JP2018023646A - 遊技機 - Google Patents

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正悟 小川
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Abstract

【課題】興趣の向上を図ること。【解決手段】第1非電動始動口と第2非電動始動口とを有し、第1非電動始動口が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る第1入球率向上状態と第2非電動始動口が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る第2入球率向上状態とを生じさせる。第1非電動始動口へ入球したときには第1特別図柄の始動条件が成立し、第2非電動始動口へ入球したときには第2特別図柄の始動条件が成立する。そして、第1入球率向上状態において第1特別図柄の始動条件が成立した場合には、その始動条件を成立させた入球に基づく第1特別図柄の図柄変動ゲームを対象とする先読み予告を実行可能に構成した。【選択図】図7

Description

本発明は、遊技機に関する。
遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、複数の始動口を備え、それぞれの始動口への入球によって大当り抽選を行い、大当り抽選に当選した場合には大当り遊技を付与するものがある(例えば、特許文献1参照)。この種のパチンコ遊技機では、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)が用いられている。
特開2006−20960号公報
ところで、パチンコ遊技機では、遊技の興趣を向上させるために様々な演出が行われている。例えば、その演出の1つとして、保留記憶として記憶されている未だ開始されない図柄変動ゲームを対象とし、その図柄変動ゲームが大当りになる可能性を示唆する先読み予告が行われている。先読み予告は、未来に生じる事象(大当りの発生など)を事前に予告する演出であるから、遊技者は先読み予告の出現に期待している。このため、先読み予告をどのように出現させるかは、遊技の興趣を向上させる目的において検討する余地が残されている。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、先読み予告の出現によって興趣の向上を図り得る遊技機を提供することにある。
上記課題を解決する遊技機は、未だ開始されない図柄変動ゲームを保留記憶として記憶し、大当りになる可能性を示唆する先読み予告を前記保留記憶に基づく図柄変動ゲームが開始される前に実行可能とした遊技機において、第1特別図柄の大当り抽選を行う第1大当り抽選手段と、第2特別図柄の大当り抽選を行う第2大当り抽選手段と、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第1入球口と、遊技球の入球によって前記第2特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第2入球口と、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を常時許容する第3入球口と、遊技状態を制御する状態制御手段と、遊技状態を判定する状態判定手段と、を備え、前記遊技状態には、第1遊技状態と、第2遊技状態と、第3遊技状態と、を含み、前記第1遊技状態は、前記第3入球口が入球可能な状態であり、前記第2遊技状態は、前記第1入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記第3遊技状態は、前記第2入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記大当り抽選は、前記第1特別図柄の図柄変動ゲームと前記第2特別図柄の図柄変動ゲームのそれぞれが保留記憶として記憶されている場合において前記第2特別図柄の大当り抽選が優先して行われ、前記第1入球口又は前記第3入球口へ遊技球が入球したときに保留記憶として記憶される未だ開始されない図柄変動ゲームを特定図柄変動ゲームとしたとき、当該特定図柄変動ゲームが保留記憶されたときの遊技状態を前記状態判定手段が前記第2遊技状態と判定した場合には、前記特定図柄変動ゲームを対象とする前記先読み予告を実行可能としたことを要旨とする。
上記遊技機において、前記第1入球口及び前記第2入球口は、前記非許容状態を取り得ているときに所定の入球口へ入球した遊技球の作用によって前記許容状態へ作動する契機が付与される非電動式の入球口としてもよい。
本発明によれば、興趣の向上を図ることができる。
パチンコ遊技盤の遊技盤を示す正面図。 第1非電動始動口及び第2非電動始動口を開放させる機構を示す断面図。 パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。 大当り抽選の当選確率を説明する説明図。 大当りの種類を説明する説明図。 普通入球口及び振分部材の動作タイミングを説明するタイミングチャート。 先読み予告の実行可否を説明する説明図。 先読み予告処理を説明するフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、パチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、飾り図柄(演出図柄)を用いた図柄変動ゲーム(以下、「飾図ゲーム」と示す)など、画像を用いた各種演出が表示される。
演出表示装置11の右下には、発光体(例えば7セグメントLED)を備えた第1特別図柄表示装置12aが配設されている。また、第1特別図柄表示装置12aの右には、発光体(例えば7セグメントLED)を備えた第2特別図柄表示装置12bが配設されている。第1特別図柄表示装置12aは第1特別図柄を用いた図柄変動ゲーム(以下、「第1特図ゲーム」と示す)を行う表示装置であり、第2特別図柄表示装置12bは第2特別図柄を用いた図柄変動ゲーム(以下、「第2特図ゲーム」と示す)を行う表示装置である。本実施形態において、第1特図ゲームは、第1特別図柄表示装置12aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行される。同様に、第2特図ゲームは、第2特別図柄表示装置12bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行される。以下、第1特別図柄と第2特別図柄を区別せずに特別図柄を用いた図柄変動ゲームを記載する場合は、単に「特図ゲーム」と示す。
第1特別図柄表示装置12aには、複数種類の第1特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの第1特別図柄が第1特図ゲームの終了によって確定停止表示される。第2特別図柄表示装置12bには、複数種類の第2特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの第2特別図柄が第2特図ゲームの終了によって確定停止表示される。第1特別図柄及び第2特別図柄は、大別すると、大当り抽選に当選した場合に特図ゲームで導出される大当り図柄と、大当り抽選に当選しなかった場合(はずれの場合)に特図ゲームで導出されるはずれ図柄と、にそれぞれ分類される。なお、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類は、見た目上、全く同一種類の特別図柄でもよいし、全く異なる種類の特別図柄でもよいし、さらには一部が同一種類の特別図柄であって、一部が異なる種類の特別図柄であってもよい。
演出表示装置11には、複数の図柄列毎に複数種類の飾り図柄が表示される。飾り図柄は、例えばアラビア数字の[1]〜[9]を模した意匠で構成されている。演出表示装置11には、第1特別図柄表示装置12aの表示結果、又は第2特別図柄表示装置12bの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bに大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾り図柄による大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄となる組み合わせ(例えば、[333]や[777]など)である。一方、第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bにはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾り図柄によるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄とならない組み合わせ(例えば、[123]、[224]、[343]など)である。
演出表示装置11では、遊技者から見て左列→右列→中列の順に飾り図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて飾り図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。
第2特別図柄表示装置12bの右には、複数個(実施形態では2個)の発光部を有する第1特別図柄保留表示装置13aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置13aは、実行が保留されている第1特図ゲームの数(以下、「第1保留数」と示す)を表示する表示装置である。第1保留数は、後述する第1特図ゲームの始動条件を付与し得る入球口(始動口14,第1非電動始動口21)に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、第1特図ゲームの開始により「1」減算される。第1保留数は、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの何れかの実行中に第1特図ゲームの始動条件を付与し得る入球口へ入球すると、更に加算されるとともに、所定の上限数(実施形態では「4」)まで累積される。
第1特別図柄保留表示装置13aの右には、複数個(実施形態では2個)の発光部を有する第2特別図柄保留表示装置13bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置13bは、実行が保留されている第2特図ゲームの数(以下、「第2保留数」と示す)を表示する表示装置である。第2保留数は、後述する第2特図ゲームの始動条件を付与し得る入球口(第2非電動始動口22)に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、第2特図ゲームの開始により「1」減算される。第2保留数は、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの何れかの実行中に第2特図ゲームの始動条件を付与し得る入球口へ入球すると、更に加算されるとともに、所定の上限数(実施形態では「4」)まで累積される。
第2特別図柄保留表示装置13bの右には、複数個(本実施形態では2個)の発光部を有する普通図柄表示装置20が配設されている。普通図柄表示装置20では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、普通当りか否かの普通当り抽選の結果を示す報知用の図柄である。以下、普通図柄変動ゲームを「普図ゲーム」と示す。
また、この実施形態のパチンコ遊技機は、実行が保留されている普図ゲームの数(以下、「普図保留数」と示す)を記憶可能である。普図保留数は、後述する普図ゲームの始動条件を付与し得る入球口(作動ゲート19)に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。普図保留数は、普図ゲームの実行中に普図ゲームの始動条件を付与し得る入球口へ入球すると、更に加算されるとともに、所定の上限数(実施形態では「4」)まで累積される。
また、この実施形態のパチンコ遊技機は、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが同時に実行されないように構成されており、第1保留数と第2保留数とが共に「1」以上であるときには、第2保留数に基づく第2特図ゲームが優先して実行される。より詳しく言えば、第1特図ゲームは、第1保留数が「1」以上であって、第2保留数が「0(零)」のときに実行可能である。一方、第2特図ゲームは、第2保留数が「1」以上であるとき、第1保留数が「0(零)」又は「1以上」の何れのときであっても先に実行可能である。つまり、第2特別図柄を第1特別図柄よりも優先変動させる。なお、普図ゲームは、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームとは独立して実行可能であり、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームと同時に実行可能である。
演出表示装置11の下方には、第3入球口としての始動口14が配設されている。始動口14は、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。また、始動口14は、第1特図ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。始動口14には入球した遊技球を遊技盤10の裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には始動口14に入球した遊技球を検知する手段(図3に示す始動口スイッチ(センサ)SW1)が配設されている。始動口14に入球した遊技球が始動口スイッチSW1で検知された場合には、第1保留数が上限数未満であるときには第1特別図柄の始動条件が付与されるとともに、第1保留数が上限数未満であるとき及び上限数に達しているときの何れのときであっても所定個数の賞球の払出条件が付与される。第1特別図柄の始動条件が付与されることは、第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られることに相当する。
演出表示装置11の右下には、普通入球口15が配設されている。普通入球口15は普通電動役物とされ、アクチュエータ(図3に示す普通電動役物ソレノイドSOL1)の作動によって開閉動作を行う第1開閉部材(この実施形態では開閉羽根)16を備えている。普通入球口15は、所定条件(普通当り抽選の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、普通入球口15は、所定条件(普通当り抽選の当選)の成立により、遊技球を入球させることができるように開放される。普通入球口15には入球した遊技球を遊技盤10の裏側に導く球通路40(図2に示す)が連設されており、その球通路40には普通入球口15に入球した遊技球を検知する手段(図3に示す普通入球口スイッチ(センサ)SW7)が配設されている。普通入球口15に入球した遊技球が普通入球口スイッチSW7で検知された場合には、所定個数の賞球の払出条件が付与される。
演出表示装置11の右には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口19aが開口されている。ゲート口19aには、入球した遊技球を検知する手段(図3に示すゲートスイッチ(センサ)SW6)が配設されている。作動ゲート19のゲート口19aは、普図ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。ゲート口19aに入球した遊技球がゲートスイッチSW6で検知された場合には、普図保留数が上限数未満であるときには普図ゲームの始動条件が付与される。普図ゲームは、普通当り抽選の抽選結果を導出する。普図ゲームの始動条件が付与されることは、普通図柄の当り抽選の権利が得られることに相当する。
作動ゲート19の下方には、第1入球口としての第1非電動始動口21が配設されている。第1非電動始動口21は、開閉動作を行う第2開閉部材(この実施形態では開閉羽根)21aを備えている。第1非電動始動口21は、非電動役物とされている。このため、第2開閉部材21aは、アクチュエータからの電気的な動力を受けず、機械的な機構によって開閉動作を行う。この実施形態において第1非電動始動口21は、普通入球口15へ入球した遊技球の作用とその作用を受けて第2開閉部材21aへ動力を伝達するリンク構造により、遊技球を入球させることができるように開放される。第1非電動始動口21を開閉動作させる構造は後述する。
第1非電動始動口21には入球した遊技球を遊技盤10の裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第1非電動始動口21に入球した遊技球を検知する手段(図3に示す第1非電動始動口スイッチ(センサ)SW2)が配設されている。第1非電動始動口21に入球した遊技球が第1非電動始動口スイッチSW2で検知された場合には、第1保留数が上限数未満であるときには第1特別図柄の始動条件が付与されるとともに、第1保留数が上限数未満であるとき及び上限数に達しているときの何れのときであっても所定個数の賞球の払出条件が付与される。第1特別図柄の始動条件が付与されることは、第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られることに相当する。また、第2開閉部材21aを備える第1非電動始動口21は、遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る入球口である。
第1非電動始動口21の下方には、第2入球口としての第2非電動始動口22が配設されている。第2非電動始動口22は、開閉動作を行う第3開閉部材(この実施形態では開閉羽根)22aを備えている。第2非電動始動口22は、非電動役物とされている。このため、第3開閉部材22aは、アクチュエータからの電気的な動力を受けず、機械的な機構によって開閉動作を行う。この実施形態において第2非電動始動口22は、普通入球口15へ入球した遊技球の作用とその作用を受けて第3開閉部材22aへ動力を伝達するリンク構造により、遊技球を入球させることができるように開放される。第2非電動始動口22を開閉動作させる構造は後述する。
第2非電動始動口22には入球した遊技球を遊技盤10の裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第2非電動始動口22に入球した遊技球を検知する手段(図3に示す第2非電動始動口スイッチ(センサ)SW3)が配設されている。第2非電動始動口22に入球した遊技球が第2非電動始動口スイッチSW3で検知された場合には、第2保留数が上限数未満であるときには第2特別図柄の始動条件が付与されるとともに、第2保留数が上限数未満であるとき及び上限数に達しているときの何れのときであっても所定個数の賞球の払出条件が付与される。第2特別図柄の始動条件が付与されることは、第2特別図柄の大当り抽選の権利が得られることに相当する。また、第3開閉部材22aを備える第2非電動始動口22は、遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る入球口である。
始動口14の下には、アクチュエータ(図3に示す第1大入賞口ソレノイドSOL3)の作動によって開閉動作を行う第1大入賞口扉17を備えた第1大入賞口18が配設されている。第1大入賞口18は、所定条件(大当り抽選の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、第1大入賞口18は、所定条件(大当り抽選の当選)の成立により、遊技球を入球させることができるように開放される。第1大入賞口18には入球した遊技球を遊技盤10の裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第1大入賞口18に入球した遊技球を検知する手段(図3に示す第1カウントスイッチ(センサ)SW4)が配設されている。第1大入賞口18に入球した遊技球が第1カウントスイッチSW4で検知された場合には、所定個数の賞球の払出条件が付与される。
始動口14の右であって、普通入球口15と第1大入賞口18の間には、アクチュエータ(図3に示す第2大入賞口ソレノイドSOL4)の作動によって開閉動作を行う第2大入賞口扉23を備えた第2大入賞口24が配設されている。第2大入賞口24は、所定条件(大当り抽選の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、第2大入賞口24は、所定条件(大当り抽選の当選)の成立により、遊技球を入球させることができるように開放される。第2大入賞口24には入球した遊技球を遊技盤10の裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第2大入賞口24に入球した遊技球を検知する手段(図3に示す第2カウントスイッチ(センサ)SW5)が配設されている。第2大入賞口24に入球した遊技球が第2カウントスイッチSW5で検知された場合には、所定個数の賞球の払出条件が付与される。
大当り遊技は、第1大入賞口18又は第2大入賞口24への遊技球の入球を許容するラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、大当り遊技が生起される場合、最初のラウンド遊技が開始する前にオープニング時間が設定され、そのオープニング時間中には大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、大当り遊技が生起される場合、最終のラウンド遊技が終了するとエンディング時間が設定され、そのエンディング時間中には大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。
パチンコ遊技機は、遊技球を遊技盤10に発射させるための発射装置を備えている。この実施形態において、遊技者は、発射装置の発射ハンドルの発射強度の強弱を調整することで、遊技盤10の左方の領域及び遊技盤10の右方の領域に遊技球を打ち分け、始動口14、普通入球口15、第1大入賞口18、作動ゲート19、第1非電動始動口21、第2非電動始動口22、又は第2大入賞口24へ遊技球を入球させることが可能となる。具体的には、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、右打ち)、遊技球は、右方の領域に流下案内され易く(図1に一点鎖線で示す矢印Y)、普通入球口15、作動ゲート19、第1非電動始動口21、第2非電動始動口22、又は第2大入賞口24へ入球する可能性がある。なお、右打ちは、遊技球を右方の領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度若しくは最大強度よりも若干弱い強度で調整して行う。
一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、左打ち)、遊技球は、左方の領域に流下案内され易く(図1に一点鎖線で示す矢印X)、始動口14又は第1大入賞口18へ入球する可能性がある。また、左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないので、発射させた遊技球が右方の領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。なお、この実施形態では、右打ちを行った場合、始動口14や第1大入賞口18に遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。なお、遊技部品は、右打ちを行ったときには始動口14や第1大入賞口18への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちを行ったときに比べて始動口14や第1大入賞口18へ入球し難い(入球する確率を極めて低くする)ように配置されていてもよい。
この実施形態において「遊技盤10の左方の領域」とは、遊技盤10を正面視したときに遊技盤10の遊技領域を左右に二等分する中心線Cよりも左側に位置する領域である。また、この実施形態において「遊技盤10の右方の領域」とは、遊技盤10を正面視したときに前記中心線Cよりも右側に位置する領域である。パチンコ遊技機において発射ハンドルの操作によって発射された遊技球は、遊技盤10を正面視したときの左側に位置する打出通路25で案内され、その打出通路25の最下流に位置する逆戻り防止弁26を通過して遊技領域に到達される。このため、「左方の領域」とは打出通路25寄りの領域でもあり、その逆に「右方の領域」とは打出通路25から離れた領域でもある。そして、左方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域にある演出表示装置11の左側をとおり、遊技領域の最下方に位置するアウト口27へ向かう。また、右方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域にある演出表示装置11の右側をとおり、前記アウト口27へ向かう。
以下、図2にしたがって、普通入球口15の構成、特に第1非電動始動口21及び第2非電動始動口22を開放させる構成について詳しく説明する。
普通入球口15の球通路40は、普通入球口スイッチSW7よりも下流側において第1通路40aと第2通路40bとに分岐されている。第1通路40aは普通入球口15へ入球した遊技球が通過可能な第1作動契機領域15bを形成する通路であり、第2通路40bは普通入球口15へ入球した遊技球が通過可能な第2作動契機領域15cを形成する通路である。第1通路40aにおいて第1作動契機領域15bの下流側には第1連通口15dが形成されているとともに、第2通路40bにおいて第2作動契機領域15cの下流側には第2連通口15eが形成されている。第1連通口15d又は第2連通口15eを通過した遊技球は、遊技盤10の裏側に導かれる。
球通路40の分岐部位には、普通入球口15に入球した遊技球を振り分ける振分部材41が配設されている。振分部材41は、アクチュエータ(図3に示す振分ソレノイドSOL2)の作動により、実線で示す第1位置と二点鎖線で示す第2位置との間で変位可能に構成されている。第1位置は、振分部材41が第2作動契機領域15cを遮るが第1作動契機領域15bを遮らない位置である一方で、第2位置は、振分部材41が第1作動契機領域15bを遮るが第2作動契機領域15cを遮らない位置である。振分部材41は、第1位置のとき、第2作動契機領域15cへの遊技球の通過を規制するとともに、第1作動契機領域15bへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第1作動契機領域15bに誘導する。その一方で、振分部材41は、第2位置のとき、第1作動契機領域15bへの遊技球の通過を規制するとともに、第2作動契機領域15cへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第2作動契機領域15cに誘導する。つまり、振分部材41は、普通入球口15に入球した遊技球が第1作動契機領域15bを通過するか第2作動契機領域15cを通過するかを振り分ける。
第1作動契機領域15bには、第1可動レバー42が配設されている。第1可動レバー42は、第1作動契機領域15bを遮る実線で示す第3位置と、第1作動契機領域15bを遮らない二点鎖線で示す第4位置との間で変位可能に構成されている。第1可動レバー42は、第1リンク機構44に連結されており、第1リンク機構44は第1非電動始動口21の第2開閉部材21aに連結されている。第1可動レバー42が第3位置のとき、第2開閉部材21aは閉状態を取り得ており、第1非電動始動口21は閉鎖されている。一方、第1可動レバー42が第4位置のとき、第2開閉部材21aは開状態を取り得ており、第1非電動始動口21は開放されている。この実施形態では、第1可動レバー42を第3位置から第4位置へ変位させる動力を、普通入球口15へ入球し、第1作動契機領域15bへ振分けられた遊技球の作用によって与えている。具体的に言えば、前記動力は、第1作動契機領域15bへ振分けられた遊技球が第3位置にある第1可動レバー42に衝突することで当該遊技球の自重によって与えられる。第1可動レバー42が第3位置から第4位置へ変位した場合は、第1リンク機構44を通じて第2開閉部材21aが閉状態から開状態を取り得ることによって第1非電動始動口21は開放される。なお、第1可動レバー42が第4位置のときに第1作動契機領域15bへ振分けられた遊技球は、第1可動レバー42に衝突することなく第1連通口15dへ至る。
第2作動契機領域15cには、第2可動レバー43が配設されている。第2可動レバー43は、第2作動契機領域15cを遮る実線で示す第5位置と、第2作動契機領域15cを遮らない二点鎖線で示す第6位置との間で変位可能に構成されている。第2可動レバー43は、第2リンク機構45に連結されており、第2リンク機構45は第2非電動始動口22の第3開閉部材22aに連結されている。第2可動レバー43が第5位置のとき、第3開閉部材22aは閉状態を取り得ており、第2非電動始動口22は閉鎖されている。一方、第2可動レバー43が第6位置のとき、第3開閉部材22aは開状態を取り得ており、第2非電動始動口22は開放されている。この実施形態では、第2可動レバー43を第5位置から第6位置へ変位させる動力を、普通入球口15へ入球し、第2作動契機領域15cへ振分けられた遊技球の作用によって与えている。具体的に言えば、前記動力は、第2作動契機領域15cへ振分けられた遊技球が第5位置にある第2可動レバー43に衝突することで当該遊技球の自重によって与えられる。第2可動レバー43が第5位置から第6位置へ変位した場合は、第2リンク機構45を通じて第3開閉部材22aが閉状態から開状態を取り得ることによって第2非電動始動口22は開放される。なお、第2可動レバー43が第6位置のときに第2作動契機領域15cへ振分けられた遊技球は、第2可動レバー43に衝突することなく第2連通口15eへ至る。
第1非電動始動口21には、遊技球の通過毎に変位する図示しない第1可動体(例えばスプロケット等)が配設されている。第1可動体は、第1非電動始動口21の第2開閉部材21aを閉状態で保持する機能や、所定個数(例えば2球)の遊技球の通過により、第2開閉部材21aを開状態から閉状態に復帰させる機能を有する。
第1可動体は、第1リンク機構44を介して第1可動レバー42と連動しており、第1可動レバー42が第3位置から第4位置に動作した場合には、第2開閉部材21aを閉状態で保持している状態を解除する。一方、第1可動体は、第2開閉部材21aが開状態である場合、第1非電動始動口21に入球した遊技球の通過毎に遊技球の重量により変位する。そして、第1可動体は、所定個数の遊技球の通過毎に、第1可動体における図示しない係合片が第2開閉部材21aと係合し、第2開閉部材21aを開状態から閉状態に動作させ、第2開閉部材21aを閉状態に保持する。また、この場合、第1可動体は、第1リンク機構44を介して、第1可動レバー42を第4位置から第3位置に変位させる。これにより、開状態の第2開閉部材21aは、第1非電動始動口21へ所定個数の遊技球が入球することによって機械的に閉状態に動作し、第1非電動始動口21を閉鎖させる。
また、第2非電動始動口22には、遊技球の通過毎に変位する図示しない第2可動体(例えばスプロケット等)が配設されている。第2可動体は、第2非電動始動口22の第3開閉部材22aを閉状態で保持する機能や、所定個数(例えば2球)の遊技球の通過により、第3開閉部材22aを開状態から閉状態に復帰させる機能を有する。
第2可動体は、第2リンク機構45を介して第2可動レバー43と連動しており、第2可動レバー43が第5位置から第6位置に動作した場合には、第3開閉部材22aを閉状態で保持している状態を解除する。一方、第2可動体は、第3開閉部材22aが開状態である場合、第2非電動始動口22に入球した遊技球の通過毎に遊技球の重量により変位する。そして、第2可動体は、所定個数の遊技球の通過毎に、第2可動体における図示しない係合片が第3開閉部材22aと係合し、第3開閉部材22aを開状態から閉状態に動作させ、第3開閉部材22aを閉状態に保持する。また、この場合、第2可動体は、第2リンク機構45を介して、第2可動レバー43を第6位置から第5位置に変位させる。これにより、開状態の第3開閉部材22aは、第2非電動始動口22へ所定個数の遊技球が入球することによって機械的に閉状態に動作し、第2非電動始動口22を閉鎖させる。
以上により、この実施形態の第1非電動始動口21及び第2非電動始動口22は、電気的な動力を受けずに、機械的な機構によって開放される非電動役物である。そして、第1可動レバー42、第1リンク機構44及び第1可動体は、第1非電動始動口21を開放させる開放機構の構成要素であり、かつ第1非電動始動口21を閉鎖させる閉鎖機構の構成要素である。また、第2可動レバー43、第2リンク機構45及び第2可動体は、第2非電動始動口22を開放させる開放機構の構成要素であり、かつ第2非電動始動口22を閉鎖させる閉鎖機構の構成要素である。
また、この実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動機能を備えている。確率変動機能は、大当り抽選の当選確率を第1当選確率としての低確率から第2当選確率としての高確率に変動させる確率変動状態を付与することができる機能である。確率変動状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで付与される。なお、以下の説明では、大当り抽選の当選確率が低確率である状態を非確変状態と示し、大当り抽選の当選確率が高確率である状態を確変状態と示す。
また、この実施形態のパチンコ遊技機は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、単位時間当たりの遊技球の入球率が向上される入球率向上状態を付与することができる機能である。この実施形態の入球率向上状態には、第1非電動始動口21が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得ることによって入球率を向上させる第1入球率向上状態と、第2非電動始動口22が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得ることによって入球率を向上させる第2入球率向上状態と、がある。入球率向上状態は、所謂「電サポ状態」、「高ベース状態」である。なお、以下の説明では、入球率向上状態が付与されていない状態を「非入球率向上状態」と示す場合がある。非入球率向上状態は、所謂「非電サポ状態」、「低ベース状態」である。
また、パチンコ遊技機は、図3に示す、主制御基板30、副制御基板31を含む各種基板を備えている。
主制御基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムなどを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。
主制御用CPU30aは、各種スイッチの検知信号を受信するようになっている。スイッチには、始動口スイッチSW1、第1非電動始動口スイッチSW2、第2非電動始動口スイッチSW3、第1カウントスイッチSW4、第2カウントスイッチSW5、ゲートスイッチSW6、普通入球口スイッチSW7が含まれる。また、主制御用CPU30aは、各種表示装置の表示内容を制御するとともに各種アクチュエータの動作を制御する。表示装置には、第1特別図柄表示装置12a、第2特別図柄表示装置12b、第1特別図柄保留表示装置13a、第2特別図柄保留表示装置13b、普通図柄表示装置20が含まれる。また、アクチュエータには、普通電動役物ソレノイドSOL1、振分ソレノイドSOL2、第1大入賞口ソレノイドSOL3、第2大入賞口ソレノイドSOL4が含まれる。
主制御用ROM30bに格納されている情報には、遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラム、特別図柄の変動パターン(メイン変動パターン)を特定する情報や、各種の判定値などがある。特別図柄の変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が確定停止表示される迄の間の変動時間(演出時間)を特定可能である。メイン変動パターンは、大当り変動用の変動パターンと、はずれ変動用の変動パターンとに分類可能である。大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる演出であって、特図ゲームにおいては最終的に大当り図柄が導出される。はずれ変動は、大当り抽選に当選しなかった場合に行われる演出であって、特図ゲームにおいては最終的にはずれ図柄が導出される。なお、はずれ変動には、飾図ゲームにおいてリーチ演出が行われてはずれとなる変動と、飾図ゲームにおいてリーチ演出が行われずにはずれとなる変動と、がある。また、各種の判定値には、大当り抽選に用いる大当り判定値、普通当り抽選に用いる普通当り判定値などを含む。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ、始動保留数など)が記憶される。
また、主制御基板30では、各種の乱数が生成される。乱数には、特別図柄の大当り抽選に用いる大当り乱数、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り乱数、特別図柄の大当り図柄を決定するときに用いる大当り図柄乱数、変動パターンを振り分けるときに用いる変動パターン振分乱数などを含む。乱数には、主制御用CPU30aが所定の制御周期(割込み周期)毎に値を更新することによって生成されるソフトウェア乱数や、乱数生成回路によって生成されるハードウェア乱数がある。乱数生成回路は、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することによってハードウェア乱数を生成する。
図3に示すように、副制御基板31は、主制御基板30から一方向で制御情報(制御信号)が送信されるように主制御基板30と電気的に接続されている。副制御基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cと、を有する。
副制御基板31の副制御用CPU31aは、主制御基板30から送信される制御情報(制御コマンド)をもとに当該制御情報に応じた制御を行う。例えば、主制御用CPU30aは、特図ゲームを開始させる場合、第1特別図柄表示装置12aや第2特別図柄表示装置12bの表示内容の制御に加えて、変動の開始(ゲームの開始)を指示する制御情報を副制御用CPU31aに送信する。当該制御情報を受信した副制御用CPU31aは、演出表示装置11において飾図ゲームを行わせるように表示内容を制御する。なお、パチンコ遊技機は、表示演出用の演出表示装置11の他に、発光演出を行う装飾ランプや音声演出を行うスピーカなどを備えている。このため、副制御用CPU31aは、装飾ランプの点灯/非点灯の制御や、スピーカの音声出力の制御も行う。
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、遊技を制御するために行う処理について説明する。
最初に、各種スイッチSW1〜SW7からの遊技球の検知信号の受信に関する処理(受信処理(入力処理))について説明する。
主制御用CPU30aは、始動口14への入球によって始動口スイッチSW1からの検知信号を受信している場合、又は第1非電動始動口21への入球によって第1非電動始動口スイッチSW2からの検知信号を受信している場合、第1保留数が上限数(実施形態では4)未満であるかを判定する。主制御用CPU30aは、第1保留数が上限数未満である場合、第1保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の第1保留数を表示させるように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。なお、主制御用CPU30aは、第1保留数が上限数に達している場合、第1保留数を加算しない。一方、主制御用CPU30aは、第1保留数を加算した場合、加算後の第1保留数を特定可能な情報(保留指定コマンドなど)を副制御基板31に送信する。第1保留数を特定可能な情報を受信した副制御用CPU31aは、演出表示装置11に当該情報から特定可能な第1保留数を示す画像を表示させる。
主制御用CPU30aは、第2非電動始動口22への入球によって第2非電動始動口スイッチSW3からの検知信号を受信している場合、第2保留数が上限数(実施形態では4)未満であるかを判定する。主制御用CPU30aは、第2保留数が上限数未満である場合、第2保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の第2保留数を表示させるように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。なお、主制御用CPU30aは、第2保留数が上限数に達している場合、第2保留数を加算しない。一方、主制御用CPU30aは、第2保留数を加算した場合、加算後の第2保留数を特定可能な情報(保留指定コマンドなど)を副制御基板31に送信する。第2保留数を特定可能な情報を受信した副制御用CPU31aは、演出表示装置11に当該情報から特定可能な第2保留数を示す画像を表示させる。
また、主制御用CPU30aは、第1保留数の上限数未満で遊技球が入球した場合、又は第2保留数の上限数未満で遊技球が入球した場合、その入球を契機に各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報を主制御用RAM30cに記憶させる。乱数情報は、乱数の値によって構成されていてもよいし、乱数の値を当該値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていてもよい。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、その乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)と、先に入球した遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とが特定可能なように主制御用RAM30cに記憶させる。なお、主制御用CPU30aは、乱数の値を取得する場合、ハードウェア乱数であれば乱数の値を乱数生成回路から取得し、ソフトウェア乱数であれば乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。
また、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1、第1非電動始動口スイッチSW2、第2非電動始動口スイッチSW3、第1カウントスイッチSW4、第2カウントスイッチSW5、及び普通入球口スイッチSW7からの検知信号を受信した場合、所定個数の賞球を払出すための賞球処理を行う。賞球処理では、パチンコ遊技機が備える図示しない払出制御基板に送信する払出指定コマンド(払出信号)を生成して、送信する。払出指定コマンドを受信した払出制御基板は、パチンコ遊技機が備える図示しない球払出装置を作動させて、所定個数の遊技球を賞球として払出す。また、主制御用CPU30aは、ゲートスイッチSW6からの検知信号を受信した場合の処理において、普通保留数(普図ゲームの数)を記憶する処理や普通当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。
次に、大当り抽選の抽選結果を導出させる特図ゲームの実行に関する処理(特図変動処理)について説明する。
特図変動処理において主制御用CPU30aは、特図ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、特図ゲームの実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合に開始条件が成立したと判定する一方で、特図ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合に開始条件が成立していないと判定する。そして、主制御用CPU30aは、開始条件が成立していない場合、特図変動処理を終了する。
主制御用CPU30aは、前述した開始条件が成立している場合、第2保留数を読み出し、その読み出した第2保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、第2保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第2特図ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、第2保留数が零の場合、第1保留数を読み出し、その読み出した第1保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、第1保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第1特図ゲームを開始させるように所定の処理を行う。この実施形態のパチンコ遊技機は、第1特図ゲームと第2特図ゲームとを同時に実行させず、第2特図ゲームを優先的に実行させる。
なお、第1保留数と第2保留数の何れもが零の場合、主制御用CPU30aは、デモンストレーション演出(以下、「デモ演出」と示す)を実行させるための処理を行う。デモ演出は、パチンコ遊技機が待機状態であることを例えば演出表示装置11などの装置を利用して報知し、客寄せ効果を得るための演出である。
第2特図ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、第2保留数を1減算して書き換えるとともに、減算後の第2保留数を表示させるように第2特別図柄保留表示装置13bを制御する。また、主制御用CPU30aは、第2保留数を減算した場合、減算後の第2保留数を特定可能な情報(保留指定コマンドなど)を副制御基板31に送信する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値と大当り判定値とを比較し、大当り抽選を行う。この実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動機能を備えている。このため、大当り抽選において主制御用CPU30aは、大当り抽選時が確変状態であるか、非確変状態であるかによって異なる当選確率で大当り抽選を行う。
図4は、この実施形態の大当り抽選の当選確率を示す。
この実施形態では、非確変状態(低確率)時の当選確率を1/99.9としており、確変状態(高確率)時の当選確率を1/99.75としている。なお、大当り抽選の当選確率は、大当り乱数の取り得る数値に対して大当りに当選する値(大当り判定値)の個数の割合によって規定できる。例えば、大当り乱数の取り得る数値を[0]〜[299]の全300個の値としたときに、大当りの当選する値を[7]の1つとすれば、大当り抽選の当選確率は1/300になる。そして、大当りに当選する値の個数を増やすことで、当選確率は高確率になる。
特図変動処理の説明に戻り、大当り抽選において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得した大当り乱数の値が大当り判定値と一致するかを判定する。このとき、主制御用CPU30aは、大当り抽選時が確変状態であれば確変状態時の大当り判定値を用いて判定を行い、大当り抽選時が非確変状態であれば非確変状態時の大当り判定値を用いて判定を行う。なお、確変状態時の大当り判定値と非確変状態時の大当り判定値は一部が重複する数値で設定されていてもよいし、全てが異なる数値で設定されていてもよい。
大当り乱数の値と大当り判定値とが一致した場合には、大当り抽選に当選する。大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、大当り処理を行う。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づき、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特図ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、大当りに当選した場合に選択可能な大当り変動用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選しなかった場合、はずれ処理を行う。はずれ処理において主制御用CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特図ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、はずれ変動用の変動パターンを決定する。はずれ変動用の変動パターンを決定する場合、主制御用CPU30aは、リーチありの変動パターン又はリーチなしの変動パターンの何れかを決定する。
なお、主制御用CPU30aは、第1特図ゲームを開始させる場合、前述した第2特別図柄の制御と同様の制御を第1特別図柄を対象にして行う。つまり、主制御用CPU30aは、第1保留数の減算、大当り抽選、大当り抽選の結果に基づく大当り処理又ははずれ処理を行う。
また、主制御用CPU30aは、特図ゲームの実行に関する処理として、前述した処理の結果をもとに、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御情報(制御コマンド)を生成する処理を行う。当該処理で生成された各種の制御情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド送信処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに送信される。
主制御用CPU30aは、特図ゲームを開始させる場合、制御情報として特図ゲームを開始させることを特定可能な変動開始コマンド(変動開始情報)を生成する。変動開始コマンドには、前述した大当り処理又ははずれ処理において決定した変動パターンを特定可能な情報も含む。また、主制御用CPU30aは、特図ゲームを開始させる場合、制御情報として特別図柄を特定可能な特図コマンド(特図情報)を生成する。特別図柄の大当り図柄は大当りの種類と対応していることから、特図情報によって大当りの種類が特定可能である。このため、特図コマンドは、当否を特定可能な情報でもあり、また大当りの種類を特定可能な情報でもある。
また、主制御用CPU30aは、特図ゲームを開始させてからの経過時間が所定の変動時間(変動パターンに定められている時間)に達した場合、制御情報として特図ゲームを終了させることを特定可能な変動停止コマンド(変動終了情報)を生成する。なお、主制御用CPU30aは、特図ゲームを開始させる場合、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bの表示内容を制御するとともに、変動時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU30aは、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、決定している特別図柄を導出させるように第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bの表示内容を制御する。
次に、大当り抽選に当選したことによって行われる大当り遊技の進行に関する処理について説明する。
大当り遊技は、大当り遊技の開始に伴うオープニングと、第1大入賞口18又は第2大入賞口24を開放させるラウンド遊技と、大当り遊技の終了に伴うエンディングと、から構成されている。つまり、大当り遊技は、オープニング→ラウンド遊技→エンディングというように段階的に進行する。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の進行に関する処理として、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御情報(制御コマンド)を生成する処理と、第1大入賞口18又は第2大入賞口24を開放及び閉鎖させる処理を行う。前記処理で生成された各種の制御情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド送信処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに送信される。
主制御用CPU30aは、オープニングを開始させる場合、制御情報としてオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドは、オープニングの開始時に副制御用CPU31aに送信される。また、主制御用CPU30aは、1回のラウンド遊技を開始させる場合、制御情報として開放コマンドを生成するとともに、終了条件の成立によって1回のラウンド遊技を終了させる場合、制御情報として閉鎖コマンドを生成する。開放コマンドは、ラウンド遊技の開始時に副制御用CPU31aに送信されるとともに、閉鎖コマンドは、ラウンド遊技の終了時に副制御用CPU31aに送信される。
また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技において第1大入賞口18又は第2大入賞口24を開放させる場合、第1大入賞口ソレノイドSOL3又は第2大入賞口ソレノイドSOL4を第1状態(例えば励磁の状態)に制御する。一方、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技において第1大入賞口18又は第2大入賞口24を閉鎖させる場合、第1大入賞口ソレノイドSOL3又は第2大入賞口ソレノイドSOL4を第2状態(例えば非励磁の状態)に制御する。この実施形態においてラウンド遊技の終了条件は、予め定めた入球上限個数(例えば9球)の入球があったこと、又は第1大入賞口18若しくは第2大入賞口24の開放時間が予め定めた上限時間に達したこと、の何れかが成立したことである。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンド遊技の終了後、エンディングを開始させる場合、制御情報としてエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドは、エンディングの開始時に副制御用CPU31aに送信される。
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
この処理において主制御用CPU30aは、制御情報として遊技状態を特定可能な制御情報を生成する。前記処理で生成された各種の制御情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド送信処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに送信される。
主制御用CPU30aは、遊技状態を非確変状態で、かつ非入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態1指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を確変状態で、かつ入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態2指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を非確変状態で、かつ入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態3指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を確変状態で、かつ非入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態4指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の付与期間をゲーム回数で管理する場合、実行された特図ゲームの回数をカウントし、入球率向上状態の終了条件を成立させる回数に達したときに入球率向上状態の終了を特定可能な終了コマンド(遊技状態情報)を生成する。生成された遊技状態情報は、例えば電源投入時(復電時)や遊技状態の変遷時などに、副制御用CPU31aに送信される。そして、主制御用CPU30aは、非確変状態、確変状態、入球率向上状態(第1入球率向上状態、第2入球率向上状態)などの遊技状態を制御する状態制御手段として機能する。
次に、普通当り抽選の抽選結果を導出させる普図ゲームの実行に関する処理(普図変動処理)について説明する。
普図変動処理において主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、普図ゲームの実行中ではなく、且つ普通図柄の当り遊技中ではない場合に開始条件が成立したと判定する一方で、普図ゲームの実行中、又は普通図柄の当り遊技中である場合に開始条件が成立していないと判定する。そして、主制御用CPU30aは、開始条件が成立していない場合、普図変動処理を終了する。
主制御用CPU30aは、前述した開始条件が成立している場合、普図保留数を読み出し、その読み出した普図保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、普図保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、普図ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、普図保留数が零の場合、普図変動処理を終了する。
普図ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、普図保留数を1減算して書き換える。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報(普通当り乱数)のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数の値と普通当り判定値とを比較し、普通当り抽選を行う。この実施形態のパチンコ遊技機は、入球率向上機能を備えている。このため、普通当り抽選において主制御用CPU30aは、普通当り抽選時が入球率向上状態であるか、非入球率向上状態であるかによって異なる当選確率で普通当り抽選を行う。
この実施形態では、非入球率向上状態時の当選確率を零(普通当りなし)としており、入球率向上状態時の当選確率を100%(はずれなし)としている。なお、普通当り抽選の当選確率は、普通当り乱数の取り得る数値に対して普通当りに当選する値(普通当り判定値)の個数の割合によって規定できる。
普図変動処理の説明に戻り、普通当り抽選において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得した普通当り乱数の値が普通当り判定値と一致するかを判定する。そして、普通当り乱数の値と普通当り判定値とが一致した場合には、普通当り抽選に当選する。普通当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、普通当り処理を行う。普通当り処理において主制御用CPU30aは、普通図柄の当り図柄を決定するとともに、普図ゲームの変動時間を特定可能な普図変動パターンを決定する。この決定した普通図柄の当り図柄が、普図ゲームにて導出される確定停止図柄となる。一方、主制御用CPU30aは、普通当り抽選に当選しなかった場合、普通はずれ処理を行う。普通はずれ処理において主制御用CPU30aは、普通図柄のはずれ図柄を決定するとともに、普図変動パターンを決定する。この決定した普通図柄のはずれ図柄が、普図ゲームにて導出される確定停止図柄となる。
そして、主制御用CPU30aは、普通当り抽選の抽選結果をもとに行う普通当り処理又は普通はずれ処理での決定結果にしたがい、普通図柄表示装置20にて普図ゲームを実行させるとともに、変動時間の経過後に普通当り図柄又は普通はずれ図柄を確定停止表示させる。また、主制御用CPU30aは、普通当り抽選に当選している場合、普図ゲームの終了後、普通当り遊技を生起させる。普通当り遊技では、第1開閉部材16を所定の開放パターンで開放させることにより、普通入球口15が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得るように制御する。なお、普通当り抽選に当選したことによって行われる普通当り遊技の進行、具体的に言えば普通入球口15の開放に関する処理については後に詳しく説明する。
また、主制御用CPU30aは、前述した処理の他にも以下に説明する処理を行う。例えば、主制御用CPU30aは、保留されている特図ゲームが存在せずにデモ演出の実行条件が成立した場合、制御情報として待機状態になることを特定可能なデモコマンド(待機状態情報)を生成する。このデモコマンドは、主制御用CPU30aが行うコマンド送信処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに送信される。また、主制御用CPU30aは、エラーに関する処理なども行う。エラーに関する処理では、パチンコ遊技機で生じた各種のエラーを検知することによって報知を行わせるなどの処理を行う。
パチンコ遊技機のエラー状態には、主制御基板エラー、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、大入賞口不正入賞エラー、普通電動役物不正入賞エラー、断線エラー、扉開放、満杯エラー、払出しエラーなどがある。これらのエラー状態は一例であり、パチンコ遊技機は、仕様(スペック)に応じて様々なエラー状態を検知する機能を搭載している。
主制御基板エラーは、乱数の更新に異常が生じた状態である。磁気エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機に配設された磁気センサによって所定の強さ以上の磁気が検知された状態である。誘導磁界検知エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機に配設された誘導磁界検知センサ(電波センサ)によって特定の周波数帯の電波が検知された状態である。大入賞口不正入賞エラーは、大当り遊技が生起されていないとき(特別電動役物装置の未作動時)に、大入賞口への入賞が検知された状態である。普通電動役物不正入賞エラーは、普通電動役物装置の未作動時に普通入球口15への入球が検知された状態である。また、断線エラーは、基板のスイッチ類の接続などに異常が生じた状態である。扉開放は、パチンコ遊技機の前枠が開放された状態である。満杯エラーは、貯留皿(下皿)が満杯の状態である。払出しエラーは、払出制御基板側で払出しに関するエラーが発生した状態である。また、この実施形態のパチンコ遊技機のように、第1非電動始動口21や第2非電動始動口22を備える場合、これらの非電動始動口への不正入賞を検知したときのエラー状態もある。これらのエラー状態が生じた場合、主制御用CPU30aは、エラー報知を指示するエラー報知信号を副制御用CPU31aに送信する。
以下、副制御基板31の副制御用CPU31aが、主制御用CPU30aの送信した制御情報を受信したことによって行う処理(通常処理)について説明する。
最初に、飾図ゲームに関する処理を説明する。
副制御用CPU31aは、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能なメイン変動パターンの種類をもとに、演出表示装置11の表示内容を制御するためのサブ変動パターンを決定する。サブ変動パターンは、飾図ゲームの演出内容を特定可能である。
また、副制御用CPU31aは、特図コマンドを受信すると、特図コマンドにより指定された特別図柄に基づき、飾図ゲームで導出させる組み合わせを決定する。副制御用CPU31aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合には、飾り図柄の組み合わせとして大当りの組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合には、変動開始コマンドから特定されるメイン変動パターンに基づき、飾り図柄によるはずれの組み合わせを決定する。具体的に言えば、副制御用CPU31aは、リーチありのはずれ変動用のメイン変動パターンが特定されるときには、リーチを形成し得るはずれの組み合わせを決定する。なお、リーチを形成し得るはずれの組み合わせは、例えば3列の飾り図柄のうち特定の2列の飾り図柄を同一の飾り図柄とした組み合わせであって、特定の2列を除く1列の飾り図柄はリーチ演出によって最後に導出される飾り図柄である。また、副制御用CPU31aは、リーチなしのはずれ変動用のメイン変動パターンが特定されるときには、リーチを形成し得ないはずれの組み合わせを決定する。
また、副制御用CPU31aは、サブ変動パターンや飾り図柄の組み合わせの決定とともに、飾図ゲームに伴わせて行わせる予告演出などの種類も決定する。そして、変動開始コマンドが入力された副制御用CPU31aは、上記の決定事項にしたがった演出内容で飾図ゲームが表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、メイン変動パターンから特定される変動時間の経過により、飾図ゲームを終了させ、飾り図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。具体的に言えば、副制御用CPU31aは、変動停止コマンドが入力されることによって飾図ゲームを終了させる。なお、この実施形態では、変動停止コマンドの入力を契機として、飾図ゲームを終了させているが、副制御用CPU31aの制御によりメイン変動パターンから特定される変動時間を計時し、飾図ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から変動停止コマンドを送信せずに、飾図ゲームの終了を制御してもよい。
次に、大当り遊技に関する処理を説明する。
副制御用CPU31aは、オープニングコマンドを受信すると、オープニング演出を行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、開放コマンドが入力されると、ラウンド遊技に伴う演出を行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。一方で、副制御用CPU31aは、閉鎖コマンドが入力されると、ラウンド遊技に伴う演出(ラウンド演出)を終了させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、エンディングコマンドが入力されると、エンディング演出を行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
次に、遊技状態に関する処理を説明する。
副制御用CPU31aは、状態1指定コマンドなどの状態指定コマンドを受信すると、当該コマンドから特定される遊技状態に応じた画像を表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。遊技状態に応じた画像は、例えば演出図柄の背面に表示される背景画像である。また、遊技状態毎に飾図ゲームで用いる飾り図柄の意匠を変更する場合、その飾り図柄の画像は遊技状態に応じた画像である。
次に、デモ演出に関する処理を説明する。
副制御用CPU31aは、デモコマンドを受信すると、デモ演出を行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。デモ演出は、予め定めた演出時間が終了するまでを1回として行われる。そして、デモ演出中に終了条件が成立せずに、演出時間が終了した場合は、繰り返しデモ演出を実行させる。デモ演出の終了条件は、始動口14、第1非電動始動口21又は第2非電動始動口22へ入球し、特図ゲームが開始されることである。
以下、普通当り抽選に当選したことによって行われる普通当り遊技の進行、具体的に言えば普通入球口15の開放に関する処理について詳しく説明する。
この実施形態では、前述したように入球率向上状態において普通当り抽選に当選する。また、この実施形態では、入球率向上状態として、第1入球率向上状態と第2入球率向上状態と、備えている。第1入球率向上状態は、第1非電動始動口21が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得ることによって入球率を向上させる状態である。一方、第2入球率向上状態は、第2非電動始動口22が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得ることによって入球率を向上させる状態である。そして、第1入球率向上状態又は第2入球率向上状態の何れの遊技状態が生じるかは、大当り抽選に当選したときの大当りの種類によって規定されている。なお、大当りの種類は、特別図柄の大当り図柄に対応付けられている。このため、特別図柄の大当り図柄を決定することは、大当りの種類を決定することに相当する。
図5は、この実施形態における第1特別図柄の大当りの種類と第2特別図柄の大当りの種類とを示す。
第1特別図柄の大当りは、大当りZA(3)、大当りZC(7)、大当りZD(36)、大当りZE(6)、及び大当りZF(48)の5種類を備えている。一方、第2特別図柄の大当りは、大当りZa(52)及び大当りZb(48)の2種類を備えている。なお、大当りの種類毎に付記した括弧書き内の各数値(例えば(3)など)は、大当り図柄乱数を用いた抽選で当選する割合を示すものである。
大当りZA,Zaは、大当り遊技のラウンド数を「15回」とし、大当り遊技終了後の遊技状態を、次回の大当りに当選するまで確変状態と第2入球率向上状態に制御する大当りである。大当りZbは、大当り遊技のラウンド数を「4回」とし、大当り遊技終了後の遊技状態を、非確変状態と規定上限回数(90回)の特図ゲームが実行されるまで第2入球率向上状態に制御する大当りである。
大当りZCは、大当り遊技のラウンド数を「9回(4回)」とし、大当り遊技終了後の遊技状態を、次回の大当りに当選するまで確変状態と第1入球率向上状態に制御する大当りである。大当りZDは、大当り遊技のラウンド数を「9回(4回)」とし、大当り遊技終了後の遊技状態を、次回の大当りに当選するまで確変状態に制御するとともに、規定上限回数(90回)の特図ゲームが実行されるまで第1入球率向上状態に制御する大当りである。
大当りZEは、大当り遊技のラウンド数を「10回(4回)」とし、大当り遊技終了後の遊技状態を、次回の大当りに当選するまで確変状態に制御するとともに、規定上限回数(90回)の特図ゲームが実行されるまで第1入球率向上状態に制御する大当りである。大当りZFは、大当り遊技のラウンド数を「10回(4回)」とし、大当り遊技終了後の遊技状態を、非確変状態と規定上限回数(90回)の特図ゲームが実行されるまで第1入球率向上状態に制御する大当りである。
なお、規定上限回数は、第1特別図柄と第2特別図柄とを用いるパチンコ遊技機の場合、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの合算回数である。また、規定上限回数を規定した入球率向上状態は、規定上限回数に達する前に大当り抽選に当選することによっても終了する。また、大当りZC〜ZFにおけるラウンド数の括弧書き内の数値(4回)は実質的に出球が得られるラウンド数を示している。換言すれば、出球が得られるラウンド遊技は大入賞口が長開放パターン(例えば25秒)で開放され、出球が得られないラウンド遊技は大入賞口が短開放パターン(例えば0.4秒)で開放される。
図6は、普通入球口15の第1開閉部材16の開放パターンと振分部材41の動作パターンを示す。
第1入球率向上状態であるとき、第1開閉部材16は、開放パターンP1で動作する。一方、第2入球率向上状態であるとき、第1開閉部材16は、開放パターンP1とは動作の態様が異なる開放パターンP2で動作する。また、振分部材41は、第1入球率向上状態であるとき、及び第2入球率向上状態であるときの何れでも、同一の動作パターンで動作する。つまり、この実施形態では、第1開閉部材16の開放パターンについては入球率向上状態の種類毎に各1種類で、合計2種類の開放パターンを備えている一方で、振分部材41の動作パターンについては1種類のみ備えている。なお、第1開閉部材16の各開放パターンP1,P2と振分部材41の動作パターンは、同一時間を上限として制御するように構成されている。また、各開放パターンP1,P2に基づく第1開閉部材16の制御、及び動作パターンに基づく振分部材41の制御は、各パターンの制御途中で普通入球口15に上限個数の遊技球が入球した場合はその時点で終了する。
振分部材41は、普通当り遊技の開始後、時点T0で第1位置から第2位置に動作する。また、振分部材41は、時点T0から時間Ta(例えば40ms)が経過する時点T1で第2位置から第1位置に動作し、その後、時点T1から時間Tbが経過する時点T3で第1位置から第2位置に動作する。また、振分部材41は、時点T3から時点T9で第2位置から第1位置に動作し、その後、普通当り遊技が終了することになる時点T10まで第1位置を維持する。
開放パターンP1において第1開閉部材16は、時点T0で閉状態から開状態に動作する。また、第1開閉部材16は、時点T0から時間Td(例えば2000ms)が経過する時点T2で開状態から閉状態に動作し、その後、時点T10まで閉状態を維持する。
第1入球率向上状態において第1開閉部材16が開放パターンP1で動作すると、普通入球口15は、時点T0〜時点T2までの間、開放して遊技球の入球を許容する許容状態を取り得ている。つまり、この実施形態において第1入球率向上状態であるときの普通入球口15(第1開閉部材16)は1回、開放する。そして、振分部材41は、普通入球口15が開放している時間Tdのうち、大半の時間(Td−Ta)は第1位置に配置されている。このため、第1入球率向上状態では、普通入球口15へ入球した遊技球が第1作動契機領域15bを通過する可能性が高い。その結果、第1入球率向上状態では、第1作動契機領域15bを通過する遊技球の作用によって第1非電動始動口21が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る。
振分部材41の動作パターンは、開放パターンP1において第1開閉部材16が閉状態を取り得る時点T2から時間Te(例えば1000ms)が経過する時点T3まで第1位置を維持するように構成されている。このため、時点T2の直前に普通入球口15へ遊技球が入球した場合でも、当該遊技球が第1作動契機領域15bを通過するまでに十分な時間があり、普通入球口15の球通路40内で残存した遊技球が第2作動契機領域15cを通過することを抑制している。
開放パターンP2において第1開閉部材16は、時点T0で閉状態から開状態に動作する。また、第1開閉部材16は、時点T0から時間Taが経過する時点T1で開状態から閉状態に動作する。その後、第1開閉部材16は、時点T1から時間Tb(例えば2960ms)が経過する時点T3まで閉状態を維持し、時点T3から時点T8までの間、間欠的に複数回、開状態を取り得る。具体的に言えば、第1開閉部材16は、時点T3から時間Tf(例えば1800ms)が経過する時点T4まで開状態となり、時点T4から時間Tg(例えば20ms)が経過する時点T5まで閉状態となる。また、第1開閉部材16は、時点T5から時間Tfが経過する時点T6まで開状態となり、時点T6から時間Tgが経過する時点T7まで閉状態となる。さらに、第1開閉部材16は、時点T7から時間Tfが経過する時点T8まで開状態となり、時点T8から時点T10まで閉状態を維持する。
第2入球率向上状態において第1開閉部材16が開放パターンP2で動作すると、普通入球口15は、時点T0〜時点T1までの間、時点T3〜時点T4までの間、時点T5〜時点T6までの間、時点T7〜時点T8までの間、それぞれ開放して遊技球の入球を許容する許容状態を取り得ている。つまり、この実施形態において第2入球率向上状態であるときの普通入球口15(第1開閉部材16)は4回、開放する。一方、振分部材41は、時点T0〜時点T1の間、時点T3〜時点T9の間、第2位置に配置されている。そして、第1開閉部材16が開状態となっている時間Taと時間Tfを比較した場合、時間Taよりも時間Tfの方が遙かに長い時間に設定している。これにより、第2入球率向上状態では、主に、時点T3から時点T8の間で普通入球口15に遊技球が入球可能である一方で、それ以外では普通入球口15への入球が見込めない。このため、第2入球率向上状態では、普通入球口15へ入球した遊技球が第2作動契機領域15cを通過する可能性が高い。その結果、第2入球率向上状態では、第2作動契機領域15cを通過する遊技球の作用によって第2非電動始動口22が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る。
なお、振分部材41の動作パターンは、開放パターンP2において第1開閉部材16が閉状態を取り得る時点T8を超えて時間Tc(例えば1500ms)が経過する時点T9まで第2位置を維持するように構成されている。このため、時点T8の直前に普通入球口15へ遊技球が入球した場合でも、当該遊技球が第2作動契機領域15cを通過するまでに十分な時間があり、普通入球口15の球通路40内で残存した遊技球が第1作動契機領域15bを通過することを抑制している。
以下、この実施形態のパチンコ遊技機の作用、具体的には第1入球率向上状態及び第2入球率向上状態を備えることによって生じ得る遊技性を説明する。
図5に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄とに大当りを振分け、さらに第1非電動始動口21と第2非電動始動口22とを備えることで、この実施形態のパチンコ遊技機は以下に説明するような遊技状態の変化が生じる。
具体的に言えば、非確変状態、かつ非入球率向上状態(所謂、通常状態)では、第1非電動始動口21及び第2非電動始動口22の何れもが開放されず、遊技球の入球を常時許容している始動口14へ遊技球を入球させて第1特別図柄の大当り抽選の権利を得るように遊技は進められる。このとき、第1特別図柄の大当り抽選に当選したことによって得られる大当りの種類は、図5に示す振分けから、大当りZA、大当りZC、大当りZD、大当りZE及び大当りZFの何れかである。
そして、図5に示す振分けによれば、第1特別図柄において得られる大当りの割合は、大当り遊技終了後に第1入球率向上状態となる大当りの割合(97/100)の方が、大当り遊技終了後に第2入球率向上状態となる大当りの割合(3/100)に比して極めて高い。つまり、第1遊技状態としての非入球率向上状態である場合に大当り抽選に当選したときには第1遊技状態から第3遊技状態としての第2入球率向上状態へ移行する移行率よりも第2遊技状態としての第1入球率向上状態へ移行する移行率が高くなっている。なお、図5に示す振分けによれば、第1遊技状態から第3遊技状態へ移行する移行率は3/100であり、第1遊技状態から第2遊技状態へ移行する移行率は97/100である。
これにより、非入球率向上状態中に大当り抽選に当選した場合は、高い確率で第1入球率向上状態へ移行することになる。そして、第1入球率向上状態では、第1非電動始動口21を開放させることができる。このため、第1入球率向上状態は、普通当り抽選への当選によって普通入球口15を開放させ、その普通入球口15へ遊技球を入球させることで開放される第1非電動始動口21へ遊技球を入球させて第1特別図柄の大当り抽選の権利を得るように遊技は進められる。
また、大当り遊技終了後に第1入球率向上状態となる大当りは、大当りZC、大当りZD、大当りZE及び大当りZFの4種類であり、そのうち大当りZCを除く大当りは規定上限回数を「90回」に定めた第1入球率向上状態を付与する大当りである。また、大当りZCが得られる割合(7/100)は、大当りZD、大当りZE及び大当りZFが得られる割合(90/100)に比して極めて低い。
また、大当りZD、大当りZE及び大当りZFのうち、大当りZFは非確変大当りであり、大当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態、かつ第1入球率向上状態とする大当りである。一方、大当りZD及び大当りZEは、確変大当りであり、大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態、かつ第1入球率向上状態とする大当りである。そして、大当りZD及び大当りZEの確変状態は、何れも、次回、大当り抽選に当選するまで継続されることになるが、第1入球率向上状態の規定上限回数を超えた時点で遊技状態は確変状態、かつ非入球率向上状態となり得る。
ここで、この実施形態の大当り抽選の当選確率は、図4に示すように、非確変状態(低確率)時の確率(1/99.9)と確変状態(高確率)時の確率(1/99.75)とをほぼ同一確率に設定している。そして、前述したように、第1入球率向上状態に規定上限回数(90回)を設定した確変大当りとしての大当りZD,ZEと非確変大当りとしての大当りZFは、規定上限回数を同一回数に設定している。これにより、第1特別図柄の遊技性は、大当り抽選に当選すると極めて高い確率で規定上限回数を定めた第1入球率向上状態へ移行することになる。そして、規定上限回数への到達によって非入球率向上状態へ移行した後は大当り抽選の当選確率に差が生じていないことから、確変状態をゲーム回数で管理する回数切り仕様のパチンコ遊技機(所謂、ST機)に酷似した遊技性となる。
図5に示す振分けによれば、第2遊技状態としての第1入球率向上状態である場合に大当り抽選に当選したときには第3遊技状態としての第2入球率向上状態へ移行する移行率よりも第1入球率向上状態へ再移行する移行率が高くなっている。なお、図5に示す振分けによれば、第2遊技状態から第3遊技状態へ移行する移行率は3/100であり、第2遊技状態から第2遊技状態へ再移行する移行率は97/100である。このため、第1特別図柄の遊技性では、前述したST機と同様に、決められた上限回数に到達する迄の間に大当りを繰り返し引き当てることで、出玉(賞球)を増加させていくことになる。
また、図5に示す振分けによれば、第2遊技状態としての第1入球率向上状態中に大当り抽選に当選し、大当りZAを得られた場合、第1入球率向上状態から第3遊技状態としての第2入球率向上状態へ移行可能である。第2入球率向上状態では、第2非電動始動口22を開放させることができる。このため、第2入球率向上状態は、普通当り抽選への当選によって普通入球口15を開放させ、その普通入球口15へ遊技球を入球させることで開放される第2非電動始動口22へ遊技球を入球させて第2特別図柄の大当り抽選の権利を得るように遊技は進められる。このとき、第2特別図柄の大当り抽選に当選したことによって得られる大当りの種類は、図5に示す振分けから、大当りZa及び大当りZbの何れかである。
図5に示す振分けによれば、第2特別図柄において得られる大当りは、大当り遊技終了後に第2入球率向上状態となる大当りのみである。つまり、大当り遊技終了後に第1入球率向上状態となる大当りは振分けられていない。これにより、第2遊技状態としての第1入球率向上状態である場合に大当り抽選に当選したときに第3遊技状態としての第2入球率向上状態へ移行する移行率よりも第2入球率向上状態である場合に大当り抽選に当選したときに第2入球率向上状態へ再移行する移行率が高くなっている。なお、図5に示す振分けによれば、第1入球率向上状態から第2入球率向上状態へ移行する移行率は3/100であり、第2入球率向上状態から第2入球率向上状態へ再移行する移行率は100/100である。
また、図5に示す振分けによれば、第2特別図柄において確変大当りである大当りZaが得られる割合と非確変大当りが得られる大当りZbが得られる割合はほぼ同等(1/2)である。また、大当りZaは、次回、大当り抽選に当選するまで確変状態と第2入球率向上状態が継続される大当りである。一方、大当りZCは、非確変大当りであって、規定上限回数を「90回」に定めた第2入球率向上状態となる大当りである。このため、第2特別図柄の遊技性は、大当りZaを繰り返し引き当てることで出玉(賞球)を増加させる仕様のパチンコ遊技機(所謂、ループ機)に酷似した遊技性となる。また、第2特別図柄の遊技性では、大当りZCを得ても再び大当りZaを引き戻すチャンスが与えられている。さらに、図5に示す振分けによれば、大当りZaは、大当り遊技中のラウンド数が最も有利な大当りであるから、非入球率向上状態又は第1入球率向上状態において大当りZaが得られることによって第2入球率向上状態へ移行し、出玉性能が飛躍的に向上されることになる。
この実施形態のパチンコ遊技機では、第1非電動始動口21と第2非電動始動口22を用いることで、第1入球率向上状態と第2入球率向上状態の性能(仕様)が異なる入球率向上状態を作り出している。このため、前述したように第1特別図柄ではST機のような確変仕様の遊技性を実現できるとともに、第2特別図柄ではループ機のような確変仕様の遊技性を実現でき、特別図柄の種類によって確変仕様を使い分けることが可能である。
なお、その他、この実施形態のパチンコ遊技機では、図5の振分けに示すように、第1入球率向上状態の仕様が異なる大当りZC,ZDと、確変状態の仕様が異なる大当りZE,ZFを備えている。このため、ラウンド数が「9回」の大当り遊技が生起されたときには大当り遊技終了後の第1入球率向上状態の継続状態に遊技者を注目させる遊技性を提供できる。一方、ラウンド数が「10回」の大当り遊技が生起されたときには大当り遊技終了後の確変状態の継続状態(確変状態の有無)に遊技者を注目させる遊技性を提供できる。
また、図5に示す振分けによれば、第1入球率向上状態及び第2入球率向上状態は、大当りの種類により、所定回数としての規定上限回数(90回)を上限として継続される場合と所定期間としての規定上限回数(90回)を超えて継続可能な場合とある。規定上限回数を上限として継続される場合は、第1入球率向上状態であれば大当りZD,ZE,ZFの何れかに当選しているときであり、第2入球率向上状態であれば大当りZbに当選しているときである。また、規定上限回数を超えて継続可能な場合は、第1入球率向上状態であれば大当りZCに当選しているときであり、第2入球率向上状態であれば大当りZaに当選しているときである。なお、第1入球率向上状態及び第2入球率向上状態は、大当り抽選に当選したことを契機に終了する遊技状態である。このため、大当りZCに当選したことによる第1入球率向上状態、及び大当りZaに当選したことによる第2入球率向上状態では、所定期間としての規定上限回数に達する前に大当り抽選に当選する場合もあれば、規定上限回数を超えて大当り抽選に当選する場合もある。このため、大当りZCに当選したことによる第1入球率向上状態、及び大当りZaに当選したことによる第2入球率向上状態は、規定上限回数を超えて継続可能な遊技状態である。
そして、図5に示す振分けによれば、第1入球率向上状態よりも第2入球率向上状態の方が所定期間としての規定上限回数(90回)を超えて継続する継続率が高くなっている。具体的に言えば、第1入球率向上状態において規定上限回数を超えて継続する継続率は大当りZCの当選確率によって規定されることから図5に示す振分けによれば7/100である。一方、第2入球率向上状態において規定上限回数を超えて継続する継続率は大当りZaの当選確率によって規定されることから図5に示す振分けによれば52/100である。
したがって、第1の実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1非電動始動口21が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る第1入球率向上状態と、第2非電動始動口22が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る第2入球率向上状態とを備える。そして、第1入球率向上状態から第2入球率向上状態へ移行可能であるが、第1入球率向上状態から第2入球率向上状態へ移行する移行率よりも第2入球率向上状態から第2入球率向上状態へ再移行する移行率が高くなっている。このため、第2入球率向上状態へ一旦、移行したときには、第2入球率向上状態へ繰り返し突入する可能性が高く、第2特別図柄の有利性を生じさせ、興趣の向上を図ることができる。
(2)また、非入球率向上状態であるときには第2入球率向上状態へ移行する移行率よりも第1入球率向上状態へ移行する移行率が高くなっている。このため、非入球率向上状態で当り抽選に当選したときにはまずは第1入球率向上状態の遊技性を楽しませることができ、興趣の向上を図ることができる。そして、非入球率向上状態、第1入球率向上状態及び第2入球率向上状態という3つの遊技状態を段階的に移行させる遊技性を提供することができる。
(3)また、第1入球率向上状態であるときには第2入球率向上状態へ移行する移行率よりも第1入球率向上状態へ再移行する移行率が高くなっている。このため、第2入球率向上状態の有利性を高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
(4)そして、第1非電動始動口21と第2非電動始動口22を備えることで、第1入球率向上状態と第2入球率向上状態は同じ入球率向上状態でありながら、異なる遊技性を付与し得る入球率向上状態とすることができる。したがって、1つの入球率向上状態のみを備えるパチンコ遊技機とは異なり、第1特別図柄と第2特別図柄の有利性の差について幅を広げることができ、興趣の向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
以下、パチンコ遊技機に具体化した第2の実施形態を図7及び図8にしたがって説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどしてその重複する説明を省略又は簡略する。
この実施形態では、第1非電動始動口21及び第2非電動始動口22を備え、第1入球率向上状態と第2入球率向上状態を生起することができるパチンコ遊技機において実行可能とした先読み予告の制御について説明する。先読み予告は、未だ開始されない図柄変動ゲーム(特図ゲーム)であって、保留記憶として記憶されている図柄変動ゲームが、大当りになる可能性を示唆する予告である。そして、先読み予告は、始動条件の成立時に保留記憶として記憶される図柄変動ゲームを特定図柄変動ゲーム(先読み予告のターゲット変動)としたとき、当該特定図柄変動ゲームが開始される前に実行される予告である。このとき、特定図柄変動ゲームよりも先に開始される図柄変動ゲームが存在する場合、先読み予告は複数回の図柄変動ゲームを跨いで(又は複数回の図柄変動ゲームに亘って)実行される。例えば、第1保留数が「3」のときに第1非電動始動口21へ遊技球が入球し、その入球によって未だ開始されない図柄変動ゲームとして保留記憶される図柄変動ゲームを特定図柄変動ゲームとする。そして、先読み予告を実行する場合、当該先読み予告は特定図柄変動ゲームが開始される迄の3回の図柄変動ゲームを跨いで実行されることになる。
また、先読み予告には、特定図柄変動ゲームを含み、当該特定図柄変動ゲームに至るまでの各図柄変動ゲームが開始される毎に例えば演出表示装置11に所定の画像を表示させる連続予告がある。所定の画像は、例えば特定のキャラクタが出現する画像でもよいし、何らかのストーリを有する画像でもよい。また、先読み予告には、特定図柄変動ゲームに対応し、例えば演出表示装置11に表示される保留画像を通常の表示態様とは異なる保留画像に変化させる保留変化予告がある。なお、この実施形態で説明する先読み予告の制御は、先読み予告の種類に拘わらず、適用可能である。また、大当りの種類及び振分けは図5に示す仕様に限らず、第1非電動始動口21及び第2非電動始動口22を備え、第1入球率向上状態と第2入球率向上状態を生起することができるパチンコ遊技機であれば、この実施形態で説明する先読み予告の制御は適用可能である。
以下、先読み予告の実行に関する制御内容を説明する。
主制御用CPU30aは、始動口14への入球を契機に大当り乱数などの乱数の値を取得する(乱数取得処理)。同様に、主制御用CPU30aは、第1非電動始動口21又は第2非電動始動口22への入球を契機に大当り乱数などの値を取得する(乱数取得処理)。
そして、主制御用CPU30aは、前述した特定の始動口への入球を契機に乱数取得処理にて乱数の値を取得すると、当該値から特定可能な情報を指示する先読みコマンドを生成する(先読みコマンド生成処理)。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、取得した大当り乱数の値から大当りを特定可能である場合、その特定可能な情報を指示する先読みコマンドを生成する。一方、主制御用CPU30aは、取得した大当り乱数の値からはずれを特定可能である場合、その特定可能な情報を指示する先読みコマンドを生成する。これらの先読みコマンドは、主制御用CPU30aが行うコマンド送信処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに送信される。
なお、先読みコマンドから特定可能な情報には、大当り又ははずれに関する情報に限らず、保留数を特定可能な情報が含まれていてもよいし、入球した始動口を特定可能な情報が含まれていてもよい。また、入球した始動口を特定可能な情報は、特別図柄の種類(第1特別図柄であるか、第2特別図柄であるか)を特定可能な情報であってもよい。
また、乱数取得処理では、大当り図柄乱数や変動パターン振分乱数なども取得されている。このため、先読みコマンドから特定可能な情報には、大当りの種類を特定可能な情報が含まれていてもよいし、変動時間(又はメイン変動パターン)を特定可能な情報が含まれていてもよい。つまり、先読みコマンドから特定可能な情報は、先読み予告の演出内容や実行時期など、先読み予告の仕様に応じて設定すればよい。
一方、副制御用CPU31aは、先読みコマンドを受信すると、その先読みコマンドを飾図ゲームの実行順序に対応付けて副制御用RAM31cに記憶させる。飾図ゲームの実行順序は、前述した乱数取得処理において乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(特図ゲームの実行順序)に対応している。そして、副制御用CPU31aは、先読みコマンドを受信すると、当該先読みコマンドを受信したことを契機に先読み予告の実行可否判定を行う。先読み予告の実行可否判定は、実行するか否かを決定する判定である。この実行可否判定において副制御用CPU31aは、先読み予告を実行させるための実行条件を充足している場合、実行可と判定して所定の時期に先読み予告を開始させる。例えば、前述した連続予告であれば実行可と判定してから最先に行われる飾図ゲームの開始とともに開始させる。また、前述した保留変化予告であれば実行可と判定した時点で開始させる。これにより、保留変化予告の場合は、先読み予告を実行可とした先読みコマンドに対応する入球(特定図柄変動ゲーム)とほぼ同一のタイミングで開始される。
図7は、この実施形態のパチンコ遊技機において先読み予告を実行可能な遊技状態を示す。
第1特図ゲームを対象とする先読み予告は、非入球率向上状態時(図中の「非入球」)、及び第1入球率向上状態時(図中の「第1入球」)のそれぞれで実行可能である。その一方で、第1特図ゲームを対象とする先読み予告は、第2入球率向上状態時(図中の「第2入球」)において実行不能である。なお、第1特図ゲームを対象とする先読み予告は、始動口14又は第1非電動始動口21への入球によって生成された先読みコマンドに基づく実行可否判定で実行可と判定されたときに実行される先読み予告である。
この実施形態のパチンコ遊技機は、第1特図ゲームよりも第2特図ゲームを優先して実行させる優先変動を採用している。優先変動の場合は、未だ開始されない第1特図ゲームが存在している場合でも、第2特図ゲームを実行させる条件が充足されていれば第2特図ゲームが優先されて実行されることになる。このため、特に第2特図ゲームの始動条件が成立する入球率向上状態(この実施形態では第2入球率向上状態)では、第1特図ゲームを対象とする先読み予告を実行可としていても、当該先読み予告は第1特図ゲームよりも第2特図ゲームが優先されることによって実行不能である。
一方、この実施形態のパチンコ遊技機によれば非入球率向上状態及び第1入球率向上状態は、第2特図ゲームの始動条件が成立し難い。具体的に言えば、非入球率向上状態において第2非電動始動口22は開放されないことから第2特図ゲームの始動条件は成立しない(第1の実施形態における普図変動処理を参照)。また、第1入球率向上状態において第2非電動始動口22は開放されない又は開放される可能性が極めて低いことから第2特図ゲームの始動条件は成立しない又は成立する可能性が極めて低い(図6に示す第1開閉部材16の開放パターンなどを参照)。このため、この実施形態では、第1特図ゲームの始動条件が得られる第1入球率向上状態を有することで、入球率向上状態における第1特図ゲームを対象とする先読み予告を実行可能としている。
一方、第2特図ゲームを対象とする先読み予告は、非入球率向上状態、第1入球率向上状態、及び第2入球率向上状態のそれぞれで実行可能である。なお、第2特図ゲームを対象とする先読み予告は、第2非電動始動口22への入球によって生成された先読みコマンドに基づく実行可否判定で実行可と判定されたときに実行される先読み予告である。また、ここで言う、第2特図ゲームを対象とする先読み予告を実行可能とは、実行可否判定において実行可と判定することができることを意味しており、先読み予告が演出として実際に実行されるか否か(出現するか否か)は問わない。例えば、この実施形態のパチンコ遊技機は、第1の実施形態の普図変動処理で説明したように非入球率向上状態では第2非電動始動口22が開放されない構成である。このため、非入球率向上状態では、第2特図ゲームの始動条件が成立せず、第2特図ゲームを対象とする先読み予告は演出として出現しない。
図8は、この実施形態において副制御用CPU31aが実行する先読み予告処理を示す。副制御用CPU31aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に先読み予告処理を実行する。
先読み予告処理において副制御用CPU31aは、先読みコマンドを受信したかを判定する(ステップS10)。ステップS10において副制御用CPU31aは、先読みコマンドを受信していない場合、先読み予告処理を終了する。一方、ステップS10において副制御用CPU31aは、先読みコマンドを受信している場合、現在の遊技状態が非入球率向上状態であるか、又は第1入球率向上状態であるかを判定する(ステップS11)。
副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから送信された状態指定コマンドを受信すると、当該状態指定コマンドから特定される遊技状態を副制御用RAM31cに記憶している。このため、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cの記憶内容から、確変状態であるか、非確変状態であるか、非入球率向上状態であるか、入球率向上状態であるか、を特定することが可能である。また、副制御用CPU31aは、大当り抽選に当選している場合、主制御用CPU30aから送信された特図コマンドから特定される大当りの種類を特定可能な情報を次回、大当りに当選するまで副制御用RAM31cに記憶している(前回の大当り情報の記憶)。このため、副制御用CPU31aは、入球率向上状態であるとき、前回の大当り情報をもとに前回の大当りの種類を特定することで、第1入球率向上状態であるか、第2入球率向上状態であるかを特定することが可能である。つまり、副制御用CPU31aは、ステップS11において直近の大当り遊技を生起させた大当りの種類を少なくとも1つの判定条件として第2遊技状態である第1入球率向上状態であるかを判定する。そして、副制御用CPU31aによって実行されるステップS11の処理が遊技状態を判定する状態判定手段としての処理になる。
ステップS11において副制御用CPU31aは、非入球率向上状態又は第1入球率向上状態であると判定した場合、先読み予告の実行可否判定を行う(ステップS12)。ステップS12において副制御用CPU31aは、先読み予告を実行させるための実行条件を充足している場合、実行可と判定して先読み予告を実行させる処理を行う。一方、ステップS12において副制御用CPU31aは、先読み予告を実行させるための実行条件を充足していない場合、実行否と判定する。先読み予告を実行させるための実行条件が充足される場合には、例えば既に先読み予告を実行していない場合であって、かつ特定図柄変動ゲームよりも前の未だ開始されていない図柄変動ゲームがリーチ変動(大当り変動を含む)ではない場合、が挙げられる。なお、先読み予告を実行させるための実行条件はどのような条件下で先読み予告を出現させるか、という先読み予告の仕様によって設定することができる。
また、ステップS11において副制御用CPU31aは、第2入球率向上状態であると判定した場合、ステップS10で受信した先読みコマンドが第2特別図柄に関する先読みコマンドであるかを判定する(ステップS13)。ステップS13において副制御用CPU31aは、第2特別図柄に関する先読みコマンドであると判定した場合、ステップS12へ移行し、前述同様に先読み予告の実行可否判定を行う。一方、ステップS13において副制御用CPU31aは、第1特別図柄に関する先読みコマンドであると判定した場合、先読み予告の実行可否判定を行うことなく、先読み予告処理を終了する。
前述した先読み予告処理によれば、第1特図ゲームを対象とする先読み予告は、非入球率向上状態又は第1入球率向上状態であって、かつ実行可否判定で実行可と判定されることによって実行されることになる。一方で、前述した先読み実行処理によれば、第1特図ゲームを対象とする先読み予告は、第2入球率向上状態であるとき、実行されないことになる。
したがって、この実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(4)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(5)第1非電動始動口21が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る第1入球率向上状態と、第2非電動始動口22が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る第2入球率向上状態とを備える。これにより、第2特図ゲームの優先変動を採用するパチンコ遊技機の入球率向上状態において、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれにおいて先読み予告を実行させることができる。つまり、先読み予告の出現率を向上させつつも、先読み予告の信頼度を維持することができる。したがって、入球率向上状態中の演出を多様化でき、興趣の向上を図ることができる。
(第3の実施形態)
以下、パチンコ遊技機に具体化した第3の実施形態を説明する。
先読み予告は、大当り遊技中に保留記憶されている未だ開始されない図柄変動ゲーム(保留ゲーム)を対象として実行させることもできる。この先読み予告は、保留内当り予告である。
以下、先読み予告としての保留内当り予告の実行に関する制御を説明する。
副制御用CPU31aは、大当り遊技中、所定のタイミング(例えば、エンディング)で副制御用RAM31cに記憶されている先読みコマンドを参照し、大当りを特定可能な先読みコマンドが存在するかを判定する。この判定は、大当り遊技中に保留記憶として記憶された未だ開始されない図柄変動ゲームの中に大当りとなる図柄変動ゲームが存在するかを判定していることになる。
副制御用CPU31aは、第1特別図柄に関する先読みコマンドが記憶されており、かつ当該先読みコマンドの中に大当りを特定可能な先読みコマンドが存在する場合、大当り遊技終了後の遊技状態を特定する。このとき、副制御用CPU31aは、今回の大当り遊技を生じさせた大当りの種類を、当該大当り遊技の直前に実行された特図ゲームの開始時に受信した特図コマンドから特定する。そして、副制御用CPU31aは、特定した大当りの種類から大当り遊技の終了後の遊技状態を第1入球率向上状態と判定した場合、先読み予告を実行させる処理を行う。一方、副制御用CPU31aは、特定した大当りの種類から大当り遊技の終了後の遊技状態を第2入球率向上状態と判定した場合、先読み予告を実行させる処理は行わない。なお、保留内当り予告は、例えば演出表示装置11に特定の画像を表示させることによって実行される。
上記処理により、先読み予告は、始動口14又は第1非電動始動口21への入球によって保留記憶として記憶された未だ開始されない図柄変動ゲームが大当り遊技中に記憶されている場合において、副制御用CPU31aが大当り遊技の終了後の遊技状態を第1入球率向上状態と判定しているときに実行可能としている。この実施形態において副制御用CPU31aは状態判定手段として機能する。
具体的に例示すると、非入球率向上状態又は第1入球率向上状態において例えば大当りZDに当選すると、大当り遊技の終了後は第1入球率向上状態となる。そして、大当り遊技中に保留記憶されている第1特図ゲームの中に大当りとなる第1特図ゲームが存在しているときには当該第1特図ゲームを対象とする先読み予告として保留内当り予告を実行可能である。
一方で、非入球率向上状態又は第1入球率向上状態において例えば大当りZAに当選すると、大当り遊技の終了後は第2入球率向上状態となる。この場合は、大当り遊技中に保留記憶されている第1特図ゲームの中に大当りとなる第1特図ゲームが存在していても、大当り遊技の終了後の遊技状態が第2入球率向上状態であるから先読み予告は実行不能である。これは、第2の実施形態で説明したように、この実施形態では、第1特図ゲームよりも第2特図ゲームを優先して実行させるからである。因みに、大当り遊技中に保留記憶されている第2特図ゲームの中に大当りとなる第2特図ゲームが存在しているときには、大当り遊技の終了後の遊技状態に拘わらず、先読み予告を実行可能である。
なお、上記した保留内当り予告は、特定条件をさらに付加して実行させることもできる。
具体的に言えば、大当り遊技の終了後の遊技状態が第1入球率向上状態であって、大当り遊技中に保留記憶されている第1特図ゲームの中に大当りとなる第1特図ゲームが存在し、かつ当該第1特図ゲームが特定の大当りに当選する第1特図ゲーム(特定保留ゲーム)であるときに、先読み予告を実行させてもよい。この場合、主制御用CPU30aは、大当り又ははずれに関する情報に加え、大当りの種類を特定可能な先読みコマンドを生成する。これにより、副制御用CPU31aは、受信した先読みコマンドから大当り又ははずれに関する情報、及び大当りの種類を特定でき、前述したように特定の大当りに当選するときに先読み予告を実行させることができる。なお、この実施形態における特定の大当りは、例えば大当りZAである。
したがって、この実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(4)及び第2の実施形態の効果(5)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(6)第1非電動始動口21が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る第1入球率向上状態と、第2非電動始動口22が遊技球の入球を許容する許容状態を取り得る第2入球率向上状態とを備える。このような場合においても、大当り遊技の終了後の遊技状態に応じて、先読み予告としての保留内当り予告を実行させることができる。したがって、大当り遊技中の演出を多様化でき、興趣の向上を図ることができる。
なお、各実施形態は以下のように変更してもよい。
・副制御用CPU31aは、先読み予告の実行中に所定のエラーが発生した場合、先読み予告を構成する演出の全部又は一部に代えて所定のエラーの報知を優先して実行させてもよい。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが送信するエラー報知信号を受信することによってエラーの発生を認識し得る。そして、副制御用CPU31aは、全てのエラーの報知を先読み予告よりも優先して実行させてもよいし、特に重要度の高いエラーの報知のみを先読み予告よりも優先して実行させてもよい。また、先読み予告を構成する演出としては、演出表示装置11による画像表示、装飾ランプによる発光、スピーカによる音声出力、演出用可動体による動作など、これらの中から選択した1つの演出の場合もあれば、任意に組み合わせた演出の場合もある。そして、副制御用CPU31aは、例えば先読み予告が画像表示、発光及び音声出力を組み合わせて構成されている場合において、これら全てをエラー報知用の画像表示、発光及び音声出力に変更してもよい。あるいは、画像表示、発光及び音声出力のうち1つ又は2つの演出をエラー報知に変更してもよい。例えば、画像表示と音声出力をエラー報知用の画像表示及び音声出力に変更し、発光は先読み予告の演出を維持してもよいし、画像表示のみをエラー報知用の画像表示に変更し、音声出力及び発光は先読み予告の演出を維持してもよい。このようにエラー報知を優先することで、遊技者などに不利益を与えてしまうことを回避できる。なお、副制御用CPU31aは、遊技機で発生したエラーの報知を制御するエラー制御手段として機能する。
・第1特図ゲームや第2特図ゲームは、特図変動処理の大当り処理やはずれ処理で選択されるメイン変動パターンの変動時間で制御されている。そして、第1入球率向上状態で行われる特図ゲーム(主に第1特図ゲーム)の変動時間には、第2入球率向上状態で行われる特図ゲーム(主に第2特図ゲーム)と同一時間を含んでいてもよい。そして、同一の変動時間で行われる第1入球率向上状態の特図ゲームの演出内容は、同一の変動時間で行われる第2入球率向上状態の特図ゲームの演出内容とは区別される、又は少なくとも一部の演出内容が異なっていてもよい。このように第1入球率向上状態と第2入球率向上状態の各特図ゲームの変動時間を同一の変動時間とすれば、入球対象が異なることによって入球率向上状態の仕様としては相違するが、時間的な進行は同等のものとすることができる。つまり、何れかの入球率向上状態の進行が極端に遅いなどの事態も生じず、また特図ゲームの消化度合いも同等とすることができ、同等の利益を与えることができる。また、その一方で、演出内容を区別すれば、異なる入球率向上状態であることを遊技者に認識させることができるとともに、それぞれの遊技性を楽しませることができる。
・主制御用CPU30aが送信する状態指定コマンドを、第1入球率向上状態や第2入球率向上状態を特定可能としたコマンドとしてもよい。
・副制御用CPU31aは、上記別例に記載した状態指定コマンドが送信される場合、この状態指定コマンドから特定される遊技状態を記憶することで、先読みコマンドを受信したときの遊技状態を特定するようにしてもよい。
・副制御用CPU31aが遊技状態を特定する場合に、大当り抽選に当選したときの遊技状態を参照するようにしてもよい。例えば、同一の大当りであっても、大当り抽選に当選したときの遊技状態に応じて入球率向上状態を付与する場合と付与しない場合とを設定する場合は、大当り抽選に当選したときの遊技状態を参照することで遊技状態を特定できる。
・主制御用CPU30aは、第2入球率向上状態のときに例えば始動口14に入球して第1特図ゲームの始動条件が成立した場合、先読みコマンドを生成しないようにしてもよい。
・非入球率向上状態中にも、普通当り抽選に当選するように当選確率を設定してもよい。例えば、普通当り乱数が[0]〜[10000]の値を取り得る場合に普通当り判定値として1つの値を定めると、普通当り抽選の当選確率は1/10000となり、実施形態と同様に当選確率はほぼ零になる。つまり、非入球率向上状態中の普通当り抽選の当選確率は零に限らず設定してもよいが、入球率向上状態中の普通当り抽選の当選確率に比して極めて低い確率とすることがよい。
・非入球率向上状態中に普通当り抽選に当選する場合、第1開閉部材16の開放パターンを、第1入球率向上状態や第2入球率向上状態の開放パターンに比して開放時間が短い短開放パターンとしてもよい。
・第1入球率向上状態や第2入球率向上状態における第1開閉部材16の開放パターンを複数種類備え、抽選で決定するようにしてもよい。例えば、第1入球率向上状態の開放パターンを2種類備え、第2入球率向上状態の開放パターンを2種類備えてもよい。また、一方の入球率向上状態の開放パターンを1種類とし、他方の入球率向上状態の開放パターンを複数種類としてもよい。また、両方の入球率向上状態の開放パターンを複数種類備える場合において、パターン数を異ならせてもよい。
・第1入球率向上状態や第2入球率向上状態における普図ゲームの変動時間を複数種類備え、抽選で決定するようにしてもよい。また、一方の入球率向上状態の変動時間を1種類とし、他方の入球率向上状態の変動時間を複数種類としてもよい。また、両方の入球率向上状態の変動時間を複数種類備える場合において、変動時間の種類数を異ならせてもよい。
・実施形態では、非入球率向上状態時の普通当り抽選の当選確率は零である。このため、普図変動処理は、普通当り抽選時の遊技状態が非入球率向上状態のときであれば普通当り抽選を行わずに普通はずれ処理を行い、普通当り抽選時の遊技状態が入球率向上状態のときに普通当り抽選を行うように構成してもよい。
・図5に示す振分けにおいて、大当りZCを省略してもよいし、大当りZCと大当りZDを省略してもよい。また、図5に示す振分けにおいて、各大当りの割合を変更してもよい。
・各大当りによって得られる利益は変更してもよい。例えば、ラウンド数を変更してもよい。また、規定上限回数を例えば60回などに変更してもよい。また、次回、大当りまで入球率向上状態とすることに代えて、例えば規定上限回数を10000回とすることによって実質的に次回の大当りに当選するまで入球率向上状態が継続されるようにしてもよい。
・第1非電動始動口21及び第2非電動始動口22の具体的な構成は任意に変更してもよい。例えば、開放機構は、可動レバーとリンク機構から構成されていなくてもよく、遊技球の作用によって第2開閉部材21aや第3開閉部材22aを開放させることができればよい。
・遊技盤10に、3つ以上の非電動役物を配置してもよい。そして、例えば普通入球口15へ入球した1球の遊技球の作用によって複数の非電動役物が開放するようにしてもよい。
・第1非電動始動口21及び第2非電動始動口22に代えて、遊技盤10には、第1非電動始動口21及び第2非電動始動口22と同等の役割を持たせた複数の電動役物を配置してもよい。非電動役物を電動役物に変更しても各実施形態の遊技性などは実現することができる。
・遊技盤10には、1つの大入賞口を配置してもよい。また、複数の大入賞口を配置する場合においてその配置は変更してもよい。例えば、上下に並設させてもよい。
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプを専門に制御する発光制御基板、スピーカを専門に制御する音声制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副制御基板としてもよい。
・また、単一の基板に主制御基板30の主制御用CPU30aと副制御基板31の副制御用CPU31aとを搭載してもよい。また、上記の別例において、表示制御基板、発光制御基板、及び音声制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(1−1)第1特別図柄の大当り抽選と第2特別図柄の大当り抽選とを行い、大当りに当選した場合には大当り遊技を付与する遊技機において、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第1入球口と、遊技球の入球によって前記第2特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第2入球口と、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を常時許容する第3入球口と、遊技状態を制御する状態制御手段と、を備え、前記遊技状態には、第1遊技状態と、第2遊技状態と、第3遊技状態と、を含み、前記第1遊技状態は、前記第3入球口が入球可能な状態であり、前記第2遊技状態は、前記第1入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記第3遊技状態は、前記第2入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記状態制御手段の制御による遊技状態の移行は、少なくとも前記第2遊技状態から前記第3遊技状態へ移行可能に構成されており、前記第2遊技状態である場合に大当り抽選に当選したときに前記第3遊技状態へ移行する移行率よりも前記第3遊技状態である場合に大当り抽選に当選したときに前記第3遊技状態へ再移行する移行率が高く構成されていることを特徴とする遊技機。
(1−2)前記遊技状態の移行は、前記第1遊技状態である場合に前記大当り抽選に当選したときには前記第1遊技状態から前記第3遊技状態へ移行する移行率よりも前記第2遊技状態へ移行する移行率が高く構成され、前記第2遊技状態である場合に前記大当り抽選に当選したときには前記第2遊技状態から前記第3遊技状態へ移行する移行率よりも前記第2遊技状態へ再移行する移行率が高く構成されている前記(1−1)に記載の遊技機。
(1−3)前記第1入球口及び前記第2入球口は、前記非許容状態を取り得ているときに所定の入球口へ入球した遊技球の作用によって前記許容状態へ作動する契機が付与される非電動式の入球口である前記(1−1)又は(1−2)に記載の遊技機。
(1−4)前記大当り抽選の当選確率には、第1当選確率と、前記第1当選確率よりも当選する確率が高い第2当選確率と、があり、前記第1遊技状態は、前記大当り抽選の当選確率が前記第1当選確率の状態であり、前記第2遊技状態は、前記大当り抽選の当選確率が前記第1当選確率又は前記第2当選確率の状態であり、前記第3遊技状態は、前記大当り抽選の当選確率が前記第1当選確率又は前記第2当選確率の状態である前記(1−1)〜(1−3)の何れか一項に記載の遊技機。
(1−5)第1特別図柄の大当り抽選と第2特別図柄の大当り抽選とを行い、大当りに当選した場合には大当り遊技を付与する遊技機において、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第1入球口と、遊技球の入球によって前記第2特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第2入球口と、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を常時許容する第3入球口と、遊技状態を制御する状態制御手段と、を備え、前記遊技状態には、第1遊技状態と、第2遊技状態と、第3遊技状態と、を含み、前記第1遊技状態は、前記第3入球口が入球可能な状態であり、前記第2遊技状態は、前記第1入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記第3遊技状態は、前記第2入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態は、大当りの種類により、所定期間を上限として継続される場合と前記所定期間を超えて継続可能な場合と、があり、前記状態制御手段の制御による遊技状態の移行は、少なくとも前記第2遊技状態から前記第3遊技状態へ移行可能に構成されており、前記第2遊技状態よりも前記第3遊技状態の方が前記所定期間を超えて継続する継続率が高く構成されていることを特徴とする遊技機。
(2−1)未だ開始されない図柄変動ゲームを保留記憶として記憶し、大当りになる可能性を示唆する先読み予告を前記保留記憶に基づく図柄変動ゲームが開始される前に実行可能とした遊技機において、第1特別図柄の大当り抽選を行う第1大当り抽選手段と、第2特別図柄の大当り抽選を行う第2大当り抽選手段と、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第1入球口と、遊技球の入球によって前記第2特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第2入球口と、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を常時許容する第3入球口と、遊技状態を制御する状態制御手段と、遊技状態を判定する状態判定手段と、を備え、前記遊技状態には、第1遊技状態と、第2遊技状態と、第3遊技状態と、を含み、前記第1遊技状態は、前記第3入球口が入球可能な状態であり、前記第2遊技状態は、前記第1入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記第3遊技状態は、前記第2入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記大当り抽選は、前記第1特別図柄の図柄変動ゲームと前記第2特別図柄の図柄変動ゲームのそれぞれが保留記憶として記憶されている場合において前記第2特別図柄の大当り抽選が優先して行われ、前記第1入球口又は前記第3入球口へ遊技球が入球したときに保留記憶として記憶される未だ開始されない図柄変動ゲームを特定図柄変動ゲームとしたとき、当該特定図柄変動ゲームが保留記憶されたときの遊技状態を前記状態判定手段が前記第2遊技状態と判定した場合には、前記特定図柄変動ゲームを対象とする前記先読み予告を実行可能とした遊技機。
(2−2)前記特定図柄変動ゲームが保留記憶されたときの遊技状態を前記状態判定手段が前記第3遊技状態と判定した場合には、前記先読み予告を実行不能とした前記(2−1)に記載の遊技機。
(2−3)前記第2遊技状態で行われる図柄変動ゲームの変動時間には、前記第3遊技状態で行われる図柄変動ゲームの変動時間と同一変動時間を含む前記(2−1)又は(2−2)に記載の遊技機。
(2−4)前記同一の変動時間で行われる前記第2遊技状態の図柄変動ゲームの演出内容は、前記同一の変動時間で行われる前記第3遊技状態の図柄変動ゲームの演出内容とは区別される、又は少なくとも一部の演出内容が異なる前記(2−3)に記載の遊技機。
(2−5)遊技機で発生したエラーの報知を制御するエラー制御手段を備え、前記エラー制御手段は、前記先読み予告の実行中に所定のエラーが発生した場合、前記先読み予告を構成する演出の全部又は一部に代えて前記所定のエラーの報知を優先して実行させる前記(2−1)〜(2−4)のうち何れかに記載の遊技機。
(2−6)前記第2遊技状態と前記第3遊技状態は、大当りの種類に基づいて大当り遊技の終了後に移行する遊技状態であり、前記状態判定手段は、直近の大当り遊技を生起させた大当りの種類を少なくとも1つの判定条件として前記第2遊技状態であるかを判定する前記(2−1)〜(2−5)のうち何れかに記載の遊技機。
(2−7)未だ開始されない図柄変動ゲームを保留記憶として記憶し、大当りになる可能性を示唆する先読み予告を前記保留記憶に基づく図柄変動ゲームが開始される前に実行可能とした遊技機において、第1特別図柄の大当り抽選を行う第1大当り抽選手段と、第2特別図柄の大当り抽選を行う第2大当り抽選手段と、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第1入球口と、遊技球の入球によって前記第2特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第2入球口と、遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を常時許容する第3入球口と、遊技状態を制御する状態制御手段と、遊技状態を判定する状態判定手段と、を備え、前記遊技状態には、第1遊技状態と、第2遊技状態と、第3遊技状態と、を含み、前記第1遊技状態は、前記第3入球口が入球可能な状態であり、前記第2遊技状態は、前記第1入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記第3遊技状態は、前記第2入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、前記第1入球口又は前記第3入球口への入球によって保留記憶として記憶された未だ開始されない図柄変動ゲームを保留ゲームとし、当該保留ゲームが大当り遊技中に記憶されている場合において、前記状態判定手段が前記大当り遊技の終了後の遊技状態を前記第2遊技状態と判定しているときには前記保留ゲームを対象とする前記先読み予告を実行可能とした遊技機。
(2−8)前記第1入球口又は前記第3入球口への入球によって保留記憶として記憶された未だ開始されない図柄変動ゲームを保留ゲームとし、当該保留ゲームが大当り遊技中に記憶されている場合において、前記状態判定手段が前記大当り遊技の終了後の遊技状態を前記第2遊技状態と判定しているときであって、かつ前記保留ゲームの中に特定の大当りに当選する特定保留ゲームが存在するときには前記保留ゲームを対象とする前記先読み予告を実行可能とした前記(2−7)に記載の遊技機。
(2−9)前記状態判定手段が前記大当り遊技の終了後の遊技状態を前記第3遊技状態と判定しているときには前記先読み予告を実行不能とした前記(2−7)又は(2−8)に記載の遊技機。
14…始動口、21…第1非電動始動口、22…第2非電動始動口、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30c…主制御用RAM、31…副制御基板、31a…副制御用CPU、ZA,Za,zb,ZC〜ZF…大当り。

Claims (2)

  1. 未だ開始されない図柄変動ゲームを保留記憶として記憶し、大当りになる可能性を示唆する先読み予告を前記保留記憶に基づく図柄変動ゲームが開始される前に実行可能とした遊技機において、
    第1特別図柄の大当り抽選を行う第1大当り抽選手段と、
    第2特別図柄の大当り抽選を行う第2大当り抽選手段と、
    遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第1入球口と、
    遊技球の入球によって前記第2特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を許容する許容状態と遊技球の入球を許容しない非許容状態とを取り得る第2入球口と、
    遊技球の入球によって前記第1特別図柄の大当り抽選の権利が得られるとともに遊技球の入球を常時許容する第3入球口と、
    遊技状態を制御する状態制御手段と、
    遊技状態を判定する状態判定手段と、を備え、
    前記遊技状態には、第1遊技状態と、第2遊技状態と、第3遊技状態と、を含み、
    前記第1遊技状態は、前記第3入球口が入球可能な状態であり、
    前記第2遊技状態は、前記第1入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、
    前記第3遊技状態は、前記第2入球口が前記許容状態を取り得る状態であり、
    前記大当り抽選は、前記第1特別図柄の図柄変動ゲームと前記第2特別図柄の図柄変動ゲームのそれぞれが保留記憶として記憶されている場合において前記第2特別図柄の大当り抽選が優先して行われ、
    前記第1入球口又は前記第3入球口へ遊技球が入球したときに保留記憶として記憶される未だ開始されない図柄変動ゲームを特定図柄変動ゲームとしたとき、当該特定図柄変動ゲームが保留記憶されたときの遊技状態を前記状態判定手段が前記第2遊技状態と判定した場合には、前記特定図柄変動ゲームを対象とする前記先読み予告を実行可能とした遊技機。
  2. 前記第1入球口及び前記第2入球口は、前記非許容状態を取り得ているときに所定の入球口へ入球した遊技球の作用によって前記許容状態へ作動する契機が付与される非電動式の入球口である請求項1に記載の遊技機。
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