JP2018037510A - 半導体装置、該半導体装置を有する表示装置 - Google Patents

半導体装置、該半導体装置を有する表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018037510A
JP2018037510A JP2016169077A JP2016169077A JP2018037510A JP 2018037510 A JP2018037510 A JP 2018037510A JP 2016169077 A JP2016169077 A JP 2016169077A JP 2016169077 A JP2016169077 A JP 2016169077A JP 2018037510 A JP2018037510 A JP 2018037510A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
electrode
insulating film
transistor
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2016169077A
Other languages
English (en)
Inventor
英明 宍戸
Hideaki Shishido
英明 宍戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2016169077A priority Critical patent/JP2018037510A/ja
Publication of JP2018037510A publication Critical patent/JP2018037510A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】高精細度でかつ、表示性能の高い表示装置を提供する。また、新規は半導体装置を提供する。
【解決手段】画素部と周辺回路を有し、画素部は第1のトランジスタを有し、周辺回路は第2のトランジスタを有し、第1のトランジスタの第1のゲート絶縁膜は第2のトランジスタで下地絶縁膜として機能し、第1のトランジスタのソース電極およびドレイン電極は第2のトランジスタの第1のゲート電極と同じ膜の加工によって形成される。
【選択図】図2

Description

本発明の一態様は、半導体装置及び該半導体装置を有する表示装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様は、物、方法、又は製造方法に関する。本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。そのため、より具体的に本明細書で開示する発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサなど)、出力装置、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法を一例として挙げることができる。
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体膜を用いてトランジスタ(電界効果トランジスタ(FET)、または薄膜トランジスタ(TFT)ともいう)を構成する技術が注目されている。該トランジスタは集積回路(IC)や画像表示装置(表示装置)のような電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可能な半導体薄膜としてシリコンを代表とする半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。
例えば、特許文献1では、酸化物半導体を有するトランジスタを表示装置に用いる技術が開示されている。
また、特許文献2では、電流能力の高いトランジスタとしてトップゲート型トランジスタが開示されている。
特開2007−123861号公報 特開2013−077817号公報
特許文献1に示すように、酸化物半導体を有するトランジスタを表示装置に用いることができる。一方で一つの表示装置に用いられる場所によってトランジスタに求められる特性は異なる。つまり画素内では開口率を高めるためにレイアウト面積が小さいトランジスタが求められる。また、ゲートドライバ、デマルチプレクサ等の周辺回路では高い駆動能力を有するトランジスタが求められる。従来の技術ではこれらの異なる要求を同時に満たせない、という問題があった。
上記問題に鑑み、本発明の一態様は、複数種のトランジスタを有する半導体装置において、レイアウト面積が小さいトランジスタと駆動能力が高いトランジスタを有する半導体装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、新規な半導体装置を提供することを課題の一つとする。
なお、上記の課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。上記以外の課題は、明細書の記載から自ずと明らかになるものであり、明細書等の記載から上記以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、基板上に、周辺回路と、画素部を有し、画素部は複数の画素を有し、複数の画素のそれぞれは第1のトランジスタを有し、周辺回路は第2のトランジスタを有し、第1のトランジスタは、第1の電極と、第1の電極上の第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上の、第1の電極と重なる第1の金属酸化物膜と、第1の金属酸化物膜上の第1のソース電極および第1のドレイン電極と、第1の金属酸化物膜、第1のソース電極および第1のドレイン電極上の第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上の第4の絶縁膜と、を有し、第2のトランジスタは、第2の電極と、第2の電極上の第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上の、第2の電極と重なる第2の金属酸化物膜と、第2の金属酸化物膜上の第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上の第3の電極と、第3の電極上の第4の絶縁膜と、第4の絶縁膜上の第2のソース電極および第2のドレイン電極と、を有し、第2の電極は、第1のソース電極及び第1のドレイン電極と同じ材料で形成されることを特徴とする、半導体装置である。
また、本発明の他の一態様は、基板上に、周辺回路と、画素部と、周辺回路と画素部を接続する接続部と、を有し、画素部は複数の画素を有し、複数の画素のそれぞれは第1のトランジスタを有し、周辺回路は第2のトランジスタを有し、第1のトランジスタは、第1の電極と、第1の電極上の第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上の、第1の電極と重なる第1の金属酸化物膜と、第1の金属酸化物膜上の第1のソース電極および第1のドレイン電極と、第1の金属酸化物膜、第1のソース電極および第1のドレイン電極上の第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上の第4の絶縁膜と、を有し、第2のトランジスタは、第2の電極と、第2の電極上の第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上の、第2の電極と重なる第2の金属酸化物膜と、第2の金属酸化物膜上の第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上の第3の電極と、第3の電極上の第4の絶縁膜と、第4の絶縁膜上の第2のソース電極および第2のドレイン電極と、を有し、第2の電極は、第1のソース電極及び第1のドレイン電極と同じ材料で形成され、接続部は第5の電極と、第5の電極上の第6の電極と、を有し、第5の電極は第1の電極と同じ材料で形成され、第6の電極は第1のソース電極、第1のドレイン電極及び第2の電極と同じ材料で形成されることを特徴とする、半導体装置である。
上記各構成において、第2のソース電極は第4の絶縁膜中に設けられた第1の開口部を介して第2の金属酸化物膜と電気的に接続され、第2のドレイン電極は第4の絶縁膜中に設けられた第2の開口部を通して第2の金属酸化物膜と電気的に接続されることを特徴とする、半導体装置である。
また、本発明の他の一態様は、基板上に、周辺回路と、画素部を有し、画素部は複数の画素を有し、複数の画素のそれぞれは第1のトランジスタを有し、周辺回路は第2のトランジスタを有し、第1のトランジスタは、第1のゲート電極、第1のゲート絶縁膜、第1の金属酸化物膜、第2のゲート絶縁膜、第2のゲート電極、第1のソース電極、第1のドレイン電極を有し、第2のトランジスタは第3のゲート電極、第3のゲート絶縁膜、第2の金属酸化物膜、第4のゲート絶縁膜、第4のゲート電極、第2のソース電極、第2のドレイン電極を有し、第1のゲート電極は第2のソース電極、及び第2のドレイン電極と同じ材料で形成され、第2のゲート絶縁膜は、第3のゲート絶縁膜、及び第4のゲート絶縁膜と同じ工程で形成された絶縁膜が積層されていることを特徴とする、半導体装置である。
また、上記態様において、第1のトランジスタは、第4の絶縁膜上に第5の絶縁膜を有し、第5の絶縁膜上に第4の電極を有し、第5の絶縁膜は第3の絶縁膜と同じ材料で形成され、第4の電極は第3の電極と同じ材料で形成されると好ましい。
また、上記態様において、周辺回路はゲートドライバであると好ましい。
また、上記態様において、周辺回路はデマルチプレクサであってもよい。
また、上記態様において、第1の金属酸化物と第2の金属酸化物は組成が異なることが好ましい。
また、上記態様において、第1の金属酸化物膜はInと、Znと、Gaと、をIn:Ga:Zn=1:1:1(原子数比)及びその近傍の組成で有し、第2の金属酸化物膜はInと、Znと、Gaと、をIn:Ga:Zn=4:2:4.1(原子数比)及びその近傍の組成で有すると好ましい。
また、上記態様において、画素部は液晶を有すると好ましい。
また、上記態様において、画素部は有機化合物層を有する構成としてもよい。
また、上記態様において、更に、複数の信号線を有し、複数の画素のそれぞれは、更に第1の表示素子と、第1の導電膜と、第2の絶縁膜と、画素回路と、第2の表示素子と、を有し、複数の画素の一つと複数の信号線の一つは電気的に接続され、第1の導電膜は第1の表示素子と電気的に接続され、第1のソース電極および第1のドレイン電極の一方は、第1の導電膜と重なる領域を備え、第2の絶縁膜は、第1のソース電極および第1のドレイン電極の一方と第1の導電膜の間に挟まれる領域を備え、画素回路は、複数の信号線の一つと電気的に接続され、第1のトランジスタは画素回路に含まれ、第2の表示素子は、画素回路に含まれ、第2の絶縁膜は開口部を備え、第1のソース電極および第1のドレイン電極の一方は、開口部において第1の導電膜と電気的に接続されると好ましい。
また、上記態様の半導体装置と、入力部と、を有し、入力部は、半導体装置に近接するものを検知する機能を備える。
本発明の一態様により、レイアウト面積が小さいトランジスタと駆動能力が高いトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかになるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
半導体装置の上面を説明する図である。 半導体装置の断面を説明する図である。 半導体装置の回路を説明する図である。 半導体装置の回路を説明する図である。 半導体装置の断面を説明する図である。 エネルギーバンドを説明する図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 半導体装置の作製方法を説明する上面図である。 表示装置の構成を説明する図である。 表示装置の断面の構成を説明する図である。 表示装置の断面の構成を説明する図である。 表示装置の回路を説明する図である。 表示装置の構成を説明するブロック図及び模式図である。 発光素子の断面模式図である。 表示モジュールを説明する図である。 電子機器を説明する図である。 電子機器を説明する図である。 表示装置を説明する図である。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、または、十分に低減されたオフ電流が得られるVgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
また、本明細書等では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、または125℃におけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V,2.5V,3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V,2.5V,3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
また、本明細書等において、トランジスタのしきい値電圧とは、トランジスタにチャネルが形成されたときのゲート電圧(Vg)を指す。具体的には、トランジスタのしきい値電圧とは、ゲート電圧(Vg)を横軸に、ドレイン電流(Id)の平方根を縦軸にプロットした曲線(Vg−√Id特性)において、最大傾きである接線を外挿したときの直線と、ドレイン電流(Id)の平方根が0(Idが0A)との交点におけるゲート電圧(Vg)を指す場合がある。あるいは、トランジスタのしきい値電圧とは、チャネル長をL、チャネル幅をWとし、Id[A]×L[μm]/W[μm]の値が1×10−9[A]となるゲート電圧(Vg)を指す場合がある。
また、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS−FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、半導体の不純物とは、半導体膜を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、半導体にDOS(Density of State)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体を有する場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンを有する場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置及び表示装置について、図1乃至図2を参照して説明する。
<1−1半導体装置の構成例1>
図1は、本発明の一態様の半導体装置50の上面図であり、図2(A)及び図2(B)は、図1に示す一点鎖線A1−A2間、A3−A4間、画素回路10のA5−A6間における切断面の断面図に相当する。なお、図2(A)及び図2(B)は、トランジスタTr1のチャネル長(L)方向の断面、及びトランジスタTr2のチャネル長(L)方向の断面を含む。また、図1ではA1−A2はデマルチプレクサ12(Demultiplexer。DeMUXとも呼称する。)中にあるが、A1−A2をゲードドライバ中のトランジスタの断面としても良い。
図1および図2に示す半導体装置50は、少なくともボトムゲートを有するトランジスタTr1と、ボトムゲート及びトップゲートを有するトランジスタTr2と、を有する。
なお、図2(A)に示す表示装置は画素電極上の液晶層を図示していないが、本願の一態様の半導体装置50の表示素子としては液晶素子、エレクトロルミネッセンス(EL)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子、LEDなど)などを用いることができる。一例として上部にエレクトロルミネッセンス素子を含む表示素子を有する場合の断面図を図2(B)に示す。
ただし、本発明の一態様の半導体装置50に用いられる表示素子は液晶素子、EL素子に限定されない。上記以外にも発光トランジスタ素子(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)ディスプレイ、圧電セラミックディスプレイ、量子ドットなどが挙げられる。
表示装置に用いる半導体装置中では、機能によってトランジスタに求められる特性は異なる。例えば、ゲートドライバ11a及びゲートドライバ11bや、ソースドライバ13が有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ12ではオン時の電流が高いことが求められる。一方、画素回路10内のトランジスタではオン電流が高いことよりも、高い開口率を実現するためにレイアウト面積が小さいことが、より求められる。近年では、画素密度が1000ppi(pixlel per inch)を超える表示装置が注目されている。また、後述する、一つの画素に2つの種類の表示素子を有する表示装置では、画素部での高い開口率が求められる傾向がより顕著である。本発明は、以上のような表示装置に好適に用いることができる。
トップゲートセルフアライン(Top−Gate−Self−Alighne:TGSA)型のトランジスタ(以下、TGSA型のトランジスタと略す)は電流駆動能力が高い。そのためゲートドライバ、デマルチプレクサ用のトランジスタとして好適に用いることができる。一方、チャネルエッチ(Channel−Etching:CE)型のトランジスタ(以下、CE型のトランジスタと略す)はTGSA型のトランジスタのコンタクトホールの配置マージンを考慮するとレイアウト面積がTGSA型のトランジスタより小さい。そのため画素部のトランジスタとして好適に用いることができる。
トランジスタTr1は、基板102上の導電膜104aと、導電膜104a上の絶縁膜106と、絶縁膜106上の酸化物半導体膜108と、酸化物半導体膜108上の導電膜112aと、酸化物半導体膜108上の導電膜112bと、酸化物半導体膜108、導電膜112a、及び導電膜112b上の絶縁膜116aと、絶縁膜116a上の絶縁膜116bと、絶縁膜116b上の絶縁膜210aと、絶縁膜210a上の導電膜212aと、を有する。
例えば、トランジスタTr1において、導電膜104aが第1のゲート電極として機能し、導電膜112aがソース電極として機能し、導電膜112bがドレイン電極として機能し、導電膜212aが第2のゲート電極として機能する。また、トランジスタTr1において、絶縁膜106が第1のゲート絶縁膜として機能し、絶縁膜116a、116b、210aが第2のゲート絶縁膜として機能する。
トランジスタTr2は、基板102上の絶縁膜106と、絶縁膜106上の導電膜112cと、導電膜112c上の絶縁膜116aと、絶縁膜116a上の絶縁膜116bと、絶縁膜116b上の酸化物半導体膜128と、酸化物半導体膜128上の絶縁膜210bと、酸化物半導体膜上の絶縁膜216a、216bと、絶縁膜210b上の導電膜212bと、酸化物半導体膜128及び絶縁膜216a、216b上の導電膜222aと、酸化物半導体膜128及び絶縁膜216a、216b上の導電膜222bと、を有する。
例えば、トランジスタTr2において、導電膜112cが第1のゲート電極として機能し、導電膜222aがソース電極として機能し、導電膜222bがドレイン電極として機能し、導電膜212bが第2のゲート電極として機能する。また、トランジスタTr2において、絶縁膜116a、116bが第1のゲート絶縁膜として機能し、絶縁膜212bが第2のゲート電極として機能する。
図2(A)、(B)の構成では絶縁膜116a、116bが積層される例を示したが、単層でもよい。また3層以上の積層でもよい。また、絶縁膜216a、216bが積層される例を示したが、単層でもよい。また3層以上の積層でもよい。
また、ゲートドライバなど周辺の回路と画素部を接続する配線は、基板102上の導電膜104bと、導電膜104b上の導電膜112bと、を有する。
上記構成のトランジスタTr1とトランジスタTr2では、トランジスタTr1の下側のGI膜となる絶縁膜106と、トランジスタTr2の下地絶縁膜となる絶縁膜106が共通して用いられている。また、トランジスタTr1のボトムゲートとなる導電膜104aと、接続部の配線となる導電膜104bと、を同じ材料から同じ工程で作成している。また、トランジスタTr1のS/D電極となる導電膜112a及び112b、トランジスタTr2のボトムゲートとなる112c、及び接続部の導電膜112dと、を同じ材料から同じ工程で作成している。このような構成にすることによって特性の異なるトランジスタを、マスク枚数または工程数の増加を極力抑えつつ同一基板上に作成することができる。
また、酸化物半導体膜108と酸化物半導体膜128は、それぞれ、Inと、M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、Znと、を有する。例えば、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128のどちらか、又は両方は、Inの原子数比がMの原子数比より多い領域を有すると好ましい。ただし、本発明の一態様の表示装置は、これに限定されず、Inの原子数比がMの原子数比よりも少ない領域を有する構成、あるいはInの原子数比がMの原子数比と同じ領域を有する構成としてもよい。
酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128のどちらか、又は両方が、Inの原子数比がMの原子数比より多い領域を有することで、トランジスタTr1及びトランジスタTr2の電界効果移動度を高くすることができる。
また、酸化物半導体膜108と、酸化物半導体膜128とは、組成が同じ、または組成が概略同じであってもよい。酸化物半導体膜108と、酸化物半導体膜128の組成を同じにすることで、製造コストを低減することが可能となる。ただし、後述するように、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されず、酸化物半導体膜108と、酸化物半導体膜128との組成を異ならせてもよい。
例えば、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、表示装置が有するゲート信号を生成するゲートドライバに用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)表示装置を提供することができる。また、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、表示装置が有する信号線の供給を行うソースドライバ(とくにデマルチプレクサ)に用いることで表示装置に接続される配線数が少ない表示装置を提供することができる。
上記の構成によって開口率が高く、同時に表示性能が高い表示素子を提供することができる。しかも工程数の増加を極力抑えることができる。
<1−2.半導体装置の画素回路10>
ここで図1、2に示す半導体装置50の画素回路10の一例について、図3を用いて説明する。
図3は、半導体装置50の画素回路251の一例を示す回路図である。
図3に示す画素回路251は、トランジスタ240と、容量素子255と、液晶素子257と、走査線258と、信号線259と、容量線265と、を有する。図2のトランジスタTr1が図3のトランジスタ240として機能する。また、容量素子255については図2においては図示していない。
トランジスタ240のソース電極及びドレイン電極の一方は、信号線259に電気的に接続される。トランジスタ240のゲート電極は走査線258に電気的に接続される。トランジスタ240は、オン状態またはオフ状態になることにより、信号線の信号の書き込みを制御する機能を有する。
容量素子255の一対の電極の一方は、トランジスタ240のソース電極及びドレイン電極の他方と、液晶素子の一対の電極の一方と、に電気的に接続される。また、容量素子255の一対の電極の他方は、容量線265に電気的に接続される。
以上の構成が図1、2に示す表示装置の画素回路55の一例である。
<1−3.半導体装置の画素回路2>
また、図1、2に示す半導体装置50の画素回路55の例について、図4を用いて説明する。
図4は、半導体装置50の画素回路55の一例を示す回路図である。
図4に示す画素回路55は、トランジスタTr11と、トランジスタTr12と、容量素子Cs1と、発光素子160と、を有する。なお図4については、画素回路が列方向に2つ隣接する構成を例示している。図2に示すトランジスタTr1が画素回路55内のトランジスタTr11又はトランジスタTr12のどちらかとして適用され、機能する。また容量素子Cs1については、図2においては図示していない。
また、図4に示す回路図においては、画素にデータ信号の書き込みを行うデータ線DL_Y−1と、隣接する画素にデータ信号の書き込みを行うデータ線DL_Yと、発光素子に電位を供給するアノード線ANODE_X−1と、隣接する発光素子に電位を供給するANODE_Xと、画素に走査信号を供給する走査線GL_Xと、が示されている。
トランジスタTr11のソース電極及びドレイン電極の一方は、データ線DL_Y−1に電気的に接続される。さらに、トランジスタTr11の第1のゲート電極及び第2のゲート電極は、走査線GL_Xに電気的に接続される。トランジスタTr11は、オン状態またはオフ状態になることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子Cs1の一対の電極の一方は、トランジスタTr11のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。また、容量素子Cs1の一対の電極の他方は、トランジスタTr12の第2のゲート電極(バックゲート電極ともいう)に電気的に接続される。容量素子Cs1は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタTr12のソース電極及びドレイン電極の一方は、アノード線ANODE_X−1に電気的に接続される。
発光素子160の一対の電極(導電膜138、導電膜144)の一方は、トランジスタTr12のソース電極及びドレイン電極の他方と電気的に接続され、他方は、カソード線CATHODEに電気的に接続される。なお、発光素子160の一対の電極の一方には、容量素子Cs1の一対の電極の他方が電気的に接続される。
以上の構成が図1、2の半導体装置の画素回路55の他の一例である。
トランジスタTr11と、トランジスタTr12とで、導電膜及び絶縁膜のいずれか一方または双方を共通して用いることができるため、マスク枚数または工程数を削減することが可能である。
<1−4.半導体装置の構成要素>
次に、本実施の形態の表示装置に含まれる構成要素について、詳細に説明する。
[基板]
基板102の材質などに大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板等を、基板102として用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板102として用いてもよい。なお、基板102として、ガラス基板を用いる場合、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の大面積基板を用いることで、大型の表示装置を作製することができる。
また、基板102として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、半導体装置50を形成してもよい。または、基板102と半導体装置50の間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板102より分離し、他の基板に転載するのに用いることができる。その際、半導体装置50は耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。
[導電膜]
導電膜104a、導電膜104b、導電膜112a、導電膜112b、導電膜212a、導電膜212b、導電膜222aおよび導電膜222bとしては、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)から選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いてそれぞれ形成することができる。
導電膜104a、導電膜104b、導電膜112a、導電膜112b、導電膜212a、導電膜212b、導電膜222aおよび導電膜222bには、インジウムと錫とを有する酸化物、タングステンとインジウムとを有する酸化物、タングステンとインジウムと亜鉛とを有する酸化物、チタンとインジウムとを有する酸化物、チタンとインジウムと錫とを有する酸化物、インジウムと亜鉛とを有する酸化物、シリコンとインジウムと錫とを有する酸化物、インジウムとガリウムと亜鉛とを有する酸化物等の酸化物導電体を適用することもできる。
特に、導電膜212a、導電膜212bには、上述の酸化物導電体を好適に用いることができる。ここで、酸化物導電体について説明を行う。本明細書等において、酸化物導電体をOC(Oxide Conductor)と呼称してもよい。酸化物導電体としては、例えば、酸化物半導体に酸素欠損を形成し、該酸素欠損に水素を添加すると、伝導帯近傍にドナー準位が形成される。この結果、酸化物半導体は、導電性が高くなり導電体化する。導電体化された酸化物半導体を、酸化物導電体ということができる。一般に、酸化物半導体は、エネルギーギャップが大きいため、可視光に対して透光性を有する。一方、酸化物導電体は、伝導帯近傍にドナー準位を有する酸化物半導体である。したがって、酸化物導電体は、ドナー準位による吸収の影響は小さく、可視光に対して酸化物半導体と同程度の透光性を有する。
また、導電膜104a、導電膜104b、導電膜112a、導電膜112b、導電膜112d、導電膜112cには、Cu−X合金膜(Xは、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、Ta、またはTi)を適用してもよい。Cu−X合金膜を用いることで、ウエットエッチングプロセスで加工できるため、製造コストを抑制することが可能となる。Cu−X合金膜としては、Cu−Mn合金が特に好ましい。
また、導電膜104a、導電膜104b、導電膜112a、導電膜112b、導電膜112d、導電膜112cのいずれか一つまたは複数には、上述の金属元素の中でも、特にアルミニウム、銅、チタン、タングステン、タンタル、及びモリブデンの中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有すると好適である。
また、導電膜104a、導電膜104b、導電膜112a、導電膜112b、導電膜112d、導電膜112cのいずれか一つまたは複数には、窒素とタンタルを含む、所謂窒化タンタル膜を用いると好適である。当該窒化タンタル膜は、導電性を有し、且つ、銅または水素に対して、高いバリア性を有する。また、窒化タンタル膜は、さらに自身からの水素の放出が少ないため、酸化物半導体膜108と接する金属膜、または酸化物半導体膜108の近傍の金属膜として、最も好適に用いることができる。
[絶縁膜]
絶縁膜106、絶縁膜116a、絶縁膜116b、絶縁膜210a、絶縁膜210b、及び絶縁膜216としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜および酸化ネオジム膜を一種以上含む絶縁層を、それぞれ用いることができる。
また、絶縁膜106は、酸素の透過を抑制するブロッキング膜としての機能を有する。例えば、絶縁膜116a、絶縁膜116b、酸化物半導体膜108、酸化物半導体膜128、絶縁膜210a、絶縁膜210b及び絶縁膜216、及び絶縁膜126のいずれか一つまたは複数が過剰酸素領域を有する場合において、絶縁膜106によって酸素の透過を抑制することができる。
なお、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128のいずれか一方または双方と接する絶縁膜としては、酸化物絶縁膜であることが好ましく、化学量論的組成よりも過剰に酸素を含有する領域(過剰酸素領域)を有することがより好ましい。別言すると、過剰酸素領域を有する酸化物絶縁膜は、酸素を放出することが可能な絶縁膜である。
なお、上述の過剰酸素領域を有する酸化物絶縁膜としては、例えば、酸素雰囲気下にて絶縁膜を形成する、成膜後の絶縁膜を酸素雰囲気下で熱処理を行う、または成膜後の絶縁膜中に酸素を添加することで形成すればよい。成膜後の絶縁膜中に酸素を添加する方法としては、プラズマ処理が好ましい。
また、トランジスタTr1及びトランジスタTr2のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜には、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、などのいわゆる高誘電率の絶縁膜を用いても良い。酸化シリコン、酸化窒化シリコンと比べて誘電率が高いこれらの絶縁膜をゲート絶縁膜に用いた場合、絶縁膜の膜厚を大きくできるため、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることができる。すなわち、オフ電流の小さいトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタTr1及びトランジスタTr2のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜には、窒化シリコンを用いてもよい。ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜に窒化シリコンを用いる場合、以下の効果を奏する。窒化シリコンは、酸化シリコンと比較して比誘電率が高く、酸化シリコンと同等の静電容量を得るのに必要な膜厚が大きいため、絶縁膜を厚膜化することができる。よって、トランジスタTr1及びトランジスタTr2の絶縁耐圧の低下を抑制、さらには絶縁耐圧を向上させて、トランジスタTr1及びトランジスタTr2の静電破壊を抑制することができる。
また、絶縁膜116a、絶縁膜116b、絶縁膜216a及び絶縁膜216bは、酸化物半導体膜108または酸化物半導体膜128のいずれか一方または双方に酸素を供給する機能を有する。すなわち、絶縁膜116a、116b、216aおよび216bは、酸素を有する。また、絶縁膜116a、216aは、酸素を透過することのできる絶縁膜である。なお、絶縁膜116aは、後に形成する絶縁膜116bを形成する際の、酸化物半導体膜108へのダメージ緩和膜としても機能し、絶縁膜216aは、後に形成する絶縁膜216bを形成する際の、酸化物半導体膜128へのダメージ緩和膜としても機能する。
絶縁膜116aとしては、厚さが5nm以上150nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下の酸化シリコン、酸化窒化シリコン等を用いることができる。
また、絶縁膜116a、216aは、欠陥量が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により、シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001に現れる信号のスピン密度が3×1017spins/cm以下であることが好ましい。これは、絶縁膜116a、216aに含まれる欠陥密度が多いと、欠陥に酸素が結合してしまい、絶縁膜116aにおける酸素の透過量が減少してしまう。
また、絶縁膜116a、216aは、窒素酸化物に起因する準位密度が低い酸化物絶縁膜を用いて形成することができる。なお、当該窒素酸化物に起因する準位密度は、酸化物半導体膜の価電子帯の上端のエネルギー(Ev_os)と酸化物半導体膜の伝導帯の下端のエネルギー(Ec_os)の間に形成され得る場合がある。上記酸化物絶縁膜として、窒素酸化物の放出量が少ない酸化窒化シリコン膜、または窒素酸化物の放出量が少ない酸化窒化アルミニウム膜等を用いることができる。
なお、窒素酸化物の放出量の少ない酸化窒化シリコン膜は、昇温脱離ガス分析法(TDS)において、窒素酸化物の放出量よりアンモニアの放出量が多い膜であり、代表的にはアンモニアの放出量が1×1018/cm以上5×1019/cm以下である。なお、上記のアンモニアの放出量は、TDSにおける加熱処理の温度が50℃以上650℃以下、または50℃以上550℃以下の範囲での総量である。また、上記のアンモニアの放出量は、TDSにおけるアンモニア分子に換算しての総量である。
窒素酸化物(NOx、xは0を越えて2以下、好ましくは1以上2以下)、代表的にはNOまたはNOは、絶縁膜116a、216aなどに準位を形成する。当該準位は、酸化物半導体膜108、128のエネルギーギャップ内に位置する。そのため、窒素酸化物が、絶縁膜116a及び酸化物半導体膜108の界面、または絶縁膜216a及び酸化物半導体膜128の界面に拡散すると、当該準位が絶縁膜116a、216a側において電子をトラップする場合がある。この結果、トラップされた電子が、絶縁膜116a及び酸化物半導体膜108の界面近傍、または絶縁膜216a及び酸化物半導体膜128の界面近傍に留まるため、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向にシフトさせてしまう。
また、窒素酸化物は、加熱処理においてアンモニア及び酸素と反応する。絶縁膜116a、216aに含まれる窒素酸化物は、加熱処理において、絶縁膜116b、216bに含まれるアンモニアと反応するため、絶縁膜116a、216aに含まれる窒素酸化物が低減される。このため、絶縁膜116a及び酸化物半導体膜108の界面、または絶縁膜216a及び酸化物半導体膜128の界面において、電子がトラップされにくい。
絶縁膜116a、216aとして、上記酸化物絶縁膜を用いることで、トランジスタのしきい値電圧のシフトを低減することが可能であり、トランジスタの電気特性の変動を低減することができる。
なお、トランジスタの作製工程の加熱処理、代表的には300℃以上350℃未満の加熱処理により、絶縁膜116a、216aは、100K以下のESRで測定して得られたスペクトルにおいてg値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下の第3のシグナルが観測される。なお、第1のシグナル及び第2のシグナルのスプリット幅、並びに第2のシグナル及び第3のシグナルのスプリット幅は、XバンドのESR測定において約5mTである。また、g値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下である第3のシグナルのスピンの密度の合計が1×1018spins/cm未満であり、代表的には1×1017spins/cm以上1×1018spins/cm未満である。
なお、100K以下のESRスペクトルにおいて、g値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下である第3のシグナルのスピンの密度の合計は、窒素酸化物(NOx、xは0以上2以下、好ましくは1以上2以下)起因のシグナルに相当する。窒素酸化物の代表例としては、一酸化窒素、二酸化窒素等がある。即ち、g値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下である第3のシグナルのスピンの密度の合計が少ないほど、酸化物絶縁膜に含まれる窒素酸化物の含有量が少ないといえる。
なお、100K以下のESRスペクトルにおいて、g値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下である第3のシグナルのスピンの密度の合計は、窒素酸化物(NOx、xは0以上2以下、好ましくは1以上2以下)起因のシグナルに相当する。窒素酸化物の代表例としては、一酸化窒素、二酸化窒素等がある。即ち、g値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下である第3のシグナルのスピンの密度の合計が少ないほど、酸化物絶縁膜に含まれる窒素酸化物の含有量が少ないといえる。
また、上記酸化物絶縁膜は、SIMSで測定される窒素濃度が6×1020atoms/cm以下である。
基板温度が220℃以上350℃以下であり、シラン及び一酸化二窒素を用いたPECVD法を用いて、上記酸化物絶縁膜を形成することで、緻密であり、且つ硬度の高い膜を形成することができる。
絶縁膜116aは、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁膜を用いて形成する。化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁膜は、加熱により酸素の一部が放出する。化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁膜は、酸素の放出量が1.0×1019atoms/cm以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm以上である。なお、上記の酸素の放出量は、TDSにおける加熱処理の温度が50℃以上650℃以下、または50℃以上550℃以下の範囲での総量である。また、上記の酸素の放出量は、TDSにおける酸素原子に換算しての総量である。
絶縁膜116aとしては、厚さが30nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上400nm以下の、酸化シリコン、酸化窒化シリコン等を用いることができる。
また、絶縁膜116b、216bは、欠陥量が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により、シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001に現れる信号のスピン密度が1.5×1018spins/cm未満、さらには1×1018spins/cm以下であることが好ましい。
また、絶縁膜116aと絶縁膜116b、及び絶縁膜216aと絶縁膜216bは、同種の材料の絶縁膜を用いることができるため、絶縁膜116aと絶縁膜116bとの界面、及び絶縁膜216aと絶縁膜216bとの界面が明確に確認できない場合がある。したがって、本実施の形態においては、絶縁膜116aと絶縁膜116bとの界面、及び絶縁膜216aと絶縁膜216bとの界面を、破線で図示している。
絶縁膜230としては、例えば厚さ1.5μmの感光性のアクリル系の有機樹脂膜を形成する。
[酸化物半導体膜]
酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128としては、それぞれ先に示す材料を用いることができる。
酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In>Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1等が挙げられる。
酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≦Mを満たす組成でもよい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=1:3:2、In:M:Zn=1:3:4、In:M:Zn=1:3:6、等が挙げられる。
酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128の組成は同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば、酸化物半導体膜108ではIn:M:Zn=1:1:1及びその近傍の組成とし、酸化物半導体膜128ではIn:M:Zn=4:2:4.1及びその近傍の組成とし、酸化物半導体膜128でInの割合を多くすることができる。ここで1:1:1の近傍とは、In、M、及びZnの原子数の総和に対して、Inが1の場合、Mが0.5以上1.5以下であり、且つZnが0.5以上1.5以下である。また4:2:4.1及びその近傍とは、In、M、及びZnの原子数の総和に対して、Inが4の場合、Mが1.5以上2.5以下であり、且つZnが3以上5.1以下である。
また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128が、それぞれIn−M−Zn酸化物の場合、スパッタリングターゲットとしては、多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いると好ましい。多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いることで、結晶性を有する酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128を形成しやすくなる。なお、成膜される酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128のスパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1を用いる場合、成膜される酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128の原子数比は、In:Ga:Zn=4:2:3近傍となる場合がある。
また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタTr1及びトランジスタTr2のオフ電流を低減することができる。
また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128の厚さは、それぞれ3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になると共に、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体膜を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128は水素ができる限り低減されていることが好ましい。
具体的には、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128において、SIMS分析により得られる水素濃度を、それぞれ2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、5×1018atoms/cm以下、好ましくは1×1018atoms/cm以下、より好ましくは5×1017atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128において、第14族元素の一つであるシリコンまたは炭素が含まれると、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128において酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128におけるSIMS分析により得られるシリコン濃度を、それぞれ2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128におけるSIMS分析により得られる炭素濃度を、それぞれ2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128において、SIMS分析により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、それぞれ1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。
また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜128は、金属酸化物(metal oxide)であれば、それぞれ非単結晶構造でもよい。
本明細書等において、金属酸化物とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの半導体膜に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、及びCAC(cloud aligned complementary)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタの半導体膜に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタの半導体膜に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
なお、上記記載の、導電膜、絶縁膜、酸化物半導体膜などの様々な膜としては、スパッタリング法、プラズマ化学気相堆積(PECVD:(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition))法、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成することができる。なお、熱CVD法として、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、またはALD(Atomic Layer Deposition)法などが挙げられる。
熱CVD法は、プラズマを使わない成膜方法のため、プラズマダメージにより欠陥が生成されることが無いという利点を有する。
熱CVD法は、原料ガス及び酸化剤をチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、基板近傍または基板上で反応させて基板上に堆積させることで成膜を行ってもよい。
また、ALD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、反応のための原料ガスを用いて、成膜を行ってもよい。
<1−5.半導体装置の構成例2>
次に、図1及び図2(A)、(B)に示す半導体装置50の変形例について、図5(A)(B)及び図6を用いて説明する。
ここでは、酸化物半導体膜の積層構造について説明する。
図5(A)(B)は、半導体装置50が有するトランジスタTr1のチャネル長(L)方向の断面図である。
図5(A)は、トランジスタTr1が有する酸化物半導体膜108を、酸化物半導体膜の3層の積層構造とした例である。この場合、酸化物半導体膜108は、酸化物半導体膜108aと、酸化物半導体膜108a上の酸化物半導体膜108bと、酸化物半導体膜108b上の酸化物半導体膜108cと、を有する構成である。
図5(B)は、トランジスタTr1が有する酸化物半導体膜108を、酸化物半導体膜108bと、酸化物半導体膜108b上の酸化物半導体膜108cと、を有する構成とする例を示す。すなわち酸化物半導体膜が2層の積層構造である。なお、この実施例で説明する酸化物半導体膜が積層構造を有する構造は、トランジスタTr20やその他明細書に開示されるトランジスタに適用しても良い。
酸化物半導体膜108a、108b、108cに接する絶縁膜のバンド構造、及び酸化物半導体膜108b、108cに接する絶縁膜のバンド構造の一例を図6(A)(B)に示す。
図6(A)は、絶縁膜106、酸化物半導体膜108a、108b、108c、及び絶縁膜116aを有する積層構造の膜厚方向のバンド構造の一例である。また、図6(B)は、絶縁膜106、酸化物半導体膜108b、108c、及び絶縁膜116aを有する積層構造の膜厚方向のバンド構造の一例である。なお、バンド構造は、理解を容易にするため絶縁膜106、酸化物半導体膜108a、108b、108c、及び絶縁膜116aの伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)を示す。
また、図6(A)は、絶縁膜106、及び絶縁膜116aとして酸化シリコン膜を用い、酸化物半導体膜108aとして金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108bとして金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=4:2:4.1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108cとして金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いる構成のバンド図である。
また、図6(B)は、絶縁膜106、及び絶縁膜116aとして酸化シリコン膜を用い、酸化物半導体膜108bとして金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=4:2:4.1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108cとして金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される金属酸化膜を用いる構成のバンド図である。
図6(A)(B)に示すように、酸化物半導体膜108a、108b、188cにおいて、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようなバンド構造を有するためには、酸化物半導体膜108aと酸化物半導体膜108bとの界面、または酸化物半導体膜108bと酸化物半導体膜108cとの界面において、トラップ中心や再結合中心のような欠陥準位、を形成するような不純物が存在しないとする。
酸化物半導体膜108a、108b、108cに連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装置(スパッタリング装置)を用いて各膜を大気に触れさせることなく連続して積層することが必要となる。
図6(A)(B)に示す構成とすることで酸化物半導体膜108bがウェル(井戸)となり、上記積層構造を用いたトランジスタにおいて、チャネル領域が酸化物半導体膜108bに形成されることがわかる。
なお、酸化物半導体膜108a、108cを設けることにより、酸化物半導体膜108bに形成されうるトラップ準位を酸化物半導体膜108bより遠ざけることができる。
また、トラップ準位が、チャネル領域として機能する酸化物半導体膜108bの伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)より真空準位から遠くなることがあり、トラップ準位に電子が蓄積しやすくなってしまう。トラップ準位に電子が蓄積されることで、マイナスの固定電荷となり、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。したがって、トラップ準位が酸化物半導体膜108bの伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)より真空準位に近くなるような構成にすると好ましい。このようにすることで、トラップ準位に電子が蓄積しにくくなり、トランジスタのオン電流を増大させることが可能であると共に、電界効果移動度を高めることができる。
また、酸化物半導体膜108a、108cは、酸化物半導体膜108bよりも伝導帯下端のエネルギー準位が真空準位に近く、代表的には、酸化物半導体膜108bの伝導帯下端のエネルギー準位と、酸化物半導体膜108a、108cの伝導帯下端のエネルギー準位との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下である。すなわち、酸化物半導体膜108a、108cの電子親和力と、酸化物半導体膜108bの電子親和力との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下である。
このような構成を有することで、酸化物半導体膜108bが電流の主な経路となり、チャネル領域として機能する。また、酸化物半導体膜108a、108cは、チャネル領域が形成される酸化物半導体膜108bを構成する金属元素の一種以上から構成される酸化物半導体膜であるため、酸化物半導体膜108aと酸化物半導体膜108bとの界面、または酸化物半導体膜108bと酸化物半導体膜108cとの界面において、界面散乱が起こりにくい。従って、該界面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジスタの電界効果移動度が高くなる。
また、酸化物半導体膜108a、108cは、チャネル領域の一部として機能することを防止するため、導電率が十分に低い材料を用いるものとする。または、酸化物半導体膜108a、108cには、電子親和力(真空準位と伝導帯下端のエネルギー準位との差)が酸化物半導体膜108bよりも小さく、伝導帯下端のエネルギー準位が酸化物半導体膜108bの伝導帯下端エネルギー準位と差分(バンドオフセット)を有する材料を用いるものとする。また、ドレイン電圧の大きさに依存したしきい値電圧の差が生じることを抑制するためには、酸化物半導体膜108a、108cの伝導帯下端のエネルギー準位が、酸化物半導体膜108bの伝導帯下端のエネルギー準位よりも0.2eV以上真空準位に近い材料、好ましくは0.5eV以上真空準位に近い材料を適用することが好ましい。
また、酸化物半導体膜108a、108cは、膜中にスピネル型の結晶構造が含まれないことが好ましい。酸化物半導体膜108a、108cの膜中にスピネル型の結晶構造を含む場合、該スピネル型の結晶構造と他の領域との界面において、導電膜112a、112bの構成元素が酸化物半導体膜108bへ拡散してしまう場合がある。なお、酸化物半導体膜108a、108cが後述するCAAC−OSである場合、導電膜112a、112bの構成元素、例えば、銅元素のブロッキング性が高くなり好ましい。
酸化物半導体膜108a、108cの膜厚は、導電膜112a、112bの構成元素が酸化物半導体膜108bに拡散することを抑制することのできる膜厚以上であって、絶縁膜116aから酸化物半導体膜108への酸素の供給を抑制する膜厚未満とする。例えば、酸化物半導体膜108a、108cの膜厚が10nm以上であると、導電膜112a、112bの構成元素が酸化物半導体膜108bへ拡散するのを抑制することができる。また、酸化物半導体膜108a、108cの膜厚を100nm以下とすると、絶縁膜106、116a、116bから酸化物半導体膜108bへ効果的に酸素を供給することができる。
酸化物半導体膜108a、108cがIn−M−Zn酸化物(MはAl、Ga、Y、またはSn)であるとき、MをInより高い原子数比で有することで、酸化物半導体膜108a、108cのエネルギーギャップを大きく、電子親和力を小さくしうる。よって、酸化物半導体膜108bとの電子親和力の差をMの組成によって制御することが可能となる場合がある。また、Mは、酸素との結合力が強い金属元素であるため、これらの元素をInより高い原子数比で有することで、酸素欠損が生じにくくなる。
また、酸化物半導体膜108a、108cがIn−M−Zn酸化物であるとき、ZnおよびOを除いてのInおよびMの原子数比率は、好ましくは、Inが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくは、Inが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。また、酸化物半導体膜108a、108cとして、酸化ガリウム膜を用いてもよい。
また、酸化物半導体膜108a、108b、108cが、In−M−Zn酸化物の場合、酸化物半導体膜108bと比較して、酸化物半導体膜108a、108cに含まれるMの原子数比が大きく、代表的には、酸化物半導体膜108bに含まれる上記原子と比較して、1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上高い原子数比である。
また、酸化物半導体膜108a、108b、108cが、In−M−Zn酸化物の場合、酸化物半導体膜108bをIn:M:Zn=x1:y1:z1[原子数比]、酸化物半導体膜108a、108cをIn:M:Zn=x2:y2:z2[原子数比]とすると、y2/x2がy1/x1よりも大きく、好ましくは、y2/x2がy1/x1よりも1.5倍以上である。より好ましくは、y2/x2がy1/x1よりも2倍以上大きく、さらに好ましくは、y2/x2がy1/x1よりも3倍以上または4倍以上大きい。このとき、酸化物半導体膜108bにおいて、y1がx1以上であると、酸化物半導体膜108bを用いるトランジスタに安定した電気特性を付与できるため好ましい。ただし、y1がx1の3倍以上になると、酸化物半導体膜108bを用いるトランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、y1はx1の3倍未満であると好ましい。
酸化物半導体膜108bがIn−M−Zn酸化物の場合、酸化物半導体膜108bを成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x1:y1:z1とすると、x1/y1は、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であって、z1/y1は、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z1/y1を1以上6以下とすることで、酸化物半導体膜108bとして後述のCAAC−OSが形成されやすくなる。ターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2等がある。
また、酸化物半導体膜108a、108cがIn−M−Zn酸化物の場合、酸化物半導体膜108a、108cを成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x2:y2:z2とすると、x2/y2<x1/y1であって、z2/y2は、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。また、Inに対するMの原子数比率を大きくすることで、酸化物半導体膜108a、108cのエネルギーギャップを大きく、電子親和力を小さくすることが可能であるため、y2/x2を3以上、または4以上とすることが好ましい。ターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:3:2、In:M:Zn=1:3:4、In:M:Zn=1:3:5、In:M:Zn=1:3:6、In:M:Zn=1:4:2、In:M:Zn=1:4:4、In:M:Zn=1:4:5、In:M:Zn=1:5:5等がある。
なお、酸化物半導体膜108a、108b、108cの原子数比はそれぞれ、誤差として上記の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
このように、本発明の半導体装置としては、第2のゲート電極の有無、または酸化物半導体膜の積層構造を変えて適用してもよい。また、本実施の形態に係るトランジスタは、上記の構造のそれぞれを自由に組み合わせることが可能である。
<1−6.半導体装置の作製方法>
次に、本発明の一態様の半導体装置50の作製方法について、図7乃至図17を用いて説明する。
なお、図7乃至図17は、半導体装置50の作製方法を説明する断面図である。
まず、基板102上に導電膜を形成し、該導電膜をリソグラフィ工程及びエッチング工程を行い加工して、第1のゲート電極として機能する導電膜104a及び104bを形成する(図7参照)。次に、導電膜104a及び導電膜104b上に絶縁膜106を形成する。絶縁膜106はトランジスタTr1の部分ではボトムゲート側のゲート絶縁膜として機能する。更に、導電膜104b上ではリソグラフィ工程及びエッチング工程を行い絶縁膜106中に開口部を形成する(図8参照)。
本実施の形態では、第1のゲート電極として機能する導電膜104aとして、厚さ100nmのタングステン膜をスパッタリング法により形成する。また、絶縁膜106として厚さ400nmの窒化シリコン膜と、厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜とをPECVD法により形成する。
なお、絶縁膜106として用いる窒化シリコン膜は、積層構造とする。具体的には、窒化シリコン膜を、第1の窒化シリコン膜と、第2の窒化シリコン膜と、第3のシリコン膜との3層積層構造とすることができる。該3層積層構造の一例としては、以下のように形成することができる。
第1の窒化シリコン膜としては、例えば、流量200sccmのシラン、流量2000sccmの窒素、及び流量100sccmのアンモニアガスを原料ガスとしてPE−CVD装置の反応室に供給し、反応室内の圧力を100Paに制御し、27.12MHzの高周波電源を用いて2000Wの電力を供給して、厚さが50nmとなるように形成すればよい。
第2の窒化シリコン膜としては、流量200sccmのシラン、流量2000sccmの窒素、及び流量2000sccmのアンモニアガスを原料ガスとしてPECVD装置の反応室に供給し、反応室内の圧力を100Paに制御し、27.12MHzの高周波電源を用いて2000Wの電力を供給して、厚さが300nmとなるように形成すればよい。
第3の窒化シリコン膜としては、流量200sccmのシラン、及び流量5000sccmの窒素を原料ガスとしてPECVD装置の反応室に供給し、反応室内の圧力を100Paに制御し、27.12MHzの高周波電源を用いて2000Wの電力を供給して、厚さが50nmとなるように形成すればよい。
なお、上記第1の窒化シリコン膜、第2の窒化シリコン膜、及び第3の窒化シリコン膜形成時の基板温度は350℃以下とすることができる。
絶縁膜106を、窒化シリコン膜の3層の積層構造とすることで、例えば、導電膜104aに銅(Cu)を含む導電膜を用いる場合において、以下の効果を奏する。
第1の窒化シリコン膜は、導電膜104からの銅(Cu)元素の拡散を抑制することができる。第2の窒化シリコン膜は、水素を放出する機能を有し、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜の耐圧を向上させることができる。第3の窒化シリコン膜は、第3の窒化シリコン膜からの水素放出が少なく、且つ第2の窒化シリコン膜からの放出される水素の拡散を抑制することができる。
次に、絶縁膜106上に酸化物半導体膜108を形成する。
本実施の形態では、In−Ga−Zn金属酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比])を用いて、スパッタリング法により酸化物半導体膜を形成する。また、上記酸化物半導体膜の形成時の基板温度を170℃とし、形成時の成膜ガスとしては、流量60sccmの酸素ガスと、流量140sccmのアルゴンガスと、を用いる。その後、上記酸化物半導体膜を所望の形状に加工することで、島状の酸化物半導体膜108を形成する(図9参照)。なお、酸化物半導体膜の形成には、ウエットエッチング装置を用いる。
次に、絶縁膜106及び酸化物半導体膜108上に導電膜を形成し、当該導電膜を所望の形状に加工することで、導電膜112a、112b、112dおよび112cを形成する(図10参照)。導電膜112a、112bはトランジスタTr1のソース電極、又はドレイン電極として、導電膜112dは接続部の配線の一部として、導電膜112cはトランジスタTr2の第1のゲート電極として機能する。
本実施の形態では、導電膜112a、112b、112d、及び112cとして、厚さ50nmのタングステン膜と、厚さ100nmのアルミニウム膜と、厚さ50nmのチタン膜とが順に積層された積層膜をスパッタリング法により成膜する。
また、導電膜112a、112bの形成後に、酸化物半導体膜108の表面(バックチャネル側)を洗浄してもよい。当該洗浄方法としては、例えば、リン酸水溶液等のエッチャントを用いた洗浄が挙げられる。これにより、酸化物半導体膜108の表面に付着する不純物(例えば、導電膜112a、112bに含まれる元素等)を除去することができる。なお、当該洗浄を必ずしも行う必要はなく、場合によっては、洗浄を行わなくてもよい。
その後、絶縁膜106、酸化物半導体膜108、及び導電膜112a、112b、112d、112c上に絶縁膜116aおよび116bを形成する(図11参照)。前述したように絶縁膜116a、116bの積層とせず、単層としても良い。
本実施の形態では、絶縁膜116aとして厚さ20nmの第1の酸化窒化シリコン膜を、絶縁膜116bとして厚さ200nmの第2の酸化窒化シリコン膜を用いる。成膜方法としては両方ともPECVD法を用いる。
なお、絶縁膜116a、116bの成膜方法としては、第1の酸化窒化シリコン膜を形成した後、大気に曝すことなく、連続的に第2の酸化窒化シリコン膜を形成することが好ましい。このように成膜することによって、第1の酸化窒化シリコン膜と、第2の酸化窒化シリコン膜との界面において大気成分由来の不純物濃度を低減することができるとともに、絶縁膜116bに含まれる酸素を酸化物半導体膜108に移動させることが可能となり、酸化物半導体膜108の酸素欠損量を低減することが可能となる。
本実施の形態においては、第1の酸化窒化膜として、基板102を保持する温度を220℃とし、流量50sccmのシラン及び流量2000sccmの一酸化二窒素を原料ガスとし、処理室内の圧力を20Paとし、平行平板電極に供給する高周波電力を13.56MHz、100W(電力密度としては1.6×10−2W/cm)とするPECVD法を用いて、酸化窒化シリコン膜を形成する。
第2の酸化窒化膜として、PECVD装置の真空排気された処理室内に載置された基板を180℃以上350℃以下に保持し、処理室に原料ガスを導入して処理室内における圧力を100Pa以上250Pa以下、さらに好ましくは100Pa以上200Pa以下とし、処理室内に設けられる電極に0.17W/cm以上0.5W/cm以下、さらに好ましくは0.25W/cm以上0.35W/cm以下の高周波電力を供給する条件により、酸化窒化シリコン膜を形成する。
絶縁膜116bの成膜条件として、上記圧力の反応室において上記パワー密度の高周波電力を供給することで、プラズマ中で原料ガスの分解効率が高まり、酸素ラジカルが増加し、原料ガスの酸化が進むため、絶縁膜116b中における酸素含有量が化学量論的組成よりも多くなる。一方、基板温度が、上記温度で形成された膜では、シリコンと酸素の結合力が弱いため、後の工程の加熱処理により膜中の酸素の一部が脱離する。この結果、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含み、加熱により酸素の一部が脱離する酸化物絶縁膜を形成することができる。
第2の酸化窒化シリコン膜としては、PECVD装置の真空排気された処理室内に載置された基板を180℃以上350℃以下に保持し、処理室に原料ガスを導入して処理室内における圧力を100Pa以上250Pa以下、さらに好ましくは100Pa以上200Pa以下とし、処理室内に設けられる電極に0.17W/cm以上0.5W/cm以下、さらに好ましくは0.25W/cm以上0.35W/cm以下の高周波電力を供給する条件により、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を形成する。
第2の酸化窒化シリコン膜の成膜条件として、上記圧力の反応室において上記パワー密度の高周波電力を供給することで、プラズマ中で原料ガスの分解効率が高まり、酸素ラジカルが増加し、原料ガスの酸化が進む。そのため、第2の酸化窒化シリコン膜中における酸素含有量が化学量論的組成よりも多くなる。一方、基板温度が、上記温度で形成された膜では、シリコンと酸素の結合力が弱いため、後の工程の加熱処理により膜中の酸素の一部が脱離する。この結果、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含み、加熱により酸素の一部が脱離する酸化物絶縁膜を形成することができる。
なお、第2の酸化窒化シリコン膜の形成工程において、第1の酸化窒化シリコン膜が酸化物半導体膜108の保護膜となる。したがって、酸化物半導体膜108へのダメージを低減しつつ、パワー密度の高い高周波電力を用いて第2の酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
なお、第2の酸化窒化シリコン膜の成膜条件において、酸化性気体に対するシリコンを含む堆積性気体の流量を増加することで、絶縁膜116bの欠陥量を低減することが可能である。代表的には、ESR測定により、シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001に現れる信号のスピン密度が6×1017spins/cm未満、好ましくは3×1017spins/cm以下、好ましくは1.5×1017spins/cm以下である欠陥量の少ない酸化物絶縁膜を形成することができる。この結果、トランジスタTr1の信頼性を高めることができる。
また、絶縁膜116bを成膜した後に、加熱処理(以下、第1の加熱処理とする)を行うと好適である。第1の加熱処理により、絶縁膜116bに含まれる窒素酸化物を低減することができる。または、第1の加熱処理により、絶縁膜116bに含まれる酸素の一部を酸化物半導体膜108に移動させ、酸化物半導体膜108に含まれる酸素欠損量を低減することができる。
第1の加熱処理の温度は、代表的には、400℃未満、好ましくは375℃未満、さらに好ましくは、150℃以上350℃以下とする。第1の加熱処理は、窒素、酸素、超乾燥空気(水の含有量が20ppm以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)、または希ガス(アルゴン、ヘリウム等)の雰囲気下で行えばよい。なお、上記窒素、酸素、超乾燥空気、または希ガスに水素、水等が含まれないことが好ましい該加熱処理には、電気炉、RTA(Rapid Thermal Anneal)等を用いることができる。
次に、絶縁膜116b上に酸化物半導体膜128を形成する(図12参照)。
本実施の形態では、In−Ga−Zn金属酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いて、スパッタリング法により酸化物半導体膜を形成する。また、上記酸化物半導体膜の形成時の基板温度を170℃とし、形成時の成膜ガスとしては、流量60sccmの酸素ガスと、流量140sccmのアルゴンガスと、を用いる。その後、上記酸化物半導体膜を所望の形状に加工することで、島状の酸化物半導体膜128を形成する。なお、酸化物半導体膜の形成には、ウエットエッチング装置を用いる。
次に絶縁膜116bと酸化物半導体膜128上に、ゲート絶縁膜となる絶縁膜を成膜し、その上にゲート電極となる導電膜を成膜する。その後当該積層膜を所望の形状に加工することで、島状の絶縁膜210a、210bと、島状の導電膜212a、212b上とを形成する(図13参照)。島状の絶縁膜210aは第1のトランジスタTr1のゲート絶縁膜として機能する。また島状の絶縁膜210bは第2のトランジスタTr2のゲート絶縁膜の一部として機能する。また、島状の導電膜212aおよび212bは、それぞれ第1のトランジスタTr1のゲート電極および第2のトランジスタTr2のゲート電極として機能する。
本実施の形態では、絶縁膜210a、210bとしては、厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜を、PECVD装置を用いて形成する。また、導電膜212a、212bとしては、厚さ200nmの酸化物半導体膜を、スパッタリング装置を用いて形成する。なお、当該酸化物半導体膜としては、酸化物半導体膜128と同じ組成を用いる。
次に、絶縁膜210a、絶縁膜210b、導電膜212a及び導電膜212b上に絶縁膜216a及び216bを形成する(図14参照)。
本実施の形態では、絶縁膜216a及び絶縁膜216bの積層構造を用いる。絶縁膜216aとしては厚さ100nmの窒化シリコン膜をPECVD装置を用いて形成する。また、絶縁膜216bとしては、厚さ200nmの酸化窒化シリコン膜を、PECVD装置を用いて形成する。
また、酸化物半導体膜128の一部の領域と、導電膜212a、212bとは、絶縁膜216aと接することで、絶縁膜216a中の水素及び窒素のいずれか一方または双方が添加されることで酸化物導電体(OC)となる。
なお、絶縁膜210a、210bは、それぞれ導電膜212a、212bをマスクに自己整合的に形成される。
次に、絶縁膜216a、216bの所望の領域に酸化物半導体膜128に達する開口部を形成する。次に当該開口部を覆うように、酸化物半導体膜128及び絶縁膜216b上に導電膜を形成し、当該導電膜を島状に加工することで、導電膜222a、222bを形成する(図15参照)。
導電膜222a、222bとして、厚さ100nmのタングステン膜と、厚さ200nmの銅膜とをスパッタリング法により形成する。
次に、絶縁膜216b及び導電膜222a、222b上に絶縁膜230を形成する。その後、絶縁膜230の所望の領域を加工することで、導電膜112aに達する開口部252を形成する(図16参照)。
次に、絶縁膜230及び導電膜112a上に導電膜を形成し、当該導電膜を島状に加工することで、導電膜253を形成する(図17参照)。
本実施の形態では、導電膜253としては、厚さ10nmのITSO(酸化珪素を含むインジウム錫酸化物)膜と、厚さ200nmの反射性の金属膜(ここでは、銀、パラジウム、及び銅を有する金属膜)と、厚さ10nmのITSO膜との積層膜を用いる。また、導電膜253への加工には、ウエットエッチング装置を用いる。
この後は通常の工程によって絶縁膜230及び導電膜253上に液晶素子、発光素子、その他の表示に必要な構造を設けることができる。
なお、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置700TPAの構成について、図18乃至図22を参照しながら説明する。
図18は本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。図18(A)は本発明の一態様の表示装置の上面図である。図18(B−1)は図18(A)の一部の構成を説明する下面図であり、図18(B−2)は図18(B−1)に図示する一部の構成を省略して説明する下面図である。
図19および図20は本発明の一態様の表示装置の構成を説明する断面図である。図19(A)は図18(A)の切断線X1−X2、切断線X3−X4、切断線X5−X6における断面図であり、図19(B)は図18(A)の一部を説明する図である。
図20(A)は図18(A)の切断線X7−X8、切断線X9−X10、切断線X11−X12における断面図であり、図20(B)は図20(A)の一部を説明する図である。
図21は本発明の一態様の入出力装置が備える画素回路の構成を説明する回路図である。
図22は本発明の一態様の入出力装置に用いることができる表示部の画素および配線等の配置を説明するブロック図である。図22(B−1)および図22(B−2)は本発明の一態様の入出力装置に用いることができる開口部の配置を説明する模式図である。
<表示装置の構成例1.>
本実施の形態で説明する表示装置700TPAは、表示部と、表示部と重なる領域を備える入力部と、を有する。例えば、表示部が表示をする側に入力部を有する(図19(A)および図20(A)参照)。
表示部は、信号線S1(j)と、画素702(i,j)と、を備える(図18(B−1)および図17(B−2)参照)。
画素702(i,j)は、信号線S1(j)と電気的に接続される。
画素702(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)と、第1の導電膜と、第2の導電膜と、第2の絶縁膜501Cと、画素回路530(i,j)と、第2の表示素子550(i,j)と、を有する(図19(A)、図20(A)および図21参照)。
第1の導電膜は、第1の表示素子750(i,j)と電気的に接続される(図20(A)参照)。例えば、第1の導電膜を、第1の表示素子750(i,j)の第1の電極751(i,j)に用いることができる。
第2の導電膜は、第1の導電膜と重なる領域を備える。例えば、第2の導電膜を、スイッチSW1に用いることができるトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜512Bに用いることができる。
第2の絶縁膜501Cは、第2の導電膜と第1の導電膜の間に挟まれる領域を備える。
画素回路530(i,j)は、第2の導電膜と電気的に接続される。例えば、第2の導電膜をソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜512Bに用いたトランジスタを、画素回路530(i,j)のスイッチSW1に用いることができる(図20(A)および図21参照)。
第2の表示素子550(i,j)は、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。
第2の絶縁膜501Cは、開口部591Aを備える(図20(A)参照)。
第2の導電膜は、開口部591Aにおいて第1の導電膜と電気的に接続される。例えば、導電膜512Bは、第1の導電膜を兼ねる第1の電極751(i,j)と電気的に接続される。ところで、第2の絶縁膜に設けられた開口部591Aにおいて第2の導電膜と電気的に接続される第1の導電膜を、貫通電極ということができる。
画素回路530(i,j)は、信号線S1(j)と電気的に接続される(図21参照)。なお、導電膜512Aは、信号線S1(j)と電気的に接続される(図20(A)及び図21参照)。
入力部は、表示部と重なる領域に近接するものを検知する機能を備える(図19(A)参照)。例えば、近接する指などを検知する検知素子775(g,h)等を備える。
これにより、例えば同一の工程を用いて形成することができる画素回路を用いて、第1の表示素子と、第1の表示素子とは異なる方法を用いて表示をする第2の表示素子と、を駆動することができる。また、表示部と重なる領域に近接するものを検知することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた入出力装置を提供することができる。
例えば、実施の形態1で説明したトランジスタTr1を画素回路530(i,j)中の各トランジスタ(スイッチSW1やスイッチSW2に用いることができるトランジスタやトランジスタM)に適用することができる。また実施の形態1で説明したトランジスタTr2を駆動回路GD中のトランジスタMDに適用することができる。
本実施の形態の表示装置は各画素に複数のトランジスタを作る必要がある。そのためレイアウト面積が小さいチャネルエッチ型のトランジスタを好適に用いることができる。またデマルチプレクサやゲートドライバには電流駆動能力の高いトランジスタが求められるため、TGSA型のトランジスタを好適に用いることができる。そのため実施の形態1に示した半導体装置を、本発明の一態様の表示装置700TPAに用いることにより、高精細でかつ表示品質の高い表示装置を提供することができる。
また、本実施の形態で説明する表示装置の第2の表示素子550(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)を視認できる範囲の一部において視認できるように配設される。例えば、外光を反射する強度を制御して表示をする第1の表示素子750(i,j)に外光が入射し反射する方向を、破線の矢印で図中に示す。また、第1の表示素子750(i,j)を視認できる範囲の一部に第2の表示素子550(i,j)が光を射出する方向を、実線の矢印で図中に示す(図19(A)および図20(A)参照)。
これにより、第1の表示素子を用いた表示を視認することができる領域の一部において、第2の表示素子を用いた表示を視認することができる。または、情報処理装置の姿勢等を変えることなく使用者は表示を視認することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な入出力装置を提供することができる。
また、本実施の形態で説明する入出力装置の第1の電極751(i,j)は、第2の絶縁膜501Cに埋め込まれた側端部を備える(図19(A)および図20(A)参照)。これにより、第1の電極751(i,j)の端部に生じる段差を小さくし、段差に基づく配向欠陥等を生じ難くすることができる。
また、本実施の形態で説明する入出力装置の画素回路530(i,j)は、スイッチSW1を備える。スイッチSW1はトランジスタを含み、トランジスタは、酸化物半導体を含む。
また、本実施の形態で説明する入出力装置の第2の表示素子550(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)が表示をする領域に囲まれた領域に表示をする機能を備える(図22(B−1)または図5(B−2)参照)。なお、第1の表示素子750(i,j)は、第1の電極751(i,j)と重なる領域に表示をし、第2の表示素子550(i,j)は、開口部751Hと重なる領域に表示をする。
また、本実施の形態で説明する入出力装置の第1の表示素子750(i,j)は、入射する光を反射する機能を備える反射膜と、反射する光の強さを制御する機能と、を有する。そして、反射膜は、開口部751Hを備える。なお、例えば、第1の表示素子750(i,j)の反射膜に、第1の導電膜または第1の電極751(i,j)等を用いることができる。
また、第2の表示素子550(i,j)は、開口部751Hに向けて光を射出する機能を有する。
また、本実施の形態で説明する入出力装置の入力部は、検知素子775(g,h)を有する。検知素子775(g,h)は、制御線CL(g)と、信号線ML(h)と、を備え、信号線ML(h)は、表示部と重なる領域に近接するものにより一部が遮られる電界を、制御線CL(g)との間に形成するように配置される(図19(A)参照)。
また、本実施の形態で説明する入出力装置の制御線CL(g)は透光性の導電膜を備え、信号線ML(h)は透光性の導電膜を備える。そして、透光性の導電膜は、画素702(i,j)と重なる領域を備える。例えば、制御線CL(g)は画素702(i,j)と重なる領域を備える(図19(A)参照)。
上記本発明の一態様の入出力装置は、画素と重なる領域に透光性を備える導電膜を備える制御線と、画素と重なる領域に透光性を備える導電膜を備える信号線と、を含んで構成される。これにより、表示部の表示を遮ることなく、表示部と重なる領域に近接するものを検知することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた入出力装置を提供することができる。
本実施の形態で説明する表示装置の画素702(i,j)は表示部の行方向にm個、列方向にn個並んで配設される(図22(A)参照)。ここでiは1以上m以下の整数であり、jは1以上n以下の整数であり、mおよびnは1以上の整数である。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、走査線G2(i)と、配線CSCOMと、配線ANOと、を有する(図21参照)。
走査線G1(i)は、行方向に配設される一群の画素702(i,1)乃至画素702(i,n)と電気的に接続される。
列方向に配設される他の一群の画素702(1,j)乃至画素702(m,j)は、信号線S1(j)と電気的に接続される。
例えば、画素702(i,j)の行方向に隣接する画素702(i,j+1)は、画素702(i,j)に対する開口部751Hの配置と異なるように画素702(i,j+1)に配置される開口部を備える(図22(B−1)参照)。
例えば、画素702(i,j)の列方向に隣接する画素702(i+1,j)は、画素702(i,j)に対する開口部751Hの配置と異なるように画素702(i+1,j)に配置される開口部を備える(図22(B−2)参照)。なお、例えば、第1の電極751(i,j)を反射膜に用いることができる。
また、本実施の形態で説明する入出力装置の第1の表示素子750(i,j)は、液晶材料を含む層753と、第1の電極751(i,j)および第2の電極752と、を備える。なお、第2の電極752は、第1の電極751(i,j)との間に液晶材料の配向を制御する電界が形成されるように配置される(図19(A)および図20(A)参照)。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、配向膜AF1および配向膜AF2を備える。配向膜AF2は、配向膜AF1との間に液晶材料を含む層753を挟むように配設される。
また、本実施の形態で説明する表示装置の第2の表示素子550(i,j)は、第3の電極551(i,j)と、第4の電極552と、発光性の材料を含む層553(j)と、を備える。
第4の電極552は、第3の電極551(i,j)と重なる領域を備える。発光性の材料を含む層553(j)は、第3の電極551および第4の電極552の間に配設される領域を備える。そして、第3の電極551(i,j)は、接続部522において、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、着色膜CF1と、遮光膜BMと、絶縁膜771と、機能膜770Pと、機能膜770Dと、を有する。
着色膜CF1は、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。遮光膜BMは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域に開口部を備える。
絶縁膜771は、着色膜CF1と液晶材料を含む層753の間または遮光膜BMと液晶材料を含む層753の間に配設される。これにより、着色膜CF1の厚さに基づく凹凸を平坦にすることができる。または、遮光膜BMまたは着色膜CF1等から液晶材料を含む層753への不純物の拡散を、抑制することができる。
機能膜770Pは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。機能膜770Pは、第1の表示素子750(i,j)との間に検知素子775(g,h)を挟むように配設される。これにより、例えば、検知素子775(g,h)が反射する光を低減することができる。
機能膜770Dは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。機能膜770Dは、第1の表示素子750(i,j)との間に基板770を挟むように配設される。これにより、例えば、第1の表示素子750(i,j)が反射する光を拡散することができる。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、基板570と、基板770と、基板710と、機能層520と、機能層720と、を有する。
基板770は、基板570と重なる領域を備える。
基板710は、基板770と重なる領域を備える。
機能層520は、基板570および基板770の間に配設される領域を備える。機能層520は、画素回路530(i,j)と、第2の表示素子550(i,j)と、絶縁膜521と、絶縁膜528と、を含む。また、機能層520は、絶縁膜518および絶縁膜516を含む(図19(A)および図19(B)参照)。
絶縁膜521は、画素回路530(i,j)および第2の表示素子550(i,j)の間に配設される。
絶縁膜528は、絶縁膜521および基板570の間に配設され、第2の表示素子550(i,j)と重なる領域に開口部を備える。第3の電極551の周縁に沿って形成される絶縁膜528は、第3の電極551および第4の電極552の短絡を防止することができる。
絶縁膜518は、絶縁膜521および画素回路530(i,j)の間に配設される領域を備え、絶縁膜516は、絶縁膜518および画素回路530(i,j)の間に配設される領域を備える。
機能層720は、基板770および基板710の間に配設される領域を備える。機能層720は、検知素子775(g,h)と、絶縁膜706と、を備える。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、接合層505と、接合層709と、封止材705と、構造体KB1と、を有する。
接合層505は、機能層520および基板570の間に配設され、機能層520および基板570を貼り合せる機能を備える。
封止材705は、機能層520および基板770の間に配設され、機能層520および基板770を貼り合わせる機能を備える。
構造体KB1は、機能層520および基板770の間に所定の間隙を設ける機能を備える。
接合層709は、機能層720および基板770の間に配設され、機能層720および基板770を貼り合せる機能を備える。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、端子519Cと、導電膜511Cと、を有する。
第2の絶縁膜501Cは、端子519Cおよび導電膜511Cの間に挟まれる領域を備える。また、第2の絶縁膜501Cは、開口部591Cを備える。
端子519Cは、開口部591Cにおいて導電膜511Cと電気的に接続される。また、導電膜511Cは、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。
導電体CPは、端子519Cと第2の電極752の間に挟まれ、端子519Cと第2の電極752を電気的に接続する。例えば、導電性の粒子を導電体CPに用いることができる。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、端子519Bと、導電膜511Bと、を有する。
第2の絶縁膜501Cは、端子519Bおよび導電膜511Bの間に挟まれる領域を備える。また、第2の絶縁膜501Cは、開口部591Bを備える。
端子519Bは、開口部591Bにおいて導電膜511Bと電気的に接続される。また、導電膜511Bは、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。なお、例えば、導電材料ACF1を用いて、端子519Bとフレキシブルプリント基板FPC1を電気的に接続することができる。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、端子719を有する。端子719は、検知素子775(g,h)と電気的に接続される。
また、本実施の形態で説明する入出力装置は、駆動回路GDと、駆動回路SDと、を有する(図18(A)および図22(A)参照)。
駆動回路GDは、走査線G1(i)と電気的に接続される。駆動回路GDは、例えばトランジスタMDを備える。具体的には、画素回路530(i,j)に含まれるトランジスタと同じ工程で形成することができる半導体膜を含むトランジスタをトランジスタMDに用いることができる(図19(A)および図19(B)参照)。
駆動回路SDは、信号線S1(j)と電気的に接続される。駆動回路SDは、例えば端子519Bまたは端子519Cと同一の工程で形成することができる端子に導電材料を用いて電気的に接続される。
以下に、入出力装置を構成する個々の要素について説明する。なお、これらの構成は明確に分離できず、一つの構成が他の構成を兼ねる場合や他の構成の一部を含む場合がある。
例えば第1の導電膜を第1の電極751(i,j)に用いることができる。また、第1の導電膜を反射膜に用いることができる。
また、第2の導電膜をトランジスタのソース電極またはドレイン電極の機能を備える導電膜512Bに用いることができる。
本発明の一態様の入出力装置は、基板570、基板770、基板710、構造体KB1封止材705、接合層505または接合層709を有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、機能層520、機能層720、絶縁膜521、絶縁膜528、を有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOM、配線ANOを有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、第1の導電膜または第2の導電膜を有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、端子519B、端子519C、端子719、導電膜511Bまたは導電膜511Cを有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、画素回路530(i,j)またはスイッチSW1、を有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、第1の表示素子750(i,j)、第1の電極751(i,j)、反射膜、開口部751H、液晶材料を含む層753または第2の電極752を有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、配向膜AF1、配向膜AF2、着色膜CF1、遮光膜BM、絶縁膜771、機能膜770Pまたは機能膜770Dを有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、第2の表示素子550(i,j)、第3の電極551(i,j)、第4の電極552または発光性の材料を含む層553(j)を有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、第2の絶縁膜501Cを有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、駆動回路GDまたは駆動回路SDを有する。
また、本発明の一態様の入出力装置は、検知素子775(g,h)、制御線CL(g)、信号線ML(h)、導電膜BR(g,h)または絶縁膜706を有する。
基板570には、実施の形態1で記載した基板を用いることができる。
《基板770、基板710》例えば、透光性を備える材料を基板770または基板710に用いることができる。具体的には、基板570に用いることができる材料から選択された材料を基板770または基板710に用いることができる。例えば、無アルカリガラス、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラスまたはサファイア等を用いることができる。なお、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラスまたはサファイア等を、入出力装置の使用者に近い側に配置される基板770または基板710に好適に用いることができる。これにより、使用に伴う入出力装置の破損や傷付きを防止することができる。
また、厚さ0.7mmまたは厚さ0.1mm程度まで研磨した材料を基板770または基板710に用いることができる。これにより、機能膜770Dが第1の表示素子750(i,j)に近接して配置され、画像のボケを低減し、画像を鮮明に表示することができる。
《封止材705》無機材料、有機材料または無機材料と有機材料の複合材料等を封止材705等に用いることができる。
例えば、熱溶融性の樹脂または硬化性の樹脂等の有機材料を、封止材705等に用いることができる。具体的には、反応硬化型接着剤、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤または/および嫌気型接着剤等の有機材料を封止材705等に用いることができる。
《接合層505》 例えば、封止材705に用いることができる材料を接合層505に用いることができる。
《接合層709》 例えば、封止材705に用いることができる材料を接合層709に用いることができる。
《絶縁膜521》 例えば、絶縁性の無機材料、絶縁性の有機材料または無機材料と有機材料を含む絶縁性の複合材料を、絶縁膜521等に用いることができる。
具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸化窒化物膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を、絶縁膜521等に用いることができる。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を含む膜を、絶縁膜521等に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の積層材料もしくは複合材料などを絶縁膜521等に用いることができる。また、感光性を有する材料を用いて形成してもよい。
これにより、例えば絶縁膜521と重なるさまざまな構造に由来する段差を平坦化することができる。
《絶縁膜528》 例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜528等に用いることができる。具体的には、厚さ1μmのポリイミドを含む膜を絶縁膜528に用いることができる。
《第2の絶縁膜501C》 例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を第2の絶縁膜501Cに用いることができる。具体的には、シリコンおよび酸素を含む材料を第2の絶縁膜501Cに用いることができる。これにより、画素回路または第2の表示素子等への不純物の拡散を抑制することができる。
例えば、シリコン、酸素および窒素を含む厚さ200nmの膜を第2の絶縁膜501Cに用いることができる。
なお、第2の絶縁膜501Cは、開口部591A、開口部591Bまたは開口部591Cを有する。
《絶縁膜706》 例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜528等に用いることができる。具体的には、例えば、シリコンおよび酸素を含む膜を絶縁膜706に用いることができる。
《配線、端子、導電膜》 導電性を備える材料を配線等に用いることができる。具体的には、導電性を備える材料を、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOM、配線ANO、端子519B、端子519C、端子719導電膜511Bまたは導電膜511C等に用いることができる。
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスなどを配線等に用いることができる。
具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、銅、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウムまたはマンガンから選ばれた金属元素などを、配線等に用いることができる。または、上述した金属元素を含む合金などを、配線等に用いることができる。特に、銅とマンガンの合金がウエットエッチング法を用いた微細加工に好適である。
具体的には、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等を配線等に用いることができる。
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を、配線等に用いることができる。
具体的には、グラフェンまたはグラファイトを含む膜を配線等に用いることができる。
例えば、酸化グラフェンを含む膜を形成し、酸化グラフェンを含む膜を還元することにより、グラフェンを含む膜を形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
具体的には、導電性高分子を配線等に用いることができる。
《第1の導電膜、第2の導電膜》 例えば、配線等に用いることができる材料を第1の導電膜または第2の導電膜に用いることができる。
また、第1の電極751(i,j)または配線等を第1の導電膜に用いることができる。
また、スイッチSW1に用いることができるトランジスタの導電膜512Bまたは配線等を第2の導電膜に用いることができる。
《画素回路530(i,j)》 画素回路530(i,j)は、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOMおよび配線ANOと電気的に接続される(図19参照)。
画素回路530(i,j+1)は、信号線S1(j+1)、信号線S2(j+1)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOMおよび配線ANOと電気的に接続される。
なお、信号線S2(j)に供給する信号に用いる電圧が、信号線S1(j+1)に供給する信号に用いる電圧と異なる場合、信号線S1(j+1)を信号線S2(j)から離して配置する。具体的には、信号線S2(j+1)を信号線S2(j)に隣接するように配置する。
画素回路530(i,j)は、スイッチSW1、容量素子C1、スイッチSW2、トランジスタMおよび容量素子C2を含む。
例えば、走査線G1(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線S1(j)と電気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW1に用いることができる。
容量素子C1は、スイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極に電気的に接続される第1の電極と、配線CSCOMに電気的に接続される第2の電極と、を有する。
例えば、走査線G2(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線S2(j)と電気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW2に用いることができる。
トランジスタMは、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極に電気的に接続されるゲート電極と、配線ANOと電気的に接続される第1の電極と、を有する。
なお、半導体膜をゲート電極との間に挟むように設けられた導電膜を備えるトランジスタを、トランジスタMに用いることができる。例えば、トランジスタMのゲート電極と同じ電位を供給することができる配線と電気的に接続される導電膜を用いることができる。
容量素子C2は、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極に電気的に接続される第1の電極と、トランジスタMの第1の電極に電気的に接続される第2の電極と、を有する。
なお、第1の表示素子750の第1の電極をスイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続し、第1の表示素子750の第2の電極を配線VCOM1と電気的に接続する。これにより、第1の表示素子750を駆動することができる。
また、第2の表示素子550の第1の電極をトランジスタMの第2の電極と電気的に接続し、第2の表示素子550の第2の電極を配線VCOM2と電気的に接続する。これにより、第2の表示素子550を駆動することができる。
《スイッチSW1、スイッチSW2、トランジスタM、トランジスタMD》 例えば、ボトムゲート型またはトップゲート型等のトランジスタをスイッチSW1、スイッチSW2、トランジスタM、トランジスタMD等に用いることができる。
また実施の形態1で示した材料及び方法で作成することができる。
例えば、14族の元素を含む半導体を半導体膜に用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、シリコンを含む半導体を半導体膜に用いることができる。例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン、微結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどを半導体膜に用いたトランジスタを用いることができる。
例えば、酸化物半導体を半導体膜に用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、インジウムを含む酸化物半導体またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物半導体を半導体膜に用いることができる。
一例を挙げれば、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタと比較して、オフ状態におけるリーク電流が小さいトランジスタをスイッチSW1、スイッチSW2、トランジスタM、トランジスタMD等に用いることができる。具体的には、酸化物半導体を半導体膜508に用いたトランジスタをスイッチSW1、スイッチSW2、トランジスタM、トランジスタMD等に用いることができる。
これにより、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回路と比較して、画素回路が画像信号を保持することができる時間を長くすることができる。具体的には、フリッカーの発生を抑制しながら、選択信号を30Hz未満、好ましくは1Hz未満より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、情報処理装置の使用者に蓄積する疲労を低減することができる。また、駆動に伴う消費電力を低減することができる。
スイッチSW1に用いることができるトランジスタは、半導体膜508および半導体膜508と重なる領域を備える導電膜504を備える(図20(B)参照)。また、スイッチSW1に用いることができるトランジスタは、導電膜512Aおよび導電膜512Bを備える。
なお、導電膜504はゲート電極の機能を備え、絶縁膜506はゲート絶縁膜の機能を備える。また、導電膜512Aはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の一方を備え、導電膜512Bはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の他方を備える。
また、導電膜504との間に半導体膜508を挟むように設けられた導電膜524を備えるトランジスタを、トランジスタMDに用いることができる(図19(B)参照)。
タンタルおよび窒素を含む厚さ10nmの膜と、銅を含む厚さ300nmの膜と、をこの順で積層した導電膜を導電膜504に用いることができる。
シリコンおよび窒素を含む厚さ400nmの膜と、シリコン、酸素および窒素を含む厚さ200nmの膜と、を積層した材料を絶縁膜506に用いることができる。
インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む厚さ25nmの膜を、半導体膜508に用いることができる。
タングステンを含む厚さ50nmの膜と、アルミニウムを含む厚さ400nmの膜と、チタンを含む厚さ100nmの膜と、をこの順で積層した導電膜を、導電膜512Aまたは導電膜512Bに用いることができる。
《第1の表示素子750(i,j)》 例えば、光の反射または透過を制御する機能を備える表示素子を、第1の表示素子750(i,j)等に用いることができる。例えば、液晶素子と偏光板を組み合わせた構成またはシャッター方式のMEMS表示素子等を用いることができる。具体的には、反射型の表示素子を用いることにより、入出力装置の消費電力を抑制することができる。例えば、反射型の液晶表示素子を第1の表示素子750に用いることができる。
例えば、IPS(In−Plane−Switching)モード、TN(Twisted Nematic)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
また、例えば垂直配向(VA)モード、具体的には、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)モード、ASV(Advanced Super−View)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
例えば、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。または、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す液晶材料を用いることができる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
《第1の電極751(i,j)》 例えば、配線等に用いる材料を第1の電極751(i,j)に用いることができる。具体的には、反射膜を第1の電極751(i,j)に用いることができる。
《反射膜》 例えば、可視光を反射する材料を反射膜に用いることができる。具体的には、銀を含む材料を反射膜に用いることができる。例えば、銀およびパラジウム等を含む材料または銀および銅等を含む材料を反射膜に用いることができる。
反射膜は、例えば、液晶材料を含む層753を透過してくる光を反射する。これにより、第1の表示素子750を反射型の液晶素子にすることができる。また、例えば、表面に凹凸を備える材料を、反射膜に用いることができる。これにより、入射する光をさまざまな方向に反射して、白色の表示をすることができる。
なお、第1の電極751(i,j)を反射膜に用いる構成に限られない。例えば、液晶材料を含む層753と第1の電極751(i,j)の間に反射膜を配設する構成を用いることができる。または、反射膜と液晶材料を含む層753の間に透光性を有する第1の電極751(i,j)を配置する構成を用いることができる。
《開口部751H》 非開口部の総面積に対する開口部751Hの総面積の比の値が大きすぎると、第1の表示素子750(i,j)を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口部751Hの総面積の比の値が小さすぎると、第2の表示素子550(i,j)を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射膜に設ける開口部751Hの面積が小さすぎると、第2の表示素子550が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状を開口部751Hの形状に用いることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状を開口部751Hの形状に用いることができる。また、開口部751Hを隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口部751Hを同じ色を表示する機能を備える他の画素に寄せて配置する。これにより、第2の表示素子550が射出する光が隣接する画素に配置された着色膜に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制できる。
《第2の電極752》 例えば、可視光について透光性を有し且つ導電性を備える材料を、第2の電極752に用いることができる。
例えば、導電性酸化物、光が透過する程度に薄い金属膜または金属ナノワイヤーを第2の電極752に用いることができる。
具体的には、インジウムを含む導電性酸化物を第2の電極752に用いることができる。または、厚さ1nm以上10nm以下の金属薄膜を第2の電極752に用いることができる。または、銀を含む金属ナノワイヤーを第2の電極752に用いることができる。
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛、アルミニウムを添加した酸化亜鉛などを、第2の電極752に用いることができる。
《制御線CL(g)、信号線ML(h)、導電膜BR(g,h)》 例えば、可視光について透光性を有し且つ導電性を備える材料を、制御線CL(g)、信号線ML(h)または導電膜BR(g,h)に用いることができる。
具体的には、第2の電極752に用いる材料を制御線CL(g)、信号線ML(h)または導電膜BR(g,h)に用いることができる。
《配向膜AF1、配向膜AF2》 例えば、ポリイミド等を含む材料を配向膜AF1または配向膜AF2に用いることができる。具体的には、所定の方向に配向するようにラビンング処理または光配向技術を用いて形成された材料を用いることができる。
例えば、可溶性のポリイミドを含む膜を配向膜AF1または配向膜AF2に用いることができる。
《着色膜CF1》 所定の色の光を透過する材料を着色膜CF1に用いることができる。これにより、着色膜CF1を例えばカラーフィルターに用いることができる。
例えば、青色の光を透過する材料、緑色の光を透過する材料、赤色の光を透過する材料、黄色の光を透過する材料または白色の光を透過する材料などを着色膜CF1に用いることができる。
《遮光膜BM》 光の透過を妨げる材料を遮光膜BMに用いることができる。これにより、遮光膜BMを例えばブラックマトリクスに用いることができる。
《絶縁膜771》 例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を絶縁膜771に用いることができる。
《機能膜770P、機能膜770D》 例えば、反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、または集光フィルム等を機能膜770Pまたは機能膜770Dに用いることができる。または、2色性色素を含む膜を機能膜770Pに用いることができる。
また、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜などを、機能膜770Pに用いることができる。
具体的には、円偏光フィルムを機能膜770Pに用いることができる。また、光拡散フィルムを機能膜770Dに用いることができる。
《第2の表示素子550(i,j)》 例えば、発光素子を第2の表示素子550(i,j)に用いることができる。具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子または発光ダイオードなどを、第2の表示素子550(i,j)に用いることができる。
例えば、発光性の有機化合物を発光性の材料を含む層に用いることができる。量子ドットを発光性の材料を含む層に用いることができる。
例えば、青色の光を射出するように積層された積層体、緑色の光を射出するように積層された積層体または赤色の光を射出するように積層された積層体等を、発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。
例えば、信号線S1(j)に沿って列方向に長い帯状の積層体を、発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。また、発光性の材料を含む層553(j)とは異なる色の光を射出する信号線S1(j+1)に沿って列方向に長い帯状の積層体を、発光性の材料を含む層553(j+1)に用いることができる。
また、例えば、白色の光を射出するように積層された積層体を、発光性の材料を含む層553(j)および発光性の材料を含む層553(j+1)に用いることができる。具体的には、青色の光を射出する蛍光材料を含む発光性の材料を含む層と、緑色および赤色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層または黄色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層と、を積層した積層体を、発光性の材料を含む層553(j)および発光性の材料を含む層553(j+1)に用いることができる。
例えば、配線等に用いることができる材料を第3の電極551(i,j)または第4の電極552に用いることができる。
例えば、配線等に用いることができる材料から選択された、可視光について透光性を有する材料を、第3の電極551(i,j)に用いることができる。
具体的には、導電性酸化物またはインジウムを含む導電性酸化物、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを、第3の電極551(i,j)に用いることができる。または、光が透過する程度に薄い金属膜を第3の電極551(i,j)に用いることができる。
例えば、配線等に用いることができる材料から選択された可視光について反射性を有する材料を、第4の電極552に用いることができる。
《検知素子775(g,h)》 例えば静電容量、照度、磁力、電波または圧力等を検知して、検知した物理量に基づく情報を供給する素子を、検知素子775(g,h)に用いることができる。
具体的には、容量素子、光電変換素子、磁気検知素子、圧電素子または共振器等を検知素子775(g,h)に用いることができる。
例えば、大気中において、大気より大きな誘電率を備える指などが導電膜に近接すると、指と導電膜の間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を検知して検知情報を供給することができる。具体的には、自己容量方式の検知素子を用いることができる。
例えば、制御線CL(g)と、信号線ML(h)と、を検知素子に用いることができる。具体的には、探索信号が供給される制御線CL(g)と、近接するものによって一部が遮られる電界が制御線CL(g)との間に形成されるように配設される信号線ML(h)と、を用いることができる。これにより、近接するものに遮られて変化する電界を信号線ML(h)の電位を用いて検知して、検知信号として供給することができる。その結果、電界を遮るように近接するものを検知することができる。具体的には、相互容量方式の検知素子を用いることができる。
《駆動回路GD》 シフトレジスタ等のさまざまな順序回路等を駆動回路GDに用いることができる。例えば、トランジスタMD、容量素子等を駆動回路GDに用いることができる。実施の形態1で説明したように、スイッチSW1に用いることができるトランジスタと異なる構成をトランジスタMDに用いることができる。具体的には、導電膜524を有するトランジスタをトランジスタMDに用いることができる(図19(B)参照)。または、トランジスタMと同一の工程で形成することができる半導体膜を備えるトランジスタを用いてもよい。
導電膜512との間に半導体膜508を挟むように、導電膜524を配設し、導電膜524および半導体膜508の間に絶縁膜519を配設し、半導体膜508および導電膜512の間に絶縁膜516及び518を配設する。例えば、導電膜512と同じ電位を供給する配線に導電膜524を電気的に接続することができる。
《駆動回路SD》 例えば、集積回路を駆動回路SDに用いることができる。具体的には、シリコン基板上に形成された集積回路を駆動回路SDに用いることができる。
例えば、COG(Chip on glass)法を用いて、画素回路530(i,j)と電気的に接続されるパッドに駆動回路SDを実装することができる。具体的には、異方性導電膜を用いて、パッドに集積回路を実装できる。
なお、パッドは、端子519Bまたは端子519Cと同一の工程で形成することができる。
《発振回路OSC、検知回路DC》 例えば、集積回路を発振回路OSCまたは検知回路DCに用いることができる。具体的には、シリコン基板上に形成された集積回路を発振回路OSCまたは検知回路DCに用いることができる。
例えば、COG(Chip on glass)法を用いて、検知素子775(g,h)と電気的に接続されるパッドに発振回路OSCまたは検知回路DCを実装することができる。具体的には、異方性導電膜を用いて、パッドに集積回路を実装できる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置に用いることのできる発光素子について、図23を用いて説明する。
<発光素子の構成例>
まず、本発明の一態様の半導体装置に用いることのできる発光素子の構成について、図23を用いて説明する。図23は、発光素子160の断面模式図である。
なお、発光素子160としては、無機化合物及び有機化合物のいずれか一方または双方を用いることができる。発光素子160に用いる有機化合物としては、低分子化合物または高分子化合物が挙げられる。高分子化合物は、熱的に安定で、塗布法等により容易に均一性に優れた薄膜を形成することができるため好適である。
図23に示す発光素子160は、一対の電極(導電膜138及び導電膜144)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層142を有する。EL層142は、少なくとも発光層150を有する。
また、図23に示すEL層142は、発光層150の他に、正孔注入層151、正孔輸送層152、電子輸送層153、及び電子注入層154等の機能層を有する。
なお、本実施の形態においては、一対の電極のうち、導電膜138を陽極として、導電膜144を陰極として説明するが、発光素子160の構成としては、その限りではない。つまり、導電膜138を陰極とし、導電膜144を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、陽極側から、正孔注入層151と、正孔輸送層152と、発光層150と、電子輸送層153と、電子注入層154と、が積層する順番とすればよい。
なお、EL層142の構成は、図23に示す構成に限定されず、発光層150の他に、正孔注入層151、正孔輸送層152、電子輸送層153、及び電子注入層154の中から選ばれた少なくとも一つを有する構成とすればよい。あるいは、EL層142は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、ことができる等の機能を有する機能層を有する構成としてもよい。なお、機能層はそれぞれ単層であっても、複数の層が積層された構成であってもよい。
発光層150には、低分子化合物および高分子化合物を用いることができる。
なお、本明細書等において、高分子化合物とは、分子量分布を有し、平均分子量が、1×10乃至1×10である重合体である。また、低分子化合物とは、分子量分布を有さず、分子量が、1×10以下の化合物である。
また、高分子化合物は、一つまたは複数の構成単位が重合している化合物である。すなわち、該構成単位とは、高分子化合物が1以上有する単位をいう。
また、高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよく、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基が重合活性基を有する場合、発光素子において発光特性または輝度寿命の低下を引き起こす可能性がある。したがって、高分子化合物の末端基は、安定な末端基であると好ましい。該安定な末端基としては、主鎖と共有結合している基が好ましく、炭素−炭素結合を介してアリール基または複素環基と結合する基が好ましい。
発光層150に低分子化合物を用いる場合、ホスト材料として機能する低分子化合物に加えて、発光性の低分子化合物をゲスト材料として有すると好ましい。発光層150中では、ホスト材料が、少なくともゲスト材料より重量比で多く存在し、ゲスト材料は、ホスト材料中に分散される。
ゲスト材料としては、発光性の有機化合物を用いればよく、該発光性の有機化合物としては、蛍光を発することができる物質(以下、蛍光性化合物ともいう)または燐光を発することができる物質(以下、燐光性化合物ともいう)を用いることができる。
本発明の一態様の発光素子160においては、一対の電極(導電膜138及び導電膜144)間に電圧を印加することにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)が、それぞれEL層142に注入され、電流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が再結合することによって、励起子が形成される。キャリア(電子および正孔)の再結合によって生じる励起子のうち、一重項励起子と三重項励起子の比(以下、励起子生成確率)は、統計的確率により、1:3となる。そのため、蛍光性化合物を用いた発光素子において、発光に寄与する一重項励起子が生成する割合は25%であり、発光に寄与しない三重項励起子が生成する割合は75%となる。一方、燐光性化合物を用いた発光素子においては、一重項励起子及び三重項励起子の双方が発光に寄与することができる。したがって、蛍光性化合物を用いた発光素子より、燐光性化合物を用いた発光素子の方が、高い発光効率となるため好ましい。
なお、励起子はキャリア(電子および正孔)対のことである。励起子はエネルギーを有するため、励起子が生成した材料は励起状態となる。
発光層150に高分子化合物を用いる場合、該高分子化合物は、構成単位として、正孔を輸送する機能(正孔輸送性)を有する骨格と、電子を輸送する機能(電子輸送性)を有する骨格とを有すると好ましい。あるいは、π電子過剰型複素芳香族骨格または芳香族アミン骨格の少なくとも一つを有し、π電子不足型複素芳香族骨格を有すると好ましい。これらの骨格が、直接または他の骨格を介して結合する。
また、高分子化合物が、正孔輸送性を有する骨格と、電子輸送性を有する骨格と、を有する場合、キャリアバランスを容易に制御することが可能となる。そのため、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。そのためには、正孔輸送性を有する骨格と、電子輸送性を有する骨格と、の構成比率は、1:9から9:1(モル比)の範囲が好ましく、電子輸送性を有する骨格が、正孔輸送性を有する骨格より、構成比率が高いことが、さらに好ましい。
また、高分子化合物は、構成単位として、正孔輸送性を有する骨格および電子輸送性を有する骨格の他に、発光性の骨格を有しても良い。高分子化合物が、発光性の骨格を有する場合、高分子化合物の全構成単位に対する発光性の骨格の構成比率は低いことが好ましく、具体的には、好ましくは0.1mol%以上10mol%以下であり、より好ましくは0.1mol%以上5mol%以下である。
なお、発光素子160に用いる高分子化合物としては、各構成単位の結合方向、結合角、結合長などが異なる化合物を有する場合がある。また、各構成単位が異なる置換基を有してもよく、各構成単位の間に異なる骨格を有していてもよい。また、各構成単位の重合法が異なっていてもよい。
また、発光層150は、ホスト材料として機能する高分子化合物に加えて、発光性の低分子材料をゲスト材料として有してもよい。このとき、ホスト材料として機能する高分子化合物中に、発光性の低分子化合物がゲスト材料として分散され、該高分子化合物が、少なくとも発光性の低分子化合物より重量比で多く存在する。発光性の低分子化合物の含有量は、高分子化合物に対する重量比で、好ましくは0.1wt%以上10wt%以下であり、より好ましくは0.1wt%以上5wt%以下である。
次に、本発明の一態様に係わる発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
[発光層]
発光層150に用いることができる材料について、それぞれ以下に説明する。
発光層150に用いることができる高分子化合物としては、特に限定はないが、複素芳香族骨格及び芳香族炭化水素骨格の少なくとも一つを有すると好ましい。また、これらの骨格が互いに、直接、またはアリーレン基もしくはアルキレン基を介して結合する構造が好ましい。なお、上記の骨格が介して結合する基としては、アリーレン基およびアルキレン基に限られない。
また、高分子化合物が有する複素芳香族骨格のうち、フラン骨格、チオフェン骨格、またはピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが好ましい。また、ピリジン骨格、ジアジン骨格(ピラジン骨格、ピリミジン骨格、及びピリダジン骨格)、及びトリアジン骨格が好ましく、中でもジアジン骨格およびトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため好ましい。また、例えば、フラン骨格、ベンゾフラン骨格、ジベンゾフラン骨格、ベンゾジフラン骨格、チオフェン骨格、ベンゾチオフェン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、ベンゾジチオフェン骨格、チエノチオフェン骨格、ジチエノチオフェン骨格、ジチエノフラン骨格、ジチエノセレノフェン骨格、シクロペンタジチオフェン骨格、ジチエノシロール骨格、チエノピロール骨格、ジチエノピロール骨格、チエノインドール骨格、チエノピリジン骨格、チエノピラジン骨格、チアゾール骨格、チアジアゾール骨格、ベンゾチアゾール骨格、ベンゾジチアゾール骨格、オキサゾール骨格、オキサジアゾール骨格、ベンゾオキサゾール骨格、ベンゾジオキサゾール骨格、セレノフェン骨格、ベンゾセレノフェン骨格、ジベンゾセレノフェン骨格、ベンゾジセレノフェン骨格、セレノロセレノフェン骨格、インダセノチオフェン骨格、インダセノジチオフェン骨格、インダセノセレノフェン骨格、インダセノジセレノフェン骨格、ピロール骨格、インドール骨格、カルバゾール骨格、インドロカルバゾール骨格、ビカルバゾール骨格、ピロロピロール骨格、アクリダン骨格、アクリドン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フェナジン骨格、フェナザシリン骨格、アゼピン骨格、ジュロリジン骨格等を用いることができる。また、例えば、キノリン骨格、ナフチリジン骨格、キノキサリン骨格、キナゾリン骨格、フタラジン骨格、シンノリン骨格、プテリジン骨格、アクリジン骨格、フェナントリジン骨格、フェナントロリン骨格、ベンゾキノリン骨格、ベンゾキノキサリン骨格、ベンゾキナゾリン骨格、ジベンゾキノリン骨格、ジベンゾキノキサリン骨格、ジベンゾキナゾリン骨格、イミダゾール骨格、ピラゾール骨格、トリアゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、イミダゾピリジン骨格、プリン骨格、トリアゾピリミジン骨格、トリアゾピリジン骨格、インダゾール骨格等を用いることができる。
また、上記の複素芳香族骨格に換えて、芳香族炭化水素骨格を用いてもよい。芳香族炭化水素骨格としては、例えば、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、クリセン骨格、フェナントレン骨格、トリフェニレン骨格、フルオレン骨格、スピロフルオレン骨格、インダセン骨格、ジベンゾシロール骨格等が挙げられる。
また、高分子化合物に芳香族アミン骨格を用いることができ、中でも2級アミン骨格または3級アミン骨格が好ましく、特にトリアリールアミン骨格が好ましい。トリアリールアミン骨格のアリール基としては、環を形成する炭素数が6乃至13の置換または無置換のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基等が挙げられる。例えば、トリフェニルアミン骨格、フェニレンジアミン骨格、ナフタレンジアミン骨格、ベンジジン骨格等が挙げられる。
また、高分子化合物に他に用いることができる骨格としては、ケトン骨格、アルコキシ骨格等が挙げられる。
また、上記の芳香族アミン骨格、複素芳香族骨格、及び芳香族炭化水素骨格が、アリーレン基またはアルキレン基で結合する場合、当該アリーレン基及びアルキレン基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニルジイル基、テルフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、アントラセンジイル基、9,10−ジヒドロアントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、アルコキシフェニレン基、アリーレンビニレン基(フェニレンビニレン基等)、ビニレン基等が挙げられる。また、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合等によって結合しても良い。
上述した芳香族アミン骨格、複素芳香族骨格、及び芳香族炭化水素骨格、あるいは上記のアリーレン基及びアルキレン基は、それぞれ置換基を有していてもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至炭素数20のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基、炭素数3乃至炭素数20のシクロアルキル基、または炭素数6乃至炭素数18の置換もしくは無置換のアリール基またはアリールオキシ基、炭素数4乃至炭素数14の複素環化合物基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至炭素数20のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、2−エチル−ヘキシル基、3−メチル−ブチル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至炭素数20のアルコキシ基としては具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基、2−エチルーヘキシルオキシ基、3−メチル−ブトキシ基、イソプロピルオキシ基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至炭素数20のアルキルチオ基としては具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基、2−エチル−ヘキシルチオ基、3−メチル−ブチルチオ基、イソプロピルチオ基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至炭素数20のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、ホモアダマンチル基、トリシクロデカニル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至炭素数18のアリール基としては具体的には、置換もしくは無置換のフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、ピレニル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至炭素数18のアリールオキシ基としては具体的には、置換または無置換のアルコキシフェノキシ基、アルキルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、ピレニルオキシ基などを挙げることができる。また、炭素数4乃至炭素数14の複素環化合物基としては具体的には、置換または無置換のチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基などを挙げることができる。また、上記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、例えば、フルオレン骨格における9位の炭素が置換基としてフェニル基を二つ有する場合、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格を形成するような場合が挙げられる。なお、無置換の場合、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
上記の高分子化合物としては、例えば、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(2,5−ジオクチル−1,4−フェニレンビニレン)等のポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(略称:PF8)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,8−ジイル)](略称:F8BT)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(2,2’−ビチオフェン−5,5’−ジイル)](略称F8T2)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)]等のポリフルオレン誘導体、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:P3HT)等のポリアルキルチオフェン(PAT)誘導体、ポリフェニレン誘導体等が挙げられる。また、これらの高分子化合物や、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(2−ビニルナフタレン)、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン](略称:PTAA)等の高分子化合物に、発光性の低分子化合物をドープして発光層に用いてもよい。
発光層150に用いることができる蛍光性化合物としては、特に限定はないが、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましい。例えば以下に示す材料の置換もしくは無置換材料を用いることができる。置換基としては、上記の置換基を用いることができる。また、脂肪族炭化水素が好ましく、より好ましくはアルキル基、さらに好ましくは分岐を有するアルキル基である。
具体的には、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6tBu−FLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−3,8−ジシクロヘキシルピレン−1,6−ジアミン(略称:ch−1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8−ジ−tert−ブチル−5,11−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20−テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、などが挙げられる。
高分子化合物に用いることができる発光性の骨格としては、特に限定はないが、アントラセン、テトラセン、クリセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、スチルベン、アクリドン、クマリン、フェノキサジン、フェノチアジンなどの骨格から、1個または2個の水素を芳香環から除いた構造を構成単位として有すると好ましい。また、置換基として上記に挙げた置換基を用いることができる。また、置換基として脂肪族炭化水素基を導入しても良く、好ましくはアルキル基、さらに好ましくは分岐を有するアルキル基である。
燐光性化合物としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。また、例えば以下に示す材料の置換もしくは無置換材料を用いることができる。なお、置換基としては、上記の置換基を用いることができる。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp))、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz))、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b))、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz))のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp))、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me))のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi))、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me))のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm))、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm))、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm−dmp)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq))、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq))、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
また、燐光性化合物としては、高分子化合物であってもよく、例えば、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体を構成単位として有する高分子化合物が好ましい。すなわち、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体などから、1個または2個の水素を取り除いた構造を構成単位として有すると好ましい。
発光層150に含まれる発光性の有機化合物としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる物質であればよい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる物質としては、燐光性化合物の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)体が挙げられる。したがって、燐光性化合物と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光体と読み替えても構わない。なお、熱活性化遅延蛍光体とは、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起状態から一重項励起状態へエネルギーを変換する機能を有する物質である。そのため、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位のエネルギー差が好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
熱活性化遅延蛍光体としては、例えば以下の物質を用いることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtClOEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光体としては、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物も用いることができる。具体的には、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位の差が小さくなるため、特に好ましい。
また、熱活性化遅延蛍光を示す材料として、励起錯体(エキサイプレックス、エキシプレックスまたはExciplexともいう)を形成する2種類の材料の組み合わせを含んでも良い。2種類の材料の組み合わせとしては、正孔輸送性材料と電子輸送性材料との組み合わせが好適である。具体的には、亜鉛やアルミニウム系金属錯体の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体などが挙げられる。他の例としては、芳香族アミンやカルバゾール誘導体などが挙げられる。
また、発光層150としては、ホスト材料として機能する化合物、及び発光性のゲスト材料として機能する化合物の他に、別の物質を有しても良い。例えば、以下の正孔輸送性材料および電子輸送性材料の置換もしくは無置換の材料を用いることができる。なお、置換基としては、既に挙げた置換基を用いることができる。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。また、上記の高分子化合物が有する正孔輸送性の骨格や、π電子過剰型複素芳香族骨格、芳香族アミン骨格を有する高分子化合物であっても良い。
これら正孔輸送性の高い材料として、例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、他に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
また、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,6−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PhCzGI)、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)−ベンゼン(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)等のアミン化合物、カルバゾール化合物、チオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。
電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい材料(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子等を有する金属錯体が挙げられる。また、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体などが挙げられる。また、該電子輸送性材料は高分子化合物であっても良い。また、上記の高分子化合物が有する電子輸送性の骨格やπ電子不足型複素芳香族骨格を有する高分子化合物であっても良い。
ゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、9−[4−(4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzTAZ1)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、2−[3−{3−(9H−カルバゾール−9−イル)−9H−カルバゾール−9−イル}−フェニル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mCzCzPDBq)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。上述した複素環化合物の中でも、ジアジン(ピリミジン、ピラジン、ピリダジン)骨格、またはピリジン骨格を有する複素環化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、上記の正孔輸送性材料および電子輸送性材料から、1個または2個の水素を取り除いた構造を有する高分子化合物を用いることができる。
なお、上述した、発光層150は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、ノズルプリント法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。
なお、発光層150に高分子化合物を用いる場合、高分子化合物と併せて、発光層150に用いる材料としては、該高分子化合物を溶解することが可能な溶媒に対して、溶解性を有する材料であると好ましい。
また、発光層150を、インクジェット法、塗布法、ノズルプリント法、グラビア印刷等の方法で形成する場合に用いることができる溶媒としては、例えば、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、メチルアニソール等のエーテル系溶媒、トルエンキシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、などを挙げることができる。また、溶媒は、一または複数で用いることができる。
なお、発光層150は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層150とする場合、第1の発光層の高分子化合物として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層の高分子化合物として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。
[正孔注入層]
正孔注入層151は、一対の電極の一方(導電膜138または導電膜144)からのホール注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。また、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体や、側鎖または主鎖に芳香族アミン骨格またはπ電子過剰型複素芳香族骨格を有するポリアリーレン及びその誘導体、などが挙げられる。
正孔注入層151として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、発光層150に用いることができる正孔輸送性材料として挙げた芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
[正孔輸送層]
正孔注入層151と発光層150との間に正孔輸送層を設けてもよい。正孔輸送層は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層151の材料として例示した正孔輸送性材料を使用することができる。正孔輸送層は正孔注入層151に注入された正孔を発光層150へ輸送する機能を有するため、正孔注入層151のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占軌道ともいう)準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
また、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
[電子輸送層]
発光層150と電子注入層との間に電子輸送層を設けてもよい。電子輸送層は、電子注入層154を経て一対の電極の他方(導電膜138または導電膜144)から注入された電子を発光層150へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい材料(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、発光層150に用いることができる電子輸送性材料として挙げたキノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子等を有する金属錯体が挙げられる。また、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体などが挙げられる。また、ポリフェニレン、ポリフルオレン及びその誘導体などの高分子化合物であってもよい。また、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
また、電子輸送層と発光層150との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
[電子注入層]
電子注入層154は導電膜144からの電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiO)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層154にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層154に、電子輸送層で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層154に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた化合物であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する化合物(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、ノズルプリント法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物を用いてもよい。
量子ドットを構成する材料としては、第14族元素の単体、複数の第14族元素からなる化合物、第15族元素の単体、第16族元素の単体、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化亜鉛(ZnSe)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)、砒化インジウム(InAs)、リン化インジウム(InP)、砒化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、窒化インジウム(InN)、窒化ガリウム(GaN)、アンチモン化インジウム(InSb)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)、硫化インジウム(In)、セレン化ガリウム(GaSe)、硫化砒素(III)(As)、セレン化砒素(III)(AsSe)、テルル化砒素(III)(AsTe)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)、テルル化ビスマス(III)(BiTe)、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、セレン(Se)、テルル(Te)、ホウ素(B)、炭素(C)、リン(P)、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、硫化アルミニウム(Al)、硫化バリウム(BaS)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化バリウム(BaTe)、硫化カルシウム(CaS)、セレン化カルシウム(CaSe)、テルル化カルシウム(CaTe)、硫化ベリリウム(BeS)、セレン化ベリリウム(BeSe)、テルル化ベリリウム(BeTe)、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、硫化ゲルマニウム(GeS)、セレン化ゲルマニウム(GeSe)、テルル化ゲルマニウム(GeTe)、硫化錫(IV)(SnS)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、酸化鉛(II)(PbO)、フッ化銅(I)(CuF)、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、酸化銅(I)(CuO)、セレン化銅(I)(CuSe)、酸化ニッケル(II)(NiO)、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)、酸化マンガン(II)(MnO)、硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO)、酸化タングステン(IV)(WO)、酸化タンタル(V)(Ta)、酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Tiなど)、酸化ジルコニウム(ZrO)、窒化ケイ素(Si)、窒化ゲルマニウム(Ge)、酸化アルミニウム(Al)、チタン酸バリウム(BaTiO)、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物(CdZnSe)、インジウムと砒素とリンの化合物(InAsP)、カドミウムとセレンと硫黄の化合物(CdSeS)、カドミウムとセレンとテルルの化合物(CdSeTe)、亜鉛とカドミウムとセレンの化合物(ZnCdSe)、インジウムとガリウムと砒素の化合物(InGaAs)、インジウムとガリウムとセレンの化合物(InGaSe)、インジウムとセレンと硫黄の化合物(InSeS)、銅とインジウムと硫黄の化合物(例えばCuInS)およびこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、組成が任意の数で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、CdSSe1−x(xは0から1の任意の数)で表される合金型量子ドットは、xの比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色を得るには有効な手段の一つである。
量子ドットの構造としては、コア型、コア−シェル型、コア−マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ第2の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア−シェル型やコア−マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの例としては、硫化亜鉛(ZnS)や酸化亜鉛(ZnO)が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が多いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
なお、量子ドットは、棒状の量子ロッドであっても良い。量子ロッドはc軸方向に偏光した指向性を有する光を呈するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
発光層の発光材料に量子ドットを用いる場合、当該発光層の膜厚は3nm乃至100nm、好ましくは10nm乃至100nmとし、発光層中の量子ドットの含有率は1乃至100体積%とする。ただし、量子ドットのみで発光層を形成することが好ましい。なお、当該量子ドットを発光材料としてホストに分散した発光層を形成する場合は、ホスト材料に量子ドットを分散させる、またはホスト材料と量子ドットとを適当な液媒体に溶解または分散させてウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法、スプレーコート法、カーテンコート法、ラングミュア・ブロジェット法など)により形成すればよい。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
[一対の電極]
導電膜138及び導電膜144は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。導電膜138及び導電膜144は、金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物や層体などを用いて形成することができる。
導電膜138及び導電膜144としては、実施の形態1に記載の材料の他、以下の材料を用いてもよい。
導電膜138または導電膜144の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)またはAgと、N(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、導電膜138及び導電膜144の一方または双方を通して取り出される。したがって、導電膜138及び導電膜144の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、導電膜138及び導電膜144は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム−錫酸化物、インジウム−チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、AgまたはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、好ましくは1×10Ω・cm以下、さらに好ましくは1×10Ω・cm以下である。
また、上記の材料の複数を積層することによって導電膜138及び導電膜144の一方または双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の金属薄膜も用いることができ、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
導電膜138または導電膜144が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。
また、導電膜138または導電膜144を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、導電膜138及び導電膜144は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、導電膜138及び導電膜144は、各発光層からの所望の光を共振させ、その波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
導電膜138及び導電膜144の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示モジュール及び電子機器について、図24乃至図27を用いて説明を行う。
<5−1.表示モジュール>
図24に示す表示モジュール7000は、上部カバー7001と下部カバー7002との間に、FPC7003に接続されたタッチパネル7004、FPC7005に接続された表示パネル7006、バックライト7007、フレーム7009、プリント基板7010、バッテリ7011を有する。
本発明の一態様の半導体装置は、例えば、表示パネル7006に用いることができる。
上部カバー7001及び下部カバー7002は、タッチパネル7004及び表示パネル7006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル7004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル7006に重畳して用いることができる。また、表示パネル7006の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル7006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
バックライト7007は、光源7008を有する。なお、図24において、バックライト7007上に光源7008を配置する構成について例示したが、これに限定さない。例えば、バックライト7007の端部に光源7008を配置し、さらに光拡散板を用いる構成としてもよい。なお、有機EL素子等の自発光型の発光素子を用いる場合、または反射型パネル等の場合においては、バックライト7007を設けない構成としてもよい。
フレーム7009は、表示パネル7006の保護機能の他、プリント基板7010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム7009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板7010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ7011による電源であってもよい。バッテリ7011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール7000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
<5−2.電子機器1>
次に、図25(A)乃至図25(E)に電子機器の一例を示す。
図25(A)は、ファインダー8100を取り付けた状態のカメラ8000の外観を示す図である。
カメラ8000は、筐体8001、表示部8002、操作ボタン8003、シャッターボタン8004等を有する。またカメラ8000には、着脱可能なレンズ8006が取り付けられている。
ここではカメラ8000として、レンズ8006を筐体8001から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ8006と筐体が一体となっていてもよい。
カメラ8000は、シャッターボタン8004を押すことにより、撮像することができる。また、表示部8002はタッチパネルとしての機能を有し、表示部8002をタッチすることにより撮像することも可能である。
カメラ8000の筐体8001は、電極を有するマウントを有し、ファインダー8100のほか、ストロボ装置等を接続することができる。
ファインダー8100は、筐体8101、表示部8102、ボタン8103等を有する。
筐体8101は、カメラ8000のマウントと係合するマウントを有しており、ファインダー8100をカメラ8000に取り付けることができる。また当該マウントには電極を有し、当該電極を介してカメラ8000から受信した映像等を表示部8102に表示させることができる。
ボタン8103は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン8103により、表示部8102の表示のオン・オフを切り替えることができる。
カメラ8000の表示部8002、及びファインダー8100の表示部8102に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
なお、図25(A)では、カメラ8000とファインダー8100とを別の電子機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ8000の筐体8001に、表示装置を備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
図25(B)は、ヘッドマウントディスプレイ8200の外観を示す図である。
ヘッドマウントディスプレイ8200は、装着部8201、レンズ8202、本体8203、表示部8204、ケーブル8205等を有している。また装着部8201には、バッテリ8206が内蔵されている。
ケーブル8205は、バッテリ8206から本体8203に電力を供給する。本体8203は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部8204に表示させることができる。また、本体8203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を入力手段として用いることができる。
また、装着部8201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい。本体8203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知することにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部8201には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使用者の生体情報を表示部8204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭部の動きなどを検出し、表示部8204に表示する映像をその動きに合わせて変化させてもよい。
表示部8204に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図25(C)(D)(E)は、ヘッドマウントディスプレイ8300の外観を示す図である。ヘッドマウントディスプレイ8300は、筐体8301と、表示部8302と、バンド状の固定具8304と、一対のレンズ8305と、を有する。
使用者は、レンズ8305を通して、表示部8302の表示を視認することができる。なお、表示部8302を湾曲して配置させる好適である。表示部8302を湾曲して配置することで、使用者が高い臨場感を感じることができる。なお、本実施の形態においては、表示部8302を1つ設ける構成について例示したが、これに限定されず、例えば、表示部8302を2つ設ける構成としてもよい。この場合、使用者の片方の目に1つの表示部が配置されるような構成とすると、視差を用いた3次元表示等を行うことも可能となる。
なお、表示部8302に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の半導体装置を有する表示装置は、極めて精細度が高いため、図25(E)のようにレンズ8305を用いて拡大したとしても、使用者に画素が視認されることなく、より現実感の高い映像を表示することができる。
<5−3.電子機器2>
次に、図25(A)乃至図25(E)に示す電子機器と、異なる電子機器の一例を図26(A)乃至図26(G)に示す。
図26(A)乃至図26(G)に示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
図26(A)乃至図26(G)に示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図26(A)乃至図26(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図26(A)乃至図26(G)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図26(A)乃至図26(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図26(A)は、テレビジョン装置9100を示す斜視図である。テレビジョン装置9100は、表示部9001を大画面、例えば、50インチ以上、または100インチ以上の表示部9001を組み込むことが可能である。
図26(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
図26(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図26(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図26(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図26(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図26(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図26(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
次に、図25(A)乃至図25(E)に示す電子機器、及び図26(A)乃至図26(G)に示す電子機器と異なる電子機器の一例を図27(A)(B)に示す。図27(A)(B)は、複数の表示パネルを有する表示装置の斜視図である。なお、図27(A)は、複数の表示パネルが巻き取られた形態の斜視図であり、図27(B)は、複数の表示パネルが展開された状態の斜視図である。
図27(A)(B)に示す表示装置9500は、複数の表示パネル9501と、軸部9511と、軸受部9512と、を有する。また、複数の表示パネル9501は、表示領域9502と、透光性を有する領域9503と、を有する。
また、複数の表示パネル9501は、可撓性を有する。また、隣接する2つの表示パネル9501は、それらの一部が互いに重なるように設けられる。例えば、隣接する2つの表示パネル9501の透光性を有する領域9503を重ね合わせることができる。複数の表示パネル9501を用いることで、大画面の表示装置とすることができる。また、使用状況に応じて、表示パネル9501を巻き取ることが可能であるため、汎用性に優れた表示装置とすることができる。
また、図27(A)(B)においては、表示領域9502が隣接する表示パネル9501で離間する状態を図示しているが、これに限定されず、例えば、隣接する表示パネル9501の表示領域9502を隙間なく重ねあわせることで、連続した表示領域9502としてもよい。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。ただし、本発明の一態様の半導体装置は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
ACF1 導電材料
AF1 配向膜
AF2 配向膜
ANODE_X−1 アノード線
C1 容量素子
C2 容量素子
CF1 着色膜
Cs1 容量素子
DL_Y−1 データ線
G1 走査線
G2 走査線
KB1 構造体
S1 信号線
S2 信号線
SW1 スイッチ
SW2 スイッチ
Tr1 トランジスタ
Tr2 トランジスタ
Tr11 トランジスタ
Tr12 トランジスタ
VCOM1 配線
VCOM2 配線
10 画素
11a ゲートドライバ
11b ゲートドライバ
12 デマルチプレクサ
13 ソースドライバ
50 半導体装置
55 画素回路
102 基板
104 導電膜
104a 導電膜
104b 導電膜
106 絶縁膜
108 酸化物半導体膜
108a 酸化物半導体膜
108b 酸化物半導体膜
108c 酸化物半導体膜
112a 導電膜
112b 導電膜
112c 導電膜
112d 導電膜
116a 絶縁膜
116b 絶縁膜
126 絶縁膜
128 酸化物半導体膜
138 導電膜
142 EL層
144 導電膜
150 発光層
151 正孔注入層
152 正孔輸送層
153 電子輸送層
154 電子注入層
160 発光素子
210a 絶縁膜
210b 絶縁膜
212a 導電膜
212b 導電膜
216 絶縁膜
216a 絶縁膜
216b 絶縁膜
222a 導電膜
222b 導電膜
230 絶縁膜
240 トランジスタ
252 開口部
253 導電膜
255 容量素子
257 液晶素子
258 走査線
259 信号線
265 容量線
270 発光素子
501C 絶縁膜
504 導電膜
505 接合層
506 絶縁膜
508 半導体膜
511B 導電膜
511C 導電膜
512 導電膜
512A 導電膜
512B 導電膜
516 絶縁膜
518 絶縁膜
519 絶縁膜
519B 端子
519C 端子
520 機能層
521 絶縁膜
522 接続部
524 導電膜
528 絶縁膜
530 画素回路
550 表示素子
551 電極
552 電極
553 層
570 基板
591A 開口部
591B 開口部
591C 開口部
700TPA 表示装置
702 画素
705 封止材
706 絶縁膜
709 接合層
710 基板
719 端子
720 機能層
750 表示素子
751 電極
751H 開口部
752 電極
753 層
770 基板
770D 機能膜
770P 機能膜
771 絶縁膜
775 検知素子
7000 表示モジュール
7001 上部カバー
7002 下部カバー
7003 FPC
7004 タッチパネル
7005 FPC
7006 表示パネル
7007 バックライト
7008 光源
7009 フレーム
7010 プリント基板
7011 バッテリ
8000 カメラ
8001 筐体
8002 表示部
8003 操作ボタン
8004 シャッターボタン
8006 レンズ
8100 ファインダー
8101 筐体
8102 表示部
8103 ボタン
8200 ヘッドマウントディスプレイ
8201 装着部
8202 レンズ
8203 本体
8204 表示部
8205 ケーブル
8206 バッテリ
8300 ヘッドマウントディスプレイ
8301 筐体
8302 表示部
8304 固定具
8305 レンズ
9000 筐体
9001 表示部
9003 スピーカ
9005 操作キー
9006 接続端子
9007 センサ
9008 マイクロフォン
9050 操作ボタン
9051 情報
9052 情報
9053 情報
9054 情報
9055 ヒンジ
9100 テレビジョン装置
9101 携帯情報端末
9102 携帯情報端末
9200 携帯情報端末
9201 携帯情報端末
9500 表示装置
9501 表示パネル
9502 表示領域
9503 領域
9511 軸部
9512 軸受部

Claims (12)

  1. 基板上に、周辺回路と、画素部を有し、
    前記画素部は複数の画素を有し、
    前記複数の画素のそれぞれは第1のトランジスタを有し、
    前記周辺回路は第2のトランジスタを有し、
    前記第1のトランジスタは、
    第1の電極と、
    前記第1の電極上の第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上の、前記第1の電極と重なる第1の金属酸化物膜と、
    前記第1の金属酸化物膜上の第1のソース電極および第1のドレイン電極と、
    前記第1の金属酸化物膜、前記第1のソース電極および前記第1のドレイン電極上の第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上の第4の絶縁膜と、を有し、
    前記第2のトランジスタは、
    第2の電極と、
    前記第2の電極上の前記第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上の、前記第2の電極と重なる第2の金属酸化物膜と、
    前記第2の金属酸化物膜上の第3の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜上の第3の電極と、
    前記第3の電極上の前記第4の絶縁膜と、
    前記第4の絶縁膜上の第2のソース電極および第2のドレイン電極と、を有し、
    前記第2の電極は、前記第1のソース電極及び前記第1のドレイン電極と同じ材料で形成されることを特徴とする、半導体装置。
  2. 基板上に、周辺回路と、画素部と、前記周辺回路と前記画素部を接続する接続部と、を有し、
    前記画素部は複数の画素を有し、
    前記複数の画素のそれぞれは第1のトランジスタを有し、
    前記周辺回路は第2のトランジスタを有し、
    前記第1のトランジスタは、
    第1の電極と、
    前記第1の電極上の第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上の、前記第1の電極と重なる第1の金属酸化物膜と、
    前記第1の金属酸化物膜上の第1のソース電極および第1のドレイン電極と、
    前記第1の金属酸化物膜、前記第1のソース電極および前記第1のドレイン電極上の第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上の第4の絶縁膜と、を有し、
    前記第2のトランジスタは、
    第2の電極と、
    前記第2の電極上の前記第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上の、前記第2の電極と重なる第2の金属酸化物膜と、
    前記第2の金属酸化物膜上の第3の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜上の第3の電極と、
    前記第3の電極上の前記第4の絶縁膜と、
    前記第4の絶縁膜上の第2のソース電極および第2のドレイン電極と、を有し、
    前記第2の電極は、前記第1のソース電極及び前記第1のドレイン電極と同じ材料で形成され、
    前記接続部は第5の電極と、
    前記第5の電極上の第6の電極と、を有し、
    前記第5の電極は前記第1の電極と同じ材料で形成され、
    前記第6の電極は前記第1のソース電極、前記第1のドレイン電極及び前記第2の電極と同じ材料で形成されることを特徴とする、半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記第2のソース電極は前記第4の絶縁膜中に設けられた第1の開口部を介して前記第2の金属酸化物膜と電気的に接続され、
    前記第2のドレイン電極は前記第4の絶縁膜中に設けられた第2の開口部を通して前記第2の金属酸化物膜と電気的に接続されることを特徴とする、半導体装置。
  4. 請求項1または請求項2において、
    前記第1のトランジスタは、
    前記第4の絶縁膜上に第5の絶縁膜を有し、
    前記第5の絶縁膜上に第4の電極を有し、
    前記第5の絶縁膜は前記第3の絶縁膜と同じ材料で形成され、
    前記第4の電極は前記第3の電極と同じ材料で形成されることを特徴とする、半導体装置。
  5. 基板上に、周辺回路と、画素部を有し、
    前記画素部は複数の画素を有し、
    前記複数の画素のそれぞれは第1のトランジスタを有し、
    前記周辺回路は第2のトランジスタを有し、
    前記第1のトランジスタは、第1のゲート電極、第1のゲート絶縁膜、第1の金属酸化物膜、第2のゲート絶縁膜、第2のゲート電極、第1のソース電極、第1のドレイン電極を有し、
    前記第2のトランジスタは第3のゲート電極、第3のゲート絶縁膜、第2の金属酸化物膜、第4のゲート絶縁膜、第4のゲート電極、第2のソース電極、第2のドレイン電極を有し、
    前記第1のゲート電極は前記第2のソース電極、及び前記第2のドレイン電極と同じ材料で形成され、
    前記第2のゲート絶縁膜は、前記第3のゲート絶縁膜、及び前記第4のゲート絶縁膜と同じ工程で形成された絶縁膜が積層されていることを特徴とする、半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記周辺回路はゲートドライバであることを特徴とする、半導体装置。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記周辺回路はデマルチプレクサであることを特徴とする、半導体装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
    前記第1の金属酸化物と前記第2の金属酸化物は組成が異なることを特徴とする、半導体装置。
  9. 請求項8において、前記第1の金属酸化物膜はInと、Znと、Gaと、をIn:Ga:Zn=1:1:1(原子数比)及びその近傍の組成で有し、
    前記第2の金属酸化物膜はInと、Znと、Gaと、をIn:Ga:Zn=4:2:4.1(原子数比)及びその近傍の組成で有することを特徴とする、半導体装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、
    前記画素部は液晶を有することを特徴とする、半導体装置。
  11. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、
    前記画素部は有機化合物層を有することを特徴とする、半導体装置。
  12. 請求項1又は請求項2において、更に
    複数の信号線を有し、
    前記複数の画素のそれぞれは、更に第1の表示素子と、第1の導電膜と、第2の絶縁膜と、画素回路と、第2の表示素子と、を有し、
    前記複数の画素の一つと前記複数の信号線の一つは電気的に接続され、
    前記第1の導電膜は前記第1の表示素子と電気的に接続され、
    前記第1のソース電極および前記第1のドレイン電極の一方は、前記第1の導電膜と重なる領域を備え、
    前記第2の絶縁膜は、前記第1のソース電極および前記第1のドレイン電極の一方と前記第1の導電膜の間に挟まれる領域を備え、
    前記画素回路は、前記複数の信号線の一つと電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタは前記画素回路に含まれ、
    前記第2の表示素子は、前記画素回路に含まれ、
    前記第2の絶縁膜は開口部を備え、
    前記第1のソース電極および前記第1のドレイン電極の一方は、前記開口部において前記第1の導電膜と電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
JP2016169077A 2016-08-31 2016-08-31 半導体装置、該半導体装置を有する表示装置 Withdrawn JP2018037510A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169077A JP2018037510A (ja) 2016-08-31 2016-08-31 半導体装置、該半導体装置を有する表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169077A JP2018037510A (ja) 2016-08-31 2016-08-31 半導体装置、該半導体装置を有する表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018037510A true JP2018037510A (ja) 2018-03-08

Family

ID=61567649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016169077A Withdrawn JP2018037510A (ja) 2016-08-31 2016-08-31 半導体装置、該半導体装置を有する表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018037510A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019186823A1 (ja) * 2018-03-28 2019-10-03 シャープ株式会社 表示装置
CN113764517A (zh) * 2020-06-05 2021-12-07 夏普株式会社 有源矩阵基板及其制造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019186823A1 (ja) * 2018-03-28 2019-10-03 シャープ株式会社 表示装置
CN113764517A (zh) * 2020-06-05 2021-12-07 夏普株式会社 有源矩阵基板及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6775096B2 (ja) 半導体装置
US11587982B2 (en) Light-emitting device including a plurality of transistors below a plurality of optical elements
US11659758B2 (en) Display unit, display module, and electronic device
US10510806B2 (en) Light-emitting element, light-emitting device, electronic device, and lighting device
US10340470B2 (en) Light-emitting element, display device, electronic device, and lighting apparatus
US20230209851A1 (en) Light-Emitting Element, Display Device, Electronic Device, and Lighting Device
US20170271610A1 (en) Light-emitting element, display device, electronic device, and lighting device
US20220029121A1 (en) Light-Emitting Device, Light-Emitting Apparatus, Light-Emitting Module, Lighting Device, Display Apparatus, Display Module, and Electronic Device
US12004400B2 (en) Light-emitting apparatus, lighting device, display device, module, and electronic device
JP2018037510A (ja) 半導体装置、該半導体装置を有する表示装置
US20220231248A1 (en) Display Device, Display Module, and Electronic Device
WO2022162482A1 (ja) 発光装置、電子機器、表示装置および照明装置
TWI840900B (zh) 半導體裝置及包括半導體裝置的顯示裝置
KR20230078553A (ko) 유기 반도체 소자, 유기 el 소자, 및 포토다이오드
KR20240104052A (ko) 발광 디바이스

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200828

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20200909