JP2018043359A - 加飾シート及び加飾物品 - Google Patents

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【課題】金属層が白色を帯びることを抑制する。【解決手段】加飾シートは、アクリル系樹脂を含み、加飾シートの第1面を構成する第1基材と、第1基材層よりも第2面側に位置し、ポリカーボネート系樹脂を含む第2基材と、第2基材上に設けられた金属層と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、物品の表面を加飾するための加飾シートに関する。また、本発明は、物品と、物品に貼り付けられた加飾シートと、を備える加飾物品に関する。
従来、物品の表面を加飾する方法として、物品の表面に加飾シートを貼り付けるという方法が知られている。加飾シートは、金属光沢によって意匠性を発現する金属層を備える。また、加飾シートは、加飾シートの表面を構成するアクリル樹脂層を備える(例えば特許文献1参照)。アクリル樹脂で加飾シートの表面を構成することにより、加飾シートに耐擦傷性を持たせることができる。
特許第4195236号公報
加飾シートがアクリル樹脂を含む場合、真空成膜によりアクリル樹脂の表面に金属層を形成することが、加飾シートの製造工数やコストを削減する上で有利である。しかしながら、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、真空成膜によりアクリル樹脂層の表面に金属層を形成した場合、加飾シート又は加飾物品の加熱・成形工程の際に金属層において光の散乱が生じ、これによって金属光沢が低下することがあることを見出した。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る加飾シートを提供することを目的とする。
本発明は、第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を含む加飾シートであって、アクリル系樹脂を含み、前記第1面を構成する第1基材と、前記第1基材よりも前記第2面側に位置し、ポリカーボネート系樹脂を含む第2基材と、前記第2基材上に設けられた金属層と、を備える、加飾シート。
本発明による加飾シートにおいて、前記金属層は、前記第2基材の面のうち前記第2面側の面上に設けられていてもよい。
本発明による加飾シートは、前記第1基材と前記第2基材との間に位置する第1接着層を更に備えていてもよい。
本発明による加飾シートにおいて、前記第1基材と前記第2基材とが接していてもよい。
本発明による加飾シートにおいて、前記金属層は、前記第2基材の面のうち前記第1面側の面上に設けられていてもよい。この場合、前記加飾シートは、前記第1基材と前記金属層との間に位置する第1接着層を更に備えていてもよい。
本発明による加飾シートにおいて、前記金属層は、クロムを含んでいてもよい。
本発明は、物品と、第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を含み、前記第2面側において接着層を介して前記物品に貼り付けられた加飾シートと、を備え、前記加飾シートは、アクリル樹脂層を含み、前記第1面を構成する第1基材と、
前記第1基材よりも前記第2面側に位置し、ポリカーボネート樹脂層を含む第2基材と、前記第2基材上に設けられた金属層と、を備える、加飾物品である。
本発明によれば、加飾シートまたは加飾物品の加熱・成形工程の際に金属光沢が低下することを抑制することができる。
本発明の実施の形態における加飾シートを示す断面図である。 本発明の実施の形態における加飾物品を示す断面図である。 加飾シートが第2接着層及びセパレータフィルムを更に備える例を示す断面図である。 第1の変形例における加飾シートを示す断面図である。 第2の変形例における加飾シートを示す断面図である。 比較の形態における加飾シートを示す断面図である。 図6に示す加飾シートを拡大して示す断面図である。 図7に示す加飾シートが収縮している様子を示す断面図である。 図8に示す加飾シートが収縮から復元した後の様子を示す断面図である。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
課題
はじめに、本実施の形態において解決しようとする課題について説明する。
従来、金属光沢を有する物品を製造する方法として、樹脂性の基板を型で成形することによって作製した成形品の表面に、めっきによって金属層を形成する、という方法が知られている。めっき法においては、金属層を構成する金属材料として、クロムが好ましく用いられる。一方、めっき法は、添加物として様々な薬品を用いるため、自然環境に悪影響を与えることが懸念される。
金属光沢を有する物品を製造するその他の方法として、物品の表面に、基材及び金属層を含む加飾シートを貼り付けるという方法がある。基材上に金属層を形成する方法としては、真空成膜法が採用され得る。めっき法に起因する自然環境への悪影響を考慮すると、今後、金属光沢を有する物品を製造する方法が、加飾シートを利用する方法に変更されることが考えられる。
加飾シートには、加飾シートを物品に貼り付ける際に、物品の形状に応じて伸びることができる程度の成形性が求められる。また、加飾シートには、耐擦傷性も求められ、更に、加飾シートが屋外で使用される場合には、耐候性も求められる。耐候性とは、太陽光や風雨に晒されたり、周囲の温度が変化したりする場合であっても、変形、変色、劣化などの変質を起こしにくいという性質である。アクリル系樹脂は、成形性、耐擦傷性、及び耐候性を備えており、加飾シートの表面を構成する材料として好ましい。
真空成膜法を用いて加飾シートの金属層を形成する方法として、図6に示すように、アクリル系樹脂を含むアクリル樹脂層21のフィルム上に、蒸着法やスパッタリング法によってクロムなどの金属を付着させて金属層40を形成する、という方法が考えられる。この方法を、以下の説明において「比較の形態」と称する。しかしながら、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、以下に説明するように、比較の形態に基づいて製造された加飾シート100においては、良好な金属光沢が得られないことを見出した。
図7は、比較の形態における加飾シート100を拡大して示す断面図である。図7に示すように、スパッタリング法によって金属層40が形成された後のアクリル樹脂層21の表面に起伏が存在することがある。また、アクリル樹脂層21にスパッタリング法によって形成された金属層40には、アクリル樹脂層21の起伏に対応して、例えば起伏の頂上の部分に、クラック41が形成されることがある。本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、以下に説明するように、クラック41が形成された金属層40を含む加飾シート100を加熱すると、アクリル樹脂層21の熱変形に起因してクラックの間隔が広がったりクラックの形状が変化したりすることにより、金属層40の金属光沢が低下してしまうことを発見した。
加飾シート100を物品に貼り付ける工程においては、加飾シート100が物品の表面の形状に沿って変形するように、加飾シート100を延伸させる。延伸された加飾シート100のアクリル樹脂層21には残留応力が存在している。この場合、残留応力の緩和を生じさせ得る程度にアクリル樹脂層21の温度が高くなると、アクリル樹脂層21に収縮が生じる。例えば、加飾シート100を物品に貼り付ける工程においては、加飾シート100が物品の形状に応じて変形し易くなるよう、加飾シート100を加熱することがある。この場合、延伸工程中や延伸された後、加飾シート100のアクリル樹脂層21は高温状態にある。このため、加飾シート100を物品に貼り付ける工程においては、アクリル樹脂層21の収縮が生じることがある。
図8は、図7に示す加飾シート100が収縮している様子を示す断面図である。図8に示すように、アクリル樹脂層21が収縮すると、クラック41を挟んで対向していた金属層40が接触し、金属層40の端部がアクリル樹脂層21から剥がれて反り上がり、反り部42となることがある。この場合、クラック41や反り部42において光が散乱され、金属層40の金属光沢が低下してしまう。例えば、金属層40が白色を帯びて視認されるようになる。
いったん反り部42が形成されると、反り部42に起因する金属光沢の低下が続く。例えば、アクリル樹脂層21が図8に示す状態から図9に示す状態に膨張したとしても、反り部42が存在しているので、図7に示す状態に比べてクラック41の幅が広がる。この結果、クラック41や反り部42において光が散乱され、金属層40の金属光沢が低下してしまう。例えば、金属層40が白色を帯びて視認されるようになる。
このような課題を考慮し、本実施の形態においては、金属層40を、アクリル樹脂層21以外の樹脂層であって、アクリル樹脂層21の熱変形の影響を受けにくい樹脂層の表面に設けることを提案する。
加飾シート
以下、本実施の形態における加飾シート10について説明する。図1は、第1面11及び第2面12を含む加飾シート10を示す断面図である。加飾シート10は、第2面12側から物品に貼り付けられる。
図1に示すように、加飾シート10は、第1基材20、第2基材30及び金属層40を備える。第1基材20は、加飾シート10の第1面11を構成する。第2基材30は、第1基材20よりも第2面12側に位置する。本実施の形態において、金属層40は、第2基材30の面のうち第2面12側の面上に設けられている。
加飾シート10は、例えば、フィルム状の第1基材20と、真空蒸着法によって金属層40が形成されたフィルム状の第2基材30とを積層することによって作製される。この場合、第1基材20と第2基材30との間には、第1基材20と第2基材30とを積層するための第1接着層16が設けられている。
以下、第1基材20、第2基材30、金属層40及び第1接着層16についてそれぞれ説明する。
(第1基材)
第1基材20は、加飾シート10の第1面11を構成するアクリル樹脂層21を少なくとも含む。好ましくは、第1基材20はアクリル樹脂層21である。アクリル樹脂層21は、(メタ)アクリル系樹脂を含む。なお、(メタ)アクリル系樹脂とは、メタアクリル系樹脂又はアクリル系樹脂を意味する。
(メタ)アクリル系樹脂としては、メタクリル酸アルキルエステル50重量%〜100重量%、アクリル酸アルキルエステル0重量%〜50重量%、および(メタ)アクリル酸0重量%〜20重量%を含有する単量体混合物を、少なくとも1段以上で共重合させてなるものを用いることができる。より好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂として、メタクリル酸アルキルエステル60重量%〜100重量%、アクリル酸アルキルエステル0重量%〜40重量%および(メタ)アクリル酸0〜15重量%を含有するものを用いることができる。第1基材20の硬度、剛性を高める上では、(メタ)アクリル系樹脂として、メタクリル酸メチルを80重量%以上含有するものが好ましく、85重量%以上含有するものが特に好ましい。
なお、本明細書において、「〜」という記号によって表現される数値範囲は、「〜」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「50重量%〜100重量%」という表現によって画定される数値範囲は、「50重量%以上かつ100重量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
アクリル樹脂層21は、一般に用いられる酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤などの耐候性安定剤や、触媒、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤、抗菌・脱臭剤、艶消し剤等を含んでいてもよい。また、アクリル樹脂層21は、透明性が損なわれない範囲で着色されていてもよい。
アクリル樹脂層21の厚みは、例えば50μm以上且つ200μm以下である。厚みを50μm以上とすることにより、アクリル樹脂層21に耐候性及び耐擦傷性を持たせることができる。アクリル樹脂層21の耐擦傷性の指標として、鉛筆硬度を挙げることができる。JIS K 5600−5−4 第5部−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して測定したときのアクリル樹脂層21の鉛筆硬度は、好ましくはHB以上である。
第1基材20は、アクリル樹脂層21よりも第2面12側に位置する層を更に含んでいてもよい。例えば、第1基材20は、アクリル樹脂層21の第2面12側の面上に設けられ、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層を含んでいてもよい。着色層は、第1基材20の全域にわたって連続的に設けられていてもよく、若しくは、所定のパターンで設けられていてもよい。
第1基材20の着色層の着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルーチタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(あるいは染料も含む)、アルミニウム、真鍮等の金属粉末からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料、蛍光顔料等を、1種または2種以上を混合して用いることができる。バインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂等を、1種または2種以上を混合して用いることができる。
第1基材20は、加飾シート10の第1面11側から金属層40を視認できる程度の透明性を有する。なお、「視認できる程度の透明性」とは、ヘイズメータで測定した場合のヘイズの値が10%以下であることを意味する。ヘイズメータとしては、株式会社村上色彩技術研究所製のヘイズメータを用いることができる。JIS7136に準拠してヘイズを測定する。
アクリル樹脂層21を含むフィルム状の第1基材20を作製する方法としては、インフレーション法やTダイ法(キャスト法)などの溶融押出法を用いることができる。
(第2基材)
第2基材30は、ポリカーボネート樹脂層31を少なくとも含む。好ましくは、第2基材30はポリカーボネート樹脂層31である。ポリカーボネート樹脂層31は、ポリカーボネート系樹脂を含む。
ポリカーボネート系樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させることにより得られる樹脂である。反応方法の例としては、界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。ポリカーボネート系樹脂は、良好な強度及び耐熱性を有する。
二価フェノールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンが好ましく、特にビスフェノールAが好ましい。ビスフェノールAは、優れた強度及び適度な耐熱性を有し、且つ、入手性の点でも優れている。
カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、炭酸ジエステルまたはハロホルメートなどを用いることができる。具体的には、ホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどを用いることができる。
二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法によって重合する際、必要に応じて、触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。
ポリカーボネート樹脂層31の厚みは、例えば25μm以上且つ100μm以下である。厚みを25μm以上とすることにより、アクリル樹脂層21の収縮に応じてポリカーボネート樹脂層31が収縮してしまうことを抑制することができる。また、厚みを100μm以下にすることにより、ポリカーボネート樹脂層31の成形性を確保することができる。
第2基材30は、ポリカーボネート樹脂層31以外の層を更に含んでいてもよい。例えば、第2基材30は、ポリカーボネート樹脂層31よりも第1面11側に位置する着色層、絵柄層などを更に含んでいてもよい。着色層の構成は、第1基材20に含まれ得る上述の着色層の場合と同様である。また、第2基材30のポリカーボネート樹脂層31などの層の面のうち、金属層40とは反対側の面には、凹凸の賦形などが施されていてもよい。
また、第2基材30は、ポリカーボネート樹脂層31と金属層40との間に位置する下地層を更に含んでいてもよい。下地層は、ポリカーボネート樹脂層31よりも金属層40に対する高い密着性を有する。下地層は、例えば、プライマー層などである。
アクリル系樹脂層21の厚みに対するポリカーボネート系樹脂層31の厚みの比率は、好ましくは70%以下であり、より好ましくは50%以下であり、且つ20%以上である。例えば、アクリル系樹脂層21の厚みが75μmである場合、ポリカーボネート系樹脂層31の厚みは50μm以下である。また、アクリル系樹脂層21の厚みが125μmである場合、ポリカーボネート系樹脂層31の厚みは30μm以上且つ50μm以下である。アクリル系樹脂層21の厚みに対するポリカーボネート系樹脂層31の厚みを70%以下にすることにより、ポリカーボネート系樹脂層31自体のコストや、ポリカーボネート系樹脂層31に金属層40を成膜することに要するコストを抑制することができる。また、アクリル系樹脂層21の厚みに対するポリカーボネート系樹脂層31の厚みを20%以上にすることにより、ポリカーボネート系樹脂層31がアクリル系樹脂層21の変形の影響を受けることを抑制することができる。また、ハンドリング性を確保することができる。
図1に示すように金属層40が第2基材30の第2面12側の面上に設けられる場合、第2基材30は、加飾シート10の第1面11側から金属層40を視認できる程度の透明性を有する。
ポリカーボネート樹脂層31を含むフィルム状の第2基材30を作製する方法としては、第1基材20の場合と同様に、インフレーション法やTダイ法(キャスト法)などの溶融押出法を用いることができる。
(金属層)
金属層40は、金属層40に到達した光を反射することによって、加飾シート10の意匠性を発現させる。金属層40は、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、ニッケル、錫、銀、クロム、チタン、白金、パラジウム、ニッケル、インジウム等の金属、又はそれらの合金、あるいはケイ素又はそれらの化合物などの無機材料を含む。金属層40は、単一の層から構成されていてもよく、若しくは、無機材料からなる複数の層を含んでいてもよい。例えば、金属層40は、酸化クロム層及び窒化クロム層を含んでいてもよい。なお、自動車部品など、従来はめっき法で作製されたクロムを備える加飾シートが用いられている分野においては、金属層40がクロムを含むことが好ましい。
金属層40全体の厚みは、例えば5nm以上且つ50nm以下である。厚みを5nm以上とすることにより、金属光沢を十分に発現することができる。例えば、金属層40の光学濃度を1.3以上にすることができる。また、厚みを50nm以下とすることにより、金属層40の成形性を確保することができる。例えば、加飾シート10を物品に貼り付けるときに金属層40にクラックが形成されてしまうことを抑制することができる。
金属層40を第2基材30上に形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜法を用いることができる。
(第1接着層)
第1接着層16は、第1基材20と第2基材30とを接着する。第1接着層16の接着性は、第1接着層16を加熱した時に発現してもよく、第1接着層16が常温の場合や常温未満の場合にも発現してもよい。すなわち、第1接着層16は、熱可塑性樹脂層だけでなく接着剤層や粘着剤層の概念も含むものである。第1接着層16は、加飾シート10の第1面11側から金属層40を視認できる程度の透明性を有する。
第1接着層16が熱可塑性樹脂層である場合、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン樹脂などを用いることができる。第1接着層16が熱可塑性樹脂層である場合、厚みは例えば5μm以上且つ50μm以下である。
第1接着層16が接着剤層である場合、例えば、1液あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等の接着剤を用いることができる。第1接着層16は、単一の層で構成されていてもよく、若しくは、複数の接着剤を積層することによって構成されていてもよい。接着剤は、加飾シート10を加熱して物品に貼り付ける際の熱に耐える程度の耐熱性を有するよう、構成される。第1接着層16が接着剤層である場合、乾燥状態での厚みは2μm以上且つ10μm以下である。
第1接着層16が粘着剤層である場合、例えば、天然ゴム、合成ゴム、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。また、粘着剤はその他の成分を含んでいてもよく、イソシアネート化合物等の架橋剤、粘着付与剤、各種界面活性剤、シランカップリング剤などが含まれていてもよい。第1接着層16が粘着剤層である場合、厚みは15μm以上50μm以下である。
第1接着層16を設けることにより、アクリル樹脂層21の変形に応じてポリカーボネート樹脂層31が変形してしまうことを抑制することができる。また、加飾シート10に第1面11側から衝撃が加わったときに、衝撃を適切に吸収することができる。例えば、加飾シート10がバンパーなどの自動車の外装品に貼り付けられる場合に、小石などから受ける衝撃を吸収することができる。すなわち、加飾シート10の耐チッピング性を高めることができる。
(分析方法)
次に、加飾シート10を分析して、加飾シート10を構成する第1基材20、第2基材30、金属層40及び第1接着層16に含まれる材料を特定する方法の例について説明する。分析方法又は分析装置としては、FTIR分光法(フーリエ変換赤外分光法)、又はGCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)を用いることができる。
例として、アクリル樹脂層21のメタクリル酸メチル樹脂及びポリカーボネート樹脂層31のビスフェノールAを分析する方法について説明する。
FTIR分光法を用いる場合、メタクリル酸メチル樹脂は、エステルに帰属される、波数が1200cm−1近傍及び1730cm−1近傍のピーク、メチル基並びに、メチレン基に帰属される、波数が750cm−1近傍、1450cm−1近傍、及び3000cm−1近傍のピークなどに基づいて、その存在の有無や存在量を推察することができる。また、ビスフェノールAは、炭酸エステルに帰属される、1200cm−1近傍及び1770cm−1近傍のピーク、フェニル基に帰属される、1500cm−1及び3000cm−1近傍のピーク、並びに、メチル基に帰属される、3000cm−1近傍のピークなどに基づいて、その存在の有無や存在量を推察することができる。
GCMSを用いる場合、メタクリル酸メチル樹脂は、メタクリル酸メチルモノマーに帰属されるピークに基づいて、その存在の有無や存在量を推察することができる。ビスフェノールAは、ビスフェノールAに起因する顕著なピークに基づいて、及び、分解物であるフェノールや各種フェノール誘導体に起因するピークに基づいて、その存在の有無や存在量を推察することができる。
加飾物品
次に、図2を参照して、加飾物品60について説明する。図3は、加飾物品60を示す断面図である。図2に示すように、加飾物品60は、物品50と、第2接着層17を介して物品50に貼り付けられた加飾シート10と、を備える。物品50は、例えば、樹脂性の基板を型で成形することによって作製される。物品50は、例えば、モール、バンパーなどの自動車部品である。なお、第2接着層17としては、上述の熱可塑性樹脂層や粘着剤層を用いることができる。
物品50を作製するための樹脂性の基板の樹脂材料としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどを挙げることができる。
図2に示すように、加飾シート10が物品50に貼り付けられた状態においては、加飾シート10の第1面11が、すなわちアクリル樹脂層21が、加飾物品60の一表面を構成する。アクリル樹脂層21により、加飾物品60に耐擦傷性及び耐候性を持たせることができる。
加飾シート10を物品50に貼り付ける方法としては、一次加飾成形法又は二次加飾成形法のいずれが用いられてもよい。一次加飾成形法とは、1つの装置内で、基板を成形して物品50を作製し、同時に、基板に加飾シート10を貼り付けて、加飾物品60を製造する方法である。また、二次加飾成形法とは、第1の装置で基板を成形して物品50を作製し、続いて、第2の装置で物品50に加飾シート10を貼り付けて加飾物品60を製造する方法である。
第2接着層17は、加飾シート10の一構成要素であってもよい。言い換えると、加飾シート10は、図3に示すように、第2基材30又は金属層40よりも第2面12側に位置する第2接着層17を更に備えた状態で流通してもよい。この場合、第2接着層は粘着剤層であり、図3に示すように、第2接着層17にセパレータフィルム18が取り付けられている。
加飾シートの製造方法
次に、加飾シート10の製造方法の一例について説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂層31を含むフィルム状の第2基材30が巻き取られたロールを準備する。続いて、フィルム状の第2基材30を真空成膜装置に投入し、第2基材30上に金属層40を形成する。ここで本実施の形態によれば、ポリカーボネート樹脂層31の厚みを100μm以下にすることにより、十分な長さにわたって第2基材30を真空成膜装置に投入することができる。このため、1回の成膜工程で金属層40が成膜される第2基材30の長さを増加させることができる。
また、アクリル樹脂層21を含むフィルム状の第1基材20が巻き取られたロールを準備する。続いて、第1基材20又は第2基材30の少なくともいずれか一方の面上に、第1接着層16として粘着剤層を形成する。続いて、粘着剤層を介して、第1基材20と、金属層40が設けられた第2基材30とを積層する。このようにして、上述の加飾シート10を作製することができる。その後、必要に応じて、上述の第2接着層17として粘着剤層及びセパレータフィルム18を設けてもよい。
本実施の形態によれば、加飾シート10は、第1面11を構成するアクリル樹脂層21を含む第1基材20と、ポリカーボネート樹脂層31を含み、金属層40が設けられる第2基材30と、を備える。アクリル樹脂層21により、加飾シート10の第1面11の耐擦傷性及び耐候性を確保することができる。また、第2基材30により、アクリル樹脂層21に収縮が生じた場合に金属層40にクラックや反りが形成されることを抑制することができ、これによって、金属層40の金属光沢が低下することを抑制することができる。また、アクリル樹脂層21及びポリカーボネート樹脂層31を用いることにより、加飾シート10の成形性を確保することができる。これらのことにより、加飾シート10の耐擦傷性、耐候性、意匠性及び成形性を維持しながら、金属層40の形成方法をめっき法から真空成膜法へ変更することが可能になる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の実施の形態においては、第1基材20及び第2基材30が第1接着層16を介して積層されている例を示した。しかしながら、第1基材20と第2基材30とを積層する方法が特に限られることはない。例えば、第1基材20を構成する樹脂と第2基材30を構成する樹脂とを共押し出しすることによって、第1基材20及び第2基材30を含むフィルムを作製してもよい。この場合、図4に示すように、加飾シート10において、アクリル樹脂層21を含む第1基材20とポリカーボネート樹脂層31を含む第2基材30とが接するようになる。金属層40は、第1基材20及び第2基材30を含むフィルムの、第2基材30側の面上に、真空成膜法によって設けられる。
(第2の変形例)
上述の実施の形態においては、金属層40が、第2基材30の面のうち第2面12側の面上に設けられる例を示したが、これに限られることはない。図5に示すように、金属層40は、第2基材30の面のうち第1面11側の面上に設けられていてもよい。この場合、第1接着層16は、第1基材20と金属層40との間に位置する。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 加飾シート
11 第1面
12 第2面
16 第1接着層
17 第2接着層
18 セパレータフィルム
20 第1基材
21 アクリル樹脂層
30 第2基材
31 ポリカーボネート樹脂層
40 金属層
41 クラック
42 反り部
50 物品
60 加飾物品

Claims (7)

  1. 第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を含む加飾シートであって、
    アクリル系樹脂を含み、前記第1面を構成する第1基材と、
    前記第1基材よりも前記第2面側に位置し、ポリカーボネート系樹脂を含む第2基材と、
    前記第2基材上に設けられた金属層と、を備える、加飾シート。
  2. 前記金属層は、前記第2基材の面のうち前記第2面側の面上に設けられている、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記加飾シートは、前記第1基材と前記第2基材との間に位置する第1接着層を更に備える、請求項2に記載の加飾シート。
  4. 前記第1基材と前記第2基材とが接している、請求項2に記載の加飾シート。
  5. 前記金属層は、前記第2基材の面のうち前記第1面側の面上に設けられており、
    前記加飾シートは、前記第1基材と前記金属層との間に位置する第1接着層を更に備える、請求項1に記載の加飾シート。
  6. 前記金属層は、クロムを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の加飾シート。
  7. 物品と、
    第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を含み、前記第2面側において接着層を介して前記物品に貼り付けられた加飾シートと、を備え、
    前記加飾シートは、
    アクリル樹脂層を含み、前記第1面を構成する第1基材と、
    前記第1基材よりも前記第2面側に位置し、ポリカーボネート樹脂層を含む第2基材と、
    前記第2基材上に設けられた金属層と、を備える、加飾物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023189132A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 デンカ株式会社 導電性樹脂組成物-金属積層体

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