JP2018028216A - バッキング防止筒 - Google Patents
バッキング防止筒 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018028216A JP2018028216A JP2016160739A JP2016160739A JP2018028216A JP 2018028216 A JP2018028216 A JP 2018028216A JP 2016160739 A JP2016160739 A JP 2016160739A JP 2016160739 A JP2016160739 A JP 2016160739A JP 2018028216 A JP2018028216 A JP 2018028216A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- backing
- propulsion
- pipe
- diameter
- outer shell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
Abstract
【課題】バッキング力が大きい土質条件の推進施工でも、効率よく確実にかつ経済的にバッキングを防止する。【解決手段】推進工法においてシールド掘進機11の直後に配置され、前方先端部に小径した段差部3と後方に推進管のカラーと同径で筒状の受口部4を有し、筒状で前方のシールド掘進機11の外筒及び後続推進管12の外径と略同径の外殻2を有するバッキング防止筒1で、外殻2外周に放射方向に配置された複数の貫入ピン5または摩擦板が伸縮し周辺地盤に貫入することにより、推進管列を周辺地盤に強固に支持させバッキングを防止する。【選択図】図1
Description
本発明は、推進施工中の推進管据え付け時に、推進管列が発進立坑側へ押し戻されるバッキングを防止する後続筒に関するものである。
近年、上下水道管路、電力線管路、電信線管路やガス管路を道路下や軌道下に構築する際、開削工法によらず、その管路を構成するヒューム管等を推進する推進工法が多用されている。この推進工法は推進管の先頭に設置したシールド掘進機によって、発進立坑側から地山を掘削しながら推進管の後端を発進立坑内に設置した元押しジャッキで押圧することにより地中にシールド掘進機及び推進管を推進埋設していく工法である。推進管1本分の推進施工が完了すると元押しジャッキのロッドを収縮させ、推進管の後端と元押しジャッキのロットの頭部との間に次の推進管1本分のスペースを確保して次の推進管を設置する。この工程を繰り返すことによってシールド掘進機および後続の推進管列を到達立坑まで推進埋設し、発進立坑から到達立坑に至る推進管を連結した管路を構成する。
しかし、土質条件が地下水の多い軟弱な地盤や土被りが大きい推進施工では、シールド掘進機先端の面板に常にシールド掘進機や推進管列を発進立坑方向に押し戻そうとする、バッキング力と呼ばれる大きな水圧や土圧が作用する。このため、推進管1本分の推進施工が完了し元押しジャッキのロットを収縮させると、シールド掘進機と推進管列が発進立坑側に押し戻されるバッキングと呼ばれる現象が発生し、推進管列後端と元押しジャッキのロットの頭部との間に確保されるはずの次の推進管を設置するスペースがなくなったり、発進坑口壁の止水ゴムが推進管が押し戻されることにより反転し、止水性をなくして地下水や土砂が発進立坑内に噴発してしまうことがある。
この改善策として、発進立坑内で推進管の外周を構成樹脂製のバンドやワイヤーロープで締め付けて、端部を下方の床面や前面の土留壁に固定することによりバッキングを防止する方法や、推進管に突出桿を嵌挿する孔と補強板を設けたバッキング防止用推進管を用いてバッキング力支持金具と後方移動阻止金具によりバッキングを防止する方法が用いられている。
前記したバンドやワイヤーロープで推進管体を締め付ける方法により、比較的土被りが小さく良質な土質条件下では、締め付けによってバッキングが防止されるが、土被りが大きい場合や地下水が多い軟弱な地盤の場合には、バンドやワイヤーロープの締め付け力では対応しきれず推進施工の継続が困難となる。バッキング防止用推進管は推進管列の周面抵抗力がバッキング力を上回るまで複数本使用する必要があるが、正確な周面抵抗力の事前算定は困難であるため、計算上の使用本数をある程度上回るバッキング防止用推進管を予め用意しておく必要があり不経済であった。
本発明は、以上の実情の下、バッキング力が大きい土質条件の推進施工でも、効率よく確実にかつ経済的にバッキングを防止することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は、前方先端部に小径した段差部と後方に推進管のカラーと同径で筒状の受口部を有し、筒状で前方のシールド掘進機外筒及び後続推進管の外径と略同径の外殻を有するバッキング防止筒であって、バッキング防止筒の外殻外周に、円周方向の複数個所に伸縮手段によって貫入ピンまたは摩擦板が放射方向に突出可能に配置したことを最も主要な特徴とする。
外殻は、一般に鋼材が用いられ、バッキング防止筒の長さは、筒内に設置される貫入ピンや摩擦板及びそれらを作動させるための機器が配置できる長さに設定される。前方先端部の段差部外周にはゴム等よりなる止水材が装着されてシールド掘進機のカラー内面に密着して止水性を保持する。後方の受口部は後続する推進管の先端段差部が挿入され、後続する推進管の先端段差部外周に設置されたゴム等よりなる止水材が受口部内面に密着して止水性を保持する。
バッキング防止筒の外殻に設けられる貫入ピンや摩擦板は、推進施工時に突出して支障とならないように、通常は外殻面と同一となるように内蔵されている。貫入ピンはジャッキ構造とすることによりピストンを伸長させて外殻から突出させる。摩擦板は推進方向に所定の幅を持った箱材内にジャッキ機構を装備し、ジャッキ機構のピストンを伸長することによって摩擦板を外殻から突出させる。
貫入ピンや摩擦板の設置数は、推進管径や土質条件によって変化するバッキング力に合わせて決められる。貫入ピンによる方式は一般に軟弱土や普通土に用いられ、摩擦板による方式は硬質土や岩盤に用いられる。
ジャッキのピストンを外殻外に突出させるには大きな力が必要となるために、油圧や空気圧が利用される。推進施工時には、貫入ピンや摩擦板を外殻内に収納しなければならないため、ピストンの収縮をスムーズに行うために電磁弁を使用すると有効である。
本バッキング防止筒を用いたバッキング防止の作業手順は、推進管1本分の推進施工が完了すると、元押しジャッキを停止する。そして、バッキング防止筒の外殻に装備した複数の貫入ピンまたは摩擦板を外殻から突出させて地盤内に貫入する。次に、元押しジャッキのロットを収縮して推進管の後端部と元押しジャッキのロットの頭部との間にスペースを確保する。そのスペースに次の推進管を設置し、前の推進管の後端面に接続する。推進管の接続が完了すると、元押しジャッキを推進管の端面に当接させて停止する。そしてバッキング防止筒の貫入ピンまたは摩擦板を外殻内に収納して、推進施工を再開する。この手順を繰り返し実施し、推進管列が到達立坑に到達した際には、到達立坑内にシールド掘進機及びバッキング防止筒を取り込み回収する。
本発明のバッキング防止筒は、外殻に装備された貫入ピンまたは摩擦板の突出によりバッキング力に対して確実に対抗する。また、バッキング防止の作業が油圧ポンプの作動と電磁弁の切り替えのみであるため、短時間に効率的に行えるようになる。バッキング防止筒はシールド掘進機直後に1箇所配置すればよく、また、繰り返し使用できるため経済的である。
以下、本発明の実施形態を図面を基に説明する。図1は本発明の貫入ピンを装備したバッキング防止筒の縦断面図である。前方先端部に小径した前方段差部3と後方に推進管のカラーと同径で筒状の受口部4を有し、筒状で前方のシールド掘進機11及び後続推進管12の外径と略同径の外殻2には、上下および左右の4か所に油圧ジャッキによりなる貫入ピン5が収納孔6に収められている。収納孔6の深さは、貫入ピン5の頭部が外殻2より出ない深さとなっている。バッキング防止筒1の外殻2より突出させる貫入ピン5は、シールド掘進機や推進管列を発進立坑方向に押し戻そうとするバッキング力に対抗できる反力が得られるように、地中に所定の長さだけ貫入する必要がある。土質条件等により、バッキング力が不足する場合は、貫入ピン5の設置数を増加させればよい。段差部3の前縁にはリング状の前フランジ7、外殻2と受口部4の境目にはリング状の後フランジ8を設け、外殻2の内面には円周方向に複数枚の補強板9が必要に応じて設けられる。
推進施工に際しては、推進管列の先頭となるシールド掘進機11のカラー内に前方段差部3を挿入し、先端を推進管外径よりも小径した後続推進管12の段差部を受口部4内に挿入することにより、バッキング防止筒1をシールド掘進機11の次位に設置する。
シールド掘進機11やバッキング防止筒1及び後続推進管12の内部への土砂や地下水の流入を防止するために、前方のシールド掘進機11のカラーとバッキング防止筒1の前方段差部3の嵌合部には、リング状の止水材19が装着されている。また、バッキング防止筒1の受口部4と先端を推進管外径よりも小径した後続推進管12の段差部の嵌合部も同様な止水材19が装着されている。一般的に使用される防水材としては硬質ゴム材が用いられ、前方のシールド掘進機11のカラーの内周面と前方段差部3の外周面に当接するように設置される。また、バッキング防止筒1の受口部4の内周面と後続推進管12の段差部の外周面に当接するように設置される。
シールド掘進機11の後端面とバッキング防止筒1の前方段差部3の前縁に設けられたフランジ7の間、及びバッキング防止筒1の外殻2と受口部4の境目に設けられた後フランジ8と後続推進管12の前端面の間には、直線推進であれば推進力が全断面で均等に伝達できるように全周にクッション材10が配置されている。曲線推進を含む推進施工であれば、曲線条件に合わせて上下または左右に曲線用のクッション材が配置される。
図2は本発明の貫入ピンを装備したバッキング防止筒の横断面図である。各貫入ピン5の加圧口と戻り口は、加圧配管13と戻り配管14で連通されており、各配管13、14の端部は電磁弁15に接続され、電磁弁15を介して圧力油が加圧配管13または戻り配管14に切り替え供給されて、油圧ジャッキのピストンである貫入ピン5を伸縮させる。加圧配管13や戻り配管14の材料としては、比較的高圧力の油圧に対して破損しないように、鋼材や合成ゴム材等が用いられる。
図3は、貫入ピンを詳細に説明する断面図である。通常貫入ピン5である油圧ジャッキは収納孔6内に収められている。収納孔6の上部にはシール材18が設置され、貫入ピン5の密封が行われている。貫入ピン5の加圧口16には加圧配管13が接続され、戻り口17には戻り配管14が接続されている。加圧配管13より油が共有されると貫入ピン5が伸長して地盤に貫入されていく。電磁弁15が切り替えられると、戻り配管5に油が供給され、貫入ピン5が縮小され収納孔6に収まる。この時、加圧配管13の油はフリーとなって電磁弁15を通って油圧ポンプ側へと戻される。
上記実施形態では、4か所の貫入ピンを地盤に貫入させる形態を例示したが、推進管径や土質条件によって、貫入ピンの数を増減させることが出来る。また、地盤が硬質土や岩盤の場合には、貫入ピンに代えて摩擦板を用いることも可能である。
本発明のバッキング防止筒により推進管列は周辺地盤に強固に支持され、バッキング防止作業も油圧ポンプの作動と電磁弁の切り替えるだけで安全に短時間で実施できるため、バッキング力が大きい地下水の多い軟弱な地盤や土被りが大きい推進施工にも適用できる。
1 バッキング防止筒
2 外殻
3 前方段差部
4 受口部
5 貫入ピン
6 収納孔
7 前フランジ
8 後フランジ
9 補強板
10 クッション材
11 シールド掘進機
12 後続推進管
13 加圧配管
14 戻り配管
15 電磁弁
16 加圧口
17 戻り口
18 シール材
19 止水材
2 外殻
3 前方段差部
4 受口部
5 貫入ピン
6 収納孔
7 前フランジ
8 後フランジ
9 補強板
10 クッション材
11 シールド掘進機
12 後続推進管
13 加圧配管
14 戻り配管
15 電磁弁
16 加圧口
17 戻り口
18 シール材
19 止水材
Claims (1)
- 推進施工中の推進管据え付け時に、掘進機先端の面板に大きな水圧や土圧が作用し、掘進機や推進管列が発進立坑側に押し戻されるバッキングを防止する装置を備えた後続筒であって、後続筒の外殻外周に、円周方向の複数個所に伸縮手段によって貫入ピンまたは摩擦板が放射方向に突出可能に配置したことを特徴とする後続筒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016160739A JP2018028216A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | バッキング防止筒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016160739A JP2018028216A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | バッキング防止筒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018028216A true JP2018028216A (ja) | 2018-02-22 |
Family
ID=61247852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016160739A Pending JP2018028216A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | バッキング防止筒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018028216A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111927476A (zh) * | 2020-07-14 | 2020-11-13 | 中铁第四勘察设计院集团有限公司 | 一种矿山法扩挖盾构隧道修建大断面隧道的方法 |
-
2016
- 2016-08-18 JP JP2016160739A patent/JP2018028216A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111927476A (zh) * | 2020-07-14 | 2020-11-13 | 中铁第四勘察设计院集团有限公司 | 一种矿山法扩挖盾构隧道修建大断面隧道的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2018028216A (ja) | バッキング防止筒 | |
US11603760B2 (en) | Shield method | |
JP5116111B2 (ja) | バッキング防止装置 | |
JP4847264B2 (ja) | バッキング防止装置 | |
JP3863888B2 (ja) | 2段階推進工法および連結器 | |
JP5939704B2 (ja) | バッキング防止用推進管 | |
JP4752015B2 (ja) | トンネル構築方法及びこの方法で用いる撤去シールド | |
JP6437895B2 (ja) | バッキング防止装置 | |
KR101368999B1 (ko) | 관거매설공의 보강이 가능한 관거 추진장치 및 이를 이용한 관거 시공 공법 | |
JP4214082B2 (ja) | 推進工法用掘進装置および推進工法 | |
JP2005273170A (ja) | 発進坑口壁 | |
JP2012144913A (ja) | 推進工法用の円形立坑築造方法 | |
JP4133898B2 (ja) | 掘進機の到達方法 | |
JP2003193792A (ja) | シールド掘進機 | |
JP4752016B2 (ja) | 撤去シールド | |
JP6805426B2 (ja) | 到達坑口の遮水方法及びその装置 | |
JP5932595B2 (ja) | 杭挿入装置および杭挿入方法 | |
JP2001234700A (ja) | トンネル埋め戻し装置及びトンネル埋め戻し方法 | |
JP6399699B2 (ja) | 多段伸中押装置 | |
JP4752017B2 (ja) | 撤去シールド及びこれを用いたトンネル撤去方法 | |
JP5149114B2 (ja) | 長距離推進工法 | |
JP2015200166A (ja) | 緊急中押装置 | |
KR101570859B1 (ko) | 세미실드용 중압잭 | |
JP2005163459A (ja) | シールド掘進機の後退方法、及びそのシールド後退用治具 | |
JP2016037844A (ja) | 推進管バックストッパー機構付エントランス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190729 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200522 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200623 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20210106 |