JP2018028159A - カットワーク生地の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄くて柔らかく多数の装飾開口が形成される装飾生地を用いたカットワーク生地を容易且つ効率的に生産することができるカットワーク生地の製造方法を提供する。
【解決手段】所定形状に裁断されたシート状の配置型20を装飾生地3の表面に貼付する工程S10と、配置型20が貼付された装飾生地3を裏面側からレーザー加工によって裁断する工程S20と、裁断された装飾生地3を、配置型20を上にして、刺繍機の可動支持枠33にセットされたベース生地2の上面にセットする工程S40と、装飾生地3とベース生地2とを所定箇所で縫い付けて仮留めする工程S50と、仮留めされた装飾生地3から配置型20を取り外す工程S60と、配置型20が取り外された装飾生地3とベース生地2とを刺繍縫いする工程S70と、を具備する。これにより、装飾開口4が多数形成される意匠性の高いカットワーク生地1を効率良く生産することができる。
【選択図】図4
【解決手段】所定形状に裁断されたシート状の配置型20を装飾生地3の表面に貼付する工程S10と、配置型20が貼付された装飾生地3を裏面側からレーザー加工によって裁断する工程S20と、裁断された装飾生地3を、配置型20を上にして、刺繍機の可動支持枠33にセットされたベース生地2の上面にセットする工程S40と、装飾生地3とベース生地2とを所定箇所で縫い付けて仮留めする工程S50と、仮留めされた装飾生地3から配置型20を取り外す工程S60と、配置型20が取り外された装飾生地3とベース生地2とを刺繍縫いする工程S70と、を具備する。これにより、装飾開口4が多数形成される意匠性の高いカットワーク生地1を効率良く生産することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、ベース生地に装飾生地を重ね合わせて刺繍縫いされるカットワーク生地の製造方法に関する。
従来、ベース生地と装飾生地とが積層されて構成され、装飾生地に切り抜きによる装飾開口が形成されたカットワーク生地がある。この種のカットワーク生地の製造方法としては、先ず、ベース生地に装飾生地を重ね合わせ、刺繍縫いによって両生地を縫い合わせた後、装飾生地のみを鋏等で切り抜いて装飾開口を形成する方法が一般的である。
また、ベース生地の上に装飾として別布を縫い付けるアップリケ付き生地の製造方法では、予め所定形状に形成されたアップリケ片をベース生地に縫い付ける方法がある。例えば、特許文献1には、予め所定形状に形成されたアップリケ片を生地の上に手作業で重ねて配置して、該アップリケ片を刺繍縫目で前記生地に縫い付ける方法が開示されている。
また、重ね合わされた2枚の生地の内、上面の生地のみをレーザー加工機を用いてカットすることが知られている。例えば、特許文献2には、基体の素材となるシートの上に、くり抜き体の素材となるシートを載せ、下側のシートがカットされないようにレーザービームのパワーを調整して、上側のシートのみをカットして、アップリケを作成することが開示されている。
また例えば、特許文献3には、ベース生地に下地シートを介して素材生地を被せ、ベース生地を下地シートで被覆した状態でレーザー加工によって素材生地からデザインピースを切り抜くことが開示されている。同文献の刺繍加工方法では、デザインピースが切り抜かれる際、ベース生地は下地シートによってレーザー光から遮蔽される。
しかしながら、上記した従来技術のように、ベース生地と装飾生地を積層して縫い合わせた後に装飾生地のみを切り抜いて装飾開口を形成する方法では、装飾生地の切り抜き作業が難しく大変手間が掛かるという問題点があった。そのため、装飾開口を形成する工程に長時間を要し、また、誤って刺繍縫目やベース生地を切断してしまうこともあった。
また、特許文献1に記載されたアップリケ付き生地のように、装飾生地を予め所定形状に成形した後に、ベース生地に重ね合わせて縫製するという方法も考えられる。しかしながら、薄くて柔らかく、比較的大きなサイズで多数の装飾開口が形成される装飾生地では、装飾生地をベース生地の上面に正確に配置する作業が難しかった。そのため、装飾生地を予めカットしてから積層して縫製する方法によっても、装飾生地を刺繍機にセットする作業に長時間を要するという問題点があった。また、装飾生地の配置が正確でないと、刺繍縫目が装飾生地から外れて形成され、ベース生地と装飾生地との縫合が不十分になる恐れもあり、意匠的にも強度的にも好ましくない。
また、特許文献2に開示された従来技術のように、積層されたベース生地と装飾生地の内、上方の装飾生地のみをレーザー加工によって裁断する方法では、レーザー光の調整が容易ではなかった。例えば、レーザー光の出力が適切でないと、装飾生地の切断不良が生じたり、下方にあるベース生地が切断されてしまったりする恐れもあった。
また、特許文献3に開示された従来技術のように、ベース生地と装飾生地との間に、レーザー光を遮蔽する下地シートを介在させる方法では、下地シートのカットや配置が煩雑であった。即ち、下地シートは再利用が難しく、毎回新たに下地シートを所定形状にカットする必要があった。また、下地シートは、ベース生地と装飾生地とを縫い合わせた後に容易に取り外しできるよう配置される必要があり、装飾開口が多数形成される装飾生地では、下地シートの形状が複雑になる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、薄くて柔らかく多数の装飾開口が形成される装飾生地を用いたカットワーク生地を容易且つ効率的に生産することができるカットワーク生地の製造方法を提供することにある。
本発明のカットワーク生地の製造方法は、ベース生地に装飾生地が重ね合わされて刺繍縫いが施されるカットワーク生地の製造方法であって、所定形状に裁断されたシート状の配置型を前記装飾生地の表面に貼付する工程と、前記配置型が貼付された前記装飾生地を裏面側からレーザー加工によって裁断する工程と、裁断された前記装飾生地を、前記配置型を上にして、刺繍機の可動支持枠にセットされたベース生地の上面にセットする工程と、前記装飾生地と前記ベース生地とを所定箇所で縫い付けて仮留めする工程と、仮留めされた前記装飾生地から前記配置型を取り外す工程と、前記配置型が取り外された前記装飾生地と前記ベース生地とを刺繍縫いする工程と、を具備することを特徴とする。
本発明のカットワーク生地の製造方法によれば、配置型に貼付された装飾生地をレーザー加工によって裁断する工程を具備し、ベース生地と装飾生地が積層される前に、装飾生地がレーザー加工によって裁断される。これにより、ベース生地と装飾生地とが縫い合わされた後に装飾開口を切り抜く従来技術のような難しい作業がなくなり、ベース生地が誤って切断されてしまうこともなく、装飾開口を効率的に形成することができる。
また、配置型に貼付された装飾生地を裁断する工程が行われた後、裁断された装飾生地は、配置型と共に移され、刺繍機の可動支持枠にセットされたベース生地の上面にセットされる。そのため、薄くて柔らかく、比較的大きなサイズで装飾開口が多数形成される装飾生地であっても、レーザー加工機から刺繍機への移動及び刺繍機へのセットを容易且つ正確に行うことができる。これにより、装飾生地をセットする工程の作業時間を大幅に短縮することができ、カットワーク生地の生産性を高めることができる。
また、装飾生地をセットする工程の後、装飾生地とベース生地とを所定箇所で縫い付けて仮留めする工程と、仮留めされた装飾生地から配置型を取り外す工程と、配置型が取り外された装飾生地とベース生地とを刺繍縫いする工程と、が実行される。装飾生地とベース生地とが仮留めされることにより、配置型を引き剥がす際や装飾生地とベース生地とを刺繍縫いする際に装飾生地の位置がずれてしまうことが抑えられる。また、配置型を取り外してから刺繍縫いする工程が行われることにより、配置型が装飾生地等に縫い付けられてしまうことがない。
また、本発明のカットワーク生地の製造方法によれば、前記装飾生地を裁断する工程では、前記装飾生地は、前記配置型と重なっていない箇所であり且つ前記配置型の端部近傍でレーザー加工機の載置面から浮いている箇所において裁断されても良い。配置型と重なっていない箇所で装飾生地が裁断されることにより、配置型がレーザー光によって切断されることがなく、配置型の再利用が可能となる。また、レーザー加工機の載置面から浮いている箇所において装飾生地が裁断されることにより、レーザー加工による装飾生地の変色等が抑制され、薄い装飾生地を綺麗に裁断することができる。また、レーザー光によるレーザー加工機の載置面の損傷等も抑えられる。
また、本発明のカットワーク生地の製造方法によれば、前記仮留めする工程では、前記装飾生地及び前記ベース生地は、前記配置型と重なっていない箇所において縫い付けられても良い。これにより、配置型を取り外す工程では、最上面に位置する配置型を切断等することなく容易に引き剥がすことができる。また、取り外された配置型を再利用することもできる。
また、本発明のカットワーク生地の製造方法によれば、前記装飾生地を裁断する工程では、前記装飾生地の端部近傍に、前記装飾生地の端部と前記配置型の端部との距離がその他の部分よりも大きく確保される仮留部が形成され、前記仮留めする工程では、前記仮留部において前記装飾生地と前記ベース生地とが縫い付けられても良い。これにより、仮留め縫製で配置型が装飾生地等に縫い付けられてしまうことが抑制され、配置型の取り外しが容易になり、配置型を再利用する点においても好ましい。
また、本発明のカットワーク生地の製造方法によれば、前記配置型には、所定形状の開口部が形成されており、前記装飾生地を裁断する工程では、前記装飾生地に、前記配置型の前記開口部に対応して装飾開口が形成され、前記刺繍縫いする工程では、前記装飾開口の周囲縁部近傍に刺繍縫いが施されても良い。これにより、多彩なデザインの装飾開口が多数形成される意匠性の高いカットワーク生地を効率良く生産することができる。
また、本発明のカットワーク生地の製造方法によれば、前記配置型は、熱可塑性の合成繊維から成る不織布と熱可塑性の合成樹脂製のフィルムとを重ね合わせてバインダ樹脂を含浸させて成形されたシート材を複数枚積層することにより構成され、レーザー加工によって所定形状に裁断されていても良い。このように積層された複数枚のシート材をレーザー加工によって所定形状に裁断することにより、裁断された複数枚のシート材が裁断部において溶着されるので、一体的に接合された多層構造の配置型を容易に形成することができる。そして、不織布とフィルム等から構成される層状の配置型は、装飾生地のレーザー加工に適した所定の厚みを有し、装飾生地をレーザー加工機から刺繍機への移動する際及び刺繍機へセットする際に装飾生地を支持するための適度な剛性を有し、且つ軽量に形成される。また、繰り返しの利用にも好適である。よって、このような配置型を採用することにより、カットワーク生地の生産性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態に係るカットワーク生地の製造方法を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るカットワーク生地1の概略構成を示す分解斜視図である。カットワーク生地1は、被服その他各種繊維製品の素材として利用される生地であり、図1に示すように、ベース生地2に装飾生地3を重ね合わせて縫い付けることにより構成される。
図1は、本発明の実施形態に係るカットワーク生地1の概略構成を示す分解斜視図である。カットワーク生地1は、被服その他各種繊維製品の素材として利用される生地であり、図1に示すように、ベース生地2に装飾生地3を重ね合わせて縫い付けることにより構成される。
ベース生地2及び装飾生地3は、各種繊維材料等から成る布帛等であり、織布の他、不織布、編地、合皮、複合生地等を含む各種シート状部材である。装飾生地3には、各種形状で表裏に貫通する装飾開口4が形成されている。
図2(A)は、カットワーク生地1の拡大平面図である。図2(B)は、図2(A)に示すA−A線断面図であり、装飾開口4近傍の断面を拡大して示している。図2(A)及び(B)に示すように、積層されたベース生地2及び装飾生地3には、ベース生地2及び装飾生地3を縫い付けるように刺繍縫いが施される。これにより、装飾開口4の周囲等に刺繍縫目5が形成される。
前述のとおり、装飾生地3には装飾開口4が形成されているので、図2(B)に示す如く、装飾生地3が重ねられている表面側に、装飾開口4からベース生地2が露出する。このように、カットワーク生地1では、装飾開口4から見えるベース生地2と前述の刺繍縫目5とによって多彩な意匠が表現される。
次に、図3を参照して、カットワーク生地1の製造方法で用いられる配置型20について詳細に説明する。
図3(A)は、配置型20の斜視図であり、図3(B)は、同拡大断面図、図3(C)同開口部近傍の拡大断面図である。配置型20は、図1及び図2に示す装飾生地3に装飾開口4を形成する際や装飾生地3をベース生地2に重ね合わせる際に装飾生地3を支持するものである。図3(A)に示すように、配置型20は略シート状の形態を成し、配置型20には表裏に貫通する開口部21が形成されている。
図3(A)は、配置型20の斜視図であり、図3(B)は、同拡大断面図、図3(C)同開口部近傍の拡大断面図である。配置型20は、図1及び図2に示す装飾生地3に装飾開口4を形成する際や装飾生地3をベース生地2に重ね合わせる際に装飾生地3を支持するものである。図3(A)に示すように、配置型20は略シート状の形態を成し、配置型20には表裏に貫通する開口部21が形成されている。
開口部21は、装飾生地3の装飾開口4に対応して形成され、その形状は装飾開口4と略相似であり、装飾開口4よりも大きい。即ち、開口部21は、装飾開口4の周囲の切断線を外側に所定寸法オフセットした形状に略等しい。
図3(B)に示すように、配置型20は、複数枚、具体的には2枚、の合成樹脂製の複合シート材22を重ね合わせることにより構成されている。複合シート材22は、例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性の合成繊維から成る不織布23と、同じくポリプロピレン等の熱可塑性の合成樹脂から成るフィルム24と、を重ね合わせてバインダ樹脂を含浸させて成形される。なお、フィルム24は、配置型20の表裏の最外面に配置される。これにより装飾生地3の貼付及び剥離が容易になる。
配置型20の外周及び開口部21は、レーザー加工機を用いてレーザー光によって切断される。これにより、図3(C)に示すように、開口部21の周囲裁断部には、レーザー光によって上下の複合シート材22が溶融して固着した溶着部25が形成される。同様に配置型20の外周の裁断部にも溶着部25が形成される。
このように積層された複数枚の複合シート材22をレーザー加工によって所定形状に裁断することにより、裁断部に溶着部25が形成され、複数枚の複合シート材22が一体的に接合された多層構造の配置型20を容易に形成することができる。
不織布23とフィルム24等から構成される層状の配置型20は、装飾生地3のレーザー加工に適した所定の厚みを有し、装飾生地3をレーザー加工機から刺繍機への移動する際及び刺繍機へセットする際に装飾生地3を支持するための適度な剛性を有し、且つ軽量に形成される。また、配置型20は、繰り返しの利用にも好適である。よって、このような配置型20を採用することにより、カットワーク生地1の生産性を高めることができる。
次に、図4ないし図11を参照して、図1及び図2に示すカットワーク生地1の製造方法について詳細に説明する。
図4は、カットワーク生地1の製造工程を示すフロー図である。カットワーク生地1の製造方法は、所定形状に裁断されたシート状の配置型20の上面に装飾生地3を貼付する配置型貼付工程S10と、配置型20に貼付された装飾生地3をレーザー加工によって裁断する装飾生地裁断工程S20と、ベース生地2を刺繍機にセットするベース生地セット工程S30と、裁断された装飾生地3を配置型20と共に反転してベース生地2の上面にセットする装飾生地セット工程S40と、装飾生地3とベース生地2とを所定箇所で縫い付けて仮留めする仮留工程S50と、仮留めされた装飾生地3から配置型20を取り外す配置型取り外し工程S60と、配置型20が取り外された装飾生地3とベース生地2とを刺繍縫いする刺繍縫い工程S70と、刺繍縫いされたカットワーク生地1から下地シート29(図7参照)を取り外す下地シート剥離工程S80と、を具備する。
図4は、カットワーク生地1の製造工程を示すフロー図である。カットワーク生地1の製造方法は、所定形状に裁断されたシート状の配置型20の上面に装飾生地3を貼付する配置型貼付工程S10と、配置型20に貼付された装飾生地3をレーザー加工によって裁断する装飾生地裁断工程S20と、ベース生地2を刺繍機にセットするベース生地セット工程S30と、裁断された装飾生地3を配置型20と共に反転してベース生地2の上面にセットする装飾生地セット工程S40と、装飾生地3とベース生地2とを所定箇所で縫い付けて仮留めする仮留工程S50と、仮留めされた装飾生地3から配置型20を取り外す配置型取り外し工程S60と、配置型20が取り外された装飾生地3とベース生地2とを刺繍縫いする刺繍縫い工程S70と、刺繍縫いされたカットワーク生地1から下地シート29(図7参照)を取り外す下地シート剥離工程S80と、を具備する。
図5は、配置型貼付工程S10を示す図である。図5に示すように、先ず、作業台等の上に広げられた装飾生地3の原反の表面に配置型20が貼付される。ここで、配置型20の装飾生地3に接合される側の主面には、予め、剥離可能な刺繍用のスプレー式接着剤等がスプレー塗布される。
配置型20を貼付する際、配置型20の位置決めを容易にするため、装飾生地3の上面周囲に、ガイドシート27等が配置されても良い。ガイドシート27には、配置型20の外周形状に対応する開口部が形成されている。即ち、ガイドシート27は、配置型20の外周を取り囲むような形状であり、配置型20は、ガイドシート27の前記開口部に配置される。
ガイドシート27としては、配置型20を構成する複合シート材22(図3参照)と略同様のシート材若しくはその他のシート材を用いることができる。ガイドシート27を配置型20と同じ複合シート材22から構成する場合には、配置型20の外周をレーザー加工によって切断した際、配置型20から切り離された周囲部分をガイドシート27として利用することができる。
装飾生地3に配置型20が貼付された後、装飾生地3の裁断が行われる。図6(A)及び(B)は、装飾生地裁断工程S20を示す図であり、図6(A)は、装飾生地3及び配置型20の斜視図、図6(B)は、同開口部21近傍の拡大断面図である。
図6(A)及び(B)に示すように、配置型20が貼付された装飾生地3は、配置型20と共に運ばれ、装飾生地3が上方になるよう反転され、レーザー加工機の載置面31の上に配置される。
載置面31は、例えば、ハニカム構造体等の多孔質板から構成される。そして、図示しない真空ポンプ等によって載置面31の下方空間が減圧されることにより、載置面31の上に載置された装飾生地3及び配置型20等が吸引され保持される。
なお、装飾生地3及び配置型20の位置決めを容易にし、且つ載置面31による吸引保持力を強めるために、載置面31には、配置型20の周囲を取り囲むようにガイドシート28が配置される。ガイドシート28は、前述のガイドシート27と略同様に、各種のシート材等から構成され、特に、載置面31による吸引保持力を強めるために、通気性の少ないシート材で構成されて平滑な面を下方に向けて配置されることが望ましい。
装飾生地3及び配置型20が所定の位置にセットされた後、レーザー加工機のレーザーヘッド30から照射されるレーザー光によって装飾生地3が裁断され、所定形状の装飾開口4等が形成される。なお、レーザーヘッド30は、予め設定された加工プログラムに従って数値制御されて、所定の位置に移動し、所定のタイミングで所定出力のレーザー光を照射する。
ここで、装飾開口4は、配置型20の形成された開口部21にそれぞれ対応して形成される。即ち、装飾開口4は、開口部21より小さく、開口部21と略相似形に形成される。図6(B)に示すように、レーザー光による裁断箇所は、開口部21の端部から開口部21の内側に向かって所定寸法オフセットした位置になる。
詳しくは、装飾生地3は、配置型20と重なっていない箇所であり且つ配置型20の端部近傍でレーザー加工機の載置面31から浮いている箇所において裁断される。具体的には、装飾生地3は、図6(B)に鎖線円で示すX部近傍において裁断される。このように配置型20と重なっていない箇所で装飾生地3が裁断されることにより、配置型20がレーザー光によって切断されることがなく、配置型20の再利用が可能となる。また、レーザー加工機の載置面31から浮いている箇所において装飾生地3が裁断されることにより、レーザー加工による装飾生地3の変色や汚れ等が抑制され、薄い装飾生地3を綺麗に裁断することができる。また、レーザー光によるレーザー加工機の載置面31の損傷等も抑えられる。
また、装飾生地裁断工程S20では、装飾生地3の外周端部近傍若しくは装飾開口4の周囲端部近傍に、装飾生地3の端部と配置型20の端部との距離がその他の部分よりも大きく確保される仮留部7(図9参照)が形成される。
図7は、ベース生地セット工程S30を示す図である。ベース生地セット工程S30では、刺繍機の可動支持枠33にベース生地2がセットされる。詳しくは、可動支持枠33に、例えば、ポリエチレンフィルム等の熱可塑性樹脂製の下地シート29が張設され、下地シート29の上面にスプレー式接着剤等がスプレー塗布された後、ベース生地2が配置される。そして、刺繍機によって、装飾生地3を配置する際の目印となる位置決め縫目が形成される。
図8は、装飾生地セット工程S40を示す図である。装飾生地裁断工程S20で所定形状に裁断された装飾生地3は、配置型20と共にレーザー加工機から取り外され、刺繍機へと移される。装飾生地3及び配置型20は装飾生地3が下方になるよう上下反転され、刺繍機の可動支持枠33にセットされたベース生地2の上面に装飾生地3がセットされる。
詳しくは、ベース生地2に形成された図示しない位置決め縫目に装飾生地3若しくは配置型20の所定の部分、例えば角部等、を合わせるようにして、装飾生地3が所定の位置に配置される。なお、縫製時の装飾生地3の位置ずれを抑制するため、装飾生地3の裏面には、スプレー式接着剤等が予めスプレー塗布される。
上記のように、配置型20に貼付された装飾生地3を配置型20と共に取り扱うことにより、薄くて柔らかく、比較的大きなサイズで装飾開口4が多数形成される装飾生地3であっても、レーザー加工機から刺繍機への移動及び刺繍機へのセットを容易且つ正確に行うことができる。これにより、装飾生地3をセットする装飾生地セット工程S40の作業時間を大幅に短縮することができ、カットワーク生地1の生産性を高めることができる。
図9は、仮留工程S50を示すカットワーク生地1の拡大平面図である。装飾生地3が刺繍機にセットされた後、仮留工程S50が実行される。
図9に示すように、仮留工程S50では、装飾生地3とベース生地2が所定箇所で縫い付けられて(仮縫目8が形成されて)仮留めされる。具体的には、装飾生地3及びベース生地2は、配置型20と重なっていない箇所、詳しくは、仮留部7において、縫い付けられる。即ち、装飾生地3の端部と配置型20の端部との距離がその他の部分よりも大きく確保された仮留部7に仮縫目8が形成される。
図9に示すように、仮留工程S50では、装飾生地3とベース生地2が所定箇所で縫い付けられて(仮縫目8が形成されて)仮留めされる。具体的には、装飾生地3及びベース生地2は、配置型20と重なっていない箇所、詳しくは、仮留部7において、縫い付けられる。即ち、装飾生地3の端部と配置型20の端部との距離がその他の部分よりも大きく確保された仮留部7に仮縫目8が形成される。
上記のように装飾生地3が仮留めされることにより、後述する配置型20を取り外す配置型取り外し工程S60(図10参照)では、最上面に位置する配置型20を切断等することなく容易に引き剥がすことができる。また、取り外された配置型20を再利用することもできる。
また、装飾生地3とベース生地2とが仮留部7において縫い付けられることにより、仮留め縫製で配置型20が装飾生地3等に縫い付けられてしまうことが抑制される。配置型20が仮縫目8で縫い付けられないことは、配置型20の取り外しを容易にする点、及び配置型20を再利用する観点において好ましい。
図10は、配置型取り外し工程S60を示す図である。図9に示す仮留工程S50で装飾生地3がベース生地2に仮留めされた後、図10に示すように、装飾生地3から配置型20が取り外される。前述のとおり装飾生地3は所定箇所で仮留めされているので、配置型20を引き剥がす際の装飾生地3の位置ずれ等が抑制され、配置型20を容易に取り外すことができる。
そして、配置型20が取り外された後、刺繍縫い工程S70が実行される。図11は、刺繍縫い工程S70を示す図である。刺繍縫い工程S70では、装飾生地3とベース生地2とが刺繍縫いによって縫い付けられる。即ち、ミシンヘッド32が予め設定された加工プログラムに従って数値制御されて所定の位置に移動し、所定のパターンで刺繍縫目5が形成される。例えば、装飾開口4の周囲縁部近傍等に刺繍縫いが施される。これにより、装飾生地3とベース生地2とが結合されると共に、形成される刺繍縫目5によって多彩な意匠が表現される。
前述のとおり、刺繍縫い工程S70は、装飾生地3から配置型20(図10参照)を取り外した後に実行されるので、配置型20が装飾生地3等に縫い付けられてしまうことがない。また、装飾生地3とベース生地2は予め所定箇所で仮留めされているので、刺繍縫いの際に装飾生地3の位置がずれてしまうことが抑えられる。
なお、刺繍縫い工程S70では、装飾生地3及びベース生地2と共に下地シート29も刺繍縫いによって縫い付けられる。そのため、刺繍縫い工程S70の後に下地シート剥離工程S80(図4参照)が実行され、刺繍縫い工程S70によって縫い付けられた下地シート29がカットワーク生地1から取り外される。
具体的は、カットワーク生地1は、下地シート29と共に刺繍機から外され、下地シート29側が図示しない熱板プレス機等の加熱された熱板に押し当てられる。これにより、下地シート29は、軟化若しくは溶融して熱板側に付着し、カットワーク生地1から剥がされることになる。これにより、カットワーク生地1が完成する。
以上説明の製造方法によって、多彩なデザインの装飾開口4が多数形成される意匠性の高いカットワーク生地1を効率良く生産することができる。
以上説明の製造方法によって、多彩なデザインの装飾開口4が多数形成される意匠性の高いカットワーク生地1を効率良く生産することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図1ないし図11では、説明のために一例として簡単な形状のカットワーク生地1を示しているが、装飾開口4や刺繍縫目5については、その他種々の形状を採用することができる。また、ベース生地2及び装飾生地3の外周形状についても、矩形状に限定されるものではなく、最終製品の形態に合わせて種々の形状を採用可能である。また、装飾生地3の大きさや外周形状は、ベース生地2と同一である必要はなく、例えば、装飾生地3をベース生地2よりも小さくして、装飾生地3の外周形状で所望の図柄を表現しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
1 カットワーク生地
2 ベース生地
3 装飾生地
4 装飾開口
5 刺繍縫目
7 仮留部
8 仮縫目
20 配置型
21 開口部
22 複合シート材
23 不織布
24 フィルム
29 下地シート
25 溶着部
31 載置面
33 可動支持枠
2 ベース生地
3 装飾生地
4 装飾開口
5 刺繍縫目
7 仮留部
8 仮縫目
20 配置型
21 開口部
22 複合シート材
23 不織布
24 フィルム
29 下地シート
25 溶着部
31 載置面
33 可動支持枠
Claims (6)
- ベース生地に装飾生地が重ね合わされて刺繍縫いが施されるカットワーク生地の製造方法であって、
所定形状に裁断されたシート状の配置型を前記装飾生地の表面に貼付する工程と、
前記配置型が貼付された前記装飾生地を裏面側からレーザー加工によって裁断する工程と、
裁断された前記装飾生地を、前記配置型を上にして、刺繍機の可動支持枠にセットされたベース生地の上面にセットする工程と、
前記装飾生地と前記ベース生地とを所定箇所で縫い付けて仮留めする工程と、
仮留めされた前記装飾生地から前記配置型を取り外す工程と、
前記配置型が取り外された前記装飾生地と前記ベース生地とを刺繍縫いする工程と、を具備することを特徴とするカットワーク生地の製造方法。 - 前記装飾生地を裁断する工程では、前記装飾生地は、前記配置型と重なっていない箇所であり且つ前記配置型の端部近傍でレーザー加工機の載置面から浮いている箇所において裁断されることを特徴とする請求項1に記載のカットワーク生地の製造方法。
- 前記仮留めする工程では、前記装飾生地及び前記ベース生地は、前記配置型と重なっていない箇所において縫い付けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカットワーク生地の製造方法。
- 前記装飾生地を裁断する工程では、前記装飾生地の端部近傍に、前記装飾生地の端部と前記配置型の端部との距離がその他の部分よりも大きく確保される仮留部が形成され、
前記仮留めする工程では、前記仮留部において前記装飾生地と前記ベース生地とが縫い付けられることを特徴とする請求項3に記載のカットワーク生地の製造方法。 - 前記配置型には、所定形状の開口部が形成されており、
前記装飾生地を裁断する工程では、前記配置型の前記開口部に対応して前記装飾生地に装飾開口が形成され、
前記刺繍縫いする工程では、前記装飾開口の周囲縁部近傍に刺繍縫いが施されることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のカットワーク生地の製造方法。 - 前記配置型は、熱可塑性の合成繊維から成る不織布と熱可塑性の合成樹脂製のフィルムとを重ね合わせてバインダ樹脂を含浸させて成形されたシート材を複数枚積層することにより構成され、レーザー加工によって所定形状に裁断されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のカットワーク生地の製造方法。
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