JP2018025597A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】露出条件の異なる複数回の撮像動作が行われる場合において被写体に点光源が含まれる場合であっても、高精度のAFを行うことができる撮像装置を提供すること。【解決手段】撮像装置100は、撮像素子による露出条件の異なる複数回の撮像動作において生成される撮像信号に基づき露出条件の異なる複数の画像データを生成する撮像信号処理回路110と、複数の画像データを合成して合成画像データを生成する合成回路1161と、複数の画像データのそれぞれに基づいてAF評価値を算出し、複数の画像データのそれぞれの飽和状態に基づいて、算出された複数のAF評価値のうちから所定のAF評価値を選択するAF評価値算出回路114と、選択されたAF評価値に基づいてフォーカスレンズの焦点調節動作を制御する制御回路124とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置に関する。
従来、露出条件の異なる複数回の撮像動作によって得られた画像データを用いて各種の処理が行われている。このような処理には、例えばハイダイナックレンジ(HDR)処理が含まれる。HDR処理は、露出の異なる複数回の撮像動作によって得られた複数の画像データを合成することによって、画像のダイナミックレンジの向上を図る処理である。
露出条件の異なる撮像動作によって得られた画像データを用いて焦点調節(AF)制御の精度向上を図るようにした技術が例えば特許文献1において提案されている。特許文献1において提案されている撮像装置は、最初は露出時間の長い撮像動作によって得られた画像データに基づいて算出されるAF評価値に従ってAF用のスキャン動作を行い、このスキャン動作中に撮像装置が安定していないときには露出時間の短い撮像動作によって得られた画像データに基づいて算出されるAF評価値に従ってスキャン動作を行うようにしている。このような特許文献1の技術は、HDR処理のための撮像動作に対しても適用可能である。
夜景のシーン等では、被写体に点光源が含まれる場合がある。点光源の位置ではAF評価値は急激に減少するために正確な合焦位置を算出することが困難になる。通常、被写体に点光源が含まれるときには、このような急激な減少をしたAF評価値の補正が行われる。ここで、特許文献1の技術では、露出条件が異なる撮像動作によって得られた画像データに基づいてAF制御を行うときの点光源の対策については特に言及がない。したがって、AF評価値を得るための画像データの選択によっては補正によってかえって合焦位置の誤差が発生する可能性がある。
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、露出条件の異なる複数回の撮像動作が行われる場合において被写体に点光源が含まれる場合であっても、高精度のAFを行うことができる撮像装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一態様の撮像装置は、フォーカスレンズを有する撮影レンズを通過する光束に基づいて撮像信号を生成する撮像素子を有する撮像装置において、前記撮像素子による露出条件の異なる複数回の撮像動作において生成される前記撮像信号に基づき露出条件の異なる複数の画像データを生成する撮像信号処理部と、複数の前記画像データのそれぞれに基づいてAF評価値を算出し、複数の前記画像データのそれぞれの飽和状態に基づいて前記算出された複数の前記AF評価値のうちから所定の前記AF評価値を選択するAF評価値算出部と、選択された前記AF評価値に基づいて前記フォーカスレンズの焦点調節動作を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、露出条件の異なる複数回の撮像動作が行われる場合において被写体に点光源が含まれる場合であっても、高精度のAFを行うことができる撮像装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。撮像装置は、デジタルカメラ及びスマートフォンといった機器の他、フォーカスレンズを有する各種の撮像装置を含む。
図1に示すように、撮像装置100は、撮影レンズ102と、レンズ駆動モータ104と、モータドライブ回路106と、撮像素子108と、撮像信号処理回路110と、AE評価値算出回路112と、AF評価値算出回路114と、画像処理回路116と、表示素子118と、メモリ120と、操作部122と、制御回路124とを有している。ここで、撮像装置100の各ブロックは、例えばハードウェアによって構成されている。しかしながら、必ずしもすべてがハードウェアによって構成されている必要はなく、一部はソフトウェアによって構成されていてもよい。また、撮像装置100の各ブロックは、単一のハードウェア又はソフトウェアによって構成されていなくてもよく、複数のハードウェア又はソフトウェアによって構成されていてもよい。
撮影レンズ102は、図示しない被写体からの光束を撮像素子108の受光面に導くための光学系である。撮影レンズ102は、フォーカスレンズを有している。フォーカスレンズは、撮影レンズ102の焦点位置を変化させるためのレンズである。撮影レンズ102は、ズームレンズとして構成されていてもよい。また、撮影レンズ102は、撮像装置100に対して着脱自在に構成されていてもよい。
レンズ駆動モータ104は、例えばフォーカスレンズを駆動するためのモータである。モータドライブ回路106は、制御回路124からの制御信号を受けてレンズ駆動モータ104を駆動するための信号をレンズ駆動モータ104に供給する。
撮像素子108は、撮影レンズ102を通過した光束を受光するための受光面を有している。撮像素子108の受光面には、2次元状に配置された複数の画素が設けられている。また、受光面の光入射側には、カラーフィルタが設けられている。このような撮像素子108は、受光面において受光された光束に応じた電気信号(以下、撮像信号という)を画素毎に生成する。
撮像信号処理部の一例としての撮像信号処理回路110は、撮像素子108で得られた撮像信号を読み出す。そして、撮像信号処理回路110は、読み出した画像信号に対してCDS(相関二重サンプリング)処理及びAGC(自動利得制御)処理等のアナログ処理を施す。さらに、撮像信号処理回路110は、アナログ処理した画像信号に基づくデジタル信号(以下、画像データという)を生成する。画像データは、撮像素子108の各画素からの撮像信号をデジタル信号に変換することによって得られる画素データの集まりである。
AE評価値算出回路112は、AE処理において露出条件を決定するためのAE評価値を算出する。AE評価値は、例えば画像データから算出される被写体の輝度(Y)データを所定領域毎に累積することによって算出される。この所定領域は、例えばAF用の焦点検出領域と一致しているか、焦点検出領域を含む領域である。
AF評価値算出部としての機能を有するAF評価値算出回路114は、コントラストAF処理のためのAF評価値を算出する。AF評価値は、例えば画像データから算出される輝度データに対してハイパスフィルタ処理をかけることによって得られた高周波輝度成分を所定領域毎に累積することによって算出される。この所定領域は、例えばAF用の焦点検出領域である。焦点検出領域は、画面内に1つだけ設定されてもよいし、画面内に複数設定されてもよい。
画像処理回路116は、画像データに対する各種の画像処理を行う。画像処理としては、ホワイトバランス補正処理、色補正処理、ガンマ(γ)補正処理等が含まれる。また、画像処理回路116は、合成部としての合成回路1161を有している。合成回路1161は、複数の画像データを合成して合成画像データを生成する。
表示素子118は、例えば液晶ディプレイ(LCD)である。表示素子118は、制御回路124の制御に従って、各種の画像を表示する。
メモリ120は、RAM及びROMを含む。メモリ120には、AE評価値算出回路112及びAF評価値算出回路114による評価値の算出結果、画像処理回路116の処理データ、制御回路124の処理データといった各種のデータが一時記憶される。また、メモリ120には、撮像装置100の動作に必要なプログラム及びパラメータが記録される。さらに、メモリ120には撮影によって得られる画像ファイルが記録される。
操作部122は、ユーザによって操作される各種の操作部材である。操作部122としては、例えば、レリーズボタン、動画ボタン、モードボタン、選択キー、電源ボタン等が含まれる。レリーズボタンは、静止画撮影の指示をするための操作部材である。動画ボタンは、動画撮影の指示をするための操作部材である。モードボタンは、撮像装置100の撮影設定を選択するための操作部材である。選択キーは、例えばメニュー画面上での項目の選択や決定をするための操作部材である。電源ボタンは、撮像装置の電源をオン又はオフするための操作部材である。
制御部としての機能を有する制御回路124は、CPU、ASIC、FPGA等で構成され、撮像装置100の動作を制御するための制御回路である。例えば、制御回路124は、フォーカスレンズの焦点調節動作を制御する。制御回路124と同様の機能は、ソフトウェアによって実現されてもよい。
次に、AF評価値算出回路114についてさらに説明する。図2は、AF評価値算出回路114の構成を示す図である。図2のAF評価値算出回路114の各ブロックは、例えばハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成される。図2のAF評価値算出回路114と同等の機能は、ハードウェア単独又はソフトウェア単独で実現されてもよい。
図2に示すように、AF評価値算出回路114は、Y生成回路1141と、水平フィルタ1142a、1142bと、累積回路1143a、1143bと、飽和カウント回路1144a、1144bと、シーン判定回路1145と、AF評価値補正回路1146a、1146bと、補正判定選択回路1147と、合焦位置検出回路1148とを有している。
Y生成回路1141は、入力された画像データから輝度(Y)データを生成する。Yデータは、例えば入力された画素データの色成分毎に所定の係数をかけて足し合わせることによって生成される。ここで、詳しくは後で説明するが、本実施形態では、露出条件、例えば露出時間の異なる2回の撮像動作が行われる。Y生成回路1141は、露出時間の長い方の撮像動作によって得られた画像データ(以下、長秒画像データという)から長秒Yデータを生成するとともに、露出時間の短い方の撮像動作によって得られた画像データ(以下、短秒画像データという)から短秒Yデータを生成する。
水平フィルタ1142aは、長秒Yデータの水平方向に対してHPF処理を行う。水平フィルタ1142bは、短秒Yデータの水平方向に対してHPF処理を行う。ここでは、水平方向に対してHPF処理が行われる例を示しているが、輝度データの垂直方向に対してHPF処理が行われてもよい。また、HPF処理でなく、バンドパスフィルタ(BPF)処理であってもよい。
累積回路1143aは、長秒YデータのHPF処理結果を所定領域毎に累積することでAF評価値を生成する。累積回路1143bは、短秒YデータのHPF処理結果を所定領域毎に累積することでAF評価値を生成する。
飽和カウント回路1144aは、長秒Yデータのうちで、飽和状態にある長秒Yデータの数をカウントする。飽和カウント回路1144bは、短秒Yデータのうちで、飽和状態にある短秒Yデータの数をカウントする。ここでの「飽和状態」は、Yデータが所定の判定値以上となっている状態である。本実施形態では、飽和状態にある長秒Yデータの数をカウントする飽和カウント回路1144aと飽和状態にある短秒Yデータの数をカウントする飽和カウント回路1144bとは、異なる判定値を用いてカウントを行う。具体的には、飽和カウント回路1144aは判定値th1を用い、飽和カウント回路1144bは判定値th2を用いる。判定値th1は、判定値th2よりも大きい。
シーン判定回路1145は、飽和カウント回路1144aのカウント結果と飽和カウント回路1144bとから現在のシーンが点光源を含むシーンであるか否かを判定する。シーン判定回路1145については後で詳しく説明する。
AF評価値補正回路1146aは、シーン判定回路1145における判定結果に応じて累積回路1143aで生成されたAF評価値を補正する。AF評価値補正回路1146bは、シーン判定回路1145における判定結果に応じて累積回路1143bで生成されたAF評価値を補正する。この補正は、点光源の存在する位置におけるAF評価値の急激な減少を補正する処理である。AF評価値補正回路1146a、1146bについては後で詳しく説明する。
補正判定選択回路1147は、シーン判定回路1145における判定結果に応じて、AF評価値補正回路1146aで補正されたAF評価値とAF評価値補正回路1146bで補正されたAF評価値との何れかを最終的なAF評価値として選択する。補正判定選択回路1147については後で詳しく説明する。
合焦位置検出回路1148は、補正判定選択回路1147によって選択されたAF評価値を用いてAF評価値のピークに対応するフォーカスレンズ位置(ピーク位置)を検出する。AF評価値のピーク位置は、離散的に取得されるAF評価値の増加から減少への変化が検出されたときに離散的なAF評価値のピークに対応するフォーカスレンズの位置とその前後のフォーカスレンズの位置とを用いた補間演算により算出される。このAF評価値のピーク位置が合焦位置になる。
以下、本実施形態に係る撮像装置100の動作を説明する。図3は、本実施形態に係る撮像装置100による焦点調節動作を示すフローチャートである。
例えば、ユーザによってレリーズボタンが半押しされることによって焦点調節動作が開始される。ステップS1において、制御回路124は、フォーカスレンズのレンズスキャン駆動を開始させるようにモータドライブ回路106に指示する。この指示を受けて、モータドライブ回路106は、フォーカスレンズのレンズスキャン駆動のためにレンズ駆動モータ104を駆動する。レンズスキャン駆動では、フォーカスレンズは、まず、至近方向及び無限方向の何れか一方向に駆動される。
ステップS2において、制御回路124は、撮像素子108による露出時間の異なる2回の撮像動作により、長秒画像データと短秒画像データとを取得する。図4は、長秒画像データと短秒画像データとを取得するための撮像動作を示す図である。本実施形態では、長秒画像データと短秒画像データとは、ライブビュー表示中にHDR処理を行うために取得される。したがって、長秒画像データの取得と短秒画像データの取得とは1フレーム分のライブビュー表示の間に行われる。例えば、図4では、ライブビュー表示の間隔は1/60秒である。したがって、長秒画像データの取得のための撮像動作と短秒画像データの取得のための撮像動作とは1/60秒よりも短い時間で行われる。また、長秒画像データの取得のための撮像動作の露出時間は、短秒画像データの取得のための撮像動作の露出時間よりも長い。例えば、図4では、長秒画像データの取得のための撮像動作の露出時間は1/90秒であり、短秒画像データの取得のための撮像動作の露出時間は1/180秒である。このようにして露出時間が設定されることにより、ライブビュー表示中にHDR処理を行うことが可能である。なお、露出時間は、図4で示した時間に限らず、ライブビュー表示のフレームレート等に応じて適宜に変更され得る。
ステップS3において、制御回路124は、AE評価値算出回路112にAE評価値を生成させる。これを受けて、AE評価値算出回路112は、所定領域毎にAE評価値を生成する。
ステップS4において、制御回路124は、ステップS2において取得した長秒画像データと短秒画像データとをAF評価値算出回路114に入力する。これを受けて、AF評価値算出回路114は、Y生成回路1141において長秒Yデータ及び短秒Yデータをそれぞれ生成する。
ステップS5において、AF評価値算出回路114は、AF評価値を生成する。前述したように、AF評価値算出回路114は、累積回路1143aにおいて長秒Yデータに関するAF評価値を生成し、累積回路1143bにおいて短秒Yデータに関するAF評価値を生成する。
ステップS6において、AF評価値算出回路114は、飽和カウント回路1144aにおいて飽和状態にある長秒Yデータの数をカウントするとともに、飽和カウント回路1144bにおいて飽和状態にある短秒Yデータの数をカウントする。以下、この飽和カウントの処理について図5を参照して説明する。図5は、飽和カウント回路における処理を示すフローチャートである。なお、飽和カウント回路1144aと飽和カウント回路1144bとは、基本的には同一の処理を行う。したがって、図5では、飽和カウント回路1144aと飽和カウント回路1144bとを区別せずに「飽和カウント回路」として説明する。
ステップS101において、飽和カウント回路は、入力されたYデータの値Yが判定値th以上であるか否かを判定する。飽和カウント回路1144aの場合、ステップS101のYは長秒Yデータであり、判定値thは判定値th1である。飽和カウント回路1144bの場合、ステップS101のYは短秒Yデータであり、判定値thは判定値th2である。ステップS101において、入力されたYデータの値Yが判定値th以上であると判定されたときには、処理はステップS102に移行する。入力されたYデータの値Yが判定値th以上でないと判定されたときには、処理はステップS103に移行する。
ステップS102において、飽和カウント回路は、飽和状態にあるYデータの数を1だけカウントアップする。
ステップS103において、飽和カウント回路1144aは、全領域のYデータについてステップS102の判定が完了したか否かを判定する。ステップS103において、全領域のYデータについてステップS102の判定が完了していないと判定されたときに、処理はステップS101に戻る。この場合、飽和カウント回路は、まだ判定が完了していない位置のYデータについての処理を開始する。ステップS103において、全領域のYデータについてステップS102の判定が完了したと判定されたときに、図5の処理は終了する。
ここで、図3の説明に戻る。Yデータのカウント処理の後のステップS7において、AF評価値算出回路114は、シーン判定回路1145によるシーン判定処理を開始させる。以下、シーン判定回路1145の処理を説明する。
まず、シーン判定回路1145は、飽和判定を行う。図6は、飽和判定の処理を示すフローチャートである。ステップS201において、シーン判定回路1145は、飽和カウント回路(例えば、飽和カウント回路1144a)からカウント値を取得する。
ステップS202において、シーン判定回路1145は、取得したカウント値が判定値th3以上であるか否かを判定する。ステップS202において、カウント値が判定値th3以上であると判定されたときには、処理はステップS203に移行する。ステップS202において、カウント値が判定値th3以上でないと判定されたときには、処理はステップS204に移行する。
ステップS203において、シーン判定回路1145は、取得したカウント値に対応したYデータの飽和状態が検出されたことを確定する。ステップS204において、シーン判定回路1145は、取得したカウント値に対応したYデータの飽和状態が検出されなかったことを確定する。ステップS203又はS204の後、処理はステップS205に移行する。
ステップS205において、シーン判定回路1145は、長秒Yデータと短秒Yデータの両方についてステップS203又はステップS204の判定が完了したか否かを判定する。ステップS205において、長秒Yデータと短秒Yデータの両方についてステップS203又はステップS204の判定が完了していないと判定されたときに、処理はステップS201に戻る。この場合、シーン判定回路1145は、まだ判定が完了していないYデータについての処理を開始する。ステップS205において、長秒Yデータと短秒Yデータの両方についてステップS203又はステップS204の判定が完了したと判定されたときに、図6の処理は終了する。
飽和判定の後、シーン判定回路1145は、シーン選択を行う。図7は、シーン判定の処理を示すフローチャートである。ステップS301において、シーン判定回路1145は、長秒Yデータと短秒Yデータの両方で飽和状態が検出されているか否かを判定する。ステップS301において、長秒Yデータと短秒Yデータの両方で飽和状態が検出されていると判定されたときには、シーン判定回路1145は、現在のシーンとしてシーン3を選択する。その後、図7の処理は終了する。ステップS301において、長秒Yデータと短秒Yデータの少なくとも何れかで飽和状態が検出されていないと判定されたときには、処理はステップS302に移行する。
ステップS302において、シーン判定回路1145は、長秒Yデータと短秒Yデータの両方で飽和状態が検出されていないか否かを判定する。ステップS302において、長秒Yデータと短秒Yデータの両方で飽和状態が検出されていないと判定されたときには、シーン判定回路1145は、現在のシーンとしてシーン2を選択する。その後、図7の処理は終了する。ステップS302において、長秒Yデータと短秒Yデータの一方で飽和状態が検出され、他方で飽和状態が検出されていないと判定されたときには、シーン判定回路1145は、現在のシーンとしてシーン1を選択する。その後、図7の処理は終了する。
図8は、シーン1、シーン2、シーン3のそれぞれが選択される条件と、選択されたシーンに応じてAF評価値補正回路1146a及び1146bでなされる補正と、選択されたシーンに応じて補正判定選択回路1147において仮に選択されるAF評価値とを対応付けて示した図である。
本実施形態では、AF評価値の補正が所定の関数を用いて行われる。この関数は、1次関数又は高次関数(例えば3次関数)である。本実施形態では、基本的には、飽和状態が検出されているYデータについては3次関数を用いた補正(以下、3乗補正という)が行われ、飽和状態が検出されていないYデータについては1次関数を用いた補正(以下、1乗補正という)が行われる。飽和状態が検出されているときには被写体が点光源である可能性がある。被写体が点光源であるときには、点光源の位置に対応したフォーカスレンズ位置において後で説明するようなAF評価値の急激な減少が発生する。このようなAF評価値の急激な減少を補正するために3乗補正が行われる。ただし、シーン判定結果によって仮に選択されるAF評価値は、飽和状態となっていないほうのYデータに基づくAF評価値である。これは、後で説明するように、飽和状態となっているときには、合焦位置のずれが発生しやすいためである。さらに、長秒Yデータと短秒Yデータの両方が飽和状態となっているときには、短秒Yデータに基づくAF評価値が選択される。これは、短秒Yデータのほうが長秒Yデータよりも飽和状態の程度が低いと考えられるためである。また、長秒Yデータと短秒Yデータの両方が飽和状態となっていないときには、長秒Yデータに基づくAF評価値が選択される。これは、値の大きなAF評価値を使用することで合焦位置の検出精度の向上を図るためである。
以上のような考え方に基づいて、図8に示すように、シーン3においては、長秒Yデータ及び短秒Yデータの両方に対して3乗補正が行われ、短秒Yデータが仮に選択される。また、シーン2においては、長秒Yデータ及び短秒Yデータの両方に対して1乗補正が行われ、長秒Yデータが仮に選択される。また、シーン1においては、長秒Yデータに対しては3乗補正が行われ、短秒Yデータに対しては1乗補正が行われ、短秒Yデータが仮に選択される。
ここで、図3の説明に戻る。シーン判定処理の後のステップS8において、AF評価値算出回路114は、AF評価値補正回路1146a、1146bによるAF評価値の補正を行わせる。以下、AF評価値の補正について説明する。図9Aは、AF評価値の補正について説明するための図であって、補正前のAF評価値を示す図である。図9Bは、AF評価値の補正について説明するための図であって、補正後のAF評価値を示す図である。ここで、図9A及び図9Bの横軸はフォーカスレンズの位置を示し、縦軸はAF評価値及びAE評価値の大きさを示す。また、以下では被写体は点光源であるとする。
点光源は、画面内の狭い範囲で輝度が増減する被写体である。したがって、点光源を含む領域では、図9Aに示すように、AE評価値は、点光源にピントが合うことにより輝度信号が飽和する狭い範囲で増減する。すなわち、Yデータの飽和の状態から点光源の有無を判断することが可能である。
一方、AF評価値は、Yデータの高周波成分を累積することによって得られるものである。したがって、点光源の位置に対応したフォーカスレンズ位置において、本来ピークとなるべき位置におけるAF評価値の減少(ピークの落ち込み)が発生する。この場合、本来のAF評価値のピーク位置(AF評価値が極小となる位置)の周辺に2つのピーク位置が発生する。このため、AF評価値のピーク位置がずれることになり、正しい合焦位置を算出することができなくなる。
AE評価値の補正は、図9Aのようなピークの落ち込みの発生したAF評価値を持ち上げる補正である。このAF評価値の補正は、例えば以下の式(1)を用いて行われる。なお、AF評価値の補正は、必ずしも式(1)に従って行われなくてもよい。
AFval = (AEValstd/AEval)n×AFvalorg (1)
ここで、式(1)のAFvalは補正後のAF評価値であり、AFvalorgは補正前のAF評価値であって、例えばAF評価値の極小値(AE評価値の急激な減少の発生したフォーカスレンズ位置において得られたAF評価値)と、その前後のフォーカスレンズ位置のAF評価値の3点のAF評価値である。AF評価値のサンプリング点数は必ずしも3点でなくてよい。また、AEValstdはAE評価値の基準値(例えば焦点検出領域内のAE評価値の平均値)であり、AEvalはサンプリングされたAF評価値が得られた焦点検出領域を含む所定領域(焦点検出領域と一致していてもよい)のAE評価値である。nは、1乗補正のときには1になり、3乗補正のときには3になる。前述したように、Yデータに対して1乗補正が行われるか又は3乗補正が行われるかは、シーン判定回路1145で選択されたシーンに応じて決定される。
AFval = (AEValstd/AEval)n×AFvalorg (1)
ここで、式(1)のAFvalは補正後のAF評価値であり、AFvalorgは補正前のAF評価値であって、例えばAF評価値の極小値(AE評価値の急激な減少の発生したフォーカスレンズ位置において得られたAF評価値)と、その前後のフォーカスレンズ位置のAF評価値の3点のAF評価値である。AF評価値のサンプリング点数は必ずしも3点でなくてよい。また、AEValstdはAE評価値の基準値(例えば焦点検出領域内のAE評価値の平均値)であり、AEvalはサンプリングされたAF評価値が得られた焦点検出領域を含む所定領域(焦点検出領域と一致していてもよい)のAE評価値である。nは、1乗補正のときには1になり、3乗補正のときには3になる。前述したように、Yデータに対して1乗補正が行われるか又は3乗補正が行われるかは、シーン判定回路1145で選択されたシーンに応じて決定される。
式(1)に従って補正が行われることにより、図9Bに示すように、AE評価値が急激に変化する位置、すなわちAF評価値の急激な減少が発生する位置におけるAF評価値の減少が解消される。ここで、式(1)からも分かるように、3乗補正のほうが1乗補正よりも補正後のAF評価値は大きくなる。したがって、飽和状態が検出されているとき、すなわち被写体が点光源であって、AF評価値の減少が発生していると考えられるときには3乗補正が行われることが望ましい。
また、3乗補正と1乗補正とでは、3乗補正のほうが先鋭なピークを形成しやすいので、サンプリング位置の取り方によって補正後の合焦位置の誤差が生じやすい。図10A及び図10Bは、サンプリング位置による合焦位置のずれを3乗補正と1乗補正とで比較して示した図である。ここで、図10Aは3乗補正について示しており、図10Bは1乗補正について示している。また、図10A及び図10Bにおける実線は補正前のAF評価値を示し、図10A及び図10Bにおける破線は補正後のAF評価値を示している。すなわち、3乗補正では、補正後のAF評価値の先鋭なピークが形成されるので、図10Aの丸印とばつ印で示すように、サンプリング位置が少しずれるだけで補正後のAF評価値のピーク位置、すなわち合焦位置は大きくずれる。一方、1乗補正では、図10Bの丸印とばつ印で示すように、サンプリング位置が少しずれたとしても補正後のAF評価値のピーク位置、すなわち合焦位置はそれほどはずれない。したがって、飽和状態が検出されていないとき、すなわち被写体が点光源でなく、AF評価値の減少が発生していないと考えられるときには合焦位置の誤差を抑制するために1乗補正が行われることが望ましい。
ここで、図3の説明に戻る。AF評価値の補正処理の後のステップS9において、AF評価値算出回路114は、補正判定選択回路1147による補正判定処理を行わせる。以下、補正判定処理について説明する。図11は、補正判定の処理を示すフローチャートである。ステップS401において、補正判定選択回路1147は、長秒Yデータに基づくAF評価値に対する補正と短秒Yデータに基づくAF評価値に対する補正との両方がOKであるか否かを判定する。補正がOKである状態は、図12に示すように、補正後の3点のAF評価値のうちの最大のものと最小のものとの差Bと最大のAF評価値の値Aとの比B/Aが判定値th以下である状態である。ここで、長秒Yデータについての判定値thはth4であり、短秒Yデータについての判定値thはth5であり、th4>th5である。すなわち、補正がOKである状態とは、AF評価値の先鋭度がそれほどは高くない状態である。一方、補正がNGである状態は、AF評価値のB/Aが判定値thを超える場合である。すなわち、補正がNGである状態とは、AF評価値の先鋭度が高い状態である。前述したように、AF評価値の先鋭度が高くなると合焦位置の誤差が発生しやすくなる。したがって、AF評価値の先鋭度が所定状態よりも高くなるときには、補正がNGであると判定される。ステップS401において、両方の補正がOKであると判定されたときには、補正判定選択回路1147は、シーン判定の結果として仮に選択されたAF評価値を最終的なAF評価値として選択する。すなわち、仮に選択されたAF評価値が長秒Yデータに基づくものであったときには、補正判定選択回路1147は、そのまま長秒Yデータに基づくAF評価値を選択する。また、仮に選択されたAF評価値が短秒Yデータに基づくものであったときには、補正判定選択回路1147は、そのまま短秒Yデータに基づくAF評価値を選択する。その後、図11の処理は終了する。ステップS401において、少なくとも何れかの補正がOKでない、すなわちNGであると判定されたときには、処理はステップS402に移行する。
ステップS402において、補正判定選択回路1147は、長秒Yデータに基づくAF評価値に対する補正と短秒Yデータに基づくAF評価値に対する補正との両方がNGであるか否かを判定する。ステップS402において、両方の補正がNGであると判定されたときには、補正判定選択回路1147は、シーン判定の結果として仮に選択されたAF評価値を最終的なAF評価値として選択する。その後、図11の処理は終了する。ステップS402において、何れかの補正がOKであり、何れかの補正がNGであると判定されたときには、処理はステップS403に移行する。
ステップS403において、補正判定選択回路1147は、仮に選択されたYデータに基づくAF評価値に対する補正がOKであるか否かを判定する。ステップS403において、仮に選択されたほうの補正がOKであると判定されたときには、補正判定選択回路1147は、シーン判定の結果として仮に選択されたAF評価値を最終的なAF評価値として選択する。その後、図11の処理は終了する。ステップS403において、仮に選択されたほうの補正がNGであると判定されたときには、補正判定選択回路1147は、シーン判定の結果として仮に選択されたAF評価値と逆のAF評価値を最終的なAF評価値として選択する。すなわち、仮に選択されたAF評価値が長秒Yデータに基づくものであったときには、補正判定選択回路1147は、短秒Yデータに基づくAF評価値を選択する。また、仮に選択されたAF評価値が短秒Yデータに基づくものであったときには、補正判定選択回路1147は、長秒Yデータに基づくAF評価値を選択する。
図13は、補正判定の条件と補正判定の結果として最終的に選択されるAF評価値とを対応付けて示した図である。ここで、図13の丸印は補正がOKであることを示し、図13のばつ印は補正がNGであることを示す。
図11で説明したように、シーン判定処理の結果として選択されたAF評価値と選択されていないAF評価値との両方の補正がOKであるとき(図11のステップS401:Yes)、最終的にはシーン判定の結果として選択されたAF評価値が選択される。すなわち、シーン1であれば短秒Yデータに基づくAF評価値が選択され、シーン2であれば長秒Yデータに基づくAF評価値が選択され、シーン3であれば短秒Yデータに基づくAF評価値が選択される。両方の補正がOKであれば、最終的に選択されるAF評価値を変更する必要はない。
また、シーン判定処理の結果として選択されたAF評価値の補正がOKであり、選択されていないAF評価値の補正がNGであるとき(図11のステップS403:Yes)、最終的にはシーン判定の結果として選択されたAF評価値が選択される。すなわち、シーン1であれば短秒Yデータに基づくAF評価値が選択され、シーン2であれば長秒Yデータに基づくAF評価値が選択され、シーン3であれば短秒Yデータに基づくAF評価値が選択される。シーン判定処理において選択された補正がOKであれば、最終的に選択されるAF評価値を変更する必要はない。
また、シーン判定処理の結果として選択されたAF評価値の補正がNGであり、選択されていないAF評価値の補正がOKであるとき(図11のステップS403:No)、最終的にはシーン判定の結果として選択されたAF評価値と逆のAF評価値が選択される。すなわち、シーン1であれば長秒Yデータに基づくAF評価値が選択され、シーン2であれば短秒Yデータに基づくAF評価値が選択され、シーン3であれば長秒Yデータに基づくAF評価値が選択される。シーン判定処理において選択されたAF評価値の補正がNGであり、選択されていないAF評価値の補正がOKであるときには、シーン判定処理によって選択されたAF評価値を用いてしまうと合焦位置の誤差が発生しやすい。したがって、最終的に選択されるAF評価値を変更する。
また、シーン判定処理の結果として選択されたAF評価値と選択されていないAF評価値との両方の補正がNGであるとき(図11のステップS402:Yes)、最終的にはシーン判定の結果として選択されたAF評価値が選択される。すなわち、シーン1であれば短秒Yデータに基づくAF評価値が選択され、シーン2であれば長秒Yデータに基づくAF評価値が選択され、シーン3であれば短秒Yデータに基づくAF評価値が選択される。両方の補正がNGであれば、何れが選択されても合焦位置の誤差が発生し得る。この場合には、シーン判定処理における選択が優先される。
ここで、図3の説明に戻る。補正判定処理の後のステップS10において、AF評価値算出回路114は、方向判断が完了したか否かを判定する。ステップS10において、方向判断が完了していないと判定されたときに、処理はステップS11に移行する。ステップS10において、方向判断が完了したと判定されたときに、処理はステップS12に移行する。
ステップS11において、AF評価値算出回路114は、方向判断を行う。その後、処理はステップS13に移行する。方向判断は、ステップS9において選択されたAF評価値の所定値以上の増加又は減少が検出されたか否かによって行われる。AF評価値の所定値以上の増加が検出されたと判定されたときには、フォーカスレンズの駆動方向は現在の駆動方向と同じ方向であると判定されて、方向判断は完了する。AF評価値の所定値以上の減少が検出されたと判定されたときには、フォーカスレンズの駆動方向は現在の駆動方向と逆方向であると判定されて、方向判断は完了する。AF評価値の所定値以上の増加も減少も検出されていないときには、方向判断は完了しない。この場合、次回のステップS10において処理は再びステップS11に移行する。
ステップS12において、AF評価値算出回路114は、合焦位置検出回路1148によるAF評価値のピーク位置(すなわち合焦位置)の検出を行わせる。これを受けて、まず、合焦位置検出回路1148は、ステップS9において選択されたAF評価値の所定値以上の増加から減少への変化が検出されたか否かを判定することによって、フォーカスレンズがAF評価値のピークに対応した位置を通過したか否かを判定する。フォーカスレンズがAF評価値のピークに対応した位置を通過していないと判定されたときには、合焦位置検出回路1148は、AF評価値のピーク位置の検出を行わない。この場合、ピーク位置の検出は完了せずに処理はステップS13に移行する。一方、フォーカスレンズがAF評価値のピークに対応した位置を通過したと判定されたときには、合焦位置検出回路1148は、ステップS9で補正された3点のAF評価値に基づく補間演算によってAF評価値のピーク位置を検出してピーク位置検出を完了する。この後、処理はステップS13に移行する。
ステップS13において、AF評価値算出回路114は、AF評価値のピーク位置(合焦位置)の検出が完了したか否かを判定する。ステップS13において、AF評価値のピーク位置の検出が完了していないと判定されたときには、処理はステップS14に移行する。ステップS13において、AF評価値のピーク位置の検出が完了したと判定されたときには、処理はステップS15に移行する。
ステップS14において、制御回路124は、HDR処理及びライブビュー表示を行う。具体的には、制御回路124は、ステップS2において取得した長秒画像データと短秒画像データとを画像処理回路116に入力し、画像処理回路116においてHDR処理の実行を指示する。これを受けて、画像処理回路116は、長秒画像データと短秒画像データとを合成する。合成は、例えば、長秒画像データにおいて露出が過剰な領域を短秒画像データで置き換えるように合成することで行われる。合成の後、制御回路124は、HDR処理によって得られた合成画像データを表示素子118に入力する。表示素子118は、入力された合成画像データをライブビューとして表示する。その後、処理はステップS2に戻る。
ステップS15において、制御回路124は、AF評価値算出回路114によって検出されたAF評価値のピーク位置に対応した位置までフォーカスレンズを駆動するようにモータドライブ回路106に指示する。その後、図3の処理は終了する。この後、ユーザによってレリーズボタンが全押しされることによって撮影動作が開始される。
以上説明したように本実施形態によれば、露出条件(例えば露出時間)が異なる複数回の撮像動作が行われる場合において、それぞれの撮像動作によって得られる画像の飽和の状態によって、何れかの撮像動作に基づくAF評価値を選択して焦点調節動作を行うようにしている。これによって、露出量が異なる複数回の撮像動作のうちで適切な画像データを選択することができ、これによって合焦位置の検出精度を向上することができる。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。例えば、前述した実施形態では、画像データの飽和状態は輝度データによって判定される。しかしながら、画像データの飽和状態は、輝度データではなく、画素データから判定されてもよい。すなわち、画素データが飽和状態であるときには、飽和している画素としてカウントしてもよい。
また、前述した実施形態では、長秒画像データを得るための撮像動作と短秒画像データを得るための撮像動作とは異なるタイミングで開始されるものとしている。しかしながら、例えば撮像装置100が長秒画像データ用の撮像素子と短秒画像データ用の撮像素子とを有している場合には、長秒画像データを得るための撮像動作と短秒画像データを得るための撮像動作とは同じタイミングで開始されてもよい。
また、前述した実施形態では、露出条件として露出時間を異ならせているが、感度等の他の条件を異ならせてもよい。
さらに、シーン判定処理の内容と補正判定処理の内容は適宜に変更され得る。例えば、前述の実施形態では、補正判定処理において、シーン判定処理の結果として選択されたAF評価値と選択されていないAF評価値との両方の補正がNGであるとき、最終的にはシーン判定の結果として選択されたAF評価値が選択される。しかしながら、AF評価値と選択されていないAF評価値との両方の補正がNGであるときに合焦位置の検出が行われないようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、コントラストAF処理の間のレンズ駆動は、スキャン駆動である。これに対し、コントラストAF処理の間のレンズ駆動がウォブリング駆動等であっても本実施形態の技術は適用され得る。
さらに、前述した実施形態では、焦点調節動作は、HDR処理を伴うライブビュー表示中に行われる例を示している。しかしながら、本実施形態の技術は、露出条件の異なる複数回の撮像動作を伴う各種の処理における焦点調節動作に対して適用され得る。
また、前述の各動作フローチャートの説明において、便宜上「まず」、「次に」等を用いて動作を説明しているが、この順で動作を実施することが必須であることを意味するものではない。
また、上述した実施形態による各処理は、コンピュータである制御回路124に実行させることができるプログラムとして記憶させておくこともできる。この他、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体に格納して配布することができる。そして、制御回路124は、この外部記憶装置の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行することができる。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
100 撮像装置、102 撮影レンズ、104 レンズ駆動モータ、106 モータドライブ回路、108 撮像素子、110 撮像信号処理回路、112 AE評価値算出回路、114 AF評価値算出回路、116 画像処理回路、118 表示素子、120 メモリ、122 操作部、124 制御回路、1141 Y生成回路、1142a,1142b 水平フィルタ、1143a,1143b 累積回路、1144a,1144b 飽和カウント回路、1145 シーン判定回路、1146a,1146b AF評価値補正回路、1147 補正判定選択回路、1148 合焦位置検出回路、1161 合成回路。
Claims (7)
- フォーカスレンズを有する撮影レンズを通過する光束に基づいて撮像信号を生成する撮像素子を有する撮像装置において、
前記撮像素子による露出条件の異なる複数回の撮像動作において生成される前記撮像信号に基づき露出条件の異なる複数の画像データを生成する撮像信号処理部と、
複数の前記画像データのそれぞれに基づいてAF評価値を算出し、複数の前記画像データのそれぞれの飽和状態に基づいて前記算出された複数の前記AF評価値のうちから所定の前記AF評価値を選択するAF評価値算出部と、
選択された前記AF評価値に基づいて前記フォーカスレンズの焦点調節動作を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする撮像装置。 - 前記AF評価値算出部は、複数の前記画像データのうちで飽和状態ではない画像データに対応するAF評価値を選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記AF評価値算出部は、複数の前記画像データのうちで飽和状態ではない画像データがない場合には、複数の前記画像データのうちで飽和状態の程度がより低い画像データに対応するAF評価値を選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記AF評価値算出部は、複数の前記画像データ毎に異なる判定値により複数の前記画像データのそれぞれの飽和状態を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記画像データは、複数の画素データから構成され、
前記制御部は、複数の前記画像データのうちで、所定の判定値以上である前記画素データの数が所定数以上である前記画像データが飽和状態であると判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記AF評価値算出部は、前記算出された複数のAF評価値を前記飽和状態に基づいて補正し、前記補正された複数のAF評価値のそれぞれの先鋭度に基づいて前記補正されたAF評価値から所定のAF評価値を選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記先鋭度は、前記複数のAF評価値のうちの極値と極値に2番目に近いAF評価値との差と、前記極値との比に基づいて算出することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
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2016
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