JP2018027909A - 嚥下困難者用用時調製医薬品又は用時調製機能性食品 - Google Patents

嚥下困難者用用時調製医薬品又は用時調製機能性食品 Download PDF

Info

Publication number
JP2018027909A
JP2018027909A JP2016160244A JP2016160244A JP2018027909A JP 2018027909 A JP2018027909 A JP 2018027909A JP 2016160244 A JP2016160244 A JP 2016160244A JP 2016160244 A JP2016160244 A JP 2016160244A JP 2018027909 A JP2018027909 A JP 2018027909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gum
prepared
time
functional food
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016160244A
Other languages
English (en)
Inventor
埋橋 祐二
Yuji Uzuhashi
祐二 埋橋
小島 正明
Masaaki Kojima
正明 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
INA Food Industry Co Ltd
Original Assignee
INA Food Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by INA Food Industry Co Ltd filed Critical INA Food Industry Co Ltd
Priority to JP2016160244A priority Critical patent/JP2018027909A/ja
Publication of JP2018027909A publication Critical patent/JP2018027909A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

【課題】均質に分散させて飲み残しを防ぐことができ、またマスキング効果により服用を容易にすると共に、咀嚼・嚥下困難者等においても服用を可能とする工夫をした医薬用或いは機能性食品用の医薬品製剤及び用時調製漢方・生薬製剤を提供する。【解決手段】熱水又は水に分散させて用時調製する医薬用或いは機能性食品用の医薬品製剤および漢方や生薬の製剤であって、増粘剤,ゲル化剤の少なくとも一方を混合して粉末剤、顆粒剤、錠剤、塊状剤、カプセル剤のいずれかの形態に加工する。【選択図】なし

Description

この発明は、熱水又は水に分散させて用時調製する医薬用或いは機能性食品用の医薬品及び漢方・生薬の製剤に関する。
経口より服用する医薬製剤又は機能性食品製剤は通常、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の形態に加工される。シロップ剤やドリンク剤等の液剤は、医薬品や機能性食品の安定性確保が難しいため、経口医薬製剤としては限られている。さらに医薬品や機能性食品に使用される漢方や生薬は、元来、熱湯により煎じた液を服用するものや、お湯と共に服用することが有効であるとされているもの等、暖めて服用することの有用性は広く知られている。しかしながら、煎じる方法は、特殊な装置を必要とする等、煩雑で服用の利便性の面で問題がある。これを改良するため、漢方・生薬のエキス剤を利用して製剤化された顆粒が知られているが、これをお湯のなかに溶解(若しくは分散)させて服用しようとしても、漢方・生薬のエキス粉末の多くは、軽くて浮き易く、表面だけ溶けてダマになって分散溶解ができない、更にエキス粉末のなかには低温で溶解が悪い成分も含まれており、容器底部に沈殿してしまい、一様に分散しにくい、といった問題がある。また漢方や生薬は、独特の苦みや臭い、味がある場合が多く、単に熱水又は水に分散させて服用する方法では、幼児や老人には服用が苦痛となることが多い。高齢等により咀嚼・嚥下困難になると、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤をそのまま服用することが困難になり、新しい服用形態が望まれている。
しかし、薬剤を粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等として加工し、熱水又は水に分散させて服用する形態とした場合、薬剤が不溶性の成分を含むと均質に分散させることができず、また成分によってはダマになりやすいといった問題がある。更に、不溶成分が容器の底部に沈降すると、飲み残しが生じ、一定の服用量を定めた医薬品としては不適である。更に、独特の苦みや味のある成分が底の部分に凝集するとこの部分を服用することに大きな苦痛を伴うことになる。
さらに粘性を有する液剤に調整した場合であっても粘性やゲル強度の幅が広く、嚥下困難者が服用するには誤嚥を引き起こす原因になっていた。(特許文献1)
特開平11−322624号公報
この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、服用時、熱水又は水に均質に分散させて飲み残しを防ぐことができ、またマスキング効果により服用を容易にすると共に、特に咀嚼・嚥下困難者等の服用を考慮しゲル強度や粘性値を調整した医薬用或いは機能性食品用の医薬品製剤及び用時調製漢方・生薬製剤を提供することを目的としている。
この発明に係る用時調製医薬品及び用時調製機能性食品の医薬品製剤及び漢方・生薬製剤は、熱水又は水に分散させて用時調製する医薬用或いは機能性食品用の医薬品及び漢方・生薬の製剤であって、医薬品或いは漢方・生薬のエキス粉末を、増粘剤,ゲル化剤の少なくとも一方を混合して粉末剤、顆粒剤、錠剤、塊状剤、カプセル剤のいずれかの形態に加工してなることを特徴とする。この発明による医薬品或いは漢方・生薬製剤は例えば、漢方・生薬のエキス粉末を増粘剤やゲル化剤と混合して造粒機により造粒し、乾燥させて顆粒剤とし、或いはこれを打錠して錠剤、塊状剤とし、或いは粉砕して粉末剤とする。
この発明において、増粘剤やゲル化剤を混合する目的は、服用時に医薬品或いは漢方・生薬を熱水や水に均質に分散させて沈降を起こさせず、飲み残しを防ぐこと、医薬品或いは漢方・生薬の苦み、独特のにおいや味を粘性物やゲル化物の形態によりマスキングすること、適切なゲル強度又は粘性を付与することにより、咀嚼・嚥下困難者の服用を可能にすること、等にある。この様な目的のために、増粘剤又はゲル化剤として、寒天、キサンタンガム、結晶化セルロース、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、カルボキシルメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルスターチナトリウム、カラギナン、ファーセレラン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ゼラチン、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、トラガントガム、タラガム、アラビアガム、カラヤガム、デンプン、デンプン誘導体、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カードラン、アゾトバクタービネランジーガム、プルラン、アラビノガラクタン、デキストリン、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウムの中から1種以上選択された素材が用いられる
上述したゲル化剤又は増粘剤の目的から、ゲル化剤又は増粘剤を加えた製剤1回服用量を100mLの飲用熱水又は水に分散させて、調整から服用まで1時間以内で用時調製する医薬用或いは機能性食品用の医薬品製剤或いは漢方・生薬の製剤は、100mLの熱水又は水に1回服用量を分散させた用時調製時に、増粘液の場合は、E型粘度計における20℃での粘度が50mPa・s〜500mPa・sであり、ゲル状の場合は、10℃〜60℃での硬さが3×10〜2×10(N/m)であり、付着性が1.5×10(J/m)以下であり、凝集性が0.2〜0.9であることが好ましい。20℃における粘度が50mPa・sより低いと嚥下障害者に適当な物性が得られず、500mPa・sより高いと粘性が高すぎ扱いが悪く、また嚥下障害に適した物性が得られない。苦味のマスキング効果が得られないばかりかゲル化が強くなりすぎ、咀嚼・嚥下困難者の服用,飲用が困難になる。ゲル強度(硬さ)が3×10(N/m)より低いと軟らかすぎて苦味のマスキング効果が得られないばかりかゲル強度が低すぎて嚥下障害者に適した物性がえられない。2×10(N/m)より大きいとゲル強度が高すぎて嚥下障害者に適した物性が得られない。付着性が1.5×10(J/m)より大きいと付着力が強すぎて扱いが悪いばかりか嚥下障害者に適した物性がえられない。凝集性が0.2より小さいと食塊を形成し難く嚥下障害者に適した物性が得られない。凝集性が0.9より大きいと口腔内での適当なばらけが得られず嚥下障害者に適した物性が得られない。
熱水又は水に入れて服用,飲用する場合の温度は、熱水では70℃以下が目安となり、水の場合は冷蔵された水を考慮して5℃以上が目安となる。従って、この温度範囲における物性が上述の粘性及び強度の範囲に入るように調製される。用時調製して服用するためには、調製から服用まで1時間以内であること、望ましくは10分以内であることがよい。しかし例えば、冷蔵保存することにより、服用までの時間は延ばすことができる。
この発明において、増粘剤やゲル化剤に加えて、均質分散性を更に良好にするために分散剤を添加することができる。分散剤としては、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、デキストリン等の糖や糖アルコール、デンプン化工品の中から1種以上が選ばれる。錠剤の場合には更に、結晶セルロース、カルボキシルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、崩壊用寒天等の崩壊剤、デキストリン等の結合剤を加えることができる。顆粒剤の場合には、接着剤としてアラビアガム、プルラン、乳糖、ショ糖等を加えることができる。
この発明において更に、甘味料、香料、酸味料、調味料の少なくとも1種を加えることができる。甘味料としては、分散剤を兼ねてブドウ糖、ショ糖、乳糖、ソルビトール等の糖や糖アルコールが、また製剤用量やカロリーを考慮してステビアやアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK等のダイエット甘味料が用いられる。クエン酸、リンゴ酸、乳酸等の酸味料や香料、調味料は、漢方や生薬の味を考慮して選択される。
この発明における用時調製医薬品製剤及び用時調製漢方・生薬製剤の対象となる有効成分としては、一般的に経口で使用される医薬品であれば良く、さらに漢方薬や生薬のエキスが用いられる。具体的に医薬品としてはアセチルサリチル酸、エテンザミド、イブプロフェンなど感冒薬や消炎鎮痛に使用されるもの、胃腸薬など特に限定はない。漢方薬としては、小柴胡湯、柴苓湯、補中益気湯、柴朴湯、牛車賢気丸、加味逍遥散、麦門冬湯、八味地黄丸、大建中湯、小青竜湯、六君子湯、当帰芍薬散、十全大補湯、葛根湯、柴胡桂枝湯、桂枝茯苓丸、釣藤散、大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、猪苓湯、温経湯、黄連解毒湯、防巳黄耆湯、五苓散、白虎加人参湯、芍薬甘草湯、半夏白朮天麻湯、人参養栄湯、防風通聖散、半夏瀉心湯、小柴胡湯加桔梗石膏、桂枝加朮附湯、荊芥連翹湯、半夏厚朴湯、加味帰脾湯、温清飲、清肺湯、大黄甘草湯、十味敗毒湯、当帰飲子、辛夷清肺湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、麻黄附子細辛湯、乙字湯、安中散、葛根湯加川キュウ辛夷、桔梗湯、桂枝湯、桂枝加芍薬湯、小建中湯、消風散、清上防風湯、治頭瘡一方、桃核承気湯、人参湯、麻黄湯、麻杏甘石湯、苓桂尤甘湯等のエキスが用いられる。また生薬としては、アロエ、オオバコ、ドクダミ、ハトムギ、ギムネマ、シャクヤク、トウキ、ケイヒ、センキュウ、ソウジュツ、ブクリョウ、ボタンピ、トウヒ、コウブシ、ジオウ、カンゾウ、トウニン、オウレン、ショウキョウ、チョウジ、ニンジン、チンピ、エンゴサク、カノコソウ、キジツ、オウゴン等のエキスが用いられる。これらの漢方、生薬の配合量は、薬効や効果を示す1日の服用量から、服用回数を考慮して決定される。
さらに本発明では用時調製により作製したゲルのゲル強度や粘性が嚥下障害者にとって最適な物性になることを特徴にしている。最適な物性とは、厚生労働省医薬食品局食品安全部長から通知されている、食安発第0212001号(平成21年2月12日)の9枚目第6に記載されている「えん下困難者用食品たる表示の許可基準」で示された規格基準や、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会が分類している、学会分類2013(とろみ)はやみ表(日摂食嚥下リハ会誌 17(3):255−267,2013 参照)で示された値である。
本発明の用時調製医薬品製剤及び用時調製機能性食品製剤は、a)医薬品や漢方・生薬製剤の苦味や臭いをマスキングして服用を容易にし、b)液剤ではなく用時調製にすることにより医薬品や漢方製剤の水による分解を無くし、c)さらにゲル強度や粘性を調整して嚥下困難者に最適な物性を付与できる等、優れた特徴を有する。
以下、この発明の実施例をいくつか説明するが、この発明はこれらの実施例に限られるわけではない。
[実施例1]葛根湯のエキス粉末20重量部、キサンタンガム(イナゲルV−10,伊那食品工業社製)3重量部、グアーガム(イナゲルGR−10,伊那食品工業社製)0.5重量部、ブドウ糖30重量部、デキストリン52重量部を混合し、流動層造粒機(大川原製作所製)で1.0%キサンタンガム水溶液を上記混合粉末に対して30重量部噴霧しながら、60℃で20分造粒した。造粒された漢方製剤を整粒の後、見かけ比重を測定したところ、0.35g/mLであった。造粒された漢方製剤を、1回の服用量である10g(葛根湯として0.625g;1日分の1/3量相当)に分包し、1分包量をカップに入れ、100mLの水(20℃)を加えて分散させた。漢方薬は均一に分散溶解され沈殿を起こすことはなかった。10分後にE型回転粘度計(東機産業(株)製,ビスコメーターTV−25型)にて粘度を測定したところ、20℃での粘度が280mPa・sであった。さらに60℃の温水で同様に溶解した場合の粘度は200mPa・sであり、嚥下に適した粘度であった。
[実施例2]小青竜湯のエキス粉末10.0重量部、タラガム(タラガムA,伊那食品工業社製)5重量部、ブドウ糖30重量部、デキストリン52重量部、オレンジ香料を混合し、流動層造粒機で2%馬鈴薯澱粉加熱溶液を上記混合末に対して25重量部噴霧しながら造粒した。造粒された漢方製剤を整粒の後、1回の服用量である9.0g(小青竜湯0.83g;1日分の1/3量相当)に分包し、1分包量をカップに入れ、100mLの水(20℃)を加えて分散させた。漢方薬は均一に分散溶解され沈殿を起こすことはなかった。10分後にE型回転粘度計(東機産業(株)製,ビスコメーターTV25型)にて粘度を測定したところ、20℃において330mPa・sであった。さらに60℃の温水を使用して同様に溶解した場合においても250mPa・sであり、嚥下に適した物性であった。
[実施例3]防風通聖散のエキス粉末10重量部、化工デンプン(マツノリンTG−500,松谷化学工業社製)32重量部、アスパルテーム0.2重量部、ブドウ糖30重量部、デキストリン23.5重量部、パイナップル香料1.3重量部を混合し、流動層造粒機で10%乳糖水溶液を上記混合末に対して30重量部噴霧しながら造粒した。造粒された漢方製剤を、1回の服用量である7.5g(防風通聖散0.75g;1日分の1/3量相当)に分包し、1分包量をカップに入れ、100mLの水(20℃)を加えて分散させた。漢方薬は均一に分散溶解され沈殿を起こすことはなかった。10分後にE型回転粘度計(東機産業(株)製,ビスコメーターTV25型)にて粘度を測定したところ、20℃における粘度は280mPa・sであった。さらに60℃の温水を使用して同様に溶解した場合における粘度は80mPa・sであり、嚥下に適した物性であった。
[実施例4]人参養栄湯のエキス粉末10重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンWSA,第一工業製薬社製)3重量部、アスパルテーム0.2重量部、ブドウ糖30重量部、デキストリン55.9重量部、紅茶香料0.6重量部を混合し、流動層造粒機で1.0%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液を上記混合末に対して30重量部噴霧しながら造粒した。造粒された漢方製剤を、1回の服用量である10g(人参養栄湯1g;1日分の1/3量相当)に分包し、1分包量をカップに入れ、100mLの水(20℃)を加えて分散させた。漢方薬は均一に分散溶解され沈殿を起こすことはなかった。10分後にE型回転粘度計(東機産業(株)製,ビスコメーターTV25型)にて粘度を測定したところ、20℃において330mPa・sであった。さらに60℃の温水を使用して同様に溶解した場合の粘度は240mPa・sであり、嚥下に適した物性であった。
[実施例5]アロエ、オオバコ、ドクダミ、ハトムギ及びギムネマからなる生薬配合エキス粉末4重量部、緑茶エキスパウダー7重量部、カラギナン(イナゲルV−120,伊那食品工業社製)3重量部、乳糖64重量部、微結晶セルロース(アビセルFD−101,旭化成社製)10重量部、寒天(崩壊用精製寒天,伊那食品工業社製)5重量部、コーンスターチ(日本食品化工社製)3重量部、ショ糖脂肪酸エステル(S−370,三菱化学フーズ社)2重量部、合成珪酸アルミニウム2重量部を混合して造粒した。造粒後、乾燥させて顆粒とし、これを打錠機にて1錠10gに打錠し錠剤とした。水100mLにこの錠剤1錠を加えたところ、約2分で崩壊し、均一分散した。錠剤投入後から10分後にE型回転粘度計(東機産業(株)製,ビスコメーターTV25型)にて粘度を測定したところ、80mPa・sであり嚥下の物性に適していた。さらに60℃の温水を使用した場合においても約5分で崩壊し、同様に錠剤投入後から10分間後の粘度は60℃において60mPa・sであり嚥下の物性に適していた。
[実施例6]大黄甘草湯2.5重量部、ショ糖20重量部、ブドウ糖58.5重量部、アルギン酸ナトリウム(イナゲルGS−80,伊那食品工業社製)3.5重量部、リン酸―水素カルシウム2重量部、クエン酸1重量部、レモン香料1重量部、粉末ハチミツ10重量部を混合した。粉末の漢方製剤を、1回の服用量である10g(大黄甘草湯0.25g;1日分の1/3量相当)に分包し、1分包量をカップに入れ100mLの水(10℃)を加えて分散させた。漢方薬は均一に分散溶解され、5分後にはアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンが反応してゼリーを形成した。10分後にテクスチャーアナライザー:TA.XT.Plus(英弘精機社製)を使用してゼリー物性を測定したところ、10℃においては硬さが3.8×10N/m、付着性は80J/m、凝集性は0.4であった。さらに60℃の温水を使用した場合の10分後の物性は硬さが9.8×10N/m、付着性は1.8×10J/m、凝集性は0.5であり嚥下の物性に適合していた。
〔実施例7〕アセチルサリチル酸330mg、キサンタンガム(イナゲルV−10)0.3g、タラガム(タラガムA)0.05g、グラニュー糖5g、クエン酸0.3g、レモン香料0.2g、アスパルテーム0.1gを混合し1包とした。これを20℃の水及び60℃の温水に溶解し、10分後の粘度を測定した。その結果、20℃では370mPa・sであり、60℃では310mPa・sであった。共に嚥下の物性に適していた。
〔実施例8〕機能性食品としてアガロオリゴ糖(伊那食品工業社製)500mg、ブドウ糖5g、果糖1g、グレープフルーツ香料0.5g、クエン酸0.5g、増粘剤としてCMC−Na(セロゲンWSA,第一工業製薬社製)0.5g又はペクチン(イナゲルJP−10,伊那食品工業社製)1.0gを1包に包装した。これを20℃の水および60℃の温水100mLに溶解し10分後の粘度をE型粘度計にて測定した。その結果、CMC−Naを使用した場合は20℃で450mPa・sであり60℃では330mPa・sであった。ペクチンを使用した場合には、20℃で70mPa・sであり、60℃で55mPa・sであった。関節痛が気になり且つむせの症状が自覚される健常人2名に増粘剤を加えない以外は同様に作製した比較例と比べてもらったところ、2名とも増粘剤入りの方が飲みやすいという評価であった。
〔実施例9〕実施例1〜8の配合の医薬品製剤、漢方・生薬製剤、及び機能性食品製剤を、配合前の医薬品、機能性食品、及び漢方・生薬のみの場合のそれぞれ比較例1〜8と対照させて、それぞれ実施例1〜8と同様の条件で分散させて10人のパネラー(70歳以上で最近食事において「むせ」を感じるようになった健常人)に摂取してもらった(喫食温度は20℃と60℃)。二点比較法による官能検査の結果10人全員が、実施例1〜8の場合にそれぞれ比較例1〜8に比べてむせずに摂取し易いとの評価であった。
以上述べたようにこの発明によれば、医薬品又は機能性食品の成分である漢方や生薬を増粘剤やゲル化剤と混合して製剤化することにより、用時調製時に沈降を起こすことなく均質に分散させて薬剤の飲み残しを防ぐことができ、苦みや臭い、味をマスキングして飲みやすくすると共に、特にゲル強度や粘性を調整することにより咀嚼・嚥下困難者に服用を可能とする医薬或いは機能性食用の製剤を提供することができる。

Claims (2)

  1. 熱水又は水に分散させて、調整から服用まで1時間以内で用時調製する医薬用或いは機能性食品用の医薬品製剤或いは漢方・生薬の製剤であって、医薬品或いは漢方・生薬のエキス粉末を、増粘剤,ゲル化剤の少なくとも一方と分散剤とを混合して、粉末剤、顆粒剤、錠剤、塊状剤、カプセルのいずれかの形態に加工してなり、100mLの熱水又は水に1回服用量を分散させた用時調製時に、増粘液の場合は、E型粘度計における20℃での粘度が50mPa・s〜500mPa・sであり、ゲル状の場合は、10℃〜60℃での硬さが3×10〜2×10(N/m)であり、付着性が1.5×10(J/m)以下であり、凝集性が0.2〜0.9であることを特徴とする用時調製医薬品製剤又は用時調製機能性食品製剤。
  2. 増粘剤又はゲル化剤として、寒天、キサンタンガム、結晶化セルロース、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、カルボキシルメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルスターチナトリウム、カラギナン、ファーセレラン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ゼラチン、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、トラガントガム、タラガム、アラビアガム、カラヤガム、デンプン、デンプン誘導体、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カードラン、アゾトバクタービネランジーガム、プルラン、アラビノガラクタン、デキストラン、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウムの中から1種以上選択され、分散剤として、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、デキストリン、及びデンプン加工品の中から1種以上選択された素材が用いられる請求項1記載の用時調製医薬品製剤又は機能性食品。
JP2016160244A 2016-08-17 2016-08-17 嚥下困難者用用時調製医薬品又は用時調製機能性食品 Pending JP2018027909A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016160244A JP2018027909A (ja) 2016-08-17 2016-08-17 嚥下困難者用用時調製医薬品又は用時調製機能性食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016160244A JP2018027909A (ja) 2016-08-17 2016-08-17 嚥下困難者用用時調製医薬品又は用時調製機能性食品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018027909A true JP2018027909A (ja) 2018-02-22

Family

ID=61248329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016160244A Pending JP2018027909A (ja) 2016-08-17 2016-08-17 嚥下困難者用用時調製医薬品又は用時調製機能性食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018027909A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109527444A (zh) * 2018-12-04 2019-03-29 山东药品食品职业学院 一种全营养牡蛎分散片
JP2020066579A (ja) * 2018-10-23 2020-04-30 大蔵製薬株式会社 遅延性ゲル化組成物
CN111567794A (zh) * 2020-05-18 2020-08-25 青岛明月海藻生物健康科技集团有限公司 一种吞咽保护剂及其制备方法
WO2021079961A1 (ja) * 2019-10-25 2021-04-29 住友化学株式会社 食品組成物
CN115644447A (zh) * 2022-11-10 2023-01-31 贵州省分析测试研究院 一种非全营养特医食品增稠组件及其制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020066579A (ja) * 2018-10-23 2020-04-30 大蔵製薬株式会社 遅延性ゲル化組成物
JP2022123058A (ja) * 2018-10-23 2022-08-23 大蔵製薬株式会社 遅延性ゲル化組成物
CN109527444A (zh) * 2018-12-04 2019-03-29 山东药品食品职业学院 一种全营养牡蛎分散片
WO2021079961A1 (ja) * 2019-10-25 2021-04-29 住友化学株式会社 食品組成物
CN114585267A (zh) * 2019-10-25 2022-06-03 住友化学株式会社 食品组合物
CN111567794A (zh) * 2020-05-18 2020-08-25 青岛明月海藻生物健康科技集团有限公司 一种吞咽保护剂及其制备方法
CN115644447A (zh) * 2022-11-10 2023-01-31 贵州省分析测试研究院 一种非全营养特医食品增稠组件及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4555407B2 (ja) 用時調製漢方・生薬製剤
JP2018027909A (ja) 嚥下困難者用用時調製医薬品又は用時調製機能性食品
ES2811082T3 (es) Métodos y composiciones para inducir saciedad
US20110177175A1 (en) Dietary fiber compositions
JP2009534452A (ja) 肥満の処置のための、サフランおよび/またはサフラナールおよび/またはピクロクロシンおよび/またはクロシンおよび/またはそれらの誘導体の使用
US20140308374A1 (en) Formulations of Concentrated Prunes and Prebiotics as Laxatives and Dietary Supplements
JP4264105B2 (ja) イソソルビド含有ゼリー製剤
US11234935B2 (en) Method of inducing satiety
CN107072952A (zh) 卡多曲颗粒
JP2010209029A (ja) 呈味が改善された医薬組成物又は健康食品
JP6864970B2 (ja) 胃腸薬組成物
JP5327682B2 (ja) 緩下剤として使用される医薬組成物
JP6267862B2 (ja) ゼリー化組成物
WO2016086557A1 (zh) 一种维d钙组合物咀嚼片及其制备方法
WO2022119954A1 (en) Stable semi-solid chewable gel compositions and methods of making and using thereof
JP4634589B2 (ja) 食品又は医薬品易服用化剤
CN102247331B (zh) 一种头孢羟氨苄咀嚼片及其制备方法
KR101458670B1 (ko) 분지쇄아미노산을 함유하는 약제학적 조성물 및 그 제조방법
JP6206420B2 (ja) クエン酸第二鉄を高濃度で含有するゲル状組成物の製造方法
KR101621502B1 (ko) 생맥산을 함유하는 발포제의 제조방법
US20220110900A1 (en) Solid nutrient compositions and associated methods
JP7390750B2 (ja) 固形製剤
JPS6349986B2 (ja)
JP6670287B2 (ja) ゼリー化組成物
JP6578828B2 (ja) 医薬品組成物