1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取付けられた遊技盤2(図2参照)とを備えている。遊技機枠50は、パチンコ遊技機1の外郭を形成するものであり、図示しない外枠及び内枠と、外枠及び内枠の前面側に配されている前枠(前扉部)51とを備えている。前枠51は、外枠及び内枠に対して回動自在になっている。前枠51の中央部には、遊技者が後述する遊技領域3を視認できるように、透明のガラス板(窓部)55が取付けられている。
前枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(遊技球打込手段)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63及びセレクトボタン(図示省略)が設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)は、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前枠51には、装飾用の枠ランプ66及び音を出力するスピーカ67が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図15参照)が設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材(遊技板)と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出表示手段)7が配されている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41a又は第2特別図柄表示器41b(図6参照)にて表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41a又は第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また画像表示装置7は、後述の普通図柄の可変表示(変動表示)に同期した普図用演出図柄(図示省略)の可変表示を行う普図変動演出を表示画面7aにて実行する。普図変動演出は、表示画面7aの左上隅部にて目立たないように実行される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する演出保留表示エリアと、後述する第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する演出保留表示エリアとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図6参照)にて表示される第1特図保留の記憶数と、後述の第2特図保留表示器43b(図6参照)にて表示される第2特図保留の記憶数とを遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技盤2の上部には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で移動可能な盤可動体15が配されている。盤可動体15は初期状態において、図2に示すように前方からほとんど視認できない退避位置にある。そして盤可動体15は、退避位置から表示画面7aの大部分を隠す露出位置(図示省略)へ移動可能になっている。この盤可動体15は、盤可動体駆動モータ15a(図15参照)によって駆動される。
遊技領域3における画像表示装置7の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口や第1固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や第1固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄(第1識別図柄)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図14参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口30は、後述する大当たり遊技の実行中に開放して、小当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、大当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また図3(A),(B)に示すように、第1大入賞装置31の内部には、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第1大入賞装置31において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する第1大入賞口センサ30aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第1大入賞装置31は、第1大入賞口30を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図14参照)とを備えている。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、後述する第2大入賞装置36には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図2に戻り、遊技領域3における第1大入賞口30の右斜め上方には、第2始動口(第2入球口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄(第2識別図柄)の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図14参照)により駆動される。
図4(A)に示すように、第2始動口21は、開閉部材23が後方に退避した退避状態(開状態)であるときには、遊技球が入球可能になっている。すなわち開閉部材23が退避状態にある(電チュー22が開放している)とき、第2始動口21の上方に到達した遊技球は、第2始動口21へ入球する。なお電チュー22において、第2始動口21の下流には、第2始動口21への遊技球の入球を検知する第2始動口センサ21aが配されている。
一方図4(B)に示すように、第2始動口21は、開閉部材23が前方に進出した進出状態であるときには、遊技球が入球不可能になっている。すなわち開閉部材23が進出状態にある(電チュー22が閉鎖している)とき、第2始動口21の上方に到達した遊技球は、開閉部材23の左方へ転動して、後述する第1大入賞口30、第3始動口25、第2大入賞口35へ向かう。
こうして電チュー22では、開閉部材23が開状態(退避状態)にあるときにのみ、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態(進出状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。よって、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材23を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また図2に示すように、遊技領域3における電チュー22(開閉部材23)の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口、通過領域ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
ここで本形態では、ゲート28への遊技球の通過を契機として普通図柄抽選が実行された場合、そのゲート28の通過から電チュー22の開放までの時間(変動時間+停止時間)は、後述する特殊普図ハズレの場合を除き、極めて短く設定されている(非時短状態で0.084秒+0.008秒、時短状態で0.08秒+0.008秒、図12参照)。そして、電チュー22(第2始動口センサ21a)の真上にゲート28が配されていて、ゲート28を通過した遊技球は、ゲート28を通過してから0.084秒+0.008秒よりも僅かに大きい時間(例えば0.1秒)で第2始動口21(開閉部材23)に到達するようになっている。なおゲート28を通過した遊技球は、100%の確率で第2始動口21に到達するわけではなく、100%に近い確率(例えば90%以上)で第2始動口21に到達する。こうして本形態では、ゲート28への遊技球の通過を契機として普通図柄抽選が実行されて、電チュー22が開放すれば、ゲート28を通過した遊技球がそのまま電チュー22(第2始動口21)に入球し得るように構成されている。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方で、左右方向の中央には、第2大入賞口(特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開放状態と閉鎖状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図14参照)により駆動される。
そのため図5(A)に示すように、第2大入賞口35は、開閉部材37が前方に傾動した開放状態(開状態)であるときには、遊技球が入球可能になる。一方図5(B)に示すように、第2大入賞口35は、開閉部材37が遊技盤2の起立した前面と同一平面を形成する閉鎖状態(閉状態)であるときには、遊技球が入球不可能になる。この第2大入賞口35は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
ここで本形態では、遊技領域3における第2大入賞口35の右方に、遊技球の入球し易さが常に変わらない第3始動口(入球口、第2固定入球口ともいう)25を備える第3始動入賞装置(第3入球手段や第2固定入球手段ともいう)26が設けられている。第3始動口25への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第2大入賞口35(第2大入賞装置36)と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口20や第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート28は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路(特定流路)R2上には、ゲート28と、電チュー22(第2始動口21)と、第1大入賞口30(第1大入賞装置31)と、第3始動口25と、第2大入賞口35と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、第3始動口25、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。なお第2大入賞口35は、第1流路R1と第2流路R2との合流部分G1に配されている。
また本形態では、左打ちで第1始動口20への入球により、第1特別図柄の抽選を実行できるだけでなく、右打ちで第3始動口25への入球により、第1特別図柄の抽選を実行することが可能である。そして、左打ちで100球の遊技球を第1流路R1にて流下するように打込んだ場合に、第1始動口20へ入球する遊技球の数が約5球(所謂スタート「5」)になるように、第1始動口20が配されている。これに対して、右打ちで100球の遊技球を第2流路R2にて流下するように打込んだ場合に、第3始動口25へ入球する遊技球の数が約15球(所謂スタート「15」)になるように、第3始動口25が配されている。
また本形態では、右打ちで第2流路R2に向かって打込まれた遊技球が、ほぼ必ずゲート28を通過するようにゲート28を配している。上記したほぼ必ずゲート28を通過するとは、第2流路R2に向かって打込まれた遊技球が100%の確率でゲート28を通過するわけではなく、100%に近い確率(例えば90%以上)でゲート28を通過するという意味である。よって右打ちされた遊技球が、高い確率でゲート28を通過して、その通過を契機として普通図柄抽選が実行されるという条件を満たせば、高い確率でゲート28を通過後にそのまま電チュー22へ入球し得ることになる。なお本形態では、普通図柄抽選が実行されれば、通常確率状態又は時短状態のいずれであっても、非常に高い確率で当たりと判定されるように設定されている(図10(D)参照)。
また図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1識別図柄表示手段)41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2識別図柄表示手段)41b、及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20又は第3始動口25への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留及び第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、所定の開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放パターンと小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄(ハズレ停止態様の特別図柄)を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定情報)は、特図保留記憶部85(図14参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20又は第3始動口25への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(第1判定情報記憶手段、図14参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(第2判定情報記憶手段、図14参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数(4個)を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43(第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43b)に表示される。第1特図保留表示器43aは例えば4個のLEDで構成されており、第1特図保留の数だけLEDを点灯させることにより第1特図保留の数を表示する。第2特図保留表示器43bは例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留の数だけLEDを点灯させることにより第2特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。電チュー22(第2始動口21)の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図6参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した態様(普通当たり停止態様)である普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した態様である普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過を契機として、図9(B)に示す普通図柄乱数及び普図変動パターン乱数(通過用情報)を取得する。そして、取得された普通図柄乱数及び普図変動パターン乱数の値は、普図保留記憶部86(図14参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に通過があった場合であっても、所定個数(4個)を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図14及び図15に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図14及び図15に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80と払出制御基板110は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7やスピーカ67、枠ランプ66、盤ランプ5、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図14に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)及び普図保留記憶部86が設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第3始動口センサ25a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ25aは、第3始動口25内に設けられて、第3始動口25に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第1大入賞口30内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第1大入賞口30内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第1大入賞装置31の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、及び普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。
払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。
本形態では、第1始動口20への入賞による賞球数は3球であり、第2始動口21への入賞による賞球数は1球であり、第3始動口25への入賞による賞球数は3球である。また、第1大入賞口30への入賞による賞球数は8球であり、第2大入賞口35への入賞による賞球数は3球である。なお各賞球数は適宜変更可能である。
また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図15に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及び、ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤可動体15の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体駆動モータ15aの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下操作されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン(図示省略)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタンが押下操作されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
なお図14及び図15は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図14及び図15に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図14又は図15に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図14又は図15に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「小当たり」と「ハズレ」がある。第1特別図柄の抽選で「大当たり」のときには、第1特別図柄表示器41aに「大当たり図柄」が停止表示され、第2特別図柄の抽選で「大当たり」のときには、第2特別図柄表示器41bに「大当たり図柄」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選で「小当たり」のときには、第2特別図柄表示器41bに「小当たり図柄」が停止表示される。但し本形態では、第1特別図柄の抽選で「小当たり」になることがなくて、第1特別図柄表示器41aに「小当たり図柄」が停止表示されることはない。第1特別図柄の抽選で「ハズレ」のときには、第1特別図柄表示器41aに「ハズレ図柄」が停止表示され、第2特別図柄の抽選で「ハズレ」のときには、第2特別図柄表示器41bに「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選(第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選)にて大当たりに当選すると、停止表示される大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たり(大当たり図柄)には、図7に示すように複数の種別がある。本形態では2つの種別がある。Vロング大当たり(特定大当たり、Vロング16R大当たり)と、Vショート大当たり(通常大当たり、Vショート5R大当たり)である。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な通過開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な非通過開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32を作動させる大当たりである。
より具体的には、図8に示すように、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)又は特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから4Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大24.0秒にわたって開放し、5Rでは第1大入賞口30を最大25.0秒にわたって開放し、6Rから16Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大24.0秒にわたって開放する大当たりである。
本形態では、5R以外のラウンドではV入賞できないように、振分部材71(図3参照)の作動が制御されている。Vロング大当たりの5Rでは、第1大入賞口30の開放時間が十分に長いため、第1大入賞口30内の特定領域39への遊技球の通過が容易に可能になっている。なお特図1の抽選によって「Vロング大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄1」が停止表示され、特図2の抽選によって「Vロング大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄1」が停止表示される(図7参照)。
これに対して、特図1の抽選又は特図2の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから4Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大24.0秒にわたって開放し、5Rでは第1大入賞口30を最大0.08秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は5Rであるものの、実質的なラウンド数は4Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。
Vショート大当たりの5Rでは、第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。そしてこの5Rでは、第1大入賞口30の開放時間が短いことだけでなく、第1大入賞口30の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図3(B)参照)から第1状態(図3(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。特図1の抽選によって「Vショート大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄2」が停止表示され、特図2の抽選によって「Vショート大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄2」が停止表示される(図7参照)。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行することができる。本形態では、高確率状態に移行すると、実質的に次回の大当たりに当選するまで(次回の大当たり遊技が開始されるまで)高確率状態が継続することになる。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、原則的にその大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
また大当たり遊技後の遊技状態は、大当たり図柄の種別に応じて、後述する時短状態又は非時短状態に制御される。具体的には、図7に示すように、特図1の抽選で「Vロング大当たり」に当選し、特定領域39へ遊技球を通過させた場合には、時短状態に制御される。この場合には、実質的に次回の大当たりに当選するまで(次回の大当たり遊技が開始されるまで)時短状態が継続することになる。但し、特図1の抽選で「Vロング大当たり」に当選したものの、イレギュラーな場合として、特定領域39へ遊技球を通過させることができなかった場合には、時短回数が100回に設定される時短状態に制御される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
また、特図1の抽選で「Vショート大当たり」に当選すれば、原則的に特定領域39へ遊技球を通過させることができず、時短回数が100回に設定される時短状態に制御される。但し、特図1の抽選で「Vショート大当たり」に当選したものの、イレギュラーな場合として、遊技球が特定領域39を通過した場合には、実質的に次回の大当たりに当選するまで継続する時短状態に制御される。
一方、特図2の抽選で「Vロング大当たり」に当選し、特定領域39へ遊技球を通過させた場合には、実質的に次回の大当たりに当選するまで継続する時短状態に制御される。但し、特図2の抽選で「Vロング大当たり」に当選したものの、イレギュラーな場合として、特定領域39へ遊技球を通過させることができなかった場合には、非時短状態に制御される。
また、特図2の抽選で「Vショート大当たり」に当選すれば、原則的に特定領域39へ遊技球を通過させることができず、非時短状態に制御される。但し、特図2の抽選で「Vショート大当たり」に当選したものの、イレギュラーな場合として、遊技球が特定領域39を通過した場合には、実質的に次回の大当たりに当選するまで継続する時短状態に制御される。
こうして本パチンコ遊技機1の遊技状態は、大きく分けて3つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態」と呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下「低確時短状態」とも呼ぶ)とがある。
本形態では、図7に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが80%、Vショート大当たりが20%となっている。これに対して、特図2の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが60%、Vショート大当たりが40%となっている。このように本パチンコ遊技機1では、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図2の抽選)よりも、第1始動口20又は第3始動口25に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図1の抽選)の方が、遊技者にとって有利になるように設定されている。
また本形態では、図10(A)に示すように、特図2の抽選にて小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、図8に示す通りである。即ち、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口35が0.1秒だけ1回開放して、ラウンドインターバルとして0.3秒だけ閉鎖する。つまり、合計0.4秒間の小当たり開放遊技が実行される。最後に0.004秒だけエンディングが実行される。
こうして、特図2の抽選で小当たりに当選した場合、小当たり遊技の実行時間(オープニングの開始からエンディングの終了までの時間)を、合計0.408秒という非常に短い時間にしている。これにより遊技者には、小当たり遊技の実行をできるだけ意識させないようすることが可能である。つまり、後述するように本形態のパチンコ遊技機1は、特図2の抽選で小当たりの当選が頻繁に生じるものである(図10(A)参照)。そのため遊技者には、頻繁に生じる小当たり当選(小当たり遊技)の煩わしさを、できるだけ感じさせ難くしている。なお特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_小当たり図柄」が停止表示される。
ここで本パチンコ遊技機1では、図10(A)に示すように、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。図10(B)に示すように、当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「特図変動パターン乱数」がある。
本形態では、図10(A)に示すように、特図2の抽選において小当たりに当選する確率が非常に高く設定されている。そして、特図2の抽選においてハズレになる確率が、小当たりに当選する確率よりも低くて、約100分の1に設定されている。つまり特図2の抽選が実行されれば、ほとんど小当たりに当選し、稀にハズレと判定されるように設定されている。以下では、高確率状態にて特図2の抽選で判定されるハズレを「特殊特図2ハズレ(特殊ハズレ)」と呼ぶことにする。なお大当たりに当選する確率、小当たりに当選する確率、ハズレ(特殊特図2ハズレ)になる確率は図10(A)に示す確率に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、通常確率状態にて特図2の抽選でハズレと判定されることがないように設定しても良い。
リーチ乱数は、特別図柄抽選の結果が小当たり又はハズレである場合、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、特図変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む特図変動パターンを決めるための乱数である。特図変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)と普図変動パターン乱数がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。普図変動パターン乱数は、普通図柄の変動時間を含む普図変動パターンを決めるための乱数である。普図変動パターン乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
本形態では、図10(D)に示すように、普通図柄抽選において当たりになる確率が、非常に高く設定されている。そして時短状態にて普通図柄抽選でハズレになる確率が、約100分の1に設定されている。つまり時短状態で普通図柄抽選が実行されれば、ほとんど当たりになり、稀にハズレと判定されるように設定されている。以下では、時短状態にて普通図柄抽選で判定されるハズレを「特殊普図ハズレ」と呼ぶことにする。なお当たりになる確率及びハズレになる確率は、図10(D)に示す確率に限られるものではなく、適宜変更可能である。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くすることが可能となる。但し本形態では、図11に示すように、特図2の抽選でハズレ(特殊特図2ハズレ)である場合には、極めて長い変動時間(300000ms)が選択されるようになっている。この理由については後に説明する。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図12に示すように、普通図柄抽選の結果が当たりであるとき、普通図柄の変動時間は、非時短状態では84msであるのに対して、時短状態では80msである。なお普通図柄の停止時間は、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に8msに設定され、ハズレである場合に500msに設定される。但し本形態では、図12に示すように、時短状態にて普通図柄抽選がハズレ(特殊普図ハズレ)である場合には、極めて長い変動時間(300000ms)が選択されるようになっている。この理由については後に説明する。
なお図10(D)に示すように、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して、普通図柄表示器42の確率変動機能を作動させないようにしたが、作動させるようにしても良い。つまり時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなるようにしても良い。
また時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。具体的には図13に示すように、非時短状態では、電チュー22が600msだけ1回開放した後、29500msだけ閉鎖する補助遊技が行われる。これに対して時短状態では、電チュー22が5800msだけ1回開放した後、100msだけ閉鎖する補助遊技が行われる。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が開放され易くなり、第2始動口21へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能および電チュー22の開放時間延長機能のうち一方の機能の作動によって、電チュー22が開放され易くなっていれば良い。また本形態の時短状態では、電チュー22の開放回数が非時短状態と同じ1回であり(図13参照)、電チュー22の開放回数増加機能が作動していない。しかしながら、入球容易状態において電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしても良い。以上要するに、入球容易状態では、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、確率変動機能、電チュー22の開放時間延長機能、開放回数増加機能のうち、何れか一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していない場合に比して、電チュー22が開放され易くなっていれば良い。また入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、上述したように、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態に制御される。そして高確率状態に制御された場合、実質的に次の大当たりに当選するまで、高確率状態が継続することになる。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態(初期設定)は、通常確率状態かつ非時短状態かつ非入球容易状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。
5.遊技の流れの説明
次に、本パチンコ遊技機1の遊技の流れについて、図16に基づいて説明する。図16に示すように本形態では主に、低確非時短状態(通常遊技状態)と高確時短状態と低確時短状態との間を移行しながら遊技を行うことになる。但し本形態では、高確率状態において一時的に有利な究極状態に移行することが可能な点に特徴がある。究極状態については後に説明する。
低確非時短状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。そして、特図1の抽選で大当たりを狙うことになる。図16に示すように、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、80%の確率でVロング16R大当たりになる。この場合、V入賞させることができるため、大当たり遊技後に高確時短状態に移行させることが可能である。これに対して、20%の確率でVショート5R大当たりになる。この場合、V入賞させることが実質的に不可能であるため、大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される低確時短状態に制御されることになる。
本形態では各遊技状態に対応して演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置7における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では図17に示すように、低確非時短状態に対応する昼モードと、高確時短状態に対応する夜モードと、究極状態に対応する宇宙モードと、低確時短状態に対応する街モードとがある。
昼モードに設定されているときには、図17(A)に示すように、表示画面7aに昼を示す昼背景画像H1が表示される。そのため、昼背景画像H1を見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていると認識させることが可能である。また昼モード以外の演出モードから昼モードに切替わった場合には、図17(A)に示すように、表示画面7aの左上部に左打ちを促すための左打ち画像Laが所定時間だけ表示される。この左打ち画像Laの表示により、遊技者は左打ちをすべき状況を把握して、第1始動口20への入賞を狙うことになる。そして昼モードに設定されているときには、表示画面7aの中央にて特図1の抽選に基づく変動演出が実行され、特図2の抽選に基づく変動演出が実行されないようになっている。
高確時短状態(特定遊技状態)では、入球容易状態になっているため、電チュー22が開放され易くなっている。そのため、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。このとき右打ちにより第2流路R2を流下する遊技球は、第2始動口21に頻繁に入賞することになる。しかしながら本形態では、第2流路R2上で第3始動口25がスタート「15」になるように配されている(図2参照)。そのため、第2流路R2を流下する遊技球は、第3始動口25にもある程度入賞する。こうして高確時短状態では、第2始動口21への入賞に基づく特図2の抽選と、第3始動口25への入賞に基づく特図1の抽選とが共に実行される。但し本形態の特徴としてこのときには、原則的に特図1の抽選で大当たりに当選しないようになっている。つまり基本的には、特図2の抽選で大当たりの当選を獲得するようになっている。この理由については後に説明する。
図16に示すように、高確時短状態にて特図2の抽選で大当たりに当選すると、60%の確率でVロング16R大当たりになる。この場合、V入賞させることができるため、大当たり遊技後に再び高確時短状態に移行させることが可能である。つまり高確率時短状態では原則的に、60%の確率で高確率状態をループさせることが可能である。これに対して、40%の確率でVショート5R大当たりになる。この場合、V入賞させることが実質的に不可能であるため、大当たり遊技後に低確非時短状態に制御されることになる。
夜モードに設定されているときには、図17(B)に示すように、表示画面7aに夜を示す夜背景画像H2が表示される。そのため、夜背景画像H2を見た遊技者に対して、高確時短状態に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、図17(B)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第2始動口21(電チュー22)への入賞を狙うことが可能である。そして夜モードに設定されているときには、表示画面7aの中央にて特図2の抽選に基づく変動演出が実行され、特図1の抽選に基づく変動演出が実行されないようになっている。これは夜モードにおいて特図1の抽選で大当たりに当選しないため、遊技者にとって特図1の抽選に基づく変動演出を見ても無意味だからである。
低確時短状態では、入球容易状態になっているため、電チュー22が開放され易くなっている。そのため、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。このときには上述した高確時短状態と同様、第2流路R2を流下する遊技球は、第2始動口21に頻繁に入賞すると共に、第3始動口25に頻繁に入賞するが、原則的に特図1の抽選で大当たりに当選しないようになっている。
図16に示すように、低確時短状態にて特図2の抽選で大当たりに当選すると、60%の確率でVロング16R大当たりになる。この場合、V入賞させることができるため、大当たり遊技後に高確時短状態に移行させることが可能である。これに対して、40%の確率でVショート5R大当たりになる。この場合、V入賞させることが実質的に不可能であるため、大当たり遊技後に低確非時短状態に制御されることになる。なお低確時短状態では、100回の時短回数が消化されると、低確非時短状態(通常遊技状態)に移行することになる。
街モードに設定されているときには、図17(D)に示すように、表示画面7aに街を示す街背景画像H4が表示される。そのため、街背景画像H4を見た遊技者に対して、低確時短状態に制御されていると認識させることが可能である。また街モードの設定中には、図17(D)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第2始動口21(電チュー22)への入賞を狙うことが可能である。そして街モードに設定されているときには、表示画面7aの左側にて特図1の抽選に基づく変動演出が実行され、表示画面7aの右側にて特図2の抽選に基づく変動演出が実行されるようになっている。
ここで本パチンコ遊技機1において、特図2の抽選で小当たりに当選した場合の特図2の変動表示(以下「特図2の小当たり変動表示」と呼ぶ)中に、特図1大当たり判定処理を実行する場合について、図18に基づいて説明する。上述したように本パチンコ遊技機1は、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行可能であり、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行可能である。そして、特図2の抽選(特図2大当たり判定処理)が実行されれば、ほとんど小当たりに当選することになる(図10(A)参照)。
よって時短状態では、第2流路R2を流下する遊技球が第2始動口21に頻繁に入球することにより、特図2の小当たり変動表示が頻繁に実行されることになる。この場合に図18に示すように、特図2の小当たり変動表示中に、特図1大当たり判定処理が実行されると、その大当たり判定処理では、大当たりと判定されないようにすることが可能である。即ち、特図2の小当たり変動表示中には、特図1の大当たり判定をキャンセルすることが可能である。
そして、特図2の小当たり変動表示が終了すれば、停止時間(確定時間)を経て、小当たり遊技が開始される。この小当たり遊技の開始タイミングで、特図1の変動表示がなされていることとする。この場合、小当たり遊技の実行時間(本形態では408ms、図8参照)だけ、特図1の変動表示を延長するようにしている。つまり、特図2の小当たり当選に基づく小当たり遊技の開始タイミングで、特図1の変動時間の計測を一時的に中断して、その小当たり遊技の終了タイミングで、特図1の変動時間の計測を再開する。こうして小当たり遊技の実行開始では、後述するように特図1の変動表示を強制的に終了させないようにしている。
また本形態において、図19に示すように、一方の特別図柄(特図1又は特図2)の抽選で大当たりに当選した場合を想定する。この場合、一方の特別図柄について、大当たりの当選に基づく変動表示(以下「大当たり変動表示」と呼ぶ)が開始される。そして、一方の特別図柄の大当たり変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理が実行されることとする。このとき、その大当たり判定処理では、大当たりと判定されることはない。更に小当たりと判定されることもない。従ってハズレと判定されるようにしている。例えば、特図1の大当たり変動表示中に特図2大当たり判定処理が実行されると、特図2で必ずハズレと判定されることになる。
そして、一方の特別図柄の大当たり変動表示が終了すれば、停止時間を経て、大当たり遊技が開始される。この大当たり遊技の開始タイミングで、他方の特別図柄の変動表示がなされていることとする。この場合、他方の特別図柄は、大当たり遊技の開始タイミングで強制的に変動表示を終了して、ハズレ図柄で停止表示するようになっている。例えば、特図1の大当たり当選に基づく大当たり遊技の開始タイミングで、特図2の変動表示が実行中であっても、特図2がハズレ図柄で強制的に停止表示することになる。このようにして本形態では、第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36の両方が同時に作動する場合が生じないようにしている。
次に、高確時短状態で右打ちした場合について、図20に示すタイミングチャートに基づいて説明する。図20に示す例では、大当たり遊技後に高確時短状態に移行した状況を示している。ここで高確時短状態に移行する前の大当たり遊技の実行中では、第1大入賞口30へ遊技球を入賞させるべく、右打ちを行っている。このとき(大当たり遊技の実行中)には非時短状態であっても、右打ちされた遊技球のゲート28への通過を契機として、普通図柄抽選で当たりと判定され易くなっている(図10(D)参照)。従って、大当たり遊技の実行中に、右打ちされた遊技球が電チュー22に入球して、第2特図保留が貯まり易い。また第2流路R2上には、第3始動口25も配されている。従って、その大当たり遊技の実行中に、右打ちされた遊技球が第3始動口25にも入球して、第1特図保留が貯まり易い。
従って図20に示す例では、第1特図保留及び第2特図保留がそれぞれ貯まっている状態で、高確時短状態に移行した場合を想定して説明する。図20に示すように、大当たり遊技が終了すると、第1特図保留と第2特図保留により、特図1の抽選と特図2の抽選とが同時に行われることになる。このとき本形態では、特図2大当たり判定処理を、特図1大当たり判定処理よりも優先して実行するようにしている。即ち本形態では、後述する図25で示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、第2特別動作処理(S106)を第1特別動作処理(S107)よりも先に実行するため、先ず特図2大当たり判定処理(S1202)が行われる。この特図2大当たり判定処理(S1202)で、小当たりに当選したこととする。これにより、特図2の小当たり変動表示が、特図1の変動表示よりも先に開始される。
そのため、図20に示すように、特図2の小当たり変動表示中に、第1特図保留に基づく特図1大当たり判定処理(S1502)が実行されても、大当たりと判定されない。即ち、特図2の小当たり変動表示を先に開始することで、特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。なお時短状態において普通図柄抽選で当たりになる確率を非常に高く設定し(図10(D)参照)、1回の補助遊技における電チュー22の開放時間(5800ms)を比較的長く設定しているため(図13参照)、特図2保留は途切れることなく貯まり易い。そして本形態では、特図2の抽選ではほとんど小当たりと判定される(図10(A)参照)。
よって、右打ちを続けていれば、特図2の小当たり変動表示が絶え間なく行われる。従って、右打ちされた遊技球が第3始動口25に入球して、特図1大当たり判定処理(S1502)が実行されても、絶え間ない特図2の小当たり変動表示に基づいて、特図1の大当たり判定をキャンセルすることが可能である。これにより高確時短状態では、原則的に特図2の抽選のみで大当たりと判定されるようにして、特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。その結果、高確率時短状態に制御されれば、原則的に特図2の抽選に基づくVロング大当たりにより、60%で高確率状態をループさせることになる。
なお、仮に高確率状態への制御が特別図柄の変動表示の回数(所謂ST回数)で制限されるパチンコ遊技機であれば、特図2の小当たり変動表示に基づいて、特図1の大当たり判定がキャンセルされてしまうと、遊技者の受ける不利益は大きい。しかしながら、本パチンコ遊技機1は、高確率状態への制御が次の大当たり遊技の開始まで続くものであるため、高確時短状態にて特図2の小当たり変動表示に基づいて、特図1の大当たり判定がキャンセルされても、遊技者の受ける不利益は実質的に生じないようになっている。
ところで本形態では、高確時短状態に制御されているときに、特図2の抽選で例外的に特殊特図2ハズレと判定されることがあり得るようにしている(図10(A参照))。そこで以下では、特殊特図2ハズレになった場合について説明する。図11に示すように、特殊特図2ハズレである場合の特図2の変動時間は、300000ms(5分)という極めて長い時間に設定されている。そのため、図21に示すように、高確時短状態で特殊特図2ハズレになると、300000msだけ特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動表示(以下「特殊特図2ハズレ変動表示」と呼ぶ)が実行される。よって、図20と図21との比較から明らかなように、特殊特図2変動表示が実行されている間(5分間)では、特図1の抽選で大当たりと判定されることが可能になる。上述したように、特図1の抽選で大当たりに当選すれば、特図2の抽選で大当たりに当選する場合よりも、高い確率(80%)でVロング大当たりになる。従って、特殊特図2ハズレになることを契機として、少なくとも5分間だけ特図1の抽選で大当たりの当選を狙える有利な状態に移行したことを意味する。こうして本形態では図16に示すように、高確時短状態において特殊特図2ハズレになることを契機として特図1の抽選で大当たりの当選を狙える状態を、「究極状態」と呼んでいる。この究極状態は、特殊特図2ハズレ変動表示が終了して、特図2小当たり変動表示が開始される時点で終了する。
また本形態では、高確時短状態に制御されているときに、普通図柄抽選で例外的に特殊普図ハズレと判定されることがあり得るようにしている(図10(D)参照)。そこで以下では、特殊普図ハズレになった場合について説明する。図12に示すように、特殊普図ハズレである場合の普通図柄の変動時間は、300000ms(5分)という極めて長い時間に設定されている。そのため、図22に示すように、高確時短状態で特殊普図ハズレになると、300000msだけ特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動表示(以下「特殊普図ハズレ変動表示」と呼ぶ)が実行される。これにより、電チュー22が少なくとも5分間開放されなくなる。そして特殊普図ハズレ変動表示が開始された後に、第2特図保留が全て無くなれば、特図2小当たり変動表示が行われないことになる。よって、図20と図22との比較から明らかなように、特図2の小当たり変動表示が実行されないようにすることで、特図1の抽選で大当たりと判定されることが可能になる。従って、特殊普図ハズレになることを契機として、特図1の抽選で大当たりの当選を狙える有利な状態に移行したことを意味する。こうして本形態では図16に示すように、高確時短状態において特殊普図ハズレになることを契機として特図1の抽選で大当たりの当選を狙える状態を、「究極状態」と呼んでいる。この究極状態は、特殊普図ハズレ変動表示が終了して、特図2小当たり変動表示が開始される時点で終了する。
上述したように、特殊特図2ハズレである場合の特図2の変動時間、及び特殊普図ハズレである場合の普通図柄の変動時間は、300000msという極めて長い時間であり、特図1の変動時間(第1変動時間)の何れよりも長く設定されている(図11参照)。これにより、究極状態に移行したときに、特図1の抽選ができるだけ多く実行されるようにして、特図1の抽選で大当たりに当選し易い状況を作り出している。なお特殊特図2ハズレである場合の特図2の変動時間、及び特殊普図ハズレである場合の普通図柄の変動時間を、特図1の変動時間の何れよりも長く設定しなくても良く、適宜変更可能である。但し、特図1の抽選で大当たりに当選し易い状況を作るという観点により、上記した特図2の変動時間や普通図柄の変動時間は、特図1の変動時間と停止時間との加算値(第1時間)よりも長く決定され易い時間であると良い。例えば第1時間として決定される平均的な時間(例えば30秒)よりも長く設定される時間にすると良い。
以上説明したように本パチンコ遊技機1では、高確時短状態において原則的に特図2の抽選で大当たりに当選して、60%の確率で再び高確時短状態を獲得することができる。そして、特殊特図2ハズレ又は特殊普図ハズレになることを契機として、一時的に究極状態になる。このときに特図1の抽選で大当たりに当選すれば、80%の確率で再び高確時短状態を獲得することができる。このようにして、一般的には高確時短状態が最も有利な遊技状態であると考えている遊技者に対して、一時的に更に有利な状態(究極状態)に移行させることが可能である。つまり、高確率状態へ移行できる確率が一時的に上昇するという斬新な遊技性を提供することが可能である。
本パチンコ遊技機1全体としての平均的な確変継続率(一旦高確率状態を獲得してから大当たり遊技を経て再び高確率状態に移行する確率)は65%以下になるように設定されている。その上で本形態では、高確率状態に制御されているときに一時的に65%よりも高い確率(80%)で再び高確率状態へ移行できる状態(究極状態)を作り出したことに技術的特徴がある。なお特図1の抽選で大当たりに当選した場合に高確率状態に移行可能な確率(80%)と、特図2の抽選で大当たりに当選した場合に高確率状態に移行可能な確率(60%)は、上述した各確率に限られるものではなく、適宜変更可能である。
ここで、高確時短状態又は低確時短状態では、特図2の抽選で小当たりに頻繁に当選するため、遊技者が頻繁に生じる小当たり遊技に対して、煩わしさを感じるおそれがある。そこで本形態では、第2大入賞口35を、小当たり遊技でのみ開放する専用の大入賞口にしていて、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を、大当たり遊技でのみ開放する専用の大入賞口にしている。そして図2に示すように、第2大入賞口35の入口の大きさを、第1大入賞口30の入口の大きさよりも小さくして、第2大入賞口35を第1大入賞口30よりも目立ち難くしている。更に小当たり遊技の実行時間を、408msという極めて短い時間に設定している。こうして遊技中の遊技者には、2つの大入賞口のうち大当たり遊技で開放する第1大入賞口30の方へ意識を向かわせて、小当たり遊技で開放される第2大入賞口35を気付き難くしている。その結果、遊技者に対してできるだけ小当たりの当選(小当たり遊技)を意識させないことが可能である。なお第2大入賞口35の入口の大きさは、55mmを超える大きさで且つ135mmを超えない大きさに設定される。
次に、通常遊技状態での右打ち対策について説明する。本形態では究極状態で特図1の抽選が実行できるように、第2流路R2に第3始動口25を比較的入球し易いように(スタート「15」になるように)配している。しかしながら、第3始動口25を配したことで、遊技者が通常遊技状態(低確非時状態)から右打ちを行って、第3始動口25への入球を狙うおそれがある。つまり通常遊技状態で遊技者が左打ちを行わず、意図しない遊技が行われるおそれがある。そこで以下のように、通常遊技状態での右打ち対策を行っている。
上述したように本形態では、右打ちで第2流路R2に向かって打込まれた遊技球が、ほぼ必ずゲート28を通過するように、ゲート28を配している。そして通常遊技状態にて普通図柄抽選が実行されれば、ほぼ当たりになる(図10(D)参照)。更に、ゲート28を通過した遊技球は、その通過に基づく普通図柄抽選で当たりと判定されると、電チュー22にそのまま入球し得るように、ゲート28と電チュー22とが上下に配置され、且つ電チュー22の開放パターンA(図13参照)と普通図柄の変動時間(84ms)及び停止時間(8ms、図12参照)が設定されている。加えて、第3始動口25よりも上方に電チュー22が配されている。よって、通常遊技状態で右打ちされた遊技球を第3始動口25よりも上方にて電チュー22に入球させることが可能であり、第3始動口25への入球を妨げることが可能である。特に本形態では、右打ちされた最初の遊技球を、ほぼ必ずゲート28を通過させてそのまま(90%以上の確率で)電チュー22に入球させることが可能である。
ここで図23は、通常遊技状態で仮に右打ちした場合のタイミングチャートである。図23に示すように、右打ちされた最初の遊技球は第3始動口25に入球する前に、電チュー22に入球し得る。そして上述したように、特図2の抽選ではほとんど小当たりと判定される(図10(A)参照)。これにより、第3始動口25への入球に基づく特図1大当たり判定処理(S1502)が実行される前に、特図2の小当たり変動表示を開始可能である。図11に示すように、非時短状態にて特図2の小当たり当選に基づく変動時間(小当たり変動時間)は、300000ms(5分)という極めて長い時間に設定される。従って、図23に示すように、特図2の小当たり変動表示中に、複数回にわたる特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。つまり、特図2の小当たり変動表示を長い間実行することで、第3始動口25への入球を無効化することが可能である。そして電チュー22の開放パターンAでは、開放時間が600msという短い時間であるのに対して、閉鎖時間が29500という比較的長い時間に設定される。そのため、第2流路R2を流下する遊技球は電チュー22に頻繁に入球しないため、持ち球が減っていく。その結果、通常遊技状態では右打ちよりも左打ちの方が遊技者に有利になっていて、右打ちにより第2流路R2に向けて遊技球を打込むという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図24〜図50に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図24に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S003)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図25に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第3始動口センサ25a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図14参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図24の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第2特別動作処理(S106)、第1特別動作処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器43をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図24参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図26に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理を行う(S202)。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(第2上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S206)。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)、及び特図変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得する(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得する)。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S207)。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で取得した乱数値群に基づき、図示しない始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンドを特定する。特定された第2始動入賞コマンドには、特別図柄の種類(入賞した始動口の種類)、大当たりの当否、小当たりの当否、リーチの有無、及びSPリーチを行うか否かの情報が含まれる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。なお第2始動入賞コマンドに含める情報は、任意に変更可能である。特定された第2始動入賞コマンドは、RAM84の出力バッファにセットされる。
そして遊技制御用マイコン81は、ステップS206で取得した図9(A)に示す乱数値群(特図2関係乱数)を、第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する(S208)。具体的には、特図2保留球数が「1」の場合には特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域に格納し、特図2保留球数が「2」の場合には特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bの第2記憶領域に格納し、特図2保留球数が「3」の場合には特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bの第3記憶領域に格納し、特図2保留球数が「4」の場合には特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bの第4記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20又は第3始動口25に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20a又は第3始動口センサ25aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20又は第3始動口25に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には本処理を終えるが、第1始動口20又は第3始動口25に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(第1上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S210でYES)には本処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理を行う(S212)。特図1関係乱数取得処理(S212)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)、及び特図変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得する(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得する)。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S213)。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で取得した乱数値群に基づき、図示しない始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、特別図柄の種類(入賞した始動口の種類)、大当たりの当否、小当たりの当否、リーチの有無、及びSPリーチを行うか否かの情報が含まれる。なお第1始動入賞コマンドに含める情報は、任意に変更可能である。特定された第1始動入賞コマンドは、RAM84の出力バッファにセットされる。
そして遊技制御用マイコン81は、ステップS212で取得した図9(A)に示す乱数値群(特図1関係乱数)を、第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納して(S214)、本処理を終える。具体的には、特図1保留球数が「1」の場合には特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域に格納し、特図1保留球数が「2」の場合には特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aの第2記憶領域に格納し、特図1保留球数が「3」の場合には特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aの第3記憶領域に格納し、特図1保留球数が「4」の場合には特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aの第4記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図27に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、本処理を終える。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)、及び普図変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−J1の値)を取得(つまり図9(B)に示す乱数値群を取得)し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図25参照)。図28に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チューの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す。そして非時短状態であれば、図10(D)に示す非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」〜「65534」)に基づいて当たりか否かを判定する。一方時短状態であれば、図10(D)に示す時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「655」〜「65535」)に基づいて当たりか否かを判定する。この時短状態で判定されるハズレが、本形態における特殊普図ハズレである。続いて、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする普通図柄決定処理を行う(S406)。つまり普通図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普図変動パターン選択処理を行う(S407)。普図変動パターン選択処理(S407)では、図12に示す普図変動パターン判定テーブルを参照して、非時短状態で当たりであれば、普通図柄の変動時間が84msで且つ普通図柄の停止時間が8msの普図変動パターンQ1を選択する。また非時短状態でハズレであれば、普通図柄の変動時間が84msで且つ普通図柄の停止時間が500msの普図変動パターンQ11を選択する。これに対して時短状態で当たりであれば、普通図柄の変動時間が80msで且つ普通図柄の停止時間が8msの普図変動パターンQ21を選択する。また時短状態でハズレ(特殊普図ハズレ)であれば、普通図柄の変動時間が300000msで且つ停止時間が500msの普図変動パターンQ31を選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普図変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。続いて、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットして(S411)、本処理を終える。普図変動開始コマンドには、普図変動パターン選択処理(S407)により選択された普図変動パターンの情報や、普通図柄決定処理(S406)により決定された普図停止図柄データの情報等が含まれている。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S412)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S412でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S413)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットすると共に(S414)、普通図柄停止時間をセットして(S415)、本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS415でセットした普通図柄停止時間が経過したか否か判定し(S416)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S416でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S417)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S417でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S417でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S418)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターンA(図13の電チュー開放TBL1参照)をセットする。これに対して、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターンB(図13の電チュー開放TBL2参照)をセットする。そして、ステップS418でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S419)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間(補助遊技の実行時間)が経過したか否かを判定し(S420)、経過していなければ本処理を終える。一方、経過していれば(S420でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S421)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、第2特別動作処理(S106)を行う(図25参照)。第2特別動作処理(S106)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図29に示すように、第2特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41(主に第2特別図柄表示器41b)および大入賞装置(第1大入賞装置31,第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1001)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」でなくて(S1001でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第2特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006でNO、S1008でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1009)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1002,S1004,S1006,S1008で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1010)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、第2特別動作処理(S106)に次いで、第1特別動作処理(S107)を行う(図25参照)。第1特別動作処理(S107)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の発生に関する処理である。図30に示すように、第1特別動作処理(S107)では、特別図柄表示器41(主に第1特別図柄表示器41a)および大入賞装置(第1大入賞装置31)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1101)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1101でYES)、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1101でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1108)。
[第2特別図柄待機処理]図31に示すように、第2特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1202)及び特図2変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1204)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1205)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理を実行する(S1206)。特図2変動開始処理(S1206)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1203)でセットされた特図変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間、第2変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特別図柄表示器41b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1206)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1203)でセットされた特図変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図32に示すように、特図2大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第2特図保留記憶部85bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第1大当たりフラグは、後述する特図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図36のステップS1606参照)。第1大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1304)及び小当たりの当否判定(S1308)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1311)、処理を終える。このようにするのは、本形態では特図1の処理と特図2の処理とを並行して行っているところ、特図1の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特図2の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には図19に示すように、特図1の大当たり変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1303で第1大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、大当たりの当否判定を行う(S1304)。ステップS1304の大当たりの当否判定においては、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1305)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1306)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして(S1307)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、ステップS1308に進む。
ステップS1308においては、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1308でYES)、小当たりフラグをONする(S1309)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(17H)をセットして(S1310)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1308でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1311)、処理を終える。なお本形態では、高確時短状態にて特図2の抽選で稀にハズレ(特殊特図2ハズレ)と判定されることになる。
[特図2変動パターン選択処理]次に図33および図34に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図33に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1404)。ONであれば(S1404でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1405)。具体的には、通常遊技状態での右打ちを回避させるために、変動時間が300000msという極めて長い時間になる特図変動パターンP22(図11参照)が選択される。
またステップS1404において小当たりフラグがONでなければ(S1404でNO)、非時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1406)。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図34に示すように先ず、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1407)。ONであれば(S1407でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1408)。
またステップS1407において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1407でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1409)。ONであれば(S1409でYES)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1410)。つまり本形態では、時短状態にて頻繁に生じる特図2の小当たり変動表示中に、変動演出でリーチを実行し得る。図10(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも小当たり変動表示中の変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1410でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、時短状態中小当たりリーチ有りテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ時短状態且つ小当たり且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1411)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1410でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、時短状態中小当たりリーチ無しテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ時短状態且つ小当たり且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1412)。この小当たり且つリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特図2保留球数が「2」〜「4」であるときは、特図2保留球数が「0」又は「1」であるときに比して変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1409において、小当たりフラグがONでなければ(S1409でNO)、時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1413)。具体的には、特殊特図ハズレである場合の特図変動パターンとして、変動時間が300000msという極めて長い時間になる特図変動パターンP39(図11参照)が選択される。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図33に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1414)、本処理を終える。ステップS1414でセットした特図変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1206でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。なお図11に示すように、特図変動パターンが決まれば変動時間だけでなく停止時間も決まることになる。
[第1特別図柄待機処理]図35に示すように、第1特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図1保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第1始動口20又は第3始動口25への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第1始動口20又は第3始動口25への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1502)及び特図1変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1504)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1505)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理を実行する(S1506)。特図1変動開始処理(S1506)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1503)でセットされた特図変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間、第1変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特別図柄表示器41a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1506)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた特図変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図36に示すように、特図1大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第1特図保留記憶部85aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第2大当たりフラグは、上述した特図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図32のステップS1305参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1605)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1609)、処理を終える。これにより図19に示すように、特図2の大当たり変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1603で第2大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONか否かを判定する(S1604)。小当たりフラグは、上述した特図2の抽選において小当たりと判定されたことを示すフラグである(図32のステップS1309参照)。この小当たりフラグがONでなければ(S1604でNO)、大当たりの当否判定を行う(S1605)。これに対して、小当たりフラグがONであれば(S1604でYES)、ステップ1605の大当たりの当否判定をパスして、ステップS1609に進む。こうして、特図2の抽選で小当たりと判定されている状況では、特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。具体的には図18に示すように、特図2の小当たり変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1502)が実行されても、大当たりと判定されないことを意味している。
ステップS1605の大当たりの当否判定においては、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1605でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1606)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1607)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして(S1608)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1605でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1609)、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図37および図38に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図37に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1702)。ONであれば(S1702でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1703)。
またステップS1702において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1702でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1704)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1704でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1705)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1704でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1706)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特図1保留球数が「3」又は「4」であるときは、特図1保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図38に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1702〜S1706と同様の流れで処理(S1707〜S1711)を行う。
すなわち大当たりであれば、図11の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1708)。またリーチ有りハズレであれば、図11の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1710)。またリーチ無しハズレであれば、図11の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1711)。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図37に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1712)、本処理を終える。ステップS1712でセットした特図変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1506でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
[第2特別図柄変動中処理]図39に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S1801)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第2特別図柄表示器41bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特図2変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットするとともに(S1803)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄或いはハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
[第1特別図柄変動中処理]図40に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第1特別図柄表示器41aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図1変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットするとともに(S1903)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
[第2特別図柄確定処理]図41に示すように、第2特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S2102)。
次に、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2103)。第2大当たりフラグがONであれば(S2103でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2104)。そして、遊技制御用マイコン81は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2105)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2106)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2107)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2108)。
ステップS2108に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2109)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口30の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2103において第2大当たりフラグがONでなければ(S2103でNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2110)。小当たりフラグがONであれば(S2110でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2111)。そして、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2112)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図8参照)をセットして(S2113)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2103及びS2110で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2114)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図42に示すように、遊技状態管理処理(S2102)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2201)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2202)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2203)。「0」であれば(S2203でYES)、確変フラグをOFFする(S2204)。ステップS2201又はS2203の判定結果がNOであれば、ステップS2205に進む。なお本パチンコ遊技機1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるようになっている。
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2205)。ONであれば(S2205でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2206)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2207)。「0」であれば(S2207でYES)、時短フラグをOFFする(S2208)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2205又はS2207の判定結果がNOであれば、ステップS2209に進む。なお本パチンコ遊技機1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」又は「10000」にセットされるようになっている。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値や時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2209)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2105)は、図20で説明したように、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図43に示すように、特図1強制停止処理(S2105)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン81は、特図1変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第1特別図柄表示器41aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして遊技状態管理処理(S2304)を行うとともに、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2305)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2304)は、図42に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
[遊技状態リセット処理]図44に示すように、遊技状態リセット処理(S2106)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。
[第1特別図柄確定処理]図45に示すように、第1特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、遊技状態管理処理を行う(S2502)。遊技状態管理処理(S2502)は、図42に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
次に、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2503)。第1大当たりフラグがONであれば(S2503でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2504)。そして、遊技制御用マイコン81は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2505)、遊技状態リセット処理を行う(S2506)。遊技状態リセット処理(S2506)は、図44に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2507)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2508)。
ステップS2508に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2509)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口30の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2503において第1大当たりフラグがONでなければ(S2503でNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2510)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2505)は、図20で説明したように、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図46に示すように、特図2強制停止処理(S2505)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン81は、特図2変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第2特別図柄表示器41bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして遊技状態管理処理(S2604)を行うとともに、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2605)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2604)は、図42に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1108)とをまとめて説明する。図47に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1108)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング16R大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。Vロング16R大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、Vロング16R大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域39への遊技球の通過が可能な5R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。5R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、5R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、Vロング大当たりの5R目における第1大入賞口30の開放中及び第1大入賞口30の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図50)参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第1大入賞口30の閉塞後の数秒間を含めているのは、第1大入賞口30の閉塞直前に第1大入賞口30へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図48参照))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30)を開放させる。なお、振分部材71は、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング16R大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第5ラウンドにおいて、第1大入賞口30に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材32が開放される。これに対して、Vショート5R大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第5ラウンドにおいて、第1大入賞口30に入賞することがほぼできないように開閉部材32が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第1大入賞口30に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材32の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2707での第1大入賞口30の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口30の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1108)のステップS2702において、第1大入賞口30の開放中であれば、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2716)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2720)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2721)、本処理を終える。こうして特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図30に示す第1特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1108が実行されない。また、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図29に示す第2特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009,S1010が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2719)は、上述した各種の大当たり(図7参照)の当選に基づく大当たり遊技の終了後に、遊技状態を高確時短状態、低確時短状態、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御するための処理である。図48に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、特図1の抽選で大当たりに当選したか否か、つまり第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S2801)。
特図1の抽選で大当たりに当選していれば(S2801でYES)、次に、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2802)。ONであれば(S2802でYES)、確変フラグをONするとともに(S2803)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2804)。なお確変カウンタに「10000」がセットされると、実質的に次の大当たり遊技の開始まで高確率状態が続くことを意味する。そして、VフラグをOFFする(S2805)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2806)、時短カウンタに「10000」をセットして(S2807)、ステップS2816に進む。なお時短カウンタに「10000」がセットされると、実質的に次の大当たり遊技の開始まで時短状態が続くことを意味する。こうして、特図1の抽選に基づく大当たり遊技でV入賞すれば、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御され、この高確時短状態が実質的に次回の大当たりに当選まで継続することになる。
これに対して、ステップS2802でVフラグがONでなければ、時短フラグをONするとともに(S2808)、時短カウンタに「100」をセットして(S2809)、ステップS2816に進む。こうして、特図1の抽選に基づく大当たり遊技でV入賞しなければ、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御され、時短回数が100回に設定されることになる。
またステップS2801の判定結果がNOであれば、特図2の抽選で大当たりに当選していることになり、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2810)。ONであれば(S2810でYES)、確変フラグをONするとともに(S2811)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2812)。そして、VフラグをOFFする(S2813)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2814)、時短カウンタに「10000」をセットして(S2815)、ステップS2816に進む。こうして、特図2の抽選に基づく大当たり遊技でV入賞すれば、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御され、この高確時短状態が実質的に次回の大当たりに当選まで継続することになる。
これに対して、ステップS2810でVフラグがONでなければ、直ちにステップS2816に進む。こうして、特図2の抽選に基づく大当たり遊技でV入賞しなければ、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されることになる。
ステップS2816では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。図50に示すように、特別電動役物処理2(S1010)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定されている。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図8の小当たりの欄参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2904)。
ステップS2902において第2大入賞口35の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。なお本形態の小当たり遊技では、第2大入賞口35が0.1秒という短時間しか開放されない。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定されている。なおED時間を、第2大入賞装置36内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置36外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFすると共に(S2910)、小当たりフラグをOFFする(S2911)。そして第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2912)、本処理を終える。こうして特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図30に示す第1特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1108が実行されないことになる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、第2特別動作処理(S106)及び第1特別動作処理(S107)に次いで、特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図25参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では、図50に示すように、まず特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S3001)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が図3(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS3001にて検知がなければ(S3001でNO)、本処理を終えるが、検知があれば(S3001でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S3002)。V有効期間中でなければ(S3002でNO)、本処理を終える。一方、V有効期間中であれば(S3002でYES)、VフラグをONすると共に(S3003)、V通過コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S3004)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
7.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図51〜図64に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図51に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、主制御基板80から送られたストローブ信号(STB信号)が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されることに基づいて行われる。つまり、ストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されなければ、受信割り込み処理(S4008)は行われない。図52に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4101)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図53に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理を行う(S4201)。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図15参照)やセレクトボタン検出スイッチ64a(図15参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S4202)。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動モータ15aの駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4204)、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図54に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理(S4009)の入力処理(S4201)で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図56に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する保留数加算処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から普通図柄変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する普図変動演出開始処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から普通図柄変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する普図変動演出終了処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4410)及び保留数減算処理(S4411)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4412)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4413)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4414)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4415)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4416)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理を行う(S4417)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4418)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4419)。エンディング演出選択処理(S4419)では、大当たり遊技のエンディング時に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。エンディング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにてエンディング演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4420)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えばV通過コマンドの受信に基づいて特定領域39への遊技球の通過を報知するための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
[モードステータス設定処理]モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態の変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出制御用マイコン91は、低確非時短状態への変更により昼モード(図17(A)参照)に設定する場合には、モードステータスに「1」をセットする。また低確時短状態への変更により街モード(図17(D)参照)に設定する場合には、モードステータスに「2」をセットする。また高確時短状態への変更により夜モード(図17(B)参照)に設定する場合には、モードステータスに「3」をセットするようになっている。宇宙モードに設定する場合については後述する。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。
図56に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、現在設定されているモードステータスを参照する(S4501)。続いて、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。そして、解析した遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4503)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、ステップS4501で参照したモードステータスに基づく遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4503でYES)、ステップS4504に進む。一方、変更しないと判定した場合には(S4503でNO)、本処理を終える。
ステップS4504では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確非時短状態の情報であるか否かを判定する。低確非時短状態の情報であれば(S4504でYES)、モードステータスに「1」をセットして(S4505)、左打ち表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4506)。これにより、左打ち表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図17(A)に示すように、表示画面7aの左上部に左打ち画像Laを所定時間だけ表示する。
そしてステップS4506に続き、昼背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4507)、本処理を終える。これにより、昼背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図17(A)に示すように、表示画面7aに昼背景画像H1を表示する。こうして遊技者には、昼背景画像H1の表示により、演出モードが昼モードに設定されているのを把握させることが可能である。そして左打ち画像Laの表示により、左打ちで第1始動口20への入球を狙う状況を把握させることが可能である。
ステップS4504でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確時短状態の情報であるか否かを判定する(S4508)。低確時短状態の情報であれば(S4508でYES)、モードステータスに「2」をセットして(S4509)、右打ち表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4510)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図17(D)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ち画像Raを表示し続ける。
そしてステップS4510に続き、街背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4511)、本処理を終える。これにより、街背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図17(D)に示すように、表示画面7aに街背景画像H4を表示する。こうして遊技者には、街背景画像H4の表示により、演出モードが街モードに設定されているのを把握させることが可能である。そして右打ち画像Raの表示により、右打ちで第2始動口21(電チュー22)への入球を狙う状況を把握させることが可能である。
ステップS4508でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、高確時短状態の情報である。そのため、モードステータスに「3」をセットして(S4512)、右打ち表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4513)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図17(B)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ち画像Raを表示し続ける。
そしてステップS4513に続き、夜背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4514)、本処理を終える。これにより、夜背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図17(B)に示すように、表示画面7aに夜背景画像H2を表示する。こうして遊技者には、夜背景画像H2の表示により、演出モードが夜モードに設定されているのを把握させることが可能である。そして右打ち画像Raの表示により、右打ちで第2始動口21(電チュー22)への入球を狙う状況を把握させることが可能である。
[保留数加算処理]図57に示すように、保留数加算処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した始動入賞コマンドを解析する(S4601)。そして、始動入賞コマンドが第1入賞コマンドであるか否か、即ち第1始動口20又は第3始動口25への入賞に基づいて生成された始動入賞コマンドであるか否かを判定する(S4602)。第1始動入賞コマンドであれば(S4602でYES)、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」だけ加算して(S4603)、本処理を終える。一方、第1始動入賞コマンドでなければ(S4602でNO)、第2始動口21への入賞に基づいて生成された第2始動入賞コマンドであることになる。そのため、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」だけ加算して(S4604)、本処理を終える。
[普図変動演出開始処理]図58に示すように、普図変動演出開始処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、普通図柄変動開始コマンドを解析する(S4701)。上述したように、普通図柄変動開始コマンドには、普図変動パターン選択処理(図28のS407)により選択された普図変動パターンの情報や、普通図柄決定処理(図28のS406)により決定された普図停止図柄データの情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、受信した普通図柄変動開始コマンドが、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動開始を示すものであるか否かを判定する(S4702)。具体的には、普通図柄変動開始コマンドに含まれる普図変動パターンが、普図変動パターンQ31(図12参照)であるか否かを判定する。ステップS4702の判定結果がYESであれば、特殊普図ハズレ変動フラグをONにして(S4703)、ステップS4704に進む。特殊普図ハズレ変動フラグは、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動表示中を示すものである。ステップS4702の判定結果がNOであれば、ステップS4703をパスして、ステップS4704に進む。
ステップS4704では、普図変動パターン及び普図停止図柄データに基づく普図変動演出を開始するための普図変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4704)、本処理を終える。普図変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aの左上隅部にて普通図柄の変動表示に同期した普図変動演出が開始される。
[普図変動演出終了処理]図59に示すように、普図変動演出終了処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、普通図柄変動停止コマンドを解析する(S4801)。次に、特殊普図ハズレ変動フラグがONであるか否かを判定する(S4802)。ONでなければ(S4802でNO)、ステップS4804に進む。一方、特殊普図ハズレ変動フラグがONであれば(S4802でYES)、特殊普図ハズレ変動フラグをOFFして(S4803)、ステップS4804に進む。
ステップS4804では、実行中の普図変動演出を終了させるための普図変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、本処理を終える。普図変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aの左上隅部にて普図変動演出が終了する。
[変動演出開始処理]図60に示すように、変動演出開始処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4901)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(図36参照)や特図2大当たり判定処理(図32参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理(図37参照)や特図2変動パターン選択処理(図33参照)でセットされた特図変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S4902)。そして、モードステータスの値が「1」であるか否かを判定する(S4903)。「1」であれば(S4903でYES)、昼モードに設定されていることになり、受信した変動開始コマンドが特図1の変動開始を示すもの(特図1変動開始コマンド)であるか否かを判定する(S4904)。特図1変動開始コマンドであれば(S4904でYES)、ステップS4916に進む。なおステップS4916に進めば、後述するように変動演出が開始される。一方、特図1変動開始コマンドでなければ(S4904でNO)、即ち特図2変動開始コマンドであれば、本処理を終える。こうして本形態では、昼モードに設定されているときに、特図1の変動表示に同期した変動演出を実行するものの、特図2の変動表示に同期した変動演出を実行しない。
ステップS4903にてモードステータスの値が「1」でなければ、続いてモードステータスの値が「2」であるか否かを判定する(S4905)。「2」であれば(S4905でYES)、街モードに設定されていることになり、ステップS4916に進む。こうして本形態では、街モードに設定されているときに、特図1の変動表示に同期した変動演出と特図2の変動表示に同期した変動演出の何れも実行可能である。なお図17(D)に示すように、特図1の変動表示に同期した変動演出は表示画面7aの左側で実行され、特図2の変動表示に同期した変動演出は表示画面7aの右側で実行されるようになっている。
ステップS4905にてモードステータスの値が「2」でなければ、モードステータスの値が「3」であることになり、ステップS4906に進む。ステップS4906では、宇宙モードフラグがONであるか否かを判定する。宇宙モードフラグは、宇宙モードに設定されていることを示すフラグである。宇宙モードフラグがONでなければ(S4906でNO)、夜モードのままであり、ステップS4907に進む。
ステップS4907では、受信した変動開始コマンドが特図2の変動開始を示すもの(特図2変動開始コマンド)であるか否かを判定する。特図2変動開始コマンドでなければ(S4907でNO)、即ち特図1変動開始コマンドであれば、本処理を終える。こうして本形態では、夜モードに設定されているときに、特図1の変動表示に同期した変動演出を実行しない。これに対して、特図2変動開始コマンドであれば(S4907でYES)、受信した特図2変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンが、特殊特図2ハズレに基づく特図変動パターンP39(図11参照)であるか否かを判定する(S4908)。
特殊特図2ハズレに基づく特図変動パターンP39でなければ(S4908でNO)、ステップS4916に進む。こうして本形態では、夜モードに設定されているときに特殊特図2ハズレではない特図2の変動表示が開始されれば、変動演出を実行する。一方、特殊特図2ハズレに基づく特図変動パターンP39であれば(S4908でYES)、宇宙モードフラグをONにする(S4909)。これにより、夜モードの設定から宇宙モードの設定に切替わる。そして、宇宙背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4910)。これにより、宇宙背景演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は図66(B)に示すように表示画面7aにて宇宙背景画像H3を表示する。
続いて、宇宙モード移行演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4911)、本処理を終える。宇宙モード移行演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は図66(B)に示すように表示画面7aにて、宇宙モード移行演出を実行する。宇宙モード移行演出では、表示画面7aにて「宇宙モード移行!!」を示す文字画像U1が表示される。以上要するに、特殊特図2ハズレに基づく変動演出が開始されるタイミングで、宇宙背景画像H3が表示されると共に、宇宙モード移行演出が実行される。これにより遊技者には、宇宙モードへ移行したのを把握させることが可能である。
またステップS4906にて、宇宙モードフラグがONであれば、受信した変動開始コマンドが特図1の変動開始を示すもの(特図1変動開始コマンド)であるか否かを判定する(S4912)。特図1変動開始コマンドでなければ(S4912でNO)、即ち特図2変動開始コマンドであれば、宇宙モードフラグをOFFにする(S4913)。これにより、特図2の変動表示が開始されるときに宇宙モードの設定から夜モードの設定に切替わることになる。続いて、夜背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4914)。これにより、図67(A)から図67(B)に示すように、表示画面7aにて宇宙背景画像H3の表示から夜背景画像H2の表示に切替わる。
そして、宇宙モード終了演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4915)、本処理を終える。宇宙モード終了演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は図67(B)に示すように表示画面7aにて、宇宙モード終了演出を実行する。宇宙モード終了演出では、表示画面7aにて「宇宙モード終了」を示す文字画像U2が表示される。こうして、特図2の変動表示が開始されるタイミングで、夜背景画像H2及び宇宙モード終了演出を見た遊技者に、宇宙モードが終了したのを把握させることが可能である。
ステップS4916では、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S4917)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類(モードステータスの値)および特図変動パターンの種類に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、SPリーチの種類の詳細等を含めた変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S4918)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
ステップS4918に続いて演出制御用マイコン91は、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4919)、本処理を終える。ステップS4919でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
[保留数減算処理]図61に示すように、保留数減算処理(S4411)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した変動開始コマンドを解析する(S5001)。そして、受信した変動開始コマンドが特図1の変動開始を示すもの(特図1変動開始コマンド)であるか否かを判定する(S5002)。特図1変動開始コマンドであれば(S5002でYES)、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」だけ減算して(S5003)、本処理を終える。一方、特図1変動開始コマンドでなければ(S5002でNO)、特図2変動開始コマンドであることになる。そのため、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」だけ減算して(S5004)、本処理を終える。
[変動演出終了処理]図62に示すように、変動演出終了処理(S4413)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析する(S5101)。次に、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S5102)。そして、モードステータスの値が「1」であるか否かを判定する(S5103)。「1」であれば(S5103でYES)、昼モードに設定されていることになり、受信した変動停止コマンドが特図1の停止表示を示すもの(特図1変動停止コマンド)であるか否かを判定する(S5104)。特図1変動停止コマンドであれば(S5104でYES)、ステップS5114に進む。なおステップS5114に進めば、後述するように実行中の変動演出が終了する。一方、特図1変動停止コマンドでなければ(S5104でNO)、即ち特図2変動停止コマンドであれば、本処理を終える。こうして本形態では、昼モードに設定されているときに、特図1の停止表示に同期して変動演出が終了するものの、特図2の停止表示に同期して変動演出が終了しない。
ステップS5103にてモードステータスの値が「1」でなければ、続いてモードステータスの値が「2」であるか否かを判定する(S5105)。「2」であれば(S5105でYES)、街モードに設定されていることになり、ステップS5114に進む。こうして本形態では、街モードに設定されているときに、特図1の停止表示に同期して変動演出を終了可能であると共に、特図2の停止表示に同期して変動演出を終了可能である。なお図17(D)に示すように、特図1の停止表示に同期して表示画面7aの左側で変動演出が終了し、特図2の停止表示に同期して表示画面7aの右側で変動演出が終了するようになっている。
ステップS5105にてモードステータスの値が「2」でなければ、モードステータスの値が「3」であることになり、ステップS5106に進む。ステップS5106では、宇宙モードフラグがONであるか否かを判定する。宇宙モードフラグがONでなければ(S5106でNO)、夜モードのままであり、ステップS5107に進む。
ステップS5107では、受信した変動停止コマンドが特図2の変動停止を示すもの(特図2変動停止コマンド)であるか否かを判定する。特図2変動停止コマンドでなければ(S5107でNO)、即ち特図1変動停止コマンドであれば、本処理を終える。こうして本形態では、夜モードに設定されているときに、特図1の変動停止に同期して変動演出を終了しない。これに対して、特図2変動停止コマンドであれば(S5107でYES)、特殊普図ハズレ変動フラグがONであるか否かを判定する(S5108)。ONであれば(S5108でYES)、続いて第2特図保留演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S5109)。「0」であれば(S5109でYES)、ステップS5110に進む。一方、特殊普図ハズレ変動フラグがOFFである(S5108でNO)、又は第2特図保留演出カウンタの値が「1」以上であれば(S5109でNO)、ステップS5110に進むことなく、ステップS5114に進む。
ステップS5110では、宇宙モードフラグをONにする。これにより、夜モードの設定から宇宙モードの設定に切替わる。そして、宇宙背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5111)。これにより、図66(B)に示すように表示画面7aにて宇宙背景画像H3が表示される。続いて、宇宙モード移行演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5112)、ステップS5114に進む。これにより、図66(B)に示すように表示画面7aにて、宇宙モード移行演出が実行される。以上要するに、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動表示中に、第2特図保留が無くて且つ特図2が停止表示されるタイミングで、宇宙背景画像H3が表示されると共に、宇宙モード移行演出が実行される。これにより遊技者には、宇宙モードへ移行したのを把握させることが可能である。
ステップS5114では、実行中の変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、本処理を終える。変動演出終了コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、変動演出を終了させる。これにより、表示画面7aに変動表示(例えば上下に揺れるように表示)されていた演出図柄8L,8C,8Rは、確定的に停止表示されることとなる(揺れることなく止まって表示されることとなる)。
[オープニング演出選択処理]図63に示すように、オープニング演出選択処理(S4415)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析する(S5201)。次に宇宙モードフラグがONであるか否かを判定する(S5202)。即ち、宇宙モードに設定されている状態で大当たりに当選した状況であるかを判定する。宇宙モードフラグがONであれば(S5202でYES)、オープニング演出パターンとして特別バトル突入演出パターンを選択して(S5203)、ステップS5205に進む。一方、宇宙モードフラグがONでなければ(S5202でNO)、オープニング演出パターンとして通常バトル突入演出パターンを選択して(S5204)、ステップS5205に進む。
ステップS5205では、ステップS5203又はS5204で選択したオープニング演出パターンにて、オープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、本処理を終える。通常バトル突入演出パターンの選択に基づくオープニング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、オープニング演出として通常バトル突入演出を実行する。具体的に通常バトル突入演出では、図65(C)に示すように、通常状態の主人公キャラと敵キャラとが戦い始める通常バトル突入画像B1が表示画面7aに表示される。
一方、特別バトル突入演出パターンの選択に基づくオープニング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、オープニング演出として特別バトル突入演出を実行する。具体的に特別バトル突入演出では、図66(E)に示すように、特別にパワーアップした状態の主人公キャラと敵キャラとが戦い始める特別バトル突入画像B2が表示画面7aに表示される。こうして特別バトル突入演出を見た遊技者には、通常バトル突入演出に比べて、主人公キャラが敵キャラに勝利する可能性が高いのを把握させることができ、強い期待感を持たせることが可能である。
[ラウンド演出選択処理]図64に示すように、ラウンド演出選択処理(S4417)ではまず、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンドを解析する(S5201)。なお本形態では、ラウンド指定コマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。次に、解析したラウンド指定コマンドが示す特図停止図柄データが、Vロング16R大当たりを示す特図停止図柄データ11H又は21H(図7参照)であるか否かを判定する(S5202)。判定結果がYESであれば、続いて、宇宙モードフラグがONであるか否かを判定する(S5203)。
宇宙モードフラグがONであれば(S5203でYES)、ラウンド演出パターンとして特別バトル勝利演出パターンを選択する(S5204)。そして宇宙モードフラグをOFFにして(S5205)、ステップS5208に進む。一方、宇宙モードフラグがONでなければ(S5203でNO)、ラウンド演出パターンとして通常バトル勝利演出パターンを選択して(S5206)、ステップS5208に進む。これらに対してステップS5202で判定結果がNOである、即ちVショート5R大当たりを示す特図停止図柄データ12H又は22H(図7参照)であれば、ラウンド演出パターンとしてバトル敗北演出パターンを選択して(S5207)、ステップS5208に進む。
ステップS5208では、ステップS5204又はS5206或いはS5207で選択したラウンド演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、本処理を終える。通常バトル勝利演出パターンの選択に基づくラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ラウンド演出として通常バトル勝利演出を実行する。具体的に通常バトル勝利演出では、図65(D)に示すように、通常状態の主人公キャラが敵キャラに勝利した通常バトル勝利画像W1が表示画面7aに表示される。こうして通常バトル勝利演出を見た遊技者には、Vロング16R大当たりに当選したのを把握させることが可能である。
一方、特別バトル勝利演出パターンの選択に基づくラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ラウンド演出として特別バトル勝利演出を実行する。具体的に特別バトル勝利演出では、図66(F)に示すように、特別にパワーアップした状態の主人公キャラが敵キャラに勝利した特別バトル勝利画像W2が表示画面7aに表示される。こうして特別バトル勝利演出を見た遊技者には、Vロング16R大当たりに当選したのを把握させると共に、期待通りに主人公キャラが敵キャラに勝利したという強い満足感を与えることが可能である。
一方、バトル敗北演出パターンの選択に基づくラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ラウンド演出としてバトル敗北演出を実行する。具体的にバトル敗北演出では、図65(F)に示すように、主人公キャラが敵キャラに敗北したバトル敗北画像L1が表示画面7aに表示される。こうしてバトル敗北演出を見た遊技者には、Vショート5R大当たりに当選したのを把握させることが可能である。なお通常バトル勝利演出、特別バトル勝利演出、及びバトル敗北演出は、V通過可能な5Rよりも前のラウンドで実行されるようになっている。
8.演出例
<演出例1>
次に本形態の演出例1について、図65に基づいて説明する。先ず図65(A)に示すように、高確時短状態に制御されていることにより、夜モードに設定されていることにする。この場合には、右打ちにより、第2流路R2を流下する遊技球が電チュー22に頻繁に入球すると共に、ある程度第3始動口25にも入球する。しかしながら本形態では、図20に示すように、特図2の小当たり変動表示が絶え間なく実行されることにより、特図1の抽選で大当たりと判定されることがない。従って同時変動であっても、実質的に特図2の抽選のみで大当たりの当選を狙っている状況になる。
そして、図65(B)に示すように、夜モードに設定されているときに、特図2の抽選で大当たりに当選したこととする。この場合、図65(C)に示すように、オープニング演出として通常バトル突入演出が実行される。ここで本形態では、図7に示すように、特図2の抽選で当選した大当たりのうち60%の振分率でVロング16R大当たりになり、40%の振分率でVショート5R大当たりになるように設定されている。
従って、Vロング16R大当たりであれば、図65(D)に示すように、ラウンド演出として通常バトル勝利演出が実行される。その後、大当たり遊技後に再び高確時短状態に制御されて、図65(E)に示すように、夜モードに設定される。一方、Vショート5R大当たりであれば、図65(F)に示すように、ラウンド演出としてバトル敗北演出が実行される。その後、大当たり遊技後に低確非時短状態に移行して、図65(G)に示すように、昼モードに設定される。こうして夜モードで大当たりに当選すれば、60%の確率で高確時短状態に移行することができるのに対して、40%の確率で通常遊技状態に転落することになる。
<演出例2>
次に本形態の演出例2について、図66に基づいて説明する。先ず図66(A)に示すように、高確時短状態に制御されていることにより、夜モードに設定されていることにする。この場合には、上述したように、実質的に特図2の抽選のみで大当たりの当選を狙っている状況になる。
ここで本形態では、宇宙モードに移行する条件が2つ設けられている。第1条件は、高確時短状態に制御されている(夜モードに設定されている)ときに、特図2の抽選でハズレ(特殊特図2ハズレ、図11参照)になることである。第2条件は、高確時短状態に制御されているときに、普通図柄抽選でハズレ(特殊普図ハズレ、図12参照)になり、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動表示中に第2特図保留が無い状態で、特図2の変動表示が終了することである。第1条件又は第2条件が成立すると、図66(B)に示すように、宇宙モード移行演出が実行される。
そして図66(C)に示すように、宇宙モードに設定されているときには、図21又は図22に示すように、特図2の小当たり変動表示が一時的に実行されなくなるため、特図1の抽選で大当たりの当選を狙える状態になる。本形態ではこの状態を「究極状態」と呼んでいる。その後図66(D)に示すように、宇宙モードに設定されているときに、特図1の抽選で大当たりに当選したこととする。この場合、図66(E)に示すように、オープニング演出として特別バトル突入演出が実行される。この特別バトル突入演出により、図65(C)に示す通常バトル演出よりも、遊技者にVロング16R大当たりへの当選を期待させることが可能である。ここで本形態では、図7に示すように、特図1の抽選で当選した大当たりのうち80%の振分率でVロング16R大当たりになり、20%の振分率でVショート5R大当たりになるように設定されている。
従って、Vロング16R大当たりであれば、図66(F)に示すように、ラウンド演出として特別バトル勝利演出が実行される。その後、大当たり遊技後に再び高確時短状態に制御されて、夜モードに設定される。一方、Vショート5R大当たりであれば、図66(G)に示すように、ラウンド演出としてバトル敗北演出が実行される。その後、大当たり遊技後に低確時短状態に移行して、図65(G)に示す場合と異なり、街モードに設定される。つまり宇宙モードでは、Vショート5R大当たりに当選したとしても、大当たり遊技後に通常遊技状態に転落せずに、低確時短状態に移行することになる(図16参照)。
以上要するに、宇宙モードで大当たりに当選すれば、80%の確率で高確時短状態に移行することができるのに対して、20%の確率で低確時短状態に移行することになる。従って、宇宙モードで大当たりに当選すれば、夜モードで大当たりに当選する場合よりも、遊技者にとって有利である。このようにして本形態では、高確時短状態に制御されているときに、一時的に更に有利な究極状態に移行できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図1の変動表示と特図2の変動表示とが同時に行われている状態(同時変動)が生じ得る。このパチンコ遊技機1において、高確時短状態にて遊技球が第2流路R2を流下するときに、第2始動口21又は第3始動口25に入球し得る。ここで、特図2の抽選で小当たりに当選すると、特図2の小当たり変動表示が実行される。この場合、特図2の小当たり変動表示中には、特図1の抽選で大当たりに当選することがない。一方、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになると、特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動表示が実行される。この場合、特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動時間(300000ms(5分))が十分に長いため、この間に特図1の抽選で大当たりの当選が可能になる。こうして、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになることを契機に、特図1の抽選で大当たりの当選を狙えるという斬新な遊技性を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動時間(300000ms(5分))が、特図1の何れの変動時間よりも長い(図11参照)。そのため、特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動表示中に、特図1の抽選で大当たりの当選を狙い易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確時短状態において、特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動表示中に特図1の抽選で大当たりに当選すれば、特図2の抽選で大当たりに当選する場合よりも、V通過可能な大当たり遊技が実行され易くなる。つまり特殊特図2ハズレになることに基づいて、Vロング16R大当たりへの大当たり振分率が、60%から80%へ実質的に上昇する有利な状態(究極状態)に移行したようになる。こうして特殊特図2ハズレになればチャンスになるという新しい遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確時短状態において、特図2の抽選が行われれば、頻繁に小当たりに当選する。つまり特図2の抽選では、大当たり当選や特殊特図2ハズレよりも、小当たりに当選し易い(図10(A)参照)。そのため図20に示すように、特図2の小当たり変動表示が頻繁に行われることにより、特図1の抽選で大当たりに当選することがほぼ不可能になる。こうして原則的には、特図2の抽選で大当たりの当選を狙う状態になる。その一方で、特殊特図2ハズレになれば、特図1の抽選で大当たりの当選を狙う有利な状態(究極状態)になる。こうして高確時短状態という一つの遊技状態の中でも、特殊特図2ハズレを契機に大きく異なる状態を作り出すことが可能である。そして、高確時短状態が最も有利な遊技状態であると考えている遊技者に対して、高確時短状態での遊技中に更に有利な状態(究極状態)に移行し得るという従来にない斬新なゲーム性を提供することが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第1変形例>
図68に基づいて第1変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記形態では、図67に示すように、宇宙モードに設定されているときに、あとどのくらい時間が経過すれば宇宙モードが終了するのかが分かり難かった。これに対して第1変形例では、図68に示すように、宇宙モードに設定されているときに、その宇宙モードの終了タイミングが分かり易くなっている。
具体的に第1変形例では、高確時短状態にて特図2の抽選で特殊特図2ハズレになると、演出制御用マイコン91が残時間表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、その残時間表示コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、図68(A)に示すように、表示画面7aにて「残り5:00」を示す残時間画像U3を表示する。これにより遊技者には、残り5分だけ宇宙モードが続くのを把握させることが可能である。その後、残時間画像U3は、図68(B),(C)に示すように、時間の経過に伴ってカウントダウンで表示されるようになっている。これにより遊技者には、宇宙モードで大当たりに当選することへの期待感を煽ることが可能である。
こうして5分が経過すると、図68(C)に示すように、表示画面7aにて「残り0:00」を示す残時間画像U3が表示される。但しこのタイミングで、宇宙モードが終了するわけではない。上述したように宇宙モードは、特図2の変動表示が開始されるタイミングで終了するためである。よって、特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動表示が終了した後で、特図2の変動表示が開始されると、図68(D)に示すように、宇宙モード終了演出が実行される。
なお特図2の抽選で特殊特図2ハズレになった場合を説明したが、普通図柄抽選で特殊普図ハズレになった場合でも、同様に実施することが可能である。但し特殊普図ハズレになった場合に、宇宙モードに移行する条件は、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動表示中に第2特図保留が無い状態で、特図2の変動表示が終了することである。従って、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動表示が開始された時点から、第2特図保留が無い状態で特図2の変動表示が終了する時点までの時間(例えば30秒)をタイマ等の計時手段で計測する。そして、宇宙モードに移行するタイミングで、計測した時間(例えば30秒)を5分から減算した値を示す残時間画像(例えば、残り「4:30」を示す残時間画像)を表示すれば良い。
こうして第1変形例のパチンコ遊技機1によれば、遊技者に宇宙モードに設定されてから宇宙モードが終了するまでの目安の時間を認識させることが可能である。こうして宇宙モードが制限時間のある演出モードであるの把握させることができ、時間の経過に伴って宇宙モードの終了に近づくことにより、緊迫感のある興趣性を提供することが可能である。
<第2変形例>
図69に基づいて第2変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記形態では、宇宙モードへ移行する条件が成立すると、図66(B)に示すように、いきなり宇宙モード移行演出を実行した。これに対して第2変形では、宇宙モードへ移行する条件が成立すると、図69(B)(C)に示すように、宇宙モード煽り演出を経て宇宙モード移行演出が実行されるようになっている。宇宙モード煽り演出では、図69(B)に示すように、カードを捲り上げる女の子を示す煽り画像U4が表示画面7aに表示される。
具体的に第2変形例では、図60のステップS4911又は図62のステップS5112にて、演出制御用マイコン91が宇宙モード移行演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、その宇宙モード移行演出コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、先ず図69(B)に示すように、煽り画像U4を表示する。続いて図69(C)に示すように、宇宙背景画像H3の表示に伴って「宇宙モード移行!!」を示す文字画像U1を表示するようになっている。
また第2変形例では、演出制御用マイコン91は、図69(B)(D)に示すように、宇宙モード煽り演出を経て宇宙モード失敗演出を実行可能になっている。宇宙モード失敗演出では、図69(D)に示すように、「宇宙モード失敗!!」を示す失敗画像U5が表示画面7aに表示される。なお宇宙モード失敗演出が実行される場合には、夜モードに設定されたままである。
具体的に演出制御用マイコン91は、夜モードに設定されているときに、小当たり当選に基づく特図変動パターンの情報を含む特図2変動開始コマンドを受信すると、図60のステップS4917にて変動演出パターンとして宇宙モード失敗演出パターンを選択する場合がある。この場合にステップS4919にて、宇宙モード失敗演出パターンの選択に基づく変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、その変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、先ず図69(B)に示すように、煽り画像U4を表示する。続いて図69(D)に示すように、失敗画像U5を表示するようになっている。
こうして第2変形例のパチンコ遊技機1によれば、図69(B)に示す宇宙モード煽り演出を見た遊技者に、その後に図69(C)に示す宇宙モード移行演出又は図69(D)に示す宇宙モード失敗演出のどちらが実行されるのかを注目させることが可能である。これにより、宇宙モード移行演出が実行される期待感を高めることが可能であり、夜モードでの演出の興趣性を高めることが可能である。
<第3変形例>
図70に基づいて第3変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記形態では、図19に示すように、一方の特別図柄(例えば特図1)の大当たり変動表示中に、他方の特別図柄(例えば特図2)の抽選では大当たりだけでなく小当たりも判定されないようにした。これに対して第3変形例では、図70に示すように、一方の特別図柄(例えば特図1)の大当たり変動表示中に、他方の特別図柄(例えば特図2)の抽選では大当たりと判定されないものの、小当たりと判定されることがあり得るようにしている。そして、一方の特別図柄(例えば特図1)の大当たり変動表示中に、他方の特別図柄(例えば特図2)の抽選に基づく小当たり遊技の実行が開始される場合には、当該小当たり遊技の実行時間(408ms)だけ、一方の特別図柄の大当たり変動表示を延長するようにしている。
こうして第3変形例のパチンコ遊技機1によれば、高確時短状態で宇宙モードに設定されているときに、特図1の抽選で大当たりに当選すれば、特図1の大当たり変動表示が実行される。その後に図70に示すように、特図1の大当たり変動表示中に、宇宙モードの設定から夜モードの設定に切替わり、特図2の小当たり変動表示が実行される場合があり得る。この場合には、特図1の大当たり変動表示中に特図2の抽選に基づく小当たり遊技が開始されても、特図1の大当たり変動表示が強制的にハズレとして処理されないようにすることが可能である。特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行時間(408ms)だけ特図1の大当たり変動表示が延長されるからである。従って、高確時短状態で特図2の抽選に基づく小当たり遊技により、遊技者が得られるはずの利益を不当に損なわせるのを回避することが可能である。
<その他の変形例>
上記形態では、特殊特図2ハズレの変動表示の開始から停止表示の終了までの間に、特図1の抽選で大当たりの当選を狙えるようにするために、特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動時間を300000msという長い時間に設定した(図11参照)。しかしながら、特殊特図2ハズレに基づく特図2の停止時間(確定時間)を例えば300000msという長い時間に設定しても良い。要するに、特殊特図2ハズレの変動表示の開始から停止表示の終了までの時間(第2時間)が、特図1の変動表示の開始から停止表示の終了までの時間(第1時間)よりも長くなり易い時間であれば、特殊特図2ハズレに基づく特図2の変動時間と、特殊特図2ハズレに基づく特図2の停止時間のうち、何れか一方を長い時間に設定しても良く、両方とも長い時間に設定しても良い。
また上記形態では、特殊普図ハズレの変動表示の開始から停止表示の終了までの間に、特図1の抽選で大当たりの当選を狙えるようにするために、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動時間を300000msという長い時間に設定した(図12参照)。しかしながら、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の停止時間(確定時間)を例えば300000msという長い時間に設定しても良い。要するに、特殊普図ハズレの変動表示の開始から停止表示の終了までの時間(普図時間)が、特図1の変動表示の開始から停止表示の終了までの時間(第1時間)よりも長くなり易い時間であれば、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動時間と、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の停止時間のうち、何れか一方を長い時間に設定しても良く、両方とも長い時間に設定しても良い。
また上記形態では、特殊普図ハズレに基づく普通図柄の変動時間を300000msという長い時間に設定した(図12参照)。しかしながら、普通図柄抽選で当選する当たりの種類が複数あって、或る種類の当たり(特殊普図当たり、特殊結果)に基づく普通図柄の変動時間を例えば300000msという長い時間に設定しても良い。又は特殊当たりに基づく普通図柄の停止時間を例えば300000msという長い時間に設定しても良い。或いは、特殊当たりに基づく補助遊技のオープニング時間を例えば300000msという長い時間に設定しても良い。
また上記形態では、高確時短状態(特定遊技状態)に制御されているときに、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになる、又は普通図柄抽選で特殊普図ハズレになると、一時的に有利な状態(究極状態)になるようにした。しかしながら、高確時短状態以外の遊技状態(例えば低確非時短状態、高確非時短状態、低確時短状態)に制御されているときに、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになる、又は普通図柄抽選で特殊普図ハズレになると、一時的に有利な状態になるようにしても良い。
また上記形態では、特図2の抽選で小当たりに当選することがあり、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになると、一時的に有利な状態(究極状態)になるようにした。しかしながら、特図1の抽選で小当たりに当選することがあり、特図1の抽選で特殊特図1ハズレになると、一時的に有利な状態(究極状態)になるようにしても良い。そして特図1の抽選でのみ小当たりに当選し得るようにしても良く、特図1の抽選及び特図2の抽選の何れであっても小当たりに当選し得るようにしても良い。
また上記形態では、特図2の抽選で大当たりに当選すると60%の大当たり振分率でVロング16R大当たりになって、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになる又は普通図柄抽選で特殊普図ハズレになることを契機に、特図1の抽選で大当たりに当選すると80%の大当たり振分率でVロング16R大当たりになるようにした。要するに、V通過可能なVロング大当たりになる振分率が上昇するようにした。しかしながら、特図2の抽選で大当たりに当選すると例えば60%の大当たり振分率で16R大当たりになって、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになる又は普通図柄抽選で特殊普図ハズレになることを契機に、特図1の抽選で大当たりに当選すると例えば80%の大当たり振分率で16R大当たりになるようにしても良い。要するに、V通過に拘わらずラウンド数(出玉)が多い大当たりになる振分率が上昇するようにしても良い。
又は、特図2の抽選で大当たりに当選すると例えば80%の大当たり振分率でVロング16R大当たりになって、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになる又は普通図柄抽選で特殊普図ハズレになることを契機に、特図1の抽選で大当たりに当選すると例えば60%の大当たり振分率でVロング16R大当たりになるようにしても良い。要するに、V通過可能なVロング大当たりになる振分率が減るようにして、遊技者にとって不利な状態になるような遊技性にしても良い。或いは、特図2の抽選で大当たりに当選すると例えば80%の大当たり振分率で16R大当たりになって、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになる又は普通図柄抽選で特殊普図ハズレになることを契機に、特図1の抽選で大当たりに当選すると例えば60%の大当たり振分率で16R大当たりになるようにしても良い。要するに、V通過に拘わらずラウンド数(出玉)が多い大当たりになる振分率が減るようにして、遊技者にとって不利な状態になるような遊技性にしても良い。これらのように特図1の抽選又は特図2の抽選のどちらを有利にするのかは適宜変更可能であり、大当たりの種類や大当たり振分率も図7に示すものに限られず、適宜変更可能である。例えば、特図2の抽選で当選する大当たりは、必ずVショート大当たり(大当たり遊技後に通常確率状態に制御される大当たり)になるようにしたり、出玉の無い実質0Rの大当たりになるようにしても良い。
また上記形態では、時短状態にて特図2の抽選でハズレになると、必ず特殊特図2ハズレ(変動時間が300000msの特図変動パターンP39になるハズレ)になった(図11参照)。しかしながら、特殊特図2ハズレが複数種類あって、例えば第1の特殊特図2ハズレ(変動時間が100000msの特図変動パターンになるハズレ)と、第2の特殊特図2ハズレ(変動時間が200000msの特図変動パターンになるハズレ)と、第3の特殊特図2ハズレ(変動時間が300000msの特図変動パターンP39になるハズレ)があるようにしても良い。この場合には、特図1の抽選で大当たりの当選を狙える時間(究極状態の時間)のバリエーションが増えることになり、遊技興趣を高めることが可能である。なお、特図2の抽選で変動時間が通常の時間(例えば5000ms)の特図変動パターンになるハズレがあるようにしても良い。
また上記形態では、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになる確率を約100分の1に設定したが(図10(A)参照)、適宜変更可能である。特に上述したように、第1の特殊特図2ハズレと第2の特殊特図2ハズレと第3の特殊特図2ハズレとを設ける場合に、これらの特殊特図2ハズレになる確率を適宜設定することで、様々なスペックのパチンコ遊技機を提供することが可能である。
また上記形態では、時短状態にて普通図柄抽選でハズレになると、必ず特殊普図ハズレ(変動時間が300000msの普図変動パターンQ31になるハズレ)になった(図12参照)。しかしながら、特殊普図ハズレが複数種類あって、例えば第1の特殊普図ハズレ(変動時間が100000msの普図変動パターンになるハズレ)と、第2の特殊普図ハズレ(変動時間が200000msの普図変動パターンになるハズレ)と、第3の特殊普図ハズレ(変動時間が300000msの普図変動パターンQ31になるハズレ)があるようにしても良い。この場合には、特図1の抽選で大当たりの当選を狙える時間(究極状態の時間)のバリエーションが増えることになり、遊技興趣を高めることが可能である。なお、時短状態での普通図柄抽選で変動時間が通常の時間(例えば500ms)の普図変動パターンになるハズレがあるようにしても良い。
また上記形態では、普通図柄抽選で特殊普図ハズレになる確率を約100分の1に設定したが(図10(D)参照)、適宜変更可能である。特に上述したように、第1の特殊普図ハズレと第2の特殊普図ハズレと第3の特殊普図ハズレとを設ける場合に、これらの特殊普図ハズレになる確率を適宜設定することで、様々なスペックのパチンコ遊技機を提供することが可能である。
また上記形態では、特図2の抽選で小当たりに当選し易いように、約98%の確率で小当たりに当選するように設定した(図10(A)参照)。しかしながら小当たりに当選する確率は、適宜変更可能である。例えば小当たりに当選し易いという観点であれば、50%以上あれば良い。特図2の抽選で小当たりに当選する確率を50%にした場合、夜モード(高確時短状態)で原則的に特図2の抽選で大当たりの当選を狙いつつ、夜モードであっても極稀に特図1の抽選で大当たりに当選することがあり得るようなゲーム性になる。但し、特図2の抽選で小当たりに当選する確率を、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになる確率、又は普通図柄抽選で特殊普図ハズレになる確率よりも高くなるように設定すると良い。或いは特図2の抽選で小当たりに当選する確率を、特図2の抽選でハズレ(特殊特図2ハズレを含む全てのハズレ)よりも高くなるように設定すると良い。
また上記形態では、究極状態になる契機として、特図2の抽選で特殊特図2ハズレになること又は普通図柄抽選で特殊普図ハズレになることの両方の契機があった。しかしながら、何れか一方の契機だけとしても良い。
また上記形態では、特図1の抽選の契機となる第3始動口(第1入球口)25と、特図2の抽選の契機となる第2始動口(第2入球口)21とが、第2流路(特定流路)R2上に配されていた。しかしながら、特図1の抽選の契機となる第1入球口と、特図2の抽選の契機となる第2入球口とが、第1流路R1上に配されていても良い。つまり左打ちをしている状況で、究極状態になる場合があり得る遊技性にしても良い。なお第3始動口25と第2始動口21とを別々の流路に配したり、ゲート28と第3始動口25とを別々の流路に配しても良く、それらの配置は適宜変更可能である。
また上記形態では、時短回数(時短状態の上限実行回数)として、特図1の変動と特図2の変動との合計変動回数をカウントする構成としたが、特図1の変動回数だけをカウントする構成や、特図2の変動回数だけをカウントする構成としてもよい。なお時短回数は100回に限られるものではなく、適宜変更可能であり、「0」回であっても良い。
また上記形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の総開放時間を0.1秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、特別入賞口(第2大入賞口35)の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。
また上記形態では、第1大入賞口30を大当たり遊技の実行でのみ開放する大入賞口とし、第2大入賞口35を小当たり遊技の実行でのみ開放する大入賞口とした。しかしながら、第1大入賞口30が小当たり遊技で開放することがあるようにしても良く、第2大入賞口35が大当たり遊技で開放することがあるようにしても良い。また特定領域39を第1大入賞装置31の内部ではなく、第2大入賞装置36の内部に設けるようにしても良い。
また上記形態では、大当たり遊技後の遊技状態は、当たりの種類(大当たり図柄の種類)に基づいて決定したが、当たりの種類と当選時の遊技状態との組合せに基づいて決定するようにしても良い。
また上記形態では、特図1保留球数、特図2保留球数、普図保留球数の上限値をそれぞれ4個としたが、上限値は適宜変更可能である。例えば普図保留がない構成としても良い。
また上記形態では、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、高確率状態への制御が所定の上限回数にわたって特別図柄の変動表示が実行されると終了するいわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成しても良い。
また上記形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
また上記形態で説明した演出(例えば宇宙モード移行演出、宇宙モード終了演出、宇宙モード煽り演出等)の演出態様は、画像を表示する演出態様であったが、これに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、発光手段を用いた演出態様、音を出力する演出態様、これらの組合せの演出態様であっても良い。
また上記形態で説明した各種時間や設定値はあくまで一例として示したものであって、適宜変更可能である。なお上記形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せたり、一部を取り除いて実施することは勿論可能である。