以下、本発明の実施形態による遊技機について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技盤に向かって見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態による遊技機1について説明する。図1は、前面枠4及びガラス枠5を閉じた状態の遊技機1の正面図である。図2は、右斜め上方から見た時の遊技機1の斜視図である。図3は、正面上方から見た時の遊技機1の斜視図である。
図1〜図3に示すように、遊技機1は島設備に固定される本体枠2に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠3を備える。開閉枠3は、前面枠4及びガラス枠5によって構成されている。
前面枠4には、遊技盤30(図4参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス5aを有するガラス枠5が取り付けられる。カバーガラス5aは、遊技盤30に形成される遊技領域31(図4参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠4及びガラス枠5は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠5のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域31にアクセスすることができる。また、前面枠4をガラス枠5が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置600(図5参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠5のカバーガラス5a周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠5の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置6,8が配設されている。装飾装置6,8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置6,8の内部に配設される照明部材は、
枠装飾装置21(図6参照)の一部を構成している。
ガラス枠5の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ7aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ7aとは別に遊技機1の下部には、2つの下スピーカ7bが設けられている。下スピーカ7bは、ガラス枠5の下左角部分及び前面枠4の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ7a及び下スピーカ7bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図5参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図5参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に前面枠4やガラス枠5を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠4の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ4b(図5参照)によって検出され、ガラス枠5の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ5b(図5参照)によって検出される。
ガラス枠5の右側部には、遊技機1の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット500が配設されている。突出演出ユニット500は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット500の内部に配設される照明部材も枠装飾装置21(図6参照)の一部を構成している。
ガラス枠5の下部には、遊技球を貯留可能な上皿11を有する上皿ユニット10が取り付けられている。上皿11は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿11に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニット10は、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置100と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置200と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置300と、をさらに備える。
演出操作装置100は、操作ボタン110にタッチパネル150(図30参照)を組み込んだ操作装置であり、詳細については図27〜図36を参照して後述する。演出操作装置100は、遊技者が操作しやすいように上皿ユニット10の上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置100を操作することによって、表示装置36(図4参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置100を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば特定遊技状態(普電サポート状態又は時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)、大当り状態(特別遊
技状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置200は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニット10の上部右側に設けられている。球貸操作装置200は、球貸ボタン201と、返却ボタン202と、残高表示部203と、を備えている。球貸ボタン201は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン202はカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部203は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。球貸操作装置200の詳細については、図97〜図106を参照して後述する。
装飾装置300は、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニット10の前側部分に設けられている。装飾装置300の詳細については、図88〜図95を参照して後述する。
上記した上皿ユニット10等を備えるガラス枠5の下方であって、前面枠4の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル400と、遊技球を貯留可能な下皿9とが設けられている。
操作ハンドル400は、前面枠4の右下部であって、右側の下スピーカ7bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル400を回動操作することによって、球発射装置は上皿11から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル400の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。操作ハンドル400の詳細については、図107〜図112を参照して後述する。
下皿9は、上皿ユニット10に対して所定の間隔をあけて、上皿ユニット10の下方に配置されている。下皿9は、当該下皿9の底面を上下方向に貫通する球抜き穴9aと、球抜き穴9aを開閉するための開閉操作部9bと、を有している。遊技者が開閉操作部9bを操作して、球抜き穴9aを開くことによって、下皿9に貯留されていた遊技球を球抜き穴9aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
図4を参照して、遊技機1の遊技盤30について説明する。図4は、遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
図4に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール32で囲まれた遊技領域31が設けられている。遊技機1は、ガイドレール32で囲まれた遊技領域31内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域31には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら
遊技領域31を流下する。
遊技領域31の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース35が取り付けられている。センターケース35に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置36が配置されている。表示装置36は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース35の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置36は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置36の表示画面には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース35には、遊技領域31を流下する遊技球をセンターケース35の内側に導くためのワープ通路35aと、ワープ通路35aを通過した遊技球が転動可能なステージ部35bとが設けられている。センターケース35のステージ部35bは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部35b上で転動した遊技球は第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞しやすくなっている。
センターケース35の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット35c及び側部演出ユニット35dが設けられる。上部演出ユニット35c及び側部演出ユニット35dは、盤装飾装置25(図6参照)及び盤演出装置(図6参照)の一部を構成している。
センターケース35の左側方の遊技領域31には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)39が設けられている。普図始動ゲート39の内部には、当該普図始動ゲート39を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)39a(図5参照)が設けられている。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート39を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース35の左下方の遊技領域31には3つの一般入賞口40が配置されており、センターケース35の右下方の遊技領域31には一つの一般入賞口40が配置されている。これら一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口40に備えられた入賞口スイッチ(SW)40a〜40n(図5参照)によって検出される。
センターケース35の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。但し、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、可動部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。
可動部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、
普電ソレノイド38c(図5参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、大入賞口1ソレノイド41b(図5参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント1スイッチ41c(図5参照)が配設されている。
また、センターケース35の左上方の遊技領域31には、大入賞口2ソレノイド42b(図5参照)によって逆「ハ」の字状に開くことで第2大入賞口を開放する一対の開閉部材42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント2スイッチ42c(図5参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置650(図5参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿11に排出する。また、第1特別変動入賞装置41の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当りの発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59、及び時短状態が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、図示しない球発射装置から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート39、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿11に排出される。
普図始動ゲート39には、当該普図始動ゲート39を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ39a(図5参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート39を通過すると、ゲートスイッチ39aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート39を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート39通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。この時、普電ソレノイド38c(図5参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38への入賞は、始動口1スイッチ37b(図5参照)と始動口2スイッチ38b(図5参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置600の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知
用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置36の表示画面にも表示される。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置36では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置36における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置36では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置36の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42は、大入賞口1ソレノイド41b及び大入賞口2ソレノイド42b(図5参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置36における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
〔遊技制御装置〕
図5は、遊技機1が備える遊技制御装置600の構成を示すブロック図である。
遊技制御装置600は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)611を有するCPU部610と、入力ポート等を有する入力部620と、出力ポートやドライバ等を有する出力部630と、CPU部610と入力部620と出力部630との間を接続するデータバス640と、を備える。
CPU部610は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン611と、入力部620内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)621からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン611に入力させるインバータ等からなる反転回路612と、水晶振動子のような発振子を有し、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)613と、を備える。なお、遊技制御装置600及び当該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品には、電源装置800で生成されたDC32V,DC12V,DC5V等の直流電圧が供給される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830と、を備える。
バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。
制御信号生成部830は、例えば通常電源部810で生成された32Vの電圧を監視し、それが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にも、その時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820によれば、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は、初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン611内のRAM611c及び払出制御装置650内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン611が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は、強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン611は、CPU(マイクロプロセッサ)611a、データを書き換え不能に記憶する読出し専用のROM(不揮発性記憶手段)611b、及びデータを書き換え可能に記憶する随時読出し書込み可能なRAM(揮発性記憶手段)611cを備える。
ROM611bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を書き換え不能に記憶する。RAM611cは、遊技制御時にCPU611aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R大当りや2R大当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。さらに、これらの変動パターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。
別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件から、はずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置36に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置36における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。
この他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマル(N)リーチ、スペシャル(SP)1リーチ、スペシャル(SP)2リーチ、スペシャル(SP)3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<Nリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)に
おける変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出される時の演出選択及び特別結果態様が導出されない時の演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、SP1リーチは10%の割合で選択され、SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、SP1リーチは5%の割合で選択され、SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
遊技機1では、リーチ演出もしくは特定の演出に対して選択割合を異ならせているため、上記のような信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
図5に示すように、CPU611aは、ROM611b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置650や演出制御装置700に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
遊技用マイコン611は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。また、遊技用マイコン611は、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU611aに対する所定周期(例えば4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
CPU611aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(図13のS1301)や特図普段処理(S1310)にて、ROM611bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一つの変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU611aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数等に基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から何れか一つの変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置650は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、及び出力インタフェースを備え、遊技制御装置600からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って払出装置の払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置650は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出装置の払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技制御装置600の入力部620は、第1始動入賞口37の始動口1スイッチ37b、第2始動入賞口38の始動口2スイッチ38b、普図始動ゲート39のゲートスイッチ39a、入賞口スイッチ40a〜40n、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42c等と接続されている。入力部620には、これらスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力される。また、入力部620には、入力信号を0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)621が設けられている。近接I/F621は、入力の範囲が7V−11Vとされ
ることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は入力ポート623に出力される。
近接I/F621に入力された信号は、すべて入力ポート622に供給され、データバス640を介して遊技用マイコン611に読み込まれるとともに、遊技制御装置600から中継基板660を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F621の出力のうち始動口1スイッチ37bと始動口2スイッチ38bの検出信号は、入力ポート622の他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。
入力部620には、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24、始動口1スイッチ37b、始動口2スイッチ38b、ゲートスイッチ39a、入賞口スイッチ40a〜40n、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42cからの信号を取り込んで、データバス640を介して、遊技用マイコン611に供給する入力ポート622が設けられている。
また、入力部620には、遊技機1の前面枠4に設けられた前面枠開放検出スイッチ4b及びガラス枠5に設けられたガラス枠開放検出スイッチ5bからの信号、及び払出制御装置650からの払出異常を示すステータス信号や、払い出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んで、データバス640を介して遊技用マイコン611に供給する入力ポート623が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿9に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出した時に出力される信号である。
さらに、入力部620には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号を遊技用マイコン611等に入力するためのシュミットトリガ回路624が設けられている。シュミットトリガ回路624は、これらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置800からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス640を介して遊技用マイコン611に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各出力ポートに供給される。リセット信号RSTは、出力部630を介さずに中継基板660に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板660のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。リセット信号RSTを中継基板660を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部620の各入力ポート622,623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各入力ポート622,623から遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置600の出力部630は、データバス640に接続され払出制御装置650へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置700へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート631aと、演出制御装置700へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート631bと、を備える。遊技制御装置600から払出制御装置650及び演出制御装置700へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部630には、演出制御装置700から遊技制御装置600へ信号を入力できないようにするため、すなわち片方向通信を担保するため、第1出力ポート631aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート631bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ632aが設けられている。なお、第1出力ポート631aから払出制御装置650へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部630には、データバス640に接続され、変動表示ゲームの図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板660を介して認定機関の試射試験装置へ出力するバッファ632bが実装されている。バッファ632bは、遊技店に設置される実機(量産販売品)の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F621から出力される始動口スイッチ等からの加工の必要のないスイッチ検出信号は、バッファ632bを通さずに中継基板660を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン611に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス640からバッファ632b、中継基板660を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板660には、バッファ632bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板660上のポートには、遊技用マイコン611から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
出力部630には、大入賞口1ソレノイド41b、大入賞口2ソレノイド42b、及び普電ソレノイド38cの駆動データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子に接続されるデジット線のオン/オフデータとを出力する第3出力ポート631c、一括表示装置50のLEDのアノード端子に接続されるセグメント線のオン/オフデータを出力する第4出力ポート631d、大当り情報等の遊技機1に関する情報を外部情報端子670へ出力する第5出力ポート631eが設けられている。外部情報端子670から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
また、出力部630には、第1ドライバ(駆動回路)633a、第2ドライバ633b、第3ドライバ633c、及び第4ドライバ633dが設けられている。第1ドライバ633aは、第3出力ポート631cから出力される大入賞口1ソレノイド41bや大入賞口2ソレノイド42bの駆動データ信号を受けてソレノイド駆動信号を出力したり、普電ソレノイド38cの駆動データ信号を受けてソレノイド駆動信号を出力したりする。第2ドライバ633bは、第3出力ポート631cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ633cは、第4出力ポート631dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン
/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ633dは、第5出力ポート631eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子670へ出力する。
さらに、出力部630には、外部の検査装置680へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ634が設けられている。フォトカプラ634は、遊技用マイコン611が検査装置680との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン611が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート622のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図6を用いて、演出制御装置700の構成について説明する。図6は、遊技機1が備える演出制御装置700の構成を示すブロック図である。
演出制御装置700は、遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って表示装置36への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)730
と、各種のメロディや効果音等を上スピーカ7a及び下スピーカ7bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI740と、を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)710と映像制御用マイコン(2ndCPU)720には、各CPUが実行するプログラムを格納したプログラマブルリードオンリメモリからなるPROM711,721がそれぞれ接続され、VDP730にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM731が接続され、音源LSI740には音声データが記憶された音声ROM741が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技用マイコン611からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン720へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI740への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。主制御用マイコン(1stCPU)710と映像制御用マイコン(2ndCPU)720の作業領域を提供するRAM710a,720aは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM710a,720aはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)710と映像制御用マイコン(2ndCPU)720との間、主制御用マイコン(1stCPU)710と音源LSI740との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP730には、画像ROM731から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)730aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ730b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置36へ送信する映像信号を生成する信号変換回路730c等が設けられている。
VDP730から主制御用マイコン710へは、表示装置36の映像と前面枠4や遊技盤30に設けられている装飾用照明の点灯を同期させるために、垂直同期信号VSYNC
が入力される。さらに、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM730aへの描画終了等の処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン710と音源LSI740との間では、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)720には、主制御用マイコン(1stCPU)710よりも高速で高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)710とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置36に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
演出制御装置700には、遊技制御装置600から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)750が設けられている。演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、コマンドI/F750を介して演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F750には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置700には、遊技盤30やセンターケース35等に設けられているLEDを有する盤装飾装置25を制御する盤装飾LED制御回路761、前面枠4やガラス枠5等に設けられているLEDを有する枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路762、遊技盤30やセンターケース35等に設けられている盤演出装置26(例えば表示装置36における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路763、前面枠4やガラス枠5等に設けられている枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路764が設けられている。なお、これら制御回路761〜764は、アドレス/データバス760を介して主制御用マイコン(1stCPU)710と接続されている。
さらに、演出制御装置700には、演出操作装置100等に含まれる各種スイッチや盤演出装置26内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ27のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)710へ検出信号を入力するスイッチ入力回路770、上スピーカ7aを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路742a、下スピーカ7bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路742bが設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置36を駆動するためのDC12V、コマンドI/F750の電源
電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710や映像制御用マイコン(2ndCPU)720として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置700に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部810に設けるようにしてもよい。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI740、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路761〜764、スピーカを駆動するアンプ回路742a,742bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン720の有する汎用のポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
〔遊技制御〕
次に、遊技機1における遊技制御について説明する。
遊技制御装置600のCPU611aは、普図始動ゲート39に備えられたゲートスイッチ39aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM611bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38cを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU611aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置600のCPU611aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37bからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM611bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置600のCPU611aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38bからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM611bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
遊技制御装置600のCPU611aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置700に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
演出制御装置700は、遊技制御装置600からの制御信号に基づき、表示装置36で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置700は、遊技制御装置600からの制御信号に基づき、上スピーカ7a及び下スピーカ7bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置600のCPU611aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置600のCPU611aは、例えば、大入賞口1ソレノイド41b又は大入賞口2ソレノイド42bにより第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の開閉部材42aを開放させ、第1大入賞口又は第2大入賞口への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒又は1.6秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回又は2回)繰り返す制御(ラウンド遊技)を行う。
特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合、遊技制御装置600のCPU611aは、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
次に、図7A〜図21のフローチャートを参照して、遊技機1の遊技制御装置600による制御処理を説明する。
〔メイン処理〕
図7A及び図7Bを参照して、遊技制御装置600が実行するメイン処理について説明する。図7Aは、遊技制御装置600によって実行されるメイン処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図7Bは、遊技制御装置600によって実行されるメイン処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
メイン処理の実行が開始されると、遊技制御装置600はまず割込み禁止する(S701)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S702)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定し(S703)、割込み処理のモードを設定する(S704)。
S704の処理後、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)650のプログラムが正常に起動するまで例えば4ミリ秒間待機する(S705)。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置600が先に起動してしまい、払出制御装置650の起動が完了する前にコマンドを当該払出制御装置650に送信してしまい、払出制御装置650が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S706)。そして、遊技制御装置600は、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定し(S707)、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S708)。本実施形態では、遊技制御装置600は払出制御装置650や演出制御装置700とパラレル通信を行っており、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否かを判定する(S709)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投
入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時等に正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように初期化スイッチ信号はオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するため、遊技機が初期化されないように初期化スイッチ信号はオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S709の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S710)。停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1が記憶され、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S710の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1及び停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
S710の処理後、遊技制御装置600は、停電復旧が可能であるか否かを判定する(S711)。遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常である場合に、停電復旧可能と判定する。停電復旧が可能な場合には(S711の結果が「Y」)、遊技制御装置600はチェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S712)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否か、すなわちチェックサムが正常か否かを判定する(S713)。
初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S709の結果が「Y」)、停電復旧しない(停電検査領域の値が正常でない)場合(S711の結果が「N」)、チェックサムが正常でない(電源切断時のチェックサムの値とS712の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない)場合には(S713の結果が「N」)、遊技制御装置600は図7BのS741〜S743の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
S713においてチェックサムが正常である(算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する)場合には(S713の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、停電処理が正常に実行されたと判定し、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図7BのS714〜S719)。まず、遊技制御装置600は、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域に停電復旧時の初期値をセーブする(S714)。遊技制御装置600は、すべての停電検査領域をクリアし、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする。
S714の処理後、遊技制御装置600は、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S715)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S716)。高確率でないと判定された場合には(S716の結果が「N」)、遊技制御装置600はS719以降の処理を実行する。
停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S716の結果が
「Y」)、遊技制御装置600は、高確率報知フラグをオンに設定し、高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S717)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)に設定する(S718)。
S718の処理後、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(S719)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができる。
ここで、初期化処理(S741〜S743)を実行する場合について説明する。初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機1を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
初期化処理では、遊技制御装置600は、使用する作業領域をリセット(クリア)する(S741)。その後、遊技制御装置600は、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S742)。例えば、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする。
S742の処置後、遊技制御装置600は、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(S743)、S720以降の処理を実行する。
S719又はS743の処理が終了すると、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S720)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S721)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定する等の処理を実行する。その後、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S722)。その後、遊技制御装置600は割込みを許可する(S723)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
S723の処理後、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S724)。本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
S724において初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S725)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち停電していない場合には(S725の結果が「N」)、S724の初期値乱数更新処理を再び実行し、S724及びS725の処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
初期値乱数更新処理(S724)の前に割り込みを許可(S723)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S725の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S726〜S731)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(S726)、全出力ポートにオフデータを出力して全出力ポートをオフに設定する(S727)。その後、遊技制御装置600は、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし、さらに停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S728)。
S728の処理後、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S729)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S730)。その後、遊技制御装置600は、RWMの内容が変更されないようにRWMへのアクセスを禁止し(S731)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理〕
図8を参照して、遊技制御装置600が実行するタイマ割込み処理について説明する。図8は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S801)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイ
コンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS801の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチ等からの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S802)。各種センサには、始動口1スイッチ37b、始動口2スイッチ38b、ゲートスイッチ39a、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42c等が含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
S802の処理後、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置650に送信するための出力処理を実行する(S803)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御等を行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口1ソレノイド41b、大入賞口2ソレノイド42b、普電ソレノイド38cが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置650等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S804)。なお、コマンド送信処理の詳細については、図9〜図12を参照して後述する。
S804の処理後、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S805)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S806)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチ等を監視したり、枠の不正な開放等のエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(S807)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37b、始動口2スイッチ38b、ゲートスイッチ39a、入賞口スイッチ40a〜40n、カウント1スイッチ41c、カウント2スイッチ42cが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視する。エラーの監視としては、前面枠4やガラス枠5が不正に開放されていないか等を対象としている。
S807の処理後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S808)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図13を参照して後述する。
S808の処理後、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S809)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S810)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
S810の処理後、遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイ
ッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石/振動不正監視処理を実行する(S811)。異常の発生を検出した場合には、上スピーカ7a及び下スピーカ7bから報知音を出力したりする等して外部に報知する。
そして、遊技制御装置600は、外部情報端子670から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S812)。
続いて、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S813)。その後、遊技制御装置600は、S801の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S814)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S815)、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
図9を参照して、遊技制御装置600が実行するタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(S804)について説明する。図9は、コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700に送信する演出制御コマンド処理を実行する(S901)。遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドや、停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンド等を、演出制御装置700に送信する。なお、演出制御コマンド送信処理の詳細については、図10を参照して後述する。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置650に送信する払出コマンド送信処理を実行する(S902)。遊技制御装置600は、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンド等を払出制御装置650に送信する。
〔演出制御コマンド送信処理〕
図10を参照して、遊技制御装置600が実行するコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(S901)について説明する。図10は、演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まずRWM内のコマンド送信領域にコマンドが設定された時に1加算更新されるライトカウンタの値と、コマンド送信領域からコマンドが読み出される時に1加算更新されるリードカウンタの値とを比較し、コマンドが設定されているか判定する(S1001及びS1002)。遊技制御装置600は、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致しない場合には未送信のコマンドが設定されていると判定する。
コマンドが設定されていない場合には(S1002の結果が「N」)、遊技制御装置600は、演出制御コマンド送信処理を終了する。
コマンドが設定されている場合には(S1002の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、リードカウンタを1加算更新する(S1003)。そして、リードカウンタに対応するコマンド送信領域(MODE)からMODEコマンドをロードし(S1004)、取得したMODEコマンドが設定されていたコマンド送信領域をリセットする(S1005)。
S1005の処理後、遊技制御装置600は、リードカウンタに対応するコマンド送信領域(ACTION)からACTIONコマンドをロードし(S1006)、取得したACTIONコマンドが設定されていたコマンド送信領域をリセットする(S1007)。
その後、遊技制御装置600は、コマンドを演出制御装置700へ出力する演出制御コマンド出力処理を実行し(S1008)、演出制御コマンド送信処理を終了する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
図11を参照して、遊技制御装置600が実行する演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(S1008)について説明する。図11は、演出制御コマンド出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず遊技用マイコン611のRAM611cから出力部630の第2出力ポート631bへMODEコマンドを出力する(S1101)。そして、遊技制御装置600は、MODEコマンド出力中を示すデータストローブ信号SSTBのOFF時間を準備し(S1102)、データストローブ信号SSTB及び演出制御コマンドの前半の8ビット(MODE)を出力部630へ出力するコマンドデータ出力処理を実行する(S1103)。なお、コマンドデータ出力処理の詳細については、図12を参照して後述する。
S1103の処理後、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611のRAM611cから出力部630の第2出力ポート631bへACTIONコマンドを出力する(S1104)。そして、遊技制御装置600は、ACTIONコマンド出力中を示すデータストローブ信号SSTBのOFF時間を準備する(S1105)。
その後、遊技制御装置600は、データストローブ信号SSTB及び演出制御コマンドの後半の8ビット(ACTION)を出力部630へ出力するコマンドデータ出力処理を実行し(S1106)、演出制御コマンド出力処理を終了する。
〔コマンドデータ出力処理〕
図12を参照して、遊技制御装置600が実行する演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(S1103及びS1106)の詳細について説明する。図12は、コマンドデータ出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず第2出力ポート631bの直前の状態が失われないようにするため、第1出力ポート631aのデータストローブ信号SSTBを含むポート状態保持データをロードする(S1201)。
そして、遊技制御装置600は、制御情報として演出制御コマンドを第2出力ポート631bへ出力し(S1202)、OFF状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のデータストローブ信号SSTBを第1出力ポート631aへ出力する(S1203)。この時、データストローブ信号SSTB以外の信号は、直前の状態を保持したままデータストローブ信号SSTBと一緒に出力される。
S1203の処理後、遊技制御装置600は、データストローブ信号SSTBをOFF状態にすべきOFF時間が終了したか否か判定する(S1204)。
OFF時間が終了していない場合には(S1204の結果が「N」)、遊技制御装置600は前述のS1202〜S1204の処理を繰り返す。
一方、OFF時間が終了した場合には(S1204の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、データストローブ信号SSTBのON状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定し(S1205)、ON状態のデータストローブ信号SSTBを設定する(S1206)。
S1206の処理後、遊技制御装置600は、制御情報として演出制御コマンドを第2出力ポート631bへ出力し(S1207)、ON状態(ハイレベル)のデータストローブ信号SSTBを第1出力ポート631aへ出力する(S1208)。この時、データストローブ信号SSTB以外の信号は、直前の状態を保持したままデータストローブ信号SSTBと一緒に出力される。
S1208の処理後、遊技制御装置600は、データストローブ信号SSTBをON状態にすべきON時間が終了したか否か判定する(S1209)。
ON時間が終了していない場合には(S1209の結果が「N」)、遊技制御装置600は前述のS1207〜S1209の処理を繰り返す。
一方、ON時間が終了した場合には(S1209の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、ON状態のデータストローブ信号SSTBを設定し(S1210)、第1出力ポート631aに出力して(S1211)、コマンドデータ出力処理を終了する。
このように演出制御コマンド出力処理(図11)及びコマンドデータ出力処理(図12)では、始めにデータストローブ信号SSTBによって読取り無効期間(OFF状態)を設け、その間に演出制御コマンドを出力部630の第2出力ポート631bへ出力することで、読取り有効(ON状態)となったら演出制御コマンドがバッファ632aを介して演出制御装置700に取り込まれるよう処理している。出力された演出制御コマンドは、後述する演出制御装置700によるコマンド受信割込み処理(図23)で演出制御装置700側に読み取られる。
なお、S1207に示すようにON状態でも演出制御コマンドを出力しているのは、S1207〜S1209のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによってコマンドコードが変更してしまうのを回避することもできる。なお、S1204及びS1209の処理は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔特図ゲーム処理〕
図13を参照して、遊技制御装置600が実行するタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S808)について説明する。図13は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37b及び始動口2スイッチ38bによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず始動口1スイッチ37b及び始動口2スイッチ38bの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(S1301)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示
ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動スイッチ監視処理の詳細については、図14を参照して後述する。
S1301の処理後、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理1を実行する(S1302)。カウントスイッチ監視処理1では、第1特別変動入賞装置41内に設けられたカウント1スイッチ41cによって当該第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
S1302の処理後、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理2を実行する(S1303)。カウントスイッチ監視処理2では、第2特別変動入賞装置42内に設けられたカウント2スイッチ42cによって当該第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
S1303の処理後、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S1304及びS1305)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S13
10〜S1316)を実行する時に初期値がセットされ、S1304の処理で当該特図ゲ
ーム処理タイマの値を1減じる。初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値である。例えば、特図普段処理(S1310;
特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特
別図柄が変動表示されている時間値である。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、S1305においてタイムアップしたと判断される。
特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1305の結果が「N」)、遊技制御装置600はS1317以降の処理を実行する。
一方、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1305の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1306)。そして、遊技制御装置600は、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1307)。その後、遊技制御装置600は、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1308)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1309)。
ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1309の結果が「0」)、遊技制御装置600は特図普段処理を実行する(S1310)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細について、図17を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1309の結果が「1」)、遊技制御装置600は特図変動中処理を実行する(S1311)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1309の結果が「2」)、遊技制御装置600は特図表示中処理を実行する(S1312)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ
/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1309の結果が「3」)、遊技制御装置600はファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1313)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1309の結果が「4」)、遊技制御装置600は第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口又は第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に係る大入賞口開放中処理を実行する(S1314)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の開閉部材42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させる。このように遊技制御装置600は特別遊技状態制御手段を構成している。
ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1309の結果が「5」)、遊技制御装置600は大入賞口残存球処理を実行する(S1315)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1309の結果が「6」)、遊技制御装置600は大当り終了処理を実行する(S1316)。大当り終了処理は、S1310の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備し(S1317)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1318)。
S1318の処理後、遊技制御装置600は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備し(S1319)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行して(S1320)、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
図14を参照して、遊技制御装置600が実行する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1301)について説明する。図14は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1401)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1402)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図15を参照して後述する。
S1402の処理後、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中であるか否か、すなわち第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(S1403)。
普通電動役物が作動中である場合には(S1403の結果が「Y」)、遊技制御装置600はS1406以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S1403の結果が「N」)、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1404及びS1405)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1404及びS1405の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1405の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞を無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1405の結果が「N」)、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S1406)、特図始動口スイッチ共通処理を実行して(S1407)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図15を参照して、遊技制御装置600が実行する始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S1402及びS1407)について説明する。図15は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37bや始動口2スイッチ38bから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず始動口1スイッチ37b及び始動口2スイッチ38bのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば始動口1スイッチ37b)から信号が入力されたか否かを判定する(S1501及びS1502)。
対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1502の結果が「N」)、遊技制御装置600は特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1502の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、当該対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1503)。そして、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1504)。
S1504の処理後、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチに対応する始動入
賞口への入賞の回数に関する情報、すなわち遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードし、ロードした値に1加算して更新して、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(S1505及びS1506)。
始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1506の結果が「N」)、遊技制御装置600は、更新後の始動口信号出力回数の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1507)。
S1507の処理が終了した後、又は始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1506の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチに対応する更新対象の始動記憶数(特図保留数)が上限値未満か否かを判定する(S1508及びS1509)。
特図保留数が上限値未満でない場合には(S1509の結果が「N」)、遊技制御装置600は、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報は記憶されないので、その後の処理を行わず特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、特図保留数が上限値未満の場合には(S1509の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、S1510の処理において、遊技制御装置600は更新対象の特図保留数(例えば特図1保留数)を1加算して更新する。
S1510の処理後、遊技制御装置600は、MODE部とACTION部によって構成されている飾り特図保留数コマンドを準備する。遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1511)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1512)。そして、遊技制御装置600は、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行し(S1513)、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1514)。
S1514の処理後、遊技制御装置600は、大当り乱数をRWMの対象の乱数セーブ領域にセーブし(S1515)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数を抽出して、RWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1516)。続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブして(S1517)、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1518)。さらに、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1519)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
本実施形態では、大当り乱数は、始動口1スイッチ37b及び始動口2スイッチ38bのどちらの始動口スイッチが遊技球の入賞を検出しても同じ手順で抽出される。すなわち、第1始動入賞口37から入賞した場合であっても、第2始動入賞口38から入賞した場合であっても、入賞した遊技球が大当りとなる乱数は同じである。なお、始動入賞口毎に大当り乱数を設定してもよい。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン乱数1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新
されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
S1519の処理後、遊技制御装置600は、S1516の処理でRWMにセーブされた対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値をS1521の特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1520)。その後、遊技制御装置600は、特図保留情報判定処理を実行して(S1521)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
図16を参照して、遊技制御装置600が実行する特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(S1521)について説明する。図16は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38bであるか否かを判定する(S1601及びS1602)。監視対象が始動口2スイッチ38bでない場合には(S1602の結果が「N」)、遊技制御装置600は、普通電動役物(第2始動入賞口38に備えられた可動部材38a)の開放延長機能が作動中、すなわち普電サポート中であるか否かを判定する(S1603)。
普電サポート中でない場合には(S1603の結果が「N」)、遊技制御装置600は、遊技機1が大当り中(特別遊技状態)であるか否かを判定する(S1604)。
大当り中でない場合には(S1604の結果が「N」)、遊技制御装置600は、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1605)。遊技制御装置600は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを比較することによって、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、普電サポート中の場合(S1603の結果が「Y」)、又は、大当り中の場合には(S1604の結果が「Y」)、遊技制御装置600は特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37bであって、かつ普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理が実行されない。
また、監視対象が始動口2スイッチ38bの場合には(S1602の結果が「Y」)、遊技制御装置600は大当り判定処理を実行する(S1605)。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38bの場合には、普電サポート中又は大当り中であるか否かにかかわらず、当該始動記憶に対応した先読み処理を実行する。
S1605の処理後、遊技制御装置600は、S1605の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(S1606)。
大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1606の結果が「N」)、遊
技制御装置600は、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定し(S1614)、S1615以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1606の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37bであるか否かを判定する(S1607及びS1608)。
監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37bでない場合には(S1608の結果が「N」)、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数チェックテーブル2を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(S1609)。
一方、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37bである場合には(S1608の結果が「Y」)、大当り図柄乱数チェックテーブル1を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(S1610)。
S1609又はS1610の処理後、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数をチェックして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得し(S1611)、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する(S1612)。そして、遊技制御装置600は、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(S1613)。
S1613又はS1614の処理後、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し(S1615)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1616)。そして、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(S1617)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1618)。
S1618の処理後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S1619)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S1620)。
その後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1621)。続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(S1622)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1623)。
後半変動パターン設定処理(S1622)及び変動パターン設定処理(S1623)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
S1623の処理後、遊技制御装置600は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(S1624)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(S1625)、コマンド設定処理を実行する(S1626)。その後、遊技制御装置600は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1627)、コマンド設定処理を実行して(S1628)、特図保留情報判定処理を終了する。
このように、遊技制御装置600は、S1624及びS1625の処理で始動口入賞演
出コマンドを準備し、さらにS1627の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、表示装置36に表示されている保留表示の表示態様を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
図17を参照して、遊技制御装置600が実行する特図ゲーム処理における特図普段処理(S1310)について説明する。図17は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(S1701及びS1702)。
特図2保留数が0の場合には(S1702の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(S1703及びS1704)。このように遊技機1では、特図2保留数のチェック(S1701)を特図1保留数のチェック(S1703)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
特図1保留数が0の場合には(S1704の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(S1705及びS1706)。
客待ちデモを開始していない場合には(S1706の結果が「N」)、遊技制御装置600は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1707)。そして、遊技制御装置600は、客待ちデモコマンドを準備し(S1708)、コマンド設定処理を実行する(S1709)。
一方、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1706の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、遊技制御装置600はS1710以降の処理を実行する。
客待ちデモを開始している場合(S1706の結果が「Y」)、又はS1709の処理後、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1710)、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1では、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」や大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する。
ところで、S1702の処理において特図2保留数が0でないと判定された場合、すなわち第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置600は特図2変動開始処理を実行する(S1711)。なお、S1711における特図2変動開始処理の詳細については、図19を参照して後述する。
S1711の処理後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1712)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52に
おける特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値)等を設定する処理を実行する。
また、特図1保留数が0でない場合(S1704の結果が「N」)、すなわち第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置600は特図1変動開始処理を実行する(S1713)。なお、S1713における特図1変動開始処理の詳細については、図18を参照して後述する。
S1713の処理後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1714)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値)等を設定する。
〔特図1変動開始処理〕
図18を参照して、遊技制御装置600が実行する特図普段処理における特図1変動開始処理(S1713)について説明する。図18は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に実行される。遊技制御装置600は、まず特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1801)。
その後、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報又は小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(S1802)。なお、小当りフラグ1設定処理の詳細については、図20を参照して後述する。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
より具体的には、大当りの場合、大当りフラグが設定されることにより第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42が開放されるのに対して、小当りの場合、小当りフラグが設定されることにより第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42が開放される。
S1802の処理後、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームにおける停止図柄(特図1停止図柄)を設定する特図1停止図柄設定処理を実行する(S1803)。
S1803の処理後、遊技制御装置600は、特図1停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(S1804)。続いて、遊技制御装置600は、図柄情報領域から設定された図柄情報をロードした後(S1805)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1806)。
次に、遊技制御装置600は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1807)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(S1808)。
S1808の処理後、遊技制御装置600は、特図変動パターンに関する情報を設定するためのテーブルを準備し(S1809)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1810)。そして、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1811)、続いて前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1812)。
S1812の処理後、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1813)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
図19を参照して、遊技制御装置600が実行する特図普段処理における特図2変動開始処理(S1711)について説明する。図19は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に実行される。遊技制御装置600は、特図2変動開始処理についても前述した特図1変動開始処理と同様の手順で実行する。
図19のS1901〜S1913の処理は、図18のS1801〜S1813の各処理に対応している。S1901及びS1902の処理では大当りフラグ2及び小当りフラグ2が処理対象となり、S1903及びS1904の処理では特図2停止図柄が処理対象となり、S1907及びS1908の処理では特図2変動フラグが処理対象となる。
〔小当りフラグ1設定処理〕
図20を参照して、遊技制御装置600が実行する特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理(S1802)について説明する。図20は、小当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まずRWMの小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(S2001)。その後、遊技制御装置600は、小当り1フラグ設定処理の前に実行されるS1801の処理で設定された大当りフラグ1が大当りであるか否かを判定する(S2002及びS2003)。
大当りフラグ1が大当りである場合には(S2003の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、小当りフラグ1にはずれ情報を保持した状態で、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S2009)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合には(S2003の結果が「N」)、遊技制御装置600は、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードして準備する(S2004)。
本実施形態では、小当り判定に用いる小当り乱数は、大当り判定に用いる大当り乱数を併用する。なお、大当り乱数とは別に小当り乱数を設定してもよい。また、小当りとなる確率は、大当りとなる確率よりも大きく設定され、例えば大当り確率が1/399に対して、小当り確率は1/100とする。
S2004の処理後、遊技制御装置600は、特図1判定データを準備して(S2005)、小当り乱数値、すなわち大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かを判定する小当り判定処理を実行する(S2006及びS2007)。
判定結果が小当りにならない場合には(S2007の結果が「N」)、遊技制御装置600は、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S2009)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、判定結果が小当りになる場合には(S2007の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、小当りフラグ1領域のはずれ情報を小当り情報に置き換えてセーブする(S2008)。その後、遊技制御装置600は、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S2009)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
図21を参照して、遊技制御装置600が実行する特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理(S1902)について説明する。図21は、小当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、小当りフラグ2設定処理についても前述した小当りフラグ1設定処理と同様の手順で実行する。
図21のS2101〜S2109の処理は、図20のS2001〜S2009の各処理に対応している。S2101及びS2108の処理では小当りフラグ2が処理対象となり、S2102の処理では大当りフラグ2が処理対象となる。また、S2104及びS2109の処理では特図2用の大当り乱数セーブ領域が用いられ、S2105の処理で特図2判定データが用いられる。
また、小当りフラグ1に対応するS2006の小当り判定処理と、小当りフラグ2に対応するS2106の小当り判定処理とでは、小当りとなる確率を変えてもよいし、同じにしてもよい。例えば、特図1変動表示ゲームにおいて小当りとなる確率を1/100と設定して、特図2変動表示ゲームにおいて小当りとなる確率を1/200と設定してもよい。
次に、図22〜図26のフローチャートを参照して、遊技機1の演出制御装置700による制御処理を説明する。
〔1stメイン処理〕
図22を参照して、演出制御装置700が実行する1stメイン処理の詳細を説明する。図22は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される1stメイン処理の手順を示すフローチャートである。
1stメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。メイン処理の実行が開始されると、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず割込みを禁止する(S2201)。
S2201の処理後、演出制御装置700(主制御用マイコン710)は、作業領域であるRAM710aを0クリアし(S2202)、CPU初期化処理を実行する(S2203)。そして、演出制御装置700は、各種処理の実行に必要な初期値をRAM710aに設定し(S2204)、乱数初期化処理を実行する(S2205)。
その後、演出制御装置700は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(S2206)、割込みを許可する(S2207)。割込みの発生タイミングでは、後述するコマンド受信割込み処理(図23)が実行される。
S2207の処理後、演出制御装置700は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2208)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2203)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
S2208の処理後、演出制御装置700は、遊技者による演出操作装置100の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた演出処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(S2209)。続いて、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2210)。
S2210の処理後、演出制御装置700は、テストモード処理を実行する(S2211)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する時に実行される。
S2211の処理後、演出制御装置700は、遊技制御コマンド解析処理(S2210)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置36に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(S2212)。そして、演出制御装置700は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2213)。遊技機エラー監視処理では、演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合等に、警報音を報知する等の所定の処理が実行される。
S2213の処理後、演出制御装置700は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行し(S2214)、上スピーカ7a及び下スピーカ7bから出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2215)。その後、演出制御装置700は、LED等の装飾装置(盤装飾装置25、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(S2216)、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物の演出装置(盤演出装置26、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2217)。
S2217の処理後、演出制御装置700は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2218)、S2208の処理に戻る。以降、演出制御装置700は、S2208からS2218までの処理を繰り返す。
〔コマンド受信割込み処理〕
図23を参照して、演出制御装置700が実行するコマンド受信割込み処理について説明する。図23は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるコマンド受信割込み処理の手順を示すフローチャートである。
コマンド受信割込み処理は、遊技制御装置600からコマンドを受信するごとに実行される処理である。コマンド受信割込み処理は、図22の1stメイン処理のS2207において割込みが許可された後に実行される処理である。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御装置600から受信したコマンドポートの値を取り込む(S2301)。そして、演出制御装置700(主制御用マイコン710)は、CPUの状態がMODEコマンド(コマンドのMODE部)の受信を待っている状態であるか否かを判定する(S2302)。
MODEコマンド待ち状態である場合には(S2302の結果が「Y」)、演出制御装置700は、遊技制御装置600から演出制御装置700へ出力するデータストローブ信号SSTBがオンであるか否かを判定する(S2303)。そして、SSTBがオンである場合には(S2303の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(S2304)。
受信したコマンドがMODEコマンドである場合には(S2304の結果が「Y」)、演出制御装置700はS2305〜S2308の処理を実行する。一方、SSTBがオンでない場合(S2303の結果が「N」)、又は受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(S2304の結果が「N」)には、演出制御装置700はS2317及びS2318の処理を実行する。
また、コマンドが、MODEコマンド待ち状態、かつSSTBがオンのときに受信され、該コマンドがMODEコマンドである場合には(S2302,S2303,S2304の結果が全て「Y」)、演出制御装置700は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2305)。そして、算出後のアドレスに受信したコマンドをMODEコマンドとしてセーブする(S2306)。
S2306の処理後、演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマに初期値を設定してスタートさせる(S2307)。タイムアウト監視タイマは、MODEコマンドを受信してからの経過時間を計測し、設定時間以内にACTIONコマンドを受信しない場合にタイムアウトを発生させる。遊技制御装置600から演出制御装置700に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、連続して送信される。したがって、MODEコマンドを受信してから設定された時間を経過してもACTIONコマンドを受信できなかった場合には、ACTIONコマンドを取りこぼした可能性が高いと判断することができる。
S2307の処理後、演出制御装置700は、CPUの状態をACTIONコマンド(コマンドのACTION部)待ち状態に設定し(S2308)、コマンド受信割込み処理を終了する。
コマンドが、MODEコマンド待ち状態の時に受信され、この時SSTBがONではない、又は該コマンドがMODEコマンドでない場合には(S2302の結果が「Y」、かつS2303の結果が「N」又はS2304の結果が「N」)、演出制御装置700はタイムアウト監視タイマを停止する(S2317)。その後、演出制御装置700は、CPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定し(S2318)、コマンド受信割込み処理
を終了する。
一方、MODEコマンド待ち状態でない場合には(S2302の結果が「N」)、ACTIONコマンド待ち状態であり、演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトしているか否かを判定する(S2309)。すなわち、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信するまでの時間が、タイムアウト監視タイマで設定した時間を超えていないかを判定する。
タイムアウトしていない場合には(S2309の結果が「N」)、演出制御装置700は、遊技制御装置600から演出制御装置700へ出力するデータストローブ信号SSTBがオンであるか否かを判定する(S2310)。そして、SSTBがオンである場合には(S2310の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(S2311)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合には(S2311の結果が「Y」)、演出制御装置700は、前述したS2305以降の処理を実行する。CPUの状態がACTIONコマンド待ち状態であってもMODEコマンドを受信した場合は、ACTIONコマンドの受信を待たずに、新しく受信した該MODEコマンドを優先に処理する。受信したコマンドがMODEコマンドでない場合は(S2311の結果が「N」)、演出制御装置700は、S2312以降の処理を実行する。
タイムアウトしている場合(S2309の結果が「Y」)、又はSSTBがオンでない場合(S2310の結果が「N」)、演出制御装置700はS2315の処理に移行する。
コマンドがMODEコマンドでない場合には(S2311の結果が「N])、ACTIONコマンドを受信したことになるので、演出制御装置700は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2312)。その後、演出制御装置700は、算出後のアドレスに受信したコマンドをACTIONコマンドとしてセーブする(S2313)。
これによりMODEコマンド及びACTIONコマンドが1セット揃うので、演出制御装置700は受信済みコマンド数を1加算して更新する(S2314)。S2314の処理後、演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマを停止し(S2317)、CPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定して(S2318)、コマンド受信割込み処理を終了する。
ところで、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信する前にタイムアウト監視タイマによってタイムアウトが発生した場合(S2309の結果が「Y」)、又はSSTBがオンでない場合(S2310の結果が「N」)、演出制御装置700は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2315)。
S2315の処理後、演出制御装置700は、算出後のアドレスに基づいてコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する(S2316)。その後、演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマを停止し(S2317)、CPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定して(S2318)、コマンド受信割込み処理を終了する。
〔2ndメイン処理〕
図24を参照して、演出制御装置700が実行するもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図24は、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行される2ndメイン処理の手順を示すフローチャートである。
2ndメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、2ndメイン処理の実行が開始されると、まずCPU初期化処理を実行する(S2401)。
S2401の処理後、演出制御装置700(映像制御用マイコン720)は、作業領域であるRAM720aを0クリアし(S2402)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM720aに設定する(S2403)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S2404)。
S2404の処理後、演出制御装置700は、所定周期でVDP730に描画開始を指示するVブランク割込み処理等の各種割込みを許可する(S2405)。
そして、演出制御装置700は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S2406)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S2411)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化等が行われる。例えば、表示装置36に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。
S2406の処理後、演出制御装置700は、表示装置36の画面描画を許可する(S2407)。その後、演出制御装置700は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S2408)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S2409)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
システム周期待ちフラグが1になると(S2409の結果が「Y」)、演出制御装置700は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2410)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)720がリセットされる。
S2410の処理後、演出制御装置700は、表示装置36で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S2411)、S2408の処理に戻る。以降、演出制御装置700は、S2408からS2411までの処理を繰り返す。
〔シーン制御処理〕
図25を参照して、図22の1stメイン処理のS2212で実行されるシーン制御処理について説明する。図25は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(ステップS2501)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。テストモード中である場合には(ステップS2501の結果が「Y」)、シーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、テストモード中でない場合には(ステップS2501の結果が「N」)、表示装置36に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS2502)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップS2502の結果が「N」)、ステップS2503〜ステップS2506の処理を実行せずにステップS2507の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するステップS2508〜ステップS251
6の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、シーン変更コマンドを受信した場合には(ステップS2502の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(ステップS2503)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置600から送信され、前述した1stメイン処理(図22)の遊技制御コマンド解析処理(ステップS2210)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップS2504)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(ステップS2504の結果が「Y」)、作業領域であるRAM710aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(ステップS2505)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(ステップS2506)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(ステップS2504の結果が「N」)、ステップS2505及びステップS2506の処理を実行せずにステップS2507の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、前述した1stメイン処理(図22)の遊技制御コマンド解析処理(ステップS2210)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(ステップS2507)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(ステップS2508)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(ステップS2509)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(ステップS2510)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(ステップS2511)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。なお、変動中処理の詳細については、図26にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(ステップS2512)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、小当りもしくは大当りのファンファーレ処理を実行する(ステップS2513)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、大当りラウンド中処理を実行する(ステップS2514)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマン
ドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、大当りインターバル処理を実行する(ステップS2515)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、小当りもしくは大当りのエンディング処理を実行する(ステップS2516)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置600から送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数コマンド受信処理を実行する(ステップS2517)。また、変動開始時に変動パターンコマンドより先に遊技制御装置600から送信される飾り特図コマンドを受信する飾り特図コマンド受信処理を実行する(ステップS2518)。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに、背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信する確率情報コマンド受信処理を実行する(ステップS2519)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、変動表示ゲームが大当りとなるか否かの図柄情報コマンドや実行される変動パターンを特定可能な変動パターン乱数コマンドを含む先読みコマンドにより保留表示の演出等を設定する先読みコマンド受信処理を実行する(ステップS2520)。先読みコマンド受信処理の前に確率情報コマンド受信処理(ステップS2519)を実行して確率情報の変化を監視しておくことで、信憑性の高い先読み判定を行うことができる。その後、シーン制御処理を終了する。
〔変動中処理〕
次に、図26を参照して、前述したシーン制御処理における変動中処理(ステップS2511)の詳細について説明する。図26は、主制御用マイコン(1stCPU)が実行する変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップS2601)。演出リクエストフラグは、前述したように、シーン制御処理のステップS2506で、主制御用マイコン(1stCPU)710が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、演出リクエストフラグがある場合には(ステップS2601の結果が「Y」)、表示装置36に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、変動表示の終了間際などに遊技者によって押された演出操作装置100の操作情報(履歴)をクリアする(ステップS2602)。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(ステップS2603)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御装置600から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置700の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動
パターン情報設定処理を実行する(ステップS2604)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(ステップS2605)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710は、ステップS2604で設定された変動パターンに対応して、表示装置36で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップS2606)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710は、時短変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S2607)、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行し(ステップS2608)、最初のシーン及びシーンの更新タイマをセットする(ステップS2609)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(ステップS2610)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出リクエストフラグがない場合には(ステップS2601の結果が「N」)、表示装置36に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(ステップS2611)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、更新タイマが0の場合には(ステップS2611の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(ステップS2612)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、更新タイマが0でない場合には(ステップS2611の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、処理を実行することなく変動中処理を終了する。
〔演出操作装置〕
次に、図27〜図36を参照して、上皿ユニット10(図1参照)に配設される演出操作装置100の構成について説明する。
図27は、演出操作装置100の平面図である。図28は演出操作装置100の斜視図であり、図29はパネル操作時における演出操作装置100の斜視図である。図30は、演出操作装置100の分解斜視図である。図31は演出操作装置100の上側部分の分解斜視図であり、図32は演出操作装置100の下側部分の分解斜視図である。図33は、図27のC−C位置における演出操作装置100の縦断面図である。図34は、演出操作装置100の下面図である。図35A及び図35Bは、演出操作装置100の装飾板190の一部拡大図である。図36は、演出操作装置100のタッチパネル150の平面図である。
図27〜図29に示す演出操作装置100は、操作ボタン110にタッチパネル150(図30参照)を内蔵した演出操作用の操作装置である。演出操作装置100は、遊技者
が操作ボタン110を押してボタン操作をしたり、操作ボタン110の表面をなぞってタッチパネル150によるパネル操作をしたりするように構成されている。このように演出操作装置100は、ボタン機能とタッチパネル機能の2つの機能を有している。
図30〜図32に示すように、演出操作装置100は、遊技機1のガラス枠5に設けられた上皿ユニット10(図1及び図2参照)に固定される固定ベース180と、当該固定ベース180に対して上下方向にスライド移動可能に配設される操作ボタン110と、固定ベース180の前端に取り付けられ、操作ボタン110の周囲を装飾する装飾板190と、を備える。
操作ボタン110は、遊技者からの入力操作を受け付けるボタンである。操作ボタン110は、操作部120と、当該操作部120が取り付けられる取付部材170と、を有している。
取付部材170は、有底円筒状の樹脂製ベース部材である。取付部材170の上側部分は小径部171として形成されており、取付部材170の下側部分は小径部171よりも大径の大径部172として形成されている。取付部材170の底面173には、開口部174が形成されている。底面173は、小径部171と大径部172との境界位置に設けられている(図33参照)。
操作部120は、上端が閉塞端として形成され下端が開口端として形成された有底円筒状の樹脂製カバー部材である。操作部120は、透光性を有するように構成されている。操作部120は、取付部材170の小径部171に外嵌めされる。操作部120の側壁には径方向に貫通する係合孔121(図33参照)が形成されており、当該係合孔121に、小径部171の側壁から径方向外側に突出する係合爪171a(図33参照)が係合することで、操作部120と取付部材170とが互いに締結される。
操作部120が取付部材170に設置された状態では操作部120と取付部材170との間に収容空間S1(図33参照)が形成され、操作ボタン110は当該収容空間S1内に、円形薄膜状のシート130と、光を散乱させる円板状のレンズ140と、円板状のタッチパネル150と、複数のLED161を有する円板状の基板160と、を備えている。
図30〜図32に示すように、基板160は、ねじを介して取付部材170に固定される。基板160の上面(表面)には複数のLED161(図30参照)が設けられており、基板160の下面(裏面)には操作ボタン110のボタン操作の有無(操作状態)を検出するためのフォトセンサ162(図32参照)が設けられている。このように一枚の基板160にLED161及びフォトセンサ162を配設することで、コストダウンを図ることができる。
これらLED161は、発光源(発光手段)であって、基板160の中心に1個、基板160の中心周りに環状に8個並設されている。なお、LED161の設置個数は、これに限られず、必要に応じて任意に設定される。
タッチパネル150は、基板160の上方に位置するように、ねじを介して取付部材170に固定される。
図30、図31、及び図36に示すように、タッチパネル150は、遊技者からの入力操作を受け付ける静電容量型のタッチセンサである。タッチパネル150の下面(裏面)には、遊技者によるパネル操作等の情報を電気信号として処理するための電子部品151
が設置されている。
また、タッチパネル150は、LED161から発せられた光を通過させるための開口部152を有している。開口部152は、基板160のLED161と対応する位置に形成されており、タッチパネル150の中心に1個、タッチパネル150の中心周りに環状に8個設けられている。開口部152は円形孔であって、開口部152の直径は、人間の平均的な指の幅よりも小さく設定されており、例えば1cm未満に設定されている。このように開口部152の直径を設定することで、LED光の通過を許容しつつ、開口部152を形成したことに起因するタッチパネル150の操作性の悪化をできる限り抑制することができる。
なお、タッチパネル150を透光性を有する透明なタッチパネルで構成した場合には、タッチパネル150に開口部152を形成する必要はない。しかしながら、透明なタッチパネルは高価であり、製造コストの増加を招く要因となる。
図30、図31、及び図33に示すように、レンズ140は、タッチパネル150の上側に配置される。レンズ140は、透光性を有する円板状樹脂部材である。レンズ140は、LED161から発せられた光を拡散する拡散部141を有している。
拡散部141は、基板160のLED161と対応する位置に形成されており、レンズ140の中心に1個、レンズ140の中心周りに環状に8個設けられている。拡散部141は、タッチパネル150側に向かってすり鉢状に窪むように形成されている。このように拡散部141は、LED161に近接するように構成されている。
そして、レンズ140と操作部120の上端面(閉塞端面)との間には、透光性を有する樹脂製のシート130が配設されている。
上記の通り、操作ボタン110にはタッチパネル150が組み込まれており、遊技者は、操作部120を介して操作ボタン110及びタッチパネル150を操作することができるようになっている。このように操作部120は、操作ボタン110の操作部及びタッチパネル150の操作部として共用される。操作部120を共用部材とすることで、演出操作装置100の操作が複雑になることを防止できる。
遊技者による演出操作装置100の操作は、操作部120の上端面(表面)を介して行われる。特に、タッチパネル150のパネル操作は操作部120の上端面を指でなぞるようにして行う必要があるため(図29参照)、パネル操作の操作性は、操作部120の上端面を叩くようなボタン操作と比較して若干劣る。パネル操作の操作性を改善するため、操作部120の上端面には操作ガイド凸部122及び操作ガイド凹部123が形成されている。
図28、図29、及び図33に示すように、操作ガイド凸部122は、操作部120の上端面に突出形成されるとともに、タッチパネル150の入力受付領域を取り囲むようにパネル外縁に沿ってリング状に形成されている。この操作ガイド凸部122に沿って指を移動させることで、円弧状に指を動かす必要のあるパネル操作を容易に行うことができるようになる。そして、遊技者は、操作ガイド凸部122を視認することで、タッチパネル150の入力受付領域を認識することができる。なお、操作ガイド凸部122は、リング状ではなく、タッチパネル150の形状に応じて三角形状や四角形状に形成してもよい。
また、操作ガイド凹部123は、タッチパネル150の入力受付領域内において、操作部120の上端面に凹設されている。図27に示すように、操作ガイド凹部123は、操
作部120の径方向に沿って延設されるガイド溝として形成されており、周方向に等しい間隔をあけて4つ配設されている。これら操作ガイド凹部123に沿って指を移動させることで、径方向に指を動かす必要のあるパネル操作を容易に行うことができるようになる。
なお、操作部120は、その上端面がタッチパネル150の上端面(表面)を覆うように形成されているため、タッチパネル150を保護するカバー部材としても機能する。これにより、タッチパネル150の操作性を悪化させることなく、タッチパネル150の損傷を防止することが可能となる。なお、本実施形態では、操作部120の上端面の板厚は、タッチパネル150の板厚よりも厚く設定されている。
図30及び図33に示すように、操作ボタン110は、固定ベース180内に配設されている。操作ボタン110は、当該操作ボタン110の取付部材170の底面173と固定ベース180の底面181との間に圧縮状態で配設されたスプリング101によって、上方に付勢されている。
図30及び図32に示すように、操作ボタン110を構成する取付部材170の大径部172の外周面には、径方向外側に突出する係合突起175が形成されており、固定ベース180の内周面には、大径部172の係合突起175と係合可能な係合凹部182が形成されている。係合突起175は大径部172の外周方向に等しい間隔をあけて4個設けられ、係合凹部182も係合突起175に対応して4個設けられる。係合凹部182は、上下方向に延設されたガイド溝として形成されている。
取付部材170の大径部172の係合突起175が固定ベース180の係合凹部182に沿って上下方向にガイドされることで、操作ボタン110は固定ベース180に対して上下方向にスライド移動可能となる。
また、大径部172の係合突起175が固定ベース180の係合凹部182に係合することで、操作ボタン110が固定ベース180の内周面に沿って回転してしまうことを防止できる。これにより、操作ボタン110のタッチパネル150等からでる電気配線106(図37参照)がねじれてしまうことを防止でき、断線等の発生を回避することができる。
図30、図31、図33に示すように、固定ベース180の上端に設置された装飾板190には、操作ボタン110の操作部120が通過可能な円形開口191が形成されている。操作部120の上端面は、円形開口191を介して露出しており、遊技者による操作を受け付け可能となっている。
なお、装飾板190は、装飾性を高めるためにメッキ加工されている。また、図34、図35A、及び図35Bに示すように、装飾板190の下面(裏面)には、操作ボタン110のタッチパネル150や基板160等に接続される電気配線106(図37参照)の一つであるアース線105(図35B参照)を接地するための円筒状の接地部192と、当該接地部192に隣接する一対の突出軸193とが形成されている。操作ボタン110からの電気配線106は、固定ベース180の底面181に形成された開口部184を通じて固定ベース180の下方に引き出され、底面181から下方に突出する係止部185によってまとめられる。アース線105(図35B参照)は一対の突出軸193の間を通過するように配設され、アース線105の先端の環状端子105aはねじを介して接地部192の下端面に接続される。これにより、装飾板190がアース線105を介して接地される。一対の突出軸193は、アース線105を接地部192に向けてガイドする機能を果たしている。
図32及び図33に示すように、操作ボタン110の基板160の下面にはボタン操作状態を検出するためのフォトセンサ162(状態検出センサ)が設けられており、基板160が取付部材170に設置された状態ではフォトセンサ162は取付部材170の開口部174内に位置している。
フォトセンサ162は、発光部162aと、当該発光部162aからの発射光を検知する受光部162bと、を備える。また、固定ベース180の底面181には、発光部162aと受光部162bとの間に進入可能な突出片183が一体形成されている。突出片183が発光部162aと受光部162bとの間に進入している場合にはフォトセンサ162は遮光状態となり、突出片183が発光部162aと受光部162bとの間から退出している場合にはフォトセンサ162は通光状態となる。なお、突出片183を別部材として固定ベース180に取り付けると位置ずれ等が生じるが、突出片183を固定ベース180に一体形成すればそのような位置ずれの発生を防止することができ、フォトセンサ162における操作状態検出精度の悪化を回避することが可能となる。
上記したフォトセンサ162及び突出片183は、操作ボタン110のボタン操作の有無(操作状態)を検出する状態検出部を構成している。
図33に示すように、操作ボタン110がボタン操作されていない状態(非ボタン操作状態)では、スプリング101の付勢力によって、操作ボタン110の取付部材170の小径部171と大径部172の境界に形成された段差部176が装飾板190の下端面に当接しており、操作部120は上限位置で停止している。この時、固定ベース180の突出片183は発光部162aと受光部162bとの間に位置しておらず、フォトセンサ162は通光状態となっている。フォトセンサ162が通光状態となっている場合には、操作ボタン110は非操作状態であると判断される。
遊技者によって操作部120が押されると、操作ボタン110は、取付部材170の段差部176が装飾板190の下端面から離間するようにスプリング101の付勢力に抗して下方に移動する。操作ボタン110がある程度下方に移動すると、固定ベース180の突出片183が発光部162aと受光部162bとの間に進入し、フォトセンサ162は遮光状態となる。フォトセンサ162が遮光状態となった場合、操作ボタン110のボタン操作ありと判断される。このように操作ボタン110とフォトセンサ162が一緒に上下動するので、操作ボタン110の操作状態を確実に検出することが可能となる。また、フォトセンサ162は基板160の下面に下向きに設けられているため、フォトセンサ162の発光部162aと受光部162bの間に埃等が溜まることを防止できる。
遊技者によっては操作ボタン110を強打したり連打したりすることがあるため、操作ボタン110と固定ベース180との間には、図32及び図33に示すように、衝撃吸収用の緩衝部材102が3個配設される。緩衝部材102は、ゴムや樹脂によって形成された弾性部材であって、固定ベース180の底面181に固定されている。操作ボタン110が下限位置まで押されると、操作ボタン110の取付部材170の下端は固定ベース180の底面181ではなく緩衝部材102に当接するので、ボタン操作時に操作ボタン110に作用する衝撃力を和らげることができ、操作ボタン110の損傷を防止することが可能となる。
また、図30〜図32に示すように、操作ボタン110においては、タッチパネル150の下面と基板160の上面との間に3個のパネル用緩衝部材103が配設されており、基板160の下面と取付部材170の底面173との間に3個の基板用緩衝部材が配設されている。タッチパネル150と基板160に挟まれたパネル用緩衝部材103及び基板
160と取付部材170に挟まれた基板用緩衝部材104は、ゴムや樹脂によって形成された弾性部材であり、ボタン操作時の衝撃力がタッチパネル150や基板160に伝達することを抑制する。これにより、タッチパネル150や基板160の損傷を防止することが可能となる。
次に、図37〜図42を参照して、演出操作装置100の上皿ユニット10への取り付けについて説明する。
図37は、演出操作装置100及び上皿ユニット10の分解斜視図である。図38は、演出操作装置100を取り外した状態の上皿ユニット10の平面図である。図39は、演出操作装置100を設置した状態の上皿ユニット10の下面図である。図40は、演出操作装置100及び上皿ユニット10の前面図である。図41は、図1のA−A位置における上皿ユニット10の縦断面図である。図42は、図1のB−B位置における上皿ユニット10の縦断面図である。
図1、図2、及び図37に示すように、上皿ユニット10は、ガラス枠5の下部に設置されている。上皿ユニット10は、遊技機1の前方に突出する突出ユニットとして構成されている。
図37及び図38に示すように、上皿ユニット10の上面中央位置には開口部12が形成されており、上皿ユニット10の前側に設置される装飾装置300のカバーレンズ310の上面中央位置にも開口部311が形成されている。これら開口部12,311は演出操作装置100を上皿ユニット10内に挿入可能とするためのものであり、装飾板190よりも下側の演出操作装置100が開口部12,311を介して上皿ユニット10内に配設される。
演出操作装置100は、当該演出操作装置100の固定ベース180の底面181から下方に突出形成された4個の軸部186(図32及び図34参照)、及び上皿ユニット10の底面(下面)に形成された4個の支持部材13(図37参照)を介して、上皿ユニット10に着脱自在に設けられる。
図34に示すように、演出操作装置100の固定ベース180の軸部186には、軸方向に沿ってねじ穴186aが形成されている。
図37及び図38に示すように、上皿ユニット10の支持部材13は、軸部186と対応する位置に形成されており、軸部186を挿通させる挿通孔13aを有している。
図42に示すように、演出操作装置100は、固定ベース180の各軸部186が上皿ユニット10の支持部材13の各挿通孔13aに挿入されることで、当該支持部材13により支持される。支持部材13の底部には上下方向に貫通する貫通孔(図示省略)が形成されており、図39、図40、及び図42に示すように、上皿ユニット10の支持部材13の下側から当該貫通孔を介してねじ14が挿入され、ねじ14のねじ部が軸部186のねじ穴186a(図34参照)に螺合する。このように、演出操作装置100の軸部186と上皿ユニット10の支持部材13とは、ねじ14によって互いに締結される。演出操作装置100はねじ14を介して上皿ユニット10に着脱自在に設けられるので、演出操作装置100の取り付け作業や取り外し作業が容易となる。
なお、図42に示すように、ねじ14によって演出操作装置100が上皿ユニット10に取り付けられた状態では、ねじ14の頭部は、上皿ユニット10の底面に形成された収容凹部15内に収容される。このように上皿ユニット10の底面の収容凹部15内にねじ
14の頭部を収容することで、演出操作装置100がねじ14によって固定されていることが分かりにくくなり、ねじ14が不正に取り外されることを防止することができる。
また、図41及び図42に示すように、上皿ユニット10の支持部材13は遊技機1の前方側に傾斜するように構成されている。そのため、支持部材13に支持される演出操作装置100も遊技機1の前方側に傾いた状態となる。これにより、演出操作装置100の操作ボタン110の操作部120を遊技者に向かって配設することができ、操作部120の操作性を高めることが可能となる。
図38に示すように、上皿ユニット10の底面前部には、中継基板16が取り付けられている。中継基板16は、開口部12,311に臨む位置に、演出操作装置100からの電気配線106(図37参照)を中継可能な接続コネクタ16aが設けられている。このように接続コネクタ16aを開口部12,311に臨む位置に設けることで、演出操作装置100の電気配線106の抜き差しが容易になり、演出操作装置100の取り付け作業や取り外し作業をより簡易なものとすることができる。
次に、図1、図41、図43、及び図44を参照して、演出操作装置100が設置される上皿ユニット10の下方に配置される下皿9について説明する。図43及び図44は、下皿9の縦断面図である。
図1、図41、図43に示すように、下皿9は、上皿ユニット10の支持部材13の下方に位置している。
図43に示すように、下皿9は、底面を上下方向に貫通する球抜き穴9a(貫通孔)を有している。球抜き穴9aが開閉操作部9bによって閉じられた状態では、球抜き穴9aは、遊技球流入位置(上端位置)から遊技球排出位置(下端位置)までの深さD1が演出操作装置100を固定するために使用されるねじ14の長さL1よりも短くなるように設定されている。
このように球抜き穴9aの深さを設定することで、演出操作装置100の取り外し時等に、ねじ14が下皿9の球抜き穴9aに落下した場合であっても、ねじ14を球抜き穴9aから取り出しやすくなり、ねじ14を容易に回収することが可能となる。
また、図44に示すように、下皿9の球抜き穴9aは、遊技球流入位置から遊技球排出位置にわたって湾曲して縮径するように形成されている。そして、球抜き穴9aの湾曲部分の曲率半径R1は、遊技球の半径R2よりも大きく設定されている。
このように球抜き穴9aの湾曲部分の曲率半径を設定することで、少数の遊技球が球抜き穴9aに溜まっている場合に、遊技球を球抜き穴9aから掻き出しやすくなり、遊技球の取り出しが容易となる。これにより、球抜き穴9aに溜まっている遊技球を取り出して上皿11に移動させやすくなる。
〔演出操作装置を用いた遊技演出1〕
まず、図45〜図61を参照して、演出操作装置100を用いた遊技演出1について説明する。遊技演出1は、演出操作装置100の操作ボタン110に対するボタン操作が操作態様として遊技者に報知される場合の遊技演出である。
図45は、演出制御装置700によって実行されるボタン操作報知処理の手順を示すフローチャートである。図46(A)は、図45におけるボタン操作報知処理のタイミングチャートである。図46(B)は、従来のボタン操作報知処理のタイミングチャートであ
る。図47(A)〜図47(C)は、演出操作装置100を用いた遊技演出1の一例を示す図である。
図45に示すボタン操作報知処理は、演出制御装置700が実行する1stメイン処理における演出ボタン入力処理(図22のS2209)で実行される処理である。
S4501では、演出制御装置700は、演出操作装置100のボタン操作態様を報知する操作態様報知処理を実行する。
この処理において、演出制御装置700は、演出操作装置100の操作ボタン110に対する入力操作を促す報知画像を表示装置36に表示させる。また、表示装置36には操作ボタン110の入力が有効となる操作有効時間(すなわち、所定の予告演出を実行可能な時間)も表示させている。なお、演出制御装置700は、操作ボタン110の位置を報知するように操作ボタン110に内蔵される基板160のLED161を9個全て発光させてもよい。
S4502では、演出制御装置700は、操作有効時間内に演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作が検出されたか否かを判定する。タッチパネル150に対するタッチ操作は、操作ボタン110の操作部120の表面に遊技者の手(指)が触れることで検出される。
タッチ操作が検出されなかった場合には(S4502の結果「N」)、演出制御装置700は、S4503の処理を実行せずにボタン操作報知処理を終了する。一方、タッチ操作が検出された場合には(S4502の結果「Y」)、演出制御装置700は、S4503の処理を実行する。
S4503では、演出制御装置700は、所定の予告演出を実行し、ボタン操作報知処理を終了する。
この予告演出では、特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性に応じた予告画像や、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる可能性に応じた予告画像が表示装置36に表示される。可動役物が備えられている場合には、可動役物の動作演出が実行されてもよい。
次に、前述のボタン操作報知処理について、図46(A)に示すタイミングチャートを参照して、遊技者の動作手順とともに説明する。
図46(A)に示すように、時刻t1で、遊技者による演出操作装置100の入力操作が有効(ON状態)になると、表示装置36には、遊技者に操作ボタン110を押してボタン操作するように促す報知画像と、操作有効時間とが表示される(S4501)。
そして、時刻t2で、遊技者が演出操作装置100の操作部120に手を置いて押し始めると、まず、演出制御装置700は演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作を検出する(S4502の結果「Y」)。タッチ操作は、タッチパネル150の下面に設けられる電子部品151(図31)を介して電気信号(ON信号)が演出制御装置700のSW入力回路770に送信されることで検出される。
そして、演出制御装置700は、タッチパネル150に対するタッチ操作を検出したので、所定の予告演出を開始する(S4503)。
その後、遊技者が操作部120を押し続けると、時刻t3で、演出制御装置700は演出操作装置100の操作ボタン110に対するボタン操作を検出する。ボタン操作は、基板160の下面に設けられるフォトセンサ162(図33)が固定ベース180の突出片183(図33)を被覆して遮光状態である場合に、操作状態(ON状態)であるとの情報が演出制御装置700のSW入力回路770に送信されることで検出される。
時刻t4で、遊技者が操作部120を押すのを止めると、操作部120はスプリング101の付勢力によって元の位置に戻ろうとする。遊技者が操作部120を押すのを止めると略同時にフォトセンサ162は通光状態になるので、ボタン操作は非操作状態(OFF状態)であると判断される。
そして、時刻t5で、遊技者が操作部120から手を離すと、タッチパネル150に対するタッチ操作は非検出状態(OFF状態)となる。その後、時刻t6で、演出操作装置100の入力操作が無効(OFF状態)となる。
なお、従来のボタン操作報知処理では、図46(B)に示すように、演出操作装置100の操作ボタン110に対するボタン操作を検出したタイミングで演出制御装置700は所定の予告演出を実行する。したがって、図46(A)と図46(B)とを比較すると、本実施形態では、従来よりも時刻t3から時刻t2を差し引いた時間分、すなわち操作部120が初期位置からフォトセンサ162の遮光状態位置まで押下される時間分だけ早く所定の予告演出を実行することが可能である。
続いて、図47(A)〜図47(C)を参照して、表示装置36における遊技演出1の一例を説明する。ここでは、特図変動表示ゲーム実行中における遊技演出の一例を示す。
図47(A)に示すように、ボタン操作報知処理が実行されると、表示装置36には、操作ボタン110に対するボタン操作を促す報知画像として、「PUSH」の文字と、入力操作の有効時間「残り:○○秒」とが表示される。
このとき、演出操作装置100の基板160のLED161は9個全て発光する。そして、遊技者に操作部120全体を押せばよいことが報知される。
そして、図47(B)に示すように、遊技者は、操作ボタン110に対するボタン操作を実行するために操作部120の表面に手を載せる。この時点でタッチパネル150に対するタッチ操作が検出される。このタッチ操作の検出により、図47(C)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性が高いことを予告する予告画像が表示装置36に表示される。
このように、本実施形態では、遊技者に操作ボタン110に対するボタン操作を求める場合に、演出制御装置700は、操作ボタン110に対するボタン操作ではなくタッチパネル150に対するタッチ操作を検出したら所定の予告演出を実行する。これにより、遊技者はボタン操作に対する演出の反応速度を体感的に速く感じることができる。よって、遊技者の操作ボタン110の操作意欲の減退や操作に対する演出への関心の低下を防止することができる。
また、操作ボタン110に対するボタン操作が不十分な遊技者、すなわち操作部120の押下が足りない遊技者等の本来はボタン操作として検出されない操作であっても、取りこぼしがない。従来では、遊技者自身は操作ボタン110に対するボタン操作を行ったつもりでも、演出制御装置700はボタン操作を検出しないので所定の予告演出が実行されずに終わってしまう。これに対し、本実施形態では、演出制御装置700は、操作部12
0に手が触れた時点で所定の予告演出を実行する。このため、ボタン操作したにも関わらず所定の予告演出が実行されないと遊技者に心証付けてしまうことなく、遊技者の操作意思を尊重した演出を提供することができる。
さらに、有効操作時間内の操作ボタン110のボタン操作が困難な遊技者(不慣れな遊技者等)にとっても、有効操作時間内にタッチ操作が検出されればよいので、操作部120を十分に押し切れなくとも所定の予告演出が実行可能となり、遊技者の操作意思を尊重した演出を提供することができる。
なお、全ての遊技状態において、前述のボタン操作報知処理を適用する必要はない。例えば、デモ中において、操作ボタン110に対するボタン操作によって遊技者が複数の選択肢から選択を行う場面等では、むしろ、確実性の向上のためにも、遊技者が自身の選択を確認しながら操作ボタン110を押下したほうがよい。遊技者によるボタン操作に対する反応を速める必要性が低い(反応スピードを要しない)状況では、タッチ操作ではなくボタン操作の操作状態(ON状態)の検出により対応する演出や情報を遊技者に提供してもよい。
ところで、前述したようなボタン操作報知処理では、演出操作装置100の入力操作が有効になる前から操作ボタン110に対するボタン操作(押下操作)に備えて操作部120に遊技者の手が触れている場合は、操作有効時間の開始と同時にタッチ操作が検出される。このため、操作有効時間が始まったらボタン操作を行おうと思っていた遊技者は、自身の操作に関係なく自動的に所定の予告演出が実行されたように感じてしまう虞がある。また、間違って操作部120に触れてしまったような場合に、遊技者にボタン操作するつもりがなかったにも関わらず、所定の予告演出が実行されてしまうという課題がある。
そこで、変形例1〜3では、遊技者の意に反して所定の予告演出が実行されることがないボタン操作報知処理について説明する。
変形例1では、前者の課題に対応すべく、操作有効時間となって所定時間が経過するまでは、演出制御装置700は、タッチパネル150に対するタッチ操作を検出しても所定の予告演出を実行しない。変形例1についての詳細は、図48〜図50を参照して説明する。
変形例2では、変形例1と同様に前者の課題に対応すべく、操作有効時間の開始時にタッチパネル150に対するタッチ操作が検出される場合は、タッチ操作が不検出になるまでの間、演出制御装置700は、タッチパネル150に対するタッチ操作を検出しても所定の予告演出を実行しない。すなわち、遊技者が操作ボタン110に対するボタン操作に備えて操作部120に手を触れて押下準備している場合は、遊技者が操作部120から一度手を離さない限り、タッチパネル150に対するタッチ操作の検出を所定の予告演出実行の契機としない。変形例2についての詳細は、図51〜図54を参照して説明する。
変形例3では、後者の課題に対応すべく、演出制御装置700は、所定の予告演出の実行はタッチパネル150に対するタッチ操作の検出を契機とするが、その後、所定時間内に操作ボタン110に対するボタン操作を検出した場合にのみ所定の予告演出を継続して実行する。変形例3についての詳細は、図55〜図57を参照して説明する。
(変形例1)
まず、図45〜図47で示した本実施形態の遊技演出1の変形例1について、図48〜図50を参照して説明する。
図48は、演出制御装置700によって実行される変形例1のボタン操作報知処理の手順を示すフローチャートである。前述のボタン操作報知処理(図45)と同じ処理については、同じ処理番号S4501〜S4503を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、S4502の処理で、操作有効時間内に演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作が検出された場合に(S4502の結果「Y」)、S4801の処理を実行する。
S4801では、演出制御装置700は、操作ボタン110に対するボタン操作が検出されたか否かを判定する。そして、ボタン操作が検出された場合には(S4801の結果「Y」)、演出制御装置700は、S4503の処理を実行し、所定の予告演出を開始したのちボタン操作報知処理を終了する。一方、ボタン操作が検出されない場合には(S4801の結果「N」)、演出制御装置700は、S4802の処理を実行する。
S4802では、演出制御装置700は、操作有効時間の開始から所定時間が経過したか否かを判定する。そして、所定時間が経過した場合には(S4802の結果「Y」)、演出制御装置700は、S4503の処理を実行し、所定の予告演出を開始したのちボタン操作報知処理を終了する。一方、所定時間が経過していない場合には(S4802の結果「N」)、演出制御装置700は、所定の予告演出を実行することなく、ボタン操作報知処理を終了する。
ここで、所定時間は、遊技者がボタン操作前(押下前)に一呼吸おく間として例えば1秒が設定される。一般的に、演出操作装置100への入力操作が有効になる前からボタン操作に備えて操作部120に手を触れている遊技者であっても、入力操作が有効になったことを確認して一呼吸おいてから押下操作を始める傾向がある。そこで、変形例1では、所定時間経過前のタッチパネル150に対するタッチ操作は遊技者の操作意思がないものと判定し、所定時間経過後のタッチパネル150に対するタッチ操作は遊技者の操作意思があるものと判定して所定の予告演出の実行契機とする。
次に、図48のボタン操作報知処理について、図49に示すタイミングチャートを参照して、遊技者の動作手順とともに説明する。図49は、操作有効時間の開始時に遊技者が演出操作装置100の操作部120に手を触れている状態であることを前提としている。図49(A)は、操作有効時間の開始から所定時間内に操作ボタン110に対するボタン操作がなかった場合のタイミングチャートであり、図49(B)は、操作有効時間の開始から所定時間内に操作ボタン110に対するボタン操作があった場合のタイミングチャートである。
図49(A)に示すように、時刻t1で、遊技者による演出操作装置100の入力操作が有効(ON状態)になると、表示装置36には、遊技者に操作ボタン110を押してボタン操作するように促す報知画像と、操作有効時間とが表示される(S4501)。すなわち、操作有効時間が開始となる。
ここで、遊技者は、演出操作装置100の入力操作が有効になる時刻t1以前から操作ボタン110に対するボタン操作に備えて操作部120に手を置いている。したがって、演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作は、検出状態(ON状態)となる(S4502の結果「Y」)。そして、遊技者は、操作部120に手を置いているだけで押下する意思はないので、操作ボタンに対するボタン操作は非操作状態(OFF状態)である(S4801の結果「N」)。時刻t1から所定時間後の時刻taまでは(S4802の結果「N」)、タッチパネル150に対するタッチ操作による演出実行は行わないので、所定の予告演出は実行されない。この間、タッチ操作は検出状態(ON状態)
であり、ボタン操作は非操作状態(OFF状態)を維持する。
そして、時刻taで、タッチパネル150に対するタッチ操作による演出実行が許可されるので、表示装置36において所定の予告演出が実行される(S4802の結果「Y」→S4503)。
その後、時刻t2で、遊技者が時刻t1では触れる程度であった操作部120を押し込むと、操作ボタン110に対するボタン操作が操作状態(ON状態)となる。このとき、すでに所定の予告演出は実行されており、今回のボタン操作に対する演出は、時刻taから時刻t2までの時間分だけ従来よりも早く実行される。
そして、時刻t3で、遊技者が操作部120を押すのを止めると、操作ボタン110に対するボタン操作は非操作状態(OFF状態)となる。さらに、時刻t4で、遊技者が操作部120から手を離すと、タッチパネル150に対するタッチ操作が非検出状態(OFF状態)となる。その後、時刻t5で、演出操作装置100への入力操作が無効(OFF状態)となる。
また、図49(B)に示すように、遊技者が時刻t1では触れる程度であった操作部120の押下を完了する時刻t2が時刻taよりも前になる場合は、操作ボタン110に対するボタン操作の検出によって所定の予告演出が実行される(S4801の結果「Y」→S4503)。その後の時刻t3〜時刻t5における態様は、図49(A)と同様である。
なお、実施形態(図45)のボタン操作報知処理では、図49(A)及び図49(B)の図中点線に示すように、演出操作装置100の入力操作が有効となる時刻t1で、所定の予告演出が実行される。これでは、遊技者が演出操作装置100の操作部120に手を触れた状態から押下し始める間を待たずに、所定の予告演出が操作有効時間の開始と同時に実行されることになり、遊技者は自身のボタン操作に対応した演出と思えない。
変形例1では、遊技者が演出操作装置100の操作部120に手を触れた状態から押下し始める間を考慮し、操作有効時間の開始から所定時間が経過するまでは、タッチパネル150に対するタッチ操作の検出によって所定の予告演出が実行されないようにする。これにより、遊技者の操作意思が働いていない状態で遊技者の意に反して演出が実行されることを防止することができる。
そして、タッチパネル150に対するタッチ操作の検出による演出実行が禁止されている期間であっても、操作ボタン110に対するボタン操作が検出された場合は、従来通り所定の予告演出が実行される。これにより、遊技者の操作意思に沿った演出が実行可能になる。
続いて、図50(A)〜図50(D)を参照して、表示装置36における遊技演出1の一例を説明する。ここでは、特図変動表示ゲーム実行中における遊技演出の一例を示す。
図50(A)に示すように、ボタン操作報知処理が実行されると、表示装置36には、操作ボタン110に対するボタン操作を促す報知画像として、「PUSH」の文字と、入力操作の有効時間「残り:○○秒」とが表示される。
このとき、演出操作装置100の基板160のLED161は9個全て発光する。LED161は、操作部120の中央に1個、円環状に8個が均等に配設されており、タッチパネル150に対するタッチ操作は各LED161の位置で検出可能である。ここでは、
全てのLED161を発光させることで、遊技者に操作部120全体を押せばよいことを報知するとともに、どのLED位置であってもタッチ操作検出可能であることを報知している。
そして、図50(B)に示すように、このとき遊技者は、操作ボタン110に対するボタン操作に備えて、操作部120の表面に手が触れた状態で待機している。このため、入力操作が有効になった時点でタッチパネル150に対するタッチ操作が検出される。
しかし、図50(C)に示すように、所定時間が経過するまでは、タッチパネル150に対するタッチ操作が検出されても、表示装置36における表示に変化はない。そして、図50(C1)に示すように、所定時間経過前であっても、操作ボタン110に対するボタン操作が検出された場合には、図50(D)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性が高いことを予告する予告画像が表示装置36に表示される。
また、入力操作が有効になって所定時間が経過すれば、タッチパネル150に対するタッチ操作による演出実行が可能となるので、図50(D)に示すように、表示装置36では、図50(A)に示す画像から実行中の特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性が高いことを予告する予告画像が表示される。
このように、変形例1では、遊技者に操作ボタン110に対するボタン操作を求める場合に、操作ボタン110に対するボタン操作ではなくタッチパネル150に対するタッチ操作が検出されたら所定の予告演出が実行される本実施形態において、入力操作が有効になってから所定時間はタッチ操作検出による演出の実行を禁止し、この間はボタン操作検出によって演出が実行されるようにする。これにより、遊技者にボタン操作に対応する演出の反応速度を体感的に速く感じさせることができるとともに、ボタン操作を前提としない(ボタン操作意思のない)タッチ操作による演出の実行を排除することができる。このため、これからボタン操作しようと構えていたにも関わらず押下操作する前に意に反して所定の予告演出が実行されてしまい、演出実行が自身の操作と関係ないと遊技者に心証付けてしまうことなく、遊技者の操作意思を尊重した演出を提供することができる。よって、遊技者の操作意欲の減退や操作に対応する演出への関心の低下を防止することができる。
なお、変形例1では、タッチパネル150に対するタッチ操作は、操作部120の全体(9個全てのLED161の位置)で検出している。遊技者が操作部120の中央に触れていない場合でも、周りの円環状のLED位置でタッチ操作が検出されるが、これに限らない。タッチ操作が検出される操作部120の位置を設定してもよい。例えば、演出実行の契機となるタッチ操作は、操作部120の中央で検出されたタッチ操作に限定してもよい。操作部120の中央に遊技者が触れているのであれば、操作意思がある可能性が高い。一方、操作部120の端部に遊技者が触れているのであれば、誤って操作した可能性が高い。タッチパネル150に対するタッチ操作の検出位置に応じて、演出実行の契機として有効又は無効を設定したり、無効時間を変えたりすることで、より遊技者の操作意思を尊重した演出を提供することができる。
(変形例2)
次に、図45〜図47で示した本実施形態の遊技演出1の変形例2について、図51〜図54を参照して説明する。
図51は、演出制御装置700によって実行される変形例2の変動中処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の変動中処理(図26)と同じ処理については、同じ
処理番号S2601〜S2612を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、S2601の処理で、演出リクエストフラグがあると判定された場合に(S2601の結果「Y」)、演出操作装置100に係るS2602の処理を実行したのちに、S5101の処理として、タッチパネル150に対するタッチ操作によって所定の予告演出を実行することを禁止するタッチ操作による早期演出無効フラグをONに設定する。
図52は、演出制御装置700によって実行される変形例2のボタン操作報知処理の手順を示すフローチャートである。前述のボタン操作報知処理(図45)と同じ処理については、同じ処理番号S4501〜S4503を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、S4501の処理で表示装置36にボタン操作を促す表示が実行される前に、S5201の処理として、演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作が検出されたか否かを判定する。そして、タッチ操作が検出された場合には(S5201の結果「Y」)、演出制御装置700は、S4501の処理を実行する。一方、タッチ操作が検出されなかった場合には(S5201の結果「N」)、演出制御装置700は、S5202の処理を実行する。
ここでは、前述の変動中処理(図51)において、特図変動表示ゲームの開始時に必ずタッチ操作による早期演出無効フラグがONに設定されている。演出操作装置100への入力操作が有効になったことを遊技者に報知する前に演出操作装置100の操作状態を検出することで、操作有効時間が始まってから検出されるタッチパネル150に対するタッチ操作が遊技者の操作ボタン110に対するボタン操作を伴うものであるか否かを判断する。
S5202では、演出制御装置700は、変動中処理(図51)のS5101の処理でON設定されたタッチ操作による早期演出無効フラグをOFFに設定する。このフラグがOFFに設定されると、以後、タッチパネル150に対するタッチ操作の検出による所定の予告演出の実行が許可される。
また、変形例2では、S4502の処理で操作有効時間内にタッチパネル150に対するタッチ操作が検出された場合に(S4502の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5203の処理を実行する。
S5203では、演出制御装置700は、タッチ操作による早期演出無効フラグがONであるか否かを判定する。タッチ操作による早期演出無効フラグは、前述のS5202の処理もしくは後述のS5205の処理でOFFに設定されるまでON状態である。そして、タッチ操作による早期演出無効フラグがONの場合は(S5203の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5204の処理を実行する。一方、タッチ操作による早期演出無効フラグがONでない、すなわちOFFの場合は(S5203の結果「N」)、演出制御装置700は、S4503の処理で所定の予告演出を実行してボタン操作報知処理を終了する。
S5204では、演出制御装置700は、操作ボタン110に対するボタン操作が検出されたか否かを判定する。そして、ボタン操作が検出されなかった場合は(S5204の結果「N」)、演出制御装置700は、ボタン操作報知処理を終了する。一方、ボタン操作が検出された場合は(S5204の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5205の処理を実行する。
S5205では、演出制御装置700は、タッチ操作による早期演出無効フラグをOFFに設定する。その後、演出制御装置700は、S4503の処理で所定の予告演出を実行してボタン操作報知処理を終了する。
次に、図52のボタン操作報知処理について、図53に示すタイミングチャートを参照して、遊技者の動作手順とともに説明する。図53は、操作有効時間の開始時に遊技者が演出操作装置100の操作部120に手を触れている状態であることを前提としている。図53(A)は、遊技者が一度操作部120から手を離したのち操作ボタン110に対するボタン操作を行った場合のタイミングチャートであり、図53(B)は、遊技者が一度も操作部120から手を離すことなく操作ボタン110に対するボタン操作を行った場合のタイミングチャートである。
図53(A)に示すように、時刻t1で、遊技者による演出操作装置100の入力操作が有効(ON状態)になると、表示装置36には、遊技者に操作ボタン110を押してボタン操作するように促す報知画像と、操作有効時間とが表示される(S4501)。すなわち、操作有効時間が開始となる。
ここで、遊技者は、演出操作装置100の入力操作が有効になる時刻t1以前から操作ボタン110に対するボタン操作に備えて操作部120に手を置いている。すなわち、タッチパネル150に対するタッチ操作が、表示装置36に報知画像及び操作有効時間が表示される前に検出状態(ON状態)となっている。このため、特図変動表示ゲームの開始時にON設定されるタッチ操作による早期演出無効フラグはON状態を維持する。
そして、時刻t2で、一度遊技者が操作部120から手を離すと、タッチパネル150に対するタッチ操作が非検出状態(OFF状態)となり、タッチ操作による早期演出無効フラグもOFFに切り替わる(S5201の結果「Y」→S5202)。タッチ操作による早期演出無効フラグがONからOFFになることで、タッチパネル150に対するタッチ操作の検出により所定の予告演出の実行が可能となる。
時刻t3で、遊技者が操作ボタン110に対するボタン操作を行うために操作部120に手を置いて押し始めると、タッチパネル150に対するタッチ操作が検出状態(ON状態)になる(S4502の結果「Y」)。このときタッチ操作による早期演出無効フラグがOFFとなっているので(S5203の結果「N」)、演出制御装置700は、タッチパネル150に対するタッチ操作の検出により所定の予告演出を実行する(S4503)。
その後、遊技者が操作部120を押し続けると、時刻t4で、演出制御装置700は、演出操作装置100の操作ボタン110に対するボタン操作(ON状態)を検出する。このとき、すでに所定の予告演出は実行されており、今回のボタン操作に対する演出は、時刻t3から時刻t4までの時間分だけ従来よりも早く実行されることになる。
そして、時刻t5で、遊技者が操作部120を押すのを止めると、ボタン操作は非操作状態(OFF状態)となる。次に、時刻t6で、遊技者が操作部120から手を離すと、タッチパネル150に対するタッチ操作は非検出状態(OFF状態)となる。その後、時刻t7で、演出操作装置100の入力操作が無効(OFF状態)となる。
また、図53(B)に示すように、時刻t1以降、遊技者が操作部120に触れた手を一度も離すことなく押下操作する場合には、時刻t2で、演出制御装置700は、演出操作装置100の操作ボタン110に対するボタン操作(ON状態)を検出する。そして、演出制御装置700は、操作ボタン110に対するボタン操作の検出によって所定の予告
演出を実行する(S4502の結果「Y」→S5203の結果「Y」→S5204の結果「Y」→S4503)。その後の時刻t3〜時刻t5における態様は、図53(A)の時刻t5〜時刻t7と同様である。
なお、実施形態(図45)のボタン操作報知処理では、図53(A)及び図53(B)の図中点線に示すように、演出操作装置100の入力操作が有効となる時刻t1で、所定の予告演出が実行される。これでは、遊技者が演出操作装置100の操作部120に手を触れた待機状態から実際に操作意思を持って行われる操作を待たずに、所定の予告演出が操作有効時間の開始と同時に実行されることになり、遊技者は自身のボタン操作に対応した演出と思えない。
変形例2では、遊技者が演出操作装置100の操作部120に手を触れた状態で待機していても、実際に操作部120を押下してボタン操作を行う際に、一度手を振り上げて振り下ろす動作を行う(すなわち、手を操作部120から離す)場合もある点に着眼して、操作有効時間の開始時から継続して検出されるタッチパネル150に対するタッチ操作については、遊技者のボタン操作意思が伴わないものとして、このタッチ操作の検出によって所定の予告演出が実行されないようにする。そして、タッチ操作の非検出状態(OFF状態)を経た後に検出されるタッチ操作については、遊技者のボタン操作意思が伴うものとして、このタッチ操作の検出によって所定の予告演出が実行されるようにする。これにより、遊技者の操作意思が働いていない状態で遊技者の意に反して演出が開始されることを防止することができる。
そして、操作有効時間が開始されてから遊技者の手が継続して操作部120に触れており、タッチパネル150に対するタッチ操作の検出による演出実行が禁止されている期間であっても、遊技者が操作部120から手を離すことなく操作ボタン110に対するボタン操作を行った場合には、従来通り所定の予告演出が実行される。これにより、遊技者の操作意思に沿った演出が実行可能になる。
続いて、図54(A)〜図54(D)を参照して、表示装置36における遊技演出1の一例を説明する。ここでは、特図変動表示ゲーム実行中における遊技演出の一例を示す。
図54(A)に示すように、ボタン操作報知処理が実行されると、表示装置36には、操作ボタン110に対するボタン操作を促す報知画像として、「PUSH」の文字と、入力操作の有効時間「残り:○○秒」とが表示される。
このとき、遊技者は、操作ボタン110に対するボタン操作に備えて、操作部120の表面に手が触れた状態で待機している。このため、入力操作が有効になった時点でタッチパネル150に対するタッチ操作が検出される。したがって、このタッチ操作による所定の予告演出の実行は禁止される。
ここで、図54(A)→図54(B1)→図54(C1)→図54(D)は、前述の図53(A)のタイミングチャートに対応した演出例である。
図54(B1)に示すように、図50(A)の操作部120に手が触れた状態から一度手を離したうえで、図54(C1)に示すように、遊技者が再び操作部120に触れた場合には、図54(C1)において検出されたタッチパネル150に対するタッチ操作によって所定の予告演出が実行される。そして、図54(D)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性が高いことを予告する予告画像が表示装置36に表示される。
また、図54(A)→図54(B2)→図54(C2)→図54(D)は、前述の図53(B)のタイミングチャートに対応した演出例である。
図54(B2)に示すように、図54(A)と同じく、操作部120に手が触れた状態が操作有効時間の開始から継続されているときに、図54(C2)に示すように、遊技者が操作部120の押下操作を行った場合には、図54(C2)において検出された操作ボタン110に対するボタン操作によって所定の予告演出が実行される。そして、図54(D)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性が高いことを予告する予告画像が表示装置36に表示される。
このように、変形例2では、遊技者に操作ボタン110に対するボタン操作を求める場合に、操作ボタン110に対するボタン操作ではなくタッチパネル150に対するタッチ操作が検出されたら所定の予告演出が実行される本実施形態において、操作有効時間の開始時にタッチパネル150に対するタッチ操作が検出される場合は、一旦、タッチ操作が不検出になるまでの間、タッチ操作検出による演出実行を禁止し、この間はボタン操作検出によって演出が実行されるようにする。これにより、遊技者にボタン操作に対応する演出の反応速度を体感的に速く感じさせることができるとともに、ボタン操作を前提としない(ボタン操作意思のない)タッチ操作による演出の実行を排除することができる。このため、これからボタン操作しようと構えていたにも関わらず操作意思が動作に表れる前に意に反して所定の予告演出が実行されてしまい、演出実行が自身の操作と関係ないと遊技者に心証付けてしまうことなく、遊技者の操作意思を尊重した演出を提供することができる。よって、遊技者の操作意欲の減退や操作に対応する演出への関心の低下を防止することができる。
なお、変形例1と変形例2とを組み合わせてもよい。例えば、操作有効時間の開始から所定時間はタッチパネル150に対するタッチ操作による演出の実行を禁止するが、一度タッチパネル150に対するタッチ操作が非検出状態となれば、その後に検出されるタッチ操作が所定時間内であってもこのタッチ操作による演出の実行を許可するようにしてもよい。より正確に遊技者の操作意思を尊重した演出を提供することができる。
また、変形例1及び変形例2のタッチ操作による演出の実行を禁止する制御は、全てのボタン操作報知処理に適用する必要はない。例えば、遊技者に操作ボタン110のボタン操作を要求する間隔が狭いと、前回のボタン操作に対するタッチ操作が残っている場合がある。また、前回要求されたボタン操作が後述する長押しの場合も同様である。このような場合は、今回のボタン操作に対してこの制御を適用すればよい。また、長押しが要求される場合に、初回検出のタイミングに変形例1及び変形例2の制御を適用してもよい。後述する連打が要求される場合には、変形例1及び変形例2の制御を適用しない。
本発明では、遊技者にボタン操作を要求するボタン操作報知処理において、操作ボタン110に対するボタン操作が検出された場合に所定の予告演出を実行するボタン検出演出実行手段と、タッチパネル150に対するタッチ操作が検出された場合に所定の予告演出を実行するタッチ検出演出実行手段とを備えている。ボタン検出演出実行手段は常に有効である。タッチ検出演出実行手段は、実施形態では常に有効であり、変形例1では所定時間経過後に有効であり、変形例2ではタッチ操作の不検出状態が発生した後に有効である。状況に応じてタッチ検出演出実行手段の有効もしくは無効を設定することで、遊技者にボタン操作に対応する所定の予告演出の反応速度を速く感じさせるとともに、遊技者の意に反する演出実行を排除することができる。よって、操作装置の操作意欲の減退や操作に対応する演出への関心の低下を防止することができる。
なお、後述する本実施形態の遊技演出2(図62〜図66)や遊技演出3(図67〜図
80)では、タッチパネル150に対する入力操作を遊技者に要求するが、このときタッチパネル150に対する入力操作の検出によって特定の演出が実行される制御は常に有効であることを確認しておく。前述のタッチ検出演出実行手段の無効設定は、操作ボタン110に対するボタン操作が要求される場合に限定される。
(変形例3)
以下に、図45〜図47で示した本実施形態の遊技演出1の変形例3について、図55〜図57を参照して説明する。
図55は、演出制御装置700によって実行される変形例3のボタン操作報知処理の手順を示すフローチャートである。S5501〜S5503の処理は、前述のボタン操作報知処理(図45)のS4501〜S4503の処理と同じなので説明を省略する。
演出制御装置700は、S5503の処理で所定の予告演出を開始した後のS5504では、所定時間内に操作ボタン110に対するボタン操作が操作状態(ON状態)であることが検出されたか否かを判定する。所定時間とは、操作有効時間でもよいし、タッチ操作を検出してからの一定の経過時間でもよい。
ボタン操作が検出された場合には(S5504の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5505の処理を実行する。一方、ボタン操作が検出されなかった場合には(S5504の結果「N」)、演出制御装置700は、S5506の処理を実行する。
S5505では、演出制御装置700は、所定時間内のボタン操作が確認できたので、実行中の予告演出を続行し、ボタン操作報知処理を終了する。
S5506では、演出制御装置700は、所定時間内のボタン操作が確認できなかったので、実行中の予告演出を変更し、ボタン操作報知処理を終了する。実行中の予告演出の変更とは、予告演出を終了して元の演出状態に戻してもよいし、予告演出及び元の演出とも異なる演出に変更してもよい。
次に、変形例3のボタン操作報知処理について、図56(A)及び図56(B)に示すタイミングチャートを参照して、遊技者の動作手順とともに説明する。図56(A)は、所定時間内に操作ボタン110に対するボタン操作が検出された場合のタイミングチャートである。図56(B)は、所定時間内に操作ボタン110のボタン操作が検出されなかった場合のタイミングチャートである。
図56(A)は、前述の図46(A)と同じ図である。時刻t2で、遊技者が演出操作装置100の操作部120に手を置いて押し始めると、演出制御装置700はタッチ操作を検出するので(S5502の結果「Y」)、所定の予告演出を開始する(S5503)。その後、時刻t3で、遊技者が操作部120の押し込みを完了すると、ボタン操作が操作状態(ON状態)となり、時刻t4で、遊技者が操作部120への押下力を緩めると、ボタン操作は非操作状態(OFF状態)に切り替わる。このとき、演出制御装置700は、操作有効時間内である時刻t3〜時刻t4の間にボタン操作を検出するので(S5504の結果「Y」)、実行中の予告演出を続行する(S5505)。
これに対し、図56(B)では、遊技者は、時刻t2で演出操作装置100の操作部120に手を置いたものの、時刻t5で操作部120を押し込むことなく手を離してしまう。このとき、演出制御装置700は、タッチ操作を検出するので(S5502の結果「Y」)、所定の予告演出を開始するが(S5503)、時刻t5までにボタン操作の操作状態(ON状態)を検出できない。操作有効時間の終了時刻である時刻t6まで、遊技者が
再度操作部120に触れずに終わると、演出制御装置700は、操作有効時間内にボタン操作を検出しないので(S5504の結果「N」)、実行中の予告演出を変更する(S5506)。
続いて、図57(A)〜図57(D)を参照して、表示装置36における遊技演出1の一例を説明する。ここでは、特図変動表示ゲーム実行中における遊技演出の一例を示す。図57(A)〜図57(D)は、演出操作装置100を用いた変形例3の遊技演出の一例を示す図である。
図57(A)に示すように、ボタン操作報知処理が実行されると、表示装置36には、操作ボタン110に対するボタン操作を促す報知画像として、「PUSH」の文字と、入力操作の有効時間「残り:○○秒」とが表示される。
そして、図57(B)に示すように、遊技者は、操作ボタン110に対するボタン操作を実行するため操作部120の表面に手を載せる。この時点でタッチパネル150に対するタッチ操作が検出され、表示装置36には所定の予告演出の導入部分の画像が表示される。
その後、図57(C)に示すように、遊技者が操作部120を押し込むと、フォトセンサ162が遮光状態となり、ボタン操作が検出される。このため、表示装置36では引き続き予告演出が実行され、実行中の特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性が高いことを予告する予告画像が表示装置36に表示される。
一方、図57(D)に示すように、遊技者が操作部120の押し込みを行わないと、ボタン操作が検出されない。このため、表示装置36で実行中であった予告演出が終了され、画面中央には変動する識別情報が表示される。
このように、変形例3では、遊技者に操作ボタン110に対するボタン操作を求める場合に、演出制御装置700は、操作ボタン110に対するボタン操作ではなくタッチパネル150に対するタッチ操作を検出したら所定の予告演出を実行するが、所定時間内にボタン操作の操作状態(ON状態)が検出されなければ実行中の予告演出を変更する。これにより、遊技者は報知された通りのボタン操作と引き換えに所定の予告演出を獲得することができ、獲得に際して遊技者はボタン操作に対する演出の反応速度を体感的に速く感じることができる。
そして、間違って操作ボタン110を触ってしまった遊技者は、それ以上操作ボタン110を押してボタン操作しないことで実行中の予告演出を変更することができる。したがって、遊技者の意に反した操作であった場合や希望しない予告演出である場合に予告演出が続行されるのを防止することができる。
なお、変形例3に変形例1や変形例2を組み合わせてもよい。変形例1及び変形例2は、所定の予告演出が実行されるまでの制御であり、変形例3は、所定の予告演出が実行された後の制御である。双方を組み合わせることで、より正確に遊技者の操作意思を尊重した演出を提供することができ、遊技者の操作意欲の減退や操作に対応する演出への関心の低下を防止することができる。
(変形例4)
ここで、前述したようなボタン操作報知処理(図45、図48、図52、図55)は、操作有効時間内に1回の単一ボタン操作が操作態様として要求される場合に適用される。要求されるボタン操作が連打や長押しの場合に、操作態様に関係なく1回のタッチ操作や
ボタン操作で所定の予告演出が実行されては、操作態様の種類に意味がなくなり、遊技者の操作意欲の減退につながる可能性もある。
そこで、変形例4では、演出制御装置700は、要求されるボタン操作の操作態様に応じて、1〜複数回数のボタン操作に対応する連打ボタン操作報知処理(図58A、図58B)及び長押しに対応する長押しボタン操作報知処理(図60A、図60B、図60C)も実行可能に構成される。
まず、図58A、図58B及び図59を参照して、連打ボタン操作報知処理について説明する。図58A及び図58Bは、演出制御装置700によって実行される連打ボタン操作報知処理の手順を示すフローチャートである。
S5801では、演出制御装置700は、演出操作装置100の連打入力操作を受付可能なことを示す連打ボタン操作フラグがONであるか否かを判定する。
連打ボタン操作フラグがONでない場合には(S5801の結果「N」)、演出制御装置700は、S5802の処理を実行する。一方、連打ボタン操作フラグがONである場合には(S5801の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5805の処理を実行する。
S5802では、演出制御装置700は、連打操作有効時間が開始されたか否かを判定する。
連打操作有効時間が開始された場合には(S5802の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5803の処理を実行する。一方、連打操作有効時間でない場合には(S5802の結果「N」)、演出制御装置700は、連打ボタン操作報知処理を終了する。
S5803では、演出制御装置700は、演出操作装置100のボタン操作態様として連打するように報知する連打ボタン操作態様報知処理を実行する。ここでは、前述の図57(A)に示す報知画像以外にボタン操作の連続回数も表示装置36に表示される。
S5804では、演出制御装置700は、演出操作装置100のボタン操作を連打操作として受け付ける連打ボタン操作フラグをONに設定する。その後、連打ボタン操作報知処理を終了する。
S5805では、演出制御装置700は、ボタン操作の回数をカウントする連打ボタン操作カウンタが0であるか否かを判定する。
連打ボタン操作カウンタが0である場合には(S5805の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5806の処理を実行する。一方、連打ボタン操作カウンタが0でない場合には(S5805の結果「N」)、演出制御装置700は、S5810の処理を実行する。
S5806では、演出制御装置700は、演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作が検出されたか否かを判定する。
タッチ操作が検出されなかった場合には(S5806の結果「N」)、演出制御装置700は、連打ボタン操作報知処理を終了する。一方、タッチ操作が検出された場合には(S5806の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5807の処理を実行する。
S5807では、演出制御装置700は、連打ボタン操作カウンタを1加算してボタン操作回数を1回に更新する。
S5808では、演出制御装置700は、初回操作フラグをONに設定する。初回操作フラグは、1回目のボタン操作に対応する連打ボタン操作カウンタがタッチ操作により既に加算されていることを示す。
S5809では、演出制御装置700は、所定の予告演出を開始して、連打ボタン操作報知処理を終了する。
S5810では、演出制御装置700は、連打操作有効時間が終了したか否かを判定する。
連打操作有効時間が終了していない場合には(S5810の結果「N」)、演出制御装置700は、S5811の処理を実行する。一方、連打操作有効時間が終了した場合には(S5810の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5816の処理を実行する。
S5811では、演出制御装置700は、演出操作装置100の操作ボタン110に対するボタン操作が検出されたか否かを判定する。
ボタン操作が検出された場合には(S5811の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5812の処理を実行する。一方、ボタン操作が検出されなかった場合には(S5811の結果「N」)、演出制御装置700は、連打ボタン操作報知処理を終了する。
S5812では、演出制御装置700は、S5811の処理におけるボタン操作の検出がOFF状態からON状態に切り替わるタイミングの検出であったか否かを判定する。
OFFからONのタイミングのボタン操作の検出である場合には(S5812の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5813の処理を実行する。一方、OFFからONのタイミングのボタン操作の検出でない、すなわちON状態の継続におけるボタン操作の検出である場合には(S5812の結果「N」)、演出制御装置700は、連打ボタン操作報知処理を終了する。
S5813では、演出制御装置700は、初回操作フラグがONに設定されているか否かを判定する。
初回操作フラグがONである場合には(S5813の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5814の処理を実行する。一方、初回操作フラグがONでない、すなわちOFFである場合には(S5813の結果が「N」)、演出制御装置700は、S5815の処理を実行する。
S5814では、演出制御装置700は、初回操作フラグをOFFに設定する。今回のボタン操作は、1回目のボタン操作であり既にS5807の処理で連打ボタン操作カウンタが加算されているので、ここでは次回のボタン操作から加算されるように初回操作フラグをOFFに設定して、連打ボタン操作報知処理を終了する。
S5815では、演出制御装置700は、今回のボタン操作が2回目以降のボタン操作なので、連打ボタン操作カウンタを1加算更新する。その後、連打ボタン操作報知処理を終了する。
S5816では、演出制御装置700は、連打ボタン操作カウンタが所定値以上か否かを判定する。所定値とは、1回の連打操作有効時間内において遊技者に要求されるボタン操作の回数であり、S5803の処理で遊技者に報知されるボタン操作の回数である。
連打ボタン操作カウンタが所定値以上である場合には(S5816の結果「Y」)、演出制御装置700は、S5817の処理を実行する。一方、連打ボタン操作カウンタが所定値以上でない場合には(S5816の結果「N」)、演出制御装置700は、S5818の処理を実行する。
S5817では、演出制御装置700は、連打操作有効時間内に所定回数のボタン操作が実行されたので、実行中の予告演出の続行を決定する。
S5818では、演出制御装置700は、所定回数のボタン操作が実行されないまま連打操作有効時間が終了したので、実行中の予告演出を変更する。
S5819では、演出制御装置700は、初回操作フラグをOFFに設定する。前述のS5816の処理の結果「N」には、連打ボタン操作カウンタが1であって、タッチ操作の検出のみでボタン操作が一度も検出されなかった場合も含まれている。この場合にONとなっている初回操作フラグをOFFに戻すため、本処理が行われる。
S5820では、演出制御装置700は、連打ボタン操作態様報知処理を終了する。
S5821では、演出制御装置700は、連打ボタン操作カウンタを0にリセットする。
S5822では、演出制御装置700は、連打ボタン操作フラグをOFFに設定して、連打ボタン操作報知処理を終了する。
このように連打ボタン操作報知処理では、1回目のボタン操作をタッチ操作により検出し、2回目以降のボタン操作をボタン操作により検出している。そして、1回目のボタン操作が検出されたときに所定の予告演出を開始し、連打操作有効時間内に所定回数以上のボタン操作がされなかった場合には実行中の予告演出を変更する。
次に、連打ボタン操作報知処理について、図59に示すタイミングチャートを参照して、遊技者の動作手順とともに説明する。図59は、連打操作有効時間内に操作ボタン110に対するボタン操作が所定回数検出された場合のタイミングチャートである。
時刻t1で、遊技者による演出操作装置100の連打入力操作を受付可能とする連打操作有効時間が開始されると(S5802の結果「Y」)、表示装置36には、遊技者に操作ボタン110を押して所定回数(ここでは5回)のボタン操作を行うように促す報知画像と、操作有効時間とが表示される(S5803)。このときの連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「N」→S5802の結果「Y」→S5803→S5804の処理が実行される。
時刻t1〜時刻t2は、遊技者が操作ボタン110の操作態様を把握して実際に操作ボタン110の操作部120に触れるまでの時間である。このときの連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「Y」→S5806の結果「N」の処理が繰り返し実行される。
時刻t2で、遊技者が操作ボタン110に対するボタン操作を行うために操作部120
に手を置くと、演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作がON状態になる(S5806の結果「Y」)。
このとき、連打ボタン操作カウンタが有効(ON)になる。連打ボタン操作カウンタは1回の有効(ON)につき1が加算更新される。ここで、連打ボタン操作カウンタは初期値の0に設定されていたので(S5805の結果「Y」)、連打ボタン操作カウンタは1に設定される(S5807)。そして、初回のボタン操作を示す初回操作フラグがONに設定され(S5808)、さらに、所定の予告演出が開始される(S5809)。したがって、時刻t2における連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「Y」→S5806の結果「Y」→S5807→S5808→S5809の処理が実行される。
時刻t2〜時刻t3は、遊技者が操作部120を押下し始めて基板160の下面に設けられるフォトセンサ162が遮光状態(ON状態)になるまでの時間である。このときの連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「N」→S5810の結果「N」→S5811の結果「N」の処理が繰り返される。
時刻t3で、遊技者による操作部120の押し込みが最大になると、時刻t2で検出されたタッチ操作が継続された状態でボタン操作が検出される(S5811の結果「Y」)。このときのボタン操作はOFF状態からON状態が検出されるタイミング(S5812の結果「Y」)、かつ、1回目のボタン操作である(S5813の結果「Y」)。すでにタッチ操作検出時に連打ボタン操作カウンタは1に加算済みなので、ここでは連打ボタン操作カウンタが有効(ON)にならない。すなわち、連打ボタン操作カウンタは加算更新されない。そして、次回のボタン操作からは加算更新されるように、初回操作フラグがOFFに設定される(S5814)。したがって、時刻t3における連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「N」→S5810の結果「N」→S5811の結果「Y」→S5812の結果「Y」→S5813の結果「Y」→S5814の処理が実行される。
時刻t3〜時刻t4は、遊技者が操作部120を押し込み続けている時間、すなわちボタン操作が操作状態(ON)で維持される時間である。このときの連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「N」→S5810の結果「N」→S5811の結果「Y」→S5812の結果「N」の処理が繰り返される。
時刻t4で、遊技者が操作部120の押し込みを緩めると、ボタン操作が検出されなくなる。このときの連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「N」→S5810の結果「N」→S5811の結果「N」の処理が実行される。
時刻t4〜時刻t5は、遊技者が操作部120の押し込みを緩めて手を離すまでの時間であり、タッチ操作は検出されるがボタン操作は検出されない状態である。このときの連打ボタン操作報知処理は、時刻t4における処理と同じ処理が繰り返される。
時刻t5で、遊技者が操作部120から手を離すと、時刻t2から連続して検出されていたタッチ操作が検出されなくなる。したがってタッチ操作もボタン操作も検出されない状態である。このときの連打ボタン操作報知処理は、時刻t4における処理と同じ処理が繰り返される。
このように、遊技者が時刻t2で操作部120に手を置いて押下したのち時刻t5で手を離すまでの間で、時刻t3〜時刻t4の連続した操作部120の押下期間が、1回のボタン操作とされる。そして、初回のボタン操作では、時刻t3におけるボタン操作検出時
ではなく、時刻t2におけるタッチ操作検出時に連打ボタン操作カウンタが1カウントされる。
時刻t6〜時刻t9は、前述の時刻t2〜時刻t5と遊技者の動作は同じであるが、2回目のボタン操作に対する連打ボタン操作カウンタのカウント更新は、タッチ操作検出時ではなく、ボタン操作検出時となる。そして、連打ボタン操作報知処理では、1回タッチ操作を検出した後は、タッチ操作の有無を判定しない。したがって、時刻t6〜時刻t7の連打ボタン操作報知処理の処理が前述の対応する時刻t2〜時刻t3の処理とは異なる。
時刻t6における連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「N」→S5810の結果「N」→S5811の結果「N」の処理が実行される。すなわち、時刻t6では、連打ボタン操作カウンタのカウント加算は実行されない。
時刻t6〜時刻t7における連打ボタン操作報知処理は、時刻t6における処理と同じ処理が繰り返される。
時刻t7で2回目のボタン操作が検出されると(S5811の結果「Y」及びS5812の結果「Y」)、時刻t3における処理で初回フラグ操作がOFFに設定されていることから(S5813の結果「N」)、連打ボタン操作カウンタを1加算更新する(S5815)。したがって時刻t7における連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「N」→S5810の結果「N」→S5811の結果「Y」→S5812の結果「Y」→S5813の結果「N」→S5815の処理が実行される。
このように、2回目のボタン操作が連打ボタン操作カウンタに回数加算されるタイミングは、実際にボタン操作が検出された時刻t7となる。したがって時刻t7で、連打ボタン操作カウンタは2となる。
以後、時刻t6〜時刻t9における遊技者の動作及び連打ボタン操作報知処理の処理が3回繰り返され、時刻t10、時刻t11及び時刻t12のタイミングで連打ボタン操作カウンタが3、4、5と加算される。
時刻t13で、連打操作有効時間が終了する(S5810の結果「Y」)。遊技者によるボタン操作の回数が所定回数(ここでは5回)に到達しているので(S5816の結果「Y」)、時刻t2から実行中の予告演出は続行(ON状態が継続)される(S5817)。したがって時刻t13における連打ボタン操作報知処理は、S5801の結果「Y」→S5805の結果「N」→S5810の結果「Y」→S5816の結果「Y」→S5817→S5820→S5821→S5822の処理が実行される。
なお、図示は省略するが、時刻t13で、遊技者によるボタン操作の回数が所定回数に到達していない場合には(S5816の結果「N」)、実行中の予告演出は変更されてOFF状態に切り替わる(S5818)。
このように、遊技者に要求されるボタン操作の操作態様が連打の場合に、本来所定回数(5回)到達しないと実行されない予告演出が、最初のタッチ操作検出時に実行されるので、時刻t2と時刻t12との時間差分、早く予告演出を遊技者に提供することができる。遊技者の操作開始とともに予告演出が実行されるので、遊技者は報知された操作に対してどのような演出が得られるのかを確認することができる。そして、演出の続行もしくは変更を遊技者自身が選択できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前述の連打ボタン操作報知処理では、連打ボタン操作カウンタが2回以降となる場合は、タッチ操作の検出ではなく、ボタン操作の検出を契機に加算更新が実行される。これにより、常に操作ボタン110の操作部120に手を載せているような遊技者、つまりはタッチ操作が断続的に検出されるのではなく連続して検出された状態でボタン操作の操作状態(ON状態)と非操作状態(OFF状態)を繰り返す遊技者に対しても、正確にボタン操作回数をカウントすることが可能である。
なお、前述の連打ボタン操作報知処理では、1回目のボタン操作に連動するタッチ操作検出時に所定の予告演出を開始するようにしたが、所定回数−1回(ここでは4回)のボタン操作後の新たなタッチ操作検出時に所定の予告演出を開始するようにしてもよい。ボタン操作が所定回数(5回)に到達すると予測されるときの遊技者の動作(タッチ操作)に対して、所定の予告演出を反応させる(実行する)ので、遊技者に所定回数の連打と引き換えに予告演出を獲得する達成感を与えることができる。
また、連打ボタン操作カウンタのカウントは、タッチパネル150に対するタッチ操作の検出を用いることなく、操作ボタン110に対するボタン操作の検出のみを用いてもよい。
続いて、図60A、図60B、図60C及び図61を参照して、長押しボタン操作報知処理について説明する。図60A、図60B及び図60Cは、演出制御装置700によって実行される長押しボタン操作報知処理の手順を示すフローチャートである。
S6001では、演出制御装置700は、演出操作装置100の長押し入力操作を受付可能なことを示す長押しボタン操作フラグがONであるか否かを判定する。
長押しボタン操作フラグがONでない場合には(S6001の結果「N」)、演出制御装置700は、S6002の処理を実行する。一方、長押しボタン操作フラグがONである場合には(S6001の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6005の処理を実行する。
S6002では、演出制御装置700は、長押し操作有効時間が開始されたか否かを判定する。
長押し操作有効時間が開始された場合には(S6002の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6003の処理を実行する。一方、長押し操作有効時間でない場合には(S6002の結果「N」)、演出制御装置700は、長押しボタン操作報知処理を終了する。
S6003では、演出制御装置700は、演出操作装置100のボタン操作態様として長押しするように報知する長押しボタン操作態様報知処理を実行する。ここでは、前述の図57(A)に示す報知画像以外にボタン操作の操作状態(ON状態)を継続させる所定時間も表示装置36に表示される。
S6004では、演出制御装置700は、演出操作装置100のボタン操作を長押し操作として受け付ける長押しボタン操作フラグをONに設定する。その後、長押し操作報知処理を終了する。
S6005では、演出制御装置700は、ボタン操作の長押し時間をカウントする長押しカウンタが0であるか否かを判定する。
長押しカウンタが0である場合には(S6005の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6006の処理を実行する。一方、長押しカウンタが0でない場合には(S6005の結果「N」)、演出制御装置700は、S6010の処理を実行する。
S6006では、演出制御装置700は、演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作が検出されたか否かを判定する。
タッチ操作が検出されなかった場合には(S6006の結果「N」)、演出制御装置700は、長押しボタン操作報知処理を終了する。一方、タッチ操作が検出された場合には(S6006の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6007の処理を実行する。
S6007では、演出制御装置700は、長押しカウンタのカウントを開始する。ここで、長押しカウンタには、演出制御装置700に備えられるRTC(Real Time Clock)
等の計時手段を用いて開始からの経過時間がカウントされる。
S6008では、演出制御装置700は、初回操作フラグをONに設定する。初回操作フラグは、タッチ操作検出から最初のボタン操作検出までの間、長押しカウンタのカウントを継続させるために必要なフラグである。初回操作フラグがONに設定されることで、操作ボタン110が押下状態、すなわち遊技者がボタンを押している最中であることを示す。
S6009では、演出制御装置700は、所定の予告演出を開始して、長押しボタン操作報知処理を終了する。
S6010では、演出制御装置700は、長押し操作有効時間が終了したか否かを判定する。
長押し操作有効時間が終了していない場合には(S6010の結果「N」)、演出制御装置700は、S6011の処理を実行する。一方、長押し操作有効時間が終了した場合には(S6010の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6012の処理を実行する。
S6011では、演出制御装置700は、演出操作装置100の操作ボタン110に対するボタン操作の操作状態に応じて長押しカウンタの動作を設定するボタン操作検出処理を実行する。
ここで、図60Cを参照して、ボタン操作検出処理について説明する。
S6020では、演出制御装置700は、ボタン操作の操作状態に応じて処理を分岐させる。ボタン操作の操作状態にはON状態とOFF状態との2パターンがあるが、ここでのボタン操作の操作状態は、前回の操作状態からの状態変移を踏まえて、(1)OFF状態からOFF状態の継続、(2)OFF状態からON状態の切り替わり、(3)ON状態からON状態の継続、及び(4)ON状態からOFF状態の切り替わりの4パターンに判別される。そして、演出制御装置700は、各操作状態に応じた処理を実行する。
まず、(1)ボタン操作の操作状態がOFF状態からの継続でOFF状態である場合には、S6021で、演出制御装置700は、初回操作フラグがONであるか否かを判定する。ここで、初回操作フラグがONである状態とは、S6006の処理でタッチ操作は検出されているが、ボタン操作は検出されていない状態である。
初回操作フラグがONである場合には(S6021の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6022の処理を実行する。一方、初回操作フラグがONでない場合には(S6021の結果「N」)、演出制御装置700は、ボタン操作検出処理を終了し、さらに長押しボタン操作報知処理を終了する。
S6022では、演出制御装置700は、S6006の処理でタッチ操作が検出されてから(初回操作フラグがONに設定されてから)所定時間が経過したか否かを判定する。
所定時間が経過した場合には(S6022の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6023の処理を実行する。一方、所定時間が経過していない場合には(S6022の結果「N」)、演出制御装置700は、ボタン操作検出処理を終了し、さらに長押しボタン操作報知処理を終了する。
S6023では、演出制御装置700は、S6007の処理で開始された長押しカウンタのカウントを0にリセットする。
S6024では、演出制御装置700は、S6009の処理で実行開始された所定の予告演出を変更する。予告演出開始前の演出に戻してもよい。
S6025では、演出制御装置700は、S6008の処理でONに設定された初回操作フラグをOFFに設定する。その後、ボタン操作検出処理を終了し、さらに長押しボタン操作報知処理を終了する。
このように、S6006の処理でタッチ操作が検出された後、ボタン操作が所定時間検出されない場合には、タッチ操作の検出を契機に開始された所定の予告演出が終了され、長押しカウンタのカウントがリセットされる。
次に、(2)ボタン操作の操作状態がOFF状態からON状態に切り替わった場合には、S6026で、演出制御装置700は、初回操作フラグがONか否かを判定する。初回操作フラグがONである場合には、S6006の処理でタッチ操作が検出されてから最初のボタン操作が検出された状態である。また、初回操作フラグがOFFである場合には、2回目以降のボタン操作が検出された状態である。
初回操作フラグがONである場合には(S6026の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6027の処理を実行する。一方、初回操作フラグがONでない場合には(S6026の結果「N」)、演出制御装置700は、S6028の処理を実行する。
S6027では、演出制御装置700は、初回操作フラグをOFFに設定する。そして、ボタン操作検出処理を終了し、さらに長押しボタン操作報知処理を終了する。
S6028では、演出制御装置700は、長押しカウンタのカウントを再開する。ここでは、初回操作フラグがOFFで、ボタン操作の操作状態がOFF状態からON状態に切り替わっているので、停止していた長押しカウンタのカウントを再開する。そして、ボタン操作検出処理を終了し、さらに長押しボタン操作報知処理を終了する。
続いて、(3)ボタン操作の操作状態がON状態からの継続でON状態である場合には、演出制御装置は、処理を実行することなく、ボタン操作検出処理を終了し、さらに長押しボタン操作報知処理を終了する。このとき、タッチ操作の検出を契機に開始された所定の予告演出及び長押しカウンタのカウントは継続されている。
最後に、(4)ボタン操作の操作状態がON状態からOFF状態に切り替わった場合には、S6029の処理で、演出制御装置700は、S6007の処理で開始された長押しカウンタのカウントを停止する。その後、ボタン操作検出処理を終了し、さらに長押しボタン操作報知処理を終了する。
このように、S6006の処理でタッチ操作が検出された後、所定時間以内に最初にボタン操作が検出されるまで初回操作フラグがONに設定されるので、ボタン操作が検出されていない状態でも(S6020→S6021の結果「Y」→S6022の結果「N」)、タッチ操作の検出を契機に開始された所定の予告演出及び長押しカウンタのカウントが継続される。そして、所定時間以内にボタン操作が検出されると、初回操作フラグがOFFに設定されるので、以後、ボタン操作が検出されなくなった場合には、長押しカウンタのカウントが停止される。これにより、長押しカウンタは、遊技者が操作ボタン110のタッチ操作を始めてからボタン操作を止める(押下の手を緩める)までの時間を計ることができる。
また、長押し操作有効時間内に再び遊技者が操作ボタン110のボタン操作を行う等して、2回目のボタン操作が検出された場合には、停止していた長押しカウンタのカウントが再開される。すなわち、長押しカウンタに、1回目のボタン操作時間(タッチ操作検出〜ボタン操作の検出終了までの時間)だけでなく、さらに2回目のボタン操作時間(ボタン操作の検出時間)が加算される。ここでは、長押し操作有効時間内であれば、ボタン操作が複数回に亘っても、ボタン操作が検出されている間は長押しカウンタがカウントされる。
図60Bに戻って、S6010の処理で長押し操作有効時間が終了したと判定された場合について、説明する。
S6012の処理では、演出制御装置700は、長押しカウンタが所定値以上か否かを判定する。所定値とは、1回の長押し操作有効時間内において遊技者に要求されるボタン操作の連続操作時間であり、S6003の処理で遊技者に報知されるボタン操作の操作状態(ON状態)を継続させる所定時間である。
長押しカウンタが所定値以上である場合には(S6012の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6013の処理を実行する。一方、長押しカウンタが所定値以上でない場合には(S6012の結果「N」)、演出制御装置700は、S6014の処理を実行する。
S6013では、演出制御装置700は、長押し操作有効時間内に所定時間の長押しボタン操作が実行されたので、実行中の予告演出の続行を決定し、S6015の処理を実行する。
S6014では、演出制御装置700は、所定時間の長押しボタン操作が実行されないまま長押し操作有効時間が終了したので、実行中の予告演出を変更し、S6015の処理を実行する。
S6015では、演出制御装置700は、長押しボタン操作態様報知処理を終了する。
S6016では、演出制御装置700は、長押しカウンタを0にリセットする。
S6017では、演出制御装置700は、長押しボタン操作フラグをOFFに設定して、長押しボタン操作報知処理を終了する。
このように長押しボタン操作報知処理では、演出制御装置700は、ボタン操作をタッチ操作により検出した時点から長押しカウンタのカウントを開始し、ボタン操作が検出され続ける間、長押しカウンタのカウントを継続する。そして、タッチ操作が検出されたときに所定の予告演出を開始し、長押し操作有効時間内に所定時間以上のボタン操作の長押しが実行されなかった場合には実行中の予告演出を変更する。
次に、長押しボタン操作報知処理について、図61に示すタイミングチャートを参照して、遊技者の動作手順とともに説明する。図61は、操作有効時間内に操作ボタン110のボタン操作が所定時間連続して検出された場合のタイミングチャートである。
時刻t1で、遊技者による演出操作装置100の長押し入力操作を受付可能とする長押し操作有効時間が開始されると(S6002の結果「Y」)、表示装置36には、遊技者に操作ボタン110を押し続けて所定時間の長押しを行うように促す報知画像と、操作有効時間とが表示される(S6003)。このときの長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「N」→S6002の結果「Y」→S6003→S6004の処理が実行される。
時刻t1〜時刻t2は、遊技者が操作ボタン110の操作態様を把握して実際に操作ボタン110の操作部120に触れるまでの時間である。このときの長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「Y」→S6006の結果「N」の処理が繰り返し実行される。
時刻t2で、遊技者が操作ボタン110に対するボタン操作を行うために操作部120に手を置くと、演出操作装置100のタッチパネル150に対するタッチ操作がON状態になる(S6006の結果「Y」)。
ここで、長押しカウンタは初期値の0に設定されているので(S6005の結果「Y」)、長押しカウンタのカウントが開始(ON)される(S6007)。また、操作部120の押下が始まるので、初回操作フラグがONに設定される(S6008)。さらに、所定の予告演出が開始される(S6009)。したがって、時刻t2における長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「Y」→S6006の結果「Y」→S6007→S6008→S6009の処理が実行される。
時刻t2〜時刻t3は、遊技者が操作部120を押下し始めて基板160の下面に設けられるフォトセンサ162が遮光状態(ON状態)になるまでの時間である。このときの長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「N」→S6010の結果「N」→S6020の結果(1)に分岐→S6021の結果「Y」→S6022の結果「N」の処理が繰り返される。
時刻t3で、遊技者が操作部120を押し込んで、フォトセンサ162が遮光状態になると、時刻t2で検出されたタッチ操作が継続された状態でボタン操作が検出される(S6020の結果(2)に分岐)。そして、ボタン操作が検出されたので、初回操作フラグがOFFに設定される(S6027)。したがって、時刻t3における長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「N」→S6010の結果「N」→S6020の結果(2)に分岐→S6026の結果「Y」→S6027の処理が実行される。
時刻t3〜時刻t4は、遊技者が操作部120を押し込み続けている時間、すなわちボタン操作が操作状態(ON)に維持される時間である。このときの長押しボタン操作報知
処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「N」→S6010の結果「N」→S6020の結果(3)に分岐の処理が繰り返される。
時刻t4で、遊技者が操作部120の押し込みを緩めると、ボタン操作が非操作状態(OFF状態)となるので(S6020の結果(4)に分岐)、時刻t2のタッチ操作検出時からカウントしてきた長押しカウンタのカウントが停止される(S6029)。したがって時刻t4における長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「N」→S6010の結果「N」→S6020の結果(4)に分岐→S6029の処理が実行される。
時刻t4〜時刻t5は、遊技者が操作部120の押し込みを緩めて手を離すまでの時間であり、タッチ操作は検出されるがボタン操作は検出されない状態である。また、ボタン操作が検出された後なので、初回操作フラグはOFFである。このときの長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「N」→S6010の結果「N」→S6020の結果(1)に分岐→S6021の結果「N」の処理が繰り返される。
時刻t5で、遊技者が操作部120から手を離すと、時刻t2から連続して検出されていたタッチ操作が検出されなくなる。このときの長押しボタン操作報知処理は、時刻t4〜時刻t5までの処理と同じ処理が実行され、次に遊技者が操作部120を操作してボタン操作が検出されるまで同じ処理が繰り返される。
このように、時刻t2で遊技者が操作部120に手を置いて押下したのち時刻t5で手を離すまでの間で、時刻t3〜時刻t4の連続した操作部120の押下期間が、1回のボタン操作となるが、ボタン操作の長押し時間としては時刻t2〜時刻t4の経過時間がカウントされる。ここで、時刻t2〜時刻t4の時間は、S6003の処理で遊技者に報知された所定時間(所定値)以上とする。
時刻t6で、長押し操作有効時間が終了する(S6010の結果「Y」)。ここで、長押しカウンタは所定値以上であるので(S6012の結果「Y」)、時刻t2から実行中の予告演出は続行(ON状態が継続)される(S6013)。このときの長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「N」→S6010の結果「Y」→S6012の結果「Y」→S6013の処理が実行される。
なお、図示は省略するが、時刻t6で、長押しカウンタが所定値未満である場合(S6012の結果「N」)は、実行中の予告演出は変更されてOFF状態に切り替わる(S6014)。
また、図示は省略するが、時刻t6に到達する前に、遊技者が再び操作部120を押下して2回目のボタン操作を行った場合には、タッチ操作の検出判定は行われず(S6005の結果「N」)、2回目最初のボタン操作が検出されると長押しカウンタのカウントが再開される(S6028)。したがって、このときの長押しボタン操作報知処理は、S6001の結果「Y」→S6005の結果「N」→S6010の結果「N」→S6020の結果(2)に分岐→S6026の結果「N」→S6028の処理が実行される。そして、2回目のボタン操作の検出が終了すると(S6020の結果(4)に分岐)、再び長押しカウンタのカウントが停止される(S6029)。その後、前述の時刻t4〜時刻t5における処理と同じ処理が時刻t6まで繰り返される。
このように、遊技者に要求されるボタン操作の操作態様が長押しの場合に、ボタン操作の長押し時間(長押しカウンタ)は、タッチ操作が検出された時点から計測される。ここで、遊技者は押す意思をもって操作ボタン110を操作するので、操作ボタン110の操
作部120に遊技者の触れた時点で遊技者にとってのボタン操作は始まっている。したがって、タッチ操作が検出されたとき、すなわち遊技者が操作部120に触れた時点から長押しカウンタを始動させることで、遊技者の操作意思と計測される長押し時間とを一致させることができる。よって、遊技者の操作感覚に応じた制御を提供することができる。
また、遊技者が操作ボタン110を押下しているつもりでも、例えば途中で押下する手を緩めてしまったりしてボタン操作の検出が途切れてしまう場合がある。このような場合であっても、再度ボタン操作が検出されると長押しカウンタのカウントが再開され、これまでの長押しカウンタに加算される。したがって、遊技者の操作意思に沿った長押し時間を継続して計測することができるので、遊技者の操作感覚に応じた制御を提供することができる。
また、遊技者が誤って操作ボタン110に触れてしまった場合には、所定時間押下しなければ(タッチ操作が検出されてから所定時間内にボタン操作が検出されなければ)、長押しカウンタはリセットされ、タッチ操作の検出を契機に開始された予告演出も変更されてタッチ操作前の初期状態に戻る。したがって、遊技者の操作意思を尊重した制御を提供することができる。
〔演出操作装置を用いた遊技演出2〕
まず、図62〜図64を参照して、演出操作装置100を用いた遊技演出2について説明する。遊技演出2は、遊技者に演出操作装置100のタッチパネル150の操作を要求する場合の演出である。
図62は、演出制御装置700によって実行されるタッチ操作報知処理の手順を示すフローチャートである。図63(A)〜図63(C)は、演出操作装置100を用いた遊技演出2の一例を示す図である。図64(A)及び図64(B)は、演出操作装置100を用いた遊技演出2の別例を示す図である。
図62に示すタッチ操作報知処理は、特図変動表示ゲームの開始時に所定の確率で実行される。タッチ操作報知処理は、演出制御装置700が実行する1stメイン処理における演出ボタン入力処理(図22のS2209)で実行される処理である。
S6201では、演出制御装置700は、演出操作装置100の操作態様を報知する操作態様報知処理を実行する。
この処理において、演出制御装置700は、演出操作装置100のタッチパネル150に対する入力操作を促す報知画像を表示装置36に表示させる。また、演出制御装置700は、タッチパネル150の操作方向を報知するように基板160のLED161の発光態様を制御する。演出制御装置700は、タッチパネル150の操作態様に関する報知画像を表示装置36に表示させる画像表示手段、及びタッチパネル150の操作方向を報知するようにLED161の発光態様を制御する発光制御手段を構成している。このように、タッチパネル150に対する入力操作を促す報知画像を表示装置36に表示するとともに、タッチパネル150の操作方向を報知するようにLED161の発光態様を制御することで、タッチパネル150の操作方法が分りやすくなる。
S6202では、演出制御装置700は、操作態様報知処理で報知したようにパネル操作が実行されたか否かを判定する。
報知通りパネル操作が実行されなかった場合には(S6202の結果「N」)、演出制御装置700は、S6203の処理を実行せずに、タッチ操作報知処理を終了する。一方
、報知通りパネル操作が実行された場合には(S6202の結果「Y」)、演出制御装置700は、S6203の処理を実行する。
S6203では、演出制御装置700は、表示装置36において所定の予告表示演出を実行し、タッチ操作報知処理を終了する。
この予告表示演出では、特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性に応じた予告画像や、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる可能性に応じた予告画像が表示装置36に表示される。
図63(A)〜図63(C)を参照して、タッチ操作報知処理の一例を説明する。
図63(A)に示すように、特図変動表示ゲームの開始時に所定の確率で、タッチ操作報知処理が実行される。表示装置36には、タッチパネル150に対する入力操作を促す報知画像として、「なぞれ」の文字と、パネル操作の操作方向を示す矢印とが表示される。
この時、演出操作装置100の基板160のLED161は、図63(B)に示すようにタッチパネル150の操作方向を報知するように発光する。例えば、遊技者が操作ボタン110の操作部120を図中左下から右上に沿ってなぞるパネル操作を実行する必要がある場合には、左下に位置するLED161、中央に位置するLED161、右上に位置するLED161が順番に点滅して、パネル操作方向が報知される。
そして、遊技者が報知通りにパネル操作を実行した場合には、図63(C)に示すように、今回の特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性が高いことを予告する予告画像が表示装置36に表示される。
図64(A)及び図64(B)を参照して、タッチ操作報知処理の別例を説明する。
図64(A)に示すように、特図変動表示ゲームの開始時に所定の確率で、タッチ操作報知処理が実行される。表示装置36には、タッチパネル150に対する入力操作を促す報知画像として、操作ボタン110の操作部120を模した画像と、当該画像の中央位置に「PUSH」の文字が表示される。そして、遊技者が操作ボタン110の操作部120の中央位置をタッチするように、中央に位置するLED161が点灯する。
図64(B)に示すように、遊技者が、報知通りにパネル操作を実行して、操作部120を介してタッチパネル150の中央部分をタッチした場合には、今回の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる可能性が高いことを予告する予告画像(「どーん!」の文字)が表示装置36に表示される。
次に、図65及び図66を参照して、演出操作装置100を用いた遊技演出2の別例について説明する。
図65は、演出制御装置700によって実行されるタッチ操作報知処理の変形例の手順を示すフローチャートである。図66(A)〜図66(D)は、演出操作装置100を用いた遊技演出2の一例を示す図である。なお、図65のタッチ操作報知処理のS6201〜S6203の処理は、図62のタッチ操作報知処理のS6201〜S6203の処理と同じ処理である。
図65に示すように、演出制御装置700は、S6202においてパネル操作が報知通
りに実行されたか否かを判定する。そして、報知通りにパネル操作が実行された場合には(S6202の結果「Y」)、演出制御装置700はS6204の処理を実行する。
S6204では、演出制御装置700は、パネル操作時に操作ボタン110を押し込むようなボタン操作があったか否かを判定する。つまり、演出制御装置700は、遊技者がパネル操作とボタン操作とを同時に行ったか否かを判定する。
パネル操作時に操作ボタン110を押し込んでおらず、操作ボタン110のボタン操作状態がオフ(OFF)である場合には(S6204の結果「N」)、演出制御装置700はS6203において所定の予告表示演出を実行し、タッチ操作報知処理を終了する。予告表示演出では、特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性に応じた予告画像や、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる可能性に応じた予告画像が表示装置36に表示される。
一方、報知通りにパネル操作が実行されなかった場合(S6202の結果「N」)、又はパネル操作時に操作ボタン110を押し込んでボタン操作状態がオン(ON)となった場合には(S6204の結果「Y」)、演出制御装置700はS6205の処理を実行し、タッチ操作報知処理を終了する。S6205では、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームにおいて変動している3つの識別情報をはずれ図柄で仮停止させる。
図66(A)〜図66(D)を参照して、図65で示したタッチ操作報知処理の一例を説明する。
図66(A)に示すように、特図変動表示ゲームの開始時に所定の確率で、タッチ操作報知処理が実行される。表示装置36には、タッチパネル150のみの操作を促す「そーっと」の文字と、パネル操作の操作方向を示す矢印とが表示される。この時、円環状に配列されている8個のLED161が順番に点滅して、操作ボタン110の操作部120を円弧状になぞるパネル操作を実行する必要があることを遊技者に報知する。
そして、遊技者がボタン操作することなく、報知通りにパネル操作を実行した場合には、図66(B)に示すように、今回の特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性が高いことを予告する予告画像が表示装置36に表示される。
これに対して、図66(C)に示すように、遊技者がパネル操作時に操作ボタン110を押し込んでしまいボタン操作状態がオンになると、図66(B)に示すように変動中の3つの識別情報がはずれ図柄態様で仮停止する。この後、はずれ図柄態様のまま本停止してはずれを確定してもよいし、3つの識別情報を再変動させて特図変動表示ゲームを再開してもよい。
〔演出操作装置を用いた遊技演出3〕
次に、図67〜図80を参照して、演出操作装置100を用いた遊技演出3について説明する。前述の図62〜図66では、特図変動表示ゲームが開始すると所定の確率で演出操作装置100のタッチパネル150に対する入力操作が有効となり、報知通りのパネル操作によって表示装置36において所定の予告表示演出が実行され、別例としてさらに操作ボタン110のボタン操作があった場合には変動中の識別情報がはずれ図柄で仮停止する演出が実行される。図67〜図80では、演出操作装置100のタッチパネル150に対する入力操作によって遊技の予告画像を含む複数の遊技情報の表示演出が実行され、その入力操作の操作態様に応じて表示装置36に表示される遊技情報を選択可能とする。
まず、図67を参照して、遊技演出3の概要を説明する。図67(A)及び図67(B
)は演出操作装置100を用いた遊技演出3によって表示装置36に表示される情報表示レイヤ及び表示される遊技情報の一例を示す図である。
図67(A)に示すように、表示装置36には、表示画面の周縁(ここでは上下左右)に情報表示レイヤ36a〜36dが仮想配置されている。上情報表示レイヤ36aには大当り履歴情報が表示され、左情報表示レイヤ36bには特図変動表示ゲームでリーチが形成される可能性や大当りとなる可能性に応じた予告情報が表示され、下情報表示レイヤ36cには特図変動表示ゲームにおいて図柄が3個消灯するとチャンスである等のゲーム説明が表示され、右情報表示レイヤ36dには特図変動表示ゲームにおける動画やキャラクタ等の演出画像が表示される。
そして、演出操作装置100のタッチパネル150に対するパネル入力操作が有効な操作態様であれば、その操作態様に応じて表示装置36に対応する情報表示レイヤが表示される。具体的には、例えば遊技者が有効な操作態様の一つとしてタッチパネル150を上から下に素早くなぞる操作(フリック操作)をした場合、表示装置36には、表示画面の上方から情報表示レイヤ36aが表示される。
このように遊技者がタッチパネル150をフリック操作する操作方向(操作態様)に応じて表示装置36に表示される情報表示レイヤが変化する。そして、各情報表示レイヤ36a〜36dにはそれぞれ異なる遊技情報が表示されるので、遊技者は演出操作装置100を操作することで知りたい情報を選ぶことができる。
なお、情報表示レイヤに表示される情報の中には遊技状態によって表示不可能なものもあるので、このような場合は情報表示レイヤを非表示にする。具体的には、図67(B)に示すように、左情報表示レイヤ36b及び右情報表示レイヤ36dに表示される情報は特図変動表示ゲームの演出に係る予告情報及び演出画像なので、遊技状態がデモ中の場合には表示されない。また、遊技状態に応じて情報表示レイヤに表示される情報の表示態様を変更することも可能で、遊技者に現在の遊技に集中して欲しい遊技状態(電サポ中や変動中)では、情報表示レイヤに表示される情報に応じて表示装置36における表示態様を変える。そして表示される情報が現在の遊技と関係ないものであれば、情報表示レイヤを半透明にしたり表示の濃淡を切り替えたりする。ここでは、遊技状態が変動中の場合に上情報表示レイヤ36a(大当り履歴情報)及び下情報表示レイヤ36c(ゲーム説明表示)は一旦通常表示されたのち半透明で表示される。同様に、遊技状態が電サポ中の場合に下情報表示レイヤ36cは一旦通常表示されたのち半透明で表示される。また、遊技状態が電サポ中の場合には上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報の表示種類を変更する。詳細については、図70にて後述する。
図68は、演出制御装置700によって実行される操作演出報知処理の手順を示すフローチャートである。操作演出報知処理は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される処理である。
S6801では、演出制御装置700は、遊技者に演出操作装置100の操作方法と操作によって取得できる情報とを報知する報知条件が成立したか否かを判定する。報知条件は、遊技者が入れ替わって最初のデモ画面である場合やシーン変更により表示装置36の表示画面が切り替わる場合などに成立する。そして、演出制御装置700は、報知条件が成立したら(S6801の結果が「Y」)、S6802の処理を実行する。
S6802では、演出制御装置700は、表示装置36において演出操作装置100の操作方法及び操作によって取得できる情報を報知する(S6802)。その後、操作演出報知処理を終了する。具体的な報知画面については、図73にて後述する。
一方、演出制御装置700は、報知条件が成立しない場合には(S6801の結果が「N」)、何もせず操作演出報知処理を終了する。
図69は、演出制御装置700によって実行される有効操作報知処理の手順を示すフローチャートである。有効操作報知処理は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710が実行する1stメイン処理における演出ボタン入力処理(図22のS2209)で実行される処理である。
S6901では、演出制御装置700は、遊技演出3における演出操作装置100の操作入力が有効である操作有効時間中であるか否かを判定する。ここで、操作入力が有効となるタイミングは、遊技開始から所定間隔毎に訪れるよう設定される。さらに所定の確率で有効となるタイミングが設定されてもよい。
演出制御装置700は、操作有効時間中である場合には(S6901の結果が「Y」)、S6902の処理を実行する。S6902では、表示装置36において、遊技者に有効となる演出操作装置100の操作態様を報知する。具体的な操作態様報知画面については、図74にて後述する。
次に、S6903では、演出制御装置700は、報知通り有効な操作態様で演出操作装置100が操作されたか否かを判定する。そして、報知通り有効な操作態様で操作された場合には(S6903の結果が「Y」)、S6904及びS6905の処理を実行する。
一方、操作有効時間中でない場合(S6901の結果が「N」)や操作有効時間中であっても有効な操作がなかった場合(S6903の結果が「N」)には、演出制御装置700は、S6906の処理を実行する。
S6904では、演出制御装置700は、遊技者の操作に対応する情報表示レイヤの表示態様を遊技状態に応じて設定する情報表示レイヤ制限処理を実行する。なお、情報表示レイヤ制限処理の詳細については、図70にて後述する。
続いてS6905では、演出制御装置700は、遊技者の操作に対応する情報表示レイヤを表示装置36に表示する情報表示レイヤ表示処理を実行する。なお、情報表示レイヤ表示処理の詳細については、図71にて後述する。
S6906では、演出制御装置700は、遊技演出3における演出操作装置100の操作入力が有効である操作有効時間が終了したか否かを判定する。操作有効時間は予め所定時間が設定されている。そして、操作有効時間が終了した場合には(S6906の結果が「Y」)、S6907の処理を実行する。S6907では、演出制御装置700は、表示装置36における演出操作装置100の有効操作態様の報知を止める。その後、有効操作報知処理を終了する。
一方、操作有効時間が終了していない場合には(S6906の結果が「N」)、演出制御装置700は、何もせず有効操作報知処理を終了する。
図70は、演出制御装置700によって実行される有効操作報知処理(図69)の情報表示レイヤ制限処理(S6904)の手順を示すフローチャートである。情報表示レイヤ制限処理では、情報表示レイヤの表示態様が設定される。
S7001では、演出制御装置700は、まず、有効となった演出操作装置100の操
作態様に対応する情報表示レイヤの表示態様を通常表示に設定する。そして、次のS7002では、現在の遊技状態が大当り中であるか否かを判定し、大当り中である場合には(S7002の結果が「Y」)、どの情報表示レイヤも通常通りの表示なので表示態様の変更をしないまま情報表示レイヤ制限処理を終了する。
一方、遊技状態が大当り中でない場合には(S7002の結果が「N」)、演出制御装置700は、S7003の処理で遊技状態がデモ中であるか否かを判定する。そして、遊技状態がデモ中である場合には(S7003の結果が「Y」)、S7004の処理を実行する。S7004では、演出制御装置700は、前述の図67(B)に示すように左情報表示レイヤ36b及び右情報表示レイヤ36dの表示態様を無効(非表示)に設定し、その後情報表示レイヤ制限処理を終了する。
また、遊技状態がデモ中でない場合には(S7003の結果が「N」)、演出制御装置700は、S7005の処理で遊技状態が電サポ(普電サポート)中であるか否かを判定する。そして、遊技状態が電サポ中である場合には(S7005の結果が「Y」)、S7006の処理を実行する。S7006では、演出制御装置700は、前述の図67(B)に示すように下情報表示レイヤ36cの表示態様を半透明に設定し、その後情報表示レイヤ制限処理を終了する。
また、遊技状態が電サポ中でない場合、すなわち通常の変動中である場合には(S7005の結果が「N」)、演出制御装置700は、S7007の処理で前述の図67(B)に示すように下情報表示レイヤ36cの表示態様を半透明に設定し、その後情報表示レイヤ制限処理を終了する。
このように遊技状態に対して表示情報が重要か否かに応じて情報表示レイヤの表示態様を規制制御することで、表示装置36の表示画面に本来表示されている内容を遊技者が見逃してしまうのを防止することができる。また、遊技者に重要度を暗に報知することで、遊技に集中させることができる。
図71は、演出制御装置700によって実行される有効操作報知処理(図69)の情報表示レイヤ表示処理(S6905)の手順を示すフローチャートである。情報表示レイヤ表示処理では、遊技状態に応じて大当り履歴情報に変更が加えられ、対応する情報表示レイヤの表示が実行される。
S7101では、演出制御装置700は、まず、遊技状態が電サポ中であるか否かを判定する。そして、電サポ中である場合には(S7101の結果が「Y」)、S7102の処理を実行する。S7102では、演出制御装置700は、上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報に連チャン回数情報を含めるよう設定し、S7103の処理を実行する。一方、電サポ中でない場合には(S7101の結果が「N」)、そのままS7103の処理を実行する。
S7103では、演出制御装置700は、前回の当りが「小当り」もしくは「突確」であったか否かを判定し、どちらかであった場合には(S7103の結果が「Y」)、S7104の処理を実行する。S7104〜S7108の処理では、前回の当りの種類(「小当り」もしくは「突確」)を大当り履歴情報に含めるか否か、すなわち遊技者に現在の遊技状態が潜伏確変状態であるか否かを報知する抽選が行われる。
S7104では、演出制御装置700は、表示実行抽選テーブル(図72)を準備し、抽選用乱数をロードする。次に、S7105及びS7106で抽選処理を実行し、ロードした乱数が当選したが否かを判定する。
ここで、図72は、情報表示レイヤ表示処理で用いられる表示実行抽選テーブルを示す図である。表示実行抽選乱数が0〜200まで用意されており、ロードされた乱数が0〜100の場合は「当選」となる。また、ロードされた乱数が101〜200の場合は「非当選」となる。ここでは、約50%の確率で「当選」となる。「当選」の場合は前回の当り情報(「小当り」もしくは「突確」)を報知可能とし、「非当選」の場合は前回の当り情報を報知不可能とする。
図71に戻って、抽選結果が「当選」である場合には(S7106の結果が「Y」)、演出制御装置700は、S7107の処理を実行する。S7107では、演出制御装置700は、上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報に前回の当り種類情報を含めるよう設定する。
一方、抽選結果が「非当選」である場合には(S7106の結果が「N」)、演出制御装置700は、S7108の処理を実行する。S7108では、上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報に前回の当り種類情報を含めないよう設定する。
前回の当りが「小当り」もしくは「突確」でない場合(S7103の結果が「N」)、前述のS7107又はS7108の処理を実行した後は、演出制御装置700はS7109の処理を実行する。S7109では、演出制御装置700は、演出操作装置100の操作に対応する情報表示レイヤを表示装置36に表示する。そして、情報表示レイヤ表示処理を終了する。
なお、表示装置36における情報表示レイヤの表示は、所定時間の経過をもって終了する。また、この所定時間の経過前に情報表示レイヤの表示を終了したい場合は、情報表示レイヤを元に戻す(表示のための操作方向と逆)方向に演出操作装置100を操作すればよい。また、表示終了タイミングは第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞を契機としてもよい。
このように、遊技状態に応じて上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報の種類が変更されるので、上情報表示レイヤ36aに表示される情報を確認するために演出操作装置100を操作する遊技者の操作意欲を向上させることができる。特に、遊技状態が潜伏確変状態である可能性がある場合は、遊技者は大当り履歴情報で前回の当り種類を知りたい。前回の当りが「突確」であれば、現在の遊技状態が高確率状態であると知ることができる。ここで、前回の当りが「小当り」又は「突確」である場合には、遊技者が演出操作装置100を操作しても当選確率が約50%の抽選があるので、情報が得られないときもあり、遊技の興趣が向上し、さらに遊技者の操作意欲を掻き立てることができる。
図73(A)及び図73(B)は操作演出報知の一例を示す図である。図73(A)は前述の操作演出報知処理(図68)のS6802の処理で表示装置36に表示される報知画面の一例であり、図73(B)は操作演出報知時の演出操作装置100の操作ボタン110の態様の一例である。
図73(A)に示すように、表示装置36には、表示画面上方に演出操作装置100の操作ボタン110の外形(円型)を模した画が描かれ、画中の矢印の操作方向が有効であることが表示される。そして、表示画面下方では、表示装置36の上下左右に隠れている情報表示レイヤがそれぞれ有している情報が報知される。ここでは、上情報表示レイヤは大当り履歴情報、左情報表示レイヤは予告情報、下情報表示レイヤはゲーム説明情報、右情報表示レイヤは演出情報であることが報知されている。
演出操作装置100の操作はタッチパネル150を所定の方向に素早くなぞるように操作するフリック操作が求められており、操作演出報知画面で遊技者がフリック操作を試せるよう配慮している。図73(B)に示すように、このときの演出操作装置100は、タッチパネル150の操作方向を報知するため9個のLED161のうち、中央の3個のLED161が発光されている。これにより、遊技者は発光ラインに沿ってタッチパネル150を操作すればよいことが容易に理解できる。表示画面では上から下へのフリック操作が促され、遊技者が図73(B)に示す矢印方向にタッチパネル150を操作すると、上情報表示レイヤが表示装置36に現われる一連の表示演出が試行表示される。
このように操作により得られる情報及び情報を得るための操作方法を事前に遊技者に報知することで、遊技者が容易に操作演出に参加できるので、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者は上皿ユニット10に配設される演出操作装置100を操作すれば遊技演出に参加できる。遊技者は手元で操作可能なので、操作による身体的負担が小さい。よって、操作が億劫になって遊技者の操作意欲を減退させることがない。
また、遊技者の操作態様が表示装置36における情報表示レイヤの動きに反映され、さらにその操作態様に応じて遊技者が取得できる情報が異なる。このように操作態様に応じて表示装置36に表示される情報表示レイヤの態様(表示画面への出現態様(方向)、表示される表示情報)が変化するので、操作の興趣を高めることができる。遊技者が演出操作装置100に触れる操作行為だけでなく、操作方向という行為詳細(方向)にも意味を持たせることができるので、遊技者の操作意欲を向上させることができる。
次に、図74(A)及び図74(B)は、操作態様報知の一例を示す図である。ここでは、前述の有効操作報知処理(図69)のS6902の処理で表示装置36に表示される演出操作装置100の有効操作態様の報知例をいくつか示す。ここでの有効操作態様は上下方向の操作とする。
図74(A)の左図に示すように、表示装置36の表示画面には演出操作装置100の操作ボタン110の外形(円型)を模した画に矢印で有効な操作方向が示される。また、右図に示すように、演出操作装置100に配設される9個のLEDの発光態様を模して報知してもよく、この場合は中央の3個のLEDに色が灯される。
また、情報表示レイヤに表示される情報に応じて操作態様の報知態様を変えてもよい。図74(B)に示すように、上から下に向かって操作することで大当り履歴情報が得られる場合には操作矢印を赤色で表示したり、下から上に向かって操作することでゲーム説明が得られる場合には操作矢印を青色で表示したりすればよい。また、より遊技者に有益となる情報が得られる操作方向の矢印を太くしたり、LEDの照度を上げたり点滅させて目立たせてもよい。
このように演出操作装置100の操作入力が有効になる操作態様を報知するにあたって、遊技者が得られる情報、すなわちその情報に対応する情報表示レイヤが表示装置36に出現する出現態様(情報表示レイヤが変化可能な態様)に応じてその報知態様(有効操作の表示態様)を変えることで、遊技者に取得を薦める情報とそうでない情報等、各表示情報に重み付けすることができる。よって、遊技者の関心を高めることができ、操作意欲を向上させることができる。
図75及び図76は、演出操作装置100を用いた遊技演出3の一例を示す図である。図75は、情報表示レイヤ制限処理(図70)で何ら表示態様の規制を受けずに通常表示される右情報表示レイヤ36dを有効操作選択した場合の表示装置36における画面遷移である。一方、図76は、情報表示レイヤ制限処理(図70)で半透明表示に規制された
上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cを同時に有効操作選択した場合の表示装置36における画面遷移である。
図75及び図76に示すように、表示装置36では特図変動表示ゲームが実行されており、情報表示レイヤ制限処理(図70)のS7005の結果が「N」となる遊技状態である。このとき、4つの情報表示レイヤ36a〜36dは、S7007の処理として上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cが半透明表示に規制され、右情報表示レイヤ36d及び左情報表示レイヤ36bは通常表示されるよう設定される。
ここで、図75に示すように遊技者が右から左に演出操作装置100を操作すると、表示装置36には右側から右情報表示レイヤ36dが現れ、右情報表示レイヤ36dに表示される魚群の演出画像が遊技者から視認可能となる。このとき、元々表示装置36の表示画面に表示されていた識別情報は、一部が魚群の演出画像によって覆われて視認不可能となる。また、識別情報の背後に魚群が表示されても良い。
また、図76に示すように遊技者が上下から中央に摘み上げるように、すなわち上から下への操作及び下から上への操作を同時に行うと、表示装置36には上側から上情報表示レイヤ36aが現れ、下側から下情報表示レイヤ36cが現れ、表示画面の上下にそれぞれ大当り履歴情報及びゲーム説明が表示される。このとき上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cの背面に表示装置36で行われている特図変動表示ゲームの表示画面を認識することはできず、2つの情報表示レイヤが特図変動表示ゲームの表示画面の前面を覆っている。しかし、一旦通常表示されたのち、上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cは半透明表示に切り替わる。これにより、上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cの背面に特図変動表示ゲームの表示画面を認識することができるようになる。なお、半透明表示ではなく、別表示に切り替えられてもよく、特図変動表示ゲームに支障がないように表示タイミングに応じて適宜表示態様を変化させればよい。
以上より、演出操作装置100を用いた遊技演出3では、遊技者が必要とする情報を操作有効時間中であれば好きなタイミングで出現させることができる。これにより、例えばゲーム説明等の1回知ればその後報知不要な情報を複数回目にすることが無くなるので、押し付け感なく情報を提供することができる。遊技者が演出操作装置100を操作する方向に動作可能な情報表示レイヤが表示装置36に出現することからも、遊技に遊技者のカスタマイズ感を大きく反映することができる。
続いて、図77(A)及び図77(B)は、演出操作装置100を用いた遊技演出3によって表示装置36に表示される情報表示レイヤ及び表示される情報の変形例を示す図である。変形例では、図77(A)に示すように、図67に示した4つの情報表示レイヤ36a〜36dに、さらに4つの情報表示レイヤ36e〜36hが追加される。このため、図77(B)に示すように、情報表示レイヤに表示される情報もさらに初心者向けの遊技方法、様々な設定を行うカスタマイズ、遊技機1の機種(版権)ストーリー及びキャラクタ説明が追加される。そして、これら8つの情報は、各情報表示レイヤ36a〜36hに表示される情報A〜Hに割り当てられる。なお、追加された情報についても遊技状態に応じて情報表示レイヤに表示された場合の表示態様が設定され、遊技者を遊技に集中させたい場面では必要以上に情報表示レイヤの通常表示を行わないように制限している。
図78は、演出制御装置700によって実行される操作演出報知処理の変形例の手順を示すフローチャートである。前述の操作演出報知処理(図68)と同じ処理については、同じ符号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、S6802の処理で遊技者に情報及び取得する操作方法を報知
する前にS7801とS7802の処理を実行する。S7801では、8つの情報表示レイヤ36a〜36hのうち操作対象とする情報表示レイヤを設定する情報表示レイヤ選択設定処理を実行する。例えば具体的な設定方法として、操作対象とするレイヤ数と情報表示レイヤ36a〜36hの組み合わせテーブルを予め用意しておき、所定の割合による抽選を実行することが考えられる。また、遊技者が演出操作装置100を操作することで、操作対象とするレイヤ数や情報表示レイヤを選択可能にしてもよい。
次に、S7802では、演出制御装置700は、S7801で設定された情報表示レイヤにそれぞれ表示情報を組み合わせる表示情報選択設定処理を実行する。例えば具体的な設定方法として、情報表示レイヤ36a〜36hの情報A〜Hに予め表示情報を割り当てることで、S7801で設定された情報表示レイヤに応じて表示される表示情報が決まるようにしてもよい。また、操作対象とするレイヤ数に応じて8つの表示情報から組み合わせる表示情報を所定の確率で抽選し、さらに当選した表示情報を表示可能な情報表示レイヤに割り当てる抽選を行ってもよい。このとき遊技状態に応じて特定の表示情報が優先的に選択されるように当選確率を高く設定してもよい。また、遊技者が演出操作装置100を操作することで、操作対象とするレイヤ数に応じた表示情報を8つの表示情報から選んだり、情報表示レイヤとの組み合わせを設定可能にしたりしてもよい。
このように、表示装置36に表示される情報表示レイヤ及びそれら情報表示レイヤに対応して表示される表示情報の組み合わせが多様化することで、遊技者の演出操作装置100の操作への関心を維持させるとともに、遊技の興趣を高めることができる。
そして、遊技者による演出操作装置100の操作方法及び操作によって取得できる情報の組み合わせが多様化する。このとき、変形例における有効操作報知処理(図69)の有効操作態様報知(S6902)では、遊技者が得られる情報や、その情報を表示することになった情報表示レイヤが表示装置36に出現する表示態様といった情報表示レイヤが変化可能な態様に応じて報知態様(有効操作の表示態様)を変化させることが可能である。このため、情報表示レイヤの出現態様と表示情報との組み合わせが一通りではなく多様化しても、遊技者に示す操作方向や取得を薦める情報内容の違いによって報知態様を変えたり、強調(重み付け)したりすることが可能である。よって、遊技者はどの操作態様が自身にとって重要かを容易に理解できるので、態様の多様化による操作の混乱を招くことなく遊技の興趣を高めることができる。
図79は、演出制御装置700によって実行される情報表示レイヤ制限処理の変形例の手順を示すフローチャートである。前述の情報表示レイヤ制限処理(図70)と同じ処理については、同じ符号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、前述の操作演出報知処理(図78)のS7801の処理で操作対象に設定された情報表示レイヤに対して、S7901〜S7903の処理でその表示態様を規制する。演出制御装置700は、遊技状態がデモ中である場合には(S7003の結果が「Y」)、S7901の処理を実行する。S7901では、図77(B)に示すように予告・演出を表示する情報表示レイヤを非表示に設定する。また、遊技状態が電サポ中である場合には(S7005の結果が「Y」)、S7902の処理を実行する。S7902では、図77(B)に示すようにゲーム説明、カスタマイズ、ストーリー及びキャラクタ説明を表示する情報表示レイヤを半透明表示に設定し、遊技方法を表示する情報表示レイヤを非表示に設定する。また、遊技状態が通常の変動中である場合には(S7005の結果が「N」)、S7903の処理を実行する。S7903では、図77(B)に示すように大当り履歴、ゲーム説明、カスタマイズ、ストーリー及びキャラクタ説明を表示する情報表示レイヤを半透明表示に設定し、遊技方法を表示する情報表示レイヤを非表示に設定する。
図80は、演出操作装置100を用いた遊技演出3の一例を示す図である。ここでは、情報表示レイヤ選択設定処理(S7801)で全ての情報表示レイヤ36a〜36hを操作対象とする。そして、全てを同時に有効操作選択したのち、一つの情報表示レイヤを拡大表示する場合の表示装置36における画面遷移を示している。
図80に示すように、表示装置36では特図変動表示ゲームが実行されており、全情報表示レイヤ36a〜36hに対応する情報A〜Hを取得可能である。ここで、遊技者が演出操作装置100を環状になぞる操作をすると、中段に示すように表示装置36には全ての情報表示レイヤ36a〜36hが現れ、遊技者は情報A〜Hを視認することができる。その後、遊技者が演出操作装置100の左端を押す操作をすると、下段に示すように表示装置36では左情報表示レイヤ36bが拡大表示され、遊技者は情報Bを拡大して確認することができる。
このように演出操作装置100のタッチパネル150のフリック操作のみならずパネルのプッシュ操作も操作識別可能にすることで、対応する演出も多様化する。よって、遊技の興趣を高めることができるとともに、遊技者の操作への関心も高めることができる。
〔演出操作装置の変形例〕
以下では、本実施形態の遊技機1に備えられる演出操作装置100の変形例について説明する。
図81(A)〜図81(C)は、演出操作装置100の変形例の一態様を説明する図である。
図81(B)及び図81(C)に示すように、この変形例による演出操作装置100では、タッチパネル150、レンズ140、及び基板160等を含むパネル関連部材Pは、操作ボタン110内において上下方向に移動可能に収容されている。つまり、パネル関連部材Pは、操作ボタン110の操作部120を介してパネル操作を受け付け可能な上限位置と、操作部120の上面位置から離間してパネル操作不能となる下限位置との間で移動するように構成される。
図81(A)に示すように特図変動表示ゲーム中に操作ボタン110を連打する場合には、タッチパネル150等のパネル関連部材Pを図81(B)の上限位置から図81(C)の下限位置に移動させる。このようにパネル関連部材Pを移動させることで、操作ボタン110の連打時における衝撃がパネル関連部材Pに伝達することを抑制でき、タッチパネル150や基板160等の損傷を防止することが可能となる。
次に、図82及び図83を参照して、演出操作装置100の変形例の一態様について説明する。図82は、変形例による演出操作装置100の概略構成図である。図83(A)〜図83(C)は、図82の演出操作装置100を用いた遊技演出の一例を示す図である。
図82に示すように、この変形例による演出操作装置100では、タッチパネル150の下方に液晶表示器155が配置される。液晶表示器155は、基板160に代えて配置されてもよいし、タッチパネル150と基板160の間に配置されてもよい。
操作ボタン110の操作部120やタッチパネル150は、遊技者が液晶表示器155の上面表示部に表示される表示画像を視認することができるように、透明部材として構成されている。
図83(A)に示すように、特図変動表示ゲーム実行中に所定の確率で、液晶表示器155を用いて遊技演出が実行される。この遊技演出では、液晶表示器155の上面表示部にAモード、Bモード、Cモードの3つのモードが選択可能に表示される。
遊技者が操作ボタン110の操作部120を介してパネル操作して、1つのモード(例えばBモード)を選択すると、図83(B)に示すように、液晶表示器155には、タッチパネル150に対する入力操作を促す報知画像としてパネル操作方向を示す矢印画像が表示される。なお、液晶表示器155によって報知されるパネル操作態様は、選択したモードに応じて変化するように設定されている。
図83(B)に示すように、遊技者が報知通りにパネル操作を実行すると、図83(C)に示すように、液晶表示器155には、今回の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる可能性が高いことを予告する予告画像(魚群画像)が表示される。なお、液晶表示器155に、特図変動表示ゲームにおいてリーチが形成される可能性に応じた予告画像を表示してもよい。
図82及び図83に示した演出操作装置100によれば、操作ボタン110に搭載したタッチパネル150及び液晶表示器155を用いた遊技演出を実行することができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
次に、図84を参照して、演出操作装置100の変形例の一態様について説明する。図84(A)及び図84(B)は、変形例による演出操作装置100の概略構成図である。
図84(A)に示すように、演出操作装置100は、操作ボタン110を下限位置で停止させるボタン位置固定機構(図示省略)を備えている。この変形例による演出操作装置100は、通常時には操作ボタン110は下限位置に固定することで、パネル操作のみを受け付け、ボタン操作を受け付けないように構成されている。
遊技機1における遊技が進行して所定条件が成立した場合には、ボタン位置固定機構のロックが解除され、図84(B)に示すように、操作ボタン110はスプリング101(図32参照)によって上限位置まで上昇する。操作ボタン110は、ボタン位置固定機構のロックが解除された場合にのみボタン操作が可能となる。
図84に示した演出操作装置100によれば、遊技状態に応じてボタン操作を制限することで、無駄に操作ボタン110が操作されることを防止でき、演出操作装置100の故障等を抑制することが可能となる。
次に、図85及び図86を参照して、演出操作装置100の変形例の一態様について説明する。図85は、変形例による演出操作装置100の縦断面図である。図86は、変形例による演出操作装置100を備える遊技機1の斜視図である。
図85に示すように、この変形例による演出操作装置100では、有底円筒状の取付部材170の上部開口端を板状の操作部120が閉塞しており、操作部120と取付部材170との間の収容空間S1内に、レンズ140、タッチパネル150、及び基板160等のパネル関連部材が収容されている。演出操作装置100は、スプリング101や固定ベース180等を有しておらず、取付部材170を介して上皿ユニット10に固定されている。つまり、演出操作装置100は、パネル操作のみ可能であって、ボタン操作不能に構成されている。なお、図85に示した演出操作装置100では、操作部120とレンズ140の間に透光性のシート130を配置していないが、当該シート130を配置してもよ
い。
図86に示すように、図85の演出操作装置100は取付部材170が上皿ユニット10内に収容された状態で当該上皿ユニット10に固定されており、操作部120の上面は上皿ユニット10の上面中央位置に露出している。タッチパネル150のパネル操作は、操作部120を介して行われる。
図85及び図86に示した演出操作装置100は、パネル操作のみが可能な操作装置として構成されているので、演出操作を単純なものとすることができ、遊技者が演出操作に戸惑うことを防止することできる。
図87(A)及び図87(B)は、図85に示した変形例による演出操作装置100の配置を説明するための遊技機1の正面図及び平面図である。
図85に示した変形例による演出操作装置100は、操作部120が上皿ユニット10の上面中央位置に位置するように設けたが、当該演出操作装置100の配置はこれに限られるものではない。
例えば、図87(A)に示すように、演出操作装置100を上皿ユニット10の底面に下向きに設け、上皿ユニット10の下側から当該演出操作装置100をパネル操作するようにしてもよい。また、演出操作装置100をガラス枠5の右側部から前方に向かって突出する突出演出ユニット500の内側面に設け、突出演出ユニット500の左側から当該演出操作装置100をパネル操作するようにしてもよい。
さらに、図87(A)及び図87(B)に示すように、演出操作装置100を下皿9の左側方に当該下皿9と隣接するように設け、上側から当該演出操作装置100をパネル操作するようにしてもよい。
上記の通り、図85に示した変形例による演出操作装置100は、必要に応じて遊技機1の任意の位置に配設される。
〔装飾装置〕
図88〜図91を参照して、上皿ユニット10(図1参照)に配設される装飾装置300の構成について説明する。
図88は、装飾装置300を含む上皿ユニット10の分解斜視図である。図89は、装飾装置300を構成するリブレンズ320を斜め下方から見た時の斜視図である。図90(A)は装飾装置300を構成する中継基板16の平面図であり、図90(B)はリブレンズ320を設置した状態の中継基板16の平面図である。図91は、装飾装置300を含む上皿ユニット10の縦断面図である。
図2及び図88に示すように、装飾装置300は、演出操作装置100の周囲を取り囲むように上皿ユニット10に配設されており、遊技状態に応じて発光演出(装飾演出)を行う演出装置である。装飾装置300は、上皿ユニット10の底面に固定される中継基板16と、中継基板16の上方に配設されるリブレンズ320と、リブレンズ320の上方に配設される内側レンズ330と、中継基板16やリブレンズ320、内側レンズ330を取り囲むように設けられるカバーレンズ310と、を備える。
中継基板16は、演出操作装置100からの電気配線106(図37参照)を中継する基板である。中継基板16と演出制御装置700とは別の電気配線(図示省略)を介して
接続されるが、中継基板16と演出制御装置700とを接続する電気配線は、上皿ユニット10の背面壁に形成された開口部10aを通じて遊技機1の裏面側に引き出され、演出制御装置700まで導かれる。
図88及び図90(A)に示すように、中継基板16の上面には、演出操作装置100からの電気配線106に対して接続可能に構成された接続コネクタ16aと、複数のLED16bとが設けられる。LED16bは、遊技状態に応じて発光する発光源である。LED16bから発せられた光は、リブレンズ320及び内側レンズ330を介して拡散され、カバーレンズ310を透過して遊技者に視認されるようになっている。
図88及び図89に示すように、リブレンズ320は、中継基板16の上面を覆うように形成された透明樹脂部材である。リブレンズ320は、演出操作装置100の側部を挿通させる略U字状の切欠として形成された挿通部321を有している。
また、リブレンズ320は、レンズ上面322から上下両方向に突出するリブ323を複数備えている。リブ323は、上皿ユニット10に設置された演出操作装置100の外周に対応して円弧状に延設された壁部である。これらリブ323は、上皿ユニット10に設置された演出操作装置100を中心として、同心円状に並んで配置されている。
図90(B)及び図91に示すように、リブレンズ320を中継基板16の上方に設置した状態では、中継基板16のLED16bは、リブレンズ320のリブ323の下端面に対向するように位置する。つまり、LED16bは、リブレンズ320のリブ323の円弧形状に対応して、中継基板16上に円弧状に並設されている(図90(B)参照)。
また、図89及び図91に示すように、LED16bと対向する位置におけるリブ323の下端面には、凹部324が形成されている。リブ323の凹部324は、LED16bから発せられた光を当該リブ323に沿って拡散させるものである。
なお、リブ323が設けられる部分を除くリブレンズ320のレンズ上面322には、複数の装飾溝が並設されている。LED16bから発せられた光は、これら装飾溝によっても拡散される。
図88に示すように、内側レンズ330は、リブレンズ320の上面を覆うように形成された透明樹脂部材である。内側レンズ330は、演出操作装置100の側部を挿通させる略U字状の切欠として形成された挿通部331を有している。
また、内側レンズ330は、リブレンズ320のリブ323に対応する位置が上に凸となるように形成された凸部332を備えている。凸部332は、リブレンズ320のリブ323に対応して形成され、円弧状に延設されている。
図88及び図91に示すように、カバーレンズ310は、透光性を有するカバー部材であって、中継基板16、リブレンズ320及び内側レンズ330を取り囲むように上皿ユニット10の前側部分に固定される。
上記のように構成される装飾装置300は、遊技状態に応じて中継基板16のLED16bを発光させることで、発光演出(装飾演出)を実行する。
次に、図92及び図93を参照して、装飾装置300を用いた発光演出(装飾演出)について説明する。
図92(A)〜図92(D)は、遊技機1における発光演出を説明するための遊技機1の正面図である。図93(A)〜図93(C)は、演出操作装置100及び装飾装置300の発光演出を説明するための演出操作装置100及び装飾装置300の模式図である。なお、図93(A)〜図93(C)に示す装飾装置300では、カバーレンズ310及び内側レンズ330の記載を省略している。
遊技機1での遊技中に、演出操作装置100の操作ボタン110によるボタン操作又はパネル操作を実行する条件が成立すると、図92(A)に示すようにガラス枠5の左側部に位置する装飾装置8が発光し、次に図92(B)に示すようにガラス枠5の上部中央に位置する装飾装置6が発光する。続いて、図92(C)に示すようにガラス枠5の右側部に設けられた突出演出ユニット500が発光する。その後、演出操作装置100の全てのLED161(図30参照)が点灯することで、図92(D)及び図93(A)に示すように操作ボタン110の操作部120全体が発光する。本実施形態の遊技機1は、ボタン操作又はパネル操作実行条件成立時に、ガラス枠5等の外縁に沿って配置された各種装置が、図92(A)〜図92(D)に示すように時計回りに順番に発光するように構成されている。
そして、図93(A)に示すように発光している操作ボタン110の操作部120を遊技者が操作して、ボタン操作又はパネル操作を実行すると、操作ボタン110のLED161が消灯する。操作ボタン110のLED161の消灯と同時に、装飾装置300による発光演出が開始される。
図93(B)に示すように、装飾装置300のリブ323のうち最も演出操作装置100寄りの位置にあるリブ323の下方に位置する一群のLED16bが所定時間点灯することで、遊技機1の中央側のリブ323が発光し、円弧ライン状の光が浮かび上がる。
図93(B)に示した中央側のリブ323の発光が終了すると、図93(C)に示すように、当該中央側のリブ323の外側に位置するリブ323の下方に位置する一群のLED16bが所定時間点灯する。このように、遊技機1の中央側から外側の順番で各リブ323を発光させることで、遊技機1中央から外側に向かって光が波紋状に広がるような発光演出が行われる。
上記した装飾装置300によれば、演出操作装置100の側部外周を取り囲むように上皿ユニット10に配設されているので、遊技者から見えやすい位置で装飾演出を実行でき、演出操作装置100周りの装飾性を高めることができる。
また、装飾装置300は、演出操作装置100が操作された場合に発光演出を実行するので、演出操作装置100の操作状態に応じた発光演出(装飾演出)を行うことができ、装飾装置300による装飾性をより高めることが可能となる。
装飾装置300は、演出操作装置100が操作された場合に、中央側から外側の順番でリブレンズ320の各リブ323を発光させるので、演出操作装置100を中心に光が波紋状に広がる発光演出を行うことができ、装飾装置300による装飾性をさらに高めることが可能となる。
〔装飾装置の変形例〕
以下では、遊技機1に備えられる装飾装置300の変形例について説明する。
図94(A)及び図94(B)は、装飾装置300の変形例の一態様を説明するための装飾装置300の模式図である。図94(A)及び図94(B)に示す装飾装置300で
は、カバーレンズ310の記載を省略している。
図94(A)に示すように、変形例による装飾装置300では、内側レンズ330の上面左右両側に可動役物としての可動装飾340が設けられている。可動装飾340は、内側レンズ330の上面に対して回動可能な4つの回動体341を備える。
図94(A)に示すように演出操作装置100が操作されていない状態では、可動装飾340の回動体341は初期位置で停止している。その後、演出操作装置100が操作されると、図94(B)に示すように回動体341が最大回動位置まで回動し、可動装飾340は花の形状を模した装飾を構成する。
なお、回動体341が最大回動位置で停止してから所定時間経過すると、回動体341は図94(A)に示す初期位置まで戻る。
この変形例による装飾装置300は、演出操作装置100の操作状態に応じて可動する可動装飾340を備えるので、LED16bによる発光演出だけでなく可動装飾340による動作演出も実行でき、装飾装置300による装飾性をさらに高めることが可能となる。
次に、図95を参照して、装飾装置300の変形例の一態様を説明する。
図95(A)〜図95(C)は、変形例による装飾装置300を示す模式図である。図95(A)〜図95(C)に示す装飾装置300では、カバーレンズ310の記載を省略している。
図95(A)に示すように、装飾装置300は、カバーレンズ310内において内側レンズ330の上方に遊技情報表示装置360を備えている。遊技情報表示装置360は、現在の遊技状態等を遊技者に報知する装置である。
遊技情報表示装置360は、遊技情報を表示するためのパターン溝(異方性反射パターン)が形成された導光板351と、導光板351の側面から左方向に光を照射する複数(例えば3つ)の第1発光部352と、導光板351の側面から右方向に光を照射する複数(例えば3つ)の第2発光部353と、を備える。
導光板351は、内側レンズ330の上方に配置される透明板部材である。導光板351の左側領域には「確変」という遊技情報を発光表示するためのパターン溝が形成されており、導光板351の右側領域には「通常」という遊技情報を発光表示するためのパターン溝が形成されている。このように導光板351は、遊技情報表示装置360の表示部を構成している。
導光板351は演出操作装置100の側部を挿通させる挿通部(図示省略)を有しており、この挿通部に第1発光部352及び第2発光部353が設置されている。
第1発光部352は、挿通部の側面から導光板351の左側領域に向かって光を照射するLEDである。第2発光部353は、挿通部の側面から導光板351の右側領域に向かって光を照射するLEDである。
確変遊技状態中に所定条件が成立した場合、演出制御装置700は第1発光部352を点灯させる。図95(B)に示すように、第1発光部352によって導光板351の左側領域のパターン溝に光が照射されると、導光板351に「確変」の文字が浮き出る。これ
により、遊技者は現在の遊技状態が確変状態であることを認識することができる。
一方、通常遊技状態中に所定条件が成立した場合、演出制御装置700は第2発光部353を点灯させる。図95(C)に示すように、第2発光部353によって導光板351の右側領域のパターン溝に光が照射されると、導光板351に「通常」の文字が浮き出る。これにより、遊技者は現在の遊技状態が通常遊技状態であることを認識することができる。
次に、図96(A)及び図96(B)を参照して、遊技情報表示装置を構成する導光板350aにおける発光表示の仕組みについて説明する。図96(A)は遊技情報表示装置を構成する導光板350aと発光部350bの斜視図であり、図96(B)は導光板350aと発光部350bの正面図である。
図96(B)に示すように、導光板350aの内部には、導光板350aの一側面と平行な垂直溝f1と、垂直溝f1を通過した光を導光板350aの上面側に反射させる傾斜溝f2と、からなるパターン溝350cが形成されている。発光部350bによって導光板350aの一側面から照射された光が、垂直溝f1にて拡散され、傾斜溝f2にて導光板350aの上面側に導かれることで、図96(A)に示すように導光板350aにパターン溝350cが浮かび上がる。
変形例による装飾装置300は、図96(A)及び図96(B)で説明した原理を用いて導光板351のパターン溝を表示させることで、遊技者に現在の遊技状態を報知するように構成されている。この変形例による装飾装置300によれば、現在の遊技状態を報知することができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。なお、遊技情報を表示するためのパターン溝をカバーレンズ310に形成し、カバーレンズ310自体を導光板351として構成してもよい。
〔球貸操作装置〕
以下では、上皿ユニット10(図1参照)に配設される球貸操作装置200について説明する。
まず、図97〜図100を参照して、球貸操作装置200の上皿ユニット10への取り付けについて説明する。
図97は、球貸操作装置200を備える上皿ユニット10の正面図である。図98は、球貸操作装置200設置前の上皿ユニット10の斜視図である。図99は、球貸操作装置200設置前の上皿ユニット10の裏面図である。図100は、球貸操作装置200設置後の上皿ユニット10の裏面図である。
図97及び図98に示すように、球貸操作装置200は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニット10の上部右側に設けられる。球貸操作装置200は、下部ベース部材210と、下部ベース部材210に固定される上部ベース部材240と、を備えている。
図98に示すように、上皿ユニット10の上面には球貸操作装置200を挿通させる開口部10bが形成されており、この開口部10bには球貸操作装置200の上部ベース部材240の外縁部が載置される段部10cが突出形成されている。段部10cは、開口部10bの内周面に沿って設けられる。球貸操作装置200が上皿ユニット10の開口部10bにセットされ、上部ベース部材240が段部10cに載置された状態では、境界位置における上部ベース部材240の上面と上皿ユニット10の上面とが滑らかに連接される
ようになっている(図2参照)。
図99及び図100に示すように、球貸操作装置200の下部ベース部材210の下面には、下方に突出する突出片211が一対設けられている。これら突出片211には、遊技機1の前後方向に貫通する貫通孔211aが形成されている。貫通孔211aは、球貸操作装置200を上皿ユニット10に固定するために使用する取付ねじのねじ部分を挿通させる孔である。
上皿ユニット10内には、開口部10bにセットされた球貸操作装置200の突出片211と対向する位置に、ねじ穴を有するボス部10dが形成されている。球貸操作装置200の下部ベース部材210は、遊技機1の後方から突出片211の貫通孔211aを通じてボス部10dに螺合する取付ねじを介して、上皿ユニット10に取り付けられる。取付ねじによって球貸操作装置200の下部ベース部材210を上皿ユニット10のボス部10dに締結することで、球貸操作装置200が図100に示すように上皿ユニット10に固定される。
次に、図101〜図105を参照して、球貸操作装置200の構成について説明する。
図101は、球貸操作装置200の分解斜視図である。図102は、図97のD−D位置における球貸操作装置200の縦断面図である。図103は、球貸操作装置200の正面図である。図104は、図103のE−E位置における球貸操作装置200の縦断面図である。図105は、図103のF−F位置における球貸操作装置200の縦断面図である。
図101に示すように、球貸操作装置200は、板状の下部ベース部材210と、下部ベース部材210の上面に固定される基板220と、基板220を覆うように設けられる球貸カバー部材230と、球貸カバー部材230の上側に配設される上部ベース部材240と、球貸カバー部材230と上部ベース部材240との間に配設されるゴム製の球貸ボタン201及び返却ボタン202と、を備える。
下部ベース部材210に設置される基板220の上面には、球貸操作スイッチ221、返却操作スイッチ222、残高表示器223、及びコネクタ224が設けられている。
球貸操作スイッチ221は球貸ボタン201の操作の有無を検出するためのスイッチであり、返却操作スイッチ222は返却ボタン202の操作の有無を検出するためのスイッチである。また、残高表示器223は、プリペイドカード等の残高を、上部ベース部材240の残高表示部203に表示するための表示装置である。コネクタ224は、中継基板からの電気配線が接続される接続部である。
球貸カバー部材230は、基板220を覆うように形成された枠体である。球貸カバー部材230の上面には、球貸ボタン201及び返却ボタン202を収容可能な収容壁231,232が突出形成されている。収容壁231は球貸ボタン201の外周に対応して延設され、収容壁232は返却ボタン202の外周に対応して延設される。
収容壁231の内側の球貸カバー部材230の上面には、基板220の球貸操作スイッチ221と対応する位置に開口部233が形成されている。また、収容壁232の内側の球貸カバー部材230の上面には、基板220の返却操作スイッチ222と対応する位置に開口部234が形成されている。なお、収容壁231の上面には、残高表示器223と対応する位置に開口部235が形成されている。
図101及び図104に示すように、球貸ボタン201は、遊技者によって操作される椀形状のボタン部201aと、ボタン部201aの下面中心から下方に延設される軸部201bと、ボタン部201aの下端外周縁から外側に突出する鍔部201cと、から構成されている。返却ボタン202も同様に、遊技者によって操作される椀形状のボタン部202aと、ボタン部202aの下面中心から下方に延設される軸部202bと、ボタン部202aの下端外周縁から外側に突出する鍔部202cと、から構成されている。
球貸ボタン201が球貸カバー部材230の収容壁231内に設置された状態では、球貸ボタン201の軸部201bが球貸カバー部材230の開口部233を通過し、軸部201bの下面と球貸操作スイッチ221の上面とが微小隙間あけて対向する。また、返却ボタン202が球貸カバー部材230の収容壁232内に設置された状態では、返却ボタン202の軸部202bが球貸カバー部材230の開口部234を通過し、軸部202bの下面と返却操作スイッチ222の上面とが微小隙間あけて対向する。
図101及び図105に示すように、球貸カバー部材230の側部には、上下方向に延設される支持軸236が形成されている。支持軸236は、軸方向に沿って貫通孔236aを有している。上部ベース部材240の下面には下方に突出する軸部243が形成されており、この軸部243が球貸カバー部材230の貫通孔236aに挿入されることで、上部ベース部材240が球貸カバー部材230に支持される。上部ベース部材240の軸部243は、球貸カバー部材230の貫通孔236aに挿入された状態で、下部ベース部材210の下側からねじ244によってねじ止めされる。したがって、上部ベース部材240の軸部243にはねじ穴243aが形成されており、下部ベース部材210及び基板220にはねじ244のねじ部分を挿通させるための挿通孔210a,220aが形成されている。
図101及び図103に示すように、上部ベース部材240は、球貸ボタン201のボタン部201aを露出させる円形開口241と、返却ボタン202のボタン部202aを露出させる円形開口242と、を備える。これら円形開口241,242を介して球貸ボタン201及び返却ボタン202が操作可能となっている。
図101及び図104に示すように、球貸カバー部材230の収容壁231内に配設された球貸ボタン201は、鍔部201cが上部ベース部材240の下面と球貸カバー部材230の上面との間に位置することで、上下方向の移動位置が規制されている。同様に、球貸カバー部材230の収容壁232内に配設された返却ボタン202も、鍔部202cが上部ベース部材240の下面と球貸カバー部材230の上面との間に位置することで、上下方向の移動位置が規制されている。
図101、図102、及び図105に示すように、上部ベース部材240は、基板220の残高表示器223の発光表示を透過させる残高表示部203を備えている。残高表示部203は、黒色の透光性部材であって、上側が凸となるように構成された湾曲レンズである。残高表示器223に表示されたプリペイドカード等の残高は、残高表示部203を介して遊技者に視認される。
上記のように構成される球貸操作装置200では、球貸ボタン201が押され、球貸ボタン201の軸部201bを介して球貸操作スイッチ221がオン状態になると、払出装置(図示省略)から所定数の遊技球が遊技者に払い出される。また、返却ボタン202が押され、返却ボタン202の軸部202bを介して返却操作スイッチ222がオン状態になると、台間装置に挿入されていたプリペイドカード等が遊技者に返却される。
また、球貸操作装置200では、残高表示器223は、球貸カバー部材230の開口部
235から上方に突出しないように奥まった位置に配設されており(図102及び図105参照)、遊技機1の前に着席している遊技者以外の者が残高表示器223に表示された残高を視認しにくい構成となっている。これにより、遊技者以外の者にプリペイドカード等の残高を知られてしまうことを防止できる。
〔球貸操作装置の変形例〕
図106を参照して、球貸操作装置200の変形例について説明する。図106(A)は球貸操作装置200の変形例の一態様を説明する模式図であり、図106(B)は球貸操作装置200の変形例の別態様を説明する模式図である。
図106(A)に示す変形例による球貸操作装置200は、球貸カバー部材230の下面に設けられるとともに、開口部235に沿って延設される壁部237を備える。球貸カバー部材230自体や壁部237は、不透光性の部材によって形成されている。なお、基板220の残高表示器223は壁部237の直下方に位置するように配設されている。
この変形例に係る球貸操作装置200によれば、壁部237が残高表示器223の表示を遮るので、遊技機1の前に着席している遊技者のみが残高表示器223の表示を視認することが可能となり、遊技者以外の者にプリペイドカード等の残高を知られてしまうことを防止できる。
図106(B)に示す変形例による球貸操作装置200は、上部ベース部材240の残高表示部203の上側に配設される遮蔽板250を備える。遮蔽板250は、不透光性の部材によって形成されている。遮蔽板250は、球貸カバー部材230の開口部235に対応する位置に開口部251を有している。また、遮蔽板250は、当該遮蔽板250の上面から上方に突出形成されるとともに、開口部251に沿って延設される起立壁252を備えている。
この変形例に係る球貸操作装置200によれば、遮蔽板250の起立壁252が基板220の残高表示器223の表示を遮るので、遊技機1の前に着席している遊技者のみが残高表示器223の表示を視認することが可能となり、遊技者以外の者にプリペイドカード等の残高を知られてしまうことを防止できる。
〔操作ハンドル〕
以下では、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル400について説明する。
図107〜図111を参照して、操作ハンドル400の構成について説明する。
図107は、操作ハンドル400の正面図である。図108は、操作ハンドル400の分解斜視図である。図109は、操作ハンドル400の一部分解斜視図である。図110は、図107のG−G位置における操作ハンドル400の縦断面図である。図111は、操作ハンドル400の裏面図である。
図107〜図109に示すように、操作ハンドル400は、遊技者によって回動操作される回動操作部材410と、回動操作部材410を回動自在に支持する支持部材420と、回動操作部材410とともに回動し、その回動力を球発射装置(図示省略)に伝達する回動伝達部材430と、を備える。
図108及び図110に示すように、回動操作部材410は、遊技者によって握られる略半球形状の把持部411を有している。把持部411には、遊技機1の前後方向に延在
する回動軸412が固定される。この回動軸412を介して、把持部411は支持部材420に回動自在に支持される。
支持部材420は、円筒状部材である。支持部材420の先端部分は遊技機1の前方に向かって拡径するように形成されており、支持部材420の根元部分は前面枠4(図2及び図3参照)の取付孔に挿入された状態で当該前面枠4に固定される(図110参照)。
支持部材420は、回動操作部材410の回動軸412を当該支持部材420の軸方向に挿通させる挿通部421(図110参照)を有している。この挿通部421の先端には、回動軸412を回動自在に支持する軸受422が取り付けられる。
図107及び図111に示すように、支持部材420の先端には、球発射装置(図示省略)による遊技球の発射を停止させるための発射停止操作部423が設けられている。この発射停止操作部423を操作することで、回動操作部材410を回動操作している最中に球発射装置から遊技球が発射されることを停止することが可能となる。
図108及び図110に示すように、支持部材420の先端には、当該支持部材420と回動操作部材410の把持部411との間に位置するように導通部424が固定されている。導通部424は、円板状の導電性部材であって、支持部材420の先端外縁に外嵌めされている。導通部424の中央には、回動操作部材410の回動軸412が通過可能な開口424aが形成されている。
導通部424は、遊技者が回動操作部材410の把持部411を握った場合に、遊技者の指の一部が接触するように構成されている。導通部424にはタッチセンサ(図示省略)が設置されており、このタッチセンサを用いて導通部424に遊技者が触れているか否か、つまり遊技者が把持部411を握っているか否かを検出する。なお、遊技機1の球発射装置は、タッチセンサによって遊技者の接触を検知しなければ、回動操作部材410が回動しても遊技球を発射しないように構成されている。
図109及び図110に示すように、回動伝達部材430は、支持部材420の挿通部421から後方に突出する回動軸412の後端に取り付けられる。回動伝達部材430は、円筒状部材として形成されている。
回動伝達部材430は、回動軸412を遊技機1の前後方向に挿通させる挿通孔431を有している。回動軸412の後端外周面は一部が切り欠かれ、その縦断面形状がD字状に形成されており、回動伝達部材430の挿通孔431の縦断面も回動軸412の後端形状に対応してD字状となっている。これにより回動軸412と回動伝達部材430とが相対回転不能となり、回動伝達部材430は回動軸412の回動に伴って回動する。
回動伝達部材430は、挿通孔431から後方に突出する回動軸412の外周に取り付けられるCリング440によって、回動軸412後方への移動が規制される。また、回動伝達部材430の先端には径方向に突出する鍔部432が形成されており、この鍔部432の前端面が支持部材420の挿通部421の後端面に当接することで、回動操作部材410が支持部材420から抜けてしまうことが防止される。
回動伝達部材430の後端には、後方に突出する三つの係合突起433が形成されている。これら係合突起433は、円弧状壁部として形成され、回動伝達部材430の周方向に等しい間隔をあけて配置されている。これら係合突起433は、球発射装置の発射勢調整機構(図示省略)に係合する。発射勢調整機構は、回動伝達部材430の回動量が大きくなるほど、つまり回動操作部材410の回動操作量が大きくなるほど、発射する遊技球
の勢いを強めるように構成されている。
次に、図111、図112(A)〜図112(C)を参照して、回動操作部材410の回動軸412に対するCリング440の取り付けについて説明する。
図111に示すように、回動操作部材410の回動軸412の後端には、回動伝達部材430の抜け止めリングとしてCリング440(C形止め輪)が取り付けられる。
回動伝達部材430の抜け止めとして、従来から知られているEリング(E形止め輪)を回動軸412に取り付けることも考えられる。しかしながら、リング配設位置における回動軸412の周囲には回動伝達部材430の係合突起433があるので、Eリングのように回動軸412の径方向外側から当該回動軸412に取り付けられる抜け止めリングでは、係合突起433が邪魔となり、リング取り付け作業が困難となる。
そこで、遊技機1では、回動伝達部材430の抜け止めリングとして、Cリング440を採用している。
図112(A)に示すように、Cリング440は、円環部材の一部に形成された切れ込みによりC字状リングとして構成されるリング部441と、リング部441の両端部に形成された貫通孔442と、を備える。貫通孔442は、リング部441の厚さ方向(前後方向)に貫通する孔である。
Cリング440は、貫通孔442に挿入される棒部を有する取付治具を用いて、回動軸412の軸方向後側から当該回動軸412に取り付けられる。
つまり、取付治具の2つの棒部をCリング440の2つの貫通孔442に挿入し、これら棒部の間隔を広げることで、図112(B)に示すようにCリング440のリング部441の内径を拡大させる。そして、拡径したリング部441内に回動軸412が挿入されるように、Cリング440を取付治具を介して回動軸412の軸方向に移動させる。その後、回動軸412のリング取付位置において取付治具の2つの棒部の間隔を徐々に狭めて、リング部441の内径を元に戻し、図112(C)に示すように回動軸412の後端外周に形成された環状のリング溝412aにリング部441を取り付ける。
このように、本実施形態における操作ハンドル400では、Cリング440を軸方向後側から回動軸412に取り付けるので、回動伝達部材430の後端に係合突起433が形成されていても、回動軸412に対するCリング440の取り付けが容易となる。
〔サブ表示装置〕
続いて、情報表示レイヤの代わりにLCDによって構成されるサブ表示装置に遊技情報を表示したり、演出表示を行ったりする態様について説明する。まず、サブ表示装置の配置などを含む遊技盤30の構成について説明する。
本実施形態では、サブ表示装置を備える複数(4個)の演出装置を遊技盤30に備える。図113は、サブ表示装置を含む遊技盤30の一例を示す図である。図4に示した遊技盤30と共通の構成については、同じ符号を割り当てて説明を省略する。また、図114は、各サブ表示装置の配置及び動作について説明する図である。
図113に示すように、遊技盤30には、図4に示した遊技盤30と同様に、遊技領域に臨むようにセンターケース35が配置されており、センターケース35の周縁部(上部、右側部、下部、左側部)には、遊技領域31から遊技球がセンターケース35の内側に
進入しないように鎧部(進入規制壁)35iが形成されている。
センターケース35の開口部(表示窓部)は表示装置36の表示部に対応して設けられており、表示装置36の表示部はセンターケース35の開口部を介して視認可能となっている。
センターケース35には、上サブ表示装置(第1サブ表示装置)71を備えた上部演出装置70が表示装置36の上方に配置される。以降、サブ表示装置と明確に区別するために、表示装置36をメイン表示装置36とする。
また、メイン表示装置36の右側には、右サブ表示装置(第2サブ表示装置)73を備える右部演出装置72が配置される。また、メイン表示装置36の下方には、下サブ表示装置(第3サブ表示装置)75を備える下部演出装置74が配置される。さらに、メイン表示装置36の左側には、左サブ表示装置(第4サブ表示装置)77を備える左部演出装置76が配置される。
上部演出装置70は、メイン表示装置36の表示部の上辺と上部演出装置70の下辺がほぼ一致する位置を基準位置(初期位置)としている。そして、上部演出装置70の裏面側に可動アームが接続され、回動機構部80によってメイン表示装置36の右上部を中心にメイン表示装置36の右辺側に回動可能となっている(図114参照)。なお、基準位置において遊技者から見て上部演出装置70の一部がメイン表示装置36の表示部と重なってもよいし、重ならなくてもよい。
右部演出装置72は、メイン表示装置36の表示部の右辺と右部演出装置72の左辺がほぼ一致する位置を基準位置としている。そして、右部演出装置72の裏面側に可動アームが接続され、回動機構部80によってメイン表示装置36の右上部を中心にメイン表示装置36の上辺側に回動可能となっている(図114参照)。なお、基準位置において遊技者から見て右部演出装置72の一部がメイン表示装置36の表示部と重なってもよいし、重ならなくてもよい。
下部演出装置74は、下サブ表示装置75を昇降させる昇降機構部を備える。下サブ表示装置75は、昇降機構部によって上昇可能に構成され、メイン表示装置36の前面側略中央まで移動可能となっている(図114参照)。
左部演出装置75は、遊技領域31の裏面側に臨むように配置され、センターケース35の左側部に設けられるワープ通路35aの裏側となる位置に臨むメイン表示装置36の表示部の左辺と左部演出装置75の右辺がほぼ一致する位置を基準位置としている。左部演出装置75は、右方向にスライドして移動可能となっている(図114参照)。
〔画像制御部〕
続いて、メイン表示装置及びサブ表示装置に対する画像(映像)の出力を制御する画像制御部725について説明する。図115は、演出制御装置700に含まれる画像制御部725の構成を説明するブロック図である。
画像制御部725は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って表示装置への映像表示のための画像処理を行うVDP730と、映像制御用マイコン720による制御プログラム及びデータを記憶するPROM703と、表示装置に表示される画像データを格納する画像ROM704を備える。
映像制御用マイコン720は、主制御用マイコン(1stCPU)710から映像表示に関連するコマンドを受信する。主制御用マイコン710には、RTC(リアルタイムクロック)712が接続され、日付や時間情報を取得することが可能となっている。
本実施形態では、VDP730は、メイン表示装置36の表示制御を行うメインVDP732と、サブ表示装置(上サブ表示装置71、右サブ表示装置73、下サブ表示装置75及び左サブ表示装置75)の表示制御を行うサブVDP733と、を含む。なお、メイン表示装置36に表示される映像のほうがサブ表示装置に表示される映像よりも高詳細となっている。また、メインVDP732が一部のサブ表示装置の出力を制御するようにしてもよい。
メインVDP732とサブVDP733とは、共通の画像ROM731にアクセスするように構成されているが、それぞれ専用の画像ROMを備えるようにしてもよい。また、メインVDP732及びサブVDP733には、表示装置に出力する画像を一時的に記憶するVRAMが備えられており、1フレーム分の画面をバッファするように構成されている(フレームバッファ)。
〔サブ表示装置を用いた遊技演出〕
続いて、サブ表示装置に関連する遊技演出について説明する。まず、図116を参照して、遊技演出の概要を説明する。図116(A)及び図116(B)はサブ表示装置に表示される遊技情報及びサブ表示装置で実行される演出の一例を示す図である。前述のように、メイン表示装置36の周縁(上下左右)には、サブ表示装置(71、73、75、77)が配置されている。本実施形態では、所定のタイミングで演出操作装置100に入力操作を行うことによって、サブ表示装置において、所定の遊技情報を表示したり、所定の演出を実行する。サブ表示装置を用いて実行される演出は、実行中の特図変動表示ゲームの信頼度や変動時間などに基づいて決定される。例えば、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンに応じて決定すればよい。
上サブ表示装置71では、所定のパネル入力操作を行うことによって、通常、大当り履歴情報が表示される。所定のパネル入力操作は、例えば、図117に示すように、演出操作装置100の操作部120(タッチパネル150)の上部のLED付近をタッチする。また、操作部120の中心から上方にフリック操作をしてもよい。
また、上サブ表示装置71では、実行中の変動表示ゲームの結果が大当りの場合に、所定のタイミングで所定のパネル入力操作を実行することによって、大当りであることを報知する一発告知演出が所定の確率で実行される。一発告知演出を実行可能な場合には、メイン表示装置36や音声の出力などによって、にその旨を報知するようにしてもよい。また、上サブ表示装置71で一発告知演出を実行するのではなく、役物を動作(例えば、遊技機上部に備えられたパトランプを点灯及び回転)させたり、特別な報知音を出力したりするようにしてもよい。
また、前述のように、上部演出装置70は反時計回りに最大90度回動可能であり、右部演出装置72ともに合体演出を実行可能に構成されている。合体演出は、例えば、所定の変動パターンで実行されている変動表示ゲームの前半変動の間に、所定のパネル入力操作を行うことによって実行される。また、一発告知演出として遊技者の操作を介さずに実行してもよい。以下、図118を参照しながら合体演出について説明する。
図118は、合体演出を説明する図である。(A)は、上部演出装置70のみが反時計回りに90度回動することによって、右部演出装置72と合体する例である。(B)は、上部演出装置70が反時計回りに45度、右部演出装置72が時計回りに45度回動する
ことによって合体する例である。
合体演出では、上サブ表示装置71の表示部と右サブ表示装置73の表示部とを合わせて一の表示部とみなして、演出表示を行うことが可能となっている。また、一方の表示部に表示されたキャラクタが、合体時に他方の表示部に移動するなど、各表示部で連動した演出を実行してもよい。
次に、右サブ表示装置73では、特図変動表示ゲームの実行中に所定のタイミングで所定のパネル入力操作を行うことによって、動画やキャラクタ等の演出画像が表示される。このとき、所定の条件を満たす(例えば、実行中の特図変動表示ゲームが特定の変動パターンの場合)と、右部演出装置72が回動する演出も実行される。
図119は、右サブ表示装置73における演出の一例を示す図である。(A)は、所定のパネル入力操作の一例を示しており、演出操作装置100の操作部120(タッチパネル150)の右側のLED付近をタッチしている。
(B)は、所定のパネル入力操作が行われた後、右サブ表示装置73に演出画像が表示され、右部演出装置72の回動動作を伴う演出が実行されている状態である。右部演出装置72の回動動作を伴う演出は、実行中の変動表示ゲームの変動パターンなどに基づいて、所定の確率で実行される。このとき、上部演出装置70の回動動作を伴う合体演出を実行するようにしてもよい。
左サブ表示装置77では、特図変動表示ゲームの実行中に所定のタイミングで所定のパネル入力操作を行うことによって、リーチが発生する可能性や大当りとなる可能性に応じて、例えば、変動パターンに基づいて予告演出が実行される。
図120Aは、左サブ表示装置77における演出の一例を示す図である。(A)は、所定のパネル入力操作の一例を示しており、演出操作装置100の操作部120(タッチパネル150)の左側のLED付近をタッチしている。
左側演出装置76による予告演出が開始されると、演出画像が表示される。(B)に示す例では、魚群の演出画像が左サブ表示装置77に表示される。このとき、左サブ表示装置77は、遊技盤30の裏面側に配置されているが、遊技盤30を透明樹脂部材で構成することによって遊技者が視認できるようになる。
さらに、左部演出装置76がセンターケース35の中央方向に移動を開始する。(B)に示す例では、左サブ表示装置77に表示されていた魚群が、メイン表示装置36に移動して拡散する演出が実行される。このように、サブ表示装置とメイン表示装置36とが連携する演出を実行することによって遊技の興趣を高めることができる。なお、メイン表示装置36に魚群が移動する演出については、例えば、期待度が高い場合に限り実行されるようにしてもよい。また、演出画像だけを表示して、左部演出装置76を移動させないように演出を実行してもよい。
下サブ表示装置75では、特図変動表示ゲームが実行中、かつ、始動記憶がある状態において、所定のタイミングで所定のパネル入力操作を行うことによって、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶に対する先読み予告演出が実行される。このとき、先読み予告演出の実行条件を始動記憶数が所定数以上としてもよい。
図120Bは、左サブ表示装置77における演出の別の例を示す図である。本演出例では、予告演出が開始されると、まず、左側演出装置76が右方向に移動を開始する。この
とき、メイン表示装置36又はサブ表示装置に左側演出装置76を指定した位置に停止させる指示が表示される。
その後、左側演出装置76は、所定時間、左右に移動を繰り返す。遊技者は、操作ボタン110を操作することによって左側演出装置76の移動を停止させる。特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、左側演出装置76を指定した位置で停止させると、大当りが確定する演出が実行される。なお、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、操作ボタン110の操作タイミングにかかわらず、指定した位置に停止するように制御してもよく、はずれの場合には操作タイミングにかかわらず、指定した位置には停止しないように制御してもよい。
図121は、下サブ表示装置75で実行される先読み予告演出を説明する図である。(A)は、始動記憶数が4個の状態で特図変動表示ゲームが実行されている状態を示している。この状態(タイミング)において、(B)に示すように、演出操作装置100の操作部120(タッチパネル150)の下側のLED付近をタッチすると、(C)に示すように先読み予告演出が実行される。以下、(C)を参照しながら先読み演出の態様について説明する。
本実施形態における先読み予告演出では、まず、メイン表示装置36に表示されている始動記憶の表示を隠すように下部演出装置74が上昇する。そして、メイン表示装置36に表示されている始動記憶表示が隠された時点で下サブ表示装置75に始動記憶が表示される。このとき、下サブ表示装置75に表示された始動記憶が実行される特図変動表示ゲームの信頼度に応じて表示態様が変化する。
先読み予告演出が実行された後、下部演出装置74が所定時間停止し、下降して元の位置に戻る。このとき、メイン表示装置36に表示されている始動記憶の表示態様を通常表示としてもよいし、変化後の表示態様としてもよい。変化後の表示態様とする場合には、下サブ表示装置75が初期位置に戻った時点又はメイン表示装置36の始動記憶表示が視認可能となった時点で下サブ表示装置75における始動記憶表示を中止してもよい。また、下サブ表示装置75における始動記憶表示を継続し、下サブ表示装置75で始動記憶表示が継続している間はメイン表示装置36で始動記憶を表示しないようにしてもよい。
なお、サブ表示装置に表示される情報の中には遊技状態によって表示不可能なものもあるので、このような場合はサブ表示装置の出力を別の表示にする。例えば、図116(B)に示すように、左サブ表示装置77及び右サブ表示装置73に表示される情報は特図変動表示ゲームの演出に係る予告情報及び演出画像なので、遊技盤の裏面側に配置される左サブ表示装置77では何も表示しなくてもよいし、常に遊技者が視認可能な右サブ表示装置73では、変動表示ゲームとは直接関係のないデモ画像や情報を表示するようにしてもよい。また、図67にて説明した情報表示レイヤの場合と同様に、遊技状態に応じてサブ表示装置に表示される情報の表示態様を変更することも可能である。
さらに、演出を実行しないサブ表示装置に、操作可能なサブ表示装置を報知したり、演出操作装置100の操作態様を指示する表示をしたりしてもよい。このように構成することによって、遊技者は実行可能な演出を把握することが可能となり、遊技者自身で演出の実行可否を決定することができる。その結果、同じ演出を繰り返し実行されることを防ぐことができ、また、実行されていない演出を優先して実行することができるため、遊技者を飽きさせずに興趣の低下を防ぐことができる。
〔ルーレット演出〕
続いて、4個のサブ表示装置を用いた演出例について説明する。ここで説明する演出例
では、4個のサブ表示装置に特図変動表示ゲームの結果の候補が表示され、各サブ表示装置が時計回り(又は反時計回り)に順次選択される(ルーレット演出)。そして、最終的に選択されたサブ表示装置に表示された結果が特図変動表示ゲームの結果となる。以下、具体的に説明する。
図122は、4個のサブ表示装置を用いたルーレット演出の一例を説明する図である。ルーレット演出は、リーチが発生する特定の変動パターンで特図変動表示ゲームが実行されているタイミングに実行される。
まず、各サブ表示装置を備える演出装置の動作について説明する。本演出例では、上部演出装置70(上サブ表示装置71)が下方向、下部演出装置74(下サブ表示装置75)が上方向に移動可能となっている。また、右部演出装置72(右サブ表示装置73)は反時計回りに90度、左部演出装置76(右サブ表示装置77)は時計回りに90度回動可能に構成されている。
ルーレット演出が実行される場合、(A)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームでリーチが発生すると、各サブ表示装置の動作が開始される。本演出例では、上部演出装置70は下方、下部演出装置74は上方に移動可能である。また、右部演出装置72は反時計回り、左部演出装置76は時計回りに回動可能となっている。そして、上部演出装置70は上辺がメイン表示装置36の上辺と重なる位置、下部演出装置74は下辺がメイン表示装置36の下辺と重なる位置、右部演出装置72及び左部演出装置76は90度回動するまで動作する。
(B)に示すように、各サブ表示装置の動作が終了すると、ルーレット演出が開始される。ルーレット演出では、まず、各サブ表示装置に特図変動表示ゲームの結果の候補が表示される。その後、各サブ表示装置が順次選択されるルーレット回転が開始される。(B)では、下部サブ表示装置74が選択された状態となっている。本演出例では、上→右→下→左の順で特図変動表示ゲームの結果が選択される。
また、ルーレット回転中に遊技者が操作ボタン110を操作することによって、ルーレット回転が停止する。このとき、特図変動表示ゲームの結果は大当りコマンドなどによって演出制御装置が把握しているため、ルーレットの停止位置は、特図変動表示ゲームの結果に合わせて設定される。
また、メイン表示装置36の中央には、ルーレットの残り時間が表示される。遊技者がルーレット実行中に操作ボタン110を操作しなかった場合には、残り時間を消化した後に、自動的に停止する。
(C)に示すように、ルーレットが停止すると、停止した識別図柄の情報がメイン表示装置36に移動(反映)される。このとき、選択されたサブ表示装置以外のサブ表示装置が初期位置に移動を開始する。選択されたサブ表示装置は、そのままの位置に停止していてもよいし、遅れて初期位置に戻るようにしてもよい。さらに、選択されたサブ表示装置とメイン表示装置36とで連動した演出を実行するようにしてもよい。
〔ルーレット演出の変形例1〕
続いて、ルーレット演出の別の例について説明する。本変形例では、特図変動表示ゲームの結果態様を選択するのではなく、リーチ演出を選択するためにルーレット演出が実行される。図123は、リーチ演出を選択するためのルーレット演出の一例を示す図である。
具体的に説明すると、まず、図122(A)にて説明した場合と同様に、特図変動表示ゲームの開始後、所定のタイミングで各サブ表示装置の動作を開始する。リーチ発生後に各サブ表示装置の動作を開始してもよいし、リーチが発生する前に各サブ表示装置の動作を開始してもよい。
そして、各サブ表示装置の動作が終了し、所定の位置まで移動すると、図123に示すように、各サブ表示装置に候補となるリーチ演出を示す情報を表示する。このとき、リーチ演出の名称を表示してもよいし、リーチ演出を遊技者が認識可能な表示であってもよい。例えば、演出に対応するキャラクタを表示してもよい。なお、実行可能なリーチ演出が4個に満たない場合には、事実上選択されないリーチ演出を候補として表示して選択されないように制御してもよいし、一部のサブ表示装置をルーレットから除外するように制御してもよい。
また、遊技制御装置600から受信した変動パターンコマンドに基づいて、演出制御装置700が後半変動パターンを選択する場合には、ルーレット演出を(後半)変動パターンに対応させるようにすればよい。例えば、後半変動パターンが4種類以上定義されている変動パターンが選択された場合に限り、ルーレット演出を実行可能とするように設定すればよい。
ルーレット演出を実行し、遊技者が操作ボタン110を操作することによって、又は、所定時間が経過することによって、選択されたリーチ演出を実行する。操作ボタン110の操作タイミングのみに基づいてリーチ演出を選択してもよいし、特図変動表示ゲームの結果を加味してリーチ演出を選択してもよい。
〔ルーレット演出の変形例2〕
さらに、ルーレット演出の別の例について説明する。本変形例では、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった後の特別遊技状態における演出モードを設定するためにルーレット演出が実行される。図124は、特別遊技状態における演出モードを選択するためのルーレット演出の一例を示す図である。
(A)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて大当りが発生すると、各サブ表示装置が可動する。そして、(B)に示すように、演出モードを選択するためのルーレット演出が実行される。その後、(C)に示すように、選択された演出モードで特別遊技状態が開始される。
以上のように、3種類のルーレット演出について説明したが、それぞれ実行タイミングが異なるので、すべてのルーレット演出を実行してもよいし、一部のルーレット演出のみを実行するようにしてもよい。
〔カスタマイズ画面〕
本実施形態では、サブ表示装置を用いた演出を遊技者の好みに合わせてカスタマイズすることが可能となっている。カスタマイズ画面は、例えば、遊技開始前のデモ中に演出操作装置100を操作することによって表示可能である。また、本実施形態では、カスタマイズ画面はメイン表示装置36に表示されるように構成されているが、いずれか又は複数のサブ表示装置で表示されるようにしてもよい。カスタマイズ画面について、図125及び図126を参照しながら説明する。
図125は、階層化されたメニューを示す図である。本実施形態では、メニューごとに階層化されている。上位のメニューには、ゲーム全般の説明をする「ガイダンス機能」、飾り特図変動表示ゲームの図柄のカスタマイズを行う「図柄カスタマイズ」、演出のカス
タマイズを行う「演出カスタマイズ」、遊技者の情報を表示する「会員情報」が含まれる。なお、本実施形態のカスタマイズ画面は一例であり、その他の項目が含まれていてもよい。
図125は、「演出カスタマイズ」を選択した後、「サブ表示装置」を選択した状態を示している。さらに、カスタマイズするサブ表示装置を選択すると、設定項目が表示される。具体的なカスタマイズ画面を図126を参照しながら説明する。
図126は、サブ表示装置関連のカスタマイズを行うための画面の一例を示す図である。(A)は右サブ表示装置73(右部演出装置72)の動作をカスタマイズする画面であり、(B)は下サブ表示装置75(下部演出装置74)の動作をカスタマイズする画面である。
(A)に示すように、右サブ表示装置73(右部演出装置72)の設定画面には、演出実行設定部1221、可動演出設定部1222、演出選択部1223、合体演出設定部1224が含まれる。演出実行設定部1221は、右サブ表示装置73(右部演出装置72)による演出の実行可否を設定する項目である。演出を実行しない場合には、遊技に関連する情報などを表示する。
可動演出設定部1222では、右部演出装置72が回動する可動演出を実行するか否かを設定する。「OFF」に設定されている場合には、右部演出装置72が回動する演出を実行せずに、表示演出のみを実行する。なお、上部演出装置70との合体演出は、上部演出装置70が90度回動する場合に限り実行が可能となる。
一方、可動演出設定部1222に「ON」に設定されている場合には、右部演出装置72が回動する可動範囲を設定することが可能となる。右部演出装置72は、初期位置から時計回りで最大90度回動可能であり、この範囲で設定することができる。扇形状の黒塗りの部分が可動範囲に対応している。可動範囲は、演出操作装置100のタッチパネル150上で外周を円弧を描くようになぞることによって画面上の矢印が連動し、所望の可動範囲を設定することができる。
演出選択部1223では、右部演出装置72で実行可能な演出がリストとして表示され、遊技者は指定した演出のみを実行させることが可能となっている。また、演出実行設定部1221が「OFF」に設定されている場合にはいずれの要素も選択できないようにする。また、可動演出設定部1222が「OFF」に設定されている場合には、右部演出装置72が回動しない演出のみが選択可能とする。
合体演出設定部1224では、右部演出装置72と上部演出装置70との合体演出を実行するか否かを設定する。「ON」に設定されている場合には合体演出を実行し、「OFF」に設定されている場合には合体演出を実行しない。なお、合体演出についても演出選択部1223で設定できるようにしてもよい。
(B)を参照すると、下サブ表示装置75を設定する画面には、表示内容(デモ中)設定部1225、移動演出設定部1226、先読み予告設定部1227が含まれる。表示内容(デモ中)設定部1225は、デモ中の場合に下サブ表示装置75で表示する情報を設定する項目である。ここでは、「遊技説明」と「履歴」を選択できるように構成されているが、特定の演出を実行可能にしたり、他の情報を表示可能とするなど、別の項目を設定できるようにしてもよい。なお、本実施形態では、上サブ表示装置71についても同様の情報を表示可能としており、上サブ表示装置71と共通で表示可能な内容については、いずれか一方で表示されるように構成される。
移動演出設定部1226では、下部演出装置74が上下動する演出を実行するか否かを設定する。「OFF」に設定されている場合には、下部演出装置74を上下動させる演出を実行せずに表示演出のみを実行する。この場合、移動を伴う先読み予告を実行できないため、後述する先読み予告設定部1227で「移動」を選択できないようにする。なお、本実施形態では、下サブ表示装置75は、初期位置では遊技盤30の裏面側に配置されるが、遊技盤30が透明な部材で構成されている場合には、そのまま視認することができる。遊技盤30が透明な部材で構成されていない場合には、表示演出を実行しないようにしてもよい。
一方、移動演出設定部1226に「ON」に設定されている場合には、下部演出装置74が上下動可能な範囲を設定することが可能となる。移動可能範囲は、演出操作装置100のタッチパネル150上で左右方向になぞることによって境界部分が連動し、所望の移動範囲を設定することができる。
下部演出装置74は、メイン表示装置36の中央付近、具体的には、上部演出装置70及び右部演出装置72が回動した場合に接触しない位置まで上昇可能となっている。棒状の黒塗りの部分が移動可能範囲に対応している。網掛け部分は、下サブ表示装置75がセンターケース35の開口部から視認不可能な位置であり、移動演出を実行する場合には、下サブ表示装置75がセンターケース35の開口部から視認可能な位置までは少なくとも上昇するように設定される。
先読み予告設定部1227は、先読み予告の態様を設定する項目である。「移動」が設定されている場合には、図121にて説明した下部演出装置74の移動を伴う先読み予告が実行される。「通常」が設定されている場合には、メイン表示装置36における始動記憶の表示態様を変更する。このとき、下サブ表示装置75で常に始動記憶表示(及び先読み予告)を行うようにしてもよい。
上サブ表示装置71(上部演出装置70)及び左サブ表示装置77(上部演出装置78)についても表示内容や演出内容を遊技者の好みに合わせてカスタマイズすることができる。なお、設定されたカスタマイズ情報は、対応するQRコード(登録商標、以下同じ)を出力して別の日に遊技を行うために設定を引き継げるようにしてもよい。また、QRコードについては、カスタマイズ情報の他に、遊技情報を出力するために利用してもよい。
また、表示演出を実行しないサブ表示装置に、操作可能なサブ表示装置を報知したり、演出操作装置100の操作態様の指示を表示したりしてもよい。このように構成することによって、遊技者は実行可能な演出を把握することが可能となり、遊技者自身で演出の実行可否を選択することができる。その結果、同じ演出を繰り返し実行されることを防ぐことができ、また、実行されていない演出を優先して実行することができるため、遊技者を飽きさせずに興趣の低下を防ぐことができる。
〔演出操作装置の変形例〕
以上説明した演出操作装置100は、遊技者が押下可能な操作ボタン110の上面側(操作部120)にタッチパネル150が一体となった構成であった。このような演出操作装置100では、操作ボタン110を大型化することが可能となり、上皿ユニット10上のスペースを有効に利用することができる。
しかしながら、タッチパネルとして操作する場合、タッチ可能な領域が狭いため、細かな操作が困難な場合があった。そこで、変形例として、操作ボタン110と、タッチパネル150とが独立させることによって、より詳細な操作を可能とした構成の演出操作装置
100について説明する。
図127は、演出操作装置100の変形例における正面上方から見た時の遊技機の斜視図であり、操作ボタン110とタッチパネル150とが独立した構成の演出操作装置100の配置を説明する図である。なお、図3と共通する構成については、説明を省略する。
図127に示すように、上皿ユニット10には、左側に操作ボタン110が配置され、右側に距形状のタッチパネル150が配置されている。タッチパネル150を独立して配置するのでタッチパネル150の操作が容易になり、遊技者が参加可能な演出のバリエーションを広げることができる。
また、タッチパネル150及び操作ボタン110は、遊技者の左手で操作されるため、タッチパネル150の操作頻度よりも操作ボタン110の操作頻度のほうが高い場合には、タッチパネル150と操作ボタン110の位置を左右反対にしてもよい。
また、タッチパネル150の裏面側には、所定の領域に発光体が配置され、発光領域が形成される。図128は、発光領域の配置例を示す図である。
本実施形態のタッチパネル150には、上下左右の4箇所に発光領域が配置される。各発光領域は、独立して発光可能であり、複数の領域で同時に発光することも可能である。また、本実施形態では、各発光領域が各サブ表示装置に対応する。具体的には、発光領域150aが上サブ表示装置71、発光領域150bが右サブ表示装置73、発光領域150cが下サブ表示装置75、発光領域150dが左サブ表示装置77に対応する。そして、所定のタイミングで対応する領域をタッチすると、各サブ表示装置に対応する演出を実行する。そのため、演出又は情報表示の実行が可能なサブ表示装置に対応する発光領域を発光させるようにしてもよい。例えば、図128を参照すると、発光領域150a及び150cが発光しており、上サブ表示装置71及び下サブ表示装置75に対応する演出が実行可能な状態となっている。
遊技者はあらかじめ各サブ表示装置の演出内容を把握し、さらに、各発光領域に各サブ表示装置が対応するため、遊技者が実行したい演出だけを実行し、不要な演出の実行を回避することが可能となる。
続いて、このような発光領域を備えるタッチパネル150による演出例について説明する。図129は、発光領域による演出の一例を説明する図である。具体的には、現在時刻に応じて発光する領域が変化するように構成されている。現在時刻は、RTC712によって計時される。
そして、あらかじめ設定された時刻になると、所定期間(例えば、1分間)、発光領域が発光し、その間、発光領域をタッチすることで特別演出が実行される。特別演出は、例えば、時刻に応じた演出を実行してもよいし、確率状態などの遊技状態に応じた演出を実行してもよい。例えば、確率状態が高確率状態の可能性が高いことを報知する。図125を参照すると、(A)9:00、(B)12:00、(C)15:00、(D)18:00に発光するようになっている。
なお、特別演出が実行される場合には、通常演出の実行を報知する発光態様と異ならせるようにするとよい。また、定時ではなく、RTC712によって遊技開始からの経過時間を計測し、所定時間経過後に特別演出が実行可能となるように構成してもよい。
また、所定時刻になると、対応する発光領域が発光した後、タッチしなくても特別演出
を実行するようにしてもよい。また、タッチパネルの発光位置が、メイン表示装置とサブ表示装置との位置関係に対応しているので、遊技者が、どの位置を操作すればよいかわかりやすくなる。
〔サブ表示装置の移動操作〕
前述のように、本変形例の演出操作装置100では、タッチパネル150が独立して配置されているため、より詳細な操作が可能となっている。そこで、タッチパネル150上を指でなぞること(スワイプ操作、スライド操作)によって、サブ表示装置を含む演出装置を移動させることができる。
図130は、スワイプ操作によるサブ表示装置の移動方法を説明する図である。(A)は、タッチパネル150を右方向に指でなぞることによって、左部演出装置76を右方向に移動させる手順を説明する図である。(B)は、タッチパネル150を上方向に指でなぞることによって、下部演出装置74を上方向に移動させる手順を説明する図である。(C)は、タッチパネル150を左上方向に指でなぞることによって、右部演出装置72を時計回りに回動させる手順を説明する図である。
(A)から(C)に示した操作では、所定の演出が開始された後、遊技者がタッチパネル150を指で触れてからそのまま移動方向にスライドすると、移動可能範囲内で、連動して演出装置が移動する。さらに、指をタッチパネル150から離さずに逆方向に移動させると、演出装置も連動して移動するようになっている。このとき、サブ表示装置の位置を決定するために、操作ボタン110を操作するようにしてもよい。また、演出が開始されてから所定時間(移動可能期間)が経過すると、初期位置に復帰するように構成されている。
サブ表示装置(演出装置)の移動可否は、実行される変動表示ゲームの変動パターンに対応する。所定の変動パターンに対応する変動表示ゲームが開始されると、前変動が終了するまで(リーチが発生するまで)の間、サブ表示装置の移動操作が許可される。そして、リーチ発生後は、あらかじめ設定された演出動作を実行する。また、サブ表示装置が移動した場所に応じた演出態様を実行するようにしてもよいし、所定の演出動作を実行するための初期位置まで自動的に移動させるようにしてもよい。
図131は、タッチパネル150上を2本の指でなぞることによって複数のサブ表示装置の移動方法を説明する図である。具体的には、上部演出装置70と右部演出装置72とを移動させて合体演出を実行する。
(A)は、各サブ表示装置が初期位置に配置されている状態で、(B)に示すように、遊技者は左手の親指と人差し指でタッチパネル150をタッチし、互いの指を近づけるように移動させる(ピンチ操作)。このように操作することによって、(C)に示すように、上部演出装置70と右部演出装置72とがそれぞれ回動し、合体演出が実行される。
以上のように構成することによって、遊技者が意識してサブ表示装置の移動演出や合体演出を実行することが可能となる。また、タッチパネル150を操作しなければ演出を実行しないため、遊技者が好む演出だけを実行することが可能となる。
なお、移動させるサブ表示装置を選択してから操作するようにしてもよいが、本実施形態の各サブ表示装置は、それぞれ移動方向が異なるため、タッチパネル150上で指をなぞる方向のみで移動対象を特定している。また、移動方向が同じ演出装置が複数含まれる場合には、操作方法が類似して移動対象を特定できない場合があるため、移動させるサブ表示装置を選択する。さらに、一部のサブ表示装置のみが移動可能な場合など、移動可能
なサブ表示装置を報知するために、タッチパネル150において対応する発光領域を発光させるようにしてもよい。
ここで、合体演出の別の例について説明する。図132は、4個のサブ表示装置が合体することによって一の表示領域を構成する例を説明する図である。(A)は合体前の状態、(B)は合体後の状態を示す。なお、図132のサブ表示装置は、前述した構成と異なり、一部の演出装置が回動するのではなく、上部演出装置70が下方向、右部演出装置72が左方向、下部演出装置74が上方向、左部演出装置76が右方向に移動するように構成される。
4個のサブ表示装置を合体させる場合には、例えば、4本の指でタッチパネル150に触れ、各指を一点に近づけるように移動させる。そして、(B)に示すように、各サブ表示装置が合体した状態では一画面として機能させてもよい。
なお、各サブ表示装置が合体した状態をメイン表示装置として機能させてもよい。この場合、通常状態を合体した状態とし、特図変動表示ゲームを実行する。そして、特定の演出実行時に各サブ表示装置が分離させる。例えば、特定の演出が開始された後、タッチパネル150上で指を一点から広げるように操作(ストレッチ操作)することで各サブ表示装置が分離し、遊技者の操作による演出を実行するようにしてもよい。また、各サブ表示装置の背面側に役物を配置し、各サブ表示装置が分離した場合に遊技者が視認できるようにしてもよい。
〔画像表示機能付きタッチパネル〕
最後に、タブレット端末のようにタッチパネル150に情報や画像を出力可能な場合について説明する。このように構成することによって、例えば、タッチパネル150に表示されたキャラクタを遊技者が指で動かすことが可能となり、メイン表示装置36の表示に連動させることによって、より興趣の高い演出を実現することができる。また、遊技者に対してタッチパネル上で操作指示を表示することができる。
続いて、画像表示機能を有するタッチパネル150を備えた場合の演出例について説明する。ここで例として説明する演出は、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率か低確率か報知されていない状態で実行される。この演出は、迷路からキャラクタが脱出するためのミニゲームを実行し、クリアすると確率状態が報知されるものである。
図133は、キャラクタを操作して迷路から脱出するミニゲームの一例を示す図である。ミニゲームが開始されると、遊技者は、メイン表示装置36に表示されたキャラクタが迷路から抜けられるように、タッチパネル150に表示されたキャラクタを操作(スワイプ操作)する。(A)及び(B1)に示すように、タッチパネル150に表示されたキャラクタを操作すると、メイン表示装置36上でも連動してキャラクタが移動する。なお、(B2)に示すように、タッチパネル150上にも迷路を表示するようにしてもよい。
そして、(C)に示すように、迷路から抜けると、下部演出装置74が上方向に移動し、下サブ表示装置75に確率状態が報知される。
また、画像表示機能を有するタッチパネル150を備える場合、カスタマイズ画面において、メイン表示装置36やサブ表示装置の表示を確認することなく各項目を設定することが可能となる。図134は、タッチパネル150にカスタマイズ画面が表示される例を示す図である。
この場合、(A)に示すように、操作ボタン110を操作せずに、タッチパネル150
を直接操作する。また、(A)で「可動範囲設定」ボタンを操作すると、(B)に示す可動範囲設定画面に切り替わる。そして、可動範囲を示すゲージに沿って画面上を指でなぞることによって直接操作する。また、右上の矢印ボタンを操作することによって(A)に示した前画面に戻すことができる。
以上のように、遊技者がサブ表示装置の操作を可能とすることで、遊技への参加意識を高めることができる。その結果、高い演出効果が発揮され、遊技の興趣を高めることができる。
なお、サブ表示装置を移動させる手段は、タッチパネルの操作に限らない。例えば、複数の赤外線センサを用いることによって、遊技者の動きを検出し、検出された動きに基づいて、サブ表示装置を移動させるようにしてもよい。例えば、遊技視認領域の周縁部(例えば、突出演出ユニット500等)に赤外線センサを配置し、遊技領域の前に遊技者が手をかざすなどの動作を検出すればよい。赤外線センサの数や配置などに応じて複数種類の動作を検出することが可能となる。
また、メインリールと、所定位置(例えば、メインリール上部、下部、側部でもよい)に表示装置と、を備えるスロットマシンにおいて、前記表示装置が実施例のメイン表示装置に対応していてもよい。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。