JP2018023108A - ウェアラブルデバイス - Google Patents

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Katsushi Sakai
克司 境
村瀬 有一
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Abstract

【課題】 近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続する技術を提供する。【解決手段】 複数のアンテナを一本のアンテナとしてまとめ、アンテナ全体を所定の周波数で共振が最大になるように調整した通信相手のアンテナと無線通信が可能なウェアラブルデバイスは、アンテナとして機能し、所定の周波数で共振が最大になる複数の第1誘導アンテナと、複数の第1誘導アンテナに導体を介して接続される第8のアンテナとを有し、複数の第1誘導アンテナは、一部が互いに重なるように配置され、所定の周波数で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられ、複数の第1誘導アンテナを一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、通信相手のアンテナの最小単位のアンテナサイズより大きく、通信相手の全体のアンテナサイズより小さい。【選択図】 図19

Description

本発明は、ウェアラブルデバイスに関する。
スマートフォンや携帯電話、タブレット型の端末などの携帯端末は、電子決済機能などのために、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)のためのアンテナを含んでいる場合がある。このような携帯端末を用いて電子決済サービスなどの提供を受ける場合に、利用者は、店舗に設置された読み取り装置や駅の自動改札機などに携帯端末をかざす操作を行うことで、携帯端末の内部に記録された識別情報を読み取らせている。
一方、RFID(Radio Frequency IDentification)タグの読み取り装置と手袋などに設けられたアンテナとを接続し、RFIDタグを付けられた物品を利用者が手に取った際に、物品の情報を読み取る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−57145号公報
しかしながら、上述の従来技術は、手袋に設けられたアンテナで読み取りが可能な範囲に電子タグが設置されていれば、利用者の意図にかかわらず電子タグの読み取りを行うため、意図しない読み取りを行ってしまう場合がある。
本件開示のウェアラブルデバイスは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続する技術を提供することを目的とする。
一つの観点によれば、所定の周波数で共振が最大になる複数のアンテナを、一部が互いに重なるように配置して一本のアンテナとしてまとめ、アンテナ全体を所定の周波数で共振が最大になるように調整した通信相手のアンテナと無線通信が可能なウェアラブルデバイスは、アンテナとして機能し、所定の周波数で共振が最大になる複数の第1誘導アンテナと、複数の第1誘導アンテナに導体を介して接続される第8のアンテナとを有し、複数の第1誘導アンテナは、一部が互いに重なるように配置され、所定の周波数で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられ、複数の第1誘導アンテナを一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、通信相手のアンテナの最小単位のアンテナサイズより大きく、通信相手の全体のアンテナサイズより小さい。
本件開示のウェアラブルデバイスは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
ウェアラブルデバイスの一実施形態を示す図である。 図1に示したウェアラブルデバイスに含まれるアンテナの別実施形態を示す図である。 図1に示したウェアラブルデバイスに含まれるアンテナの別実施形態を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 図4に示したウェアラブルデバイスの動作を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 図7に示したウェアラブルデバイスの動作を示す図である。 図6に示したウェアラブルデバイスのハードウェア構成例を示す図である。 図9に示したウェアラブルデバイスの動作を示す図である。 図10に示した器具の装着状態を検査する処理の例を示す図である。 図10に示した器具の収納状態を検査する処理の例を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す図である。 靴に設置される誘導アンテナの調整方法の例を示す図である。 床に設置される誘導アンテナの調整方法の例を示す図である。
以下、図面に基づいて、実施形態を説明する。
図1は、ウェアラブルデバイスの一実施形態を示す。図1は、人物P1が作業着Wrを着用することで、ウェアラブルデバイス10を装着する例である。
ウェアラブルデバイス10は、所定の長さを有し折り曲げ可能な導体111と、アンテナ112、113と、手袋GLと、作業着Wrに設けられたポケットPkとを含んでいる。アンテナ112は、導体111の一端T1に接続され、一端T1における電波の誘導を行う第1誘導部の一例である。また、アンテナ113は、導体111の他端T2に接続され、他端T2における電波の誘導を行う第2誘導部の一例である。以下の説明において、導体111とアンテナ112とアンテナ113とを含む要素は、拡張アンテナ11と称される。
手袋GLは、例えば、人物P1の手にアンテナ112を装着させる装着具の一例である。図1は、手袋GLにより、アンテナ112を人物P1の右手に装着させた例を示す。アンテナ112が装着された人物P1の手は、人物P1の外部の環境に設置された装置EQに搭載された近距離無線通信用の通信部C1にアクセス可能な身体の部位の一例である。
なお、アンテナ112を装着させる部位は、図1に示した手袋GLが装着された右手に限らず、人物P1の左手や、左または右の下膊部などでもよい。また、装置EQに搭載された通信部C1は、人物P1の外部に配置され、近距離無線通信を行う機能を有する第1通信部の一例である。通信部C1は、例えば、近距離無線通信用あるいはRFID用の電子タグでもよいし、また、近距離無線通信用あるいはRFID用の電子タグから情報を読み取るための読み取り部でもよい。
ポケットPkは、スマートフォンなどの携帯端末UEを収納可能な容量を持ち、また、携帯端末UEに含まれる近距離無線通信用の通信部C2に対向してアンテナ113を固定するホルダ131を含んでいる。携帯端末UEに含まれる通信部C2は、近距離無線通信を行う機能を有し、人物P1によって携帯される第2通信部の一例である。通信部C2は、近距離無線通信用の電子タグの情報を読み取るための読み取り部でもよいし、近距離無線通信用あるいはRFID用の電子タグでもよい。また、携帯端末UEは、作業着WrのポケットPkなどに収納可能な大きさであれば、近距離無線通信用の読み取り部を有するタブレット型の端末装置やRFID用の電子タグを読み取るための読み取り装置でもよい。
アンテナ112は、例えば、2つに分岐した枝部CL1a、CL1bを有する。また、2つの枝部CL1a、CL1bは、互いの距離を変更可能に配置されており、各枝部CL1a、CL1bの先端には、例えば、リング状のコイルが設けられている。
例えば、枝部CL1aは、手袋GLの親指部分に沿って設けられ、枝部CL1aのコイルは、手袋GLが装着された手の親指に填められ、親指の関節の周囲に位置する。また、枝部CL1bは、例えば、手袋GLの人差し指部分に沿って設けられ、枝部CL1bのコイルは、手袋GLが装着された手の人差し指に填められ、人差し指の先端から2番目の関節の周囲に位置する。図1に示すように、2つの枝部CL1a、CL1bは、枝部CL1aのコイルで生成される磁界と枝部CL1bのコイルで生成される磁界とが同じ向きD1となる向きで人物P1に装着されることが望ましい。向きD1に磁界を生成する枝部CL1a、CL1bを有するアンテナ112は、枝部CL1a、CL1bのコイル間の距離が所定の閾値Dtを超える場合に、枝部CL1a、CL1bのそれぞれの電磁気的な特性である第1特性で電波を誘導する。また、図1に示したアンテナ112は、2つの枝部CL1a、CL1bのコイル間の距離が所定の閾値Dt以下である場合に、枝部CL1a、CL1bによる作用を足し合わせた特性である第2特性で電波を誘導する。
枝部CL1a、CL1bのコイルによる作用が足し合わせられる限界の距離を示す閾値Dtは、例えば、人物P1が意識的に親指と人差し指の指先を対向させながら互いを近づけた場合における枝部CL1a、CL1b間の距離と同程度の値に設定される。なお、人物P1が無意識的な動作を行っている場合に、親指の関節は、人差し指の付け根付近に配置される場合が多い。このため、人物P1が無意識的な動作を行っている場合に、親指に填められた枝部CL1aのコイルと、人差し指の先端から2番目の関節に填められた枝部CL1bのコイル間の距離が、閾値Dt以下となることはほとんどない。
ここで、枝部CL1a、CL1bのそれぞれによる電波を誘導する作用の強さは、2つの枝部CL1a、CL1bによる作用を足し合わせた場合に、距離L1だけ離れた位置にある電子タグの読み取りが可能となる強さに調整される。例えば、枝部CL1a、CL1bのそれぞれによる電波を誘導する作用の強さを示す単独の特性値は、距離L1だけ離れた位置にある電子タグの読み取りが可能となる作用の強さを示す特性値よりも小さい値に設定される。そして、2つの枝部CL1a、CL1bによる作用が足し合わせられる場合の作用の強さを示す協働の特性値は、距離L1だけ離れた位置にある電子タグの読み取りが可能となる作用の強さを示す特性値よりも大きな値に設定される。なお、距離L1は、人物P1が装置EQに含まれる個々の部品を一つずつ確認する作業を行う場合などに、作業の対象となる部品と作業のために近づけられた人物P1の手との距離に基づいて設定される。
すなわち、図1に示したアンテナ112は、人物P1の操作により、2つの枝部CL1a、CL1b間の距離が変えられることで、個別の特性値で示される第1特性と、協働の特性値で示される第2特性とのいずれか一方で、一端T1において電波を誘導する。
例えば、人物P1により、意識的に親指と人差し指の指先を対向させる操作が行われ、枝部CL1a、CL1bの距離が閾値Dt以下となった場合に、アンテナ112は、協働の特性値で示される第2特性を持つアンテナとして機能する。一方、親指と人差し指の指先を対向させる操作が行われていない場合に、枝部CL1a、CL1bの距離は閾値Dt以上となるため、アンテナ112は、個別の特性値で示される第1特性を持つアンテナとして機能する。
意識的に親指と人差し指の指先を対向させることで枝部CL1a、CL1bの距離を短縮させる操作は、アンテナ112が装着された人物P1の部位を変形させることで、アンテナ112に第2特性を示させる操作の一例である。以下の説明において、アンテナ112が装着された人物P1の部位を変形させることで、アンテナ112に第2特性を示させるために人物P1によってなされる操作は、意識的操作と称される場合がある。意識的操作は、親指と人差し指の指先を対向させる操作に限らず、人物P1により、無意識に行われる可能性が低い操作であればよい。
なお、枝部CL1a、CL1bを装着する指の組み合わせは、親指と人差し指の組み合わせに限らず、人物P1により無意識的な操作が行われている間に閾値Dt以下の距離まで近接する可能性が低い指同士の組み合わせであれば、他の組み合わせでもよい。例えば、手袋GLの親指部分と中指部分、親指部分と薬指部分、または親指部分と小指部分に、枝部CL1a、CL1bを設けてもよい。また、アンテナ112の形状は、図1に示したリング状に限らず、人物P1による意識的操作により、電波の誘導に用いる特性を切り替え可能な機構を含んでいればよく、例えば、ブレスレット形やリストバンド形でもよい。
また、図1に示した導体111の一端T1は、例えば、作業着Wrの袖口においてアンテナ112に接続され、導体111の他端T2は、携帯端末UEを収納しているポケットPkの内部においてアンテナ113に接続されている。また、導体111は、例えば、作業着Wrの生地の表面または裏面に縫いこまれており、作業着Wrを着用した人物P1は、腕を伸ばすなどの動作を行うことで、導体111の一端T1およびアンテナ112を自在に移動させることができる。そして、人物P1は、腕を伸ばして導体111の一端T1およびアンテナ112を移動させることで、装置EQに含まれる通信部C1から距離L1以内の箇所にアンテナ112を近づけることができる。
アンテナ112と通信部C1との距離が距離L1以下となった状態で、人物P1により、アンテナ112に対する意識的操作が行われた場合に、アンテナ112の特性が第2特性に変化する。このとき、アンテナ112に含まれる枝部CL1a、CL1bによって生成される磁界により、通信部C1に含まれるアンテナに誘導による電力が供給されることで、アンテナ112と通信部C1との間の無線経路14が接続される。一方、アンテナ112と通信部C1との距離が距離L1以下となった場合でも、人物P1により、アンテナ112に対する意識的操作が行われていない場合には、通信部C1とアンテナ112との間の無線経路14は接続されない。なぜなら、意識的操作が行われていない状態において、アンテナ112に含まれる枝部CL1a、CL1bのそれぞれによって生成される磁界は、通信部C1に含まれるアンテナに誘導による電力を供給できる程の強さを持たないためである。
つまり、アンテナ112を有する拡張アンテナ11を含むウェアラブルデバイス10によれば、人物P1の意識的な操作を契機として、アンテナ112と通信部C1との間の無線経路14を接続し、通信部C1、C2間の通信を可能にすることができる。例えば、図1に示した場合のように、通信部C1が電子タグであり、通信部C2が携帯端末UEに含まれる場合に、通信部C1、C2間の通信は、通信部C2からの電力供給によって実現される。逆に、通信部C1が電子タグから情報を読み出す機能を持つ読み取り装置に含まれており、通信部C2が定期券など含まれた電子タグである場合に、通信部C1、C2間の通信は、通信部C1からの電力供給によって実現される。
図1に示したウェアラブルデバイス10に含まれる無線経路14は、人物P1の意識的操作が継続している期間にわたって接続され、意識的操作の解除に伴って切断される。したがって、図1に示したウェアラブルデバイス10は、人物P1が意図したタイミングで、通信部C1と通信部C2との間での通信を実行させ、人物P1が意図しないタイミングでは、通信部C1と通信部C2との通信を停止させておくことができる。
すなわち、図1に示したウェアラブルデバイス10は、通信部C1、C2のどちらが送信側となる場合でも、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
図2は、図1に示したウェアラブルデバイス10に含まれるアンテナ112の別実施形態を示す。なお、図2に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図2(A−1)、(A−2)は、図1に示したアンテナ112に含まれる2つの枝部CL1a、CL1bの別の装着例を示す。
図2(A−1)、(A−2)に示した枝部CL1a、CL1bのそれぞれのコイルは、例えば、2本の指輪のそれぞれに内蔵されている。また、図2(A−1)、(A−2)の例では、枝部CL1a、CL1bのそれぞれのコイルを内蔵する指輪は、図1に示した人物P1の右手hrの人差し指と薬指とにはめられている。また、枝部CL1a、CL1bのそれぞれは、配線部Ccと作業着Wrの袖口に設けられたコネクタCnとを介して所定の長さを有する導体111の一端T1に接続されている。なお、配線部Ccは、コネクタCnと枝部CL1a、CL1bのそれぞれとを接続する導線と、枝部CL1a、CL1bを互いに接続する導線とを含んでいる。
図2(A−1)は、人物P1の右手hrの各指が自然に伸ばされている状態を示している。この場合に、アンテナ112に含まれる枝部CL1a、CL1bは、少なくとも中指の太さで示される距離よりも離れている。したがって、中指の太さ程度に閾値Dtを設定することで、図2(A−1)に示した枝部CL1a、CL1bの相対位置で示される形状において、アンテナ112は、枝部CL1a、CL1bの個別の特性値で示される第1特性を示す。
図2(A−2)は、人物P1により、右手hrの人差し指を中指に交差する操作が意識的操作として行われた状態を示している。この場合に、アンテナ112に含まれる枝部CL1a、CL1bは、人物P1により意識的操作が行われたことで、図2(A−1)に示した状態よりも近づけられ、枝部CL1a、CL1b間の距離は閾値Dt以下となっている。これにより、図2(A−2)に示した状態では、枝部CL1a、CL1bのそれぞれの作用が足しあわされることで、アンテナ112は、破線で示した領域φaにおいて、第2特性を示す。
すなわち、図2(A−1)、(A−2)に示したアンテナ112は、例えば、腕を動かすことで枝部CL1a、CL1bのそれぞれの作用が足しあわされる領域φaを電子タグに近づけ、電子タグの情報をピンポイントで読み取る用途などにおいて有用である。
また、図2(B−1)、(B−2)は、図1に示したウェアラブルデバイス10に含まれるアンテナ112の別例を示す。
図2(B−1)、(B−2)に示したアンテナ112は、例えば、作業着Wrと手袋GLとの接続部に設けられたコネクタCnを介して、所定の長さを有する導体111の一端T1に接続されたループ状のアンテナである。アンテナ112は、例えば、手袋GLの内部に、手の輪郭に沿って縫い込まれている。
図2(B−1)は、人物P1の右手hrの各指が自然に広げられている状態におけるアンテナ112の形状を示す。図2(B−1)に示した形状である場合に、アンテナ112は、破線で示した領域φbにおいて、ループアンテナのうち、掌の手首側を囲む導線で誘導される磁界により、電波を誘導する機能を示す。
図2(B−2)は、人物P1により、右手hrの各指を閉じる操作が意識的操作として行われた状態におけるアンテナ112の形状を示す。図2(B−2)に示した形状に変形されたアンテナ112は、閉じられた指の部分の導線で誘導される磁界が互いに強めあうことで、図2(B−1)に示した領域φbよりも広い領域φb’において、電波を誘導する機能を示す。
図2(B−2)に示した領域φb’において、アンテナ112が示す電波を誘導する作用の強さは、領域φb’に含まれる電子タグの読み取りが可能な程度に調整される。この場合に、図2(B−1)、(B−2)に示したアンテナ112は、人物P1による意識的操作によって変形された場合に、例えば、人物P1の右手hrの面積とほぼ同等の面積を有する領域φb’に含まれる電子タグなどの読み取りに用いることが可能である。
すなわち、図2(B−1)、(B−2)に示したアンテナ112は、例えば、手の厚み程度の狭い隙間に手を差し込み、隙間のどこかに設置された電子タグなどを読み取る用途などにおいて有用である。
また、図2(B−1)に示した形状を維持しているアンテナ112が領域φbにおいて示す電波を誘導する作用の強さは、例えば、アンテナ112を装着した手を電子タグにかざした場合に領域φbに含まれる電子タグに誘導による給電が可能な程度に調整される。このような調整を行った場合に、図2(B−1)、(B−2)に示したアンテナ112は、意識的操作に応じて電子タグを読み取ることが可能な範囲を切り替え可能とすることができる。
なお、アンテナ112は、手に含まれる指などに対応する輪郭の一部を省略した形状で、手袋GLに縫いこまれていてもよい。例えば、アンテナ112の形状は、親指部分の輪郭を省略した形状でもよいし、また、掌を囲む部分が省略された指先部分の輪郭を示す形状でもよい。
図3は、図1に示したウェアラブルデバイス10に含まれるアンテナ112の別実施形態を示す。なお、図3に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
例えば、図3に示したアンテナ112は、人物P1の手首などに固定されるアンテナAfと、導電性を有する棒状の器具Gjと、器具Gjに設置されたアンテナAr1、Ar2とを含んでいる。
器具Gjは、人物P1によって掴まれることで、人物P1の身体に接続され、逆に、人物P1が器具Gjを離すことで人物P1への接続が解除される。アンテナAr1は、例えば、人物P1が器具Gjを掴む位置を指定するために器具Gjの一端に設けられたグリップGrなどに隣接して設置される。また、アンテナAr1の位置は、人物P1がグリップGrの位置で器具Gjを掴んだ場合に、アンテナAfからの距離が所定値L2以下となる位置に設定される。また、アンテナAr2は、器具Gjにおいて、アンテナAr1が設置された箇所から離れた他端Eg1に設置され、器具Gjの他端Eg1において、第2特性を用いて電波を誘導する。
アンテナAf及びアンテナAr1のそれぞれによる電波を誘導する作用の強さは、アンテナAfとアンテナAr1との距離が所定値L2となった場合に、両者の間に無線経路が接続される強さに調整されることが望ましい。また、器具Gjは、長さを伸縮させる機構を含んでいてもよい。
図3に示したアンテナ112は、作業着Wrに縫いこまれた導体111により人物P1の手首まで延長された拡張アンテナ11を、器具Gjを装着することにより、器具Gjの長さLgだけ離れた器具Gjの他端Eg1まで更に延長することができる。
したがって、図3に示したアンテナ112を有するウェアラブルデバイス10は、通信部C1が天井など高い場所に設置されている場合にも、器具Gjの他端Eg1を通信部C1から距離L1以内の箇所に近づけることで無線経路14を接続可能である。
例えば、通信部C1がスプリンクラーや火災報知器などに含まれる電子タグである場合に、電子タグとアンテナAr2との間の無線経路14は、器具Gjの他端Eg1に設置されたアンテナAr2をスプリンクラーや火災報知器に近づけることで接続される。これにより、携帯端末UE内部の通信部C2は、電子タグの情報を読み取ることが可能となる。また、電子タグの読み取りで得られた情報は、例えば、スプリンクラーや火災報知器が点検されたことを示す履歴やスプリンクラーや火災報知器の状態を示す情報として、携帯端末UE内部のメモリ等に蓄積されてもよい。
すなわち、図3に示したアンテナ112を有するウェアラブルデバイス10は、建物の天井あるいは天井付近の壁面に設置される場合が多い機器の点検などの分野において有用である。
次に、図1に示したウェアラブルデバイス10を用いて、人物P1が実行する様々な作業を支援する方法について説明する。
図4は、ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す。なお、図4に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図4に示したウェアラブルデバイス10は、図1に示した導体111とアンテナ112、113とを含む拡張アンテナ11に加えて、携帯端末UEに搭載されたプロセッサなどの制御部15及びメモリMEMと、提示部16とを含んでいる。
また、図4に示した携帯端末UEは、近距離無線通信により、電子タグを読み取る機能を有する読み取り部C4を含んでいる。読み取り部C4は、近距離無線通信を行う機能を有し、人物P1に携帯される第2通信部の一例であり、図1に示した通信部C2に相当する。
図4に示した装置EQは、装置EQに含まれる部品の一例であるスイッチSWと、スイッチSWに対応付けられた電子タグTag0を含んでいる。電子タグTag0は、人物の外部の装置EQに搭載された、近距離無線通信を行う機能を有する第1通信部の一例であり、図1に示した通信部C1に相当する。また、電子タグTag0は、内蔵するメモリに、スイッチSWに対応付けられたタグ情報を保持している。
図4に示したアンテナ112と電子タグTag0との間の無線経路14は、例えば、図1、図2を用いて説明したように、アンテナ112を第2特性に対応する形状に変形させる意識的操作が人物P1によってなされた際に接続される。
そして、図4の例では、アンテナ112と電子タグTag0との間に接続された無線経路14と、導体111と、アンテナ113と通信部C2との間の無線経路とを含む通信経路は、読み取り部C4による電子タグTag0の読み取りに用いられる。すなわち、図4に示したウェアラブルデバイス10は、人物P1により、アンテナ112に対して意識的操作が行われるタイミングで、人物P1によって携帯される読み取り部C4による読み取りが可能な範囲を拡張する機能を果たす。
また、携帯端末UEの制御部15は、例えば、通信部C4から受けたタグ情報に含まれる識別情報に基づいてメモリMEMを参照することで、メモリMEMに蓄積された情報を取得する。また、制御部15は、取得した情報からスイッチSWに対する点検手順などを示すテキストや画像情報を生成してもよい。
図4に示した提示部16は、例えば、眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)などであり、制御部15から受けた情報を示す画像などを表示部に表示させることで人物P1に提示する。
図5は、図4に示したウェアラブルデバイス10の動作を示す。図5に示したステップS301〜ステップS303の処理は、図4に示したウェアラブルデバイス10の動作を示すとともに、図4に示したウェアラブルデバイス10を用いたインタフェース制御方法およびインタフェース制御プログラムの例を示す。例えば、図5に示す処理は、ウェアラブルデバイス10に接続された携帯端末UEに搭載されたプロセッサがインタフェース制御プログラムを実行することで実現される。なお、図5に示す処理は、ウェアラブルデバイス10に搭載されるハードウェアによって実行されてもよい。すなわち、図5は、インタフェース制御方法及びインタフェース制御プログラムの一実施形態を示す。
ステップS301において、図4に示した制御部15は、例えば、通信部C2の状態に基づいて、アンテナ112と電子タグTag0との間の無線経路が接続されたか否かを判定する。
図4に示したアンテナ112が第2特性を示す形状に変形させられていない場合や、人物P1の右手hrと電子タグTag0との距離が図1で説明した距離L1以上離れている場合に、アンテナ112と電子タグTag0との間の無線経路14は未接続となる。この場合に、制御部15は、ステップS301の否定判定ルート(NO)に進み、ステップS301の処理を繰り返すことで、無線経路14の接続を待ち受ける。
一方、アンテナ112が第2特性を示す形状に変形させられた状態で、例えば、人物P1が装置EQに設置された電子タグTag0から距離L1以内の箇所にアンテナ112が装着された手を近づけた場合に、図4に示した無線経路14が接続される。この場合に、処理は、ステップS301の肯定判定ルート(YES)に従って、ステップS302に進む。
ステップS302において、制御部15は、通信部C4を介して、電子タグTag0から、電子タグTag0の内部に保持されたタグ情報を受信する。また、制御部15は、受信したタグ情報を解析することで、例えば、タグ情報に含まれる識別情報を取得する。
ステップS303において、制御部15は、ステップS302の処理で取得した識別情報に対応してメモリMEMに格納された情報を読み出し、読み出した情報を提示部16に送ることで、提示部16に人物P1に対して情報を提示させる。制御部15は、メモリMEMに格納された情報に基づいて、電子タグTag0に対応付けられたスイッチSWなどの部品に対する作業手順などを示す情報を生成し、生成した情報を提示部16に提示させてもよい。また、提示部16は、制御部15から受けた情報に基づいて、作業手順などを示す図形やテキストなどの情報を表示部に表示させることで、人物P1への情報の提示を行う。
図1、図2を用いて説明したように、図4に示した無線経路14は、人物P1により、アンテナ112に対して所定の意識的操作が行われたことで、アンテナ112の特性が第2特性に変化した場合に接続される。すなわち、図4に示した電子タグTag0と携帯端末UEに内蔵された通信部C4との間の通信経路は、人物P1によってなされる意識的操作を契機として接続される。
したがって、図4に示した制御部15は、アンテナ112が装着された部位である人物P1の手が装置EQの近傍にある場合でも、人物P1により意識的操作がなされない限り、装置EQの内部に設置された電子タグTag0のタグ情報を受信することはない。つまり、人物P1の無意識の動作により、アンテナ112が意図しない電子タグTag0に近づいた場合などに、提示部16の表示部に不用意に情報を提示させてしまうことはない。
すなわち、図4に示した拡張アンテナ11及び提示部16を有するウェアラブルデバイス10は、アンテナ112を意図的に変形させる操作によって起動され、外部の装置EQと人物P1との情報の授受を媒介するユーザインタフェースを実現することができる。
図4に示したウェアラブルデバイス10によって実現されるユーザインタフェースによれば、人物P1は、装置EQに対する作業中の所望のタイミングにおいて、作業の対象となる部品に手を近づけることで、意図した部品の情報の提示を受けることができる。
なお、装置EQは、搭載された複数の部品のそれぞれに対応して、各部品に対応付けられたタグ情報を含む電子タグを含んでもよい。この場合に、図4に示したウェアラブルデバイス10を着用した人物P1は、電子タグのそれぞれにアンテナ112を近づけた上で、アンテナ112に対して意識的操作を行うことで、通信部C4に個々の電子タグを読み取らせることができる。また、図4に示したウェアラブルデバイス10の提示部16は、人物P1により、アンテナ112が各部品に近づけられたタイミングで、通信部C4で読み取られたタグ情報に基づいて、人物P1にタイミングよく作業手順などの情報を提示することができる。
すなわち、図4に示したウェアラブルデバイス10によれば、様々な装置EQの保守点検作業などにあたる作業者とって使いやすいユーザインタフェースを提供することが可能である。
また、図4に示したウェアラブルデバイス10は、スマートフォンやタブレット型の端末などの携帯端末UEに搭載された近距離無線通信用の通信部C4の機能により、電子タグTag0のタグ情報を受信する機能を実現している。したがって、人物P1は、普段から使い慣れているスマートフォンやタブレット端末などを、作業着Wrのポケットに収納することで、ウェアラブルデバイス10を用いたユーザインタフェースの機能を享受することができる。
図6は、ウェアラブルデバイス10の別実施形態を示す。なお、図6に示した構成要素のうち、図1及び図3に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図6に示したウェアラブルデバイス10は、図1に示した導体111とアンテナ112、113とを含む拡張アンテナ11に加えて、読み取り部17と、判別部18とを含んでいる。
また、図6に示した作業着Wrは、図3に示した器具Gjを収納するための固定部Hldを有している。固定部Hldは、例えば、作業着Wrの一方の袖などに縫い付けられた筒状の部材であり、器具Gjに設けられたフックHkを掛けることで、器具Gjを保持する。
また、図6に示した器具Gjは、個別に読み取りが可能な第1のタグTg1と第2のタグTg2を含んでいる。第1のタグTg1および第2のタグTg2は、例えば、器具GjのフックHkから離れた端部に、第1のタグTg1および第2のタグTg2のそれぞれが単独の電子タグとして読み取られることが可能な間隔で設置されることが望ましい。図6の例は、第2のタグTg2を第1のタグTg1よりも、器具GjのフックHkから離れた端部の先端に近い位置に設置した場合を示す。
図6に示した読み取り部17は、固定部Hldに対向する位置に固定されたアンテナAt1と、携帯端末UEに含まれる通信部C2に対向する位置に固定されたアンテナAt2と、アンテナAt1とアンテナAt2とを接続するケーブルCBLとを含んでいる。アンテナAt1を固定する位置は、器具Gjが固定部Hldに挿入される際に、第1のタグTg1及び第2のタグTg2が通る箇所からの距離が、アンテナAt1によって電子タグを読み取ることが可能な距離を示す所定の閾値よりも短くなる位置とすることが望ましい。アンテナAt1を固定する位置は、例えば、固定部Hldの一方の端部が作業着Wrに縫い付けられた箇所の裏側などでもよい。この場合に、読み取り部17に含まれるアンテナAt1と第1のタグTg1及び第2のタグTg2とが最も近づいた際の距離は作業着Wrの厚み程度となる。したがって、読み取り部17は、器具Gjを固定部Hldに挿入する過程で、第1のタグTg1及び第2のタグTg2のそれぞれを漏れなく読み取ることが可能となる。
読み取り部17のアンテナAt1は、例えば、器具Gjに設置された第1のタグTg1及び第2のタグTg2のそれぞれが固定部Hldの内側を通る際に、第1のタグTg1及び第2のタグTg2のそれぞれに設定されたタグ情報を受信する。ケーブルCBL及びアンテナAt2は、アンテナAt1によって受信されたタグ情報を、携帯端末UEに搭載された通信部C2に伝達する。すなわち、読み取り部17は、器具Gjが固定部Hldに固定される際に、器具Gjに設置された第1のタグTg1及び第2のタグTg2のそれぞれを読み取り、読み取りで得られたタグ情報を、通信部C2に伝達する。
また、図6に示した判別部18は、携帯端末UEに搭載されたプロセッサなどの制御部であり、読み取り部17により、第1のタグTg1及び第2のタグTg2のそれぞれを読み取ることで得られたタグ情報のそれぞれを、通信部C2を介して受け取る。また、判別部18は、読み取り部17によって第1のタグTg1及び第2のタグTg2が読み取られた順序に基づいて、器具Gjと固定部Hldとの位置関係を判別する。例えば、判別部18は、読み取り部17から受けたタグ情報により、第2のタグTg2に続いて第1のタグTg1が読み取られたことが示された場合に、器具Gjが固定部Hldによって作業着Wrに固定された位置関係であると判別する。逆に、第1のタグTg1に続いて第2のタグTg2が読み取られたことが示された場合に、判別部18は、器具Gjが固定部Hldから抜き取られた位置関係であると判別する。
図6に示したウェアラブルデバイス10は、読み取り部17で第1のタグTg1及び第2のタグTg2を読み取ることで得られた情報に基づいて、判別部18により、器具Gjと固定部Hldとの位置関係を判別する。これにより、図6に示したウェアラブルデバイス10は、器具Gjの管理に有用な情報を得ることができる。
例えば、読み取り部17による読み取りが行われる毎に、判別部18は、読み取り結果に基づいて判別した位置関係を示す情報を、携帯端末UEに含まれるメモリなどに記憶させる。また、判別部18は、判別結果を示す情報とともに、読み取りが行われた時刻を示す情報を携帯端末UEに含まれるメモリなどに記憶させることで、器具Gjが使用された時刻や回数を示す履歴情報を生成してもよい。
図7は、ウェアラブルデバイス10の別実施形態を示す。なお、図7に示した構成要素のうち、図1及び図2に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図7に示したウェアラブルデバイス10は、人物P2が着用しているジャケットJkと、所定の長さを有する導体111と、アンテナ112と、アンテナ113とを含んでいる。
図7に示したジャケットJkに設けられたポケットPkなどの収納部には、近接無線通信用の電子タグC5を含む定期券Tkが収納されている。電子タグC5は、近距離無線通信を行う機能を有し、人物P2によって携帯される第2通信部の一例であり、図1に示した通信部C2に相当する。なお、図7に示したポケットPkに収納される電子タグC5は、定期券Tkに含まれる電子タグに限らず、近距離無線通信による電子決済を行う機能が搭載されたスマートフォンや携帯電話、タブレット型の端末に含まれる電子タグでもよい。
また、図7に示した人物P2の外部に設置された自動改札機Gtは、近距離無線通信により電子タグを読み取る機能を有する読み取り部C6を含んでいる。自動改札機Gtは、人物P2の外部に設置された装置の一例であり、図1に示した装置EQに相当する。また、読み取り部C6は、近距離無線通信を行う機能を有する第1通信部の一例であり、図1に示した通信部C1に相当する。
図7に示したアンテナ112は、図2(A−1)、(A−2)に示した2つの枝部CL1a、CL1bを含んでおり、2つの枝部CL1a、CL1bが共通に接続された導体111の一端T1における電波の誘導を行う。すなわち、アンテナ112は、導体111の一端T1における電波の誘導を行う第1誘導部の一例である。
また、アンテナ112に含まれる2つの枝部CL1a、CL1bのそれぞれは、例えば、人物P2の右手にはめられた手袋GLにより、人物P2の人差し指と薬指とに装着させられる。
また、図7に示したポケットPkは、定期券Tkを収納するとともに、定期券Tkに含まれる電子タグC5に対向する位置に、アンテナ113を固定する。アンテナ113は、例えば、ポケットPkの内側あるいはポケットPkが縫い付けられたジャケットJkの前身頃の生地に固定されていることが望ましい。また、アンテナ113は、図1に示したようにポケットPkの内部に設けられたホルダ131の内部に収納されることで、電子タグC5に対向して固定されてもよい。
電子タグC5に対向してアンテナ113が装着されていることにより、電子タグC5とアンテナ113との間の無線経路は、定期券TkがポケットPkに収納されている間にわたって維持される。すなわち、定期券TkがポケットPkに収納されている状態では、導体111及び線状の導体の両端T1、T2に接続されたアンテナ112、113は、定期券Tkに含まれる電子タグC5の拡張アンテナとして機能する。
また、図7に示したアンテナ112の特性は、人物P2の人差し指と薬指とによる意識的操作により、枝部CL1a、CL1bが図2(A−2)に示した位置関係となった場合に第2特性に変化する。そして、アンテナ112と読み取り部C6との間の無線経路14は、アンテナ112が第2特性を示している状態で、例えば、人物P2が自動改札機Gtに設けられた読み取り部C6に手袋GLを装着した手で触れた場合に接続される。すなわち、自動改札機Gtに設けられた読み取り部C6と、人物P2のジャケットJkに設けられたポケットPkに収納された電子タグC5との間は、人物P2の操作に応じて接続される無線経路14と、導体111とを含む通信経路によって接続される。
そして、接続された通信経路は、図7に示した自動改札機Gtの読み取り部C6による電子タグC5の読み取りに用いられる。
図8は、図7に示したウェアラブルデバイス10の動作を示す。
ステップS305において、図7に示した電子タグC5は、無線経路14を含む通信経路により、自動改札機Gtの読み取り部C6と接続されたか否かを判定する。
図7に示したアンテナ112が第2特性を示す形状に変形させられていない場合や、人物P2が自動改札機Gtから離れた位置にいる場合に、アンテナ112と読み取り部C6との間の無線経路14は未接続となる。この場合に、電子タグC5は、ステップS305の否定判定ルート(NO)に進み、ステップS305の処理を繰り返すことで、無線経路14を含む通信経路による読み取り部C6との接続を待ち受ける。
一方、アンテナ112が第2特性を示す形状に変形させられた状態で、例えば、人物P2が自動改札機Gtの読み取り部C6に手袋GLを装着した手で触れた場合に、図7に示した無線経路14は接続される。この場合に、処理は、ステップS305の肯定判定ルート(YES)にしたがって、ステップS306に進む。
ステップS306において、電子タグC5は、内蔵するメモリに保持されたタグ情報を、無線経路14を含む通信経路を介して、読み取り部C6に読み取らせた後に、処理を終了する。
つまり、図7に示したウェアラブルデバイス10は、人物P2が自動改札機Gtを通る際に、アンテナ112に第2特性を示させる操作を行うことで、定期券Tkをポケットに収納したまま、電子タグC5を読み取り部C6に読み取らせることができる。
すなわち、図7に示したウェアラブルデバイス10は、自動改札機Gtを通る毎に定期券Tkをポケットやバッグから取り出して読み取り部C6にかざすといった煩雑な作業から、ウェアラブルデバイス10を装着した人物P2を解放することができる。
更に、図7に示したウェアラブルデバイス10は、人物P2の指先のアンテナ112から定期券Tkに含まれる電子タグC5の読み取りが可能な機会を、人物P2による意識的操作が継続している期間に限定することができる。これにより、図7に示したウェアラブルデバイス10は、電子タグC5から延長されたアンテナからの読み取りタイミングを限定しない従来技術に比べて、定期券Tkや携帯端末UEに含まれる個人情報をより高度に保護することが可能である。すなわち、図7に示したウェアラブルデバイス10は、電子タグC5や携帯端末UEに含まれる情報をスキミングなどによる漏洩から守ることが可能であり、セキュリティの観点においても有用である。
なお、自動改札機Gtは、人物P2が読み取り部C6に定期券Tkをかざした場合と同様の処理により、定期券Tkに含まれる電子タグC5に含まれる識別情報を読み取ることができる。すなわち、図7に示したウェアラブルデバイス10は、既存の自動改札機Gtや読み取り部C6のハードウェア及びソフトウェアを維持したままで利用することが可能である。
図4から図6を用いて説明したように、本件開示のウェアラブルデバイス10は、ポケットPkに収納した携帯端末UEに含まれる通信部C2が、外部の装置EQに含まれる電子タグTag0を読み取る際の信号の伝達を媒介することができる。
また、図7、図8を用いて説明したように、本件開示のウェアラブルデバイス10は、ポケットPkに収納した定期券Tkに含まれる電子タグC5を、外部の自動改札機Gtに読み取らせる際の信号の伝達を媒介することができる。
したがって、本件開示のウェアラブルデバイス10は、例えば、近距離無線通信により双方向の通信を行う機能を有する携帯端末UEをアンテナ113に対向して装着することで、ウェアラブルデバイス10を着用した人物同士での双方向の通信を実現可能である。
例えば、ウェアラブルデバイス10を着用した人物同士で、アンテナ112に意識的な操作を行いつつ、アンテナ112を装着した手等の部位を互いに接触させることで、互いのポケットPkに収納された携帯端末UE間で双方向の通信を実現することもできる。
ところで、例えば、図6に示したウェアラブルデバイス10は、スマートフォンや携帯電話、タブレット型の端末などの携帯端末UEに搭載されたプロセッサやメモリなどのハードウェアを利用して実現することが可能である。
図9は、図6に示したウェアラブルデバイス10のハードウェア構成例を示す。なお、図9には、図6に示したウェアラブルデバイス10に含まれるアンテナ112として、図3に示した器具Gjを含むアンテナ112を用いる場合のハードウェア構成例を示す。また、図9に示した構成要素のうち、図3、図6に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図9に示した携帯端末UEは、プロセッサ21と、メモリ22と、近距離無線通信インタフェース23と、汎用インタフェース24と、音声処理部25と、ネットワークインタフェース26と、表示制御部27と、液晶表示部28とを含んでいる。図9に示したプロセッサ21と、メモリ22と、近距離無線通信インタフェース23と、汎用インタフェース24と、音声処理部25と、ネットワークインタフェース26と、表示制御部27とは、バスを介して互いに接続されている。また、プロセッサ21と、メモリ22と、近距離無線通信インタフェース23と、汎用インタフェース24と、音声処理部25と、ネットワークインタフェース26とは、ウェアラブルデバイス10に含まれている。
また、図9に示した近距離無線通信インタフェース23と、アンテナ113及び読み取り部17のそれぞれとの間は、無線経路によって接続されている。また、アンテナ113とアンテナ112に含まれるアンテナAfとは導体111によって接続されている。
なお、図9においては、導体111とアンテナ112、113とを携帯端末UEの利用者に装着させるための衣服の図示を省略している。導体111とアンテナ112、113は、図6に示した導体111とアンテナ112、113と同様に、図6に示した作業着Wrに相当する衣服に固定され、衣服を介して利用者に装着される。同様に、図9に示した携帯端末UEは、図6に示した作業着Wrに相当する衣服のポケット等に収納されており、衣服のポケットにおいて、図9に示したアンテナ113と近距離無線通信インタフェース23とを対向させる配置で装着される。つまり、携帯端末UEに含まれる近距離無線通信インタフェース23は、ウェアラブルデバイス10に利用者に装着された近距離無線通信を行う機能を有する第2通信部の一例であり、図6に示した通信部C2に相当する。
また、汎用インタフェース24は、提示部16に含まれるヘッドマウントディスプレイの表示部161に接続されており、プロセッサ21によって生成された情報を表示部161に表示させる。
音声処理部25は、提示部16に含まれるヘッドフォン162に接続されており、プロセッサ21によって生成された情報を示す音声をヘッドフォン162に出力させることで、ウェアラブルデバイス10の利用者に音声情報を提示する。
ネットワークインタフェース26は、ネットワークNWを介して、プロセッサ21と、携帯端末UEの外部に設置されたサーバ装置SVとを接続する。
表示制御部27は、メモリ22に格納されたオペレーティングシステムなどに従って生成した情報に基づいて、液晶表示部28にテキストや画像などの情報を表示させる処理を行う。
図9に示したメモリ22は、携帯端末UEのオペレーティングシステムとともに、プロセッサ21がウェアラブルデバイス10を用いたインタフェース制御処理を実行するためのアプリケーションプログラムを格納している。なお、インタフェース制御処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、例えば、ネットワークインタフェース26により、サーバ装置SVからネットワークNW経由でダウンロードし、メモリ22に読み込ませてもよい。
そして、プロセッサ21は、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムを実行することにより、提示部16に含まれる表示部161に表示させる画像情報やヘッドフォン162に出力させる音声情報を生成してもよい。
また、図9に示したアンテナ112に含まれる器具Gjは、図3に示したアンテナAr1と、アンテナAr2と、図6に示した第1のタグTg1及び第2のタグTg2に加えて、第3のタグTg3を含んでいる。第3のタグTg3は、例えば、器具Gjがウェアラブルデバイス10の利用者に掴まれた際に、アンテナAfと対向する位置に設置されることが望ましい。例えば、第3のタグTg3は、器具Gjの一端に設けられたグリップGrの内部に、アンテナAr1とともに埋め込まれていてもよい。
ここで、図9に示したアンテナAf及びアンテナAr1の感度は、アンテナAr2の感度よりも低くに調整されることが望ましい。アンテナAf、アンテナAr1及びアンテナAr2の感度は、例えば、アンテナAf、アンテナAr1及びアンテナAr2のそれぞれに含まれるコイルの巻き数Nf、N1、N2とを互いに異なる数に設定することで調整することができる。例えば、固定アンテナのコイルの巻き数Nfと第1アンテナのコイルの巻き数N1との差及び、巻き数N1と第2アンテナのコイルの巻き数N2との差をそれぞれ所定数(例えば、2)とすることが望ましい。
巻き数Nf、N1、N2が設定されたアンテナAf、アンテナAr1、アンテナAr2を含むウェアラブルデバイス10は、器具Gjが利用者に装着された際に、アンテナAfにて第3のタグTg3を読み取ることができる。そして、巻き数Nf、N1、N2が設定されたアンテナAf、アンテナAr1、アンテナAr2を含むウェアラブルデバイス10は、器具Gjが電子タグTag0に近づけられた際にアンテナAr2にて電子タグTag0を読み取ることができる。
すなわち、図9に示した第3のタグTg3と、アンテナAf、アンテナAr1及びアンテナAr2とを有するアンテナ112を含むウェアラブルデバイス10は、器具Gjの装着を含めて、器具Gjの管理に有用な情報を収集することができる。
図10は、図9に示したウェアラブルデバイス10の動作を示す。なお、図10に示したステップのうち、図5に示したステップと同等のものは、同一の符号を付して示され、また、その説明は省略される場合がある。
図10に示したステップS301〜ステップS303及びステップS311〜ステップS316の各処理は、ウェアラブルデバイス10を用いたインタフェース制御処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる処理の一例である。また、ステップS301〜ステップS303及びステップS311〜ステップS316の各処理は、図9に示したプロセッサ21によって実行される。
ステップS311において、プロセッサ21は、図9に示した読み取り部17による第1のタグTg1、第2のタグTg2の読み取りの状態及びアンテナAfによる第3のタグTg3の読み取りの状態に基づいて、器具Gjの利用者への装着状態を検査する。プロセッサ21は、例えば、図11に示すステップS321〜ステップS328の処理を実行することにより、ステップS311の処理を行ってもよい。
ステップS312において、プロセッサ21は、ステップS311の処理で、器具Gjが正しく装着されたことを示す結果が得られたか否かを判定する。
ステップS311の処理結果として、器具Gjが利用者に正しく装着されたことを示す情報が得られた場合に、プロセッサ21は、ステップS312の肯定判定ルート(YES)により、ステップS301の処理に進む。
ステップS301において、プロセッサ21は、例えば、図9に示した近距離無線通信インタフェース23の状態を示す情報に基づいて、器具Gjに設置されたアンテナAr2と電子タグTag0との無線経路14が接続されたか否かを判定する。
図3及び図6を用いて説明したように、無線経路14は、利用者が器具Gjを正しく装着した状態で、器具GjのアンテナAr2を装置EQに含まれる電子タグTag0に近づけた場合に接続される。そして、無線経路14を介して電子タグTag0から渡された信号は、導体である器具Gjと、アンテナAr1とアンテナAfとの間の無線経路と、導体111と、アンテナ113とを介して、近距離無線通信インタフェース23に伝達される。
例えば、近距離無線通信インタフェース23の状態を示す情報により、電子タグTag0からの信号がまだ到達していないことが示された場合に、プロセッサ21は、ステップS301の否定判定ルート(NO)に従ってステップS301の処理を繰り返す。
一方、近距離無線通信インタフェース23の状態を示す情報により、電子タグTag0からの信号が到達したことが示された場合に、プロセッサ21は、ステップS301の肯定判定ルート(YES)に従ってステップS302の処理に進む。
ステップS302において、プロセッサ21は、近距離無線通信インタフェース23を介して、無線経路14を含む通信経路により、電子タグTag0から伝達されたタグ情報を受信する。また、プロセッサ21は、受信したタグ情報を解析することにより、タグ情報から、例えば、図9に示した装置EQに含まれるスイッチSWを示す識別情報を取得する。
ステップS303において、プロセッサ21は、ステップS302の処理で取得した識別情報に基づいて、例えば、図9に示したサーバ装置SVに蓄積された情報を参照することで取得した情報を提示部16に提示させる。例えば、プロセッサ21は、図9に示したネットワークインタフェース26を介してサーバ装置SVにタグ情報から取得した識別情報を送出し、送出した識別情報に対応してサーバ装置SVに蓄積されている情報を照会する。また、プロセッサ21は、サーバ装置SVに対する照会で得られた情報に基づいて画像情報及び音声情報を生成し、生成した情報を図9に示した表示部161及びヘッドフォン162を介して提示させる。
また、プロセッサ21は、生成した音声情報を、音声処理部25を介してヘッドフォン162に渡すことで、音声によって作業の手順を示す情報を利用者に提示する。また、プロセッサ21は、生成した画像情報を、汎用インタフェース24を介して表示部161に渡すことで、アイコンやテキスト、図形などを含む画像によって作業の手順を示す情報を利用者に提示する。
識別情報に対応してサーバ装置SVに蓄積される情報は、表示部161による表示が可能な画像情報やヘッドフォン162による出力が可能な音声情報でもよいし、画像情報や音声情報を生成するための図形情報やテキスト情報でもよい。また、識別情報に対応してサーバ装置SVに蓄積される情報は、識別情報のそれぞれで示される部品の次に作業の対象とすることが望ましい部品の位置などを案内する情報や、作業の終了を示す情報を含んでいてもよい。また、識別情報に対応してサーバ装置SVに蓄積される情報は、プロセッサ21に利用者による作業を支援する処理を実行させるためのアプリケーションプログラムの実行を開始させる命令を含んでいてもよい。なお、作業を支援する処理を実行させるためのアプリケーションプログラムは、ウェアラブルデバイス10を用いたインタフェース制御処理のためのアプリケーションプログラムの一部として、予め、メモリ22などにインストールされていることが望ましい。
ステップS313において、プロセッサ21は、例えば、サーバ装置SVに対する照会で得られた情報に基づいて、装置EQに含まれるスイッチSWなどの部品に対する検査作業などの作業が終了したか否かを判定する。
例えば、ステップS303の処理の過程で、サーバ装置SVから次に作業することが望ましい部品の位置などを案内する情報を取得した場合に、プロセッサ21は、作業はまだ終了していないと判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS313の否定判定ルート(NO)に従ってステップS301の処理に戻り、ステップS301〜ステップS303及びステップS313の処理を繰り返す。
一方、ステップS303の処理の過程で、サーバ装置SVから作業の終了を示す情報を取得した場合に、プロセッサ21は、作業は終了したと判断し、ステップS313の肯定判定ルート(YES)に従ってステップS314の処理に進む。
ステップS314において、プロセッサ21は、図9に示した読み取り部17により、第1のタグTg1、第2のタグTg2が読み取られた順序に基づいて、器具Gjの収納状態を検査する。プロセッサ21は、例えば、図12に示すステップS331〜ステップS336の処理を実行することにより、ステップS314の処理を行ってもよい。
ステップS315において、プロセッサ21は、ステップS314の処理で、器具Gjの収納が確認されたことを示す結果が得られたか否かを判定する。
ステップS314の処理結果として、器具Gjの収納が確認されたことを示す情報が得られた場合に、プロセッサ21は、ステップS315の肯定判定ルート(YES)により、ウェアラブルデバイス10を用いたインタフェース制御処理を終了する。
一方、ステップS314の処理結果として、器具Gjの収納が確認できないことを示す情報が得られた場合に、プロセッサ21は、ステップS315の否定判定ルート(NO)にてステップS316の処理に進む。同様に、ステップS311の処理結果として、器具Gjが正しく装着されなかったことを示す情報が得られた場合に、プロセッサ21は、ステップS312の否定判定ルート(NO)にてステップS316の処理に進む。
ステップS316において、プロセッサ21は、器具Gjの装着あるいは収納に関する警告メッセージを生成し、提示部16に含まれる表示部161及びヘッドフォン162の少なくとも一方の機能を用いて、生成した警告メッセージを提示する。また、プロセッサ21は、生成した警告メッセージを提示する処理の完了後に、ウェアラブルデバイス10を用いたインタフェース制御処理を終了する。
図11は、図10にステップS311で示した器具Gjの装着状態を検査する処理の例を示す。図11に示したステップS321〜ステップS328の各処理は、ウェアラブルデバイス10を用いたインタフェース制御処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる処理の一例である。また、ステップS321〜ステップS328の各処理は、図9に示したプロセッサ21によって実行される。
ステップS321において、プロセッサ21は、図9に示した近距離無線通信インタフェース23に、読み取り部17から第1のタグTg1に含まれる識別情報が伝達されたか否かに基づいて、第1のタグTg1を読み取ったか否かを判定する。
第1のタグTg1がまだ読み取られていない場合に(ステップS321の否定判定(NO))、プロセッサは、ステップS321の処理に戻り、ステップS321の処理を繰り返すことで、第1のタグTg1の読み取りを待ち受ける。
一方、第1のタグTg1に含まれる識別情報を近距離無線通信インタフェース23から受けた場合に(ステップS321の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS322の処理に進む。
ステップS322において、プロセッサ21は、第1のタグTg1が読み取られてからの経過時間が所定時間τ1を超えたか否かを判定する。所定時間τ1は、例えば、利用者が図6に示した固定部Hldから器具Gjを引き抜く際に、第1のタグTg1が読み取られてから、第2のタグTg2が読み取られるまでに経過することが予想される時間程度に設定されることが望ましい。
第1のタグTg1が読み取られてからの経過時間が所定時間τ1未満である場合に(ステップS322の否定判定(NO))、プロセッサ21は、ステップS323の処理に進む。
ステップS323において、プロセッサ21は、近距離無線通信インタフェース23に、読み取り部17から第2のタグTg2に含まれる識別情報が伝達されたか否かに基づいて、第2のタグTg2を読み取ったか否かを判定する。
第2のタグTg2がまだ読み取られていない場合に(ステップS323の否定判定(NO))、プロセッサは、ステップS322の処理に戻り、ステップS322及びステップS323の処理を繰り返すことで、第2のタグTg2の読み取りを待ち受ける。
第1のタグTg1を読み取ってから所定時間τ1が経過する前に、第2のタグTg2に含まれる識別情報を近距離無線通信インタフェース23から受けた場合に(ステップS323の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS324の処理に進む。
ステップS324において、プロセッサ21は、第2のタグTg2が読み取られてからの経過時間が所定時間τ2を超えたか否かを判定する。所定時間τ2は、例えば、利用者が図6に示した固定部Hldから器具Gjを引き抜いてから、器具GjのグリップGrを掴んだことによって第3のタグTg3と図9に示したアンテナAfとが対向する配置となるまでの時間程度に設定されることが望ましい。
第2のタグTg2が読み取られてからの経過時間が所定時間τ2未満である場合に(ステップS324の否定判定(NO))、プロセッサ21は、ステップS325の処理に進む。
ステップS325において、プロセッサ21は、近距離無線通信インタフェース23に、アンテナAfから第3のタグTg3に含まれる識別情報が伝達されたか否かに基づいて、第3のタグTg3を読み取ったか否かを判定する。
第3のタグTg3がまだ読み取られていない場合に(ステップS325の否定判定(NO))、プロセッサは、ステップS324の処理に戻り、ステップS324及びステップS325の処理を繰り返すことで、第3のタグTg3の読み取りを待ち受ける。
第2のタグTg2が読み取られてから所定時間τ2が経過する前に、第3のタグTg3に含まれる識別情報を近距離無線通信インタフェース23から受けた場合に(ステップS325の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS326の処理に進む。
ステップS326において、プロセッサ21は、現在の時刻とともに、器具Gjが使用可能な状態で利用者に装着されたことを示す履歴情報を生成し、生成した履歴情報を図9に示したメモリ22に蓄積する。
ステップS327において、プロセッサ21は、器具Gjが正しく装着されたことを示す情報を出力し、その後、プロセッサ21は、器具Gjの装着状態を検査する処理を終了し、図10に示したステップS312の処理に進む。
一方、第2のタグTg2が読み取られる前に第1のタグTg1が読み取られてからの経過時間が所定時間τ1以上となった場合に(ステップS322の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS328の処理に進む。同様に、第3のタグTg3が読み取られる前に第2のタグTg2が読み取られてからの経過時間が所定時間τ2以上となった場合に(ステップS324の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS328の処理に進む。
ステップS328において、プロセッサ21は、器具Gjが正しく装着されていないことを示す情報を出力し、その後、プロセッサ21は、器具Gjの装着状態を検査する処理を終了し、図10に示したステップS312の処理に進む。
なお、プロセッサ21は、ステップS328の処理の過程で、器具Gjの装着状態の異常を検出した時刻などを示す情報を履歴情報の一部としてメモリ22に記憶させてもよい。
図11に示したステップS321〜ステップS328の処理を実行することで、プロセッサ21は、器具Gjの装着状態に関する情報を収集し、収集した情報に基づいて生成した履歴情報をメモリ22に蓄積することができる。すなわち、プロセッサ21がステップS321〜ステップS328の処理を実行することは、器具Gjの装着状態を判定する判定部の実施形態の一つである。
図12は、図10にステップS314で示した器具Gjの収納状態を検査する処理の例を示す。図12に示したステップS331〜ステップS336の各処理は、ウェアラブルデバイス10を用いたインタフェース制御処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる処理の一例である。また、ステップS331〜ステップS336の各処理は、図9に示したプロセッサ21によって実行される。
ステップS331において、プロセッサ21は、図9に示した近距離無線通信インタフェース23に、読み取り部17から第2のタグTg2に含まれる識別情報が伝達されたか否かに基づいて、第2のタグTg2を読み取ったか否かを判定する。
第2のタグTg2がまだ読み取られていない場合に(ステップS331の否定判定(NO))、プロセッサは、ステップS331の処理に戻り、ステップS331の処理を繰り返すことで、第2のタグTg2の読み取りを待ち受ける。
一方、第2のタグTg2に含まれる識別情報を近距離無線通信インタフェース23から受けた場合に(ステップS331の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS332の処理に進む。
ステップS332において、プロセッサ21は、第2のタグTg2が読み取られてからの経過時間が所定時間τ3以上か否かを判定する。所定時間τ3は、例えば、利用者が図6に示した固定部Hldに器具Gjを収納する際に、第2のタグTg2が読み取られてから、第1のタグTg1が読み取られるまでに経過することが予想される時間程度に設定されることが望ましい。
第2のタグTg2が読み取られてからの経過時間が所定時間τ3未満である場合に(ステップS332の否定判定(NO))、プロセッサ21は、ステップS333の処理に進む。
ステップS333において、プロセッサ21は、近距離無線通信インタフェース23に、読み取り部17から第1のタグTg1に含まれる識別情報が伝達されたか否かに基づいて、第1のタグTg1を読み取ったか否かを判定する。
第1のタグTg1がまだ読み取られていない場合に(ステップS333の否定判定(NO))、プロセッサは、ステップS332の処理に戻り、ステップS332及びステップS333の処理を繰り返すことで、第1のタグTg1の読み取りを待ち受ける。
第2のタグTg2が読み取られてから所定時間τ3が経過する前に、第1のタグTg1に含まれる識別情報を近距離無線通信インタフェース23から受けた場合に(ステップS333の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS334の処理に進む。
ステップS334において、プロセッサ21は、現在の時刻とともに、器具Gjが固定部Hldに収納されたことを示す履歴情報を生成し、生成した履歴情報を図9に示したメモリ22に蓄積する。
ステップS335において、プロセッサ21は、器具Gjが正しく収納されたことを示す情報を出力し、その後、プロセッサ21は、器具Gjの収納状態を検査する処理を終了し、図10に示したステップS315の処理に進む。
一方、第1のタグTg1が読み取られる前に第2のタグTg2が読み取られてからの経過時間が所定時間τ3以上の場合に(ステップS332の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS336の処理に進む。
ステップS336において、プロセッサ21は、器具Gjが正しく収納されていないことを示す情報を出力し、その後、プロセッサ21は、器具Gjの収納状態を検査する処理を終了し、図10に示したステップS315の処理に進む。
なお、プロセッサ21は、ステップS336の処理の過程で、器具Gjの収納状態の異常を検出した時刻などを示す情報を履歴情報の一部としてメモリ22に蓄積しもよい。
図12に示したステップS331〜ステップS336の処理を実行することで、プロセッサ21は、器具Gjの収納状態に関する情報を収集し、収集した情報に基づいて生成した履歴情報をメモリ22に蓄積することができる。
図11に示したステップS327の処理でメモリ22に蓄積された器具Gjの装着に関する履歴情報と、図12に示したステップS334の処理でメモリ22に蓄積された器具Gjの収納に関する履歴情報とは、いずれも器具Gjの管理に有用な情報である。
すなわち、図9に示したプロセッサ21により、図10から図12に示した各ステップの処理を実行することにより、ウェアラブルデバイス10は、利用者に使いやすいインタフェースを提供するとともに、器具Gjの管理に有用な情報を蓄積することができる。
図13は、ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す。なお、図13に示した構成要素のうち、図1および図3に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。図13の無線接続は、アンテナAw13とアンテナAc1とが無線で接続された状態を示している。また、図13の未接続は、アンテナAw13とアンテナAc1との間の通信経路が遮断されている状態を示している。なお、図13の未接続では、図を見やすくするために、アンテナAw12の周辺、人物P1等の記載を省略している。アンテナAc1は、アンテナAw10の通信相手のアンテナの一例である。アンテナAc1は、例えば、図1等に示した通信部C1のアンテナである。
この実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナAw10を有している。アンテナAw10は、人物の身体の随意運動が可能な部位に少なくとも一部が装着される第3誘導部の一例である。アンテナAw10は、例えば、図1等に示したアンテナ112に対応している。例えば、アンテナAw10は、人物P1の手首などに固定されるアンテナAw11と、導電性を有する棒状の器具Gjと、器具Gjに設置されたアンテナAw12、Aw13とを含んでいる。なお、アンテナAw11、Aw12、Aw13は、互いに同じ感度でもよいし、異なる感度でもよい。
アンテナAw11は、アンテナとして機能し、人物の身体の随意運動が可能な部位に装着される第1のアンテナの一例である。アンテナAw11には、例えば、導体111の一端T1が接続される。導体111の他端は、例えば、図1等で説明したように、近距離無線通信用の通信部C2に対向して配置されるアンテナ113に接続される。なお、導体111の他端は、図1等に示した通信部C2に接続されてもよい。
器具Gjは、人物による把持が可能であり、所定の長さを有する器具の一例である。例えば、器具Gjは、人物P1によって掴まれることで、人物P1の身体に接続され、逆に、人物P1が器具Gjを離すことで人物P1への接続が解除される。
アンテナAw12は、人物が器具を把持した際に第1のアンテナとの距離が第2距離以下となる箇所に設置された第2のアンテナの一例である。アンテナAw12は、例えば、人物P1が器具Gjを掴む位置を指定するために器具Gjの一端に設けられたグリップGrなどに隣接して設置される。例えば、アンテナAw12は、人物P1がグリップGrの位置で器具Gjを掴んだ場合に、アンテナAw11からの距離が所定値L2以下となる位置に設置される。
例えば、アンテナAw11、Aw12のそれぞれによる電波を誘導する作用の強さは、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が所定値L2以下のときに、両者の間に無線経路が接続される強さに調整されている。したがって、例えば、人物P1がグリップGrの位置で器具Gjを掴んだ場合に、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が所定値L2以下になり、アンテナAw11とアンテナAw12とが無線で接続される。
換言すれば、人物P1が器具Gjを離すことにより、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が所定値L2より離れ、アンテナAw11とアンテナAw12との間の通信経路が遮断される。すなわち、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が距離L2より離れている状態では、アンテナAw11とアンテナAw12との間の通信経路は遮断される。また、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が距離L2以下の状態では、アンテナAw11とアンテナAw12とが無線で接続される。
なお、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が距離L2より離れている状態は、第1状態の一例である。そして、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が距離L2以下の状態は、第2状態の一例である。すなわち、アンテナAw10は、アンテナAw10の形状の変化(アンテナAw11とアンテナAw12との距離の変化)に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択される。
アンテナAw13は、第2のアンテナと導体を介して接続される第3のアンテナの一例である。図13の例では、導電性を有する棒状の器具Gjが導体として機能する。例えば、アンテナAw13は、器具Gjにおいて、アンテナAw12が設置された箇所から離れた位置で、かつ、端部Eg1から距離L1より離れた位置に設置される。アンテナAw13から端部Eg1までの距離は、例えば、距離L1より長い距離L10である。
例えば、アンテナAw13、Ac1のそれぞれによる電波を誘導する作用の強さは、アンテナAw13とアンテナAc1との距離が所定値L1以下のときに、両者の間に無線経路14が接続される強さに調整されている。したがって、例えば、アンテナAw13とアンテナAc1との距離が所定値L1以下のとき、アンテナAw13とアンテナAc1とが無線で接続される。換言すれば、アンテナAw13とアンテナAc1との距離が所定値L1より離れているとき、アンテナAw13とアンテナAc1との間の通信経路が遮断される。
例えば、アンテナAw10とアンテナAc1との通信経路は、アンテナAw11とアンテナAw12との間の無線経路と、器具GjのアンテナAw12、Aw13間の部分(導体)と、アンテナAw13とアンテナAc1との間の無線経路14とを含んでいる。したがって、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が距離L2より離れている第1状態では、アンテナAw11とアンテナAw12との間の通信経路が遮断されるため、アンテナAw10とアンテナAc1との通信経路は、遮断される。
なお、アンテナAw10は、アンテナAw11とアンテナAw12との距離が距離L2以下の第2状態で、かつ、通信相手のアンテナAc1との距離が距離L1以下のとき、通信相手のアンテナAc1との通信経路を確立する。これにより、アンテナAw10とアンテナAc1との通信経路が確立される。例えば、アンテナAw10に導体111等を介して接続される通信部(例えば、図1の通信部C2)は、アンテナAc1を含む通信部(例えば、図1の通信部C1)と通信可能に接続される。
ここで、図13の例では、通信相手のアンテナAc1の形状は、中空である。また、器具Gjにおいて、アンテナAw13が設置された側の端部Eg1である雄部Gjmは、通信相手のアンテナAc1の中空の部分である雌部Ac1fに挿入可能な形状である。例えば、第2状態では、アンテナAw13と通信相手のアンテナAc1との距離が距離L1以下になるまで雄部Gjmを雌部Ac1fに挿入したときに、アンテナAw13と通信相手のアンテナAc1とが無線で接続される(図13の無線接続)。これにより、アンテナAw10と通信相手のアンテナAc1との通信経路が確立される。
また、第2状態では、アンテナAw13から通信相手のアンテナAc1を距離L1より離すことにより、アンテナAw13とアンテナAc1との間の通信経路が遮断されるため、アンテナAw10と通信相手のアンテナAc1との通信経路が遮断される(図13の未接続)。なお、第1状態では、アンテナAw11とアンテナAw12との間の通信経路が遮断されているため、アンテナAw13とアンテナAc1との距離にかかわらず、アンテナAw10と通信相手のアンテナAc1との通信経路は、確立されない。
例えば、アンテナAw10は、作業着Wrに縫いこまれた導体111により人物P1の手首まで延長されたアンテナAw11をアンテナAc1と通信可能な距離まで近づけることが困難である場合、器具Gjを装着することにより、アンテナAw11とアンテナAc1とを通信可能に接続できる。
例えば、アンテナAw10は、作業着Wrに縫いこまれた導体111により人物P1の手首まで延長されたアンテナを、器具Gjを装着することにより、長さLg10程度離れた位置まで更に延長することができる。したがって、アンテナAw10を有するウェアラブルデバイス10Aは、例えば、アンテナAc1が天井など高い場所に設置されている場合にも、器具GjのアンテナAw13をアンテナAc1から距離L1以内の箇所に近づけることで無線経路14を確立できる。
例えば、アンテナAc1がスプリンクラーや火災報知器などに含まれる電子タグのアンテナである場合、電子タグとアンテナAw13との間の無線経路14は、器具GjのアンテナAw13をスプリンクラーや火災報知器に近づけることで接続される。これにより、アンテナAw11に導体111等を介して接続される通信部は、電子タグの情報を読み取ることが可能となる。このように、アンテナAw10を有するウェアラブルデバイス10Aは、建物の天井あるいは天井付近の壁面に設置される場合が多い機器の点検などの分野において有用である。
また、例えば、アンテナAw10では、アンテナAw10の雄部GjmをアンテナAc1の雌部Ac1fに挿入することにより、アンテナAw13をアンテナAc1に対向させることができる。したがって、例えば、人物P1は、アンテナAw13、Ac1の位置関係を目視で確認することが困難な場合でも、雄部Gjmが雌部Ac1fに挿入されたか否かを判断することにより、アンテナAw13がアンテナAc1に対向しているか否かを判断できる。
なお、例えば、アンテナAw10がアンテナAc1に対向していない位置では、アンテナAw10の雄部Gjmは、アンテナAc1の雌部Ac1fに挿入されない。このため、アンテナAw10は、人物P1の意図しないタイミングで、アンテナAc1から距離L1以内の箇所にアンテナAw13が近づくことを抑制できる。換言すれば、アンテナAw13は、人物P1により意図されたタイミングで、アンテナAc1から距離L1以内の箇所に近づけられる。すなわち、図13に示したウェアラブルデバイス10Aは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
このように、アンテナAw10とアンテナAc1との通信経路は、人物P1の意識的操作が継続している期間にわたって接続され、意識的操作の解除に伴って切断される。すなわち、図13に示したウェアラブルデバイス10Aは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
なお、ウェアラブルデバイス10Aの構成は、この例に限定されない。例えば、器具Gjは、長さを伸縮させる機構を含んでいてもよい。また、例えば、雄部Gjmおよび雌部Ac1fは、省かれてもよい。
以上、図13に示した実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナとして機能する部分の形状の変化に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択されるアンテナAw10を有している。例えば、アンテナAw10は、第1状態のとき、通信相手のアンテナAc1との通信経路が遮断される。そして、第2状態で、かつ、アンテナAc1との距離が距離L1以下のとき、アンテナAw10とアンテナAc1との通信経路が確立される。
例えば、器具Gjが人物P1によって掴まれることで、アンテナAw10は第2状態になる。逆に、人物P1が器具Gjを離すことで、アンテナAw10は第1状態になる。これにより、この実施形態では、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
図14は、ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す。なお、図14に示した構成要素のうち、図1から図13に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。図14では、アンテナAw21とアンテナAw22との距離が距離L2より離れている第1状態と、アンテナAw21とアンテナAw22との距離が距離L2以下の第2状態とを示している。アンテナAc2は、アンテナAw20の通信相手のアンテナの一例である。アンテナAc2は、例えば、図1等に示した通信部C1のアンテナである。
この実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナAw20を有している。アンテナAw20は、人物の身体の随意運動が可能な部位に少なくとも一部が装着される第3誘導部の一例である。アンテナAw20は、例えば、図13に示したアンテナAw10に対応している。例えば、アンテナAw20は、人物の指などに装着されるリング状のアンテナAw21と、拡張部材MA1とを有している。
アンテナAw21は、人物の身体の随意運動が可能な部位(例えば、指)に装着される。例えば、指にはめたアンテナAw21から指先までの距離は、距離L2より長い距離L20程度である。アンテナAw21は、例えば、図1等で説明したように、導体111、無線経路等を介して近距離無線通信用の通信部C2に接続される。なお、アンテナAw21は、有線経路(導体111)のみを介して通信部C2に接続されてもよい。
拡張部材MA1は、リング状のアンテナAw22と、アンテナAw22に導体111Aを介して接続されるアンテナAw23と、凹部MA1cを含んでいる。例えば、アンテナAw22は、拡張部材MA1の表面(人物の指が接触可能な面)付近に配置される。そして、アンテナAw22の中空の部分には、凹部MA1cが配置される。また、アンテナAw22は、例えば、アンテナAc2に対向して配置されるアンテナAw23に導体111Aを介して接続される。なお、アンテナAw21、Aw22、Aw23は、互いに同じ感度でもよいし、異なる感度でもよい。
アンテナAc2は、例えば、通信部の一部分MA2に配置される。例えば、通信部の一部分MA2と拡張部材MA1とが重なっている場合、アンテナAw23とアンテナAc2との距離は、所定値L1以下になる。例えば、アンテナAw23は、アンテナAw23とアンテナAc2との距離が距離L1以下のとき、アンテナAc2に無線で接続される。
リング状のアンテナAw21をはめた指が拡張部材MA1の表面に接触しても、指先が凹部MA1cに挿入されていない状態では、アンテナAw21とアンテナAw22との距離は、距離L2より長い距離L20程度である。例えば、アンテナAw21は、アンテナAw21とアンテナAw22との距離が距離L2以下のとき、アンテナAw22に無線で接続される。すなわち、アンテナAw21とアンテナAw22との距離が距離L20程度のときには、アンテナAw21とアンテナAw22との間の通信経路は遮断される。
したがって、リング状のアンテナAw21をはめた指が拡張部材MA1の表面に接触しても、指先が凹部MA1cに挿入されていない状態では、アンテナAw21とアンテナAw22との間の通信経路は遮断される。このように、アンテナAw21とアンテナAw22との距離が距離L2より離れている第1状態では、アンテナAw21とアンテナAw22との間の通信経路が遮断されため、アンテナAw20と通信相手のアンテナAc2との通信経路は遮断される。
一方、指先が凹部MA1cに挿入されている状態では、凹部MA1cの深さの分だけ、アンテナAw21は、アンテナAw22に近づく。例えば、凹部MA1cの深さが距離L20程度の場合、指先を凹部MA1cに挿入することにより、アンテナAw21をアンテナAw22から距離L2以内の箇所に近づけることができる。これにより、アンテナAw21とアンテナAw22とが無線で接続される。
すなわち、アンテナAw21をはめた指が凹部MA1cに挿入されている状態は、アンテナAw21とアンテナAw22との距離が距離L2以下の第2状態に対応している。このように、アンテナAw20は、アンテナAw20の形状の変化(アンテナAw21とアンテナAw22との距離の変化)に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択される。
なお、第2状態では、アンテナAw21とアンテナAw22とが無線で接続されているため、アンテナAw23とアンテナAc2との距離が距離L1以下のとき、アンテナAw20と通信相手のアンテナAc2との通信経路が確立される。
このように、アンテナAw20とアンテナAc2との通信経路は、人物の意識的操作が継続している期間にわたって接続され、意識的操作の解除に伴って切断される。すなわち、図14に示したウェアラブルデバイス10Aは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
また、例えば、アンテナAw20では、アンテナAw22の位置を目視で確認しなくても、指先が凹部MA1cに挿入したか否かを判断することにより、アンテナAw21がアンテナAw22に対向しているか否かを判断できる。例えば、アンテナAc2が電子タグのアンテナであり、指にはめたアンテナAw21が読み取り装置に導体111等を介して接続されている場合、タグ情報の読み取りとほぼ同時に、利用者は電子タグにアクセスしたことを指先で確認できる。
なお、ウェアラブルデバイス10Aの構成は、この例に限定されない。例えば、凹部MA1cを含む拡張部材MA1は、通信相手の通信部に含まれてもよい。この場合、通信相手のアンテナAc2がリング状に形成され、リング状のアンテナAc2が、アンテナAw22の代わりに、図14に示したアンテナAw22の位置に配置されてもよい。
以上、図14に示した実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナとして機能する部分の形状の変化に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択されるアンテナAw20を有している。例えば、アンテナAw20は、第1状態のとき、通信相手のアンテナAc2との通信経路が遮断される。そして、アンテナAw20が第2状態で、かつ、アンテナAw23とアンテナAc2との距離が距離L1以下のとき、アンテナAw20とアンテナAc2との通信経路が確立される。
例えば、アンテナAw21をはめた指が凹部MA1cに挿入されることで、アンテナAw20は第2状態になる。逆に、アンテナAw21をはめた指が凹部MA1cから離れるることで、アンテナAw20は第1状態になる。これにより、この実施形態では、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
図15は、ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す。なお、図15に示した構成要素のうち、図1から図14に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。図15では、アンテナAw31をはめた指が伸びている第1状態と、アンテナAw31をはめた指が曲がっている第2状態とを示している。
アンテナAc3は、アンテナAw30の通信相手のアンテナの一例である。アンテナAc3は、例えば、図1等に示した通信部C1のアンテナである。例えば、アンテナAc3は、通信部の一部分MA3の表面(人物の指が接触可能な面)付近に配置される。アンテナAc3の形状は、中空である。例えば、アンテナAc3の中空の部分には、凹部MA3cが配置される。
この実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナAw30を有している。アンテナAw30は、人物の身体の随意運動が可能な部位に少なくとも一部が装着される第3誘導部の一例である。アンテナAw30は、例えば、図13に示したアンテナAw10に対応している。例えば、アンテナAw30は、導電性を有する装着部RNと、人物の指などに装着部RNを介して装着されるリング状のアンテナAw31とを有している。例えば、アンテナAw31は、アンテナAc3から距離L1以内の箇所にアンテナAw31の所定の割合(例えば、ほぼ全体)が位置するとき、アンテナAc3に無線で接続される。以下、アンテナAc3から距離L1以内の箇所にアンテナAw31のほぼ全体が位置するとき、アンテナAw31とアンテナAc3とが無線で接続されるものとして説明する。
装着部RNは、第3誘導部の状態を第1状態および第2状態のいずれかに保持する装着部の一例である。例えば、装着部RNは、図15に示すように、人物の手の指に装着され、指先側の端部にアンテナAw31が配置されている。装着部RNに取り付けられたアンテナAw31は、例えば、図1に示した近距離無線通信用の通信部C2に、導電性を有する装着部RN、導体111、無線経路等を介して接続される。なお、アンテナAw31は、有線経路(装着部RNおよび導体111)のみを介して通信部C2に接続されてもよい。
装着部RNをはめた指が伸びている状態は、アンテナAw31とアンテナAc3との通信経路が遮断される第1状態に対応している。例えば、装着部RNは、装着部RNをはめた指が伸びているとき、アンテナAw31を指の延在する方向に対して斜めになるように保持する。このため、装着部RNをはめた指が伸びている第1状態では、指をアンテナAc3に近づけても、アンテナAc3に対してアンテナAw31が斜めになるため、アンテナAc3から距離L1以内の箇所にアンテナAw31のほぼ全体を位置させることは困難である。
例えば、図15の第1状態に示したように、指をアンテナAc3に近づけても、凹部MA3cの深い位置まで指先が入らないため、アンテナAc3から距離L1以内の箇所にアンテナAw31のほぼ全体を位置させることは困難である。また、指を伸ばした状態で指先を凹部MA3cの深い位置まで挿入しても、アンテナAc3に対してアンテナAw31が斜めになるため、アンテナAc3から距離L1以内の箇所にアンテナAw31のほぼ全体を位置させることは困難である。したがって、装着部RNをはめた指が伸びている第1状態では、アンテナAw31とアンテナAc3との通信経路が遮断される。このため、アンテナAw30とアンテナAc3との通信経路が遮断される。
一方、装着部RNをはめた指が曲がっている状態では、アンテナAc3から距離L1以内の箇所にアンテナAw31のほぼ全体を位置させることが可能である。例えば、装着部RNは、装着部RNをはめた指を曲げた状態で指先を平面に付けたとき、アンテナAw31を平面に対してほぼ平行になるように保持する。このため、装着部RNをはめた指が曲がっている状態では、図15の第2状態に示すように、アンテナAw31をアンテナAc3に対してほぼ平行にして、指先を凹部MA3cの深い位置まで挿入できる。
したがって、装着部RNをはめた指が曲がっている状態では、指先を凹部MA3cに挿入することにより、アンテナAc3から距離L1以内の箇所にアンテナAw31のほぼ全体を位置させることができる。アンテナAc3から距離L1以内の箇所にアンテナAw31のほぼ全体が位置している場合、アンテナAw31がアンテナAc3に無線で接続され、アンテナAw30とアンテナAc3との通信経路が確立される。すなわち、装着部RNをはめた指が曲がっている状態は、第2状態に対応している。
このように、装着部RNは、指が伸びているときに、アンテナAw30の状態を第1状態に保持し、指が曲がっているときに、アンテナAw30の状態を第2状態に保持する。したがって、アンテナAw30とアンテナAc3との通信経路は、人物の意識的操作が継続している期間にわたって接続され、意識的操作の解除に伴って切断される。すなわち、図15に示したウェアラブルデバイス10Aは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
また、例えば、アンテナAw30では、アンテナAc3の位置を目視で確認しなくても、指先が凹部MA3cに挿入したか否かを判断することにより、アンテナAw31がアンテナAc3に対向しているか否かを判断できる。例えば、アンテナAc3が電子タグのアンテナであり、アンテナAw31が読み取り装置に導体111等を介して接続されている場合、タグ情報の読み取りとほぼ同時に、利用者は電子タグにアクセスしたことを指先で確認できる。
以上、図15に示した実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナAw30が装着された部位(人物の手の指)の形状の変化(指の曲げ伸ばし)に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択されるアンテナAw30を有している。例えば、アンテナAw30は、第1状態のとき、通信相手のアンテナAc3との通信経路が遮断される。そして、アンテナAw30が第2状態で、かつ、アンテナAw31とアンテナAc3との距離が距離L1以下のとき、アンテナAw30とアンテナAc3との通信経路が確立される。
例えば、装着部RNをはめた指を曲げることで、アンテナAw30は第2状態になる。逆に、装着部RNをはめた指を伸ばすことで、アンテナAw30は第1状態になる。これにより、この実施形態では、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
また、指の柔軟性を利用して、タッチすることにより指が押しつぶされることでアンテナ(例えば、アンテナAw31、Ac3)が対向し、通信接続されてもよい。
図16は、ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す。なお、図16に示した構成要素のうち、図1から図15に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。図16では、アンテナAw40を装着した指が伸びている第1状態と、アンテナAw40を装着した指が曲がっている第2状態とを示している。
アンテナAc4は、アンテナAw40の通信相手のアンテナの一例である。アンテナAc4は、例えば、図1等に示した通信部C1のアンテナである。例えば、アンテナAc4は、横から見た場合、端部が中央部より下側に折り曲げられた形状をしている。アンテナAc4を横から見たときの高さは、例えば、所定値L1より大きい。
例えば、アンテナAw40は、アンテナAc4から距離L1以内の箇所にアンテナAw40の所定の割合(例えば、ほぼ全体)が位置するとき、アンテナAc3に無線で接続される。以下、アンテナAc4から距離L1以内の箇所にアンテナAw40のほぼ全体が位置するとき、アンテナAw40とアンテナAc4とが無線で接続されるものとして説明する。
この実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナAw40を有している。アンテナAw40は、通信相手のアンテナの形状に合う形状に変形可能な第7のアンテナの一例である。すなわち、アンテナAw40は、人物の身体の随意運動が可能な部位に少なくとも一部が装着される第3誘導部の一例である。アンテナAw40は、例えば、図13に示したアンテナAw10に対応している。例えば、アンテナAw40は、図1等で説明したように、導体111、無線経路等を介して近距離無線通信用の通信部C2に接続される。なお、アンテナAw40は、有線経路(導体111)のみを介して通信部C2に接続されてもよい。
アンテナAw40は、例えば、指に装着される。例えば、アンテナAw40は、指の輪郭等に対応する形状である。なお、アンテナAw40の形状は、アンテナAw40が指に装着された後でも、変形可能である。例えば、アンテナAw40を装着した指が伸びている状態では、アンテナAw40は、指の延在する方向に伸びた状態に維持される。
アンテナAw40を装着した指が伸びている状態は、アンテナAw40とアンテナAc4との通信経路が遮断される第1状態に対応している。例えば、アンテナAw40を装着した指が伸びている状態では、図16の第1状態に示すように、アンテナAw40をアンテナAc4に近づけても、アンテナAw40と折り曲げられた形状のアンテナAc4の中央部付近との距離は、距離L1より離れている。すなわち、アンテナAw40を装着した指が伸びている状態では、アンテナAc4から距離L1以内の箇所にアンテナAw31のほぼ全体を位置させることは困難である。したがって、アンテナAw40を装着した指が伸びている第1状態では、アンテナAw40とアンテナAc4との通信経路が遮断される。
一方、アンテナAw40を装着した指が曲がっている状態では、アンテナAc4から距離L1以内の箇所にアンテナAw40のほぼ全体を位置させることが可能である。例えば、アンテナAw40を装着した指が曲がっている状態では、アンテナAw40は、指の曲がりに沿って折り曲がる。これにより、アンテナAw40は、図16の第2状態に示すように、アンテナAc4の形状に合う形状に変形される。したがって、アンテナAw40は、最適な状態でアンテナAc4に対向する。
例えば、アンテナAw40を装着した指が曲がっている状態では、アンテナAw40をアンテナAc4に近づけることにより、アンテナAc4から距離L1以内の箇所にアンテナAw40のほぼ全体を位置させることができる。アンテナAc4から距離L1以内の箇所にアンテナAw40のほぼ全体が位置している場合、アンテナAw40がアンテナAc4に無線で接続される。すなわち、アンテナAw40とアンテナAc4との通信経路が確立される。したがって、アンテナAw40を装着した指が曲がっている状態は、第2状態に対応している。
このように、アンテナAw40は、アンテナAw40を装着した部位(図16では、指)を変形することにより、通信相手のアンテナAc4の形状に合う形状に変形可能である。例えば、アンテナAw40が通信相手のアンテナAc4の形状に合う形状に変形されることにより、第2状態が選択される。
したがって、アンテナAw40とアンテナAc4との通信経路は、人物の意識的操作が継続している期間にわたって接続され、意識的操作の解除に伴って切断される。すなわち、図16に示したウェアラブルデバイス10Aは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
また、例えば、アンテナAw40では、アンテナAc4の位置を目視で確認しなくても、アンテナAw40を装着した部分の指の感触により、アンテナAw40がアンテナAc4に対向しているか否かを判断できる。例えば、アンテナAc4が電子タグのアンテナであり、アンテナAw40が読み取り装置に導体111等を介して接続されている場合、タグ情報の読み取りとほぼ同時に、利用者は電子タグにアクセスしたことを指の感触で確認できる。
なお、ウェアラブルデバイス10Aの構成は、この例に限定されない。例えば、アンテナAw40は、手袋の内部に、指の輪郭に沿って縫い込まれてもよい。
以上、図16に示した実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナAw40が装着された部位(人物の手の指)の形状の変化(指の曲げ伸ばし)に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択されるアンテナAw40を有している。例えば、アンテナAw40は、第1状態のとき、通信相手のアンテナAc4との通信経路が遮断される。そして、アンテナAw40が第2状態で、かつ、アンテナAw40とアンテナAc4との距離が距離L1以下のとき、アンテナAw40とアンテナAc4との通信経路が確立される。
例えば、アンテナAw40を装着した指を曲げることで、アンテナAw40は、通信相手のアンテナAc4の形状に合う形状に変形され、第2状態になる。逆に、アンテナAw40を装着した指を伸ばすことで、アンテナAw40は第1状態になる。これにより、この実施形態では、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
図17は、ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す。なお、図17に示した構成要素のうち、図1から図16に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。図17の電子タグTag(Tag10、Tag11、Tag12、Tag13)内の破線の丸印は、電子タグTagのアンテナを示している。電子タグTagのアンテナは、アンテナAw50の通信相手のアンテナの一例である。電子タグTagは、例えば、図1等に示した通信部C1である。なお、この実施形態では、電子タグTagは、例えば、人物の身体のうち、アンテナAw52が装着される部位から離れた部位に装着される。
この実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナAw50を有している。アンテナAw50は、人物の身体の随意運動が可能な部位に少なくとも一部が装着される第3誘導部の一例である。アンテナAw50は、例えば、図13に示したアンテナAw10に対応している。例えば、アンテナAw50は、人物の手首(図17の例では、左手Hlの手首)などに固定されるアンテナAw51と、拡張部材MA4と、拡張部材MA4に設置されたアンテナAw52、Aw53と、導体111Aとを含んでいる。なお、アンテナAw51、Aw52、Aw53は、互いに同じ感度でもよいし、異なる感度でもよい。
アンテナAw51は、人物の身体の随意運動が可能な部位に装着される第4のアンテナの一例である。アンテナAw52は、第4のアンテナとの距離が第2距離以下のときに、第4のアンテナと無線で接続される第5のアンテナの一例である。アンテナAw53は、所定の長さを有する導体を介して第5のアンテナに接続される第6のアンテナの一例である。
また、拡張部材MA4は、第5のアンテナおよび第6のアンテナが設置される外部の環境の一例である。拡張部材MA4は、例えば、人物が接触する対象物や人物が近づく対象物である。例えば、拡張部材MA4は、車やソファーのアームレストである。以下、拡張部材MA4がアームレストである場合を例にして説明する。したがって、拡張部材MA4をアームレストMA4とも称する。
アンテナAw51は、例えば、図1等で説明したように、導体111、無線経路等を介して近距離無線通信用の通信部C2に接続される。なお、アンテナAw51は、有線経路(導体111)のみを介して通信部C2に接続されてもよい。
アンテナAw52は、例えば、アームレストMA4の上面付近に設置される。なお、アンテナAw52は、アームレストMA4の内部に設置されてもよいし、アームレストMA4の外面に設置されてもよい。アンテナAw52は、例えば、人物が左手HlをアームレストMA4に置いたときに、アンテナAw51からの距離が所定値L2以下となる位置に設置される。
アンテナAw52は、アンテナAw51との距離が距離L2以下のときに、アンテナAw51と無線で接続される。したがって、例えば、人物が左手HlをアームレストMA4に置いたときに、アンテナAw51とアンテナAw52との距離が距離L2以下になり、アンテナAw51とアンテナAw52とが無線で接続される。
換言すれば、人物が左手HlをアームレストMA4から離すことにより、アンテナAw51とアンテナAw52との距離が距離L2より離れ、アンテナAw51とアンテナAw52との間の通信経路が遮断される。なお、アンテナAw51とアンテナAw52との距離が距離L2より離れている状態は、第1状態の一例である。そして、アンテナAw51とアンテナAw52との距離が距離L2以下の状態は、第2状態の一例である。すなわち、アンテナAw50は、アンテナAw50の形状の変化(アンテナAw51とアンテナAw52との距離の変化)に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択される。
アンテナAw53は、例えば、アームレストMA4の前側の面付近に設置され、導体111Aを介してアンテナAw52に接続されている。なお、アンテナAw53および導体111Aは、アームレストMA4の内部に設置されてもよし、アームレストMA4の外面に設置されてもよい。アンテナAw53の位置は、例えば、人物が左手HlをアームレストMA4に置いた状態で左手Hlの指先をアンテナAw53に近づけたときに、左手Hlの指先からアンテナAw53までの距離が所定値L1以下となる位置に設定される。なお、左手Hlの親指を除く指先には、電子タグTag10、Tag11、Tag12、Tag13がそれぞれ装着されている。
すなわち、例えば、アンテナAw53は、人物が左手HlをアームレストMA4に置いたときに、電子タグTagのアンテナとの距離を所定値L1以下にすることが可能な位置に設置される。アンテナAw53は、電子タグTagのアンテナとの距離が距離L1以下のときに、電子タグTagのアンテナと無線で接続される。換言すれば、例えば、アンテナAw53と電子タグTagのアンテナとの距離が所定値L1より離れているとき、アンテナAw53と電子タグTagのアンテナとの間の通信経路が遮断される。
例えば、アンテナAw50と電子タグTagのアンテナとの通信経路は、アンテナAw51とアンテナAw52との間の無線経路と、導体111Aと、アンテナAw53と電子タグTagのアンテナとの間の無線経路とを含んでいる。したがって、アンテナAw51とアンテナAw52との距離が距離L2より離れている第1状態では、アンテナAw51とアンテナAw52との間の通信経路が遮断されるため、アンテナAw50と電子タグTagのアンテナとの通信経路は、遮断される。
なお、アンテナAw51とアンテナAw52との距離が距離L2以下の第2状態では、アンテナAw53と電子タグTagのアンテナとの距離が距離L1以下のときに、アンテナAw53と電子タグTagのアンテナとが無線で接続される。これにより、アンテナAw50と電子タグTagのアンテナとの通信経路が確立される。
例えば、アンテナAw50に導体111等を介して接続される通信部(例えば、図1の通信部C2)は、アンテナAw53に近づけた電子タグTagと通信可能に接続される。これにより、例えば、アンテナAw53に近づけた電子タグTagのタグ情報が読み取られる。
そして、第2状態では、アンテナAw53から電子タグTagのアンテナを距離L1より離すことにより、アンテナAw50と電子タグTagのアンテナとの通信経路が遮断される。
例えば、アンテナAw50に導体111等を介して接続される通信部がオーディオ機器に内蔵された読み取り装置であり、電子タグTagにオーディオの操作が割り当てられている場合、電子タグTagを用いてオーディオ機器を操作できる。例えば、電子タグTag10、Tag11、Tag12、Tag13には、再生、スキップ、ストップ、戻りが割り当てられている。この場合、例えば、利用者が左手HlをアームレストMA4に置き、左手Hlの人差し指(電子タグTag10)をアンテナAw53に近づけたとき、電子タグTag10のタグ情報(再生命令)が読み取れれる。これにより、アンテナAw50に導体111等を介して接続されたオーディオ機器は、音楽を再生する。
ここで、例えば、アンテナAw51および電子タグTagのアンテナのそれぞれの感度は、左手Hlの指先に装着されたTagを左手首に装着されたアンテナAw51に近づけても、両者の間に無線経路が接続されない強さに調整されることが望ましい。この場合、人物が左手HlをアームレストMA4から離した状態で、左手Hlの指先に装着されたTagを左手首に装着されたアンテナAw51に近づけても、両者の間に無線経路が接続される距離(例えば、距離L1、L2)まで近づけることは困難である。これにより、この実施形態では、アンテナAw50と電子タグTagのアンテナとの通信経路が人物の意図しないタイミングで確立することを抑制できる。
このように、アンテナAw50と電子タグTagのアンテナとの通信経路は、人物の意識的操作が継続している期間にわたって接続され、意識的操作の解除に伴って切断される。すなわち、図17に示したウェアラブルデバイス10Aは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
なお、ウェアラブルデバイス10Aの構成は、この例に限定されない。例えば、拡張部材MA4は、図18に示すように、凹部を含んでいてもよい。
以上、図17に示した実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナとして機能する部分の形状の変化に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択されるアンテナAw50を有している。例えば、アンテナAw50は、第1状態のとき、電子タグTag(通信相手)のアンテナとの通信経路が遮断される。そして、アンテナAw50が第2状態で、かつ、アンテナAw53と電子タグTagのアンテナとの距離が距離L1以下のとき、アンテナAw50と電子タグTagのアンテナとの通信経路が確立される。
例えば、左手HlをアームレストMA4に置くことで、アンテナAw50は第2状態になる。逆に、左手HlをアームレストMA4から離すことで、アンテナAw50は第1状態になる。これにより、この実施形態では、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
図18は、ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す。なお、図18に示した構成要素のうち、図1から図17に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。図18に示したウェアラブルデバイス10Aは、図17に示した拡張部材MA4の代わりに、凹部MA5cを含む拡張部材MA5を有している。ウェアラブルデバイス10Aのその他の構成は、図17に示したウェアラブルデバイス10Aと同様である。図18の電子タグTag(Tag10、Tag11、Tag12、Tag13)内の破線の丸印の意味は、図17と同様である。
この実施形態のウェアラブルデバイス10Aは、アンテナAw60を有している。アンテナAw60は、人物の身体の随意運動が可能な部位に少なくとも一部が装着される第3誘導部の一例である。アンテナAw60は、凹部MA5cを含む拡張部材MA5を図17に示した拡張部材MA4の代わりに有していることを除いて、図17に示したアンテナAw50と同様である。
例えば、アンテナAw60は、人物の手首(図18の例では、左手Hlの手首)などに固定されるアンテナAw61と、拡張部材MA5と、拡張部材MA5に設置されたアンテナAw62、Aw63と、導体111Aとを含んでいる。アンテナAw61、Aw62、Aw63は、図17に示したアンテナAw51、Aw52、Aw53と同様である。なお、アンテナAw63の形状は、中空である。また、アンテナAw61、Aw62、Aw63は、互いに同じ感度でもよいし、異なる感度でもよい。
拡張部材MA5は、第5のアンテナおよび第6のアンテナが設置される外部の環境の一例である。拡張部材MA5は、図17に示した拡張部材MA4に凹部MA5cが追加されていることを除いて、拡張部材MA4と同様である。例えば、拡張部材MA5は、車やソファーのアームレストである。以下、拡張部材MA5がアームレストである場合を例にして説明する。したがって、拡張部材MA5をアームレストMA5とも称する。
凹部MA5cは、例えば、アンテナAw63の中空の部分に配置される。凹部MA5cの深さは、例えば、電子タグTagが装着される指の厚さ程度である。また、アンテナAw63と電子タグTagのアンテナとの無線通信が可能になる距離L1は、例えば、指の厚さより小さい。
この場合、例えば、電子タグTagが装着された指がアームレストMA5の前面に接触しても、指先が凹部MA5cに挿入されていない状態では、電子タグTagのアンテナとアンテナAw63との距離は、距離L1より離れている。したがって、電子タグTagが装着された指がアームレストMA5の前面に接触しても、指先が凹部MA5cに挿入されていない状態では、電子タグTagのアンテナとアンテナAw63との間の通信経路は遮断される。すなわち、アンテナAw60と電子タグTagのアンテナとの通信経路は遮断される。
一方、指先が凹部MA5cに挿入されている状態では、凹部MA5cの深さの分だけ、電子タグTagのアンテナは、アンテナAw63に近づく。このため、電子タグTagのアンテナをアンテナAw63から距離L1以内の箇所に近づけることができる。これにより、電子タグTagのアンテナとアンテナAw63とが無線で接続される。この結果、アンテナAw60と電子タグTagのアンテナとの通信経路が確立する。
以上、図18に示した実施形態のウェアラブルデバイス10Aにおいても、図17に示した実施形態のウェアラブルデバイス10Aと同様の効果を得ることができる。例えば、この実施形態では、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。さらに、この実施形態では、アンテナAw63の位置を目視で確認しなくても、指先が凹部MA5cに挿入したか否かを判断することにより、電子タグTagのアンテナがアンテナAw63に対向しているか否かを判断できる。
図19は、ウェアラブルデバイスの別実施形態を示す。なお、図19は、ウェアラブルデバイス10Bと、ウェアラブルデバイス10Bの通信相手のアンテナとを含むシステムの一例を示している。アンテナANT20と、導体111Cを介してアンテナANT20に接続される複数の誘導アンテナAe20とを含むアンテナは、ウェアラブルデバイス10Bの通信相手のアンテナの一例である。
したがって、ウェアラブルデバイス10Bと無線通信が可能な通信部には、アンテナANT20、誘導アンテナAe20および導体111Cが含まれる。アンテナANT20、誘導アンテナAe20および導体111Cは、例えば、床に設置される。また、アンテナANT20は、例えば、電子タグのアンテナや読み取り装置のアンテナに対向して配置される。なお、図19では、図を見やすくするために、複数の誘導アンテナAe20(Ae20a、Ae20b、Ae20c、Ae20d)を、破線や太線を用いて記載している。また、誘導アンテナAe20の数は、4つに限定されない。
この実施形態のウェアラブルデバイス10Bは、例えば、スリッパ、靴SH等に設置される。なお、ウェアラブルデバイス10Bは、靴以外の履き物等に設置されてもよい。以下、ウェアラブルデバイス10Bが靴SHに設置されるものとして説明する。
ウェアラブルデバイス10Bは、アンテナANT10と、導体111Bを介してアンテナANT10に接続される複数の誘導アンテナAe10(Ae10a、Ae10b)とを有している。なお、誘導アンテナAe10の数は、2つに限定されない。複数の誘導アンテナAe10は、アンテナとして機能し、所定の周波数で共振が最大になる複数の第1誘導アンテナの一例である。
複数の誘導アンテナAe10は、所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振が最大になるようにそれぞれ調整されている。そして、複数の誘導アンテナAe10は、一部が互いに重なるように配置され、所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられる。複数の誘導アンテナAe10a、Ae10bを一本のアンテナとしてまとめた全体は、例えば、靴SH、靴SHの中敷き等に、足の形状に沿って設置される。図19の例では、2つの誘導アンテナAe10は、一本のアンテナとしてまとめたときに互いに重なる部分が全体の中央付近に位置するように、配置されている。
アンテナANT10は、複数の第1誘導アンテナに導体を介して接続される第8のアンテナの一例である。アンテナANT10は、電子タグのアンテナや読み取り装置のアンテナに対向して配置される。例えば、アンテナANT10は、通信相手のアンテナANT20が読み取り装置のアンテナに対向して配置される場合、電子タグのアンテナに対向して配置される。あるいは、アンテナANT10は、通信相手のアンテナANT20が電子タグのアンテナに対向して配置される場合、読み取り装置のアンテナに対向して配置される。
一方、ウェアラブルデバイス10Bの通信相手である床側のアンテナでは、例えば、複数の誘導アンテナAe20は、アンテナとして機能し、所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振が最大になるようにそれぞれ調整されている。そして、複数の誘導アンテナAe20は、一部が互いに重なるように配置され、所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられる。図19の例では、4つの誘導アンテナAe20は、一本のアンテナとしてまとめたときに互いに重なる部分が全体の中心付近に位置するように、配置されている。
すなわち、床側のアンテナは、所定の周波数で共振が最大になる複数のアンテナを、一部が互いに重なるように配置して一本のアンテナとしてまとめ、アンテナ全体を所定の周波数で共振が最大になるように調整した通信相手のアンテナの一例である。
誘導アンテナAe20のそれぞれのアンテナサイズ(例えば、長手方向の長さ)は、例えば、複数の誘導アンテナAe10を一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズ(例えば、長手方向の長さ)より小さい。すなわち、床側のアンテナは、最小単位のアンテナサイズ(誘導アンテナAe20のアンテナサイズ)が靴SHに設置されたアンテナ全体のアンテナサイズより小さくなるように、分割される。
換言すれば、複数の誘導アンテナAe10を一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、通信相手のアンテナの最小単位のアンテナサイズ(誘導アンテナAe20のアンテナサイズ)より大きい。また、複数の誘導アンテナAe10を一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、例えば、通信相手の全体(複数の誘導アンテナAe20を一本のアンテナとしてまとめた全体)のアンテナサイズより小さい。
これにより、ウェアラブルデバイス10Bは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。例えば、アンテナANT10が読み取り装置のアンテナに対向して配置される場合、誘導アンテナAe20が設置されている部分に利用者が靴SHを近接させる(例えば、床を踏む)ことにより、床のタグ情報が読み取られる。
ここで、例えば、誘導アンテナAe10、Ae20が省かれたシステムでは、利用者が靴SHに設置されたアンテナANT10を床に設置されたアンテナANT20に対向させたつもりでも、アンテナANT10がアンテナANT20に対向していない場合がある。
例えば、誘導アンテナAe10、Ae20が省かれたシステムでは、アンテナANT10がアンテナANT20とほぼ同じサイズで、靴SHのサイズからアンテナANT10のサイズを除いた部分がアンテナANT10のサイズより大きい場合がある。この場合、アンテナANT20が設置されている部分の床を利用者が靴SHで踏んでも、靴SHのアンテナANT10を除いた部分とアンテナANT20とが対向し、アンテナANT10がアンテナANT20に近接しないときがある。
さらに、例えば、利用者が靴SHに設置されたアンテナANT10を床に設置されたアンテナANT20に近づけた場合、アンテナANT10、ANT20が靴に隠されるため、利用者は、アンテナANT10、ANT20の位置関係を目視で確認できない。
このように、利用者がアンテナANT10をアンテナANT20に近づけたつもりでも、アンテナANT10は、アンテナANT20と無線通信可能な範囲に位置していない場合がある。この場合、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路は、利用者の意図するタイミングで接続されていない。
これに対し、ウェアラブルデバイス10Bでは、複数の誘導アンテナAe10を一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、通信相手の全体(複数の誘導アンテナAe20を一本のアンテナとしてまとめた全体)のアンテナサイズより小さい。また、複数の誘導アンテナAe10を一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、通信相手のアンテナの最小単位のアンテナサイズ(誘導アンテナAe20のアンテナサイズ)より大きい。
このため、例えば、アンテナAe20が設置されている部分の床を利用者が靴SHで踏んだとき、複数の誘導アンテナAe10の少なくとも1つは、複数の誘導アンテナAe20の少なくとも1つと無線通信可能な範囲に位置する。したがって、ウェアラブルデバイス10Bは、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。なお、ウェアラブルデバイス10Bの構成は、この例に限定されない。
図20は、靴SHに設置される誘導アンテナAe10の調整方法の例を示す。まず、2つの誘導アンテナAe10(Ae10a、Ae10b)は、所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振が最大になるように個別に調整される(図20の個別調整)。そして、所定の周波数で共振が最大になるように調整された2つの誘導アンテナAe10を一本のアンテナとしてまとめる。例えば、2つの誘導アンテナAe10は、一本のアンテナとしてまとめたときに互いに重なる部分が全体の中央付近に位置するように、配置される。
また、2つの誘導アンテナAe10に接続された導体111Bの一端に、電子タグのアンテナまたは読み取り装置のアンテナに対向するアンテナANT10が設置される。アンテナANT10および2つの誘導アンテナAe10が設置された後に、2つの誘導アンテナAe10を一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナが所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振が最大になるように調整される(図20の全体調整)。
図21は、床に設置される誘導アンテナAe20の調整方法の例を示す。まず、4つの誘導アンテナAe20(Ae20a、Ae20b、Ae20c、Ae20d)は、所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振が最大になるように個別に調整される(図21の個別調整)。そして、所定の周波数で共振が最大になるように調整された4つの誘導アンテナAe20を一本のアンテナとしてまとめる。例えば、4つの誘導アンテナAe20は、一本のアンテナとしてまとめたときに互いに重なる部分が全体の中心付近に位置するように、配置される。
また、4つの誘導アンテナAe20に接続された導体111Cの一端に、電子タグのアンテナまたは読み取り装置のアンテナに対向するアンテナANT20が設置される。アンテナANT20および4つの誘導アンテナAe20が設置された後に、4つの誘導アンテナAe20を一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナが所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振が最大になるように調整される(図21の全体調整)。なお、図19から図21で説明した所定の周波数は、13.56MHzに限定されない。
以上、図19から図21に示した実施形態のウェアラブルデバイス10Bは、アンテナとして機能し、所定の周波数で共振が最大になる複数の誘導アンテナAe10と、複数の誘導アンテナAe10に導体を介して接続されるアンテナANT10とを有している。複数の誘導アンテナAe10は、一部が互いに重なるように配置され、所定の周波数で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられている。例えば、複数の誘導アンテナAe10を一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、通信相手のアンテナの最小単位のアンテナサイズより大きく、通信相手の全体のアンテナサイズより小さい。
これにより、この実施形態では、近距離無線通信の送信側となる通信部と受信側となる通信部との間の通信経路を利用者により意図されたタイミングで接続することができる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点及び利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で、前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更を容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1)
人物の身体の随意運動が可能な部位に装着され、前記部位の形状に応じて、所定の電磁気的な特性である第1特性と、前記第1特性よりも電波を誘導する作用が強い第2特性とのいずれか一方を示し、前記第2特性による電波の誘導時に、前記部位を近づけた第1通信部と無線通信が可能な第1誘導部と、
無線通信を行う機能を有する第2通信部とともに前記人物の身体に装着可能であり、所定の長さを有する導体を介して前記第1誘導部と接続され、電波の誘導を行う第2誘導部と
を有することを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記2)
付記1に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記第1通信部は、前記第1通信部を有する装置に含まれる部品に対応付けられたタグ情報を保持しており、
前記第2通信部は、前記第1誘導部が前記第2特性を示すときに、前記第1誘導部と前記第1通信部との間の無線経路と、前記導体中の信号経路と、前記第2誘導部と前記第2通信部との間の無線経路とを介して、前記タグ情報を読み取り、
前記ウェアラブルデバイスは、更に、
前記第2通信部から受けた前記タグ情報に基づいて、前記タグ情報で示される前記部品に対する作業を示す情報を前記人物に提示する提示部を有する
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記3)
付記1に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記第2通信部は、前記第2通信部に対応付けられたタグ情報を保持しており、
前記第1誘導部と前記第1通信部との間の無線経路と、前記導体中の信号経路と、前記第2誘導部と前記第2通信部との間の無線経路とを含む通信経路は、前記第1通信部による前記タグ情報の読み取りに用いられる
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれか1に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記第1誘導部は、前記人物の手に装着された際に、前記手の複数の指に沿って配置される複数の枝部を有するアンテナであり、前記複数の指の間隔に応じて、前記第1特性または前記第2特性を示す
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記5)
付記1乃至付記3のいずれか1に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記第1誘導部は、前記人物の手に、前記手の輪郭に沿って装着されるループ状のアンテナである
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記6)
付記1乃至付記3のいずれか1に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記第1誘導部は、
前記部位に装着されるアンテナである第1のアンテナと、
前記人物による把持が可能であり、導電性を有し、所定の長さを有する器具と、
前記において、前記人物が前記器具を把持した際に前記第1のアンテナとの距離が所定値以下となる箇所に設置された第2のアンテナと、
前記器具において、前記第2のアンテナが設置された箇所から離れて設置され、前記第2特性を用いて電波を誘導する第3のアンテナとを含む
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記7)
付記6に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記器具は、個別に読み取りが可能な第1のタグと第2のタグとを含み、
前記ウェアラブルデバイスは、
更に、
前記部位とは異なる前記人物の部位に装着され、前記器具を固定する固定部と、
前記固定部に隣接して設けられ、前記固定部に固定された前記器具の前記第1のタグ及び前記第2のタグのそれぞれを読み取る読み取り部と、
前記第1のタグ及び前記第2のタグが前記読み取り部によって読み取られた順序に基づいて、前記器具と前記固定部との位置関係を判別する判別部と、
を有することを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記8)
付記7に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記器具は、更に、前記器具が前記人物によって把持された場合に前記第1のアンテナによる読み取りが可能な位置に設置された第3のタグを有し、
前記第1のアンテナの感度は、前記第3のアンテナの感度に比べて低く設定されており、
前記ウェアラブルデバイスは、更に、
前記第1のアンテナを用いて前記第3のタグを読み取ることで得た情報に基づいて、前記器具の装着状態を判定する判定部を有する
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記9)
人物の身体の随意運動が可能な部位に装着可能であり、前記部位の形状に応じて、所定の電磁気的な特性である第1特性と、前記第1特性よりも電波を誘導する作用が強い第2特性とのいずれか一方を示す第1誘導部が第1通信部に近づけられ、前記第1誘導部が前記第2特性を用いて電波を誘導することで、前記第1通信部と前記第1誘導部との間で無線通信が可能となった場合に、
所定の長さを有する導体を介して前記第1誘導部と接続され、電波の誘導を行う第2誘導部とともに前記人物の身体に装着され、無線通信を行う機能を有する第2通信部により、前記第1誘導部と前記第1通信部との間の無線経路と、前記導体中の信号経路と、前記第2誘導部と前記第2通信部との間の無線経路とを介して、前記第1通信部を有する装置に含まれる部品に対応して前記第1通信部に保持されたタグ情報を読み取り、
前記第2通信部から受けた前記タグ情報に基づいて、前記タグ情報で示される前記部品に対する作業を示す情報を前記人物に提示する
ことを特徴とするインタフェース制御方法。
(付記10)
人物の身体の随意運動が可能な部位に装着可能であり、前記部位の形状に応じて、所定の電磁気的な特性である第1特性と、前記第1特性よりも電波を誘導する作用が強い第2特性とのいずれか一方を示す第1誘導部が第1通信部に近づけられ、前記第1誘導部が前記第2特性を用いて電波を誘導することで、前記第1通信部と前記第1誘導部との間で無線通信が可能となった場合に、
所定の長さを有する導体を介して前記第1誘導部と接続され、電波の誘導を行う第2誘導部とともに前記人物の身体に装着され、無線通信を行う機能を有する第2通信部により、前記第1誘導部と前記第1通信部との間の無線経路と、前記導体中の信号経路と、前記第2誘導部と前記第2通信部との間の無線経路とを介して、前記第1通信部を有する装置に含まれる部品に対応して前記第1通信部に保持されたタグ情報を読み取り、
前記第2通信部から受けた前記タグ情報に基づいて、前記タグ情報で示される前記部品に対する作業を示す情報を前記人物に提示する、
処理をコンピュータに実行させるインタフェース制御プログラム。
(付記11)
アンテナとして機能し、人物の身体の随意運動が可能な部位に少なくとも一部が装着され、アンテナとして機能する部分および前記部位の少なくとも一方の形状の変化に応じて、第1状態と第2状態とのいずれかに選択され、前記第1状態のとき、通信相手のアンテナとの通信経路が遮断され、前記第2状態で、かつ、前記通信相手のアンテナとの距離が第1距離以下のとき、前記通信相手のアンテナとの通信経路が確立される第3誘導部を備えたことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記12)
付記11に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記通信相手のアンテナの形状は、中空であり、
前記第3誘導部は、
前記部位に装着される第1のアンテナと、
前記人物による把持が可能であり、所定の長さを有する器具と、
前記器具において、前記人物が前記器具を把持した際に前記第1のアンテナとの距離が第2距離以下となる箇所に設置された第2のアンテナと、
前記器具において、前記第2のアンテナが設置された箇所から離れた位置で、かつ、端部から前記第1距離より離れた位置に設置され、前記第2のアンテナと導体を介して接続される第3のアンテナとを備え、
前記器具において、前記第3のアンテナが設置された側の前記端部である雄部は、前記通信相手のアンテナの前記中空の部分である雌部に挿入可能な形状であり、
前記第1状態は、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの距離が第2距離より離れている状態であり、
前記第2状態は、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの距離が前記第2距離以下の状態であり、
前記第2状態では、前記第3のアンテナと前記通信相手のアンテナとの距離が第1距離以下になるまで前記雄部を前記雌部に挿入したときに、前記第3のアンテナと前記通信相手のアンテナとが無線で接続され、前記第3のアンテナから前記通信相手のアンテナを前記第1距離より離すことにより、前記第3誘導部と前記通信相手のアンテナとの通信経路が遮断される
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記13)
付記11に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記通信相手のアンテナは、前記人物の身体に前記部位から離れて装着され、
前記第3誘導部は、
前記部位に装着される第4のアンテナと、
前記人物の外部の環境に設置され、前記第4のアンテナとの距離が第2距離以下のときに、前記第4のアンテナと無線で接続される第5のアンテナと、
前記人物の外部の環境に設置され、所定の長さを有する導体を介して前記第5のアンテナに接続される第6のアンテナとを備え、
前記第1状態は、前記第4のアンテナと前記第5のアンテナとの距離が第2距離より離れている状態であり、
前記第2状態は、前記第4のアンテナと前記第5のアンテナとの距離が前記第2距離以下の状態であり、
前記第2状態では、前記第6のアンテナと前記通信相手のアンテナとの距離が第1距離以下のときに、前記第6のアンテナと前記通信相手のアンテナとが無線で接続され、前記第6のアンテナから前記通信相手のアンテナを前記第1距離より離すことにより、前記第3誘導部と前記通信相手のアンテナとの通信経路が遮断される
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記14)
付記13に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記第6のアンテナの形状は、中空であり、
前記第6のアンテナと前記通信相手のアンテナとの距離は、前記通信相手のアンテナが装着された部位の一部が前記第6のアンテナの中空の部分に挿入されたとき、前記第1距離以下になる
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記15)
付記11に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記部位は前記人物の手の指であり、
前記指に装着され、前記指の曲げ伸ばしに応じて、前記第3誘導部の状態を前記第1状態および前記第2状態のいずれかに保持する装着部を備えたことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記16)
付記11に記載のウェアラブルデバイスにおいて、
前記第3誘導部は、前記部位を変形することにより、前記通信相手のアンテナの形状に合う形状に変形可能な第7のアンテナを有し、
前記第2状態は、前記第7のアンテナが前記通信相手のアンテナの形状に合う形状に変形されることにより、選択される
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記17)
所定の周波数で共振が最大になる複数のアンテナを、一部が互いに重なるように配置して一本のアンテナとしてまとめ、アンテナ全体を前記所定の周波数で共振が最大になるように調整した通信相手のアンテナと無線通信が可能なウェアラブルデバイスであって、
アンテナとして機能し、前記所定の周波数で共振が最大になる複数の第1誘導アンテナと、
前記複数の第1誘導アンテナに導体を介して接続される第8のアンテナとを備え、
前記複数の第1誘導アンテナは、一部が互いに重なるように配置され、前記所定の周波数で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられ、
前記複数の第1誘導アンテナを一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、前記通信相手のアンテナの最小単位のアンテナサイズより大きく、前記通信相手の全体のアンテナサイズより小さい
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
(付記18)
人物の身体に装着可能なウェアラブルデバイスと、前記ウェアラブルデバイスと無線通信が可能な通信部とを備え、
前記ウェアラブルデバイスは、
アンテナとして機能し、所定の周波数で共振が最大になる複数の第1誘導アンテナと、
前記複数の第1誘導アンテナに導体を介して接続される第8のアンテナとを有し、
前記複数の第1誘導アンテナは、一部が互いに重なるように配置され、前記所定の周波数で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられ、
前記通信部は、
アンテナとして機能し、前記所定の周波数で共振が最大になる複数の第2誘導アンテナと、
前記複数の第2誘導アンテナに導体を介して接続される第9のアンテナとを有し、
前記複数の第2誘導アンテナは、一部が互いに重なるように配置され、前記所定の周波数で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられ、
前記第2誘導アンテナのそれぞれのアンテナサイズは、前記複数の第1誘導アンテナを一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズより小さく、
前記複数の第2誘導アンテナを一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、前記複数の第1誘導アンテナを一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズより大きい
ことを特徴とするシステム。
10、10A、10B…ウェアラブルデバイス;11…拡張アンテナ;14…無線経路;15…制御部;16…提示部;17、C6…読み取り部;18…判別部;111、111A、111B、111C…導体;112、113、Ac1−Ac4、ANT10、ANT20、At1、At2、Aw10−Aw13、Aw20−Aw23、Aw30、Aw31、Aw40、Aw50−Aw53、Aw60−Aw63…アンテナ;131…ホルダ;161…表示部;162…ヘッドフォン;21…プロセッサ;22、MEM…メモリ;23…近距離無線通信インタフェース;24…汎用インタフェース;25…音声処理部;26…ネットワークインタフェース;27…表示制御部;28…液晶表示部;UE…携帯端末;EQ…装置;C1、C2…通信部;C5、Tag0、Tag10−Tag13…電子タグ;Wr…作業着;GL…手袋;P1、P2…人物;Jk…ジャケット;Pk…ポケット;CL1a、CL1b…枝部;Cn…コネクタ;Gj…器具;Af…第1のアンテナ;Ar1…第2のアンテナ;Ar2…第3のアンテナ;SW…スイッチ;Hld…固定部;Tg1…第1のタグ;Tg2…第2のタグ;Tg3…第3のタグ;CBL…ケーブル;Tk…定期券;Gt…自動改札機;NW…ネットワーク;SV…サーバ装置;Ac1f…雌部;Ae10、Ae20…誘導アンテナ;Gjm…雄部;MA1、MA3、MA4…拡張部材;MA2…通信部の一部分;MA1c、MA5c…凹部;RN…装着部;SH…靴

Claims (1)

  1. 所定の周波数で共振が最大になる複数のアンテナを、一部が互いに重なるように配置して一本のアンテナとしてまとめ、アンテナ全体を前記所定の周波数で共振が最大になるように調整した通信相手のアンテナと無線通信が可能なウェアラブルデバイスであって、
    アンテナとして機能し、前記所定の周波数で共振が最大になる複数の第1誘導アンテナと、
    前記複数の第1誘導アンテナに導体を介して接続される第8のアンテナとを備え、
    前記複数の第1誘導アンテナは、一部が互いに重なるように配置され、前記所定の周波数で共振が最大になるように一本のアンテナとしてまとめられ、
    前記複数の第1誘導アンテナを一本のアンテナとしてまとめた全体のアンテナサイズは、前記通信相手のアンテナの最小単位のアンテナサイズより大きく、前記通信相手の全体のアンテナサイズより小さい
    ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
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