JP2018026896A - 超伝導回転機 - Google Patents

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Abstract

【課題】超伝導ワイヤーのACロスが小さく、出力効率の優れた超伝導回転機を提供する。【解決手段】環状を為すコア部材80と、超伝導材料によって形成されたテープ状の超伝導ワイヤー64をコア部材80の環状部分に巻き付けて形成されたコイル60とを備えた超伝導回転機において、コア部材80を、互いに略平行な上面及び下面を有する平板環状に形成するとともに、テープ状を為す超伝導ワイヤー64における、コア部材80の上面側に配される上側部分64a及び下面側に配される下側部分64bが、その幅方向がコア部材80の厚さ方向(z軸方向)に略平行となるように配されるようにした。【選択図】図5

Description

本発明は、コイルを超伝導ワイヤーで形成した超伝導回転機に関する。
超伝導モーターや超伝導発電機等の超伝導回転機は、第二種超伝導体が発見された後の1960年頃から開発が開始された。当初は、液体ヘリウム冷却による大出力の超伝導回転機の開発競争が世界的に行われていたが、近年では、高温超伝導ワイヤーを用いた液体窒素冷却及び冷凍機による超伝導モーターの開発が各国で行われるようになっている。ところが、これらの超伝導回転機は、通常の回転機のコイルを超伝導ワイヤーに置き換えた構造のものであり、主に、銅損を低減することによって大きな出力が得られるようにすることを目的として開発されたものである。すなわち、これらの超伝導回転機は、超伝導体の性質を十分に利用したものとは言えず、その出力特性や冷却に必要なエネルギーを考慮した場合、必ずしも実用性の高いものとは言えなかった。
このような実状に鑑みて、本発明者は、これまでに、特許文献1の超伝導回転機を提案した。特許文献1の超伝導回転機は、同文献の図5等に示されるように、円環状(ドーナツ状)に形成した固定子2の環状部分に、コイル22を形成する超伝導ワイヤー22を巻き付けたものとなっている。超伝導ワイヤー22は、第二種超伝導体が内包されたテープ状のものが採用されている(同文献の段落0030を参照)。同文献の超伝導回転機は、固定子2と、永久磁石32を有する回転子3とが上下に対向して配された構造を有しており、小型化が可能であるとともに、回転子3に設けられた永久磁石32の磁場がコイル22を流れる電流に及ぼすローレンツ力の利用効率(超伝導モーターの場合)や、回転子3に設けられた永久磁石32による変動磁場がコイル22に発生させる電磁誘導作用の利用効率(超伝導発電機の場合)が高いものとなっていた。加えて、各相のコイル22が円環上で同一方向に揃っており、自己誘導をキャンセルすることが可能な構造となっているため、それまでの超伝導回転機と比較して、高速回転時でもトルクの減少が小さく、高い出力密度を実現できるものとなっていた。
特開2011−239596号公報
しかし、特許文献1の超伝導回転機は、その出力効率に改善の余地が残るものであった。というのも、第二種超伝導体が内包された超伝導ワイヤー22に交流磁場を与えた際には、超伝導体のピン止め力によって超伝導ワイヤー22にヒステリシス損失(ACロス)が発生するからである。この損失は、テープ状の超伝導ワイヤー22に印加される磁場の、超伝導ワイヤー22に対する垂直成分(超伝導ワイヤー22におけるテープ面に垂直な成分)が大きいほど大きくなる。なお、ここで言う「テープ面」とは、テープ状の超伝導ワイヤー22の表面における幅が広い方の面のことである。この点、特許文献1の超伝導回転機においては、同文献の図8に示されるように、回転子3に設けられた永久磁石32による磁場が、超伝導ワイヤー22のテープ面に対して略垂直に印加されるようになっていたため、超伝導ワイヤー22のACロスが大きくなってしまっていた。このACロスを低減することができれば、超伝導回転機の出力効率をより向上させることができる。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、超伝導ワイヤーのACロスが小さく、出力効率の優れた超伝導回転機(超伝導モーター又は超電導発電機)を提供するものである。
上記課題は、
環状を為すコア部材と、
超伝導材料によって形成されたテープ状の部材からなり、コア部材の環状部分に巻き付けられた超伝導ワイヤーと
を備えた超伝導回転機であって、
コア部材が、互いに略平行な上面及び下面を有する平板環状に形成されるとともに、
テープ状を為す超伝導ワイヤーにおける、コア部材の上面側に配される上側部分及び下面側に配される下側部分が、その幅方向とコア部材の厚さ方向とが略平行となるように配された
ことを特徴とする超伝導回転機
を提供することによって解決される。
ここで、「コア部材が、略平行な上面と下面とを有する」という記載や、「コア部材の上面側」という記載等における「上」や「下」という語句は、説明の便宜上、コア部材の厚さ方向における一方を「上」、他方を「下」として用いているだけのものであり、本発明の超伝導回転機を使用する向きを限定するものではない。以下において、「上」や「下」等の方向を示す語句を使用する場合も、特に断りのない限り同様とする。
本発明の超伝導回転機は、超伝導ワイヤーのACロスが小さく、出力効率の優れた超伝導回転機(超伝導モーター又は超電導発電機)を提供することができるものとなっている。すなわち、テープ状の超伝導ワイヤーにおける上側部分及び下側部分が、その幅方向とコア部材の厚さ方向とが略平行となるように(その幅方向が上下方向を向くように)配されていることにより、これに上下方向の交流磁場を印加した際に、超伝導ワイヤーに対する該交流磁場の垂直成分を小さくすることができ、上記のACロスを小さく抑えることができる。ACロスは、主にジュール熱として失われるため、これを低減することができると、超伝導回転機の出力効率を向上させることができることに加えて、コイル(超伝導ワイヤー)の冷却効率を高めることもできる(超伝導回転機においては、超伝導ワイヤーを超伝導状態に保つために液体窒素や冷凍機等による超伝導ワイヤーの冷却が行われる)。なお、本明細書においては、「ACロス」という語句を、専ら、第二種超伝導体のピン止め力によって生じるヒステリシス損失という意味で使用している。
また、テープ状の超伝導ワイヤーは、その幅方向に曲げにくいところ、引用文献1に記載の超伝導回転機における固定子のように、環状部分の断面が略円形を為すドーナツ状の部材に、超伝導ワイヤーを、その幅方向が上下方向に略平行となる状態で巻き付けようとした場合には、超伝導ワイヤーにおける固定子に巻き付ける部分の全体を超伝導ワイヤーの幅方向に曲げる必要があり、そのような巻き付けは実質的に不可能であった。これに対し、本発明の超伝導回転機においては、コア部材を平板環状に形成してコア部材の環状部分の断面外形における直線状の部分を多くしたことにより、超伝導ワイヤーを、その幅方向が上下方向に略平行となる状態でコア部材に巻き付けようとする場合であっても、超伝導ワイヤーにおける大部分(上側部分や下側部分)を曲げなくともすむようになっている。換言すると、超伝導ワイヤーにおける特定の箇所(上側部分や下側部分の両端部)のみを曲げさえすれば、超伝導ワイヤーを、その幅方向が上下方向に略平行となる状態でコア部材に巻き付けることができるようになっている。
本発明の超伝導回転機において、超伝導ワイヤーにおける上側部分及び下側部分以外の部分をどのように配するのかは特に限定されない。というのも、コア部材に巻き付けられた超伝導ワイヤーに対して上下方向の磁場が与えられた際に、ローレンツ力(超伝導モーターの場合)や、電磁誘導作用(超伝導発電機の場合)を受けることができるのは、超伝導ワイヤーにおける、磁場に直交する方向に電流が流れる部分、すなわち、主に上側部分及び下側部分であり、超伝導ワイヤーにおけるそれ以外の部分は、超伝導モーターや超伝導発電機の出力にほとんど寄与しないからである。しかし、超伝導ワイヤーにおける上側部分及び下側部分の幅方向が上下方向に略平行となるようにしつつ、超伝導ワイヤーを無理なく(幅方向に曲げることなく)コア部材に巻き付けるためには、以下の構成を採用すると好ましい。
すなわち、
超伝導ワイヤーにおける、コア部材の内周面側に配される内側部分を案内するための内側突起部と、超伝導ワイヤーにおける、コア部材の外周面側に配される外側部分を案内するための外側突起部とで構成される内外一対の突起部の組を、コア部材の周回方向における複数箇所に設けるとともに、
それぞれの組の突起部における一側(環状を為すコア部材の周回方向における一側。以下同じ。)に、超伝導ワイヤーの上側部分及び下側部分が重なり、それぞれの組の突起部における他側(環状を為すコア部材の周回方向における他側。以下同じ。)に、超伝導ワイヤーの内側部分及び外側部分が重なる状態で、それぞれの組の突起部ごとに超伝導ワイヤーを巻き付ける
構成である。
このとき、
内側突起部及び外側突起部の上端部を、コア部材の上面から上方に突出させて設け、
内側突起部及び外側突起部の下端部を、コア部材の下面から下方に突出させて設けるとともに、
内側突起部の上端部内面側及び下端部内面側、並びに、外側突起部の上端部外面側及び下端部外面側に、それぞれ断面半円状の嶺部を有することにより、それらの箇所で案内される超伝導ワイヤーが許容曲げ半径以下で折れ曲がらないようにすると、好ましい。
これにより、超電導ワイヤーの破壊につながる負荷をかけることなく、テープ状の超電導ワイヤーの幅方向と、コア部材の上面及び下面での磁束の向きとが略平行になるように超伝導ワイヤーを巻き回すことが可能となる。さらに具体的には、超伝導ワイヤーはコア部材の上面及び下面において、幅方向が磁束の向きと略平行になる向きに配置されており、外側突起部の半円形断面の嶺部に超伝導ワイヤーの幅方向の表面を沿わせて巻き回されることで、外側突起部において、コア部材の上面から下面(あるいは下面から上面)に超伝導ワイヤーを案内することができる。内側突起部においても、外側突起部と同様に超伝導ワイヤーの表面を内側突起部の上下に配置された半円形断面の嶺部の表面に沿ってガイドすることで、コア部材の下面から上面(あるいは上面から下面)に超伝導ワイヤーを案内することができる。このとき、半円形断面の半径は、超電導ワイヤーの許容曲げ半径以下にならないことが好ましい。
上記嶺部は、断面半円状とされ、嶺部に沿って案内された超伝導ワイヤーが許容曲げ半径以下で折れ曲がらないようになっていれば、その形状を特に限定されない。しかし、内側突起部及び外側突起部の上端部及び下端部に設けられた上記嶺部は、コア部材の上面及び下面に対して45°の傾斜角度を有するようにすると好ましい。これにより、嶺部に案内された超伝導ワイヤーを略直角方向に方向転換しやすくなり、上側部分又は下側部分と、内側部分又は外側部分との間の移行をスムーズに行うことができる。
本発明の超伝導回転機において、超伝導ワイヤーにおける上側部分及び下側部分は、その幅方向とコア部材の厚さ方向(通常、後述する「永久磁石」による磁場の方向(上下方向)と平行)とが略平行となるように配されていればよいが、より好ましくは、超伝導ワイヤーにおける上側部分及び下側部分の幅方向と、コア部材の厚さ方向との為す角度が、10°以下となるようにするとよい。これにより、超伝導ワイヤーに上下方向の交流磁場を印加した際に、超伝導ワイヤーに対する交流磁場の垂直成分をより小さくして、超伝導ワイヤーのACロスをより小さく抑えることができる。超伝導ワイヤーにおける上側部分及び下側部分の幅方向と、コア部材の厚さ方向との為す角度は、5°以下となるようにするとさらに好ましい。
本発明の超伝導回転機においては、超伝導ワイヤーにおける上側部分及び下側部分に対して磁場が上下方向から印加されるようになっていれば、コア部材と超伝導ワイヤー以外の構成は特に限定されない。しかし、本発明の超伝導回転機は、永久磁石が設けられた上下一対の回転子をさらに備え、超伝導ワイヤーが巻き付けられたコア部材の上下に配された一対の回転子が、環状を為すコア部材の中心線を回転中心として回転可能に支持されるようにすると好ましい。換言すると、本発明の超伝導回転機を、1ステータ・2ロータタイプのアキシャルギャップ型回転機とすると好ましい。このように、回転子が固定子(コア部材及び超伝導ワイヤー)を上下から挟み込んだ構造を採用することによって、後述するように、回転子に設けられた永久磁石の磁場が超伝導ワイヤーを流れる電流に及ぼすローレンツ力の利用効率(超伝導モーターの場合)や、回転子に設けられた永久磁石による変動磁場が超伝導ワイヤーに発生させる電磁誘導作用の利用効率(超伝導発電機の場合)を高くすることができるとともに、超伝導回転機を小型化することもできる。
以上のように、本発明によって、超伝導ワイヤーのACロスが小さく、出力効率の優れた超伝導回転機(超伝導モーター又は超電導発電機)を提供することが可能になる。
本実施態様の超伝導モーターをその出力軸の中心線Aを含む平面で切断した状態を示した断面図である。 本実施態様の超伝導モーターを上下方向に分解した状態を示す斜視図である。 本実施態様の超伝導モーターにおける固定子の平面図である。 本実施態様の超伝導モーターにおけるコア基体の斜視図である。 コイルを形成する超伝導ワイヤーをコア部材に巻き付ける様子を示す斜視図である。 図5におけるコア部材及び超伝導ワイヤーを、超伝導ワイヤーの上側部分及び下側部分に直交する面で切断した断面図である。 本実施態様の超伝導モーターを図2における円弧面αで切断した断面を示した断面図である。 本実施態様の超伝導モーターのモーターギャップ周辺に生じる磁場を有限要素法により解析した結果を示した図である。 本実施態様の超伝導モーターの回路構成等を模式的に示した図である。
本発明の超伝導回転機の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、本発明の超伝導回転機を、超伝導モーターとして使用する場合について説明するが、本発明の超伝導回転機は、超伝導発電機として用いることもできる。
図1は、本実施態様の超伝導モーターをその出力軸10の中心線Aを含む平面で切断した状態を示した断面図である。図2は、本実施態様の超伝導モーターを上下方向に分解した状態を示す斜視図である。図2においては、図示の便宜上、超伝導ワイヤー64で形成されたコイル60を省略して示している。図3は、本実施態様の超伝導モーターにおける固定子70の平面図である。図4は、本実施態様の超伝導モーターにおけるコア基体81の斜視図である。図5は、コイル60を形成する超伝導ワイヤー64をコア部材80に巻き付ける様子を示す斜視図である。図6は、図5におけるコア部材80及び超伝導ワイヤー64を、超伝導ワイヤー64の上側部分64a及び下側部分64bに直交する面で切断した断面図である。図7は、本実施態様の超伝導モーターを図2における円弧面α(点P,P,Q,Qを頂点とする円弧面。辺P及び辺Qは、回転中心線Aを中心とした円弧を為す。)で切断した断面を示した断面図である。図7においては、図示の便宜上、コイル60を模式的に描いている。図8は、本実施態様の超伝導モーターのモーターギャップG,G周辺に生じる磁場を有限要素法により解析した結果を示した図である。図9は、本実施態様の超伝導モーターの回路構成を模式的に示した図である。
既に述べたように、本発明の超伝導回転機(超伝導モーター及び超伝導発電機)は、
テープ状を為す超伝導ワイヤー64における、コア部材80の上面側に配される上側部分及び下面側に配される下側部分を、その幅方向とコア部材80の厚さ方向とが略平行となるように配することによって、超伝導ワイヤー64に発生するACロスを小さく抑えることができる構成を備えたものとなっているが、当該構成を、図1〜9に示した超伝導モーターで採用することによって、さらに、
[1] 固定子70に設けられたコイル60の熱的安定性を高めて、コイル60の臨界電流の低減を抑えることができる、
[2] ローレンツ力の利用効率を高めることができる、
[3] コイル60の自己インダクタンスを抑えることができる、及び、
[4] 各相のコイル60の自己インダクタンスによる誘導電流の影響を抑えることができる、
という効果を奏することも可能になる。
以下においては、図中(図1等)におけるz軸方向正側を「上」側とし、z軸方向負側を「下」側として本実施態様の超伝導モーターを説明する。しかし、既に述べたように、「上」や「下」という語句は、各部材の相対的位置関係を示すために便宜的に用いたものであり、各部材の絶対的な位置関係(本実施態様の超伝導モーターを使用する向き)を制限するものではない。
1.超伝導モーターの概要
本実施態様の超伝導モーターは、図1に示すように、永久磁石20,30が設けられた一対の回転子40,50と、超伝導ワイヤー64で形成されたコイル60が相ごとに設けられた固定子70とを備え、永久磁石20,30による磁場がコイル60を流れる電流に及ぼすローレンツ力の反力によって、固定子70の両側に配された一対の回転子40,50が回転子の回転中心線Aを中心として回転するようにしたアキシャルギャップ型のものとなっている。
一方の回転子40に設けられた永久磁石20と、他方の回転子50に設けられた永久磁石30は、同極が向き合う(永久磁石20のN極が永久磁石30のN極を向き、永久磁石20のS極が永久磁石30のS極を向く)ように対向配置されている。
固定子70は、図2に示すように、平板環状を為し、その内周面及び外周面に複数の突起部81a,81bを有するコア基体81と、コア基体81の上下面にそれぞれ嵌め込まれて固定された(図1も参照)上下一対の磁性体コア82とからなるコア部材80を備えたものとなっている。図2では省略されているが、固定子70には、図3に示すように、テープ状の超伝導ワイヤー64で形成された複数個のコイル60が設けられる。コイル60を形成する超伝導ワイヤー64は、図5に示すように、コア部材80の上面側に配される上側部分64a、及び、下面側に配される下側部分64bが、コア部材80の厚さ方向(上下方向。図中においてはz軸方向に平行。)に略平行となる状態でコア部材80に巻き回されている。これにより、図7に示すように、回転子40,50に設けられた永久磁石20,30による磁場の向き(磁束密度Bの向き)が、超伝導ワイヤー64のテープ面に略平行となるようにして、超伝導ワイヤー64に発生するACロスを小さく抑えることができるようになっている。
本実施態様の超伝導モーターにおいて、一対の回転子40,50及び固定子70は、図1に示すように、密閉容器90内に収容されている。この密閉容器90には、図示省略のバルブを介して図示省略の真空ポンプが接続されており、超伝導モーターの駆動時においては、密閉容器90の内部を真空又は真空に近い減圧状態に維持することができるようになっている。これにより、密閉容器90の外部から固定子70に熱が伝わりにくくして、外気によってコイル60の温度が上昇しないようにすることが可能となっている。
以下、本実施態様の超伝導モーターを構成する各部材について、詳しく説明する。
2.回転子
回転子40と回転子50は、図1に示すように、固定子70を挟んで反対側(固定子70の上面側と下面側)に対向するように配置されている。回転子40の中心部と回転子50の中心部は、いずれも出力軸10に対して一体的に固定されており、回転子40及び回転子50に回転中心線A回りの回転力が生じると、出力軸10が回転するようになっている。出力軸10は、シール軸受100を介して密閉容器90に回転可能な状態で取り付けられている。回転子40及び回転子50は、それぞれ後述する永久磁石20及び永久磁石30を設けることができるのであれば、その形態を特に限定されない。本実施態様の超伝導モーターにおいては、図2に示すように、回転子40及び回転子50は、いずれも回転中心線Aに対して回転対称な円盤状を為している。回転子40の下面には、永久磁石20が設けられており、回転子50の上面には、永久磁石30が設けられている。
永久磁石20及び永久磁石30は、それぞれ回転子40及び回転子50につき、複数個ずつ設けられる。永久磁石20と永久磁石30は、通常、同数とされる。本実施態様の超伝導モーターにおいては、図2に示すように、永久磁石20を、計4個の永久磁石21,22,23,24で構成しており、永久磁石30を、計4個の永久磁石31,32,33,34で構成している。
永久磁石21〜24の形態は、特に限定されず、永久磁石21〜24のそれぞれを異なる形態としてもよいが、通常、同形とされる。本実施態様の超伝導モーターにおいて、永久磁石21〜24は、それぞれ四分円の円弧に沿った帯板状を為しており、その上面又は下面のうちの一方がN極となり、他方がS極となっている。図中においては、永久磁石21〜24におけるN極側を密な(目の小さな)網掛けハッチングで示しており、S極側を粗な(目の大きな)網掛けハッチングで示している。これは、後述する永久磁石31〜34においても同様である。永久磁石21〜24は、隣り合う永久磁石21〜24の磁極が交互に入れ替わるように、回転中心線Aを中心として回転対称に配されている。回転子40に対する永久磁石21〜24の固定方法は、特に限定されないが、本実施態様の超伝導モーターにおいては、回転子40の下面に設けた環状溝41に永久磁石21〜24を嵌め込んだ状態で固定している(図2の矢印Aを参照)。
また、永久磁石31〜34の形態も、特に限定されないが、通常、それぞれ永久磁石21〜24と同形とされる。本実施態様の超伝導モーターにおいても、永久磁石31〜34は、それぞれ永久磁石21〜24と同形の四分円の円弧に沿った帯板状を為しており、その上面又は下面のうちの一方がN極となり、他方がS極となっている。永久磁石31〜34は、それぞれ永久磁石21〜24と上下方向(z軸方向)に重なる位置に配置している。このとき、上下方向に重なる、永久磁石21と永久磁石31、永久磁石22と永久磁石32、永久磁石23と永久磁石33、及び、永久磁石24と永久磁石34は、それぞれ、同極が向き合うように対向配置される。回転子50に対する永久磁石31〜34の固定方法も、特に限定されないが、本実施態様の超伝導モーターにおいては、回転子50の上面に設けた環状溝51に永久磁石31〜34を嵌め込んだ状態で固定している(図2の矢印Aを参照)。
3.固定子
本実施態様の超伝導モーターにおいて、固定子70は、図3に示すように、コア部材80と、コイル60とを備えたものとなっている。コイル60は、コア部材80にテープ状の超伝導ワイヤー64を巻き付けて形成されている。コア部材80は、図2に示すように、コア基体81と、磁性体コア82とで構成されている。コア基体81は、図4に示すように、回転中心線Aに垂直な円環状を為しており、その内周面に設けられた複数個の内側突起部81aと、その外周面に設けられた複数個の外側突起部81bとを有している。内側突起部81a及び外側突起部81bは、コイル60を形成する超伝導ワイヤー64をコア部材80に巻き付ける際に、超伝導ワイヤー64の上側部分64a(図5)及び下側部分64bが上下方向(z軸方向)に略平行となるように超伝導ワイヤー64を案内するためのものとなっている。内側突起部81aの個数及び外側突起部81bの個数は、それぞれ特に限定されないが、通常、同数とされる。本実施態様におけるコア基体81においては、図4に示すように、一の内側突起部81aと一の外側突起部81bとで形成される内外一対の突起部の組が、コア基体81の周回方向に沿って12箇所設けられている。コア基体81の中心部の開口部81cには、出力軸10(図1)が回転可能な状態で挿通される。
磁性体コア82は、図2に示すように、コア基体81の上面側に設けられる第一の磁性体コア82aと、コア基体81の下面側に設けられる第二の磁性体コア82bとで構成されている。換言すると、磁性体コア82a,82bが、コア部材80の上下両面を形成し、コア基体81が、固定子70の板厚方向中間部を形成するようになっている。コア基体81に対する第一の磁性体コア82aの固定方法は、特に限定されないが、本実施態様の超伝導モーターにおいてはコア基体81の上面に設けた環状溝81dに第一の磁性体コア82aを嵌め込んだ状態で固定している(図2の矢印Aを参照)。また、コア基体81に対する第二の磁性体コア82bの固定方法も、特に限定されないが、本実施態様の超伝導モーターにおいてはコア基体81の下面に設けた環状溝(図示省略)に第二の磁性体コア82bを嵌め込んだ状態で固定している(図2の矢印Aを参照)。
コア基体81は、密閉容器90(図1)に対して動かない状態で支持される。コア基体81を密閉容器90に支持する構造は、特に限定されないが、本実施態様の超伝導モーターにおいては、コア基体81に設けられたそれぞれの外側突起部81b(図4)の外側端に取り付けられた図示省略のPBI支持棒を介して、コア基体81を密閉容器90に対して動かない状態で支持している。
コア基体81は、コイル60を図3に示すように保持するためのものであることに加えて、コイル60に熱接触することで、コイル60を冷却することもできるものとなっている。コア基体81は、その外周部から外方に突出して設けられた伝熱部81e(図2)を介して、冷熱供給源110に接続されている。この冷熱供給源110は、コア基体81に冷熱を供給するためものとなっており、コア基体81とともに、コイル60を冷却するためのコイル冷却手段として機能するものとなっている。冷熱供給源110は、コイル60を超伝導現象が生じる低温域まで冷却できるものであれば特に限定されない。本実施態様の超伝導モーターにおいては、冷熱供給源110として冷凍機を用いている。1つの冷熱供給源110では冷却が追いつかない場合には、冷熱供給源110を複数箇所(通常、回転子40,50の回転中心線Aに対して回転対称な複数箇所)に設けることもできる。
コア基体81は、熱伝導性に優れた金属で形成されたものを用いると好ましい。具体的には、0℃における熱伝導率が200W・m・K−1以上の金属によってコア基体81を形成すると好ましい。0℃における熱伝導率が200W・m−1・K−1以上の金属としては、アルミニウム(236W・m−1・K−1)や、銅(403W・m−1・K−1)等が例示される。本実施態様の超伝導モーターにおいて、コア基体81は、アルミニウムで形成している。
伝熱部81eも、コア基体81と同様、熱伝導性に優れた金属で形成される。本実施態様の超伝導モーターにおいて、伝熱部81eは、白金測温抵抗体によって形成している。この白金測温抵抗体(伝熱部81e)は、冷熱供給源110で発生した冷熱をコア基体81に伝達するだけでなく、コア基体81の温度を測定するための測温手段としても機能するようになっている。コア基体81の測温手段は、コア基体81の外周部における他の箇所にも設けられている(図示省略の熱電対が設けられている。)。これらの測温手段は、密閉容器90の外部に設けられた、図示省略の計測機に接続されている。このため、コア基体81の温度を監視することで、冷熱供給源110から供給される冷熱をフィードバック制御することができるようになっている。
第一の磁性体コア82aと第二の磁性体コア82bは、永久磁石20,30による磁束密度を高めるとともに、永久磁石20,30による磁場の向き(磁束密度Bの向き)を、図7に示すように制御するためのものとなっている。第一の磁性体コア82aと第二の磁性体コア82bとを配したことによって、固定子70と一対の回転子40,50との隙間(ギャップG,G)に生ずる磁束密度Bの向きが、磁性体コア82aの上面及び磁性体コア82bの下面に対して略直交するようになる。したがって、コイル60を形成する超伝導ワイヤー64における上側部分64aに流れる電流I(図7の紙面手前側に向かって流れる。)の向き、及び、下側部分64bに流れる電流I(図7の紙面奥側に向かって流れる。)の向きを、磁束密度Bの向きと略直交させ、回転子40,50の回転力F’,F’の元となるローレンツ力F,F(ローレンツ力F,Fの反力が回転力F’,F’になる。)の回転方向成分を大きくすることが可能となっている。よって、超伝導モーターの出力効率を高めることも可能となっている。本実施態様の超伝導モーターにおけるギャップG,Gの周辺に生じる磁場を有限要素法により解析したところ、図8に示す結果が得られた。図8における永久磁石21,31によって形成される磁束を見ると、磁束線が図7に示した状態とかなり近くなっていることが分かる。
また、第一の磁性体コア82aと第二の磁性体コア82bとを配したことによって、ギャップG,Gを広くしても、上述した効果が奏される。このため、ギャップG,Gを広く確保することで、図1に示すように、厚みを有する断熱材120(断熱効果の高い断熱材)をギャップG,Gに配することが可能になり、コイル60が設けられた固定子70の冷却効率や断熱効率を高めることができるようになる。本実施態様の超伝導モーターにおいては、断熱材120として、多層構造を有するスーパーインシュレーターを用いている。断熱材120は、図1のみに図示しており、他の図面においては図示を省略している。
第一の磁性体コア82aと第二の磁性体コア82bの形態は、回転中心線Aに対して略垂直な平板環状であれば特に限定されない。ここで、「平板環状」とは、その環状部分における幅W(図2)が厚みT(図2)よりも大きな環状部材のことを云う。また、「平板環状」における「環状」とは、その環状部分の一部が切断された開環状であってもよいが、通常、その環状部分が連続した閉環状とされる。さらに、「平板環状」における「環状」とは、その環状部分が真円状を為す円環状に限定されず、その環状部分が多角形を為す多角環状等、円環状以外の環状をも含む。さらにまた、第一の磁性体コア82aと第二の磁性体コア82bは、必ずしも同じ形態とする必要はないが、通常、同じ形態とされる。本実施態様の超伝導モーターにおいて、第一の磁性体コア82aと第二の磁性体コア82bは、いずれも回転中心線Aに対して垂直で、且つ、回転中心線Aに対して回転対称な平板円環状としている。
磁性体コア82a,82bに用いる磁性体の種類は、特に限定されない。磁性体コア82a,82bに用いることのできる磁性体としては、バリウムフェライト等のフェライトや、SUS430等のステンレスや、酸化クロムや、コバルトや、酸化鉄等が例示される。ただし、回転子40,50を高速回転させることを想定する場合には、渦電流損失とヒステリシス損失が極めて小さい磁性体を用いると好ましい。具体的には、磁性体コア82a,82bにおけるヒステリシス損失及び渦電流損失を冷熱供給源110(コイル冷却手段)による冷却能力を超えない範囲に抑えることができる磁性体によって磁性体コア82a,82bを形成すると好ましい。より好適には、冷却に必要なエネルギーを考慮すると、使用条件下において最大損失が10kW/m程度以下の磁性体によって磁性体コア82a,82bを形成すると好ましい。このような磁性体としては薄巻鉄コアやフェライト等が例示される。これにより、回転子40,50を高速回転させる場合においても、高い出力効率を維持することが可能になる。
4.コイル
コイル60は、図3に示すように、固定子70を周回方向に分割する各位置に、回転子の回転中心線Aに対して回転対称となるように設けられている。複数個のコイル60は、複数の相に分かれて構成されており、相ごとに位相のずれた電流が流れるようになっている。コイル60の相数は、通常2相以上、好ましくは3相以上とされる。しかし、コイル60の相数を多くしすぎると、電子回路が複雑となってコストが増大するため、通常は、24相程度まで、好ましくは12相以下、より好ましくは6相以下とされる。本実施態様の超伝導モーターにおいては、12個のコイル61a,61b,61c,61d,62a,62b,62c,62d,63a,63b,63c,63dを3相に設けている。具体的には、コイル61a,61b,61c,61dを第1相とし、コイル62a,62b,62c,62dを第2相とし、コイル63a,63b,63c,63dを第3相としている。同一位相のコイル60は、円環状を為す固定子70における対向する箇所に配されている。
ところで、本明細書においては、説明の便宜上、コイルの符号として、「60」、「61」、「62」、「63」、「61a」、「61b」、「61c」、「61d」、「62a」、「62b」、「62c」、「62d」、「63a」、「63b」、「63c」及び「63d」という16種類を用いている。これらの符号は、以下のように使い分けている。すなわち、個々のコイルをそれぞれ具体的に指すときには、符号「61a」、「61b」、「61c」、「61d」、「62a」、「62b」、「62c」、「62d」、「63a」、「63b」、「63c」及び「63d」を用いている。また、第1相を構成する全てのコイル(コイル61a、コイル61b、コイル61c及びコイル61d)を指すときには、符号「61」を用い、第2相を構成する全てのコイル(コイル62a、コイル62b、コイル62c及びコイル62d)を指すときには、符号「62」を用い、第3相を構成する全てのコイル(コイル63a、コイル63b、コイル63c及びコイル63d)を指すときには、符号「63」を用いている。さらに、全てのコイル(第1相のコイル61a、コイル61b、コイル61c及びコイル61d、第2相のコイル62a、コイル62b、コイル62c及びコイル62d、並びに、第3相のコイル63a、コイル63b、コイル63c及びコイル63d)を特に区別なく示すときは、符号「60」を用いている。
それぞれのコイル60は、テープ状を為す超伝導ワイヤー64をコア部材80の環状部分に巻き付けることで形成されている。超伝導ワイヤー64は、図5に示すように、コア部材80の内周面側に配される内側部分64cをコア基体81の内側突起部81aに案内され、コア部材80の外周面側に配される外側部分64dをコア基体81の外側突起部81bに案内されることにより、コア部材80の上面側に配される上側部分64a及びコア部材80の下面側に配される下側部分64bの幅方向が、コア基体81の厚さ方向(図中においてはz軸方向)と略平行に配されるようになっている。上側部分64a及び下側部分64bは、コア部材80の径方向に対して傾斜した状態としてもよいが、本実施態様のように、コア部材80の径方向と平行になるようにすると、ローレンツ力の利用効率を高めることができる。
内側突起部81aは、図5に示すように、コア基体81の内側に向かって突出して設けられるとともに、その上端部がコア基体81の上面よりも上方に突出し、その下端部がコア基体81の下面よりも下方に突出した形状となっている。内側突起部81aの上端部内面側には、断面半円状の嶺部81aが、コア基体81の上面に対して傾斜して設けられており、内側突起部81aの下端部内面側には、断面半円状の嶺部81aが、コア基体81の下面に対して傾斜して設けられている。一方、外側突起部81bは、コア基体81の外側に向かって突出して設けられるとともに、その上端部がコア基体81の上面よりも上方に突出し、その下端部がコア基体81の下面よりも下方に突出した形状となっている。外側突起部81bの上端部外面側には、断面半円状の嶺部81bが、コア基体81の上面に対して傾斜して設けられており、外側突起部81bの下端部外面側には、断面半円状の嶺部81bが、コア基体81の下面に対して傾斜して設けられている。
以下、超伝導ワイヤー64をコア部材80に巻き付けて、コイル60を形成する具体的な手順について説明する。以下においては、図5において、超伝導ワイヤー64を、紙面に向かって反時計方向に巻き回す場合を例に説明するが、超伝導ワイヤー64を巻き回す方向は時計方向としてもよい。
まず、コア部材80の上面側における、内側突起部81a及び外側突起部81bの一側(図中における矢印Aが示す側)に、超伝導ワイヤー64を、その幅方向がコア部材80の厚さ方向(図中においてはz軸方向)と略平行となるようにあてがう(図中の上側部分64a)。次に、超伝導ワイヤー64における上側部分64aから内側に延びる部分を、内側突起部81aの上端部に設けられた嶺部81aに沿わせ、超伝導ワイヤー64の幅方向に捩じりながら下向きにする。これにより、超伝導ワイヤー64が内側突起部81a及び外側突起部81bの他側(図中における矢印Aが示す側)に配されるようになる(図中の内側部分64c)。続いて、超伝導ワイヤー64における内側部分64cから下側に延びる部分を、内側突起部81aの下端部に設けられた嶺部81aに沿わせ、超伝導ワイヤー64の幅方向に捩じりながら外向きにする。これにより、超伝導ワイヤー64が内側突起部81a及び外側突起部81bの一側に配されるようになる(図中の下側部分64b)。さらに、超伝導ワイヤー64における下側部分64bから外側に延びる部分を、外側突起部81bの下端部に設けられた嶺部81bに沿わせ、超伝導ワイヤー64の幅方向に捩じりながら上向きにする。これにより、超伝導ワイヤー64が内側突起部81a及び外側突起部81bの他側に配されるようになる(図中の外側部分64d)。最後に、超伝導ワイヤー64における外側部分64dから上側に延びる部分を、外側突起部81bの上端部に設けられた嶺部81bに沿わせ、超伝導ワイヤー64の幅方向に捩じりながら内向きにする。これにより、超伝導ワイヤー64が、始めに内側突起部81a及び外側突起部81bにあてがった上側部分64aの一側に重なるようになる。
以上の手順を繰り返すことにより、図3に示すように、内側突起部81a及び外側突起部81bの一側(図3においては、各内側突起部81a及び外側突起部81bの時計方向側)に上側部分64a及び下側部分64bが重なり、内側突起部81a及び外側突起部81bの他側(図3においては、各内側突起部81a及び外側突起部81bの反時計方向側)に内側部分64c及び外側部分64dが重なった状態で、超伝導ワイヤー64がコア部材80に巻き付けられて、コイル60が形成される。それぞれのコイル60の巻数は、特に限定されないが、多くした方が、伝導モーターの出力効率を高めることができるため好ましい。
コイル60を上記のように形成したことにより、図7に示すように、回転子40,50に設けられた永久磁石20,30による磁場(磁束密度B)が、超伝導ワイヤー64における上側部分64a及び下側部分64bのテープ面に対して略平行に印加されるようになる。これにより、超伝導ワイヤー64に生じるACロスを小さく抑えることができる。このとき、上側部分64a及び下側部分64bの幅方向は、磁束密度Bの方向に対して正確に平行である必要はなく、多少傾斜していても超伝導モーターの出力効率を十分に高く保つことができる。しかし、上側部分64a及び下側部分64bの幅方向を磁束密度Bに対して傾斜させ過ぎると、ACロスが大きくなって超伝導モーターの出力効率が低下する虞がある。このため、上側部分64aの幅方向とコア部材80の厚さ方向(磁束密度Bの方向)との為す角度θ(図6)及び、下側部分64bの幅方向とコア部材80の厚さ方向との為す角度θ(図6)は、共に10°以下となるようにすると好ましい。これにより、上側部分64a及び下側部分64bのテープ面に対して磁束密度Bが略垂直に印加された場合に比べて、ACロスを20%以下に抑えることができる。この場合には、本実施態様の超伝導モーターの出力効率(冷熱供給源110等の消費エネルギー等も加味したトータルの出力効率)を、90%以上とすることも可能である。角度θ及び角度θは、5°以下とするとより好ましく、この場合は出力効率95%以上を実現することも可能である。
内側突起部81aに設けられた嶺部81a及び嶺部81a、並びに、外側突起部81bに設けられた嶺部81b及び嶺部81bは、超伝導ワイヤー64を許容曲げ半径以下で折れ曲がらないようにしながら案内できるようになっていれば、その形状を特に限定されない。嶺部81a,81a,81b,81bを断面半円状とした場合には、その断面半径は、超伝導ワイヤー64の許容曲げ半径以上であれば特に限定されない。嶺部81a,81a,81b,81bの断面半径は、互いに異なっていてもよい。
コア部材80の上面に対する嶺部81a及び嶺部81bの傾斜角度は、特に限定されないが、大きくしすぎても小さくしすぎても、超伝導ワイヤー64が嶺部81a及び嶺部81bから外れやすくなってしまう。このため、コア部材80の上面に対する嶺部81a及び嶺部81bの傾斜角度は、15°〜75°とすると好ましく、30°〜60°とするとより好ましく、40°〜50°とするとさらに好ましい。コア部材80の下面に対する嶺部81a及び嶺部81bの傾斜角度も特に限定されないが、上記と同様の理由により、15°〜75°とすると好ましく、30°〜60°とするとより好ましく、40°〜50°とするとさらに好ましい。本実施態様においては、コア部材80の上面に対する嶺部81a及び嶺部81bの傾斜角度と、コア部材80の下面に対する嶺部81a及び嶺部81bの傾斜角度とを、共に45°程度としている。
本実施態様の超伝導モーターにおいて、コイル60を形成する超伝導ワイヤー64が巻き付けられるコア部材80の環状部分は、図5に示すように、その断面形状が矩形状となっているため、コイル60の断面形状も略矩形状となっている。この超伝導ワイヤー64における上側部分64a及び下側部分64bが、回転子40,50を回転させる元となるローレンツ力F,F(図7)の発生源として寄与することになる。このため、コイル60の断面形状は、扁平な形状とし、その横幅をその縦幅に対してできるだけ大きく確保できる形状とすると好ましい。具体的には、超伝導ワイヤー64が巻き付けられるコア部材80における環状部分の横幅W(図5)の、縦幅Wに対する比W/Wを1.5以上とすると好ましい。比W/Wは、2以上であるとより好ましく、2.5以上であるとさらに好ましい。比W/Wの上限は、特に制限されないが、通常、100以下、好ましくは50以下、実際上は20以下とされる。
コイル60を形成する超伝導ワイヤー64の幅は、特に限定されないが、狭くしすぎると、超伝導ワイヤー64の許容電流量が小さくなってしまい、大きな出力を実現しにくくなることに加えて、超伝導ワイヤー64が切れやすくなってしまう。このため、超伝導ワイヤー64の幅は、0.5mm以上とすると好ましく、1mm以上とするとより好ましく、2mm以上とするとさらに好ましい。一方、超伝導ワイヤー64の幅を広くしすぎると、超伝導ワイヤー64を幅方向にほとんど曲げることができなくなり、図5のように超伝導ワイヤー64を巻き回しにくくなる虞がある。このため、超伝導ワイヤー64の幅は、20mm以下とすると好ましく、10mm以下とするとより好ましい。本実施態様における超伝導ワイヤー64は、幅が4mm程度のものを使用している。
超伝導ワイヤー64としては、超伝導材料からなる各種の線材を用いることができる。金属系の超伝導材料としては、NbTiや、NbSnや、MgBや、NbN等を挙げることができ、酸化物系の超伝導材料としては、YBaCu(YBCO)や、BiSrCaCuOx(Bi2212)等を挙げることができ、有機系の超伝導線材としては、β−(BEDT−TTF)2/3や、K60や、Rb60や、CCa(グラファイト)等を挙げることができる。
5.超伝導モーターの配線
本実施態様の超伝導モーターにおいては、図9に示すように、第1相から第3相までのコイル60(第1相のコイル61、第2相のコイル62、及び、第3相のコイル63)を、相ごとに互いに並列となるように接続している。各相を構成するコイル60には、相ごとに位相のずれた交流電流が流される。本実施態様において、コイル61,62,63を流れるそれぞれの電流は、互いに位相が120°ずつずれた状態となっている。本実施態様の超伝導モーターにおいては、既に述べた通り、各相のコイル60を複数本のコイル60によって構成している(第1相のコイル61を4本のコイル61a,61b,61c,61dで構成し、第2相のコイル62を4本のコイル62a,62b,62c,62dで構成し、第3相のコイル63を4本のコイル63a,63b,63c,63dで構成した)。これら12本のコイル61a,61b,61c,61d,62a,62b,62c,62d,63a,63b,63c,63dを、どのような回路で接続するのかについては特に限定されないが、本実施態様においては、以下のように配線を行っている。
すなわち、第1相のコイル61を構成するコイル61a、コイル61b、コイル61c及びコイル61dを直列に接続し、第2相のコイル62を構成するコイル62a、コイル62b、コイル62c及びコイル62dを直列に接続し、第3相のコイル63を構成するコイル63a、コイル63b、コイル63c及びコイル63dを直列に接続している。第1相のコイル61を構成するコイル61a、コイル61b、コイル61c及びコイル61dは、図3に示すように、コイル61aとコイル61bとを隣り合うように配し、これに対向する箇所に、コイル61cとコイル61dとを隣り合うように配している。加えて、コイル61a及びコイル61bの巻回方向(超伝導ワイヤー64の巻回方向)と、コイル61c及びコイル61dの巻回方向(超伝導ワイヤー64の巻回方向)とが、固定子70の周回方向に対して揃うようにしている。第2相のコイル62を構成するコイル62a、コイル62b、コイル62c及びコイル62d、並びに、第3相のコイル63を構成するコイル63a、コイル63b、コイル63c及びコイル63dも、第1相のコイル61を構成するコイル61a、コイル61b、コイル61c及びコイル61dと同様に配している。
各相のコイル60を上記のように接続すると、各相のコイル61,62,63を流れる電流I(t),I(t),I(t)の和I(t)+I(t)+I(t)が常に0になるようにし、各相のコイル61,62,63の自己インダクタンスの和が常に0になるようにすることが可能になる(各相のコイル61,62,63の自己インダクタンスは、電流I(t),I(t),I(t)の時間微分で与えられる)。換言すると、コイル61,62,63の自己インダクタンスを、他相からの相互インダクタンスを利用してキャンセルすることが可能になる。よって、回転速度によらないトルクの発生を可能とし、最大効率、最大トルク、最大力率制御等を同時に実現することも可能になる。
6.用途
本発明の超伝導回転機(超伝導モーター及び超伝導発電機)は、その用途を限定されるものではなく、様々な分野において好適に採用することができる。本発明の超伝導回転機は、出力効率が高いものであるため、大きな出力が要求される用途にも好適に採用することができる。このような用途としては、自動車、船舶、電車、航空機又は昇降機等の輸送機器又は移送機器における駆動機構としての用途や、風力発電や水力発電や火力発電等の各種発電機項としての用途が例示される。
特に、本発明の超伝導回転機において、磁性体コアを渦電流損失及びヒステリシス損失が極めて小さな磁性体で形成すれば、これまで不可能と考えられていた高速回転での高出力も可能になるため、航空機に使用されているジェットエンジン等を超伝導モーターで置き換えることも不可能ではなく、燃料電池による高効率電機ジェット機の実現も期待される。また、本発明の超伝導回転機は、回転速度や回転トルクの変動が大きい場合でも高効率を維持することが可能であるため、昇降機の駆動機構や、風力発電装置や、自動車のブレーキングによるエネルギー回収機構等、回転速度や回転トルクの変動が大きい用途においても好適に採用することができる。
10 出力軸
20 永久磁石
30 永久磁石
40 回転子
41 環状溝
50 回転子
51 環状溝
60 コイル
64 超伝導ワイヤー
64a 上側部分
64b 下側部分
64c 内側部分
64d 外側部分
70 固定子
80 コア部材
81 コア基体
81a 内側突起部
81a 嶺部
81a 嶺部
81b 外側突起部
81b 嶺部
81b 嶺部
81c 開口部
81d 環状溝
81e 伝熱部
82 磁性体コア
82a 第一の磁性体コア
82b 第二の磁性体コア
90 密閉容器
100 シール軸受
110 冷熱供給源
120 断熱材
出力軸の中心線(回転子の回転中心線)

Claims (6)

  1. 環状を為すコア部材と、
    超伝導材料によって形成されたテープ状の部材からなり、コア部材の環状部分に巻き付けられた超伝導ワイヤーと
    を備えた超伝導回転機であって、
    コア部材が、互いに略平行な上面及び下面を有する平板環状に形成されるとともに、
    テープ状を為す超伝導ワイヤーにおける、コア部材の上面側に配される上側部分及び下面側に配される下側部分が、その幅方向とコア部材の厚さ方向とが略平行となるように配された
    ことを特徴とする超伝導回転機。
  2. 超伝導ワイヤーにおける、コア部材の内周面側に配される内側部分を案内するための内側突起部と、超伝導ワイヤーにおける、コア部材の外周面側に配される外側部分を案内するための外側突起部とで構成される内外一対の突起部の組が、コア部材の周回方向における複数箇所に設けられ、
    それぞれの組の突起部における一側に、超伝導ワイヤーの上側部分及び下側部分が重なり、それぞれの組の突起部における他側に、超伝導ワイヤーの内側部分及び外側部分が重なる状態で、それぞれの組の突起部ごとに超伝導ワイヤーが巻き付けられた
    請求項1に記載の超伝導回転機。
  3. 内側突起部及び外側突起部の上端部が、コア部材の上面から上方に突出して設けられ、
    内側突起部及び外側突起部の下端部が、コア部材の下面から下方に突出して設けられるとともに、
    内側突起部の上端部内面側及び下端部内面側、並びに、外側突起部の上端部外面側及び下端部外面側に、それぞれ断面半円状の嶺部を有することにより、それらの箇所で案内される超伝導ワイヤーが許容曲げ半径以下で折れ曲がらないようにした
    請求項2に記載の超伝導回転機。
  4. 内側突起部及び外側突起部の上端部及び下端部に設けられた上記嶺部が、コア部材の上面及び下面に対して45°の傾斜角度を有する請求項3に記載の超伝導回転機。
  5. 超伝導ワイヤーにおける上側部分及び下側部分の幅方向と、コア部材の厚さ方向との為す角度が、10°以下とされた請求項1〜4のいずれかに記載の超伝導回転機。
  6. 永久磁石が設けられた上下一対の回転子をさらに備え、
    超伝導ワイヤーが巻き付けられたコア部材の上下に配された一対の回転子が、環状を為すコア部材の中心線を回転中心として回転可能に支持された
    請求項1〜5のいずれかに記載の超伝導回転機。
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