以下に、本願の開示する受電装置及び受電プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
まず、本実施例における非接触給電システムについて説明する。本実施例における非接触給電システムは、2台以上の受電端末と、2台以上の送電装置とから構成される。受電端末は、例えば携帯端末であり、携帯電話機、スマートフォンやタブレット端末等の機器の一例であるが、これに限られず、携帯可能なその他の機器であってもよい。なお、受電端末は、受電装置の一例である。
送電装置は、例えば電力を送出する据置型の機器であり、事務所、居室、飲食店等のテーブルや壁面等に設置される。なお、送電装置はこれに限られず、スタンド型の機器や、携帯可能な機器であってもよい。
図1は、送電装置と受電端末との位置関係の一例を示す図である。図1に示すように、非接触給電システム1は、複数の送電装置10及び20と、複数の受電端末100及び200とを有する。なお、複数の送電装置10と20とを区別せずに表現する場合に「送電装置99」と表記する場合があり、複数の受電端末100と200とを区別せずに表現する場合に「受電端末999」と表記する場合がある。なお、図1においては、非接触給電システム1が2台の送電装置10及び20と2台の受電端末100及び200とを含む例を示すが、これに限られず、3台以上の送電装置99を含む構成であってもよく、受電端末999を3台以上含むような構成であってもよい。
図1において、受電端末100は、送電装置10から送出される連続的な電力を受電して図示しないバッテリー等の各部に電力供給を行う。また、受電端末100は、送電装置20から一定の休止期間をおいて送出される断続的な電力(以下において「ビーコン信号」と記載する場合がある)を受けることにより、送電装置20が近傍にあることを検出する。さらに、受電端末100は、送電装置10及び20との間で、給電要求を送信する等の通信を、無線によるP2P(ピアツーピア)で行う。
受電端末100と送電装置10との位置関係について、図2を用いて説明する。図2は、送電装置の周辺領域の一例を示す図である。受電端末100は、図2に示す通信範囲10−3に入ることにより、BlueTooth(登録商標)LE等の無線通信手段を用いて送電装置10との間でP2P通信を行うことができる。例えば、通信範囲10−3は、送電装置10の周囲数m〜100m程度であるが、これに限られない。
また、受電端末100は、図2に示すビーコン検出範囲10−2に入ることにより、送電装置10から送出されるビーコン信号を検出することができる。例えば、ビーコン検出範囲10−2は、送電装置10の周囲1m〜数m程度であるが、これに限られない。なお、受電端末100は、ビーコン検出範囲10−2においては、送電装置10がビーコン信号ではなく連続的な電力を送出している場合においても、各部への電力供給に必要な電力を得ることが難しい。このため、受電端末100がビーコン検出範囲10−2に存在する場合は、全く電力供給ができないか、又は電力供給が不十分となる場合がある。
さらに、受電端末100は、図2に示す給電可能領域10−1に入ると、送電装置10から送出される連続的な電力を受電して、各部への電力供給を行うことができる。例えば、給電可能領域10−1は、送電装置10の周囲10cm〜1m程度であるが、これに限られない。
図1に戻って、送電装置10は、受電端末100及び200のいずれに対しても電力を送出していない場合、ビーコン信号を送出する。例えば、送電装置10は、受電端末100が給電可能領域10−1に入ると、送電回路内の電圧値あるいは電流値の変化により受電端末100を検出する。また、送電装置10は、給電可能領域10−1内の受電端末100から給電要求を受信した場合、ビーコン信号の送出を停止し、連続的な電力の送出に切り換える。また、受電端末100から受電終了が通知された場合、送電装置10は連続的な電力の送出を停止し、ビーコン信号の送出に切り換える。本実施例においては、ビーコン信号の送出と連続的な電力の送出とは択一的な関係にあり、送電装置10は、ビーコン信号と連続的な電力とを同時に送出することはない。すなわち、送電装置10は、現在連続的な電力を送出しておらず、かつ受電装置が送信する給電要求に基づいて連続的な電力の送出を開始できる場合に、ビーコン信号を送出する。
送電装置10が送出するビーコン信号及び連続的な電力について、図3A及び図3Bを用いて説明する。図3Aは、送電装置が送出するビーコン信号のレベルを示す波形の一例を示す図である。例えば、図3Aに示すように、ビーコン信号4001は、休止期間4013を挟んで断続的に送出される電力4011である。一例として、Airfuelの仕様では、断続的な電力の送出と休止期間とが、例えば250ミリ秒の長さを1周期として繰り返される。具体的には、断続的な電力4011が10〜30ミリ秒の間送出され、その後220〜240ミリ秒の長さの休止期間4013の後、再び送出される。なお、図3Aに示すビーコン信号4001の電圧値及び周期は一例であり、ビーコン信号の一つの周期が、電圧値や長さが異なる複数の断続的な電力4011や、長さの異なる複数の休止期間4013の組み合わせを含むような構成であってもよい。
また、送電装置10は、いずれかの受電端末999からP2P通信等の無線通信手段により給電要求を受信した場合、ビーコン信号の送出を停止し、図3Bに示す連続的な電力の送出に切り換える。図3Bは、送電装置が送出する連続的な電力のレベルを示す波形の一例を示す図である。図3Bに示すように、連続的な電力4101は、図3Aに示すような休止期間4013を挟むことなく、連続して送出される電力である。送電装置10は、例えば、受電端末100が図2に示す給電可能領域10−1に入ったことを、送電回路内の電圧値や電流値の変化により検知する。また、送電装置10は、受電端末100から給電要求を受信した場合に、ビーコン信号の送出を停止し、連続的な電力の送出に切り換える。
図1に戻って、例えば、受電端末100及び200は、送電装置10の給電可能領域10−1に入っているので、送電装置10から電力を受電して各部への電力供給を行うことができる。この場合において、送電装置10による電力の送出能力に余裕がない場合、受電端末100及び200における受電電力は、いずれか一方の受電端末のみが送電装置10から受電する場合と比較して小さくなる。
なお、図1に示す例において、送電装置10は給電可能領域10−1に入っている受電端末100及び受電端末200に連続的な電力を送出しているので、ビーコン信号を送出しない。一方、送電装置20は、受電端末100及び200のいずれも給電可能領域20−1に入っていないので、連続的な電力を送出せずにビーコン信号を送出する。この場合、図1に示す受電端末100は、給電可能領域10−1に入っているので送電装置10が送出する連続的な電力を受電でき、さらに送電装置20のビーコン検出範囲20−2にも入っているので、送電装置20から送出されるビーコン信号を検出できる。これにより、受電端末100は、送電装置20が近傍にあり、かつ送電装置20が他の受電端末、例えば受電端末200に連続的な電力を送出していないことを検出できる。
例えば、図1において、送電装置10の給電可能領域10−1内に入っている受電端末100は、送電装置10から送出される連続的な電力を受電して、各部への電力供給を行うことができる。しかし、送電装置10は受電端末200にも給電を行っているので、受電端末100は、送電装置10から十分な電力を受電できない場合がある。
このような場合、本実施例においては、受電端末100は、送電装置10から受電している場合においても、送電装置20からビーコン信号を受けることができる。送電装置10及び20は、連続的な電力を送出中である場合はビーコン信号を送出しない。また、送電装置10及び20は、ビーコン信号を送出中である場合は、受電端末100から受信する給電要求に基づいて、連続的な電力の送出を開始することができる。これにより、受電端末100は、送電装置20から送出されるビーコン信号を検出することにより、受電端末100に連続的な電力の送出を開始できる送電装置20が近傍にあることを検出することができる。
このように、受電端末は、第1の送電装置から非接触で受電中にビーコン信号を受けた場合、第2の送電装置の存在を利用者に通知するので、十分な電力を送出できる他の送電装置の存在を利用者に通知できる。
次に、本実施例における非接触給電システム1の機能構成について、図4を用いて説明する。図4は、機能構成の一例を示す図である。図4に示す受電端末100と、送電装置10又は20とは、BlueTooth(登録商標)LE等の無線通信手段を用いてP2P通信ができるように無線接続される。なお、図1に示す受電端末200及び送電装置20は、それぞれ受電端末100及び送電装置10と同様の構成を有するので、機能構成についての詳細な説明は省略する。
[受電端末の機能構成]
受電端末100は、通信部110と、受電部111と、変換部112と、記憶部120と、制御部130とを有する。通信部110は、送電装置10及び20と無線で接続され、送電装置10及び20との間での情報の通信を司る。例えば、通信部110は、通信回路とアンテナによって実現され、P2P等の無線通信手段にて送電装置10及び20との間での通信を行う。
受電部111は、送電装置99からビーコン信号を含む電力を受ける。受電部111は、制御部130による指示に従い、ビーコン信号を含む電力の受電を開始し、電力を変換部112に出力する。また、受電部111は、制御部130による指示に従い、受電した連続的な電力を、図示しないバッテリー等の各部に供給する。
変換部112は、受電した電力を、制御部130が扱える受電信号に変換する処理部である。変換部112は、受電部111から出力された電力を、電圧値として出力する。例えば、変換部112は、受電電力を消費する負荷にかかる電圧を、ハイインピーダンス入力のサンプリング回路で受け、それをA/D変換した値として出力する。変換部112は、例えば、負荷のインピーダンスを通常より高めにすることで、検出感度を高めることができる。例として、通常の給電時に5Ωの負荷において、25Ωの負荷とすれば感度は5倍となる。これにより、受電電力が小さい場合でも、ノイズに埋もれずに受電信号に変換できるという効果がある。
なお、ビーコンパターンと、受電信号との相互相関を取る際、それぞれに直流成分があると、その積により、本来相関が全くない信号であっても、0ではない相関値が出ることがある。このように正しくない相関値が算出されることを防ぐため、変換部112は、受電信号を出力する際に、直流成分を除去することがある。変換部112は、例えば受電信号をHPF(ハイパスフィルタ)にかけ、又は受電信号の平均値を求め、元の受電信号の個々の値から、その平均値を差し引くことにより、直流分を除去する。後述するように、直流成分を除去された受電信号のサンプル値の平均値は0となる。
記憶部120は、受電端末100が使用するプログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部120は、例えば受電端末100が出力するメッセージなど、制御部130が行う各処理に用いられる情報を適宜記憶する。
図4に示すように、記憶部120は、パターンDB121と、閾値DB122とを有する。パターンDB121は、受けたビーコン信号が条件を満たすか否かを判定するためのビーコンパターンテーブルを記憶する。
ビーコンパターンテーブルには、条件に合致するビーコン信号の周期を短い単位時間に細分化した場合における、各単位時間のビーコン信号のパターンが記憶される。単位時間は、例えば5ミリ秒(ms)であるが、これに限られない。また、パターンは、例えば「0」と「1」とで表すことができるが、これに限られず、連続した値を取るような構成であってもよい。
図5は、ビーコンパターンテーブルの一例を示す図である。図5に示すビーコンパターンテーブルは、ビーコン信号の周期が「250ミリ秒」の場合における2周期分のビーコンパターンを記憶する場合の例を示す。なお、ビーコンパターンテーブルは、例えば1周期分のビーコンパターンを記憶してもよく、また3周期分以上のビーコンパターンを記憶してもよい。
図5に示すように、ビーコンパターンテーブルは、「m」と、「ms」と、「Pp(m)」とを対応付けて記憶する。「m」は、何番目のパターンであるかを示す。また、「ms」は、「m」番目のパターンが、何ミリ秒(ms)の時点における値であるかを示す。具体的には、「ms」欄の「X−Y」は、「Xms以降、Ymsより前」であることを示す。例えば、図5において、「0−5」は、「0ms以降、5msより前」であることを示す。
また、「Pp(m)」は、「m」番目のパターンを示す。例えば、図5は、「0−5」msにおける「1」番目のパターンは「0」であり、「5−10」msにおける「2」番目のパターンは「1」であることを示す。
図5に示すビーコンパターンテーブルは、例えば、1周期目では、「5」msの時点で電力の送出を開始し、「35」msの時点で停止するまでの30msの間、電力の送出を継続することを示す。また、2周期目では、「255ms」の時点で電力の送出を開始し、「285」msの時点で停止するまで、同じく30msの間、電力の送出を継続することを示す。
図4に戻って、閾値DB122は、各種の処理に用いられる閾値を記憶する。例えば、閾値DB122は、後述する電力のレベルとビーコンパターンとの相互相関値の閾値として、「2」を記憶する。また、閾値DB122は、送電装置10から受電する電力の電圧値に関する第1の閾値として「5」Vを記憶する。さらに、閾値DB122は、給電監視の契機を生成するための閾値として、「30」%を記憶する。記憶される各閾値を用いた具体的な処理については後述する。
次に、制御部130の各機能について説明する。例えば、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、受電端末100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
制御部130は、監視制御部131と、装置検出部132と、受電通知部133と、給電判定部134と、通知制御部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、監視制御部131、装置検出部132、受電通知部133、給電判定部134及び通知制御部135は、プロセッサなどの電子回路の一例またはプロセッサなどが実行するプロセスの一例である。
監視制御部131は、給電監視の契機を生成し、又は給電監視を終了させる処理部である。例えば、監視制御部131は、所定の条件を満たした場合に、受電部111及び変換部112に対する指示を出力することにより、ビーコン信号を含む電力の受電の開始又は停止を制御する。監視制御部131は、給電制御部の一例である。
例えば、監視制御部131は、ビーコン信号の受電の開始を制御する際、変換部112に対して受電回路の負荷を通常より高めにすることを指示することにより、ビーコン信号に対する検出感度を向上させる。また、監視制御部131は、装置検出部132に、ビーコン信号の判定に関する指示を出力するとともに、受電通知部133に、受電状況の判定に関する指示を出力する。
具体的には、監視制御部131は、閾値DB122を参照し、受電端末100の電池残量等の条件が閾値を上回った場合又は閾値を下回った場合に、ビーコン信号の受電の開始を制御する。例えば、監視制御部131は、電池残量が「30」%を下回ったことを検出すると、ビーコン信号の受電の開始を制御する。また、監視制御部131は、送電装置99から十分な電力を受電していると判定された場合、ビーコン信号の受電の停止を制御するような構成であってもよい。
装置検出部132は、受電した電力のレベルを示す波形がビーコンパターンに合致するか否かを判定して、電力の送出を開始できる送電装置99を検出する処理部である。装置検出部132は、変換部112から受電電力のレベルの入力を受けると、パターンDB121を参照し、受電電力のレベルを示す波形と、ビーコンパターンとがどの程度合致しているかを判定する。なお、装置検出部132は、監視制御部131から指示を受けると、ビーコン信号のサンプルの取得回数「n」を初期化する。例えば、装置検出部132は、サンプルの取得回数nを初期値である「0」に設定する。なお、装置検出部132は、パターン判定部及び信号強度判定部の一例である。
装置検出部132は、電力のレベルを示す波形がビーコンパターンに合致すると判定された場合、近傍に連続的な電力を送出していない送電装置99があることを示す情報を給電判定部134に出力する。また、装置検出部132は、ビーコンパターンに合致すると判定された電力のレベルを示す波形を検出しない場合、近傍には連続的な電力の送出を開始できる送電装置99がないことを示す情報を給電判定部134に出力する。
本実施例では、装置検出部132は、特定の時点におけるサンプル値とビーコンパターンとから算出される相互相関値が、閾値DB122に記憶された閾値を上回った場合に、受けたビーコン信号の電力のレベルを示す波形がビーコンパターンに合致すると判定する。装置検出部132は、ビーコン信号の所定の周期、例えばビーコンパターン1周期分のサンプル数を上回る数の検出値Pr(m)の平均値が0になるように調整されたPrb(m)をサンプル値として用いる。Prb(m)は、例えば変換部112から出力される。また、装置検出部132は、全ビーコンパターンの平均値が0になるように減算したパターン値Ppb(m)をパターン値として用いる。
算出されたサンプル値とパターン値との比較について、図6乃至図7Eを用いて説明する。図6は、ビーコンパターンの一例を示す図である。図6の右側に示すテーブルのPpb(m)7000は、図5に示すビーコンパターンテーブルのビーコンパターンPp(m)の平均値が0になるように減算したパターン値を示す。なお、図6乃至図7Eにおいて、図面右側のテーブルの各列と同じ符号が付された図面左側のグラフは、各列に示す値をプロットしたグラフを示す。装置検出部132は、受けたビーコン信号のサンプル値Prb(m)と、図6に示すパターン値Ppb(m)とを比較する。
装置検出部132は、例えば、サンプル値Prb(m)とパターン値Ppb(m)とを以下の式(1)に当てはめることにより、ビーコン信号とビーコンパターンとの相互相関値Cを算出する。なお、式(1)において、Mはビーコンパターン1周期分のサンプル数を示す。
図7Aは、送電装置から受ける電力のレベルを示す波形とビーコンパターンとの比較の一例を示す図である。なお、図7Aに示す電力のレベルには、受電部111において受電された電力から、変換部112において直流成分が除去されたサンプル値Prb(m)が用いられている。図7B乃至図7Eにおいても同様である。
図7Aの右側に示すテーブルのPrb(m)をプロットしたグラフ7001は、グラフ7000と一致する。この場合は、Ppb(m)・Prb(m)の総和である相互相関値Cは「5.28」と高い値となり、記憶された閾値「2」を上回るので、装置検出部132は、受けたビーコン信号がビーコンパターンに合致すると判定する。
図7Bは、送電装置から受ける電力のレベルを示す波形とビーコンパターンとの比較の別の一例を示す図である。図7Bにおいては、断続的に送出される電力であるビーコン信号ではなく、連続的な電力とビーコンパターンとを比較した場合の例を示している。図7Bに示すように、連続的に送出される電力の連続的に送出される電力の検出値Pr(m)をプロットすると、グラフ7100のようになる。一方、連続的に送出される電力を受電する場合、取得された全てのPr(m)の平均値が0になるように調整されたPrb(m)は、テーブルの列7101に示すように、全て0となる。この結果、Ppb(m)・Prb(m)の総和である相互相関値Cは「0」となり、記憶された閾値「2」以下となるので、装置検出部132は、受けた電力のレベルを示す波形はビーコンパターンに合致しないと判定する。
図7Cは、送電装置から受ける電力のレベルを示す波形とビーコンパターンとの比較の別の一例を示す図である。図7Cにおいては、例えば送電装置10から受電端末100までの距離が遠い等の理由により、送電装置10が送出するビーコン信号が衰弱している例について説明する。衰弱したビーコン信号の検出値Pr(m)は、例えばグラフ7200に示すように、「0」と「0.50」との値をとる。取得されたPr(m)の平均値が0になるように調整されたPrb(m)は、テーブルの列7201に示すように、「−0.06」と「0.44」との値をとる。この場合、Ppb(m)・Prb(m)の総和である相互相関値Cは「2.64」と、記憶された閾値「2」を上回るので、装置検出部132は、受けたビーコン信号の電力のレベルを示す波形がビーコンパターンに合致すると判定する。
図7Dは、送電装置から受ける電力のレベルを示す波形とビーコンパターンとの比較の別の一例を示す図である。図7Dにおいては、グラフ7000と、ランダムな電力のレベルを示すグラフ7301とを比較した場合の例を示している。この場合、Ppb(m)とPrb(m)との積はランダムであり、相互相関値Cは「−0.38」となる。すなわち、相互相関値Cが、記憶された閾値「2」以下であるので、装置検出部132は、受けた電力のレベルを示す波形はビーコンパターンに合致しないと判定する。
図7Eは、送電装置から受ける電力のレベルを示す波形とビーコンパターンとの比較の別の一例を示す図である。図7Eにおいて、グラフ7000と、ビーコン信号の電力のレベルを示すグラフ7401とは、波形が同じであるものの、時間的なずれがある。この場合は、相互相関値Cは「−0.72」となり、記憶された閾値「2」以下である。ただし、このようにビーコン信号とビーコンパターンとの間に時間的なずれがある場合、例えば式(2)に当てはめることにより、ビーコン信号とビーコンパターンとの時間的なずれを吸収して、相互相関値Cを算出することができる。
例えば、式(1)においては、m番目のサンプル値Prb(m)と、m番目のパターン値Ppb(m)とを乗じていたが、式(2)においては、(n−M+m)番目のサンプル値Prb(n−M+m)をPpb(m)に乗じている。(n−M+m)は、サンプルの取得回数nの増加に応じて変化するので、式(2)を用いることで、ビーコン信号の電力のレベルを示す波形とビーコンパターンとの時間的なずれを吸収して、相互相関値Cを算出することができる。
図4に戻って、受電通知部133は、現在の受電電力を判定して、給電判定部134に通知する処理部である。例えば、受電通知部133は、閾値DB122を参照し、受電電力に関する第1の閾値及び第1の閾値より大きい第2の閾値と、受電部111から出力された現在の受電電力とを比較する。なお、受電通知部133は、監視制御部131による指示に従い、受電フラグ「Fr」を初期化する。例えば、受電通知部133は、受電フラグFrを「不可」に設定する。なお、受電通知部133は、電力判定部の一例である。
例えば、現在の受電電力が、第1の閾値を上回り、かつ第2の閾値以下である場合、受電通知部133は、受電中だが受電電力が不十分であることを給電判定部134に通知する。同様に、受電通知部133は、現在の受電電力が第1の閾値以下である場合、受電通知部133は、受電中ではないことを給電判定部134に通知し、現在の受電電力が第2の閾値を上回る場合、十分な電力を受電できていることを給電判定部134に通知する。なお、受電通知部133は、現在の受電電力が第1の閾値を上回る場合は、受電中であるとして受電フラグ「Fr」を「可」に設定し、現在の受電電力が第1の閾値以下である場合は受電フラグ「Fr」を「不可」に設定する。
給電判定部134は、現在の受電状況と、近傍の送電装置99の有無との情報に基づいて、給電状況を判定する処理部である。具体的には、給電判定部134は、装置検出部132から、近傍の送電装置99の有無に関する情報の入力を受けるとともに、受電通知部133から、現在の受電状況に関する情報の入力を受ける。そして、給電判定部134は、給電状況及び近傍の送電装置99の有無に関して判定した結果を、通知制御部135に出力する。
例えば、給電判定部134は、十分な電力を受電できていると判定された場合、給電状況に関する判定結果を通知制御部135に出力する。また、給電判定部134は、受電中だが受電電力が不十分である、又は受電中ではないと判定された場合、近傍の送電装置99の有無をさらに判定し、給電状況及び近傍の送電装置99の有無に関する判定結果を通知制御部135に出力する。
通知制御部135は、給電判定部134から入力された給電状況及び近傍の送電装置99の有無に関する判定結果を、受電端末100の利用者に出力する処理部である。例えば、通知制御部135は、受電端末100の図示しないディスプレイにメッセージを表示することにより、受電端末100の利用者に情報を出力する。また、通知制御部135が、図示しないスピーカやバイブレータ等を用いて、受電端末100の利用者に情報を出力するような構成であってもよい。なお、通知制御部135は、出力部の一例である。
通知制御部135が出力する情報の一例について、図8を用いて説明する。図8は、表示されるメッセージの一例を示す図である。通知制御部135は、図8の符号9001の(a)乃至(e)に示すように、受電端末100の給電状況及び近傍の送電装置99の有無に応じたメッセージをディスプレイに表示させる。
通知制御部135は、給電判定部134から、十分な電力を受電できているという判定結果が入力された場合、図8に示すメッセージ(a)を出力する。すなわち、通知制御部135は、「十分な電力で受電しています。」というメッセージを出力する。
また、通知制御部135は、給電判定部134から、受電中だが受電電力が不十分であり、かつ近傍にビーコン信号を送出している送電装置10又は20があるという判定結果が入力された場合、図8に示すメッセージ(b)を出力する。すなわち、通知制御部135は、「受電していますが、電力が十分でありません。近くに空いている送電装置があります。」というメッセージを出力する。
また、通知制御部135は、給電判定部134から、受電中だが受電電力が不十分であり、かつ近傍にはビーコン信号を送出している送電装置10又は20がないという判定結果が入力された場合、図8に示すメッセージ(c)を出力する。すなわち、通知制御部135は、「受電していますが、電力が十分でありません。近くに空いている送電装置はありません。」というメッセージを出力する。
また、通知制御部135は、給電判定部134から、受電中ではなく、かつ近傍にビーコン信号を送出している送電装置10又は20があるという判定結果が入力された場合、図8に示すメッセージ(d)を出力する。すなわち、通知制御部135は、「受電できていませんが、近くに空いている送電装置があります。」というメッセージを出力する。
また、通知制御部135は、給電判定部134から、受電中ではなく、かつ近傍にはビーコン信号を送出している送電装置10又は20がないという判定結果が入力された場合、図8に示すメッセージ(e)を出力する。すなわち、通知制御部135は、「受電できていません。近くに空いている送電装置はありません。」というメッセージを出力する。
以上のように、受電端末100は、給電状況及び近傍の送電装置20の有無に関するメッセージを表示することにより、利用者に対して、送電装置10から受電中に、他の送電装置20の存在を通知することができる。
[送電装置の機能構成]
次に、図4に戻って、送電装置10の機能構成について説明する。送電装置10は、通信部11と、記憶部12と、送電部13と、制御部14とを有する。通信部11は、受電端末100及び200と無線で接続され、受電端末100及び200との間での情報の通信を司る処理部である。例えば、通信部11は、通信回路とアンテナによって実現され、P2P等の無線通信手段にて受電端末100及び200との間での通信を行う。
記憶部12は、送電装置10が使用するプログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部12は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部12は、制御部14が行う各処理に用いられる情報を適宜記憶する。
送電部13は、ビーコン信号と連続的な電力とを切り替えて送出する処理部である。例えば、送電部13は、通常はビーコン信号を送出し、制御部14から指示を受けた場合、ビーコン信号の送出を連続的な電力の送出に切り換える。送電部13は、例えば、送電回路とアンテナによって実現される。
制御部14は、CPUやMPU等によって、送電装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。制御部14は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。また、制御部14は、プロセッサなどの電子回路の一例またはプロセッサなどが実行するプロセスの一例である。
制御部14は、受電端末999による受電の開始又は終了に伴う制御を行う処理部である。例えば、制御部14は、送電回路における電圧値又は電流値の変化と、通信部11を通じて受電端末999から受信する情報とに基づいて、受電端末999による受電の開始を検出し、電力の切り替え指示を送電部13に出力する。制御部14は、ビーコン信号の送出中に、送電回路における電圧値又は電流値の変化を検出した場合に、受電端末100が給電可能領域10−1に進入したと判定する。また、制御部14は、給電可能領域10−1に入った受電端末100から給電要求を受信した場合に、ビーコン信号の送出を連続的な電力の送出に切り換える指示を送電部13に出力する。
また、制御部14は、連続的な電力の送出中に、受電端末100が受電の終了を通知した場合など、受電端末100が受電を終了した場合、連続的な電力の送出をビーコン信号の送出に切り換える指示を送電部13に出力する。なお、制御部14は、別の受電端末200が給電可能領域10−1に存在すると判定した場合、連続的な電力の送出を継続させるような構成であってもよい。この場合、送電装置10は、受電端末100が受電を終了した場合においても、別の受電端末200が受電中である場合には、連続的な電力の送出を維持するために、送電部13に対して指示を出力せず、連続的な電力の送出を継続させる。
[送電装置の動作の流れ]
次に、本実施例における送電装置10の動作の流れについて、図9を用いて説明する。図9は、送電装置による動作の流れの一例を示すフローチャートである。まず、送電装置10は、ビーコン信号を送出し(ステップS101)、送電回路における電圧値又は電流値の変化を検出したか否かにより、受電端末100が給電可能領域10−1に入ったか否かを判定する(ステップS111)。
電圧値又は電流値の変化を検出していないと判定された場合(ステップS111:No)、送電装置10は引き続きビーコン信号を送出し、ステップS111に戻る(ステップS141)。
一方、電圧値又は電流値の変化を検出したと判定された場合(ステップS111:Yes)、送電装置10は、受電端末100との間でP2P通信を実施し(ステップS113)、受電端末100から給電要求を受信したか否かを判定する(ステップS121)。給電要求を受信していないと判定された場合(ステップS121:No)、送電装置10は引き続きビーコン信号を送出し、ステップS111に戻る(ステップS141)。
一方、給電要求を受信したと判定された場合(ステップS121:Yes)、送電装置10は、ビーコン信号の送出を停止し、連続的な電力の送出を開始する(ステップS123)。これにより、受電端末100は送電装置10から送出される連続的な電力を受電することができる。
次に、送電装置10は、受電端末100から受電終了を示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS131)。受電終了を示す情報を受信したと判定された場合(ステップS131:Yes)、送電装置10は、連続的な電力の送出を停止し(ステップS137)、ステップS101に戻ってビーコン信号の送出を行う。
受電終了を示す情報を受信していないと判定された場合(ステップS131:No)、送電装置10は、受電端末100との通信が途絶したか否かを判定する(ステップS133)。受電端末100との通信が途絶したと判定された場合(ステップS133:Yes)、送電装置10は、連続的な電力の送出を停止し(ステップS137)、ステップS101に戻ってビーコン信号の送出を行う。
一方、受電端末100との通信が途絶していないと判定された場合(ステップS133:No)、送電装置10は連続的な電力の送出を継続する(ステップS135)。その後、ステップS131に戻って処理を繰り返す。
[受電端末の動作の流れ]
次に、受電端末100による動作の流れについて、図10A及び図10Bを用いて説明する。図10A及び図10Bは、受電端末による動作の流れの一例を示すフローチャートである。図10A及び図10Bにおいては、送電装置A及びBの2つの送電装置が設置される例について説明する。まず、受電端末100は、例えば利用者による指示に基づいて、監視契機を生成し(ステップS201)、受電回路を起動する(ステップS203)。
次に、受電端末100は、ビーコン信号を検出し、又は連続的な電力の送出を検出することにより、給電可能な送電装置Aを検出したか否かを判定する(ステップS211)。送電装置Aを検出していないと判定された場合(ステップS211:No)、端子aを通じてステップS251に移行する。
一方、送電装置Aを検出したと判定された場合(ステップS211:Yes)、受電端末100は通信部110を介して受電要求を送信して手続きを行った後に、送電装置Aから送出される連続的な電力を受電し、各部への電力供給を開始する(ステップS213)。通信部110による手続きについては、詳細な説明を省略する。次に、受電端末100は、受電電力が所定の基準値を上回るか否かを判定する(ステップS221)。受電端末100は、受電電力が所定の基準値以下であると判定された場合(ステップS221:No)、端子aを通じてステップS251に移行する。一方、受電端末100は、受電電力が所定の基準値を上回ると判定された場合(ステップS221:Yes)、処理を終了する。
図10Bに移って、受電端末100は、送電装置A以外に給電可能な送電装置があるか否かを検出するために、記憶されたビーコンパターンと合致するビーコン信号を検出できるか否かを判定する(ステップS251)。連続的な電力を送出している送電装置Aは、ビーコン信号を送出しないので、受電端末100は、ビーコン信号を検出した場合、送電装置Aとは異なる給電可能な送電装置Bが近傍にあることを検出できる。
ビーコン信号が検出できないと判定された場合(ステップS251:No)、受電端末100は、給電可能な送電装置がないことを通知し(ステップS265)、ステップS271に移行する。一方、受電端末100は、ビーコン信号を検出できたと判定された場合(ステップS251:Yes)、受電端末100は、送電装置Aとは異なる給電可能な送電装置Bを検出したことを通知し(ステップS263)、ステップS271に移行する。
そして、受電端末100は、送電装置Aから送出された電力を受電中であるか否かを判定する(ステップS271)。受電中ではないと判定された場合(ステップS271:No)、端子bを通じて処理を終了する。受電中であると判定された場合(ステップS271:Yes)、受電端末100は、送電装置Aから送出された電力の受電を継続し(ステップS273)、処理を終了する。
[受電電力判定処理の流れ]
次に、受電端末100による処理の流れについて、図11及び図12を用いてより詳細に説明する。図11は、受電端末による受電電力判定処理の一例を示すフローチャートである。まず、監視制御部131は、監視契機を生成し、受電部111、変換部112、装置検出部132及び受電通知部133に指示を出力する(ステップS301)。装置検出部132は、サンプルの取得回数nを「0」に設定する(ステップS303)。また、受電通知部133は、受電フラグFrを「不可」に設定する(ステップS305)。
次に、受電部111は、電力の受電回路を起動し(ステップS307)、受電電力の検出値Pr(n)を取得して、変換部112及び受電通知部133に出力する(ステップS311)。次に、受電通知部133は、例えば、以下の式(3)を用いて、検出値Pr(n)の総和Pra(n)を算出する(ステップS313)。
検出値Pr(n)の総和Pra(n)は、受電部111が送電装置99から受電する電力レベルを示す。式(3)において、「K」は、Pra(n)を求めるための規定回数であり、例えばビーコンパターン1周期分のサンプル数である。
次に、受電通知部133は、閾値DB122を参照して、総和Pra(n)が、受電電力に関する第1の閾値「Pth」を上回るか否かを判定する(ステップS321)。第1の閾値以下であると判定された場合(ステップS321:No)、つまり受電していないと判定された場合、端子cを通じて送電装置検出処理に移行する。
一方、受電通知部133は、第1の閾値を上回ると判定された場合(ステップS321:Yes)、受電フラグFrを「可」に設定する(ステップS323)。そして、受電通知部133は、閾値DB122を参照して、総和Pra(n)が、受電電力に関する第2の閾値「Pd」を上回るか否かを判定する(ステップS331)。第2の閾値以下であると判定された場合(ステップS331:No)、つまり受電しているが電力が十分ではないと判定された場合、端子cを通じて送電装置検出処理に移行する。
一方、受電通知部133は、第2の閾値を上回ると判定された場合(ステップS331:Yes)、給電判定部134に判定結果を出力する。給電判定部134は、通知制御部135に受電状況に関する判定結果を出力する。通知制御部135はメッセージ(a)を出力し(ステップS333)、処理を終了する。
[送電装置検出処理の流れ]
図12は、受電端末による送電装置検出処理の一例を示すフローチャートである。まず、変換部112は、検出値Pr(n)の平均値が0になるように減算したサンプル値Prb(n)を算出し、装置検出部132に出力する(ステップS351)。次に、装置検出部132は、パターンDB121から、ビーコンパターンテーブルのm番目のパターン値Ppb(m)を読み出し、(n−M+m)番目のサンプル値Prb(n−M+m)とパターン値Ppb(m)とを乗算する。そして、装置検出部132は、Prb(n−M+m)とPp(n)との積の総和であるC(n)を相互相関値として算出する(ステップS353)。C(n)は、例えば式(2)により算出される。
次に、装置検出部132は、相互相関値C(n)が、閾値DB122に記憶されたパターン閾値「Cth」を上回るか否かを判定する(ステップS361)。装置検出部132は、C(n)がCthを上回ると判定された場合(ステップS361:Yes)、近傍に連続的な電力を送出していない送電装置99があるという判定結果を給電判定部134に出力する。
次に、給電判定部134は、受電フラグFrが「可」に設定されているか否かを判定する(ステップS371)。給電判定部134は、Frが「可」であると判定された場合(ステップS371:Yes)、通知制御部135に受電状況及び近傍の送電装置99の有無に関する判定結果を出力する。判定結果を受けた通知制御部135はメッセージ(b)を出力し(ステップS373)、端子dを通じてステップS301に戻る。
一方、給電判定部134は、Frが「不可」であると判定された場合(ステップS371:No)、通知制御部135に受電状況及び近傍の送電装置99の有無に関する判定結果を出力する。判定結果を受けた通知制御部135はメッセージ(d)を出力し(ステップS375)、端子dを通じてステップS301に戻る。
ステップS361に戻って、装置検出部132は、C(n)がCth以下であると判定された場合(ステップS361:No)、取得されたサンプル値Prb(n)の数nが、規定回数Nを上回るか否かを判定する(ステップS381)。規定回数Nは、例えばビーコンパターン1周期分のサンプル数である。装置検出部132は、サンプルの取得回数nが規定回数N以下であると判定された場合(ステップS381:No)、サンプルの取得回数nを1インクリメントし(ステップS383)、端子eを通じてステップS311に戻る。
装置検出部132は、サンプルの取得回数nが規定回数Nを上回ると判定された場合(ステップS381:Yes)、近傍に連続的な電力の送出を開始できる送電装置99がないという判定結果を給電判定部134に出力する。給電判定部134は、受電フラグFrが「可」に設定されているか否かを判定する(ステップS391)。給電判定部134は、Frが「可」であると判定された場合(ステップS391:Yes)、通知制御部135に受電状況及び近傍の送電装置99の有無に関する判定結果を出力する。判定結果を受けた通知制御部135はメッセージ(c)を出力し(ステップS393)、処理を終了する。
一方、給電判定部134は、Frが「不可」であると判定された場合(ステップS391:No)、通知制御部135に受電状況及び近傍の送電装置99の有無に関する判定結果を出力する。判定結果を受けた通知制御部135はメッセージ(e)を出力し(ステップS395)、端子dを通じてステップS301に戻る。
上述してきたように、本実施例によれば、受電端末100は、送電装置10から送出される電力を非接触で受電中に、受電中の電力とは異なるビーコン信号を受けた場合、送電装置20の存在を利用者に通知する。これにより、例えば、受電端末100は、送電装置10から受電できる受電電力が不十分な場合において、十分な電力を送出できる送電装置20の存在を利用者に通知できる。通知を受けた受電端末100の利用者は、十分な電力を送出できる送電装置20の存在を知ることができるので、送電装置20の近傍に移動することにより、送電装置20から受電できる。
以上述べた実施例に加えて、例えば、受電端末999は、受けるビーコン信号の強度の変化に応じて、送電装置99との距離の変化を推定することができる。また、受電端末999は、推定された距離の変化を、受電端末999の利用者にメッセージとして出力することもできる。本実施例においては、受電端末999が、送電装置99との距離の変化を出力する処理について説明する。
[距離の変化と出力されるメッセージとの説明]
例えば、送電装置10と受電端末100との距離が遠くなると、送電装置10から送出されるビーコン信号が衰弱するので、ビーコン信号とビーコンパターンとの合致度を示す相互相関値C(n)は小さくなる。具体的には、送電装置10と受電端末100との距離が接近している場合には、図7Aに示すように受けるビーコン信号とビーコンパターンとの合致度は高くなる。一方、送電装置10と受電端末100との距離が遠くなると、ビーコン信号の衰弱により、図7Cのようにビーコン信号とビーコンパターンとの合致度は低くなる。
本実施例においては、以前に算出された相互相関値C(n−1)と、新たに算出された相互相関値C(n)とを比較することにより、受電端末100が送電装置10に接近したか否かを判定する。例えば、受電端末100は、C(n)がC(n−1)より大きい場合、受電端末100が送電装置10に接近していることを推定できる。逆に、受電端末100は、C(n)がC(n−1)より小さい場合、受電端末100が送電装置10から遠ざかっていることを推定できる。
図16及び図17を用いて、受電端末300、400及び500と、送電装置20との距離の変化、並びに距離の変化に基づいて出力されるメッセージについて説明する。図16は、実施例3における送電装置と受電端末との位置関係の一例を示す図である。なお、図16に示す受電端末300、400及び500は、それぞれ図4に示す受電端末100と同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。また、図16において、送電装置20のビーコン検出範囲20−2は、送電装置10の給電可能領域10−1を全て包含するように広く設定される。なお、図16においては、複数の受電端末300、400及び500が、送電装置10から同時に連続的な電力を受電する。
図16に示す例において、受電端末300は、矢印(1)の方向に移動することにより、送電装置20のビーコン検出範囲20−2に入るので、送電装置20から送出されるビーコン信号を検出して、相互相関値C(n−1)を算出できる。一方、受電端末300は、移動後の位置300−aにおいては、送電装置10及び20のいずれからも受電できない。
このような場合、受電端末300は、例えば図17の符号9101における(d)+(f)に示すメッセージを出力する。図17は、実施例3における、表示されるメッセージの一例を示す図である。すなわち、受電端末300は、位置300−aに移動した際、「受電できていませんが、近くに空いている送電装置があります。」と、「空きの送電装置に近づいています。」という2つのメッセージを出力する。これにより、受電端末300は、利用者に対して、受電可能な送電装置の有無に加えて、送電装置に接近しているか否かも通知することができる。
次に、受電端末300は、矢印(4)の方向に移動することにより、送電装置10の給電可能領域10−1に進入するので、送電装置10から送出される連続的な電力を受電することができる。ただし、送電装置10は、受電端末200にも同時に給電を行っているため、受電端末300は、十分な電力を受電することはできない。また、受電端末300は送電装置20にさらに接近するので、移動後の位置300−bにおいてビーコン信号を受けて算出する相互相関値C(n)は、移動前に受けたビーコン信号により算出された相互相関値C(n−1)よりも大きくなる。
このような場合、受電端末300は、例えば図17の(b)+(f)に示すメッセージを出力する。すなわち、受電端末300は、位置300−bに移動した際、「受電していますが、電力が十分でありません。近くに空いている送電装置があります。」と、「空きの送電装置に近づいています。」という2つのメッセージを出力する。
また、図16に例示する受電端末400は、送電装置20のビーコン検出範囲20−2に入っているが、矢印(3)の方向に移動することにより、送電装置20から遠ざかる。この結果、移動後に算出される相互相関値C(n)は、移動前に算出された相互相関値C(n−1)より小さくなる。また、移動後の位置400−aにおいては、送電装置10及び20のいずれからも受電できない。
このような場合、受電端末400は、例えば図17の(d)+(h)に示すメッセージを出力する。すなわち、受電端末400は、位置400−aに移動した際、「受電できていませんが、近くに空いている送電装置があります。」と、「空きの送電装置から遠ざかっています。」という2つのメッセージを出力する。
そして、受電端末400は、位置400−aから矢印(6)の方向に移動することにより、さらに送電装置20から遠ざかる一方、送電装置10の給電可能領域10−1に含まれる位置400−bに進入する。
このような場合、受電端末400は、例えば図17の(b)+(h)に示すメッセージを出力する。すなわち、受電端末400は、位置400−bに移動した際、「受電していますが、電力が十分でありません。近くに空いている送電装置があります。」と、「空きの送電装置から遠ざかっています。」という2つのメッセージを出力する。
さらに、図16に例示する受電端末500は、送電装置20のビーコン検出範囲20−2に入っており、その後矢印(2)の方向に移動する。しかし、移動後の位置500−aから送電装置20への距離は、移動前の受電端末500から送電装置20への距離と変化しない。この結果、移動後に算出される相互相関値C(n)は、移動前に算出された相互相関値C(n−1)から変化しない。また、移動後の位置500−aでは、受電端末500は、送電装置10及び20のいずれからも受電できない。
このような場合、受電端末500は、例えば図17の(d)+(g)に示すメッセージを出力する。すなわち、受電端末500は、位置500−bに移動した際、「受電していませんが、近くに空いている送電装置があります。」と、「空きの送電装置に近づいていません。」という2つのメッセージを出力する。
さらに、受電端末500は矢印(5)の方向に移動するが、移動後の位置500−bから送電装置20への距離も、移動前の位置500−aから送電装置20への距離と変化していない。また、移動後の位置500−bは、送電装置10の給電可能領域10−1に含まれる。
このような場合、受電端末500は、例えば図17の(b)+(g)に示すメッセージを出力する。すなわち、受電端末500は、位置500−bに移動した際、「受電していますが、電力が十分でありません。近くに空いている送電装置があります。」と、「空きの送電装置に近づいていません。」という2つのメッセージを出力する。
このように、本実施例において、受電端末100は、送電装置10との距離の変化に応じてメッセージを出力するので、利用者に送電装置10への接近状況を知らせることができる。なお、C(n−1)とC(n)とを単純に比較する構成について説明したが、これに限られない。本実施例においては、受電端末100が、C(n−1)とC(n)との差分「Cd」を算出し、さらに受電端末100が送電装置10に接近しているか否かを判定する際に用いられる接近閾値「Dth」を予め記憶するような構成について説明する。本実施例において、受電端末100は、差分Cdと接近閾値Dthとを比較することにより、送電装置10との距離が変化したか否かを判定する。例えば、受電端末100は、差分Cdの絶対値が0ではないが、接近閾値Dthよりも小さい場合、送電装置10との距離が変化していないと判定する。これにより、微弱なビーコン信号の変化を無視することができる。
また、受電端末100が送電装置10に接近しているか否かは、例えば2回目以降に受けたビーコン信号の強度と、以前に受けたビーコン信号の強度とを比較することにより判定されるが、実施の形態はこれに限られない。例えば、受電端末100が、給電監視の契機作成後、はじめてビーコン信号を検出した場合、受電端末100が送電装置10のビーコン検出範囲10−2の外側から内側に移動したことが推定される。このような場合に、受電端末100が送電装置10に接近したことを示すメッセージを出力するような構成であってもよい。
[機能構成]
本実施例においても、受電端末100及び送電装置10の機能構成は、実施例1のものと同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施例において、閾値DB122は、接近閾値「Dth」をさらに記憶する。
本実施例において、装置検出部132は、以前に算出されたビーコン信号とビーコンパターンとの相互相関値「C(n−1)」を「C0」として保持する。また、装置検出部132は、その後にビーコン信号を受けた場合、新たに相互相関値C(n)を算出して、新たに算出されたC(n)とC0との差分「Cd」を算出する。さらに、装置検出部132は、算出された差分Cdと、接近閾値Dthとを比較することにより、受電端末100が送電装置10に接近しているか否かを判定する。
例えば、装置検出部132は、差分Cdが正の値であり、かつDthよりも大きい場合、すなわち相互相関値C(n)が、C0にDthを加算した値よりも大きい場合、受電端末100が送電装置10に接近していると判定する。一方、装置検出部132は、差分Cdが負の値で、かつ「−Dth」よりも小さい場合、すなわち相互相関値C(n)にDthを加算した値が、C0よりも小さい場合、受電端末100が送電装置10から遠ざかっていると判定する。また、装置検出部132は、差分Cdの絶対値がDthよりも小さい場合、すなわちC(n)とC0との差異がDthよりも小さい場合、受電端末100が送電装置10に近づいていないと判定する。
また、給電判定部134は、装置検出部132による判定結果、及び受電通知部133による受電状況の判定結果に基づいて、出力させるメッセージを決定する。通知制御部135は、給電判定部134が決定したメッセージを出力する。出力されるメッセージは、図17の符号9101のいずれかに示すメッセージである。なお、給電判定部134は、受電通知部133において十分な電力を受電できていると判定された場合、実施例1と同様の処理を行い、図8の符号9001の(a)に示すメッセージを出力させるメッセージとして決定する。また、給電判定部134は、装置検出部132において近くに空いている送電装置が検出されなかった場合、実施例1と同様の処理を行い、図8の符号9001の(c)又は(e)に示すメッセージを出力させるメッセージとして決定する。
[処理の流れ]
次に、本実施例における処理の流れについて、図18及び図19を用いて説明する。なお、送電装置10及び受電端末100における動作の流れについては、実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。図18は、実施例3における受電端末による受電電力判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、図11に示すステップと同じ符号については同様のステップであるため、詳細な説明を省略する。
装置検出部132は、ステップS303の後に、ビーコン信号を検出した回数「Fc」と、ビーコン信号の検出レベル「C0」とを初期化し、ステップS305に移行する(ステップS504)。
また、装置検出部132は、総和Pra(n)が、第1の閾値「Pth」以下であると判定された場合(ステップS321:No)、取得されたサンプル値Prb(n)の数nが、規定回数Nを上回るか否かを判定する(ステップS541)。nがN以下であると判定された場合(ステップS541:No)、装置検出部132は、nを1インクリメントし(ステップS543)、端子fを通じてステップS311に戻る。一方、nがNを上回ると判定された場合(ステップS541:Yes)、端子gを通じて送電装置検出処理に移行する。
なお、装置検出部132は、ステップS331において、総和Pra(n)が、第2の閾値「Pd」以下であると判定された場合も(ステップS331:No)、同様にステップS541に移行する。
図19は、実施例3における受電端末による送電装置検出処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、図12に示すステップと同じ符号については同様のステップであるため、詳細な説明を省略する。
なお、装置検出部132は、ステップS361において、相互相関値C(n)がパターン閾値Cthより小さいと判定された場合(ステップS361:No)、ビーコン信号検出回数Fcと、ビーコン信号の検出レベルC0とを初期化する(ステップS681)。その後、ステップS391に移行する。
その後、給電判定部134は、受電フラグFrが「可」に設定されているか否かを判定する(ステップS391)。給電判定部134は、Frが「可」であると判定された場合(ステップS391:Yes)、ステップS393に移行する。一方、給電判定部134は、Frが「不可」であると判定された場合(ステップS391:No)、通知制御部135に受電状況及び近傍の送電装置99の有無に関する判定結果を出力する。判定結果を受けた通知制御部135はメッセージ(e)を出力し(ステップS395)、端子hを通じてステップS504に戻る。
装置検出部132は、ステップS373又はステップS375においてメッセージが出力された後に、ビーコン信号を検出した回数「Fc」が2回目以降であるか否かを判定する(ステップS601)。装置検出部132は、Fcが2回目以降ではないと判定された場合(ステップS601:No)、Fcを「2回目以降」に設定し(ステップS605)、その後ステップS621に移行する。
装置検出部132は、Fcが2回目以降であると判定された場合(ステップS601:Yes)、ビーコン信号とビーコンパターンとの相互相関値C(n)から、直前の検出レベルC0を減算した差分「Cd」を算出する(ステップS603)。そして、装置検出部132は、算出されたCdと、接近閾値「Dth」とを比較する(ステップS611)。
装置検出部132は、Cdが負の値で、かつ−Dth以下である場合(ステップS611:Cd≦−Dth)、メッセージ(h)を出力する(ステップS613)。装置検出部132は、Cdの絶対値がDth未満である場合(ステップS611:−Dth<Cd<Dth)、メッセージ(g)を出力する(ステップS615)。装置検出部132は、Cdが正の値で、かつDth以上である場合(ステップS611:Dth≦Cd)、メッセージ(f)を出力する(ステップS617)。
そして、装置検出部132は、算出されたC(n)をC0に設定し(ステップS621)、所定の時間が経過するまで待機する(ステップS623)。その後、端子hを通じてステップS504に戻り、処理を繰り返す。
以上のような処理により、受電端末100は、送電装置10に接近しているか否かを判定し、判定結果を利用者に出力することができる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。例えば、図9乃至図12、図15、図18及び図19に示す各処理は、上記の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲において、同時に実施してもよく、順序を入れ替えて実施してもよい。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、受電端末100の給電判定部134及び通知制御部135を統合し、又は装置検出部132及び給電判定部134を統合するような構成であってもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
なお、受電端末100は、送電装置10から電力を受電する際、事前に送電装置10から送出されるビーコン信号を検出しなくても、受電を開始することができる。例えば、受電端末100が図1に示す給電可能領域10−1に入った際に、送電装置10が既に他の受電端末200に連続的な電力を送出しているために、送電装置10からビーコン信号を受けない場合もある。この場合においても、受電端末100は、送電装置10からビーコン信号を受けることなく、連続的な電力を受けることにより、送電装置10から送出される連続的な電力の受電を開始することができる。
なお、受電端末100は、例えば送電装置10から送出される連続的な電力の受電を開始した後に新たに条件を満たすビーコン信号を受ける場合に加え、連続的な電力の受電を開始する前から既に他の条件を満たすビーコン信号を受けている場合もある。この場合、装置検出部132は、既に受けているビーコン信号を、別の送電装置から送出される連続的な電力の受電を開始した後も引き続き受けている場合に、近傍に送電装置99があると判定するような構成であってもよい。
なお、閾値DB122に記憶される、受電電力に関する第1の閾値は、第2の閾値よりも小さい任意の値であればよく、第1の閾値がゼロであるような構成であってもよい。この場合、ほんのわずかでも受電が可能であれば、受電端末100は送電装置99から送出される連続的な電力の受電を継続しながら、他の送電装置99の検出を試みる。
また、実施例3においては、受電端末300,400及び500が、同一の送電装置20に接近したか否かを判定する構成について開示したが、これに限られない。例えば、図16に示す例において、受電端末200が送電装置10から送出される連続的な電力を受電していない場合において、受電端末400が図16における位置400−aから位置400−bに移動した場合について説明する。この場合、受電端末400は送電装置20からは遠ざかるが、連続的な電力の送出を開始できる別の送電装置10に接近する。このような場合、受電端末400は、「空きの送電装置から遠ざかっています。」というメッセージではなく、「空きの送電装置に近づいています。」というメッセージを出力してもよい。すなわち、受電端末400は、送電装置20から遠ざかっていることを通知する代わりに、別の送電装置10に近づいていることを利用者に通知する。これにより、利用者に対して、より効率的に送電装置10又は20のいずれかへの接近を通知できる。
なお、図1に示すビーコン検出範囲10−2及び20−2は一例であり、例えば送電装置10のビーコン検出範囲10−2が、送電装置20の給電可能領域20−1を全て包含するように広く設定されるような構成であってもよい。
なお、監視制御部131がビーコン信号の受電の開始又は停止を制御するために用いる条件は、上で述べた電池残量に限られず、例えば時刻、位置情報などのその他の条件を用いてもよい。具体的には、所定の時刻になった場合、所定の時間が経過した場合、又は受電端末100が予め設定された位置に近づいた場合に、監視制御部131がビーコン信号の受電の開始又は停止を制御するような構成であってもよい。なお、例えば監視制御部131が、過去に受電を行った位置を設定するような構成であってもよく、また無線通信等により送電装置99から送信された情報を受信した場合にビーコン信号の受電を開始するような構成であってもよい。
また、監視制御部131が、事前に設定された条件を用いることなく、常時ビーコン信号を受けるように制御してもよく、受電端末100の利用者によるリクエストに基づいて、ビーコン信号の受電の開始又は停止を制御するような構成であってもよい。
なお、各種の閾値と検出値等とを比較する構成については、検出値等が閾値を上回るか否かを判定する構成について説明したが、これに限られず、検出値等が閾値以上であるか否かを判定するような構成であってもよい。
[ハードウェア構成]
次に、図20及び21を参照して、受電端末999及び送電装置99のハードウェア構成について説明する。図20は、受電端末のハードウェア構成の一例を示す図である。受電端末999は、受電回路1001、通信回路1002、CPU1003、電源回路1004、受電電力サンプリング回路1005、メモリ1006、ディスプレイ1007、スピーカ1008及びバイブレータ1009を有する。また、図20に示した各部は、直接に、又はインターフェースを通じて、バス1010で相互に接続される。さらに、受電回路1001にはアンテナ1011が接続され、通信回路1002にはアンテナ1012が接続される。
受電回路1001は、アンテナ1011を通じて送電装置99からビーコン信号を含む電力を受電する。通信回路1002は、アンテナ1012を通じて送電装置99との間で通信を行う。通信回路1002は、例えば基盤に組み込まれたチップ等のインターフェースである。電源回路1004は、受電回路1001が受電した電力を用いて図示しないバッテリー等の各部に電力供給を行う。受電電力サンプリング回路1005は、受電回路1001が受電した電力を、CPU1003が扱える受電信号に変換する。ディスプレイ1007、スピーカ1008及びバイブレータ1009は、各種の情報を出力する。
メモリ1006には、上記各実施例で示した制御部130に含まれる各処理部と同様の機能を有する受電プログラムが記憶される。また、メモリ1006には、パターンDB121及び閾値DB122が記憶される。メモリ1006には、受電プログラムを実現するための各種データが記憶される。メモリ1006の例として、HDDのほか、ROM(Read Only Memory)、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録装置としてもよい。
また、CPU1003及びメモリ1006は、例えば、図4に示した、記憶部120、制御部130などの機能を実現する。
例えば、CPU1003は、メモリ1006に記憶されている各種プログラムを読み出して、メモリ1006上に各種機能を実現するプロセスを生成する。そして、CPU1003は、各部と共に、メモリ1006上に生成されたプロセスを実行することで、各種処理を行う。
次に、送電装置99のハードウェア構成について説明する。図21は、送電装置のハードウェア構成の一例を示す図である。送電装置99は、送電回路2001、通信回路2002、CPU2003及びメモリ2006を有する。また、図21に示した各部は、バス2010で相互に接続される。さらに、送電回路2001にはアンテナ2011が接続され、通信回路2002にはアンテナ2012が接続される。
送電回路2001は、アンテナ2011を通じて電力を送出する。通信回路2002は、アンテナ2012を通じて受電端末999との間で通信を行う。通信回路2002は、例えば基盤に組み込まれたチップ等のインターフェースである。電源回路2004は、送電回路2001に電力を供給する。
メモリ2006には、上記各実施例で示した制御部14と同様の機能を有する送電プログラムが記憶される。また、メモリ2006には、送電プログラムを実現するための各種データが記憶される。メモリ2006の例として、HDDのほか、ROM、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録装置としてもよい。
また、CPU2003及びメモリ2006は、例えば、図4に示した、記憶部12、制御部14などの機能を実現する。
例えば、CPU2003は、メモリ2006に記憶されている各種プログラムを読み出して、メモリ2006上に各種機能を実現するプロセスを生成する。そして、CPU2003は、各部と共に、メモリ2006上に生成されたプロセスを実行することで、各種処理を行う。
なお、上記のプログラムは、公衆回線、インターネット、LAN、WAN(Wide Area Network)などを介して受電端末999及び送電装置99に接続される他のコンピュータ(またはサーバ)などに記憶されるようにしても良い。この場合には、受電端末999が図20に示す通信回路1002を介して他のコンピュータなどからプログラムを読み出して実行する。また、送電装置99が図21に示す通信回路2002を介して他のコンピュータなどからプログラムを読み出して実行する。