JP2018032754A - 固体撮像素子および固体撮像装置 - Google Patents

固体撮像素子および固体撮像装置 Download PDF

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佑樹 根岸
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Abstract

【課題】高い外部量子効率を保ちつつ、低い暗電流特性を有する固体撮像素子およびこれを備えた固体撮像装置を提供する。【解決手段】本開示の一実施形態の固体撮像素子は、対向配置された第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられると共に、一般式(1)または一般式(2)で表わされる化合物を少なくとも1種含む光電変換層とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、例えば有機半導体材料を用いた固体撮像素子およびこれを備えた固体撮像装置に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像装置では、画素サイズの縮小化が進んでいる。これにより、単位画素へ入射するフォトン数が減少することから感度が低下すると共に、S/N比の低下が生じている。また、カラー化のために、赤,緑,青の原色フィルタを2次元配列してなるカラーフィルタを用いた場合、例えば、赤画素では、緑と青の光がカラーフィルタによって吸収されるために、感度の低下を招いている。また、各色信号を生成する際に、画素間で補間処理を行うことから、いわゆる偽色が発生する。
そこで、例えば、特許文献1では、青色光(B)に感度を持つ有機光電変換膜、緑色光(G)に感度を持つ有機光電変換膜、赤色光(R)に感度を持つ有機光電変換膜が順次積層された多層構造の有機光電変換膜を用いたイメージセンサが開示されている。このイメージセンサでは、1画素から、B/G/Rの信号を別々に取り出すことで、感度向上が図られている。特許文献2では、1層の有機光電変換膜で1色の信号を取り出し、シリコン(Si)バルク分光で2色の信号を取り出す撮像素子が開示されている。
上記のようなSiバルク分光で2色の信号を取り出し、Siバルク上に設けられた有機光電変換膜で1色の信号を取り出す撮像素子では、有機光電変換膜は、例えば2種類の材料によって構成されている。例えば、特許文献3では、例えば、可視光のうち、所定の波長帯域の光を吸収する色素材料と、電荷輸送性を有すると共に可視光を吸収しない透明化合物とから構成されている光電変換膜が開示されている。また、例えば、特許文献4では、フタロシアニンと、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCDA)とから構成されている有機光電変換膜が開示されている。
特開2003−234460号公報 特開2005−303266号公報 特開2015−233117号公報 特開2009−290190号公報
ところで、固体撮像装置では、高い分光選択性と高いS/N比とを両立するために、高い外部量子効率(External Quantum Efficiency:EQE)および低い暗電流特性を有することが求められている。
高い外部量子効率を保ちつつ、低い暗電流特性を有する固体撮像素子およびこれを備えた固体撮像装置を提供することが望ましい。
本開示の一実施形態の固体撮像素子は、対向配置された第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられると共に、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表わされる化合物を少なくとも1種含む光電変換層とを備えたものである。
Figure 2018032754
(R1〜R6は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR1〜R6は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
Figure 2018032754
(R7〜R11は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR7〜R11は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
本開示の一実施形態の固体撮像装置は、複数の画素毎に、1または複数の上記本開示の一実施形態の固体撮像素子を備えたものである。
本開示の一実施形態の固体撮像素子および一実施形態の固体撮像装置では、光電変換層の構成材料として、上記一般式(1)または一般式(2)で表わされる化合物を少なくとも1種用いるようにした。上記化合物は、分子間に水素結合が形成される。これにより、分子間のマイグレーションが抑制され、光電変換層におけるピンホールの発生を低減することが可能となる。
本開示の一実施形態の固体撮像素子および一実施形態の固体撮像装置によれば、光電変換層を上記一般式(1)または一般式(2)で表わされる化合物を用いて形成するようにしたので、ピンホールの発生が低減され、暗電流の発生を抑制することが可能となる。また、上記一般式(1)または一般式(2)で表わされる化合物は、高い電子移動度を有していることから、EQEは維持される。よって、高いEQEおよび低い暗電流特性を有する固体撮像装置を提供することが可能となる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
本開示の一実施の形態に係る固体撮像素子の概略構成の一例を表す断面図である。 図1に示した固体撮像素子の製造方法を説明するための断面図である。 図2に続く工程を表す断面図である。 図3に続く工程を表す断面図である。 図4に続く工程を表す断面図である。 図1に示した固体撮像素子を画素として用いた固体撮像装置の構成を表すブロック図である。 図6に示した固体撮像装置の構造の一例を表す概略図である。 図6に示した固体撮像装置の構造の他の例を表す概略図である。 図6に示した固体撮像装置を用いた電子機器(カメラ)の一例を表す機能ブロック図である。 体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。 撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。 実験1における各有機半導体材料の分光特性を表す特性図である。 実験2の各サンプルにおける暗電流値の電圧依存性を表す特性図である。 実験2の各サンプルにおけるEQEの電圧依存性を表す特性図である。
以下、本開示における一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比等についても、それらに限定されるものではない。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.実施の形態(n型半導体材料としてNTCDH等を用いた例)
1−1.固体撮像素子の構成
1−2.固体撮像素子の製造方法
1−3.作用・効果
2.適用例
3.実施例
<1.実施の形態>
図1は、本開示の一実施の形態の固体撮像素子(固体撮像素子10)の断面構成を表したものである。固体撮像素子10は、例えば、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ等の電子機器に用いられるCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置(固体撮像装置1;図6参照)において1つの画素(単位画素P)を構成するものである。
(1−1.固体撮像素子の構成)
固体撮像素子10は、例えば、1つの有機光電変換部20と、2つの無機光電変換部32B,32Rとが縦方向に積層された、いわゆる縦方向分光型のものである。有機光電変換部20は、半導体基板30の第1面(裏面)30A側に設けられている。無機光電変換部32B,32Rは、半導体基板30内に埋め込み形成されており、半導体基板30の厚み方向に積層されている。有機光電変換部20は、p型半導体およびn型半導体を含んで構成され、層内にバルクヘテロ接合構造を有する光電変換層22を含む。バルクヘテロ接合構造は、p型半導体およびn型半導体が混ざり合うことで形成されたp/n接合面である。本実施の形態では、光電変換層22は、後述する1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドおよびその誘導体(下記一般式(1))、または、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物イミドおよびその誘導体(下記一般式(2))のうちの少なくとも1種を含んで構成されたものである。
有機光電変換部20と、無機光電変換部32B,32Rとは、互いに異なる波長帯域の光を選択的に検出して光電変換を行うものである。具体的には、有機光電変換部20では、緑(G)の色信号を取得する。無機光電変換部32B,32Rでは、吸収係数の違いにより、それぞれ、青(B)および赤(R)の色信号を取得する。これにより、固体撮像素子10では、カラーフィルタを用いることなく一つの画素において複数種類の色信号を取得可能となっている。
なお、本実施の形態では、光電変換によって生じる電子および正孔の対のうち、電子を信号電荷として読み出す場合(n型半導体領域を光電変換層とする場合)について説明する。また、図中において、「p」「n」に付した「+(プラス)」は、p型またはn型の不純物濃度が高いことを表し、「++」はp型またはn型の不純物濃度が「+」よりも更に高いことを表している。
半導体基板30の第2面(表面)30Bには、例えば、フローティングディフュージョン(浮遊拡散層)FD1,FD2,FD3と、縦型トランジスタ(転送トランジスタ)Tr1と、転送トランジスタTr2と、アンプトランジスタ(変調素子)AMPと、リセットトランジスタRSTと、多層配線40とが設けられている。多層配線40は、例えば、配線層41,42,43を絶縁層44内に積層した構成を有している。
なお、図面では、半導体基板30の第1面30A側を光入射側S1、第2面30B側を配線層側S2と表している。
有機光電変換部20は、例えば、下部電極21、光電変換層22および上部電極23が、半導体基板30の第1面30Aの側からこの順に積層された構成を有している。下部電極21は、例えば、固体撮像素子10ごとに分離形成されている。光電変換層22および上部電極23は、複数の固体撮像素子10に共通した連続層として設けられている。半導体基板30の第1面30Aと下部電極21との間には、例えば、固定電荷を有する層(固定電荷層)24と、絶縁性を有する誘電体層25と、層間絶縁層26とが設けられている。上部電極23の上には、保護層27が設けられている。保護層27の上方には、平坦化層やオンチップレンズ等の光学部材(いずれも図示せず)が配設されている。
半導体基板30の第1面30Aと第2面30Bとの間には、貫通電極34が設けられている。有機光電変換部20は、この貫通電極34を介して、アンプトランジスタAMPのゲートGampと、フローティングディフュージョンFD3とに接続されている。これにより、固体撮像素子10では、半導体基板30の第1面30A側の有機光電変換部20で生じた電荷を、貫通電極34を介して半導体基板30の第2面30B側に良好に転送し、特性を高めることが可能となっている。
貫通電極34は、例えば、固体撮像素子10の各々に、有機光電変換部20ごとに設けられている。貫通電極34は、有機光電変換部20とアンプトランジスタAMPのゲートGampおよびフローティングディフュージョンFD3とのコネクタとしての機能を有すると共に、有機光電変換部20において生じた電荷(ここでは電子)の伝送経路となるものである。貫通電極34の下端は、例えば、下部第1コンタクト35を介して、多層配線40の配線層41内の接続部41Aに接続されている。接続部41Aと、アンプトランジスタAMPのゲートGampとは、下部第2コンタクト45により接続されている。接続部41Aと、フローティングディフュージョンFD3とは、下部第3コンタクト46により接続されている。貫通電極34の上端は、例えば、上部コンタクト36を介して下部電極21に接続されている。
フローティングディフュージョンFD3の隣には、図1に示したように、リセットトランジスタRSTのリセットゲートGrstが配置されていることが好ましい。これにより、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷を、リセットトランジスタRSTによりリセットすることが可能となる。
貫通電極34は、半導体基板30を貫通すると共に、例えば、分離溝50により半導体基板30とは分離されている。貫通電極34は、例えば、半導体基板30と同じ半導体、例えばシリコン(Si)により構成され、n型またはp型の不純物が注入される(図1では例えばp+)ことにより抵抗値が低減されていることが好ましい。また、貫通電極34の上端部および下端部には、高濃度不純物領域(図1では例えばp++)が設けられ、上部コンタクト36との接続抵抗および下部第1コンタクト35との接続抵抗が更に低減されていることが好ましい。貫通電極34は、金属または導電性材料により構成されていてもよい。金属または導電性材料を用いることにより、貫通電極34の抵抗値をさらに低減すると共に、貫通電極34と下部第1コンタクト35、下部第2コンタクト45および下部第3コンタクト46との接続抵抗をさらに低減することが可能となる。貫通電極34を構成する金属または導電性材料としては、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)等が挙げられる。
図1に示したように、分離溝50の外側面51、内側面52および底面53は、例えば絶縁性を有する誘電体層25により被覆されている。誘電体層25は、例えば、分離溝50の外側面51を被覆する外側誘電体層25Aと、分離溝50の内側面52を被覆する内側誘電体層25Bとを有している。外側誘電体層25Aと内側誘電体層25Bとの間には、空洞54が設けられていることが好ましい。即ち、分離溝50は環状または輪状であり、空洞54は分離溝50と同心円をなす環状または輪状である。これにより、貫通電極34と半導体基板30との間に生じる静電容量を低減させ、変換効率を高めると共に遅延(残像)を抑えることが可能となる。
また、分離溝50の外側面51の半導体基板30内には、貫通電極34と同じ導電型(n型またはp型)の不純物領域(図1ではp+)が設けられていることが好ましい。更に、分離溝50の外側面51、内側面52および底面53と、半導体基板30の第1面30Aとに、固定電荷層24が設けられていることが好ましい。具体的には、例えば、分離溝50の外側面51の半導体基板30内にp型の不純物領域(図1のp+)を設けると共に、固定電荷層24として負の固定電荷を有する膜を設けることが好ましい。これにより、暗電流を低減することが可能となる。
本実施の形態の固体撮像素子10では、上部電極23側から有機光電変換部20に入射した光は、光電変換層22の第3の有機半導体材料で吸収される。これによって生じた励起子は、電子供与体と電子受容体との界面に移動し、励起子分離、即ち、電子と正孔とに解離する。ここで発生した電荷(電子および正孔)は、キャリアの濃度差による拡散や、陽極(ここでは、下部電極21)と陰極(ここでは、上部電極23)との仕事関数の差による内部電界によって、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流として検出される。また、下部電極21と上部電極23との間に電位を印加することによって、電子および正孔の輸送方向を制御することができる。
以下、各部の構成や材料等について説明する。
有機光電変換部20は、選択的な波長帯域(例えば、450nm以上650nm以下)の一部または全部の波長帯域に対応する緑色光を吸収して、電子−正孔対を発生させる有機光電変換素子である。
下部電極21は、半導体基板30内に形成された無機光電変換部32B,32Rの受光面と正対して、これらの受光面を覆う領域に設けられている。下部電極21は、光透過性を有する導電膜により構成され、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)により構成されている。但し、下部電極21の構成材料としては、このITOの他にも、ドーパントを添加した酸化スズ(SnO2)系材料、あるいはアルミニウム亜鉛酸化物(ZnO)にドーパントを添加してなる酸化亜鉛系材料を用いてもよい。酸化亜鉛系材料としては、例えば、ドーパントとしてアルミニウム(Al)を添加したアルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム(Ga)添加のガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウム(In)添加のインジウム亜鉛酸化物(IZO)が挙げられる。また、この他にも、CuI、InSbO4、ZnMgO、CuInO2、MgIN24、CdO、ZnSnO3等を用いてもよい。
光電変換層22は、光エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。光電変換層22は、上記のように、p型半導体またはn型半導体として機能する有機半導体材料を含んで構成されている。光電変換層22は、層内に、このp型半導体とn型半導体との接合面(p/n接合面)を有する。p型半導体は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能するものであり、n型半導体は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能するものである。光電変換層22は、光を吸収した際に生じる励起子が電子と正孔とに分離する場を提供するものであり、具体的には、電子供与体と電子受容体との界面(p/n接合面)において、励起子が電子と正孔とに分離する。光電変換層22の厚みは、例えば、50nm〜500nmである。
本実施の形態では、光電変換層22は、上記のように、下記一般式(1)で表わされる1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドおよびその誘導体、または、下記一般式(2)で表わされる1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物イミドおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含んで構成されている。これら一般式(1)および一般式(2)で表わされる有機半導体材料は、優れた電荷移動度(ここでは、電子移動度)を有するものであり、本実施の形態の光電変換層22では、n型半導体として機能するものである。
Figure 2018032754
(R1〜R6は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR1〜R6は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
Figure 2018032754
(R7〜R11は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR7〜R11は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
一般式(1)に示した1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドおよびその誘導体の具体例としては、以下の式(1−1)〜(1−7)等の化合物が挙げられる。
Figure 2018032754
一般式(2)に示した1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物イミドおよびその誘導体の具体例としては、以下の式(2−1)等の化合物が挙げられる。
Figure 2018032754
本実施の形態の光電変換層22は、上記一般式(1)で表わされる1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドおよびその誘導体または上記一般式(2)で表わされる1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物イミドおよびその誘導体を10体積%以上50体積%未満の範囲で含有していることが好ましい。10体積%よりも少ない場合には、暗電流特性が悪化する虞がある。50体積%以上の場合には、上記一般式(1)および上記一般式(2)で表わされる有機半導体材料は、可視光に対する吸収特性を持たないため、十分な吸光が得られなくなる虞がある。なお、より好ましくは、25体積%以上50体積%未満である。
光電変換層22は、さらに、p型半導体として機能する有機半導体材料(p型半導体材料)と、例えば、可視領域(例えば、450nm以上800nm以下)の波長を選択的に吸収する材料(色素材料)とを含んで構成されている。このp型半導体材料は、透明な材料であることが好ましく、例えば、450nm以上600nm以下の波長帯域において極大吸収波長をもたないことが好ましい。このようなp型半導体材料としては、例えば、下記一般式(3)で表わされるジチエノチオフェン(DTT)およびその誘導体が挙げられる。
Figure 2018032754
(R12〜R15は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基である。隣り合う任意のR12〜R15は、互いに結合して縮合脂肪族環または縮合芳香環を形成していてもよい。前記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、窒素、硫黄、セレン、テルルのうちの1または複数の原子を含んでいてもよい。)
色素材料は、所定の波長帯域に極大吸収波長の高い線吸収係数を有することが好ましく、選択的な波長帯域(例えば、450nm以上600nm以下)にシャープな分光形状を有することが好ましい。また、この色素材料は、上記一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機半導体材料のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位よりも高いLUMO準位を有することが好ましい。具体的には、色素材料のLUMO値は、上記一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機半導体材料のLUMO値よりも0.2eV高いことが好ましい。このような色素材料としては、下記一般式(4)で表わされるサブフタロシアニンおよびその誘導体が挙げられる。
Figure 2018032754
(R16〜R27は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR16〜R27は縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または、縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。Mは、ホウ素または2価あるいは3価の金属である。Xは、アニオン性基である。)
一般式(3)に示したDTTおよびその誘導体の具体例としては、以下の式(3−1)〜(3−10)等の化合物が挙げられる。
Figure 2018032754
一般式(4)に示したサブフタロシアニンおよびその誘導体の具体例としては、以下の式(4−1)〜(4−9)等の化合物が挙げられる。
Figure 2018032754
なお、本実施の形態の光電変換層22は、n型半導体として機能する有機半導体材料(n型半導体材料)として、上記一般式(1)で表わされる1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドおよびその誘導体、または、上記一般式(2)で表わされる1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物イミドおよびその誘導体だけでなく、分子間水素結合を形成可能な材料を用いることができる。このような材料としては、例えば、下記一般式(5)で表わされる、分子内にN−H結合を有する環状イミド基を有する有機材料が挙げられる。
Figure 2018032754
(Zは、アリール基、ヘテロアリール基、シクロヘキシル基である。)
一般式(5)に示した環状イミド基を有する有機材料の具体例としては、以下の式(5−1)〜式(5−4)等の化合物が挙げられる。
Figure 2018032754
なお、光電変換層22は、本実施の形態の効果を妨げない範囲で、他の材料を含んでいてもかまわない。
光電変換層22と下部電極21との間、および光電変換層22と上部電極23との間には、他の層が設けられていてもよい。具体的には、例えば、下部電極21側から順に、下引き膜、正孔輸送層、電子ブロッキング膜 、光電変換層22、正孔ブロッキング膜、バッファ膜、電子輸送層および仕事関数調整膜等が積層されていてもよい。
上部電極23は、下部電極21と同様の光透過性を有する導電膜により構成されている。固体撮像素子10を1つの画素として用いた固体撮像装置1では、この上部電極23が画素毎に分離されていてもよいし、各画素に共通の電極として形成されていてもよい。上部電極23の厚みは、例えば、10nm〜200nmである。
固定電荷層24は、正の固定電荷を有する膜でもよいし、負の固定電荷を有する膜でもよい。負の固定電荷を有する膜の材料としては、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化チタン等が挙げられる。また上記以外の材料としては酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化セリウム、酸化ネオジム、酸化プロメチウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化正孔ミウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化イットリウム、窒化アルミニウム膜、酸窒化ハフニウム膜または酸窒化アルミニウム膜等を用いてもよい。
固定電荷層24は、2種類以上の膜を積層した構成を有していてもよい。それにより、例えば負の固定電荷を有する膜の場合には正孔蓄積層としての機能をさらに高めることが可能である。
誘電体層25の材料は特に限定されないが、例えば、シリコン酸化膜、TEOS、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等によって形成されている。
層間絶縁層26は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンおよび酸窒化シリコン(SiON)等のうちの1種よりなる単層膜か、あるいはこれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。
保護層27は、光透過性を有する材料により構成され、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンおよび酸窒化シリコン等のうちのいずれかよりなる単層膜、あるいはそれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。この保護層27の厚みは、例えば、100nm〜30000nmである。
半導体基板30は、例えば、n型のシリコン(Si)基板により構成され、所定領域にpウェル31を有している。pウェル31の第2面30Bには、上述した縦型トランジスタTr1,転送トランジスタTr2,アンプトランジスタAMP,リセットトランジスタRST等が設けられている。また、半導体基板30の周辺部には、ロジック回路等からなる周辺回路(図示せず)が設けられている。
無機光電変換部32B,32Rは、それぞれ、半導体基板30の所定領域にpn接合を有する。無機光電変換部32B,32Rは、シリコン基板において光の入射深さに応じて吸収される光の波長が異なることを利用して縦方向に光を分光することを可能としたものである。無機光電変換部32Bは、青色光を選択的に検出して青色に対応する信号電荷を蓄積させるものであり、青色光を効率的に光電変換可能な深さに設置されている。無機光電変換部32Rは、赤色光を選択的に検出して赤色に対応する信号電荷を蓄積させるものであり、赤色光を効率的に光電変換可能な深さに設置されている。なお、青(B)は、例えば450nm〜495nmの波長帯域、赤(R)は、例えば620nm〜750nmの波長帯域にそれぞれ対応する色である。無機光電変換部32B,32Rはそれぞれ、各波長帯域のうちの一部または全部の波長帯域の光を検出可能となっていればよい。
無機光電変換部32Bは、例えば、正孔蓄積層となるp+領域と、電子蓄積層となるn領域とを含んで構成されている。無機光電変換部32Rは、例えば、正孔蓄積層となるp+領域と、電子蓄積層となるn領域とを有する(p−n−pの積層構造を有する)。無機光電変換部32Bのn領域は、縦型トランジスタTr1に接続されている。無機光電変換部32Bのp+領域は、縦型トランジスタTr1に沿って屈曲し、無機光電変換部32Rのp+領域につながっている。
縦型トランジスタTr1は、無機光電変換部32Bにおいて発生し、蓄積された、青色に対応する信号電荷(ここでは電子)を、フローティングディフュージョンFD1に転送する転送トランジスタである。無機光電変換部32Bは半導体基板30の第2面30Bから深い位置に形成されているので、無機光電変換部32Bの転送トランジスタは縦型トランジスタTr1により構成されていることが好ましい。
転送トランジスタTr2は、無機光電変換部32Rにおいて発生し、蓄積された赤色に対応する信号電荷(ここでは電子)を、フローティングディフュージョンFD2に転送するものであり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
アンプトランジスタAMPは、有機光電変換部20で生じた電荷量を電圧に変調する変調素子であり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
リセットトランジスタRSTは、有機光電変換部20からフローティングディフュージョンFD3に転送された電荷をリセットするものであり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
下部第1コンタクト35、下部第2コンタクト45、下部第3コンタクト46および上部コンタクト36は、例えば、PDAS(Phosphorus Doped Amorphous Silicon)等のドープされたシリコン材料、または、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)等の金属材料により構成されている。
(1−2.固体撮像素子の製造方法)
本実施の形態の固体撮像素子10は、例えば、次のようにして製造することができる。
図2〜図5は、この固体撮像素子10の製造方法を工程順に表したものである。まず、図2に示したように、半導体基板30内に、第1の導電型のウェルとして例えばpウェル31を形成し、このpウェル31内に第2の導電型(例えばn型)の無機光電変換部32B,32Rを形成する。半導体基板30の第1面30A近傍にはp+領域を形成する。
また、同じく図2に示したように、貫通電極34および分離溝50の形成予定領域に、半導体基板30の第1面30Aから第2面30Bまで貫通する不純物領域(p+領域)を形成する。更に、貫通電極34の上端部および下端部の形成予定領域には高濃度不純物領域(p++領域)を形成する。
半導体基板30の第2面30Bには、同じく図2に示したように、フローティングディフュージョンFD1〜FD3となるn+領域を形成したのち、ゲート絶縁層33と、縦型トランジスタTr1、転送トランジスタTr2、アンプトランジスタAMPおよびリセットトランジスタRSTの各ゲートを含むゲート配線層37とを形成する。これにより、縦型トランジスタTr1、転送トランジスタTr2、アンプトランジスタAMPおよびリセットトランジスタRSTを形成する。更に、半導体基板30の第2面30B上に、下部第1コンタクト35、下部第2コンタクト45、下部第3コンタクト46、接続部41Aを含む配線層41〜43および絶縁層44からなる多層配線40を形成する。
半導体基板30の基体としては、例えば、半導体基板30と、埋込み酸化膜(図示せず)と、保持基板(図示せず)とを積層したSOI(Silicon on Insulator)基板を用いる。埋込み酸化膜および保持基板は、図2には図示しないが、半導体基板30の第1面30Aに接合されている。イオン注入後、アニール処理を行う。
次いで、半導体基板30の第2面30B側(多層配線40側)に支持基板(図示せず)または他の半導体基板等を接合して、上下反転する。続いて、半導体基板30をSOI基板の埋込み酸化膜および保持基板から分離し、半導体基板30の第1面30Aを露出させる。以上の工程は、イオン注入およびCVD(Chemical Vapor Deposition)等、通常のCMOSプロセスで使用されている技術にて行うことが可能である。
次いで、図3に示したように、例えばドライエッチングにより半導体基板30を第1面30A側から加工し、輪状あるいは環状の分離溝50を形成する。分離溝50の深さは、図3の矢印D50Aに示したように、半導体基板30を第1面30Aから第2面30Bまで貫通してゲート絶縁層33に達することが好ましい。更に、分離溝50の底面53での絶縁効果をより高めるためには、分離溝50は、図3の矢印D50Bに示したように、半導体基板30およびゲート絶縁層33を貫通して多層配線40の絶縁層44に達することが好ましい。図3には、分離溝50が半導体基板30およびゲート絶縁層33を貫通している場合を表している。
続いて、図4に示したように、分離溝50の外側面51、内側面52および底面53と、半導体基板30の第1面30Aとに、例えば負の固定電荷層24を形成する。負の固定電荷層24として、2種類以上の膜を積層してもよい。それにより、正孔蓄積層としての機能をより高めることが可能となる。負の固定電荷層24を形成したのち、外側誘電体層25Aおよび内側誘電体層25Bを有する誘電体層25を形成する。このとき、誘電体層25の膜厚および成膜条件を適切に調節することで、分離溝50内において、外側誘電体層25Aと内側誘電体層25Bとの間に空洞54を形成する。
次に、図5に示したように、層間絶縁層26および上部コンタクト36を形成し、上部コンタクト36を貫通電極34の上端に接続する。続いて、層間絶縁層26上に、下部電極21,光電変換層22、上部電極23および保護層27をこの順に形成する。光電変換層22は、例えば、上記3種類の有機半導体材料を、例えば真空蒸着法を用いて成膜する。なお、上記のように、光電変換層22の上層または下層に、他の有機層(例えば、電子ブロッキング層等)を形成する場合には、真空工程において連続的に(真空一貫プロセスで)形成することが望ましい。また、光電変換層22の成膜方法としては、必ずしも真空蒸着法を用いた手法に限らず、他の手法、例えば、スピンコート技術やプリント技術等を用いてもよい。最後に、平坦化層等の光学部材およびオンチップレンズ(図示せず)を配設する。以上により、図1に示した固体撮像素子10が完成する。
固体撮像素子10では、有機光電変換部20に、オンチップレンズ(図示せず)を介して光が入射すると、その光は、有機光電変換部20、無機光電変換部32B,32Rの順に通過し、その通過過程において緑、青、赤の色光毎に光電変換される。以下、各色の信号取得動作について説明する。
(有機光電変換部20による緑色信号の取得)
固体撮像素子10へ入射した光のうち、まず、緑色光が、有機光電変換部20において選択的に検出(吸収)され、光電変換される。
有機光電変換部20は、貫通電極34を介して、アンプトランジスタAMPのゲートGampとフローティングディフュージョンFD3とに接続されている。よって、有機光電変換部20で発生した電子−正孔対のうちの電子が、下部電極21側から取り出され、貫通電極34を介して半導体基板30の第2面30B側へ転送され、フローティングディフュージョンFD3に蓄積される。これと同時に、アンプトランジスタAMPにより、有機光電変換部20で生じた電荷量が電圧に変調される。
また、フローティングディフュージョンFD3の隣には、リセットトランジスタRSTのリセットゲートGrstが配置されている。これにより、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷は、リセットトランジスタRSTによりリセットされる。
ここでは、有機光電変換部20が、貫通電極34を介して、アンプトランジスタAMPだけでなくフローティングディフュージョンFD3にも接続されているので、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷をリセットトランジスタRSTにより容易にリセットすることが可能となる。
これに対して、貫通電極34とフローティングディフュージョンFD3とが接続されていない場合には、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷をリセットすることが困難となり、大きな電圧をかけて上部電極23側へ引き抜くことになる。そのため、光電変換層22がダメージを受けるおそれがある。また、短時間でのリセットを可能とする構造は暗時ノイズの増大を招き、トレードオフとなるため、この構造は困難である。
(無機光電変換部32B,32Rによる青色信号,赤色信号の取得)
続いて、有機光電変換部20を透過した光のうち、青色光は無機光電変換部32B、赤色光は無機光電変換部32Rにおいて、それぞれ順に吸収され、光電変換される。無機光電変換部32Bでは、入射した青色光に対応した電子が無機光電変換部32Bのn領域に蓄積され、蓄積された電子は、縦型トランジスタTr1によりフローティングディフュージョンFD1へと転送される。同様に、無機光電変換部32Rでは、入射した赤色光に対応した電子が無機光電変換部32Rのn領域に蓄積され、蓄積された電子は、転送トランジスタTr2によりフローティングディフュージョンFD2へと転送される。
(1−3.作用・効果)
前述したように、近年、CCDイメージセンサ、あるいはCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置では、高い分光選択性と高いS/N比とが望まれている。これらを実現するためには、高い外部量子効率(EQE)および低い暗電流特性が求められる。
高い分光選択性と高いS/N比とを両立する方法としては、前述したように、色素材料と、電荷輸送性を有する透明化合物(例えば、透明n型材料)とから構成されたバルクヘテロ層を有する光電変換膜を設けることが提案されている。透明n型材料としては、高い電子移動度を有する1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCDA、式(6)参照)が注目され、フタロシアニンと共に、太陽電池用のバルクヘテロ層の材料として用いられている。
ところで、固体撮像装置では、電極間に高いバイアス電圧を印加することでEQEの向上が図られている。しかしながら、高いバイアス電圧の印加は、暗電流特性を悪化させ、S/N比を低下させるという問題があった。この高バイアス電圧を印加することによる暗電流特性の悪化は、後述する実験2においてNTCDAを用いた光電変換素子でも確認される(図13参照)。
これに対して、本実施の形態の固体撮像素子10では、光電変換層22のn型半導体材料として、上記一般式(1)で表わされる1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドおよびその誘導体、または、上記一般式(2)で表わされる1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物イミドおよびその誘導体を用いるようにした。上記有機半導体材料は、分子間で水素結合を形成することが可能な構造を有する。分子間に水素結合が形成されると、分子間におけるマイグレーションが抑制される。これによって、例えば、暗電流の原因となる、光電変換層22におけるピンホール等の欠陥の発生を低減することが可能となる。
以上、本実施の形態では、光電変換層22のn型半導体材料として、上記一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機半導体材料を用いることにより、例えば、暗電流の原因となる、光電変換層22におけるピンホール等の欠陥の発生が低減される。よって、電極間に高バイアス電圧を印加した際でも、暗電流の発生を抑制することが可能となる。また、上記一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機半導体材料は、高い電子移動度を有している。このことから、高いEQEが得られる。即ち、本実施の形態の固体撮像素子10は、高いEQEと低い暗電流特性とを両立することが可能となる。
<2.適用例>
(適用例1)
図6は、上記実施の形態において説明した固体撮像素子10を各画素に用いた固体撮像装置(固体撮像装置1)の全体構成を表したものである。この固体撮像装置1は、CMOSイメージセンサであり、半導体基板30上に、撮像エリアとしての画素部1aを有すると共に、この画素部1aの周辺領域に、例えば、行走査部131、水平選択部133、列走査部134およびシステム制御部132からなる周辺回路部130を有している。
画素部1aは、例えば、行列状に2次元配置された複数の単位画素P(固体撮像素子10に相当)を有している。この単位画素Pには、例えば、画素行ごとに画素駆動線Lread(具体的には行選択線およびリセット制御線)が配線され、画素列ごとに垂直信号線Lsigが配線されている。画素駆動線Lreadは、画素からの信号読み出しのための駆動信号を伝送するものである。画素駆動線Lreadの一端は、行走査部131の各行に対応した出力端に接続されている。
行走査部131は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、画素部1aの各単位画素Pを、例えば、行単位で駆動する画素駆動部である。行走査部131によって選択走査された画素行の各単位画素Pから出力される信号は、垂直信号線Lsigの各々を通して水平選択部133に供給される。水平選択部133は、垂直信号線Lsigごとに設けられたアンプや水平選択スイッチ等によって構成されている。
列走査部134は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、水平選択部133の各水平選択スイッチを走査しつつ順番に駆動するものである。この列走査部134による選択走査により、垂直信号線Lsigの各々を通して伝送される各画素の信号が順番に水平信号線135に出力され、当該水平信号線135を通して半導体基板30の外部へ伝送される。
行走査部131、水平選択部133、列走査部134および水平信号線135からなる回路部分は、半導体基板30上に直に形成されていてもよいし、あるいは外部制御ICに配設されたものであってもよい。また、それらの回路部分は、ケーブル等により接続された他の基板に形成されていてもよい。
システム制御部132は、半導体基板30の外部から与えられるクロックや、動作モードを指令するデータ等を受け取り、また、固体撮像装置1の内部情報等のデータを出力するものである。システム制御部132はさらに、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータを有し、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に行走査部131、水平選択部133および列走査部134等の周辺回路の駆動制御を行う。
なお、本開示の固体撮像装置1は、例えば、図7Aに示したように、画素領域211および制御回路212が形成された第1半導体チップ210と、ロジック回路223が形成された第2半導体チップ220とが積層された、いわゆる積層型固体撮像装置であってもよい。
画素領域211は、上記画素部1aに相当し、制御回路212には、例えば、上記行走査部131およびシステム制御部132等が設けられている。ロジック回路223には、例えば、上記周辺回路部130および水平選択部133等が設けられている。
また、例えば、図7Bに示したように、第1半導体チップ230に画素領域231を形成し、第2半導体チップ240に制御回路242とロジック回路243とを設けるようにしてもよい。
このように、制御回路およびロジック回路の少なくとも一方を、画素領域が形成される半導体チップ(第1半導体チップ210,230)とは別の半導体チップ(第2半導体チップ220,240)に設けることにより、画素領域を拡大することができる。これにより、画素領域に搭載される画素数が増加し、平面分解能を向上させることが可能となる。
(適用例2)
上記固体撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話等、撮像機能を備えたあらゆるタイプの電子機器に適用することができる。図8に、その一例として、電子機器2(カメラ)の概略構成を示す。この電子機器2は、例えば、静止画または動画を撮影可能なビデオカメラであり、固体撮像装置1と、光学系(光学レンズ)310と、シャッタ装置311と、固体撮像装置1およびシャッタ装置311を駆動する駆動部313と、信号処理部312とを有する。
光学系310は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置1の画素部1aへ導くものである。この光学系310は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。シャッタ装置311は、固体撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御するものである。駆動部313は、固体撮像装置1の転送動作およびシャッタ装置311のシャッタ動作を制御するものである。信号処理部312は、固体撮像装置1から出力された信号に対し、各種の信号処理を行うものである。信号処理後の映像信号Doutは、メモリ等の記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
更に、上記固体撮像装置1は、下記電子機器(カプセル型内視鏡10100および車両等の移動体)にも適用することが可能である。
(適用例3)
<体内情報取得システムへの応用例>
図9は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る、カプセル型内視鏡を用いた患者の体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
体内情報取得システム10001は、カプセル型内視鏡10100と、外部制御装置10200とから構成される。
カプセル型内視鏡10100は、検査時に、患者によって飲み込まれる。カプセル型内視鏡10100は、撮像機能及び無線通信機能を有し、患者から自然排出されるまでの間、胃や腸等の臓器の内部を蠕動運動等によって移動しつつ、当該臓器の内部の画像(以下、体内画像ともいう)を所定の間隔で順次撮像し、その体内画像についての情報を体外の外部制御装置10200に順次無線送信する。
外部制御装置10200は、体内情報取得システム10001の動作を統括的に制御する。また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信されてくる体内画像についての情報を受信し、受信した体内画像についての情報に基づいて、表示装置(図示せず)に当該体内画像を表示するための画像データを生成する。
体内情報取得システム10001では、このようにして、カプセル型内視鏡10100が飲み込まれてから排出されるまでの間、患者の体内の様子を撮像した体内画像を随時得ることができる。
カプセル型内視鏡10100と外部制御装置10200の構成及び機能についてより詳細に説明する。
カプセル型内視鏡10100は、カプセル型の筐体10101を有し、その筐体10101内には、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、給電部10115、電源部10116、及び制御部10117が収納されている。
光源部10111は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、撮像部10112の撮像視野に対して光を照射する。
撮像部10112は、撮像素子、及び当該撮像素子の前段に設けられる複数のレンズからなる光学系から構成される。観察対象である体組織に照射された光の反射光(以下、観察光という)は、当該光学系によって集光され、当該撮像素子に入射する。撮像部10112では、撮像素子において、そこに入射した観察光が光電変換され、その観察光に対応する画像信号が生成される。撮像部10112によって生成された画像信号は、画像処理部10113に提供される。
画像処理部10113は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって構成され、撮像部10112によって生成された画像信号に対して各種の信号処理を行う。画像処理部10113は、信号処理を施した画像信号を、RAWデータとして無線通信部10114に提供する。
無線通信部10114は、画像処理部10113によって信号処理が施された画像信号に対して変調処理等の所定の処理を行い、その画像信号を、アンテナ10114Aを介して外部制御装置10200に送信する。また、無線通信部10114は、外部制御装置10200から、カプセル型内視鏡10100の駆動制御に関する制御信号を、アンテナ10114Aを介して受信する。無線通信部10114は、外部制御装置10200から受信した制御信号を制御部10117に提供する。
給電部10115は、受電用のアンテナコイル、当該アンテナコイルに発生した電流から電力を再生する電力再生回路、及び昇圧回路等から構成される。給電部10115では、いわゆる非接触充電の原理を用いて電力が生成される。
電源部10116は、二次電池によって構成され、給電部10115によって生成された電力を蓄電する。図9では、図面が煩雑になることを避けるために、電源部10116からの電力の供給先を示す矢印等の図示を省略しているが、電源部10116に蓄電された電力は、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、及び制御部10117に供給され、これらの駆動に用いられ得る。
制御部10117は、CPU等のプロセッサによって構成され、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、及び、給電部10115の駆動を、外部制御装置10200から送信される制御信号に従って適宜制御する。
外部制御装置10200は、CPU,GPU等のプロセッサ、又はプロセッサとメモリ等の記憶素子が混載されたマイクロコンピュータ若しくは制御基板等で構成される。外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100の制御部10117に対して制御信号を、アンテナ10200Aを介して送信することにより、カプセル型内視鏡10100の動作を制御する。カプセル型内視鏡10100では、例えば、外部制御装置10200からの制御信号により、光源部10111における観察対象に対する光の照射条件が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、撮像条件(例えば、撮像部10112におけるフレームレート、露出値等)が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、画像処理部10113における処理の内容や、無線通信部10114が画像信号を送信する条件(例えば、送信間隔、送信画像数等)が変更されてもよい。
また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信される画像信号に対して、各種の画像処理を施し、撮像された体内画像を表示装置に表示するための画像データを生成する。当該画像処理としては、例えば現像処理(デモザイク処理)、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の信号処理を行うことができる。外部制御装置10200は、表示装置の駆動を制御して、生成した画像データに基づいて撮像された体内画像を表示させる。あるいは、外部制御装置10200は、生成した画像データを記録装置(図示せず)に記録させたり、印刷装置(図示せず)に印刷出力させてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る体内情報取得システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部10112に適用され得る。これにより、検出精度が向上する。
(適用例4)
<移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図10は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図10に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図10の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図11は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図11では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図11には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
<3.実施例>
以下、本開示の一実施の形態に係る各種サンプル(例えば、実験例1〜11等)を作製し、そのHOMO準位、LUMO準位、分光特性、外部量子効率(EQE)および暗電流特性を評価した。
(実験1:エネルギー準位の測定および分光特性の評価)
下記式(6)に示したNTCDA、NTCDH(式(1−1))、下記式(7)に示したNTCD−Ph、下記式(8)に示したNTCDI、F6−SubPc−F(式(4−1))およびDBP−DTT(式(3−1))の各エネルギー準位を測定した。まず、UV/オゾン処理にて洗浄した石英基板上に、有機蒸着装置を用い、1×10-5Pa以下の真空下で基板ホルダを回転させながら抵抗加熱法によって、上記化合物の単層膜をそれぞれ形成し、エネルギー準位評価用のサンプルを作製した。蒸着速度は0.1nm/秒とし、膜厚は50nmとした。
Figure 2018032754
続いて、上記方法を用いて別途、各石英基板上に上記化合物の単層膜(膜厚50nm)をそれぞれ形成したのち、単層膜上に、Si基板を貼り合わせ分光特性評価用のサンプルとした。
分光特性の評価は、例えば以下のように行った。まず、紫外可視分光光度計を用い波長毎の透過率と反射率とを測定し、単層膜で吸収された光吸収率(%)を求めた。この光吸収率と単層膜の膜厚をパラメータとして、ランベルトベールの法則から、各単層膜における波長毎の線吸収係数α(cm-1)を求めた。これによって得られたNTCDA(式(6))、NTCDH(式(1−1))、NTCD−Ph(式(7))、NTCDI(式(8))の分光特性を図12に示した。図12から、上記実施の形態で用いたNTCDH(式(1−1))は、可視領域(400nm〜800nm)の波長をほぼ吸収しないことがわかった。
続いて、各化合物のHOMO準位およびLUMO準位の算出を行った。まず、HOMO準位の計測を紫外電子分光法(UPS)を用いて以下のように実施した。まず、例えば、NTCDH(式(1−1))の単層膜に21.2eVの紫外光を照射して単層膜の表面から放出される電子の運動エネルギー分布を取得した。得られたスペクトルのエネルギー幅を、照射した紫外光のエネルギー値から減じた値をもってHOMO準位とした。
続いて、上記分光特性の評価にて計測した波長毎の線吸収係数の測定結果から得られる吸収極大波長をエネルギー単位に変換した。これによって得られたエネルギーをHOMO準位に加算することでLUMO準位とした。表1は、これによって得られた各化合物のHOMO準位およびLUMO準位をまとめたものである。
Figure 2018032754
(実験2:EQEおよび暗電流特性の評価)
実験例1〜5となる各サンプルを以下の方法を用いて作製し、そのEQEおよび暗電流特性を評価した。まず、膜厚50nmのITO電極が設けられたガラス基板をUV/オゾン処理にて洗浄したのち、有機蒸着装置を用い、1×10-5Pa以下の真空下で基板ホルダを回転させながら抵抗加熱法によって、合計100nmの厚みの有機膜(光電変換層)を成膜した。成膜条件は、蒸着源として、各蒸着材料(例えば、実験例1では、DBP−DTT:F6−SubPc−F:NTCDA)を、それぞれ、蒸着速度0.045nm/秒(DBP−DTT)、0.045nm/秒(F6−SubPc−F)、0.030nm/秒(NTCDA)で蒸着した。続いて、光電変換層上に、上部電極となるAlSiCuを蒸着法にて膜厚100nmで成膜し、1mm×1mmの光電変換領域を有する光電変換素子を作製した。実験例1〜5について、その外部量子効率(EQE)および暗電流特性を以下のようにして評価した。
(暗電流値の測定およびEQEの評価方法)
外部量子効率の評価は、半導体パラメータアナライザを用いて行った。具体的には、フィルタを介して光源から光電変換素子に照射される光の光量を1.62μW/cm2とし、電極間に印加されるバイアス電圧を−5Vとした場合の明電流値および暗電流値から、EQEを算出した。
表2は、実験例1〜5の光電変換層を構成する有機半導体材料の組み合わせと、EQEおよび−5V印加時における暗電流値の測定結果とをまとめたものである。図13は、実験例1〜5における暗電流値の電圧依存性を表したものである。
Figure 2018032754
表2から、上記実施の形態においてn型半導体材料の一例として挙げたNTCDH(式(1−1))を用いた実験例5は、実験例1〜4と比較して、−5Vの高いバイアス電圧の印加時にも暗電流値を低く抑えられることがわかった。また、実験例5では、撮像素子として用いるのに十分なEQEが得られた。
(実験3:光電変換層の組成)
実験例6〜11として、DBP−DTT(式(3−1))、F6−SubPc−F(式(4−1))、NTCDH(式(1−1))を用い、それぞれNTCDHの含有量を変化させた光電変換層を有する各サンプルを実験2と同様の方法を用いて作製し、そのEQEおよび暗電流特性を評価した。
なお、光電変換層の組成は、光電変換層の成膜時における各材料の蒸着速度によって制御した。各有機半導体材料の蒸着速度r1(DBP−DTT)、r2(F6−SubPc−F)およびr3(NTCDH)は、以下の通りである。実験例6では、r1=0.06nm/秒、r2=0.06nm/秒とした。実験例7では、r1=0.052nm/秒、r2=0.052nm/秒、r3=0.015nm/秒とした。実験例8では、r1=0.045nm/秒、r2=0.045nm/秒、r3=0.030nm/秒とした。実験例9では、r1=0.030nm/秒、r2=0.045nm/秒、r3=0.045nm/秒とした。実験例10では、r1=0.015nm/秒、r2=0.052nm/秒、r3=0.052nm/秒とした。実験例11では、r2=0.06nm/秒、r3=0.06nm/秒とした。
実験例6〜11について、そのEQEおよび暗電流を上記と同様の方法を用いて評価し、各光電変換層の組成およびNTCDHの含有量と共に表3にまとめた。図14は、実験例6〜11におけるEQEの電圧依存性を表したものである。
Figure 2018032754
表3から、NTCDHを10体積%以上(ここでは、12.5体積%)含んで光電変換層を構成することで、実験例6のNTCDHを用いない場合と比較して暗電流の改善が確認された。また、25体積%以上とすることで、暗電流値を低下させることができることがわかった。即ち、NTCDHの含有量は、10体積%以上であることが好ましく、より好ましくは、25体積%以上であることがわかった。更に、図14からわかるように、実験例6のNTCDHを用いない場合と比較して、NTCDHを用いた実験例7〜11では、EQEは低下するものの、撮像素子として用いるのに十分なEQEが得られた。以上の結果から、本実験では、NTCDHの含有量を25体積%以上とすることでより良好なEQEおよび暗電流値が得られたが、その上限は、光電変換層の光吸収の観点から、例えば50体積%未満とすることが好ましい。
以上、実施の形態、適用例および実施例を挙げて説明したが、本開示内容は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、光電変換素子として、緑色光を検出する有機光電変換部20と、青色光,赤色光をそれぞれ検出する無機光電変換部32B,32Rとを積層させた構成としたが、本開示内容はこのような構造に限定されるものではない。即ち、有機光電変換部において赤色光あるいは青色光を検出するようにしてもよいし、無機光電変換部において緑色光を検出するようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、裏面照射型の固体撮像素子10(および固体撮像装置1)の構成を例に挙げて説明したが、表面照射型の固体撮像装置にも適用可能である。更に、積層型の固体撮像装置(半導体基板上に光電変換層を有するもの)であれば、上記実施の形態等で示した縦方向分光型のものであってもよいし、半導体基板上に、複数色の撮像素子を2次元配列(例えばベイヤー配列)させたものであってもよい。
更にまた、これらの有機光電変換部および無機光電変換部の数やその比率も限定されるものではなく、2以上の有機光電変換部を設けてもよいし、有機光電変換部だけで複数色の色信号が得られるようにしてもよい。また、本開示の固体撮像装置および光電変換素子では、上記実施の形態等で説明した各構成要素を全て備えている必要はなく、また逆に他の層を備えていてもよい。
更に、本開示の技術は、固体撮像装置だけでなく、例えば太陽電池にも適用することが可能である。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本開示は、以下のような構成であってもよい。
[1]
対向配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられると共に、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表わされる化合物を少なくとも1種含む光電変換層と
を備えた固体撮像素子。
Figure 2018032754
(R1〜R6は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR1〜R6は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
Figure 2018032754
(R7〜R11は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR7〜R11は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
[2]
前記光電変換層は、p型半導体材料、n型半導体材料および色素材料を含み、
前記一般式(1)および前記一般式(2)で表わされる化合物は、n型半導体材料である、前記[1]に記載の固体撮像素子。
[3]
前記光電変換層は、p型半導体材料としてDTTまたはDTT誘導体を含み、色素材料としてサブフタロシアニンまたはサブフタロシアニン誘導体を含む、前記[1]または[2]に記載の固体撮像素子。
[4]
前記光電変換層は、前記一般式(1)または前記一般式(2)で表わされる化合物を10体積%以上50体積%未満の範囲で含有している、前記[1]乃至[3]のうちのいずれかに記載の固体撮像素子。
[5]
前記色素材料は、前記一般式(1)または前記一般式(2)で表わされる化合物よりも高いLUMO準位を有する、前記[2]乃至[4]のうちのいずれかに記載の固体撮像素子。
[6]
前記色素材料のLUMO値は、前記一般式(1)または前記一般式(2)で表わされる化合物のLUMO値よりも0.2eV高い、前記[2]乃至[5]のうちのいずれかに記載の固体撮像素子。
[7]
前記一般式(1)または前記一般式(2)で表わされる化合物は、分子間水素結合を形成する、前記[1]乃至[6]のうちのいずれかに記載の固体撮像素子。
[8]
前記色素材料は、可視領域の波長を吸収する、前記[2]乃至[7]のうちのいずれかに記載の固体撮像素子。
[9]
1または複数の前記光電変換層を有する有機光電変換部と、前記有機光電変換部とは異なる波長帯域の光電変換を行う1または複数の無機光電変換部とが積層されている、前記[1]乃至[8]のうちのいずれかに記載の固体撮像素子。
[10]
前記無機光電変換部は、半導体基板に埋め込み形成され、
前記有機光電変換部は、前記半導体基板の第1面側に形成されている、前記[9]に記載の固体撮像素子。
[11]
前記半導体基板の第2面側に多層配線層が配設されている、前記[10]に記載の固体撮像素子。
[12]
前記有機光電変換部が緑色光の光電変換を行い、
前記半導体基板の内部に、青色光の光電変換を行う無機光電変換部と、赤色光の光電変換を行う無機光電変換部とが積層されている、前記[10]または[11]に記載の固体撮像素子。
[13]
1または複数の固体撮像素子がそれぞれ設けられている複数の画素を備え、
前記固体撮像素子は、
対向配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられると共に、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表わされる化合物を少なくとも1種含む光電変換層と
を有する固体撮像装置。
Figure 2018032754
(R1〜R6は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR1〜R6は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
Figure 2018032754
(R7〜R11は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR7〜R11は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
1…固体撮像装置、10…固体撮像素子、20…有機光電変換部、21…下部電極、22…光電変換層、23…上部電極、24…固定電荷層、25…誘電体層、26…層間絶縁層、27…保護層、30…半導体基板、31…pウェル、32B,32R…無機光電変換部、33…ゲート絶縁層、34…貫通電極、35…下部第1コンタクト、36…上部コンタクト、37…ゲート配線層、40…多層配線、41,42,43…配線層、44…絶縁層、45…下部第2コンタクト、46…下部第3コンタクト、50…分離溝。

Claims (13)

  1. 対向配置された第1電極および第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられると共に、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表わされる化合物を少なくとも1種含む光電変換層と
    を備えた固体撮像素子。
    Figure 2018032754
    (R1〜R6は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR1〜R6は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
    Figure 2018032754
    (R7〜R11は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR7〜R11は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
  2. 前記光電変換層は、p型半導体材料、n型半導体材料および色素材料を含み、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)で表わされる化合物は、n型半導体材料である、請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記光電変換層は、p型半導体材料としてDTTまたはDTT誘導体を含み、色素材料としてサブフタロシアニンまたはサブフタロシアニン誘導体を含む、請求項1に記載の固体撮像素子。
  4. 前記光電変換層は、前記一般式(1)または前記一般式(2)で表わされる化合物を10体積%以上50体積%未満の範囲で含有している、請求項1に記載の固体撮像素子。
  5. 前記色素材料は、前記一般式(1)または前記一般式(2)で表わされる化合物よりも高いLUMO準位を有する、請求項2に記載の固体撮像素子。
  6. 前記色素材料のLUMO値は、前記一般式(1)または前記一般式(2)で表わされる化合物のLUMO値よりも0.2eV高い、請求項2に記載の固体撮像素子。
  7. 前記一般式(1)または前記一般式(2)で表わされる化合物は、分子間水素結合を形成する、請求項1に記載の固体撮像素子。
  8. 前記色素材料は、可視領域の波長を吸収する、請求項2に記載の固体撮像素子。
  9. 1または複数の前記光電変換層を有する有機光電変換部と、前記有機光電変換部とは異なる波長帯域の光電変換を行う1または複数の無機光電変換部とが積層されている、請求項1に記載の固体撮像素子。
  10. 前記無機光電変換部は、半導体基板に埋め込み形成され、
    前記有機光電変換部は、前記半導体基板の第1面側に形成されている、請求項9に記載の固体撮像素子。
  11. 前記半導体基板の第2面側に多層配線層が配設されている、請求項10に記載の固体撮像素子。
  12. 前記有機光電変換部が緑色光の光電変換を行い、
    前記半導体基板の内部に、青色光の光電変換を行う無機光電変換部と、赤色光の光電変換を行う無機光電変換部とが積層されている、請求項10に記載の固体撮像素子。
  13. 1または複数の固体撮像素子がそれぞれ設けられている複数の画素を備え、
    前記固体撮像素子は、
    対向配置された第1電極および第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられると共に、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表わされる化合物を少なくとも1種含む光電変換層と
    を有する固体撮像装置。
    Figure 2018032754
    (R1〜R6は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR1〜R6は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
    Figure 2018032754
    (R7〜R11は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基およびそれらの誘導体、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR7〜R11は、縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。上記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023167234A1 (ja) * 2022-03-02 2023-09-07 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、有機薄膜、光電変換素子、撮像素子、光センサー及び固体撮像装置

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