JP2018036879A - 生体情報記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出される脈拍数等の生体情報に基づいて事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる情報を出力する。
【解決手段】 事象が起こった旨の信号を受信する信号受信部10と、座席に取り付けられ非接触で着席者の生体情報を検出する生体情報検出部20と、着席者の有無を判定する着席有無判定部30と、着席有無判定部が判定した着席者の有無を記録する着席状態記録部60と、生体情報検出部が検出した生体情報をそれぞれ所定時間に亘って記録し、第1の所定時間経過後に消去する生体情報記録部40と、生体情報検出部が検出した生体情報に基づいて、標準的生体情報を記録する標準的生体情報記録部50と、を備え、信号受信部が信号を受信したときに、生体情報記録部は、消去処理を停止し、第2の所定時間に亘って生体情報を記録すると共に、着席状態記録部は、各生体情報の記録に対応して着席の有無を記録する生体情報記録装置100。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の乗員の生体情報を記録する生体情報記録装置に関する。
従来から、車両に搭載され、乗員の脈拍などの生体情報を検出し、所定時間記録すると共に、事故などの事象が発生した場合には外部に通報する技術が知られている。例えば、特許文献1は、車両の走行状態、走行環境等に応じて的確に保存のためのトリガーを発生できるドライビングレコーダを開示する。このドライビングレコーダは、動きパラメータ測定手段と、カメラと、映像一時記憶手段と、所定の閾値を超えたときにトリガーを発生するトリガー発生手段と、映像保存登録手段と、車両の運転状況に応じて閾値をシフトさせるための情報を取得する閾値シフト判断情報取得手段と、閾値シフト判断情報取得手段により取得した情報に基づき、所定の閾値を高域側または低域側にシフトさせる閾値シフト手段とを備える。そして、閾値シフト判断情報取得手段は、車両の運転者の心拍数を検出する心拍数検出センサ、発汗量を検出する発汗センサからの発汗量情報を生体情報として取得する生体情報取得手段などを有する。
また、特許文献2は、記憶手段に記憶した情報によって、事故の原因、過程などの客観的な評価を可能とする車両制御システムを開示する。この車両制御システムは、車両の各種制御を行う複数の制御ユニットと、身体情報制御ユニットと、各制御ユニットからの情報を送信または受信可能とする制御エリア通信手段とを備える。車両制御システムは、一の制御ユニットが情報を制御エリア通信手段に載せるように制御する一方、身体情報制御ユニットの情報を制御エリア通信手段に載せるように制御し、制御エリア通信手段に接続される不揮発性の記憶手段をさらに有する。車両制御システムが、所定の加速度情報と乗員拘束装置の作動情報とのうち1つ以上の情報が制御エリア通信手段に載せられた際には、載せられた時点を含む前後の所定時間にわたるその情報および心拍数に関する情報を記憶手段に記憶するように制御する。
また、特許文献3は、事故発生後であっても運転中の乗員の身体状態を確認することができる車両用データ記録装置と車両用事故通報装置を開示する。この車両用データ記録装置は、車両運転者の身体に装着することで車両運転者のバイタルサインを検出する身体装着端末と、身体装着端末の検出結果を受信する端末通信部と、車両運転者が運転中のストレスを感じることの少ない平常な状態であるか否かを車両状態に基づいて判定する状態判定部と、状態判定部が平常な状態であると判定した場合、端末通信部が受信した検出結果を平常時データとして所定時間記録するイベントデータレコーダとを備える。また、車両用事故通報装置は、この車両用データ記録装置と、事故が発生した場合、所定の外部機関に通報し、イベントデータレコーダに記録された平常時データを外部機関に送信する外部通信部を有する。
また、特許文献4は、ユーザの生体情報における危険度を正確に判断することができる生体状態監視装置を開示する。この生体状態監視装置は、ユーザから心電波形及び脈波を含む生体情報を取得する生体情報取得手段と、心電波形から不整脈を検出する不整脈検出手段と、不整脈に対応する脈波から脈波特徴量を抽出する脈波特徴量抽出手段と、(A)不整脈検出手段で検出した不整脈の種類及び/又は時間、及び(B)脈波特徴量抽出手段により抽出した脈波特徴量又はその変化量を用いて、ユーザの生体状態における危険度を判定する生体状態判断手段と、不整脈及び脈波特徴量を記憶する生体情報記憶手段とを備える。生体状態判断手段は、生体情報記憶手段に記憶されている過去の規定時間内の脈波特徴量と、脈波特徴量抽出手段で抽出した脈波特徴量との対比結果を用いて、生体状態の危険度を判定する。
また、特許文献5は、乗員の生体信号を検知し、生体信号の精度の劣化を防止する生体信号検知装置を開示する。この生体信号検知装置は、電波式の無変調ドップラーセンサにより乗員の動きを検知するセンサ部と、センサ部の出力の位相変化に基づいて、乗員の生体信号を抽出する生体信号抽出部と、センサ部の出力の位相変化量の積分値に基づいて、センサ部と乗員との推定距離を算出する距離算出部と、推定距離に基づいて、生体信号の信頼度を判定し、信頼度が低い場合には生体信号の出力を中止する生体信号出力判定部とを備える。運転者が実際に車両を運転している最中は、体動だけでなく、上半身がより大きく動くことが想定される。例えば、エアコンやカーオーディオ等を操作する、見通しの悪い場所での視界確保のために前屈みの姿勢をとる、運転で萎縮した筋肉を伸ばすために上半身のストレッチ運動をする等が挙げられる。このような場合は、上半身が運転座席の背もたれから離れた状態となり、心拍による微小な変位よりもはるかに大きな上半身の変位が生じる可能性が高い。このように上半身がダイナミックに動いた場合に対応した処理を行わないために、計測した心拍の精度が低下してしまう恐れがある。
特開2007−011815号公報 特開2008−225827号公報 特開2016−085730号公報 特開2012−081194号公報 特開2010−120493号公報
たとえば、電波式に代表される非接触式の脈拍センサを用いた場合、座席に適切に座っていた人が、衝突事故が発生した場合の衝撃で、着座位置が移動したり、座席から離れたりしてしまうことがある。このようなときに、例えば、電波式の脈拍センサが座席の背もたれに設けられている場合、脈拍数が誤って小さく出力される場合がある。このようにして誤って出力された脈拍数に基づいて、人の生体状態を適切に判断することはできない。
そこで、本発明は、車両の乗員の着座状態を把握することで、検出される脈拍数等の生体情報に基づいて事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる情報を出力する生体情報記録装置を提供する。
上記課題を解決するために、事象が起こった旨の信号を受信する信号受信部と、座席に取り付けられ非接触で着席者の生体情報を検出する生体情報検出部と、着席者の有無を判定する着席有無判定部と、着席有無判定部が判定した着席者の有無を記録する着席状態記録部と、生体情報検出部が検出した生体情報をそれぞれ所定時間に亘って記録し、第1の所定時間経過後に消去する生体情報記録部と、生体情報検出部が検出した生体情報に基づいて、標準的生体情報を記録する標準的生体情報記録部と、を備えた生体情報記録装置において、信号受信部が信号を受信したときに、生体情報記録部は、消去処理を停止し、第2の所定時間に亘って生体情報を記録すると共に、着席状態記録部は、各生体情報の記録に対応して着席の有無を記録する生体情報記録装置が提供される。
これによれば、各生体情報の記録に対応して着席の有無を記録することで、事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる生体情報記録装置を提供することができる。
上記課題を解決するために、事象が起こった旨の信号を受信する信号受信部と、座席に取り付けられ非接触で着席者の生体情報を検出する生体情報検出部と、着席者の有無を判定する着席有無判定部と、生体情報検出部が検出した生体情報をそれぞれ所定時間に亘って記録し、第1の所定時間経過後に消去する生体情報記録部と、生体情報検出部が検出した生体情報に基づいて、標準的生体情報を記録する標準的生体情報記録部と、を備えた生体情報記録装置において、信号受信部が信号を受信したときに、生体情報記録部は、消去処理を停止し、着席有無判定部が着席者の有りを検出した場合のみ、第2の所定時間に亘って生体情報を記録する生体情報記録装置が提供される。
これによれば、着席者有りの場合のみ生体情報を記録することで、事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる生体情報記録装置を提供することができる。
上記課題を解決するために、事象が起こった旨の信号を受信する信号受信部と、座席に取り付けられ非接触で着席者の生体情報を検出する生体情報検出部と、着席者の有無を判定する着席有無判定部と、生体情報検出部が検出した生体情報をそれぞれ所定時間に亘って記録し、第1の所定時間経過後に消去する生体情報記録部と、生体情報検出部が検出した生体情報に基づいて、標準的生体情報を記録する標準的生体情報記録部と、を備えた生体情報記録装置において、信号受信部が信号を受信したときに、生体情報記録部は、消去処理を停止し、着席有無判定部が着席者の有りを検出した場合のみ、生体情報検出部が検出する生体情報と、標準的生体情報記録部が記録した標準的生体情報とを送信する生体情報記録装置が提供される。
これによれば、着席者有りの場合のみ検出する生体情報と記録した標準的生体情報とを送信することで、事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる情報を出力する生体情報記録装置を提供することができる。
本発明によれば、検出される脈拍数等の生体情報に基づいて事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる情報を出力する生体情報記録装置を提供することができる。
本発明に係る第一実施例の生体情報記録装置のブロック図。 本発明に係る第一実施例の生体情報記録装置における制御方法を示すフローチャート。 本発明に係る第一実施例の生体情報記録装置における第一変形例の制御方法を示すフローチャート。 本発明に係る第一実施例の生体情報記録装置における第二変形例の制御方法を示すフローチャート。
<第一実施例>
図1を参照し、本実施例における生体情報記録装置100を説明する。生体情報記録装置100は、車両に設けられ、車両に衝突事故が発生した場合に運転手を含む車両の乗員の脈拍、呼吸、血圧などの生体情報を、有益かつ正確に記録し、また外部へ通知するものである。生体情報記録装置100は、所定期間車外や車内の映像や速度・加速度等の走行状態などを記録するドライブレコーダに組み込まれてもよい。
生体情報記録装置100は、事象が起こった旨の信号を受信する信号受信部10と、座席STに取り付けられ非接触で着席者Pの生体情報を検出する生体情報検出部20と、座席STにおける着席者Pの有無を判定する着席有無判定部30と、着席有無判定部30が判定した着席者Pの有無を記録する着席状態記録部60と、生体情報検出部20が検出した生体情報をそれぞれ所定時間に亘って記録し、第1の所定時間経過後に消去する生体情報記録部40と、生体情報検出部20が検出した生体情報に基づいて、標準的生体情報を記録する標準的生体情報記録部50と、検出した生体情報および記録された標準的生体情報を外部に送信する送信部70とを備える。
信号受信部10は、事象が起こった旨の信号を受信する。事象とは、車両に事故が発生した様子を言い、たとえば、加速度に急激な変化があった場合、エアバッグが展開された場合、バンパーなどの設置された車体センサに異常があった場合など、車両に衝突事故が発生したことを捉えたことを言う。事象が起こることにより、車内の乗員は、衝撃により元々座っていた座席STから移動している場合がある。かかる事象が起こった場合、後述する生体情報等の記録の消去を停止するきっかけとなる。信号受信部10は、本実施例では、加速度センサSAから事象を受信する。
生体情報検出部20は、座席STの背もたれや座面等に取り付けられた、非接触で着席者Pの生体情報を検出する非接触式生体センサSHから、脈拍、呼吸、血圧等の生体情報を検出する。非接触で生体情報を検出する非接触式生体センサSHとは、乗員が座るそれぞれの座席に設けられることが好ましく、着席者Pの身体の一部に向けて電波を照射し、照射した電波が着席者Pで反射した反射波を受信する。照射する電波は、生体の皮膚表面で反射する周波数の電波であればなんでもよいが、通常マイクロ波が好ましい。生体情報検出部20は、非接触式生体センサSHが受信した反射波を処理すると共に分析し、特徴量などから心拍、呼吸、血圧などの生体情報を検出する。
生体情報記録部40は、メモリを有し、そのメモリに各座席の非接触式生体センサSHから得て生体情報検出部20が検出した生体情報を時系列的に記録すると共に、所定時間(第1の所定時間)経過後に消去する。すなわち、生体情報記録部40は、一定のメモリ量の下で、たとえば運転を開始して記録を始めたら継続的に記録をし続けるために、所定時間経過したらそれ以前に記録したものを消去する。これにより、事象が起こった時から遡って一定の時間の記録が常に残されることになる。なお、「消去する」とは、新たな生体情報により既に記録された生体情報を上書きすることも含むものとする。
標準的生体情報記録部50は、生体情報検出部20が検出した生体情報に基づいて標準的生体情報を算出すると共に、メモリに記録する。標準的生体情報とは、生体情報記録部40が記録する生体情報から、たとえば、一定時間内の過去の平均値として算出したり、ストレスがかかった異常状態での生体情報を取り除き平常状態だけの生体情報を抽出し、その代表値として算出したりすることで求められる。すなわち、事象が起こる前の平常時の乗員の生体情報を算出した標準的生体情報を得ておくことで、事象が起こった後の非常時の乗員の生体情報と比較することが可能となる。
着席有無判定部30は、座席STに対応して設けられた着座センサSSから、その座席STに着席者Pが座っているか否か(着席者Pの有無)を判定する。着座センサSSは、たとえば、着席者Pの体重を検知して、所定の重量以上を検知した場合には、その座席STには着席者Pがありと判定し、その逆の場合には着席者Pはなしと判定する。なお、着席有無判定部30は、本実施例では、着座センサSSからの情報に基づいて着席者Pの有無を判定するが、これに限定されない。たとえば、着席有無判定部30は、車両が運転を開始してから継続的に生体情報記録部40において生体情報の記録がない場合、その座席STには着席者Pはなしと判定してもよい。
着席状態記録部60は、メモリを有し、そのメモリに、各座席に対応して着席有無判定部30が判定した着席者Pの有無を時系列的に記録すると共に、所定時間(第1の所定時間)経過後に消去する。すなわち、着席状態記録部60は、生体情報記録部40と同様、一定のメモリ量の下で、たとえば運転を開始して記録を始めたら継続的に記録をし続けるために、所定時間経過したらそれ以前に記録したものを消去する。これにより、事象が起こった時から遡って一定の時間の記録が常に残されることになる。
送信部70は、生体情報記録部40に記録された生体情報や、標準的生体情報記録部50に記録された標準的生体情報などを、生体情報記録装置100から外部へ出力するため送信する。送信部70は、事象が起こった場合に、乗員の生体情報を必要とする機構、たとえば、事故時の救急対応を行うための機構に直接的/間接的に送信する。送信部70は、直接的に外部へ送信するために電話回線を有してもよいし、車両に搭載された通信装置が車両外へ送信するために間接的に送信するためにCAN(Controller Area Network)などの有線ネットワークを利用してもよい。
図2を参照し、生体情報記録装置100における制御方法を説明する。フローチャートにおけるSはステップを意味する。生体情報記録装置100は、S100において、非接触式生体センサSH、着座センサSS、加速度センサSAなどにおいて検出を開始する。生体情報記録部40および着席状態記録部60は、S102において、事象が起こった旨の信号を受信する前は、既に生体情報記録部40に記録された生体情報や着席状態記録部60に記録された着席者Pの有無の情報を消去や上書きする等更新できる状態にする。
生体情報検出部20は、S104において、各座席STの非接触式生体センサSHの情報に基づいて、ここでは生体情報の1つである脈拍数を検出する。着席有無判定部30は、S106において、各座席STの着座センサSSの情報に基づいて着席者Pの有無を判定する。生体情報記録部40と標準的生体情報記録部50は、S108において、生体情報検出部20が検出した脈拍数と、その検出したばかりの脈拍数も加えて算出した標準的脈拍数の記録を更新する。着席状態記録部60は、S110において、着席有無判定部30が判定した着席者Pの有無の記録を更新する。
信号受信部10は、S112において、加速度センサSAから急激な加速度の変化があったなどの事象が起こった旨の信号を受信したか否か検査する。受信しなかった場合、生体情報記録装置100は、S104〜S110のステップを繰り返して、検出する脈拍数と着席者Pの有無について時系列的に記録を継続する。当該信号を受信した場合、生体情報記録部40および着席状態記録部60は、S114において、当該信号を受信する前に生体情報記録部40に記録された生体情報や着席状態記録部60に記録された着席者Pの有無の情報を、更新できない状態にする。したがって、当該信号を受信する前に記録された生体情報等は、当該信号を受信した以降失われることはなく記録に残ることになる。
生体情報検出部20は、S116において、当該信号を受信する前と同様、各座席STの非接触式生体センサSHの情報に基づいて脈拍数を検出する。着席有無判定部30は、S118において、当該信号を受信する前と同様、各座席STの着座センサSSの情報に基づいて着席者Pの有無を判定する。生体情報記録部40は、S120において、生体情報検出部20が検出した脈拍数を記録する、すなわち当該信号を受信する前の脈拍数に対して追加する。
着席状態記録部60は、S122において、着席有無判定部30が判定した着席者Pの有無を記録する、すなわち当該信号を受信する前の着席者Pの有無の情報に対して追加する。そして、生体情報記録装置100は、S124において、所定時間(第2の所定時間)経過したか否かを検査する。その所定時間経過していない場合は、生体情報記録装置100は、S116〜S122のステップを繰り返し、検出する脈拍数と着席者Pの有無について時系列的に記録を継続する。所定時間経過した場合には、処理を終了する。
生体情報記録装置100は、衝突事故等の事象が起こる直前の例えば30分の所定時間(第1の所定時間)に検出された、生体情報とその生体情報を取得した座席STに対応した着席者Pの有無とを、事象が起こった後にも残し外部へ出力できるようにする。さらに、生体情報記録装置100は、事象が起こった直後の例えば5分の所定時間(第2所定時間)に検出された生体情報とそれに対応する着席状態も外部へ出力できるように記録する。すなわち、生体情報記録装置100は、信号受信部10が当該信号を受信したときに、生体情報記録部40は、消去処理を停止し、第2の所定時間に亘って生体情報を記録すると共に、着席状態記録部60は、各生体情報の記録に対応して着席の有無を記録する。
このように、事象が起こる前後において、生体情報記録部40と着席状態記録部60が各座席STにおける生体情報の記録とそれに対応した着席者Pの有無を記録することで、事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる生体情報記録装置100を提供することができる。たとえば、事象前に着座者と脈拍を検出していて、事象後も着座者ありと脈拍を検出する場合、事故などの事象後においてもその座席に生存者がいると判断できる。また、事象前に着座者ありと脈拍を検出していたが、事象後着座者は検出するけど脈拍を検出しない場合、その座席STに座っていた着席者Pは死亡または徐脈状態の可能性があると判断できる。また、事象後着座者も脈拍も検出しない場合、その座席STに座っていた着席者Pは座席STから投げ出された可能性があると判断できる。さらに、事象前から着座者Pを検出するが、脈拍を検出しない場合、事象前から死亡または徐脈の可能性があると判断できる。
<第一実施例の第一変形例>
図3を参照し、生体情報記録装置100における制御方法における変形例を説明する。なお、上記実施例との重複記載と避けるため、異なる部分を中心に述べる。S200〜S214は、上記S100〜S114と同じなので説明を省略する。S214において、生体情報記録部40および着席状態記録部60が、当該信号を受信する前に記録された生体情報や着席者Pの有無の情報を更新できない状態にした後、着席有無判定部30は、S216において、着席者Pの有無を検査する。
着席者Pありと検出された場合、生体情報検出部20は、S218において、当該信号を受信する前と同様、各座席STの非接触式生体センサSHの情報に基づいて脈拍数を検出する。生体情報記録部40は、S220において、生体情報検出部20が検出した脈拍数を記録する、すなわち当該信号を受信する前の脈拍数に対して追加する。なお、S216において着席者Pなしと検出された場合、その時の脈拍数を信頼することができないため以下は行わず、処理を終了する。
そして、生体情報記録装置100は、S222において、所定時間(第2の所定時間)経過したか否かを検査する。その所定時間経過していない場合は、生体情報記録装置100は、S218〜S220のステップを繰り返し、検出する脈拍数について時系列的に記録を継続する。所定時間経過した場合には、処理を終了する。
すなわち、生体情報記録装置100は、信号受信部10が信号を受信したときに、生体情報記録部40は、消去処理を停止し、着席有無判定部30が着席者Pの有りを検出した場合のみ、第2の所定時間に亘って生体情報を記録する。このように、着席者Pの有りの場合のみ、すなわち信頼できる生体情報のみを記録することで、事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる生体情報記録装置100を提供することができる。
<第一実施例の第二変形例>
図4を参照し、生体情報記録装置100における制御方法における変形例を説明する。なお、上記実施例との重複記載と避けるため、異なる部分を中心に述べる。S300〜S318は、上記S200〜S218と同じなので説明を省略する。S318において、生体情報検出部20が各座席STの非接触式生体センサSHの情報に基づいて脈拍数を検出した後、送信部70は、その脈拍数と、記録されている標準的生体情報の脈拍数を外部に送信する。なお、S316において着席者Pなしと検出された場合、その時の脈拍数を信頼することができないため、脈拍数および標準的脈拍数を送信しない。また、着席有無判定部30が着席者Pの有無を検出し、その情報を送信してもよい。
すなわち、信号受信部10が当該信号を受信したときに、生体情報記録部40は、消去処理を停止し、着席有無判定部30が着席者Pの有りを検出した場合のみ、生体情報検出部20が検出する生体情報と、標準的生体情報記録部50が記録した標準的生体情報とを送信する。このように、着席者Pの有りの場合のみ検出する生体情報と記録した標準的生体情報とを送信することで、事故後の乗員の生体状態を適切に判断できる情報を出力する生体情報記録装置100を提供することができる。
たとえば、生体情報記録装置100は、衝突事故が起こる直前のたとえば30分間の所定時間(第1の所定時間)に検出された着席者Pの脈拍数の平均値の標準的生体情報と、衝突事故が起こった直後の着席者Pの脈拍数を一緒にして外部へ送信する。これにより、これらの情報を受ける救急機関にとっては、有益で正確な乗員の生体情報を得ることができる。また、標準的生体情報が正常範囲の脈拍数(たとえば、脈拍数が30〜200)で、衝突事故直後に生体情報検出部20が検出した脈拍数が、たとえば201以上の異常範囲である場合、その着席者Pは頻脈の可能性があると判断できる。
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
100 生体情報記録装置
10 信号受信部
20 生体情報検出部
30 着席有無判定部
40 生体情報記録部
50 標準的生体情報記録部
60 着席状態記録部
70 送信部
SH 非接触式生体センサ
SS 着座センサ
SA 加速度センサ
ST 座席

Claims (3)

  1. 事象が起こった旨の信号を受信する信号受信部と、
    座席に取り付けられ非接触で着席者の生体情報を検出する生体情報検出部と、
    着席者の有無を判定する着席有無判定部と、
    前記着席有無判定部が判定した着席者の有無を記録する着席状態記録部と、
    前記生体情報検出部が検出した生体情報をそれぞれ所定時間に亘って記録し、第1の所定時間経過後に消去する生体情報記録部と、
    前記生体情報検出部が検出した生体情報に基づいて、標準的生体情報を記録する標準的生体情報記録部と、
    を備えた生体情報記録装置において、
    前記信号受信部が前記信号を受信したときに、前記生体情報記録部は、消去処理を停止し、第2の所定時間に亘って生体情報を記録すると共に、前記着席状態記録部は、各生体情報の記録に対応して着席の有無を記録する生体情報記録装置。
  2. 事象が起こった旨の信号を受信する信号受信部と、
    座席に取り付けられ非接触で着席者の生体情報を検出する生体情報検出部と、
    着席者の有無を判定する着席有無判定部と、
    前記生体情報検出部が検出した生体情報をそれぞれ所定時間に亘って記録し、第1の所定時間経過後に消去する生体情報記録部と、
    前記生体情報検出部が検出した生体情報に基づいて、標準的生体情報を記録する標準的生体情報記録部と、
    を備えた生体情報記録装置において、
    前記信号受信部が前記信号を受信したときに、前記生体情報記録部は、消去処理を停止し、前記着席有無判定部が着席者の有りを検出した場合のみ、第2の所定時間に亘って生体情報を記録する生体情報記録装置。
  3. 事象が起こった旨の信号を受信する信号受信部と、
    座席に取り付けられ非接触で着席者の生体情報を検出する生体情報検出部と、
    着席者の有無を判定する着席有無判定部と、
    前記生体情報検出部が検出した生体情報をそれぞれ所定時間に亘って記録し、第1の所定時間経過後に消去する生体情報記録部と、
    前記生体情報検出部が検出した生体情報に基づいて、標準的生体情報を記録する標準的生体情報記録部と、
    を備えた生体情報記録装置において、
    前記信号受信部が前記信号を受信したときに、前記生体情報記録部は、消去処理を停止し、前記着席有無判定部が着席者の有りを検出した場合のみ、前記生体情報検出部が検出する生体情報と、前記標準的生体情報記録部が記録した標準的生体情報とを送信する生体情報記録装置。
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