JP2018038987A - 水素吸蔵炭素材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素吸着(吸蔵)量が改善された水素吸蔵炭素材料及びその製造方法を提供する。【解決手段】層間にピラーを有する層状炭素材料であるピラー含有層状炭素材料と、該ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に含有されるリチウム元素とを含む水素吸蔵炭素材料及びその製造方法が提供される。水素吸蔵炭素材料を構成するピラー含有層状炭素材料の平均層間距離は1.2nm以上であることが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、内部に水素を吸蔵することができる水素吸蔵炭素材料及びその製造方法に関する。
水素は、使用しても二酸化炭素を排出しないことや、水や化合物から無尽蔵に作り出すことができること等のメリットから、次世代のエネルギーとして注目されている。また、これらの特徴から、国として水素社会実現を推進し、さまざまな自治体でも水素をエネルギーとして活用するための検討が開始されている。
しかし、水素は、常温常圧において気体状態であるため、貯蔵や運搬が困難であるという問題がある。また水素は、あらゆるガスの中で最小の密度と最大の拡散率を有するために漏洩しやすい。さらに水素は、燃焼性・爆発性が高いため、漏洩すると爆発の危険があるという問題もあり、活用のうえで大きな障害となっている。
したがって、水素エネルギーを用いたエネルギーシステムの実用化に向けて、気体状態にある水素を、効率的かつ安全に、小体積内に貯蔵する技術の開発が進められており、高圧ガスとして貯蔵する方法、液化水素として貯蔵する方法、水素吸蔵材料を用いる方法などが提案されている。しかし、高圧ガスとして貯蔵する方法では、貯蔵容器としてボンベのような非常に強固な金属製の耐圧容器を用いる必要があるため、容器自体がきわめて重くなる。また高圧ガスとして貯蔵する方法は、貯蔵密度が非常に小さく、貯蔵効率が低いという問題があるだけでなく、高圧であるため、安全面にも問題を有していた。
これに対して、液化水素として貯蔵する方法では、水素の貯蔵密度を70mg/cc程度まで高くすることができるが、水素を液化するために−250℃以下に冷却するエネルギーが必要になる上、冷却装置などの付加的な装置が要求され、システムが煩雑になるという問題があった。
一方、水素吸蔵材料としては、例えば、ランタンニッケル系、バナジウム系、マグネシウム系等の水素吸蔵合金が従来知られている。しかし、水素吸蔵合金は、金属合金であるために重い。また水素吸蔵合金は、水素ガスの吸蔵・放出の繰り返しによって、徐々に、構造が破壊され、性能が劣化するという問題がある上、合金の組成によっては、資源的な問題や、環境的な問題も生じる可能性がある。そこで近年、水素吸蔵材料として、比較的軽くて、資源的又は環境的な問題が生じにくい炭素材料に注目が集まっており、種々の角度から研究開発がなされている〔例えば特開2003−192316号公報(特許文献1)及び特開2006−320853号公報(特許文献2)〕。
特許文献1には、グラファイト酸化物層状体の層間に金属又は半金属の化合物を主体とするピラーを形成させてなる多孔質グラファイト複合材料が記載されている。ただし、特許文献1は、この多孔質グラファイト複合材料の水素吸蔵への適用に関して言及していない。特許文献2には、酸化黒鉛の層間を広げるためにリチウム等を含む有機金属反応剤を反応させることにより酸化黒鉛の層間を広げた黒鉛層間複合体である黒鉛系水素吸蔵材料が記載されている。
本発明の目的は、水素吸着(吸蔵)量が改善された水素吸蔵炭素材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、以下に示す水素吸蔵炭素材料及びその製造方法を提供する。
[1]層間にピラーを有する層状炭素材料であるピラー含有層状炭素材料と、
前記ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に含有されるリチウム元素と、
を含む、水素吸蔵炭素材料。
[1]層間にピラーを有する層状炭素材料であるピラー含有層状炭素材料と、
前記ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に含有されるリチウム元素と、
を含む、水素吸蔵炭素材料。
[2]前記ピラー含有層状炭素材料の平均層間距離が1.2nm以上である、[1]に記載の水素吸蔵炭素材料。
[3]比表面積が250m2/g以下である、[1]又は[2]に記載の水素吸蔵炭素材料。
[4]前記ピラーがシリコン元素を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の水素吸蔵炭素材料。
[5]層状炭素材料の層間にピラーを形成してピラー含有層状炭素材料を得る工程と、
前記ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有させる工程と、
を含む、水素吸蔵炭素材料の製造方法。
前記ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有させる工程と、
を含む、水素吸蔵炭素材料の製造方法。
[6]層状炭素材料とシリル化剤とを反応させることにより前記ピラー含有層状炭素材料を得る、[5]に記載の水素吸蔵炭素材料の製造方法。
[7]前記ピラー含有層状炭素材料にリチウムイオンを含む液を接触させることにより、前記ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有させる、[5]又は[6]に記載の水素吸蔵炭素材料の製造方法。
[8]層状炭素材料が酸化黒鉛である、[5]〜[7]のいずれかに記載の水素吸蔵炭素材料の製造方法。
本発明によれば、水素吸着(吸蔵)量が改善された水素吸蔵炭素材料及びその製造方法を提供することができる。
<水素吸蔵炭素材料>
本発明に係る水素吸蔵炭素材料は、層間にピラーを有する層状炭素材料であるピラー含有層状炭素材料と、このピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に含有されるリチウム元素とを含むものである。リチウム元素を含有している細孔が、水素の吸着サイトとなり得る。ピラーとは、層状炭素材料の層間距離を広げることができる柱状構造部である。ピラーは通常、層状炭素材料を構成する炭素層から、これと隣り合う炭素層まで延びている。本発明に係る水素吸蔵炭素材料においてピラーは、それぞれの層間に複数配置されており、これら複数のピラーは通常、離間して配置されている。
本発明に係る水素吸蔵炭素材料は、層間にピラーを有する層状炭素材料であるピラー含有層状炭素材料と、このピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に含有されるリチウム元素とを含むものである。リチウム元素を含有している細孔が、水素の吸着サイトとなり得る。ピラーとは、層状炭素材料の層間距離を広げることができる柱状構造部である。ピラーは通常、層状炭素材料を構成する炭素層から、これと隣り合う炭素層まで延びている。本発明に係る水素吸蔵炭素材料においてピラーは、それぞれの層間に複数配置されており、これら複数のピラーは通常、離間して配置されている。
層間にピラーが形成されたピラー含有層状炭素材料は、ピラーを形成していない層状炭素材料に比べて、より大きい層間距離を有することができる。また、ピラーの形成により層状炭素材料の細孔構造を制御することができる。したがって、ピラーを形成することにより、水素の物理吸着サイトを増大させることができる。また、細孔構造内にリチウム元素(Li)を配置させることにより水素の化学吸着サイトを増大させることができるとともに水素を選択的に吸着できるようなサイズの細孔の数を増やすことができる。
本発明に係る水素吸蔵炭素材料は、上記物理吸着サイトの増大と上記化学吸着サイトの増大とによって水素吸着(吸蔵)量を向上させることができるものと考えられるが、下記の実施例の項の記載からも明らかなように、本発明によって得られる水素吸着量の向上効果は、意外にも、物理吸着サイトの増大による水素吸着量の向上効果と化学吸着サイトの増大による水素吸着量の向上効果とを単純に足し合わせたものではなく、それを有意に超える相乗的な効果となっている。
本発明に係る水素吸蔵炭素材料に含有されるピラーは、例えば、シリコン元素を含む構造からなる。ピラーは、好ましくは細長い形状を有しており、具体的には、シルセスキオキサン構造又はシロキサン構造を有するものであることができる。
ピラーを層状炭素材料の層間に形成することにより、ピラーを形成しない場合に比べて、層間距離を大きくすることができる。水素吸着量を向上させる観点から、水素吸蔵炭素材料を構成するピラー含有層状炭素材料における平均層間距離は、好ましくは1.2nm以上であり、より好ましくは1.5nm以上である。平均層間距離は、層状炭素材料とピラー形成用試剤(後述)との反応量比の調整によって制御し得る。平均層間距離は、通常2.3nm以下である。
ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に含有されるリチウム元素は、例えば、ピラー含有層状炭素材料の層間であって、隣り合うピラーによって構築される細孔内に配置され、通常は、ピラーを形成するものではない。リチウム元素は、イオンの形態でピラー含有層状炭素材料に含有されていてもよいし、金属単体の形態でピラー含有層状炭素材料に含有されていてもよい。
本発明に係る水素吸蔵炭素材料が良好な水素吸着量を示すことができる要因の少なくとも一部は、上述のように、ピラーによって構築される細孔内にリチウム元素を配置することにより、そのリチウムによって化学吸着サイトが増大することに加え、水素を選択的に吸着できるようなサイズの細孔の数を増やすことができるためであると考えられる。この観点から、水素吸蔵炭素材料は、比較的多くのリチウム元素を含有することが好ましい。例えば、ピラーが、シルセスキオキサン構造又はシロキサン構造を有する場合のようにシリコン元素を含むものであるとき、水素吸蔵炭素材料に含まれるリチウム元素(Li)とシリコン元素(Si)との比は、原子比で、Li/Si=1.5〜6程度とすることができる。
また、ピラーが、シルセスキオキサン構造又はシロキサン構造を有する場合のようにシリコン元素を含むものであるとき、水素吸蔵炭素材料におけるシリコン元素(Si)と炭素(C)との含有量比(Si/C)は、原子比で、通常1〜4程度である。
水素吸蔵炭素材料は、ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に、リチウム元素以外の物質をさらに含有していてもよい。当該物質は、例えば、液体又は固体の有機化合物である。リチウム元素に加えて、リチウム元素以外の物質を細孔構造内に含有させることによっても、水素吸蔵炭素材料の水素吸着量を改善することが可能である。
水素吸蔵炭素材料は、実施例の項の記載に従って測定される窒素ガス吸着法による比表面積(BET比表面積)が、250m2/g以下であることが好ましく、150m2/g以下であることがより好ましく、100m2/g以下であることがさらに好ましい。水素吸蔵炭素材料の比表面積は、ゼロ又はその近傍であってもよい。上記測定方法に従う比表面積が小さいことは、窒素(N2)のような、水素に比べてサイズの大きい物質を吸着できる細孔が少ないことを意味する。したがって、上記測定方法に従う比表面積が小さいことは、水素吸着量の改善に有利となり得る。
<水素吸蔵炭素材料の製造方法>
本発明に係る水素吸蔵炭素材料は、層状炭素材料の層間にピラーを形成してピラー含有層状炭素材料を得る工程と、当該ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有させる工程とを含む方法によって作製することができる。
本発明に係る水素吸蔵炭素材料は、層状炭素材料の層間にピラーを形成してピラー含有層状炭素材料を得る工程と、当該ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有させる工程とを含む方法によって作製することができる。
水素吸蔵炭素材料を構成する層状炭素材料は、層状を有する限り特に限定されない。後述するように、水素吸蔵炭素材料を構成する層状炭素材料は、酸化黒鉛を原料として作製することができる。酸化黒鉛の原料となる原料黒鉛は、人造黒鉛、天然黒鉛、ヘテロ黒鉛、薄片グラファイト(例えば、エア・ウォーター(株)製のもの)等であってよい。常用の酸化剤で原料黒鉛を処理することにより、層間に酸素原子が導入された酸化黒鉛を得ることができる。ピラー形成に供される酸化黒鉛及びその原料となる黒鉛としては、それらが有する層構造の秩序が乱されていないものを用いることが好ましい。例えば、ピラー形成に先立って酸化黒鉛に超音波処理や粉砕処理を施すと、層構造の秩序が乱されやすく、その結果、得られる水素吸蔵炭素材料は、水素を安定して吸蔵する能力が低下することがある。
ピラー含有層状炭素材料は、酸化黒鉛等の層状炭素材料とピラー形成用試剤とを反応させることによって得ることができる。シルセスキオキサン構造又はシロキサン構造を有するピラーを形成する場合、ピラー形成用試剤としては、シリル化剤を好適に用いることができる。シリル化剤を用いる場合、ピラーはシリコン元素(Si)を含む。シリル化剤の具体例は、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン等のジクロロシラン;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン等のトリクロロシラン;テトラクロロシラン;ジメチルジアルコキシシラン、ジエチルジアルコキシシラン、ジイソプロピルジアルコキシシラン、3−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン等のジアルコキシシラン;メチルトリアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシラン、イソプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン等のトリアルコキシシラン;テトラアルコキシシラン等が挙げられる。アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等が挙げられる。
シルセスキオキサン構造又はシロキサン構造を有するピラーを形成するうえでは、シリル化剤として、ジクロロシラン、トリクロロシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン等の2官能又は3官能の(ハロゲン原子、アルコキシ基等の加水分解性基を分子内に2個又は3個有する)シラン化合物を用いることが好ましい。
酸化黒鉛等の層状炭素材料と、シリル化剤等のピラー形成用試剤とを反応させる際、層状炭素材料に対してピラー形成用試剤を段階的に反応させることは、長さの揃った細長いピラー前駆体を均一な分布で成長させやすい点で有利である。これにより、層状炭素材料の層間に均一にリチウム元素を配置することが可能となる。
ピラー形成用試剤と反応させた後は、熱処理(焼成、熱還元)を行うことが好ましい。これにより、ピラー前駆体からピラー、例えばシルセスキオキサン構造又はシロキサン構造を有するピラーが形成されるとともに、ピラーの安定化が図られたピラー含有層状炭素材料を得ることができる。熱処理の温度は、例えば300〜700℃である。
酸化黒鉛等の層状炭素材料と、シリル化剤等のピラー形成用試剤との反応は、これらを接触させた状態で、必要に応じて加温しながら静置することで進行させることが可能である。このようにして得られたピラー含有層状炭素材料に対して上記の熱処理を施す方法によれば、炭素材料の層状構造が維持されたピラー含有層状炭素材料、ひいては水素吸蔵炭素材料を得ることができる。層状構造の維持は、水素吸着量の改善に有利となり得る。
ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有させることにより本発明に係る水素吸蔵炭素材料を得ることができる。
リチウム元素をピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に含有させる方法としては、例えば、ピラー含有層状炭素材料にリチウムイオンを含む液を接触させる方法、リチウム化合物をピラー含有層状炭素材料に含浸させた後に焼結する方法、ピラー含有層状炭素材料にリチウム金属を接触させる方法などを挙げることができる。リチウムイオンを含む液は、例えば、リチウム塩やリチウム錯体を含む液である。上述のように、ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に、リチウム元素以外の物質をさらに含有していてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。各種測定は、以下の方法に従った。
(1)平均粒子径の測定
試料粉末を試料台に貼り付けたカーボンテープに押し付けて固定した。これをSEM測定装置(日本電子製 JSM6010Plus)に導入し、加速電圧15kV、測定温度25℃の条件下で拡大倍率2700倍のSEM画像を取得した。得られた画像から任意で粒子を50個選択した。選択した50個の粒子の最大粒径を測定し、それらの平均値を平均粒子径とした。結果を表1に示す。
試料粉末を試料台に貼り付けたカーボンテープに押し付けて固定した。これをSEM測定装置(日本電子製 JSM6010Plus)に導入し、加速電圧15kV、測定温度25℃の条件下で拡大倍率2700倍のSEM画像を取得した。得られた画像から任意で粒子を50個選択した。選択した50個の粒子の最大粒径を測定し、それらの平均値を平均粒子径とした。結果を表1に示す。
(2)比表面積の測定
試料粉末をグローブボックス中で試料管に入れ、重量測定後、窒素ガス吸着測定装置(マイクロトラックベル製 BelSorp−max)にセットした。真空下200℃で前処理を5時間行い、測定温度−196℃で窒素ガス吸着測定を行った。得られた吸着等温線をもとにBET法により比表面積を求めた。結果を表1に示す。
試料粉末をグローブボックス中で試料管に入れ、重量測定後、窒素ガス吸着測定装置(マイクロトラックベル製 BelSorp−max)にセットした。真空下200℃で前処理を5時間行い、測定温度−196℃で窒素ガス吸着測定を行った。得られた吸着等温線をもとにBET法により比表面積を求めた。結果を表1に示す。
(3)平均層間距離の測定
試料粉末をグローブボックス中で専用の気密ホルダーにセットし、空気を遮断した状態でX線回折測定を行った。観測された回折ピークのうち、強度が最も高いピークを(002)回折線として、この回折線ピークの極大値における面間隔を平均層間距離とした。結果を表1に示す。測定条件は次のとおりである。
試料粉末をグローブボックス中で専用の気密ホルダーにセットし、空気を遮断した状態でX線回折測定を行った。観測された回折ピークのうち、強度が最も高いピークを(002)回折線として、この回折線ピークの極大値における面間隔を平均層間距離とした。結果を表1に示す。測定条件は次のとおりである。
測定装置 :ブルカーエイエックス D2Phaser、
測定角度範囲2θ:5〜30°、
管電流、管電圧 :10mA、30kV、
測定温度 :25℃。
測定角度範囲2θ:5〜30°、
管電流、管電圧 :10mA、30kV、
測定温度 :25℃。
(4)構成元素の同定
実施例1の水素吸蔵炭素材料について熱処理(昇温速度5℃/分で800℃まで加熱)を行った後の残存試料(白色粉末)についてX線回折測定を行った。結果を図6に示す。測定条件は、上記(3)と同じである。
実施例1の水素吸蔵炭素材料について熱処理(昇温速度5℃/分で800℃まで加熱)を行った後の残存試料(白色粉末)についてX線回折測定を行った。結果を図6に示す。測定条件は、上記(3)と同じである。
(5)水素吸着量の測定
下記の条件にて、水素吸着測定を実施し、圧力を変化させたときの水素吸着量を測定した。結果を図5に示す。図5において、横軸は圧力(Torr)、縦軸は水素吸着量(NL/kg)を示す。
下記の条件にて、水素吸着測定を実施し、圧力を変化させたときの水素吸着量を測定した。結果を図5に示す。図5において、横軸は圧力(Torr)、縦軸は水素吸着量(NL/kg)を示す。
測定装置 :ベルソープMAX(日本ベル製)、
試料の前処理条件:250℃、真空下、一晩、
測定温度 :25℃、
測定圧力範囲 :0〜7000Torr。
試料の前処理条件:250℃、真空下、一晩、
測定温度 :25℃、
測定圧力範囲 :0〜7000Torr。
具体的にはまず、1gを目安に試料を正確に計りとり、サンプル管に封入した。サンプル管内を真空に引いた後、250℃で一晩、熱処理を行い、試料に含まれる水分及び不純物を取り除いた。次いで、サンプル管内に徐々に水素ガスを導入して水素を吸着させ、各測定圧力における水素吸着量を測定した。水素ガスは、圧力が7000Torrになるまで導入した。
<実施例1>
(1)ピラー含有層状炭素材料の作製
(1−1)酸化黒鉛の作製
500mLビーカーに入れた天然黒鉛(伊藤黒鉛社製の「Z−5F」)10gに、温度60℃で発煙硝酸(Nacalai Tesque社製)200mLを加え、さらに塩素酸カリウム(Nacalai Tesque社製)80gを少量ずつ加えて、5時間撹拌した。その後、大気中において、ビーカー中の混合溶液を純水2.5L中に投入し、吸引濾過を行った後、濾別した固体を60℃で乾燥させることにより、酸化黒鉛15gを得た。
(1)ピラー含有層状炭素材料の作製
(1−1)酸化黒鉛の作製
500mLビーカーに入れた天然黒鉛(伊藤黒鉛社製の「Z−5F」)10gに、温度60℃で発煙硝酸(Nacalai Tesque社製)200mLを加え、さらに塩素酸カリウム(Nacalai Tesque社製)80gを少量ずつ加えて、5時間撹拌した。その後、大気中において、ビーカー中の混合溶液を純水2.5L中に投入し、吸引濾過を行った後、濾別した固体を60℃で乾燥させることにより、酸化黒鉛15gを得た。
(1−2)ピラー含有層状炭素材料の作製
i)アルゴン雰囲気のグローブボックス内にて、上記(1−1)で得られた酸化黒鉛200mgをスクリュー管に入れ、これにn−ブチルアミン3.6mLを加え、60℃で1時間静置した。
ii)その後、アルゴン雰囲気のグローブボックス内にて、上記スクリュー管に低水分トルエン(Nacalai Tesque社製)40mL、及びメチルトリクロロシラン(信越化学工業社製)3.3mLを加えた後、密閉して60℃で1日静置し、シリル化反応を行った。
iii)その後、2000rpm、20分の条件で遠心分離による固液分離を行った。
iv)次いで、低水分トルエン(Nacalai Tesque社製)40mLを加え、2000rpm、20分の条件で遠心分離による固液分離を行って、洗浄処理を施した。
v)次いで、エタノール(Nacalai Tesque社製)40mLを加え、2000rpm、20分の条件で遠心分離による固液分離を行って、洗浄処理を施した。
vi)次いで、アセトン(Nacalai Tesque社製)40mLを加え、2000rpm、20分の条件で遠心分離による固液分離を行って、洗浄処理を施した。
vii)その後、大気中60℃で乾燥処理を行った。
i)アルゴン雰囲気のグローブボックス内にて、上記(1−1)で得られた酸化黒鉛200mgをスクリュー管に入れ、これにn−ブチルアミン3.6mLを加え、60℃で1時間静置した。
ii)その後、アルゴン雰囲気のグローブボックス内にて、上記スクリュー管に低水分トルエン(Nacalai Tesque社製)40mL、及びメチルトリクロロシラン(信越化学工業社製)3.3mLを加えた後、密閉して60℃で1日静置し、シリル化反応を行った。
iii)その後、2000rpm、20分の条件で遠心分離による固液分離を行った。
iv)次いで、低水分トルエン(Nacalai Tesque社製)40mLを加え、2000rpm、20分の条件で遠心分離による固液分離を行って、洗浄処理を施した。
v)次いで、エタノール(Nacalai Tesque社製)40mLを加え、2000rpm、20分の条件で遠心分離による固液分離を行って、洗浄処理を施した。
vi)次いで、アセトン(Nacalai Tesque社製)40mLを加え、2000rpm、20分の条件で遠心分離による固液分離を行って、洗浄処理を施した。
vii)その後、大気中60℃で乾燥処理を行った。
以上のi)〜vii)の操作を3回繰り返して、シリル化酸化黒鉛を合計で200mgを得た。具体的には、上記(1−1)で得られた酸化黒鉛に対して上記i)〜vii)の操作を行った後、得られた生成物に対して上記i)〜vii)の操作を行い、得られた生成物に対してさらに上記i)〜vii)の操作を行うことにより、酸化黒鉛に対して段階的にシリル化剤を反応させることでシリル化酸化黒鉛を得た。得られたシリル化酸化黒鉛を真空中にて1℃/minの昇温速度で500℃まで昇温し、同温度で5時間焼成(熱処理)することにより、ピラー含有層状炭素材料を得た。以上の実験を5回繰り返して、1gのピラー含有層状炭素材料を得た。
(2)水素吸蔵炭素材料(リチウムドープされたピラー含有層状炭素材料)の作製
アルゴン雰囲気のグローブボックス内にて、金属リチウム箔(本城金属社製、厚み0.2mm)48mmol、ナフタレン(Nacalai Tesque社製)200mg、及び2−メチルテトラヒドロフラン(Nacalai Tesque社製)20mLを混合し、リチウム−ナフタレン錯体溶液を調製した。次いで、上記(1)で得られたピラー含有層状炭素材料1gに上記リチウム−ナフタレン錯体溶液を加え、混合後2日間静置して、ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有(ドープ)させた。その後、濾別することにより水素吸蔵炭素材料(リチウムドープされたピラー含有層状炭素材料)を得た。リチウム元素(Li)の仕込み量と上記メチルトリクロロシランに含まれるシリコン元素(Si)の仕込み量との比は、原子比で、Li/Si=2.5であった。
アルゴン雰囲気のグローブボックス内にて、金属リチウム箔(本城金属社製、厚み0.2mm)48mmol、ナフタレン(Nacalai Tesque社製)200mg、及び2−メチルテトラヒドロフラン(Nacalai Tesque社製)20mLを混合し、リチウム−ナフタレン錯体溶液を調製した。次いで、上記(1)で得られたピラー含有層状炭素材料1gに上記リチウム−ナフタレン錯体溶液を加え、混合後2日間静置して、ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有(ドープ)させた。その後、濾別することにより水素吸蔵炭素材料(リチウムドープされたピラー含有層状炭素材料)を得た。リチウム元素(Li)の仕込み量と上記メチルトリクロロシランに含まれるシリコン元素(Si)の仕込み量との比は、原子比で、Li/Si=2.5であった。
実施例1で作製した水素吸蔵炭素材料(リチウムドープされたピラー含有層状炭素材料)のSEM写真(2700倍)を図1に示す。上記測定方法により構成元素を同定したところ、上記熱処理後の試料において、Li2SiO3のピークが観測されたことから(図6参照)、Li元素及びSi元素の存在が確認された。
実施例1で作製した水素吸蔵炭素材料の細孔には、Li元素に加えて、Li元素をドープさせる際に用いた2−メチルテトラヒドロフラン及びナフタレンがドープされていた。このことは、水素吸蔵炭素材料の熱重量分析における昇温過程で急激な重量減少が見られたことによって確認された。熱重量分析の測定条件は次のとおりである。
測定装置 :島津製作所TGA−50、
測定温度範囲:室温〜800℃、
昇温速度 :5℃/分。
測定温度範囲:室温〜800℃、
昇温速度 :5℃/分。
<比較例1>
実施例1の(1−1)及び(1−2)に記載の方法に従って作製したピラー含有層状炭素材料(リチウムドープなし)を比較例1の水素吸蔵炭素材料とした。比較例1で作製した水素吸蔵炭素材料(ピラー含有層状炭素材料)のSEM写真(1500倍)を図2に示す。
実施例1の(1−1)及び(1−2)に記載の方法に従って作製したピラー含有層状炭素材料(リチウムドープなし)を比較例1の水素吸蔵炭素材料とした。比較例1で作製した水素吸蔵炭素材料(ピラー含有層状炭素材料)のSEM写真(1500倍)を図2に示す。
<比較例2>
天然黒鉛(伊藤黒鉛社製の「Z−5F」)10gに対して、実施例1の(2)に記載の方法に従ってリチウムドープ処理を施したもの(ピラー形成されていないリチウムドープされた天然黒鉛)を比較例2の水素吸蔵炭素材料とした。比較例2で作製した水素吸蔵炭素材料(ピラー形成されていないリチウムドープされた天然黒鉛)のSEM写真(3000倍)を図3に示す。
天然黒鉛(伊藤黒鉛社製の「Z−5F」)10gに対して、実施例1の(2)に記載の方法に従ってリチウムドープ処理を施したもの(ピラー形成されていないリチウムドープされた天然黒鉛)を比較例2の水素吸蔵炭素材料とした。比較例2で作製した水素吸蔵炭素材料(ピラー形成されていないリチウムドープされた天然黒鉛)のSEM写真(3000倍)を図3に示す。
<参考例>
酸化黒鉛の原料として用いた天然黒鉛(伊藤黒鉛社製の「Z−5F」)を参考例とした。この天然黒鉛のSEM写真(1500倍)を図4に示す。
酸化黒鉛の原料として用いた天然黒鉛(伊藤黒鉛社製の「Z−5F」)を参考例とした。この天然黒鉛のSEM写真(1500倍)を図4に示す。
得られた水素吸蔵炭素材料及び参考例の天然黒鉛について、平均粒子径、比表面積、平均層間距離を測定した結果を表1に示す。
比較例1と参考例との対比から、ピラー形成が層間距離を増大させることを確認できる。
図5に示されるとおり、比較例1で作製した水素吸蔵炭素材料(ピラー含有層状炭素材料)の水素吸着量は7000Torrにおいて約3NL/kg、比較例2で作製した水素吸蔵炭素材料(ピラー形成されていないリチウムドープされた天然黒鉛)の水素吸着量は7000Torrにおいて約1NL/kgであった。これに対して、実施例1で作製した水素吸蔵炭素材料(リチウムドープされたピラー含有層状炭素材料)の水素吸着量は7000Torrにおいて5NL/kgを超えており、比較例1の水素吸着量と比較例2の水素吸着量とを単純に足し合わせた値よりも有意に大きい水素吸着量を示した。
Claims (8)
- 層間にピラーを有する層状炭素材料であるピラー含有層状炭素材料と、
前記ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内に含有されるリチウム元素と、
を含む、水素吸蔵炭素材料。 - 前記ピラー含有層状炭素材料の平均層間距離が1.2nm以上である、請求項1に記載の水素吸蔵炭素材料。
- 比表面積が250m2/g以下である、請求項1又は2に記載の水素吸蔵炭素材料。
- 前記ピラーがシリコン元素を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素吸蔵炭素材料。
- 層状炭素材料の層間にピラーを形成してピラー含有層状炭素材料を得る工程と、
前記ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有させる工程と、
を含む、水素吸蔵炭素材料の製造方法。 - 層状炭素材料とシリル化剤とを反応させることにより前記ピラー含有層状炭素材料を得る、請求項5に記載の水素吸蔵炭素材料の製造方法。
- 前記ピラー含有層状炭素材料にリチウムイオンを含む液を接触させることにより、前記ピラー含有層状炭素材料の細孔構造内にリチウム元素を含有させる、請求項5又は6に記載の水素吸蔵炭素材料の製造方法。
- 層状炭素材料が酸化黒鉛である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の水素吸蔵炭素材料の製造方法。
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JP2016176781A JP2018038987A (ja) | 2016-09-09 | 2016-09-09 | 水素吸蔵炭素材料及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020040218A1 (ja) * | 2018-08-23 | 2020-02-27 | 国立大学法人信州大学 | グラフェンオキサイド吸着材及びその製造方法 |
-
2016
- 2016-09-09 JP JP2016176781A patent/JP2018038987A/ja active Pending
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WO2020040218A1 (ja) * | 2018-08-23 | 2020-02-27 | 国立大学法人信州大学 | グラフェンオキサイド吸着材及びその製造方法 |
JPWO2020040218A1 (ja) * | 2018-08-23 | 2021-08-26 | 国立大学法人信州大学 | グラフェンオキサイド吸着材及びその製造方法 |
JP7315152B2 (ja) | 2018-08-23 | 2023-07-26 | 国立大学法人信州大学 | グラフェンオキサイド吸着材 |
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