JP2018018836A - コンタクトの接触構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンタクトの接触構造を大型化させず、相手側コンタクトの挿抜ストロークを長くすることなく、活線接続するコンタクト間に発生するアーク放電を抑制するコンタクトの接触構造を提供する。【解決手段】 第2コンタクトの移動経路に、第1コンタクトの活線接触部と、第1コンタクトに基端接続部が電気接続する高抵抗体からなる補助接触体の補助接触部が、第2コンタクトに同時に接触可能な幅を隔てて前後方向の異なる位置で臨み、第2コンタクトが第1コンタクトから離反する際には、高抵抗体からなる補助接触体が第1コンタクトと第2コンタクト間に介在し、アーク放電が抑止される。【選択図】図3
Description
本発明は、それぞれ電気回路に活線接続する一対のコンタクト間のコンタクトの接触構造に関し、更に詳しくは、接離する一対のコンタクト間に高い電気エネルギーが発生するコンタクトの接触構造に関する。
高電圧、高電流の電力を送電する電力線などを活線接続する電気コネクタは、接続されている相手側コネクタを挿抜する際に、近接する一対のコンタクト間に高い電気エネルギーが蓄積され、その間でアーク放電が発生する。このようなアーク放電は、誘導性負荷に接続する一方のコネクタを、電力線に接続する他方のコネクタから引き抜く際に生じる誘導起電力によっても発生する。
アーク放電は、電気コネクタのコンタクトが溶損する等、劣化を早める原因となるので、従来から大別して2通りの方法で対策が講じられている。第1の方法は、特開2010−56055号公報(特許文献1)に開示されている方法で、一対のコンタクトの対向方向と直交方向に永久磁石などを配置して磁場をかけ、ローレンツ力によりアークの方向を偏向させてアーク放電によるコンタクトの損傷を防ぐものである。
また、第2の方法は、一対のコンタクト間に蓄積される電気エネルギー自体を低下させてアーク放電を発生させないようにする方法である。一対のコンタクト間に蓄えられる電気エネルギーは、一対のコンタクト間の電圧及び電流に比例するので、特開昭63−86281号公報(特許文献2)や実開平4−2467号公報(特許文献3)では、一対のコンタクトが分離する際のコンタクト間の電圧を低下させてアーク放電の発生を防止している。
すなわち、特許文献2に記載のコンタクトの接触構造100は、図8に示すように、コンタクト101と、コンタクト101より電気抵抗率ρが高い抵抗体102を、相手側コネクタのコンタクト103が移動する移動経路に沿って連設し、他方のコンタクト103が移動経路から引き出されて分離する際に、最も抵抗値が高くなる抵抗体102の先端102aでコンタクト103を分離させ、両者間の電圧をアーク放電に至らない電圧としてアーク放電の発生を防止している。
また、特許文献3に記載のコンタクトの接触構造110は、図9に示すように、コンタクト112の抵抗値を、相手側のコンタクト114が移動する移動経路に沿って離反方向(図中右方)に移動するほど増加させたもので、相手側のコンタクト114が完全に挿入された同図(a)に示す状態から、同図(b)に示すように、相手側のコンタクト114が移動経路から抜き出した際に、コンタクト114が近接するコンタクト112の先端112aの部分を最も高抵抗として、コンタクト112に大きな電位降下を生じさせ、その先端112aとコンタクト114間の電圧をアーク放電に至らない電圧としている。
特許文献1に示される第1の方法は、一対のコンタクトの対抗方向と直交する方向に永久磁石などを配置して磁場を発生させるので、その構造が複雑でコンタクトの接触構造が大型化するとともに、アーク放電自体の発生を防止するものではないので、アーク放電による電磁ノイズが負荷などの電子回路に悪影響を及ぼし、本質的な解決手段とはなっていない。
また、第2の方法の特許文献2や特許文献3に記載された従来のコンタクトの接触構造100、110は、コンタクト103、114が離反する位置でコンタクト103、114との電圧を低下させてアーク放電の発生を防止するものであるので、コンタクト101の先端側に高抵抗の抵抗体102を接続したり、コンタクト112から先端112a側に向かって徐々に高抵抗となる導電体を形成する必要があった。そのため、低接触抵抗でコンタクト103、114に接続するコンタクト101、112の先端側に余分な抵抗体を接続することにより全体が大型化するとともに、コンタクト103、114の挿抜方向のストロークが長くなるという問題がある。
特に抵抗体102を電気抵抗率ρが高い導電材料で形成したコンタクトの接触構造100においては、抵抗体102の先端102aまでの抵抗値がコンタクト101との接続位置からの距離に比例するので、先端102aでアーク放電を抑制する電圧まで低下させる抵抗値とするには、抵抗体102を充分に長い長さする必要があった。
そこで、本願出願人は、図10に示すように、抵抗体121を先端側のX方向に向かって横断面積が徐々に小さくなる円錐形として、抵抗体121のコンタクト123からのX方向の長さを短縮させたコンタクトの接触構造120を特許出願した(特願2015−126327号)。しかしながら、コンタクト123の先端側に抵抗体121を接続することによって、コンタクトの接触構造120が大型化するという問題を本質的に解決することはできず、また、電気抵抗率ρが高いフェライト等の導電材料で抵抗体121を形成すると、抵抗体102に摺動接触する相手側コンタクト122の接触面が摩耗して、コンタクト123との間に摩耗粉が介在して接触抵抗が増大するという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、コンタクトの接触構造を大型化させず、相手側コンタクトの挿抜ストロークを長くすることなく、アーク放電を抑制するコンタクトの接触構造を提供することを目的とする。
また、アーク放電を抑制するために、硬い導電材料で補助接触体を形成しても、低接触抵抗でコンタクト間を電気接続できるコンタクトの接触構造を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、請求項1に記載のコンタクトの接触構造は、前後方向に進退移動して第1コンタクト(3)に接離する第2コンタクト(2)の移動経路に、第1コンタクト(3)の活線接触部(31)と補助接触体(4)の補助接触部(41)が、第2コンタクト(2)に同時に接触可能な幅を隔てて前後方向の異なる位置で臨み、
第2コンタクト(2)は、前方への移動により補助接触部(41)に接触した後に活線接触部(31)に接触して第1コンタクト(3)と活線接続し、後方への移動により活線接触部(31)から離反した後に補助接触部(41)から離反するコンタクトの接触構造であって、
第1コンタクト(3)に対して電気抵抗率が高い導電材料で形成した補助接触体(4)は、活線接触部(31)より前方の基端接続部(42)で第1コンタクト(3)に常時電気接続し、
活線接触部(31)と補助接触部(41)とは、第2コンタクト(2)の同一面で前後方向に直交する左右方向の異なる位置に接触することで、第2コンタクト(2)に対して前後方向に相対移動する活線接触部(31)の第1接触移動軌跡(21)と補助接触部(41)の第2接触移動軌跡(22)とが重ならない前後の異なる位置で活線接触部(31)と補助接触部(41)を移動経路に臨ませ、
補助接触部(41)と基端接続部(42)との間の抵抗値が、第2コンタクト(2)と補助接触部(41)間のアーク放電が抑制される充分に高い抵抗値となった高抵抗体で補助接触体(4)を形成したことを特徴とする。
第2コンタクト(2)は、前方への移動により補助接触部(41)に接触した後に活線接触部(31)に接触して第1コンタクト(3)と活線接続し、後方への移動により活線接触部(31)から離反した後に補助接触部(41)から離反するコンタクトの接触構造であって、
第1コンタクト(3)に対して電気抵抗率が高い導電材料で形成した補助接触体(4)は、活線接触部(31)より前方の基端接続部(42)で第1コンタクト(3)に常時電気接続し、
活線接触部(31)と補助接触部(41)とは、第2コンタクト(2)の同一面で前後方向に直交する左右方向の異なる位置に接触することで、第2コンタクト(2)に対して前後方向に相対移動する活線接触部(31)の第1接触移動軌跡(21)と補助接触部(41)の第2接触移動軌跡(22)とが重ならない前後の異なる位置で活線接触部(31)と補助接触部(41)を移動経路に臨ませ、
補助接触部(41)と基端接続部(42)との間の抵抗値が、第2コンタクト(2)と補助接触部(41)間のアーク放電が抑制される充分に高い抵抗値となった高抵抗体で補助接触体(4)を形成したことを特徴とする。
第2コンタクトは、第1コンタクトの活線接触部に接触している間は、補助接触体の補助接触部へも接触し、第1コンタクトに対して補助接触部と前記基端接続部との間の補助接触体は並列に接続されるので、その間の抵抗値が、第2コンタクトと前記補助接触部間のアーク放電が抑制される程度の充分に高い抵抗値であっても、低接触抵抗で第1コンタクトと第2コンタクトが活線接続する。一方、第2コンタクトと第1コンタクトの活線接触部間が瞬断しても、高抵抗値の補助接触体が並列に接続されているので、瞬断した第2コンタクトと第1コンタクト間にアーク放電は発生しない。
第2コンタクトが第1コンタクトから離反する際に、第2コンタクトは、補助接触体の補助接触部のみに接触し、補助接触部と前記基端接続部との間の抵抗値が、第2コンタクトと前記補助接触部間のアーク放電が抑制される充分に高い抵抗値であるので、アーク放電が抑制される。
補助接触体を、第1コンタクトに対して電気抵抗率が高い導電材料で形成するので、補助接触部と前記基端接続部との間の抵抗値を、並列に接続される第1コンタクトの抵抗値より高い抵抗値とすることが容易であり、第1コンタクトから離反する瞬間の第2コンタクトとの間に蓄積されるアーク発生エネルギーを減少させることができる。
補助接触体を、第1コンタクトに対して電気抵抗率が高い導電材料で形成し、第2コンタクトの第2接触移動軌跡の領域が摩耗しても、第1コンタクトは、第2接触移動軌跡に重ならない第2コンタクトの第1接触移動軌跡に摺動接触するので、低接触抵抗で第1コンタクトと第2コンタクトが電気接続する。
第1コンタクトの活線接続部と補助接触体の補助接触部は、第2コンタクトの左右方向で異なる位置に接触するので、補助接触体を硬い導電材料で形成し、第2コンタクトの摺動接触面が摩耗しても第1コンタクトと第2コンタクトとの接触に影響しない。
請求項2に記載のコンタクトの接触構造は、補助接触体はフェライトで形成されていることを特徴とする。
フェライトは、電気抵抗率が高い導電材料であるので、補助接触部と基端接続部間の長さを短くしても、その間の抵抗値を、第2コンタクトと前記補助接触部間のアーク放電が抑制される充分に高い抵抗値とすることができる。
請求項3に記載のコンタクトの接触構造は、第2コンタクトの第1接触移動軌跡は、メッキで覆われることを特徴とする。
第1コンタクトは、メッキで覆われた第2コンタクトの第1接触移動軌跡の領域を摺動接触するので、高い信頼性で第2コンタクトと活線接続する。
請求項1の発明によれば、アーク放電を抑制する補助接触体の主要部分を、第1コンタクトに平行に配置できるので、第2コンタクトの進退移動方向に接触構造が大型化せず、第1コンタクトに接離するための第2コンタクトの移動ストロークが増加しない。
また、補助接触体を、第2コンタクトの進退移動方向に沿って第1コンタクトに接続する必要がないので、補助接触部と基端接続部との間の抵抗値を、第2コンタクトと補助接触部間のアーク放電が抑制される充分に高い抵抗値とした、任意の大きさや形状の抵抗体を補助接触体として用いることができる。
また、第2コンタクトの移動経路に沿って、電気抵抗率ρが高い導電材料で形成する補助接触体を第1コンタクトと平行に配置できるので、移動経路に沿った方向の長さを拡大せずに、補助接触部と前記基端接続部との間の抵抗値を、容易に高い抵抗値とすることができる。
また、電気抵抗率が高い導電材料で形成する補助接触体が第2コンタクトの摺動接触面を摩耗させても、第1コンタクトと第2コンタクトとの接触に影響がなく、低接触抵抗で第1コンタクトと第2コンタクトが電気接続する。
また、電気抵抗率が高い硬い導電材料で補助接触体を形成しても、第1コンタクトと第2コンタクトとの接触に影響がなく、低接触抵抗で第1コンタクトと第2コンタクトが電気接続する。
請求項2の発明によれば、第1接触移動軌跡をフェライトで形成される補助接触体が摺動することがないので、第1コンタクトの活線接触部が摺動接触する第1接触移動軌跡を覆うメッキがフェライトの摺動によって破壊されることがない。
以下、本発明の一実施の形態に係るコンタクトの接触構造1を、図1乃至図6を用いて説明する。コンタクトの接触構造1は、第2コンタクトである雄コンタクト2が第1コンタクトである雌コンタクト3に接離する構造であり、本明細書では、雄コンタクト2を雌コンタクト3に向かって移動させる接続方向を前方向と、雌コンタクト3との接触位置から離反して移動させる離反方向を後方向と、図1に図示する上下方向を上下方向、図示する紙面と直交する方向を左右方向として各部を説明する。
雄コンタクト2は、直流電源電力線の端末に接続する雄コネクタとなるプラグ20に、雌コンタクト3は、直流電源電力線10による電力の供給を受けて動作する負荷に接続する雌コネクタとなるソケット30にそれぞれ備えられ、プラグ20の雄コンタクト2をソケット30のプラグ挿入孔32へ挿入し、雄コンタクト2とプラグ挿入孔32に臨む雌コンタクト3とを活線接続することにより、例えば48V、2Aの96Wの電力が直流電源電力線10から負荷へ供給される。
プラグ20とソケット30には、それぞれ前後方向の軸周りの60度間隔で3本の雄コンタクト2と雌コンタクト3が配設されているが、本明細書では、図1と図2の縦断面に表れる1対の雄コンタクト2と雌コンタクト3の接触構造1について説明する。これらの図に示すように、プラグ20の絶縁ケース25には、燐青銅、黄銅等の銅合金の金属板をプレス加工して上下方向を板厚方向として平刃型に形成した雄コンタクト2が絶縁ケース25を後前方向に貫通して取り付けられている。
絶縁ケース25から後方に突出する雄コンタクト2の後端部は、図示しない直流電源電力線に接続し、また、前縁ケース25の凹嵌部25a内で前方に突出する前端部は、ソケット30のプラグ挿入孔32へ挿入し、平面2aと底面2bにそれぞれ後述する補助接触体4の補助接触部41と雌コンタクト3の活線接触部31が摺動接触するプラグ接触部24となっている。このうち、雌コンタクト3の活線接触部31が摺動接触するプラグ接触部24の底面2bは、活線接触部31と高い接触信頼性で接触するようにその全面が金メッキで覆われている。
プラグ接触部24の前後方向の長さは、少なくとも補助接触部41と活線接触部31間の前後方向の間隔より長く、これにより、雄コンタクト2が雌コンタクト3に接触している間は、常に補助接触体4の補助接触部41にも接触する。
ソケット30の絶縁ケース33には、図1、図2に示すように、燐青銅、黄銅等の銅合金の金属板をプレス加工して形成される雌コンタクト3が前後方向に沿って取り付けられる。雌コンタクト3は、ソケット30に挿抜するプラグ接触部24の移動経路に沿って、プラグ挿入孔32の前方の絶縁ケース33内に配置され、図6に示すように、後方が角筒状に形成された筒状本体34となって、プラグ挿入孔32に挿入されるプラグ接触部24を筒状本体34内の移動経路に沿って前後方向に案内している。筒状本体34の前方には、それぞれ円筒をU字状に開いた芯線圧着バレル36と被覆圧着バレル37が一体に形成されている。芯線圧着バレル36は、直流電源電力線10の芯線を加締めて雌コンタクト3と直流電力線10を電気接続し、被覆圧着バレル37は、直流電源電力線10の周囲の被覆をクランプして、雌コンタクト3と直流電力線10を機械的に固着する。
筒状本体34の底面部34aの前端には、筒状本体34内に向かって前方にU字状に折り返されたバネ片からなる接触片部35が連設され、図3に示すように、接触片部35の自由端側の上端部は、上方に緩やかに湾曲する活線接触部31となっている。活線接触部31は、底面部34aの前端で片持ち支持される接触片部35によって上方に付勢され、プラグが接続されない待機時は、筒状本体34内の平面部34bの内面に当接し、筒状本体34内にプラグ接触部24が挿入されると、その裏面2bに弾性接触する。
図5、図6に示すように、筒状本体34(平面部34b)の上面に沿って、雄コンタクト2と雌コンタクト3間のアーク放電を抑止するための補助接触体4が配置されている。補助接触体4は、雌コンタクト3の導電材料より電気抵抗率が極めて高いフェライトで前後方向を長手方向とする扁平板状に形成され、後端が下方に膨出する補助接触部41、前端が筒状本体34の前端の平面部34b上に配置される基端接続部42となっている。
基端接続部42は、帯状金属片からなるクリップ43の固定接続部43aを加締めて、上記筒状本体34の平面部34bの前端とともに挟持され、補助接触体4の前端の基端接続部42において、雌コンタクト3に固定されるとともに、雌コンタクト3に常時電気接続する。
クリップ43の固定接続部43aより後方のバネ片部43bは、補助接触体4の上面に当接し、基端接続部42を中心に補助接触体4を図1において反時計回りに付勢し、プラグ20が挿入されない待機時は、補助接触部41を活線接触部31の後方でプラグ接触部24の移動経路に臨ませている。
上述のように構成されたプラグ20の雄コンタクト2をソケット30のプラグ挿入孔32へ前方に挿入すると、始めに、雄コンタクト2のプラグ接触部24の表面2aに、補助接触体4の補助接触部41が摺動接触する。このとき、補助接触部41は、プラグ接触部24によって上方に押し上げられ、補助接触体4は、基端接続部42を中心に図1の時計回りで回動し、基端接続部42を除いて雌コンタクト3から離れる。その結果、直流電源電力線10と雄コンタクト2の間に、基端接続部42から補助接触部41の長さに比例する補助接触体4の高い抵抗値R2が直列に接続される。補助接触体4は、高い電気抵抗率のフェライトで形成されているので、補助接触部41と雄コンタクト2の間の電圧は、高い抵抗値R2が直列に接続されることによって大幅に低下し、その間にアーク放電が発生する程度のエネルギーが蓄積されない。
プラグ接触部24の移動経路に沿って、補助接触部41の前方に雌コンタクト3の活線接触部31が臨んでいるので、プラグ接触部24を更に前方へ挿入すると、プラグ接触部24の裏面2bに活線接触部31が弾性接触し、プラグ接触部24の移動に伴ってその裏面2bを摺動接触する。その結果、直流電源電力線10に接続する雌コンタクト3と雄コンタクト2とは、雌コンタクト3の微小な抵抗値R1を介して活線接続する。図4に示すように、プラグ接触部24が活線接触部31に接触している間、補助接触部41にも接触しているので、雌コンタクト3と雄コンタクト2間には、補助接触体4の高い抵抗値R2と雌コンタクト3の抵抗値R1が並列に接続されるが、抵抗値R1に対して補助接触体4の抵抗値R2は無視できるほど大きいので、雌コンタクト3と雄コンタクト2間の接続には影響しない。一方、ソケット30の振動などによって、プラグ接触部24の裏面2bと活線接触部31との間に瞬断が生じても、雌コンタクト3と雄コンタクト2との間に補助接触体4が接続されるているので、プラグ接触部24と活線接触部31間にアーク放電が発生しない。
活線接触部31との接続位置からプラグ接触部24を後方に移動させて、活線接触部31から離反させる際にも、プラグ接触部24と雌コンタクト3との間に補助接触体4の高い抵抗値R2が介在するので、その間にアーク放電を発生させるエネルギーは蓄積されにくい。更にプラグ接触部24を後方へ移動させて、補助接触部41から離反する際にも、補助接触部41と雄コンタクト2のプラグ接触部24の間の電圧は、高い抵抗値R2が直列に接続されることによって大幅に低下し、その間にアーク放電が発生する程度のエネルギーが蓄積されない。
本実施の形態では、電気抵抗率が高いフェライトで形成される補助接触体4を、プラグ接触部24の移動経路に平行な筒状本体34の長手方向に沿って配置するので、補助接触体4の基端接続部42から補助接触部41までの長さを、筒状本体34の長さにほぼ等しい長さとして、ソケット30を大形化することなく、補助接触体4の抵抗値R2をアーク放電を抑止するに十分な高抵抗値とすることができる。
また、硬いフェライトで形成される補助接触部41がプラグ接触部24の表面2aに摺動接触し、表面2aを摩耗させても、活線接触部31は、メッキで覆われたプラグ接触部24の裏面2bに摺動接触するので、雌コンタクト3と雄コンタクト2とは高い接触信頼性で接続し、また、活線接触部31とプラグ接触部24の接触面に形成されるメッキが補助接触部41で荒らされることがなく、低接触抵抗で接続する。
このように上述の実施の形態では、活線接触部31と補助接触部41がプラグ接触部24に接触する面を、雄コンタクト2の表裏面2a、2bに分けて、プラグ接触部24上の各摺動軌跡が重ならないようにしているが、活線接触部31と補助接触部41を雄コンタクト2の同一面に接触させてもよい。
図7は、活線接触部31と補助接触部41が雄コンタクト2の同一面に摺動接触する他の実施の形態に係るコンタクトの接触構造50を示し、図示する各部の構成は、第1の実施の形態と同一若しくは同様に作用するので、同一の番号を付している。この実施の形態では、活線接触部31と補助接触部41は、絶縁ケース33の左右方向の異なる位置の上方からプラグ接触部24の移動経路に臨み、従って図示するように、活線接触部31と補助接触部41は、それぞれプラグ接触部24の前後方向の相対移動に伴って、プラグ接触部24の表面2aの左右方向で異なる第1摺動移動軌跡21と第2摺動移動軌跡22に摺動接触する。その結果、補助接触部41が接触面を損傷させるような硬い材質で形成されるものであっても、活線接触部31とプラグ接触部24間の接触に影響しない。本実施の形態においても、活線接触部31とプラグ接触部24が摺動接触する第1摺動移動軌跡を金メッキなどの部分メッキで覆ってもよい。
尚、補助接触体4の補助接触部41が、活線接触部31と同様に接触面を荒らすような材質で形成されていなければ、第1摺動移動軌跡21と第2摺動移動軌跡22の一部若しくは全部が重なる移動経路に臨んでいてもよい。
上述の実施の形態では、補助接触体4を高い電気抵抗率のフェライトで形成しているが、基端接続部42と補助接触部41間の抵抗値が、アーク放電を抑止できる程度に補助接触部41の電位を低下させる抵抗値であれば、どのような高抵抗体を用いても良い。
また、基端接続部42を直接雌コンタクト3に接続しているが、雌コンタクト3に接続する常時接続する直流電力電源線若しくはその間に介在する他の導電体に対して接続するものであってもよい。
また、上記実施の形態は、直流電力を活線接続するプラグ20の雄コンタクト2とソケット30の雌コンタクト3の接触構造であるが、活線接続する一組のコンタクトは、プラグとソケットからなる電気コネクタ以外に、リレー、スイッチに用いられるコンタクトの接触構造にも適用できる。
アーク放電が発生する恐れのあるコンタクト間を活線接続するコンタクトの接触構造にに適している。
1 コンタクトの接触構造
2 雄コンタクト(第2コンタクト)
3 雌コンタクト(第1コンタクト)
31 活線接触部
4 補助接触体
41 補助接触部
42 基端接続部
43 クリップ
23 メッキ
2 雄コンタクト(第2コンタクト)
3 雌コンタクト(第1コンタクト)
31 活線接触部
4 補助接触体
41 補助接触部
42 基端接続部
43 クリップ
23 メッキ
Claims (3)
- 前後方向に進退移動して第1コンタクト(3)に接離する第2コンタクト(2)の移動経路に、第1コンタクト(3)の活線接触部(31)と補助接触体(4)の補助接触部(41)が、第2コンタクト(2)に同時に接触可能な幅を隔てて前後方向の異なる位置で臨み、
第2コンタクト(2)は、前方への移動により補助接触部(41)に接触した後に活線接触部(31)に接触して第1コンタクト(3)と活線接続し、後方への移動により活線接触部(31)から離反した後に補助接触部(41)から離反するコンタクトの接触構造であって、
第1コンタクト(3)に対して電気抵抗率が高い導電材料で形成した補助接触体(4)は、活線接触部(31)より前方の基端接続部(42)で第1コンタクト(3)に常時電気接続し、
活線接触部(31)と補助接触部(41)とは、第2コンタクト(2)の同一面で前後方向に直交する左右方向の異なる位置に接触することで、第2コンタクト(2)に対して前後方向に相対移動する活線接触部(31)の第1接触移動軌跡(21)と補助接触部(41)の第2接触移動軌跡(22)とが重ならない前後の異なる位置で活線接触部(31)と補助接触部(41)を移動経路に臨ませ、
補助接触部(41)と基端接続部(42)との間の抵抗値が、第2コンタクト(2)と補助接触部(41)間のアーク放電が抑制される充分に高い抵抗値となった高抵抗体で補助接触体(4)を形成したことを特徴とするコンタクトの接触構造。 - 補助接触体(4)はフェライトで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトの接触構造。
- 第2コンタクト(2)の第1接触移動軌跡(21)は、メッキで覆われることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトの接触構造。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113889801A (zh) * | 2021-09-26 | 2022-01-04 | 中航光电科技股份有限公司 | 一种磁吹灭弧连接器 |
DE202019005770U1 (de) | 2018-02-06 | 2022-01-12 | Sony Semiconductor Solutions Corporation | Pixelstruktur, Bildsensor, Bildaufnahmevorrichtung und Elektronikeinrichtung |
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2017
- 2017-11-01 JP JP2017212097A patent/JP2018018836A/ja active Pending
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