JP2018021397A - 接続構造 - Google Patents
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まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、第1面及び第2面を相互に接続する接続構造に関する。ここで、この接続構造は、上記のように第1面及び第2面を相互に接続するあらゆる分野に適用することができ、以下では、第1面及び第2面が山留壁であり、接続構造とはこれらの各面を相互に接続して山留壁に係る土圧を支持するための土圧支持部材とするが、これに限らない。例えば、このような土圧支持部材に限らず、橋、支保工全般、構台、タンク、玩具、又は家具などにも適用可能である。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まずは、実施の形態に係る接続構造100及びその周辺の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る接続構造100を示す平面図である。なお、以下では、必要に応じて、各図におけるX方向を「幅方向」又は「左右方向」と称し、特に+X方向を「右方向」、−X方向を「左方向」と称する。また、Y方向を「奥行き方向」又は「前後方向」と称し、特に+Y方向を「前方向」、−Y方向を「後方向」と称する。また、Z方向(後述する図16参照。X−Y平面に直交する方向)を「高さ方向」と称し、特に+Z方向を「上方向」、−Z方向を「下方向」と称する。
第1山留壁10は、掘削部1の周囲に形成されて土圧を受ける壁面である。この第1山留壁10は、掘削部1の全高にわたって、前後方向に沿って埋設された構造体である。具体的には、この第1山留壁10は、本実施の形態においては中心部にH型鋼の芯材(図示省略)を配置した公知のソイルセメント柱列であるものとして説明するが、これに限らず公知の工法で形成した山留壁を用いることができる。また、この第1山留壁10の掘削部1側の側面(+X側の面)を以下では必要に応じて「第1面」と称する。
第2山留壁20は、掘削部1の周囲に形成されて土圧を受ける壁面である。この第2山留壁20は、掘削部1の全高にわたって、左右方向に沿って埋設された構造体である。すなわち、本実施の形態では、第1山留壁10と第2山留壁20とが90°の角度で交差している。なお、この第2山留壁20は、上述した第1山留壁10と同様に構成できるため、詳細な説明を省略する。また、この第2山留壁20の掘削部1側の側面(−Y側の面)を以下では必要に応じて「第2面」と称する。
主接続部30は、第1山留壁10及び第2山留壁20の両方と交差する仮想直線Lに沿って延設された主接続手段である。「仮想直線」Lとは、本実施の形態においては図示において符号Lで示されているように、第1山留壁10及び第2山留壁20の両方に対して45°の角度で交差する線であるものとするが、これに限らず任意の角度で交差する直線を適用できる。ここで、主接続部30として用いられる材料は、本実施の形態では穴開き広幅H型鋼であるが、これに限らず、例えば角型鋼やI型鋼などの公知の材料を用いて構わない。また、複数の鋼材(例えば長さ1〜8m)を継ぎ合わせて主接続部30を形成しても良い。
第1接続部40は、第1山留壁10における第1接続点P1と、主接続部30における端部に位置する分岐点Pdとを相互に接続する第1接続手段である。ここで、「第1接続点」P1とは、第1面に位置する仮想点であって、接続構造100の設置間隔等に応じて任意に決定できるが、本実施の形態では図1においてP1で示すように、主接続部30の延長線上の位置に設定されている。したがって、主接続部30と当該第1接続部40は一直線上に位置している。また、「分岐点」Pdとは、主接続部30における端部又は途中に位置する仮想点であって、本実施の形態においてはPdで示すように主接続部30における端部の位置に設定されている。
第2接続部50は、第1山留壁10における第2接続点P2と、主接続部30における端部に位置する分岐点Pdとを相互に接続する第2接続手段である。ここで、「第2接続点」P2とは、第1面に位置する仮想点であって、接続構造100の設置間隔等に応じて任意に決定できるが、本実施の形態では図1においてP2で示すように、第1接続点P1よりも山留壁の隅部に近い位置に設定されている。この第2接続部50は、上述したように第2接続点P2と分岐点Pdとを接続する限り任意に配置できるが、本実施の形態においては、第1山留壁10と直交する方向(本実施の形態では左右方向)に沿って延設されている。
第3接続部60は、第1山留壁10における第3接続点P3と、主接続部30における端部に位置する分岐点Pdとを相互に接続する第3接続手段である。ここで、「第3接続点」P3とは、第1面に位置する仮想点であって、接続構造100の設置間隔等に応じて任意に決定できるが、本実施の形態では図1においてP3で示すように、第1接続点P1よりも山留壁の隅部から遠い位置に設定されている。この第3接続部60は、上述したように第3接続点P3と分岐点Pdとを接続する限り任意に配置できるが、本実施の形態においては、第1山留壁10と略30°程度の角度で交わるように延設されている。
架設材70は、複数の接続構造100を相互に接続する架設手段である。この架設材70は、複数の接続構造100を架け渡すように各接続構造100の上端に載置されており、ボルト接続等の公知の方法で各接続構造100に取り付けられている。なお、取付角度については任意であるが、本実施の形態においては図示のように、主接続部30に対して直交する方向に沿って取り付けられており、当該方向の荷重を支持している。
このような接続構造100の施工方法の一例について説明する。まず、従来と同様の方法により各山留壁(第1山留壁10、第2山留壁20、及び図示しない他の山留壁)を地中に埋設し、掘削部1を掘削していく。なお、従来の方法では掘削を行う前に、主接続部30の鉛直支持を行うための棚杭を地中に打設する必要があるが、本実施の形態では、上述したように各接続部によって主接続部30を支持することができるため、このような棚杭の打設を省略でき、施工の手間や費用を省略できる。また、例えば各接続部のみでは主接続部30を好適に支持できない場合には棚杭を打設しても構わないが、この場合であっても従来の方法と比べて棚杭の必要本数を削減することができる。
このような本実施の形態に係る接続構造100によれば、いずれも主接続部30から分岐するように接続される第1接続部40及び第2接続部50を備えることにより、1つの主接続部30で、第1面における第1接続点P1及び第2接続点P2を含む広範囲からの荷重を支持し、必要な主接続部30の数を削減することができるので、接続構造100の施工に要する手間や費用を削減することができると共に、作業効率を向上させることができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決する場合や、上述した効果の一部のみを奏することがある。
実施の形態に示した特徴及び下記の各変形例に示す特徴は、相互に入れ替えたり、一方の特徴を他方に追加したりしてもよい。
発明の詳細な説明や図面で説明した接続構造100の各部の寸法、形状、材料、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、材料、比率等とすることができる。
本実施の形態において、いずれか1つの主接続部30と、当該いずれか1つの主接続部30に隣接する他の主接続部30は、第2接続部50及び第3接続部60を介して第1山留壁10にて相互に接続されるものとしたが、これに限らない。図2は、本発明の第1の変形例に係る接続構造110を示す平面図である。この図2に示すように、1つの接続構造110の第2接続部50と、隣接する接続構造110の第3接続部60が相互に離間していても構わない。
付記1の接続構造は、相互に隣接し、かつ非平行な第1面及び第2面を相互に接続する接続構造であり、前記第1面及び前記第2面の両方と交差する仮想直線に沿って延設された主接続部と、前記第1面における第1接続点と、前記主接続部における端部又は途中に位置する分岐点とを相互に接続する第1接続部と、前記第1面における第1接続点とは異なる位置の第2接続点と、前記分岐点とを相互に接続する第2接続部と、を備える。
付記1に記載の接続構造によれば、いずれも主接続部から分岐するように接続される第1接続部及び第2接続部を備えることにより、1つの主接続部で、第1面における第1接続点及び第2接続点を含む広範囲からの荷重を支持し、必要な主接続部の数を削減することができるので、接続構造の施工に要する手間や費用を削減することができると共に、作業効率を向上させることができる。
2 火打ち
10 第1山留壁
11 第1腹起し材
20 第2山留壁
21 第2腹起し材
30 主接続部
31 ジャッキ
40 第1接続部
50 第2接続部
60 第3接続部
70 架設材
100、110、120、130、140、150 接続構造
151 第1山留壁
152 第2山留壁
160 接続構造
161 第1山留壁
162 第2山留壁
170、180、180a、180b 接続構造
181 第3山留壁
182 接続部
190 接続構造
191 接続部
200 接続構造
201 第1接続部
202 第2接続部
203 第3接続部
204 第4接続部
205 第5接続部
206 第6接続部
207 第7接続部
208 第8接続部
210 接続構造
211 接続ピース
220 接続構造
221 棚杭
230、240、250 接続構造
300 火打ち
301 棚杭
A 線
D1、D2 設置間隔
J1、J2 ピン接合
L 仮想直線
P1 第1接続点
P2 第2接続点
P3 第3接続点
P5 第5接続点
P6 第6接続点
P7 第7接続点
P8 第8接続点
Pd 分岐点
Claims (7)
- 相互に隣接し、かつ非平行な第1面及び第2面を相互に接続する接続構造であり、
前記第1面及び前記第2面の両方と交差する仮想直線に沿って延設された主接続部と、
前記第1面における第1接続点と、前記主接続部における端部又は途中に位置する分岐点とを相互に接続する第1接続部と、
前記第1面における第1接続点とは異なる位置の第2接続点と、前記分岐点とを相互に接続する第2接続部と、を備える、
接続構造。 - 前記第1接続部又は前記第2接続部は、前記分岐点において前記主接続部に対してピン接合される、
請求項1に記載の接続構造。 - 前記第1面における前記第1接続点及び前記第2接続点とは異なる位置の第3接続点と、前記分岐点とを相互に接続する第3接続部であって、前記主接続部を挟んで前記第2接続部と対向する側に配置された第3接続部を備える、
請求項1又は2に記載の接続構造。 - 複数の前記主接続部が、間隔を隔てて並列配置される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の接続構造。 - いずれか1つの主接続部と、当該いずれか1つの主接続部に隣接する他の主接続部は、前記第1接続部又は前記第2接続部を介して前記第1面にて相互に接続される、
請求項4に記載の接続構造。 - 前記第1接続部は、前記主接続部と一体形成されて前記主接続部の延長線上に延設されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の接続構造。 - 前記第1面及び前記第2面は鉛直方向に沿って設けられており、
前記主接続部は水平方向に沿って設けられており、
前記主接続部の鉛直荷重を支持する鉛直支持部を備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の接続構造。
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