JP2018035038A - 高結晶性チャバザイト型ゼオライトおよびその製造方法 - Google Patents

高結晶性チャバザイト型ゼオライトおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶性が高く、活性成分を担持したときに優れた触媒活性を発揮するチャバザイト型ゼオライトとその製造方法を提供する。【解決手段】(イ)Si、Alを含有し、(ロ)ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を含有し、(ハ)Zr含有量またはY含有量、あるいはZrとYの合計含有量が、SiとAlの合計量に対して、以下の式[1]に示すモル比0.001〜0.1の範囲であることを特徴とするチャバザイト型ゼオライト。(Zr+Y)/(Si+Al)=0.001〜0.1 [1](式[1]において、ZrはZr含有量、Y]Y含有量、ZrおよびYは何れか一方がゼロの場合を含む。Si+AlはSiとAlの合計含有量。)、および原料スラリー調製工程で上記Zr又は上記ZrとYを所定量添加するチャバザイト型ゼオライトの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、結晶性が高く、活性成分を担持したときに優れた触媒活性を発揮するチャバザイト型ゼオライトとその製造方法に関する。
ゼオライトは結晶構造中に比較的大きな空隙を有するアルミノケイ酸塩の総称であり、二酸化ケイ素からなる基本骨格を有し、ケイ素の一部がアルミニウムに置換されて負に帯電し、微細孔内に含まれるアルカリ金属などのカチオンによって電荷のバランスが保たれた構造を有している。ゼオライトは、典型的には、一般式xMO・yAl・zSiO・nHO(Mはアルカリ金属等のカチオン金属)によって示され、結晶中に含まれるカチオンの種類によって多様な性質を有している。
チャバザイトは、酸素8員環からなる三次元細孔構造(チャバザイト構造)を有する代表的なゼオライトである。チャバザイト構造を有するゼオライトをチャバザイト型ゼオライトと云う。ゼオライトは、国際ゼオライト学会によって、構造コードに基づいて分類されており、チャバザイト型ゼオライトはCHAの構造コードによって分類されている。
チャバザイト型ゼオライトは自動車排ガス浄化用の触媒として検討されている。特許文献1には、チャバザイト型ゼオライトが、ガスの分離、自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物の選択的還元、低級アルコールなどの酸素含有炭化水素の液体燃料への転換、ジメチルアミンの製造のための触媒や分離膜等に使用できることが開示されている。
これらの用途には、チャバザイト型ゼオライトの構造を利用するため、結晶性の高いチャバザイトを用いることが良いと考えられている。例えば、特許文献2にはチャバザイト型ゼオライトの貫通細孔を利用した分離膜が記載されており、チャバザイト型ゼオライトの結晶性が低いと十分な透過性と分離性が得られないことが開示されている。
また、特許文献3には、自動車排ガス中における窒素酸化物の選択還元触媒が記載されており、合成されたチャバザイト型ゼオライトの結晶性が低いと、チャバザイト型ゼオライト以外の副生物(不純物)を含むようになり、耐熱性が不十分になることが開示されている。
米国特許第6709644号公報 特開2015−66532号公報 特開2012−211066号公報
本発明は、チャバザイト型ゼオライトの結晶性を高めて従来の上記課題を解消したものであり、結晶性の高いチャバザイト型ゼオライトとその製造方法を提供する。
本発明は以下の構成によって上記課題を解決したチャバザイト型ゼオライトに関する。
〔1〕下記(イ)〜(ハ)を具備することを特徴とするチャバザイト型ゼオライト。
(イ)Si、Alを含有し、
(ロ)ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を含有し、
(ハ)Zr含有量またはY含有量、あるいはZrとYの合計含有量が、SiとAlの合計含有量に対して、以下の式[1]に示すモル比の範囲である。
(Zr+Y)/(Si+Al)=0.001〜0.1 [1]
(式[1]において、ZrはZr含有量、YはY含有量。ZrおよびYは何れか一方がゼロの場合を含む。Si+AlはSiとAlの合計含有量。)
〔2〕SiとAlのモル比が、SiO/Al換算で、7以上〜15未満である上記[1]に記載するチャバザイト型ゼオライト。
〔3〕国際ゼオライト学会によって示されているチャバザイト型ゼオライトの製造方法で合成した標準物質の結晶度に対する相対結晶度が100%より大きい上記[1]または上記[2]に記載するチャバザイト型ゼオライト。
〔4〕活性成分が担持された上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するチャバザイト型ゼオライトを含む触媒。
本発明は以下の構成からなるチャバザイト型ゼオライトの製造方法に関する。
〔5〕下記工程(a)(b)(c)を有することを特徴とするチャバザイト型ゼオライトの製造方法。
(a)Si源、Al源、およびアルカリ源を含む原料スラリーを準備する工程、
(b)準備した原料スラリーに、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を、SiとAlの合計量に対して、上記式[1]に示すモル比が0.001〜0.1の範囲になるように添加して混合スラリーを調製する工程、
(c)混合スラリーを水熱処理してチャバザイト型ゼオライトを合成する工程。
本発明のチャバザイト型ゼオライト(以下、本発明のゼオライトとも云う)は結晶性が高く、例えば、国際ゼオライト学会によって示されているチャバザイト型ゼオライトの製造方法で合成した標準物質の結晶度に対する相対結晶度が100%より大きいので、触媒成分を担持させたときに、従来の触媒よりも優れた触媒活性を示す。
本発明のチャバザイト型ゼオライトの製造方法は、原料スラリーに、ZrまたはY、あるいはZrとYの両方を添加して混合スラリーを調製し、これを水熱合成する方法であるので、特別な設備を必要とせず、容易に実施することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
〔本発明のゼオライト〕
本発明のチャバザイト型ゼオライトは、下記(イ)〜(ハ)を具備することを特徴とする。
(イ)Si、Alを含有し、
(ロ)ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を含有し、
(ハ)Zr含有量またはY含有量、あるいはZrとYの合計含有量が、SiとAlの合計含有量に対して、以下の式[1]に示すモル比の範囲である。
(Zr+Y)/(Si+Al)=0.001〜0.1 [1]
(式[1]において、ZrはZr含有量、YはY含有量。ZrおよびYは何れか一方がゼロの場合を含む。Si+AlはSiとAlの合計含有量。)
本発明のゼオライトは、SiおよびAlと共に、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を含有し、Zr、Yの含有量が、SiとAlの合計量に対して、モル比で、〔(Zr+Y)/(Si+Al)〕=0.001〜0.1の範囲にあることによって、高い結晶性を有する。ZrまたはYの含有量、あるいはZrとYの合計含有量は、〔(Zr+Y)/(Si+Al)〕モル比で0.005〜0.011の範囲がより好ましい。
具体的には、実施例の表2に示すように、本発明のチャバザイト型ゼオライトは、国際ゼオライト学会によって示されているチャバザイト型ゼオライトの製造方法で得られるチャバザイト型ゼオライトを標準物質とし、この標準物質の結晶度に対する本発明のチャバザイト型ゼオライトの結晶度の比率(以下、単に相対結晶度と云う)が100%より大きい。
本発明のゼオライトは、ZrまたはYの何れか一方が単独で存在しても結晶性を高めることができるが、ZrとYの両方を含有することによって結晶性を更に高めることができる。実施例の表2に示すように、ZrとYをそれぞれ単独で含む場合、相対結晶度が125%〜126%であるが(実施例1、2)、ZrとYの両方を含む場合は、相対結晶度が132%〜133%と飛躍的に増加する(実施例3、4)。
本発明のゼオライトは、ZrおよびYを含まない従来のチャバザイト型ゼオライトよりも結晶性が高く、活性成分を担持したときに高い触媒活性を有することができる。この触媒活性の向上は、ゼオライトの結晶性が高いことによるものと考えられ、また、含有するZrの一部がSiと反応してSi‐Zr複合酸化物が生成することも要因の一つと考えられる。一般にSi−Zr複合酸化物は固体酸性を示すことが知られており、Si‐Zr複合酸化物によってチャバザイト型ゼオライトに新たに固体酸性が付与されることによって、固体酸性を利用した触媒反応の触媒活性が更に向上したものと推察される。
この触媒活性は、ZrおよびYの含有量に対応し、ZrおよびYの含有量が上記式[1]の範囲で多いものは触媒活性が高い。具体的には、実施例の表2に示すように、実施例5,6は、結晶性が同程度(143〜145%)であるが、(Zr+Y)/(Si+Al)モル比が高い実施例6は、実施例5よりも触媒活性が格段に向上している。
本発明のゼオライトにおいて、Zr、Yの含有量は、合成時の添加量、乾燥方法、洗浄の度合いで変化する。例えば、本発明のゼオライトにおいて、Zr、Yの含有量を増やしたい場合は、合成時に添加量を増やしてチャバザイト型ゼオライトを水熱合成させた後に、噴霧乾燥を行い、水熱処理後のスラリーに含まれるY、Zrを上記チャバザイト型ゼオライトに吸着させるとよい。なお、水熱処理後のスラリーに未反応の原料や不純物が含まれているときには、これらの未反応原料や不純物が合成したチャバザイト型ゼオライトの表面に残留するので、合成後にこれらを洗浄等によって除去するのが好ましい。
本発明のゼオライトは、その結晶構造中にPを実質的に含まないことが好ましい。従って、Pを結晶構造に含むチャバザイト型ゼオライトの1種であるSAPO−34などは本発明のチャバザイト型ゼオライトに含まれないことが好ましい。なお、本発明のゼオライトに含まれるPの含有量が1000ppm以下であれば、その結晶構造中に実質的にPを含まないものとして取り扱うことができる。
本発明のゼオライトにおいて、SiおよびAlのモル比は、SiO/Al換算で、7以上〜15未満であることが好ましく、7以上〜10未満であることがさらに好ましい。SiO/Alモル比が上記範囲であれば、触媒を担持したときに触媒活性が高くなる傾向がある。一方、SiO/Alモル比が15以上では触媒活性が低くなる可能性があるので好ましくない。また、SiO/Alモル比が7未満では触媒活性が高くなる可能性はあるが、耐久性、特に水蒸気雰囲気下における熱耐久性が低下する傾向があるので好ましくない。
本発明のゼオライトは、プロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は遷移金属、あるいはこれら2種類以上が混在した状態など多様な形態の元素をカチオンとしてその結晶構造中に含むことができる。
本発明のゼオライトはチャバザイト構造を有しており、このチャバザイト構造は、X線回析の測定パターンが、(100)、(200)、(20−1)、(21−1)、(211)、(3−1−1)、(310)、(3−1−2)のミラー指数に帰属されるピークを全て有していることによって確認することができる。なお、これらのピークの他にピークを有する場合は、異相が生成しているものと判断する。
本発明のゼオライトの比表面積は300〜600m/gの範囲にあることが好ましい。この比表面積が上記範囲より低過ぎると触媒活性が低くなるので好ましくない。また、ゼオライトの比表面積は大部分がその結晶構造に由来しているので、比表面積の低いゼオライトは結晶度が低い傾向があり、好ましくない。一方、比表面積が600m/gより大きいものは合成するのが難しい。
本発明のゼオライトは、触媒反応に利用する場合、必要に応じて、遷移金属などの活性成分を含むことができる。遷移金属などの活性成分は、例えば、CuやFe等である。
本発明のゼオライトは、本発明のゼオライトにCuやFeなどの活性成分を担持させたものも含む。遷移金属などの活性成分の含有量は、本発明のゼオライトの総量に対して、1〜10質量%の範囲が好ましい。活性成分を担持した本発明のゼオライトは、例えば、自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物の選択的還元等の触媒に好適に使用することができる。
〔本発明の製造方法〕
本発明のゼオライトは、Si源、Al源、およびアルカリ源を含む原料スラリーを準備する工程、準備した原料スラリーに、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を、SiとAlの合計量に対して、上記式[1]に示すモル比が0.001〜0.1の範囲になるように添加して混合スラリーを調製する工程、混合スラリーを水熱処理することによって製造することができる。
チャバザイト型ゼオライトを製造する方法は、構造指向剤(SDA又はテンプレートともいう)を用いる方法(テンプレート法)と、フォージャサイト型ゼオライト(FAUともいう)を出発材料として用いる方法(FAU転換法)とが知られている。
テンプレート法は、Si源、Al源、アルカリ源と共に構造指向剤を含むスラリー又は水溶液を水熱処理してチャバザイト型ゼオライトを合成する方法であり、チャバザイト型ゼオライトの基本骨格を構成するSiとAlを、チャバザイト構造の鋳型となるSDAの存在下で、アルカリ源と共に水熱処理することによって、チャバザイト型ゼオライトを結晶化させる方法である。
FAU転換法は、アルカリ源とフォージャサイト型ゼオライト(FAU)を含むスラリーを水熱処理して、チャバザイト型ゼオライトに転換する方法である。この方法では、FAUがSi源、Al源となる。FAUをアルカリ源の存在下で水熱処理すると、FAUの基本骨格が組み替えられて、チャバザイト型ゼオライトが生成する。従って、FAU転換法では、テンプレート法のようなSDAを必要としない。従って、FAU転換法は、高価なSDAを用いないので経済性に優れており、また有機物の廃液が生じないので環境負荷が低く、工業生産における利点は大きい。
本発明の製造方法は、Si源、Al源、およびアルカリ源を含む原料スラリーに、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を添加して、所定量のZrを含む混合スラリー、または所定量のYを含む混合スラリー、または所定量のZrとYを含む混合スラリーの何れかを調製し、それらを水熱処理する方法であるので、テンプレート法およびFAU転換法の何れにも適用することができる。従って、本発明の製造方法において、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を添加する前の原料スラリーは従来の方法と同様に調製することができる。または、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を添加する前の従来の原料スラリーを利用することができる。原料スラリーを準備するとは、上記原料スラリーを調製すること、あるいは既存の原料スラリーを用いることを含む。
〔原料スラリーの調製〕
テンプレート法では、SDA、Si源、Al源、およびアルカリ源を含む原料スラリーを用いる。SDAは、N,N,N−トリメチルアダマンタンアンモニウム塩等を使用することができる。Si源は、ケイ酸ナトリウム、シリカゾル、ヒュームドシリカ、シリコンアルコキシド等を使用することができる。Al源は、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、アルミナゾル、アルミニウムアルコキシド等を使用することができる。アルカリ源は、ナトリウム、カリウム等のアルカリを含む塩を使用することができる。
FAU転換法では、FAUとアルカリ源を含む原料スラリーを用いる。FAUはフォージャサイト構造を有するゼオライトであれば従来知られているものを使用することができる。例えば、従来知られているY型ゼオライト等を使用することができる。Y型ゼオライトとして、NaY型ゼオライト(NaY)、超安定Y型ゼオライト(USY)や、希土類イオン交換型のY型ゼオライト(ReY)等を用いることができる。
なお、例えば、USYは、NaY型ゼオライトを硫酸アンモニウムでイオン交換し、(NH)(0.75〜0.90)Na(0.25〜0.10)−Yとした後に、洗浄し、200〜600℃で加熱処理し、再びイオン交換して残存Naを除去して準安定状態とし、次いで、スチーム雰囲気下、600〜800℃で急速加熱することによって合成することができる。
FAUは、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を添加する前、あるいは添加した後に、湿式粉砕等で微細化するのが好ましい。FAUを微細化することによって、FAUからチャバザイト型ゼオライトへの転換が容易になる。具体的には、FAUのX線回折パターンに現れる3本のピーク〔(111)、(331)および(533)のミラー指数に帰属されるピーク〕の合計強度(H)を指標として、微細化前のFAUの合計強度(Ha)に対して、微細化後の合計強度(Hb)が半分以下(0.5Ha≧Hb)になるように微細化するとよい。
アルカリ源は、ナトリウムを含む塩やカリウムを含む塩を使用することができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することが好ましい。なお、FAU法では、アルカリ源としてナトリウム塩を用いると、チャバザイト型ゼオライトが生成し難くなるので、カリウム塩を用いることが好ましい。
テンプレート法およびFAU転換法の何れにおいても、原料スラリーのSiとAlの比率は、SiO/Alモル比換算で、7以上〜15未満が好ましく、8以上〜10未満がより好ましい。この比率が上記範囲内である場合、不純物が少なく結晶性が高いチャバザイト型ゼオライトを得ることができる。
なお、FAU転換法では、SiO/Alモル比が高くなると、得られるチャバザイト型ゼオライトの結晶性が低くなる傾向があり、従来は、SiO/Alモル比が8以上のチャバザイト型ゼオライトを得ることは困難であった。しかし、本発明の製造方法によれば、SiO/Alモル比が8以上であっても結晶性が高いチャバザイト型ゼオライトを得ることができる。
原料スラリーのAlとHOの比率は、HO/Alモル比換算で、100〜800の範囲が好ましい。この比率が、上記範囲にある場合、不純物が少なく結晶性が高いチャバザイト型ゼオライトを高収率で得ることができる。この比率が100未満の場合(すなわち原料濃度が高い場合)、水熱処理した際に副生成物が生成し、得られるチャバザイト型ゼオライトの結晶性が低くなる可能性があるので好ましくない。また、この比率が800より大きい場合、原料濃度が薄くなり、チャバザイト型ゼオライトの収量が少なく、生産性が低下するので好ましくない。
〔混合スラリーの調製〕
本発明の製造方法は、Si源、Al源、およびアルカリ源を含む原料スラリーに、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を、SiとAlの合計量に対して、モル比で、〔(Zr+Y)/(Si+Al)〕=0.001〜0.1の範囲、好ましくは0.001〜0.01の範囲、になるように添加した混合スラリーを調製する。
混合スラリーのSiとAlの合計量に対するZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方の添加量が、上記範囲より少ないと、生成するチャバザイト型ゼオライトの結晶性が向上し難く、上記範囲より多いと、チャバザイト型ゼオライトの他に生成する不純物が多くなり、またチャバザイト型ゼオライトの結晶性が低下することがあるので好ましくない。
また、ZrとYの両方を用いることによって、チャバザイト型ゼオライトの結晶性を更に高めることができる。なお、ZrとYの合計含有量に対するZr含有量は、モル比〔Zr/(Zr+Y)〕で0.5以上が好ましい。
上記のモル比が0.5以上である場合、生成するチャバザイト型ゼオライトに残留するZrが増加し、これを触媒反応に利用したときに触媒活性が向上する傾向がある。この理由は、チャバザイト型ゼオライトの合成時に、Zrの一部がSiと反応してSi‐Zr複合酸化物が生成されるためではないかと考えられる。Si−Zr複合酸化物は固体酸性を示すことが知られており、Si‐Zr複合酸化物によってチャバザイト型ゼオライトに固体酸性が付与され、固体酸性を利用した触媒反応の触媒活性が向上したものと推察される。
Y、Zrの原料は、次のものを使用することができる。
Y原料は、例えば、酸化Y、硝酸Y、酢酸Y、硫酸Y等を使用することができる。Zr原料は、例えば、酸化Zr、硝酸Zr、Zrアルコキシド、ジルコニアゾル等を使用することができる。また、YおよびZrを含む原料として、Y安定化ジルコニアを用いることもできる。
これらの原料は、水に溶解性のものが好ましい。水に不溶のものを用いる場合は、その一次粒子のサイズが小さいものが好ましい。少なくとも、一次粒子が0.5μm以下であることが好ましい。一次粒子のサイズが大きいと、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方がスラリー中で分散し難くなり、チャバザイト型ゼオライトの結晶性を高める効果が低下する。一方、一次粒子が小さいと、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方がスラリー中で良く分散し、チャバザイト型ゼオライトの結晶性を高める効果が促進される。なお、一次粒子のサイズが上記の範囲より大きい場合は、粉砕して上記の範囲に入るように調整するとよい。なお、一次粒子のサイズは、SEM観察等によって原料の一次粒子を10個観察し、その最も大きい径の平均値を表すものとする。
〔水熱処理〕
本発明の製造方法は、上記混合スラリーを水熱処理する。水熱処理は、オートクレーブ等の密閉容器内に上記混合スラリーを充填し、所定温度で加熱する。水熱処理の温度は80〜180℃の範囲が好ましい。水熱処理の温度が80℃より低いと、チャバザイト型ゼオライトの結晶化に時間がかかりすぎるので好ましくない。一方、水熱処理の温度が180℃を超えると、混合スラリーの反応性が高くなり過ぎて不純物が生成することがあるので好ましくない。
水熱処理の時間は、混合スラリーの充填量にもよるが、概ね12〜96時間の範囲であればよい。なお、水熱処理の時間は、80〜180℃の範囲内で設定した温度の±10℃に到達した時点から、その温度をキープした時間である。なお、本発明の製造方法では、FAU転換法を用いた場合、120℃を超える温度であっても副生成物の生成を抑制できる。
水熱処理した混合スラリーにはチャバザイト型ゼオライトが含まれるので、濾過、遠心分離、噴霧乾燥等によって、液分を除去する。ここで得られたチャバザイト型ゼオライトには未反応の原料等が残留していることがあるので、必要に応じて、温水等で洗浄してこれらを除去してもよい。
本発明の製造方法では、固液分離したチャバザイト型ゼオライトを300〜500℃の温度で焼成することが好ましい。特に、SDA法を用いたときには、チャバザイト型ゼオライト中にSDAが残留するので、大気中で焼成して除去するとよい。
本発明の製造方法では、必要に応じて、チャバザイト型ゼオライトに含まれるアルカリ金属と遷移金属等をイオン交換してもよい。なお、効率よくアルカリ金属と遷移金属等とをイオン交換するためには、一旦、硫酸アンモニウム等を含む水溶液にチャバザイト型ゼオライトを浸漬してアルカリ金属をアンモニウムイオンでイオン交換した後に、遷移金属等を含む水溶液にアンモニウムイオンでイオン交換されたチャバザイト型ゼオライトを浸漬して遷移金属等とイオン交換するとよい。
本発明の実施例を比較例と共に以下に示す。本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、チャバザイト構造の判定方法、組成の測定方法、結晶性の評価方法、比表面積の測定方法を以下に示す。
生成したゼオライトのX線回折測定を以下の条件で行い、チャバザイト構造の有無を判断した。
<X線回折測定条件>
装置 :MiniFlex(株式会社リガク製)
操作軸 :2θ/θ
線源 :CuKα
測定方法 :連続式
電圧 :40kV
電流 :15mA
開始角度 :2θ=5°
終了角度 :2θ=50°
サンプリング幅:0.020°
スキャン速度 :10.000°/min
<判断基準>
上記測定により得られるX線回折パターンが、(100)、(200)、(20−1)、(21−1)、(211)、(3−1−1)、(310)、(3−1−2)のミラー指数に帰属されるピークをすべて有している場合、チャバザイト構造(CHA)を有していると判断する。
<組成の測定方法>
得られたゼオライトについて、下記の条件でSi、Al、Zr、Yの含有量を測定した。各成分の含有量から、(Zr+Y)/(Si+Al)モル比及びZr/(Y+Zr)モル比を算出した。
<Si、Al、Zr、Yの含有量の含有量測定>
測定方法:ICP発光分析
装置 :ICP730−ES(株式会社VARIAN製)
試料溶解:酸溶解
<結晶性の評価>
国際ゼオライト学会から発行された「WERIFIED SYNTHESES OF ZEOLITIC MATERIALS」H.Robson編、K.P.Lillerud XRD図:2001年発行、第2版、第123頁〜第125頁に記載されたチャバザイト(Chabazite)の合成方法に基づいて標準物質を合成した。具体的には、比較例1の方法でチャバザイト型ゼオライトを合成し、これを標準物質とした。この標準物質と本発明のゼオライトについて、下記条件でX線回折測定を行った。得られた各X線回折パターンから、下記算出式に基づき、得られたゼオライトの結晶性(相対結晶度)を求めた。
<X線回折測定条件>
装置 :MiniFlex(株式会社リガク製)
操作軸 :2θ/θ
線源 :CuKα
測定方法 :連続式
電圧 :40kV
電流 :15mA
開始角度 :2θ=5°
終了角度 :2θ=50°
サンプリング幅:0.020°
スキャン速度 :10.000°/min
<相対結晶度>
上記X線回折測定により得られたX線回折パターンから、ミラー指数(100)、(20−1)、(3−1−1)に帰属される各ピークの高さの合計値を求め、次式によって相対結晶度を求めた。
相対結晶度[%]=H/H×100
H :得られたチャバザイト型ゼオライトの上記各ピークの高さの合計
:標準物質の上記各ピーク高さの合計
<比表面積>
チャバザイト型ゼオライト10g、硫酸アンモニウム5gを含む水溶液100gを60℃に昇温し、撹拌しながら1時間イオン交換し、その後、濾過、洗浄した。この操作を2回行った。上記方法で得られたチャバザイト型ゼオライトについて、下記の条件で比表面積の測定を行った。
測定方法 : 窒素吸着法(BET多点法)
測定装置 : BELSORP―miniII(マイクロトラック・ベル株式会社製)
前処理 : 300℃、2時間(窒素流通下)
試料質量 : 0.05g
〔実施例1:(Zr+Y)/(Si+Al)=0.001、Zr/(Zr+Y)=1〕
USY(SiO/Al=9)58.47gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)18.92gと、純水422.50gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーに、酸化ジルコニウムナノ粒子(和光純薬工業社製:10nm)0.11gを混合して、500gの混合スラリー〔(Zr+Y)/(Si+Al)=0.001、Zr/(Zr+Y)=1〕を調製した。この混合スラリーを、ビーズミル(アシザワファインテック社製:LMZ015)を用い、この混合スラリーに含まれるUSYのX線回折パターンに現れる3本のピーク〔(111)、(331)および(533)のミラー指数に帰属されるピーク〕の合計強度(Hb)が、湿式粉砕前のUSYの合計強度(Ha)に対して半分以下になるまで湿式粉砕した。なお、湿式粉砕は、ビーズ径0.5mm、周速10m/s、ビーズ充填量85%(体積換算)の条件で行った。湿式粉砕した混合スラリーをオートクレーブに充填し、150℃で48時間水熱処理した。その後、水熱処理した原料スラリーをろ過して生成物を分離し、洗浄、乾燥した。その後、450℃で焼成してゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。結果を表2に示す。
得られたゼオライト50gを、硫酸アンモニウム50gを含む水溶液500gに懸濁してスラリーを調製した。このスラリーを撹拌しながら60℃に昇温して、1時間イオン交換した。イオン交換後のスラリーをろ過、洗浄、乾燥した。さらに上記操作を2回行い、NHイオン交換率99%のゼオライトを調製した。
このゼオライト45gを1mol/Lの硝酸銅3水和物溶液450gに懸濁してスラリーを調製した。このスラリーを撹拌しながら80℃に昇温し、1時間イオン交換した後、ろ過、洗浄した。この操作をCu担持量が2質量%になるまで繰り返した。
得られたゼオライトを従来公知の押出成形機を用いて、円柱状に押出成型した。得られた円柱状の成形体を粗砕して、顆粒状の成型体を得た。
上記顆粒状の成型体10ccを常圧固定床流通式反応管に充填し、反応ガス(NO:500ppm、NH:500ppm、O:10%、N:バランス)を6000cc/minで流通させながら、反応温度150℃で温度が安定した時点でのNOx除去率を次式によって算出した。
NOx除去率[%]=[({NOx}in−{NOx}out)/{NOx}in]×100
ここで、{NOx}inは反応管入口のNOガス濃度、{NOx}outは反応管出口のNOガス濃度である。
このNOx除去率によって触媒活性評価(NH―SCR反応評価)を行った。結果を表3に示す。
〔実施例2:(Zr+Y)/(Si+Al)=0.001、Zr/(Zr+Y)=0〕
USY(SiO/Al=9)58.44gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)18.91gと、純水422.07gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーに、酢酸イットリウム4水和物(和光純薬工業社製)0.58gを混合して、500gの混合スラリー〔(Zr+Y)/(Si+Al)=0.001、Zr/(Zr+Y)=0〕を調製した。前述の工程以降は実施例1と同様にしてゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。この結果を表2に示す。さらに、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔実施例3:(Zr+Y)/(Si+Al)=0.002、Zr/(Zr+Y)=0.5〕
USY(SiO/Al=9)58.45gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)18.91gと、純水421.65gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーに、酸化ジルコニウムナノ粒子(和光純薬工業社製:10nm)0.17gと酢酸イットリウム4水和物(和光純薬工業社製)0.23gを混合して、500gの混合スラリー〔(Zr+Y)/(Si+Al)=0.002、Zr/(Zr+Y)=0.5〕を調製した。前述の工程以降は実施例1と同様にしてゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。この結果を表2に示す。さらに、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔実施例4:(Zr+Y)/(Si+Al)=0.002、Zr/(Zr+Y)=0.9〕
USY(SiO/Al=9)58.46gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)18.91gと、純水422.39gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーに、酸化ジルコニウムナノ粒子(和光純薬工業社製:10nm)0.21gと酢酸イットリウム4水和物(和光純薬工業社製)0.03gを混合して、500gの混合スラリー〔(Zr+Y)/(Si+Al)=0.002、Zr/(Zr+Y)=0.91〕を調製した。前述の工程以降は実施例1と同様にしてゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。この結果を表2に示す。さらに、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔実施例5:(Zr+Y)/(Si+Al)=0.010、Zr/(Zr+Y)=0.9〕
USY(SiO/Al=9)58.35gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)18.88gと、純水421.58gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーに、酸化ジルコニウムナノ粒子(和光純薬工業社製:10nm)1.03gと酢酸イットリウム4水和物(和光純薬工業社製)0.16gを混合して、500gの混合スラリー〔(Zr+Y)/(Si+Al)=0.010、Zr/(Zr+Y)=0.9〕を調製した。前述の工程以降は実施例1と同様にしてゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。この結果を表2に示す。さらに、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔実施例6:(Zr+Y)/(Si+Al)=0.100、Zr/(Zr+Y)=0.9〕
USY(SiO/Al=9)57.18gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)18.50gと、純水412.64gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーに、酸化ジルコニウムナノ粒子(和光純薬工業社製:10nm)10.13gと酢酸イットリウム4水和物(和光純薬工業社製)1.54gを混合して、500gの混合スラリー〔(Zr+Y)/(Si+Al)=0.100、Zr/(Zr+Y)=0.9〕を調製した。前述の工程以降は実施例1と同様にしてゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。この結果を表2に示す。さらに、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔実施例7:水熱処理温度120℃〕
水熱処理温度を120℃とした以外は実施例5と同様の方法でゼオライトを調製した。得られたゼオライトについて、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。また、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔実施例8:水熱処理温度180℃〕
水熱処理温度を180℃とした以外は実施例5と同様の方法でゼオライトを調製した。得られたゼオライトについて、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。また、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔実施例9:SiO/Al=9.5〕
USY(SiO/Al=9.5)57.70gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)21.51gと、純水419.60gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーに、酸化ジルコニウムナノ粒子(和光純薬工業社製:10nm)1.03gと酢酸イットリウム4水和物(和光純薬工業社製)0.16gを混合して、500gの混合スラリー〔(Zr+Y)/(Si+Al)=0.010、Zr/(Zr+Y)=0.9〕を調製した。前述の工程以降は実施例1と同様にしてゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。この結果を表2に示す。さらに、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔実施例10:SiO/Al=11.0〕
USY(SiO/Al=9.5)56.43gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)24.17gと、純水418.23gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーに、酸化ジルコニウムナノ粒子(和光純薬工業社製:10nm)1.02g酢酸イットリウム4水和物(和光純薬工業社製)0.16gを混合して、500gの混合スラリー〔(Zr+Y)/(Si+Al)=0.010、Zr/(Zr+Y)=0.9〕を調製した。前述の工程以降は実施例1と同様にしてゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。この結果を表2に示す。さらに、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔比較例1:標準物質〕
Al濃度22質量%、NaO濃度17質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液0.168kgを、NaOH濃度21.65質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.35kgに撹拌しながら加えて溶解し、30℃まで冷却した。この溶液を撹拌しながら、SiO濃度24質量%、NaO濃度7.7質量%の珪酸ナトリウム水溶液1.361kgに添加した。このときの溶液の組成は、酸化物モル比で、
NaO/Al=16
SiO/Al=15
O/Al=330
であった。ついで、この溶液を30℃で15時間静置してアルミノシリケート溶液を調製した。
SiO濃度24質量%、NaO濃度7.7質量%の珪酸ナトリウム水溶液22.78kgに水5.66kgとSiO2濃度30質量%シリカゾル(日揮触媒化成社製:Cataloid SI-30:平均粒子径10nm)18.97kgと、前記アルミノシリケート溶液2.88kgを加え、攪拌混合した。これに、Al濃度22質量%、NaO濃度17質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液10.03kgを加え、室温で3時間攪拌熟成して、混合ヒドロゲルスラリーを調製した。このときの混合ヒドロゲルスラリーの組成は、酸化物モル比で、
NaO/Al=2.80
SiO/Al=8.70
O/Al=108
であった。
混合ヒドロゲルスラリー60.3kgを結晶化槽にて、95℃で35時間、水熱処理を行った。その後、70℃まで冷却し、濾過してNa−Y型ゼオライトのケーキ29.5kgを得た。得られたNa−Y型ゼオライトのケーキを、更に洗浄し、濾過し、乾燥してNa−Y型ゼオライトを調製した。
5.36質量%のKOH水溶液225mlと、Na−Y型ゼオライトをイオン交換したHYゼオライト(SiO/Al=5.18)25.0gを混合して原料スラリーを調製した。この原料スラリーをオートクレーブに充填して30秒撹拌した。その後、この原料スラリーを95℃で96時間水熱処理した。水熱処理した原料スラリーをろ過して生成物を分離し、洗浄、乾燥してゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。結果を表2に示す。また、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
〔比較例2:Zr、Yなし〕
USY(SiO/Al=9.0)58.49gと、水酸化カリウム(和光純薬工業社製:濃度85質量%)18.92gと、純水422.59gを混合して原料スラリーを調製した。前述の工程以降は実施例1と同様にしてゼオライトを調製した。製造条件を表1に示す。得られたゼオライトについて、チャバザイト構造の有無、組成、結晶性、比表面積を測定した。この結果を表2に示す。さらに、実施例1と同様の方法でCuを担持した後、NH―SCR反応評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2018035038
Figure 2018035038
Figure 2018035038

Claims (5)

  1. 下記(イ)〜(ハ)を具備することを特徴とするチャバザイト型ゼオライト。
    (イ)Si、Alを含有し、
    (ロ)ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を含有し、
    (ハ)Zr含有量またはY含有量、あるいはZrとYの合計含有量が、SiとAlの合計含有量に対して、以下の式[1]に示すモル比の範囲である。
    (Zr+Y)/(Si+Al)=0.001〜0.1 [1]
    (式[1]において、ZrはZr含有量、YはY含有量。ZrおよびYは何れか一方がゼロの場合を含む。Si+AlはSiとAlの合計含有量。)
  2. SiとAlのモル比が、SiO/Al換算で、7以上〜15未満である請求項1に記載するチャバザイト型ゼオライト。
  3. 国際ゼオライト学会によって示されているチャバザイト型ゼオライトの製造方法で合成した標準物質の結晶度に対する相対結晶度が100%より大きい請求項1または請求項2に記載するチャバザイト型ゼオライト。
  4. 活性成分が担持された請求項1〜請求項3の何れかに記載するチャバザイト型ゼオライトを含む触媒。
  5. 下記工程(a)(b)(c)を有することを特徴とするチャバザイト型ゼオライトの製造方法。
    (a)Si源、Al源、およびアルカリ源を含む原料スラリーを準備する工程、
    (b)準備した原料スラリーに、ZrまたはYの何れか、あるいはZrとYの両方を、SiとAlの合計量に対して、上記式[1]に示すモル比が0.001〜0.1の範囲になるように添加して混合スラリーを調製する工程、
    (c)混合スラリーを水熱処理してチャバザイト型ゼオライトを合成する工程。





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