JP2018033953A - 薬液注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】造影剤の種類が変更された場合であっても、ボーラス性を保ちつつ、適切な造影剤量の設定を容易に行なえるようにする。【解決手段】薬液注入装置は、注入ヘッドと、注入制御部とを有する。注入制御部には、注入プロトコルの設定の基となる、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む複数のパラメータが登録されている。注入制御部は、登録された複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて混和比率を変更し、変更された混和比率を注入プロトコルに適用する。【選択図】図10

Description

本発明は、画像診断装置にて被検体の透視画像を撮像する際に、良好な造影効果を得るために被検体に造影剤を注入する薬液注入装置に関する。
医療用の画像診断装置としては、CT装置、MRI装置、PET装置、アンギオ装置、MRA装置および超音波画像診断装置などがある。これらの装置を使用する際は、造影効果を高めるために、造影剤や生理食塩水などの薬液を被験者に注入することが多い。造影剤は、造影増進剤を含んでいる。
通常、これらの薬液は、シリンジやボトルなどの容器に充填されて使用され、容器に充填されている薬液を注入するのに薬液注入装置が一般に用いられる。薬液注入装置は、容器を保持する保持機構と、容器から薬液を放出させるように動作する駆動機構とを有している。容器が保持機構に保持された状態で駆動機構を動作させることによって、容器に充填されている薬液を被験者に注入することができる。
薬液の注入に際しては、画像診断に最適な透視画像が得られるように、薬液の注入条件が設定される。例えば、CT画像の撮像では、血液中の造影剤の濃度と比例関係にあるCT値が、少なくとも撮像の期間中、一定の値以上を保つように、造影剤の注入量が設定される。
一方、例えばCT装置において、CT値と造影剤の注入量との間、およびCT値と造影剤の注入速度との間には比例関係がある。また、CT値は、透視撮像装置からの電磁波の照射強度、具体的にはCT装置のX線管に印加される電圧である管電圧との間にも相関関係があり、管電圧が低いほど、得られるCT値は高くなる。よって、管電圧の設定値をより低くすることで、最適なCT値を、より少ない造影剤量で得ることができる。この関係を利用して、特許文献1には、造影剤の注入量を算出するのにCT装置の管電圧を考慮すること、および、撮像の目的や被験者の症状などに応じて管電圧を段階的に変更できることが記載されている。
特許第5416761号公報
上述のように、より低い管電圧で透視画像を撮像することは、より少ない造影剤量での撮影を可能とし、結果的に、被験者への身体的負担を軽減することができる。ただし、低い管電圧で透視画像を撮像した場合はノイズの多い画像が得られることから、従来は低い管電圧で撮像することはあまり行われていなかった。しかし、近年の画像処理技術の向上によりノイズの低減化が進み、その結果、より低い管電圧で撮像してもノイズの少ない画像が得られるようになってきた。
ここで、管電圧を低い値に設定して造影剤の注入量を少なくした場合、新たな問題が生じる。造影剤の注入量を少なくした場合であっても、注入時間は撮像時間に応じて決定されることが多いため、通常、注入時間は変更されない。そのため、造影剤の注入量を少なくすることは、結果として注入速度を下げることになる。注入量および注入速度が低すぎると、目標とする部位に造影剤が到達するまでの間に造影剤に造影剤のボーラス性が保てず、血液中に拡散してしまい、結果的に十分なCT値が得られないことがあった。
このような現象は、例えば、以下のような状況で起こり得る。心臓のCT画像を撮像する場合、造影剤は例えば腕の尺側皮静脈から注入されて上大静脈へと流れていく。上大静脈は心臓の右心室に到達する手前で下大静脈と合流する。このとき、造影剤の注入量が少なすぎたり注入速度が低すぎたりすると、下大静脈から合流した血液や上大静脈そのものの血流に負けて流れにくくなり、それによって造影剤が血液中に拡散し、ボーラス性が保てなくなる。
少ない造影剤量であっても良好なボーラス性が保たれるようにするためには、造影剤を生理食塩水で希釈することが考えられる。しかし、造影剤には、造影効果に影響を与える造影増進剤(例えばヨード)の濃度が異なるいくつかの種類がある。そのため、造影剤の種類によらずに良好な造影効果を得るためには、造影剤の種類、特に、造影増進剤濃度に応じて造影剤の希釈率をまた新たに求め、新たな希釈率に基づいて注入プロトコルを設定する必要が生じる。
本発明は、造影剤の種類が変更された場合であっても、ボーラス性を保ちつつ、適切な造影剤量の設定を容易に行なえるようにすることを目的の一つとする。
本発明の一態様によれば、電磁波照射器を有する透視撮像装置を用いて被験者の医用画像を撮像する際に、医用画像の撮像に先立って前記被験者に薬液として造影剤および生理食塩水を注入する薬液注入装置であって、
造影剤が充填されている第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、生理食塩水が充填されている第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、を備える注入ヘッドと、
データの入力を受け付ける少なくとも1つのデータ入力インターフェースと、
前記データ入力インターフェースを介して入力されたデータを用いて前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御するように構成された注入制御部と、
を有し、
前記注入制御部には、複数のパラメータを用いて設定された、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む前記注入プロトコルが登録されており、
前記注入制御部は、前記登録された注入プロトコルを設定するのに用いられた前記複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更し、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するように構成されている薬液注入装置が提供される。
また、本発明は透視撮像システムを提供し、該システムは、
電磁波照射器を有する透視撮像装置と、
造影剤用の容器である第1の容器および生理食塩水用の容器である第2の容器を含む複数の容器と、
前記第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、前記第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、を備える注入ヘッドと、
データの入力を受け付ける少なくとも1つのデータ入力インターフェースと、
前記データ入力インターフェースを介して入力されたデータを用いて前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御するように構成された注入制御部と、
を有し、
前記注入制御部には、複数のパラメータを用いて設定された、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む前記注入プロトコルが登録されており、
前記注入制御部は、前記登録された注入プロトコルを設定するのに用いられた前記複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更し、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するように構成されている。
本発明のさらに他の態様によれば、造影剤が充填されている第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、生理食塩水が充填されている第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御する注入制御部と、を有し、複数のパラメータを用いて設定された、前記造影剤および前記生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む前記注入プロトコルが設定された薬液注入装置の制御方法であって、
前記注入制御部が、登録されている注入プロトコルを設定するのに用いられた複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更するステップと、
前記注入制御部が、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するステップと、
を有する、薬液注入装置の制御方法が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、注入制御部を有する薬液注入装置における、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む注入プロトコルの計算方法であって、
前記注入制御部が、前記混和注入において前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるステップと、
前記注入制御部が、予め設定されている前記混和である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の混和比率である実混和比率を求めるステップと、
前記注入制御部が、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるステップと、
を有する注入プロトコルの計算方法が提供される。
本発明において、「注入プロトコル」とは、どのような薬液をどのような条件(量、速度、時間など)で注入するかを示すものである。また複数種の薬液、例えば造影剤と生理食塩水とを注入する場合、それらの注入順序および各々の注入条件も注入プロトコルに含まれる。
本発明において、「透視撮像装置」とは、CT装置、アンギオ装置、MRI装置など、電磁波の照射を利用して透視画像を撮像する装置を指し、「透視撮像装置」は、電磁波を照射する「電磁波照射器」を有している。CT装置およびアンギオ装置は、「電磁波照射器」としてX線管を有し、MRI装置は、「電磁波照射器」として、高周波パルスを照射する高周波パルス送信器を有している。
本発明において、「造影剤」とは、透視撮像装置を用いて被験者の透視画像を撮像するとき、画像にコントラストを与えたり特定の組織を強調したりして撮像するために被験者に投与される薬液を指し、「造影増進剤」を含有している。「造影増進剤」としては、ヨード(CT装置およびアンギオ装置を用いて画像を撮像する場合に使用される)、ガドリニウム(MRI装置を用いて画像を撮像する場合に使用される)、バリウム、炭酸ガスなどが挙げられる。
本発明において、「混和比率」とは、(造影剤量)/(造影剤量+生理食塩水量)で表される、注入される造影剤および生理食塩水の合計量に対する造影剤量を意味する。
本発明によれば、使用される造影剤の種類が変更される場合であっても、変更された造影剤の造影増進剤濃度に応じて造影剤と生理食塩水との混和比率が変更されるので、ボーラス性を保ちつつ、適切な造影剤量の設定を極めて容易に行うことができる。
本発明の一実施形態による透視撮像システムの配置図である。 図1に示すコンソールの正面図である。 図1に示す注入ヘッドの斜視図である。 図1に示す注入ヘッドへのシリンジの装着手順を説明する図である。 図1に示す注入ヘッドへのシリンジの装着手順を説明する図である。 図1に示す透視撮像システムにおける制御系の主要な機能を示すブロック図である。 シリンダがシリンダ保持機構に正常に装着された状態での、RFIDタグとRFIDモジュールのアンテナとの位置関係を示す断面図である。 シリンジに接続される延長チューブの一形態を示す図である。 本発明の一実施形態において表示ユニットに表示される注入条件呼び出し画面の一例を示す図である。 図9に示す注入条件呼び出し画面の次のステップを示す図である。 本発明の一実施形態において表示ユニットに表示されるプロトコル画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態において表示ユニットに表示されるプロトコル設定画面のうち、注入パターン選択用の画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態において表示ユニットに表示されるプロトコル設定画面のうち、注入プロトコルの設定に必要な項目のいくつかを入力するための画面の一例を示す図である。 本発明で使用可能なシリンジの構造の一形態を示す斜視図である。 本発明で使用可能なシリンジの構造の他の形態を示す斜視図である。 シリンジに接続される延長チューブの他の形態を模式的に示す図である。 図13Aに示す延長チューブに備えられるミキシングデバイスの斜視図である。 図14Aに示す延長チューブに備えられるミキシングチューブの断面図である。 本発明の透視撮像システムが備えることができる第2の表示ユニットの配置の一例を示す斜視図である。 本発明の透視撮像システムが備えることができる第2の表示ユニットの配置の他の例を示す斜視図である。 本発明の他の形態による透視撮像システムのブロック図である。
図1を参照すると、透視撮像装置200と薬液注入装置100とを有する、本発明の一実施形態による透視撮像システムが示されている。透視撮像装置200と薬液注入装置100とは、相互間でデータの送受信を行えるように互いに接続されることができる。透視撮像装置200と薬液注入装置100との接続は、有線接続とすることもできるし、無線接続とすることもできる。
透視撮像装置200は、撮像動作を実行するスキャナ201と、スキャナ201の動作を制御する撮像制御ユニット(不図示)とを有しており、薬液注入装置100によって薬液が注入された被験者の医用画像を取得することができる。スキャナ201は、電磁波を照射する電磁波照射器153(図6参照)を有しており、この電磁波照射器153は、電磁波の照射強度の設定が変更可能とされている。撮像制御ユニットは、撮像条件や取得した断層画像などを表示できる液晶ディスプレイなどの表示装置、および撮像条件などを入力するための、キーボードおよび/またはマウスなどの入力装置を含むことができる。表示装置は、入力装置を兼ねるタッチスクリーンを有していてもよい。
薬液注入装置100は、例えば、スタンド121の上部に旋回アーム122を介して上下方向に回動自在に取り付けられた注入ヘッド110と、薬液注入装置100全体の動作を制御するための各種機能を備えたコンソール101とを有している。注入ヘッド110とコンソール101とは一つの筐体に構成することもできるが、本実施形態では、注入ヘッド110とコンソール101とは別ユニットとして構成されている。この場合、注入ヘッド110はスキャナ201とともに検査室内に配置し、コンソール101は、透視撮像装置200の撮像制御ユニットとともに操作室内に配置することができる。スタンド121は、注入ヘッド110の移動を容易にするためにキャスター付きのスタンドとすることができる。
コンソール101はAC/DCコンバータを内蔵しており、交流から直流に変換された電力がコンソール101に供給される。図2に示すように、コンソール101は、注入を強制停止させるためのストップボタン102a、ホーム画面を表示させるためのホームボタン102bおよび電源オン/オフのための電源ボタン102cを含むボタン群102と、入力ユニットおよび表示ユニットを兼ねたタッチパネル103とを有している。
注入ヘッド110は、図3〜5に示すように、薬液が充填された容器である2本のシリンジ800を着脱自在に装着することができる。シリンジ800は、例えば、一方を造影剤用のシリンジとし、他方を生理食塩水用のシリンジとすることができる。シリンジ800は、薬液を収容し先端に導管が形成されたシリンダと、シリンダ内に進退移動可能に挿入されたピストンとを有する。注入ヘッド110は、このシリンダを保持するシリンダ保持機構111と、シリンダ保持機構111にシリンダが保持されたシリンジ800のピストンを操作する(例えば、シリンダ内に押し込む)ための、シリンジ800の軸方向に移動される直動ユニットとを、2つずつ有する。
直動ユニットは、モータの回転運動を直線運動に変換するリードスクリュー機構やラックピニオン機構等の適宜の回転運動変換機構によって進退移動させられるロッド113と、ロッド113の先端部に固定されたプレッサー112と、を有する。ピストンを進退移動させるための、これらモータ、回転運動変換機構、直動ユニット(ロッド113およびプレッサー112を含み、直進運動するユニット)を有する機構を、ここではピストン駆動機構という。本形態では、注入ヘッド110は2つのピストン駆動機構を備えている。
なお、本明細書では、造影剤用のシリンジのためのシリンダ保持機構およびピストン駆動機構を、それぞれ第1の保持機構および第1の駆動機構といい、生理食塩水用のシリンダ保持機構およびピストン駆動機構を、それぞれ第2の保持機構および第2の駆動機構ということもある。また、図示した例では、造影剤用のシリンダ保持機構およびピストン駆動機構が1つずつ配置されているが、その数は複数ずつであってもよい。同様に、生理食塩水用のシリンダ保持機構およびピストン駆動機構も、複数ずつであってよい。
ピストン駆動機構の駆動源となるモータとしては、直流モータを用いることができ、その中でも特に、直流ブラシレスモータを好ましく用いることができる。ブラシレスモータは、ブラシが無いことから、静音性および耐久性に優れている。また、ブラシレスモータは、より高速回転が可能であるため、外部ギア比を高くしてモータにかかるトルクを小さくすれば、所望の注入圧力で薬液を注入するのに必要な電流をブラシモータに比べて小さくすることができる。あるいは、超音波モータを、ピストン駆動機構の駆動源として用いることもできる。
注入ヘッド110は、ピストン駆動機構の一部(例えばプレッサー112)を除き、全体が合成樹脂製の筐体115で覆われている。筐体115の上面には、ユーザの操作によってピストン駆動機構を動作させることができるように、幾つかの操作ボタン116が配置されている。
例えば、本形態では、注入ヘッド110は、操作ボタン116として、注入可能な状態にするために操作されるチェックボタン116a、注入を開始する際に操作されるスタートボタン116b、プレッサー112を任意の距離だけ前進させる際(例えば、1.5ml/secの速度で)に操作される前進ボタン116c、プレッサー112の移動速度を加速する際(例えば、現在の速度にさらに8ml/sec加える。前進および後退のどちらも可。)に操作される加速ボタン116d、プレッサー112を任意の距離だけ後退させる際(例えば、1.5ml/secの速度で)に操作される後退ボタン116e、プレッサー112をイニシャライズ位置まで後退させる際に操作されるオートリターンボタン116f、動作を手動で停止または中断する際に操作されるストップボタン116g、116hおよびプレッサーを低速(例えば、0.7ml/sec)で前進/後退させる際に操作されるルートスイッチ116hと、を含むことができる。本形態では、各ピストン駆動機構を独立して動作させることができるように、前進ボタン116c、加速ボタン116d、後退ボタン116eおよびオートリターンボタン116fをそれぞれ2つずつ有している。
なお、オートリターンボタン116fの操作により後退する後退端であるイニシャライズ位置は、以下で述べるように様々なサイズのシリンジ800を装着できるようにシリンダ保持機構111が構成されている場合、シリンジ800のサイズ毎および/または充填されている薬液の種類毎に、異なる位置に設定されていてもよい。さらに、シリンジ800がアダプタ600を介して装着されるように構成される場合は、アダプタ600の種類毎にイニシャライズ位置が設定されてもよい。このイニシャライズ位置は、シリンジ800の種類おおび/またはアダプタ600の種類に応じて操作者が任意に設定できるようにしてもよいし、透視撮像システムによって自動的に設定されるようにしてもよい。
透視撮像システムによってイニシャライズ位置を設定できるようにする場合は、例えば、詳しくは後述するように、RFID技術を利用してシリンジ800の種類等を特定できるようにすれば、その結果に基づいてイニシャライズ位置を設定することができる。また、アダプタ600の種類を検出可能な適宜のアダプタセンサ(不図示)を注入ヘッドが有していれば、このアダプタセンサによる検出結果に基づいてイニシャライズ位置を設定することもできる。
イニシャライズ位置と同様、プレッサー112の最前進位置も、シリンジ800のサイズ毎および/または充填されている薬液の種類毎、さらにはアダプタ600の種類毎に異なる位置に設定されてもよい。プレッサー112の最前進位置の設定についても、イニシャライズ位置と同様、操作者が任意に設定できるようにされていてもよいし、RFID技術や適宜の検出センサなどを利用して、装着されたシリンジ800および/またはアダプタ600の種類等を特定できるようにし、その特定されたシリンジ800/およびまたはアダプタ600の種類等に応じて透視撮像システムが自動的に設定するようにすることもできる。
シリンダ保持機構111は、アダプタ600を介してシリンジ800が装着されるように構成されている。シリンジ800には、充填可能な薬液の容量に応じて様々なサイズのものがある。アダプタ600は、シリンジ800のサイズごとに用意されており、図4に示すように、それぞれ適合するシリンジ800のシリンダの末端に形成されているシリンダフランジ801を保持できるように構成されており、注入ヘッド110のシリンダ保持機構111に着脱自在に装着される。本形態ではアダプタ600を介してシリンジ800が装着されるように構成されているが、アダプタ600を介さずにシリンジ800が注入ヘッド110に直接装着されるように構成されていてもよい。
注入ヘッド110へのシリンジ800の装着は、例えば、注入ヘッド110のシリンダ保持機構111にアダプタ600を装着し、次いで、シリンジ800のシリンダフランジ801をアダプタ600に保持させることによって行うことができる。アダプタ600は、シリンダフランジ801を受け入れる溝を有しており、シリンダフランジ801が溝に挿入されることによってシリンジ800がアダプタ600に保持される。また、シリンダフランジ801がアダプタ600の溝に挿入された後、シリンジ800をその軸周りに所定の角度(例えば90度)回転させることによってシリンダをロックするロック機構を有していてもよい。このように、シリンジ800のサイズに応じてアダプタ600を用意することによって、種々のサイズのシリンジ800を注入ヘッド110に装着することができる。
シリンジ800は、薬液が充填された状態で製剤メーカーから提供されるプレフィルドタイプのシリンジであってもよいし、医療現場で薬液を充填した現場充填タイプのシリンジであってもよい。
被験者への薬液注入および画像の撮像に際し、上述した構成のうちスキャナ201、注入ヘッド110は検査室に設置され、透視撮像装置200の撮像制御ユニットおよび薬液注入装置100のコンソール101は、検査室とは壁で隔てられた操作室に設置される。したがって、コンソール101と注入ヘッド110との間での信号およびデータの送受信をケーブルによる有線通信で行う場合は、検査室と操作室を隔てる壁にケーブル用の通路を形成し、この通路を通してケーブルが引き回される。コンソール101と注入ヘッド110との間での信号およびデータの送受信を無線通信により行うこともでき、その場合は、壁にケーブル用の通路を形成する必要がなくなる。無線通信のために、例えばコンソール101および注入ヘッド110はそれぞれ無線通信ユニット(不図示)を備えることができる。
以下、上述した透視撮像システムにおけるデータ等の流れについて、図6に示すブロック図を参照しつつ説明する。なお、図6は、本形態の透視撮像システムにおける制御系の主要な機能のみを示しており、本発明はこれに限定されるものではない。
撮像制御部152は、例えば透視撮像装置200の撮像制御ユニットに組み込まれることができ、スキャナ201、撮像制御ユニットの表示装置など透視撮像装置200の動作を全般的に制御するように構成されている。撮像制御部152は、いわゆるマイクロコンピュータとして構成することができ、CPU、ROM、RAM、他の機器とのインターフェースを有することができる。ROMには透視撮像装置200の制御用のコンピュータプログラムが実装されている。CPUは、このコンピュータプログラムに対応して各種機能を実行することで、透視撮像装置200の各部の動作を制御する。また、撮像制御部152は、注入制御部150からデータおよび信号等を受信することができ、注入制御部150から受信したデータおよび信号を、透視撮像装置200の各部の動作の制御に利用することもできる。
電磁波照射器153は、透視撮像装置200(図1参照)に備えられている装置であり、電圧が印加されることにより、印加された電圧値に応じた強度で電磁波を照射するように構成されている。電磁波が被験者に照射されることで得られる信号に対して所定の処理を行うことで被験者の透視画像を撮像することができる。
注入制御部150は、例えばコンソール101に組み込まれることができ、コンソール101および注入ヘッド110の動作を全般的に制御するように構成されている。より詳しくは、注入制御部150は、入力ユニット156からのデータおよび情報等の入力、およびRFIDモジュール166からのデータおよび情報の入力に応じて、表示ユニット154に表示させる画面およびデータ等を制御したり、入力ユニット156から入力されたデータ等を用いて薬液の注入量および注入速度を含む注入プロトコルを決定したり、決定した注入条件に従ってピストン駆動機構140の動作を制御したりすることができる。
注入制御部150は、いわゆるマイクロコンピュータとして構成することができ、CPU、ROM、RAM、他の機器とのインターフェースを有することができる。ROMには薬液注入装置100の制御用のコンピュータプログラムが実装されている。CPUは、このコンピュータプログラムに対応して各種機能を実行することで、薬液注入装置100の各部の動作を制御する。また、注入制御部150は、CPUが持つクロックを利用した計時機能を有しており、例えば、現在時刻や、注入を開始してからの経過時間をカウントすることができる。注入制御部150は、撮像制御部152からもデータおよび信号等を受信することができ、撮像制御部152から受信したデータおよび信号を、薬液注入装置100の各部の動作の制御に利用することもできる。
表示ユニット154は、コンソール101のタッチパネル103であることができる。入力ユニット156は、本発明におけるデータ入力インターフェースのうち、操作者によるデータ入力操作を受け付けるように構成されたデータ入力インターフェースである。入力ユニット156としては、タッチパネル103や、コンソール101のボタン群102および注入ヘッド110のボタン群116を含むことができる。タッチパネル103は、通常、表示ユニット154として機能するディスプレイ、入力ユニットとして機能するタッチスクリーン、およびこれらの制御回路をモジュール化したものである。
ディスプレイとしては、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイなどを含む任意のディスプレイを用いることができる。タッチスクリーンとしては、静電容量式および感圧式など、任意のタッチスクリーンを用いることができる。タッチパネル103の制御回路は、注入制御部150から伝送された信号に基づいた所定の画面およびデータをディスプレイに表示させ、また、操作者などがタッチスクリーンに接触することによってタッチスクリーンから生成された信号に基づく入力情報を注入制御部150に伝送する。
RFIDモジュール166は、RFID制御回路164およびアンテナ165を有している。本形態では、シリンジ800は、シリンダの外周面にデータキャリアであるRFIDタグ802が貼付されており(図4参照)、RFIDモジュール166は、RFIDタグ802に記録された情報をアンテナ165によってRFIDタグ802から読み出し、読み出した情報を注入制御部150に伝送する。RFIDモジュール166は、注入制御部150から伝送された情報をRFIDタグ802に書き込む機能をさらに有していてもよい。RFID制御回路164は、このRFIDモジュール166による情報の送受信動作を制御する。すなわち、RFIDモジュール166は、RFIDタグ802から情報を読み出すリーダ、または、さらにRFIDタグ802に情報を書き込むリーダ/ライタとして機能する。
透視撮像システムは、注入制御部150にデータを送受信可能に接続されたメモリーカードリーダ/ライタ158をさらに有することができる。メモリーカードリーダ/ライタ158は、例えば、図2に示すコンソール101に内蔵することができ、その場合、図2に示すように、コンソール101の筐体にはメモリーカードスロット104が設けられる。もちろん、透視撮像システムは、メモリーカードリーダ/ライタ158を独立したユニットとして備えていてもよい。
メモリーカードリーダ/ライタ158は、メモリーカード(不図示)にデータを書き込んだり、メモリーカードに記録されているデータを読み出したりするものである。例えば、メモリーカードに注入プロトコルをデータとして記録しておき、その記録された注入プロトコルを、メモリーカードリーダ/ライタ158を介して読み出し、注入制御部150へ送信することができるし、その逆に、注入制御部150に設定されている注入プロトコルを、メモリーカードリーダ/ライタ158を介してメモリーカードに書き込むこともできる。こうすることにより、例えば、ある薬液注入装置に設定されている注入プロトコルを、メモリーカードを介して他の薬液注入装置に伝送することができる。
このように、メモリーカードを介してデータの伝送を行うようにした場合、パスワード等の設定により、データの不正な送受信が行えないようにすることが好ましい。また、薬液注入装置の制御プログラムをメモリーカードに記録しておき、メモリーカードリーダ/ライタ158を介して注入制御部150に制御プログラムをインストールしたり、インストールされている制御プログラムを更新したりすることもできる。
メモリーカードは、CFメモリーカードやSDメモリーカードなど任意のメモリーカードであってよく、メモリーカードリーダ/ライタ158は、メモリーカードの読み出しおよび書き込みに適合した任意の機器を用いることができる。なお、ここでは、メモリーカードと注入制御部150との間でのデータのやり取りについて、のデータの書き込みおよびデータの読み出しの双方を行うことを説明したが、データの書き込みまたはデータの読み出しの何れか一方のみを行うメモリーカードリーダまたはメモリーカードライタが注入制御部150に接続されていてもよい。
上述のように、RFIDモジュール166は、RFIDタグ802からデータの入力を受け付けるものであり、その意味では、RFIDモジュール166は、入力ユニット156とともに、本発明におけるデータ入力インターフェースを構成する。
RFIDタグ802に記録されている情報としては、シリンジ800に充填されている薬液に関する情報、例えば、製造メーカー、薬液の種類、製品名、品番、含有成分(特に、薬液が造影剤の場合、造影剤は造影増進剤であるヨードを含有しており、造影剤単位量当たりのヨード含有量であるヨード濃度など)、充填量、ロット番号、消費期限などの他に、シリンジに関する情報、例えば、製造メーカー、製品名、品番といった固有識別番号、許容圧力値、シリンジの容量、ピストンストローク、必要な各部の寸法、ロット番号などが挙げられる。これらの情報の少なくとも一部は、透視撮像装置200へ伝送することができる。
RFID制御回路164は、任意の位置に設置することができるが、アンテナ165は、シリンジ800がシリンダ保持機構111に正常に保持された状態においてRFIDタグ802と対向する位置に設置されることが望ましい。
特に本形態では、図4に示すように、RFIDタグ802は長手方向を有する形状とされ、その長手方向をシリンジ800の周方向と一致させて貼付されている。シリンジ800は、シリンダ保持機構111に挿入されることによって正常に保持され、あるいは、挿入された後、シリンジ800を特定の向きとなるように回転させることによって正常に保持され、その正常に保持された状態でRFIDタグ802が下向きとなるように設計されている。
そして、RFIDモジュール166のアンテナ165は、導体からなる所定のパターン(例えば、1つまたは複数のループ状パターン)を形成したFPC(フレキシブルプリント回路基板)を有し、図7に示すように、シリンダ保持機構にシリンダが正常に保持されたシリンジ800のRFIDタグ802と対向する位置に、シリンジ800と同心状となるように円弧状に曲げられて配置されている。これにより、曲面上に貼付されたRFIDタグ802の検出範囲の拡大を図っている。
また本形態では、RFIDタグ802の貼付位置にばらつきがあったとしても、RFIDタグ802が確実にアンテナ165と対向することができるように、アンテナ165は、RFIDタグ802よりも大きな面積を有している。したがって、アンテナ165のサイズは、シリンジ800へのRFIDタグ802の貼付位置のばらつきを考慮して設計することが好ましい。
一方、アンテナ165を円弧状に曲げることにより、アンテナ165の曲率半径が小さくなるほど、また、アンテナ165の周方向での長さが長くなるほど、通信用の電波が干渉しやすくなり、通信感度が低下する傾向がある。そこで、電波の干渉を抑制するため、アンテナ165は、FPCのRFIDタグ802と対向する面と反対側の面に、フェライトシート165aを有することが好ましい。
RFIDモジュール166の出力は、例えば200mWとすることができる。このように微弱な出力とすることにより、RFIDタグ802がアンテナ165と正対する正常な位置にシリンジ800が装着された状態でRFIDタグ802からデータを良好に読み出すことができ、シリンジ800が正常な位置に装着されていない場合には読み出すことができないようにすることができる。これにより、RFIDタグ802からデータが読み出されない場合は、注入制御部150は、シリンジ800が正常に装着されていない可能性がある旨、表示ユニット154へ表示させることなどにより操作者に注意を促すことができる。
次に、上述した透視撮像システムの動作などについて、透視撮像装置200がX線CT装置である場合を例に挙げて、薬液注入装置100の動作を中心により詳しく説明する。なお、以下の説明は、一つの例として示されるに過ぎず、本発明は以下で説明する例に限定されるものではない。
まず、薬液注入装置100および透視撮像装置200に電源が投入され、薬液注入装置100および透視撮像装置200が起動される。薬液注入装置100が起動されると、注入制御部150は、図9に示すような注入条件呼び出し画面300を表示ユニット154(例えばタッチパネル103)に表示させる。操作者は、この注入条件呼び出し画面300を利用して、予め設定されている注入条件を呼び出すことができる。
注入条件呼び出し画面300には、人体を模した撮像部位アイコン301が表示される。撮像部位アイコン301は、人体を、例えば、頭部、胸部、腹部および脚部といった複数の区分に分けた画像で表されている。これら複数の区分のうち1つを操作者がタップすることによって、タップされた区分が選択される。区分が選択されると、次に、注入条件呼び出し画面300には、例えば図9Aに示すように、選択した区分に対応して予め登録されている複数の部位詳細アイコン302がさらに表示される。操作者が、これら複数の部位詳細アイコン302から1つの部位をタップすることによって、部位が選択される。選択された区分および部位は、他の区分および部位と視覚的に判別できるように他の区分および部位とは異なる色で表示されるなど、表示が変更される。図9および図9Aでは、区分として腹部が選択され、部位として肝臓が選択された状態を示す。
以上のようにして部位が選択されると、注入制御部150は、選択された部位に対応して予め登録されているパラメータを呼び出し、呼び出したパラメータを用いて計算等により注入プロトコルを設定し、設定した注入プロトコルを表示ユニット154にプロトコル画面として表示させる。
図10に、プロトコル画面の一例を示す。図10に示すプロトコル画面310は、撮像部位アイコン301、注入グラフサムネイル311を含む、各種データ/情報が表示される。なお、プロトコル画面310における「A」および「B」の表示は、それぞれ造影剤および生理食塩水を意味する。
撮像部位アイコン301は、前述した注入条件呼び出し画面300に表示される撮像部位アイコン301と同じであり、表示されている注入プロトコルがどの撮像部位の注入プロトコルであるかが表示される。
図示した例では、撮像部位アイコン301は、仰臥した人間を側方から見た状態をイラスト的に表した画像であるが、仰臥した人間を上方から見た状態を表した画像であってもよいし、また、画面上での人体画像の向きは縦向きであっても横向きであってもよい。さらに、撮像部位アイコン301は、人体を模した画像である必要はなく、臓器を表した画像のみで撮像部位を表したもの、文字のみで撮像部位を表したもの、およびこれらの組み合わせなど、任意であってよい。このことは、他の画面における撮像部位アイコン301でも同様である。
体重アイコン312は、被験者の体重の表示および入力に用いられる。例えば、操作者が体重アイコン312をタップすると、体重アイコン312の近傍にテンキーを表示させるようにし、表示されたテンキーをタップしたり、あるいは、体重アイコン312をタップすると、体重アイコン312に表示されている数値を1つずつ増減させるための増減用アイコンを表示させるようにし、増減用アイコンをタップしたりすることなどによって、被験者の体重を入力することができる。
注入時間アイコン313は、造影剤の注入時間の表示および入力に用いられ、基準ヨード量アイコン314は、被験者の体重当たりの必要とされるヨード量の表示および入力に用いられる。注入時間は、透視撮像装置による撮像時間と同じ時間とされることが多い。注入時間およびヨード量の入力のための操作も、体重アイコン312の場合と同様とすることができる。なお、被験者の体重、注入時間および基準ヨード量は、予め定められた値が注入制御部150のメモリに格納されており、初期設定ではこの値がそれぞれのアイコンに表示されるようにしてもよい。あるいは、薬液注入装置100の外部のユニットからこれらのデータの少なくとも1つが注入制御部150に伝送され、これら伝送されたデータが、それぞれ対応するアイコン表示されてもよい。外部のユニットとしては、透視撮像装置200、後述するRIS、PACS、HISなどが挙げられる。
圧力リミットアイコン315は、使用されるシリンジ800の圧力リミット値の表示および入力に用いられる。圧力リミット値は、RFIDタグ802にそのデータが記録されている場合は、RFIDモジュール166によって読み出されたデータが、圧力リミットアイコン309に表示される。圧力リミットアイコン309は、体重アイコン305と同様にして操作者による数値の入力が可能とされており、RFIDタグ802にこれらのデータが記録されていない場合、あるいはRFIDタグ802を有していないシリンジが装着された場合は、体重アイコン305の場合と同様にして操作者がそれぞれの数値を入力することができる。シリンジ容量アイコン316には、プレッサー112の位置に対応して注入制御部150にて算出された、シリンジ800内の薬液の残容量が表示される。
実ヨード濃度アイコン317には、造影剤のヨード濃度が表示される。造影剤には、ヨード濃度が異なるいくつかの種類が存在する。実ヨード濃度アイコン317には、注入グラフサムネイル311に示される注入プロトコルの設定の基礎となったヨード濃度が表示される。実ヨード濃度アイコン317に表示されるヨード濃度の値は、実際に使用される造影剤のヨード濃度と異なる場合は、変更することが可能である。ヨード濃度の値の変更は、例えば、RFIDタグ802にヨード濃度のデータが記録されている場合は、RFIDモジュール166によってそのデータが読み出された後、読み出された値に変更される。あるいは、体重アイコン312と同様、操作者の操作によって変更することもできる。
タイミングアイコン318は、薬液注入装置にテスト注入を実行させるためのアイコンである。テスト注入とは、透視撮像装置200による医用画像の撮像開始タイミングを決定するために行われる造影剤の注入である。操作者がタイミングアイコン318をタップすると、注入制御部150は、表示ユニット154にテスト注入設定用の画面を表示させる。操作者は、表示された画面に従って、テスト注入のための所定の設定を行い、設定後、テスト注入開始のための所定の操作を行うことにより、注入制御部150は設定に従って薬液注入装置の動作を制御し、これによってテスト注入が行われる。
ルートアイコン319は、薬液注入装置にルートテストを実行させる際に操作されるアイコンである。ルートテストとは、シリンジ800から被験者までの注入回路が正常に確保されているかどうかを確認するためのテストである。一般的には、ルートテストでは、生理食塩水を被験者に注入しながら、その生理食塩水が充填されているシリンジに作用する圧力を検出し、検出された圧力が予め設定された所定の範囲内にある場合に、注入回路が正常に確保されていると判断する。一方、圧力が所定の範囲よりも低い場合は、注入回路での液漏れなどが考えられ、その逆に高い場合は、注入回路の詰まりなどが考えられる。
注入グラフサムネイル311は、注入プロトコルを経時的なグラフ形式で表すものである。図10の注入グラフサムネイル311に示される注入プロトコルについて説明すると、この注入プロトコルは、造影剤と生理食塩水とを混和させて注入する第1フェーズと、生理食塩水のみを注入する第2フェーズの2つのフェーズからなる。このような注入プロトコルは、通常よりも低い管電圧で画像の撮像を行う場合に典型的な注入プロトコルであり、使用が想定されている造影剤のみを注入するとヨード量が多くなりすぎるため、第1フェーズにおいては、造影剤を生理食塩水で希釈することによって、注入されるヨード量を少なくしつつ、全体として十分な注入量および注入速度を確保し、第2フェーズでは、第1フェーズで注入されたヨードを生理食塩水で後押しする。
あくまでも一例として、図10に示される注入プロトコルでは、具体的には、第1フェーズでの造影剤と生理食塩水との比、すなわち造影剤:生理食塩水は、注入グラフサムネイル311の経時グラフの横に縦型の帯グラフで示されるように、60:40である。また、第1フェーズでは、造影剤と生理食塩水とを合わせた全体の注入速度および注入量は、それぞれ4.0mL/secおよび100mLである。第1のフェーズでの注入時間は25秒である。第2のフェーズでは、生理食塩水を4.0mL/secの注入速度で20mL注入する。第2のフェーズでの注入時間は5秒である。
図10に示すプロトコル画面310には、実ヨード量アイコン320が表示されるようにしてもよい。実ヨード量アイコン320に表示されるのは、注入グラフサムネイル311に表示される注入プロトコルで造影剤を注入したときに注入されるヨード量である。
操作者は、プロトコル画面310を確認し、表示された内容で良ければチェックアイコン321をタップするか、または注入ヘッド110のチェックボタン116aを操作する。これによって、表示されている注入量および注入速度等、注入プロトコルの設定に必要なデータが注入制御部150内のメモリに一時的に格納され、注入プロトコルが確定する。
次いで、操作者は、薬液が充填されているシリンジ800を所定の手順で注入ヘッド110に装着する。シリンジ800が装着されると、RFIDモジュール166によってRFIDタグ802に記録されているデータ/情報が読み出される。ここでは、2本のシリンジ800、具体的には造影剤が充填された造影剤用のシリンジおよび生理食塩水が充填された生理食塩水用のシリンジが注入ヘッド110に装着されるものとして説明する。本明細書では、シリンジの符号を充填されている薬液の種類で区別する場合、造影剤が充填されているシリンジについては添え字Cを付してシリンジ800Cと表記し、生理食塩水が充填されているシリンジについては添え字Pを付してシリンジ800Pと表記することがある。
注入ヘッド110への、造影剤が充填されているシリンジ800Cおよび生理食塩水が充填されているシリンジ800Pの装着が完了したら、操作者は、一例として図8に示すような延長チューブ400を各シリンジ800C、800Pに接続する。延長チューブ400は、T字コネクタを介して接続された3本のチューブを有している。各シリンジ800C、800Pに接続されるチューブの端部には接続コネクタ401、402が取り付けられており、被験者側に向かうチューブの端部には別の形態の接続コネクタ403が取り付けられている。各接続コネクタ401、402は、先端にねじ部が形成された円筒部を有し、ルアーロック方式でシリンジ800C、800Pの先端に設けられた導管部に接続されるものであってもよい。また、これらの接続コネクタ401、402のうち少なくとも生理食塩水用のシリンジ800Pに接続される接続コネクタ402は、一方弁としての機能を有するもの、例えば国際公開公報WO2012/060365号に記載されたようなものであってもよい。接続コネクタ403には、不図示の留置針またはカテーテルなどが接続される。このような延長チューブ400を用いることによって、造影剤および生理食塩水を同時または別々に被験者に注入することができる。
造影剤用のシリンジ800が装着されると、そのRFIDタグ802から、少なくとも造影剤単位量当たりのヨード含有量のデータが読み出され、注入制御部150内のメモリに一時的に格納される。注入制御部150は、RFIDタグ802から読み出したデータ/情報の少なくとも一部を表示ユニット154に表示させたり、プレッサー112を待機位置へ移動させたりする。待機位置とは、プレッサー112がシリンジ800のピストンの末端に当接する位置から最後端位置までの間の任意の位置である。待機位置への移動は、注入制御部150が、RFIDタグ802から読み出した情報に基づいてピストンの末端位置を求め、プレッサー112の可動範囲の最後端位置である初期位置からピストン末端位置までの距離を求め、その距離と予め決められていた任意のオフセット値分だけプレッサー112が前進するようにピストン駆動機構140を動作させることによって行うことができる。これにより、プレッサー112はピストンの待機位置へ移動される。
以上で注入準備が完了する。注入準備の完了後、操作者が注入ヘッド110のスタートボタン116bを操作すると、それに応じた信号が注入制御部150に送られ、注入制御部150は、この信号をトリガーとして、メモリに格納されている各種データを読み出し、確定した注入プロトコルにしたがってピストン駆動機構140が動作するようにピストン駆動機構140の動作を制御する。これによって、シリンジ800内に充填されている薬液を被験者に注入することができる。
ところで、図10に示すプロトコル画面310に表示される注入プロトコルは、予め登録されているパラメータに従って求められたものである。この注入プロトコルの設定に必要なパラメータの登録について説明する。
注入プロトコルの設定のためのパラメータの入力は、これまで説明した一連の流れ、例えばプロトコル画面310を利用した一連の流れとは別メニューで行うようにすることが好ましい。こうすることによって、注入準備の段階での誤操作等による、登録されているパラメータを、注入準備の段階での誤操作等によって消去したり変更してしまったりすることを防止することができる。
例えば、パラメータの登録のために、プロトコル設定用の手順をホーム画面から呼び出すようにすることができる。ホーム画面は、コンソール101のホームボタン102bを操作することによって表示される。プロトコル設定用の手順をホーム画面から呼び出すようにした場合、例えば、ホーム画面がプロトコル設定アイコンを含んでおり、操作者がプロトコル設定アイコンをタップすることなどによってプロトコル設定を選択することによって、注入制御部150はプロトコル設定手順を呼び出すようにすることができる。ホーム画面からプロトコル設定手順の呼び出しまでは、例えば、プロトコル設定が選択された後、プロトコル設定を行うユーザの選択など、いくつかの段階を経るようにしてもよい。
プロトコル設定手順では、まず、部位が選択される。部位の選択は、例えば、前述した注入条件の呼び出しの手順と同様であってよい。すなわち、注入制御部150は、図9および図9Aに示したような撮像部位アイコン301および部位詳細アイコン302を表示ユニット154に表示させ、操作者による所定の操作によって、注入プロトコルを設定する部位を決定することができる。
注入プロトコルを設定する部位が決定されたら、注入制御部150は、注入プロトコル設定画面を表示ユニット154に表示させる。なお、注入プロトコル設定画面を表示させる前に、ここで設定する注入プロトコルに名称を付与させるようにしてもよい。名称は、登録されている注入プロトコルを後で操作者が編集したり削除したりするときに識別しやすい名称を操作者が任意に付与することができる。
図11Aおよび図11Bに、プロトコル設定画面の一例を示す。図11Aおよび図11Bに示すように、プロトコル設定画面350は、詳細名タブ351、注入パターンタブ352、第1項目タブ353および第2項目タブ354のような複数のメニュータブを含むメニュー表示領域と、メイン表示領域355と、を有することができる。メイン表示領域355には、選択されているメニュータブに対応した内容が表示される。あるいは、メイン表示領域355内に「次へ」アイコン358およびリターンアイコン357を表示させ、これらをタップすることによって、メニュータブが順番に切り替えられるようにしてもよい。また、プロトコル設定画面350は、削除アイコン356を有することができる。削除アイコン356がタップされることによって、表示されている注入プロトコルが削除される。
詳細名タブ351が選択されると、メイン表示領域355には既に登録されている注入プロトコルの名称の一覧が表示される。操作者がこの一覧の中から1つを選択することによって、選択された名称の注入プロトコルの表示に切り替えることができ、操作者は、表示された注入プロトコルを編集または削除することができる。
注入パターンタブ352が選択されると、図11Aに示すように、いくつかの注入パターンがメイン表示領域355に表示される。図示した例では、注入パターンは、横軸を経過時間、縦軸を注入速度とした注入グラフを模式図化したアイコンで表されている。また、上段に表示されているのは造影剤のみを注入する場合の注入パターンであり、下段に表示されているのは造影剤および生理食塩水を注入する場合の注入パターンである。操作者は、表示された複数の注入パターンアイコンのうち1つをタップすることによって、注入パターンを選択することができる。
また、メイン表示領域355には、注入パターンを表すアイコンの他に、対象となる部位が血管系であるか実質系であるかを示すアイコン、および注入が混合注入であるかどうかを示すアイコンなども表示されるようにしてもよい。これらのアイコンは、選択されたことが視覚的に識別できるように他のアイコンとは表示が区別される。図11Aに示す例では、事前に部位として肝臓が選択されていることから実質系であることが自動的に選択され、また、注入パターンとしては、造影剤と生理食塩水とを同時に注入する第1フェーズと、生理食塩水のみを注入する第2フェーズとからなる混合注入が選択されている。
なお、対象となる部位を血管系と実質系に分けているのは、これらのどちらかによって造影効果に違いが生じるからである。一般的に、血管系の造影効果は、単位時間当たりに注入されるヨード量で決定されるため、注入速度に注入時間を乗ずることで、使用する総ヨード量が決定される。一方、実質系では、注入された総ヨード量が重要とされ、使用する総ヨード量を基に、注入速度等を決定していくことになる。
注入パターンの決定後、操作者が「次へ」アイコン358をタップすることによって、メイン表示領域355には、第1項目タブ353に対応したパラメータ入力用アイコンが表示される。図示しないが、ここでは薬液の注入量および注入速度の計算の基礎となる被験者の体重が、パラメータ入力用アイコンの1つとして表示される。操作者は、メイン表示領域355に表示されたパラメータ入力用アイコンに適宜の数値を入力する。入力された数値は、注入制御部150のメモリに一時的に格納される。メイン表示領域355は、図11Aに示したのと同様の「次へ」アイコン358を含んでおり、メイン表示領域355に表示されたパラメータ入力用アイコンへの入力が完了したら、操作者は、この「次へ」アイコン358をタップする。
これによって、図11Bに示すように、メイン表示領域355には第2項目タブ354に対応したパラメータ入力用アイコンが表示される。操作者は、メイン表示領域355に表示された各パラメータ入力用アイコンに適宜の数値および条件を入力する。入力された数値および条件は、注入制御部150のメモリに一時保存される。
図11Bに示す例では、具体的には以下のパラメータが第2項目として入力されている。
第1フェーズ(造影剤および生理食塩水の混和注入)
基準注入時間:25[sec]
基準混和比率:0.7(造影剤量:生理食塩水量=70:30)
基準ヨード量:500[mgI/kg]
基準ヨード濃度:300[mgI/mL]
第2フェーズ(生理食塩水のみ注入)
注入速度:A追従(*1)
注入量:20[mL]
注入時間:自動設定
その他
圧力リミット:10.0[kg/cm
(*1)第1フェーズでの全体の注入速度と同じ注入速度で注入。
本形態では、第1項目タブ353および第2項目タブ354で、注入プロトコルの計算に必要なすべてのパラメータが入力されるように構成されている。第1項目タブ353および第2項目タブ354の各パラメータ入力用アイコンへの数値および条件の入力後、操作者が「次へ」アイコン358をタップすると、注入制御部150は、メモリに一時保存されたパラメータを読み出し、以下に詳述するように、注入プロトコル、具体的には、第1フェーズにおける造影剤および生理食塩水の注入量および注入速度、並びに第2フェーズにおける生理食塩水の注入量および注入速度を算出する。
まず、第1フェーズにおける注入が混和注入ではなく全て造影剤が注入されるものと仮定した場合の注入量L[mL]および注入速度S[mL/sec]を算出する。造影剤の注入量L[mL]は、被験者の体重をW[kg]、被験者の単位体重当たりに必要とされる基準ヨード量をI[mgI/kg]、造影剤単位量当たりの基準ヨード濃度をC[mgI/mL]、造影剤の注入時間をT[sec]としたとき、
Figure 2018033953
で求められ、造影剤の注入速度S[mL/sec]は、
S[mL/sec]=L[mL]/T[sec] ・・・式(2)
で求められる。
例えば、W=60[kg]、I=500[mgI/kg]、C=300[mgI/mL]、T=25[sec]とすると、式(1)より、造影剤の注入量L=100[mL]と算出され、式(2)より、造影剤の注入速度S=4.0[mL/sec]と算出される。
次いで、求められた注入量および注入速度のそれぞれに、混和比率を乗ずることによって、第1フェーズでの造影剤および生理食塩水の注入量および注入速度が求められる。すなわち、第1フェーズでの造影剤の注入量は、100[mL]×0.7=70[mL]、注入速度は、100[mL]×(1−0.7)=30[mL]と求められる。
次に、第2フェーズでは、注入速度は第1フェーズと同じ注入速度であるので4.0[mL/sec]と求められ、また、注入量が20[mL]であることから、注入時間が5[sec]と求められる。
上記式(1)では被験者の体重当たりに必要とされるヨード量Iを用いて造影剤の注入量Lを算出しているが、血管系においては、被験者の単位体重当たりおよび単位注入時間当たりに必要とされる基準ヨード量I’[mgI/kg/sec]を用いて注入量を算出することが一般的である。この場合の注入量の算出には、以下の式(1’)を用いることができる。
Figure 2018033953
なお、前述したように、造影剤の注入量が少なすぎたり、造影剤の注入速度が低すぎたりすると、造影剤が目的の部位に到達するまでの間に、血液中に拡散したり、周囲の組織に吸収されたりする現象が生じ得る。そこで、造影剤の注入量および注入速度の下限値を注入制御部150に予め設定しておき、注入制御部150は、それらの値を算出された注入量および注入速度と比較し、算出された注入量および注入速度の少なくとも一方が、予め設定されている値より小さい場合に、警告を発するようにしてもよい。注入制御部150に設定される造影剤の注入量の下限値は、好ましくは30[mL]とすることができ、より好ましくは50[mL]とすることができる。注入制御部150に設定される造影剤の注入速度の下限値は、好ましくは3[mL/sec]とすることができ、より好ましくは5[mL/sec]とすることができる。これらの下限値は、撮像部位毎に設定されてもよいし、操作者が任意に変更できるようにされていてもよい。また、警告は、表示ユニット154(後述するように第2の表示ユニットを有する場合は、これらの少なくとも一方)に文字やグラフィックなどで表示させるようにしてもよいし、ブザーやスピーカ等の発音器を設け、この発音器からの音声による警告であってもよい。
以上のようにして求められた注入プロトコルは、プロトコル設定画面350のメイン表示領域355に、例えば図10に示したプロトコル画面310と同様の構成を有するプレビュー画面として表示され、操作者が確認できるようにすることができる。また、プレビュー画面と同時に、メニュー表示領域またはメイン表示領域に「保存」アイコン(新規に登録する場合)または「上書き保存」アイコン(登録済みの注入条件を編集した場合)を表示させ、操作者が「保存」アイコンまたは「上書き保存」アイコンをタップすることによって、その特定の部位等における注入プロトコルの一つを設定するのに用いたパラメータとして、注入制御部150のメモリに登録される。
なお、前述した注入条件呼び出しの際は、上述した注入プロトコルの計算(注入プロトコルを求めるための一連の計算)は、対象となる部位の確定後、図10に示すプロトコル画面310の表示前に、注入制御部150によって、予め登録されているパラメータを用いて行われる。この段階では、予め登録されているパラメータを用いて計算された結果が、プロトコル画面310の注入グラフサムネイル311に表示される。また、予め登録されているパラメータを用いた注入プロトコルの計算が、任意のタイミングで行われるようにしてもよい。
ここで再び図10を参照すると、前述したように、プロトコル画面310に表示されている注入プロトコルおよびパラメータは、シリンジ容量アイコン316に表示されている容量値および実ヨード量アイコン320に表示されているヨード量値を除いて、実際の条件に応じて操作者が任意に、あるいはRFIDタグ802から読み出したデータに従って自動的に変更することが可能である。例えば、被験者の体重は被験者によって異なるし、基準ヨード量および基準ヨード濃度は使用する造影剤の種類によって異なる。
したがって、被験者の実際の体重や実際に用いられる造影剤の種類などに応じて、プロトコル画面310に表示されているパラメータが変更されると、注入制御部150は、変更されたパラメータに従って注入プロトコルを設定し、新たに設定された注入プロトコルをプロトコル画面310に表示させる。
以下に、その一例として、登録されている注入プロトコルでは、図11Bに示したように、造影剤の基準ヨード濃度を300[mgI/mL]として注入量および注入速度が求められているが、図10の実ヨード濃度アイコン317に示されるように、ヨード濃度が350[mgI/mL]の造影剤が用いられる場合の計算を説明する。なお、本例では造影剤が注入されるのは第1フェーズのみであるので、以下の説明は、第1フェーズについての説明である。
まず、注入制御部150は、基準ヨード量In_baseおよび基準混和比率Rbaseから、この注入プロトコルで注入される造影剤のヨード量である実ヨード量Iを下記の式(2)によって求める。
In=In_base×Rbase ・・・式(2)
基準ヨード量とは、登録されている注入プロトコルを計算するのに用いたヨード量であり、基準混和比率とは、登録されている注入プロトコルを計算するのに用いた混和比率である。本例では、基準ヨード量In_base=500[mgI/mL]、基準混和比率Rbase=0.7であるから、
実ヨード量I=500[mgI/mL]×0.7=350[mgI/mL]
と、求められる。つまり、登録された注入プロトコルでは、350[mgI/mL]のヨード量が注入されることになる。
次に、注入制御部150は、基準ヨード量In_base、基準ヨード濃度Ic_baseおよび被験者の体重Wから、造影剤を生理食塩水で希釈しない場合の注入量である基準注入量Vtotalを、下記の式(3)によって求める。
Figure 2018033953
基準ヨード濃度とは、登録された注入プロトコルを計算するのに用いたヨード濃度であり、また、ここでは、被験者の体重は、登録された注入プロトコルを計算するのに用いた体重と同じであるとする。すなわち、被験者の体重W=60[kg]、基準ヨード濃度Ic_base=300[mgI/mL]であるので、式(3)より、
total=100[mL]
と、求められる。
また、注入制御部150は、今回の検査で用いられる造影剤のヨード濃度である実ヨード濃度をIとしたとき、変更されたパラメータ(本例ではヨード濃度)で注入を行う場合の混和比率である実混和比率Rを、下記式(4)によって求める。これによって、ヨード濃度が異なる造影剤に変更された場合であっても、登録された注入プロトコルで注入されるヨード量と同じヨード量で造影剤が注入される混和比率が求められる。
Figure 2018033953
本例では、実ヨード濃度Ic=350[mgI/mL]であるから、式(4)より、
R=0.6
と、求められる。その結果、混和比率は、0.7から0.6に変更される。変更された実混和比率は、10に示すプロトコル画面310の注入グラフサムネイル311の経時グラフの横に、造影剤の割合60%および生理食塩水の割合40%として表示されている。
なお、求められた実混和比率Rの値が1より大きい場合は、実混和比率R=1とされ、造影剤のみが注入される注入プロトコルとなる。一方、実混和比率R=0となった場合は、造影剤が注入されないことを意味するため、変更可能なパラメータのうちいずれかのパラメータが変更され、0より大きい実混和比率Rが得られるまで次のステップへは進まないようにされる。
このように、実際の注入に用いられる造影剤のヨード濃度に応じて混和比率が自動的に変更されるようにすることで、造影剤が変更された場合であっても、注入されるヨード量は変化せず、結果的に、ヨード濃度の異なる種々の造影剤において、良好な造影効果を得ることができる。また、実混和比率の計算式として、予め与えられた基準ヨード濃度と実際に使用される造影剤の実ヨード濃度との比を係数として、予め与えられた基準混和比率に乗算することで、適切な混和比率を与えることができる。
以上のようにして実混和比率Rが求められたら、注入制御部150は、求められた実混和比率Rおよび基準注入量Vtotalから、造影剤の注入量V[mL]および生理食塩水の注入量V[mL]を求める。これらは以下の式(5)、(6)で与えられる。
[mL]=Vtotal[mL]×R ・・・式(5)
[mL]=Vtotal[mL]×(1−R) ・・・式(6)
基準注入量Vtotal[mL]および注入時間t[sec]から、造影剤を生理食塩水で希釈しない場合の注入速度である基準注入速度Ftotal[mL/sec]は、
total=Vtotal[mL]/t[sec] ・・・式(7)
で与えることができ、式(7)から、造影剤の注入速度F[mL/sec]および生理食塩水の注入速度F[mL/sec]を求めることができる。これらは以下の式(8)、(9)で与えられる。
[mL/sec]=Ftotal[mL/sec]×R ・・・式(8)
[mL/sec]=Ftotal[mL/sec]×(1−R) ・・・式(9)
注入制御部150は、上記のようにして求められたパラメータを注入プロトコルに適用し、変更された注入プロトコルをプロトコル画面310に表示させる。以降は、前述したとおりの一連の手順で注入動作が実行される。なお、ここで行った変更は、呼び出された注入プロトコル上での変更であり、登録されている注入プロトコル自体は変更されない。注入プロトコルの作成および編集は、ホーム画面から呼び出されるプロトコル設定画面350からのみ行える。
上述したように、本形態では、注入制御部150は、ヨード濃度が変更された場合、使用されるヨード量が変わらないような混和比率を求め、混和比率の値を求められた混和比率の値に変更し、変更された混和比率を注入プロトコルに適用している。しかし、変更される混和比率の値は、造影効果に影響を及ぼさない範囲内で、求められた値と異なる値であってもよい。例えば、ヨード濃度が変更されたときの混和比率が0.57(造影剤量:生理食塩水量=57:43)であると求められた場合、小数点第2位を四捨五入して混和比率=0.6で注入しても、造影効果に大きな影響は及ぼさない。この意味では、ヨード濃度が変更されたときの混和比率を、例えば小数点第1位までの値で概算し、混和比率の値を概算された混和比率の値に変更しても同じ結果を得ることができる。
したがって、注入制御部150は、ヨード濃度が変更された場合、変更されたヨード濃度に応じて混和比率を変更し、変更された混和比率を注入プロトコルに適用するように構成されるということができる。ここで、混和比率は、造影効果に影響を及ぼさない範囲で変更されることが好ましく、使用されるヨード量が変わらないように変更されることがより好ましい。
以上、ヨード濃度が変更されることによって、注入プロトコルにおける混和比率が変更される場合を例に挙げて説明した。しかし、他のパラメータが変更されることによっても注入プロトコルは変更され得る。例えば、基準ヨード量が変更された場合は、注入プロトコルにおいては実ヨード量、注入速度および注入量が変更され、混和比率が変更された場合は、注入プロトコルにおいては実ヨード量が変更され、被験者の体重が変更された場合は、注入プロトコルにおいては注入速度および注入量が変更される。また、注入時間が変更された場合は、撮像対象が血管系であれば注入量が変更され、撮像対象が実質系であれば注入速度が変更される。
また、上述の説明では、撮像部位ごとに注入プロトコルが設定されている場合について説明した。しかし、さらに、透視撮像装置の製造メーカーおよび/または仕様ごとに注入プロトコルが登録されていてもよい。透視撮像装置は、画像の再構成時に逐次近似法による画像処理あるいは逐次近似法を利用した画像処理を行うのが一般的である。この画像処理は、透視撮像装置の製造メーカーごとに異なっており、さらには同じ製造メーカーであっても透視撮像装置の仕様によって異なる場合もある。そして、どのような画像処理を行うかによって、同じ注入条件で薬液を注入したときに得られる画像の画像品位が異なる。そこで、撮像部位だけでなく、使用する透視撮像装置に対応した注入プロトコルが登録されていてもよい。
薬液として造影剤を注入する場合、造影剤による造影効果には被験者ごとの個人差がある。この造影効果の個人差の程度を把握するために、透視撮像装置200による断層画像の撮像のための注入に先立って、その撮像のための注入量よりも少ない注入量で薬液を注入するテスト注入を行い、その結果に基づいて、撮像タイミングを決定することなどが行われる。
このような場合、テスト注入後の薬液の注入動作は、透視撮像装置200から送信される指令を注入制御部150がその指令を撮像制御部152から受信することによって開始させることもできる。透視撮像装置200は、例えば、透視撮像装置200のモニタに表示されている断層画像をCCDカメラ(不図示)で撮影し、その断層画像のROIにおける明るさ(白さ)を監視し、明るさが予め定められた閾値以上となったとき、あるいは、モニタに接続されるケーブルからの信号強度を測定し、その測定結果が、予め定められた閾値以上となったときに、注入動作開始のための指令を注入制御部150へ送信することができる。また、断層画像の撮像のための注入(本注入)に先立ってテスト注入を実施する場合、テスト注入時のCT値およびTDC(Time Density Curve)をモニタし、その結果に応じて注入プロトコルを決定し、それに適した最適な撮像開始を薬液注入装置100から透視撮像装置200へ送信してもよい。
上述した実施形態は、透視撮像装置200がX線CT装置である場合を例に挙げて説明したが、本発明において、透視撮像装置200としては、X線CT装置の他に、アンギオ装置、MRI装置、MRA装置、PET装置および超音波画像診断装置など、画像を取得するのに電磁波の照射を利用する任意の透視撮像装置であってもよい。透視撮像装置200がX線CT装置以外の装置である場合、それに応じて、薬液注入装置100の構成、画面の表示、操作手順および動作などが必要に応じて適宜変更されてもよい。
例えば、透視撮像装置200がMRI装置である場合、MRI装置は電磁波照射器として、高周波パルスを照射する高周波パルス送信器を有しており、高周波パルス送信器は設定により高周波パルスの照射強度を変更することができる。通常、高周波パルスは、照射強度が強いほど、造影剤による造影効果が増進されるため、注入制御部150は、電磁波照射器に設定される高周波パルスの照射強度が特定の照射強度よりも高い場合に、造影剤が生理食塩水で希釈するような処理を行う。この処理の具体的な手順は、電磁波照射器に設定される電磁波の照射強度の強弱の関係がX線CT装置の場合と逆になる他は、前述した手順と同様とすることができる。
また、上述した実施形態では、撮像制御部152が撮像制御ユニットに組み込まれ、注入制御部150が、薬液注入装置100のコンソール101に組み込まれたものとして説明した。しかし、撮像制御部152および注入制御部150がともに撮像制御ユニットに組み込まれていてもよいし、撮像制御部152および注入制御部150がともにコンソール101に組み込まれていてもよいし、あるいは、撮像制御部152および注入制御部150がともに、撮像制御ユニットおよびコンソール101とは別の、プログラム可能なコンピュータ装置(不図示)に組み込まれていてもよい。こうすることにより、薬液注入装置100のコンソール101または透視撮像装置200のコンソールが不要となり、システム全体を簡略化することができる。
さらには、注入制御部150の特定の機能を残りの他の機能とは別のユニットに組み込むこともできる。例えば、注入プロトコルの決定(演算)機能を透視撮像装置200の撮像制御ユニットに組み込み、残りの他の機能を薬液注入装置100のコンソール101に組み込むことができる。この場合は、撮像条件の設定および注入条件の設定に共通するデータを、透視撮像装置200および薬液注入装置100に重複して入力する必要がなくなる。注入条件の設定に際して不足するデータは、撮像制御ユニットから入力できるようにしてもよいし、薬液注入装置100のコンソール101から撮像制御ユニットに送信するようにしてもよい。
撮像制御部152の持つ機能および注入制御部150の持つ機能は、必要により各種ハードウェアを利用して実現し得るが、その主体はコンピュータプログラムに対応してCPUが機能することにより実現される。
そのコンピュータプログラムは、上述した手順の少なくとも一部、例えば、
登録されている注入プロトコルを設定するのに用いられた複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更するステップと、
変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するステップと、
を、透視撮像装置200、薬液注入装置100またはこれら透視撮像装置200および薬液注入装置100を備えた透視撮像システムに実行させるためのコンピュータプログラムとして実装されることができる。
また、構造的な点では、注入ヘッド110とコンソール101とを一体に構成することもできる。コンソール101と注入ヘッド110が一体に構成された場合、コンソール101も検査室に配置されることになる。そこで、注入動作の開始および停止には、リモートコントローラ170(図1参照)を用いることができる。リモートコントローラ170を用いることにより、操作者は、操作室内で注入動作の開始および停止を制御できる。
シリンジとしては具体的には図12の(a)および(b)に示すようなものであってもよい。このシリンジは、例えば100ml用のものであることができる。このシリンジは、シリンダ部材501とピストン部材502とを備え、シリンダ部材501の末端に形成されたシリンダフランジ501aはIカット形状の輪郭形状を有し、同フランジ501aの外周部には2つの切欠き部505(一方のみを示す)が形成されている。シリンダ部材501の先端の導管部501bは、同軸状に配置された内側および外側の2つの筒状部を有するルアーロック接続用のものであってもよい。図12の(b)に示すように、シリンダフランジ501aの後面には、リング状の突起部501cが形成されていてもよい。
シリンジの他の例としては、図12の(a)、(b)に示すようなシリンジであってもよく、このシリンジは例えば200ml用のものであることができる。このシリンジも、上記シリンジと同様、シリンダ部材501とピストン部材502とを備え、シリンダ部材501の末端に形成されたシリンダフランジ501aはIカット形状の輪郭形状を有するものであってもよい。シリンダフランジ501aの外周部には2つの切欠き部505(一方のみを示す)が形成されている。シリンダ部材501の先端の導管部501bは、同軸状に配置された内側および外側の2つの筒状部を有するルアーロック接続用のものであってもよい。図12の(b)に示すように、シリンダフランジ501aの後面には、リング状の突起部501cと、その突起部501cから外側に向かって延びる複数のリブ501dが形成されていてもよい。
なお、図13ではシリンダフランジ501aに切欠き部505とリブ501dの両方が形成されたものが描かれているが、いずれか一方のみが形成されたもの(例えば、切欠き部505が形成されていないもの)であってもよい。また、リブ501dに関し、図示上下方向に並んだ複数のリブのうち上部と下部の2つのリブのみを残し、他のリブを省略したような形状としてもよい。このようなリブ群が、フランジ部の左右両側のいずれか一方のみに形成されたシリンジとしてもよい。
図12および13に示すような、シリンダフランジ501aに切欠き部505を有するシリンジが装着されるアダプタは、図示した姿勢でシリンダフランジ501aが上方から挿入される溝を有し、シリンダフランジ501aが挿入され、さらに軸周りに90度回転した状態で切欠き部505に係合する突起を有することが好ましい。これにより、シリンダがより確実に保持される。したがって、仮に注入動作中に注入圧力制御に不具合が発生し、過剰な圧力がシリンジに作用した場合であってもシリンジはしっかりと保持されるため、シリンダフランジ501aが破損しにくくなっている。また、シリンジが斜めに装着されることに起因する偏荷重も生じにくく、ピストンとシリンダとの隙間による液漏れも防止できる。
図12および13に示したシリンジも、前述したシリンジ800と同様、シリンダの外周面にRFIDタグを有していてもよい。
(薬液注入装置が備えることができる他の構成)
薬液注入装置は、注入圧力を検出するためのロードセルをさらに有していてもよい。ロードセルは、例えばプレッサー112に備えることができる。図3に示したように複数のプレッサー112を有する場合は、それらの中のいずれか少なくとも1つにロードセルを有していてもよい。注入圧力は、モータ電流を測定することによって検出することもできる。プレッサー112に作用する負荷が大きくなると、その負荷の大きさに応じて、ピストン駆動機構140の駆動源であるモータ電流が大きくなる。モータ電流を利用した注入圧力の検出には、そのことが利用される。注入圧力の検出は、ロードセルを用いた検出およびモータ電流を利用した検出のいずれか一方のみであってもよいし、両者を併用してもよい。両者を併用する場合、通常はロードセルによって注入圧力を検出し、ロードセルが故障したときのみモータ電流の測定結果を利用して注入圧力を測定することができる。
(延長チューブの他の形態)
延長チューブは、造影剤と生理食塩水が良好に混合されるようにするミキシングデバイスを備えていることが好ましい。ミキシングデバイスを備えた延長チューブの一例を、図14A、図14Bおよび図14Cを参照して説明する。
この延長チューブは、造影剤が充填されるシリンジとミキシングデバイス241とを接続する第1のチューブ231aと、生理食塩水が充填されるシリンジとミキシングデバイス241とを接続する第2のチューブ231bと、ミキシングデバイス241の液体出口(詳細下記)に接続され患者側へと延びる第3のチューブ231cとを有している。特に限定されるものではないが、第1および第2のチューブ231a、231bはそれぞれ接続コネクタ239a、239bを介してシリンジの導管部に接続されるようになっていてもよい。同様に、第3のチューブ231cも、接続コネクタ239cを介してカテーテル等に接続されるようになっていてもよい。
なお、薬液注入装置による薬液の注入前には、エア抜きを目的としたプライミングが行われる。このプライミングにはいくつかの方法があり、延長チューブ内が生理食塩水、造影剤のいずれかの薬液で満たされる。具体的な一例としては、次のようなものがある:
(a)まず造影剤シリンジから造影剤を押し出し、ミキシングデバイスまでの第1のチューブを造影剤で満たす。次いで、生理食塩水シリンジから生理食塩水を押し出して、第2のチューブ、ミキシングデバイス、第3のチューブ、および、カテーテルまでを生理食塩水で満たす。これにより回路全体が薬液で満たされ、エアが抜かれた状態となる。他にも、
(b)まず、造影剤シリンジから造影剤を押し出し、次いで生理食塩水シリンジから生理食塩水を押し出した後に、両シリンジから同時に薬液を押し出す方法や、
(c)まず生理食塩水シリンジから生理食塩水を押し出し、次いで造影剤シリンジから造影剤を押し出して薬液の回路全体を薬液で満たす方法などもある。
なお、薬液注入装置には上記のようなプライミング動作を自動的に行わせる機能が備わっていてもよく、また、プライミング動作開始のトリガーとなるものは例えば操作者による入力操作であってもよい。
続いて、ミキシングデバイス241について、詳しく説明する。ミキシングデバイス241は、図14A、図14Bに示すように、旋回流を生成する旋回流生成室242aである第1室と、旋回流を軸方向に集中させる狭窄室242bである第2室と有する本体部242を備えている。この例では、旋回流生成室242aは円柱状の内部空間を有し、狭窄室242bは旋回流生成室242aと共軸の円錐状の内部空間を有する。なお、旋回流生成室の短手方向の断面形状は、円、楕円、その他の曲線から形成される種々の形状が考えられる。また、旋回流生成室は、狭窄室に近づくにつれて先が狭まる狭窄形状を有するように構成することもできる。
ミキシングデバイス241の本体部242の流れ上流側には第1のチューブ231aが接続される導管部243aが設けられ、下流側には第3のチューブ231cが接続される導管部243cが設けられている。第2のチューブ231bが接続される導管部243bは、旋回流生成室242aの中央から上流側の位置に配置されている(詳細下記)。
この例では、導管部243aから造影剤が流入するとともに導管部243bから生理食塩水が流入し、ミキシングデバイス内で両薬液が混合される。その後、造影剤及び生理食塩水の混合薬液は、液体出口としての導管部243cから流出する。
比重の大きい薬液が流入する導管部243aは、流れ方向の上流側において、旋回流生成室242a上流側壁面の中央部に設けられている。液体出口である導管部243cは、この導管部243cの中心線と導管部243aの中心線とが一致するように、すなわち両者が共軸となるように設けられている。各部が共軸を有するように配置することにより、ミキシングデバイス内において発生する渦の等方性を高めることができる。つまり、渦を空間内で淀みなく均一に発生させ,混合効率を向上させることができる。
他方、比重の小さい薬液が流入する導管部243bは、は、旋回流生成室242aの側面に配置され、断面円形である旋回流生成室242aの円周の接線方向に延在する。別の言い方をすれば、導管部243bは、旋回流生成室242aが有する円柱状空間の中心軸線からの周縁側にずれた位置に設けられ、これにより、導管部243bから流入した比重の小さい薬液の旋回流が生成されるようになっている。より詳しくは、図14Cに示すように、流路241fbが、旋回流生成室242aの湾曲した内面の円周接線方向に延在するように構成されており、これにより、この流路から流入した薬液が旋回流となる。さらに狭窄室242bは、図面からも明らかなように、流れ方向下流側に向かってすぼまる傾斜した内面を有しているので、発生した旋回流は、渦の中心軸方向に集中することになる。
また、造影剤が流入する導管部243aは、流路241faを介して旋回流生成室242aと連通している。これにより、比重の大きい薬液を、比重の小さい薬液の旋回流の中心軸と平行な方向で旋回流生成室に導入することができる。つまり、比重の大きい薬液は、旋回流生成室が有する円柱状空間の中心軸線と平行な方向に導入される。また、生理食塩水が流入する導管部は、流路241fbを介して旋回流生成室と連通している。一例で、流路241fbの内径は、造影剤が流入する流路241faの内径よりも小さく形成されていてもよい。こうした構成によれば、所定の圧力で薬液を注入する場合、断面積が相対的に小さい流路241fbから流入する比重の小さい薬液の流速が、比重の大きい薬液の流速よりも速くなる。したがって、比重の小さい薬液の流速が遅い場合に生じうる、旋回流の慣性力の減衰やそれに伴う旋回強度の不足に起因する、薬液どうしの混合効率の低下を回避することができる。
上記のように構成されたミキシングデバイス241では、例えば造影剤および生理食塩水を同デバイス内に流入させると、流路241faから旋回流生成室に流入した造影剤は軸方向下流側に向かう流れとなる。一方、流路241fbから旋回流生成室に流入した生理食塩水は、同室内の湾曲した内面に沿って旋回する旋回流となり、そして、生理食塩水の旋回流は、狭窄室に導かれて旋回流の中心軸方向に集中する。このような渦はランキン渦として知られ、旋回流のもつ慣性力を渦の回転軸の近傍に集中させることができる。
そしてこのようなミキシングデバイス241を有する延長チューブで2つの薬液の同時注入を行う場合、両薬液が良好に混合されることとなる。すなわち、この例では、造影剤と生理食塩水とが良好に混合された希釈造影剤を得ることができ、その結果、造影剤の濃度のムラ等が無くなるので一般的な分岐チューブの場合と比較して優れた造影効果が期待できる。
(第2の表示ユニット)
透視撮像システムは、前述した表示ユニット154(コンソール101に備えられたタッチパネル103)とは別に、図15Aおよび図15Bに示すように、第2の表示ユニットA151を備えることができる。通常、注入ヘッド110は、透視撮像装置200とともに検査室に配置され、コンソール101は、検査室に隣接する操作室に配置されることが多い。薬液の注入に関する各種設定は、操作室内に配置されたコンソール101を操作者が適宜操作することによって行われるが、注入の準備段階では、被験者への注入針の穿刺あるいはカテーテルの挿入、チューブ内のエア抜き、および注入ヘッド110の動作確認などのため、操作者は検査室内で様々な作業を行う。この準備段階で、操作者が操作室に移動することなく注入条件などを確認することができるようにするために、第2の表示ユニットA151は、検査室内に配置されることが好ましい。
第2の表示ユニットA151には、薬液の注入に関する種々のデータ、例えば、撮像対象部位、被験者の体重、薬液の注入速度、薬液の注入量、注入する薬液の種類、薬液の注入プロトコルなどを表示することができる。これらの表示形式は任意であってよく、コンソール101に備えられたタッチパネル103と同一の画面上に表示されてもよいし、異なる画面上に表示されてもよい。また、前述した注入条件呼び出し画面(図9、図9A)300およびプロトコル画面310(図10)を表示させることもできる。併せて、準備動作および注入動作において、ピストン押圧部の動作を停止させたとき、その旨をメッセージやアイコンなどで表示させるようにすることもできる。
第2の表示ユニットA151は、タッチパネルであることが好ましい。第2の表示ユニットA151をタッチパネルとし、注入条件等の設定のためのデータ入力、注入ヘッド110の動作の開始および停止の操作などを第2の表示ユニットA151からも行えるようにすることで、準備段階および注入の初期段階において注入条件を変更したり注入を停止したりする場合が生じたときに、操作者は操作室に戻ることなくその場で注入条件を変更することができるようになる。注入条件を変更したり注入を停止したりする場合としては、例えば、被験者の体調が思わしくなく、正規の注入条件よりも注入条件を緩和したほうが良いと判断される場合や、血管からの薬液の漏れが生じた場合などが挙げられる。なお、第2の表示ユニットA151がタッチパネルでない場合であっても、第2の表示ユニットA151が適宜の操作スイッチを備える構成とすれば、操作スイッチの操作によって注入条件の設定および/または変更を行うことができる。
第2の表示ユニットA151は、検査室内でも特に、注入ヘッド110の近傍に配置することが好ましく、例えば、注入ヘッド110に一体に設けたり、注入ヘッドを支持する部材に設けたりすることができる。図15Aを参照すると、注入ヘッド110に一体に設けられた第2の表示ユニットA151の一例が示される。一方、図15Bに示す例では、ヘッド支持構造A158に、注入ヘッド110と第2の表示ユニットA151とが支持されている。ヘッド支持構造A158は、公知の可動式スタンドの一部であってもよいし、天井に固定される多関節の支持アームアセンブリの一部であってもよい。図15Bに示すように、支持アームアセンブリ160は、例えば、天井に固定されるベース部161と、ベース部161から延びる多関節のアーム部163を有するものとすることができる。図15Bに示す例では、第2の表示ユニットA151は、アーム部163の、鉛直方向に延びて下端部に注入ヘッド110が取り付けられるアームの中間部に取り付けられている。
第2の表示ユニットA151は、連結機構A155を介してヘッド支持構造A158に接続されている。特に限定されるものではないが、第2の表示ユニットA151が、注入ヘッド110と間隔をあけて、注入ヘッド110の上方に位置してもよい。連結機構A155は、例えば、鉛直軸周りおよび/または水平軸周りに注入ヘッド110が回動できるように注入ヘッド110を保持するものであってもよい。第2の表示ユニットA151と注入ヘッド110および/またはコンソール101との接続は、ケーブルを介した有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
上述のような構成によれば、第2の表示ユニットA151の向きを、注入ヘッド110の向きとは無関係に、上下方向および左右方向に広範囲で調整できるので、操作者が第2の表示ユニットA151をより視認しやすいものとなる。また、第2の表示ユニットA151を注入ヘッド110と間隔をあけて配置することにより、第2の表示ユニットA151を、注入ヘッド110やその他の装置にノイズの影響を与えにくい最適位置に配置することができる。さらに、第2の表示ユニットA151を無線接続とすることにより、ケーブルを介してのノイズの伝播を防止することができる。
(透視撮像システムの他の形態)
透視撮像システムは、図16に示すように、薬液注入装置100および透視撮像装置200の他に、使用前のシリンジ800を所定の温度に加温する加温器900および使用済みであり廃棄されるべきシリンジ800を収納する廃棄ボックス910をさらに含んでいてもよい。加温器900および廃棄ボックス910は、薬液注入装置100および透視撮像装置200とは独立した装置であってもよいし、これらの少なくとも1つとネットワークを介してデータ通信可能に接続されていてもよい。加温器900と廃棄ボックス910との間についても、互いに独立していてもよいし、ネットワークを介してデータ通信可能に接続されていてもよい。加温器900および廃棄ボックス910はそれぞれ、RFIDタグ802に記録されている情報を読み出したり、情報をRFIDタグ802に書き込んだりするためのリーダ/ライタ902、912を備えることができる。シリンジ800には、加温器900により加温されることにより、リーダ/ライタ902によりシリンジ800のRFIDタグ802に加温された旨の情報が記録される。また、使用済みのシリンジ800は、廃棄ボックス910に収納される際に、廃棄されたシリンジ800である旨の情報が、912によってRFIDタグ802に記録される。
透視撮像システムは、薬液充填装置920をさらに備えることもできる。薬液充填装置920は、薬液が充填されていない空のシリンジを搭載し、この空シリンジに薬液を充填することのできる装置である。薬液充填装置920も、薬液注入装置100、透視撮像装置200、加温器900および廃棄ボックス910とは独立した装置であってもよいし、これらの少なくとも1つとネットワークを介してデータ通信可能に接続されていてもよい。空シリンジには、ピストンが最前進位置にある状態で、薬液が収容されている袋およびボトルといった任意の形態の薬液容器930が、チューブなどによって流体連通するように接続される。空シリンジと薬液容器930との接続後、薬液充填装置920によってピストンを後退させることで、空シリンジに薬液を充填することができる。空シリンジにはデータキャリアであるRFIDタグが装着されていることが好ましい。以下の説明では、空シリンジは、RFIDタグ802が装着された薬液が充填される前のシリンジ800であるものとして説明する。
薬液容器930にもデータキャリアであるRFIDタグ932が装着されている。RFIDタグ932には、例えば、収容されている薬液の種類、内容量、製薬メーカー、品番、粘度、消費期限、薬液が造影剤の場合はその単位造影剤量当たりのヨード含有量など、薬液に関する情報がデータとして記録されている。薬液充填装置920は、RFIDタグ932からデータを読み出すことのできるリーダ922aと、シリンジ800に装着されているRFIDタグ802にデータを書き込むことのできるライタ922bと、を備えている。
以上のような構成において、薬液充填装置920を用いて薬液容器930からシリンジ800に薬液を充填するとき、薬液容器930に装着されたRFIDタグ932に記録されたデータが、リーダ922aによって読み出される。薬液充填装置920は、メモリなどの記憶装置を備えており、読み出されたデータは、この記憶装置に一時的に記憶される。次いで、操作者は、薬液充填装置920に充填量を設定し、薬液充填装置920を動作させる。
これによって、設定された量の薬液がシリンジ800内に充填される。充填量は、薬液充填装置920の所定の操作手順に従って設定することができる。薬液の充填後、ライタ922bは、記憶装置に一時的に記憶されたデータとともに、薬液の充填量および充填日時をシリンジ800のRFIDタグ802に書き込む。以上により、シリンジ800には、薬液が充填され、充填された薬液に関するデータがRFIDタグ802に記録されることになる。
なお、RFIDタグ802には、前述したような、シリンジに関するデータが予め記録されていてもよい。また、薬液容器930のRFIDタグ932からデータを読み出すリーダ922aを、データの書き込みも行えるリーダ/ライタとすることもできる。この場合、薬液容器930に収容されていた充填前の内容量から充填量を減算した現在の内容量(残量)をRFIDタグ932に書き込むようにすることもできる。残量の計算は、薬液充填装置920が有するCPUにて行うことができる。
注入制御部150は、前述したように、現在時刻の計時機能を有している。これを利用し、RFIDタグ802に記録された充填日時をRFIDモジュール166(図6参照)にて読み出し、上記計時機能により計時された現在日時と、読み出した充填日時とを、注入制御部150(図6参照)にて比較し、その結果、現在日時が充填日時から所定の期間経過後、すなわち使用期限超過であれば、注入制御部150は、この薬液の注入防止のための処理を行うようにすることができる。薬液の注入防止のための処理とは、例えば、ピストン駆動機構140(図6参照)の動作を不能とすること、表示ユニット154(図6参照)に、薬液の使用期限が超過していることを表示させること、およびブザー等の発音ユニット(不図示)から音または音声による警告を発することなどが挙げられる。薬液の使用期限は、注入制御部150に予め設定されているが、設定された使用期限は操作者が任意に変更することもできる。このように、薬液の充填日時を管理することによって、注入される造影剤の安全性を確保することができる。
薬液注入装置100、透視撮像装置200、加温器900、廃棄ボックス910および薬液充填装置920等の、透視撮像システムを構成する各医療機器は、医療ネットワークに接続されていてもよい。これにより、被験者に対する処置の履歴、薬液の使用履歴、シリンジの使用履歴等を簡単に保存および追跡することができる。
また、少なくとも薬液注入装置100および透視撮像装置200が医療ネットワークに接続されていてもよい。これによって、薬液注入装置100により注入された薬液の注入速度、注入時間、注入量、注入グラフを含む注入結果、さらに、透視撮像装置200による撮像条件(撮像時間、撮像装置がCT装置の場合は管電圧、などを含む)は、医療ネットワークを通じて透視撮像装置、RIS(放射線科情報システム)、PACS(医用画像保管管理システム)、HIS(病院情報システム)などに注入データとして保存できる。これにより、保存した注入データは、注入履歴の管理に利用される。特に注入量などは、使用済薬液としてカルテ情報に記録したり、会計処理に利用したりすることができる。また、被験者の体重等の身体的情報、ID、氏名、検査部位、検査手法を、RIS、PACS、HISなどから取得して薬液注入装置に表示し、それにあった注入を実施することもできる。これらの情報、およびRFIDモジュール166によってRFIDタグ802から取得したデータは、薬液注入装置100から透視撮像装置200を経由してRIS、PACS、HISなどに送信されてもよいし、薬液注入装置100から直接、RIS、PACS、HISなどに送信されてもよい。
また、薬液充填装置920による薬液の充填量は、その薬液の被験者への注入量とすることができる。そうすることにより、充填した薬液を無駄なく使用できる。注入量は、被験者の体重といった身体的特徴、撮像部位および撮像時間などのファクターを考慮した計算式を用いて算出することもできるし、医師等が値を直接決定することもできる。注入量の算出に用いられる上記のファクター、あるいは医師等が決定した注入量の値は、操作者が入力することもできるし、ネットワーク経由あるいはダイレクト回線で接続されたRIS、HIS、PACS、外部サーバ、クラウドなどの外部データベースから入手することもできる。注入量の計算に用いるファクターを外部データベースから入手することで、操作者による入力ミスを防止することができる。
計算式を用いた注入量の計算は、注入制御部150で実行される。注入制御部150の機能は、薬液注入装置、透視撮像装置および薬液充填装置が含む各種制御回路など任意のコンピュータ装置の何れが有していてもよい。すなわち、薬液の注入量は、薬液注入装置ではなく、他の任意のコンピュータ装置の何れかが計算するように構成することができる。また、コンソール制御回路の機能を薬液注入装置ではなく他の任意のコンピュータ装置が有することで、薬液の注入量だけでなく、注入速度および注入時間などをパラメータとした注入プロトコルも、その任意のコンピュータ装置で作成することができる。
空シリンジへの薬液の充填は、薬液注入装置100で代用することができる。これにより、薬液充填装置は不要とすることができる。薬液注入装置100を用いて空シリンジに薬液を充填する場合は、プレッサー112は、注入ヘッド110に装着された空シリンジのピストン末端に形成されたフランジを着脱可能に保持するための、爪またはフックなどのフランジ保持構造を有する。このフランジ保持構造によってピストンのフランジが保持され、かつ、シリンジが薬液容器930に連結された状態でプレッサー112を後退させることで、薬液容器930内の薬液をシリンジに充填することができる。
(容器および駆動機構)
上述した形態では、薬液が充填される容器がシリンジである場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明においては、容器はシリンジに限定されるものではなく、薬液ボトルや薬液バッグなどであってもよい。その場合、容器内の薬液を注入させる駆動機構としては、チューブポンプ式の駆動機構なり、容器の形態に応じた駆動機構を用いることができる。また、例えば図16に示した形態において、薬液容器930が、造影剤を充填する第1の容器および生理食塩水を充填する第2の容器であり、薬液注入装置100が、これら第1および第2の容器にそれぞれ対応する第1および第2の保持機構ならびに第1および第2の駆動機構を有しており、第1および第2の容器を直接保持し、かつ、第1および第2の容器に充填されている薬液を、シリンジを経由することなく直接注入させるようにすることもできる。この場合、薬液充填装置920は不要である。
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
[1] 電磁波照射器を有する透視撮像装置を用いて被験者の医用画像を撮像する際に、医用画像の撮像に先立って前記被験者に薬液として造影剤および生理食塩水を注入する薬液注入装置であって、
造影剤が充填されている第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、生理食塩水が充填されている第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、を備える注入ヘッドと、
データの入力を受け付ける少なくとも1つのデータ入力インターフェースと、
前記データ入力インターフェースを介して入力されたデータを用いて前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御するように構成された注入制御部と、
を有し、
前記注入制御部には、前記注入プロトコルの設定の基となる、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む複数のパラメータが登録されており、
前記注入制御部は、前記登録された前記複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更し、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するように構成されている薬液注入装置。
[2] 前記注入制御部は、前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるとともに、予め設定されている前記混和比率である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の前記混和比率である実混和比率を求め、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるように構成されている[1]に記載の薬液注入装置。
[3] 前記実混和比率をR、前記基準混和比率をRbase、予め設定されている前記造影増進剤の濃度をIc_base、実際に使用される造影剤の前記造影増進剤の濃度をIとしたとき、
前記注入制御部は、下記式
R=(Ic_base/I)×Rbase
によって前記実混和比率を求める[2]に記載の薬液注入装置。
[4] 表示ユニットをさらに有し、
前記注入制御部は、前記注入プロトコルを表すプロトコル画面と、前記パラメータの登録に用いられるプロトコル設定画面とを、互いに独立したメニューによって前記表示ユニットに表示させるように構成されている[1]から[3]のいずれかに記載の薬液注入装置。
[5] 前記第1の容器は、前記造影剤の造影増進剤の濃度を含むデータが記録されたRFIDタグを有し、
前記入力インターフェースの一つとして、前記RFIDタグからデータを取得するRFIDリーダを有する[1]から[4]のいずれかに記載の薬液注入装置。
[6] 電磁波照射器を有する透視撮像装置と、
造影剤用の容器である第1の容器および生理食塩水用の容器である第2の容器を含む複数の容器と、
前記第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、前記第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、を備える注入ヘッドと、
データの入力を受け付ける少なくとも1つのデータ入力インターフェースと、
前記データ入力インターフェースを介して入力されたデータを用いて前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御するように構成された注入制御部と、
を有し、
前記注入制御部には、前記注入プロトコルの設定の基となる、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む複数のパラメータが登録されており、
前記注入制御部は、前記登録された前記複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更し、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するように構成されている透視撮像システム。
[7] 前記注入制御部は、前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるとともに、予め設定されている前記混和比率である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の前記混和比率である実混和比率を求め、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるように構成されている[6]に記載の透視撮像システム。
[8] 前記実混和比率をR、前記基準混和比率をRbase、予め設定されている前記造影増進剤の濃度をIc_base、実際に使用される造影剤の前記造影増進剤の濃度をIとしたとき、
前記注入制御部は、下記式
R=(Ic_base/I)×Rbase
によって前記実混和比率を求める[7]に記載の透視撮像システム。
[9] 表示ユニットをさらに有し、
前記注入制御部は、前記注入プロトコルを表すプロトコル画面と、前記パラメータの登録に用いられるプロトコル設定画面とを、互いに独立したメニューによって前記表示ユニットに表示させるように構成されている[6]から[8]のいずれか一項に記載の透視撮像システム。
[10] 前記第1の容器は、前記造影剤の造影増進剤の濃度を含むデータが記録されたRFIDタグを有し、
前記入力インターフェースの一つとして、前記RFIDタグからデータを取得するRFIDリーダを有する[6]から[9]のいずれかに記載の透視撮像システム。
[11] 造影剤が充填されている第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、生理食塩水が充填されている第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御する注入制御部と、を有し、前記注入プロトコルの設定の基となる、前記造影剤および前記生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む複数のパラメータが前記注入制御部に登録される薬液注入装置の制御方法であって、
前記注入制御部が、登録されている複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更するステップと、
前記注入制御部が、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するステップと、
を有する、薬液注入装置の制御方法。
[12] 前記混和比率を変更するステップは、前記注入制御部が、前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるとともに、予め設定されている前記混和比率である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の前記混和比率である実混和比率を求めることを含み、
前記注入制御部が、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるステップをさらに有する[11]に記載の薬液注入装置の制御方法。
[13] 前記混和比率を変更するステップは、前記実混和比率をR、前記基準混和比率をRbase、予め設定されている前記造影増進剤の濃度をIc_base、実際に使用される造影剤の前記造影増進剤の濃度をIとしたとき、
前記注入制御部が、下記式
R=(Ic_base/I)×Rbase
によって前記実混和比率を求めることを含む[12]に記載の薬液注入装置の制御方法。
[14] 注入制御部を有する薬液注入装置における、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む注入プロトコルの計算方法であって、
前記注入制御部が、前記混和注入において前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるステップと、
前記注入制御部が、予め設定されている前記混和比率である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の混和比率である実混和比率を求めるステップと、
前記注入制御部が、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるステップと、
を有する注入プロトコルの計算方法。
100 薬液注入装置
101 コンソール
103 タッチパネル
112 プレッサー
110 注入ヘッド
121 スタンド
140 ピストン駆動機構
150 注入制御部
152 撮像制御部
153 電磁波照射器
154 表示ユニット
156 入力ユニット
164 RFID制御回路
165 アンテナ
166 RFIDモジュール
200 透視撮像装置
300 注入条件呼び出し画面
310 プロトコル画面
350 プロトコル設定画面
600 アダプタ
800 シリンジ
802 RFIDタグ

Claims (14)

  1. 電磁波照射器を有する透視撮像装置を用いて被験者の医用画像を撮像する際に、医用画像の撮像に先立って前記被験者に薬液として造影剤および生理食塩水を注入する薬液注入装置であって、
    造影剤が充填されている第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、生理食塩水が充填されている第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、を備える注入ヘッドと、
    データの入力を受け付ける少なくとも1つのデータ入力インターフェースと、
    前記データ入力インターフェースを介して入力されたデータを用いて前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御するように構成された注入制御部と、
    を有し、
    前記注入制御部には、前記注入プロトコルの設定の基となる、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む複数のパラメータが登録されており、
    前記注入制御部は、前記登録された前記複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更し、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するように構成されている薬液注入装置。
  2. 前記注入制御部は、前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるとともに、予め設定されている前記混和比率である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の前記混和比率である実混和比率を求め、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるように構成されている請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 前記実混和比率をR、前記基準混和比率をRbase、予め設定されている前記造影増進剤の濃度をIc_base、実際に使用される造影剤の前記造影増進剤の濃度をIとしたとき、
    前記注入制御部は、下記式
    R=(Ic_base/I)×Rbase
    によって前記実混和比率を求める請求項2に記載の薬液注入装置。
  4. 表示ユニットをさらに有し、
    前記注入制御部は、前記注入プロトコルを表すプロトコル画面と、前記パラメータの登録に用いられるプロトコル設定画面とを、互いに独立したメニューによって前記表示ユニットに表示させるように構成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  5. 前記第1の容器は、前記造影剤の造影増進剤の濃度を含むデータが記録されたRFIDタグを有し、
    前記入力インターフェースの一つとして、前記RFIDタグからデータを取得するRFIDリーダを有する請求項1から4のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  6. 電磁波照射器を有する透視撮像装置と、
    造影剤用の容器である第1の容器および生理食塩水用の容器である第2の容器を含む複数の容器と、
    前記第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、前記第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、を備える注入ヘッドと、
    データの入力を受け付ける少なくとも1つのデータ入力インターフェースと、
    前記データ入力インターフェースを介して入力されたデータを用いて前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御するように構成された注入制御部と、
    を有し、
    前記注入制御部には、前記注入プロトコルの設定の基となる、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む複数のパラメータが登録されており、
    前記注入制御部は、前記登録された前記複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更し、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するように構成されている透視撮像システム。
  7. 前記注入制御部は、前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるとともに、予め設定されている前記混和比率である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の前記混和比率である実混和比率を求め、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるように構成されている請求項6に記載の透視撮像システム。
  8. 前記実混和比率をR、前記基準混和比率をRbase、予め設定されている前記造影増進剤の濃度をIc_base、実際に使用される造影剤の前記造影増進剤の濃度をIとしたとき、
    前記注入制御部は、下記式
    R=(Ic_base/I)×Rbase
    によって前記実混和比率を求める請求項7に記載の透視撮像システム。
  9. 表示ユニットをさらに有し、
    前記注入制御部は、前記注入プロトコルを表すプロトコル画面と、前記パラメータの登録に用いられるプロトコル設定画面とを、互いに独立したメニューによって前記表示ユニットに表示させるように構成されている請求項6から8のいずれか一項に記載の透視撮像システム。
  10. 前記第1の容器は、前記造影剤の造影増進剤の濃度を含むデータが記録されたRFIDタグを有し、
    前記入力インターフェースの一つとして、前記RFIDタグからデータを取得するRFIDリーダを有する請求項6から9のいずれか一項に記載の透視撮像システム。
  11. 造影剤が充填されている第1の容器から前記造影剤を流出させるように動作する第1の駆動機構と、生理食塩水が充填されている第2の容器から前記生理食塩水を流出させるように動作する第2の駆動機構と、前記造影剤および前記生理食塩水の注入プロトコルを設定し、設定した前記注入プロトコルに従って前記第1の駆動機構および前記第2の駆動機構の動作を制御する注入制御部と、を有し、前記注入プロトコルの設定の基となる、前記造影剤および前記生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む複数のパラメータが前記注入制御部に登録される薬液注入装置の制御方法であって、
    前記注入制御部が、登録されている複数のパラメータのうち前記造影剤の造影増進剤の濃度が変更された場合、変更された前記濃度に応じて前記混和比率を変更するステップと、
    前記注入制御部が、変更された前記混和比率を前記注入プロトコルに適用するステップと、
    を有する、薬液注入装置の制御方法。
  12. 前記混和比率を変更するステップは、前記注入制御部が、前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるとともに、予め設定されている前記混和比率である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の前記混和比率である実混和比率を求めることを含み、
    前記注入制御部が、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるステップをさらに有する請求項11に記載の薬液注入装置の制御方法。
  13. 前記混和比率を変更するステップは、前記実混和比率をR、前記基準混和比率をRbase、予め設定されている前記造影増進剤の濃度をIc_base、実際に使用される造影剤の前記造影増進剤の濃度をIとしたとき、
    前記注入制御部が、下記式
    R=(Ic_base/I)×Rbase
    によって前記実混和比率を求めることを含む請求項12に記載の薬液注入装置の制御方法。
  14. 注入制御部を有する薬液注入装置における、造影剤および生理食塩水を所定の混和比率で注入する混和注入を含む注入プロトコルの計算方法であって、
    前記注入制御部が、前記混和注入において前記造影剤のみを注入した場合の注入量である基準注入量を求めるステップと、
    前記注入制御部が、予め設定されている前記混和比率である基準混和比率および前記造影剤の造影増進剤の濃度から、実際の混和比率である実混和比率を求めるステップと、
    前記注入制御部が、求められた前記基準注入量および前記実混和比率を用いて前記造影剤の注入量および前記生理食塩水の注入量を求めるステップと、
    を有する注入プロトコルの計算方法。
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