JP2018025064A - 建築物構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱構造材料を連結した建築物構造体およびこの建築物構造体を製造する方法を提供すること。【解決手段】本発明の建築物構造体は、断熱パネルを中央部セメント硬化体層を介して二層積層した積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具と、隣接する積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具とが接合されてなり、該接合部が、シーリング材でシールされていることを特徴としている。【選択図】図1
Description
本発明は、断熱性を有するパネルを用いた建築物の断熱構造体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、建築物を構成する壁、床、天井などの構造体およびこのような構造体を製造する方法に関する。
建築物を構成する構造材料は、軽量でかつ高い断熱性を有することが望まれている。
このような構造材料として、セメント材料を発泡させて多数の気泡をセメント材料内に形成した構造材料が広く使用されている。しかしながら、この発泡させたセメント材料からなる構造材料は、セメント材料が発泡しているので構造材料内に連続気泡が存在し、外装材として使用する場合には構造材料内の連続気泡に水が侵入しないように防水塗装を施す必要がある。この防水塗装は経年劣化するために一定期間毎にこの防水塗装を繰り返す必要があった。このためこの構造材料を使用した場合、維持コストが相当高くなるという問題があった。
このような構造材料として、セメント材料を発泡させて多数の気泡をセメント材料内に形成した構造材料が広く使用されている。しかしながら、この発泡させたセメント材料からなる構造材料は、セメント材料が発泡しているので構造材料内に連続気泡が存在し、外装材として使用する場合には構造材料内の連続気泡に水が侵入しないように防水塗装を施す必要がある。この防水塗装は経年劣化するために一定期間毎にこの防水塗装を繰り返す必要があった。このためこの構造材料を使用した場合、維持コストが相当高くなるという問題があった。
一方、上記のようにセメント材料を発泡させずに、裏面から肉盗みをして押出成形することにより軽量化を図る方法が知られている。例えば特許文献1(特開平7−1424号公報)には、棒状中子に沿ってセメント材料を押出成形することにより、中空部を有する押出セメント板を製造する方法が開示されている。この方法により製造された押出セメント板は、中空部を有するため軽量化されるが、このような押出セメント板自体には断熱性はなく、このような押出セメント板を用いる場合、この押出セメント板の内側に断熱材を配置しなければならない。このために施工コストが高くなるという問題があった。
このような状況下に、本発明の出願人は、特許文献2(特願2015−24171号)により、発泡体を芯材としてその周囲をセメント材料で囲繞した新たな構造材料を提案している。この構造材料によれば、発泡体を芯材としてその周囲をセメント材料で囲繞しているので、外装材として使用したときに周囲に防水塗料を塗設する必要もなく、また芯材として発泡体を使用していることから、この構造材料自体が高い断熱性を有しており構造材料の内装材として新たに断熱材を配置する必要もない全く新規な構成を有する構造材料が提供される。
しかしながら、このような全く新規な構造材料を用いて形成された、壁体、床体などの建築物構造体に関しては具体的には知られていない。
しかしながら、このような全く新規な構造材料を用いて形成された、壁体、床体などの建築物構造体に関しては具体的には知られていない。
本発明は、断熱構造材料を連結した建築物構造体およびこの建築物構造体を製造する方法を提供することを目的としている。
さらに本発明は、断熱性を有し、かつ軽量な建築物構造体およびこの建築物構造体を製造する方法を提供することを目的としている。
さらに本発明は、断熱性を有し、かつ軽量な建築物構造体およびこの建築物構造体を製造する方法を提供することを目的としている。
本発明の建築物構造体は、断熱パネルを中央部セメント硬化体層を介して二層積層した積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具と、隣接する積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具とが接合されてなり、該接合部が、シーリング材でシールされていることを特徴としている。
本発明の建築物構造体においては、上記シーリング材が、セメントモルタルおよび/または変性シリコーンであることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、一方の積層断熱パネルと、他方の積層断熱パネルとが、角部柱状体を介して直角に接合され、該積層断熱パネルと角部柱状体との接合部がシーリング材でシールされていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、一方の積層断熱パネルと、他方の積層断熱パネルとが、角部柱状体を介して直角に接合され、該積層断熱パネルと角部柱状体との接合部がシーリング材でシールされていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、断熱パネルが、樹脂発泡体からなる芯材と、該芯材の周囲を囲繞するラス体と、該ラス体を伴って該芯材の周囲を囲繞するセメント硬化層とからなることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、角部柱状体が、周囲がラス体で囲繞された樹脂発泡体がセメント硬化層で囲繞された部材を含むことが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、接合された少なくとも2枚の積層断熱パネルの一方の側の表面にフックが形成されており、該少なくとも2枚の積層断熱パネルの接合部を跨ぐように横胴縁が該フックに固定されて配置されていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、接合された少なくとも2枚の積層断熱パネルの一方の側の表面にフックが形成されており、該少なくとも2枚の積層断熱パネルの接合部を跨ぐように横胴縁が該フックに固定されて配置されていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、フックが、アンカーによって断熱パネルに差し込み固定されていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、一方向に配置された横胴縁が、これと直行する積層断熱パネルに配置された横胴縁とL字型横胴縁固定具によって連結されていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、一方向に配置された横胴縁が、これと直行する積層断熱パネルに配置された横胴縁とL字型横胴縁固定具によって連結されていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、積層断熱パネルに形成された配筋係合具が、隣接する配筋係合具と結束および/または溶接により接合されていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、積層断熱パネルと横胴縁との間にスペーサーが配置されていることが好ましい。
本発明の建築物構造体においては、積層断熱パネルと横胴縁との間にスペーサーが配置されていることが好ましい。
本発明の建築物構造体は、断熱パネルを中央部セメント硬化体層を介して二層積層した積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具と、隣接する積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具とを接合して、接合部をシーリング材でシールすることにより形成することができる。
また、本発明の建築物構造体は、複数枚の積層断熱パネルを相互に直交して接合する場合には、断熱パネルを中央部セメント硬化体層を介して二層積層した積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具と、隣接する積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具とを角部柱状体の配筋係合具を介して接合して、積層断熱パネルと角部柱状体との間の接合部をシーリング材でシールすることにより形成することができる。
本発明によれば、断熱パネルを中央部セメント硬化体層(接合層)を介して二層積層した構造体を2つ以上接合して強固な建築物構造体を形成することができる。
こうして形成された建築物構造体は、軽量であり、しかも優れた断熱性も有すると共に、芯材として樹脂発泡体を用いた場合でも、芯材である樹脂発泡体が露出していないので、シロアリにより侵食されることもない。
こうして形成された建築物構造体は、軽量であり、しかも優れた断熱性も有すると共に、芯材として樹脂発泡体を用いた場合でも、芯材である樹脂発泡体が露出していないので、シロアリにより侵食されることもない。
以下、本発明の建築物構造体について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
本発明の建築物構造体は、図1に示すように、少なくとも2つの、好ましくは複数の積層断熱パネル30が接合することにより形成されている。
本発明の建築物構造体は、図1に示すように、少なくとも2つの、好ましくは複数の積層断熱パネル30が接合することにより形成されている。
図1には、直列に接合された複数の積層断熱パネルが接合した状態およびL字型に積層断熱パネルを継いだ状態が示されている。
ここで使用される積層断熱パネル30は、図2に示すように、横筋16および縦筋18が配置された中央部セメント硬化体層40と、この中央部セメント硬化体層40の一方の面にはセメント硬化層2(36)、芯材1(34)およびセメント硬化層1(32)をこの順序で有する第一の断熱パネルが配置され、また、中央部セメント硬化体層40の他方の面にはセメント硬化層3(43)、芯材2(44)およびセメント硬化層4(42)をこの順序で有する第二の断熱パネルが配置されている。ここで中央部セメント硬化体層40の一方の表面と、第一の断熱パネルを構成するセメント硬化層2(36)の表面とは区画できない程度に一体化しており、また中央部セメント硬化体層40の他方の表面と第二の断熱パネルを構成するセメント硬化層3(43)との表面とは区画ができない程度に一体化している。
ここで使用される積層断熱パネル30は、図2に示すように、横筋16および縦筋18が配置された中央部セメント硬化体層40と、この中央部セメント硬化体層40の一方の面にはセメント硬化層2(36)、芯材1(34)およびセメント硬化層1(32)をこの順序で有する第一の断熱パネルが配置され、また、中央部セメント硬化体層40の他方の面にはセメント硬化層3(43)、芯材2(44)およびセメント硬化層4(42)をこの順序で有する第二の断熱パネルが配置されている。ここで中央部セメント硬化体層40の一方の表面と、第一の断熱パネルを構成するセメント硬化層2(36)の表面とは区画できない程度に一体化しており、また中央部セメント硬化体層40の他方の表面と第二の断熱パネルを構成するセメント硬化層3(43)との表面とは区画ができない程度に一体化している。
第一の断熱パネルを構成する芯材1(34)および第二の断熱パネルを構成する芯材2(44)は、好ましくは共にポリスチレンのような樹脂の発泡体から形成されており、これらの芯材の発泡倍率は好ましくは15〜30倍である。発泡倍率が15倍に満たないと有効に樹脂発泡体を形成することが困難になり、また30倍を超えると樹脂発泡体の強度が低下し、断熱パネル自体の強度が充分に発現しないことがある。なお、第一の断熱パネルを形成する芯材1(34)と、第二の断熱パネルを形成する芯材2(44)とは異なるものであっても良いが、安定な積層断熱パネルを形成するためには、両者が同一の樹脂発泡体で形成されていることが好ましい。
この第一の断熱パネルを構成する芯材1(34)および第二の断熱パネルを構成する芯材2(44)の周囲は、金属のラス体(図示なし)で全周が囲繞されており、さらに好適には樹脂製のラス体(図示なし)で全周が囲繞されており、この金属製のラス体および樹脂製のラス体の内部にセメントモルタルが浸入して、これらのラス体を伴って第一の断熱パネルを構成する芯材1(34)および第二の断熱パネルを構成する芯材2(44)の表面に到達したセメントモルタルが硬化して、第一の断熱パネルを構成する芯材1(34)および第二の断熱パネルを構成する芯材2(44)の表面を緊密に被覆していることが好ましい。このような断熱パネルを用いることで、断熱性に優れる建築物構造体を得ることができ、建築物構造体を軽量化することができる。
従って、本発明で使用する積層断熱パネル30には、芯材として使用した樹脂発泡体の周囲は、全周がセメント硬化体で囲繞されており、芯材として使用した樹脂発泡体は露出していないことが好ましい。
中央部セメント硬化体層40中に埋設されている横筋16は、積層断熱パネル30の側縁部から延設されて、その先端が通常はL字型等に曲げられて横筋係合具(配筋接合具)17を形成している。また、縦筋18は、積層断熱パネル30の上端縁部および下端縁部から延設され、その先端が通常はL字型等に曲げられて縦筋係合具(配筋接合具)19を形成している。
図1に示すように積層断熱パネル30をL字に接合してコーナーを形成する場合には、図3Aおよび図3Bに示すような角部柱状体10を使用する。角部柱状体10の例としては、積層断熱パネル30をL字型に継ぐ場合に使用する断面A−1またはA−2で示す角部柱状体20または31と、積層断熱パネル30をT字型に継ぐ場合に使用する断面B−1またはB−2で示す角部柱状体39または50と、積層断熱パネル30を十文字に継ぐ場合に使用する断面C−1またはC−2で示される角部柱状体60または70とが挙げられる。
いずれの角部柱状体10も図3AのX−X断面の中心近傍に一本の縦筋12を有していることが好ましい。該縦筋12は、角部柱状体10から延設され、その先端が通常はL字型等に曲げられて縦筋係合具(配筋接合具)14を形成している。さらに、角部柱状体10は、側縁から延設された横筋16を有していることが好ましく、該横筋16は、その先端が通常はL字型等に曲げられて横筋係合具17を形成している。
断面(A−1)で表される角部柱状体20中には外周をセメント硬化体25で囲繞された断面L字型の、樹脂発泡体などからなる芯材−1(21)が配置されており、この断面L字型の芯材−1(21)の内縁に沿ってL字型に一体化された横筋−1(37)が角部柱状体20の縦方向に所定の間隔をおいて配置されている。この横筋−1(37)の間隔は、通常は10〜60cmの範囲内、好ましくは15〜50cmの範囲内にある。
断面(A−1)で示す角部柱状体20において、横筋−1(37)の芯材−1(21)とは反対側には、通常は外周をセメント硬化体25で囲繞された、樹脂発泡体などからなる芯材−2(22)が配置されており、角部柱状体20は、L字型芯材−1(21)と、横筋−1(37)と、芯材−2(22)とがセメント材料28で結合された、断面形状が(A−1)で表される断面四角形の角部柱状体である。なお、芯材−1(21)を屋外側に用いる場合、芯材−2(22)は断熱性能に大きな影響を与えないため、断面(A−2)で示すように芯材−2(22)をセメント材料28に置き換えてもよい。
(B−1)で表される断面を有する角部柱状体39は、セメント硬化体25で囲繞された断面矩形の芯材−1(21)が配置されており、この芯材−1(21)に沿うように横筋−1(45)が配置されている。この横筋−1(45)の中心付近から直角に横筋−2(46)が延設されており、この横筋−1(45)と横筋−2(46)との交点付近である角部柱状体39の中心部近傍には一本の縦筋12が配置されている。横筋−1(45)の芯材−1(21)とは反対側にはセメント硬化体25で囲繞された芯材−2(22)およびセメント硬化体25で囲繞された、樹脂発泡体などからなる芯材−3(23)を配置することもできるが、芯材−1(21)を屋外側に用いる場合、断面(B−2)に示すように、この芯材−2(22)および芯材−3(23)は断熱性には大きな影響を及ぼさないため、芯材−2(22)および芯材−3(23)をセメント材料28に置き換えてもよい。
上記のような各部材はセメント材料28で一体化されている。
上記のような各部材はセメント材料28で一体化されている。
(C−1)で表される断面を有する角部柱状体60は、十文字に配置された二本の横筋−1(51)および横筋−2(52)と、これらの横筋の交点付近に縦に貫く縦筋12とを有し、横筋で区切られた部分には、セメント硬化体25で囲繞された芯材−1(21)、セメント硬化体25で囲繞された芯材−2(22)、セメント硬化体25で囲繞された芯材−3(23)、および、セメント硬化体25で囲繞された、樹脂発泡体などからなる芯材−4(24)が配置されている。
積層断熱パネル30を十文字に継ぎ合わせて建築物構造体を形成する場合には、このつなぎ部分は室内になるので、この場合には上記芯材を配置しなくとも建築物の断熱性に特に影響はないため、断面(C−2)に示すように、断面(C−1)において、芯材−1(21)、芯材−2(22)、芯材−3(23)および芯材−4(24)をセメント材料28に置き換えてもよい。
上記のような各部材はセメント材料28で一体化されている。
上記角部柱状体10は、樹脂発泡体などからなる芯材の全周が金属のラス体で囲繞されており、さらに好適には樹脂製のラス体(図示なし)で全周が囲繞されており、この金属製のラス体および/または樹脂製のラス体を伴って芯材の全周がセメント硬化層で囲繞されている部材を含むことが好ましく、このような部材としては、具体的には、上記セメント硬化体で囲繞された芯材が挙げられる。上記部材を含む角部柱状体を用いることで、断熱性に優れる建築物構造体を得ることができ、建築物構造体を軽量化することができる。
上記角部柱状体10は、樹脂発泡体などからなる芯材の全周が金属のラス体で囲繞されており、さらに好適には樹脂製のラス体(図示なし)で全周が囲繞されており、この金属製のラス体および/または樹脂製のラス体を伴って芯材の全周がセメント硬化層で囲繞されている部材を含むことが好ましく、このような部材としては、具体的には、上記セメント硬化体で囲繞された芯材が挙げられる。上記部材を含む角部柱状体を用いることで、断熱性に優れる建築物構造体を得ることができ、建築物構造体を軽量化することができる。
本発明の建築物構造体は、図1に示す積層断熱パネル30aと30bとを直列につなげる場合には、まず、積層断熱パネル30aの横筋16に設けられた横筋係合具17と、隣接する積層断熱パネル30bの横筋16に設けられた横筋係合具17とを接合させる。これらの横筋係合具17の接合には、接合具を結束してもよいし、溶接してもよい。このように横筋係合具17を接合させると、積層断熱パネル30aと30bとの間には間隙ができるので、この間隙を埋めるようにシーリング材29でシールする。
すなわち、隣接する積層断熱パネル30を相互に接合するためには、隣接する積層断熱パネルの側縁から延設された横筋の先端部に形成された横筋係合具を、結束あるいは溶接することにより一体化し、次いでこの係合部をシーリング材29でシールすることにより、完全に接合することができる。
このシールに使用するシーリング材29としては、シリコーン製シーリング材、変性シリコーン製シーリング材、ウレタン系シーリング材、アクリル系シーリング材などの樹脂系シーリング材を使用することができる他、セメントモルタルを使用することができる。特に本発明では、セメントモルタルを使用してシーリングをした後、変性シリコーン系シーリング材のような樹脂系シーリング材でシールすることが好ましい。セメントモルタルを接合部シーリング材として使用し、さらに変性シリコーン系シーリング材などの樹脂系シーリング材を使用してシールすることにより、セメントモルタルが硬化後、積層断熱パネル30とシーリング材とが一体化して高い強度が発現すると共に、変性シリコーン系シーリング材等の樹脂系シーリング材により優れた断熱性も発現する。
積層断熱パネル30をL字に継ぐ場合には、図1に示すように、角部柱状体10、具体的には、図3BのA−1またはA−2で示されるような断面構造を有する角部柱状体10を使用し、角部柱状体10の横筋16の先端部に形成されている横筋係合具17と、積層断熱パネル30bの側縁に形成されている横筋係合具17とを結束あるいは溶接する。このようにして形成された積層断熱パネル30bと角部柱状体10との接合体の、角部柱状体10の横筋16の先端部に形成されている横筋係合具17と、積層断熱パネル30cの縁部に形成された横筋係合具17とを結束あるいは溶接することにより、積層断熱パネル30bと積層断熱パネル30cとがL字を形成する建築物構造体を製造することができる。
なお、上記のようにして一体化された積層断熱パネル30bまたは積層断熱パネル30cと角部柱状体10との間隙には、上述したシーリング材を充填して硬化させることにより、建築物構造体に強度と断熱性を付与することができる。殊に、角部柱状体10として、角部柱状体20や31を用いる場合、該角部柱状体内には断面L字型の芯材が配置されているので、角部柱状体自体も充分な断熱性を有する。
本発明の建築物構造体には、少なくとも2枚の積層断熱パネルの接合部を跨ぐように横胴縁85を配置することが好ましい。
この横胴縁85は、積層断熱パネル30の表面に設置されたフック71に挟み込むようにして設置することができる。ここで使用されるフック71は、図4に示すように、基板部78と張出部75とを有し、基板部78と張出部75との間に横胴縁85を挟み込むことにより、積層断熱パネル30表面に配置することができるように構成されている。
この横胴縁85は、積層断熱パネル30の表面に設置されたフック71に挟み込むようにして設置することができる。ここで使用されるフック71は、図4に示すように、基板部78と張出部75とを有し、基板部78と張出部75との間に横胴縁85を挟み込むことにより、積層断熱パネル30表面に配置することができるように構成されている。
このフック71の基板部78の裏面には差込部(アンカー)77が形成されており、セメント硬化層−1(32)、芯材1(34)およびセメント硬化層−2(36)からなる第一の断熱パネルのセメント硬化層−1(32)が硬化する前に断熱パネルの表面から突き刺して固定させることができる。
また、このフック71にはネジ穴79が四ヶ所設けられており、上記のセメント硬化層−1(32)が硬化する前に、セメント硬化層−1(32)に対して螺旋をねじ込むことにより、より安定にフック71を断熱パネル表面に固定することができる。このフック71は、通常は、鉄、アルミニウムなどの金属で形成されている。さらに、上記フック71には、釘穴76が二ヶ所設けられており、釘などにより、横胴縁85とフック71とを固定することができる。
上記のようなフック71を設置して横胴縁85を配置すると、フック71が形成されていない部分で、横胴縁85と積層断熱パネル30との間に間隙が形成され、横胴縁85が不安定になることがあるので、これを防止するために、スペーサー73を配置することが好ましい。このスペーサー73は、フック71と同様に基板部78の裏面部に差込部(アンカー)77が形成されており、またネジ穴72が二カ所に形成されている。
このスペーサー73はフック71と同様に、セメント硬化層−1(32)、芯材−1(34)およびセメント硬化層−2(36)からなる第一の断熱パネルのセメント硬化層−1(32)が硬化する前に断熱パネルの表面から突き刺して固定すると共に、セメント硬化層−1(32)に対して螺旋をねじ込むことにより、スペーサー73を断熱パネル表面に安定に固定させることができる。
上記のようにしてスペーサー73を配置することにより、横胴縁85を安定させることができる。このスペーサー73は、通常は、鉄、アルミニウムなどの金属で形成されている。
上記のようにして配置した横胴縁85は、建築物構造体の角部でL字型横胴縁固定具80を用いて直行する横胴縁85を相互に固定することが好ましい。このL字型横胴縁固定具80は、通常は、鉄、アルミニウムなどの金属で形成されている。
このようにして横胴縁85を配置し、L字型横胴縁固定具80を用いて相互に固定することにより、積層断熱パネルをより安定に設置することができると共に、この横胴縁85に対して内装材(図示なし)を配置することができるので、内装工事が容易になるとの利点もある。従って、この横胴縁85は釘打ちが可能な木材からなることが好ましい。
さらに、この横胴縁85は、積層断熱パネル30のシーリング材29部分を跨ぐようにして配置されているので、積層断熱パネル30を継いだ部分の強度を補填することができる。また、直角に継いだ積層断熱パネルの横胴縁85をL字型横胴縁固定具80で接合しているので、強度が低くなると思われがちな角部柱状体10の配置位置近傍の強度および安定性を補填することも可能である。
本発明の建築物構造体で、積層断熱パネル30をT字に継ぐ場合には、前述のように図3BのB−1の断面構造を有する角部柱状体39またはB−2の断面構造を有する角部柱状体50を使用する。このようなT字型の横筋を有する角部柱状体10を用いて、上記と同様にして積層断熱パネルを継ぐことにより、T字型の建築物構造体を形成することができる。また、こうして形成されたT字型の建築物構造体には、上記と同様に横胴縁85を配置することが好ましい。この場合、T字の付け根部分(脚の部分)の両面に横胴縁85を設けることが好ましい。
本発明の建築物構造体で、積層断熱パネル30を十文字に継ぐ場合には、上述のように図3BのC−1の断面構造を有する角部柱状体60またはC−2の断面構造を有する角部柱状体70を使用する。このような十文字の横筋を有する角部柱状体を用いて、上記と同様にして積層断熱パネルを継ぐことにより、十文字型の建築物構造体を形成することができる。また、こうして形成された十文字型の建築物構造体には、上記と同様に横胴縁85を配置することが好ましい。この場合、十文字に継がれた建築物構造体の全面には横胴縁85を設けることが好ましい。
上記説明は積層断熱パネル30を用いて壁体を形成する例であるが、これを横にすることにより、床体、天井体などを形成することができる。この場合には、上記横胴縁と共に、または、横胴縁の代わりに、積層断熱パネルの縦方向に延在する縦胴縁を用いてもよい。
本発明の建築物構造体は、例えば壁体として使用する場合には、表面に表面壁材を配置して使用してもよいし、床体として使用する場合には表面に床材を配置して使用してもよいし、天井体として使用する場合には天井材を配置して使用してもよい。
また、本発明において積層断熱パネル30の縦筋に設けられた縦筋係合具を用いて積層断熱パネルを縦に継ぐことにより、二階建てあるいは三階建てのような多層階建ての建築物構造体等を形成することができる。
上記のようにして形成された建築物構造体は、軽量であるので、大型の建築機器を使用しなくとも構築が可能である。また芯材として樹脂発泡体を二重に使用する場合には断熱性にも優れ、しかも、芯材として使用される樹脂発泡体の周囲がセメント硬化層で囲繞され、樹脂発泡体が露出している部分がない場合には、建築物構造体にシロアリが侵入することがなく、該建築物構造体は、長期間安定に保たれ、さらに、本発明の建築物硬化体は耐火性にも優れている。
なお、本発明の建築物構造体は、躯体を形成するものであり、外装材、内装材などを通常の工法に従って形成することができる。外装材を配置する場合には、上記詳述した横胴縁或いは縦胴縁(図示なし)を同様にして本発明の建築物構造体の外周面に配置することが好ましい。
10・・・角部柱状体
12・・・縦筋
14・・・縦筋係合具(配筋接合具)
16・・・横筋
17・・・横筋係合具(配筋接合具)
18・・・縦筋
19・・・縦筋係合具(配筋接合具)
20・・・角部柱状体
21・・・芯材−1
22・・・芯材−2
23・・・芯材−3
24・・・芯材−4
25・・・セメント硬化体
28・・・セメント材料
29・・・シーリング材
30・・・積層断熱パネル
31・・・角部柱状体
30a・・・積層断熱パネル
30b・・・積層断熱パネル
30c・・・積層断熱パネル
30d・・・積層断熱パネル
31・・・角部柱状体
32・・・セメント硬化層−1
34・・・芯材1
36・・・セメント硬化層−2
37・・・横筋−1
39・・・角部柱状体
40・・・中央部セメント硬化体層
42・・・セメント硬化層−4
43・・・セメント硬化層−3
44・・・芯材2
45・・・横筋−1
46・・・横筋−2
50・・・角部柱状体
51・・・横筋−1
52・・・横筋−2
60・・・角部柱状体
70・・・角部柱状体
71・・・フック
72・・・ネジ穴
73・・・スペーサー
75・・・張出部
76・・・釘穴
77・・・差込部(アンカー)
78・・・基板部
79・・・ネジ穴
80・・・L字型横胴縁固定具
85・・・横胴縁
12・・・縦筋
14・・・縦筋係合具(配筋接合具)
16・・・横筋
17・・・横筋係合具(配筋接合具)
18・・・縦筋
19・・・縦筋係合具(配筋接合具)
20・・・角部柱状体
21・・・芯材−1
22・・・芯材−2
23・・・芯材−3
24・・・芯材−4
25・・・セメント硬化体
28・・・セメント材料
29・・・シーリング材
30・・・積層断熱パネル
31・・・角部柱状体
30a・・・積層断熱パネル
30b・・・積層断熱パネル
30c・・・積層断熱パネル
30d・・・積層断熱パネル
31・・・角部柱状体
32・・・セメント硬化層−1
34・・・芯材1
36・・・セメント硬化層−2
37・・・横筋−1
39・・・角部柱状体
40・・・中央部セメント硬化体層
42・・・セメント硬化層−4
43・・・セメント硬化層−3
44・・・芯材2
45・・・横筋−1
46・・・横筋−2
50・・・角部柱状体
51・・・横筋−1
52・・・横筋−2
60・・・角部柱状体
70・・・角部柱状体
71・・・フック
72・・・ネジ穴
73・・・スペーサー
75・・・張出部
76・・・釘穴
77・・・差込部(アンカー)
78・・・基板部
79・・・ネジ穴
80・・・L字型横胴縁固定具
85・・・横胴縁
Claims (12)
- 断熱パネルを中央部セメント硬化体層を介して二層積層した積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具と、隣接する積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具とが接合されてなり、該接合部が、シーリング材でシールされていることを特徴とする建築物構造体。
- 上記シーリング材が、セメントモルタルおよび/または変性シリコーンであることを特徴とする請求項1に記載の建築物構造体。
- 上記一方の積層断熱パネルと、他方の積層断熱パネルとが、角部柱状体を介して直角に接合され、該積層断熱パネルと角部柱状体との接合部がシーリング材でシールされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建築物構造体。
- 上記断熱パネルが、樹脂発泡体からなる芯材と、該芯材の周囲を囲繞するラス体と、該ラス体を伴って該芯材の周囲を囲繞するセメント硬化層とからなることを特徴とする請求項1に記載の建築物構造体。
- 上記角部柱状体が、周囲がラス体で囲繞された樹脂発泡体がセメント硬化層で囲繞された部材を含むことを特徴とする請求項3に記載の建築物構造体。
- 上記接合された少なくとも2枚の積層断熱パネルの一方の側の表面にフックが形成されており、該少なくとも2枚の積層断熱パネルの接合部を跨ぐように横胴縁が該フックに固定されて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の建築物構造体。
- 上記フックが、アンカーによって断熱パネルに差し込み固定されていることを特徴とする請求項6に記載の建築物構造体。
- 一方向に配置された横胴縁が、これと直行する積層断熱パネルに配置された横胴縁とL字型横胴縁固定具によって連結されていることを特徴とする請求項6に記載の建築物構造体。
- 上記積層断熱パネルに形成された配筋係合具が、隣接する配筋係合具と結束および/または溶接により接合されていることを特徴とする請求項1に記載の建築物構造体。
- 上記積層断熱パネルと横胴縁との間にスペーサーが配置されていることを特徴とする請求項6に記載の建築物構造体。
- 断熱パネルを中央部セメント硬化体層を介して二層積層した積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具と、隣接する積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具とを接合して、接合部をシーリング材でシールすることにより建築物構造体を製造する方法。
- 断熱パネルを中央部セメント硬化体層を介して二層積層した積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具と、隣接する積層断熱パネルの中央部セメント硬化体層から延設された配筋係合具とを角部柱状体の配筋係合具を介して接合して、積層断熱パネルと角部柱状体との間の接合部をシーリング材でシールすることにより建築物構造体を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016158501A JP2018025064A (ja) | 2016-08-12 | 2016-08-12 | 建築物構造体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016158501A JP2018025064A (ja) | 2016-08-12 | 2016-08-12 | 建築物構造体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018025064A true JP2018025064A (ja) | 2018-02-15 |
Family
ID=61195253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016158501A Pending JP2018025064A (ja) | 2016-08-12 | 2016-08-12 | 建築物構造体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018025064A (ja) |
-
2016
- 2016-08-12 JP JP2016158501A patent/JP2018025064A/ja active Pending
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