JP2018024837A - 発泡成形用樹脂組成物並びにそれを含む発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents

発泡成形用樹脂組成物並びにそれを含む発泡成形体及びその製造方法 Download PDF

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久保 昌宏
Masahiro Kubo
昌宏 久保
匡貴 岡野
Masaki Okano
匡貴 岡野
望 藤井
Nozomi Fujii
望 藤井
洋平 郡
Yohei Koori
洋平 郡
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Abstract

【課題】発泡成形時の金型転写性に優れる発泡成形用樹脂組成物、並びに外観に優れるとともに、成形体内部の発泡均一性に優れた成形体及びその製造方法を提供する。【解決手段】(a)融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gであり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(A)0.5〜20質量%、及び(b)ポリプロピレン系樹脂(B)80〜99.5質量%を含み(ただし、オレフィン系重合体(A)及びポリプロピレン系樹脂(B)の合計含有量を100質量%とする)、かつ、メルトフローレートが1〜100g/10minである、発泡成形用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡成形用樹脂組成物並びにそれを含む発泡成形体及びその製造方法に関する。
ポリプロピレンは耐熱性や耐薬品性に優れた材料であり、特にポリプロピレンの発泡成形体は、軽量性、緩衝性、断熱性等に優れる(例えば特許文献1を参照)。
特開2007−291233号公報
しかしながら、ポリプロピレンの発泡成形体は、金型転写性に劣るため意匠性に劣る。具体的には、ポリプロピレン及び発泡剤を含む樹脂組成物を射出成形すると、樹脂組成物の流動末端では圧力が開放されて気泡が大きく成長する。この気泡が大きな剪断を受けて引き伸ばされ、最終的に破裂して筋状に凹凸を生じることで、スワールマークと呼ばれる発泡痕が成形体表面に形成されてしまう。
また、特にコアバック成形の場合、適正なコアバックのタイミングの幅が狭く、十分な成形品外観(光沢)を得ようとすると成形体内部の発泡性が不均一となる場合があった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、発泡成形時の金型転写性に優れる発泡成形用樹脂組成物を提供することにあり、当該樹脂組成物によって成形品外観に優れるとともに、成形体内部の発泡均一性に優れた成形体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ポリプロピレン系樹脂(B)に対して融解吸熱量が相対的に低い特定のオレフィン系重合体(A)を所定量配合した、特定のメルトフローレートを有する発泡成形用樹脂組成物により、前記課題が解決することを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本願開示は、以下に関する。
<1>(a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH−D)が0J/g以上80J/g以下であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(A)1質量%以上20質量%以下、及び
(b)ポリプロピレン系樹脂(B)(ただし、オレフィン系重合体(A)に該当するものを除く)80質量%以上99質量%以下
を含み(ただし、オレフィン系重合体(A)及びポリプロピレン系樹脂(B)の合計含有量を100質量%とする)、かつ、メルトフローレートが1g/10min以上100g/10min以下である、発泡成形用樹脂組成物。
<2>前記樹脂組成物の半結晶化時間が、前記ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間より長い、上記<1>に記載の発泡成形用樹脂組成物。
<3>前記樹脂組成物の半結晶化時間が、前記ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間の1.05倍以上である、上記<1>又は<2>に記載の発泡成形用樹脂組成物。
<4>前記樹脂組成物の半結晶化時間が、20℃から60℃までの間において、前記ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間の1.05倍以上である、上記<3>に記載の発泡成形用樹脂組成物。
<5>発泡剤(C)を更に含み、発泡剤(C)の含有量が、オレフィン系重合体(A)及びポリプロピレン系樹脂(B)の合計含有量100質量部に対して1質量部以上5質量部以下である、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
<6>前記オレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体である、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
<7>前記オレフィン系重合体(A)が、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーであるプロピレン系重合体(a1)である、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
<8>前記プロピレン系重合体(a1)が下記(i)及び(ii)のうち少なくとも一つを満たす、上記<7>に記載の発泡成形用樹脂組成物。
(i)エチレンの構成単位が0モル%を超えて、20モル%以下で含まれる。
(ii)1−ブテンの構成単位が0モル%を超えて、30モル%以下で含まれる。
<9>前記プロピレン系重合体(a1)が下記(1)を満たす、上記<7>に記載の発泡成形用樹脂組成物。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上60モル%以下である。
<10>前記プロピレン系重合体(a1)が下記(2)を満たす、上記<7>〜<9>のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
(2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0℃以上120℃以下である。
<11>前記プロピレン系重合体(a1)が下記(3)を満たす、上記<9>又は<10>に記載の発泡成形用樹脂組成物。
(3)[rrrr]/(100−[mmmm])の値が0.1以下である。
<12>前記プロピレン系重合体(a1)が下記(4)を満たす、上記<9>〜<11>のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
(4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%を超える。
<13>前記プロピレン系重合体(a1)が下記(5)を満たす、上記<9>〜<12>のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
(5)[mm]×[rr]/[mr]2の値が2.0以下である。
<14>上記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含む発泡射出成形体。
<15>上記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を溶融させ、溶融状態の樹脂組成物に超臨界状態の物理発泡剤を含有させる溶融工程と、
前記工程で得られる溶融樹脂を、可動側金型と固定側金型との間に形成されるキャビティ内に充填する充填工程と、
前記可動側金型を移動させてキャビティ容積を拡張し、前記キャビティ内に充填された前記溶融樹脂を発泡させる発泡工程と、を有する発泡射出成形体の製造方法。
本願開示の一態様の発泡成形用樹脂組成物は、曲げ強度に優れ、かつ発泡成形時の金型転写性に優れる。当該樹脂組成物を用いて得られる発泡成形体は、外観に優れるとともに成形体内部の発泡均一性に優れるものであり、自動車部品の緩衝材や、建築用部材、土木用部材、食品容器等の用途に好適である。
本発明の樹脂組成物を発泡成形するための成形装置を模式的に示す断面図である。 図1の金型組を拡大して示す拡大断面図である。 実施例7及び比較例3において、それぞれコアバックタイミング0秒及び8秒で得られた成形体について、X線CT装置(ヤマト科学(株)製:商品名「TDM1000−IS」)で撮影し、得られた断面の画像である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、数値の記載に関する「A〜B」という用語は、「A以上B以下」(A<Bの場合)又は「A以下B以上」(A>Bの場合)を意味する。また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。本明細書中において、「(a)成分」と「オレフィン系重合体(A)」、「(b)成分」と「ポリプロピレン系樹脂(B)」、「(c)成分」と「発泡剤(C)」はそれぞれ同義である。
[発泡成形用樹脂組成物]
本発明の発泡成形用樹脂組成物は、(a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH−D)が0J/g以上80J/g以下であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(A)0.5質量%以上20質量%以下、及び(b)ポリプロピレン系樹脂(B)80質量%以上99.5質量%以下を含み(ただし、オレフィン系重合体(A)及びポリプロピレン系樹脂(B)の合計含有量を100質量%とする)、かつ、メルトフローレートが1g/10min以上100g/10min以下である。ここで、ポリプロピレン系樹脂(B)は、オレフィン系重合体(A)に該当するものを除く。本発明の発泡成形用樹脂組成物は、曲げ強度に優れ、かつ発泡成形時の金型転写性に優れ、スワールマークのない外観に優れた成形体を得ることができる。
<オレフィン系重合体(A)>
本発明に用いられる(a)成分であるオレフィン系重合体(A)は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0J/g以上80J/g以下であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満である。
本明細書において、オレフィン系重合体(A)は、ポリプロピレン系樹脂(B)とは明確に区別されるものであり、ポリプロピレン系樹脂(B)にはオレフィン系重合体(A)に該当するものは含まれない。
オレフィン系重合体(A)は、ポリプロピレン系樹脂(B)に比べて結晶化速度が遅い。また、オレフィン系重合体(A)は、ポリプロピレン系樹脂(B)に対して相溶性が高く、オレフィン系重合体(A)がポリプロピレン系樹脂(B)と相溶して結晶化速度を抑制し、樹脂組成物の流動性を向上させることができる。そのため、所定量のオレフィン系重合体(A)をポリプロピレン系樹脂(B)に配合した本発明の樹脂組成物を射出成形すると、樹脂組成物の流動末端では圧力が開放されて気泡が大きく成長するが、気泡破裂が生じても樹脂組成物は流動性を有しているためスワールマークの形成を抑制することができる。
オレフィン系重合体(A)は、エチレン及び炭素数3〜28のα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーを重合してなるオレフィン系重合体が好ましい。
炭素数3〜28のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン及び1−イコセン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは炭素数3〜24のα−オレフィン、より好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン、更に好ましくは炭素数3〜6のα−オレフィン、特に好ましくは炭素数3〜4のα−オレフィン、最も好ましくはプロピレンである。
オレフィン系重合体(A)としては、これらのうちの1種を単独で重合したオレフィン系重合体を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて共重合して得られるオレフィン系共重合体を使用してもよい。なお、本明細書中において、単に「オレフィン系重合体」という場合には、オレフィン系共重合体も含まれる。オレフィン系共重合体としては、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がエチレンモノマーであるエチレン系重合体、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーであるプロピレン系重合体(a1)、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がブテンモノマーであるブテン系重合体などが挙げられる。
主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)との相溶性の観点から、オレフィン系重合体(A)は、好ましくはプロピレン系重合体であり、より好ましくプロピレン系重合体(a1)である。
プロピレン系重合体(a1)としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、又はプロピレン−α−オレフィングラフト共重合体等から選択されるプロピレン系重合体であることが好ましく、特にプロピレン単独重合体やプロピレン−エチレンブロック共重合体が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物において、主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)との相溶性の観点から、プロピレン系重合体(a1)は、炭素数が2のオレフィンを含有する共重合体の場合には、炭素数が2のオレフィン(すなわち、エチレンモノマー)の構成単位が、好ましくは0モル%を超え20モル%以下、より好ましくは0モル%を超え18モル%以下、更に好ましくは0モル%を超え15モル%以下、より更に好ましくは0モル%を超え13モル%以下である。また、炭素数が3のオレフィンを含有する共重合体の場合には、炭素数が3のオレフィン(すなわち、プロピレンモノマー)の構成単位が、好ましくは50モル%以上、より好ましくは65モル%以上、更に好ましくは75モル%以上、より更に好ましくは80モル%以上である。また、炭素数が4以上のαオレフィンを含有する共重合体の場合には、炭素数が4以上のα−オレフィン含有量が、好ましくは0モル%を超え30モル%以下、より好ましくは0モル%を超え27モル%以下、更に好ましくは0モル%を超え20モル%以下である。
前記プロピレン系重合体(a1)が共重合体である場合は、下記(i)及び(ii)のうち少なくとも一つを満たすことがより好ましい。
(i)エチレンの構成単位が0モル%を超えて、20モル%以下で含まれる。
(ii)1−ブテンの構成単位が0モル%を超えて、30モル%以下で含まれる。
また、本発明の樹脂組成物において、主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)との相溶性等の観点から、オレフィン系重合体(A)は、最も好ましくはプロピレン単独重合体である。なお、上記の重合体は、石油・石炭由来のモノマーを用いた重合体でもよいし、バイオマス由来のモノマーを用いた重合体でもよい。
樹脂組成物の力学特性に影響を与えることなく、樹脂組成物の流動性及び金型転写性を大幅に改善する観点から、オレフィン系重合体(A)は、下記融解吸熱量(ΔH−D)及び分子量分布(Mw/Mn)を有し、好ましくは更に後述の特性を有する。
(融解吸熱量(ΔH−D))
オレフィン系重合体(A)の融解吸熱量(ΔH−D)は、0J/g以上80J/g以下である。オレフィン系重合体(A)の融解吸熱量(ΔH−D)が当該範囲内である場合、本発明の樹脂組成物の主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)に対して結晶化速度を低減させ、ポリプロピレン系樹脂(B)の融点を維持しつつ、流動性を向上させることができる。このような観点から、融解吸熱量(ΔH−D)は、好ましくは10J/g以上、より好ましくは20J/g以上、更に好ましくは30J/gであり、そして、好ましくは70J/g以下、より好ましくは60J/g以下、更に好ましくは50J/g以下である。
融解吸熱量(ΔH−D)は、モノマー濃度や反応圧力を適宜調整することで制御することができる。
なお、上記融解吸熱量(ΔH−D)は、熱量変化の無い低温側の点と熱量変化の無い高温側の点とを結んだ線をベースラインとして、DSC測定により得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークを含むライン部分と当該ベースラインとで囲まれる面積を求めることで算出される。
(分子量分布(Mw/Mn))
オレフィン系重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、高強度の観点から3.0未満である。分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であれば、樹脂組成物の力学特性に与える影響が少ない。このような観点から、オレフィン系重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.2以下であり、成形容易性の観点から、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上である。
本発明において、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnより算出した値である。
オレフィン系重合体(A)及びプロピレン系重合体(a1)は、好ましくは下記(1)若しくは(2)のいずれか1つ、又はその両方を満たすプロピレン系重合体であり、より好ましくは下記(3)〜(5)の少なくとも1つを更に満たし、更に好ましくは下記(1)〜(5)のすべてを満たす。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上60モル%以下である。
(2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0℃以上120℃以下である。
(3)[rrrr]/(100−[mmmm])の値が0.1以下である。
(4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%を超える。
(5)[mm]×[rr]/[mr]2の値が2.0以下である。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]
メソペンタッド分率[mmmm]は、オレフィン系重合体(A)及びプロピレン系重合体(a1)の立体規則性を表す指標であり、メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。
オレフィン系重合体(A)がプロピレン単独重合体である場合、そのメソペンタッド分率[mmmm]は、プロピレン系重合体の取り扱い性及びポリプロピレン系樹脂(B)へ少量添加した際のプロピレン系重合体の結晶化速度の遅化の改良効果の観点から、好ましくは20モル%以上、より好ましくは25モル%以上、更に好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは60モル%以下、より好ましくは57.5モル%以下、更に好ましくは55モル%以下である。メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上であると、本発明の樹脂組成物の主成分である、オレフィン系重合体(A)べた付かせずに流動性を付与することができ、60モル%以下であると、主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)と共晶化せず、主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)の非晶部分に相溶することができ、良好な機械物性が得られる。
(2)融点(Tm−D)
オレフィン系重合体(A)及びプロピレン系重合体(a1)の融点(Tm−D)は、強度や成形性の観点から高い方が好ましい。好ましくは0℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは55℃以上、より更に好ましくは60℃以上であり、そして、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下、更に好ましくは90℃以下、より更に好ましくは80℃以下である。
なお、本発明では、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、「DSC−7」)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップを融点(Tm−D)とする。融点は、モノマー濃度や反応圧力を適宜調整することで制御可能である。
(3)[rrrr]/(100−[mmmm])
[rrrr]/(100−[mmmm])の値は、メソペンタッド分率[mmmm]及びラセミペンタッド分率[rrrr]から求められ、ポリプロピレンの規則性分布の均一さを示す指標である。[rrrr]/(100−[mmmm])のこの値が大きくなると既存触媒系を用いて製造される従来のポリプロピレンのように高立体規則性ポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合物となり、成形後のポリプロピレン成形物のべたつきの原因となる。なお、上記における[rrrr]及び[mmmm]の単位は、モル%である。
オレフィン系重合体(A)及びプロピレン系重合体(a1)における[rrrr]/(100−[mmmm])の値は、べたつきの観点から、好ましくは0.1以下であり、より好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.04以下である。下限値は特に限定されないが、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上である。
ここで、メソペンタッド分率[mmmm]、ラセミペンタッド分率[rrrr]、及び後述するラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠し、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率、及びラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、後述するトリアッド分率[mm]、[rr]及び[mr]も上記方法により算出される。
(4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]
ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、ポリプロピレンの立体規則性のランダム性を表す指標であり、値が大きいほどポリプロピレンのランダム性が増加する。
オレフィン系重合体(A)及びプロピレン系重合体(a1)のラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、好ましくは2.5モル%を超える。オレフィン系重合体(A)及びプロピレン系重合体(a1)の[rmrm]が2.5モル%を超えることにより、ランダム性が増し、本発明の樹脂組成物の主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)と共晶化し難くなり、その結果、樹脂組成物の耐熱性や剛性の低下が抑制される。このような観点から、オレフィン系重合体(A)及びプロピレン系重合体(a1)のラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、より好ましくは2.6モル%以上、更に好ましくは2.7モル%以上である。その上限は、通常10モル%程度であり、ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、より好ましくは7モル%以下、更に好ましくは5モル%以下、より更に好ましくは4モル%以下である。
(5)[mm]×[rr]/[mr]
トリアッド分率[mm]、[rr]及び[mr]から算出される[mm]×[rr]/[mr]2の値は、重合体のランダム性の指標を表し、1に近いほどランダム性が高くなり、本発明の樹脂組成物の主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)と共晶化が起こらず、ポリプロピレン系樹脂(B)に対して効率的に非晶の量を増やすことができる。オレフィン系重合体(A)及びプロピレン系重合体(a1)は、上式の値が通常2.0以下、好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.6以下である。下限値は特に限定されないが、好ましくは0.5以上である。なお、上記における[mm]及び[rr]の単位は、モル%である。
(重量平均分子量(Mw))
オレフィン系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、強度の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、更に好ましくは30,000以上であり、そして、好ましくは500,000以下、より好ましくは200,000以下、更に好ましくは100,000以下である。オレフィン系重合体(A)において重量平均分子量が当該範囲内であると、本発明の樹脂組成物の主成分であるポリプロピレン系樹脂(B)の剛性を低下させずに流動性の向上を付与することができる。
本発明において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(メルトフローレート(MFR))
オレフィン系重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは1g/10min以上、より好ましくは10g/10min以上、更に好ましくは15g/10min以上、更に好ましくは18g/10min以上であり、そして、好ましくは5,000g/10min以下、より好ましくは2,500g/10min以下、更に好ましくは1,000g/10min以下、最も好ましくは500g/10min以下である。MFRは、JIS K7210で規定された測定方法により測定される。例えば、オレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体である場合、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
上記オレフィン系重合体(A)は、例えば、WO2003/087172に記載されているようなメタロセン系触媒を使用して製造することができる。特に、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物を用いたものが好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン系触媒が好ましい。
具体的に例示すれば、
(i)一般式(I)

〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E1及びE2はそれぞれ置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、ヘテロシクロペンタジエニル基、置換ヘテロシクロペンタジエニル基、アミド基、ホスフィド基、炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A1及びA2を介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX、E1、E2又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E1、E2又はXと架橋していてもよく、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。〕
で表される遷移金属化合物、並びに
(ii)(ii−1)該(i)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(ii−2)アルミノキサンからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分
を含有する重合用触媒が挙げられる。
上記(i)成分の遷移金属化合物としては、配位子が(1,2’)(2,1’)二重架橋型の遷移金属化合物が好ましく、例えば(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドが挙げられる。
上記(ii−1)成分の化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム、テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム、テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル、テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、テトラフルオロ硼酸銀、ヘキサフルオロ燐酸銀、ヘキサフルオロ砒素酸銀、過塩素酸銀、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等を挙げることができる。
上記(ii−2)成分のアルミノキサンとしては、公知の鎖状アルミノキサンや環状アルミノキサンが挙げられる。
また、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等の有機アルミニウム化合物を併用して、オレフィン系重合体(A)を製造してもよい。
本発明の樹脂組成物中におけるオレフィン系重合体(A)の含有量は、樹脂組成物の機械的強度を維持しつつ発泡成形時の金型転写性を改善する観点から、オレフィン系重合体(A)とポリプロピレン系樹脂(B)との合計含有量100質量%に対して、0.5質量%以上であり、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。樹脂組成物中におけるオレフィン系重合体(A)の含有量が0.5質量%未満では発泡成形時の金型転写性を改善することができず、20質量%を超えると樹脂組成物の機械的強度が低下してしまう。また、上記範囲内とすることにより、得られる成形体の表面光沢を向上させることができる。
<ポリプロピレン系樹脂(B)>
本発明に用いられる(b)成分であるポリプロピレン系樹脂(B)は、オレフィン系重合体(A)とは明確に区別されるものであり、ポリプロピレン系樹脂(B)にはオレフィン系重合体(A)に該当するものは含まれない。
ポリプロピレン系樹脂(B)としては、樹脂組成物の耐熱性や機械的強度の観点から、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃を超えるものであることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(B)の融点は、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは150℃以上、より更に好ましくは160℃以上である。なお、該融点(Tm−D)は、オレフィン系重合体(A)の融点と同じ方法で測定される値である。
ポリプロピレン系樹脂(B)としては、プロピレン単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。ポリプロピレン系樹脂(B)が共重合体である場合、プロピレン単位の共重合比は50モル%以上であり、60モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが更に好ましく、95モル%以上であることが特に好ましい。共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレンや、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2もしくは4〜20のα−オレフィン、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、酢酸ビニル等が挙げられるが、成形性の観点からプロピレン単独重合体が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは1g/10min以上、より好ましくは10g/10min以上、更に好ましくは15g/10min以上、更に好ましくは18g/10min以上であり、そして、好ましくは200g/10min以下、より好ましくは180g/10min以下、更に好ましくは150g/10min以下である。MFRは、JIS K7210で規定された測定方法により測定され、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
ポリプロピレン系樹脂(B)としては、特に限定されず、「PP3155」(ExxonMobil Chemical社製)、「Y2005GP」及び「S119」(いずれも(株)プライムポリマー製)等の市販品を用いることができる。
本発明の樹脂組成物中におけるポリプロピレン系樹脂(B)の含有量としては、樹脂組成物の耐熱性及び機械的強度の観点から、オレフィン系重合体(A)とポリプロピレン系樹脂(B)との合計含有量100質量%に対して、99.5質量%以下であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは97質量%以下であり、そして、80質量%以上であり、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
<発泡剤(C)>
本発明の樹脂組成物は、(c)成分である発泡剤(C)を含んでいてもよい。発泡剤(C)としては、化学発泡剤、物理発泡剤等、射出発泡成形に通常使用できるものであれば特に制限されない。
化学発泡剤は、分解して炭酸ガス等の気体を発生するものであり、樹脂と予め混合してから射出成形機に供給することができる。化学発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機系化学発泡剤や、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等の有機系化学発泡剤が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
物理発泡剤は、成形機のシリンダ内の溶融樹脂にガス状又は超臨界流体として注入され、分散または溶解されるもので、金型内に射出後、圧力開放されることによって発泡剤として機能するものである。物理発泡剤としては、プロパン、ブタン等の脂肪族炭化水素類;シクロブタン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素類;クロロジフルオロメタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;窒素、炭酸ガス、空気等の無機ガスが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの発泡剤のうちでは、通常の射出成形機が安全に使用でき、均一微細な気泡が得られやすいものとして、化学発泡剤としては無機系化学発泡剤が好ましく、物理発泡剤としては窒素、炭酸ガス、空気等の無機ガスが好ましい。
これらの発泡剤には、射出発泡成形体の気泡を安定的に均一微細にするために必要に応じて、例えばクエン酸のような有機酸等の発泡助剤や、タルク、炭酸リチウムのような無機微粒子等の造核剤を添加してもよい。
発泡剤(C)の含有量は、得られる発泡成形体の発泡倍率と発泡剤の種類や成形時の樹脂温度によって適宜設定すればよい。例えば、オレフィン系重合体(A)及びポリプロピレン系樹脂(B)の合計含有量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
<添加剤>
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じてさらに、変性ポリオレフィン、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、滑剤、造核剤(タルク等)、ブロッキング防止剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤、エラストマー等の任意の添加剤を含有してもよい。
<樹脂組成物の物性>
(MFR)
本発明の樹脂組成物のMFRは、樹脂組成物の力学特性に影響を与えることなく、樹脂組成物の流動性及び金型転写性を改善する観点から、1g/10min以上であり、好ましくは5g/10min以上、より好ましくは10g/10min以上、更に好ましくは20g/10min以上であり、そして、100g/10min以下であり、好ましくは80g/10min以下、より好ましくは65g/10min以下、更に好ましくは50g/10min以下である。MFRは、JIS K7210で規定された測定方法により測定され、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
(半結晶化時間)
本発明の樹脂組成物の半結晶化時間は、樹脂組成物の発泡成形時の金型転写性の改善の観点からは、ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間よりも長いことが好ましく、ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間の好ましくは1.05倍以上、より好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.25倍以上である。特に、樹脂組成物の半結晶化時間が、20℃から60℃までの間において、ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間の1.05倍以上であることが好ましい。本発明の樹脂組成物の半結晶化時間をポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間よりも長くする観点からは、オレフィン系重合体(A)の半結晶化時間がポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間よりも長いことが好ましい。なお、本発明において半結晶化時間は下記の方法で測定される。
半結晶化時間の測定方法
FLASH DSC(メトラー・トレド株式会社製)を用い、試料を230℃で2分間加熱して融解させた後、2000℃/秒で所定温度(例えば20℃)まで冷却し、所定温度(例えば20℃)での等温結晶化過程における、発熱量の時間変化を測定する。等温結晶化開始時から結晶化完了時までの発熱量の積分値を100%とした時、等温結晶化開始時から発熱量の積分値が50%となるまでの時間を半結晶化時間として定義する。
<樹脂組成物の製造>
本発明の樹脂組成物は、上記の成分(a)、(b)及び(c)、更に必要に応じて添加剤を加えて混練することにより得られる。配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、高速ミキサー、バンバリーミキサー、連続ニーダー、一軸又は二軸押出機、ロール、ブラベンダープラストグラフ等の通常の混合混練機を使用して行うことができる。
本発明の樹脂組成物は射出発泡成形用に好ましく用いられる。
<成形体>
本発明の樹脂組成物は、公知の発泡成形方法により、所望形状の発泡成形体を得ることができる。特に射出発泡成形により、精密部品,大型部品,ケース等の射出発泡成形体を作成することができる。射出発泡成形方法については特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。例えば、コアバック法、ショートショット法、フルショット法等が挙げられ、中でも、コアバック法が好ましく用いられる。
発泡条件についても特に制限はないが、予め発泡剤を添加した樹脂組成物から一旦未発泡成形体を成形し、その後温度を上げて発泡成形体へと変える方法を採用してもよく、または発泡剤を添加した樹脂組成物から直接発泡成形体を得る方法であってもよい。発泡成形体の発泡倍率は1.05〜20倍、好ましくは1.10〜10倍、より好ましくは1.15〜5倍である。
コアバック法による発泡射出成形体の製造方法としては、例えば、上述の樹脂組成物を溶融させ、溶融状態の樹脂組成物に超臨界状態の物理発泡剤を含有させる溶融工程と、前記工程で得られる溶融樹脂を、可動側金型と固定側金型との間に形成されるキャビティ内に充填する充填工程と、前記可動側金型を移動させてキャビティ容積を拡張し、前記キャビティ内に充填された前記溶融樹脂を発泡させる発泡工程と、を有する方法が挙げられる。
以下、図1及び図2を参照して、コアバック法による発泡射出成形体の製造方法を説明する。
図1は、本発明の樹脂組成物を発泡成形するための成形装置を模式的に示す断面図である。図1に示す成形装置1は、射出装置10と、固定側金型21及び移動側金型22によって構成される金型組20と、ボンベ30と、超臨界流体発生・供給装置40と、超臨界流体注入装置50などを備えている。移動側金型22は、矢印A,Bで示す方向に往復移動することができる。
射出装置10は、スクリュー11が挿入されたバレル12と、図示しないスクリュー11を回転駆動する回転駆動機構と、スクリュー11を前進動させて溶融樹脂を金型組20内のキャビティ23に向けて射出する射出機構とを備えている。また、バレル12の先端にシャットオフノズル13が形成されており、該シャットオフノズル13は、射出時に固定側金型21のスプール24の入り口部に接合される。
射出装置10の投入口14から投入された樹脂組成物は、射出装置10の周囲に設けられた図示しない加熱ヒータによって順次加熱されると共に、スクリュー11によって混錬される。また、窒素等の不活性ガスを貯留したボンベ30から供給され超臨界流体発生・供給装置40によって超臨界状態にされた不活性ガスが、超臨界流体注入装置50によってバレル12内に注入され、混錬溶融された樹脂組成物に溶解される(溶融工程)。不活性ガスを溶解させた樹脂組成物は、シャットオフノズル13から固定側金型21に形成された樹脂通路25を通りキャビティ23内に注入される(充填工程)。
図2は、図1の金型組を拡大して示す拡大断面図である。キャビティ23内に注入された樹脂組成物(溶融樹脂)26は、金型に接する部分が冷却固化されて膜状のスキン層が形成される(図2(b))。その状態で固定側金型21に対して移動側金型22をコアバックさせてキャビティ23内の容積を拡張すると、スキン層で覆われた溶融樹脂26が発泡して発泡層となり(発泡工程)、発泡射出成形体が製造される(図2(c))。
一般に、コアバック法により発泡射出成形体を成形する場合、キャビティ内に溶融樹脂を注入してからコアバックするまでの時間(コアバックタイミング)が長いほど、該溶融樹脂が冷却され金型転写性が向上し、得られる発泡射出成形体の表面光沢が優れたものとなる。一方、コアバックタイミングが長くなると得られる成形体内部の発泡性は不均一になりやすい。したがって、成形体内部の発泡性を均一にするためには、コアバックタイミングを短くする必要があり、成形体の表面光沢性と成形体内部の発泡均一性とはトレードオフの関係にある。
これに対し、本発明の発泡成形用樹脂組成物を用いると、表面光沢が優れた発泡射出成形体を得るのに必要なコアバックタイミングを短くすることができる。そのため、プロセスウィンドウが広がり、コアバックタイミング選択の自由度を高めることができ、表面光沢が優れるとともに良好な発泡状態の成形体を得ることができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
〔DSC測定〕
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、「DSC−7」)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから融解吸熱量(ΔH−D)として求めた。また、得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm−D)を求めた。
なお、融解吸熱量(ΔH−D)は、熱量変化の無い低温側の点と熱量変化の無い高温側の点とを結んだ線をベースラインとして、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、「DSC−7」)を用いた、DSC測定により得られた融解吸熱カーブのピークを含むライン部分と当該ベースラインとで囲まれる面積を求めることで算出される。
〔重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)測定〕
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置および条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量を得た。分子量分布(Mw/Mn)は、これらの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より算出した値である。
<GPC測定装置>
カラム :東ソー(株)製「TOSO GMHHR−H(S)HT」
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出 ウォーターズ・コーポレーション製「WATERS 150C」
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0mL/分
試料濃度 :2.2mg/mL
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
〔NMR測定〕
以下に示す装置および条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。
装置:日本電子(株)製、「JNM−EX400型13C−NMR装置」
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/mL
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
<計算式>
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
メソペンタッド分率[mmmm]、ラセミペンタッド分率[rrrr]およびラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠して求めたものであり、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率、およびラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、トリアッド分率[mm]、[rr]および[mr]も上記方法により算出した。
〔メルトフローレート(MFR)測定〕
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定した。
〔半結晶化時間〕
ポリプロピレン系樹脂(B)及び樹脂組成物の半結晶化時間をそれぞれ測定し、ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間に対する樹脂組成物の半結晶化時間の倍数を算出した。なお、ポリプロピレン系樹脂(B)及び樹脂組成物の半結晶化時間は、それぞれ下記の方法により測定した。
FLASH DSC(メトラー・トレド株式会社製)を用い、試料を230℃で2分間加熱して融解させた後、2000℃/秒で20℃、40℃又は60℃まで冷却し、それぞれ20℃、40℃又は60℃での等温結晶化過程における、発熱量の時間変化を測定した。等温結晶化開始時から結晶化完了時までの発熱量の積分値を100%とした時、等温結晶化開始時から発熱量の積分値が50%となるまでの時間を半結晶化時間として定義した。
製造例1
(プロピレン重合体(A1)の製造)
撹拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを20L/hr、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/hr、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド及びトリイソブチルアルミニウムを質量比1:2:20でプロピレンと事前に接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hrで連続供給した。
反応器内の全圧を1.0MPa・Gに保つようプロピレンと水素とを連続供給し、重合温度を適宜調整し所望の分子量を有する重合溶液を得た。得られた重合溶液に、酸化防止剤をその含有割合が1000質量ppmになるように添加し、次いで溶媒であるn−ヘプタンを除去することにより、プロピレン重合体(A1)を得た。
製造例1で得られたプロピレン重合体(A1)について、上述の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜2で使用した原料は以下の通りである。
<ホモポリプロピレン>
日本ポリプロ(株)製、融点(Tm−D):163℃、MFR:20g/10min
<発泡剤>
永和化成(株)製、商品名:「ポリスレンEE25C」
実施例1〜4及び比較例1〜2
表2に示した各成分を、二軸混練押出機を用いて230℃で溶融混練し、樹脂組成物をそれぞれ調製した。得られた樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械(株)製、「EC100SX」)にて射出成形して、発泡成形体を作製した。樹脂温度170〜250℃、金型温度10〜90℃、成形サイクル1〜40分、射出速度10〜300mm/s、射出圧10〜200MPaの範囲内で、成形体の発泡倍率が2倍になる成形条件で成形を行った。
得られた成形体について以下の測定を行った。結果を表2に示す。
(1)外観観察
成形体の外観を目視で観察し、以下の評価基準により評価した。「A」又は「B」の評価であれば合格レベルである。
A:成形体表面が均一なスキン層で被覆されている。
B:成形体表面の一部に微小な凹凸(スワールマーク)が存在する。
C:成形体表面の全面に凹凸(スワールマーク)が存在する。
(2)曲げ強度
曲げ試験機(エー・アンド・ディ社製、型番:「ABM−K」)にて、JIS K7203に準拠して、支持台間距離:60mm、支持台R:2mm、圧子R:5mmの室温条件で、曲げ試験を行って曲げ強度を測定し、以下の評価基準により評価した。「A」又は「B」の評価であれば合格レベルである。
A:600MPa以上
B:400MPa以上、600MPa未満
C:400MPa未満
オレフィン系重合体(A)を含有しない比較例1の樹脂組成物は、成形体表面の全面にスワールマークが存在し、外観に劣る。また、オレフィン系重合体(A)を過剰に配合した比較例2の樹脂組成物は、発泡成形時の金型転写性が改善されて成形体の外観は良好であるものの、曲げ強度に劣る。
これに対して、本発明の樹脂組成物は、優れた曲げ強度を維持しつつ、発泡成形時の金型転写性に優れ、成形体の外観も優れる。
実施例5〜7及び比較例3で使用した原料は以下の通りである。
<ブロックポリプロピレン>
プライムポリマー社製、融点(Tm−D):163℃、MFR:13g/10min
<プロピレン重合体>
製造例1で製造したプロピレン重合体(A1)
<タルク(造核剤)>
白石カルシウム、粒径5μm
実施例5〜7及び比較例3
表3に示した各成分を、二軸混練押出機を用いて230℃で溶融混練し、樹脂組成物をそれぞれ調製した。得られた樹脂組成物を用い、下記の条件で射出発泡成形を行い、射出発泡成形体を得た。得られた成形体について以下の測定を行った。結果を表3に示す。
射出成形機:日精樹脂工業(株)製、NEX180III
超臨界流体:窒素ガス
金型:キャビティサイズ:縦275mm、横78mm、厚さ4⇒6mmt、2ゲート
射出温度:245℃
射出速度:180mm/秒
コアバック速度:50%
金型温度:40℃
窒素添加量:0.5%
背圧:15MPa
(3)表面光沢
成形体の表面光沢は、ゲートから60mmの位置において、日本電色工業(株)製のPG−IIを使用し、測定角60°で測定した。なお、30%以上を合格とする。
(4)内部発泡状態
ヤマト科学(株)製のX線CT装置:TDM1000−ISを使用し、ゲートから60mmの位置の成形体の厚み方向中央部を観察し、以下の評価基準により評価した。なお、実施例7及び比較例3において、それぞれコアバックタイミング0秒及び8秒で得られた成形体の断面画像を図3に示す。
A:気泡径の微小な気泡が均一に多数存在する。
B:気泡径の大きな気泡が点在する。
C:気泡径の大きな気泡が多数存在する。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる成形体は、表面光沢に優れるとともに成形体内部の発泡均一性に優れる。
本発明の発泡成形用樹脂組成物は、曲げ強度を維持しつつ発泡成形時の金型転写性に優れる。当該樹脂組成物を用いて得られる発泡成形体は、優れた表面光沢性を有し、スワールマークが成形体表面に形成されることがなく、外観に優れるものであり、自動車部品の緩衝材や、建築用部材、土木用部材、食品容器等の用途に好適である。
1.成形装置
10.射出装置
11.スクリュー
12.バレル
13.シャットオフノズル
14.投入口
20.金型組
21.固定側金型
22.移動側金型
23.キャビティ
24.スプール
25.樹脂通路
26.樹脂組成物(溶融樹脂)
30.ボンベ
40.超臨界流体発生・供給装置
50.超臨界流体注入装置

Claims (15)

  1. (a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH−D)が0J/g以上80J/g以下であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(A)0.5質量%以上20質量%以下、及び
    (b)ポリプロピレン系樹脂(B)(ただし、オレフィン系重合体(A)に該当するものを除く)80質量%以上99.5質量%以下
    を含み(ただし、オレフィン系重合体(A)及びポリプロピレン系樹脂(B)の合計含有量を100質量%とする)、かつ、メルトフローレートが1g/10min以上100g/10min以下である、発泡成形用樹脂組成物。
  2. 前記樹脂組成物の半結晶化時間が、前記ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間より長い、請求項1に記載の発泡成形用樹脂組成物。
  3. 前記樹脂組成物の半結晶化時間が、前記ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間の1.05倍以上である、請求項1又は2に記載の発泡成形用樹脂組成物。
  4. 前記樹脂組成物の半結晶化時間が、20℃から60℃までの間において、前記ポリプロピレン系樹脂(B)の半結晶化時間の1.05倍以上である、請求項3に記載の発泡成形用樹脂組成物。
  5. (c)発泡剤(C)を更に含み、発泡剤(C)の含有量が、オレフィン系重合体(A)及びポリプロピレン系樹脂(B)の合計含有量100質量部に対して1質量部以上5質量部以下である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
  6. 前記オレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
  7. 前記オレフィン系重合体(A)が、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーであるプロピレン系重合体(a1)である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
  8. 前記プロピレン系重合体(a1)が下記(i)及び(ii)のうち少なくとも一つを満たす、請求項7に記載の発泡成形用樹脂組成物。
    (i)エチレンの構成単位が0モル%を超えて、20モル%以下で含まれる。
    (ii)1−ブテンの構成単位が0モル%を超えて、30モル%以下で含まれる。
  9. 前記プロピレン系重合体(a1)が下記(1)を満たす、請求項7に記載の発泡成形用樹脂組成物。
    (1)メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上60モル%以下である。
  10. 前記プロピレン系重合体(a1)が下記(2)を満たす、請求項7〜9のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
    (2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0℃以上120℃以下である。
  11. 前記プロピレン系重合体(a1)が下記(3)を満たす、請求項9又は10に記載の発泡成形用樹脂組成物。
    (3)[rrrr]/(100−[mmmm])の値が0.1以下である。
  12. 前記プロピレン系重合体(a1)が下記(4)を満たす、請求項9〜11のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
    (4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%を超える。
  13. 前記プロピレン系重合体(a1)が下記(5)を満たす、請求項9〜12のいずれか1つに記載の発泡成形用樹脂組成物。
    (5)[mm]×[rr]/[mr]2の値が2.0以下である。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含む発泡射出成形体。
  15. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の樹脂組成物を溶融させ、溶融状態の樹脂組成物に超臨界状態の物理発泡剤を含有させる溶融工程と、
    前記工程で得られる溶融樹脂を、可動側金型と固定側金型との間に形成されるキャビティ内に充填する充填工程と、
    前記可動側金型を移動させてキャビティ容積を拡張し、前記キャビティ内に充填された前記溶融樹脂を発泡させる発泡工程と、を有する発泡射出成形体の製造方法。
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