JP2018037718A - 無線装置および基地局 - Google Patents

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Yuta Manabe
裕太 眞辺
邦之 鈴木
Kuniyuki Suzuki
邦之 鈴木
正幸 中澤
Masayuki Nakazawa
正幸 中澤
直文 岩山
Naofumi Iwayama
直文 岩山
村田 吉隆
Yoshitaka Murata
吉隆 村田
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Abstract

【課題】少ない配線で無線制御装置と接続しつつも、複数のアンテナ素子を用いて通信端末と適切に通信できる無線装置を提供する。【解決手段】無線装置902は、ビームパラメータ導出部930と、ビーム形成部920と、N(N≧2)個のアンテナ素子906とを備えている。ビームパラメータ導出部930は、送信用のウェイトおよび受信用のウェイトの各々を、送信データおよび受信データに基づいて算出する。ビーム形成部920は、送信用のウェイトを用いた重み付けを含む送信処理を送信データに行い、受信用のウェイトを用いた重み付けを含む受信処理を受信データに行う。アンテナ素子906は、送信処理が行われた後の送信データを複数の通信端末へと送信し、複数の通信端末からの受信処理が行われる前の受信データを受信してビーム形成部920へ出力する。【選択図】図9

Description

本発明は、無線装置および基地局に関する。
移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)と称され、コアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(以下、まとめて、「ネットワーク」とも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される通信方式が検討されている(例えば、非特許文献1〜7参照)。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
LTEのアクセス方式としては、下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が用いられる。また、LTEは、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)とは異なり、回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
非特許文献1(5章)に記載される、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する決定事項について、図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図1において、1つの無線フレーム(Radio frame)の長さ(時間)は10msである。無線フレームは10個の等しい長さ(時間)のサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい長さ(時間)のスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目および6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P−SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S−SS)とがある。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。
物理報知チャネル(Physical Broadcast channel:PBCH)は、基地局装置(以下、単に「基地局」という場合がある)から移動端末装置(以下、単に「移動端末」という場合がある)などの通信端末装置(以下、単に「通信端末」という場合がある)への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。
物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの数を、基地局から通信端末へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、後述のトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)のリソース割り当て(allocation)情報、後述のトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)のリソース割り当て(allocation)情報、DL−SCHに関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)、およびトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。
物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CQI(Channel Quality Indicator)レポートを運ぶ。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。
物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、トランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下り参照信号(リファレンスシグナル(Reference Signal):RS)は、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の5種類の下りリファレンスシグナルが定義されている。セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signals:CRSs)、MBSFN参照信号(MBSFN reference signals)、UE固有参照信号(UE-specific reference signals)であるデータ復調用参照信号(Demodulation Reference Signals:DM−RSs)、位置決定参照信号(Positioning Reference Signals:PRSs)、チャネル情報参照信号(Channel-State Information Reference Signals:CSI−RSs)。通信端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、説明する。下りトランスポートチャネルのうち、報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL−SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)ともいわれる。DL−SCHは、通信端末の低消費電力化のために通信端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL−SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、通信端末の低消費電力を可能とするために通信端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)サービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
上りトランスポートチャネルのうち、上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組合せによって、伝送路の通信品質を向上させる技術である。HARQには、通信品質が変化する伝送路に対しても、再送によって誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、説明する。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、通信端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、通信端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、通信端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を有していない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから通信端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、通信端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、通信端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別通信端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから通信端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
CGIとは、セルグローバル識別子(Cell Global Identifier)のことである。ECGIとは、E−UTRANセルグローバル識別子(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network Cell Global Identifier)のことである。LTE、後述のLTE−A(Long Term Evolution Advanced)およびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSG(Closed Subscriber Group)セルが導入される。
CSG(Closed Subscriber Group)セルとは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセル(以下「特定加入者用セル」という場合がある)である。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)の1つ以上のセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のセルを「CSGセル(CSG cell(s))」と呼ぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。
CSGセルは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity:CSG ID;CSG−ID)を報知し、CSGインジケーション(CSG Indication)にて「TRUE」を報知するPLMNの一部である。予め利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。
CSG−IDは、CSGセルまたはセルによって報知される。LTE方式の通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために、通信端末(UE)によって使用される。
通信端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても通信端末の位置を追跡し、通信端末を呼び出す、換言すれば通信端末が着呼することを可能にするために行われる。この通信端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home−NB;HNB)、Home−eNodeB(Home−eNB;HeNB)と称される基地局が検討されている。UTRANにおけるHNB、およびE−UTRANにおけるHeNBは、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献3には、HeNBおよびHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。具体的には、オープンアクセスモード(Open access mode)と、クローズドアクセスモード(Closed access mode)と、ハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)とが開示されている。
各々のモードは、以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、CSGセルとして操作される。このCSGセルは、CSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルとして操作される。言い換えれば、ハイブリッドアクセスモードのセル(ハイブリッドセルとも称する)は、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードとの両方をサポートするセルである。
3GPPでは、全ての物理セル識別子(Physical Cell Identity:PCI)のうち、CSGセルで使用するためにネットワークによって予約されたPCI範囲がある(非特許文献1 10.5.1.1章参照)。PCI範囲を分割することをPCIスプリットと称することがある。PCIスプリットに関する情報(PCIスプリット情報とも称する)は、システム情報によって基地局から傘下の通信端末に対して報知される。基地局の傘下とは、該基地局をサービングセルとすることを意味する。
非特許文献4は、PCIスプリットを用いた通信端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない通信端末は、全PCIを用いて、例えば504コード全てを用いて、セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する通信端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の規格策定が進められている(非特許文献5、非特許文献6参照)。LTE−Aは、LTEの無線区間通信方式を基本とし、それにいくつかの新技術を加えて構成される。
LTE−Aシステムでは、100MHzまでのより広い周波数帯域幅(transmission bandwidths)をサポートするために、二つ以上のコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)を集約する(「アグリゲーション(aggregation)する」とも称する)、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)が検討されている。
CAが構成される場合、UEはネットワーク(Network:NW)と唯一つのRRC接続(Radio Resource Control connection)を有する。RRC接続において、一つのサービングセルがNASモビリティ情報とセキュリティ入力を与える。このセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ぶ。下りリンクで、PCellに対応するキャリアは、下りプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DL PCC)である。上りリンクで、PCellに対応するキャリアは、上りプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:UL PCC)である。
UEの能力(ケーパビリティ(capability))に応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)が、PCellとサービングセルとの組を形成するために構成される。下りリンクで、SCellに対応するキャリアは、下りセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DL SCC)である。上りリンクで、SCellに対応するキャリアは、上りセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:UL SCC)である。
一つのUEに対して、一つのPCellと、一つ以上のSCellからなるサービングセルとの組が構成される。
また、LTE−Aでの新技術としては、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)、および多地点協調送受信(Coordinated Multiple Point transmission and reception:CoMP)技術などがある。3GPPでLTE−Aのために検討されているCoMPについては、非特許文献7に記載されている。
モバイルネットワークのトラフィック量は、増加傾向にあり、通信速度も高速化が進んでいる。LTEおよびLTE−Aが本格的に運用を開始されると、更に通信速度が高速化され、トラフィック量が増加することが見込まれる。
また、スマートフォンおよびタブレット端末の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィック量が爆発的に増加しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。
トラフィック量の増加の問題に対して、3GPPにおいて、リリース12版の規格書の策定が進められている。リリース12版の規格書では、将来の膨大なトラフィック量に対応するために、スモールeNBを用いることが検討されている。例えば、多数のスモールeNBを設置して、多数のスモールセルを構成することによって、周波数利用効率を高めて、通信容量の増大を図る技術などが検討されている。
その中で、マクロセルとスモールセルとがオーバラップしている場合に、通信端末がマクロセルとスモールセルとの両方に接続する技術として、デュアルコネクティビティ(dual connectivity)が議論されている(非特許文献11参照)。非特許文献11には、マクロセルとスモールセルとがオーバラップしている場合に、通信端末がマクロセルとスモールセルとの両方に接続する技術として、デュアルコネクティビティ(dual connectivity)が開示されている。
さらに、高度化する移動体通信に対して、2020年以降にサービスを開始することをターゲットとした第5世代(以下「5G」という場合がある)無線アクセスシステムが検討されている。例えば、欧州では、METISという団体で5Gの要求事項がまとめられている(非特許文献12参照)。
5G無線アクセスシステムでは、LTEシステムに対して、システム容量は1000倍、データ伝送速度は100倍、データ処理遅延は10分の1(1/10)、通信端末の同時接続数は100倍として、更なる低消費電力化、および装置の低コスト化を実現することが要件として挙げられている。
このような要求を満たすために、周波数を広帯域で使用してデータの伝送容量を増やすことや、周波数利用効率を上げてデータ伝送速度を上げるため、空間多重を可能とする、多素子アンテナを用いたMIMOやビームフォーミングなどの技術が検討されている。
一方、例えば、非特許文献11のように、無線・アンテナ部制御部REC(Radio Equipment Controller)と、無線・アンテナ部RE(Radio Equipment)との間のインタフェースの検討が始まっている。以下では、無線・アンテナ部制御部を無線制御装置とも呼び、無線・アンテナ部を無線装置とも呼ぶ。無線制御装置と無線装置とは光配線を介して相互に接続されている。無線制御装置は光配線を介してデータを無線装置へと送信し、無線装置はこのデータを通信端末へと無線で送信する。
また本願に関連する技術として、特許文献1,2を掲示する。
特許第5799816号公報 特開2001−292079号公報
3GPP TS 36.300 V11.7.0、[online]、[平成28年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.300/36300-b70.zip> 3GPP S1−083461、[online]、[平成28年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG1_Serv/TSGS1_42_Seoul/tdocs/S1-083461.zip> 3GPP R2−082899、[online]、[平成28年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_62/Docs/R2-082899.zip> 3GPP TR 36.814 V9.0.0、[online]、[平成28年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.814/36814-900.zip> 3GPP TR 36.912 V10.0.0、[online]、[平成28年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.912/36912-a00.zip> 3GPP TR 36.819 V11.1.0、[online]、[平成28年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.819/36819-b10.zip> 3GPP TS 36.141 V11.1.0、[online]、[平成28年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.141/36141-b10.zip> 3GPP TR 36.842 V0.2.0、[online]、[平成28年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.842/36842-020.zip> "Scenarios, requirements and KPIs for 5G mobile and wireless system"、[online]、平成25(2013)年4月30日、ICT−317669−METIS/D1.1、[平成26年10月20日検索]、インターネット< URL:https://www.metis2020.com/wp-content/uploads/deliverables/METIS_D1.1_v1.pdf> ETSI GS ORI 002−1 V4.1.1、[online]、[平成27年10月27日検索]、インターネット<URL:http://www.etsi.org/deliver/etsi_gs/ORI/001_099/00201/04.01.01_60/gs_ori00201v040101p.pdf> ETSI GS ORI 001 V4.1.1、[online]、2014年10月、[平成28年6月23日]、インターネット<URL:http://www.etsi.org/deliver/etsi_gs/ORI/001_099/001/04.01.01_60/gs_ORI001v040101p.pdf> ETSI GS ORI 002−2 V4.1.1、[online]、2014年10月、[平成28年6月23日]、インターネット<URL:http://www.etsi.org/deliver/etsi_gs/ORI/001_099/00202/04.01.01_60/gs_ORI00202v040101p.pdf> 3GPP TS36.213 V13.0.1、[online]、2016年1月、 [平成28年6月23日]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.213/36213-d01.zip>
スループットの向上を目的として、無線装置に複数のアンテナ素子を設けることが考えられている。無線装置は、複数のアンテナ素子毎に異なるデータを送信することで、スループットを向上できる。しかしながら、複数のアンテナ素子毎に送信するデータを、無線制御装置から無線装置へと伝送する場合には、多くの光配線が必要になる。LTE−Aの例では、100MHz帯域幅で1アンテナ素子あたり5Gbpsの光配線が1本必要になるので、非特許文献9に記載されている5Gの要件で必要となる10Gbpsを実現するために、500MHz帯域幅使用した場合、32素子のアレーアンテナでは、32×5=160本の光配線が必要となる。
そこで、本発明は、少ない配線で無線制御装置と接続しつつも、複数のアンテナ素子を用いて通信端末と適切に通信できる無線装置を提供することを目的とする。
無線装置は、無線通信の基地局に設けられ、基地局の無線制御装置からの送信データを複数の通信端末へとビームフォーミングを適用して無線で送信し、無線で受信した複数の通信端末からの受信データを無線制御装置へとビームフォーミングを適用して与える。無線装置は、ビームパラメータ導出部と、ビーム形成部と、N(N≧2)個のアンテナ素子とを備える。ビームパラメータ導出部は、ビームフォーミングで用いる送信用のウェイトおよび受信用のウェイトの各々を、送信データおよび受信データに基づいて算出する。ビーム形成部は、送信用のウェイトを用いた重み付けを含む送信処理を送信データに行い、受信用のウェイトを用いた重み付けを含む受信処理を受信データに行う。N個のアンテナ素子は、送信処理が行われた後の送信データを複数の通信端末へと送信し、複数の通信端末からの受信処理が行われる前の受信データを受信してビーム形成部へ出力する。
無線装置によれば、少ない配線で無線制御装置と接続しつつも、複数のアンテナ素子を用いて通信端末と適切に通信できる。
LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。 3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。 本発明に係る通信端末である図2に示す通信端末202の構成を示すブロック図である。 本発明に係る基地局である図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。 本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。 LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。 マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。 従来の無線装置および無線制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 本実施の形態にかかる無線装置および無線制御装置の構成の一例を概略的に示すブロック図である。 ビーム形成部およびビームパラメータ導出部の内部構成の一例を概略的に示すブロック図である。 送信処理部、受信処理部および導出部の内部構成の一例を概略的に示すブロック図である。 ビームパラメータ導出部の動作の一例を示すフローチャートである。 無線フレームの構成の一例を概略的に示す図である。 ビームの指向性を説明するための図である。 ビームの指向性を説明するための図である。 ビームの指向性を説明するための図である。
実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)201と称される。通信端末装置(以下、単に「通信端末」と表記)202は、基地局装置(以下「基地局」という)203と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。図2の例示では、通信端末202は、移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)である。
ここで、「通信端末装置」とは、移動可能な携帯電話端末装置などの移動端末装置だけでなく、センサーなどの移動しないデバイスも含んでいる。
通信端末202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレーン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局203で終端するならば、E−UTRAN201は1つあるいは複数の基地局203によって構成される。
通信端末202と基地局203との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局203と通信端末202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
基地局203は、eNB(E-UTRAN NodeB)207と、Home−eNB206とに分類される。通信システム200は、複数のeNB207を含むeNB群203−1と、複数のHome−eNB206を含むHome−eNB群203−2とを備える。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
eNB207は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS−GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)204とS1インタフェースにより接続され、eNB207とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのeNB207に対して、複数のMME部204が接続されてもよい。eNB207間は、X2インタフェースにより接続され、eNB207間で制御情報が通信される。
Home−eNB206は、MME部204とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB206とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのMME部204に対して、複数のHome−eNB206が接続される。あるいは、Home−eNB206は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)205を介してMME部204と接続される。Home−eNB206とHeNBGW205とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW205とMME部204とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB206が一つのHeNBGW205と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW205は、一つまたは複数のMME部204と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部204およびHeNBGW205は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB207およびHome−eNB206と、移動端末(UE)202との接続を制御する。MME部204は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局203およびHeNBGW205は、E−UTRAN201を構成する。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB206間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB206間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB206間で制御情報が通信される。MME部204からは、HeNBGW205はHome−eNB206として見える。Home−eNB206からは、HeNBGW205はMME部204として見える。
Home−eNB206が、HeNBGW205を介してMME部204に接続される場合および直接MME部204に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB206とMME部204との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。
基地局203は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、通信端末202と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で通信端末202と無線通信を行う。1つの基地局203が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、通信端末202と通信可能に構成される。
図3は、本発明に係る通信端末であって図2に示す通信端末202として採用される通信端末300の構成を示すブロック図である。通信端末300の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部301からの制御データ、およびアプリケーション部302からのユーザデータが、送信データバッファ部303へ保存される。送信データバッファ部303に保存されたデータは、エンコーダー部304へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部303から変調部305へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部304でエンコード処理されたデータは、変調部305にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部306へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ307から基地局203へ送信信号が送信される。
また、通信端末202の受信処理は、以下のように実行される。基地局203からの無線信号がアンテナ307により受信される。受信信号は、周波数変換部306にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部308において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部309へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部301へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部302へ渡される。通信端末202の一連の処理は、制御部310によって制御される。よって制御部310は、図3では省略しているが、各部301〜306,308,309及びアンテナ307と接続している。
図4は、本発明に係る基地局であって図2に示す基地局203として採用される基地局400の構成を示すブロック図である。基地局400の送信処理を説明する。EPC通信部401は、基地局203とEPC(MME部204など)、HeNBGW205などとの間のデータの送受信を行う。他基地局通信部402は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部401および他基地局通信部402は、それぞれプロトコル処理部403と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部403からの制御データ、ならびにEPC通信部401および他基地局通信部402からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部404へ保存される。
送信データバッファ部404に保存されたデータは、エンコーダー部405へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部404から変調部406へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部406にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部407へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ408より一つもしくは複数の通信端末202に対して送信信号が送信される。
また、基地局203の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の通信端末202からの無線信号が、アンテナ408により受信される。受信信号は、周波数変換部407にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部409で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部410へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部403あるいはEPC通信部401、他基地局通信部402へ渡され、ユーザデータはEPC通信部401および他基地局通信部402へ渡される。基地局203の一連の処理は、制御部411によって制御される。よって制御部411は、図4では省略しているが、各部401〜407,409,410及びアンテナ408と接続している。
図5は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図5では、前述の図2に示すMME部204に含まれるMME500の構成を示す。PDN GW通信部501は、MME500とPDN GW(Packet data network gateway:不図示)との間のデータの送受信を行う。基地局通信部502は、MME部204と基地局203との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部501から、ユーザプレーン通信部503経由で基地局通信部502に渡され、1つあるいは複数の基地局203へ送信される。基地局203から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部502から、ユーザプレーン通信部503経由でPDN GW通信部501に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部501から制御プレーン制御部505へ渡される。基地局203から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部502から制御プレーン制御部505へ渡される。
HeNBGW通信部504は、HeNBGW205が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME部204とHeNBGW205との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部504から受信した制御データは、HeNBGW通信部504から制御プレーン制御部505へ渡される。制御プレーン制御部505での処理の結果は、PDN GW通信部501経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレーン制御部505で処理された結果は、基地局通信部502経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局203へ送信され、またHeNBGW通信部504経由で1つあるいは複数のHeNBGW205へ送信される。
制御プレーン制御部505には、NASセキュリティ部505−1、SAEベアラコントロール部505−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部505−3などが含まれ、制御プレーンに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部505−1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部505−2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部505−3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の通信端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME500は、1つまたは複数の基地局203に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME500は、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME500は、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME500は、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME部204に接続されるHome−eNB206のCSGの管理およびCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部505−3で行われてもよい。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図6は、LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。通信端末は、セルサーチを開始すると、ステップST601で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(Synchronization Signal:SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST602で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST603で、ステップST602までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST604で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST605で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST606で、通信端末は、ステップST605で受信したSIB1のTACと、通信端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
通信端末は、ステップST606で比較した結果、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、通信端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに通信端末から送られてくる該通信端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、通信端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。通信端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、通信端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、通信端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
スマートフォンおよびタブレット端末の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、カバレッジが比較的大きいセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、カバレッジが比較的小さいセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
マクロeNBは、例えば、非特許文献8に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献8に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
図7は、マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。マクロeNBによって構成されるマクロセルは、比較的広い範囲のカバレッジ701を有する。スモールeNBによって構成されるスモールセルは、マクロeNB(マクロセル)のカバレッジ701に比べて範囲が小さいカバレッジ702を有する。
複数のeNBが混在する場合、あるeNBによって構成されるセルのカバレッジが、他のeNBによって構成されるセルのカバレッジ内に含まれる場合がある。図7に示すセルの構成では、参照符号「704」または「705」で示されるように、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702が、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合がある。
また、参照符号「705」で示されるように、複数、例えば2つのスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合もある。移動端末(UE)703は、例えばスモールセルのカバレッジ702内に含まれ、スモールセルを介して通信を行う。
また図7に示すセルの構成では、参照符号「706」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが複雑に重複する場合が生じる。
また、参照符号「707」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが重複しない場合も生じる。
さらには、参照符号「708」で示されるように、多数のスモールeNBによって構成される多数のスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロeNBによって構成される1つのマクロセルのカバレッジ701内に構成される場合も生じる。
図8は、従来の無線・アンテナ部(以下、「無線装置」とも呼ぶ)802の構成の一例を概略的に示す図である。この無線装置802は、例えば、基地局203に属している。
無線・アンテナ部制御部(以下、「無線制御装置」とも呼ぶ)801は、非特許文献11に記載されているREC(Radio Equipment Controller)に相当し、無線装置802は、非特許文献11に記載されているRE(Radio Equipment)に相当する。無線制御装置801と無線装置802とは、例えば光配線などの配線800を介して相互に接続される。無線制御装置801と無線装置802とは、互いに隣り合って近くに設置されてもよいし、あるいは、互いに遠く離れて設置されてもよい。
無線装置802は配線800を介して無線制御装置801とデータを送受信し、また、無線で通信端末202とデータを送受信する。具体的には、無線装置802は無線制御装置801から送信されたデータを通信端末202へと無線で送信し、通信端末202から無線で送信されたデータを受信して、受信したデータを無線制御装置801へと送信する。
無線装置802は、インタフェース部803,809と、送信機804と、送受分離部805と、アンテナ素子806と、受信機808とを備えている。
インタフェース部803は、配線800を介して入力された入力信号にデジタル/アナログ変換などの処理を行った上で、処理後の入力信号から送信データを抜き取り、この送信データを送信機804へと出力する。送信機804は、送信データを所望の搬送波にアップコンバートし、アップコンバートされた信号を送受分離部805へと出力する。送受分離部805は、アイソレータまたはサーキュレータなどのユニットを有しており、このユニットを用いて送信データと受信データとを互いに分離する。送受分離部805は、送信データをアンテナ素子806から放射させる。
アンテナ素子806は例えばセクタアンテナである。この場合、セクタの反射板に応じた範囲内において、無制御の指向性の放射が行われる。或いは、例えばアンテナ素子806がダイポールアンテナである場合には、オムニ指向性で放射が行われる。
受信と送信とにおいて、同じビームが形成される例を説明する。アンテナ素子806は、図8にその指向性が模式的に示されたビーム807を受信する。送受分離部805は、アンテナ素子806で受信した受信データをアイソレータまたはサーキュレータなどのユニットに経由させて、送信データと受信データとを互いに分離し、受信データを受信機808に出力する。受信機808は受信データをダウンコンバートし、ダウンコンバートされた受信データをインタフェース部809へと出力する。インタフェース部809は、この受信データに対してアナログ/デジタル変換などの処理を行い、処理後の受信データを、配線800を介して無線制御装置801へ送信する。
以上のように、無線装置802がアンテナ素子806から1本分のデータを送受信している場合、無線制御装置801はアンテナ素子806の1本分のデータしか送受信できない。そのため、セクタアンテナまたはオムニ指向性のアンテナのように、アンテナ素子806の固有の指向性でデータを送信することしかできなかった。
図9は、本実施の形態にかかる無線・アンテナ部(無線装置)および無線・アンテナ部制御部(無線制御装置)の構成の一例を概略的に示すブロック図である。無線制御装置901は、非特許文献11に記載されているRECに相当し、無線装置902は、非特許文献11に記載されているREに相当する。無線制御装置901および無線装置902は例えば光配線などの配線900を介して相互に接続される。無線制御装置901と無線装置902とは、互いに隣り合って近くに設置されてもよく、あるいは互いに遠くに離れて設置されてもよい。
無線装置902は配線900を介して無線制御装置901とデータを送受信し、また、無線で通信端末202とデータを送受信する。この点は無線装置802と同様である。一方で、無線装置902は、無線装置802とは異なって、ビームフォーミングに関する処理を行う。
<無線装置の概要>
以下では、まず無線装置902の概要を説明し、その後に詳述する。図9に示すように、無線装置902は、ビーム形成部920と、ビームパラメータ導出部930と、N(Nは2以上の自然数)個の送受信処理部910−1〜910−Nと、N個のアンテナ素子906−1〜906−Nとを備えている。なお、以下では、送受信処理部910−1〜910−Nの各々を、単に送受信処理部910と呼ぶことがある。アンテナ素子906−1〜906−Nについても同様である。
ビーム形成部920は、無線制御装置901からの送信データ、および、通信端末202からの受信データに対して、それぞれ、ビームフォーミング処理を行う。ビームフォーミングとは、複数のアンテナ素子906から送信される複数の送信データの振幅および位相を、アンテナ素子906毎に調整することにより、所望の指向性で送信データを放射する技術をいう。また、このビームフォーミングは、複数のアンテナ素子906で受信された複数の受信データの振幅および位相を、アンテナ素子806毎に調整し、調整後の複数の受信データを合成することにより、所望の指向性で送信された受信データを適切に受信する技術も含む。
ビームパラメータ導出部930は、通信端末202からの受信データ、および、無線制御装置901からの送信データを、ビーム形成部920を介してモニタする。ビームパラメータ導出部930は、受信データおよび送信データに基づいて、上記ビームフォーミング処理に必要なビームパラメータを導出し、そのビームパラメータをビーム形成部920へと出力する。なお、ここでいうビームパラメータは、ビームフォーミング処理に用いるウェイト(振幅および位相)を含む。このウェイトを送信データに乗算することにより、送信データの振幅および位相を調整することができる。受信データについても同様である。
なおビーム形成部920およびビームパラメータ導出部930の機能は、ハードウェア回路によって実装されてもよく、あるいは、ソフトウェアによって実装されてもよい。後者の場合、例えば無線装置902は、演算処理装置と、記憶媒体とを備えていてもよい。演算処理装置は例えばCPU(Central processing unit)などの処理装置である。記憶媒体は、例えば、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を備えている。この記憶媒体(具体的には例えばROM)には、プログラムが記憶されている。また記憶媒体(具体的には例えばRAM)は演算処理装置に作業領域を提供することができる。演算処理装置は、記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し、当該作業領域上で、当該プログラムを実行する。これにより、演算処理部装置が、ビーム形成部920およびビームパラメータ導出部930の機能を実行することができる。
ビーム形成部920には、配線900を介して無線制御装置901から、送信データを含む入力信号が入力される。ビーム形成部920はこの入力信号から送信データを分離する。無線制御装置901から入力される送信データは、例えば、セクタアンテナへの送信データと同一、すなわち、例えば、アレーアンテナにおける1素子分のデータである。簡単に説明すれば、この送信データはビームフォーミング処理が行われる前のデータである。
次に、ビーム形成部920は、ビームパラメータ導出部930からの制御にしたがって、送信データにビームフォーミング処理を行って、ビーム形成を行う。このビーム形成の結果として、ビーム形成部920はN個のアンテナ素子906のそれぞれに対応するN個の送信データを生成する。ビーム形成部920は、これらの送信データをそれぞれ送受信処理部910へと出力する。
N個の送受信処理部910はN個のアンテナ素子906に個別に対応して設けられている。N個の送受信処理部910の各々には、ビーム形成部920から、対応するアンテナ素子906から放射すべき送信データが入力される。
各送受信処理部910は、DA変換部911と、AD変換部915と、送信機912と、送受分離部913と、受信機914とを備えている。DA変換部911には、ビーム形成部920からの送信データが入力される。DA変換部911は、この送信データに対してデジタル/アナログ変換を行い、変換後の送信データを送信機912へと出力する。
送信機912はこのアナログの送信データを、所望の搬送波にアップコンバートし、アップコンバート後の送信データを送受分離部913に出力する。送受分離部913はアイソレータまたはサーキュレータなどのユニットを有している。送信データはこのユニットを経由して、アンテナ素子906によって放射される。
図9の例示では、N個のアンテナ素子906によって、指向性が模式的に示された2本のビーム9071,9072が形成されている。無線装置902が送信データを複数の通信端末202へと同時に送信する場合、ビームの数はその通信端末202の数(以下、ユーザ数とも呼ぶ)であってもよい。また以下で詳述するように、ビームの数は、必ずしもユーザ数と一致する必要はなく、送り先に応じて決定してもよい。
通信端末202と無線装置902とが受信データおよび送信データをやり取りするときには、送受において同じビームを形成してもよい。ここでは、主として同じビームが形成される場合について説明する。ビーム9072,9071が合成された受信データをN個のアンテナ素子906で受信する。各アンテナ素子906で受信された受信データは、対応する送受信処理部910の送受分離部913に入力される。送受分離部913は、アイソレータまたはサーキュレータ等のユニットを用いて、受信データと送信データとを互いに分離し、受信データを受信機914に出力する。受信機914は受信データをダウンコンバートし、ダウンコンバート後の受信データをAD変換部915へと出力する。AD変換部915は、この受信データに対してアナログ/デジタル変換を行い、変換後の受信データをビーム形成部920へと送信する。
ビーム形成部920は、複数の送受信処理部910から入力された複数の受信データにビームフォーミング処理を行って合成する。より具体的には、ビーム形成部920は、受信用のウェイトを用いた重み付けを含む受信処理を複数の受信データに行った上で、これらを合成する。受信用のウェイトはビームパラメータ導出部930によって算出される。そしてビーム形成部920は、合成後の受信データを、配線900を介して無線制御装置901へと送信する。
なお配線900は例えば光配線であり、LTE−Aの例では、100MHz帯域幅に応じて、5Gbpsの光配線で1本(送受)を必要とする。
<無線装置902の詳細>
図10および図11は、ビーム形成部およびビームパラメータ導出部の内部構成の一例を概略的に示すブロック図である。ビーム形成部920は、ユーザ分離部921と、送信処理部922と、受信処理部923と、ユーザ多重部924とを備えている。ビームパラメータ導出部930は複数の導出部931を備えている。
<送信>
ユーザ分離部921には、無線制御装置901からの送信データTD1が入力される。ユーザ分離部921は、どのリソース(周波数および時間)にどのユーザ(送信先)宛のデータが割り当てられているか、送信データTD1および受信データRD3(後述)を解析して見つけ出す。例えば、後述の導出部931に記載のように、通信端末202が自分宛てのデータがどのリソースに割り当てられているか見出す方法と同じ手順(3GPPによって規定されたシーケンス)を使用する。
ユーザ分離部921は送信データTD1を、複数の送信データTD2に分離し、複数の送信データTD2を送信処理部922へ出力する。後に述べるように、送信処理部922はこの複数の送信データTD2の各々に対して、ビームフォーミング処理を行う。なお、図10では送信データ毎にビームフォーミング処理を行っているが、伝搬路行列を直交させるためにZF(Zero Forcing)、MMSE(Minimum Mean Squared Error)、BD(Block Diagonalization)等を用いて、下りの同時間に送信しているUE(通信端末202)間の伝送路がトータルで直交(独立)するようなウェイトを一括で算出する方法としてもよい。
例えばユーザ分離部921はユーザ(通信端末202)ごとに送信データTD1を分離するが、送信データTD1が、通信方式としてLTE−Aで採用されているようなCC(Component Carrier)に分かれて送信されている場合には、ユーザ分離部921はユーザ毎に加えて、CC(Component Carrier)、あるいは、リソースブロック毎に送信データTD1を分離してもよい。伝送される周波数に応じて伝搬環境が異なるため、周波数毎に異なるビームを形成することでさらに伝送容量を上げることができる。
また送信データTD1に制御チャネル(報知チャネル、ページングチャネル、または、セル(あるいはセクタ)内の全チャネル共通制御用のチャネル)が含まれている場合、ユーザ分離部921は送信データTD1から制御チャネルを分離してもよい。要するに、ユーザ分離部921は、同じ指向性で無線送信すべきデータを一つのグループとして送信データTD1から分離してもよい。例えばユーザ分離部921は、全エリアにオムニ指向性で送信される報知チャネル、ページングチャネル、および、共通制御チャネルを、1つのグループとして送信データTD1から分離してもよい。
これにより、グループ(送信データTD2)毎に後述のビームパラメータ(例えばウェイト)を共通にすることができる。したがって、処理量・制御量を削減できる。
あるいは、複数の送信先をいくつかのグループに分け、送信データTD1からそのグループ(送信データTD2)を分離してもよい。これによれば、グループ毎にビームパラメータを共通にすることができる。例えば、無線装置902は、各通信端末202が自分宛の信号の有無を識別するための情報を、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)で送信する。このPDCCHは複数の通信端末202に対して共通に送信される。この場合、PDCCHを一つのグループとすることで、1つのビームでPDCCHを送信することができる。これによれば、異なるビームでそれぞれの通信端末202にPDCCHを送信する場合に比べて、ビーム間の干渉を低減でき、通信品質を向上できる。
また、特に、NOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)を採用する場合、当該グループをNOMAにおける直交リソースのセット[周波数、時間または拡散符号等が直交するリソースのセット]とするのが有効である。直交しないリソースを使用するときは、各セットを異なるグループとすることでビーム間の干渉を低減でき、NOMA受信機において非直交成分が少なくなり、通信容量を増加できる。
ところで、無線制御装置901と無線装置902との間のデータは、例えば非特許文献10のようにユーザ毎のデータが多重されたIQ(In-plane Quadrature)信号であってもよい。あるいは、伝送速度が速くなるにつれて無線制御装置901および無線装置902は、IQ信号ではなく、より伝送速度が遅くできる誤り訂正による符号化後のデータを送受信してもよい。あるいは、無線制御装置901は、アンテナ素子906毎に分離する前のデータを伝送する方法等、ユーザ毎に分離されたまま(ユーザデータの多重前)の中間処理状態のデータを伝送してもよい。送信データTD1がIQ信号以外であるときには、ユーザ分離部921は、すでにデータが分離されているので、無線制御装置901と無線装置902間でユーザを識別するユーザIDを設定し、そのユーザIDに基づき分離すればよい。
例えば、あるユーザが2[Mbps]のデータを送信したいとき、従来の無線制御装置801と無線装置802との間のデータやり取りでは、送りたい送信データによらず無線送信するためのサンプリングレートで伝送速度が決定する。20[MHz]の帯域幅で送信する場合、3GPPではサンプリングレートは30.72[MHz]となり、I成分、Q成分が各15[bit]のときには、30.72×15×2(IQ)=983.04[Mbps]のデータを無線装置902に送信する必要がある。一方、中間処理状態の例として、誤り訂正後のデータを送信する場合、誤り訂正で符号化率1/2の符号化を行い16ユーザ(16個の通信端末202)へ同時送信しても、2[Mbps]×(1/(1/2[符号化率])×16[ユーザ数]=56[Mbps]のデータを無線装置802に送ればよいことになる。別途、ユーザ毎に変調方式や送信電力を指定するための制御情報がオーバヘッドとして必要になるが、ユーザデータに比べると小さく、ユーザデータの10[%]にも満たない程度である。
このように送信データTD1がIQ信号として多重されておらず、ユーザ毎に分離されたデータである場合、ユーザ分離部921は次のように動作すればよい。即ち、ユーザ分離部921は、無線制御装置901からの上記制御情報にしたがって、送信データTD1からビット抽出(抜取)のみを行うことにより、送信データTD1を複数の送信データTD2に分離する。この場合、ユーザ分離のためのFFT(Fast Fourier Transform)は不要となり、FFT処理は実行されない。送信データTD1がIQ信号として多重されている信号である場合、ユーザ分離部921は、例えばCC(Component Carrier)単位に、送信データTD1に対してFFTを行う。OFDMシンボルのどのビットがユーザ、制御チャネルおよび制御グループに対応しているかは、後述のビームパラメータ導出部930(具体的には後述のシーケンサ30)によって通知される。シーケンサ30は、無線制御装置901と通信端末202との間の通信をモニタすることで、ユーザ、制御チャネルおよび制御グループの識別信号を生成する。このように通信をモニタして識別信号を生成する処理シーケンスは、例えば3GPPによって規定されたシーケンスを利用することができる。
送信処理部922は、複数の送信形成部925と、複数のユーザ多重部926とを備えている。複数の送信形成部925には、それぞれ個別に送信データTD2が入力される。つまり、例えば、第1のユーザに対して送信される情報を有する第1の送信データTD2が第1の送信形成部925に入力され、第2のユーザに対して送信される情報を有する第2の送信データTD2が第2の送信形成部925に入力される。以下、同様である。
送信形成部925の各々は、入力された送信データTD2に対して、ビームフォーミング用の送信重み付けを含む送信処理を行って、N個の(送信処理が行われた後の)送信データTD3を生成する。具体的には、送信データTD2と、第i(iは1からNまでの自然数)の送信用のウェイトWiを乗算することで、第iの送信データTD3(=Wi・TD2)を生成する。この送信用のウェイトWiの個数はアンテナ素子906の個数と同じであり、ウェイトWiはビームパラメータ導出部930によって算出される。つまり、ビームパラメータ導出部930は、複数の送信データTD2の各々につき、N個の送信用のウェイトWiを算出する。
表1は、送信データTD2と送信データTD3とを示す表である。
Figure 2018037718
表1においては、複数の送信データTD2として、送信データTD2[1]〜TD2[M]が示されており、第jの送信データTD2[j]に対するN個のウェイトWiの各々として、ウェイトWijが示されており、送信データTD2[j]とウェイトWijとの積(=Wij・TD2[j])たる送信データTD3として、送信データTD3[i,j]が示されている。
表1に示されるように、第jの送信データTD2に基づいて、N個の送信データTD3[1,j]〜TD3[N,j]が生成される。
表1では、対応するアンテナ素子906も示されている。例えば、アンテナ素子906−1に対応した送信用のウェイトW11〜W1Mを用いて生成される一組の送信データTD3[1,1]〜TD3[1,M]は、アンテナ素子906−1に対応する。またアンテナ素子906−2に対応した送信用のウェイトW21〜W2Mを用いて生成される一組の送信データTD3[2,1]〜TD3[2,M]は、アンテナ素子906−2に対応する。以下、同様である。つまり、N個のアンテナ素子906にN組の送信データTD3が個別に対応することになる。
また一組の送信データTD3[1,1]〜TD3[1,M]は、それぞれ送信データTD2[1]〜TD2[M]に基づいて生成されるので、一組の送信データTD3[1,1]〜TD3[1,M]はそれぞれ送信データTD2[1]〜TD2[M]に対応するデータである、とも説明できる。同様に、一組の送信データTD3[2,1]〜TD3[2,M]も送信データTD2[1]〜TD2[M]に対応するデータである。以下、同様である。
なお、送信形成部925は、複数種のウェイトを乗算してもよい。つまり、表1の各要素の「Wij・TD2」に対して、更にウェイトWij’を乗算してもよい。例えば、ウェイトWijは、後述する選択用のIDに基づくウェイトであってもよく、ウェイトWij’は、後述のように、どこにヌルを向けるのかを決めるウェイトであってもよい。
送信形成部925の各々は、上記N組の送信データTD3をそれぞれN個のユーザ多重部926へと送信する。N個のユーザ多重部926はN個のアンテナ素子906に個別に対応して設けられている。各ユーザ多重部926は、同じアンテナ素子906に対応した送信データTD3を、複数の送信形成部925から一つずつ受け取る。例えば第1のユーザ多重部926は、送信データTD3[1,1]〜TD[1,M]を受け取る。よって、ユーザ多重部926の各々は、ユーザ分離部921から出力された送信データTD2と同じ数(M個)の送信データTD3を受け取る。
ユーザ多重部926の各々は、受け取った送信データTD3を多重して、送信データTD4を生成する。ユーザ多重部926の各々はこの送信データTD4を、対応するDA変換部911を介して、対応する送信機912へと出力する。つまり、N個のユーザ多重部926からN個の送信機912へと一対一で送信データTD4が送信される。送信機912は、対応するアンテナ素子906から送信データTD4を放射させる。
以上のように、ビーム形成部920は、ユーザ分離部921において分離したグループ毎に指向性を制御することができる。したがって、各グループに適したビームで、当該グループを送信できる。
次に図11を参照して、送信形成部925及び導出部931の具体的な内部構成の一例について説明する。複数の送信形成部925(図10も参照)の各々は、第1ビーム形成部11と、選択用ビーム形成部12と、N個の多重部13と、N個のIFFT部14と、N個のCC合成部15とを備えている。なお、図11の例示では、ユーザ分離部921によって生成された複数の送信データTD2のうち、一つの送信データTD2に関する機能部が示されている。
複数の導出部931(図10も参照)の各々は、シーケンサ30と、SS検出部31と、報知受信部32と、制御CH検出部33と、制御CH解析部34と、ビーム形成パラメータ導出部35と、REマッピング部36と、ビーム選択部37とを備えている。
第1ビーム形成部11には、ユーザ分離部921からの送信データTD2が入力される。また第1ビーム形成部11には、ビーム形成パラメータ導出部35から指定される送信用のウェイト(位相、振幅)が入力される。この送信用のウェイトは、アンテナ素子906の個数(N個)分のウェイトである。
導出部931には、ユーザ分離部921から送信データTD2が入力される。例えば、導出部931(具体的には、例えばLTE/LTE−Aの仕様においては、SS検出部31(SS検出部31においてフレームタイミングを把握できるとSSに対する固定的に規定されているリソースに報知チャネル(PBCH)が割り付けられる))が、この送信データTD2が報知チャネルのデータであると判断した場合、ビーム形成パラメータ導出部35は、無制御の指向性(例えばオムニ指向性)を実現するための送信用のウェイトを生成してもよい。具体的には、ビーム形成パラメータ導出部35は、一つのアンテナ素子906に対応する送信用のウェイトを所定値とし、他のアンテナ素子906に対応する送信用のウェイトを零とする。これにより、当該一つのアンテナ素子906を用いて送信データTD4が送信される。またその際には、ビーム形成パラメータ導出部35は、ビームのアンテナ利得が不足しないような送信用のウェイトを算出することが望ましい。例えば、一つのアンテナ素子906から送信される電波の振幅値にアンテナ素子906の総数を乗算した値(1素子あたりの送信電力とアンテナ利得との積を一定にするため)が、当該一つのアンテナ素子906についての振幅値となるように、ウェイトを算出してもよい。
また例えば、送信データTD2がPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を経由して送信されるデータである場合には、ビーム形成パラメータ導出部35は次のように送信用のウェイトを算出してもよい。即ち、ビーム形成パラメータ導出部35は、その送信データTD2の送信先(通信端末202)からの過去の受信データに基づいて、SNR(Signal to Noise Ratio)が高くなる指向性を予め算出しておき、その指向性を実現するための送信用のウェイトを算出する。受信データの受信については後に詳述する。
また、ビーム形成パラメータ導出部35は、送信データの送信先の各々と無線装置902との間で採用される伝送路が互いに直交(独立)するように、送信用のウェイトを算出してもよい。
第1ビーム形成部11は、入力されたN個の送信用のウェイトの各々を送信データTD2に乗算し、その結果をN個の多重部13へと出力する。
選択用ビーム形成部12は、通信端末202(図9も参照)とのCNR(Carrier to Noise Ratio)、SNR、あるいは、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)が高くなるビームを選択するための、選択用ビームを形成する機能部である。通信端末202が選択するための既知系列の信号を、無線装置902が予め当該選択用ビームで送信する(上りの場合は、通信端末202が既知系列の信号を、無制御の指向性で送信する)。ここでいう既知系列の信号は、基地局の受信アンテナで受信するビーム毎に伝送路を推定するために用いられる。つまり、選択用ビーム形成部12は、予め設定された信号に対して、選択用ビームのウェイトを乗算する。
ビームの選択候補は、アンテナ素子906の配置および数と、通信端末202のアンテナ素子の配置および数とを考慮し、導出部931のビーム形成パラメータ導出部35で決定される。なお、導出部931は、周辺の基地局のアンテナ素子の配置および数をも考慮して、選択候補を決定してもよい。例えば、制御チャネルのような送信データに対しては、アンテナ利得が最大〜最大−3dBになるエリアが全エリアになり、もれなくエリアをカバレッジできるように、選択候補を決定してもよい。具体的な動作は、後述のステップST7に記載する。この場合、カバレッジが広くなる分、無線装置902は送信周波数を減らし振幅の大きな信号を送信するとよい。
選択用ビーム形成部12は、選択候補と、その指向性を示すウェイトとを、ビームパラメータ導出部930から受け取り、当該ウェイトで当該選択候補を重みづけて、ビーム形成を行い、無線装置902がこれを送信する。重みづけられた信号が既知系列の信号である。
送信先の通信端末202は、選択候補の中から選択したビームのID(Identification)をPUCCHで無線装置902へ送信してもよいし、RRCで通知してもよい。PUCCHを用いた場合は、ビーム選択速度を速くできるため、通信端末202の移動に対して有効である。RRCで行う場合は、誤り訂正・再送制御等品質が良好な回線で、IDを通知できるため、少ない誤動作で通信が可能となる。無線装置902において、第1ビーム形成部23から受信した信号が制御CH検出部33に入力され、PUCCHを検出後、制御CH解析部34がビームのIDを解析し、ビーム形成パラメータ導出部35がこのIDに基づいて第1ビーム形成部11にビームウェイトを通知する。なお、ビーム形成パラメータ導出部35から選択用ビーム形成部12へと入力されている信号と同じものを、第1ビーム形成部11,23に繋げてもよい。この信号は、どんな選択用ビームを選んだか(各アンテナ素子に乗算するウェイト)を指定する信号として機能し得る。
多重部13は、N個のアンテナ素子906に個別に対応してN個設けられている。選択用ビーム形成部12はN個のアンテナ素子毎に、既知系列をウェイト乗算した信号を一対一で対応させて多重部13へと出力する。多重部13は第1ビーム形成部11からの出力(送信データTD2と送信用のウェイトとの積)と、選択用ビーム形成部12からの出力とを多重して(例えば、既知系列はCDM拡散した信号で主信号の妨げにならない振幅の信号にして加算、あるいは、ビーム形成パラメータ導出部35では、制御CH解析部34で、主信号で送信していない時間、周波数を検出し、その結果に基づき選択用ビームの既知系列を送信する。)、送信データTD3を生成する。つまり、多重部13は、あるアンテナ素子906に対応した第1ビーム形成部11の出力と、そのアンテナ素子906に対応した選択用ビーム形成部12の出力とを多重する。多重部13は、この送信データTD3を、対応するIFFT部14へと出力する。N個のIFFT部14も、N個のアンテナ素子906に個別に対応して設けられている。これにより、無線制御装置901からの送信データとともに、無線装置902における送信データ(つまり既知系列)を、通信端末202へと送信することができる。
IFFT部14は、入力された送信データTD3に対してIFFT(Inverse fast Fourier transform:逆(高速)フーリエ変換)を行って、送信データTD3を再度時間領域のデータに変換する。IFFT部14は、その変換後の送信データTD3を、対応するCC合成部15へと出力する。N個のCC合成部15も、N個のアンテナ素子906に個別に対応して設けられている。
CC合成部15は、複数のCCに分割されている送信データTD3を加算(センター周波数へのオフセット付与、および、必要に応じてLPF(Low pass filter)による不要波除去も含む)する。そしてCC合成部15は、加算後の送信データTD3を、ユーザ多重部926へと出力する(図10も参照)。以下では、複数のCCに分割されている送信データTD3を加算する処理を、CCの合成とも呼ぶ。
このCCの合成は、送信機912によってアナログで行われてもよい。これによれば、CCの合成を行うまでの回路を狭帯域回路で構成できる。したがって、コストの低い部品を使用することができる。一方で、上述のようにCC合成部15がデジタルでCCの合成を行う場合には、周波数特性なしで広帯域の合成ができる。
図10も参照して、N個のユーザ多重部926の各々には、複数の送信形成部925のそれぞれから一つの送信データTD3が入力される。ユーザ多重部926の各々は、複数の送信データTD3を多重して、送信データTD4を生成し、この送信データTD4を、対応するDA変換部911へ出力する。
DA変換部911は送信データTD4に対してデジタル/アナログ変換を行い、変換後の送信データTD4を、対応する送信機912へ出力する。送信機912は、送信データTD4を搬送波にアップコンバートして、これを、対応するアンテナ素子906へと出力する。これにより、N個のアンテナ素子906から、所望の指向性で送信データTD4が放射される。
以上のように、本ビーム形成部920によれば、ユーザ分離部921が一旦、送信データTD1を複数の送信データTD2に分離し、送信処理部922がこれらの複数の送信データTD2に対してそれぞれに適した送信処理を行い、処理後の複数の送信データTD3を多重して、送信データTD4を生成している。これにより、複数の送信データTD2のそれぞれに対して適切なビームフォーミングを行うことができる。ひいては、アンテナ利得の向上、干渉低減によってSNRを改善でき、スループット向上を図ることができる。
しかも、本ビーム形成部920によれば、無線制御装置901は無線制御装置801と同じ送信データを無線装置902へと送信してもよい。したがって、配線900を配線800よりも増やす必要がない。言い換えれば、無線装置902は少ない配線900で無線制御装置901と接続しつつも、複数のアンテナ素子906を用いて通信端末202へと適切に信号を送信することができる。
なお、本実施の形態は、デジタルベースバンドでも、デジタルIF(Intermediate Frequency)でも、デジタルRF(Radio Frequency)にも適用可能である。
<受信>
N個の受信機914の各々には、対応するアンテナ素子906から受信データRD1が入力される(図10も参照)。この受信データRD1には、その送信元である通信端末202の情報が含まれている。受信機914は受信データRD1をダウンコンバートし、処理後の受信データRD1を、対応するAD変換部915へと出力する。AD変換部915は受信データRD1に対してアナログ/デジタル変換を行い、変換後の受信データRD1をビーム形成部920の受信処理部923へ出力する。つまり、ビーム形成部920の受信処理部923には、N個の受信データRD1が入力される。
受信処理部923は、N個の信号複製部928と、複数の受信形成部929とを含んでいる。N個の信号複製部928は、N個のアンテナ素子906に個別に対応して設けられている。この信号複製部928の各々には、対応するAD変換部915から受信データRD1が入力される。信号複製部928の各々は、入力された受信データRD1を複製して、複数の受信形成部929へと出力する。よって、受信形成部929の各々には、N個のアンテナ素子906を介して受信されるN個の受信データRD2が入力される。
受信形成部929は、N個の受信データRD2に対して、ビームフォーミング用の受信重み付けを含む受信処理を行って、受信データRD3を生成し、この受信データRD3をユーザ多重部924へと出力する。
図11を参照して、例えば、受信形成部929は、N個のCC分離部21と、N個のFFT/IDFT部22と、第1ビーム形成部23と、第2ビーム形成部24と、選択用ビーム形成部25とを備えている。
N個のCC分離部21はN個のアンテナ素子906に個別に対応して設けられている。N個のFFT/IDFT部22も、N個のアンテナ素子906に個別に対応して設けられている。CC分離部21には、対応するアンテナ素子906を経由した受信データRD2が入力される。CC分離部21の各々は受信データRD2をCC毎に分離(具体的には例えばCCのセンターを0にし、隣接CCをLPFで除去)して、処理後の受信データRD2を、対応するFFT/IDFT部22へ出力する。
FFT/IDFT部22の各々は、入力された受信データRD2を、周波数領域のデータに変換する。3GPPのようにSC−FDMA(Single-Carrier Frequency-Division Multiple Access)という変調方式が採用されている場合は、FFT/IDFT部22はFFT(Fast Fourier Transform)の後にIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)を行う。なお、受信データRD2を復調してシンボルデータを抽出できる限り、変調方式は他のどのような方式でも構わない。
通常、特にTDD(Time Division Duplex)を採用する場合、上りの伝送路(送信データが経由する伝送路)と下りの伝送路(受信データが経由する伝送路)とが互いに類似、あるいは、同一である。本実施の形態では、上りの伝送路と下りの伝送路が同一である場合を例にとって、第1ビーム形成部23を説明する。ただし、FDD(Frequency Division Duplex)が用いられていることを検知したり、あるいは、通信端末202または無線装置902が送受別のアンテナ素子を用いてデータを送信していることを検知した場合には、第1ビーム形成部23は、送信と受信とで異なるビームを形成するビームフォーミング処理を実行してもよい。このようなビームフォーミング処理としては公知な手法を採用すればよい。例えば、通信端末202および無線装置902の一方が他方へ信号を送信し、他方がこの信号に基づいて伝送路を推定し、その推定結果を当該一方へと送信し、当該一方がこの推定結果に基づいてビームを決定してもよい。
以下では、上述のとおり、上りの伝送路と下りの伝送路が互いに同一であると仮定する。通信端末202は、既知系列の信号を無線装置902へ送信する。
無線装置902が受信データを受信するための、第1ビーム形成部23でのビームフォーミング用のウェイトは、ビーム形成パラメータ導出部35によって生成される。この受信用のウェイトを計算するための必要情報としては、例えば、選択用ビームの中で、通信端末202が送信する上記既知系列の信号を無線装置902で受信したときのCNRが最も高くなるビームそのものを形成するウェイトを採用してもよい。なお送信と受信とで同一ビームを採用する場合には、選択用ビームは、選択用ビーム形成部12の選択用ビームと同一である。あるいは、通信端末202に送信する選択候補の中でCNRが最も高くなるビームを採用したときに発生するビーム間の干渉を、ZF(Zero Forcing)、MMSE(Minimum Mean Squared Error)またはBD(Block Diagonalization)等で除去することを条件として導出されるウェイトを採用してもよい。
第1ビーム形成部23は、N個の受信データRD2に対して、送信重み付けに対する逆演算となる受信重み付けを、受信用のウェイトを用いて行って、受信処理が行われた後の受信データRD3を生成する。具体的には、受信処理が行われる前の、N個の受信データRD2にN個の受信用ウェイトWkを乗算し、その結果(=RD2・Wk)を互いに加算して、受信データRD3を生成する。そして、第1ビーム形成部23は受信データRD3をユーザ多重部924へ出力する。
ユーザ多重部924には、複数の受信処理部923から複数の受信データRD3が入力される(図10)。ユーザ多重部924は、複数の受信データRD3を多重して(加えて)受信データRD4を生成し、この受信データRD4を無線制御装置901へと送信する。
例えば無線制御装置901と無線装置902との間のインタフェースにおいて、受信データRD4がIQ信号として多重されていない信号(レイヤL1の中間処理状態のデータ)である場合には、ユーザ多重部924は、このインタフェースの規定(フォーマット)にしたがって、ビット組立のみを行う。この場合、DFT/IFFTは不要となり、この処理は実行されない。受信データRD4がIQ信号として多重されている信号である場合には、ユーザ多重部924は、例えばCC単位に、DFT/IFFTを行う。OFDMシンボルのどのビットがユーザ、制御チャネルまたは制御グループに対応しているかは、導出部931のシーケンサ30の指示に従う。
上述のように、通常、特にTDD(Time Division Duplex)を採用する場合、上りの伝送路と下りの伝送路とが互いに類似、あるいは、互いに同一である。よって、選択用ビーム形成部25も、第1ビーム形成部23と同様に、送受で同一であってもよい。もちろん、FDD(Frequency Division Duplex)が用いられていることを検知したり、あるいは、通信端末202または無線装置902が送受別のアンテナ素子を用いてデータを送信していることを検知した場合には、選択用ビーム形成部25は、送信と受信とで別々のビームフォーミング処理を実行してもよい。
選択用ビーム形成部25には、FFT/IDFT部22から受信データRD2が入力される。選択用ビーム形成部25は、受信データRD2に対してビームフォーミング処理を行う。この受信データRD2に、ビームのIDまたはウェイトを指定する行列が含まれている場合、選択用ビーム形成部25はこれを復調し、ビーム選択部37へと出力する。ビーム選択部37は、シーケンサ30を介して、ビーム形成パラメータ導出部35へ指示を出力する。例えば、ビーム選択部37はビームのIDまたはウェイトを指定する行列を、シーケンサ30を介して、ビーム形成パラメータ導出部35へと出力する。ビーム形成パラメータ導出部35は、ユーザのIDまたは行列に基づいて、送信用のウェイトおよび受信用のウェイトを導出する。
第2ビーム形成部24は、PRACHを専用に待ち受けるためのビームフォーミング処理(ビーム形成)と、そのデータの復調とを行う。ビームフォーミングで用いるウェイトは、ビーム形成パラメータ導出部35から与えられる。例えばビーム形成パラメータ導出部35はオムニ指向性を示すウェイトを第2ビーム形成部24へと出力する。
PRACHを受信するためのパラメータは、報知受信部32により復号したMIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)1およびSIB(System Information Block)2の情報を使用して、無線制御装置901が待ち受けているRACH(Random Access Channel)を知り、設定される。ここでいうパラメータとは、無線装置902がPRACHを受信可能なタイミング、周波数、拡散符号などのリソースを意味する。
第2ビーム形成部24の出力データはREマッピング部36に入力される。REマッピング部36は、シーケンサ30から入力されたMIB、SIB1およびSIB2からマッピング情報を抽出し、当該リソースのSNR測定により、通信端末202がPRACHのプリアンブルを送信したかどうかを判別する。REマッピング部36は、その判別結果をシーケンサ30へ出力する。
また、送信データTD2としてユーザデータがいつ送信されたかを知るために、制御CH検出部33は、RRCで通知されるPRACH完了を示す信号、または、PDCCHを、無線制御装置901から受信する。
制御CH検出部33が送信データTD2からPDCCHを検出したときには、制御CH解析部34はこのPDCCHを解析し、その解析結果から次の送信タイミングでどのユーザのデータが送信されるかを知ることができる。この結果を、シーケンサ30を介してビーム形成パラメータ導出部35へと出力する。ビーム形成パラメータ導出部35は送信用のウェイトおよび受信用のウェイトを計算する。ビーム形成パラメータ導出部35は、例えば、上記結果およびビーム選択部37からの指示(ビームのIDまたはウェイトを指定する行列)に基づいて、ウェイトを導出する。
ビーム形成パラメータ導出部35は、前回に導出したウェイトと、今回に導出したウェイトとが大きく相違すると判断した場合には、ウェイトを時間に対して緩やかに変更する処理(例えばRAMP処理:特許文献2参照)を実行してもよい。
第1ビーム形成部11は、PDCCHとPDSCHとの間の時間的なずれに合わせてウェイトを計算する期間での送信データを蓄積し、送信データと送信用のウェイトのタイミングを合わせる。第1ビーム形成部23も、同様にして、受信データと受信用のウェイトのタイミングを合わせる。
図12は、ビームパラメータ導出部930の動作の一例を示すフローチャートである。図12を用いて、送信用のウェイトの算出について、ビームパラメータ導出部930の動作の一例を説明する。
<ST1 スロット同期>
まずステップST1にて、シーケンサ30は、無線制御装置901とクロック同期を確立する。例えばCPRI(Common Public Radio Interface)を利用する場合、公知のようにデータからクロックを再生することができる。これにより、ORI(非特許文献12参照)等に定義されているLOS(Loss of Signal)およびLOF(Loss of Frame)がなくなる。
図13は、無線フレームの構成の一例を概略的に示している。図13の例示では1フレームの長さ(時間)は10[ms]であり、この1フレームは10個のサブフレームによって構成されている。各サブフレームの長さ(時間)は1[ms]である。各サブフレームは2のスロットによって構成されている。各スロットの長さ(時間)は0.5[ms]である。各スロットは7つのOFDMシンボルによって構成されている。各シンボルの長さ(時間)は互いに等しい。
図13の例示では、1番目のサブフレームおよび6番目のサブフレームの各々に、P−SS(Primary Synchronization Signal)およびS−SS(Secondary Synchronization Signal)が配置されている。具体的には、1番目のサブフレームおよび6番目のサブフレームの各々において、最初のスロットの6番目のシンボルにS−SSが配置され、その次のシンボルにP−SSが配置される。
SS検出部31は、送信データTD2とP−SSにIFFTを行ったパターンとで、相関をとる。この際、最大の相関値を与えるP−SSは振幅を調整すると、理想的には、送信データTD2と同一となる。無線送信前の送信データTD2は、無線送信による劣化が生じない理想的なデジタル信号であることから、同一にならない差分は、無線制御装置901におけるIFFT等の前処理における量子化誤差と考えられる。したがって、この差分が、無線制御装置901で生成される量子化誤差の範囲内に入るまで同期確認(後方保護)をするのが有効である。
あるいは、ORI(非特許文献12参照)の10msフレームに対する、送信データ(PSS,SSS)の相対位相(時間差)を、予め無線装置902と無線制御装置901との間で規定しおくと、P−SS、S−SS同期をとることが不要となり、簡易に同期を確立できる。
上記では、LTEまたはLTE−AのP−SSの例で同期する方法を説明したが、P−SS以外でも、通信端末202が初期補足でスロット同期/フレーム同期する手順と同じ手順を用いることで、無線装置902において、無線制御装置901からの情報なしでスロット同期/フレーム同期を確立することができる。
たとえば、無線LANで使用されるIEEE802.11準拠の通信方式を採用する場合、シーケンサ30は送信データのプリアンブルを検出することで送信データのフレーム同期を図る。
<ST2 フレーム同期>
次にステップST2にて、ビームパラメータ導出部930は、LTEまたはLTE−Aにおける通信端末202が行うように、P−SSによるスロット同期を確立した後に、S−SSによるフレーム同期を行う。これにより、無線装置902においてデータの初期捕捉が早くできる。
<ST3 報知チャネル抽出・解析>
次にステップST3にて、報知受信部32は、送信データTD2からMIB、SIB1およびSIB2を抽出し、メッセージの解析を行う。MIBから帯域幅および40msフレームの検出ができ、SIB1からCell−IDが、SIB2からランダムアクセスチャネル設定関連の詳細なパラメータが、それぞれ抽出される。
<ST4 ランダムアクセスチャネル待受け>
次にステップS4にて、報知受信部32は、ステップST3において解析して得られた上記パラメータ(待受けタイミング、周波数およびプリアンブル種別)を、シーケンサ30を経由して、REマッピング部36のプリアンブル検出部38へ出力する。プリアンブル検出部38は、この待受けタイミングおよび周波数などのRE(Resource Element)のマッピング情報に基づいて、プリアンブル種別ごとに受信データ(第2ビーム形成部24の出力)のSNRを測定し、その結果をシーケンサ30に伝える。シーケンサ30は、十分大きなSNRを検出したときにプリアンブルを検出したと判断するのが望ましい。
ところで、無線制御装置901は無線装置902から受信した受信データRD4に基づいて、上記と同じ方法でプリアンブルを検出する。よって、無線装置902のシーケンサ30がプリアンブルを検出できたときには、無線制御装置901においてもプリアンブルを検出することになる。そして、無線制御装置901は、プリアンブルを検出したことを通信端末202に伝えるために、ACK/NACK信号を送信データTD1に含めて無線装置902へと送信する。
無線装置902のシーケンサ30は、ACK/NACK信号を伝送するための信号(DCI(Downlink Control Information)相当)を、送信データTD2から制御CH検出部33が検出し、制御CH解析部34がこれを解析するまで、通信端末202からのランダムアクセスの候補の信号を蓄積しておくのも有効である。蓄積しておいた信号はACK信号を検出・解析したときに送信ビーム選択に使用できるので、後述するステップST6のユーザデータを待たずに指向性ビーム制御が可能になる。これは、通信容量が少ない通信端末202が多く存在する場合には、送信フレーム数が少ないので、有効である。なお、蓄積しておいた信号に基づく送信ビーム選択の方法としては、後述のステップST6で説明する方法を採用すればよい。
<ST5 データチャネル待受け>
次にステップST5にて、シーケンサ30は、ステップST4の結果(プリアンプル検出)を受けて、PDSCH/PUSCHのリンクが確立したことを検出するために、制御CH検出部33および制御CH解析部34に制御チャネルの検出および解析を行わせる指示を行う。チャネルの設定情報は、ランダムアクセスチャネルと同様に、報知情報(SIB2)からの情報を使用する。
なお、ビームパラメータ導出部930はランダムアクセスを受信しなくてよい。すなわち、シーケンサ30はステップST4を実行せずに、ステップST5を実行してもよい。ステップST4を実行しない場合には、ランダムアクセスの受信に関する第2ビーム形成部24およびREマッピング部36を除去することができる。
また、PDCCHで送信されるDCIは、SNRだけでなく、CRC(Cyclic Redundancy Check)をも備えているので、このDCIをCRCがOKであるかNGであるかを以って検出するのも有効である。これにより、検出誤りを低減できる。
また、LTEまたはLTE−Aと同様に、DCIと同時に送信する周波数方向に配置されるOFDMシンボルに、規定信号(NullまたはReference Signal等)のみがマッピングされていれば、DCI以外のデータの影響がなくなるので、検出誤差を小さくすることができる。あるいは、同周波数方向にDCIと多重されている、振幅が大きな信号が存在する場合には、制御CH検出部33はその信号を例えばフィルタなどで除去し、除去後の信号を使ってDCIの検出を行ってもよい。これによっても、検出誤りを低減できる。
制御CH検出部33および制御CH解析部34は、PUCCHおよびUCI(Uplink Control Information)を、SNRが基準値よりも高いときに検出・解析する。SNRが基準値よりも大きいことを抽出して、上りと下りのペアリングが確実にできることが望ましい。
また、シーケンサ30は、RRCメッセージから各種の受信データ(例えば各チャネル)用に設定されたタイマ時間を超えて、そのチャネルを検出できないときには、そのチャネルの検出に要する処理リソース(例えば無線リソースやメモリなど)を解放してもよい。これは処理リソースの有効利用という観点で望ましい。
<ST6 ユーザデータ抽出>
次にステップST6にて、ステップST5のDCIおよびUCIの解析結果(制御CH解析部34の結果出力)に基づいて、シーケンサ30は、ユーザ分離部921に、抽出タイミングおよび周波数を指示する。ユーザ分離部921は、それぞれ送信データ(具体的にはPDSCH)、受信データ(具体的にはPUSCH)を復調・復号して、ユーザデータを抽出する。
抽出タイミングの判定方法としては、次の方法を採用してもよい。例えば、ユーザ分離部921は、CRCがOKとなることを以て、抽出を行ってもよい。あるいは、ユーザ分離部921は、例えば、復調したRS(Reference Signal)を再変調したときの誤差相当を算出し、誤差が基準値以内であることを以て、抽出を行ってもよい。
送信データTD1が、IQ信号として多重されておらず、レイヤL1の中間処理状態のデータであるとき、あるいは、IQ信号とレイヤL1の中間処理状態のデータが混在する(時間、周波数等リソース的に切り替わる)場合は、送信データTD1が例えばユーザ毎に分離しているか、していないかの信号を無線制御装置901から無線装置902に伝送(例えば、ORI等とは別な他の通信規格[別の配線]、あるいは、ORIにおけるメーカ独自に使用できる領域等による)することが望ましい。また、OAM(Operations, Administration and Maintenance)等の無線制御装置901から無線装置902への伝送のフォーマット形態を事前に設定しておくことも有効である。また、周期的に無線制御装置901から無線装置902への伝送のフォーマット形態(IQ信号、レイヤL1の中間処理状態のデータ)を切り替え可能としてもよい。
また、ユーザ単位、CC単位あるいはチャネル種別単位に無線制御装置901と、無線装置902との間のインタフェースのタイプを変えてもよい。
また、送信データのユーザデータに対応した受信データのユーザデータを蓄積しておくことも有効である。なぜなら、受信データのユーザデータを送信ビームの選択に使用できるからである。
<ST7 ビーム形成方法選択>
ユーザデータまたは制御チャネルを抽出した後、ステップST7にて、ビーム選択部37は、抽出後のデータを送信するビームを選択する。第一の方法としては、ビーム選択部37は、受信データから抽出されたユーザデータ(或いは、PRACH)を用いて、規定のいくつかの指向性ビーム(図14)の中で、最もSNR、CNRまたはSINRが高くなるビームを選択する。なお、このユーザデータは選択用ビーム形成部25を経由してビーム選択部37に入力される。また、送信データの情報はシーケンサ30からビーム選択部37へと通知される。このビームは、通信端末202によって選択された選択用ビームであってもよい。第一の方法では、ユーザ数が少ないときに個々の通信端末202への伝送レートが高められる。
第二の方法としては、ビーム選択部37は、送信データが複数の通信端末202と通信するチャネルかどうか識別する。この識別のための情報はシーケンサ30から与えられる。制御チャネルのように複数の通信端末202と通信する場合には、ビーム選択部37はカバー領域全体にオムニ指向性のビームを選択する(図15)。第二の方法では、ビーム間の干渉による無線装置902のシステム容量の低減が回避される。
第三の方法としては、ビーム選択部37は、過去に使用したビームの指向性が使われている頻度、トラヒックおよびOAMからの設定に基づいて、送信される頻度が高いエリアのビームは狭く、送信される頻度が少ないエリアのビームを広くするように、ビームを選択してもよい。図16に、矢印の方向に道路、住宅街があるときの例を示す。道路や住宅街にはビームが狭くなっていることがわかる。第三の方法では通信端末202の使用頻度が統計的に得られる値となったときに、無線装置902のシステム容量が最大となる。ユーザ数が少ないところを広いビームでカバーすれば無線装置902の変復調のリソースが低減するからである。
同一の通信端末202に対して、無線装置902が複数のビームで送信データを送信するときには、あえて異なるビームで送信データを送るより、同一のウェイトのビームを選択することにより、通信端末202においてビーム間の干渉を除去しやすくなる。NOMAと同様に通信端末202に送られるデータ同士が完全に同期するからである。これにより、通信端末202へのスループットが向上する。
一方、通信端末202が複数のアンテナ素子を有し、無線装置902から送信される送信データを空間分離できる機能を有する場合は、複数のアンテナビームを用いて通信するとき(複数レイヤが採用されるとき)、無線装置902が異なる方向に送信データを送信することで、ビーム間の干渉を除去しやすくなり、通信端末202へのスループットが向上する。
<ST8 ウェイト算出>
次にステップST8にて、ビーム形成パラメータ導出部35は、ステップST7において選択したビームを実現できるように、例えば以下の方法でウェイトを算出する。例えば、ビーム形成パラメータ導出部35は、送信データTD1に含まれる全ての送信先の相互の干渉を低減するために、ZF、MMSE、または、BD等を用いてウェイトを算出する。
<プリコーディング>
通信端末202から送信されるUCIに含まれるPMI(Precoding Matrix Indicator)は、制御CH検出部33によって抜き取られ、制御CH解析部34によって解析される。現状の3GPPのように、無線制御装置901においてPMIに合わせて複数のアンテナ素子に対応したウェイトを付与して、送信データを送信する場合(非特許文献13の7.2.4章参照)、PMIに対応した送信重み付けの逆演算を第1ビーム形成部11に行わせるのが有効である。これにより、無線制御装置901が付与したPMI対応のプリコーディングよりも飛躍的に多くの多素子のアンテナ素子を用いたプリコーディングに対応することが可能となる。
つまり、無線装置902は、無線制御装置901において行われた送信重み付けの逆演算たる受信重み付けを行うことで、無線制御装置901によるプリコーディングを一旦キャンセルし、改めて、送信データに対するプリコーディングを行うのである。これにより、無線制御装置901で対応可能なアンテナ数に制限されずに、より多くのアンテナ素子を用いたプリコーディングに対応できる。
実施の形態2.
無線装置902のビーム形成パラメータ導出部35は、通信端末202毎に指向性の履歴を所定の記憶媒体に格納してもよい。また、制御CH検出部33は、通信端末202の現在位置検出機能(例えばGPSに基づく機能)に基づいた移動速度報告値を検出する機能を有していてもよい。ビームパラメータ導出部930(具体的には例えば制御CH解析部34)は、この移動速度報告値に基づいて、通信端末202が固定型または半固定型の端末であるか否かを判断する。
当該判断の結果が肯定的であるとき、つまり通信端末202が固定型または半固定型の端末であると判断したときには、第1ビーム形成部11に備えた遅延メモリによるビーム形成パラメータ(ウェイト、ビームを送信するタイミング、および、周波数)の導出までの遅延についての許容時間を拡大してもよい。なお、ここでいう遅延は、ビームパラメータ導出部930が受信データを受信してから送信用のウェイトを算出するまでの処理時間を意味する。通信端末202が固定型または半固定型の装置であるときには、信号を集めることでSNRを向上することができるからである。
また、移動速度報告値の代わりに、無線装置902は、通信端末202からの既知信号のフェージングピッチ(ドップラー速度)に基づいて、通信端末202の移動速度を推定する機能を備えてもよい。あるいは、無線装置902は、周辺セルの受信品質(受信電力やSINR等)のモニタ結果が変動する速度に基づいて、通信端末202の移動速度を推定する機能を備えてもよい。
また、ビームウェイトが算出できない、または、不明である場合、ビーム形成パラメータ導出部35は当該通信端末202に対してオムニ指向性で送信すべく、送信用のウェイトを算出することが望ましい。
また、通信端末202が固定型または半固定型の端末であると判断したときには、ビーム形成パラメータ導出部35は、これらにヌル(Null)を向けるための送信用のウェイトを算出してもよい。通信端末202が例えばリピータであったり、無線バックホールの基地局であるときに有効である。
以上のように、ウェイトが算出できない、または、不明である場合に、ビーム形成パラメータ導出部35は当該通信端末202に対してオムニ指向性で送信用のウェイトを算出することにより、ウェイトの算出能力を小さく抑えたまま、無線装置902が指向性ビームを形成できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
202 通信端末、203 基地局、901 無線制御装置、902 無線装置、906 アンテナ素子、920 ビーム形成部、921 ユーザ分離部、924,926 ユーザ多重部、925 送信形成部、928 複製部、929 受信形成部、930 ビームパラメータ導出部。

Claims (7)

  1. 無線通信の基地局に設けられ、前記基地局の無線制御装置からの送信データを複数の通信端末へとビームフォーミングを適用して無線で送信し、無線で受信した前記複数の通信端末からの受信データを前記無線制御装置へとビームフォーミングを適用して与える無線装置であって、
    前記ビームフォーミングで用いる送信用のウェイトおよび受信用のウェイトの各々を、前記送信データおよび前記受信データに基づいて算出するビームパラメータ導出部と、
    前記送信用のウェイトを用いた重み付けを含む送信処理を前記送信データに行い、前記受信用のウェイトを用いた重み付けを含む受信処理を前記受信データに行うビーム形成部と、
    前記送信処理が行われた後の前記送信データを前記複数の通信端末へと送信し、前記複数の通信端末からの前記受信処理が行われる前の前記受信データを受信して前記ビーム形成部へ出力する、N(N≧2)個のアンテナ素子と
    を備える、無線装置。
  2. 前記ビーム形成部は、
    前記無線制御装置から前記送信データとして入力された第1送信データを、前記複数の通信端末に含まれる送信先に基づいて複数の第2送信データに分離する分離部と、
    前記複数の第2送信データの各々に対して前記送信処理を行って、前記N個のアンテナ素子に個別に対応し、各々が前記複数の第2送信データに対応するN組の第3送信データを生成する送信処理部と、
    前記N組の第3送信データを前記N個のアンテナ素子毎に多重してN個の第4送信データを生成し、前記N個の第4送信データを前記送信処理が行われた後の前記送信データとして前記N個のアンテナ素子へと出力する第1多重部と
    を有し、
    前記ビームパラメータ導出部は、前記複数の第2送信データの各々に対応して、前記送信用のウェイトを算出する、請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記送信処理部は、
    前記複数の第2送信データの各々に対して、前記送信処理を行う第1ビーム形成部と、
    予め設定された信号に対して、選択用ビームのウェイトを乗算する選択用ビーム形成部と、
    前記第1ビーム形成部の出力と、前記選択用ビーム形成部の出力とを多重して、前記N組の第3送信データを生成する第2多重部と
    を備える、請求項2に記載の無線装置。
  4. 前記ビーム形成部は、
    前記N個のアンテナ素子を介してN組の第1受信データが前記受信データとして入力され、前記N組の第1受信データの各々を、前記N個の第1受信データの各々につき複数の第2受信データに複製する複製部と、
    前記複数の第2受信データに対して前記受信処理を行って複数の第3受信データを生成し、前記複数の第3受信データを出力する受信処理部と、
    前記複数の第3受信データを多重して得られた第4受信データを前記受信処理が行われた後の前記受信データとして前記無線制御装置へと送信する第3多重部と
    を備える、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の無線装置。
  5. 前記ビームパラメータ導出部は、前記通信端末が固定型または半固定型の装置であるか否かの判断を行い、前記判断の結果が肯定的なときに、前記通信端末に対する前記送信用のウェイトの導出に要する時間についての許容時間を拡大する、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の無線装置。
  6. 前記ビームパラメータ導出部は、前記通信端末が固定型または半固定型の装置であるか否かの判断を行い、前記判断の結果が肯定的なときに、前記通信端末に対してヌルを向ける前記送信用のウェイトを算出する、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の無線装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の無線装置と、前記無線制御装置とを備える前記基地局であって、
    前記無線制御装置は、前記無線装置と光配線で接続され、前記送信処理を行う前の前記送信データを、前記光配線を介して前記無線装置へと送信し、前記受信処理を行った後の前記受信データを、前記光配線を介して前記無線装置から受信する、基地局。
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