ。
  9. 前記副走査方向のうち一方から他方に向かう方向を第1方向とし、かつ、前記第1方向とは逆の方向を第2方向としたとき、
    前記第1移動制御部は、前記プラテンに載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記第1方向に移動させるように前記第2移動機構を制御し、
    前記第1インクヘッドは、前記第2インクヘッドよりも前記第2方向側に配置されている、請求項7に記載されたインクジェットプリンタ。
  10. 前記副走査方向のうち一方から他方に向かう方向を第1方向とし、かつ、前記第1方向とは逆の方向を第2方向としたとき、
    前記第1移動制御部は、前記プラテンに載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記第1方向に移動させるように前記第2移動機構を制御し、
    前記第1インクヘッドと前記第2インクヘッドとは、前記主走査方向に並んで配置され、
    複数の前記第1ノズルは、前記副走査方向に並んで前記第1インクヘッドの底面に形成され、
    複数の前記第2ノズルは、前記副走査方向に並んで前記第2インクヘッドの底面に形成され、
    複数の前記第1ノズルは、複数の第2ノズルよりも前記第2方向側に位置している、請求項7に記載されたインクジェットプリンタ。
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