JP2018025495A - 分光測定装置 - Google Patents

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勝次 井口
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洋貴 金井
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Abstract

【課題】小型で携帯性に優れ、測定対象の反射スペクトルを高感度で簡便に測定し得る分光測定装置を提供する。
【解決手段】分光測定装置(1A)は、測定対象(M)からの光を集光する集光レンズ(12)と、集光レンズ(12)が集光した光を受光して分光スペクトルを検出する半導体分光センサ(13)と、測定対象(M)の表面から半導体分光センサ(13)に至る光路を覆う光路筺体(11A)とを備えている。光路筺体(11A)は、測定対象(M)に接して測定対象(M)からの光を内部に入射させる開口部(11a)と、開口部(11a)に隣接して測定対象(M)に光を出射する発光素子(15)及び導光部(14A)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象からの光の分光スペクトルを測定する分光測定装置に関するものである。
従来、分光測定装置は、印刷物や塗料等の測色、又は生物等の有機物や鉱物等の無機物の物性を非接触に調査するための分光測定に利用されている。特に、任意の光源から測定対象に光を照射し、その反射光又は透過光を測定する手法が一般に広く普及している。
前記の従来の分光測定装置では、回折格子やプリズムにより波長毎に光を分離し、それをラインセンサに入射させることにより分光を行っている。
この種の分光測定装置では、分光測定装置の小型化の実現に向けて可能な限り各光学部品の距離を近づける取り組みがなされてきた。
例えば、特許文献1に開示された測色装置では、発光素子、波長分散素子である回折格子及びラインセンサを備え、発光素子とラインセンサとを同一基板上に配設することにより、小型化を達成している。
また、特許文献2に開示された分光分析装置では、プリズムによって光を分離している。
一方、近年、回折格子やプリズムを用いない分光センサとして、量子ドットからなる光学フィルタを有する半導体光検出器アレイを用いる方式が開発され、分光装置の小型化が進みつつある(非特許文献1参照)。
上記量子ドットは、サイズ、形状及び組成を変更することによって特定の波長帯の光だけを選択的に透過させることができ、バンドパスフィルタとして利用することができる。
上記分光センサは、多数種類の量子ドットを有する半導体光検出器(フォトダイオード)をアレイ状に配置し、それらからの出力に対して様々な推定技術を用いることによって、受光した光のスペクトルを再構成することができる半導体センサであり、種々の分光装置を小型化できる可能性がある。
特開2014−44199号公報(2014年3月13日公開) 特開2007−255918号公報(2007年10月4日公開)
Jie Bao & Moungi G. Bawendi,’A colloidal quantum dot spectrometer’,NATURE VOL.523, P.67-70,2 July 2015
ところで、小型の反射分光装置の用途として、例えば、唇、目尻、目の下のクマ、爪、等、人体の比較的小さな領域の測定や、サクランボ、イチゴ等の、比較的小さな果実の測定等があり、それぞれ分光スペクトルの検出を要するが、測定面積の小さな対象に対する簡便な測定手段は存在しない。
また、従来、光ファイバを用いた反射分光装置は存在するが、装置本体が大きく、持ち運びに不便であるという課題がある。
しかしながら、前記従来の特許文献1に開示された測色装置では、波長分散素子として回折格子を用いているため、回折格子からラインセンサまでに一定の距離が必要であり、全体の光学系は依然として一定の大きさを持たざるを得ない。また、回折格子は精密機器であるため、衝撃には注意が必要であり、耐久性に劣る。さらに、回折格子に入射させる光は平行光でなければならないため、集光することができず、測定感度を高めることが困難である。
前記従来の特許文献2に開示された分光分析装置においてもプリズムを使用しているので、同じ課題を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、小型で携帯性に優れ、測定対象の反射スペクトルを高感度で簡便に測定し得る分光測定装置を提供することにある。
本発明の一態様における分光測定装置は、上記の課題を解決するために、測定対象からの光の分光スペクトルを測定する分光測定装置において、上記測定対象からの光を集光するレンズと、上記レンズが集光した光を受光して分光スペクトルを検出する半導体分光センサと、上記測定対象の表面から上記半導体分光センサに至る光路を覆う光路筺体とを備えていると共に、上記光路筺体は、上記測定対象に接して上記測定対象からの光を内部に入射させる開口部と、上記開口部に隣接して上記測定対象に光を出射する光出射部とを備えていることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、小型で携帯性に優れ、測定対象の反射スペクトルを高感度で簡便に測定し得る分光測定装置を提供するという効果を奏する。
(a)は本発明の実施形態1における分光測定装置の一例の構成を示すものであって、分光測定装置の構成を示す正面断面図であり、(b)は上記分光測定装置の構成を示す側面図であり、(c)は上記分光測定装置の構成を示す底面図である。 上記分光測定装置の構成を示す斜視図である。 上記分光測定装置の動作手順を示すフローチャートである。 上記分光測定装置における校正スペクトルを取得する場合の構成を示す正面断面図である。 (a)は本発明の実施形態2における分光測定装置の一例の構成を示すものであって、分光測定装置の構成を示す正面断面図であり、(b)は上記分光測定装置の構成を示す側面図である。 (a)は本発明の実施形態3おける分光測定装置の一例の構成を示すものであって、分光測定装置の構成を示す正面断面図であり、(b)は上記分光測定装置の構成を示す側面図である。 本発明の実施形態4おける分光測定装置の一例の構成を示すものであって、分光測定装置の構成を示す正面断面図である。 (a)は本発明の実施形態5おける分光測定装置の一例の構成を示すものであって、分光測定装置の構成を示す正面断面図であり、(b)は上記分光測定装置の本体筐体の構成を示す断面図であり、(c)は上記分光測定装置の光路筺体の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態6おける分光測定装置の一例の構成を示すものであって、分光測定装置の構成を示す正面断面図である。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(分光測定装置の構成)
本実施の形態の分光測定装置1Aの構成を、図1の(a)(b)(c)及び図2に基づいて説明する。図1の(a)は、分光測定装置1Aの構成を示す正面断面図である。図1の(b)は、分光測定装置1Aの構成を示す側面図である。図1の(c)は、分光測定装置1Aの構成を示す底面図である。図2は、分光測定装置1Aの構成を示す斜視図である。
本実施の形態の分光測定装置1Aは、図2に示すように、ペン型をしており、その先端部を測定対象Mの表面に当てて、反射光スペクトルを取得する装置である。その先端部の大きさは、1mmから3mm程度の大きさであり、胴体部分の径は8mmから20mm程度の大きさである。
上記分光測定装置1Aは、図1の(a)(b)(c)に示すように、先端側に設けられた光学部10と、後端側に設けられた制御機構部20とからなっている。
上記光学部10は、測定対象Mの表面から半導体分光センサに至る光路を覆う光路筺体11Aを備えており、この光路筺体11Aには、測定対象Mの表面が発する光を集光するレンズとしての集光レンズ12と、集光レンズ12が集光した光を受光する半導体分光センサ13とが内包されている。
上記光路筺体11Aは金属等の遮光性材料にて形成されている。光路筺体11Aの測定対象Mに対向する部分には、開口部11aが設けられている。開口部11aの径は、0.5mmから2mm程度であることが好ましく、開口部11aを区切る光路筺体11Aの肉厚は、1mm以下であることが好ましく、さらに0.5mm以下であることがより好ましい。
測定対象Mに光路筺体11Aの開口部11aが密着した状態では、光路筺体11A内には、開口部11a以外からは、一切外光が入らないため、微弱な光も分析することができ、測定感度を向上できる。また、集光レンズ12によって、開口部11aの非常に狭い部分からの光を集光するため、1mm程度のサイズの微小部の反射光スペクトルを測定することができる。
光路筺体11Aの先端部は、胴体部から開口部11aに向けて、ペンのように先細りの形態をしており、その周囲には導光部14Aが設けられている。導光部14Aの上部端には、発光素子15としてサイド発光型LED15aが配置されており、サイド発光型LED15aが発する光が導光部14Aを通過し、開口部11aの周囲の出射部11bから、測定対象Mの表面に照射される。
光路筺体11Aの先端部が測定対象Mの表面に密着した状態では、出射部11bから照射された光が開口部11aに達するためには、測定対象Mの内部を通過する以外にはない。この結果、測定対象Mの内部拡散光のみを評価することができる。尚、測定対象Mと出射部11bとの密着性を高めるために、開口部11aと出射部11bとは、大凡、同一平面上に存在することが好ましい。
導光部14Aは透明な樹脂で形成されており、サイド発光型LED15aとの接続部以外は、反射材14aがコーティングされており、光のロスを低減すると同時に、遮光材の役割を果たしており、外部に光が漏れないようになっている。
尚、図1においては、導光部14Aにおける右の光路と左の光路とで光の進み方が違うように記載している。この理由は、図1ではサイド発光型LED15aが1個のみを図1の右に配置してある形態であり、サイド発光型LED15aの真下に当たる右の光路と、導光部14Aの内部を導光されて回り込む左の光路とでは光の進行は異なる。このため、その意味を表現するために、図1では右の光路と左の光路とで光の進み方が違うように記載している。
サイド発光型LED15aはLED保護材11cで覆われている。サイド発光型LED15aからの外部への光の漏洩を防ぐために、LED保護材11cは遮光性を有していることが好ましい。反射材14aで覆われた導光部14Aの内側に、光路筺体11Aの先端部が差し込まれ、接着されていることが好ましい。反射材14aは、導光部14Aに蒸着したアルミニュウム膜等の金属膜でもよいし、アルミ箔を貼り付けた物でもよい。
光路筺体11Aの開口部11aは、測定対象Mに密着することを想定しており、出射部11bから測定対象Mに照射される光は、直接、開口部11aには入らない構成となっている。したがって、出射部11bから測定対象Mに照射される光は、測定対象M内部を透過した光が、開口部11aから測定対象Mの外に出て、測定されることとなり、測定対象Mの物質情報を含む内部拡散光を測定することができる。
本構成では、皮膚や果実のように、ある程度、光透過性を有する物資を測定することを念頭に置いている。尚、透過性を殆ど有しない物質の測定に関しては、後述する。
光路筺体11Aの開口部11aは、物理的に開口していてもよいし、例えばガラス、石英ガラス、透明サファイア又はアクリル樹脂等の透明材で窓を形成することにより、物理的には閉じているが光学的には透過部があるという構成でもよい。透明な窓材を設けることによって、光路筺体11A内部への塵等の侵入を防止でき、測定精度が劣化しないという利点がある。
本実施の形態では、図1の(b)に示すように、超小型の分光測定装置1Aを実現するために、例えば、厚さ0.5mm程度から1mm程度の薄い導光部14Aによって、照射光を測定領域となる開口部11aの周囲にガイドしている。薄い導光部14Aへ効率的に照射光を入射するために、本実施の形態では、発光素子15としてサイド発光型LED15aを採用している。サイド発光型LED15aの厚さは、例えば0.3mm程度から0.6mm程度であることが好ましい。本構成では、サイド発光型LED15aを1個搭載しているが、個数を増やすことによって、照射光の強度上げることができる。
また、本実施の形態では、サイド発光型LED15aを、電流供給用の配線を印刷したフレキシブル基板16に搭載して、該フレキシブル基板16を光路筺体11Aに貼り付けている。しかし、サイド発光型LED15aを光路筺体11Aに直接搭載し、リード線等によって配線しても構わない。
サイド発光型LED15aは、測定対象Mの分光測定に必要な適切な波長成分を備えた照射光の光源である。例えば、可視光域での反射率を測定する場合には、少なくとも400nmから700nm程度までの波長帯域で発光する白色LEDを選択することができる。また、近赤外領域反射率を測定するために、近赤外領域で発光するLEDを選択することも可能である。さらに、紫外光や近紫外光を励起光源として、測定対象Mにおいて励起される可視光や赤外光を分光する場合には、紫外発光LEDや近紫外発光LEDを使用することができる。複数のLEDを使用することも可能である。
また、サイド発光型LED15aの駆動電圧は例えば5V以下が好ましい。分光測定装置1Aを小型化する上では、分光センサとサイド発光型LED15aとは同じ電源で駆動できることが好ましく、USB等の汎用インターフェイスの電源がそのまま使える5V以下が好ましい。
光路筺体11A内に配置された集光レンズ12は、分光測定装置1Aを小型化するという観点から、測定対象Mに接触する開口部11aと半導体分光センサ13との略中央に位置することが好ましく、集光レンズ12の焦点距離は測定対象Mに接触する開口部11aと半導体分光センサ13との距離の略半分であることがさらに好ましい。
光路筺体11Aは、前述のように外部からのダストの侵入を防ぐために、完全に密封することも可能である。この場合は、結露等の問題を避けるために、内部にドライエアや窒素を充填することが好ましい。内部にシリカゲル等の除湿剤を配置してもよい。一方で、コストを優先する場合には、光路全体を密封しないで、外気と接続する空気の流路を設けてもよい。
また、本実施の形態では、半導体分光センサ13へ入射する迷光を低減するため、光路筺体11Aの内壁は可視光線を吸収する物質で覆っている。内壁を覆う物質としては、例えばカーボンブラックを含む材料が挙げられる。カーボンブラックは、可視光全域に対する吸収が大きく、光路内の迷光低減には有効である。ただし、カーボンブラックに限られず、他の物質でもよい。光吸収のための物質の形成手段としては、例えば、溶液状にして塗布したり、接着層を介して粉末状材料を接着したり、又はシート状のものを貼り付けたりすること等が考えられる。或いは、光路筺体11Aを構成する樹脂材料に、添加してもよい。
半導体分光センサ13は、本実施の形態では、透過波長帯域が互いに異なる光学フィルタを有する受光素子を多数配列した半導体センサからなっている。各フォトディテクタで検出した出力からアルゴリズムを用いてスペクトルを再構成している。半導体センサに用いる光学フィルタとしては、例えば量子ドットコロイドフィルタを利用することができる。
ここで、量子ドットとは、ZnSe、CdS、CdSeやInP等の化合物半導体材料で構成されたナノメータオーダーの超微粒子であり、材料と大きさによって決まる特定の波長帯の光を吸収するため、光に対するバンドパスフィルタとして利用できる。量子ドットコロイドフィルタを用いる場合、フォトディテクタ毎に、例えば大きさの異なる量子ドットからなる量子ドットコロイドフィルタを配置する。
ただし、分光測定装置1Aは、特定のフォトディテクタアレイ及び光学フィルタ内の構成要素の個数が限定されるものではなく、分光できる範囲や分解能が限定されるものでもない。
(分光測定装置の制御機構部の構成)
次に、分光測定装置1Aの制御機構部20について説明する。
分光測定装置1Aの制御機構部20は、通常、スマートフォン、タブレット又はPC等からなる制御装置21、USBやBluetooth(登録商標)等の汎用インターフェイスによって接続して使用されるため、制御装置21と接続するための回路基板22、測定を開始するためのスイッチ23、バッテリ24等を含んでいる。上記制御機構部20のうち制御装置21以外は、本体筐体25に収容されている。
回路基板22には、制御装置21とデータや指示を交信するための通信機能、半導体分光センサ13を駆動するための駆動回路、発光素子15を駆動するための駆動回路、スイッチ23からの信号を受けて、測定をスタートする機能を少なくとも含み、測定データを一時的に蓄える半導体メモリを有していることが好ましく、測定データを演算できる、演算機能を有することがさらに好ましい。測定は制御装置21と接続して行う以外に、分光測定装置1Aを制御装置21から切り離して、内臓のバッテリ24から供給される電力によって、分光測定装置1A単体で、測定を実行できることが望ましい。
半導体分光センサ13の測定データから、実際の分光スペクトルを再構成するためには、かなりの量の演算が必要であり、スペクトル自身がグラフ表示しなければ、判断することが難しく、分光測定装置1Aにスペクトル再構成機能を持たせることは必須ではなく、制御装置21において、分光スペクトルの再構成、表示を含む解析作業を行うことが好ましい。
(分光測定装置の動作手順)
次に、本実施の形態の分光測定装置1Aの動作手順について、図3に基づいて説明する。図3は、本実施の形態の分光測定装置1Aの動作手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、本実施の形態の分光測定装置1Aでは、準備段階として、先ず、分光測定装置1Aに電源投入される(S1)。次に、測定を開始するためにスイッチ23をONし、最初に、外光スペクトルBを測定する(S2)。すなわち、外光の影響を測定するため、測定対象Mに密着した状態で発光素子15を点灯せずに測定を行う。測定された外光スペクトルBは、回路基板22上の半導体メモリに記憶される(S3)。
次いで、発光素子15を点灯し(S4)、反射スペクトルSを測定し(S5)、測定終了と共に発光素子15を消灯する(S6)。
次いで、S5で測定した反射スペクトルSから、S2で測定してメモリに記憶された外光スペクトルBを減算し(S7)、その結果から、分光スペクトルSrを再構成する(S8)。分光スペクトルSrは一旦メモリに蓄えられ(S9)、必要に応じて校正用スペクトルReで除算される(S10)。
このようにして求められた分光スペクトルは、目的に応じて、種々に解析され(S11)、結果がディスプレイに表示される(S12)。
ここで、動作手順は、図3に示した方式に限らない。例えば、外光スペクトルBの影響が少ない場合は、外光スペクトルBの測定を省略することができる。また、反射スペクトルSの時間変化が大きい場合には、S4からS6を繰り返して時間的変化を追跡することができると共に、積算して平均化することも可能である。
(分光測定装置の校正手順)
次に、本実施の形態の分光測定装置1Aの校正用スペクトルReの取得手順の一例について説明する。Reの測定手順は、図3と類似している。標準白板を測定対象として、S1からS8までを実施した結果が校正用スペクトルとなり、これを校正用スペクトルReとしてメモリに記録すればよい。
問題は、標準白板は通常、光透過性が殆ど無いため、分光測定装置1Aを標準白板に押し当てただけでは、校正用スペクトルは測定できないことである。分光測定装置1Aは光をある程度透過する測定対象に用いることを前提としており、不透明試料の測定はそのままでは難しい。
そこで、例えば、図4に示すように、出射部11bと開口部11aとを覆う透明キャップ17を取り付け、これを介して標準白板のような不透明試料UCに分光測定装置1Aに押し当てることによって、校正用スペクトルReを取得することができる。透明キャップ17の厚さは、開口部11aの径の例えば0.5倍から2倍程度が好ましい。透明キャップ17を設けることよって、集光レンズ12が半導体分光センサ13へ光を最も効率良く集光する面と不透明試料UCの表面は一致しなくなり、校正用スペクトルの測定感度は低下する。したがって、発光ダイオード14の駆動電流を増やして、照射光強度を上げる、測定時間を長くする、又は積算回数を増やし、S/N比を上げる等の対策をすることが好ましい。
非常に単純化された分光測定装置1Aのような、超小型分光測定装置において、測定試料の内部拡散光のスペクトルを測定するためには、内部拡散光を取り込む開口部11aと光を照射する出射部11bの間に壁(この構成の場合、光路筺体11Aの先端)を設けざるを得ず、そのままで校正用スペクトルの取得は難しくなる。次善の策として、薄い透明材を不透明試料UCと分光測定装置1Aの間に設ける方法が可能である。校正用スペクトルを取得するだけなら、標準白板の表面に透明材を設けるだけでもよいが、図4に示す透明キャップ17を作っておけば、同じ分光測定装置1Aに透明キャップ17を付けるだけで、金属、陶磁器、不透明樹脂等の不透明試料の反射スペクトルの評価に用いることができるようになるという利点がある。
尚、図示しないが、照射光が不透明材料UCに入射するまでの間に透明材料によって生じる僅かな拡散を防ぐ目的のために、透明キャップ17の中心部に存在する開口部11a及び出射部11bの近傍を空洞とすることや、外光の影響を最小限に抑える目的のために、透明キャップ17の外周部を不透明材料によって構成することも可能である。
(産業上の応用例)
本実施の形態の分光測定装置1Aの産業上の応用例について、以下に説明する。本実施の形態の分光測定装置1Aの産業上の第1の応用例としては、例えば、人の肌の状態を解析する用途が挙げられる。
すなわち、サイド発光型LED15aから照射された照射光は出射部11bから測定対象Mである肌に入射され、皮膚内に侵入し、かつ皮膚内部を拡散しながら、開口部11aから皮膚外に拡散反射する成分を測定する。本実施の形態の分光測定装置1Aによれば、皮膚内部の拡散成分のみを検出することができる。
本実施の形態の分光測定装置1Aの構成を用いれば、従来であれば大型であり、かつ衝撃に弱いために大きな労力を必要としていた肌の状態の測定を、小型で耐久性が高く、いつでも持ち運び可能なハンディタイプの小型の分光測定装置1Aとすることができ、屋外に持ち出して化粧の状態を確認する用途等を考えることができる。特に、本実施の形態の分光測定装置1Aは微小領域が測定できることから、唇、目の下のクマ、爪等、人体の小さな領域も精度よく測定することができる。
さらに、部材のコストが大幅に下がることから、一般顧客が自分で購入できる価格を実現可能である。
次に、本実施の形態の分光測定装置1Aの産業上の第2の応用例としては、果物の糖度計としての利用が挙げられる。
すなわち、サイド発光型LED15aから照射された照射光は出射部11bから測定対象Mである果物に入射され、果物内に侵入し、かつ果物内部を拡散しながら、開口部11aから果物外に出射する成分のみを測定する。したがって、果物に含まれる糖類による吸収を反映するため、そのスペクトルを分析することにより糖度を非破壊に測定することができる。特に、本実施の形態の分光測定装置1Aは微小領域が測定できることから、イチゴやサクランボ等の小さな果実についても、枝や茎に生っている状態でも、精度よく測定することができる。
本実施の形態の分光測定装置1Aの構成を用いれば、従来であれば大型でありかつ衝撃に弱いために大きな労力を必要としていた果物の糖度測定を、果物を栽培する農家が気軽に測定可能となり、収穫した果物を糖度別に選別するために利用することも可能となる。
また、部材のコストが大幅に下がることから、商店の従業員が糖度を測定して顧客に訴求する用途や、一般顧客が本小型分光器を持ち歩き、商店において自分で果物を測定し、糖度の高い商品を購入するための判断材料とすることもできる。
このように、本実施の形態の分光測定装置1Aでは、測定対象Mからの光を集光する集光レンズ12と、集光レンズ12が集光した光を受光して分光スペクトルを検出する半導体分光センサ13と、測定対象Mの表面から半導体分光センサ13に至る光路を覆う光路筺体11Aとを備えている。そして、光路筺体11Aは、測定対象Mに接して測定対象Mからの光を内部に入射させる開口部11aと、開口部11aに隣接して測定対象Mに光を出射する光出射部とを備えている。
したがって、小型で携帯性に優れ、測定対象Mの反射スペクトルを高感度で簡便に測定し得る分光測定装置1Aを提供することができる。
また、本実施の形態における分光測定装置1Aでは、光出射部は、光路筺体11Aの外側に設けられた、光を出射する発光素子15としてのサイド発光型LED15aと、サイド発光型LED15aにて出射された光を開口部11aの周囲まで導く導光部14Aとからなり、導光部14Aの出射面としての出射部11bと開口部11aとは、光路筺体11Aの先端部によって隔絶されている。
これにより、光出射部はサイド発光型LED15aと導光部14Aとによって構成される。この結果、サイド発光型LED15aから光路筺体11Aの開口部11aの周囲までの距離が長くても導光部14Aを介して、効率よくサイド発光型LED15aにて出射した光を光路筺体11Aの開口部11aの周囲つまり測定対象Mの表面に照射することができる。
また、本実施の形態における分光測定装置1Aでは、導光部14Aは、測定対象Mに対向する出射面を除き、光遮蔽材で覆われている。これにより、導光部14Aに、サイド発光型LED15aの出射光以外の外光による迷光が入射されるということがない。したがって、半導体分光センサ13の検出精度を高めることができる。
また、本実施の形態における分光測定装置1Aでは、光遮蔽材は、導光部14Aの側面に対向して設けられた光反射材としての反射材14aを少なくとも含んでいる。尚、導光部14Aの側面とは、図1(a)に示す導光部14Aの断面図において、少なくとも、上部水平面と出射部11bとを除く部分を指す。
これにより、サイド発光型LED15aから導光部14Aに入射され、その一部が導光部14Aの側面から漏れたとしても反射材14aによって導光部14Aに戻される。
したがって、導光部14Aから出射される光量が変化するということがないので、半導体分光センサ13の検出精度を高めることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1の分光測定装置1Aでは、発光素子15はサイド発光型LED15aからなっており、導光部14Aが光路筺体11Aの全周を覆っていた。これに対して、本実施の形態の分光測定装置1Bでは、発光素子15がバスタブ型の白色LED15bからなっていると共に、導光部14Bが光路筺体11Aの一部のみを覆うように配置されている点が異なっている。
本実施の形態の分光測定装置1Bの構成を、図5の(a)(b)に基づいて説明する。図5の(a)は、本実施の態における分光測定装置1Bの構成を示す正面断面図である。図5の(b)は上記分光測定装置1Bの構成を示す側面図である。
本実施の形態の分光測定装置1Bでは、図5の(a)(b)に示すように、発光素子15は、バスタブ型の白色LED15bからなっていると共に、導光部14Bが光路筺体11Aの一部のみを覆うように配置されている。
この結果、本実施の形態の分光測定装置1Bでは、白色LED15bは、導光部14Bに対して、導光方向とは垂直な面から光を入射することとなるため、光散乱体14bを配置して、白色LED15bからの光を導光方向に散乱させている。尚、導光部14Aの周囲は、実施の形態1の分光測定装置1Aと同様に、反射材14aで覆われている。
一般に、サイド発光型LED15aに対して、バスタブ型の白色LED15bは、形状が大きく、光出力が大きく、かつ低価格である。したがって、本実施の形態の白色LED15bを備えた分光測定装置1Bの構成を採用することによって、全体としては低コストの分光測定装置1Bを提供することができる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1及び実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態3の分光測定装置1Cは、前記実施の形態1の分光測定装置1Aの構成に比べて、導光部14Aを備えておらず、発光素子15としての発光ダイオード15cの光出力を直接、測定対象Mの表面に入射するような配置となっている点が異なっている。
本実施の形態の分光測定装置1Cの構成を、図6の(a)(b)に基づいて説明する。図6の(a)は、本実施の態における分光測定装置1Cの構成を示す正面断面図である。図6の(b)は上記分光測定装置1Cの構成を示す側面図である。
本実施の形態の分光測定装置1Bは、図6の(a)(b)に示すように、前記実施の形態1の分光測定装置1Aの導光部14A自体や実施の形態2の分光測定装置1Bにおける導光部14B自体を備えておらず、かつ発光素子15としての発光ダイオード15cの光出力を直接、測定対象Mの表面に入射するような配置となっている。
発光ダイオード15cは、実施の形態1と同様にサイド発光型LED15aであることが好ましい。
本実施の形態の分光測定装置1Cでは、発光ダイオード15cを、電流供給用の配線を印刷したフレキシブル基板16に搭載し、フレキシブル基板16を光路筺体11Aに貼り付けている。
上記発光ダイオード15cの発光ダイオード15cの出射面は、図6の(a)(b)に示すように、光路筺体11Aの先端部に対して、上方側に僅かに後退していることが好ましい。光路筺体11Aの先端部を測定対象Mの表面に確実に接触させるためである。
本実施の形態においても、実施の形態1の分光測定装置1Aと同様に、発光ダイオード15cはLED保護材11cで覆われている。
上記LED保護材11cは、発光ダイオード15cの出射部を覆うので、透明で無ければならないが、それ以外の部分は、遮光性であることが好ましい。本構成は、実施形態1に比べて、導光部14Aを備えていいないために、低コストで製造できるという利点を有している。
このように、本実施の形態における分光測定装置1Cでは、光出射部は、光路筺体11Aの外側において開口部11aの近傍に設けられて、測定対象Mに斜めに光を出射する発光素子15としての発光ダイオード15cからなっており、光出射部と開口部11aとは、光路筺体11Aの先端部によって隔絶されている。
これにより、光出射部は発光ダイオード15cのみで構成されるので、構成を簡単にすることができる。また、発光ダイオード15cは、光路筺体11Aの先端部によって開口部11aから隔絶された測定対象Mの表面に光を照射するため、表面正反射光が半導体分光センサ13に入射する構造とはなっていない。
この結果、発光ダイオード15cによる表面照射光の正反射成分が大きく、測定対象Mの物質情報を含む内部拡散反射成分を捕え難いという問題は発生しない。
また、本実施の形態における分光測定装置1Cは、光出射部は、光路筺体11Aの外側において開口部11aの近傍に設けられて、測定対象Mに光を出射する発光素子としての発光ダイオード15cからなっており、発光ダイオード15cから出射された光が開口部11aにて測定対象Mの表面を照らすことによって、測定対象Mから表面反射光が生じる。
これにより、発光ダイオード15cは、開口部11aの測定対象M表面に光を照射する、この結果、測定対象Mの表面反射光を半導体分光センサ13に入射させることができるので、不透明な測定対象Mの表面反射のスペクトルを精度良く測定することができる。また、光出射部は発光ダイオード15cのみで構成されるので、構成を簡単にすることができる。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜実施の形態3と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の分光測定装置1Dは、前記実施の形態1の分光測定装置1Aの構成に比べて、図7に示すように、測定対象Mとして不透明試料UCの反射スペクトルを測定することを目的としている点が異なっている。
本実施の形態の分光測定装置1Dの構成を、図7に基づいて説明する。図7は、本実施の態における分光測定装置1Dの構成を示す正面断面図である。
本実施の形態4の分光測定装置1Dは、図7に示すように、測定対象Mとして不透明試料UCの反射スペクトルを測定することを目的としており、前記実施の形態3の分光測定装置1Cの構成に対して、光路筺体11Aの先端部に入射開口部11dが設けられており、入射開口部11dの上部に発光ダイオード15cが配置されている。
本実施の形態の分光測定装置1Dの構成では、発光ダイオード15cの出射光がそのまま光路筺体11Aの開口部11aにおける測定対象Mとしての不透明試料UCの表面に入射し、該不透明試料UCの表面の反射光を半導体分光センサ13が受光する。したがって、不透明試料UCに対しても、反射スペクトルを測定することができる。
本実施の形態では、入射開口部11dを形成したことによって、光路筺体11A内部に外光が入ることを防止する。このため、発光ダイオード15cを覆うLEDカバー部11eを設けることが好ましい。
尚、測定対象Mが透光性を有する場合には、測定対象Mの内部に入射した光による拡散反射光の測定も可能であるが、表面拡散反射成分が大きいため、内部拡散光のみを検出できる実施形態1〜3の構成に対しては、感度的には劣る。
〔実施の形態5〕
本発明のさらに他の実施の形態について図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態5の分光測定装置1Eは、測定対象Mとして、歯科医が口腔内において、歯や歯茎を分析するような用途に適しており、特に患者の口腔に直接接触する部分である光路筺体11Bを取り外して、洗浄、殺菌できる構造を実現するようになっている点が異なっている。
本実施の形態の分光測定装置1Eの構成を、図8の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図8の(a)は、本実施の形態における分光測定装置1Eの構成を示す正面断面図である。図8の(b)は上記分光測定装置1Eの本体筐体25の構成を示す断面図である。図8の(c)は上記分光測定装置1Eの光路筺体11Bの構成を示す断面図である。
分光測定装置1Eは、図8の(a)(b)(c)に示すように、本体筐体25と光路筺体11Bとを分離できるようになっている。
この結果、光路筺体11Bには、集光レンズ12を含む密閉された光路しか含まず、半導体分光センサ13や発光素子15としての発光ダイオード15cを始めとする全ての電気系の部品は本体筐体25に搭載されている。
光路筺体11Bと本体筐体25とは、接合部25aで切り離すことができる。その結果、患者の口腔に直接接触する恐れのある光路筺体11Bは、容易に洗浄、減菌することができる。電気系を含む本体筐体25は、患者の口腔に直接接触する恐れが無いため、洗浄や減菌工程を経る必要は無い。
本体筐体25と光路筺体11Bとの接続は、例えば、接合部25aの内側と、光路筺体11B上部の外側にねじ溝を切って置き、接合部25aに光路筺体11Bをねじ込むような接合方法が好ましい。或いは、接合部25aの内側にガイドとなる、凹凸を設けておき、単純に光路筺体11Bを差し込むだけもよい。
光路筺体11Bは、導光部14Aの両面に、光反射率の高い反射材14aを配置することによって、発光ダイオード15cの光を、少ないロスで、開口部11aの周囲の出射部11bから測定対象Mに照射できる。
光路筺体11Bのさらに内側には、光路内での外部からの迷光を低減すると共に、内部での光反射による迷光の発生を防ぐために、光吸収材11fを配置している。また、光路を密閉するために、開口部11aには、透明な対物窓18が設けられている。
さらに、光路筺体11Bの上部には受光側窓19aを有する蓋部19が設けられている。
本実施の形態の分光測定装置1Eでは、本体筐体25と光路筺体11Bとが接続された状態では、図8の(b)(c)に示すように、半導体分光センサ13の受光部13aに、光路筺体11Bの受光側窓19aが密着し、発光ダイオード15cに導光部14Aの断面が、密着する構成となっている。
発光ダイオード15cは、実施の形態1で用いたサイド発光型LED15aを4個配置しているが、必ずしも4個である必要はない。ただし、患部に対して、分光測定装置1Eを当てる向きによって、結果が変わることを防ぐためには、4個以上を点対称に配置することが好ましい。
このように、本実施の形態における分光測定装置1Eは、光路筺体11Bと、制御機構部20を備えた本体筐体25とを備えていると共に、光路筺体11Bが本体筐体25と分離可能となっている。
このため、光路筺体11Bを本体筐体25から分離して、洗浄又は減菌を行うことができる。この結果、洗浄又は減菌を行う部分を切り離し、かつコンパクトにして、容易に洗浄又は減菌を行うことができるという利便性を有している。
〔実施の形態6〕
本発明のさらに他の実施の形態について図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態5と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態5の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態6の分光測定装置1Fは、実施の形態5と同様に歯科医が口腔内において、歯や歯茎を分析するような用途に適しており、特に患者の口腔に直接接触する部分である光路筺体下部11Cbを、取り外して洗浄、殺菌できる構造を実現するようになっている点が異なっている。
本実施の形態の分光測定装置1Fの構成を、図9に基づいて説明する。図9は、本実施の形態における分光測定装置1Fの構成を示す正面断面図である。
前記実施の形態5の分光測定装置1Eでは、光路部分を一体で構成した光路筺体11Bとすることにより、該光路筺体11Bを、電気系を含む本体筐体25から、分離できる構成とした。
これに対して、本実施の形態の分光測定装置1Fでは、光路筺体上部11Caと光路筺体下部11Cbとを分離できる構成とし、集光レンズ12を含む光路筺体上部11Caを本体筐体25に一体化することによって、切り離し、洗浄又は減菌する部分である光路筺体下部11Cbを小さくしている。
このようにすることによって、患部に接触する恐れのある部分である光路筺体下部11Cbを、例えば使い捨てにすることが可能となり、医療現場の負担を軽減することができる。
本実施の形態の分光測定装置1Fの具体的構造としては、集光レンズ12から半導体分光センサ13に至る光路を覆う光路筺体上部11Caと、集光レンズ12よりも下部側の光路を覆う光路筺体下部11Cbとを、接合部11Ccにて切り離しすることができるようになっている。
上記光路筺体上部11Caと光路筺体下部11Cbとは、いずれも実施の形態5の光路筺体11Bと同様に反射材14a及び光吸収材11fを有している。また、光路筺体下部11Cbは開口部11aに対物窓18を有している。尚、光路筺体上部11Caは蓋部19を有していてもよいし、無くてもよい。
このように、本実施の形態における分光測定装置1Fは、光路筺体上部11Ca及び光路筺体下部11Cbと、制御機構部20を備えた本体筐体25とを備えていると共に、測定対象側先端部である光路筺体下部11Cbが分離可能となっている。
このため、光路筺体下部11Cbを分離して、洗浄又は減菌を行うことができる。この結果、分光測定装置1Fは、洗浄又は減菌を行う部分を切り離し、かつコンパクトにして、容易に洗浄又は減菌を行うことができるという利便性を有している。
〔まとめ〕
本発明の態様1における分光測定装置1A〜1Eは、測定対象Mからの光の分光スペクトルを測定する分光測定装置において、上記測定対象Mからの光を集光するレンズ(集光レンズ12)と、上記レンズ(集光レンズ12)が集光した光を受光して分光スペクトルを検出する半導体分光センサ13と、上記測定対象Mの表面から上記半導体分光センサ13に至る光路を覆う光路筺体11A・11Bとを備えていると共に、上記光路筺体11A・11Bは、上記測定対象Mに接して上記測定対象Mからの光を内部に入射させる開口部11aと、上記開口部11aに隣接して上記測定対象Mに光を出射する光出射部(発光素子15、導光部14A・14B)とを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、分光測定装置は、測定対象からの光をレンズにて集光し、レンズが集光した光を受光して分光スペクトルを検出する半導体分光センサとを備えている。このため、測定対象からの光を分光するための回折格子やプリズムを有していないので、分光測定装置が大型化するのを回避することができる。この結果、小型で携帯性に優れた分光測定装置を提供することができる。
また、本発明の一態様では、光路筺体は、測定対象に接して測定対象からの光を内部に入射させる開口部と、開口部に隣接して測定対象に光を出射する光出射部とを備えている。
このため、開口部に隣接する光出射部から測定対象に光が出射されると、測定対象からの反射光が、開口部を通した後、レンズにて集光され、その後、分光スペクトルにて受光された分光スペクトルが検出される。
そして、その間、測定対象の表面から半導体分光センサに至る光路は、光路筺体にて覆われているので、光路筺体の内部には測定対象からの反射光しか入射されない。この結果、外部からの迷光の入る余地がないので、迷光により検出感度が低下するということがない。
したがって、小型で携帯性に優れ、測定対象の反射スペクトルを高感度で簡便に測定し得る分光測定装置を提供することができる。
本発明の態様2における分光測定装置1Aは、態様1における分光測定装置において、前記光出射部は、前記光路筺体11Aの外側に設けられた、光を出射する発光素子15と、上記発光素子15にて出射された光を前記開口部11aの周囲まで導く導光部14A・14Bとからなり、上記導光部14A・14Bの出射面(出射部11b)と上記開口部11aとは、上記光路筺体11Aの先端部によって隔絶されている。
これにより、光出射部は発光素子と導光部とによって構成される。この結果、発光素子から光路筺体の開口部の周囲までの距離が長くても導光部を介して、効率よく発光素子にて出射した光を光路筺体の開口部の周囲つまり測定対象の表面に照射することができる。
特に、本発明の態様では、光路筺体の開口部を測定対象に密着させることによって、導光部の出射面から測定対象に照射された光は測定対象内部を通過して、開口部に達する。このため、出射光の表面反射光が半導体分光センサに入射する構造とはなっていない。この結果、発光素子による照射光の表面反射成分が大きく、測定対象の物質情報を含む内部拡散反射成分を捕え難いという問題は発生しない。
本発明の態様3における分光測定装置1A・1B・1E・1Fは、態様2における分光測定装置において、前記導光部4A・14Bは、前記測定対象Mに対向する出射面を除き、光遮蔽材で覆われていることが好ましい。
これにより、導光部に、発光素子の出射光以外の外光による迷光が入射されるということがない。したがって、半導体分光センサの検出精度を高めることができる。
本発明の態様4における分光測定装置1A・1B・1E・1Fは、態様3における分光測定装置において、前記光遮蔽材は、導光部の側面に対向して設けられた光反射材(反射材14a)を少なくとも含んでいることが好ましい。
これにより、導光部の側面には光反射材が設けられているので、発光素子から導光部に入射され、その一部が導光部の側面から漏れたとしても光反射材によって導光部に戻される。
したがって、導光部から出射される光量が変化するということがないので、半導体分光センサの検出精度を高めることができる。
本発明の態様5における分光測定装置1Cは、態様1における分光測定装置において、前記光出射部は、前記光路筺体11Aの外側において前記開口部11aの近傍に設けられて、前記測定対象Mに光を出射する発光素子15からなっており、上記光出射部と上記開口部11aとは、上記光路筺体11Aの先端部によって隔絶されている。
これにより、光出射部は発光素子のみで構成されるので、構成を簡単にすることができる。また、光路筺体の開口部を測定対象に密着させることによって、発光素子から測定対象に照射された光は測定対象内部を通過して、開口部に達する。このため、出射光の表面反射光が半導体分光センサに入射する構造とはなっていない。この結果、発光素子による照射光の表面反射成分が大きく、測定対象の物質情報を含む内部拡散反射成分を捕え難いという問題は発生しない。
本発明の態様6における分光測定装置1Cは、態様1における分光測定装置において、前記光出射部は、前記光路筺体11Aの外側において前記開口部11aの近傍に設けられて、前記測定対象Mに光を出射する発光素子15からなっており、上記発光素子15から出射された光が上記開口部11aにて上記測定対象Mの表面を照らすことによって、上記測定対象Mから表面反射光が生じる。
これにより、発光素子は、開口部の測定対象表面に光を照射する、この結果、測定対象の表面反射光を半導体分光センサに入射させることができるので、不透明な測定対象の表面反射のスペクトルを精度良く測定することができる。また、光出射部は発光素子のみで構成されるので、構成を簡単にすることができる。
本発明の態様7における分光測定装置1E・1Fは、態様1における分光測定装置において、前記光路筺体11Bと、制御機構部20を備えた本体筐体25とを備えていると共に、上記光路筺体11Bが上記本体筐体25と分離可能となっているか、又は上記光路筺体の測定対象側先端部(光路筺体下部11Cb)が分離可能となっていることが好ましい。
本発明の一態様における分光測定装置では、測定対象の表面を光路筺体の開口部に接触させて測定を行うので、測定対象によっては開口部が汚れる虞がある。
これに対して、本発明の一態様における分光測定装置では、光路筺体が本体筺体と分離可能となっているか、又は光路筺体の測定対象側先端部が分離可能となっている。
このため、光路筺体又は光路筺体の測定対象側先端部を分離して、洗浄又は減菌を行うことができる。
この結果、分光測定装置は、洗浄又は減菌を行う部分を切り離し、かつコンパクトにして、容易に洗浄又は減菌を行うことができるという利便性を有している。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1A〜1F 分光測定装置
10 光学部
11A・11B 光路筺体
11Ca 光路筺体上部
11Cb 光路筺体下部測定(測定対象側先端部)
11Cc 接合部
11a 開口部
11b 出射部
11c LED保護材
11d 入射開口部
11e LEDカバー部
11f 光吸収材
12 集光レンズ(レンズ)
13 半導体分光センサ
13a 受光部
14A・14B 導光部
14a 反射材(光反射材、光遮蔽材)
14b 光散乱体
15 発光素子
15a サイド発光型LED(発光素子)
15b 白色LED(発光素子)
15c 発光ダイオード(発光素子)
16 フレキシブル基板
17 透明キャップ
18 対物窓
19 蓋部
19a 受光側窓
20 制御機構部
21 制御装置
22 回路基板
23 スイッチ
24 バッテリ
25 本体筐体
25a 接合部
M 測定対象
UC 不透明試料

Claims (7)

  1. 測定対象からの光の分光スペクトルを測定する分光測定装置において、
    上記測定対象からの光を集光するレンズと、
    上記レンズが集光した光を受光して分光スペクトルを検出する半導体分光センサと、
    上記測定対象の表面から上記半導体分光センサに至る光路を覆う光路筺体とを備えていると共に、
    上記光路筺体は、上記測定対象に接して上記測定対象からの光を内部に入射させる開口部と、上記開口部に隣接して上記測定対象に光を出射する光出射部とを備えていることを特徴とする分光測定装置。
  2. 前記光出射部は、前記光路筺体の外側に設けられた、光を出射する発光素子と、上記発光素子にて出射された光を前記開口部の周囲まで導く導光部とからなり、
    上記導光部の出射面と上記開口部とは、上記光路筺体の先端部によって隔絶されていることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  3. 前記導光部は、前記測定対象に対向する出射面を除き、光遮蔽材で覆われていることを特徴とする請求項2に記載の分光測定装置。
  4. 前記光遮蔽材は、導光部の側面に対向して設けられた光反射材を少なくとも含んでいることを特徴とする請求項3に記載の分光測定装置。
  5. 前記光出射部は、前記光路筺体の外側において前記開口部の近傍に設けられて、前記測定対象に光を出射する発光素子からなっており、
    上記光出射部と上記開口部とは、上記光路筺体の先端部によって隔絶されていることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  6. 前記光出射部は、前記光路筺体の外側において前記開口部の近傍に設けられて、前記測定対象に光を出射する発光素子からなっており、
    上記発光素子から出射された光が上記開口部にて上記測定対象の表面を照らすことによって、上記測定対象から表面反射光が生じることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  7. 前記光路筺体と、制御機構部を備えた本体筺体とを備えていると共に、
    上記光路筺体が上記本体筺体と分離可能となっているか、又は上記光路筺体の測定対象側先端部が分離可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
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