JP2018034292A - 窓用構造体、窓用構造体の製造方法および窓用ユニット - Google Patents

窓用構造体、窓用構造体の製造方法および窓用ユニット Download PDF

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Teppei Ito
哲平 伊藤
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Abstract

【課題】工作機械による機械加工時に生じ得る飛翔物(例えば、工作機械を構成する加工工具が欠損した際に生じる破片、加工工具を固定するボルト(治具)等の固定部材、加工時に生じる切りくず等)が衝突した場合の耐久性に優れた窓用構造体、かかる窓用構造体を製造する方法、および、かかる窓用構造体を備える窓用ユニットを提供すること。【解決手段】窓用構造体2は、工作機械に装着してその内部を視認するのに用いられるものである。この窓用構造体2は、樹脂板と、接着層を介して樹脂板に接着されたガラス板3とを備える。そして、φ5mm、0.5gfの鋼球を120m/秒でガラス板3に衝突させる水平式鋼球衝撃試験を行なった際、ガラス板3に生じるヒビは、ガラス板3の鋼球による衝突中心O31から30mm以下の範囲(円C31)内に収まる。【選択図】図4

Description

本発明は、窓用構造体、窓用構造体の製造方法および窓用ユニットに関する。
機械部品を加工する際には、当該加工に応じて、例えば旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、歯切り盤、研削盤等の工作機械を使い分けて、その加工を行なっている。近年では、NC加工で機械加工を自動的に行なうことができ、工具と加工対象物(母材)とを自動的に交換可能なマシニングセンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のマシニングセンタは、外側を外装(カバー)で全体が覆われている。これにより、機械加工が行なわれる加工領域と、マシニングセンタを操作する操作者が立ち入り可能な操作領域とが区画され、操作者に対する安全性が確保されている。このマシニングセンタの外装には、開閉自在な開閉扉が設けられている。そして、開閉扉には、マシニングセンタの内部を外側から視認可能、すなわち、機械領域を操作領域から視認可能な窓部としてのガラスがはめ込まれている。このガラスとしては、通常、一般的には、厚さが5mm以上の強化ガラスが用いられている。
しかしながら、このマシニングセンタの機械領域内では、機械加工時に生じ得る飛翔物が飛散するため、当該飛翔物が前記ガラスに衝突する場合がある。この場合、衝突の程度によっては、前記ガラスがヒビ割れて破損したり、前記ガラスに傷がついて内部の視認性が低下してしまうという問題があった。なお、飛翔物としては、例えば、加工工具が欠損した際に生じる破片、加工工具を固定するボルト等の固定部材(治具)、加工時に生じる切りくず等が挙げられる。
特開2012−203782号公報
本発明の目的は、工作機械による機械加工時に生じ得る飛翔物(例えば、工作機械を構成する加工工具が欠損した際に生じる破片、加工工具を固定するボルト(治具)等の固定部材、加工時に生じる切りくず等)が衝突した場合の耐久性に優れた窓用構造体、かかる窓用構造体を製造する方法、および、かかる窓用構造体を備える窓用ユニットを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(16)の本発明により達成される。
(1) 工作機械に装着して該工作機械の内部を視認するのに用いられる窓用構造体であって、
ポリカーボネート系樹脂を主材料として構成された樹脂板と、
前記樹脂板に対して前記工作機械の内部側に配置され、ガラス材料を主材料として構成された板状をなすガラス板とを備え、
前記樹脂板と前記ガラス板とは、接着層を介して接着されており、
φ5mm、0.5gfの鋼球を120m/秒で前記ガラス板に衝突させる水平式鋼球衝撃試験を行なった際、前記ガラス板に生じるヒビは、該ガラス板の前記鋼球による衝突中心から30mm以下の範囲内に収まることを特徴とする窓用構造体。
(2) 前記接着層の前記ガラス板との密着強度は、20[N/25mm]以上である上記(1)に記載の窓用構造体。
(3) 前記接着層のショアA硬度は、85以上である上記(1)または(2)に記載の窓用構造体。
(4) 前記接着層の厚さは、0.1mm以上、1.5mm以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の窓用構造体。
(5) 前記接着層の構成材料は、エチレン酢酸ビニル共重合体およびウレタン樹脂のうちの少なくとも1種を含有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の窓用構造体。
(6) 前記ガラス板の厚さは、0.1mm以上、3mm以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の窓用構造体。
(7) 前記樹脂板の厚さは、1mm以上、20mm以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の窓用構造体。
(8) 前記ポリカーボネート系樹脂は、主としてビスフェノール型ポリカーボネート樹脂である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の窓用構造体。
(9) 前記樹脂板に対して前記工作機械の内部と反対側に配置され、ポリカーボネート系樹脂を主材料として構成された板状をなす外側樹脂板を備える上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の窓用構造体。
(10) 前記樹脂板と前記外側樹脂板とは、外側接着層を介して接着されている上記(9)に記載の窓用構造体。
(11) 前記樹脂板と前記外側樹脂板との間には、間隙が形成されている上記(9)に記載の窓用構造体。
(12) 前記樹脂板と前記外側樹脂板との間に配置され、ガラス材料を主材料として構成された外側ガラス板を備え、
前記外側ガラス板は、外側接着層を介して前記樹脂板と接着されている上記(11)に記載の窓用構造体。
(13) 前記外側樹脂板は、前記工作機械の内部と反対側の面が樹脂フィルムで覆われている上記(9)ないし(12)のいずれかに記載の窓用構造体。
(14) 上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の窓用構造体を製造する方法であって、
前記接着層となるホットメルト型接着剤を介して前記ガラス板と前記樹脂板とを接着する接着工程を有することを特徴とする窓用構造体の製造方法。
(15) 前記ホットメルト型接着剤は、前記ガラス板と前記樹脂板とを接着する以前は、フィルム状をなすものであり、
前記接着工程では、前記ホットメルト型接着剤を70度以上、140度以下の範囲内で加熱して前記ガラス板と前記樹脂板との接着を行なう上記(14)に記載の窓用構造体の製造方法。
(16) 上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の窓用構造体と、
前記窓用構造体を支持する枠体とを備え、
前記窓用構造体と前記枠体とを組み立ててなることを特徴とする窓用ユニット。
本発明によれば、工作機械による機械加工時に生じ得る飛翔物(例えば、工作機械を構成する加工工具が欠損した際に生じる破片、加工工具を固定するボルト(治具)等の固定部材、加工時に生じる切りくず等)が衝突した場合の耐久性に優れた窓用構造体が得られる。
また、かかる窓用構造体を製造することができる。
また、かかる窓用構造体を備える窓用ユニットが得られる。
図1は、本発明の窓用ユニット(第1実施形態)が装着された工作機械の一例を示す斜視図である。 図2は、図1中のA−A線断面図である。 図3は、図1に示す窓ユニットが備える窓用構造体に対して水平式鋼球衝撃試験を行なう状態を示す部分垂直断面図である。 図4は、図3中の矢印B方向から見た図である。 図5は、図3での水平式鋼球衝撃試験結果の一例を示す図面代用写真である。 図6は、図3での水平式鋼球衝撃試験で生じた衝撃痕の一例を拡大した図面代用写真である。 図7は、図3での水平式鋼球衝撃試験結果の一例を示す図面代用写真である。 図8は、図1に示す窓ユニットが備える窓用構造体を製造する方法を順に示す垂直断面図である。 図9は、図1に示す窓ユニットが備える窓用構造体を製造する方法を順に示す垂直断面図である。 図10は、図1に示す窓ユニットが備える窓用構造体を製造する方法を順に示す垂直断面図である。 図11は、図1に示す窓ユニットが備える窓用構造体を製造する方法を順に示す垂直断面図である。 図12は、本発明の窓用ユニットの第2実施形態を示す垂直縦断面図である。 図13は、本発明の窓用ユニットの第3実施形態を示す垂直縦断面図である。
以下、本発明の窓用構造体、窓用構造体の製造方法および窓用ユニットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の窓用ユニット(第1実施形態)が装着された工作機械の一例を示す斜視図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、図1に示す窓ユニットが備える窓用構造体に対して水平式鋼球衝撃試験を行なう状態を示す部分垂直断面図である。図4は、図3中の矢印B方向から見た図である。図5は、図3での水平式鋼球衝撃試験結果の一例を示す図面代用写真である。図6は、図3での水平式鋼球衝撃試験で生じた衝撃痕の一例を拡大した図面代用写真である。図7は、図3での水平式鋼球衝撃試験結果の一例を示す図面代用写真である。図8〜図11は、それぞれ、図1に示す窓ユニットが備える窓用構造体を製造する方法を順に示す垂直断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図4および図8〜図11中(図12および図13についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図2中(図12および図13についても同様)の右側を「内側」、左側を「外側」と言う。また、図2、図3および図8〜図11中(図12および図13についても同様)では、窓用ユニット(窓用構造体)に関して、その厚さ方向を強調して描いている。
図1に示す工作機械は、NC加工で機械加工を自動的に行なうことができ、そして、その機械加工に応じて、工具と(母材)とを自動的に交換可能なマシニングセンタ10である。このマシニングセンタ10は、加工対象物に対して実際に機械加工を行なう加工用工具101と、加工用工具101全体を覆う外装102と、加工用工具101の作動を操作、制御する操作パネル103とを有している。
図2に示すように、加工用工具101としては、本実施形態では、切削を行なうエンドミルを一例として挙げている。このエンドミルである加工用工具101は、その先端部に複数のインサート104を有している。そして、加工用工具101と、加工対象物である円柱体20とが相対的に回転することにより、当該円柱体20に対して切削を施すことができる。なお、回転数としては、例えば、好ましくは8000rpm以上、12000rpm以下であり、より好ましくは9000rpm以上、11000rpm以下である。
また、マシニングセンタ10であるため、加工用工具101としては、切削としての機能を有するものの他に、例えば、旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、歯切り盤、研削盤としての機能も有するものも備えている。
外装102は、金属板で構成され、マシニングセンタ10の骨格を構成するフレーム(図示せず)に例えばボルトを介して固定されている。これにより、加工用工具101で機械加工が行なわれる加工領域S1と、マシニングセンタ10を操作する操作者が立ち入り可能な操作領域S2とを確実に仕切ることができる。よって、操作者に対する安全性を確保することができる。
操作パネル103は、各種の機械加工を施すためのプログラムが予め記憶された制御部105と、プログラムを呼び出す等の操作を行なう液晶パネル106や操作ボタン107を有している。
ところで、図2に示すように、切削を行なっている最中には、加工用工具101が例えば金属疲労によって寿命に達して破断した(欠損した)破片101’や、加工時に生じる円柱体20からの多数の切りくず201、加工を円滑に行なうための潤滑油や冷却用の冷却液(クーラント液)等の液体30が液滴や霧状(オイルミスト)となったもの等が飛翔物40として加工領域S1内を飛散する(飛翔する)ことがある。この場合、飛翔物40は、その飛散の程度によっては外装102に内側から衝突して、それ以上の飛散が確実に防止される。これにより、飛翔物40が操作領域S2にまで飛散して侵入するのが防止される。よって、操作者は、飛翔物40で怪我を負ったり、汚れてしまうのが防止される。なお、飛翔物40としては、破片101’、切りくず201、液体30の他に、インサート104が破断したもの等も含まれることがある。
さて、図2に示すように、マシニングセンタ10は、外装102に装着され、その装着状態で当該外装102の一部を構成する窓用ユニット(工作機械用窓)1を有している。窓用ユニット1(窓用構造体2)は、マシニングセンタ10の内部、すなわち、加工領域S1を視認したり、その他、操作領域S2にある例えば蛍光灯からの光を加工領域S1に採り込んで視認性を向上させたりするのに用いられる。このように窓用ユニット1は、視認用窓としての機能と、採光用窓としての機能とを有している。
窓用ユニット1は、積層体である窓用構造体2と、窓用構造体2を支持する枠体(窓枠)4とを備えている。
窓用構造体2は、ガラス板3と、第1の接着層(接着層)5aと、第1の樹脂板(樹脂板)6aと、第2の接着層(外側接着層)5bと、第2の樹脂板(外側樹脂板)6bと、樹脂フィルム7とを備え、マシニングセンタ10の内側から外側に向かってこの順に積層されている。
枠体4は、窓用構造体2を支持する部材である。これにより、窓用ユニット1は、予め窓用構造体2と枠体4とが組み立てられた図2に示す組立状態となり、よって、この組立状態のまま外装102に容易に取り付けることができる。
なお、枠体4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等の各種金属材料や、各種樹脂材料を用いることができる。
枠体4は、窓用構造体2の縁部に沿うような、すなわち、平面視で四角形の枠状をなし、その四隅にそれぞれ貫通孔41が形成されている。マシニングセンタ10では、外装102の窓用ユニット1が設置される部分が開口しており、その周辺に4本のスタッドボルト102aが支持、固定されている。そして、枠体4の各貫通孔41にそれぞれスタッドボルト102aを挿通させて、当該スタッドボルト102aにナット102bを螺合させることができる。これにより、窓用ユニット1が外装102に装着されることとなる。
窓用構造体2が備えるガラス板3は、板状をなす、例えばフロートガラスである。
ガラス板3の厚さtは、0.1mm以上、3mm以下であるのが好ましく、0.2mm以上、2mm以下であるのがより好ましく、0.5mm以上、1.5mm以下であるのがさらに好ましい。これにより、飛翔物40がガラス板3に衝突した際には、その衝撃によるヒビ311の発生をできる限り抑制することができ、よって、視認性を確保することができる。また、衝撃によって瞬間的に粉砕する脆弱性を防止することができる。
窓用ユニット1(窓用構造体2)で用いられるガラス板3は、一般に板ガラスや合わせガラスに用いられるものを使用することができ、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、リン珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、カリ石灰ガラス、鉛アルカリ硝子、アルミナ珪酸ガラス、バリウムガラス等が挙げられる。またガラスの板の製造方法については、特に限定されず、一般的なフロートガラス法などを用いることができる。このようなガラス材料は、ポリカーボネートと比較して耐油性および耐擦傷性に優れる。マシニングセンタ10の操作作業中には、ガラス板3の内面には、液体30が付着したり、破片101’や切りくず201が衝突したりする。ガラス板3が加工領域S1に臨むように配置されることにより、第1の樹脂板6aへの液体30の付着や、破片101’や切りくず201の衝突を防止することができる。これにより、第1の樹脂板6aの破損や、変質・劣化を好適に防止または抑制することができる。
このようなガラス板3は、普通ガラスであるのが好ましい。すなわち、ガラス板3には、風冷強化、ケミカル強化(イオン交換による強化)等の強化処理が施されてない普通ガラス板が好適に使用される。普通ガラス板は、これに強化処理が施された強化ガラス板と比較して表面硬度が低いが、強化ガラス板よりも安価であり、窓用構造体2の製造コストを抑えるのに寄与する。
ガラス板3の外側、すなわち、マシニングセンタ10の内部と反対側には、透明性を有する第1の樹脂板6aが配置され、さらに第1の樹脂板6aの外側には、透明性を有する第2の樹脂板6bが配置されている。なお、「透明」には、無色透明と有色透明とが含まれ、マシニングセンタ10では、無色透明が好ましい。
第1の樹脂板6aは、板状をなし、厚さt6aとしては、ガラス板3の厚さtの大きさにもよるが、例えば、1mm以上、20mm以下であるのが好ましく、5mm以上、15mm以下であるのがより好ましい。
第2の樹脂板6bも、板状をなし、厚さt6bとしては、厚さt6bと同様に、例えば、1mm以上、20mm以下であるのが好ましく、5mm以上、15mm以下であるのがより好ましい。また、厚さt6aと厚さt6bとの大小関係は、問わない。
そして、このような厚さの第1の樹脂板6aと第2の樹脂板6bとが相まって、窓用構造体2全体としての強度を十分に確保することができる。ここで、「窓用構造体2全体としての強度を十分に確保すること」とは、破片101’が窓用構造体2に例えば2000Jで衝突したとしても、当該破片101’が窓用構造体2を突き破って貫通してしまうのを確実に防止することができる程度のことを言う。
第1の樹脂板6aおよび第2の樹脂板6bは、いずれもポリカーボネート系樹脂を主材料として構成されている。これにより、各樹脂板は、透明性に優れるとともに、破片101’等に対する耐衝撃性に優れたものとなる。ここで、「衝撃性」には、ガラス板3が割れる程度の衝撃性(チッピング)と、窓用構造体2を貫通してしまう程の衝撃性とが含まれる。
ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールと、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートとがカーボネート結合されている芳香族系ポリカーボネート樹脂を用いることができる。この芳香族系ポリカーボネート樹脂は、一般に、界面重縮合や、エステル交換反応などで合成される。
ビスフェノールとしては、ビスフェノールAや、式(1)に示すビスフェノール(変性ビスフェノール)等が挙げられる。
Figure 2018034292
(式中、Xは、炭素数1〜18のアルキル基、芳香族基、および環状脂肪族基から選ばれるものであり、Ra、Rbは、炭素数1〜12のアルキル基であり、m、nはそれぞれ0〜4である。)
式(1)に示すビスフェノールとしては、具体的には、例えば4,4’−(ペンタン−2,2−ジイル)ジフェノール、4,4’−(ペンタン−3,3−ジイル)ジフェノール、4,4’−(ブタン−2,2−ジイル)ジフェノール、1,1’−(シクロヘキサンジイル)ジフェノール、2−シクロヘキシル−1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,3−ビスシクロヘキシル−1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン等が挙げられる。
そして、ポリカーボネート系樹脂の中でも、ビスフェノール骨格を有するビスフェノール型ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。これにより、第1の樹脂板6aおよび第2の樹脂板6bは、透明性にさらに優れる。また、破片101’に対する耐衝撃性にさらに優れたものとなる、すなわち、破片101’が窓用構造体2を貫通してしまう程の衝撃に耐え得る。
また、第1の樹脂板6aおよび第2の樹脂板6bの構成材料には、必要に応じて、例えば、可塑剤、酸化防止剤、フィラー等を含んでいてもよい。
ガラス板3と第1の樹脂板6aとは、第1の接着層5aを介して接着されており、第1の樹脂板6aと第2の樹脂板6bとは、第2の接着層5bを介して接着されている。これにより、窓用構造体2を1枚の積層板(積層体)とすることができ、よって、当該窓用構造体2は、破片101’が貫通してしまう程の衝撃に耐え得るものとなる。
第1の接着層5aのガラス板3との密着強度(AS1)は、特に限定されないが、例えば、20[N/25mm]以上であるのが好ましく、25[N/25mm]以上であるのがより好ましく、30[N/25mm]以上であるのがさらに好ましい。これにより、ガラス板3が第1の接着層5aに確実に接着され、ガラス板3の剥離が防止された状態が維持される。また、飛翔物40、特に、最も重量が大きいと考えられる破片101’が衝突した場合でも、ガラス板3の曲げが抑制され、ヒビ311の進展を抑えることができる。ここで、「密着強度」とは、第1の接着層5aからガラス板3を引張って引き剥がすときに要する力(引張り接着強度)のことを言う(以下同様)。密着強度の測定方法としては、試験片の幅:25mm、剥離法:180度剥離、剥離速度:200mm/minで実施することができる。
また、第1の接着層5aの第1の樹脂板6aとの密着強度(AS2)と、第2の接着層5bの第1の樹脂板6aとの密着強度(AS3)と、第2の接着層5bの第2の樹脂板6bとの密着強度(AS4)とは、それぞれ、特に限定されないが、例えば、密着強度(AS1)以上となっているのが好ましい。
密着強度(AS1)、密着強度(AS2)、密着強度(AS3)、密着強度(AS4)がこのような大きさとなっていることにより、ガラス板3から第2の樹脂板6bまでが確実に接着され、剥離が防止された状態が維持される。
第1の接着層5aのショアA硬度(SA1)および第2の接着層5bのショアA硬度(SA2)は、それぞれ、85以上であるのが好ましく、87以上であるのがより好ましく、90以上であるのがさらに好ましい。これにより、第1の接着層5aおよび第2の接着層5bは、それぞれ、ガラス板3の曲げが抑制され、ヒビ311の進展を抑えることができる程度の適度な弾性を有する層となる。なお、ショアA硬度(SA1)とショアA硬度(SA2)とは、異なっていてもよいが、同じであるのがより好ましい。
第1の接着層5aの厚さt5aと第2の接着層5bの厚さt5bとは、それぞれ、例えば、0.1mm以上、1.5mm以下であるのが好ましく、0.15mm以上、1mm以下であるのがより好ましく、0.2mm以上、0.8mm以下であるのがさらに好ましい。これにより、ヒビ311の抑制機能を確保しつつ、ガラス板3と第1の樹脂板6aとの貼り合せ、すなわち、異種材料同士の貼り合せによる応力を緩和して、板同士の密着性を担保することができる。また、各接着層の接着力(密着性)を十分に確保することができる。なお、厚さt5aが上限値を超えた場合、ガラス板3が曲り易くなり、当該ガラス板3にヒビ311が生じ易くなる傾向にある。また、厚さt5aと厚さt5bとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1の接着層5aおよび第2の接着層5bは、それぞれ、十分な接着力を発揮することができれば、如何なる接着剤で構成するようにしてもよいが、優れた耐油性を有する接着剤が好ましい。かかる接着剤で第1の接着層5aおよび第2の接着層5bを構成することにより、液体30の操作領域S2側への浸透を阻止することができる。
第1の接着層5aおよび第2の接着層5b(以下「第1の接着層5a」を代表する)の耐油性は、例えば、第1の接着層5aを所定の薬液に浸漬した際の質量増加率を指標にすることができる。具体的には、第1の接着層5aをpH8以上10.5以下のアルカリ溶液に、40℃で14日間浸漬したとき、第1の接着層5aの質量増加率は、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。かかる第1の接着層5aは、優れた耐油性を有すると判断することができる。
かかる接着剤としては、ホットメルト型接着剤を含有するものを用いることができる。
ホットメルト型接着剤としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体およびウレタン樹脂のうちの少なくとも1種を含有する接着剤が挙げられる。これにより、後述するように第1の接着層5aを介してガラス板3と第1の樹脂板6aとを積層し、これらを熱圧着することによって、ガラス板3と第1の樹脂板6aとの接合を確実に行なうことができる。
第2の樹脂板6bの外側の面61は、樹脂フィルム7で覆われている。これにより、最も外側に位置する第2の樹脂板6bを保護することができる。これにより、ミスト状になったクーラント液による劣化や、作業者の手が触れることによる傷つきを防止することができる。
樹脂フィルム7の厚さtは、例えば、10μm以上、200μm以下であるのが好ましく、20μm以上、150μm以下であるのがより好ましい。
樹脂フィルム7の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく、その他、アクリルフィルム/透明塩化ビニルフィルムなどクーラント耐性を有するものであれば使用可能である。
以上のような構成の窓用構造体2は、前述したように飛翔物40が衝突した場合の耐久性に優れたものとなっている。そして、窓用構造体2が耐久性に優れたものとみなすことができる評価基準として、後述する水平式鋼球衝撃試験を行ない、その試験結果を用いる。
なお、窓用構造体2のヘイズは、例えば、10%以下が好ましく、5%以下であるのがより好ましい。これにより、窓用構造体2は、加工領域S1を視認するのに良好な透明性を有するものとなる。なお、窓用構造体2のヘイズが10%を超えた場合、曇った状態となり、視認性不良となる。また、「ヘイズ」とは、透明性に関する指標であり、濁度(曇度)を表す値である。
次に、水平式鋼球衝撃試験について、図3〜図7を参照しつつ説明する。
水平式鋼球衝撃試験では、図3に示す水平式鋼球衝撃試験機60が用いられる。水平式鋼球衝撃試験機60は、鋼球601を水平方向に発射する発射口603を有する発射部602を備えている。鋼球601は、φ5mm、0.5gfのものである。
また、試験される窓用構造体2は、縦100mm、横100mmのものである。
水平式鋼球衝撃試験を行なうには、まず、窓用構造体2を起立した状態で支持する。このとき、窓用構造体2のガラス板3が発射部602に臨んだ状態とする。また、発射部602の発射口603とガラス板3との距離L603は、2m(または3m)となっている。
次に、鋼球601を120m/秒でガラス板3に衝突させる。この衝突によって、ガラス板3には、衝撃痕31が生じる(図4参照)。この衝撃痕31には、放射状に延びる複数本のヒビ311が含まれていることがある。そして、窓用構造体2では、ガラス板3に対する鋼球601の衝突位置は問わず、各ヒビ311は、いずれも、ガラス板3の鋼球601による衝突中心(衝撃痕31の中心)O31から30mm以下の範囲(二点鎖線の円C31で示す)内に収まる。
図5〜図7は、それぞれ、窓用構造体2に対して実際に水平式鋼球衝撃試験を行なった後の状態を示している。図5、図6は、それぞれ、鋼球601を1回衝突させたときのものであり、いずれも衝撃痕31は円C31内に収まっている。図7は、鋼球601を2回に分けて衝突させたときのものである。この図7では、2つの衝撃痕31が形成されているが、いずれも衝撃痕31は円C31内に収まっている。また、図7では、一方の衝撃痕31が他方の衝撃痕31をさらに大きくするような影響は、認められない。すなわち、一方の衝撃痕31のヒビ311が他方の衝撃痕31のヒビ311につながってしまう現象は、認められない。
このような評価結果が得られるのは、主として次の要因が挙げられ、これらの相乗効果によるものと考えられる。
・密着強度(AS1)、密着強度(AS2)、密着強度(AS3)、密着強度(AS4)が前記数値範囲にあること
・ショアA硬度(SA1)、ショアA硬度(SA2)が前記数値範囲にあること
・後述する接着工程での加熱温度
そして、当該評価結果が得られた窓用構造体2は、飛翔物40が衝突した場合の耐久性に優れたものとみなすことができる。
ここで、「衝撃痕31の各ヒビ311が衝突中心O31から30mm以下の範囲内に収まれば、窓用構造体2は、飛翔物40が衝突した場合の耐久性に優れたものとみなすことができる」とした理由について説明する。
マシニングセンタ10に装着された窓用構造体2は、飛翔物40が複数回衝突する場合がある。例えば飛翔物40が2回衝突する場合、2回目の飛翔物40は、1回目の飛翔物40の衝突で生じた衝撃痕31の衝突中心O31から60mm以内の範囲内に衝突するのは、極めて稀である。すなわち、1回目の飛翔物40の衝突で生じた衝撃痕31と、2回目の飛翔物40の衝突で生じた衝撃痕31とが重なる確率は、極めて低い。従って、衝撃痕31同士は、重ならず、互いに離間して(独立して)形成される傾向にある。これにより、1つまたはそれ以上の衝撃痕31がたとえあったとしても、当該衝撃痕31で窓用構造体2の視認性が低下してしまうという現象は防止されると考えられるからである。
次に、窓用構造体2を製造する方法(窓用構造体の製造方法)について、図8〜図11を参照しつつ説明する。
本製造方法は、準備工程と、接着工程と、貼付工程とを有する。
[1]準備工程
図8に示すように、ガラス板3と、第1の樹脂板6aと、第2の樹脂板6bとを準備する。また、その他に、第1の接着層5aとなるホットメルト型接着剤5a’と、第2の接着層5bとなるホットメルト型接着剤5b’とを準備する。ホットメルト型接着剤5a’は、ガラス板3と第1の樹脂板6aとを接着する以前の状態は、フィルム状をなすものとなっている。これと同様に、ホットメルト型接着剤5b’も、第1の樹脂板6aと第2の樹脂板6bとを接着する以前の状態は、フィルム状をなすものとなっている。なお、ホットメルト型接着剤5a’、ホットメルト型接着剤5b’としては、例えば、所定の物性(密着強度:30N、ショア硬度:90)のEVA系ホットメルト型接着剤を用いることができる。
そして、下側から順に第2の樹脂板6b、ホットメルト型接着剤5b’、第1の樹脂板6a、ホットメルト型接着剤5a’、ガラス板3を重ねる。
[2]接着工程
図9に示すように、本工程では、加熱加圧が可能なチャンバ50を用いる。チャンバ50は、その内部空間501を加圧状態とすることができる。また、チャンバ50は、ヒータ502が内蔵されており、内部空間501内を加熱することができる。
まず、チャンバ50の内部空間501に、準備工程で重ねられた第2の樹脂板6b、ホットメルト型接着剤5b’、第1の樹脂板6a、ホットメルト型接着剤5a’、ガラス板3を収納する。そして、内部空間501を加圧状態として加熱すると、ホットメルト型接着剤5a’、ホットメルト型接着剤5b’がそれぞれ加熱、溶融される。これにより、溶融されたホットメルト型接着剤5a’を介してガラス板3と第1の樹脂板6aとを接着することができるとともに、溶融されたホットメルト型接着剤5b’を介して第1の樹脂板6aと第2の樹脂板6bとを接着することができる。なお、加熱温度としては、特に限定されず、例えば、70度以上、140度以下の範囲内であるのが好ましく、70度以上、130度以下の範囲内であるのがより好ましく、70度以上、120度以下の範囲内であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した数値範囲内の密着強度(AS1)、密着強度(AS2)、密着強度(AS3)、密着強度(AS4)が得られる。また、各部材の線膨張差に起因するガラス板3の面内応力を緩和させ、当該ガラス板3でのヒビ311の進展を低減させることができる。また、ガラス板3と第1の樹脂板6aとの接着(貼り合わせ)と、第1の樹脂板6aと第2の樹脂板6bとの接着(貼り合わせ)とを比較的低温で行なうことができる。また、ガラス板3と第1の樹脂板6aとの接着による残留応力を低減することができる。
その後、取り出し、冷却する。これにより、ホットメルト型接着剤5a’は、固化して、第1の接着層5aとして機能し、ホットメルト型接着剤5b’は、固化して、第2の接着層5bとして機能する。なお、冷却は、強制冷却でもよいし、自然冷却でもよい。
[3]貼付工程
図10に示すように、樹脂フィルム7を準備して、当該樹脂フィルムを第2の樹脂板6bに貼り付ける。なお、樹脂フィルム7は、第2の樹脂板6bに貼り付けられる面が粘着性を有するものとなっている。
以上のような工程を経ることにより、図11に示す窓用構造体2が得られる。
<第2実施形態>
図12は、本発明の窓用ユニットの第2実施形態を示す垂直縦断面図である。
以下、この図を参照して本発明の窓用構造体および窓用ユニットの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、窓用構造体の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図12に示すように、本実施形態では、窓用構造体2は、第1の樹脂板6aと第2の樹脂板6bとの間に配された第2のガラス板としてのガラス板(外側ガラス板)3bと、空気層8とをさらに備えたものとなっている。
ガラス板3bは、第2の接着層5bを介して第1の樹脂板6aと接着されている。ガラス板3bも、ガラス板3と同様に、板状をなし、前述したガラス材料を主材料として構成されたものである。また、ガラス板3bの厚さt3bは、ガラス板3の厚さtと異なっていてもよいが、同じとすることもできる。厚さt3bと厚さtとが同じである場合には、ガラス板3bとして、ガラス板3と同じものを用いることができる。また、例えば、ガラス板3、第1の接着層5a、第1の樹脂板6a、第2の接着層5b、ガラス板3bまでを1枚の積層板11とした場合、当該積層板11を枠体4に装着する際に、その表裏を問わずに装着することができる。また、積層板11の反りも防止することができる。
空気層8は、ガラス板3bと第2の樹脂板6bとの間に形成した間隙である。空気層8の厚さt、すなわち、ギャップ長は、1mm以上、3mm以下であるのが好ましく、1.5mm以上、2.5mm以下であるのがより好ましい。これにより、破片101’が積層板11に衝突した際に、空気層8が衝撃吸収層として機能する。
<第3実施形態>
図13は、本発明の窓用ユニットの第3実施形態を示す垂直縦断面図である。
以下、この図を参照して本発明の窓用構造体および窓用ユニットの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、窓用構造体の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図13に示すように、本実施形態では、窓用構造体2は、樹脂フィルム7に代えて、第3の接着層5cを介して第2の樹脂板6bに接着されたガラス板3cを備えたものとなっている。
ガラス板3cも、ガラス板3と同様に、板状をなし、前述したガラス材料を主材料として構成されたものである。また、ガラス板3cの厚さt3cは、ガラス板3の厚さtと異なっていてもよいが、同じとすることもできる。厚さt3cと厚さtとが同じである場合には、ガラス板3cとして、ガラス板3と同じものを用いることができる。
第3の接着層5cの厚さt5c、第3の接着層5cの構成材料は、第1の接着層5aと異なっていてもよいが、第1の接着層5aと同じとするのが好ましい。同じである場合、第3の接着層5cを第1の接着層5aと同じ条件で貼り合せることができ、よって、各接着層を介した一括接合が可能となり、窓用構造体2の製造工程の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態の窓用構造体2は、前記第2実施形態での窓用構造体2と異なり、空気層8が省略されているため、薄型化を図ることができる。
また、ガラス板3cに、前記第1実施形態で述べた樹脂フィルム7を貼り付けてもよい。
以上、本発明の窓用構造体、窓用構造体の製造方法および窓用ユニットを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、窓用構造体や窓用ユニットを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の窓用構造体、窓用構造体の製造方法および窓用ユニットは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、例えば前記第1実施形態では、第2の樹脂板や樹脂フィルムを省略することもできる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、これに限定されるものではない。
(実施例1)
1.窓用構造体の作製
下記の条件のガラス板3と、第1の樹脂板6aと、第2の樹脂板6bと、ホットメルト型接着剤5a’と、ホットメルト型接着剤5b’と、粘着層を有する樹脂フィルム7とを用意した。
・ガラス板3
材料:ソーダライムガラス
厚さt:0.7mm
・第1の樹脂板6a
材料:ポリカーボネート
厚さt6a:12mm
・第2の樹脂板6b
材料:ポリカーボネート
厚さt6b:8mm
・ホットメルト型接着剤5a’、ホットメルト型接着剤5b’
材料:エチレン酢酸ビニル共重合体
厚さt5a、厚さt5b:0.4mm
・樹脂フィルム7
材料:ポリエチレンテレフタレート
厚さ:50μm
そして、ガラス板3と第1の樹脂板6aと第2の樹脂板6bとホットメルト型接着剤5a’とホットメルト型接着剤5b’を図のように配置して、加熱加圧が可能なチャンバを用いて100℃、0.9MPa、10分間で接着した後、樹脂フィルム7を貼りつけることにより、実施例1の窓用構造体(図2)を得た。
また、得られた窓用構造体での第1の接着層5aおよび第2の接着層5bの厚さ、密着強度、ショアA硬度は、それぞれ、表1に示すようになっていた。
(実施例2〜15、比較例1〜4)
各条件を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして窓用構造体を得た。
Figure 2018034292
2.評価
以下の評価を行うにあたり、各実施例および各比較例にて得られた窓用構造体から、長さ100mm×幅100mmの大きさに切り出したサンプルを用いて、以下の評価を行った。
2−1 水平式鋼球衝撃試験
水平式鋼球衝撃試験では、高圧チャンバ内に導入された窒素ガスによって、鋼球をサンプルに向かって射出する水平式鋼球衝撃試験機を用いて測定した。そして、サンプルを床面に対して垂直になるように設置した。次いで、サンプルのガラス板3に対して、φ5mm、0.5gfの鋼球を120m/秒の速度で発射させて、衝突後のサンプルの状態を目視で確認した。なお、サンプルとの離間距離は2mとした。
○:サンプルの一部にヒビおよび/またはへこみが生じたが、ヒビの範囲が30mm以内に収まり、サンプルを介した視認性に問題なし
×:サンプルの一部にヒビおよび/またはへこみが生じ、ヒビの範囲が30mm以上になり、サンプルを介した視認性が著しく低下した(実際の使用上に問題あり)
2−2 傷加速試験(切りくず201を想定した衝撃試験)
傷加速試験は以下のように行った。まず、その工作機械の内側に臨むであろう面に向かって切りくず/潤滑油混合物が衝突するように、サンプルホルダに切り出したサンプルを固定した。次いで、切りくずとして鉄:S45C(重量:l.0g/個)の切りくずを用意した。クーラント液としてBPジャパン社製の「Castrol Hysol MB-50」を用意した。鉄:S45Cの切りくず(210.0質量部)、Castrol Hysol MB-50(500.0質量部)をそれぞれ秤量し、これらを混合して混合物を得た。次いで、サンプルホルダに固定した切り出したサンプルに、圧縮空気を用いて切りくず/潤滑油混合物を衝突させた。切りくず/潤滑油混合物を衝突させる条件としては、衝突速度が5m/secであり、距離がガラス板3表面の中央部に対して10cmであり、繰り返し回数は100回とした。
その後、切りくず201を想定した衝撃性を、次の基準で評価した。
○:ガラス(サンプル)ヒビ・割れがなく良好だった
×:ガラス(サンプル)の一部または全部が粉砕した
2−3 耐久性試験
各実施例および比較例について、切り出したサンプル(100mm×100mm)を用いて、−20℃/60℃の冷熱サイクル試験を行った。その後、サンプルを取り出し、サンプルの状態を観察し、以下の評価基準に従い評価した。
○:ガラス(サンプル)ヒビ・剥離がなく良好だった。
×:ガラス(サンプル)の一部または全部にヒビ・剥離が観察された。
1 窓用ユニット(工作機械用窓)
11 積層板
2 窓用構造体
3、3b、3c ガラス板
31 衝撃痕
311 ヒビ
4 枠体(窓枠)
41 貫通孔
5a 第1の接着層(接着層)
5a’ ホットメルト型接着剤
5b 第2の接着層(外側接着層)
5b’ ホットメルト型接着剤
5c 第3の接着層
6a 第1の樹脂板(樹脂板)
6b 第2の樹脂板(外側樹脂板)
61 外側の面
7 樹脂フィルム
8 空気層
10 マシニングセンタ
101 加工用工具
101’ 破片
102 外装
102a スタッドボルト
102b ナット
103 操作パネル
104 インサート
105 制御部
106 液晶パネル
107 操作ボタン
20 円柱体
201 切りくず
30 液体
40 飛翔物
50 チャンバ
501 内部空間
502 ヒータ
60 水平式鋼球衝撃試験機
601 鋼球
602 発射部
603 発射口
31
603 距離
31 衝突中心(衝撃痕31の中心)
S1 加工領域
S2 操作領域
、t3b、t3c、t5a、t5b、t5c、t6a、t6b、t、t 厚さ

Claims (16)

  1. 工作機械に装着して該工作機械の内部を視認するのに用いられる窓用構造体であって、
    ポリカーボネート系樹脂を主材料として構成された樹脂板と、
    前記樹脂板に対して前記工作機械の内部側に配置され、ガラス材料を主材料として構成された板状をなすガラス板とを備え、
    前記樹脂板と前記ガラス板とは、接着層を介して接着されており、
    φ5mm、0.5gfの鋼球を120m/秒で前記ガラス板に衝突させる水平式鋼球衝撃試験を行なった際、前記ガラス板に生じるヒビは、該ガラス板の前記鋼球による衝突中心から30mm以下の範囲内に収まることを特徴とする窓用構造体。
  2. 前記接着層の前記ガラス板との密着強度は、20[N/25mm]以上である請求項1に記載の窓用構造体。
  3. 前記接着層のショアA硬度は、85以上である請求項1または2に記載の窓用構造体。
  4. 前記接着層の厚さは、0.1mm以上、1.5mm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の窓用構造体。
  5. 前記接着層の構成材料は、エチレン酢酸ビニル共重合体およびウレタン樹脂のうちの少なくとも1種を含有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の窓用構造体。
  6. 前記ガラス板の厚さは、0.1mm以上、3mm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の窓用構造体。
  7. 前記樹脂板の厚さは、1mm以上、20mm以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の窓用構造体。
  8. 前記ポリカーボネート系樹脂は、主としてビスフェノール型ポリカーボネート樹脂である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の窓用構造体。
  9. 前記樹脂板に対して前記工作機械の内部と反対側に配置され、ポリカーボネート系樹脂を主材料として構成された板状をなす外側樹脂板を備える請求項1ないし8のいずれか1項に記載の窓用構造体。
  10. 前記樹脂板と前記外側樹脂板とは、外側接着層を介して接着されている請求項9に記載の窓用構造体。
  11. 前記樹脂板と前記外側樹脂板との間には、間隙が形成されている請求項9に記載の窓用構造体。
  12. 前記樹脂板と前記外側樹脂板との間に配置され、ガラス材料を主材料として構成された外側ガラス板を備え、
    前記外側ガラス板は、外側接着層を介して前記樹脂板と接着されている請求項11に記載の窓用構造体。
  13. 前記外側樹脂板は、前記工作機械の内部と反対側の面が樹脂フィルムで覆われている請求項9ないし12のいずれか1項に記載の窓用構造体。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1項に記載の窓用構造体を製造する方法であって、
    前記接着層となるホットメルト型接着剤を介して前記ガラス板と前記樹脂板とを接着する接着工程を有することを特徴とする窓用構造体の製造方法。
  15. 前記ホットメルト型接着剤は、前記ガラス板と前記樹脂板とを接着する以前は、フィルム状をなすものであり、
    前記接着工程では、前記ホットメルト型接着剤を70度以上、140度以下の範囲内で加熱して前記ガラス板と前記樹脂板との接着を行なう請求項14に記載の窓用構造体の製造方法。
  16. 請求項1ないし13のいずれか1項に記載の窓用構造体と、
    前記窓用構造体を支持する枠体とを備え、
    前記窓用構造体と前記枠体とを組み立ててなることを特徴とする窓用ユニット。
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