JP2023127193A - 紫外線発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー変換効率の高い紫外線発光素子を提供する。【解決手段】Alを含む窒化物半導体を含む基板1と、導電性を有し、Al及びGaを含む第1導電型窒化物半導体層2と、Al組成傾斜層である第1組成傾斜層AlxGa(1-x)Nと、Al及びGaを含む窒化物半導体を有する発光層4と、ホール供給層6と、第1導電型窒化物半導体層2と異なる導電性を有する第2導電型窒化物半導体層7と、がこの順に積層されてなり、Al組成xは0.6以上0.9以下であり、第1組成傾斜層AlxGa(1-x)Nは、基板から遠ざかるに伴ってAl組成xが連続的又は段階的に増加する。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線発光素子に関する。
紫外線発光素子は、発光層のバンドギャップエネルギーを制御することにより発光波長を制御することができるとともに、寿命が長く信頼性が高い。そのため、紫外線発光素子は、照明、計測器用光源、殺菌用光源など様々な用途に利用されている。一般的な紫外線発光素子は、発光層をp型窒化物半導体とn型窒化物半導体で挟んだPIN構造を、基板上に有する。
紫外線発光素子の発光効率(発光強度)を高める方法の1つとして、電子・ホールといったキャリアを発光層内に閉じ込めることが有効である。特許文献1には、窒化物半導体を用いた紫外線発光素子の発光効率を高めることを目的とした発光素子構造が記載されている。具体的には発光層上にファイナルバリア層を設け、ファイナルバリア層上にファイナルバリア層に対して電子のエネルギー障壁となるp型またはi型のAlN層からなる電子ブロック層を設け、その厚みを最適化することで電子の注入効率向上を図っている。
特許第5641173号公報
しかしながら、紫外線発光素子には、さらなる発光効率の向上が求められている。
特許文献1に開示された構造では、発光出力は向上するものの、紫外線発光素子(LED)の抵抗が上昇し、駆動時の電圧も上昇してしまうため、印加電力に対するエネルギー変換効率は改善しない。
すなわち、本開示の目的は、エネルギー変換効率の高い紫外線発光素子を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る紫外線発光素子は、Alを含む窒化物半導体を含む基板と、導電性を有し、Al及びGaを含む第1導電型窒化物半導体層と、Al、Ga、及びNを含み、Al組成傾斜層である第1組成傾斜層(AlGa(1-x)N)と、Al及びGaを含む窒化物半導体を有する発光層と、ホール供給層と、第1導電型窒化物半導体層と異なる導電性を有する第2導電型窒化物半導体層と、がこの順に積層されてなり、Al組成xは0.6以上0.9以下であり、第1組成傾斜層は、基板から遠ざかるに伴ってAl組成xが連続的又は段階的に増加することを特徴としている。
本発明の一態様によれば、エネルギー変換効率の高い紫外線発光素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る紫外線発光素子の一例を示す断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、様々な変更を加えることができる。
[実施形態]
<紫外線発光素子の構成>
本実施形態に係る紫外線発光素子は、Alを含む窒化物半導体を含む基板と、導電性を有し、Al及びGaを含む第1導電型窒化物半導体層と、Al、Ga、及びNを含み、Al組成傾斜層である第1組成傾斜層(AlGa(1-x)N)と、Al及びGaを含む窒化物半導体を有する発光層と、ホール供給層と、第1導電型窒化物半導体層と異なる導電性を有する第2導電型窒化物半導体層と、がこの順に積層されてなり、Al組成xは0.6以上0.9以下であり、第1組成傾斜層は、基板から遠ざかるに伴ってAl組成xが連続的又は段階的に増加している。
具体的には、図1に示すように、紫外線発光素子10は、基板1と、第1導電型窒化物半導体層2と、第1Al組成傾斜層(AlGa(1-x)N)(第1組成傾斜層)3と、発光層4と、電子ブロック層5と、ホール供給層6と、第2導電型窒化物半導体層7と、第1導電型窒化物半導体用電極8と、第2導電型窒化物半導体用電極9と、を備える。
(基板)
基板1としては、後述の第1導電型窒化物半導体層2の材料である例えばAlGaNと物性の近いAlN、又はAlGaN等からなる基板が好ましいが、この限りではなく、サファイアやシリコン等からなる基板でも構わない。
また、基板1は、ドナー不純物又はアクセプタ不純物によって、n型又はp型にドーピングされてよい。また、基板1は、AlN等の窒化物半導体と、サファイア(Al)、Si、SiC、MgO、Ga、ZnO、GaN及びInNのうちのいずれか一つと、の混晶であり得る。
基板1の作製方法としては、昇華法又はハイドライド気相成長法(HVPE法)等の気相成長法、さらに液相成長法等の一般的な基板成長法が適用できる。また、基板1の厚さは一例として100μm以上600μm以下であってよい。また、面方位はc面(0001)、a面{11-20}、m面{10-10}などが挙げられるが、より好ましくはc面基板である。
(第1導電型窒化物半導体層)
第1導電型窒化物半導体層2は、導電性を有し、Al及びGaを含む窒化物半導体の層である。第1導電型窒化物半導体層2は基板1上に形成される。ここで、例えば「第1導電型窒化物半導体層2は基板1上に形成される」という表現における「上に」という文言は、基板1の上に第1導電型窒化物半導体層2が形成されることを意味するが、基板1と第1導電型窒化物半導体層2との間に別の層がさらに存在する場合もこの表現に含まれる。その他の層同士の関係においても、「上の」という文言は、同様の意味を有する。例えば、発光層4上に電子ブロック層5を介して第2導電型窒化物半導体層7が形成される場合も、「第2導電型窒化物半導体層7は発光層4上に形成される」という表現に含まれる。
第1導電型窒化物半導体層2が含む窒化物半導体は、例えばAlGa(1-z)N(0<z<1)である。深紫外領域のバンドギャップエネルギーに対応する材料を発光層4として形成する場合に、その結晶性を高め、発光効率を向上させることが可能となる。高い発光効率を実現する観点から、第1導電型窒化物半導体層2が含む窒化物半導体は、AlN及びGaNの混晶であることが好ましい。また、発光層4から放出された光の透過率の観点から、第1導電型窒化物半導体層2が含む窒化物半導体は、AlGa(1-z)N(0.6≦z≦0.9)であることが好ましい。また緩和の観点と膜抵抗の観点から、第1導電型窒化物半導体層2の厚みは、300nm以上1200nm以下であることが好ましい。
第1導電型窒化物半導体層2の窒化物半導体には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si等の不純物が混入していてよいが、不純物元素の種類としてはこの限りではない。
また、第1導電型窒化物半導体層2と第2導電型窒化物半導体層7とは、互いに異なる導電性を有する窒化物半導体の層である。一般に、n型半導体の方がp型半導体より結晶性に優れており、発光層4への影響が低い。そのため、第1導電型窒化物半導体層2がn型で、第2導電型窒化物半導体層7がp型である事が好ましい。
(第1Al組成傾斜層)
第1導電型窒化物半導体層2と発光層4との間に第1Al組成傾斜層3が設置されている。第1Al組成傾斜層3の材料は、AlGa(1-x)N(0.6≦x≦0.9)であって、第1Al組成傾斜層3は、基板1から遠ざかる方向にAl組成xが増加する層である。つまり、第1Al組成傾斜層3のAl組成xは、基板1から遠ざかる方向に向けて増加する。そのAl組成xのプロファイル(傾斜)は、連続的に増加してもよいし、段階的に増加してもよく、連続的な増加と段階的な増加とが混合していてもよい。「段階的に増加する」とは、第1Al組成傾斜層3の、基板1から遠ざかる方向の層構造が、第1Al組成傾斜層3の膜中にAl組成xが同じになっている部分を含むことを意味する。つまり、第1Al組成傾斜層3には、基板1から遠ざかる方向にAl組成xが減少しない部分が含まれていてもよいが、減少する部分は含まれていない。
第1導電型窒化物半導体層2と第1Al組成傾斜層3とは接触していてもよいし、第1導電型窒化物半導体層2と第1Al組成傾斜層3との間に別の層が存在していてもよい。第1Al組成傾斜層3と発光層4とは接触していてもよいし、第1Al組成傾斜層3と発光層4との間に別の層が存在していてもよい。
第1Al組成傾斜層3(AlGa(1-x)N層)には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si等の不純物が混入していてよいが、不純物元素の種類としてはこの限りではない。また第1Al組成傾斜層3の厚みは発光効率向上の観点から1nm以上15nm以下、好ましくは2nm以上10nm以下である。
(発光層)
発光層4は、Al及びGaを含む窒化物半導体の層である。発光層4は、第1導電型窒化物半導体層2上に形成される。図1の場合には、発光層4は、第1導電型窒化物半導体層2の上に、第1Al組成傾斜層3を介して形成される。発光層4が含む窒化物半導体は、高い発光効率を実現する観点から例えばAlN及びGaNの混晶であることが好ましい。発光層4には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si等の不純物が混入していてよいが、不純物元素の種類としてはこの限りではない。また、発光層4は、量子井戸構造も単層構造も取り得る。高い発光効率を実現する観点から、発光層4は少なくとも1つの井戸構造を有することが好ましい。
また、発光層4の発光波長、すなわち紫外線発光素子10の発光波長は、280nm以下であることが好ましい。紫外線発光素子10の発光波長を280nm以下とすることによって、非常に高い菌やウィルスの不活化効率を得ることができる。
また、発光層4が含む窒化物半導体はAl、Ga及びNを含むことが好ましい。また、発光効率を高める観点から、発光層4は、Al、Ga及びNを含む量子井戸層と、Al、Ga及びNまたはAl、Ga及びAlNを含むバリア層とを有する多重量子井戸構造(MQW)であることが好ましい。
(第2導電型窒化物半導体層)
第2導電型窒化物半導体層7は、第1導電型窒化物半導体層2と異なる導電性を有する窒化物半導体の層である。第2導電型窒化物半導体層7は、発光層4上に形成される。図1の場合には、第2導電型窒化物半導体層7は、電子ブロック層5及びホール供給層6を介して発光層4上に形成される。第2導電型窒化物半導体層7が含む窒化物半導体は、例えばGaN、AlN、及びInNのうちのいずれか一つ、又はこれらのうちのいずれか複数を含む混晶などである。第2導電型窒化物半導体層7の窒化物半導体には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si、Be等の不純物が混入していてよい。ただし、上述のように、第1導電型窒化物半導体層2の導電性がn型で、第2導電型窒化物半導体層7の導電性がp型である事が好ましい。
また、原料ガスの汎用性から、第2導電型窒化物半導体層7に含まれる不純物がMgであることが好ましい。
また、紫外線発光素子10の駆動電圧を低減する観点から、第2導電型窒化物半導体層7はAlGa(1-x)N(0≦x≦0.4)であることが好ましい。
(ホール供給層)
紫外線発光素子10は発光層4と第2導電型窒化物半導体層7との間に、ホール供給層6が配置されていてもよい。ホール供給層6としては、例えばGaN、AlN、及びInNのうちのいずれか一つ、又はこれらのうちのいずれか複数を含む混晶にMg、Cなどの不純物を添加することにより作製されたp型半導体であってよく、または分極ドーピング技術を用いてホールを発生させ、供給する構造でもよい。分極ドーピング技術を用いる場合、ホール供給層6として、Al、Ga、及びNを含むAl組成傾斜層(第2組成傾斜層)AlGa(1-y)N(0.1≦y≦1.0)であって、基板1から遠ざかる方向にAl組成yが減少する層が考えられる。Al組成yは、基板1から遠ざかる方向に向けて減少する。そのAl組成yのプロファイル(傾斜)は、連続的に減少してもよいし、段階的に減少してもよく、連続的な減少と段階的な減少とが混合していてもよい。「段階的に減少する」とは、基板1から遠ざかる方向にAl組成yが同じになっている部分を含むことを意味する。つまり、基板1から遠ざかる方向にAl組成yが減少しない部分が含まれていてもよいが、増加する部分は含まれていない。また発光効率を高める観点から、ホール供給層(Al組成傾斜層)6の膜厚は、15nm以上60nm以下であることが好ましく、20nm以上60nm以下であることがより好ましい。
また、ホール生成量の点から組成傾斜層をホール供給層6として用いることが好ましい。特に、ホール供給層6として、Al組成傾斜層等の組成傾斜を有する構造を適用することによって、ホール濃度が上昇し、変換効率の点で好ましい。
発光層4とホール供給層6とは接触していてもよいし、発光層4とホール供給層6との間に別の層が存在していてもよい。ホール供給層6と第2導電型窒化物半導体層7とは接触していてもよいし、ホール供給層6と第2導電型窒化物半導体層7との間に別の層が存在していてもよい。
具体的には、発光層4とホール供給層6との間に電子ブロック層5が存在していても良い。
ホール供給層6には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si、Be等の不純物が混入していてよい。
(電子ブロック層)
紫外線発光素子10は、発光層4と第2導電型窒化物半導体層7との間(ホール供給層6が設けられている場合には、発光層4とホール供給層6との間)に、電子ブロック層5が配置されていてもよい。
電子ブロック層5は、第1導電型窒化物半導体層2から注入された電子が、発光層4で再結合しきれず、第2導電型窒化物半導体層7へオーバーフローしていくことを防ぐ効果がある。例えばGaN、AlN及びInNのうちのいずれか一つ、又はこれらのうちの複数を含む混晶などである。ただし、オーバーフローを防ぐことができれば、これに限らない。また、電子ブロック層5には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si、Be等の不純物が混入していてよい。格子整合と電子のブロック効果の観点から、電子ブロック層5は、発光層4のバンドギャップよりも大きいAlGaNであることが好ましい。
(電極)
紫外線発光素子10は、さらに第1導電型窒化物半導体層2用の電極8及び、第2導電型窒化物半導体層7用の電極9を備えてよい。第1及び第2導電型窒化物半導体層2用の電極8及び9は、それぞれn型電極およびp型電極の少なくとも1つであり得る。
n型電極は、Al、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zr等の金属、これらの混晶、または、ITOもしくはGa等の導電性酸化物等を用いることができる。また、n型電極は、第1導電型窒化物半導体層2および第2導電型窒化物半導体層7のうち、導電性がn型である層とコンタクトするように形成される事が好ましい。
p型電極は、Ni、Au、Pt、Ag、Rh、Pd、Pt、Cu、Al、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Co、Ir、Zr等の金属、これらの混晶、または、ITOもしくはGa等の導電性酸化物等を用いることができる。また、p型電極は、第1導電型窒化物半導体層2および第2導電型窒化物半導体層7のうち、導電性がp型である層とコンタクトするように形成される事が好ましい。
第1及び第2導電型窒化物半導体用の電極8及び9の形成方法として、抵抗加熱蒸着、電子銃蒸着またはスパッタ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。第1及び第2導電型窒化物半導体用の電極8及び9は単層であり得る。また、第1及び第2導電型窒化物半導体用の電極8及び9は積層であり得る。また、第1及び第2導電型窒化物半導体用の電極8及び9は、これら電極層の形成後に酸素、窒素または空気雰囲気等で熱処理が行われてもよい。
(反射電極)
紫外線発光素子10は、さらに反射電極を備えてよい。例えば、第1導電型窒化物半導体用の電極8自体及び第2導電型窒化物半導体用の電極9自体のうちの少なくともいずれか一方を反射電極として利用してもよい。また、例えば平面視で、第2導電型窒化物半導体用の電極9としての電極金属と反射用誘電体とを交互に並べて配置することで、反射電極を設けるようにしてもよい。この場合も、第1導電型窒化物半導体用の電極8としての電極金属と反射用誘電体とを交互に並べて配置することで、第1導電型窒化物半導体用の電極8側に反射電極を設けるようにしてもよく、第1導電型窒化物半導体用の電極8と第2導電型窒化物半導体用の電極9とのうちの少なくともいずれか一方の電極金属を利用して、反射電極を設けるようにしてよい。
反射電極は発光層4から放出された光を基板1側へと反射する機能をもち、発光強度の観点から紫外光の反射率が90%以上であることが好ましい。より具体的には反射透過測定器において測定された265nmにおける反射率が90%以上である。
反射電極は、例えばAl、Ti、Pt、Rd、Ru、Ni、Rhからなるが、反射率を満たせばこの限りではない。前述の金属がp型電極として用いられてもよく、p型電極上に形成されてもよい、さらにp型電極以外の箇所に備えられてもよい。
また、反射電極にはHfOやSiOなどの酸化物を積層した半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡を用いてもよい。
反射電極の形成方法として、抵抗加熱蒸着、電子銃蒸着またはスパッタ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。反射電極は単層であり得る。また、反射電極は積層であり得る。
(紫外線発光素子)
本実施形態の紫外線発光素子10は、例えば、医療・ライフサイエンス分野、環境分野、産業・工業分野、生活・家電分野、農業分野、その他分野の装置に適用可能である。紫外線発光素子10は、薬品又は化学物質の合成・分解装置、液体・気体・固体(容器、食品、医療機器等)殺菌装置、半導体等の洗浄装置、フィルム・ガラス・金属等の表面改質装置、半導体・FPD・PCB・その他電子品製造用の露光装置、印刷・コーティング装置、接着・シール装置、フィルム・パターン・モックアップ等の転写・成形装置、紙幣・傷・血液・化学物質等の測定・検査装置に適用可能である。
液体殺菌装置の例としては、冷蔵庫内の自動製氷装置・製氷皿及び貯氷容器・製氷機用の給水タンク、冷凍庫、製氷機、加湿器、除湿器、ウォーターサーバの冷水タンク・温水タンク・流路配管、据置型浄水器、携帯型浄水器、給水器、給湯器、排水処理装置、ディスポーザ、便器の排水トラップ、洗濯機、透析用水殺菌モジュール、腹膜透析のコネクタ殺菌器、災害用貯水システム等が挙げられるが、この限りではない。
気体殺菌装置の例としては、空気清浄器、エアコン、天井扇、床面用又は寝具用の掃除機、布団乾燥機、靴乾燥機、洗濯機、衣類乾燥機、室内殺菌灯、保管庫の換気システム、靴箱、タンス等が挙げられるが、この限りではない。
固体殺菌装置(表面殺菌装置を含む)の例としては、真空パック器、ベルトコンベヤ、医科用・歯科用・床屋用・美容院用のハンドツール殺菌装置、歯ブラシ、歯ブラシ入れ、箸箱、化粧ポーチ、排水溝のふた、便器の局部洗浄器、便器フタ等が挙げられるが、この限りではない。
<製造方法>
本実施形態の紫外線発光素子10は、基板1上に各層を形成する工程を経て製造される。この工程は、例えば、分子線エピタキシー(MBE;Molecular Beam Epitaxy)法、又はハイドライド気相成長法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)、又は有機金属気相成長(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等で行うことができる。
ここで、基板1上に形成された各層のうち窒化物半導体の層は、例えばトリメチルアルミニウム(TMAl)を含むAl原料、例えばトリメチルガリウム(TMGa)またはトリエチルガリウム(TEGa)等を含むGa原料、例えばアンモニア(NH)を含むN原料を用いて形成することができる。
紫外線発光素子10は、基板1上に形成された各層に対して、不要部分をエッチングによって除去する工程を経て製造される。この工程は、例えば誘導結合型プラズマ(ICP)エッチング等で行うことができる。
また、紫外線発光素子10は、第1又は第2導電型窒化物半導体用電極8、9を形成する工程を経て製造され得る。この工程は、例えば電子線蒸着(EB)法によって金属を蒸着させる等の種々の方法で行うことができる。
ここで、紫外線発光素子10は、上記の工程を経て各層が形成された基板1をダイシングにより個片へと分割して製造される。
<測定方法>
(不純物濃度およびドーピング濃度の測定)
紫外線発光素子10を構成する基板及び各層に含まれるドーパントや不純物の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS)により測定できる。
各層に含まれるドーパントや不純物の濃度を、デバイスに加工された後にSIMSで測定する場合は、化学的なエッチングや物理研磨により第1又は第2導電型窒化物半導体用電極8、9を除去した状態で行うことができる。また、第1又は第2導電型窒化物半導体用電極8、9が形成されていない基板側からスパッタして測定することもできる。
具体的には、エバンス・アナリティカル・グループ(EAG)社が提供する測定条件によりSIMS測定を実施する。測定時の試料のスパッタには、14.5keVのエネルギーを有したセシウム(Cs)イオンビームを用いる。
(膜厚の測定方法)
紫外線発光素子10を構成する各層の膜厚は、基板1に垂直な所定断面を切り出して、この断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、TEMの測長機能を使用することで測定できる。測定方法としては、先ず、TEMを用いて、紫外線発光素子10の基板1の主面に対して垂直な断面を観察する。具体的には、例えば、紫外線発光素子10の基板1の主面に対して垂直な断面を示すTEM画像内の、基板1の主面に対して平行な方向において2μm以上の範囲を観察幅とする。この観察幅の範囲において、組成の異なる2層の界面にはコントラストが観察されるので、この界面までの厚さを、幅200nmの連続する観察領域で観察する。この200nm幅の観察領域内に含まれる各層の厚さの平均値を、上記2μm以上の観察幅から任意に抽出した5箇所から算出することで、各層の膜厚を得る。
(第1導電型窒化物半導体層のAl組成の測定方法)
第1導電型窒化物半導体層2のAl組成を測定する方法としては、X線回折(XRD:X-Ray Diffaction)法による逆格子マッピング測定(RSM:Reciprocal Space Mapping)が挙げられる。具体的には、非対称面を回折面として得られる回折ピーク近傍の逆格子マッピングデータを解析することにより、下地に対する格子緩和率とAl組成が得られる。上記回折面としては、例えば(10-15)面や(20-24)面が挙げられる。
(第1Al組成傾斜層、ホール供給層(Al組成傾斜層)、発光層、電子ブロック層のAl組成の測定方法)
X線光電分光法(XPS)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、及び電子エネルギー損失分光法(EELS)によって測定することができる。
EELSでは、電子線が試料を透過する際に失うエネルギーを測定することで、試料の組成を分析する。具体的には、例えば、TEM観察等で使用する薄片化試料において、透過電子線の強度のエネルギー損失スペクトルを測定・解析する。そして、エネルギー損失量20eV付近に現れるピークのピーク位置が、各層の組成に応じて変化することを利用し、ピーク位置から組成を求めることができる。
上述のTEM観察による膜厚算出方法と同様にして、観察幅200nmにおけるAl組成の平均値を、2μm以上の観察領域から任意に抽出した5箇所から算出することで、各層のAl組成を得る。
EDXでは、上述のTEM観察等で使用する薄片化試料において電子線によって発生する特性X線を測定・解析する。上述のTEM観察による膜厚算出方法と同様にして、観察幅200nmにおけるAl組成の平均値を、2μm以上の観察領域から任意に抽出した5箇所から算出することで、各層のAl組成を得る。
XPSでは、イオンビームを用いたスパッタエッチングを行いながらXPS測定を行うことで、深さ方向の評価が可能である。イオンビームには一般的にAr+が用いられるが、XPS装置に搭載されたエッチング用イオン銃で照射できるイオンであれば、例えばArクラスターイオンなどの他のイオン種でもよい。Al、Ga、NのXPSピーク強度を測定・解析して各層のAl組成の深さ方向分布を得る。スパッタエッチングの代わりに、基板の主面に対して垂直な断面が拡大されて露出されるように窒化物半導体発光素子を斜め研磨して、露出断面をXPSで測ってもよい。
XPSだけでなくオージエ電子分光法(AES)を用いても、スパッタエッチング或いは斜め研磨により露出させた断面の測定を行うことで、各層の組成を測定できる。また、斜め研磨により露出させた断面に対するSEM-EDX測定によっても、各層の組成を測定できる。
<本実施形態の効果>
本実施形態の紫外線発光素子10は、Alを含む窒化物半導体を含む基板1と、導電性を有し、Al及びGaを含む第1導電型窒化物半導体層2と、Al及びGaを含む窒化物半導体を有する発光層4と、ホール供給層6と、第1導電型窒化物半導体層2と異なる導電性を有する第2導電型窒化物半導体層7と、をこの順に積層し、さらに第1導電型窒化物半導体層2と発光層4との間に、基板1から遠ざかるに伴ってAl組成xが連続的又は段階的に増加する第1Al組成傾斜層(AlGa(1-x)N)3を設けている。
このため、紫外線発光素子10の抵抗が上昇することを抑制しつつ、エネルギー変換効率を高めることができるため、紫外線発光素子10の発光出力を向上させることができる。
また、ホール供給層6として、基板1から遠ざかるに伴ってAl組成yが連続的又は段階的に減少するAl組成傾斜層(AlGa(1-y)N)を設けている。そのため、ホール発生効率が向上し、紫外線発光素子10の発光出力を向上できるため、より一層エネルギー変換効率を高めることができる。
さらに、発光層4とホール供給層6との間に、電子ブロック層5を設けているため、第1導電型窒化物半導体層2側から注入された電子が、第2導電型窒化物半導体層7側へオーバーフローしていくことを防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下に、本発明の実施形態に係る紫外線発光素子10の実施例及び比較例について説明する。
[実施例1]
厚さが550μmのc面AlN単結晶基板に対して、有機金属気相成長(MOCVD)装置を用いて、アニール処理を行った。アニール処理は、1300℃において、NH雰囲気中での5分間及びH雰囲気中での5分間を1セットとして、2セットを実行した。次に、ホモエピタキシャル層であるAlN層を、1200℃において、500nmの厚さで形成した。このとき、V/III比は50であった。また、真空度は50mbarであった。また、成長レートは0.5μm/hrであった。また、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)が用いられた。また、N原料としてアンモニア(NH)が用いられた。なお、“V/III比”とは、III族(Al)原料ガスの供給量に対するV族(N)原料ガスの供給量の比である。
上記のように形成されたAlN層上に第1導電型窒化物半導体層を形成した。第1導電型窒化物半導体層は、Siをドーパント不純物として用いたn型AlGaN層(Al:70%)である。n型AlGaN層は、1080℃の温度で、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で500nmの厚さで成膜した。このときの成長レートは0.5μm/hrであった。また、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)が用いられた。また、Ga原料としてトリメチルガリウム(TMGa)が用いられた。また、N原料としてアンモニア(NH)が用いられた。また、Si原料としてモノシラン(SiH)が用いられた。
上記のように形成されたn型AlGaN層の上に発光層が形成され、その上に第1Al組成傾斜層を形成するが、TMAlの量を調整し、増加させることでAlGa1-xを形成した。なお形成時の温度及びトリメチルガリウム量、アンモニア量、モノシラン量は第1導電型窒化物半導体層と同量で、5分間成膜を実施した。XPSにて測定した結果、AlGa1-xのAl組成xが0.7から0.8まで変化しており、厚みは5nmであった。発光層は、量子井戸層とバリア層とを5周期積層させた多重量子井戸構造を有するように成膜された。ここで、量子井戸層は、3nmの厚さを有するAlGaN(Al:52%)、すなわちAl0.52Ga0.48Nである。また、6.0nmの厚さを有するバリア層は、AlGaN(Al:75%)、すなわちAl0.75Ga0.25Nである。発光層は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で製膜された。このときの量子井戸層の成長レートは0.18μm/hrであった。また、バリア層の成長レートは0.15μm/hrであった。
上記のように形成された発光層上に電子ブロック層を成膜した。ここで、電子ブロック層は、15nmの厚さを有するAlGaN(Al:85%)、すなわちAl0.85Ga0.15Nである。電子ブロック層は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で製膜された。このときの量子井戸層の成長レートは0.12μm/hrであった。
上記のように形成された電子ブロック層上にホール供給層を形成した。ここで、ホール供給層は分極ドーピングを用いたAl組成傾斜層とし、35nmの厚さを有し、Al組成が75%から30%まで一様に傾斜しているAlGaN(Al:70→30%)、すなわちAl0.75Ga0.25N→Al0.3Ga0.7Nである。ホール供給層(Al組成傾斜層)は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で製膜した。
上記のように形成されたホール供給層上に第2導電型窒化物半導体層を成膜した。ここで、第2導電型窒化物層は、10nmの厚さを有し、Mgをドーパント不純物として用いたp型GaNである。第2導電型窒化物半導体層は、920℃の温度で、真空度を150mbarに設定し、V/III比を3650とした条件で製膜した。このときの第2導電型窒化物半導体層の成長レートは0.2μm/hrであった。
得られた窒化物半導体積層体をドライエッチングすることによって、n型AlGaN層の一部が露出した。露出したn型AlGaN層上に、Ti、Al、Ni及びAuを含む合金電極(n型電極に相当)を形成した。また、p型GaN層(第2導電型窒化物半導体層)上に、Ni及びAuを含む合金電極(p型電極に相当)が形成された。AlN基板を、厚さが100μmになるように研削した後に、ダイシングにより紫外線発光素子の個片へと分割した。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.7V、ピーク波長265nmにおける発光強度が82mWであり、エネルギー変換効率は2.45%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例2]
第1Al組成傾斜層の形成時間を5分間から1分間へ変更したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層の厚みは1.1nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.6V、ピーク波長265nmにおける発光強度が75mWであり、エネルギー変換効率は2.27%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例3]
第1Al組成傾斜層の形成時間を5分間から2分間へ変更したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層の厚みは2.0nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.6V、ピーク波長265nmにおける発光強度が80mWであり、エネルギー変換効率は2.42%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例4]
第1Al組成傾斜層の形成時間を5分間から10分間へ変更したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層の厚みは10.2nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.8V、ピーク波長265nmにおける発光強度が83mWであり、エネルギー変換効率は2.44%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例5]
第1Al組成傾斜層の形成時間を5分間から15分間へ変更したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層の厚みは14.9nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.9V、ピーク波長265nmにおける発光強度が79mWであり、エネルギー変換効率は2.29%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例6]
第1Al組成傾斜層の形成時間を5分間から0.8分間へ変更したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層の厚みは0.8nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.6V、ピーク波長265nmにおける発光強度が68mWであり、エネルギー変換効率は2.06%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例7]
第1Al組成傾斜層の形成時間を5分間から19分間へ変更したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層の厚みは19nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は7.2V、ピーク波長265nmにおける発光強度が74mWであり、エネルギー変換効率は2.06%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例8]
第1Al組成傾斜層を形成するトリメチルアルミニウムの流量を調整したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層のAl組成は0.61から0.83であり、厚みは4.8nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.9V、ピーク波長265nmにおける発光強度が82mWであり、エネルギー変換効率は2.38%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例9]
第1Al組成傾斜層を形成するトリメチルアルミニウムの流量を調整したこと以外は実施例1と同様に紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層のAl組成は0.73から0.9であり、厚みは5.1nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は7.0V、ピーク波長265nmにおける発光強度が84mWであり、エネルギー変換効率は2.40%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[実施例10]
厚さが550μmのc面AlN単結晶基板に対して、有機金属気相成長(MOCVD)装置を用いて、アニール処理を行った。アニール処理は、1300℃において、NH雰囲気中での5分間及びH雰囲気中での5分間を1セットとして、2セットを実行した。次に、ホモエピタキシャル層であるAlN層を、1200℃において、500nmの厚さで形成した。このとき、V/III比は50であった。また、真空度は50mbarであった。また、成長レートは0.5μm/hrであった。また、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)が用いられた。また、N原料としてアンモニア(NH)が用いられた。なお、“V/III比”とは、III族(Al)原料ガスの供給量に対するV族(N)原料ガスの供給量の比である。
上記のように形成されたAlN層上に第1導電型窒化物半導体層を形成した。第1導電型窒化物半導体層は、Siをドーパント不純物として用いたn型AlGaN層(Al:70%)である。n型AlGaN層は、1080℃の温度で、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で500nmの厚さで成膜した。このときの成長レートは0.5μm/hrであった。また、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)が用いられた。また、Ga原料としてトリメチルガリウム(TMGa)が用いられた。また、N原料としてアンモニア(NH)が用いられた。また、Si原料としてモノシラン(SiH)が用いられた。
上記のように形成されたn型AlGaN層の上に発光層が形成され、その上に第1Al組成傾斜層を形成するが、TMAlの量を調整し、増加させることでAlGa1-xを形成した。なお形成時の温度及びトリメチルガリウム量、アンモニア量、モノシラン量は第1導電型窒化物半導体層と同量で、5分間成膜を実施した。XPSにて測定した結果、AlGa1-xのAl組成xが0.7から0.8まで変化しており、厚みは5nmであった。発光層は、量子井戸層とバリア層とを5周期積層させた多重量子井戸構造を有するように成膜された。ここで、量子井戸層は、3nmの厚さを有するAlGaN(Al:52%)、すなわちAl0.52Ga0.48Nである。また、6.0nmの厚さを有するバリア層は、AlGaN(Al:75%)、すなわちAl0.75Ga0.25Nである。発光層は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で製膜された。このときの量子井戸層の成長レートは0.18μm/hrであった。また、バリア層の成長レートは0.15μm/hrであった。
上記のように形成された発光層上に電子ブロック層を成膜した。ここで、電子ブロック層は、15nmの厚さを有するAlGaN(Al:85%)、すなわちAl0.85Ga0.15Nである。電子ブロック層は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で製膜された。このときの量子井戸層の成長レートは0.12μm/hrであった。
上記のように形成された電子ブロック層上にホール供給層を形成した。ここで、ホール供給層として、Mgをドーパント不純物として用いたp型GaN層を形成した。p型GaN層は、1030℃の温度で、真空度を200mbarに設定し、V/III比を2000とした条件で200nmの厚さで成膜した。このときの成長レートは1.0μm/hrであった。また、Ga原料としてトリメチルガリウム(TMGa)が用いられた。また、N原料としてアンモニア(NH)が用いられた。また、Mg原料としてビスシンクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)が用いられた。
上記のように形成されたホール供給層上に第2導電型窒化物半導体層を成膜した。ここで、第2導電型窒化物層は、10nmの厚さを有し、Mgをドーパント不純物として用いたp型GaNである。第2導電型窒化物半導体層は、920℃の温度で、真空度を150mbarに設定し、V/III比を3650とした条件で製膜した。このときの第2導電型窒化物半導体層の成長レートは0.2μm/hrであった。
この薄膜を用いて実施例1と同様に紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層のAl組成は0.70から0.80であり、厚みは5nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.7V、ピーク波長265nmにおける発光強度が70mWであり、エネルギー変換効率は2.09%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[比較例1]
厚さが550μmのc面AlN単結晶基板に対して、有機金属気相成長(MOCVD)装置を用いて、アニール処理を行った。アニール処理は、1300℃において、NH雰囲気中での5分間及びH雰囲気中での5分間を1セットとして、2セットが実行された。次に、ホモエピタキシャル層であるAlN層を、1200℃において、500nmの厚さで形成した。このとき、V/III比は50であった。また、真空度は50mbarであった。また、成長レートは0.5μm/hrであった。また、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)を用いた。また、N原料としてアンモニア(NH)を用いた。
上記のように形成されたAlN層上に第1導電型窒化物半導体層を形成した。第1導電型窒化物半導体層は、Siをドーパント不純物として用いたn型AlGaN層(Al:70%)である。n型AlGaN層は、1080℃の温度で、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で500nmの厚さで成膜した。このときの成長レートは0.5μm/hrであった。また、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)を用いた。また、Ga原料としてトリメチルガリウム(TEGa)を用いた。また、N原料としてアンモニア(NH)を用いた。また、Si原料としてモノシラン(SiH)を用いた。
上記のように形成されたn型AlGaN層上に第1Al組成傾斜層を形成することなく、発光層を形成した。発光層は、量子井戸層とバリア層とを5周期積層させた多重量子井戸構造を有するように成膜した。ここで、量子井戸層は、3nmの厚さを有するAlGaN(Al:52%)、すなわちAl0.52Ga0.48Nである。また、6.0nmの厚さを有するバリア層は、AlGaN(Al:75%)、すなわちAl0.75Ga0.25Nである。発光層は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で製膜された。このときの量子井戸層の成長レートは0.18μm/hrであった。また、バリア層の成長レートは0.15μm/hrであった。
上記のように形成された発光層上に電子ブロック層を成膜した。ここで、電子ブロック層は、15nmの厚さを有するAlGaN(Al:85%)、すなわちAl0.85Ga0.15Nである。電子ブロック層は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で製膜した。このときの量子井戸層の成長レートは0.12μm/hrであった。
上記のように形成された電子ブロック層上にホール供給層を形成した。ここで、ホール供給層として、分極ドーピングを用いたAl組成傾斜層を用いた。ここで、組成傾斜層は、35nmの厚さを有し、Al組成が75%から30%まで一様に傾斜しているAlGaN(Al:70→30%)、すなわちAl0.75Ga0.25N→Al0.3Ga0.7Nである。組成傾斜層は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を4000とした条件で製膜された。
上記のように形成されたAl組成傾斜層上に第2導電型窒化物半導体層を成膜した。ここで、第2導電型窒化物層は、10nmの厚さを有し、Mgをドーパント不純物として用いたp型GaNである。第2導電型窒化物半導体層は、920℃の温度で、真空度を150mbarに設定し、V/III比を3650とした条件で製膜された。このときの第2導電型窒化物半導体層の成長レートは0.2μm/hrであった。
得られた窒化物半導体積層体をドライエッチングすることによって、n型AlGaN層の一部が露出した。露出したn型AlGaN層上に、Ti、Al、NiおよびAuを含む合金電極(n型電極に相当)を形成した。また、p型GaN層(第2導電型窒化物半導体層)上に、Ni及びAuを含む合金電極(p型電極に相当)を形成した。AlN基板を、厚さが100μmになるように研削した後に、ダイシングにより紫外線発光素子の個片へと分割した。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.4V、ピーク波長265nmにおける発光強度が61mWであり、エネルギー変換効率は1.91%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[比較例2]
第1Al組成傾斜層を形成するトリメチルアルミニウムの流量を調整したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層のAl組成は0.58から0.76であり、厚みは5.3nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.7V、ピーク波長265nmにおける発光強度が66mWであり、エネルギー変換効率は1.97%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
[比較例3]
第1Al組成傾斜層を形成するトリメチルアルミニウムの流量を調整したこと以外は実施例1と同様の手順で紫外線発光素子を作製した。第1Al組成傾斜層のAl組成は0.79から0.95であり、厚みは5.2nmであった。得られた紫外線発光素子を、電流500mAで駆動させたところ、駆動電圧は7.9V、ピーク波長265nmにおける発光強度が78mWであり、エネルギー変換効率は1.97%であった。またI-V特性にリークや不連続変化点は観察されなかった。
実施例1~10及び比較例1~3における発光素子の仕様及び結果を表1に示す。実施例1~10の発光素子の電力変換効率は、比較例1~3の発光素子の電力変換効率よりも高く、2%以上となることが確認された。

Figure 2023127193000002
1 基板
2 第1導電型窒化物半導体層
3 第1Al組成傾斜層
4 発光層
5 電子ブロック層
6 ホール供給層
7 第2導電型窒化物半導体層
8 第1導電型窒化物半導体用電極
9 第2導電型窒化物半導体用電極

Claims (5)

  1. Alを含む窒化物半導体を含む基板と、
    導電性を有し、Al及びGaを含む第1導電型窒化物半導体層と、
    Al、Ga、及びNを含み、Al組成傾斜層である第1組成傾斜層(AlGa(1-x)N)と、
    Al及びGaを含む窒化物半導体を有する発光層と、
    ホール供給層と、
    前記第1導電型窒化物半導体層と異なる導電性を有する第2導電型窒化物半導体層と、がこの順に積層されてなり、
    前記Al組成xは0.6以上0.9以下であり、前記第1組成傾斜層は、前記基板から遠ざかるに伴って前記Al組成xが連続的又は段階的に増加する紫外線発光素子。
  2. 前記第1組成傾斜層の厚みが1nm以上15nm以下である請求項1に記載の紫外線発光素子。
  3. 前記ホール供給層は、Al、Ga、及びNを含むAl組成傾斜層である第2組成傾斜層(AlGa(1-y)N)であって、
    前記Al組成yは0.1以上1.0以下であり、前記第2組成傾斜層は、前記基板から遠ざかるに伴って前記Al組成yが連続的又は段階的に減少する請求項1又は請求項2に記載の紫外線発光素子。
  4. 前記第2組成傾斜層の厚みが15nm以上60nm以下である請求項3に記載の紫外線発光素子。
  5. 発光波長が280nm以下である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の紫外線発光素子。
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