JP2018018879A - 照明用レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光検出器が有する色毎の受光感度のクロストークによる影響を受けずに各レーザ光源の出力強度を検出できる照明用レーザ装置を提供する。
【解決手段】異なる波長のレーザ光を出力する複数のレーザ光源1a〜dと、レーザ光源1を駆動する駆動回路2a〜dと、各レーザ光源1からのレーザ光を集光する集光用レンズ3と、集光用レンズ3により集光されたレーザ光の一部を反射して残りを透過する光分離素子4と、光分離素子4を透過したレーザ光を外部へ導光する導光部5と、光分離素子4により反射されたレーザ光を拡散する光拡散素子6と、光拡散素子6の出力面に対向配置され、入射されたレーザ光の強度を測定する光検出器7と、光検出器7による測定結果及び色毎の受光感度に基づき、各レーザ光源1a〜dの出力強度を算出する演算部8と、演算部8による算出結果に基づき、各駆動回路2a〜dを制御する制御回路9とを備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、互いに異なる波長のレーザ光を出力する複数のレーザ光源を有する照明用レーザ装置に関する。
互いに異なる波長(色)のレーザ光を出力する複数のレーザ光源を有する照明用レーザ装置では、各レーザ光源を制御する制御回路を有している(例えば特許文献1参照)。また、複数のレーザ光源を有する照明用レーザ装置には、各レーザ光源から出力されるレーザ光を外部へ結合する1本の光ファイバが設けられている。
この照明用レーザ装置では、一定の安定した出力が望まれる。そこで、従来のレーザ装置では、光ファイバの後段に1台の光検出器を設け、レーザ光の強度が既定値以下の場合には、そのレーザ光源を故障とみなして動作を停止させている。
また、このレーザ装置では、複数のレーザ光源からのレーザ光を1本の光ファイバに入射するため、レーザ光源毎に光学部品及び光ファイバが必要となる。
特開2004−207420号公報
しかしながら、従来の照明用レーザ装置では、1台の光検出器でレーザ光の強度を検出する場合、光検出器では色毎の受光感度にクロストークが存在するため、各レーザ光源の出力強度を正確に検出できないという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、互いに異なる波長のレーザ光を出力する複数のレーザ光源を有する照明用レーザ装置において、光検出器が有する色毎の受光感度のクロストークによる影響を受けずに各レーザ光源の出力強度を検出できる照明用レーザ装置を提供することを目的としている。
この発明に係るレーザ出力制御照明装置は、互いに異なる波長のレーザ光を出力する複数のレーザ光源と、レーザ光源毎に設けられ、対応するレーザ光源を駆動する駆動回路と、各々のレーザ光源により出力されたレーザ光を集光する光学素子と、光学素子により集光されたレーザ光の一部を反射して残りを透過する光分離素子と、光分離素子を透過したレーザ光を外部へ導光する導光部と、光分離素子により反射されたレーザ光を拡散する光拡散素子と、光拡散素子における出力面に対向配置され、入射されたレーザ光の強度を測定する光検出器と、光検出器による測定結果及び当該光検出器が有する色毎の受光感度に基づいて、各々のレーザ光源の出力強度を算出する演算部と、演算部による算出結果に基づいて、各々の駆動回路を制御する制御回路とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、上記のように構成したので、互いに異なる波長のレーザ光を出力する複数のレーザ光源を有する照明用レーザ装置において、光検出器が有する色毎の受光感度のクロストークによる影響を受けずに各レーザ光源の出力強度を検出できる。
この発明の実施の形態1に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。 この発明の実施の形態1における光検出器が有する受光感度分光特性の一例を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る照明用レーザ装置の動作例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。 この発明の実施の形態2における光学フィルタが有する透過率分光特性の一例を示すグラフである。 この発明の実施の形態2における各レーザ光源により出力されるレーザ光の波長例を示すグラフである。 この発明の実施の形態3に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。 この発明の実施の形態4における光学フィルタが有する透過率分光特性の一例を示すグラフである。 この発明の実施の形態5における照明用レーザ装置の構成例を示す図である。 図11A、図11Bは、この発明の実施の形態1〜5における演算部及び制御回路のハードウェア構成例を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。
照明用レーザ装置は、図1に示すように、複数のレーザ光源1、複数の駆動回路2、単一の集光用レンズ(光学素子)3、光分離素子4、導光部5、単一の光拡散素子6、光検出器7、演算部8及び制御回路9を備えている。
複数のレーザ光源1は、互いに異なる波長(色)のレーザ光を出力する。なお図では、4台のレーザ光源1(1a〜1d)を設けた場合を示している。また、実施の形態1では、レーザ光源1は、1つの色に対して単一の波長のレーザ光を出力する。このレーザ光源1としては、例えば半導体レーザ又は固定レーザが用いられる。この複数のレーザ光源1により出力されたレーザ光は集光用レンズ3に入射される。
駆動回路2は、レーザ光源1毎に設けられ、対応するレーザ光源1を駆動する。この際、駆動回路2は、制御回路9により指定された値でレーザ光を出力させるように、対応するレーザ光源1を駆動する。なお図では、4台の駆動回路2(2a〜2d)を設けた場合を示している。
集光用レンズ3は、各レーザ光源1における出力端に対向配置され、当該各レーザ光源1により出力されたレーザ光を空間伝搬で集光する。この集光用レンズ3により集光されたレーザ光は光分離素子4に入射される。
光分離素子4は、集光用レンズ3における出力面に対向配置され、当該集光用レンズ3により集光されたレーザ光の一部を反射して残りを透過する。この光分離素子4を透過したレーザ光は導光部5に入射され、光分離素子4により反射されたレーザ光は光拡散素子6に入射される。
導光部5は、光分離素子4を透過したレーザ光を照明用レーザ装置の外部へ導光する。この導光部5としては、例えば光ファイバが用いられる。そして、導光部5により導光されたレーザ光は、照明用レーザ装置の本来の用途に用いられる。
光拡散素子6は、光分離素子4により反射されたレーザ光を拡散する。すなわち、光拡散素子6は、上記レーザ光をある決まった拡散角の中で乱反射させて均一化する。この光拡散素子6としては、例えば、入射された光を拡散させる拡散板が用いられる。この光拡散素子6により拡散されたレーザ光は光検出器7に入射される。
光検出器7は、光拡散素子6における出力面に対向配置され、入射されたレーザ光の強度を測定する。なお、実施の形態1では、光検出器7は単一である。この光検出器7としては、例えばフォトダイオードが用いられる。この光検出器7による測定結果を示す信号は演算部8に出力される。
なお、光検出器7は、例えば図2に示すように、色毎のチャンネルに受光感度(受光感度分光特性)を有し、クロストークが存在する。例えば図2に示す赤色のチャンネルの受光感度(R−CH)では、400nm未満から約800nmの光に対して感度を持ち、緑色(G)及び青色(B)の光にも感度を有している。
演算部8は、光検出器7による測定結果及び当該光検出器7が有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出する。この演算部8による算出結果を示す信号は制御回路9に出力される。
制御回路9は、演算部8による算出結果に基づいて、各駆動回路2を制御する。この際、制御回路9は、演算部8により算出された出力強度と定格値との誤差が基準値より大きいレーザ光源1に対し、当該誤差が基準値以内となるように当該レーザ光源1の出力強度(当該レーザ光源1に対する印加電流の値)を調整する。
次に、上記のように構成された照明用レーザ装置の動作例について、図3を用いて説明する。
照明用レーザ装置の動作例では、図3に示すように、まず、制御回路9は、各駆動回路2を制御して、各レーザ光源1への電流値を定格値に設定し、各レーザ光源1からレーザ光を出力させる(ステップST301)。その後、各レーザ光源1から出力されたレーザ光は、集光用レンズ3により集光され、光分離素子4により一部が反射されて残りは透過する。そして、光分離素子4を透過したレーザ光は導光部5により照明用レーザ装置の外部へ導光される。
一方、光拡散素子6は光分離素子4により反射されたレーザ光を拡散し、光検出器7は当該拡散されたレーザ光の強度を測定する(ステップST302)。この際、光検出器7は、色毎にレーザ光の強度を測定する。この光検出器7による測定結果を示す信号は演算部8に出力される。
次いで、演算部8は、光検出器7による測定結果及び当該光検出器7が有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出する(ステップST303)。この演算部8による算出結果を示す信号は制御回路9に出力される。
以下、演算部8による算出方法の詳細について説明する。
ここで、光検出器7におけるチャンネル(R−CH,G−CH,B−CH,W−CH)毎の検出値をそれぞれW,W,W,Wとする。また、各レーザ光源1の波長をそれぞれλ,λ,λ,λとする。また、光検出器7のR−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS(λ),S(λ),S(λ),S(λ)とする。また、光検出器7のG−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS(λ),S(λ),S(λ),S(λ)とする。また、光検出器7のB−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS(λ),S(λ),S(λ),S(λ)とする。また、光検出器7のW−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS(λ),S(λ),S(λ),S(λ)とする。また、各レーザ光源1の出力強度をそれぞれP(λ),P(λ),P(λ),P(λ)とする。また、レーザ光源1の出力強度と光拡散素子6を通過後の出力強度との比をそれぞれu,u,u,uとする。
この場合、演算部8は、下式(1)から、各レーザ光源1の出力強度を算出する。
Figure 2018018879
なお、レーザ光源1の出力強度が式(1)より算出できるのは、レーザ光の特徴であるスペクトル幅が非常に狭いことに起因しており、光検出器7の色毎の受光感度は波長が決まると一意的に決まるためである。
次いで、制御回路9は、演算部8による算出結果に基づいて、各駆動回路2を制御する(ステップST304)。この際、制御回路9は、演算部8により算出された出力強度と定格値との誤差が基準値より大きいレーザ光源1に対し、当該誤差が基準値以内となるように当該レーザ光源1の出力強度(当該レーザ光源1に対する印加電流の値)を調整する。
すなわち、制御回路9は、各レーザ光源1の出力強度の定格値に対する誤差が基準値より大きく、且つ定格値より低い場合には、レーザ光源1に対する印加電流を増加させる。一方、制御回路9は、各レーザ光源1の出力強度の定格値に対する誤差が基準値より大きく、且つ定格値より高い場合には、レーザ光源1に対する印加電流を減少させる。
その後、光検出器7は再びレーザ光の強度を測定する(ステップST305)。このステップST305の処理は、ステップST302の処理と同様である。
次いで、演算部8は、光検出器7による測定結果及び当該光検出器7が有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出する(ステップST306)。このステップST306の処理は、ステップST303の処理と同様である。
次いで、制御回路9は、演算部8により算出された各レーザ光源1の出力強度と定格値との誤差が全て基準値以内であるかを判定する(ステップST307)。
このステップST307において、制御回路9が、演算部8により算出された出力強度と定格値との誤差が基準値より大きいレーザ光源1があると判定した場合には、シーケンスはステップST304に戻り、上記動作を繰り返す。
一方、ステップST307において、制御回路9が、演算部8により算出された各レーザ光源1の出力強度と定格値との誤差が全て基準値以内であると判定した場合には、出力制御を終了し、シーケンスは終了する。
以上のように、この実施の形態1によれば、互いに異なる波長のレーザ光を出力する複数のレーザ光源1と、レーザ光源1毎に設けられ、対応するレーザ光源1を駆動する駆動回路2と、各レーザ光源1により出力されたレーザ光を集光する集光用レンズ3と、集光用レンズ3により集光されたレーザ光の一部を反射して残りを透過する光分離素子4と、光分離素子4を透過したレーザ光を外部へ導光する導光部5と、光分離素子4により反射されたレーザ光を拡散する光拡散素子6と、光拡散素子6における出力面に対向配置され、入射されたレーザ光の強度を測定する単一の光検出器7と、光検出器7による測定結果及び当該光検出器7が有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出する演算部8と、演算部8による算出結果に基づいて、各駆動回路2を制御する制御回路9とを備えたので、互いに異なる波長のレーザ光を出力する複数のレーザ光源1を有する照明用レーザ装置において、光検出器7が有する色毎の受光感度のクロストークによる影響を受けずに各レーザ光源1の出力強度を検出できる。したがって、1台の光検出器7で各レーザ光源1の出力強度を検出でき、各レーザ光源1の出力強度を定格値誤差の基準値以内に調整できるので、レーザ出力の安定動作が可能となる。
また、単一の集光用レンズ3を用いることで、レーザ光源1毎に必要であった光学部品と光ファイバを使用せず、レーザ光源1の出力校正を行うことができるので、従来構成に対して、装置が簡易化できる。
更に、従来構成では、レーザ光の強度を検出する際に、各レーザ光源1を時系列に動作させているため、全てのレーザ光の強度を検出するために多くの時間を要する。それに対し、実施の形態1に係る照明用レーザ装置では、レーザ光源1の駆動方法がCW動作の場合でも校正が行うことができ、各レーザ光源1の出力強度を同時にモニタすることができるので、出力校正に要する時間を短縮できる。
また、実施の形態1において、レーザ光源1として半導体レーザ又は固定レーザを用いることで、ランプを用いた場合と比較して波長域を狭くでき、演算部8により各レーザ光源1の出力強度を算出できる。
また、光分離素子4と光検出器7との間に光拡散素子6を配置することで、光検出器7の飽和を抑制できる。
なお図1では、4台のレーザ光源1を用いた場合を示したが、レーザ光源1の台数は複数であればよい。また、レーザ光源1の設置箇所は、レーザ光源1から出力されたレーザ光が導光部5に入射する位置であればどこに設置してもよい。また、光検出器7は、全色の受光感度に対し、クロストークがないものであってもよい。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。この図4に示す実施の形態2に係る照明用レーザ装置では、図1に示す実施の形態1に係る照明用レーザ装置に対し、光検出器7を2台の光検出器7a,7bに変更し、光学フィルタ10を追加している。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
なお、実施の形態2におけるレーザ光源1は、1つの色に対して2つ以下の波長を有するレーザ光を出力するものとする。
光検出器7a,7bは、光拡散素子6における出力面に対向配置され、入射されたレーザ光の強度を測定する。なお、光検出器7a,7bは、同一の受光感度を有する。この光検出器7a,7bとしては、例えばフォトダイオードが用いられる。この光検出器7a,7bによる測定結果を示す信号は演算部8に出力される。
光学フィルタ10は、光拡散素子6と光検出器7aとの間に配置されている。光学フィルタは、基板材料に光を吸収する物質を混ぜたもの、又は、基板の表面に光学薄膜を成膜した光学素子である。この光学フィルタは、入射される光のうち、ある特定の性質をもつ光のみを透過し、それ以外の光を吸収又は反射する。なお、特定の条件とは、例えば波長又は偏光がある。一方、光学フィルタ10では、光拡散素子6により拡散された光の一部を光学フィルタ10が有する透過率分光特性に従って透過させる。図5は光学フィルタ10が有する透過率分光特性の一例を示すグラフである。
なお、実施の形態2における演算部8では、光学フィルタ10が有する透過率分光特性、光検出器7a,7bによる測定結果及び当該光検出器7a,7bが有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出する。この演算部8による算出結果を示す信号は制御回路9に出力される。
上述したように、実施の形態2におけるレーザ光源1は、1つの色に対して2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する。図6では、各レーザ光源1が、各色に対して2つの波長を有するレーザ光を出力する場合を示している。
この場合、実施の形態1で示した1台の光検出器7を備えた照明用レーザ装置では、各レーザ光源1の色毎の出力強度を合わせた値は算出できるが、個々のレーザ光源1の出力強度は算出できない。
そこで、実施の形態2では、一方の光検出器7aでは、光拡散素子6により拡散されて光学フィルタ10により透過率差が与えられたレーザ光の強度を測定し、他方の光検出器7bでは、光拡散素子6により散乱されたレーザ光の強度を測定する。
そして、演算部8では、2台の光検出器7a,7bによる測定結果から、各レーザ光源1の出力強度を算出する。以下、演算部8による算出方法について説明する。
ここで、光検出器7aのチャンネル毎の検出値をそれぞれWa ,Wa ,Wa ,Wa とする。また、光検出器7bのチャンネル毎の検出値をそれぞれW ,W ,W ,W とする。また、各レーザ光源1の波長をλR1,λR2,λB1,λB2,λG1,λG2,λW1,λW2とする。また、各レーザ光源1の出力強度をそれぞれP(λR1),P(λR2),P(λG1),P(λG2),P(λB1),P(λB2),P(λW1),P(λW2)とする。また、各波長のレーザ光に対する光学フィルタ10の透過率をtR1,tR2,tG1,tG2,tB1,tB2,tW1,tW2とする。また、レーザ光源1の出力強度と光拡散素子6を通過後の出力強度との比をそれぞれuR1,uR2,uG1,uG2,uB1,uB2,uW1,uW2とする。
この場合、演算部8は、下式(2),(3)より、各レーザ光源1の出力強度を算出する。
Figure 2018018879

Figure 2018018879
したがって、一方の光検出器7aで光学フィルタ10の透過率分光特性に依存した各色の出力強度を測定し、他方の光検出器7bで各色の出力強度を測定することで、各レーザ光源1が色毎に2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する場合であっても、演算部8で各レーザ光源1の出力強度を算出できる。
以上のように、この実施の形態2によれば、互いに同一の受光感度を有する2台の光検出器7a,7bと、透過率分光特性を有し、光拡散素子6と一方の光検出器7aとの間に配置された光学フィルタ10とを備え、演算部8は、光学フィルタ10が有する透過率分光特性、各光検出器7a,7bによる測定結果及び当該光検出器7a,7bが有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出するように構成したので、実施の形態1における効果に加え、各レーザ光源1が色毎に2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する場合であっても、各レーザ光源1の出力強度が算出できる。
なお、光分離素子4と光検出器7a,7bとの間に光拡散素子6を配置することで、光検出器7a,7bの飽和を抑制でき、また、複数の光検出器7a,7bを並列に置いてレーザ光の強度を検出できる。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。この図7に示す実施の形態3に係る照明用レーザ装置では、図1に示す実施の形態1に係る照明用レーザ装置に対し、光検出器7を2台の光検出器7a,7bに変更している。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
光検出器7a,7bは、光拡散素子6における出力面に対向配置され、入射されたレーザ光の強度を測定する。なお、光検出器7a,7bは、互いに異なる受光感度を有する。この光検出器7a,7bとしては、例えばフォトダイオードが用いられる。この光検出器7a,7bによる測定結果を示す信号は演算部8に出力される。
なお、実施の形態3における演算部8では、光検出器7a,7bによる測定結果及び当該光検出器7a,7bが有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出する。この演算部8による算出結果を示す信号は制御回路9に出力される。以下、演算部8による算出方法について説明する。
ここで、光検出器7aのR−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS (λR1),S (λG1),S (λB1),S (λW1),S (λR2),S (λG2),S (λB2),S (λW2)とする。また、光検出器7aのG−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS G(λR1),S G(λG1),S G(λB1),S G(λW1),S G(λR2),S G(λG2),S G(λB2),S G(λW2)とする。また、光検出器7aのB−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS (λR1),S (λG1),S (λB1),S (λW1),S (λR2),S (λG2),S (λB2),S (λW2)とする。また、光検出器7aのW−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS (λR1),S (λG1),S (λB1),S (λW1),S (λR2),S (λG2),S (λB2),S (λW2)とする。また、光検出器7bのR−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS (λR1),S (λG1),S (λB1),S (λW1),S (λR2),S (λG2),S (λB2),S (λW2)とする。また、光検出器7bのG−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS G(λR1),S G(λG1),S G(λB1),S G(λW1),S G(λR2),S G(λG2),S G(λB2),S G(λW2)とする。また、光検出器7bのB−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS (λR1),S (λG1),S (λB1),S (λW1),S (λR2),S (λG2),S (λB2),S (λW2)とする。また、光検出器7bのW−CHにおける各レーザ光源1の波長に対する受光感度をそれぞれS (λR1),S (λG1),S (λB1),S (λW1),S (λR2),S (λG2),S (λB2),S (λW2)とする。
この場合、演算部8は、下式(4),(5)から、各レーザ光源1の出力強度を算出する。
Figure 2018018879

Figure 2018018879
したがって、2台の光検出器7a,7bで異なる受光感度に依存した各色の出力強度を測定することで、各レーザ光源1が色毎に2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する場合であっても、演算部8で各レーザ光源1の出力強度を算出できる。
以上のように、この実施の形態3によれば、互いに異なる受光感度を有する2台の光検出器7a,7bを備え、演算部8は、各光検出器7a,7bよる測定結果及び当該光検出器7a,7bが有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出するように構成したので、実施の形態1における効果に加え、光学フィルタ10を使用せずに、各レーザ光源1が色毎に2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する場合であっても、各レーザ光源1の出力強度が算出できる。
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。この図8に示す実施の形態4に係る照明用レーザ装置では、図4に示す実施の形態2に係る照明用レーザ装置に対し、光学フィルタ(第2の光学フィルタ)10bを追加している。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
光学フィルタ10bは、光学フィルタ10とは異なる透過率分光特性を有し、光拡散素子6と光検出器7bとの間に配置されている。この光学フィルタ10bでは、光拡散素子6により拡散された光の一部を光学フィルタ10bの透過率分光特性に従って透過させる。
例えば、光学フィルタ10は図5に示す透過率分光特性を有し、光学フィルタ10bは図9に示す透過率分光特性を有する。
なお、実施の形態4における演算部8では、光学フィルタ10,10bが有する透過率分光特性、光検出器7a,7bによる測定結果及び当該光検出器7a,7bが有する受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出する。この演算部8による算出結果を示す信号は制御回路9に出力される。以下、演算部8による算出方法について説明する。
ここで、光学フィルタ10の透過率をt R1,t R2,t G1,t G2,t B1,t B2,t W1,t W2とする。また、光学フィルタ10bの透過率をt R1,t R2,t G1,t G2,t B1,t B2,t W1,t W2とする。
この場合、演算部8は、下式(6),(7)から、各波長を有するレーザ光源1の出力強度を算出する。
Figure 2018018879

Figure 2018018879
したがって、一方の光検出器7aで光学フィルタ10の透過率分光特性に依存した各色の出力強度を測定し、他方の光検出器7bで光学フィルタ10bの透過率分光特性に依存した各色の出力強度を測定することで、各レーザ光源1が色毎に2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する場合であっても、演算部8で各レーザ光源1の出力強度を算出できる。また、2枚の光学フィルタ10,10bがレーザ光源1以外の波長を反射又は吸収する透過率分光特性を有する場合、外光が光検出器7a,7bに入射されることを防ぐこともできる。
以上のように、この実施の形態4によれば、光学フィルタ10と異なる透過率分光特性を有し、光拡散素子6と他方の光検出器7bとの間に配置された光学フィルタ10bを備え、演算部8は、光学フィルタ10,10bが有する透過率分光特性、各光検出器7a,7bによる測定結果及び当該光検出器7a,7bが有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出するように構成したので、実施の形態1における効果に加え、各レーザ光源1が色毎に2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する場合であっても、各レーザ光源1の出力強度が算出できる。更に、光学フィルタ10,10bがレーザ光源1以外の波長を反射又は吸収する透過率分光特性を有する場合には、外光が光検出器7a,7bに入射されることを防ぐこともできる。更に、同色の2つの波長を有するレーザ光の出力差が小さい場合でも、2種類の光学フィルタ10,10bを設けることで、実施の形態2に対し、各波長を有するレーザ出力に更に大きな透過率差を与えることもできる。
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5に係る照明用レーザ装置の構成例を示す図である。この図10に示す実施の形態5に係る照明用レーザ装置では、図1に示す実施の形態1に係る照明用レーザ装置に対し、光学フィルタ10cを追加している。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
光学フィルタ10cは、透過率分光特性を有し、光拡散素子6と光検出器7との間に移動可能に構成されている。この光学フィルタ10cでは、光拡散素子6と光検出器7との間に位置する場合に、光拡散素子6により拡散された光の一部を光学フィルタ10cの透過率分光特性に従って透過させる。
すなわち、光学フィルタ10cは、光拡散素子6で拡散された光を透過させて光検出器7に入射する位置と、光拡散素子6で拡散された光を透過しない位置との間で稼働を行う。また、光学フィルタ10cは、光検出器7の検出タイミングに合わせて稼働する。
なお、実施の形態5における演算部8では、光学フィルタ10cが有する透過率分光特性、光検出器7による測定結果及び当該光検出器7が有する受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出する。この際、演算部8は、光学フィルタ10cが光拡散素子6と光検出器7との間に位置する場合での当該光検出器7による測定結果、及び当該光学フィルタ10cが当該光拡散素子6と当該光検出器7との間に位置しない場合での当該光検出器7による測定結果を用いる。以下、演算部8による算出方法について説明する。
ここで、光学フィルタ10cの透過率をt R1,t R2,t G1,t G2,t B1,t B2,t W1,t W2とする。また、光学フィルタ10cを透過した光に対する光検出器7におけるチャンネル毎の検出値をW ,W ,W ,W とする。
この場合、演算部8は、下式(8),(9)から、各レーザ光源1の出力強度を算出する。
Figure 2018018879

Figure 2018018879
したがって、1台の光検出器7で光学フィルタ10cを通過したレーザ光と通過していないレーザ光の強度を測定することで、各レーザ光源1が色毎に2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する場合であっても、演算部8はレーザ光源1の出力強度を算出できる。
以上のように、この実施の形態5によれば、透過率分光特性を有し、光拡散素子6と光検出器7との間に移動可能である光学フィルタ10cを備え、演算部8は、光学フィルタ10cが有する透過率分光特性、光検出器7による測定結果及び当該光検出器7が有する色毎の受光感度に基づいて、各レーザ光源1の出力強度を算出するように構成したので、実施の形態1における効果に加え、1台の光検出器7で、各レーザ光源1が色毎に2つ以下の波長を有するレーザ光を出力する場合であっても、各レーザ光源1の出力強度が算出できる。
最後に、図11を参照して、実施の形態1〜5における照明用レーザ装置のハードウェア構成例を説明する。
照明用レーザ装置における演算部8及び制御回路9の各機能は、処理回路51により実現される。処理回路51は、図11Aに示すように、専用のハードウェアであっても、図11Bに示すように、メモリ53に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)52であってもよい。
処理回路51が専用のハードウェアである場合、処理回路51は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(FieLD Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。演算部8及び制御回路9の各部の機能それぞれを処理回路51で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路51で実現してもよい。
処理回路51がCPU52の場合、演算部8及び制御回路9の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ53に格納される。処理回路51は、メモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、照明用レーザ装置は、処理回路51により実行されるときに、例えば図3に示した各ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ53を備える。また、これらのプログラムは、演算部8及び制御回路9の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ53とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
なお、演算部8及び制御回路9の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、演算部8については専用のハードウェアとしての処理回路51でその機能を実現し、制御回路9については処理回路51がメモリ53に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
このように、処理回路51は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 レーザ光源、2 駆動回路、3 集光用レンズ(光学素子)、4 光分離素子、5 導光部、6 光拡散素子、7,7a,7b 光検出器、8 演算部、9 制御回路、10,10b,10c 光学フィルタ、51 処理回路、52 CPU、53 メモリ。

Claims (11)

  1. 互いに異なる波長のレーザ光を出力する複数のレーザ光源と、
    前記レーザ光源毎に設けられ、対応する前記レーザ光源を駆動する駆動回路と、
    各々の前記レーザ光源により出力されたレーザ光を集光する光学素子と、
    前記光学素子により集光されたレーザ光の一部を反射して残りを透過する光分離素子と、
    前記光分離素子を透過したレーザ光を外部へ導光する導光部と、
    前記光分離素子により反射されたレーザ光を拡散する光拡散素子と、
    前記光拡散素子における出力面に対向配置され、入射されたレーザ光の強度を測定する光検出器と、
    前記光検出器による測定結果及び当該光検出器が有する色毎の受光感度に基づいて、各々の前記レーザ光源の出力強度を算出する演算部と、
    前記演算部による算出結果に基づいて、各々の前記駆動回路を制御する制御回路と
    を備えた照明用レーザ装置。
  2. 前記光検出器は単一である
    ことを特徴とする請求項1記載の照明用レーザ装置。
  3. 前記光検出器は、2台設けられ、互いに同一の受光感度を有し、
    透過率分光特性を有し、前記光拡散素子と一方の前記光検出器との間に配置された光学フィルタとを備え、
    前記演算部は、前記光学フィルタが有する透過率分光特性、各々の前記光検出器による測定結果及び当該光検出器が有する色毎の受光感度に基づいて、各々の前記レーザ光源の出力強度を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の照明用レーザ装置。
  4. 前記光検出器は、2台設けられ、互いに異なる受光感度を有し、
    前記演算部は、各々の前記光検出器による測定結果及び当該光検出器が有する色毎の受光感度に基づいて、各々の前記レーザ光源の出力強度を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の照明用レーザ装置。
  5. 前記光学フィルタと異なる透過率分光特性を有し、前記光拡散素子と他方の前記光検出器との間に配置された第2の光学フィルタを備え、
    前記演算部は、前記光学フィルタが有する透過率分光特性、前記第2の光学フィルタが有する透過率分光特性、各々の前記光検出器による測定結果及び当該光検出器が有する色毎の受光感度に基づいて、各々の前記レーザ光源の出力強度を算出する
    ことを特徴とする請求項3記載の照明用レーザ装置。
  6. 前記光検出器は単一であり、
    透過率分光特性を有し、前記光拡散素子と前記光検出器との間に移動可能である光学フィルタを備え、
    前記演算部は、前記光学フィルタが有する透過率分光特性、前記光検出器による測定結果及び当該光検出器が有する色毎の受光感度に基づいて、各々の前記レーザ光源の出力強度を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の照明用レーザ装置。
  7. 前記演算部は、前記光学フィルタが前記光拡散素子と前記光検出器との間に位置する場合での当該光検出器による測定結果、及び当該光学フィルタが当該光拡散素子と当該光検出器との間に位置しない場合での当該光検出器による測定結果を用いる
    ことを特徴とする請求項6記載の照明用レーザ装置。
  8. 前記レーザ光源は半導体レーザ又は固定レーザである
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の照明用レーザ装置。
  9. 前記光拡散素子は、入射された光を拡散させる拡散板である
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の照明用レーザ装置。
  10. 前記制御回路は、前記演算部により算出された各々の前記レーザ光源の出力強度が既定範囲内となるように当該レーザ光源の出力強度を調整する
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の照明用レーザ装置。
  11. 前記光学素子は、各々の前記レーザ光源により出力されたレーザ光を空間伝搬で集光する
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の照明用レーザ装置。
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