JP2018040345A - オイルポンプ - Google Patents

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Abstract

【目的】ロータを複数備え多列式のポンプ等に組み込まれるロータと駆動軸の組付を簡単且つ効率的に行うオイルポンプ。【背景技術】【構成】ポンプハウジングDと、第1外嵌合歯形部A1と、駆動軸Aと、第1内嵌合歯形部B1を有し且つ第1ロータ室51の第1ロータBと、第1内嵌合歯形部B1と同等の第2内嵌合歯形部C1と同等数の外歯3とを有し第2ロータ室61の第2ロータCを備える。第1ロータBと第2ロータCとは、駆動軸Aに対して溝埋部22と欠歯部42とが一致するとき装着可能。第1ロータ室51の第1吸入ポート53と第1吐出ポート54の組と、第2ロータ室61の第2吸入ポート63と第2吐出ポート64の組とは同等形状で、第1ロータBの外歯3の位相及び第2ロータCの外歯3の位相、第1吸入ポート53と第1吐出ポート54の組の位相及び第2吸入ポート63と第2吐出ポート64の組の位相は、何れか一方を一致とし、他方を不一致とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のエンジン,トランスミッション等にオイルを送るためのロータを軸方向に複数備えた多列式のポンプ又は、これらを並列接続又は直列接続としたポンプ等において、組み込まれるロータ及び駆動軸の組付けを簡単且つ効率的に行うことができ、強度及び剛性にも優れたオイルポンプに関する。
従来、内接式又は外接式等のロータを軸方向に複数備えた多列式且つポンプ同士を並列接続又は直列接続としたオイルポンプが種々開発されている。このオイルポンプでは、一つの駆動軸に2又はそれ以上の列のロータが装着されている。ロータは内接又は外接等の歯車タイプのものや、ベーンポンプタイプのものである。
その一例として特許文献1(特開2006−132342号公報)が存在する。特許文献1には、2連のフィードポンプと4連のスカベンジングポンプとが存在する。特許文献1では、一つの駆動軸のセレーション部に複数の内接歯車式ロータが装着されている。特にセレーション部には、内接歯車式ロータのインナーロータが装着されているが、これらのインナーロータは、全て歯数が同数である。
また、一般的に駆動軸の回転により、該駆動軸に軸方向に装着された複数の内接歯車式ロータが回転したときに、ポンプの脈動又は振動を抑えるために、インナーロータの周方向における位相をずらすようにしている。位相のずれの量は、インナーロータの歯数によって決定されるものであるが、具体的にはある一つのインナーロータの歯の形成位置と、別のインナーロータの歯の形成位置とが一致しないようにしてあり、通常では隣接する歯と歯の中間つまり半歯分だけずれる構成とすることが多い。
特開2006−132342号公報
このように、ポンプの脈動又は振動を抑えるためには、インナーロータの周方向における位相をずらす構造がある。ところで、駆動軸に装着された複数の内接歯車式ロータにおける位相のずれを設定する場合には、そのずれの量の設定値は、可能な限り正確にしなければならない。さらに、駆動軸のセレーション部は、特許文献1に見られるように、多数の歯から構成されている。同様にインナーロータの軸孔にも多数の歯からなるセレーション部に歯合できるように、セレーション部の歯と同数となる多数の歯が前記軸孔に形成されている。
ところが、上記のように駆動軸及びインナーロータの軸孔のそれぞれのセレーション部の歯数が多数になると、このセレーション部(或いはスプライン)と、これと同数の歯数を有するインナーロータの軸孔によって、駆動軸とインナーロータとの組付作業には、以下のような問題点が生じる。まず、一つのインナーロータにおける前記駆動軸への装着状態に対して、軸方向に隣接する別のインナーロータを目的とする適正な位相に近い水準となるように前記駆動軸に組み付けることは容易にできる。
しかし、両インナーロータの位相を極めて正確に、一致又は不一致にさせるようにして、両インナーロータを駆動軸に装着する作業を行うことは極めて困難である。たとえば、セレーション部が一歯分ずれただけでも、両前記インナーロータの位相を正確な一致又は不一致の状態で装着ができないものである。つまり、前述したように、セレーション部には、極めて多数の歯が存在しており、両インナーロータを前記駆動軸に対して目的とした装着にするためには、極めて大変面倒な作業となり、作業効率を低下させるという問題点が存在している。つまり、特許文献1では、複数のインナーロータを一つの駆動軸に装着することにおいて、極めて正確な状態で位相を一致又は不一致の構成にすることは、極めて困難であるということが示唆されている。
本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、ロータを軸方向に複数備えた多列式且つポンプ同士を並列接続又は直列接続としたオイルポンプにおいて、駆動軸に装着する複数の内接接歯車式ロータの複数のインナーロータの位相を容易且つ正確に不一致又は一致するように且つ極めて少ない工程にて装着し、作業効率を向上させることにある。
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、第1ロータ室と第2ロータ室とを有するポンプハウジングと、周方向に配列された嵌合溝から所定間隔をおいて選択された任意の該嵌合溝内に溝埋部が設けられた第1外嵌合歯形部と、該第1外嵌合歯形部と同等形状とした第2外嵌合歯形部とを軸方向に沿って設けられた駆動軸と、前記溝埋部と組み合わされる欠歯部が設けられた第1内嵌合歯形部と外歯とを有し且つ前記第1ロータ室に収納される第1ロータと、前記第1内嵌合歯形部と同等形状の第2内嵌合歯形部と外歯とを有する前記第2ロータ室に収納される第2ロータとを備え、前記第1ロータと前記第2ロータとは、前記駆動軸に対して前記溝埋部と前記欠歯部とがそれぞれ一致するときのみ装着可能で且つ前記第1ロータ室の第1吸入ポートと第1吐出ポートの組と、前記第2ロータ室の第2吸入ポートと第2吐出ポートの組とは同等形状の組とされ、前記第1ロータの前記外歯の位相及び前記第2ロータの前記外歯の位相並びに前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートの組の位相及び前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートの組の位相において、何れか一方の位相を一致とし、他方の位相を不一致としてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1に記載のオイルポンプにおいて、前記第1ロータの前記外歯と前記第2ロータの前記外歯とは位相が一致すると共に、前記第1ロータ室の前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートの組と、前記第2ロータ室の前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートの組とは同等形状の組で且つ位相が相互にずれる構成としてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項2に記載のオイルポンプにおいて、前記第1吸入ポートの終端と前記第1吐出ポートの始端との間の第1大間仕切部と、前記第2吸入ポートの終端と前記第2吐出ポートの始端との間の第2大間仕切部との位相は、相互にずれる構成としてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項4の発明を、請求項2又は3に記載のオイルポンプにおいて、前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートとの組と、前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートとの組との位相の差の量は、前記ロータの前記外歯の半歯分としてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を、請求項2,3又は4の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記駆動軸における前記第1外嵌合歯形部と前記第2外嵌合歯形部とは、軸方向に沿って一体的に連続形成されてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項6の発明を、請求項1に記載のオイルポンプにおいて、前記第1ロータの前記外歯と前記第2ロータの前記外歯とは位相を不一致とすると共に、前記第1ロータ室の前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートの組と、前記第2ロータ室の前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートの組とは位相が同一となる構成としてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向先端に設けられてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項8の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向内端に設けられてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項9の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向全体に亘って設けられてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項10の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の底面から歯丈方向略中間箇所までの高さとしてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項11の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の底面から歯丈方向頂部までの高さとしてなるオイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、第1ロータと第2ロータとは、駆動軸の第1外嵌合歯形部及び第2外嵌合歯形部のそれぞれの溝埋部と、第1ロータ及び第2ロータのそれぞれの欠歯部とが嵌合するときのみ適正な装着となる。また、第1ロータ室の第1吸入ポートと第1吐出ポートの組と、第2ロータ室の第2吸入ポートと第2吐出ポートの組とは同等形状の組とされている。そして、第1ロータの外歯の位相及び第2ロータの外歯の位相並びに第1吸入ポートと第1吐出ポートの組の位相及び第2吸入ポートと第2吐出ポートの組の位相において、何れか一方の位相を一致とし、他方の位相を不一致とすることにより、極めて簡単な構成にて、第1ロータによる吐出と、第2ロータによる吐出のタイミングをずらすことができ、よって脈動及び振動を抑えることができる。
本発明では、駆動軸における第1外嵌合歯形部及び第2外嵌合歯形部にそれぞれ形成された複数の嵌合溝から任意に選択された嵌合溝内に設けられる溝埋部によって位置合せ機能を有する部位が構成される。また、第1ロータの第1内嵌合歯形部及び第2ロータの第2内嵌合歯形部のそれぞれの複数の内嵌合歯から任意に選択される内嵌合歯が切除されて欠歯部とし、該欠歯部を前記溝埋部と組み合わせたものである。
そして、駆動軸の第1外嵌合歯形部に第1ロータの第1内嵌合歯形部を装着するとき、及び駆動軸の第2外嵌合歯形部に第2ロータの第2内嵌合歯形部を装着するときには、溝埋部と欠歯部との位置が一致するとき以外の場合では、溝埋部と内嵌合歯の先端とが当接し、第1ロータと第2ロータの完全な挿入ができず、不適正な位置での挿入ミスを極めて簡単に発見でき、作業効率を向上させることができる。
請求項2の発明では、前記第1ロータの前記外歯と前記第2ロータの前記外歯とは位相が一致すると共に、前記第1ロータ室の前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートの組と、前記第2ロータ室の前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートの組とは同等形状の組で且つ位相が相互にずれる構成としたことにより、極めて簡単な構成にて脈動及び振動を抑えることができる。
請求項3の発明では、前記第1吸入ポートの終端と前記第1吐出ポートの始端との間の第1大間仕切部と、前記第2吸入ポートの終端と前記第2吐出ポートの始端との間の第2大間仕切部との位相は、相互にずれる構成としたことで、請求項1と同等の効果を奏すると共に、より一層確実なる吐出のタイミングのずらしを実現でき、脈動を抑えたより一層静かなポンプ動作を実現できる。
請求項4の発明では、前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートとの組と、前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートとの組との位相の差の量は、前記ロータの前記外歯の半歯分としたことにより、極めて簡単な目安にて、多列タイプのオイルポンプの稼動時における脈動及び振動を抑えるための構造を極めて簡単にすることができる。請求項5の発明では、前記駆動軸における第1外嵌合歯形部と前記第2外嵌合歯形部とは、軸方向に沿って一体的に連続形成されてなる構成としたことにより、第1外嵌合歯形部と第2外嵌合歯形部とを軸方向に沿って連続するスプライン状軸とし、駆動軸の形状及び構造を単純化することができる。したがって、第1外嵌合歯形部と第2外嵌合歯形部とをそれぞれ別々に形成するのではなく、1回の製造工程にて第1外嵌合歯形部と第2外嵌合歯形部とを製造することができ、駆動軸の製造効率を良好とし、駆動軸を低価格にて提供することが可能となる。
請求項6の発明では、前記第1ロータの前記外歯と前記第2ロータの前記外歯とは位相を不一致とすると共に、前記第1ロータ室の前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートの組と、前記第2ロータ室の前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートの組とは位相が同一となる構成としたことにより、極めて簡単な構成にて脈動及び振動を抑えることができる。請求項7の発明では、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向先端に設けられたことにより、駆動軸の第1外嵌合歯形部に第1ロータの第1内嵌合歯形部を装着するとき、及び駆動軸の第2外嵌合歯形部に第2ロータの第2内嵌合歯形部を装着するときには、溝埋部と欠歯部との位置が一致するとき以外の場合では、溝埋部と内嵌合歯の先端とが当接し、第1ロータと第2ロータの挿入初期段階から挿入することができず、不適正な位置での挿入ミスを初期段階で発見でき、作業効率を向上させることができる。
請求項8の発明では、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向内端に設けられたことにより、第1ロータと第2ロータの挿入が完全にできず、不適正な位置での挿入ミスを発見でき、作業効率を向上させることができる。請求項9の発明では、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向全体に亘って設けられてなる構成としたことにより、駆動軸を製造するときに、第1外嵌合歯形部及び第2外嵌合歯形部を成形するときに、溝埋部の先端と内端とが嵌合溝の軸方向と同一長さなので、成形機により一体的に成形することができ、製造効率が向上し、低価格に提供することができる。
請求項10の発明では、溝埋部は、嵌合溝の底面から歯丈方向略中間箇所までの高さとすることにより、欠歯部も僅かに内嵌合歯を残すことができ第1外嵌合歯形部と第1内嵌合歯形部及び第2外嵌合歯形部と第2内嵌合歯形部との嵌合力をより一層向上させることができる。請求項11の発明では、溝埋部は、嵌合溝の底面から歯丈方向頂部までの高さとしてなるオイルポンプとしたことにより、第1外嵌合歯形部と第1内嵌合歯形部及び第2外嵌合歯形部と第2内嵌合歯形部との構成をより一層簡単な形状にすることができる。
(A)は本発明のオイルポンプの縦断側面図、(B)は構造の第1実施形態とした(A)のY1−Y1矢視断面図、(C)は構造の第1実施形態とした(A)のY2−Y2矢視断面図である。 (A)は構造の第1実施形態における駆動軸と第1ロータと第2ロータとの組付けた状態の縦断側面図、(B)は(A)のY3−Y3矢視断面図、(C)は(B)の(α)部拡大図である。 (A)は本発明における駆動軸の第1外嵌合歯形部箇所と第1ロータの分離した状態の斜視図、(B)は(A)の(β)部拡大図、(C)は溝埋部の第1実施形態と欠歯部を示す要部拡大断面図、(D)は溝埋部の第1実施形態で且つ嵌合溝の底面から歯丈方向頂部までの高さとしたものと欠歯部を示す要部拡大断面図である。 (A)は構造の第1実施形態における駆動軸の第1外嵌合歯形部の軸方向に直交する断面図、(B)は(A)のY4−Y4矢視展開図、(C)は第1ロータの第1内嵌合歯形部の軸方向に直交する断面図、(D)は(C)のY5−Y5矢視展開図、(E)は第1外嵌合歯形部と第1内嵌合歯形部とが適正に嵌合装着された状態を示す略示端面図、(F)は第1外嵌合歯形部と第1内嵌合歯形部とが適正に嵌合装着されない状態を示す略示端面図である。 (A)は本発明におけるポンプハウジングを分解した縦断側面図、(B)は構造の第1実施形態とした(A)のY6−Y6矢視図、(C)は構造の第1実施形態とした(A)のY7−Y7矢視断面図である。 (A)は構造の第1実施形態とした第1インナーロータと第1アウターロータとが吐出を行っている状態の略示図、(B)は構造の第1実施形態とした第2インナーロータと第2アウターロータとが吐出を行っている状態の略示図である。 (A)は本発明における溝埋部の第2実施形態を有する駆動軸の第1外嵌合歯形部箇所の要部拡大斜視図、(B)は駆動軸の第1外嵌合歯形部の軸方向に直交する断面図、(C)は(B)のY8−Y8矢視展開図、(D)は第1外嵌合歯形部と第1内嵌合歯形部とが適正に嵌合装着された状態を示す略示端面図である。 (A)は構造の第1実施形態において第1外嵌合歯形部と第2外嵌合歯形部とを軸方向に沿って一体的に連続形成した駆動軸に第1ロータ及び第2ロータが組み付けられた状態の縦断側面図、(B)は駆動軸に第2ロータ,仕切りブロック,第1ロータの順番で装着しようとする状態の縦断側面図である。 (A)は構造の第2実施形態を有する本発明の縦断側面図、(B)は(A)のY9−Y9矢視拡大断面図、(C)は(A)のY10−Y10矢視拡大断面図、(D)は(B)の(δ)部拡大図、(E)は(C)の(ε)部拡大図である。 (A)は構造の第2実施形態における第1ロータの第1内嵌合歯形部と外歯の位相関係を示す正面図、(B)は構造の第2実施形態における第2ロータの第2内嵌合歯形部と外歯の位相関係を示す正面図である。 (A)は構造の第2実施形態における第1ロータの外歯の数を8個とした実施形態の正面図、(B)は構造の第2実施形態における第2ロータの外歯の数を8個とした実施形態の正面図である。 (A)は本発明を外接歯車ポンプに適用した構成の略示図、(B)は第1外嵌合歯形部と第1ロータの縦断正面図、(C)は第2外嵌合歯形部と第2ロータの縦断正面図である。 (A)は本発明をベーンポンプに適用した構成の略示図、(B)は構造の本発明を第1外嵌合歯形部と第1ロータの縦断正面図、(C)は第2外嵌合歯形部と第2ロータの縦断正面図である。 (A)は構造の第2実施形態で且つ溝埋部の第3実施形態を有する本発明の縦断側面図、(B)は(A)のY11−Y11矢視拡大断面図、(C)は(A)のY12−Y12矢視拡大断面図、(D)は(B)の(ζ)部拡大図、(E)は(C)の(η)部拡大図である。 (A)は溝埋部の第3実施形態を有する駆動軸の第1外嵌合歯形部箇所と第1ロータの分離した状態の斜視図、(B)は(A)の(κ)部拡大図、(C)は溝埋部の第3実施形態と欠歯部の実施形態を示す要部拡大断面図、(D)は溝埋部の第3実施形態で且つ嵌合溝の底面から歯丈方向頂部までの高さとしたものと欠歯部を示す要部拡大断面図である。 (A)は構造の第2実施形態で且つ溝埋部の第3実施形態を有する駆動軸の第1外嵌合歯形部の軸方向に直交する断面図、(B)は(A)のY13−Y13矢視展開図、(C)は第1ロータの第1内嵌合歯形部の軸方向に直交する断面図、(D)は(C)のY14−Y14矢視展開図、(E)は第1外嵌合歯形部と第1内嵌合歯形部とが適正に嵌合装着された状態を示す略示端面図、(F)は第1外嵌合歯形部と第1内嵌合歯形部とが適正に嵌合装着されない状態を示す略示端面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は、内接又は外接式のロータ或いはベーンポンプに使用するロータを軸方向に複数備えたオイルポンプである。本発明には、構造において2つの実施形態が存在する。構造の第1実施形態では、第1ロータBの外歯3と、第2ロータCの外歯3とは位相が一致すると共に、第1ロータ室51の第1吸入ポート53と第1吐出ポート54の組と、第2ロータ室Cの第2吸入ポート63と第2吐出ポート64の組とは同一構成で且つ位相が相互にずれる構成としたものである。また、構造の第2実施形態は、第1ロータBの外歯3と第2ロータCの外歯3とは位相を不一致とすると共に、第1ロータ室51の第1吸入ポート53と第1吐出ポート54の組と、第2ロータ室61の第2吸入ポート63と第2吐出ポート64の組とは同一構成で且つ位相が同一となる構成としたものである。まず、構造の第1実施形態から説明する。本発明は、図1に示すように、主に駆動軸A,第1ロータB,第2ロータC,ポンプハウジングDから構成される。
そして、これらが図1(A)に示すように、駆動軸Aに第1ロータBと第2ロータCとが装着された状態で、第1ロータBは、ポンプハウジングDの第1ロータ室51に収納され、第2ロータCは、ポンプハウジングDの第2ロータ室61に収納され、オイルポンプが構成される。第1ロータBは、第1ロータ室51と共にメインポンプを構成し、第2ロータCは第2ロータ室61と共にサブポンプを構成する。ここで、全体的な発明構造は、単に構造と言い、また、部分的な発明構造としては、溝埋部22及び欠歯部42がある。これらの点は、前述の図面の簡単な説明の項においても同様である。
駆動軸Aは、後述する第1ロータB及び第2ロータCを軸方向に沿って支持する役目を
なす。駆動軸Aは、図2(A)に示すように、第1軸部1a,第2軸部1b及び中間軸部1cとから構成される。前記第1軸部1aと第2軸部1bとは、駆動軸Aの軸方向の両端に位置している。駆動軸Aにおいて、中間軸部1cは軸径が最大であり、第1軸部1aと第2軸部1bは、前記中間軸部1cよりも小さい外径に形成されている。第1軸部1aと中間軸部1cとの境界部分に第1外嵌合歯形部A1が形成され、第2軸部1bと中間軸部
1cとの境界部分に第2外嵌合歯形部A2が形成されている。
前記第1外嵌合歯形部A1は、略円筒軸形状の嵌合軸部2の外周に軸方向に沿って延在
する複数の嵌合溝21,21,…が周方向に沿って等間隔に配列形成されたものである〔図2(B),(C)参照〕。複数の嵌合溝21,21,…の配列構成において、所定の間隔をおいて選択された任意の嵌合溝21に溝埋部22が形成されている(図3参照)。
また、嵌合軸部2の選択された任意の嵌合溝21は、複数存在し、これらの任意の嵌合溝21は、嵌合軸部2の外周に沿って等間隔に配列されるものである。溝埋部22は、選択された任意の嵌合溝21に設けられている〔図2(B),(C),図3参照〕。また、駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1と、第2外嵌合歯形部A2のそれぞれの嵌合溝21には、先端側と内端側という部分が存在する。先端側とは、駆動軸Aの軸方向両端(軸端)に近い側に位置する部分である。また、嵌合溝21の内端は、駆動軸Aの軸方向中央に近い側に位置する部分である〔図2(A)参照〕。
そして、前述した任意の嵌合溝21と該嵌合溝21に設けられた溝埋部22によって構成される第1外嵌合歯形部A1及び第2外嵌合歯形部A2によって、前記第1外嵌合歯形部A1と第1ロータB及び前記第2外嵌合歯形部A2と第2ロータCとのそれぞれを最適な状態で装着させると共に、前記溝埋部22は、誤装着を防止するための位置合せ部としての役目をなすものである。そして、溝埋部22には、複数の実施形態が存在する。まず、溝埋部22の第1実施形態は、前述の任意に選択された嵌合溝21の軸方向に沿って先端の位置から軸方向の中間箇所に向かって形成され、且つ前記嵌合溝21の軸方向に対して直交する壁状の部位である〔図2(C),図3(A),(B),図4参照〕。
溝埋部22の第1実施形態は、任意の前記嵌合溝21の軸方向の先端側の所定範囲内に形成されている。具体的には、嵌合溝21の軸方向の先端箇所付近の所定の範囲に形成されていればよい。図4(A),(B)は、第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22が形成され
た箇所と、その展開図を示すものであり、溝埋部22が嵌合溝21の軸方向先端側に形成されていることが示されている。
溝埋部22は、嵌合溝21と一体形成されたり、駆動軸Aとは別部材からなり、溶接等にて固着されるものであってもよい。また、溝埋部22の第1実施形態において、任意の前記嵌合溝21の軸方向の内端側の所定範囲内に形成されることもある〔図15(A),(B)参照〕。
溝埋部22の第2実施形態及び第3実施形態については、後述する。溝埋部22は、前述したように、駆動軸Aに後述する第1ロータB及び第2ロータCを適正に装着させると共に誤装着を防止する役目をなすものである。
したがって、溝埋部22は、該溝埋部22が設けられた嵌合溝21に挿入しようとする第1ロータB及び第2ロータCの内嵌合歯41と当接することができる程度の大きさであればよい。具体的には、前記溝埋部22は、嵌合溝21の底面から歯丈方向において任意の高さとし、具体的には嵌合溝21の略中間箇所までの高さとしたり〔図3(C)参照〕、或いは、前記嵌合溝21の底面から歯丈方向頂部までの高さとするものが存在する〔図3(D)参照〕。
そして、複数の嵌合溝21,21,…の列から任意選択された隣接する嵌合溝21,21と溝埋部22によって構成される歯形部を位置合わせ部としての役目をなす。前記溝埋部22は、嵌合溝21の底面から歯丈方向略中間箇所までの高さとしたり〔図3(C)参照〕、或いは、前記嵌合溝21の底面から歯丈方向頂部までの高さとするものが存在する〔図3(D)参照〕。
前記第1外嵌合歯形部A1は、略円筒形状の嵌合軸部2の外周に軸方向に沿って延在す
る嵌合溝21,21,…が周方向に沿って等間隔に複数形成されている。複数の嵌合溝21,21,…において、隣接する嵌合溝21,21との間は、歯形が形成された部位となっている。該歯形の部位を歯形状部23と称する〔図3(B)参照〕。つまり、嵌合溝21と歯形状部23とが周方向に交互に配置され歯車形状を構成するものである。
前記第1外嵌合歯形部A1,第2外嵌合歯形部A2のそれぞれの嵌合溝21の総本数は、後述する第1ロータB及び第2ロータCのそれぞれの外歯3,3,…の歯数の整数倍の数となることが好ましい。駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1の軸方向外方側から第1ロータ
Bの装着側面を第1外嵌合歯形部A1に向けて挿入嵌合する。同様に、駆動軸Aの第2外
嵌合歯形部A2の軸方向外方側から第2ロータCの装着側面を第2外嵌合歯形部A2に向けて挿入嵌合する。
第1ロータB及び第2ロータCは、共に内接歯車又は外接歯車として使用される歯車式ロータ又はベーンポンプに使用されるロータである。内接歯車における第1ロータBではインナーロータとして使用され、これに対となる第1アウターロータ81と、同様に内接歯車における第2ロータCについてもインナーロータとして使用され、これと対になる第2アウターロータ82とがそれぞれ組み合わせられ、前記駆動軸Aと共にポンプハウジングDに装着される〔図1(A)参照〕。
以下、第1ロータB及び第2ロータCは、トロコイドポンプとして使用される歯車式ロータとして説明する。第1ロータBは、外周に複数の外歯3,3…が形成され、径方向の中心には第1内嵌合歯形部B1が形成されている。第1ロータBの外歯3の形状は、内接歯車としたトロコイド曲線又は略トロコイド曲線に近似した歯形形状のロータである。
第1内嵌合歯形部B1は、直径の中心位置に形成された嵌合孔4の内周側面に軸孔貫通
方向に沿って延在する内嵌合歯41が前記第1外嵌合歯形部A1の嵌合溝21と同数設け
られ、そして、その中から任意に選択された内嵌合歯41が切除され、この切除された部分を欠歯部42と称する。該欠歯部42は、前記第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22と同
数で且つ等間隔に形成される。内嵌合歯41と欠歯部42との位置関係は、第1外嵌合歯形部A1における嵌合溝21と、溝埋部22が設けられた嵌合溝21との位置関係と同等
である〔図4(C),(E)参照〕。
欠歯部42は、図3(C),(D)に示すように、内嵌合歯41が一部又は完全に切除されることによって形成される部位である。また、欠歯部42は、内嵌合歯41の一部が残存するように形成されることもある。欠歯部42を内嵌合歯41が一部残存する構成とした場合では、前記駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22が底面から歯丈中間ま
での高さとしたものと対応する。この場合、欠歯部42の残存した内嵌合歯41は溝埋部22と干渉せずに嵌合溝21に挿入することができる。
構造の第1実施形態では、第1ロータBにおいて、前記外歯3の歯数を6個とし、第1内嵌合歯形部B1の内嵌合歯41,41,…の数を18とした〔図2(B),(C)参照
〕。この18個の内嵌合歯41の内、等間隔(等角度)をおいて任意に3本の内嵌合歯41を無くし、これらを欠歯部42とした。該欠歯部42は、前記駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1における溝埋部22箇所と位置が一致することにより、相互に干渉されることなく、第1外嵌合歯形部A1と第1内嵌合歯形部B1とが完全に挿入される状態で嵌合することができる。
また、第2ロータCの第2内嵌合歯形部C1は、前記第1ロータBの第1内嵌合歯形部
B1と同様の構成であり、厚さ方向の寸法を除いて、第2ロータCは、第1ロータBと実
質的に同一且つ同等サイズの構造である。そして、前記駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1
には、第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1が嵌合により装着され(図2参照)、前記駆
動軸Aの第2外嵌合歯形部A2には、第2ロータCの第2内嵌合歯形部C1が嵌合により装着される。
前記駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1と、第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1同士が嵌合しつつ、第1ロータBが第1外嵌合歯形部A1に装着される。このとき第1外嵌合歯形
部A1と第1内嵌合歯形部B1において、溝埋部22が設けられていない嵌合溝21に対して内嵌合歯41が挿入するようにして嵌合し、溝埋部22が設けられた嵌合溝21に対して欠歯部42のみが嵌合する。該欠歯部42は、溝埋部22が設けられた嵌合溝21に完全に挿入嵌合されるものであり、このような状態で第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1
が駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に適正に装着されることになる〔図2(C),図4(
E),図7(D)参照〕。
そして、第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22が設けられた嵌合溝21に対しては、第1
内嵌合歯形部B1の内嵌合歯41は挿入嵌合することができない。特に、溝埋部22の第
1実施形態では、該溝埋部22が嵌合溝21の軸方向先端に設けられているので、第1内嵌合歯形部B1の内嵌合歯41は、挿入しようとすると内嵌合歯41の軸方向端部が溝埋部22と当接してしまい、最初の段階から挿入することができない〔図4(F)参照〕。これによって、駆動軸Aへの第1ロータB又は第2ロータCの誤装着を初期に認識することができ、作業効率を向上させるものである。
以上述べたように、第1外嵌合歯形部A1の全ての溝埋部22が設けられていない他の
全ての嵌合溝21,21,…と、第1内嵌合歯形部B1の全ての内嵌合歯41,41,…
とが完全に一致し、且つ溝埋部22と欠歯部42との位置(位相)が一致するように駆動軸Aと第1ロータBの位置(位相)を合わせない限り、第1ロータBを駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に装着することができない構造となる。
駆動軸Aに対して適正に装着された第1ロータBの外歯3,3,…と、第2ロータCの外歯3,3,…の位相は、一致する構成にされる。この一致とは、第1ロータBの外歯3,3,…と、第2ロータCの外歯3,3,…同士が軸方向に一列状に揃うことである。第1ロータBの外歯3,3,…と、第2ロータCの外歯3,3,…との位相が一致する構成であれば、駆動軸Aにおける第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2との位相は、一致であっても不一致であってもかまわない。
駆動軸Aにおける第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2との位相を不一致とするということは、第1外嵌合歯形部A1における溝埋部22が設けられた嵌合溝21の位置
と、第2外嵌合歯形部A2における溝埋部22が設けられた位置がずれるように設定する
ものである。第1外嵌合歯形部A1の嵌合溝21の個数を18とし、溝埋部22の個数を
3個とすると、第1外嵌合歯形部A1内で等間隔に配置された溝埋部22は、120°お
きに設置されることになる。第2外嵌合歯形部A2についても前記第1外嵌合歯形部A1と同様の構成である。
以上述べたように、駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に第1ロータBの第1内嵌合歯形
部B1を嵌合装着するときには、第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22と、第1内嵌合歯形部B1の欠歯部42の位置が一致しなければ、第1外嵌合歯形部A1に第1内嵌合歯形部B1
を挿入することはできない。つまり、駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に第1ロータBが適正に装着されるときには、第1ロータBの外歯3,3,…の位相(角度)は、駆動軸Aに対して常に同一の位相(角度)となるように設定することができる。これは、駆動軸Aと第2ロータCの場合についても同様である。
次に、ポンプハウジングDについて説明する。ポンプハウジングDは、主に第1ポンプハウジング5,第2ポンプハウジング6,仕切りブロック7によって構成される。第1ポンプハウジング5は、第1ロータ室51を有し、第2ポンプハウジング6は第2ロータ室61を有している〔図1(A),図5(A)参照〕。
そして、仕切りブロック7を中間にして、その両側に第1ポンプハウジング5と第2ポンプハウジング6が配置され、これらが接合される。これによって、ポンプハウジングDには、閉鎖された空間としての第1ロータ室51及び第2ロータ室61が形成される。仕切りブロック7は、第1ポンプハウジング5との第1接合面7aと、第2ポンプハウジング6との第2接合面7bとを有している〔図5(A)参照〕。
第1ロータ室51には、前記第1ロータBが収納され、第2ロータ室61には第2ロータCが収納される〔図1(A)参照〕。また、第1ポンプハウジング5と第2ポンプハウジング6と仕切りブロック7には、駆動軸Aを軸支するための軸支孔52,62,72がそれぞれ形成されている。
第1ポンプハウジング5の第1ロータ室51には、前記軸支孔52を中心として、第1吸入ポート53と第1吐出ポート54とが形成されている〔図1(B),図5(B)参照〕。また、第1ロータ室51に収納される第1ロータBの回転方向に沿って、第1吸入ポート53と、第1吐出ポート54には終端と始端がそれぞれ設定される。
第1吸入ポート53は始端53aと終端53bとを有し、第1吐出ポート54は始端54aと終端54bとを有している。第1吸入ポート53の終端53bと、第1吐出ポート54の始端54aとの間には、第1大間仕切部55が形成される。また、第1吸入ポート53の始端53aと、第1吐出ポート54の終端54bとの間には第1小間仕切部56が形成される。
同様に、第2ポンプハウジング6の第2ロータ室61には、前記軸支孔62を中心として第2吸入ポート63及び第2吐出ポート64が形成されている〔図1(C),図5(C)参照〕。また、第2ロータ室61に収納される第2ロータCの回転方向に沿って、第2吸入ポート63と、第2吐出ポート64には終端と始端がそれぞれ設定される。
第2吸入ポート63は、始端63aと終端63bとを有し、第2吐出ポート64は始端64aと終端64bとを有している。そして、第2吸入ポート63の終端63bと、第2吐出ポート64の始端64aとの間には第2大間仕切部65が形成される。また、第2吸入ポート63の始端63aと、第2吐出ポート64の終端64bとの間には第2小間仕切部66が形成される。
第1ロータ室51における第1吸入ポート53と第1吐出ポート54と、第2ロータ室61における第2吸入ポート63と第2吐出ポート64とは、同等(同じ又は略同じ)形状である。また、第1ロータ室51における第1大間仕切部55,第1小間仕切部56と、第2ロータ室61における第2大間仕切部65と第2小間仕切部66とは、同等(同じ又は略同じ)形状である。
ポンプハウジングDと、駆動軸Aと、第1ロータBと、第2ロータCとによるオイルポンプでは、第1ポンプハウジング5と第1ロータBとがメインポンプとして使用され、第2ポンプハウジング6と第2ロータCとがサブポンプとして使用される。ポンプハウジングDには、図示しないが吸入流路及び吐出流路が形成されており、吸入流路は、ポンプハウジングD内で分岐し、第1吸入ポート53と第2吸入ポート63のそれぞれに連通してオイルを送る役目をなしている。
また、吐出流路は、第1吐出ポート54と第2吐出ポート64のそれぞれに連通する流路となって、オイルを吐出する役目をなすものである。ここで、第1吸入ポート53と第1吐出ポート54とは組をなし、同様に第2吸入ポート63と第2吐出ポート64とは組をなす。
第1ロータ室51の第1吸入ポート53と第1吐出ポート54との組に対して、第2ロータ室61の第2吸入ポート63と第2吐出ポート64との組は、前記駆動軸A或いは、第1ロータB又は第2ロータCの回転方向に沿って前方(進行)側にずれるように構成されている。さらに、詳細には、前記駆動軸A,(又は第1ロータB及び第2ロータC)の回転方向に沿って第2吸入ポート63と第2吐出ポート64との組が、第1吸入ポート53と第1吐出ポート54との組に対して前方(進行)側に傾斜するように形成されている〔図1(B),(C)及び図5(B),(C)参照〕。
換言すると、第1大間仕切部55と第1小間仕切部56との組に対して、第2大間仕切部65と第2小間仕切部66との組が、前記駆動軸A,(又は第1ロータB及び第2ロータC)を中心として回転方向に沿って、前方(進行)側にずれる位置に形成される。ここで、第1ロータ室51には軸支孔52の直径の中心Paを通過する垂直線とした第1基準線Laを設定する。該第1基準線Laを基準として、その両側に第1吸入ポート53と第1吐出ポート54が配置される。また、第1大間仕切部55と第1小間仕切部56は、第1基準線La上に位置する〔図1(B),図5(B),図6(A)参照〕。
また、第2ロータ室61には軸支孔62の直径の中心Pbを通過する垂直線とした第1基準線Laに対して、第2ロータ室61では軸支孔62の直径の中心Pbを通過し且つ前記第1基準線Laに対して角度θだけ前方(進行)側に傾斜する第2基準線Lbが設けられる。
該第2基準線Lbに対してその両側に第2吸入ポート63と第2吐出ポート64とが配置される。また、第2大間仕切部65と第2小間仕切部66は、第2基準線Lb上に位置する。つまり、第1基準線Laと第2基準線Lbとは、ずれの量を角度にて示したものである。
第1ロータ室51の第1吸入ポート53と第1吐出ポート54と、第2ロータ室61の第2吸入ポート63と第2吐出ポート64との二つの組とのずれの量は、具体的には以下のようにすることが好適である。まず、駆動軸Aに適正に装着された第1ロータB又は第2ロータCにおいてそれぞれの外歯3,3,…の位相が半歯分ずれる角度θを導き出すと、以下の式1が適用される。
Figure 2018040345
ここで、nは第1ロータB及び第2ロータCのそれぞれの外歯3の数である。したがって、第1ロータB及び第2ロータCのそれぞれの外歯3の数を6とした場合では、上記の式1に当てはめると、位相のずれる角度θは30度となる。
つまり、第1ロータBと第2ロータCのそれぞれの外歯3の数を6とした場合では、第1ロータ室51の第1吸入ポート53と第1吐出ポート54との組に対して、第2ロータ室61の第2吸入ポート63と第2吐出ポート64との組は、前記駆動軸Aを中心にして、前方(進行)側に30度ずれた位置に形成される。
換言すると、第1大間仕切部55と第1小間仕切部56との組に対して、第2大間仕切部65と第2小間仕切部66との組が、前記駆動軸Aを中心として回転方向に沿って、前方(進行)側に30度ずれた位置に形成される。そして、このずれの角度は、おおよその角度であり、30度以外の角度であっても吐出脈動を低減できる。
また、図示しないが、第1ロータB及び第2ロータCの外歯3,3,…を8個とした場合では、第1ロータ室51の第1吸入ポート53と第1吐出ポート54との組に対して、第2ロータ室61の第2吸入ポート63と第2吐出ポート64との組は、前記駆動軸Aを中心にして、前方(進行)側に22.5度ずれた位置に形成される。
第1ロータ室51の第1吸入ポート53と第1吐出ポート54との組に対して、第2ロータ室61の第2吸入ポート63と第2吐出ポート64との組、或いは第1大間仕切部55と第2大間仕切部65とが、前記駆動軸A或いは、第1ロータB又は第2ロータCの回転方向に沿って前方(進行)側に傾斜するようにずれる構成とすることにより、第1吐出ポート54と第2吐出ポート64における吐出の脈動にずれが生じて、吐出による振動を低減することができる。
本発明においてオイルポンプの動作を説明する。ポンプが作動すると、メインポンプである第1ロータBと第1アウターロータ81とによる最大体積状態のセル(歯間空間)Sが第1大間仕切部55を通過した後に、第1吐出ポート54からオイルを吐出する〔図6(A)参照〕。そして、サブポンプ側では、第2ロータCと第2アウターロータ82のセルSが、第1ロータBと第1アウターロータ81よりも遅れて、第2大間仕切部65を通過することになる〔図6(B)参照〕。このように、メインポンプとサブポンプとは、オイル吐出におけるそれぞれの脈動がずれることにより、騒音,振動の発生を防止することができる。
また、駆動軸Aにおける別の実施形態として、第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形
部A2とは、軸方向に沿って一体的に連続形成されるものが存在する(図8参照)。この
実施形態では、第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2との間には、これら第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2と同等断面形状となる部分が連続して形成されたものであり、中間軸部1cは存在しない〔図8(A)参照〕。
この実施形態において、第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2との位相は一致するものである。第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2との間に形成される部分を連続外嵌合歯形部A3と称する。該連続外嵌合歯形部A3は、第1外嵌合歯形部A1と第2外
嵌合歯形部A2との間を略スプライン軸状の部位とし、第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2とに一体化させたものである。
このような構成としたことによって、第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2とを軸方向に沿って連続するスプライン状の軸部とし、駆動軸Aの形状及び構造を単純化することができる。したがって、駆動軸Aの製造においては、軸部材に対して第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2とをそれぞれ別々に形成するのではなく、これらを1回の工程にて形成し、駆動軸Aを製造することができるものである。よって、駆動軸Aの製造効率を良好とし、駆動軸を低価格にて提供することが可能となる。
また、駆動軸Aに第1ロータB及び第2ロータCを組み付けるときも、図8(B)に示すように、駆動軸Aの軸方向に対して同一側から第2ロータC,仕切りブロック7,第1ロータBの順に挿入装着する。特に、第2ロータCは、第1外嵌合歯形部A1側から挿入
し、前記連続外嵌合歯形部A3を通過させて第2外嵌合歯形部A2の位置に配置させる。
また、駆動軸Aには、第2ロータCを第2外嵌合歯形部A2の位置に配置させるために
、第2外嵌合歯形部A2の外端(先端)側にストッパ11が形成されることもある。該ス
トッパ11は、具体的には円板鍔形状としたものであり、第2外嵌合歯形部A2よりも大
径としたものである。駆動軸Aの両軸端から、第1アウターロータ81,第2アウターロータ82と共に、前記仕切りブロック7を挟持するようにして第1ポンプハウジング5及び第2ポンプハウジング6を装着しポンプハウジングDを構成することができる。
また、この実施形態では、第2ロータC,仕切りブロック7及び第1ロータBを第1外嵌合歯形部A1側から挿入する構成としたものであるが、これ限定されるものではなく、
第2ロータC,仕切りブロック7及び第1ロータBを駆動軸Aの第2外嵌合歯形部A2側
から挿入する構成としてもよい。この場合では、前記ストッパ11は第1外嵌合歯形部A1の外端(先端)側に形成することになる。
次に、溝埋部22の第2実施形態及び第3実施形態を説明する。この第2実施形態において、駆動軸Aの構成は、溝埋部22の第1実施形態における駆動軸Aと略同様である。まず溝埋部22の第2実施形態では、前記溝埋部22は、任意の前記嵌合溝21の軸方向全体に亘って設けられたものである〔図7(A),(B),(C)参照〕。溝埋部22の第2実施形態における任意の嵌合溝21とは、前述した溝埋部22の第1実施形態における選択された任意の嵌合溝21と同等である。また、溝埋部22の第2実施形態のその他の構成は溝埋部22の第1実施形態と略同等である。
次に、溝埋部22の第3実施形態について説明する。この第3実施形態において、駆動軸Aの構成は、溝埋部22の第1実施形態及び第2実施形態と同様である。そして、溝埋部22の第3実施形態は、任意に選択された前記嵌合溝21の軸方向に沿って内端の位置から軸方向の中間箇所に向かって形成され、且つ前記嵌合溝21の軸方向に対して直交する壁状の部位である〔図15(A),(B)参照〕。換言すると、任意の前記嵌合溝21の軸方向の内端側の所定範囲内に形成されている。
具体的には、嵌合溝21の軸方向の内端箇所付近の所定の範囲に形成されていればよい。図16(A),(B)は、第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22が形成された箇所と、その展開図を示すものであり、溝埋部22が嵌合溝21の軸方向内端に形成されていることが示されている。また、前記溝埋部22は、特に図示しないが嵌合溝21の軸方向中間箇所に設けられることもある。
第3実施形態における溝埋部22は、第1実施形態における溝埋部22と同様に、該溝埋部22が設けられた嵌合溝21に挿入しようとする第1ロータB及び第2ロータCの内嵌合歯41と当接することができる程度の大きさであればよい。具体的には、第3実施形態の溝埋部22は、嵌合溝21の底面から歯丈方向において任意の高さとしたものであって、嵌合溝21の略中間箇所までの高さとしたり〔図15(B),(C)参照〕、或いは、前記嵌合溝21の底面から歯丈方向頂部までの高さとするものが存在する〔図15(D)参照〕。
そして、第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22が設けられた嵌合溝21に対しては、第1
内嵌合歯形部B1の内嵌合歯41は挿入嵌合することができない。嵌合溝21の軸方向内
端に溝埋部22が設けられているので、第1内嵌合歯形部B1の内嵌合歯41は、嵌合溝
21に挿入しようとすると内嵌合歯41の軸方向端部が溝埋部22と当接してしまい、挿入することができないものである〔図16(F)参照〕。
つまり、第1外嵌合歯形部A1の全ての溝埋部22が設けられていない他の全ての嵌合
溝21,21,…と、第1内嵌合歯形部B1の全ての内嵌合歯41,41,…とが完全に
一致し、且つ溝埋部22と欠歯部42との位置(位相)が一致するように駆動軸Aと第1ロータBの位置(位相)を合わせない限り、第1ロータBを駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に装着することができない構造となる。
次に、構造の第2実施形態を説明する。構造の第2実施形態では、駆動軸Aに対して適正に装着された第1ロータBの外歯3,3,…と、第2ロータCの外歯3,3,…の位相は、不一致となるように構成される。この不一致とは、第1ロータBの外歯3,3,…と、第2ロータCの外歯3,3,…同士が軸方向に一列状に揃わず、相互にずれる配列となることを言う。この不一致の状態では、第1ロータBと第2ロータCとの外歯3,3同士がそれぞれ半歯分ずれる構成が好適である〔図9(A),(C)参照〕。
この外歯3における半歯分のずれとは、第1ロータBの隣接する外歯3,3の中間の位相に、第2ロータCの外歯3が位置することをいう〔図9(C)参照〕。また、隣接する外歯3,3の中間とは、隣接する外歯3,3の角度方向の中心位置のみではなく、この中心位置の近傍も含まれる。駆動軸Aに適正に装着された第1ロータBと第2ロータCのそれぞれの外歯3,3,…の位相が半歯分ずれるための角度θを導き出すには、前述した〔数式1〕が適用される。
次に、第1ロータBの外歯3,3,…と、第2ロータCの外歯3,3,…との位相を不一致とするための構成の実施形態を以下に説明する。ここで、位相の不一致とは、第1ロータBの外歯3と、第2ロータCの外歯3とを相互に半歯分ずらすこととして説明する。まず、第1の構成では、駆動軸Aにおける第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2との位相を不一致とし、第1ロータBと第2ロータCとは同等の形状とする。
この説明において具体的にするため、第1ロータBと第2ロータCとのそれぞれの外歯3の数は、6個とする。そして、第1ロータBと第2ロータCにおける外歯3を相互に半歯分(略半歯分も含む)だけずらすためには、前述した式1を適用することにより、第1ロータBに対して第2ロータCの位相のずれる角度θは30度に設定すればよい〔図9(C)参照〕。
上記のようにするためには、駆動軸Aにおける第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2との位相を不一致とする。駆動軸Aにおける第1外嵌合歯形部A1と第2外嵌合歯形部A2との位相を不一致とするということは、第1外嵌合歯形部A1における溝埋部22が設けられた嵌合溝21の位置と、第2外嵌合歯形部A2における溝埋部22が設けられた位置がずれるように設定するものである〔図9(E),(D)参照〕。
ここで、第1外嵌合歯形部A1の嵌合溝21の個数を18とし、溝埋部22の個数を3
個とすると、第1外嵌合歯形部A1内で等間隔に配置された溝埋部22は、120°おき
に設置されることになる。第2外嵌合歯形部A2についても前記第1外嵌合歯形部A1と同様の構成である。
したがって、第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22の位置と、第2外嵌合歯形部A2の溝
埋部22の位置とは、相互に30度だけ位相が異なるように設定される。これによって、第1ロータBを駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に適正に装着し、第2ロータCを第2外嵌合歯形部A2に適正に装着すると、第1ロータBの外歯3と、第2ロータCの外歯3と
は、相互に半歯分だけ位相がずれるように設定することができる〔図9(B),(C)参照〕。
また、駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1を嵌合装着するときには、第1外嵌合歯形部A1の溝埋部22と、第1内嵌合歯形部B1の欠歯部42の位置が一致しなければ、第1外嵌合歯形部A1に第1内嵌合歯形部B1を挿入することはできない。つまり、駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に第1ロータBが適正に装着されるときには、第1ロータBの外歯3,3,…の位相(角度)は、駆動軸Aに対して常に同一の位相(角度)となるように設定することができる。これは、駆動軸Aと第2ロータCの場合についても同様である。
次に、第1ロータBの外歯3,3,…と、第2ロータCの外歯3,3,…との位相を不一致とするための構成の第2の構成を説明する。この構成においても、位相の不一致となる量は増減できるが、例として第1ロータBの外歯3と、第2ロータCの外歯3とを相互に半歯分ずらすこととして説明する。また、第1ロータB及び第2ロータCの外歯3の数についても第1の構成と同様に6個とする。
第2の構成では、第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1と、第2ロータCの第2内嵌合
歯形部C1との位相をずらし、駆動軸Aにおける第1外嵌合歯形部A1と、第2外嵌合歯形部A2との位相は同一とするものである。具体的には、第1ロータBにおける各外歯3の
位置と第1内嵌合歯形部B1の各欠歯部42との位相と、第2ロータCにおける各外歯3
の位置と第2内嵌合歯形部C1の各欠歯部42との位相とを不一致とするものである。
つまり、第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1の欠歯部42の位置と、第2ロータCの第2内嵌合歯形部C1の欠歯部42の位置とを30度だけ位相をずらすものである。これによって、第1ロータBを駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1に適正に装着し、第2ロータCを第2外嵌合歯形部A2に適正に装着すると、第1ロータBの外歯3と、第2ロータCの外歯3とは、相互に半歯分だけ位相がずれるように設定することができる。
図10(A),(B)は、構造の第2実施形態において第1ロータB及び第2ロータCの外歯3,3,…を6個としたものである。図11(A),(B)は、構造の第2実施形態において、第1ロータB及び第2ロータCの外歯3,3,…を8個としたものである。ここで、駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1の嵌合溝21の数は24個とし、溝埋部22の数は4個とし、周方向において90度おきに設けられている。
また、第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1及び第2ロータCのそれぞれの内嵌合歯41の数は24個で、欠歯部42の数は4個である。第1ロータBと第2ロータCにおけるそれぞれの外歯3の数を8とした場合、半歯分の位相のずれる角度は、前記式1を適用すると22.5度となる〔図11(B)参照〕。
図12は、本発明における駆動軸A,第1ロータB及び第2ロータCを外接歯車ポンプに適用したものである。第1ロータBと第2ロータCとは外歯3の数を10個とした。駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1の嵌合溝21の数は20個とし、溝埋部22の数は5個と
した。また、第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1及び第2ロータCのそれぞれの内嵌合
歯41の数は20個で、欠歯部42の数は5個である。この実施形態において、第1ロータBと第2ロータCにおけるそれぞれの外歯3の数を10とした場合、半歯分の位相のずれる角度θは、前記式1を適用すると18度となる。
図13は、本発明における駆動軸A,第1ロータB及び第2ロータCをベーンポンプに適用したものである。第1ロータBと第2ロータCとは、外歯3の数を12個とした。ここで外歯3とは、ベーンのことであり、第1ロータB及び第2ロータCの、ロータ本体には前記ベーンが遊挿するベーン溝が形成されている。駆動軸Aの第1外嵌合歯形部A1の
嵌合溝21の数は24個とし、溝埋部22の数は6個とした。
また、第1ロータBの第1内嵌合歯形部B1及び第2ロータCのそれぞれの内嵌合歯41の数は24個で、欠歯部42の数は6個である。この実施形態において、第1ロータBと第2ロータCにおけるそれぞれのベーンとした外歯3の数を12とした場合、半歯分の位相のずれる角度θは、前記式1を適用すると15度となる。
次に、構造の第2実施形態におけるポンプハウジングDについて説明する。構造の第2実施形態におけるポンプハウジングDは、構造の第1実施形態と略同様の構成であり、主に第1ポンプハウジング5,第2ポンプハウジング6,仕切りブロック7によって構成される。第1ポンプハウジング5は、第1ロータ室51を有し、第2ポンプハウジング6は第2ロータ室61を有している〔図1(A)参照〕。
構造の第2実施形態におけるポンプハウジングDは、第1ポンプハウジング5の第1吸入ポート53と、第2ポンプハウジング6の第2吸入ポート63との位相は一致しており、同様に第1ポンプハウジング5の第1吐出ポート54と、第2ポンプハウジング6の第2吐出ポート64との位相は一致している。
A…駆動軸、A1…第1外嵌合歯形部、A2…第2外嵌合歯形部、21…嵌合溝、
22…溝埋部、B…第1ロータ、B1…第1内嵌合歯形部、C…2ロータ、
C1…第2内嵌合歯形部、3…外歯、42…欠歯部、D…ポンプハウジング、
51…第1ロータ室、53…第1吸入ポート、61…第2ロータ室、
63…第2吸入ポート。

Claims (11)

  1. 第1ロータ室と第2ロータ室とを有するポンプハウジングと、周方向に配列された嵌合溝から所定間隔をおいて選択された任意の該嵌合溝内に溝埋部が設けられた第1外嵌合歯形部と、該第1外嵌合歯形部と同等形状とした第2外嵌合歯形部とを軸方向に沿って設けられた駆動軸と、前記溝埋部と組み合わされる欠歯部が設けられた第1内嵌合歯形部と外歯とを有し且つ前記第1ロータ室に収納される第1ロータと、前記第1内嵌合歯形部と同等形状の第2内嵌合歯形部と外歯とを有する前記第2ロータ室に収納される第2ロータとを備え、前記第1ロータと前記第2ロータとは、前記駆動軸に対して前記溝埋部と前記欠歯部とがそれぞれ一致するときのみ装着可能で且つ前記第1ロータ室の第1吸入ポートと第1吐出ポートの組と、前記第2ロータ室の第2吸入ポートと第2吐出ポートの組とは同等形状の組とされ、前記第1ロータの前記外歯の位相及び前記第2ロータの前記外歯の位相並びに前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートの組の位相及び前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートの組の位相において、何れか一方の位相を一致とし、他方の位相を不一致としてなることを特徴とするオイルポンプ。
  2. 請求項1に記載のオイルポンプにおいて、前記第1ロータの前記外歯と前記第2ロータの前記外歯とは位相が一致すると共に、前記第1ロータ室の前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートの組と、前記第2ロータ室の前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートの組とは同等形状の組で且つ位相が相互にずれる構成としてなることを特徴とするオイルポンプ。
  3. 請求項2に記載のオイルポンプにおいて、前記第1吸入ポートの終端と前記第1吐出ポートの始端との間の第1大間仕切部と、前記第2吸入ポートの終端と前記第2吐出ポートの始端との間の第2大間仕切部との位相は、相互にずれる構成としてなることを特徴とするオイルポンプ。
  4. 請求項2又は3に記載のオイルポンプにおいて、前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートとの組と、前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートとの組との位相の差の量は、前記ロータの前記外歯の半歯分としてなることを特徴とするオイルポンプ。
  5. 請求項2,3又は4の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記駆動軸における前記第1外嵌合歯形部と前記第2外嵌合歯形部とは、軸方向に沿って一体的に連続形成されてなることを特徴とするオイルポンプ。
  6. 請求項1に記載のオイルポンプにおいて、前記第1ロータの前記外歯と前記第2ロータの前記外歯とは位相を不一致とすると共に、前記第1ロータ室の前記第1吸入ポートと前記第1吐出ポートの組と、前記第2ロータ室の前記第2吸入ポートと前記第2吐出ポートの組とは位相が同一となる構成としてなることを特徴とするオイルポンプ。
  7. 請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向先端に設けられてなることを特徴とするオイルポンプ。
  8. 請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向内端に設けられてなることを特徴とするオイルポンプ。
  9. 請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の軸方向全体に亘って設けられてなることを特徴とするオイルポンプ。
  10. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の底面から歯丈方向略中間箇所までの高さとしてなることを特徴とするオイルポンプ。
  11. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9の何れか1項に記載のオイルポンプにおいて、前記溝埋部は、前記嵌合溝の底面から歯丈方向頂部までの高さとしてなることを特徴とするオイルポンプ。
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