JP2018016600A - 2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール及び2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートの製造方法 - Google Patents

2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール及び2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クワコナカイガラムシの性フェロモン成分等である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)及びその中間体である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の工業的経済的製造方法を提供する。
【解決手段】2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)を、塩基存在下、転位反応させて2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を得る工程を少なくとも含む2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールの製造方法を提供する。また、得られた2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)をアセチル化して2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)を得る工程を少なくとも含む2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートの製造方法を提供する。
【化1】
Figure 2018016600

【選択図】なし

Description

本発明は、クワコナカイガラムシ(Comstock mealybug,学名:Pseudococcus comstocki)の性フェロモン成分である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート及びその中間体2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールに関するものである。
クワコナカイガラムシ(Comstock mealybug,学名:Pseudococcus comstocki)は、リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ等の多くの果樹を加害し、かつこの害虫の排泄物が植物病の原因となることから、収量及び品質の低下が大きな問題となっている。現状、クワコナカイガラムシの防除は殺虫剤を用いて行われているが、カイガラムシ類は虫体がロウ状物質に覆われているため、その効果は充分なものではない。また、殺虫剤使用による作物への残留や環境及び健康への影響から、昆虫の性フェロモン物質を用いた交信攪乱(Mating disruption)や大量誘殺(Mass trapping)等の新たな防除技術の開発が求められおり、このためには性フェロモン成分の工業的かつ経済的な製造方法の確立が必要とされている。
クワコナカイガラムシの性フェロモン成分は、森らにより光学活性な(+)−2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートであることが報告されている。(非特許文献1)。また、B.A.Bierl−Leonhardtらは、光学活性な(+)−2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートと光学異性体の等量混合物であるラセミ体(±)−2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートの間でクワコナカイガラムシの誘引活性に差がないことを報告している(非特許文献2)。従って、性フェロモン成分を利用した防除技術の確立には、経済的な防除の観点から、ラセミ体(±)−2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートの製造方法の確立が求められている。
これまで報告されている下記式(3)に示す2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート及び下記式(2)に示す2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールの製造方法としては、イソペンテニル=ブロマイドとメタクロレインを金属存在下で反応する製造方法(特許文献1)、2,6−ジメチル−2,5−ヘプタジエンをモノエポキシ化後、転位する製造方法(非特許文献2)、金属リチウム存在化イソブテニル=ブロミドと3,4−エポキシ−2−メチルブテンを反応する製造方法(非特許文献3)、イソプロピル=メチル=ケトンとメタクロレインより得られるケトアルコールをp−トルエンスルホニル=ヒドラジド及びナトリウム=シアノボロヒドリドを用い還元する製造方法(非特許文献4)、プレニル=フェニル=スルフィドをリチウム=1−(ジメチルアミノ)ナフタレニドと反応し、続いて塩化セリウム存在下メタクロレインと反応する製造方法(非特許文献5)が報告されている。
Figure 2018016600
特開昭55−157526号公報
K.Mori et.al.,Tetrahedron 37,15,2581(1981) B.A.Bierl−Leonhardt et.al.,J.Chem.Ecol.8,4,689(1982) R.I.Ishchenko et.al.,Chem.Nat.Cmpnd,25,1,118(1989) P.Baeckstrom et.al.,Synth.Commun.,20,10,1481(1990) D.W.McCullough et.al.,Tetrahedron,47,47,9727(1991)
しかし、これまで報告されている2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)及び2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造方法において、特許文献1に記載の製造方法は、2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の収率が5%程度と極めて低いという問題があり、非特許文献2に記載の製造方法は、製造工程中の中間体及び2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)の精製に高速液体クロマトグラフィーを用いるため、大量の目的物の合成には大きな困難を伴うという問題点があった。また、非特許文献3に記載の製造方法においては4−エポキシ−2−メチルブテン、非特許文献4記載の製造方法においてはp−トルエンスルホニル=ヒドラジド及びナトリウム=シアノボロヒドリド、非特許文献5記載の製造方法においてはリチウム=1−(ジメチルアミノ)ナフタレニド及び塩化セリウム等の高価で工業的に多量に入手することが困難な原料及び試薬を使用するという問題点があった。この様に従来の製造方法には多くの問題があり、工業的かつ経済的な大量製造は不可能であった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、従来技術の問題点を解決し、クワコナカイガラムシの性フェロモン成分等である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)及びその中間体である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の工業的経済的製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記課題を達成すべく誠意検討を重ねた結果、2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を良好な収率で製造できることを見いだした。また、得られた2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)のアルコール部分をアセチル化して、クワコナカイガラムシ性フェロモン成分である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)を良好な収率でアセテートへと変換することが可能であり、工業的かつ安価に製造できることを見いだし、本発明をなすに至ったものである。
本発明の一つの態様としては、下記式(1)で示される2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテルを、塩基存在下、転位反応させて2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を得る工程を少なくとも含む2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールの製造方法を提供する。
本発明の別の態様としては、2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)を、塩基存在下、転位反応させて2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を得る工程と、得られた2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)をアセチル化して2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)を得る工程とを少なくとも含む2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートの製造方法を提供する。
Figure 2018016600
本発明によれば、クワコナカイガラムシの性フェロモン成分である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)及びその中間体である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を効率よく、安価に、工業的に製造することが可能となる。
はじめに、出発原料である2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)は、公知の方法により製造することができる。
2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)の製造方法としては、2−メチル−3−ブテン−2−オールと2−メチル−2−プロペン−1−イル=ハライドを塩基存在下で反応する製造方法、2−メチル−2−プロペン−1−オールと2−メチル−3−ブテン−2−イル=ハライドとを塩基存在下で反応する製造方法、2−メチル−3−ブテン−2−オールと2−メチル−2−プロペン−1−イル=メタンスルホナート、2−メチル−2−プロペン−1−イル=ベンゼンスルホナート、2−メチル−2−プロペン−1−イル=p−トルエンスルホナート等のスルホン酸エステルを塩基存在下反応する製造方法、2−メチル−3−ブテン−2−オールと2−メチル−2−プロペン−1−オールを酸触媒存在下脱水反応する製造方法等が挙げられる。
具体的には、2−メチル−3−ブテン−2−オールを水素化ナトリウムと反応してナトリウムアルコキシドとし、続いて2−メチル−2−プロペン−1−イル=ハライドと反応する製造方法(S.Ghosh et.al.J.Org.Chem.,1987,52,83−90)が挙げられる。
次に、2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)を、塩基存在下、転位反応して2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を得る工程に関して説明する。
Figure 2018016600
一般にこの転位反応は、ジアリル=エーテルに塩基を作用し、α位またはα’位のアリルプロトンの引抜きによるアニオン種の生成、続く転位反応により進行し、二つのアリルプロトンの引抜きの位置や転位の形態により副生成物が得られる可能性がある。
本転位工程では、2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)から1工程で、かつ簡便に2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を製造することを特徴とし、アリルプロトンの引抜きの位置や転位の形態による副生成物が少なく、高選択性、高収率で2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を製造することができる。
この理由としては、2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)の構造的特徴が挙げられる。すなわち、2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)では、片側のアリル位が二つのメチル基で置換されている結果、アリルプロトンの引抜きがもう一方のアリル位に限定され、かつ二つのメチル基の立体的効果により所望の転位形態が進行しやすく、本転位工程が高選択的かつ高収率で進むことに寄与していると考えられる。
本転位反応は、塩基を作用させることにより進行し、必要に応じて冷却もしくは加熱しながら行うことができる。
転位反応における塩基は、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド及びカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド類、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム及びフェニルリチウム等の有機リチウム試薬や、メチルマグネシウムクロリド等のグリニャール試薬等を含む有機金属類、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド及びリチウムヘキサメチルジシラジド等のリチウムアミド類や、ナトリウムアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド及びナトリウムヘキサメチルジシラジド等のナトリウムアミド類を含む金属アミド類が挙げられる。これらの塩基は、単独もしくは複数の塩基を混合して使用することができる。これらの塩基のうち反応性及び転位反応の選択性の点から、リチウムt−ブトキシド、n−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドが好ましい。
転位反応における塩基の使用量は、2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)1.0モルに対して、1.0モルから2.0モルが好ましく、反応性及び収率の点から1.1モルから1.4モルがより好ましい。
転位反応における溶媒は、使用する塩基に悪影響を与えないものならば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられ、これら溶媒は単独もしくは複数混合して使用することができる。これら溶媒のうち反応性及び収率の点から、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテルが好ましい。また、反応に不活性なペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒を、更に添加し実施することができる。
転位反応における溶媒の使用量は、2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)1.0モルに対して、100gから3000gが好ましく、経済性及び反応性の点から400gから1500gがより好ましい。
転位反応における2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)へ塩基を滴下する際、もしくは塩基へ2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)を滴下する際の反応液の温度は、−78℃から80℃が好ましく、選択性及び収率の点から−40℃から30℃がより好ましく、−10℃から25℃が更に好ましく、−10℃から5℃が特に好ましい。
2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)への塩基の滴下後、もしくは塩基への2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)の滴下後の転位反応における反応温度は、−78℃から80℃が好ましく、選択性及び収率の点から−40℃から30℃がより好ましく、−10℃から25℃が更に好ましい。
次に、下記式(2)で示される2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールをアセチル化して下記式(3)で示される2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートを得る工程に関して説明する。
Figure 2018016600
アルコール化合物である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)をアセチル化し2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)を製造する工程は、特に限定されず、公知のアセチル化方法が適用できる。例えば、アルコール化合物とアセチル化剤との反応、アルコール化合物と酢酸との脱水反応、アルコール化合物と酢酸エステルとのエステル交換反応、アルコール化合物をアルキル化剤へ変換後に酢酸等によりアセトキシ化する反応等が挙げられる。
アセチル化反応におけるアセチル化剤は、酢酸クロリド、酢酸ブロミド、無水酢酸等が挙げられる。
アセチル化剤の使用量は、アルコール化合物1モルに対して、1.0モルから30.0モルが好ましく、経済性の点から1.0モルから5.0モルがより好ましい。
アルコール化合物とアセチル化剤との反応は、一般的に塩基もしくは触媒存在下で行うことができる。
アセチル化剤とのアセチル化反応における塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リチウム化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸塩が挙げられる。
アセチル化反応における塩基の使用量は、アルコール化合物1モルに対して、1.0モルから50.0モルが好ましく、経済性の点から1.0モルから10.0モルがより好ましい。
また、アセチル化剤として無水酢酸を用いる場合の触媒は、塩化水素酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸等の無機酸類、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、三塩化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、二塩化ジブチルスズ、四塩化チタン、チタン(IV)イソプロポキシド等のルイス酸類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸金属塩類が挙げられる。
アセチル化剤とのアセチル化反応における触媒の使用量は、アルコール化合物1モルに対して、0.001モルから1.0モルが好ましく、経済性の点から0.005モルから0.2モルがより好ましい。
アセチル化剤とのアセチル化反応における溶媒は、アルコール化合物、アセチル化剤、塩基もしくは触媒に悪影響を与えない溶媒を使用することができる。例えば、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒類、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは複数種を混合して使用することができ、アセチル化剤によっては、溶媒を使用せずに反応することができる。
アセチル化剤とのアセチル化反応における溶媒の使用量は、アルコール化合物1モルに対して、0.0gから2000.0gが好ましく、経済性の点から0.0gから500.0gがより好ましい。
アセチル化剤とのアセチル化反応における反応温度は、反応性及び収率の点から、−78℃から120℃が好ましく、−30℃から80℃がより好ましい。
アルコール化合物と酢酸の脱水反応は、一般に酸もしくはルイス酸触媒存在下で行うことができる。
脱水反応における触媒は、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸等の無機酸類、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類、三塩化アルミニウム、ジクロロアルミニウムエトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、亜鉛ジイソプロポキシド、亜鉛ジエトキシド、亜鉛ジメトキシド、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、二塩化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキシド、四塩化チタン、四臭化チタン、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド等のルイス酸類が挙げられる。これらの触媒は単独あるいは複数種使用することができる。
脱水反応における触媒使用量は、アルコール化合物1モルに対して0.001モルから1.0モルが好ましく、経済性及び反応性の点から0.05モルから0.1モルがより好ましい。
アルコール化合物と酢酸の脱水反応は、反応により副生する水を除去しながら行うことができる。例えば、常圧もしくは減圧下使用する反応溶媒と水を共沸し留去する方法、また反応系内へ無水硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブ、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤を添加する方法等が挙げられる。
脱水反応における溶媒は、使用する触媒に悪影響を与えない溶媒を選択することができ、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒類、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒類が挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは複数種を混合し使用することができる。
脱水反応における溶媒の使用量は、アルコール化合物1モルに対して、0.0gから2000.0gが好ましく、経済性の点から0.0gから500.0gがより好ましい。
アルコール化合物と酢酸の脱水反応における反応温度は、使用する触媒の種類により適宜選択できる。一般には、−30℃から200℃が好ましく、反応性及び収率の点から25℃から100℃がより好ましい。また、反応により副生する水を溶媒と共沸し留去する場合、反応温度は常圧もしくは減圧下における溶媒と水との共沸点以上で実施することが好ましい。
アルコール化合物と酢酸エステルのエステル交換反応は、一般に触媒存在下行い、反応中に酢酸エステルより副生するアルコールを常圧もしくは減圧下除去し反応を促進することができる。
エステル交換反応における酢酸エステルは、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸フェニル等の酢酸エステルを使用することができる。これら酢酸エステルのうち経済性、反応性及び酢酸エステルより副生するアルコール除去の容易さの点から酢酸メチル、酢酸エチルが好ましい。
エステル交換反応における酢酸エステルの使用量は、アルコール化合物1モルに対して1.0モルから30.0モルが好ましく、1.0モルから5.0モルがより好ましい。
エステル交換反応における触媒は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アンバーリスト15等の酸類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコール類のアルカリ金属塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸スズ、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム等のカルボン酸金属塩類、三塩化アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、亜鉛ジイソプロポキシド、亜鉛ジエトキシド、亜鉛ジメトキシド、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、二塩化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキシド、四塩化チタン、四臭化チタン、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド等のルイス酸類が挙げられる。
エステル交換反応における触媒の使用量は、アルコール化合物1モルに対して0.001モルから1.0モルが好ましく、0.005モルから0.05モルがより好ましい。
エステル交換反応における溶媒は、使用する触媒に悪影響を与えない溶媒を選択することができる。例えば、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒類、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒類が挙げられる。これらの溶媒は、単独もしくは複数種を混合し使用することができる。また、溶媒を用いずにアルコール化合物、酢酸エステル、触媒のみで実施することもできる。
エステル交換反応における溶媒の使用量としては、アルコール化合物1モルに対して、0.0gから2000.0gが好ましく、経済性の点から0.0gから500.0gがより好ましい。
エステル交換反応における反応温度は、酢酸エステル及び触媒の種類により適宜選択することができる。一般的には、0℃から200℃が好ましく、50℃から160℃がより好ましい。反応中に酢酸エステルより副生するアルコールを除去し反応を促進する場合、常圧または減圧下において除去するアルコールの沸点以上の反応温度で実施することが好ましい。
アルコール化合物をアルキル化剤へ変換後に酢酸等によりアセトキシ化する反応は、一般的に、アルコール化合物を対応するアルキル化剤、例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物、メタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル等のスルホン酸エステル等のアルキル化剤に変換後、得られたアルキル化剤を塩基存在下で酢酸と反応する。また、酢酸の代わりに入手可能な酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸金属塩を塩基を用いずに使用してもよい。
アルコール化合物をアルキル化剤へ変換する工程と、酢酸等によりアセトキシ化する工程は、アルコール化合物をアルキル化剤へ変換する工程の後、そのまま一段階の工程でアセトキシ化する工程を行ってもよい。また、アルコール化合物をアルキル化剤へ変換する反応を停止後、有機層の洗浄、溶媒除去及び必要に応じてアルキル化剤の精製を経て、酢酸等によりアセトキシ化する工程等を含んでもよい。
アルコール化合物を対応するアルキル化剤へと変換する反応は、アルコール化合物をハロゲン化剤を用いて塩化物、臭化物又はヨウ化物へ変換する反応やアルコール化合物をスルホニル化剤を用いてスルホン酸エステルへ変換する反応等が挙げられる。
ハロゲン化剤としては、例えば塩化水素酸、三塩化リン、塩化チオニル、四塩化炭素、メタンスルホニルクロリド、及びp−トルエンスルホニルクロリド等の塩素化剤、臭化水素酸、三臭化リン、臭化チオニル、及び四臭化炭素等の臭素化剤、ヨウ化水素酸、ヨウ化カリウム、及び三ヨウ化リン等のヨウ素化剤が挙げられる。
スルホニル化剤としては、例えばメタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド及びp−トルエンスルホニルクロリド等が挙げられる。
アルコール化合物をアルキル化剤へ変換する反応における、ハロゲン化剤もしくはスルホニル化剤の使用量は、アルコール化合物1モルに対して、1.0モルから50.0モルが好ましく、経済性の点から1.0モルから10.0モルがより好ましい。
アルコール化合物をアルキル化剤へ変換する反応における溶媒は、反応種に悪影響を与えない溶媒を選択することができる。例えば、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒類、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは複数種を混合し使用することができる。
アルコール化合物をアルキル化剤へ変換する反応における溶媒の使用量は、アルコール化合物1モルに対して、0.0gから2000.0gが好ましく、経済性の点から0.0gから500.0gがより好ましい。
アルコール化合物をアルキル化剤へ変換する反応における反応温度は、反応性及び収率の点から−30℃から250℃が好ましく、反応性及び収率の点から0℃から180℃がより好ましい。
得られたアルキル化剤のアセトキシ化反応における酢酸もしくは酢酸金属塩の使用量は、アルキル化剤1モルに対して、1.0モルから50.0モルが好ましく、経済性の点から1.0モルから10.0モルがより好ましい。
得られたアルキル化剤のアセトキシ化反応における塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジメチルアニリン等のアミン類、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リチウム化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物等が挙げられる。
得られたアルキル化剤のアセトキシ化反応における塩基の使用量は、アルキル化剤1モルに対して、1.0モルから50.0モルが好ましく、経済性の点から1.0モルから10.0モルがより好ましい。
得られたアルキル化剤のアセトキシ化反応における溶媒は、反応種に悪影響を与えない溶媒を選択することができる。例えば、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒類、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは複数種を混合し使用することができる。
得られたアルキル化剤のアセトキシ化反応における溶媒の使用量は、アルキル化剤1モルに対して、0.0gから2000.0gが好ましく、経済性の点から0.0gから500.0gがより好ましい。
得られたアルキル化剤のアセトキシ化反応における反応温度は、反応性及び収率の点から−30℃から250℃が好ましく、反応性及び収率の点から25℃から180℃がより好ましい。
以上のようにして、クワコナカイガラムシの性フェロモン成分である2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)及びその中間体2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)を、簡便で、かつ経済的な工業的製造を実施することが可能となる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
なお、以下において、「純度」は、特に明記しない限り、ガスクロマトグラフィー(GC)分析によって得られた面積百分率を示す。また、粗収率とは、精製を行わずに算出した収率をいう。
使用したGC条件は以下の通りである。
GC:島津製作所製キャピラリガスクロマトグラフGC−2010、カラム:0.25mm×0.25mmφ×30mサイズのDB−5固定層カラム、キャリアーガス:He(1.55mL/分)、検出器:FID、カラム温度:60℃にて3分間保持後10℃/分で250℃に昇温。
合成例1
2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)の製造1
撹拌機、コンデンサー及び温度計を取り付けた反応器内を、窒素により置換後、反応器へ水素化ナトリウム(55%鉱油分散物:52.4g:1.20モル)、1,2−ジメトキシエタン(250.0g)を添加し、反応液温度を35℃に加熱した。この反応液に、2−メチル−3−ブテン−2−オール(107.7g:1.25モル)を、反応液温度40℃から50℃にて3時間掛けて滴下し、その後反応液温度50℃にて2時間撹拌した。撹拌後、反応器へ2−メチル−2−プロペン−1−イル=ブロミド(135.0g:1.0モル)を、反応液内温50℃から55℃にて1時間掛け滴下し、その後に反応液温度50℃にて4時間撹拌した。反応液は、6.0重量%塩化アンモニウム水溶液(380.0g)により反応を停止し、水層を分液、有機層は3.0重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(175.0g)、続いて8.0重量%塩化ナトリウム水溶液(185.0g)により洗浄した。得られた有機層は減圧下で溶媒を除去後、蒸留精製して2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)(126.6g:0.90モル,収率90.3%,純度98.6%)が得られた。
合成例2
2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)の製造2
2−メチル−2−プロペン−1−イル=ブロミドの代わりに2−メチル−2−プロペン−1−イル=クロリド(90.6g:1.0モル)を用い、2−メチル−2−プロペン−1−イル=クロリド滴下後、反応液へヨウ化ナトリウム(7.4g:0.05モル)を添加した以外は、合成例1と同様に製造を行った。この結果、2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)(123.4g:0.88モル,収率88.3%,純度98.1%)が得られた。
実施例1
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造
撹拌機、コンデンサー及び温度計を取り付けた反応器内を、窒素により置換後、反応器へ2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテル(1)(140.2g:1.0モル)、テトラヒドロフラン(700.0g)を添加し、反応液温度を−10℃から−5℃に冷却した。冷却後、反応液にn−ブチルリチウム(2.6モル/Ln−ヘキサン溶液:461.5mL:1.20モル)を、反応液の温度を−5℃から0℃に保ち3時間掛けて滴下した。滴下後、反応液を−5℃から0℃にて1時間、20℃から25℃にて4時間撹拌した。
反応終了後、反応液は10.0重量%塩化アンモニウム水溶液(630.0g)により反応を停止し、n−ヘキサン(280.0g)により抽出後、水層を分液した。得られた有機層は6.0重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(750.0g)、続いて10.0重量%塩化ナトリウム水溶液(430.0g)により洗浄後、減圧下で溶媒及び低沸点不純物を除去し、目的とする2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(117.8g:0.84モル,粗収率84.4%,純度81.0%)が得られた。
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)のスペクトルデータ
核磁気共鳴スペクトルH−NMR(500MHz,CDCl):δ1.02(1H,d),1.64(3H,s),1.72(3H,d),1.73(3H,s),2.26(2H,dd),4.04(1H,t),4.84(1H,t),4.95(1H,t),5.11(1H,dt).
13C−NMR(126MHz,CDCl):δ17.95,17.97,25.87,34.11,75.19,110.78,119.71,135.10,147.04.
マススペクトル EI(70eV):m/z140(M),122(M−HO),107,107,91,79,70,55,41,27.
赤外線吸収スペクトル(ATR法):ν(cm−1)835,899,1025,1046,1109,1308,1376,1448,1650,2917,2970,3075,3373.
実施例2
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造
n−ブチルリチウムを、反応液の温度を−70℃から−65℃に保ち滴下した以外は、実施例1と同様に製造を行った。この結果、目的とする2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(106.6g:0.76モル,粗収率76.2%,純度78.0%)が得られた。
実施例3
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造
n−ブチルリチウムを、反応液の温度を−35℃から−30℃に保ち滴下した以外は、実施例1と同様に製造を行った。この結果、目的とする2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(119.2g:0.85モル,粗収率84.5%,純度83.0%)が得られた。
実施例4
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造
n−ブチルリチウムの使用量を403.8mL(1.05モル)とした以外は、実施例1と同様に製造を行った。この結果、目的とする2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(106.6g:0.76モル,粗収率75.7%,純度76.7%)が得られた。
実施例5
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造
n−ブチルリチウムの使用量を538.4mL(1.40モル)とした以外は、実施例1と同様に製造を行った。この結果、目的とする2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(122.0g:0.87モル,粗収率86.7%,純度81.7%)が得られた。
実施例6
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造
テトラヒドロフランの使用量を1400.0gとした以外は、実施例1と同様に製造を行った。この結果、目的とする2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(122.0g:0.87モル,粗収率86.7%,純度81.7%)が得られた。
実施例7
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造
テトラヒドロフランの使用量を420gとした以外は、実施例1と同様に製造を行った。この結果、目的とする2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(116.4g:0.83モル,粗収率82.7%,純度81.2%)が得られた。
実施例8
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)の製造
n−ブチルリチウムの代わりにリチウムジイソプロピルアミド(1.0モル/Ln−ヘキサンテトヒドロフラン溶液:1200.0mL:1.20モル)を使用した以外は、実施例1と同様に製造を行った。この結果、目的とする2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(115.0g:0.82モル,粗収率81.8%,純度81.8%)が得られた。
実施例9
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)の製造
撹拌機、コンデンサー及び温度計を取り付けた反応器内を、窒素により置換後、反応器へ2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(140.2g:1.0モル)、アセトニトリル(380.0g)、ピリジン(395.5g:5.0モル)を添加し、反応液温度を35℃に加熱した。この反応液に無水酢酸(204.2g;2.0モル)を反応液温度35℃から40℃にて2時間掛けて滴下し、滴下後反応液温度を50℃に昇温して撹拌した。
反応終了後、反応液に水(380g)を加えて反応を停止し、n−ヘキサン(350.0g)により抽出後、水層を分液した。得られた有機層は、20重量%塩化水素水(700.0g)、6.0重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(400.0g)、10.0重量%塩化ナトリウム水溶液(300.0g)で順次洗浄を行い、減圧下で溶媒を除去後、蒸留精製して2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)(165.9g:0.91モル,収率90.5%,純度97.9%)が得られた。
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)のスペクトルデータ
核磁気共鳴スペクトルH−NMR(500MHz,CDCl):δ1.60(3H,s),1.68(3H,s),1.72(3H,s),2.04(3H,s),2.32(2H,ddt),4.87(1H,t),4.93(1H,s),5.03(1H,t),5.14(1H,t).
13C−NMR(126MHz,CDCl):δ17.85,18.31,21.15,25.70,31.50,77.00,112.62,118.93,134.23,143.01,170.24.
マススペクトル EI(70eV):m/z182(M),122(M−CHCO2H),107,91,79,69,69,53,43.
赤外線吸収スペクトル(ATR法):ν(cm−1)845,903,937,1021,1111,1238,1371,1445,1653,1740,2919,2974.
実施例10
2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)の製造
撹拌機、コンデンサー及び温度計を取り付けた反応器内を、窒素により置換後、反応器へ2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オール(2)(140.2g:1.0モル)、トルエン(150.0g)、塩化亜鉛(2.2g:0.02モル)を添加し、反応液温度を45℃に加熱した。この反応液に無水酢酸(204.2g;2.0モル)を反応液温度45℃から60℃にて2時間掛け滴下し、滴下後に反応液温度60℃にて撹拌した。
反応終了後、反応液に水(200g)を加えて反応を停止し、水層を分液した。得られた有機層は、6.0重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(400.0g)、10.0重量%塩化ナトリウム水溶液(300.0g)で順次洗浄を行い、減圧下で溶媒を除去後、蒸留精製して2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテート(3)(165.9g:0.91モル,収率90.5%,純度95.8%)が得られた。

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 2018016600
    で示される2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテルを、塩基存在下、転位反応させて下記式(2)
    Figure 2018016600
    で示される2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールを得る工程を少なくとも含む2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールの製造方法。
  2. 前記塩基が、金属アルコキシド類、有機金属類及び金属アミド類からなる群から選ばれる請求項1に記載の2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールの製造方法。
  3. 下記式(1)
    Figure 2018016600
    で示される2−メチル−3−ブテン−2−イル=2−メチル−2−プロペニル=エーテルを、塩基存在下、転位反応させて下記式(2)
    Figure 2018016600
    で示される2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールを得る工程と、
    得られた2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−オールをアセチル化し下記式(3)
    Figure 2018016600
    (式中、Acはアセチル基を表す。)
    で示される2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートを得る工程を少なくとも含む2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートの製造方法。
  4. 前記塩基が、金属アルコキシド類、有機金属類及び金属アミド類からなる群から選ばれる請求項3に記載の2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン−3−イル=アセテートの製造方法。
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