JP2018032484A - 電池材料の製造方法、電解質膜の製造方法及び電池材料 - Google Patents

電池材料の製造方法、電解質膜の製造方法及び電池材料 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量小型化が可能で、薄膜タイプであり、高いリチウムイオン伝導性を有する電池材料を提供すること、及び軽量小型化が可能で、薄膜タイプであり、高いリチウムイオン伝導性を有する電池材料を簡易且つ簡便に製造できる電池材料の製造方法を提供すること。【解決手段】多数の電極内空隙を有する電極と、該電極上に載置された、ナノファイバーからなり多数の不織布内空隙を有する不織布における、該不織布内空隙に電解質マトリクスが充填されてなる、電極及び電解質膜を有する電池材料の製造方法であって、以下の各工程を順不同にて行う電池材料の製造方法。(A工程)上記電極と上記不織布とを積層する工程(B工程)上記不織布内空隙に電解質マトリクスを充填する工程(C工程)上記電極内空隙に電解質マトリクスを充填する工程【選択図】図3

Description

本発明は、電池材料の製造方法、及び電池材料に関し、さらに詳しくは、軽量小型化が可能で、薄膜タイプであり、高いリチウムイオン伝導性を有する電池材料とその製造方法に関するものである。
全固体型電池は安全性に優れ、サイクル寿命にも優れていることが知られている。さらに、高分子材料を用いて全固体型電池を作成できれば、軽量化や小型化が容易で、薄膜化もできるため、これまでにない全く新しい用途展開が期待できる。
そのため種々全固体型電池に対応できるような電池材料の提案がなされている。
たとえば、特許文献1には、集電箔を使用せず、得られる電池の軽量化に貢献でき、セパレータを別途用意する必要が無く、電池構成も簡略化できるリチウムイオン二次電池用電極として、空隙の水銀圧入法によるメディアン径が0.5〜20μmの多孔質シートである支持体シートであって活物質を含有する活物質含有材料が含浸された支持体シートの表面に金属薄膜が形成されてなり、該正極が備える正極活物質含有層及び該負極が備える負極活物質含有層をこれらの層の全面に亘って欠陥なく分離するための層状セパレータ領域であって該電解質の中の電池反応に関与するイオンが移動可能な層状セパレータ領域となる分離領域と、該正極活物質含有層又は該負極活物質含有層である活物質含有領域と、該金属薄膜からなる集電領域と、をこの順に備えるシート型電極が提案されている。
また、特許文献2には、高い伝導性を有するリチウムイオン電池用固体電解質として、高分子材料からなるナノファイバーであって、該高分子材料は、リチウムイオンを含有し、上記高分子材料は、脂肪族あるいは芳香族ポリマーの主鎖あるいは/かつ側鎖に、エチレンオキサイドユニットを含む繰り返し単位を有し、上記エチレンオキシドユニットと相互作用するリチウム塩あるいはリチウムイオンを含有する電解質が提案されている。
特開2016-134296号公報 特開2016-102287号公報
しかしながら、上述の提案に係る電池材料では、全固体型電池へ応用するためには、10-3Scm-1以上のリチウム伝導性が望まれているところ、未だこの条件をクリアできていない。
現状では、更に高伝導性を有する電池材料の開発が要望されている。
したがって本発明の目的は、軽量小型化が可能で、薄膜タイプであり、高いリチウムイオン伝導性を有する電池材料を提供すること、及び軽量小型化が可能で、薄膜タイプであり、高いリチウムイオン伝導性を有する電池材料を簡易且つ簡便に製造できる電池材料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、電極と電解質膜とを積層してなる電池材料において、電解質膜を特定の不織布で構成すると共に電解質膜の空隙に電解質マトリクスを充填してなる電池材料が上記目的を達成し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.多数の電極内空隙を有する電極と、該電極上に載置された、ナノファイバーからなり多数の不織布内空隙を有する不織布における、該不織布内空隙に電解質マトリクスが充填されてなる、電極及び電解質膜を有する電池材料の製造方法であって、
以下の各工程を順不同にて行う電池材料の製造方法。
(A工程)上記電極と上記不織布とを積層する工程
(B工程)上記不織布内空隙に電解質マトリクスを充填する工程
2.上記電池材料において、上記電極における上記電極内空隙にも上記電解質マトリクスが充填されており、更に(C工程)上記電極内空隙に電解質マトリクスを充填する工程
を具備する1記載の製造方法。
3.B工程を行った後、A工程を行う1又は2記載の製造方法。
4.
B工程を、不織布に過剰量の電解質マトリクスを充填させることにより行い、
この過剰量の電解質マトリクスを含有する不織布を上記電極と積層する上記A工程によりC工程を行う3記載の製造方法。
5.A工程を最後に行う3記載の製造方法。
6.A工程を行った後、B工程を行う2記載の製造方法。
7.B工程とC工程とを同時に行う6記載の製造方法。
8.C工程、A工程、B工程の順に行う6記載の製造方法。
9.ナノファイバーの不織布と、該不織布の不織布内空隙に充填された電解質マトリクスとからなる電解質膜を製造する製造方法であって、
上記電解質マトリクスが、高分子化合物とイオン伝導体とを含有する高分子マトリクスであり、
上記不織布に電解質マトリクスを溶媒に溶解してなる電解質マトリクス溶液を充填する充填工程と、
電解質マトリクス溶液が充填されてなる不織布を乾燥する乾燥工程とを具備し、
上記電解質マトリクス溶液における電解質マトリクスの含有量が該電解質マトリクス溶液全体中5〜25重量%である
ことを特徴とする電解質膜の製造方法。
10.多数の電極内空隙を有する電極と、該電極上に載置された、ナノファイバーの不織布からなり多数の不織布内空隙を有する電解質膜とを具備してなり、
上記電解質マトリクスが、高分子化合物とイオン伝導体とを含有する高分子マトリクスであり、
上記電極内空隙が、平均孔径10nm〜2000nmであり、空隙率((全空隙の体積/全体積)×100)が50%〜80%であり、該電極内空隙への充填率が50%〜100%であり、
上記不織布内空隙が、平均孔径50nm〜5000nmであり、空隙率((全空隙の体積/全体積)×100)が50%〜95%であり、該不織布内空隙への充填率が50%〜100%である、
ことを特徴とする電池材料。
本発明の電池材料は、軽量小型化が可能で、薄膜タイプであり、高いリチウムイオン伝導性を有するものである。
また、本発明の電池材料の製造方法によれば、軽量小型化が可能で、薄膜タイプであり、高いリチウムイオン伝導性を有する電池材料を簡易且つ簡便に製造できる。
図1は、本発明の電池材料の1実施形態を示す模式図である。 図2は、本発明の電池材料の他の実施形態を示す模式図である。 図3は、本発明の電池材料の製造方法の1実施形態を示す模式図である。 図4は、本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図5は、本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図6は、本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図8は、作成例1におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図9は、作成例2におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図10は、作成例3におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図11は、比較作成例1におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図12は、比較作成例2におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図13は、作成例4におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図14は、作成例5におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図15は、比較作成例3におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図16は、実施例1の電池材料のSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。 図17は、比較例1の電池材料のSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。 図18は、比較例2の電池材料におけるSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。 図19は、実施例1及び比較例5〜7で得られた複合膜のDSC試験結果を示すグラフチャートである。 図20は、実施例10で得られたコイン電池のレート試験結果を示すグラフである。 図21は、実施例11の電池材料におけるSEM写真であり、不織布側の表面(図中左)及び断面(図中右)のSEM写真(図面代用写真)である。 図22は、比較例9の電池材料におけるSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図23は、比較例10の電池材料におけるSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。 図24は、比較例10における電池のみを示すSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明の電池材料の製造方法により得られる電池材料について説明する。
本発明の電池材料の製造方法により得られる電池材料は、多数の電極内空隙を有する電極と、該電極上に載置された、ナノファイバーからなり、多数の不織布内空隙を有する不織布における、該不織布内空隙に電解質マトリクスが充填されてなるものである。
まず、本発明の電池材料を構成する各構成部材について説明する。
(電極)
本発明において用いられる上記電極は、通常この種のリチウムイオン電池に用いられる電極と同様に活物質、導電助剤及びバインダーにより構成される。
本発明においては、上記電極として、通常のアルミ電極(たとえば宝泉社等)の市販品を用いることもできる他、活物質をリン酸鉄リチウム(たとえば三井造船社等の製造している市販品を用いることもできる)、導電助剤をアセチレンブラック(たとえばDenka社等の製造している市販品を用いることもできる)、バインダーをポリフッ化ビニリデン(N−メチルピロンドン溶液(たとえばクレハ社等の製造している市販品を用いることもできる))とし、常法に従って製造される電極などを用いることができる。
また、上記電極は、空隙を有する。空隙の平均孔径は、10nm〜2000nmであるのが好ましく、空隙率(電極全体の体積に対する空隙の合計体積の比)は、20%〜90%であるのが好ましく、50%〜80%であるのがさらに好ましい。
ここで、平均孔径は電極の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、20点の空隙についてその最大径を計測し、その平均を採り、その値とした。また、標準偏差を±の値で表すものである。
また、空隙率は、同様にSEMにより観察した空隙を画像解析する手法(東レリサーチセンター「The TRC News No.117(Sep.2013)”Liイオン電池における最新SEM観察事例−経験を活用したダメージレス断面加工への挑戦−”」等参照)等により測定できるが、スラリーとして作製した一定体積の電極の重量、見かけの体積(表面のみかけの面積と断面SEM観察より算出した膜厚を使用して算出される体積)、及び比重を下記式に代入して空隙率を得た。
空隙率(%)=[1−{スラリーとして作製した一定体積の電極の重量(g)/(表面のみかけの面積(cm)×膜厚(cm)×比重(g/cm))}]×100
また、上記電極の厚さは、1μm〜100μmとするのが好ましく、5μm〜50μmとするのがさらに好ましい。
(電解質膜)
上記電解質膜は、後述する電解質マトリクスと不織布とからなる複合膜である(以下、単に「複合膜」という場合もある)。この際用いられる不織布としては、上述の特許文献2に記載の高分子材料をエレクトロスピニング法によりナノファイバー化してなる高分子ナノファイバー(以下、本明細書において「ナノファイバー」と「高分子ナノファイバー」とを混在させて用いる場合があるが、両者は同義の文言である)を用いて形成されたナノファイバー集積体が好ましく用いられる。
上記高分子材料としては、上述の特許文献2(特開2016-102287号公報)の段落番号0007〜0014に記載の高分子材料を好ましく用いることができるが、特に好ましくは以下の化合物を挙げることができる。中でも後述するグラフト高分子を好ましく用いることができる。
<高分子材料>
上記高分子材料は、イオン電導性を有するものとイオン伝導性を有しないものとのいずれをも用いることができるが、本発明においては下記A)及びB)の構成成分を有するものを好ましく用いることができる。
A)脂肪族あるいは芳香族ポリマーの主鎖あるいは/かつ側鎖に、エチレンオキサイドユニットを含む繰り返し単位を有する。
B)上記エチレンオキシドユニットと相互作用するリチウム塩あるいはリチウムイオンを含有する。
具体的には、上記高分子材料は、
エチレンオキサイドユニットを主鎖に有するポリエチレンオキサイド高分子およびその共重合体、
ポリエチレンオキサイドユニットを側鎖グラフト構造として有するグラフト高分子、及び
該ポリエチレンオキサイド高分子と形状安定化を志向した異種高分子のブレンド物からなる群より選択される高分子物を含み、この高分子物に後述するリチウム塩又はリチウムイオンを含有させてリチウムイオンを含有する高分子材料としてなるものであるのが好ましい。
以下、上記高分子物についてさらに具体的に説明する。
(ポリエチレンオキサイド高分子)
上記ポリエチレンオキサイド高分子及びその共重合体としては、エチレンオキサイドユニットを主鎖に有するものであればとくに制限されないが、具体的には、下記骨格を有するものが挙げられる。
一般式(2)及び(3)中、m、n及びlは、それぞれ整数であり、
mは、1〜25000、
nは、1〜25000、
lは、1〜25000を示す。
また、xは、0〜20の整数を示す。
また、bは、ブロック構造あるいはランダム構造であることを示す。
また、上記高分子材料の平均分子量(Mw)は
1.0×10〜1.0×107
とするのが好ましい。
(グラフト高分子)
上記グラフト高分子は、下記骨格を有するものが挙げられる。

上記式(4)、(5)及び(6)中、n、1−n及びmはそれぞれ(重合分率)を示し、nは、0≦n≦1の数を示し、mは側鎖重合度を満足する数、すなわち1〜1000の数を示す。
上記各式を満足するグラフト高分子としては、特に具体的には、3,5−ジアミノ安息香酸(DABA)と、2,2−ビスフェニルヘキサフルオロイソプロピリデントカルボン酸二無水物(6FDA)とを反応させて得られるポリイミドの側鎖にテトラエチレングリコールモノメチルエーテル(TEGME、m=4)を反応させて側鎖にポリエチレングリコールユニットからなるグラフト構造を導入した化合物(6FDA−DABA−g−TEGME、一般式(4)において下線を引いた基を具備し、RがCOOである高分子)、等を挙げることができる
また、上記グラフト高分子における側鎖導入率((導入された側鎖mol数)/(主鎖繰返しユニットのmol数)×100)は、50〜150%であるのが好ましい。
上記グラフト高分子の重量平均分子量(Mw)は、1.0×10〜1.0×107であるのが好ましい。
リチウムイオンの導入量は上述のポリエチレンオキサイド高分子における導入量と同様である。
(ブレンド物)
上記ブレンド物は、上記ポリエチレンオキサイド高分子と、ポリエチレンオキサイド高分子と形状安定化を志向した異種高分子、具体的には上記グラフト高分子とを混合してなるものが好ましい。
上記ブレンド物における上記ポリエチレンオキサイド高分子と上記グラフト高分子との混合割合は、上記ポリエチレンオキサイド高分子10〜90重量部に対して上記グラフト高分子90〜10重量部とするのが好ましく、上記ポリエチレンオキサイド高分子20〜80重量部に対して上記グラフト高分子80〜20とするのがさらに好ましい。
リチウムイオンの導入量は上述のポリエチレンオキサイド高分子における導入量と同様である。
(リチウムイオン)
本発明における上記高分子材料はリチウムイオンを含有するのが好ましい。リチウムイオンは、リチウム塩を上記高分子物と混合することで上記高分子材料に上記リチウムイオンを含有させるか、又は上記高分子物そのものにリチウムイオン性基を導入することで上記高分子材料に上記リチウムイオンを含有させることができる。
本発明においてリチウムイオンの導入に際して用いられるリチウム化合物(リチウム塩)としては、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムクロライド(LiCl)、リチウムブロマイド(LiBr)、過塩素酸リチウム(LiClO)、テトラフルオロボレート(LiBF)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ヘキサフルオロヒ酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビスフルオロスルホニルイミド(LiFSI)、リチウムビスパーフルオロエチルスルホニルイミド(LiBETI)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)リチウムフルオロアルキルボレート(LiFAB)、リチウムジフルオロオキサラートボレート(LiFOB)、リチウムビスオキサレートボラート(LiBOB)などを挙げることができる。
リチウムイオンの導入量は、PEOのエーテル酸素2〜48個に対してリチウムが1個配位する量とするのが好ましい。
このリチウムイオンに関する記載は上記高分子物がポリエチレンオキサイド高分子及びその共重合体の場合だけでなく、他のグラフト高分子及びブレンド物についても妥当する。
<高分子ナノファイバー>
上記高分子ナノファイバーの繊維径(直径)は、ポリエチレンオキサイド高分子、グラフト高分子及びブレンド物のいずれにおいても50nm〜1000nmとするのが好ましい。また、繊維長は10μm以上であるのが好ましく、アスペクト比は100以上であるのが好ましい。
(ナノファイバー繊維集積体(不織布))
本発明において用いられる不織布(ナノファイバー繊維集積体)は、上記高分子材料をエレクトロスピニング法によりナノファイバー化してなる高分子ナノファイバーを用いて形成された繊維集合体であり、その厚みは5〜50μmであるのが好ましく、坪量は1〜4g/mであるのが好ましい。
上記不織布内空隙が、平均孔径が好ましくは50nm〜5000nm、更に好ましくは100nm〜2000nmであり、空隙率((全空隙の体積/全体積)×100)が好ましくは50%〜95%で、更に好ましくは60%〜90%である。
ここで、平均孔径は不織布の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、20点の空隙についてその最大径を計測し、その平均を採り、その値とした。また、標準偏差を±の値で表すものである。
また、空隙率は、同様にSEMにより観察した空隙を画像解析する手法(東レリサーチセンター「The TRC News No.117(Sep.2013)”Liイオン電池における最新SEM観察事例−経験を活用したダメージレス断面加工への挑戦−”」等参照)等により測定できるが、不織布の一定体積当たりの重量、見かけの体積(表面のみかけの面積と断面SEM観察より算出した膜厚を使用して算出される体積)、及び比重を下記式に代入して空隙率を得た。
空隙率(%)=[1−{不織布の一定体積当たりの重量(g)/(表面のみかけの面積(cm)×膜厚(cm)×比重(g/cm))}]×100
本発明の電池材料においては、電極上にナノファイバー繊維集積体である不織布が積層されると共にこの不織布には電解質マトリクスが充填された構造(電解質膜)となっている(以下、この不織布に電解質マトリクスが充填されたもののみをさして、「複合膜」という場合がある)。
(他の成分)
上記ナノファイバー及びナノファイバー繊維集積体においては、上述の各成分のほか、本発明の所望の効果を損なわない範囲で種々成分を添加することができる。
(製造方法)
本発明において用いられる上記ナノファイバーは、まず、上記高分子物とリチウム化合物(リチウム塩)とを混合し溶媒に溶解してリチウム塩含有高分子材料溶液を調製し、次いで、エレクトロスピニング装置「エスプレイヤ−ES−1000」(商品名、Fuence社製)に、リチウム塩含有高分子材料溶液が充填されたシリンジをセットして、エレクトロスピニング法を行うことにより得ることができる。なお、コレクターとしては、テフロン(登録商標)基板の上にアルミ箔を設置したものを用いることができる。また、溶液の放出量は0.0001mL/Sec〜0.01mL/Secとすることができ、シリンジと基板との距離は、5cm〜20cmとすることができ、シリンジ−基板間に印加する電圧は5kV〜30kVとすることができる。この際得られるナノファイバー繊維を集積させることにより、ナノファイバーを調整すると同時に繊維集積体を調整することができる。この際用いる溶媒としてはこの種のエレクトロスピニング法に用いられるものを特に制限なく用いることができるが、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒等を用いることができる。また、溶液の濃度は特に制限されずエレクトロスピニング法において採用される濃度を適宜採用できる。
(電解質マトリクス)
上記電解質マトリクスとしては、ポリエチレンオキサイド(PEO)(Aldrich社等)等の高分子化合物にリチウム塩などのイオン伝導体を混合してなる高分子マトリクス等を用いることができる。
ここで、上記高分子化合物としてポリエチレンオキサイド(PEO)を用いる場合、その数平均分子量Mn(GPC法などの常法により測定)は、550〜1000000であるのが好ましく、重合度は、12〜25000であるのが好ましく、市販品を用いることもできる。
上記リチウム塩としては、上述のリチウム塩を用いることができ、リチウム塩の導入量は、PEOのエーテル酸素2〜48個に対してリチウムが1個配位する量とするのが好ましい。
以下に本発明の電池材料の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す電池材料1は、電極20に電解質膜10が積層されている。そして電極20には電極内空隙22に電解質マトリクスが充填されておらず、電解質膜10は不織布を構成するナノファイバー12間における空隙に電解質マトリクス14が充填されてなる。
図2に示す電池材料2は、電極20に電解質膜10が積層されている。そして電極20には電極内空隙22に電解質マトリクスが充填されており、電解質膜10は不織布を構成するナノファイバー12間における空隙に電解質マトリクス14が充填されてなる
上記の電池材料においては、上述のように電極内空隙を有する電極と不織布内空隙を有する不織布とを用いるが、上記電極内空隙に電解質マトリクスを充填する場合の充填率は、50%〜100%であるのが好ましく、70%〜100%であるのがさらに好ましく、90%〜100%であるのが最も好ましい。
また、上記不織布と上記電解質マトリクスとの配合割合は、電解質マトリクスに何を用いるかによって任意ではあるが、両者の合計量を100重量%とした場合に、上記不織布10重量%〜30重量%に対して上記電解質マトリクス90重量%〜70重量%とするのが好ましい。上記不織布内空隙への充填率は50%〜100%であるのが好ましく、70%〜100%であるのがさらに好ましく、90%〜100%であるのが最も好ましい。また、不織布への充填においては100%を超える充填率とすることも可能である。この場合には不織布内空隙に充填しきれない電解質マトリクスが不織布の表面に滲出して電解質マトリクスの層を形成する。後述するようにこのように電解質マトリクスを充填した不織布を上記電極に積層することで電解質マトリクスの層から電解質マトリクスを電極内空隙に充填することも可能である。
ここで上記充填率は上述した空隙率の測定と同様にSEM写真から求めることができる。具体的には、電解質マトリクスの充填された電極又は不織布の断面をSEMにより観察し、20点の空隙について電解質マトリクスが充填されているか否かを判定し、全体のどの程度充填されているかを%表示することで求められる。
<電池材料の製造方法>
本発明の電池材料の製造方法は、上述の電池材料の製造方法であって、以下の各工程を順不同にて行うことにより、実施できる。
(A工程)上記電極と上記不織布とを積層する工程
(B工程)上記不織布内空隙に電解質マトリクスを充填する工程
また、本発明の製造方法においては、更に(C工程)上記電極内空隙に電解質マトリクスを充填する工程を行うのが好ましい。
更に(C工程)上記電極内空隙に電解質マトリクスを充填する工程を行うこともできる。
ここで、各工程A〜Cは、上述の第1及び第2の実施形態に応じてそれらの工程を行う順番や条件が異なるので、製造方法の実施形態を説明しつつ各工程についても説明する。
(第1の実施形態:上記の第1の実施形態の電池材料の製造)
この場合には、上記A工程及び上記B工程のみを行うが、図3に示すように、上記B工程を行った後上記A工程を行う。
この際、上記A工程、すなわち電解質膜(上述の不織布と電解質マトリクスとからなる電解質膜)の製造は、上記電解質マトリク上記不織布に電解質マトリクスを溶媒に溶解してなる電解質マトリクス溶液を充填する充填工程と、電解質マトリクス溶液が充填されてなる不織布を乾燥する乾燥工程とを行うことにより実施できる。
上記充填工程は、不織布に電解質マトリクス溶液を含浸させる手法であれば、浸漬させる手法やチャンバー内に載置した不織布に電解質マトリクス溶液を電解質マトリクスが所定の充填量となる量投入する手法など種々の手法を採用することができる。
ここで上記電解質マトリクス溶液における電解質マトリクスの含有量(すなわち電解質マトリクスの濃度)は、該電解質マトリクス溶液全体中5重量%〜25重量%であり、5重量%〜20重量%であるのが好ましい。
(第2の実施形態:上記の第2の実施形態の電池材料の製造1)
本形態においては、図4に示すように、B工程を、電解質膜に過剰量の電解質マトリクスを充填させることにより行い、この過剰量の電解質マトリクスを含有する電解質膜を上記電極と積層すること、すなわち上記A工程を行うことにより、C工程を行う。
ここで、過剰量とは、上記不織布内空隙への電解質マトリクスの充填可能限度量を超えて電解質マトリクスの充填を行った場合の充填可能限度量を超える電解質マトリクスの量を意味し、具体的には、上記不織布と上記電解質マトリクスとの合計量を100重量%とした場合に、上記不織布10重量%又はこれ未満の量に対して上記電解質マトリクス90重量%又はこれを超える量配合することを意味する。
この際、過剰量の電解質マトリクスを含有する場合、不織布の充填可能量を超えて電解質マトリクスが存在することとなるため、不織布の表面に電解質マトリクスによる層が形成される場合が多い。
そして、C工程を行うことによりこの過剰量の電解質マトリクスを電極に充填させる。この際の条件は、温度を0℃〜100℃、充填時間を1時間〜24時間とすること等により行うことができる。
(第3の実施形態:上記の第2の実施形態の電池材料の製造2)
本形態においては、図5に示すように、A工程を行って、電極と電解質膜とを積層した後、B工程を行って、不織布に電解質マトリクス溶液を含浸させることにより不織布に電解質マトリクスを含浸させると同時に、電解質膜を通じて電極に電解質マトリクスを含浸させることによりC工程を行う。
この際、B工程とC工程とを同時に行うので、電解質マトリクス溶液が不織布を通過して電極内にも含浸されて電解質マトリクスが充填されるように、電解質マトリクス溶液の電解質マトリクス濃度は該電解質マトリクス溶液全体中5〜25重量%であり、5重量%〜20重量%であるのが好ましい。
(第4の実施形態:上記の第2の実施形態の電池材料の製造3)
本形態においては、図6に示すように、まず、C工程を行って電極に電解質マトリクスを充填させ、次いでB工程を行って電解質膜に電解質マトリクスを充填させ、最終に両者を積層してA工程を行う。
(第5の実施形態:上記の第2の実施形態の電池材料の製造4)
本形態においては、図7に示すようにC工程の充填を行った後、A工程の積層を行い、最後に電解質膜に電解質マトリクスを充填させるB工程を行う。
上述の各実施形態により得られる電池材料は上述の通りのものであるが、特に好ましくは以下の電池材料である。
多数の電極内空隙を有する電極と、該電極上に載置された、ナノファイバーの不織布からなり多数の不織布内空隙を有する電解質膜とを具備してなり、
上記電解質マトリクスが、高分子化合物とイオン伝導体とを、両者の合計量を100重量%としたときに高分子化合物20重量%〜90重量%、イオン伝導体80重量%〜10重量%で含有する高分子マトリクスであり、
上記電極内空隙が、平均孔径10nm〜2000nmであり、空隙率((全空隙の体積/全体積)×100)が50%〜80%であり、該電極内空隙への充填率が50%〜100%であり、
上記不織布内空隙が、平均孔径50nm〜5000nm、更に好ましくは100nm〜2000nmであり、空隙率((全空隙の体積/全体積)×100)が50%〜95%好ましくは60%〜90%であり、該不織布内空隙への充填率が50〜100%である、電池材料。
<使用態様及び利点>
本発明の電池材料は、通常のリチウムイオン電池と同様に構成して電池として用いることができる。本発明の電池材料の製造方法により製造される電池は、薄型で柔軟性を持たせることが可能であり、しかも高い電池特性を有するものとすることが可能であるため、各種用途に対応した新しい形態の電池を提供することが可能である。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
(合成例1)
[6FDA−DABA(ポリイミド1)の合成(グラフト高分子系材料の前駆体の合成)]
3,5−ジアミノ安息香酸(DABA,Aldrich社製)9gに、蒸留水180ml、活性炭素0.9g(関東化学製)を加え、その後90℃で2時間撹拌した。ろ過により、ろ液を回収し、窒素雰囲気下で1時間冷却し、再結晶を行った。また4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA,セントラル化学製)16gを昇華管に導入し、マントルヒーターおよびスライダックにより加熱し、昇華精製を行った。窒素雰囲気下において、精製した6FDA5.0gとDABA1.7124gに脱水ジメチルアセトアミド(DMAc,関東化学製)110mlを加え、25℃で24時間撹拌した。その後、無水酢酸8.46ml(89.6mmol,関東化学製)及びトリエチルアミン12.48ml(89.6mmol,関東化学製)をこの順番に加え、25℃で24時間撹拌した。メタノールを用いてポリマーを沈殿させた後、ろ物であるポリイミドをメタノールで数回洗浄して回収した(このポリイミドを「ポリイミド1」という)。さらに、回収したポリイミド1は、60℃で12時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。
(合成例2)
[エチレンオキシド鎖を有する高分子(PEGグラフト1)の合成]
溶媒としてジメチルホルムアミド(60ml)を用い合成例1で合成したポリイミド1を6g(10.71mmol)室温で24時間撹拌し、溶解させた。その後、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド6.63g(32.13mmol,Aldrich社製)、N−ヒドロキシスクシンイミド3.70g(32.13mmol,東京化成社製)を加え0℃で溶解させた後、ジメチルアミノピリジン0.39g(3.21mmol,関東化学社製)、Mw=550のポリエチレングリコールモノメチルエーテル29.44g(53.55mmol,東京化成社製)を加え、窒素雰囲気下で20時間撹拌した。メタノールを用いて沈殿させた後、ろ物である高分子をメタノールで数回洗浄して回収した(この高分子を「PEGグラフト1)という)。さらに、回収した、PEGグラフト1は、70℃で12時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。また上述の構造解析と同様の装置を用いてH−NMR測定を行い、3.51ppm、3.33ppm(t、48H)にPEG側鎖のCHに由来するピ−クが観測された。側鎖導入率は88%であった。
(合成例3)
[異なるPEG鎖長を有する高分子(PEGグラフト2)の合成]
溶媒としてジメチルホルムアミド(75ml)を用い合成例1で合成したポリイミド1を5g(8.31mmol)室温で24時間撹拌し、溶解させた。その後、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド5.52g(25.2mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド3.07g(25.2mmol)を加え0℃で溶解させた後、ジメチルアミノピリジン0.32g(2.52mmol)、Mw=350のポリエチレングリコールモノメチルエーテル33.42g(83.1mmol)を加え、窒素雰囲気下で48時間撹拌した。メタノールを用いて沈殿させた後、ろ物である高分子をメタノールで数回洗浄して回収した(この高分子を「PEGグラフト2」という)。さらに、回収した、PEGグラフト2は、70℃で12時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。また上述の構造解析と同様の装置を用いてH−NMR測定を行い、3.51ppm、3.33ppm(t、30H)にPEG側鎖のCHに由来するピ−クが観測された。側鎖導入率は85%であった。
(合成例4)
[異なるPEG鎖長を有する高分子(PEGグラフト3)の合成]
溶媒としてジメチルホルムアミド(35ml)を用い合成例1で合成したポリイミド1を2.15g(3.84mmol)室温で24時間撹拌し、溶解させた。その後、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド2.373g(11.52mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.32g(11.52mmol)を加え0℃で溶解させた後、ジメチルアミノピリジン0.14g(1.15mmol)、Mw=2000のポリエチレングリコールモノメチルエーテル38.4g(19.2mmol)を加え、窒素雰囲気下で48時間撹拌した。メタノールを用いて沈殿させた後、ろ物である高分子をメタノールで数回洗浄して回収した(この高分子を「PEGグラフト3」)という)。さらに、回収した、PEGグラフト3は、70℃で12時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。また上述の構造解析と同様の装置を用いてH−NMR測定を行い、3.51ppm、3.33ppm(t、180H)にPEG側鎖のCHに由来するピ−クが観測された。側鎖導入率は69%であった。
(作成例1)
[リチウム塩含有(1/24)高分子ナノファイバー(A−1)の作製]
[リチウム塩添加(LiTFSI)PEGグラフト1のナノファイバー化]
ジメチルホルムアミドに合成例2で合成したPEGグラフト1を両者の合計量中22重量%となるように加えて溶解させた後、リチウム(ビストリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiTFSI,関東化学製)をPEG側鎖のエーテル酸素24個に対してリチウムが1個配位するように加え、一晩撹拌し、Li塩が添加されてなるPEGグラフト1溶液を調製した。得られたPEGグラフト1溶液を用いてエレクトロスピニング法によりナノファイバーを製造した。エレクトロスピニング法は、フューエンス製商品名「ES−1000」を使用し、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、窒素雰囲気を15%RH、シリンジと基板間に15kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー集積体としてナノファイバー(以下、このリチウム塩含有(1/24)高分子ナノファイバーを「ナノファイバー(A−1)」という)をアルミ基板上に作製した。
[形態・物性評価]
ナノファイバー(A−1)を室温で12時間真空乾燥した後、オスミウムでコ−ティングし、走査型電子顕微鏡(SEM)JSM−6100(日本電子社製)によるナノファイバー集積体の観察を行った。また、図8にナノファイバー(A−1)のSEM像を示す。SEM像から測定されるファイバー直径は、245±23nmであった。なお、ファイバー直径はSEM画像から各ファイバーの径を計測し、20本のファイバーの平均をとり、その平均値と標準偏差を±の値で表すものである。
恒温槽を用いて80℃の高温条件下にファイバーを24時間暴露し、耐熱性試験を行った結果、ファイバー形態の変化は観察されなかった。
平均孔径:1.0±0.3μm
空隙率:70%
繊維集合体の厚み:20μm
目付け:2g/m
(作成例2)
[リチウム塩含有高分子ナノファイバー(A−2)の作製]
[リチウム塩添加(LiTFSI)PEGグラフト1の異なる印加電圧によるナノファイバー化]
ナノファイバーを作製する際の印加電圧を20kVとした以外は、作成例1と同条件でナノファイバー集積体としてナノファイバー(以下、このリチウム塩含有(1/24)高分子ナノファイバーを「ナノファイバー(A−2)」という)を得た。
ナノファイバーを作製し、た。
[形態評価]
作成例1と同様の方法によりSEM観察を行った。その結果を図9に示す。また、ファイバー径は、324±38nmであった。
平均孔径:1.1±0.3μm
空隙率:70%
繊維集合体の厚み:20μm
目付け:2g/m
(作成例3)
[リチウム塩含有高分子ナノファイバー(A−3)の作製]
[リチウム塩添加(LiTFSI)PEGグラフト1の異なる印加電圧によるナノファイバー化]
ナノファイバーを作製する際の印加電圧を24kVとした以外は作成例1と同条件でナノファイバー集積体としてナノファイバー(以下、このリチウム塩含有(1/24)高分子ナノファイバーを「ナノファイバー(A−3)」という)を得た。
[形態評価]
作成例1と同様の方法によりSEM観察を行った。その結果を図10に示す。また、ファイバー径は、433±68nmであった。
平均孔径:1.3±0.5μm
空隙率:70%
繊維集合体の厚み:20μm
目付け:2g/m
(比較作成例1)
[高分子ナノファイバー(A−4)の作製]
[PEGグラフト2のナノファイバー化]
ジメチルホルムアミドに合成例3で合成したPEGグラフト2を両者の合計量中20重量%となるように加えて、一晩撹拌し、PEGグラフト2溶液を調製した。エレクトロスピニングは、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、窒素雰囲気を8%RH、シリンジと基板間に20kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー集積体としてナノファイバーをアルミ基板上に作製した(以下このナノファイバーを「ナノファイバー(A−4)」という)。
[形態・物性評価]
作成例1と同様の方法によりSEM観察を行った。その結果を図11に示す。また、ファイバー径は、318±57nmであった。
平均孔径:1.2±0.2μm
空隙率:70%
繊維集合体の厚み:20μm
目付け:2g/m
水接触角測定の結果より、側鎖分子量350は側鎖分子量550よりも表面が疎水的であることが示された。マトリクスが親水性であることから側鎖分子量550の方が適した材料と判断した。
(比較作成例2)
[高分子ナノファイバー(A−5)の作製]
[PEGグラフト3のナノファイバー化]
ジメチルホルムアミドに合成例4で合成したPEGグラフト3を両者の合計量中60重量%となるように加えて、一晩撹拌し、PEGグラフト3溶液を調製した。エレクトロスピニングは、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、窒素雰囲気を8%RH、シリンジと基板間に20kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー集積体としてナノファイバーをアルミ基板上に作製した(以下このナノファイバーを「ナノファイバー(A−5)」という)。
[形態・物性評価]
実施例1と同様の方法によりSEM観察を行った。その結果を図12に示す。また、ファイバー径は、わずかに溶融していることが観察されたことから算出出来なかった。実施例1と同条件で耐熱性試験を行った結果は、PEG含有量が多すぎたためファイバーが溶解してしまった。
比較作成例1、2より、実施例1で作製したPEGグラフト1(A−1)は、PEG含有量が比較作成例1よりも多く、熱安定性は比較作成例2よりも優れていたため、以降の実施例ではPEGグラフト1を主として扱う。
(作成例4)
[リチウム塩非含有高分子ナノファイバー(A−6)の作製]
[非リチウムイオン伝導性高分子ナノファイバーの作製]
ジメチルホルムアミドに合成例1で合成したポリイミド1を両者の合計量中15重量%となるように加えて、一晩撹拌し、ポリイミド1溶液を調製した。エレクトロスピニングは、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、窒素雰囲気を15%RH、シリンジと基板間に15kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー集積体としてナノファイバーをアルミ基板上に作製した(以下このナノファイバーを「ナノファイバー(A−6)」という)。
[形態評価]
作成例1と同様の方法によりSEM観察を行った。その結果を図13に示す。また、ファイバー径は、240±24nmであった。
平均孔径:0.9±0.3μm
空隙率:70%
繊維集合体の厚み:20μm
目付け:2g/m
(作成例5)
[リチウム塩非含有高分子ナノファイバー(A−7)の作製]
[異なる骨格を有するリチウムイオン伝導性高分子ナノファイバーの作製]
ジメチルホルムアミドにポリアクリロニトリル(PAN)(Mw=1500000,Aldrich製 )を両者の合計量中14重量%となるように加えて、一晩撹拌し、PAN溶液を調製した。エレクトロスピニングは、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、窒素雰囲気を15%RH、シリンジと基板間に10kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー集積体としてナノファイバーをアルミ基板上に作製した(以下このナノファイバーを「ナノファイバー(A−7)」という)。
[形態・物性評価]
作成例1と同様の方法によりSEM観察を行った。その結果を図14に示す。また、ファイバー径は、437±57nmであった。
平均孔径:1.1±0.4μm
空隙率:70%
繊維集合体の厚み:20μm
目付け:2g/m
(比較作成例3)(PEO)
[リチウム塩非含有PEOナノファイバー(A−8)の作製]
アセトニトリルに市販のポリエチレンオキシド(PEO)(Mw=2.0×10)を両者の合計量中20重量%になるように加えて、一晩撹拌し、PEO溶液を調製した。エレクトロスピニングは、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、窒素雰囲気を15%RH、シリンジと基板間に20kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー集積体としてナノファイバーをアルミ基板上に作製した(以下このナノファイバーを「ナノファイバー(A−8)」という)。
[形態・物性評価]
作成例1と同様の方法によりSEM観察を行った。その結果を図15に示す。また、ファイバー径は、743±164nmであった。
作成例1と同様の方法により耐熱性試験を行い、ファイバー形状の消失が観察されたことから、A−8は応用には適さないと判断した。
(実施例1)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−1)の作製]
作成例1で得られたナノファイバー(A−1)に高分子マトリクス(電解質マトリクス)を充填させることでこれらからなる複合膜(電解質膜)を作製した。
高分子マトリクスは、LiTFSIを含有するポリエチレンオキシド(PEOのエーテル酸素24個に対してリチウムが1個配位してなるもの)であり、充填に際しては、純水にポリエチレンオキシド(PEO)(Mw=2.0×10)を両者の合計量中10重量%になるように加え、LiTFSIを、PEOのエーテル酸素24個に対してリチウムが1個配位する量加えたリチウム塩含有PEO溶液(電解質マトリクス溶液、電解質マトリクスの含有量12〜3重量%)を用いた。リチウム塩含有PEO溶液を、ナノファイバー(A−1)30重量%に対して、高分子マトリクス70重量%となるようにキャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子マトリクスが充填されてなる複合材料としての複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−1)」という)。
[断面SEM観察]
得られた複合膜は、HI—1型垂直スライサー(日本分光製)を用いて、実施例1と同様の方法によりSEM観察を行った。得られた複合膜は、断面SEM観察により緻密な構造であることを確認した。その結果を図16に示す。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[コイン型電池の作製]
得られた複合膜をアルゴンガスで充填したバキューム型グローブボックスmini(UNICO製)内に導入し、18φのポンチを用いて円状に抜き、48時間乾燥後、2032型コインセル部材である、ケース、ガスケット、ワッシャー、スペーサー、アルミ電極(いずれも宝泉製)を組合せてコイン型の電池を作製した。
[複合膜の伝導度測定]
インピ−ダンスアナライザ−商品名「VersaSTAT3」(東洋テクニカ社製)を用いて、0.1Hz〜5MHzまでの周波数応答性を測定して、得られたコイン型の電池におけるナノファイバー複合膜の伝導度を測定した。なお、伝導度測定時の温度は、恒温槽を用いて、30℃および60℃に保持した。
式: 電極間距離[cm]/サンプル面積[cm]×抵抗[Ω]から、リチウムイオン伝導度A[S/cm]を算出した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−2)の作製]
充填に際して電解質マトリクス溶液における電解質マトリクスの含有量を3重量%としたリチウム塩含有PEO溶液を用いた以外は実施例1と同様にして複合膜を作製した。しかし、溶液量が過剰となりすぎ、PEGグラフト1ファイバーを積層したケースから溢れてしまったため、均一な複合膜は得られなかった。
(比較例2)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−3)の作製]
充填に際して電解質マトリクス溶液における電解質マトリクスの含有量を30重量%としたリチウム塩含有PEO溶液を用いた以外は実施例1と同様にして複合膜を作成した。しかし、溶液粘度が過剰となりナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子マトリクスが充填されず、均一な複合膜は得られなかった。
(実施例2)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−4)の作製]
ナノファイバー(A−1)と、高分子マトリクスとの配合比を、ナノファイバー(A−1)20重量%に対して、高分子マトリクス80重量%となるようにキャストした以外は実施例1と同様にして複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−4)」という)。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[複合膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−5)の作製]
ナノファイバー(A−1)と、高分子マトリクスとの配合比を、ナノファイバー(A−1)10重量%に対して、高分子マトリクス90重量%となるようにキャストした以外は実施例1と同様にして複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−5)」という。この複合膜は電解質マトリクスが過剰量(充填率100%を超える量)供給されて不織布の表面に電解質マトリクスの層が形成された(上述の測定法による不織布の充填率は100%)。
[複合膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(参考例3)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−6)の作製]
ナノファイバー(A−1)と、高分子マトリクスとの配合比を、ナノファイバー(A−1)80重量%に対して、高分子マトリクス20重量%となるようにキャストした以外は実施例1と同様にして複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−6)」という)。
[断面SEM観察]
得られた複合膜(B−6)について、実施例6と同様の方法により断面SEM観察を行い、ファイバー間隙に多数の空隙が存在し(上述の測定法により測定した充填率50%未満)、十分に高分子マトリクスの充填ができていないことを確認した。SEM写真を図17に示す。
(参考例4)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−7)の作製]
ナノファイバー(A−1)と、高分子マトリクスとの配合比を、ナノファイバー(A−1)5重量%に対して、高分子マトリクス95重量%となるようにキャストした以外は実施例1と同様にして複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−7)」という)。
[断面SEM観察]
得られた複合膜(B-7)について実施例1と同様の方法にして断面SEM観察を行った。その結果、緻密な構造ではあった(上述の測定法により測定した充填率100%)、膜厚が79μmと厚い膜であり、実用に耐えないものであった。その結果を図18に示す。
(実施例4)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−8)の作製]
作成例2で得たナノファイバー(A-2)に、実施例1と同様に、高分子マトリクスをナノファイバー(A−2)30重量%に対して、高分子マトリクス70重量%となるようにキャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子材料が充填されてなる複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−8)」という)。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[複合膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−9)の作製]
作成例3で得たナノファイバー(A−3)に、実施例1と同様に、実施例1で用いた高分子マトリクスをナノファイバー(A−3)30重量%に対して、高分子マトリクス70重量%となるようにキャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子マトリクスが充填されてなる複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−9)」という)。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[複合膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例6)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−10)の作製]
作成例1で得られたナノファイバー(A−1)に高分子マトリクスを充填させることでこれらからなる複合膜を作製した。
高分子マトリクスは、純水を溶媒として、ポリエチレンオキシド(PEO)(Mw=550)が溶液全体の10重量%になるように調整し、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を、PEOのエーテル酸素24個に対してリチウムが1個配位する量をさらに加えたリチウム塩含有PEO溶液(電解質マトリクス溶液、電解質マトリクス含有量12〜3重量%)を用いた。このリチウム塩含有PEO溶液を、ナノファイバー(A−1)に対して、実施例1と同様に、高分子マトリクスをナノファイバー(A−1)30重量%に対して、高分子マトリクス70重量%となるようにキャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子マトリクスが充填されてなる複合材料としての複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−10)」という)。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[複合膜の伝導度測定]
実施例6と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例7)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−11)の作製]
作成例1で得られたナノファイバー(A−1)に高分子マトリクスを充填させることでこれらからなる複合膜を作製した。
高分子マトリクスは、純粋を溶媒としてポリエチレンオキシド(PEO)(Mw=2000)が溶液全体中10重量%になるように調整し、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を、PEOのエーテル酸素24個に対してリチウムが1個配位する量でさらに加えたリチウム塩含有PEO溶液(電解質マトリクス溶液、電解質マトリクス含有量12〜3重量%)を用いた。このリチウム塩含有PEO溶液を、ナノファイバー(A−1)に対して、実施例1と同様に、高分子マトリクスをナノファイバー(A−1)30重量%に対して、高分子マトリクス70重量%となるようにキャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子マトリクスが充填されてなる複合材料としての複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−11)」という)。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[複合膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例8)
[ナノファイバー複合膜(リチウム塩含有高分子ナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−12)の作製]
作成例1で得られたナノファイバー(A−1)に高分子マトリクスを充填させることでこれらからなる複合膜を作製した。
高分子マトリクスは、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を含有するポリエーテルオキシドとポリアミドのブロック共重合体(エーテル酸素24個に対してリチウムが約1個配位してなるもの)である。充填に際しては、エタノールと水の混合比(重量比)が70/30の混合液を溶媒とし、ポリエーテルオキシドとポリアミドのブロック共重合体(商品名「PebaxMH1657」、ARKEMA社製)が溶液全体の3重量%となるように加えて、マイクロ波合成装置(CEM Japan株式会社社製)により溶解させた。さらにその溶液にリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を、PEOのエーテル酸素24個に対してリチウムが約1個配位する量加え、室温で一晩撹拌溶解させ、リチウム塩含有Pebax溶液を調製した(電解質マトリクス溶液、電解質マトリクス含有量5重量%)。そして高分子マトリクスの溶液を、実施例1と同様に、高分子マトリクスをナノファイバー(A−1)30重量%に対して、高分子マトリクス70重量%となるようにキャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子マトリクスが充填されてなる複合材料としての複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−12)」という)。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。

[複合膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(参考例5)
[ナノファイバー複合膜(主鎖のみのポリマーでのナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−13)の作製]
ナノファイバー(A−6)と実施例1で用いた高分子マトリクス溶液を用いて、ナノファイバー(A−3)30重量%に対して、高分子マトリクス70重量%キャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子マトリクスが充填されてなる複合材料としての複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−12)」という)。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[複合膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(参考例6)
[PANナノファイバー/リチウム塩含有高分子マトリクス)(B−14)の作製]
[異なる骨格を有するリチウムイオン伝導性高分子ナノファイバーを具備した複合膜の作製]
作成例5で作製したPANからなるナノファイバー(A−7)に、実施例1で用いた高分子マトリクス溶液をナノファイバー(A−7)30重量%に対して、高分子マトリクス70重量%となるようにキャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子材料が充填されてなる複合材料としての複合膜を作製した(以下この複合膜を「複合膜(B−13)」という)。また、上述の測定法により充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[複合膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(比較例7)
[リチウム塩含有高分子マトリクス単独膜)(B−15)の作製]
実施例1で用いた高分子マトリクスの溶液(リチウム塩含有PEO溶液)をテフロンシャーレ上にキャストし、一晩真空乾燥して高分子マトリクスのみから構成される単独膜(膜厚100μm)を作製した。
[単独膜の伝導度測定]
実施例1と同様の方法で伝導度測定を行った。その結果を表1に示す。
(試験例)
[複合膜のDSC測定]
複合膜に含まれるマトリクス材料の融点を明らかにするために、DSC−60(商品名、SHIMADZU社製示差走査熱量計)を用いてDSC測定を実施した。測定は10℃/minで100℃まで昇温したのち、−70℃まで−10℃/minで冷却することにより行った。測定は、実施例1、比較例5,6,7の複合膜(B−1) 、複合膜(B−12) 複合膜(B−13)および単独膜を用いることにより行った。結果を図19に示す。比較例7の単独膜と比較して、実施例1、比較例5,6の複合膜(B−1) 、複合膜(B−12) 複合膜(B−13)は低い融点を有した。非イオン伝導性ナノファイバー含有複合膜である比較例5の複合膜(B−12)よりもイオン伝導性ナノファイバーを具備した実施例1の複合膜(B−1)、比較例6の複合膜(B−13)は低い融点を有した。優れたイオン伝導性を有する実施例1の複合膜(B−1)は、異なる骨格の高分子ナノファイバーを有する比較例6の複合膜(B−13)よりも低い融点を有した。上記の結果より、実施例1の複合膜(B−1)は優れた特性を有することがわかる。
(実施例9)製法(4)による電池材料の製造
[リン酸鉄リチウムを活物質とした正極の作製]
正極活物質としてリン酸鉄リチウム88重量部と導電助剤として用いたアセチレンブラック(Denka社製)5重量部とを乳鉢を用いて均一に混合して活物質混合物を得た。バインダーとして用いたポリフッ化ビニリデンはN—メチルピロンドン溶媒に溶解させ(ポリフッ化ビニリデンの配合量は溶液全体中13重量%となるようにした)、混練ミキサーで混合した。得られたバインダー溶液を、活物質混合物に加え、混練ミキサーで再度混合した後、アプリケーターで膜厚25μmのスラリーを作製した。得られたスラリーを100℃で3時間真空乾燥した後、16φの打ち抜き機で打ち抜きコインセル用の正極電極を作製した。
得られた正極電極は多孔性であり、平均孔径が0.3±0.1μm、空隙率が60%であった。
なお、平均孔径及び空隙率は前述の通りの測定法により測定した。
[充放電測定用コインセルの作製]
得られた正極電極と、負極材としてのリチウム金属とを用い、ガスケット、スペーサー、ワッシャーを組み合わせることで充放電測定用コインセルを作製した。
[ナノファイバー複合膜を用いた電池(C−1)の作製]
ついで得られたコインセルを用いて、正極内の活物質間の空隙を考慮し、実施例1で用いた高分子マトリクスを電極内に流し込んだ後、実施例1で作製した複合膜(B−1)と電極とを積層してなる本発明の電池材料を作成し、且つコイン電池を作製した。また、上述の測定法により電極の充填率を測定したところ充填率は100%であった。
[充放電測定]
作製したコイン電池を用いて充放電試験を実施した。その結果を表2に示す。
ここで、充放電試験は以下のように行った。
測定中の温度は、恒温槽を用いて60℃に設定した。充放電試験は、電極と電解質の界面抵抗を低減するために60度で12時間待機したのち、定電流定電圧充電(CC/CV)測定で行った。C—レート速度は0.01Cに設定した。測定時のカットオフ電圧は、放電側を2.8V、充電側を4.0V(リチウム基準)とした。
(参考例8)
[ナノファイバー複合膜を用いたコインセル(C−2)の作製]
実施例6で作製した複合膜を、実施例9に示す構成のコインセルにおける正極電極上に載置して、電極に高分子マトリクスが充填されていないコイン電池を作製した。
[充放電測定]
作製したコイン電池を用いて実施例9と同条件で充放電試験を実施した。得られた放電容量の結果は、表2に示す。
(実施例10)製法(3)による製造
[ナノファイバー複合膜を用いたコインセル(C−3)の作製]
作成例1で作製したナノファイバー(A−1)を実施例9におけるコインセルのガスケット上に積層した後、実施例1で用いた高分子マトリクスを電極内およびナノファイバー(A−1)における空隙に流し込むことで、正極内とナノファイバー空隙がマトリクスで充填された電池材料を作製した。得られた電池材料を実施例9に示した構成のコインセルに設置することでコイン電池を作製した。正極電極の上述の測定法により測定した充填率は100%であり、ナノファイバー(A−1)の上述の測定法により測定した充填率は100%であった。
[充放電測定]
作製したコインセルを用いて実施例9と同条件で充放電試験(東洋システム製)を実施した。得られた放電容量の結果は、表2に示す。
[レート試験]
作製したコインセルを用いて充放電のレート試験を実施した。得られた放電容量の結果は、図20に示す。
なお、充放電のレート試験は以下のようにして行った。
充放電のレート試験は、電極と電解質の界面抵抗を低減するために60度で12時間待機したのち、定電流定電圧充電(CC/CV)測定で行った。測定時のカットオフ電圧は、放電側を2.8V、充電側を4.0V(リチウム基準)とした。レートは0.05C、0.1C、0.2C、0.5C、0.05Cの順に3サイクルずつ測定した。
(実施例11)
[ナノファイバー複合膜を用いたコインセル(C−4)の作製]
作成例1で作製したナノファイバー(A−1)を実施例9におけるコインセルの正極電極上に直接積層させた後、実施例1で用いた高分子マトリクスをナノファイバー(A−1)及び電極内に流し込むことで、正極内とナノファイバー(A−1)におけるナノファイバー間の空隙が高分子マトリクスで充填された電池材料を作製し、実施例9に示した構成でコイン電池を作製した。正極電極の上述の測定法により測定した充填率は100%であり、ナノファイバー(A−1)の上述の測定法により測定した充填率は100%であった。
[充放電測定]
作製したコインセルを用いて実施例9と同条件で充放電試験を実施した。得られた放電容量の結果は、表2に示す。
[断面SEM観察]
得られた複合膜は、実施例6と同様の方法により断面SEM観察を行い、緻密な構造が形成されたことを確認した。その結果を図21に示す。
(参考例9)
[ナノファイバー複合膜を用いたコインセル(C−5)の作製]
作成例1で作製したナノファイバー(A−1)を実施例9におけるコインセルの正極電極上に直接積層させた後、実施例1で用いた高分子マトリクス溶液を、ナノファイバー(A−1)及び正極電極側から正極電極内に過剰(正極空隙とナノファイバー空隙の和の1.5倍の体積となる高分子マトリクス)に流し込むことで、正極内の空隙に高分子マトリクスを充填すると共にナノファイバー(A−1)間の空隙も高分子マトリクスで充填された電池材料を作製し、実施例9に示した構成でコイン電池を作製した。正極電極の上述の測定法により測定した充填率は100%であり、ナノファイバー(A−1)の上述の測定法により測定した充填率は100%、単独層が約10μm厚であった。
[断面SEM観察]
得られた複合膜は、実施例1と同様の方法により断面SEM観察を行い、緻密な構造が形成された一方で膜厚の増大が観察され、実用に耐えないものであった。その結果を図22に示す。
(参考例10)
[ナノファイバー複合膜を用いたコインセル(C−6)の作製]
作成例1で作製したナノファイバー(A−1)を実施例9におけるコインセルの正極電極上に直接積層させた後、実施例1で用いた高分子マトリクスを、ナノファイバー(A−1)及び正極電極側から正極電極内に過少(正極空隙とナノファイバー空隙の和の0.2倍の体積となる高分子マトリクス)に流し込むことで、正極内とナノファイバー間の空隙が高分子マトリクスで充填された電池材料を作製し、実施例9に示した構成でコイン電池を作製した。正極電極の上述の測定法により測定した充填率は30%であり、ナノファイバー(A−1)の充填率は10%であった。
[断面SEM観察]
得られた複合膜は、実施例1と同様の方法により断面SEM観察を行い、電極およびナノファイバー間に空隙が観察された。その結果を図23に示す。また、電極のみの断面SEM観察結果は、図24に示す。
(実施例12)製法(3)による製造
[ナノファイバー複合膜を用いたコインセル(C−7)の作製]
作成例1で作製したナノファイバー(A−1)を正極上に直接積層させた後、実施例1で用いた高分子マトリクスの溶液における溶媒をアセトニトリルに変更した以外は実施例1の溶液と同様にして調整した溶液を、ナノファイバー(A−1)及び電極内に流し込むことで、正極内の空隙とナノファイバー間の空隙がマトリクスで充填されたサンプルを作製し、実施例9に示した構成でコイン電池を作製した。正極電極の上述の測定法により測定した充填率は100%であり、ナノファイバー(A−1)の上述の測定法により測定した充填率は100%であった。
[充放電測定]
作製したコインセルを用いて実施例9と同条件で充放電試験を実施した。得られた放電容量の結果は、表2に示す。
(比較例11)
[最も代表的なナノファイバーのみを用いたコインセル(C−8)の作製]
作成例1で作製したナノファイバーを正極上に直接積層させ、実施例9に示した構成でコイン電池を作製した。すなわち高分子マトリクスは用いていない。
[充放電測定]
作製したコイン電池を用いて実施例9と同条件で充放電試験を実施した。得られた放電容量の結果は、表2に示す。
(比較例12)
[ナノファイバーなし単独PEO膜を用いたコインセル(C−9)の作製]
ナノファイバー(A−1)を用いずに、実施例1で用いた高分子マトリクスの溶液を電極のみに流し込んだ以外は、実施例9と同様にして、実施例9に示した構成でコイン電池を作製した。
[充放電測定]
作製したコインセルを用いて実施例9と同条件で充放電試験を実施した。得られた放電容量の結果は、表2に示す。
(実施例13)製法(2)による製造
[ナノファイバー複合膜を用いたコインセル(C−11)の作製]
作成例1で作製したナノファイバー(A−1)および実施例1で用いた高分子マトリクスを使用した実施例3の複合膜(B−5)を用い、実施例9で作製した正極(マトリクスを空隙に充填していない空隙を有する正極)と組み合わせ、実施例9に示した構成のコインセルに設置することでコイン電池を作製した。過剰量のマトリクスがコンディショニング(60度で12時間待機)中に電極空隙に流れ込むことで、正極電極の充填率は100%であり、ナノファイバー(A−1)の充填率は100%であった。
[充放電測定]
作製したコインセルを用いて実施例9と同条件で充放電試験(東洋システム製)を実施した。得られた放電容量の結果は、表2に示す。
(実施例14)
[ナノファイバー複合膜を用いた多層コインセル(C−10)の作製]
作成例1で作製したナノファイバー(A−1)をガスケット上に積層して正極電極上に設置した後に、実施例1で用いた高分子マトリクスをナノファイバー(A−1)及び電極に充填させて電極内の空隙及びナノファイバー間の空隙に流し込んだ。一層目を18φ、二層目はガスケットの内径を考慮して16φにくり抜き、実施例9に示したセル構成を二層積み重ねたバイポーラ型コイン電池を作製した。
[開回路電圧(OCV)測定]
得られた電池は、60℃の恒温槽内で24時間コンディショニングした後、OCVを測定した。一層のOCV理論値は、3.4Vであるため、二層では、6.8Vの電圧の取り出しが期待できるが、その電圧値に近い5.8Vの電圧を取り出せた。これより、本発明の電池材料は全固体型二次電池の電池材料として有用であり、多積層型セルを作製できる材料であることがわかる。

図1は、本発明の電池材料の1実施形態を示す模式図である。 図2は、本発明の電池材料の他の実施形態を示す模式図である。 図3は、本発明の電池材料の製造方法の1実施形態を示す模式図である。 図4は、本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図5は、本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図6は、本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図7は、本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図8は、作成例1におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図9は、作成例2におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図10は、作成例3におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図11は、比較作成例1におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図12は、比較作成例2におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図13は、作成例4におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図14は、作成例5におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図15は、比較作成例3におけるナノファイバー繊維集積体のSEM写真(図面代用写真)である。 図16は、実施例1の電池材料のSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。 図17は、比較例1の電池材料のSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。 図18は、比較例2の電池材料におけるSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。 図19は、実施例1及び比較例5〜7で得られた複合膜のDSC試験結果を示すグラフチャートである。 図20は、実施例10で得られたコイン電池のレート試験結果を示すグラフである。 図21は、実施例11の電池材料におけるSEM写真であり、不織布側の表面(図中左)及び断面(図中右)のSEM写真(図面代用写真)である。 図22は、比較例9の電池材料におけるSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。本発明の電池材料の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。 図23は、比較例10の電池材料におけるSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。 図24は、比較例10における電池のみを示すSEM写真であり、不織布側の表面(図中「表面」と表記してある方)及び断面(図中「断面」と表記してある方)のSEM写真(図面代用写真)である。

Claims (10)

  1. 多数の電極内空隙を有する電極と、該電極上に載置された、ナノファイバーからなり多数の不織布内空隙を有する不織布における、該不織布内空隙に電解質マトリクスが充填されてなる、電極及び電解質膜を有する電池材料の製造方法であって、
    以下の各工程を順不同にて行う電池材料の製造方法。
    (A工程)上記電極と上記不織布とを積層する工程
    (B工程)上記不織布内空隙に電解質マトリクスを充填する工程
  2. 上記電池材料において、上記電極における上記電極内空隙にも上記電解質マトリクスが充填されており、更に(C工程)上記電極内空隙に電解質マトリクスを充填する工程
    を具備する請求項1記載の製造方法。
  3. B工程を行った後、A工程を行う請求項1又は2記載の製造方法。
  4. B工程を、不織布に過剰量の電解質マトリクスを充填させることにより行い、
    この過剰量の電解質マトリクスを含有する不織布を上記電極と積層する上記A工程によりC工程を行う請求項3記載の製造方法。
  5. A工程を最後に行う請求項3記載の製造方法。
  6. A工程を行った後、B工程を行う請求項2記載の製造方法。
  7. B工程とC工程とを同時に行う請求項6記載の製造方法。
  8. C工程、A工程、B工程の順に行う請求項6記載の製造方法。
  9. ナノファイバーの不織布と、該不織布の不織布内空隙に充填された電解質マトリクスとからなる電解質膜を製造する製造方法であって、
    上記電解質マトリクスが、高分子化合物とイオン伝導体とを含有する高分子マトリクスであり、
    上記不織布に電解質マトリクスを溶媒に溶解してなる電解質マトリクス溶液を充填する充填工程と、
    電解質マトリクス溶液が充填されてなる不織布を乾燥する乾燥工程とを具備し、
    上記電解質マトリクス溶液における電解質マトリクスの含有量が該電解質マトリクス溶液全体中5〜25重量%である
    ことを特徴とする電解質膜の製造方法。
  10. 多数の電極内空隙を有する電極と、該電極上に載置された、ナノファイバーの不織布からなり多数の不織布内空隙を有する電解質膜とを具備してなり、
    上記電解質マトリクスが、高分子化合物とイオン伝導体とを含有する高分子マトリクスであり、
    上記電極内空隙が、平均孔径10nm〜2000nmであり、空隙率((全空隙の体積/全体積)×100)が50%〜80%であり、該電極内空隙への充填率が50%〜100%であり、
    上記不織布内空隙が、平均孔径50nm〜5000nmであり、空隙率((全空隙の体積/全体積)×100)が50%〜95%であり、該不織布内空隙への充填率が50%〜100%である、
    ことを特徴とする電池材料。

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