JP2018037539A - 紫外線発光素子及び紫外線照射モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率を向上させることが可能な紫外線発光素子を提供する。【解決手段】この発明の紫外線発光素子は、基板と、基板の主面上に形成された窒化物半導体からなる下地層と、下地層上に形成され、導電性を有する窒化物半導体からなる第一クラッド層と、第一クラッド層上に形成され、窒化物半導体からなる発光層と、発光層上に形成され、第一クラッド層とは異なる導電性を有する窒化物半導体からなる第二クラッド層と、を備える。下地層と第一クラッド層との界面はステップ面およびテラス面を有する。第一クラッド層の傾斜欠陥量は1×108cm−2以上1×1010cm−2以下であり、発光層の傾斜欠陥量は1×108cm−2より小さい。発光層の垂直欠陥量は第一クラッド層の垂直欠陥量よりも小さい。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線発光素子及び紫外線照射モジュールに関する。
紫外線発光素子は、発光層の組成を制御することにより発光波長を制御することができるとともに、寿命が長く信頼性が高い。そのため、照明や計測器用光源、殺菌光源など様々な用途に利用されている。一般的な紫外線発光素子は、基板上に、発光層をp型窒化物半導体とn型窒化物半導体で挟んだPIN構造を有する。
発光素子の発光出力を高めるためは、発光効率を向上させる事が重要である。例えば、特許文献1には、活性層(発光層)とp型窒化物半導体層との間に量子障壁層を形成し、各層のバンドギャップエネルギーを調整する事で、発光効率を向上させる技術が開示されている。
特開2010−114403号公報
紫外線発光素子には、さらなる発光効率の向上が求められている。
本発明の課題は、発光効率を向上させることが可能な紫外線発光素子を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である紫外線発光素子は、下記の構成要件(1) 〜(3) を有する。
(1) 基板と、基板の主面上に形成された窒化物半導体からなる下地層と、下地層上に形成され、導電性を有する窒化物半導体からなる第一クラッド層と、第一クラッド層上に形成され、窒化物半導体からなる発光層と、発光層上に形成され、第一クラッド層とは異なる導電性を有する窒化物半導体からなる第二クラッド層と、を備えている。
(2) 下地層と第一クラッド層との界面はステップ面およびテラス面を有する。
(3) 第一クラッド層および発光層の結晶欠陥密度が有する結晶欠陥密度のうち、下記の定義1に基づく傾斜欠陥量および下記の定義2に基づく垂直欠陥量が、以下の条件1〜3を満たす。
定義1:基板の主面に対する角度が5°以上50°以下である線欠陥の密度と、基板の主面に対する角度が5°以上50°以下である面欠陥の密度と、の総和を、傾斜欠陥量と定義する。
定義2:基板の主面に対する角度が75°以上90°以下である線欠陥の密度と、基板の主面に対する角度が75°以上90°以下である面欠陥の密度と、の総和を、垂直欠陥量と定義する。
条件1:第一クラッド層の傾斜欠陥量は1×10cm−2以上1×1010cm−2以下である。
条件2:発光層の傾斜欠陥量は1×10cm−2より小さい。
条件3:発光層の垂直欠陥量は第一クラッド層の垂直欠陥量よりも小さい。
本発明によれば、発光効率を向上させることが可能な紫外線発光素子を提供することができる。
〔一態様の紫外線発光素子〕
上述のように、本発明の一態様である紫外線発光素子は、上記構成要件(1) 〜(3) を有するものである。
つまり、一態様の紫外線発光素子は、PIN構造を有する窒化物半導体素子であって、基板と第一クラッド層との間に下地層を有する。そして、この紫外線発光素子では、下地層と第一クラッド層との界面にステップ面およびテラス面を設けることで、第一クラッド層に、基板の主面とのなす角度が5°以上50°以下の線欠陥及び面欠陥を集中させている。これにより、第一クラッド層上に形成される発光層の線欠陥及び面欠陥を低減する事が可能となる。そのため、一態様の紫外線発光素子は、下地層と第一クラッド層との界面がステップ面およびテラス面を有さないものと比較して、発光効率が向上する。
また、一態様の紫外線発光素子は、窒化物半導体からなる層が有する結晶欠陥密度のうち、定義1に基づく傾斜欠陥量および定義2に基づく垂直欠陥量が条件1〜3を満たしていることで、条件1〜3を満たさないものと比較して、発光効率が向上する。
<ステップ面およびテラス面について>
一態様の紫外線発光素子において、「下地層と第一クラッド層との界面がステップ面およびテラス面を有する」とは、「下地層と第一クラッド層との界面に、基板の主面に対して略平行な面が階段状に連なる部分が存在すること」を意味する。そして、基板の主面に対して略平行な面をテラス面と定義し、隣り合うテラス面の間を繋ぐ面をステップ面と定義している。最終的な薄膜の平坦性の観点から、隣り合うテラス面間の段差は1原子層から数十原子層程度である事が好ましい。
下地層と第一クラッド層との界面がステップ面及びテラス面を有することは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を観察することで確認できる。
また、「基板の主面」とは、基板が有する面のうちの主要な面であって、下地層が形成される面を意味する。基板の主面は平坦な面であってもよく、凹凸を有する面であってもよい。基板の主面が凹凸を有する面である場合には、その代表的な平面を「基板の主面」と見做す。
<結晶欠陥密度の測定方法>
第一クラッド層および発光層が有する結晶欠陥密度のうち、定義1に基づく傾斜欠陥量および定義2に基づく垂直欠陥量は、以下の方法で調べることができる。
先ず、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を観察する。具体的には、例えば、紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を示すTEM画像内の5μm以上を観察幅とする。
そして、この観察幅の範囲で、第一クラッド層では、厚さ方向で発光層との界面側の部分(例えば、界面から0.3μmまでの部分)を観察範囲とし、この観察範囲に含まれる所定の欠陥(基板の主面に対する角度が5°〜50°または75°〜90°である面欠陥および線欠陥)を数える。発光層では、厚さ方向で第一クラッド層との界面側の部分(例えば、界面から0.3μmまでの部分)を観察範囲として、この観察範囲に含まれる所定の欠陥を数える。
次に、数えた所定の欠陥の数を、観察範囲の面積(例えば、観察幅×0.3μm)で除算する。この除算で得られた値が、観察範囲における傾斜欠陥量(基板の主面に対する角度が5°以上50°以下である線欠陥の密度と、基板の主面に対する角度が5°以上50°以下である面欠陥の密度と、の総和)、および垂直欠陥量(基板の主面に対する角度が75°以上90°以下である線欠陥の密度と、基板の主面に対する角度が75°以上90°以下である面欠陥の密度と、の総和)となる。
この過程を、紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面であって、互いに平行な五つの断面で行い、五つの観察範囲で得られた値の平均値を算出する。得られた平均値を、定義1に基づく傾斜欠陥量および定義2に基づく垂直欠陥量として採用する。
<各層の形成方法>
一態様の紫外線発光素子を構成する各層は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)のようなエピタキシャル成長技術を利用して成膜することができるが、これに限定されない。例えば、ハイドライド気相成長法(HVPE法)や、分子線エピタキシー法(MBE法)などを用いて成膜してもよい。
一例として、例えば以下の方法を採用することで、下地層と第一クラッド層の界面にステップ面及びテラス面が連続的に形成された構造を形成することができる。
先ず、基板を1050℃以上の水素分雰囲気下でアニール処理し、この基板上に、基板の表面温度が1100℃以上に保持されて、V/III比が100以下となる条件で、下地層を成長させる。次に、下地層上に、下地層の表面温度が1050℃以上に保持されて、V/III比が500以上となる条件で、第一クラッド層を成長させる。
この方法で用いる基板の一例としては、サファイア基板やAlN基板が挙げられる。また、下地層の材料としてはAlNが一例として挙げられ、第一クラッド層の材料としてはAlGaNが一例として挙げられる。
<紫外線発光素子の形態>
一態様の紫外線発光素子は、樹脂やガラス等で封止されていてもよい。一態様の紫外線発光素子は、一つのパッケージ内に一つだけ配置されていてもよく、複数配置されていてもよい。複数の紫外線発光素子を配置する場合には、各素子間の配線は直列であってもよく、並列であってもよく、あるいは直列と並列とを組み合わせた回路であってもよい。
<基板>
一態様の紫外線発光素子を構成する基板の具体例としては、サファイア(Al)、Si、SiC、MgO、Ga、ZnO、GaN、InN、AlN、あるいはこれらの混晶などからなる基板が挙げられる。
GaN、AlN、AlGaN等の窒化物半導体をバルクとする単結晶基板や、基材上にGaN、AlN、AlGaN等の窒化物半導体層が形成された基板(テンプレート基板)を用いると、基板の上側に形成する窒化物半導体層との格子定数差が小さくなり、窒化物半導体層を格子整合系で成長させることで貫通転位を少なくできる。
また、汎用性が高いという観点からは、サファイア基板を用いることが好ましい。基板には、不純物が混入していてもよい。
基板の裏面は平坦な面であっても凹凸状の面であってもよい。基板の裏面は、基板とは異なる材質の物質を、例えば薄膜状やドット状に有していてもよい。基板の作製方法としては、昇華法やHVPE法等の気相成長法や液相成長法などの一般的な基板成長法が適用できる。
また、基板の側面からの発光を増加させる観点からは、基板の厚さが100μm以上800μm以下であることが好ましい。
また、基板の側面には凸部または凹部が形成されていてもよい。この凸部の定義は、基板側面の最も面積の大きい面を基準面とし、この基準面から突出する部分であり、凹部の定義は、この基準面から凹んでいる部分である。
基板の側面の凸部位置および凹部位置では、基板の側面と外部(例えば空気)との屈折率差が小さくなるため、凸部または凹部を設けることで界面の透過率を向上させることができる。また、基板の側面に凸部または凹部を設けることにより、光の入射角と透過率の関係を変化させ、光取り出し効率を向上させることができる。
凸部の基準面からの突出高さは1μm以上であることが好ましい。凹部の深さ(基準面から底面までの距離)は1μm以上が好ましい。
凸部および凹部の形状は特に制限されず、針状であっても、円錐台であっても、角錐であってもよい。
基板の側面に存在する凸部または凹部の数は一つでも複数でもよいが、光取り出し効率を向上させる観点から複数である方が好ましく、複数の凸部または凹部が基板側面に均等に分散していることがより好ましい。凸部または凹部は、基板の側面のうち少なくとも一つの側面に形成されていればよいが、光取り出し効率を向上させる観点から、基板の全側面に形成されていることが好ましい。
<下地層>
一態様の紫外線発光素子を構成する下地層は窒化物半導体からなり、基板の主面上に形成されている。
下地層をなす窒化物半導体は、高い発光効率を実現する観点から、AlN,GaN,InNの混晶であることが望ましい。下地層をなす窒化物半導体には、Nの他に、P、As、SbなどのN以外のV族元素や、C、H、F、O、Mg、Siなどの不純物が混入していてもよい。下地層をなす窒化物半導体の導電性は特に限定されない。
下地層と第一クラッド層との界面はステップ面及びテラス面を有している。
下地層と第一クラッド層は、窒化物半導体の組成が変化する境目を基準として区別することが可能である。組成の変化を観察する方法としては、二次イオン質量分析法(SIMS)やX線光電子分光法(XPS)を用いる事ができる。他の層同士の区別にも同様の方法を用いる事が可能である。
<第一クラッド層>
一態様の紫外線発光素子を構成する第一クラッド層は、導電性を有する窒化物半導体層からなり、下地層上に形成されている。第一クラッド層が有する結晶欠陥密度のうち、基板の主面とのなす角度が5°以上50°以下である線欠陥の密度と、前記主面とのなす角度が5°以上50°以下である面欠陥の密度と、の総和は、1×10cm−2以上1×1010cm−2以下である。
第一クラッド層をなす窒化物半導体は、高い発光効率を実現する観点から、AlN,GaN,InNの混晶であることが望ましい。第一クラッド層をなす窒化物半導体には、Nの他に、P、As、SbなどのN以外のV族元素や、C、H、F、O、Mg、Siなどの不純物が混入していてもよい。
また、第一クラッド層と第二クラッド層は、互いに異なる導電性を有する窒化物半導体からなる層である。n型半導体の方がp型半導体より結晶性に優れ、発光層への影響が低いという観点から、第一クラッド層の導電性がn型で、第二クラッド層の導電性がp型である事が好ましい。
また、紫外線発光素子の発光波長を深紫外領域の波長(280nm以下)としたい場合には、第一クラッド層を形成する材料はAlGaNであることが好ましい。第一クラッド層がAlGaNで形成されることで、深紫外領域のバンドギャップエネルギーに対応する材料を発光層として形成する際に、その結晶性を高め、発光効率を向上させることが可能となる。
<発光層>
一態様の紫外線発光素子を構成する発光層は、窒化物半導体からなり、第一クラッド層上に形成されている。発光層が有する結晶欠陥密度のうち、基板の主面とのなす角度が5°以上50°以下である線欠陥の密度と、基板の主面とのなす角度が5°以上50°以下である面欠陥の密度と、の総和は、1×10cm−2より小さい。
発光層をなす窒化物半導体は、高い発光効率を実現する観点からAlN,GaN,InNの混晶であることが望ましい。発光層には、Nの他に、P、As、SbなどのN以外のV族元素や、C、H、F、O、Mg、Siなどの不純物が混入していてもよい。また、量子井戸構造でも単層構造でもよいが、高い発光効率を実現する観点から、少なくとも1つの井戸構造を有していることが望ましい。
また、紫外線発光素子の発光波長を深紫外領域の波長(280nm以下)としたい場合には、発光層をなす窒化物半導体はAlGaNであることが好ましい。また、発光効率を高める観点から、発光層は、AlGaNからなる量子井戸層とAlNからなる電子バリア層とからなる多重量子井戸構造(MQW)を有することが好ましい。
<第二クラッド層>
一態様の紫外線発光素子を構成する第二クラッド層は、第一クラッド層とは異なる導電性を有する窒化物半導体からなり、発光層上に形成されている。第二クラッド層をなす窒化物半導体は、高い発光効率を実現する観点から、AlN,GaN,InNの混晶であることが望ましい。
第二クラッド層をなす窒化物半導体には、Nの他に、P、As、SbなどのN以外のV族元素や、C、H、F、O、Mg、Siなどの不純物が混入していてもよい。n型半導体の方がp型半導体より結晶性に優れ、発光層への影響が低いという観点から、第一クラッド層の導電性がn型で、第二クラッド層の導電性がp型である事が好ましい。
<電極>
一態様の紫外線発光素子は、さらに電極(n型電極またはp型電極、あるいは両方)を備えていてもよい。
n型電極としては、Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zrなどの金属、あるいはこれらの混晶、あるいはITOやGaなどの導電性酸化物等を用いることができる。また、n型電極は、第一クラッド層及び第二クラッド層のうち、導電性がn型の層とコンタクトするように形成される事が好ましい。
p型電極としては、Ni,Au,Pt,Ag,Rh,Pd,Pt,Cuなどの金属、あるいはこれらの混晶、あるいはITOやGaなどの導電性酸化物等を用いることができる。また、p型電極は、第一クラッド層及び第二クラッド層のうち、導電性がp型の層とコンタクトするように形成される事が好ましい。
電極の形成方法としては、抵抗加熱蒸着、電子銃蒸着、スパッタなどが挙げられるが、この限りでは無い。電極は単層でも、積層であってもよく、また層形成後に酸素や窒素、空気雰囲気などで熱処理を行ってもよい。
〔紫外線照射モジュール〕
本発明の紫外線照射モジュールは、本発明の紫外線発光素子を備えている。
本発明の紫外線発光素子は、各種の装置に適用可能である。
本発明の紫外線発光素子は、紫外線ランプが用いられている既存のすべての装置に適用・置換可能である。特に、波長280nm以下の深紫外線を用いている装置に適用可能である。
本発明の紫外線発光素子は、例えば、医療・ライフサイエンス分野、環境分野、産業・工業分野、生活・家電分野、農業分野、その他分野の装置に適用可能である。本発明の紫外線発光素子は、薬品や化学物質の合成・分解装置、液体・気体・固体(容器、食品、医療機器等)殺菌装置、半導体等の洗浄装置、フィルム・ガラス・金属等の表面改質装置、半導体・FPD・PCB・その他電子品製造用の露光装置、印刷・コーティング装置、接着・シール装置、フィルム・パターン・モックアップ等の転写・成形装置、紙幣・傷・血液・化学物質等の測定・検査装置に適用可能である。
液体殺菌装置の例としては、冷蔵庫内の自動製氷装置・製氷皿および貯氷容器・製氷機用の給水タンク、冷凍庫、製氷機、加湿器、除湿器、ウォーターサーバの冷水タンク・温水タンク・流路配管、据置型浄水器、携帯型浄水器、給水器、給湯器、排水処理装置、ディスポーザ、便器の排水トラップ、洗濯機、透析用水殺菌モジュール、腹膜透析のコネクタ殺菌器、災害用貯水システム等が挙げられるが、この限りではない。
気体殺菌装置の例としては、空気清浄器、エアコン、天井扇、床面用や寝具用の掃除機、布団乾燥機、靴乾燥機、洗濯機、衣類乾燥機、室内殺菌灯、保管庫の換気システム、靴箱、タンス等が挙げられるが、この限りではない。
固体殺菌装置(表面殺菌装置を含む)の例としては、真空パック器、ベルトコンベヤ、医科用・歯科用・床屋用・美容院用のハンドツール殺菌装置、歯ブラシ、歯ブラシ入れ、箸箱、化粧ポーチ、排水溝のふた、便器の局部洗浄器、便器フタ等が挙げられるが、この限りではない。
〔実施形態〕
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する。)について説明する。この実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。
この実施形態の紫外線発光素子は、基板、下地層、第一クラッド層、発光層、電子ブロック層、第二クラッド層、および二種類の電極を備えている。
基板はサファイアからなる。下地層は、基板の主面上に形成された層であって、AlN(窒化物半導体)からなる。第一クラッド層は、下地層上に形成された層であって、n型AlGaN(導電性を有する窒化物半導体)からなる。発光層は、第一クラッド層上に形成された層であって、AlGaN/AlNの多重量子井戸構造を有する(窒化物半導体からなる)。電子ブロック層はAlGaNからなる。
第二クラッド層は、発光層上に形成された層であって、p型GaN(第一クラッド層とは異なる導電性を有する窒化物半導体層)からなる。二種類の電極は、n型AlGaNからなる第一クラッド層上に形成されたn型電極と、p型GaNからなる第二クラッド層層上に形成されたp型電極である。
下地層と前記第一クラッド層との界面はステップ面およびテラス面を有する。第一クラッド層の傾斜欠陥量は1×10cm−2以上1×1010cm−2以下であり、発光層の傾斜欠陥量は1×10cm−2より小さく、発光層の垂直欠陥量は第一クラッド層の垂直欠陥量よりも小さく、発光層の前記垂直欠陥量は1×10cm−2以下である。
この実施形態の紫外線発光素子によれば、上述の構成を有することにより、高い発光効率を実現できる。また、汎用性が高いサファイア基板を用いているため、製造コストが低減できる。
上記実施形態の紫外線発光素子と同じ層構成を有する紫外線発光素子として、以下に示す実施例1〜5および比較例1〜5の紫外線発光素子を作製した。つまり、実施例1〜5、比較例1〜5の紫外線発光素子は、基板、下地層、第一クラッド層、発光層、電子ブロック層、第二クラッド層、および二種類の電極を備えている。
[実施例1]
先ず、厚さが450μmの平板状で、オフ角が0.2°のc面サファイア基板を1050℃以上の水素分雰囲気下でアニール処理した。次に、有機金属気相成長(MOCVD)装置を用い、先ず、このサファイア基板の平板面(主面)上に、厚さ2000nmのAlN層(下地層)を形成した。Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)を、N原料としてアンモニア(NH)を用いた。成膜条件は、基板表面温度を1200℃、V/IIIを50、真空度を50hPa、成長レートを0.50μm/hrに設定した。
次に、このAlN層上に、第一クラッド層として、Siを不純物として用いたn型AlGaN層(Al=60%)を、厚さ2000nmで形成した。Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)を、Ga原料としてトリエチルガリウム(TEGa)を、N原料としてアンモニア(NH)を、Si原料としてモノシラン(SiH)を用いた。成膜条件は、基板表面温度を1100℃、真空度を50hPa、V/III比を3000、成長レートを0.8μm/hrに設定した。
次に、このn型AlGaN層上に、AlGaN(量子井戸層)とAlN(電子バリア層)とからなる多重量子井戸構造の発光層を成膜した。具体的には、AlGaN(Al=52%)を厚さ1.5nmで、AlNを厚さ6nmで、交互に三層積層させた。各原料は上記と同じものを用いた。成膜条件は、V/III比を5000、真空度を50hPa、量子井戸層の成長レートを0.18μm/hr、電子バリア層の成長レートを0.15μm/hrに設定した。
次に、この発光層の上に、AlGaN(Al=85%)からなる電子ブロック層を厚さ10nmで形成した。各原料は上記と同じものを用いた。成膜条件は、基板表面温度を1080℃、真空度を50hPa、V/III比を3000、成長レートを1μm/hrに設定した。
次に、この電子ブロック層の上に、第二クラッド層として、Mgを不純物として用いたp型GaN層を、厚さ200nmで成膜した。Mg原料としてビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(CpMg)を用いた。これ以外の原料は上記と同じものを用いた。成膜条件は、基板表面温度を1040℃、真空度を100hPa、V/III比を4000、成長レートを1.2μm/hrに設定した。
このようにして、サファイア基板に複数の窒化物半導体層が積層された物体(分割により複数の紫外線発光素子とされる物体)を得た。この物体をドライエッチングすることで、n型AlGaN層の一部を露出させ、露出したn型AlGaN層上に、Ti,Al,Ni,Auを含む合金電極(n型電極に相当)を形成した。また、p型GaN層上には、Ni,Auを含む合金電極(p型電極に相当)を形成した。
次に、サファイア基板の裏面(主面と反対側の平板面)を、厚さが200μmになるように研削した後に、ダイシングにより、基板の平板面に垂直な複数の面で切断した。これにより、紫外線発光素子の小片を複数得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は2.2mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、前述の<結晶欠陥密度の測定方法>に従って、定義1に基づく傾斜欠陥量(以下、単に「傾斜欠陥量」と称する。)および定義2に基づく垂直欠陥量(以下、単に「垂直欠陥量」と称する。)を調べたところ、AlN層(下地層)には角度5°以上50°以下の線欠陥及び面欠陥は観察されなかった。つまり、下地層の傾斜欠陥量は0であった。なお、下地層の観察範囲は、厚さ方向で第一クラッド層との界面側の部分とした。
n型AlGaN層(第一クラッド層)には、基板主面に対してなす角が5°以上50°以下の線欠陥及び面欠陥が存在し、それらの欠陥密度の総和(傾斜欠陥量)は3×10cm−2であった。また、n型AlGaN層(第一クラッド層)には、基板主面に対してなす角が75°以上90°以下の線欠陥及び面欠陥が存在し、それらの欠陥密度の総和(垂直欠陥量)は7×10cm−2であった。
発光層(AlGaN/AlNからなる多重量子井戸構造層)には、基板主面に対してなす角が5°以上50°以下の線欠陥及び面欠陥が存在し、それらの欠陥密度の総和(傾斜欠陥量)は1×10cm−2であった。また、発光層には、基板主面に対してなす角が75°以上90°以下の線欠陥密度及び面欠陥密度が存在し、それらの欠陥密度の総和(垂直欠陥量)は3×10cm−2であった。
[実施例2]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1230℃、成長レートを0.48μm/hrに設定した。n型AlGaN層(第一クラッド層)の成膜条件のV/III比を5000、成長レートを0.5μm/hrに設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は2.8mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は8×10cm−2、垂直欠陥量は5×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は3×10cm−2であり、垂直欠陥量は1×10cm−2であった。
[実施例3]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1270℃、成長レートを0.45μm/hrに設定した。n型AlGaN層(第一クラッド層)の成膜条件の基板表面温度を1080℃に、V/III比を1500、成長レートを1.2μm/hrに設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は1.5mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は2×10cm−2、垂直欠陥量は8×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は1×10cm−2であり、垂直欠陥量は4×10cm−2であった。
[実施例4]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1300℃、成長レートを0.38μm/hrに設定した。n型AlGaN層(第一クラッド層)の成膜条件の基板表面温度を1050℃に、V/III比を1000、成長レートを1.5μm/hrに設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は1.1mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は6×10cm−2、垂直欠陥量は8×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は3×10cm−2であり、垂直欠陥量は6×10cm−2であった。
[実施例5]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1300℃に、V/III比を30に、成長レートを0.38μm/hrに設定した。n型AlGaN層(第一クラッド層)の成膜条件の基板表面温度を1050℃に、V/III比を800に、成長レートを1.6μm/hrに設定した。また、発光層の基板表面温度を1050℃に、V/III比を2000に、量子井戸層の成長レートを0.23μm/hrに、電子バリア層の成長レートを0.18μm/hrに設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は0.9mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は8×10cm−2、垂直欠陥量は2×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は6×10cm−2であり、垂直欠陥量は1×10cm−2であった。
[比較例1]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1300℃に、V/III比を30に、成長レートを0.38μm/hrに、真空度を30hPaに設定した。n型AlGaN層(第一クラッド層)の成膜条件の基板表面温度を1080℃に、V/III比を300に、成長レートを1.8μm/hrに、真空度を30hPaに設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は0.6mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は3×1010cm−2、垂直欠陥量は4×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は2×10cm−2であり、垂直欠陥量は6×10cm−2であった。
[比較例2]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1300℃に、V/III比を30に、成長レートを0.38μm/hrに、真空度を30hPaに設定した。n型AlGaN層(第一クラッド層)の成膜条件の基板表面温度を1050℃に、V/III比を5000に、成長レートを2.1μm/hrに、真空度を150hPaに設定した。また、発光層の基板表面温度を1050℃に、V/III比を1000に、量子井戸層の成長レートを0.27μm/hrに、電子バリア層の成長レートを0.19μm/hrに設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は0.4mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は2×1010cm−2、垂直欠陥量は5×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は1×10cm−2であり、垂直欠陥量は2×10cm−2であった。
[比較例3]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1180℃に、成長レートを1.0μm/hrに設定し、膜厚を800nmとした。n型AlGaN層(第一クラッド層)の成膜条件の基板表面温度を1080℃に、V/III比を500に、成長レートを1.6μm/hrに設定した。また、発光層の基板表面温度を1030℃に、V/III比を500に、量子井戸層の成長レートを0.40μm/hrに、電子バリア層の成長レートを0.30μm/hrに設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光は確認されなかった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は8×10cm−2、垂直欠陥量は5×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は5×10cm−2であり、垂直欠陥量は8×10cm−2であった。
[比較例4]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1130℃に、V/III比を100に、成長レートを0.30μm/hrに、真空度を30hPaに設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は0.6mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認された。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は9×10cm−2、垂直欠陥量は7×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は1×10cm−2であり、垂直欠陥量は3×10cm−2であった。
[比較例5]
AlN層(下地層)の成膜条件の基板表面温度を1100℃に、V/III比を500に、成長レートを0.35μm/hrに設定した。n型AlGaN層(第一クラッド層)の成膜条件の基板表面温度を1080℃に、V/III比を300に、成長レートを1.8μm/hrに、真空度を30hPaに設定した。また、発光層の基板表面温度を1050℃に設定した。これ以外は実施例1と同じ方法で紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線発光素子を電圧7.5V、電流100mAで駆動させたところ、ピーク波長265nmの発光が確認され、その発光強度は0.1mWであった。
この紫外線発光素子の基板の主面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、AlN層(下地層)とn型AlGaN層(第一クラッド層)との界面には、明瞭なマクロステップ(ステップ面及テラス面が連続的に形成された構造)が確認されなかった。
また、実施例1と同様に測定したAlN層(下地層)の傾斜欠陥量は0であり、n型AlGaN層(第一クラッド層)の傾斜欠陥量は1×10cm−2、垂直欠陥量は3×10cm−2であり、発光層の傾斜欠陥量は1×10cm−2であり、垂直欠陥量は5×10cm−2であった。
実施例1〜5および比較例1〜5の紫外線発光素子を構成する下地層、第一クラッド層、および発光層の各成膜条件を、下記の表1にまとめて示す。また、実施例1〜5および比較例1〜5の紫外線発光素子を構成する第一クラッド層と発光層が有する傾斜欠陥量と垂直欠陥量、下地層と第一クラッド層との界面にステップ面とテラス面があるかないかと、各紫外線発光素子の発光強度を、下記の表2にまとめて示す。
Figure 2018037539
Figure 2018037539
表2において、各例の構成のうち構成要件(2)(3)を満たしていない構成に下線を施した。つまり、実施例1〜5は構成要件(1)〜(3)を有する紫外線発光素子であり、比較例1〜4は構成要件(1)と(2)を有するが(3)を有さない紫外線発光素子であり、比較例5は構成要件(1) を有するが(2)と(3)を有さない紫外線発光素子である。
このように、構成要件(1)〜(3)を有する実施例1〜5の紫外線発光素子は、構成要件(2)および(3)のいずれかを有さない比較例1〜5の紫外線発光素子と比較して、発光効率が高くなることで高い発光強度が得られる。

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板の主面上に形成された窒化物半導体からなる下地層と、
    前記下地層上に形成され、導電性を有する窒化物半導体からなる第一クラッド層と、
    前記第一クラッド層上に形成され、窒化物半導体からなる発光層と、
    前記発光層上に形成され、前記第一クラッド層とは異なる導電性を有する窒化物半導体からなる第二クラッド層と、
    を備え、
    前記下地層と前記第一クラッド層との界面はステップ面およびテラス面を有し、
    前記第一クラッド層および前記発光層が有する結晶欠陥密度のうち、下記の定義1に基づく傾斜欠陥量および下記の定義2に基づく垂直欠陥量が、以下の条件1〜3を満たす紫外線発光素子。
    定義1:前記主面に対する角度が5°以上50°以下である線欠陥の密度と、前記主面に対する角度が5°以上50°以下である面欠陥の密度と、の総和を、傾斜欠陥量と定義する。
    定義2:前記主面に対する角度が75°以上90°以下である線欠陥の密度と、前記主面に対する角度が75°以上90°以下である面欠陥の密度と、の総和を、垂直欠陥量と定義する。
    条件1:前記第一クラッド層の前記傾斜欠陥量は1×10cm−2以上1×1010cm−2以下である。
    条件2:前記発光層の前記傾斜欠陥量は1×10cm−2より小さい。
    条件3:前記発光層の前記垂直欠陥量は前記第一クラッド層の前記垂直欠陥量よりも小さい。
  2. 前記発光層の前記垂直欠陥量は1×10cm−2以下である請求項1記載の紫外線発光素子。
  3. 前記下地層をなす窒化物半導体はAlNである請求項1または2記載の紫外線発光素子。
  4. 前記第一クラッド層、前記発光層、および前記第二クラッド層をなす窒化物半導体は、AlおよびGaの少なくとも一つを含む窒化物半導体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の紫外線発光素子。
  5. 前記第一クラッド層の導電性がn型であり、
    前記第二クラッド層の導電性がp型である請求項1〜4の何れか一項に記載の紫外線発光素子。
  6. 前記基板はサファイア基板である請求項1〜5の何れか一項に記載の紫外線発光素子。
  7. 前記基板の厚さが100μm以上800μm以下である請求項1〜6の何れか一項に記載の紫外線発光素子。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の紫外線発光素子を備える紫外線照射モジュール。
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