JP2018030065A - 超純水製造システム及び超純水製造方法 - Google Patents

超純水製造システム及び超純水製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な装置構成で、抵抗率が高く、全炭酸濃度の低い超純水を得ることのできる超純水製造システム及び超純水製造方法を提供する。
【解決手段】原水を脱塩処理する第1逆浸透膜装置と、前記第1逆浸透膜装置の透過水にを添加する酸添加装置と、前記酸の添加された透過水を真空下で脱気処理して前記透過水中の溶存ガスを除去する脱気装置と、硝酸イオン含有水を通水した際の硝酸除去率が80%以上の逆浸透膜を備え、前記溶存ガスの除去された透過水をろ過処理する、第2逆浸透膜装置とを備える超純水製造システム(ただし、前記硝酸イオン含有水のpHは、4〜5.5、硝酸イオン濃度は20〜300μg/Lである。)。
【選択図】図1

Description

本発明は、超純水製造システム及び超純水製造方法に関する。
従来、半導体製造工程や液晶ディスプレイの製造工程等で用いられる超純水は、工業用水、井水、市水などの原水からイオン性不純物や非イオン性不純物を除去して製造されている。超純水を製造する方法としては、例えば、原水に除濁や脱塩素などの前処理を施した前処理水を、逆浸透膜装置、イオン交換装置、紫外線酸化装置等を組み合わせて処理する方法が知られている。
この方法では、前処理水を逆浸透膜装置で脱塩処理し、脱塩処理水中に残留するイオン性不純物や非イオン性不純物が、再生型のイオン交換装置や、紫外線酸化装置と非再生型のイオン交換装置との組合せなどによって除去される。この方法によれば、不純物濃度が著しく低減され、例えば、抵抗率が17MΩ・cm以上の超純水の製造が可能である。
ここで、上記のような高い抵抗率の実現を阻む要因として、超純水中の炭酸成分の存在がある。この炭酸成分は水中で二酸化炭素、炭酸イオン、又は炭酸水素イオンとして、pHによって存在比率の変化する平衡状態で存在している。
例えば、水中の炭酸成分を除去するために、被処理水にアルカリ性薬品を添加して、この平衡状態をイオン成分が多くなる方へシフトさせて、逆浸透膜装置で除去することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。また、アルカリ性薬品を添加せずに、水中の炭酸ガスを除去する純水製造方法として、膜式脱気装置を逆浸透膜装置の上流位置に配置する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、水中の炭酸ガスをケミカルレスで高度に除去する目的で、逆浸透膜装置と脱気装置の組を2組直列に接続して処理する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
上記した従来の方法で脱炭酸された水は、不純物の濃度が用途によっては十分とはいえないため、電気式脱イオン装置(EDI)や再生式のイオン交換樹脂装置によってさらに処理されて高純度化される。しかしながら、上記EDIは、装置が複雑化し易く、また、再生式のイオン交換樹脂装置では再生が頻繁に行われるため、いずれも、設備投資や維持管理のコストが増大するという課題があった。
特開2000−61465号公報 特開平05−220480号公報 特開2008−80255号公報
本発明は、上記した従来の課題を解決するためになされたものであって、逆浸透膜装置と脱気装置の組合せによって、全炭酸(IC)を著しく低減し、極めて純度の高い超純水を製造することのできる超純水製造システム及び超純水製造方法を提供することを目的とする。
本発明の超純水製造システムは、原水を脱塩処理する第1逆浸透膜装置と、前記第1逆浸透膜装置の透過水に酸を添加する酸添加装置と、前記酸の添加された透過水を真空下で脱気処理して前記透過水中の溶存ガスを除去する脱気装置と、硝酸イオン含有水を通水した際の硝酸除去率が80%以上の逆浸透膜を備え、前記溶存ガスの除去された透過水をろ過処理する、第2逆浸透膜装置とを備えることを特徴とする(ただし、前記硝酸イオン含有水のpHは4〜5.5、硝酸イオン濃度は20〜300μg/Lである。)。
本発明の超純水製造システムにおいて、前記酸は、塩酸、硫酸及びクエン酸から選ばれる1種以上であることが好ましい。また、前記酸添加装置は、前記第1逆浸透膜装置の透過水に対し、0.2mg/L〜10mg/Lの濃度となる量の前記酸を添加することが好ましい。
本発明の超純水製造システムにおいて、前記酸の添加された第1逆浸透膜装置の透過水のpHは4〜5.5であることが好ましい。
本発明の超純水製造システムにおいて、前記第2逆浸透膜装置の濃縮水を前記第1逆浸透膜装置の前段に供給する還流配管を備えることが好ましい。
本発明の超純水製造システムにおいて、前記第2逆浸透膜装置の透過水を処理する非再生型混床式イオン交換樹脂装置をさらに備えることが好ましい。
本発明の超純水製造方法は、原水を第1逆浸透膜装置によって脱塩処理する工程と、前記脱塩処理された透過水に酸を添加する工程と、前記酸の添加された透過水を真空下で脱気処理する工程と、前記脱気処理された透過水を硝酸除去率が80%以上の逆浸透膜を備える第2逆浸透膜装置によってろ過処理する工程とを備えることを特徴とする(ただし、前記硝酸イオン含有水のpHは4〜5.5、硝酸イオン濃度は20〜300μg/Lである。)。
本発明の超純水製造システム及び超純水製造方法によれば、逆浸透膜装置と脱気装置の組合せによって、全炭酸(IC)を著しく低減し、極めて純度の高い超純水を製造することができる。
実施形態の超純水製造システムを模式的に表わす図である。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態の超純水製造システム1を模式的に表わす図である。超純水製造システム1は、第1逆浸透膜装置(RO1)11と、酸添加装置12と、脱気装置(DG)13と、第2逆浸透膜装置(RO2)14を備えている。第2逆浸透膜装置14は、超純水の使用場所(POU)15に接続されている。
超純水製造システム1においては、原水を第1逆浸透膜装置11で脱塩処理して第1透過水を得た後、第1透過水を脱気装置13にて脱気処理して二酸化炭素ガスを除去し、さらに、第2の逆浸透膜装置で、脱気処理水中に残留するイオン成分と非イオン成分を除去して第2透過水を生成する。
超純水製造システム1において、脱塩処理した第1透過水に酸を添加した後に脱気処理を行うことで、脱気処理水中のIC濃度を著しく低減することができる。そして、脱気処理水中に残留するイオン成分を第2の逆浸透膜装置で除去することで、不純物濃度を著しく低減し、かつ極めて高い抵抗率の第2透過水を得ることができる。ここで、全炭酸(IC)は、二酸化炭素(CO)と、炭酸イオン(CO 2−)と炭酸水素イオン(HCO )の総量である。また、以下において特に断らない限り、IC濃度は、炭素換算濃度(as C)で表す。
第2透過水は、POU15に送られて、そのまま使用されるか、必要に応じてさらに水処理が施された後に、POU15に送られる。第2透過水は必要に応じてさらに水処理が施される場合にも、上記のとおりの高純度であるために、当該水処理を施す装置の負荷を著しく低減することができる。
原水は、市水、井水、工業用水等である。また、原水は、超純水の使用場所で使用され、回収され、その後必要に応じて薬品除去処理等の施された使用済み回収水であってもよい。原水は、市水、井水、工業用水等の場合、IC濃度は2mg/L〜20mg/Lである。また、上記原水は、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)等の金属イオンを合計で10mg/L〜500mg/L、硝酸イオン(NO )を、1mg/L〜10mg/L、塩素イオン(Cl)を5mg/L〜200mg/L、硫酸イオン(SO 2−)を5mg/L〜200mg/L程度含んでいる。
超純水製造システム1は、第1逆浸透膜装置11の上流側に、原水中の濁質分やコロイド成分を除去する前処理部を備えていてもよい。前処理部は、例えば、凝集・ろ過装置、活性炭装置等を適宜選択して構成される。超純水製造システム1が前処理部を備える場合、原水は、当該前処理部で処理され、その後、第1逆浸透膜装置11に送られる。
第1逆浸透膜装置11は、逆浸透膜を有し、当該逆浸透膜によって加圧下で処理対象水を脱塩処理して、塩類を濃縮した濃縮水(第1濃縮水)と塩類の除去された透過水(第1透過水)に分離する。第1逆浸透膜装置11は、脱塩処理によって、原水中の金属イオンと、塩素イオン、硝酸イオン等金属イオンの対イオンを除去する。また、第1逆浸透膜装置11は、原水中の金属イオン以外にも、原水中の有機物等の非イオン成分をろ過してもよい。
第1逆浸透膜装置11としては、例えば、超低圧型、低圧型、高圧型の逆浸透膜装置を用いることができ、超純水の製造効率の点から、超低圧型又は低圧型の逆浸透膜装置であることが好ましい。また、第1逆浸透膜装置11の前段には、給水ポンプが備えられることが好ましい。
ここで、超低圧型の逆浸透膜は、運転圧力が、0.4MPa〜0.8MPaであり、好ましくは0.6MPa〜0.7MPaである。低圧型の逆浸透膜は、運転圧力が0.8MPaを超え2.5MPa未満であり、好ましくは1MPa〜1.6MPaである。高圧型の逆浸透膜は、運転圧力が2.5MPaを超え8MPa以下であり、好ましくは5MPaを超え6MPa以下である。なお、上記超低圧型、低圧型、高圧型の逆浸透膜装置の運転圧力は、各逆浸透膜の製造時の設計圧力であり、実際には、上記範囲以外の圧力で運転されることもある。
第1逆浸透膜装置11に備えられる逆浸透膜としては、例えば、三酢酸セルロース系非対称膜や、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系又はポリスルホン系の複合膜等が挙げられる。膜形状は、シート平膜、スパイラル膜、管状膜、中空糸膜等であるが、これらに限定されない。なかでも、塩類の除去率が高い点で、ポリアミド系の複合膜であることが好ましく、架橋全芳香族ポリアミド系の複合膜であることがより好ましい。膜形状は、スパイラル膜であることが好ましい。
第1逆浸透膜装置11の塩類除去能は、例えばNaClの除去率として95%以上であることが好ましく、99.5%以上であることがより好ましい。NaClの除去率は、25℃、pH=7、NaCl濃度0.2質量%の給水を水回収率15%、給水圧力1.5MPaで逆浸透膜に通水した際のNaCl除去率として計測される。
第1逆浸透膜装置11の市販品としては、東レ社製のTM720−400、TM720D−400、DOW社製のBW30−400、BW30−400FR、日東電工社製のCPA5、CPA5−LD等を使用することができる。
第1逆浸透膜装置11における水回収率は、第2透過水の抵抗率の向上の点で、50%〜95%であることが好ましく、50%〜90%であることがより好ましく、50〜85%であることがさらに好ましい。
また、第1逆浸透膜装置11への処理対象水の供給流量は、逆浸透膜の有効膜面積や第1逆浸透膜装置11の大きさなどにもよるが、塩類の除去率の点で、0.1m/h〜2000m/hであることが好ましく、5m/h〜1000m/hであることがより好ましい。
酸添加装置12は、第1透過水に酸を添加する。酸添加装置12は、第1透過水を流出させる配管に酸を注入する装置を用いることができる。このような酸添加装置12としては、酸を自動計量して供給する定量ポンプや、酸を収容するタンク等から、高圧水の力によって酸を吸い出して配管内に供給するエジェクター等が挙げられる。また、例えば、第1透過水を流出させる配管に介装あるいは接続されたタンクと、当該タンクに酸を添加する手段、例えば定量ポンプ等を備え、当該タンク内で第1透過水に酸を混合し、下流側に送る装置であってもよい。
酸添加装置12が添加する酸は、第1透過水の液性を酸性に調整する。これは、第1透過水の液性を酸性に調整することで、第1透過水中に炭酸イオン又は炭酸水素イオンとして溶解する二酸化炭素成分を、脱気装置13で除去し得る二酸化炭素ガスの形態にするためである。このような酸は、有機酸、無機酸のいずれであってもよいが、第2透過水中の抵抗率の低下を抑える点では、無機酸及び低分子量の有機酸が好ましい。酸は、例えば、塩酸、硫酸、クエン酸等である。酸は、下流側の第2逆浸透膜装置で除去し易いことから、2価の酸、例えば、硫酸、クエン酸であることが好ましい。これにより、第2透過水中の不純物量を低減して、抵抗率を高めることができる。また、薬品の保管管理負荷の軽減の点からは、酸は、クエン酸であることが好ましい。
酸添加装置12によって、酸の添加された第1透過水のpHは、4〜5.5であることが好ましい。酸の添加された第1透過水のpHが上記した範囲であると、後段の脱気装置13における二酸化炭素成分の除去率を向上させることができる。また、酸の添加された第1透過水のpHが上記した範囲であると、第2透過水の水質(比抵抗率)は著しく高くなる。
酸添加装置12が添加する酸の量は、第1透過水のpHを上記好ましい値に調整する量であればよい。具体的には、酸が、硫酸である場合、第1透過水に対して、0.2mg/L〜10mg/Lであることが好ましく、0.5mg/L〜2mg/Lであることがより好ましい。酸の添加量が0.2mg/L以上であることで、脱気装置13における二酸化炭素ガスの除去効果を向上させることができる。酸の添加量が10mg/L以下であることで、第2透過水中に、IC以外のイオン成分を残留させず、抵抗率の高い超純水を得ることができる。同様の観点から、酸が、クエン酸である場合、第1透過水に対して、1mg/L〜6mg/Lであることが好ましい。
脱気装置13は、真空下で被処理水の脱気処理を行う真空脱気装置又は膜脱気装置である。脱気装置13は、上記で酸の添加された第1透過水中の二酸化炭素ガスや溶存酸素等の溶存ガスを除去する。真空脱気装置は、例えば、内部に充填剤を充填した気密容器内を真空減圧して、当該気密容器上方から被処理水を流下させて、被処理水中の溶存ガスを除去する装置である。膜脱気装置は、例えば、容器内に配置した中空糸状等の気体透過膜の気相側を真空減圧し、当該気体透過膜を介して液相側の被処理水中の溶存ガスを除去する装置である。
上記で酸の添加された第1透過水を脱気装置13で脱気処理することで、炭素換算のIC濃度が、20μg/Lに低減された脱気処理水を得る。
第2逆浸透膜装置14は、逆浸透膜を有し、当該逆浸透膜によって加圧下で供給水を逆浸透膜分離処理して、脱気処理水に残留するイオン成分、有機物、微粒子等の不純物の除去された透過水(第2透過水)と、上記不純物の濃縮された濃縮水(第2濃縮水)とに分離する。
第2逆浸透膜装置14は、pH4〜5.5の硝酸イオン含有水を通水した際の硝酸除去率が80%以上、好ましくは90%以上の逆浸透膜を備える。これは、酸を添加して脱気処理した第1透過水を逆浸透膜処理すると、硝酸イオン以外のその他の陰イオンに比べて、硝酸イオンの除去率が低くなるためである。第2逆浸透膜装置14の硝酸除去率が上記範囲であれば、その他の陰イオンとともに、硝酸イオンを高度に除去することができ、高い抵抗率の第2透過水を得ることができる。ここで、逆浸透膜の硝酸除去率は、pH4〜5.5、温度25℃、導電率3〜30μS/cm、硝酸イオン濃度20〜300μg/Lの硝酸イオン含有水を、水回収率85〜90%、運転圧力0.5〜2.0MPaで逆浸透膜に通水した際の硝酸イオンの除去率として測定することができる。
第2逆浸透膜装置としては、上記硝酸除去率を有する限り、第1逆浸透膜装置11と同様のものを用いることができる。第2逆浸透膜装置14としては、超低圧型、低圧型、高圧型のいずれであってもよいが、超純水の製造効率の点から、超低圧型又は低圧型の逆浸透膜装置であることが好ましい。
第2逆浸透膜装置14の市販品としては、高耐久性、高耐薬品性と称される逆浸透膜が好ましく、例えば、給水の最大塩素濃度が0.1mg/Lを上限として設計される膜であることが好ましい。また、洗浄時の許容pH範囲が1〜13で設計されている膜、耐ファウリング性と称される逆浸透膜が好ましい。以下、これらの高耐久性の膜、高耐薬品性の膜、耐ファウリング性の膜を総称して「高耐久性膜」という。
これらの高耐久性膜では、逆浸透膜のスキン層を構成する材料のマイナスの電荷を持つ官能基の量を増やしたり、上記材料に、より強いマイナス荷電を持つ官能基を導入したりすることで、膜の強度や耐不純物付着性を増し、これにより、上記特性(高耐久性、高耐薬品性、耐ファウリング性)を得る場合がある。
ここで、pH7の中性や、アルカリ性の水を処理する通常の通水条件では、高耐久性膜による硝酸除去率は、これ以外の一般的な逆浸透膜と大きく差はない。ところが、本発明者らは、上記酸の添加された第1透過水を高耐久性膜以外の一般的な逆浸透膜で処理した場合、他のイオンに比べ、硝酸のみ著しく除去率が低いことを見出した。さらに、上記酸の添加された第1透過水を、高耐久性膜で処理した場合、高耐久性膜以外の一般的な逆浸透膜を使用した場合に比べて、硝酸除去率が大幅に向上することを見出した。
これは、高耐久性膜の表面は、上記マイナスの電荷を付与する官能基が導入されたことでその表面電位が通常の逆浸透膜よりも、負の絶対値が大きくなっており、このために、1価の陰イオンの除去率が向上されているためと考えられる。
なお、逆浸透膜の表面の荷電状態は、ゼータ電位を用いて測定されるのが一般的である。一般的に逆浸透膜の表面のゼータ電位はpHの関数となっている。通常のpH範囲、たとえば、pH5〜10では、逆浸透膜の表面のゼータ電位は負の値となるが、pHを下げるとともに、ゼータ電位は0に近づき、やがて0になる。この値を等電点という。一般的な逆浸透膜の場合の等電点は、pH3〜5程度であるが、上記高耐久性膜の場合、例えば、等電点のpH範囲は3未満である。
このような第2逆浸透膜装置14の市販品として、具体的には、東レ社製のTM720D−400(等電点のpH=2.5)、TMG20D−400、日東電工社製のES20(等電点のpH=2.7)等を使用することができる。本明細書において、等電点は、「環境工学研究論文集 Vo1.38、353〜358頁、2001年」に基づいて測定したものである。
第2逆浸透膜装置14の塩類除去能は、第2透過水の抵抗率を向上させる点で、例えば、NaClの除去率として95%以上であることが好ましく、99.5%以上であることがより好ましい。NaClの除去率は、第1逆浸透膜装置と同様に測定することができる。
第2逆浸透膜装置14における水回収率は、第2透過水の抵抗率の向上の点で、50%〜95%であることが好ましく60%〜90%であることがより好ましく、65〜85%であることがさらに好ましい。
第2逆浸透膜装置14への処理対象水の供給流量は、逆浸透膜の有効膜面積や第2逆浸透膜装置14の大きさなどにもよるが、第2透過水の抵抗率の向上の点で、0.1m/h〜2000m/hであることが好ましく、5m/h〜1000m/hであることがより好ましい。
このようにして得られる第2透過水のIC濃度は、好ましくは、20μg/L以下、より好ましくは20μg/L以下まで低減される。また、第2透過水の抵抗率は、好ましくは5MΩ・cm以上、より好ましくは、10MΩ・cm以上が得られる。そのため、第2透過水をそのままユースポイント(POU)15に供給することが可能である。また、第2逆浸透膜装置14の後段に非再生型混床式イオン交換樹脂塔を設置して、これにより第2透過水を処理し、さらに高純度の超純水を製造することもできる。この場合にも、第2透過水が上記のように高水質であるため、非再生型混床式イオン交換樹脂塔の交換サイクルとして、例えば1年以上の長期を達成可能である。
第2透過水は、そのままPOU15に供給されてもよく、必要に応じてさらに水処理が施されてもよい。第2透過水にさらに水処理が施される場合にも、第2透過水は、上記の高い抵抗率を有し、IC濃度が著しく低減されているため、再生型イオン交換樹脂装置や電気脱イオン装置等の再生型のイオン交換装置を経ずに、そのまま、非再生型イオン交換樹脂に通水することができる。これにより、イオン交換装置の再生工程を省き、超純水の製造効率を著しく向上させることができるため、コストの点からも有利である。
また、第2濃縮水は、系外に排出することもできるが、第1逆浸透膜装置11で不純物が高度に除去されているため、例えば、還流配管を設けて、第1逆浸透膜装置14の前段に還流させてもよい。このようにすることで、超純水製造システム1全体としての水回収率を向上させることができ、例えば、95%以上を得ることができる。このことも、超純水の製造効率を著しく向上させることができるため、コストの点から極めて有利である。
以上、本実施形態の超純水製造システムによれば、逆浸透膜装置と脱気装置の組合せによって、ICを著しく低減し、極めて純度の高い超純水を製造することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1と同様の構成の超純水製造システムによって、原水を処理した。原水は、厚木市水を用い、これを活性炭処理した処理対象水を、流量2.4m/hrで第1逆浸透膜装置(東レ社製、TM720−400、等電点のpH=3.8)に供給した。第1逆浸透膜装置において、運転圧力(供給水圧力−透過水圧力)が1.1MPaで、水回収率が50%となるように逆浸透膜処理した。処理対象水は、NO :4300μg/L、Na:7000μg/L、導電率:160μS/cm、IC(CO+HCO +CO 2−)濃度(as C):11600μg/L、pH:7.4であった。
上記で得られた第1逆浸透膜装置の透過水(第1透過水)に、薬注ポンプによって、硫酸を濃度が1.1mg/Lとなるように添加した。その後、膜脱気装置(3M社製、X40、4inch×28を直列に3段接続したもの)に送り、脱気処理を行った。脱気処理に際しては、各段の膜脱気装置の気相側に、それぞれ0.1Nm/hrの窒素ガスを供給し、真空ポンプで50Torrまで真空度を下げた。
次いで、上記で脱気処理した第1透過水を、第2逆浸透膜装置(東レ社製、TM720D−400)に送り、運転圧力が0.9MPaで、水回収率が80%となるように逆浸透膜処理した。なお、硝酸除去率(温度25℃、導電率が3〜30μS/cm、硝酸イオン濃度20〜300μg/L、pH4〜5.5の水を、水回収率90%、運転圧力1.0MPaで逆浸透膜に通水した際の硝酸イオンの除去率)は東レ社製のTM720−400が67%、TM720D−400が97%である。
実施例1において、第1逆浸透膜装置(RO1)の透過水と第2逆浸透膜装置(RO2)の透過水の水質(硝酸イオン濃度、ナトリウム濃度、IC濃度、導電率、pH)、RO2の供給水のpH及びRO2の透過水の抵抗率をそれぞれ測定した。結果を試験条件とあわせて表1に示す。IC濃度は、GE社製のSIEVERS TOC−900を用いて、測定した。抵抗率は、堀場製作所製の比抵抗計HE−960RW、ナトリウム濃度は、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)。硝酸イオン濃度は、イオンクロマトグラフィを用いてそれぞれ測定した。
また、実施例1において、処理対象水、第1透過水及び第2透過水に含まれる、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫酸イオン及び塩素イオンの濃度を測定した。カリウム、カルシウム、マグネシウムはICP−MS、硫酸イオン及び塩素イオンはイオンクロマトグラフィを用いてそれぞれ測定した。結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1において、第1透過水に、硫酸に代えてクエン酸を1.6mg/Lとなるように添加した他は実施例1と同様にして原水を処理し、各箇所での水質等を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、第1透過水に、硫酸に代えて塩酸を0.9mg/Lとなるように添加した他は実施例1と同様にして原水を処理し、各箇所での水質等を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、第2逆浸透膜装置として、第1逆浸透膜装置と同様の東レ社製、TM720−400を用い、硫酸を0.6mg/Lとなるように添加した他は実施例1と同様にして原水を処理し、各箇所での水質等を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
また、比較例1において、処理対象水、第1透過水及び第2透過水に含まれる、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫酸イオン及び塩素イオンの濃度を上記同様に測定した。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例1において、処理対象水を、実施例1と同様の装置を用いて、第1逆浸透膜装置、第2逆浸透膜装置、膜脱気装置の順で処理し、酸の添加を行わない他は、実施例1と同様にして原水を処理し、各箇所での水質等を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、処理対象水を、実施例1と同様の装置を用いて、第1逆浸透膜装置、膜脱気装置、第2逆浸透膜装置の順で処理し、酸の添加を行わない他は、実施例1と同様にして原水を処理し、各箇所での水質等を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、処理対象水を、実施例1と同様の装置を用いて、膜脱気装置、第1逆浸透膜装置、第2逆浸透膜装置の順で処理し、酸の添加を行わない他は、実施例1と同様にして原水を処理し、各箇所での水質等を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
Figure 2018030065
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以上より、第1逆浸透膜装置と、硝酸イオン含有水を通水した際の硝酸除去率が80%以上の逆浸透膜を備えた第2逆浸透膜装置とを組み合わせて使用し、第1逆浸透膜装置の透過水に酸を添加して脱気装置した後に第2逆浸透膜装置に供給することで、全炭酸(IC)を著しく低減し、極めて純度の高い超純水が製造できることが分かる。
1…超純水製造システム、11…第1逆浸透膜装置、12…酸添加装置、13…脱気装置、14…第2逆浸透膜装置、15…使用場所(POU)。

Claims (7)

  1. 原水を脱塩処理する第1逆浸透膜装置と、
    前記第1逆浸透膜装置の透過水に酸を添加する酸添加装置と、
    前記酸の添加された透過水を真空下で脱気処理して前記透過水中の溶存ガスを除去する脱気装置と、
    硝酸イオン含有水を通水した際の硝酸除去率が80%以上の逆浸透膜を備え、前記溶存ガスの除去された透過水をろ過処理する、第2逆浸透膜装置と
    を備えることを特徴とする超純水製造システム。
    (ただし、前記硝酸イオン含有水のpHは4〜5.5、硝酸イオン濃度は20〜300μg/Lである。)
  2. 前記酸は、塩酸、硫酸及びクエン酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の超純水製造システム。
  3. 前記酸添加装置は、前記第1逆浸透膜装置の透過水に対し、0.2mg/L〜10mg/Lの濃度となる量の前記酸を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の超純水製造システム。
  4. 前記酸の添加された第1逆浸透膜装置の透過水のpHは4〜5.5であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の超純水製造システム。
  5. 前記第2逆浸透膜装置の濃縮水を前記第1逆浸透膜装置の前段に供給する還流配管を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の超純水製造システム。
  6. 前記第2逆浸透膜装置の透過水を処理する非再生型混床式イオン交換樹脂装置をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の超純水製造システム。
  7. 原水を第1逆浸透膜装置によって脱塩処理する工程と、
    前記脱塩処理された透過水に酸を添加する工程と、
    前記酸の添加された透過水を真空下で脱気処理する工程と、
    前記脱気処理された透過水を、硝酸イオン含有水を通水した際の硝酸除去率が80%以上の逆浸透膜を備える第2逆浸透膜装置によってろ過処理する工程と
    を備えることを特徴とする超純水製造方法。
    (ただし、前記硝酸イオン含有水のpHは4〜5.5、硝酸イオン濃度は20〜300μg/Lである。)
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