JP2018042921A - 開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】開閉体の開動作の迅速化と円滑化を実現可能な開閉装置を提供する。【解決手段】開閉装置10において、開閉体12は閉位置から開位置まで開閉動作可能に構成される。駆動出力部47は駆動モータに回転駆動される。駆動入力部48は、駆動出力部47と遊び52aをもって嵌め合うことで回転駆動され、開閉体12を開閉動作させる。駆動出力部47には、正転方向に先行回転するときに駆動入力部48と接触する先行接触部47fと、遅行回転するときに駆動入力部48と接触する遅行接触部と、が形成される。開閉体12を開動作させるとき、駆動出力部47は、先行接触部47fが駆動入力部48と接触する状態で開位置の手前の動作切替角度まで回転し、動作切替角度まで回転した駆動出力部47は、遅行接触部が駆動入力部48と接触するまで回転を規制し、駆動入力部と接触した駆動出力部47は開閉体12が開位置に到達するまで回転する。【選択図】図5

Description

本発明は、便座または便蓋である開閉体を開閉動作させるための開閉装置に関する。
便蓋等を自動で開くように構成された電動開閉装置を備えた便器装置が知られている。例えば、特許文献1には水洗便器に使用する便座又は便蓋の電動開閉装置が記載されている。特許文献1に記載の電動開閉装置は、便座又は便蓋からなる開閉部材の取付け基部が装着される回動軸と、回動軸に取付けられ開閉部材の自由回転を制動する緩衝部材と、回動軸に設けられる偏心部材を有する駆動部材と、を有する。このような電動開閉装置については、使い勝手を向上するため、より迅速な動作が求められている。
特開2003−102644号公報
このような従来の装置では、モータ軸と開閉部材側の軸受のクリアランスによるいわゆる軸ガタが大きい場合、開閉動作の高速化が難しい。開閉部材を開位置に停めるストッパに開閉部材が高速で衝突し、音が出て動きもぎこちなくなり、品位を損なうためである。
一方、クリアランスを小さくすると、清掃やメンテナンス(以下「清掃等」)の際の分解、組立に手間がかかる。すなわち本発明者は、動作の迅速化および円滑化と、清掃等の作業性の向上は二律背反の関係にあることを認識した。
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、開閉体の開動作の迅速化と円滑化を改善可能な開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の開閉装置は、便座または便蓋である開閉体であって、閉位置から開位置まで正転方向の開動作および逆転方向の閉動作が可能に構成される開閉体と、駆動モータの回転に基づいて回転駆動される駆動出力部と、駆動出力部と遊びをもって嵌め合うことで回転駆動され、開閉体を開閉動作させる駆動入力部と、を備える。駆動出力部には、正転方向において駆動入力部に対して先行して回転するときに駆動入力部と接触する先行接触部と、駆動入力部に対して遅行して回転するときに駆動入力部と接触する遅行接触部と、が形成され、開閉体を開動作させるとき、駆動出力部は、先行接触部が駆動入力部と接触する状態で開位置の手前の動作切替角度まで正転方向に回転し、動作切替角度まで回転した駆動出力部は、遅行接触部が駆動入力部と接触するまで回転を規制し、駆動入力部と接触した駆動出力部は、開閉体が開位置に到達するまで正転方向に回転する。
この態様によると、開閉装置において、駆動出力部は、遅行接触部が駆動入力部と接触する状態で開閉体が開位置に到達するまで正転方向に回転するから、開位置に到達する前の開閉体の速度を抑制することができる。
本発明の別の態様もまた、開閉装置である。この装置は、便座または便蓋である開閉体であって、閉位置から開位置まで正転方向の開動作および逆転方向の閉動作が可能に構成される開閉体と、駆動モータの回転に基づいて回転駆動される駆動出力部と、駆動出力部と遊びをもって嵌め合うことで回転駆動され、開閉体を開閉動作させる駆動入力部と、を備える。開閉体を開動作させるとき、駆動出力部は駆動入力部と接触状態で開位置の手前の動作切替角度まで正転方向に回転し、動作切替角度まで回転した駆動出力部は、駆動入力部と非接触状態に移行するように回転を減速し、非接触状態に移行した駆動出力部は、駆動入力部に追いつかれることで再び駆動入力部と接触すると共に駆動入力部に対して遅行する状態で、開閉体が開位置に到達するまで正転方向に回転する。
この態様によると、開閉装置において、非接触状態に移行した駆動出力部は、駆動入力部に追いつかれることで再び駆動入力部と接触すると共に駆動入力部に対して遅行する状態で、開閉体が開位置に到達するまで正転方向に回転するから、開位置に到達する前の開閉体の速度を抑制することができる。
本発明によれば、開閉体の開動作の迅速化と円滑化を改善可能な開閉装置を提供することができる。
実施形態に係る開閉装置を備える水洗便器装置の閉状態を示す側面図である。 実施形態に係る開閉装置を備える水洗便器装置の開状態を示す側面図である。 図1の開閉装置の駆動装置を示す斜視図である。 図1の開閉装置の駆動装置を示す別の斜視図である。 図1の開閉装置の噛合部を模式的に示す側面図である。 図1の開閉装置の噛合部を模式的に示す別の側面図である。 図1の開閉装置の構成を説明する機能ブロック図である。 図1の開閉装置の開動作を説明するフローチャートである。 先行回転処理の途中状態の噛合部を模式的に示す側面図である。 先行回転処理を終えた状態の噛合部を模式的に示す側面図である。 接触部切替処理を終えた状態の噛合部を模式的に示す側面図である。 遅行回転処理を終えた状態の噛合部を模式的に示す側面図である。 停止処理を終えた状態の噛合部を模式的に示す側面図である。 第3変形例の開閉装置の噛合部を模式的に示す側面図である。 第4変形例の開閉装置の噛合部を模式的に示す側面図である。
まず、本発明に至った経緯を説明する。本発明者らは、開閉装置のモータ側の軸と開閉部材側の軸受のクリアランスについて検討した。このクリアランスが大きいと電動動作時に開閉部材の動きの制御が困難になり、開閉部材を開位置に停止させるストッパに開閉部材が高速で衝突して衝撃音を発する現象がみられた。特に、迅速に開動作させようとするとこの衝撃音が大きくなった。この衝撃音は、ユーザに違和感を与えるおそれがあり、開動作の迅速化の障害にもなる。一方、クリアランスが過度に小さいと、清掃等の際にこれらを分離・組立する作業の作業性が大幅に低下するおそれがあることも判明した。
本発明はこのような知見に基づき、清掃等の作業性を低下させずに、開閉体の開動作の迅速化と円滑化を改善するためになされた。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに各図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するために用いることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されるものではない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。
(水洗便器装置)
図1は、実施形態に係る開閉装置10を具備する水洗便器装置100の閉状態を示す側面図である。図2は水洗便器装置100の開状態を示す側面図である。以下、XYZ直交座標系をもとに説明する。X軸方向は水平な左右方向に対応し、Y軸方向は水平な前後方向に対応し、Z軸方向は鉛直な上下方向に対応する。Y軸方向およびZ軸方向はそれぞれX軸方向に直交する。X軸方向は左方向、右方向あるいは横方向と、Y軸方向は前方向あるいは後方向と、Z軸方向は上方向、下方向あるいは縦方向と表記することがある。
図1において水洗便器装置100を矢印Pの方向から視て向かって右側を右と、左側を左という。
図1および図2に示すように、水洗便器装置100は、2つの駆動装置11と、便器本体102と、便座20と、便蓋30と、ケーシング40と、を主に含む。ケーシング40は、例えば便器本体102の上面の後端側に設けられ、各種操作をする操作ボタンが取り付けられる。ケーシング40には、左右両側に延伸する便座20の回転軸と、左右両側に延伸する便蓋30の回転軸とがそれぞれ設けられる。便座20および便蓋30それぞれはこの回転軸を支点として回転自在に設けられる。駆動装置11は、この回転軸の一方また双方に設けてもよい。一例として、水洗便器装置100では、便座20および便蓋30それぞれについて、右方の回転軸側のみに駆動装置11が設けられている。
(便座)
便座20は、後部の右方に設けられた駆動装置11の回転軸Mを中心として、便器本体102に対して回転自在に設けられる。便座20は、便器本体102に対して閉位置から開位置まで上げ下ろし可能に構成される。図1に示す閉状態では、便座20は、前部20bが後部20aに対し例えば水平な閉位置にて便器本体102の上面に配置される。図2に示す開状態では、便座20は、前部20bが持ち上げられ、閉位置から例えば略110°回転して開いた開位置に配置される。
(便蓋)
便蓋30は、後部の右方に設けられた駆動装置11の回転軸Mを中心として、便器本体102に対して回転自在に設けられる。便蓋30は便器本体102を閉じた状態の便座20に対して閉位置から開位置まで上げ下ろし可能に構成される。図1に示す閉状態では、便蓋30は、前部30bが後部30aに対して例えば水平な閉位置にて便器本体102を閉じた状態の便座20の上側に配置される。図2に示す開状態では、便蓋30は、前部30bが持ち上げられ、閉位置から例えば110度程度回転して開いた開位置に配置される。図2に示すように、実施の形態では便蓋30を駆動する駆動装置11は便座20を駆動する駆動装置11の後方上側に離れて設けられる。
(開閉装置)
実施形態に係る開閉装置10は、便座20または便蓋30である開閉体12と、駆動モータ14の駆動力に基づいて回転駆動される駆動出力部47と、駆動出力部47と遊び(クリアランス)をもって嵌め合うことによって回転駆動されて開閉体12を開動作および閉動作させる駆動入力部48と、を主に備える。駆動出力部47と駆動入力部48とは互いに接触することによって動力を伝達する噛合部52を構成し、噛合部52は駆動出力部47の回転駆動力を駆動入力部48に伝達して開閉体12を回転駆動する。駆動モータ14と駆動出力部47は駆動装置11に設けられる。駆動入力部48は開閉体12である便座20および便蓋30に設けられる。つまり、開閉体12は、駆動装置11の駆動モータ14の駆動により、電動で開位置まで正転方向の開動作および逆転方向の閉動作可能に構成される。駆動モータ14、駆動出力部47、駆動入力部48および噛合部52については後述する。
(駆動装置)
次に、実施形態に係る駆動装置11について説明する。図3は実施形態に係る駆動装置11の斜視図である。図4は筐体50を外した状態の駆動装置11を示す斜視図である。駆動装置11は、駆動モータ14と、第1ウォーム部41と、第2ウォーム部42と、減速ギア部43と、出力軸部45と、付勢部材46と、回転検出部44と、を主に含む。第1ウォーム部41、第2ウォーム部42、減速ギア部43、出力軸部45、付勢部材46および回転検出部44は筐体50内に収納される。筐体50のX軸方向の一方の端部には駆動モータ14が設けられ、筐体50の他方の端部からは出力軸部45の延伸端が突出している。出力軸部45の突出部には駆動出力部47が設けられる。
(駆動モータ)
駆動モータ14は、駆動装置11が取り付けられる便座20や便蓋30を回転させる駆動源である。駆動モータ14は、リード線(不図示)を介して駆動電流が供給されることによって回転トルクを出力する。駆動モータ14は、所定の正方向の駆動電流によって開閉体12を開く正転方向の回転トルクを出力し、所定の逆方向の駆動電流によって開閉体12を閉じる逆転方向の回転トルクを出力する。また、駆動モータ14のリード線を短絡することによって駆動モータ14はショートブレーキ状態となる。駆動モータ14としては、DCモータ、DCブラシレスモータ、ステッピングモータなど、多様な種類のモータを使用することができる。実施の形態の駆動装置11では、駆動モータ14としてDCモータが使用される。
(ウォーム部)
第1ウォーム部41は、駆動モータ14の出力回転軸に連結され、回転速度を減速すると共に軸方向を変換するための伝達機構である。第1ウォーム部41は、ウォームとウォームホイールからなるウォームギアを含んで構成されてもよい。第2ウォーム部42は、第1ウォーム部41の出力側に連結され、回転速度を減速すると共に軸方向を変換するための伝達機構である。第2ウォーム部42は、ウォームとウォームホイールからなるウォームギアを含んで構成されてもよい。第1ウォーム部41および第2ウォーム部42を構成する部材は、例えば金属材料や樹脂材料から形成されてもよい。実施の形態の第1ウォーム部41および第2ウォーム部42では、ウォームとウォームホイールが樹脂材料から形成されている。
(クラッチ部)
第2ウォーム部42の出力側のウォームホイールには図示しないクラッチ部が接続される。クラッチ部は、第1ウォーム部41および第2ウォーム部42を介して駆動モータ14から伝達されたトルクを減速ギア部43に伝達するための伝達機構である。クラッチ部は、その入力側と出力側との間に所定の大きさを超えるトルクが入力された場合に、トルクの伝達を抑制するトルクリミッタとして機能する。例えば、駆動装置11の駆動力に対して、便座20または便蓋30である開閉体12が手動で開閉されることがある。このような場合に、駆動出力部47に負荷が加えられた際に、その負荷の駆動モータ14への伝達を抑制して駆動モータ14と第1ウォーム部41、第2ウォーム部42、減速ギア部43を保護する。クラッチ部としてはトルクリミッタとして機能する構成であれば特に制限はない。実施の形態の駆動装置11では、複数の円板を交互に重ねた構造を有する多板クラッチを採用している。クラッチ部は、トルクが所定の閾値を超えた場合に内部の複数の円板がスリップしてトルクの伝達を抑制する。
(減速ギア部)
減速ギア部43は、第1ウォーム部41、第2ウォーム部42およびクラッチ部を介して駆動モータ14から伝達されたトルクを出力軸部45に伝達するための伝達機構である。減速ギア部43の入力側はクラッチ部の出力側に連結される。減速ギア部43は、大径ギアと小径ギアからなる減速機構を複数含んで構成されてもよい。減速ギア部43を構成する大径ギアと小径ギアなどの部材は、例えば金属材料や樹脂材料から形成されてもよい。実施の形態の大径ギアと小径ギアは樹脂材料から形成されている。
(出力軸部)
出力軸部45は、第1ウォーム部41、第2ウォーム部42、クラッチ部および減速ギア部43を介して駆動モータ14から伝達されたトルクを開閉体12に伝達するための部材である。出力軸部45は、X軸方向に延伸する軸状の部材で、出力軸部45の延伸端が筐体50から突出して、その突出部に駆動出力部47が形成される。出力軸部45と一体に駆動出力部47が回転することで、駆動出力部47と嵌め合う駆動入力部48が回転駆動される。
(付勢部材)
付勢部材46は出力軸部45を回転方向に付勢する付勢部材である。付勢部材46は、例えば開閉体12を開く方向に付勢力を出力軸部45に付与するアシストばねであってもよい。アシストばねである付勢部材46は、開閉体12が自重で閉じようとする力の一部を打ち消して、小さなトルクで開閉体12の開閉をすることが可能になる。付勢部材46は例えば出力軸部45を環囲するコイル状に形成される。コイル状の付勢部材46の固定端部は筐体50の所定の箇所に固定され、可動端部は出力軸部45の所定の箇所に固定される。付勢部材46は、例えば開閉体12が開位置にあるとき付勢力が最小になり、開閉体12が閉位置にあるとき付勢力が最大になるように配置される。
(回転検出部)
回転検出部44は、駆動出力部47の回転角度や回転速度を検出する回転検出機構である。回転検出部44としてはロータリーエンコーダやホール素子などの多様な種類の検出原理に基づく回転検出手段を使用することができる。実施の形態の駆動装置11では、回転検出部44は、駆動出力部47の回転に同期して回転するポテンショメータ44aを含む。回転検出部44は、駆動出力部47が設けられる出力軸部45の回転が伝達されるギア44bを含み、ポテンショメータ44aはギア44bと共に回転する。ポテンショメータ44aは駆動出力部47の回転角度を抵抗値、分圧比または電圧として出力することができる。駆動出力部47の回転角度に基づき所定の時間ごとにその差分を演算することによって駆動出力部47の回転速度を検出することができる。
(噛合部)
次に、駆動出力部47と駆動入力部48の噛合部52について説明する。図5は開閉装置10の噛合部52を模式的に示す側面図である。図6は開閉装置10の噛合部52を模式的に示す別の側面図である。駆動入力部48は、便座または便蓋である開閉体12の基部12bに設けられ、駆動出力部47を介して駆動モータから伝達されたトルクによって開閉体12を開動作および閉動作させるための機構部分である。噛合部52としては、駆動出力部47から駆動入力部48に回転力を伝達可能な機構であれば特に制限はない。噛合部52は、例えば駆動出力部47と駆動入力部48の一方を他方が環囲してラジアル方向に係合する構成や、駆動出力部47と駆動入力部48が軸方向に係合する構成を備えてもよい。実施の形態の噛合部52では、駆動出力部47が駆動入力部48に環囲され、これらがラジアル方向に係合するように構成される。
駆動出力部47から駆動入力部48を分離・装着する作業を容易にするため、実施の形態の開閉装置10では、駆動入力部48と駆動出力部47には所定の大きさの寸法差が設けられる。以下に、駆動出力部47および駆動入力部48の短辺寸法C1、C2、長辺寸法D1、D2の一例を示す。
駆動出力部47:短辺寸法C1=8.5mm 長辺寸法D1=14.0mm
駆動入力部48:短辺寸法C2=9.5mm 長辺寸法D2=17.5mm
回転方向角度偏差:±5°
短辺寸法にこのような寸法差が設けられた結果、図5に示すように、駆動出力部47と駆動入力部48の噛合部52に所定の大きさの回転方向の遊び52aが設けられる。遊び52aは駆動出力部47の動力伝達部である外周平坦部47sと駆動入力部48の動力伝達部である内周平坦部48sの間の最大隙間である。つまり、遊び52aの範囲内においては、駆動出力部47は正転方向Rまたは逆転方向Qに回転しても駆動入力部48に駆動力を伝達することができない非接触状態となる。図5に示すように、駆動出力部47が、駆動入力部48に対して、回転軸Mを中心に、正転方向Rに先行して回転する状態を先行回転という。逆に、駆動出力部47が、駆動入力部48に対して遅行して回転する状態を遅行回転という(図6を参照)。
先行回転の状態での噛合部52を図5に示す。図5に示すように、実施の形態の噛合部52では、外周面に一対の外周平坦部47sが設けられた軸状の駆動出力部47が、内周面に一対の内周平坦部48sが設けられた筒状の駆動入力部48に環囲される。一対の外周平坦部47sは、動力伝達部である一対の内周平坦部48sと接触する動力伝達部である。図5に示すように、駆動出力部47の外周平坦部47sには、駆動入力部48に対して先行して回転するときに駆動入力部48の内周平坦部48sと接触する先行接触部47fが形成される。
遅行回転の状態での噛合部52を図6に示す。図6に示すように、駆動出力部47の外周平坦部47sには、駆動入力部48に対して遅行して回転するときに駆動入力部48の内周平坦部48sと接触する遅行接触部47dが形成される。
(機能ブロック)
次に、開閉装置10の機能ブロックについて説明する。図7は開閉装置10の構成を説明する機能ブロック図である。開閉装置10は、駆動ユニット150と、制御ユニット160と、操作ユニット170とを含む。駆動ユニット150は2つの駆動装置11を含み、便座20または便蓋30である開閉体12を開動作および閉動作可能に構成される。既述したように、駆動装置11の駆動出力部47は、開閉体12に設けられた駆動入力部48と噛合部52を構成する。開閉装置10では、操作ユニット170の操作信号171bに基づいて、制御ユニット160が駆動モータ14に駆動電流162bを出力することで、駆動モータ14が噛合部52を介して開閉体12を回転駆動するように制御される。
(制御ユニット)
制御ユニット160は、駆動モータ14の回転を制御可能に構成される制御回路であり、例えば図示しないプリント配線板上に配置される。制御ユニット160は、例えば水洗便器装置100のケーシング40(図1も参照)内に設けられてもよい。制御ユニット160は、制御用MCU161と、モータドライバ162と、A/Dコンバータ163とを主に含む。制御用MCU161は、コンピュータシステムが一つの集積回路にまとめられたMCU(Micro Controller Unit)である。モータドライバ162は制御用MCU161の制御信号162aに基づいて駆動モータ14に駆動電流162bを出力するように構成される。A/Dコンバータ163は、回転検出部44(図4も参照)に含まれるポテンショメータ44aから出力されるアナログ信号(例えばアナログ電圧)である回転信号163aをデジタル信号163bに変換して制御用MCU161に出力する。制御用MCU161はA/Dコンバータ163からのデジタル信号163bに基づいて、駆動出力部47の回転角θdや回転速度を算出する。なお、A/Dコンバータ163は制御用MCU161と一体に一つの集積回路にまとめられてもよい。制御ユニット160は、操作ユニット170の操作信号171bと、ポテンショメータ44aの回転信号163aとに基づいて、駆動ユニット150の駆動モータ14の回転を所定のアルゴリズムにしたがって制御するように構成される。
(操作ユニット)
操作ユニット170は制御ユニット160を制御可能に構成される制御回路であり、例えば図示しないプリント配線板上に配置される。操作ユニット170は、例えば水洗便器装置100のケーシング40(図1も参照)内に設けられてもよい。操作ユニット170は、操作用MCU171と、操作スイッチ部172と、人感センサ部173とを主に含む。操作用MCU171は、コンピュータシステムが一つの集積回路にまとめられたMCU(Micro Controller Unit)である。操作スイッチ部172は、ユーザの操作が入力される1以上のスイッチを含み、ユーザの操作に基づくスイッチ信号172aを操作用MCU171に出力する。なお、操作スイッチ部172は、水洗便器装置100の外部に設けられていてもよく、例えば水洗便器装置100付近の壁面に設置したり、持ち運び可能なリモートコントローラとするなど、無線、有線で通信可能な種々の形態が考えられる。人感センサ部173は、赤外線、超音波、可視光などを使用して人間の所在を検知可能なセンサを含み、ユーザの所在の有無に対応する人感信号173aを操作用MCU171に出力する。操作ユニット170は、操作スイッチ部172のスイッチ信号172aや人感センサ部173の人感信号173aに基づき制御ユニット160に開動作開始や閉動作開始などの操作信号171bを出力するように構成される。
(開動作)
次に、開閉装置10の開動作について説明する。開動作は閉位置にある開閉体12を開位置まで回転させて開く動作である。開閉体12が閉位置にある状態の噛合部52を図6に示す。この状態では、開閉体12の下面は水平位置にあり、駆動出力部47は遅行接触部47dが駆動入力部48に接触する位置にて待機する。このとき、駆動出力部47は、例えば水平位置に対して遊び52a分逆転方向Qに回転した位置に配置される。ここで、駆動出力部47の回転角θdは、閉位置における駆動出力部47の回転位置(一点鎖線N)を基準として、この一点鎖線Nに示す位置に対する相対値で表記する。なお、一点鎖線Nは回転軸Mを通り一対の外周平坦部47sの間隔を二等分する線である。つまり、開動作は、閉位置(駆動出力部47の回転角θd=0°)から正転方向Rに回転して開閉体12が直立する直立状態の位置(駆動出力部47の回転角θd=90°)を経て開位置(駆動出力部47の回転角θd=110°)に到達する動作である。開閉装置10の開動作は開動作処理120によって制御される。
図8は開動作処理120を説明するフローチャートである。図8に示すように、開動作処理120は、起動処理121と、先行回転処理122と、接触部切替処理123と、遅行回転処理124と、停止処理125とを主に含む。
(起動処理)
起動処理121は、開動作の起動を制御するための処理で、操作スイッチ部172の操作に対応するステップS101と、開閉体12の持上操作に対応するステップS102と、人感センサ部173の人検知に対応するステップS103を含む。ステップS101では、操作スイッチ部172のスイッチがON状態であるか否かを検出して、ON状態であれば先行回転処理122に移行する。ステップS102では、開閉体12を持上げる持上操作を検出して、操作を検出したら先行回転処理122に移行する。持上操作はポテンショメータ44aの信号に基づいて検出することができる。ポテンショメータ44aの信号はA/Dコンバータを介して制御用MCU161に入力され、さらに操作用MCU171にも転送される。操作用MCU171はポテンショメータ44aの信号に所定の変化があったときに持上操作を検出したと判定することができる。ステップS103では、人感センサ部173がユーザを検出したか否かを判定し、ユーザを検出したら先行回転処理122に移行する。ステップS101からS103のいずれも非検出の場合は最初に戻る。起動処理121にて先行回転処理122に移行するときは、操作用MCU171は操作信号171bを制御用MCU161に出力する。
(先行回転処理)
次に、先行回転処理122について説明する。図9は、先行回転処理122の途中状態における噛合部52の側面図である。図10は、先行回転処理122を終えた状態の噛合部52を示す側面図である。先行回転処理122は、駆動出力部47が駆動入力部48に対して先行して回転することによって、駆動入力部48および開閉体12を開く方向に回転駆動する処理である。先行回転処理122では、開閉体12を開動作させるとき、駆動出力部47は、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触状態にて待機する状態(図6を参照)から正転方向Rに回転して、先行接触部47fが駆動入力部48と接触する状態(図5を参照)に移行する。つまり、図6は先行回転処理122の初期状態を示し、図5は先行回転処理122の途中状態を示している。さらに、駆動出力部47は先行接触部47fが駆動入力部48と接触する状態にて動作切替角度まで正転方向Rに回転するように制御される。図9は、先行回転処理122の途中状態における噛合部52の側面図である。図9は、開閉体12が閉状態から略45°回転した状態を示す。先行回転処理122は、駆動出力部47を正転駆動して先行回転させるステップS104と、駆動出力部47の回転角θdに対応するステップS105とを含む。ステップS104では、駆動出力部47の先行接触部47fが駆動入力部48の内周平坦部48sと接触した状態で先行回転するように駆動モータ14を正転駆動する。
使い勝手の観点から、開閉体12の回転は摩擦力や粘性力などの機械的な要素の影響を抑えて、できるだけ一定の速度で回転することが望ましい。そこで、実施の形態の開閉装置10では、駆動出力部47の回転速度をフィードバックして、駆動出力部47の回転速度を所定の範囲内に保つフィードバック制御システムが構成される。このようなフィードバック制御システムは、例えば制御用MCU161によって、デジタル信号163bの所定の時間ごとの差分によって駆動出力部47の回転速度を算出し、この回転速度に基づいて駆動モータ14の駆動を制御するように構成されてもよい。例えば、駆動出力部47の回転速度が、下限速度未満では駆動モータ14を加速し、上限速度を超えるときは駆動モータ14を減速し、所定速度範囲内であるときは駆動電流をオフ状態にしてもよい。駆動電流のオフ状態では、駆動入力部48および開閉体12はその慣性により自由回転するように制御してもよい。機械的な要素の影響を抑制することができるから、開閉体12の開動作を高速化した場合に、開動作のオーバーシュートを抑制できる。
ステップS105では、回転角θdが所定の動作切替角度以上であるか否かを検出して、動作切替角度未満の場合にはステップS104を継続し、動作切替角度以上の場合には接触部切替処理123に移行する。回転角θdは、A/Dコンバータ163のデジタル信号163bに基づいて制御用MCU161が所定の演算をすることによって算出することができる。動作切替角度は、開閉体12が直立する直立状態の近傍の角度に設定されてもよい。動作切替角度は、一例として、直立状態の手前の例えば80°に設定されてもよく、略直立状態である90°に設定されてもよい。実施の形態の開閉装置10では、動作切替角度は直立状態を越え開位置の手前である100°に設定される。図10は先行回転処理122を終えた状態の噛合部52を示す側面図である。図10は、開閉体12が閉位置から略100°回転した状態を示す。
(接触部切替処理)
次に、接触部切替処理123について説明する。図11は接触部切替処理123を終えた状態の噛合部52を示す側面図である。接触部切替処理123は、内周平坦部48sに接触する接触部を先行接触部47fから遅行接触部47dに切り替える処理である。接触部切替処理123では、駆動出力部47は、まず動作切替角度まで回転する。動作切替角度まで回転した駆動出力部47は、駆動入力部48と非接触状態に移行するように回転を規制する。ここで、回転を規制することとは回転速度を負方向に変化させて減速することを意味する。したがって、回転を規制することには回転速度を減らすことと、回転を停止することと、逆方向に回転すること、とを含み、回転を加速することは含まない意味である。
非接触状態に移行した駆動出力部47は、駆動入力部48に追いつかれることで遅行接触部47dが駆動入力部48と接触する。つまり、駆動出力部47は、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触する状態で、再び駆動入力部48と動力伝達状態に移行する。
実施の形態では、動作切替角度まで回転した駆動出力部47は、正転方向Rに回転する前に、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触するまで正転方向Rと反対の逆転方向Qに回転するように制御される。接触部切替処理123では図10に示す状態から図11に示す状態に移行する。特に、接触部切替処理123では、動作切替角度まで回転した駆動出力部47の回転を変化させることで、先行接触部47fを内周平坦部48sから一旦離間させる。この状態では、駆動入力部48への駆動力の伝達はなくなる。しかし、駆動入力部48および開閉体12はその慣性により回転を続け、図10に示すように、一定時間後に遅行接触部47dが内周平坦部48sと接触する状態に到達する。
接触部切替処理123は、駆動出力部47を逆転駆動するステップS106と、所定の時間T1の経過を監視するステップS107とを含む。ステップS106では駆動出力部47を逆転駆動して逆転方向Qに回転させる。ステップS107では制御用MCU161のタイマ機能により経過時間が所定の時間T1を経過したか否かを検出して、未経過であればステップS106を継続し、時間T1を経過したら遅行回転処理124に移行する。ここで、時間T1は、駆動入力部48および開閉体12の回転速度と駆動出力部47の回転速度の差および回転方向の遊び52aの大きさに基づいて算出するようにしてもよい。一例として、時間T1は、角度に換算した回転方向の遊び52aの大きさを、角速度に換算した回転速度の差で除した値として算出することができる。
(遅行回転処理)
次に、遅行回転処理124について説明する。図12は遅行回転処理124を終えた状態の噛合部52を示す側面図である。遅行回転処理124は、駆動出力部47が駆動入力部48に対して遅行して回転することによって、開閉体12の加速を抑えながら駆動入力部48および開閉体12を開く方向に回転駆動する処理である。遅行回転処理124では、駆動出力部47は、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触する状態にて開閉体12が開位置に到達するまで、正転方向Rに回転するように制御される。この間、駆動出力部47は開閉体12の開位置に対応する開位置角度(回転角θd=110°)まで回転する。このように構成することで、遅行回転処理124を終えた後に開閉体12は開位置に到達する。図12は、開閉体12が水平状態から略110°回転した状態を示す。この状態では開閉体12は回転止めのストッパ58に接触する状態で停止する。
遅行回転処理124は、駆動出力部47を正転駆動しながら遅行回転させるステップS108と、所定の時間T2の経過を監視するステップS109とを含む。ステップS109では制御用MCU161のタイマ機能により経過時間が所定の時間T2を経過したか否かを検出して、未経過であればステップS108を継続し、時間T2を経過したら停止処理125に移行する。時間T2は、開位置角度と動作切替角度の角度差および駆動出力部47の回転速度に基づいて算出するようにしてもよい。一例として、時間T2は、この角度差を、角速度に換算した駆動出力部47の回転速度で除した値として算出することができる。
(停止処理)
次に、停止処理125について説明する。図13は停止処理125を終えた状態の噛合部52を示す側面図である。停止処理125は、開閉体12が開位置に到達した後、開閉体12を開位置に維持する処理である。実施の形態の開閉装置10では、駆動出力部47は、開閉体12が正転方向Rに回転して開位置に到達した後、先行接触部47fが駆動入力部48と接触する位置まで回転して停止する。停止処理125は、駆動出力部47を正転駆動するステップS110と、所定の時間T3の経過を監視するステップS111と、駆動出力部47の回転を停止させるステップS112と、を含む。
ステップS110では、開閉体12が開位置に到達した後、駆動出力部47をさらに正転駆動することで、内周平坦部48sに接触する接触部を遅行接触部47dから先行接触部47fに切り替える。ステップS111では、制御用MCU161のタイマ機能により経過時間が所定の時間T3を経過したか否かを検出して、未経過であればステップS110を継続し、時間T3を経過したらステップS112に移行する。時間T3は、駆動出力部47の回転速度および回転方向の遊び52aの大きさに基づいて算出するようにしてもよい。一例として、時間T3は、角度に換算した回転方向の遊び52aの大きさを、角速度に換算した回転速度で除した値として算出することができる。
ステップS112では、先行接触部47fが駆動入力部48と接触した状態で駆動モータ14の回転を停止させる。なお、ステップS112では、開閉体12が開位置に停止した後、駆動モータ14をショートブレーキ状態に制御してもよい。具体的には、駆動モータ14の入力のリード線をモータドライバ162のスイッチング素子により短絡することでショートブレーキ状態にすることができる。停止処理125により開動作処理120は終了する。
次に、このように構成された本実施の形態の開閉装置10の特徴を説明する。
清掃やメンテナンスの際に便座20や便蓋30を取外しするために、駆動入力部48を駆動出力部47から取外すことがある。駆動入力部48と駆動出力部47の噛合部52の遊びが過小な場合、駆動入力部48の駆動出力部47からの分離や装着が難しくなる問題がある。そこで、実施の形態の開閉装置10では、駆動入力部48は、駆動出力部47と遊びをもって嵌め合うことで回転駆動され、開閉体12を開閉動作させる。このように構成することで、回転方向の遊びがない場合と比べて、これらの分離が容易になり清掃やメンテナンスの作業性が向上する。
開閉体12の開動作は、使い勝手を向上するため、迅速化されることが望ましい。また、開閉体12の回転止めのストッパ58への衝突音は、ユーザに違和感を与えるため、緩和されることが望ましい。そこで、実施の形態の開閉装置10では、開閉体12を開動作させるとき、駆動出力部47は、先行接触部47fが駆動入力部48と接触する状態で開位置の手前の動作切替角度まで正転方向Rに回転し、動作切替角度まで回転した駆動出力部47は、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触するまで回転を規制し、規制した駆動出力部47は、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触する状態で開閉体12が開位置に到達するまで正転方向Rに回転するように制御される。このように構成することで、駆動出力部47は、動作切替角度まで先行回転にて開閉体12を駆動するから開動作の迅速化が可能になる。また、駆動出力部47は、遅行回転にて開位置の近傍まで開閉体12を駆動するから、開閉体12の自重による加速を抑制して、開閉体12の回転止めのストッパ58への衝突音を緩和することができる。
なお、実施の形態の開閉装置10にて、前述の駆動出力部の回転を規制することには、回転の速度を減らすことと、回転を停止することと、逆方向に回転すること、との少なくともいずれかを含む。このように構成することで、回転を規制することに多様なアルゴリズムを採用することができる。
開閉体12は一層迅速に開動作することが望ましい。そこで、実施の形態の開閉装置10では、動作切替角度まで回転した駆動出力部47は、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触するまで逆転方向Qに回転するように制御される。このように構成することで、駆動出力部が逆転方向Qに回転するプロセスがない場合と比べて、より短時間で遅行接触部47dに切り替えることができるから、開閉体12の自重による加速を効果的に抑制することができる。例えば、動作切替角度を、開閉体12の直立状態を越えてより開位置に近い位置に設定することが可能になり、開閉体12の開動作を一層迅速化することができる。
開閉体12が開位置に到達した後、開閉体12が振動すると、例えばストッパ58との間で振動音を生じることがある。このような振動音は、ユーザに違和感を与えるため抑制されることが望ましい。そこで、実施の形態の開閉装置10では、開閉体12が開位置に到達した状態にて、駆動出力部47は先行接触部47fが駆動入力部48と接触する位置まで回転して停止するように制御される。このように構成することで、駆動入力部48および開閉体12は、回転止めのストッパ58と先行接触部47fとにより両側から接触されるから、開閉体12の振動が抑制される。
開閉体12が開位置に停止した後、小さな衝撃により開閉体12が意図せず動くことがある。そこで、実施の形態の開閉装置10では、開閉体12が開位置に停止した状態にて、駆動モータ14はショートブレーキ状態に制御される。このように構成することで、ショートブレーキ制御をしない場合と比べて、開閉体12の動きがショートブレーキ状態の駆動モータ14によって抑制される。
駆動出力部47や駆動入力部48の形状が複雑な場合、これらを加工する手間が過大になるおそれがある。そこで、実施の形態の開閉装置10では、駆動出力部47の外周部には、先行接触部47fと遅行接触部47dの少なくとも一方が設けられる外周平坦部47sが設けられ、駆動入力部48の内周部には、外周平坦部47sと接触するための内周平坦部48sが設けられる。このように構成することで、駆動出力部47や駆動入力部48の形状が単純になり加工の手間が減る。
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施の形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施の形態と重複する説明を適宜省略し、実施の形態と相違する構成について重点的に説明する。これらの変形例は実施の形態と同様の構成を備えることで実施の形態と同様の作用効果を奏する。
(第1変形例)
実施の形態の説明では、駆動出力部47が、動作切替角度にて遅行接触部47dが駆動入力部48と接触するまで逆転方向Qに回転するように制御される例について説明したがこれに限られない。例えば、動作切替角度まで回転した駆動出力部47は、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触するまで停止するように制御されてもよい。つまり、駆動出力部47は、動作切替角度まで回転した後、正転方向Rに回転する前に、遅行接触部47dが駆動入力部48と接触するまで停止するように制御される。具体的には、接触部切替処理123のステップS106において、駆動出力部47を逆転駆動する代わりに駆動出力部47を停止するように制御してもよい。なお、遅行接触部47dが停止する間も、開閉体12および駆動入力部48はその慣性により回転を継続するから、一定時間経過後には遅行接触部47dが駆動入力部48と接触することになる。
(第2変形例)
実施の形態の説明では、棒軸状の駆動出力部47を筒状の駆動入力部48が環囲する例について説明したがこれに限られない。例えば、棒軸状の駆動入力部が筒状の駆動出力部に環囲される構成であってもよい。
(第3変形例)
実施の形態の説明では、駆動出力部47が一対の外周平坦部47sを有し、そのそれぞれに動力伝達部を有する例について説明したが、これに限られない。駆動出力部は、例えば単独の外周平坦部に動力伝達部を有してもよい。図14は第3変形例の開閉装置200の噛合部252を示す側面図である。図14は図5に対応し、駆動出力部247は駆動出力部47に、駆動入力部248は駆動入力部48に対応する。図14に示すように、駆動出力部247は断面がD文字状の軸形状を有し、駆動入力部248は断面がD文字状の筒形状を有する。駆動出力部247は1つの外周平坦部247sに先行接触部247fと遅行接触部247dとを有する。
以下に、駆動出力部247および駆動入力部248の短辺寸法C3、C4、長辺寸法D3、D4の一例を示す。
駆動出力部247:短辺寸法C3=11.5mm 長辺寸法D3=14.0mm
駆動入力部248:短辺寸法C4=13.5mm 長辺寸法D4=17.5mm
回転方向角度偏差:±30°
(第4変形例)
また、駆動出力部は、複数の歯を含む歯車状に形成され、それぞれの歯に動力伝達部が設けられてもよい。図15は第4変形例の開閉装置300の噛合部352を示す側面図である。図15は図5に対応し、駆動出力部347は駆動出力部47に、駆動入力部348は駆動入力部48に対応する。図15に示すように、駆動出力部347は断面が十文字状の軸形状を有し、駆動入力部348は断面が十文字状の筒形状を有する。つまり、噛合部352を構成する駆動出力部347および駆動入力部348は複数の歯を含む歯車状に形成される。駆動出力部347の外周平坦部347sには先行接触部247fと遅行接触部347dとが設けられる。
(その他の変形例)
実施の形態の説明では、駆動装置11が便座20や便蓋30の右方側に設けられる例について説明したがこれに限られない。便座や便蓋の左右の両側に駆動装置を設けるようにしてもよい。
実施の形態の説明では、便蓋30を駆動する駆動装置11が便座20を駆動する駆動装置11と同じ側に設けられる例について説明したがこれに限られない。便座の駆動装置が便蓋の駆動装置の左右方向の反対側に設けられてもよい。
実施の形態の説明では、便蓋30を駆動する駆動装置11が便座20を駆動する駆動装置11と非同軸に設けられる例について説明したがこれに限られない。便座の駆動装置が便蓋の駆動装置と同軸に設けられてもよい。
10・・開閉装置、 11・・駆動装置、 12・・開閉体、 14・・駆動モータ、 20・・便座、 30・・便蓋、 40・・ケーシング、 41・・第1ウォーム部、 42・・第2ウォーム部、 43・・減速ギア部、 44・・回転検出部、 45・・出力軸部、 46・・付勢部材、 47・・駆動出力部、 47d・・遅行接触部、 47f・・先行接触部、 47s・・外周平坦部、 48・・駆動入力部、 48s・・内周平坦部、 50・・筐体、 52・・噛合部、 58・・ストッパ、 100・・水洗便器装置、 102・・便器本体、 120・・開動作処理、 121・・起動処理、 122・・先行回転処理、 123・・接触部切替処理、 124・・遅行回転処理、 125・・停止処理、 150・・駆動ユニット、 160・・制御ユニット、 161・・制御用MCU、 162・・モータドライバ、 163・・A/Dコンバータ、 170・・操作ユニット、 171・・操作用MCU、 172・・操作スイッチ部、 173・・人感センサ部。

Claims (8)

  1. 便座または便蓋である開閉体であって、閉位置から開位置まで正転方向の開動作および逆転方向の閉動作が可能に構成される開閉体と、
    駆動モータの回転に基づいて回転駆動される駆動出力部と、
    前記駆動出力部と遊びをもって嵌め合うことで回転駆動され、前記開閉体を開閉動作させる駆動入力部と、
    を備え、
    前記駆動出力部には、正転方向において前記駆動入力部に対して先行して回転するときに前記駆動入力部と接触する先行接触部と、前記駆動入力部に対して遅行して回転するときに前記駆動入力部と接触する遅行接触部と、が形成され、
    前記開閉体を開動作させるとき、前記駆動出力部は、前記先行接触部が前記駆動入力部と接触する状態で開位置の手前の動作切替角度まで正転方向に回転し、
    前記動作切替角度まで回転した前記駆動出力部は、前記遅行接触部が前記駆動入力部と接触するまで回転を規制し、
    前記駆動入力部と接触した前記駆動出力部は、前記開閉体が開位置に到達するまで正転方向に回転することを特徴とする開閉装置。
  2. 前記駆動出力部の回転を規制することには、回転の速度を減らすことと、回転を停止することと、逆方向に回転すること、との少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
  3. 前記動作切替角度まで回転した前記駆動出力部は、前記遅行接触部が前記駆動入力部と接触するまで逆転方向に回転することを特徴とする請求項1または2に記載の開閉装置。
  4. 前記動作切替角度まで回転した前記駆動出力部は、前記遅行接触部が前記駆動入力部と接触するまで停止することを特徴とする請求項1または2に記載の開閉装置。
  5. 前記開閉体が開位置に到達した状態にて、前記駆動出力部は前記先行接触部が前記駆動入力部と接触する位置まで回転して停止することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の開閉装置。
  6. 前記開閉体が開位置に停止した状態にて、前記駆動モータはショートブレーキ状態に制御されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の開閉装置。
  7. 前記駆動出力部の外周部には、前記先行接触部と前記遅行接触部の少なくとも一方が設けられる平坦部が設けられ、
    前記駆動入力部の内周部には、前記平坦部と接触するための別の平坦部が設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の開閉装置。
  8. 便座または便蓋である開閉体であって、閉位置から開位置まで正転方向の開動作および逆転方向の閉動作が可能に構成される開閉体と、
    駆動モータの回転に基づいて回転駆動される駆動出力部と、
    前記駆動出力部と遊びをもって嵌め合うことで回転駆動され、前記開閉体を開閉動作させる駆動入力部と、
    を備え、
    前記開閉体を開動作させるとき、前記駆動出力部は前記駆動入力部と接触状態で開位置の手前の動作切替角度まで正転方向に回転し、
    前記動作切替角度まで回転した前記駆動出力部は、前記駆動入力部と非接触状態に移行するように回転を減速し、
    非接触状態に移行した前記駆動出力部は、前記駆動入力部に追いつかれることで再び前記駆動入力部と接触すると共に前記駆動入力部に対して遅行する状態で、前記開閉体が開位置に到達するまで正転方向に回転することを特徴とする開閉装置。
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