以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。
図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
パチンコ遊技機1は、上皿28と、上皿28の下方に設けられた下皿29とを備えている。上皿28は、発射装置(不図示)へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。下皿29は、パチンコ遊技機1から払い出された賞球としての遊技球を溜めるものである。この下皿29には取り出しボタン23が近接配置されており、取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、他の実施形態では、上皿28及び下皿29が1つの皿で構成されてもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28から発射装置へと案内された遊技球がレバー21の回転角度に応じた打球力で遊技領域10における上部位置へと発射される。遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がレバー21を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー21を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、及び上記電動チューリップ17が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞し得る。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。また、第1始動口11と第2始動口12とを総称して「始動口」と呼ぶ場合もある。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される入賞口である。大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。大当たり遊技中は、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放するラウンド遊技が実行される。これにより、大入賞口13が、遊技球が進入し難い進入困難状態から進入し易い進入容易状態へと一時的に変化する。遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行って大入賞口13に遊技球を入賞させることで、大当たり遊技が行われていないときに比べて多くの賞球を得ることができる。後に詳述するが、ラウンド遊技の回数および大入賞口13の開放パターンは、大当たりの種類(後述する)に応じて予め定められている。
本実施形態では、ラウンド遊技として、大入賞口13を短開放する短開放ラウンド遊技、又は大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が実行される。大入賞口13を短開放する短開放ラウンド遊技では、大入賞口13が開放されてから、第1開放期間(例えば0.2秒)が経過するといった条件が満たされるまで、大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞される。短開放ラウンド遊技は大入賞口13の開放期間が相対的に非常に短いため、基本的には大入賞口13に遊技球が入賞しない。大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技では、大入賞口13が開放されてから、第1開放期間より長い第2開放期間(例えば29.5秒または29秒)が経過するか、又は大入賞口13に9個の遊技球が入賞するといった条件が満たされるまで、大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞される。
後に詳述するが、大入賞口13の内部には、例えば、V領域195(図1参照)が遊技者から視認可能に設けられている。V領域195は、特別図柄判定の結果に応じて開放される領域であり、パチンコ遊技機1の奥行方向を軸方向として回転可能な羽根部材(不図示)によって通常は閉塞されている領域である。V領域195が閉塞されている状態では、大当たり遊技中に大入賞口13を開放するラウンド遊技が行われて大入賞口13内に遊技球が進入しても、遊技球は、羽根部材によってハズレ領域へと案内される。本実施形態では、大当たり遊技中に、羽根部材が設定時間(例えば29.5秒)だけV領域195を開放する開姿勢を維持した後にV領域195を閉塞する閉姿勢に戻る。このため、大入賞口13が開放されると共にV領域195が羽根部材によって開放されている間に、遊技球はV領域195を通過可能となる。
このように、本実施形態では、V領域195は、大入賞口13を開閉するプレート及びV領域195を開閉する羽根部材が同時期に作動することによって、V領域195に対して遊技球が通過し難い通過困難状態から通過し易い通過容易状態へと一時的に変化する。
なお、他の実施形態では、大入賞口13の開放開始から所定時間(例えば3秒)が経過すると、羽根部材が設定時間(例えば10秒)だけV領域195を開放した開姿勢を維持した後にV領域195を閉塞する閉姿勢に戻されてもよい。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1の実線を参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(図1の破線を参照)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[変動演出]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを条件として各種演出が実行される場合がある。以下の説明では、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを条件に実行される演出のうち、大当たり遊技中に実行される演出以外の演出を総称して「変動演出」と呼ぶものとする。また、変動演出に含まれる演出のうち特別図柄判定の判定結果に基づく各種演出の構成のおおもと(シナリオ)を「変動演出パターン」と呼ぶものとする。変動演出に含まれる演出の詳細については後述する。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、盤ランプ25等が設けられている。また、図1には示されていないが、遊技盤2には、演出役物71が設けられており、枠部材3には、枠ランプ37が内蔵されている(図5参照)。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置である。図1に示すように、液晶表示装置5の表示画面(以下「液晶画面5」ともいう。)は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。液晶画面5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、及び特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留アイコン等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
また、本実施形態では、特別図柄(後述する)の変動表示中に点滅表示されて特別図柄の停止表示中に停止表示される点滅図柄画像(不図示)が液晶画面5の画面端に表示される。この点滅図柄画像は、例えば、後に詳述する演出役物71によって液晶画面5の一部分(又は大部分)が覆われたとしても(例えば図4(C)参照)、遊技者が必ず視認可能な位置に表示される。これにより、特別図柄が変動表示されているか否かを示すことができる。
スピーカ24は、液晶画面5で行われる演出表示と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等の演出音を出力して音による演出を行う。盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[入力手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が入力を行うための入力手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26および演出キー27は、パチンコ遊技機1の各種の設定操作に使用される他、各種の演出に用いられる。
後に詳述するが、遊技者に演出ボタン26への操作(例えば押下)を促すボタン演出中に演出ボタン26が操作されると、当該操作に応じて演出が開始される(例えば図17(G)及び(I)参照)。なお、ボタン演出中に他の入力手段(例えば演出キー27)が操作された場合には、当該操作に応じて、演出ボタン26が操作された場合と同じ演出が実行されてもよいし、異なる他の演出が実行されてもよいし、何ら演出が実行されなくてもよい。一例として、ボタン演出中に演出キー27が操作されたことに応じて、枠ランプ37を虹色に発光させて大当たり確定であることを示唆する演出が行われてもよい。
演出ボタン26は、演出用駆動装置261(図5参照)によって駆動され、通常状態と突出状態との間でその高さを変更可能に構成されている。ここで、通常状態は、例えば、演出ボタン26の上面が枠部材3の上面と略同じか或いは若干突出した高さにある状態である。演出ボタン26は、演出用駆動装置261によって駆動されていないときは通常状態に保たれている。突出状態は、例えば、演出ボタン26の上面が枠部材3の上面に対して所定の高さ(例えば10センチ)だけ上方に突出した状態である。なお、演出ボタン26は、通常状態と突出状態との間におけるどの高さにあっても操作が可能である。
また、演出ボタン26には発光素子(例えばLED)により構成されるボタンランプ262(図5参照)が内蔵されており、例えば、遊技者による演出ボタン26の操作が有効になる有効期間中にボタンランプ262を発光させることによって、遊技者に演出ボタン26の操作を促すことができる。
演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーであり、上を指示するための上キーと、下を指示するための下キーと、左を指示するための左キーと、右を指示するための右キーとから構成されている。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。本実施形態では、パチンコ遊技機1には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す複数の大当たり図柄、及び特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す少なくとも1つのハズレ図柄が予め定められている。
なお、本実施形態では、大当たり図柄の種類と、大当たりの種類とが一義的に対応付けられている。大当たり図柄は、遊技者が一見して大当たりの種類を判別し難い。このため、多くの遊技者は、停止表示された大当たり図柄の種類によって大当たりの種類を認識し難く、液晶画面5の表示画面において行われる演出等を見て大当たりの種類を認識したり推測したりする可能性がある。
以下の説明では、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「第2特別図柄」と呼ぶ。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。本実施形態では、特別図柄が変動表示されている場合、及び大当たり遊技中である場合には、第1始動口11に新たに遊技球が入賞しても、この入賞を契機とする第1特別図柄判定、及び第1特別図柄の変動表示を即座に実行することができない。このような場合には、所定数(例えば4個)を超えない範囲で第1特別図柄判定が保留されて、その保留数が第1特別図柄保留表示器43に表示される。これらのことは、第2特別図柄判定についても同様である。なお、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定との両方が保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。
なお、他の実施形態では、特別図柄判定の保留は、第1始動口11及び第2始動口12に遊技球が入賞した順に消化してもよい。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。以下の説明では、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶ。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。
遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源供給開始時における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり図柄の種類に応じたラウンド遊技の回数(以下、「最大ラウンド遊技回数(Rmax)」ともいう。)を表示する。
[遊技状態の説明]
本実施形態では、特別図柄判定に係るパチンコ遊技機1の遊技状態として、「低確率状態」と「高確率状態」とが予め用意されている。「低確率状態」は、大当たりと判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/320)に設定された状態である。また、「高確率状態」は、低確率状態と比べると大当たりと判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/108)に設定された状態である。
また、普通図柄判定に係るパチンコ遊技機1の遊技状態として、「非時短状態」と「時短状態」とが予め用意されている。「非時短状態」は、普通図柄判定において第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定された状態である。また、非時短状態は、第2始動口12を開放すると判定された場合の電動チューリップ17の開放時間が相対的に短い時間(例えば、0.1秒×1回)に設定された状態である。一方、「時短状態」は、非時短状態と比べると、普通図柄判定において第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/1.1)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定された状態である。また、時短状態は、第2始動口12を開放すると判定された場合の電動チューリップ17の開放時間が相対的に長い時間(例えば、1.8秒×3回)に設定された状態である。すなわち、時短状態は非時短状態よりも、第2始動口12に遊技球が入賞し易い遊技状態である。なお、時短状態では、非時短状態と比べて特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定され易くてもよい。
本実施形態では、大当たり遊技終了時に、パチンコ遊技機1が高確率状態または低確率状態に設定されるとともに、時短状態に設定される。また、パチンコ遊技機1は、初期化されると低確率状態かつ非時短状態に設定される。以下の説明では、高確率状態かつ時短状態を「確変遊技状態」といい、低確率状態かつ時短状態を「時短遊技状態」といい、低確率状態かつ非時短状態を「通常遊技状態」という。
なお、他の実施形態では、大当たり遊技終了時または大当たり遊技終了後の所定タイミング(例えば、大当たりと判定されずに特別図柄が50回停止表示された直後)に、高確率状態かつ非時短状態に設定される大当たりを予め備えてもよい。
[演出役物71]
次に、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1が備える演出役物71の動作態様の一例について説明する。パチンコ遊技機1は、遊技盤2に対して可動に構成された演出役物71を備え、演出役物自体の動きと光との両方或いは一方によって各種演出を行う。
本実施形態では、装飾が施された装飾部材(不図示)が液晶画面5の周囲を覆うように設けられている。そして、演出役物71は、例えば、演出用駆動装置261によって駆動され、上記装飾部材と液晶画面5との間をパチンコ遊技機1の幅方向(遊技者に対する左右方向)に動作(本実施形態ではスライド移動)可能に構成されている。
図4(A)は、演出役物71を構成する構成部材が、遊技者が視認出来ない(又は視認し難い)初期位置に格納されている状態を例示する図である。本実施形態では、図4(C)に例示されるように、演出役物71は4つの構成部材71aL、71aR、71bL、及び71bRから構成される。各構成部材には、複数の敵側のキャラクタ(以下、「敵キャラ」という。)を模した模様が施されている。初期位置においては、パチンコ遊技機1を前から見て、構成部材71bLの前面側に構成部材71aLが重なるように配置され、構成部材71bRの前面側に構成部材71aRが重なるように配置される。例えば、上記装飾部材と液晶画面5との間であって、液晶画面5の左側が構成部材71aL及び71bLの初期位置であり、液晶画面5の右側が構成部材71aR及び71bRの初期位置である(図4(A)参照)。各構成部材は、初期位置と「進出位置」との間を、各々独立して動作可能に構成されている(図4(B)及び(C)参照)。「進出位置」は、液晶画面5の左側を初期位置とする構成部材と、液晶画面5の右側を初期位置とする構成部材とが、液晶画面5の前面で互いに近接するように配置された位置である(図4(C)参照)。
例えば、演出役物71を動作させるタイミングとなると、演出役物71の各構成部材が進出位置に移動する。本実施形態では、演出役物71は段階的な動作を行うことが可能に構成されており、進出位置には、構成部材71aL及び71aRが進出してから、構成部材71bL及び71bRが進出する。その後、演出役物71を初期位置へ復帰させるタイミングになると、演出役物71は進出位置から初期位置まで復帰する。各構成部材が初期位置から進出位置に移動するのに伴って、各構成部材と液晶画面5とが重なる部分が大きくなる。演出役物71が進出位置に配置されると、液晶画面5の大部分(又は一部分)が演出役物71によって覆われるので、演出役物71が動作していないときよりも、演出画像(例えば装飾図柄)を視認可能に表示できる表示領域が小さくなる。
また、演出役物71は、例えば、LED等の発光素子(不図示)を内蔵しており、各種の演出に応じた発光パターンで発光される。本実施形態では、演出役物71の発光色として複数の発光色(例えば、白色、赤色、及び虹色)が予め用意されている。
なお、他の実施形態では、演出役物71を構成する構成部材の数は4つに限らず、例えば、4つ以下(例えば1つ)の構成部材から構成されてもよいし、4つ以上(例えば6つ)の構成部材から構成されてもよい。また、他の実施形態では、各構成部材は、他の構成部材が演出用駆動装置261によって駆動されたことに連動して動作するように構成されてもよく、一例として、構成部材71bLは、構成部材71aLの動作に従属して動作してもよい。
また、他の実施形態では、演出役物71は、動作していないときにその一部又は全部を遊技者が視認可能な位置に配置されてもよい。この場合、例えば、液晶画面5の前面であって液晶画面5の視認性を極力低下させない位置(例えば図4(B)の状態)を、演出役物71の初期位置としてもよい。このように配置することで、演出役物71に施された装飾を各種の演出に応じた発光パターンで発光させるなどにより、動作していないときでも演出役物71によって遊技の興趣を向上させることができる。
また、他の実施形態では、演出役物71は反転(表面と裏面とが入れ替わる等の反転)可能に設けられてもよい。この場合、裏面にも装飾を施しておくことにより、遊技中に演出役物71を反転させる演出を行うことによって、遊技の興趣を向上させることができる。一例として、裏面に敵キャラ以外をモチーフとした模様(例えば遊技者側のキャラクタ又は乗り物)が施されていてもよい。このような場合、大当たりに対する信頼度(後述する)が相対的に低い場合は遊技者が表面を視認可能な状態で演出役物71を動作させ、信頼度が相対的に高い場合は遊技者が裏面を視認可能な状態で演出役物71を動作させてもよい。
また、他の実施形態では、パチンコ遊技機1を前から見て液晶画面5の後方に配置された演出役物71(又は演出役物71とは異なる演出役物)を備えてもよい。一例として、液晶画面5が、後方の領域を、正面視で視認可能な第1状態と正面視で視認不可能(又は視認困難)な第2状態とに切り替え可能な透過性を有する液晶表示装置(いわゆる透過液晶)である場合について説明する。例えば、演出役物71を動作させるタイミングとなると、液晶画面5の後方で演出役物71を動作させる。これと共に、液晶画面5のうち、演出役物71の特定部位(例えば構成部材71bL)と正面視で重なる部分だけを第1状態にさせることで、演出役物71の特定部位だけを遊技者に視認可能にさせる演出を行うことが可能である。演出役物71の大部分(又は一部分)を視認可能にする演出が行われると、液晶画面5の大部分(又は一部分)が第1状態となり、演出画像(例えば装飾図柄)を視認可能な態様で表示可能な液晶画面5の表示領域が小さくなる。
また、他の実施形態では、演出役物71の表面が導光板により構成されており、所定の模様(例えば敵キャラを模した模様)に形成された光を導く溝を介して装飾部材等に備えられた発光素子の光によって発光されてもよい。また、演出役物71の背景として液晶画面5に表示された演出画像の光によって演出役物71を発光させてもよい。
また、他の実施形態では、演出役物71は、演出役物71と同様に動作することが可能であって演出画像を表示する画像表示装置でもよい。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成例]
図5は、パチンコ遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。図5に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや演出役物71による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、及び乱数回路104を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。乱数回路104は、例えば、大当たり判定(後述する)において大当たり又はハズレを決定するために用いられる大当たり乱数の初期値を生成する。
図5に例示されるように、遊技制御基板100には第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、ゲートスイッチ114、大入賞口スイッチ115、V入賞口スイッチ116、排出スイッチ117、大入賞口制御部118、V入賞口制御部119、普通入賞口スイッチ120、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。普通入賞口スイッチ120は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。なお、本実施形態では普通入賞口14を4つ備えているため(図1参照)、普通入賞口スイッチ120を4つ備えるが、図4においては普通入賞口スイッチ120を1つだけ表記している。
大入賞口制御部118は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。V入賞口制御部119は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、V領域195を開閉する羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V領域を開閉する。
大入賞口スイッチ115は、大入賞口13に入賞した遊技球を検知するものである。大入賞口スイッチ115を通過した遊技球は、大入賞口13の内部に設けられた羽根部材(不図示)によってV領域195またはハズレ領域(不図示)へと案内される。V入賞口スイッチ116は、V領域195を通過した遊技球を検知するものである。本実施形態では、V領域195を遊技球が通過したとV入賞スイッチ116によって検知されることを「V入賞」とも呼ぶ。排出スイッチ117は、ハズレ領域を通過した遊技球を検知するものである。これらのスイッチによって遊技球が検知されると、その検知信号は遊技制御基板100に出力される。本実施形態では、大当たり遊技中に大入賞口13に入賞した遊技球がV入賞口スイッチ116によって検知されると、当該大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)に設定される。
なお、他の実施形態では、V入賞口スイッチ116がV領域195の下流或いはV領域195内に設けられていてもよいし、排出スイッチ117がハズレ領域の下流或いはハズレ領域内に設けられていてもよい。
(各種スイッチから検知信号が入力されたことに応じた制御の概要の一例)
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、又は普通入賞口スイッチ120からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての「特別図柄判定用の乱数」として各種乱数を取得し、取得した各種乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。
本実施形態では、「特別図柄判定用の乱数」として、例えば、大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、及びリーチ乱数が用いられる。大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たり図柄の種類(すなわち大当たりの種類)を決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示するまでの時間である変動時間(以下、「変動パターン」ともいう。)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、特別図柄の変動パターンを、13.5秒以下の変動パターンから決定するか否かを決めるための乱数である。これらの乱数は、例えば、乱数回路104及びメインRAM103に設けられたランダムカウンタを用いて生成される。なお、演出効果を高めるために、上記以外の乱数が用いられてもよい。
また、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報として上述した特別図柄判定用の各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。メインCPU101は、特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合には、大入賞口制御部118及びV入賞口制御部119を介して大入賞口13及びV領域195を開閉して大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行する。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17に連結された電動ソレノイドを作動させることにより、第2始動口12を一時的に開放する。
(メインRAM103の構成例)
図6は、遊技制御基板100におけるメインRAM103の構成例及びメインRAM103に格納される各種情報を説明するための説明図である。図6に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。
例えば、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞しても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。このような状況下では、メインCPU101は、特別図柄判定に係る各種情報を、特別図柄判定の保留を示す情報として保留記憶領域1031〜1038に格納する。一方、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、取得した各種乱数等を、遊技球が入賞した始動口に対応した第1保留記憶領域(1031又は1035)に記憶した直後、判定用記憶領域1030にシフトさせる。
例えば、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1始動口11に遊技球が入賞した場合、この入賞により取得された第1特別図柄判定に係る各種情報は、空きエントリの最上位である第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば、第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032に情報が記憶された状態で第1始動口11に遊技球が入賞した場合、この入賞により取得された第1特別図柄判定に係る各種情報は、空きエントリの最上位である第3保留記憶領域1033に格納される。
また、例えば、保留記憶領域1031〜1038には「事前判定情報」も記憶される。本実施形態では、始動口に遊技球が入賞した際に、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄判定に先立って大当たりか否か等を判定する事前判定が行われる(図35のステップS2109、図37のステップS2209)。事前判定情報は、この事前判定によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たり図柄の種類(すなわち大当たりの種類)を示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
本実施形態では、事前判定によって得られた事前判定情報、先に保留された特別図柄判定に係る事前判定情報、および、現在行われている演出の態様等に基づいて「先読み演出」が実行される。先読み演出は、例えば、事前判定の対象(以下、「先読み対象」という。)に対応する特別図柄判定の大当たりに対する期待度を予告する演出である。先読み演出は、例えば、遊技球が始動口に入賞してからその入賞に基づいた特別図柄判定が実行されるまでに実行が決定される演出であり、大当たり遊技中にも実行され得る演出である。本実施形態では、先読み演出のうち大当たり遊技中に実行される先読み演出以外の演出を、変動演出に含まれる演出とする。本実施形態では、変動演出に含まれる先読み演出として、例えば、後述する敵キャラ先読み演出およびチャンス目先読み演出が予め用意されている。これら2つの先読み演出は、先読み対象に係る特別図柄判定よりも前に実行される特別図柄判定(以下、「開始対象」ともいう。)に対応した特別図柄の変動表示中に開始される。敵キャラ先読み演出およびチャンス目先読み演出は、その実行中に大当たり遊技が行われず、先読み対象に係る特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されるまでに終了する。
第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1031より下位のエントリに記憶されている情報が1エントリずつ上位にシフトされる。例えば、第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。よって、判定用記憶領域1030には、第2特別図柄判定が保留されている場合、第1保留記憶領域1035に記憶されている各種情報がシフトされる。また、第2特別図柄判定が保留されていない場合、すなわち第1特別図柄判定のみが保留されている場合には、第1保留記憶領域1031に記憶されている各種情報がシフトされる。
[演出制御基板130]
図5に例示されるように、演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、RTC(リアルタイムクロック)134、及び乱数回路135を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(現在日及び時刻)を計測する。
本実施形態では、サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて各種演出の演出内容を設定する。演出内容の決定には、例えば、乱数回路135、又はサブRAM133に設けられたランダムカウンタを用いて生成された演出制御用の各種乱数が用いられる。
[ランプ制御基板150]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26及び演出役物71を動作させる演出用駆動装置261(例えばステッピングモータ)の制御等を行う際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26、演出役物71等に内蔵された発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、例えば、演出ボタン26の動作パターンと、演出役物71を構成する構成部材71aL、71aR、71bL、及び71bRの動作パターンとを示すデータである。
例えば、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する演出用の発光パターンデータや動作パターンデータを読み出してランプRAM153に一時記憶させる。その後、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から演出の開始を指示するコマンドを受信すると、ランプCPU151は、ランプRAM153に記憶されているパターンで演出役物71等を制御する。
[画像音響制御基板140]
図7は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、液晶画面5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行う。この画像音響制御基板140は、図7に例示されるように、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、CGROM148、及びVRAM149を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データを表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラムが記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROM148は、変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、液晶画面用フレームバッファ1493などを有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。液晶画面用フレームバッファ1493は、液晶画面5に表示される画像データの描画及び表示のために用いられる。液晶画面用フレームバッファ1493は、2つのバッファを備えるダブルバッファ方式のメモリであり、一方のバッファに記憶された画像データが表示のために出力されている間に他方のバッファに次の画像データが描画されることによって、画像データの描画と表示とが行われる。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。また、VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域1492に格納した画像データを用いて、液晶画面用フレームバッファ1493に対する描画処理を行う。また、VDP142は、VRAM149内の表示用フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶画面5に出力する。
音響DSP143には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147と、アンプ1431が接続されている。音響DSP143は、統括CPU141からの指示に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ1431を介して)スピーカ24に出力する。アンプ1431は、統括CPU141から音響DSP143を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ24に出力させる。詳細な説明は省略するが、音響DSP143は、統括CPU141からの指示に従って、例えば、スピーカ24が設置された位置以外の仮想的に形成される音源の位置から演出音が聞こえるような立体音響効果ありの演出音に対応する音響データを出力可能である。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
ここまで、図1〜図7に基づいてパチンコ遊技機1の構成について説明したが、図1〜図7に示す構成は単なる一例であって、他の構成でもよい。
[遊技制御基板100で行われる各種判定について]
次に、図8、及び図10〜図12を参照しつつ、遊技制御基板100で行われる各種判定について説明する。図8は、大当たりか否かの決定割合および大当たり種別の一例について説明するための説明図である。本実施形態では、メインCPU101は、例えば、始動口に遊技球が入賞した際に取得した特別図柄判定用の各種乱数に基づいて、特別図柄判定を実行する。メインROM102には、特別図柄判定用の各種乱数の値と比較するための判定値が予め記憶されている。
まず、図8(A)を参照しつつ、大当たり判定(図39参照)での決定割合の一例について説明する。メインCPU101は、例えば、始動口に遊技球が入賞した際に取得した大当たり乱数と、大当たり判定テーブル(不図示)とを用いて、大当たり判定の判定結果を「大当たり」または「ハズレ」の何れとするかを、特別図柄判定の判定結果が報知される以前に決定する。大当たり判定テーブルは、例えば、大当たり乱数と比較される判定値が「大当たり」または「ハズレ」の何れかに予め割り当てられたテーブルである。
大当たり判定テーブルでは、パチンコ遊技機1の遊技状態が、低確率状態に設定されているか高確率状態に設定されているかに応じて、「大当たり」とする判定結果に対する判定値の割り当てが異なる。
図8(A)に例示された決定割合では、低確率状態に設定されている場合は1/320の確率で大当たりと判定され、319/320の確率でハズレと判定される。具体的には、例えば、「0〜65535」が判定値として設定される場合、低確率時用大当たり判定テーブルにおいて、大当たりと判定される判定値として「65331〜65535」が定められており、ハズレと判定される判定値として「0〜65330」が定められている。一方、高確率状態に設定されている場合には1/108の確率で大当たりと判定され、107/108の確率でハズレと判定される。具体的には、例えば、「0〜65535」が判定値として設定される場合、高確率時用大当たり判定テーブルにおいて、大当たりと判定される判定値として「64928〜65535」が定められており、ハズレと判定される判定値として「0〜64927」が定められている。
次に、図8(B)を参照しつつ、大当たり図柄の種類およびその決定割合の一例について説明する。メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」の場合、例えば、始動口に遊技球が入賞した際に取得した図柄乱数と、図柄決定テーブル(不図示)とを用いて、特別図柄判定の判定結果が報知される以前に大当たり図柄の種類を決定する。これにより、大当たりの種類が決定されることになる。図柄決定テーブルは、例えば、図柄乱数と比較される判定値が大当たり図柄に予め割り当てられたテーブルである。本実施形態では、特別図柄判定に係る特別図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかによって、大当たり図柄の決定割合が異なる(図8(B)参照)。
例えば、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりの場合、大当たり図柄の種類は、40%の割合で大当たり図柄Aに決定され、10%の割合で大当たり図柄Bに決定され、50%の割合で大当たり図柄Cに決定される(図8(B)参照)。具体的には、例えば、「0〜99」が判定値として設定される場合、図柄決定テーブルにおいて、大当たり図柄Aと判定される判定値として「0〜39」が定められている。また、大当たり図柄Bと判定される判定値として「40〜49」が定められており、大当たり図柄Cと判定される判定値として「50〜99」が定められている。
大当たり図柄の種類が大当たり図柄A又はBに決定されると、実質10回の長開放ラウンド遊技が行われた場合と同等の賞球(以下、「実質10ラウンド分の賞球」と記載する。)が得られる大当たり遊技が行われる。また、大当たり図柄A又はBに決定されると、大当たり遊技中にV領域195が長開放(例えば29秒)される。これに対して、大当たり図柄Cに決定されると、大当たり遊技中にはV入賞し難い態様でV領域195が短開放(例えば0.2秒)される(すなわち長開放されない)ものの、大当たり図柄A及びBと同様に実質10ラウンド(以下、「R」と記載する。)分の賞球が得られる大当たり遊技が行われる。
本実施形態では、V入賞を条件に、大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)に設定される。V領域195が長開放される大当たり(大当たり図柄A及びB)の方が、V領域195が短開放される大当たり(大当たり図柄C)よりもV入賞し易いため、大当たり図柄A及びBの方が大当たり図柄Cよりも遊技者にとって有利な大当たりである。なお、大当たり図柄A及びBは、賞球数が同じ大当たりであり、V入賞し易いようにV領域195が長開放される大当たりであるため、遊技者にとって有利さに差異がない。
本実施形態では、V領域195が長開放される大当たり(例えば、大当たり図柄A及びB)に対応した大当たり遊技が実行されると、基本的にはV入賞する。そして、V入賞すると、大当たり遊技終了直後の遊技状態は確変遊技状態に設定される。確変遊技状態に移行してから例えば150回の特別図柄判定が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合には、150回目の特別図柄判定の判定結果(ハズレ)を示す特別図柄が停止表示された直後に、遊技状態が通常遊技状態(低確率状態かつ非時短状態)に設定される。
本実施形態では、V領域195が短開放される大当たり(例えば大当たり図柄C)に対応した大当たり遊技が実行されると、基本的には大当たり遊技中にV入賞しない。V入賞しない場合、大当たり遊技終了直後の遊技状態は時短遊技状態(低確率状態かつ時短状態)に設定される。また、V領域195が長開放される大当たりであっても大当たり遊技中にV入賞しなかった場合には、大当たり遊技終了直後は時短遊技状態で遊技が制御される。時短遊技状態に移行してから例えば100回の特別図柄判定が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合には、100回目の特別図柄判定の判定結果(ハズレ)を示す特別図柄が停止表示された直後に、遊技状態が通常遊技状態に設定される。
本実施形態では、第2特別図柄判定の判定結果が大当たりの場合、図8(B)に例示されるように、大当たり図柄の種類は100%の割合で大当たり図柄Dに決定される。具体的には、例えば、「0〜99」が判定値として設定される場合、図柄決定テーブルにおいて全ての判定値が大当たり図柄Dに割り当てられている。大当たり図柄Dは、16回の長開放ラウンド遊技が行われるため16R分の賞球が得られ、V入賞し易いようにV領域195が長開放される大当たりである。このため、大当たり図柄Dに対応した大当たり遊技が実行されると、基本的には大当たり遊技中にV入賞する。V入賞すると、大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態に設定される。このように、本実施形態では、第2特別図柄判定に基づいた大当たりの方が、第1特別図柄判定に基づいた大当たりよりも、遊技者にとって有利な大当たりであるように予め設定されている。
本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合、大当たり遊技中に、遊技者にとって有利な大当たりに当選したか否かを注目させる演出(例えば後述するジャッジ演出)が実行される場合がある。より具体的には、大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態に設定御される大当たりであるか否かを注目させる演出が大当たり遊技中に実行される場合がある。ここで、V領域195が長開放されるか否かにより大当たり遊技が実行されることによって得られうる賞球数に差異が有ると、遊技者は、賞球数によって大当たりの種類を推測または認識できてしまうおそれがある。このような場合、上記のような演出の興趣を効果的に向上できないおそれがある。
そこで、後に後述するが、本実施形態では、遊技者にとって有利な大当たりか否かを注目させる演出(例えば後述するジャッジ演出)が大当たり遊技中に実行される場合、「大当たり遊技に係る賞球数」が報知されない構成を採用している。大当たり遊技に係る賞球数は、大当たり遊技中に得られうる賞球数および大当たり遊技中に得られた賞球数を含む概念である。
しかしながら、パチンコ遊技機1の上方には、当該パチンコ遊技機1の遊技履歴等を表示する情報表示装置(以下、「データカウンタ」という。)が設置されている場合がある。そして、データカウンタによって大当たり遊技中に得られた賞球数がリアルタイムで報知される可能性がある。このような場合、たとえパチンコ遊技機1では大当たり遊技に係る賞球数を報知しなくても、データカウンタに表示された賞球数に基づいて大当たりの種類を推測できてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合、大当たりの種類によって、大当たり遊技が実行されることにより得られうる賞球数に差異が無い構成を採用している(図8(B)参照)。このような構成を採用することにより、大当たり遊技に係る賞球数に基づいて、V領域195が長開放される大当たりであるか否かが認識できない。さらに、たとえデータカウンタに賞球数が表示されたとしても、遊技者は、データカウンタに表示された賞球数に基づいて大当たりの種類を推測または認識することができない。これにより、遊技者にとって有利な大当たりか否かを注目させる演出(例えば後述するジャッジ演出)の興趣を効果的に向上させることが可能である。
なお、他の実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりの場合、大当たりの種類によって、大当たり遊技中に得られうる賞球数に差異があってもよい。このような場合、大当たり遊技が開始されてから賞球数に差異が生じることになるラウンド遊技が開始されるまでの期間において、遊技者にとって有利な大当たりか否かを注目させる演出(例えば後述するジャッジ演出)が実行されてもよい。また、他の実施形態では、大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態に制御されるものであれば、大当たり図柄Aと大当たり図柄Bとの有利さ(例えば大当たり遊技中に得られうる賞球数)に差異があってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果としての大当たり図柄と、第2特別図柄判定の判定結果としての大当たり図柄とが異なる場合について説明する。他の実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果としての大当たり図柄やハズレ図柄といった各図柄と、第2特別図柄判定の判定結果としての各図柄とは全て共通でもよいし、一部共通でもよい。
なお、図8に例示した大当たり判定における判定結果の決定割合および大当たり図柄の決定割合は一例に過ぎず、どのような決定割合でもよい。
[変動演出に含まれる演出の例]
本実施形態では、特別図柄判定が実行されると、特別図柄が変動表示されてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。その一方で、液晶画面5では、このような特別図柄の変動表示および停止表示に対応して、以下のような演出が行われる。
液晶画面5では、特別図柄の変動表示が開始されるとほぼ同時に、装飾図柄の変動表示が開始される。具体的には、液晶画面5の表示画面には、例えば、1〜9の数字を示す1図柄〜9図柄が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が横方向に3列(左列、中列、および右列)表示される。第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始されたことに応じて、左列の装飾図柄である左図柄、中列の装飾図柄である中図柄、および右列の装飾図柄である右図柄が、例えば上から下へとスクロールするように変動表示される。その後、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄が停止表示されたことに応じて、有効ライン上(例えば横一本)に左図柄、中図柄、及び右図柄が停止表示される。特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合は、左図柄、中図柄、及び右図柄として同一の装飾図柄が停止表示されて大当たりが報知される。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」の場合は、左図柄、中図柄、及び右図柄として同一ではない装飾図柄が停止表示されてハズレが報知される。装飾図柄を変動表示させてから停止表示(確定)させるまでの一連の演出は特別図柄判定の判定結果に基づいて実行される演出であり、変動演出に含まれる演出である。
なお、以下の説明では、特別図柄判定の判定結果を報知する態様で停止表示(確定)された装飾図柄を、「最終停止図柄」と呼ぶ場合がある。
なお、装飾図柄は数字に限らず、例えば、文字(例えば、英文字や漢字)、所定のキャラクタ(例えば遊技者側のキャラクタ)を模したキャラクタ画像、記号、又はこれらと数字の組み合わせでもよい。
本実施形態では、特別図柄判定の判定結果に基づいて、当該特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中に「リーチ演出」が実行される場合がある。「リーチ演出」は、装飾図柄とは異なる演出画像を液晶画面5に大きく表示させるなどにより大当たりとなることを遊技者に対して期待させる演出であり、変動演出に含まれる演出である。リーチ演出は、特別図柄の変動パターン(変動時間)によっては実行可能な場合と、実行不可能な場合とがある。リーチ演出の具体的な演出態様については、図9を参照しつつ後に詳述する。
また、本実施形態では、特別図柄判定の判定結果に基づいて、当該特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中に「予告演出」が実行される場合がある。「予告演出」は、例えば、リーチ演出が行われる可能性が相対的に高いことや、大当たりとなる可能性が相対的に高いことを示唆又は報知する演出である。予告演出は、変動演出に含まれる演出である。
[装飾図柄の変動表示態様]
本実施形態では、特別図柄の変動表示中に、装飾図柄の変動表示態様がリーチとなる場合がある。ここで、リーチとは、特別図柄の停止表示に応じて全ての装飾図柄が停止表示(すなわち確定)するのに先立ち、例えば、左図柄および右図柄として同一の装飾図柄が有効ライン上に「疑似停止」し、中図柄が変動する状態である。疑似停止は、例えば、装飾図柄を、有効ライン上で上下方向に揺れるように微動させる演出であり、変動演出に含まれる演出である。
なお、以下の説明では、リーチ成立により疑似停止された左図柄および右図柄を総称して「リーチ図柄」と呼ぶ場合がある。本実施形態では、リーチが成立すると、これに応じてリーチ演出が実行される。リーチ演出は、変動表示中の中図柄が、左図柄および右図柄と同一の図柄で停止するのではないかという期待感を遊技者に与える演出でもある。なお、本実施形態ではリーチ演出中には疑似停止されたリーチ図柄が液晶画面5に小さく表示される場合があるが、リーチ演出中には必ずしもリーチ図柄を疑似停止させなくてもよい。
本実施形態では、大当たりであってリーチ演出が実行された場合には、特別図柄の変動表示中に、最終停止図柄と同じ組み合わせの装飾図柄(すなわち左図柄、中図柄、及び右図柄が同一の装飾図柄)が有効ライン上に疑似停止される。その後、大当たり図柄が停止表示されたことに応じて、左図柄、中図柄、及び右図柄が同一の装飾図柄である大当たりの態様で疑似停止されていた装飾図柄が、大当たりの態様で有効ライン上に停止表示される。大当たりの態様で装飾図柄が停止表示した直後には、大当たり遊技が実行されて、大当たり図柄の種類に応じた各種の演出が開始されることになる。
後に詳述するが、本実施形態では、大当たり図柄が大当たり図柄A〜Cのうちの何れかであって大当たり態様の最終停止図柄が7図柄以外で構成される場合(例えば1図柄揃い)、遊技者にとって有利な大当たりか否かを注目させる大当たり中演出が大当たり遊技中に実行されるように予め設定されている。これに対して、大当たり図柄が大当たり図柄Aであって大当たり態様の最終停止図柄が7図柄で構成される場合(すなわち7図柄揃い)、V領域195がV入賞容易に長開放され、V入賞を条件に大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御される大当たり(本実施形態では大当たり図柄A)に当選したことを報知(又は示唆)する大当たり中演出が大当たり遊技中に実行されるように予め設定されている。
ハズレであってリーチ演出が実行された場合には、特別図柄の変動表示中にリーチハズレの態様で装飾図柄が有効ライン上に疑似停止される。リーチハズレの態様は、例えば、左図柄および右図柄が同一の装飾図柄であり、中図柄が左図柄および右図柄と異なる装飾図柄である態様である。その後、ハズレ図柄が停止表示されたことに応じて、リーチハズレの態様で疑似停止されていた装飾図柄が、リーチハズレの態様で有効ライン上に停止表示される。このような装飾図柄の変動表示態様を、特別図柄判定の判定結果がハズレとなる「リーチハズレ」の変動表示態様と呼ぶ。
本実施形態では、リーチ図柄が7図柄で構成されていることによって大当たり図柄Aに対応する大当たり遊技が実行される可能性を示唆できるように予め設定されている。そして、例えば、ハズレ時には、相対的にリーチ図柄が7図柄で構成され難く、他の図柄で構成され易く設定されている。このような構成により、リーチ図柄が7図柄で構成された場合に、遊技者は、大当たり図柄Aに対応する大当たり遊技が実行されることを期待しながら遊技を楽しむことが可能である。
なお、リーチ演出中には、リーチ図柄を構成する装飾図柄が変更されてもよい。一例として、リーチ成立時には1図柄で構成されていたリーチ図柄が、リーチ演出中に7図柄で構成されたリーチ図柄に変更される場合があってもよい。なお、リーチ図柄が7図柄で構成されている場合には、リーチ演出中に他の装飾図柄で構成されたリーチ図柄に変更しないように予め設定しておくことが好ましい。このような構成により、大当たり図柄Aに対応する大当たり遊技が実行されるかもしれないとの期待感を抱きながら遊技を楽しんでいた遊技者を落胆させずにすむ。
また、本実施形態では、リーチ演出が実行されずに特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知される場合がある。例えば、この場合、ハズレ図柄が停止表示されたことに応じて、左図柄、中図柄、及び右図柄として大当たり態様とはならない3つの装飾図柄(例えばバラケ目)が有効ライン上に疑似停止された後に停止表示される。このような装飾図柄の変動表示態様を、特別図柄判定の判定結果がハズレとなる「非リーチ」の変動表示態様と呼ぶ。なお、非リーチの変動表示態様には、リーチ成立後にリーチ演出が実行されずリーチハズレの態様で停止表示されることが含まれてもよい。
本実施形態では、リーチ図柄および大当たりの態様で疑似停止された装飾図柄が7図柄の場合、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技が実行される可能性を示唆または報知する場合について説明する。他の実施形態では、リーチ図柄および大当たりの態様で疑似停止された装飾図柄の種類によって大当たりの種類を示唆しなくてもよい。
また、他の実施形態では、所定の遊技状態(例えば通常遊技状態)に制御されているときにリーチ図柄が7図柄で構成されると必ず大当たりであるように予め設定されていてもよい。
また、他の実施形態では、大当たり図柄Aに当選している場合、特別図柄の変動表示中に7図柄揃い以外(以下、「他図柄揃い」ともいう。)の大当たり態様で装飾図柄を疑似停止させた後、7図柄揃いの大当たり態様に変化させる昇格演出を実行してもよい。この場合、最終停止図柄が7図柄揃いに決定されたことを条件として、例えば、演出制御基板130によって、演出制御用乱数の1つである昇格用乱数を用いた抽選により昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。具体的には、例えば、昇格用乱数と比較するための判定値が「0〜99」として設定され、「0〜29」の範囲が「昇格演出あり」に、「30〜99」の範囲が「昇格演出なし」に予め割り振られる場合、昇格用乱数がどちらの判定結果に割り振られた判定値と一致するかによって昇格演出の実行の有無が決定されてもよい。
また、大当たりの態様は、3つの同じ装飾図柄の組み合わせ(例えば、7図柄揃い)に限らない。他の実施形態では、特別図柄判定の判定結果が大当たりの場合に、予め定められたリーチハズレ、又は予め定められたチャンス目(例えば、「1」「3」「7」の組み合わせ)の態様で装飾図柄が停止表示されてもよい。例えば、同一の2つの装飾図柄(例えば左図柄および右図柄)を有効ライン上に間隔を空けて並べると共に、これら2つの装飾図柄の間に大当たりを報知(又は示唆)する特殊図柄を有効ライン上に停止表示させるといった態様で大当たりを報知してもよい。
[演出モード]
本実施形態では、変動演出中の「演出モード」として、実行可能な演出(例えばリーチ演出)の種類、表示可能な演出画像(例えば背景画像)の種類、及び出力可能な楽曲のうち少なくとも1つが異なる複数の演出モードが予め用意されている。演出モードには、通常遊技状態(低確率状態かつ非時短状態)に設定されているとき用の「通常モード」と、確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)に設定されているとき用の「確変モード」と、時短遊技状態(低確率状態かつ時短状態)に設定されているとき用の「時短モード」とがある。本実施形態では、大当たりに対する信頼度が相対的に高い演出(例えばリーチ演出)が実行されていない変動演出中は液晶画面5に以下のような演出画像(例えば背景画像)が表示されているため、遊技者は現在の演出モードを判別することが可能である。
通常モードは、例えば、背景画像として山岳風景などを模した風景画像が背景画像として表示される。確変モード及び時短モードは、例えば、背景画像として燃え盛る戦場を模した戦場画像が表示されたり、通常モード中には出力されない楽曲(例えば大当たり遊技中に出力される楽曲)が出力されたりする。また、確変モード及び時短モードは通常モードと異なり、演出モード(例えば確変モード)が他の演出モード(例えば通常モード)に切り替わるまで(すなわち他の遊技状態に設定されるまで)に実行可能な特別図柄判定の残り回数を報知する残り回数画像が表示される。
例えば、確変モードでは赤色、紫色、及び黒色の戦場画像が背景画像として表示可能である一方、時短モードでは赤色の戦場画像のみを背景画像として表示可能である。また、残り回数画像が示す残り回数の初期値は、確変モードでは「150」である一方、時短モードでは「100」である。また、例えば、確変モードでは遊技者側のキャラクタ(以下、「味方キャラ」という。)が通常の状態、又は通常より力が増した強い状態に変身した姿で戦場画像を背景に登場する。これに対して、時短モードでは味方キャラが戦場画像を背景に通常の状態で登場する一方、変身後の姿で登場しない。
ここで、「味方キャラ」は、演出モードの種類に関わらず活躍すると大当たりに対する期待度が相対的に高いことが示唆されたり、遊技者にとって有利な大当たりである期待度が相対的に高いことが示唆されたりするキャラクタである。
[通常遊技状態における演出の流れ]
次に、図9を参照しつつ、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に行われる演出の流れについて説明する。図9は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に行われる演出の流れの一例について説明するための説明図である。ここで、本実施形態では、右打ちされた遊技球は、第2始動口12又は普通入賞口14に入賞する可能性はあるが第1始動口11には入賞しない。確変遊技状態中または時短遊技状態中には、通常遊技状態中に比べて第2始動口12に遊技球が入賞し易く、第2始動口12の方が第1始動口11よりも遊技球が入賞し易い。このため、確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口12を狙った右打ちにより遊技を行う。
一方、通常遊技状態中には、確変遊技状態中または時短遊技状態中に比べて第2始動口12に遊技球が入賞し難く、第1始動口11の方が第2始動口12よりも遊技球が入賞し易い。このため、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口11を狙った左打ちにより遊技を行う。なお、以下の説明では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に行われる演出の流れについて説明するが、通常遊技状態における第2特別図柄の変動表示中においても同様の演出が行われてもよいし、異なる態様の演出が行われてもよい。
第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定が実行される。この判定の判定結果がハズレであり、特別図柄の変動パターン(変動時間)が所定時間以下(本実施形態では13.5秒以下)の変動パターンである場合、当該変動パターンに対応して、装飾図柄の変動表示態様が非リーチとなる変動演出パターンが決定される。この変動演出パターンに基づいた演出では、例えば、装飾図柄が変動表示を開始した後(図9(A)参照)、異なる3つの装飾図柄が停止表示されるのに先立って、例えば左図柄と右図柄として異なる装飾図柄が疑似停止する。特別図柄判定の判定結果がハズレとなる非リーチの変動表示態様の場合、リーチが成立しないため、リーチ演出が行われることなく異なる3つの装飾図柄が停止表示されてハズレが報知される(図9(A)から(B)に進むパターン)。
一方、第1特別図柄判定の判定結果に基づいて、特別図柄の変動パターンが所定時間(本実施形態では13.5秒)を超える変動パターンに決定された場合、当該変動パターンに対応した変動演出パターンに基づいてリーチ演出が実行される。本実施形態では、通常遊技状態に制御されている場合に第1特別図柄の変動表示に伴って実行され得るリーチ演出として、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出の3種類が予め用意されている。これらのリーチ演出は、その後に大当たりが報知される可能性である信頼度が異なる。
ノーマルリーチ演出(図9(D)参照)は、例えば、中図柄のスクロール速度を徐々に低下させていく演出であって、リーチ状態の左図柄および右図柄と、変動表示中の中図柄とが液晶画面5に大きく表示される演出である。ノーマルリーチ演出は、例えばリーチ成立直後に行われる(図9(C)から(D)に進むパターン)。本実施形態では、後述するSPリーチ演出やSPSPリーチ演出とは異なり、ノーマルリーチ演出としてはアニメ等のキャラクタが活躍する演出画像は表示されない。ノーマルリーチ演出は、装飾図柄の変動表示態様が非リーチである場合よりも「信頼度」は高いものの、大当たりとなる可能性は比較的低い演出である。「信頼度」は、大当たりになるときとハズレになるときとを含む全ての選択割合に対して、大当たりとなるときに選択される割合の度合い、すなわち大当たりとなる割合の程度である。
ノーマルリーチ演出が行われる場合、第1特別図柄が停止表示されることに応じて、ノーマルリーチ演出の終盤で装飾図柄が有効ライン上に停止表示されて当落(大当たり又はハズレ)が報知される場合がある(図9(D)から(B)に進むパターン)。
SPリーチ演出(図9(E)参照)は、例えば、味方キャラが敵キャラと戦う演出画像が表示される演出である。本実施形態では、ノーマルリーチ演出で大当たりが報知される可能性よりも、SPリーチ演出で大当たりが報知される可能性の方が相対的に高い。すなわち、SPリーチ演出はノーマルリーチ演出に比べて大当たりに対する信頼度が高い演出である。
SPリーチ演出は、リーチ成立直後、又はノーマルリーチ演出の途中や終盤から行われる場合がある(図9(C)又は(D)から(E)に進むパターン)。
これに対して、本実施形態では、リーチ成立を経ず、敵キャラ先読み演出から直接SPリーチ演出が開始されたかのような態様でSPリーチ演出が行われる場合がある(図9(I)から(E)に進むパターン)。
以下の説明では、リーチ成立およびノーマルリーチ演出を経ずに敵キャラ先読み演出を介してリーチ演出が開始されるシナリオを「直発展」と呼ぶ(例えば、図9(I)から(E)に進むパターン)。
なお、本実施形態では、SPリーチ演出に直発展する場合、SPリーチ演出が開始されるとリーチ図柄が液晶画面5に小さく表示される。また、例えば、SPリーチ演出実行開始時にはSPリーチ演出のタイトルを報知するタイトル画像(不図示)が表示されたり、「SP」といった演出画像が表示されたりするので、遊技者は、SPリーチ演出に直発展したことを認識可能である。
SPリーチ演出が行われる場合、第1特別図柄が停止表示されることに応じて、SPリーチ演出の終盤で装飾図柄が有効ライン上に停止表示されて当落が報知される場合がある(図9(E)から(B)に進むパターン)。
SPSPリーチ演出は、例えば、CG、アニメ、又は実写の味方キャラと敵キャラとの戦いが、SPリーチ演出よりも長い時間を掛けて展開される演出である。SPSPリーチ演出は、実行開始時に演出役物71が動作されたり、SPSPリーチ演出のタイトルを報知するタイトル画像(不図示)が表示されたりする場合がある演出である。また、SPSPリーチ演出実行開始時に、「SPSP」といった演出画像が表示されたり、遊技者の期待感を増すための演出画像(例えば、信頼度を示唆するための演出画像)が表示されたりする場合がある演出である。本実施形態では、ノーマルリーチ演出及びSPリーチ演出で大当たりが報知される可能性よりも、SPSPリーチ演出で大当たりが報知される可能性の方が相対的に高い。すなわち、SPSPリーチ演出はノーマルリーチ演出及びSPリーチ演出に比べて大当たりに対する信頼度が高い演出である。
SPSPリーチ演出は、リーチ成立直後、又はノーマルリーチ演出もしくはSPリーチ演出の途中や終盤から行われるリーチ演出である。
SPSPリーチ演出が行われる場合、第1特別図柄が停止表示されることに応じて、SPSPリーチ演出の終盤で装飾図柄が有効ライン上に停止表示されて当落が報知される(図9(F)から(B)に進むパターン)。
なお、大当たりに対する信頼度が相対的に低いリーチ演出(例えばノーマルリーチ演出)の途中や終盤で、信頼度が相対的に高い他のリーチ演出(例えばSPリーチ演出)に発展する場合、例えば以下のような演出表示が行われてもよい。例えば、信頼度が相対的に低いリーチ演出の途中や終盤でリーチハズレの態様の装飾図柄が疑似停止された後、これらの装飾図柄のうちの少なくとも1つの装飾図柄を再始動させて(スクロールを再開させて)、信頼度が相対的に高い他のリーチ演出に発展させてもよい。
次に、図10を参照しつつ、特別図柄の変動パターンが、リーチ演出を実行可能な変動演出パターンを決定できる変動パターンに決定される割合(以下、「リーチ割合」という。)について説明する。図10は、通常遊技状態に制御されている場合における第1特別図柄判定に対応したリーチ割合について説明するための説明図である。
本実施形態では、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、リーチ演出を実行可能な変動演出パターンを決定できる特別図柄の変動パターンが遊技制御基板100のメインCPU101によって決定される(すなわちリーチ割合は100%)。これに対して、大当たり判定の判定結果がハズレの場合、例えば、始動口に遊技球が入賞した際に取得したリーチ乱数の値と特別図柄判定実行時の保留数とに基づいて、変動パターンを、13.5秒を超えるもの(本実施形態では19秒以上の変動パターンが相当する。)から決めるか否かが決定される。遊技制御基板100のメインROM102には、例えば、入賞始動口の種類および遊技状態毎に異なるリーチ割合となるようにリーチ乱数の値と比較するための判定値が予め記憶されている。13.5秒を超える変動パターンから決めることが決定されると、後述する変動パターン決定処理(図40参照)において、装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレとなる変動演出パターンを決定可能な特別図柄の変動パターンが決定されることになる。これに対して、13.5秒以下の変動パターンから決めることが決定されると、変動パターン決定処理において、装飾図柄の変動表示態様が非リーチとなる変動演出パターンを決定可能な特別図柄の変動パターンが決定されることになる。
ここで、図10(A)及び(B)を参照しつつ、通常遊技状態制御時の第1特別図柄に対応したリーチ割合の一例について説明する。本実施形態では、特別図柄判定実行時に第1特別図柄判定が保留されている数が相対的に多い程、リーチ割合が小さくなるように予め設定されている(図10(B)参照)。例えば、「0〜99」がリーチ乱数と比較するための判定値として予め設定される場合、図10(A)に例示されるように、第1特別図柄判定実行時に第1特別図柄判定が保留されていない場合(以下、「保留0」ともいう。)、特別図柄の変動パターンを、13.5秒以下の変動パターンから決定すると判定される判定値として「0〜84」が定められている。そして、13.5秒を超える変動パターンから決定すると判定される判定値として「85〜99」が定められている(すなわちリーチ割合は15%)。また、第1特別図柄判定実行時に第1特別図柄判定が1〜2つ保留されている場合(以下、「保留1〜2」ともいう。)、13.5秒以下の変動パターンから決定すると判定される判定値として「0〜89」が定められている。そして、13.5秒を超える変動パターンから決定すると判定される判定値として「90〜99」が定められている(すなわちリーチ割合は10%)。また、第1特別図柄判定実行時に第1特別図柄判定が3つ保留されている場合(以下、「保留3」ともいう。)、13.5秒以下の変動パターンから決定すると判定される判定値として「0〜94」が定められている。そして、13.5秒を超える変動パターンから決定すると判定される判定値として「95〜99」が定められている(すなわちリーチ割合は5%)。
本実施形態では、遊技制御基板100のメインCPU101は、例えば、遊技球が始動口に入賞したことに基づいて、演出制御基板130に対して保留コマンドを送信する制御を行う場合がある。保留コマンドには、特別図柄判定用の各種乱数の値を示す情報、及び事前判定(図35のステップS2109、図37のステップS2209)の結果である事前判定情報が含まれる。演出制御基板130のサブCPU131は、保留コマンドを受信したことに基づいて、大当たりとなるか否か、大当たり図柄の種類、入賞始動口情報、保留コマンドが送信された際の遊技状態等を認識できる。
ここで、事前判定が行われたときと、実際に特別図柄判定が実行されて特別図柄が変動表示を開始するときとでは、必ずしも特別図柄判定の保留数が同じであるとは限らない。本実施形態では、演出制御基板130のサブCPU131は、大当たり時には、受信した保留コマンドに基づいて実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンを特定できる(図12(A−1)参照)。しかしながら、ハズレ時には、特別図柄判定が実行された際の特別図柄の保留数に応じてリーチ割合が異なる(図10(A)参照)。このため、ハズレ時には、事前判定情報で示される変動パターンの情報は、実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンと合致しない場合がある。本実施形態では、図10(A)に例示するような構成を採用することにより、少なくとも特別図柄の変動パターンが13.5秒を超える変動パターンから決定されることを判定できる場合があるように予め設定されている。
具体的には、本実施形態では、第1始動口11に遊技球が入賞した際の遊技状態が通常遊技状態であり、ハズレであってリーチ乱数の値が0〜84である場合には、第1特別図柄判定の保留数に関わらず変動パターンが13.5秒以下の変動パターンから決定されるようにリーチ乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られている(図10(A)及び(B)参照)。また、ハズレであってリーチ乱数の値が95〜99である場合には、第1特別図柄判定の保留数に関わらず変動パターンが13.5秒を超える変動パターンから決定されるようにリーチ乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られている。すなわち、演出制御基板130のサブCPU131は、リーチ乱数の値が0〜84である場合には、13.5秒以下の変動パターンが決定されることを判定できる。また、リーチ乱数の値が95〜99である場合には、13.5秒を超える変動パターンが決定されることを判定できる。このため、本実施形態では、リーチ乱数の値が0〜84、又は95〜99である場合には、事前判定情報で示される情報と、実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒を超えるか否かとの情報の間に不整合が生じない。このような構成を採用することで、本来敵キャラ先読み演出を実行すべきではない特別図柄の変動表示中に、意図せぬ敵キャラ先読み演出が実行されてしまうことを防止できる。また、本来敵キャラ先読み演出の先読み対象とすべきではない特別図柄判定の保留を先読み対象として、意図せぬ敵キャラ先読み演出が実行されてしまうことを防止できる。
他の実施形態では、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合にもハズレ時と同様に、変動パターンが13.5秒を超える変動パターンから決定されるか否かの判定を行ってもよい。また、他の実施形態では、ハズレ時にも大当たり時と同様に、変動パターンが13.5秒を超える変動パターンから決定するか否かの判定を行わずに変動パターンが決定されてもよい。なお、図10に例示したリーチ割合は一例に過ぎず、どのようなリーチ割合でもよい。
本実施形態では、特別図柄判定が実行される際における特別図柄判定の保留数に応じて、リーチ割合が異なる場合について説明する。他の実施形態では、特別図柄判定の保留数に関わらず、リーチ割合が同じでもよい。この場合、事前判定情報で示される情報と、実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒を超える変動パターンか否かとの情報の間に不整合が生じない。このため、演出制御基板130のサブCPU131は、遊技制御基板100から受信した保留コマンドに基づいて、13.5秒を超える変動パターンが決定されることを必ず判定できる。このような構成を採用すると、13.5秒を超える変動パターンが決定されるかを判定できない場合があることにより敵キャラ先読み演出が実行される可能性が極度に低下してしまうといった問題を解消できる可能性がある。
また、他の実施形態では、例えば、確変遊技状態に制御されている場合には、通常遊技状態に制御されている場合よりもリーチ割合が高くてもよい。一例として、確変遊技状態に制御されている場合、大当たりのときにはリーチ割合が100%であり、ハズレのときにはリーチ割合が0%でもよい(すなわちリーチハズレは0%)。このように設定すると、例えば、SPリーチ演出が実行されることを報知する敵キャラ先読み演出が開始された時点で、大当たり確定であることを遊技者に報知することが可能である。
次に、図11を参照しつつ、通常遊技状態に制御されている場合における第1特別図柄の変動パターン(変動時間)の一例について説明する。図11は、通常遊技状態に制御されている場合における第1特別図柄の変動パターンの一例について説明するための説明図である。図11に例示されるように、大当たり用変動パターンとして、変動パターンA1〜A31が予め用意されており、ハズレ用変動パターンとして、変動パターンH01〜H04、及びH1〜H31が予め用意されている。本実施形態では、遊技制御基板100のメインCPU101によって特別図柄の変動パターンが決定されると、演出制御基板130のサブCPU131によって、変動パターンに対応した変動演出パターンが決定される。この変動演出パターンは、リーチ演出等といった各種演出の有無および構成のおおもと(シナリオ)となる。
例えば、大当たり用変動パターンA1〜A31に対応した変動演出パターンに基づいて、リーチ演出が実行されると共に大当たりを報知する演出が実行される。一方、ハズレ用変動パターンH01〜H03に対応した変動演出パターンに基づいて、リーチ演出が実行されることなくハズレを報知する演出が実行される。また、ハズレ用変動パターンH04、及びH1〜H31に対応した変動演出パターンに基づいて、リーチ演出が実行されてからハズレを報知する演出が実行される。
なお、以下の説明では、ハズレ用変動パターンのうち、13.5秒以下の変動パターンを非リーチ用変動パターンと呼び、13.5秒を超える変動パターンをリーチ用変動パターンと呼ぶ場合もある。
図11に例示されるように、本実施形態では、ノーマルリーチ演出は、ノーマル1とノーマル2とに分類される。また、SPリーチ演出は、SP1、SP2、及びSP3に分類され、SPSPリーチ演出は、SPSP1、SPSP2、及びSPSP3に分類される。本実施形態では大当たりに対する期待度は、ノーマル1<ノーマル2<SP3<SP2<SP1<SPSP3<SPSP2<SPSP1の順に高い。また、より信頼度の高いリーチに発展する期待度は、ノーマルリーチ演出ではノーマル1<ノーマル2の順に高く、SPリーチ演出ではSP3<SP2<SP1の順に高い。
ノーマル1は、リーチ成立前から表示されていた背景画像(例えば山岳風景を模した演出画像)にリーチ状態の左図柄および右図柄を重畳表示させ、中図柄のスクロール速度を徐々に低下させていく演出である。ノーマル1は、SPリーチ演出又はSPSPリーチ演出に発展することがなく、必ずハズレが報知されるノーマルリーチ演出である。
ノーマル2は、リーチ成立前と異なる背景画像が表示される演出であり、例えば、薬品、乗り物などをモチーフとした演出画像が表示されるノーマルリーチ演出である。
本実施形態では、ノーマル2の終盤で大当たり又はハズレが報知されたり、ノーマル2の途中または終盤でSPリーチ演出(すなわちSP1、SP2、又はSP3)、又はSPSPリーチ演出(すなわちSPSP3)に発展したりする。
SP1は、あまり強くない味方キャラ(例えば攻撃キャラA)が主体となる演出である。SP1では、例えば、味方キャラが敵キャラを次々に倒す演出画像が表示されたり、味方キャラが倒した敵キャラの数を示す敵キャラ数画像が加算されていく演出表示が行われたりする。例えば、変動時間が相対的に長い変動パターン(例えば134秒の変動パターンH29)の方が、変動時間が相対的に短い変動パターン(例えば113秒の変動パターンH23)よりも、敵キャラ数画像が最終的に示す数字が大きくなる変動演出パターンが選択され易い。
本実施形態では、SP1では当落が報知されず、SP1の実行後に必ずSPSPリーチ演出(すなわちSPSP1又はSPSP2)が実行される。このため、SP1が実行されると、その後にSPSPリーチ演出が実行されることを報知することが可能である。本実施形態ではSP1をSPSPリーチ演出とは別個のSPリーチ演出の1つとして捉えるが、SP1の実行後には100%の割合でSPSPリーチ演出が実行されることから、SP1をSPSPリーチ演出の一部(すなわち前半の演出)としてもよい。
SP2は、敵キャラが主体となる演出である。SP2では、例えば、リーチ図柄と同じ装飾図柄である当たり画像を敵キャラが破壊しようとする演出画像が表示される。この場合、ハズレ時には当たり画像が最終的に破壊されてしまった後にハズレが報知される。大当たり時には当たり画像が最終的に破壊されずにリーチ図柄と共に有効ライン上に疑似停止されて大当たりが報知される。また、大当たり時には、敵キャラによって当たり画像が最終的に破壊されてしまった後、一旦ハズレと見せ掛ける演出が実行された直後に大当たりが復活したかのように見せ掛ける復活演出が実行されることによって大当たりが報知されてもよい。
また、SP2において、例えば、SP2から発展する可能性があるSPSPリーチ演出の演出内容を示唆する発展先示唆画像を敵キャラが破壊しようとする演出画像が表示される場合もある。ハズレ時には、発展先示唆画像が敵キャラによって最終的に破壊されてしまった後にハズレが報知される。大当たり時には、発展先示唆画像が最終的に破壊されずにリーチ図柄と共に有効ライン上に疑似停止してからSPSPリーチ演出(すなわちSPSP1又はSPSP3)に発展する。
このように、本実施形態ではSP2の終盤で大当たり又はハズレが報知されたり、SP2の途中または終盤でSPSPリーチ演出(すなわちSPSP1又はSPSP3)、又はSPSPリーチ演出(すなわちSPSP3)に発展したりする。
SPSP1は、例えば、SP1に登場する味方キャラよりも強い味方キャラ(例えば攻撃キャラE)が、通常より力が増した強い状態に変身して、無数の敵キャラを倒すCGの演出画像が表示される演出である。大当たり時には、SPSP1の終盤で敵キャラを殲滅して味方キャラが勝利する演出画像が表示されて大当たりが報知される。ハズレ時には、SPSP1の終盤で敵キャラを殲滅できずに味方キャラが敗北する演出画像が表示されてハズレが報知される。
SPSP2は、例えば、SPSP1に登場する味方キャラと同じ味方キャラが通常の状態のまま敵キャラのボスと戦うCGの演出画像が表示される演出である。大当たり時には、SPSP2の終盤で味方キャラがボスを倒す演出画像が表示されて大当たりが報知される。ハズレ時には、SPSP2の終盤で味方キャラがボスに倒される演出画像が表示されてハズレが報知される。
SPSP3は、例えば、SPSP1に登場する味方キャラと同じ味方キャラ、又はSP1に登場する味方キャラより強いもののSPSP1に登場する味方キャラよりも弱い味方キャラ(例えば攻撃キャラB)が、敵キャラと戦うアニメの演出画像が表示される演出である。大当たり時には、SPSP3の終盤で味方キャラが敵キャラを倒す演出画像が表示されて大当たりが報知される。ハズレ時には、SPSP3の終盤で味方キャラが敵キャラに倒される演出画像が表示されてハズレが報知される。
詳細な説明は省略するが、演出制御基板130のサブROM132には、ノーマル2、SP1、SP2、SP3、SPSP1、SPSP2、及びSPSP3に対応した1種類又は複数種類の演出態様のリーチ演出が予め記憶されている。一例として、遊技制御基板100のメインCPU101によって、特別図柄の変動時間が45秒である変動パターンA1に決定された場合について説明する。演出制御基板130のサブROM132には、例えば、変動パターンA1に対応した5種類の変動演出パターンが予め記憶されている。メインCPU101によって変動パターンが変動パターンA1に決定されると、演出制御基板130のサブCPU131は、大当たり図柄および変動演出パターン乱数に基づいて、変動パターンA1に対応した5種類の変動演出パターンから1つの変動演出パターンを決定する。これにより、特別図柄の変動表示中には、変動パターンA1に対応した変動演出パターンの種類に応じた所定モチーフ(例えば薬品)のノーマル2がノーマルリーチ演出として実行されることになる。
ここで、本実施形態では、例えば、変動パターンが変動パターンA23〜A25、A29〜A31、H23〜H25、又はH29〜H31に決定されると、サブCPU131において変動演出パターンが、SPリーチ演出の1つであるSP1からSPSPリーチ演出に発展して当落(大当たり又はハズレ)が報知されることになる変動演出パターンが決定されることになる。
これに対して、変動パターンが、変動パターンA10〜A12、A20〜A22、A26〜A28、H10〜H12、H20〜H22、又はH26〜H28に決定されると、サブCPU131において、SPリーチ演出の1つであるSP2が実行された後に当落が報知されることになる変動演出パターンが決定されることになる。例えば、大当たり用変動パターンA10〜A12に対応して変動演出パターンが決定されると、発展先示唆画像を敵キャラが最終的に破壊してしまうSP2が実行された後に復活演出が実行されて大当たりが報知される変動演出が実現されることになる。ハズレ用変動パターンH10〜H12に対応して変動演出パターンが決定されると、発展先示唆画像を敵キャラが最終的に破壊してしまうSP2が実行された後にハズレが報知される変動演出が実現されることになる。また、大当たり用変動パターンA20〜A22、A26〜A28、H20〜H22、及びH26〜H28に対応して変動演出パターンが決定されると、発展先示唆画像を敵キャラが最終的に破壊できないSP2が実行された後にSPSPリーチ演出に発展して当落が報知される変動演出が実現されることになる。
本実施形態では、「疑似連続演出」を実行可能な変動演出パターンを決定できる変動パターン(例えば変動パターンA12)と、疑似連続演出を実行できない変動演出パターンを決定できる変動パターン(例えば変動パターンA10)とが予め用意されている。疑似連続演出は、その実行回数(以下、「疑似連回数」という。)が多い程、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを報知(又は示唆)する演出である。疑似連続演出は、リーチ成立前(リーチ演出中でもよい。)に、例えば、ハズレの態様(例えば、非リーチ又はリーチハズレの態様)の装飾図柄が有効ライン上に疑似停止された後に、全ての装飾図柄を再変動(疑似変動)させる演出である。なお、疑似連続演出の実行を報知する演出画像(疑似連画像)が液晶画面5に疑似停止されたことに応じて全ての装飾図柄を再変動(疑似変動)させてもよい。
本実施形態では、特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンの方が、変動時間が相対的に短い変動パターンよりも疑似連回数が多い変動演出パターンが決定され易いように予め設定されている。他の実施形態では、1つの変動パターンに対して、疑似連続演出を実行可能な回数が異なる複数の変動演出パターンが対応付けられていてもよい。
図12を参照しつつ、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターンの決定割合について説明する。図12は、通常遊技状態における第1特別図柄用変動パターンの決定割合の一例について説明するための説明図である。例えば、遊技制御基板100のメインCPU101は、始動口に遊技球が入賞した際に取得した変動パターン乱数と、変動パターンテーブル(不図示)とを用いて、特別図柄判定の判定結果が報知される以前に変動パターンを決定する。変動パターンテーブルは、例えば、変動パターン乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られたテーブルである。例えば、メインROM102には、始動口種別および遊技状態毎に異なる変動パターンテーブルが予め記憶されている。なお、図12は、変動パターン乱数の値と比較するための判定値そのものではなく、各変動パターンに割り振られた判定値の数の割合を例示している。また、説明を簡単にするために、疑似連回数は異なるが実行可能なリーチ演出構成が同じ変動演出パターンを決定可能な変動パターン毎にグループ化して説明する。
まず、図12(A−1)を参照しつつ、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合に参照される大当たり用変動パターンテーブル(不図示)について説明する。図12(A−1)に例示されるように、大当たりの場合、特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンほど判定値が多く割り振られている。例えば、大当たり図柄Aに対応して、変動パターンA1〜A3に1%、変動パターンA4〜A6に1%、変動パターンA7〜A9に3%、変動パターンA10〜A12に3%、変動パターンA13に3%、変動パターンA14〜A16に4%の割合の判定値が予め割り振られている。また、変動パターンA17〜19に12%、変動パターンA20〜A22に13%、変動パターンA23〜A25に18%、変動パターンA26〜A28に19%、変動パターンA29〜A31に23%の割合の判定値が予め割り振られている。
そして、大当たり時には、例えば、特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンよりも、変動時間が相対的に長い変動パターンの方が、疑似連回数が多い変動演出パターンが決定され易い。一例として、図12(A−2)を参照しつつ、大当たり図柄Aに対応した判定値の割り振りについて説明する。図12(A−2)は、大当たり用変動パターンの決定割合の内訳を例示した説明図である。例えば、変動パターンA10〜A12に割り振られた3%の判定値のうち、変動パターンA10に25%、変動パターンA11に30%、変動パターンA12に45%の判定値が予め割り振られている。また、例えば、変動パターンA20〜A22に割り振られた13%の判定値のうち、変動パターンA20に20%、変動パターンA21に25%、変動パターンA22に55%の判定値が予め割り振られている。
具体的には「0〜9999」が判定値として設定される場合、大当たり図柄Aに対応して変動パターンA1〜A31に対し、各々以下の範囲の判定値が割り振られている。
変動パターンA1 :「0〜24」
変動パターンA2 :「25〜54」
変動パターンA3 :「55〜99」
変動パターンA4 :「100〜124」
変動パターンA5 :「125〜154」
変動パターンA6 :「155〜199」
変動パターンA7 :「200〜274」
変動パターンA8 :「275〜364」
変動パターンA9 :「365〜499」
変動パターンA10:「500〜574」
変動パターンA11:「575〜664」
変動パターンA12:「665〜799」
変動パターンA13:「800〜1099」
変動パターンA14:「1100〜1179」
変動パターンA15:「1180〜1279」
変動パターンA16:「1280〜1499」
変動パターンA17:「1500〜1739」
変動パターンA18:「1740〜2039」
変動パターンA19:「2040〜2699」
変動パターンA20:「2700〜2959」
変動パターンA21:「2960〜3284」
変動パターンA22:「3285〜3999」
変動パターンA23:「4000〜4359」
変動パターンA24:「4360〜4809」
変動パターンA25:「4810〜5799」
変動パターンA26:「5800〜6179」
変動パターンA27:「6180〜6654」
変動パターンA28:「6655〜7699」
変動パターンA29:「7700〜8159」
変動パターンA30:「8160〜8734」
変動パターンA31:「8735〜9999」
図12(A−1)に例示されるように、大当たり図柄Cに対応した判定値の割り振りは、大当たり図柄A及びBに対応した割り振りと比べると、特別図柄の変動時間が相対的に短いものに決定され易く、特別図柄の変動時間が相対的に長いものに決定され難いように予め設定されている。このような設定により、遊技者にとって有利な大当たり(すなわち大当たり図柄A又はB)の方が特別図柄の変動時間が相対的に長くなり易いため、結果として大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出が実行される変動演出パターンに決定され易い。このような設定により、例えば、SPSPリーチ演出の1つであるSPSP1(図11参照)が実行されると、遊技者は、有利な大当たりに対する期待感を膨らませることが可能である。また、本実施形態では、SPリーチ演出の1つであるSP1は、SPSPリーチ演出が実行確定であることを報知する演出なので、SP1が実行された時点で、遊技者は、有利な大当たりに対する期待感を膨らませることが可能である。
図12(A−1)に例示されるように、大当たり図柄Bに対応した判定値の割り振りは、大当たり図柄Cに対応した場合と比べると、特別図柄の変動時間が相対的に長いものに決定され易いように予め設定されている。また、大当たり図柄Bに対応した判定値の割り振りは、大当たり図柄Aに対応した場合と比べると、特別図柄の変動時間が相対的に短いものに決定され易いため、結果として大当たりに対する信頼度が相対的に低くはないものの高くもないリーチ演出が実行される変動演出パターンに決定され易い。このような設定により、大当たりに対する信頼度が相対的に高くないリーチ演出が実行されても、遊技者にとって有利な大当たり(すなわち大当たり図柄B)である可能性が生じる。例えば、遊技者は、SPリーチ演出の1つであるSP3(図11参照)が実行されても、有利な大当たりかもしれないといった期待感を喪失せずに遊技を楽しむことが可能である。
次に、図12(B−1)を参照しつつ、大当たり判定の判定結果がハズレであり、特別図柄の変動パターンが、13.5秒を超える変動パターンから決定される場合に参照されるリーチ用変動パターンテーブル(不図示)について説明する。図12(B−1)に例示されるように、ハズレ時には、例えば、特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンよりも、特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンの方が、変動パターン乱数の値と比較するための判定値が少なく割り振られている。一例として、特別図柄判定実行時の特別図柄判定の保留数が0の場合に対応して、変動パターンH04に11%、変動パターンH1〜H3に24%、変動パターンH4〜H6に15%、変動パターンH7〜H9に13%、変動パターンH10〜H12に9%の割合の判定値が予め割り振られている。また、変動パターンH13に9%、変動パターンH14〜H16に5%、変動パターンH17〜19に4%、変動パターンH20〜H22に4%、変動パターンH23〜H25に3%、変動パターンH26〜H28に2%、変動パターンH29〜H31に1%の割合の判定値が予め割り振られている。
本実施形態では、大当たり時の方がハズレ時よりも、特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンに決定され易いように予め設定されている。なお、本実施形態では、ハズレであって、特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンよりも、変動時間が相対的に長い変動パターンの方が、疑似連回数が多い変動演出パターンが決定され易い。そして、ハズレであって、変動時間が相対的に長い変動パターンよりも、変動時間が相対的に短い変動パターンの方が、疑似連回数が少ない変動演出パターンが決定され易い。一例として、図12(B−2)を参照しつつ、リーチ用変動パターンの決定割合の内訳について説明する。例えば、変動パターンH10〜H13に割り振られた判定値のうち、変動パターンH10に30%、変動パターンH11に50%、変動パターンH12に20%の判定値が予め割り振られている。また、例えば、変動パターンH20〜H22に割り振られた判定値のうち、変動パターンH20に25%、変動パターンH21に30%、変動パターンH22に45%の判定値が予め割り振られている。
具体的には、例えば「0〜9999」が判定値として設定される場合、ハズレであって特別図柄判定実行時の特別図柄判定の保留数が0の場合に対応して、各変動パターンに対し以下の範囲の判定値が割り振られている。なお、変動パターンH10、H20、H23、H26、及びH29に対しては特別図柄判定実行時に特別図柄判定の保留数が0〜3のうちの何れでも割り振られた判定値の範囲が同じになるよう予め設定されている(図12(C)参照)。
変動パターンH04:「0〜1099」
変動パターンH1 :「1100〜1819」
変動パターンH2 :「1820〜3019」
変動パターンH3 :「3020〜3499」
変動パターンH4 :「3500〜3949」
変動パターンH5 :「3950〜4699」
変動パターンH6 :「4700〜4999」
変動パターンH7 :「5000〜5389」
変動パターンH8 :「5390〜6039」
変動パターンH9 :「6040〜6299」
変動パターンH10:「6930〜7199」(特別図柄判定保留数に関わらず同じ範囲)
変動パターンH11:「6300〜6749」
変動パターンH12:「6750〜6929」
変動パターンH13:「7200〜8099」
変動パターンH14:「8100〜8224」
変動パターンH15:「8225〜8374」
変動パターンH16:「8375〜8599」
変動パターンH17:「8600〜8699」
変動パターンH18:「8700〜8819」
変動パターンH19:「8820〜8999」
変動パターンH20:「9750〜9850」(特別図柄判定保留数に関わらず同じ範囲)
変動パターンH21:「9000〜9119」
変動パターンH22:「9120〜9299」
変動パターンH23:「9851〜9924」(特別図柄判定保留数に関わらず同じ範囲)
変動パターンH24:「9300〜9389」
変動パターンH25:「9390〜9524」
変動パターンH26:「9925〜9974」(特別図柄判定保留数に関わらず同じ範囲)
変動パターンH27:「9525〜9584」
変動パターンH28:「9585〜9674」
変動パターンH29:「9975〜9999」(特別図柄判定保留数に関わらず同じ範囲)
変動パターンH30:「9675〜9704」
変動パターンH31:「9705〜9749」
図12(B−1)に例示されるように、ハズレの場合、特別図柄判定実行時の特別図柄判定の保留数が相対的に少ない場合よりも(例えば上述した保留数0)、相対的に多い場合の方が(例えば保留数3)、特別図柄の変動時間が相対的に短いものに決定され易く、特別図柄の変動時間が相対的に長いものに決定され難いように判定値が予め割り振られている。なお、詳細な説明は省略するが、これらのことは、ハズレであり、特別図柄の変動パターンが13.5秒以下の変動パターンから決定される場合に参照される非リーチ用変動パターンテーブル(不図示)においても同様である。
ここで、本実施形態では、演出制御基板130のサブCPU131は、特定の変動パターンを示す情報を含む保留コマンドを遊技制御基板100から受信したことに基づいて、「敵キャラ先読み演出」の実行を決定する場合がある。敵キャラ先読み演出は、事前判定情報に基づいて、疑似連続演出が実行されずに特定のリーチ演出(例えば、SP1及びSP2)が実行される可能性を示唆(又は報知)する演出である。敵キャラ先読み演出は、先読み対象に係る特別図柄判定よりも前に実行される特別図柄判定に対応した特別図柄の変動表示中から先読み対象に係る特別図柄の変動表示中における所定タイミングまで(例えばSPリーチ演出開始時まで)にわたって演出役物71を動作させる演出である。敵キャラ先読み演出の具体的な構成については、図13〜図22を参照しつつ後に詳述する。
本実施形態では、サブCPU131は、大当たり時は、事前判定情報に含まれる変動パターンを示す情報に基づいて、変動パターンとして、変動パターンA10、A20、A23、A26、又はA29が決定されたことを判定できる。また、ハズレ時には、変動パターンとして、少なくとも変動パターンH10、H20、H23、H26、又は及びH29が決定されたことを判定できるように構成されている。
具体的には、本実施形態では、上述したように、第1特別図柄判定実行時の保留数に関わらず、変動パターンH10、H20、H23、H26、及びH29に対して、同じ範囲の判定値が予め割り振られている(図12(C)参照)。このため、事前判定情報に含まれる情報が変動パターンH10、H20、H23、H26、又はH29を示す場合には、事前判定情報に含まれた変動パターンを示す情報と、実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンとで不整合が生じない。これにより、演出制御基板130のサブCPU131は、事前判定情報に含まれる変動パターンに関する情報に基づいて、敵キャラ先読み演出を実行することが可能か否かを判定できる。このような構成を採用することで、本来敵キャラ先読み演出の先読み対象とすべきではない特別図柄判定の保留を対象として、意図せぬ敵キャラ先読み演出が実行されてしまうことを防止できる。
なお、図12を参照しつつ説明した変動パターンの決定割合は一例に過ぎず、どのような決定割合でもよい。例えば、大当たり図柄Aの方が、大当たり図柄B及びCよりも、特別図柄の変動時間が短い変動パターンに決定され易くてもよい。
また、他の実施形態では、例えば、大当たり時には、大当たり図柄の種類に関わらず変動パターン乱数の値と比較するための判定値として同じ範囲の値が割り振られた変動パターンに対して、SPリーチ演出およびSPSPリーチ演出を実行可能な変動演出パターンが対応付けられてもよい。また、例えば、ハズレ時には、第1特別図柄判定の保留数に関わらず変動パターン乱数の値と比較するための判定値として同じ範囲の値が割り振られた変動パターンに対して、SPリーチ演出およびSPSPリーチ演出を実行可能な変動演出パターンが対応付けられてもよい。
また、図11を参照しつつ説明した変動パターンは一例に過ぎず、他の実施形態では、どのような変動パターンを備えてもよい。例えば、大当たり時のみ決定可能な大当たり用変動パターンを備え、この変動パターンに対応して、全ての装飾図柄を大当たりの態様で同期させながら遊技者が視認可能な態様で上から下へとスクロールさせる変動演出パターンが対応付けられていてもよい。また、1回の特別図柄の変動表示中に実行可能な疑似連続演出の回数は0〜2に限らず、どのような回数でもよい。例えば、大当たり時のみ3回の疑似連続演出を実行できてもよい。このように、大当たり確定を報知する演出を備える他の実施形態のパチンコ遊技機では、例えば、大当たり確定を報知する演出が変動演出として実行されることを敵キャラ先読み演出で示唆(又は報知)してもよい。
また、他の実施形態では、特別図柄判定の判定結果が大当たりであることが報知される直前に、一旦ハズレと見せ掛ける演出が行われた直後に大当たりが復活したかのように見せ掛ける復活演出が行われて大当たりが報知される変動演出が実現される変動演出パターンが、何れの変動パターンに対応付けられていてもよい。また、復活演出が行われた場合は、復活演出が行われない場合よりも、大当たり態様の最終停止図柄が7図柄揃いになり易い(又はなり難い)ように予め設定されてもよい。
本実施形態では、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合と、確変遊技状態または時短遊技状態である場合とでは、各変動パターンに対する決定割合が異なるように予め設定されている。これにより、何れの遊技状態であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。例えば、所定の遊技状態(例えば確変遊技状態)に制御されている場合には他の遊技状態(例えば通常遊技状態)に制御されている場合よりも、特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され易くてもよい。また、敵キャラ先読み演出が、所定の遊技状態(例えば確変遊技状態)中にのみ実行される演出であってもよい。
また、他の実施形態では、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変遊技状態、時短遊技状態、及び通常遊技状態のうちの何れであるかに応じて、異なる変動パターンが決定されるようにしてもよい。これにより、何れの遊技状態であるかに応じて、異なる変動パターンに決定できる。例えば、確変遊技状態および時短遊技状態の場合には、通常遊技状態の場合よりも変動時間が短い変動パターンが予め用意されていてもよい。これにより、確変遊技状態および時短遊技状態の場合の特別図柄の変動時間を短縮できる。
[敵キャラ先読み演出の構成例]
次に、図13を参照しつつ、敵キャラ先読み演出について説明する。ここで、図13は、敵キャラ先読み演出の構成例およびその実行可能性について説明するための説明図である。図13(A)に示す例では、敵キャラ先読み演出は、画面縮小演出、先読み動作演出、移行ボタン演出、移行演出の順に実行される。
画面縮小演出は、敵キャラ先読み演出が開始されたことを遊技者に認識させるための演出であり、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る特別図柄の変動表示が開始される前に実行される演出である(図13(A)参照)。先読み動作演出は、演出役物71を動作させることによって敵キャラ先読み演出が実行されていることを遊技者に認識させ易くすることが可能な演出である。また、先読み動作演出は、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る特別図柄の変動表示が開始される前に開始され、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る特別図柄の変動表示中に終了する演出である。
移行ボタン演出は、特定の演出態様(本実施形態ではSP1又はSP2)の演出が開始されることを示唆する演出であり、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る特別図柄の変動表示中に実行される演出である。移行ボタン演出は、遊技者に演出ボタン26の操作を促すボタン演出の1つである。移行ボタン演出中には、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた所定の有効期間(例えば、移行ボタン演出開始時から4秒間)が設定される。この有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作すると、操作に応じて移行ボタン演出が終了し移行演出が開始される。一方、有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作しなかった場合、予め定められた有効期間の終了タイミング(例えば移行ボタン演出開始時から4秒経過)で、移行ボタン演出が終了し移行演出が開始される。このため、本実施形態では、移行ボタン演出の最大実行時間は4秒である。
移行演出は、特定の演出態様(本実施形態ではSP1又はSP2)の演出が開始されることと、その演出態様とを示唆する演出であり、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る特別図柄の変動表示中に実行される演出である。本実施形態では、移行演出の実行時間によって、移行ボタン演出中の演出ボタン26の操作の有無、及び操作タイミングにより生じる時間差を吸収する構成を採用している。このため、移行ボタン演出中に演出ボタン26が操作されずに移行演出が開始される場合が最も短い実行時間(以下、「最少実行時間」ともいう。)で移行演出が実行される。例えば、移行演出の最小実行時間は5秒であるように予め設定されている。
(通常遊技状態に制御されている場合の液晶画面5の画面構成例)
図13(B−1)に例示されるように、本実施形態では、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常遊技状態に制御されており、変動演出中であって敵キャラ先読み演出が実行されていない場合、液晶画面5には「図柄領域50」、「当該領域53」、及び「保留領域54」が形成される場合がある。これに対して、敵キャラ先読み演出中は図13(B−2)に例示されるように、画面縮小画像55等の敵キャラ先読み演出に係る演出画像を強調するために図柄領域50が縮小されると共に、当該領域53及び保留領域54が形成されずに消去される。画面縮小画像55は、例えば、図13(B−1)に例示されるように液晶画面5のほとんどの領域を用いて相対的に大きな装飾図柄が変動表示されている状態を模した演出画像である。画面縮小画像55は、敵キャラ先読み演出開始時(本実施形態では画面縮小演出中)に表示される演出画像である。
図柄領域50は、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄を変動表示および停止表示させる領域である。本実施形態では、図柄領域50は固定的な領域ではなく、遊技の進行に応じて、液晶画面5の表示画面内を移動したり大きさが変化したりする。例えば、変動演出中であってリーチ演出および敵キャラ先読み演出が実行されていない場合には、図13(B−1)に例示されるように液晶画面5の中央部に図柄領域50が大きく形成されて、液晶画面5の中央部に相対的に大きな装飾図柄が表示される。これに対して、変動演出中であってリーチ演出または敵キャラ先読み演出が実行されている場合には、これらの演出を強調するために、図柄領域50が、縮小された状態で液晶画面5の中央上部に移る(図13(B−2)参照)。これにより、相対的に小さな装飾図柄が液晶画面5の中央上部に縮小表示されることになる。
なお、以下の説明では、液晶画面5の中央に大きく形成された図柄領域50(図13(B−1)参照)に表示される装飾図柄を「装飾図柄」と呼び、液晶画面5の中央上部に形成された図柄領域50(図13(B−2)参照)に縮小表示される装飾図柄を「小図柄」と呼んで区別する場合がある。小図柄は、液晶画面5の中央に大きく形成された図柄領域50に表示される装飾図柄よりは視認性が低い。しかしながら、遊技者は、小図柄によって特別図柄判定の判定結果を容易に認識することが可能である。なお、変動表示中には小図柄を視認困難な状態(又は視認できない状態)にしてもよく、例えば、変動表示開始時および停止表示時にのみ小図柄を表示させてもよい。
保留領域54は、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。保留領域54には、第1特別図柄保留表示器43が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。例えば、変動演出中であってリーチ演出および敵キャラ先読み演出が実行されていない場合には、図13(B−1)に例示されるように液晶画面5の中央下部に保留領域54が形成されて保留アイコンが表示される。図13(B−1)には、第1特別図柄判定の保留数が最大の「4」であることを示すために、保留領域54に4つの保留アイコン541、542、543、及び544が、特別図柄判定が保留された順番で表示された状態が例示されている。具体的には、第1特別図柄判定の保留数が3である状態では、保留アイコン541〜543が表示される。そして、第1特別図柄判定の保留数が3である状態で第1特別図柄判定が新たに保留されると、保留アイコン544が表示される。
当該領域53は、最先の保留に係る保留アイコン541(一番最初に表示された保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定の実行に伴い、保留アイコン541を当該アイコンとして表示させる領域である。例えば、装飾図柄の変動表示開始に伴って、液晶画面5の左下部に形成された当該領域53に保留領域54から保留アイコン541をシフト表示させる演出が実行される。そして、保留領域54に保留アイコン541以外の保留アイコンが表示されている場合には、保留領域54においてそれらの保留アイコンを当該領域側にシフト表示させる演出が併せて実行される。図13(B−1)に例示される状態でハズレが報知され、第1特別図柄判定が実行されると、保留アイコン541に対応した当該アイコンが当該領域53に表示されると共に、保留領域54に3つの保留アイコン542、543、及び544が表示された状態となる。これにより、第1特別図柄判定の保留数が3になったことが遊技者に示される。
本実施形態では、変動演出中であってリーチ演出または敵キャラ先読み演出が実行されている場合には、これらの演出に係る演出画像を強調するために、保留領域54及び当該領域53が形成されず、保留アイコン及び当該アイコンが液晶画面5から消去される(図13(B−2)参照)。
なお、リーチ演出および敵キャラ先読み演出に限らず、変動演出に含まれるどのような演出の実行を契機に図柄領域50が縮小されたり保留領域54及び当該領域53が消去されたりしてもよい。例えば、味方キャラを示すカットイン画像を所定時間(例えば4秒間)液晶画面5に大きく表示する予告演出であるカットイン演出の開始に伴って、図柄領域50が縮小されたり保留領域54及び当該領域53が消去されたりしてもよい。
なお、パチンコ遊技機1が通常遊技状態で制御されている場合であっても第2特別図柄判定が保留される可能性がある。この場合、第2特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンは、保留領域54に表示されてもよいし、表示されなくてもよい。
[敵キャラ先読み演出の実行可能性]
ここで、第1特別図柄のハズレ用変動パターンに対応する事前判定情報がサブRAM133に3つ連続して記憶されている場合について説明する。例えば、遊技制御基板100から保留コマンドを受信すると、演出制御基板130のサブCPU131は、保留コマンドに含まれる事前判定情報等の各種情報をサブRAM133に設けられた保留記憶領域(図46を参照して後述する)に格納する。サブCPU131は、3つの事前判定情報がサブRAM133に記憶されている場合に保留コマンドを更に受信すると、図13(B−1)に例示される保留アイコン544を表示させるための制御を行う。そして、先に記憶された3つの事前判定情報がハズレを示すものであり、新たに受信した保留コマンドが大当たり用変動パターンA10、A20、A23、A26、若しくはA29、又はハズレ用変動パターンH10、H20、H23、H26、若しくはH29に対応するものである場合、敵キャラ先読み演出の実行の有無に関する制御を行う。
本実施形態では、先読み対象より1つ以上前に保留された特別図柄判定の保留に対応する変動パターンが13.5秒以下であることを条件に、敵キャラ先読み演出が実行可能に制御される。このような構成により、敵キャラ先読み演出の途中で大当たり遊技またはリーチ演出が割り込むことにより演出の連続性が損なわれるといった状況が生じることを防止可能である。
まず、保留アイコン541〜543(図13(B−1)参照)に対応した変動パターンが13.5秒以下の変動パターンである場合について説明する(図13(C)参照)。このような場合、サブCPU131は、保留アイコン544(図13(B−1)参照)に対応した第1特別図柄判定の保留を先読み対象とした敵キャラ先読み演出を実行可能であると判定する。この場合、先読み対象の3つ前の第1特別図柄判定の保留に対応した保留アイコン541に係る特別図柄の変動表示中(以下、「3変動前」と記載する。)と、先読み対象の2つ前の第1特別図柄判定の保留に対応した保留アイコン542に係る特別図柄の変動表示中(以下、「2変動前」と記載する。)と、先読み対象の1つ前の第1特別図柄判定の保留に対応した保留アイコン543に係る特別図柄の変動表示中(以下、「1変動前」と記載する。)とのうちの何れかのタイミングで敵キャラ先読み演出を開始できる。敵キャラ先読み演出を何変動前から開始するかという敵キャラ先読み演出のシナリオは、演出制御基板130が遊技制御基板100から保留コマンドを受信した際に敵キャラ先読み演出用実行乱数(演出制御用の乱数の1つ)を用いた抽選で決定される。
次に、1〜3変動前に係る変動パターンのうち少なくとも1つ以上の変動パターンが13.5秒を超える場合について説明する。図13(C)に例示されるように、3変動前に係る装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレであり、2変動前および1変動前に係る装飾図柄の変動表示態様が非リーチである場合、サブCPU131は、2変動前または1変動前から敵キャラ先読み演出を実行するという敵キャラ先読み演出のシナリオを決定可能である。また、3変動前に係る装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレ又は非リーチであり、2変動前に係る装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレであり、1変動前に係る装飾図柄の変動表示態様が非リーチである場合、サブCPU131は、1変動前から敵キャラ先読み演出を実行するという敵キャラ先読み演出のシナリオを決定可能である。なお、1変動前に係る装飾図柄の変動表示がリーチハズレの場合、サブCPU131は、敵キャラ先読み演出を実行不可能であると判定する。
ここで、図14を参照しつつ、敵キャラ先読み演出の開始タイミングの一例について説明する。図14は、敵キャラ先読み演出が開始されるタイミングの決定割合の一例について説明するための説明図である。本実施形態では、1〜3変動前の何れかから敵キャラ先読み演出を実行するという敵キャラ先読み演出のシナリオが決定された場合、敵キャラ先読み演出の開始対象である第1特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中の何れのタイミングで敵キャラ先読み演出を開始させるかが決定される。
例えば、サブCPU131は、サブROM132に予め記憶されている開始タイミング決定テーブル(不図示)を参照し、開始対象の変動パターンに対応する変動演出パターンの種類に基づいて、敵キャラ先読み演出用開始タイミング乱数(演出制御用の乱数の1つ)を用いた抽選により敵キャラ先読み演出の開始タイミングを決定する。開始タイミング決定テーブルは、例えば、開始対象変動の変動パターンに対応する変動演出パターンの種類と、敵キャラ先読み演出の開始タイミングと、敵キャラ先読み演出用開始タイミング乱数の値と比較するための判定値とを予め対応付けたテーブルである。一例として、開始タイミング決定テーブルでは、図14に例示される割合で敵キャラ先読み演出用開始タイミング乱数の値と比較するための判定値が割り振られている。なお、図14は、敵キャラ先読み演出用開始タイミング乱数の値と比較するための判定値そのものではなく、決定割合を例示している。
本実施形態では、敵キャラ先読み演出を開始させるタイミングによっては、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る大当たりに対する信頼度を示唆しない構成を採用している。例えば、開始対象の変動演出パターンが変動パターンH01に対応したもの(変動時間3秒)である場合、その変動演出パターンに基づいて装飾図柄が変動表示を開始してから0.5秒が経過したタイミングで敵キャラ先読み演出が開始されることが予め定められている(図14参照)。また、開始対象の変動演出パターンが変動パターンH02又はH03に対応したもの(変動時間8秒又は13.5秒)である場合、その変動演出パターンに基づいて装飾図柄が変動表示を開始してから0.5秒、4秒、又は6秒が経過したタイミングのうちの何れかのタイミングから敵キャラ先読み演出が開始される。そして、これら3つの開始タイミングの決定割合は同じになるように、予め定められている(図14参照)。具体的には、例えば、「0〜101」が判定値として設定される場合、開始タイミング決定テーブルにおいて、変動パターンH01と対応付けられた変動演出パターンに対応して全ての判定値が「0.5秒後」に予め割り当てられている。また、変動パターンH02又はH03と対応付けられた変動演出パターンに対応して、「0〜33」の範囲の判定値が「0.5秒後」に、「34〜67」の範囲の判定値が「4秒後」に、「68〜101」の範囲の判定値が「6秒後」に予め割り当てられている。
このような構成を採用することにより、遊技者は、敵キャラ先読み演出が開始されるタイミングを予測できない。このため、遊技者の意表を突くタイミングで敵キャラ先読み演出を開始させることが可能であり、敵キャラ先読み演出の演出効果を効果的に向上させることが可能である。
なお、本実施形態では、先に保留された特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合、敵キャラ先読み演出が実行されない。すなわち、本実施形態では、敵キャラ先読み演出は、敵キャラ先読み演出の実行中に報知される特別図柄判定の判定結果がハズレであることを報知可能な演出であるといえる。そして、敵キャラ先読み演出は、その実行前に保留され、敵キャラ先読み演出が終了した際に未だ報知されていない特別図柄判定の判定結果が大当たりである可能性が相対的に高いことを示唆する演出である。
なお、敵キャラ先読み演出は、上述したタイミングに限らず、どのようなタイミングで開始されてもよい。他の実施形態では、開始対象に対応する装飾図柄の変動表示開始時(すなわち特別図柄の変動表示開始時)から敵キャラ先読み演出を開始してもよい。
また、他の実施形態では、何れのタイミングで敵キャラ先読み演出を開始させるかによって、先読み対象の大当たりに対する信頼度を示唆してもよい。一例として、開始対象に対応する装飾図柄の変動表示開始時(すなわち特別図柄の変動表示開始時)からの経過時間が短いほど信頼度が高いことを示唆してもよい。
[敵キャラ先読み演出が実行される場合における演出の流れの一例]
次に、図15〜図17を参照しつつ、敵キャラ先読み演出の具体例について説明する。ここで、図15は、敵キャラ先読み演出が3変動前または1変動前から実行される場合の演出の流れを例示するタイムチャートである。図16は、3変動前から実行される敵キャラ先読み演出の具体的な演出態様の一例について説明するための説明図である。図17は、1変動前から実行される敵キャラ先読み演出の具体的な演出の一例について説明するための説明図である。
図15を参照しつつ、保留アイコン544(図13(B−1)参照)に対応した第1特別図柄判定の保留を敵キャラ先読み演出の先読み対象とし、先読み対象の1〜3変動前に係る装飾図柄の変動表示態様が全て非リーチでハズレを報知するものである場合について説明する。なお、図15における541〜544の符号は、図13(B−1)を参照しつつ説明した保留アイコン541〜544に対応している。また、保留アイコン544に対応した第1特別図柄判定の保留が発生した際に変動表示中の特別図柄が停止表示されるとハズレが報知されるものとする。
(3変動前から敵キャラ先読み演出が開始される場合の演出の流れの一例)
まず、図15(A)を参照しつつ、敵キャラ先読み演出が3変動前から開始される敵キャラ先読み演出のシナリオが決定された場合について説明する。
パチンコ遊技機1が通常遊技状態に制御されており、第1特別図柄判定の保留数が「3」である場合、第1特別図柄判定に対応した変動演出中に第1始動口11に遊技球が入賞すると、入賞に基づいて事前判定が行われて第1特別図柄判定が保留される。この保留は、図13(B−1)を参照しつつ説明した保留アイコン544に対応する。図15(A)に示す例では、保留アイコン544に対応する保留より先に保留された保留アイコン541〜543に対応する保留に係る事前判定情報は、全て13.5秒以下のハズレ用変動パターンを示す情報を含むものとする。このため、1〜3変動前に係る装飾図柄の変動表示態様は全て非リーチである。このような状況において、保留アイコン544に対応する保留に係る事前判定情報に基づいて3変動前から敵キャラ先読み演出を実行するシナリオが乱数抽選で決定された場合について説明する。
保留アイコン541(図13(B−1)参照)に対応した第1特別図柄の変動表示(すなわち装飾図柄の変動表示)が開始されてから所定時間(例えば0.5秒、図14参照)が経過すると敵キャラ先読み演出が開始される(図15(A)のT1)。
敵キャラ先読み演出では、まず、画面縮小演出が所定の実行時間(例えば1秒)で実行される。続いて、演出役物71を動作させる先読み動作演出が開始される(図15(A)のT2)。本実施形態では、先読み動作演出中に、先読み対象に係る第1特別図柄の変動表示(すなわち装飾図柄の変動表示)が開始される(図15(A)のT5)。先読み動作演出は、先読み対象に対応する変動演出パターンによって予め定められたSPリーチ演出の開始タイミングに基づいて決定された移行ボタン演出の開始タイミングまで実行される(図15(A)のT6)。ここで、本実施形態では、変動演出パターンによって各種リーチ演出(例えば、SPリーチ演出)の開始タイミングが予め定められている。移行ボタン演出の開始タイミングは、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る変動演出パターンによって定められたSPリーチ演出(すなわちSP1及びSP2)の開始タイミングに基づいて決定される。具体的には、SP1又はSP2の開始タイミングから、移行ボタン演出の最大実行時間(本実施形態では4秒)と移行演出の最小実行時間(本実施形態では5秒)との合計時間を減算したタイミングが移行ボタン演出の開始タイミングとして設定される。
具体例として、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応する変動演出パターンにおいて装飾図柄(すなわち特別図柄)の変動表示開始時から30秒経過時にSP1が開始されることが定められている場合について説明する。本実施形態では移行ボタン演出の最大実行時間が4秒であり移行演出の最小実行時間が5秒である。このため、先読み対象に係る装飾図柄の変動表示開始時から21秒経過時が移行ボタン演出の開始タイミングとして設定されることになる。
本実施形態では、敵キャラ先読み演出の先読み対象にできる全ての変動演出パターンにおいて、先読み対象に係る装飾図柄の変動表示開始時からSP1又はSP2が開始されるまでの期間よりも、移行ボタン演出の最大実行時間と移行演出の最小実行時間との合計時間の方が小さい。このため、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る装飾図柄の変動表示中に先読み動作演出が終了し、移行ボタン演出が開始されることになる。例えば、先読み対象3変動前に係る装飾図柄の変動表示中に敵キャラ先読み演出が開始されると、装飾図柄は、敵キャラ先読み演出中(ここでは先読み動作演出中)に非リーチの組み合わせで3回停止表示されることになる(図15(A)参照)。
先読み動作演出が終了すると、移行ボタン演出が開始される(図15(A)のT6)。移行ボタン演出中に遊技者が演出ボタン26を操作したこと、又は移行ボタン演出に対して予め定められた有効期間が終了したことに応じて移行ボタン演出が終了すると共に移行演出が開始される。このため、結果として移行演出は、先読み対象に係る変動演出パターンによって定められたSPリーチ演出(すなわちSP1及びSP2)の開始タイミングに基づいたタイミングで開始されることになる。移行演出はSPリーチ演出の開始タイミングまで実行されるため、移行演出が終了したこと、すなわち敵キャラ先読み演出が終了したことに応じて、SPリーチ演出であるSP1又はSP2に直発展する演出表示が行われることになる。これにより、敵キャラ先読み演出の終了タイミングの到来に応じてSPリーチ演出が開始されることになるので、先読み対象が分かり易く、演出効果の高い演出を実行可能である。
なお、本実施形態では、リーチ成立後にノーマルリーチ演出が実行されてからSPリーチ演出に発展する変動演出パターンを用いて敵キャラ先読み演出を実行する構成を採用している。例えば、変動演出パターンに基づいて予め定められたリーチ成立タイミングで敵キャラ先読み演出中にリーチ図柄を報知すると、敵キャラ先読み演出の連続性を損なってしまい却って演出効果を低下させてしまう可能性がある。このため、本実施形態ではリーチ成立およびノーマルリーチ演出を経ずに敵キャラ先読み演出を介してSPリーチ演出に直発展した場合、SPリーチ演出開始時にはリーチ図柄が報知(例えば疑似停止されたリーチ図柄の表示)されない構成を採用している。すなわち、敵キャラ先読み演出直後には、全ての装飾図柄が変動表示されたままの状態でSPリーチ演出が開始されることになる(図15(A)参照)。
なお、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出を介してSPリーチ演出に直発展した場合、敵キャラ先読み演出中に疑似停止させたリーチ図柄を表示させてもよい。これにより、移行ボタン演出および移行演出が開始される前から、先読み対象に係る装飾図柄の変動表示中であることを示唆することが可能である。また、他の実施形態ではSPリーチ演出開始時に疑似停止させたリーチ図柄を表示させてもよい。
また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出を実行可能な変動演出パターンとして、敵キャラ先読み演出専用の変動演出パターン(専用でなくてもよい。)が予め用意されてもよい。敵キャラ先読み演出専用の変動演出パターンに対応して、例えば、リーチ成立またはノーマルリーチ演出を経由せずにSPリーチ演出(すなわちSP1及びSP2)が実行されてもよい(図9(A)から(E)に進むパターン)。このような敵キャラ先読み演出専用の変動演出パターンに対応した変動演出では、例えば、敵キャラ先読み演出を介してSPリーチ演出に直発展した際にリーチ図柄を強調する演出表示が行われるように予め設定することが可能である。リーチ図柄を強調する演出表示は、例えば、リーチ図柄を相対的に大きく表示した後、縮小させながら液晶画面5の所定領域(例えば右上部)に移動させる演出表示でもよい。
(1変動前から敵キャラ先読み演出が開始される場合の演出の流れの一例)
図15(B)は、先読み対象の1変動前から敵キャラ先読み演出が開始されるシナリオが決定された場合の演出の流れを例示している。具体的には、図15(B)は、図15(A)において保留アイコン541(図13(B−1)参照)に対応した第1特別図柄の変動表示が開始される前と同様の状態のときに第1始動口11に遊技球が入賞し、敵キャラ先読み演出が実行される別のシナリオが決定された場合を例示している。図15(B)に示す例では、保留アイコン541及び542に対応する保留に係る事前判定情報はハズレ用変動パターンを示す情報を含むものとする。また、保留アイコン543に対応する保留に係る事前判定情報は13.5秒以下のハズレ用変動パターンを示す情報を含むものとする。このため、3変動前および2変動前に係る装飾図柄の変動表示態様はリーチハズレ又は非リーチであり、1変動前に係る装飾図柄の変動表示態様は非リーチである。このような状況において、保留アイコン544に対応する保留に係る事前判定情報に基づいて1変動前から敵キャラ先読み演出を実行するシナリオが乱数抽選で決定された場合について説明する。
保留アイコン541(図13(B−1)参照)に対応した第1特別図柄の変動表示(すなわち装飾図柄の変動表示)が開始されても、この変動表示中に敵キャラ先読み演出は実行されない。そして、敵キャラ先読み演出が実行されることなく、保留アイコン541に対応した変動演出が終了した後に開始された保留アイコン542に対応した変動演出が終了する。これらの保留アイコンに対応した変動演出の終盤には、非リーチの組み合わせで装飾図柄が停止表示される。その直後、保留アイコン543(図13(B−1)参照)に対応した装飾図柄の変動表示が開始されてから所定時間(例えば0.5秒、図14参照)が経過すると敵キャラ先読み演出が開始される(図15(B)参照)。
敵キャラ先読み演出では、図15(A)と同様に、まず、画面縮小演出が所定の実行時間(例えば1秒)で実行された後、先読み動作演出が開始される(図15(B)参照)。先読み動作演出は、図15(A)と同様に、先読み対象に対応する変動演出パターンによって予め定められたSPリーチ演出の開始タイミングに基づいて決定された移行ボタン演出の開始タイミングまで実行される(図15(B)のT10)。先読み対象1変動前に係る装飾図柄の変動表示中に敵キャラ先読み演出が開始されると、装飾図柄は、敵キャラ先読み演出中(ここでは先読み動作演出中)に非リーチの組み合わせで1回停止表示されることになる(図15(B)参照)。
先読み動作演出が終了すると、移行ボタン演出が開始される(図15(B)のT10)。そして、移行ボタン演出中に遊技者が演出ボタン26を操作したこと、又は移行ボタン演出に対して予め定められた有効期間(例えば移行ボタン演出開始時から4秒)が終了したことに応じて、移行ボタン演出が終了すると共に移行演出が開始される(図15(B)のT11)。移行演出が終了すると、SPリーチ演出であるSP1又はSP2に直発展する。
図15(A)及び(B)に例示されるように、本実施形態では、敵キャラ先読み演出が終了すると、先読み対象に対応する変動演出としてSPリーチ演出(SP1又はSP2)が開始される。このような構成によれば、遊技者は、どの特別図柄判定を対象として敵キャラ先読み演出が実行されているかを認識し易くなる。
このように、本実施形態では、画面縮小演出は敵キャラ先読み演出の開始対象内でのみ行われる。また、移行ボタン演出および移行演出は、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る特別図柄の変動表示中にのみ行われる。これに対して、先読み動作演出は、1〜3変動前の何れかから敵キャラ先読み演出を実行するという敵キャラ先読み演出のシナリオが決定されたかに応じて、先読み対象を含む2〜4変動間で実行が継続される期間が変化する。
[3変動前から実行される敵キャラ先読み演出の具体例]
次に、図16を参照しつつ、3変動前から実行される敵キャラ先読み演出の具体例について説明する。図16は、図15(A)に例示した演出の流れに対応した具体例を示している。
図16は、大当たり用変動パターンA23若しくはA29、又はリーチ用変動パターンH23若しくはH29に対応付けられた変動演出パターンに基づいた変動演出の具体的な演出態様の一例を示している。なお、この具体例では、図15(A)と同様に敵キャラ先読み演出が先読み対象の3変動前から開始されるという敵キャラ先読み演出のシナリオが予め決定されている場合について説明する。また、敵キャラ先読み演出において、移行ボタン演出が態様B(図16(H)参照)で実行されること、及び移行演出として移行演出Aが実行されることが予め決定されているものとする。
図16(A)に例示されるように、ハズレを報知する装飾図柄が図柄領域50の有効ライン上に停止表示されると、当該領域53に表示されていた当該アイコンが消去される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されたことに応じて、図16(B)に例示されるように、保留領域54に表示されていた最先の保留に係る保留アイコンが当該領域53に移動して当該アイコンとして表示され、第1特別図柄判定の保留数が4から3に変化する。これと共に、図柄領域50において装飾図柄の変動表示が開始される。
装飾図柄の変動表示が開始されると、この装飾図柄の変動表示開始後の所定タイミング(例えば0.5秒、図14参照)で、敵キャラ先読み演出が開始される。本実施形態では、敵キャラ先読み演出は、敵キャラ先読み演出に係る演出画像(例えば敵キャラ画像56)を液晶画面5の視認可能な領域におけるほぼ全域に表示させて強調する演出である。また、敵キャラ先読み演出は、演出役物71を進出位置に動作させることによって液晶画面5の視認性を低下させる演出である。このため、本実施形態では、敵キャラ先読み演出が開始されると、縮小表示された装飾図柄である小図柄を表示することとしている。具体的には、敵キャラ先読み演出が開始されると、それまで液晶画面5の中央に大きく形成されていた図柄領域50が、縮小された状態で液晶画面5の中央上部に移る。これと共に、小図柄が、液晶画面5の中央上部に形成された図柄領域50において変動表示を開始する(図16(C)参照)。
図柄領域50の大きさ及び位置の変更に伴い、敵キャラ先読み演出では以下のような演出が行われる。敵キャラ先読み演出が開始されると、まず、画面縮小演出が実行される(図15(A)のT1)。画面縮小演出では、変動表示中の装飾図柄が表示された状態を模した画面縮小画像55が、液晶画面5の中央に縮小されながら表示される演出表示が行われる(図16(C)参照)。これにより、遊技者は、敵キャラ先読み演出が開始したことを認識することが可能である。なお、本実施形態では、画面縮小画像55が表示されている領域以外には、画面縮小画像55を強調し、液晶画面5の表示画面が縮小したことを報知する演出画像として、例えば、アナログテレビにおいて電波障害時に生じるスノーノイズを模したノイズ画像(不図示)が表示される。このノイズ画像は、画面縮小演出終了後も移行演出が開始されるまで他の演出画像(例えば敵キャラ画像56)の背景として液晶画面5に継続して表示される。
なお、画面縮小画像55が表示されている領域以外は、画面縮小画像55を強調する態様であればどのような態様でもよい。例えば、ブラックアウト(又はホワイトアウト)させてもよいし、敵キャラ先読み演出開始直前の液晶画面5に表示されていた背景画像をぼかした状態(又はコントラストを下げた状態)で継続して表示させてもよい。
画面縮小演出中には、例えば、演出役物71を、進出位置と初期位置との間で断続的に動作させてもよい。一例として、画面縮小演出中に、演出役物71を進出位置と初期位置との中間位置まで進出させた後に初期位置に戻すといった往復動作が繰り返されてもよい。そして、この往復動作が繰り返される毎に、例えば、動作に連動する態様で、画面縮小画像55が上下方向等に揺れながら液晶画面5の中央に縮小していく演出表示が行われてもよい。その際、演出役物71の往復動作に連動する態様で所定の演出音(例えば敵キャラのセリフ)がスピーカ24から出力されてもよい。
画面縮小演出終了後には、図16(D)に例示されるように、先読み動作演出が開始される(図15(A)のT2)。先読み動作演出では、演出役物71が初期位置(図4(A)参照)から進出位置(図4(C)参照)へ動作すると共に、液晶画面5の視認可能な領域のほぼ全域に敵キャラを模した敵キャラ画像56が大きく表示される。
本実施形態では、先読み動作演出中に演出役物71を動作させ、演出役物71を進出位置に配置させた状態のまま維持させる。このため、敵キャラ先読み演出中の演出役物71の動作によっては、敵キャラ先読み演出が開始されてから特別図柄判定が何回実行されたか分からない。遊技者は、敵キャラ先読み演出は一体いつまで続くのかといったことを考えながら大当たりに対する期待感を高めることが可能である。
また、本実施形態では先読み動作演出中に、敵キャラ画像56が敵キャラの顔面部を回転中心として左に回転し続ける。先読み動作演出終了時における敵キャラ画像56の回転角度が大きいと、遊技者は、相対的に多数の特別図柄の変動表示にわたって敵キャラ先読み演出が実行されたのではないかと期待する可能性がある。しかしながら、本実施形態では、先読み動作演出中に、第1特別図柄が3種類の変動時間(3秒、8秒、及び13.5秒)で変動表示される可能性がある。このため、敵キャラ画像56の回転角度が大きいからといって、敵キャラ先読み演出が相対的に多数の特別図柄の変動表示にわたって実行されたとは一概にいえない。このように、敵キャラ先読み演出中の敵キャラ画像56の回転角度によっては、敵キャラ先読み演出が開始されてから特別図柄判定が何回実行されたか分からない。
その後、小図柄が、変動表示を開始した後に非リーチの態様で疑似停止後に停止表示されることが2回続いた後(すなわち敵キャラ先読み演出開始後3回目のハズレ報知)、先読み対象に係る小図柄の変動表示が開始される(図16(G)、図15(A)のT5)。
図16(G)に例示される小図柄の変動表示中に先読み動作演出が終了すると、移行ボタン演出(態様B)が実行される(図16(H)、図15(A)のT6)。移行ボタン演出(態様B)では、例えば、赤色に発光されると共に突出状態に制御された演出ボタン26を模した演出ボタン画像51と、演出ボタン26の操作が有効な有効期間の残り時間を示すゲージ画像52とが液晶画面5に表示される。また、演出役物71が動作されず、演出ボタン画像51が示す状態と同様に演出ボタン26が赤色に発光されると共に突出状態に制御される。
図20を参照しつつ後に詳述するが、移行ボタン演出(態様B)は、大当たりに対する信頼度が相対的に高い演出である。本実施形態では、大当たりに対する信頼度を認識可能な複数の演出態様で移行ボタン演出を実行することで、敵キャラ先読み演出の演出効果を高めることが可能である。移行ボタン演出の態様には態様A〜Dがあり、各態様は、演出ボタン画像51の態様と、演出役物71が動作されるか否かと、演出ボタン26の発光色および高さとが異なる。移行ボタン演出中は、演出ボタン26が所定の発光色(白色、赤色、及び虹色)で発光されると共に、突出状態と通常状態とのうちの何れかの高さに制御される。演出ボタン画像51は、この移行ボタン演出中の演出ボタン26を模した画像である。
その後、移行ボタン演出の終了に応じて、移行演出Aが実行される(図16(I)、図15(A)のT7)。移行演出の態様には移行演出Aと移行演出Bとがある。移行演出AはSP1と同様に味方キャラがモチーフの演出であり、移行演出Bは敵キャラがモチーフの演出である。移行演出Aは、例えば、移行演出Bより大当たりに対する信頼度が高く、SPリーチ演出の1つであるSP1に直発展することを報知する演出である。また、移行演出Aは、味方キャラA及びCが未来に思いをはせる演出画像が表示される演出であり、SP1と関連性を有する内容であってSP1において味方キャラが活躍する期待感を高める演出である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、味方キャラが活躍するほど大当たりに対する信頼度が高いことが示唆されるので、遊技者は、移行演出Aが実行されると信頼度が相対的に高いことを直感的に認識可能である。移行演出Bの具体的な演出態様については、図17(H)を参照して後述する。
移行演出Aが終了することにより敵キャラ先読み演出が終了すると、SP1が開始されることになる(図16(J)参照)。SP1は、SP1の終盤または途中でSPSPリーチ演出に必ず発展する演出である。このため、遊技者はSP1が開始されると大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを認識しながら遊技を楽しむことが可能である。
例えば、大当たり用変動パターンA23又はリーチ用変動パターンH23に対応して変動演出パターンが決定されると、SP1の途中または終盤でSPSPリーチ演出の1つであるSPSP2が実行されることになる(図11参照)。そして、大当たり用変動パターンA23に対応して変動演出パターンが決定されると、SPSP2の終盤で大当たりの態様で装飾図柄が有効ライン上に疑似停止した後に停止表示されて大当たりが報知されることになる。一方、リーチ用変動パターンH23に対応して変動演出パターンが決定されると、SPSP2の終盤でハズレの態様で装飾図柄が有効ライン上に疑似停止した後に停止表示されてハズレが報知されることになる。
また、例えば、大当たり用変動パターンA29又はリーチ用変動パターンH29に対応して変動演出パターンが決定されると、SP1の途中または終盤でSPSPリーチ演出の1つであるSPSP1が実行されることになる。そして、大当たり用変動パターンA23に対応して変動演出パターンが決定されるとSPSP1の終盤で大当たりが報知され、リーチ用変動パターンH23に対応して変動演出パターンが決定されるとSPSP2の終盤でハズレが報知されることになる。
図18を参照しつつ後に詳述するが、本実施形態では、敵キャラ先読み演出中に、特別図柄判定の判定結果が報知される回数(すなわち装飾図柄が停止表示される回数)が多いほど、大当たりに対する信頼度が相対的に高い構成を採用している(本実施形態では最大3回)。先読み対象の3変動前から敵キャラ先読み演出を実行可能な場合、先読み対象に係る大当たり判定の判定結果が大当たりである方がハズレ時よりも、3変動前から実行するという敵キャラ先読み演出のシナリオが決定され易い。このため、図16に示した例では3変動前から敵キャラ先読み演出が開始されたことから、遊技者は、大当たりに対する期待感を高めながら遊技を楽しむことが可能である。
他の実施形態では、先読み動作演出中に、進出位置と初期位置との間で演出役物71を断続的に動作(又は往復動作)させてもよい。例えば、特別図柄判定の判定結果が報知される毎に、演出役物71の動作パターン又は発光パターンの違いによって演出態様を異ならせてもよい。このような構成の場合、遊技者は、小図柄が何回停止表示されるかといったことに意識を注がなくても、演出役物71を視認することによって、敵キャラ先読み演出中に特別図柄判定が複数回(図16の例では3回)実行されたことを認識することが可能である。
例えば、演出役物71の動作パターンの違いとして、動作速度、動作される構成部材(図4参照)、初期位置(図4(A)参照)からの距離を異ならせてもよい。
また、演出役物71の発光パターンの違いとして、発光の有無、発光色、発光させる発光素子の位置を異ならせてもよい。例えば、敵キャラ先読み演出が何変動前から開始されるかによって発光色を異ならせてさせてもよく、3変動前から開始される場合には赤色で発光させ、1変動前から開始される場合には白色で発光させてもよい。また、例えば、白色→青色→赤色といった順で演出役物71の発光色が段階的に変化可能な場合において、3変動前から開始される場合は赤色まで発展可能であり、2変動前から開始される場合は青色まで発展可能であり、1変動前から開始される場合は白色でのみ発光可能でもよい。このような場合、敵キャラ先読み演出中に、例えば3変動前は白色、2変動前は青色、1変動前は赤色といった態様で発光色を段階的に変化させることによって、大当たりに対する期待感を高めることが可能である。なお、演出役物71をどの発光色まで発展させるかは、大当たりか否か、及び先読み対象に対応する変動パターンの種類に基づいて設定されてもよい。
また、他の実施形態では、特別図柄判定の判定結果が報知される毎に、先読み動作演出中の敵キャラ画像56の動きに違い(回転速度の違い、回転方向の違い、拡大表示または縮小表示される度合の違い等)を生じさせてもよい。このような構成の場合、遊技者は、例えば、小図柄が何回停止表示されるかといったことに意識を注がなくても、敵キャラ画像56の動きの違いによって、敵キャラ先読み演出中に実行された特別図柄判定の回数を認識することが可能である。具体例として、特別図柄判定の判定結果は、図16に示された例では敵キャラ先読み演出中に3回報知され、図17に示された例では敵キャラ先読み演出中に1回報知されるので、図16に示された場合の方が敵キャラ画像56の動きに違いが生じる回数が多くなる。
その後、非リーチの態様で、ハズレを報知する小図柄が疑似停止した後に所定の図柄確定期間(例えば1秒)停止表示される(図16(E)、図15(A)のT3)。続いて、最先の特別図柄判定の保留が消化されたことに応じて小図柄が変動表示を開始する(図16(F)、図15(A)のT4)。本実施形態では、敵キャラ先読み演出は、先読み対象の1〜3変動前から実行可能な先読み演出である。特別図柄判定の保留が複数ある状態で敵キャラ先読み演出が開始されると、遊技者は、何れの保留が先読み対象か判別できない。このため、遊技者は、大当たりに対する期待感を高めながら敵キャラ先読み演出の進行を見守ることが可能である。
なお、例えば、敵キャラ先読み演出中にスピーカ24によって出力される演出音の違い(例えば、立体音響効果の有無の違い)、及び敵キャラ画像56の背景画像の違いによって、敵キャラ先読み演出中に実行された特別図柄判定の回数を示唆し、大当たりに対する信頼度を示唆してもよい。
また、敵キャラ先読み演出中には、先読み対象に対応した特別図柄判定が実行されるまでに実行される特別図柄判定の残りの回数を示す文字を表示してもよい。
なお、始動口への遊技球の入賞に応じてスピーカ24から出力される入賞音、又は保留アイコンの表示態様によって、大当たりに対する信頼度を示唆する先読み演出を実行してもよい。また、LED等の発光素子(不図示)を始動口周辺の遊技盤2に内蔵しておき、始動口への遊技球の入賞に応じて各種の発光パターンで発光させることによって、大当たりに対する信頼度を示唆する先読み演出を実行してもよい。本実施形態では、敵キャラ先読み演出は大当たりに対する信頼度が相対的に高い演出であり、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る保留に対応して、信頼度が相対的に高い他の先読み演出が実行される可能性は高い。このため、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応する保留発生時に、通常(例えば、入賞音出力なし、発光素子の発光なし)とは異なる特殊な演出として、例えば特殊な入賞音(例えばピョンといった演出音)の出力等がなされる可能性は相対的に高い。例えば、特殊な入賞音が出力されると、遊技者は、保留発生時に、その保留に対応する特別図柄判定の判定結果が大当たりである可能性が通常よりも高いことを認識可能である。そして、後に敵キャラ先読み演出が開始されると、特殊な入賞音が出力された保留が先読み対象であろうと推測しながら遊技を楽しむことが可能である。
[1変動前から実行される敵キャラ先読み演出の具体例]
次に、図17を参照しつつ、1変動前から実行される敵キャラ先読み演出の具体例について説明する。図17は、図15(B)に例示した演出の流れに対応した具体例を示している。
図17は、大当たり用変動パターンA10、A20、A23、A26、若しくはA29、又はリーチ用変動パターンH10、H20、H23、H26、若しくはH29に対応付けられた変動演出パターンに基づいた変動演出の具体的な演出態様の一例を示している。なお、この具体例では、1〜3変動前から敵キャラ先読み演出を実行可能な場合において、先読み対象の1変動前から開始されるという敵キャラ先読み演出のシナリオが予め決定された場合について説明する。また、敵キャラ先読み演出において、移行ボタン演出が態様A(図17(G)参照)で実行されること、及び移行演出として移行演出Bが実行されることが予め決定されているものとする。
例えば、ハズレを報知する装飾図柄が図柄領域50の有効ライン上に停止表示された後(図17(A)参照)、リーチ演出が実行されることなく第1特別図柄判定の保留が消化されていく。その後、例えば、第1特別図柄判定の保留数が1つの状態で装飾図柄の変動表示が開始されると(図17(B)参照)、この装飾図柄の変動表示開始後の所定タイミング(例えば0.5秒、図14参照)で敵キャラ先読み演出が開始される。
敵キャラ先読み演出が開始されると、画面縮小演出が実行された後に先読み動作演出が実行されて、演出役物71が進出位置(図4(C)参照)へ動作すると共に、液晶画面5に敵キャラ画像56が表示される(図17(C)及び(D)参照)。
その後、非リーチの態様でハズレを報知する小図柄が疑似停止した後に停止表示される(図17(E)、図15(B)のT8)。続いて、最先の特別図柄判定の保留が消化されたことに応じて小図柄が変動表示を開始する(図17(F)、図15(B)のT9)。そして、この小図柄の変動表示中に先読み動作演出が終了し、移行ボタン演出(態様A)が実行される(図17(G)、図15(B)のT10)。移行ボタン演出(態様A)では、例えば、演出役物71が動作されず、白色に発光した通常状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とが表示されると共に、演出ボタン26が通常状態のまま白色に発光される。
図17(H)に示す例では、移行ボタン演出の終了に応じて、移行演出Bが実行される(図15(B)のT11)。本実施形態では、移行演出Bは、複数(一体でもよい。)の敵キャラが行進する演出画像が表示される演出であり、SPリーチ演出であるSP1又はSP2に直発展することを示唆(又は報知)する演出である。また、移行演出Bは移行演出Aより大当たりに対する信頼度が低く、SP1よりもSP2との関連性が高い演出である。本実施形態では、味方キャラが劣勢である程(すなわち敵キャラが優勢である程)大当たりに対する信頼度が相対的に低いことが示唆される。遊技者は、移行演出Bが実行されることによって信頼度が相対的に低いのではないかといった不安感を直感的に感じる可能性がある。
移行ボタン演出(態様A)及び移行演出Bは、大当たりに対する信頼度が相対的に高くはない演出態様の演出である。また、図17に示した例では、敵キャラ先読み演出開始前(先読み対象の2及び3変動前の装飾図柄の変動表示態様が非リーチであったにも関わらず、1変動前から敵キャラ先読み演出が開始された。このため、遊技者は、例えば、大当たりに対する信頼度が低くはないがあまり高くも感じられず、大当たりに対する信頼度が相対的に高いSP1に直発展することを願いながら移行演出Bの進行を見守る可能性がある。
本実施形態では、移行演出Bが終了すると、約30%の割合でSP1に直発展し、約70%の割合でSP1よりも大当たりに対する信頼度が低いSP2に直発展するように予め設定されている(図17(I)及び(J)、図22参照)。例えば、大当たり用変動パターンA10又はリーチ用変動パターンH10に対応して変動演出パターンが決定されると、敵キャラ先読み演出終了後にSP2に直発展し、SP2において当落が報知されることになる(図11参照)。大当たり用変動パターンA20又はリーチ用変動パターンH20に対応して変動演出パターンが決定されると、SP2に直発展後、SPSPリーチ演出の1つであるSPSP3が実行されて当落が報知されることになる。大当たり用変動パターンA26又はリーチ用変動パターンH26に対応して変動演出パターンが決定されると、SP2に直発展後、SPSPリーチ演出の1つであるSPSP1が実行されて当落が報知されることになる。大当たり用変動パターンA23又はリーチ用変動パターンH23に対応して変動演出パターンが決定されると、SP1に直発展後、SPSPリーチ演出の1つであるSPSP2が実行されて当落が報知されることになる。大当たり用変動パターンA29又はリーチ用変動パターンH29に対応して変動演出パターンが決定されると、SP2に直発展後、SPSP1が実行されて当落が報知されることになる。
[敵キャラ先読み演出の有無を決定する割合の一例]
次に、図18を参照しつつ、敵キャラ先読み演出の有無についての決定割合の一例について説明する。本実施形態では、敵キャラ先読み演出を実行可能である場合、演出制御基板130のサブCPU131は、敵キャラ先読み演出を実行するか否かと、実行する場合には何変動前から開始するかとのシナリオを決定する。サブCPU131は、例えば、サブROM132に予め記憶された敵キャラ先読み演出実行抽選テーブル(不図示)を参照し、演出制御用の乱数の1つである敵キャラ先読み演出用実行乱数(図46のステップS133参照)を用いた抽選を行う。そして、例えば、先読み対象に対応する変動パターンの種類に応じて異なる割合にてシナリオを決定する。敵キャラ先読み演出実行抽選テーブルは、例えば、大当たりか否かと、先読み対象に対応する変動パターンの種類と、最大何変動前に係る特別図柄の変動表示中から敵キャラ先読み演出を開始できるかと、敵キャラ先読み演出の開始対象(実行無しを含む。)と、敵キャラ先読み演出用実行乱数の値と比較するための判定値とを予め対応付けたテーブルである。一例として、敵キャラ先読み演出実行抽選テーブルでは、図18に例示される割合で敵キャラ先読み演出用実行乱数の値と比較するための判定値が割り振られている。なお、図18は、敵キャラ先読み演出用実行乱数の値と比較するための判定値そのものではなく、判定値の数の割合を例示している。
一例として、先読み対象の変動パターンがA10であり、1〜3変動前に係る変動パターンが全て13.5秒以下の変動パターンである場合について説明する。このような場合、35%の割合で敵キャラ先読み演出を実行しないと決定される一方、17%の割合で1変動前から、23%の割合で2変動前から、25%の割合で3変動前から敵キャラ先読み演出を実行すると決定される。具体的には、例えば、「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜34」の範囲が「実行無し」に、「35〜51」の範囲が「1変動前より」に割り振られている。また、「52〜74」の範囲が「2変動前より」に、「75〜99」の範囲が「3変動前より」に割り振られている。
本実施形態では、敵キャラ先読み演出中に特別図柄判定の判定結果が報知される回数(すなわち装飾図柄が停止表示される回数)が多い程、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されている。また、信頼度が相対的に高いリーチ演出(本実施形態ではSP1)に直発展した方が、それよりも信頼度が低いリーチ演出(本実施形態ではSP2)に直発展した場合よりも、信頼度が高くなるように予め設定されている。
具体的には、先読み対象が大当たりである場合には、ハズレである場合よりも、敵キャラ先読み演出が実行される割合(「実行なし」以外に決定される割合)が高い。そして、敵キャラ先読み演出が実行されると、SPリーチ演出(すなわちSP2)で当落が報知されるよりもSPSPリーチ演出に発展する期待度が大きい。また、敵キャラ先読み演出が実行されると、SPリーチ演出としてSP1が実行される期待度の方が、SP2が実行される期待度よりも大きい。
また、先読み対象が大当たりである場合には、ハズレである場合よりも、敵キャラ先読み演出が3変動前から実行されるシナリオが決定され易い。そして、敵キャラ先読み演出を3変動前から実行するシナリオは1変動前から実行するシナリオよりも、SPリーチ演出からSPSPリーチ演出に発展する期待度が大きい。また、敵キャラ先読み演出を3変動前から実行するシナリオは1変動前から実行するシナリオよりも、SPリーチ演出としてSP1が実行される期待度が大きい。
このような設定により、敵キャラ先読み演出を3変動前から実行可能な場合、3変動前より実行>2変動前より実行>1変動前より実行>実行なしの順番で、大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定されている。また、2変動前から実行可能な場合は2変動前より実行>1変動前より実行>実行なしの順番で、1変動前から実行可能な場合は1変動前より実行>実行なしの順番で、大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定されている。
なお、本実施形態では、3変動前から実行可能である場合に2変動前より実行される場合よりも、2変動前より実行可能である場合に2変動前より実行される場合の方が、大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定されている。また、3変動前または2変動前から実行可能である場合に1変動前より実行される場合よりも、1変動前より実行可能である場合に1変動前より実行される場合の方が、大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定されている。
このような設定により、例えば、第1特別図柄判定の保留数が多い方が少ない場合よりも大当たりに対する信頼度が高い敵キャラ先読み演出が実行されるので、遊技球を打ち出して保留をためようといった動機付けを遊技者に与えることが可能である。また、一例として、第1特別図柄判定の保留数が同じ場合、リーチハズレ後に敵キャラ先読み演出が開始される方が、非リーチ態様でのハズレ報知後に敵キャラ先読み演出が開始されるよりも信頼度が高いことを示唆可能である。
ここで、本実施形態では、特別図柄判定の判定結果に基づいて、同一または類似のキャラクタを液晶画面5に多数登場させることで大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する予告演出として群予告演出を実行可能である。ところで、本実施形態では演出役物71には複数の敵キャラを模した模様が施されている。このような演出役物71が液晶画面5の前面に配置されると共に敵キャラ画像56が表示される敵キャラ先読み演出が実行されると、同一のキャラクタが多数出現することになる。これにより、群予告演出が実行されたときと同様の印象を遊技者に与えることが可能である。このため、敵キャラ先読み演出が実行されると、遊技者は、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを直感的に認識することが可能である。さらに、本実施形態では、敵キャラ先読み演出の終盤(すなわち移行演出)で敵キャラが表示されるよりも味方キャラが表示された方が大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されている(図21参照)。このように、本実施形態では、群予告演出と同様の演出態様の演出である敵キャラ先読み演出を事前判定情報に基づいて実行可能である。また、敵キャラ先読み演出の終盤で所定キャラクタ(ここでは味方キャラ)を登場させる方が、所定キャラクタを登場させない場合よりも大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆可能である。また、本実施形態では、群予告演出と同様の演出態様の演出を、演出役物71を用いて実行可能である。これにより、単に液晶画面5で演出画像を表示させる演出のみでは単調化してしまいがちな演出を効果的に行うことが可能である。
本実施形態では、先読み対象に対応する変動パターンの種類に応じて異なる割合にてシナリオを決定する場合について説明した。他の実施形態では、変動パターンの種類に関わらず、大当たりか否かに応じた異なる割合にて敵キャラ先読み演出のシナリオを決定してもよい。
また、図18に例示した敵キャラ先読み演出の有無についての決定割合は一例に過ぎず、どのような決定割合でもよい。例えば、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出中に特別図柄判定の判定結果が報知される回数(すなわち装飾図柄が停止表示される回数)が少ない程、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されてもよい。このような場合、スピード感のある演出態様によって大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを認識させることが可能である。
また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出中に特別図柄判定の判定結果が報知される回数が所定回数(例えば2回)である場合は、この回数以外である場合より大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されてもよい。このような場合、敵キャラ先読み演出中の変動演出の進行に注意を向けさせる動機付けを遊技者に与えることが可能である。
また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出中に報知される特別図柄判定の判定結果の回数によって、大当たりに対する信頼度を示唆しなくてもよい。例えば、敵キャラ先読み演出を開始する決定割合が1〜3変動前の何れであっても等しく決定されるように予め設定する。
また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出中に報知される特別図柄判定の判定結果の回数が相対的に多い(又は少ない)ことによって、又は所定回数(例えば3回)であることによって、先読み対象が遊技者にとって有利な大当たり(例えば大当たり図柄A)であると判定される可能性が相対的に高いことを示唆してもよい。また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出が実行されること自体によって、先読み対象に対応した特別図柄判定において遊技者にとって有利な大当たりであると判定される可能性が相対的に高いことを示唆してもよい。
[移行ボタン演出の一例]
(ボタン演出の演出態様)
次に、図19及び図20を参照しつつ、敵キャラ先読み演出を構成する演出の1つである移行ボタン演出について説明する。まず、図19を参照しつつ、遊技者に演出ボタン26の操作を促す各種ボタン演出の態様の一例について説明する。
本実施形態では、遊技者に演出ボタン26の操作を促すボタン演出が様々なタイミングで実行される。ボタン演出は、液晶画面5と演出ボタン26と演出役物71とを用いる演出である(演出役物71を用いない場合もある。)。本実施形態では、変動演出中に実行されるボタン演出の1つとして移行ボタン演出が予め用意されており、大当たり遊技中に実行されるボタン演出の1つとしてジャッジボタン演出(後述する)が予め用意されている。これらのボタン演出は、演出ボタン画像51の種類と、演出役物71の動作の有無と、演出ボタン26の状態の違いとが異なる4種類の態様A〜Dが予め用意されている。例えば、変動演出中に実行されるボタン演出では、大当たりに対する信頼度を演出態様毎に異ならせ、態様A、態様B、態様C、態様Dの順で信頼度が高くなるように予め設定されている。大当たり遊技中に実行されるボタン演出では、遊技者にとって有利な大当たりである可能性の度合いを演出態様毎に異ならせ、態様A、態様B、態様C、態様Dの順で有利度合いが高くなるように予め設定されている。
例えば、態様Aは、演出役物71の動作を伴わず、白色に発光した通常状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とを液晶画面5に表示させると共に、演出ボタン26を通常状態のまま白色に発光させる態様である(図19(A)参照)。態様Bは、演出役物71の動作を伴わず、赤色に発光した突出状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とを表示させると共に、赤色に発光させた演出ボタン26を突出状態に制御させる態様である(図19(B)参照)。態様Cは、演出役物71を、初期位置から進出位置に動作させるのに伴い(図4参照)、赤色に発光した突出状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とを表示させると共に、赤色に発光させた演出ボタン26を突出状態に制御させる態様である(図19(C)参照)。態様Dは、演出役物71を、初期位置から進出位置に動作させるのに伴い、虹色に発光した突出状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とを表示させると共に、虹色に発光させた演出ボタン26を突出状態に制御させる態様である(図19(D)参照)。このように、ボタン演出中は、演出ボタン画像51が示す状態と同じ状態となるように演出ボタン26が制御されると共に、ボタンランプ262が発光(常時点灯)される。態様C及びDの態様でボタン演出が実行される場合、ボタン演出が終了すると、演出役物71が初期位置に復帰する。
本実施形態では、ボタン画像51の態様が態様A〜Dで例示された4種類である場合について説明するが、ボタン画像51の態様はこれに限らない。他の実施形態では、例えば、大当たりに対する信頼度が高い程、又は遊技者にとって有利な大当たりである可能性の度合いが高い程、液晶画面5に占める面積が大きいボタン画像51が表示されてもよい。また、ボタン画像51は、遊技者に演出ボタン26の操作を促す文言(例えば「押せ!」といった文言)を含んでもよい。操作を促す文言は大当たりに対する信頼度を示唆するための信頼度情報を含んでもよく、例えば、「押せ!」といった操作に関する文言と共に「激しく!」といった操作に間接的に関係する文言が表示されてもよい。
本実施形態では、ゲージ画像52の態様が1つである場合について説明する。他の実施形態では、例えば、ゲージ画像52に複数の態様(例えば4種類)を予め用意しておき、大当たりに対する信頼度をゲージ画像52の態様によって示唆してもよい。例えば、大当たり確定であることを報知するゲージ画像が予め用意されてもよいし、大当たりに対する信頼度が高い程、液晶画面5に占める面積が大きいゲージ画像52が表示されてもよい。また、遊技者にとって有利な大当たり確定であることを報知するゲージ画像が予め用意されてもよいし、遊技者にとって有利な大当たりである可能性の度合いが高い程、液晶画面5に占める面積が大きいゲージ画像52が表示されてもよい。また、ゲージ画像52に施された模様によって、大当たりに対する信頼度(又は遊技者に対する大当たりの有利度合い)を示唆してもよい。一例として、有効時間の残り時間を示す部分に信頼度を示唆する信頼度示唆模様が施されており、時間の経過に応じて信頼度示唆模様が認識できなく(又は認識し難く)なってもよいし、認識し易くなってもよい。
ここで、本実施形態では、敵キャラ先読み演出において、先読み動作演出に続いて態様C又はDの移行ボタン演出が実行される場合のように、演出役物71を動作させる演出が連続して実行される場合がある。このような場合、2つの演出間に、ランプ制御基板150のランプCPU151は演出役物71を初期位置に一旦戻してもよい。または、演出役物71を初期位置に戻さずに継続して進出位置に配置させていてもよい。
(移行ボタン演出の演出態様毎の決定割合例)
次に、図20を参照しつつ、移行ボタン演出の演出態様毎の決定割合の一例について説明する。本実施形態では、敵キャラ先読み演出が実行される場合、移行ボタン演出の演出態様が、図19を参照しつつ説明したボタン演出の態様A〜Dの何れかに決定される。態様A〜Dは、上述したように液晶画面5に表示される演出ボタン画像51の種類と、演出役物71の動作の有無と、演出ボタン26の状態とが異なる。例えば、演出制御基板130のサブCPU131は、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応する変動演出パターンの種類に基づいて、演出制御用の乱数の1つである移行ボタン演出乱数(図50のステップS1605参照)を用いた抽選により移行ボタン演出の態様を決定する。サブCPU131は、例えば、サブROM132に予め記憶された移行ボタン演出決定テーブル(不図示)を参照し、移行ボタン演出乱数を用いた抽選を行う。移行ボタン演出決定テーブルは、例えば、大当たりか否かと、先読み対象に対応する変動演出パターンの種類と、移行ボタン演出の演出態様(すなわち態様A〜D)と、移行ボタン演出乱数の値と比較するための判定値とを予め対応付けたテーブルである。一例として、移行ボタン演出決定テーブルでは、図20に例示される割合で移行ボタン演出乱数の値と比較するための判定値が割り振られている。なお、図20は、移行ボタン演出乱数の値と比較するための判定値そのものではなく、決定割合を例示している。
本実施形態では、移行ボタン演出の態様は、例えば、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応した変動演出の内容および大当たりか否かに応じた決定割合で決定される。具体的には、先読み対象が大当たりの場合は、移行ボタン演出の態様が態様A以外に決定され易いように予め設定されている(図20参照)。一方、先読み対象がハズレの場合は、移行ボタン演出の態様が態様Aに決定され易く、態様Dに決定されないように予め設定されている。そして、大当たりか否かに関わらず、例えば、SPリーチ演出としてSP1が実行される場合の方が、SP2が実行される場合よりも、移行ボタン演出の態様が態様A以外に決定され易いように予め設定されている。
具体的には、例えば、変動パターンA10に対応した変動演出パターンであり、SP2の終盤で大当たりが報知される変動演出パターンの場合、移行ボタン演出の態様は、41%の割合で態様Aに決定され、44%の割合で態様Bに決定され、14%の割合で態様Cに決定され、1%の割合で態様Dに決定される。具体的には、例えば、「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜40」の範囲が態様Aに割り振られており、「41〜84」の範囲が態様Bに割り振られており、「85〜98」の範囲が態様Cに割り振られており、「99」が態様Dに割り振られている。
また、例えば、変動パターンA20又はA26に対応した変動演出パターンであり、SP2を介してSPSPリーチ演出の終盤で大当たりが報知される変動演出パターン場合、37%の割合で態様Aに決定され、46%の割合で態様Bに決定され、16%の割合で態様Cに決定され、1%の割合で態様Dに決定される。また、変動パターンA23又はA29に対応した変動演出パターンであり、SP1を介してSPSPリーチ演出の終盤で大当たりが報知される変動演出パターンの場合、30%の割合で態様Aに決定され、48%の割合で態様Bに決定され、20%の割合で態様Cに決定され、2%の割合で態様Dに決定される。
これに対して、例えば、変動パターンH10に対応した変動演出パターンであり、SP2の終盤でハズレが報知される変動演出パターンの場合、77%の割合で態様Aに決定され、20%の割合で態様Bに決定され、3%の割合で態様Cに決定されるが、態様Dには決定されない(すなわち決定割合0%)。また、変動パターンH20又はH26に対応した変動演出パターンであり、SP2を介してSPSPリーチ演出の終盤でハズレが報知される変動演出パターンの場合、65%の割合で態様Aに決定され、31%の割合で態様Bに決定され、4%の割合で態様Cに決定されるが、態様Dには決定されない(すなわち決定割合0%)。また、変動パターンH23又はH29に対応した変動演出パターンであり、SP1を介してSPSPリーチ演出の終盤でハズレが報知される変動演出パターンの場合、60%の割合で態様Aに決定され、35%の割合で態様Bに決定され、5%の割合で態様Cに決定されるが、態様Dには決定されない(すなわち決定割合0%)。
このような設定により、態様Dの移行ボタン演出が実行されると、大当たりを報知できる。また、液晶画面5に表示される演出ボタン画像51がどのような状態の演出ボタン26を模したものかの違い、演出役物71の動作の有無、演出ボタン26の状態の違い(通常状態、突出状態、及び発光色の違い)により大当たりに対する信頼度が示唆される。具体的には、態様D>態様C>態様B>態様Aの順で大当たりに対する信頼度が高いことを示唆できる。
[移行演出の演出態様毎の決定割合例]
次に、図21を参照しつつ、移行演出の演出態様毎の決定割合の一例について説明する。本実施形態では、敵キャラ先読み演出が実行される場合、移行演出として移行演出A又は移行演出Bが実行される(図16(I)及び図17(H)参照)。例えば、演出制御基板130のサブCPU131は、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応する変動演出パターンの種類に基づいて、演出制御用の乱数の1つである移行演出乱数(図50のステップS1606参照)を用いた抽選により、移行演出の態様を、移行演出A又は移行演出Bのうちの何れかの態様に決定する。サブCPU131は、例えば、サブROM132に予め記憶された移行演出決定テーブル(不図示)を参照し、移行演出乱数を用いた抽選を行う。移行演出決定テーブルは、例えば、大当たりか否かと、先読み対象に対応する変動演出パターンの種類と、移行演出の演出態様(すなわちA又はB)と、移行演出乱数の値と比較するための判定値とを予め対応付けたテーブルである。一例として、移行演出決定テーブルでは、図21に例示される割合で移行演出乱数の値と比較するための判定値が割り振られている。なお、図21は、移行演出乱数の値と比較するための判定値そのものではなく、決定割合を例示している。
本実施形態では、移行演出の態様は、例えば、直発展先のSPリーチ演出の種類(すなわちSP1及びSP2)、及び大当たりか否かに応じた決定割合で決定される。具体的には、先読み対象に対応する変動演出パターンがSPリーチ演出としてSP2が実行される変動演出パターンの場合は、大当たりか否かに関わらず、100%の割合で移行演出Bに決定されるように予め設定されている(図21参照)。具体的には、例えば、「0〜99」が判定値として設定される場合、変動パターンA10、A20、A26、H10、H20、及びH26に対応した変動演出パターンに対して全ての判定値が「移行演出B」に割り振られている。
一方、変動パターンA23又はA29に対応した変動演出パターンであり、大当たりであってSPリーチ演出としてSP1が実行される変動演出パターンの場合は、移行演出Aに70%の割合で決定され、移行演出Bに30%の割合で決定されるように予め設定されている。具体的には、変動パターンA23及びA29に対応した変動演出パターンでは「0〜69」の範囲が「移行演出A」に割り振られており、「70〜99」の範囲が「移行演出B」に割り振られている。また、変動パターンH23又はH29に対応した変動演出パターンであり、ハズレであってSPリーチ演出としてSP1が実行される変動演出パターンの場合は、移行演出Aに45%の割合で決定され、移行演出Bに55%の割合で決定されるように予め設定されている。具体的には、変動パターンH23及びH29に対応した変動演出パターンでは「0〜44」の範囲が「移行演出A」に割り振られており、「45〜99」の範囲が「移行演出B」に割り振られている。
このような設定により、敵キャラ先読み演出において移行演出Aが実行されることによって、SP1に直発展することを報知できる。また、移行演出Bが実行されることによって、SP2に直発展する可能性が相対的に高いことを示唆できる。
なお、図20及び図21に例示した決定割合は一例に過ぎず、どのような決定割合でもよい。例えば、他の実施形態では、移行ボタン演出の演出態様は1種類でもよく、移行ボタン演出によって大当たりに対する信頼度を示唆しなくてもよい。また、他の実施形態では、移行演出の演出態様によって直発展するSPリーチ演出の種類を示唆しなくてもよい。また、他の実施形態では、変動演出パターンの種類に関わらず、大当たりか否かに応じた異なる割合にて移行ボタン演出および移行演出の演出態様を決定してもよい。
また、他の実施形態では、移行ボタン演出の態様A〜Dと移行演出A及びBとが予め対応付けられており、移行ボタン演出と移行演出とを何れの演出態様で実行するかということが一回の乱数抽選によって一義的に決定されてもよい。また、敵キャラ先読み演出を何変動前から開始するかという敵キャラ先読み演出のシナリオが決定されると、移行ボタン演出の演出態様(態様A〜Dの何れか)および移行演出の演出態様(A及びBの何れか)が一義的に決定されてもよい。
また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出において移行ボタン演出および移行演出が実行されない場合があってもよい。例えば、移行ボタン演出および移行演出が実行されると、これら2つの演出が実行されない場合よりもSP1に直発展する可能性が相対的に高いことが示唆されてもよい。
また、他の実施形態では、先読み対象に係る特別図柄の変動表示開始に伴って敵キャラ先読み演出を実行してもよい。また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出を先読み演出ではなく予告演出としてもよい。
[敵キャラ先読み演出と他の先読み演出との関係]
本実施形態では、先読み演出として、異なる態様であると遊技者が識別可能な複数種類の先読み演出を実行可能である。これらの先読み演出は、その実行時間の一部または全部が重複する態様で実行される場合がある。しかしながら、例えば、演出内容によっては、実行時間の一部または全部が重複する態様で実行された場合に、全体として煩雑な印象を遊技者に与えてしまい、複数種類の先読み演出を実行させることでかえって遊技の興趣を低下させてしまうおそれがある。また、それぞれの演出を遊技者が認識し難くなり、どのような演出が実行されているかが識別困難になってしまうおそれがある。このような問題は、先読み演出同士だけでなく、先読み演出と予告演出との関係や、予告演出同士の関係でも生じ得る。
ここで、本実施形態では、装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレである変動演出が終了した後の変動演出中でなければ敵キャラ先読み演出を実行できない。このような構成により、結果として、優先される演出と優先されない演出とが生じることになり、多様な演出を適切な態様で実行できる。このため、上記のような問題が生じることを抑制可能であると共に演出効果を効果的に高め、遊技の興趣を向上させることが可能である。
一例として、敵キャラ先読み演出と同じ演出手段である液晶画面5、枠ランプ37等を用いて実行される「チャンス目先読み演出」と敵キャラ先読み演出との関係について説明する。チャンス目先読み演出は、チャンス目先読み演出の先読み対象に対応した装飾図柄の変動表示(すなわち特別図柄の変動表示)が開始されるまでの変動演出中に予め定められたチャンス目(例えば、「1」「3」「7」の組み合わせ)で装飾図柄を液晶画面5に擬似停止させた直後に停止表示させる演出である。チャンス目で停止表示(確定)される期間を除き、チャンス目で装飾図柄が疑似停止される際、及びチャンス目で停止表示された装飾図柄が最先の保留が消化されたことに応じて変動表示を開始する際には、装飾図柄にエフェクト画像(不図示)が付される。
詳細な説明は省略するが、本実施形態ではサブCPU131によってチャンス目先読み演出の実行が決定されると、チャンス目先読み演出のシナリオが決定される。チャンス目先読み演出のシナリオは、1変動前および2変動前の何れからチャンス目先読み演出を開始させるか、及び最終的に何色のエフェクト画像を表示させるかといった、チャンス目先読み演出の構成のおおもとである。エフェクト画像の色は、青色→赤色の順に発展可能である。
チャンス目先読み演出において、装飾図柄に赤色のエフェクト画像が付されると、チャンス目先読み演出の先読み対象に対応してリーチ演出が必ず実行される。また、チャンス目先読み演出において、装飾図柄に青色のエフェクト画像が付されると、チャンス目先読み演出の先読み対象に対応してリーチ演出が実行される可能性がある。このようなチャンス目先読み演出を備えることで、液晶画面5に表示される装飾図柄に遊技者を注目させることが可能であり、遊技の興趣を向上することが可能である。
チャンス目先読み演出は装飾図柄に遊技者を注目させる演出であるが、このような演出を、装飾図柄の視認性を低下させる敵キャラ先読み演出(例えば図16(D)参照)と同時に実行するとすれば、全体として煩雑になってしまい、演出の演出効果を効果的に高めることができない可能性がある。
そこで、本実施形態では、敵キャラ先読み演出とチャンス目先読み演出とを同時に実行させない構成を採用している。具体的には、先読み対象に係る装飾図柄の変動表示態様が非リーチであるチャンス目先読み演出の実行が既に決定されていても、敵キャラ先読み演出を優先して実行可能に制御する構成を採用している。これに対して、チャンス目先読み演出の先読み対象が大当たりの場合および先読み対象に係る装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレである場合は敵キャラ先読み演出が実行できないので、結果としてチャンス目先読み演出が優先して実行されることになる。
以下、図22を参照しつつ、チャンス目先読み演出の実行が決定されている場合における敵キャラ先読み演出の実行可能性について説明する。図22は、チャンス目先読み演出の実行が決定されている場合における敵キャラ先読み演出の実行可能性について説明するための説明図である。なお、図22における541〜544の符号は、図13(B−1)を参照しつつ説明した保留アイコン541〜544に対応している。また、敵キャラ先読み演出の先読み対象になる可能性がある保留(図13(B−1)の保留アイコン544、図22(A)〜(C)の544)に対応した第1特別図柄判定の保留が発生した際に変動表示中の装飾図柄が停止表示されると非リーチの態様でハズレが報知されるものとする。
例えば、先読み対象(13(B−1)の保留アイコン542、図22(A)の542)に係る装飾図柄の変動表示態様が非リーチであり、2変動前から開始して最終的に青色のエフェクト画像を表示させるというチャンス目先読み演出のシナリオが決定された場合について説明する。敵キャラ先読み演出が実行されない場合、図22(A)に例示されるように、シナリオに基づいてチャンス目先読み演出が実行される。
これに対して、敵キャラ先読み演出の先読み対象になる可能性がある保留(図13(B−1)の保留アイコン544、図22(B)の544)が発生した場合について説明する。この場合、チャンス目先読み演出の先読み対象に係る装飾図柄の変動表示態様が非リーチである場合にはシナリオに基づいたチャンス目先読み演出が実行されない場合がある(図22(B)参照)。
具体的にはこのような場合、本実施形態では、チャンス目先読み演出の先読み対象に係る保留も含めて、1〜3変動前から敵キャラ先読み演出を実行可能とする。例えば、3変動前(図13(B−1)の保留アイコン541、図22(B)の541)から敵キャラ先読み演出を開始するという敵キャラ先読み演出のシナリオが決定されると、敵キャラ先読み演出の開始対象以降の保留が消化されて変動演出の内容が決定される際に、保留アイコン542に係る保留を先読み対象として決定されたチャンス目先読み演出の上記シナリオが参照されない(又はシナリオは破棄される)。このため、例えば図22(A)と同様に2変動前から開始して最終的に青色のエフェクト画像を表示させるというチャンス目先読み演出のシナリオが決定されていても、敵キャラ先読み演出の開始対象以降は上記シナリオに基づいたチャンス目先読み演出が実行されない(図22(B)参照)。
なお、敵キャラ先読み演出の先読み対象になる可能性がある保留が発生した際に変動表示中であった装飾図柄がチャンス目で疑似停止される際には、青色のエフェクト画像が付される(図22(B)及び(C)参照)。これは、544に対応する保留が発生する以前である装飾図柄の変動表示開始時に、保留アイコン542に係る保留を先読み対象としたチャンス目先読み演出の設定情報を含む変動演出の設定情報が画像音響制御基板140の制御用RAM145にセットされているため、チャンス目先読み演出の実行を阻止できないからである。
次に、図22(C)を参照しつつ、先読み対象(例えば図22(A)の542)に係る装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレであり、2変動前から開始して最終的に赤色のエフェクト画像を表示させるというチャンス目先読み演出のシナリオが決定された場合について説明する。このような場合、本実施形態では、チャンス目先読み演出の先読み対象に係る保留は含まず、その後の保留(1変動前)から敵キャラ先読み演出を実行可能とする。このため、決定されていたチャンス目先読み演出のシナリオに基づいてチャンス目先読み演出が実行される。すなわち、先読み対象の1変動前(保留アイコン541に対応)に係るチャンス目での疑似停止の際、及び先読み対象が消化されたことに応じた変動表示開始の際には、装飾図柄に赤色のエフェクト画像が付されることになる。
なお、他の実施形態では、チャンス目先読み演出の演出態様に関わらず、チャンス目先読み演出の実行が既に決定されていても、敵キャラ先読み演出を優先して実行可能に制御してもよい。また、他の実施形態では、チャンス目先読み演出の演出態様に関わらず、チャンス目先読み演出の実行が既に決定されていれば、敵キャラ先読み演出よりも、既に実行が決定されているチャンス目先読み演出を優先して実行可能に制御してもよい。
また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出とチャンス目先読み演出とを実行時間の一部または全部が重複する態様で実行させてもよい。例えば、敵キャラ先読み演出の先読み対象と、チャンス目先読み演出の先読み対象とが同じ特別図柄判定の保留でもよい。敵キャラ先読み演出とチャンス目先読み演出とが実行時間の一部または全部が重複する場合、以下の制御を行ってもよい。
例えば、敵キャラ先読み演出中に小図柄(図16(E)の図柄領域50参照)がチャンス目で疑似停止される際およびチャンス目で停止表示された小図柄が変動表示を開始する際、小図柄に対してエフェクト画像(不図示)を付してもよい。
敵キャラ先読み演出中に小図柄を用いたチャンス目先読み演出を実行する場合、演出役物71を進出位置に配置させた状態のまま維持してもよい。また、チャンス目で小図柄が疑似停止される際に初期位置、又は進出位置より初期位置側の位置に演出役物71を退避させ、チャンス目で停止表示された小図柄が変動表示を開始する際に演出役物71を進出位置に進出させてもよい。
また、敵キャラ先読み演出中に小図柄を用いたチャンス目先読み演出を実行する場合、チャンス目先読み演出に係る演出音(例えば「シャン」という演出音)は出力せず、敵キャラ先読み演出に係る演出音を優先して出力させてもよい。また、チャンス目先読み演出に係る演出音を、敵キャラ先読み演出に係る演出音の音量(例えばボリューム100%)と比較して相対的に小さい音量(例えばボリューム30%)で出力させてもよい。また、枠ランプ37等の発光制御についても、チャンス目先読み演出に対応した制御を実行させず、敵キャラ先読み演出に対応した制御を優先して実行させてもよい。
また、例えば、敵キャラ先読み演出とチャンス目先読み演出との先読み対象が同じでもよい。このような場合、チャンス目先読み演出に係る演出音を、敵キャラ先読み演出に係る演出音の音量(例えばボリューム70%)よりも相対的に大きな音量(例えばボリューム100%)で出力してもよい。これにより、チャンス目先読み演出に係る演出音およびエフェクト画像によって敵キャラ先読み演出が何変動前から開始されたかを遊技者に認識させることが可能である。
また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出の先読み対象が大当たりであることを条件として、既にチャンス目先読み演出の実行が決定されている場合であっても、敵キャラ先読み演出とチャンス目先読み演出とを実行時間の一部または全部が重複する態様で実行させてもよい。例えば、大当たりとなる保留を、敵キャラ先読み演出とチャンス目先読み演出との両方の先読み対象に設定可能にしてもよい。このような構成の場合、通常は同時に実行されない2種類の先読み演出が同じ期間中に実行されることによって大当たり確定であることを報知できる。例えば、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係るSPリーチ演出(すなわちSP1又はSP2)が開始される前から、大当たりに対する遊技者の期待感を効果的に高めることが可能である。
なお、チャンス目先読み演出に限らず、変動演出に含まれるどのような演出(例えば、味方キャラのセリフを液晶画面5に表示するセリフ演出(予告演出の1つ))より敵キャラ先読み演出を優先してもよい。また、変動演出に含まれる他の演出(例えば群予告)を敵キャラ先読み演出より優先してもよい。
[先の特別図柄判定の保留に係るリーチ演出との関係の変形例]
ここで、遊技者が大当たりに対する期待感を抱き難いような大当たりに対する信頼度が相対的に低いリーチ演出(例えばノーマル1)である場合にまで図13(C)を参照して説明したような敵キャラ先読み演出を実行できない構成を採用すると、かえって演出効果が低下する可能性がある。
そこで、他の実施形態では、例えば、先読み対象に係る変動パターンよりも1〜3変動前に係る各変動パターンの方が、特別図柄の変動時間が短い場合は敵キャラ先読み演出を実行可能とし、長い場合は敵キャラ先読み演出を実行不可能としてもよい。また、例えば、1〜3変動前に対応するリーチ演出が、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応するリーチ演出よりも大当たりに対する信頼度が相対的に低い場合は、1〜3変動前に係る変動演出中に敵キャラ先読み演出を実行できてもよい。
具体的には、例えば、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応するリーチ演出(例えばSP2)よりも、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出(例えばSPSP1)が先読み対象よりも前の保留(ハズレ)に対応して実行される場合には、その保留に対応する変動演出中は敵キャラ先読み演出を実行不可能であるように制御する。これに対して、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応するリーチ演出(例えばSP2)よりも信頼度が相対的に低いリーチ演出(例えばノーマル1)が先読み対象よりも前の保留(ハズレ)に対応して実行される場合には、その保留に対応する変動演出中も含めて敵キャラ先読み演出を実行可能に制御してもよい。例えば、以下のような構成により、敵キャラ先読み演出の途中でリーチ演出が割り込んでも、敵キャラ先読み演出の連続性が損なわれるといった状況が生じることを防止可能である。
敵キャラ先読み演出と、1〜3変動前に係る変動演出中のリーチ演出との実行時間が重複する場合において、敵キャラ先読み演出をリーチ演出より優先するために以下の制御を行ってもよい。例えば、敵キャラ先読み演出中にリーチ演出が開始されても、敵キャラ先読み演出の態様を変化させず、例えば、リーチ演出に係るリーチ演出画像(例えばノーマル1に係るリーチ演出画像)を液晶画面5に表示させずに小図柄でリーチ図柄を疑似停止させてもよい。この構成の場合には、リーチ演出の演出音として予め設定された演出音は、リーチ演出が開始されてもスピーカ24から出力させず、敵キャラ先読み演出が実行されることによって出力される演出音を優先して出力させることが望ましい。また、各発光素子の発光制御についても、リーチ演出に対応した制御を実行せず、敵キャラ先読み演出に対応した制御を優先して実行することが望ましい。
または、敵キャラ先読み演出中に1〜3変動前に係る変動演出としてリーチ演出が開始されると、これに伴ってリーチ演出に係るリーチ演出画像(例えばSP3に係るリーチ演出画像)を液晶画面5に表示させてもよい。この場合、演出役物71は、進出位置に維持させたままでもよいし、リーチ演出の開始に伴って初期位置に退避させてもよいし、リーチ演出の開始に伴って初期位置と進出位置との中間位置に退避させてもよい。
そして、例えば、1〜3変動前に係るリーチ演出の終盤でハズレ態様の装飾図柄が停止表示されるまで、敵キャラ先読み演出に係る演出画像(例えば、敵キャラ画像56)を液晶画面5から消去してもよいし、100%以下の不透明度(例えば不透明度30%)でリーチ演出に係るリーチ演出画像に重畳して表示させてもよい。
また、液晶画面5を複数の表示領域に仮想的に分割し、リーチ演出に係るリーチ演出画像を表示させる領域と、敵キャラ先読み演出に係る演出画像を表示させる領域とを備えさせてもよい。
また、敵キャラ先読み演出を液晶画面5の全体領域を用いて実行したまま、敵キャラ先読み演出に係る演出画像に重畳して(又は重畳せずに)、リーチ演出に係るリーチ演出画像を液晶画面5の一部の領域である領域(例えば左下領域)に縮小表示させてもよい。
1〜3変動前に対応したリーチ演出に係るリーチ演出画像が敵キャラ先読み演出中に表示される場合には、リーチ演出の演出音として予め設定された演出音は、敵キャラ先読み演出が実行されることによって出力される演出音の音量(例えばボリューム100%)と比較して、相対的に小さい音量(例えばボリューム30%)で出力させてもよい。また、リーチ演出が実行されることによって出力される演出音を優先して出力するために、敵キャラ先読み演出が実行されることによって出力される演出音の音量(例えばボリューム40%)と比較して、相対的に大きい音量(例えばボリューム100%)で出力させてもよい。同様に、各発光素子の発光制御についても、リーチ演出に係る制御よりも敵キャラ先読み演出に係る制御を優先して実行してもよいし、リーチ演出に係る制御を優先してもよい。
または、敵キャラ先読み演出中に1〜3変動前の保留に対応した変動演出中のリーチ演出が開始される際に、リーチ演出を観るか否かを遊技者に選択させてもよい。例えば、敵キャラ先読み演出中に、1〜3変動前の保留に対応したリーチ演出を観たければ演出ボタン26を操作せよといった文言を液晶画面5に表示することによって遊技者に演出ボタン26の操作を促すボタン演出を実行してもよい。そして、当該ボタン演出中に演出ボタン26が操作されたことを条件として1〜3変動前の保留に対応したリーチ演出を視認可能に制御してもよい。リーチ演出が視認可能になると、上述した構成(敵キャラ先読み演出中に1〜3変動前に対応したリーチ演出に係るリーチ演出画像が液晶画面5に表示される構成)と同様の制御を行ってもよい。
また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出の先読み対象が大当たりである場合は、先読み対象より先に保留された特別図柄判定の保留(ハズレ)に基づいてどのようなリーチ演出が実行される場合であっても1〜3変動前のうちの何れからも敵キャラ先読み演出を実行可能に制御してもよい。この場合、敵キャラ先読み演出中であって1〜3変動前の保留に係るリーチ演出が実行されること(すなわち変動時間が相対的に長い変動パターンであること)によって大当たり確定であることを報知できる。
[第2特別図柄判定に係る変動演出との関係]
本実施形態では、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定が優先して実行される構成を採用している(図38参照)。そして、敵キャラ先読み演出中に第2特別図柄判定が実行され、第2特別図柄判定の判定結果に基づいた変動演出が実行されても、敵キャラ先読み演出の実行を継続させる構成を採用している。
しかしながら、例えば、優先して実行された第2特別図柄判定に係る大当たり判定の判定結果が大当たりの場合にまで敵キャラ先読み演出の実行を継続すると、第2特別図柄判定の判定結果に基づいて、大当たりに対する期待感を抱き易い演出(例えば、出現すると必ず大当たりであるリーチ演出)が実行されていることを遊技者に認識させられないだけでなく、演出が煩雑になり遊技者に不快感を与える可能性がある。
そこで、他の実施形態では、優先して実行された第2特別図柄判定に係る大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、第2特別図柄判定に係る変動演出開始時、又は当該変動演出開始後の第1終了タイミングで(例えばリーチ演出開始時)、敵キャラ先読み演出の実行を終了させる構成を採用してもよい。なお、敵キャラ先読み演出の先読み対象も遊技者にとって有利な大当たり(すなわち大当たり図柄A又はB)と判定されるものである場合には、第2特別図柄判定に係る変動演出中における、第1終了タイミングとは異なる第2終了タイミング(例えば変動演出終了時)まで敵キャラ先読み演出を継続して実行してもよい。これにより、敵キャラ先読み演出によって、いわゆる保留連を示唆できる。
なお、敵キャラ先読み演出中に実行された第2特別図柄判定に係る大当たり判定の判定結果がハズレの場合、上述した他の実施形態における構成(敵キャラ先読み演出中に、1〜3変動前に対応したリーチ演出に係るリーチ演出画像が液晶画面5に表示される構成)と同様の制御を行ってもよい。
[敵キャラ先読み演出の実行可能性についての変形例]
以下、図23を参照しつつ、特別図柄判定実行時の保留数に応じて装飾図柄の変動表示態様が非リーチかリーチハズレかが異なる場合でも、敵キャラ先読み演出の開始対象に決定可能である変形例について説明する。図23は、他の実施形態における敵キャラ先読み演出の実行可能性について説明するための説明図である。上記実施形態では、事前判定情報に基づいて13.5秒以下の変動パターンであると判定できた場合、すなわちリーチ乱数の値が0〜84の範囲内であれば敵キャラ先読み演出の開始対象に決定可能である場合について説明した(図10及び図13参照)。他の実施形態では、実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒以下の変動パターンであると事前判定情報に基づいて判定できない場合、すなわちリーチ乱数の値が85〜94の範囲内でも、敵キャラ先読み演出の開始対象に決定可能であってもよい。このような構成により、敵キャラ先読み演出が実行不可能に制御される割合を相対的に少なくすることが可能であり、敵キャラ先読み演出が実行される割合が極端に低くなることを防止することが可能である。
なお、図23における541〜543の符号は、図13(B−1)を参照しつつ説明した保留アイコン541〜543に対応している。また、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応する保留(図13(B−1)の保留アイコン544に対応)が発生した際に変動表示中の特別図柄が停止表示されるとハズレが報知されるものとする。また、先読み対象の1〜3変動前に対応した大当たり判定の判定結果は全てハズレとする。
図23に例示されるように、敵キャラ先読み演出の先読み対象の3変動前(図13(B−1)の保留アイコン541に対応)に係る変動パターンが13.5秒以下の変動パターンであると事前判定情報に基づいて判定できないときがある。この場合、2変動前および1変動前(保留アイコン542及び543に対応)に係る変動パターンが13.5秒以下の変動パターンであると判定できる場合、すなわち2変動前および1変動前の保留に対応した装飾図柄の変動表示態様が非リーチである場合がある。このような場合、演出制御基板130のサブCPU131は、3変動前、2変動前、及び1変動前のうちの何れかを開始対象とする敵キャラ先読み演出のシナリオを設定可能である。そして、3変動前を開始対象とするシナリオが設定された場合、開始対象に対応した装飾図柄の実際の変動表示態様が非リーチであるときには、設定されたシナリオに基づいて敵キャラ先読み演出が開始される。一方、開始対象に対応した装飾図柄の実際の変動表示態様がリーチハズレであるときには、敵キャラ先読み演出の開始対象以降は変動演出の内容が決定される際に、保留アイコン544に係る保留を先読み対象として決定された敵キャラ先読み演出の上記シナリオが参照されない(又はシナリオは破棄される。)。このため、上記シナリオに基づいた敵キャラ先読み演出は実行されない。
なお、3変動前に係る装飾図柄の変動表示態様が非リーチであるか否かに関わらず、2変動前または1変動前に係る装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレである場合には、図13(C)を参照しつつ説明した場合と同様に敵キャラ先読み演出を実行可能か否かが判定される。
また、図23に例示されるように、敵キャラ先読み演出の先読み対象の2変動前に係る変動パターンが13.5秒以下の変動パターンであると事前判定情報に基づいて判定できず、3変動前および1変動前に係る装飾図柄の変動表示態様が非リーチである場合がある。このような場合、サブCPU131は、2変動前および1変動前をを開始対象とする敵キャラ先読み演出のシナリオを設定可能である。2変動前を開始対象とするシナリオが設定された場合、開始対象に対応した装飾図柄の実際の変動表示態様が非リーチであるときには上記シナリオに基づいて敵キャラ先読み演出が開始される。一方、開始対象に対応した装飾図柄の実際の変動表示態様がリーチハズレであるときには、敵キャラ先読み演出の開始対象以降は変動演出の内容が決定される際に上記シナリオが参照されない。このため、上記シナリオに基づいた敵キャラ先読み演出は実行されない。また、1変動前を開始対象とするシナリオが設定された場合には、2変動前に係る装飾図柄の変動表示態様が非リーチであるか否かに関わらず、シナリオに基づいて敵キャラ先読み演出が開始される。
また、図23に例示されるように、敵キャラ先読み演出の先読み対象の2変動前に係る変動パターンが13.5秒以下の変動パターンであるか否かに関わらず、1変動前に係る装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレの場合には、図13(C)を参照しつつ説明した場合と同様に敵キャラ先読み演出は実行不可能である。
また、図23に例示されるように、敵キャラ先読み演出の先読み対象の3変動前および2変動前に係る変動パターンが13.5秒以下の変動パターンであるか否かに関わらず、敵キャラ先読み演出の先読み対象の1変動前に係る変動パターンが13.5秒以下の変動パターンであると事前判定情報に基づいて判定できない場合、1変動前を開始対象とする敵キャラ先読み演出のシナリオを設定可能である。そして、1変動前を開始対象とするシナリオが設定された場合、開始対象に対応した装飾図柄の実際の変動表示態様が非リーチであるときには上記シナリオに基づいて敵キャラ先読み演出が開始される。一方、開始対象に対応した装飾図柄の実際の変動表示態様がリーチハズレであるときには、敵キャラ先読み演出の開始対象以降は変動演出の内容が決定される際に上記シナリオが参照されないため、敵キャラ先読み演出が実行されない。
[第1特別図柄判定の判定結果に基づいた大当たり遊技]
次に、図24〜図32を参照しつつ、大当たり遊技中の態様の一例について説明する。以下の説明では、図24〜図32を参照しつつ、通常遊技状態(低確率状態かつ非時短状態)に制御されているときに実行された第1特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合について説明する。なお、確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)中または時短遊技状態(低確率状態かつ時短状態)中に実行された第1特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合がある。この場合、以下に説明する演出と演出態様が一部異なる演出が行われてもよいし(例えば、大当たり遊技中に遊技者が得た賞球数が表示される)、全く同様の演出が行われてもよい。
本実施形態では、第1始動口11への遊技球の入賞に基づいて大当たりと判定された場合、大当たり図柄A〜Cのうちの何れか1つに対応した大当たり遊技が行われる(図8(B)参照)。大当たり遊技中には、大当たり図柄の種類に応じた大当たり中演出が実行される。本実施形態では、大当たり中演出として、例えば、所定R目(例えば1R目)のラウンド遊技が開始されるまでに大当たり遊技終了直後の遊技状態および演出モードを示唆する大当たり中演出が実行される場合がある。また、所定R目(例えば10R目)のラウンド遊技以降に大当たり遊技終了直後の遊技状態および演出モードを示唆する大当たり中演出が実行される場合がある。このような大当たり中演出の演出効果を高めるために、本実施形態におけるパチンコ遊技機1には各種の工夫が施されている。
[大入賞口13及びV領域195の開放パターンの一例]
まず、図24を参照しつつ、大当たり図柄A〜Cに対応した大当たり遊技における、大入賞口13及びV領域195の開放パターンの一例について説明する。例えば、遊技制御基板100のメインROM102には、大当たり図柄の種類に基づいた大入賞口13及びV領域195の開放パターンが予め定められている。開放パターンには、例えば、1回の大当たり遊技における最大ラウンド遊技回数(Rmax)、1回のラウンド遊技における大入賞口13への最大入賞個数である規定個数(Ymax)、及び「オープニング期間」とが対応付けられている。また、各ラウンド遊技における大入賞口13の最大開放回数、V領域195が開放されるか否か、及び各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口13及びV領域195の最大開放期間とが対応付けられている。また、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口13及びV領域195の閉鎖期間、「インターバル期間」、及び「エンディング期間」とが対応付けられている。なお、オープニング期間は、大当たり遊技開始時から、その大当たり遊技における1R目のラウンド遊技が開始するまでの期間である。インターバル期間は、ラウンド遊技において閉鎖条件(後述する)が成立してから次のラウンド遊技が開始されるまでの期間、及び最後のラウンド遊技において閉鎖条件が成立してからエンディング期間が開始されるまでの期間である。エンディング期間は、最後のラウンド遊技終了時から大当たり遊技終了時までの期間である。
本実施形態では、大当たり図柄の種類に応じて開放パターンが一義的に決まるが、この開放パターンには、大当たり図柄の種類に関わらず共通する部分と、大当たり図柄の種類によって異なる部分とがある。
本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技を実行することが決定された場合、大当たり図柄の種類に関わらず、1回の大当たり遊技における最大ラウンド遊技回数(Rmax)が11回に予め定められている(図24参照)。このため、例えば、ラウンド表示器48に最大ラウンド遊技回数が表示されても、大当たりの種類までは認識できない。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了直後に確変遊技状態で遊技が制御されるかもしれないといった期待感を抱かせることが可能であり、遊技の興趣を向上させることができる。
図24に示されるように、大当たり図柄の種類に関わらず、オープニング期間が14秒に予め設定されており、また、1〜9R目のラウンド遊技において同じ開放パターンで大入賞口13が開放される。具体的には、1〜9R目のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において、大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が1回実行される(すなわち1回のラウンド遊技における最大開放回数が1回)。これと共に、V領域195が常に閉鎖状態に維持される。このように制御することによって、大入賞口13の開放態様からは大当たりの種類までは認識できないので、遊技者に対して大当たり遊技終了直後の遊技状態(演出モード)を予想させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、最大開放回数が1回のラウンド遊技における大入賞口13の閉鎖条件として、最大開放期間(本実施形態では29.5秒)の経過と、大入賞口13に対して遊技球が規定個数(本実施形態では9個)入賞したこととの2種類の閉鎖条件が予め設定されている(図24参照)。本実施形態では、2種類の閉鎖条件のうち先に成立した閉鎖条件に基づいて大入賞口13が開放状態から閉鎖状態へと変化される。閉鎖条件が成立すると、閉鎖条件の成立に係るラウンド遊技が終了する。その後、所定のインターバル期間経過後(例えば1秒経過後)に次のラウンド遊技が開始されると、大入賞口13が再び開放可能に制御される。
本実施形態では、10R目および11R目のラウンド遊技において、大当たり図柄の種類に基づいた異なる開放パターンで大入賞口13及びV領域195が開放される。
具体的には、図24に例示されるように、大当たり図柄Aの場合、10R目のラウンド遊技において、大入賞口13及びV領域195を長開放する長開放ラウンド遊技が1回実行される。そして、10R目のラウンド遊技終了直後に設けられたインターバル期間(本実施形態では1秒)が経過すると、11R目のラウンド遊技が開始される。大当たり図柄Aの場合、11R目のラウンド遊技において、大入賞口13を短開放する短開放ラウンド遊技が1回実行される。なお、10R目のラウンド遊技終了後はV領域195が閉鎖状態に維持される。大当たり図柄Aの場合、11R目のラウンド遊技終了直後には、1秒間のインターバル期間が予め設けられている。本実施形態では、大当たり図柄A〜Cに対応した大当たり遊技における最後のラウンド遊技は11R目のラウンド遊技であり、エンディング期間は、大当たり図柄の種類に関わらず10秒に予め設定されている。
大当たり図柄Bの場合、10R目のラウンド遊技における大入賞口13の最大開放回数は2回であり、大入賞口13及びV領域195は、短開放された後に閉塞し、「1回目の閉鎖期間」(本実施形態では1秒)経過後に長開放される。具体的には、図24に例示されるように、大入賞口13及びV領域195が開放状態に維持される最大開放期間は、短開放である1回目が0.2秒に予め設定されており、長開放である2回目が29秒に予め設定されている。
なお、1回のラウンド遊技における大入賞口13の最大開放回数が2回以上の場合、以下の2つの閉鎖条件のうち先に成立した閉鎖条件に基づいてラウンド遊技が終了する。閉鎖条件の1つは、最後の最大開放期間が経過したこと(例えば大当たり図柄Bの場合、10R目のラウンド遊技における2回目の最大開放期間である29秒が経過したこと)である。また、他の閉鎖条件は、1回のラウンド遊技中に大入賞口13に対して遊技球が規定個数(本実施形態では9個)入賞したことである。
そして、大当たり図柄Bの場合、図24に例示されるように、10R目のラウンド遊技終了直後にはインターバル期間(本実施形態では1秒)が設けられている。すなわち、10R目のラウンド遊技が行われることにより、大入賞口13及びV領域195は、開放状態と閉鎖状態との状態変化を2回行うことになる。このため、10R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間は、大入賞口13及びV領域195にとって「2回目の閉鎖期間」となる。インターバル期間が経過すると、11R目のラウンド遊技が開始される。大当たり図柄Bの場合、11R目のラウンド遊技において、大入賞口13を短開放する短開放ラウンド遊技が1回実行される。なお、10R目のラウンド遊技終了後はV領域195が閉鎖状態に維持される。大当たり図柄Bの場合、11R目のラウンド遊技終了直後には、エンディング期間が開始されるまでの期間として8秒間のインターバル期間が予め設けられている。
大当たり図柄Cの場合、図24に例示されるように、10R目のラウンド遊技において、大入賞口13及びV領域195を短開放する短開放ラウンド遊技が1回実行される。そして、10R目のラウンド遊技終了直後に設けられたインターバル期間(本実施形態では1秒)が経過すると、11R目のラウンド遊技が開始される。大当たり図柄Cの場合、11R目のラウンド遊技において、大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が1回実行される。なお、10R目のラウンド遊技終了後はV領域195が閉鎖状態に維持される。大当たり図柄Cの場合、11R目のラウンド遊技終了直後には、エンディング期間が開始されるまでの期間として1秒間のインターバル期間が予め設けられている。
本実施形態では、大当たり図柄の種類によらず9R目のラウンド遊技終了時までの開放パターンが同じである。9R目のラウンド遊技終了後、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技の場合は、例えば、大入賞口13が29.5秒間長開放された直後に(10R目のラウンド遊技)、1秒間閉鎖されてから(インターバル期間)、0.2秒間短開放される(11R目のラウンド遊技)。これに対して、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技の場合は、例えば、大入賞口13が0.2秒間短開放された直後に(10R目のラウンド遊技)、1秒間閉鎖されてから(10R目のラウンド遊技)、29秒間長開放される(10R目のラウンド遊技)。大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技の場合は、大入賞口13が0.2秒間短開放された直後に(10R目のラウンド遊技)、1秒間閉鎖され(インターバル期間)、29.5秒間長開放される(11R目のラウンド遊技)。
このように制御することによって、9R目のラウンド遊技終了直後に大入賞口13が29秒間長開放されると、大入賞口13の開放態様から大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技が実行されていることを認識させることが可能である。これにより、遊技者に対して大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されること(演出モードとしては確変モード)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
これに対して、9R目のラウンド遊技終了直後に大入賞口13が0.2秒間短開放されると、大当たり図柄Bおよび大当たり図柄Cのうちの何れに対応した大当たり遊技が実行されているか判別できない。具体的には、本実施形態では、大当たり図柄Bに対応した11R目のラウンド遊技が開始されるまでの大入賞口13の開放パターンと、大当たり図柄Cに対応した大入賞口13の開放パターンとが酷似している。、大当たり図柄Bに対応した10R目のラウンド遊技における1回目の開放期間(0.2秒間)と、大当たり図柄Cに対応した10R目のラウンド遊技における開放期間(0.2秒間)とが同じである。そして、大当たり図柄Bに対応した10R目のラウンド遊技における1回目の閉鎖期間と、大当たり図柄Cに対応した10R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間とが共に1秒に予め設定されている。また、大当たり図柄Bに対応した10R目のラウンド遊技における2回目の開放期間(29秒間)と、大当たり図柄Cに対応した11R目のラウンド遊技における開放期間(29.5秒間)とが酷似している。このように制御することによって、大入賞口13の開放態様からは大当たりの種類(大当たり図柄B又はC)までは認識できない。このため、大当たり図柄が大当たり図柄Cであり、大当たり遊技終了直後の遊技状態は時短遊技状態なのではないかという不安感を遊技者に対して抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、大当たり図柄A及びBに対応した大当たり遊技中はV領域195が長開放されるためV入賞し易く、V入賞すると大当たり遊技終了直後は確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)で遊技が制御される。ここで、V領域195は遊技者から視認可能に設けられている。このため、V領域195を遊技球が通過すると大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されることを認識している一部の遊技者は、いち早く大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されることを認識することが可能である。このため、一部の遊技者は、V入賞後は優越感を感じながら大当たり遊技中の演出を楽しむことが可能である。これに対して、V入賞を見逃した遊技者、及び仮にV領域195を遊技球が通過しても大当たりの種類を認識しない遊技者は、液晶画面5の表示画面において行われる演出等を見て、大当たりの種類を認識しようとする。
なお、他の実施形態では、大当たり図柄Bに対応して、10R目のラウンド遊技における大入賞口13とV領域195との最大開放回数を異ならせてもよい。一例として、大入賞口13の最大開放回数が2回であり、V領域195の最大開放回数が1回でもよい。具体的には、大入賞口13が図24と同様に0.2秒間短開放後に1秒間閉鎖され、その後29秒間長開放される場合において、V領域195は、大入賞口13の短開放と同時に開放し、そのまま例えば29.5秒間長開放してもよい。
図24に例示した大入賞口13及びV領域195の開放パターンは一例に過ぎず、どのような開放パターンでもよい。例えば、最大ラウンド遊技回数(Rmax)は大当たり図柄毎に異ならせてもよいし、各ラウンド遊技のインターバル期間はどのような値に設定されていてもよい。また、例えば、大当たり図柄Bに対応した10R目のラウンド遊技における2回目の開放期間と、大当たり図柄Cに対応した11R目のラウンド遊技における開放期間とが同じ(例えば29.5秒)でもよい。
[大当たり中演出の一例]
次に、図25〜図32を参照しつつ、大当たり図柄A〜Cに対応した大当たり遊技中に実行される演出である大当たり中演出について説明する。本実施形態では、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合、大当たり図柄の種類が大当たり図柄A〜Cの何れかに決定される。大当たり中演出はどのような演出でもよいが、大当たり図柄の種類(すなわち大当たりの種類)が大当たり図柄Aであり大当たり態様の最終停止図柄が7図柄揃いである場合と、大当たり図柄A〜Cのうちの何れかであり最終停止図柄が7図柄揃い以外の他図柄揃いである場合とでは異なる演出が行われる。
[大当たり図柄Aかつ7図柄揃いに対応した大当たり遊技中の演出]
まず、図25及び図26を参照して、7図柄揃い用大当たり中演出について説明する。ここで、図25は、大当たり図柄が大当たり図柄Aであり最終停止図柄が7図柄揃いである場合に対応した大当たり遊技における演出の流れを例示するタイムチャートである。図26は、大当たり図柄が大当たり図柄Aであり最終停止図柄が7図柄揃いである場合に対応した大当たり遊技中の演出の具体例について説明するための説明図である。
本実施形態では、第1始動口11への入賞に基づいた7図柄揃いの大当たりは、実質10R分の賞球が得られる、V入賞容易な大当たりであることを意味する。また、V入賞を条件に、大当たり遊技終了直後に確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態;演出モードとしては確変モード)に移行する大当たりであることを意味する。
装飾図柄が7図柄揃いで所定の図柄確定時間(例えば1秒)停止表示されると、変動演出が終了して大当たり遊技が開始される。この大当たり遊技では、まず、オープニング期間において、大当たりの種類を示唆する7図柄揃い用大当たりタイトル画像が表示された後、遊技者に右打ちを促す「オープニング演出用右打ち画像」(不図示)が表示される。7図柄揃い用大当たりタイトル画像は、例えば「RUSH BONUS」といった大当たりのタイトルを示す演出画像であり(図26(A)参照)、大当たり図柄の種類が大当たり図柄Aであって最終停止図柄が7図柄揃いである場合にのみ表示される演出画像である。オープニング演出用右打ち画像は、「右打ち」といった文言および右向き矢印を示す演出画像であり、本実施形態では大当たり図柄の種類に関わらず同じ演出画像が表示される。遊技者は、7図柄揃い用大当たりタイトル画像を見て今回の大当たりが実質10R分の賞球が得られるV入賞容易な大当たりであることを認識可能である。
オープニング期間が終了して1R目のラウンド遊技が開始されると、例えば10R目のラウンド遊技開始後の所定タイミング(例えば0.1秒経過後)まで、7図柄揃い用ラウンド中演出が行われる。7図柄揃い用ラウンド中演出は、V入賞容易な大当たりであることを示唆する演出であり、例えば、味方キャラの1人(攻撃キャラC)が過去を回想する演出である(図26(B)及び(C)参照)。具体的には、攻撃キャラCが、親友であるレアキャラTと過ごした日々、及び他の味方キャラ(攻撃キャラD及びE)と初めて出会ったときのことを回想する演出である。レアキャラTは、大当たり図柄が停止表示されることになる特別図柄判定の判定結果に対応した変動演出中にしか出現しないキャラクタであり、他のキャラクタに比べて出現率が相対的に低いキャラクタである。遊技者は、レアキャラTが出る演出を観られた喜びと、V入賞容易な大当たりに当選した満足感とを感じながら遊技を楽しむ可能性が高い。
その後、10R目のラウンド遊技開始時から大入賞口13及びV領域195が長開放されてから所定時間(例えば0.1秒)が経過すると、V領域195(大入賞口13)への遊技球の打ち出しを遊技者に促す第1確変報知演出が開始される(図26(D)参照)。第1確変報知演出は、例えば、液晶画面5と、スピーカ24と、枠ランプ37等の発光素子とを用いて行われる演出であり、V領域195が長開放されることを報知する演出である。一例として、「Vを狙え!」というメッセージ及び大入賞口13付近を指し示す矢印画像が液晶画面5に表示されると共に、「狙って」といった味方キャラのセリフが出力される。また、枠ランプ37等における大入賞口13付近の発光素子が、大入賞口13付近に配置された発光素子を中心として大入賞口13を強調するような第1確変報知演出特有の発光パターンで発光される。
ここで、本実施形態では第1始動口11への入賞に基づいて7図柄揃いの大当たりになると(すなわち大当たり図柄Aかつ7図柄揃い)、遊技者は、V領域195が長開放される大当たりであることを認識している可能性が高い。このため、第1確変報知演出の実行時間を他の演出(例えば、7図柄揃い用ラウンド中演出、第2確変報知演出)に比べて相対的に短く設定している(図25参照)。
10R目のラウンド遊技が開始することによりV領域195が長開放された後、V領域195を通過する1個目の遊技球がV入賞口スイッチ116によって検知されると、これに応じたタイミング(第1実行タイミング)で、第2確変報知演出が即座に開始される。第2確変報知演出は、大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されること(演出モードとしては確変モード)を報知する演出である。第2確変報知演出は、例えば、液晶画面5と、スピーカ24と、枠ランプ37等の発光素子とを用いて行われる演出である。例えば、第2確変報知演出でのみ出力される演出音であるV入賞音(例えば「キュイーン」)がスピーカ24から所定時間(例えば4秒)出力されると共に、「V」といった文字を示すV入賞報知画像が液晶画面5に表示される((図26(E)参照))。また、枠ランプ37等の発光素子が、第2確変報知演出特有の発光パターン(例えば虹色の点滅発光)で発光される。
図25に例示されるように、第2確変報知演出は11R目のラウンド遊技開始時まで継続して実行される。そして、11R目のラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間終了時までにわたって、確変遊技状態への移行を報知するエンディング演出(以下、「確変移行エンディング演出」ともいう。)が行われる。確変移行エンディング演出は、大当たり遊技終了後の演出モードが確変モードであることを報知する演出である。確変移行エンディング演出では、例えば、橙色の背景画像に重畳して3人の味方キャラ(他の人数でもよい。)と、確変モード及び時短モードを総称した演出モードの名称(例えば「RUSH」)を示す演出画像とが液晶画面5に表示される((図26(F)参照))。また、プリペイドカードの取り忘れ及び盗難に対して注意を喚起するメッセージ(以下、「注意喚起画像」という。)が表示される。確変移行エンディング演出中に表示される味方キャラは、例えば、その確変移行エンディング演出直後の確変モード中において戦場画像(確変モード中の背景画像)を背景に登場する味方キャラと同じでもよいし、異なってもよい。
なお、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技中にV入賞しなかった場合、第1確変報知演出は、予め定められた実行終了タイミング(例えば、V領域195の閉塞タイミング)まで行われる。そして、11R目のラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間終了時までにわたって、時短遊技状態への移行を報知するエンディング演出(以下、「時短移行エンディング演出」ともいう。)が行われる。時短移行エンディング演出は、大当たり遊技終了後の演出モードが時短モードであることを報知する演出である。本実施形態では、時短移行エンディングと確変移行エンディング演出とは、背景画像が異なる以外は同じ態様の演出である((図26(F)及び(G)参照))。このため、遊技者は、時短移行エンディング演出および確変移行エンディング演出とのうちの何れのエンディング演出が行われているかを、背景画像の種類によって認識することが可能である。具体的には、例えば、時短移行エンディング演出では、例えば、緑色の背景画像に重畳して確変移行エンディング演出で表示される味方キャラと同じ味方キャラが表示される。また、確変移行エンディング演出と同様に、確変モード及び時短モードを総称した演出モードの名称(例えば「RUSH」)を示す演出画像と、注意喚起画像とが表示される。
本実施形態では、11R目のラウンド遊技開始以前にスピーカ24から出力が開始された楽曲(すなわち演出音)が、大当たり終了直後にも続けて出力される構成を採用している。確変移行エンディング演出中(および時短移行エンディング演出中)には、ラウンド遊技中および大当たり遊技終了直後の変動演出中において演出音を出力する音量(例えばボリューム100%)と比較して、相対的に小さい音量(例えばボリューム30%)で演出音が出力される。これにより、同じ楽曲を出力させていても演出によってめりはりをつけることが可能である。
本実施形態では、大当たり図柄Aであって最終停止図柄が7図柄揃いである場合と、大当たり図柄Aであって他図柄揃いである場合とでは、同じ実行時間(本実施形態では11.2秒間)で同じ演出(確変移行エンディング演出または時短移行エンディング演出)が実行される(図25、図24、及び図27(A)参照)。
なお、時短移行エンディングと確変移行エンディング演出とは、例えば、味方キャラの種類、背景画像、移行先の演出モードの名称等のうちの少なくとも1つが異なればよい。
また、他の実施形態では、確変移行エンディング演出中および時短移行エンディング演出中に通常とは異なる演出画像(例えばレアキャラT)を表示することで、特別図柄判定の保留の中に大当たりとなる保留があることを示唆してもよい。
[大当たり図柄A〜Cかつ7図柄揃い以外である他柄揃いに対応した大当たり遊技中の演出]
次に、図27を参照しつつ、大当たり図柄が大当たり図柄A〜Cのうちの何れかであり、最終停止図柄が7図柄揃い以外である他図柄揃いに対応した他図柄揃い用大当たり中演出について説明する。図27は、大当たり図柄が大当たり図柄A〜Cのうちの何れかであり、最終停止図柄が7図柄揃い以外である場合に対応した大当たり遊技における演出の流れを例示するタイムチャートである。なお、図27を参照して説明する大当たり中演出の具体的な演出態様の一例については、図30〜図32を参照しつつ後に詳述する。
大当たり図柄が大当たり図柄A〜Cのうちの何れかであり、最終停止図柄が7図柄揃い以外である他図柄揃い(例えば1図柄揃い)の場合、7R目のラウンド遊技開始時までは大当たりの種類を見分け難い演出が行われる。具体的には、例えば、オープニング期間中は大当たりの種類に関わらず、同じ他図柄揃い用オープニング演出が実行される。具体的には大当たり図柄の種類に関わらず同じ態様で、敵キャラが登場する敵キャラ登場画像57(図30(A)参照)、他図柄揃い用大当たりタイトル画像(不図示)、及び遊技者に右打ちを促すオープニング演出用右打ち画像(不図示)が経時的に表示される。例えば、敵キャラ登場画像57、他図柄揃い用大当たりタイトル画像、及びオープニング演出用右打ち画像は、それぞれ液晶画面5のほとんどの領域を用いて相対的に大きく表示される。
ここで、他図柄揃い用大当たりタイトル画像は、例えば、「BATTLE BONUS」といった大当たりのタイトルを示す演出画像であり、大当たり図柄A〜Cのうちの何れに対応しても同じ演出画像が表示される。オープニング演出用右打ち画像は、7図柄揃い用オープニング演出中に表示されるオープニング演出用右打ち画像と同じ演出画像であり、「右打ち」といった文言および右向き矢印を示す演出画像である。敵キャラ登場画像57で示される敵キャラは、変動演出中に出現する敵キャラと同じキャラクタである(変動演出中に出現する敵キャラより強い敵キャラでもよい)。
また、他図柄揃い用オープニング演出中は、大当たり図柄が大当たり図柄A〜Cのうちの何れであっても、同じ演出音がスピーカ24から出力される。例えば、7図柄揃い用オープニング演出中とは異なる楽曲、および「バトルボーナス!」といった大当たりのタイトルを示す味方キャラのセリフが、液晶画面5に表示される演出画像と同期する態様で出力される。なお、少なくとも、他図柄揃い用オープニング演出中の演出音のうち、遊技者に右打ちを促す「右打ちしてね」といったセリフは7図柄揃い用オープニング演出に出力される演出音と同じ演出音である。
また、1R目のラウンド遊技開始時から7R目のラウンド遊技開始時まで、他図柄揃い用ラウンド中演出が実行される。他図柄揃い用ラウンド中演出は、他図柄揃い用オープニング演出で登場した敵キャラと味方キャラとがバトルを続ける演出である。
他図柄揃い用ラウンド中演出中のバトルの勝敗は7R目のラウンド遊技開始時から行われるジャッジ演出で報知される。バトルで味方キャラが勝つと、100%の割合で10R目にV領域195が入賞容易に長開放され、V入賞すると大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御される(演出モードとしては確変モードに移行する)。これに対して味方キャラが負けると、10R目にV領域195が入賞容易に長開放される可能性(すなわち大当たり図柄Bに対応)よりも、入賞困難に短開放される可能性(すなわち大当たり図柄Cに対応)の方が5倍の割合で大きい(図8(B)参照)。このため、味方キャラが負けた場合は、大当たり遊技中にV入賞できず、大当たり遊技終了直後は時短遊技状態で遊技が制御され易い(演出モードとしては時短モードに移行し易い)。
ここで、他図柄揃い用ラウンド中演出は、複数の演出ルートを経由して行われ得る演出である。演出ルートが異なると、味方キャラが敵キャラに加える攻撃の数が異なったり、登場する味方キャラの人数が異なったりといった多少の違いが生じる。例えば、味方キャラが敵キャラに加える攻撃の数が多い演出ルート、及び登場する味方キャラの人数が多い演出ルートは、味方キャラが勝つ期待度が高い演出ルートである。味方キャラが勝つ期待度が高い他図柄揃い用ラウンド中演出は、V領域195が入賞容易に長開放される大当たり(すなわち大当たり図柄A)である可能性が相対的に高いことを示唆する。逆に、味方キャラが敵キャラに攻撃を加える数が少ない演出ルート、及び登場する味方キャラの人数が少ない演出ルートは、味方キャラが負ける危険度が高い演出ルートである。味方キャラが負ける危険度が高い他図柄揃い用ラウンド中演出は、V領域195が入賞困難に短開放される大当たり(すなわち大当たり図柄C)である可能性が相対的に高いことを示唆する。
他図柄揃い用ラウンド中演出がどのような演出ルートで行われ易いかは大当たりの種類(例えば、V領域195が入賞容易に長開放される大当たりか否か)に依存する。しかしながら、大当たり図柄A〜Cのうちの何れに対応して行われても、味方キャラと敵キャラとがどのような展開でバトルを繰り広げるかの基本的なシナリオは同じである。このため、遊技者は、他図柄揃い用ラウンド中演出中に大当たりの種類を見分けることが困難な可能性が相対的に高い。他図柄揃い用ラウンド中演出の具体的な演出ルートについては、図28を参照しつつ後に詳述する。
その後、7R目のラウンド遊技開始に伴って、他図柄揃い用ラウンド中演出で行われたバトルの勝敗を報知するジャッジ演出が行われる。ジャッジ演出は、遊技者にとって有利な大当たりか否かを注目させる大当たり中演出の1つであり(図27(A)〜(C)参照)、例えば、V領域195が長開放されるか否かを遊技者に暗示させる演出である。ジャッジ演出は、遊技者に演出ボタン26の操作を促すボタン演出の1つである「ジャッジボタン演出」と、バトルの勝敗を報知する「結果報知演出(勝利報知または敗北報知)」とから構成される。ジャッジボタン演出は、例えば、遊技者にとって有利な大当たり(例えば大当たり図柄A)に対する期待感を高めるために、大当たりの種類に基づいて、図19を参照しつつ説明したボタン演出の態様A〜Dの何れかで実行される。ジャッジボタン演出において何れの態様で操作が促されるかは、例えば、液晶画面5に表示される演出ボタン画像51が示す演出ボタン26の状態(通常状態または突出状態)、演出役物71が進出位置に動作されたか否か、及び演出ボタン26が突出状態に制御されたか否かにより容易に判別可能である。
ジャッジボタン演出中には、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた所定の有効期間(例えば、移行ボタン演出開始時から4秒間)が設定される。この有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作すると、操作に応じて結果報知演出が開始される(図27(A)〜(C)参照)。例えば、演出ボタン26が突出状態であるジャッジボタン演出(態様B〜D)が出現した場合、遊技者は、味方キャラが勝つだろう(すなわち、V領域195は入賞容易に長開放される)といった期待感を抱きながら操作する可能性がある。また、例えば、演出ボタン26が通常状態であるジャッジボタン演出(態様A)が出現した場合、遊技者は、味方キャラが負けるかもしれない(すなわち、V領域195が入賞困難に短開放されるかもしれない)といった不安感を抱きながら操作する可能性がある。なお、有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作しなかった場合、予め定められた有効期間の終了タイミング(例えばジャッジボタン演出開始時から4秒経過)で結果報知演出が開始される。
結果報知演出は、他図柄揃い用ラウンド中演出中に行われたバトルの勝敗を報知する演出であり、大当たり図柄の種類と対応付けられた演出である。具体的には、例えば、大当たり図柄Aに対応して、味方キャラが敵キャラに勝利する「結果報知演出(勝利報知)」が行われる。また、大当たり図柄B及びCに対応して味方キャラが敵キャラに敗北する「結果報知演出(敗北報知)」が行われる。以下、図27を参照しつつ、結果報知演出以降の演出の流れを大当たりの種類毎に説明する。
(大当たり図柄Aに対応した結果報知演出以降の演出の流れ)
図27(A)に例示されるように、大当たり図柄Aに対応した大当たりの遊技では、では、ジャッジボタン演出が終了すると結果報知演出(勝利報知)が行われる。結果報知演出(勝利報知)では、例えば、味方キャラが勝利したことを報知するメッセージと、V領域195がV入賞容易に長開放されることを示唆するメッセージとが液晶画面5に表示される(例えば、「勝利」及び「VチャレンジGET!」というメッセージ)。結果報知演出(勝利報知)が行われると、遊技者は、確変遊技状態(演出モードとしては確変モード)への移行を確信して高揚感を抱きながらその後の遊技を楽しむ可能性が高い。このように、結果報知演出(勝利報知)は、遊技者にとって有利な大当たりであることを報知する演出である。また、結果報知演出(勝利報知)は、V入賞が容易であり、V入賞すると大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態(演出モードとしては確変モード)に制御されることを報知する演出である。
9R目のラウンド遊技が開始されると結果報知演出(勝利報知)が終了する。
本実施形態では、9R目のラウンド遊技開始時から10R目のラウンド遊技中にV入賞するまでV領域195(大入賞口13)への遊技球の打ち出しを遊技者に促す第1確変報知演出が行われる。第1確変報知演出は、例えば、液晶画面5と、スピーカ24と、枠ランプ37等の発光素子とを用いて行われる演出であり、大入賞口13に対して遊技者に注意を向けさせ、V領域195が長開放されることを報知する演出である。
ここで、大当たり図柄Aであり7図柄揃い以外の他図柄揃いである場合に対応した第1確変報知演出は、大当たり図柄Aであり最終停止図柄が7図柄揃いである場合に対応した第1確変報知演出よりも実行時間が長くなるように予め設定されている(図25及び図27(A)参照)。大当たり図柄Aであり他図柄揃いである場合、V領域195が長開放されるか否かを期待させるジャッジ演出等を経由して第1確変報知演出が行われる。このため、V領域195が長開放されることに対する満足感を十分に高めるために、V領域195が長開放される大当たりであることを認識している可能性が高いときに行われる第1確変報知演出より実行時間が長くなるように予め設定している。なお、他の実施形態では、大当たり図柄Aかつ他図柄揃いの場合と、大当たり図柄Aかつ7図柄揃いの場合とにおいて第1確変報知演出の実行時間に差が生じないように予め設定されていてもよい。
例えば、第1確変報知演出では9R目のラウンド遊技が開始されるのに伴って、「次のラウンドでVを狙え!」というメッセージ及び大入賞口13付近を指し示す矢印画像が液晶画面5に表示される。また、「次のラウンドでVを狙ってね」といった味方キャラのセリフがスピーカ24から出力される。また、枠ランプ37等の発光素子が、大入賞口13付近に配置された発光素子を中心として発光させる第1確変報知演出特有の発光パターンで発光される。10R目のラウンド遊技が開始されて遊技球が入賞し易いように大入賞口13及びV領域195が開放されたことに応じたタイミングで(例えば開放開始時から0.1秒経過時)、液晶画面5に表示されたメッセージが「Vを狙え!」といったメッセージに変化すると共に「狙って」といった味方キャラのセリフが出力される。10R目のラウンド遊技が開始されるとV領域195が長開放されるので、遊技者は、容易にV入賞させることが可能である。
V入賞に応じて第1確変報知演出が終了すると、第2確変報知演出が開始される。第2確変報知演出は、大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されること(演出モードとしては確変モード)を報知する演出である。第2確変報知演出は、例えば、液晶画面5と、スピーカ24と、枠ランプ37等の発光素子とを用いて行われる演出である。例えば、大当たり図柄が大当たり図柄Aであり最終停止図柄が7図柄揃いである場合に対応した第2確変報知演出と同じ演出態様で実行される。例えば、第2確変報知演出でのみ出力される演出音であるV入賞音が所定時間(例えば4秒)出力されると共に、「V」といった文字を示すV入賞報知画像が表示される(例えば図30(I)参照)。また、枠ランプ37等の発光素子が、第2確変報知演出特有の発光パターン(例えば虹色の点滅発光)で発光される。
本実施形態では、第2確変報知演出は、第1実行タイミング、第2タイミング、又は第3実行タイミングで開始される場合がある。第1実行タイミング及び第2実行タイミングは、大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出の開始タイミングである。また、第3実行タイミングは、大当たり図柄Bに対応した第2確変報知演出の開始タイミングである。具体的には、第1実行タイミングは、V入賞が容易な10R目のラウンド遊技が開始されてから1回目のV入賞に応じて即座に第2確変報知演出を実行するタイミングである。また、第2実行タイミングは、10R目のラウンド遊技中の所定タイミング(例えば10R目のラウンド遊技開始時から4秒経過時)において、既にV入賞している場合に第2確変報知演出を実行するタイミングである。また、第3実行タイミングは、10R目のラウンド遊技中にV入賞した場合、その後に開始されるラウンド遊技中の所定タイミング(本実施形態では11R目のラウンド遊技開始時)において、第2確変報知演出を実行するタイミングである。
大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出の開始タイミングについてより具体的に説明する。本実施形態では、V領域195が開放された後、V領域195を通過する1個目の遊技球がV入賞口スイッチ116によって検知されると、V入賞を通知するV入賞通知コマンドが遊技制御基板100のメインRAM103にセットされる(図42参照)。そして、V入賞通知コマンドがセットされてから1割込み処理(例えば4ミリ秒)以内に、遊技制御基板100から演出制御基板130にV入賞通知コマンドが送信される(図33参照)。大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技中の場合、演出制御基板130のサブCPU131は、V入賞通知コマンドを受信してから1割込み処理(例えば4ミリ秒)以内に第2確変報知演出の実行を指示する第2確変報知演出設定コマンドを画像音響制御基板140に送信する(図44、図51、及び図53参照)。画像音響制御基板140の統括CPU141は、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技中であれば、第2確変報知演出設定コマンドを受信してから1割込み処理(例えば4ミリ秒)以内である第1実行タイミングで第2確変報知演出を実行する(図55及び図56参照)。
ここで、例えば、コマンドの送受信において異常が生じていると、V入賞通知コマンドを受信しても第2確変報知演出設定コマンドがサブCPU131によって送信されない可能性が生じ得る。また、コマンドの送受信に異常が生じた状態で複数のコマンドが送受信された結果、本来V入賞していないにも関わらず、第2確変報知演出が実行されてしまうおそれが生じ得る可能性もある。このような異常が生じた場合、V領域195を1個目の遊技球が通過したことに応じて第2確変報知演出が実行されなくてもよい。そして、例えば、コマンドの送受信が正常になった場合には既にV入賞していることを条件に第2実行タイミング(例えば10R目のラウンド遊技開始時から4秒経過後)で第2確変報知演出を実行してもよい。このようにすれば、例えば、大当たり遊技終了直後に確変遊技状態で遊技が制御されないにもかかわらず、第2確変報知演出が意図せず実行されてしまうといった問題が生じることを防止することが可能である。
また、第2確変報知演出が第2実行タイミングで実行されると、第1確変報知演出の実行時間を確保しつつ、V入賞可能な期間を十分に確保することが可能である(図27(A)参照)。例えば、本実施形態では、9R目のラウンド遊技開始時から10R目のラウンド遊技中にV入賞するまでの期間中に第1確変報知演出が実行される。例えば、第1確変報知演出中に表示される演出画像(例えば、味方キャラのレアな姿を表した画像)、又はスピーカ24から出力される演出音(例えば、遊技球の打ち出しを促す味方キャラの音声)をゆっくり楽しみたい一部の遊技者は、仮に10R目のラウンド遊技が開始されてもV領域195を狙って遊技球を打ち出さない可能性がある。その後、V領域195を狙った遊技球の打ち出しを開始しようとした際に、例えばハンドル20に不具合が生じたため遊技球が打ち出されるまでに時間がかかり、結果としてV入賞できなかったといった事態が生じる可能性がある。第2確変報知演出が第2実行タイミングで実行されると、このような事態を未然に防止しつつ、第1確変報知演出の演出効果を効果的に高めながらV入賞させることが可能である。
図27(A)に例示されるように、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技中には、第2確変報知演出が11R目のラウンド遊技開始時まで継続して実行される。そして、11R目のラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間終了時までにわたって、確変遊技状態への移行を報知するエンディング演出(以下、「確変移行エンディング演出」ともいう。)が行われる。本実施形態では、大当たり図柄Aであって最終停止図柄が7図柄揃いである場合と他図柄揃いである場合とでは同じ確変移行エンディング演出が行われる。具体的には、例えば、橙色の背景画像に重畳して3人の味方キャラ(他の人数でもよい。)と、確変モード及び時短モードを総称した演出モードの名称(例えば「RUSH」)を示す演出画像と、注意喚起画像とが表示される。
本実施形態では、大当たり図柄Aに対応したエンディング演出の実行時間は11.2秒間であり(図24参照)、大当たり図柄B及びCに対応したエンディング演出の実行時間よりも予め長く設定されている(図27(A)〜(C)参照)。
なお、図には例示していないが、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技中にV入賞しなかった場合、第1確変報知演出は、予め定められた実行終了タイミング(例えば、V領域195の閉塞タイミング)まで行われる。そして、11R目のラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間終了時までにわたって、時短遊技状態への移行を報知するエンディング演出(以下、「時短移行エンディング演出」ともいう。)が行われる。本実施形態では、大当たり図柄Aであって最終停止図柄が7図柄揃いである場合と他図柄揃いである場合とでは、同じ時短移行エンディング演出が行われる。例えば、緑色の背景画像に重畳して確変移行エンディング演出で表示される味方キャラと同じ味方キャラが表示される。また、確変モード及び時短モードを総称した演出モードの名称(例えば「RUSH」)を示す演出画像と、注意喚起画像とが表示される。
(大当たり図柄Bに対応した結果報知演出以降の演出の流れ)
図27(B)に例示されるように、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技では、ジャッジボタン演出が終了すると、味方キャラが敗北したことを報知する結果報知演出(敗北報知)が行われる。結果報知演出(敗北報知)は、9R目のラウンド遊技開始時まで実行される。結果報知演出(敗北報知)は、大当たり遊技終了直後の遊技状態が時短遊技状態(演出モードとしては時短モード)に制御される可能性が相対的に高いことを示唆する演出である。また、遊技球が入賞困難なようにV領域195が短開放される可能性が相対的に高いことを示唆する演出である。
結果報知演出(敗北報知)は、大当たり図柄が大当たり図柄Bである場合と大当たり図柄Cである場合とに対応して、全く同じ演出態様で実行される。具体的には、大当たり図柄B及びCのうちの何れに対応しても同様に、「敗北」というメッセージが表示されたり、味方キャラが敵キャラに倒される演出画像が表示されたりする。このため、遊技者は、結果報知演出(敗北報知)をみても大当たり図柄B及びCのうちの何れに対応した大当たりであるかを見分けられない。ここで、本実施形態では味方キャラが負けると、V領域195が入賞容易に長開放される可能性(すなわち大当たり図柄Bに対応)よりも、入賞困難に短開放される可能性(すなわち大当たり図柄Cに対応)の方が5倍の割合で大きい(図8(B)参照)。このため、遊技者は、結果報知演出(敗北報知)が実行されるとV領域195が入賞困難に短開放される(すなわち時短遊技状態(時短モード)に移行する)と思い込み易い。
このように、結果報知演出(敗北報知)が行われると、遊技者にとってあまり有利でない大当たり(低確率状態に移行する大当たり;大当たり図柄C)である可能性が相対的に高いことが示唆される。また、結果報知演出(敗北報知)が行われると、遊技球が入賞し難いようにV領域195が短開放される可能性が相対的に高いことが示唆される。
また、本実施形態では結果報知演出(敗北報知)が行われてもV領域195が長開放されることがあるため、遊技者は、確変遊技状態(演出モードとしては確変モード)への移行に対する期待感を失わずに遊技を楽しむことができる。本実施形態では、結果報知演出(敗北報知)は、9R目のラウンド遊技が開始されるまで継続して実行される。
9R目のラウンド遊技が開始されると結果報知演出(敗北報知)が終了し、敵キャラ及び味方キャラを紹介するキャラ紹介演出が開始される。キャラ紹介演出は、9R目のラウンド遊技開始時から11R目のラウンド遊技開始時まで実行される。キャラ紹介演出は、結果報知演出(敗北報知)と同様に、大当たり遊技終了直後の遊技状態が時短遊技状態(演出モードとしては時短モード)に制御される可能性が相対的に高いことを示唆する演出である。また、遊技球が入賞困難なようにV領域195が短開放される可能性が相対的に高いことを示唆する演出である。
大当たり図柄が大当たり図柄Bである場合と大当たり図柄Cである場合とでは、キャラ紹介演出中の演出態様がほとんど同じである。具体的には、大当たり図柄B及びCのうちの何れに対応しても、同じキャラ紹介画像および同じ紹介文画像が液晶画面5に表示される(例えば図31(E)参照)。例えば、キャラ紹介画像はキャラクタ(例えば敵キャラ)を示す演出画像であり、紹介文画像はキャラ紹介画像で示されたキャラクタの紹介文を含む演出画像である。
本実施形態ではキャラ紹介演出が行われると、V領域195が入賞容易に長開放される可能性(すなわち大当たり図柄Bに対応)よりも、入賞困難に短開放される可能性(すなわち大当たり図柄Cに対応)の方が5倍の割合で大きい(図8(B)参照)。このため、遊技者は、キャラ紹介演出が行われるとV領域195が入賞困難に短開放される(すなわち時短遊技状態(時短モード)に移行する)と思い込み易い。
大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技では、キャラ紹介演出中に開始される10R目のラウンド遊技において、大入賞口13及びV領域195が、0.2秒間短開放された後、V入賞し易いように29秒間長開放される(図27(B)及び図24参照)。
ここで、本実施形態では、その長開放ラウンド遊技が大当たり遊技中における何度目の長開放ラウンド遊技であるかを具体的に示す「ラウンド画像」が表示される。例えば、9度目の長開放ラウンド遊技に対応して、9R目のラウンド遊技中に「ROUND9」といった具体的な数を示すラウンド画像が表示される。しかしながら、短開放ラウンド遊技のみから構成されるラウンド遊技後に長開放ラウンド遊技が行われると、短開放ラウンド遊技後の長開放ラウンド遊技におけるラウンド画像は、実際のラウンド数と異なる数を表示することになってしまう。このような問題を防止するため、短開放ラウンド遊技のみから構成されるラウンド遊技開始時以降は、具体的な数を示すラウンド画像を消去する。例えば大当たり図柄Cに対応して、10R目のラウンド遊技として大入賞口13を0.2秒間開放する短開放ラウンド遊技のみが行われ、11R目のラウンド遊技として大入賞口13を29.5秒間開放する長開放ラウンド遊技のみが行われる。このため、大当たり図柄Cに対応した10R目のラウンド遊技開始時にラウンド画像を消去することにしている。
この構成を前提として、本実施形態では、大当たり図柄B及びCのうちの何れに対応した大当たりであるかを10R目のラウンド遊技開始時に把握できないようにしている。具体的には、大当たり図柄Bに対応した10R目のラウンド遊技では、大入賞口13を0.2秒間開放する短開放ラウンド遊技(1回目の開放)が行われた後に、大入賞口13を29秒間開放する長開放ラウンド遊技(2回目の開放)が行われる(図24参照)。大当たり図柄Bに対応した10R目の短開放ラウンド遊技(1回目の開放)を大当たり図柄Cに対応した10R目のラウンド遊技に見立て、大当たり図柄Bに対応した10R目のラウンド遊技開始時にラウンド画像を消去することにしている。このため、大当たり図柄B及びCのうちの何れに対応していても10R目のラウンド遊技開始時には「ROUND10」といった具体的な数を示すラウンド画像が表示されない。これにより、大当たり図柄Bに対応した大当たりであっても大当たり図柄Cに対応した大当たりであると遊技者に勘違いさせることできる。
なお、大当たり図柄Aの場合と異なり、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技中には、V領域195が長開放されることが液晶画面5に表示される演出画像、及びスピーカ24から出力される演出音で示唆されない。例えば、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技中は第1確変報知演出が実行されない。このため、遊技者は、V領域195が長開放されたから遊技球を打ち出すといった意識を抱く可能性は低く、単に大入賞口13が長開放されたため大当たり図柄Cに対応した11R目のラウンド遊技が開始されたのだろう勘違いして遊技球を打ち出す可能性が高い。このような場合であっても、本実施形態では、大入賞口13の内部にV領域195が設けられているので、大入賞口13に遊技球を入賞させさえすれば、遊技者は容易にV入賞させることが可能である。
本実施形態では、キャラ紹介演出中にV入賞すると、V入賞に応じて「ROUND10」といったラウンド画像が表示される構成を採用している(図31(H)参照)。これに対して、キャラ紹介演出中にV入賞しない場合はラウンド画像が表示されない。すなわち、消去されていたラウンド画像が再び表示されて現在のラウンド数が報知されると、大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態(演出モードとしては確変モード)であることが示唆される。
また、大当たり図柄Aに対応した大当たりと異なり、大当たり図柄Bに対応した大当たりでは、1回目のV入賞に応じて即座に第2確変報知演出が開始されず、その後のタイミング(本実施形態では次のラウンド遊技開始時)で第2確変報知演出が開始される。このため、多くの遊技者は、仮にV入賞してもV入賞したことに気が付かない可能性が高い。すなわち、遊技球が入賞し難いようにV領域195が短開放される大当たり図柄Cに対応した大当たりが実行されているのだろうと認識したまま遊技を続ける可能性が高い。
その後、11R目のラウンド遊技開始時である第3実行タイミングが到来すると、10R目のラウンド遊技中にV入賞していれば、キャラ紹介演出に係るキャラ紹介画像および紹介文画像が味方キャラによって引き裂かれる演出が行われる。その直後、第2確変報知演出が実行される(図27(B)参照)。これにより、遊技者は、大当たり遊技終了直後に確変遊技状態で遊技が制御されること(演出モードとしては確変モード)を認識可能である。例えば、大当たり遊技終了後は時短モードなのだろう(すなわち大当たり図柄Cに対応した大当たり)と勘違いしていた遊技者は、大当たり遊技終了後に確変モードに移行するという想定外の事実を知って大喜びする可能性が高い。
大当たり図柄Bに対応した11R目のラウンド遊技は、短開放ラウンド遊技のみから構成されるラウンド遊技なのでラウンド画像は表示されない。このラウンド画像の表示の有無を除き、大当たり図柄Bに対応した第2確変報知演出と大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出とでは同じ演出態様で実行される。例えば、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技中の第2確変報知演出と同じV入賞音が出力されたりV入賞報知画像が表示されたりする。図27(B)に例示されるように、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技中には、第2確変報知演出が11R目の短開放ラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間開始時まで継続して実行される。
そして、エンディング期間が到来すると、予め定められたエンディング期間終了時までにわたって、確変移行エンディング演出が行われる。本実施形態では、大当たり図柄Bに対応した確変移行エンディング演出と、大当たり図柄Aに対応した確変移行エンディング演出とは、実行時間が異なる他は、演出態様が同じである。具体的には、大当たり図柄Bに対応したエンディング演出の実行時間は10秒間であり(図24参照)、大当たり図柄Aに対応したエンディング演出の実行時間(すなわち11.2秒)よりも予め短く設定されている(図27(B)及び(A)参照)。例えば、大当たり図柄Aに対応した確変移行エンディング演出と同様に、橙色の背景画像に重畳して3人の味方キャラ(他の人数でもよい。)と、確変モード及び時短モードを総称した演出モードの名称(例えば「RUSH」)を示す演出画像とが液晶画面5に表示される((図26(F)参照))。
ここで、大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出の実行時間、及び大当たり図柄Bに対応した第2確変報知演出の実行時間について具体的に説明する。本実施形態では、大当たりの種類(すなわち大当たり図柄A又はB)に応じて異なる期間にわたって第2確変報知演出が実行される。このような構成であっても、固定時間であるインターバル期間に予め長短を設けることにより、実行時間が可変である場合(大当たり図柄Aに対応した場合)と、実行時間が一定である場合(大当たり図柄Bに対応した場合)とで、第2確変報知演出の実行時間をある程度同じにすることが可能である。
具体的には、大当たり図柄Bに対応した11R目のラウンド遊技における大入賞口13の最大開放期間は0.2秒であり、11R目のラウンド遊技の閉鎖条件成立時からエンディング期間開始時までのインターバル期間は8秒間に予め設定されている(図27(B)及び図24参照)。大当たり図柄Bに対応した11R目のラウンド遊技は、大入賞口13の開放期間が相対的に非常に短く、基本的には大入賞口13に遊技球が入賞しない短開放ラウンド遊技である。このため、11R目のラウンド遊技は、大入賞口13に対して遊技球が規定個数(本実施形態では9個)入賞したという閉鎖条件成立により終了するとは想定し難く、最大開放期間(例えば0.2秒)の経過という閉鎖条件成立により終了するものと考えられる。すなわち、本実施形態では、大当たり図柄Bに対応した第2確変報知演出の実行時間は一定(本実施形態では8.2秒間)であるといえる。
これに対して、大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出の実行時間は、10R目のラウンド遊技における閉鎖条件成立タイミングに応じて変化する(図27(A)及び図24参照)。ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大入賞口13を狙って遊技者が普通に遊技球を打ち出し続ければ、長開放ラウンド遊技開始時から規定個数(例えば9個)の遊技球が入賞したという閉鎖条件成立によりそのラウンド遊技が終了するまで平均7〜8秒である。このため、大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出の実行時間は可変であるが、大入賞口13を狙って遊技者が普通に遊技球を打ち出し続ければ、第2確変報知演出は実行時間が8秒位になり易い。
このように、本実施形態では、大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出の実行時間(すなわち約8秒間)と、大当たり図柄Bに対応した第2確変報知演出の実行時間との実行時間(すなわち約8.2秒間)をある程度同じにすることが可能である。これにより、意外性のあるタイミングで第2確変報知演出を実行できると共に、第2確変報知演出の実行時間を確保し、演出の流れをスムーズにすることができる。
なお、図には例示していないが、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技中にV入賞しなかった場合、キャラ紹介演出が、9R目のラウンド遊技開始時からエンディング期間開始時まで継続して実行される。そして、エンディング期間中には、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技中にV入賞しなかった場合と同じ時短移行エンディング演出が行われる。
(大当たり図柄Cに対応した結果報知演出以降の演出の流れ)
図27(C)に例示されるように、大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技中には、大当たり図柄Bに対応した大当たりと同様に、ジャッジボタン演出終了後は9R目のラウンド遊技開始時まで結果報知演出(敗北報知)が行われる。結果報知演出(敗北報知)は、大当たりの種類が大当たり図柄Bである場合と大当たり図柄Cである場合とで全く同じ演出態様で実行される。例えば、大当たり図柄B及びCのうちの何れに対応しても同様に、「敗北」というメッセージが表示されたり、味方キャラが敵キャラに倒される演出画像が表示されたりする。このため、結果報知演出(敗北報知)をみても、遊技者はどちらの大当たりであるかを見分けられない。
9R目のラウンド遊技が開始されると結果報知演出(敗北報知)が終了し、大当たり図柄Bに対応した大当たりと同様に、キャラ紹介演出が開始される。大当たり図柄Cに対応したキャラ紹介演出は、大当たり図柄Bに対応したキャラ紹介演出と同じキャラ紹介画像および同じ紹介文画像が液晶画面5に表示される一方(例えば図31(E)参照)、その実行時間は異なる。具体的には、大当たり図柄Bに対応したキャラ紹介演出は11R目のラウンド遊技開始時まで実行されるのに対し、大当たり図柄Cに対応したキャラ紹介演出は、9R目のラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間開始時まで実行される。
なお、大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技では、キャラ紹介演出中に開始される10R目のラウンド遊技において、大入賞口13及びV領域195が短開放される(図27(C)及び図24参照)。大当たり図柄Aの場合と異なり、大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技中には、大入賞口13及びV領域195が短開放される際に第1確変報知演出が実行されない。また、大当たり図柄A及びBの場合と異なり、大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技中には、遊技球の入賞が困難であるように大入賞口13及びV領域195が短開放されるので、基本的にV入賞しない。このため、大当たり図柄Cに対応したキャラ紹介演出中には、大当たり図柄Bに対応したキャラ紹介演出中と異なり、「ROUND10」といった文字を示すラウンド画像が表示されない。また、基本的にV入賞しないので大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技中に第2確変報知演出は実行されない。
図27(C)に例示されるように、大当たり図柄Cに対応した大当たりでは、予め定められたエンディング期間開始時から予め定められたエンディング期間終了時までにわたって、時短移行エンディング演出が行われる。時短移行エンディング演出は、大当たり図柄A及びBに対応した大当たり遊技中にV入賞しなかった場合と同じ演出態様で実行される。大当たり図柄Cに対応したエンディング演出の実行時間は、大当たり図柄Bに対応した場合と同様に10秒間であり(図24参照)、大当たり図柄Aに対応したエンディング演出の実行時間よりも予め短く設定されている(図27(B)及び(A)参照)。
[大当たり遊技中のインターバル期間について]
まず、1〜10R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間について説明する。本実施形態では、大当たり図柄の種類に関わらず、1〜10R目の各ラウンド遊技終了後のインターバル期間が1秒に予め設定されている。これらのインターバル期間は、閉鎖条件が成立してから大入賞口13が閉塞状態になる直前に大入賞口13に入賞した遊技球を大入賞口スイッチ115で検出できるだけの十分な時間を確保するという技術的事情により設けられている。これにより、閉鎖条件が成立してから大入賞口13が閉塞状態になる直前に大入賞口13に入賞した遊技球が、次のラウンド遊技開始後に大入賞口スイッチ115で検出されるといった問題が生じない。
次に、11R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間について説明する。例えば、大当たり図柄A及びCに係る11R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間(本実施形態では1秒)は、大入賞口13に入賞した遊技球がエンディング期間開始後に検出されないようにするという技術的事情により設けられている。これに対して、大当たり図柄Bに係る11R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間(本実施形態では8秒)は、上記技術的事情に加え、第2確変報知演出の実行時間を確保して演出効果を向上させるために設けられている。このため、大当たり図柄Bに係る11R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間は、技術的事情により設けられた他のインターバル期間(本実施形態では1秒)よりも長い時間に予め設定されている。
具体的には、例えば、大当たり図柄Aに係る11R目の短開放ラウンド遊技終了直後のインターバル期間中(本実施形態では1秒間)に確変移行エンディング演出が実行される。確変移行エンディング演出は、11R目の短開放ラウンド遊技開始時から開始され、エンディング期間(本実施形態では10秒)が終了するまで継続して実行される。エンディング期間は、確変移行エンディング演出の実行時間に合わせた任意の期間に予め設定できる。このため、11R目の短開放ラウンド遊技終了直後のインターバル期間によって確変移行エンディング演出の実行時間を確保する必要がない。よって、大当たり図柄Aに係る11R目の短開放ラウンド遊技終了直後のインターバル期間は、上記技術的事情を考慮するのに十分な時間に予め設定されている(本実施形態では1秒間)。
また、大当たり図柄Cに係る11R目の長開放ラウンド遊技終了直後のインターバル期間中(本実施形態では1秒間)に、9R目の長開放ラウンド遊技開始時から開始されたキャラ紹介演出が継続して実行される。大当たり図柄Cに係る11R目の長開放ラウンド遊技終了直後のインターバル期間は、キャラ紹介演出の実行時間を確保するために設けられた期間ではなく、上記技術的事情により設けられたものである。このため、上記技術的事情を考慮するのに十分な時間に予め設定されている(本実施形態では1秒間)。
これに対して、大当たり図柄Bに対応した大当たりでは、11R目の短開放ラウンド遊技開始時からエンディング期間開始時までの期間を用いて、大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されることを報知する第2確変報知演出が実行される。大当たり図柄Bに係る11R目のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始時に大入賞口13が0.2秒間開放される短開放ラウンド遊技が1回行われると終了する(図24参照)。第2確変報知演出をより効果的に行うためには、11R目のラウンド遊技終了直後からエンディング期間開始時までのインターバル期間によって第2確変報知演出の実行時間を確保するのが好ましい。このため、大当たり図柄Bに係る11R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間は、第2確変報知演出の実行時間を確保して演出効果を向上させるのに十分な時間に予め設定されている(本実施形態では8秒)。すなわち、上記技術的事情により設けられた大当たり図柄A及びCに係るインターバル期間(本実施形態では1秒)よりも相対的に長い時間に予め設定されている。
[ジャッジ演出が開始されるまでに実行され得る演出の一例]
次に、図28を参照しつつ、大当たり図柄の種類が大当たり図柄A〜Cのうちの何れかであり、最終停止図柄が7図柄揃い以外の図柄揃いである場合に対応してジャッジ演出が開始されるまでに実行され得る演出例について説明する。図28は、最終停止図柄が7図柄揃い以外の図柄揃いであり、大当たり図柄A〜Cのうちの何れかの大当たりに係る1〜6R目のラウンド遊技中の演出の流れ、及びその演出態様の一例について説明するための説明図である。
本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであり、最終停止図柄が7図柄揃い以外の他図柄揃い(例えば1図柄揃い)である場合、1R目のラウンド遊技開始時から7R目のラウンド遊技開始時まで他図柄揃い用ラウンド中演出が実行される。他図柄揃い用ラウンド中演出は味方キャラと敵キャラとがバトルを続ける演出であり、このバトルの結果は7R目のラウンド遊技中のジャッジ演出中に報知される。味方キャラと敵キャラとがどのような展開でバトルを繰り広げるかの基本的なシナリオは、大当たり図柄の種類に関わらず同じである。このため、遊技者は、他図柄揃い用ラウンド中演出中に、V領域195が長開放される大当たりであるか短開放される大当たりであるかを見分け難い。本実施形態では、大当たり図柄Aに対応した大当たりの場合、バトルにおいて味方キャラが勝ち、V入賞が容易なようにV領域195が必ず長開放される。一方、大当たり図柄B又はCに対応した大当たりの場合、バトルにおいて味方キャラが負ける。そして、大当たり図柄Bに対応した大当たりの場合、味方キャラが負けた後にV入賞が容易なようにV領域195が長開放される。これに対して、大当たり図柄Cに対応した大当たりの場合、味方キャラが負けた後にV入賞が困難なようにV領域195が短開放される。
ここで、他図柄揃い用ラウンド中演出は、味方キャラが敵キャラに加える攻撃の数が異なったり、登場する味方キャラの人数が異なったりといった多少の違いが大当たりの種類に基づいて生じ得る演出である。具体的には、他図柄揃い用ラウンド中演出は、「確変移行示唆演出」の実行回数(本実施形態では上限は2回)と、どのような味方キャラ(例えば変身前の攻撃キャラC)をジャッジ演出直前に登場させるかといった確変移行示唆演出のシナリオに応じた演出ルートで実行される。確変移行示唆演出のシナリオは、例えば、1R目のラウンド遊技が開始される際に決定される。
確変移行示唆演出は、その実行回数が多いほど味方キャラが勝つ期待度が相対的に高いことを示唆する演出であり、遊技者にとって有利な大当たりである可能性が相対的に高いことを示唆する演出である。例えば、確変移行示唆演出が2回実行されると、バトルの勝者が味方キャラであり、7R目のラウンド遊技中に結果報知演出(勝利報知)が必ず実行されることが示唆される(図27(A)参照)。また、その後に実行されるラウンド遊技中にはV入賞が容易なようにV領域195が必ず長開放される(すなわち大当たり図柄Aである)ことが示唆される。また、大当たり遊技終了直後の遊技状態が、V入賞を条件として確変遊技状態に必ず設定される(演出モードとしては確変モード)ことが示唆される。
また、例えば、確変移行示唆演出が1回実行されると、味方キャラがバトルで勝つ可能性が相対的に高いことが示唆される。また、バトルの勝敗が何れでも(すなわち味方キャラが敗北しても)、その後に実行されるラウンド遊技中にV入賞が容易なようにV領域195が長開放される可能性(すなわち大当たり図柄A又はBである可能性)が相対的に高いことが示唆される。また、大当たり遊技終了直後の遊技状態が、V入賞を条件として確変遊技状態(演出モードとしては確変モード)に設定される可能性が相対的に高いことが示唆される。
確変移行示唆演出には、例えば、味方キャラ(変身前の攻撃キャラA)の攻撃が敵キャラに命中する期待感を高めるために実行される「ルートボタン演出」と、「攻撃キャラB(変身前)が登場」して味方キャラに加勢する演出とが含まれる。攻撃キャラBは、攻撃キャラAの攻撃が命中(すなわち成功)すると登場し、攻撃キャラAの攻撃が失敗すると登場しない味方キャラである。
ここで、ルートボタン演出は、攻撃キャラAの攻撃が敵キャラに命中する直前で遊技者に演出ボタン26の操作を促すボタン演出であり、図19を参照しつつ説明した態様Aで実行されるボタン演出である。ルートボタン演出では、例えば、通常状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とが液晶画面5に表示されると共に、演出ボタン26が通常状態のまま白色に発光される。
図28(A)を参照しつつ、1〜6R目のラウンド遊技中(すなわち他図柄揃い用ラウンド中演出中)の流れについて説明する。例えば、1R目のラウンド遊技が開始されると、変身前の攻撃キャラA(味方キャラの1人)が敵キャラを攻撃する演出が実行される(図28(A)(a))。
例えば、1R目のラウンド遊技が開始される際に確変移行示唆演出として「ルートボタン演出」の実行が予め決定されていた場合、攻撃キャラAの攻撃に合わせてルートボタン演出が実行される(図28(A)(a)から(b)に進む演出ルート)。ルートボタン演出では、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた所定の有効期間(例えば、ルートボタン演出開始時から3秒間)が設定される。この有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作すると、操作に応じて攻撃キャラAの攻撃が成功したか否かを報知する演出が開始される(図28(A)(a)から(b)を介して(d)又は(e)に進む演出ルート)。一方、有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作しなかった場合、予め定められた有効期間の終了タイミング(例えば、ルートボタン演出開始時から3秒経過時)で、攻撃キャラAの攻撃が成功したか否かを報知する演出が開始される。
例えば、1R目のラウンド遊技が開始される際に確変移行示唆演出として、攻撃キャラBの登場が予め決定されていた場合、ルートボタン演出終了後に攻撃キャラAの攻撃が成功する演出が実行される。そして、敵キャラを攻撃する味方キャラとして攻撃キャラBが登場する(図28(A)(a)から(b)を介して(d)に進む演出ルート)。
これに対して、確変移行示唆演出として、攻撃キャラBの登場が予め決定されていなかった場合、ルートボタン演出終了後に攻撃キャラAの攻撃が失敗する演出が実行される。この場合、攻撃キャラBは登場しない(図28(A)(a)から(b)を介して(e)に進む演出ルート)。
本実施形態では、ルートボタン演出の実行と、攻撃キャラAの攻撃が成功するか否か、すなわち確変移行示唆演出として攻撃キャラBの登場が予め決定されているか否かとが直接的には関係しない。具体的には、ルートボタン演出の有無に関わらず、攻撃キャラAの攻撃が成功する場合もあるし失敗する場合もある。
確変移行示唆演出としてルートボタン演出を実行することが予め決定されていなかった場合(図28(A)(a)から(c)に進む演出ルート)、攻撃キャラAが敵キャラを攻撃すると、即座に攻撃キャラAの攻撃が成功したか否かを報知する演出が開始される。具体的には、1R目のラウンド遊技が開始される際に確変移行示唆演出として攻撃キャラBの登場が予め決定されていた場合、攻撃キャラAの攻撃が成功する演出が行われた後に攻撃キャラBが登場する(図28(A)(a)から(c)を介して(d)に進む演出ルート)。これに対して、確変移行示唆演出として攻撃キャラBの登場が予め決定されていなかった場合、攻撃キャラAの攻撃が失敗する演出が行われる。この場合、攻撃キャラBは登場しない(図28(A)(a)から(c)を介して(e)に進むパターン)。
その後、ジャッジ演出直前(すなわち7R目のラウンド遊技開始時)まで、味方キャラとして1人又は複数人の攻撃キャラ(例えば攻撃キャラC〜E)が敵キャラを攻撃する演出が実行される(図28(A)(f)〜(i))。なお、本実施形態ではこの演出によって、例えば、ルートボタン演出の有無と、ルートボタン演出中の演出ボタン26の操作の有無と、攻撃キャラBの有無、各ラウンド遊技において大入賞口13に規定数(例えば9個目)の遊技球が入賞したタイミングとにより生じる時間差を吸収する構成を採用している。これにより、7R目のラウンド遊技が開始されるのに伴ってジャッジ演出を開始することが可能であり(図28(A)(j))、演出の流れをスムーズにすることが可能である。
本実施形態では、ジャッジ演出直前までに登場する味方キャラの人数が多い程、味方キャラがバトルで勝つ期待度が相対的に高いことが示唆される。また、遊技者にとって有利な大当たり(大当たり図柄A及びB)である期待度(すなわち、V領域195が長開放される期待度、及び確変遊技状態(確変モード)に設定される期待度)が相対的に高いことが示唆される。さらに、登場した味方キャラが強い状態に変身している場合は、変身前の姿で登場した場合よりも、上記期待度が相対的に高いことが示唆される。例えば、ジャッジ演出直前に変身後の攻撃キャラC〜Eが登場すると、変身前の攻撃キャラCのみが登場する(すなわち攻撃キャラD及びEが登場しない)ときより、上記期待度が相対的に高いことが示唆される(図28(i)、(f))。
次に、図28(B)を参照しつつ、他図柄揃い用ラウンド中演出において確変移行示唆演出が何回実行されるかの決定割合の一例について説明する。例えば、演出制御基板130のサブCPU131は、1R目のラウンド遊技が開始される際に、確変移行示唆演出を実行するか否かと、実行する場合には何回実行するかと、どの演出が実行されるのかとのシナリオを決定する。サブCPU131は、例えば、確変移行示唆演出乱数(演出制御用の乱数の1つ)を用いた抽選により、大当たり図柄の種類に応じて異なる割合にてシナリオを決定する。サブCPU131は、例えば、サブROM132に予め記憶された確変移行示唆演出テーブル(不図示)を参照し、確変移行示唆演出乱数を用いた抽選を行う(図53参照)。確変移行示唆演出テーブルは、例えば、大当たり図柄の種類と、確変移行示唆演出の実行回数(0回(実行無し)を含む)と、実行する確変移行示唆演出の種類(例えばルートボタン演出)と、確変移行示唆演出乱数の値と比較するための判定値とを予め対応付けたテーブルである。
なお、ここでは説明を簡単にするために、確変移行示唆演出の実行回数に関する説明のみ行う。確変移行示唆演出テーブルでは、一例として、図28(B)に例示される割合で確変移行示唆演出乱数の値と比較するための判定値が割り振られている。なお、図28(B)は、確変移行示唆演出乱数の値と比較するための判定値そのものではなく、判定値の数の割合を例示している。
本実施形態では、確変移行示唆演出の実行回数が多い程、遊技者にとって有利な大当たりである可能性が相対的に高くなるように予め設定されている。例えば、確変移行示唆演出が2回実行されると、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技が実行されていることが報知される。また、確変移行示唆演出が1回でも実行されると、遊技者にとって有利な大当たり(すなわち大当たり図柄A又B)である可能性が相対的に非常に高いことが示唆される。また、確変移行示唆演出が実行されなかった場合には、遊技者にとってあまり有利ではない大当たり(すなわち大当たり図柄C)である可能性が相対的に高くなるように予め設定されている。
例えば、確変移行示唆演出乱数と比較される判定値は、確変移行示唆演出が実行されないことを示す「無し」、1回実行されることを示す「1回」、及び2回実行されることを示す「2回」に予め割り当てられている。なお、本実施形態では、確変移行示唆演出の実行回数と、確変移行示唆演出の演出内容(すなわちルートボタン演出および攻撃キャラBの登場)とがひも付けられており、実行回数が決定されると、その演出内容が一義的に定められる。このため、「1回」との判定結果に決定されると、ルートボタン演出の実行を決定する判定結果と、攻撃キャラBの登場を決定する判定結果とのうちの何れかに決定されたことになる。
具体的には、例えば、大当たり図柄Aに対応して、30%の割合で無しに決定され、60%の割合で1回に決定され、10%の割合で2回に決定される。具体的には、例えば「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜29」の範囲が無しに割り振られており、「30〜89」の範囲が1回に割り振られており、「90〜99」が2回に割り振られている。
また、大当たり図柄Bに対応して、65%の割合で無しに決定され、35%の割合で1回に決定されるが、2回には決定されない(すなわち決定割合0%)。具体的には、「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜64」の範囲が無しに割り振られており、「65〜99」の範囲が1回に割り振られており、2回には判定値が割り振られていない。
また、大当たり図柄Cに対応して、95%の割合で無しに決定され、5%の割合で1回に決定されるが、2回には決定されない(すなわち決定割合0%)。具体的には、「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜94」の範囲が無しに割り振られており、「95〜99」の範囲が1回に割り振られており、2回には判定値が割り振られていない。
次に、図28(C)を参照しつつ、他図柄揃い用ラウンド中演出において攻撃キャラC〜Eのうち何れの味方キャラを登場させるかの決定割合の一例について説明する。例えば、演出制御基板130のサブCPU131は、1R目のラウンド遊技が開始される際に、攻撃キャラC〜Eのうち何れの味方キャラを登場させるかのシナリオ(すなわち他図柄揃い用ラウンド中演出の演出ルート)を決定する。サブCPU131は、例えば、攻撃キャラ乱数(演出制御用の乱数の1つ)を用いた抽選により、大当たり図柄の種類に応じて異なる割合にてシナリオを決定する。サブCPU131は、例えば、サブROM132に予め記憶された攻撃キャラテーブル(不図示)を参照し、攻撃キャラ乱数を用いた抽選を行う(図53参照)。攻撃キャラテーブルは、例えば、大当たり図柄の種類と、攻撃キャラの種類と、攻撃キャラ乱数の値と比較するための判定値とを予め対応付けたテーブルである。攻撃キャラテーブルでは、一例として、図28(C)に例示される割合で攻撃キャラ乱数の値と比較するための判定値が割り振られている。なお、図28(C)は、攻撃キャラ乱数の値と比較するための判定値そのものではなく、判定値の数の割合を例示している。
このように本実施形態では、他図柄揃い用ラウンド中演出(すなわち1R目のラウンド遊技開始時)開始時からジャッジ演出直前までに登場する味方キャラが多い程、遊技者にとって有利な大当たり(例えば大当たり図柄A)である可能性が相対的に高くなるように予め設定されている。また、味方キャラが変身していないときよりも変身しているときの方が、遊技者にとって有利な大当たりである可能性が相対的に高い。例えば、変身後の攻撃キャラC〜Eがジャッジ演出直前に登場すると、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技が実行されていることが報知される。また、ジャッジ演出直前に変身前の攻撃キャラC及びD、又は変身前の攻撃キャラC〜Eが登場する場合には、遊技者にとって有利な大当たり(すなわち大当たり図柄A及びB)である可能性が相対的に高いことが示唆される。また、ジャッジ演出直前に変身前の攻撃キャラCのみが登場する場合には、遊技者にとってあまり有利ではない大当たり(すなわち大当たり図柄C)である可能性が相対的に高くなるように予め設定されている。
例えば、攻撃キャラ乱数と比較される判定値は、登場する味方キャラが変身前の攻撃キャラCのみであることを示す「C(変身前)」、変身前の攻撃キャラC及びDであることを示す「C・D(変身前)」、変身前の攻撃キャラC〜Eであることを示す「C・D・E(変身前)」、及び変身後の攻撃キャラC〜Eであることを示す「C・D・E(変身後)」に予め割り当てられている。
具体的には、例えば、大当たり図柄Aに対応して、10%の割合でC(変身前)に決定され、35%の割合でC・D(変身前)に決定され、50%の割合でC・D・E(変身前)に決定され、5%の割合でC・D・E(変身後)に決定される。具体的には、「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜9」の範囲がC(変身前)に割り振られており、「10〜44」の範囲がC・D(変身前)に割り振られており、「45〜94」の範囲がC・D・E(変身前)に割り振られており、「95〜99」がC・D・E(変身後)に割り振られている。
また、大当たり図柄Bに対応して、40%の割合でC(変身前)に決定され、33%の割合でC・D(変身前)に決定され、27%の割合でC・D・E(変身前)に決定されるが、C・D・E(変身後)には決定されない(すなわち決定割合0%)。具体的には、「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜39」の範囲がC(変身前)に割り振られており、「40〜72」の範囲がC・D(変身前)に割り振られており、「73〜99」の範囲がC・D・E(変身前)に割り振られており、C・D・E(変身後)には判定値が割り振られていない。
また、大当たり図柄Cに対応して、90%の割合でC(変身前)に決定され、6%の割合でC・D(変身前)に決定され、4%の割合でC・D・E(変身前)に決定されるが、C・D・E(変身後)には決定されない(すなわち決定割合0%)。具体的には、「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜89」の範囲がC(変身前)に割り振られており、「90〜95」の範囲がC・D(変身前)に割り振られており、「96〜99」の範囲がC・D・E(変身前)に割り振られており、C・D・E(変身後)には判定値が割り振られていない。
なお、図28(B)及び(C)を参照しつつ説明した演出の決定割合は一例に過ぎず、どのような決定割合でもよい。例えば、確変移行示唆演出の実行回数、又は攻撃キャラC〜Eの種類によって、遊技者にとってあまり有利ではない大当たり(すなわち大当たり図柄C)ではないことのみを示唆してもよい。また、例えば、遊技者にとって有利な大当たり(すなわち大当たり図柄A及びB)である場合にのみ攻撃キャラが1人だけ登場し、大当たり図柄A〜Cのうちの何れかに対応した大当たりでは2人以上の攻撃キャラが登場するように予め設定されてもよい。
また、他の実施形態では、例えば、ルートボタン演出が行われると攻撃キャラAの攻撃が成功し易く(または必ず成功する)、逆にルートボタン演出が行われないと攻撃キャラAの攻撃が失敗し易い(または必ず失敗する)ように予め設定されてもよい。
なお、他の実施形態では、確変移行示唆演出の種類は2種類(すなわちルートボタン演出および攻撃キャラBの登場)に限らず、複数の確変移行示唆演出が予め用意されていてもよい。例えば、ハンドル20に内蔵された発光素子を発光させながらスピーカ24から演出音(例えばキュインキュイン)を出力させる確変移行示唆演出をラウンド遊技開始時に実行してもよい。また、変身前の状態で登場した味方キャラ(例えば攻撃キャラC〜E)が変身する確変移行示唆演出を所定タイミング(例えば6R目のラウンド遊技中)に実行してもよい。また、味方キャラ(例えば攻撃キャラC)を示すカットイン画像(不図示)を所定時間(例えば4秒間)にわたって液晶画面5に断続的に表示させる確変移行示唆演出を備えてもよい。このような複数の確変移行示唆演出を備える場合、確変移行示唆演出乱数または演出内容を決定するための他の演出制御用乱数を用いた抽選により、予め設定された上限回数(例えば6回)以下から確変移行示唆演出の実行回数を決定した後に(または実行回数の決定と同時に)何れの確変移行示唆演出を実行するかを決定してもよい。
また、他の実施形態では、遊技者にとって有利な大当たり(大当たり図柄Aに対応した大当たり)確定であることを報知する特定の確変移行示唆演出(例えば攻撃キャラBの登場)を備えてもよい。この場合、他の大当たり図柄に対応した大当たり遊技中には特定の確変移行示唆演出が実行されない。遊技者は、特定の確変移行示唆演出が実行されたときから、有利な大当たりに当選していたことに満足感を感じながら遊技を楽しむことが可能である。
本実施形態では、確変移行示唆演出の実行回数の上限が2回であり、確変移行示唆演出が2回実行されると大当たり図柄Aに対応した大当たりであることが報知される。他の実施形態では、確変移行示唆演出の実行回数の上限は2回に限らず、何回実行されてもよい(例えば6回)。また、大当たり図柄Aに対応した大当たりであることが報知される実行回数は2回に限らず、1回又は複数回(例えば7回)でもよい。この場合、大当たり図柄B及びCに対応した大当たり遊技中には、大当たり図柄Aに対応した大当たりであることを報知する実行回数以外の何れかの回数の確変移行示唆演出が実行されたり、確変移行示唆演出が実行されなかったりする(すなわち実行回数0回)。
また、他の実施形態では、確変移行示唆演出の実行回数によって大当たり図柄Bに対応した大当たりである可能性を示唆してもよい。この場合、確変移行示唆演出の実行可能な期間は7R目のラウンド遊技開始時までに限らず、例えば、1R目のラウンド遊技開始時から11R目のラウンド遊技開始時までの何れかのタイミングで実行されてもよい。
また、他の実施形態では、大当たり図柄Aである場合と、大当たり図柄B及びCである場合とに応じて、確変移行示唆演出が何回実行されるかの決定割合(図28(B)参照)、及び攻撃キャラC〜Eのうち何れの味方キャラを登場させるかの決定割合(図28(C)参照)を異ならせてもよい。このような場合、1〜6R目のラウンド遊技中に大当たり図柄Bである可能性が示唆されない構成になる。
[ジャッジボタン演出の演出態様毎の決定割合例]
次に、図29を参照しつつ、7R目のラウンド遊技開始時から開始されるジャッジボタン演出の演出態様毎の決定割合の一例について説明する。例えば、演出制御基板130のサブCPU131は、1R目のラウンド遊技が開始される際に、ジャッジボタン演出の演出態様を、図19を参照しつつ説明したボタン演出の態様A〜Dの何れかに決定する。態様A〜Dは、液晶画面5に表示される演出ボタン画像51の種類と、演出役物71の動作の有無と、演出ボタン26の状態とが異なる。例えば、ジャッジボタン演出の演出態様はジャッジボタン演出乱数(演出制御用の乱数の1つ)を用いた抽選により、大当たり図柄の種類に応じて異なる割合にて決定される。サブCPU131は、例えば、サブROM132に予め記憶されたジャッジボタン演出テーブル(不図示)を参照し、ジャッジボタン演出乱数を用いた抽選を行う(図53参照)。ジャッジボタン演出テーブルは、例えば、大当たり図柄の種類と、ジャッジボタン演出の演出態様と、ジャッジボタン演出乱数の値と比較するための判定値とを予め対応付けたテーブルである。ジャッジボタン演出テーブルでは、一例として、図29に例示される割合でジャッジボタン演出乱数の値と比較するための判定値が割り振られている。なお、図29は、ジャッジボタン演出乱数の値と比較するための判定値そのものではなく、決定割合を例示している。
本実施形態では、遊技者にとって有利な大当たりである場合は、ジャッジボタン演出の態様が態様A以外に決定され易いように予め設定されている。一方、遊技者にとってあまり有利ではない大当たり(すなわち大当たり図柄C)である場合は、ジャッジボタン演出の態様が態様Aに決定され易いように予め設定されている。例えば、態様Dのジャッジボタン演出が実行されると、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技が実行されていることが報知される。このような設定により、演出ボタン画像51が模した演出ボタン26の状態の違い(通常状態、突出状態、及び発光色の違い)、演出役物71の動作の有無、演出ボタン26の上記状態の違いにより遊技者にとって有利な大当たりが実行されていることに対する期待度が示唆される。具体的には、態様D>態様C>態様B>態様Aの順で、大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技が実行されている可能性が高いことを示唆できる。
具体的には、例えば、大当たり図柄Aに対応して、20%の割合で態様Aに決定され、49%の割合で態様Bに決定され、30%の割合で態様Cに決定され、1%の割合で態様Dに決定される。具体的には、「0〜99」が判定値として設定される場合、「0〜19」の範囲が態様Aに割り振られており、「20〜68」の範囲が態様Bに割り振られており、「69〜98」の範囲が態様Cに割り振られており、「99」が態様Dに割り振られている。
また、大当たり図柄Bに対応して、80%の割合で態様Aに決定され、15%の割合で態様Bに決定され、5%の割合で態様Cに決定されるが、態様Dには決定されない(すなわち決定割合0%)。また、大当たり図柄Cに対応して、96%の割合で態様Aに決定され、3%の割合で態様Bに決定され、1%の割合で態様Cに決定されるが、態様Dには決定されない(すなわち決定割合0%)。
なお、図29を参照しつつ説明したジャッジボタン演出の演出態様毎の決定割合は一例に過ぎず、どのような決定割合でもよい。例えば、所定の態様(例えば態様B)でジャッジボタン演出が実行されることによって、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技が実行されている可能性が示唆されてもよい。
[大当たり図柄Aかつ他図柄揃いの場合に対応した大当たり遊技中の演出の具体例]
次に、図30を参照しつつ、大当たり図柄Aかつ他図柄揃いの場合に対応した大当たり遊技中に実行され得る演出の具体例について説明する。ここで、図30は、大当たりの種類が大当たり図柄Aであり、最終停止図柄が7図柄揃い以外である場合に対応した大当たり遊技中の演出の具体例について説明するための説明図である。
第1始動口11への入賞に基づいて大当たり遊技が開始されると、最終停止図柄が7図柄揃い以外である場合は大当たり図柄A〜Cのうちの何れに対応しても同じ演出画像が表示される他図柄揃い用オープニング演出が開始される(図30(A)参照)。例えば、他図柄揃い用オープニング演出開始時には、図30(A)に例示されるように、遊技者(すなわち味方キャラ)が倒すべき相手である敵キャラを示す敵キャラ登場画像57が液晶画面5に表示される。その後、大当たり図柄A〜Cのうちの何れに対応していても同じ大当たりのタイトルを示す他図柄揃い用大当たりタイトル画像(不図示)、及びオープニング演出用右打ち画像(不図示)が表示される。
そして、ラウンド遊技が開始されると、オープニング演出中に表示されたオープニング演出用右打ち画像とは形状および大きさが異なる右打ち画像と、大当たり態様の最終停止図柄が1図柄揃い(すなわち7図柄揃い以外)であったことを示す最終停止図柄画像とが液晶画面5に表示される。また、現在行われているラウンド数を報知するラウンド画像が液晶画面5に表示される。本実施形態では、上記右打ち画像および最終停止図柄画像は、大当たり図柄A〜Cのうちの何れに対応してもラウンド遊技開始時からエンディング期間開始時まで常に表示される。これに対して、ラウンド画像は大入賞口13が短開放を開始する際に消去される。
また、ラウンド遊技が開始されると、味方キャラと敵キャラとがバトルを続ける他図柄揃い用ラウンド中演出が実行される(図30(B)〜(E)参照)。このバトルにおいて、味方キャラが勝つとV入賞が容易なようにV領域195が必ず長開放され、大当たり遊技終了直後はV入賞を条件に確変遊技状態で遊技が制御される。逆に敵キャラが勝つとV入賞が困難なようにV領域195が短開放され易く、大当たり遊技終了直後は時短遊技状態で遊技が制御される易い。なお、通常遊技状態に制御されているときに実行された第1特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合、今回の大当たり遊技中に遊技制御基板100から払出制御基板に払い出しが指示された賞球数等は液晶画面5に表示されない。
例えば、4R目のラウンド遊技中に攻撃キャラAが敵キャラとバトルを繰り広げ、攻撃キャラAの有する武器による攻撃が敵キャラに届く直前でルートボタン演出が実行される(図30(B)及び(C)参照)。例えば、通常状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とが液晶画面5に表示されると共に、演出ボタン26が通常状態のまま白色に発光される。これにより、遊技者は、1回目の確変移行示唆演出としてルートボタン演出が実行されたことを認識可能であり、遊技者にとって有利な大当たり(すなわち大当たり終了直後は確変遊技状態)なのではないかと推測できる可能性がある。そして、有利な大当たりに対する期待感を高めながら遊技を続けることが可能である。
なお、ルートボタン演出の直前には、ルートボタン演出が実行される可能性を示唆するルートボタン示唆演出が行われてもよい。ルートボタン示唆演出では、例えば、100%以下の不透明度(例えば不透明度30%)で演出ボタン画像51及びゲージ画像52を表示してもよい。これにより、遊技者は、ルートボタン演出が実行される可能性を事前に把握することができる。なお、ルートボタン示唆演出の実行後に必ずルートボタン演出が実行されなくてもよく、ルートボタン示唆演出に続いてルートボタン演出が実行される場合と、実行されない場合(いわゆるガセ)があってもよい。例えば、ルートボタン示唆演出において、ガセではない場合には演出ボタン画像51と共にゲージ画像52を表示し、ガセである可能性が相対的に高い場合はボタン画像51を表示すると共にゲージ画像52を表示しなくてもよい。このような構成により、ルートボタン演出が実行されることへの期待感を遊技者に抱かせることが可能であり、ルートボタン演出の演出効果を向上し、有利な大当たりに対する遊技者の期待感を効果的に高めることが可能である。
例えば、2回目の確変移行示唆演出の実行が予め決定しているシナリオの場合には、ルートボタン演出終了後、攻撃キャラAの攻撃が成功した後に、敵キャラに対して電気を用いた攻撃を行う攻撃キャラBが登場する(図30(C)から(D)に進むパターン)。これにより、遊技者は、2回目の確変移行示唆演出として攻撃キャラBが登場したことを認識可能である。そして、遊技者は、大当たりの種類が遊技者にとって有利な大当たり(すなわち大当たり図柄A)であったことを認識し、V入賞さえすれば大当たり遊技終了直後は確変遊技状態(演出モードとしては確変モード)に設定されることに対する高揚感を感じながらその後の大当たり中演出を楽しむことが可能である。なお、図30(B)〜(D)は、4R目のラウンド遊技が行われている状態を例示しているので、ラウンド画像として、4R目のラウンド遊技中であることを報知する「ROUND04」の文字が表示されている。
これに対して、2回目の確変移行示唆演出(すなわち攻撃キャラBの登場)が実行されないシナリオの場合には、ルートボタン演出終了後に攻撃キャラAの攻撃が失敗する(図30(C)から(E)に進むパターン)。このような場合、遊技者は、確変移行示唆演出が既に1回実行されていることから(図30(C)参照)、遊技者にとって有利な大当たりである可能性が相対的に高いことを認識しつつも、若干力を落とす。そして、攻撃キャラAの攻撃は失敗したが、これから何人の攻撃キャラ(例えば攻撃キャラC〜E)が登場するかを期待しながら遊技を楽しむことが可能である。
例えば、6R目のラウンド遊技中に攻撃キャラC〜E(変身前)が登場する(図30(E)参照)。そして、7R目のラウンド遊技が開始されると共にジャッジ演出が開始されて、ジャッジボタン演出が態様B(図19(B)参照)で実行される(図30(F)参照)。例えば、突出状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とが液晶画面5に表示されると共に、演出ボタン26が赤色に発光して突出状態になる。このように、大当たり図柄Aに対応した大当たりである可能性が相対的に高い態様Bでジャッジボタン演出が実行されると、遊技者は、例えば、ジャッジ演出の結果が勝利であることをなかば確信しながら演出ボタン26を操作する可能性がある。なお、図30(E)は6R目のラウンド遊技中の状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND06」の文字が表示されている。また、図30(F)は7R目のラウンド遊技開始後間もない状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND07」の文字が表示されている。
なお、ジャッジボタン演出の直前には、ジャッジボタン演出が実行される可能性を示唆するジャッジボタン示唆演出が行われてもよい。ジャッジボタン示唆演出では、例えば、100%以下の不透明度(例えば不透明度30%)で、演出ボタン画像51及びゲージ画像52を表示してもよい。ジャッジボタン演出で表示され得る演出ボタン画像51は、通常状態または突出状態の演出ボタン26を模した画像になり得るので、何れの態様のジャッジボタン演出が実行されるかを示唆することで、ジャッジボタン演出の演出効果を向上することが可能である。また、進出位置に配置された状態の演出役物71を模した演出画像を表示して、ジャッジボタン演出が態様C又はDで実行される可能性を示唆してもよい。このような場合、演出役物71を模した演出画像の表示に続いて必ずジャッジボタン演出が態様C又はDで実行されてもよいし、実行されなくてもよい。このような構成により、ジャッジボタン演出の態様に対する興味を遊技者に抱かせることが可能であり、ジャッジボタン演出の演出効果を向上し、有利な大当たりに対する遊技者の期待感を効果的に高めることが可能である。
ジャッジボタン演出が終了すると、結果報知演出(勝利報知)が開始される(図30(G)参照)。結果報知演出(勝利報知)では、例えば、今回の大当たり遊技中に登場した攻撃キャラ(味方キャラ)が敵キャラを倒して勝利を誇る演出画像が表示される。また、「勝利」というメッセージ、およびV入賞が容易であり、V入賞すれば大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されること(演出モードとしては確変モード)を報知する「VチャレンジGET!」というメッセージが表示される。なお、図30(G)は7R目のラウンド遊技中の状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND07」の文字が表示されている。
その後、9R目のラウンド遊技開始時に第1確変報知演出が開始されると、例えば、V領域195への遊技球の打ち出しを遊技者に促す「次のラウンドでVを狙え!」というメッセージが液晶画面5に表示される。これと共に、例えば、遊技者に大入賞口13(V領域195)を注視させるような演出画像として、大入賞口13付近を指し示す矢印画像が液晶画面5に表示される(図30(H)参照)。これと共に、「次のラウンドでVを狙ってね」といった味方キャラのセリフがスピーカ24から出力される。また、枠ランプ37等における大入賞口13付近の発光素子が大入賞口13を強調するように発光する。図30(H)は、9R目のラウンド遊技において閉鎖条件が成立してインターバル期間が開始された状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND09」の文字が表示されている。この際、大入賞口13及びV領域195は閉鎖されている。
第1確変報知演出中に開始された10R目のラウンド遊技においてV入賞すると、V入賞に応じて第2確変報知演出が開始される。第2確変報知演出では、例えば、V入賞を報知するV入賞音がスピーカ24から所定時間(例えば4秒)出力されると共に、「V」といったV入賞を報知するV入賞報知画像が液晶画面5に表示される(図30(I)参照)。また、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26等の発光素子が、V入賞を報知する発光パターンで発光される。また、演出役物71が、V入賞を報知する動作パターンで動作すると共に、V入賞を報知する発光パターンで発光されてもよい。なお、図30(I)は遊技球がV領域195を通過した直後である10R目のラウンド遊技中の状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND10」の文字が表示されている。この際、大入賞口13及びV領域195は長開放されている。
その後、11R目のラウンド遊技開始時から確変移行エンディング演出が開始される(図30(J)参照)。
なお、11R目のラウンド遊技中にはエンディング演出が実行されるので、短開放ラウンド遊技が行われて大入賞口13が短開放されるが、ラウンド画像は表示されない。なお、本実施形態では、大入賞口13に遊技球が基本的に入賞しない短開放ラウンド遊技中には、その短開放ラウンド遊技が何R目のラウンド遊技(ここでは11R目のラウンド遊技)であるかを報知するラウンド画像は表示されない。
確変移行エンディング演出では、大当たり図柄Aであって最終停止図柄が7図柄揃いである場合と同様に、確変モードへの移行を示唆する演出画像(例えば、橙色の背景画像)と、確変モード及び時短モードを総称した演出モードの名称(例えば「RUSH」)を示す演出画像と、注意喚起画像とが液晶画面5に表示される(例えば図26(F)参照)。遊技者は、確変モードへの移行を示唆する演出画像を視認して確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)に移行することを認識可能である。
予め定められたエンディング期間が終了するとエンディング演出が終了し、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変遊技状態(演出モードとしては確変モード)に制御されることになる。そして、例えば、第2特別図柄の変動開始に応じて装飾図柄の変動表示が開始される。また、ラウンド遊技中に表示されていた右打ち画像と同じ(異なってもよい。)右打ち画像が所定期間(例えば6秒)表示された後に消去される。
図30に示す例では、確変移行示唆演出が2回とも4R目のラウンド遊技中に実行されるが、確変移行示唆演出の実行タイミングはこれに限らない。例えば、1R目のラウンド遊技開始時でもよいし、6R目のラウンド遊技中でもよい。
なお、大当たり遊技中には、入賞に関する役物(例えば、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14)への遊技球の入賞に応じて、スピーカ24から演出音(例えばフォンといった効果音)を出力する入賞に関する役物と、演出音を出力しない入賞に関する役物とを予め設定してもよい。一例として、所定の長開放ラウンド遊技中において、規定数以内の遊技球が大入賞口13に入賞したことに応じて演出音を出力せず、規定個数以上の遊技球が大入賞口13に入賞した場合には入賞に応じて演出音を出力してもよい。そして、普通入賞口14に遊技球が入賞する毎に演出音を出力してもよい。このような構成により、遊技者は、大当たり遊技が実行されることによって得られる賞球数以上の賞球を得られたことを認識して喜びを感じる可能性がある。また、入賞に応じてスピーカ24から演出音として、遊技者にとって有利な大当たりである可能性を示唆可能な演出音を出力可能でもよい。このような演出音は、所定のラウンド遊技(例えば7R目のラウンド遊技)が開始されるまでは出力可能であり、それ以降のラウンド遊技中は出力されなくてもよいし、出力されてもよい。また、特別図柄判定の保留の中に、大当たりと判定されることになる保留があることを示唆可能な演出音を予め備えてもよい。
なお、第2確変報知演出、又は上記入賞に関する役物への遊技球の入賞に応じた演出音を出力する演出の演出態様によって、保留されている第2特別図柄判定の中に大当たりであると判定されることになるものがあることを示唆してもよい。また、保留されている第1特別図柄判定の中に大当たり図柄A又はBと判定されることになるものがあることを示唆してもよい。例えば、大当たりと判定されることになるものがある場合には立体音響効果ありのV入賞音を出力し、ハズレと判定されるものしかない場合には立体音響効果なしのV入賞音を出力してもよい。
なお、第2確変報知演出が実行されるラウンド遊技中には、上記入賞に関する役物への遊技球の入賞に応じて、スピーカ24から演出音を出力しないように予め設定してもよい。なお、第2確変報知演出中であっても、V入賞音の出力が終了した後には、上記入賞に関する役物への遊技球の入賞に応じて、スピーカ24から演出音を出力してもよい。
[大当たり図柄Bかつ他図柄揃いの場合に対応した大当たり遊技中の演出の具体例]
次に、図31を参照しつつ、大当たり図柄Bかつ他図柄揃いの場合に対応した大当たり遊技中に実行され得る演出の具体例について説明する。ここで、図31は、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技中の演出の具体例について説明するための説明図である。
例えば、第1始動口11に遊技球が入賞したことに基づいて1図柄揃いの最終停止図柄が停止表示され、その直後に実行された大当たり遊技において攻撃キャラAが敵キャラとバトルを繰り広げる(図31(A)参照)。例えば、1回目の確変移行示唆演出としてルートボタン演出の実行が予め決定されていないシナリオの場合には、攻撃キャラAと敵キャラとのバトル中にルートボタン演出が実行されない。なお、図31(A)は、4R目のラウンド遊技中の状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND04」の文字が表示されている。
その後、例えば、1回目の確変移行示唆演出として攻撃キャラBの登場が予め決定されていないシナリオの場合には、攻撃キャラAの攻撃が失敗する(図28(A)(a)から(c)を介して(e)に進むパターン)。このような場合、遊技者は、確変移行示唆演出が1回も実行されなかったことから、遊技者にとって有利な大当たりである可能性が相対的に低いのではないかと予想することが可能である。そして、これから何人の攻撃キャラ(例えば攻撃キャラC〜E)が登場するかに期待しながら遊技を楽しむことが可能である。
例えば、6R目のラウンド遊技中に攻撃キャラCが登場し、7R目のラウンド遊技が開始されると共にジャッジ演出が開始されて、ジャッジボタン演出が態様A(図19(A)参照)で実行される(図31(B)及び(C)参照)。例えば、通常状態の演出ボタン26を模した演出ボタン画像51とゲージ画像52とが液晶画面5に表示されると共に、演出ボタン26が通常状態のまま白色に発光される。態様Aのジャッジボタン演出は、遊技者にとってあまり有利ではない大当たり(すなわち大当たり図柄C)である可能性が相対的に高いことを示唆する演出である(図29参照)。このため、遊技者は、例えば、大当たり遊技終了直後の遊技状態が時短遊技状態なのではないかと少し落胆しながらジャッジボタン演出中に演出ボタン26を操作する可能性がある。なお、図31(B)は6R目のラウンド遊技中の状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND06」の文字が表示されている。また、図31(C)は7R目のラウンド遊技開始後間もない状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND07」の文字が表示されている。
ジャッジボタン演出が終了すると、結果報知演出(敗北報知)が開始される(図31(D)参照)。結果報知演出(敗北報知)では、例えば、攻撃キャラA及び攻撃キャラCが敵キャラに倒される演出画像が表示されたり、「敗北」というメッセージが表示されたりする。なお、図31(D)は7R目のラウンド遊技中の状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND07」の文字が表示されている。
その後、9R目のラウンド遊技が開始されると、キャラ紹介演出が開始されて、例えば、紹介されるキャラクタを示すキャラ紹介画像と、キャラクタの紹介文を示す紹介文画像とが液晶画面5に表示される(図31(E)参照)。なお、図31(E)は9R目のラウンド遊技中の状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND09」の文字が表示されている。この際、大入賞口13は長開放されており、V領域195は閉鎖されている。
そして、キャラ紹介演出中に、大入賞口13(及びV領域195)が短開放された後に閉鎖される(図31(F)参照)。このように大入賞口13が短開放される様子を視認した遊技者は、大当たり遊技終了直後の遊技状態は時短遊技状態なのだろうと落胆しながら大入賞口13を狙った遊技球の打ち出しを一時中断する可能性がある。なお、図31(F)は10R目のラウンド遊技以降の状態を例示しており、ラウンド画像は表示されていない。このため、遊技者は、10R目以降のラウンド遊技が行われていることは認識可能であるが、実際に何R目のラウンド遊技が実行されているかは認識できない。
その後、キャラ紹介演出中に、大入賞口13(及びV領域195)が長開放されると(図31(G)参照)、遊技者は、大入賞口13を狙った遊技球の打ち出しを再開する。例えば、V領域195の態様に興味を抱いていない多くの遊技者は、大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技における最終ラウンド遊技(すなわち11R目のラウンド遊技)が開始されたと勘違いして大当たり遊技終了後は時短モードなのだろうと考えながら遊技球を打ち出す可能性が高い。なお、例えば、V領域195の態様に注目していた一部の遊技者は、大入賞口13と共にV領域195が長開放されており、V入賞容易であることを認識することが可能である。なお、図31(G)は、10R目のラウンド遊技において大入賞口13及びV領域195が、0.2秒間短開放された後に1秒間閉鎖され、29秒間の長開放を開始した直後の状態を例示している。このとき、ラウンド画像は表示されていない。
そして、長開放された大入賞口13(V領域195)に所定個数目(例えば1個目)の遊技球が進入すると、図31(H)に例示されるように、10R目のラウンド遊技中であることを報知するラウンド画像として「ROUND10」の文字が液晶画面5に表示される。図31(H)は、大入賞口13及びV領域195が長開放されており、遊技球がV領域195を通過した直後である10R目のラウンド遊技中の状態を例示している。
なお、本実施形態では、V入賞に応じて「ROUND10」の文字が表示されるが、その際、第2確変報知演出と同様の演出は実行されない。具体的には、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技中には、V入賞可能なラウンド遊技中に第2確変報知演出が実行されない。また、V入賞に応じて、例えば、V入賞音が出力されず、盤ランプ25等の発光素子がV入賞を報知する発光パターンで発光されない。この様に、V入賞に応じて即座に第2確変報知演出が実行されないので、遊技者は、大当たり遊技終了後は時短モードなのだろう(すなわち大当たり図柄Cに対応した大当たり)と勘違いしたまま遊技を続ける可能性がある。
ここで、本実施形態では、「ROUND10」の文字を表示する演出は、V入賞を示唆する演出であり、大当たり遊技終了直後に確変遊技状態で遊技が制御されること(演出モードとしては確変モード)を示唆する演出である。このため、遊技者は、「ROUND10」の文字が表示された時点で、大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されることを認識可能な場合がある。具体的には、本実施形態では、「ROUND10」の文字を表示する演出は、例えば、結果報知演出(勝利演出)が実行されたという第1条件が満たされた場合に実行可能に制御される。または、「ROUND10」の文字を表示する演出は、結果報知演出(敗北演出)が実行されたという第2条件と、V入賞したという第3条件との2つの条件が満たされた場合に実行可能に制御される。
その後、キャラ紹介演出中に大入賞口13及びV領域195が閉鎖される。そして、11R目のラウンド遊技開始タイミングが到来すると、キャラ紹介演出が終了して第2確変報知演出が開始される。これにより、大当たり遊技終了後は時短モードなのだろう(すなわち大当たり図柄Cに対応した大当たり)と勘違いしていた遊技者は、確変モード(確変遊技状態)に移行することを認識可能である。
大当たり図柄Bに対応した第2確変報知演出では、大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出と同様に、例えば、V入賞を報知するV入賞音がスピーカ24から所定時間(例えば4秒)出力されると共に、「V」といったV入賞を報知するV入賞報知画像が液晶画面5に表示される(図31(I)参照)。また、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26等の発光素子が、V入賞を報知する発光パターンで発光される。また、演出役物71が、V入賞を報知する動作パターンで動作すると共に、V入賞を報知する発光パターンで発光されてもよい。
ここで、大当たり図柄Aに対応した第2確変報知演出は10R目の長開放ラウンド遊技中およびその直後のインターバル期間中に実行される。このため、大当たり図柄Aに対応した場合には、図30(I)に例示されるように第2確変報知演出中に「ROUND10」の文字が表示される。これに対して、大当たり図柄Bに対応した第2確変報知演出は11R目の短開放ラウンド遊技中およびその直後のインターバル期間中に実行される。このため、図31(I)に例示されるように第2確変報知演出中に「ROUND10」の文字は表示されない。なお、図31(I)は、11R目のラウンド遊技において、V領域195の閉鎖中に大入賞口13が短開放された後に閉鎖されてインターバル期間が開始された状態を例示している。
その後、予め定められたエンディング期間の開始タイミングが到来すると、確変移行エンディング演出が開始される(図31(J)参照)。確変移行エンディング演出では、大当たり図柄Aかつ7図柄揃いである場合と同様に、確変モードへの移行を示唆する演出画像(例えば、橙色の背景画像)が表示されるため、遊技者は確変遊技状態(確変モード)への移行を認識可能である。そして、予め定められたエンディング期間が終了すると確変移行エンディング演出が終了し、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変遊技状態(演出モードとしては確変モード)に制御されることになる。
なお、キャラ紹介演出中に開始された10R目のラウンド遊技中にV入賞しなかった場合、「ROUND10」の文字は液晶画面5に表示されず、大当たり遊技終了直後は時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
本実施形態では、所定の演出(例えば結果報知演出(敗北報知))が実行された場合には、V入賞に応じて「ROUND10」の文字を表示することによって、大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されることが示唆される場合について説明した。V入賞を示唆する演出はこれに限らず、どのような態様でもよい。他の実施形態では、V入賞に応じて、第2確変報知演出および「ROUND10」の文字を表示する演出とは異なる態様で、例えば、盤ランプ25等の発光素子がV入賞を示唆する発光パターンで発光されてもよい。
[大当たり図柄Cかつ他図柄揃いの場合に対応した大当たり遊技中の演出の具体例]
次に、図32を参照しつつ、大当たり図柄Cかつ他図柄揃いの場合に対応した大当たり遊技中に実行され得る演出の具体例について説明する。ここで、図32は、大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技中の演出の具体例について説明するための説明図である。
例えば、第1始動口11に遊技球が入賞したことに基づいて1図柄揃いの最終停止図柄が停止表示され、その直後に実行された大当たり遊技において攻撃キャラAが敵キャラとバトルを繰り広げる(図32(A)参照)。例えば、確変移行示唆演出の実行が予め決定されていないシナリオの場合には、図31(A)〜(C)と同様の流れでジャッジ演出が開始されてジャッジボタン演出が態様A(図19(A)参照)で実行される(図32(A)〜(C)参照)。
ジャッジボタン演出が終了すると、図31(D)と同様に、結果報知演出(敗北報知)が開始される(図32(D)参照)。その後、9R目のラウンド遊技が開始されると、図31(E)と同様に、キャラ紹介演出が開始される(図32(E)参照)。なお、図32(E)は、9R目のラウンド遊技中の状態を例示しているので、ラウンド画像として「ROUND09」の文字が表示されている。この際、大入賞口13は長開放されており、V領域195は閉鎖されている。
そして、図31(F)と同様に、キャラ紹介演出中に、大入賞口13(及びV領域195)が短開放された後に閉鎖される(図32(F)参照)。大当たり図柄Cに対応した大当たりの場合、V入賞が困難であるようにV領域195が短開放されるので基本的にV入賞しない。このため、図31(H)に例示される大当たり図柄Bに対応したキャラ紹介演出中と異なり、大当たり図柄Cに対応したキャラ紹介演出中はラウンド画像として「ROUND10」の文字が表示されない。なお、図32(F)は、9R目のラウンド遊技において閉鎖条件が成立した以降の状態を例示しており、ラウンド画像は表示されていない。このため、遊技者は、10R目以降のラウンド遊技が行われていることは認識可能であるが、実際に何R目のラウンド遊技が実行されているかは認識できない。
その後、キャラ紹介演出中に、大入賞口13が長開放されると、遊技者は、大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技における最終ラウンド遊技(すなわち11R目のラウンド遊技)が開始されたと考える可能性が高い。そして、大当たり遊技終了後は時短モードだろうと考えながら大入賞口13を狙った遊技球の打ち出しを再開する(図32(G)参照)。なお、図32(G)は、11R目のラウンド遊技中に、具体的なラウンド遊技数を示さない「FINAL ROUND」という文字がラウンド画像として表示されている状態を例示している。この際、大入賞口13は長開放されており、V領域195は閉鎖されている。
その後、キャラ紹介演出中に大入賞口13が閉鎖され、予め定められたエンディング期間の開始タイミングが到来すると、時短移行エンディング演出が開始される(図32(H)参照)。時短移行エンディング演出では、例えば、確変移行エンディング演出と異なる演出画像であって時短モードへの移行を示唆する演出画像(例えば、緑色の背景画像)と、確変モード及び時短モードを総称した演出モードの名称(例えば「RUSH」)を示す演出画像と、注意喚起画像とが表示される。遊技者は、時短モードへの移行を示唆する演出画像を視認して時短遊技状態(低確率状態かつ時短状態)に移行することを認識可能である。そして、予め定められたエンディング期間が終了すると時短移行エンディング演出が終了し、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短遊技状態(演出モードとしては時短モード)に制御されることになる。
図13〜図23を参照しつつ敵キャラ先読み演出の演出態様等について説明し、図24〜図32を参照しつつ大当たり遊技中の演出態様等について説明したが、これらの演出態様は一例であって、他のものでもよいことは言うまでもない。また、他の実施形態では、敵キャラ先読み演出および大当たり遊技中の演出を構成する演出の種類やその数、及びその決定割合も、本実施形態で例示した以外のものでもよい。
以下、上述した演出を実現するためにパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図33を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図33は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、一定時間(例えば4ミリ秒)毎に定期的にタイマ割込みがかかるように設定されている。タイマ割込みが発生すると、遊技制御基板100は、図33に例示されている一連の処理を実行する。なお、図33以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、遊技制御基板100のメインCPU101は、特別図柄判定用の乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数)の一部(又は全部)をソフトウェアにより更新するための乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
例えば、特別図柄判定用の乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。なお、各乱数は、遊技制御基板100に備えられた乱数回路によって更新されるよう予め設定されていてもよい。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ111、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ112等の各スイッチから入力される検知信号の状態を判定するスイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図34に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。特別図柄処理では、大当たりであるか否か、大当たり種別、特別図柄の変動パターン等が決定される。この特別図柄処理については、図38に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を動作させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、大入賞口制御部118及びV入賞口制御部119を制御して大入賞口13及びV領域195を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。この大入賞口開放制御処理については、図42に基づいて後に詳述する。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図34は、図33のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図34に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の特別図柄判定用の乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図35に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の特別図柄判定用の乱数を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図37に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の普通図柄乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図35は、図34のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図35に例示されるように、メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS2101)。例えば、第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号が入力された場合に、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定される。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS2101:YES)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得する(ステップS2102〜2105)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS2106)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS2106:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS2107)。
ステップS2107の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS2108)。この時短遊技フラグは、現在の遊技状態が、普通図柄判定において第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/1.1)である場合に「ON」に設定されるフラグである。そして、普通図柄判定において第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)である場合に「OFF」に設定されるフラグである。
メインCPU101は、時短遊技フラグが「ON」ではない(すなわち「OFF」)と判定した場合(ステップS2108:NO)、事前判定処理を実行する(ステップS2109)。この事前判定処理については、図36に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS2109の事前判定処理を実行した場合、又は時短遊技フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS2108:YES)、ステップS2102〜2105の処理で取得した各種乱数を、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034における空きエントリの最上位に格納する(ステップS2110)。
メインCPU101は、ステップS2110の処理に続いて、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS2111)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS2109の処理で得られた事前判定情報を含むものである。保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS2111の処理を実行した場合、第1始動口スイッチ111が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS2101:NO)、又は、保留数U1が最大保留数Umax1未満でないと判定した場合(ステップS2106:NO)、メインCPU101は図35に示す処理を終了する。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図36を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図36は、図35のステップS2109、及び図37のステップS2209における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図35のステップS2108の処理で時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合、又は図37のステップS2208の処理で時短遊技フラグが「ON」であると判定した場合、大当たりか否かを事前に判定する(ステップS2171)。具体的には、現在の遊技状態が低確率状態である場合には、低確率時用大当たり判定テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。一方、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、高確率時用大当たり判定テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。そして、図35のステップS2102の処理(又は図37のステップS2202の処理)で取得した大当たり乱数が、メインRAM103にセットした大当たり判定テーブルに格納されている判定値のいずれかと一致するか否かに基づいて、後述する大当たり判定処理(図39参照)に先立って大当たりと判定されるか否かを判定する。
なお、事前判定処理が実行されてから実際に大当たり判定処理が実行されるまでの間に大当たりと判定される特別図柄判定の保留があると、実際に大当たり判定処理が実行されるまでに遊技状態が変化する場合がある。このため、事前判定処理が実行された際の遊技状態と、大当たり判定処理が実行される際の遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。このような不整合を防止するため、本実施形態では、メインCPU101は、メインRAM103に現在記憶されている先の特別図柄判定の保留内に遊技状態の変更を伴う保留がある場合には、変更後の遊技状態に基づいて大当たりか否かを判定する。
また、事前判定処理が実行されてから実際に大当たり判定処理が実行されるまでの間に、図43を参照しつつ後述する時短遊技残余回数Jまたは高確率遊技残余回数Kが「0」になると、実際に大当たり判定処理が実行されるまでに遊技状態が変化する場合がある。このような場合も、事前判定処理が実行された際の遊技状態と、大当たり判定処理が実行される際の遊技状態とが、必ずしも一致するとは限らなくなる。このような不整合を防止するため、本実施形態では、メインCPU101は、メインRAM103に現在記憶されている先の特別図柄判定の保留内に、時短遊技残余回数Jまたは高確率遊技残余回数Kが「0」になる保留がある場合には、変更後の遊技状態(すなわち低確率状態かつ非時短状態)に基づいて大当たりか否かを判定する。
ステップS2171の処理で大当たりであると事前判定された場合(ステップS2171:YES)、ステップS2171の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された図柄乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図39参照)に先立って大当たり図柄の種類を判定する(ステップS2172)。そして、現在または変更後の遊技状態に対応した大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2173)。続いて、メインCPU101は、メインRAM103にセットされた大当たり用変動パターンテーブルを参照し、後述する変動パターン決定処理(図40参照)に先立って、ステップS2171の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数に基づいて、ステップS2172の処理で判定した大当たり図柄に対応する変動パターンの種類を判定する(ステップS2174)。
そして、メインCPU101は、ステップS2171の判定結果、ステップS2172の処理およびステップS2173の処理の結果を事前判定情報として図6に基づいて上述したメインRAM103の記憶領域に格納する(ステップS2175)。
一方、メインCPU101は、ステップS2171の処理で大当たりではない(すなわちハズレ)と事前判定された場合(ステップS2171:NO)、現在のまたは変更後の遊技状態に応じて、リーチ乱数の値と比較するための判定値のうち、第1特別図柄判定の保留数に関わらず13.5秒以下の変動パターンから変動パターンを決定することになる値(以下、「非リーチ閾値」という。)をメインRAM103に設定する(ステップS2176)。また、リーチ乱数の値と比較するための判定値のうち、特別図柄判定の保留数に関わらず13.5秒を超える変動パターンから変動パターンを決定することになる値(以下、「リーチ閾値」という。)を設定する(ステップS2176)。例えば、メインCPU101は、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率状態かつ非時短状態)の場合、非リーチ閾値に84を設定し、リーチ閾値に95を設定する(図10(A)参照)。
そして、メインCPU101は、ステップS2171の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得されたリーチ乱数の値が、非リーチ閾値より大きいか否かを判定する。これにより、実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒以下の変動パターンと判定可能か否かを判定できる。メインCPU101は、リーチ乱数の値が非リーチ閾値よりも大きくないと判定した場合、すなわち実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒以下の変動パターンと判定可能であると判定した場合(ステップS2177:YES)、現在の遊技状態に対応した非リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2178)。
これに対して、メインCPU101は、リーチ乱数の値が非リーチ閾値よりも大きいと判定した場合、すなわち実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒以下の変動パターンと判定可能ではないと判定した場合(ステップS2177:NO)、リーチ乱数の値が、リーチ閾値より大きいか否かを判定する(ステップS2179)。これにより、実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒を超える変動パターンと判定可能か否かを判定できる。メインCPU101は、リーチ乱数の値がリーチ閾値よりも大きいと判定した場合、すなわち実際に特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒を超える変動パターンと判定可能であると判定した場合(ステップS2179:YES)、現在の遊技状態に対応したリーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2180)。一例として、通常遊技状態(低確率状態かつ非時短状態)に設定されているときに参照されるリーチ用変動パターンテーブルには、第1特別図柄判定実行時の保留数に関わらずリーチ用変動パターンH10、H20、H23、H26、及びH29には、同じ範囲の判定値が予め割り振られている(図12(C)参照)。
メインCPU101は、特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンが13.5秒を超える変動パターンと判定可能でないと判定した場合(ステップS2179:NO)、すなわちリーチ乱数の値が、実際に特別図柄判定が実行される際の特別図柄判定の保留数に基づいて13.5秒以下の変動パターンか否かが異なる範囲である場合には(図10参照)、リーチ用変動パターンテーブル及び非リーチ用変動パターンテーブルをメインRAM103にセットする(ステップS2181)。
なお、他の実施形態では、メインCPU101は、ステップS2181の処理に代えて、リーチ用変動パターンテーブル及び非リーチ用変動パターンテーブルのうちの何れか一方をセットする処理を行ってもよい。また、他の実施形態では、メインCPU101は、ステップS2179の処理においてNOと判定された場合には、ステップS2181の処理を行わず(すなわち何れの変動パターンテーブルもセットせず)、後述するステップS2182の処理も実行せずに図36に示す処理を終了してもよい。
メインCPU101は、ステップS2178の処理、ステップS2180の処理、又はステップS2181の処理においてメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照し、後述する変動パターン決定処理(図40参照)に先立って、ステップS2171の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンの種類を判定する(ステップS2182)。
そして、メインCPU101は、例えば、ステップS2171の判定結果、ステップS2177の判定結果、ステップS2179の判定結果、ステップS2182の処理の結果を事前判定情報として図6に基づいて上述したメインRAM103の記憶領域に格納する(ステップS2175)。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図37は、図34のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図37に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS2201)。例えば、第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号が入力された場合に、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定される。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS2201:YES)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得する(ステップS2202〜2205)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS2206)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS2206:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS2207)。
ステップS2207の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS2108の処理と同様に、メインRAM103に記憶された時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS2208)。メインCPU101は、時短遊技フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS2208:YES)、図36を参照しつつ上述した事前判定処理を実行する(ステップS2209)。
メインCPU101は、ステップS2209の事前判定処理を実行した場合、又は時短遊技フラグが「ON」ではない(すなわち「OFF」)と判断した場合(ステップS2208:YES)、ステップS2202〜2205の処理で取得した各種乱数を、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038における空きエントリの最上位に格納する(ステップS2210)。
メインCPU101は、ステップS2210の処理に続いて、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS2211)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS2209の処理で得られた事前判定情報を含む。保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS2211の処理を実行した場合、第2始動口スイッチ112が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS2201:NO)、又は、保留数U2が最大保留数Umax2未満でないと判定した場合(ステップS2206:NO)、メインCPU101は図20に示す処理を終了する。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図38を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図38は、図33のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図38に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS305:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域1035〜1038に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を1エントリずつ上位にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域1031〜1034に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を1エントリずつ上位にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、始動口入賞時に取得された大当たり乱数が、メインROM102に予め用意された大当たり判定テーブルに規定されている判定値の何れと一致するか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される。また、大当たりであると判定された場合には、始動口入賞時に取得された図柄乱数が、メインROM102に予め用意された図柄決定テーブルに規定されている判定値のいずれかと一致するか否かに基づいて大当たり図柄が決定されることによって、大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図39に基づいて後に詳述する。
図38の表記から明らかなように、メインCPU101は、大当たり遊技中ではなく、図柄変動中でもないといった始動条件が成立すると、このステップS309において、始動口入賞時に取得した大当たり乱数等に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン決定処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン決定処理については、図40に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で決定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で決定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。
この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶画面5における装飾図柄の変動表示等が開始されることになる。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域1030に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜311の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示を開始する。一方、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜311の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶画面5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で決定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、変動表示させていた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。この停止中処理については、図39に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図39は、図38のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が、低確率状態である場合には、低確率用大当たり判定テーブル(不図示)をメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。一方、メインCPU101は、現在の遊技状態が、高確率状態である場合には、高確率用大当たり判定テーブル(不図示)をメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。例えば、低確率用大当たり判定テーブル及び高確率用大当たり判定テーブルには、図8(A)に例示される決定割合となるように、大当たり乱数と比較される判定値が大当たり又はハズレに予め割り当てられている。メインCPU101は、図35のステップS2102の処理(又は図37のステップS2202の処理)で取得した大当たり乱数の値が、メインRAM103にセットされた大当たり判定テーブルに定められた判定値の何れと一致するかに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判定された場合(ステップS3092:YES)、メインCPU101は、メインROM102に予め記憶されている図柄決定テーブルを参照して、ステップS3091の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030に記憶されている図柄乱数に基づいて大当たり図柄の種類を決定し、その設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3093)。大当たり図柄の種類が決定されることによって、大当たりの種類が決定されることになる。具体的には、例えば、図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、メインCPU101は、その図柄乱数が、第1始動口用図柄決定テーブル(不図示)に規定されているどの判定値と一致するかに基づいて、大当たり図柄を決定する。また、図柄乱数が第2特別図柄判定に係るものである場合には、メインCPU101は、その図柄乱数が、第2始動口用図柄決定テーブル(不図示)に規定されているどの判定値と一致するかに基づいて、大当たり図柄を決定する。例えば、図8(B)に例示される決定割合で大当たりの種類が決定されるように、第1始動口用図柄決定テーブル及び第2始動口用図柄決定テーブルには、図柄乱数と比較される判定値が各大当たり図柄に予め割り当てられている。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判定した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、ステップS317の処理において、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42にハズレ図柄が停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。以上でメインCPU101は図39に示す処理を終了する。
[遊技制御基板100による変動パターン決定処理]
図40は、図38のステップS310における変動パターン決定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、まず、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判定した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブル(不図示)をメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。なお、変動パターンテーブルは、特別図柄の変動パターンと、変動パターン乱数と比較するための判定値とが対応付けられたテーブルであり、遊技状態毎にメインROM102に予め記憶されているテーブルである。大当たり用変動パターンテーブルには、例えば図11に例示されるような大当たり用の特別図柄の変動パターンが予め複数定められている。例えば、メインCPU101は、現在の遊技状態に対応した変動パターンテーブルをメインROM102から読み出し、メインRAM103にセットする。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判定した場合(ステップS3101:NO)、すなわちハズレである場合、特別図柄の変動パターンを、13.5秒以下の変動パターンから決定するか否かを決定する(ステップS3103)。具体的には、メインCPU101は、入賞始動口が同じである特別図柄判定の保留数に基づいて、ステップS3091の処理で使用した大当たり乱数と共に判定用記憶領域1030に記憶されたリーチ乱数の値がリーチ乱数と比較するための判定値の何れと一致するかを判定する。
メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを13.5秒を超える変動パターンから決定する場合(ステップS3103:NO)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。一方、13.5秒以下の変動パターンから決定する場合(ステップS3103:NO)、非リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。リーチ用変動パターンテーブルには、例えば図11に例示されるようなリーチハズレ用の特別図柄の変動パターンが予め複数定められている。また、非リーチ用変動パターンテーブルには、保留数に対応して、非リーチ用の特別図柄の変動パターンが予め複数定められている。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して、特別図柄の変動パターンを決定し、その設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。具体的には、メインCPU101は、ステップS3091の処理で使用した大当たり乱数と共に判定用記憶領域1030に記憶された変動パターン乱数が、変動パターンテーブルに規定された判定値のうちのどの値と一致するかに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。例えば、図12に例示されるような決定割合で何れか1つの変動パターンに決定される。例えば、大当たり用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、メインCPU101は、変動パターン乱数が、大当たり用変動パターンテーブルに規定された判定値のうちのどの値と一致するかに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。また、例えば、非リーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、メインCPU101は、変動パターン乱数に基づいて、ステップS308のシフト処理後の保留数に対応した変動パターンを決定する。変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた特別図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含められて、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。以上でメインCPU101は図40に示す処理を終了する。
[遊技制御基板100による停止中処理]
図41は、図38のステップS319における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、ステップS318の処理によって変動時間をリセットした後、図20に例示されるように、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS3191)。ここで、大当たりであると判定した場合(ステップS3191:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3192)。
メインCPU101は、ステップS3192の処理に続いて、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグ及び高確率遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3193)。この高確率遊技フラグは、現在の遊技状態が、大当たりと判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/108)に設定された状態である場合に「ON」に設定されるフラグである。そして、大当たりと判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/320)に設定された状態である場合に「OFF」に設定されるフラグである。メインCPU101は、ステップS3193の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS3194)、オープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3195)。このオープニングコマンドは、大当たり遊技が開始されることを示す他図柄揃い用または7図柄揃い用オープニング演出を演出制御基板130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、ステップS8の送信処理(図33参照)が実行されることによって演出制御基板130へ送信される。
一方、メインCPU101は、大当たりでない(すなわちハズレ)と判定した場合(ステップS3191:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3196)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3196:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS3197)。時短遊技残余回数Jは、時短状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(図43参照)において設定される。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
ステップS3197の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3198)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3198:YES)、メインCPU101は、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3199)。
ステップS3199の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3196:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3198:NO)、メインCPU101は、高確率遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3200)。
高確率遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3200:YES)、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS3201)。ここで、高確率遊技残余回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(図43参照)において設定される。
ステップS3201の処理に続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3202)。ここで、高確率遊技残余回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3202:YES)、メインRAM103に記憶されている高確率遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3203)。
ステップS3203の処理が実行された場合、ステップS3195の処理が実行された場合、高確率遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS3200:NO)、又は高確率遊技残余回数Kが「0」ではないと判定された場合(ステップS3202:NO)、メインCPU101は、図41の停止中処理を終了する。
[遊技制御基板100による大入賞口開放制御処理]
図42は、図33のステップS6における大入賞口開放制御処理の詳細フローチャートである。以下、図42を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される大入賞口開放制御処理について説明する。この大入賞口制御処理は、ステップS3093の処理で決定された大当たり図柄に対応した大当たり遊技を実行する処理である。メインCPU101は、ステップS5の電動チューリップ処理に続いて、図42に例示されるように、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS601:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS601:YES)、例えばステップS3195(図41参照)の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング期間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技のオープニング中であるか否かを判定する(ステップS602)。ここで、オープニング中であると判定した場合(ステップS602:YES)、同じく経過時間が所定のオープニング期間に達したか否かに基づいて、オープニング期間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。ここで、オープニング期間が経過していないと判定された場合(ステップS603:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング期間が経過したと判定した場合(ステップS603:YES)、大当たり遊技のラウンド数Rmax、大入賞口制御部118及びV入賞口制御部119の動作パターン等を設定して、その設定情報をメインRAM103に格納する(ステップS604)。このステップS604の処理が実行されることによって、図24を参照しつつ上述したラウンドと次のラウンドとの間のインターバル期間、最終ラウンド終了後のエンディング期間等の大当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
ステップS604の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大入賞口13への遊技球の入賞数Yをリセットし(ステップS605)、同じくメインRAM103に記憶されている大当たり中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する(ステップS606)。このラウンド数Rは、大当たり開始前は「0」に設定されており、ステップS606の処理が行われる毎に「1」加算される。
ステップS606の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS604の処理においてメインRAM103に記憶した設定情報に基づいて大入賞口13(及びV領域195)の開放制御を開始する(ステップS607)。
次に、メインCPU101は、この開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(ステップS608)。そして、大入賞口13を開放するラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS609)。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるオープニング中ではないと判定した場合(ステップS602:NO)、例えばメインRAM103に記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS611)。ここで、エンディング中であると判定された場合(ステップS611:YES)、後述するステップS628に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS611:NO)、例えばメインRAM103に記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中であるか否かを判定する(ステップS612)。ここで、インターバル中であると判定した場合(ステップS612:YES)、ステップS604の処理によって設定されたインターバル期間が経過したか否かを判定する(ステップS613)。インターバル期間が経過していないと判定された場合(ステップS613:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、インターバル期間が経過したと判定した場合(ステップS613:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技の現在のラウンド数Rが、上記ステップS604の処理によって設定された最大ラウンド遊技回数であるラウンド数Rmaxと一致するか否かを判定する(ステップS614)。ここで、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致しないと判定した場合(ステップS614:NO)、次のラウンド遊技を開始するタイミングになっているため、上記ステップS605に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致すると判定した場合(ステップS623:YES)、エンディング時間の計測を開始する(ステップS615)。そして、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数Rをリセットし(ステップS616)、エンディングコマンドをメインRAM103にセットして(ステップS617)、ステップS7の賞球処理に処理を進める。なお、エンディングコマンドは、最後のラウンド遊技が終了したことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。エンディングコマンドは、大当たり遊技終了後の遊技状態に関する情報(遊技情報)を含む。
一方、メインCPU101は、インターバル中ではないと判定した場合(ステップS612:NO)、ラウンド遊技中であると判断して、大入賞口スイッチが「ON」になったか否かを判定する(ステップS618)。具体的には、大入賞口スイッチ115からの検知信号の有無に基づいて、大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定する。大入賞口スイッチ115が「ON」ではないと判定された場合(ステップS618:NO)、後述するステップS624に処理が進められる。
メインCPU101は、大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合(ステップS618:YES)、大入賞口13に1個の遊技球が入賞したと判断して、遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する(ステップS619)。
メインCPU101は、ステップS619の処理に続いて、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS620)。V入賞フラグは、遊技球がV領域195を通過したか否か(V入賞したか否か)を示すフラグである。V入賞フラグは、通常は「OFF」に設定されており、V入賞口スイッチ116によって遊技球が検知されると「ON」に設定される。V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS620:YES)、後述するステップS624に処理が進められる。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS620:NO)、すなわちV入賞フラグが「OFF」に設定されている場合、V入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する(ステップS621)。具体的には、V入賞口スイッチ116からの検知信号の有無に基づいて、V入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する。V入賞口スイッチ116が「ON」ではないと判定された場合(ステップS621:NO)、後述するステップS624に処理が進められる。
メインCPU101は、V入賞口スイッチ116が「ON」になったと判定した場合(ステップS621:YES)、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「ON」に設定し(ステップS622)、同じくメインRAM103にV入賞通知コマンドをセットする(ステップS623)。V入賞通知コマンドは、例えば、演出制御基板130にV入賞を通知するためのコマンドである。
メインCPU101は、ステップS623の処理を実行した場合、ステップS609の処理を実行した場合、大入賞口スイッチ115が「ON」ではないと判定した場合(ステップS618:NO)、V入賞フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS620:YES)、V入賞口スイッチ116が「ON」ではないと判定した場合(ステップS621:NO)、大入賞口13及びV領域195の開放開始から規定開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS624)。具体的には、上記ステップS608の処理によって計測が開始された開放時間が、図24を参照しつつ上述したメインROM102に記憶されている最大開放期間(例えば29.5秒)に達したか否かを判定する。
メインCPU101は、規定開放時間が経過していないと判定した場合(ステップS624:NO)、メインRAM103に記憶されている今回のラウンド遊技における遊技球の入賞数Yが、メインROM102に記憶されている大入賞口13の閉塞タイミングを規定する規定個数である遊技球数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判定する(ステップS625)。ここで、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致しないと判定された場合(ステップS625:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致すると判定した場合(ステップS625:YES)、又は規定開放時間が経過したと判定した場合(ステップS624:YES)、ステップS607の処理で開始した大入賞口13(及びV領域195)の開放制御を終了する(ステップS626)。
メインCPU101は、ステップS626の処理に続いて、大入賞口13が閉塞されてからの経過時間であるインターバル期間の計測を開始する(ステップS627)。
メインCPU101は、ステップS627の処理を実行した場合、又はエンディング中であると判定した場合(ステップS611:YES)、エンディング期間が経過したか否かを判定する(ステップS628)。具体的には、上記ステップS615の処理によって計測を開始したエンディング時間が、上記ステップS604の処理によって設定されたエンディング期間に達したか否かを判定する。ここで、エンディング期間が経過していないと判定された場合(ステップS628:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、エンディング期間が経過したと判定した場合(ステップS628:YES)、大当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(ステップS629)。この遊技状態設定処理については、図43に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS629の処理の後、大当たり遊技を終了させるために、大当たり遊技フラグを「OFF」に設定し(ステップS630))、ステップS7の賞球処理に処理を進める。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図43は、遊技制御基板100において実行される遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。メインCPU101は、予め定められたエンディング期間が経過したと判定した場合(ステップS628:YES)、図43に例示されるように、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS6261)。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS6261:YES)、メインRAM103に記憶されている高確率遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6262)、同じくメインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「150」に設定する(ステップS6263)。そして、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6264)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを高確率遊技残余回数Kと同じ「150」に設定する(ステップS6265)。
このステップS6262〜ステップS6265の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ150回の特別図柄判定が行われるまで確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)で遊技が制御されることになる。
メインCPU101は、ステップS6265の処理を実行した場合、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「OFF」に設定する(ステップS6266)。
一方、メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS6261:NO)、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6267)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「100」に設定する(ステップS6268)。
このステップS6267及びステップS6268の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ100回の特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態(低確率状態かつ時短状態)で遊技が制御されることになる。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
以下、図44を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図44は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下では、図44〜図53に示す処理を演出制御基板130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150の何れにおいて実行されてもよい。例えば、演出制御基板130において所定の演出(例えば敵キャラ先読み演出)を実行するか否かを決定し、実行すると決定された演出の具体的な演出態様(例えば、敵キャラ先読み演出において移行演出A及びBの何れを実行するか)は、画像音響制御基板140において決定してもよい。
演出制御基板130におけるサブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図44に例示される一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図44以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行した後(ステップS10)、送信処理を実行する(ステップS30)。コマンド受信処理では、遊技制御基板100及びランプ制御基板150から各種コマンドを受信したことに応じた処理が行われる。具体的には、サブCPU131は、例えば、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた演出内容を設定する。例えば、サブCPU131は、特別図柄の変動パターンに対応した変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンにおいて実行可能な予告演出の実行の有無および内容を決定する。そして、サブCPU131は、例えば、決定した演出の実行を指示するコマンドを生成し、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。これにより、演出制御基板130において決定された内容の演出が、画像音響制御基板140及び/又はランプ制御基板150で実行されることになる。コマンド受信処理については、図45に基づいて後に詳述する。
ステップS30の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を行う(ステップS50)。サブCPU131は、例えば、演出役物71等を制御(例えば動作)させるために、画像音響制御基板140から送信されたデータをランプ制御基板150に転送する。また、サブCPU131は、ランプ制御基板150から送信された演出役物71等の制御に関するデータを、画像音響制御基板140に転送する。このデータ転送処理が行われることによって、例えば、液晶画面5に表示された演出画像や、スピーカ24によって出力された演出音と連動して、演出役物71が動作したり、盤ランプ25等の発光制御が行われたりする。以上でサブCPU131は、図44に示す処理を終了する。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
図45は、図44のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図45に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100又はランプ制御基板から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。
サブCPU131は、コマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドがステップS2111(図35参照)又はステップS2211(図37参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。
サブCPU131は、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS12:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS13)。保留コマンド受信処理については、図46に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドがステップS311(図38参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS14)。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS14:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS15)。変動開始コマンド受信処理については、図49に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS14:NO)、そのコマンドがステップS316(図38参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS16)。サブCPU131は、図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS16:YES)、変動演出終了コマンドをセットする(ステップS17)。変動演出終了コマンドは、受信した図柄確定コマンドに係る特別図柄判定の判定結果に基づく変動演出の終了を指示するコマンドである。この変動演出終了コマンドがステップS30の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることで、停止表示された特別図柄に係る特別図柄判定の判定結果に基づく変動演出を終了させる処理が実現される。
サブCPU131は、受信したコマンドが図柄確定コマンドではないと判定した場合(ステップS16:NO)、大当たり遊技コマンド受信処理を実行する(ステップS18)。大当たり遊技コマンド受信処理では、遊技制御基板100から送信された大当たり遊技に関する各種コマンド(オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド等)を受信した場合、その受信したコマンドに応じた処理が実行される。大当たり遊技コマンド受信処理については、図53に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、ステップS18の処理に続いて、受信したコマンドがステップS922の処理に応じてランプ制御基板150から送信された操作コマンドであるか否かを判定する(ステップS19)。この操作コマンドは、ランプ制御基板150のランプCPU151が演出ボタン26や演出キー27の操作を検知した場合に、その情報を通知するためにランプ制御基板150から送信されるコマンドであり、操作されたのが演出ボタン26であるか演出キー27であるかを示す情報、演出キー27が操作された場合にはどのキーが操作されたかを示す情報等を含むものである。
サブCPU131は、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS19:YES)、演出ボタン26の操作が有効な予め定められた所定の有効期間中(例えば、移行ボタン演出開始時から4秒)であるか否かを判定する(ステップS20)。サブRAM133には、有効期間中であると判定した場合(ステップS20:YES)、演出ボタン26が操作されたことを通知する操作通知コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS21)。このコマンドがステップS30の送信処理によって画像音響制御基板140に送信されることで、例えば、移行ボタン演出中に遊技者によって演出ボタン26が操作されたことに応じて、移行演出が開始される処理が実現される。
サブCPU131は、操作コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS19:NO)、その他の受信したコマンドに応じた処理を実行する(ステップS22)。
サブCPU131は、ステップS22の処理を実行した場合、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、ステップS13、ステップS15、ステップS17、又はステップS21の処理が実行された場合、有効期間中ではないと判定した場合(ステップS20:NO)、ステップS30に処理を進める。以上でサブCPU131は、図45に示す処理を終了する。
[演出制御基板130による保留コマンド受信処理]
図46は、図45のステップS13における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、図46に例示されるように、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS131)。具体的には、保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留コマンドであるか或いは第2特別図柄判定に係る保留コマンドであるかを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数又は第2特別図柄判定に係る保留数を「1」加算した値に更新する。
ステップS131の処理に続いて、サブCPU131は、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報を解析し、解析結果をサブRAM133に格納する(ステップS132)。例えば、サブRAM133には、第1保留記憶領域1331、第2保留記憶領域1332、第3保留記憶領域1333、第4保留記憶領域1334、第1保留記憶領域1335、第2保留記憶領域1336、第3保留記憶領域1337、第4保留記憶領域1338、及び保留消化中記憶領域1339が設けられている。
保留記憶領域1331〜1338は、遊技制御基板100から保留コマンドを受信したことに基づいて得られた情報を、保留コマンドを受信してからその保留コマンドに対応する特別図柄の変動表示が開始されるまで記憶する記憶領域である。保留記憶領域1331〜1334には第1特別図柄判定に係る事前判定情報の解析結果(以下、「事前判定情報」という。)などが記憶され、保留記憶領域1335〜1338には第2特別図柄判定に係る事前判定情報などが記憶される。
保留消化中記憶領域1339は、第1保留記憶領域1331又は第1保留記憶領域1335に記憶されていた各種情報が、これらの情報に対応する図柄の変動表示が開始されてから終了されるまでの間に記憶される領域である。
サブCPU131は、入賞始動口情報が第1始動口11を示す事前判定情報を取得した場合、第1保留記憶領域1331〜第4保留記憶領域1334のうち、空きエントリの最上位である保留記憶領域に入賞始動口情報及び事前判定情報を格納する。一方、入賞始動口情報が第2始動口12を示す事前判定情報を取得した場合、第1保留記憶領域1335〜第4保留記憶領域1338のうち、空きエントリの最上位である保留記憶領域に入賞始動口情報及び事前判定情報を格納する。
次に、サブCPU131は、敵キャラ先読み演出の実行の有無および実行する場合における開始対象を決定するために用いられる敵キャラ先読み演出用実行乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS133)。また、サブCPU131は、チャンス目先読み演出の実行の有無および実行する場合におけるその内容を決定するために用いられるチャンス目先読み演出用演出パターン乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS134)。
本実施形態では、敵キャラ先読み演出用実行乱数、およびチャンス目先読み演出用演出パターン乱数は、演出制御基板130で更新される乱数であり、遊技制御基板100から保留コマンドを受信した際に取得される乱数である場合について説明する。他の実施形態では、これらの乱数の値を取得するタイミングは保留コマンドを受信した時点に限らない。例えば、先読み演出を実行可能であると判定された際(後述するステップS1371の処理においてYESと判定された際)にこれらの乱数の値を取得してもよい。また、先読み演出のシナリオを決定する際に乱数の値を取得してもよい。一例として、敵キャラ先読み演出が実行可能であると判定された際(後述するステップS1374の処理においてYESと判定された際)に敵キャラ先読み演出実行乱数を取得してもよい。
ステップS134の処理に続いて、サブCPU131は、敵キャラ先読み演出およびチャンス目先読み演出の実行の実行の有無等を設定する先読み演出設定処理を実行する(ステップS135)。そして、サブCPU131は、保留コマンドに基づいて得られた事前判定情報を含む各種情報、及びステップS135の処理において設定された設定情報を含むアイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS136)。
アイコン表示コマンドは、保留アイコンの新規表示の実行を指示するコマンドであり、ステップS30の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。アイコン表示コマンドには入賞始動口情報が含まれており、画像音響制御基板140の統括CPU141は、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とのどちらの特別図柄判定が保留されたかを例えば入賞始動口情報に基づいて判定する。例えば、通常遊技状態(低確率状態かつ非時短状態)に制御されているときに第1特別図柄判定が保留された場合、第1特別図柄判定に対応した保留アイコンが保留領域54に新たに表示される(図13(B−1)参照)。
[演出制御基板130による先読み演出設定処理]
以下、図47は、図46のステップS135における先読み演出設定処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、まず、先読み演出が実行可能な状態であるか否かを判定する(ステップS1371)。具体的には、例えば、先読み演出の設定情報として敵キャラ先読み演出、またはチャンス目先読み演出の設定情報がサブRAM133に既にセットされている場合、及び大当たり遊技中である場合には、先読み演出が実行可能な状態ではないと判定される。先読み演出を実行可能な状態ではないと判定された場合(ステップS1371:NO)、ステップS136に処理が進められる。
なお、本実施形態では、先読み対象に係る特別図柄の変動パターンが13.5秒以下であるであるチャンス目先読み演出、及びいわゆるガセ演出の設定情報がサブRAM133に既にセットされている場合には、先読み演出が実行可能な状態であると判定する。ガセ演出の一例であるチャンス目ガセは、例えば、チャンス目が停止表示等するように見せかけてチャンス目が停止表示しない態様である場合である。
サブCPU131は、先読み演出が実行可能な状態であると判定した場合(ステップS1371:YES)、保留された特別図柄判定が、敵キャラ先読み演出の先読み対象にできる保留であるか否かを判定する(ステップS1372)。具体的には、サブCPU131は、今回受信した保留コマンドに基づいて、事前判定情報に含まれる変動パターンを示す情報が、疑似連回数0であってSP1又はSP2を実行可能な変動演出パターンを決定できる変動パターンを示す情報であるか否かを判定する。敵キャラ先読み演出の先読み対象にできる保留ではないと判定された場合(ステップS1372:NO)、後述するステップS1379に処理が進められる。
サブCPU131は、敵キャラ先読み演出の先読み対象にできる保留であると判定した場合(ステップS1372:YES)、例えば、サブRAM133の保留記憶領域に格納されている先の特別図柄判定の保留に係る事前判定情報が示す変動パターンをチェックして(ステップS1373)、敵キャラ先読み演出を実行可能な変動パターンであるか否かを判定する(ステップS1374)。サブCPU131は、例えば、今回受信した保留コマンドよりも1つ前までに受信した保留コマンドに基づいてサブRAM133に格納されている変動パターンを示す情報を読み取る。そして、例えば、今回受信した保留コマンドに対応した第1特別図柄判定の保留よりも少なくとも1変動前に係る保留についての事前判定情報が13.5秒以下の変動パターンを示すものであり、大当たりになることを示す事前判定情報がサブRAM133に記憶されていない場合に、敵キャラ先読み演出を実行可能であると判定する。
サブCPU131は、敵キャラ先読み演出を実行可能であると判定した場合(ステップS1374:YES)、敵キャラ先読み演出の実行の有無、及び実行する場合における開始対象を決定する(ステップS1375)。サブCPU131は、例えば、サブROM132に記憶されている敵キャラ先読み演出実行抽選テーブル(不図示)をサブRAM133にセットする。そして、当該テーブルと、今回の保留コマンドに対応した事前判定情報と、今回受信した保留コマンドよりも1つ前までに受信された保留コマンドに対応した事前判定情報と、ステップS133の処理において取得した敵キャラ先読み演出用実行乱数とに基づいて、敵キャラ先読み演出を実行するか否か、及び実行する場合には何変動前から開始するかを、図18に例示する割合で決定する。
サブCPU131は、ステップS1375の処理において敵キャラ先読み演出の実行を決定した場合(ステップS1376:YES)、サブRAM133に記憶されている変動回数カウンタに、現在の第1特別図柄判定の保留数を格納する(ステップS1377)。変動回数カウンタは、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応する第1特別図柄判定が実行されるまでの、第1特別図柄判定の保留数をカウントするための変数である。本実施形態では、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定が優先して実行される構成を採用している(図38参照)。第1特別図柄判定の保留数を変動回数カウンタによってカウントすれば、例えば、敵キャラ先読み演出中に第2特別図柄判定が実行されても変動回数カウンタの値が変化しない。このため、本来敵キャラ先読み演出の先読み対象とすべきではない特別図柄判定の保留を対象として、意図せぬ敵キャラ先読み演出が実行されてしまうことを防止できる。
他の実施形態では、変動回数カウンタの値に応じた演出を実行してもよく、例えば、変動回数カウンタの値が「2」であれば、「2」といった文字または所定の演出画像(例えば、2人の味方キャラ)を液晶画面5に表示してもよい。また、所定の演出音(例えば、「2!」といった味方キャラのセリフ)をスピーカ24から出力してもよい。
続いて、サブCPU131は、ステップS1375の処理の結果を含む敵キャラ先読み演出の設定情報をサブRAM133にセットし(ステップS1378)、ステップS136に処理を進める。
これに対して、ステップS1375の処理において敵キャラ先読み演出を実行しないと判定された場合(ステップS1376:NO)、チャンス目先読み演出を実行可能であるか否かを判定する(ステップS1379)。チャンス目先読み演出を実行可能ではないと判定された場合(ステップS1379:NO)、後述するステップS136に処理が進められる。
サブCPU131は、チャンス目先読み演出を実行可能であると判定した場合(ステップS1379)、例えば、サブROM132に予め記憶されたチャンス目先読み演出実行抽選テーブル(不図示)を参照し、ステップS134の処理において取得した乱数を用いた抽選を行い、チャンス目先読み演出の実行の有無、及び実行する場合にはその演出内容を決定する(ステップS1380)。チャンス目先読み演出実行抽選テーブルは、例えば、大当たりか否かと、チャンス目が停止表示される回数(0回(実行無し)を含む)と、最終的なエフェクト画像の色(青色または赤色)と、チャンス目先読み演出用演出パターン乱数の値と比較するための判定値とを対応付けたテーブルである。例えば、チャンス目先読み演出の先読み対象が大当たりの方が、ハズレよりもチャンス目先読み演出が実行され易いように予め設定されている。
サブCPU131は、ステップS1380の処理においてチャンス目先読み演出の実行を決定した場合には、その設定情報をサブRAM133にセットし(ステップS1381)、ステップS136に処理を進める。
[演出制御基板130による変動開始コマンド受信処理]
以下、図48を参照しつつ、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信した演出制御基板130において実行される変動開始コマンド受信処理について説明する。ここで、図48は、図45のステップS15における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。
図48に例示するように、サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点における、演出制御基板130で更新される演出制御用の各種乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS150〜ステップS152)。
具体的には、サブCPU131は、変動演出パターンを決定するために用いられる変動演出パターン乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS150)。また、サブCPU131は、予告演出を実行するか否か、及び実行する場合にはその内容を決定するために、予告演出毎に予め用意された予告演出用の各種乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS151)。
また、サブCPU131は、特別図柄が停止表示されたことに応じて特別図柄判定の判定結果を報知する態様で停止表示される装飾図柄の組み合わせ(すなわち最終停止図柄)を決定するために用いられる最終停止図柄乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS152)。なお、最終停止図柄乱数として、大当たり態様の最終停止図柄を決定するための大当たり用最終停止図柄乱数、及びリーチハズレ態様の最終停止図柄を構成するリーチ図柄を決定するためのリーチ用最終停止図柄乱数が取得される。また、非リーチ態様の最終停止図柄を構成する装飾図柄の組み合わせを決定するための左用最終停止図柄乱数、右用最終停止図柄乱数、及び中用最終停止図柄乱数が取得される。
なお、上記演出制御用の各種乱数を取得するタイミングは、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点に限定されない。一例として、後述するステップS154の処理において変動演出パターンが決定された後に、最終停止図柄乱数を取得してもよい。
ステップS152の処理に続いて、サブCPU131は、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS153)。変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定(図39参照)の判定結果を示す大当たりか否かの情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。
サブCPU131は、サブROM132に記憶された変動演出パターン決定テーブル(不図示)を参照し、変動開始コマンドの解析結果(ステップS153)に含まれる変動パターンの情報、及び変動演出パターン乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する(ステップS154)。変動演出パターン決定テーブルは、例えば、特別図柄の変動パターンと、装飾図柄の変動演出パターンと、変動演出パターン乱数と比較するための判定値とが予め対応付けられたテーブルである。本実施形態では、大当たり判定の判定結果、大当たり時には大当たり図柄の種類、リーチ判定の判定結果、及び現在の遊技状態毎に、変動演出パターン決定テーブルがサブROM132に予め記憶されている。例えば、第1始動口11に遊技球が入賞したことに基づいて通常遊技状態中に実行された大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、サブCPU131は、通常遊技状態および第1特別図柄に対応した大当たり用変動演出パターン決定テーブルをサブROM132から読み出し、サブRAM133にセットする。そして、サブCPU131は、変動演出パターン決定テーブルのうちステップS3093の処理により決定された大当たり図柄に対応するデータを参照し、変動パターンに対応した変動演出パターンの中から、変動演出パターン乱数の値と一致する判定値が割り振られた変動演出パターンを、今回の変動演出で使用する変動演出パターンに決定する。
ステップS154の処理に続いて、サブCPU131は、最終停止図柄を決定するための最終停止図柄決定処理を実行する(ステップS155)。最終停止図柄決定処理については、図49に基づいて後に詳述する。
ステップS155の処理に続いて、サブCPU131は、先読み演出の開始タイミング、及び具体的な演出態様を決定するための先読み演出パターン決定処理を実行する(ステップS156)。この先読み演出パターン決定処理については、図50に基づいて後に詳述する。
ステップS156の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている敵キャラ先読み演出対象フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS157)。敵キャラ先読み演出対象フラグは、今回受信した変動開始コマンドの発生契機である特別図柄判定が敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応したものである場合にONに設定され(図50のステップS1604)、先読み対象に対応したものではない場合にOFFに設定されるフラグである。
サブCPU131は、敵キャラ先読み演出対象フラグがONであると判定した場合(ステップS157:YES)、敵キャラ先読み演出との組み合わせが禁則条件に該当しない予告演出の実行の有無、及び実行する場合にはその演出内容を決定する(ステップS158)。例えば、サブCPU131は、ステップS151の処理で取得した予告演出用の各種乱数と、ステップS154の処理で決定した変動演出パターンに基づいて、予告演出の実行の有無等を決定する。本実施形態では、例えば、敵キャラ先読み演出中に重複して実行された場合に、全体として煩雑な印象を遊技者に与えてしまう予告演出や、遊技者が認識し難い予告演出が実行されないように予め禁則条件が設定されている。一例として、敵キャラ先読み演出中には、味方キャラのセリフを液晶画面5に表示するセリフ演出(予告演出の1つ)が実行されないように予め設定されている。なお、敵キャラ先読み演出終了後は、変動演出の内容に応じた任意の予告演出が実行されるように予め設定されている。
ステップS158の処理に続いて、サブCPU131は、敵キャラ先読み演出対象フラグをOFFに設定する(ステップS159)。
一方、サブCPU131は、敵キャラ先読み演出対象フラグがOFFであると判定した場合(ステップS157:NO)、予告演出用の各種乱数と、ステップS154の処理で決定した変動演出パターンに基づいて、予告演出の実行の有無、及び実行する場合にはその演出内容を決定する(ステップS160)。
なお、本実施形態では、敵キャラ先読み演出の開始対象から敵キャラ先読み演出の先読み対象の1つ前の変動演出中には、予告演出が実行されないように予め設定されている。このような制御は、ステップS160の処理において各種予告演出を実行しないと決定することで実現されてもよい。または、ステップS160の処理において各種予告演出を実行すると決定されても、演出制御基板130又は画像音響制御基板140の設定によって実際には実行されないことで実現されてもよい。
ステップS160の処理が実行された場合、又はステップS159の処理が実行された場合、サブCPU131は、変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS161)。変動演出開始コマンドには、ステップS154〜ステップS160の処理で決定した情報が含まれる。変動演出開始コマンドは、ステップS30の送信処理(図44参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において決定された態様で変動演出が行われる。
ステップS161の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に格納されている保留数の値を「1」減算する(ステップS162)以上でサブCPU131は、図48に示す処理を終了する。
[演出制御基板130による最終停止図柄決定処理]
図49は、図48のステップS155における最終停止図柄決定処理の詳細フローチャートである。図49に示すように、サブCPU131は、例えば、ステップS153の処理で解析した変動開始コマンドの解析結果に基づいて、大当たり判定(図39参照)において大当たりと判定されたか否かを判定する(ステップS1551)。
サブCPU131は、大当たりと判定した場合(ステップS1551:YES)、大当たり図柄の種類が、大当たり図柄A又はDであるか否かを判定する(ステップS1552)。
大当たり図柄A又はDではないと判定された場合(ステップS1552:NO)、すなわち大当たり図柄B又はCである場合、サブCPU131は、大当たり態様の最終停止図柄を、7図柄以外の全ての装飾図柄のうちの何れか1つに決定する(ステップS1553)。例えば、サブCPU131は、サブROM132に予め記憶された大当たり用最終停止図柄テーブル(不図示)を参照して、ステップS152の処理で取得した大当たり用最終停止図柄乱数の値と一致する判定値が割り振られた装飾図柄を最終停止図柄に決定する。これにより、特別図柄の停止表示に応じて、液晶画面5の図柄領域50における左図柄領域、中図柄領域、及び右図柄領域に揃って停止表示させる同一の装飾図柄が決定されることになる。
ここで、大当たり用最終停止図柄テーブルは、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合に参照されるテーブルであり、例えば、大当たり種別と、装飾図柄の種類と、大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値とが対応付けられたテーブルである。本実施形態では、大当たり図柄B及びCに対応した大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて、大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が7図柄以外の装飾図柄に割り振られており7図柄に割り振られていない。一例として、7図柄以外の装飾図柄の決定割合が同じになるように、大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られていてもよい。このような設定により、最終停止図柄が7図柄以外の場合でも、大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態である大当たり(すなわち大当たり図柄B)かもしれないといった遊技者の期待感を維持することが可能になる。
ステップS1553の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶された7図柄揃いフラグをOFFに設定する(ステップS1554)。7図柄揃いフラグは、大当たり図柄A以外の大当たりである場合にOFFに設定されるフラグである。
一方、大当たり図柄A又はDであると判定された場合(ステップS1552:YES)、サブCPU131は、大当たり態様の最終停止図柄を、7図柄を含む全ての装飾図柄のうちの何れか1つに決定する(ステップS1555)。大当たり図柄A及びDに対応した大当たり用最終停止図柄テーブルでは、全ての装飾図柄の決定割合が同じになるように予め設定されていてもよいし、7図柄の決定割合が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。
続いて、サブCPU131は、ステップS1555の処理で決定した最終停止図柄が7図柄であるか否か、すなわち7図柄揃いであるか否かを判定する(ステップS1556)。サブCPU131は、7図柄であると判定した場合(ステップS1556:YES)、サブRAM133に記憶された7図柄揃いフラグをONに設定し(ステップS1557)、最終停止図柄決定処理を終了する。
大当たり態様の最終停止図柄が7図柄ではないと判定された場合(ステップS1556:NO)、サブCPU131は、7図柄揃いフラグをOFFに設定し(ステップS1554)、最終停止図柄決定処理を終了する。
これに対して、大当たり判定において大当たりと判定されていない場合(ステップS1551:NO)、すなわちハズレの場合、サブCPU131は、装飾図柄の変動表示態様がリーチか否かを判定する(ステップS1558)。
サブCPU131は、装飾図柄の変動表示態様がリーチであると判定した場合(ステップS1558:YES)、リーチハズレ目を構成する装飾図柄の組み合わせを最終停止図柄に決定し(ステップS1559)、最終停止図柄決定処理を終了する。サブCPU131は、例えば、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄(左図柄および右図柄)を決定した後、最終停止図柄を構成する中図柄を決定する。例えば、サブCPU131は、サブROM132に予め記憶されたリーチハズレ用最終停止図柄テーブル(不図示)を参照して、ステップS152の処理で取得したリーチ用最終停止図柄乱数の値と一致する判定値が割り振られた装飾図柄を、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄に決定する。リーチハズレ用最終停止図柄テーブルは、例えば、装飾図柄種別と、リーチ用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値とが予め対応付けられたテーブルである。サブCPU131は、リーチ用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が何れの装飾図柄に対応した判定値と一致するかを判定することによって、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄を決定する。そして、例えば、リーチ図柄を構成する装飾図柄が示す数字に所定の値(例えば「1」)を加算(又は減算)した数を示す装飾図柄を、中図柄(最終停止図柄)に決定する。一例として、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が4図柄の場合、中図柄(最終停止図柄)として5図柄を決定する。
ステップS1558の処理において、装飾図柄の変動表示態様がリーチではないと判定された場合(ステップS1558:NO)、すなわち非リーチである場合、サブCPU131は、最終停止図柄をチャンス目にするか否かを判定する(ステップS1560)。例えば、チャンス目先読み演出が実行中であることを示すフラグがサブRAM133に設定されている場合には、ステップS1560の処理においてYESと判定される。
サブCPU131は、最終停止図柄をチャンス目にすると判定した場合(ステップS1560:YES)、非リーチのハズレ目を構成する装飾図柄の組み合わせを、予め定められたチャンス目から決定し(ステップS1561)、最終停止図柄決定処理を終了する。
サブCPU131は、最終停止図柄をチャンス目にしないと判定した場合(ステップS1560:NO)、例えば、サブCPU131は、サブROM132に予め記憶された左用最終停止図柄テーブル、右用最終停止図柄テーブル、及び中用最終停止図柄テーブルを参照する等により、非リーチ態様の最終停止図柄を決定する(ステップS1562)。これらの最終停止図柄テーブルは、非リーチ態様のハズレ時に参照されるテーブルであり、例えば、装飾図柄種別と、最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値とが対応付けられたテーブルである。なお、サブCPU131は、最終停止図柄テーブルの設定などにより、リーチハズレ目およびチャンス目とならないように最終停止図柄の組み合わせを決定する。ステップS1562の処理を実行すると、サブCPU131は、最終停止図柄決定処理を終了する。
[演出制御基板130による先読み演出パターン決定処理]
図50は、図48のステップS156における先読み演出パターン決定処理の詳細フローチャートである。図50に示すように、サブCPU131は、ステップS1378の処理が実行されることによって敵キャラ先読み演出の設定情報がサブRAM133に記憶されているか否かを判定する(S1601)。敵キャラ先読み演出の設定情報が記憶されていないと判定された場合(ステップS1601:NO)、先読み演出パターン決定処理を終了する。
サブCPU131は、敵キャラ先読み演出の設定情報がサブRAM133に記憶されていると判定した場合(ステップS1601:YES)、今回受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に対応したものであれば、ステップS1377の処理が実行されたことに応じてサブRAM133に記憶された変動回数カウンタの値から「1」減算する(ステップS1602)。そして、サブCPU131は、変動回数カウンタの値が0であるか否か、すなわち今回今回受信した変動開始コマンドの発生契機である特別図柄判定が敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応したものか否かを判定する(ステップS1603)。
サブCPU131は、変動回数カウンタの値が0であると判定した場合(ステップS1603:YES)、サブRAM133に記憶されている敵キャラ先読み演出フラグを「ON」に設定する(ステップS1604)。また、サブCPU131は、同じくサブRAM133に記憶されている変動回数カウンタの値をNULL等にリセットする。
なお、他の実施形態では、変動回数カウンタを用いず、サブRAM133に記憶された敵キャラ先読み演出の設定情報(シナリオ)を参照する等により、敵キャラ先読み演出の先読み対象であるか否かを判定してもよい。
ステップS1604の処理に続いて、サブCPU131は、移行ボタン演出の態様を決定するために用いられる移行ボタン演出乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS1605)。また、サブCPU131は、移行演出の演出態様を決定するために用いられる移行演出乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS1606)。これらの乱数は、演出制御基板130において更新される演出制御用の乱数である。
続いて、サブCPU131は、移行ボタン演出の演出態様を態様A〜D(図19参照)のうちの何れかの態様に決定する(ステップS1607)。例えば、サブCPU131は、サブRAM133に予め記憶された移行ボタン演出決定テーブル(不図示)を参照して、ステップS154の処理で決定した変動演出パターンに基づいて、ステップS1605の処理で取得した移行ボタン演出乱数の値と一致する判定値が割り振られた演出態様を、移行ボタン演出の態様に決定する。本実施形態では、図20に例示される割合で移行ボタン演出の態様が決定される。
続いて、サブCPU131は、移行演出の演出態様を、移行演出A又は移行演出Bのうちの何れかの態様に決定し(ステップS1608)、先読み演出パターン決定処理を終了する。例えば、サブCPU131は、サブRAM133に予め記憶された移行演出決定テーブル(不図示)を参照して、ステップS154の処理で決定した変動演出パターンに基づいて、ステップS1606の処理で取得した移行演出乱数の値と一致する判定値が割り振られた演出態様を、移行演出の態様に決定する。本実施形態では、図21に例示される割合で移行演出の態様が、移行演出A又は移行演出Bのうちの何れかに決定される。
本実施形態では、敵キャラ先読み演出の具体的な演出態様が、特別図柄判定の判定結果に基づいて決定される場合について説明した。具体的には、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応する変動開始コマンドを遊技制御基板100から受信した際に取得した移行ボタン演出乱数および移行演出乱数と、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る変動演出パターンとに基づいて、移行ボタン演出および移行演出の演出態様が決定される。他の実施形態では、移行ボタン演出乱数および移行演出乱数を、敵キャラ先読み演出の先読み対象になり得る保留コマンドを遊技制御基板100から受信した際に取得してもよい(例えば、図20のステップS133の処理を実行した直後)。または、ステップS1375の処理において敵キャラ先読み演出の実行が決定されたことに応じて、移行ボタン演出乱数および移行演出乱数を取得してもよい。このような構成の場合、サブCPU131は、ステップS1375の処理において敵キャラ先読み演出の実行を決定した場合(ステップS1376:YES)、移行ボタン演出乱数および移行演出乱数と、敵キャラ先読み演出の先読み対象に対応した事前判定情報とに基づいて、移行ボタン演出および移行演出の演出態様を決定してもよい。そして、これらの演出の設定情報を含む敵キャラ先読み演出の設定情報を、ステップS1378の処理においてサブRAM133にセットしてもよい。
ステップS1603の処理でNOと判定された場合、サブCPU131は、今回受信した変動開始コマンドの発生契機である特別図柄判定が敵キャラ先読み演出の開始対象に対応したものであるか否かを判定する(ステップS1609)。敵キャラ先読み演出の開始対象ではないと判定された場合(ステップS1609:NO)、サブCPU131は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
サブCPU131は、敵キャラ先読み演出の開始対象であると判定した場合(ステップS1609:YES)、敵キャラ先読み演出の開始タイミングを決定するために用いられる敵キャラ先読み演出用開始タイミング乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS1610)。敵キャラ先読み演出用開始タイミング乱数は、演出制御基板130において更新される演出制御用乱数の1つである。
ステップS1610の処理に続いて、サブCPU131は、敵キャラ先読み演出の開始タイミングを決定する(ステップS1611)。例えば、サブCPU131は、サブRAM133に予め記憶された開始タイミング決定テーブル(不図示)を参照して、ステップS154の処理で決定した変動演出パターンに基づいて、ステップS1606の処理で取得した移行演出乱数の値と一致する判定値が割り振られた開始タイミングを、敵キャラ先読み演出の開始タイミングに決定する。本実施形態では、図14に例示される割合で開始タイミングが決定される。
本実施形態では、開始対象に対応する変動開始コマンドを遊技制御基板100から受信した際に、敵キャラ先読み演出用開始タイミング乱数が取得される。他の実施形態では、敵キャラ先読み演出用開始タイミング乱数は、敵キャラ先読み演出の先読み対象になり得る保留コマンドを遊技制御基板100から受信した際に取得してもよい(例えば、図20のステップS133の処理を実行した直後)。または、ステップS1375の処理において敵キャラ先読み演出の実行が決定されたことに応じて取得してもよい。
[演出制御基板130による大当たり遊技コマンド受信処理]
次に、上述した遊技制御基板100から送信された大当たり遊技に関する各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について図51〜図53を参照して説明する。なお、図51〜図53は、第1特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合の制御を例示している。本実施形態では、第2特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合には図51〜図53に例示される制御は実行されないこととしている。これは、第2特別図柄判定の判定結果が大当たりの場合、図8(B)に例示されるように、大当たり図柄の種類は100%の割合で大当たり図柄Dに決定されるため、遊技者にとって有利な大当たりか否かを注目させる演出(例えば後述するジャッジ演出)が大当たり遊技中に実行されないからである。第2特別図柄判定の判定結果に対応して複数種類(例えば2種類)の大当たりが予め用意されている他の実施形態では、第2特別図柄判定の判定結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合についても、遊技者にとって有利な大当たりであることを報知する大当たり中演出と、遊技者にとって有利な大当たりか否かを注目させる大当たり中演出とを実行してもよい。そして、遊技者にとって有利な大当たりであったことを報知するタイミングを予め複数(例えば2種類のタイミング)定めていてもよい。
図51は、図45のステップS18における大当たり遊技コマンド受信処理の詳細フローチャートである。図51に示すように、サブCPU131は、受信したコマンドが、ステップS3195(図41参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたオープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS1801)。
サブCPU131は、受信したコマンドがオープニングコマンドであると判定した場合(ステップS1801:YES)、サブRAM133に記憶されている7図柄揃いフラグがONに設定されているか否かを判定する(ステップS1802)。7図柄揃いフラグがONではないと判定された場合(ステップS1802:NO)、すなわち最終停止図柄が7図柄以外の図柄揃い(例えば1図柄揃い)である場合、サブCPU131は、大当たりの種類を遊技者が見分けることが困難(又は不可能)な態様で実行される他図柄揃い用オープニング演出の開始を指示する他図柄揃い用オープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1803)。これに対して、7図柄フラグがONであると判定された場合(ステップS1802:YES)、7図柄揃い用オープニング演出の開始を指示する7図柄揃い用オープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1804)。
サブCPU131は、ステップS1804の処理を実行した場合、受信したコマンドがオープニングコマンドではないと判定した場合(ステップS1801:NO)、又はステップS1803の処理を実行した場合、ステップS609(図42参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたラウンド開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS1805)。
サブCPU131は、受信したコマンドがラウンド開始コマンドであると判定した場合(ステップS1805:YES)、ラウンド開始コマンド受信処理を実行する。ラウンド開始コマンド受信処理については、図52を参照しつつ、後に詳述する。
サブCPU131は、ステップS1806の処理を実行した場合、又はラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1805:NO)、サブRAM133に記憶されているV入賞通知フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1807)。V入賞通知フラグは、遊技球がV領域195を通過したか否か(V入賞したか否か)を示すフラグである。V入賞通知フラグは、通常は「OFF」に設定されており、V入賞口スイッチ116によって遊技球が検知されると「ON」に設定される。V入賞通知フラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS1807:YES)、ステップS1814に処理が進められる。
サブCPU131は、V入賞通知フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS1807:NO)、受信したコマンドがV入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS1808)。V入賞通知コマンドではないと判定された場合(ステップS1808:NO)、ステップS1814に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドがV入賞通知コマンドであると判定した場合(ステップS1808:YES)、V入賞通知フラグを「ON」に設定する(ステップS1809)。
ステップS1809の処理に続いて、サブCPU131は、今回の大当たりが大当たり図柄Aに対応した大当たりであるか否かを判定する(ステップS1810)。サブCPU131は、大当たり図柄Aに対応した大当たりであると判定した場合(ステップS1810:YES)、V入賞に応じて第2確変報知演出の開始を指示する第2確変報知演出設定コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1811)。このコマンドがステップS30の送信処理(図44参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、V入賞に応じて第2確変報知演出が実行される制御が実現される。
サブCPU131は、大当たり図柄Aに対応した大当たりではないと判定した場合(ステップS1810:NO)、大当たり図柄Bに対応した大当たりであるか否かを判定する(ステップS1812)。サブCPU131は、大当たり図柄Bに対応した大当たりであると判定した場合(ステップS1812:YES)、ラウンド画像表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1813)。このコマンドがステップS30の送信処理(図44参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、V入賞に応じて、大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されることを報知(又は示唆)するラウンド画像として「ROUND10」の文字が液晶画面5に表示される制御が実現される。
ステップS1813の処理を実行した場合、ステップS1807の処理でYESと判定された場合、ステップS1808の処理でNOと判定された場合、ステップS1811の処理を実行した場合、又はステップS1812の処理でNOと判定された場合、サブCPU131は、受信したコマンドがステップS617の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたエンディングコマンドであるか否かを判定する(ステップS1814)。エンディングコマンドではないと判定された場合(ステップS1814:NO)、ステップS19(図45参照)に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドがエンディングコマンドであると判定した場合(ステップS1814:YES)、今回の大当たりが大当たり図柄Aに対応した大当たりであるか否かを判定する(ステップS1815)。大当たり図柄Aに対応した大当たりであると判定された場合(ステップS1815:YES)、後述するステップS1819に処理が進められる。
サブCPU131は、大当たり図柄Aに対応した大当たりではないと判定した場合(ステップS1815:NO)、V入賞通知フラグがONに設定されているか否かを判定する(ステップS1816)。サブCPU131は、V入賞通知フラグがONに設定されていると判定した場合(ステップS1816:YES)、確変移行エンディング演出の開始を指示する確変移行エンディング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1817)。
サブCPU131は、ステップS1817の処理を実行した場合、又はステップS1815の処理でYESと判定した場合、V入賞通知フラグをOFFに設定し(ステップS1819)、ステップS19(図45参照)に処理を進める。
サブCPU131は、V入賞通知フラグがONに設定されていないと判定した場合(ステップS1816:NO)、時短移行エンディング演出の開始を指示する時短移行エンディング演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1818)、ステップS19(図45参照)に処理を進める。
[演出制御基板130によるラウンド開始コマンド受信処理]
図52は、図51のステップS1806におけるラウンド開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、受信したコマンドが、ステップS609(図42参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたラウンド開始コマンドであると判定した場合(ステップS1805:YES)、図52に示すように、受信したラウンド開始コマンドに含まれる情報に基づいて、11R目のラウンド遊技の開始前であるか否かを判定する(ステップS1821)。11R目のラウンド遊技の開始前ではないと判定された場合(ステップS1821:NO)、後述するステップS1833に処理が進められる。
サブCPU131は、11R目のラウンド遊技の開始前であると判定した場合(ステップS1821:YES)、サブRAM133に記憶されている7図柄揃いフラグがONに設定されているか否かを判定する(ステップS1822)。7図柄揃いフラグがONに設定されていると判定された場合(ステップS1822:YES)、サブCPU131は、7図柄揃い用大当たり中演出の開始を指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1823)、後述するステップS1833に処理を進める。
サブCPU131は、7図柄揃いフラグがONに設定されていないと判定した場合(ステップS1822:NO)、受信したラウンド開始コマンドが、1R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドか否かを判定する(ステップS1824)。
ステップS1824の処理でYESと判定された場合、サブCPU131は、最終停止図柄が7図柄以外の図柄揃い(例えば1図柄揃い)である場合の他図柄揃い用ラウンド中演出をどのような演出ルートで行うかのシナリオ(図28(A)参照)を決定する他図柄揃い用ラウンド中演出設定処理を実行し(ステップS1825)、後述するステップS1833に処理を進める。
ステップS1824の処理でNOと判定された場合、サブCPU131は、受信したラウンド開始コマンドが、7R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドか否かを判定する(ステップS1826)。ステップS1826の処理でYESと判定された場合、サブCPU131は、ジャッジ演出の開始を指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1827)、後述するステップS1833に処理を進める。
ステップS1826の処理でNOと判定された場合、サブCPU131は、受信したラウンド開始コマンドが、9R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドか否かを判定する(ステップS1828)。ステップS1828の処理でNOと判定された場合、サブCPU131は、最終停止図柄が7図柄以外の図柄揃い(例えば1図柄揃い)である場合における1R目、7R目、9R目、及び11R目以外の他図柄揃い用ラウンド中演出の開始を指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1829)、後述するステップS1833に処理を進める。
ステップS1828の処理でYESと判定された場合、サブCPU131は、今回の大当たりが大当たり図柄Aに対応した大当たりであるか否かを判定する(ステップS1830)。大当たり図柄Aに対応した大当たりであると判定された場合(ステップS1830:YES)、サブCPU131は、第1確変報知演出の開始を指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1831)、後述するステップS1833に処理を進める。このラウンド中演出開始コマンドがステップS30の送信処理(図44参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、9R目のラウンド遊技開始時から10R目のラウンド遊技中にV入賞するまでの期間中に、第1確変報知演出が実行される制御が実現される。
ステップS1830の処理でNOと判定された場合、すなわち、大当たり図柄B又はCである場合、サブCPU131は、キャラ紹介演出の開始を指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1832)、後述するステップS1833に処理を進める。
ステップS1832の処理が実行された場合、ステップS1821の処理でNOと判定された場合、ステップS1823の処理が実行された場合、ステップS1825の処理が実行された場合、ステップS1827の処理が実行された場合、又はステップS1829の処理が実行された場合、サブCPU131は、受信したラウンド開始コマンドが、11R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドか否かを判定する(ステップS1833)。受信したラウンド開始コマンドが、11R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドではないと判定された場合(ステップS1833:NO)、サブCPU131は、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。
ステップS1833の処理でYESと判定された場合、サブCPU131は、今回の大当たりが大当たり図柄Aに対応した大当たりであるか否かを判定する(ステップS1834)。
サブCPU131は、大当たり図柄Aに対応した大当たりであると判定した場合(ステップS1834:YES)、V入賞通知フラグがONに設定されているか否かを判定する(ステップS1835)。サブCPU131は、V入賞通知フラグがONに設定されていると判定した場合(ステップS1835:YES)、確変移行エンディング演出の開始を指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1836)、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。このラウンド中演出開始コマンドがステップS30の送信処理(図44参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、11R目のラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間が終了するまでの期間中に、確変移行エンディング演出が実行される制御が実現される。
一方、サブCPU131は、V入賞通知フラグがONに設定されていないと判定した場合(ステップS1835:NO)、時短移行エンディング演出の開始を指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1837)、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。
ステップS1834の処理でNOと判定された場合、サブCPU131は、V入賞通知フラグがONに設定されているか否かを判定する(ステップS1838)。サブCPU131は、V入賞通知フラグがONに設定されていると判定した場合(ステップS1838:YES)、11R目のラウンド遊技開始時から第2確変報知演出の開始を指示する第2確変報知演出設定コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1839)、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。このコマンドがステップS30の送信処理(図44参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、大当たり図柄Bに対応した11R目のラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間開始時までの期間中に第2確変報知演出が実行される制御が実現される。
ステップS1838の処理でNOと判定された場合、サブCPU131は、実行中のキャラ紹介演出を継続して実行させるためのラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1840)、ラウンド開始コマンド受信処理を終了する。このコマンドがステップS30の送信処理(図44参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、大当たり図柄Cに対応した9R目のラウンド遊技開始時から予め定められたエンディング期間開始時までの期間中に、シームレスにキャラ紹介演出が実行される制御が実現される。
[演出制御基板130による他図柄揃い用ラウンド中演出設定処理]
図53は、図52のステップS1825における他図柄揃い用ラウンド中演出設定処理の詳細フローチャートである。なお、本実施形態では、1R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンド受信時に、大当たり遊技中に実行される各種演出の演出態様を決定する場合について説明する。なお、演出態様を決定するタイミング、及び決定に用いる演出制御用の乱数(例えばジャッジボタン演出乱数)を取得するタイミングは、1R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンド受信時に限定されず、どのようなタイミングでもよい。例えば、他の実施形態では、それぞれの演出が実行されるラウンド遊技が開始される際にその演出態様が決定されてもよく、一例として、ジャッジボタン演出の演出態様(図29及び図19参照)は、7R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンド受信時に決定されてもよい。
サブCPU131は、受信したコマンドが、ステップS609(図42参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された1R目のラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドであると判定した場合(ステップS1824:YES)、図53に示すように、確変移行示唆演出のシナリオを決定するために用いられる確変移行示唆演出乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS1841)。また、サブCPU131は、他図柄揃い用ラウンド中演出において攻撃キャラC〜Eのうち何れの味方キャラを登場させるかを決定するために用いられる攻撃キャラ乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS1842)。また、サブCPU131は、ジャッジボタン演出の態様を決定するために用いられるジャッジボタン演出乱数を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS1843)。ステップS1841〜ステップS1843の処理で取得される乱数は、演出制御基板130において更新される演出制御用の乱数である。
ステップS1843の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に予め記憶された確変移行示唆演出テーブル(不図示)を参照して、大当たり図柄の種類に基づいて、ステップS1841の処理で取得した確変移行示唆演出乱数の値と一致する判定値が割り振られたシナリオを、確変移行示唆演出のシナリオに決定する(ステップS1844)。これにより、確変移行示唆演出を実行するか否かと、実行する場合には何回実行するかと、どの演出が実行されるのかとのシナリオが決定されることになる(図28(A)及び(B)参照)。本実施形態では、図28(B)に例示される割合で確変移行示唆演出の実行回数が決定される。
ステップS1844の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に予め記憶された攻撃キャラテーブル(不図示)を参照して、大当たり図柄の種類に基づいて、ステップS1842の処理で取得した攻撃キャラ乱数の値と一致する判定値が割り振られた攻撃キャラを他図柄揃い用ラウンド中演出において登場させることを決定する(ステップS1845)。本実施形態では、図28(C)に例示される割合で登場させる攻撃キャラが決定される。
ステップS1845の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に予め記憶されたジャッジボタン演出テーブル(不図示)を参照して、大当たり図柄の種類に基づいて、ステップS1843の処理で取得したジャッジボタン演出乱数の値と一致する判定値が割り振られた演出態様(例えば態様A〜D、図19参照)をジャッジボタン演出の演出態様に決定する(ステップS1846)。本実施形態では、図29に例示される割合でジャッジボタン演出の演出態様が決定される。
ステップS1846の処理に続いて、サブCPU131は、1R目の他図柄揃い用ラウンド中演出の開始を指示するラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットし(ステップS1847)、他図柄揃い用ラウンド中演出設定処理を終了する。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
図54は、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源供給開始時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図54に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。以下では、図54及び図55に示す処理を画像音響制御基板140が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150の何れにおいて実行されてもよい。
図54に例示されるように、画像音響制御基板140の統括CPU141は、まず、演出制御基板130から各種コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS500)。コマンドを受信していないと判定された場合、後述するステップS502に処理が進められる。
統括CPU141は、演出制御基板130からコマンドを受信したと判定した場合(ステップS500:YES)、受信したコマンドに応じた処理を実行するコマンド受信処理を実行する(ステップS501)。コマンド受信処理については、図55に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、ステップS501の処理を実行した場合、又はステップS500の処理でNOと判定した場合、制御用RAM145にセットされた各種演出の設定情報に基づいて、所定の先読み演出(例えば敵キャラ先読み演出)の実行タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS502)。先読み演出の実行タイミングが到来したと判定された場合(ステップS502:YES)、統括CPU141は、実行タイミングが到来した先読み演出の実行を開始する(ステップS503)。
統括CPU141は、ステップS503の処理を実行した場合、又はステップS502の処理でNOと判定した場合、敵キャラ先読み演出を実行中か否かを判定する(ステップS504)。敵キャラ先読み演出を実行中ではないと判定された場合、後述するステップS507に処理が進められる。
統括CPU141は、敵キャラ先読み演出を実行中であると判定した場合(ステップS504:YES)、敵キャラ先読み演出の終了タイミングか否かを判定する(ステップS505)。敵キャラ先読み演出の終了タイミングではないと判定された場合、後述するステップS507に処理が進められる。
統括CPU141は、敵キャラ先読み演出の終了タイミングであると判定した場合(ステップS505:YES)、敵キャラ先読み演出を終了する(ステップS506)。例えば、統括CPU141は、ステップS5014の処理において受信した変動演出開始コマンドに含まれている情報に基づいて、SPリーチ演出の開始タイミングで敵キャラ先読み演出を終了させる。
ステップS506の処理が実行された場合、ステップS504の処理でNOと判定された場合、又はステップS505の処理でNOと判定された場合、統括CPU141は、第1確変報知演出の実行タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS507)。第1確変報知演出の実行タイミングが到来したと判定された場合(ステップS507:YES)、統括CPU141は、第1確変報知演出の実行を開始する(ステップS508)。
統括CPU141は、ステップS508の処理を実行した場合、又はステップS507の処理でNOと判定した場合、第2確変報知演出の実行タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS509)。第2確変報知演出の実行タイミングが到来したと判定された場合(ステップS509:YES)、統括CPU141は、第2確変報知演出の実行を開始する(ステップS510)。
ステップS510の処理を実行した場合、又はステップS509の処理でNOと判定された場合、統括CPU141は、データ送信制御処理を実行する(ステップS511)。具体的には、統括CPU141は、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われる演出と同期するように、ランプ制御基板150によって演出役物71などが制御されることになる。
[画像音響制御基板140によるコマンド受信処理]
以下、図55を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるコマンド受信処理について説明する。ここで、図55は、図54のステップS501におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。画像音響制御基板140の統括CPU141は、ステップS500の処理において演出制御基板130から各種コマンドを受信したと判定した場合(ステップS500:YES)、そのコマンドがステップS136(図46参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信されたアイコン表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS5011)。アイコン表示コマンドではないと判定された場合(ステップS5011:NO)、後述するステップS5014に処理が進められる。
統括CPU141は、アイコン表示コマンドであると判定した場合(ステップS5011:YES)、そのアイコン表示コマンドが各種先読み演出の設定情報を含んでいる場合には、その設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS5012)。
ステップS5012の処理に続いて、統括CPU141は、保留アイコンを表示する制御保留アイコンの表示に関する処理を行うアイコン表示制御処理を実行する(ステップS5013)。これにより、アイコン表示コマンドに含まれている設定情報に基づいた保留アイコンが液晶画面5に表示される。例えば、受信したコマンドが第1特別図柄判定に係るアイコン表示コマンドである場合には、保留領域54(図13(B−1)参照)に保留アイコンが表示される。
ステップS5014の処理が実行された場合、又はステップS5011の処理でNOと判定された場合、統括CPU141は、受信したコマンドが、ステップS161(図48参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS5014)。変動演出開始コマンドではないと判定された場合(ステップS5014:NO)、後述するステップS5018に処理が進められる。
統括CPU141は、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS5014:YES)、その変動演出開始コマンドが、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る変動演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS5015)。
統括CPU141は、敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る変動演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS5015:YES)、変動演出開始コマンドに含まれている情報に基づいて移行ボタン演出の開始タイミングを決定する(ステップS5016)。また、統括CPU141は、移行ボタン演出を実行するための設定情報の1つとして、演出ボタン26の操作が有効になる予め定められた有効期間の設定情報を制御用RAM143にセットする。なお、有効期間の計測は、統括CPU141が行う。
ステップS5016の処理を実行した場合、又はステップS5015の処理でNOと判定した場合、統括CPU141は、変動演出開始コマンドに係る特別図柄判定の判定結果に基づく変動演出を開始する(ステップS5017)。
ステップS5017の処理が実行された場合、又はステップS5014の処理でNOと判定された場合、統括CPU141は、受信したコマンドが、ステップS17(図45参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS5018)。変動演出終了コマンドではないと判定された場合(ステップS5018:NO)、後述するステップS5020に処理が進められる。
統括CPU141は、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS5018:YES)、変動演出終了コマンドに係る特別図柄判定の判定結果に基づく変動演出を終了する(ステップS5019)。これにより、例えば、演出制御基板130で決定された最終停止図柄の態様で疑似停止されていた装飾図柄が、最終停止図柄の態様で停止表示(すなわち確定)される。
ステップS5019の処理が実行された場合、又はステップS5018の処理でNOと判定された場合、統括CPU141は、受信したコマンドが、演出制御基板130から送信されたラウンド中演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS5020)。ラウンド中演出開始コマンドは、例えば、ステップS1823,1827,1829,1831,1832,1836,1837,1839,1840,及び1847(図52及び図53参照)の処理に応じて送信される。受信したコマンドがラウンド中演出開始コマンドではないと判定された場合(ステップS5020:NO)、後述するステップS5023に処理が進められる。
統括CPU141は、ラウンド中演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS5020:YES)、ラウンド中演出開始コマンドに含まれている各種演出(例えば、確変移行示唆演出の設定情報)の設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS5021)。そして、統括CPU141は、ラウンド中演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、他図柄揃い用または7図柄揃い用の大当たり中演出を実行する(ステップS5022)。
ステップS5020の処理でNOと判定された場合、統括CPU141は、受信したコマンドが、ステップS1811,又は1839(図51及び図52参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された第2確変報知演出設定コマンドであるか否かを判定する(ステップS5023)。
統括CPU141は、第2確変報知演出設定コマンドであると判定した場合(ステップS5023:YES)、第2確変報知演出の設定情報を制御用RAM145にセットし(ステップS5024)、後述するステップS5027に処理を進める。
一方、統括CPU141は、第2確変報知演出設定コマンドではないと判定した場合(ステップS5023:NO)、受信したコマンドが、ステップS1813(図51参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信されたラウンド画像表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS5025)。ラウンド画像表示コマンドではないと判定された場合(ステップS5025:NO)、後述するステップS5027に処理が進められる。
統括CPU141は、ラウンド画像表示コマンドであると判定した場合(ステップS5025:YES)、ラウンド画像表示コマンドに含まれている設定情報に基づいて、ラウンド画像として「ROUND10」の文字(図31(H)参照)を液晶画面5に表示する(ステップS5026)。
ステップS5026の処理が実行された場合、ステップS5022の処理が実行された場合、ステップS5024の処理が実行された場合、又はステップS5025の処理でNOと判定された場合、統括CPU141は、受信したコマンドが、ステップS21(図45参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された操作通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS5027)。操作通知コマンドではないと判定された場合(ステップS5027:NO)、後述するステップS5029に処理が進められる。
統括CPU141は、操作通知コマンドであると判定した場合(ステップS5027:YES)、操作に応じた処理を実行する(ステップS5028)。これにより、遊技者によって演出ボタン26が操作されたことに応じて結果報知演出が開始される等の制御が実現される。
ステップS5028の処理が実行された場合、又はステップS5027の処理でNOと判定された場合、統括CPU141は、演出制御基板130から送信された、他のコマンドを受信したことに応じた制御を実行し(ステップS5029)、コマンド受信処理を終了する。一例として、ステップS1817(図51参照)の処理に応じて演出制御基板130から確変移行エンディング演出開始コマンドを受信したことに応じて、予め定められたエンディング期間の開始に伴って確変移行エンディング演出が開始される。
[ランプ制御基板150によるタイマ割込み処理]
次に、上述した演出制御基板130からの各種コマンド、および演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信されたデータに基づいた演出制御の詳細について図56を参照して説明する。
図56は、ランプ制御基板150において行われるタイマ割込み処理の詳細を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源供給開始時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図56に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。以下では、図56に示す処理をランプ制御基板150が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150の何れにおいて実行されてもよい。
図56に示すように、ランプ制御基板150のランプCPU151は、データ受信処理を実行する(ステップS911)。具体的には、ランプCPU151は、演出制御基板130から送信された各種コマンド、及び演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信された画像音響制御に関するデータを受信する。ランプCPU151は、データ受信処理において受信した演出の制御に関する指示(例えば、演出役物71の動作開始指示)に基づいて以降の処理を行うことにより、液晶表示装置5やスピーカ24による演出と同期するように、演出役物71等を制御できる。
ステップS911の処理に続いて、ランプCPU151は、演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS912)。変動演出開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS912:NO)、後述するステップS914に処理が進められる。
ランプCPU151は、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS912:YES)、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいた各発光素子の発光制御、及び演出役物71等の動作制御を実行する(ステップS913)。例えば、ランプCPU151は、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいた動作パターンデータをランプROMから読み出してランプRAMにセットする。そして、セットしたテーブルから変動演出開始コマンドに係る演出役物71等の動作パターンを読み出してランプRAM153にセットすることにより、受信した変動演出開始コマンドに対応する変動演出に対応した動作パターンデータに基づいた動作制御を実行する。
ステップS913の処理が実行された場合、又はステップS912の処理でNOと判定された場合、ランプCPUは、演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS914)。変動演出終了コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS914:NO)、後述するステップS916に処理が進められる。
ランプCPU151は、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS914:YES)、受信した変動演出開始コマンドに対応する変動演出に係る各発光素子の発光制御および演出役物71等の動作制御を終了する(ステップS915)。
ステップS915の処理が実行された場合、又はステップS914の処理でNOと判定された場合、ランプCPU151は、ステップS911で受信したデータに基づいて、演出役物71の動作開始タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS916)。
ランプCPU151は、演出役物71の動作開始タイミングが到来したと判定した場合(ステップS916:YES)、演出役物71の発光制御、及び動作制御を実行する(ステップS913)。例えば、先読み動作演出の実行に係る演出役物71の動作開始タイミングである場合には、先読み動作演出の設定情報に基づいて演出役物71が制御される。これにより、先読み動作演出の開始に伴って演出役物71が動作を開始し、先読み動作演出の終了に伴って演出役物71が動作を終了することになる。また、態様C又はD(図19(C)及び(D)参照)で実行される各種ボタン演出(例えば移行ボタン演出)に係る演出役物71の動作開始タイミングである場合には、各種ボタン演出の設定情報に基づいて演出役物71が制御される。これにより、各種ボタン演出の開始に伴って演出役物71が動作を開始し、予め定められた有効期間の終了に応じて各種ボタン演出が終了することに伴って演出役物71が動作を終了することになる。
ステップS916の処理でNOと判定された場合、ランプCPU151は、態様C又はDで実行される各種ボタン演出の終了タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS918)。態様C又はDで実行される各種ボタン演出の終了タイミングではないと判定された場合(ステップS918:NO)、ステップS918に処理が進められる。
ランプCPU151は、態様C又はDで実行される各種ボタン演出の終了タイミングであると判定した場合(ステップS918:YES)、演出役物71の発光制御、及び動作制御を終了する(ステップS919)。これにより、遊技者によって演出ボタン26が操作されたことに応じて各種ボタン演出が終了する場合に、これに伴って演出役物71の発光制御、及び動作制御が終了される。
ステップS919の処理が実行された場合、ステップS917の処理が実行された場合、又はステップS918の処理でNOと判定された場合、ランプCPU151は、ステップS911で受信したデータに基づいて、第2確変報知演出の開始タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS920)。
ランプCPU151は、第2確変報知演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS920:YES)、第2確変報知演出の設定情報に基づいて、各発光素子の発光制御、及び演出役物71等の動作制御を実行する(ステップS921)。
ステップS921の処理が実行された場合、又はステップS920の処理でNOと判定された場合、ランプCPU151は、ステップS911で受信した他のコマンドに応じた制御を実行する(ステップS922)。
ステップS922の処理に続いて、ランプCPU151は、演出ボタン26が操作されたか否かを判定する(ステップS923)。操作されていないと判定された場合(ステップS923:NO)、ランプCPU151は、図56に示す処理を終了する。
ランプCPU151は、演出ボタン26が操作されたと判定した場合(ステップS923:YES)、演出ボタン26が操作されたことを示す操作コマンドを演出制御基板130に送信し(ステップS924)、図56に示す処理を終了する。
[変形例]
なお、上述した演出は単なる一例であり、本発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。また、上記実施形態および変形例は互いに適用可能であり、様々な組み合わせで本発明が実現されてもよい。
[大当たり図柄と開放パターンとの対応関係の変形例]
上記実施形態では、大当たり図柄の種類が決定されると、一義的に大入賞口13及びV領域195の開放パターンが決定される場合について説明した(図24参照)。他の実施形態では、1つの大当たり図柄に対して大入賞口13及びV領域195の開放パターンが予め複数用意されていてもよい。このような構成でも、上記実施形態と同様に、大当たり遊技中に、遊技者にとって有利な大当たりに当選したか否かを注目させる演出(例えばジャッジ演出)を実行できる。そして、遊技者にとって有利な大当たりであったことを2種類の異なるタイミングで報知することができる。以下、図57を参照しつつ、1つの大当たり図柄に対して大入賞口13及びV領域195の開放パターンが予め複数用意されている他の実施形態における構成例について説明する。なお、以下の説明では、図24に例示した構成と共通する構成については説明を省略し、主に異なる点について説明する。
例えば、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりの場合、大当たり図柄の種類は、50%の割合で大当たり図柄Aに決定され、50%の割合で大当たり図柄Cに決定される。なお、この構成例では、大当たり図柄Bは予め用意されていない。そして、図57に例示されるように、大当たり図柄Aに対して、開放パターンAと開放パターンBとの2種類の開放パターンが予め対応付けられ、大当たり図柄Cに対して開放パターンCが予め対応付けられている。そして、大当たり図柄Aであれば、開放パターンAを80%の割合で選択し、開放パターンBを20%の割合で選択し、大当たり図柄Cであれば開放パターンCを100%の割合で選択するように予め設定されている。具体的には、例えば、開放パターンを決定するために用いられる開放パターン乱数と比較される判定値として「0〜99」の値が設定される場合、大当たり図柄Aに対応して「0〜79」の範囲が開放パターンAに割り振られており、「80〜99」の範囲が開放パターンBに割り振られている。また、大当たり図柄Cに対応して「0〜99」の全ての判定値が開放パターンCに割り振られている。例えば、遊技制御基板100のメインCPU101は、ステップS3195(図41参照)の処理に続いて、メインROM102に予め記憶された開放パターン選択テーブル(不図示)を参照し、特別図柄判定用の乱数の1つである開放パターン乱数を用いた抽選を行って開放パターンを決定する。
図57に例示されるように、10R目のラウンド遊技においてV領域195が短開放されるまでは、大当たり図柄および開放パターンの種類に関わらず、同じ態様で大入賞口13及びV領域195の開放が制御される。大当たり図柄Aであって開放パターンAに対応した大当たり遊技では、大入賞口13が0.2秒間短開放された直後に(10R目のラウンド遊技)、1秒間閉鎖されてから(10R目のラウンド遊技)、29秒間長開放長開放される(10R目のラウンド遊技)。また、大当たり図柄Aであって開放パターンBに対応した大当たり遊技では、大入賞口13が0.2秒間短開放された直後に(10R目のラウンド遊技)、3秒間閉鎖されてから(10R目のラウンド遊技)、29秒間長開放長開放される(10R目のラウンド遊技)。大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技では(開放パターンC)、大入賞口13が0.2秒間短開放された直後に(10R目のラウンド遊技)、3秒間閉鎖され(インターバル期間)、29.5秒間長開放される(11R目のラウンド遊技)。このように、開放パターンBは、開放パターンAよりも10R目のラウンド遊技中の閉鎖期間が長く、大当たり図柄Cに対応した10R目のラウンド遊技終了直後のインターバル期間と同じ長さに予め設定されている。
このように制御することによって、9R目のラウンド遊技終了直後に大入賞口13が0.2秒間短開放された後に1秒間閉鎖されてから29秒間長開放されると、大入賞口13の開放態様から大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技が実行されていることを認識させることが可能である。これにより、遊技者に対して大当たり遊技終了直後は確変遊技状態で遊技が制御されること(演出モードとしては確変モード)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
これに対して、9R目のラウンド遊技終了直後に大入賞口13が0.2秒間短開放された後に3秒間閉鎖されると、大当たり図柄Aであって開放パターンBに対応した大当たり遊技、および大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技のうちの何れが実行されているか判別できない。また、3秒間の閉鎖後、大当たり図柄Aであって開放パターンBに対応した10R目のラウンド遊技における2回目の開放期間(29秒間)と、大当たり図柄Cに対応した11R目のラウンド遊技における開放期間(29.5秒間)とが酷似しているため、大入賞口13の開放態様からは大当たりの種類(大当たり図柄A又はC)までは認識できない。
このような構成において、大当たり図柄の種類が大当たり図柄Aであって開放パターンAに決定された場合に大当たり態様の最終停止図柄が7図柄揃いであれば、上記実施形態において大当たり図柄Aであって最終停止図柄が7図柄揃いである場合と同じ7図柄揃い用大当たり中演出を実行する。これに対して、大当たり図柄Aであって開放パターンAに決定された場合に大当たり態様の最終停止図柄が7図柄揃い以外である他図柄揃いであれば、上記実施形態において大当たり図柄Aであって最終停止図柄が他図柄揃いである場合と同じ大当たり中演出を実行する(図30及び図27(A)参照)。一方、大当たり図柄の種類が大当たり図柄Aであって開放パターンBに決定された場合には、大当たり態様の最終停止図柄を他図柄揃いに決定し、上記実施形態において大当たり図柄Bである場合と同じ大当たり中演出を実行する(図31及び図27(B)参照)。そして、大当たり図柄Cである場合には大当たり態様の最終停止図柄を他図柄揃いに決定し、上記実施形態において大当たり図柄Cである場合と同じ大当たり中演出を実行する(図32及び図27(C)参照)。
[大当たり遊技中の演出の変形例]
上記実施形態では、大当たり遊技中にV入賞容易な大当たり(大当たり図柄A)であることを示唆する演出(例えば、7図柄揃い用大当たり中演出、及び結果報知演出(勝利報知))と、V入賞困難な大当たり(大当たり図柄C)であることを示唆する演出(例えば、キャラ紹介演出)とを備えることを前提としている。そして、V入賞に応じてV入賞音を出力せずにV入賞困難な大当たり(大当たり図柄C)であるかのように見せ掛けて遊技者を不安にさせた後、V入賞容易な大当たり(大当たり図柄B)であることを報知する演出(例えば確変移行エンディング演出)を行って遊技者を歓喜させることによって、大当たり遊技中の演出の演出効果を効果的に高めている。このために、例えば、V入賞に応じて即座(上記実施形態の第1実行タイミング)に第2確変報知演出(例えばV入賞音の出力)が実行されてから確変移行エンディング演出が実行される構成を備えることを前提として、V入賞に応じて即座に第2確変報知演出(例えばV入賞音の出力)が実行されずに確変移行エンディング演出が実行される構成を採用している。他の実施形態では、V入賞に応じて即座に第2確変報知演出が実行されてから確変移行エンディング演出が実行される構成を備えることを前提として、大当たり遊技中に所定の演出(例えば、他の演出に比べて出現率が低い演出)を強調させて注目させるために、V入賞に応じて第2確変報知演出が実行されずに確変移行エンディング演出が実行される構成を採用してもよい。
このような構成において、例えば、大当たりの種類を報知する演出であって、「連チャン数」が所定回数(例えば3)になった場合に出現する、通常と異なる特別ラウンド中演出を強調するためにV入賞に応じて第2確変報知演出を実行させなくてもよい。「連チャン数」は、大当たり遊技が行われる期間と確変遊技状態(又は時短遊技状態)の期間とが連続する期間中における大当たりの合計数である。
例えば、連チャン数が所定回数でない場合は、V入賞に応じて即座に第2確変報知演出が実行されてから確変移行エンディング演出が実行される。例えば、V入賞に応じてV入賞音が出力され、盤ランプ25等の発光素子がV入賞を報知する発光パターン(例えば虹色)で発光される。これに対して、連チャン数が所定回数である場合は、通常と異なる特別ラウンド中演出を強調するために、V入賞してもV入賞音を出力しない。また、盤ランプ25等の発光素子は、V入賞してもV入賞を報知する発光パターンで発光させずに、特別ラウンド中演出の発光パターンで発光させ続ける。すなわち、上記実施形態における大当たり図柄Bに対応した大当たり中演出(図31に例示する大当たり中演出)と同様に、V入賞に応じて、例えば、V入賞音が出力されず、盤ランプ25等の発光素子がV入賞を報知する発光パターンで発光されない。なお、特別ラウンド中演出を強調できればよく、上記実施形態における大当たり図柄Bに対応したキャラ紹介演出中にV入賞に応じてラウンド画像を表示させることによりV入賞を示唆するのと同様に、第2確変報知演出と異なる演出(例えば「V」の文字を小さく表示させる)をV入賞に応じて実行し、V入賞を示唆してもよい。
なお、他の実施形態では、大当たり遊技終了直後の遊技状態を、大当たり遊技終了に報知(又は示唆)してもよい。この場合、例えば、大当たり図柄Bに対応する大当たり遊技中に、上述した大当たり図柄Cに係る大当たり中演出と同じ(又は酷似した)演出を実行する。すなわち、大当たり図柄Bに対応した大当たり遊技中にV入賞しても、大当たり遊技中に第2確変報知演出を実行しない。そして、大当たり図柄Bに対応するエンディング演出として、時短移行エンディング演出を実行する。大当たり遊技終了直後からの特別図柄判定の回数が所定回数(例えば、時短遊技残余回数J「100」)になるまで、確変遊技状態(高確率状態かつ時短状態)に制御されていても、時短遊技状態(低確率状態かつ時短状態)に制御されている場合と同じ時短モードで変動演出を実行する。そして、特別図柄判定の回数が所定回数になった際に遊技状態を示唆する演出を実行する。このような構成により、遊技者に対して、遊技者にとって有利な遊技状態かもしれないといった期待感を大当たり遊技終了後にも抱かせ続けることが可能である。
[敵キャラ先読み演出の変形例]
上記実施形態では、敵キャラ先読み演出は、先読み対象の変動演出が開始される前の変動演出中から先読み対象の変動演出中まで実行される。他の実施形態では、先読み対象の変動演出が開始される前の複数回の変動演出における、1回または所定の回数(例えば2回)の変動演出において実行されてもよい。この場合、演出制御基板130のサブCPU131は、敵キャラ先読み演出を実行すると決定した際に、どの回の変動演出にわたって実行するかを乱数抽選によって決定してもよい。
上記実施形態では、疑似連続演出が実行されない変動演出パターンを決定可能な特別図柄の変動パターンを示す事前判定情報に基づいて敵キャラ先読み演出を実行可能とする場合について説明した。他の実施形態では、どのような変動パターンを示す事前判定情報に基づいて敵キャラ先読み演出を実行可能としてもよい。例えば、疑似連続演出を実行できる変動演出パターンを決定可能な変動パターンを示す事前判定情報に基づいて敵キャラ先読み演出を実行可能としてもよい。この場合、変動時間が相対的に長い変動パターンほど疑似連回数が多い変動演出パターンが決定され易いので、疑似連続演出が実行されるリーチ成立までの時間が相対的に長いほど大当たりに対する信頼度は相対的に高い。例えば、先読み対象に係る装飾図柄の変動表示開始時から敵キャラ先読み演出が終了してSPリーチ演出が開始するまでの時間が長いほど信頼度が相対的に高いことを示唆できる。すなわち、先読み対象に係る装飾図柄の変動表示開始時からの先読み動作演出の実行時間が長いほど信頼度が相対的に高いことが示唆できる。これにより、遊技者は、演出役物71の動作時間が長いこと、及び敵キャラ画像56の回転角度が大きいことによって信頼度が相対的に高いことを認識可能である。
上記実施形態では、事前判定情報に基づいて、先読み対象の1〜3変動前から敵キャラ先読み演出が実行されるものとして説明した。他の実施形態では、特別図柄判定の判定結果に基づいて特別図柄が変動表示を開始してから停止表示されるまでの間に、敵キャラ先読み演出と同様の演出が実行されてもよい。
また、他の実施形態では、例えば、装飾図柄が変動表示している間は演出役物71を動作させ、装飾図柄が停止表示(又は疑似停止)している間は演出役物71を初期位置に復帰させてもよい。このような構成の場合、遊技者は、装飾図柄が停止表示されたことを認識し易いため、何回の変動演出にわたって敵キャラ先読み演出が実行されているかを認識し易くなる。
上記実施形態では、敵キャラ先読み演出は、画面縮小演出、先読み動作演出、移行ボタン演出、移行演出の順に実行されるものとして説明したが、敵キャラ先読み演出の構成はこれに限らない。他の実施形態では、敵キャラ先読み演出は、画面縮小演出、先読み動作演出、移行ボタン演出、及び移行演出のうちの一部の演出で構成されてもよく、例えば、先読み動作演出のみで構成されてもよい。
他の実施形態では、敵キャラ先読み演出が実行される可能性を示唆する演出が実行されてもよい。例えば、演出役物71を構成する構成部材71aL、71aR、71bL、及び71bRを、予め定められた所定段階数(例えば3)まで段階的に動作させるステップアップ演出を実行可能でもよい。そして、このステップアップ演出において何段階目まで発展するかによって敵キャラ先読み演出が実行される可能性を示唆してもよい。例えば、ステップアップ演出の1段階目では、構成部材71aL及び71aRを初期位置から進出位置に移動させる。2段階目では、構成部材71aL及び71aRを進出位置に配置したままの状態で更に構成部材71bLを初期位置から進出位置に移動させ、3段階目では、構成部材71aL、71aR、及び71bLを進出位置に配置したままの状態で更に構成部材71bRを初期位置から進出位置に動作させる。例えば、3段階目まで発展すれば敵キャラ先読み演出が必ず開始され、3段階目まで発展しなければ敵キャラ先読み演出が開始されるときと開始されないとき(いわゆるガセのステップアップ演出)とがあってもよい。
また、例えば、画面縮小画像55または進出位置に配置された状態の演出役物71を模した演出画像を断続的に表示させる画面示唆演出を実行することで、敵キャラ先読み演出が実行される可能性を示唆してもよい。一例として、100%以下の不透明度(例えば不透明度60%)で画面縮小画像55を断続的に表示し、画面縮小画像55の不透明度が100%になれば敵キャラ先読み演出が開始され、画面縮小画像55の不透明度が100%にならなければ、その変動演出中に敵キャラ先読み演出が開始されなくてもよい(いわゆるガセの画面示唆演出)。
上記ガセのステップアップ演出およびガセの画面示唆演出の後には、これらの演出開始時に保留されていた特別図柄判定に対応した変動演出中に、敵キャラ先読み演出が実行されなくてもよいし(ガセ)、敵キャラ先読み演出が実行されてもよい(すなわちガセではなかった)。例えば、画面縮小画像55の不透明度が100%以下の状態で終了した画面示唆演出終了後に、この画面示唆演出開始時に保留されていた特別図柄判定に対応した変動演出の開始時または実行中に、例えば、敵キャラ先読み演出における先読み動作演出以降の演出が実行されて、SP1又はSP2に直発展する場合があってもよい。このような態様で敵キャラ先読み演出が実行されることで、ステップアップ演出および画面示唆演出の終了直後に敵キャラ先読み演出が実行されなくても、その後に実行される可能性があるので、SP1又はSP2が実行されることになる保留があるかもしれないといった遊技者の期待感を維持し、敵キャラ先読み演出の演出効果を高めることが可能性である。また、ステップアップ演出および画面示唆演出後に敵キャラ先読み演出が実行されない場合もあるので(ガセ)、SP1又はSP2が実行されないにも関わらずガセで行われたのかもしれないといった不安感を保留消化時に与えることができ、ステップアップ演出、画面示唆演出、及び敵キャラ先読み演出の演出効果を効果的に高めることが可能である。
上記実施形態では、敵キャラ先読み演出によって、SPリーチ演出(SP1又はSP2)が実行されることを報知する場合について説明した。他の実施形態では、敵キャラ先読み演出によって、SPリーチ演出が実行される可能性が相対的に高いことを示唆してもよく、敵キャラ先読み演出終了直後にSPリーチ演出に直発展せず、そのままハズレが報知されてもよい。
また、敵キャラ先読み演出によって、示唆する演出はSPリーチ演出に限らず、どのような演出でもよい。例えば、敵キャラ先読み演出によって、疑似連続演出が2回実行されることを示唆してもよいし、大当たりに対する信頼度が相対的に高い所定の予告演出(例えば群予告演出)が実行されることを示唆してもよい。
また、他の実施形態では、大当たり図柄Aであって敵キャラ先読み演出の先読み対象であると判定した場合に、最終停止図柄を7図柄に決定してもよい。
なお、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[本発明に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
本発明に係る遊技機は、始動条件の成立により、特別遊技(例えば、大当たり図柄A〜Dの何れかに対応した大当たり遊技)を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(例えば100)と、前記特別遊技を行うと前記特別遊技判定手段によって判定された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば100)と、前記特別遊技終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定手段(例えば100)と、演出を制御する演出制御手段(例えば130)とを備え、前記特別遊技には、前記特別遊技の実行中に遊技球が特定領域(例えば195)を通過し易い第1特別遊技(例えば、大当たり図柄A又はBに対応した大当たり遊技)と、当該第1特別遊技よりも遊技球が前記特定領域を通過し難い第2特別遊技(例えば、大当たり図柄Cに対応した大当たり遊技)とがあり、前記遊技状態設定手段は、前記特別遊技の実行中に遊技球が前記特定領域を通過すると、当該特別遊技終了後の遊技状態を遊技者に有利な高確率遊技状態(例えば、高確率状態かつ時短状態)に設定可能であり、前記演出制御手段は、前記第1特別遊技の実行中に、特別遊技演出(例えば、大当たり図柄A又はBかつ他図柄揃いに対応した他図柄揃い用大当たり中演出)と、遊技球が前記特定領域を通過したことを認識可能な特定演出(例えば、第2確変報知演出)とを実行可能であり、前記特別遊技演出には、前記特定領域への遊技球の打ち出しを遊技者に促す領域報知演出(例えば、第1確変報知演出)が行われる第1演出態様(例えば、大当たり図柄Aかつ他図柄揃いに対応した他図柄揃い用大当たり中演出)と、前記領域報知演出が行われない第2演出態様(例えば、大当たり図柄Bかつ他図柄揃いに対応した他図柄揃い用大当たり中演出)とがあって、前記特別遊技演出が前記第1演出態様で行われると、遊技球が前記特定領域を通過した後の所定のタイミング(例えば、第1実行タイミング)において前記特定演出を行う一方、前記特別遊技演出が前記第2演出態様で行われると、遊技球が前記特定領域を通過しても当該所定のタイミングにおいて前記特定演出を行わない(例えば、大当たり図柄Aかつ他図柄揃いに対応した他図柄揃い用大当たり中演出が行われると、V入賞に応じて第1実行タイミングで第2確変報知演出が実行される。これに対して、大当たり図柄Bかつ他図柄揃いに対応した他図柄揃い用大当たり中演出が行われると、V入賞しても第1実行タイミングで第2確変報知演出が実行されない。)
上記構成によれば、特別遊技演出が第2演出態様で行われると、遊技球が特定領域を通過しても、特別遊技演出が第1演出態様で行われているときに遊技球が特定領域を通過すると特定演出が実行される所定のタイミングにおいて、特定演出が実行されない。所定のタイミングで特定演出が実行されるか否かが特別遊技演出の演出態様によって異なるので、特別遊技演出の演出効果を高めつつ、より効果的に特定演出を行うことが可能である。
本発明に係る遊技機は、取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段(例えば100)と、前記取得手段によって取得された取得情報に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(例えば100)と、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、図柄を変動表示させてから停止表示させることによって前記特別遊技判定手段による判定結果を報知する図柄変動手段(例えば100)と、前記特別遊技判定手段による判定に先立って、前記取得手段によって取得された取得情報に基づいて、前記特別遊技を実行するか否かを事前判定する事前判定手段(図35のS2109及び図37のS2209)と、演出を制御する演出制御手段(例えば130)とを備え、前記演出制御手段は、前記図柄変動手段による前記図柄の変動表示に応じて開始され、前記図柄の停止表示に応じて終了される所定演出(例えば、装飾図柄の変動表示)を前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて実行すると共に、可動役物(例えば71)を動作させる動作演出(例えば敵キャラ先読み演出)を前記事前判定手段による事前判定結果に基づいて実行することが可能であって、前記事前判定結果の基となった取得情報(例えば、敵キャラ先読み演出の先読み対象)に対応する所定演出である対象所定演出よりも前の所定演出(例えば、敵キャラ先読み演出の開始対象に係る装飾図柄の変動表示中)から、前記対象所定演出までの1以上の連続して実行される所定演出にわたり、断続的または連続的に前記動作演出を実行することが可能である(例えば、少なくとも1変動前から敵キャラ先読み演出の先読み対象に係る装飾図柄の変動表示中まで継続して演出役物71が動作される。)。
上記構成によれば、1以上の連続して実行される所定演出から対象所定演出までにわたって動作演出が行われる。これにより、何れの所定演出が対象所定演出であるのか分かり易く、演出をより効果的に行うことが可能である。