JP2018037247A - 積層型全固体二次電池 - Google Patents

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繁貴 坪内
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明彦 野家
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Hiroshi Sakabe
啓 坂部
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Abstract

【課題】バイポーラ電極を用いた積層型全固体二次電池において、集電箇所の自由度を向上させる。【解決手段】正極、固体電解質層、および負極が積層されることで、並列電極体内で電気的な並列接続が構成され、バイポーラ電極を介して、複数の並列電極体が電気的に直列接続され、バイポーラ電極は、正極および負極に対向して配置されており、バイポーラ電極集電箔と、バイポーラ電極に対向して配置されている正極の正極集電箔および負極の負極集電箔と、は、分離されている積層型全固体二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、積層型全固体二次電池に関する。
電気自動車の課題は航続距離であり、電池の適用に向けて、電池の高エネルギー密度化が求められている。そのためには、電池を小型化する必要がある。通常の電解液を用いたリチウムイオン電池では、セル外部での直列が主流であり。積層電池を考えた場合、体積ロスとなる。その体積ロスをなくすために、片面に正極活物質が形成され、他方の面に負極活物質が形成された双極型(バイポーラ)電極を用いたセル内での直列技術が開発されている。さらに、電池のセル単体のみならず、モジュール、最終的にはコントローラを含めたパックの小型化を実現するには、多直多並列化の構造を最適化し、集電構造の自由度を上げることが必要である。
例えば、特許文献1では、固体電解質の一方の面に正極電極層が形成され他方の面に負極正極電極層が形成されてなるリチウム電池の単位セルと、単位セルと交互に積層される内部電極層とを含むバイポーラ型の積層電池を複数個有し、複数の積層電池は、正極集電箔および負極集電箔を介して積み重ねられ、かつ並列に電気接続され、さらに、モールド樹脂によって封止された全固体電池が開示されている。また、特許文献2には、正極用電極2の両面には正極活物質層51,52が形成され、負極用電極4の両面には負極活物質層63,64が形成されている。複数の集電体は、電気的に互いに接続された3枚の集電体(第1集電体〜第3集電体)によって1つの電極単位を構成する。第1集電体3aと第2集電体3bとの間に正極用電極2が介在されて1つの単電池を形成し、第2集電体3bと第3集電体3cとの間に負極用電極4が介在されて他の1つの単電池を形成している技術が開示されている。
特開2014−116156号公報 特開2013−131463号公報
特許文献1では、バイポーラ電極の対極の一方がバイポーラ電極となる。この構造では直列部の電圧バランシング制御を考えた際に集電箇所が制限される。また、特許文献2では、バイポーラ電極と正極および負極が一枚の箔で繋がっているために、同様に集電箇所が制限される。
本発明は、バイポーラ電極を用いた積層型全固体二次電池において、集電箇所の自由度を向上させることである。
上記課題を解決する手段は、例えば次の通りである。
複数の並列電極体および複数のバイポーラ電極を有し、複数の並列電極体は、それぞれ、正極、固体電解質層、および負極を有し、正極は、正極集電箔および正極集電箔の両面に形成された正極合剤層を有し、負極は、負極集電箔および負極集電箔の両面に形成された負極合剤層を有し、バイポーラ電極は、バイポーラ電極集電箔、バイポーラ電極集電箔の一方面に形成された正極合剤層、およびバイポーラ電極集電箔の他方面に形成された負極合剤層を有し、正極、固体電解質層、および負極が積層されることで、並列電極体内で電気的な並列接続が構成され、バイポーラ電極を介して、複数の並列電極体が電気的に直列接続され、バイポーラ電極は、正極および負極に対向して配置されており、バイポーラ電極集電箔と、バイポーラ電極に対向して配置されている正極の正極集電箔および負極の負極集電箔と、は、分離されている積層型全固体二次電池。
本発明によれば、バイポーラ電極を用いた積層型全固体二次電池において、集電箇所の自由度を向上できる。上記した以外の課題、構成および効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る積層型全固体二次電池の断面模式図。 本発明の一実施形態に係る積層型全固体二次電池の断面模式図。 本発明の一実施形態に係る積層型全固体二次電池の平面模式図。 本発明の一実施形態に係る積層型全固体二次電池の断面模式図。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型全固体二次電池の模式図である。図1の積層型全固体二次電池1000は、正極101、負極201、バイポーラ電極301、固体電解質層401、補助線501(電気的接続部)を有している。積層型全固体二次電池1000は、これらを図示しないケースに収納することで構成される。図1は説明のために、正極101、負極201、バイポーラ電極301、固体電解質層401を空間的に離して図示しているが、実際の電池では各々の間には空間はなく、面内で接触している。図1では、正極101、固体電解質層401、負極201、固体電解質層401、正極101、固体電解質層401、バイポーラ電極301、固体電解質層401、負極201、固体電解質層401、の順で積層されており、この積層順の繰り返しで積層型全固体二次電池1000が構成されている。以下では、正極101、負極201を電極と称する場合がある。
正極101は、正極合剤層102および正極集電箔103を有する。正極集電箔103は、正極端子部104および正極塗工部105を有する。正極塗工部105の両面に正極合剤層102が形成されている。正極端子部104には、正極合剤層102は形成されていない。負極201は、負極合剤層202および負極集電箔203を有する。負極集電箔203は、負極端子部204および負極塗工部205を有する。負極塗工部205の両面に負極合剤層202が形成されている。負極端子部204には、負極合剤層202は形成されていない。図1の最下部の正極101と最上部の負極201には、便宜上電極集電箔の片面のみに電極合剤層が形成されている。以下では、正極集電箔103、負極集電箔203を電極集電箔と称する場合、正極合剤層102、負極合剤層202を電極合剤層と称する場合がある。
バイポーラ電極301は、バイポーラ電極集電箔303、正極合剤層102、および負極合剤層202を有する。バイポーラ電極集電箔303は、バイポーラ電極端子部304およびバイポーラ電極塗工部305を有する。バイポーラ電極塗工部305の両面に正極合剤層102、負極合剤層202が形成される。バイポーラ電極端子部304には、正極合剤層102、負極合剤層202は形成されていない。
図1では、正極101および固体電解質層401、または負極201および固体電解質層401で電極体が構成されており、最下部から電極体a〜電極体jの順番でアルファベット順に記載されている。電極体a、電極体b、電極体c、電極体dのセット(並列電極体)、電極体d、電極体e、電極体f、電極体gのセット、電極体g、電極体h、電極体i、電極体jのセット、で3並列接続が構成されている。換言すれば、各セット中の電極体が補助線501で接続されることで、各電極体が並列に接続される。電極体a、電極体c中の電極、電極体b、電極体d、電極体f中の電極、電極体e、電極体g、電極体i中の電極、電極体h、電極体j中の電極が、補助線501で接続されている。
これらのセットがバイポーラ電極301を介して電気的に直列に接続されている。図1の積層型全固体二次電池1000は、3直列3並列で構成されている。
図1では、電極のある一辺方向に全ての電極端子部が形成されている。図1の断面模式図では、電極端子部の位置から、3直列3並列の構造において、同一電極辺において電極端子部を2箇所にまとめたとしても、補助線501が無理なく接続し、各々の補助線501が干渉しないことを示している。
図2は、本発明の一実施形態に係る積層型全固体二次電池の断面模式図であり、図1と同じ3直列3並列の積層型全固体二次電池を電極端子部の横方向から見た断面模式図である。図2の断面模式図は説明のために、正極101、負極201、バイポーラ電極301、固体電解質層401を空間的に離して図示しているが、実際の電池では各々の間には空間はなく、面内で接触している。
また、図2の断面模式図では、断面方向で電極端子部の長さを揃えることができ、発電に関与しない電極端子部の空間を縮小できる。さらに、図2の平面模式図では、電極と電解質を下からアルファベットで示した順に積層することによって、各々の補助線501が干渉せずに、電極端子部を電極の一辺の同一方向に配置できる。
図3は、本発明の一実施形態に係る積層型全固体二次電池の平面模式図であり、図1と同じ3直列3並列の多積層電池を電極端子部の横方向から見た積層形態を示した平面模式図である。図3の断面模式図は説明のために、正極101、負極201、バイポーラ電極301、固体電解質層401を空間的に離して図示しているが、実際の電池では各々の間には空間はなく、面内で接触している。図3の平面模式図は説明のために、ずらして示しているが実際の積層体は全て電極合剤層が重なるように積層されている。
上記のように、バイポーラ電極301の対極の一方が、正極集電箔103の両面に正極合剤層102が形成された正極101(モノポーラ電極)、バイポーラ電極301の対極のもう一方が、負極集電箔203の両面に負極合剤層202が形成された負極201(モノポーラ電極)である。換言すれば、バイポーラ電極301は、並列電極体内の正極101および負極201に対向して配置されている。また、バイポーラ電極301の集電箔とモノポーラ電極の集電箔とが分離して積層されている。換言すれば、バイポーラ電極集電箔303と、バイポーラ電極301に対向して配置されている正極101の正極集電箔103および負極201の負極集電箔203と、は、分離されている。これにより、同一方向で集電させる等、集電箇所の自由度を向上させることができる。
<正極101>
正極合剤層102は、正極活物質、必要に応じて導電剤、バインダから構成される。正極活物質として、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiMn、LiMnO、LiMn12、LiMn2−x(ただし、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn、Taであって、x=0.01〜0.2)、LiMnMO(ただし、M=Fe、Co、Ni、Cu、Zn)、Li1−xAxMn(ただし、A=Mg、Ba、B、Al、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、Caであって、x=0.01〜0.1)、LiNi1−xMxO(ただし、M=Co、Fe、Ga、x=0.01〜0.2)、LiFeO、Fe(SO、LiCo1−x(ただし、M=Ni、Fe、Mnであって、x=0.01〜0.2)、LiNi1−x(ただし、M=Mn、Fe、Co、Al、Ga、Ca、Mgであって、x=0.01〜0.2)、Fe(MoO、FeF、LiFePO、LiMnPOなどが挙げられるが、これらに限定されない。
正極集電箔103には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられ、材質もアルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の正極集電箔103を使用することができる。
<負極201>
負極合剤層202は、負極活物質、必要に応じて導電剤、バインダから構成される。負極活物質は、グラフェン構造を有する炭素材料と、場合によってはSiと酸化Si材料もしくはSi合金材料との複合材料から構成されてもよい。また、場合によっては溶出析出可能なLi金属およびLi金属合金を用いることができる。グラフェン構造を有する炭素材料は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェ−ズ炭素、膨張黒鉛、炭素繊維、気相成長法炭素繊維、ピッチ系炭素質材料、ニードルコークス、石油コークス、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、カーボンブラックのなどの炭素質材料、あるいは5員環または6員環の環式炭化水素または環式含酸素有機化合物を熱分解によって合成した非晶質炭素材料、などが利用可能であるが、これらに限定されない。
負極集電箔203には、厚さが10〜100μmの銅箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられ、材質も銅の他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の負極集電箔203を使用することができる。
<バイポーラ電極301>
バイポーラ電極集電箔303には、前述の正極集電箔や負極集電箔に加えて、正極集電箔と負極集電箔を積層したバイポーラ集電箔などが用いられる。これら集電箔の厚さは10nm〜1mmである。より好ましくは、二次電池のエネルギー密度と電極の機械強度両立の観点から1〜100μm程度が望ましい。
<固体電解質層401>
固体電解質層401は、固体電解質を含む。固体電解質層401は、バイポーラ電極301の両極の電解質が完全に分離される構造であれば特に制限されるものではない。固体電解質として、LIPO−LiS−SiS、LiS−P、Li10GePS12、Li4−xGe1−xなどの硫化物系、Li−La−Zr−Oなどの酸化物系、高分子からなるゲルおよび固体高分子電解質、イオン液体や常温溶融塩などを有機高分子や無機粒子などに担持させたポリマー型、有機溶媒と無機物との分子間相互作用により固体化した電解質等、電池の動作温度範囲内で流動性を示さない材料が挙げられる。
固体電解質層401は、粉体の圧縮、結着材との混合、スラリー化した固体電解質層401の離型材への塗布や担持体への含浸などにより形成する。固体電解質層401の厚さは電池のエネルギー密度、電子絶縁性の確保等の観点から数nm〜数mmのサイズとなる。固体電解質層401の面積は負極合剤層202の面積同等あるいはそれ以上が、望ましいがあまり大きすぎると直列部の固体電解質層401の接触を招くため、負極合剤層202に対して固体電解質層401がはみ出る余白部分は5mm以下が望ましい。
図4は、本発明の一実施形態に係る積層型全固体二次電池の一例として3直列9並列でかつ、電極の同一辺に電極端子部をずらして配列した積層型全固体二次電池の断面模式図である。図4の断面模式図では、正極101、負極201、バイポーラ電極301、固体電解質層401が各々の間で空間はなく、面内で接触して配置している構造を示している。また、図4の断面模式図は電極端子部の前面方向から見た図である。
図4の断面模式図から、電極の積層数によらず同一電極辺において電極端子部を配置しても、補助線501が無理なく接続し、各々の補助線501が干渉しないことを示している。また、正極端子部104および負極端子部204が、複数の並列電極体毎にずれて形成されていることにより、バイポーラ電極301が一枚の電極箔の場合、プロセス上端子を容易に接続できる。
101 正極
102 正極合剤層
103 正極集電箔
104 正極端子部
105 正極塗工部
201 負極
202 負極合剤層
203 負極集電箔
204 負極端子部
205 負極塗工部
301 バイポーラ電極
303 バイポーラ電極集電箔
304 バイポーラ電極端子部
305 バイポーラ電極塗工部
401 固体電解質層
501 補助線
1000 積層型全固体二次電池

Claims (3)

  1. 複数の並列電極体および複数のバイポーラ電極を有し、
    前記複数の並列電極体は、それぞれ、正極、固体電解質層、および負極を有し、
    正極は、正極集電箔および前記正極集電箔の両面に形成された正極合剤層を有し、
    負極は、負極集電箔および前記負極集電箔の両面に形成された負極合剤層を有し、
    バイポーラ電極は、バイポーラ電極集電箔、前記バイポーラ電極集電箔の一方面に形成された正極合剤層、および前記バイポーラ電極集電箔の他方面に形成された負極合剤層を有し、
    前記正極、前記固体電解質層、および前記負極が積層されることで、前記並列電極体内で電気的な並列接続が構成され、
    前記バイポーラ電極を介して、前記複数の並列電極体が電気的に直列接続され、
    前記バイポーラ電極は、前記正極および前記負極に対向して配置されており、
    前記バイポーラ電極集電箔と、前記バイポーラ電極に対向して配置されている前記正極の正極集電箔および前記負極の前記負極集電箔と、は、分離されている積層型全固体二次電池。
  2. 請求項1の積層型全固体二次電池であって、
    前記正極集電箔は、正極端子部を有し、
    前記負極集電箔は、負極端子部を有し、
    前記正極端子部が前記正極の一辺方向に全て形成されており、
    前記負極端子部が前記負極の一辺方向に全て形成されている積層型全固体二次電池。
  3. 請求項2の積層型全固体二次電池であって、
    前記正極端子部および前記負極端子部は、前記複数の並列電極体毎にずれて形成されている積層型全固体二次電池。
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