JP2018030786A - パーソナルケア組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】真菌および細菌の双方への抗菌効果に優れるパーソナルケア組成物を提供すること。【解決手段】脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、分散剤および溶剤を含み、前記脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ポリグリセリドの合計含有量が0.1重量%未満である、医薬品、医薬部外品または化粧品である、パーソナルケア組成物。【選択図】なし

Description

本発明はパーソナルケア組成物に関する。
医薬品、医薬部外品または化粧品であるパーソナルケア組成物には、真菌や細菌などの菌の栄養源となる成分を含み、水分活性値が高い場合が多いため、通常、防腐防黴成分が配合される。
このような防腐防黴成分としては、低い含有量でも優れた効果を発揮することから、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)が用いられている。
パラベンは、厚生労働省が指定した表示指定成分(旧表示指定成分)であり、使用制限濃度が規定されている。このため、近年の消費者の安全志向の高まりに伴い、パラベンを配合していないパラベンフリーのパーソナルケア組成物の需要が高まっている。
この需要に関し、特許文献1には、特定のグリセリン中鎖脂肪酸エステルと親水性ノニオン系界面活性剤とを含有する抗菌組成物が記載されている。
特開2013−87096号公報
本発明者が鋭意検討した結果、前記特許文献1に記載の抗菌組成物は、真菌および細菌の双方への抗菌効果について改善の余地を残していることが見出された。
本発明は前記検討結果に基づきなされたものであり、真菌および細菌の双方への抗菌効果に優れるパーソナルケア組成物を提供することをその目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記組成物によれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成例は以下の通りである。
[1] 脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、分散剤および溶剤を含み、前記脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ポリグリセリドの合計含有量が0.1重量%未満である、
医薬品、医薬部外品または化粧品である、パーソナルケア組成物。
[2] 前記分散剤が糖アルコールである、[1]に記載のパーソナルケア組成物。
[3] 前記脂肪酸モノグリセリドにおける脂肪酸の炭素数が12以下である、[1]または[2]に記載のパーソナルケア組成物。
[4] 前記脂肪酸モノグリセリドのHLB値が8〜12である、[1]〜[3]のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
[5] 前記脂肪酸ポリグリセリドにおける脂肪酸の炭素数が12以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
[6] 前記脂肪酸ポリグリセリドのHLB値が12以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
[7] 下記要件(A)を満たす、[1]〜[6]のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
要件(A):前記パーソナルケア組成物中の、分散剤の含有量をx重量%とし、脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ポリグリセリドの合計含有量をz重量%とした場合、下記式(1)で規定される抗菌性分散剤活性比率yが、下記式(2)を満たす
y=x/z (1)
y≦0.039x3+0.4297x2+1.6614x (2)
[8] 脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、分散剤および溶剤を含み、前記分散剤の含有量が10重量%以上である、
医薬品、医薬部外品または化粧品である、パーソナルケア組成物。
本発明によれば、真菌および細菌の双方への抗菌効果に優れ、さらに、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮されるパーソナルケア組成物を容易に得ることができる。
特に、前記特許文献1に記載の抗菌組成物などの従来の抗菌組成物は、抗菌剤の量を多くしなければ、抗菌効果が表れなかったが、本発明によれば、抗菌剤の量が少なくても真菌および細菌の双方への抗菌効果に優れ、さらに、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮されるパーソナルケア組成物を容易に得ることができる。
また、前記特許文献1に記載の抗菌組成物などの従来の抗菌組成物を口腔用組成物として用いた場合、苦く、呈味が悪かった。
本発明者が鋭意検討した結果、前記分散剤として糖アルコールを用いることで、真菌および細菌の双方への優れた抗菌効果と共に、呈味にも優れ、さらに、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮される口腔用組成物を容易に得られることが分かった。
図1は、実施例1で得られた、真菌および細菌双方への抗菌効果が表れる組成物となる場合の分散剤の含有量と抗菌性分散剤活性比率との関係を示す図である。
≪パーソナルケア組成物≫
本発明に係るパーソナルケア組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、医薬品、医薬部外品または化粧品であり、
脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、分散剤および溶剤を含み、前記脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ポリグリセリド(以下、これらを併せて「抗菌剤」ともいう。)の合計含有量が0.1重量%未満の組成物、または、
脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、分散剤および溶剤を含み、前記分散剤の含有量が10重量%以上の組成物である。
本組成物は、好ましくは口腔用組成物であり、より好ましくは液状またはジェル状の口腔用組成物である。
<脂肪酸モノグリセリド>
前記脂肪酸モノグリセリドとしては、脂肪酸と1分子のグリセリンとが結合した化合物であれば特に制限されない。
このような脂肪酸モノグリセリドを用いることで、特に真菌に対する抗菌効果に優れる組成物を得ることができる。
脂肪酸モノグリセリドは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記脂肪酸モノグリセリドとしては、具体的には、吉草酸グリセリド、カプロン酸グリセリド、エナント酸グリセリド、カプリル酸グリセリド、ペラルゴン酸グリセリド、カプリン酸グリセリド、ラウリン酸グリセリド等が挙げられ、これらの中でも、真菌に対する抗菌効果により優れる組成物が得られる等の点から、カプリル酸グリセリド、カプリン酸グリセリドおよびラウリン酸グリセリドが好ましく、カプリル酸グリセリドがより好ましい。
前記脂肪酸モノグリセリドとしては、該グリセリドの分散性(可溶化)に優れ、真菌に対する抗菌効果により優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、モノ脂肪酸モノグリセリドが好ましい。
前記脂肪酸としては、真菌に対する抗菌効果により優れる組成物が得られる等の点から、その炭素数は、好ましくは12以下、より好ましくは5〜12であり、さらに好ましくは8〜12である。
また、炭素数が前記範囲にある脂肪酸由来の脂肪酸モノグリセリドを用いることで、該脂肪酸モノグリセリドの使用量を少なくしても、十分な抗菌効果を有する組成物を得ることができ、人体等への悪影響が少なく、有効成分量の多い組成物を容易に得ることができる。
前記脂肪酸モノグリセリドのHLB値は、好ましくは8〜12である。
本発明者は鋭意検討した結果、HLB値が前記範囲にある脂肪酸モノグリセリドを用いた場合、最も抗菌効果に優れ、特に真菌に対する抗菌効果に優れる組成物が得られることが分かった。
HLB値が前記範囲にある脂肪酸モノグリセリドは、水などの溶剤に溶けにくく、塊になって浮きやすいため、従来の組成物では、脂肪酸モノグリセリドを含んでいたとしても、その抗菌効果が十分に発揮された組成物を容易に得ることはできなかった。しかしながら、本組成物では、脂肪酸モノグリセリドと共に、脂肪酸ポリグリセリドおよび分散剤を用いるため、脂肪酸モノグリセリドとして、HLB値が前記範囲にある脂肪酸モノグリセリドを用いても、該脂肪酸モノグリセリドの分散性(可溶化)に優れる組成物を容易に得ることができ、真菌に対する抗菌効果により優れ、特に、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮される組成物を容易に得ることができる。
また、HLB値が前記範囲にある脂肪酸モノグリセリドを用いることで、該脂肪酸モノグリセリドの使用量を少なくしても、十分な抗菌効果を有する組成物を得ることができ、人体等への悪影響が少なく、有効成分量の多い組成物を容易に得ることができる。
なお、本発明におけるHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値は、水と油への親和性の程度を示す指標であり、有機概念図、具体的には下記式(1)で算出した値である。
HLB=無機性値×10/有機性値・・・・(1)
有機概念図では、主にVan Der Waals力による物性の程度を「有機性」、主に電気的親和力による物性の程度を「無機性」とし、この「有機性」と「無機性」として、個々の化合物について有機性値、無機性値という固有の特性値を付与し、化合物の物理化学的物性を見出している(藤田穆著「有機定性分析」参照)。
また、「有機性値」および「無機性値」は、化合物の構造から、構造各部の合算値として算出することができる(小田良平、寺村一広著、「界面活性劑の合成と其應用」(東京:槙書店,1957.3)や、藤田穆著「有機概念図−基礎と応用−」〔昭和59年、三共出版(株)〕を参照)。
前記脂肪酸モノグリセリドは、従来公知の方法で合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。
該市販品としては、太陽化学(株)製の、「サンソフトNo.700P−2−C」(HLB値:12)、「サンソフトNo.760−C」(HLB値:10)、「サンソフトNo.750−C」(HLB値:9)等が挙げられる。
本組成物中の脂肪酸モノグリセリドの含有量は、所望の用途に応じ適宜選択すればよいが、好ましくは0.005〜0.05重量%である。
また、前記口腔用組成物中の脂肪酸モノグリセリドの含有量も、好ましくは0.005〜0.05重量%である。
脂肪酸モノグリセリドの含有量が前記範囲にあると、真菌に対する抗菌効果および呈味にバランスよく優れ、特に、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮される組成物を容易に得ることができる。
脂肪酸モノグリセリドは、苦いことから口腔用組成物では敬遠されてきたが、本発明では、脂肪酸モノグリセリドと共に、脂肪酸ポリグリセリドおよび分散剤を用いるため、このような少量でも、十分な抗菌効果を有する組成物を得ることができ、従来ではなし得なかった、抗菌効果と呈味にバランスよく優れるパラベンフリーの口腔用組成物を容易に得ることができる。
<脂肪酸ポリグリセリド>
前記脂肪酸ポリグリセリドとしては、脂肪酸と2分子以上のグリセリンとが結合した化合物であれば特に制限されず、モノ脂肪酸ポリグリセリドであっても、脂肪酸由来の構造を2つ以上有するポリ脂肪酸ポリグリセリドであってもよい。
このような脂肪酸ポリグリセリドを用いることで、特に細菌に対する抗菌効果に優れる組成物を得ることができる。
脂肪酸ポリグリセリドは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記脂肪酸ポリグリセリドとしては、具体的には、ジラウリン酸ポリグリセリル−10、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ラウリン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−5、ラウリン酸ポリグリセリル−4、ラウリン酸ポリグリセリル−3、カプリン酸ポリグリセリル−10、カプリン酸ポリグリセリル−6、カプリン酸ポリグリセリル−4、カプリン酸ポリグリセリル−3、カプリン酸ポリグリセリル−2、ヘキサカプリン酸ポリグリセリル−20、オクタカプリン酸ポリグリセリル−20、カプリル酸ポリグリセリル−10、カプリル酸ポリグリセリル−6、カプリル酸ポリグリセリル−4、カプリル酸ポリグリセリル−3、カプリル酸ポリグリセリル−2、テトラカプリル酸ポリグリセリル−6、ヘキサカプリル酸ポリグリセリル−20、ヘプタカプリル酸ポリグリセリル−6、ヘプタカプリル酸ポリグリセリル−20、オクタカプリル酸ポリグリセリル−20、デカカプリル酸ポリグリセリル−20、ペンタデカカプリル酸ポリグリセリル−20、オクタイソノナン酸ポリグリセリル−20、ヘキサイソノナン酸ポリグリセリル−20、ヘプタイソノナン酸ポリグリセリル−20、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル−10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸デカグリセリド等が挙げられる。
これらの中でも、細菌に対する抗菌効果により優れる組成物が得られる等の点から、ジラウリン酸ポリグリセリル−10、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ラウリン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−5、ラウリン酸ポリグリセリル−4、ラウリン酸ポリグリセリル−3、カプリン酸ポリグリセリル−10、カプリン酸ポリグリセリル−6、カプリン酸ポリグリセリル−4、カプリン酸ポリグリセリル−3、カプリン酸ポリグリセリル−2、カプリル酸ポリグリセリル−10、カプリル酸ポリグリセリル−6、カプリル酸ポリグリセリル−4、カプリル酸ポリグリセリル−3、カプリル酸ポリグリセリル−2、テトラカプリル酸ポリグリセリル−6、ヘキサカプリル酸ポリグリセリル−20、ヘプタカプリル酸ポリグリセリル−6、ヘプタカプリル酸ポリグリセリル−20が好ましい。
前記脂肪酸としては、水などの溶剤に溶けやすく、脂肪酸モノグリセリドの分散性(可溶化)を促進させることができ、細菌に対する抗菌効果により優れる組成物が得られる等の点から、その炭素数は、好ましくは12以下、より好ましくは5〜12であり、さらに好ましくは8〜12である。
また、炭素数が前記範囲にある脂肪酸由来の脂肪酸ポリグリセリドを用いることで、該脂肪酸ポリグリセリドの使用量を少なくしても、細菌に対する十分な抗菌効果を有する組成物を得ることができ、人体等への悪影響が少なく、水分活性値が低い、有効成分量の多い組成物を容易に得ることができる。
また、前記脂肪酸のHLB値は、水などの溶剤に溶けやすく、脂肪酸モノグリセリドの分散性(可溶化)を促進させることができ、細菌に対する抗菌効果により優れる組成物が得られる等の点から、好ましくは12以上であり、具体的には、12〜20である。
また、HLB値が前記範囲にある脂肪酸ポリグリセリドを用いることで、該脂肪酸ポリグリセリドの使用量を少なくしても、十分な抗菌効果を有する組成物を得ることができ、人体等への悪影響が少なく、水分活性値が低い、有効成分量の多い組成物を容易に得ることができる。
前記脂肪酸ポリグリセリドは、従来公知の方法で合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。
該市販品としては、太陽化学(株)製の、「サンソフトQ−14S−C」(HLB値:15)、「サンソフトQ−14Y−C」(HLB値:15)、「サンソフトQ−12S−C」(HLB値:16)、「サンソフトQ−12Y−C」(HLB値:16)等が挙げられる。
本組成物中の脂肪酸ポリグリセリド含有量は、所望の用途に応じ適宜選択すればよいが、好ましくは0.005〜0.05重量%である。
また、前記口腔用組成物中の脂肪酸ポリグリセリドの含有量も、好ましくは0.005〜0.05重量%である。
脂肪酸ポリグリセリドの含有量が前記範囲にあると、細菌に対する抗菌効果および呈味にバランスよく優れ、特に、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮される組成物を容易に得ることができる。
脂肪酸ポリグリセリドは、苦いことから口腔用組成物では敬遠されてきたが、本発明では、脂肪酸ポリグリセリドと共に、脂肪酸モノグリセリドおよび分散剤を用いるため、このような少量でも、十分な抗菌効果を有する組成物を得ることができ、従来ではなし得なかった、抗菌効果と呈味にバランスよく優れるパラベンフリーの口腔用組成物を容易に得ることができる。
本組成物中における前記抗菌剤の濃度は、高いほど抗菌効果に優れるが、本発明によれば、抗菌剤の使用量を少なくしても、十分な抗菌効果を有する組成物を得ることができるため、人体等への悪影響が少なく、呈味に優れ、有効成分量の多い組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは0.1重量%未満であり、その下限は、好ましくは0.01重量%である。
また、抗菌剤の濃度が前記範囲にあると、抗菌効果および呈味にバランスよく優れ、特に、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮される組成物を容易に得ることができる。
本組成物中の脂肪酸モノグリセリドと脂肪酸ポリグリセリドとの含有量の重量比(脂肪酸モノグリセリドの重量:脂肪酸ポリグリセリドの重量)は、所望の用途に応じ適宜選択すればよいが、抗菌効果および呈味にバランスよく優れ、特に、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮される組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1:1〜5、より好ましくは1:1〜2である。
<分散剤>
前記分散剤としては、抗菌剤以外の成分であれば特に制限されないが、前記脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ポリグリセリドの一方を本組成物中に分散可能な成分であることが好ましく、前記脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ポリグリセリドの両方を本組成物中に分散可能な成分であることがより好ましい。
また、前記分散剤は、下記溶剤に分散または可溶可能な成分であることが好ましい。
分散剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
分散剤を用いることで、抗菌剤、特に脂肪酸モノグリセリドを本組成物中に分散(可溶化)させることができ、本組成物中の水分活性値を低くすることができる。また、抗菌剤の使用量を少なくしても、十分な抗菌効果を有する組成物を得ることができ、人体等への悪影響が少なく、水分活性値が低い、有効成分量の多い組成物を容易に得ることができる。
本組成物がこのような効果を奏する理由は、必ずしも明らかではないが、分散剤を用いることで、抗菌剤、特に塊になりやすい脂肪酸モノグリセリドを本組成物中に効率的に分散(可溶化)させることができ、真菌や細菌などの菌とこれらグリセリドとの接触面積を増加させることができることによると考えられる。
前記分散剤としては、多価アルコール等が挙げられ、具体的には、糖アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコールなどのアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのジアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、多価アルコールのエチレングリコール付加物、多価アルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
前記分散剤として糖アルコールを用いることで、抗菌剤の有する抗菌効果がより発揮され、さらに、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮されるという顕著な効果と、呈味に優れるという顕著な効果とを併有するパラベンフリーの組成物を容易に得ることができる。
前記糖アルコールとしては、キシリトール、エリスリトール、グリセリン、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、イソマルト、スクロース、ラクチトール、キシロース、グルコース、フルクトース、マルトース、トレハース等が挙げられる。
前記口腔用組成物では、これらの中でも、虫歯の抑制を考慮すると、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、ラクチトールが好ましく、キシリトールがより好ましい。
前記分散剤の含有量は、所望の用途に応じ適宜選択すればよいが、抗菌効果および呈味にバランスよく優れ、特に、該抗菌効果が長期にわたって安定的に発揮される組成物を容易に得ることができる等の点から、本組成物100重量%に対し、好ましくは10重量%以上である。
また、抗菌剤の含有量が0.1重量%未満である場合には、真菌および細菌の双方への抗菌効果に優れる組成物が得られる等の点から、分散剤の含有量は、下記要件(A)を満たすことが好ましい。
要件(A):本組成物中の、分散剤の含有量をx重量%とし、抗菌剤の合計含有量をz重量%とした場合、下記式(1)で規定される抗菌性分散剤活性比率yが、下記式(2)を満たす
y=x/z (1)
y≦0.039x3+0.4297x2+1.6614x (2)
抗菌剤の含有量が0.1重量%未満である場合には、本組成物中における抗菌剤の濃度が少なくなればなるほど、該抗菌剤による抗菌効果は発揮され難くなるが、前記要件(A)を満たす場合、抗菌剤の量がこのような少ない量であっても、真菌および細菌の双方への抗菌効果に優れる組成物が得られる。
このような効果を奏する理由は、必ずしも明らかではないが、本組成物中における抗菌剤の含有量が少なくなればなるほど、分散剤の含有量を多くすることで抗菌剤を高度に分散させることができ、このように抗菌剤が高度に分散することで、抗菌剤の含有量が少なくても十分な抗菌効果が発揮されることが考えられる。
<溶剤>
前記溶剤としては、特に制限されないが、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリドおよび分散剤を分散(可溶化)させることができる媒体であることが好ましく、具体的には水、エタノール等が挙げられ、本発明の効果がより発揮されることを考慮すると、好ましくは水である。
前記溶剤の使用量は、特に制限されず、本組成物において、抗菌剤と分散剤の残分が溶剤であってもよい。
溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
<その他の成分>
本組成物には、所望の用途に応じ、医薬品、医薬部外品および化粧品に要求される従来公知の有効成分が所定量配合される。
また、本組成物には、所望の用途に応じ、医薬品、医薬部外品および化粧品に通常用いられる、前記抗菌剤、分散剤および溶剤以外のその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
その他の成分はそれぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記その他の成分としては、フッ化ナトリウムなどのフッ素イオン供給化合物、キサンタンガムなどの増粘剤、湿潤剤、安息香酸ナトリウムなどの防腐剤、クエン酸ナトリウムなどのpH調整剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、香味料、香料、着色料、甘味料、塩、鎮痛剤、抗炎症剤などの薬剤等が挙げられる。
<パーソナルケア組成物>
本組成物は、前記各成分を混合することで得ることができる。
本組成物は、液状、クリーム状、ジェル状またはペースト状のいずれの形態であってもよい。
前記液状またはジェル状の口腔用組成物のブルックフィールド粘度計で測定した粘度は、特に制限されないが、使用容易性等の点から、好ましくは1000〜3000mPa・sである。
本組成物のpHは、所望の用途に応じ適宜選択すればよく、特に制限されないが、低刺激性等の点から、通常、好ましくは6〜8である。
本組成物は、前記効果を奏するため、様々な用途、具体的には、医薬品、医薬部外品および化粧品に使用することができ、これらの有効成分量を低減させることなく、使用可能期間(消費期限)を長期化することができる。
本組成物としては、具体的には、発汗抑制剤、体臭防止剤、スキンケアクリーム、スキンケアローション、保湿剤、美顔トリートメント、洗顔料、バスオイル、香水、オーデコロン、日焼け止め、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、液状せっけん、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、染毛剤、縮毛矯正剤、整髪剤、パーマ剤、脱毛剤、キューティクルコート剤、カラー化粧品、化粧品除去剤、予防薬、治療薬、にきび抑制剤、口腔用組成物、抗菌剤、治癒促進剤、栄養剤等が挙げられる。
これらの中でも、本組成物の効果がより発揮される等の点から、歯みがきジェルなどの口腔用組成物が好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[試験1〜6]
脂肪酸モノグリセリドとしてカプリル酸グリセリドを用い、脂肪酸ポリグリセリドとしてラウリン酸デカグリセリドを用い、組成物中のこれらの濃度が表1に記載の濃度(重量%)となるように、純水と混合することで組成物を調製した。
<抗菌性評価>
容器に、調製した各組成物を入れ、そこに、真菌としてカンジダ菌1.6×106(cfu/mL)、または、細菌として黄色ブドウ球菌1.6×106(cfu/mL)を入れ、カンジダ菌に対しては5日間培養を行い、黄色ブドウ球菌に対しては48時間培養を行った(寒天平板希釈法)。なお、カンジダ菌を培養する容器と、黄色ブドウ球菌を培養する容器とは異なるものである。
培養後の、容器中の、カンジダ菌または黄色ブドウ球菌の残存菌数をコロニーカウンターで測定し、カンジダ菌または黄色ブドウ球菌の数が、それぞれ初期値から99.9%以上減少していた場合を「○」と評価し、それ以外の場合を「×」と評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018030786
[実施例1]
抗菌剤、分散剤および純水を用い組成物を調製した。具体的には、抗菌剤の合計濃度が、0.01重量%、0.02重量%、0.04重量%または0.09重量%である組成物を調製し、抗菌剤の濃度がこれらの濃度であるそれぞれの組成物に対し、真菌および細菌双方への抗菌効果が表れる組成物が得られるまで、分散剤の量を5重量%ずつ増加させながら組成物を調製した。
なお、抗菌剤としては、カプリル酸グリセリドおよびラウリン酸デカグリセリド(重量比1:1)を用い、分散剤としてはキシリトールを用いた。
また、「真菌および細菌双方への抗菌効果が表れる」とは、前記<抗菌性評価>と同様の評価を行い、カンジダ菌および黄色ブドウ球菌の数が、それぞれ初期値から99.9%以上減少していた場合のことをいう。
抗菌剤の濃度が0.01重量%である組成物の場合、分散剤を45重量%以上配合した場合に真菌および細菌双方への抗菌効果が表れ、抗菌剤の濃度が0.02重量%である組成物の場合、分散剤を30重量%以上配合した場合に真菌および細菌双方への抗菌効果が表れ、抗菌剤の濃度が0.04重量%である組成物の場合、分散剤を20重量%以上配合した場合に真菌および細菌双方への抗菌効果が表れ、抗菌剤の濃度が0.09重量%である組成物の場合、分散剤を10重量%以上配合した場合に真菌および細菌双方への抗菌効果が表れた。
この結果を曲線で示すと、図1の通りとなり、近似曲線は、y=0.039x3+0.4297x2+1.6614x(R2=1)で表すことができた。なお、図1は、分散剤の含有量(x重量%)を横軸にとり、抗菌剤の含有量を(z重量%)とした場合の、y=x/zで規定される抗菌性分散剤活性比率yを縦軸にとった場合の関係を示す。
少なくとも、この近似曲線より下の範囲において、真菌および細菌双方への抗菌効果が表れることを確認した。
[外観評価]
実施例1で得られた組成物の外観を目視で判断したところ、いずれも透明であり、白濁や分離は起こっていなかった。
[呈味評価]
試験1〜6および実施例1で得られた組成物を用い、被検者10人による呈味試験を行った。試験1〜6で得られた組成物は10人の被験者何れもが苦いと感じたのに対し、実施例1で得られた組成物は、10人の被験者何れもが甘いと感じた。

Claims (8)

  1. 脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、分散剤および溶剤を含み、前記脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ポリグリセリドの合計含有量が0.1重量%未満である、
    医薬品、医薬部外品または化粧品である、パーソナルケア組成物。
  2. 前記分散剤が糖アルコールである、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  3. 前記脂肪酸モノグリセリドにおける脂肪酸の炭素数が12以下である、請求項1または2に記載のパーソナルケア組成物。
  4. 前記脂肪酸モノグリセリドのHLB値が8〜12である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
  5. 前記脂肪酸ポリグリセリドにおける脂肪酸の炭素数が12以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
  6. 前記脂肪酸ポリグリセリドのHLB値が12以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
  7. 下記要件(A)を満たす、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
    要件(A):前記パーソナルケア組成物中の、分散剤の含有量をx重量%とし、脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ポリグリセリドの合計含有量をz重量%とした場合、下記式(1)で規定される抗菌性分散剤活性比率yが、下記式(2)を満たす
    y=x/z (1)
    y≦0.039x3+0.4297x2+1.6614x (2)
  8. 脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、分散剤および溶剤を含み、前記分散剤の含有量が10重量%以上である、
    医薬品、医薬部外品または化粧品である、パーソナルケア組成物。
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