JP2018034570A - 信号保安システムおよび信号保安方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電文回覧により走行区間の占有権管理を行う信号保安システムにおいて、電文回覧時間を短縮する。【解決手段】信号保安システム100において、経路の各区間の占有権を記載した電文を移動体間で回覧することにより、前記各区間の占有権を確保しながら移動する各移動体と通信する通信装置1081と、1以上の前記区間からなる電文回覧の範囲において、前記各移動体の移動状況に基づき、前記範囲に属する各移動体および所定の各制御装置のうちいずれかに対し、前記範囲を他の電文回覧の範囲と結合する指示、または、前記範囲を分割する指示、を通知する演算装置1082とを備えた管理装置108を含む構成とする。【選択図】図2B

Description

本発明は、信号保安システムおよび信号保安方法に関するものである。
旧来のATP(Automatic Train Protection)における軌道回路や信号機など地上設備を削減した、CBTC(Communications−Based Train Control)システムが広く普及しはじめている。これによれば、地上設備削減による各種コスト低減を図ることが出来る。
一方、このCBTCシステムにおいても、非常に高価な連動装置は依然として必要である。そこで、連動装置を用いない信号保安システムが特許文献1では提案されている。
すなわち、予め決められた区間内を走行する列車の保安が電文に基づいて確保される信号保安システムにおいて、前記電文は、前記予め決められた区間内に存在する列車や沿線機器を巡回し、前記区間内が複数分割されたブロック1つ1つに列車の占有権が設定可能なブロック占有権情報を有する信号保安システム(特許文献1参照)である。
特開2006-232106号公報
上述の信号保安システムを適用した鉄道において、各列車は、電文内のブロック占有権情報を更新することで当該ブロックの走行許可を確定させる。また、こうしたブロック占有権情報の更新は、電文を保持している列車のみが可能である。
一方、電文は、列車や沿線機器の間をシリアルに回覧されるため、当該電文の巡回区間内に存在する列車等の数が多いほど、各列車等に電文が巡ってくる周期は長くなる。周期が長くなれば占有権情報の周知に時間がかかり、列車間でのブロックの占有権(およびその開放事象)の受け渡しを迅速に行えなくなる懸念がある。また、当該電文の巡回区間を細かく区切ることで電文が巡る列車や沿線機器の数を減らすことも考えられるが、ブロックの占有権情報は電文の巡回区間ごとに管理されるため、電文の巡回区間を跨ぐ箇所において複数の列車が互いに占有しているブロックの開放を待ち合うデッドロック状態となり、列車の走行が継続できなくなる恐れもある。
そこで本発明の目的は、電文回覧により走行区間の占有権管理を行う信号保安システムにおいて、電文回覧時間を短縮する技術を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の信号保安システムは、経路の各区間の占有権を記載した電文を移動体間で回覧することにより、前記各区間の占有権を確保しながら移動する各移動体と通信する通信装置と、1以上の前記区間からなる電文回覧の範囲において、前記各移動体の移動状況に基づき、前記範囲に属する各移動体および所定の各制御装置のうちいずれかに対し、前記範囲を他の電文回覧の範囲と結合する指示、または、前記範囲を分割する指示、を通知する演算装置と、を備えた管理装置を含むことを特徴とする。
また、本発明の信号保安方法は、経路の各区間の占有権を記載した電文を移動体間で回覧することにより、前記各区間の占有権を確保しながら移動する各移動体と通信する通信装置を備えた管理装置が、1以上の前記区間からなる電文回覧の範囲において、前記各移動体の移動状況に基づき、前記範囲に属する各移動体および所定の各制御装置のうちいずれかに対し、前記範囲を他の電文回覧の範囲と結合する指示、または、前記範囲を分割する指示、を通知することを特徴とする。
本発明によれば、電文回覧により走行区間の占有権管理を行う信号保安システムにおいて、電文回覧時間を短縮可能となる。
本実施形態における信号保安システムの一例を示す図である。 本実施形態の信号保安システムのハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態の運行管理装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態の車上装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態の転てつ機制御装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態の装置情報テーブルの一例を示す図である。 本実施形態のデフォルトエリア情報テーブルの一例を示す図である。 本実施形態における列車進路テーブルの一例を示す図である。 本実施形態におけるエリア結合テーブルの一例を示す図である。 本実施形態における保安電文の一例を示す図である。 本実施形態におけるエリア情報テーブルの一例を示す図である。 本実施形態におけるエリアとブロック構成の一例を示す図である。 本実施形態における列車の進路と保安電文の一例を示す図である。 本実施形態における列車の進路と保安電文の一例を示す図である。 本実施形態における列車の進路と保安電文の一例を示す図である。 本実施形態におけるエリア結合を実行する処理シーケンスの一例を示す図である。 本実施形態におけるエリア結合要否を判定する処理フローの一例を示す図である。 本実施形態における処理シーケンスの一例を示す図である。 本実施形態におけるエリア分割を実行する処理シーケンスの一例を示す図である。 本実施形態におけるエリア分割要否を判定する処理フローの一例を示す図である。 本実施形態における互いに競合する列車進路の一例を示す図である。 本実施形態における互いに競合しない列車進路の一例を示す図である。
まずここで、本実施形態の信号保安システムの背景となった技術について概説しておく。本願出願人による特許出願(特許文献1:特開2006-232106号公報)で記載
の信号保安システムでは、電文を介してブロック占有権情報を列車間で共有し、各々の列車は自身が占有権を持つブロックにのみ進入可能とすることで安全な列車運行を実現している。なお、ここで示す「ブロック」は本願の各請求項における「区間」に該当する(以下同様)。
こうした信号保安システムでは、電文を保持している列車のみに対して、上述のブロック占有権の編集許可を与えることで、同一のブロックに対して複数の列車が同時に占有権
を得ることを防止している。
ところが、本願発明のごとき信号保安の概念を適用しない場合、或る列車が走行経路上の所定ブロックの占有を企図しても、自身に電文が回覧されてくるまで当該ブロックの占有を行うことができず待機することになる。特に電文回覧対象の装置数が多いブロックであれば、電文回覧に伴う待機時間は長くなり、ブロック占有の遅れが生じてしまう。
このような遅れは、物理的にはブロックが走行可能な状態となっているのにも関わらず、列車が当該ブロックの手前で減速、停止せざるを得ない状況を引き起こす。
従って、電文回覧によるブロック占有権の管理を行う信号保安システムを、高密度に列車が運行されている環境に適用するためには、装置間での電文回覧時間を短縮する必要がある。
ここで、図7Aと図7Bに示す2つの例を考える。両例とも同一の線路上を列車が走行しており、列車数も同数である。また、両例とも線路全体は単一のエリア920から成っており、エリア920はブロック921、922、923、924から構成されている。
列車が走行する道筋を進路と定義すると、図7Aの例では、列車901、902、903、904は、それぞれ進路911、912、913、914を走行する。また図7Bの例では、列車905、906、907、908は、それぞれ進路915、916、917、918を走行する。
進路911、912、913、914は、互いに重複する領域を持っている。そのため、列車901、902、903、904の安全を担保するためには、エリア920の内部に含まれるすべての列車、転てつ機に対して、エリア920の内部に含まれるすべてのブロックの情報を含む電文を回覧する必要がある。ここで示す「エリア」は、本願の各請求項における「電文回覧の範囲」に該当する(以下同様)。
これに対して、進路915、916、917、918は、互いに重複する領域を持たない。そのため、列車905、906、907、908のブロック占有が競合することはない。従って、図7Bの状況下では、エリア920の代わりに、エリア930、940、950、960の各々について、それぞれ内部に含まれるブロックの情報を含む電文を、それぞれ内部に含まれる列車、転てつ機群に対して回覧すれば、列車の安全は十分に担保することができる。
上述の図7A、7Bの状態を踏まえ、本実施形態においては、列車の進路に応じて、電文回覧の範囲たるエリアを適宜に分割、結合する。すなわち、エリアを動的に変更する。
以下、本実施形態の信号保安システムについて、図1〜図7を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態における信号保安システム100の構成例を示す図である。本実施形態の信号保安システム100は、列車101〜103にそれぞれ搭載される、車上装置201、車上装置202、および車上装置203と、転てつ機104、105をそれぞれ制御する転てつ機制御装置204および転てつ機制御装置205と、区間管理手段208を実装した運行管理装置108とから構成される。
また、信号保安システム100では、保安電文450が、上述の車上装置201〜203および転てつ機制御装置204、205の間を巡回、すなわち回覧されている。なお、この「保安電文」は、本願における各請求項でいう「電文」に該当する。
−−−ハードウェア構成−−−
また、本実施形態の信号保安システム100におけるハードウェア構成は以下の如くとなる。図2Aは、本実施形態における信号保安システム100のハードウェア構成例を示す図である。この場合、車上装置201〜203、転てつ機制御装置204、205、および運行管理装置108は、それぞれ通信伝送路207により相互に接続されている。よって、保安電文450および各種制御指示は、通信伝送路207を介して装置間で伝送される。この通信伝送路207は、例えばWi−Fiを用いた無線ネットワークにより実現される。
また、車上装置201〜203は、それぞれ列車101〜103に搭載されている。車上装置201〜203は、他装置からの回覧で得た保安電文405の内容に従い、各々の搭載先たる列車101〜103の制御を行う。
また、転てつ機制御装置204、205は、それぞれ転てつ機104、105と接続されている。この転てつ機制御装置204、205は、他装置からの回覧で得た保安電文405の内容に従い、各々の接続先たる転てつ機103〜105の制御を行う。
なお、本実施形態において例示した列車の数は「3」であるが、勿論これに限定されるものではない。0以上の一般的な数の列車に関して本実施形態の信号保安方式を同様に適用出来る。転てつ機についても同様に、0以上の数の転てつ機に関して本実施形態の信号保安方式を同様に適用出来る。また、車上装置201〜203、転てつ機制御装置204、205以外の装置を通信伝送路207に接続し、当該装置に対して保安電文405を回覧してもよい。
図2Bは、本実施形態の運行管理装置108のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態の運行管理装置108は、一般的な鉄道の運行管理システムと同様の、列車ダイヤと実際の列車運行状況に基づく運行管理機能およびそのためのデータを保持すると共に、本実施形態の信号保安システム100を主に構成する情報処理装置である。
その具体的な構成としては、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置1084、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ1083、記憶装置1084に保持されるプログラム1085をメモリ1083に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUなどの演算装置1082、他装置との通信処理を担う通信装置1081、を備える。
なお、記憶装置1084内には、本実施形態の運行管理装置108として必要な機能たる区間管理手段208を実装する為のプログラム1085に加えて、装置情報テーブル410、デフォルトエリア情報テーブル420、列車進路テーブル430、および、エリア結合テーブル440が少なくとも記憶されている。これら各テーブルの詳細については後述する。
また図2Cは、本実施形態の車上装置201〜203のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態の車上装置201〜203は、一般的な列車の車上装置と同様の機能およびそのためのデータを保持すると共に、本実施形態の信号保安システム100を上述の運行管理装置108と共に構成する情報処理装置である。
その具体的な構成としては、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置2014、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ2013、記憶装置2014に保持されるプログラム2015をメモリ2013に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとと
もに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUなどの演算装置2012、他装置との通信処理を担う通信装置2011、を備える。
なお、記憶装置2014内には、本実施形態の車上装置201〜203として必要な機能を実装する為のプログラム2015に加えて、装置情報テーブル410、保安電文450、および、エリア情報テーブル460が少なくとも記憶されている。これら各テーブルの詳細については後述する。
また図2Dは、本実施形態の転てつ機制御装置204、205のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態の転てつ機制御装置204、205は、一般的な鉄道の転てつ機制御装置と同様の機能およびそのためのデータを保持すると共に、本実施形態の信号保安システム100を、上述の運行管理装置108と共に構成する情報処理装置である。
その具体的な構成としては、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置2044、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ2043、記憶装置2044に保持されるプログラム2045をメモリ2043に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUなどの演算装置2042、他装置との通信処理を担う通信装置2041、を備える。
なお、記憶装置2044内には、本実施形態の転てつ機制御装置204、205として必要な機能を実装する為のプログラム2045に加えて、装置情報テーブル410、保安電文450、および、エリア情報テーブル460が少なくとも記憶されている。これら各テーブルの詳細については後述する。
−−−テーブル構成−−−
続いて本実施形態の信号保安システム100を成す各装置で利用するテーブルのデータ構成例について説明する。
図3Aは、本実施形態における装置情報テーブル410の一例を示す図である。この装置情報テーブル410は、信号保安システム100内にある各装置に関する情報を管理するテーブルである。そのため装置情報テーブル410は、車上装置201〜203および転てつ機制御装置204〜205の各々に関してレコードを保持する。
当該装置情報テーブル410における各レコードは、フィールドとして、装置ID411、装置アドレス412、装置種別413、および管理対象装置414を持つ。
このうち装置ID411の値は、対応する車上装置201〜203および転てつ機制御装置204〜205の識別子を表す。
また、装置アドレス412の値は、区間管理手段208が車上装置201〜203および転てつ機制御装置204〜205と通信を行うためのアドレスである。この値は、例えばIP通信を通信方式として採用した場合、IPアドレスとなる。例えば、車上装置201にはIPアドレス「192.168.1.101」が割り当てられていることを表している。
また、装置種別413の値は、各レコードに対応した装置が車上装置と転てつ機制御装置のいずれであるかを示す。
また、管理対象装置414の値は、車上装置201〜203が制御を行う列車、または
転てつ機制御装置204〜205が制御を行う転てつ機の識別子を表す。
また図3Bは、デフォルトエリア情報テーブル420の一例を示す図である。このデフォルトエリア情報テーブル420は、初期状態における各エリアの所属ブロック、および、所属転てつ機を管理するテーブルである。この「初期状態」とは、当該信号保安システム100の動作により、エリアの結合/分割が実行されていない、通常状態である。
こうしたデフォルトエリア情報テーブル420は、エリア毎にレコードを保持している。ここで「エリア」とは電文回覧の範囲であり、1個以上のブロック、0個以上の転てつ機、0個以上の列車により構成される。
本実施形態のデフォルトエリア情報テーブル420は、エリアID421、所属ブロック群422、および、所属転てつ機群423をフィールドとして持つ。
このうちエリアID421の値は、各レコードが示すエリアの識別子を表す。また、所属ブロック群422の値は、初期状態で各エリアに所属するブロックのリストである。図3Bの例では、「エリア20」に、初期状態で「ブロック21」、「ブロック22」、「ブロック23」の3つのブロックが所属していることを表している。
また、所属転てつ機群423の値は、初期状態で各エリアに所属する転てつ機のリストである。図3Bの例では、「エリア20」に、初期状態で「転てつ機104」が所属していることを表している。
また図3Cは、本実施形態の列車進路テーブル430の一例を示す図である。この列車進路テーブル430は、各列車が走行する進路を管理するテーブルである。運行管理装置108が、既存の鉄道運行管理システム等から得て保持する情報となる。
当該列車進路テーブル430は、列車の進路毎に1レコードを保持している。また、列車進路テーブル430は、進路ID431、列車432、ブロック列433、および、進路設定時機434をフィールドとして持つ。
このうち進路ID431の値は、列車が走行する進路の識別子を表す。また、列車432の値は、各レコードが表す進路を走行する列車の識別子である。またブロック列433の値は、当該進路上にあるブロックを進路手前側から順に並べたリストである。図3Cの例では、「進路110」が表す進路は、進路手前側から「ブロック23」、「ブロック22」、「ブロック21」が順に存在していることを表している。
また、進路設定時機434の値は、各レコードが表す進路を列車が占有する予定の時刻を表す。
また図3Dは、本実施形態のエリア結合テーブル440の一例を示す図である。このエリア結合テーブル440は、エリア間の結合状況を管理するテーブルである。
当該エリア結合テーブル440は、エリア間の結合の要因となった進路の各々について1レコードを保持している。こうしたエリア結合テーブル440は、エリア結合ID441、進路442、および結合エリアリスト443をフィールドとして持つ。
このうちエリア結合ID441の値は、当該レコードの識別子を表す。また、進路442の値は、エリア結合の要因となった進路の識別子である。
また、結合エリアリスト443の値は、結合対象のエリアのリストである。図3Dの例では、「進路130」を要因として「エリア20」と「エリア30」が結合されたことを示している。
また図3Eは、本実施形態における保安電文450の一例を示す図である。この保安電文450は、信号保安システム100において列車の安全を担保するための情報である。
当該保安電文450は、エリア毎にただひとつ作成され、同一エリアに2つ以上の保安電文が同時に存在することはない。
本実施形態における保安電文450は、エリアID451、ブロック占有権452、転てつ機方向指示453、および転てつ機状態454をフィールドとして持つ。
このうちエリアID451の値は、保安電文を回覧している当該エリアの識別子である。また、ブロック占有権452の値は、当該エリア内に存在している各々のブロックの占有権をどの装置が保持しているかを表している。図3Eの例では、「エリア20」に所属する「ブロック21」、「ブロック22」、「ブロック23」は、「列車101」により占有されていることを表している。
なお、ブロックがいずれの装置にも占有されていない場合、保安電文450におけるブロック占有権452欄にて、当該ブロックに関して「無」といった値が設定されることになる。
また、転てつ機方向指示453の値は、当該エリアに所属している各々の転てつ機に対し、当該転てつ機の転換方向の指示を行う情報である。この転てつ機方向指示453の値は、当該転てつ機を内部に含むブロックをいずれかの列車が占有したときに書き込まれる。この場合の書き込み方法は、例えば特許文献1に記載の手順を採用すればよい。
なお、転てつ機制御装置は、保安電文450を受け取った後、自身に関する転てつ機方向指示453の値に従って転てつ機を制御することになる。
また、転てつ機状態454の値は、当該エリアに所属している各々の転てつ機に対し、当該転てつ機の状態が格納される。この転てつ機の状態は、例えば定位に鎖錠されていれば定位鎖錠、反位に鎖錠されていれば反位鎖錠、転換の途中であれば転換中、鎖錠されていない場合は非鎖錠とする。こうした転てつ機状態454の値は、当該転てつ機を管理する転てつ機制御装置によって書き込まれる。
転てつ機状態454の値は、例えば転てつ機の鎖錠方向が列車の走行経路の向きと一致しているか、転換中や非鎖錠といった走行に不適な状態ではないか等の確認により、列車の安全を担保するために使用することができる。
また図3Fは、本実施形態におけるエリア情報テーブル460の一例を示す図である。このエリア情報テーブル460は、各エリアに所属するブロック群、転てつ機群を管理するテーブルである。当該エリア情報テーブル460は、エリア毎に1レコードずつ保持する。
こうしたエリア情報テーブル460は、エリアID461、所属ブロック群462、および、所属転てつ機群463をフィールドとして持つ。
このうちエリアID461の値は、当該レコードが示すエリアの識別子を表す。また、所属ブロック群462の値は、当該エリアに所属するブロックのリストである。また、所
属転てつ機群463の値は、当該エリアに所属する転てつ機のリストである。
−−−エリア(電文回覧範囲)の結合/分割の概念−−−
ここで、本実施形態で想定するエリアおよびブロックの構成例について説明する。図4は、本実施形態におけるエリアとブロック構成の一例を示す図である。
この例において、列車が走行する線路全体は、エリア10、エリア20、エリア30、およびエリア40の4つのエリアから構成されている。
このうちエリア20は、ブロック21、ブロック22、およびブロック23の3つのブロックにより構成される。また、ブロック22の内部に転てつ機104を含む。
またエリア30は、ブロック31、ブロック32、およびブロック33の3つのブロックにより構成される。ブロック32の内部に転てつ機105を含む。
また、渡り線150は、転てつ機104と転てつ機105を結ぶ線路であり、エリア20とエリア30を跨いている。
また、転てつ機104、転てつ機105の各向きは、定位、反位の2値をとる。この値は、渡り線150の方向に線路が開通している状態を反位とする。
以上の構成を踏まえ、エリア20およびエリア30の結合と分割に伴う背景について説明する。図5A、図5B、図5Cは、本実施形態における列車の進路と保安電文450の一例を示す図である。これら各図における状況は、列車101、列車102、および列車103が、それぞれの進路110、120、130を走行するタイミングに応じた、エリアと保安電文450の時系列変化を示している。
なお、上述の進路110は、ブロック23、ブロック22、ブロック21を順に経由する線路である。また進路120は、ブロック31、ブロック32、ブロック33を順に経由する線路である。また進路130は、ブロック31、ブロック32、ブロック22、ブロック23を順に経由する線路である。
図5Aに示す状況において、進路110はエリア20の内部にあるブロックのみ、また進路120はエリア30の内部にあるブロックのみ、を経由する。そのため、進路110と進路120は互いに競合しない。よってこの場合の保安電文450は、エリア20とエリア30を跨がることなくエリア別に回覧される。
このような状況のエリア20でのみ回覧される保安電文を、保安電文620として例示している。同様に、エリア30でのみ回覧される保安電文を、保安電文630として例示している。
上述の図5Aに示す状況から時間が経過して、列車101はブロック22を通過し、列車102はブロック32を通過したとする。また、列車103は、進路130に従ってブロック31に進入するとする。この状況は図5Bに示す状況である。
図5Bに示す状況では、列車103がエリア20とエリア30を跨ぐ進路130を走行する。そのため、エリア20とエリア30を結合した新たなエリア50に対して保安電文450を回覧させる必要がある。こうしたエリア結合の具体的な手順は後述する。
このような状況のエリア50で回覧される保安電文を、保安電文650として例示して
いる。
更に、この図5Bに示す状況から時間が経過して、列車101はブロック21を通過し、列車102はブロック33を通過したとする。また、列車103は渡り線150の走行を完了してブロック23に進入したとする。この状況は図5Cに示す状況である。
図5Cに示す状況では、上述のとおり列車103が渡り線150の走行を完了している。つまり、渡り線150を進路とする列車は当該エリア20およびエリア30には存在しない状況となった。そこでエリア50は、元のエリア20とエリア30に分割して、各々のエリアで保安電文450を回覧させることとなる。こうしたエリア分割の具体的な手順は後述する。
このような状況のエリア20でのみ回覧される保安電文を、保安電文670として例示している。また同様に、エリア30でのみ回覧される保安電文を、保安電文680として例示している。
続いて、上述したエリアの構成、およびその時系列変化の例を踏まえた、信号保安方法の具体的手順を以下に説明する。
−−−信号保安方法における処理の流れ(エリア結合時)−−−
以下、本実施形態における信号保安方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する信号保安方法に対応する各種動作は、信号保安システム100を構成する各装置がそれぞれメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
図6Aは、エリア結合を実行する処理シーケンスの一例を示す図である。このシーケンスは、上述した図5Aから図5Bへと状況が遷移する際の信号保安システム100における処理を示している。つまり、既に述べたように図5Aに示す状況から時間が経過して図5Bに示す状況に至り、列車103がエリア20とエリア30を跨ぐ進路130を走行する状況が到来する段階である。そこで、エリア20とエリア30を結合した新たなエリア50に対して保安電文450を回覧させるべく、エリア結合が必要となる。
なお、このエリア結合の処理実行前においては、進路110上にある列車101の車上装置201と、ブロック22に所在する転てつ機制御装置204は、共にエリア20に所属し、互いに保安電文450を回覧している(711)。この際の保安電文450は、図5Aで示す保安電文620となる。
同様に、進路120上にある列車102の車上装置202と、列車103(エリア30の他ブロックに所在)の車上装置203と、転てつ機制御装置205は、共にエリア30に所属し、互いに保安電文450を回覧している(711)。この際の保安電文450は、図5Aで示す保安電文630となる。
運行管理装置108の区間管理手段208は、エリアの結合要否を常に監視している。この監視処理を、エリア結合要否監視処理(810)とする。ここで、当該監視処理に関するフロー例を図6Bにて示す。
まず、区間管理手段208は、列車進路テーブル430の各レコードのうち、例えばテーブル先頭のレコードから1つ選択し、当該レコードが表す進路について、以後の処理812〜817を反復する(811)。
次に、区間管理手段208は、上述の処理811により選択したレコードについて、当該レコードが示す進路上にあるエリア群を取得する(812)。ここで区間管理手段208は、当該レコードにおけるブロック列433が含む各ブロックをキーに、デフォルトエリア情報テーブル420における各レコードの所属ブロック群422に照合し、ブロック列433に含まれるいずれかのブロックを所属ブロック群422に含むレコードを特定する。また区間管理手段208は、ここで特定した当該レコード各々(1または複数)のエリアID421の値を、「進路上にあるエリア群」の値として取得する。
次に区間管理手段208は、上述の処理811により選択した進路について、当該進路が複数のエリアを跨ぐ進路であるか判定する(813)。この判定方法は、例えば処理812により決定されたエリア群の個数が1である場合はエリアを跨がない進路、2以上である場合はエリアを跨ぐ進路とする、といった手法を採用出来る。
こうした手法により、当該進路が複数のエリアを跨ぐ進路であると判定した場合(813:Yes)、区間管理手段208は、続く処理814に遷移する。他方、当該進路が複数のエリアを跨がない進路であると判定した場合(813:No)、区間管理手段208は、該進路に関する以降の処理を終了する。
次に、区間管理手段208は、進路上のブロック群を列車が占有する時機を特定する(814)。この場合、区間管理手段208は、列車が進路を占有する時機を、列車進路テーブル430における進路設定時機434の値を抽出し特定する。なお、列車進路テーブル430における進路設定時機434の値は、列車運行管理に関する従来技術により列車ダイヤ等に沿って予め決定された値である。或いは、特開2009−096221号公報に記載の技術等を用いて列車の運行状況より決定したものであってもよい。いずれにしても本実施形態では決定手法を限定しない。
次に、区間管理手段208は、上述の処理811により選択した進路について、当該進路が跨ぐエリア群を結合する時機を算出する(815)。この場合、区間管理手段208は、例えば、上述の処理814で特定した時機から、所定の余裕時間を減算することで当該結合の時機を算出する。
また、区間管理手段208は、現在時刻が、上述の処理815で算出した結合の時機を経過しているか否か判定する(816)。
この判定の結果、現在時刻が、上述の結合の時機を経過していることが判明した場合(816:Yes)、区間管理手段208は、続いて処理817を実行する。
他方、上述の判定の結果、現在時刻が、上述の結合の時機を経過していないことが判明した場合(816:No)、区間管理手段208は、当該進路に関する以降の処理を終了する。
続いて区間管理手段208は、エリア結合テーブル440にてレコードを生成し、これを登録する(817)。この場合、区間管理手段208は、当該レコードにおけるエリア結合ID441の値として、他レコードと重複しない任意の値を所定規則で付与する。また、区間管理手段208は、当該レコードにおける進路442の値として、上述の処理811にて選択している進路のIDを設定する。また、区間管理手段208は、当該レコードにおける結合エリアリスト443の値として、上述の処理812で取得したエリア群を設定する。
区間管理手段208は、上述の処理812〜817に至る処理を、列車進路テーブル4
30の全てのレコードに対して実行して、処理818に移行する。
区間管理手段208は、上述の処理817で、エリア結合テーブル440に新規登録された全てのレコードに関して、エリア結合指示を送信し(818)、当該フローを終了する。
ここで、図6Aのシーケンス図に基づく説明に戻る。上述した、エリア結合要否監視処理810により、エリア20とエリア30の結合が必要であると判定された場合、区間管理手段208は、エリア20またはエリア30に所属する車上装置201〜203または転てつ機制御装置204、205のいずれか1つに対して、上述のエリア結合指示を送る(712)。
図6Aの例において、区間管理手段208は、エリア20に所属している転てつ機制御装置204に対してエリア結合指示を送信している。こうしたエリア結合指示の送信先となる装置のアドレスは、装置情報テーブル410の装置アドレス412の値を参照することで取得できる。また、結合対象のエリア群は、エリア結合テーブル440の結合エリアリスト443を参照することで取得できる。
区間管理手段208は、上述のエリア結合指示を送信する際、結合対象のエリア群の情報を合わせて送信するものとする。図6Aの例では、結合対象のエリア群はエリア20、エリア30である。
ここで、区間管理手段208が、エリア結合指示の送信相手となる装置をランダムに選んで、複数の装置に対して連続してエリア結合指示を送信する場合、処理のデッドロックが発生する虞がある。この状況を例えば図6Cの例に示す。この場合、区間管理手段208は、エリア20とエリア30の結合指示(712)を、転てつ機制御装置204に送信したとする。その後、エリアの結合処理が完了する前に、区間管理手段208がエリア20とエリア30の結合指示(712)を車上装置203に送信したとする。
このとき、転てつ機制御装置204が、エリア結合指示を受信し、更に保安電文450の受信後に、エリア結合要求(714)を送信する装置は、転てつ機制御装置205であったとする。また、車上装置203が、エリア結合指示を受信し、更に保安電文450の受信後に、エリア結合要求(714)を送信する装置は車上装置201であったとする。この場合、転てつ機制御装置205および車上装置201は、それぞれ自身への保安電文450の回覧(711)があるまでエリア結合処理(713)を開始できない。
一方、転てつ機制御装置205が受信を待っている保安電文450は、車上装置201が保持している。また、車上装置201が受信を待っている保安電文450は、転てつ機制御装置205が保持している。つまり、結果としてどちらの装置も、エリア結合処理(713)を開始することができなくなる。
このような処理のデッドロックは、以下の手法を採用すれば回避することができる。すなわち、区間管理手段208が、エリア結合指示(712)の送信対象となる装置を選ぶ際、結合対象のエリア内に存在する転てつ機制御装置であり、かつ装置情報テーブル410上において最も上位にあるものを対象の装置とする。このように、予め各装置で時間に対し不変な優先順位付けを行った結果を用いて、エリア結合指示(712)の送信対象の装置を1つ選べば、複数の装置にエリア結合指示が送信される事態は発生せず、従ってデッドロックも回避される。
また、図6Aのシーケンス図に基づく説明に戻る。転てつ機制御装置204は、区間管
理手段208からエリア結合指示を受信して、自身に保安電文450が回覧されるまで待機する。保安電文450の受信後、転てつ機制御装置204は、エリア結合処理を実行する(713)。
この場合の転てつ機制御装置204は、当該エリア結合処理(713)において、エリア結合指示が含む結合対象のエリア群の情報から、自身が所属するエリアを除去して、残りの結合対象のエリア群を特定する。この処理によって、残りの結合対象のエリア群が1つもない場合、転てつ機制御装置204は、エリア情報テーブル460および保安電文450の結合処理を行う。
他方、残りの結合対象のエリア群があれば、転てつ機制御装置204は、当該エリア群のうちのいずれかのエリアに所属する車上装置または転てつ機制御装置のいずれか1つに対してエリア結合要求を送る(714)。
図6Aの例では、結合対象のエリア群から、転てつ機制御装置204の所属エリア「エリア20」を除くと、エリア30が残る。そのため転てつ機制御装置204は、エリア30に所属する転てつ機制御装置205(例:結合対象のエリア内に存在する転てつ機制御装置であり、かつ装置情報テーブル410上において最も上位にあるもの)に対して、エリア結合要求(714)を送信している。
なお、上述のエリア結合要求の送信に際し、転てつ機制御装置204は、送信先の転てつ機制御装置205に対し、保有している保安電文450、エリア情報テーブル460、および処理713で算出したエリア群を合わせて送信するものとする。
また、転てつ機制御装置204がエリア結合要求の送信先の装置を決定する手法は、区間管理手段208がエリア結合指示712を送る際の対象装置の決定方法と同一とすればよい。区間管理手段208が同時に複数のエリア結合指示712を送信する際にも処理のデッドロックが発生することなくエリアの結合処理を行うことができる。
一方、エリア30に所在の転てつ機制御装置205は、上述のエリア結合要求を受信した後、自身に当該エリア30の保安電文450が回覧されるまで待機する。転てつ機制御装置205は、保安電文450の受信後、エリア結合処理を実行する(713)。このエリア結合処理(713)は前述の通りである。しかしながら、転てつ機制御装置205によるエリア結合処理の実行時には、エリア結合要求が含む結合対象のエリア群の情報(すなわち、エリア20とエリア30の情報)から、当該エリア結合要求の送信元たる転てつ機制御装置204と自身が所属する各エリアを除去すると、結合対象のエリア群が1つも残らない。
そのため、転てつ機制御装置205は、当該エリア結合処理(713)において、エリア20とエリア30のエリア情報テーブル460および保安電文450を結合し、自身が保有するエリア情報テーブル460および保安電文450を結合後のものに置き換える。本実施形態の例では、エリア20とエリア30を結合させることで、エリア50を生成する。
このエリア情報テーブル460の結合は、例えばテーブル内の各フィールドの内容を結合することで実現できる。また、保安電文450の結合は、例えば2つのテーブルに含まれるフィールドの和集合をとることで実現できる。
なお、エリア結合処理において結合対象のエリア群が1つも残っていないとは、結合が行われる全エリアの保安電文450が、エリア結合処理を実行した装置に集約されている
状態を意味する。これにより、エリア結合後、結合後のエリア内で回覧される保安電文450がただ1つであることが保証される。
上述のエリア結合処理の完了後、転てつ機制御装置205は、結合で生まれたエリアのエリア50に所属する全ての車上装置および転てつ機制御装置に対し、エリア結合後のエリア情報テーブルを送信する(715)。
この、エリア結合後のエリア情報テーブル送信(715)は、転てつ機制御装置205が、エリア50のエリア情報テーブル460を、各々の装置に配布する処理である。この場合、各々の装置は、転てつ機制御装置205からエリア情報テーブル460を受信後、当該受信で得たエリア情報テーブル460で、自身のエリア情報テーブル460を置き換える。
ここで、転てつ機制御装置205は、上述の処理715におけるエリア情報テーブルの送信対象のうち、転てつ機制御装置について、エリア20とエリア30に関して結合したエリア情報テーブル460の所属転てつ機群463を参照し、当該各転てつ機の情報を、装置情報テーブル410の各レコードにおける管理対象装置414の各値と照合し、対応する転てつ機制御装置の装置ID411の値で特定する。
同様に、送信対象のうち車上装置については、エリア20とエリア30に関して結合したエリア情報テーブル460の所属ブロック群462を参照し、当該各ブロックの情報を、結合後の保安電文450のブロック占有権452に照合して、当該ブロックを占有する列車を特定する。また、転てつ機制御装置205は、ここで特定した当該列車について、装置情報テーブル410における各レコードの管理対象装置414の値と照合し、対応する車上装置の装置ID411の値で特定する。
なお、エリア内のブロックをまだ占有していない列車の車上装置も、上述のエリア情報テーブルの送信対象に含める場合、当該送信を行う装置は、例えば保安電文450を拡張し、当該保安電文450の回覧対象となっている車上装置群を表す要素である回覧対象車上装置を要素として加えればよい。この場合、結合後の保安電文450における回覧対象車上装置の値を、結合前の保安電文450における全ての回覧対象車上装置の値を結合したものとする。このことで、送信対象の車上装置は、保安電文450の回覧対象車上装置欄に記載の車上装置として決定できる。
あるいは、区間管理手段208が、各々のエリアの保安電文450について回覧対象となる車上装置群を保持する形態でも良い。この場合、エリア結合処理(713)の完了後、転てつ機制御装置205が、区間管理手段208にエリア結合処理の完了を報告する。また、その後、区間管理手段208は、結合された各々のエリアに所属する車上装置群の情報を合わせたものを転てつ機制御装置205に送信する。その後、当該転てつ機制御装置205は、区間管理手段208から受信した情報が示す各車上装置に対し、エリア情報テーブル460を配信すればよい。もしくは、区間管理手段208がエリア情報テーブル460の作成、配布を行ってもよい。
再び、図6Aのシーケンス図の説明に戻る。エリア結合処理(713)の後、転てつ機制御装置205は、エリア50に所属するすべての車上装置および転てつ機制御装置に対し、エリア情報テーブル460の配信を確認した後、当該エリア50に関する保安電文450の回覧処理を開始する。
−−−信号保安方法における処理の流れ(エリア分割時)−−−
図6Dはエリア分割を実行する処理シーケンスの一例であり、図5Bが示す状態から図
5Cが示す状態へと遷移する際の処理を示す。すなわち、図5Bに示す状況から時間が経過して、列車101はブロック21を通過し、列車102はブロック33を通過し、また、列車103は渡り線150の走行を完了してブロック23に進入した状況での処理である。この状況は、渡り線150を進路とする列車は当該エリア20およびエリア30には存在しない状況で、エリア50を、元のエリア20とエリア30に分割することを検討する時機に該当する。
こうした分割処理の開始前で、エリア50が存在する状況においては、車上装置201〜203、および転てつ機制御装置204、205は、当該エリア50に所属して、互いに保安電文450を回覧している(721)。
一方、区間管理手段208は、エリアの分割要否を常に監視している(820)。このエリア分割の要否監視の処理は、図6Eに例示するフローとなる。
この場合、区間管理手段208は、エリア結合テーブル440からレコードを選択し、当該レコードが表すエリアの結合について、処理822〜825を反復する(821)。
次に、区間管理手段208は、処理821で選択したレコードの進路442欄から進路の値を特定し、当該進路が通過するブロック群のうち、進路の始点側にあるエリアに含まれるブロック群を抽出し、当該ブロック群の占有状態を、(エリア50で回覧されている)保安電文450から特定する(822)。
なお、区間管理手段208は、このブロック群の占有状態の特定に際し、当該ブロックを含むエリアに所属するいずれかの装置から、最新の保安電文450を取得するとしてもよい。或いは、各々の車上装置および転てつ機制御装置から保安電文450を定期的に受信し、取得するとしてもよい。
続いて区間管理手段208は、上述の処理822で特定したブロック群の占有状態に基づき、以降の処理を分岐させる(823)。当該処理823において、区間管理手段208は、上述の処理821で選択したレコードにおける進路442の値をキーとして、列車進路テーブル430からレコードを検索する。また、区間管理手段208は、当該レコードにおける列車432の値を取得し、当該列車が上述の処理822で特定したいずれかのブロックを占有しているか否か判定する。
上述の判定の結果、いずれのブロックについても当該列車による占有が終了していた場合(823:Yes)、区間管理手段208は、処理824を実行する。
他方、いずれかのブロックについて当該列車による占有が終了していなかった場合(823:No)、区間管理手段208は、処理対象となっている当該エリアの結合に関する処理を終了する。
続いて区間管理手段208は、処理対象となっている当該エリアの結合をもし解除しても、その後の一定時間内に再びエリア群の結合が発生するか判定する(824)。
こうしたエリア群の結合の発生有無の判定は、例えば、エリア50を分割してエリア20とエリア30が存在する図5Aの状態において、図6Bのフローを適用してエリア結合の要否を行うことで実行できる。
上述の判定の結果、一定時間内に再びエリア群の結合が発生しないことが判明した場合(824:Yes)、区間管理手段208は、処理825を実行する。
他方、上述の判定の結果、一定時間内に再びエリア群の結合が発生することが判明した場合(824:No)、区間管理手段208は、処理対象の当該エリアの結合に関する処理を終了する。
処理825において、区間管理手段208は、処理821で選択した処理対象のレコードをエリア結合テーブル440から削除する。
区間管理手段208は、上述の処理822〜825に至る処理を、エリア結合テーブル440のすべてのレコードに対して実行して、処理826に移行する。
続いて区間管理手段208は、上述の処理825で削除されたすべてのレコードについて、エリア分割指示であるエリア結合解除指示を送信し(826)、当該フローを終了する。
ここで図6Dのシーケンス図に関する説明に戻る。ここでは、上述のように、エリア分割要否監視処理(820)により、エリア50が分割可能であると判定されたとする。
この場合、区間管理手段208は、エリア50に所属する車上装置または転てつ機制御装置のいずれか1つに対してエリア分割指示を送信する(722)。
図6Dのシーケンス例では、区間管理手段208は転てつ機制御装置204に対してエリア分割指示を送信している。
なお、このエリア分割指示の送信に際し、区間管理手段208は、デフォルトエリア情報テーブル420および分割対象のエリア群の情報も送信するものとする。この場合、区間管理手段208は、エリア結合テーブル440からエリア分割により無効化されるレコードを抽出し、当該レコードの結合エリアリスト443の値を、分割対象のエリア群の情報として特定できる。図6Dの例では、分割対象のエリア群はエリア20、エリア30である。
一方、転てつ機制御装置204は、区間管理手段208からエリア分割指示を受信し、自身に保安電文450(エリア50内で回覧中のもの)が回覧されるまで待機する。
その後、転てつ機制御装置204は、回覧されてきた保安電文450を受信して、エリア分割処理を実行する(723)。
このエリア分割処理(723)において、転てつ機制御装置204は、分割後の各エリアについてのエリア情報テーブル460、保安電文450を作成する。このうち、エリア情報テーブル460の作成は、区間管理手段208から受信したデフォルトエリア情報テーブル420より、各エリアに関するレコードを抜粋することで実現できる。また、保安電文450の作成は、各エリアのエリア情報テーブル460から所属ブロック群、所属転てつ機群の各値を取得し、当該処理(723)の直前に受信した保安電文450から当該所属ブロック群、所属転てつ機群に関するフィールドを抜き出すことで実現できる。
転てつ機制御装置204は、当該エリア分割処理の実行後、エリア分割後のエリア情報テーブル460を送信する(725)。当該処理は、分割前のエリアに所属するすべての転てつ機管理装置および車上装置に対し、エリア情報テーブル460を送信する処理となる。
ここで送信されるエリア情報テーブル460は、エリア分割処理(723)で作成したエリア情報テーブル460のうち、送信先の装置が、エリア分割後に所属するエリアに関するものとする。図6Dの例では、車上装置201、203にはエリア20のエリア情報テーブル460が送信される。また、車上装置202、転てつ機制御装置205には、エリア30のエリア情報テーブル460が送信される。こうした送信対象の装置は、エリア結合後のエリア情報テーブルの送信(715)と同様の手段により決定できる。
続いて転てつ機制御装置204は、エリア50に所属していたすべての車上装置および転てつ機制御装置に対するエリア情報テーブル460の配信を確認した後、エリア20、エリア30に関する保安電文450の回覧処理を開始する。
なお、転てつ機制御装置204は、エリア30には所属していない。そのため、エリア30に関する保安電文450を転てつ機制御装置205に送信した後、当該保安電文は再び転てつ機制御装置204には回覧されない。
以上のように本実施形態によれば、線路上を多数の列車が走行している状況下であっても、列車の進路に応じて電文の回覧エリアを動的に変更し、列車や沿線機器のうち電文回覧対象となるものを適宜に低減できる。そのため、電文回覧の待ち時間の短縮が実現される。
なお、区間管理手段はエリアの分割、結合の指示のみを送り、車上装置または転てつ機制御装置が、実際の分割処理、結合処理を行う。これにより、安全に関与する処理を車上装置、転てつ機制御装置のみで実行することができる。従って、安全に関与する装置を新たに増やすことなく電文の回覧待ち時間の短縮が実現される。
さらに、列車の進路上にあるエリア群が1つに結合されることによって、電文へのブロック占有権情報の書き込みタイミングがエリア間で同期していないことに起因する列車間のデッドロックを防止できる。
なお、本発明は記載した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、本実施例では信号保安システム内に3台の車上装置、2台の転てつ機制御装置が存在する場合に関して説明したが、当然、車上装置や転てつ機制御装置は0台以上であれば任意の台数だけ存在していてもよい。また、エリア20、エリア30はそれぞれ3つのブロックに分割されているが、1つ以上の任意の数量のブロックに分割されていてもよい。
また、信号保安システムは発明の一実施形態にすぎない。本発明における実施例では、各列車の占有範囲や予約範囲をブロック単位で表したが、当然、ある基準点からの相対位置で表してもよいし、緯度経度等の絶対位置で表してもよい。
これ以外にも、軌道上における移動体の安全を担保するための装置であり、軌道がエリアに分割されており、かつ電文を介してエリア毎の占有範囲情報を共有する装置におけるエリアの分割、結合を実現するために本発明は広く用いることができる。
この場合は、移動体を列車と、移動経路の切り替えを行う装置を転てつ機と置き換えることにより、これまでに説明した実施形態と同様の手順で装置を実現することができる。移動体の例としては、例えば予め決められた経路上を走行する自動車や、工場の生産ライン上を搬送される加工品、空路上を飛行する航空機やドローンが挙げられる。
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態
の信号保安システムの、前記管理装置において、前記通信装置は、前記電文回覧によって前記占有権を確保しながら移動する各列車の車上装置と、当該経路における転てつ機制御装置と、通信するものであり、前記演算装置は、前記経路における各列車の移動状況に基づき、前記電文回覧の範囲を移動予定の各列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し、前記結合する指示、または、前記分割する指示、を通知するものである、としてもよい。
これによれば、移動体である列車の運行に際して、電文回覧に要する時間を短縮し、ひいては走行区間の占有権管理を確実かつ効率的なものと出来る。
また、本実施形態の信号保安システムにおいて、前記管理装置、列車の車上装置、および転てつ機制御装置と通信を行う通信装置と、前記電文回覧の範囲に関して、当該範囲に属する区間および転てつ機制御装置の各情報を規定したテーブルを保持する記憶装置と、前記結合の指示の受信に応じて、結合対象の各範囲のテーブルのマージ、当該結合対象の各範囲で回覧されている電文のマージ、および、当該結合後の範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該マージ後のテーブルおよび電文の送信、を実行し、前記分割の指示の受信に応じて、分割対象の範囲のテーブルから所定範囲の情報の分割、および、当該分割前の各範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該分割後のテーブルおよび電文の送信、を実行する演算装置と、を備えた、列車の車上装置および転てつ機制御装置の情報処理装置を更に含む、としてもよい。
これによれば、列車の車上装置における情報処理装置、および転てつ機制御装置における情報処理装置、を当該信号保安システムの構成に含み、電文回覧に要する時間を短縮し、ひいては走行区間の占有権管理を確実かつ効率的なものと出来る。
また、本実施形態の信号保安システムにおいて、前記列車の車上装置および前記転てつ機制御装置のいずれかの情報処理装置のうち、前記結合の指示を前記管理装置から受信したものの前記演算装置は、当該範囲のテーブルと当該範囲で回覧されている電文とを含む範囲結合要求を、結合相手の範囲に所在する列車の車上装置または転てつ機制御装置のいずれかに送信し、前記列車の車上装置および前記転てつ機制御装置のいずれかの情報処理装置のうち、前記範囲結合要求を受信したものの前記演算装置は、当該範囲のテーブルと前記範囲結合要求が含むテーブルとのマージと、当該範囲で回覧されている電文と前記範囲結合要求が含む電文とのマージとを実行し、当該結合後の範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該マージ後のテーブルおよび電文の送信を実行するものである、としてもよい。
これによれば、既に述べた、結合する範囲の間でテーブルや電文が錯綜することなく、いわゆるデッドロック状態の発生を回避し、ひいては走行区間の占有権管理を確実かつ効率的なものと出来る。
また、本実施形態の信号保安システムの、前記管理装置において、前記演算装置は、前記経路における各列車の移動状況として、所定列車が前記範囲と前記他の電文回覧の範囲とを跨ぐ経路を移動する予定時刻より所定時間前の時刻が到来した状況に基づき、前記結合の指示を、当該列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し通知するものである、としてもよい。
これによれば、電文回覧の範囲の結合タイミングについて、実際に列車が複数の範囲を跨ぐ状況が招来する機会を捉え、結合の指示を行うことが可能となる。ひいては、電文回覧時間の短縮をより効率的で有意に行えるとともに、走行区間の占有権管理を確実かつ効率的なものと出来る。
また、本実施形態の信号保安システムの、前記管理装置において、前記演算装置は、前記結合後の範囲に所在する列車の車上装置および転てつ機制御装置のうち、装置間の優先順位が最も高いものに対して前記結合の指示を通知するものである、としてもよい。
これによれば、既に述べた、結合する範囲の間でテーブルや電文が錯綜することなく、いわゆるデッドロック状態の発生を回避し、ひいては走行区間の占有権管理を確実かつ効率的なものと出来る。
また、本実施形態の信号保安システムの、前記管理装置において、前記演算装置は、前記経路における各列車の移動状況として、所定列車が前記範囲と前記他の電文回覧の範囲とを跨ぐ経路の移動を終了した状況に基づき、前記結合の指示に基づき1つに結合されていた複数の範囲を、元の複数の範囲に分割する指示を、当該列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し通知するものである、としてもよい。
これによれば、電文回覧の範囲の分割タイミングについて、実際に列車が結合状態にあった範囲を通過完了した状況を捉え、当該範囲に関する分割の指示を行うことが可能となる。ひいては、電文回覧時間の短縮をより効率的で有意に行えるとともに、走行区間の占有権管理を確実かつ効率的なものと出来る。
また、本実施形態の信号保安システムの、前記管理装置において、前記演算装置は、前記経路における各移動体の移動状況に基づき、前記範囲の分割後の所定時間内に再び結合を指示する状況を特定した場合、前記分割の指示を通知しないものである、としてもよい。
これによれば、電文回覧の範囲の分割タイミングについて、実際に列車が結合状態にあった範囲を通過完了した後に、すぐに結合が必要となる状況は分割不要と特定し、当該範囲に関する分割の指示を回避可能となる。ひいては、電文回覧時間の短縮をより効率的で有意に行えるとともに、走行区間の占有権管理を確実かつ効率的なものと出来る。
また、本実施形態の信号保安方法において、前記管理装置における前記通信装置が、前記電文回覧によって前記占有権を確保しながら移動する各列車の車上装置と、当該経路における転てつ機制御装置と、通信し、前記演算装置が、前記経路における各列車の移動状況に基づき、前記電文回覧の範囲を移動予定の各列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し、前記結合する指示、または、前記分割する指示、を通知する、としてもよい。
また、本実施形態の信号保安方法において、前記管理装置、列車の車上装置、および転てつ機制御装置と通信を行う通信装置と、前記電文回覧の範囲に関して、当該範囲に属する区間および転てつ機制御装置の各情報を規定したテーブルを保持する記憶装置とを備えた、列車の車上装置および転てつ機制御装置の情報処理装置が、前記結合の指示の受信に応じた、結合対象の各範囲のテーブルのマージ、当該結合対象の各範囲で回覧されている電文のマージ、および、当該結合後の範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該マージ後のテーブルおよび電文の送信と、前記分割の指示の受信に応じた、分割対象の範囲のテーブルから所定範囲の情報の分割、および、当該分割前の各範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該分割後のテーブルおよび電文の送信と、を更に実行するとしてもよい。
また、本実施形態の信号保安方法において、前記列車の車上装置および前記転てつ機制御装置のいずれかの情報処理装置のうち、前記結合の指示を前記管理装置から受信したものが、当該範囲のテーブルと当該範囲で回覧されている電文とを含む範囲結合要求を、結
合相手の範囲に所在する列車の車上装置または転てつ機制御装置のいずれかに送信し、 前記列車の車上装置および前記転てつ機制御装置のいずれかの情報処理装置のうち、前記範囲結合要求を受信したものが、当該範囲のテーブルと前記範囲結合要求が含むテーブルとのマージと、当該範囲で回覧されている電文と前記範囲結合要求が含む電文とのマージとを実行し、当該結合後の範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該マージ後のテーブルおよび電文の送信を実行する、としてもよい。
また、本実施形態の信号保安方法において、前記管理装置が、前記経路における各列車の移動状況として、所定列車が前記範囲と前記他の電文回覧の範囲とを跨ぐ経路を移動する予定時刻より所定時間前の時刻が到来した状況に基づき、前記結合の指示を、当該列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し通知する、としてもよい。
また、本実施形態の信号保安方法において、前記管理装置が、前記結合後の範囲に所在する列車の車上装置および転てつ機制御装置のうち、装置間の優先順位が最も高いものに対して前記結合の指示を通知する、としてもよい。
また、本実施形態の信号保安方法において、前記管理装置が、前記経路における各列車の移動状況として、所定列車が前記範囲と前記他の電文回覧の範囲とを跨ぐ経路の移動を終了した状況に基づき、前記結合の指示に基づき1つに結合されていた複数の範囲を、元の複数の範囲に分割する指示を、当該列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し通知する、としてもよい。
100 信号保安システム
104、105 転てつ機
108 運行管理装置(管理装置)
1081 通信装置
1082 演算装置
1083 メモリ
1084 記憶装置
1085 プログラム
201、202、203 車上装置
2011 通信装置
2012 演算装置
2013 メモリ
2014 記憶装置
2015 プログラム
204、205 転てつ機制御装置
2041 通信装置
2042 演算装置
2043 メモリ
2044 記憶装置
2045 プログラム
207 通信伝送路
208 区間管理手段
410 装置情報テーブル
420 デフォルトエリア情報テーブル
430 列車進路テーブル
440 エリア結合テーブル
450、620、630、650、670、680 保安電文
460 エリア情報テーブル

Claims (15)

  1. 経路の各区間の占有権を記載した電文を移動体間で回覧することにより、前記各区間の占有権を確保しながら移動する各移動体と通信する通信装置と、
    1以上の前記区間からなる電文回覧の範囲において、前記各移動体の移動状況に基づき、前記範囲に属する各移動体および所定の各制御装置のうちいずれかに対し、前記範囲を他の電文回覧の範囲と結合する指示、または、前記範囲を分割する指示、を通知する演算装置と、
    を備えた管理装置を含む信号保安システム。
  2. 前記管理装置において、
    前記通信装置は、前記電文回覧によって前記占有権を確保しながら移動する各列車の車上装置と、当該経路における転てつ機制御装置と、通信するものであり、
    前記演算装置は、前記経路における各列車の移動状況に基づき、前記電文回覧の範囲を移動予定の各列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し、前記結合する指示、または、前記分割する指示、を通知するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号保安システム。
  3. 前記管理装置、列車の車上装置、および転てつ機制御装置と通信を行う通信装置と、
    前記電文回覧の範囲に関して、当該範囲に属する区間および転てつ機制御装置の各情報を規定したテーブルを保持する記憶装置と、
    前記結合の指示の受信に応じて、結合対象の各範囲のテーブルのマージ、当該結合対象の各範囲で回覧されている電文のマージ、および、当該結合後の範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該マージ後のテーブルおよび電文の送信、を実行し、前記分割の指示の受信に応じて、分割対象の範囲のテーブルから所定範囲の情報の分割、および、当該分割前の各範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該分割後のテーブルおよび電文の送信、を実行する演算装置と、
    を備えた、列車の車上装置および転てつ機制御装置の情報処理装置を更に含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号保安システム。
  4. 前記列車の車上装置および前記転てつ機制御装置のいずれかの情報処理装置のうち、
    前記結合の指示を前記管理装置から受信したものの前記演算装置は、当該範囲のテーブルと当該範囲で回覧されている電文とを含む範囲結合要求を、結合相手の範囲に所在する列車の車上装置または転てつ機制御装置のいずれかに送信し、
    前記列車の車上装置および前記転てつ機制御装置のいずれかの情報処理装置のうち、
    前記範囲結合要求を受信したものの前記演算装置は、当該範囲のテーブルと前記範囲結合要求が含むテーブルとのマージと、当該範囲で回覧されている電文と前記範囲結合要求が含む電文とのマージとを実行し、当該結合後の範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該マージ後のテーブルおよび電文の送信を実行するものである、
    ことを特徴とする請求項3に記載の信号保安システム。
  5. 前記管理装置において、
    前記演算装置は、前記経路における各列車の移動状況として、所定列車が前記範囲と前記他の電文回覧の範囲とを跨ぐ経路を移動する予定時刻より所定時間前の時刻が到来した状況に基づき、前記結合の指示を、当該列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し通知するものである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号保安システム。
  6. 前記管理装置において、
    前記演算装置は、前記結合後の範囲に所在する列車の車上装置および転てつ機制御装置
    のうち、装置間の優先順位が最も高いものに対して前記結合の指示を通知するものである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号保安システム。
  7. 前記管理装置において、
    前記演算装置は、前記経路における各列車の移動状況として、所定列車が前記範囲と前記他の電文回覧の範囲とを跨ぐ経路の移動を終了した状況に基づき、前記結合の指示に基づき1つに結合されていた複数の範囲を、元の複数の範囲に分割する指示を、当該列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し通知するものである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号保安システム。
  8. 前記管理装置において、
    前記演算装置は、前記経路における各移動体の移動状況に基づき、前記範囲の分割後の所定時間内に再び結合を指示する状況を特定した場合、前記分割の指示を通知しないものである、
    ことを特徴とする請求項7に記載の信号保安システム。
  9. 経路の各区間の占有権を記載した電文を移動体間で回覧することにより、前記各区間の占有権を確保しながら移動する各移動体と通信する通信装置を備えた管理装置が、
    1以上の前記区間からなる電文回覧の範囲において、前記各移動体の移動状況に基づき、前記範囲に属する各移動体および所定の各制御装置のうちいずれかに対し、前記範囲を他の電文回覧の範囲と結合する指示、または、前記範囲を分割する指示、を通知する
    ことを特徴とする信号保安管理方法。
  10. 前記管理装置において、
    前記通信装置が、前記電文回覧によって前記占有権を確保しながら移動する各列車の車上装置と、当該経路における転てつ機制御装置と、通信し
    前記演算装置が、前記経路における各列車の移動状況に基づき、前記電文回覧の範囲を移動予定の各列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し、前記結合する指示、または、前記分割する指示、を通知する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の信号保安管理方法。
  11. 前記管理装置、列車の車上装置、および転てつ機制御装置と通信を行う通信装置と、前記電文回覧の範囲に関して、当該範囲に属する区間および転てつ機制御装置の各情報を規定したテーブルを保持する記憶装置とを備えた、列車の車上装置および転てつ機制御装置の情報処理装置が、
    前記結合の指示の受信に応じた、結合対象の各範囲のテーブルのマージ、当該結合対象の各範囲で回覧されている電文のマージ、および、当該結合後の範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該マージ後のテーブルおよび電文の送信と、
    前記分割の指示の受信に応じた、分割対象の範囲のテーブルから所定範囲の情報の分割、および、当該分割前の各範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該分割後のテーブルおよび電文の送信と、
    を更に実行することを特徴とする請求項10に記載の信号保安管理方法。
  12. 前記列車の車上装置および前記転てつ機制御装置のいずれかの情報処理装置のうち、
    前記結合の指示を前記管理装置から受信したものが、当該範囲のテーブルと当該範囲で回覧されている電文とを含む範囲結合要求を、結合相手の範囲に所在する列車の車上装置または転てつ機制御装置のいずれかに送信し、
    前記列車の車上装置および前記転てつ機制御装置のいずれかの情報処理装置のうち、
    前記範囲結合要求を受信したものが、当該範囲のテーブルと前記範囲結合要求が含むテ
    ーブルとのマージと、当該範囲で回覧されている電文と前記範囲結合要求が含む電文とのマージとを実行し、当該結合後の範囲に所在する列車および転てつ機制御装置への当該マージ後のテーブルおよび電文の送信を実行する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の信号保安管理方法。
  13. 前記管理装置が、
    前記経路における各列車の移動状況として、所定列車が前記範囲と前記他の電文回覧の範囲とを跨ぐ経路を移動する予定時刻より所定時間前の時刻が到来した状況に基づき、前記結合の指示を、当該列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し通知する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号保安管理方法。
  14. 前記管理装置が、
    前記結合後の範囲に所在する列車の車上装置および転てつ機制御装置のうち、装置間の優先順位が最も高いものに対して前記結合の指示を通知する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号保安管理方法。
  15. 前記管理装置が、
    前記経路における各列車の移動状況として、所定列車が前記範囲と前記他の電文回覧の範囲とを跨ぐ経路の移動を終了した状況に基づき、前記結合の指示に基づき1つに結合されていた複数の範囲を、元の複数の範囲に分割する指示を、当該列車および各転てつ機制御装置のいずれかに対し通知する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号保安管理方法。
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